JP2018538324A - 新規ピロロ[3,2−c]ピリジン−6−アミノ誘導体 - Google Patents

新規ピロロ[3,2−c]ピリジン−6−アミノ誘導体 Download PDF

Info

Publication number
JP2018538324A
JP2018538324A JP2018532247A JP2018532247A JP2018538324A JP 2018538324 A JP2018538324 A JP 2018538324A JP 2018532247 A JP2018532247 A JP 2018532247A JP 2018532247 A JP2018532247 A JP 2018532247A JP 2018538324 A JP2018538324 A JP 2018538324A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
pharmaceutically acceptable
methyl
solvate
acceptable salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018532247A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6862452B2 (ja
Inventor
ノー,セバスチャン・ガストン・アンドレ
ブラッグ,ジュリアン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cancer Research Technology Ltd
Original Assignee
Cancer Research Technology Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cancer Research Technology Ltd filed Critical Cancer Research Technology Ltd
Publication of JP2018538324A publication Critical patent/JP2018538324A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6862452B2 publication Critical patent/JP6862452B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D471/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00
    • C07D471/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D471/04Ortho-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

本発明は、単紡錘体(Monospindle)1(Mps1−TTKとしても公知である)キナーゼの紡錘体チェックポイント機能を阻害する、新規ピロロ[3,2−c]ピリジン−6−アミノ誘導体に関する。特に、本発明は、イソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレートおよびイソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレート、ならびにがん等の増殖性疾患の治療および/または予防用の治療剤としてのそれらの使用に関する。本発明は、これらの化合物の調製のためのプロセス、およびそれらを含む医薬組成物にも関する。

