3.概要
一態様では、本発明は、炎症性腸疾患(IBD)を有する患者においてIBDを処置または管理する方法であって、(a)患者における、インターロイキン−5(IL−5)、インターロイキン−10(IL−10)、インターロイキン−13(IL−13)、インターロイキン−25(IL−25)、便中カルプロテクチン(FCP)、またはRegenerating islet−derived 3−alpha(REG3α)のいずれかの第1のレベルを分析するステップと、(b)患者に初回用量のSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)を投与するステップと、(c)投与するステップの後に患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第2のレベルを分析するステップとを含む方法を含む。本発明の一実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第2のレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第1のレベルと同じまたはそれよりも高い場合には、患者に初回用量と等しいもしくはそれよりも高い後続用量を投与する、および/または、患者に初回用量と等しいもしくはそれよりも高い頻度で後続用量を投与する。あるいは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第2のレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第1のレベルよりも低い場合には、患者に初回用量と等しいもしくはそれよりも低い後続用量を投与する、および/または、患者に初回用量と等しいもしくはそれよりも低い頻度で後続用量を投与する。
本発明の一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第2のレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第1のレベルよりも高い。例えば、一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第2のレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第1のレベルよりも約10%高い、約20%高い、約30%高い、約40%高い、約50%高い、約60%高い、約70%高い、約80%高い、約90%高い、約100%高い、またはそれよりも高い。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第2のレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第1のレベルよりも約10%〜約20%高い、約20%〜約30%高い、約30%〜約40%高い、約40%〜約50%高い、約50%〜約60%高い、約60%〜約70%高い、約70%〜約80%高い、約80%〜約90%高い、または約90%〜約100%高い。あるいは、一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第2のレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第1のレベルよりも低い。例えば、一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第2のレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第1のレベルよりも約10%低い、約20%低い、約30%低い、約40%低い、約50%低い、約60%低い、約70%低い、約80%低い、約90%低い、または約100%低い。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第2のレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第1のレベルよりも約10%〜約20%低い、約20%〜約30%低い、約30%〜約40%低い、約40%〜約50%低い、約50%〜約60%低い、約60%〜約70%低い、約70%〜約80%低い、約80%〜約90%低い、または約90%〜約100%低い。
一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者に初回用量のSMAD7アンチセンス−オリゴヌクレオチド(SMAD7 AON)を投与するステップと、(b)投与するステップの後に患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを分析するステップとを含む方法を含む。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量よりも高いもしくはそれと等しい後続用量を投与する、および/または、患者に初回用量と等しいもしくはそれよりも高い頻度で後続用量を投与する。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベル未満である場合には、患者に初回用量と等しいもしくはそれよりも低い後続用量を投与する、および/または、患者に初回用量と等しいもしくはそれよりも低い頻度で後続用量を投与する。
本発明の一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルよりも高い。例えば、一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルよりも約10%高い、約20%高い、約30%高い、約40%高い、約50%高い、約60%高い、約70%高い、約80%高い、約90%高い、約100%高い、またはそれよりも高い。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルよりも約10%〜約20%高い、約20%〜約30%高い、約30%〜約40%高い、約40%〜約50%高い、約50%〜約60%高い、約60%〜約70%高い、約70%〜約80%高い、約80%〜約90%高い、または約90%〜約100%高い。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルよりも低い。例えば、一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルよりも約10%低い、約20%低い、約30%低い、約40%低い、約50%低い、約60%低い、約70%低い、約80%低い、約90%低い、または約100%低い。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第2のレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルよりも約10%〜約20%低い、約20%〜約30%低い、約30%〜約40%低い、約40%〜約50%低い、約50%〜約60%低い、約60%〜約70%低い、約70%〜約80%低い、約80%〜約90%低い、または約90%〜約100%低い。
一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの基準レベルを分析するステップと、(b)IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの基準レベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルを超えている場合、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む方法を含む。
本発明の一部の実施形態では、患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの基準レベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルよりも高い。例えば、一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの基準レベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルよりも約10%高い、約20%高い、約30%高い、約40%高い、約50%高い、約60%高い、約70%高い、約80%高い、約90%高い、約100%高い、またはそれよりも高い。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの基準レベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルよりも約10%〜約20%高い、約20%〜約30%高い、約30%〜約40%高い、約40%〜約50%高い、約50%〜約60%高い、約60%〜約70%高い、約70%〜約80%高い、約80%〜約90%高い、または約90%〜約100%高い。
さらに、一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの基準レベルを分析するステップと、(b)IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの基準レベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルを超えている場合、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(c)投与するステップの後に患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを分析するステップとを含む方法を含む。
一部の実施形態では、投与するステップの後のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルを超えている、または基準レベルを超えているもしくはそれと等しい場合には、方法は、患者に初回用量よりも高いもしくはそれと等しい後続用量を投与する、および/または、患者に初回用量と等しいもしくはそれよりも高い頻度で後続用量を投与するステップを含む。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの基準レベルよりも高い。例えば、一部の実施形態では、投与するステップの後のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルおよび/または基準レベルよりも約10%高い、約20%高い、約30%高い、約40%高い、約50%高い、約60%高い、約70%高い、約80%高い、約90%高い、約100%高い、またはそれよりも高い。一部の実施形態では、投与するステップの後のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルおよび/または基準レベルよりも約10%〜約20%高い、約20%〜約30%高い、約30%〜約40%高い、約40%〜約50%高い、約50%〜約60%高い、約60%〜約70%高い、約70%〜約80%高い、約80%〜約90%高い、または約90%〜約100%高い。
一部の実施形態では、前記投与するステップの後のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの基準レベル未満である場合には、方法は、患者に初回用量と等しいもしくはそれよりも低い後続用量を投与する、および/または、患者に初回用量と等しいもしくはそれよりも低い頻度で後続用量を投与する追加的なステップを含む。一部の実施形態では、前記投与するステップの後のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの基準レベル未満である。例えば、一部の実施形態では、前記投与するステップの後のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルおよび/または基準レベルよりも約10%低い、約20%低い、約30%低い、約40%低い、約50%低い、約60%低い、約70%低い、約80%低い、約90%低い、または約100%低い。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルおよび/または基準レベルよりも約10%〜約20%低い、約20%〜約30%低い、約30%〜約40%低い、約40%〜約50%低い、約50%〜約60%低い、約60%〜約70%低い、約70%〜約80%低い、約80%〜約90%低い、または約90%〜約100%低い。
後続用量が最大耐量(MTD)よりも高い可能性があることも企図される。MTDとは、許容されないレベルの毒性のまたは有害な副作用を生じさせることなく所望の有益な患者の健康状態の結果をもたらすことが可能な治療薬の最高用量を指し得る。例えば、一部の実施形態では、後続用量がMTDと等しいまたはそれよりも高い場合には、処置を終了することができる。MTDは、患者に応じてまたは観察に基づくデータに基づいて変動し得る。一部の実施形態では、SMAD7 AONのMTDは、約40mg、約60mg、約80mg、約100mg、約120mg、約140mg、約160mg、約180mg、約200mg、約220mg、約240mg、約260mg、約280mg、約300mg、約320mg、約340mg、約360mg、約380mg、約400mg、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの初回用量は、約30mgから約310mgの間、約50mgから約290mgの間、約70mgから約270mgの間、約70mgから約250mgの間、約90mgから約230mgの間、約110mgから約210mgの間、または130mgから約190mgの間、または150mgから約170mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの初回用量は、約5mgから約90mgの間、約10mgから約70mgの間、または約30mgから約50mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの初回用量は1日当たり約20mg、1日当たり約40mg、1日当たり約60mg、1日当たり約80mg、1日当たり約100mg、1日当たり約120mg、1日当たり約140mg、1日当たり約160mg、1日当たり約180mg、1日当たり約200mg、1日当たり約220mg、1日当たり約240mg、1日当たり約260mg、1日当たり約280mg、1日当たり約300mg、または1日当たり約320mg、1日当たり約340mg、または1日当たり約360mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの初回用量は1日当たり約40mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの初回用量は1日当たり約160mgである。
一部の実施形態では、本発明は、種々の処置期間を含み得る。処置期間は、例えば、初回用量および/または後続用量を含めた、用量(単数または複数)のSMAD7 AONを患者に投与する期間であってよい。例えば、第1の処置期間は、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第1のレベル、例えば、基準レベルの分析とIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第2のレベルの分析の間の処置期間であってよい。一部の実施形態では、第1の処置期間は、初回用量のSMAD7 AONを投与する前の処置期間であってよい。
一部の実施形態では、第1の処置期間は、約1週間から約20週間の間、約2週間から約18週間の間、約4週間から約16週間の間、約4週間から約12週間の間、約4週間から約8週間の間、約6週間から約14週間の間、または約8週間から約12週間の間である。
一部の実施形態では、第1の処置期間は、約1週間、約2週間、約4週間、約6週間、約8週間、約10週間、約12週間、約14週間、約16週間、約18週間、または約20週間である。
一部の実施形態では、第1の処置期間は、約4週間、約8週間、または約12週間である。
一部の実施形態では、第1の処置期間は、約4週間から約8週間の間である。
一部の実施形態では、第1の処置期間は、約4週間から約12週間の間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの後続用量は、約30mgから約310mgの間、約50mgから約290mgの間、約70mgから約270mgの間、約70mgから約250mgの間、約90mgから約230mgの間、約110mgから約210mgの間、または130mgから約190mgの間、または150mgから約170mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの後続用量は、約5mgから約90mgの間、約10mgから約70mgの間、または約30mgから約50mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの後続用量は、1日当たり約20mg、1日当たり約40mg、1日当たり約60mg、1日当たり約80mg、1日当たり約100mg、1日当たり約120mg、1日当たり約140mg、1日当たり約160mg、1日当たり約180mg、1日当たり約200mg、1日当たり約220mg、1日当たり約240mg、1日当たり約260mg、1日当たり約280mg、または1日当たり約300mg、1日当たり約320mg、1日当たり約340mg、または1日当たり約360mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの後続用量は1日当たり約40mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの後続用量は1日当たり約160mgである。
一部の実施形態では、後続用量は、初回用量よりも低い用量である。
一部の実施形態では、後続用量は、初回用量よりも1日当たり少なくとも20mg、1日当たり少なくとも40mg、1日当たり少なくとも60mg、1日当たり少なくとも80mg、1日当たり少なくとも100mg、1日当たり少なくとも120mg、1日当たり少なくとも140mg、1日当たり少なくとも160mg、1日当たり少なくとも180mg、1日当たり少なくとも200mg、1日当たり少なくとも220mg、1日当たり少なくとも240mg、1日当たり少なくとも260mg、1日当たり少なくとも280mg、または1日当たり少なくとも300mg少ない。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの初回用量は1日当たり約20mg、1日当たり約40mg、1日当たり約60mg、1日当たり約80mg、1日当たり約100mg、1日当たり約120mg、1日当たり約140mg、1日当たり約160mg、1日当たり約180mg、1日当たり約200mg、1日当たり約220mg、1日当たり約240mg、1日当たり約260mg、1日当たり約280mg、1日当たり約300mg、1日当たり約320mg、1日当たり約340mg、または1日当たり約360mgであり、SMAD7 AONの後続用量は1日当たり約20mg、1日当たり約40mg、1日当たり約60mg、1日当たり約80mg、1日当たり約100mg、1日当たり約120mg、1日当たり約140mg、1日当たり約160mg、1日当たり約180mg、1日当たり約200mg、1日当たり約220mg、1日当たり約240mg、1日当たり約260mg、1日当たり約280mg、1日当たり約300mg、1日当たり約320mg、1日当たり約340mg、または1日当たり約360mgである。一部の実施形態では、初回用量は1日当たり40mg、1日当たり160mg、または1日当たり320mgであり、後続用量は1日当たり40mg、1日当たり160mg、または1日当たり320mgである。一部の実施形態では、初回用量は1日当たり40mgであり、後続用量は1日当たり40mg、1日当たり160mg、または1日当たり320mgである。一部の実施形態では、初回用量は1日当たり160mgであり、後続用量は1日当たり40mg、1日当たり160mg、または1日当たり320mgである。一部の実施形態では、初回用量は1日当たり320mgであり、後続用量は1日当たり40mg、1日当たり160mg、または1日当たり320mgである。
一部の実施形態では、処置期間は、次の処置期間、例えば、第2の処置期間を含み得る。例えば、次の処置期間は、後続用量のSMAD7 AONを患者に投与する期間(例えば、患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第2のレベルを分析した後、例えば、初回用量のSMAD7 AONを投与した後)であってよい。一部の実施形態では、次の処置期間は、最初の処置期間の後(例えば、患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの第1のレベル、例えば基準レベルを分析した後)に後続用量(例えば、第2の用量)のSMAD7 AONを患者に投与する期間であってよい。次の処置期間は、最初の処置期間の後の任意の期間であってよい。一般に、次の各処置期間は、最初の処置期間または任意の他の次の処置期間とは、設定期間、投薬量の変化、投薬頻度の変化、医師もしくは医学専門家との相談、および/または患者の健康状態の判断基準(例えば、CDAIスコア、SES−CDスコア、HBIスコア、腹痛スコア、液状便/軟便頻度スコア、PRO−2スコア、分析物の分析(例えば、IL−10、IL−5、IL−13、IL−25、REG3α、FCP、CCL20、CRP、IL−8、TNFαまたは任意の他の有用なバイオマーカーのいずれかの血清中レベル))の分析のいずれかによって区別される。
一部の実施形態では、次の処置期間は、約1週間から約100週間の間、約5週間から約95週間の間、約10週間から約90週間の間、約15週間から約85週間の間、約20週間から約80週間の間、約25週間から約75週間の間、約30週間から約70週間の間、約35週間から約65週間の間、約40週間から約60週間の間、約40週間から約55週間の間、約45週間から約55週間の間、または約50週間から約55週間の間である。
一部の実施形態では、次の処置期間は、約1週間、約5週間、約10週間、約15週間、約20週間、約25週間、約30週間、約35週間、約40週間、約45週間、約50週間、約55週間、約60週間、約65週間、約70週間、約75週間、約80週間、約85週間、約90週間、約95週間、または約100週間である。
一部の実施形態では、次の処置期間は、約24週間である。
一部の実施形態では、次の処置期間は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約3カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約12カ月、少なくとも約18カ月、少なくとも約24カ月、少なくとも約30カ月、少なくとも約3年、少なくとも約4年、少なくとも約5年、少なくとも約6年、少なくとも約7年、少なくとも約8年、少なくとも約9年、または少なくとも約10年である。
一部の実施形態では、最初の処置期間および/または次の処置期間中、SMAD7 AONを交互投薬スケジュールで投与する。開示されている方法の一部の実施形態では、より低い頻度で投与することは、交互スケジュールで投与することを含む。
一部の実施形態では、次の処置期間中、SMAD7 AONを交互投薬スケジュールで投与する。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、a)約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、または約16週間SMAD7 AONを後続用量で投与すること、b)約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、または約16週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにa)および任意選択でb)を1回または複数回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、a)および任意選択でb)を少なくとも2回、少なくとも4回、少なくとも6回、少なくとも8回、少なくとも10回、少なくとも12回、少なくとも14回、少なくとも16回、少なくとも18回、少なくとも20回、少なくとも25回、少なくとも50回、少なくとも100回、少なくとも150回、少なくとも200回、または少なくとも250回繰り返す。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、a)約4週間SMAD7 AONを後続用量で投与すること、b)約4週間SMAD7 AONを投与しないこと、ならびにa)およびb)を2回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、a)約4週間SMAD7 AONを後続用量で投与すること、b)約8週間SMAD7 AONを投与しないこと、ならびにa)およびb)を2回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを1日2回、1日1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、週に1回、または2週間に1回、投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを朝に投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを朝食の少なくとも10分前、少なくとも20分前、少なくとも30分前、少なくとも35分前、または少なくとも60分前に投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを水と一緒に投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを経口投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを1日1回、朝に、朝食の少なくとも30分前に水と一緒に投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを1日1回、朝に、朝食の少なくとも30分前に水と一緒に経口投与する。
一部の実施形態では、方法は、患者が最初の処置期間の前にIBDに対する処置を受けている場合には、最初の処置期間の最後にIBDに対する処置を漸減させるステップをさらに含む。
一部の実施形態では、IBDに対する処置を、少なくとも最初の処置期間の最後の1週間、最後の2週間、最後の3週間、最後の4週間、最後の5週間、最後の6週間、最後の7週間、最後の8週間、最後の9週間、または最後の10週間を通じて漸減させる。
一部の実施形態では、IBDに対する処置を次の処置期間の前に漸減させる。
一部の実施形態では、IBDに対する処置は、コルチコステロイド、アミノサリチル酸、ブデソニド、免疫抑制剤からなる群から選択される。
一部の実施形態では、IBDに対する処置は、コルチコステロイドを含む。
一部の実施形態では、方法は、最初の処置期間および/または次の処置期間中の1つまたは複数の時点で患者における臨床応答を分析するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、方法は、患者が最初の処置期間の最後に臨床応答を示さない場合には、処置を終了するかまたは初回用量を増加させ、最初の処置期間を繰り返すステップをさらに含む。
一部の実施形態では、初回用量が最大耐量を超えた場合、処置を終了する。
一部の実施形態では、患者における臨床応答を、クローン病簡易内視鏡スコア(SES−CD)、クローン病活動指数(CDAI)、2項目の患者報告アウトカム(PRO−2)試験、腸粘膜生検を使用して分析する。
一部の実施形態では、PRO−2試験は、1日当たりの平均液状便、1日当たりの平均軟便、または1日当たりの平均腹痛スコアを分析することを含む。
一部の実施形態では、患者のCDAIスコアが最初の処置期間中にベースラインから≧20点、≧30点、≧40点、≧50点、≧60点、≧70点、≧80点、≧90点、≧100点、≧110点、≧120点、≧130点、≧140点、または≧150点減少するときには、患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、患者のCDAIスコアが最初の処置期間中にベースラインから≧100点減少するときには、患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、最初の処置期間の最後の患者のCDAIスコアが<200、<190、<180、<170、<160、<150、<140、<130、<120、<110、または<100であるときには、患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、最初の処置期間の最後の患者のCDAIスコアが<150であるときには、患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、最初の処置期間の最後の患者のSES−CDスコアが、最初の処置期間の開始時の患者のSES−CDスコアの<80%、<75%、<70%、<65%、<60%、<55%、<50%、<45%、<40%、<35%、<30%、<25%、または<20%であるときには、患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、最初の処置期間の最後の患者のSES−CDスコアが、最初の処置期間の開始時の患者のSES−CDスコアと比較して<75%または<50%であるときには、患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、患者のSES−CDスコアが最初の処置期間の最後に≦5、≦4、≦3、≦2、または≦1であるときには、患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、患者のSES−CDスコアが最初の処置期間の最後に≦2であるときには、患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、最初の処置期間の最後に患者において腸粘膜潰瘍化が存在しないときには、患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、最初の処置期間の最後の患者のPRO−2スコアが最初の処置期間の開始時よりも≧2、≧3、≧4、≧5、≧6、≧7、≧8、≧9、≧10、≧12、または≧14点低いときには、患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、最初の処置期間の最後の患者のPRO−2スコアが<14、<12、<10、<8、<6、<4、または<2であるときには、患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、最初の処置期間の最後の患者の1日当たりの平均液状便または軟便頻度スコアが最初の処置期間の開始時の患者の1日当たりの平均液状便または軟便頻度スコアと比較して≧20%、≧30%、≧40%、≧50%、≧60%、≧70%、≧80%、または≧90%減少するときには、患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、最初の処置期間の最後の患者の1日当たりの平均腹痛スコアが最初の処置期間の開始時の患者の1日当たりの平均腹痛スコアと比較して≧20%、≧30%、≧40%、≧50%、≧60%、≧70%、≧80%、または≧90%減少するときには、患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、患者の腹痛スコアが≦2.0、≦1.5、または≦1.0であるときには、患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、患者の1日当たりの平均液状便頻度スコアまたは1日当たりの平均軟便頻度スコアが≦4.0、≦3.5、≦3.0、≦2.5、または≦2.0であるときには、患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、患者の腹痛スコアが≦2.0、≦1.5、または≦1.0であるとき、および患者の1日当たりの平均液状便頻度スコアまたは1日当たりの平均軟便頻度スコアが≦4.0、≦3.5、≦3.0、≦2.5、または≦2.0であるときには、患者は臨床応答を示す。一部の実施形態では、患者の腹痛スコアは≦1.0であり、1日当たりの平均液状便または軟便頻度は≦3.0である。一部の実施形態では、患者の腹痛スコアは≦1.0であり、1日当たりの平均液状便または軟便頻度は≦1.5である。
一部の実施形態では、方法は、患者が、ある用量、例えば、初回用量または後続用量のSMAD7 AONを投与した4週間後に、CDAIスコアが150未満であることとして定義される臨床的寛解を得たかどうかを分析するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、患者が臨床的寛解の状態であり、かつ、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが正常レベルである場合、SMAD7 AONを用いた処置を終了するステップを含む。一部の実施形態では、患者が臨床的寛解の状態であり、かつ、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが、投与するステップの後に、投与するステップの前のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルと比較して変化していないまたは上昇している場合、方法は、処置を終了するステップを含む。方法の一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの低下は、臨床的寛解と関連する。IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの低下は、例えば、基準レベルの低下、正常レベルと比べた低下、第1のレベルと比べた低下、または第2のレベルと比べた低下であり得る。例えば、一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの約5%の低下、約10%の低下、約20%の低下、約30%の低下、約40%の低下、約50%の低下、約60%の低下、約70%の低下、約80%の低下、約90%の低下、約100%の低下、約5%〜約10%の低下、約10%〜約20%の低下、約20%〜約30%の低下、約30%〜約40%の低下、約40%〜約50%の低下、約50%〜約60%の低下、約60%〜約70%の低下、約70%〜約80%の低下、約80%〜約90%の低下、または約90%の低下〜約100%の低下は、臨床的寛解と関連する。
一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの低下はベースラインと比べたCDAIスコアの減少と関連する。例えば、一部の実施形態では、ベースラインと比べたCDAIスコアの約5%の減少、約10%の減少、約20%の減少、約30%の減少、約40%の減少、約50%の減少、約60%の減少、約70%の減少、約80%の減少、約90%の減少、約100%の減少、約5%〜約10%の減少、約10%〜約20%の減少、約20%〜約30%の減少、約30%〜約40%の減少、約40%〜約50%の減少、約50%〜約60%の減少、約60%〜約70%の減少、約70%〜約80%の減少、約80%〜約90%の減少、または約90%の減少〜約100%の減少は、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの低下と関連する。一部の実施形態では、ベースラインと比べたCDAIスコアの約10点、約20点、約30点、約40点、約50点、約60点、約70点、約80点、約90点、約100点、約110点、約120点、約130点、約140点、約150点、もしくはそれよりも大きい、または約10点〜約20点、約20点〜約30点、約30点〜約40点、約40点〜約50点、約50点〜約60点、約60点〜約70点、約70点〜約80点、約80点〜約90点、約90点〜約100点、約100点〜約110点、約110点〜約120点、約120点〜約130点、約130点〜約140点、もしくは約140点〜約150点の減少はIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの低下と関連する。
一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの上昇はベースラインと比べたCDAIスコアの増加と関連する。例えば、一部の実施形態では、ベースラインと比べたCDAIスコアの約5%の増加、約10%の増加、約20%の増加、約30%の増加、約40%の増加、約50%の増加、約60%の増加、約70%の増加、約80%の増加、約90%の増加、約100%の増加、約5%〜約10%の増加、約10%〜約20%の増加、約20%〜約30%の増加、約30%〜約40%の増加、約40%〜約50%の増加、約50%〜約60%の増加、約60%〜約70%の増加、約70%〜約80%の増加、約80%〜約90%の増加、または約90%の増加〜約100%の増加はIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの上昇と関連する。一部の実施形態では、ベースラインと比べたCDAIスコアの約10点、約20点、約30点、約40点、約50点、約60点、約70点、約80点、約90点、約100点、約110点、約120点、約130点、約140点、約150点、もしくはそれよりも大きい、または約10点〜約20点、約20点〜約30点、約30点〜約40点、約40点〜約50点、約50点〜約60点、約60点〜約70点、約70点〜約80点、約80点〜約90点、約90点〜約100点、約100点〜約110点、約110点〜約120点、約120点〜約130点、約130点〜約140点、もしくは約140点〜約150点の増加はIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの上昇と関連する。
一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約5週間後、約6週間後、約7週間後、約8週間後、約9週間後、約10週間後、約11週間後、約12週間後、約13週間後、約14週間後、約15週間後、約16週間後、約17週間後、約18週間後、約19週間後、約20週間後、約21週間後、約22週間後、約23週間後、約24週間後、約25週間後、約26週間後、約27週間後、約28週間後、約29週間後、約30週間後、約31週間後、約32週間後、約33週間後、約34週間後、約35週間後、約36週間後、約37週間後、約38週間後、約39週間後、約40週間後、約41週間後、約42週間後、約43週間後、約44週間後、約45週間後、約46週間後、約47週間後、約48週間後、約49週間後、約50週間後、約51週間後、および/または約52週間後またはそれよりも後の臨床的寛解、臨床応答、および/またはCDAIスコアの減少と関連する。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約1週間後〜約2週間後、約2週間後〜約3週間後、約3週間後〜約4週間後、約4週間後〜約5週間後、約5週間後〜約6週間後、約6週間後〜約7週間後、約7週間後〜約8週間後、約8週間後〜約9週間後、約9週間後〜約10週間後、約10週間後〜約11週間後、約11週間後〜約12週間後、約12週間後〜約16週間後、約16週間後〜約20週間後、約20週間後〜約24週間後、約24週間後〜約28週間後、約28週間後〜約32週間後、約32週間後〜約36週間後、約36週間後〜約40週間後、約40週間後〜約44週間後、約44週間後〜約48週間後、約48週間後〜約52週間後、および/または52週間後よりも後の臨床的寛解、臨床応答、および/またはCDAIスコアの減少と関連する。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約12週間後および/または約52週間後の臨床的寛解、臨床応答、および/またはCDAIスコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの低下は、患者におけるベースラインHarvey−Bradshaw Index(HBI)スコアの減少と関連する。例えば、一部の実施形態では、HBIスコアの減少は、1点、2点、3点、4点、5点、6点、7点、8点、9点、10点、またはそれよりも大きい減少である。一部の実施形態では、HBIスコアの減少の結果として、HBIスコアが7もしくはそれ未満、6もしくはそれ未満、または5もしくはそれ未満、4もしくはそれ未満、3もしくはそれ未満、2もしくはそれ未満、または1もしくはそれ未満になる。一部の実施形態では、HBIスコアの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから1週間後から52週間後の間の任意の時点、例えば、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約5週間後、約6週間後、約7週間後、約8週間後、約9週間後、約10週間後、約11週間後、約12週間後、約13週間後、約14週間後、約15週間後、約16週間後、約17週間後、約18週間後、約19週間後、約20週間後、約21週間後、約22週間後、約23週間後、約24週間後、約25週間後、約26週間後、約27週間後、約28週間後、約29週間後、約30週間後、約31週間後、約32週間後、約33週間後、約34週間後、約35週間後、約36週間後、約37週間後、約38週間後、約39週間後、約40週間後、約41週間後、約42週間後、約43週間後、約44週間後、約45週間後、約46週間後、約47週間後、約48週間後、約49週間後、約50週間後、約51週間後、約52週間後、約1週間後〜約2週間後、約2週間後〜約3週間後、約3週間後〜約4週間後、約4週間後〜約5週間後、約5週間後〜約6週間後、約6週間後〜約7週間後、約7週間後〜約8週間後、約8週間後〜約9週間後、約9週間後〜約10週間後、約10週間後〜約11週間後、約11週間後〜約12週間後、約12週間後〜約16週間後、約16週間後〜約20週間後、約20週間後〜約24週間後、約24週間後〜約28週間後、約28週間後〜約32週間後、約32週間後〜約36週間後、約36週間後〜約40週間後、約40週間後〜約44週間後、約44週間後〜約48週間後、約48週間後〜約52週間後、および/または52週間後よりも後に観察される。
一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの低下は、初回用量および/または後続用量のSMAD7 AONを投与した後のSES−CDの減少と関連する。例えば、一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの低下は、初回用量および/または後続用量のSMAD7 AONを投与した後の、2未満のSES−CDの減少と関連する。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後の、ベースラインと比べたSES−CDの約5%の減少、約10%の減少、約20%の減少、約30%の減少、約40%の減少、約50%の減少、約60%の減少、約70%の減少、約80%の減少、約90%の減少、約100%の減少、約5%〜約10%の減少、約10%〜約20%の減少、約20%〜約30%の減少、約30%〜約40%の減少、約40%〜約50%の減少、約50%〜約60%の減少、約60%〜約70%の減少、約70%〜約80%の減少、約80%〜約90%の減少、または約90%〜約100%の減少と関連する。一部の実施形態では、SES−CDの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから1週間後から52週間後の間の任意の時点、例えば、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約5週間後、約6週間後、約7週間後、約8週間後、約9週間後、約10週間後、約11週間後、約12週間後、約13週間後、約14週間後、約15週間後、約16週間後、約17週間後、約18週間後、約19週間後、約20週間後、約21週間後、約22週間後、約23週間後、約24週間後、約25週間後、約26週間後、約27週間後、約28週間後、約29週間後、約30週間後、約31週間後、約32週間後、約33週間後、約34週間後、約35週間後、約36週間後、約37週間後、約38週間後、約39週間後、約40週間後、約41週間後、約42週間後、約43週間後、約44週間後、約45週間後、約46週間後、約47週間後、約48週間後、約49週間後、約50週間後、約51週間後、約52週間後、約1週間後〜約2週間後、約2週間後〜約3週間後、約3週間後〜約4週間後、約4週間後〜約5週間後、約5週間後〜約6週間後、約6週間後〜約7週間後、約7週間後〜約8週間後、約8週間後〜約9週間後、約9週間後〜約10週間後、約10週間後〜約11週間後、約11週間後〜約12週間後、約12週間後〜約16週間後、約16週間後〜約20週間後、約20週間後〜約24週間後、約24週間後〜約28週間後、約28週間後〜約32週間後、約32週間後〜約36週間後、約36週間後〜約40週間後、約40週間後〜約44週間後、約44週間後〜約48週間後、約48週間後〜約52週間後、および/または52週間後よりも後に観察される。一部の実施形態では、SES−CDの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約12週間後および/または約52週間後に観察される。
開示されている方法の一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの低下は、SMAD7 AONが投与された患者におけるコルチコステロイド不要の臨床的寛解と関連する。コルチコステロイド不要の臨床的寛解とは、患者がもはやコルチコステロイドによる処置を受けないまたはその必要がなく、臨床的寛解が得られていることを指す。一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の臨床的寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから4週間後から52週間後の間の任意の時点、例えば、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約4週間後、約5週間後、約6週間後、約7週間後、約8週間後、約9週間後、約10週間後、約11週間後、約12週間後、約13週間後、約14週間後、約15週間後、約16週間後、約17週間後、約18週間後、約19週間後、約20週間後、約21週間後、約22週間後、約23週間後、約24週間後、約25週間後、約26週間後、約27週間後、約28週間後、約29週間後、約30週間後、約31週間後、約32週間後、約33週間後、約34週間後、約35週間後、約36週間後、約37週間後、約38週間後、約39週間後、約40週間後、約41週間後、約42週間後、約43週間後、約44週間後、約45週間後、約46週間後、約47週間後、約48週間後、約49週間後、約50週間後、約51週間後、約52週間後、約3週間後〜約4週間後、約4週間後〜約5週間後、約5週間後〜約6週間後、約6週間後〜約7週間後、約7週間後〜約8週間後、約8週間後〜約9週間後、約9週間後〜約10週間後、約10週間後〜約11週間後、約11週間後〜約12週間後、約12週間後〜約16週間後、約16週間後〜約20週間後、約20週間後〜約24週間後、約24週間後〜約28週間後、約28週間後〜約32週間後、約32週間後〜約36週間後、約36週間後〜約40週間後、約40週間後〜約44週間後、約44週間後〜約48週間後、約48週間後〜約52週間後、および/または52週間後よりも後に観察される。一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の臨床的寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約52週間後に観察される。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の臨床的寛解は、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与した後、約12週間またはそれよりも長く観察される。一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の臨床的寛解は、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与した後、約26週間またはそれよりも長く観察される。例えば、一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の臨床的寛解は、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与した後、約12週間、約14週間、約16週間、約20週間、約22週間、約24週間、約26週間、約28週間、約30週間、約35週間、約40週間、約45週間、約50週間、約52週間、約60週間、またはそれよりも長く観察される。
一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの低下は、SMAD7 AONが投与された患者における腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度の減少と関連する。一部の実施形態では、腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度は、ベースラインと比べて減少する。一部の実施形態では、腹痛スコアの減少の結果として、腹痛スコアが1またはそれ未満になる。一部の実施形態では、液状便/軟便頻度の減少の結果として、液状便/軟便頻度が3もしくはそれ未満または1.5もしくはそれ未満になる。一部の実施形態では、液状便/軟便頻度の減少の結果として、液状便/軟便頻度が約0、約1、約2、約3、約4、または約5になる。
一部の実施形態では、腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度の減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから、4週間後、12週間後、52週間後および/または任意の時点で観察される。一部の実施形態では、腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度の減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約5週間後、約6週間後、約7週間後、約8週間後、約9週間後、約10週間後、約11週間後、約12週間後、約13週間後、約14週間後、約15週間後、約16週間後、約17週間後、約18週間後、約19週間後、約20週間後、約21週間後、約22週間後、約23週間後、約24週間後、約25週間後、約26週間後、約27週間後、約28週間後、約29週間後、約30週間後、約31週間後、約32週間後、約33週間後、約34週間後、約35週間後、約36週間後、約37週間後、約38週間後、約39週間後、約40週間後、約41週間後、約42週間後、約43週間後、約44週間後、約45週間後、約46週間後、約47週間後、約48週間後、約49週間後、約50週間後、約51週間後、約52週間後、約1週間後〜約2週間後、約2週間後〜約3週間後、約3週間後〜約4週間後、約4週間後〜約5週間後、約5週間後〜約6週間後、約6週間後〜約7週間後、約7週間後〜約8週間後、約8週間後〜約9週間後、約9週間後〜約10週間後、約10週間後〜約11週間後、約11週間後〜約12週間後、約12週間後〜約16週間後、約16週間後〜約20週間後、約20週間後〜約24週間後、約24週間後〜約28週間後、約28週間後〜約32週間後、約32週間後〜約36週間後、約36週間後〜約40週間後、約40週間後〜約44週間後、約44週間後〜約48週間後、約48週間後〜約52週間後、および/または52週間後よりも後に観察される。
一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの低下は、患者報告アウトカム(PRO−2)スコア、例えば、ベースラインPRO−2スコアの減少と関連する。一部の実施形態では、PRO−2スコアの減少の結果として、スコアが8またはそれ未満になる、例えば、PRO−2スコアが1、2、3、4、5、6、7、または8になる。一部の実施形態では、PRO−2スコアの減少は、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与した後に観察される。本発明の実施形態では、PRO−2スコアの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約5週間後、約6週間後、約7週間後、約8週間後、約9週間後、約10週間後、約11週間後、約12週間後、約13週間後、約14週間後、約15週間後、約16週間後、約17週間後、約18週間後、約19週間後、約20週間後、約21週間後、約22週間後、約23週間後、約24週間後、約25週間後、約26週間後、約27週間後、約28週間後、約29週間後、約30週間後、約31週間後、約32週間後、約33週間後、約34週間後、約35週間後、約36週間後、約37週間後、約38週間後、約39週間後、約40週間後、約41週間後、約42週間後、約43週間後、約44週間後、約45週間後、約46週間後、約47週間後、約48週間後、約49週間後、約50週間後、約51週間後、約52週間後、約1週間後〜約2週間後、約2週間後〜約3週間後、約3週間後〜約4週間後、約4週間後〜約5週間後、約5週間後〜約6週間後、約6週間後〜約7週間後、約7週間後〜約8週間後、約8週間後〜約9週間後、約9週間後〜約10週間後、約10週間後〜約11週間後、約11週間後〜約12週間後、約12週間後〜約16週間後、約16週間後〜約20週間後、約20週間後〜約24週間後、約24週間後〜約28週間後、約28週間後〜約32週間後、約32週間後〜約36週間後、約36週間後〜約40週間後、約40週間後〜約44週間後、約44週間後〜約48週間後、約48週間後〜約52週間後、および/または52週間後よりも後に観察される。
一部の実施形態では、患者は、SMAD7 AONに加えて1種または複数の併用薬を受けている。例えば、一部の実施形態では、患者は、経口アミノサリチル酸、経口コルチコステロイド、免疫抑制剤、および/またはアセトアミノフェンを受けている。経口アミノサリチル酸としては、例えば、スルファサラジンまたは5−アミノサリチル酸化合物が挙げられる。経口コルチコステロイドとしては、例えば、プレドニゾンおよびブデソニドが挙げられる。免疫抑制剤としては、例えば、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、およびメトトレキセートが挙げられる。アセトアミノフェンは、心血管防御のための低用量アスピリンを含む。
一部の実施形態では、本明細書に開示されている方法は、IBDを有する患者において1種または複数の追加的な分析物のレベルを決定するステップをさらに含み得る。1種または複数の追加的な分析物は、例えば、これだけに限定されないが、C反応性タンパク質(CRP)、便中カルプロテクチン(FCP)、ケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド20(CCL20)、インターロイキン−8(IL−8)、IL−5、IL−13、IL−25、IL−10、REG3α、および/または腫瘍壊死因子α(TNFα)のレベルであってよい。
