JP2018538105A - 搾乳ポンプ、方法およびコンピュータプログラム - Google Patents

Abstract

本発明は、女性の乳房から母乳を抽出する搾乳ポンプ（１）に関し、該搾乳ポンプは、搾乳キット（２）と、搾乳キット（２）に接続された容器（５）と、搾乳キット（２）に接続された減圧ユニット（６）とを有し、搾乳キット（２）と、容器（５）と、減圧ユニット（６）と、それらの接続部との組み合わせ容積がシステムエアボリュームを確定し、搾乳ポンプは、減圧センサは減圧の変化に応じてシステムエアボリュームの容積変化を決定するように構成される。

Description

本発明は、真空圧センサにより搾乳（ｅｘｐｒｅｓｓｉｏｎ）セッション中に女性の乳房から搾乳された母乳を監視する機能を有する搾乳ポンプに関する。本発明はさらに、乳量を決定する方法およびそれぞれの乳量を計算するコンピュータプログラムに関する。

特許文献１は、授乳中に吸われた母乳の量を測定する装置および方法を記載し、この装置は、授乳中（授乳前後の）の乳房の体積の変化を決定する機構と、それから授乳中に吸われた母乳の量を計算する計算ユニットとを含む。

特許文献２には、周期的休止を入れた複数の異なる吸入サイクルを有するように予めプログラムすることができる、メモリが組み込まれたマイクロプロセッサを有する授乳装置を開示している。これらの様々な周期および休止により、子供に授乳中の女性の正確なモデリングが可能になる。さらに、このシステムおよびプロセスは、予めプログラム可能な搾乳ポンプでもある。これは、初期設定のためのプリセット時間と、例えば２４時間または３０時間にわたる授乳のための一連のイベントのプリセットスケジュールとを作成し、ユーザが、その装置のキーボード上のいずれかのキーを使用しなくても、搾乳ポンプを自動的に使用できるようにする。少なくとも１つの実施形態では、その上でプログラムすることができる任意のソフトウェアを含むデバイスは、子供の吸引パターンを模倣またはモデル化するように構成される。
国際公開第２０１０／０９５１３３号パンフレット 米国特許出願公開第２０１５／０１１２２９８号明細書

本発明の目的は、搾乳ポンプによって搾乳された乳量を容易に監視でき、一定の乳量を保証し、乳量の早期低下を回避する、改善された搾乳ポンプを提供することである。

本発明の第１の態様によると、女性の乳房から母乳を抽出する搾乳ポンプが提供される。該搾乳ポンプは、搾乳キットと、前記搾乳キットに接続された容器と、前記搾乳キットに接続された減圧ユニットとを有し、前記搾乳キットと、容器と、減圧ユニットと、それらの接続部との組み合わせ容積がシステムエアボリュームを確定し、前記搾乳ポンプは、前記減圧センサのセンサ信号を受信する制御ユニットと、センサ信号に基づいて乳量を計算するプロセッサとを有し、前記減圧センサは減圧の変化に応じてシステムエアボリュームの容積変化を決定するように構成される。

本発明の別の一態様では、搾乳ポンプにより女性の乳房から搾乳された乳量を決定する方法が提供される。該方法は、減圧の変化に応じて前記システムエアボリュームの容積変化を決定するステップを含む。

本発明の別の一態様において、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、前記方法のステップをコンピュータに実行させるプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムが提示される。

搾乳中の減圧の上昇を測定するセンサの使用は、女性の乳房から搾乳される乳量を決定する非常に正確な方法である。本発明の搾乳ポンプを使用している授乳中の女性は、乳量を監視し、最後のセッションを思い出したり、セッションをアカウンティングしたり、自分で計算したりする努力をしない。乳量の監視は、搾乳ポンプによって行われる。ユーザは、搾乳の成功について知らされ、リラックスすることができ、搾乳をさらに効果的にすることができる。制御ユニットの使用は、ユーザによる煩雑な操作の必要なしに、完全自動プロセスに基づいて乳量を効果的に監視することを可能にする。