Description

本発明は、単極紡錘体1(Mps1、TTKとしても公知である)キナーゼ活性の阻害剤として機能する、ある特定の新規ピロロ[3,2−c]ピリジン−6−アミノ誘導体に関する。特に、本発明は、新規ピロロ[3,2−c]ピリジン−6−アミノ誘導体自体、増殖性疾患(例えば、がん等)の治療および/または予防におけるそれらの使用、これらの誘導体の調製のためのプロセス、ならびにこれらを含む医薬組成物に関する。
がんは、無制御かつ無調節な細胞増殖によって引き起こされる。正確には、細胞を悪性にし、無制御かつ無調節な様式で増殖させるものは、ここ数十年にわたって、集中的な研究の焦点とされてきている。この研究は、抗がん剤による、細胞周期を調節することを司るもの等の監視機構の標的化につながっている。
細胞周期の主な役割は、エラーのないDNA複製、染色体分離および細胞質分裂を可能とすることである。監視機構、いわゆるチェックポイント経路は、数段階で有糸分裂の通過をモニターする。最も特徴付けられているものの1つは、動原体の全体にわたって適正な張力と付着が実現されるまで後期開始を防止する、紡錘体形成チェックポイントである(HARDWICK KG、1998、「The spindle checkpoint」、Trends Genet 14、1〜4)。チェックポイントに関与するタンパク質の大半は、ごく少数のキナーゼの関与とのタンパク質結合相互作用を通してそれらの機能を発揮する(MUSACCHIO Aら、2007、「The spindle−assembly checkpoint n space and time」、Nature Reviews、Molecular and Cell Biology、8、379〜393)。3つのチェックポイントタンパク質(Mad2、BubR1/Mad3、Bub3)およびAPC/C補因子であるCDC20を含有する有糸分裂チェックポイント複合体(MCC)は、動原体において濃縮し、紡錘体チェックポイントエフェクターとして作用する。チェックポイントシグナルを増幅するために必要とされる他のコアタンパク質は、Mad1ならびにキナーゼBub1、Mps1(TTKとしても公知である)およびオーロラ−B(上記で参照したMUSACCHIO)を含む。
出芽酵母における遺伝学的スクリーニングにより同定された紡錘体形成チェックポイントシグナルの第一の成分の1つは、Mps1変異細胞によって生成された単極紡錘体を表し、Mps1(単極紡錘体1)と呼ばれた(WEISS E、1996、「The Saccharomyces cerevisiae spindle pole body duplication gene MPS1 is part of a mitotic checkpoint」、J Cell Biol 132、111〜123)。しかし、これは依然として高等真核生物において最も研究されていないチェックポイント成分の1つのままである。その後、Mps1遺伝子は、酵母からヒトへ保存された(MILLSら、1992、「Expression of TTK,a novel human protein kinase,is associated with cell proliferation」、J Biol Chem 267、16000〜16006)必須二重特異性キナーゼ(LAUZEら、1995、「Yeast spindle pole body duplication gene MPS1 encodes an essential dual specificity protein kinase」、EMBO J 14、1655〜1663およびPOCHら、1994、「RPK1,an essential yeast protein kinase involved in the regulation of the onset of mitosis,shows homology to mammalian dual−specificity kinases」、Mol Gen Genet 243、641〜653)をコードすることが示された。Mps1活性はG/M遷移に達し、ノコダゾールによる紡錘体チェックポイントの活性化時に増強される(STUCKEら、2002、「Human Mps1 kinase is required for the spindle assembly checkpoint but not for centrosome duplication」、EMBO J 21、1723〜1732およびLIUら、2003、「Human MPS1 kinase is required for mitotic arrest induced by the loss of CENP−E from kinetochores」、Mol Biol Cell 14、1638〜1651)。活性化ループ内のThr676におけるMps1の自己リン酸化が同定されており、これはMps1機能に必須である(MATTISONら、2007、「Mps1 activation loop autophosphorylation enhances kinase activity」、J Biol Chem 282、30553〜30561)。
紡錘体チェックポイント活性化におけるMps1の重要性を考慮すると、Mps1阻害剤の開発は、その細胞周期関連機能をさらに調査するためのツールとしてだけではなく、抗がん治療の形態としても価値あるものとなるであろう。Mps1の第一世代阻害剤について記述されている。酵母細胞において染色体の不分離および死を引き起こしたシンクレアジン(Cincreasin)(DORERら、2005、「A small−molecule inhibitor of Mps1 blocks the spindle−checkpoint response to a lack of tension on mitotic chromosomes」、Curr Biol 15、1070〜1076)およびJNK(c−junアミノ末端キナーゼ)阻害剤であるSP600125も、Mps1の阻害を介してJNK非依存的様式で紡錘体チェックポイント機能を妨害する(SCHMIDTら、2005、「Ablation of the spindle assembly checkpoint by a compound targeting Mps1」、EMBO Rep 6、866〜872)。最近、Mps1の3つの小分子阻害剤が同定された(KWIATOWSKIら、2010、「Small−molecule kinase inhibitors provide insight into Mps1 cell cycle function」、Nat Chem Biol 6、359〜368;HEWITTら、2010、「Sustained Mps1 activity is required in mitosis to recruit O−Mad2 to the Mad1−C−Mad2 core complex」、J Cell Biol 190、25〜34;およびSANTAGUIDAら、2010、「Dissecting the role of MPS1 in chromosome biorientation and the spindle checkpoint through the small molecule inhibitor reversine」、J Cell Biol 190、73〜87)。Mps1の化学的阻害は、ヒトがん細胞株に、早期有糸分裂停止、総異数性および死を誘導した(上記のKWIATOWSKI)。Mps1阻害剤AZ3146およびリバーシンは、動原体へのMad1、Mad2およびCENP−Eの動員を著しく損なった(上記のHEWITTおよびSANTAGUIDA)。
有糸分裂チェックポイントの調節異常は、悪性転換プロセスの特色として認識されている。腫瘍における有糸分裂チェックポイント機能不全は、小分子を使用する治療戦略を開発するための機会を提供する。これは、既に欠陥がある有糸分裂チェックポイントの薬理学的妨害が腫瘍を選択的に感作し得るという提案に基づく。この観察は、Mps1の阻害が治療上有益であり得るという仮説につながった。
国際公開第2012/123745号(Cancer Research Technology Limited)は、Mps1活性の阻害剤として機能する一連の化合物を記述している。国際公開第2012/123745号に記載の化合物は、いずれも以下に示す一般構造式を有している。
Figure 2018538324
基R、R、R、R、w、x、yおよびzは、いずれも国際公開第2012/123745号で定義されている。
国際公開第2012/123745号に記載の化合物は、強力なMps1阻害剤である。しかしながら、強力なMps1阻害剤であり、1つまたは複数の追加の有利な薬学的特性も保有する、さらなる化合物が依然として必要である。特に、Mps1活性の強力な阻害剤であるが、低い毒性;ヒト肝ミクロソームに対する良好な安定性、および良好なPKプロファイル(特に、低レベルのクリアランス)も保有する、化合物が必要である。
本発明に係る化合物は、上記を念頭に置いて考案したものである。
一態様において、本発明は、
イソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレート;または、イソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレート、
から選択される化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を提供する。
国際公開第2012/123745号は、以下の表1に示す特定の化合物を開示している。
Figure 2018538324
Figure 2018538324
国際公開第2012/123745号に記載の上記で同定された化合物と比較して、本発明に係る化合物は、
(i)本明細書において、実施例3として記載のMTT HCT116毒性アッセイにおける0.15マイクロモル以下のGI50値、
(ii)良好なミクロソーム安定性(本明細書にて実施例3として記載のヒト肝ミクロソームアッセイにおける30分間のインキュベーション後の化合物の30%未満の分解の値によって明らかな通り)、および
(iii)改善された薬物動態プロファイル(本明細書にて実施例3として記載のマウスPK研究における3.5mL/分/Kg未満のクリアランス値によって明らかな通り、特に低レベルのクリアランス)
を含む若干数の追加の有利な特性を驚くべきことに保有する、強力なMps1阻害剤である。
データは、本発明に係る化合物についてこれらの有利な特性を実証するために、本明細書で実施例3に提示されている。国際公開第2012/123745号からの上記で同定された化合物についての比較データも提供する。
別の一態様において、本発明は、本明細書にて定義される通りの化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物と、薬学的に許容される添加剤(例えば、薬学的に許容される賦形剤または担体)とを含む、医薬組成物を提供する。
別の一態様において、本発明は、増殖性状態の治療において使用するための、本明細書にて定義される通りの化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または本明細書にて定義される通りの医薬組成物を提供する。
別の一態様において、本発明は、がんの治療において使用するための、本明細書にて定義される通りの化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または本明細書にて定義される通りの医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、がんはヒトがんである。
別の一態様において、本発明は、Mps1キナーゼ阻害効果の生成において使用するための、本明細書にて定義される通りの化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または本明細書にて定義される通りの医薬組成物を提供する。
別の一態様において、本発明は、増殖性状態の治療において使用するための薬剤の製造における、本明細書にて定義される通りの化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
別の一態様において、本発明は、がんの治療において使用するための薬剤の製造における、本明細書にて定義される通りの化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。薬剤は、適切には、ヒトがんの治療において使用するためのものである。
別の一態様において、本発明は、Mps1キナーゼ阻害効果の生成において使用するための薬剤の製造における、本明細書にて定義される通りの化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
別の一態様において、本発明は、Mps1キナーゼをin vitroまたはin vivoで阻害する方法であって、細胞を、有効量の本明細書にて定義される通りの化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物と接触させるステップを含む方法を提供する。
別の一態様において、本発明は、細胞増殖をin vitroまたはin vivoで阻害する方法であって、細胞を、有効量の本明細書にて定義される通りの化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物と接触させるステップを含む方法を提供する。
別の一態様において、本発明は、そのような治療を必要とする患者において増殖性障害を治療する方法であって、前記患者に、治療有効量の化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または本明細書にて定義される通りの医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
別の一態様において、本発明は、そのような治療を必要とする患者においてがんを治療する方法であって、前記患者に、治療有効量の化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または本明細書にて定義される通りの医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
別の一態様において、本発明は、療法において使用するための、本明細書にて定義される通りの化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または医薬組成物を提供する。
本発明は、本明細書にて定義される通りの化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を合成する方法をさらに提供する。
別の一態様において、本発明は、本明細書にて定義される通りの合成の方法によって取得可能な、またはそれによって取得される、またはそれによって直接的に取得された、化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を提供する。
別の一態様において、本発明は、本明細書で提示されている合成法のいずれか1つにおいて使用するのに適切な、本明細書にて定義される通りの新規中間体を提供する。
本発明の任意の1つの特定の態様の好ましい、適切な、および任意選択的な特色は、任意の他の態様の好ましい、適切な、および任意選択的な特色でもある。
[定義]
別段の記載がない限り、本明細書および特許請求の範囲に記載の下記の用語は、以下に提示する意味を意図している。