本明細書に記載されている方法を使用して、IBDを有する患者におけるバイオマーカーまたは分析物、例えば、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを決定するために、試料を患者から得ることができる。したがって、本発明の一部の実施形態では、IBDを有する患者から得た試料において、IBDを有する患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを決定する。本発明の方法では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3α以外または追加の分析物、例えば、これだけに限定されないが、IL−10、IL−5、IL−13、IL−25、REG3α、TNFα、IL−8、FCP、CCL20、およびCRPも決定することができる。したがって、本発明の一部の実施形態では、方法は、IBDを有する患者における1種または複数の追加的な分析物の1つのレベルまたは多数のレベルを決定するステップを含む。CCL20の分析物としては、NCBI Reference Sequence:AC_000134.1、NC_000002.12、およびNC_018913.2に記載されているCCL20遺伝子の、またはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物が挙げられる。TNFαの分析物としては、NCBI Reference Sequence:NG_007462.1に記載されているTNFα遺伝子の、またはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物が挙げられる。CRPの分析物としては、NCBI Reference Sequence:NG_013007.1に記載されているCRP遺伝子の、またはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物が挙げられる。IL−8の分析物としては、NCBI Reference Sequence:NG_029889.1に記載されているIL8遺伝子の、またはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物が挙げられる。FCPの分析物としては、NCBI Reference Sequence NC_000001.11およびNC_018912.2に記載されているカルプロテクチン遺伝子の、またはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物が挙げられる。IL−5の分析物としては、NCBI Reference Sequence NG_033019.1、NC_000005.10およびNC_018916.2に記載されているIL−5遺伝子の、またはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物が挙げられる。IL−13の分析物としては、NCBI Reference Sequence NG_012090.1、NC_000005.1、およびNC_018916.2に記載されているIL−13遺伝子の、またはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物が挙げられる。IL−25の分析物としては、NCBI Reference Sequence NC_000014.9およびNC_018925.2に記載されているIL−25遺伝子の、またはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物が挙げられる。REG3αの分析物としては、NCBI Reference Sequence NG_029902.1、NC_000002.12、およびNC_018913.2に記載されているREG3α遺伝子の、またはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物が挙げられる。IL−10の分析物としては、NCBI Reference Sequence NG_012088.1、NC_000001.11、NC_018912.2に記載されているIL−10遺伝子の、またはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物が挙げられる。
一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αおよび/または1種もしくは複数の分析物のレベルを、患者由来の試料を分析することによって決定する。試料は、血液、血清、または血漿試料であってよい。試料としては、これだけに限定されないが、組織試料、胃腸試料、粘膜試料、粘膜下試料、腸試料、食道試料、回腸試料、直腸試料、またはリンパ試料などの組織試料も挙げることができる。試料としては、糞便試料も挙げることができる(例えば、FCPを査定する場合)。IBDを有する患者由来の試料中の目的の分析物のレベルは、様々なアッセイを使用して決定することができる。例えば、本発明の方法では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αおよび/または別の分析物のレベルは、免疫化学によって、例えば、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって、または、ヌクレオチド分析によって決定することができる。
本発明の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを、初回用量のSMAD7 AONを投与してから4週間後および/または8週間後に分析する。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約5週間後、約6週間後、約7週間後、約8週間後、約9週間後、約10週間後、約11週間後、約12週間後、約13週間後、約14週間後、約15週間後、約16週間後、約17週間後、約18週間後、約19週間後、約20週間後、約21週間後、約22週間後、約23週間後、約24週間後、約25週間後、約26週間後、約27週間後、約28週間後、約29週間後、約30週間後、約31週間後、約32週間後、約33週間後、約34週間後、約35週間後、約36週間後、約37週間後、約38週間後、約39週間後、約40週間後、約41週間後、約42週間後、約43週間後、約44週間後、約45週間後、約46週間後、約47週間後、約48週間後、約49週間後、約50週間後、約51週間後、約52週間後、約1週間後〜約2週間後、約2週間後〜約3週間後、約3週間後〜約4週間後、約4週間後〜約5週間後、約5週間後〜約6週間後、約6週間後〜約7週間後、約7週間後〜約8週間後、約8週間後〜約9週間後、約9週間後〜約10週間後、約10週間後〜約11週間後、約11週間後〜約12週間後、約12週間後〜約16週間後、約16週間後〜約20週間後、約20週間後〜約24週間後、約24週間後〜約28週間後、約28週間後〜約32週間後、約32週間後〜約36週間後、約36週間後〜約40週間後、約40週間後〜約44週間後、約44週間後〜約48週間後、約48週間〜約52週間後、および/または52週間後よりも後に分析する。
一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを、ある用量のSMAD7 AONを受ける前、受けてから約1〜6時間後、および受けてから約6〜12時間後に分析する。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを、ある用量のSMAD7 AONを受ける前、受けてから約1〜6時間後、または受けてから約6〜12時間後に分析する。さらなる実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを、ある用量のSMAD7 AONを受ける前、受けてから約2時間後、約4時間後、約6時間後、約8時間後、および約24時間後に分析する。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを、ある用量のSMAD7 AONを受ける前、受けてから約1時間後、約2時間後、約3時間後、約4時間後、約5時間後、約6時間後、約7時間後、約8時間後、約9時間後、約10時間後、約12時間後、約14時間後、約16時間後、約18時間後、約20時間後、約22時間後、約24時間後、約30時間後、約36時間後、約42時間後、および/または約48時間後に分析する。
一部の実施形態では、第1の処置期間中、患者に線維化事象は生じない。
一部の実施形態では、第1の処置期間および第2の処置期間中、患者に線維化事象は生じない。
一部の実施形態では、第1の処置期間、第2の処置期間、および第2の処置期間の後少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも6週間、少なくとも9週間、または少なくとも12週間、少なくとも6カ月、少なくとも9カ月、少なくとも12カ月、少なくとも18カ月、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、または少なくとも5年の間、患者に線維化事象は生じない。
一部の実施形態では、方法は、患者試料中のSMAD7 AONレベルを分析するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、患者試料は、血清試料または腸粘膜生検試料である。
一部の実施形態では、患者は、回腸炎、または回結腸炎(ileocilitis)と診断されている。
一部の実施形態では、IBDは、クローン病(CD)または潰瘍性大腸炎(UC)である。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、活動性CDを有するステロイド依存性の患者である。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、活動性CDを有するステロイド抵抗性の患者である。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始時のCDAIスコアが≧220かつ≦450、SES−CDスコアが≧7である。
一部の実施形態では、IBDを有する患者に、アミノサリチル酸、ブデソニド、全身性コルチコステロイドまたは免疫抑制剤での処置不成功またはそれに対する不耐性が生じる。
一部の実施形態では、免疫抑制剤は、6−メルカプトプリン(6−MP)、アザチオプリン(azathiopine)(AZ)、またはメトトレキセート(MTX)である。
一部の実施形態では、患者の疾患は、回腸末端部および/または横行結腸中央部に限定されている。
一部の実施形態では、最初のまたは次の処置期間中、患者に線維化事象は生じない。
本明細書に記載されている本発明の方法においてIBDを有する患者に投与するSMAD7 AONは、種々の投与経路によって投与することができることが理解されよう。種々の実施形態では、SMAD7 AONは、経口的、局所的、非経口的なものを含め、1つまたはいくつかの経路によって、例えば、皮下注射によって、吸入噴霧によって、または直腸に投与することができる。非経口という用語は、本明細書で使用される場合、皮下注射、膵臓内投与、ならびに静脈内、筋肉内、腹腔内、および胸骨内注射または注入技法を含む。好ましい実施形態では、SMAD7 AONを、IBDを有する患者に経口的に投与することができる。企図されているSMAD7 AONの配列は、SMAD7のRNAを標的とすることができる多数の配列から選択することができる。本発明の一部の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチド、すなわち、患者の細胞への送達に適した、ヌクレオチド間結合の少なくとも一部がホスホロチオエート結合であるオリゴヌクレオチドである。さらに、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、修飾ヌクレオチド、例えば、修飾塩基、例えば5−メチル−2’−デオキシシチジンを含有するヌクレオチドを含み得る。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ヒトSMAD7(配列番号1)の領域108〜128を標的とする。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ヒトSMAD7(配列番号1)のヌクレオチド403、233、294、295、296、298、299または533を標的とする。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、配列番号2のヌクレオチド配列(5’−GTCGCCCCTTCTCCCCGCAG−3’)を含む。
一部の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の配列:5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAG−3’(配列番号4)(式中、Xは、5−メチル−2’−デオキシシチジンを含むヌクレオチドであり、ヌクレオチド間結合はホスホロチオエート結合である)を含む、SMAD7に対するホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
一部の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の配列:5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAG−3’(配列番号4)(式中、Xは、5−メチル−2’−デオキシシチジンを含むヌクレオチドであり、ヌクレオチド間結合はホスホロチオエート結合である)を含む、SMAD7に対するホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
一部の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の配列:5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAGC−3’(配列番号6)(式中、Xは、5−メチル−2’−デオキシシチジンを含むヌクレオチドであり、ヌクレオチド間結合はホスホロチオエート結合である)を含む、SMAD7に対するホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、化合物(I)である。
一部の実施形態では、本発明は、正常レベルを超えているIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αを有する患者においてIBDを処置または管理する方法であって、患者にある用量のSMAD7 AONを投与するステップを含む方法を提供する。さらに、一部の実施形態では、本発明は、ある用量のSMAD7 AONの投与後に正常を超えているIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、患者に前の用量よりも高いまたはそれと等しい、さらなる用量のSMAD7 AONを投与する方法を提供する。同様に、一部の実施形態では、本発明は、ある用量のSMAD7 AONの投与後に正常未満のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを有する、IBDを有する患者におけるIBDを処置または管理するための方法を提供する。後者の場合には、方法は、患者に前の用量よりも低いまたはそれと等しい、さらなる用量のSMAD7 AONを投与するステップを含む。
一部の実施形態では、患者へのSMAD7 AONの投与を、1種もしくは複数の分析物、例えば、これだけに限定されないが、IL−10、IL−5、IL−13、IL−25、REG3α、CCL20、IL−8、CRP、FCP、もしくはTNFαのレベルが正常レベルに到達する、患者が150未満のCDAIスコアを達成する、または患者が臨床的寛解を達成するまで、繰り返す。
一部の実施形態では、患者へのSMAD7 AONの投与を、患者が約50、約60、約70、約80、約90、約100、約110、約120、約130、約140、または約150点のCDAIスコアの減少を達成するまで繰り返す。一部の実施形態では、患者へのSMAD7 AONの投与を、患者が約50〜約60点、約60〜約70点、約70〜約80点、約80〜約90点、約90〜約100点、約100〜約110点、約110〜約120点、約120〜約130点、約130〜約140点、または約140〜約150点のCDAIスコアの減少を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、患者へのSMAD7 AONの投与を、患者が2またはそれ未満のSES−CD、例えば、0、1、または2のSES−CDスコアを達成するまで繰り返す。一部の実施形態では、患者へのSMAD7 AONの投与を、患者がSES−CDの50%減少を達成するまで繰り返す。一部の実施形態では、患者へのSMAD7 AONの投与を、患者がSES−CDの約5%減少、約10%減少、約20%減少、約30%減少、約40%減少、または約50%減少を達成するまで繰り返す。一部の実施形態では、患者はSES−CDの最初の測定値またはSES−CDの以前の測定値、例えばSES−CDのベースライン測定値と比べたSES−CDの減少を達成することができる。
一部の実施形態では、患者へのSMAD7 AONの投与を、患者がコルチコステロイド不要の寛解を達成するまで繰り返す。一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約12週間、少なくとも約14週間、少なくとも約16週間、少なくとも約18週間、少なくとも約20週間、少なくとも約22週間、少なくとも約24週間、少なくとも約26週間、少なくとも約28週間、または少なくとも約30週間、約35週間、約40週間、約45週間、約50週間、約52週間、約60週間、またはそれよりも長く持続する、および/または観察される。
一部の実施形態では、患者へのSMAD7 AONの投与を、患者が3もしくはそれ未満または1.5もしくはそれ未満の1日当たりの液状便/軟便頻度、および/あるいは1もしくはそれ未満の腹痛スコアを達成するまで繰り返す。一部の実施形態では、液状便/軟便頻度の減少の結果として、液状便/軟便頻度が約0、約1、約2、約3、約4、または約5になる。
一部の実施形態では、患者へのSMAD7 AONの投与を、患者が8またはそれ未満のPRO−2スコア、例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8のPRO−2スコアを達成さするまで繰り返す。
一部の実施形態では、本発明は、IBDの患者におけるIBDの処置または管理をモニタリングする方法であって、各SMAD7 AON投与後に患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを分析するステップを含む方法を提供する。これらの方法を利用して、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが低下しないことにより、処置または管理が有効でないことが示される。そのような実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを、SMAD7 AONの各投与後に、1回または多数回、例えば、2回、3回、4回、約5回、約10回、約15回、約20回、または約30回分析することができる。さらに、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを測定するタイミングは、SMAD7オリゴヌクレオチド投与の時間に関して変動させることができ、したがって、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは、SMAD7 AON投与の前、SMAD7 AON投与の直後、約1時間後、約3時間後、約6時間後、約12時間後、約1日後、約3日後、約1週間後、約2週間後、および/または約1カ月後に分析することができる。
本発明は、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが正常を超えている患者においてIBDを処置または管理する方法であって、患者に投与するSMAD7 AONの量を、患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが低下するまで増加させる方法も提供する。そのような実施形態では、患者に投与するSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドのレベルを、患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが、約IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αの正常レベルまたはIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αの正常レベル未満まで低下するまで上昇させることができる。
一部の実施形態では、本発明は、IBDを処置または管理する方法における使用のためのSMAD7 AONを含み得る。例えば、一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを分析してSMAD7 AON投与の適切なレベルを決定するステップを含む方法における使用のためのSMAD7 AONを含む。一部の実施形態では、本発明は、当該使用のためのSMAD7 AONであって、方法が、(a)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(b)患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを分析するステップと、(c)IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αの正常レベルを超えている場合、患者に初回用量よりも高いもしくはそれと等しい後続用量のSMAD7 AONを投与する、または、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αの正常レベル未満である場合、患者に初回用量と等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む、SMAD7 AONを含む。
本発明の別の態様では、本発明は、初回用量のSMAD7 AONの投与に関してIBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法を提供する。一実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを分析するステップと、(b)IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルを超えている場合、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む方法を提供する。特定の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを分析するステップと、(b)IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが0.01pg/ml、0.1pg/ml、1pg/ml 2pg/ml、3pg/ml、4pg/ml、5pg/ml、6pg/ml、7pg/ml、8pg/ml、9pg/ml、10pg/ml、11pg/ml、12pg/ml、13pg/ml、14pg/ml、15pg/ml、17.5pg/ml、20pg/ml、22.5pg/ml、25pg/ml、30pg/ml、または35pg/mlを超えている場合、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む方法を提供する。
IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは、投与するステップ(b)の後の種々の時点で分析することができる。例えば、一部の実施形態では、投与するステップ(b)の後、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを、前記投与するステップの少なくとも1日後、少なくとも3日後、少なくとも5日後、少なくとも1週間後、少なくとも2週間後、少なくとも3週間後、少なくとも1カ月後、少なくとも2カ月後、少なくとも4カ月後、または少なくとも6カ月後に分析する。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを前記投与するステップの直後に分析する。さらに他の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを前記投与するステップの約7日後、約10日後、約15日後、約20日後、約25日後、または約28日後に分析する。
IL−5の正常レベルは、約1pg/ml、約5pg/ml、約10pg/ml、約20pg/ml、約30pg/ml、約40pg/ml、約50pg/ml、約60pg/ml、約70pg/ml、約80pg/ml、約90pg/ml、約100pg/ml、約125pg/ml、約150pg/ml、約175pg/ml、または約200pg/mlであり得る。IL−13の正常レベルは、約1pg/ml、約5pg/ml、約10pg/ml、約20pg/ml、約30pg/ml、約40pg/ml、約50pg/ml、約60pg/ml、約70pg/ml、約80pg/ml、約90pg/ml、約100pg/ml、約125pg/ml、約150pg/ml、約175pg/ml、約200pg/ml、約250pg/ml、約300pg/ml、約350pg/ml、約400pg/ml、約450pg/ml、または約500pg/mlであり得る。IL−25の正常レベルは、約1pg/ml、約5pg/ml、約10pg/ml、約20pg/ml、約30pg/ml、約40pg/ml、約50pg/ml、約60pg/ml、約70pg/ml、約80pg/ml、約90pg/ml、約100pg/ml、約125pg/ml、約150pg/ml、約175pg/ml、約200pg/ml、約250pg/ml、約300pg/ml、約350pg/ml、約400pg/ml、約450pg/ml、または約500pg/mlであり得る。REG3αの正常レベルは、約1pg/ml、約5pg/ml、約10pg/ml、約20pg/ml、約30pg/ml、約40pg/ml、約50pg/ml、約60pg/ml、約70pg/ml、約80pg/ml、約90pg/ml、約100pg/ml、約125pg/ml、約150pg/ml、約175pg/ml、約200pg/ml、約250pg/ml、約300pg/ml、約350pg/ml、約400pg/ml、約450pg/ml、または約500pg/mlであり得る。IL−10の正常レベルは、約1pg/ml、約5pg/ml、約10pg/ml、約20pg/ml、約30pg/ml、約40pg/ml、約50pg/ml、約60pg/ml、約70pg/ml、約80pg/ml、約90pg/ml、約100pg/ml、約125pg/ml、約150pg/ml、約175pg/ml、約200pg/ml、約250pg/ml、約300pg/ml、約350pg/ml、約400pg/ml、約450pg/ml、または約500pg/mlであり得る。FCPの正常レベルは、約1pg/ml、約5pg/ml、約10pg/ml、約20pg/ml、約30pg/ml、約40pg/ml、約50pg/ml、約60pg/ml、約70pg/ml、約80pg/ml、約90pg/ml、約100pg/ml、約125pg/ml、約150pg/ml、約175pg/ml、約200pg/ml、約250pg/ml、約300pg/ml、約350pg/ml、約400pg/ml、約450pg/ml、または約500pg/mlであり得る。一部の例では、FCPの正常レベルは、糞便(wet feces)1kg当たりのFCPのmg数(すなわち、mg/kg)として表すことができる。一部の例では、FCPの正常レベルは、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約30mg/kg、約40mg/kg、約50mg/kg、約60mg/kg、約70mg/kg、約80mg/kg、約90mg/kg、約100mg/kg、約125mg/kg、約150mg/kg、約175mg/kg、約200mg/kg、約250mg/kg、約300mg/kg、約350mg/kg、約400mg/kg、約450mg/kg、または約500mg/kgであり得る。
IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルまたは対照レベルは、参照数値に基づいて、または健康な対照群におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルに関して決定することができる。例えば、一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの対照レベルまたは正常レベルは、健康な対照群におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの中央値と定義される。健康な対照群は、患者における同じ判断基準のセットとマッチさせた、遺伝的背景、習慣、および物理的特質に関連する種々の判断基準に基づいて定義することができる。例えば、一部の実施形態では、健康な対照群とIBDを有する患者を、年齢、性別、民族起源、喫煙習慣、食習慣、肥満度指数(BMI)、レクリエーショナルドラッグの使用、医療用薬物の使用、IBDに関連する薬物の使用、および/または運動習慣に関してマッチさせる。患者と対照群の間でマッチさせることができる他の因子としては、これだけに限定されないが、臨床的な判断基準(例えば、CDAIスコア、メイヨースコア、IBDに関連する症状の重症度)、代謝、IBD患者の個人的な病歴(disease history)、遺伝因子、IBD患者の家族歴、環境因子(例えば、汚染物質、毒素、アレルゲン)への曝露、および生活様式(例えば、都市、郊外、または田舎の勤務地および/または居住地)が挙げられる。
一部の実施形態では、方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間、約8週間、または約12週間の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約24週間約40mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、(c)約4週間SMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、d)約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびに(c)およびd)を合計24週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
一部の実施形態では、方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約12週間の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約24週間約40mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、(c)約4週間SMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、(d)約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびに(c)および(d)を合計24週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
一部の実施形態では、方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約8週間の間の期間約40mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約40mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、(c)約4週間SMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、(d)約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびに(c)および(d)を合計52週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
一部の実施形態では、方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約8週間の間の期間約40mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約40mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、(c)約4週間SMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、(d)任意選択で約8週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにc)およびd)を合計52週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
一部の実施形態では、方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約8週間の間の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約40mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、(c)約4週間SMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、(d)任意選択で約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびに(c)および(d)を合計52週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
一部の実施形態では、方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約8週間の間の期間(例えば、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、または約8週間)約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約40mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、(c)約4週間SMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、(d)任意選択で約8週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびに(c)および(d)を合計52週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
一部の実施形態では、方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約12週間の間の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約40mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、(c)約4週間SMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、(d)任意選択で約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびに(c)および(d)を合計52週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
一部の実施形態では、方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約12週間の間の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約40mgの1日1回用量で投与するステップとを含む。
一部の実施形態では、方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約12週間の間の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約160mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、(c)約4週間SMAD7 AONを約160mgの1日1回用量で投与すること、(d)任意選択で約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびに(c)および(d)を合計52週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
一部の実施形態では、方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約12週間の間の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約40mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、(c)約4週間SMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、(d)任意選択で約8週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびに(c)および(d)を合計52週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールにおいて、第1にSMAD7 AONを投与し、第2にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しない。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールにおいて、第1にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与せず、第2にSMAD7 AONを投与する。
一部の実施形態では、方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを第1の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)IBD患者にSMAD7 AONを第2の期間約40mgまたは160mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)第1の交互期間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、d)第2の交互期間IBD患者にSMAD7 AONを約40mgまたは約160mgの1日1回用量で投与すること、ならびにc)およびd)を第2の期間の終わりまで繰り返すことを含む、ステップとを含む。一部の実施形態では、第1の期間は約12週間であり、第2の期間は最大約40週間であり、第1の交互期間と第2の交互期間はそれぞれ約4週間である。一部の実施形態では、第2の期間は予め決定せず、例えば、結腸内視鏡検査もしくは回腸結腸内視鏡検査の結果、バイオマーカーレベルまたは他のもの(例えば、CDAI<150、SES−CD≦2、PRO−2スコア<8、CRPレベル<1.0mg/L、1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコア≦3もしくは≦1.5および/または腹痛スコア≦1;TMS≦2、MMS≦2、ES=1もしくは0などが特定の時間達成または維持されること)によって決定される、処置に対する患者の応答次第とする。一部の実施形態では、IBDは、CDであり得る。
一部の実施形態では、方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを第1の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)IBD患者にSMAD7 AONを第2の期間約40mgの1日1回用量で投与するステップとを含む。一部の実施形態では、第1の期間は約12週間であり、第2の期間は最大約40週間である。一部の実施形態では、第2の期間は予め決定せず、例えば、結腸内視鏡もしくは回腸結腸内視鏡の結果、バイオマーカーレベルまたは他のもの(例えば、CDAI<150、SES−CD≦2、PRO−2スコア<8、またはCRPレベル<1.0mg/L、1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコア≦3および/または≦1.5、腹痛スコア≦1;TMS≦2、MMS≦2、ES=1もしくは0などが特定の時間達成または維持されること)によって決定される、処置に対する患者の応答次第とする。一部の実施形態では、IBDは、CDであり得る。
一部の実施形態では、方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを第1の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)IBD患者にSMAD7 AONを第2の期間約160mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)第1の交互期間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、d)第2の交互期間IBD患者にSMAD7 AONを約160mgの1日1回用量で投与すること、ならびにc)およびd)を第2の期間の終わりまで繰り返すことを含む、ステップとを含む。一部の実施形態では、第1の期間は約12週間であり、第2の期間は最大約196週間であり、第1の交互期間と第2の交互期間はそれぞれ約4週間である。一部の実施形態では、第2の期間は予め決定せず、例えば、結腸内視鏡、回腸結腸内視鏡の結果、バイオマーカーレベルまたは他のもの(例えば、CDAI<150、SES−CD≦2、PRO−2スコア<8、CRPレベル<1.0mg/L、1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコア≦3もしくは≦1.5、および/または腹痛スコア≦1;TMS≦2、MMS≦2、ES=1もしくは0が特定の時間達成または維持されること)によって決定される、処置に対する患者の応答次第とする。一部の実施形態では、IBDは、CDであり得る。
一部の実施形態では、方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを第1の期間約160mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、b)第1の交互期間IBD患者にSMAD7 AONを約160mgの1日1回用量で投与すること、c)第2の交互期間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、およびb)を第1の期間の終わりまで繰り返すことを含む、ステップと、d)IBD患者にSMAD7 AONを第2の期間最大約160mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、e)第3の交互期間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、f)第4の交互期間IBD患者にSMAD7 AONを約160mgの1日1回用量で投与すること、ならびにe)およびf)を第2の期間の終わりまで繰り返すことを含む、ステップとを含む。一部の実施形態では、第1の期間は約12週間であり、第2の期間は最大約196週間であり、第1の交互期間、第2の交互期間および第3の交互期間はそれぞれ約4週間である。一部の実施形態では、第2の期間は予め決定せず、例えば、結腸内視鏡、回腸結腸内視鏡の結果、バイオマーカーレベルまたは他のもの(例えば、CDAI<150、SES−CD≦2、PRO−2スコア<8、CRPレベル<1.0mg/L、1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコア≦3もしくは≦1.5、および/または腹痛スコア≦1;TMS≦2、MMS≦2、ES=1もしくは0が特定の時間達成または維持されること)によって決定される、処置に対する患者の応答次第とする。一部の実施形態では、IBDは、CDであり得る。
一部の実施形態では、方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを第1の期間約40mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)IBD患者にSMAD7 AONを第2の期間約40mgの1日1回用量で投与するステップとを含む。一部の実施形態では、第1の期間は約12週間であり、第2の期間は最大約196週間である。一部の実施形態では、第2の期間は予め決定せず、例えば、結腸内視鏡、回腸結腸内視鏡の結果、バイオマーカーレベルまたは他のもの(例えば、CDAI<150、SES−CD≦2、PRO−2スコア<8、CRPレベル<1.0mg/L、1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコア≦3もしくは≦1.5、および/または腹痛スコア≦1;TMS≦2、MMS≦2、ES=1もしくは0が特定の時間達成または維持されること)によって決定される、処置に対する患者の応答次第とする。一部の実施形態では、IBDは、CDであり得る。
一部の実施形態では、方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを第1の期間約40mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、b)第1の交互期間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、c)第2の交互期間IBD患者にSMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、およびb)を第1の期間の終わりまで繰り返すことを含む、ステップと、d)IBD患者にSMAD7 AONを第2の期間最大約40mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、e)第3の交互期間IBD患者にSMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、f)第4の交互期間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにe)およびf)を第2の期間の終わりまで繰り返すことを含む、ステップとを含む。一部の実施形態では、第1の期間は約12週間であり、第2の期間は最大約196週間であり、第1の交互期間、第2の交互期間および第3の交互期間はそれぞれ約4週間である。一部の実施形態では、第2の期間は予め決定せず、例えば、結腸内視鏡、回腸結腸内視鏡の結果、バイオマーカーレベルまたは他のもの(例えば、CDAI<150、SES−CD≦2、PRO−2スコア<8、またはCRPレベル<1.0mg/L、1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコア≦3もしくは≦1.5および/または腹痛スコア≦1;TMS≦2、MMS≦2、またはES=1もしくは0が特定の時間達成または維持されること)によって決定される、処置に対する患者の応答次第とする。一部の実施形態では、IBDは、CDであり得る。
一部の実施形態では、方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを第1の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)IBD患者にSMAD7 AONを第2の期間約160mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)第1の交互期間IBD患者にSMAD7 AONを約160mgの1日1回用量で投与すること、d)第2の交互期間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにc)およびd)を第2の期間の終わりまで繰り返すことを含む、ステップとを含む。一部の実施形態では、第1の期間は約8週間であり、第2の期間は最大約44週間であり、第1の交互期間、第2の交互期間および第3の交互期間はそれぞれ約4週間である。一部の実施形態では、第2の期間は予め決定せず、例えば、結腸内視鏡、回腸結腸内視鏡の結果、バイオマーカーレベルまたは他のもの(例えば、CDAI<150、SES−CD≦2、PRO−2スコア<8、CRPレベル<1.0mg/L、1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコア≦3もしくは≦1.5および/または腹痛スコア≦1;TMS≦2、MMS≦2、またはES=1もしくは0が特定の時間達成または維持されること)によって決定される、処置に対する患者の応答次第とする。一部の実施形態では、IBDはUCであり得る。
一部の実施形態では、方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを第1の期間最大320mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)IBD患者にSMAD7 AONを第2の期間約160mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)第1の交互期間IBD患者にSMAD7 AONを約160mgの1日1回用量で投与すること、d)第2の交互期間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにc)およびd)を第2の期間の終わりまで繰り返すことを含む、ステップとを含む。一部の実施形態では、第1の期間は約8週間であり、第2の期間は最大約44週間であり、第1の交互期間、第2の交互期間および第3の交互期間はそれぞれ約4週間である。一部の実施形態では、期間は予め決定せず、例えば、結腸内視鏡、回腸結腸内視鏡の結果、バイオマーカーレベルまたは他のもの(例えば、CDAI<150、SES−CD≦2、PRO−2スコア<8、CRPレベル<1.0mg/L、1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコア≦3もしくは≦1.5および/または腹痛スコア≦1;TMS≦2、MMS≦2、またはES=1もしくは0が特定の時間達成または維持されること)によって決定される、処置に対する患者の応答次第とする。一部の実施形態では、IBDはUCであり得る。
交互投薬スケジュールを含む任意の実施形態では、交互投薬スケジュールは、薬物の投与(例えば、SMAD7 AONの投与)から開始することもでき、プラセボの投与または処置を行わないことから開始することもできる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の交互投薬スケジュールにおいて、第1にSMAD7 AONを投与し、第2にプラセボを投与するかまたは処置を行わない。
一部の実施形態では、1つまたは複数の交互投薬スケジュールにおいて、第1にプラセボを投与するかまたは処置を行わず、第2にSMAD7 AONを投与する。
一部の実施形態では、本発明は、炎症性腸疾患(IBD)を有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者におけるインターロイキン−5(IL−5)の第1のレベルを分析するステップと、(b)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(c)投与するステップの後に患者におけるIL−5の第2のレベルを分析するステップとを含み、(i)IL−5の第2のレベルがIL−5の第1のレベルと同じまたはそれよりも高い場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも高い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも高い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、あるいは、(ii)IL−5の第2のレベルがIL−5の第1のレベルよりも低い場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、方法を提供する。
一部の実施形態では、IL−5の第2のレベルは、IL−5の第1のレベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、IL−5の第2のレベルは、IL−5の第1のレベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低い。
一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(b)投与するステップの後に患者におけるIL−5のレベルを分析するステップとを含み、(i)IL−5のレベルがIL−5の正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONよりも高いもしくはそれと等しい後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも高い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、あるいは、(ii)IL−5のレベルがIL−5の正常レベル未満である場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、方法を提供する。
一部の実施形態では、IL−5のレベルは、IL−5の正常レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれより高い。
一部の実施形態では、IL−5のレベルは、IL−5の正常レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低い。
一部の実施形態では、本発明は、炎症性腸疾患(IBD)を有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者におけるIL−5の基準レベルを分析するステップと、(b)IL−5の基準レベルがIL−5の正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、IL−5のレベルは、IL−5の基準レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、方法は、(c)前記投与するステップの後に患者におけるIL−5のレベルを分析するステップをさらに含み、(i)前記投与するステップの後のIL−5のレベルがIL−5の正常レベルを超えているまたは基準レベルを超えているもしくはそれと等しい場合には、患者に初回用量よりも高いもしくはそれと等しい後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量と等しいもしくはそれよりも高い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、あるいは、(ii)前記投与するステップの後のIL−5のレベルがIL−5の基準レベル未満である場合には、患者に初回用量と等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する。
一部の実施形態では、前記投与するステップの後のIL−5のレベルは、IL−5の正常レベルおよび/または基準レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、前記投与するステップの後のIL−5のレベルは、IL−5の正常レベルおよび/または基準レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低い。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの後続用量が最大耐量(MTD)と等しいまたはそれよりも高い場合には、処置を終了する。
一部の実施形態では、MTDは、約40mg、約60mg、約80mg、約100mg、約120mg、約140mg、約160mg、約180mg、約200mg、約220mg、約240mg、約260mg、約280mg、約300mg、約320mg、約340mg、約360mg、約380mg、約400mg、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの初回用量は、1日当たり40mgまたは1日当たり160mgまたは1日当たり320mgであり、SMAD7 AONの後続用量は、1日当たり40mgまたは1日当たり160mgまたは1日当たり320mgである。
一部の実施形態では、低い頻度で投与することは、交互スケジュールで投与することを含む。
一部の実施形態では、患者が臨床的寛解の状態であり、かつ、IL−5のレベルが正常レベルである場合には、処置を終了する。
一部の実施形態では、患者が臨床的寛解の状態であり、かつ、IL−5のレベルが、前記投与するステップの後に、前記投与するステップの前のIL−5のレベルと比較して変化していないまたは上昇している場合には、処置を終了する。
一部の実施形態では、IL−5のレベルの低下は、臨床的寛解と関連する。
一部の実施形態では、IL−5のレベルの低下はベースラインと比べたCDAIスコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、IL−5のレベルの低下は、CDAIスコアの、約10点、約20点、約30点、約40点、約50点、約60点、約70点、約80点、約90点、約100点、約120点、約130点、約140点、約150点、またはそれよりも大きい減少と関連する。
一部の実施形態では、IL−5のレベルの上昇はベースラインと比べたCDAIスコアの増加と関連する。
一部の実施形態では、IL−5のレベルの上昇は、CDAIスコアの、約10点、約20点、約30点、約40点、約50点、約60点、約70点、約80点、約90点、約100点、約120点、約130点、約140点、約150点、またはそれよりも大きい増加と関連する。
