JP2018536621A5 - - Google Patents

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JP2018536621A5
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ペプチド模倣大環状分子およびその使用
相互参照
本出願は、2015年9月3日に出願された米国仮出願番号第62/214,142号;2016年3月18日に出願された米国仮出願番号第62/310,254号;2016年6月2日に出願された米国仮出願番号第62/344,651号;および2016年6月2日に出願された米国仮出願番号第62/344,791号に基づく優先権を主張しており、これらの仮出願は、それらの全体が参考として本明細書中に援用される。
配列表
本明細書は、ASCII形式で電子的に提出されている配列表を含有し、その全体が参考として本明細書中に援用される。2018年4月30日に作成された前記ASCIIコピーは35224−810_201_SL.txtと名付けられ、サイズは1,195,714バイトである。
発明の背景
ヒト転写因子タンパク質p53は、DNA損傷および細胞ストレスに応答して、細胞周期の停止およびアポトーシスを誘導し、それによって悪性形質転換から細胞を保護するのに非常に重要な役割を果たしている。E3ユビキチンリガーゼMDM2(HDM2としても公知)は、p53トランス活性化活性を中和する直接結合の相互作用を介してp53機能を負に制御し、核からp53タンパク質を輸出し、ユビキチン化−プロテアソーム経路を介してp53を分解の標的とする。欠失、変異、またはMDM2過剰発現のいずれかによるp53活性の喪失は、ヒトのがんにおいて最も一般的な欠損である。野生型p53を発現する腫瘍は、活性p53の濃度を安定化または増大する薬理学的薬剤に対して脆弱である。この文脈において、MDM2活性の阻害は、p53活性を修復し、in vitroおよびin vivoでがん細胞をアポトーシスに再感受性にするのに妥当な手法として浮上した。最近になって、MDMX(MDM4)は、p53の類似の負の制御因子として同定されており、その研究では、MDM2およびMDMXのp53結合界面間の有意な構造的相同性が明らかになっている。p53−MDM2およびp53−MDMXのタンパク質−タンパク質相互作用は、p53の同じ15残基のアルファヘリカルトランス活性化ドメインによって媒介され、そのドメインは、MDM2およびMDMXの表面上の疎水性間隙に挿入される。p53のこのドメインにおける3つの残基(F19、W23、およびL26)は、MDM2およびMDMXとの結合に必須である。p53、MDM2および/またはMDMXに結合し、それらの活性をモジュレートすることができる化合物の必要性は、依然としてかなり高い。本明細書では、p53の活性をモジュレートする、p53に基づくペプチド模倣大環状分子が提供される。本明細書ではまた、p53タンパク質、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質の間の相互作用を阻害する、p53に基づくペプチド模倣大環状分子が提供される。さらに、本明細書では、それらに限定されるものではないが、がんおよび他の過剰増殖性疾患を含めた疾患を処置するために使用することができる、p53に基づくペプチド模倣大環状分子が提供される。
発明の要旨
一実施形態では、本開示は、それを必要としている被験体のがんを処置する方法であって、被験体に、治療有効量のペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を投与するステップを含み、ペプチド模倣大環状分子が、式
(式中、
−各A、C、D、およびEは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸またはアミノ酸類似体であり、各末端DおよびEは、任意選択で独立に、キャッピング基を含み、
−各Bは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
−各RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはRおよびRの少なくとも1つは、前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
−各LまたはL’は、独立に、式−L−L−の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各L、L、およびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
−各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
−各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−各vおよびwは、独立に、1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり、
−uは、1〜10、例えば1〜5、1〜3または1〜2の整数であり、
−各x、yおよびzは、独立に、0〜10の整数であり、例えばx+y+zの合計は、2、3、または6であり、
−nは、1〜5の整数である)
を有する、方法を提供する。
一部の実施形態では、w>2であり、Eによって表される最初の2つのアミノ酸のそれぞれは、無電荷側鎖または負電荷側鎖を含む。
一部の実施形態では、Eによって表される第1のC末端アミノ酸および/または第2のC末端アミノ酸は、疎水性側鎖を含む。例えば、Eによって表される第1のC末端アミノ酸および/または第2のC末端アミノ酸は、疎水性側鎖、例えば大きい疎水性側鎖を含む。
一部の実施形態では、wは、3〜1000である。例えば、Eによって表される第3のアミノ酸は、大きい疎水性側鎖を含む。
他の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、
Ac−RTQATF$r8NQWAibANle$TNAibTR−NH (配列番号762)、Ac−RTQATF$r8NQWAibANle$TNAibTR−NH (配列番号762)
Ac−$r8SQQTFS$LWRLLAibQN−NH (配列番号813)、Ac−QSQ$r8TFSNLW$LLAibQN−NH (配列番号814)
Ac−QS$r5QTFStNLW$LLAibQN−NH (配列番号816)、またはAc−QSQQ$r8FSNLWR$LAibQN−NH (配列番号896)
の配列を除外する。
他の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、Ac−Q$r8QQTFSN$WRLLAibQN−NH (配列番号895)の配列を除外する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要としている被験体のがんを処置する方法であって、被験体に、治療有効量のペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を投与するステップを含み、ペプチド模倣大環状分子が、式
(−Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10のそれぞれは、個々にアミノ酸であり、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも3つは、配列Phe−X−His−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10−X11−Ser12 (配列番号8)の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸であり、各Xは、アミノ酸であり、
−各DおよびEは、独立に、アミノ酸であり、
−RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはRおよびRの少なくとも1つは、前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各LおよびL’は、独立に、式−L−L−の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各LおよびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
−各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
−各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−Rは、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−Rは、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−vは、1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり、
−wは、3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数であり、
−nは、1〜5の整数である)
を有する、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要としている被験体のがんを処置する方法であって、被験体に、治療有効量のペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を投与するステップを含み、ペプチド模倣大環状分子が、式
(式中、
−Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10のそれぞれは、個々にアミノ酸であり、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも3つは、配列Phe−X−Glu−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10/Cba10−X11−Ala12 (配列番号9)の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸であり、各Xは、アミノ酸であり、
−各Dは、独立に、アミノ酸であり、
−各Eは、独立に、アミノ酸、例えばAla(アラニン)、D−Ala(D−アラニン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Sar(N−メチルグリシン)、およびSer(セリン)から選択されるアミノ酸であり、
−RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはRおよびRの少なくとも1つは、前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各LおよびL’は、独立に、式−L−L−の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各LおよびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
−各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
−各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−Rは、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−Rは、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−vは、1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり、
−wは、3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数であり、
−nは、1〜5の整数である)
を有する、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要としている被験体のがんを処置する方法であって、被験体に、治療有効量のペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を投与するステップを含み、ペプチド模倣大環状分子が、式
を有する、方法を提供する。
本明細書に記載の式のいずれかの一部の実施形態では、[D]は、−Leu−Thrである。本明細書に記載の式の他の実施形態では、Eによって表される第3のアミノ酸以外の各Eは、Ala(アラニン)、D−Ala(D−アラニン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Sar(N−メチルグリシン)、およびSer(セリン)から選択されるアミノ酸である。
一部の実施形態では、wは、3〜10、例えば3〜6、3〜8、6〜8、または6〜10の整数である。一部の実施形態では、wは、3である。他の実施形態では、wは、6である。一部の実施形態では、vは、1〜10、例えば2〜5の整数である。一部の実施形態では、vは、2である。
一部の実施形態では、本明細書に開示のペプチドは、L17、V46、M50、Y96(ポケットの縁を形成する)およびL99のMDMXアミノ酸側鎖によって少なくとも部分的に画定された結合部位に結合する。理論に拘泥するものではないが、このような結合部位との結合によって、結合親和性、アポトーシスの誘導、in vitroもしくはin vivo抗腫瘍有効性、またはMDMX対MDM2に対する結合親和性の比の低減などの1つまたは複数の特性が改善される。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、MDM2またはMDMXに対する結合親和性が改善されている。他の場合には、ペプチド模倣大環状分子は、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、MDMX対MDM2に対する結合親和性の比が低減されている。さらに他の場合には、ペプチド模倣大環状分子は、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、p53陽性腫瘍細胞株に対するin
vitro抗腫瘍有効性が改善されている。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、p53陽性腫瘍細胞株におけるアポトーシスのin vitro誘導の改善を示す。他の場合には、請求項1に記載のペプチド模倣大環状分子は、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、p53陽性対p53陰性または変異腫瘍細胞株に対するin vitro抗腫瘍有効性の比が改善されている。ある場合には、改善されたin
vitro有効性の比は、1〜29、≧30〜49、または≧50である。さらに他の場合には、ペプチド模倣大環状分子は、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、p53陽性腫瘍に対するin vivo抗腫瘍有効性が改善されている。ある場合には、改善されたin vivo有効性の比は、〜29、≧30〜49、または≧50である。さらに他の場合、ペプチド模倣大環状分子は、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、p53陽性腫瘍におけるアポトーシスのin vivo誘導が改善されている。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、細胞透過性が改善されている。他の場合には、ペプチド模倣大環状分子は、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、溶解度が改善されている。例示的な細胞株として、MCF−7、HCT−116、MV4−11、DOHH2、MEL−HO、MEL−JUSO、SK−MEL−5、HT1080、MES−SA、SR、MDA−MB−134−VI、ZR−75−1、A427、A549、MOLM−13、SJSA−1、U2OS、RKO、A498、Caki−2、22RV1、MSTO−211H、C3A、AGS、SNU−1、RMG−1、HEC−151、HEC−265、MOLT−3およびA375細胞株が挙げられる。
一部の実施形態では、Xaaは、Gluまたはそのアミノ酸類似体である。一部の実施形態では、Xaaは、Gluまたはそのアミノ酸類似体であり、ペプチド模倣大環状分子は、XaaがAlaである対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、特性が改善され、例えば結合親和性が改善され、溶解度が改善され、細胞有効性が改善され、細胞透過性が改善され、in vivoもしくはin vitro抗腫瘍有効性が改善され、またはアポトーシス誘導が改善されている。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、XaaがAlaである対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、MDM2またはMDMXに対する結合親和性が改善されている。他の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、XaaがAlaである対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、MDMX対MDM2との結合親和性の比が低減されている。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、XaaがAlaである対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、溶解度が改善されており、またはペプチド模倣大環状分子は、XaaがAlaである対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、細胞有効性が改善されている。
一部の実施形態では、Xaaは、Gluまたはそのアミノ酸類似体であり、ペプチド模倣大環状分子は、XaaがAlaである対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、生物学的活性が改善され、例えば結合親和性が改善され、溶解度が改善され、細胞有効性が改善され、ヘリシティ(らせん度)が改善され、細胞透過性が改善され、in vivoもしくはin vitro抗腫瘍有効性が改善され、またはアポトーシス誘導が改善されている。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、p53−/−細胞株に対するその結合親和性の少なくとも2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、30倍、50倍、70倍、または100倍を超える、p53+/+細胞株に対する活性を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、p53−/−細胞株に対するその結合親和性の1〜29倍の間、30〜49倍の間、または≧50倍を超える、p53+/+細胞株に対する活性を有する。活性は、例えばIC50値として測定することができる。例えば、p53+/+細胞株は、SJSA−1、RKO、HCT−116、またはMCF−7であり、p53−/−細胞株は、RKO−E6またはSW−480である。一部の実施形態では、ペプチドは、p53+/+細胞株に対して1μM未満のIC50を有する。
一部の実施形態では、Xaaは、Gluまたはそのアミノ酸類似体であり、ペプチド模倣大環状分子は、p53−/−細胞株に対するその結合親和性の少なくとも10倍を超える、p53+/+細胞株に対する活性を有する。
別の態様では、本開示は、それを必要としている被験体におけるp53および/またはMDM2および/またはMDMXの活性をモジュレートする方法であって、被験体に、治療有効量のペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を投与するステップを含み、ペプチド模倣大環状分子が、表1、表1a、表1b、および表1cのいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約60%同一であるアミノ酸配列を含み、ペプチド模倣大環状分子が、式
または薬学的に許容されるその塩
(式中、
−各A、C、D、およびEは、独立に、アミノ酸であり、
−各Bは、独立に、アミノ酸、
、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
−各RおよびRは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、または前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
−各LおよびL’は、独立に、式−L−L−の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各LおよびLおよびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
−各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
−各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−各vは、独立に、1〜1000の整数であり、
−各wは、独立に、1〜1000の整数であり、
−uは、1〜10の整数であり、
−各x、yおよびzは、独立に、0〜10の整数であり、
−各nは、独立に、1〜5の整数である)
を有する、方法を提供する。
別の態様では、本開示は、それを必要としている被験体におけるp53タンパク質とMDM2タンパク質の間の相互作用および/またはp53タンパク質とMDMXタンパク質の間の相互作用を拮抗する方法であって、被験体に、治療有効量のペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を投与するステップを含み、ペプチド模倣大環状分子が、表1、表1a、表1b、および表1cのいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約60%同一であるアミノ酸配列を含み、ペプチド模倣大環状分子が、式
または薬学的に許容されるその塩
(式中、
−各A、C、D、およびEは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸またはアミノ酸類似体であり、各末端DおよびEは、任意選択で独立に、キャッピング基を含み、
−各Bは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
−各RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、または前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
−各LおよびL’は、独立に、式−L−L−の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各L、L、およびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
−各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
−各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−各vは、独立に、1〜1000の整数であり、
−各wは、独立に、1〜1000の整数であり、
−uは、1〜10の整数であり、
−各x、y、およびzは、独立に、0〜10の整数であり、
−各nは、独立に、1〜5の整数である)
を有する、方法を提供する。
一部の実施形態では、がんは、頭頸部がん、メラノーマ、肺がん、乳がん、結腸がん、卵巣がん、NSCLC、胃がん、前立腺がん、白血病、リンパ腫、中皮腫、腎臓がん、非ホジキンリンパ腫(NHL)、および神経膠腫からなる群から選択される。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、ヌクレオシド代謝阻害剤、微小管阻害剤、白金に基づく薬物、低メチル化剤、タンパク質キナーゼ阻害剤、ブルトンチロシンキナーゼ阻害剤、CDK4および/もしくはCDK6阻害剤、B−raf阻害剤、K−ras阻害剤、MEK−1および/もしくはMEK−2阻害剤、エストロゲン受容体アンタゴニスト、HDAC阻害剤、抗CD20モノクローナル抗体、抗PD−1モノクローナル抗体、ホルモンアンタゴニスト、CDK2NA欠失を軽減する薬剤、CDK9異常を軽減する薬剤、AMT制御因子、AKT活性化を軽減する薬剤、PTEN欠失を軽減する薬剤、Wip−1アルファ過剰発現を軽減する薬剤、BIMを上方制御する薬剤、またはアロマターゼ阻害剤である。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、B−rafに結合するか、またはそれをモジュレートする。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、B−raf阻害剤である。一部の実施形態では、B−raf阻害剤は、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、ソラフェニブ、C−1、またはNVP−LGX818である。一部の実施形態では、B−raf阻害剤は、ベムラフェニブまたはダブラフェニブであり、がんは、メラノーマである。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、ヌクレオシド代謝制御因子またはモジュレーターである。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、ヌクレオシド代謝阻害剤である。一部の実施形態では、ヌクレオシド代謝阻害剤は、カペシタビン、ゲムシタビンまたはシタラビンである。一部の実施形態では、ヌクレオシド代謝阻害剤は、カペシタビンであり、がんは、結腸がんまたは乳がんである。一部の実施形態では、ヌクレオシド代謝阻害剤は、ゲムシタビンであり、がんは、卵巣がん、NSCLC、または乳がんである。一部の実施形態では、ヌクレオシド代謝阻害剤は、シタラビンであり、がんは、白血病またはリンパ腫である。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、エストロゲン受容体アンタゴニストである。一部の実施形態では、エストロゲン受容体アンタゴニストは、フルベストラントである。一部の実施形態では、がんは、乳がんである。一部の実施形態では、がんは、エストロゲン受容体陽性乳がんである。一部の実施形態では、がんは、Her2陰性陽性乳がんである。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、微小管制御因子またはモジュレーターである。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、微小管阻害剤である。一部の実施形態では、微小管阻害剤は、パクリタキセル、アブラキサンまたはドセタキセルである。一部の実施形態では、微小管阻害剤は、パクリタキセルであり、がんは、卵巣がんである。一部の実施形態では、微小管阻害剤は、アブラキサンであり、がんは、卵巣がんである。一部の実施形態では、微小管阻害剤は、ドセタキセルであり、がんは、NSCLC、乳がん、前立腺がんまたは胃がんである。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、白金に基づく薬物である。一部の実施形態では、白金に基づく薬物は、カルボプラチンまたはシスプラチンである。一部の実施形態では、白金に基づく薬物は、カルボプラチンであり、がんは、NSCLCまたは卵巣がんである。一部の実施形態では、白金に基づく薬物は、シスプラチンであり、がんは、NSCLC、中皮腫または卵巣がんである。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、低メチル化剤である。一部の実施形態では、低メチル化剤は、アザシチジンまたはdacogenである。一部の実施形態では、低メチル化剤は、アザシチジンまたはdacogenであり、がんは、骨髄異形成症候群である。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、タンパク質キナーゼに結合するか、またはそれをモジュレートする。一部の実施形態では、追加の薬学的に活性な薬剤は、タンパク質キナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、タンパク質キナーゼ阻害剤は、ソラフェニブ、ミドスタウリン(PKC412)、またはキザルチニブである。一部の実施形態では、タンパク質キナーゼ阻害剤は、ソラフェニブであり、がんは、腎臓がんまたは肝臓がんである。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、ブルトンチロシンキナーゼに結合するか、またはそれをモジュレートする。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、ブルトンチロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ブルトンチロシンキナーゼ阻害剤は、イブルチニブである。一部の実施形態では、ブルトンチロシンキナーゼ阻害剤は、イブルチニブであり、がんは、非ホジキンリンパ腫(NHL)である。一部の実施形態では、ブルトンチロシンキナーゼ阻害剤は、イブルチニブであり、がんは、非ホジキンリンパ腫(NHL)である。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、CDK4および/またはCDK6に結合するか、またはそれらをモジュレートする。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、CDK4および/またはCDK6阻害剤である。一部の実施形態では、CDK4および/またはCDK6阻害剤は、パルボシクリブである。一部の実施形態では、CDK4および/またはCDK6阻害剤は、パルボシクリブであり、がんは、乳がんである。一部の実施形態では、がんは、乳がんである。一部の実施形態では、がんは、エストロゲン受容体陽性乳がんである。一部の実施形態では、がんは、Her2陰性陽性乳がんである。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、MEK−1および/またはMEK−2に結合するか、またはそれらをモジュレートする。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、MEK−1および/またはMEK−2阻害剤である。一部の実施形態では、MEK−1および/またはMEK−2阻害剤は、トラメチニブ、ピマセルチブ、またはPD0325901である。一部の実施形態では、MEK−1および/またはMEK−2阻害剤は、トラメチニブであり、がんは、メラノーマである。一部の実施形態では、MEK−1および/またはMEK−2阻害剤は、ピマセルチブである。一部の実施形態では、MEK−1および/またはMEK−2阻害剤は、ピマセルチブであり、がんは、NSCLCである。一部の実施形態では、MEK−1および/またはMEK−2阻害剤は、PD0325901である。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、抗CD20モノクローナル抗体である。一部の実施形態では、抗CD20モノクローナル抗体は、リツキシマブまたはオビヌツズマブである。一部の実施形態では、がんは、NHLまたはB細胞リンパ腫である。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、抗PD−1モノクローナル抗体である。一部の実施形態では、抗PD−1モノクローナル抗体は、ペンブロリズマブまたはニボルマブである。一部の実施形態では、抗PD−1モノクローナル抗体は、ペンブロリズマブまたはニボルマブであり、がんは、メラノーマまたはNSCLCである。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、アロマターゼ阻害剤である。一部の実施形態では、アロマターゼ阻害剤は、レトロゾールまたはエキセメスタンである。一部の実施形態では、アロマターゼ阻害剤は、レトロゾールまたはエキセメスタンであり、がんは、乳がんである。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、トポイソメラーゼIまたはIIに結合するか、またはそれをモジュレートする。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、トポイソメラーゼIまたはIIの阻害剤である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、トポテカン、イリノテカン(rinotecan)、イダルビシン、テニポシドまたはエピルビシンである。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、トポテカン、イリノテカンまたはエピルビシンである。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、BCR−ABLキナーゼまたはBCR−ABLおよびSrcファミリーのチロシンキナーゼに結合するか、またはそれらをモジュレートする。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、BCR−ABLキナーゼまたはBCR−ABLおよびSrcファミリーのチロシンキナーゼの阻害剤である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、ニロチニブ、ボスチニブ、ダサチニブまたはイマチニブである。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、PI3Kに結合するか、またはそれをモジュレートする。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、PI3K阻害剤である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、GDC−0941またはAMG511である。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、ホルモンアンタゴニストである。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、レトロゾールまたはカソデックスである。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、フルオロウラシル(fluoroucil)である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、プリン類似体である。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、mTORに結合するか、またはそれをモジュレートする。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、mTOR阻害剤である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、AD8005である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、エベロリムスである。一部の実施形態では、がんは、乳がんである。一部の実施形態では、がんは、エストロゲン受容体陽性乳がんである。一部の実施形態では、がんは、Her2陰性陽性乳がんである。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、PI3K/mTORキナーゼの両方に結合するか、またはそれらをモジュレートする。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、二重PI3K/mTORキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、BEZ235である。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、BCL−2および/またはBCL−XLの両方に結合するか、またはそれらをモジュレートする。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、BCL−2および/またはBCL−XL阻害剤である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、ベネトクラックス(ABT−199)またはABT−263である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、プリン類似体である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、フルダラビンである。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、野生型または変異体K−rasに結合するか、またはそれをモジュレートする。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、放射線である。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、複数標的化チロシンキナーゼモジュレーターまたは結合剤である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、複数標的化チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、ポナチニブである。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、パン−ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)モジュレーターまたは結合剤である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、パン−ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、パノビノスタットである。一部の実施形態では、がんは、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、または末梢(periphieral)T細胞リンパ腫(PTCL)である。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、AKTキナーゼに結合するか、またはそれをモジュレートする。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、AKTキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、MK−2206である。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、CDKN2A(サイクリン依存性キナーゼ阻害剤2A)欠失を軽減する。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、CDK9(サイクリン依存性キナーゼ9)異常を軽減する。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、ATM欠損を軽減する。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、AKT活性化を軽減する。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、PTEN欠失を軽減する。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、Wip−1アルファ過剰発現を軽減する。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、BIMを上方制御するか、またはBIM模倣薬である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、ペグ化IFN2a、ビンブラスチン、デキサメタゾン、またはアスパラギナーゼである。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、デキサメタゾンである。一部の実施形態では、がんは、B細胞リンパ腫である。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子および追加の薬学的に活性な薬剤は、単一製剤で存在する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子および追加の薬学的に活性な薬剤は、2つの異なる製剤で存在する。一部の実施形態では、2つの異なる製剤は、同時に投与される。一部の実施形態では、2つの異なる製剤は、逐次的に投与される。一部の実施形態では、治療量以下の用量の追加の治療剤が投与される。一部の実施形態では、治療有効量の追加の治療剤が投与される。
一部の実施形態では、被験体は、PD−L1を過剰発現するがん細胞を含む。一部の実施形態では、被験体は、PD−1を過剰発現するがん細胞を含む。一部の実施形態では、被験体は、miR−34を過剰発現するがん細胞を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、PD−1アンタゴニストである。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、PD−L1アンタゴニストである。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、PD−1とのPD−L1の結合を妨害する薬剤である。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、PD−1に特異的に結合する。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、PD−L1に特異的に結合する。一部の実施形態では、PD−L1発現が、下方制御される。一部の実施形態では、PD−1発現が、下方制御される。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、ベネトクラックス(ABT−199)、クロファラビン、シクロホスファミド、シタラビン、ドキソルビシン、メシル酸イマチニブ、メトトレキセート、プレドニゾン、ビンクリスチン、アザシチジン(azacitadine)、シクロホスファミド、シタラビン、ダブラフェニブ、デシタビン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、メトトレキセート、カペシタビン、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン、メシル酸エリブリン、エベロリムス、エキセメスタン、フルオロウラシル、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲムシタビン、酢酸ゴセレリン、レトロゾール、酢酸メゲストロール、メトトレキセート、パクリタキセル、パルボシクリブ、ペルツズマブ、クエン酸タモキシフェン、トラスツズマブ、カペシタビン、セツキシマブ、フルオロウラシル、イリノテカン、ラムシルマブ、カルボプラチン、シスプラチン、ドキソルビシン、酢酸メゲストロール、パクリタキセル、ドセタキセル、ドキソルビシン、フルオロウラシル、ラムシルマブ、トラスツズマブ、アキシチニブ、エベロリムス、パゾパニブ、トシル酸ソラフェニブ、トシル酸ソラフェニブ、ダカルバジン、パクリタキセル、トラメチニブ、ベムラフェニブ、シスプラチン、ペメトレキセド、ベンダムスチン、ボルテゾミブ、ブレンツキシマブベドチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、デキサメタゾン、ドキソルビシン、イブルチニブ、レナリドミド、メトトレキセート、プレドニゾン、リツキシマブ、ビンクリスチン、二マレイン酸アファチニブ、カルボプラチン、シスプラチン、クリゾチニブ、ドセタキセル、エルロチニブ、ゲムシタビン、メトトレキセート、パクリタキセル、ペメトレキセド、ラムシルマブ、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ゲムシタビン、オラパリブ、パクリタキセル、トポテカン、アビラテロン、カバジタキセル、ドセタキセル、エンザルタミド、酢酸ゴセレリン、プレドニゾン、ドキソルビシン、メシル酸イマチニブ、ロミデプシン、オビヌツズマブ、パゾパニブ、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、S期を阻害する。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、M期を阻害する。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、p53タンパク質とMDM2タンパク質の間の相互作用を拮抗する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、p53タンパク質とMDMXタンパク質の間の相互作用を拮抗する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、p53タンパク質とMDM2タンパク質の間の相互作用およびp53タンパク質とMDMXタンパク質の間の相互作用を拮抗する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、p53タンパク質とMDM2タンパク質の間の相互作用およびp53タンパク質とMDMXタンパク質の間の相互作用を拮抗する。
一態様では、本明細書では、PD−L1発現を低減するペプチド模倣大環状分子を選択する方法であって、第1のレベルのPD−L1を発現するがん細胞株を、第1のアミノ酸および第2のアミノ酸を結合するクロスリンカーを有するポリペプチドを含むペプチド模倣大環状分子と接触させるステップと、がん細胞株を、インキュベーション期間にわたってインキュベートするステップと、インキュベーション期間後に、第2のレベルのPD−L1発現を測定するステップと、第2のレベルのPD−L1発現が、第1のレベルのPD−L1発現よりも、少なくとも1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、25、50、または100分の1である場合、ペプチド模倣大環状分子を、PD−L1発現を低減するペプチド模倣大環状分子として選択するステップとを含む、方法が提供される。
一部の実施形態では、測定するステップは、フローサイトメトリーを含む。一部の実施形態では、がん細胞株は、MCF−7、HCT−116、MV4−11、DOHH2、およびA375からなる群から選択される。一部の実施形態では、方法は、(a)の前、(b)の後、またはその両方においてp53発現レベルを測定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、(a)の前、(b)の後、またはその両方においてp21発現レベルを測定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、(a)の前、(b)の後、またはその両方においてmiR−34発現レベルを測定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、miR−34は、miR−34a、miR−34b、miR−34c、またはそれらの組合せである。一部の実施形態では、がん細胞株における第1のレベルのPD−L1発現は、高度である。一部の実施形態では、がん細胞株における第1のレベルのPD−L1発現は、低度である。一部の実施形態では、がん細胞株は、p53野生型である。一部の実施形態では、インキュベーション期間は、接触後、約24時間、48時間、または72時間である。一部の実施形態では、インキュベーション期間は、接触後、少なくとも6時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、または72時間である。一部の実施形態では、方法は、インキュベーション期間後に、アポトーシスのレベルを測定するステップをさらに含む。
参考文献の援用
本明細書で言及されているあらゆる刊行物、特許文書、および特許出願文書は、各個々の刊行物、特許文書、または特許出願文書が、あたかも具体的に個々に参照によって組み込まれることが示されているかのように、参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明の新規な特徴を、添付の特許請求の範囲において詳細に示す。本発明の特徴および利点は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明および以下の添付の図を参照することによってより良好に理解されよう。
図1Aは、Aileronペプチド1が、漸増量のAileronペプチド1で処置されたAML細胞株におけるp53経路を活性化することを実証するウエスタンブロットを図示する。
図1Bは、Aileronペプチド1が、示されている量のAileronペプチド1で処置されたAML細胞株におけるp53経路を活性化することを実証するウエスタンブロットを図示する。
図1Cは、Aileronペプチド1が、示されている量のAileronペプチド1で処置された初代AML細胞株におけるp53経路を活性化することを実証するウエスタンブロットを図示する。
図2は、漸増量のAileronペプチド1で処置されたAML細胞株における、GAPDHに正規化された相対的なmRNA発現のグラフを図示する。
図3Aは、p53が、用量依存的方式でのAileronペプチド1処置に対する応答において安定化されていることを実証するウエスタンブロットを図示する。
図3Bは、p53が、時間依存性方式でのAileronペプチド1処置に対する応答において安定化されていることを実証するウエスタンブロットを図示する。
図4Aは、Aileronペプチド1が、p53−MDMX相互作用の阻害剤であることを実証する免疫沈殿のウエスタンブロットを図示する。
図4Bは、Aileronペプチド1が、p53−MDM2およびp53−MDMX相互作用のデュアル阻害剤であることを実証する免疫沈殿のウエスタンブロットを図示する。
図4Cは、Aileronペプチド1が、p53−MDM2相互作用の阻害剤であることを実証する免疫沈殿のウエスタンブロットを図示する。
図5Aは、示されている量のAileronペプチド1(AP1)で処置されたAML細胞株の細胞増殖の阻害を実証するグラフを図示する。
図5Bは、示されている量のAP1で処置されたAML細胞株の細胞増殖の阻害を実証するグラフを図示する。
図5Cは、示されている量のAP1で処置されたAML細胞株の細胞増殖の阻害を実証するグラフを図示する。
図5Dは、示されている量のAP1で処置されたAML細胞株の細胞増殖の阻害を実証するグラフを図示する。
図6は、示されている量のAP1で処置されたAML細胞株のクローン原性能力の阻害を実証するグラフを図示する。
図7Aは、示されている量のAP1で処置されたAML細胞株の細胞増殖の阻害を実証するグラフを図示する。
図7Bは、示されている量のAP1で処置されたAML細胞株の細胞増殖の阻害を実証するグラフを図示する。
図8Aは、Aileronペプチド1が、p53野生型AML細胞株においてアポトーシス細胞死を誘導することを実証するグラフ(左)および対応するFACSデータ(右)を図示する。
図8Bは、Aileronペプチド1が、p53野生型AML細胞株においてアポトーシス細胞死を誘導することを実証するグラフ(左)および対応するFACSデータ(右)を図示する。
図8Cは、Aileronペプチド1が、p53ヌルAML細胞株においてアポトーシス細胞死を誘導しないことを実証するグラフ(左)および対応するFACSデータ(右)を図示する。
図8Dは、Aileronペプチド1が、p53野生型AML細胞株においてアポトーシス細胞死を誘導することを実証するグラフ(左)および対応するFACSデータ(右)を図示する。
図8Eは、Aileronペプチド1が、p53野生型AML細胞株においてアポトーシス細胞死を誘導することを実証するグラフ(左)および対応するFACSデータ(右)を図示する。
図9Aは、シタラビン(Ara−C)処置が、AML細胞株の増殖を阻害することを実証するグラフを図示する。
図9Bは、Ara−Cが、AP1と協同してAML細胞株の増殖を阻害することを実証するグラフを図示する。
図9Cは、Ara−Cが、AP1と協同してAML細胞株の増殖を阻害することを実証するグラフを図示する。
図10Aは、示されている量のAP1で処置された初代AML細胞の細胞増殖の阻害を実証するグラフを図示する。
図10Bは、示されている量のAP1で処置された初代AML細胞の細胞増殖の阻害を実証するグラフを図示する。
図10Cは、示されている量のAP1で処置された初代AML細胞の細胞増殖の阻害を実証するグラフを図示する。
図10Dは、示されている量のAP1で処置された初代AML細胞の細胞増殖の阻害を実証するグラフを図示する。
図11Aは、示されている量のAP1で処置された初代AML細胞のクローン原性能力の阻害を実証するグラフを図示する。
図11Bは、示されている量のAP1で処置された初代AML細胞のクローン原性能力の阻害を実証するグラフを図示する。
図12は、AP1が、初代AML細胞においてアポトーシス細胞死を誘導することを実証するグラフ(上部)および対応するFACSデータ(底部)を図示する。
図13は、MDMX(Primary SwissProt受託番号Q7ZUW7;エントリーMDM4_DANRE)と複合体化されたp53ペプチド模倣大環状分子であるペプチド模倣大環状分子46(表2b)の構造を示す。
図14は、MDMX(Primary SwissProt受託番号Q7ZUW7;エントリーMDM4_DANRE)に結合されたp53ペプチド模倣大環状分子142(表2b)およびSP43のオーバーレイ構造を示す。
図15は、マウスMCF−7異種移植片モデルにおける腫瘍成長に対する、ペプチド模倣大環状分子であるSP154の効果を示す。
図16は、マウスMCF−7異種移植片モデルにおける腫瘍成長に対する、ペプチド模倣大環状分子であるSP249の効果を示す。
図17は、マウスMCF−7異種移植片モデルにおける腫瘍成長に対する、ペプチド模倣大環状分子であるSP315の効果を示す。
図18は、マウスMCF−7異種移植片モデルにおける腫瘍成長に対する、SP154の点変異であるSP252の効果を示す。
図19は、様々なC末端伸長を有するペプチド模倣大環状分子についての溶解度のプロットを示す。
図20は、本開示のペプチド模倣大環状分子が、B−Raf−変異体メラノーマ細胞株A375においてZelboraf(ベムラフェニブ、別名PLX4032)との相乗作用を示すことを示す。
図21は、本開示のペプチド模倣大環状分子が、B−Raf−変異体メラノーマ細胞株Mel−HoにおいてZelborafとの相乗作用を示すが、B−Raf−WT Mel−Jusoにおいて示さないことを示す。
図22は、本開示のペプチド模倣大環状分子が、HCT116 p53+/+細胞においてPD−L1の発現レベルを低減することができることを示す。
図23は、異なる数のMCF−7細胞を37℃で24時間の成長期間の間成長させた後、示されている時点で測定されたWST−1アッセイを使用して決定されたMCF−7細胞増殖のグラフを示す。
図24Aは、示されている濃度のAileronペプチド1で処置された場合のMCF−7乳がん細胞増殖の棒グラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。Aileronペプチド1を用いる処置は、MCF−7乳がん細胞成長を抑制する。
図24Bは、示されている濃度のAileronペプチド1で処置された場合のMOLT−3細胞増殖の棒グラフを示す。処置を開始した72時間後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイによって評価した。Aileronペプチド1を用いる処置は、MOLT−3細胞成長を抑制する。
図25Aは、示されている量のAileronペプチド(petide)1(logμM)、Aileronペプチド1+400nMのエベロリムス、またはAileronペプチド1+10nMのフルベストラントで処置された場合のMCF−7乳がん細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。フルベストラントおよびエベロリムスとの組合せにおけるAileronペプチド1は、がん細胞増殖の阻害の増強をもたらす。
図25Bは、示されている量のAP1(μM)、AP1+400nMのエベロリムス、またはAP1+10nMのフルベストラントで処置された場合のMCF−7乳がん細胞増殖阻害(対照の画分)のグラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。フルベストラントおよびエベロリムスとの組合せにおけるAP1は、がん細胞増殖の阻害の増強をもたらす。
図26は、示されている濃度のフルベストラントで処置された場合のMCF−7細胞増殖の棒グラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイによって評価した。フルベストラント処置は、単剤として、細胞死滅の制限とともにMCF−7乳がん細胞増殖を阻害した。
図27Aは、示されている量のAileronペプチド1、Aileronペプチド1+3nMのフルベストラント、Aileronペプチド1+10nMのフルベストラント、またはAileronペプチド1+30nMのフルベストラントで処置された場合のMCF−7乳がん細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。フルベストラントとの組合せが、がん細胞増殖および細胞死滅のAileronペプチド1阻害を増強する。
図27Bは、示されている量のフルベストラント、フルベストラント+0.13μMのAileronペプチド1、フルベストラント+0.4μMのAileronペプチド1、またはフルベストラント+1.2μMのAileronペプチド1で処置された場合のMCF−7乳がん細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。Aileronペプチド1との組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のフルベストラント阻害を増強する。
図28Aは、示されている固定量のフルベストラント(FU)との組合せにおける示されている固定量のAileronペプチド1(AP1)で処置された場合のMCF−7乳がん細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。Aileronペプチド1との組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のフルベストラント阻害を増強する。
図28Bは、0.1μMのAileronペプチド1、3nMのフルベストラント、または0.1μMのAileronペプチド1および3nMのフルベストラントで処置された場合のMCF−7乳がん細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。Aileronペプチド1との組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のフルベストラント阻害を増強する。
図29は、示されている濃度のエベロリムスで処置された場合のMCF−7細胞増殖の棒グラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイによって評価した。エベロリムス処置は、単剤として、細胞死滅の制限とともにMCF−7乳がん細胞増殖を阻害した。
図30Aは、示されている量のAileronペプチド1、Aileronペプチド1+1nMのエベロリムス、Aileronペプチド1+3nMのエベロリムス、Aileronペプチド1+10nMのエベロリムス、またはAileronペプチド1+100nMのエベロリムスで処置された場合のMCF−7乳がん細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。エベロリムスとの組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のAileronペプチド1阻害を増強する。
図30Bは、示されている量のエベロリムス、エベロリムス+0.13μMのAileronペプチド1、エベロリムス+0.4μMのAileronペプチド1、またはエベロリムス+1.2μMのAileronペプチド1で処置された場合のMCF−7乳がん細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。Aileronペプチド1との組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のエベロリムス阻害を増強する。
図31Aは、示されている固定量のエベロリムス(EV)との組合せにおける示されている固定量のAileronペプチド1(AP1)で処置された場合のMCF−7乳がん細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。Aileronペプチド1との組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のエベロリムス阻害を増強する。
図31Bは、0.1μMのAileronペプチド1、3nMのエベロリムス、または0.1μMのAileronペプチド1および3nMのエベロリムスで処置された場合のMCF−7乳がん細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。Aileronペプチド1との組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のエベロリムス阻害を増強する。
図32は、示されている濃度のロミデプシンで処置された場合のMOLT−3細胞増殖の棒グラフを示す。処置を開始した72時間後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイによって評価した。ロミデプシン処置はMOLT−3細胞増殖を阻害した。
図33Aは、示されている量のAileronペプチド1、Aileronペプチド1+0.5nMのロミデプシン、Aileronペプチド1+1.5nMのロミデプシン、またはAileronペプチド1+3nMのロミデプシンで処置された場合のMOLT−3細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した72時間後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。ロミデプシンとの組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のAileronペプチド1阻害を増強する。
図33Bは、示されている量のロミデプシン、ロミデプシン+0.05μMのAileronペプチド1、ロミデプシン+0.2μMのAileronペプチド1、またはロミデプシン+0.8μMのAileronペプチド1で処置された場合のMOLT−3細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した72時間後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイによって評価した。MOLT−3細胞を、ロミデプシン(romedepsin)を添加する前に2時間Aileronペプチド1で前処置した。Aileronペプチド1との組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のロミデプシン阻害を増強する。
図34Aは、示されている固定量のロミデプシン(RO)との組合せにおける示されている固定量のAileronペプチド1(AP1)で処置された場合のMOLT−3細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した72時間後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイによって評価した。MOLT−3細胞を、ロミデプシンを添加する前に2時間Aileronペプチド1で前処置した。Aileronペプチド1およびロミデプシンは、MOLT−3細胞成長を抑制した。ロミデプシンとの組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のAileronペプチド1阻害を増強する。
図34Bは、示されている固定量のロミデプシン(RO)との組合せにおける示されている固定量のAileronペプチド1(AP1)で処置された場合のMOLT−3細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した72時間後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。MOLT−3細胞を、ロミデプシンを添加する前に2時間Aileronペプチド1で前処置した。Aileronペプチド1およびロミデプシンは、MOLT−3細胞成長を抑制した。ロミデプシンとの組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のAileronペプチド1阻害を増強する。
図34Cは、0.1μMのAileronペプチド1、1.5nMのロミデプシン、または0.1μMのAileronペプチド1および1.5nMのロミデプシンで処置された場合のMOLT−3細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した72時間後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。MOLT−3細胞を、ロミデプシンを添加する前に2時間Aileronペプチド1で前処置した。Aileronペプチド1およびロミデプシンは、MOLT−3細胞成長を抑制した。ロミデプシンとの組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のAileronペプチド1阻害を増強する。
図35は、示されている濃度のパルボシクリブで処置された場合のMCF−7細胞増殖の棒グラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイによって評価した。パルボシクリブ処置は、単剤として細胞死滅の制限とともにMCF−7乳がん細胞増殖を阻害した。
図36Aは、示されている量のAileronペプチド1、Aileronペプチド1+0.3μMのパルボシクリブ、Aileronペプチド1+1μMのパルボシクリブ、Aileronペプチド1+3μMのパルボシクリブ、またはAileronペプチド1+10μMのパルボシクリブで処置された場合のMCF−7乳がん細胞生存率のグラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。パルボシクリブは、Aileronペプチド1とともに投薬された場合に抗増殖効果を有する。Aileronペプチド1およびパルボシクリブ組合せ研究は、相補的in vitro抗がん活性を示す。パルボシクリブとの組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のAileronペプチド1阻害を増強する。
図36Bは、示されている量のパルボシクリブ、パルボシクリブ+0.13μMのAileronペプチド1、パルボシクリブ+0.4μMのAileronペプチド1、またはパルボシクリブ+1.2μMのAileronペプチド1で処置された場合のMCF−7乳がん細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。Aileronペプチド1との組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のパルボシクリブ阻害を増強する。
図37Aは、示されている固定量のパルボシクリブ(PO)との組合せにおける示されている固定量のAileronペプチド1(AP1)で処置された場合のMCF−7乳がん細胞増殖のグラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。
図37Bは、0.3μMのパルボシクリブまたは0.3μMのAileronペプチド1および0.3μMのパルボシクリブで処置された場合のMCF−7乳がん細胞生存率のグラフを示す。処置を開始した5日後に、細胞を生存率についてMTTアッセイによって評価した。Aileronペプチド1は、パルボシクリブとともに投薬された場合にがん細胞を死滅させる。
図38Aは、示されている濃度のAra−Cで処置された場合のMV4−11細胞増殖を示す。
図38Bは、様々な濃度のAP1およびAra−Cで処置された場合のMV4−11細胞生存率を示す。Ara−Cとの組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のAP1阻害を増強した。
図38Cは、AP1およびAra−Cを用いる処置の組合せインデックスプロファイルを示す。
図39Aは、示されている濃度のアザシチジンで処置された場合のMV4−11細胞増殖を示す。
図39Bは、様々な濃度のAP1およびアザシチジンで処置された場合のMV4−11細胞生存率を示す。アザシチジンとの組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のAP1阻害を増強した。
図39Cは、AP1およびアザシチジンを用いる処置の組合せインデックスプロファイルを示す。
図40Aは、示されている濃度のデシタビンで処置された場合のMV4−11細胞増殖を示す。
図40Bは、様々な濃度のAP1およびデシタビンで処置された場合のMV4−11細胞生存率を示す。デシタビンとの組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のAP1阻害を増強した。
図40Cは、AP1およびデシタビンを用いる処置の組合せインデックスプロファイルを示す。
図41Aは、示されている濃度のミドスタウリンで処置された場合のMV4−11細胞増殖を示す。
図41Bは、様々な濃度のAP1およびミドスタウリンで処置された場合のMV4−11細胞生存率を示す。ミドスタウリンとの組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のAP1阻害を増強した。
図41Cは、AP1およびミドスタウリンを用いる処置の組合せインデックスプロファイルを示す。
図42Aは、示されている濃度のビンクリスチン(VCR)で処置された場合のDOHH−2細胞増殖を示す。
図42Bは、様々な濃度のAP1およびVCRで処置された場合のDOHH−2細胞生存率を示す。ビンクリスチンとの組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のAP1阻害を増強した。
図42Cは、AP1およびビンクリスチンを用いる処置の組合せインデックスプロファイルを示す。
図43は、AP1単独で、ビンクリスチン単独で、およびビンクリスチンとの組合せにおけるAP1で処置された場合のDOHH−2細胞生存率を示す。
図44Aは、示されている濃度のAP1で処置された場合のDOHH−2細胞増殖を示す。
図44Bは、様々な濃度のシクロホスファミド(CTX)およびAP1で処置された場合のDOHH−2細胞生存率を示す。ビンクリスチンとの組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のCTX阻害を増強した。
図44Cは、AP1およびCTXを用いる処置の組合せインデックスプロファイルを示す。
図45は、AP1単独で、CTX単独で、およびCTXとの組合せにおけるAP1で処置された場合のDOHH−2細胞生存率を示す。
図46は、VCRとの組合せにおけるAP1の様々な濃度を使用してDOHH−2細胞生存率に対する添加順序効果を示す。
図47は、24時間のAP1を用いる前処置後、様々な濃度のAP1およびVCRで処置された場合の添加順序に基づくDOHH−2細胞生存率を示す。
図48は、24時間のVCRを用いる前処置後、様々な濃度のAP1およびVCRで処置された場合の添加順序に基づくDOHH−2細胞生存率を示す。
図49は、CTXとの組合せにおけるAP1の様々な濃度を使用して、DOHH−2細胞生存率に対する添加順序効果を示す。
図50は、24時間のAP1を用いる前処置後、様々な濃度のAP1およびCTXで処置された場合の添加順序に基づくDOHH−2細胞生存率を示す。
図51は、24時間のCTXを用いる前処置後、様々な濃度のAP1およびCTXで処置された場合の添加順序に基づくDOHH−2細胞生存率を示す。
図52は、AP1およびミドスタウリンの様々な濃度を使用する、MV4−11細胞生存率に対する添加順序効果を示す。
図53は、24時間のミドスタウリンを用いる前処置後、様々な濃度のAP1およびミドスタウリンで処置された場合の添加順序に基づくMV4−11細胞生存率を示す。
図54は、24時間のAP1を用いる前処置後、様々な濃度のAP1およびミドスタウリンで処置された場合の添加順序に基づくMV4−11細胞生存率を示す。
図55は、デシタビンとの組合せにおけるAP1の様々な濃度を使用する、MV4−11細胞生存率に対する添加順序効果を示す。
図56は、24時間のデシタビンを用いる前処置後、様々な濃度のAP1およびデシタビンで処置された場合の添加順序に基づくMV4−11細胞生存率を示す。
図57は、24時間のAP1を用いる前処置後、様々な濃度のAP1およびデシタビンで処置された場合の添加順序に基づくMV4−11細胞生存率を示す。
図58は、Ara−Cとの組合せにおけるAP1の様々な濃度を使用する、MV4−11細胞生存率に対する添加順序効果を示す。
図59は、24時間のAP1を用いる前処置後、様々な濃度のAP1およびAra−Cで処置された場合の添加順序に基づくMV4−11細胞生存率を示す。
図60は、24時間のAra−Cを用いる前処置後、様々な濃度のAP1およびAra−Cで処置された場合の添加順序に基づくMV4−11細胞生存率を示す。
図61は、アザシチジンとの組合せにおけるAP1の様々な濃度を使用する、MV4−11細胞生存率に対する添加順序効果を示す。
図62は、AP1を用いる24時間の前処置後、様々な濃度のAP1およびアザシチジンで処置された場合の添加順序に基づくMV4−11細胞生存率を示す。
図63は、24時間のアザシチジンを用いる前処置後、様々な濃度のAP1およびアザシチジンで処置された場合の添加順序に基づくMV4−11細胞生存率を示す。
図64Aは、示されている濃度のフルベストラントで処置された場合のMCF−7細胞増殖を示す。
図64Bは、様々な濃度のAP1およびフルベストラントで処置された場合のMCF−7細胞生存率を示す。
図6Aは、様々な濃度のAP1で処置された場合のMCF−7細胞増殖を示す。
図65Bは、様々な濃度のAP1およびフルベストラントで処置された場合のMCF−7細胞生存率を示す。
図65Cは、AP1単独の、および様々な濃度のフルベストラント(FUL)とのAP1のIC50値を示す。
図66Aは、様々な濃度のエベロリムスで処置された場合のMCF−7細胞増殖を示す。
図66Bは、様々な濃度のAP1およびエベロリムスで処置された場合のMCF−7細胞生存率を示す。
図67Aは、様々な濃度のAP1で処置された場合のMCF−7細胞増殖を示す。AP1処置は、MCF−7乳がん細胞増殖を抑制した。
図67Bは、様々な濃度のAP1およびエベロリムスで処置された場合のMCF−7細胞生存率のグラフを示す。
図68Aは、DOHH−2細胞成長に対するリツキシマブ単独の効果を示す。
図68Bは、様々な濃度のAP1およびリツキシマブで処置された場合のDOHH−2細胞生存率を示す。
図69Aは、DOHH−2細胞成長に対するAP1単独の効果を示す。
図69Bは、様々な濃度のAP1およびリツキシマブで処置された場合のDOHH−2細胞生存率を示す。
図70は、AP1単独で、リツキシマブ単独で、およびリツキシマブとの組合せにおける様々な濃度のAP1で処置された場合のDOHH−2細胞生存率を示す。
図71Aは、MOLT−3細胞成長に対するAP1単独の効果を示す。
図71Bは、様々な濃度のAP1およびロミデプシンで処置された場合のMOLT−3細胞生存率を示す。
図72Aは、MOLT−3細胞成長に対するロミデプシン単独の効果を示す。
図72Bは、様々な濃度のAP1およびロミデプシンで処置された場合のMOLT−3細胞生存率を示す。
図72Cは、AP1単独の、および様々な濃度のロミデプシンとのAP1のIC50値を示す。
図73は、AP1単独で、ロミデプシン単独で、およびロミデプシンとの組合せにおけるAP1で処置された場合のMOLT−3細胞生存率を示す。
図74Aは、様々な濃度のリボシクリブで処置された場合のMCF−7細胞増殖を示す。
図74Bは、様々な濃度のAP1およびリボシクリブで処置された場合のMCF−7細胞生存率を示す。
図75Aは、様々な濃度のAP1で処置された場合のMCF−7細胞増殖を示す。
図75Bは、様々な濃度のAP1およびリボシクリブで処置された場合のMCF−7細胞生存率を示す。
図76Aは、様々な濃度のアベマシクリブで処置された場合のMCF−7細胞増殖を示す。
図76Bは、様々な濃度のAP1およびアベマシクリブで処置された場合のMCF−7細胞生存率を示す。
図77Aは、様々な濃度のAP1で処置された場合のMCF−7細胞増殖を示す。
図77Bは、様々な濃度のAP1およびアベマシクリブで処置された場合のMCF−7細胞生存率を示す。
図78Aは、様々な濃度のパルボシクリブで処置された場合のMCF−7細胞増殖を示す。
図78Bは、様々な濃度のAP1およびパルボシクリブで処置された場合のMCF−7細胞生存率を示す。
図79Aは、様々な濃度のAP1で処置された場合のMCF−7細胞増殖を示す。
図79Bは、様々な濃度のAP1およびパルボシクリブで処置された場合のMCF−7細胞生存率を示す。
図80は、MCF−7細胞成長に対するAP1およびパルボシクリブの添加順序効果を示す。
図81は、AP1を用いる24時間の前処置後、様々な濃度のAP1およびパルボシクリブで処置された場合の添加順序に基づくMCF−7細胞生存率を示す。
図82は、CyQUANTを使用して決定された、様々な濃度のAP1およびパルボシクリブで処置された場合のMCF−7細胞生存率を示す。
図83は、様々な濃度のAP1およびデキサメタゾン(Dex)で処置された場合の添加順序に基づくMCF−7細胞生存率を示す。
図84Aは、様々な濃度のzelborafで処置された場合のA375細胞生存率を示す。
図84Bは、様々な濃度のAP1およびzelborafを用いる処置でのA375細胞生存率を示す。
図85Aは、様々な濃度のAP1で処置された場合のA375細胞生存率を示す。
図85Bは、様々な濃度のzelborafおよびAP1を用いる処置でのA375細胞生存率を示す。
図86Aは、様々な濃度のtafinlarで処置された場合のA375細胞生存率を示す。
図86Bは、様々な濃度のAP1およびtafinlarを用いる処置でのA375細胞生存率を示す。
図87Aは、様々な濃度のAP1で処置された場合のA375細胞生存率を示す。
図87Bは、様々な濃度のtafinlarおよびAP1を用いる処置でのA375細胞生存率を示す。
図88Aは、様々な濃度のmekinistで処置された場合のA375細胞生存率を示す。
図88Bは、様々な濃度のAP1およびmekinistを用いる処置でのがん細胞生存率を示す。
図89Aは、様々な濃度のAP1で処置された場合のA375細胞生存率を示す。
図89Bは、様々な濃度のmekinistおよびAP1を用いる処置でのA375細胞生存率を示す。
図90Aは、MCF−7細胞におけるフルベストラントの組合せインデックスプロットを示す。
図90Bは、MCF−7細胞におけるエベロリムスの組合せインデックスプロットを示す。
図90Cは、MCF−7細胞におけるパルボシクリブ(WST−1)の組合せインデックスプロットを示す。
図90Dは、MCF−7細胞におけるパルボシクリブ(CyQUANT)の組合せインデックスプロットを示す。
図90Eは、MCF−7細胞におけるロミデプシンの組合せインデックスプロットを示す。
図91Aは、MV4−11細胞におけるAra−Cの組合せインデックスプロットを示す。
図91Bは、MV4−11細胞におけるデシタビンの組合せインデックスプロットを示す。
図91Cは、MV4−11細胞におけるアザシチジンの組合せインデックスプロットを示す。
図91Dは、MV4−11細胞におけるミドスタウリン(midostuarin)の組合せインデックスプロットを示す。
図92Aは、DOHH−2細胞におけるビンクリスチンの組合せインデックスプロットを示す。
図92Bは、DOHH−2細胞におけるシクロホスファミドの組合せインデックスプロットを示す。
図92Cは、DOHH−2細胞におけるリツキシマブの組合せインデックスプロットを示す。
図93は、MOLT−3細胞におけるロミデプシンの組合せインデックスプロットを示す。
図94Aは、A375細胞におけるmekinistの組合せインデックスプロットを示す。
図94Bは、A375細胞におけるzelborafの組合せインデックスプロットを示す。
図94Cは、A375細胞におけるtafinlarの組合せインデックスプロットを示す。
発明の詳細な説明
本明細書で使用される用語「大環状分子」は、共有結合により結合している少なくとも9個の原子によって形成された環(ring)または環式(cycle)を含む化学的構造を有する分子を指す。
本明細書で使用される用語「ペプチド模倣大環状分子」または「架橋ポリペプチド」は、複数のペプチド結合、および第1の天然に存在するかまたは天然に存在しないアミノ酸残基(または類似体)と、同じ分子内の第2の天然に存在するかまたは天然に存在しないアミノ酸残基(または類似体)の間に大環状分子を形成する少なくとも1つの大環状分子を形成するリンカーによって連結された複数のアミノ酸残基を含む化合物を指す。ペプチド模倣大環状分子は、大環状分子を形成するリンカーが、第1のアミノ酸残基(または類似体)のα炭素を、第2のアミノ酸残基(または類似体)のα炭素に結合している実施形態を含む。ペプチド模倣大環状分子は、任意選択で、1つまたは複数のアミノ酸残基および/またはアミノ酸類似体残基の間に1つまたは複数の非ペプチド結合を含み、任意選択で、大環状分子を形成する任意の残基に加えて、1つまたは複数の天然に存在しないアミノ酸残基またはアミノ酸類似体残基を含む。「対応する未架橋ポリペプチド」は、ペプチド模倣大環状分子の文脈で言及される場合、大環状分子と同じ長さであり、大環状分子に対応する野生型配列の等価な天然アミノ酸を含むポリペプチドに関すると理解される。
Aileronペプチド1は、20アミノ酸長未満のアミノ酸配列を有する、アルファヘリカル炭化水素によって架橋されたポリペプチド大環状分子であり、これは、野生型ヒトp53タンパク質のトランス活性化ドメインから導出され、野生型ヒトp53タンパク質のトランス活性化ドメインにおける位置と互いに同じ位置に、フェニルアラニン、トリプトファンおよびロイシンアミノ酸を含有する。Aileronペプチド1は、アミノ酸配列のi位からi+7位においてアミノ酸にまたがる単一の架橋を有し、i+7位とカルボキシル末端の間に3つを超えるアミノ酸を有する。Aileronペプチド1は、ヒトMDM2およびMDM4に結合し、エレクトロスプレーイオン化−質量分析によって測定される通り、950〜975m/eの観測質量を有する。
本明細書で使用される用語「安定性」は、円偏光二色性、NMRもしくは別の生物物理学的尺度、またはin vitroもしくはin vivoにおけるタンパク分解性の分解に対する抵抗性によって測定して、画定された二次構造が、溶液中でペプチド模倣大環状分子により維持されることを指す。本明細書で企図される二次構造の非限定的な例は、α−ヘリックス、310ヘリックス、β−ターン、およびβ−プリーツシートである。
本明細書で使用される場合、用語「ヘリックスの安定性」は、円二色性またはNMRによって測定して、ペプチド模倣大環状分子によりαヘリックス構造が維持されることを指す。例えば、一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、円二色性によって決定して、対応する未架橋大環状分子と比較して、αらせん度の少なくとも1.25倍、1.5倍、1.75倍または2倍の増大を呈する。
用語「アミノ酸」は、アミノ基とカルボキシル基の両方を含有する分子を指す。適切なアミノ酸には、それらに限定されるものではないが、天然に存在するアミノ酸、および有機合成または他の代謝経路によって調製された天然に存在しないアミノ酸のD−異性体とL−異性体の両方が含まれる。本明細書で使用されるアミノ酸という用語には、α−アミノ酸、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、およびアミノ酸類似体が含まれるが、それらに限定されない。
用語「α−アミノ酸」は、α−炭素と指定される炭素に結合したアミノ基とカルボキシル基の両方を含有する分子を指す。
用語「β−アミノ酸」は、β立体配置にアミノ基とカルボキシル基の両方を含有する分子を指す。
用語「天然に存在するアミノ酸」は、天然に合成されたペプチドに一般に見出され、一文字略語A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、YおよびVによって公知の20種のアミノ酸のいずれか1つを指す。
以下の表によって、天然アミノ酸の特性の概要を示す。
「疎水性アミノ酸」には、小さい疎水性アミノ酸および大きい疎水性アミノ酸が含まれる。「小さい疎水性アミノ酸」は、グリシン、アラニン、プロリン、およびそれらの類似体である。「大きい疎水性アミノ酸」は、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、およびそれらの類似体である。「極性アミノ酸」は、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、チロシン、およびそれらの類似体である。「荷電アミノ酸」は、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびそれらの類似体である。
用語「アミノ酸類似体」は、構造的にアミノ酸に類似しており、ペプチド模倣大環状分子の形成においてアミノ酸を置換することができる分子を指す。アミノ酸類似体には、β−アミノ酸、およびアミノ基またはカルボキシ基が同様に反応基によって置換されている(例えば第一級アミンが第二級もしくは第三級アミンで置換されている、またはカルボキシ基がエステルで置換されている)アミノ酸が含まれるが、それらに限定されない。
用語「非天然アミノ酸」は、天然に合成されたペプチドに一般に見出され、一文字略語A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、YおよびVによって公知の20種のアミノ酸の1つではないアミノ酸を指す。非天然アミノ酸またはアミノ酸類似体には、以下による構造が含まれるが、それらに限定されない。
アミノ酸類似体には、β−アミノ酸類似体が含まれる。β−アミノ酸類似体の例として、環式β−アミノ酸類似体;β−アラニン;(R)−β−フェニルアラニン;(R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−酢酸;(R)−3−アミノ−4−(1−ナフチル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2,4−ジクロロフェニル)酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−クロロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−シアノフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−フルオロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−フリル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−メチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−ナフチル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−チエニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3,4−ジクロロフェニル)酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3,4−ジフルオロフェニル)酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−ベンゾチエニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−クロロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−シアノフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−フルオロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−メチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−ピリジル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−チエニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−ブロモフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−クロロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−シアノフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−フルオロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−ヨードフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−メチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−ニトロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−ピリジル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−ペンタフルオロ−フェニル酪酸;(R)−3−アミノ−5−ヘキセン酸;(R)−3−アミノ−5−ヘキシン酸;(R)−3−アミノ−5−フェニルペンタン酸;(R)−3−アミノ−6−フェニル−5−ヘキセン酸;(S)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−酢酸;(S)−3−アミノ−4−(1−ナフチル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2,4−ジクロロフェニル)酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−クロロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−シアノフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−フルオロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−フリル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−メチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−ナフチル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−チエニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3,4−ジクロロフェニル)酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3,4−ジフルオロフェニル)酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−ベンゾチエニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−クロロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−シアノフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−フルオロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−メチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−ピリジル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−チエニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−ブロモフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−クロロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−シアノフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−フルオロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−ヨードフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−メチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−ニトロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−ピリジル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−ペンタフルオロ−フェニル酪酸;(S)−3−アミノ−5−ヘキセン酸;(S)−3−アミノ−5−ヘキシン酸;(S)−3−アミノ−5−フェニルペンタン酸;(S)−3−アミノ−6−フェニル−5−ヘキセン酸;1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−カルボン酸;1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−4−カルボン酸;3−アミノ−3−(2−クロロフェニル)−プロピオン酸;3−アミノ−3−(2−チエニル)−プロピオン酸;3−アミノ−3−(3−ブロモフェニル)−プロピオン酸;3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−プロピオン酸;3−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)−プロピオン酸;3−アミノ−4,4,4−トリフルオロ−酪酸;3−アミノアジピン酸;D−β−フェニルアラニン;β−ロイシン;L−β−ホモアラニン;L−β−ホモアスパラギン酸γ−ベンジルエステル;L−β−ホモグルタミン酸δ−ベンジルエステル;L−β−ホモイソロイシン;L−β−ホモロイシン;L−β−ホモメチオニン;L−β−ホモフェニルアラニン;L−β−ホモプロリン;L−β−ホモトリプトファン;L−β−ホモバリン;L−Nω−ベンジルオキシカルボニル−β−ホモリシン;Nω−L−β−ホモアルギニン;O−ベンジル−L−β−ホモヒドロキシプロリン;O−ベンジル−L−β−ホモセリン;O−ベンジル−L−β−ホモトレオニン;O−ベンジル−L−β−ホモチロシン;γ−トリチル−L−β−ホモアスパラギン;(R)−β−フェニルアラニン;L−β−ホモアスパラギン酸γ−t−ブチルエステル;L−β−ホモグルタミン酸δ−t−ブチルエステル;L−Nω−β−ホモリシン;Nδ−トリチル−L−β−ホモグルタミン;Nω−2,2,4,6,7−ペンタメチル−ジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル−L−β−ホモアルギニン;O−t−ブチル−L−β−ホモヒドロキシ−プロリン;O−t−ブチル−L−β−ホモセリン;O−t−ブチル−L−β−ホモトレオニン;O−t−ブチル−L−β−ホモチロシン;2−アミノシクロペンタンカルボン酸;および2−アミノシクロヘキサンカルボン酸が挙げられるが、それらに限定されない。
アミノ酸類似体には、アラニン、バリン、グリシンまたはロイシンの類似体が含まれる。アラニン、バリン、グリシン、およびロイシンのアミノ酸類似体の例として、α−メトキシグリシン;α−アリル−L−アラニン;α−アミノイソ酪酸;α−メチル−ロイシン;β−(1−ナフチル)−D−アラニン;β−(1−ナフチル)−L−アラニン;β−(2−ナフチル)−D−アラニン;β−(2−ナフチル)−L−アラニン;β−(2−ピリジル)−D−アラニン;β−(2−ピリジル)−L−アラニン;β−(2−チエニル)−D−アラニン;β−(2−チエニル)−L−アラニン;β−(3−ベンゾチエニル)−D−アラニン;β−(3−ベンゾチエニル)−L−アラニン;β−(3−ピリジル)−D−アラニン;β−(3−ピリジル)−L−アラニン;β−(4−ピリジル)−D−アラニン;β−(4−ピリジル)−L−アラニン;β−クロロ−L−アラニン;β−シアノ−L−アラニン;β−シクロヘキシル−D−アラニン;β−シクロヘキシル−L−アラニン;β−シクロペンテン−1−イル−アラニン;β−シクロペンチル−アラニン;β−シクロプロピル−L−Ala−OH・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;β−t−ブチル−D−アラニン;β−t−ブチル−L−アラニン;γ−アミノ酪酸;L−α,β−ジアミノプロピオン酸;2,4−ジニトロ−フェニルグリシン;2,5−ジヒドロ−D−フェニルグリシン;2−アミノ−4,4,4−トリフルオロ酪酸;2−フルオロ−フェニルグリシン;3−アミノ−4,4,4−トリフルオロ−酪酸;3−フルオロ−バリン;4,4,4−トリフルオロ−バリン;4,5−デヒドロ−L−leu−OH・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;4−フルオロ−D−フェニルグリシン;4−フルオロ−L−フェニルグリシン;4−ヒドロキシ−D−フェニルグリシン;5,5,5−トリフルオロ−ロイシン;6−アミノヘキサン酸;シクロペンチル−D−Gly−OH・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;シクロペンチル−Gly−OH・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;D−α,β−ジアミノプロピオン酸;D−α−アミノ酪酸;D−α−t−ブチルグリシン;D−(2−チエニル)グリシン;D−(3−チエニル)グリシン;D−2−アミノカプロン酸;D−2−インダニルグリシン;D−アリルグリシン・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;D−シクロヘキシルグリシン;D−ノルバリン;D−フェニルグリシン;β−アミノ酪酸;β−アミノイソ酪酸;(2−ブロモフェニル)グリシン;(2−メトキシフェニル)グリシン;(2−メチルフェニル)グリシン;(2−チアゾイル)グリシン;(2−チエニル)グリシン;2−アミノ−3−(ジメチルアミノ)−プロピオン酸;L−α,β−ジアミノプロピオン酸;L−α−アミノ酪酸;L−α−t−ブチルグリシン;L−(3−チエニル)グリシン;L−2−アミノ−3−(ジメチルアミノ)−プロピオン酸;L−2−アミノカプロン酸ジシクロヘキシルアンモニウム塩;L−2−インダニルグリシン;L−アリルグリシン・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;L−シクロヘキシルグリシン;L−フェニルグリシン;L−プロパルギルグリシン;L−ノルバリン;N−α−アミノメチル−L−アラニン;D−α,γ−ジアミノ酪酸;L−α,γ−ジアミノ酪酸;β−シクロプロピル−L−アラニン;(N−β−(2,4−ジニトロフェニル))−L−α,β−ジアミノプロピオン酸;(N−β−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−D−α,β−ジアミノプロピオン酸;(N−β−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−L−α,β−ジアミノプロピオン酸;(N−β−4−メチルトリチル)−L−α,β−ジアミノプロピオン酸;(N−β−アリルオキシカルボニル)−L−α,β−ジアミノプロピオン酸;(N−γ−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−D−α,γ−ジアミノ酪酸;(N−γ−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−L−α,γ−ジアミノ酪酸;(N−γ−4−メチルトリチル)−D−α,γ−ジアミノ酪酸;(N−γ−4−メチルトリチル)−L−α,γ−ジアミノ酪酸;(N−γ−アリルオキシカルボニル)−L−α,γ−ジアミノ酪酸;D−α,γ−ジアミノ酪酸;4,5−デヒドロ−L−ロイシン;シクロペンチル−D−Gly−OH;シクロペンチル−Gly−OH;D−アリルグリシン;D−ホモシクロヘキシルアラニン;L−1−ピレニルアラニン;L−2−アミノカプロン酸;L−アリルグリシン;L−ホモシクロヘキシルアラニン;およびN−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−Bzl)−Gly−OHが挙げられるが、それらに限定されない。
アミノ酸類似体には、アルギニンまたはリシンの類似体が含まれる。アルギニンおよびリシンのアミノ酸類似体の例として、シトルリン;L−2−アミノ−3−グアニジノプロピオン酸;L−2−アミノ−3−ウレイドプロピオン酸;L−シトルリン;Lys(Me)−OH;Lys(N)−OH;Nδ−ベンジルオキシカルボニル−L−オルニチン;Nω−ニトロ−D−アルギニン;Nω−ニトロ−L−アルギニン;α−メチル−オルニチン;2,6−ジアミノヘプタン二酸;L−オルニチン;(Nδ−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソ−シクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−D−オルニチン;(Nδ−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソ−シクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−L−オルニチン;(Nδ−4−メチルトリチル)−D−オルニチン;(Nδ−4−メチルトリチル)−L−オルニチン;D−オルニチン;L−オルニチン;Arg(Me)(Pbf)−OH;Arg(Me)−OH(非対称);Arg(Me)−OH(対称);Lys(ivDde)−OH;Lys(Me)−OH・HCl;Lys(Me)−OHクロリド;Nω−ニトロ−D−アルギニン;およびNω−ニトロ−L−アルギニンが挙げられるが、それらに限定されない。
アミノ酸類似体には、アスパラギン酸またはグルタミン酸の類似体が含まれる。アスパラギン酸およびグルタミン酸のアミノ酸類似体の例として、α−メチル−D−アスパラギン酸;α−メチル−グルタミン酸;α−メチル−L−アスパラギン酸;γ−メチレン−グルタミン酸;(N−γ−エチル)−L−グルタミン;[N−α−(4−アミノベンゾイル)]−L−グルタミン酸;2,6−ジアミノピメリン酸;L−α−アミノスベリン酸;D−2−アミノアジピン酸;D−α−アミノスベリン酸;α−アミノピメリン酸;イミノ二酢酸;L−2−アミノアジピン酸;トレオ−β−メチル−アスパラギン酸;γ−カルボキシ−D−グルタミン酸γ,γ−ジ−t−ブチルエステル;γ−カルボキシ−L−グルタミン酸γ,γ−ジ−t−ブチルエステル;Glu(OAll)−OH;L−Asu(OtBu)−OH;およびピログルタミン酸が挙げられるが、それらに限定されない。
アミノ酸類似体には、システインおよびメチオニンの類似体が含まれる。システインおよびメチオニンのアミノ酸類似体の例として、Cys(ファルネシル)−OH、Cys(ファルネシル)−OMe、α−メチル−メチオニン、Cys(2−ヒドロキシエチル)−OH、Cys(3−アミノプロピル)−OH、2−アミノ−4−(エチルチオ)酪酸、ブチオニン、ブチオニンスルホキシミン、エチオニン、メチオニン メチルスルホニウムクロリド、セレノメチオニン、システイン酸、[2−(4−ピリジル)エチル]−DL−ペニシラミン、[2−(4−ピリジル)エチル]−L−システイン、4−メトキシベンジル−D−ペニシラミン、4−メトキシベンジル−L−ペニシラミン、4−メチルベンジル−D−ペニシラミン、4−メチルベンジル−L−ペニシラミン、ベンジル−D−システイン、ベンジル−L−システイン、ベンジル−DL−ホモシステイン、カルバモイル−L−システイン、カルボキシエチル−L−システイン、カルボキシメチル−L−システイン、ジフェニルメチル−L−システイン、エチル−L−システイン、メチル−L−システイン、t−ブチル−D−システイン、トリチル−L−ホモシステイン、トリチル−D−ペニシラミン、シスタチオニン、ホモシスチン、L−ホモシスチン、(2−アミノエチル)−L−システイン、セレノ−L−シスチン、シスタチオニン、Cys(StBu)−OH、およびアセトアミドメチル−D−ペニシラミンが挙げられるが、それらに限定されない。
アミノ酸類似体には、フェニルアラニンおよびチロシンの類似体が含まれる。フェニルアラニンおよびチロシンのアミノ酸類似体の例として、β−メチル−フェニルアラニン、β−ヒドロキシフェニルアラニン、α−メチル−3−メトキシ−DL−フェニルアラニン、α−メチル−D−フェニルアラニン、α−メチル−L−フェニルアラニン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、2,4−ジクロロ−フェニルアラニン、2−(トリフルオロメチル)−D−フェニルアラニン、2−(トリフルオロメチル)−L−フェニルアラニン、2−ブロモ−D−フェニルアラニン、2−ブロモ−L−フェニルアラニン、2−クロロ−D−フェニルアラニン、2−クロロ−L−フェニルアラニン、2−シアノ−D−フェニルアラニン、2−シアノ−L−フェニルアラニン、2−フルオロ−D−フェニルアラニン、2−フルオロ−L−フェニルアラニン、2−メチル−D−フェニルアラニン、2−メチル−L−フェニルアラニン、2−ニトロ−D−フェニルアラニン、2−ニトロ−L−フェニルアラニン、2;4;5−トリヒドロキシ−フェニルアラニン、3,4,5−トリフルオロ−D−フェニルアラニン、3,4,5−トリフルオロ−L−フェニルアラニン、3,4−ジクロロ−D−フェニルアラニン、3,4−ジクロロ−L−フェニルアラニン、3,4−ジフルオロ−D−フェニルアラニン、3,4−ジフルオロ−L−フェニルアラニン、3,4−ジヒドロキシ−L−フェニルアラニン、3,4−ジメトキシ−L−フェニルアラニン、3,5,3’−トリヨード−L−チロニン、3,5−ジヨード−D−チロシン、3,5−ジヨード−L−チロシン、3,5−ジヨード−L−チロニン、3−(トリフルオロメチル)−D−フェニルアラニン、3−(トリフルオロメチル)−L−フェニルアラニン、3−アミノ−L−チロシン、3−ブロモ−D−フェニルアラニン、3−ブロモ−L−フェニルアラニン、3−クロロ−D−フェニルアラニン、3−クロロ−L−フェニルアラニン、3−クロロ−L−チロシン、3−シアノ−D−フェニルアラニン、3−シアノ−L−フェニルアラニン、3−フルオロ−D−フェニルアラニン、3−フルオロ−L−フェニルアラニン、3−フルオロ−チロシン、3−ヨード−D−フェニルアラニン、3−ヨード−L−フェニルアラニン、3−ヨード−L−チロシン、3−メトキシ−L−チロシン、3−メチル−D−フェニルアラニン、3−メチル−L−フェニルアラニン、3−ニトロ−D−フェニルアラニン、3−ニトロ−L−フェニルアラニン、3−ニトロ−L−チロシン、4−(トリフルオロメチル)−D−フェニルアラニン、4−(トリフルオロメチル)−L−フェニルアラニン、4−アミノ−D−フェニルアラニン、4−アミノ−L−フェニルアラニン、4−ベンゾイル−D−フェニルアラニン、4−ベンゾイル−L−フェニルアラニン、4−ビス(2−クロロエチル)アミノ−L−フェニルアラニン、4−ブロモ−D−フェニルアラニン、4−ブロモ−L−フェニルアラニン、4−クロロ−D−フェニルアラニン、4−クロロ−L−フェニルアラニン、4−シアノ−D−フェニルアラニン、4−シアノ−L−フェニルアラニン、4−フルオロ−D−フェニルアラニン、4−フルオロ−L−フェニルアラニン、4−ヨード−D−フェニルアラニン、4−ヨード−L−フェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、チロキシン、3,3−ジフェニルアラニン、チロニン、エチル−チロシン、およびメチル−チロシンが挙げられる。
アミノ酸類似体には、プロリンの類似体が含まれる。プロリンのアミノ酸類似体の例として、3,4−デヒドロ−プロリン、4−フルオロ−プロリン、cis−4−ヒドロキシ−プロリン、チアゾリジン−2−カルボン酸、およびtrans−4−フルオロ−プロリンが挙げられるが、それらに限定されない。
アミノ酸類似体には、セリンおよびトレオニンの類似体が含まれる。セリンおよびトレオニンのアミノ酸類似体の例として、3−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチルヘキサン酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチルペンタン酸、2−アミノ−3−エトキシブタン酸、2−アミノ−3−メトキシブタン酸、4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸、2−アミノ−3−ベンジルオキシプロピオン酸、2−アミノ−3−ベンジルオキシプロピオン酸、2−アミノ−3−エトキシプロピオン酸、4−アミノ−3−ヒドロキシブタン酸、およびα−メチルセリンが挙げられるが、それらに限定されない。
アミノ酸類似体には、トリプトファンの類似体が含まれる。トリプトファンのアミノ酸類似体の例として、α−メチル−トリプトファン;β−(3−ベンゾチエニル)−D−アラニン;β−(3−ベンゾチエニル)−L−アラニン;1−メチル−トリプトファン;4−メチル−トリプトファン;5−ベンジルオキシ−トリプトファン;5−ブロモ−トリプトファン;5−クロロ−トリプトファン;5−フルオロ−トリプトファン;5−ヒドロキシ−トリプトファン;5−ヒドロキシ−L−トリプトファン;5−メトキシ−トリプトファン;5−メトキシ−L−トリプトファン;5−メチル−トリプトファン;6−ブロモ−トリプトファン;6−クロロ−D−トリプトファン;6−クロロ−トリプトファン;6−フルオロ−トリプトファン;6−メチル−トリプトファン;7−ベンジルオキシ−トリプトファン;7−ブロモ−トリプトファン;7−メチル−−トリプトファン;D−1,2,3,4−テトラヒドロ−ノルハルマン−3−カルボン酸;6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロノルハルマン−1−カルボン酸;7−アザトリプトファン;L−1,2,3,4−テトラヒドロ−ノルハルマン−3−カルボン酸;5−メトキシ−2−メチル−トリプトファン;および6−クロロ−L−トリプトファンが挙げられるが、それらに限定されない。
一部の実施形態では、アミノ酸類似体は、ラセミである。一部の実施形態では、アミノ酸類似体のD異性体が使用される。一部の実施形態では、アミノ酸類似体のL異性体が使用される。他の実施形態では、アミノ酸類似体は、RまたはS立体配置中にあるキラル中心を含む。さらに他の実施形態では、β−アミノ酸類似体のアミノ基(複数可)は、保護基、例えばtert−ブチルオキシカルボニル(BOC基)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、トシル等で置換されている。さらなる他の実施形態では、β−アミノ酸類似体のカルボン酸官能基は、例えばそのエステル誘導体として保護される。一部の実施形態では、アミノ酸類似体の塩が使用される。
「非必須」アミノ酸残基は、その必須の生物学的または生化学的な活性(例えば、受容体結合または活性化)を消失することなく、または実質的に消失させることなく、ポリペプチドの野生型配列から変わり得る残基である。「必須」アミノ酸残基は、ポリペプチドの野生型配列から変わると、ポリペプチドの必須の生物学的または生化学的な活性を消失するか、または実質的に消失する残基である。
「保存アミノ酸の置換」は、アミノ酸残基が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられているものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野で定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、K、R、H)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、D、E)、無電荷極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、G、N、Q、S、T、Y、C)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、A、V、L、I、P、F、M、W)、ベータ−分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、T、V、I)および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、Y、F、W、H)が含まれる。したがって、例えばポリペプチドにおいて予測される非必須アミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリーの別のアミノ酸残基で置き換えられる。許容される置換の他の例は、等比体積的考察に基づく置換であるか(例えばメチオニンについてはノルロイシン)、または他の特性に基づく置換である(例えばフェニルアラニンについては2−チエニルアラニン、またはトリプトファンについては6−Cl−トリプトファン)。
用語「キャッピング基」は、主題であるペプチド模倣大環状分子のポリペプチド鎖のカルボキシ末端またはアミノ末端のいずれかに存在する化学的部分を指す。カルボキシ末端のキャッピング基には、非修飾カルボン酸(すなわち−COOH)または置換基を有するカルボン酸が含まれる。例えば、カルボキシ末端は、アミノ基で置換されると、C末端にカルボキサミドをもたらすことができる。様々な置換基には、第一級アミンおよびペグ化第二級アミンを含めた第二級アミンが含まれるが、それらに限定されない。C末端の代表的な第二級アミンキャッピング基には、
が含まれる。
アミノ末端のキャッピング基には、非修飾アミン(すなわち−NH2)または置換基を有するアミンが含まれる。例えば、アミノ末端は、アシル基で置換されると、N末端にカルボキサミドをもたらすことができる。様々な置換基には、C1〜C6カルボニル、C7〜C30カルボニル、およびペグ化カルバメートを含めた置換アシル基が含まれるが、それらに限定されない。N末端の代表的なキャッピング基には、4−FBzl(4−フルオロ−ベンジル)および以下:
が含まれるが、それらに限定されない。
大環状分子または大環状分子を形成するリンカーと共に本明細書で使用される用語「員」は、大環状分子を形成するか、または形成することができる原子を指し、置換基または側鎖原子を除外する。水素またはフルオロ置換基またはメチル側鎖は、大環状分子の形成には関与しないので、シクロデカン、1,2−ジフルオロ−デカンおよび1,3−ジメチルシクロデカンは、すべて類似性によって10員の大環状分子とみなされる。
記号
は、分子構造の一部として使用される場合、単結合、またはトランスもしくはシス二重結合を指す。
用語「アミノ酸側鎖」は、アミノ酸のα−炭素(または別の骨格原子)に結合している部分を指す。例えば、アラニンのアミノ酸側鎖は、メチルであり、フェニルアラニンのアミノ酸側鎖は、フェニルメチルであり、システインのアミノ酸側鎖は、チオメチルであり、アスパラギン酸のアミノ酸側鎖は、カルボキシメチルであり、チロシンのアミノ酸側鎖は、4−ヒドロキシフェニルメチルである等である。また、他の天然に存在しないアミノ酸の側鎖、例えば天然に存在するもの(例えばアミノ酸代謝産物)または合成により作製されたもの(例えばα,α二置換アミノ酸)が含まれる。
用語「α,α二置換アミノ」酸は、2つの天然または非天然アミノ酸側鎖に結合している炭素(α−炭素)に結合したアミノ基とカルボキシル基の両方を含有する分子または部分を指す。
用語「ポリペプチド」は、共有結合(例えば、アミド結合)によって連結した2つまたはそれを超える数の天然に存在するまたは天然に存在しないアミノ酸を包含する。本明細書に記載のポリペプチドには、全長タンパク質(例えば完全にプロセシングされたタンパク質)ならびにより短いアミノ酸配列(例えば、天然に存在するタンパク質の断片または合成ポリペプチドの断片)が含まれる。
用語「第1のC末端アミノ酸」は、C末端に最も近接しているアミノ酸を指す。用語「第2のC末端アミノ酸」は、第1のC末端アミノ酸のN末端に結合しているアミノ酸を指す。
本明細書で使用される用語「大環状化試薬」または「大環状分子形成試薬」は、2つの反応基間の反応を媒介することによってペプチド模倣大環状分子を調製するために使用され得る任意の試薬を指す。反応基は、例えばアジドおよびアルキンであってよく、その場合、大環状化試薬には、それらに限定されるものではないが、Cu試薬、例えば反応性Cu(I)種をもたらす試薬、例えばCuBr、CuIまたはCuOTf、ならびに還元剤、例えばアスコルビン酸またはアスコルビン酸ナトリウムを添加することによって活性なCu(I)試薬にin situで変換することができるCu(II)塩、例えばCu(CO2CH3)2、CuSO4、およびCuCl2が含まれる。大環状化試薬には、さらに、例えば当技術分野で公知のRu試薬、例えばCp*RuCl(PPh3)2、[Cp*RuCl]4または反応性Ru(II)種をもたらすことができる他のRu試薬が含まれ得る。他の場合には、反応基は、末端オレフィンである。このような実施形態では、大環状化試薬または大環状分子形成試薬は、それらに限定されるものではないが、安定化された後期遷移金属カルベン錯体触媒、例えばVIII群の遷移金属カルベン触媒を含めたメタセシス触媒である。例えば、このような触媒は、+2酸化状態、電子計数16を有し、五配位されているRuおよびOs金属中心である。他の例では、触媒は、WまたはMo中心を有する。様々な触媒が、Grubbsら、Acc. Chem. Res. 1995年、28巻、446〜452頁、米国特許第5,811,515号;米国特許第7,932,397号;米国特許出願第2011/0065915号;米国特許出願第2011/0245477号;Yuら、Nature 2011年、479巻、88頁;およびPeryshkovら、J. Am. Chem. Soc. 2011年、133巻、20754頁に開示されている。さらに他の場合には、反応基は、チオール基である。このような実施形態では、大環状化試薬は、例えば2つのチオール反応基、例えばハロゲン基で官能化されているリンカーである。
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素、またはそれらのラジカルを指す。
用語「アルキル」は、指示数の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖である炭化水素鎖を指す。例えば、C1〜C10は、その基が1〜10個(両端を含む)の炭素原子を有することを示す。「アルキル」は、任意の数が指定されない場合、1〜20個(両端を含む)の炭素原子を有する鎖(直鎖または分岐鎖)である。
用語「アルキレン」は、二価のアルキル(すなわち−R−)を指す。
用語「アルケニル」は、1つまたは複数の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖である炭化水素鎖を指す。アルケニル部分は、指示数の炭素原子を含有する。例えば、C2〜C10は、その基が2〜10個(両端を含む)の炭素原子を有することを示す。用語「低級アルケニル」は、C2〜C6アルケニル鎖を指す。「アルケニル」は、任意の数が指定されない場合、2〜20個(両端を含む)の炭素原子を有する鎖(直鎖または分岐鎖)である。
用語「アルキニル」は、1つまたは複数の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分岐鎖である炭化水素鎖を指す。アルキニル部分は、指示数の炭素原子を含有する。例えば、C2〜C10は、その基が2〜10個(両端を含む)の炭素原子を有することを示す。用語「低級アルキニル」は、C2〜C6アルキニル鎖を指す。「アルキニル」は、任意の数が指定されない場合、2〜20個(両端を含む)の炭素原子を有する鎖(直鎖または分岐鎖)である。
用語「アリール」は、6個の炭素の単環式または10個の炭素の二環式芳香族環系を指し、ここで各環の0、1、2、3、または4個の原子は、置換基によって置換されている。アリール基の例として、フェニル、ナフチル等が挙げられる。用語「アリールアルコキシ」は、アリールで置換されているアルコキシを指す。
「アリールアルキル」は、アリール基の水素原子の1つが、上で定義のC1〜C5アルキル基で置き換えられている、上で定義のアリール基を指す。アリールアルキル基の代表例として、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−エチルフェニル、3−エチルフェニル、4−エチルフェニル、2−プロピルフェニル、3−プロピルフェニル、4−プロピルフェニル、2−ブチルフェニル、3−ブチルフェニル、4−ブチルフェニル、2−ペンチルフェニル、3−ペンチルフェニル、4−ペンチルフェニル、2−イソプロピルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、2−イソブチルフェニル、3−イソブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、2−sec−ブチルフェニル、3−sec−ブチルフェニル、4−sec−ブチルフェニル、2−t−ブチルフェニル、3−t−ブチルフェニルおよび4−t−ブチルフェニルが挙げられるが、それらに限定されない。
「アリールアミド」は、アリール基の水素原子の1つが、1つまたは複数の−C(O)NH2基で置き換えられている、上で定義のアリール基を指す。アリールアミド基の代表例として、2−C(O)NH2−フェニル、3−C(O)NH2−フェニル、4−C(O)NH2−フェニル、2−C(O)NH2−ピリジル、3−C(O)NH2−ピリジル、および4−C(O)NH2−ピリジルが挙げられる。
「アルキル複素環」は、C1〜C5アルキル基の水素原子の1つが、複素環で置き換えられている、上で定義のC1〜C5アルキル基を指す。アルキル複素環基の代表例として、−CH2CH2−モルホリン、−CH2CH2−ピペリジン、−CH2CH2CH2−モルホリン、および−CH2CH2CH2−イミダゾールが挙げられるが、それらに限定されない。
「アルキルアミド」は、C1〜C5アルキル基の水素原子の1つが、−C(O)NH2基で置き換えられている、上で定義のC1〜C5アルキル基を指す。アルキルアミド基の代表例として、−CH2−C(O)NH2、−CH2CH2−C(O)NH2、−CH2CH2CH2C(O)NH2、−CH2CH2CH2CH2C(O)NH2、−CH2CH2CH2CH2CH2C(O)NH2、−CH2CH(C(O)NH2)CH3、−CH2CH(C(O)NH2)CH2CH3、−CH(C(O)NH2)CH2CH3、−C(CH3)2CH2C(O)NH2、−CH2−CH2−NH−C(O)−CH3、−CH2−CH2−NH−C(O)−CH3−CH3、および−CH2−CH2−NH−C(O)−CH=CH2が挙げられるが、それらに限定されない。
「アルカノール」は、C1〜C5アルキル基の水素原子の1つが、ヒドロキシル基で置き換えられている、上で定義のC1〜C5アルキル基を指す。アルカノール基の代表例として、−CH2OH、−CH2CH2OH、−CH2CH2CH2OH、−CH2CH2CH2CH2OH、−CH2CH2CH2CH2CH2OH、−CH2CH(OH)CH3、−CH2CH(OH)CH2CH3、−CH(OH)CH3および−C(CH3)2CH2OHが挙げられるが、それらに限定されない。
「アルキルカルボキシ」は、C1〜C5アルキル基の水素原子の1つが、−−COOH基で置き換えられている、上で定義のC1〜C5アルキル基を指す。アルキルカルボキシ基の代表例として、−CH2COOH、−CH2CH2COOH、−CH2CH2CH2COOH、−CH2CH2CH2CH2COOH、−CH2CH(COOH)CH3、−CH2CH2CH2CH2CH2COOH、−CH2CH(COOH)CH2CH3、−CH(COOH)CH2CH3および−C(CH3)2CH2COOHが挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書で用いられる用語「シクロアルキル」は、3〜12個の炭素、好ましくは3〜8個の炭素、より好ましくは3〜6個の炭素を有する飽和および部分的に不飽和の環式炭化水素基を含み、ここでシクロアルキル基は、任意選択でさらに置換されている。いくつかのシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが含まれるが、それらに限定されない。
用語「ヘテロアリール」は、単環式の場合は1〜3個のヘテロ原子を有し、二環式の場合は1〜6個のヘテロ原子を有し、または三環式の場合は1〜9個のヘテロ原子を有する、芳香族の5〜8員の単環式、8〜12員の二環式、または11〜14員の三環式環系を指し、前記ヘテロ原子は、O、N、またはSから選択され(例えば、炭素原子およびそれぞれ単環式、二環式または三環式の場合には、O、NまたはSの1〜3個、1〜6個または1〜9個のヘテロ原子)、各環の0、1、2、3、または4個の原子は、置換基によって置換されている。ヘテロアリール基の例として、ピリジル、フリルまたはフラニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、チオフェニルまたはチエニル、キノリニル、インドリル、チアゾリル等が挙げられる。
用語「ヘテロアリールアルキル」または用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールで置換されているアルキルを指す。用語「ヘテロアリールアルコキシ」は、ヘテロアリールで置換されているアルコキシを指す。
用語「ヘテロアリールアルキル」または用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールで置換されているアルキルを指す。用語「ヘテロアリールアルコキシ」は、ヘテロアリールで置換されているアルコキシを指す。