「治療すること」または「治療」への言及は、状態の確立された症状の予防および軽減を含むことを理解されたい。状況、障害または状態の「治療すること」または「治療」は、(1)状況、障害または状態に罹患しているかもしれないまたはかかりやすいが、状況、障害または状態の臨床または亜臨床症状を未だ経験しても見せてもいないヒトにおいて発症している状況、障害または状態の臨床症状の出現を予防するまたは遅延させること、(2)状況、障害または状態を阻害すること、すなわち、疾患またはその再発の(維持治療の事例において)、または少なくとも1つのその臨床もしくは亜臨床症状の発症を阻止する、低減させるまたは遅延させること、あるいは(3)疾患を緩和するまたは和らげること、すなわち、状況、障害もしくは状態またはその臨床もしくは亜臨床症状の少なくとも1つの退行を引き起こすことを含む。
「治療有効量」は、ある疾患を治療するために哺乳動物に投与される場合、該疾患のそのような治療を達成するのに十分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに治療される哺乳動物の年齢、体重等に応じて変動することになる。
語句「本発明に係る化合物」は、本明細書にて一般的と具体的の両方として開示される化合物を意味する。
[本発明に係る化合物]
一態様において、本発明は、
イソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレート;または
イソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレート
の1つから選択される化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を提供する。
また、本発明に係る化合物は、下記の構造式I:
Figure 2018538324
[式中、xは、NまたはCHである]
によって表され得るか、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物とすることができる。
一実施形態では、xは、CHである、すなわち、化合物は、イソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレート、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物である。
別の実施形態では、xは、Nである、すなわち、化合物は、イソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレート、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物である。
本発明に係る化合物にて薬学的に許容される適切な塩は、例えば、本発明に係る化合物の酸付加塩、例えば、無機または有機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、クエン酸またはマレイン酸との例えば酸付加塩である。
本発明は、1つまたは複数の同位体置換を含む本明細書にて定義される通りの本発明に係る化合物も包含する。例えば、Hは、H、H(D)およびH(T)を含む任意選択的な同位体形態であってよく、Cは、12C、13Cおよび14Cを含む任意選択的な同位体形態であってよく、Oは、16Oおよび18Oを含む任意選択的な同位体形態でもよい。
本発明に係るある特定の化合物は、溶媒和および非溶媒和形態、例えば水和形態等で存在し得ることも理解されたい。本発明は、Mps1キナーゼ阻害活性を保有するすべてのそのような溶媒和形態を包含することを理解されたい。
本発明に係るある特定の化合物は多形を呈し得ること、および本発明はMps1キナーゼ阻害活性を保有するすべてのそのような形態を包含することも理解されたい。
アミン官能を含有する本発明に係る化合物は、N−オキシドも形成し得る。アミン官能を含有する式Iの化合物への本明細書での言及は、N−オキシドも含む。化合物が数種のアミン官能を含有する場合、1個または1個を超える窒素原子を酸化させてN−オキシドを形成することができる。N−オキシドの特定の例は、第三級アミンのN−オキシドまたは窒素含有複素環の窒素原子である。N−オキシドは、過酸化水素または過酸(例えば、ペルオキシカルボン酸)等の酸化剤による対応するアミンの処理によって形成することができ、例えば、Advanced Organic Chemistry、Jerry March著、第4版、Wiley Interscience、頁を参照されたい。より詳細には、N−オキシドは、アミン化合物をm−クロロ過安息香酸(MCPBA)と、例えばジクロロメタン等の不活性溶媒中で反応させる、L.W.Deady(Syn.Comm.1977、7、509〜514)の手順によって作製され得る。
本発明に係る化合物は、ヒトまたは動物の体内で分解されて本発明に係る化合物を放出するプロドラッグの形態で投与され得る。プロドラッグは、本発明に係る化合物の物理的特性および/または薬物動態特性を変更するために使用され得る。プロドラッグは、本発明に係る化合物が、特性修飾基を結合させることができる適切な基または置換基を含有する場合に形成され得る。
したがって、本発明は、有機合成によって利用可能になる場合およびそのプロドラッグの開裂によってヒトまたは動物の体内で利用可能になる場合、上記定義された通りの式Iの化合物を含む。このように、本発明は、有機合成手段によって生成される式Iの化合物、また、ヒトまたは動物の体内で前駆体化合物の代謝によって生成されるような化合物も含み、すなわち、式Iの化合物は、合成的に生成された化合物または代謝的に生成された化合物であってよい。
式Iの化合物の適切な薬学的に許容されるプロドラッグは、望ましくない薬理学的活性がなく、かつ必要以上の毒性がなく、ヒトまたは動物の体への投与に適切であるとする合理的な医学的判断に基づくものである。
例えば下記の文書において、種々の形態のプロドラッグが記述されている:
a)Methods in Enzymology、第42巻、309〜396頁、K.Widderら編(Academic Press、1985);
b)Design of Pro−drugs、H.Bundgaard編(Elsevier、1985);
c)A Textbook of Drug Design and Development、Krogsgaard−LarsenおよびH.Bundgaard編、第5章「Design and Application of Pro−drugs」、H.Bundgaard著、113〜191頁(1991);
d)H.Bundgaard、Advanced Drug Delivery Reviews、8、1〜38(1992);
e)H.Bundgaardら、Journal of Pharmaceutical Sciences、77、285(1988);
f)N.Kakeyaら、Chem.Pharm.Bull.、32、692(1984);
g)T.HiguchiおよびV.Stella、「Pro−Drugs as Novel Delivery Systems」、A.C.S.Symposium Series、第14巻;ならびに
h)E.Roche(編)、「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987。
式Iの化合物のin vivoでの効果は、一部には、式Iの化合物の投与後、ヒトまたは動物の体内で形成される1つまたは複数の代謝産物によって発揮され得る。以上で記載した通り、式Iの化合物のin vivoでの効果は、前駆体化合物(プロドラッグ)の代謝によっても発揮され得る。
式Iの化合物は、例えば、可溶性部分(例えば、PEGポリマー)、それらが固体支持体と結合することを可能にする部分(例えば、ビオチン含有部分等)、および標的化リガンド(抗体または抗体断片等)等の他の基と(任意の適切な位置で)共有結合していてもよいことも理解されるものとする。
[合成]
以下で記述する合成法の説明において、および出発(staring)材料を調製するために使用される参照合成法において、溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験の持続時間およびワークアップ手順を含むすべての提案される反応条件は、当業者によって選択され得ることを理解されたい。
分子の種々の部分上に存在する官能基は、利用される試薬および反応条件に適合しなくてはならないことが、有機合成の当業者には理解される。
必要な出発材料は、有機化学の標準的な手順によって取得することができる。そのような出発材料の調製を、下記の代表的なプロセス変形と併せておよび添付の実施例内に記述する。代替として、必要な出発材料は、有機化学者の通常の技量内である、例証されているものと類似する手順によって取得可能である。
以下で定義するプロセスにおける本発明に係る化合物の合成の間、またはある特定の出発材料の合成の間、それらの望まれない反応を防止するために、ある特定の置換基を保護することが望ましい場合があることが理解されよう。熟練した化学者であれば、そのような保護が必要とされること、およびそのような保護基をどのようにして導入し、後に除去することができるかを理解するであろう。
保護基の例については、該主題についての多くの一般的なテキストの1つ、例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis」Theodora Green著(発行元:John Wiley&Sons)を参照されたい。保護基は、文献に記述されている、または問題の保護基の除去に適しているとして熟練した化学者に公知である任意の好都合な方法によって除去することができ、そのような方法は、分子中の他の場所における基の異常を最小限にして、保護基の除去を達成するように選択される。
故に、反応物質が例えばアミノ、カルボキシまたはヒドロキシ等の基を含むのであれば、本明細書で述べられている反応のいくつかにおいて該基を保護することが望ましい場合がある。
アミノまたはアルキルアミノ基に適切な保護基は、例えば、アシル基、例えばアセチル等のアルカノイル基、アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルもしくはt−ブトキシカルボニル基、アリールメトキシカルボニル基、例えばベンジルオキシカルボニル、またはアロイル基、例えばベンゾイルである。上記の保護基のための脱保護条件は、保護基の選択により必然的に変動する。故に、例えば、アルカノイルもしくはアルコキシカルボニル基等のアシル基またはアロイル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えばリチウムまたは水酸化ナトリウム等の適切な塩基による加水分解によって除去され得る。代替として、tert−ブトキシカルボニル基等のアシル基は、例えば、塩酸、硫酸もしくはリン酸またはトリフルオロ酢酸のような適切な酸による処理によって除去され得、ベンジルオキシカルボニル基等のアリールメトキシカルボニル基は、例えば、パラジウム炭素等の触媒上での水素化によって、またはルイス酸、例えばBF.OEtによる処理によって除去され得る。第一級アミノ基に適切な代替的保護基は、例えば、アルキルアミン、例えばジメチルアミノプロピルアミンによる、またはヒドラジンによる処理によって除去され得るフタロイル基である。
ヒドロキシ基に適切な保護基は、例えば、アシル基、例えばアセチル等のアルカノイル基、アロイル基、例えばベンゾイル、またはアリールメチル基、例えばベンジルである。上記の保護基のための脱保護条件は、保護基の選択により必然的に変動する。故に、例えば、アルカノイルまたはアロイル基等のアシル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えばリチウム、水酸化ナトリウムまたはアンモニア等の適切な塩基による加水分解によって除去され得る。代替として、ベンジル基等のアリールメチル基は、例えば、パラジウム炭素等の触媒上での水素化によって除去され得る。
カルボキシ基に適切な保護基は、例えば、エステル化基、例えば、水酸化ナトリウム等の塩基による加水分解によって除去され得る例えばメチルもしくはエチル基、または、例えば、酸、例えばトリフルオロ酢酸等の有機酸による処理によって除去され得る例えばt−ブチル基、または、例えば、パラジウム炭素等の触媒上での水素化によって除去され得る例えばベンジル基である。
また、樹脂を保護基として使用してもよい。
特定の一態様において、本発明は、式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を合成する方法であって、
a)式Aの中間体:
Figure 2018538324
[式中、LGは、適切な脱離基である]
を、式Bの中間体:
Figure 2018538324
[式中、xは、NまたはCHである]
と反応させるステップと、
b)その後任意選択的に、かつ必要ならば、薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を形成するステップと
を含む方法を提供する。
LGは、任意の適切な脱離基であってよい。一実施形態では、LGは、ハロゲンまたは任意の他の適切な脱離基(例えば、トリフルオロメチルスルホネート等)である。さらなる実施形態では、LGは、クロロまたはブロモである。
任意の適切な溶媒または溶媒混合物を、この反応に使用することができる。当業者であれば、これらの反応において使用するための適切な溶媒または溶媒混合物をどのようにして選択するかを理解するであろう。適切な溶媒の例は、ジオキサンまたはDMAである。
当業者であれば、この反応を容易にするために使用する適正な反応条件を選択することもできるであろう。反応は、適切には、無水条件において、アルゴンまたは窒素等の不活性雰囲気の存在下で行われる。反応は、例えば40から120℃、またはより適切には60から100℃の範囲内等の昇温によって、例えば2時間から7日間、またはより適切には2から10時間の適切な期間にわたって行ってもよい。
反応は、適切には、適切な触媒、例えば、パラジウム由来の触媒(例えば、Pd(dba))の存在下で起こる。
カップリング反応は、適切には、有機リン化合物、適切には触媒に対して適切なリガンドとして機能する有機リン化合物の存在下で起こる。有機リン化合物は、適切には、キサントホス等のホスフィン誘導体であり得る。
カップリング反応は、適切には、塩基、例えば炭酸セシウム等の金属炭酸塩の存在下で起こる。
当技術分野において周知の技術を使用して、式Iの得られた化合物を単離および精製することができる。
本明細書に記載のプロセスは、式Iの化合物を、特に式Iの化合物が異なる塩形態の混合物として形成される状況での、塩交換に供するステップをさらに含み得る。塩交換は、適切には、式Iの化合物を適切な固体支持体または樹脂上に固定すること、および化合物を適正な酸で溶離して、式Iの化合物の単塩を生み出すことを含む。
式Aの化合物は、当技術分野において公知のプロセスによって、例えば、国際特許公開第国際公開第2012/123745号号で定義されているプロセスによって調製できる。
式Bの中間体は、当技術分野において公知のプロセスによって、適切には例を参照して本明細書に記載のプロセスによって調製することができる。
本発明のさらなる一態様において、本明細書にて定義される通りのプロセスによって取得可能な式Iの化合物が提供される。
本発明のさらなる一態様において、本明細書にて定義される通りのプロセスによって取得される式Iの化合物が提供される。
本発明のさらなる一態様において、本明細書にて定義される通りのプロセスによって直接的に取得された式Iの化合物が提供される。
[医薬組成物]
本発明のさらなる一態様において、以上で定義された通りの本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を、薬学的に許容される賦形剤または担体と会合して含む、医薬組成物が提供される。