一部の実施形態では、IL−5のレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約5週間後、約6週間後、約7週間後、約8週間後、約9週間後、約10週間後、約11週間後、約12週間後、約13週間後、約14週間後、約15週間後、約16週間後、約17週間後、約18週間後、約19週間後、約20週間後、約21週間後、約22週間後、約23週間後、約24週間後、約25週間後、約26週間後、約27週間後、約28週間後、約29週間後、約30週間後、約31週間後、約32週間後、約33週間後、約34週間後、約35週間後、約36週間後、約37週間後、約38週間後、約39週間後、約40週間後、約41週間後、約42週間後、約43週間後、約44週間後、約45週間後、約46週間後、約47週間後、約48週間後、約49週間後、約50週間後、約51週間後、および/または約52週間後またはそれよりも後の臨床的寛解、臨床応答、および/またはCDAIスコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、IL−5のレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約12週間後および/または約52週間後の臨床的寛解、臨床応答、および/またはCDAIスコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、IL−5のレベルの低下は、ベースラインHarvey−Bradshaw Index(HBI)スコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、HBIスコアの減少は、1点、2点、3点、4点、5点、6点、7点、8点、9点、10点またはそれよりも大きい減少である。
一部の実施形態では、HBIスコアの減少の結果として、HBIスコアが7もしくはそれ未満、6もしくはそれ未満、または5もしくはそれ未満になる。
一部の実施形態では、HBIスコアの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから1週間後から52週間後の間の任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、IL−5のレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後のクローン病簡易内視鏡スコア(SES−CD)が2未満であることと関連する。
一部の実施形態では、IL−5のレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後の、ベースラインと比べて約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%のSES−CDの減少と関連する。
一部の実施形態では、SES−CDの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから1週間後から52週間後の間の任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、SES−CDの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約12週間後および/または約52週間後に観察される。
一部の実施形態では、IL−5のレベルの低下は、患者におけるコルチコステロイド不要の臨床的寛解と関連する。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約4週間後から約52週間後の間の任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約52週間後に観察される。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後12週間またはそれよりも長く観察される。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後26週間またはそれよりも長く観察される。
一部の実施形態では、IL−5のレベルの低下は、腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度の減少と関連する。
一部の実施形態では、腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度は、ベースラインと比べて減少する。
一部の実施形態では、腹痛スコアの減少の結果として、腹痛スコアが1またはそれ未満になる。
一部の実施形態では、液状便/軟便頻度の減少の結果として、液状便/軟便頻度が3もしくはそれ未満または1.5もしくはそれ未満になる。
一部の実施形態では、腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度の減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから、4週間後、12週間後、52週間後および/または任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、IL−5のレベルの低下は、患者報告アウトカム(PRO−2)スコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、PRO−2スコアは、ベースラインPRO−2スコアと比べて減少する。
一部の実施形態では、PRO−2スコアの減少の結果として、スコアが8またはそれ未満になる。
一部の実施形態では、PRO−2スコアの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後に観察される。
一部の実施形態では、方法は、IBDを有する患者において1種または複数の追加的な分析物のレベルを決定するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、1種または複数の追加的な分析物は、C反応性タンパク質(CRP)、便中カルプロテクチン(FCP)、ケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド20(CCL20)、インターロイキン−8(IL−8)、インターロイキン−13(IL−13)、インターロイキン−25(IL−25)、Regenerating islet−derived 3−alpha(REG3α)、および/または腫瘍壊死因子α(TNFα)のレベルである。
一部の実施形態では、患者は、経口アミノサリチル酸、経口コルチコステロイド、免疫抑制剤、および/またはアセトアミノフェンを受けている。
一部の実施形態では、IL−5のレベルを、患者由来の試料を分析することによって決定する。
一部の実施形態では、試料は、血液、血清、または血漿試料である。
一部の実施形態では、IL−5のレベルを、免疫化学によってまたはヌクレオチド分析によって決定する。
一部の実施形態では、IL−5のレベルを、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定する。
一部の実施形態では、IL−5のレベルを、初回用量のSMAD7 AONを投与してから4週間後および/または8週間後に分析する。
一部の実施形態では、IL−5のレベルを、ある用量のSMAD7 AONを受ける前、受けてから1〜6時間後、および受けてから6〜12時間後に分析する。
一部の実施形態では、IL−5のレベルを、ある用量のSMAD7 AONを受ける前、受けてから約2時間後、約4時間後、約6時間後、約8時間後、および約24時間後に分析する。
一部の実施形態では、IBDは、クローン病(CD)または潰瘍性大腸炎(UC)である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを、IBDを有する患者に経口投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ヒトSMAD7(配列番号1)の領域108〜128を標的とする。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ヒトSMAD7(配列番号1)のヌクレオチド403、233、294、295、296、298、299または533を標的とする。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは配列番号3(5’−GTCGCCCCTTCTCCCCGCAGC−3’)のヌクレオチド配列を含む。
一部の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の配列:5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAG−3’(配列番号4)(式中、Xは、5−メチル−2’−デオキシシチジンを含むヌクレオチドであり、ヌクレオチド間結合はホスホロチオエート結合である)を含むホスホロチオエートSMAD7 AONである。
一部の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の配列:5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAGC−3’(配列番号6)(式中、Xは、5−メチル−2’−デオキシシチジンを含むヌクレオチドであり、ヌクレオチド間結合はホスホロチオエート結合である)を含むホスホロチオエートSMAD7 AONである。
一部の実施形態では、本発明は、ある用量のSMAD7 AONの投与後にIL−5レベルが正常を超えているIBDの患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、前記患者に、前の用量の前記SMAD7 AONよりも高いまたはそれと等しい、さらなる用量の前記SMAD7 AONを投与するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、ある用量のSMAD7 AONの投与後にIL−5レベルが正常未満であるIBDの患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、前記患者に、前の用量の前記SMAD7 AONよりも低いまたはそれと等しい、さらなる用量の前記SMAD7 AONを投与するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、IL−5レベルが正常を超えているIBDの患者においてIBDを処置または管理する方法であって、前記患者にある用量のSMAD7 AONを投与するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、投与するステップを、IL−5レベル、IL−8レベル、IL−13レベル、IL−25レベル、REG3αレベル、CRPレベル、CCL20レベル、FCPレベル、および/またはTNFαレベルのいずれかが正常レベルに到達するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が150未満のCDAIスコアを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が臨床的寛解を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が約50点、約60点、約70点、約80点、約90点、約100点、約110点、約120点、約130点、約140点、約150点、またはそれよりも大きいCDAIスコアの減少を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が2またはそれ未満のSES−CDを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者がSES−CDの50%減少を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者がコルチコステロイド不要の寛解を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約12週間、少なくとも約14週間、少なくとも約16週間、少なくとも約18週間、少なくとも約20週間、少なくとも約22週間、少なくとも約24週間、少なくとも約26週間、少なくとも約28週間、または少なくとも約30週間持続する。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が3もしくはそれ未満または1.5もしくはそれ未満の1日当たりの液状便/軟便頻度、および/あるいは1またはそれ未満の腹痛スコアを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が8またはそれ未満のPRO−2スコアを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、本発明は、IBDの患者におけるIBDの処置または管理をモニタリングする方法であって、患者におけるIL−5レベルを各SMAD7 AON投与後に分析するステップを含み、IL−5レベルが低下しないことにより、処置または管理が有効でないことが示される、方法を提供する。
一部の実施形態では、IL−5レベルを、各SMAD7 AONの投与後、1回、2回、3回、4回、約5回、約10回、約15回、約20回、または約30回分析する。
一部の実施形態では、IL−5レベルを、SMAD7 AON投与の直後、約1時間後、約3時間後、約6時間後、約12時間後、約1日後、約3日後、約1週間後、約2週間後、および/または約1カ月後に分析する。
一部の実施形態では、本発明は、IL−5のレベルが正常を超えているIBDの患者においてIBDを処置または管理する方法であって、患者におけるIL−5レベルが低下するまで患者に投与するSMAD7 AONの量を増加させるステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、IL−5は、IL−5のおよそ正常レベル、またはIL−5の正常レベル未満に低下する。
一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法における使用のためのSMAD7 AONであって、方法が、患者におけるIL−5のレベルを分析してSMAD7 AON投与の適切なレベルを決定するステップを含む、SMAD7 AONを提供する。一部の実施形態では、方法は、(a)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(b)患者におけるIL−5のレベルを分析するステップと、(c)IL−5のレベルがIL−5の正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONよりも高いもしくはそれと等しい後続用量のSMAD7 AONを投与する、または、IL−5のレベルがIL−5の正常レベル未満である場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む。
一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法における使用のためのSMAD7 AONであって、方法が、(a)患者におけるIL−5のレベルを分析するステップと、(b)IL−5のレベルがIL−5の正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む、SMAD7 AONを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、炎症性腸疾患(IBD)を有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者におけるIL−13の第1のレベルを分析するステップと、(b)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(c)投与するステップの後に患者におけるIL−13の第2のレベルを分析するステップとを含み、(i)IL−13の第2のレベルがIL−13の第1のレベルと同じまたはそれよりも高い場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも高い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも高い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、あるいは、(ii)IL−13の第2のレベルがIL−13の第1のレベルよりも低い場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、方法を提供する。
一部の実施形態では、IL−13の第2のレベルは、IL−13の第1のレベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、IL−13の第2のレベルは、IL−13の第1のレベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低い。
一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(b)投与するステップの後に患者におけるIL−13のレベルを分析するステップとを含み、(i)IL−13のレベルがIL−13の正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONよりも高いもしくはそれと等しい後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも高い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、あるいは、(ii)IL−13のレベルがIL−13の正常レベル未満である場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、方法を提供する。
一部の実施形態では、IL−13のレベルは、IL−13の正常レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、IL−13のレベルは、IL−13の正常レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低い。
一部の実施形態では、本発明は、炎症性腸疾患(IBD)を有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者におけるIL−13の基準レベルを分析するステップと、(b)IL−13の基準レベルがIL−13の正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、IL−13のレベルは、IL−13の基準レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、方法は、(c)前記投与するステップの後に患者におけるIL−13のレベルを分析するステップをさらに含み、(i)前記投与するステップの後のIL−13のレベルがIL−13の正常レベルを超えている、または基準レベルを超えているもしくはそれと等しい場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONよりも高いもしくはそれと等しい後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも高い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、あるいは、(ii)前記投与するステップの後のIL−13のレベルがIL−13の基準レベル未満である場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する。
一部の実施形態では、前記投与するステップの後のIL−13のレベルは、IL−13の正常レベルおよび/または基準レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、前記投与するステップの後のIL−13のレベルは、IL−13の正常レベルおよび/または基準レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低い。
一部の実施形態では、後続用量が最大耐量(MTD)と等しいまたはそれよりも高い場合には、処置を終了する。
一部の実施形態では、MTDは、約40mg、約60mg、約80mg、約100mg、約120mg、約140mg、約160mg、約180mg、約200mg、約220mg、約240mg、約260mg、約280mg、約300mg、約320mg、約340mg、約360mg、約380mg、約400mg、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの初回用量は、1日当たり40mgまたは1日当たり160mgまたは1日当たり320mgであり、SMAD7 AONの後続用量は、1日当たり40mgまたは1日当たり160mgまたは1日当たり320mgである。
一部の実施形態では、低い頻度で投与することは、交互スケジュールで投与することを含む。
一部の実施形態では、患者が臨床的寛解の状態であり、かつ、IL−13のレベルが正常レベルである場合には、処置を終了する。
一部の実施形態では、患者が臨床的寛解の状態であり、かつ、IL−13のレベルが、前記投与するステップの後に、前記投与するステップの前のIL−13のレベルと比較して変化していないまたは上昇している場合には、処置を終了する。
一部の実施形態では、IL−13のレベルの低下は、臨床的寛解と関連する。
一部の実施形態では、IL−13のレベルの低下はベースラインと比べたCDAIスコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、IL−13のレベルの低下は、CDAIスコアの、約10点、約20点、約30点、約40点、約50点、約60点、約70点、約80点、約90点、約100点、約120点、約130点、約140点、約150点、またはそれよりも大きい減少と関連する。
一部の実施形態では、IL−13のレベルの上昇はベースラインと比べたCDAIスコアの増加と関連する。
一部の実施形態では、IL−13のレベルの上昇は、CDAIスコアの、約10点、約20点、約30点、約40点、約50点、約60点、約70点、約80点、約90点、約100点、約120点、約130点、約140点、約150点、またはそれよりも大きい増加と関連する。
一部の実施形態では、IL−13のレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約5週間後、約6週間後、約7週間後、約8週間後、約9週間後、約10週間後、約11週間後、約12週間後、約13週間後、約14週間後、約15週間後、約16週間後、約17週間後、約18週間後、約19週間後、約20週間後、約21週間後、約22週間後、約23週間後、約24週間後、約25週間後、約26週間後、約27週間後、約28週間後、約29週間後、約30週間後、約31週間後、約32週間後、約33週間後、約34週間後、約35週間後、約36週間後、約37週間後、約38週間後、約39週間後、約40週間後、約41週間後、約42週間後、約43週間後、約44週間後、約45週間後、約46週間後、約47週間後、約48週間後、約49週間後、約50週間後、約51週間後、および/または約52週間後またはそれよりも後の臨床的寛解、臨床応答、および/またはCDAIスコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、IL−13のレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約12週間後および/または約52週間後の臨床的寛解、臨床応答、および/またはCDAIスコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、IL−13のレベルの低下は、ベースラインHarvey−Bradshaw Index(HBI)スコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、HBIスコアの減少は、1点、2点、3点、4点、5点、6点、7点、8点、9点、10点またはそれよりも大きい減少である。
一部の実施形態では、HBIスコアの減少の結果として、HBIスコアが7もしくはそれ未満、6もしくはそれ未満、または5もしくはそれ未満になる。
一部の実施形態では、HBIスコアの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから1週間後から52週間後の間の任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、IL−13のレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後のクローン病簡易内視鏡スコア(SES−CD)が2未満であることと関連する。
一部の実施形態では、IL−13のレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後の、ベースラインと比べて約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%のSES−CDの減少と関連する。
一部の実施形態では、SES−CDの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから1週間後から52週間後の間の任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、SES−CDの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約12週間後および/または約52週間後に観察される。
一部の実施形態では、IL−13のレベルの低下は、患者におけるコルチコステロイド不要の臨床的寛解と関連する。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約4週間後から約52週間後の間の任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約52週間後に観察される。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後12週間またはそれよりも長く観察される。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後26週間またはそれよりも長く観察される。
一部の実施形態では、IL−13のレベルの低下は、腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度の減少と関連する。
一部の実施形態では、腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度は、ベースラインと比べて減少する。
一部の実施形態では、腹痛スコアの減少の結果として、腹痛スコアが1またはそれ未満になる。
一部の実施形態では、液状便/軟便頻度の減少の結果として、液状便/軟便頻度が3もしくはそれ未満または1.5もしくはそれ未満になる。
一部の実施形態では、腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度の減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから、4週間後、12週間後、52週間後および/または任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、IL−13のレベルの低下は、患者報告アウトカム(PRO−2)スコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、PRO−2スコアは、ベースラインPRO−2スコアと比べて減少する。
一部の実施形態では、PRO−2スコアの減少の結果として、スコアが8またはそれ未満になる。
一部の実施形態では、PRO−2スコアの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後に観察される。
一部の実施形態では、方法は、IBDを有する患者において1種または複数の追加的な分析物のレベルを決定するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、1種または複数の追加的な分析物は、CRP、FCP、CCL20、IL−8、IL−5、IL−25、REG3α、および/またはTNFαのレベルである。
一部の実施形態では、患者は、経口アミノサリチル酸、経口コルチコステロイド、免疫抑制剤、および/またはアセトアミノフェンを受けている。
一部の実施形態では、IL−13のレベルを、患者由来の試料を分析することによって決定する。
一部の実施形態では、試料は、血液、血清、または血漿試料である。
一部の実施形態では、IL−13のレベルを、免疫化学によってまたはヌクレオチド分析によって決定する。
一部の実施形態では、IL−13のレベルを、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定する。
一部の実施形態では、IL−13のレベルを、初回用量のSMAD7 AONを投与してから4週間後および/または8週間後に分析する。
一部の実施形態では、IL−13のレベルを、ある用量のSMAD7 AONを受ける前、受けてから1〜6時間後、および受けてから6〜12時間後に分析する。
一部の実施形態では、IL−13のレベルを、ある用量のSMAD7 AONを受ける前、受けてから約2時間後、約4時間後、約6時間後、約8時間後、および約24時間後に分析する。
一部の実施形態では、IBDは、クローン病(CD)または潰瘍性大腸炎(UC)である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを、IBDを有する患者に経口投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ヒトSMAD7(配列番号1)の領域108〜128を標的とする。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ヒトSMAD7(配列番号1)のヌクレオチド403、233、294、295、296、298、299または533を標的とする。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは配列番号3(5’−GTCGCCCCTTCTCCCCGCAGC−3’)のヌクレオチド配列を含む。
一部の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の配列:5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAG−3’(配列番号4)(式中、Xは、5−メチル−2’−デオキシシチジンを含むヌクレオチドであり、ヌクレオチド間結合はホスホロチオエート結合である)を含むホスホロチオエートSMAD7 AONである。
一部の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の配列:5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAGC−3’(配列番号6)(式中、Xは、5−メチル−2’−デオキシシチジンを含むヌクレオチドであり、ヌクレオチド間結合はホスホロチオエート結合である)を含むホスホロチオエートSMAD7 AONである。
一部の実施形態では、本発明は、ある用量のSMAD7 AONの投与後にIL−13レベルが正常を超えているIBDの患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、前記患者に、前の用量の前記SMAD7 AONよりも高いまたはそれと等しい、さらなる用量の前記SMAD7 AONを投与するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、ある用量のSMAD7 AONの投与後にIL−13レベルが正常未満であるIBDの患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、前記患者に、前の用量の前記SMAD7 AONよりも低いまたはそれと等しい、さらなる用量の前記SMAD7 AONを投与するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、IL−13レベルが正常を超えているIBDの患者においてIBDを処置または管理する方法であって、前記患者にある用量のSMAD7 AONを投与するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、投与するステップを、IL−13レベル、IL−8レベル、IL−5レベル、IL−25レベル、REG3αレベル、CRPレベル、CCL20レベル、FCPレベル、および/またはTNFαレベルのいずれかが正常レベルに到達するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が150未満のCDAIスコアを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が臨床的寛解を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が約50点、約60点、約70点、約80点、約90点、約100点、約110点、約120点、約130点、約140点、約150点、またはそれよりも大きいCDAIスコアの減少を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が2またはそれ未満のSES−CDを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者がSES−CDの50%減少を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者がコルチコステロイド不要の寛解を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約12週間、少なくとも約14週間、少なくとも約16週間、少なくとも約18週間、少なくとも約20週間、少なくとも約22週間、少なくとも約24週間、少なくとも約26週間、少なくとも約28週間、または少なくとも約30週間持続する。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が3もしくはそれ未満または1.5もしくはそれ未満の1日当たりの液状便/軟便頻度、および/あるいは1またはそれ未満の腹痛スコアを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が8またはそれ未満のPRO−2スコアを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、本発明は、IBDの患者におけるIBDの処置または管理をモニタリングする方法であって、患者におけるIL−13レベルを各SMAD7 AON投与後に分析するステップを含み、IL−13レベルが低下しないことにより、処置または管理が有効でないことが示される、方法を提供する。
一部の実施形態では、IL−13レベルを、各SMAD7 AONの投与後、1回、2回、3回、4回、約5回、約10回、約15回、約20回、または約30回分析する。
一部の実施形態では、IL−13レベルを、SMAD7 AON投与の直後、約1時間後、約3時間後、約6時間後、約12時間後、約1日後、約3日後、約1週間後、約2週間後、および/または約1カ月後に分析する。
一部の実施形態では、本発明は、IL−13のレベルが正常を超えているIBDの患者においてIBDを処置または管理する方法であって、患者におけるIL−13レベルが低下するまで患者に投与するSMAD7 AONの量を増加させるステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、IL−13は、IL−13のおよそ正常レベル、またはIL−13の正常レベル未満に低下する。
一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法における使用ためのSMAD7 AONであって、方法が、患者におけるIL−13のレベルを分析してSMAD7 AON投与の適切なレベルを決定するステップを含む、SMAD7 AONを提供する。一部の実施形態では、方法は、(a)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(b)患者におけるIL−13のレベルを分析するステップと、(c)IL−13のレベルがIL−13の正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONよりも高いもしくはそれと等しい後続用量のSMAD7 AONを投与する、または、IL−13のレベルがIL−13の正常レベル未満である場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む。一部の実施形態では、方法は、(a)患者におけるIL−13のレベルを分析するステップと、(b)IL−13のレベルがIL−13の正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む。
一部の実施形態では、本発明は、炎症性腸疾患(IBD)を有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者におけるIL−25の第1のレベルを分析するステップと、(b)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(c)投与するステップの後に患者におけるIL−25の第2のレベルを分析するステップとを含み、(i)IL−25の第2のレベルがIL−25の第1のレベルと同じまたはそれよりも高い場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも高い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも高い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、あるいは、(ii)IL−25の第2のレベルがIL−25の第1のレベルよりも低い場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、方法を提供する。
一部の実施形態では、IL−25の第2のレベルは、IL−25の第1のレベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、IL−25の第2のレベルは、IL−25の第1のレベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低い。
一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(b)投与するステップの後に患者におけるIL−25のレベルを分析するステップとを含み、(i)IL−25のレベルがIL−25の正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONよりも高いもしくはそれと等しい後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも高い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、あるいは、(ii)IL−25のレベルがIL−25の正常レベル未満である場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、方法を提供する。
一部の実施形態では、IL−25のレベルは、IL−25の正常レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、IL−25のレベルは、IL−25の正常レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低い。
一部の実施形態では、本発明は、炎症性腸疾患(IBD)を有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者におけるIL−25の基準レベルを分析するステップと、(b)IL−25の基準レベルがIL−25の正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、IL−25のレベルは、IL−25の基準レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、方法は、(c)前記投与するステップの後に患者におけるIL−25のレベルを分析するステップをさらに含み、(i)前記投与するステップの後のIL−25のレベルがIL−25の正常レベルを超えている、または基準レベルを超えているもしくはそれと等しい場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONよりも高いもしくはそれと等しい後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも高い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、あるいは、(ii)前記投与するステップの後のIL−25のレベルがIL−25の基準レベル未満である場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する。
一部の実施形態では、前記投与するステップの後のIL−25のレベルは、IL−25の正常レベルおよび/または基準レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、前記投与するステップの後のIL−25のレベルは、IL−25の正常レベルおよび/または基準レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低い。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの後続用量が最大耐量(MTD)と等しいまたはそれよりも高い場合には、処置を終了する。
一部の実施形態では、MTDは、約40mg、約60mg、約80mg、約100mg、約120mg、約140mg、約160mg、約180mg、約200mg、約220mg、約240mg、約260mg、約280mg、約300mg、約320mg、約340mg、約360mg、約380mg、約400mg、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの初回用量は、1日当たり40mgまたは1日当たり160mgまたは1日当たり320mgであり、SMAD7 AONの後続用量は、1日当たり40mgまたは1日当たり160mgまたは1日当たり320mgである。
一部の実施形態では、低い頻度で投与することは、交互スケジュールで投与することを含む。
一部の実施形態では、患者が臨床的寛解の状態であり、かつ、IL−25のレベルが正常レベルである場合には、処置を終了する。
一部の実施形態では、患者が臨床的寛解の状態であり、かつ、IL−25のレベルが、前記投与するステップの後に、前記投与するステップの前のIL−25のレベルと比較して変化していないまたは上昇している場合には、処置を終了する。
一部の実施形態では、IL−25のレベルの低下は、臨床的寛解と関連する。
一部の実施形態では、IL−25のレベルの低下はベースラインと比べたCDAIスコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、IL−25のレベルの低下は、CDAIスコアの、約10点、約20点、約30点、約40点、約50点、約60点、約70点、約80点、約90点、約100点、約120点、約130点、約140点、約150点、またはそれよりも大きい減少と関連する。
一部の実施形態では、IL−25のレベルの上昇はベースラインと比べたCDAIスコアの増加と関連する。
一部の実施形態では、IL−25のレベルの上昇は、CDAIスコアの、約10点、約20点、約30点、約40点、約50点、約60点、約70点、約80点、約90点、約100点、約120点、約130点、約140点、約150点、またはそれよりも大きい増加と関連する。
一部の実施形態では、IL−25のレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約5週間後、約6週間後、約7週間後、約8週間後、約9週間後、約10週間後、約11週間後、約12週間後、約13週間後、約14週間後、約15週間後、約16週間後、約17週間後、約18週間後、約19週間後、約20週間後、約21週間後、約22週間後、約23週間後、約24週間後、約25週間後、約26週間後、約27週間後、約28週間後、約29週間後、約30週間後、約31週間後、約32週間後、約33週間後、約34週間後、約35週間後、約36週間後、約37週間後、約38週間後、約39週間後、約40週間後、約41週間後、約42週間後、約43週間後、約44週間後、約45週間後、約46週間後、約47週間後、約48週間後、約49週間後、約50週間後、約51週間後、および/または約52週間後またはそれよりも後の臨床的寛解、臨床応答、および/またはCDAIスコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、IL−25のレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約12週間後および/または約52週間後の臨床的寛解、臨床応答、および/またはCDAIスコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、IL−25のレベルの低下は、ベースラインHarvey−Bradshaw Index(HBI)スコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、HBIスコアの減少は、1点、2点、3点、4点、5点、6点、7点、8点、9点、10点またはそれよりも大きい減少である。
一部の実施形態では、HBIスコアの減少の結果として、HBIスコアが7もしくはそれ未満、6もしくはそれ未満、または5もしくはそれ未満になる。
一部の実施形態では、HBIスコアの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから1週間後から52週間後の間の任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、IL−25のレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後のクローン病簡易内視鏡スコア(SES−CD)が2未満であることと関連する。
一部の実施形態では、IL−25のレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後の、ベースラインと比べて約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%のSES−CDの減少と関連する。
一部の実施形態では、SES−CDの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから1週間後から52週間後の間の任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、SES−CDの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約12週間後および/または約52週間後に観察される。
一部の実施形態では、IL−25のレベルの低下は、患者におけるコルチコステロイド不要の臨床的寛解と関連する。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約4週間後から約52週間後の間の任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約52週間後に観察される。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後12週間またはそれよりも長く観察される。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後26週間またはそれよりも長く観察される。
一部の実施形態では、IL−25のレベルの低下は、腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度の減少と関連する。
一部の実施形態では、腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度は、ベースラインと比べて減少する。
一部の実施形態では、腹痛スコアの減少の結果として、腹痛スコアが1またはそれ未満になる。
一部の実施形態では、液状便/軟便頻度の減少の結果として、液状便/軟便頻度が3もしくはそれ未満または1.5もしくはそれ未満になる。
一部の実施形態では、腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度の減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから、4週間後、12週間後、52週間後および/または任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、IL−25のレベルの低下は、患者報告アウトカム(PRO−2)スコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、PRO−2スコアは、ベースラインPRO−2スコアと比べて減少する。
一部の実施形態では、PRO−2スコアの減少の結果として、スコアが8またはそれ未満になる。
一部の実施形態では、PRO−2スコアの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後に観察される。
一部の実施形態では、方法は、IBDを有する患者において1種または複数の追加的な分析物のレベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、1種または複数の追加的な分析物は、CRP、FCP、CCL20、IL−8、IL−10、IL−5、IL−13、REG3α、および/またはTNFαのレベルである。
一部の実施形態では、患者は、経口アミノサリチル酸、経口コルチコステロイド、免疫抑制剤、および/またはアセトアミノフェンを受けている。
一部の実施形態では、IL−25のレベルを、患者由来の試料を分析することによって決定する。
一部の実施形態では、試料は、血液、血清、または血漿試料である。
一部の実施形態では、IL−25のレベルを、免疫化学によってまたはヌクレオチド分析によって決定する。
IL−25のレベルを酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定する、請求項220に記載の方法。
一部の実施形態では、IL−25のレベルを、初回用量のSMAD7 AONを投与してから4週間後および/または8週間後に分析する。
一部の実施形態では、IL−25のレベルを、ある用量のSMAD7 AONを受ける前、受けてから1〜6時間後、および受けてから6〜12時間後に分析する。
一部の実施形態では、IL−25のレベルを、ある用量のSMAD7 AONを受ける前、受けてから約2時間後、約4時間後、約6時間後、約8時間後、および約24時間後に分析する。
一部の実施形態では、IBDは、クローン病(CD)または潰瘍性大腸炎(UC)である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを、IBDを有する患者に経口投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ヒトSMAD7(配列番号1)の領域108〜128を標的とする。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ヒトSMAD7(配列番号1)のヌクレオチド403、233、294、295、296、298、299または533を標的とする。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは配列番号3(5’−GTCGCCCCTTCTCCCCGCAGC−3’)のヌクレオチド配列を含む。
一部の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の配列:5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAG−3’(配列番号4)(式中、Xは、5−メチル−2’−デオキシシチジンを含むヌクレオチドであり、ヌクレオチド間結合はホスホロチオエート結合である)を含むホスホロチオエートSMAD7 AONである。
一部の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の配列:5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAGC−3’(配列番号6)(式中、Xは、5−メチル−2’−デオキシシチジンを含むヌクレオチドであり、ヌクレオチド間結合はホスホロチオエート結合である)を含むホスホロチオエートSMAD7 AONである。
一部の実施形態では、本発明は、ある用量のSMAD7 AONの投与後にIL−25レベルが正常を超えているIBDの患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、前記患者に、前の用量の前記SMAD7 AONよりも高いまたはそれと等しい、さらなる用量の前記SMAD7 AONを投与するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、ある用量のSMAD7 AONの投与後にIL−25レベルが正常未満であるIBDの患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、前記患者に、前の用量の前記SMAD7 AONよりも低いまたはそれと等しい、さらなる用量の前記SMAD7 AONを投与するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、IL−25レベルが正常を超えているIBDの患者においてIBDを処置または管理する方法であって、前記患者にある用量のSMAD7 AONを投与するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、投与するステップを、IL−25レベル、IL−8レベル、IL−5レベル、IL−13レベル、REG3αレベル、CRPレベル、CCL20レベル、FCPレベル、および/またはTNFαレベルのいずれかが正常レベルに到達するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が150未満のCDAIスコアを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が臨床的寛解を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が約50点、約60点、約70点、約80点、約90点、約100点、約110点、約120点、約130点、約140点、約150点、またはそれりも大きいCDAIスコアの減少を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が2またはそれ未満のSES−CDを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者がSES−CDの50%減少を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者がコルチコステロイド不要の寛解を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約12週間、少なくとも約14週間、少なくとも約16週間、少なくとも約18週間、少なくとも約20週間、少なくとも約22週間、少なくとも約24週間、少なくとも約26週間、少なくとも約28週間、または少なくとも約30週間持続する。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が3もしくはそれ未満または1.5もしくはそれ未満の1日当たりの液状便/軟便頻度、および/あるいは1またはそれ未満の腹痛スコアを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が8またはそれ未満のPRO−2スコアを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、本発明は、IBDの患者におけるIBDの処置または管理をモニタリングする方法であって、患者におけるIL−25レベルを各SMAD7 AON投与後に分析するステップを含み、IL−25レベルが低下しないことにより、処置または管理が有効でないことが示される、方法を提供する。
一部の実施形態では、IL−25レベルを、各SMAD7 AONの投与後、1回、2回、3回、4回、約5回、約10回、約15回、約20回、または約30回分析する。
一部の実施形態では、IL−25レベルを、SMAD7 AON投与の直後、約1時間後、約3時間後、約6時間後、約12時間後、約1日後、約3日後、約1週間後、約2週間後、および/または約1カ月後に分析する。
一部の実施形態では、本発明は、IL−25のレベルが正常を超えているIBDの患者においてIBDを処置または管理する方法であって、患者におけるIL−25レベルが低下するまで患者に投与するSMAD7 AONの量を増加させるステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、IL−25は、IL−25のおよそ正常レベル、またはIL−25の正常レベル未満に低下する。