本発明の好ましい実施形態は従属項に規定した。言うまでもなく、請求項に係る方法は、請求項に係る装置と同様の及び／又は同一の、従属項に記載した好ましい実施形態を有する。

好ましくは、前記減圧センサは、前記システムエアボリューム中に配置されるか、または前記システムエアボリュームへの空気ダクト接続部に配置される。この構成により、測定の精度が保証される。

本発明の好ましい実施形態によれば、衛生バリア、特に多孔質膜を有する隔膜が、搾乳キットと減圧ユニットとの間に配置される。これにより、母乳がポンプユニットに入ることなく、搾乳ポンプの衛生的な操作が可能になる。したがって、搾乳ポンプの洗浄作業は、漏斗および衛生バリアに限定される。ポンプユニットは母乳と接触しないため、分解して清掃する必要はない。

エアボリュームの変化は好ましくは

により定義される。ここで、ｐ１は前記減圧センサから受け取られるセンサ信号であり、パラメータｐｍｉｎ、ｐ０及びＱ０は既知である、これにより、減圧（ｖａｃｕｕｍ ｐｒｅｓｓｕｒｅ）が、センサによって決定されなければならない唯一の変数となる。他のパラメータはすべて既知である。したがって、測定は非常に正確であり、１つの潜在的な誤差源のみに依存する。

本発明の一実施形態によれば、搾乳ポンプは、減圧開放弁をさらに有することができる。この開放弁（ｒｅｌｅａｓｅ ｖａｌｖｅ）は、搾乳キットとポンプユニットとの間の衛生バリア（ｈｙｇｉｅｎｉｃ ｂａｒｒｉｅｒ）を有する搾乳ポンプの作動に役立つ。

本装置の特に好ましい一実施形態では、搾乳ポンプは、前記搾乳キットから前記容器への母乳の流れを測定する流れセンサをさらに有する。この組み合わせにより、測定値の精度が向上し、計算される乳量の精度も向上する。

本装置の有利な一実施形態では、オリフィス（ｏｒｉｆｉｃｅ）がハウジングと容器との間に配置される。オリフィスにより、容器の排気の遅延および期待目標圧力からの偏差が生じ、減圧ユニットの電力需要が低減される。

代替の好ましい実施形態によれば、弁、特にダックビル弁やフラップ弁などの一方通行弁が前記ハウジングと前記容器との間に配置される。この弁は、減圧ユニットの電力消費を低減する別の可能性となる。

有利にも、前記弁は、前記ハウジングと前記容器との間の所定圧力差で閉じるように構成される。したがって、減圧源の電力需要が減少し、さらに搾乳される乳量は、搾乳中の減圧（ｖａｃｕｕｍ ｐｒｅｓｓｕｒｅ）の変化に加えて、様々なパラメータに基づいて計算され得る。

好ましくは、搾乳ポンプは、ディスプレイ、スピーカ、振動素子、作動素子のうちの１つ以上を含むユーザインターフェースを備える。インターフェースは、搾乳ポンプのユーザに情報を伝えることができ、したがって、セッションの成功を報告することによってユーザを落ち着かせる。情報を伝達するための様々な可能性は、ディスプレイ上にパラメータを表示すること、または所望の乳量が超過したときに振動または音声信号を発することを含むことができる。作動素子によって、装置のオンオフなど、搾乳ポンプの操作が容易になる。

したがって、前記減圧センサは、前記減圧ユニットの減圧ストローク中に、または前記減圧ユニットの減圧開放ストローク中に、または単一ストロークモードで、圧力変化を決定するように構成される。

本発明の上記その他の態様を、以下に説明する実施形態を参照して明らかにし、説明する。 以下の図面において、
本発明による搾乳ポンプを示す概略図である。 本発明による搾乳ポンプの別の実施形態と、それに対応する減圧（ｖａｃｕｕｍ）プロファイルを示す概略図である。 本発明による搾乳ポンプの別の実施形態と、それに対応する減圧プロファイルを示す概略図である。 本発明による搾乳ポンプのさらに別の実施形態と、それに対応する圧力（ｐｒｅｓｓｕｒｅ）プロファイルを示す概略図である。 本発明による搾乳ポンプのさらに別の実施形態と、それに対応する圧力プロファイルを示す概略図である。