本発明に係る組成物は、経口使用に(例えば錠剤、ロゼンジ剤、硬もしくは軟カプセル剤、水性もしくは油性懸濁剤、乳剤、分散性の散剤もしくは顆粒剤、シロップ剤またはエリキシル剤として)、局所使用に(例えばクリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、または水性もしくは油性液剤もしくは懸濁剤として)、吸入による投与に(例えば微粉化散剤または液体エアゾール剤として)、注入による投与に(例えば微粉化散剤として)、または非経口投与に(例えば静脈内、皮下、筋肉内、腹腔内もしくは筋肉内投薬用の滅菌水性もしくは油性液剤として、または経直腸投薬用の坐剤として)適切な形態であってよい。
本発明に係る組成物は、当技術分野において周知の、従来の医薬添加剤を使用する従来の手順によって取得することができる。よって、経口使用が意図されている組成物は、例えば、1つまたは複数の着色剤、甘味剤、香味剤および/または保存剤を含有できる。
増殖性疾患の療法において使用するための本発明に係る化合物の有効量は、温血動物、特にヒトにおいて感染症の症状を症候的に緩和するため、感染症の進行を減速させるため、または感染症の症状を持つ患者において悪化するリスクを低減させるために十分な量である。
単一剤形を生成するために1つまたは複数の添加剤と組み合わせられる活性成分の量は、治療されるホストおよび特定の投与ルートに応じて必然的に変動することになる。例えば、ヒトへの経口投与が意図されている製剤は、全組成の約5から約98重量パーセントまでで変動し得る適正かつ好都合な量の添加剤を配合した、例えば、0.5mgから0.5gまでの活性剤(より適切には、0.5から100mgまで、例えば1から30mgまで)を概して含有することになる。
式Iの化合物の治療的または予防的目的のための用量のサイズは、医学の周知の原理に従い、状態の性質および重症度、動物または患者の年齢および性別、ならびに投与ルートに従って自然に変動することになる。
治療的または予防的目的のために本発明に係る化合物を使用する際、化合物は、概して、分割用量で必要とされると仮定すると、例えば、体重1kgにつき0.1mgから75mgの範囲内の日用量が受けられるように投与されることになる。概して、非経口ルートが用いられる場合には、より低用量が投与されることになる。故に、例えば、静脈内または腹腔内投与では、例えば、体重1kgにつき0.1mgから30mgの範囲内の用量が概して使用されることになる。同様に、吸入による投与では、例えば、体重1kgにつき0.05mgから25mgの範囲内の用量が使用されることになる。特に錠剤形態での経口投与も適切となり得る。典型的には、単位剤形は、約0.5mgから0.5gの本発明に係る化合物を含有することになる。
[治療的使用および用途]
一態様において、本発明は、療法において使用するための、本明細書にて定義される通りの本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または医薬組成物を提供する。
本発明に係る化合物は、Mps1キナーゼ活性を阻害することができる。故に、別の態様では、本発明は、細胞においてMps1キナーゼ活性を阻害する方法であって、前記細胞に、本明細書にて定義される通りの本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を投与するステップを含む方法を提供する。
さらなる一態様において、本発明は、Mps1キナーゼをin vitroまたはin vivoで阻害する方法であって、細胞を、有効量の本明細書にて定義される通りの本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物と接触させるステップを含む方法を提供する。
別の一態様において、本発明は、そのような阻害を必要とするヒトまたは動物対象においてMps1キナーゼ活性を阻害する方法であって、前記対象に、有効量の本明細書にて定義される通りの本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を投与するステップを含む方法を提供する。
別の一態様において、本発明は、Mps1キナーゼ活性に関連する疾患または状態の治療において使用するための、本明細書にて定義される通りの本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を提供する。
別の一態様において、本発明は、Mps1キナーゼ活性に関連する疾患または状態の治療において使用するための薬剤の製造における、本明細書にて定義される通りの本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
また、別の一態様において、本発明は、ヒトまたは動物対象において増殖性障害を治療する方法であって、前記対象に、治療上許容される量の本明細書にて定義される通りの本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を投与するステップを含む方法を提供する。
また、別の一態様において、本発明は、増殖性障害の治療において使用するための、本明細書にて定義される通りの本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を提供する。
また、別の一態様において、本発明は、増殖性障害の治療において使用するための薬剤の製造における、本明細書にて定義される通りの本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
用語「増殖性障害」は、本明細書で使用され、in vitroまたはin vivoのいずれであるかにかかわらず、新生物または肥厚成長等、望まれない過剰または異常細胞の不要なまたは無制御な細胞増殖を指す。増殖性状態の例は、悪性新生物および腫瘍を含むがこれらに限定されない前悪性および悪性細胞増殖、がん、白血病、乾癬、骨疾患、線維増殖性障害(例えば結合組織の)、ならびにアテローム性動脈硬化症を含むがこれらに限定されない。肺、結腸、乳房、卵巣、前立腺、肝臓、膵臓、脳および皮膚を含むがこれらに限定されない任意の種類の細胞が治療され得る。
本発明に係る化合物の抗増殖効果は、それらのMps1キナーゼ阻害特性によるヒトがんの治療において特定の用途を有する。
抗がん効果は、細胞増殖の調節、血管新生(新たな血管の形成)の阻害、転移(その起源からの腫瘍の広がり)の阻害、浸潤(近隣の正常構造への腫瘍細胞の広がり)の阻害、またはアポトーシス(プログラム細胞死)の促進を含むがこれらに限定されない1つまたは複数の機構を経由して発生し得る。
したがって、別の一態様において、本発明は、がんの治療において使用するための、本明細書にて定義される通りの本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または医薬組成物を提供する。
また、別の一態様において、本発明は、がんの治療において使用するための薬剤の製造における、本明細書にて定義される通りの本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
また、別の一態様において、本発明は、そのような治療を必要とする患者においてがんを治療する方法であって、前記患者に、治療有効量の本明細書にて定義される通りの本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
本発明に係る化合物によって治療され得る特に適切ながんの例は、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん)、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、卵巣がん(例えば、高度漿液性卵巣がん(high serous ovarian cancer))、エイズ関連カポジ肉腫、大腸がん、膵臓がん、頭頸部がん、胃がん、および前立腺がん(例えば、転移性、アンドロゲン非依存性前立腺がん)を含む。特定の実施形態では、がんは、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん)、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)または卵巣がん(例えば、高度漿液性卵巣がん)から選択される。
特定の実施形態では、本発明に係る化合物は、乳がん、例えばトリプルネガティブ乳がんを治療するために、本明細書に記載の通りの別の抗腫瘍剤、例えば、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤(例えば、Abraxane(登録商標))またはドセタキセルと場合により組み合わせて使用される。
[投与ルート]
本発明に係る化合物、または活性化合物を含む医薬組成物は、全身的に/末梢にまたは局所的に、のいずれであるかにかかわらず(すなわち、所望の作用の部位に)、任意の好都合な投与ルートによって対象に投与され得る。
投与ルートは、経口(例えば、摂取による);口腔;舌下;経皮(例えば、パッチ剤、硬膏剤等によるものを含む);経粘膜(例えば、パッチ剤、硬膏剤等によるものを含む);鼻腔内(例えば、鼻腔用スプレーによるもの);眼内(例えば、点眼剤によるもの);経肺(例えば、エアゾール剤を介して、例えば、口または鼻を経由して使用する、例えば吸入または注入療法によるもの);経直腸(例えば、坐剤または浣腸剤によるもの);経膣(例えば、ペッサリーによるもの);非経口、例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内、くも膜下腔内、髄腔内、嚢内、被膜下、眼窩内、腹腔内、気管内、表皮下、関節内、くも膜下および胸骨内を含む注射によるもの;デポー剤またはレザバーの、例えば皮下または筋肉内への移植によるものを含むがこれらに限定されない。
[併用療法]
以上のような抗増殖治療は、単独療法として適用されてもよく、または本発明に係る化合物に加えて、従来の手術または放射線療法または化学療法も伴い得る。そのような化学療法は、下記のカテゴリーの抗腫瘍剤の1つまたは複数を含み得る:
(i)アルキル化剤(例えばシス−プラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、テモゾロミド(temozolamide)およびニトロソウレア);代謝拮抗物質(例えばゲムシタビン、ならびに5−フルオロウラシルおよびテガフールのようなフロロピリミジン系、ラルチトレキセド、メトトレキサート等の抗葉酸剤、シトシンアラビノシド、およびヒドロキシウレア);抗腫瘍抗生物質(例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシンおよびミトラマイシンのようなアントラサイクリン系);抗有糸分裂剤(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンのようなビンカアルカロイド系、ならびにパクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤(例えば、Abraxane(登録商標))またはドセタキセル、のようなタキソイド系、ならびにポロキナーゼ阻害剤);ならびにトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエトポシドおよびテニポシドのようなエピポドフィロトキシン系、アムサクリン、トポテカンならびにカンプトセシン)等、内科的腫瘍学において使用される通りの他の抗増殖/抗新生物薬およびそれらの組合せ;
(ii)抗エストロゲン剤(antioestrogen)(例えばタモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンおよびイドキシフェン)、抗アンドロゲン剤(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミドおよび酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、リュープロレリンおよびブセレリン)、プロゲストゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボラゾールおよびエキセメスタン)ならびにフィナステライド等の5α−レダクターゼの阻害剤等、細胞増殖抑制剤;
(iii)抗浸潤剤[例えば、4−(6−クロロ−2,3−メチレンジオキシアニリノ)−7−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]−5−テトラヒドロピラン−4−イルオキシキナゾリン(AZD0530;国際公開第01/94341号)、N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−{6−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ}チアゾール−5−カルボキサミドのようなc−Srcキナーゼファミリー阻害剤(ダサチニブ、BMS−354825;J.Med.Chem.、2004、47、6658〜6661)およびボスチニブ(SKI−606)、ならびにマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤、ヘパラナーゼに対するウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子受容体機能または抗体の阻害剤];
(iv)成長因子機能の阻害剤:例えば、そのような阻害剤は、成長因子抗体および成長因子受容体抗体(例えば抗erbB2抗体トラスツズマブ[Herceptin(商標)]、抗EGFR抗体パニツムマブ、抗erbB1抗体セツキシマブ[エルビタックス、C225]およびSternら、Critical reviews in oncology/haematology、2005、第54巻、11〜29頁によって開示されている任意の成長因子または成長因子受容体抗体)を含み;そのような阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば上皮成長因子ファミリーの阻害剤(例えば、N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、ZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)および6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)−キナゾリン−4−アミン(CI 1033)等のEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、ラパチニブ等のerbB2チロシンキナーゼ阻害剤);肝細胞成長因子ファミリーの阻害剤;インスリン成長因子ファミリーの阻害剤;イマチニブおよび/またはニロチニブ(AMN107)等の血小板由来の成長因子ファミリーの阻害剤;セリン/トレオニンキナーゼの阻害剤(例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばソラフェニブ(BAY43−9006)、チピファルニブ(R115777)およびロナファルニブ(SCH66336)等のRas/Rafシグナリング阻害剤)、MEKおよび/またはAKTキナーゼを経由する細胞シグナリングの阻害剤、c−kit阻害剤、ablキナーゼ阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、Plt3キナーゼ阻害剤、CSF−1Rキナーゼ阻害剤、IGF受容体(インスリン様成長因子)キナーゼ阻害剤;オーロラキナーゼ阻害剤(例えばAZD1152、PH739358、VX−680、MLN8054、R763、MP235、MP529、VX−528およびAX39459)ならびにCDK2および/またはCDK4阻害剤等のサイクリン依存性キナーゼ阻害剤も含む;