一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法における使用のためのSMAD7 AONであって、方法が、患者におけるIL−25のレベルを分析してSMAD7 AON投与の適切なレベルを決定するステップを含む、SMAD7 AONを提供する。一部の実施形態では、方法は、(a)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(b)患者におけるIL−25のレベルを分析するステップと、(c)IL−25のレベルがIL−25の正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONよりも高いもしくはそれと等しい後続用量のSMAD7 AONを投与する、または、IL−25のレベルがIL−25の正常レベル未満である場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む。
一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法における使用のためのSMAD7 AONであって、方法が、(a)患者におけるIL−25のレベルを分析するステップと、(b)IL−25のレベルがIL−25の正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む、SMAD7 AONを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、炎症性腸疾患(IBD)を有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者におけるREG3αの第1のレベルを分析するステップと、(b)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(c)投与するステップの後に患者におけるREG3αの第2のレベルを分析するステップとを含み、(i)REG3αの第2のレベルがREG3αの第1のレベルと同じまたはそれよりも高い場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも高い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも高い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、あるいは、(ii)REG3αの第2のレベルがREG3αの第1のレベルよりも低い場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、方法を提供する。
一部の実施形態では、REG3αの第2のレベルは、REG3αの第1のレベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、REG3αの第2のレベルは、REG3αの第1のレベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低い。
一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(b)投与するステップの後に患者におけるREG3αのレベルを分析するステップとを含み、(i)REG3αのレベルがREG3αの正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONよりも高いもしくはそれと等しい後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも高い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、あるいは、(ii)REG3αのレベルがREG3αの正常レベル未満である場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、方法を提供する。
一部の実施形態では、REG3αのレベルは、REG3αの正常レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、REG3αのレベルは、REG3αの正常レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低い。
一部の実施形態では、本発明は、炎症性腸疾患(IBD)を有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者におけるREG3αの基準レベルを分析するステップと、(b)REG3αの基準レベルがREG3αの正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、REG3αのレベルは、REG3αの基準レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、方法は、(c)前記投与するステップの後に患者におけるREG3αのレベルを分析するステップをさらに含み、(i)前記投与するステップの後のREG3αのレベルがREG3αの正常レベルを超えている、または基準レベルを超えているもしくはそれと等しい場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONよりも高いもしくはそれと等しい後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも高い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する、あるいは、(ii)前記投与するステップの後のREG3αのレベルがREG3αの基準レベル未満である場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与する、および/または、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い頻度で後続用量のSMAD7 AONを投与する。
一部の実施形態では、前記投与するステップの後のREG3αのレベルは、REG3αの正常レベルおよび/または基準レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%高い、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、前記投与するステップの後のREG3αのレベルは、REG3αの正常レベルおよび/または基準レベルよりも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低い。
一部の実施形態では、後続用量が最大耐量(MTD)と等しいまたはそれよりも高い場合には、処置を終了する。
一部の実施形態では、MTDは、約40mg、約60mg、約80mg、約100mg、約120mg、約140mg、約160mg、約180mg、約200mg、約220mg、約240mg、約260mg、約280mg、約300mg、約320mg、約340mg、約360mg、約380mg、約400mg、またはそれよりも高い。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの初回用量は、1日当たり40mgまたは1日当たり160mgまたは1日当たり320mgであり、SMAD7 AONの後続用量は、1日当たり40mgまたは1日当たり160mgまたは1日当たり320mgである。
一部の実施形態では、低い頻度で投与することは、交互スケジュールで投与することを含む。
一部の実施形態では、患者が臨床的寛解の状態であり、かつ、REG3αのレベルが正常レベルである場合には、処置を終了する。
一部の実施形態では、患者が臨床的寛解の状態であり、かつ、REG3αのレベルが、前記投与するステップの後に、前記投与するステップの前のREG3αのレベルと比較して変化していないまたは上昇している場合には、処置を終了する。
一部の実施形態では、REG3αのレベルの低下は、臨床的寛解と関連する。
一部の実施形態では、REG3αのレベルの低下はベースラインと比べたCDAIスコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、REG3αのレベルの低下は、CDAIスコアの、約10点、約20点、約30点、約40点、約50点、約60点、約70点、約80点、約90点、約100点、約120点、約130点、約140点、約150点、またはそれよりも大きい減少と関連する。
一部の実施形態では、REG3αのレベルの上昇はベースラインと比べたCDAIスコアの増加と関連する。
一部の実施形態では、REG3αのレベルの上昇は、CDAIスコアの、約10点、約20点、約30点、約40点、約50点、約60点、約70点、約80点、約90点、約100点、約120点、約130点、約140点、約150点、またはそれよりも大きい増加と関連する。
一部の実施形態では、REG3αのレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約5週間後、約6週間後、約7週間後、約8週間後、約9週間後、約10週間後、約11週間後、約12週間後、約13週間後、約14週間後、約15週間後、約16週間後、約17週間後、約18週間後、約19週間後、約20週間後、約21週間後、約22週間後、約23週間後、約24週間後、約25週間後、約26週間後、約27週間後、約28週間後、約29週間後、約30週間後、約31週間後、約32週間後、約33週間後、約34週間後、約35週間後、約36週間後、約37週間後、約38週間後、約39週間後、約40週間後、約41週間後、約42週間後、約43週間後、約44週間後、約45週間後、約46週間後、約47週間後、約48週間後、約49週間後、約50週間後、約51週間後、および/または約52週間後またはそれよりも後の臨床的寛解、臨床応答、および/またはCDAIスコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、REG3αのレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約12週間後および/または約52週間後の臨床的寛解、臨床応答、および/またはCDAIスコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、REG3αのレベルの低下は、ベースラインHarvey−Bradshaw Index(HBI)スコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、HBIスコアの減少は、1点、2点、3点、4点、5点、6点、7点、8点、9点、10点またはそれよりも大きい減少である。
一部の実施形態では、HBIスコアの減少の結果として、HBIスコアが7もしくはそれ未満、6もしくはそれ未満、または5もしくはそれ未満になる。
一部の実施形態では、HBIスコアの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから1週間後から52週間後の間の任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、REG3αのレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後のクローン病簡易内視鏡スコア(SES−CD)が2未満であることと関連する。
一部の実施形態では、REG3αのレベルの低下は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後の、ベースラインと比べて約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%のSES−CDの減少と関連する。
一部の実施形態では、SES−CDの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから1週間後から52週間後の間の任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、SES−CDの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約12週間後および/または約52週間後に観察される。
一部の実施形態では、REG3αのレベルの低下は、患者におけるコルチコステロイド不要の臨床的寛解と関連する。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約4週間後から約52週間後の間の任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから約52週間後に観察される。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後12週間またはそれよりも長く観察される。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後26週間またはそれよりも長く観察される。
一部の実施形態では、REG3αのレベルの低下は、腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度の減少と関連する。
一部の実施形態では、腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度は、ベースラインと比べて減少する。
一部の実施形態では、腹痛スコアの減少の結果として、腹痛スコアが1またはそれ未満になる。
一部の実施形態では、液状便/軟便頻度の減少の結果として、液状便/軟便頻度が3もしくはそれ未満または1.5もしくはそれ未満になる。
一部の実施形態では、腹痛スコアおよび/または液状便/軟便頻度の減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与してから、4週間後、12週間後、52週間後および/または任意の時点で観察される。
一部の実施形態では、REG3αのレベルの低下は、患者報告アウトカム(PRO−2)スコアの減少と関連する。
一部の実施形態では、PRO−2スコアは、ベースラインPRO−2スコアと比べて減少する。
一部の実施形態では、PRO−2スコアの減少の結果として、スコアが8またはそれ未満になる。
一部の実施形態では、PRO−2スコアの減少は、初回用量のSMAD7 AONを投与した後に観察される。
一部の実施形態では、方法は、IBDを有する患者において1種または複数の追加的な分析物のレベルを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、1種または複数の追加的な分析物は、CRP、FCP、CCL20、IL−8、IL−5、IL−25、IL−13、および/またはTNFαのレベルである。
一部の実施形態では、患者は、経口アミノサリチル酸、経口コルチコステロイド、免疫抑制剤、および/またはアセトアミノフェンを受けている。
一部の実施形態では、REG3αのレベルを、患者由来の試料を分析することによって決定する。
一部の実施形態では、試料は、血液、血清、または血漿試料である。
一部の実施形態では、REG3αのレベルを、免疫化学によってまたはヌクレオチド分析によって決定する。
一部の実施形態では、REG3αのレベルを、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定する。
一部の実施形態では、REG3αのレベルを、初回用量のSMAD7 AONを投与してから4週間後および/または8週間後に分析する。
一部の実施形態では、REG3αのレベルを、ある用量のSMAD7 AONを受ける前、受けてから1〜6時間後、および受けてから6〜12時間後に分析する。
一部の実施形態では、REG3αのレベルを、ある用量のSMAD7 AONを受ける前、受けてから約2時間後、約4時間後、約6時間後、約8時間後、および約24時間後に分析する。
一部の実施形態では、IBDは、クローン病(CD)または潰瘍性大腸炎(UC)である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを、IBDを有する患者に経口投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ヒトSMAD7(配列番号1)の領域108〜128を標的とする。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ヒトSMAD7(配列番号1)のヌクレオチド403、233、294、295、296、298、299または533を標的とする。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは配列番号3(5’−GTCGCCCCTTCTCCCCGCAGC−3’)のヌクレオチド配列を含む。
一部の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の配列:5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAG−3’(配列番号4)(式中、Xは、5−メチル−2’−デオキシシチジンを含むヌクレオチドであり、ヌクレオチド間結合はホスホロチオエート結合である)を含むホスホロチオエートSMAD7 AONである。
一部の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の配列:5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAGC−3’(配列番号6)(式中、Xは、5−メチル−2’−デオキシシチジンを含むヌクレオチドであり、ヌクレオチド間結合はホスホロチオエート結合である)を含むホスホロチオエートSMAD7 AONである。
一部の実施形態では、本発明は、ある用量のSMAD7 AONの投与後にREG3αレベルが正常を超えているIBDの患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、前記患者に、前の用量の前記SMAD7 AONよりも高いまたはそれと等しい、さらなる用量の前記SMAD7 AONを投与するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、ある用量のSMAD7 AONの投与後にREG3αレベルが正常未満であるIBDの患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、前記患者に、前の用量の前記SMAD7 AONよりも低いまたはそれと等しい、さらなる用量の前記SMAD7 AONを投与するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、REG3αレベルが正常を超えているIBDの患者においてIBDを処置または管理する方法であって、前記患者にある用量のSMAD7 AONを投与するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、投与するステップを、IL−13レベル、IL−8レベル、IL−5レベル、IL−25レベル、REG3αレベル、CRPレベル、CCL20レベル、FCPレベル、および/またはTNFαレベルのいずれかが正常レベルに到達するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が150未満のCDAIスコアを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が臨床的寛解を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が約50点、約60点、約70点、約80点、約90点、約100点、約110点、約120点、約130点、約140点、約150点、またはそれよりも大きいCDAIスコアの減少を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が2またはそれ未満のSES−CDを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者がSES−CDの50%減少を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者がコルチコステロイド不要の寛解を達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、コルチコステロイド不要の寛解は、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約12週間、少なくとも約14週間、少なくとも約16週間、少なくとも約18週間、少なくとも約20週間、少なくとも約22週間、少なくとも約24週間、少なくとも約26週間、少なくとも約28週間、または少なくとも約30週間持続する。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が3もしくはそれ未満または1.5もしくはそれ未満の1日当たりの液状便/軟便頻度、および/あるいは1またはそれ未満の腹痛スコアを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、投与するステップを、患者が8またはそれ未満のPRO−2スコアを達成するまで繰り返す。
一部の実施形態では、本発明は、IBDの患者におけるIBDの処置または管理をモニタリングする方法であって、患者におけるREG3αレベルを各SMAD7 AON投与後に分析するステップを含み、REG3αレベルが低下しないことにより、処置または管理が有効でないことが示される、方法を提供する。
一部の実施形態では、REG3αレベルを、各SMAD7 AONの投与後、1回、2回、3回、4回、約5回、約10回、約15回、約20回、または約30回分析する。
一部の実施形態では、REG3αレベルを、SMAD7 AON投与の直後、約1時間後、約3時間後、約6時間後、約12時間後、約1日後、約3日後、約1週間後、約2週間後、および/または約1カ月後に分析する。
一部の実施形態では、本発明は、REG3αのレベルが正常を超えているIBDの患者においてIBDを処置または管理する方法であって、患者におけるREG3αレベルが低下するまで患者に投与するSMAD7 AONの量を増加させるステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、REG3αは、REG3αのおよそ正常レベル、またはREG3αの正常レベル未満に低下する。
一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法における使用のためのSMAD7 AONであって、方法が、患者におけるREG3αのレベルを分析してSMAD7 AON投与の適切なレベルを決定するステップを含む、SMAD7 AONを提供する。一部の実施形態では、方法は、(a)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(b)患者におけるREG3αのレベルを分析するステップと、(c)REG3αのレベルがREG3αの正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONよりも高いもしくはそれと等しい後続用量のSMAD7 AONを投与する、または、REG3αのレベルがREG3αの正常レベル未満である場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONと等しいもしくはそれよりも低い後続用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む。
一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法における使用のためのSMAD7 AONであって、方法が、(a)患者におけるREG3αのレベルを分析するステップと、(b)REG3αのレベルがREG3αの正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む、SMAD7 AONを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法における使用のためのSMAD7 AONであって、方法が、前述の実施形態のいずれかに記載されているものである、SMAD7 AONを提供する。
本明細書に記載されている任意の投与スケジュールには同じスケジュールまたは本明細書に記載されている任意の他の投与スケジュールが先行し得る。
4.図面の簡単な説明
5.略語および慣例
「AZA」という略語は、本明細書で使用される場合、「アザチオプリン」を意味する。
「BSL」という略語は、本明細書で使用される場合、「ベースライン」を意味する。
「CD」という略語は、本明細書で使用される場合、「表面抗原分類(Cluster of Differentiation)」、例えば、表面抗原分類4(CD4)を意味する。
「CDAI」という略語は、本明細書で使用される場合、「クローン病活動指数(Crohn’s Disease Activity Index)」を意味する。
「CDEIS」という略語は、本明細書で使用される場合、「クローン病内視鏡的重症度指数(Crohn’s Disease Endoscopic Index of Severity)」を意味する。
「hsCRP」という略語は、本明細書で使用される場合、「高感度CRP」を意味し、低レベルのCRPを分析することが可能な試験によって決定されるCRPレベルを指す。例えば、hsCRPは、レーザー比濁分析を使用する高感度試験で分析することができる。一部のhsCRP試験では、hsCRPを0.04mg/mlに至るまでの感度で分析することが可能である。
「ES」という略語は、本明細書で使用される場合、「内視鏡スコア(Endoscopy Score)」を意味する。
「FCP」という略語は、本明細書で使用される場合、S100カルシウム結合性タンパク質A9(S100A9)としても公知のタンパク質である「便中カルプロテクチン」を意味する。
「Flex−sig」という略語は、本明細書で使用される場合、「軟性直腸S状結腸内視鏡検査(flexible rectosigmoidoscopy)」を意味する。
「HLA」という略語は、本明細書で使用される場合、ヒト白血球抗原を意味する。
「IFN」という略語は、本明細書で使用される場合、インターフェロン、例えば、IFNgを意味する。
「IL」という略語は、本明細書で使用される場合、「インターロイキン」、例えば、インターロイキン−6(IL6)を意味する。
「IP」という略語は、本明細書で使用される場合、「治験薬」を意味する。IPは、例えば、化合物(I)などのSMAD7 AONを含む医薬組成物を指し得る。
「IVRS」という略語は、本明細書で使用される場合、「自動音声応答装置(Interactive Voice Response System)」を意味する。
「IWRS」という略語は、本明細書で使用される場合、「自動ウェブ応答システム(Interactive Web Response System)」を意味する。
「6−MP」という略語は、本明細書で使用される場合、「6−メルカプトプリン」を意味する。
「MMS」という略語は、本明細書で使用される場合、「改変メイヨースコア(Modified Mayo Score)」を意味する。
「MTX」という略語は、本明細書で使用される場合、「メトトレキセート」を意味する。
「PBO」という略語は、本明細書で使用される場合、「プラセボ」を意味する。
「PBO QD」という略語は、本明細書で使用される場合、「プラセボ1日用量」を意味する。
「PD」という略語は、本明細書で使用される場合、「薬力学的」を意味する。
「PGA」という略語は、本明細書で使用される場合、「医師による全体的査定サブスコア(Physician’s Global Assessment Subscore)」を意味する。
「PMS」という略語は、本明細書で使用される場合、「部分的メイヨースコア(Partial Mayo Score)」を意味する。
「PRO−2」という略語は、本明細書で使用される場合、「2項目の患者報告アウトカム(two−item Patient Reported Outcome)(PRO−2)」を表す。
「QD」という略語は、本明細書で使用される場合、例えば、化合物(I)などのSMAD7 AONの「1日1回(once daily)」(1日1回(quaque die))用量を指す。
「QOL」または「QoL」という略語は、本明細書で使用される場合、「生活の質」を意味する。
「RBS」という略語は、本明細書で使用される場合、「直腸出血サブスコア(Rectal Bleeding Subscore)」を意味する。
「SES−CD」という略語は、本明細書で使用される場合、「クローン病簡易内視鏡スコア(Simple Endoscopic Score for Crohn’s Disease)」を意味する。
「SFS」という略語は、本明細書で使用される場合、「排便回数サブスコア(Stool Frequency Subscore)」を意味する。
「SMAD7 AON」という略語は、本明細書で使用される場合、SMAD7 AONを意味する。
「TMS」という略語は、本明細書で使用される場合、「総メイヨースコア(Total Mayo Score)」を意味する。
「UCDAI」という略語は、本明細書で使用される場合、「潰瘍性大腸炎疾患活動指数(Ulcerative Colitis Disease Activity Index)」を意味する。
「Wk」という略語は、本明細書で使用される場合、「週」を意味する。
6.詳細な説明
本発明は、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するために一般に有用な方法を提供する。IBDを有する患者としては、これだけに限定されないが、UCを有する患者、ならびにステロイド依存性の形態およびステロイド抵抗性の形態のCDを含めたCDを有する患者が挙げられる。方法は、SMAD7 AON療法などの抗SMAD7療法を用いた処置を受けている患者における処置の管理に関して特に有用である。SMAD7 AON療法は、SMAD7 mRNA転写物に結合し、SMAD7 mRNA転写物の分解を誘導すること、SMAD7 mRNA転写物のスプライシングを妨げること、またはSMAD7 mRNA転写物のタンパク質への翻訳を妨げることができるオリゴヌクレオチドを含む任意の療法であってよい。
本発明の方法は、IBDを有する患者のSMAD7 AONを用いた処置に対する応答性を予測および決定するために有用である。したがって、本発明の方法を使用して、SMAD7 AONによる処置に応答する可能性が高い患者ならびにSMAD7 AONによる処置に応答する可能性が低い患者を同定することができる。本明細書に記載されている方法は、患者がIBDに対する処置に応答するか否かを決定するためにも有用である。一般に、本発明の方法を使用して、SMAD7 AONを用いた処置を受けているIBDを有する患者における応答性のレベルまたは可能性のレベルを決定することもできる。応答性のレベルまたは応答性の可能性のレベルの決定に基づいて、SMAD7 AONの投与を開始すること、繰り返すこと、維持すること、増加させること、減少させること、または終了することができる。応答性は、これだけに限定されないが、バイオマーカーおよび/もしくは他の分析物(例えば、IL−10、IL−5、IL−13、IL−25、REG3α、CCL20、IL8、CRP、FCP、および/またはTNFα)のレベルもしくはレベルの変化、CDAIスコアもしくはCDAIスコアの変化の分析、またはIBDの症状(例えば、体重減少、組織炎症、血便)の査定を含めたいくつかの因子を使用して決定することができる。
同様に、方法は、IBDを有する患者におけるSMAD7 AONを用いた処置の有効性および安全性を評価するために有用である。例えば、本発明の方法は、SMAD7 AONを用いた処置がIBDの部分寛解もしくは完全寛解または好転を引き起こすのに有効であることまたは有効でないことを示し得るバイオマーカーの発現のレベルもしくは他の指標の変化または病態の顕在化を決定することを含み得る。バイオマーカーの発現のレベルもしくはレベルの変化、疾患の症状、SMAD7 AONの組織中レベル、血中レベル、もしくは全身レベル、または全体的な健康の指標の決定により、病態の悪化または薬物レベルが安全でないことも示され得る。処置(複数可)前、処置(複数可)中、処置(複数可)の間および/または処置(複数可)後の多数の指標の査定を使用して、疾患の病期、進行、および重症度をモニタリングすることができる。
本発明は、IBDの病態とIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの関係の発見に一部基づく。具体的には、本発明者らは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、およびREG3αレベルが、患者がSMAD7 AONを使用したIBDの処置に応答するか、応答する可能性が高いか、応答しないか、または応答する可能性が低いかを決定するための有用なバイオマーカーであることを発見した。
さらに、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを使用して、SMAD7 AONを使用した疾患処置を、特にSMAD7 AONの投薬量に関して管理することができる。例えば、IBDを有する患者に、例えば後続用量において、例えば、前に投与した用量、例えば初回用量のSMAD7 AONに対して特定の投薬量、例えば、高用量または低用量のSMAD7 AONを与えるべきかを決定するために、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを使用することができる。したがって、例えば、IBDを有する患者における、投薬量または頻度に関して、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αの絶対的なレベルまたはIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αの相対的なレベルに関して、SMAD7 AONの投与を調整することができる。例えば、IBDを有する患者由来の試料において測定されたIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの絶対的なレベルを、例えばベンチマーク値またはIBDを有する患者とマッチさせた健康な対照群におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルの中央値のいずれかであるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルと比較することにより、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの絶対的なレベルに基づいてSMAD7 AONの投与を調整することができる。本発明の一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの相対的なレベルに基づいて、例えば、SMAD7 AON投与の前後、SMAD7 AON投与の直後ともっと後、またはSMAD7 AONの投与中と投与後のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの比較に基づいて、SMAD7 AONの投与を調整することができる。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの最初の検出と、患者試料中のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの比較を行うために使用するIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの後の検出との間に、SMAD7 AONを多数回投与することができる。
本発明の一部の実施形態では、処置を受けているIBD患者は、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが正常を超えている患者である。一部の実施形態では、患者は、処置前のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが高いことが分かっている。一部の実施形態では、IBD患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを、処置前、処置後、初回用量のSMAD7 AONを投与する前、初回用量のSMAD7 AONを投与した後、後続用量のSMAD7 AONを投与する前、および/または後続用量のSMAD7 AONを投与した後に決定する。
IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの対照レベルは、抗SMAD7療法を用いた処置前に対象から得た試料(例えば、血液試料)中のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのタンパク質またはmRNA転写物のレベルを決定することによって決定することができる。IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの対照レベルにより、処置に対する対象の反応をモニタリングするためのベースラインがもたらされ得る。対照試料は、抗SMAD7療法を最初に投与した日(例えば、処置レジメンの1日目)、例えば、少なくとも1種の抗SMAD7療法を投与した直後に対象から得ることができる。他の実施形態では、対照試料は、抗SMAD7療法を開始する1日前(例えば、処置レジメンの0日目)に対象から得ることができる。あるいは、対照試料は、抗SMAD7療法を開始する2日前、3日前、4日前、5日前、6日前、7日前またはそれよりも前に対象から得ることができる。例えば、処置前(例えば、対照試料において)、処置中、および/または処置後にIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3α濃度の上昇または低下を測定して、療法、例えば、抗SMAD7療法に対する対象の反応をモニタリングすることができる。
一部の実施形態では、対象における循環IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3α濃度の長期間モニタリングに基づいて、対象についての対照レベルを確立することができる。そのような例では、対象は、多数のラウンドの抗SMAD7療法を用いた処置を受けることができることが企図されている。多数のラウンドの処置後に検出された循環IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3α濃度を対象についてのIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの事前の対照レベルと比較して、対象が療法に応答しているかどうか、および/またはさらなる抗SMAD7療法を用いた処置に応答する可能性が高いかどうかを決定することができる。他の実施形態では、経時的に得た(例えば、数日、数週間、数カ月、または数年にわたって得た)多数のベースライン試料から決定された循環IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3α濃度の平均測定値に基づいて、対象についての対照またはベースラインレベルを確立することができる。したがって、本明細書に開示されている通り行った任意の試験またはアッセイを以前のまたは確立された対照レベルと比較することができ、例えば、対象が1ラウンドよりも多くの抗SMAD7療法を用いた処置を受けている場合、比較のために対象から新しい対照試料を得る必要はない場合がある。
IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルは、参照数値に基づいてまたは健康な対照群におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルに関して決定することができる。
本発明の他の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルは、健康な対照群におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの中央値と定義される。
健康な対照群は、患者における同じ判断基準のセットとマッチさせた、遺伝的背景、習慣、および物理的特質に関連する種々の判断基準に基づいて定義することができる。例えば、一部の実施形態では、健康な対照群とIBDを有する患者を、年齢、性別、民族起源、喫煙習慣、食習慣、肥満度指数(BMI)、レクリエーショナルドラッグの使用、医療用薬物の使用、IBDに関連する薬物の使用、および/または運動習慣に関してマッチさせる。患者と対照群の間でマッチさせることができる他の因子としては、これだけに限定されないが、臨床的な判断基準(例えば、CDAIスコア、メイヨースコア、IBDに関連する症状の重症度)、代謝、IBD患者の個人的な病歴、遺伝因子、IBD患者の家族歴、環境因子(例えば、汚染物質、毒素、アレルゲン)への曝露、および生活様式(例えば、都市、郊外、または田舎の勤務地および/または居住地)が挙げられる。
一部の実施形態では、対照群は、初回用量のSMAD7 AONを受ける前にSMAD7 AONを用いた処置を受けている患者である。一部の実施形態では、患者は、治療未経験患者である。
一部の実施形態では、抗SMAD7療法を最初に投与する前に、IBDを有する患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを分析し、閾値レベルと比較する。本明細書に記載されている通り、閾値レベルは、健康な対照群またはIBD患者の群におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルに基づいて確立することができる。一般に、閾値レベルは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αの正常レベル、例えば、健康な対照群におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルの中央値に対して上昇する、または、対照群、例えば、IBD患者で構成される対照群におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルのスペクトルの範囲内に入り得る。
抗SMAD7療法を用いた処置に対する対象の応答性は、処置前に対象から得た試料中のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの対照レベルに関して解釈することができる。対象から得た試料において、対照試料と比較してIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの濃度が低下している場合、対象を、抗SMAD7療法を用いた処置に対して感受性である(例えば、応答するまたは応答する可能性が高い)と同定することができる。一部の実施形態では、試料は、対象が抗SMAD7療法による処置を受けている間に得ることができる。他の実施形態では、試料は、対象が処置を受けるのを停止した後、例えば、処置を停止してから約1日後、約7日後(すなわち、約1週間後)、約14日後(すなわち、約2週間後)、約28日後、約56日後、約70日後および/またはそれより後に得ることができる。好ましい実施形態では、試料は、抗SMAD7療法による処置を停止してから約1日後に得ることができる。
企図されている本発明の実施形態では、試料中のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの量の減少は、対象が療法に応答し、かつ/または寛解に入っているもしくは寛解に入る可能性が高いことを示すCDAIスコアと一致する。例えば、一部の実施形態では、試料中のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの量の対照レベルと比較した減少は、対象におけるCDAIスコアが約200未満、約190未満、約180未満、約170未満、約160未満、または約150未満であることと一致する。特定の実施形態では、試料中のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの量の対照レベルと比較した減少は、対象におけるCDAIスコアが約150未満であることと一致する。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3α濃度の低下と一致するCDAIスコアは、対象において少なくとも1日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、または少なくとも10週間維持される。
一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3α濃度の低下と一致するCDAIスコアは、抗SMAD7療法を用いた処置の停止後に観察可能である。例えば、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3α濃度の低下と一致するCDAIスコアは、抗SMAD7療法を用いた処置の停止後、約1日、約1週間、約2週間、約10週間、約1日および約2週間、またはそれよりも長く観察可能であり得る。一部の実施形態では、試料中のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの量の減少は、対象が療法に応答し、かつ/または寛解に入っているもしくは寛解に入る可能性が高いことを示すCDAIスコアの減少と一致する。例えば、本発明の一部の実施形態では、試料中のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの量の対照レベルと比較した減少は、対象におけるCDAIスコアの、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約110、約120、約130、約140、または約150の減少と一致する。特定の実施形態では、試料中のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの量の対照レベルと比較した減少は、対象におけるCDAIスコアの約70〜約100の減少と一致する。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの量の減少と一致するCDAIスコアの減少は、抗SMAD7療法を用いた処置の停止後に観察可能である。例えば、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの量の減少と一致するCDAIスコアの減少は、抗SMAD7療法を用いた処置の停止後、約1日、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約10週間、またはそれよりも長く観察可能であり得る。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの量の減少と一致するCDAIスコアの減少は、抗SMAD7療法を用いた処置の停止後、約1日または約2週間、観察可能である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONなどの抗SMAD7療法を受けている患者は、1種または複数の追加的なIBD療法、例えば、ステロイドも受ける。一部の実施形態では、抗SMAD7療法および1種または複数の追加的なIBD療法を受けている患者は、例えば、CDAIスコアの減少および/またはIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルの低下によって示される通り、抗SMAD7療法に応答し、かつ/または臨床的寛解を得た場合、1種または複数の追加的なIBD療法を漸減させることができる。一部の実施形態では、抗SMAD7療法の投与後に臨床的寛解を得た(例えば、SMAD7 AONを用いた2週間の処置レジメンの完了後15日目および28日目の両方でCDAI<150)患者は、ステロイドを漸減させることができる。
あるいは、対象から得た試料中の循環IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの濃度が対照レベルと比較して変化または上昇していない場合、対象を、抗SMAD7療法を用いた処置に対して抵抗性である(例えば、応答しないまたは応答する可能性が低い)と同定することができる。一実施形態では、試料は、対象が抗SMAD7療法による処置を受けている間に得ることができる。他の実施形態では、試料は、対象が処置を受けるのを停止した後、例えば、処置を停止してから約1日後、約7日後(すなわち、約1週間後)、約14日後(すなわち、約2週間後)、約28日後、約56日後、約70日後、および/またはそれよりも後に得ることができる。好ましい実施形態では、試料は、抗SMAD7療法による処置を停止してから約1日後に得ることができる。
一部の実施形態では、例えば、CDAIスコアの増加(例えば、CDAIスコアの>70の増加)および/またはIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルの上昇(例えば、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの>50%の上昇)によって示される通り、抗SMAD7療法を用いた処置の経過中に疾患が悪化した患者に、レスキュー療法(例えば、TNFα、IL−5、IL−10、IL−13、IL−25、FCP、CRP、CCL20、またはREG3αの阻害剤および/または免疫抑制薬などの生物学的製剤)を投与する。
患者のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルとIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの閾値の差異は、患者の抗SMAD7療法に対する潜在的な応答性を示す。例えば、患者のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの閾値と比べて高いことにより、患者が抗SMAD7療法に応答する可能性があることが示される。IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの閾値レベルは、異なる判断基準を使用して確立することができる。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの閾値レベルを、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベル、例えば、対照群におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの中央値に対して決定する。対照群は、健康/正常な対象(例えば、健康な対照群)でもIBD患者の群でも構成されてよい。
例えば、一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの閾値レベルは、正常レベルの少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも50倍、少なくとも80倍、または少なくとも100倍である。他の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの閾値レベルは、IBD患者の群におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベル、例えば、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの中央値に対して、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの50パーセンタイル、60パーセンタイル、70パーセンタイル、80パーセンタイルまたは90パーセンタイルである。さらに、一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの閾値レベルは、少なくとももしくは約1pg/ml、少なくとももしくは約2.5pg/ml、少なくとももしくは約5pg/ml、少なくとももしくは約7.5pg/ml、少なくとももしくは約10pg/ml、少なくとももしくは約12.5pg/ml、少なくとももしくは約15pg/ml、少なくとももしくは約17.5pg/ml、少なくとももしくは約20pg/ml、少なくとももしくは約25pg/ml、少なくとももしくは約30pg/ml、または少なくとももしくは約35pg/mlである。
一部の実施形態では、対照群は、初回用量のSMAD7 AONを受けている患者からなってよい。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αの正常レベル、またはIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αの閾値レベルは、初回用量のSMAD7 AONを投与する前に患者において観察されるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのベースラインレベルであり得る。その後、初回用量のSMAD7 AONを患者に投与した後または後続用量のSMAD7 AONを患者に投与した後、患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを経時的にモニタリングすることができる。1回または複数のSMAD7 AONの投与後の患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのベースラインレベルと比較することができる。患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが患者のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのベースラインレベルと比べて上昇するか、低下するか、または一定のままであるかに応じてSMAD7 AONの投薬レジメンを調整することができる。
「炎症性腸疾患」または「IBD」は、本明細書で使用される場合、クローン病(CD)、胃十二指腸クローン病、クローン(肉芽腫性)大腸炎、潰瘍性大腸炎(UC)、膠原性大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性大腸炎、空置大腸炎、ベーチェット病、顕微鏡的大腸炎、潰瘍性直腸炎、直腸S状結腸炎、空回腸炎、左側大腸炎、全大腸炎、回結腸炎、回腸炎、および分類不能大腸炎を含めたいくつかの慢性の炎症性疾患を指し得る。CDおよびUCは、IBDの最も一般的な形態の2つである。IBDは、消化器系の自己免疫疾患である。CDは、回腸末端部を含めた胃腸管のあらゆる部分に局在する可能性があり、胃腸管の全ての細胞型に影響を及ぼす可能性がある。UCは、結腸および直腸に局在し、粘膜の細胞のみに影響を及ぼす。
IBDでは環境因子および遺伝因子の両方が役割を果たすと考えられているが、そのような因子の同一性は明確には定義されていない。環境構成成分は、経口摂取された食物および薬への曝露の影響を受ける、消化管の叢の変化を含み得る。
IBDには、腹痛、嘔吐、下痢、直腸出血、重度の痙攣、筋痙攣、体重減少、栄養不良、発熱、貧血、皮膚病変、関節痛、眼炎、肝障害、関節炎、壊疽性膿皮症、原発性硬化性胆管炎、および非甲状腺疾患症候群を含めた症状が付随する。UCに罹患している小児では成長欠陥が生じ得る。
CDの形態は、活動性CDを含めた、ステロイド依存性の形態のCDおよびステロイド抵抗性の形態のCDを含む。ステロイド依存性の形態のCDに罹患しているIBDの患者は、ステロイド療法を用いた処置に応答するが、CDに付随する症状の出現の増加が生じることなくステロイド療法を終了または短縮することはできない。ステロイド抵抗性の形態のCDに罹患しているIBDの患者は、ステロイド療法を用いた処置に応答しない。IBDの患者に一般に処方および/または投与されるステロイド治療薬は、コルチコステロイド、例えば、プレドニゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、およびブデソニドを含む。活動性CDに罹患しているヒト患者は、CDの症状、例えば、これだけに限定されないが、血便、体重減少、および/または腹部痙攣が活発に生じている患者である。
潰瘍性大腸炎は、IBDの最も一般的な形態の1つである。UCは、一般には、粘膜免疫系の調節不全または過剰刺激を伴う。臨床的特性としては、直腸出血、下痢、および腹痛、ならびに皮膚、肝臓、および他の部位が関与する腸管外での顕在化を挙げることができる。UCの患者は、多くの場合、生活の質(QoL)が低く、入院および/または外科手術に至る疾患の突発のリスクがある。
UC患者の処置における目的は、症状の寛解の誘導および維持、ならびに、患者のQoLを改善するための粘膜炎症の治癒を含む。UCの処置は、薬理学的処置および外科手術を伴い得る。処置は、多くの場合、疾患の程度(直腸炎、左側疾患、広範囲にわたる疾患、または全大腸炎)と合わせた臨床的活性のレベルを考慮に入れる。薬理学的処置は、通常、最初の手法としてアミノサリチル酸およびグルココルチコイドを伴う。不応性または重症の疾患には種々の免疫抑制剤、ならびに生物学的TNF遮断薬が使用される。これらの薬物は、臨床的有益性をもたらし得るが、重要な限定がある。アミノサリチル酸は効果がわずかである。グルココルチコイドでは、許容されない有害事象(AE)が引き起こされる可能性があり、多くの場合、維持療法としての利益はもたらされない。さらに、アザチオプリンおよび6−メルカプトプリンなどの免疫抑制剤の使用は維持療法に制限され、また、有意な潜在的毒性も付随する。TNF遮断薬は、効果的ではあるが、患者に重篤な感染(日和見感染症を含む)および場合によって悪性腫瘍の素因を与える可能性がある。外科手術は、一般には、薬理学的処置が失敗したとき、または緊急事態により外科的介入が必要とされたときに必要になる。