図１は、本発明に適した搾乳ポンプ１の実施形態を示す概略図である。授乳中の女性は、母乳の出を良くしておくために、定期的に母乳を搾乳する必要がある。定期的に母乳を出さないと、母乳の出が悪くなりやすい。女性の乳房からミルクを搾乳するため、一般的には電動搾乳ポンプ１が使用される。搾乳ポンプ１の実施形態は、女性の乳房をその中に収容するように設計された漏斗３を有する搾乳（ｅｘｐｒｅｓｓｉｏｎ）キット２を含む。漏斗３は、ハウジング４に結合されている。これは、女性の乳房から搾乳された母乳を受け入れる容器５と同様である。

減圧ユニット６は、パイプ７により搾乳キット２に接続されている。減圧ユニット６は乳房に吸引力をかけ、乳首を減圧することによって乳房から母乳を吸引する。このプロセスは、授乳中の赤ちゃんの吸引動作に類似している。

電動搾乳ポンプ１は２つのグループに分けられる。一群の既知の搾乳ポンプ１は、減圧ユニット６と乳房との間に衛生的なシールドを備えており、他の群はこの特徴を欠いている。後者は、ハウジング４内に収容され得る一方向弁を備え、母乳が漏斗３に逆流しないようにしている。あるいは、ハウジング４は、ダイアフラムまたは膜を含み、漏斗３および容器５の減圧または気密インターフェースを確立し、母乳が減圧システムに入るのを防止する。大部分の搾乳ポンプ１は、減圧ユニット６と乳房との間にシリコーン膜を備えている。減圧ユニット６によって生成された減圧（ｖａｃｕｕｍ）は、膜を上方に動かし、それにより乳房が位置する漏斗３内の空気を膨張させる。この膨張は、母乳を搾乳するために乳房に必要な減圧を作り出す。減圧が解消すると、膜は再び休止位置に動く。したがって、減圧ユニット６における減圧は、間接的に乳房を減圧する。

母乳は、乳房から搾乳されると、漏斗３を通ってハウジング４を介して容器５に流れる。容器５が満たされる間、利用可能な容積は搾乳された母乳によって満たされるので、空気が抜け出る必要がある。この空気は、容器５と漏斗３との間のリーク機能（ｌｅａｋａｇｅ ｆｅａｔｕｒｅ）を介して、容器５からリークされる。

電動搾乳ポンプ１により母乳を搾乳する一般的な問題は、乳房から搾乳された母乳をユーザが計量し続けないとならないことにある。本発明は、ユーザが搾乳した母乳の量を入力することに依存または要求することなく、搾乳された母乳の量を決定する新しい方法に関する。

現在、授乳専門家は、搾乳の成功率を追跡調査するために、電動搾乳ポンプ１のユーザからの入力を必要としている。ユーザが量の監視を忘れるリスクはかなり高い。しかも、追跡調査する手間は大きい。この正しい母乳量のデータがないため、母乳の出が悪くなるリスクがあり、授乳専門家はタイムリーに搾乳スケジュールを修正することができない。さらに、授乳中の女性は、彼女が持っている母乳の出（ｍｉｌｋ ｓｕｐｐｌｙ）について、大きな不安を抱えている可能性がある。この不安は、搾乳ポンプまたはその周辺機器を介してその女性にフィードバックを与えることによって軽減することができる。

以下では、本発明の概念は、ユーザが電動搾乳ポンプに搾乳された容量を追跡する管理作業を離れることを可能にするものであり、これについて説明する。

セッション中に搾乳された母乳量を追跡できるようにするために、搾乳ポンプ１のエアボリュームに配置されたセンサが必要とされる。搾乳ポンプ１のエアボリュームは、ハウジング４、容器５、減圧ユニット６および接続パイプ７のエアボリュームとして定められる。技術水準から知られるセンサは、例えば、減圧経路中の気流センサであってもよいし、または減圧ユニット６の電気モータ上の電流測定センサであってもよい。本発明は、減圧経路内の圧力センサを扱う。以下の説明では、減圧センサ（ｖａｃｕｕｍ ｐｒｅｓｓｕｒｅ ｓｅｎｓｏｒ）であって、好ましくはハウジング４または減圧ユニット６に配置され、しかしいずれの場合でも、減圧エアボリューム量またはそれに伴う空気ダクト接続に配置される減圧センサについて説明する。