(v)血管内皮成長因子の効果を阻害するもの等の抗血管新生剤[例えば、抗血管内皮細胞成長因子抗体ベバシズマブ(Avastin(商標))、ならびに例えばバンデタニブ(ZD6474)、バタラニブ(PTK787)、スニチニブ(SU11248)、アクシチニブ(AG−013736)、パゾパニブ(GW786034)および4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)キナゾリン(AZD2171;国際公開第00/42712号内の実施例240)等のVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、国際公開第97/22596号、国際公開第97/30035号、国際公開第97/32856号および国際公開第98/13354号で開示されているもの等の化合物、ならびに他の機構によって働く化合物(例えばリノミド、インテグリンαvβ3機能の阻害剤、およびアンギオスタチン)];
(vi)コンブレタスタチンA4、ならびに国際公開第99/02166号、国際公開第00/40529号、国際公開第00/41669号、国際公開第01/92224号、国際公開第02/04434号および国際公開第02/08213号で開示されている化合物等の血管損傷剤;
(vii)エンドセリン受容体アンタゴニスト、例えばジボテンタン(ZD4054)またはアトラセンタン;
(viii)アンチセンス療法、例えばISIS2503、抗rasアンチセンス等、上記に掲載されている標的に向けられるもの;
(ix)例えば、異常なp53または異常なBRCA1もしくはBRCA2等の異常な遺伝子を置き換えるためのアプローチ、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌のニトロレダクターゼ酵素を使用するもの等のGDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法)アプローチ、および多剤耐性遺伝子療法等の化学療法または放射線療法に対する患者の耐容性を増大させるためのアプローチを含む遺伝子療法アプローチ;ならびに
(x)例えば、PDL−1およびCTLA−4等の免疫チェックポイントブロッカー;インターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子等のサイトカインのトランスフェクション等、患者の腫瘍細胞の免疫原性を増大させるためのex−vivoおよびin−vivoアプローチ;T細胞アネルギーを減少させるためのアプローチ、サイトカインをトランスフェクトした樹枝状細胞等のトランスフェクトした免疫細胞を使用するアプローチ、サイトカインをトランスフェクトした腫瘍細胞株を使用するアプローチ、および抗イディオタイプ抗体を使用するアプローチ;ならびにOX40および4−1BBアゴニスト等のT細胞共刺激アプローチを含む、免疫療法アプローチ。
このような共同治療は、治療の個々の成分の同時、順次または別個投薬によって実現され得る。そのような併用生成物は、本発明に係る化合物を以上で記述した投薬量範囲内で、および他の薬学的活性剤をその承認された投薬量範囲内で用いる。
本発明のこの態様によれば、以上で定義された通りの本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、および別の抗腫瘍剤を含む、がん(例えば固形腫瘍を伴うがん)の治療において使用するのに適切な組合せが提供される。
本発明のこの態様によれば、以上で定義された通りの本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、および上記に(i)〜(ix)という名目で掲載されている抗腫瘍剤のいずれか1つを含む、がん(例えば固形腫瘍を伴うがん)の治療において使用するのに適切な組合せが提供される。
本発明のさらなる一態様において、本発明に係る化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物が、本明細書にて上記(i)〜(ix)という名目で掲載されているものから選択される抗腫瘍剤と組み合わせて提供される。
本明細書で、用語「組合せ」が使用される場合、これは、同時、別個または順次投与を指すことを理解されたい。本発明の一態様では、「組合せ」は同時投与を指す。本発明の別の態様では、「組合せ」は別個投与を指す。本発明のさらなる態様では、「組合せ」は順次投与を指す。投与が順次または別個である場合、第二の成分の投与における遅延は、併用の有益な効果を喪失するようなものであってはならない。
本発明のさらなる一態様において、本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を、本明細書にて上記段落(i)〜(ix)という名目で掲載されている1つまたは複数のものから選択される抗腫瘍剤と組み合わせ、薬学的に許容される賦形剤または担体と会合して含む、医薬組成物が提供される。
さらなる一態様において、本発明は、がんの治療において使用するための、本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を提供し、ここで、本発明に係る化合物は、本明細書で上記に(i)〜(ix)という名目で掲載されているものの1つまたは複数から場合により選択される、別の抗腫瘍剤と組み合わせて投与される。がんは、適切には、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん)、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、卵巣がん(例えば、高度漿液性卵巣がん)、エイズ関連カポジ肉腫、大腸がん、膵臓がん、頭頸部がん、胃がん、および前立腺がん(例えば、転移性、アンドロゲン非依存性前立腺がん)から選択される。
特定の一態様において、本発明は、がんの治療において使用するための、本発明に係る化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を提供する。ここで、化合物は、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤(例えば、Abraxane(登録商標))またはドセタキセルと組み合わせて投与される。がんは、適切には、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん)、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、卵巣がん(例えば、高度漿液性卵巣がん)、エイズ関連カポジ肉腫、大腸がん、膵臓がん、頭頸部がん、胃がん、および前立腺がん(例えば、転移性、アンドロゲン非依存性前立腺がん)から選択される。
<一般的実験>
市販の出発材料、試薬および乾燥溶媒は、供給されたまま使用した。
フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Merckシリカゲル60(0.025〜0.04mm)を使用して実施した。カラムクロマトグラフィーは、アイソルートフラッシュシリカカラムを使用するフラッシュマスターパーソナルユニット、またはMerckもしくはBiotageフラッシュシリカカートリッジを使用するBiotage SP1精製システムでも実施した。
分取TLCは、AnaltechまたはMerckプレートで実施した。イオン交換クロマトグラフィーは、酸性アイソルートフラッシュSCX−IIカラム、アイソルートSi−カーボネートカラムまたは塩基性アイソルートフラッシュNHカラムを使用して実施した。分取HPLCは、Gilson GX−281リキッドハンドラーシステムをGilson 322 HPLCポンプ(Gilson、Middleton、USA)と組み合わせて使用するPhenomenexルナカラム(5μm、250×21.2mm、C18、Phenomenex、Torrance、USA)を使用して、15分間にわたって10:90から100:0 メタノール:水(いずれも0.1%ギ酸で調節したもの)の勾配溶離(Grad15mins20mls.m)にて20mL/分の流速で、または、15分間にわたって40:60から100:0 メタノール:水(いずれも0.1%ギ酸で調節したもの)の勾配溶離(Grad15mins20ml.m)にて20mL/分の流速で行った。
UV−Visスペクトルは、Gilson 156 UV−Vis検出器(Gilson、Middleton、USA)で、254nmにて獲得した。収集はUVシグナルによってトリガーされ、Gilson GX−281リキッドハンドラーシステム(Gilson、Middleton、USA)を使用して収集した。Gilsonトリリューションソフトウェアを使用して、生データを加工した。H NMRスペクトルをBrukerアバンス−500で記録した。試料を、重水素化溶媒中溶液として調製し、適正な内部非重水素化溶媒ピークまたはテトラメチルシランを参照した。化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場のppm(δ)で記録した。
LC/MSおよびHRMS分析は、Agilent 1200シリーズHPLC、およびデュアルマルチモードAPCI/ESI源を備える6210飛行時間型質量分析計と連結されたダイオードアレイ検出器で実施した。分析分離は、30℃で、MerckクロモリススピードRODカラム(RP−18e、50×4.6mm)で、2mL/分の流速を使用し、4分間の勾配溶離にて、254nmにおける検出、または、MerckピュロスファーSTARカラム(RP−18e、30×4mm)で、1.5mL/分の流速を使用し、4分間の勾配溶離にて、254nmにおける検出のいずれかで行った。移動相は、いずれも0.1%のギ酸を含有するメタノール(溶媒A)および水(溶媒B)の混合物であった。勾配溶離は、2.5分間にわたって1:9(A/B)から9:1(A/B)、1分間9:1(A/B)、次いで0.3分間にわたって1:9(A/B)への復帰、最後に0.2分間1:9(A/B)のいずれかであった(デフォルト方法を、実験におけるESI−HRMS方法Bとも称する)。カフェイン[M+H]195.087652;(ヘキサキス(1H,1H,3H−テトラフルオロペントキシ)ホスファゼン[M+H]922.009798)およびヘキサキス(2,2−ジフルオロエトキシ)ホスファゼン[M+H]622.02896またはレセルピン[M+H]609.280657の参照質量をHRMS分析に使用した。LC/MS分析はまた、Watersアライアンス2795分離モジュール、およびESI源を備えるWaters/マイクロマスLCt飛行時間形質量分析計と連結されたWaters 2487二波長吸光度検出器で実施した。
[実施例1]
<イソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレートの合成>
<5−(3−メトキシ−4−ニトロフェニル)−1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾールの合成>
Figure 2018538324
1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール(41mg、0.495mmol)をTHF(4.9mL)に溶解し、−78℃に冷却した。ヘキサン中のn−ブチルリチウム溶液(240μL、0.594mmol)を滴下添加し、溶液をさらに5分間攪拌した後、塩化亜鉛(II)(3.0mL、1.485mmol)を添加した。−78℃にて30分後、反応混合物をDMF(2.0mL)で希釈し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg、0.025mmol)およびDMF(500μL)中の4−ブロモ−2−メトキシ−1−ニトロベンゼン(115mg、0.495mmol)の溶液を添加した。溶液を80℃で2.5時間攪拌した。混合物を室温に冷却した後、水およびEtOAcを添加し、相を分離した。有機相を、水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を真空で除去した。残留物を、DCM/EtOAc(99/1から90/10、10gカラム)で溶離するBiotageシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題の生成物(title product)を、淡黄色固体(82mg、70.7%)として生じさせた。1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.04 (s, 3H), 4.14 (s, 3H), 7.10-7.13 (m, 2H), 7.82 (s, 1H), 7.98-8.01 (m, 1H); LC (方法B)-MS (ESI, m/z) tR 1.97分, 235 [(M+H+), 100%].
<2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)アニリンの合成>
Figure 2018538324
10%Pd炭素(8mg、0.333mmol)を、DMF(3.3μL)中の5−(3−メトキシ−4−ニトロフェニル)−1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール(78mg、0.333mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、水素雰囲気下、25℃で8時間攪拌した。8mgのPd/Cを添加し、反応混合物を終夜攪拌した。8mgのPd/Cを添加し、混合物を3日間攪拌した。次いで、反応混合物をSCX−2カラム上で濾過し、減圧下で濃縮して、表題の生成物を、白色固体(25mg、36.8%)として生じさせた。1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 3.90 (s, 3H), 4.05 (s, 5H), 6.78-6.80 (m, 2H), 6.84 (dd, J = 8.0, 1.8 Hz, 1H), 7.65 (s, 1H); LC (方法B)-MS (ESI, m/z) tR 1.39分, 205 [(M+H+), 100%].
<イソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレートの合成>
Figure 2018538324
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(5.7mg、6.23μmol)を、DMA(1.4mL)中の、イソプロピル6−ブロモ−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレート(45.3mg、0.125mmol;国際公開第2012/123745号に記載の通りに調製したもの)、炭酸セシウム(81mg、0.249mmol)、2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)アニリン(28mg、0.137mmol)およびキサントホス(7.2mg、0.012mmol)の混合物に添加した。反応混合物を、70℃で2時間加熱した。次いで、これをSCX−2カラム上で濾過し、真空下で濃縮した。残留物を、Biotageカラムクロマトグラフィー(EtOAc中0から1%MeOH/NH水溶液(10/1)、12gカラム)によって、次いで分取TLC(DCM中5%MeOH/NH水溶液(10/1))によって精製して、表題の生成物を白色固体(13mg、21%)として生じさせた。1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 1.34 (d, J= 6.3 Hz, 6H), 3.98 (s, 3H), 3.98 (s, 3H), 4.11 (s, 3H), 5.20 (七重線, J= 6.3 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.02 (dd, J = 8.3, 1.9 Hz, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.75 (t, J = 0.9 Hz, 1H), 8.25 (d, J= 8.3 Hz, 1H), 8.52 (d, J = 0.9 Hz, 1H); 13C NMR (126 MHz, CDCl3): δ 21.8, 35.5, 39.1, 56.0, 72.1, 96.4, 108.1, 110.3, 114.1, 115.8, 118.2, 121.0, 121.4, 130.2, 132.1, 132.5, 132.6, 138.4, 140.0, 140.5, 144.0, 147.9, 150.9, 151.4; ESI-HRMS (方法B) 実測値487.2194, C25H27N8O3(M+H+)の計算値: 487.2201.