「患者」または「対象」とは、本明細書に記載される場合、これだけに限定されないが、哺乳動物、霊長類、およびヒトを含めた、IBDに罹患するまたは診断されるリスクがある任意の動物を指す。ある特定の実施形態では、対象は、非ヒト哺乳動物、例えば、ネコ、イヌ、またはウマなどであり得る。好ましい実施形態では、対象はヒト対象である。対象は、IBDを発症するリスクが高いと診断された個体、IBDと診断された人、IBDに以前罹患していた人、またはIBDの症状もしくは徴候、例えば、高CDAI指数スコアについて評価された個体であり得る。
「IBDの患者」とは、本明細書で使用される場合、IBDの任意の症状もしくは顕在化が生じている患者、IBDの任意の症状もしくは顕在化が生じる可能性のある患者、またはIBDを処置するもしくはIBDに対する処置を評価するための本発明の方法が有益であり得る任意の患者を指す。それを必要とする患者は、IBDを発症するリスクがあると診断された患者、IBDに過去に罹患していた患者、または以前にIBDに対する処置を受けた患者を含み得る。一部の実施形態では、IBDの患者は、クローン病(CD)患者である。一部の実施形態では、IBDの患者は、潰瘍性大腸炎(UC)患者である。
「処置する(treat)」、「処置(treatment)」、「処置すること(treating)」などの用語は、本明細書では、一般に、所望の薬理学的効果および/または生理学的効果を得ることを意味するように使用される。効果は、疾患および/または疾患に起因する有害効果を部分的にまたは完全に治癒するという点で治療的であり得る。「処置(treatment)」という用語は、本明細書で使用される場合、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の処置を包含し、(a)疾患を阻害すること、すなわち、疾患の重症度もしくは範囲が増大するのを予防すること、(b)疾患を軽減すること、すなわち、疾患の部分的なもしくは完全な好転を引き起こすこと、または(c)疾患の再発を予防すること、すなわち、以前に成功した疾患の症状の処置もしくは疾患の処置の後に疾患が活動的な状態に戻るのを予防することを含む。
「管理する(manage)」、「管理(management)」、「管理すること(managing)」などの用語は、本明細書では、一般に、疾患の症状の重症度もしくは顕在化を制御すること、または疾患を処置する手段を意味するように使用される。一般に、管理は、所望の薬理学的効果および/または生理学的効果を得るために使用される。効果は、疾患および/または疾患に起因する有害効果を部分的にまたは完全に治癒する、あるいは疾患の特定の症状もしくは顕在化が患者において生じないもしくは再度生じないこと、または患者において望ましくないもしくは耐えられないレベルまで増大しないことを確実にするという点で治療的であり得る。「管理(management)」という用語は、本明細書で使用される場合、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の管理を包含し、(a)疾患を阻害すること、すなわち、疾患の重症度もしくは範囲が増大するのを予防すること、(b)疾患を軽減すること、すなわち、疾患の部分的なもしくは完全な好転を引き起こすこと、または(c)疾患の再発を予防すること、すなわち、以前に成功した疾患の症状の処置もしくは疾患の処置の後に疾患が活動的な状態に戻るのを予防することを含む。「管理(management)」は、本明細書で使用される場合、疾患に対する特定の処置、例えば、SMAD7 AONの投与に関連して使用される場合もある。
本発明の一部の実施形態では、IBDを有する患者に、初回用量の抗SMAD7療法、例えば、SMAD7 AONを投与する。本明細書で使用される場合、「初回用量」とは、IBDを有する患者に一連の用量で投与される抗SMAD7療法の用量を指す。一連の用量は、1つまたは複数の用量を含み得る。例えば、一連の用量は、抗SMAD7療法の単一の用量または抗SMAD7療法の単一よりも多くの用量を含み得る。初回用量は、患者に投与される任意の後の用量の前に、患者に投与される抗SMAD7療法の用量であり得る。例えば、初回用量は、これだけに限定されないが、治療未経験患者に投与される第1の用量の抗SMAD7療法であり得る。初回用量は、抗SMAD7療法の任意の処置サイクルにおける第1の用量でもあり得る。例えば、初回用量は、第1の処置サイクルの第1の用量、第2の処置サイクルの第1の用量、または任意のその後の処置サイクルの第1の用量であり得る。あるいは、「初回用量」は、患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルおよび/または別のバイオマーカー(単数または複数)の分析後に患者に投与される第1の用量であり得る、あるいは患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルおよび/または別のバイオマーカー(単数または複数)の決定前に投与された直近の用量であり得る。
本発明の一部の実施形態では、IBDを有する患者に、後続用量の抗SMAD7療法、例えば、SMAD7 AONを投与する。本明細書で使用される場合、「後続用量」とは、前の用量、例えば初回用量を投与した後に、IBDを有する患者に投与される抗SMAD7療法の用量を指す。したがって、後続用量は、IBDを有する患者に、2つまたはそれより多くの用量を含む一連の用量で投与することができる。さらに、一部の例では、後続用量の量は、初回用量または前の用量に対して較正することができ、したがって、後続用量は、前の用量よりも高い、それと等しい、またはそれよりも低い。後続用量の量の較正は、IBDを有する患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αおよび/または別のバイオマーカー(単数または複数)のレベルまたはレベルの変化、例えば、前の用量、例えば初回用量の前もしくは後に分析されたIBDを有する患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベル、または前の用量、例えば初回用量の前後のIBDを有する患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルの変化に基づき得る。後続用量は、IBDを有する患者に投与される第1の用量、例えば初回用量の抗SMAD7療法の後にIBDを有する患者に投与される用量であり得る。後続用量は、IBDを有する患者に投与された前の用量の抗SMAD7療法の後に投与される用量、例えば、前の用量の後に処置における同じラウンドまたは処置における異なるラウンド、例えば処置における前のラウンドで投与される用量でもあり得る。後続用量は、任意の前の用量、例えば、後続用量のすぐ前の、前の用量または後続用量を投与する前に投与される1つもしくは複数の用量が続く、前の用量に対する後続用量であり得る。
本明細書で使用される場合、「クローン病活動指数」または「CDAI」とは、Bestら、Gastroenterology、70巻:439〜44頁(1976年)に記載されている通り、CDに罹患している患者の進行を査定するために使用される測定値または指数を指す。150またはそれ未満のCDAIスコアは、一般に、非活動性疾患に関連付けられ、高スコアよりも予後が良好であることを示す。150を超える値は、一般に、活動性疾患に関連付けられ、450を超える値は、非常に重症の疾患に関連付けられる。CDAIスコアは、患者が療法にどれだけ良く応答するかを決定するために使用することができ、また、寛解の状態である患者を同定するために使用することができる。ある特定の実施形態では、ベンチマーク臨床応答は、対象がCDAIスコアの少なくとも100点の減少を示すことを意味する。臨床試験では、150またはそれ未満のCDAIスコアは、一般に、寛解に関連付けられる。
本明細書で使用される場合、「潰瘍性大腸炎疾患活動指数」または「UCDAI」とは、Sutherlandら、Gastroenterology、92巻:1894〜98頁(1987年)に記載されている通り、UCに罹患している患者の進行を査定するために使用される測定値または指数を指す。UCDAIは、排便回数、直腸出血、結腸の内層の外観、および疾患活動性に関する医師の評点を含めた、UCの症状に関する一連の修飾子である。これらの修飾子にはそれぞれ0から3までの数字が与えられ、3が最も高い疾患活動性である。臨床試験では、寛解は、多くの場合、1またはそれ未満のUCDAIスコアとして定義され、改善は、試験の開始時のスコアから3点またはそれよりも大きな点の減少である。UCDAIは、臨床試験において、患者が療法にどれだけ良く応答するかを決定するために使用することができ、また、寛解の状態である患者を同定するために使用することができる。UC患者における疾患の重症度を測定するために一般に使用される他の指標は、Truelove and Witts Index、St.Mark’s Index、簡易臨床的大腸炎活動指数(Simple Clinical Colitis Activity Index)(SCCAI)、Lichtiger Index、潰瘍性大腸炎症状スコア(Ulcerative Colitis Symptom Score)(UCSS)、およびメイヨークリニックスコア(Mayo Clinic Score)を含む。
本明細書で使用される場合、「SMAD7」(CRCS3、FLJ16482、MADH7、MADH8、MAD(mothers against decapentaplegic、Drosophila)ホモログ7、MADホモログ8、SMAD、mothers against DPPホモログ7、mothers against DPPホモログ8としても公知)とは、Entrez GeneID No.4092によって識別される遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「CRP」(C反応性タンパク質、ペントラキシン関連;ペントラキシン;およびPTX1としても公知)とは、Entrez GeneID No.1401によって識別される遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「CD4」(表面抗原分類4としても公知)とは、Entrez GeneID No.920によって識別される遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「CD8」(表面抗原分類8としても公知)とは、Entrez GeneID No.920Aまたは920Bによって識別される遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「IL6」(インターロイキン−6;B細胞刺激因子2(BSF2)、ハイブリドーマ増殖因子(HGF)、肝細胞刺激因子(HSF)、インターフェロンベータ−2(IFNB2)としても公知)とは、Entrez GeneID No.3569によって識別される遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「IL8」(インターロイキン−8(IL−8);腫瘍壊死因子誘導性遺伝子1;NAF;顆粒球走化性タンパク質1(GCP1);LECT;LUCT;タンパク質3−10C;ベータ−トロンボグロブリン様タンパク質;好中球活性化ペプチド1;好中球活性化タンパク質1(NAP1;NAP−1);エモクタキン;GCP−1;LYNAP;リンパ球由来好中球活性化ペプチド;肺巨細胞癌由来走化性タンパク質;低分子誘導性サイトカインサブファミリーB、メンバー8;ベータ内皮細胞由来好中球活性化ペプチド;単球由来好中球走化性因子(MDNCF);単球由来好中球活性化ペプチド(MONAP);肺胞マクロファージ走化性因子I;C−X−Cモチーフケモカイン8;およびケモカイン(C−X−Cモチーフ)リガンド8(CXCL8)としても公知)とは、Entrez GeneID No.3576によって識別される遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「IL12」(インターロイキン−12(IL−12);ナチュラルキラー細胞刺激因子(NKSF1)、または細胞傷害性リンパ球成熟化因子1(p35、35kDAサブユニットとしても公知)とは、Entrez GeneID No.3592によって識別される遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「IL17」(インターロイキン−17A(IL−17A);細胞傷害性Tリンパ球関連セリンエステラーゼ8または細胞傷害性Tリンパ球関連抗原8(CTLA8)としても公知)とは、Entrez GeneID No.3605(IL17A)によって識別される遺伝子によりコードされるヒトタンパク質またはmRNAのいずれか転写物を意味する。
本明細書で使用される場合、「IFNγ」(インターフェロンガンマとしても公知)とは、Entrez GeneID No.3458によって識別されるIFNγ遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「HLA−DR」(ヒト白血球抗原DR、MHCクラスII細胞表面受容体としても公知)とは、Entrez GeneID No.3122、3123、3125、3126、および3127によって識別されるHLA−DRA、HLA−DRB1、HLA−DRB3、HLA−DRB4、およびHLA−DRB5を含めたHLA−DR遺伝子ファミリーの任意のメンバーならびにその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「TNFα」(腫瘍壊死因子、DIF、腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー2(TNFSF2)、APC1タンパク質、カケクチン、腫瘍壊死因子A(TNFA)、腫瘍壊死因子−a(TNF−a)、および腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−アルファ)としても公知)とは、Entrez GeneID No.7124によって識別される遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「FCP」(便中カルプロテクチンまたはS100カルシウム結合性タンパク質A9(S100A9)としても公知)とは、Entrez GeneID No.6280によって識別される遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「CCL20」(ケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド20;CKb4;LARC;ST38;MIP3A;Exodus;マクロファージ炎症性タンパク質3アルファ(MIP−3a、MIP−3−アルファ);SCYA20;低分子誘導性サイトカインサブファミリーA(Cys−Cys)、メンバー20;肝臓および活性化調節ケモカイン;低分子誘導性サイトカインA20;CCケモカインLARC;ST38;ベータケモカインExodus−1;およびC−Cモチーフケモカイン20としても公知)とは、Entrez GeneID No.6364によって識別される遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「IL−5」(インターロイキン5、EDF;およびTRFとしても公知)とは、Entrez GeneID No.3567によって識別される遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「IL−13」(インターロイキン13、およびP600としても公知)とは、Entrez GeneID No.3596によって識別される遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「IL−25」(インターロイキン25、およびIL17Eとしても公知)とは、Entrez GeneID No.64806によって識別される遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「REG3α」(regenerating islet−derived 3−alpha、HIP;PAP;PAP1;REG3;INGAP;PAP−H;PBCGF;HIP/PAP;およびREG−IIIとしても公知)とは、Entrez GeneID No.5068によって識別される遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
本明細書で使用される場合、「IL−10」(インターロイキン10、CSIF、TGIF、GVHDS、IL−10、およびIL10Aとしても公知)とは、Entrez GeneID No.3586によって識別される遺伝子およびその対立遺伝子バリアントによりコードされるヒトタンパク質またはmRNA転写物のいずれかを意味する。
6.1 処置レジメン
本明細書において提示される方法は、IBDを有する患者におけるクローン病(CD)または潰瘍性大腸炎(US)などの炎症性腸疾患(IBD)を、患者に、抗SMAD7療法、例えば、SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)を、第1の処置期間または最初の処置期間中に抗SMAD7療法を第1の用量または初回用量で投与すること、および第2の処置期間または次の処置期間中に抗SMAD7療法を後続用量または第2の用量で投与することを含む投与レジメンを使用して投与することによって処置または管理することができるという理解に一部基づく。例えば、節6.1.1を参照されたい。一部の実施形態では、第1の処置期間または最初の処置期間中に投与される抗SMAD7療法の用量は、第2の処置期間または次の処置期間中に投与される用量よりも高い。
本明細書において提示される方法の一部の実施形態では、IBD患者は、CD患者である。一部の実施形態では、IBD患者は、UC患者である。
一部の実施形態では、処置レジメンは、第3の処置期間中に抗SMAD7療法を第3の用量で投与することをさらに含む。一部の実施形態では、第1の処置期間中および/または第2の処置期間中に投与される抗SMAD7療法の用量は、第3の処置期間中に投与される用量よりも高い。一部の実施形態では、第1の処置期間中および/または第2の処置期間中に投与される抗SMAD7療法の用量は、第3の処置期間中に投与される用量よりも低い。一部の実施形態では、第1の処置期間中および/または第2の処置期間中に投与される抗SMAD7療法の用量は、第3の処置期間中に投与される用量と同じである。
一部の実施形態では、第2の処置期間および/または第3の処置期間は、任意選択である。一部の実施形態では、第2の処置期間は、任意選択である。一部の実施形態では、第3の処置期間は、任意選択である。一部の実施形態では、第2の処置期間および第3の処置期間は任意選択である。
本明細書において提示される投与レジメンでは、抗SMAD7療法を、患者に異なる投与スケジュール(例えば、連続的な投与スケジュールまたは交互投与スケジュール)を使用して投与することができる。例えば、節6.1.2を参照されたい。一部の実施形態では、抗SMAD7療法を第1の処置期間中に連続的な投与スケジュールに従って投与し(例えば、1日1回)、第2の処置期間中に交互処置スケジュールに従って投与する(例えば、4週間の処置と、これと交互の、4週間の無処置またはプラセボによる処置)。
一部の実施形態では、抗SMAD7療法を第1の処置期間中に連続的な投与スケジュールに従って投与し(例えば、1日1回)、第2の処置期間中に連続的な投与スケジュールに従って投与する(例えば、1日1回)。
一部の実施形態では、抗SMAD7療法を第1の処置期間中に連続的な投与スケジュールに従って投与し(例えば、1日1回)、第2の処置期間中に交互処置スケジュールに従って投与し(例えば、4週間の処置と、これと交互の、4週間の無処置またはプラセボによる処置)、第3の処置期間中に交互処置スケジュールに従って投与する(例えば、4週間の処置と、これと交互の、4週間の無処置またはプラセボによる処置)。一部の実施形態では、抗SMAD7療法を第1の処置期間中に連続的な投与スケジュールに従って投与し(例えば、1日1回)、第2の処置期間中に連続的な投与スケジュールに従って投与し(例えば、1日1回)、第3の処置期間中に交互処置スケジュールに従って投与する(例えば、4週間の処置と、これと交互の、4週間の無処置またはプラセボによる処置)。一部の実施形態では、抗SMAD7療法を第1の処置期間中に連続的な投与スケジュールに従って投与し(例えば、1日1回)、第2の処置期間中に交互処置スケジュールに従って投与し(例えば、4週間の処置と、これと交互の、4週間の無処置またはプラセボによる処置)、第3の処置期間中に連続的な投与スケジュールに従って投与する(例えば、1日1回)。
例えば、第1の処置期間中および/または第2の処置期間中および/または第3の処置期間中、患者の抗SMAD7療法に対する応答をモニタリングすることができ、IBD患者の臨床応答に応じて本明細書において提示される投与レジメンを調整することができる。例えば、節6.2、節6.1.1.3および節6.1.1.6を参照されたい。例えば、第1の処置期間中および/または第2の処置期間中に、IBD患者が抗SMAD7療法に応答することが分かった場合、第1の処置期間および/または第2の処置期間を短縮または終了することができ、IBD患者は、第2の処置期間および/または第3の処置期間に入ることができる。一部の実施形態では、抗SMAD7療法の用量は、第1の処置期間中、第2の処置期間中および/または第3の処置期間中のIBD患者の臨床応答に応じて調整することができる。抗SMAD7療法に対するIBD患者の応答は、内視鏡アウトカム(例えば、クローン病簡易内視鏡スコア;SES−CD)、患者報告アウトカム(クローン病活動指数、CDAI;2項目の患者報告アウトカム;PRO−2スコア)、またはバイオマーカーレベル(例えば、C反応性タンパク質、CRP;便中カルプロテクチン、FCP)などのいくつかの臨床的パラメータを使用して分析することができる。例えば、節6.2を参照されたい。
一部の実施形態では、第1の処置期間中にIBD患者が抗SMAD7療法に応答することが分かり、処置を伴わない観察期間中にIBD患者の応答の一部または全部が消失した場合、患者は、第2の処置期間に入ることができる。一部の実施形態では、第1の処置期間中に抗SMAD7療法に応答していたIBD患者の抗SMAD7療法に対する応答の一部または全部が第2の処置期間中に消失した場合、第2の処置期間を短縮または終了することができ、IBD患者は、第3の処置期間に入ることができる。
一部の実施形態では、第1の処置期間中および/または第2の処置期間中に、IBD患者が抗SMAD7療法に応答しないことが分かった場合、抗SMAD7療法の投薬量を増加させることができ(例えば、50%、2倍、4倍、6倍、8倍またはそれより多く)、かつ/または、第1の処置期間および/または第2の処置期間を繰り返すことができる。
6.1.1 投与レジメン
一態様では、炎症性腸疾患(IBD)を有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者にSMAD7 AON(SMAD7 AON)を第1の処置期間中第1の用量で投与するステップと、(b)患者にSMAD7 AONを第2の処置期間中第2の用量で投与するステップとを含む方法が本明細書において提示される。
別の態様では、炎症性腸疾患(IBD)を有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者にSMAD7 AON(SMAD7 AON)を第1の処置期間中第1の用量で投与するステップと、(b)患者にSMAD7 AONを第2の処置期間中第2の用量で投与するステップと、(c)患者にSMAD7 AONを第3の処置期間中第3の用量で投与するステップとを含む方法が本明細書において提示される。
第1の処置期間および/または第2の処置期間および/または第3の処置期間の持続時間はそれぞれ数週間、数カ月、または数年であり得る。第1の処置期間および/または第2の処置期間および/または第3の処置期間の長さは、例えば、IBD患者が抗SMAD7療法に応答するかどうか、患者がどのくらい強力に応答するか(例えば、臨床応答または寛解の出現の程度)、または以前に抗SMAD7療法に応答した患者に再発が生じるかどうかに応じて調整することができる。
一態様では、IBDを発症するリスクがある患者において炎症性腸疾患(IBD)を予防するための方法であって、(a)患者にSMAD7 AONを第1の処置期間中第1の用量で投与するステップと、(b)患者にSMAD7 AONを第2の処置期間中第2の用量で投与するステップとを含む方法が本明細書において提示される。
別の態様では、IBDを発症するリスクがある患者において炎症性腸疾患(IBD)を予防するための方法であって、(a)患者にSMAD7 AONを第1の処置期間中第1の用量で投与するステップと、(b)患者にSMAD7 AONを第2の処置期間中第2の用量で投与するステップと、(c)患者にSMAD7 AONを第3の処置期間中第3の用量で投与するステップとを含む方法が本明細書において提示される。
6.1.1.1 第1の処置期間
一部の実施形態では、第1の処置期間は、約1週間から約20週間の間、約2週間から約18週間の間、約4週間から約16週間の間、約6週間から約14週間の間、または約8週間から約12週間の間である。
一部の実施形態では、第1の処置期間は、約1週間、約2週間、約4週間、約6週間、約8週間、約10週間、約12週間、約14週間、約16週間、約18週間、または約20週間である。
一部の実施形態では、第1の処置期間は、約4週間、約8週間、または約12週間である。
一部の実施形態では、第1の処置期間は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約52週間、少なくとも約56週間、少なくとも約60週間、少なくとも約3カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約12カ月、少なくとも約18カ月、少なくとも約24カ月である。
一部の実施形態では、第1の処置期間は、約12週間である。
一部の実施形態では、第1の処置期間は、約8週間である。
一部の実施形態では、第1の処置期間は、約1週間から約100週間の間、約10週間から約90週間の間、約20週間から約80週間の間、約30週間から約70週間の間および約40週間から約60週間の間である。
一部の実施形態では、第1の処置期間を、IBD患者がSMAD7 AONに対する応答(例えば、SES−CDスコアの、ベースラインから≧25%もしくは≧50%の減少;CDAIスコアの、ベースラインから≧100点の減少;PRO−2スコアの、ベースラインから≧8点の減少、1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコア≦1および/または腹痛スコア≦1;TMSスコアの、ベースラインから≧30%および≧3点の減少;ESの、ベースラインから≧1の減少;PMSスコアの、ベースラインから≧25%および≧2点の減少;MMSスコアの、ベースラインから≧25%および≧2点の減少)を示すまで、またはIBDを有するIBD患者が寛解を得るまで(例えば、SES−CDスコア≦2;CDAIスコア<150;PRO−2スコア≦8;1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコア≦1.5および/または腹痛スコア≦1;TMSスコア≦2点;ES=0;PMSスコア≦2またはMMSスコア≦2)、続ける。
一部の実施形態では、第1の処置期間を、IBD患者がSMAD7 AONに対する応答(例えば、TMSスコアの、ベースラインから≧30%および≧3点の減少、それと併せて、RBSスコアの≧1の減少または絶対的RBS≦1;内視鏡サブスコアの、ベースラインから≧1の減少;PMSスコアの、ベースラインから≧25%および≧2点の減少、それと併せて、RBSスコアの≧1の減少または絶対的RBS≦1;MMSスコアの、ベースラインから≧25%および≧2点の減少、それと併せて、RBSスコアの≧1の減少または絶対的RBS≦1)を示すまで、またはIBDを有するIBD患者が寛解を得るまで(例えば、個々のサブスコアは1以下で、TMSスコア≦2点;内視鏡サブスコア=0;個々のサブスコアは1以下で、PMSスコア≦2点;個々のサブスコアは1以下で、MMSスコア≦2点)、続ける。
一部の実施形態では、第1の処置期間を、患者が用量制限毒性を示すまたは患者に有害事象が生じるまで続ける。
6.1.1.2 第1の処置期間中の用量
本明細書において提示される方法では、第1の処置期間中、第1の用量の抗SMAD7療法(例えば、SMAD7 AON)をIBD患者に投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、約30mgから約310mgの間、約50mgから約290mgの間、約70mgから約270mgの間、約70mgから約250mgの間、約90mgから約230mgの間、約110mgから約210mgの間、または130mgから約190mgの間、または150mgから約170mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、約30mgから約620mgの間、約60mgから約580mgの間、約100mgから約540mgの間、約140mgから約500mgの間、約180mgから約460mgの間、約220mgから約420mgの間、約260mgから約380mgの間、または約300mgから約340mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、約5mgから約90mgの間、約10mgから約70mgの間、または約30mgから約50mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、約20mg、約40mg、約60mg、約80mg、約100mg、約120mg、約140mg、約160mg、約180mg、約200mg、約220mg、約240mg、約260mg、約280mg、または約300mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、約40mg、約80mg、約120mg、約160mg、約200mg、約240mg、約280mg、約320mg、約360mg、約400mg、約440mg、約480mg、約520mg、約560mg、約600mg、または約640mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、約40mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、約160mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、約320mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、1日当たり約30mgから1日当たり約310mgの間、1日当たり約50mgから1日当たり約290mgの間、1日当たり約70mgから1日当たり約270mgの間、1日当たり約90mgから1日当たり約250mgの間、1日当たり約110mgから1日当たり約230mgの間、1日当たり約130mgから1日当たり約190mgの間、または1日当たり約150mgから1日当たり約170mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、1日当たり約30mgから1日当たり約620mgの間、1日当たり約60mgから1日当たり約580mgの間、1日当たり約100mgから1日当たり約540mgの間、1日当たり約140mgから1日当たり約500mgの間、1日当たり約180mgから1日当たり約460mgの間、1日当たり約220mgから1日当たり約420mgの間、1日当たり約260mgから1日当たり約380mgの間、または1日当たり約300mgから1日当たり約340mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、1日当たり約5mgから1日当たり約90mgの間、1日当たり約10mgから1日当たり約70mgの間、または1日当たり約30mgから1日当たり約50mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、1日当たり約20mg、1日当たり約40mg、1日当たり約60mg、1日当たり約80mg、1日当たり約100mg、1日当たり約120mg、1日当たり約140mg、1日当たり約160mg、1日当たり約180mg、1日当たり約200mg、1日当たり約220mg、1日当たり約240mg、1日当たり約260mg、1日当たり約280mg、1日当たり約300mg、または1日当たり約320mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、1日当たり約40mg、1日当たり約80mg、1日当たり約120mg、1日当たり約160mg、1日当たり約200mg、1日当たり約240mg、1日当たり約280mg、1日当たり約320mg、1日当たり約360mg、1日当たり約400mg、1日当たり約440mg、1日当たり約480mg、1日当たり約520mg、1日当たり約560mg、1日当たり約600mg、または1日当たり約640mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、1日当たり約40mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、1日当たり約160mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量は、1日当たり約320mgである。
6.1.1.3 第1の処置期間から第2の処置期間への移行
本明細書において提示されるIBDを処置するための方法では、IBD患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ移行することができる。
一部の実施形態では、IBD患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ直接、すなわち、観察期間などの中間期間を伴わずに移行する。一部の実施形態では、IBD患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ、観察期間などの中間期間を経由して移行する。
一部の実施形態では、移行は、時間依存的スケジュールに基づいて、例えば、抗SMAD7療法に対するIBD患者の応答を考慮せずに行うことができる。例えば、一部の実施形態では、第1の処置期間は予め決定された長さ(例えば、4週間、8週間、または12週間)であり、第1の処置期間中の抗SMAD7療法の活性をモニタリングしたいかなる結果にもかかわらず(例えば、IBD患者における抗SMAD7療法に対するいかなる応答の観察にもかかわらず)、第1の処置期間の最後に、IBD患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ移行する。
一部の実施形態では、IBD患者が第1の処置期間中の1つもしくは複数の時点でまたは第1の処置期間の最後に抗SMAD7療法(例えば、SMAD7 AON)に対する臨床応答を示した場合、あるいは、IBD患者が寛解の状態になった場合、IBD患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ移行する。例えば、節6.2.1、節6.2.2、節6.6および節6.7を参照されたい。IBD患者の臨床応答または寛解は、例えば、内視鏡アウトカム、臨床的活性パラメータ、安全性または忍容性パラメータ、小腸炎または組織損傷のバイオマーカー、組織学的スコア、腸粘膜生検におけるバイオマーカーの発現に基づいて分析することができる。例えば、節6.2を参照されたい。
例えば第1の処置期間中および/または第2の処置期間中の処置レジメンは、IBD患者における臨床応答の強度に応じて(例えば、CDAIの、ベースラインからの減少に応じて)、または患者が臨床応答を示した時点に応じて調整することができる。例えば、第1の処置期間の最後のIBD患者の臨床応答がより強力なものであるほど、第2の処置期間中の抗SMAD7療法の用量をより多く減少させることができる。IBD患者が第1の処置期間中に応答をより早く示せば、患者は第2の処置期間により早く移行することができる。例えば、節6.7を参照されたい。
一部の実施形態では、IBD患者が、SES−CDスコアの、ベースラインから≧25%または≧50%の減少、CDAIスコアの、ベースラインから≧100点の減少、PRO−2スコアの、ベースラインから≧8点の減少、1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコアの≧1の減少および/または腹痛スコアの≧1の減少;TMS≦2、PMS≦2、MMS≦2、またはES=1もしくは0を示した場合、患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ移行する。
一部の実施形態では、ベースラインは、第1の処置期間の0週目中のある時点におけるSES−CDスコアである。一部の実施形態では、ベースラインは、抗SMAD7療法を最初に投与する直前の時点におけるSES−CDスコアである。
一部の実施形態では、ベースラインは、第1の処置期間の0週目中のある時点におけるCDAIスコアである。一部の実施形態では、ベースラインは、抗SMAD7療法を最初に投与する直前の時点におけるCDAIスコアである。
一部の実施形態では、ベースラインは、第1の処置期間の0週目中のある時点におけるPRO−2スコアである。一部の実施形態では、ベースラインは、抗SMAD7療法を最初に投与する直前の時点におけるPRO−2スコアである。
一部の実施形態では、IBD患者が、SES−CDスコア≦2、CDAIスコア<150、PRO−2スコア≦8、1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコア≦3もしくは≦1.5および/または腹痛スコア≦1;TMS≦2、PMS≦2、MMS≦2、またはES=1もしくは0を示した場合、患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ移行する。
一部の実施形態では、IBD患者が、TMSスコアの、ベースラインから≧30%および≧3点の減少、それと併せて、RBSスコアの≧1の減少または絶対的RBS≦1;内視鏡サブスコアの、ベースラインから≧1の減少;PMSスコアの、ベースラインから≧25%および≧2点の減少、それと併せて、RBSスコアの≧1の減少または絶対的RBS≦1;MMSスコアの、ベースラインから≧25%および≧2点の減少、それと併せて、RBSスコアの≧1の減少または絶対的RBS≦1を示した場合、患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ移行する。
一部の実施形態では、IBD患者が、個々のサブスコアは1以下で、TMSスコア≦2点;内視鏡サブスコア(ES)=0;個々のサブスコアは1以下で、PMSスコア≦2点;個々のサブスコアは1以下で、MMSスコア≦2点を示した場合、患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ移行する。
一部の実施形態では、ベースラインは、第1の処置期間の0週目中のある時点におけるTMSスコアである。一部の実施形態では、ベースラインは、抗SMAD7療法を最初に投与する直前の時点におけるTMSスコアである。
一部の実施形態では、ベースラインは、第1の処置期間の0週目中のある時点における内視鏡サブスコアである。一部の実施形態では、ベースラインは、抗SMAD7療法を最初に投与する直前の時点における内視鏡サブスコアである。
一部の実施形態では、ベースラインは、第1の処置期間の0週目中のある時点におけるPMSスコアである。一部の実施形態では、ベースラインは、抗SMAD7療法を最初に投与する直前の時点におけるPMSスコアである。
一部の実施形態では、ベースラインは、第1の処置期間の0週目中のある時点におけるMMSスコアである。一部の実施形態では、ベースラインは、抗SMAD7療法を最初に投与する直前の時点におけるMMSスコアである。
一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の試料中の、例えば、SMAD7(例えば、SMAD7タンパク質またはSMAD7 mRNA)、SMAD3リン酸化、HLA−DR、IL6、IL8、IL12、IL17A、CD4、CD8、IFN−γ、CRP、FCP、TNFαなどのバイオマーカーのレベルが、ベースライン(例えば、第1の処置期間の0週目中の時点でのそれぞれのバイオマーカーレベル)から少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%低下した場合、IBD患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ移行する。
一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の試料中の、例えば、SMAD7、SMAD3リン酸化、HLA−DR、IL6、IL8、IL12、IL17A、IFN−γ、CD4、CD8、CRP、FCP、TNFαなどのバイオマーカーのレベルが、健康な対照群におけるバイオマーカーのレベルの代表値、中央値、または平均値に対して2σ、3σ、5σ、6σ、または10σの標準偏差(SD)範囲内である場合、IBD患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ移行する。
一部の実施形態では、患者が、例えば腸粘膜潰瘍化がないことによって示される粘膜治癒を示した場合、IBD患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ移行する。
一部の実施形態では、IBD患者が第1の処置期間の最後(例えば、4週目中、8週目中、または12週目中)に抗SMAD7療法に対する応答を示さない場合、IBD患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ移行しない。一部の実施形態では、非応答性IBD患者には、第1の処置期間を繰り返す。一部の実施形態では、非応答性IBD患者には、第1の処置期間を繰り返し、抗SMAD7療法の第1の用量を増加させて投与する。一部の実施形態では、IBD患者の処置を終了する(例えば、IBD患者がすでに最大耐量の抗SMAD7療法で処置されている場合、またはIBD患者に有害効果が生じた場合)。一部の実施形態では、第1の用量の増加は、最初の第1の用量の約1.5倍、約2倍、約4倍、約8倍、約16倍である。
一部の実施形態では、第1の処置期間の最後にIBD患者が抗SMAD7処置に対する応答を示した場合、またはIBDが寛解の状態である場合、抗SMAD7処置を終了し、IBD患者は第2の処置期間に移行しない。
一部の実施形態では、第1の処置期間の最後にIBD患者が抗SMAD7処置に対する応答を示した場合、またはIBD患者が寛解の状態である場合、および、その後の、処置を伴わない観察期間中に、患者に寛解の消失または第1の処置期間の最後に観察された応答の一部もしくは全部の消失が生じた場合、患者は第2の処置期間に移行する。一部の実施形態では、第1の処置期間の最後にIBD患者が抗SMAD7処置に対する応答を示した場合、またはIBD患者が寛解の状態である場合、および、その後の、処置を伴わない観察期間中に、患者に部分奏効の消失(例えば、2回の連続した来診時に患者が、CADIスコア>150、および、CDAIスコアの、患者が第1の処置期間中に最初に応答者になった時のCDAIスコアからの>50点の増加を有する)が生じた場合、患者は第2の処置期間に移行する。一部の実施形態では、IBD患者が、第1の処置期間の前または第1の処置期間中にコルチコステロイドによる処置を受けており、患者が、その後の観察期間中にコルチコステロイドを漸減することができなかった場合、患者は第2の処置期間に移行する。
6.1.1.4 第2の処置期間
一部の実施形態では、第2の処置期間は、約1週間から約50週間の間、約2週間から約48週間の間、約4週間から約46週間の間、約6週間から約44週間の間、約8週間から約42週間の間、約10週間から約40週間の間、約12週間から約38週間の間、約14週間から約36週間の間、約16週間から約34週間の間、約18週間から約32週間の間、約20週間から約30週間の間、約22週間から約28週間の間、約22週間から約26週間の間、または約24週間から約26週間の間である。
一部の実施形態では、第2の処置期間は、約1週間、約2週間、約4週間、約6週間、約8週間、約10週間、約12週間、約14週間、約16週間、約18週間、約20週間、約22週間、約24週間、約26週間、約28週間、約30週間、約32週間、約34週間、約36週間、約38週間、約40週間、約42週間、約44週間、約46週間、約48週間、または約50週間である。
一部の実施形態では、第2の処置期間は、約24週間である。
一部の実施形態では、第2の処置期間は、約1週間から約100週間の間、約5週間から約95週間の間、約10週間から約90週間の間、約15週間から約85週間の間、約20週間から約80週間の間、約25週間から約75週間の間、約30週間から約70週間の間、約35週間から約65週間の間、約40週間から約60週間の間、約40週間から約55週間の間、約45週間から約55週間の間、または約50週間から約55週間の間である。
一部の実施形態では、第2の処置期間は、約1週間、約5週間、約10週間、約15週間、約20週間、約25週間、約30週間、約35週間、約40週間、約45週間、約50週間、約55週間、約60週間、約65週間、約70週間、約75週間、約80週間、約85週間、約90週間、約95週間、または約100週間である。
一部の実施形態では、第2の処置期間は、約52週間である。
一部の実施形態では、第2の処置期間は、約40週間である。
一部の実施形態では、第2の処置期間は、約44週間である。
一部の実施形態では、第2の処置期間は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約3カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約12カ月、少なくとも約18カ月、少なくとも約24カ月、少なくとも約30カ月、少なくとも約3年、少なくとも約4年、少なくとも約5年、少なくとも約6年、少なくとも約7年、少なくとも約8年、少なくとも約9年、または少なくとも約10年である。
一部の実施形態では、第2の処置期間を、患者が用量制限毒性を示すまたは患者に有害事象が生じるまで続ける。
一部の実施形態では、第2の処置期間を、患者の残りの寿命の持続時間続ける。
一部の実施形態では、第2の処置期間を、不定期間、すなわち、予め決定されていない期間続ける。一部の実施形態では、第2の処置期間を、患者が処置に対してある特定の応答を示す、または、例えば、結腸内視鏡検査もしくは回腸結腸内視鏡検査の結果、バイオマーカーレベルまたは他の試験、例えば、患者報告アウトカムもしくは生活の質の測定値など(例えば、CDAI<150、SES−CD≦2、PRO−2スコア<8、またはCRPレベル<1.0mg/L、1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコア≦3もしくは≦1.5および/あるいは腹痛スコア≦1;TMS≦2、PMS≦2、MMS≦2、ES=1もしくは0などが特定の時間達成または維持されること)によって決定される、指定の、予め決定された臨床的マイルストーンを満たすまで続ける。
一部の実施形態では、第2の処置期間は、約1週間から約400週間の間、約40週間から約340週間の間、約80週間から約320週間の間、約120週間から約280週間の間、約160週間から約240週間の間、または約180週間から約200週間の間である。
一部の実施形態では、第2の処置期間は、約196週間である。
一部の実施形態では、第2の処置期間を、IBDを有する患者がSMAD7 AONに対する応答の消失(例えば、最初の応答時のSES−CDスコアと比較したSES−CDスコアの≧50%の増加;最初の応答時のCDAIスコアと比較したCDAIスコアの≧50点の増加;最初の応答時のPRO−2スコアと比較したPRO−2スコアの≧8点の増加; 最初の応答時の液状便もしくは軟便頻度および/または腹痛スコアと比較した1日当たりの液状便もしくは軟便頻度スコアの≧1点の増加および/または腹痛スコアの≧1点の増加)を示すまで続ける。
6.1.1.5 第2の処置期間中の投薬
本明細書において提示される方法では、第2の処置期間中に、IBD患者に第2の用量の抗SMAD7療法(例えば、SMAD7 AON)を投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、約30mgから約310mgの間、約50mgから約290mgの間、約70mgから約270mgの間、約70mgから約250mgの間、約90mgから約230mgの間、約110mgから約210mgの間、または130mgから約190mgの間、または150mgから約170mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、約30mgから約620mgの間、約60mgから約580mgの間、約100mgから約540mgの間、約140mgから約500mgの間、約180mgから約460mgの間、約220mgから約420mgの間、約260mgから約380mgの間、約300mgから約340mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、約5mgから約90mgの間、約10mgから約70mgの間、または約30mgから約50mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、約20mg、約40mg、約60mg、約80mg、約100mg、約120mg、約140mg、約160mg、約180mg、約200mg、約220mg、約240mg、約260mg、約280mg、または約300mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、約40mg、約80mg、約120mg、約160mg、約200mg、約240mg、約280mg、約320mg、約360mg、約400mg、約440mg、約480mg、約520mg、約560mg、約600mg、または約640mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、約40mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、約160mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、約320mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、1日当たり約30mgから1日当たり約310mgの間、1日当たり約50mgから1日当たり約290mgの間、1日当たり約70mgから1日当たり約270mgの間、1日当たり約90mgから1日当たり約250mgの間、1日当たり約110mgから1日当たり約230mgの間、1日当たり約130mgから1日当たり約190mgの間、または1日当たり約150mgから1日当たり約170mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、1日当たり約30mgから1日当たり約620mgの間、1日当たり約60mgから1日当たり約580mgの間、1日当たり約100mgから1日当たり約540mgの間、1日当たり約140mgから1日当たり約500mgの間、1日当たり約180mgから1日当たり約480mgの間、1日当たり約220mgから1日当たり約420mgの間、1日当たり約260mgから1日当たり約380mgの間、または1日当たり約300mgから1日当たり約340mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、1日当たり約5mgから1日当たり約90mgの間、1日当たり約10mgから1日当たり約70mgの間、または1日当たり約30mgから1日当たり約50mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、1日当たり約20mg、1日当たり約40mg、1日当たり約60mg、1日当たり約80mg、1日当たり約100mg、1日当たり約120mg、1日当たり約140mg、1日当たり約160mg、1日当たり約180mg、1日当たり約200mg、1日当たり約220mg、1日当たり約240mg、1日当たり約260mg、1日当たり約280mg、1日当たり約300mg、または1日当たり約320mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、1日当たり約40mg、1日当たり約80mg、1日当たり約120mg、1日当たり約160mg、1日当たり約200mg、1日当たり約240mg、1日当たり約280mg、1日当たり約320mg、1日当たり約360mg、1日当たり約400mg、1日当たり約440mg、1日当たり約480mg、1日当たり約520mg、1日当たり約560mg、1日当たり約600mg、または1日当たり約640mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、1日当たり約40mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、1日当たり約160mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、1日当たり約320mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量と第2の用量は、同じ用量である。一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量と第2の用量は、異なる用量である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、SMAD7 AONの第1の用量よりも低い。一部の実施形態では、第2の用量は、第1の用量よりも少なくとも約20mg、少なくとも約40mg、少なくとも約60mg、少なくとも約80mg、少なくとも約100mg、少なくとも約120mg、少なくとも約140mg、少なくとも約160mg、少なくとも約180mg、少なくとも約200mg、少なくとも約220mg、少なくとも約240mg、少なくとも約260mg、少なくとも約280mg、または少なくとも約300mg、低い。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、SMAD7 AONの第1の用量よりも低い。一部の実施形態では、第2の用量は、第1の用量よりも1日当たり少なくとも約20mg、1日当たり少なくとも約40mg、1日当たり少なくとも約60mg、1日当たり少なくとも約80mg、1日当たり少なくとも約100mg、1日当たり少なくとも約120mg、1日当たり少なくとも約140mg、1日当たり少なくとも約160mg、1日当たり少なくとも約180mg、1日当たり少なくとも約200mg、1日当たり少なくとも約220mg、1日当たり少なくとも約240mg、1日当たり少なくとも約260mg、1日当たり少なくとも約280mg、または1日当たり少なくとも約300mg、低い。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、SMAD7 AONの第1の用量よりも高い。一部の実施形態では、第2の用量は、第1の用量よりも少なくとも約20mg、少なくとも約40mg、少なくとも約60mg、少なくとも約80mg、少なくとも約100mg、少なくとも約120mg、少なくとも約140mg、少なくとも約160mg、少なくとも約180mg、少なくとも約200mg、少なくとも約220mg、少なくとも約240mg、少なくとも約260mg、少なくとも約280mg、または少なくとも約300mg、高い。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第2の用量は、SMAD7 AONの第1の用量よりも高い。一部の実施形態では、第2の用量は、第1の用量よりも1日当たり少なくとも約20mg、1日当たり少なくとも約40mg、1日当たり少なくとも約60mg、1日当たり少なくとも約80mg、1日当たり少なくとも約100mg、1日当たり少なくとも約120mg、1日当たり少なくとも約140mg、1日当たり少なくとも約160mg、1日当たり少なくとも約180mg、1日当たり少なくとも約200mg、1日当たり少なくとも約220mg、1日当たり少なくとも約240mg、1日当たり少なくとも約260mg、1日当たり少なくとも約280mg、または1日当たり少なくとも約300mg、高い。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量と第2の用量は、同じ用量である。一部の実施形態では、第1の用量および第2の用量は、少なくとも約20mg、少なくとも約40mg、少なくとも約60mg、少なくとも約80mg、少なくとも約100mg、少なくとも約120mg、少なくとも約140mg、少なくとも約160mg、少なくとも約180mg、少なくとも約200mg、少なくとも約220mg、少なくとも約240mg、少なくとも約260mg、少なくとも約280mg、少なくとも約300mg、または少なくとも約320mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第1の用量と第2の用量は、同じ用量である。一部の実施形態では、第1の用量および第2の用量は、1日当たり少なくとも約20mg、1日当たり少なくとも約40mg、1日当たり少なくとも約60mg、1日当たり少なくとも約80mg、1日当たり少なくとも約100mg、1日当たり少なくとも約120mg、1日当たり少なくとも約140mg、1日当たり少なくとも約160mg、1日当たり少なくとも約180mg、1日当たり少なくとも約200mg、1日当たり少なくとも約220mg、1日当たり少なくとも約240mg、1日当たり少なくとも約260mg、1日当たり少なくとも約280mg、1日当たり少なくとも約300mg、または1日当たり少なくとも約320mgである。