計算の背後にある基本的な測定原理は、閉じたエアボリュームにおいて、システムに入る流体が空気を追い出すときに圧力が上昇するという所見である。女性の乳房からの母乳が容器５を満たすと、システム内の空気が圧縮され、圧力がより高くなる。圧力の上昇は、システムに入る母乳量の尺度である。母乳量を計算するには、減圧ユニット６の性能を知る必要がある。一般に、減圧ユニットの流量・圧力曲線は、一般的には、減圧ユニット６の仕様の一部であり、そのように知られているが、製造中に曲線を決定することもできる。特に、後者の方法は、非常に正確な曲線となるので、後に測定が非常に正確になる。

本発明は、膜または隔膜の形態の衛生的なバリアを有する搾乳ポンプに使用することができ、及び母乳と減圧ユニットとの間の衛生的なバリアのない搾乳ポンプに使用することができる。しかし、衛生的な隔膜を備えた閉鎖システムの使用は、搾乳ポンプ１の内部に閉鎖エアボリュームがあるため、取り扱いがより容易である。真空が形成され、漏斗３内における乳房の気密配置による環境にシステムが閉鎖されたときも、開放システムを扱うこともできる。減圧センサによって測定された値を用いて、システム内の空気量を決定できる。これは、女性の乳房から搾乳され、容器５に回収される母乳量に依存する。

このように決定された母乳量は、減圧ユニット６に接続された制御ユニット８に格納することができる。搾乳の有効性を改善するために、その値を搾乳ポンプ１のユーザに伝えることができる。これは、例えば、ユーザインターフェース１０により、または別個のデバイス（図示せず）への接続を介して、例えば、クラウドや携帯電話のようなスマートデバイスへのワイヤレス接続を介して、行うことができる。搾乳セッションが成功するのを見ることは、ユーザを落ち着かせ、リラックスした感情と成功に関する安心感を生じさせることによって、セッションはより効果的にする役に立つ。ユーザインターフェース１０は、例えば、セッション中に搾乳された母乳量を表示するディスプレイ１３と、音声フィードバック用のスピーカ１４と、例えば、搾乳された母乳量を示す振動信号用の振動ユニット１５と、スタート／ストップボタンのような１つ以上の作動要素１６とを備えている。

図１による好ましい実施形態では、漏斗３と容器５との間の減圧（ｖａｃｕｕｍ）／気密（ａｉｒ ｔｉｇｈｔ）境界面を例示的に記載している。一方向弁は不要である。その代わりに、システムは減圧開放弁９を含み、これは、例えばハウジング４内に一体化され得る。搾乳ポンプ１は、母乳が減圧ポンプに入るのを防ぐ、衛生的なバリアとして多孔質膜を含む。膜は、上記のようにハウジング内に収容することもできる。減圧センサは、多孔質膜と減圧ユニット６との間に配置される。例えば、減圧センサは、ハウジング４、ポンプユニット６、または接続パイプ７に配置することができる。

搾乳セッションの開始時に、減圧ユニット６は、短い減圧サイクルを有する刺激段階で動作する。これは、母乳の流れを刺激するために生理学的に必要である。減圧センサは減圧の変化を測定する。これはこの段階で増加する。この値を直接用いて、減圧システムの空気量または始動量を計算することができる。

刺激段階の後、母乳が流れ始め容器５を満たす。これにより、減圧速度は、搾乳ポンプ１に含まれる残留空気量（ｄｅａｄ ａｉｒ ｖｏｌｕｍｅ）が減少するからである。減圧速度は残留空気量の尺度であるが、開始容量と現在の容量との間の差は、搾乳された母乳量の尺度である。