[実施例2]
<イソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレートの合成>
<3−メトキシ−N−メチル−4−ニトロベンズアミドの合成>
Figure 2018538324
HATU(0.501g、1.319mmol)を、THF(2.7mL)中の、3−メトキシ−4−ニトロ安息香酸(0.2g、1.014mmol)、DIPEA(0.265mL、1.522mmol)およびTHF中2Mメチルアミン溶液(1.0mL、2.029mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で終夜攪拌した。次いで、これを減圧下で濃縮し、Biotageカラムクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 80/20から60/40;25gカラム)、次いで(シクロヘキサン/EtOAc 50/50から40/60、25gカラム)によって精製して、表題の化合物を、白色固体(166mg、78%)として生じさせた。1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 3.07 (d, J= 4.9 Hz, 3H), 4.04 (s, 3H), 6.27 (見かけs, 1H), 7.28 (dd, J = 8.3, 1.6 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.3 Hz, 1H); LC (方法B)-MS (ESI, m/z) tR 2.04分, 211 [(M+H+), 100%].
<5−(3−メトキシ−4−ニトロフェニル)−1−メチル−1H−テトラゾールの合成>
Figure 2018538324
トリフリック無水物(0.27mL、1.580mmol)を、MeCN(4.0mL)中の3−メトキシ−N−メチル−4−ニトロベンズアミド(0.166g、0.790mmol)およびアジ化ナトリウム(0.205g、3.16mmol)の溶液に−10℃で滴下添加した。反応混合物を室温まで3時間にわたって加温した。次いで、これを飽和NaHCO水溶液で中和した。混合物をEtOAcで抽出し、有機層を、飽和NaHCO水溶液で、次いでブラインで洗浄した。次いで、これを乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。次いで、残留物を、Biotageカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc 70/30から50/50、25gカラム)によって精製して、表題の化合物を、白色固体(129mg、69%)として生じさせた。1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.08 (s, 3H), 4.27 (s, 3H), 7.35 (dd, J = 8.3, 1.7 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 8.3 Hz, 1H); LC (方法B)-MS (ESI, m/z) tR 1.98分, 236 [(M+H+), 100%].
<2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)アニリンの合成>
Figure 2018538324
10%Pd炭素(7mg、0.268mmol)を、EtOAc(1.2mL)中の5−(3−メトキシ−4−ニトロフェニル)−1−メチル−1H−テトラゾール(63mg、0.268mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、水素雰囲気下、室温で1時間攪拌した。若干のEtOH(0.5mL)を添加し、反応混合物を1.5時間攪拌した。次いで、これを濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、表題の生成物を、白色固体(52mg、95%)として生じさせた。1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 3.93 (s, 3H), 4.19 (s, 3H), 6.86-6.88 (m, 1H), 7.20-7.22 (m, 1H), 7.25-7.26 (m, 1H); LC (方法B)-MS (ESI, m/z) tR 1.54分, 206 [(M+H+), 100%].
<イソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレートの合成>
Figure 2018538324
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(6.3mg、6.88μmol)を、DMA(1.5mL)中の、イソプロピル6−ブロモ−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレート(50mg、0.138mmol;国際公開第2012/123745号に記載の通りに調製したもの)、炭酸セシウム(90mg、0.275mmol)、2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)アニリン(31.1mg、0.151mmol)およびキサントホス(8.0mg、0.014mmol)の混合物に添加した。反応混合物を70℃で3時間攪拌した。次いで、これをSCX−2カラム上で濾過し、真空下で濃縮した。残留物を、分取TLC(DCM中5%MeOH/NH水溶液(10/1))によって、次いでBiotageカラムクロマトグラフィー(DCM/EtOAc、70/30から0/100)によって精製して、表題の生成物を、白色固体(34mg、51%)として生じさせた。1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 1.34 (d, J= 6.3 Hz, 6H), 3.98 (s, 3H), 4.02 (s, 3H), 4.21 (s, 3H), 5.20 (七重線, J= 6.3 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.26 (dd, J = 8.4, 1.9 Hz, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.42 (d, J= 1.9 Hz, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.74 (t, J = 0.9 Hz, 1H), 8.39 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 8.53 (d, J = 0.9 Hz, 1H); 13C NMR (126 MHz, CDCl3): δ 21.8, 35.2, 39.0, 56.1, 72.2, 97.2, 108.1, 110.4, 114.0, 114.3, 114.8, 121.1, 121.3, 130.3, 132.2, 134.4, 140.0, 140.5, 143.9, 147.7, 150.9, 151.0, 154.6; ESI-HRMS (方法B) 実測値488.2148, C24H26N9O3(M+H+)の計算値: 488.2153.
[実施例3]
<生物学的活性>
下記の生物学的アッセイを使用して、本発明に係る化合物の薬理学的効果を測定することができる。
[Mps1キナーゼの阻害の測定]
酵素反応(総体積10μl)は、完全長Mps1(12.5nMまたは3nM)、蛍光標識ペプチド[H236として公知、配列:5FAM−DHTGFLTEYVATR−CONHを有する](5μM)、ATP(10μM)、DMSO(1%v/v)または試験化合物(1%DMSO中0.25nM〜100μMの範囲内で)のいずれかおよびアッセイ緩衝液(50mM HEPES(pH7.0)、0.02%NaN、0.01%BSA、0.1mMオルトバナデート(Orthovandate)、10μM MgCl、1μM DTT、Rocheプロテアーゼ阻害剤)を含有する黒色384ウェル低容量プレート中で行った。反応は、室温で60分間行い、0.1M HEPES緩衝生理食塩水(遊離酸、Sigma、UK)中に20mM EDTA、0.05%(v/v)Brij−35を含有する緩衝液(10μl)の添加によって停止させた。プレートを、キャリパーEZ読み取り機II(Caliper Life Sciences)で読み取った。
読み取り機は、生成物および基質両方のピークを測定することによってピーク高さを%変換に変換し、0%および100%阻害をそれぞれ表す対照ウェルの選択を可能とするソフトウェアパッケージ(「レビューアー」)を備えている。化合物の%阻害は、選択された対照ウェルの平均に対して算出される。IC50は、0.25nM〜100μMまでの濃度範囲で化合物を試験することによって決定される。次いで、各濃度における%阻害を、4パラメータロジスティックフィットに当てはめる:
y=(a+((b−a)/(1+((c/x^d))))
[式中、a=漸近線最小値であり、b=漸近線最大値であり、c=IC50であり、d=ヒル係数である]
前述のMps1アッセイにおいて、実施例1の化合物は1.2nMのIC50値を有し、実施例2の化合物は2.8nMのIC50値を有する。
[MTT細胞毒性アッセイ]
細胞増殖アッセイは、比色3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)アッセイ(Sigma)を使用して行った。ATCCから購入した1.5×10HCT116細胞を、96ウェルプレート内、100μLの培養培地中、三連で平板培養した。翌日、試験される化合物の3倍希釈物を、培養培地中、希釈した場合にウェル中の最終濃度が0から10μMまでの範囲となるように作製した。25μLの培地中化合物希釈物を100μLの細胞に添加し、37℃および5%COで72時間インキュベートした。次いで、細胞を、40μLの5mg/mL MTT試薬とともに37℃で3時間インキュベートした。培地を慎重に除去し、結晶を100μLのDMSOに溶解した。吸光度は、ワラックVICTOR2 1420マルチラベルカウンター(PerkinElmer)により570nmで測定し、GI50を算出するためにGraphPad PRISMを使用して分析を実施した。
[ヒト肝ミクロソーム安定性]
下記の手順を使用して、本発明に係る化合物のヒト肝ミクロソーム安定性を試験した。
男女混合のプールされたヒト肝ミクロソームを、Tebu−bio(Peterborough、U.K.)から購入した。試料は、1mg/mLミクロソームタンパク質、3mmol/L MgCl、1mmol/L NADPH、2.5mmol/L、UDP−グルクロン酸、および10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)(いずれもSigma Aldrich、Gilingham、U.Kから購入したもの)の最終濃度を含有していた。37℃での反応は、10μmol/L試験化合物の添加によって開始し、3体積の氷冷メタノール含有内部標準の添加によって、0、15および30分で終了した。試料を、2,800×g、4℃で30分間遠心分離し、上清を分析した。対照インキュベーションは、補因子を省略して上記の通りに調製した。
30分の時点で残っている親化合物のパーセンテージを記録した。
[マウスにおける薬物動態プロファイル(「マウスPK」)]
下記の手順を使用して、本発明に係る化合物の薬物動態プロファイルを評価した。
Charles River UK Ltd.(Margate、United Kingdom)の雌BALB/cマウス(およそ8週齢)を、制御環境内で、食物および滅菌水を自由に利用できるようにして保った。実験時、動物は20±3gの重量であった。投薬溶液は、10%DMSO、5%ツイーン20および85%生理食塩水に化合物を溶解することによって調製した。化合物を、5mg/kgで静脈内および経口投与した。動物を加温した後、外側尾静脈に単一の静脈内ボーラス注射を受けさせた。経口投与は、強制飼養によるものであった。対照動物にはビヒクル単独を受けさせた。3匹のマウスの群に、投薬経路ごとに注射した。ヘパリンナトリウムコーティングキャピラリーを使用して加温した後、個々のマウスの尾静脈から連続試料採取することにより、5、15および30分、ならびに1、2、4および6および24時間で血液を収集し、20μlの血液をワットマンFTA DMPK−Bカードにスポットした。すべての動物実験は、Home Office regulations under the Animals(Scientific Procedures)Act1986に従い、動物実験のためのUKCCCRガイドラインによって行った。
較正標準およびQCを尾静脈血液中で調製した。20μlの血液を、ワットマンFTA DMPK−Bカードにスポットした。乾燥したら、すべての標準、QCおよび試料スポットにハリスユニコア6mmパンチで穴を開け、200μlのメタノール含有内部標準を添加した。試料を5分間遠心分離し、上清をLC−MSによる分析に用いた。非コンパートメント分析を使用する薬物動態の算出に、Phoenix WinNonLin(Pharsight)ソフトウェアを使用した。
<結果>
本発明に係る化合物の活性を、国際公開第2012/123745号の実施例18、22、44、68、79、102および103の化合物と比較して、以下の表2に示す。
Figure 2018538324
Figure 2018538324
本明細書に記載のMTTアッセイにおいて、0.15マイクロモル以下のGI50を保有する化合物が好ましく、0.11マイクロモル未満のGI50値が最も好ましい。
本明細書に記載のHLMアッセイにおいて、親化合物の30%未満が30分で分解した化合物が好ましく、26%未満の値が最も好ましい。
本明細書に記載のマウスPK研究において、3.5mL/分/Kg未満のクリアランス値を有する化合物が好ましく、2mL/分/Kg未満の値が最も好ましい。
国際公開第2012/123745号に記載されたコンパレーター化合物と比較すると、本発明に係る実施例1と実施例2の化合物は、以下の組合せを呈する化合物であった。
1.本明細書に記載のMTTアッセイにおける0.15マイクロモル以下(または0.11マイクロモル以下)のGI50
2.本明細書に記載のHLMアッセイにおける30分での親化合物の30%以下(または26%以下)分解の値
3.本明細書に記載のマウスPK研究における3.5mL/分/Kg未満のクリアランス値(本発明の実施例2の化合物は2mL/分/Kg未満のクリアランスを有する)