用語「ヘテロシクリル」は、単環式の場合は1〜3個のヘテロ原子を有し、二環式の場合は1〜6個のヘテロ原子を有し、または三環式の場合は1〜9個のヘテロ原子を有する、非芳香族の5〜8員の単環式、8〜12員の二環式、または11〜14員の三環式環系を指し、前記ヘテロ原子は、O、N、またはSから選択され(例えば、炭素原子およびそれぞれ単環式、二環式または三環式の場合には、O、NまたはSの1〜3個、1〜6個または1〜9個のヘテロ原子)、各環の0、1、2または3個の原子は、置換基によって置換されている。ヘテロシクリル基の例として、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル等が挙げられる。
用語「置換基」は、任意の分子、化合物または部分上の第2の原子または基、例えば水素原子を置き換える基を指す。適切な置換基には、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルカリール、アリール、アラルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ、アルカンスルホニル、アルキルカルボニル、およびシアノ基が含まれるが、それらに限定されない。
一部の実施形態では、本明細書に開示の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含有し、したがってラセミ体およびラセミ混合物、単一エナンチオマー、個々のジアステレオマーおよびジアステレオマー混合物として生じる。別段明確に提示されない限り、これらの化合物のこのようなすべての異性体形態が含まれる。また一部の実施形態では、本明細書に開示の化合物は、複数の互変異性体の形態で表され、このような場合、化合物には、本明細書に記載の化合物のすべての互変異性体の形態が含まれる(例えば、環系のアルキル化が、複数部位においてアルキル化をもたらす場合、本発明は、このようなすべての反応生成物を含む)。別段明確に提示されない限り、このような化合物のこのようなすべての異性体形態が含まれる。別段明確に提示されない限り、本明細書に記載の化合物のすべての結晶形が含まれる。
本明細書で使用される用語「増加」および「低減」は、それぞれ、少なくとも5%の統計的に有意な(すなわちp<0.1)増加または低減を引き起こすことを意味する。
本明細書で使用される、変数に関する数値範囲の記載は、その変数が、その範囲内の値のいずれかと等しいことを伝えるものである。したがって、本質的に別々の変数に関して、その変数は、範囲の終点を含めた数値範囲内の任意の整数値に等しい。同様に、本質的に連続している変数に関して、その変数は、範囲の終点を含めた数値範囲内の任意の真の値に等しい。一例として、限定されるものではないが、0と2の間の値を有すると記載される変数は、その変数が本質的に別々である場合には、0、1または2の値をとり、変数が本質的に連続している場合には、0.0、0.1、0.01、0.001の値もしくは≧0および≦2の任意の他の真の値をとる。
別段具体的に示されない限り、本明細書で使用される「または」という用語は、「および/または」の包括的な意味で使用され、「いずれか/または」の排他的意味では使用されない。
用語「平均で」は、データ点ごとに少なくとも3つの独立な反復を実施することから得られた平均値を表す。
用語「生物活性」は、大環状分子の構造的および機能的特性を包含する。生物活性は、例えば構造的安定性、アルファ−ヘリシティ、標的に対する親和性、タンパク分解による分解に対する抵抗性、細胞透過性、細胞内安定性、in vivo安定性、またはそれらの任意の組合せである。
用語「結合親和性」は、例えばペプチド模倣大環状分子と標的の間の結合相互作用の強度を指す。結合親和性は、例えば平衡解離定数(「KD」)として表すことができ、この定数は、濃度の尺度である単位(例えばM、mM、μM、nM等)で表される。数的には、結合親和性およびKD値は反比例し、したがって、より低い結合親和性は、より高いKD値に相当し、より高い結合親和性は、より低いKD値に相当する。高い結合親和性が望ましい場合、「改善された」結合親和性は、より高い結合親和性を指し、したがってより低いKD値を指す。
用語「in vitro有効性」は、ペプチド模倣大環状分子などの試験化合物が、in vitro試験系またはアッセイにおいて有益な結果をもたらす程度を指す。in vitro有効性は、例えば、試験系において最大効果の50%をもたらす試験化合物の濃度を表す「IC50」または「EC50」値として測定され得る。
用語「in vitro有効性の比」または「in vitro有効率」は、第1のアッセイ(分子)対第2のアッセイ(分母)から得られたIC50またはEC50値の比を指す。結果的に、アッセイ1対アッセイ2の改善されたin vitro有効率は、IC50(アッセイ1)/IC50(アッセイ2)または、あるいはEC50(アッセイ1)/EC50(アッセイ2)として表される比に関するより低い値を指す。またこの概念は、アッセイ1対アッセイ2において「改善された選択性」と特徴付けることができ、標的1に関するIC50もしくはEC50値の低下、または標的2に関するIC50もしくはEC50値の増大のいずれかに起因し得る。
本明細書で使用される用語「固形腫瘍」または「固形がん」は、通常、嚢胞または液体領域を含有しない腫瘍を指す。本明細書で使用される固形腫瘍には、肉腫、癌腫およびリンパ腫が含まれる。様々な実施形態では、白血病(血液のがん)は、固形腫瘍ではない。
本明細書で提供される方法によって処置され得る固形腫瘍がんには、肉腫、癌腫、およびリンパ腫が含まれるが、それらに限定されない。特定の実施形態では、記載の方法に従って処置され得る固形腫瘍には、乳房、肝臓、神経芽細胞腫、頭部、頸部、目、口、喉、食道、食道、胸部、骨、肺、腎臓、結腸、直腸または他の胃腸管器官、胃、脾臓、骨格筋、皮下組織、前立腺、乳房、卵巣、精巣または他の生殖器、皮膚、甲状腺、血液、リンパ節、腎臓、肝臓、膵臓、および脳または中枢神経系のがんが含まれるが、それらに限定されない。本発明の方法によって処置され得る固形腫瘍には、リンパがん以外の腫瘍および/または転移(どこに位置しようとも)、例えば脳および他の中枢神経系の腫瘍(髄膜、脳、脊髄、脳神経および中枢神経系の他の部分の腫瘍、例えば神経膠芽腫または髄質芽腫(blastemas)が含まれるが、それらに限定されない);頭部および/または頸部がん;乳腺腫瘍;循環系腫瘍(心臓、縦隔および胸膜、ならびに他の胸腔内器官、血管腫瘍および腫瘍関連血管組織が含まれるが、それらに限定されない);排泄系腫瘍(腎臓、腎盂、尿管、膀胱、他のおよび不特定の泌尿器の腫瘍が含まれるが、それらに限定されない);胃腸管腫瘍(食道、胃、小腸、結腸、結腸直腸、直腸S状結腸移行部、直腸、肛門および肛門管の腫瘍、肝臓および肝内胆管、胆嚢、胆道の他の部分および不特定部分、膵臓、他の器官および消化器が関与する腫瘍が含まれるが、それらに限定されない);口腔腫瘍(唇、舌、歯肉、口腔底、口蓋、および口の他の部分、耳下腺、および唾液腺の他の部分、扁桃腺、中咽頭、鼻咽頭、梨状陥凹、下咽頭、ならびに唇、口腔および咽頭の他の部位の腫瘍が含まれるが、それらに限定されない);生殖系腫瘍(外陰部、膣、子宮頸、子宮体、子宮、卵巣、および女性生殖器と関連する他の部位、胎盤、陰茎、前立腺、精巣、および男性生殖器と関連する他の部位の腫瘍が含まれるが、それらに限定されない);呼吸器腫瘍(鼻腔および中耳、副鼻腔、喉頭、気管、気管支および肺の腫瘍、例えば小細胞肺がんまたは非小細胞肺がんが含まれるが、それらに限定されない);骨格系腫瘍(四肢の骨および関節軟骨、骨関節軟骨、ならびに他の部位の腫瘍が含まれるが、それらに限定されない);皮膚腫瘍(皮膚の悪性メラノーマ、非メラノーマ皮膚がん、皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、中皮腫、カポジ肉腫が含まれるが、それらに限定されない);ならびに末梢神経および自律神経系、結合組織および軟組織、後腹膜および腹膜、目および付属器、甲状腺、副腎および他の内分泌腺および関係する構造を含めた他の組織が関与する腫瘍、リンパ節の続発性および不特定の悪性新生物、呼吸器および消化器系の続発性悪性新生物、ならびに他の部位の続発性悪性新生物が含まれる。
いくつかの例では、本開示の方法によって処置される固形腫瘍は、膵臓がん、膀胱がん、結腸がん、肝臓がん、結腸直腸がん(結腸がんまたは直腸がん)、乳がん、前立腺がん、腎臓がん、肝細胞がん、肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、胃がん、食道がん、頭頸部がん、メラノーマ、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍、骨がん、皮膚がん、眼腫瘍、絨毛癌(胎盤腫瘍)、肉腫または軟組織がんである。
いくつかの例では、本開示の方法によって処置される固形腫瘍は、膀胱がん、骨がん、乳がん、子宮頸がん、CNSがん、結腸がん、眼腫瘍、腎臓がん、肝臓がん、肺がん、膵臓がん、絨毛癌(胎盤腫瘍)、前立腺がん、肉腫、皮膚がん、軟組織がんまたは胃がんから選択される。
いくつかの例では、本開示の方法によって処置される固形腫瘍は、乳がんである。本発明の方法によって処置され得る乳がんの非限定的な例として、非浸潤性乳管癌(DCISまたは乳管内癌)、非浸潤性小葉癌(LCIS)、侵襲性(または浸潤性)腺管癌、侵襲性(または浸潤性)小葉癌、炎症性乳がん、トリプルネガティブ乳がん、乳頭のパジェット病、葉状腫瘍(葉状(phylloides)腫瘍または葉状嚢肉腫)、血管肉腫、腺様嚢胞(または腺様嚢胞)癌、低悪性度の腺扁平上皮癌、髄質癌、乳頭状癌、管状癌、化生性癌、微小毛細血管(micropapillary)癌、および混合癌が挙げられる。
いくつかの例では、本開示の方法によって処置される固形腫瘍は、骨がんである。本発明の方法によって処置され得る骨がんの非限定的な例として、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍(ESFT)が挙げられる。
いくつかの例では、本開示の方法によって処置される固形腫瘍は、皮膚がんである。本発明の方法によって処置され得る皮膚がんの非限定的な例として、メラノーマ、基底細胞皮膚がん、および扁平細胞皮膚がんが挙げられる。
いくつかの例では、本開示の方法によって処置される固形腫瘍は、眼腫瘍である。本開示の方法によって処置され得る眼腫瘍の非限定的な例として、脈絡膜母斑、脈絡膜メラノーマ、脈絡膜転移、脈絡膜血管腫、脈絡膜骨腫、虹彩メラノーマ、ブドウ膜メラノーマ、眼内リンパ腫、メラノサイトーマ、転移性網膜毛細血管腫、RPEの先天性肥大、RPE腺腫または網膜芽細胞腫が挙げられる。
一部の実施形態では、本明細書に開示の方法によって処置される固形腫瘍は、HPV(ヒトパピローマウイルス)と関連することが公知であるがんを除外する。除外される群には、HPV陽性子宮頸がん、HPV陽性肛門がん、およびHPV頭頸部がん、例えば口腔咽頭がんが含まれる。
用語「液性がん」は、本明細書で使用される場合、体液、例えば血液、リンパおよび骨髄中に存在するがん細胞を指す。液性がんには、白血病、骨髄腫、および液性リンパ腫が含まれる。液性リンパ腫には、嚢胞または液体領域を含有するリンパ腫が含まれる。液性がんは、本明細書で使用される場合、固形腫瘍、例えば肉腫および癌、または嚢胞もしくは液体領域を含有しない固形リンパ腫が含まれない。
本明細書で提供される方法によって処置され得る液性がん(liquid cancer cancers)には、白血病、骨髄腫、および液性リンパ腫が含まれるが、それらに限定されない。特定の実施形態では、記載の方法に従って処置され得る液性がんには、液性リンパ腫、白血病(lekemias)、および骨髄腫が含まれるが、それらに限定されない。記載の方法に従って処置され得る例示的な液性リンパ腫および白血病として、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫(例えば、ワルデンストレームマクログロブリン血症)、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、単クローン性免疫グロブリン沈着症、重鎖病、maltリンパ腫とも呼ばれる節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫(nmzl)、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、T細胞前リンパ球性白血病、T細胞大型顆粒リンパ球性白血病、侵攻性NK細胞白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型、腸症型T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉症/セザリー症候群、原発性皮膚CD30陽性T細胞リンパ増殖性障害、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、分類不能未分化大細胞型リンパ腫(unspecified, anaplastic large cell lymphoma)、古典的ホジキンリンパ腫(結節硬化型、混合細胞型、リンパ球豊富型、リンパ球減少型または非減少型)、および結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫が挙げられるが、それらに限定されない。
液性がんの例として、例えば骨髄性、リンパ性もしくは赤血球性系統、またはそれらの前駆体細胞から生じた、造血性起源の過形成/新生物細胞を伴うがんが挙げられる。例示的な障害として、急性白血病、例えば赤芽球性白血病および急性巨核芽球性白血病が挙げられる。追加の例示的な骨髄性障害として、急性前骨髄性白血病(APML)、急性骨髄性白血病(AML)および慢性骨髄性白血病(CML)(Vaickus, L.(1991年)Crit Rev. in Oncol./Hemotol. 11巻:267〜97頁に総説されている)が挙げら
れるが、それらに限定されない。リンパ性悪性腫瘍には、B−系統ALLおよびT−系統ALLを含む急性リンパ芽球性白血病(acute lymphoblastic leukemia)(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、多発性骨髄腫(mylenoma)、有毛細胞白血病(HLL)およびワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)が含まれるが、それらに限定されない。悪性液性リンパ腫の追加の形態には、非ホジキンリンパ腫およびそのバリアント、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、大顆粒性リンパ球性白血病(LGF)、ホジキン病およびリード−シュテルンベルク病が含まれるが、それらに限定されない。例えば、液性がんには、急性リンパ球性白血病(ALL)、T細胞急性リンパ球性白血病(T−ALL)、未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、B細胞慢性リンパ球性白血病(B−CLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、過好酸球増加症/慢性好酸球増加症、およびバーキットリンパ腫が含まれるが、それらに限定されない。
いくつかの実施形態では、がんは、急性リンパ芽球性白血病;急性骨髄性白血病;AIDS関連がん;AIDS関連リンパ腫;慢性リンパ球性白血病;慢性骨髄性白血病;慢性骨髄増殖性疾患;成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL);ホジキンリンパ腫;多発性骨髄腫;多発性骨髄腫/形質細胞新生物;非ホジキンリンパ腫;または原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫を含む。様々な実施形態では、液性がんは、B細胞慢性リンパ球性白血病、B細胞リンパ腫−DLBCL、B細胞リンパ腫−DLBCL−胚中心様、B細胞リンパ腫−DLBCL−活性化B細胞様、またはバーキットリンパ腫であり得る。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って処置される被験体は、p53非活性化変異が欠如している、かつ/または野生型p53を発現するがんを有しているか、または有していると診断されたヒトである。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従ってがんを処置される被験体は、p53非活性化変異が欠如している、かつ/または野生型p53を発現するがんの素因があるか、または罹患しやすいヒトである。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従ってがんを処置される被験体は、p53非活性化変異が欠如している、かつ/または野生型p53を発現するがんを発症する危険性があるヒトである。いくつかの例において、p53非活性化変異は、p53タンパク質のDNA結合ドメインの変異であり得る。いくつかの例では、p53非活性化変異は、ミスセンス変異であり得る。様々な例において、がんは、残基R175、G245、R248、R249、R273、およびR282の1つまたは複数における変異から選択される1つまたは複数のp53非活性化変異が欠如していると決定され得る。がんにおけるp53非活性化変異の欠如および/または野生型p53の存在は、当技術分野で公知の任意の適切な方法によって、例えば配列決定、アレイベースの試験、RNA分析およびPCRのような増幅方法によって決定され得る。
ある特定の実施形態では、ヒト被験体は、当技術分野で公知のがんの1つまたは複数の他の標準処置に対して難治性および/または不耐性である。一部の実施形態では、ヒト被験体は、がんの少なくとも1つの過去の処置および/または治療が不成功に終わっている。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、腫瘍を有しているか、または有していると診断されたヒトである。他の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、腫瘍の素因があるか、または罹患しやすいヒトである。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、腫瘍を発症する危険性があるヒトである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、p53非活性化変異が欠如している、かつ/または野生型p53を発現すると決定された腫瘍を有しているか、または有していると診断されたヒトである。他の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、p53非活性化変異が欠如している、かつ/または野生型p53を発現すると決定された腫瘍の素因があるか、または罹患しやすいヒトである。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、p53非活性化変異が欠如している、かつ/または野生型p53を発現すると決定された腫瘍を発症する危険性があるヒトである。本明細書で使用されるp53非活性化変異は、p53のin vitroアポトーシス活性の喪失(または低減)をもたらす任意の変異である。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、p53機能獲得型変異を有すると決定された腫瘍を有しているか、または有していると診断されたヒトである。他の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、p53機能獲得型変異を有すると決定された腫瘍の素因があるか、または罹患しやすいヒトである。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、p53機能獲得型変異を有すると決定された腫瘍を発症する危険性があるヒトである。本明細書で使用されるp53機能獲得型変異は、変異体p53が、野生型p53腫瘍抑制因子機能に対するそれらのネガティブドミナントを上回る発癌機能を発揮するような、任意の変異である。機能変異体タンパク質のp53獲得は、様々な腫瘍進行段階および抗がん処置に対する耐性増大に活性に寄与し得る、新しい活性を示し得る。したがって、一部の実施形態では、本明細書で提供される組成物に合致する腫瘍を有する被験体は、p53機能獲得型変異を有すると決定された腫瘍を有しているか、または有していると診断されたヒトである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、p53陰性ではない腫瘍を有しているか、または有していると診断されたヒトである。他の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、p53陰性ではない腫瘍の素因があるか、または罹患しやすいヒトである。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、p53陰性ではない腫瘍を発症する危険性があるヒトである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、部分的な機能喪失変異を伴うp53を発現する腫瘍を有しているか、または有していると診断されたヒトである。他の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、部分的な機能喪失変異を伴うp53を発現する腫瘍の素因があるか、または罹患しやすいヒトである。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、部分的な機能喪失変異を伴うp53を発現する腫瘍を発症する危険性があるヒトである。本明細書で使用される「p53の部分的な機能喪失」変異は、変異体p53が、あるレベルの正常なp53機能を示すが、その程度がより低いか、またはより緩慢であることを意味する。例えば、p53の部分的な機能喪失は、細胞が、より低いか、またはより緩慢な程度まで細胞分裂が抑制されることを意味することができる。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、コピー喪失変異および非活性化変異を伴うp53を発現する腫瘍を有しているか、または有していると診断されたヒトである。他の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、コピー喪失変異および非活性化変異を伴うp53を発現する腫瘍の素因があるか、または罹患しやすいヒトである。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、コピー喪失変異および非活性化変異を伴うp53を発現する腫瘍を発症する危険性があるヒトである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、コピー喪失変異を伴うp53を発現する腫瘍を有しているか、または有していると診断されたヒトである。他の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、コピー喪失変異を伴うp53を発現する腫瘍の素因があるか、または罹患しやすいヒトである。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、コピー喪失変異を伴うp53を発現する腫瘍を発症する危険性があるヒトである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、1つまたは複数のサイレント変異を伴うp53を発現する腫瘍を有しているか、または有していると診断されたヒトである。他の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、1つまたは複数のサイレント変異を伴うp53を発現する腫瘍の素因があるか、または罹患しやすいヒトである。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、1つまたは複数のサイレント変異を伴うp53を発現する腫瘍を発症する危険性があるヒトである。本明細書で使用されるサイレント変異は、コードされたp53アミノ酸配列の変化を引き起こさない変異である。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に従って腫瘍を処置される被験体は、ドミナントp53非活性化変異が欠如していると決定された腫瘍を有しているか、または有していると診断されたヒトである。本明細書で使用されるドミナントp53非活性化変異またはドミナントネガティブ変異は、変異型p53が、野生型p53遺伝子の活性を阻害または妨害する変異である。
本発明の1つまたは複数の特定の実施形態の詳細を、以下の添付の図および説明により記載する。本発明の他の特徴、目的、および利点は、説明および図、ならびに特許請求の範囲から明らかになろう。
薬学的に許容される塩
本発明は、本明細書に記載の任意の治療化合物の薬学的に許容される塩の使用を提供する。薬学的に許容される塩には、例えば、酸付加塩および塩基付加塩が含まれる。酸付加塩を形成するために化合物に付加される酸は、有機酸または無機酸であり得る。塩基付加塩を形成するために化合物に付加される塩基は、有機塩基または無機塩基であり得る。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、金属塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、アンモニウム塩である。
金属塩は、無機塩基を本発明の化合物に付加することによって得ることができる。無機塩基は、例えば水酸化物イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはリン酸イオンなどの塩基性対イオンと対になった金属カチオンからなる。金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、または典型金属であり得る。一部の実施形態では、金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、セリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、カルシウム、ストロンチウム、コバルト、チタン、アルミニウム、銅、カドミウム、または亜鉛である。
一部の実施形態では、金属塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、セリウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、鉄塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、コバルト塩、チタン塩、アルミニウム塩、銅塩、カドミウム塩、または亜鉛塩である。
アンモニウム塩は、アンモニアまたは有機アミンを、本発明の化合物に付加することによって得ることができる。一部の実施形態では、有機アミンは、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、ジベンジルアミン、ピペラジン、ピリジン、ピラゾール(pyrrazole)、ピピラゾール(pipyrrazole)、イミダゾール、ピラジン、またはピピラジン(pipyrazine)である。
一部の実施形態では、アンモニウム塩は、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、N−メチルモルホリン塩、ピペリジン塩、N−メチルピペリジン塩、N−エチルピペリジン塩、ジベンジルアミン塩、ピペラジン塩、ピリジン塩、ピラゾール塩、ピピラゾール塩、イミダゾール塩、ピラジン塩、またはピピラジン塩である。
酸付加塩は、酸を本発明の化合物に付加することによって得ることができる。一部の実施形態では、酸は、有機である。一部の実施形態では、酸は、無機である。一部の実施形態では、酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸塩、リン酸、イソニコチン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、アスコルビン酸、ゲンチシン酸、グルコン酸、グルクロン(glucaronic)酸、サッカリン(saccaric)酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、パントテン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、フマル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、シュウ酸、またはマレイン酸である。
一部の実施形態では、塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、ゲンチシン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、パントテン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、またはマレイン酸塩である。
本発明の化合物の純度
本明細書の任意の化合物は、精製することができる。本明細書の化合物は、少なくとも1%の純度、少なくとも2%の純度、少なくとも3%の純度、少なくとも4%の純度、少なくとも5%の純度、少なくとも6%の純度、少なくとも7%の純度、少なくとも8%の純度、少なくとも9%の純度、少なくとも10%の純度、少なくとも11%の純度、少なくとも12%の純度、少なくとも13%の純度、少なくとも14%の純度、少なくとも15%の純度、少なくとも16%の純度、少なくとも17%の純度、少なくとも18%の純度、少なくとも19%の純度、少なくとも20%の純度、少なくとも21%の純度、少なくとも22%の純度、少なくとも23%の純度、少なくとも24%の純度、少なくとも25%の純度、少なくとも26%の純度、少なくとも27%の純度、少なくとも28%の純度、少なくとも29%の純度、少なくとも30%の純度、少なくとも31%の純度、少なくとも32%の純度、少なくとも33%の純度、少なくとも34%の純度、少なくとも35%の純度、少なくとも36%の純度、少なくとも37%の純度、少なくとも38%の純度、少なくとも39%の純度、少なくとも40%の純度、少なくとも41%の純度、少なくとも42%の純度、少なくとも43%の純度、少なくとも44%の純度、少なくとも45%の純度、少なくとも46%の純度、少なくとも47%の純度、少なくとも48%の純度、少なくとも49%の純度、少なくとも50%の純度、少なくとも51%の純度、少なくとも52%の純度、少なくとも53%の純度、少なくとも54%の純度、少なくとも55%の純度、少なくとも56%の純度、少なくとも57%の純度、少なくとも58%の純度、少なくとも59%の純度、少なくとも60%の純度、少なくとも61%の純度、少なくとも62%の純度、少なくとも63%の純度、少なくとも64%の純度、少なくとも65%の純度、少なくとも66%の純度、少なくとも67%の純度、少なくとも68%の純度、少なくとも69%の純度、少なくとも70%の純度、少なくとも71%の純度、少なくとも72%の純度、少なくとも73%の純度、少なくとも74%の純度、少なくとも75%の純度、少なくとも76%の純度、少なくとも77%の純度、少なくとも78%の純度、少なくとも79%の純度、少なくとも80%の純度、少なくとも81%の純度、少なくとも82%の純度、少なくとも83%の純度、少なくとも84%の純度、少なくとも85%の純度、少なくとも86%の純度、少なくとも87%の純度、少なくとも88%の純度、少なくとも89%の純度、少なくとも90%の純度、少なくとも91%の純度、少なくとも92%の純度、少なくとも93%の純度、少なくとも94%の純度、少なくとも95%の純度、少なくとも96%の純度、少なくとも97%の純度、少なくとも98%の純度、少なくとも99%の純度、少なくとも99.1%の純度、少なくとも99.2%の純度、少なくとも99.3%の純度、少なくとも99.4%の純度、少なくとも99.5%の純度、少なくとも99.6%の純度、少なくとも99.7%の純度、少なくとも99.8%の純度、または少なくとも99.9%の純度であり得る。
製剤および投与
投与方法
本開示の有効量のペプチド模倣大環状分子は、許容される投与方法のいずれかによって、単回または複数回用量のいずれかで投与され得る。一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、例えば皮下、筋肉内、髄腔内、静脈内または硬膜外注射によって非経口投与される。例えば、ペプチド模倣大環状分子は、静脈内、動脈内、皮下または注入によって投与される。いくつかの例では、ペプチド模倣大環状分子は、静脈内投与される。いくつかの例では、ペプチド模倣大環状分子は、動脈内投与される。
選択された投与経路に関わらず、本開示のペプチド模倣大環状分子、および/または本開示の医薬組成物は、薬学的に許容される剤形に製剤化される。本開示によるペプチド模倣大環状分子は、他の医薬品と類似して、ヒトまたは動物の医療において使用するのに好都合な任意の方式で投与するために製剤化され得る。
一態様では、本開示は、1種または複数種の薬学的に許容されるキャリア(添加物)および/または賦形剤と一緒に製剤化された、治療有効量の上記のペプチド模倣大環状分子の1つまたは複数を含む医薬製剤を提供する。一実施形態では、本明細書に記載のペプチド模倣大環状分子の1つまたは複数は、非経口投与のために非経口投与に合わせて製剤化され、本明細書に開示の1つまたは複数のペプチド模倣大環状分子は、水性もしくは非水性溶液、分散液、懸濁液もしくは乳濁液として、または使用直前に注入可能な滅菌溶液もしくは分散液に再構成することができる滅菌粉末として製剤化され得る。このような製剤は、糖、アルコール、抗酸化剤、バッファ、静菌剤、製剤を所期のレシピエントの血液と等張にする溶質、または懸濁化剤もしくは増粘剤を含むことができる。また、これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散化剤などのアジュバントを含有することができる。対象化合物に対する微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール ソルビン酸等を含むことによって確保することができる。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤等を組成物に含むことが望ましい場合もある。さらに、注射可能な医薬形態の吸収の延長は、吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含むことによってもたらすことができる。所望に応じて、製剤は、例えば等張食塩水またはブドウ糖溶液を用いて、使用前に希釈することができる。いくつかの例では、ペプチド模倣大環状分子は、水溶液として製剤化され、静脈内投与される。
投与量および投与頻度
投与量は、様々な技術を使用して決定され得る。選択される投与量レベルは、用いられる特定のペプチド模倣大環状分子の活性、投与経路、投与時間、用いられる特定のペプチド模倣大環状分子の排泄または代謝速度、処置期間、用いられる特定のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて使用される他の薬物、化合物および/または材料、処置を受ける患者の年齢、性別、体重、状態、全体的な健康状態および過去の既往歴、ならびに医療分野で周知の同様の因子を含めた様々な因子に応じて決まり得る。また投与量の値は、軽減される予定の状態の重症度と共に変わり得る。任意の特定の被験体のために、個々の必要性、および組成物を投与するかまたは投与を監督するヒトの専門的判断に従って、具体的な投与レジメンを経時的に調整することができる。
医師または獣医師は、有効量の必要な医薬組成物を処方することができる。例えば、医師または獣医師は、所望の治療効果を達成するために必要なレベルよりも低いレベルで医薬組成物を用いて、本開示の化合物の投与を開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増大することができる。
一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子の適切な日用量は、治療効果をもたらすのに有効な最少用量であるペプチド模倣大環状分子の量であり得る。このような有効用量は、一般に、上記の因子に応じて決まる。所与の患者において最も有効な処置をもたらす任意の特定のペプチド模倣大環状分子の正確な投与時間および量は、特定のペプチド模倣大環状分子の活性、薬物動態およびバイオアベイラビリティ、患者の身体状態(年齢、性別、疾患のタイプおよびステージ、全体的な身体状態、所与の投与量に対する応答性、ならびに薬物療法のタイプを含む)、投与経路等に応じて決まる。
投与量は、患者の体重1kg当たりのペプチド模倣大環状分子の量に基づくことができる。あるいは、本開示の投与量は、ペプチド模倣大環状分子の血漿濃度を参照することによって決定され得る。例えば、最大血漿濃度(Cmax)および時間0から無限までの血漿濃度−時間曲線下面積(AUC)を使用することができる。
一部の実施形態では、被験体は、ヒト被験体であり、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり0.01〜100mgである。例えば、様々な例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約0.01〜50mg、約0.01〜20mg、約0.01〜10mg、約0.1〜100mg、約0.1〜50mg、約0.1〜20mg、約0.1〜10mg、約0.5〜100mg、約0.5〜50mg、約0.5〜20mg、約0.5〜10mg、約1〜100mg、約1〜50mg、約1〜20mg、約1〜10mgである。一実施形態では、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約0.5mg〜10mgのペプチド模倣大環状分子が投与される。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約0.16mg、約0.32mg、約0.64mg、約1.28mg、約3.56mg、約7.12mg、約14.24mg、または約20mgである。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約0.16mg、約0.32mg、約0.64mg、約1.28mg、約3.56mg、約7.12mg、または約14.24mgである。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約0.16mgである。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約0.32mgである。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約0.64mgである。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約1.28mgである。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約3.56mgである。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約7.12mgである。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約14.24mgである。
一部の実施形態では、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約0.5〜約20mgまたは約0.5〜約10mgのペプチド模倣大環状分子が、週2回投与される。例えばヒト被験体の体重1キログラム当たり約0.5〜約1mg、約0.5〜約5mg、約0.5〜約10mg、約0.5〜約15mg、約1〜約5mg、約1〜約10mg、約1〜約15mg、約1〜約20mg、約5〜約10mg、約1〜約15mg、約5〜約20mg、約10〜約15mg、約10〜約20mg、または約15〜約20mgのペプチド模倣大環状分子が、週約2回投与される。いくつかの例では、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約1mg、約1.25mg、約1.5mg、約1.75mg、約2mg、約2.25mg、約2.5mg、約2.75mg、約3mg、約3.25mg、約3.5mg、約3.75mg、約4mg、約4.25mg、約4.5mg、約4.75mg、約5mg、約5.25mg、約5.5mg、約5.75mg、約6mg、約6.25mg、約6.5mg、約6.75mg、約7mg、約7.25mg、約7.5mg、約7.75mg、約8mg、約8.25mg、約8.5mg、約8.75mg、約9mg、約9.25mg、約9.5mg、約9.75mg、約10mg、約10.25mg、約10.5mg、約10.75mg、約11mg、約11.25mg、約11.5mg、約11.75mg、約12mg、約12.25mg、約12.5mg、約12.75mg、約13mg、約13.25mg、約13.5mg、約13.75mg、約14mg、約14.25mg、約14.5mg、約14.75mg、約15mg、約15.25mg、約15.5mg、約15.75mg、約16mg、約16.5mg、約17mg、約17.5mg、約18mg、約18.5mg、約19mg、約19.5mg、または約20mgのペプチド模倣大環状分子が、週2回投与される。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約1.25mg、約2.5mg、約5mg、約10mg、または約20mgであり、ペプチド模倣大環状分子は、週2回投与される。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約1.25mg、約2.5mg、約5mgまたは約10mgであり、ペプチド模倣大環状分子は、週2回投与される。
一部の実施形態では、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約0.5〜約20mgまたは約0.5〜約10mgのペプチド模倣大環状分子が、週1回投与される。例えばヒト被験体の体重1キログラム当たり約0.5〜約1mg、約0.5〜約5mg、約0.5〜約10mg、約0.5〜約15mg、約1〜約5mg、約1〜約10mg、約1〜約15mg、約1〜約20mg、約5〜約10mg、約1〜約15mg、約5〜約20mg、約10〜約15mg、約10〜約20mg、または約15〜約20mgのペプチド模倣大環状分子が、週1回投与される。いくつかの例では、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約1mg、約1.25mg、約1.5mg、約1.75mg、約2mg、約2.25mg、約2.5mg、約2.75mg、約3mg、約3.25mg、約3.5mg、約3.75mg、約4mg、約4.25mg、約4.5mg、約4.75mg、約5mg、約5.25mg、約5.5mg、約5.75mg、約6mg、約6.25mg、約6.5mg、約6.75mg、約7mg、約7.25mg、約7.5mg、約7.75mg、約8mg、約8.25mg、約8.5mg、約8.75mg、約9mg、約9.25mg、約9.5mg、約9.75mg、約10mg、約10.25mg、約10.5mg、約10.75mg、約11mg、約11.25mg、約11.5mg、約11.75mg、約12mg、約12.25mg、約12.5mg、約12.75mg、約13mg、約13.25mg、約13.5mg、約13.75mg、約14mg、約14.25mg、約14.5mg、約14.75mg、約15mg、約15.25mg、約15.5mg、約15.75mg、約16mg、約16.5mg、約17mg、約17.5mg、約18mg、約18.5mg、約19mg、約19.5mg、または約20mgのペプチド模倣大環状分子が、週1回投与される。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約1.25mg、約2.5mg、約5mg、約10mg、または約20mgであり、ペプチド模倣大環状分子は、週1回投与される。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約1.25mg、約2.5mg、約5mgまたは約10mgであり、ペプチド模倣大環状分子は、週1回投与される。
一部の実施形態では、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約0.5〜約20mgまたは約0.5〜約10mgのペプチド模倣大環状分子が、週3回、4回、5回、6回または7回投与される。例えば、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約0.5〜約1mg、約0.5〜約5mg、約0.5〜約10mg、約0.5〜約15mg、約1〜約5mg、約1〜約10mg、約1〜約15mg、約1〜約20mg、約5〜約10mg、約1〜約15mg、約5〜約20mg、約10〜約15mg、約10〜約20mg、または約15〜約20mgのペプチド模倣大環状分子が、週3回、4回、5回、6回または7回投与される。いくつかの例では、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約1mg、約1.25mg、約1.5mg、約1.75mg、約2mg、約2.25mg、約2.5mg、約2.75mg、約3mg、約3.25mg、約3.5mg、約3.75mg、約4mg、約4.25mg、約4.5mg、約4.75mg、約5mg、約5.25mg、約5.5mg、約5.75mg、約6mg、約6.25mg、約6.5mg、約6.75mg、約7mg、約7.25mg、約7.5mg、約7.75mg、約8mg、約8.25mg、約8.5mg、約8.75mg、約9mg、約9.25mg、約9.5mg、約9.75mg、約10mg、約10.25mg、約10.5mg、約10.75mg、約11mg、約11.25mg、約11.5mg、約11.75mg、約12mg、約12.25mg、約12.5mg、約12.75mg、約13mg、約13.25mg、約13.5mg、約13.75mg、約14mg、約14.25mg、約14.5mg、約14.75mg、約15mg、約15.25mg、約15.5mg、約15.75mg、約16mg、約16.5mg、約17mg、約17.5mg、約18mg、約18.5mg、約19mg、約19.5mg、または約20mgのペプチド模倣大環状分子が、週3回、4回、5回、6回または7回投与される。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約1.25mg、約2.5mg、約5mg、約10mg、または約20mgであり、ペプチド模倣大環状分子は、週3回、4回、5回、6回または7回投与される。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約1.25mg、約2.5mg、約5mg、または約10mgであり、ペプチド模倣大環状分子は、週3回、4回、5回、6回または7回投与される。
一部の実施形態では、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約0.5〜約20mgまたは約0.5〜約10mgのペプチド模倣大環状分子が、2週、3週、または4週ごとに1回投与される。例えば、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約0.5〜約1mg、約0.5〜約5mg、約0.5〜約10mg、約0.5〜約15mg、約1〜約5mg、約1〜約10mg、約1〜約15mg、約1〜約20mg、約5〜約10mg、約1〜約15mg、約5〜約20mg、約10〜約15mg、約10〜約20mg、または約15〜約20mgのペプチド模倣大環状分子が、2週または3週ごとに3回、4回、5回、6回または7回投与される。いくつかの例では、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約1mg、約1.25mg、約1.5mg、約1.75mg、約2mg、約2.25mg、約2.5mg、約2.75mg、約3mg、約3.25mg、約3.5mg、約3.75mg、約4mg、約4.25mg、約4.5mg、約4.75mg、約5mg、約5.25mg、約5.5mg、約5.75mg、約6mg、約6.25mg、約6.5mg、約6.75mg、約7mg、約7.25mg、約7.5mg、約7.75mg、約8mg、約8.25mg、約8.5mg、約8.75mg、約9mg、約9.25mg、約9.5mg、約9.75mg、約10mg、約10.25mg、約10.5mg、約10.75mg、約11mg、約11.25mg、約11.5mg、約11.75mg、約12mg、約12.25mg、約12.5mg、約12.75mg、約13mg、約13.25mg、約13.5mg、約13.75mg、約14mg、約14.25mg、約14.5mg、約14.75mg、約15mg、約15.25mg、約15.5mg、約15.75mg、約16mg、約16.5mg、約17mg、約17.5mg、約18mg、約18.5mg、約19mg、約19.5mg、または約20mgのペプチド模倣大環状分子が、2週または3週ごとに1回投与される。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約1.25mg、約2.5mg、約5mg、約10mg、または約20mgであり、ペプチド模倣大環状分子は、2週ごとに1回投与される。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約1.25mg、約2.5mg、約5mgまたは約10mgであり、ペプチド模倣大環状分子は、2週ごとに1回投与される。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約1.25mg、約2.5mg、約5mg、約10mg、または約20mgであり、ペプチド模倣大環状分子は、3週ごとに1回投与される。いくつかの例では、投与されるペプチド模倣大環状分子の量は、ヒト被験体の体重1キログラム当たり約1.25mg、約2.5mg、約5mg、または約10mgであり、ペプチド模倣大環状分子は、3週ごとに1回投与される。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、ある一定期間かけて徐々に投与される。所望の量のペプチド模倣大環状分子は、例えば約0.1時間〜24時間かけて徐々に投与され得る。ある場合には、所望の量のペプチド模倣大環状分子は、0.1時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間かけて徐々に投与される。いくつかの例では、所望の量のペプチド模倣大環状分子は、0.25〜12時間かけて、例えば0.25〜1時間、0.25〜2時間、0.25〜3時間、0.25〜4時間、0.25〜6時間、0.25〜8時間、0.25〜10時間かけて徐々に投与される。いくつかの例では、所望の量のペプチド模倣大環状分子は、0.25〜2時間かけて徐々に投与される。いくつかの例では、所望の量のペプチド模倣大環状分子は、0.25〜1時間かけて徐々に投与される。いくつかの例では、所望の量のペプチド模倣大環状分子は、0.25時間、0.3時間、0.4時間、0.5時間、0.6時間、0.7時間、0.8時間、0.9時間、1.0時間、1.1時間、1.2時間、1.3時間、1.4時間、1.5時間、1.6時間、1.7時間、1.8時間、1.9時間、または2.0時間かけて徐々に投与される。いくつかの例では、所望の量のペプチド模倣大環状分子は、1時間かけて徐々に投与される。いくつかの例では、所望の量のペプチド模倣大環状分子は、2時間かけて徐々に投与される。
ペプチド模倣大環状分子の投与は、必要な限り継続することができる。一部の実施形態では、本開示の1つまたは複数のペプチド模倣大環状分子は、1日超、1週超、1カ月超、2カ月超、3カ月超、4カ月超、5カ月超、6カ月超、7カ月超、8カ月超、9カ月超、10カ月超、11カ月超、12カ月超、13カ月超、14カ月超、15カ月超、16カ月超、17カ月超、18カ月超、19カ月超、20カ月超、21カ月超、22カ月超、23カ月超、または24カ月超投与される。一部の実施形態では、本開示の1つまたは複数のペプチド模倣大環状分子は、1週未満、1カ月未満、2カ月未満、3カ月未満、4カ月未満、5カ月未満、6カ月未満、7カ月未満、8カ月未満、9カ月未満、10カ月未満、11カ月未満、12カ月未満、13カ月未満、14カ月未満、15カ月未満、16カ月未満、17カ月未満、18カ月未満、19カ月未満、20カ月未満、21カ月未満、22カ月未満、23カ月未満、または24カ月未満投与される。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、28日サイクルの1日目、8日目、15日目および28日目に投与される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、28日サイクルの1日目、8日目、15日目および28日目に投与され、投与は、2つのサイクルの間継続される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、28日サイクルの1日目、8日目、15日目および28日目に投与され、投与は、3つのサイクルの間継続される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、28日サイクルの1日目、8日目、15日目および28日目に投与され、投与は、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超えるサイクルの間継続される。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、21日サイクルの1日目、8日目、11日目および21日目に投与される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、21日サイクルの1日目、8日目、11日目および21日目に投与され、投与は、2つのサイクルの間継続される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、21日サイクルの1日目、8日目、11日目および21日目に投与され、投与は、3つのサイクルの間継続される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、21日サイクルの1日目、8日目、11日目および21日目に投与され、投与は、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超えるサイクルの間継続される。
一部の実施形態では、本開示の1つまたは複数のペプチド模倣大環状分子は、長期にわたって継続的に投与される。一部の実施形態では、本開示の1つまたは複数のペプチド模倣大環状分子の投与は、疾患の進行、許容されない毒性、または患者もしくは医師による投与中断の決定が記載されるまで継続される。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、1つの状態を処置するために使用することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、2つの状態を処置するために使用することができる一部の実施形態では、本発明の化合物は、3つの状態を処置するために使用することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、4つの状態を処置するために使用することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、5つの状態を処置するために使用することができる。
配列相同性
2つまたはそれを超えるペプチドは、ある度合いの相同性を共有することができる。一対のペプチドは、例えば、約20%までの対合相同性、約25%までの対合相同性、約30%までの対合相同性、約35%までの対合相同性、約40%までの対合相同性、約45%までの対合相同性、約50%までの対合相同性、約55%までの対合相同性、約60%までの対合相同性、約65%までの対合相同性、約70%までの対合相同性、約75%までの対合相同性、約80%までの対合相同性、約85%までの対合相同性、約90%までの対合相同性、約95%までの対合相同性、約96%までの対合相同性、約97%までの対合相同性、約98%までの対合相同性、約99%までの対合相同性、約99.5%までの対合相同性、または約99.9%までの対合相同性を有することができる。一対のペプチドは、例えば、少なくとも約20%の対合相同性、少なくとも約25%の対合相同性、少なくとも約30%の対合相同性、少なくとも約35%の対合相同性、少なくとも約40%の対合相同性、少なくとも約45%の対合相同性、少なくとも約50%の対合相同性、少なくとも約55%の対合相同性、少なくとも約60%の対合相同性、少なくとも約65%の対合相同性、少なくとも約70%の対合相同性、少なくとも約75%の対合相同性、少なくとも約80%の対合相同性、少なくとも約85%の対合相同性、少なくとも約90%の対合相同性、少なくとも約95%の対合相同性、少なくとも約96%の対合相同性、少なくとも約97%の対合相同性、少なくとも約98%の対合相同性、少なくとも約99%の対合相同性、少なくとも約99.5%の対合相同性、少なくとも約99.9%の対合相同性を有することができる。
2つまたはそれを超えるペプチドの間の相同性を決定するために、様々な方法およびソフトウェアプログラム、例えばNCBI BLAST、Clustal W、MAFFT、Clustal Omega、AlignMe、Praline、または別の適切な方法もしくはアルゴリズムを使用することができる。
ペプチド模倣大環状分子
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、式(I)
(式中、
−各A、C、D、およびEは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸またはアミノ酸類似体であり、各末端DおよびEは、任意選択で独立に、キャッピング基を含み、
−各Bは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
−各RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはRおよびRの少なくとも1つは、前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
−各LおよびL’は、独立に、式−L−L−の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各L、L、およびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
−各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
−各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−各vおよびwは、独立に、1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり、
−uは、1〜10、例えば1〜5、1〜3または1〜2の整数であり、
−各x、y、およびzは、独立に、0〜10の整数であり、例えばx+y+zの合計は、2、3、または6であり、
−nは、1〜5の整数である)
を有する。
一部の実施形態では、vおよびwは、1〜30の整数である。一部の実施形態では、wは、3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数である。一部の実施形態では、x+y+zの合計は、3または6である。一部の実施形態では、x+y+zの合計は、3である。他の実施形態では、x+y+zの合計は、6である。
一部の実施形態では、wは、3〜10、例えば3〜6、3〜8、6〜8、または6〜10の整数である。一部の実施形態では、wは、3である。他の実施形態では、wは、6である。一部の実施形態では、vは、1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数である。一部の実施形態では、vは、2である。
本明細書に記載の式のいずれかの一実施形態では、LおよびLは、単独でも組合せでも、トリアゾールまたはチオエーテルを形成しない。
一例では、RおよびRの少なくとも1つは、非置換であるか、またはハロ−で置換されているアルキルである。別の例では、RおよびRは共に、独立に、非置換であるか、またはハロ−で置換されているアルキルである。一部の実施形態では、RおよびRの少なくとも1つは、メチルである。他の実施形態では、RおよびRは、メチルである。
一部の実施形態では、x+y+zは、少なくとも3である。他の実施形態では、x+y+zは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。一部の実施形態では、x+y+zの合計は、3または6である。一部の実施形態では、x+y+zの合計は、3である。他の実施形態では、x+y+zの合計は、6である。大環状分子または大環状分子前駆体におけるA、B、C、DまたはEは、出現するごとに独立に選択される。例えば、式[A](xが3である場合)によって表される配列は、アミノ酸が同一でない、例えばGln−Asp−Alaである実施形態、ならびにアミノ酸が同一である、例えばGln−Gln−Glnである実施形態を包含する。このことは、示されている範囲内のx、y、またはzのいずれの値にも適用される。同様に、uが1を超える場合、各化合物は、同じかまたは異なっているペプチド模倣大環状分子を包含し得る。例えば、化合物は、異なるリンカーの長さまたは化学的組成を含むペプチド模倣大環状分子を含むことができる。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリックスである二次構造を含み、Rは−Hであり、ヘリックス内に水素結合を生じる。一部の実施形態では、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、α,α−二置換アミノ酸である。一例では、Bは、α,α−二置換アミノ酸である。例えば、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、2−アミノイソ酪酸である。他の実施形態では、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、
である。
他の実施形態では、第1のCαから第2のCαまでを測定した、大環状分子を形成するリンカーLの長さは、必ずしも限定されないが第1のCαと第2のCαの間のものを含むペプチド模倣大環状分子の残基によって形成されたα−ヘリックスなどの、所望の二次ペプチド構造を安定化するように選択される。
また、一部の実施形態では、式
(式中、
−Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10のそれぞれは、個々にアミノ酸であり、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも3つは、配列Phe−X−His−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10−X11−Ser12 (配列番号8)の対応する位置におけるアミノ酸と同じアミノ酸であり、各Xは、アミノ酸であり、
−各DおよびEは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸またはアミノ酸類似体であり、−RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはRおよびRの少なくとも1つは、前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各LおよびL’は、独立に、式−L−L−の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各LおよびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
−各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
−各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−Rは、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−Rは、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−vは、1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20または1〜10の整数であり、
−wは、3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数であり、
−nは、1〜5の整数である)
のペプチド模倣大環状分子が提供される。
一部の実施形態では、vおよびwは、1〜30の整数である。一部の実施形態では、wは、3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数である。一部の実施形態では、x+y+zの合計は、3または6である。一部の実施形態では、x+y+zの合計は、3である。他の実施形態では、x+y+zの合計は、6である。
本明細書に記載の式のいずれかの一部の実施形態では、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa7、Xaa8、Xaa9、およびXaa10の少なくとも3つは、配列Phe3−X4−His5−Tyr6−Trp7−Ala8−Gln9−Leu10−X11−Ser12(配列番号8)の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。他の実施形態では、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa7、Xaa8、Xaa9、およびXaa10の少なくとも4つは、配列Phe3−X4−His5−Tyr6−Trp7−Ala8−Gln9−Leu10−X11−Ser12(配列番号8)の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。他の実施形態では、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa7、Xaa8、Xaa9、およびXaa10の少なくとも5つは、配列Phe3−X4−His5−Tyr6−Trp7−Ala8−Gln9−Leu10−X11−Ser12(配列番号8)の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。他の実施形態では、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa7、Xaa8、Xaa9、およびXaa10の少なくとも6つは、配列Phe3−X4−His5−Tyr6−Trp7−Ala8−Gln9−Leu10−X11−Ser12(配列番号8)の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。他の実施形態では、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa7、Xaa8、Xaa9、およびXaa10の少なくとも7つは、配列Phe3−X4−His5−Tyr6−Trp7−Ala8−Gln9−Leu10−X11−Ser12(配列番号8)の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、式
(式中、
−Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10のそれぞれは、個々にアミノ酸であり、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも3つは、配列Phe−X−Glu−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10/Cba10−X11−Ala12 (配列番号9)の対応する位置におけるアミノ酸と同じアミノ酸であり、各Xは、アミノ酸であり、
−各Dは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸またはアミノ酸類似体であり、
−各Eは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸またはアミノ酸類似体、例えばAla(アラニン)、D−Ala(D−アラニン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Sar(N−メチルグリシン)、およびSer(セリン)から選択されるアミノ酸であり、
−RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはRおよびRの少なくとも1つは、前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各LおよびL’は、独立に、式−L−L−の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各LおよびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
−各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
−各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−Rは、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−Rは、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−vは、1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり、
−wは、3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数であり、
−nは、1〜5の整数である)
を有する。
上の式の一部の実施形態では、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa7、Xaa8、Xaa9、およびXaa10の少なくとも3つは、配列Phe3−X4−Glu5−Tyr6−Trp7−Ala8−Gln9−Leu10/Cba10−X11−Ala12(配列番号9)の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。上の式の他の実施形態では、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa7、Xaa8、Xaa9、およびXaa10の少なくとも4つは、配列Phe3−X4−Glu5−Tyr6−Trp7−Ala8−Gln9−Leu10/Cba10−X11−Ala12(配列番号9)の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。上の式の他の実施形態では、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa7、Xaa8、Xaa9、およびXaa10の少なくとも5つは、配列Phe3−X4−Glu5−Tyr6−Trp7−Ala8−Gln9−Leu10/Cba10−X11−Ala12(配列番号9)の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。上の式の他の実施形態では、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa7、Xaa8、Xaa9、およびXaa10の少なくとも6つは、配列Phe3−X4−Glu5−Tyr6−Trp7−Ala8−Gln9−Leu10/Cba10−X11−Ala12(配列番号9)の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。上の式の他の実施形態では、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa7、Xaa8、Xaa9、およびXaa10の少なくとも7つは、配列Phe3−X4−Glu5−Tyr6−Trp7−Ala8−Gln9−Leu10/Cba10−X11−Ala12(配列番号9)の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。
一部の実施形態では、wは、3〜10、例えば3〜6、3〜8、6〜8、または6〜10の整数である。一部の実施形態では、wは、3である。他の実施形態では、wは、6である。一部の実施形態では、vは、1〜10、例えば2〜5の整数である。一部の実施形態では、vは、2である。
本明細書に記載の式のいずれかの一実施形態では、L1およびL2は、単独でもまたは組合せでも、トリアゾールまたはチオエーテルを形成しない。
一例では、R1およびR2の少なくとも1つは、非置換であるか、またはハロ−で置換されているアルキルである。別の例では、R1およびR2の両方は、独立に、非置換であるか、またはハロ−で置換されているアルキルである。一部の実施形態では、R1およびR2の少なくとも1つは、メチルである。他の実施形態では、R1およびR2は、メチルである。
一部の実施形態では、x+y+zは、少なくとも3である。他の実施形態では、x+y+zは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。一部の実施形態では、x+y+zの合計は、3または6である。一部の実施形態では、x+y+zの合計は、3である。他の実施形態では、x+y+zの合計は、6である。大環状分子または大環状分子前駆体におけるA、B、C、DまたはEは、出現するごとに独立に選択される。例えば、式[A]x(xが3である場合)によって表される配列は、アミノ酸が同一でない、例えばGln−Asp−Alaである実施形態、ならびにアミノ酸が同一である、例えばGln−Gln−Glnである実施形態を包含する。このことは、示されている範囲内のx、y、またはzのいずれの値にも適用される。同様に、uが1を超える場合、各化合物は、同じかまたは異なっているペプチド模倣大環状分子を包含することができる。例えば、化合物は、異なるリンカー長さまたは化学的組成を含むペプチド模倣大環状分子を含むことができる。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリックスである二次構造を含み、R8は−Hであり、ヘリックス内に水素結合を生じる。一部の実施形態では、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、α,α−二置換アミノ酸である。一例では、Bは、α,α−二置換アミノ酸である。例えば、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、2−アミノイソ酪酸である。他の実施形態では、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、
である。
他の実施形態では、第1のCαから第2のCαまでを測定した、大環状分子を形成するリンカーLの長さは、必ずしも限定されないが第1のCαと第2のCαの間のものを含むペプチド模倣大環状分子の残基によって形成されたα−ヘリックスなどの、所望の二次ペプチド構造を安定化するように選択される。
一部の実施形態では、式(I)のペプチド模倣大環状分子は、式(Ia)
(式中、
−各A、C、D、およびEは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸またはアミノ酸類似体であり、
−各Bは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
−各Lは、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、
−各L’は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレンもしくはヘテロアリーレンであるか(それぞれRにより任意選択で置換されている)、または結合であるか、またはRおよびRとL’の両方が結合する原子と一緒になって、環を形成し、
−各L’’は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレンもしくはヘテロアリーレンであるか(それぞれRにより任意選択で置換されている)、または結合であるか、またはRおよびRとL’’の両方が結合する原子と一緒になって、環を形成し、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはL’およびRとL’の両方が結合する原子と一緒になって、環を形成し、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはL’’およびRとL’’の両方が結合する原子と一緒になって、環を形成し、
−各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
−各Lは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
−各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
−nは、1〜5の整数であり、
−各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−各vおよびwは、独立に、1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜40、1〜25、1〜20、1〜15、または1〜10の整数であり、−各x、yおよびzは、独立に、0〜10の整数であり、例えばx+y+zは、2、3、または6であり、
−uは、1〜10、例えば1〜5、1〜3、または1〜2の整数である)
を有する。
一部の実施形態では、Lは、式−L−L−の大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、各LおよびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、nは、1〜5の整数である。
一例では、RおよびRの少なくとも1つは、非置換であるか、またはハロ−で置換されているアルキルである。別の例では、RおよびRは共に、独立に、非置換であるか、またはハロ−で置換されているアルキルである。一部の実施形態では、RおよびRの少なくとも1つは、メチルである。他の実施形態では、RおよびRは、メチルである。
一部の実施形態では、x+y+zは、少なくとも2である。他の実施形態では、x+y+zは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。大環状分子または大環状分子前駆体におけるA、B、C、DまたはEは、出現するごとに独立に選択される。例えば、式[A](xが3である場合)によって表される配列は、アミノ酸が同一でない、例えばGln−Asp−Alaである実施形態、ならびにアミノ酸が同一である、例えばGln−Gln−Glnである実施形態を包含する。このことは、示されている範囲内のx、y、またはzのいずれの値にも適用される。同様に、uが1を超える場合、各化合物は、同じかまたは異なっているペプチド模倣大環状分子を包含し得る。例えば、化合物は、異なるリンカーの長さまたは化学的組成を含むペプチド模倣大環状分子を含むことができる。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、ヘリックスである二次構造を含み、Rは−Hであり、ヘリックス内に水素結合を生じる。一部の実施形態では、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、α,α−二置換アミノ酸である。一例では、Bは、α,α−二置換アミノ酸である。例えば、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、2−アミノイソ酪酸である。他の実施形態では、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、
である。
他の実施形態では、第1のCαから第2のCαまでを測定した、大環状分子を形成するリンカーLの長さは、必ずしも限定されないが第1のCαと第2のCαの間にあるものを含むペプチド模倣大環状分子の残基によって形成されたヘリックスなどの、所望の二次ペプチド構造を安定化するように選択される。
一実施形態では、式(I)のペプチド模倣大環状分子は、
であり、式中、各R1およびR2は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)。
関係する実施形態では、式(I)のペプチド模倣大環状分子は、
であり、式中、各R1’およびR2’は、独立に、アミノ酸である。
他の実施形態では、式(I)のペプチド模倣大環状分子は、以下に示す式
(式中、「AA」は、任意の天然または非天然アミノ酸側鎖を表し、
は、上で定義の[D]v、[E]wであり、nは、0〜20、50、100、200、300、400または500の整数である)
のいずれかの化合物である。一部の実施形態では、nは、0である。他の実施形態では、nは、50未満である。
大環状分子を形成するリンカーLの例示的な実施形態は、以下に示される。
他の実施形態では、式Iの化合物のDおよび/またはEは、細胞の取込みを容易にするためにさらに修飾される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子を脂質化またはPEG化すると、細胞の取込みが容易になり、バイオアベイラビリティが増大し、血液循環が増大し、薬物動態が変わり、免疫原性が低下し、かつ/または必要な投与頻度が低下する。
他の実施形態では、式Iの化合物の[D]および[E]の少なくとも1つは、追加の大環状分子を形成するリンカーを含む部分を表し、したがってペプチド模倣大環状分子は、大環状分子を形成する少なくとも2つのリンカーを含む。特定の一実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、大環状分子を形成する2つのリンカーを含む。一実施形態では、uは、2である。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、式(I)
(式中、
−各A、C、D、およびEは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸またはアミノ酸類似体であり、
−各Bは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
−各RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはRおよびRの少なくとも1つは、前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
−各LおよびL’は、独立に、式
の大環状分子を形成するリンカーであり、
各L、LおよびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
−各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
−各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−各vおよびwは、独立に、1〜1000の整数であり、
−各x、yおよびzは、独立に、0〜10の整数であり、
−uは、1〜10の整数であり、
−nは、1〜5の整数である)
を有する。
一例では、RおよびRの少なくとも1つは、非置換であるか、またはハロ−で置換されているアルキルである。別の例では、RおよびRは共に、独立に、非置換であるか、またはハロ−で置換されているアルキルである。一部の実施形態では、RおよびRの少なくとも1つは、メチルである。他の実施形態では、RおよびRは、メチルである。
一部の実施形態では、x+y+zは、少なくとも2である。他の実施形態では、x+y+zは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。大環状分子または大環状分子前駆体におけるA、B、C、DまたはEは、出現するごとに独立に選択される。例えば、式[A](xが3である場合)によって表される配列は、アミノ酸が同一でない、例えばGln−Asp−Alaである実施形態、ならびにアミノ酸が同一である、例えばGln−Gln−Glnである実施形態を包含する。このことは、示されている範囲内のx、y、またはzのいずれの値にも適用される。
一部の実施形態では、Eによって表される最初の2つのアミノ酸のそれぞれは、無電荷側鎖または負電荷側鎖を含む。一部の実施形態では、Eによって表される最初の3つのアミノ酸のそれぞれは、無電荷側鎖または負電荷側鎖を含む。一部の実施形態では、Eによって表される最初の4つのアミノ酸のそれぞれは、無電荷側鎖または負電荷側鎖を含む。一部の実施形態では、Eによって表されるXaa13に関してi+1、i+2、i+3、i+4、i+5、および/またはi+6であるアミノ酸の1つまたは複数またはそれぞれは、無電荷側鎖または負電荷側鎖を含む。
一部の実施形態では、Eによって表される第1のC末端アミノ酸および/または第2のC末端アミノ酸は、疎水性側鎖を含む。例えば、Eによって表される第1のC末端アミノ酸および/または第2のC末端アミノ酸は、疎水性側鎖、例えば小さい疎水性側鎖を含む。一部の実施形態では、Eによって表される第1のC末端アミノ酸、第2のC末端アミノ酸、および/または第3のC末端アミノ酸は、疎水性側鎖を含む。例えば、Eによって表される第1のC末端アミノ酸、第2のC末端アミノ酸、および/または第3のC末端アミノ酸は、疎水性側鎖、例えば小さい疎水性側鎖を含む。一部の実施形態では、Eによって表されるXaa13に関してi+1、i+2、i+3、i+4、i+5、および/またはi+6であるアミノ酸の1つまたは複数またはそれぞれは、無電荷側鎖または負電荷側鎖を含む。
一部の実施形態では、wは、1〜1000である。例えば、Eによって表される第1のアミノ酸は、小さい疎水性側鎖を含む。一部の実施形態では、wは、2〜1000である。例えば、Eによって表される第2のアミノ酸は、小さい疎水性側鎖を含む。一部の実施形態では、wは、3〜1000である。例えば、Eによって表される第3のアミノ酸は、小さい疎水性側鎖を含む。例えば、Eによって表される第3のアミノ酸は、小さい疎水性側鎖を含む。一部の実施形態では、wは、4〜1000である。一部の実施形態では、wは、5〜1000である。一部の実施形態では、wは、6〜1000である。一部の実施形態では、wは、7〜1000である。一部の実施形態では、wは、8〜1000である。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、ヘリックスである二次構造を含み、Rは−Hであり、ヘリックス内に水素結合を生じる。一部の実施形態では、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、α,α−二置換アミノ酸である。一例では、Bは、α,α−二置換アミノ酸である。例えば、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、2−アミノイソ酪酸である。他の実施形態では、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、
である。
他の実施形態では、第1のCαから第2のCαまでを測定した、大環状分子を形成するリンカーLの長さは、必ずしも限定されないが第1のCαと第2のCαの間のものを含むペプチド模倣大環状分子の残基によって形成されたヘリックスなどの、所望の二次ペプチド構造を安定化するように選択される。
一部の実施形態では、Lは、式
の大環状分子を形成するリンカーである。
一部の実施形態では、Lは、式
の大環状分子を形成するリンカーまたはその互変異性体である。
大環状分子を形成するリンカーLの例示的な実施形態を、以下に示す。
トリアゾールクロスリンカーの形成に使用されるアミノ酸は、以下に示される凡例に従って表される。各アミノ酸のアルファ位における立体化学は、別段指定されない限りSである。アジドアミノ酸では、示されている炭素原子の数は、アルファ炭素と末端アジドの間のメチレン単位の数を指す。アルキンアミノ酸では、示されている炭素原子の数は、アルファ位とトリアゾール部分の間のメチレン単位の数に、アルキンから導出されたトリアゾール基内の2つの炭素原子を加算したものである。
$5a5 アルファ−Me アルキン1,5トリアゾール(5個の炭素)
$5n3 アルファ−Me アジド1,5トリアゾール(3個の炭素)
$4rn6 アルファ−Me R−アジド1,4トリアゾール(6個の炭素)
$4a5 アルファ−Me アルキン1,4トリアゾール(5個の炭素)
一部の実施形態では、本明細書に記載の大環状分子を形成するリンカーのいずれかは、表1、表1a、表1b、または表1cに示されている配列のいずれか、および本明細書に示されているR−置換基のいずれかとの任意の組合せで使用することができる。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、少なくとも1つのα−ヘリックスモチーフを含む。例えば、式Iの化合物のA、Bおよび/またはCは、1つまたは複数のα−ヘリックスを含む。一般的に、α−ヘリックスは、1ターン当たり3〜4個のアミノ酸残基を含む。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子のα−ヘリックスは、1〜5ターンを含み、したがって3〜20個のアミノ酸残基を含む。特定の実施形態では、α−ヘリックスは、1ターン、2ターン、3ターン、4ターン、または5ターンを含む。一部の実施形態では、大環状分子を形成するリンカーは、ペプチド模倣大環状分子内に含まれるα−ヘリックスモチーフを安定化する。したがって、一部の実施形態では、第1のCαから第2のCαまでの大環状分子を形成するリンカーLの長さは、α−ヘリックスの安定性を増大するように選択される。一部の実施形態では、大環状分子を形成するリンカーは、1ターン〜5ターンのα−ヘリックスをスパンする。一部の実施形態では、大環状分子を形成するリンカーは、およそ1ターン、2ターン、3ターン、4ターン、または5ターンのα−ヘリックスをスパンする。一部の実施形態では、大環状分子を形成するリンカーの長さは、α−ヘリックス1ターン当たりおよそ5Å〜9Åであり、またはα−ヘリックス1ターン当たりおよそ6Å〜8Åである。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ1ターンをスパンする場合、長さは、およそ5個の炭素−炭素結合〜13個の炭素−炭素結合、およそ7個の炭素−炭素結合〜11個の炭素−炭素結合、またはおよそ9個の炭素−炭素結合に等しい。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ2ターンをスパンする場合、長さは、およそ8個の炭素−炭素結合〜16個の炭素−炭素結合、およそ10個の炭素−炭素結合〜14個の炭素−炭素結合、またはおよそ12個の炭素−炭素結合に等しい。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ3ターンをスパンする場合、長さは、およそ14個の炭素−炭素結合〜22個の炭素−炭素結合、およそ16個の炭素−炭素結合〜20個の炭素−炭素結合、またはおよそ18個の炭素−炭素結合に等しい。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ4ターンをスパンする場合、長さは、およそ20個の炭素−炭素結合〜28個の炭素−炭素結合、およそ22個の炭素−炭素結合〜26個の炭素−炭素結合、またはおよそ24個の炭素−炭素結合に等しい。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ5ターンをスパンする場合、長さは、およそ26個の炭素−炭素結合〜34個の炭素−炭素結合、およそ28個の炭素−炭素結合〜32個の炭素−炭素結合、またはおよそ30個の炭素−炭素結合に等しい。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ1ターンをスパンする場合、連結は、およそ4個の原子〜12個の原子、およそ6個の原子〜10個の原子、またはおよそ8個の原子を含有する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ2ターンをスパンする場合、連結は、およそ7個の原子〜15個の原子、およそ9個の原子〜13個の原子、またはおよそ11個の原子を含有する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ3ターンをスパンする場合、連結は、およそ13個の原子〜21個の原子、およそ15個の原子〜19個の原子、またはおよそ17個の原子を含有する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ4ターンをスパンする場合、連結は、およそ19個の原子〜27個の原子、およそ21個の原子〜25個の原子、またはおよそ23個の原子を含有する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ5ターンをスパンする場合、連結は、およそ25個の原子〜33個の原子、およそ27個の原子〜31個の原子、またはおよそ29個の原子を含有する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ1ターンをスパンする場合、得られる大環状分子は、およそ17員〜25員、およそ19員〜23員、またはおよそ21員を含有する環を形成する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ2ターンをスパンする場合、得られる大環状分子は、およそ29員〜37員、およそ31員〜35員、またはおよそ33員を含有する環を形成する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ3ターンをスパンする場合、得られる大環状分子は、およそ44員〜52員、およそ46員〜50員、またはおよそ48員を含有する環を形成する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ4ターンをスパンする場合、得られる大環状分子は、およそ59員〜67員、およそ61員〜65員、またはおよそ63員を含有する環を形成する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ5ターンをスパンする場合、得られる大環状分子は、およそ74員〜82員、およそ76員〜80員、またはおよそ78員を含有する環を形成する。
他の実施形態では、式(II)または(IIa)のペプチド模倣大環状分子
(式中、
−各A、C、D、およびEは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸またはアミノ酸類似体であり、末端DおよびEは、任意選択で独立に、キャッピング基を含み、
−各Bは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
−各RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはRおよびRの少なくとも1つは、前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
−各LおよびL’は、式−L−L−の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各L、L、およびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
−各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
−各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
−各vおよびwは、独立に、1〜1000の整数であり、
−uは、1〜10の整数であり、
−各x、y、およびzは、独立に、0〜10の整数であり、
nは、1〜5の整数である)
が提供される。
一例では、L1およびL2は、単独でもまたは組合せでも、トリアゾールまたはチオエーテルを形成しない。
一例では、R1およびR2の少なくとも1つは、非置換であるか、またはハロ−で置換されているアルキルである。別の例では、R1およびR2の両方は、独立に、非置換であるか、またはハロ−で置換されているアルキルである。一部の実施形態では、R1およびR2の少なくとも1つは、メチルである。他の実施形態では、R1およびR2は、メチルである。
一部の実施形態では、x+y+zは、少なくとも1である。他の実施形態では、x+y+zは、少なくとも2である。他の実施形態では、x+y+zは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。大環状分子または大環状分子前駆体におけるA、B、C、DまたはEは、出現するごとに独立に選択される。例えば、式[A]x(xが3である場合)によって表される配列は、アミノ酸が同一でない、例えばGln−Asp−Alaである実施形態、ならびにアミノ酸が同一である、例えばGln−Gln−Glnである実施形態を包含する。このことは、示されている範囲内のx、y、またはzのいずれの値にも適用される。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリックスである二次構造を含み、R8は−Hであり、ヘリックス内に水素結合を生じる。一部の実施形態では、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、α,α−二置換アミノ酸である。一例では、Bは、α,α−二置換アミノ酸である。例えば、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、2−アミノイソ酪酸である。他の実施形態では、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、
である。
他の実施形態では、第1のCαから第2のCαまでを測定した、大環状分子を形成するリンカーLの長さは、必ずしも限定されないが第1のCαと第2のCαの間のものを含むペプチド模倣大環状分子の残基によって形成されたα−ヘリックスなどの、所望の二次ペプチド構造を安定化するように選択される。
大環状分子を形成するリンカー−L−L−の例示的な実施形態を、以下に示す。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、式(III)または式(IIIa)
(式中、
−各A、C、D、E、A、C、およびDは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸またはアミノ酸類似体であり、
−各BおよびBは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
−各Ra1は、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(それらのいずれかは非置換であるか、または置換されている)、またはHであるか、またはRa1は、DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成するか、またはLと一緒になって、非置換であるか、もしくは置換されている環を形成し、
−各Ra2は、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(それらのいずれかは非置換であるか、または置換されている)、またはHであるか、またはRa2は、DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成するか、またはLと一緒になって、非置換であるか、もしくは置換されている環を形成し、
−各Rb1は、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(それらのいずれかは非置換であるか、または置換されている)、またはHであるか、またはRb1は、Dアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成するか、またはLと一緒になって、非置換であるか、もしくは置換されている環を形成し、
−各Rは、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(それらのいずれかは、非置換であるか、または置換されている)、またはHであり、
−各Lは、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、任意選択で、非置換であるか、または置換されているRa1またはRa2と環を形成し、
−各Lは、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、任意選択で、非置換であるか、または置換されているRb1と環を形成し、
−各L’は、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、
−各Lは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それらのいずれかは、非置換であるか、または置換されており、
−各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、それらのいずれかは、非置換であるか、または置換されており、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、OCO、NR、CONR、OCONR、OSONR、NR3q、CONR3q、OCONR3q、またはOSONR3qであり、各R3qは、独立に、Ra1、Ra2、またはRb1との結合点であり、
−Ra7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(それらのいずれかは、非置換であるか、または置換されている)、またはHであるか、またはDアミノ酸を含む環式構造の一部であり、
−Rb7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(それらのいずれかは、非置換であるか、または置換されている)、またはHであるか、またはDアミノ酸を含む環式構造の一部であり、
−Ra8は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(それらのいずれかは、非置換であるか、または置換されている)、またはHであるか、またはEアミノ酸を含む環式構造の一部であり、
−Rb8は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(それらのいずれかは、非置換であるか、または置換されている)、またはHであるか、または1〜1000アミノ酸残基のアミノ酸配列であり、
−各vaおよびvbは、独立に、0〜1000の整数であり、
−各waおよびwbは、独立に、0〜1000の整数であり、
−各uaおよびubは、独立に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、ua+ubは、少なくとも1であり、
−各xaおよびxbは、独立に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
−各yaおよびybは、独立に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
−各zaおよびzbは、独立に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
−各nは、独立に、1、2、3、4、または5である)
または薬学的に許容されるその塩を有する。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、式(III)または式(IIIa)
(式中、
−各A、C、D、E、A、C、およびDは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸またはアミノ酸類似体(analgo)であり、
−各BおよびBは、独立に、天然もしくは非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
−各Ra1は、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(それらのいずれかは非置換であるか、または置換されている)、またはHであるか、またはRa1は、DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成するか、またはLと一緒になって、非置換であるか、もしくは置換されている環を形成し、
−各Ra2は、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(それらのいずれかは非置換であるか、または置換されている)、またはHであるか、またはRa2は、DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成するか、またはLと一緒になって、非置換であるか、もしくは置換されている環を形成し、
−各Rb1は、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(それらのいずれかは非置換であるか、または置換されている)、またはHであるか、またはRb1は、Dアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成するか、Lと一緒になって、非置換であるか、もしくは置換されている環を形成し、
−各Rは、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(それらのいずれかは、非置換であるか、またはRで置換されている)、またはHであり、
−各Lは、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、任意選択で、非置換であるか、または置換されているRa1またはRa2と環を形成し、
−各Lは、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、任意選択で、非置換であるか、または置換されているRb1と環を形成し、
−各L’は、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、
−各Lは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それらのいずれかは、非置換であるか、またはRで置換されており、
−各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、それらのいずれかは、非置換であるか、またはRで置換されており、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、OCO、NR、CONR、OCONR、OSONR、NR3q、CONR3q、OCONR3q、またはOSONR3qであり、各R3qは、独立に、Ra1、Ra2、またはRb1との結合点であり、
−各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光部分、放射性同位体、または治療剤であり、−各Rは、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各Ra7は、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(それらのいずれかは、非置換であるか、またはRで置換されている)、またはHであるか、またはDアミノ酸を含む環式構造の一部であり、
−Rb7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(それらのいずれかは、非置換であるか、またはRで置換されている)、またはHであるか、またはDアミノ酸を含む環式構造の一部であり、
−各Ra8は、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(それらのいずれかは、非置換であるか、またはRで置換されている)、またはHであるか、またはEアミノ酸を含む環式構造の一部であり、
−Rb8は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(それらのいずれかは、非置換であるか、またはRで置換されている)、またはHであるか、または1〜1000アミノ酸残基のアミノ酸配列であり、
−各vaおよびvbは、独立に、0〜1000の整数であり、
−各waおよびwbは、独立に、0〜1000の整数であり、
−各uaおよびubは、独立に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、ua+ubは、少なくとも1であり、
−各xaおよびxbは、独立に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
−各yaおよびybは、独立に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
−各zaおよびzbは、独立に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
−各nは、独立に、1、2、3、4、または5である)
または薬学的に許容されるその塩を有する。
一部の実施形態では、本発明のペプチド模倣大環状分子は、先に定義の式(式中、
−各Lは、独立に、式−L−L−の大環状分子を形成するリンカーであり、任意選択で、非置換であるか、または置換されているRa1またはRa2と環を形成し、
−各Lは、独立に、式−L−L−の大環状分子を形成するリンカーであり、任意選択で、非置換であるか、または置換されているRb1と環を形成し、
−各L’は、独立に、式−L−L−の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各LおよびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それらのいずれかは、非置換であるか、またはRで置換されており、
−各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、それらのいずれかは、非置換であるか、またはRで置換されており、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、OCO、NR、CONR、OCONR、OSONR、NR3q、CONR3q、OCONR3q、またはOSONR3qであり、各R3qは、独立に、Ra1、Ra2、またはRb1との結合点であり、
−各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光部分、放射性同位体、または治療剤であり、−各Rは、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤である)
または薬学的に許容されるその塩を有する。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、LおよびLの1つが、ビス−チオエーテルを含有する大環状分子を形成するリンカーである、先に定義の式を有する。一部の実施形態では、LおよびLの1つは、式−L−S−L−S−L−の大環状分子を形成するリンカーである。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、LおよびLの1つが、ビス−スルホンを含有する大環状分子を形成するリンカーである、先に定義の式を有する。一部の実施形態では、LおよびLの1つは、式−L−SO−L−SO−L−の大環状分子を形成するリンカーである。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、LおよびLの1つが、ビス−スルホキシドを含有する大環状分子を形成するリンカーである、先に定義の式を有する。一部の実施形態では、LおよびLの1つは、式−L−S(O)−L−S(O)−L−の大環状分子を形成するリンカーである。
一部の実施形態では、本発明のペプチド模倣大環状分子は、1つまたは複数の二次構造を含む。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリックスである二次構造を含む。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、β−ヘアピンターンである二次構造を含む。
一部の実施形態では、uは、0である。一部の実施形態では、uは、0であり、Lは、α−ヘリカル二次構造を架橋する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、0であり、Lは、β−ヘアピン二次構造を架橋する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、0であり、Lは、α−ヘリカル二次構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、0であり、Lは、β−ヘアピン二次構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。
一部の実施形態では、uは、0である。一部の実施形態では、uは、0であり、Lは、α−ヘリカル二次構造を架橋する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、0であり、Lは、β−ヘアピン二次構造を架橋する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、0であり、Lは、α−ヘリカル二次構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、0であり、Lは、β−ヘアピン二次構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリカル二次構造だけを含む。他の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、β−ヘアピン二次構造だけを含む。
他の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、二次構造の組合せを含み、その二次構造は、α−ヘリカル構造およびβ−ヘアピン構造である。一部の実施形態では、LおよびLは、炭化水素、トリアゾール、または硫黄を含有する大環状分子を形成するリンカーの組合せである。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、LおよびLを含み、Lは、β−ヘアピン構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、α−ヘリカル構造を架橋するトリアゾールを含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、LおよびLを含み、Lは、α−ヘリカル構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、β−ヘアピン構造を架橋するトリアゾールを含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、LおよびLを含み、Lは、α−ヘリカル構造を架橋するトリアゾールを含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、β−ヘアピン構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、LおよびLを含み、Lは、β−ヘアピン構造を架橋するトリアゾールを含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、α−ヘリカル構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。
一部の実施形態では、u+uは、少なくとも1である。一部の実施形態では、u+u=2である。
一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、α−ヘリカル二次構造を架橋するトリアゾールを含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、α−ヘリカル構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、α−ヘリカル二次構造を架橋するトリアゾールを含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、β−ヘアピン構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、β−ヘアピン二次構造を架橋するトリアゾールを含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、α−ヘリカル構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、β−ヘアピン二次構造を架橋するトリアゾールを含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、β−ヘアピン構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。
一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、α−ヘリカル二次構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、α−ヘリカル二次構造を架橋するトリアゾールを含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、α−ヘリカル二次構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、β−ヘアピン二次構造を架橋するトリアゾールを含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、β−ヘアピン二次構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、α−ヘリカル二次構造を架橋するトリアゾールを含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、β−ヘアピン二次構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、β−ヘアピン二次構造を架橋するトリアゾールを含有する大環状分子を形成するリンカーである。
一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、α−ヘリカル二次構造を伴う炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、硫黄を含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、β−ヘアピン二次構造を伴う炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、硫黄を含有する大環状分子を形成するリンカーである。
一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、硫黄を含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、α−ヘリカル二次構造を伴う炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、硫黄を含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、β−ヘアピン二次構造を伴う炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。
一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、α−ヘリカル構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、α−ヘリカル構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、α−ヘリカル構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、β−ヘアピン構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、β−ヘアピン構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、α−ヘリカル構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。一部の実施形態では、uは、1であり、uは、1であり、Lは、β−ヘアピン構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーであり、Lは、β−ヘアピン構造を架橋する炭化水素を含有する大環状分子を形成するリンカーである。
一部の実施形態では、Rb1は、Hである。
別段指定されない限り、任意の化合物(ペプチド模倣大環状分子、大環状分子前駆体、および他の組成物を含む)はまた、1つまたは複数の同位体的に富化された原子の存在だけが異なっている化合物を包含することを意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムによって水素原子が置き換えられているか、または13C−もしくは14Cによって炭素原子が置き換えられていることを除いて、記載の構造を有する化合物が企図される。
別段指定されない限り、任意の化合物(ペプチド模倣大環状分子、大環状分子前駆体、および他の組成物を含む)はまた、1つまたは複数の同位体的に富化された原子の存在だけが異なっている化合物を包含することを意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムによって水素が置き換えられているか、または13C−もしくは14Cが富化された炭素によって炭素が置き換えられていることを除いて、記載の構造を有する化合物は、本発明の範囲に含まれる。
一部の実施形態では、本明細書に開示の化合物は、このような化合物を構成する原子の1つまたは複数において、非天然の割合の原子の同位体を含有することができる。例えば、化合物は、例えばトリチウム(3H)、ヨウ素−125(125I)または炭素−14(14C)などの放射性同位体で放射標識することができる。他の実施形態では、1つまたは複数の炭素原子は、ケイ素原子で置き換えられる。放射性であろうと放射性でなかろうと、本明細書に開示の化合物のあらゆる同位体変形形態が、本明細書において企図される。
ペプチド模倣大環状分子の調製
ペプチド模倣大環状分子は、当技術分野で公知の様々な方法のいずれかによって調製することができる。例えば、表3、表3a、表3b、または表3cの「$」または「$r8」によって示される残基のいずれかは、同じ分子の第2の残基と共にクロスリンカーを形成することができる残基またはこのような残基の前駆体で置換され得る。
ペプチド模倣大環状分子を形成する様々な方法が、当技術分野で公知である。例えば、式Iのペプチド模倣大環状分子の調製は、Schafmeisterら、J. Am. Chem. Soc. 122巻:5891〜5892頁(2000年);SchafmeisterおよびVerdine、J. Am. Chem. Soc. 122巻:5891頁(2005年);Walenskyら、Science 305巻:1466〜1470頁(2004年);米国特許第7,192,713号およびPCT出願WO2008/121767号に記載されている。引用参考文献に開示されているα,α−二置換アミノ酸およびアミノ酸前駆体は、ペプチド模倣大環状分子の前駆体ポリペプチドの合成に用いることができる。例えば、「S5−オレフィンアミノ酸」は、(S)−α−(2’−ペンテニル)アラニンであり、「R8オレフィンアミノ酸」は、(R)−α−(2’−オクテニル)アラニンである。このようなアミノ酸を前駆体ポリペプチドに組み込んだ後、末端オレフィンをメタセシス触媒と反応させて、ペプチド模倣大環状分子を形成させる。様々な実施形態では、以下のアミノ酸:
は、ペプチド模倣大環状分子の合成に用いることができる。
他の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、式IVまたはIVaのものである。このような大環状分子を調製する方法は、例えば米国特許第7,202,332号に記載されている。
適切であると想定されるペプチド模倣大環状分子を形成する追加の方法には、Mustapaら、J. Org. Chem(2003年)、68巻、8193〜8198頁;Yangら、Bioorg Med. Chem. Lett.(2004年)、14巻、1403〜1406頁;米国特許第5,364,851号;米国特許第5,446,128号;米国特許第5,824,483号;米国特許第6,713,280号;および米国特許第7,202,332号に開示の方法が含まれる。このような実施形態では、アルファ位に追加の置換基R−を含有するアミノ酸前駆体が使用される。このようなアミノ酸は、大環状分子前駆体の所望の位置に組み込まれ、それによって、該アミノ酸は、クロスリンカーが置換される位置、または、あるいは大環状分子前駆体の配列の他所に存在し得る。次に、示されている方法に従って、前駆体を環化する。
アッセイ
ペプチド模倣大環状分子の特性は、例えば下記の方法を使用することによってアッセイされる。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、本明細書に記載の置換基を有していない対応するポリペプチドと比較して、改善された生物学的特性を有する。
α−ヘリシティを決定するためのアッセイ
生体試料
本願で使用される場合、「生体試料」は、正常なまたは疾患状態にある被験体の身体由来の任意の体液または他の材料、例えば血液、血清、血漿、リンパ、尿、唾液、涙、脳脊髄液、乳、羊水、胆汁、腹水、膿等を意味する。また、用語「生体試料」の意味には、器官または組織抽出物、ならびに被験体由来の任意の細胞または組織調製物をインキュベートした培養液(culture fluid)が含まれる。また、生体試料には、液性がん細胞試料または被検物が含まれる。液性がん細胞試料は、液性がん細胞組織試料であり得る。一部の実施形態では、液性がん細胞組織試料は、外科的に切除された組織から得ることができる。また、組織試料および細胞試料は、侵襲的な外科手術を用いずに、例えば細針を用いて胸壁もしくは腹壁を穿刺し、または乳房、甲状腺もしくは他の部位の塊から穿刺し、細胞材料を取り出すことによって(細針吸引生検)得ることができる。一部の実施形態では、生体試料は、骨髄吸引試料である。生物学的試料は、本明細書で提供される生検方法、スワブ、擦過、静脈切開術、または任意の他の適切な方法などの当技術分野で公知の方法によって得ることができる。