6.1.1.6 第2の処置期間の終わり
第2の処置期間は、時間依存的スケジュールで、またはIBD患者の抗SMAD7療法に対する臨床応答次第のスケジュールで終わらせることができる。例えば、第2の処置期間の長さは、予め決定することができる。予め決定された長さの第2の処置期間は、IBD患者がその予め決定された時点もしくは第2の処置期間中の任意の時点で抗SMAD7療法に応答しているかどうか、またはIBD患者が応答の部分的もしくは完全な消失を示しているかどうかにかかわらず、予め決定されたときに終わらせることができる。
一部の実施形態では、IBD患者が第2の処置期間中に抗SMAD7療法(例えば、SMAD7 AON)に対する応答の部分的または完全な消失を示した場合、患者は、第2の処置期間を終了し、第1の処置期間に再び入る。例えば、節6.2.3を参照されたい。第1の処置期間に再び入る患者には、前に使用した第1の用量の抗SMAD7療法、または用量を増加させた抗SMAD7療法を投与することができる。
一部の実施形態では、IBD患者は、患者が、IBD患者の最初の応答時のSES−CDと比較したSES−CDの≧50%または≧75%の増加を示した場合;患者が、最初の応答時のCDAIスコアと比較したCDAIスコアの≧50点の増加を示した場合、患者が、最初の応答時のPRO−2スコアと比較したPRO−2スコアの≧8点の増加を示した場合、患者が、最初の応答時の液状便もしくは軟便頻度および/または腹痛スコアと比較した1日当たりの液状便もしくは軟便頻度スコアの≧1点の増加および/または腹痛スコアの≧1点の増加を示した場合;患者が、TMSの、ベースラインから≧30%または≧3点の増加を示した場合;患者が、PMSの、ベースラインから≧25%または≧2点の増加を示した場合;患者が、MMSの、ベースラインから≧25%または≧2点の増加を示した場合、あるいは、患者が、ベースラインからESの≧1点の増加を示した場合、第2の処置期間を終了する。
一部の実施形態では、第2の処置期間の最後にIBD患者が抗SMAD7処置に対する応答を示した場合、またはIBDが寛解の状態である場合、抗SMAD7処置を終了する。
6.1.1.7 第3の処置期間への移行
本明細書において提示されるIBDを処置するための方法では、IBD患者は、任意選択で、第3の処置期間に移行することができる。一部の実施形態では、IBD患者は、第1の処置期間の最後に第3の処置期間に移行する。一部の実施形態では、IBD患者は、第2の処置期間の最後に第3の処置期間に移行する。一部の実施形態では、IBD患者は、第1の処置および/または第2の処置中のある時点で第3の処置期間に移行する。一部の実施形態では、IBD患者は、観察期間の最後または観察期間中のある時点で第3の処置期間に移行する。一部の実施形態では、観察期間は、第1の期間と第2の期間の間にある。一部の実施形態では、観察期間は、第2の期間の後に続く。一部の実施形態では、IBD患者は第3の処置期間に移行しない。
一部の実施形態では、IBD患者は、第1の処置期間または第2の処置期間から第3の処置期間へ直接、すなわち、観察期間などの中間期間を伴わずに移行する。一部の実施形態では、IBD患者は、第1の処置期間または第2の処置期間から第3の処置期間へ、観察期間などの中間期間を経由して移行する。
一部の実施形態では、第3の期間への移行は、時間依存的スケジュールに基づいて、例えば、抗SMAD7療法に対するIBD患者の応答を考慮せずに行うことができる。例えば、一部の実施形態では、第2の処置期間は、予め決定された長さ(例えば、12週間、24週間、36週間、48週間、または52週間)であってよく、第2の処置期間の最後に、IBD患者は、第2の処置期間中の抗SMAD7療法の活性をモニタリングしたいかなる結果にもかかわらず(例えば、IBD患者における抗SMAD7療法に対するいかなる応答の観察にもかかわらず)、第2の処置期間から第3の処置期間へ移行する。
一部の実施形態では、IBD患者が第2の処置期間中の1つもしくは複数の時点でまたは第2の処置期間の最後に抗SMAD7療法(例えば、SMAD7 AON)に対する臨床応答を示した場合、あるいは、IBD患者が寛解の状態になった場合、IBD患者は、第2の処置期間から第3の処置期間へ移行する。例えば、節6.2.1、節6.2.2、節6.6および節6.7を参照されたい。IBD患者の寛解または臨床応答は、例えば、内視鏡アウトカム、臨床的活性パラメータ、安全性または忍容性パラメータ、小腸炎または組織損傷のバイオマーカー、組織学的スコア、腸粘膜生検におけるバイオマーカーの発現に基づいて分析することができる。例えば、節6.2を参照されたい。
例えば第1の処置期間中、第2の処置期間中および/または第3の処置期間中の処置レジメンは、IBD患者における臨床応答の強度に応じて(例えば、IBD患者のCDAIのベースラインからの減少に応じて)、または患者が臨床応答を示した時点に応じて調整することができる。例えば、前の(例えば、第1のまたは第2の)処置期間の最後のIBD患者の臨床応答がより強力なものであるほど、第3の処置期間中の抗SMAD7療法の用量をより多く減少させることができる。一部の実施形態では、IBD患者が前の(第1のまたは第2の)処置期間の最後よりも前に抗SMAD7療法に対する応答を示した場合、IBD患者は、患者が応答を示し次第、第3の処置に移行することができる。例えば、節6.7を参照されたい。
一部の実施形態では、IBD患者が、SES−CDスコアの、ベースラインから≧25%または≧50%の減少、CDAIスコアの、ベースラインから≧100点の減少、PRO−2スコアの、ベースラインから≧8点の減少、ベースラインの液状便もしくは軟便頻度および/または腹痛スコアと比較した1日当たりの液状便もしくは軟便頻度スコアの≧1点の減少および/または腹痛スコアの≧1点の減少、TMSの、ベースラインから≧3点または≧30%の増加、PMSの、ベースラインから≧2点または≧25%の増加、MMSの、ベースラインからの≧2点または≧25%増加、またはESの、ベースラインから≧1点の増加を示した場合、患者は、第3の処置期間に移行する。
一部の実施形態では、SES−CD、CDAI、PRO−2、1日当たりの液状便もしくは軟便頻度スコア、腹痛スコア、MMS、PMS、TMSまたはESのベースラインは、第1の処置期間の0週目中のある時点における、対応するSES−CD、CDAI、PRO−2スコア、1日当たりの液状便もしくは軟便頻度スコア、腹痛スコア、MMS、PMS、TMSまたはESである。一部の実施形態では、SES−CD、CDAI、PRO−2、1日当たりの液状便もしくは軟便頻度スコア、腹痛スコア、MMS、PMS、TMSまたはESのベースラインは、抗SMAD7療法を最初に投与する直前の時点における、対応するSES−CD、CDAI、PRO−2、1日当たりの液状便もしくは軟便頻度スコア、腹痛スコア、MMS、PMS、TMSまたはESスコアである。
一部の実施形態では、IBD患者が、SES−CDスコア≦2、CDAIスコア<150、PRO−2スコア≦8、1日当たりの液状便もしくは軟便頻度≦3もしくは≦1.5および/または腹痛スコア≦1;TMS≦2、PMS≦2、MMS≦2、またはES=1もしくは0を示した場合、患者は、第3の処置期間に移行する。
一部の実施形態では、IBD患者が、TMSスコアの、ベースラインから≧30%および≧3点の減少、それと併せて、RBSスコアの≧1の減少または絶対的RBS≦1;内視鏡サブスコアの、ベースラインから≧1の減少;PMSスコアの、ベースラインから≧25%および≧2点の減少、それと併せて、RBSスコアの≧1の減少または絶対的RBS≦1;MMSスコアの、ベースラインから≧25%および≧2点の減少、それと併せて、RBSスコアの≧1の減少または絶対的RBS≦1を示した場合、患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ移行する。
一部の実施形態では、IBD患者が、個々のサブスコアは1以下で、TMSスコア≦2点;内視鏡サブスコア=0;個々のサブスコアは1以下で、PMSスコア≦2点;個々のサブスコアは1以下で、MMSスコア≦2点を示した場合、患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ移行する。
一部の実施形態では、TMSスコア、PMSスコア、MMSスコア、RBSスコア、または内視鏡スコアのベースラインは、第1の処置期間の0週目中のある時点における、対応するTMSスコア、PMSスコア、MMSスコア、RBSスコア、または内視鏡スコアである。一部の実施形態では、TMSスコア、PMSスコア、MMSスコア、RBSスコア、または内視鏡スコアのベースラインは、抗SMAD7療法を最初に投与する直前の時点における、対応するTMSスコア、PMSスコア、MMSスコア、RBSスコア、または内視鏡スコアである。
一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の試料中の、例えば、SMAD7、SMAD3リン酸化、HLA−DR、CD4、CD8、CRP、FCP、TNFα、IFN−γ、IL8、IL−12、IL17AまたはIL6などのバイオマーカーのレベルが、ベースライン(例えば、第1の処置期間の0週目中の時点でのそれぞれのバイオマーカーレベル)から少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%低下した場合、IBD患者は、第3の処置期間に移行する。
一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の試料中の、例えば、SMAD7、SMAD3リン酸化、HLA−DR、CD4、CD8、CRP、FCP、TNFα、IFN−γ、IL8、IL−12、IL17AまたはIL6レベルなどのバイオマーカーのレベルが、健康な対照群におけるバイオマーカーのレベルの代表値、中央値、または平均値に対して2σ、3σ、5σ、6σ、または10σの標準偏差(SD)範囲内である場合、IBD患者は、第3の処置期間に移行する。
一部の実施形態では、IBD患者が、例えば腸粘膜潰瘍化がないことによって示される粘膜治癒を示した場合、患者は、第3の処置期間に移行する。
一部の実施形態では、IBD患者が第2の処置期間の最後(例えば、12週目中、24週目中、36週目中、48週目中、または52週目中)に抗SMAD7療法に対する応答を示さない場合、IBD患者は、第2の処置期間から第3の処置期間へ移行しない。一部の実施形態では、非応答性IBD患者には、第2の処置期間を繰り返す。一部の実施形態では、非応答性IBD患者には、第2の処置期間を繰り返し、抗SMAD7療法の第2の用量を増加させて投与する。一部の実施形態では、IBD患者の処置を終了する(例えば、IBD患者がすでに最大耐量の抗SMAD7療法で処置されている場合、またはIBD患者に有害効果が生じた場合)。
一部の実施形態では、第1の処置期間または第2の処置期間の最後にIBD患者が抗SMAD7処置に対する応答を示した場合、またはIBDが寛解の状態である場合、抗SMAD7処置を終了し、IBD患者は第3の処置期間に移行しない。
一部の実施形態では、IBD患者が、第2の処置期間中の任意の時点で臨床的改善を示さない(例えば、患者が、CDAI<180、および、CDAIスコアの、ベースラインと比較した≧70点の減少を有さない)場合、IBD患者は、第2の処置期間から第3の処置期間へ移行する。
6.1.1.8 第3の処置期間
一部の実施形態では、第3の処置期間は、約1週間から約8年の間、約12週間から約7年の間、約24週間から約6年の間、約36週間から約5年の間、または約52週間から約4年の間(すなわち、約208週間)である。
一部の実施形態では、第3の処置期間は、約1週間、約12週間、約24週間、約36週間、約52週間、約1.5年、約2年、約2.5年、約3年、約3.5年、約4年(すなわち、約208週間)、約5年、約6年、約7年、または約8年である。
一部の実施形態では、第3の処置期間は、約26週間、約52週間、約78週間、約104週間、約130週間、約156週間、約182週間、約196週間、約208週間、または約312週間である。
一部の実施形態では、第3の処置期間は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約52週間、少なくとも約56週間、少なくとも約60週間、少なくとも約3カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約12カ月、少なくとも約18カ月、少なくとも約24カ月、少なくとも約36カ月、少なくとも48カ月、少なくとも60カ月、または少なくとも72カ月である。
一部の実施形態では、第3の処置期間は、約208週間である。
一部の実施形態では、第3の処置期間は、約196週間である。
一部の実施形態では、第3の処置期間は、約1週間から約460週間の間、約40週間から約420週間の間、約80週間から約380週間の間、約120週間から約340週間の間、約160週間から約300週間の間、および約180週間から約260週間の間である。
一部の実施形態では、第3の処置期間を、IBD患者がSMAD7 AONに対する応答(例えば、SES−CDスコアの、ベースラインから≧25%または≧50%の減少;CDAIスコアの、ベースラインから≧100点の減少;PRO−2スコアの、ベースラインから≧8点の減少;1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコアの、ベースラインから≧1点の減少および/または腹痛スコアの≧1点の減少)を示すまで、またはIBDを有するIBD患者が寛解を得るまで(例えば、SES−CDスコア≦2;CDAIスコア<150;PRO−2スコア≦8;1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコア≦1.5および/または腹痛スコア≦1。TMSスコア≦2;ES=0;PMS≦2点;MMS≦2)、続ける。
一部の実施形態では、第3の処置期間を、患者が用量制限毒性を示すまたは患者に有害事象が生じるまで続ける。
一部の実施形態では、第3の処置期間を、患者の残りの寿命の最後まで続ける。
一部の実施形態では、第3の処置期間を、不定期間、すなわち、予め決定されていない期間続ける。一部の実施形態では、第3の処置期間を、患者が処置に対してある特定の応答を示す、または、例えば、結腸内視鏡検査もしくは回腸結腸内視鏡検査の結果、バイオマーカーレベルまたは他の試験、例えば、患者報告アウトカムもしくは生活の質の測定値など(例えば、CDAI<150、SES−CD≦2、PRO−2スコア<8、またはCRPレベル<1.0mg/L、1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度≦3.0もしくは≦1.5点、および/あるいは腹痛スコア≦1点、TMSスコア≦2;ES=0もしくは1;PMS≦2点;MMS≦2などが特定の時間達成または維持されること)によって決定される、指定の、予め決定された臨床的マイルストーンを満たすまで続ける。
6.1.1.9 第3の処置期間中の用量
本明細書において提示される方法では、第3の処置期間中、第3の用量の抗SMAD7療法(例えば、SMAD7 AON)をIBD患者に投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、約30mgから約310mgの間、約50mgから約290mgの間、約70mgから約270mgの間、約70mgから約250mgの間、約90mgから約230mgの間、約110mgから約210mgの間、または130mgから約190mgの間、または150mgから約170mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、約30mgから約620mgの間、約60mgから約580mgの間、約100mgから約540mgの間、約140mgから約500mgの間、約180mgから約460mgの間、約220mgから約420mgの間、または260mgから約380mgの間、または300mgから約340mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、約5mgから約90mgの間、約10mgから約70mgの間、または約30mgから約50mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、約20mg、約40mg、約60mg、約80mg、約100mg、約120mg、約140mg、約160mg、約180mg、約200mg、約220mg、約240mg、約260mg、約280mg、または約300mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、約40mg、約80mg、約120mg、約160mg、約200mg、約240mg、約280mg、約320mg、約360mg、約400mg、約440mg、約480mg、約520mg、約560mg、約600mg、または約640mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、約40mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、約80mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、約160mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、約320mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、1日当たり約30mgから1日当たり約310mgの間、1日当たり約50mgから1日当たり約290mgの間、1日当たり約70mgから1日当たり約270mgの間、1日当たり約90mgから1日当たり約250mgの間、1日当たり約110mgから1日当たり約230mgの間、1日当たり約130mgから1日当たり約190mgの間、または1日当たり約150mgから1日当たり約170mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、1日当たり約30mgから1日当たり約620mgの間、1日当たり約60mgから1日当たり約580mgの間、1日当たり約100mgから1日当たり約540mgの間、1日当たり約140mgから1日当たり約500mgの間、1日当たり約180mgから1日当たり約460mgの間、1日当たり約220mgから1日当たり約420mgの間、または1日当たり約260mgから1日当たり約380mgの間、または1日当たり約300mgから1日当たり約340mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、1日当たり約5mgから1日当たり約90mgの間、1日当たり約10mgから1日当たり約70mgの間、または1日当たり約30mgから1日当たり約50mgの間である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、1日当たり約20mg、1日当たり約40mg、1日当たり約60mg、1日当たり約80mg、1日当たり約100mg、1日当たり約120mg、1日当たり約140mg、1日当たり約160mg、1日当たり約180mg、1日当たり約200mg、1日当たり約220mg、1日当たり約240mg、1日当たり約260mg、1日当たり約280mg、1日当たり約300mg、または1日当たり約320mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、1日当たり約40mg、1日当たり約80mg、1日当たり約120mg、1日当たり約160mg、1日当たり約200mg、1日当たり約240mg、1日当たり約280mg、1日当たり約320mg、1日当たり約360mg、1日当たり約400mg、1日当たり約440mg、1日当たり約480mg、1日当たり約520mg、1日当たり約560mg、1日当たり約600mg、または1日当たり約640mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、1日当たり約40mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、1日当たり約80mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、1日当たり約160mgである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの第3の用量は、1日当たり約320mgである。
一部の実施形態では、第1の用量、第2の用量および第3の(任意選択の)用量は、同じ用量である(例えば、第1の用量は、第2の用量と同じである)。一部の実施形態では、第1の用量、第2の用量および第3の用量のうちの1つは、他の2つの用量の少なくとも一方と異なる(例えば、第1の用量は第2の用量と異なる)。一部の実施形態では、第1の用量、第2の用量および第3の用量のそれぞれは他の2つの用量のそれぞれと異なる。
6.1.1.10 追加的な期間
一部の実施形態では、本明細書において提示される方法は、第1の処置期間の前に、例えば、IBD疾患の重症度を査定もしくはモニタリングするため、または、抗SMAD7療法(例えば、SMAD7 AON)の最初の投与前に追加的なIBD処置を漸減させるもしくは中止するための、最初のスクリーニング期間をさらに含む。
一部の実施形態では、スクリーニング期間中はSMAD7 AONを投与しない。
一部の実施形態では、スクリーニング期間は、約1週間から約10週間の間、約2週間から約9週間の間、約3週間から約8週間の間、約4週間から約7週間の間、または約5週間から約6週間の間である。一部の実施形態では、スクリーニング期間は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間または約10週間である。一部の実施形態では、スクリーニング期間は、約5週間である。
一部の実施形態では、本明細書において提示される方法は、第1の処置期間と第2の処置期間の間に、例えば、第1の処置期間後の抗SMAD7療法(例えば、SMAD7 AON)に対するIBD患者の応答をモニタリングするための観察期間をさらに含む。
一部の実施形態では、本明細書において提示される方法は、第2の処置期間と第3の処置期間の間に、例えば、第2の処置期間後の抗SMAD7療法(例えば、SMAD7 AON)に対するIBD患者の応答をモニタリングするための観察期間をさらに含む。一部の実施形態では、観察期間中はIBDを有する患者へSMAD7 AONを投与しない。
一部の実施形態では、観察期間は、約1週間から約100週間の間、約10週間から約90週間の間、約20週間から約80週間の間、約30週間から約70週間の間、約40週間から約60週間の間である。一部の実施形態では、観察期間は、最大約10週間、最大約20週間、最大約30週間、最大約40週間、最大約50週間、最大約60週間、最大約70週間、最大約80週間、最大約90週間または最大約100週間である。一部の実施形態では、観察期間は、最大約52週間である。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置(すなわち、第1の処置期間および/または第2の処置期間の開始前にすでに実施されているIBDに対する処置)の漸減は、観察期間の少なくとも1週目中、少なくとも2週目中、少なくとも3週目中、少なくとも4週目中、少なくとも4週目中、少なくとも5週目中、少なくとも6週目中、少なくとも7週目中、少なくとも8週目中、少なくとも9週目中、または少なくとも10週目中に行う。
一部の実施形態では、本明細書において提示される方法は、第2の処置期間後に、例えば、第2の処置期間が終わった後の抗SMAD7療法(例えば、SMAD7 AON)に対するIBD患者の応答をモニタリングするためのフォローアップ期間をさらに含む。
一部の実施形態では、本明細書において提示される方法は、第3の処置期間後に、例えば、第3の処置期間が終わった後の抗SMAD7療法(例えば、SMAD7 AON)に対するIBD患者の応答をモニタリングするためのフォローアップ期間をさらに含む。
一部の実施形態では、フォローアップ期間中はIBDを有する患者へSMAD7 AONを投与しない。
一部の実施形態では、フォローアップ期間は、約1週間から約10週間の間、約2週間から約9週間の間、約3週間から約8週間の間、または約4週間から約7週間の間である。一部の実施形態では、スクリーニング期間は、最大約1週間、最大約2週間、最大約3週間、最大約4週間、最大約5週間、最大約6週間、最大約7週間、最大約8週間、最大約9週間、最大約10週間、最大約3カ月、最大約6カ月、最大約9カ月、最大約12カ月、最大約18カ月、最大約24カ月、最大約30カ月、最大約36カ月、最大約42カ月、最大約48カ月、最大約54カ月、または最大約60カ月である。一部の実施形態では、フォローアップ期間は、最大約4週間である。
一部の実施形態では、本明細書において提示される方法は、追加的な期間を含まない。一部の実施形態では、本明細書において提示される方法は、第1の処置期間、第2の処置期間、および任意選択で第3の処置期間からなる。
6.1.2 交互投薬スケジュール
SMAD7 AONは、第1の処置期間中、第2の処置期間中および/または第3の処置期間中、連続的に(例えば、12週間1日1回)、または交互投薬スケジュール(例えば、第0〜4週中は1日1回、第5〜8週中は処置を行わない、第9〜12週中は1日1回)で投与することができる。連続的な投与は、同じ用量でも、異なる用量(例えば、経時的に用量を増加または減少させる)でもよい。交互投薬スケジュールにおいては、薬物による処置期間と薬物を用いない処置もしくはプラセボによる処置期間(休薬期間)を交互にすることもでき、2つまたはそれより多くの異なる用量を用いた処置期間を交互にすることもできる。
本明細書に記載されている交互投薬スケジュールにおいては、2つまたはそれより多くの期間を交互にすることができる。一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、第1の交互期間と第2の交互期間とを有してよい。一部の実施形態では、第1の交互期間は、薬物(例えば、SMAD7 AON)による処置期間であり、第2の交互期間は、無処置またはプラセボによる処置期間である。一部の実施形態では、第1の交互期間は、無処置またはプラセボによる処置期間であり、第2の交互期間は、薬物(例えば、SMAD7 AON)による処置期間である。交互投薬スケジュールにおける2つまたはそれより多くの交互期間の長さは同じであってもよく、交互期間の長さはそれぞれ個々に異なってもよい。例えば、第1の交互期間は、第2の交互期間より長くても短くてもよい。
交互期間の長さは、数日から、数週間まで、数カ月まで、数年までの範囲であってよい。一部の実施形態では、交互期間は、それぞれ個々に、1週間から7週間の間、2週間から6週間の間、または3週間から5週間の間であってよい。一部の実施形態では、交互期間は、それぞれ個々に、1週間から15週間の間、2週間から14週間の間、3週間から13週間の間、4週間から12週間の間、5週間から11週間の間、6週間から10週間の間、または7週間から9週間の間であってよい。一部の実施形態では、交互期間は、4週間であってよい。一部の実施形態では、交互期間は、8週間であってよい。一部の実施形態では、交互期間は、少なくとも1カ月、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも4カ月、少なくとも5カ月、少なくとも6カ月、少なくとも7カ月、少なくとも8カ月、少なくとも9カ月、少なくとも10カ月、少なくとも11カ月、または少なくとも12カ月であってよい。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、薬物による処置期間で開始し、その後に無処置またはプラセボによる処置期間を続ける。一部の実施形態では、例えば第2の処置期間中または第3の処置期間中の交互投薬スケジュールは、無処置またはプラセボによる処置期間で開始し、その後に薬物による処置期間を続ける。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールにおいて、第1(例えば、第1の交互期間中)をSMAD7 AONによる処置期間とし、第2(例えば、第2の交互期間中)を無処置またはプラセボによる処置期間とする。一部の実施形態では、交互投薬スケジュールにおいて、第1(例えば、第1の交互期間中)を無処置またはプラセボによる処置期間とし、第2(例えば、第2の交互期間中)をSMAD7 AONによる処置期間とする。
一部の実施形態では、薬物による処置期間および無処置またはプラセボによる処置期間の長さは同じである(例えば、それぞれ4週間)。一部の実施形態では、薬物による処置期間および無処置期間の長さは異なる(例えば、2週間の薬物による処置期間、その後、4週間の無処置期間)。一部の実施形態では、薬物による処置期間は、無処置またはプラセボによる処置期間よりも長い。一部の実施形態では、無処置またはプラセボによる処置期間は、薬物による処置期間よりも長い。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを第1の処置期間中および第2の処置期間中に連続的に投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを第1の処置期間中に連続的に投与し、第2の処置期間中に交互投薬スケジュールで投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを第1の処置期間中に交互投薬スケジュールで投与し、第2の処置期間中に連続的に投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを第1の処置期間中および第2の処置期間中に交互投薬スケジュールで投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを第1の処置期間中、第2の処置期間中、および(任意選択の)第3の処置期間中に連続的に投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを第1の処置期間中および(任意選択の)第3の処置期間に連続的に投与し、第2の処置期間中に交互投薬スケジュールで投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを第1の処置期間中および第2の処置期間中に連続的に投与し、(任意選択の)第3の処置期間中に交互投薬スケジュールで投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを第2の処置期間中および(任意選択の)第3の処置期間に連続的に投与し、第1の処置期間中に交互投薬スケジュールで投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを第1の処置期間中に連続的に投与し、第2の処置期間中および(任意選択の)第3の処置期間中に交互投薬スケジュールで投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを第2の処置期間中に連続的に投与し、第1の処置期間中および(任意選択の)第3の処置期間中に交互投薬スケジュールで投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを(任意選択の)第3の処置期間中に連続的に投与し、第1の処置期間中および第2の処置期間中に交互投薬スケジュールで投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを第1の処置期間中、第2の処置期間中、および(任意選択の)第3の処置期間中に交互投薬スケジュールで投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを連続的に投与することは、SMAD7 AONを、例えば、第1の処置期間中、第2の処置期間中および/または第3の処置期間中に毎日(例えば、1日1回、1日2回など)、週に1回、2週間に1回、または月に1回投与することを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、a)投薬期間中にSMAD7 AONを投与すること、b)休薬期間中にSMAD7 AONを投与しないまたはプラセボを投与すること、ならびにa)および任意選択でb)を1回または複数回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、例えば第2の処置期間中または第3の処置期間中の交互投薬スケジュールは、a)休薬期間中にSMAD7 AONを投与しないまたはプラセボを投与すること、b)投薬期間中にSMAD7 AONを投与すること、ならびにa)および任意選択でb)を1回または複数回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための投薬期間は、約1週間から約7週間の間、約2週間から約6週間の間、または約3週間から約5週間の間であり得る。一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための薬物による処置期間は、約1週間から約15週間の間、約2週間から約14週間の間、約3週間から約13週間の間、約4週間から約12週間の間、約5週間から約11週間の間、約6週間から約10週間の間、または約7週間から約9週間の間であり得る。一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための薬物による処置期間は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、または約15週間であり得る。
一部の実施形態では、投薬期間は、最大1カ月、最大2カ月、最大3カ月、最大4カ月、最大5カ月、最大6カ月、最大7カ月、最大8カ月、最大9カ月、最大10カ月、最大11カ月、または最大12カ月である。
一部の実施形態では、投薬期間は、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約7カ月、約8カ月、約9カ月、約10カ月、約11カ月、または約12カ月である。
一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための休薬期間は、約1週間から約7週間の間、約2週間から約6週間の間、または約3週間から約5週間の間であり得る。一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための休薬期間は、約1週間から約15週間の間、約2週間から約14週間の間、約3週間から約13週間の間、約4週間から約12週間の間、約5週間から約11週間の間、約6週間から約10週間の間、または約7週間から約9週間の間であり得る。一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための休薬期間は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、または約15週間であり得る。
一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための投薬期間は、約4週間である。一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための休薬期間は、約4週間である。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、約1週間から約15週間の間、約2週間から約14週間の間、約3週間から約13週間の間、約4週間から約12週間の間、約5週間から約11週間の間、約6週間から約10週間の間、または約7週間から約9週間の間の休薬期間と、これと交互の、約1週間から約15週間の間、約2週間から約14週間の間、約3週間から約13週間の間、約4週間から約12週間の間、約5週間から約11週間の間、約6週間から約10週間の間、または約7週間から約9週間の間の投薬期間を含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、約1週間から約7週間の間、約2週間から約6週間の間、または約3週間から約5週間の間の休薬期間と、これと交互の、約1週間から約7週間の間、約2週間から約6週間の間、または約3週間から約5週間の間の投薬期間を含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、最大1カ月、最大2カ月、最大3カ月、最大4カ月、最大5カ月、最大6カ月、最大7カ月、最大8カ月、最大9カ月、最大10カ月、最大11カ月、または最大12カ月の休薬期間と、これと交互の、最大1カ月、最大2カ月、最大3カ月、最大4カ月、最大5カ月、最大6カ月、最大7カ月、最大8カ月、最大9カ月、最大10カ月、最大11カ月、または最大12カ月の投薬期間を含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約7カ月、約8カ月、約9カ月、約10カ月、約11カ月、または約12カ月の休薬期間と、これと交互の、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約7カ月、約8カ月、約9カ月、約10カ月、約11カ月、または約12カ月の投薬期間を含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第1の処置期間中、第2の処置期間中、および/または第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約1週間から約7週間の間、約2週間から約6週間の間、または約3週間から約5週間の間、SMAD7 AONを第1の用量、第2の用量、および/または第3の用量で投与すること、b)約1週間から約7週間の間、約2週間から約6週間の間、または約3週間から約5週間の間、プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにa)および任意選択でb)を1回または複数回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第1の処置期間中、第2の処置期間中、または第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約1週間から約7週間の間、約2週間から約6週間の間、または約3週間から約5週間の間、プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、b)約1週間から約7週間の間、約2週間から約6週間の間、または約3週間から約5週間の間、SMAD7 AONを第1の用量、第2の用量、または第3の用量で投与すること、ならびにa)および任意選択でb)を1回または複数回繰り返すことを含む。
節6.1.1.4.において考察されている通り、第2の処置期間および/または第3の処置期間の全長は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約3カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約12カ月、少なくとも約18カ月、少なくとも約24カ月、少なくとも約30カ月、少なくとも約3年、少なくとも約4年、少なくとも約5年、少なくとも約6年、少なくとも約7年、少なくとも約8年、少なくとも約9年、または少なくとも約10年であり得る。
一部の実施形態では、第2の処置期間および/または第3の処置期間の全長は、患者の残りの寿命の長さであり得る。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第1の処置期間中、第2の処置期間中または第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約1週間から約15週間の間、約2週間から約14週間の間、約3週間から約13週間の間、約4週間から約12週間の間、約5週間から約11週間の間、約6週間から約10週間の間、または約7週間から約9週間の間、SMAD7 AONを第1の用量、第2の用量、または第3の用量で投与すること、b)約1週間から約15週間の間、約2週間から約14週間の間、約3週間から約13週間の間、約4週間から約12週間の間、約5週間から約11週間の間、約6週間から約10週間の間、または約7週間から約9週間の間、プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにa)および任意選択でb)を1回または複数回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第1の処置期間中、第2の処置期間中、および/または第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約1週間から約15週間の間、約2週間から約14週間の間、約3週間から約13週間の間、約4週間から約12週間の間、約5週間から約11週間の間、約6週間から約10週間の間、または約7週間から約9週間の間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、b)約1週間から約15週間の間、約2週間から約14週間の間、約3週間から約13週間の間、約4週間から約12週間の間、約5週間から約11週間の間、約6週間から約10週間の間、または約7週間から約9週間の間、SMAD7 AONを第1の用量、第2の用量および/または第3の用量で投与すること、ならびにa)および任意選択でb)を1回または複数回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第1の処置期間中、第2の処置期間中、および/または第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、または約16週間SMAD7 AONを第1の用量、第2の用量および/または第3の用量で投与すること、b)約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、または約16週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにa)および任意選択でb)を1回または複数回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第1の処置期間中、第2の処置期間中、および/または第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、または約16週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、b)約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、または約16週間SMAD7 AONを第1の用量、第2の用量、および/または第3の用量で投与すること、ならびにa)および任意選択でb)を1回または複数回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第1の処置期間中、第2の処置期間中、および/または第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、または約16週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、b)約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、または約16週間SMAD7 AONを第1の用量、第2の用量、および/または第3の用量で投与すること、ならびにa)および任意選択でb)を1回または複数回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第1の処置期間中、第2の処置期間中、および/または第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)少なくとも約1カ月間、少なくとも約2カ月間、少なくとも約3カ月間、少なくとも約4カ月間、少なくとも約5カ月間、少なくとも約6カ月間、少なくとも約7カ月間、少なくとも約8カ月間、少なくとも約9カ月間、少なくとも約10カ月間、少なくとも約11カ月間、または少なくとも約12カ月間、SMAD7 AONを第1の用量、第2の用量および/または第3の用量で投与すること、b)少なくとも約1カ月間、少なくとも約2カ月間、少なくとも約3カ月間、少なくとも約4カ月間、少なくとも約5カ月間、少なくとも約6カ月間、少なくとも約7カ月間、少なくとも約8カ月間、少なくとも約9カ月間、少なくとも約10カ月間、少なくとも約11カ月間、または少なくとも約12カ月間、プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにa)および任意選択でb)を1回または複数回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第1の処置期間中、第2の処置期間中、または第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約2週間SMAD7 AONを第1の用量、第2の用量、または第3の用量で投与すること、b)約2週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにa)および任意選択でb)をさらに5回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第1の処置期間中、第2の処置期間中、または第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約4週間SMAD7 AONを第1の用量、第2の用量、または第3の用量で投与すること、b)約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにa)および任意選択でb)をさらに2回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第1の処置期間中、第2の処置期間中、または第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約4週間SMAD7 AONを第1の用量、第2の用量、または第3の用量で投与すること、b)約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにa)および任意選択でb)をさらに6回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第1の処置期間中、第2の処置期間中、および/または第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、b)約4週間SMAD7 AONを第1の用量、第2の用量、および/または第3の用量で投与すること、ならびにa)および任意選択でb)をさらに2回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第1の処置期間中、第2の処置期間中、および/または第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、b)約4週間SMAD7 AONを第1の用量、第2の用量、および/または第3の用量で投与すること、ならびにa)および任意選択でb)をさらに6回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第1の処置期間中、第2の処置期間中、または第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約4週間SMAD7 AONを第1の用量、第2の用量、または第3の用量で投与すること、b)約8週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにa)および任意選択でb)をさらに4回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第1の処置期間中、第2の処置期間中、または第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約8週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、b)約4週間SMAD7 AONを第1の用量、第2の用量、または第3の用量で投与すること、ならびにa)および任意選択でb)をさらに4回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約4週間SMAD7 AONを第2の用量で投与すること、b)約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにa)および任意選択でb)をさらに25回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールを第3の処置期間中に適用し、交互投薬スケジュールは、a)約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、b)約4週間SMAD7 AONを第2の用量で投与すること、ならびにa)および任意選択でb)をさらに25回繰り返すことを含む。
一部の実施形態では、a)および任意選択でb)を、少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも4回、少なくとも6回、少なくとも8回、少なくとも10回、少なくとも12回、少なくとも14回、少なくとも16回、少なくとも18回、少なくとも20回、少なくとも25回、少なくとも50回、少なくとも100回、少なくとも150回、少なくとも200回、または少なくとも250回繰り返す。
一部の実施形態では、a)および任意選択でb)を、少なくともさらに1回、少なくともさらに2回、少なくともさらに3回、少なくともさらに4回、少なくともさらに5回、少なくともさらに6回、少なくともさらに7回、少なくともさらに8回、少なくともさらに9回、少なくともさらに10回、少なくともさらに11回、少なくともさらに12回、少なくともさらに13回、少なくともさらに14回、少なくともさらに15回、少なくともさらに16回、少なくともさらに17回、少なくともさらに18回、少なくともさらに19回、少なくともさらに20回、少なくともさらに21回、少なくともさらに22回、少なくともさらに23回、少なくともさらに24回、少なくともさらに25回、少なくともさらに26回、少なくともさらに27回、少なくともさらに28回、少なくともさらに29回、少なくともさらに30回、少なくともさらに31回、少なくともさらに32回、少なくともさらに33回、少なくともさらに34回、少なくとも35、少なくとも40回、少なくとも50回、少なくとも60回、少なくとも70回、少なくとも80回、少なくとも90回、または少なくともさらに100回繰り返す。
一部の実施形態では、a)および任意選択でb)を、最大でさらに5回、最大でさらに10回、最大でさらに15回、最大でさらに20回、最大でさらに25回、最大でさらに30回、最大でさらに35回、最大でさらに40回、最大でさらに45回、最大で50回、最大で60回、最大で70回、最大で80回、最大で90回、または最大でさらに100回繰り返す。
6.1.3 例示的な処置レジメン
一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを第1の処置期間第1の1日1回用量で連続的に投与するステップと、(b)IBD患者にSMAD7 AONを第2の処置期間第2の1日1回用量で連続的に投与するステップと、任意選択で、(c)IBD患者にSMAD7 AONを第3の処置期間第3の用量で投与するステップとを含む。例えば、図3および図4;実施例2を参照されたい。
一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを第1の処置期間第1の1日1回用量で連続的に投与するステップと、(b)IBD患者にSMAD7 AONを第2の処置期間第2の1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)第1の交互期間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、d)第2の交互期間IBD患者にSMAD7 AONを第2の1日1回用量で投与すること、ならびに(e)(c)および(d)を1回または複数回繰り返すことを含む、ステップと、任意選択で、f)IBD患者にSMAD7 AONを第3の処置期間第3の用量で投与する(例えば、連続的に、または交互投薬スケジュールを使用して)ステップとを含む。例えば、図1および図3〜6;実施例1〜5を参照されたい。一部の実施形態では、交互投薬スケジュールにおいて、第1(第1の交互期間中)をSMAD7 AONによる処置期間とし、第2(第2の交互期間中)を無処置またはプラセボによる処置期間とする。一部の実施形態では、交互投薬スケジュールにおいて、第1(第1の交互期間中)を無処置またはプラセボによる処置期間とし、第2(第2の交互期間中)をSMAD7 AONによる処置期間とする。
一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを第1の処置期間第1の1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、(b)第1の交互期間IBD患者にSMAD7 AONを第1の1日1回用量で投与すること、(c)第2の交互期間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびに(d)(b)および(c)を1回または複数回繰り返すことを含む、ステップと、(e)IBD患者にSMAD7 AONを第2の処置期間第2の1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、(f)第3の交互期間IBD患者にSMAD7 AONを第2の1日1回用量で投与すること、(g)第4の交互期間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびに(h)(f)および(g)を1回または複数回繰り返すことを含む、ステップと、任意選択で、(i)IBD患者にSMAD7 AONを第3の処置期間第3の用量で投与する(例えば、連続的に、または交互投薬スケジュールを使用して)ステップとを含む。例えば、図4;実施例3を参照されたい。一部の実施形態では、独立に各個々の交互投薬スケジュールにおいて、第1(例えば、第1の交互期間中)をSMAD7 AONによる処置期間とし、第2(例えば、第2の交互期間中)を無処置またはプラセボによる処置期間とする。一部の実施形態では、独立に各交互投薬スケジュールにおいて、第1(例えば、第1の交互期間中)を無処置またはプラセボによる処置期間とし、第2(例えば、第2の交互期間中)をSMAD7 AONによる処置期間とする。
一部の実施形態では、IBD患者にSMAD7 AONを第3の処置期間第3の用量で投与するステップは、IBD患者にSMAD7 AONを第3の1日1回用量で連続的に投与することを含む。
一部の実施形態では、IBD患者にSMAD7 AONを第3の処置期間第3の用量で投与するステップは、交互投薬スケジュールを使用することを含み、交互投薬スケジュールは、(a)第1の交互期間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、(b)第2の交互期間IBD患者にSMAD7 AONを第3の1日1回用量で投与すること、ならびに(c)(a)および(b)を1回または複数回繰り返すことを含む。一部の実施形態では、交互投薬スケジュールにおいて、第1(第1の交互期間中)をSMAD7 AONによる処置期間とし、第2(第2の交互期間中)を無処置またはプラセボによる処置期間とする。一部の実施形態では、交互投薬スケジュールにおいて、第1(第1の交互期間中)を無処置またはプラセボによる処置期間とし、第2(第2の交互期間中)をSMAD7 AONによる処置期間とする。
一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ、第2の処置期間から第3の処置期間へ、および/または第1の処置期間から任意選択の第3の処置期間へ、直接移行する。
一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間から第2の処置期間へ、第2の処置期間から第3の処置期間へ、および/または第1の処置期間から任意選択の第3の処置期間へ、観察期間などの中間期間を経由して移行する。
一部の実施形態では、第1の処置期間、第2の処置期間および/または第3の処置期間の持続時間は予め決定せず、例えば、結腸内視鏡検査、回腸結腸内視鏡検査の結果、バイオマーカーレベルまたは他のもの(例えば、CDAI<150、SES−CD≦2、PRO−2スコア<8、CRPレベル<1.0mg/L、1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度≦3.0もしくは≦1.5点および/または腹痛スコア≦1点;TMSスコア≦2;ES=0もしくは1;PMS≦2点;MMS≦2が特定の時間達成または維持されること)によって決定される、処置に対する患者の応答次第とする。一部の実施形態では、患者の1つの処置期間から別の処置期間への移行、例えば、患者の第1の処置期間から第2の処置期間への移行は、処置に対する患者の応答がきっかけとなる。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュール(alternative dosing schedule)において、SMAD7 AONによる処置期間と、交互の無処置またはプラセボによる処置期間の長さは同じである。一部の実施形態では、SMAD7 AONによる処置期間と無処置またはプラセボによる処置期間の長さは異なる。一部の実施形態では、SMAD7 AONによる処置期間は、無処置期間またはプラセボによる処置期間よりも長い。一部の実施形態では、無処置またはプラセボによる処置期間は、SMAD7 AONによる処置期間よりも長い。