Claims (10)

  1. イソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレート、または
    イソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレート
    の1つである化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物。
  2. イソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレート
    である化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物。
  3. イソプロピル6−(2−メトキシ−4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニルアミノ)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボキシレート
    である化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物と、薬学的に許容される添加剤とを含む、医薬組成物。
  5. 療法において使用するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 増殖性障害の治療に使用するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または請求項4に記載の医薬組成物。
  7. がんの治療に使用するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または請求項4に記載の医薬組成物。
  8. 治療を要する患者の増殖性障害を治療する方法であって、前記患者に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の治療有効量の化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を投与するステップを含む方法。
  9. 前記増殖性障害ががんである、請求項8に記載の方法。
  10. 請求項1に記載の化合物を合成する方法であって、
    a)式Aの中間体:
    Figure 2018538324
    [式中、LGは、適切な脱離基である]
    を、式Bの中間体:
    Figure 2018538324
    [式中、xは、NまたはCHである]
    と反応させるステップ、ならびに、
    その後任意選択的に、
    i)存在する任意の保護基を除去するステップ、および/または
    ii)薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を形成するステップ
    を含む方法。
JP2018532247A 2015-12-21 2016-12-20 新規ピロロ[3,2−c]ピリジン−6−アミノ誘導体 Active JP6862452B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB1522532.9A GB201522532D0 (en) 2015-12-21 2015-12-21 Novel pyrrolo[3,2-c]pyridine-6-amino derivatives
GB1522532.9 2015-12-21
PCT/GB2016/054003 WO2017109476A1 (en) 2015-12-21 2016-12-20 NOVEL PYRROLO[3,2-c]PYRIDINE-6-AMINO DERIVATIVES