野生型p53および/またはp53変異の検出方法
一部の実施形態では、p53非活性化変異が欠如している被験体は、本発明の化合物を用いるがん処置の候補である。p53非活性化変異および/または野生型p53の発現を決定するために、患者群から得られたがん細胞は、本発明の化合物を用いる処置の前にアッセイされるべきである。
p53経路の活性は、例えば、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、BRAF、CDK4、CDKN2A、DDR2、EGFR、ERBB2(HER2)、FGFR1、FGFR3、GNA11、GNQ、GNAS、KDR、KIT、KRAS、MAP2K1(MEK1)、MET、HRAS、NOTCH1、NRAS、NTRK2、PIK3CA、NF1、PTEN、RAC1、RB1、NTRK3、STK11、PIK3R1、TSC1、TSC2、RET、TP53、およびVHLを含めた、p53経路に関与する遺伝子の変異状況によって決定され得る。例えば、キナーゼ:ABL1、JAK1、JAAK2、JAK3;受容体チロシンキナーゼ:FLT3およびKIT;受容体:CSF3R、IL7R、MPL、およびNOTCH1;転写因子:BCOR、CEBPA、CREBBP、ETV6、GATA1、GATA2、MLL、KZF1、PAX5、RUNX1、STAT3、WT1、およびTP53;エピジェネティック因子:ASXL1、DNMT3A、EZH2、KDM6A(UTX)、SUZ12、TET2、PTPN11、SF3B1、SRSF2、U2AF35、ZRSR2;RASタンパク質:HRAS、KRAS、およびNRAS;アダプターCBLおよびCBL−B;FBXW7、IDH1、IDH2、およびNPM1を含めた、p53の活性をモジュレートする遺伝子を評価することもできる。
がん細胞試料は、例えば固形腫瘍または液性腫瘍から、原発性もしくは転移性腫瘍切除(例えば、肺切除術、肺葉切除術(lobetomy)、楔状切除術、および開頭術) 原発性もしくは転移性疾患の生検(例えば、経気管支または針コア)、胸水または腹水(例えば、FFPE細胞ペレット)、骨髄吸引物、骨髄クロット、および骨髄生検、または腫瘍が多量に存在する領域(固形腫瘍)のマクロ解剖(macro−dissection)により、得ることができる。
組織におけるp53野生型遺伝子および/またはp53非活性化変異の欠如を検出するために、がん組織を、周囲の正常組織から単離することできる。例えば、組織は、パラフィン切片またはクリオスタット切片から単離することができる。がん細胞はまた、正常細胞からフローサイトメトリーによって分離することができる。がん細胞組織が、正常細胞によって高度に汚染されている場合、変異の検出はより困難となり得る。
野生型p53および/またはp53変異を分析するための様々な方法およびアッセイが、本発明において使用するのに適している。アッセイの非限定的な例として、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、制限断片長多型(RFLP)、マイクロアレイ、サザンブロット、ノーザンブロット、ウエスタンブロット、イースタンブロット、H&E染色、腫瘍の顕微鏡的評価、次世代DNA配列決定(NGS)(例えば、DNAの抽出、精製、定量および増幅、ライブラリー調製) 免疫組織化学検査、および蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)が挙げられる。
マイクロアレイによって、研究者は、表面、例えばガラスもしくはケイ素、またはポリマー性ビーズもしくは樹脂でできているDNAチップに結合している複数のDNA配列を調査することができる。DNA配列は、蛍光プローブまたは発光プローブとハイブリダイズされる。マイクロアレイは、試料配列をプローブとハイブリダイズした後、洗浄し、その後プローブを検出することに基づいて、試料中のオリゴヌクレオチド配列の存在を示すことができる。蛍光または発光シグナルの定量によって、試料中の公知のオリゴヌクレオチド配列の存在が示される。
PCRは、DNAオリゴマーを急速に増幅させ、試料中のオリゴヌクレオチド配列を同定するために使用することができる。PCR実験は、オリゴヌクレオチド試料を、標的配列に相補的なプライマー、1つまたは複数のDNAポリメラーゼ酵素、dATP、dGTP、dTTPおよびdCTPを含めたデオキシヌクレオチド(deoxnucleotide)三リン酸(dNTP)構成要素、ならびに適切なバッファ、塩および添加物を含有するPCR混合物と接触させることを含む。試料が、一対のプライマーに相補的なオリゴヌクレオチド配列を含有する場合、実験によって試料配列を増幅し、それらを収集し、同定することができる。
一部の実施形態では、アッセイは、がん試料から得られた生体分子を増幅させることを含む。生体分子は、DNAまたはRNAなどの核酸分子であり得る。一部の実施形態では、アッセイは、核酸分子を環状化し、その後、環状化された核酸分子を消化することを含む。
一部の実施形態では、アッセイは、生物、または生物から収集された生化学試料、例えば核酸試料を、オリゴヌクレオチドのライブラリー、例えばPCRプライマーと接触させることを含む。ライブラリーは、任意の数のオリゴヌクレオチド分子を含有し得る。オリゴヌクレオチド分子は、個々のDNAモチーフもしくはRNAモチーフ、または本明細書に記載のモチーフの任意の組合せに結合し得る。モチーフは、任意の距離を隔てて存在することができ、その距離は、公知または未知であり得る。一部の実施形態では、同じライブラリーの2つまたはそれを超えるオリゴヌクレオチドが、親核酸配列において公知の距離を隔てて存在するモチーフに結合する。親配列とのプライマーの結合は、親配列に対するプライマーの相補性に基づいて起こり得る。結合は、例えばアニーリング下またはストリンジェントな条件下で起こり得る。
一部の実施形態では、アッセイの結果を使用して、将来使用するための新しいオリゴヌクレオチド配列を設計する。一部の実施形態では、アッセイの結果を使用して、将来使用するための新しいオリゴヌクレオチドライブラリーを設計する。一部の実施形態では、アッセイの結果を使用して、既存のオリゴヌクレオチドライブラリーを将来使用するために改訂、改良または更新する。例えば、アッセイによって、以前に未記載の核酸配列が、標的材料の存在と関連することを明らかにすることができる。この情報を使用して、核酸分子およびライブラリーを設計または再設計することができる。
一部の実施形態では、ライブラリーにおける1つまたは複数の核酸分子は、バーコードタグを含む。一部の実施形態では、ライブラリーにおける核酸分子の1つまたは複数は、増幅試料の核酸配列を環状化し、切断するのに適したI型またはII型制限部位を含む。このようなプライマーを使用して、PCR産物を環状化し、そのPCR産物を切断して、試料生物に生来の核酸配列とは異なって組織化された配列を有する核酸配列産物をもたらすことができる。
PCR実験の後、増幅した配列の存在を検証することができる。増幅した配列を見出すための方法の非限定的な例として、DNA配列決定、全トランスクリプトームショットガン配列決定(WTSSまたはRNA−seq)、質量分析(MS)、マイクロアレイ、パイロシーケンシング、カラム精製分析、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、およびインデックスタグ付きプライマーから作成されたPCR産物のインデックスタグ配列決定が挙げられる。
一部の実施形態では、試料生物における2つ以上の核酸配列は、増幅される。PCR産物混合物中の異なる核酸配列を分離する方法の非限定的な例として、カラム精製、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、HPLC/MS、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、サイズ排除クロマトグラフィーが挙げられる。
増幅した核酸分子は、配列決定によって同定され得る。核酸配列決定は、自動計測手段で行うことができる。配列決定実験は、数十、数百、または数千の配列を、並行して同時に行うことができる。配列決定技術の非限定的な例を、以下に記載する。
パイロシーケンシングでは、DNAは、油溶液中、プライマーでコーティングしたビーズに結合した単一DNA鋳型を含有する水滴内で増幅される。ヌクレオチドを付加して、配列を成長させ、各塩基の付加は、可視光によって証明される。
イオン半導体配列決定は、合成中に遊離した水素イオンと関連する電気シグナルとして、核酸残基の付加を検出する。鋳型を含有する反応ウェルを、4種類のヌクレオチド基本要素で一度に1つ満たす。電気シグナルのタイミングにより、どの基本要素が付加されたかを同定し、鋳型中の対応する残基を同定する。
DNAナノボールは、ローリングサークル複製を使用して、DNAをナノボールへと増幅させる。ナノボールのライゲーションによる非鎖状配列決定(unchained sequencing
)によって、DNA配列が明らかになる。
可逆的色素による手法では、核酸分子は、スライド上でプライマーにアニーリングされ、増幅される。天然核酸塩基にそれぞれ相補的な4種類の蛍光色素残基が付加され、核酸配列における次の塩基に相補的な残基が付加され、組み込まれなかった色素は、スライドからすすがれる。4種類の可逆的なターミネーター塩基(RT塩基)が付加され、組み込まれなかったヌクレオチドは洗い流される。蛍光は、色素残基の付加を示し、したがって鋳型配列における相補的塩基を同定する。色素残基は、化学的に除去され、このサイクルが反復される。
点変異の検出は、がん細胞組織中に存在するp53対立遺伝子(複数可)の分子クローニング、およびその対立遺伝子(複数可)の配列決定によって達成され得る。あるいは、ポリメラーゼ連鎖反応を使用して、がん細胞組織由来のゲノムDNA調製物からp53遺伝子配列を直接的に増幅することができる。次に、増幅した配列のDNA配列を決定することができる。例えば、Saikiら、Science、第239巻、487頁、1988年、米国特許第4,683,202号、および米国特許第4,683,195号参照。また、p53遺伝子の特異的欠失を検出することができる。例えば、p53遺伝子または周囲のマーカー遺伝子のための制限断片長多型(RFLP)プローブを使用して、p53対立遺伝子の喪失を記録することができる。
また、野生型p53遺伝子の喪失は、該p53遺伝子の野生型発現産物の喪失に基づいて検出することができる。このような発現産物には、mRNAならびにp53タンパク質産物自体の両方が含まれる。点変異は、mRNAを直接的に配列決定することによって、またはmRNAから作製されたcDNAの分子クローニングを介して検出することができる。クローン化cDNAの配列は、DNA配列決定技術を使用して決定され得る。また、cDNAは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介して配列決定され得る。
あるいは、ミスマッチ検出を使用して、p53遺伝子またはmRNA産物における点変異を検出することができる。該方法は、ヒト野生型p53遺伝子に相補的な標識リボプローブの使用を含み得る。リボプローブおよびがん細胞組織から単離されたmRNAまたはDNAのいずれかを、一緒にアニーリングし(ハイブリダイズし)、その後、二本鎖RNA構造において一部のミスマッチを検出することができる酵素RNase Aを用いて消化する。ミスマッチがRNase Aによって検出される場合、その酵素が、ミスマッチ部位で切断する。したがって、アニーリングされたRNA調製物が、電気泳動ゲルマトリックスで分離される場合、ミスマッチがRNase Aによって検出され、切断されると、RNA産物は、リボプローブについての全長二本鎖RNAおよびp53のmRNAまたはDNAよりも小さいことが分かる。リボプローブは、p53のmRNAまたは遺伝子の全長である必要はないが、いずれかのセグメントであり得る。リボプローブが、p53のmRNAまたは遺伝子のセグメントだけを含む場合、いくつかのこれらのプローブを使用して、全長mRNA配列をミスマッチについてスクリーニングすることが望ましい。
同様に、DNAプローブを使用して、酵素的または化学的切断を介してミスマッチを検出することができる。例えば、Cottonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、85巻、4397頁、1988年;およびShenkら、Proc.
Natl. Acad. Sci. USA、72巻、9
89頁、1975年参照。あるいは、ミスマッチは、マッチ二本鎖に対するミスマッチ二本鎖の電気泳動移動度の変化によって検出することができる。例えば、Cariello、Human
Genetics、42巻、726頁、1988年参照。リボプローブまたはDNAプローブのいずれかを用いて、変異を含有する可能性がある細胞mRNAまたはDNAを、ハイブリダイゼーションの前にPCRを使用して増幅することができる(以下参照)。
また、ポリメラーゼ連鎖反応を使用することによって増幅されたがん細胞組織由来のp53遺伝子のDNA配列は、対立遺伝子に特異的なプローブを使用してスクリーニングすることができる。これらのプローブは、そのそれぞれが、公知の変異を有するp53遺伝子配列領域を含有する核酸オリゴマーである。例えば、あるオリゴマーは、p53遺伝子配列の一部分に対応する約30ヌクレオチド長であり得る。p53遺伝子の175番目のコドンをコードする位置において、オリゴマーは、野生型コドンであるバリンではなく、アラニンをコードする。一連のこのような対立遺伝子に特異的なプローブを使用することによって、PCR増幅産物をスクリーニングして、p53遺伝子において既に同定された変異の存在を同定することができる。対立遺伝子に特異的なプローブと増幅p53配列とのハイブリダイゼーションは、例えばナイロンフィルタ上で実施され得る。特定のプローブとのハイブリダイゼーションによって、がん細胞組織において、対立遺伝子に特異的なプローブの場合のように、同じ変異の存在が示される。
がん細胞におけるp53遺伝子の構造変化の同定は、多様な一連の高分解能ハイスループットマイクロアレイプラットフォームを適用することによって容易になり得る。本質的に、2つのタイプのアレイは、クローン化核酸(例えば、cDNA、BAC、コスミド)由来のPCR産物を担持するもの、およびオリゴヌクレオチドを使用するものを含む。該方法は、ゲノムワイドのDNAコピー数の異常および発現レベルを調査して、同じ試料中で過剰発現および過少発現する遺伝子を有するがん細胞における喪失、獲得および増幅の間の相関を得るための方法を提供することができる。がん細胞におけるmRNAレベルを推定する遺伝子発現アレイは、両方の遺伝子発現レベル、代替スプライシング事象およびmRNAプロセシング変化を同定し得る、エクソンに特異的なアレイを生じた。
オリゴヌクレオチドアレイを使用して、連鎖および関連研究のためにゲノム全般にわたって一塩基多型(SNP)を調べることができ、これらは、コピー数の異常およびヘテロ接合事象の喪失を定量するために適合されている。DNAシークエンシングアレイは、染色体領域、エクソーム、および全ゲノムを並べ直すことができる。
SNPベースのアレイまたは他の遺伝子アレイまたはチップによって、野生型p53の対立遺伝子の存在および変異の構造を決定することができる。DNAにおける単一部位の変化である一塩基多型(SNP)は、ゲノムにおいて最も頻繁に生じるタイプの変化である。例えば、ヒトゲノムでは推定500万〜1000万のSNPが存在する。SNPは、同義または非同義置換であり得る。同義SNP置換は、遺伝暗号の縮重に起因してタンパク質におけるアミノ酸の変化を生じさせないが、他の方式で機能に影響を及ぼし得る。例えば、膜輸送タンパク質をコードする遺伝子における外見的にサイレントな変異は、翻訳を緩徐し、ペプチド鎖をミスフォールドさせ、機能性が低い変異体膜輸送タンパク質を生成することができる。非同義SNP置換は、ミスセンス置換またはナンセンス置換であり得る。ミスセンス置換は、単一塩基の変化がタンパク質のアミノ酸配列の変化をもたらす場合に生じ、その機能不全は、疾患を生じる。ナンセンス置換は、点変異が、早計の終止コドン、または転写mRNAにおいてナンセンスコドンをもたらす場合に生じ、それによって切断型の、通常は非機能性タンパク質産物が生じる。SNPは、集団内で進化全体を通して高度に保存されているので、SNPのマップは、研究のための優れた遺伝子型マーカーとして働く。SNPアレイは、全ゲノムを研究するための有用な手段である。
さらに、SNPアレイを使用して、ヘテロ接合性消失(LOH)を研究することができる。LOHは、対立遺伝子の完全な喪失から、または一方の対立遺伝子の他方の対立遺伝子に対するコピー数の増大から生じ得る、対立遺伝子不均衡の形態である。他のチップベースの方法(例えば、比較ゲノムハイブリダイゼーションは、ゲノムの獲得または欠失だけを検出することができる)に対して、SNPアレイには、片親性ダイソミー(UPD)に起因してコピー数中性LOHを検出できるというさらなる利点がある。UPDでは、一方の親からの1つの対立遺伝子または全染色体が欠損して、他方の親の対立遺伝子の繰り返しをもたらす(片親性=一方の親由来、ダイソミー=重複)。疾患の状況において、この発生は、野生型対立遺伝子(例えば、母親由来)が欠損し、その代わりにヘテロ接合性対立遺伝子(例えば、父親由来)の2つのコピーが存在する場合に、病的であり得る。LOHは、ほとんどのヒトのがんの顕著な特徴なので、このSNPアレイの使用には、がん診断において大いなる潜在性がある。SNPアレイ技術は、がん(例えば、胃がん、肝臓がん等)および血液系悪性腫瘍(ALL、MDS、CML等)が、ゲノム欠失またはUPDおよびゲノム獲得に起因して高い率のLOHを有することを示した。本開示では、LOHを検出するために高密度SNPアレイを使用することにより、対立遺伝子不均衡のパターンを同定して、野生型p53対立遺伝子の存在を決定することができる(Lipsら、2005年;Laiら、2007年)。
p53遺伝子配列および一塩基多型アレイの例として、p53 Gene Chip(Affymetrix、カリフォルニア州、サンタクララ)、Roche p53 Ampli−Chip(Roche Molecular Systems、カリフォルニア州、プレザントン)、GeneChip Mappingアレイ(Affymetrix、カリフォルニア州、サンタクララ)、SNP Array 6.0(Affymetrix、カリフォルニア州、サンタクララ)、BeadArrays(Illumina、カリフォルニア州、サンディエゴ)等が挙げられる。
また、野生型p53遺伝子の変異は、該p53遺伝子の野生型発現産物の変異に基づいて検出することができる。このような発現産物には、mRNAならびにp53タンパク質産物自体の両方が含まれる。点変異は、mRNAを直接的に配列決定することによって、またはmRNAから作製されたcDNAの分子クローニングを介して検出することができる。クローン化cDNAの配列は、DNA配列決定技術を使用して決定され得る。また、cDNAは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介して配列決定され得る。p53機能に関与するエピトープのそれぞれがモノクローナル抗体によって表されるモノクローナル抗体のパネルを使用することができる。そのパネルのモノクローナル抗体の結合の喪失または攪乱は、p53タンパク質の、したがってp53遺伝子自体の変異による変化を示し得る。また、変異体p53遺伝子または遺伝子産物は、例えば、血清、糞便、尿および喀痰を含む身体試料において検出され得る。組織中の変異体p53遺伝子または遺伝子産物の検出について上記で論じたものと同じ技術を、他の身体試料に適用することができる。また、野生型p53遺伝子の喪失は、野生型p53タンパク質機能の喪失についてスクリーニングすることによって検出され得る。該p53タンパク質が疑いの余地なく有する機能のすべては、まだ解明されていないが、少なくとも2つの特異的な機能が公知である。タンパク質p53は、SV40ラージT抗原ならびにアデノウイルスE1B抗原に結合する。該p53タンパク質がこれらの抗原のいずれかまたは両方に結合する能力の喪失は、該タンパク質の変異による変化を示すが、その変化は、その遺伝子自体の変異による変化を反映している。あるいは、p53機能に関与するエピトープのそれぞれがモノクローナル抗体によって表されるモノクローナル抗体のパネルを使用することができる。そのパネルのモノクローナル抗体の結合の喪失または攪乱は、該p53タンパク質の、したがってp53遺伝子自体の変異による変化を示し得る。変化したp53タンパク質を検出するための任意の方法を使用して、野生型p53遺伝子の喪失を検出することができる。
α−ヘリシティを決定するためのアッセイ
溶液中、α−ヘリカルドメインを有するポリペプチドの二次構造は、ランダムコイル構造とα−ヘリカル構造の間の動的平衡に達し、これはしばしば「ヘリシティパーセント(percent helicity)」と表される。したがって、例えばアルファ−ヘリカルドメインは
、溶液中、α−ヘリカル含量が通常25%未満の、主にランダムコイルである。他方では、最適化リンカーを有するペプチド模倣大環状分子は、例えば対応する未架橋のポリペプチドのアルファ−ヘリシティの少なくとも2倍のアルファ−ヘリシティを有する。一部の実施形態では、大環状分子は、50%超のアルファ−ヘリシティを有する。ペプチド模倣大環状分子のヘリシティをアッセイするために、化合物を、水溶液に溶解させる(例えばpH7の50mMリン酸カリウム溶液、または蒸留水で、濃度25〜50μMまで)。円二色性(CD)スペクトルを、分光偏光計(例えば、Jasco J−710)で、標準測定パラメーター(例えば、温度、20℃;波長、190〜260nm;ステップ分解能、0.5nm;速度、20nm/秒;積算回数(accumulation)、10;レスポンス、1秒;バンド幅、1nm;路長、0.1cm)を使用して得る。各ペプチドのα−ヘリカル含量は、平均残基楕円率(例えば[Φ]222obs)を、モデルヘリカルデカペプチドについて記録された値で割ることによって算出される(Yangら(1986年)、Methods
Enzymol. 130巻:208頁))。
融解温度(Tm)を決定するためのアッセイ
α−ヘリックスなどの二次構造を含むペプチド模倣大環状分子は、例えば、対応する未架橋ポリペプチドよりも高い融解温度を呈する。典型的に、ペプチド模倣大環状分子は、>60℃のTmを呈し、これは、水溶液中で高度に安定な構造を表している。融解温度に対する大環状分子の形成の効果をアッセイするために、ペプチド模倣大環状分子または非修飾ペプチドを、蒸留水に溶解させ(例えば最終濃度50μM)、Tmを、分光偏光計(例えば、Jasco J−710)で、標準パラメーター(例えば、波長222nm;ステップ分解能、0.5nm;速度、20nm/秒;積算回数、10;レスポンス、1秒;バンド幅、1nm;温度上昇速度:1℃/分;路長、0.1cm)を使用して、ある温度範囲(例えば4〜95℃)にわたって楕円率の変化を測定することによって決定する。
プロテアーゼ抵抗性アッセイ
ペプチド骨格のアミド結合は、プロテアーゼによる加水分解を受けやすく、それによってペプチド化合物がin vivoで急速に分解されやすくなる。しかし、ペプチドがヘリックスを形成すると、典型的にアミド骨格が隠され、したがってアミド骨格がタンパク分解的切断から保護され得る。ペプチド模倣大環状分子を、in vitroでトリプシンによるタンパク質分解に供して、対応する未架橋ポリペプチドと比較して分解速度の任意の変化について評価することができる。例えば、ペプチド模倣大環状分子および対応する未架橋ポリペプチドを、トリプシンアガロースと共にインキュベートし、遠心分離によって様々な時点で反応をクエンチし、その後HPLC注入処理して、280nmの紫外吸収によって残留基質を定量する。簡潔には、ペプチド模倣大環状分子およびペプチド模倣前駆体(5mcg)を、トリプシンアガロース(Pierce)(S/E約125)と共に0分間、10分間、20分間、90分間、および180分間インキュベートする。反応を、高速の卓上遠心分離によってクエンチし、分離された上清中の残留した基質を、280nmにおけるHPLCベースのピーク検出によって定量する。タンパク分解的反応は、一次反応速度を呈し、速度定数kは、ln[S]対時間のプロットから決定される(k=−1X勾配)。
ex vivo安定性アッセイ
最適化リンカーを有するペプチド模倣大環状分子は、例えば、対応する未架橋ポリペプチドのex vivo半減期の少なくとも2倍のex vivo半減期を有し、12時間またはそれを超えるex vivo半減期を有する。ex vivo血清安定性研究のために、様々なアッセイを使用することができる。例えば、ペプチド模倣大環状分子および対応する未架橋ポリペプチド(2mcg)を、新鮮なマウス、ラットおよび/またはヒトの血清(2mL)と共に37℃で0時間、1時間、2時間、4時間、8時間、および24時間インキュベートする。無傷化合物のレベルを決定するために、以下の手順を使用することができる。試料を、血清100μlを2ml遠心管に移した後、50%ギ酸10μLおよびアセトニトリル500μLを添加し、4±2℃において14,000RPMで10分間遠心分離することによって抽出する。次に、上清を新しい2ml管に移し、Turbovapで、N2<10psiの下で37℃において蒸発させる。試料を、50:50アセトニトリル:水100μLで再構成し、LC−MS/MS分析に付す。
in vitro結合アッセイ
アクセプタータンパク質へのペプチド模倣大環状分子およびペプチド模倣前駆体の結合および親和性を評価するために、例えば蛍光偏光アッセイ(FPA)が使用される。FPA技術により、偏光および蛍光トレーサーを使用して分子の配向および可動性を測定する。見かけの高い分子量を有する分子に結合している蛍光トレーサー(例えば、FITC)(例えば、大きいタンパク質に結合したFITC標識ペプチド)は、偏光で励起されると、より小さい分子に結合している蛍光トレーサー(例えば、溶液中で遊離状態であるFITC標識ペプチド)と比較して回転速度が低いことに起因して、より高レベルの偏光蛍光を放射する。
例えば、フルオレセイン化ペプチド模倣大環状分子(25nM)を、結合バッファー(140mMのNaCl、50mMのTris−HCL、pH7.4)中、アクセプタータンパク質(25〜1000nM)と共に室温で30分間インキュベートする。結合活性を、例えば発光分光光度計(例えばPerkin−Elmer LS50B)で蛍光偏光によって測定する。Kd値は、非線形回帰分析によって、例えばGraphPad Prismソフトウェア(GraphPad Software,Inc.、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用して決定することができる。ペプチド模倣大環状分子は、一部の実施形態では、対応する未架橋ポリペプチドに類似の、またはそれよりも低いKdを示す。ペプチド−タンパク質相互作用のアンタゴニストを特徴付けるためのin vitroディスプレイスメントアッセイ
ペプチドとアクセプタータンパク質の間の相互作用を拮抗する化合物の結合および親和性を評価するために、例えばペプチド模倣前駆体配列から得られた、フルオレセイン化ペプチド模倣大環状分子を利用する蛍光偏光アッセイ(FPA)が使用される。FPA技術により、偏光および蛍光トレーサーを使用して分子の配向および可動性を測定する。見かけの高い分子量を有する分子に結合している蛍光トレーサー(例えば、FITC)(例えば、大きいタンパク質に結合したFITC標識ペプチド)は、偏光で励起されると、より小さい分子に結合している蛍光トレーサー(例えば、溶液中で遊離状態であるFITC標識ペプチド)と比較して回転速度が低いことに起因して、より高レベルの偏光蛍光を放射する。フルオレセイン化ペプチド模倣大環状分子とアクセプタータンパク質との間の相互作用を拮抗する化合物は、競合的結合FPA実験で検出される。
例えば、推定上のアンタゴニスト化合物(1nM〜1mM)およびフルオレセイン化ペプチド模倣大環状分子(25nM)を、結合バッファー(140mMのNaCl、50mMのTris−HCL、pH7.4)中、アクセプタータンパク質(50nM)と共に室温で30分間インキュベートする。アンタゴニスト結合活性を、例えば発光分光光度計(例えばPerkin−Elmer LS50B)で蛍光偏光によって測定する。Kd値は、非線形回帰分析によって、例えばGraphpad Prismソフトウェア(GraphPad Software,Inc.、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用して決定することができる。
このアッセイでは、小さい有機分子、ペプチド、オリゴヌクレオチドまたはタンパク質などの任意のクラスの分子を、推定上のアンタゴニストとして調査することができる。
親和性選択−質量分析によるタンパク質−リガンド結合のためのアッセイ
タンパク質に対する試験化合物の結合および親和性を評価するために、例えば親和性選択質量分析アッセイを使用する。タンパク質−リガンド結合実験は、システム全体の対照実験について概説されている以下の代表的手順に従って、1μMのペプチド模倣大環状分子と5μMのhMDM2を使用して実施する。ペプチド模倣大環状分子の40μM原液のDMSOアリコート1μLを、PBS19μL(リン酸緩衝食塩水:150mMのNaClを含有する50mM、pH7.5のリン酸緩衝液)に溶解させる。得られた溶液を、反復ピペット操作によって混合し、10000gで10分間遠心分離することによって清澄化する。得られた上清のアリコート4μLに、PBS中10μMのhMDM2 4μLを添加する。したがって、実験試料各8.0μLは、PBS中5.0μM濃度のタンパク質40pmol(1.5μg)と、1μMペプチド模倣大環状分子および2.5%DMSOを含有している。こうして濃度点ごとに調製した二つ組の試料を、室温で60分間インキュベートし、次に4℃に冷やした後、5.0μL注入のサイズ排除クロマトグラフィー−LC−MS分析を行う。標的タンパク質、タンパク質−リガンド複合体、および非結合化合物を含有する試料を、SECカラム上に注入し、そこで迅速なSECステップによって複合体を非結合構成成分から分離する。SECカラム溶離液を、UV検出器を使用してモニタして、SECカラムのボイドボリュームに溶出する初期溶出タンパク質画分が、カラム上に保持されている非結合構成成分から十分に分離されることが確認される。タンパク質およびタンパク質−リガンド複合体を含有するピークは、一次UV検出器から溶出した後、試料ループに入り、そこでSEC段階のフローストリームから切り離され、弁機序を介してLC−MSに直接移される。ペプチド模倣大環状分子の(M+3H)3+イオンを、ESI−MSによって、予測されるm/zにおいて観測し、タンパク質−リガンド複合体の検出を確実にする。
タンパク質−リガンドKd滴定実験のためのアッセイ
タンパク質に対する試験化合物の結合および親和性を評価するために、例えば、タンパク質−リガンドのKd滴定実験を実施する。タンパク質−リガンドのKd滴定実験を、以下の通り実施する。滴定剤ペプチド模倣大環状分子の連続希釈原液(5、2.5、...、0.098mM)のDMSOアリコート2μLを調製し、次にPBS38μLに溶解させる。得られた溶液を、反復ピペット操作によって混合し、10000gで10分間遠心分離することによって清澄化する。得られた上清のアリコート4.0μLに、PBS中10μMのhMDM2 4.0μLを添加する。したがって、実験試料各8.0μLは、PBS中5.0μM濃度のタンパク質40pmol(1.5μg)、様々な濃度(125、62.5、...、0.24μM)の滴定剤ペプチドおよび2.5%DMSOを含有している。こうして濃度点ごとに調製した二つ組の試料を、室温で30分間インキュベートし、次に4℃に冷やした後、2.0μL注入のSEC−LC−MS分析を行う。(M+H)1+、(M+2H)2+、(M+3H)3+、および/または(M+Na)1+イオンは、Annis, D. A.;Nazef, N.;Chuang, C. C.;Scott, M. P.;Nash, H. M. J. Am. Chem. Soc.
2004年、126巻、15495〜15503頁;またD. A. Annis、C.−C. Chuang、およびN. Nazef. In Mass Spectrometry in Medicinal Chemistry. Wanner K、Hoefner G編: Wiley−VCH;2007年:121〜184頁。Mannhold R、Kubinyi H、Folkers G(シリーズ編者): Methods and Principles in Medicinal Chemistryに記載の通り、ESI−MSによって観測し、抽出されたイオンクロマトグラムを定量し、次に結合親和性Kdを得るための等式にフィットさせる。
親和性選択−質量分析による競合結合実験のためのアッセイ
タンパク質に競合的に結合する試験化合物の能力を決定するために、例えば親和性選択質量分析アッセイを実施する。構成成分1つ当たり40μMのリガンド混合物を、3種の化合物のそれぞれの400μM原液のアリコート2μLをDMSO14μLと混ぜ合わせることによって調製する。次に、構成成分の混合物1つ当たりこの40μMのアリコート1μLを、滴定剤ペプチド模倣大環状分子の連続希釈原液(10、5、2.5、...、0.078mM)のDMSOアリコート1μLと混ぜ合わせる。これらの試料2μLを、PBS38μLに溶解させる。得られた溶液を、反復ピペット操作によって混合し、10000gで10分間遠心分離することによって清澄化する。得られた上清のアリコート4.0μLに、PBS中10μMのhMDM2タンパク質4.0μLを添加する。したがって、実験試料各8.0μLは、PBS中5.0μM濃度のタンパク質40pmol(1.5μg)と、0.5μMのリガンド、2.5%DMSO、および様々な濃度(125、62.5、...、0.98μM)の滴定剤ペプチド模倣大環状分子を含有している。こうして濃度点ごとに調製した二つ組の試料を、室温で60分間インキュベートし、次に4℃に冷やした後、2.0μL注入のSEC−LC−MS分析を行う。これらおよび他の方法のさらなる詳細は、「A General Technique to Rank Protein−Ligand Binding Affinities and Determine Allosteric vs. Direct Binding Site
Competition in Compound Mixtures.」Annis, D. A.;Nazef, N.;Chuang, C. C.;Scott, M. P.;Nash, H. M. J. Am. Chem. Soc. 2004年、126巻、15495〜15503頁;また「ALIS: An Affinity Selection−Mass Spectrometry System for the Discovery and Characterization of Protein−Ligand Interactions」D. A. Annis、C.−C. Chuang、およびN. Nazef. In Mass Spectrometry in Medicinal Chemistry. Wanner K、Hoefner G編: Wiley−VCH;2007年:121〜184頁。Mannhold R、Kubinyi H、Folkers G(シリーズ編者): Methods and Principles in Medicinal Chemistryに提示されている。
無傷細胞における結合アッセイ
無傷細胞における、ペプチドまたはペプチド模倣大環状分子とそれらの天然アクセプターの結合を、免疫沈降実験によって測定することが可能である。例えば、無傷細胞は、血清がない状態でフルオレセイン化(FITC標識された)化合物と共に4時間インキュベートした後、血清代替物と共に、4〜18時間、さらにインキュベートする。次に、細胞をペレット化し、溶解緩衝液(50mMのTris[pH7.6]、150mMのNaCl、1%CHAPSおよびプロテアーゼ阻害剤カクテル)中で4℃において10分間インキュベートする。抽出物を、14,000rpmで15分間遠心分離し、上清を収集し、ヤギ抗−FITC抗体10μLと共に2時間インキュベートし、4℃で回転させた後、タンパク質A/Gセファロース(50%ビーズスラリー50μL)と共に4℃でさらに2時間インキュベートする。急速遠心分離した後、ペレットを、漸増塩濃度(例えば、150mM、300mM、500mM)を含有する溶解緩衝液で洗浄する。次に、ビーズを150mMのNaClで再平衡化した後、SDSを含有する試料緩衝液を添加し、煮沸させる。遠心分離した後、上清を、任意選択で4%〜12%勾配のBis−Trisゲルを使用して電気泳動させた後、イモビロン−P膜に移す。ブロッキングした後、ブロットを、任意選択でFITCを検出する抗体と共にインキュベートし、また、ペプチド模倣大環状分子に結合するタンパク質を検出する1種または複数種の抗体と共にインキュベートする。細胞透過性アッセイ
ペプチド模倣大環状分子は、例えば、対応する未架橋大環状分子と比較して、細胞透過性がより高い。最適化リンカーを有するペプチド模倣大環状分子は、例えば、対応する未架橋大環状分子の少なくとも2倍の細胞透過性を有し、適用したペプチド模倣大環状分子のしばしば20%またはそれ超が、4時間後に細胞を透過したことが観察される。ペプチド模倣大環状分子および対応する未架橋大環状分子の細胞透過性を測定するために、無傷細胞を、蛍光標識された(例えばフルオレセイン化)ペプチド模倣大環状分子または対応する未架橋大環状分子(10μM)と共に、無血清培地中で37℃において4時間インキュベートし、培地で2回洗浄し、トリプシン(0.25%)と共に37℃で10分間インキュベートする。細胞を再び洗浄し、PBSに再懸濁させる。細胞の蛍光を、例えば、FACSCaliburフローサイトメーターまたはCellomics’ KineticScan(登録商標)HCS Readerのいずれかを使用することによって分析する。
細胞の有効性アッセイ
ある特定のペプチド模倣大環状分子の有効性を、例えば細胞ベースの殺滅アッセイにおいて、様々な腫瘍形成細胞株および非腫瘍形成細胞株、ならびにヒトまたはマウス細胞集団から得られた初代細胞を使用して決定する。細胞生存率を、例えば、ペプチド模倣大環状分子(0.5〜50μM)と共に24〜96時間かけてインキュベートしてモニタして、EC50<10μMで死滅させる細胞を同定する。細胞生存率を測定するいくつかの標