関連する数学はそれほど複雑ではないが、対数計算ができる数学的機能を有するマイクロコントローラの形態のプロセッサ１１を必要とする。プロセッサ１１は、好ましくは、制御ユニット８内に配置される。プロセッサ１１は、搾乳ポンプ（ｂｒｅａｓｔ ｐｕｍｐ）１内の減圧センサと、制御ユニット８内に収容されることが好ましい記憶ユニット１２と通信することができる。

数学の出発点として、搾乳ポンプ１は、未知の容量Ｖを空にするポンプユニット６として解釈することができる。ポンプユニット６のパラメータは既知であり、その最大流率Ｑ０（単位：ｍ３／ｓ）とｐｍｉｎ（単位：Ｐａ）により定まる線形Ｑ−Ｈ曲線として理想化される。これにより、

が導かれ、これは常微分方程式（ＯＤＥ）に書き換えることができる。

留意点として、流出なので、Ｑ（ｐ）は負である。これから

が得られる。
ＯＤＥを解くと、

が得られる。

ＯＤＥでは、次の値を用いる：ｍ＝質量、ρ＝密度、Ｖ＝容量、Ｑ＝流量、ｐ＝圧力、ｔ＝時間。ｐｍｉｎはＱ０と同様に、ポンプユニット６の特性によって与えられる。ｐ０は最初の圧力を示し、既知であると仮定される。

減圧センサがあれば、容器５内に母乳が全くない開始時に、ある所要の減圧レベルｐ１までかかる時間ｔ１を測定することが可能である。この測定値を用いて、

により、空の容量Ｖ１を計算することができる。

搾乳中に、母乳が容器５に入るにつれ、空気量が減少する。必要な減圧レベル（ｖａｃｕｕｍ ｌｅｖｅｌ）に達するのに必要な時間ｔ２を測定して（これはより速くなります）、新しい容量を計算することができる。しかし、容量差ｄＶ：

を直接計算することも可能である。

母乳量を決定する制御ループは、複数の減圧プロファイル／サイクルを測定することによって実施することができる。これにより精度が向上するのは、エラーが平均化されるからである。これの欠点は、予想される減圧プロファイルが、生成されるプロファイルからよりずれることである（補正は複数のサイクルを要する）。

この他、制御ループは、１つの減圧サイクル内で実施することができる。制御ループは、所定の減圧プロファイルを、予想される減圧と実際の減圧との間で測定された誤差と比較する。この制御原理の利点は、減圧プロファイルが予想どおりである間、ユーザは測定が行われていることに気付きにくいことである。

減圧センサを流量センサと組み合わせると、測定の精度を向上させることができ、一方で、ポンプ挙動の変動（流れ−圧力曲線）および多孔質膜による圧力降下の変動を、方程式から排除することができる。

誤差要因の１つは、乳房／乳頭である。乳首は幾分弾性的で粘弾性的に作用するが、効果は相対的に小さい。例示的な開始容量は、１７５ｍｌのオーダーであり、そのうち５０ｍｌは残留容積（ｄｅａｄ ｖｏｌｕｍｅ）であり、１２５ｍｌは空の容器５であり得る。乳頭の弾性挙動は２ｍｌの容量誤差を生じ、これはかなり標準的であるが部分的に補償することができる。粘弾性挙動により、さらに２ｍｌの体積誤差が生じ、これもまた推定され、部分的に補償される。予想される母乳量は７５ｍｌのオーダーである。これにより、１〜５％の誤差が生じる。

減圧ストロークを測定することが好ましいが、減圧開放（ｖａｃｕｕｍ ｒｅｌｅａｓｅ）ストロークでも測定を行うことができる。マルチストローク（ｍｕｌｔｉｐｌｅ ｓｔｒｏｋｅ）ポンプユニット６の場合、このストロークは一般的には非常に短く、そのため精度はより低くなる可能性がある。それにもかかわらず、減圧開放圧力−時間曲線を測定することは可能である。空気量およびそのため母乳量情報は、センサ信号の一部である。減圧開放は、通常、既知の空気制限によって達成される。小さな乳量に対応する大きな空気量は、ゆっくりした減圧開放（ｖａｃｕｕｍ ｒｅｌｅａｓｅ）をもたらし、大きな乳量に対応する小さな空気量は、速い減圧開放をもたらす。この測定の分解能を高めるために、この制限を一時的に非常に小さくして、分解能をより高くすることができる。