節6.1.2に記載されている通り、本明細書に記載されている交互期間の長さは、数日から、数週間まで、数カ月まで、数年までの範囲である。一部の実施形態では、交互期間は、それぞれ個々に、1週間から7週間の間、2週間から6週間の間、または3週間から5週間の間であってよい。一部の実施形態では、交互期間は、それぞれ個々に、1週間から15週間の間、2週間から14週間の間、3週間から13週間の間、4週間から12週間の間、5週間から11週間の間、6週間から10週間の間、または7週間から9週間の間であってよい。一部の実施形態では、交互期間は、4週間であってよい。一部の実施形態では、交互期間は、8週間であってよい。一部の実施形態では、交互期間は、少なくとも1カ月、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも4カ月、少なくとも5カ月、少なくとも6カ月、少なくとも7カ月、少なくとも8カ月、少なくとも9カ月、少なくとも10カ月、少なくとも11カ月、または少なくとも12カ月であってよい。
一実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間、約8週間、または約12週間の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約24週間約40mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップとを含む。例えば、図1を参照されたい。一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、3回のそれぞれ4週間の薬物による処置期間(0週目〜3週目、8週目〜11週目、および16週目〜19週目)と、これと交互の、3回のそれぞれ4週間の休薬期間(4週目〜7週目、12週目〜15週目、および20週目〜23週目)を含む。例えば、実施例1、表3を参照されたい。
一実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを約12週間の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)IBD患者にSMAD7 AONを約40週間約40mgまたは160mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)約4週間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、d)IBD患者にSMAD7 AONを約40mgまたは約160mgの1日1回用量で投与すること、ならびにc)およびd)をある期間繰り返すことを含む、ステップとを含む。例えば、図3および図5を参照されたい。一部の実施形態では、期間は、最大約40週間である。一部の実施形態では、期間は、約40週間よりも長い。一部の実施形態では、期間は、予め決定せず、例えば、結腸内視鏡検査、または回腸結腸内視鏡検査、バイオマーカーレベル、患者報告アウトカム、または本明細書に記載されている他の試験によって決定される、処置に対する患者の臨床応答に基づく。一部の実施形態では、IBDは、CDである。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、5回のそれぞれ4週間のSMAD7 AONによる処置期間(16週目〜19週目、24週目〜27週目、32週目〜35週目、40週目〜43週目、および48週目〜51週目)と、これと交互の、5回のそれぞれ4週間の無処置またはプラセボによる処置期間(12週目〜15週目、20週目〜23週目、28週目〜31週目、36週目〜39週目、および44週目〜47週目)を含む。例えば、実施例2、表4を参照されたい。
一実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを約12週間の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)IBD患者にSMAD7 AONをある期間約40mgの1日1回用量で投与するステップとを含む。例えば、図3および実施例2、表4を参照されたい。一部の実施形態では、期間は、最大約40週間である。一部の実施形態では、期間は、約40週間よりも長い。一部の実施形態では、期間は、予め決定せず、例えば、結腸内視鏡検査、または回腸結腸内視鏡検査、バイオマーカーレベル、患者報告アウトカム、または本明細書に記載されている他の試験によって決定される、処置に対する患者の臨床応答に基づく。一部の実施形態では、IBDは、CDである。
一実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを約12週間の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)IBD患者にSMAD7 AONを最大約196週間約160mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)約4週間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、d)約4週間IBD患者にSMAD7 AONを約160mgの1日1回用量で投与すること、ならびにc)およびd)をある期間繰り返すことを含む、ステップとを含む。例えば、図4を参照されたい。一部の実施形態では、期間は、最大約196週間である。一部の実施形態では、期間は、約196週間よりも長い。一部の実施形態では、期間は、予め決定せず、例えば、結腸内視鏡検査、または回腸結腸内視鏡検査、バイオマーカーレベル、患者報告アウトカム、または本明細書に記載されている他の試験によって決定される、処置に対する患者の臨床応答に基づく。一部の実施形態では、IBDは、CDである。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、最大24回のそれぞれ4週間のSMAD7 AONによる処置期間(16週目〜19週目、24週目〜27週目、32週目〜35週目、40週目〜43週目、48週目〜51週目、56週目〜59週目、64週目〜67週目、72週目〜75週目、80週目〜83週目、88週目〜91週目、96週目〜99週目、104週目〜107週目、112週目〜115週目、120週目〜123週目、128週目〜131週目、136週目〜139週目、144週目〜147週目、152週目〜155週目、160週目〜163週目、168週目〜171週目、176週目〜179週目、184週目〜187週目、192週目〜195週目、および200週目〜203週目)と、これと交互の、最大25回のそれぞれ4週間の無処置またはプラセボによる処置期間(12週目〜15週目、20週目〜23週目、28週目〜31週目、36週目〜39週目、44週目〜47週目、52週目〜55週目、60週目〜63週目、68週目〜71週目、76週目〜79週目、84週目〜87週目、92週目〜95週目、100週目〜103週目、108週目〜111週目、116週目〜119週目、124週目〜127週目、132週目〜135週目、140週目〜143週目、148週目〜151週目、156週目〜159週目、164週目〜167週目、172週目〜175週目、180週目〜183週目、188週目〜191週目、196週目〜199週目、および204週目〜207週目)を含む。例えば、実施例3、表7〜10を参照されたい。
一実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを約12週間の期間約160mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、b)約4週間IBD患者にSMAD7 AONを約160mgの1日1回用量で投与すること、c)約4週間の期間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、およびb)を1回繰り返すことを含む、ステップと、d)IBD患者にSMAD7 AONを最大約196週間最大約160mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、e)約4週間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、f)約4週間IBD患者にSMAD7 AONを約160mgの1日1回用量で投与すること、ならびにe)およびf)をある期間繰り返すことを含む、ステップとを含む。例えば、図4を参照されたい。一部の実施形態では、期間は、最大約196週間である。一部の実施形態では、期間は、約196週間よりも長い。一部の実施形態では、期間は、予め決定せず、例えば、結腸内視鏡検査、または回腸結腸内視鏡検査、バイオマーカーレベル、患者報告アウトカム、または本明細書に記載されている他の試験によって決定される、処置に対する患者の臨床応答に基づく。一部の実施形態では、IBDは、CDである。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、最大26回のそれぞれ4週間のSMAD7 AONによる処置期間(0週目〜3週目、8週目〜11週目、16週目〜19週目、24週目〜27週目、32週目〜35週目、40週目〜43週目、48週目〜51週目、56週目〜59週目、64週目〜67週目、72週目〜75週目、80週目〜83週目、88週目〜91週目、96週目〜99週目、104週目〜107週目、112週目〜115週目、120週目〜123週目、128週目〜131週目、136週目〜139週目、144週目〜147週目、152週目〜155週目、160週目〜163週目、168週目〜171週目、176週目〜179週目、184週目〜187週目、192週目〜195週目、および200週目〜203週目)と、これと交互の、最大26回のそれぞれ4週間の無処置またはプラセボによる処置期間(4週目〜7週目、12週目〜15週目、20週目〜23週目、28週目〜31週目、36週目〜39週目、44週目〜47週目、52週目〜55週目、60週目〜63週目、68週目〜71週目、76週目〜79週目、84週目〜87週目、92週目〜95週目、100週目〜103週目、108週目〜111週目、116週目〜119週目、124週目〜127週目、132週目〜135週目、140週目〜143週目、148週目〜151週目、156週目〜159週目、164週目〜167週目、172週目〜175週目、180週目〜183週目、188週目〜191週目、196週目〜199週目、および204週目〜207週目)を含む。例えば、実施例3、表7〜10、図4を参照されたい。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、最大26回のそれぞれ4週間のSMAD7無処置またはプラセボによる処置期間(0週目〜3週目、8週目〜11週目、16週目〜19週目、24週目〜27週目、32週目〜35週目、40週目〜43週目、48週目〜51週目、56週目〜59週目、64週目〜67週目、72週目〜75週目、80週目〜83週目、88週目〜91週目、96週目〜99週目、104週目〜107週目、112週目〜115週目、120週目〜123週目、128週目〜131週目、136週目〜139週目、144週目〜147週目、152週目〜155週目、160週目〜163週目、168週目〜171週目、176週目〜179週目、184週目〜187週目、192週目〜195週目、および200週目〜203週目)と、これと交互の、最大26回のそれぞれ4週間のSMAD7 AONによる処置期間(4週目〜7週目、12週目〜15週目、20週目〜23週目、28週目〜31週目、36週目〜39週目、44週目〜47週目、52週目〜55週目、60週目〜63週目、68週目〜71週目、76週目〜79週目、84週目〜87週目、92週目〜95週目、100週目〜103週目、108週目〜111週目、116週目〜119週目、124週目〜127週目、132週目〜135週目、140週目〜143週目、148週目〜151週目、156週目〜159週目、164週目〜167週目、172週目〜175週目、180週目〜183週目、188週目〜191週目、196週目〜199週目、および204週目〜207週目)を含む。例えば、実施例3、表7〜10、図4を参照されたい。
一実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを約12週間の期間約40mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)IBD患者にSMAD7 AONをある期間約40mgの1日1回用量で投与するステップとを含む。例えば、図4および実施例3、表7〜10を参照されたい。一部の実施形態では、期間は、最大約196週間である。一部の実施形態では、期間は、約196週間よりも長い。一部の実施形態では、期間は、予め決定せず、例えば、結腸内視鏡検査、または回腸結腸内視鏡検査、バイオマーカーレベル、患者報告アウトカム、または本明細書に記載されている他の試験によって決定される、処置に対する患者の臨床応答に基づく。一部の実施形態では、IBDは、CDである。
一実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを約12週間の期間約40mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、b)約4週間の期間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、c)約4週間IBD患者にSMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、およびb)を1回繰り返すことを含む、ステップと、d)IBD患者にSMAD7 AONを最大約196週間最大約40mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、e)約4週間IBD患者にSMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、f)約4週間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにe)およびf)を合計最大約196週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。例えば、図4を参照されたい。一部の実施形態では、期間は、最大約196週間である。一部の実施形態では、期間は、約196週間よりも長い。一部の実施形態では、期間は、予め決定せず、例えば、結腸内視鏡検査、または回腸結腸内視鏡検査、バイオマーカーレベル、患者報告アウトカム、または本明細書に記載されている他の試験によって決定される、処置に対する患者の臨床応答に基づく。一部の実施形態では、IBDは、CDである。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、最大26回のそれぞれ4週間の薬物による処置期間(4週目〜7週目、12週目〜15週目、20週目〜23週目、28週目〜31週目、36週目〜39週目、44週目〜47週目、52週目〜55週目、60週目〜63週目、68週目〜71週目、76週目〜79週目、84週目〜87週目、92週目〜95週目、100週目〜103週目、108週目〜111週目、116週目〜119週目、124週目〜127週目、132週目〜135週目、140週目〜143週目、148週目〜151週目、156週目〜159週目、164週目〜167週目、172週目〜175週目、180週目〜183週目、188週目〜191週目、196週目〜199週目、および204週目〜207週目)と、これと交互の、最大26回のそれぞれ4週間の休薬期間(0週目〜3週目、8週目〜11週目、16週目〜19週目、24週目〜27週目、32週目〜35週目、40週目〜43週目、48週目〜51週目、56週目〜59週目、64週目〜67週目、72週目〜75週目、80週目〜83週目、88週目〜91週目、96週目〜99週目、104週目〜107週目、112週目〜115週目、120週目〜123週目、128週目〜131週目、136週目〜139週目、144週目〜147週目、152週目〜155週目、160週目〜163週目、168週目〜171週目、176週目〜179週目、184週目〜187週目、192週目〜195週目、および200週目〜203週目)を含む。例えば、実施例3、表7〜10を参照されたい。
一実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを約8週間の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)IBD患者にSMAD7 AONを最大約44週間約160mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)約4週間IBD患者にSMAD7 AONを約160mgの1日1回用量で投与すること、d)約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにc)およびd)をある期間繰り返すことを含む、ステップとを含む。例えば、図6を参照されたい。一部の実施形態では、期間は、最大約44週間である。一部の実施形態では、期間は、約44週間よりも長い。一部の実施形態では、期間は、予め決定せず、例えば、結腸内視鏡検査、または回腸結腸内視鏡検査、バイオマーカーレベル、患者報告アウトカム、または本明細書に記載されている他の試験によって決定される、処置に対する患者の臨床応答に基づく。一部の実施形態では、IBDは、UCである。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、最大5回のそれぞれ4週間のSMAD7 AONによる処置期間(12週目〜15週目、20週目〜23週目、28週目〜31週目、36週目〜39週目、および44週目〜47週目)と、これと交互の、最大6回のそれぞれ4週間の無処置またはプラセボによる処置期間(8週目〜11週目、16週目〜19週目、24週目〜27週目、32週目〜35週目、40週目〜43週目、および48週目〜51週目)を含む。例えば、図4を参照されたい。
一実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)IBD患者にSMAD7 AONを約8週間の期間約320mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)IBD患者にSMAD7 AONを最大約44週間約320mgの1日1回用量で交互投薬スケジュールを使用して投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)約4週間IBD患者にSMAD7 AONを約320mgの1日1回用量で投与すること、d)約4週間IBD患者にプラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにc)およびd)をある期間繰り返すことを含む、ステップとを含む。例えば、図6を参照されたい。一部の実施形態では、期間は、最大約44週間である。一部の実施形態では、期間は、約44週間よりも長い。一部の実施形態では、期間は、予め決定せず、例えば、結腸内視鏡検査、または回腸結腸内視鏡検査、バイオマーカーレベル、患者報告アウトカム、または本明細書に記載されている他の試験によって決定される、処置に対する患者の臨床応答に基づく。一部の実施形態では、IBDは、UCである。
一部の実施形態では、交互投薬スケジュールは、最大5回のそれぞれ4週間のSMAD7 AONによる処置期間(12週目〜15週目、20週目〜23週目、28週目〜31週目、36週目〜39週目、および44週目〜47週目)と、これと交互の、最大6回のそれぞれ4週間のプラセボまたは無処置期間(8週目〜11週目、16週目〜19週目、24週目〜27週目、32週目〜35週目、40週目〜43週目、および48週目〜51週目)を含む。例えば、図6を参照されたい。
交互投薬スケジュールを含む任意の実施形態では、交互投薬スケジュールは、薬物の投与(例えば、SMAD7 AONの投与)から開始することもでき、プラセボの投与または処置を行わないことから開始することもできる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の交互投薬スケジュールにおいて、第1にSMAD7 AONを投与し、第2にプラセボを投与するかまたは処置を行わない。
一部の実施形態では、1つまたは複数の交互投薬スケジュールにおいて、第1にプラセボを投与するかまたは処置を行わず、第2にSMAD7 AONを投与する。
本明細書に記載されている任意の投与スケジュールには同じスケジュールまたは本明細書に記載されている任意の他の投与スケジュールが先行し得る。
一部の実施形態では、IBD患者は、CD患者である。一部の実施形態では、IBD患者は、UC患者である。
節6.1.1.4.および6.1.1.8において考察されている通り、一部の実施形態では、第2の処置期間および/または第3の処置期間の全長は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、少なくとも約8週間、少なくとも約10週間、少なくとも約3カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約12カ月、少なくとも約18カ月、少なくとも約24カ月、少なくとも約30カ月、少なくとも約3年、少なくとも約4年、少なくとも約5年、少なくとも約6年、少なくとも約7年、少なくとも約8年、少なくとも約9年、または少なくとも約10年であり得る。
一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約12週間の期間約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約24週間約40mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)約4週間SMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、d)約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにc)およびd)をさらに2回繰り返すことを含む、ステップとを含む。例えば、実施例1、表3を参照されたい。
一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約8週間の間の期間(例えば、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、または約8週間)約40mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約40mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)約4週間SMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、d)約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにc)およびd)を合計52週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約8週間の間の期間(例えば、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、または約8週間)約40mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約40mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)約4週間SMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、d)約8週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにc)およびd)を合計52週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約8週間の間の期間(例えば、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、または約8週間)約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約40mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)約4週間SMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、d)約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにc)およびd)を合計52週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約8週間の間の期間(例えば、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、または約8週間)約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約40mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)約4週間SMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、d)約8週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにc)およびd)を合計52週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約12週間の間の期間(例えば、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、または約12週間)約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約40mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)約4週間SMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、d)約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにc)およびd)を合計52週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約12週間の間の期間(例えば、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、または約12週間)約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約40mgの1日1回用量を投与するステップとを含む。
一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約12週間の間の期間(例えば、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、または約12週間)約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約160mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)約4週間SMAD7 AONを約160mgの1日1回用量で投与すること、d)約4週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにc)およびd)を合計52週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
一部の実施形態では、本明細書において提示される処置レジメンと共に使用するための方法は、(a)CD患者にSMAD7 AONを約4週間から約12週間の間の期間(例えば、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、または約12週間)約160mgの1日1回用量で投与するステップと、(b)CD患者にSMAD7 AONを約52週間約40mgの1日1回用量を交互投薬スケジュールで投与するステップであって、交互投薬スケジュールが、c)約4週間SMAD7 AONを約40mgの1日1回用量で投与すること、d)約8週間プラセボを投与するかまたはSMAD7 AONを投与しないこと、ならびにc)およびd)を合計52週間繰り返すことを含む、ステップとを含む。
SMAD7 AONは、夜間を含めた1日の間の任意の時間に投与することができる。一部の実施形態では、SMAD7 AONを朝(例えば、およそ午前5時からおよそ午前11時の間、例えば、およそ午前5時、およそ午前6時、およそ午前7時、およそ午前8時、およそ午前9時、およそ午前10時、またはおよそ午前11時)に投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを昼頃(例えば、およそ午前11時からおよそ午後1時の間、例えば、およそ午前12時またはおよそ午後1時)に投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを午後(例えば、およそ午後1時からおよそ午後5時の間、例えば、およそ午後2時、およそ午後3時、およそ午後4時、またはおよそ午後5時)に投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを夕方(例えば、およそ午後5時からおよそ午後10時の間、例えば、およそ午後6時、およそ午後7時、およそ午後8時、およそ午後9時またはおよそ午後10時)に投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを夜(例えば、およそ午後10時からおよそ午前4時の間、例えば、およそ午後11時、およそ午後12時、およそ午前1時、およそ午前2時、およそ午前3時、またはおよそ午前4時)に投与する。
6.1.4 投与の速度および様式
一部の実施形態では、SMAD7 AONを経口投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを食物または飲料と一緒に投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを食物または飲料を伴わずに投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを朝食、昼食、または夕食などの食事と一緒に投与する。SMAD7 AONは、例えば、食事をとる直前、直後、またはそれと同時に投与することができる。一部の実施形態では、SMAD7 AONを朝、朝食の直前に投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを食事の少なくとも約5分前、少なくとも約10分前、少なくとも約20分前、少なくとも約30分前、少なくとも約45分前、少なくとも約60分前、少なくとも約75分前、少なくとも約90分前、または少なくとも約120分前に投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを食事後約5分以内、約10分以内、約20分以内、約30分以内、約45分以内、約60分以内、約75分以内、約90分以内、または約120分以内に投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを朝、朝食の直前に水(例えば、コップ1杯の水)と一緒に投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを朝、朝食の前約30分以内に投与する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONを1日1回、1日2回、または1日3回投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを1日1回投与する。一部の実施形態では、SMAD7 AONを2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、週に1回、10日に1回、2週間に1回、3週間に1回、1カ月に1回、6週間に1回、または2カ月に1回投与する。
6.1.5 追加的な処置
本明細書において提示される方法では、SMAD7 AONは、単独でも、1種または複数の追加的なIBD処置(例えば、SMAD7 AONではない抗SMAD7処置、または抗SMAD7処置ではないIBD処置)と組み合わせても投与することができる。
追加的なIBD処置(例えば、薬物錠剤)をSMAD7 AONと同時に投与することもでき、追加的な薬物をSMAD7 AONの前、またはその後に投与することもできる。
追加的なIBD処置は、SMAD7 AONと同じ経路(例えば、経口投与)を介しても、異なる経路(例えば、静脈内)を介しても投与することができる。
本明細書において提示される方法においてSMAD7 AONと組み合わせて投与することができる追加的なIBD処置としては、限定することなく、以下のアミノサリチル酸、抗生物質、ステロイド、免疫調節剤、または炎症性サイトカインアンタゴニスト、またはこれらの組合せのうちの1つもしくは複数が挙げられる:
アミノサリチル酸
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、アミノサリチル酸を含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、5−アミノサリチル酸(5−ASAまたはメサラミン)、スルファサラジン、バルサラジド、またはオルサラジンを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、2−ヒドロキシ−4−(4−(5−(2−メチル−3−フェニルプロパ−2−エニリデン)−4−オキソ−2−スルファニリデン−1,3−チアゾリジン−3−イル)ブタノイルアミノ)安息香酸、2−メトキシ−5−アミノ−N−ヒドロキシベンズアミド、3−メトキシサリチルアミン、4−(N−(4−シクロヘキシルベンジル)−2−(N,2,4,6−テトラメチルフェニルスルホンアミド)アセトアミド)−2−ヒドロキシ安息香酸、5−(7−ヒドロキシ−3−O−ホスホノコリル)アミノサリチル酸、5−アミノメチルサリチル酸、5−アミノサリチル−グリシン、5−アミノサリチルタウリン、アセチル4−アミノサリチル酸、アセチル−4−ジメチルアミノサリチル酸、アセチル−5−アミノサリチル酸、アミノサリチル酸、デルサラジン、デキストラン−5−アミノサリチル酸、Dolo−Menthoneurin、イプサラジド、2−ヒドロキシ−5−(N−((2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル)アミノ)安息香酸3−フェニルプロピルエステル、5−アミノサリチル酸メチル、N−アセチル−5−アミノサリチル酸、N−グルコピラノシル−5−アミノサリチル酸、N−メタクリロイル−5−アミノサリチル酸、N、N’−ビス(5−アミノサリチル)システイン、NO−メサラミン、NSC74859、オルサラジン−O−サルフェート、パシニアジド、4−アミノサリチル酸フェニル、サリチル酸ジエチルアミン、またはUR12746を含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、ホモスルファサラジン、メチルスルファサラジン、サラゾジメトキシン、サラゾジン、サリチルアゾイミノピリジン、スサリモド、またはTL−118などの、スルファサラジンに関連する化合物を含む。
抗生物質
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、抗生物質を含む。一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、ペニシリン、セファロスポリン、ポリミキシン、リファンピシン、リピアルマイシン(フィダキソマイシン)、キノロン、スルホンアミド、マクロライド、リンコサミド、テトラサイクリン、アミノグリコシド、環状リポペプチド、グリシルシクリン、またはオキシインドール(oxaindole)を含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、ベンジルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、ベンザチンベンジルペニシリン、ベンザチンフェノキシメチルペニシリン、ペニシリンG、ペニシリンGプロカイン、ペニシリンV、カルフェシリン、アンピシリン、ピバンピシリン、カルベニシリン、アモキシシリン、カリンダシリン、バカンピシリン、ピブメシリナム、アズロシリン、メズロシリン、ピペラリシン、チカルシリン、タランピシリン、スルベニシリン、ヘタシリン、プロピシリン、フェネチシリン、ジクロキサシリン、クロキサシリン、メチシリン、オキサシリン、フルクロキサシリン、ビアペネム、アパルシリン、アスポキシシリン、シクラシリン、クレミゾールペニシリン、イミペネム、レナンピシリン、ナフシリン、またはパニペネムなどのペニシリンを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、セファトリジン、セファマンドール、セフゾナム、セフピミゾール、セファピリン、セファロリジン、セフスロジン、セフォチアム、セフォラニド、セフテゾール(ceftexzole)、セフォキシチン、ラタモキセフ、フロモキセフ、セフメタゾール、セフォテタン、セフピラミド、セファログリシン、セファレキシン、セファドロキシル、セフロキサジン、セフラジン(ceferadine)、セファクロル、またはセフォペラゾンなどのセファロスポリンを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、ポリスポリン、ネオスポリン、ポリミキシンB、ポリミキシンE、ポリミキシンS、またはポリミキシンTなどのポリミキシンを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、18,19−ジヒドロリファンピシン、21−(O−ホスホリル)リファンピシン、23−(O−(ベータ−グルコピラノシル))リファンピシン、23−(O−リボフラノシル)リファンピシン、25−デアセチルリファンピシン、25−デスアセチルリファペンチン、3−ホルミル−21−(O−ホスホリル)リファマイシンSV、3−ホルミル−23−(O−(ベータ−グルコピラノシル))リファマイシンSV、3−ホルミル−23−(O−リボフラノシル)リファマイシンSV、CGP43371、CGS24565、コトリファジド、デヒドロリファンピシン、DMB−リファンピシン、Myrin P、リファマジド、リファンピシンN−オキシド、リファペンチン、リファプリム、リビサイクリン、またはSinerdol EHなどのリファンピシンを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、シノキサシン、ナリジクス酸、オキソリン酸、ピロミド酸、ピペミド酸、ロソクサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、ロメフロキサシン、ナジフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ペフロキサシン、ルフロキサシン、バロフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、パズフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、クリナフロキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、モキシフロキサシン、シタフロキサシン、トロバフロキサシン、プルリフロキサシン、デラフロキサシンJNJ−Q2、またはネモノキサシンなどのキノロンを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファジミジン、スルファフラゾール、スルフイソミジン(スルファイソジミジン)、スルファドキシン、スルファメトキサゾール、スルファモキソール、スルファジメトキシン、スルファメトキシピリダジン、スルファメトキシジアジン、スルファドキシン、またはスルファメトピラジンなどの抗細菌性スルホンアミドを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、テリスロマイシン、カルボマイシンA、ジョサマイシン、キタサマイシン、ミデカマイシン/ミデカマイシン酢酸エステル、オレアンドマイシン、ソリスロマイシン、スピラマイシン、トロレアンドマイシン、またはタイロシン(tylosin)/タイロシン(tylocine)などのマクロライドを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、7−アジド−7−デオキシリンコマイシン、7−デオキシリンコマイシン、抗生物質Bu2545、クロラムリンコマイシン、クリンダマイシン、Linco−HAP、リンコマイシンスルホン、リンコマイシンスルホキシド、リンコスペクチン、スパルソリンコマイシン、Stomapin、d1−N−エチルクリンダマイシン、ミリンカマイシン、ピルリマイシン、またはアデニル酸ピルリマイシンなどのリンコサミドを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、デメクロサイクリン、半合成、リメサイクリン、メクロサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、またはロリテトラサイクリンなどのテトラサイクリン系抗生物質を含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、ゲンタマイシン(genatmicin)、カナマイシンA、アミカシン、トブラマイシン、ジベカシン、ゲンタマイシン、シソマイシン、ネチルマイシン、ネオマイシンBおよびC、ネオマイシンE(パロモマイシン)、またはストレプトマイシンなどのアミノグリコシド系抗生物質を含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、ダプトマイシンおよびバッタシンなどの環状リポペプチド系抗生物質を含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、チゲサイクリンなどのグリシルシクリンを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、リネゾリド、ポシゾリド、トレゾリド、テジゾリド、ラデゾリド、またはサイクロセリンなどのオキサゾリジノンを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、過酸化ベンゾイル、リファキシミン、クロファジミン、イソニアジド、チニダゾール、バンコマイシン、またはメトロニダゾールを含む。
ステロイド
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、ステロイド、例えば、コルチコステロイドを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、ブデソニド、デキサメタゾン(例えば、21−酢酸エステル)、ベタメタゾン(例えば、17−吉草酸エステル)、チキソコルトールピバレート、トリアムシノロン、トリアムシノロン(例えば、アセトニド、アセトニド21−パルミチン酸、ジアセテート、またはヘキサアセトニド)、モメタゾン、アムシノニド、デソニド、フルオシノニド、ハルシノニド、フルオコルトロン、ヒドロコルチゾン、フルチカゾンプロピオン酸エステル、モメタゾンフランカルボン酸エステル(mometasone furotate)、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベクロメタゾン(例えば、ジプロピオネート(例えば、一水和物))、フルニソリド、またはメチルプレドニゾロン(例えば、酢酸エステルまたはコハク酸エステルナトリウム)などのコルチコステロイドを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、6−ヒドロキシデキサメタソン、9−フルオロコルチゾン、クロベタゾール(例えば、プロピオン酸エステル)、クロベタゾン、クロコルトロン(例えば、ピバレート)、コルチゾン(例えば、酢酸エステル)、ジクロリソン、ジフロラゾン(例えば、ジアセテート)、ジフルコルトロン、ドキシベタゾール、フルクモロン、フルメタゾン(例えば、ピバレート)、フルオシノロン(例えば、アセトニド)、フルオロヒドロキシアンドロステンジオン、フルオロメトロン(例えば、酢酸エステル)、フルオキシメステロン、フルプレジデン、フルプレドニゾロン、ハロメタゾン、ハロプレドン、ヒドロコルチゾン、イソフルプレドン(例えば、酢酸エステル)、メクロリソン、またはパラメタゾン(例えば、酢酸エステル)などのコルチコステロイドを含む。
免疫調節剤
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、免疫調節剤、例えば、免疫抑制剤を含む。一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、プリン類似体(例えば、アザチオプリン(AZA)および6−メルカプトプリン(6−MP))、葉酸類似体(例えば、メトトレキセート(MTX))、ピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル)、または細胞傷害性抗生物質(例えば、ダクチノマイシン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ミトラマイシン、アントラサイクリン、およびミノサイクリン)などの免疫調節剤を含む。一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、タクロリムス、ミトキサントロン、シクロホスファミド、ミコフェノール酸モフェチル、またはラパマイシンなどの免疫調節剤を含む。
炎症性サイトカインアンタゴニスト
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、炎症性サイトカインアンタゴニスト、例えば、腫瘍壊死因子(TNF)アンタゴニストまたはIL−10アンタゴニストを含む。一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、ベドリズマブ、ゴリムマブ、エタネルセプト、ペントキシフィリン、またはブプロピオンなどの炎症性サイトカインアンタゴニストを含む。
本明細書において提示される方法の一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、患者に、SMAD7 AONの最初の投与前に投与されている。一部の実施形態では、患者は、SMAD7 AONの最初の投与前、例えば、1週間よりも前、2週間よりも前、4週間よりも前、6週間よりも前、8週間よりも前、3カ月よりも前、6カ月よりも前、9カ月よりも前、1年よりも前、1.5年よりも前、2年よりも前、3年よりも前、4年よりも前、または5年よりも前に追加的なIBD処置を中止している。一部の実施形態では、追加的なIBD処置を患者に第1の処置期間中および/または第2の処置期間中に投与する。一部の実施形態では、追加的なIBD処置を第1の処置期間中および/または第2の処置期間中に漸減させる。一部の実施形態では、追加的なIBD処置を第1の処置期間の最後に完全に漸減させる。一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、コルチコステロイドであり、コルチコステロイドがSMAD7 AONの前に患者に投与されており、第1の処置期間の最後にコルチコステロイドを完全に漸減させる。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置はコルチコステロイドであり、コルチコステロイドがSMAD7 AONの前に患者に投与されており、コルチコステロイドを第1の処置期間および/または第2の処置期間の後の観察期間の最後に完全に漸減させる。
6.1.6 漸減
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、1種または複数の追加的なIBD処置(抗SMAD7療法以外;例えば、コルチコステロイド)を第1の処置期間中および/または第2の処置期間中に漸減させている。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始時にコルチコステロイドを受け、第1の処置期間中および/または第2の処置期間中にコルチコステロイドを部分的にまたは完全に漸減させている。一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間または第2の処置期間の最後に、コルチコステロイド不要の臨床的寛解を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始時にコルチコステロイドを受け、第1の処置期間および/または第2の処置期間の後の観察期間中にコルチコステロイドを部分的にまたは完全に漸減させている。
一部の実施形態では、IBDを有する患者に、第1の処置期間の一部または全部の間に1種または複数の追加的なIBD処置を投与する。一部の実施形態では、IBD患者は、第1の処置期間中に1種または複数の追加的なIBD処置を漸減させている。一部の実施形態では、IBD患者は、第1の処置期間中にコルチコステロイドを漸減させる(例えば、プレドニゾン)。一部の実施形態では、IBD患者は、コルチコステロイド、アミノサリチル酸、ブデソニド、または免疫抑制剤を含む追加的なIBD処置を漸減させる。一部の実施形態では、IBD患者は、コルチコステロイドを漸減させる。一部の実施形態では、IBD患者は、第1の処置期間の最後の1週間、最後の2週間、最後の3週間、最後の4週間、最後の5週間、最後の6週間、最後の7週間、最後の8週間、最後の9週間、または最後の10週間の間に追加的なIBD処置を漸減させる。一部の実施形態では、IBD患者は、第1の処置期間中に1種または複数の追加的なIBD処置を完全に漸減させる(第1の処置期間の最後にIBD患者に1種または複数の追加的なIBD処置をもはや投与しない)。一部の実施形態では、IBD患者は、第1の処置期間中に1種または複数の追加的なIBD処置を部分的に漸減させる(第1の処置期間の最後に、IBD患者に1種または複数の追加的なIBD処置を第1の処置期間の開始時よりも低い用量で投与する)。
一部の実施形態では、IBD患者は、第2の処置期間の一部または全部の間に1種または複数の追加的な処置を漸減させる。一部の実施形態では、IBD患者は、少なくとも第2の処置期間の1週目、2週目、3週目、4週目、5週目、6週目、7週目、8週目、9週目、または10週目の間に1種または複数の追加的な処置を漸減させる。
一部の実施形態では、漸減は、追加的なIBD処置の用量(例えば、1日用量、1週間用量、1カ月用量)を1日ごとに、2日ごとに、3日ごとに、4日ごとに、5日ごとに、6日ごとに、1週間ごとに、10日ごとに、2週間ごとに、または4週間ごとに減少させることを含む。
一部の実施形態では、漸減は、追加的なIBD処置の用量(例えば、1日用量、1週間用量、1カ月用量)を少なくとも約1%ずつ、少なくとも約3%ずつ、少なくとも約5%ずつ、少なくとも約10%ずつ、少なくとも約15%ずつ、少なくとも約20%ずつ、少なくとも約25%ずつ、または少なくとも約30%ずつ、少なくとも約40%ずつ、または少なくとも約50%ずつ減少させることを含む。
一部の実施形態では、漸減は、追加的なIBD処置の用量(例えば、1日用量、1週間用量、1カ月用量)を少なくとも1mgずつ、少なくとも2mgずつ、少なくとも3mgずつ、少なくとも4mgずつ、少なくとも5mgずつ、少なくとも6mgずつ、少なくとも7mgずつ、少なくとも8mgずつ、少なくとも9mgずつ、または少なくとも10mgずつ減少させることを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、IBDを有する患者に>10mgの1日用量で投与されているコルチコステロイド(例えば、プレドニゾン)であり、漸減は、1日用量を週に1回、約5mgずつ、1日当たり10mgの用量に達するまで減少させ、次いで、1日用量を週に1回、約2.5mgずつ、中止までさらに減少させることを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、IBDを有する患者に<10mgの1日用量で投与されているコルチコステロイド(例えば、プレドニゾン)であり、漸減は、1日用量を週に1回、約2.5mgずつ、中止までさらに減少させることを含む。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、IBDを有する患者に投与されているコルチコステロイド(例えば、ブデソニド)であり、漸減は、1日用量を3週間ごとに1回、約3mgずつ、中止まで減少させることを含む。
一部の実施形態では、第1の処置期間の前に1種または複数の追加的な処置を投与したIBDを有する患者は、1種または複数の追加的なIBD処置を用いずに寛解を達成する。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、コルチコステロイド不要の寛解を達成する。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第2の処置期間の24週目にコルチコステロイド不要の寛解を達成する。
6.2 活性のモニタリング
一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法は、IBDを有する患者の処置、病態、または病態に関連するバイオマーカーをモニタリングすることを伴う。処置をモニタリングすることは、処置の有効性および安全性の査定、ならびに処置を調節する必要性の評価に関して有用であり得る。処置をモニタリングすることは、患者に投与されているまたは患者にこれから投与されるSMAD7 AONの量を増加または減少させるべきかどうかの評価にも有用であり得る。さらに、処置をモニタリングすることは、SMAD7 AONの用量を調節する、すなわち、増加または減少させるべき量または相対量の決定に関して有用であり得る。
一部の実施形態では、本明細書において提示される方法は、IBDを有する患者におけるSMAD7 AONの活性を1つまたは複数の時点でモニタリングすることをさらに含む。1つまたは複数の時点は、例えば、最初のスクリーニング期間中、第1の処置期間中、観察期間中、第2の処置期間中、フォローアップ期間中、第3の処置期間中、またはこれらの組合せであってよい。一部の実施形態では、方法は、第1の処置期間中、第2の処置期間中および/または第3の処置期間中の、1つまたは複数の時点でSMAD7 AONの活性をモニタリングすることを含む。
モニタリングのための1つまたは複数の時点は、最初のスクリーニング期間、第1の処置期間、観察期間、第2の処置期間、フォローアップ期間、および第3の処置期間のうちの任意の1つまたは複数の任意の週の間であってよい。1つまたは複数の時点はそれぞれ、所与のSMAD7 AON投与前、またはその後の設定時間におけるものであってもよく、SMAD7 AON投与と同時であってもよい。
一部の実施形態では、1つまたは複数の時点のうちの1つの時点は、第1の処置期間の開始時またはその前後(例えば、第1の処置期間−0週目中)である。一部の実施形態では、2つまたはそれより多くの時点のうちの1つの時点は、第1の処置期間の最後またはその前後(例えば、第1の処置期間−4週目、8週目、または12週目中)である。一部の実施形態では、2つまたはそれより多くの時点のうちの1つの時点は、第1の処置期間の12週目中である。一部の実施形態では、2つまたはそれより多くの時点のうちの1つの時点は、第2の処置期間の開始時またはその前後(例えば、第2の処置期間−0週目中)である。一部の実施形態では、1つの時点は、第2の処置期間の最後またはその前後(例えば、第2の処置期間−4週目、8週目、12週目、16週目、20週目、24週目、28週目、32週目、36週目、40週目、44週目、48週目、または52週目中)である。
一部の実施形態では、2つまたはそれより多くの時点のうちの1つの時点は、第2の処置期間の24週目中である。一部の実施形態では、2つまたはそれより多くの時点のうちの1つの時点は、第2の処置期間の52週目中である。一部の実施形態では、1つまたは複数の時点のうちの1つの時点は、第3の処置期間の開始時またはその前後(例えば、第3の処置期間−0週目中)である。一部の実施形態では、2つまたはそれより多くの時点のうちの1つの時点は、第3の処置期間の最後またはその前後(例えば、第3の処置期間−4週目、8週目、12週目、24週目、52週目、104週目、または208週目中)である。一部の実施形態では、2つまたはそれより多くの時点のうちの1つの時点は、第3の処置期間の208週目中である。