準アッセイは、市販されており、任意選択でペプチド模倣大環状分子の有効性を評価するために使用される。さらに、アネキシンVおよびカスパーゼ活性化を測定するアッセイは、任意選択でペプチド模倣大環状分子が、アポトーシス機構を活性化することによって細胞を死滅させるかどうかを評価するために使用される。例えば、Cell Titer−gloアッセイを使用し、それによって、細胞生存率を細胞内ATP濃度の関数として決定する。
in vivo安定性アッセイ
ペプチド模倣大環状分子のin vivo安定性を調査するために、化合物を、例えば0.1〜50mg/kgの濃度でIV、IP、POまたは吸入経路によってマウスおよび/またはラットに投与し、注射の0分後、5分後、15分後、30分後、1時間後、4時間後、8時間後および24時間後に血液被検物を得る。次に、新鮮な血清25μL中の無傷化合物のレベルを、上の通りLC−MS/MSによって測定する。
動物モデルにおけるin vivo有効性
ペプチド模倣大環状分子のin vivoでの抗腫瘍形成活性を決定するために、化合物を、例えば単独で(IP、IV、PO、吸入、または経鼻経路によって)、または最適以下の用量の関連化学療法(例えば、シクロホスファミド、ドキソルビシン、エトポシド)と組み合わせて投与する。一例では、ルシフェラーゼを安定に発現する5×106個のRS4;11細胞(急性リンパ芽球性白血病の患者の骨髄から樹立された)を、NOD−SCIDマウスを全身照射に付した3時間後に尾静脈注射する。この白血病の形態は、処置せずにおくと、このモデルでは3週間で致死的なものになる。該白血病は、例えばマウスにD−ルシフェリン(60mg/kg)を注射し、麻酔下の動物を画像化することによって(例えば、Xenogen In Vivo Imaging System、Caliper Life Sciences、マサチューセッツ州ホプキントン)、容易にモニタされる。全身バイオルミネセンスは、Living Image Software(Caliper Life Sciences、マサチューセッツ州ホプキントン)により、光量子束(photonic flux)(光子/秒)の積分によって定量される。ペプチド模倣大環状分子は、単独で、または最適以下の用量の関連化学療法剤と組み合わせて、例えば白血病マウス(バイオルミネセンス範囲14〜16で、注射/実験1日目の10日後)に、尾静脈またはIP経路によって、0.1mg/kg〜50mg/kgの範囲の用量で7〜21日間投与される。任意選択で、マウスを、実験中2日ごとに画像化し、実験期間中、生存を毎日モニタする。死亡したマウスは、任意選択で実験の終了時に剖検する。別の動物モデルは、安定にルシフェラーゼを発現する、ヒト濾胞性リンパ腫から得られた細胞株であるDoHH2の、NOD−SCIDマウスへの移植である。これらのin vivo試験により、任意選択で薬物動態学的、薬力学的および毒性学的な予備データを作成する。
臨床試験
ヒトを処置するためのペプチド模倣大環状分子の適合性を決定するために、臨床試験を実施する。例えば、がんを有すると診断され、処置が必要な患者を選択し、処置群と1つまたは複数の対照群に分離することができ、ここで処置群にはペプチド模倣大環状分子を投与し、対照群にはプラセボまたは公知の抗がん薬物を投与する。したがって、ペプチド模倣大環状分子の処置の安全性および有効性は、生存および生活の質などの因子に関して患者群を比較することによって評価することができる。この例では、ペプチド模倣大環状分子で処置した患者群は、プラセボで処置した患者対照群と比較して、改善された生存期間の延長を示し得る。
医薬組成物および投与経路
本明細書に開示の医薬組成物は、ペプチド模倣大環状分子および薬学的に許容されるその誘導体またはプロドラッグを含む。「薬学的に許容される誘導体」は、レシピエントへの投与時に、本明細書に開示の化合物を(直接的または間接的に)提供することができる、本明細書に開示の化合物の、任意の薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグまたは他の誘導体を意味する。特に好ましい薬学的に許容される誘導体は、哺乳動物に投与されると化合物のバイオアベイラビリティを増大し(例えば、経口投与された化合物の血中での吸収を増大することによって)、または親種と比較して生物学的区画(例えば、脳またはリンパ系)への活性化合物の送達を増大するものである。いくつかの薬学的に許容される誘導体は、水溶解性または胃腸管粘膜横断能動輸送を増大する化学基を含む。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、選択的な生物学的特性を増強するのに適した官能基と、共有結合または非共有結合により結合することによって修飾される。このような修飾には、所与の生物学的区画(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的透過を増大し、経口利用性を増大し、注射による投与を可能にするために溶解度を増大し、代謝を変え、排泄速度を変えるものが含まれる。
本明細書に開示の化合物の薬学的に許容される塩には、薬学的に許容される無機および有機酸および塩基から導出された塩が含まれる。適切な酸塩の例として、酢酸塩、アジピン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、パモ酸塩(palmoate)、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩が挙げられる。適切な塩基から導出された塩には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウムおよびN−(アルキル) 塩が含まれる。
本明細書に開示の化合物から医薬組成物を調製するために、薬学的に許容されるキャリアには、固体または液体キャリアのいずれかが含まれる。固体形態の調製物には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性顆粒剤が含まれる。固体キャリアは、賦形剤、香味剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、またはカプセルに包む材料としても作用する1種または複数種の物質であり得る。製剤化および投与のための技術に関する詳細は、科学文献および特許文献に十分に記載されており、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Maack Publishing Co、Easton PAの最新版を参照されたい。
散剤では、キャリアは、微粉砕された固体であり、これは、微粉砕された活性な構成成分と混合される。錠剤では、活性な構成成分は、適切な割合で、必要な結合特性を有するキャリアと混合され、所望の形状およびサイズに圧縮される。
適切な固体添加剤は、炭水化物またはタンパク質充填剤であり、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含めた糖;トウモロコシ、コムギ、コメ、バレイショ、または他の植物由来のデンプン;セルロース、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、またはカルボキシメチルセルロースナトリウム;ならびにアラビアガムおよびトラガントガムを含めたガム;ならびにタンパク質、例えばゼラチンおよびコラーゲンが含まれるが、それらに限定されない。所望に応じて、崩壊剤または可溶化剤、例えば架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムが添加される。
液体形態の調製物には、溶液剤、懸濁液剤、および乳濁液剤、例えば水または水/プロピレングリコール溶液剤が含まれる。非経口注射では、液体調製物は、ポリエチレングリコール水溶液の溶液剤に製剤化され得る。
医薬調製物は、単位剤形であってよい。このような形態では、調製物は、適切な量の活性な構成成分を含有する単位用量に分割される。単位剤形は、パッケージされた調製物であってよく、そのパッケージは、バイアルまたはアンプルにパッケージされた錠剤、カプセル剤、および散剤などの別個の量の調製物を含有する。また、単位剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤もしくはロゼンジ剤自体であってよく、または適切な数のこれらのいずれかがパッケージされた形態であってよい。本明細書に開示の1つまたは複数の組成物が、ペプチド模倣大環状分子および1種または複数種の追加の治療剤または予防剤の組合せを含む場合、化合物および追加の薬剤の両方は、普通は単剤治療レジメンで投与される投与量の約1〜100%、より好ましくは約5〜95%の投与量レベルで存在すべきである。一部の実施形態では、追加の薬剤は、本明細書に開示の1つまたは複数の化合物とは別個に、複数回用量のレジメンの一部として投与される。あるいは、追加の薬剤は、本明細書に開示の化合物と一緒に単一組成物に混合された、単一剤形の一部である。
使用方法
本明細書の一態様では、ペプチド模倣大環状分子がモデル化されるタンパク質またはペプチドの天然リガンド(単数または複数)に結合する薬剤を同定するための競合結合アッセイにおいて有用な、新規なペプチド模倣大環状分子が提供される。例えば、p53/MDMX系では、p53に基づく標識されたペプチド模倣大環状分子は、MDMXに競合的に結合する小分子と共に、MDMX結合アッセイで使用することができる。競合結合研究によって、p53/MDMX系に特異的な薬物候補の速やかなin vitro評価および決定が可能となる。このような結合研究は、本明細書に開示のペプチド模倣大環状分子のいずれかおよびそれらの結合パートナーを用いて実施することができる。さらに、ペプチド模倣大環状分子に対する抗体を作製するための方法が提供される。一部の実施形態では、これらの抗体は、ペプチド模倣大環状分子と、ペプチド模倣大環状分子が関係するp53などの前駆体ペプチドの両方に特異的に結合する。このような抗体は、例えば、天然タンパク質−タンパク質相互作用、例えばp53とMDMXの結合を妨害する。
本明細書の他の態様では、p53、MDM2またはMDMXを含めた分子の異常な(例えば、不十分なまたは過度の)発現または活性と関連する障害の危険性がある(または罹患しやすい)、またはその障害を有する被験体を処置する予防方法および治療方法の両方が提供される。
別の実施形態では、障害は、p53もしくはMDM2もしくはMDMXの異常レベル(例えば、過剰発現または過小発現)によって、または異常活性を示すp53もしくはMDM2もしくはMDMXの存在によって、少なくとも部分的に引き起こされる。したがって、例えばp53から導出されたペプチド模倣大環状分子による、p53もしくはMDM2もしくはMDMXのレベルおよび/もしくは活性の低減、またはp53もしくはMDM2もしくはMDMXのレベルおよび/もしくは活性の増強を使用すると、障害の有害な症状が寛解または低減される。
本明細書の別の態様では、結合パートナー、例えばp53とMDM2またはp53とMDMXの間の相互作用または結合を妨害することによって、過剰増殖性疾患および炎症性障害を含めた疾患を処置または防止するための方法が提供される。これらの方法は、ヒトを含めた温血動物に、有効量の化合物を投与するステップを含む。一部の実施形態では、本明細書に開示の1つまたは複数の化合物の投与は、細胞成長停止またはアポトーシスを誘導する。
本明細書で使用される用語「処置」は、疾患、疾患の症状または疾患への素因を治癒させ、治し、軽減し、緩和し、変え、修復し、寛解させ、改善し、または影響を及ぼす目的で、疾患、疾患の症状または疾患への素因を有する患者に、治療剤を適用もしくは投与すること、またはその患者から単離された組織もしくは細胞株に、治療剤を適用もしくは投与することと定義される。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、がんおよび新生物状態を処置し、防止し、かつ/または診断するために使用することができる。本明細書で使用される用語「がん」、「過剰増殖性」および「新生物」は、自律的成長能、すなわち急速に増殖する細胞成長によって特徴付けられる異常な状況または状態を有する細胞を指す。過剰増殖性および新生物性病状は、病理学的なもの、すなわち病状を特徴付けるもしくは構成するものとして分類することができ、または病理学的でないもの、すなわち正常から逸脱しているが、病状とは関連しないものとして分類することができる。これらの用語は、病理組織学的タイプまたは侵襲段階とは関係なく、あらゆるタイプのがん成長もしくは発癌過程、転移性組織、または悪性形質転換した細胞、組織もしくは器官を含むことを意味する。転移性腫瘍は、それらに限定されるものではないが、乳房、肺、肝臓、結腸および卵巣起源のものを含めた、多数の原発腫瘍型から生じ得る。「病理学的過剰増殖」細胞は、悪性腫瘍の成長によって特徴付けられる病状において生じる。非病理学的過剰増殖細胞の例として、創傷修復と関連する細胞増殖が挙げられる。細胞増殖性および/または分化性障害の例として、がん、例えば癌腫、肉腫、または転移性障害が挙げられる。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、乳がん、卵巣がん、結腸がん、肺がん、このようながんの転移等を調節するための新規な治療剤である。
がんまたは新生物状態の例として、線維肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胃がん、食道がん、直腸がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、子宮がん、頭頸部がん、皮膚がん、脳がん、扁平上皮癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄質癌、気管支癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、精巣がん、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、メラノーマ、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、またはカポジ肉腫が挙げられるが、それらに限定されない。
一部の実施形態では、がんは、頭頸部がん、メラノーマ、肺がん、乳がん、または神経膠腫である。
増殖性障害の例として、造血性新生物障害が挙げられる。本明細書で使用される用語「造血性新生物障害」には、例えば骨髄性、リンパ性もしくは赤血球分化系統、またはそれらの前駆体細胞から生じた、造血性起源の過形成/新生物細胞を伴う疾患が含まれる。この疾患は、分化度が低い急性白血病、例えば赤芽球性白血病および急性巨核芽球性白血病から生じ得る。追加の例示的な骨髄性障害として、急性前骨髄性白血病(APML)、急性骨髄性白血病(AML)および慢性骨髄性白血病(CML)(Vaickus(1991年)、Crit Rev. Oncol./Hemotol. 11巻:267〜97頁に総説されている)が挙げられるが、それらに限定されない。リンパ系悪性腫瘍には、B−系統ALLおよびT−系統ALLを含む急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、有毛細胞白血病(HLL)およびワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)が含まれるが、それらに限定されない。悪性リンパ腫の追加の形態には、非ホジキンリンパ腫およびそのバリアント、末梢性T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、大顆粒性リンパ球性白血病(LGF)、ホジキン病およびリード−シュテルンベルク病が含まれるが、それらに限定されない。
乳房の細胞増殖性および/または分化性障害の例として、例えば上皮過形成、硬化性腺症および小管乳頭腫を含む増殖性乳房疾患;腫瘍、例えば間質性腫瘍、例えば線維腺腫、葉状腫瘍、および肉腫、ならびに上皮性腫瘍、例えば大管乳頭腫;乳管内上皮内癌(パジェット病を含む)および非浸潤性小葉癌を含む上皮内(非侵襲性)癌、ならびにそれらに限定されるものではないが、侵襲性腺管癌、侵襲性小葉癌、髄質癌、膠質(粘液性)癌、管状癌、および侵襲性乳頭状癌を含む侵襲性(浸潤性)癌を含めた乳房癌、ならびに種々の悪性新生物が挙げられるが、それらに限定されない。男性乳房の障害には、女性化乳房症および癌腫が含まれるが、それらに限定されない。
皮膚の細胞増殖性および/または分化性障害の例として、増殖性皮膚疾患、例えば粘膜メラノーマ、表在拡大型メラノーマ、結節型メラノーマ、黒子(例えば悪性黒子、悪性黒子メラノーマ、または末端黒子型メラノーマ)、無色素性悪性メラノーマ、線維形成性メラノーマ、スピッツ母斑の特徴を有するメラノーマ斑、小母斑様細胞を伴うメラノーマ、ポリープ状メラノーマ、および軟部組織メラノーマを含むメラノーマ;小結節性基底細胞癌、表在型基底細胞癌、結節性基底細胞癌(蚕食性潰瘍)、嚢胞性基底細胞癌、瘢痕性基底細胞癌、色素性基底細胞癌、異常基底細胞癌、浸潤性基底細胞癌、母斑性基底細胞癌症候群、ポリープ状基底細胞癌、細孔様の基底細胞癌、およびピンカス線維上皮腫を含む基底細胞癌;棘細胞腫(大細胞棘細胞腫)、腺様扁平上皮癌、類基底扁平上皮癌、明細胞扁平上皮癌、印環細胞扁平上皮癌、紡錘細胞扁平上皮癌、マルジョラン潰瘍、ケイラー紅色肥厚症、およびボーエン病を含む扁平細胞癌;または他の皮膚もしくは皮下腫瘍が挙げられるが、それらに限定されない。
肺の細胞増殖性および/または分化性障害の例として、腫瘍随伴症候群、細気管支肺胞性癌、神経内分泌腫瘍、例えば気管支カルチノイド、種々の腫瘍、および転移性腫瘍を含む気管支癌;炎症性胸水貯留、非炎症性胸水貯留、気胸、および孤立性線維性腫瘍(胸膜線維腫)を含む胸膜腫瘍、ならびに悪性中皮腫を含む胸膜病理が挙げられるが、それらに限定されない。
結腸の細胞増殖性および/または分化性障害の例として、非新生物ポリープ、腺腫、家族性症候群、結腸直腸発癌、結腸直腸癌、およびカルチノイド腫瘍が挙げられるが、それらに限定されない。
肝臓の細胞増殖性および/または分化性障害の例として、結節性過形成、腺腫、ならびに肝臓の原発性癌腫および転移性腫瘍を含む悪性腫瘍が挙げられるが、それらに限定されない。
卵巣の細胞増殖性および/または分化性障害の例として、卵巣腫瘍、例えば体腔上皮腫瘍、漿液性腫瘍、粘液性腫瘍、類内膜腫瘍、明細胞腺癌、嚢胞腺線維腫、ブレンナー腫瘍、表面上皮性腫瘍;胚細胞性腫瘍、例えば成熟(良性)奇形腫、単胚葉性奇形腫、未成熟悪性奇形腫、未分化胚細胞腫、内胚葉洞腫瘍、絨毛癌;性索間質性(stomal)腫瘍、例えば顆粒膜−卵胞膜細胞腫瘍、莢膜腫瘍−線維腫(thecomafibromas)、アンドロブラストーマ(androblastomas)、ヒル細胞(hill cell)腫瘍、および性腺芽腫;ならびに転移性腫瘍、例えばクルケンベルグ腫瘍が挙げられるが、それらに限定されない。
組合せ処置
本明細書で使用される用語「併用治療」または「組合せ処置」または「組合せ」は、少なくとも2つの別個の治療剤を用いる、同時または並行処置の任意の形態を示す。
一部の実施形態では、併用治療は、各化合物の単独の効果と比較して、治療(例えば抗がん)効果が増強され得るだけでなく、併用治療における各薬剤の投与量を、各薬剤を用いる単剤治療と比較して低減することができると同時に、全体的な治療(例えば抗腫瘍)効果も達成できるので、特に有利となり得る。さらに、一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、追加の医薬品による相乗効果を示すことができる。このような場合、相乗効果に起因して、患者に投与される薬物の総量は、有利に低減することができ、それによって副作用が低減され得る。
本開示はまた、本開示のペプチド模倣大環状分子が、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて使用される、併用治療のための方法を提供する。様々な実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、本開示のペプチド模倣大環状分子と同じか、またはそれとは異なる標的をモジュレートできるものであってよい。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、本開示のペプチド模倣大環状分子と同じ標的、または同じ経路の他の構成成分、またはさらには重複した一組の標的酵素をモジュレートすることができる。一部の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、本開示のペプチド模倣大環状分子とは異なる標的をモジュレートすることができる。
併用治療には、相乗的な治療効果を提供するための、本開示のペプチド模倣大環状分子と、化学療法剤、治療抗体、および放射線処置との組合せが含まれるが、それらに限定されない。
したがって、一態様では、本開示は、がんを処置するための方法であって、それを必要としている被験体に、(a)有効量の本開示のペプチド模倣大環状分子、および(b)有効量の少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を投与して、併用治療を提供するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、併用治療では、ペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤をそれぞれ単独で投与した場合の効果と比較して、治療効果を増強することができる。ある特定の例示的な実施形態によれば、併用治療は、相乗的な治療効果を有する。この実施形態によれば、併用治療は、治療用量で単独で投与された場合に各個々の構成物によって達成される付加的効果よりも、著しく良好な治療結果(例えば、抗がん、細胞成長停止、アポトーシス、分化誘導、細胞死等)をもたらす。
一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、1種または複数の抗がん(抗悪性腫瘍性または細胞傷害性)化学療法薬物と組み合わせて使用される。本開示の組合せにおいて使用するのに適した化学療法剤には、アルキル化剤、抗生物質薬剤、代謝拮抗剤、ホルモン剤、植物由来の薬剤、抗血管新生薬、分化誘導剤、細胞成長停止誘導剤、アポトーシス誘導剤、細胞傷害剤、細胞生体エネルギーに影響を及ぼす薬剤、生物学的薬剤、例えばモノクローナル抗体、キナーゼ阻害剤、ならびに成長因子およびそれらの受容体の阻害剤、遺伝子治療剤、細胞治療剤、例えば幹細胞、またはそれらの任意の組合せが含まれるが、それらに限定されない。
一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、エストロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて使用される。一例では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、エストロゲン受容体アンタゴニストであるフルベストラント(FASLODEX)と組み合わせて使用される。フルベストラントは、選択的エストロゲン受容体分解物質(SERD)であり、抗エストロゲン療法後に疾患が進行している閉経後の女性の、ホルモン受容体陽性転移性乳がんの処置に適応される。フルベストラントは、アゴニスト効果がほとんどまたはまったくない、完全なエストロゲン受容体アンタゴニストであり、エストロゲン受容体のプロテアソーム分解を促進する。フルベストラントは、経口バイオアベイラビリティが低く、典型的に筋肉内注射によって投与される。ErbB3およびErbB4受容体のフルベストラント誘導性発現は、ヘレグリンベータ1に対してエストロゲン受容体陽性乳がん細胞を感作させる(例えば、Hutchesonら、Breast cancer
Research(2011年)13巻:R29頁参照)。
一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、アロマターゼ阻害剤と組み合わせて使用される。一例では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、エキセメスタンと組み合わせて使用される。
一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、mTOR阻害剤と組み合わせて使用される。一例では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、エベロリムス(AFINITOR)と組み合わせて使用される。エベロリムスは、mTORC1タンパク質複合体に影響を及ぼし、キナーゼAKTを過剰活性化させることができ、それによって、いくつかの細胞型における生存期間をより長くすることができる。エベロリムスは、mTORC1と直接的に相互作用し、下流シグナル伝達を阻害するタンパク質受容体であるFKBP12に結合する。結果として、細胞周期および解糖プロセスに関与するタンパク質を体系化するmRNAが損なわれるか、または変わり、腫瘍成長および増殖が阻害される。一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、mTOR阻害剤およびアロマターゼ阻害剤と組み合わせて使用される。例えば、ペプチド模倣大環状分子(macrocyclye)は、エベロリムスおよびエキセメスタンと組み合わせて使用することができる。エベロリムスは、エストロゲン受容体陽性乳がんの処置のためのタモキシフェン、レトロゾール、またはエキセメスタンと組み合わされると、臨床的な有効性を示す(例えば、Chenら、Mol. Cancer Res. 11巻(10号);1269〜78頁(2013年)参照)。
いくつかの例では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、1種または複数種の代謝拮抗剤と組み合わせて使用され、例えばカペシタビン(XELODA)、ゲムシタビン(GEMZAR)およびシタラビン(Ara−C(アラビノフラノシルシチジン;Cytosar−U)としても公知のシトシンアラビノシド)と組み合わせて使用される。
一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、タキサンと組み合わせて使用される。本開示のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて使用することができる例示的な非限定的なタキサンとして、パクリタキセル(ABRAXANEまたはTAXOL)およびドセタキセル(TAXOTERE)が挙げられる。一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、パクリタキセルと組み合わせて使用される。一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、ドセタキセルと組み合わせて使用される。
一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、治療抗体と組み合わせて使用される。本開示の化合物と組み合わせて使用することができる治療抗体の例として、抗CD20抗体、例えばリツキシマブ(MABTHERA/RITUXAN)またはオビヌツズマブ(GAZYVA)が挙げられるが、それらに限定されない。本開示のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて使用することができる他の抗体には、プログラム細胞死(PD−1)受容体に対する抗体、例えばペンブロリズマブ(KEYTRUDA)またはニボルマブ(nivolumba)(OPDIVO)が含まれる。
本発明の処置方法、医薬および使用のいずれかにおいて有用なPD−1アンタゴニストには、モノクローナル抗体(mAb)、またはその抗原結合フラグメントが含まれ、それらは、PD−1またはPD−L1に特異的に結合し、好ましくはヒトPD−1またはヒトPD−L1に特異的に結合する。PD−1アンタゴニストは、がん細胞上に発現したPD−L1の、免疫細胞(T細胞、B細胞またはNKT細胞)上に発現したPD−1への結合を妨害し、また、がん細胞上に発現したPD−L2の、免疫細胞上に発現したPD−1への結合を妨害する、任意の化合物または生物学的分子であり得る。PD−1およびそのリガンドの代替名または同義語には、PD−1についてはPDCD1、PD1、CD279およびSLEB2;PD−L1についてはPDCD1L1、PDL1、B7H1、B7−4、CD274およびB7−H;ならびにPD−L2についてはPDCD1L2、PDL2、B7−DC、BtdcおよびCD273が含まれる。ヒト個体を処置するための本発明の処置方法、医薬および使用のいずれかでは、PD−1アンタゴニストは、ヒトPD−L1の、ヒトPD−1への結合を妨害することができ、ヒトPD−L1およびPD−L2の両方の、ヒトPD−1への結合を妨害することができる。
ヒトPD−1に結合し、本発明の処置方法、医薬および使用において有用なmAbの例は、米国特許第7521051号、同第8008449号、および同第8354509号に記載されている。本発明の処置方法、医薬および使用においてPD−1アンタゴニストとして有用な具体的な抗ヒトPD−1 mAbには、WHO Drug Information、27巻、2号、161〜162頁(2013年)に記載されている構造を有するヒト化IgG4 mAbであるMK−3475、WHO Drug Information、27巻、1号、68〜69頁(2013年)に記載されている構造を有するヒトIgG4 mAbであるニボルマブ(BMS−936558)、国際公開第2008/156712号に記載されているヒト化抗体h409A11、h409A16およびh409A17、ならびにAMP−514が含まれる。
本発明の処置方法、医薬および使用のいずれかにおいて有用な他のPD−1アンタゴニストには、PD−1またはPD−L1に特異的に結合するイムノアドヘシンが含まれる。PD−1に特異的に結合するイムノアドヘシン(immunoadhesion)分子の例は、国際公開第2010/027827号および同第2011/066342号に記載されている。本発明の処置方法、医薬および使用においてPD−1アンタゴニストとして有用な具体的な融合タンパク質には、PD−L2−FC融合タンパク質であり、ヒトPD−1に結合するAMP−224(B7−DCIgとしても公知)が含まれる。
本開示のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて使用することができる他の抗体には、ヒトPD−L1に対する抗体が含まれる。ヒトPD−L1に結合し、本発明の処置方法、医薬および使用において有用な抗体の例は、国際公開第2013/019906号、同第2010/077634A1号、および米国特許第8383796号に記載されている。本発明の処置方法、医薬および使用においてPD−1アンタゴニストとして有用な具体的な抗ヒトPD−L1 mAbには、MPDL3280A、BMS−936559、MEDI4736、MSB0010718C、ならびに国際公開第2013/019906号のそれぞれ配列番号24および配列番号21の重鎖および軽鎖可変領域を含む抗体が含まれる。PD−1受容体を標的化するのに有用な例示的な抗体には、Pidilizumab、BMS936559、およびMPDL328OAが含まれる。例示的な抗PD−L1抗体は、PD−L1に結合し、PD−L1がその受容体であるPD−1に結合し、活性化するのを妨害し、それによって、新生物に対するT細胞媒介性の免疫応答を増強し、慢性感染病においてT細胞の不活化を逆転させることができる、ヒトモノクローナル抗体MDX−1105である。例示的な抗PD−1抗体は、PD−1に結合し、そのリガンドであるPD−L1およびPD−L2によるPD−1の活性化を妨害して、T細胞を活性化し、腫瘍細胞に対する細胞媒介性の免疫応答をもたらす、ヒトモノクローナル抗体MDX−1106である。
腫瘍組織切片のIHCアッセイにおいてPD−L1タンパク質の発現を定量するためのいくつかの手法が、説明されている。例えば、Thompson, R. H.ら、PNAS 101巻(49号);17174〜17179頁(2004年);Thompson, R. H.ら、Cancer Res. 66巻:3381〜3385頁(2006年);Gadiot, J.ら、Cancer 117巻:2192〜2201頁(2011年);Taube, J. M.ら、Sci Transl Med 4巻、127ra37(2012年);およびToplian, S. L.ら、New Eng.
J Med. 366巻(26号):2443〜2454頁(2012年)参照。ある手法では、PD−L1発現について陽性または陰性の簡単な二変数エンドポイントが用いられ、陽性結果は、細胞表面膜染色の組織学的証拠を示す腫瘍細胞の百分率に関して定義される。腫瘍組織切片は、全腫瘍細胞の少なくとも1%、好ましくは5%である場合に、PD−L1発現について陽性とみなされる。別の手法では、腫瘍組織切片におけるPD−L1発現は、腫瘍細胞ならびに主にリンパ球を含む浸潤性免疫細胞において定量される。膜染色を示す腫瘍細胞および浸潤性免疫細胞の百分率は、<5%、5〜9%、次に10%の増分で100%まで、別個に定量される。腫瘍細胞では、PD−L1発現は、スコアが<5%のスコアになる場合には陰性とみなされ、スコアが>5%になる場合には陽性とみなされる。免疫浸潤物におけるPD−L1発現は、調整炎症スコア(AIS)と呼ばれる半定量的測定として記録され、これは、膜染色細胞のパーセントと浸潤物の強度を掛けることによって決定され、なし(0)、軽度(スコア1、リンパ球ほとんどなし)、中程度(スコア2、リンパ組織球増多性の凝集体による腫瘍の限局的な浸潤)、または重症(スコア3、びまん性浸潤)に類別される。腫瘍組織切片は、AISが>5の場合、免疫浸潤物によるPD−L1発現について陽性とみなされる。診断用のPD−L1抗体を用いるIHCによって染色された腫瘍の組織切片を、組織切片における腫瘍細胞および浸潤性免疫細胞の両方におけるPD−L1発現を評価することによって、PD−L1タンパク質の発現についてスコア付けすることもできる。このPD−L1スコアリングプロセスは、組織切片における各腫瘍巣を染色について調査し、組織切片に、修正Hスコア(MHS)および修正割合スコア(MPS)の一方またはその両方を割り当てることを含み得る。MHSを割り当てるために、4つの別個の百分率を、調査した腫瘍巣のすべてにおける生存腫瘍細胞および染色単核炎症細胞のすべてにわたって、以下の通り推定する。(a)染色なしの細胞(強度=0)、(b)弱い染色(強度=1+)、(c)中程度の染色(強度=2+)および(d)強い染色(強度=3+)。細胞は、弱い、中程度または強い染色百分率に含まれる、少なくとも部分的な膜染色を有するはずである。次に、合計100%となる推定百分率を、1×(弱い染色細胞のパーセント)+2×(中程度の染色細胞のパーセント)+3×(強い染色細胞のパーセント)の式に入力し、その結果を、MHSとして組織切片に割り当てる。MPSは、調査した腫瘍巣のすべてにおける生存腫瘍細胞および染色単核炎症細胞のすべてにわたって、任意の強度の少なくとも部分的な膜染色を有する細胞の百分率を推定することによって割り当てられ、得られた百分率は、MPSとして組織切片に割り当てられる。一部の実施形態では、腫瘍は、MHSまたはMPSが陽性である場合に、PD−L1発現について陽性と指定される。PD−L mRNA発現のレベルは、定量的RT−PCRでしばしば使用される、ユビキチンCなどの1つまたは複数の参照遺伝子のmRNA発現レベルと比較することができる。一部の実施形態では、腫瘍内の悪性細胞および/または浸潤性免疫細胞によるPD−L1発現(タンパク質および/またはmRNA)レベルは、適切な対照によるPD−L1発現(タンパク質および/またはmRNA)レベルとの比較に基づいて、「過剰発現した」または「上昇した」と決定される。例えば、対照PD−L1タンパク質またはmRNA発現レベルは、同じタイプの非悪性細胞または対応する正常組織の切片において定量されたレベルであってよい。一部の好ましい実施形態では、腫瘍試料におけるPD−L1発現は、試料中のPD−L1タンパク質(および/またはPD−L1 mRNA)が、対照において少なくとも10%超、20%超、または30%超である場合に、上昇したと決定される。
一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、抗ホルモン治療と組み合わせて使用される。本開示のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて使用することができる例示的なホルモンアンタゴニストには、レトロゾール(FEMARA)およびカソデックスが含まれる。
一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、低メチル化(hypomethylating)剤または脱メチル化剤と組み合わせて使用される。本開示のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて使用することができるこのような薬剤の例として、アザシチジン(VIDAZA、AZADINE)およびデシタビン(Dacogen)が挙げられる。
一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、抗炎症剤と組み合わせて使用される。一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、コルチコステロイドと組み合わせて使用される。一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、糖質コルチコステロイドと組み合わせて使用される。一例では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、デキサメタゾンと組み合わせて使用される。
一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤と組み合わせて使用される。一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、デプシペプチドと組み合わせて使用される。一例では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、ロミデプシン(ISTODAX)と組み合わせて使用される。本開示のペプチド模倣大環状分子およびHDAC阻害剤、例えばロミデプシンを用いて処置される例示的ながんとして、T細胞リンパ腫、例えば成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、または末梢T細胞リンパ腫(PTCL)が挙げられる。HDAC阻害剤は、p53の過剰アセチル化を媒介することによって、MDM2阻害剤と相乗的に相互作用することができる。p53活性化には、アセチル化が必要とされ得る。HDAC阻害剤は、MDM2阻害剤誘導性のMDM2発現を低減することによって、MDM2阻害剤の抗腫瘍作用を増強することができる。MDM2は、p53活性を負に調節するフィードバックループにおいて、p53活性化によって上方制御される。MDM2阻害剤は、MDM4発現を下方制御することによって、がん細胞死を誘発することができる。MDM4は、MDM2の構造的な同位体であるが、機能的にMDM2と重複していない、p53の第2の主な負の制御因子である。ヌトリン−3およびボリノスタットは、協力して細胞生存率に影響を及ぼし、A549細胞の細胞死およびΔψm喪失を誘導し、協力してA2780細胞の細胞死、Δψm喪失およびカスパーゼ−3活性を誘導する(例えば、J. Sonnemannら、Invest New Drugs(2012年)30巻:25〜36頁参照)。
一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、白金ベースの抗悪性腫瘍薬(白金薬物またはプラチン類)と組み合わせて使用される。本開示のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて使用することができるプラチン類の例として、シスプラチン(シス白金、プラタミン、ネオプラチン、シスマプラット、cis−ジアンミンジクロロ白金(II)、またはCDDP;商標PLATINOLとしても公知)およびカルボプラチン(cis−ジアミン(1,1−シクロブタンジカルボキシラート)白金(II);商標PARAPLATINおよびPARAPLATIN−AQとしても公知)が挙げられる。
一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、キナーゼ阻害剤薬物と組み合わせて使用される。本明細書に記載の化合物は、MEK阻害剤と組み合わせて使用することができる。本明細書に記載の化合物は、MEK1阻害剤と組み合わせて使用することができる。本明細書に記載の化合物は、MEK2阻害剤と組み合わせて使用することができる。本明細書に記載の化合物は、MEK1およびMEK2の阻害剤と組み合わせて使用することができる。一例では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、トラメチニブ(MEKINIST)と組み合わせて使用される。本明細書に記載の化合物は、BRAF阻害剤と組み合わせて使用することができる。本開示のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて使用されるBRAF阻害剤は、野生型または変異型BRAFのいずれかの阻害剤であり得る。いくつかの例では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、野生型BRAFの阻害剤である少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて使用される。いくつかの例では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、変異型BRAFの阻害剤である少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて使用される。いくつかの例では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、V600E変異型BRAFの阻害剤である少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて使用される。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、ベムラフェニブ(ZELBORAF、別名PLX4032)、ダブラフェニブ(TAFINLAR)、C−1、NVP−LGX818およびソラフェニブ(NEXAVAR)から選択される1種または複数種のBRAF阻害剤と組み合わせて使用することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、1種または複数種のBRAF阻害剤と共に相乗効果をもたらすことができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物の1つまたは複数は、すべてのBRAF阻害剤と共に相乗効果をもたらすことができる。
本明細書に記載の化合物は、KRAS阻害剤と組み合わせて使用することができる。本開示のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて使用されるKRAS阻害剤は、野生型または変異型KRASのいずれかの阻害剤であり得る。いくつかの例では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、野生型KRASの阻害剤である少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて使用される。いくつかの例では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、変異型KRASの阻害剤である少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて使用される。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、1種または複数種のKRAS阻害剤と共に相乗効果をもたらすことができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物の1つまたは複数は、すべてのKRAS阻害剤と共に相乗効果をもたらすことができる。
本開示のペプチド模倣大環状分子はまた、ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤と組み合わせて、例えばイブルチニブ(IMBRUVICA)と組み合わせて使用することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、1種または複数種のBTK阻害剤と共に相乗効果をもたらすことができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物の1つまたは複数は、すべてのBTK阻害剤と共に相乗効果をもたらすことができる。
いくつかの例では、本開示のペプチド模倣大環状分子はまた、サイクリン依存性キナーゼの阻害剤と組み合わせて、例えばCDK4および/またはCDK6の阻害剤と組み合わせて使用することができる。本発明のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて使用することができるこのような阻害剤の一例は、パルボシクリブ(IBRANCE)である(例えば、Clin. Cancer Res.;2015年、21巻(13号);2905〜10頁参照)。いくつかの例では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、CDK4および/もしくはCDK6の阻害剤と組み合わせて、ならびにCDK4/6阻害剤の細胞増殖抑制活性を強化する薬剤と組み合わせて、ならびに/または可逆的な細胞分裂停止を不可逆的な成長停止もしくは細胞死に変換する薬剤と組み合わせて使用することができる。例示的ながんサブタイプとして、NSCLC、メラノーマ、神経芽細胞腫、膠芽腫、脂肪肉腫、およびマントル細胞リンパ腫が挙げられる。
一部の実施形態では、それを必要としている被験体のがんを処置する方法は、被験体に、p53とMDM2の間の相互作用および/もしくはp53とMDMXの間の相互作用を阻害し、かつ/またはp53および/もしくはMDM2および/もしくはMDMXの活性をモジュレートする、治療有効量のp53薬剤、ならびにCDK4および/もしくはCDK6の活性をモジュレートし、かつ/またはCDK4および/もしくはCDK6を阻害する、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を投与するステップを含むことができる。いくつかの例では、p53薬剤は、p53タンパク質とMDM2タンパク質の間の相互作用および/またはp53タンパク質とMDMXタンパク質の間の相互作用を拮抗する。いくつかの例では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、CDK4および/またはCDK6に結合する。いくつかの例では、p53薬剤は、有機または無機小分子;サッカリン(saccharine);オリゴ糖;多糖;ペプチド、タンパク質、ペプチド類似体、ペプチド誘導体;抗体、抗体フラグメント、ペプチド模倣薬;請求項1から56のいずれか一項に記載のペプチド模倣大環状分子;核酸;核酸類似体、核酸誘導体;生物学的材料から作成されたエキス;天然に存在するまたは合成の組成物;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの例では、p53薬剤は、RG7388(RO5503781、イダサヌトリン(idasanutlin));RG7112(RO5045337);ヌトリン3a;ヌトリン3b;ヌトリン3;ヌトリン2;スピロオキシインドール含有小分子;1,4−ジアゼピン;1,4−ベンゾジアゼピン−2,5−ジオン化合物;WK23;WK298;SJ172550;RO2443;RO5963;RO5353;RO2468;MK8242(SCH900242);MI888;MI773(SAR405838);NVPCGM097;DS3032b;AM8553;AMG232;NSC207895(XI006);JNJ26854165(セルデメタン(serdemetan));RITA(NSC652287);YH239EE;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの例では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、有機または無機小分子;サッカリン;オリゴ糖;多糖;ペプチド、タンパク質、ペプチド類似体、ペプチド誘導体;抗体、抗体フラグメント、ペプチド模倣薬;請求項1から56のいずれか一項に記載のペプチド模倣大環状分子;核酸;核酸類似体、核酸誘導体;生物学的材料から作成されたエキス;天然に存在するまたは合成の組成物;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの例では、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、パルボシクリブ(PD0332991);アベマシクリブ(LY2835219);リボシクリブ(LEE011);ボルシクリブ(voruciclib)(P1446A−05);ファスカプリシン;アルシリアフラビン;2−ブロモ−12,13−ジヒドロ−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン;3−アミノチオアクリドン(3−ATA)、trans−4−((6−(エチルアミノ)−2−((1−(フェニルメチル)−1H−インドール−5−イル)アミノ)−4−ピリミジニル)アミノ)−シクロヘキサノ(CINK4);1,4−ジメトキシアクリジン−9(10H)−チオン(NSC625987);2−メチル−5−(p−トリルアミノ)ベンゾ[d]チアゾール−4,7−ジオン(リュビジン(ryuvidine));およびフラボピリドール(アルボシジブ);ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
いくつかの例では、本開示のペプチド模倣大環状分子はまた、サイクリン依存性キナーゼの阻害剤およびエストロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて使用することができる。本発明のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて使用することができるこのような阻害剤の一例は、パルボシクリブおよびフルベストラントである。いくつかの例では、本開示のペプチド模倣大環状分子はまた、CDKN2A(サイクリン依存性キナーゼ阻害剤2A)欠失を軽減する少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて使用することができる。いくつかの例では、本開示のペプチド模倣大環状分子はまた、CDK9(サイクリン依存性キナーゼ9)異常を軽減する少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて使用することができる。
本開示のペプチド模倣大環状分子はまた、ATMを制御する(上方制御または下方制御する)1種または複数種の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて使用することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、1種または複数種のATM制御因子と共に相乗効果をもたらすことができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物の1つまたは複数は、すべてのATM制御因子と共に相乗効果をもたらすことができる。
一部の実施形態では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、AKT(タンパク質キナーゼB(PKB))を阻害する1種または複数種の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて使用することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、1種または複数種のAKT阻害剤と共に相乗効果をもたらすことができる。
いくつかの例では、本開示のペプチド模倣大環状分子はまた、PTEN(ホスファターゼおよびテンシン相同体)欠失を軽減する少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて使用することができる。
いくつかの例では、本開示のペプチド模倣大環状分子はまた、Wip−1アルファ過剰発現を軽減する少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて使用することができる。
いくつかの例では、本開示のペプチド模倣大環状分子は、ヌクレオシド代謝阻害剤である少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて使用することができる。使用することができる例示的なヌクレオシド代謝阻害剤として、カペシタビン、ゲムシタビンおよびシタラビン(Arac)が挙げられる。
以下の表は、本明細書に記載の方法と共に使用するのに適した様々な追加の薬学的に活性な薬剤の一覧である。
ペプチド模倣大環状分子、またはペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を含む組成物、またはペプチド模倣大環状分子を含む組成物は、同時に(すなわち、同時投与)および/または逐次的に(すなわち、逐次的投与)投与することができる。
ある特定の実施形態によれば、ペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、同じ組成物または別個の組成物で、同時に投与される。本明細書で使用される用語「同時投与」は、ペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、約15分以下の時間を隔てて、例えば約10分、約5分、または約1分のいずれか以下の時間を隔てて投与されることを意味する。薬物が同時に投与される場合、ペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、同じ組成物(例えば、ペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤の両方を含む組成物)または別個の組成物(例えば、ペプチド模倣大環状分子は、一方の組成物に含有され、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、別の組成物に含有される)に含有され得る。
他の実施形態によれば、ペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、逐次的に投与され、すなわちペプチド模倣大環状分子は、追加の薬学的に活性な薬剤の投与の前または後のいずれかに投与される。本明細書で使用される用語「逐次的投与」は、ペプチド模倣大環状分子および追加の薬学的に活性な薬剤が、約15分を超える時間を隔てて、例えば約20分、約30分、約40分、約50分、約60分またはそれよりも長い分数のいずれかを超える時間を隔てて投与されることを意味する。ペプチド模倣大環状分子または薬学的に活性な薬剤のいずれかを、最初に投与することができる。ペプチド模倣大環状分子および追加の薬学的に活性な薬剤は、別個の組成物に含有され、それらは、同じまたは異なるパッケージに含有され得る。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子および追加の薬学的に活性な薬剤の投与は、同時であり、すなわちペプチド模倣大環状分子の投与期間と薬剤の投与期間は、互いに重複している。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子および追加の薬学的に活性な薬剤の投与は、同時ではない。例えば、一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子の投与が終了した後、追加の薬学的に活性な薬剤が投与される。一部の実施形態では、追加の薬学的に活性な薬剤の投与が終了した後、ペプチド模倣大環状分子が投与される。同時ではないこれらの2つの投与の間の期間は、数日から数週間隔てることができる。
ペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤の投与頻度は、担当医の判断に基づいて、処置過程にわたって調整され得る。ペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、別個に投与される場合、異なる投与頻度または投与間隔で投与することができる。例えば、ペプチド模倣大環状分子は、週1回投与することができ、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、程度の差はあるが頻繁に投与することができる。あるいは、ペプチド模倣大環状分子は、週2回投与することができ、少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、程度の差はあるが頻繁に投与することができる。さらに、ペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤は、同じ投与経路を使用して、または異なる投与経路を使用して投与することができる。
ある特定の実施形態によれば、ペプチド模倣大環状分子および追加の薬学的に活性な薬剤は、単一の医薬組成物で投与される。一部の実施形態によれば、医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤またはキャリアをさらに含む。ある特定の実施形態によれば、ペプチド模倣大環状分子および追加の薬学的に活性な薬剤は、異なる医薬組成物で投与される。
ある特定の実施形態によれば、ペプチド模倣大環状分子は、体重1kg当たり0mg〜体重1kg当たり100mgの量で投与される。他の実施形態によれば、ペプチド模倣大環状分子は、体重1kg当たり0.5mg〜体重1kg当たり20mgの量で投与される。追加の実施形態によれば、ペプチド模倣大環状分子は、体重1kg当たり1.0mg〜体重1kg当たり10mgの量で投与される。少なくとも1つの追加の医薬品は、具体的ながん型を処置するために使用されることが公知の治療量で投与される。他の実施形態によれば、少なくとも1つの追加の医薬品は、疾患を処置するために使用されることが公知の治療量よりも低い量で投与され、すなわち治療量以下の用量の少なくとも1つの追加の医薬品が投与される。
本明細書では、本開示の好ましい実施形態を示し記載してきたが、このような実施形態は、単に例示的に提供されていることが、当業者には明らかとなろう。ここで、本開示から逸脱することなく、数々の変更、変化、および置換が、当業者に明らかとなろう。本開示の実施において、本明細書に記載の実施形態の様々な代替を用いることができると理解されたい。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義付け、これらの特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲に含まれる方法および構造は、それによって保護されることが企図される。
(実施例1)
6−クロロトリプトファンFmocアミノ酸の合成
Tert−ブチル6−クロロ−3−ホルミル−1H−インドール−1−カルボキシレート、1。乾燥DMF(12mL)の撹拌溶液に、POCl(3.92mL、43mmol、1.3当量)を0℃でアルゴン下で滴下添加した。溶液を同じ温度で20分間撹拌した後、乾燥DMF(30mL)中の6−クロロインドール(5.0g、33mmol、1当量)の溶液を滴下添加した。得られた混合物を室温に加温し、さらに2.5時間撹拌した。水(50mL)を添加し、溶液を4MのNaOH水溶液(pH約8)で中和した。得られた固体を濾別し、水で洗浄し、真空下で乾燥させた。この材料をさらに精製することなく次のステップで直接使用した。THF(150mL)中の粗ホルミルインドール(33mmol、1当量)の撹拌溶液に、BocO(7.91g、36.3mmol、1.1当量)およびDMAP(0.4g、3.3mmol、0.1当量)を室温でN下で連続して添加した。得られた混合物を1.5時間室温で撹拌し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をEtOAc中に溶解し、1NのHClで洗浄し、乾燥させ、濃縮して、ホルミルインドール1(9g、2ステップかけて98%)を白色の固体として得た。H NMR
(CDCl) δ:1.70 (s, Boc, 9H); 7.35 (dd, 1H); 8.21 (m, 3H); 10.07 (s, 1H).
Tert−ブチル6−クロロ−3−(ヒドロキシメチル)−1H−インドール−1−カルボキシレート、2。エタノール(150mL)中の化合物1(8.86g、32mmol、1当量)の溶液に、NaBH(2.4g、63mmol、2当量)を添加した。反応物を3時間室温で撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をジエチルエーテルおよび水に注ぎ入れた。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮して、白色の固体(8.7g、98%)を得た。この材料をさらに精製することなく次のステップで直接使用した。H NMR (CDCl) δ:1.65 (s, Boc, 9H); 4.80 (s, 2H, CH); 7.21 (dd, 1H); 7.53 (m, 2H); 8.16 (bs, 1H).