図２Ａ、図２Ｂ、図３Ａおよび図３Ｂは、本発明の２つの代替の実施形態を示し、これらは減圧の変化の測定原理に基づく。両実施形態は、母乳が減圧系（ｖａｃｕｕｍ ｓｙｓｔｅｍ）に入るのを防止する衛生バリア２１を有する搾乳器１を使用する。搾乳ポンプ１は、図１を参照して先に説明したように、漏斗３、ハウジング４および容器５を備えている。搾乳ポンプ１はさらに、接続パイプ７を介して減圧ユニット６に接続されている。接続パイプ７には、開放弁９と、圧力センサ１７と、流量センサ１８とが設けられている。あるいは、開放弁は減圧ユニット６内に配置することもできる。

図１とは対照的に、漏斗３中の乳房２３のチャンバ２２と同じ真空レベルまで容器５が排気されない場合、図２Ａおよび図３Ａの実施形態は、容器５における軽度の真空を許容尾する解決策を提供し、その結果、真空源での電力需要が減少する。

図２Ａでは、小さな入口オリフィス（ｉｎｌｅｔ ｏｒｉｆｉｃｅ）１９が容器５の入口に設けられている。小さな入口オリフィス１９は、容器５の減圧の遅延を引き起こす。この遅延は、予想される目標真空値からの偏差もたらす。偏差は、容器５内の母乳量の尺度である。

図２Ｂは、チャンバ２２内の乳房２３で測定された圧力のグラフを示し、これは、図２Ｂの２つの曲線のうちの下の曲線によって表される。上の曲線は、容器５内の圧力を表す。後者は、予想される目標圧力を表す図２Ｂのベースラインに達しない。したがって、１サイクル当たりの電力需要は、図１による搾乳ポンプ１の場合ほど高くない。

図３Ａには、別の実施形態を示した。これは、図２Ｂの小さな入口オリフィス１９の代わりにダックビル弁２０を有することを特徴とする。ダックビル弁２０は、例えば、約１０ミリバールの圧力差で閉じるように構成されている。真空源６が漏斗３内のチャンバ２２および容器５を排気する間に、乳量が測定される。オリフィスをも含むダックビル弁２０のために、圧力差が胸部チャンバ２２と容器５との間に生じ、これによりダックビル弁２０が閉鎖させる。従って、弁２０が閉じられた後、胸部チャンバ２２のみを排気すればよい。真空が開放されるとすぐに、ダックビル弁２０が再び開く。搾乳ポンプ１の真空系を大気圧にリセットするのに必要な時間は、容器５内の乳量の尺度である。

図３Ｂの真空ダイヤグラムは、ダックビル弁２０が閉じられる圧力差を示す。結果として生じる真空は、閉鎖弁２０のない期待真空レベルよりも著しく低い。その結果、減圧ユニット６の電力需要はより少なくなり、摩耗が少なく、騒音が少なく、消費電力が少なくなる。あるいは、フラップ弁を使用してもよい。

これらの好ましい実施形態の代わりに、本発明は、放出弁を使用しない単一ストロークの原理で使用することもできる。これは、容器５内のデッドボリュームを補償するために大きなストローク量を必要とする。さらに、搾乳ポンプ１は、上述のように、シリコーン衛生バリアなしで使用（ｏｐｅｒａｔｅ）することができる。シリコーン衛生バリアは、空のときに容器５内の大きなデッドボリュームを補償するために、かなり大きいストロークを作る必要がある。シリコーン衛生バリアによって、ポンプユニット６側のパイプ７内の乳量および圧力は、シリコーン衛生バリアの剛性を介して漏斗３内の圧力と直接的に関連している。