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018538324A true JP2018538324A (ja) 2018-12-27
JP6862452B2 JP6862452B2 (ja) 2021-04-21

Family

ID=55311349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018532247A Active JP6862452B2 (ja) 2015-12-21 2016-12-20 新規ピロロ[3,2−c]ピリジン−6−アミノ誘導体

Country Status (10)

Country Link
US (1) US10501462B2 (ja)
EP (1) EP3394055B1 (ja)
JP (1) JP6862452B2 (ja)
CN (1) CN108473490B9 (ja)
AU (1) AU2016375851B2 (ja)
BR (1) BR112018012307A2 (ja)
CA (1) CA3007150A1 (ja)
ES (1) ES2755509T3 (ja)
GB (1) GB201522532D0 (ja)
WO (1) WO2017109476A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB201216017D0 (en) 2012-09-07 2012-10-24 Cancer Rec Tech Ltd Inhibitor compounds
GB201709840D0 (en) 2017-06-20 2017-08-02 Inst Of Cancer Research: Royal Cancer Hospital Methods and medical uses
WO2020049017A1 (en) * 2018-09-07 2020-03-12 Merck Patent Gmbh 5-morpholin-4-yl-pyrazolo[4,3-b]pyridine derivatives

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014508185A (ja) * 2011-03-14 2014-04-03 キャンサー・リサーチ・テクノロジー・リミテッド Mps1阻害剤としてのピロロピリジンアミノ誘導体
WO2015128676A1 (en) * 2014-02-28 2015-09-03 Cancer Research Technology Limited N2-phenyl-pyrido[3,4-d]pyrimidine-2,8-diamine derivatives and their use as mps1 inhibitors
JP2015532312A (ja) * 2012-10-09 2015-11-09 東レ・ダウコーニング株式会社 硬化性オルガノポリシロキサン組成物、該組成物からなる硬化層を備えたシート状物品および積層体

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009032703A1 (en) * 2007-08-28 2009-03-12 Irm Llc 2- (het) arylamino-6-aminopyridine derivatives and fused forms thereof as anaplastic lymphoma kinase inhibitors
WO2010124826A1 (en) * 2009-04-29 2010-11-04 Bayer Schering Pharma Aktiengesellschaft Substituted imidazoquinoxalines
EP2343295A1 (en) * 2009-11-30 2011-07-13 Bayer Schering Pharma AG Triazolopyridine derivates
GB201211021D0 (en) * 2012-06-21 2012-08-01 Cancer Rec Tech Ltd Pharmaceutically active compounds
GB201216017D0 (en) * 2012-09-07 2012-10-24 Cancer Rec Tech Ltd Inhibitor compounds

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014508185A (ja) * 2011-03-14 2014-04-03 キャンサー・リサーチ・テクノロジー・リミテッド Mps1阻害剤としてのピロロピリジンアミノ誘導体
JP2015532312A (ja) * 2012-10-09 2015-11-09 東レ・ダウコーニング株式会社 硬化性オルガノポリシロキサン組成物、該組成物からなる硬化層を備えたシート状物品および積層体
WO2015128676A1 (en) * 2014-02-28 2015-09-03 Cancer Research Technology Limited N2-phenyl-pyrido[3,4-d]pyrimidine-2,8-diamine derivatives and their use as mps1 inhibitors

Also Published As

Publication number Publication date
EP3394055A1 (en) 2018-10-31
CA3007150A1 (en) 2017-06-29
AU2016375851A1 (en) 2018-06-21
ES2755509T3 (es) 2020-04-22
CN108473490A (zh) 2018-08-31
GB201522532D0 (en) 2016-02-03
JP6862452B2 (ja) 2021-04-21
CN108473490B9 (zh) 2020-12-25
BR112018012307A2 (pt) 2018-12-04
EP3394055B1 (en) 2019-09-25
WO2017109476A1 (en) 2017-06-29
US10501462B2 (en) 2019-12-10
AU2016375851B2 (en) 2020-07-02
US20190002462A1 (en) 2019-01-03
CN108473490B (zh) 2020-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11661423B2 (en) Heterocyclic compounds as RET kinase inhibitors
AU2017250448C1 (en) Heterocyclic compounds as RET kinase inhibitors
EP3609898B1 (en) Compounds useful as ret inhibitors
EP3630749B1 (en) 2-quinolone derived inhibitors of bcl6
JP6297570B2 (ja) 薬理活性化合物
JP6440728B2 (ja) N2−フェニル−ピリド[3,4−d]ピリミジン−2,8−ジアミン誘導体およびmps1阻害剤としてのそれらの使用
JP6862452B2 (ja) 新規ピロロ[3,2−c]ピリジン−6−アミノ誘導体
JP6159397B2 (ja) 薬学的活性化合物
EP3523295A1 (en) Deuterated n-(5-(2,3-dihydrobenzo[b][1,4]dioxine-6-carboxamido)-2-fluorophenyl)-2-((4-ethylpiperazin-1 -yl)methyl)quinoline-6-carboxamide
AU2022397914A1 (en) Isoindolines as pms2 inhibitors
CN116096708A (zh) 用作用于疗法的蛋白激酶抑制剂的2-氧代-n-(4-(嘧啶-4-基氧基/硫基)苯基)-1,2-二氢吡啶-3-甲酰胺的衍生物
US20130310411A1 (en) Novel acridine derivatives

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210316

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210331

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6862452

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150