Tert−ブチル3−(ブロモメチル)−6−クロロ−1H−インドール−1−カルボキシレート、3。ジクロロメタン(50mL)中の化合物2(4.1g、14.6mmol、1当量)の溶液に、アルゴン下で、ジクロロメタン(50mL)中トリフェニルホスフィン(4.59g、17.5mmol、1.2当量)の溶液を−40℃で添加した。反応溶液をさらに30分40℃で撹拌した。次いでNBS(3.38g、19mmol、1.3当量)を添加した。得られた混合物を室温に加温し、終夜撹拌した。ジクロロメタンを蒸発させ、四塩化炭素(100mL)を添加し、混合物を1時間撹拌し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカプラグに入れ、ヘキサン中25%のEtOAcで迅速に溶出した。溶液を濃縮して、白色の泡状物(3.84g、77%)を得た。H NMR (CDCl) δ:1.66 (s, Boc, 9H); 4.63 (s, 2H, CH); 7.28 (dd, 1H); 7.57 (d, 1H); 7.64 (bs, 1H); 8.18 (bs, 1H).
αMe−6Cl−Trp(Boc)−Ni−S−BPB、4。S−Ala−Ni−S−BPB(2.66g、5.2mmol、1当量)およびKO−tBu(0.87g、7.8mmol、1.5当量)に、DMF 50mLをアルゴン下で添加した。DMF(5.0mL)の溶液中の臭化物誘導体化合物3(2.68g、7.8mmol、1.5当量)を、シリンジを介して添加した。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。溶液を次いで5%酢酸水溶液でクエンチし、水で希釈した。所望の生成物をジクロロメタン中に抽出し、乾燥させ、濃縮した。油状生成物4をフラッシュクロマトグラフィー(固体負荷)によって順相で、EtOAcおよびヘキサンを溶離液として使用して精製し、赤色の固体(1.78g、45%の収率)を得た。αMe−6Cl−Trp(Boc)−Ni−S−BPB、4: M+H calc. 775.21, M+H obs. 775.26; H NMR (CDCl) δ:1.23 (s, 3H, αMe); 1.56
(m, 11H, Boc + CH); 1.82−2.20 (m, 4H, 2CH); 3.03 (m, 1H, CHα); 3.24 (m, 2H, CH); 3.57 and 4.29 (AB system, 2H, CH (benzyl), J= 12.8Hz); 6.62 (d, 2H); 6.98 (d, 1H); 7.14 (m, 2H); 7.23 (m, 1H); 7.32−7.36 (m, 5H); 7.50 (m, 2H); 7.67 (bs, 1H); 7.98 (d, 2H); 8.27 (m, 2H).
Fmoc−αMe−6Cl−Trp(Boc)−OH、6。3NのHCl/MeOH(1/3、15mL)の溶液に50℃で、MeOH(5ml)中の化合物4(1.75g、2.3mmol、1当量)の溶液を滴下添加した。出発材料は3〜4時間以内に消失した。酸性溶液を次いで0℃に氷浴で冷却し、NaCO(1.21g、11.5mmol、5当量)の水溶液でクエンチした。メタノールを除去し、8当量またはそれよりも多いNaCO(1.95g、18.4mmol)を懸濁液に添加した。ニッケル捕捉EDTA二ナトリウム塩二水和物(1.68g、4.5mmol、2当量)を次いで添加し、懸濁液を2時間撹拌した。アセトン(50mL)中Fmoc−OSu(0.84g、2.5mmol、1.1当量)の溶液を添加し、反応物を終夜撹拌した。その後、反応物をジエチルエーテルおよび1NのHClで希釈した。有機層を次いで硫酸マグネシウムで脱水し、真空中で濃縮した。所望の生成物6を順相で、アセトンおよびジクロロメタンを溶離液として使用して精製して、白色の泡状物(0.9g、70%の収率)を得た。Fmoc−αMe−6Cl−Trp(Boc)−OH, 6: M+H calc. 575.19, M+H obs. 575.37; H NMR (CDCl) 1.59 (s, 9H, Boc); 1.68 (s, 3H, Me); 3.48 (bs, 2H, CH); 4.22 (m, 1H, CH); 4.39 (bs, 2H, CH); 5.47 (s, 1H, NH); 7.10 (m, 1H); 7.18 (m, 2H); 7.27 (m, 2H); 7.39 (m, 2H); 7.50 (m, 2H); 7.75 (d, 2H); 8.12 (bs, 1H).
6Cl−Trp(Boc)−Ni−S−BPB、5。Gly−Ni−S−BPB(4.6g、9.2mmol、1当量)およびKO−tBu(1.14g、10.1mmol、1.1当量)に、DMF 95mLをアルゴン下で添加した。DMF(10mL)溶液中の臭化物誘導体化合物3(3.5g、4.6mmol、1.1当量)を、シリンジを介して添加した。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。溶液を次いで、5%酢酸水溶液でクエンチし、水で希釈した。所望の生成物をジクロロメタン中に抽出し、乾燥させ、濃縮した。油状生成物5をフラッシュクロマトグラフィー(固体負荷)によって順相で、EtOAcおよびヘキサンを溶離液として使用して精製して、赤色の固体(5g、71%の収率)を得た。6Cl−Trp(Boc)−Ni−S−BPB、5:M+H計算値761.20、M+H観測値761.34;H NMR (CDCl) δ:1.58 (m, 11H, Boc + CH); 1.84 (m, 1H); 1.96 (m, 1H); 2.24 (m, 2H, CH); 3.00 (m, 1H, CHα); 3.22 (m, 2H, CH); 3.45 and 4.25 (AB system, 2H, CH (benzyl), J= 12.8Hz); 4.27 (m, 1H, CHα); 6.65 (d, 2H); 6.88 (d, 1H); 7.07 (m, 2H); 7.14 (m, 2H); 7.28 (m, 3H); 7.35−7.39 (m, 2H); 7.52 (m, 2H); 7.96 (d, 2H); 8.28 (m, 2H).
Fmoc−6Cl−Trp(Boc)−OH、7。3NのHCl/MeOH(1/3、44mL)の溶液に50℃で、MeOH(10ml)中の化合物5(5g、6.6mmol、1当量)の溶液を滴下添加した。出発材料は3〜4時間以内に消失した。酸性溶液を次いで0℃に氷浴で冷却し、NaCO(3.48g、33mmol、5当量)の水溶液でクエンチした。メタノールを除去し、8当量またはそれよりも多いNaCO(5.57g、52mmol)を懸濁液に添加した。ニッケル捕捉EDTA二ナトリウム塩二水和物(4.89g、13.1mmol、2当量)および懸濁液を2時間撹拌した。アセトン(100mL)中Fmoc−OSu(2.21g、6.55mmol、1.1当量)の溶液を添加し、反応物を終夜撹拌した。その後、反応物をジエチルエーテルおよび1NのHClで希釈した。有機層を次いで硫酸マグネシウムで脱水し、真空中で濃縮した。所望の生成物7を順相で、アセトンおよびジクロロメタンを溶離液として使用して精製して、白色の泡状物(2.6g、69%の収率)を得た。Fmoc−6Cl−Trp(Boc)−OH, 7: M+H calc. 561.17, M+H obs. 561.37; H NMR (CDCl) 1.63 (s, 9H, Boc); 3.26 (m, 2H, CH); 4.19 (m, 1H, CH); 4.39 (m, 2H, CH); 4.76 (m, 1H); 5.35 (d, 1H,
NH); 7.18 (m, 2H); 7.28 (m, 2H); 7.39 (m, 3H); 7.50 (m, 2H); 7.75 (d, 2H); 8.14
(bs, 1H).
(実施例2)
ペプチド模倣大環状分子
ペプチド模倣大環状分子を、既に記載されており、以下に記載されている通りに合成し、精製し、分析した(Schafmeisterら、J. Am. Chem. Soc. 122巻:5891〜5892頁(2000年);SchafmeisterおよびVerdine、J. Am. Chem. Soc. 122巻:5891頁(2005年);Walenskyら、Science 305巻:1466〜1470頁(2004年);および米国特許第7,192,713号)。ペプチド模倣大環状分子は、2つまたはそれを超える天然に存在するアミノ酸を対応する合成アミノ酸で置き換えることによって設計した。置換は、iおよびi+4位置、ならびにiおよびi+7位置で行った。ペプチド合成を、手動または自動化ペプチド合成機(Applied Biosystems、モデル433A)のいずれかで、固相条件、rink amide AM樹脂(Novabiochem)、およびFmoc主鎖保護基化学を使用して実施した。天然Fmoc−保護アミノ酸(Novabiochem)のカップリングのために、10当量のアミノ酸および1:1:2モル比のカップリング試薬HBTU/HOBt(Novabiochem)/DIEAを用いた。非天然アミノ酸(4当量)を、1:1:2モル比のHATU(Applied Biosystems)/HOBt/DIEAとカップリングさせた。合成ペプチドのN−末端を、アセチル化し、C−末端をアミド化した。
架橋化合物の精製は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(Varian ProStar)によって、逆相C18カラム(Varian)上で達成して、純粋な化合物を得た。純粋な生成物の化学組成を、LC/MS質量分析(Agilent 1100 HPLC系と連結させたMicromassLCT)およびアミノ酸分析(Applied Biosystems、モデル420A)によって確認した。
以下のプロトコル(protocol)を、SP662、SP663およびSP664を含むジアルキン架橋ペプチド模倣大環状分子の合成において使用した。完全に保護された樹脂結合ペプチドを、PEG−PS樹脂(負荷0.45mmol/g)上で0.2mmolのスケールで合成した。一時的Fmoc基の脱保護を、DMF中20%(v/v)ピペリジンで樹脂結合ペプチドを3×10分間処理することによって達成した。NMP(3×)、ジクロロメタン(3×)およびNMP(3×)で洗浄した後、連続的な各アミノ酸のカップリングを、予め活性化させた適切なFmoc−アミノ酸誘導体と共に1×60分間インキュベーションして達成した。すべての保護アミノ酸(0.4mmol)を、NMP中に溶解させ、HCTU(0.4mmol)およびDIEA(0.8mmol)で活性化させた後、カップリング溶液を脱保護した樹脂結合ペプチドに移した。カップリングが完了した後、樹脂を、次の脱保護/カップリングサイクルに備えて洗浄した。アミノ末端のアセチル化を、NMP中、無水酢酸/DIEAの存在下で実施した。各カップリングの完了を検証するために、完全に構築された樹脂結合ペプチドのアリコートから得た、切断し脱保護した試料のLC−MS分析を達成した。典型的な例では、テトラヒドロフラン(4ml)
およびトリエチルアミン(2ml)を、40mlのガラスバイアルに入れたペプチド樹脂(0.2mmol)に添加し、10分間振とうした。次に、Pd(PPh3)2Cl2(0.014g、0.02mmol)およびヨウ化銅(0.008g、0.04mmol)を添加し、得られた反応混合物を、大気に開放した状態で機械的に16時間振とうした。ジイン環化樹脂結合ペプチドを脱保護し、TFA/H2O/TIS(95/5/5 v/v)で室温において2.5時間処理することによって、固体支持体から切断した。樹脂を濾過した後、TFA溶液を冷ジエチルエーテル中で沈殿させ、それを遠心分離して、所望の生成物を固体として得た。粗製生成物を、分取HPLCによって精製した。
以下のプロトコルを、SP665を含む単一のアルキン架橋ペプチド模倣大環状分子の合成に使用した。完全に保護された樹脂結合ペプチドを、Rink amide MBHA樹脂(負荷0.62mmol/g)上で0.1mmolのスケールで合成した。一時的なFmoc基の脱保護を、NMP中25%(v/v)ピペリジンで樹脂結合ペプチドを2×20分間処理することによって達成した。NMPおよびジクロロメタンで十分に洗い流した後、連続的な各アミノ酸のカップリングを、予め活性化させた適切なFmoc−アミノ酸誘導体と共に1×60分間インキュベーションして達成した。すべての保護アミノ酸(1mmol)を、NMP中に溶解させ、HCTU(1mmol)およびDIEA(1mmol)で活性化させた後、カップリング溶液を脱保護した樹脂結合ペプチドに移した。カップリングが完了した後、樹脂を、次の脱保護/カップリングサイクルに備えて十分に洗い流した。アミノ末端のアセチル化を、NMP/NMM中、無水酢酸/DIEAの存在下で実施した。各カップリングの完了を検証するために、完全に構築された樹脂結合ペプチドのアリコートから得た、切断し脱保護した試料のLC−MS分析を達成した。典型的な例では、ペプチド樹脂(0.1mmol)を、DCMで洗浄した。樹脂を、マイクロ波バイアルに入れた。容器を排気し、窒素でパージした。ヘキサカルボニルモリブデン(0.01当量、Sigma Aldrich 199959)を添加した。無水クロロベンゼンを、反応容器に添加した。次に、2−フルオロフェノール(1当量、Sigma Aldrich F12804)を添加した。次に、反応物をマイクロ波バイアルに入れ、130℃で10分間保持した。反応は、完了するためにその後の時間進める必要がある場合がある。アルキンメタセシス化された(metathesized)樹脂結合ペプチドを脱保護し、TFA/H2O/TIS(94/3/3 v/v)で室温において3時間処理することによって、固体支持体から切断した。樹脂を濾過した後、TFA溶液を冷ジエチルエーテル中で沈殿させ、遠心分離して、所望の生成物を固体として得た。粗製生成物を、分取HPLCによって精製した。
表3は、調製したペプチド模倣大環状分子の一覧を示す。



