本発明を、図面と上記の説明に詳しく示し説明したが、かかる例示と説明は例であり限定ではなく、本発明は開示した実施形態には限定されない。 請求項に記載した発明を実施する際、図面、本開示、及び添付した特許請求の範囲を研究して、開示した実施形態のその他のバリエーションを、当業者は理解して実施することができるであろう。

請求項において、「有する（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」という用語は他の要素やステップを排除するものではなく、「１つの（「ａ」又は「ａｎ」）」という表現は複数ある場合を排除するものではない。単一の要素又はその他のアイテムが請求項に記載した複数のユニットの機能を満たすこともできる。相異なる従属クレームに手段が記載されているからといって、その手段を組み合わせて有利に使用することができないということではない。

コンピュータプログラムは、光記憶媒体や他のハードウェアとともに、又はその一部として供給される固体媒体などの適切な媒体に記憶／配布することができ、インターネットや有線又は無線の電気通信システムなどを介して他の形式で配信することもできる。

請求項に含まれる参照符号は、その請求項の範囲を限定するものと解してはならない。

が導かれ、これは常微分方程式（ＯＤＥ）に書き換えることができる。

Claims (13)

1. 女性の乳房から母乳を抽出する搾乳ポンプであって、
   搾乳キットと、
   前記搾乳キットに接続された容器と、
   前記搾乳キットに接続された減圧ユニットとを有し、
   前記搾乳キットと、容器と、減圧ユニットと、それらの接続部との組み合わせ容積がシステムエアボリュームを確定し、前記搾乳ポンプは、
   減圧センサと、
   前記減圧センサのセンサ信号を受信する制御ユニットと、センサ信号に基づいて乳量を計算するプロセッサとを有し、
   前記減圧センサは減圧の変化に応じてシステムエアボリュームの容積変化を決定するように構成される、
   搾乳ポンプ。
2. 前記減圧センサは、前記システムエアボリューム中に配置されるか、または前記システムエアボリュームへの空気ダクト接続部に配置される、
   請求項１に記載の搾乳ポンプ。
3. 衛生バリア、特に多孔質膜を有する隔膜が、前記搾乳キットと前記減圧ユニットとの間に配置される、
   請求項１または２に記載の搾乳ポンプ。
4. 前記システムエアボリュームの変化は、
   

   

   で定義され、ここで、ｐ１は前記減圧センサから受け取られるセンサ信号であり、パラメータｐｍｉｎ、ｐ０及びＱ０は既知である、
   請求項１ないし３いずれか一項に記載の搾乳ポンプ。
5. 減圧開放弁をさらに有する、
   請求項１ないし４いずれか一項に記載の搾乳ポンプ。
6. 前記搾乳キットから前記容器への母乳の流れを測定する流れセンサをさらに有する、
   請求項１ないし５いずれか一項に記載の搾乳ポンプ。
7. オリフィスがハウジングと前記容器との間の配置される、
   請求項１ないし６いずれか一項に記載の搾乳ポンプ。
8. 弁、特にダックビル弁やフラップ弁などの一方通行弁がハウジングと前記容器との間に配置される、
   請求項１ないし７いずれか一項に記載の搾乳ポンプ。
9. 前記弁は、前記ハウジングと前記容器との間の所定圧力差で閉じるように構成される、
   請求項８に記載の搾乳ポンプ。
10. ディスプレイ、スピーカ、振動素子、作動要素のうちの１つ以上を含むユーザインターフェースをさらに有する、
    請求項１ないし９いずれか一項に記載の搾乳ポンプ。
11. 前記減圧センサは、前記減圧ユニットの減圧ストローク中に、または前記減圧ユニットの減圧開放ストローク中に、または単一ストロークモードで、圧力変化を決定するように構成される、
    請求項１ないし１０いずれか一項に記載の搾乳ポンプ。
12. 請求項１ないし１１いずれか一項に記載の搾乳ポンプにより女性の乳房から搾乳された母乳の量を決定する方法であって、減圧の変化に応じて前記システムエアボリュームの容積変化を決定するステップを含む、方法。
13. コンピュータで実行されたとき、前記コンピュータに請求項１２に記載の方法のステップを実行させるプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム。

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