表1aは、ペプチド模倣大環状分子の選択を示す。
表1bは、ペプチド模倣大環状分子のさらなる選択を示す。
上および他所に示されている配列には、以下の略語が使用される。「Nle」はノルロイシンを表し、「Aib」は2−アミノイソ酪酸を表し、「Ac」はアセチルを表し、「Pr」はプロピオニルを表す。「$」と表されるアミノ酸は、1つの二重結合を含む全炭素クロスリンカーによって結合しているアルファ−Me S5−ペンテニル−アラニンオレフィンアミノ酸である。「$r5」と表されるアミノ酸は、1つの二重結合を含む全炭素によって結合しているアルファ−Me R5−ペンテニル−アラニンオレフィンアミノ酸である。「$s8」と表されるアミノ酸は、1つの二重結合を含む全炭素クロスリンカーによって結合しているアルファ−Me S8−オクテニル−アラニンオレフィンアミノ酸である。「$r8」と表されるアミノ酸は、1つの二重結合を含む全炭素クロスリンカーによって結合しているアルファ−Me R8−オクテニル−アラニンオレフィンアミノ酸である。「Ahx」は、アミノシクロヘキシルリンカーを表す。クロスリンカーは、各アミノ酸のアルファ炭素の間に8個または11個の炭素原子を含む、直鎖全炭素クロスリンカーである。「$/」と表されるアミノ酸は、いかなるクロスリンカーによっても結合していないアルファ−Me S5−ペンテニル−アラニンオレフィンアミノ酸である。「$/r5」と表されるアミノ酸は、いかなるクロスリンカーによっても結合していないアルファ−Me R5−ペンテニル−アラニンオレフィンアミノ酸である。「$/s8」と表されるアミノ酸は、いかなるクロスリンカーによっても結合していないアルファ−Me
S8−オクテニル−アラニンオレフィンアミノ酸である。「$/r8」と表されるアミノ酸は、いかなるクロスリンカーによっても結合していないアルファ−Me R8−オクテニル−アラニンオレフィンアミノ酸である。「Amw」と表されるアミノ酸は、アルファ−Meトリプトファンアミノ酸である。「Aml」と表されるアミノ酸は、アルファ−Meロイシンアミノ酸である。「Amf」と表されるアミノ酸は、アルファ−Meフェニルアラニンアミノ酸である。「2ff」と表されるアミノ酸は、2−フルオロ−フェニルアラニンアミノ酸である。「3ff」と表されるアミノ酸は、3−フルオロ−フェニルアラニンアミノ酸である。「St」と表されるアミノ酸は、それぞれが示されている通り別のアミノ酸に架橋されている2つのペンテニル−アラニンオレフィン側鎖を含むアミノ酸である。「St//」と表されるアミノ酸は、架橋されていない2つのペンテニル−アラニンオレフィン側鎖を含むアミノ酸である。「%St」と表されるアミノ酸は、それぞれが示されている通り完全に飽和した炭化水素架橋を介して別のアミノ酸に架橋されている2つのペンテニル−アラニンオレフィン側鎖を含むアミノ酸である。「Ba」と表されるアミノ酸は、ベータ−アラニンである。架橋アミノ酸の命名(例えば「$er8」または「$zr8」)における小文字「e」または「z」は、二重結合の立体配置を表す(それぞれEまたはZ)。他の文脈では、「a」または「f」などの小文字は、Dアミノ酸(例えば、それぞれD−アラニンまたはD−フェニルアラニン)を表す。「NmW」と指定されるアミノ酸は、N−メチルトリプトファンを表す。「NmY」と指定されるアミノ酸は、N−メチルチロシンを表す。「NmA」と指定されるアミノ酸は、N−メチルアラニンを表す。「Kbio」は、リシン残基の側鎖アミノ基に結合しているビオチン基を表す。「Sar」と指定されるアミノ酸は、サルコシンを表す。「Cha」と指定されるアミノ酸は、シクロヘキシルアラニンを表す。「Cpg」と指定されるアミノ酸は、シクロペンチルグリシンを表す。「Chg」と指定されるアミノ酸は、シクロヘキシルグリシンを表す。「Cba」と指定されるアミノ酸は、シクロブチルアラニンを表す。「F4I」と指定されるアミノ酸は、4−ヨードフェニルアラニンを表す。「7L」は、N15同位体ロイシンを表す。「F3Cl」と指定されるアミノ酸は、3−クロロフェニルアラニンを表す。「F4cooh」と指定されるアミノ酸は、4−カルボキシフェニルアラニンを表す。「F34F2」と指定されるアミノ酸は、3,4−ジフルオロフェニルアラニンを表す。「6clW」と指定されるアミノ酸は、6−クロロトリプトファンを表す。「$rda6」と指定されるアミノ酸は、第2のアルキニルアミノ酸とのジアルキン結合を介して架橋されたアルファ−Me R6−ヘキシニル−アラニンアルキニルアミノ酸を表す。「$da5」と指定されるアミノ酸は、アルファ−Me S5−ペンチニル−アラニンアルキニルアミノ酸を表し、ここでアルキンは、第2のアルキニルアミノ酸とのジアルキン結合の半分を形成する。「$ra9」と指定されるアミノ酸は、第2のアルキニルアミノ酸とのアルキンメタセシス反応を介して架橋されたアルファ−Me R9−ノニニル−アラニンアルキニルアミノ酸を表す。「$a6」と指定されるアミノ酸は、第2のアルキニルアミノ酸とのアルキンメタセシス反応を介して架橋されたアルファ−Me S6−ヘキシニル−アラニンアルキニルアミノ酸を表す。名称「iso1」または「iso2」は、ペプチド模倣大環状分子が、単一異性体であることを示す。
「Cit」と指定されるアミノ酸は、シトルリンを表す。「Cou4」、「Cou6」、「Cou7」および「Cou8」と指定されるアミノ酸は、それぞれ以下の構造を表す:
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、例えば、架橋の構造内の二重結合の立体配置(E対Z)に起因して、2つ以上の異性体で得られる。このような異性体は、従来のクロマトグラフィーによる方法によって分離することができ、または分離できない場合がある。一部の実施形態では、一方の異性体は、他方の異性体と比較して改善された生物学的な特性を有する。一実施形態では、ペプチド模倣大環状分子のEの架橋オレフィン異性体は、そのZの対応物と比較して、より良好な溶解度、より良好な標的親和性、より良好なin vivoもしくはin vitro有効性、より高いヘリシティ、または改善された細胞透過性を有する。別の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子のZの架橋オレフィン異性体は、そのEの対応物と比較して、より良好な溶解度、より良好な標的親和性、より良好なin vivoもしくはin vitro有効性、より高いヘリシティ、または改善された細胞透過性を有する。
表1cは、例示的なペプチド模倣大環状分子を示す:
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、表2aに示されているペプチド模倣大環状分子を除外する:
表2aでは、Xは、Sまたは任意のアミノ酸を表す。示されているペプチドは、アセチルなどのN末端キャッピング基を含むことができ、またはそのキャッピング基とペプチド配列開始部の間に、ベータ−アラニンなどの追加のリンカーを含むことができる。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、表2aに示されているペプチド模倣大環状分子構造を含まない。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、表2bに示されているものを除外する:


一部の実施形態では、本明細書において開示されているペプチド模倣大環状分子は、表2bに示されている通りのペプチド模倣大環状分子構造を含まない。
表2cは、D−アミノ酸を含む非架橋ポリペプチドの例を示す。
(実施例3)
MDMXとの複合体におけるペプチド模倣大環状分子のX線共結晶学
ペプチド46との共結晶化(表2b)のため、DMSO中100mMの原液から化学量論量の化合物を、ゼブラフィッシュMDMXタンパク質溶液に添加し、終夜4℃で静置させておいた後、結晶化実験を設定した。手順は、Popowiczらによって記載されているものと同様であり、以下に注記されている通り一部の変更があった。タンパク質(残基15〜129、L46V/V95L)を、E.Coli BL21(DE3)発現系から、pET15bベクターを使用して得た。細胞を37℃で成長させ、0.7のOD600で1mMのIPTGを用いて誘発した。細胞をさらに18時間23℃で成長させた。Ni−NTアガロースを使用して、続いて、50mMのNaPO、pH8.0、150mMのNaCl、2mMのTCEPで緩衝されたSuperdex 75によって、タンパク質を精製し、次いで24mg/mlに濃縮した。緩衝液を結晶化実験のために20mMのトリス、pH8.0、50mMのNaCl、2mMのDTTに交換した。初期の結晶がNextal(Qiagen)AMSスクリーン番号94で得られ、最終の最適化リザーバーは、2.6MのAMS、75mMのHepes、pH7.5であった。結晶は、薄いプレートとして4℃で慣用的に成長し、濃縮(3.4M)マロネートを含有する溶液を介してそれらを引くこと、続いて、フラッシュ冷却、貯蔵、および液体窒素中での船積みによって凍結保護した。
データ収集をAPSでビームライン31−ID(SGX−CAT)にて100°Kおよび波長0.97929Åで行った。ビームラインには、Rayonix 225−HE検出器が備えられていた。データ収集のため、結晶を、0.8秒の曝露時間を使用して1°ずつの増分で180°回転させた。Mosflm/scala(CCP4;The CCP4 Suite: Programs for Protein Crystallography. Acta Crystallogr. D50巻、760〜763頁(1994年);P. R. Evans. Joint CCP4 and ESF−EACBM Newsletter 33巻、22〜24頁(1997年)を参照されたい)を使用し、空間群C2(単位格子:a=109.2786、b=81.0836、c=30.9058Å、α=90、β=89.8577、γ=90°)において、データを加工および縮尺した。プログラムMolrep(CCP4;A.VaginおよびA. Teplyakov. J. Appl. Cryst. 30巻、1022〜1025頁(1997年)を参照されたい)を用いる分子置換をPopowiczら(2Z5S;G.M. Popowicz、A. Czarna、U. Rothweiler、A. Szwagierczak、M. Krajewski、L. WeberおよびT.A. Holak. Cell Cycle 6巻、2386〜2392頁(2007年)を参照されたい)によって決定された構造のMDMX構成成分で行い、非対称ユニットにおける2個の分子を同定した。プログラムRefmac(CCP4;G.N. Murshudov、A.A. VaginおよびE.J. Dodson. Acta Crystallogr. D53巻、240〜255頁(1997年)を参照されたい)を用いる、ゼブラフィッシュMDMXの2個の分子だけの初期精密化は、0.3424(Rfree=0.3712)のR−因子ならびに結合(0.018Å)および角度(1.698°)についてのrmsd値をもたらした。Gln19で出発するとともに脂肪族ステープルの全てを含むステープルペプチド構成成分についての電子密度は、非常に明らかであった。2.3Å解像度までのデータを使用するCNX(Accelrys)を用いるさらなる精密化は、よく精製されている(R=0.2601、Rfree=0.3162、rmsd結合=0.007Åおよびrmsd角度=0.916°)モデル(MDMXからの1448個の原子、ステープルペプチドからの272個の原子および46個の水分子から構成されている)をもたらした。
この実施例からの結果は、図13および14に示されている。
(実施例4)
アルファ−ヘリシティの円偏光二色性(CD)分析
ペプチド溶液を、Jasco Spectra Manager Ver.2システムソフトウェアを用いるJasco J−815分光偏光計(Jasco Inc.、Easton、MD)を使用するCD分光法によって分析した。ペルチェ温度制御器を使用して、光学セルの温度制御を維持した。結果は、式[θ]=θobs・MRW/10cから算出された通りの平均モル楕円率[θ](deg cm dmol−1)として表され、ここで、θobsはミリ度の観測楕円率であり、MRWはペプチドの平均残基重量(残基のペプチド分子量/数)であり、lはセンチメートルのセルの光路長であり、cはmg/mlのペプチド濃度である。ペプチド濃度をアミノ酸分析によって決定した。ペプチドの原液を穏和な(benign)CD緩衝液(20mMのリン酸、pH2)中で調製した。該原液(stock)を使用して、穏和なCD緩衝液または50%トリフルオロエタノール(TFE)を有するCD緩衝液のいずれか中で0.05mg/mlのペプチド溶液を、10mm路長セルにおける分析のために調製した。ペプチド溶液の可変波長測定を、4℃で、0.2nmずつの増分で195nmから250nm、および1分当たり走査速度50nmにて走査した。6つの走査の平均を報告した。
表3は、選択されたペプチド模倣大環状分子についての円偏光二色性データを示す:
(実施例5)
蛍光偏光(FP)を用いる直接結合アッセイMDM2
該アッセイを以下の一般的プロトコルに従って行った:
1.MDM2(自家製、41kD)をFP緩衝液(高塩緩衝液−200mMのNacl、5mMのCHAPS、pH7.5)中に希釈して、10μMの作業用原液(working stock solution)を作製する。
2.10μMのタンパク質原液30μlを、96ウェル黒色HEマイクロプレート(Molecular Devices)のA1およびB1ウェル中に添加する。
3.FP緩衝液30μlを、カラムA2からA12、B2からB12、C1からC12、およびD1からD12に充填する。
4.最後の希釈点で1桁のnM濃度に達するまで、A1、B1からA2、B2;A2、B2からA3、B3;…へのタンパク質原液の2倍または3倍の連続希釈。
5.1mM(100%DMSO中)のFAM標識線状ペプチドをDMSOで100μMに希釈する(希釈度1:10)。次いで、水で100μMから10μMに希釈し(希釈度1:10)、次いで、FP緩衝液で10μMから40nMに希釈する(希釈度1:250)。これは、ウェル中で10nM濃度になる作業用溶液である(希釈度1:4)。希釈されたFAM標識ペプチドを暗所にて使用まで保持する。
6.10nMのFAM標識ペプチド10μlを、各ウェルに添加し、インキュベートし、異なる時点で読み取る。5−FAM−BaLTFEHYWAQLTS−NH (配列番号943)とのKは、約13.38nMである。
(実施例6)
MDM2についての競合蛍光偏光アッセイ
該アッセイを以下の一般的プロトコルに従って行った:
1.MDM2(自家製、41kD)をFP緩衝液(高塩緩衝液−200mMのNacl、5mMのCHAPS、pH7.5)中に希釈して、84nM(2X)の作業用原液を作製する。
2.84nM(2X)のタンパク質原液20μlを、96ウェル黒色HEマイクロプレート(Molecular Devices)の各ウェル中に添加する。
3.1mM(100%DMSO中)のFAM標識線状ペプチドをDMSOで100μMに希釈する(希釈度1:10)。次いで、100μMから10μMに水で希釈し(希釈度1:10)、次いで、FP緩衝液で10μMから40nMに希釈する(希釈度1:250)。これは、ウェル中で10nM濃度になる作業用溶液である(希釈度1:4)。希釈されたFAM標識ペプチドを暗所にて使用まで保持する。
4.FP緩衝液を用いて非標識ペプチド用量プレートを作製して、ペプチド1μM(最終)で出発し、以下の希釈スキームを使用して5倍連続希釈で6点を作製する。10mM(100%DMSO中)をDMSOで5mMに希釈する(希釈度1:2)。次いで、5mMから500μMにHOで希釈し(希釈度1:10)、次いで、FP緩衝液で500μMから20μMに希釈する(希釈度1:25)。4μM(4X)から5倍連続希釈で6点を作製する。
5.連続希釈された非標識ペプチド10μlを、84nMのタンパク質20μlが充填されている各ウェルに移す。
6.10nM(4X)のFAM標識ペプチド10μlを各ウェル中に添加し、3時間の間インキュベートして、読み取る。
(実施例7)
蛍光偏光(FP)を用いる直接結合アッセイMDMX
該アッセイを以下の一般的プロトコルに従って行った:
1.MDMX(自家製、40kD)をFP緩衝液(高塩緩衝液−200mMのNacl,5mMのCHAPS、pH7.5)中に希釈して、10μMの作業用原液を作製する。
2.10μMのタンパク質原液30μlを、96ウェル黒色HEマイクロプレート(Molecular Devices)のA1およびB1ウェル中に添加する。
3.FP緩衝液30μlをカラムA2からA12、B2からB12、C1からC12、およびD1からD12中に充填する。
4.最後の希釈点で1桁のnM濃度に達するまで、A1、B1からA2、B2;A2、B2からA3、B3;…へのタンパク質原液の2倍または3倍の連続希釈。
5.1mM(100%DMSO中)のFAM標識線状ペプチドをDMSOで、100μMに希釈する(希釈度1:10)。次いで、100μMから10μMに水で希釈し(希釈度1:10)、次いで、FP緩衝液で10μMから40nMに希釈する(希釈度1:250)。これは、ウェル中で10nM濃度になる作業用溶液である(希釈度1:4)。希釈されたFAM標識ペプチドを暗所にて使用まで保持する。
6.10nMのFAM標識ペプチド10μlを各ウェル中に添加し、インキュベートし、異なる時点で読み取る。5−FAM−BaLTFEHYWAQLTS−NH (配列番号943)とのKは、約51nMである。
(実施例8)
MDMXについての競合蛍光偏光アッセイ
該アッセイを以下の一般的プロトコルに従って行った:
1.MDMX(自家製、40kD)をFP緩衝液(高塩緩衝液−200mMのNaCl、5mMのCHAPS、pH7.5.)中に希釈して、300nM(2X)の作業用原液を作製する。
2.300nM(2X)のタンパク質原液20μlを、96ウェル黒色HEマイクロプレート(Molecular Devices)の各ウェル中に添加する
3.1mM(100%DMSO中)のFAM標識線状ペプチドをDMSOで100μMに希釈する(希釈度1:10)。次いで、100μMから10μMに水で希釈し(希釈度1:10)、次いで、FP緩衝液で10μMから40nMに希釈する(希釈度1:250)。これは、ウェル中で10nM濃度になる作業用溶液である(希釈度1:4)。希釈されたFAM標識ペプチドを暗所にて使用まで保持する。
4.FP緩衝液を用いて非標識ペプチド用量プレートを作製して、5μM(最終)のペプチドで出発するとともに以下の希釈スキームを使用して5倍連続希釈で6点を作製する。5.10mM(100%DMSO中)をDMSOで5mMに希釈する(希釈度1:2)。次いで、5mMから500μMにHOで希釈し(希釈度1:10)、次いで、FP緩衝液で500μMから20μMに希釈する(希釈度1:25)。20μM(4X)から5倍連続希釈で6点を作製する。
6.連続希釈された非標識ペプチド10μlを、300nMのタンパク質20μlが充填されている各ウェルに移す。
7.10nM(4X)のFAM標識ペプチド10μlを各ウェル中に添加し、3時間インキュベートして読み取る。実施例5〜8からの結果は表4に示されている。以下のスケールが使用される:「+」は、1000nMよりも大きい値を表し、「++」は、100nMよりも大きく1000nMよりも小さいかまたはそれに等しい値を表し、「+++」は、10nMよりも大きく100nMよりも小さいまたはそれに等しい値を表し、「++++」は、10nMよりも小さいまたはそれに等しい値を表す。
(実施例9)
競合結合ELISA(MDM2&MDMX)
p53−His6タンパク質(30nM/ウェル)を終夜室温で96ウェルImmulonプレートのウェル中にてコーティングする。実験当日に、自動ELISAプレート洗浄器を使用して1XのPBS−Tween20(0.05%)でプレートを洗浄し、ELISA Micro well Blockingにて30分間室温でブロッキングし;1X PBS−Tween20(0.05%)でプレートを洗浄することによって、過剰のブロッキング剤を洗い流す。ペプチドを10mMのDMSO原液から500μMの作業用原液に滅菌水中で希釈し、さらなる希釈を0.5%DMSO中で行って、DMSOの濃度を全試料にわたって一定に保持する。ペプチドをウェルに2X所望濃度にて50μL体積で添加し、その後、希釈されたGST−MDM2またはGST−HMDXタンパク質(最終濃度:10nM)の添加が続く。試料を室温で2時間インキュベートし、プレートをPBS−Tween20(0.05%)で洗浄した後、HRP安定化緩衝液中で0.5μg/mlに希釈されたHRPコンジュゲート抗GST抗体[Hypromatrix、INC]100μLを添加する。検出抗体との30分のインキュベーション後、プレートを洗浄し、1ウェル当たり100μLのTMB−E基質溶液で最大30分までインキュベートし;1MのHCLを使用して反応を停止させ、吸光度を450nmでマイクロプレートリーダー上にて測定する。グラフパッドプリズムソフトウェアを使用して、データを分析する。
(実施例10)
細胞生存率アッセイ
該アッセイを以下の一般的プロトコルに従って行った:
細胞平板培養:細胞を所定の密度で96ウェルプレートにおいてアッセイの前日に、トリプシン処理、カウントおよび播種する。以下の細胞密度が各細胞株に使用時に使用される:
・SJSA−1:7500細胞/ウェル
・RKO:5000細胞/ウェル
・RKO−E6:5000細胞/ウェル
・HCT−116:5000細胞/ウェル
・SW−480:2000細胞/ウェル
・MCF−7:5000細胞/ウェル
研究当日に、培地を、11%FBSを有する新鮮な培地(アッセイ培地)と室温で置き換える。1ウェル当たり180μLのアッセイ培地を添加する。細胞のない対照ウェルは、200μLの培地を受ける。
ペプチド希釈:全ての希釈を室温で行い、細胞に室温で添加する。
・DMSO中にペプチド10mM原液を調製する。1:3希釈スキームを使用して原液を連続希釈して、希釈剤としてDMSOを使用する10mM、3.3mM、1.1mM、0.33mM、0.11mM、0.03mM、0.01mMの溶液を得る。滅菌水を使用して、連続DMSO希釈ペプチドを33.3倍に希釈する。これは10X作業用原液の範囲を与える。その上、対照ウェル用のDMSO/滅菌水(3%DMSO)ミックスを調製する。
・したがって、作業用原液濃度範囲μMは、300μM、100μM、30μM、10μM、3μM、1μM、0.3μMおよび0μMになる。多チャネルを使用して、ウェルを各希釈ステップで混合する。
・H列は対照を有する。H1〜H3は、アッセイ培地20μLを受ける。H4〜H9は、20μLの3%DMSO−水ビヒクルを受ける。H10〜H12は、細胞のない培地単独の対照を有する。
・陽性対照:MDM2小分子阻害剤ヌトリン−3a(10mM)を、陽性対照として使用する。ペプチドと同じ希釈スキームを使用して、ヌトリンを希釈した。
細胞への作業用原液の添加:
・10X所望濃度20μLを適切なウェルに添加して、ウェル中合計200μL体積で最終濃度を達成する。(培地中300μMペプチド20μL+細胞180μL=ウェル中200μL体積で30μM最終濃度)。ピペットを使用して、穏やかに数回混合する。したがって、使用される最終濃度範囲は、30μM、10μM、3μM、1μM、0.3μM、0.1μM、0.03μM&0μMになる(強力なペプチドについて、さらなる希釈度が含まれる)。
・対照としては、ペプチドはないがペプチドを含有するウェルと同じ濃度のDMSOを含有するウェル、および細胞を含有しないウェルが挙げられる。
・72時間の間37℃で、加湿された5%のCO雰囲気中にてインキュベートする。
・PromegaからのMTT試薬を使用して、細胞の生存率を決定する。3日目にSJSA−1、RKO、RKO−E6、HCT−116細胞、5日目にMCF−7細胞、および6日目にSW−480細胞の生存率を決定する。指定されたインキュベーション時間の終わりに、プレートを室温にさせておく。アッセイ培地80μLを各ウェルから除去する。解凍MTT試薬15μLを各ウェルに添加する。
・プレートを2時間の間37℃で、加湿された5%のCO雰囲気中にてインキュベートさせ、製造者のプロトコルの通りに100μLの可溶化試薬を添加する。かき混ぜながら1時間室温でインキュベートし、Synergy Biotekマルチプレートリーダー上で吸光度について570nMで読み取る。
・GraphPad PRISM分析ツールを使用して、DMSO対照に対する細胞生存率を分析する。
試薬:
・Invitrogen細胞培養培地
・Falcon 96ウェルの透明な細胞培養処理プレート(Nunc 353072)
・DMSO(Sigma D 2650)
・RPMI 1640(Invitrogen 72400)
・MTT(Promega G4000)
機器:吸光度読み取りのためのマルチプレートリーダー(Synergy 2)。
細胞生存率アッセイからの結果は、表5および6に示されている。以下のスケールが使用される:「+」は、30μMよりも大きい値を表し、「++」は、15μMよりも大きく30μMよりも小さいまたはそれに等しい値を表し、「+++」は、5μMよりも大きく15μMよりも小さいまたはそれに等しい値を表し、「++++」は、5μMよりも小さいまたはそれに等しい値を表す。「IC50比」は、p53−/−細胞における平均IC50に対するp53+/+細胞における平均IC50の比を表す。
(実施例11)
p21 ELISAアッセイ
該アッセイを以下の一般的プロトコルに従って行った:
細胞平板培養:
・SJSA1細胞を96ウェルプレート中7500細胞/100μL/ウェルの密度でアッセイの前日に、トリプシン処理、カウントおよび播種する。
・研究当日に、培地を新鮮なRPMI−11%FBS(アッセイ培地)と置き換える。1ウェル当たり90μLのアッセイ培地を添加する。細胞のない対照ウェルは、100μLの培地を受ける。
ペプチド希釈:
・DMSO中のペプチド10mM原液を調製する。1:3希釈スキームを使用して原液を連続希釈して、希釈剤としてDMSOを使用する10mM、3.3mM、1.1mM、0.33mM、0.11mM、0.03mM、0.01mM溶液を得る。滅菌水を使用して、連続DMSO希釈ペプチドを33.3倍に希釈する。これは、10X作業用原液の範囲を与える。その上、対照ウェルのためのDMSO/滅菌水(3%DMSO)ミックスを調製する。
・したがって、作業用原液濃度範囲μMは、300μM、100μM、30μM、10μM、3μM、1μM、0.3μMおよび0μMになる。多チャネルを使用して、ウェルを各希釈ステップで混合する。
・H列は対照を有する。H1〜H3は、アッセイ培地10μLを受ける。H4〜H9は、10μLの3%DMSO−水ビヒクルを受ける。H10〜H12は、細胞のない培地単独対照を有する。
・陽性対照:MDM2小分子阻害剤、ヌトリン−3a(10mM)を陽性対照として使用する。ペプチドと同じ希釈スキームを使用して、ヌトリンを希釈した。
細胞への作業用原液の添加:
・10X所望濃度10μLを適切なウェルに添加して、ウェル中合計100μL体積で最終濃度を達成する。(培地中300μMペプチド10μL+細胞90μL=ウェル中100μL体積で30μM最終濃度)。したがって、使用される最終濃度範囲は、30μM、10μM、3μM、1μM、0.3μMおよび0μMになる。
・対照としては、ペプチドはないがペプチドを含有するウェルと同じ濃度のDMSOを含有するウェル、および細胞を含有しないウェルが挙げられる。
・インキュベーションの20時間後、培地を吸引し;細胞を、1XのPBS(Ca++/Mg++なし)で洗浄し、1X細胞溶解緩衝液(1Xに希釈され、プロテアーゼ阻害剤およびホスファターゼ阻害剤が補充されたCell Signaling technologies 10X緩衝液)60μL中に氷上で30分間溶解する。
・プレートを5000rpm速度にて4℃で8分間遠心分離し;清澄な上澄みを収集し、さらなる使用まで−80℃で凍結する。
タンパク質概算:
・ThermofisherからのBCAタンパク質検出キットおよびBSA標準物質を使用して、溶解物の総タンパク質含量を測定する。1ウェル当たり、典型的に約6〜7μgのタンパク質が予想される。
・1ウェル当たり50μLの溶解物を使用して、p21のELISAを設定する。
ヒト総p21 ELISA:製造者の指示の通りに、ELISAアッセイプロトコルに従う。50μLの溶解物を各ウェルに使用し、各ウェルを三連で設定する。
試薬:
・− 細胞ベースのアッセイ(−)−ヌトリン−3(10mM):Cayman Chemicals、カタログ番号600034
・− OptiMEM、Invitrogenカタログ番号51985
・− 細胞シグナリング溶解緩衝液(10X)、Cell signaling technology、カタログ番号9803
・− プロテアーゼ阻害剤カクテル錠(ミニ)、Roche Chemicals、カタログ番号04693124001
・− ホスファターゼ阻害剤カクテル錠、Roche Chemicals、カタログ番号04906837001
・− ヒト総p21 ELISAキット、R&D Systems、DYC1047−5
・− STOP溶液(1MのHCL)、Cell Signaling Technologies、カタログ番号7002
機器:マイクロ遠心分離機−Eppendorf 5415Dおよび吸光度読み取りのためのマルチプレートリーダー(Synergy 2)。
(実施例12)
カスパーゼ3検出アッセイ
該アッセイを以下の一般的プロトコルに従って行った:
細胞平板培養:SJSA1細胞を7500細胞/100μL/ウェルの密度で96ウェルプレートにおいてアッセイの前日に、トリプシン処理、カウントおよび播種する。研究当日に、培地を新鮮なRPMI−11%FBS(アッセイ培地)と置き換える。1ウェル当たり180μLのアッセイ培地を添加する。細胞のない対照ウェルは、200μLの培地を受ける。
ペプチド希釈:
・DMSO中ペプチドの10mM原液を調製する。1:3希釈スキームを使用して原液を連続希釈して、希釈剤としてDMSOを使用する10mM、3.3mM、1.1mM、0.33mM、0.11mM、0.03mM、0.01mM溶液を得る。滅菌水を使用して、連続DMSO希釈ペプチドを33.3倍に希釈する。これは、10X作業用原液の範囲を与える。その上、対照ウェル用のDMSO/滅菌水(3%DMSO)ミックスを調製する。
・したがって、作業用原液濃度範囲μMは、300μM、100μM、30μM、10μM、3μM、1μM、0.3μMおよび0μMになる。多チャネルを使用して、ウェルを各希釈ステップで混合する。10X作業用原液20μLを適切なウェルに添加する。
・H列は対照を有する。H1〜H3は、アッセイ培地20μLを受ける。H4〜H9は、20μLの3%DMSO−水ビヒクルを受ける。H10〜H12は、細胞のない培地単独で対照を有する。
・陽性対照:MDM2小分子阻害剤ヌトリン−3a(10mM)を陽性対照として使用する。ペプチドと同じ希釈スキームを使用して、ヌトリンを希釈した。
細胞への作業用原液の添加:
・10X所望濃度10μLを適切なウェルに添加して、ウェル中合計100μL体積で最終濃度を達成する。(培地中300μMペプチド10μL+細胞90μL=ウェル中100μL体積で30μM最終濃度)。したがって、使用される最終濃度範囲は、30μM、10μM、3μM、1μM、0.3μM&0μMになる。
・対照としては、ペプチドはないがペプチドを含有するウェルと同じ濃度のDMSOを含有するウェル、および細胞を含有しないウェルが挙げられる。
・インキュベーションの48時間後、80μLの培地を各ウェルから吸引し;1ウェル当たり100μLのカスパーゼ3/7Gloアッセイ試薬(Promega Caspase 3/7 gloアッセイ系、G8092)を添加し、穏やかに振盪しながら1時間室温でインキュベートする。
・発光についてSynergy Biotekマルチプレートリーダー上で読み取る。
・データをDMSO処置細胞上のカスパーゼ3活性化として分析する。
実施例11および12からの結果は、表7に示されている:
(実施例13)
ペプチド模倣大環状分子による細胞溶解
SJSA−1細胞を、1日前に透明な平底プレート(Costar、カタログ番号353072)中に7500細胞/成長培地100ul/ウェルを有するウェルで平板培養し、培地単独用にH列カラム10〜12を空にしておいた。アッセイ当日に、培地をRPMI 1%FBS培地と1ウェル当たり90uLの培地で交換した。
ペプチド模倣大環状分子の10mM原液を100%DMSO中で調製した。ペプチド模倣大環状分子を次いで100%DMSO中に連続的に希釈し、次いで、滅菌水中20倍にさらに希釈して、各ペプチド模倣大環状分子の5%DMSO/水中作業用原液を、500μMから62.5μMを範囲とする濃度で調製した。
各化合物10μLをSJSA−1細胞90uLに添加して、0.5%DMSO含有培地中50μMから6.25μMの最終濃度を得た。陰性対照(非溶解性)試料は0.5%DMSO単独であり、陽性対照(溶解性)試料は、10μMのメリチンおよび1%のトリトンX−100を含む。
細胞プレートを1時間37℃でインキュベートした。1時間のインキュベーション後、細胞の形態を顕微鏡によって検査し、次いで、プレートを1200rpmにて5分間室温で遠心分離した。各ペプチド模倣大環状分子および対照試料について上澄み40μLを透明なアッセイプレートに移す。Caymen製、カタログ番号1000882のLDH細胞毒性アッセイキットを使用して、LDH放出を測定する。結果は表8に示されている:
(実施例14)
p53 GRIPアッセイ
Thermo Scientific BioImage p53−MDM2 Redistribution Assayは、薬物化合物への応答または他の刺激において、MDM2とのタンパク質相互作用およびGFPタグ化p53の細胞転移をモニタリングする。組換えCHO−hIR細胞は、増強緑色蛍光タンパク質(EGFP)およびPDE4A4−MDM2(1−124)である、PDE4A4とMDM2(1−124)との間の融合タンパク質のC末端に融合されたヒトp53(1−312)を安定して発現する。それらは、p53とMDM2との相互作用に対する実験条件の効果を測定するための使用準備済アッセイ系を提供する。画像化および分析は、HCSプラットフォームで行うことができる。
CHO−hIR細胞を、1%のペニシリン−ストレプトマイシン、0.5mg/mlのジェネテシン、1mg/mlのゼオシンおよび10%のFBSが補充されたHam’s F12培地中で定期的に維持する。細胞を96ウェルプレート中に1ウェル当たり7000細胞/100μLの密度で、培養培地を使用するアッセイを実行する18〜24時間前に播種する。翌日、培地を再び新しくし、PD−177を3μMの最終濃度まで細胞に添加して病巣形成を活性化する。対照ウェルをPD−177溶液なしで保持する。PD−177を用いる刺激の24時間後、細胞をOpti−MEM培地で1回洗浄し、PD−177(6μM)が補充されたOpti−MEM培地50μLを細胞に添加する。ペプチドを10mMのDMSO原液から滅菌水中500μMの作業用原液に希釈し、さらなる希釈を0.5%DMSO中で行って、DMSOの濃度を全試料にわたって一定に保持する。最終の最も高いDMSO濃度は0.5%であり、陰性対照として使用される。Cayman Chemicals細胞ベースのアッセイ(−)−ヌトリン−3(10mM)を陽性対照として使用する。ペプチドと同じ希釈スキームを使用して、ヌトリンを希釈した。2X所望濃度50μLを適切なウェルに添加して、最終の所望濃度を達成する。細胞を次いで、ペプチドとともに6時間の間37℃で、加湿された5%のCO2雰囲気中にてインキュベートする。インキュベーション期間後、培地を穏やかに吸引すること、および1ウェル当たり150μLの固定用溶液を20分間室温で添加することによって、細胞を固定する。固定細胞を、各回1ウェル当たり200μLのPBSで4回洗浄する。最後の洗浄の終わりに、1μMのHoechst染色用溶液100μLを添加する。密閉プレートを少なくとも30分間暗所にてインキュベートし、PBSで洗浄して過剰の染色を除去し、PBSを各ウェルに添加する。プレートは、4℃で暗所にて最大3日まで貯蔵することができる。HoechstおよびGFP用に10倍対物レンズ、XF−100フィルターセットを使用するCellomics Arrayscan機器上の分子転移モジュールを使用して、p53/MDM2の転移を画像化する。出力パラメーターは、Mean−CircRINGAveIntenRatio(核および細胞質平均蛍光強度の比(ウェル平均))であった。画像解析のために使用された1ウェル当たり最小許容数の細胞を500細胞に設定した。
(実施例15)
SP315、SP249およびSP154を使用するMCF−7乳がん研究
MCF−7乳がん異種移植片モデルにおいて無胸腺マウスにおける腫瘍成長を阻害する際のSP315、SP249およびSP154の効力を試験するため、異種移植片研究を行った。SP154の点変異(19位でFからA)である陰性対照ステープルペプチドSP252も、1つの群で試験し、このペプチドは、SJSA−1in vitro生存率アッセイにおいて活性を示していなかった。徐放90日の0.72mgの17β−エストラジオールペレット(Innovative Research、Sarasota、FL)を、腫瘍細胞移植の1日前(−1日目)に、首筋の皮下に(sc)移植した。0日目に、MCF−7腫瘍細胞を、雌性ヌード(Crl:NU−Foxn1nu)マウスの側腹部のscに移植した。18日目に、その結果得られたsc腫瘍を、ノギスを使用して測定して、それらの長さおよび幅を決定し、マウスを秤量した。式(長さ×幅)/2を使用して腫瘍サイズを算出し、立方ミリメートル(mm)として表した。85.3mmより小さいまたは417.4mmより大きい腫瘍を有するマウスを、後続の群形成から除外した。1群当たり10匹のマウスの13のマウス群を無作為によって形成することで、群平均腫瘍サイズは本質的に同等であった(群の平均±群の標準偏差=180.7±17.5mm)。
MPEG(2K)−DSPEを50mg/mL濃度で10mMのヒスチジン緩衝生理食塩水中にpH7で含有するビヒクルに製剤化されたペプチドから、SP315、SP249、SP154およびSP252投薬用溶液を調製した。この製剤を研究の持続期間の間1回調製した。このビヒクルを後続の研究においてビヒクル対照として使用した。
各群を異なる処置レジメンに割り当てた。群1は、ビヒクル陰性対照群として、8mL/kg体重で静脈内に(iv)1週当たり3回18〜39日目に投与されるビヒクルを受けた。群2および3は、SP154をiv注射としてそれぞれ30mg/kgで1週当たり3回または40mg/kgで週2回受けた。群4は、6.7mg/kgのSP249をiv注射として1週当たり3回受けた。群5、群6、群7および8群は、SP315を26.7mg/kgのiv注射としてそれぞれ1週当たり3回、20mg/kgを1週当たり2回、30mg/kgを1週当たり2回、または40mg/kgを1週当たり2回受けた。群9は、30mg/kgのSP252をiv注射として1週当たり3回受けた。
投薬期間中、マウスを秤量し、腫瘍を1週当たり1〜2回測定した。腫瘍体積の点における結果は図15〜18に示されており、ビヒクル群と比較した腫瘍成長阻害、体重変化、および≧20%の体重減少を有するマウスまたは死亡の数は、表9に示されている。腫瘍成長阻害(TGI)を、%TGI=100−[(TuVol処置−x日目−TuVol処置−18日目)/(TuVolビヒクル陰性対照−x日目−TuVolビヒクル陰性対照−18日目100として算出したが、ここで、x=処置の効果が評価されている日である。ビヒクル陰性対照群である群1は、この腫瘍モデルに対して良好な腫瘍成長率を示した。
SP154について、40mg/kgで週2回投薬された群において、2匹のマウスが処置中に死亡し、この投薬レジメンが忍容性でないことを示した。1週当たり3回30mg/kgのSP154の投薬レジメンは、良好な忍容性を示し、84%のTGIを得た。
SP249について、6.7mg/kgで1週当たり3回投薬された群において、4匹のマウスが処置中に死亡し、この投薬レジメンが忍容性でないことを示した。
SP315について使用された全ての投薬レジメンは、良好な忍容性を示し、体重減少または死亡が認められなかった。40mg/kgのSP315を1週当たり2回投薬することは、最も高いTGI(92%)を起こした。1週当たり3回26.7mg/kgのSP315、1週当たり2回20mg/kg、1週当たり2回30mg/kgの投薬レジメンは、それぞれ86、82%、および85%のTGIを起こした。
in vitroアッセイにおいて認識可能な活性を示さないSP154の点変異であるSP252について、30mg/kgで1週当たり3回投薬することは、良好な忍容性を示し、体重減少または死亡が認められなかった。88%のTGIが32日目までに認められたが、そのTGIは39日目までに41%に低減された。
この実施例からの結果は、図15〜18に示されており、表9に要約されている。
(実施例16)
ペプチド模倣大環状分子についての溶解度決定
ペプチド模倣大環状分子を最初に無希釈N、N−ジメチルアセトアミド(DMA、Sigma−Aldrich、38840−1L−F)中に溶解させて、20〜140mg/mLの濃度範囲にわたる20X原液を作製する。DMA原液を2%のSolutol−HS−15、25mMのヒスチジン、45mg/mLのマンニトールを含有する水性ビヒクル中に20倍希釈して、5%のDMA、2%のSolutol−HS−15、25mMのヒスチジン、45mg/mLのマンニトール中でペプチド模倣大環状分子1〜7mg/mlの最終濃度を得る。最終溶液を反復ピペット操作すること、または軽くボルテックスすることによって穏やかに混合し、次いで、最終溶液を10分間室温で超音波水浴中にて超音波処理する。次いで、慎重な目視観察をフード光下で7×視覚増幅器(visual amplifier)を使用して行って、沈殿物が底にまたは懸濁液として存在するかを決定する。各ペプチド模倣大環状分子について最大溶解度限界を決定する必要に応じて、追加の濃度範囲を試験する。
この実施例からの結果は、図19に示されている。
(実施例17)
Boc−保護アミノ酸を使用するペプチド模倣大環状分子の調製
「i」位でR8アミノ酸および「i+7」位でS5アミノ酸を含むペプチド模倣大環状分子前駆体を、実施例2に記載されている通りに調製した。「i+3」位のアミノ酸は、固相合成中に組み込まれたBoc保護トリプトファンであった。具体的には、下記に示されている(および例えば、Novabiochemから市販されている)Boc保護トリプトファンアミノ酸を、固相合成中に使用した:
開裂ステップおよび脱保護ステップの前にルテニウム触媒を使用して、メタセシスを行った。環化に続いて得られた組成物は、HPLC分析によって、トランスオレフィン(E立体配置に二重結合を含む「iso2」)を含むクロスリンカーを有するペプチド模倣大環状分子を主に含有すると決定された。予想外にも、transおよびcis生成物についてそれぞれ90:10の比が観察された。
(実施例18)
免疫チェックポイントタンパク質発現を低減するか、または免疫チェックポイントタンパク質活性を阻害する能力についてのペプチド模倣大環状分子の試験
p53WTである(しかしp53ヌルでない)HCT−116細胞は、ヌトリン3との投薬への応答において、p53を上方制御し、PD−L1を下方制御する。PD−L1に対するp53効果は、miR−34a、miR−34bおよびmiR−34cの転写によって媒介される。本明細書に記載されているペプチド模倣大環状分子は、がん細胞においてp53レベルを増加させることができる。p53発現は、NSCLCを有する患者においてPD−L1と逆に相関し、PD−L1発現は、p53WTと比較して変異体p53を有する患者においてより高い。低いPD−L1発現および高いp53発現を有する患者は、高いPD−L1発現および低いp53発現を有する患者と比較して、より良好な生存を有する。p53はPD−L1を制御し、miR−34ファミリーはPD−L1を直接阻止することによってPD−L1発現を下方制御する。さらに、miR−34aの治療的送達は、in vivoでPD−L1を阻止し、miR−34aの治療的送達は、単独でまたはXRTとの組合せにおいて、CD8+T細胞を増加させる。miR−34aの治療的送達はまた、腫瘍成長遅延を促進するIFN−γも増加させる。miR−34aは、p53によって直接トランス活性化されて、腫瘍免疫回避を含めて、がんにおけるいくつかの経路を制御する。
ペプチド模倣大環状分子がPD−L1活性または発現を軽減することができるかどうかを決定するために、アッセイを行った。簡潔には、HCT−116p53+/+細胞およびHCT−116p53−/−細胞を、図22に示されている通り、DMSOまたは10μMのSPもしくは20μMのSPで処置した。図22に示されている通り、SP処置は、HCT−116p53+/+細胞においてPD−L1発現の減少に至ったが、HCT−116p53−/−細胞には至らなかった。同様のアッセイを、より高いレベルのPD−L1を発現する細胞株、例えばA549細胞、H460細胞、および同系マウス細胞株において行う。
ペプチド模倣大環状分子がmiR−34aを介してPD−L1活性または発現を軽減して、腫瘍に対する免疫応答を増強することができるかどうかを決定するために、アッセイを行う。本発明のペプチド模倣大環状分子が抗PD−1および/または抗PD−L1薬剤(細胞の周期停止およびアポトーシスの付加利益を有する)の免疫増強効果を模倣するかどうかを決定するために、アッセイを行う。簡潔には、異なる系譜MCF−7(乳房)、HCT−116(大腸)、MV4−11(白血病)、DOHH2およびA375(メラノーマ)からのがん細胞に、ペプチド模倣大環状分子を投薬する。これらの細胞株および他は、高レベルのPD−L1発現を有する細胞株および低レベルのPD−L1発現を有する他を含むように選択される。PD−1、PD−L1およびmiR−34a(ならびに対照としてのp53およびp21)のタンパク質およびmRNAのレベルにおける変化を、例えばフローサイトメトリーを使用して測定する。フローサイトメトリー測定と平行してFlowMetricによって採取された試料におけるmiR−34a、miR−34bおよび/またはmiR−34cのレベルを定量化するために、RT−PCRアッセイを行う。完全な用量応答曲線を投薬の24時間後、48時間後および72時間後にとる。追加として、アポトーシス測定を平行して行う。
(実施例19)
WST−1細胞増殖アッセイ
ヒト腫瘍細胞株MCF−7およびMOLT−3をアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から得て、EMEMおよびRPMI1640中でそれぞれ成長させた。全ての培地に、10%(v/v)のウシ胎児血清、100単位のペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンを37℃および5%のCOで補充した。投薬の前に、MCF−7細胞を無血清培地に切り換え、37℃で終夜成長させた。
アッセイの1日前に、細胞をトリプシン処理し、カウントし、所定の密度で96ウェルプレート中に以下の通りに播種した:MCF−7、5000細胞/ウェル/200μl;MOLT−3、30,000細胞/ウェル/200μl。細胞にAileronペプチド1、パルボシクリブ、エベロリムス、フルベストラント、またはロミデプシンを単独でもしくはAileronペプチド1との組合せで投薬し、3日間から5日間インキュベートした。MTTアッセイのWST−1バリアント(WST−1 variant)を使用して、製造者のプロトコルに従って細胞生存率を測定した。WST−1は、細胞を死滅させることなく細胞生存率を検査するために使用することができる細胞不透過性のスルホン化テトラゾリウム塩である。結果は、図23(MCF−7細胞、処置なし)、図24Aおよび24B(MCF−7またはMOLT−3細胞、Aileronペプチド1)、図25(フルベストラント)および25B(エベロリムス)、図26、27A、27B、28A、および28(フルベストラント)、図29、30A、30B、31A、および31(エベロリムス)、図32、33A、33B、34A、34B、および34(ロミデプシン)、および図35、36A、36B、37A、および34B(パルボシクリブ)で見ることができる。
(実施例20)
B−Raf−変異体メラノーマ細胞株A375およびMel−Ho(V600E)にはあるがMel−Juso(H−&N−Ras変異、COSMIC)にはない、PLX4032と本開示のペプチド模倣大環状分子との間の相乗作用
本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子(950〜975m/eの観測質量を有するp53炭化水素架橋ポリペプチド大環状分子)および市販されている標的化剤PLX4032 BRAF阻害剤の組合せを、様々な薬物用量で試験した。A375細胞に対するAileronペプチド1のEC50は70nMであると決定した。図20に見られる通り、ペプチド模倣大環状分子は、B−Raf−変異体メラノーマ細胞株A375におけるPLX4032との相乗作用を呈した。図21に見られる通り、ペプチド模倣大環状分子は、Mel−Ho(V600E)においてPLX4032との相乗作用も呈したが、Mel−Juso(H−&N−Ras変異、COSMIC)においては呈しなかった。
(実施例21)
MCF−7乳がん細胞株におけるフルベストラント(fluvestant)と本開示のペプチド模倣大環状分子との間の相乗作用
本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子(950〜975m/eの観測質量を有するp53炭化水素架橋ポリペプチド大環状分子)および市販されている標的化剤フルベストラントの組合せを、様々な薬物用量で試験した。最初に、様々なMCF−7細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養されるべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定した(図23)。次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度のAileronペプチド1でまたは様々な濃度のフルベストラント単独で処置した。処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した(図24Aおよび26)。ペプチド模倣大環状分子のIC50周辺のいくつかの濃度およびフルベストラントのIC50周辺のいくつかの濃度を次いで決定した。
MCF−7細胞に対するAileronペプチド1のEC50は410nMであると決定した。これらの選択濃度をMCF−7細胞で、フルベストラントとの組合せにおけるAileronペプチド1について試験した。MCF−7細胞の最適な数を平板培養し、Aileronペプチド1およびフルベストラントの組合せで処置した。Aileronペプチド1をフルベストラントと同時に細胞に添加した。同時処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した(図25、27および28)。図26に見られる通り、フルベストラントは、MCF−7乳がん細胞増殖を阻害し、単剤として細胞死滅を制限した。しかしながら、図25、27および28において見られる通り、Aileronペプチド1は、MCF−7乳がん細胞株においてフルベストラントとの相乗作用を呈した。CompuSynソフトウェアを使用して、組合せインデックス(CI)値を算出した。データをlog(CI)として表した。CI値:0〜0.1、非常に強い相乗作用;0.1〜0.3、強い相乗作用;0.3〜0.7、相乗作用;0.7〜0.85、中程度の相乗作用;0.85〜0.90、軽度の相乗作用;0.90〜1.10、ほぼ相加的;1.10〜1.20、軽度の拮抗作用;1.20〜1.45、中程度の拮抗作用;1.45〜3.3、拮抗作用;3.3〜10、強い拮抗作用;10、非常に強い拮抗作用。
例示的な協同性インデックス算出は、下記の表に示されている:
(実施例22)
MCF−7乳がん細胞株におけるエベロリムスと本開示のペプチド模倣大環状分子との間の相乗作用
本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子(950〜975m/eの観測質量を有するp53炭化水素架橋ポリペプチド大環状分子)および市販されている標的化剤エベロリムスの組合せを様々な薬物用量で試験した。最初に、様々なMCF−7細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養するべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定した(図23)。次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度のAileronペプチド1でまたは様々な濃度のエベロリムス単独で処置した。処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した(図24Aおよび29)。ペプチド模倣大環状分子のIC50周辺のいくつかの濃度およびエベロリムスのIC50周辺のいくつかの濃度を次いで決定した。MCF−7細胞に対するAileronペプチド1のEC50は410nMであると決定した。これらの選択濃度をMCF−7細胞でエベロリムスとの組合せにおけるAileronペプチド1について試験した。MCF−7細胞の最適な数を平板培養し、Aileronペプチド1およびエベロリムスの組合せで処置した。Aileronペプチド1をエベロリムスと同時に細胞に添加した。同時処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した(図25、30および31)。図29に見られる通り、エベロリムスは、MCF−7乳がん細胞増殖を阻害し、単剤として細胞死滅を制限した。しかしながら、図25、30および31において見られる通り、Aileronペプチド1は、MCF−7乳がん細胞株においてエベロリムスとの相乗作用を呈した。
例示的な協同性インデックス算出は、下記の表に示されている:
分析をChouら、Advances in Enzyme Regulation、22巻:27〜55頁(1984年)およびZhangら、Am J Cancer Res.、6巻:97〜104頁(2016年)に従って行った。CompuSynソフトウェアを使用して、組合せインデックス(CI)値を算出した。データをlog(CI)として表した。CI値:0〜0.1、非常に強い相乗作用;0.1〜0.3、強い相乗作用;0.3〜0.7、相乗作用;0.7〜0.85、中程度の相乗作用;0.85〜0.90、軽度の相乗作用;0.90〜1.10、ほぼ相加的;1.10〜1.20、軽度の拮抗作用;1.20〜1.45、中程度の拮抗作用;1.45〜3.3、拮抗作用;3.3〜10、強い拮抗作用;10、非常に強い拮抗作用。
(実施例23)
ヒトMOLT−3T−リンパ系細胞株におけるロミデプシンおよび本開示のペプチド模倣大環状分子を用いる処置
Aileronペプチド1および市販されている標的化剤ロミデプシンの組合せを様々な薬物用量で試験した。最初に、様々なMOLT−3細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養するべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定した。次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度のAileronペプチド1でまたは様々な濃度のロミデプシン単独で処置した。処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した(図24Bおよび32)。ペプチド模倣大環状分子のIC50周辺のいくつかの濃度およびロミデプシンのIC50周辺のいくつかの濃度を次いで決定した。
MOLT−3細胞に対するAileronペプチド1のEC50は210nMであると決定した。これらの選択濃度をMOLT−3細胞でロミデプシンとの組合せにおけるペプチド模倣大環状分子について試験した。MOLT−3細胞の最適な数を平板培養し、Aileronペプチド1およびロミデプシンの組合せで処置した。Aileronペプチド1をロミデプシンの添加の2時間前に細胞に添加した。逐次的な処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した(図33および34)。
(実施例24)
MCF−7乳がん細胞株においてパルボシクリブおよび本開示のペプチド模倣大環状分子を用いる処置
Aileronペプチド1および市販されている標的化剤パルボシクリブの組合せを様々な薬物用量で試験した。最初に、様々なMCF−7細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養するべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定した(図23)。次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度のAileronペプチド1でまたは様々な濃度のパルボシクリブ単独で処置した。処置を開始した3〜7日後または120時間後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した(図24Aおよび35)。ペプチド模倣大環状分子のIC50周辺のいくつかの濃度およびパルボシクリブのIC50周辺のいくつかの濃度を次いで決定した。MCF−7細胞に対するAileronペプチド1のEC50は410nMであると決定した。これらの選択濃度をMCF−7細胞でパルボシクリブとの組合せにおけるAileronペプチド1について試験した。MCF−7細胞の最適な数を平板培養し、Aileronペプチド1およびパルボシクリブの組合せで処置した。Aileronペプチド1を細胞にパルボシクリブと同時に添加した。同時処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した(図36および37)。
例示的な協同性インデックス算出は、下記の表に示されている:
処置を開始した後に、細胞を生存率についてCyQUANT方法を使用しても評価した(図78Aおよび79A)。同時処置を開始した後に、細胞を生存率についてCyQUANT方法を使用して評価した(図78Bおよび79B)。分析をChouら、Advances in Enzyme Regulation、22巻:27〜55頁(1984年)およびZhangら、Am J Cancer Res.、6巻:97〜104頁(2016年)に従って行った。CompuSynソフトウェアを使用して、組合せインデックス(CI)値を算出した。データをlog(CI)として表した。CI値:0〜0.1、非常に強い相乗作用;0.1〜0.3、強い相乗作用;0.3〜0.7、相乗作用;0.7〜0.85、中程度の相乗作用;0.85〜0.90、軽度の相乗作用;0.90〜1.10、ほぼ相加的;1.10〜1.20、軽度の拮抗作用;1.20〜1.45、中程度の拮抗作用;1.45〜3.3、拮抗作用;3.3〜10、強い拮抗作用;10、非常に強い拮抗作用。
(実施例25)
DOHH−2ヒトリンパ腫B細胞株においてデキサメタゾンおよび本開示のペプチド模倣大環状分子を用いる処置
本開示の1つまたは複数の代表的なペプチド模倣大環状分子および市販されている標的化剤デキサメタゾンの組合せを、様々な薬物用量で試験する。最初に、様々なDOHH−2細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養するべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定する。次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度の本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子でまたは様々な濃度のデキサメタゾン単独で処置する。処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価する。ペプチド模倣大環状分子のIC50周辺のいくつかの濃度およびデキサメタゾンのIC50周辺のいくつかの濃度を次いで決定する。DOHH−2細胞に対するAileronペプチド1のEC50は60nMであると決定した。これらの選択濃度をDOHH−2細胞でデキサメタゾンとの組合せにおけるペプチド模倣大環状分子について試験する。DOHH−2細胞の最適な数を平板培養し、本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子およびデキサメタゾンの組合せで処置する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をデキサメタゾンと同時に細胞に添加する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をデキサメタゾンの添加前に細胞に添加する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をデキサメタゾンの添加後に細胞に添加する。同時または逐次の処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価する。
(実施例26)
A375ヒトメラノーマ細胞株においてトラメチニブおよび本開示のペプチド模倣大環状分子を用いる処置
本開示の1つまたは複数の代表的なペプチド模倣大環状分子および市販されている標的化剤トラメチニブの組合せを、様々な薬物用量で試験する。最初に、様々なA375細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養するべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定する。次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度の本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子でまたは様々な濃度のトラメチニブ単独で処置する。処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価する。ペプチド模倣大環状分子のIC50周辺のいくつかの濃度およびトラメチニブのIC50周辺のいくつかの濃度を次いで決定する。A375細胞に対するAileronペプチド1のEC50は70nMであると決定した。これらの選択濃度をA375細胞でトラメチニブとの組合せにおけるペプチド模倣大環状分子について試験する。A375細胞の最適な数を平板培養し、本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子およびトラメチニブの組合せで処置する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をトラメチニブと同時に細胞に添加する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をトラメチニブの添加前に細胞に添加する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をトラメチニブの添加後に細胞に添加する。同時または逐次の処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価する。
(実施例27)
DOHH−2ヒトリンパ腫B細胞株においてリツキシマブおよび本開示のペプチド模倣大環状分子を用いる処置
本開示の1つまたは複数の代表的なペプチド模倣大環状分子および市販されている標的化剤リツキシマブの組合せを、様々な薬物用量で試験した。最初に、様々なDOHH−2細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養するべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定した。次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度の本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子でまたは様々な濃度のリツキシマブ単独で処置した。処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した。ペプチド模倣大環状分子のIC50周辺のいくつかの濃度およびリツキシマブのIC50周辺のいくつかの濃度を次いで決定した。DOHH−2細胞に対するAileronペプチド1のEC50は60nMであると決定した。これらの選択濃度をDOHH−2細胞でリツキシマブとの組合せにおけるペプチド模倣大環状分子について試験した。DOHH−2細胞の最適な数を平板培養し、本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子およびリツキシマブの組合せで処置した。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をリツキシマブと同時に細胞に添加した。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をリツキシマブの添加前に細胞に添加した。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をリツキシマブの添加後に細胞に添加した。同時または逐次の処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した。
(実施例28)
DOHH−2ヒトリンパ腫B細胞株においてオビヌツズマブおよび本開示のペプチド模倣大環状分子を用いる処置
本開示の1つまたは複数の代表的なペプチド模倣大環状分子および市販されている標的化剤オビヌツズマブの組合せを、様々な薬物用量で試験する。最初に、様々なDOHH−2細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養するべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定する。次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度の本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子でまたは様々な濃度のオビヌツズマブ単独で処置する。処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価する。ペプチド模倣大環状分子のIC50周辺のいくつかの濃度およびオビヌツズマブのIC50周辺のいくつかの濃度を次いで決定する。DOHH−2細胞に対するAileronペプチド1のEC50は60nMであると決定した。これらの選択濃度をDOHH−2細胞でオビヌツズマブとの組合せにおけるペプチド模倣大環状分子について試験する。DOHH−2細胞の最適な数を平板培養し、本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子およびオビヌツズマブの組合せで処置する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をオビヌツズマブと同時に細胞に添加する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をオビヌツズマブの添加前に細胞に添加する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をオビヌツズマブの添加後に細胞に添加する。同時または逐次の処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価する。
(実施例29)
A375ヒトメラノーマ細胞株においてダブラフェニブおよび本開示のペプチド模倣大環状分子を用いる処置
本開示の1つまたは複数の代表的なペプチド模倣大環状分子および市販されている標的化剤ダブラフェニブの組合せを、様々な薬物用量で試験する。最初に、様々なA375細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養するべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定する。次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度の本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子でまたは様々な濃度のダブラフェニブ単独で処置する。処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価する。ペプチド模倣大環状分子のIC50周辺のいくつかの濃度およびダブラフェニブのIC50周辺のいくつかの濃度を次いで決定する。A375細胞に対するAileronペプチド1のEC50は70nMであると決定した。これらの選択濃度をA375細胞でダブラフェニブとの組合せにおけるペプチド模倣大環状分子について試験する。A375細胞の最適な数を平板培養し、本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子およびダブラフェニブの組合せで処置する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をダブラフェニブと同時に細胞に添加する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をダブラフェニブの添加前に細胞に添加する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をダブラフェニブの添加後に細胞に添加する。同時または逐次の処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価する。
(実施例30)
A375ヒトメラノーマ細胞株においてベムラフェニブおよび本開示のペプチド模倣大環状分子を用いる処置
本開示の1つまたは複数の代表的なペプチド模倣大環状分子および市販されている標的化剤ベムラフェニブの組合せを、様々な薬物用量で試験する。最初に、様々なA375細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養するべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定する。次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度の本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子でまたは様々な濃度のベムラフェニブ単独で処置する。処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価する。ペプチド模倣大環状分子のIC50周辺のいくつかの濃度およびベムラフェニブのIC50周辺のいくつかの濃度を次いで決定する。A375細胞に対するAileronペプチド1のEC50は70nMであると決定した。これらの選択濃度をA375細胞でベムラフェニブとの組合せにおけるペプチド模倣大環状分子について試験する。A375細胞の最適な数を平板培養し、本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子およびベムラフェニブの組合せで処置する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をベムラフェニブと同時に細胞に添加する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をベムラフェニブの添加前に細胞に添加する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をベムラフェニブの添加後に細胞に添加する。同時または逐次の処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価する。
(実施例31)
A375ヒトメラノーマ細胞株においてダブラフェニブ、ベムラフェニブおよび本開示のペプチド模倣大環状分子を用いる処置
本開示の1つまたは複数の代表的なペプチド模倣大環状分子ならびに市販されている標的化剤ダブラフェニブおよびベムラフェニブの組合せを、様々な薬物用量で試験する。最初に、様々なA375細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養される細胞の最適な数および処置持続期間を決定する。次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度の本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子で、または様々な濃度のベムラフェニブ単独で、もしくは様々な濃度のダブラフェニブ単独で処置する。処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価する。ペプチド模倣大環状分子のIC50周辺のいくつかの濃度ならびにダブラフェニブおよびベムラフェニブのIC50周辺のいくつかの濃度を次いで決定する。A375細胞に対するAileronペプチド1のEC50は70nMであると決定する。これらの選択濃度をA375細胞でダブラフェニブおよびベムラフェニブとの組合せにおけるペプチド模倣大環状分子について試験する。A375細胞の最適な数を平板培養し、本開示の代表的なペプチド模倣大環状分子ならびにダブラフェニブおよびベムラフェニブの組合せで処置する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をダブラフェニブおよびベムラフェニブと同時に細胞に添加する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をダブラフェニブおよびベムラフェニブの添加前に細胞に添加する。一部の場合において、ペプチド模倣大環状分子をダブラフェニブおよびベムラフェニブの添加後に細胞に添加する。同時または逐次の処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価する。
(実施例32)
MV4−11白血病がん細胞株において本開示のペプチド模倣大環状分子とともにシタラビン(Ara−C)、アザシチジン、デシタビンおよびミドスタウリンを用いる処置。
Aileronペプチド1(AP1)ならびに市販されているAra−C(図38A)、アザシチジン(図39A)、デシタビン(図40A)およびミドスタウリン(図41A)の組合せを、様々な薬物用量で試験した。最初に、様々なMV4−11細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養するべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定した。
次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度のAP1でまたは様々な濃度のAra−C、アザシチジン、デシタビンまたはミドスタウリン単独で処置した。処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した。Ara−C(図38B)、アザシチジン(図39B)、デシタビン(図40B)またはミドスタウリン(図41B)との組合せにおけるAP1。全てが相補的in vitro抗がん活性を示した。Ara−C、アザシチジン、デシタビンまたはミドスタウリンとの組合せは、がん細胞増殖および細胞死滅のAP1阻害を増強した。
薬物組合せインデックスプロットを使用して、各組合せ処置の相乗的、相加的または拮抗的な特性を評価した。Ara−CおよびAP1組合せの抗増殖効果は主に、ある程度の相乗作用と相加的であった(図38C)。アザシチジンおよびAP1組合せの抗増殖効果は主に、一部の相乗作用と相加的であった(図39C)。デシタビンおよびAP1組合せの抗増殖効果は主に相加的であった(図40C)。ミドスタウリンおよびAP1組合せの抗増殖効果は主に相乗的であった(図41C)。CompuSynソフトウェアを使用して、組合せインデックス(CI)値を算出した。データをlog(CI)として表した。CI値:0〜0.1、非常に強い相乗作用;0.1〜0.3、強い相乗作用;0.3〜0.7、相乗作用;0.7〜0.85、中程度の相乗作用;0.85〜0.90、軽度の相乗作用;0.90〜1.10、ほぼ相加的;1.10〜1.20、軽度の拮抗作用;1.20〜1.45、中程度の拮抗作用;1.45〜3.3、拮抗作用;3.3〜10、強い拮抗作用;10、非常に強い拮抗作用。
(実施例33)
DOHH−2リンパ腫B細胞がん細胞株において本開示のペプチド模倣大環状分子とともにビンクリスチン(VCR)およびシクロホスファミド(CTX)を用いる処置
AP1ならびに市販されているVCR(図42A)およびCTX(図44A)の組合せを、様々な薬物用量で試験した。最初に、様々なDOHH−2細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養するべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定した。
次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度のAP1でまたは様々な濃度のVCRもしくはCTX単独で処置した。VCR(図42B)またはCTX(図44B)で処置を開始した72時間後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した。VCRとの組合せにおけるAP1は、相補的in vitro抗がん活性を示した(図43)。CTXとの組合せにおけるAP1は相補的in vitro抗がん活性を示した(図45)。
薬物組合せインデックスプロットを使用して、各組合せ処置の相乗的、相加的または拮抗的な特性を評価した。VCRおよびAP1組合せの抗増殖効果は主に相乗的であった(図42C)。CTXおよびAP1組合せの抗増殖効果は相乗的であった(図44C)。CompuSynソフトウェアを使用して、組合せインデックス(CI)値を算出した。データをlog(CI)として表した。CI値:0〜0.1、非常に強い相乗作用;0.1〜0.3、強い相乗作用;0.3〜0.7、相乗作用;0.7〜0.85、中程度の相乗作用;0.85〜0.90、軽度の相乗作用;0.90〜1.10、ほぼ相加的;1.10〜1.20、軽度の拮抗作用;1.20〜1.45、中程度の拮抗作用;1.45〜3.3、拮抗作用;3.3〜10、強い拮抗作用;10、非常に強い拮抗作用。
ペプチド模倣大環状分子のIC50周辺のいくつかの濃度およびVCRのIC50周辺のいくつかの濃度を次いで決定した。
ペプチド模倣大環状分子のIC50周辺のいくつかの濃度およびCTXのIC50周辺のいくつかの濃度を次いで決定した。
(実施例34)
VCRとの組合せにおける様々な濃度のAP1を使用するDOHH−2細胞生存率に対する添加順序効果。
組合せ処置の抗がん活性を、薬物の添加順序に基づいて評価した。DOHH−2細胞を、様々な濃度のAP1およびVCRによって72時間逐次的に処置した(図46)。AP1は、VCRの有無にかかわらずDOHH−2細胞成長を抑制した(図47)。同様に、VCRは、AP1の有無にかかわらずDOHH−2細胞成長を抑制した(図48)。
(実施例35)
CTXとの組合せにおける様々な濃度のAP1を使用するDOHH−2細胞生存率に対する添加順序効果。
組合せ処置の抗がん活性を、薬物の添加順序に基づいて評価した。DOHH−2細胞を、様々な濃度のAP1およびCTXによって72時間逐次的に処置した(図49)。AP1は、CTXの有無にかかわらずDOHH−2細胞成長を抑制した(図50)。同様に、CTXは、AP1の有無にかかわらずDOHH−2細胞成長を抑制した(図51)。
(実施例36)
ミドスタウリンとの組合せにおける様々な濃度のAP1を使用するMV4−11細胞生存率に対する添加順序効果。
組合せ処置の抗がん活性を、薬物の添加順序に基づいて評価した。MV4−11細胞を、様々な濃度のAP1およびミドスタウリンによって72時間逐次的に処置した(図52)。AP1は、ミドスタウリンの有無にかかわらずMV4−11細胞成長を抑制した(図53)。同様に、ミドスタウリンは、AP1の有無にかかわらずMV4−11細胞成長を抑制した(図54)。
(実施例37)
デシタビンとの組合せにおける様々な濃度のAP1を使用するMV4−11細胞生存率に対する添加順序効果。
組合せ処置の抗がん活性を、薬物の添加順序に基づいて評価した。MV4−11細胞を、様々な濃度のAP1およびデシタビンによって72時間逐次的に処置した(図55)。AP1は、デシタビンの有無にかかわらずMV4−11細胞成長を抑制した(図56)。同様に、デシタビンは、AP1の有無にかかわらずMV4−11細胞成長を抑制した(図57)。
(実施例38)
Ara−Cとの組合せにおける様々な濃度のAP1を使用するMV4−11細胞生存率に対する添加順序効果。
組合せ処置の抗がん活性を、薬物の添加順序に基づいて評価した。MV4−11細胞を、様々な濃度のAP1およびAra−Cによって72時間逐次的に処置した(図58)。AP1は、Ara−Cの有無にかかわらずMV4−11細胞成長を抑制した(図59)。同様に、Ara−Cは、AP1の有無にかかわらずMV4−11細胞成長を抑制した(図60)。
(実施例39)
アザシチジンとの組合せにおける様々な濃度のAP1を使用するMV4−11細胞生存率に対する添加順序効果。
組合せ処置の抗がん活性を、薬物の添加順序に基づいて評価した。MV4−11細胞を、様々な濃度のAP1およびアザシチジンによって72時間逐次的に処置した(図61)。AP1は、アザシチジンの有無にかかわらずMV4−11細胞成長を抑制した(図62)。同様に、アザシチジンは、AP1の有無にかかわらずMV4−11細胞成長を抑制した(図63)。
(実施例40)
MCF−7乳がん細胞株において本開示のペプチド模倣大環状分子とともにフルベストラント(FUL)およびエベロリムスを用いる処置。
AP1ならびに市販されているフルベストラント(図64Aおよび65A)およびエベロリムス(図66Aおよび67A)の組合せを、様々な薬物用量で試験した。最初に、様々なMCF−7細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養するべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定した。
次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度のAP1でまたは様々な濃度のフルベストラントもしくはエベロリムス単独で処置した。処置を開始した120時間後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した。AP1は、フルベストラントの有無にかかわらずMCF−7細胞成長を抑制した(図64Bおよび65B)。AP1は、エベロリムスの有無にかかわらずMCF−7細胞成長を抑制した(図66Bおよび67B)。
ペプチド模倣大環状分子のIC50周辺のいくつかの濃度およびFULのIC50周辺のいくつかの濃度を次いで決定した。
(実施例41)
MOLT−3T−リンパ系がん細胞株において本開示のペプチド模倣大環状分子とともにリツキシマブおよびロミデプシンを用いる処置。
AP1ならびに市販されているリツキシマブ(図68Aおよび69A)およびロミデプシン(図71Aおよび72A)の組合せを、様々な薬物用量で試験した。最初に、様々なMOLT−3細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養するべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定した。
次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度のAP1でまたは様々な濃度のリツキシマブもしくはロミデプシン単独で処置した。リツキシマブ(図68Bおよび69B)またはロミデプシン(図71および72B)で処置を開始した3〜7日後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した。リツキシマブとの組合せにおけるAP1は、相補的in vitro抗がん活性(図70)を示した。ロミデプシンとの組合せにおけるAP1は、相補的in vitro抗がん活性を示した(図73)。API単独の、および様々な濃度のロミデプシンとのAPIのIC 50 値は、図72Cに示される。
(実施例42)
MCF−7乳がん細胞株において本開示のペプチド模倣大環状分子とともにリツキシマブおよびロミデプシンを用いる処置。
AP1ならびに市販されているリボシクリブ(図74Aおよび75A)およびアベマシクリブ(図76Aおよび77A)の組合せを、様々な薬物用量で試験した。最初に、様々なMCF−7細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養するべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定した。
次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度のAP1でまたは様々な濃度のリボシクリブもしくはアベマシクリブ単独で処置した。リツキシマブ(図74Bおよび75B)またはロミデプシン(図76および77B)で処置を開始した72時間後または120時間後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した。
(実施例43)
CyQUANT方法を使用する、パルボシクリブとの組合せにおける様々な濃度のAP1を使用するMCF−7細胞生存率に対する添加順序効果。
組合せ処置の抗がん活性を、薬物の添加順序に基づいて判定した。MCF−7細胞を、様々な濃度のAP1およびパルボシクリブによって72時間逐次的に処置した(図80)。AP1は、パルボシクリブの有無にかかわらずMCF−7細胞成長を抑制した(図81)。同様に、パルボシクリブは、AP1の有無にかかわらずMCF−7細胞成長を抑制した(図82)。
(実施例44)
MCF−7乳がん細胞株において本開示のペプチド模倣大環状分子とともにデキサメタゾンを用いる処置。
AP1および市販されているデキサメタゾンの組合せを、様々な薬物用量で120時間試験した。細胞を生存率についてWST−1アッセイによって評価した。AP1は、デキサメタゾンの有無にかかわらずMCF−7細胞成長を抑制した(図83)。
(実施例45)
A375メラノーマがん細胞株において本開示のペプチド模倣大環状分子とともにzelboraf、tafinlarおよびmekinistを用いる処置。
AP1ならびに市販されているzelboraf(図84Aおよび85A)、tafinlar(図86Aおよび87A)およびmekinist(図88Aおよび89A)の組合せを、様々な薬物用量で試験した。最初に、様々なA375細胞数を平板培養し、3〜7日後に評価して、平板培養するべき細胞の最適な数および処置持続期間を決定した。
次に、細胞の最適な数を平板培養し、様々な濃度のAP1でまたは様々な濃度のzelborafまたはtafinlar単独で処置した。zelboraf(図84Bおよび85B)、tafinlar(図86および87B)またはmekinist(図88Bおよび89B)で処置を開始した72時間後に、細胞を生存率についてWST−1アッセイまたはMTTアッセイによって評価した。
(実施例46)
MCF−7細胞におけるフルベストラント、エベロリムス、パルボシクリブ(WST−1)、パルボシクリブ(WST−1)およびロミデプシンの組合せインデックスプロット。
組合せインデックスプロットは、フルベストラント(図90A)、エベロリムス(図90B)、WST−1を介するパルボシクリブ(図90C)、CyQUANTを介するパルボシクリブ(図90D)、およびロミデプシン(図90E)を使用するMCF−7細胞におけるAP1について相加的またはより良好な相補性を示唆している。CompuSynソフトウェアを使用して、組合せインデックス(CI)値を算出した。データをlog(CI)として表した。CI値:0〜0.1、非常に強い相乗作用;0.1〜0.3、強い相乗作用;0.3〜0.7、相乗作用;0.7〜0.85、中程度の相乗作用;0.85〜0.90、軽度の相乗作用;0.90〜1.10、ほぼ相加的;1.10〜1.20、軽度の拮抗作用;1.20〜1.45、中程度の拮抗作用;1.45〜3.3、拮抗作用;3.3〜10、強い拮抗作用;10、非常に強い拮抗作用。
(実施例47)
MV4−11細胞におけるAra−C、デシタビン、アザシチジンおよびミドスタウリンの組合せインデックスプロット
組合せインデックスプロットは、Ara−C(図91A)、デシタビン(図91B)、アザシチジン(図91C)およびミドスタウリン(図91D)を使用するMV4−11細胞におけるAP1について相加的またはより良好な相補性を示唆している。CompuSynソフトウェアを使用して、組合せインデックス(CI)値を算出した。データをlog(CI)として表した。CI値:0〜0.1、非常に強い相乗作用;0.1〜0.3、強い相乗作用;0.3〜0.7、相乗作用;0.7〜0.85、中程度の相乗作用;0.85〜0.90、軽度の相乗作用;0.90〜1.10、ほぼ相加的;1.10〜1.20、軽度の拮抗作用;1.20〜1.45、中程度の拮抗作用;1.45〜3.3、拮抗作用;3.3〜10、強い拮抗作用;10、非常に強い拮抗作用。
(実施例48)
DOHH−2細胞におけるビンクリスチン、シクロホスファミドおよびリツキシマブの組合せインデックスプロット。
組合せインデックスプロットは、ビンクリスチン(図92A)、シクロホスファミド(図92B)およびリツキシマブ(図92C)を使用するDOHH−2細胞におけるAP1について相加的またはより良好な相補性を示唆している。CompuSynソフトウェアを使用して、組合せインデックス(CI)値を算出した。データをlog(CI)として表した。CI値:0〜0.1、非常に強い相乗作用;0.1〜0.3、強い相乗作用;0.3〜0.7、相乗作用;0.7〜0.85、中程度の相乗作用;0.85〜0.90、軽度の相乗作用;0.90〜1.10、ほぼ相加的;1.10〜1.20、軽度の拮抗作用;1.20〜1.45、中程度の拮抗作用;1.45〜3.3、拮抗作用;3.3〜10、強い拮抗作用;10、非常に強い拮抗作用。
(実施例49)
MOLT−3細胞におけるロミデプシンの組合せインデックスプロット。
組合せインデックスプロットは、ロミデプシンを使用するMOLT−3細胞におけるAP1について主に相加的相補性を示唆している(図93)。CompuSynソフトウェアを使用して、組合せインデックス(CI)値を算出した。データをlog(CI)として表した。CI値:0〜0.1、非常に強い相乗作用;0.1〜0.3、強い相乗作用;0.3〜0.7、相乗作用;0.7〜0.85、中程度の相乗作用;0.85〜0.90、軽度の相乗作用;0.90〜1.10、ほぼ相加的;1.10〜1.20、軽度の拮抗作用;1.20〜1.45、中程度の拮抗作用;1.45〜3.3、拮抗作用;3.3〜10、強い拮抗作用;10、非常に強い拮抗作用。
(実施例50)
A375細胞におけるビンクリスチン、シクロホスファミドおよびリツキシマブの組合せインデックスプロット。
組合せインデックスプロットは、mekinist(図94A)、zelboraf(図94B)およびtafinlar(図94C)を使用するA375細胞におけるAP1について相加的またはより良好な相補性を示唆している。CompuSynソフトウェアを使用して、組合せインデックス(CI)値を算出した。データをlog(CI)として表した。CI値:0〜0.1、非常に強い相乗作用;0.1〜0.3、強い相乗作用;0.3〜0.7、相乗作用;0.7〜0.85、中程度の相乗作用;0.85〜0.90、軽度の相乗作用;0.90〜1.10、ほぼ相加的;1.10〜1.20、軽度の拮抗作用;1.20〜1.45、中程度の拮抗作用;1.45〜3.3、拮抗作用;3.3〜10、強い拮抗作用;10、非常に強い拮抗作用。
(実施例51)
AML細胞株におけるp53経路のAileronペプチド1活性化
Molm13細胞株を漸増量のAileronペプチド1(0.1μM、0.2μM、0.4μM、0.5μM、1.0μM、2.5μM、5.0μMまたは10.0μM)で処置した(図1A)。溶解物をSDS−PAGEにかけ、MDM2、p53、p21およびβ−アクチンに特異的な抗体を用いるウエスタンブロッティングによってプローブした。結果は、Aileronペプチド1がMolm13細胞株においてp53経路を活性化することを実証している。
OCI/AML3細胞株を漸増量のAileronペプチド1(0.1μM、0.2μM、0.4μM、0.5μM、1.0μM、2.5μM、5.0μMまたは10.0μM)で処置した(図1B)。溶解物をSDS−PAGEにかけ、MDM2、p53、p21およびβ−アクチンに特異的な抗体を用いるウエスタンブロッティングによってプローブした。結果は、Aileronペプチド1がOCI/AML3細胞株においてp53経路を活性化することを実証している。
HL60細胞株を漸増量のAileronペプチド1(0.1μM、0.2μM、0.4μM、0.5μM、1.0μM、2.5μM、5.0μMまたは10.0μM)で処置した(図1C)。溶解物をSDS−PAGEにかけ、MDM2、p53、p21およびβ−アクチンに特異的な抗体を用いるウエスタンブロッティングによってプローブした。結果は、Aileronペプチド1がp53ヌルHL60細胞株においてp53経路を活性化しないことを実証している。
Molm13、OCI/AML3、Molm14およびML2細胞株を、ビヒクルまたは1.0μMのAileronペプチドで処置した(図1B)。溶解物をSDS−PAGEにかけ、MDM2、p53、p21およびβ−アクチンに特異的な抗体を用いるウエスタンブロッティングによってプローブした。結果は、Aileronペプチド1がこれらの細胞株においてp53経路を活性化することを実証している。
p21、MDM2、Puma、BaxおよびGadd45aのmRNA発現も、漸増量のAileronペプチド1(0.1μM、0.2μM、0.4μM、0.5μM、1.0μM、2.5μM、5.0μMまたは10.0μM)を用いる処置に続いてMolm13およびOci/AML3細胞株において決定した(図2)。発現レベルをGAPDH mRNA発現レベルに正規化した。結果は、Aileronペプチド1がこれらの細胞株においてp53経路を活性化することを実証している。
(実施例52)
初代AML細胞におけるp53経路のAileronペプチド1活性化
2つの初代AML細胞株を、ビヒクルまたは1.0μMのAileronペプチド1または5.0μMのAileronペプチド1で処置した(図1C)。溶解物をSDS−PAGEにかけ、MDM2、p53、p21およびβ−アクチンに特異的な抗体を用いるウエスタンブロッティングによってプローブした。結果は、Aileronペプチド1が初代AML細胞においてp53経路を活性化することを実証している。
(実施例53)
Aileronペプチド1はAML細胞においてp53を安定化する
Molm13、OCI/AML3、Molm14、HL60およびML2細胞株を、ビヒクルまたは漸増量のAileronペプチド1(0.1μM、0.2μM、0.4μM、0.5μM、1.0μM、2.5μM、5.0μMまたは10.0μM)で(図3Aおよび3B)24時間、48時間または72時間処置した。溶解物をSDS−PAGEにかけ、MDM2、p53、p21およびβ−アクチンに特異的な抗体を用いるウエスタンブロッティングによってプローブした。結果は、AMLp53野生型細胞株が試験された時間および用量依存的方式にて、Aileronペプチド1がp53を安定化することを実証している。
(実施例54)
AML細胞における免疫沈殿アッセイ
AMLp53野生型細胞株を、ビヒクルまたは10.0μMのAileronペプチドで処置した(図4A、4B、および4C)。溶解物を、MDMX特異的抗体(図4A)、p53特異的抗体(図4B)、またはMDM2特異的抗体(図4C)を用いる免疫沈殿にかけた。免疫沈降物を洗浄し、SDS−PAGEにかけ、MDM2、MDMX、p53および/またはβ−アクチンに特異的な抗体を用いるウエスタンブロッティングによってプローブした。結果は、Aileronペプチド1がp53−MDMXおよびp53−MDM2相互作用を阻害することを実証している。
(実施例55)
AML細胞の細胞増殖アッセイ
Molm13、OCI/AML3、Molm14、HL60およびML2細胞株を公知の密度(細胞/mL)で平板培養し、ビヒクルまたは漸増量のAileronペプチド1(0.1μM、0.2μM、0.4μM、0.5μM、1.0μM、2.5μM、5.0μMまたは10.0μM)で処置した(図5A〜5D)。細胞増殖を、様々な時点で生細胞数/mLをカウントすることによって経時的に測定し、プロットした。Aileronペプチド1で処置された全てのp53野生型細胞株は、ビヒクル単独と比較して経時的な細胞増殖レベルの低減を実証した。
(実施例56)
AML細胞株に対するクローン形成能アッセイ
Molm13、OCI/AML3、Molm14、HL60およびML2細胞株を、ビヒクルまたは1.0μMのAileronペプチド1で処置した。クローン形成能アッセイを次いで行い、コロニーの数をカウントした(図6)。結果は、試験されたp53野生型細胞株におけるAileronペプチド1処置が、それらのクローン原性能力を阻害したことを実証した。
(実施例57)
AML細胞株の細胞増殖アッセイ
OCI/AML3、HL60およびKasumi−1細胞株を公知の密度(細胞/mL)で平板培養し、ビヒクルまたは10.0μMのAileronペプチド1で処置した(図7Aおよび7B)。細胞増殖を、様々な時点で生細胞数/mLをカウントすることによって経時的に測定し、プロットした。Aileronペプチド1で処置されたp53野生型OCI/AML3は、ビヒクル単独と比較して経時的な細胞増殖レベルの低減を実証したが、p53ヌルHL60またはp53R248Q Kasumi−1細胞株は実証しなかった。
(実施例58)
AML細胞株のアポトーシスアッセイ
Molm13、OCI/AML3、Molm14、HL60およびML2細胞株を、ビヒクルまたは漸増量のAileronペプチド1(1.0μM、5.0μMまたは10.0μM)で処置した(図8A〜8E)。細胞をDAPIおよびFITC標識抗アネキシンV抗体でプローブした。FACS分析を行って、生細胞の数、ならびに早期アポトーシス、後期アポトーシスにおけるおよび壊死を受ける細胞の数を決定し、結果をプロットした。結果は、Aileronペプチド1が、試験されたp53野生型AML細胞株においてアポトーシス細胞死を誘導することを実証している。
(実施例59)
Ara−Cで処置されたAML細胞における細胞増殖
AML細胞株を公知の密度(細胞/mL)で平板培養し、ビヒクルまたは漸増量のAra−C単独で(図9A);ビヒクル、Aileronペプチド1単独で、またはAra−CおよびAileronペプチド1(図9B)で;またはビヒクル、Ara−C単独で、もしくAra−Cおよび漸増量のAileronペプチド1(図9C)で処置した。細胞増殖を、様々な時点で生細胞数/mLをカウントすることによって経時的に測定し、プロットした。結果は、シタラビン(Ara−C)処置がAML細胞株の増殖を阻害すること、およびAra−CがAP1と協同してAML細胞株の増殖を阻害することを実証している。
(実施例60)
初代AML細胞の細胞増殖アッセイおよびクローン形成能アッセイ
初代AML細胞株を公知の密度(細胞/mL)で平板培養し、ビヒクルまたは漸増量のAileronペプチド1(1.0μM、5.0μMまたは10.0μM)で処置した(図10A〜10D)。細胞増殖を、様々な時点で生細胞数/mLをカウントすることによって経時的に測定し、プロットした。Aileronペプチド1で処置された初代AML細胞株は、ビヒクル単独と比較して経時的な細胞増殖レベルの低減を実証した。
(実施例61)
初代AML細胞株に対するクローン形成能アッセイ
寛解における患者からの初代AML細胞株および初代AML細胞株を、ビヒクルまたは漸増量のAileronペプチド1(0.1μM、0.25μM、0.5μMまたは1.0μM)で処置した(図11Aおよび11B)。クローン形成能アッセイを次いで行い、コロニーの数をカウントした。結果は、試験された初代AML細胞株におけるAileronペプチド1処置が、寛解における患者からの初代AML細胞株および健康なドナーからの細胞よりも高い程度に、それのクローン原性能力を阻害することを実証した。
(実施例62)
初代AML細胞株におけるアポトーシスアッセイ
初代AML細胞株をビヒクルまたは漸増量のAileronペプチド1(1.0μM、5.0μMまたは10.0μM)で処置した(図12)。細胞をDAPIおよびFITC標識抗アネキシンV抗体でプローブした。FACS分析を行って、生細胞の数、ならびに早期アポトーシス、後期アポトーシスにおけるおよび壊死を受ける細胞の数を決定し、結果をプロットした。結果は、Aileronペプチド1が、初代AML細胞におけるアポトーシス細胞死を誘導することを実証している。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
それを必要としている被験体のがんを処置する方法であって、前記被験体に、治療有効量のペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を投与するステップを含み、前記ペプチド模倣大環状分子が、式
(式中、
−Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、およびXaa 10 のそれぞれは、個々にアミノ酸であり、Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、およびXaa 10 の少なくとも3つは、配列Phe −X −His −Tyr −Trp −Ala −Gln −Leu 10 −X 11 −Ser 12 の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸であり、各Xは、アミノ酸であり、
−各DおよびEは、独立に、アミノ酸であり、
−R およびR は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはR およびR の少なくとも1つは、前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各LおよびL’は、独立に、式−L −L −の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各L およびL は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R −K−R −] であり、それぞれR により必要に応じて置換されており、
−各R は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO 、CO、CO 、またはCONR であり、
−各R は、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR 、−N(R 、−SR 、−SOR 、−SO 、−CO 、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各R は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−R は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−R は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−vは、1〜1000の整数であり、
−wは、3〜1000の整数であり、
−nは、1〜5の整数である)
を有する、方法。
(項目2)
それを必要としている被験体のがんを処置する方法であって、前記被験体に、治療有効量のペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を投与するステップを含み、前記ペプチド模倣大環状分子が、式
(式中、
−Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、およびXaa 10 のそれぞれは、個々にアミノ酸であり、Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、およびXaa 10 の少なくとも3つは、配列Phe −X −Glu −Tyr −Trp −Ala −Gln −Leu 10 /Cba 10 −X 11 −Ala 12 の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸であり、各Xは、アミノ酸であり、
−各DおよびEは、独立に、アミノ酸であり、
−R およびR は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはR およびR の少なくとも1つは、前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各LおよびL’は、独立に、式−L −L −の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各L およびL は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R −K−R −] であり、それぞれR により必要に応じて置換されており、
−各R は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO 、CO、CO 、またはCONR であり、
−各R は、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR 、−N(R 、−SR 、−SOR 、−SO 、−CO 、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各R は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−R は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−R は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−vは、1〜1000の整数であり、
−wは、3〜1000の整数であり、
−nは、1〜5の整数である)
を有する、方法。
(項目3)
前記ペプチド模倣大環状分子が、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、MDM2またはMDMXとの結合親和性が改善されている、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記ペプチド模倣大環状分子が、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、MDMX対MDM2との結合親和性の比が低減されている、項目1または2に記載の方法。
(項目5)
前記ペプチド模倣大環状分子が、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、p53陽性腫瘍細胞株に対するin vitro抗腫瘍有効性が改善されている、項目1または2に記載の方法。
(項目6)
前記ペプチド模倣大環状分子が、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、p53陽性腫瘍細胞株におけるアポトーシスのin vitro誘導が改善されている、項目1または2に記載の方法。
(項目7)
前記ペプチド模倣大環状分子が、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、p53陽性対p53陰性または変異腫瘍細胞株に対するin vitro抗腫瘍有効性の比が改善されている、項目1または2に記載の方法。
(項目8)
前記ペプチド模倣大環状分子が、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、p53陽性腫瘍に対するin vivo抗腫瘍有効性が改善されている、項目1または2に記載の方法。
(項目9)
前記ペプチド模倣大環状分子が、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、p53陽性腫瘍におけるアポトーシスのin vivo誘導が改善されている、項目1または2に記載の方法。
(項目10)
前記ペプチド模倣大環状分子が、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、細胞透過性が改善されている、項目1または2に記載の方法。
(項目11)
前記ペプチド模倣大環状分子が、wが0、1または2である対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、溶解度が改善されている、項目1または2に記載の方法。
(項目12)
Xaa が、Gluまたはそのアミノ酸類似体である、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
Xaa が、Gluまたはそのアミノ酸類似体であり、前記ペプチド模倣大環状分子が、Xaa がAlaである対応するペプチド模倣大環状分子と比較して、結合親和性が改善され、溶解度が改善され、細胞有効性が改善され、ヘリシティが改善され、細胞透過性が改善され、in vivoもしくはin vitro抗腫瘍有効性が改善され、またはアポトーシス誘導が改善されている、項目12に記載の方法。
(項目14)
各Eは、独立に、Ala(アラニン)、D−Ala(D−アラニン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Sar(N−メチルグリシン)、およびSer(セリン)から選択されるアミノ酸である、項目1または2に記載の方法。
(項目15)
[D] が、−Leu −Thr である、項目1または2に記載の方法。
(項目16)
wが、3〜10である、項目1から15のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
wが、3〜6である、項目16に記載の方法。
(項目18)
wが、6〜10である、項目16に記載の方法。
(項目19)
wが、6である、項目16に記載の方法。
(項目20)
vが、1〜10である、項目1から19のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
vが、2〜10である、項目20に記載の方法。
(項目22)
vが、2〜5である、項目20に記載の方法。
(項目23)
vが、2である、項目20に記載の方法。
(項目24)
それを必要としている被験体のがんを処置する方法であって、前記被験体に、治療有効量のペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を投与するステップを含み、前記ペプチド模倣大環状分子が、表1、表1a、表1b、または表1cのアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約60%同一であるアミノ酸配列を含み、前記ペプチド模倣大環状分子が、式

(式中、
−各A、C、D、およびEは、独立に、アミノ酸であり、
−各Bは、独立に、アミノ酸、アミノ酸類似体、

[−NH−L −CO−]、[−NH−L −SO −]、または[−NH−L −]であり、
−各R およびR は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはR およびR の少なくとも1つは、前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各R は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(R により必要に応じて置換されている)、
−各LおよびL’は、独立に、式−L −L −の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各L 、L 、およびL は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R −K−R −] であり、それぞれR により必要に応じて置換されており、
−各R は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO 、CO、CO 、またはCONR であり、
−各R は、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR 、−N(R 、−SR 、−SOR 、−SO 、−CO 、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各R は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各R は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−各R は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−各vおよびwは、独立に、1〜1000の整数であり、
−uは、1〜10の整数であり、
−各x、y、およびzは、独立に、0〜10の整数であり、
−nは、1〜5の整数である)
を有し、前記ペプチド模倣大環状分子が、表2aまたは2bのペプチド模倣大環状分子ではない、方法。
(項目25)
それを必要としている被験体のがんを処置する方法であって、前記被験体に、治療有効量のペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を投与するステップを含み、前記ペプチド模倣大環状分子が、表1、表1a、表1b、または表1cのアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約60%同一であるアミノ酸配列を含み、前記ペプチド模倣大環状分子が、式

(式中、
−各A、C、D、およびEは、独立に、アミノ酸であり、
−各Bは、独立に、アミノ酸、アミノ酸類似体、

[−NH−L −CO−]、[−NH−L −SO −]、または[−NH−L −]であり、
−各R およびR は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはR およびR の少なくとも1つは、前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各R は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(R により必要に応じて置換されている)、
−各LおよびL’は、独立に、式−L −L −の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各L 、L 、およびL は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R −K−R −] であり、それぞれR により必要に応じて置換されており、
−各R は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO 、CO、CO 、またはCONR であり、
−各R は、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR 、−N(R 、−SR 、−SOR 、−SO 、−CO 、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各R は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各R は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−各R は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−各vおよびwは、独立に、1〜1000の整数であり、
−uは、1〜10の整数であり、
−各x、y、およびzは、独立に、0〜10の整数であり、
−nは、1〜5の整数であり、
w>2であり、
Eによって表される最初の2つのアミノ酸のそれぞれは、無電荷側鎖または負電荷側鎖を含む)
を有し、
ただし前記ペプチド模倣大環状分子が、表2aのペプチド模倣大環状分子ではなく、配列
Ac−RTQATF$r8NQWAibANle$TNAibTR−NH
Ac−$r8SQQTFS$LWRLLAibQN−NH
Ac−QSQ$r8TFSNLW$LLAibQN−NH
Ac−QS$r5QTFStNLW$LLAibQN−NH 、または
Ac−QSQQ$r8FSNLWR$LAibQN−NH
(式中、Aibは、2−アミノイソ酪酸を表し、$は、1つの二重結合を含むすべて炭素のクロスリンカーによって別のアミノ酸側鎖に結合しているアルファ−Me S5−ペンテニル−アラニンオレフィンアミノ酸を表し、$r5は、1つの二重結合を含むすべて炭素のクロスリンカーによって別のアミノ酸側鎖に結合しているアルファ−Me R5−ペンテニル−アラニンオレフィンアミノ酸を表し、$r8は、1つの二重結合を含むすべて炭素のクロスリンカーによって別のアミノ酸側鎖に結合している、アルファ−Me R8−オクテニル−アラニンオレフィンアミノ酸を表す)
を有していない、方法。
(項目26)
各Eが、独立に、Ala(アラニン)、D−Ala(D−アラニン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Sar(N−メチルグリシン)、およびSer(セリン)から選択されるアミノ酸である、項目24または25に記載の方法。
(項目27)
Eによって表される第1のC末端アミノ酸および/または第2のC末端アミノ酸が、疎水性側鎖を含む、項目24から26のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
前記疎水性鎖が、大きい疎水性側鎖である、項目27に記載の方法。
(項目29)
それを必要としている被験体のがんを処置する方法であって、前記被験体に、治療有効量のペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を投与するステップを含み、前記ペプチド模倣大環状分子が、表1、表1a、表1b、または表1cのアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約60%同一であるアミノ酸配列を含み、前記ペプチド模倣大環状分子が、式

(式中、
−各A、C、D、およびEは、独立に、アミノ酸であり、
−各Bは、独立に、アミノ酸、アミノ酸類似体、

[−NH−L −CO−]、[−NH−L −SO −]、または[−NH−L −]であり、
−各R およびR は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはR およびR の少なくとも1つは、前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各R は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(R により必要に応じて置換されている)、
−各LおよびL’は、独立に、式−L −L −の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各L 、L 、およびL は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R −K−R −] であり、それぞれR により必要に応じて置換されており、
−各R は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO 、CO、CO 、またはCONR であり、
−各R は、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR 、−N(R 、−SR 、−SOR 、−SO 、−CO 、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各R は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各R は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−各R は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−各vおよびwは、独立に、1〜1000の整数であり、
−uは、1〜10の整数であり、
−各x、y、およびzは、独立に、0〜10の整数であり、
−nは、1〜5の整数であり、
−w>2である)
を有し、
Eによって表される第3のアミノ酸が、大きい疎水性側鎖を含み、
ただし前記ペプチド模倣大環状分子が、表2aのペプチド模倣大環状分子ではなく、配列Ac−Q$r8QQTFSN$WRLLAibQN−NH を有していない、方法。
(項目30)
Eによって表される前記第3のアミノ酸以外の各Eが、Ala(アラニン)、D−Ala(D−アラニン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Sar(N−メチルグリシン)、およびSer(セリン)から選択されるアミノ酸である、項目29に記載の方法。
(項目31)
wが、3〜10である、項目34から30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
wが、3〜6である、項目31に記載の方法。
(項目33)
wが、6〜10である、項目31に記載の方法。
(項目34)
wが、6である、項目31に記載の方法。
(項目35)
vが、1〜10である、項目24から34のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
vが、3〜10である、項目35に記載の方法。
(項目37)
vが、3〜5である、項目35に記載の方法。
(項目38)
vが、3である、項目35に記載の方法。
(項目39)
[D] が、−Leu −Thr −Phe である、項目34から38のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
Eによって表される最初の2つのアミノ酸のそれぞれが、無電荷側鎖または負電荷側鎖を含む、項目29から39のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
Eによって表される前記第3のアミノ酸が、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、およびチロシン(Y)からなる群から選択されるアミノ酸である、項目29から39のいずれか一項に記載の方法。
(項目42)
およびL が、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、それぞれR により必要に応じて置換されている、項目1から41のいずれか一項に記載の方法。
(項目43)
およびL が、独立に、アルキレンまたはアルケニレンである、項目1から41のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
Lが、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンである、項目1から41のいずれか一項に記載の方法。
(項目45)
Lが、アルキレンである、項目44に記載の方法。
(項目46)
Lが、C 〜C 16 アルキレンである、項目45に記載の方法。
(項目47)
Lが、C 10 〜C 14 アルキレンである、項目46に記載の方法。
(項目48)
およびR が、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである(非置換であるか、またはハロで置換されている)、項目1から47のいずれか一項に記載の方法。
(項目49)
およびR が、Hである、項目48に記載の方法。
(項目50)
およびR が、独立に、アルキルである、項目48に記載の方法。
(項目51)
およびR が、メチルである、項目50に記載の方法。
(項目52)
x+y+z=6である、項目1から51のいずれか一項に記載の方法。
(項目53)
uが、1である、項目1から52のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記ペプチド模倣大環状分子が、表2aまたは表2bの大環状分子ではない、項目1から53のいずれか一項に記載の方法。
(項目55)
各Eが、SerまたはAlaまたはその類似体である、項目1から54のいずれか一項に記載の方法。
(項目56)
アミノ酸類似体である少なくとも1つのアミノ酸を含む、項目1から55のいずれか一項に記載の方法。
(項目57)
それを必要としている被験体のがんを処置する方法であって、前記被験体に、
(a)(i)p53とMDM2の間の相互作用および/もしくはp53とMDMXの間の相互作用を阻害し、かつ/または
(ii)p53および/もしくはMDM2および/もしくはMDMXの活性をモジュレートする、
治療有効量のp53薬剤、ならびに
(b)(i)CDK4および/もしくはCDK6の活性をモジュレートし、かつ/または
(ii)CDK4および/もしくはCDK6を阻害する、
少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤
を投与するステップを含む、方法。
(項目58)
前記p53薬剤が、p53タンパク質とMDM2タンパク質の間の相互作用および/またはp53タンパク質とMDMXタンパク質の間の相互作用を拮抗する、項目57に記載の方法。
(項目59)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、CDK4および/またはCDK6に結合する、項目57または58に記載の方法。
(項目60)
前記p53薬剤が、有機または無機小分子;サッカリン;オリゴ糖;多糖;ペプチド、タンパク質、ペプチド類似体、ペプチド誘導体;抗体、抗体フラグメント、ペプチド模倣薬;項目1から56のいずれか一項に記載のペプチド模倣大環状分子;核酸;核酸類似体、核酸誘導体;生物学的材料から作成されたエキス;天然に存在するまたは合成の組成物;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目57から59のいずれか一項に記載の方法。
(項目61)
前記p53薬剤が、RG7388(RO5503781、イダサヌトリン);RG7112(RO5045337);ヌトリン3a;ヌトリン3b;ヌトリン3;ヌトリン2;スピロオキシインドール含有小分子;1,4−ジアゼピン;1,4−ベンゾジアゼピン−2,5−ジオン化合物;WK23;WK298;SJ172550;RO2443;RO5963;RO5353;RO2468;MK8242(SCH900242);MI888;MI773(SAR405838);NVPCGM097;DS3032b;AM8553;AMG232;NSC207895(XI006);JNJ26854165(セルデメタン);RITA(NSC652287);YH239EE;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目57から60のいずれか一項に記載の方法。
(項目62)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、有機または無機小分子;サッカリン;オリゴ糖;多糖;ペプチド、タンパク質、ペプチド類似体、ペプチド誘導体;抗体、抗体フラグメント、ペプチド模倣薬;項目1から56のいずれか一項に記載のペプチド模倣大環状分子;核酸;核酸類似体、核酸誘導体;生物学的材料から作成されたエキス;天然に存在するまたは合成の組成物;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目57から61のいずれか一項に記載の方法。
(項目63)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、パルボシクリブ(PD0332991);アベマシクリブ(LY2835219);リボシクリブ(LEE011);ボルシクリブ(P1446A−05);ファスカプリシン;アルシリアフラビン;2−ブロモ−12,13−ジヒドロ−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオン;3−アミノチオアクリドン(3−ATA)、trans−4−((6−(エチルアミノ)−2−((1−(フェニルメチル)−1H−インドール−5−イル)アミノ)−4−ピリミジニル)アミノ)−シクロヘキサノ(CINK4);1,4−ジメトキシアクリジン−9(10H)−チオン(NSC625987);2−メチル−5−(p−トリルアミノ)ベンゾ[d]チアゾール−4,7−ジオン(リュビジン);およびフラボピリドール(アルボシジブ);ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目57から62のいずれか一項に記載の方法。
(項目64)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目65)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目66)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目67)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目68)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目69)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目70)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目71)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目72)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目73)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目74)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目75)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目76)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目77)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目78)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目79)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目80)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目81)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目82)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目83)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目84)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目85)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目86)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目87)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目88)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目89)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目90)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目91)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目92)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目93)
前記ペプチド模倣大環状分子が、

または薬学的に許容されるその塩である、項目1または2に記載の方法。
(項目94)
それを必要としている被験体におけるp53および/またはMDM2および/またはMDMXの活性をモジュレートする方法であって、前記被験体に、治療有効量のペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を投与するステップを含み、前記ペプチド模倣大環状分子が、表1、表1a、表1b、および表1cのいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約60%同一であるアミノ酸配列を含み、前記ペプチド模倣大環状分子が、式

または薬学的に許容されるその塩(式中、
−各A、C、D、およびEは、独立に、アミノ酸であり、
−各Bは、独立に、アミノ酸、

、[−NH−L −CO−]、[−NH−L −SO −]、または[−NH−L −]であり、
−各R およびR は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、または前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各R は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(R により必要に応じて置換されている)、
−各LおよびL’は、独立に、式−L −L −の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各L 、L 、およびL は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R −K−R −] であり、それぞれR により必要に応じて置換されており、
−各R は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO 、CO、CO 、またはCONR であり、
−各R は、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR 、−N(R 、−SR 、−SOR 、−SO 、−CO 、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各R は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各R は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−各R は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−各vは、独立に、1〜1000の整数であり、
−各wは、独立に、1〜1000の整数であり、
−uは、1〜10の整数であり、
−各x、yおよびzは、独立に、0〜10の整数であり、
各nは、独立に、1〜5の整数である)
を有する、方法。
(項目95)
それを必要としている被験体におけるp53タンパク質とMDM2タンパク質の間の相互作用および/またはp53タンパク質とMDMXタンパク質の間の相互作用を拮抗する方法であって、前記被験体に、治療有効量のペプチド模倣大環状分子および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を投与するステップを含み、前記ペプチド模倣大環状分子が、表1、表1a、表1b、および表1cのいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約60%同一であるアミノ酸配列を含み、前記ペプチド模倣大環状分子が、式

または薬学的に許容されるその塩(式中、
−各A、C、D、およびEは、独立に、アミノ酸であり、
−各Bは、独立に、アミノ酸、

[−NH−L −CO−]、[−NH−L −SO −]、または[−NH−L −]であり、
−各R およびR は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、または前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
−各R は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(R により必要に応じて置換されている)、
−各LおよびL’は、独立に、式−L −L −の大環状分子を形成するリンカーであり、
−各L 、L 、およびL は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R −K−R −] であり、それぞれR により必要に応じて置換されており、
−各R は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
−各Kは、独立に、O、S、SO、SO 、CO、CO 、またはCONR であり、
−各R は、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR 、−N(R 、−SR 、−SOR 、−SO 、−CO 、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各R は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
−各R は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
−各R は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
−各vは、独立に、1〜1000の整数であり、
−各wは、独立に、1〜1000の整数であり、
−uは、1〜10の整数であり、
−各x、yおよびzは、独立に、0〜10の整数であり、
各nは、独立に、1〜5の整数である)
を有する、方法。
(項目96)
がんが、頭頸部がん、メラノーマ、肺がん、乳がん、結腸がん、卵巣がん、NSCLC、胃がん、前立腺がん、白血病、リンパ腫、中皮腫、腎臓がん、非ホジキンリンパ腫(NHL)、および神経膠腫からなる群から選択される、項目1から95のいずれか一項に記載の方法。
(項目97)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、ヌクレオシド代謝阻害剤、微小管阻害剤、白金に基づく薬物、低メチル化剤、タンパク質キナーゼ阻害剤、ブルトンチロシンキナーゼ阻害剤、CDK4および/もしくはCDK6阻害剤、B−raf阻害剤、K−ras阻害剤、MEK−1および/もしくはMEK−2阻害剤、エストロゲン受容体アンタゴニスト、HDAC阻害剤、抗CD20モノクローナル抗体、抗PD−1モノクローナル抗体、ホルモンアンタゴニスト、CDK2NA欠失を軽減する薬剤、CDK9異常を軽減する薬剤、AMT制御因子、AKT活性化を軽減する薬剤、PTEN欠失を軽減する薬剤、Wip−1アルファ過剰発現を軽減する薬剤、BIMを上方制御する薬剤、またはアロマターゼ阻害剤である、項目1から96のいずれか一項に記載の方法。
(項目98)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、B−rafに結合するか、またはそれをモジュレートする、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目99)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、B−raf阻害剤である、項目98に記載の方法。
(項目100)
前記B−raf阻害剤が、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、ソラフェニブ、C−1、またはNVP−LGX818である、項目99に記載の方法。
(項目101)
前記B−raf阻害剤が、ベムラフェニブまたはダブラフェニブであり、がんが、メラノーマである、項目99に記載の方法。
(項目102)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、ヌクレオシド代謝制御因子またはモジュレーターである、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目103)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、ヌクレオシド代謝阻害剤である、項目102に記載の方法。
(項目104)
前記ヌクレオシド代謝阻害剤が、カペシタビン、ゲムシタビンまたはシタラビンである、項目103に記載の方法。
(項目105)
前記ヌクレオシド代謝阻害剤が、カペシタビンであり、がんが、結腸がんまたは乳がんである、項目103に記載の方法。
(項目106)
前記ヌクレオシド代謝阻害剤が、ゲムシタビンであり、がんが、卵巣がん、NSCLC、または乳がんである、項目103に記載の方法。
(項目107)
前記ヌクレオシド代謝阻害剤が、シタラビンであり、がんが、白血病またはリンパ腫である、項目103に記載の方法。
(項目108)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、エストロゲン受容体アンタゴニストである、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目109)
前記エストロゲン受容体アンタゴニストが、フルベストラントである、項目108に記載の方法。
(項目110)
がんが、乳がんである、項目108に記載の方法。
(項目111)
がんが、エストロゲン受容体陽性乳がんである、項目108に記載の方法。
(項目112)
がんが、Her2陰性陽性乳がんである、項目108に記載の方法。
(項目113)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、微小管制御因子またはモジュレーターである、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目114)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、微小管阻害剤である、項目113に記載の方法。
(項目115)
前記微小管阻害剤が、パクリタキセル、アブラキサンまたはドセタキセルである、項目114に記載の方法。
(項目116)
前記微小管阻害剤が、パクリタキセルであり、がんが、卵巣がんである、項目114に記載の方法。
(項目117)
前記微小管阻害剤が、アブラキサンであり、がんが、卵巣がんである、項目114に記載の方法。
(項目118)
前記微小管阻害剤が、ドセタキセルであり、がんが、NSCLC、乳がん、前立腺がんまたは胃がんである、項目114に記載の方法。
(項目119)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、白金に基づく薬物である、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目120)
前記白金に基づく薬物が、カルボプラチンまたはシスプラチンである、項目119に記載の方法。
(項目121)
前記白金に基づく薬物が、カルボプラチンであり、がんが、NSCLCまたは卵巣がんである、項目119に記載の方法。
(項目122)
前記白金に基づく薬物が、シスプラチンであり、がんが、NSCLC、中皮腫または卵巣がんである、項目119に記載の方法。
(項目123)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、低メチル化剤である、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目124)
前記低メチル化剤が、アザシチジンまたはdacogenである、項目123に記載の方法。
(項目125)
前記低メチル化剤が、アザシチジンまたはdacogenであり、がんが、骨髄異形成症候群である、項目123に記載の方法。
(項目126)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、タンパク質キナーゼに結合するか、またはそれをモジュレートする、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目127)
前記追加の薬学的に活性な薬剤が、タンパク質キナーゼ阻害剤である、項目126に記載の方法。
(項目128)
前記タンパク質キナーゼ阻害剤が、ソラフェニブ、ミドスタウリン(PKC412)、またはキザルチニブである、項目127に記載の方法。
(項目129)
前記タンパク質キナーゼ阻害剤が、ソラフェニブであり、がんが、腎臓がんまたは肝臓がんである、項目127に記載の方法。
(項目130)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、ブルトンチロシンキナーゼに結合するか、またはそれをモジュレートする、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目131)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、ブルトンチロシンキナーゼ阻害剤である、項目130に記載の方法。
(項目132)
前記ブルトンチロシンキナーゼ阻害剤が、イブルチニブである、項目131に記載の方法。
(項目133)
前記ブルトンチロシンキナーゼ阻害剤が、イブルチニブであり、がんが、非ホジキンリンパ腫(NHL)である、項目131に記載の方法。
(項目134)
前記ブルトンチロシンキナーゼ阻害剤が、イブルチニブであり、がんが、非ホジキンリンパ腫(NHL)である、項目131に記載の方法。
(項目135)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、CDK4および/またはCDK6に結合するか、またはそれらをモジュレートする、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目136)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、CDK4および/またはCDK6阻害剤である、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目137)
前記CDK4および/またはCDK6阻害剤が、パルボシクリブである、項目136に記載の方法。
(項目138)
前記CDK4および/またはCDK6阻害剤が、パルボシクリブであり、がんが、乳がんである、項目136に記載の方法。
(項目139)
がんが、乳がんである、項目136に記載の方法。
(項目140)
がんが、エストロゲン受容体陽性乳がんである、項目136に記載の方法。
(項目141)
がんが、Her2陰性陽性乳がんである、項目136に記載の方法。
(項目142)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、MEK−1および/またはMEK−2に結合するか、またはそれらをモジュレートする、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目143)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、MEK−1および/またはMEK−2阻害剤である、項目142に記載の方法。
(項目144)
前記MEK−1および/またはMEK−2阻害剤が、トラメチニブ、ピマセルチブ、PD0325901またはセルメチニブである、項目143に記載の方法。
(項目145)
前記MEK−1および/またはMEK−2阻害剤が、トラメチニブであり、がんが、メラノーマである、項目143に記載の方法。
(項目146)
前記MEK−1および/またはMEK−2阻害剤が、ピマセルチブである、項目143に記載の方法。
(項目147)
前記MEK−1および/またはMEK−2阻害剤が、ピマセルチブであり、がんが、NSCLCである、項目143に記載の方法。
(項目148)
前記MEK−1および/またはMEK−2阻害剤が、PD0325901である、項目143に記載の方法。
(項目149)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、抗CD20モノクローナル抗体である、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目150)
前記抗CD20モノクローナル抗体が、リツキシマブまたはオビヌツズマブである、項目149に記載の方法。
(項目151)
がんが、NHLまたはB細胞リンパ腫である、項目149に記載の方法。
(項目152)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、抗PD−1モノクローナル抗体である、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目153)
前記抗PD−1モノクローナル抗体が、ペンブロリズマブまたはニボルマブである、項目152に記載の方法。
(項目154)
前記抗PD−1モノクローナル抗体が、ペンブロリズマブまたはニボルマブであり、がんが、メラノーマまたはNSCLCである、項目152に記載の方法。
(項目155)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、アロマターゼ阻害剤である、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目156)
前記アロマターゼ阻害剤が、レトロゾールまたはエキセメスタンである、項目155に記載の方法。
(項目157)
前記アロマターゼ阻害剤が、レトロゾールまたはエキセメスタンであり、がんが、乳がんである、項目155に記載の方法。
(項目158)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、トポイソメラーゼIまたはIIに結合するか、またはそれをモジュレートする、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目159)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、トポイソメラーゼIまたはIIの阻害剤である、項目158に記載の方法。
(項目160)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、トポテカン、イリノテカン、イダルビシン、テニポシドまたはエピルビシンである、項目158に記載の方法。
(項目161)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、トポテカン、イリノテカンまたはエピルビシンである、項目158に記載の方法。
(項目162)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、BCR−ABLキナーゼまたはBCR−ABLおよびSrcファミリーのチロシンキナーゼに結合するか、またはそれらをモジュレートする、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目163)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、BCR−ABLキナーゼまたはBCR−ABLおよびSrcファミリーのチロシンキナーゼの阻害剤である、項目162に記載の方法。
(項目164)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、ニロチニブ、ボスチニブ、ダサチニブまたはイマチニブである、項目162に記載の方法。
(項目165)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、PI3Kに結合するか、またはそれをモジュレートする、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目166)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、PI3K阻害剤である、項目165に記載の方法。
(項目167)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、GDC−0941またはAMG511である、項目165に記載の方法。
(項目168)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、ホルモンアンタゴニストである、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目169)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、レトロゾールまたはカソデックスである、項目168に記載の方法。
(項目170)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、フルオロウラシルである、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目171)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、プリン類似体である、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目172)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、mTORに結合するか、またはそれをモジュレートする、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目173)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、mTOR阻害剤である、項目172に記載の方法。
(項目174)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、AD8005である、項目172に記載の方法。
(項目175)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、エベロリムスである、項目172に記載の方法。
(項目176)
がんが、乳がんである、項目172に記載の方法。
(項目177)
がんが、エストロゲン受容体陽性乳がんである、項目172に記載の方法。
(項目178)
がんが、Her2陰性陽性乳がんである、項目172に記載の方法。
(項目179)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、PI3K/mTORキナーゼの両方に結合するか、またはそれらをモジュレートする、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目180)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、二重PI3K/mTORキナーゼ阻害剤である、項目179に記載の方法。
(項目181)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、BEZ235である、項目179に記載の方法。
(項目182)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、BCL−2および/またはBCL−XLの両方に結合するか、またはそれらをモジュレートする、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目183)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、BCL−2および/またはBCL−XL阻害剤である、項目182に記載の方法。
(項目184)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、ベネトクラックス(ABT−199)またはABT−263である、項目182に記載の方法。
(項目185)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、プリン類似体である、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目186)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、フルダラビンである、項目185に記載の方法。
(項目187)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、野生型または変異体K−rasに結合するか、またはそれをモジュレートする、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目188)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、放射線である、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目189)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、複数標的化チロシンキナーゼモジュレーターまたは結合剤である、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目190)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、複数標的化チロシンキナーゼ阻害剤である、項目189に記載の方法。
(項目191)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、ポナチニブである、項目189に記載の方法。
(項目192)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、パン−ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)モジュレーターまたは結合剤である、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目193)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、パン−ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤である、項目192に記載の方法。
(項目194)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、ロミデプシンである、項目192に記載の方法。
(項目195)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、パノビノスタットである、項目192に記載の方法。
(項目196)
がんが、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、または末梢T細胞リンパ腫(PTCL)である、項目192に記載の方法。
(項目197)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、AKTキナーゼに結合するか、またはそれをモジュレートする、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目198)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、AKTキナーゼ阻害剤である、項目197に記載の方法。
(項目199)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、MK−2206である、項目197に記載の方法。
(項目200)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、CDKN2A(サイクリン依存性キナーゼ阻害剤2A)欠失を軽減する、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目201)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、CDK9(サイクリン依存性キナーゼ9)異常を軽減する、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目202)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、ATM欠損を軽減する、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目203)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、AKT活性化を軽減する、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目204)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、PTEN欠失を軽減する、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目205)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、Wip−1アルファ過剰発現を軽減する、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目206)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、BIMを上方制御するか、またはBIM模倣薬である、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目207)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、ペグ化IFN2a、ビンブラスチン、デキサメタゾン、またはアスパラギナーゼである、項目1から97のいずれか一項に記載の方法。
(項目208)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、デキサメタゾンである、項目207に記載の方法。
(項目209)
がんが、B細胞リンパ腫である、項目207に記載の方法。
(項目210)
前記ペプチド模倣大環状分子および前記追加の薬学的に活性な薬剤が、単一製剤で存在する、項目1から209のいずれか一項に記載の方法。
(項目211)
前記ペプチド模倣大環状分子および前記追加の薬学的に活性な薬剤が、2つの異なる製剤で存在する、項目1から209のいずれか一項に記載の方法。
(項目212)
前記2つの異なる製剤が、同時に投与される、項目211に記載の方法。
(項目213)
前記2つの異なる製剤が、逐次的に投与される、項目211に記載の方法。
(項目214)
治療量以下の用量の追加の治療剤が投与される、項目1から213のいずれか一項に記載の方法。
(項目215)
治療有効量の追加の治療剤が投与される、項目1から213のいずれか一項に記載の方法。
(項目216)
前記被験体が、PD−L1を過剰発現するがん細胞を含む、項目1から215のいずれか一項に記載の方法。
(項目217)
前記被験体が、PD−1を過剰発現するがん細胞を含む、項目1から216のいずれか一項に記載の方法。
(項目218)
前記被験体が、miR−34を過剰発現するがん細胞を含む、項目1から217のいずれか一項に記載の方法。
(項目219)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、PD−1アンタゴニストである、項目1から218のいずれか一項に記載の方法。
(項目220)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、PD−L1アンタゴニストである、項目1から219のいずれか一項に記載の方法。
(項目221)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、PD−1とのPD−L1の結合を妨害する薬剤である、項目1から220のいずれか一項に記載の方法。
(項目222)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、PD−1に特異的に結合する、項目1から221のいずれか一項に記載の方法。
(項目223)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、PD−L1に特異的に結合する、項目1から222のいずれか一項に記載の方法。
(項目224)
PD−L1発現が、下方制御される、項目1から223のいずれか一項に記載の方法。
(項目225)
PD−1発現が、下方制御される、項目1から224のいずれか一項に記載の方法。
(項目226)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、ベネトクラックス(ABT−199)、クロファラビン、シクロホスファミド、シタラビン、ドキソルビシン、メシル酸イマチニブ、メトトレキセート、プレドニゾン、ビンクリスチン、アザシチジン、シクロホスファミド、シタラビン、ダブラフェニブ、デシタビン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、メトトレキセート、カペシタビン、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン、メシル酸エリブリン、エベロリムス、エキセメスタン、フルオロウラシル、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲムシタビン、酢酸ゴセレリン、レトロゾール、酢酸メゲストロール、メトトレキセート、パクリタキセル、パルボシクリブ、ペルツズマブ、クエン酸タモキシフェン、トラスツズマブ、カペシタビン、セツキシマブ、フルオロウラシル、イリノテカン、ラムシルマブ、カルボプラチン、シスプラチン、ドキソルビシン、酢酸メゲストロール、パクリタキセル、ドセタキセル、ドキソルビシン、フルオロウラシル、ラムシルマブ、トラスツズマブ、アキシチニブ、エベロリムス、パゾパニブ、トシル酸ソラフェニブ、トシル酸ソラフェニブ、ダカルバジン、パクリタキセル、トラメチニブ、ベムラフェニブ、シスプラチン、ペメトレキセド、ベンダムスチン、ボルテゾミブ、ブレンツキシマブベドチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、デキサメタゾン、ドキソルビシン、イブルチニブ、レナリドミド、メトトレキセート、プレドニゾン、リツキシマブ、ビンクリスチン、二マレイン酸アファチニブ、カルボプラチン、シスプラチン、クリゾチニブ、ドセタキセル、エルロチニブ、ゲムシタビン、メトトレキセート、パクリタキセル、ペメトレキセド、ラムシルマブ、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ゲムシタビン、オラパリブ、パクリタキセル、トポテカン、アビラテロン、カバジタキセル、ドセタキセル、エンザルタミド、酢酸ゴセレリン、プレドニゾン、ドキソルビシン、メシル酸イマチニブ、ロミデプシン、オビヌツズマブ、パゾパニブ、セルメチニブ、ミドスタウリン(PKC412)、ベネトクラックスおよびそれらの組合せからなる群から選択される、項目1から225のいずれか一項に記載の方法。
(項目227)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、S期を阻害する、項目1から226のいずれか一項に記載の方法。
(項目228)
前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、M期を阻害する、項目1から227のいずれか一項に記載の方法。
(項目229)
前記ペプチド模倣大環状分子が、p53タンパク質とMDM2タンパク質の間の相互作用を拮抗する、項目1から228のいずれか一項に記載の方法。
(項目230)
前記ペプチド模倣大環状分子が、p53タンパク質とMDMXタンパク質の間の相互作用を拮抗する、項目1から229のいずれか一項に記載の方法。
(項目231)
前記ペプチド模倣大環状分子が、p53タンパク質とMDM2タンパク質の間の相互作用およびp53タンパク質とMDMXタンパク質の間の相互作用を拮抗する、項目1から230のいずれか一項に記載の方法。
(項目232)
前記ペプチド模倣大環状分子が、p53タンパク質とMDM2タンパク質の間の相互作用およびp53タンパク質とMDMXタンパク質の間の相互作用を拮抗する、項目1から231のいずれか一項に記載の方法。
(項目233)
PD−L1発現を低減するペプチド模倣大環状分子を選択する方法であって、
(a)第1のレベルのPD−L1を発現するがん細胞株を、第1のアミノ酸および第2のアミノ酸を結合するクロスリンカーを有するポリペプチドを含むペプチド模倣大環状分子と接触させるステップと、
(b)前記がん細胞株を、インキュベーション期間にわたってインキュベートするステップと、
(c)前記インキュベーション期間後に、第2のレベルのPD−L1発現を測定するステップと、
(d)前記第2のレベルのPD−L1発現が、前記第1のレベルのPD−L1発現よりも、少なくとも1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、25、50、または100分の1低い場合、前記ペプチド模倣大環状分子を、PD−L1発現を低減するペプチド模倣大環状分子として選択するステップと
を含む、方法。
(項目234)
前記測定するステップが、フローサイトメトリーを含む、項目233に記載の方法。
(項目235)
前記がん細胞株が、MCF−7、HCT−116、MV4−11、DOHH2、MEL−HO、MEL−JUSO、SK−MEL−5、HT1080、MES−SA、SR、MDA−MB−134−VI、ZR−75−1、A427、A549、MOLM−13、SJSA−1、U2OS、RKO、A498、Caki−2、22RV1、MSTO−211H、C3A、AGS、SNU−1、RMG−1、HEC−151、HEC−265、MOLT−3およびA375からなる群から選択される、項目233または234に記載の方法。
(項目236)
(a)の前、(b)の後、またはその両方においてp53発現レベルを測定するステップをさらに含む、項目233から235のいずれか一項に記載の方法。
(項目237)
(a)の前、(b)の後、またはその両方においてp21発現レベルを測定するステップをさらに含む、項目233から236のいずれか一項に記載の方法。
(項目238)
(a)の前、(b)の後、またはその両方においてmiR−34発現レベルを測定するステップをさらに含む、項目233から237のいずれか一項に記載の方法。
(項目239)
前記miR−34が、miR−34a、miR−34b、miR−34c、またはそれらの組合せである、項目238に記載の方法。
(項目240)
がん細胞株における第1のレベルのPD−L1発現が、高度である、項目1から239のいずれか一項に記載の方法。
(項目241)
がん細胞株における第1のレベルのPD−L1発現が、低度である、項目1から240のいずれか一項に記載の方法。
(項目242)
がん細胞株が、p53野生型である、項目1から241のいずれか一項に記載の方法。
(項目243)
インキュベーション期間が、接触後、約24時間、48時間、または72時間である、項目1から242のいずれか一項に記載の方法。
(項目244)
インキュベーション期間が、接触後、少なくとも6時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、または72時間である、項目1から243のいずれか一項に記載の方法。
(項目245)
インキュベーション期間後に、アポトーシスのレベルを測定するステップをさらに含む、項目1から244のいずれか一項に記載の方法。

Claims (39)

  1. (i)ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩、および(ii)少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を含む、がんの処置を必要としているヒト被験体のがんを処置するための組成物であって、前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩がMDM2および/またはMDMXの活性に拮抗し、前記ペプチド模倣大環状分子が、表1、表1a、表1b、および表1cのいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約60%同一であるアミノ酸配列を含み、前記ペプチド模倣大環状分子が、式

    (式中、
    −各A、C、D、およびEは、独立に、アミノ酸であり、
    −各Bは、独立に、アミノ酸、

    [−NH−L −CO−]、[−NH−L −SO −]、または[−NH−L −]であり、
    −各R およびR は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、または前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
    −各R は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(R により必要に応じて置換されている)、
    −各LおよびL’は、独立に、式−L −L −の大環状分子を形成するリンカーであり、
    −各L 、L 、およびL は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R −K−R −] であり、それぞれR により必要に応じて置換されており、
    −各R は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
    −各Kは、独立に、O、S、SO、SO 、CO、CO 、またはCONR であり、
    −各R は、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR 、−N(R 、−SR 、−SOR 、−SO 、−CO 、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
    −各R は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
    −各R は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
    −各R は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
    −各vは、独立に、1〜1000の整数であり、
    −各wは、独立に、1〜1000の整数であり、
    −uは、1〜10の整数であり、
    −各x、yおよびzは、独立に、0〜10の整数であり、
    各nは、独立に、1〜5の整数である)
    を有し、前記ペプチド模倣大環状分子が、表2aまたは2bのペプチド模倣大環状分子ではない、
    組成物。
  2. 前記ペプチド模倣大環状分子が、式
    (式中、
    −Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、およびXaa 10 のそれぞれは、個々にアミノ酸であり、Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、Xaa 、およびXaa 10 の少なくとも3つは、配列Phe −X −His −Tyr −Trp −Ala −Gln −Leu 10 −X 11 −Ser 12 またはPhe −X −Glu −Tyr −Trp −Ala −Gln −Leu 10 /Cba 10 −X 11 −Ala 12 の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸であり、各X およびX 11 は、独立に、アミノ酸であり、
    −各DおよびEは、独立に、アミノ酸であり、
    −R およびR は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはR およびR の少なくとも1つは、前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
    −各LおよびL’は、独立に、式−L −L −の大環状分子を形成するリンカーであり、
    −各L およびL は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R −K−R −] であり、それぞれR により必要に応じて置換されており、
    −各R は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
    −各Kは、独立に、O、S、SO、SO 、CO、CO 、またはCONR であり、
    −各R は、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR 、−N(R 、−SR 、−SOR 、−SO 、−CO 、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
    −各R は、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光部分、放射性同位体または治療剤であり、
    −R は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
    −R は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(R により必要に応じて置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
    −vは、1〜1000の整数であり、
    −wは、3〜1000の整数であり、
    −nは、1〜5の整数である)
    を有する、
    請求項1に記載の組成物。
  3. wは、3〜1000の整数である、請求項1に記載の組成物。
  4. Eによって表される前記最初の2つのアミノ酸のそれぞれは、無電荷側鎖または負電荷側鎖を含む、請求項3に記載の組成物。
  5. 各Eが、独立に、Ala(アラニン)、D−Ala(D−アラニン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Sar(N−メチルグリシン)、およびSer(セリン)から選択されるアミノ酸である、請求項1または請求項2に記載の組成物。
  6. 前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、ヌクレオシド代謝阻害剤、微小管阻害剤、白金に基づく薬物、低メチル化剤、タンパク質キナーゼ阻害剤、ブルトンチロシンキナーゼ阻害剤、CDK4および/もしくはCDK6阻害剤、B−raf阻害剤、K−ras阻害剤、MEK−1および/もしくはMEK−2阻害剤、エストロゲン受容体アンタゴニスト、HDAC阻害剤、抗CD20モノクローナル抗体、抗PD−1モノクローナル抗体、ホルモンアンタゴニスト、CDK2NA欠失を軽減する薬剤、CDK9異常を軽減する薬剤、AMT制御因子、AKT活性化を軽減する薬剤、PTEN欠失を軽減する薬剤、Wip−1アルファ過剰発現を軽減する薬剤、BIMを上方制御する薬剤、またはアロマターゼ阻害剤である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、シタラビン、zelboraf、フルベストラント、アザシチジン、ミドスタウリン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、リツキシマブ、mekinistまたは、tafinlarである、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、ベネトクラックス(ABT−199)、クロファラビン、シクロホスファミド、シタラビン、ドキソルビシン、メシル酸イマチニブ、メトトレキセート、プレドニゾン、ビンクリスチン、アザシチジン、シクロホスファミド、シタラビン、ダブラフェニブ、デシタビン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、メトトレキセート、カペシタビン、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン、メシル酸エリブリン、エベロリムス、エキセメスタン、フルオロウラシル、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲムシタビン、酢酸ゴセレリン、レトロゾール、酢酸メゲストロール、メトトレキセート、パクリタキセル、パルボシクリブ、ペルツズマブ、クエン酸タモキシフェン、トラスツズマブ、カペシタビン、セツキシマブ、フルオロウラシル、イリノテカン、ラムシルマブ、カルボプラチン、シスプラチン、ドキソルビシン、酢酸メゲストロール、パクリタキセル、ドセタキセル、ドキソルビシン、フルオロウラシル、ラムシルマブ、トラスツズマブ、アキシチニブ、エベロリムス、パゾパニブ、トシル酸ソラフェニブ、トシル酸ソラフェニブ、ダカルバジン、パクリタキセル、トラメチニブ、ベムラフェニブ、シスプラチン、ペメトレキセド、ベンダムスチン、ボルテゾミブ、ブレンツキシマブベドチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、デキサメタゾン、ドキソルビシン、イブルチニブ、レナリドミド、メトトレキセート、プレドニゾン、リツキシマブ、ビンクリスチン、二マレイン酸アファチニブ、カルボプラチン、シスプラチン、クリゾチニブ、ドセタキセル、エルロチニブ、ゲムシタビン、メトトレキセート、パクリタキセル、ペメトレキセド、ラムシルマブ、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ゲムシタビン、オラパリブ、パクリタキセル、トポテカン、アビラテロン、カバジタキセル、ドセタキセル、エンザルタミド、酢酸ゴセレリン、プレドニゾン、ドキソルビシン、メシル酸イマチニブ、ロミデプシン、オビヌツズマブ、パゾパニブ、セルメチニブ、ミドスタウリン(PKC412)、ベネトクラックスおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤がPD−1アンタゴニストまたはPD−1アンタゴニストである、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が、CDK4および/もしくはCDK6の活性をモジュレートするか、ならびに/またはCDK4および/もしくはCDK6を阻害する、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記がんが、頭頸部がん、メラノーマ、肺がん、乳がん、結腸がん、卵巣がん、NSCLC、胃がん、前立腺がん、白血病、リンパ腫、中皮腫、腎臓がん、非ホジキンリンパ腫(NHL)、および神経膠腫からなる群から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記被験体が、PD−L1、PD−1、miR−34またはそれらの組合せを過剰発現するがん細胞を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記ペプチド模倣大環状分子が、








    である、請求項1および3から12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. PD−L1発現を低減するペプチド模倣大環状分子を選択する方法であって、
    (a)in vitroで、第1のレベルのPD−L1を発現するがん細胞株を、第1のアミノ酸および第2のアミノ酸を結合するクロスリンカーを有するポリペプチドを含むペプチド模倣大環状分子と接触させるステップと、
    (b)前記がん細胞株を、インキュベーション期間にわたってインキュベートするステップと、
    (c)前記インキュベーション期間後に、第2のレベルのPD−L1発現を測定するステップと、
    (d)前記第2のレベルのPD−L1発現が、前記第1のレベルのPD−L1発現よりも、少なくとも1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、25、50、または100分の1低い場合、前記ペプチド模倣大環状分子を、PD−L1発現を低減するペプチド模倣大環状分子として選択するステップと
    を含む、方法。
  15. 前記ペプチド模倣大環状分子がアミノ酸配列Xaa −Xaa −Xaa −Xaa −Xaa −Xaa −Xaa −Xaa 10 −Xaa 11 −Xaa 12 を含み、
    Xaa は、Pheまたはその類似体であり、
    Xaa およびXaa 11 は、独立して架橋されたアミノ酸であり、
    Xaa は、Glu、Hisまたはその類似体であり、
    Xaa は、Tyrまたはその類似体であり、
    Xaa は、Trpまたはその類似体であり、
    Xaa は、Alaまたはその類似体であり、
    Xaa は、Glnまたはその類似体であり、
    Xaa 10 は、Leu、Cbaまたはその類似体であり、
    Xaa 12 は、Ser、Alaまたはその類似体である、
    請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記がんがAMLである、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 前記がんが骨髄異形成症候群である、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 前記がんが末梢T細胞リンパ腫である、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 前記がんが乳がんである、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
  20. 前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が微小管阻害剤である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  21. 前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤がパクリタキセルでる、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  22. 前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤がエリブリンである、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤がヌクレオシド代謝阻害剤である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  24. 前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩がMDM2および/またはMDMXの活性に拮抗する、請求項1から241のいずれか一項に記載の組成物。
  25. [D] が、−Leu −Thr である、請求項1または請求項2に記載の組成物。
  26. 各wが、独立して、3〜10の整数である、請求項1または請求項2に記載の組成物。
  27. 各wが、3〜6である、請求項27に記載の組成物。
  28. 各wが、6〜10である、請求項27に記載の組成物。
  29. 各wが、6である、請求項27に記載の組成物。
  30. 各vが、1〜10である、請求項1または請求項2に記載の組成物。
  31. 各vが、2〜10である、請求項31に記載の組成物。
  32. 各vが、2〜5である、請求項31に記載の組成物。
  33. 各vが、2である、請求項31に記載の組成物。
  34. がん細胞において、前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩、および前記少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤が1.10以下の組合せインデックスの相乗作用を呈する、請求項1または請求項2に記載の組成物。
  35. 前記組合せインデックスが0.90以下である、請求項35に記載の組成物。
  36. 前記組合せインデックスが0.85以下である、請求項35に記載の組成物。
  37. 前記組合せインデックスが0.70以下である、請求項35に記載の組成物。
  38. 前記組合せインデックスが0.30以下である、請求項35に記載の組成物。
  39. がんの処置を必要としているヒト被験体のがんを処置するための医薬の製造における、請求項1から38に記載の、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩、および少なくとも1種の追加の薬学的に活性な薬剤を含む組成物の使用。
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