モニタリング、例えば、IBDを有する患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルのモニタリングは、初回用量のSMAD7 AONの前、その最中、またはその後に開始することができる。さらに、モニタリングは、初回用量後に継続することができる。例えば、モニタリングは、初回用量の投与後に実施することができる。モニタリングはまた、SMAD7 AONの後続用量の前、その最中、またはその後にも実施することができる。モニタリングは、連続したものであっても不連続なものであってもよく、したがって、モニタリングは、定期的な間隔、例えば、各用量のSMAD7 AONを患者に投与した後、各用量のSMAD7 AONを患者に投与する前、または各用量のSMAD7 AONを患者に投与する前と投与した後に実施することができる。モニタリングは、1日に多数回(例えば、1日に2回、3回、4回、約5回、または約10回)、1日1回、1週間に多数回(例えば、1週間に2回、3回、4回、約5回、または約10回)、週に1回、1カ月に多数回(例えば、1カ月に2回、3回、4回、約5回、または約10回)、または1カ月に1回実施することができる。本発明の方法では、モニタリングは、投与するステップに対して種々の時間に実施することができる。例えば、一部の実施形態では、モニタリングは、投与するステップの直後、または少なくとも1日後、少なくとも3日後、少なくとも5日後、少なくとも1週間後、少なくとも2週間後、少なくとも3週間後、少なくとも1カ月後、少なくとも2カ月後、少なくとも4カ月後、または少なくとも6カ月後に実施することができる。
上記の通り、本発明は、CCL20のレベルを使用してIBDを有する患者におけるSMAD7 AONを用いた管理および処置を評価および修正することができるという発見に一部基づく。したがって、本発明の実施形態では、IBDを有する患者の、またはIBDを有する患者由来の試料中のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを知る、決定する、分析する、または比較することが有用である。例えば、一部の例では、SMAD7 AONのレベルを上昇させるべきか、低下させるべきか、または手を加えないままにするべきかを決定するために、正常なまたは異常なIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの閾値を知ることが有用になる。本明細書に記載されている方法において、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルは、特定の値に関係する可能性がある。一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルは、様々な因子、例えば、年齢、性別、民族起源、喫煙習慣、食習慣、肥満度指数(BMI)、および/または運動習慣に関して患者とマッチさせた健康な対照群におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの中央値と比較することによって決定することができる。
IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αおよび/または他の分析物のレベルは、患者由来の試料を得ることによって決定することができる。本明細書に記載されている方法によると、試料は、組織試料(例えば、胃腸組織試料)であっても体液試料(例えば、唾液試料、便、または尿試料)であってもよい。試料は、患者組織生検、例えば、粘膜組織生検、例えば、腸粘膜組織生検から得た試料であってよい。さらに、試料は、血液試料、血清試料、または血漿試料であってよい。試料は、糞便試料であってよい。対象由来の血液試料は、当技術分野で周知の技法を使用して得ることができる。血液試料は、末梢血単核細胞(PMBC)、RBC枯渇全血、または血清を含んでよい。PBMCは、種々の密度勾配(例えば、フィコール密度勾配)遠心分離手順を使用して全血試料から分離することができる。例えば、全血(例えば、抗凝固処理した全血)を分離用媒体の上に重ね、遠心分離する。遠心分離ステップの最後に、以下の層:血漿/血小板、PBMC、分離用媒体および赤血球/顆粒球を上から下まで視覚的に観察する。
処置をモニタリングする方法としては、これだけに限定されないが、他の分析物(例えば、IL8、CRP、TNFα)のレベル、CDAIスコア、臨床的寛解、およびIBDの症状の存在または重症度を含めた他の因子をモニタリングする方法も挙げることができる。
分析物(例えば、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3α)のレベルを測定する本発明の実施形態では、種々の方法を使用して分析物を測定することができる。例えば、分析物、例えば、IL−10、IL−5、IL−13、IL−25、REG3α、CCL20、IL8、TNFα、FCPまたはCRPのレベルは、免疫化学によって、および/またはヌクレオチド分析によって決定することができる。免疫化学によって分析物の濃度を決定する方法としては、これだけに限定されないが、ウェスタンブロッティング、ELISA、および免疫染色法が挙げられる。一部の実施形態では、分析物の濃度を免疫化学によって決定する方法を、目的の分析物に結合することができる抗体、例えば、抗IL−10抗体、抗FCP抗体、抗IL−5抗体、抗IL−13抗体、抗IL−25抗体、または抗REG3α抗体を使用して実施する。免疫化学によって分析物の濃度を決定する方法は、緩衝液、ブロッキング試薬、コンジュゲートしていない一次抗体、ならびに、抗体の検出を可能にするタグ、例えば蛍光プローブもしくは基質に特異的な酵素とコンジュゲートした一次抗体および/または二次抗体の使用も伴い得る。
ヌクレオチド分析によって分析物の濃度を決定する方法としては、これだけに限定されないが、ノーザンブロッティングおよびポリメラーゼ連鎖反応法、例えば、定量的ポリメラーゼ連鎖反応法などの、分析物のmRNA転写レベルを分析する方法が挙げられる。ヌクレオチド分析は、分析物のヌクレオチド配列(例えば、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのヌクレオチド配列)に結合するオリゴヌクレオチドプローブ、または、分析物のヌクレオチド配列を、ポリメラーゼ連鎖反応を介して、例えば、定量的ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅させることが可能なオリゴヌクレオチドプライマーの対を使用して実施することができる。オリゴヌクレオチドプローブおよびオリゴヌクレオチドプライマーは、例えば蛍光タグなどの検出可能なタグに連結することができる。ヌクレオチド分析による分析物の濃度の決定では、実践者は、試料中の特定の分析物のmRNA転写物濃度を評価することができる。あるいは、ヌクレオチド分析による分析物の濃度の決定では、実践者は、分析物のmRNA転写物の存在量の測定に基づいて分析物タンパク質濃度を推定するために、特定の分析物のmRNA転写物の存在量と特定の分析物のタンパク質の存在量の相関を確立することができる。
特許請求された発明の方法は、in vitroで行うことができるステップを含む。例えば、対象におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルを測定するステップ、試料中のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルを決定するステップ、および/またはCDAIスコアを決定するもしくはCDAIスコアを決定するために必要な測定を行うステップをin vitroで行うことができることが企図されている。例えば、試料中のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは、in vitroにおいて試料に対する免疫化学またはヌクレオチド分析を実施することによって決定することができる。あるいは、本発明の一部の実施形態では、IBDを有する患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルを決定し、分析するステップ、試料中のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルを決定し、分析するステップ、および/またはCDAIスコアを決定するもしくはCDAIスコアを決定するために必要な測定を行うステップをin vivoで行うことができる。
免疫化学に適した抗IL8抗体が、これだけに限定されないが、Abcamからのヤギ抗ヒトIL8(Cat番号ab10769)、Santa Cruzからのマウス抗ヒトIL8(Cat番号sc−73321、sc−52870、およびsc−7302)、Pierceからのマウス抗ヒトIL8(3IL8−H10)(Cat番号M801)、およびSigma−Aldrichからのマウス抗ヒトIL8(Cat番号WH0003576M5)抗体を含め、市販されている。
免疫化学に適した抗TNFα抗体が、これだけに限定されないが、Abcamからのウサギ抗ヒトTNFα(Cat番号ab9635)、Cell Signaling Technologyからのウサギ抗ヒトTNFα(Cat番号3707)、affymetrix eBioscienceからのマウス抗ヒトTNFα(Cat番号14−7348−81)、およびRockland Antibodies & Assaysからのウサギ抗ヒトTNFα(Cat番号209−401−306S)抗体を含め、市販されている。
免疫化学に適した抗CRP抗体、例えば、Santa Cruz Biotechnologyからのヤギ抗ヒトCRPポリクローナル抗体(カタログ番号sc−18304およびsc−18306)、Santa Cruz Biotechnologyからのウサギ抗ヒトCRPポリクローナル抗体(カタログ番号sc−30047)、Santa Cruz Biotechnologyからのマウス抗ヒトCRPモノクローナル抗体(カタログ番号sc−70883)、Sigma−Aldrichからのマウス抗ヒトCRPモノクローナル抗体(カタログ番号C1688−.2ML)、abcamからのウサギ抗ヒトモノクローナル抗体(カタログ番号ab32412)、abcamからのマウス抗ヒトCRPモノクローナル抗体(カタログ番号ab13426)、およびThermo Scientificからのヤギ抗ヒトCRPポリクローナル抗体(カタログ番号G0301−1B)などが、市販されている。
免疫化学に適した抗CCL20抗体、例えば、R&D Systemsからのマウス抗ヒトCCL20モノクローナル抗体(カタログ番号MAB360)、Sigma Aldrichからのヤギ抗ヒトCCL20ポリクローナル抗体(カタログ番号SAB2501804)、Origeneからのマウス抗ヒトCCL20モノクローナル抗体(カタログ番号TA316597)、Origeneからのヤギ抗ヒトCCL20ポリクローナル抗体(カタログ番号TA316596)、Abnovaからのヤギ抗ヒトCCL20ポリクローナル抗体(カタログ番号PAB17268)、Abnovaからのウサギ抗ヒトCCL20ポリクローナル抗体(カタログ番号PAB16925)、Abnovaからのマウス抗ヒトCCL20モノクローナル抗体(カタログ番号MAB1314)、Santa Cruz Biotechnologyからのヤギ抗ヒトCCL20ポリクローナル抗体(カタログ番号sc−9775)、およびAbcamからのウサギ抗ヒトCCL20ポリクローナル抗体(カタログ番号ab9829)が市販されている。
免疫化学に適した抗FCP抗体、例えば、Hycult Biotechからのマウス抗ヒトカルプロテクチンモノクローナル抗体(カタログ番号HM2156)が市販されている。
免疫化学に適した抗IL−5抗体、例えば、Abcamからのウサギ抗ヒトIL−5抗体(カタログ番号ab9624)が市販されている。
免疫化学に適した抗IL−13抗体、例えば、PeproTechからのウサギ抗ヒトIL−13抗体(カタログ番号500−P13)が市販されている。
免疫化学に適した抗IL−25抗体、例えば、Novus Biologicalsからのマウス抗ヒトIL−25抗体およびウサギ抗ヒトIL−25抗体(カタログ番号AF1147、NBP1−98493、H00056005−M03、NBP1−98494、およびH00056005−B01P)が市販されている。
免疫化学に適した抗REG3α抗体、例えば、Thermo Scientificからのウサギ抗ヒトREG3α抗体(カタログ番号PA5−23341、PA5−26219、およびPA−28780)が市販されている。
免疫化学に適した抗IL−10抗体、例えば、Abcamからのウサギ抗ヒトIL−10抗体(カタログ番号ab34843)が市販されている。
一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αおよび/または他の分析物の濃度は、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定することができる。具体的には、試料、特に血液試料、例えば血清試料中のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αおよび/または他の分析物のレベルをELISAによって決定することができる。一部の実施形態では、糞便試料中の分析物、例えばFCPのレベルをELISAによって決定することができる。ELISAによる分析物の濃度のアッセイには、分析物タンパク質に対する少なくとも1種の抗体、例えば、少なくとも1種の抗IL−10抗体、抗FCP抗体、抗IL−5抗体、抗IL−13抗体、抗IL−25抗体、もしくは抗REG3α抗体、および/または少なくとも1種の二次抗体、例えば、少なくとも1種の標識された二次抗体が必要である。一部の実施形態では、一次抗体を、例えば蛍光標識で標識する。ある特定の実施形態では、一次抗体は標識せず、一次抗体の種アイソタイプに結合することができる二次抗体を、例えば、蛍光プローブ、または、特異的な基質と反応し、それにより検出可能なシグナルをもたらすことができる酵素で標識する。
ELISAの実施には、少なくとも1種の捕捉用抗体、少なくとも1種の検出用抗体、および/または少なくとも1種の酵素と連結したもしくは蛍光標識した二次抗体が必要である。例えば、ELISAによるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルのアッセイには、抗IL−10抗体、抗FCP抗体、抗IL−5抗体、抗IL−13抗体、抗IL−25抗体、または抗REG3α抗体が捕捉用抗体として必要になり得る。抗IL−10抗体、抗FCP抗体、抗IL−5抗体、抗IL−13抗体、抗IL−25抗体、または抗REG3α抗体をポリスチレンマイクロタイタープレートなどの固体支持体上に固定する。次いで、試料、例えば血清試料を添加し、結合した抗体と複合体を形成させる。結合していない血清構成成分を洗浄によって除去する。検出用抗体、例えば、異なる抗IL−10抗体、抗FCP抗体、抗IL−5抗体、抗IL−13抗体、抗IL−25抗体、または抗REG3α抗体、例えば、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αタンパク質の捕捉用抗体とは異なる部分に結合する抗IL−10抗体、抗FCP抗体、抗IL−5抗体、抗IL−13抗体、抗IL−25抗体、または抗REG3α抗体を添加し、捕捉されたIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αに結合させる。検出用抗体は、酵素などの検出可能なタグに、直接、または間接的に、例えば、検出用抗体を特異的に認識する二次抗体を通じて連結させる。一般には、各ステップの間に、タンパク質が結合したプレートを洗浄緩衝液、例えば、マイルドな界面活性剤溶液で洗浄する。典型的なELISAプロトコールは、1つまたは複数の遮断ステップも含み、これは、タンパク質試薬のプレートへの望ましくない非特異的結合を遮断するために、ウシ血清アルブミンなどの非特異的結合性タンパク質の使用を伴う。最終的な洗浄ステップ後、適切な酵素基質を添加することによってプレートを展開させて、試料中のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αタンパク質の量を示す可視シグナルを生じさせる。基質は、例えば、発色基質または蛍光発生基質であってよい。ELISAの方法、試薬および設備は、当技術分野で周知であり、市販されている。
一部の実施形態では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αおよび/または他の分析物のレベルは、「ヌクレオチド分析」を実施することによって決定することができる。ヌクレオチド分析は、試料、例えば血液試料中の分析物のヌクレオチド転写レベル(例えば、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのmRNA転写レベル)を分析することを含んでよい。分析物の転写レベルは、ノーザンブロット、例えば、定量的ノーザンブロット、またはポリメラーゼ連鎖反応、例えば、定量的ポリメラーゼ連鎖反応によって決定することができる。ノーザンブロットを実施するために必要な試薬としては、オリゴヌクレオチドプローブ、例えば、検出可能な標識に連結したオリゴヌクレオチドプローブが挙げられる。検出可能な標識としては、特異的な基質と反応することができる蛍光標識または酵素を挙げることができる。ポリメラーゼ連鎖反応を実施するために必要な試薬としては、特定の分析物のmRNA転写物に特異的に結合し、ポリメラーゼ連鎖反応によって分析物のmRNA転写物の数を増幅させることができるオリゴヌクレオチドプライマーが挙げられる。オリゴヌクレオチドプライマーは、例えば、定量的ポリメラーゼ連鎖反応を可能にするために、検出可能な標識に連結することができる。定量的ポリメラーゼ連鎖反応を実施するために必要な他の試薬としては、これだけに限定されないが、対照転写物シグナル、例えば、ベータチューブリン転写物シグナルを増幅させることができるプライマーが挙げられる。ノーザンブロッティングおよびポリメラーゼ連鎖反応を実施するために必要な緩衝液、試薬(オリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブを含めて)、技法、および設備は容易に入手可能であり、また、当技術分野で周知である。
本明細書に記載されている発明は、一部において、SMAD7アンチセンス療法に応答するいくらかの可能性を示す患者を選択することによって患者を処置する方法を提供する。抗SMAD7療法に応答する可能性は、一部において、IBDの患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベル、例えば、既存のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベル(すなわち、初回用量のSMAD7 AONを投与する前の患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベル)または初回用量もしくは1つもしくは複数の後続用量のSMAD7 AONの後に決定されるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルを決定することを前提とする。例えば、本発明の一部の実施形態では、患者は、絶対的もしくは相対的なIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベル、またはIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルの変化の検出または分析の後、SMAD7 AONを用いた処置またはさらなる処置のために選択される。IBDの患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルをIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αの正常レベル、例えば、マッチさせた対照群におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αのレベルの中央値によって定義されるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αの正常レベルまたはIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、もしくはREG3αの絶対的なレベルと比較することができる。
一部の実施形態では、患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが、マッチさせた対照群におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの代表値、中央値または平均値と比べて10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%超高い場合、患者は、SMAD7 AONを用いた処置またはさらなる処置のために選択される。
一部の実施形態では、患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが、マッチさせた対照群におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの代表値、中央値または平均値と比べて2倍超、3倍超、4倍超、5倍超、6倍超、7倍超、8倍超、9倍超または10倍超高い場合、患者は、SMAD7 AONを用いた処置またはさらなる処置のために選択される。
一般には、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは、試料の体積、例えば、血液または組織の体積当たりのIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αタンパク質、ペプチド、またはRNAの濃度、例えば質量の単位で測定される。したがって、最初の処置または継続処置のための患者の選択は、患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルと関係し、したがって、例えば、最初のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが高いことにより、SMAD7 AONによる処置に対する応答性の潜在性が示され得る。さらに、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが高いこと(すなわち、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルを超えていること)により、SMAD7 AONの用量を増加させる必要性が示され得、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αレベルが正常または正常未満であることにより、特に1つまたは複数の用量後のSMAD7 AONの用量を減少させるまたは変化させない必要性が示され得る。あるいは、反復用量の後にIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが正常を超えたままであることにより、患者が処置に応答しないことが示され得る。
したがって、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルを超えている場合、患者にSMAD7 AONの初回用量および/または後続用量を投与することができる。一部の実施形態では、初回用量を投与する前に、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルを超えていることがすでに分かっている。一部の実施形態では、IBDの患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを、初回用量を投与する前に決定する。一部の実施形態では、初回用量のSMAD7 AONの後にIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを分析し、それがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルを超えていることが決定された場合、患者に、SMAD7 AONの後続用量、例えば、初回用量よりも高い用量または初回用量と等しい用量を投与する。あるいは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを分析し、それがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベル未満であることが決定された場合、患者に、SMAD7 AONの後続用量、例えば、初回用量と等しいまたはそれよりも低い用量を投与することができる。
さらに他の実施形態では、IBDの患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを分析し、決定することができ、次いで、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルを超えている場合、初回用量のSMAD7 AONを患者に投与することができる。さらに、一部の実施形態では、初回用量のSMAD7 AONの後に、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを決定することができ、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルを超えている場合には、初回用量よりも高いまたはそれと等しいSMAD7 AONの後続用量を患者に投与することができる。あるいは、初回用量のSMAD7 AONの後に、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを決定することができ、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベル未満である場合には、初回用量よりも低いまたはそれと等しいSMAD7 AONの後続用量を患者に投与することができる。
さらに他の実施形態では、本発明は、IBDの患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを分析し、決定することができ、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルを超えている場合、初回用量のSMAD7 AONを患者に投与することができ、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルを最初の投与後に分析し、初回用量を投与した後のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが初回用量を投与する前のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルよりも低い場合には、患者に初回用量と同じまたは初回用量よりも低い後続用量を投与する、方法を提供する。あるいは、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが、初回用量を投与した後に、初回用量を投与する前のIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルと比較して変化していなまたは上昇している場合には、患者に初回用量と同じもしくは初回用量よりも高い後続用量を投与する、または処置を終了する。
したがって、企図されている発明は、患者におけるIBDを、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルの分析および決定ならびにSMAD7 AON投与に対する患者の応答性に基づいて多数の処置シナリオを説明することによって処置および管理するための種々の方法を提供する。
例えば、SMAD7 AONの投与後に患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルを超えている場合、SMAD7 AONの用量を同じにして、または用量を増加させて、処置を継続することができる。
SMAD7 AONの投与後に患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベル未満である場合、SMAD7 AONの用量を同じにして、または用量を減少させて、処置を継続することができる。
初回用量および1つまたは複数の後続用量のSMAD7 AONの後、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルがIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αの正常レベルを超えたままであるまたは正常レベル未満のままである場合、処置を終了することができる。例えば、患者が寛解の状態であることから、患者が処置に応答しない、または患者に最大耐量が投与されたことから、処置を終了することができる。
一部の例では、1つまたは複数の用量のSMAD7 AONの後、患者におけるIL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが低下した場合、それは、患者が処置に応答していることを示す可能性がある。これらの患者では、後続用量のSMAD7 AONを投与することができるが、前回用量(複数可)と比較して同じ用量または低い用量である。
一部の例では、初回用量または1つもしくは複数の後続用量のSMAD7 AONの後、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルが安定であるまたは上昇した場合、それは、患者が処置に応答していないことを示す可能性がある。これらの患者では、後続用量のSMAD7 AONを投与することができるが、前回用量(複数可)と比較して高い用量である。あるいは、例えば、用量が最大耐量に近づいた場合、処置を中止することができる。
一部の例では、患者が、SMAD7 AONの投与後に、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベル以外の臨床的因子によって決定される臨床的寛解を達成したが、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルは基本的に変化しないままであるまたは正常を超えている場合には、SMAD7 AONによる処置を終了することができる。そのような場合では、IL−10、FCP、IL−5、IL−13、IL−25、またはREG3αのレベルはIBDの進行を示すものではない可能性があるが、他の因子、例えば、別の炎症性疾患に起因して上昇している可能性がある。
一部の実施形態では、第1の処置期間の1週目(例えば、0週目)中のある時点でベースライン(例えば、ベースラインスコア、レベル、または値)を分析する。一部の実施形態では、抗SMAD7療法を最初に投与する前(例えば、少なくとも1週間前、少なくとも2週間前、少なくとも4週間前、少なくとも6週間前、少なくとも2カ月前、少なくとも3カ月前、少なくとも6カ月前、少なくとも9カ月前、少なくとも1年前、少なくとも3年前、または少なくとも5年前)にベースラインを分析する。一部の実施形態では、IBDの慢性期中(フレアアップ)、例えば、抗SMAD7療法を最初に投与する前に、ベースラインを分析する。一部の実施形態では、患者が寛解の状態にあるとき(例えば、抗SMAD7療法以外のIBD処置であり得る以前のIBD処置を受けている間)にベースラインを分析する。一部の実施形態では、ベースラインは、処置前のいくつかの時点からの平均スコアである。
一部の実施形態では、IBDを有する患者におけるSMAD7 AONの活性のモニタリングは、例えば、第1の処置期間中、第2の処置期間中および/または第3の処置期間中、IBDを有する患者がSMAD7 AONに対する応答(例えば、SES−CDスコアの、ベースラインから≧25%または≧50%の減少;CDAIスコアの、ベースラインから≧100点の減少;PRO−2スコアの、ベースラインから≧8点の減少;1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコアの、ベースラインから≧1点の減少、および/または腹痛スコアの、ベースラインから≧1点の減少、TMSスコアの、ベースラインから≧30%および≧3点の減少;ESサブスコアの、ベースラインから≧1の減少;PMSスコアの、ベースラインから≧25%および≧2点の減少;あるいはMMSスコアの、ベースラインから≧25%および≧2点の減少)を示した時点を決定することを含む。
一部の実施形態では、IBDを有する患者におけるSMAD7 AONの活性のモニタリングは、例えば、第1の処置期間中、第2の処置期間中および/または第3の処置期間中、IBDを有する患者が寛解(例えば、SES−CDスコア≦2;CDAIスコア<150;PRO−2スコア≦8;腹痛スコア≦1および/または1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度≦1.5;TMSスコア≦2点;ESサブスコア=0;PMSスコア≦2またはMMSスコア≦2)を得た時点を決定することを含む。
一部の実施形態では、IBDを有する患者におけるSMAD7 AONの活性のモニタリングは、IBDを有する患者における内視鏡アウトカム、臨床的活性パラメータ、安全性もしくは忍容性パラメータ、小腸炎もしくは組織損傷のバイオマーカー、組織学的スコア、腸粘膜生検におけるバイオマーカーの発現、またはSMAD7 AONへの全身曝露を分析することを含む。
一部の実施形態では、IBDを有する患者におけるSMAD7 AONの活性のモニタリングは、生活の質(QOL)および医療経済査定(Health Economics Assessment)(HEA)(例えば、Medical Outcome Study Short Form 36−item Health Survey、バージョン2(SF−36 v2);IBD Questionnaire;Work Productivity and Activity impairment Questionnaire for CD(WPAI−CD);European Quality of Life−5 Dimensions Questionnaire(ED−5D);Harvey−Bradshaw Index(HBI))を分析することを含む。
一部の実施形態では、IBDを有する患者におけるSMAD7 AONの活性のモニタリングは、内視鏡検査(例えば、結腸内視鏡検査、軟性直腸S状結腸内視鏡検査)および腸粘膜生検、総メイヨースコア(TMS)、部分的メイヨースコア(PMS)、改変メイヨースコア(MMS)を分析することを含む。
一部の実施形態では、内視鏡アウトカムの分析は、クローン病簡易内視鏡スコア(SES−CD)を分析することを含む。一部の実施形態では、SES−CDを第1の処置期間の4週目中または12週目中のある時点で分析する。一部の実施形態では、SES−CDの分析は、潰瘍の存在およびサイズ、潰瘍化した表面の程度、患部表面の程度、または、回腸、右結腸、横行結腸、左結腸、直腸、もしくは列挙されている結腸領域の組合せもしくは全てにおける狭小化の存在および型を分析することを含む。
一部の実施形態では、SES−CDを第2の処置期間の4週目中、8週目中、12週目中、16週目中、20週目中、24週目中、28週目中、32週目中、36週目中、40週目中、44週目中、48週目中、または52週目中のある時点で分析する。一部の実施形態では、SES−CDを第3の処置期間の4週目中、8週目中、12週目中、24週目中、36週目中、52週目中、104週目中、156週目中、208週目中のある時点で分析する。
一部の実施形態では、SES−CDの分析は、絶対的なSES−CDを分析することを含む。一部の実施形態では、SES−CDの分析は、SES−CDのベースラインからの変化(例えば、SES−CDの増加または減少)を分析することを含む。
一部の実施形態では、SES−CDの変数は、表1に従って定義される。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、SES−CDがベースラインから≧25%または≧50%減少する場合、SMAD7 AONに対する応答を示す。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、SES−CDがベースラインと比べて4点減少する場合、SMAD7 AONに対する応答を示す。一部の実施形態では、ベースラインSES−CDは、第1の処置期間の開始時またはその前後、例えば、0週目中のある時点におけるSES−CDである。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、SES−CDが≦2である場合、寛解を得る。
一部の実施形態では、内視鏡アウトカムは、粘膜治癒を含む。一部の実施形態では、粘膜治癒は、潰瘍化がないことを含む。一部の実施形態では、粘膜治癒を第1の処置期間の12週目中のある時点で分析する。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、SES−CDが≦2である場合、粘膜治癒を得る。
一部の実施形態では、組織学的スコアの分析は、IBDを有する患者の腸粘膜の絶対的な組織学的スコアを分析することを含む。一部の実施形態では、組織学的スコアの分析は、IBDを有する患者の腸粘膜の組織学的スコアのベースラインからの変化を分析することを含む。一部の実施形態では、組織学的スコアの分析は、第1の処置期間の12週目中のある時点でIBDを有する患者の腸粘膜の組織学的スコアのベースラインからの変化を分析することを含む。
一部の実施形態では、組織学的スコアの分析は、第2の処置期間の12週目中または24週目中のある時点でIBDを有する患者の腸粘膜の組織学的スコアのベースラインからの変化を分析することを含む。一部の実施形態では、組織学的スコアの分析は、第3の処置期間の12週目中、24週目中、36週目中、52週目中、104週目中、156週目中、208週目中のある時点でIBDを有する患者の腸粘膜の組織学的スコアのベースラインからの変化を分析することを含む。
一部の実施形態では、内視鏡アウトカムの分析は、クローン病内視鏡的重症度指数(CDEIS)を分析することを含む。
一部の実施形態では、臨床的活性パラメータの分析は、クローン病活動指数(CDAI;範囲0〜600)を分析することを含む。
CDAIは、主に炎症性の疾患を有するCD患者における新しい療法の有効性を評価する臨床研究における有用な評価基準である。この指数は、対象により記入される自己査定質問票に一部基づく。自己査定質問票は、当技術分野で公知である。CDAIにより、CDが対象の生活の質にどのように影響を及ぼすかどうか、および処置の効果を評価することができる。CDAIの決定には、数値的にスコア化され、重み付けされた患者の応答と共に自己査定質問票を加工することが伴ってよい。次いで、疾患の重症度に応じてスコア(範囲0〜600)に分類する。軽度の活動性疾患はスコアが≧150かつ≦219であることによって定義することができ、中程度の活動性疾患はスコアが≧220かつ≦450であることによって定義することができ、重症の疾患は、CDAIスコアが>450であることと定義することができる。寛解は、CDAIスコアが<150であることと定義することができる。CDAIの決定には、例えば、1日当たりの液状便または軟便の回数(例えば、7日間毎日)、腹痛/痙攣(例えば、7日間毎日)、全般的なウェルビーイング(例えば、7日間毎日)、合併症、例えば、関節炎もしくは関節痛、虹彩炎もしくはぶどう膜炎、結節性紅斑、壊疽性膿皮症、またはアフタ性潰瘍、裂肛、痔瘻、もしくは肛門膿瘍などの数、他の、前の週の間の37.8℃を超える瘻孔による発熱、下痢に対するロペラミド、ジフェノキシレート、またはアヘン剤の服用、腹部腫瘤、ヘマトクリットが男性では0.47未満、女性では0.42未満であること、標準体重を上回るもしくは下回る偏差の百分率を含めたいくつかの変数を考慮することができる。
一部の実施形態では、CDAIスコアの分析は、絶対的なCDAIスコアを分析することを含む。一部の実施形態では、CDAIスコアの分析は、CDAIスコアのベースラインからの変化(例えば、CDAIスコアの増加または減少)を分析することを含む。
一部の実施形態では、ベースラインCDAIは、第1の処置期間の開始時またはその前後、例えば、0週目中のある時点でのCDAIである。
一部の実施形態では、CDAIスコアを第1の処置期間中、第2の処置期間中および/または第3の処置期間中の1つまたは複数の時点で分析する。一部の実施形態では、CDAIを第1の処置期間の開始時(例えば、第1の処置期間の0週目中のある時点で)および第1の処置期間の最後に(例えば、第1の処置期間の4週目中、8週目中、または12週目中のある時点で)分析する。一部の実施形態では、CDAIを第2の処置期間の開始時(例えば、第2の処置期間の0週目中のある時点で)および第2の処置期間の最後に(例えば、第2の処置期間の4週目中、8週目中、12週目中、16週目中、20週目中、24週目中、28週目中、32週目中、36週目中、40週目中、44週目中、48週目中、または52週目中のある時点で)分析する。
一部の実施形態では、CDAIを第3の処置期間の開始時(例えば、第3の処置期間の0週目中のある時点で)および第3の処置期間の最後に(例えば、第3の処置期間の24週目中、52週目中、104週目中、156週目中、または208週目中のある時点で)分析する。
一部の実施形態では、CDAIの分析は、応答の部分的消失までの時間を分析することを含む。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、CDAIがベースラインから≧100点減少する場合、SMAD7 AONに対する臨床応答を示す。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、絶対的なCDAIスコアが<180であり、CDAIスコアがベースラインから≧70点減少する場合、臨床的改善を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、CDAIが<150である場合、寛解を得る。
一部の実施形態では、臨床的活性パラメータの分析は、患者報告アウトカム(PRO)を分析することを含む。PRO分析は患者が自身の症状を数量化することを伴い、これは、IBDの重症度の査定において有用であり得る。CDについての2項目の患者報告アウトカム(PRO−2)では、2つのCDAI変数、例えば、液状便または軟便頻度および腹痛を考慮する。PRO−2スコアを決定するための方法は当技術分野で周知である。例えば、患者の質問票または日誌に提示されている情報に基づいて総PRO−2スコアを算出することができる。1日当たりの液状便または軟便頻度および腹痛のスコアを7日間にわたって平均し、例えば、同じくCDAIの決定中に適用する増倍係数を使用して重み付けすることができる。一部の実施形態では、8点、14点、および34点のPRO−2値は、150点、220点、および450点のCDAIスコアに対応し得、2点、5点、および8点のPRO−2スコアのベースラインからの変化は、50点、70点、および100点のCDAIスコアの変化に対応し得る。
一部の実施形態では、臨床的活性パラメータの分析は、2項目の患者報告アウトカム(PRO−2)スコアを分析することを含む。
一部の実施形態では、PRO−2スコアの分析は、絶対的なPRO−2スコアを分析することを含む。一部の実施形態では、PRO−2スコアの分析は、PRO−2スコアのベースラインからの変化(例えば、PRO−2スコアの増加または減少)を分析することを含む。
一部の実施形態では、ベースラインPRO−2スコアは、第1の処置期間の開始時またはその前後、例えば、0週目中のある時点でのPRO−2スコアである。
一部の実施形態では、PRO−2スコアを第1の処置期間中、第2の処置期間中および/または第3の処置期間中の1つまたは複数の時点で分析する。一部の実施形態では、PRO−2を第1の処置期間の2週目中、4週目中、8週目中、または12週目中のある時点で分析する。一部の実施形態では、PRO−2を第2の処置期間の4週目中、8週目中、12週目中、16週目中、20週目中、24週目中、28週目中、32週目中、36週目中、40週目中、44週目中、48週目中、または52週目中のある時点で分析する。
一部の実施形態では、PRO−2を第3の処置期間の24週目中、52週目中、104週目中、156週目中、または208週目中のある時点で分析する。
一部の実施形態では、PRO−2の分析は、1日当たりの平均液状便、1日当たりの平均軟便、または1日当たりの平均腹痛スコアを分析することを含む。
一部の実施形態では、PRO−2の分析は、第1の処置期間中、第2の処置期間中および/または第3の処置期間中のある時点で1日当たりの平均液状便または軟便頻度を分析することを含む。一部の実施形態では、PRO−2の分析は、第1の処置期間の2週目中、4週目中、8週目中、もしくは12週目中、第2の処置期間の4週目中、8週目中、12週目中、16週目中、20週目中、もしくは24週目中、または第3の処置期間の24週目中、52週目中、104週目中、156週目中、もしくは208週目中のある時点で1日当たりの平均液状便または軟便頻度を分析することを含む。
一部の実施形態では、PRO−2の分析は、第1の処置期間中、第2の処置期間中および/または第3の処置期間中のある時点で1日当たりの平均腹痛スコアを分析することを含む。一部の実施形態では、PRO−2の分析は、第1の処置期間の2週目中、4週目中、8週目中、もしくは12週目中、第2の処置期間の4週目中、8週目中、12週目中、16週目中、20週目中、もしくは24週目中、または第3の処置期間の24週目中、52週目中、104週目中、156週目中、もしくは208週目中のある時点で1日当たりの平均腹痛スコアを分析することを含む。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の2週目中、4週目中、8週目中、もしくは12週目中、第2の処置期間の4週目中、8週目中、12週目中、16週目中、20週目中、24週目中、24週目、28週目中、32週目中、36週目中、40週目中、44週目中、48週目中、もしくは52週目中、または第3の処置期間の24週目中、52週目中、104週目中、156週目中、もしくは208週目中のある時点で1日当たりの平均液状便または軟便頻度≦6、≦5、≦4、≦3、≦2、または≦1を達成する。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の2週目中、4週目中、8週目中、もしくは12週目中、第2の処置期間の4週目中、8週目中、12週目中、16週目中、20週目中、24週目中、28週目中、32週目中、36週目中、40週目中、44週目中、48週目中、もしくは52週目中、または第3の処置期間の24週目中、52週目中、104週目中、156週目中、もしくは208週目中のある時点で1日当たりの平均腹痛スコア≦3、≦2、または≦1を達成する。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の2週目中、4週目中、8週目中、もしくは12週目中、第2の処置期間の4週目中、8週目中、12週目中、16週目中、20週目中、24週目中、28週目中、32週目中、36週目中、40週目中、44週目中、48週目中、もしくは52週目中、または第3の処置期間の24週目中、52週目中、104週目中、156週目中、もしくは208週目中のある時点で1日当たりの平均液状便または軟便頻度≦4、≦3.5、≦3.0、≦2.5、または≦2.0および腹痛スコア≦2.0、≦1.5、または≦1.0を達成する。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、投薬レジメンの4週目、12週目、または52週目において1日当たりの平均液状便または軟便頻度≦3および腹痛スコア≦1を達成する。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、投薬レジメンの4週目、12週目、または52週目において1日当たりの平均液状便または軟便頻度≦1.5および腹痛スコア≦1を達成する。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、PRO−2スコアがベースラインから≧8点減少する場合、SMAD7 AONに対する応答を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、PRO−2スコアが≦8である場合、寛解を得る。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、以前のまたは同時のコルチコステロイドによる処置を伴わずに、寛解を得る(例えば、SES−CD≦2、CDAI<150、PRO−2≦8、腹痛スコア≦1および/または1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコア≦1.5;TMS≦2.0、MMS≦2.0、PMS≦2.0、またはES=0)。
CDAIおよびPRO−2スコアの分析のために、IBDを有する患者に、1日当たりの液状便または軟便の回数、腹痛/痙攣、全般的なウェルビーイング、前の週中の37.8℃を超える発熱、例えば下痢に対するジフェノキシレート/アトロピン、ロペラミド、またはアヘン剤の投与などの情報を日誌に記録させることが有用であり得る。
一部の実施形態では、QOL質問票およびHEA質問票は、Medical Outcome Study Short Form 36−item Health Survey、バージョン2(SF−36 v2)を含む。SF−36 v2は、臨床試験および医療サービス研究において多くの場合に使用される、自己管理される36項目の全般的な健康状態についての評価手段である。SF−36 v2は、一般には、1)健康問題に起因する身体活動の限定;2)身体的または感情的問題に起因する社会生活活動の限定;3)身体的健康問題に起因する日常的役割についての活動の限定;4)体の痛み;5)全般的な心の健康(心理的苦痛およびウェルビーイング);6)感情的問題に起因する日常的役割についての活動の限定;7)活力(エネルギーおよび疲労);および8)全体的健康感などの8つの健康ドメインを査定する8つの多項目尺度を含む。SF−36によって測定される概念は、年齢、疾患、または処置群のいずれにも特異的なものではなく、種々の疾患の相対的な負担と種々の処置の相対的な利益とを比較することが可能になる。
一部の実施形態では、QOL質問票およびHEA質問票は、炎症性腸疾患質問票(Inflammatory Bowel Disease Questionnaire)(IBDQ)を含む。IBDQは、2週間以内のCDの患者の生活の質の急速な変化を反映する応答性の評価手段である。IBDQは、CDの患者における疾患に特異的な生活の質を測定するための標準に発展してきた。IBDQは、腸機能ディメンション(BD)、感情の状態ディメンション(ED)、症状ディメンション(SysD)、および社会生活機能ディメンション(SocD)を含めた生活の質の4つのディメンション(Hlavaty、2006年)に関する自己管理される32項目の質問票である。各ディメンションは、一般には、各項目について最大7点でスコア化される。総IBDQスコアは、32点から224点の範囲であり、スコアが高いほど生活の質がより良好であることを示す。
一部の実施形態では、QOL質問票およびHEA質問票は、Work Productivity and Activity Impairment Questionnaire for Crohn’s Disease(WPAI−CD)を含む。WPAI−CDは、過去7日の間の患者の仕事および活動に対するCDの影響を査定する。WPAI−CDは、雇用の状態、CDが原因で仕事を休んだ時間、他の理由で休んだ時間、実際に働いた時間、仕事をしている間にCDが生産性に影響を及ぼした程度、0(効果なし)から10(最大の機能障害)まで、CDが他の(仕事以外の)日常的活動に影響を及ぼした程度(0〜10)などの情報を捕捉する6つの質問を含む。WPAI−CD質問を使用して4つのディメンションを作成し、スコアを機能障害の百分率で表す;スコアが高いほど機能障害が大きく生産性が低下したことを示す:アブセンティーズム(雇用されている対象が仕事を休んだ時間)、プレゼンティーズム(仕事をしている間の生産性の低下)、全体的な労働機能障害(アブセンティーズムとそれに加えてプレゼンティーズム)、活動機能障害(日常活動における生産性の低下)。最小重要差異(MID)、すなわち、WPAI−CDスコアの変化が臨床的に意味のあるとみなされるのは、およそ7%である。
一部の実施形態では、QOL質問票およびHEA質問票は、European Quality of Life−5 Dimensions Questionnaire(EQ−5D)を含む。EQ−5D(The EuroQol Group、1990年)は、全般的な健康状態を測定するために設計された、有効な6項目の自己管理される評価手段である。EQ−5Dは、一般には、2つの構成成分:1)EQ−5D記述体系(5項目;EQ−5D指数スコア(EQ−5D Index Score))および2)EQ視覚的アナログ尺度(Visual Analog Scale)(EQ−5D VAS)を有する。EQ−5D指数スコアは、健康に関する5つのディメンションを含む(移動の程度、身の回りの管理、ふだんの活動、痛み/不快感、および不安/ふさぎ込み)。各ディメンションは、「問題はない」、「いくらか問題がある」および「ひどく問題がある」を反映する3つのレベルを有し得る。独特のEQ−5D健康状態は、5つのディメンションのそれぞれから1つのレベルを組み合わせることによって定義される。健康状態は0.0(死亡)〜1.0(完全な健康)の尺度に基づく。最悪の可能性のある健康状態は、回答者により死亡よりも悪いと判断され得るので、負の値の可能性がある。一連の研究により、多くの国についての選好値が確立されている。EQ−5D VASは、垂直方向の尺度であり、それぞれ100および0に固定される「想像できる最も良い健康」および「想像できる最も悪い健康」と標識されるエンドポイントを伴う。回答者は、自分自身の「今日の健康状態」をどのように評価するかを、固定された四角からその日の自分自身の健康を最も良く表すEQ−5D VAS上の点まで線を引くことによって示すよう求められる。EQ−5Dにより、良好な再現性(EQ VASスコアについてクラス内相関[ICC]=0.77、およびEQ−5D指数スコアについてICC=0.89)および既知群妥当性の証拠が実証されている。
一部の実施形態では、QOL質問票およびHEA質問票は、Harvey−Bradshaw Index(HBI)を含む。HBIは、データ収集のために、CDAIのより簡便なバージョンとして1980年に考案された。HBIは、臨床的パラメータのみからなり、最初の3項目は、前日に対象によりスコア化され、残りの2項目は、予定されていた受診時に研究者または代理人によりスコア化される。HBIは、CDAIよりもはるかに簡便に使用され、生化学的検査を必要としない。HBIスコアは、0から>18の範囲であり、上の範囲は1日当たりの液状便または軟便の回数に基づいて変動し得、その後、疾患の重症度に応じて分類される。寛解はスコアが<5であることにより定義され、軽度の活動性疾患はスコアが>5かつ<7であることにより定義され、中程度の活動性疾患はスコアが>8かつ<16であることにより定義され、重症の疾患はスコアが>16であることにより定義される。HBIは、8つの変数:全般的なウェルビーイング評点(昨日から)、腹痛評点(昨日から)、液状便または軟便の総回数(昨日から)、腹部腫瘤の存在(受診日)、合併症(受診日に当てはまるあらゆるものを確認する、例えば、なし、関節炎、ぶどう膜炎、結節性紅斑、アフタ性潰瘍、壊疽性膿皮症、裂肛、新しい瘻孔、および膿瘍)からなる。
一部の実施形態では、QOL質問票およびHEA質問票は、医療資源の活用(Healthcare Resource Utilization)(HRU)査定を含む。HRU査定は、本研究では、CDおよび健康関連アウトカム(入院、救急部門または緊急医療診療所の受診、および医師の来診)の影響を査定するために評価する。
一部の実施形態では、医師による全体的な査定(Physician’s Global Assessment)(PGA)をメイヨースコアの一部として行う。PGAでは、3つの判断基準:対象の1日当たりの腹部不快感の記憶、全般的なウェルビーイング感、ならびに、身体的な所見および対象のパフォーマンスステータスなどの他の観察事項を確認する。
一部の実施形態では、対象が広範囲にわたる大腸炎を有する場合、結腸内視鏡検査を実施する、または、対象が左側大腸炎のみを有する場合、軟性直腸S状結腸内視鏡検査を実施する。結腸内視鏡検査および/または軟性直腸S状結腸内視鏡検査は、およそ1週目、およそ2週目、およそ4週目、およそ8週目、およそ12週目、およそ24週目、およそ32週目、およそ40週目、およそ52週目、およそ2年目、およそ4年目に実施する。
一部の実施形態では、総メイヨースコア(TMS)を査定する。TMSは、UCの疾患活動性を測定するために設計された評価手段である。TMSは、一般には、0点から12点の範囲である。TMSは、4つのサブスコア:排便回数サブスコア(SFS)、直腸出血サブスコア(RBS)、内視鏡サブスコア、医師による全体的な査定からなり、これらはそれぞれ0から3までにグレード付けされ、スコアが高いほど疾患がより重症であることが示される。臨床応答は、ベースラインからの、TMSの少なくとも3点の減少、およびTMSの少なくとも30%の減少、それと共に、付随的な、RBSの少なくとも1点の減少または絶対的RBSが0もしくは1であることと定義される。臨床的寛解は、個々のサブスコアは1以下で、TMS≦2と定義される。内視鏡的応答は、内視鏡サブスコアの、ベースラインからの1点またはそれよりも大きな減少と定義される。内視鏡的寛解は、内視鏡サブスコアが0であることと定義される。TMS査定は、およそ4週目、およそ8週目、およそ12週目、およそ24週目、およそ32週目、およそ40週目、およそ52週目、およそ2年目、およそ4年目に実施する。
一部の実施形態では、部分的メイヨースコア(PMS)を査定する。PMSは、RBS、SFS、およびPGAの合計であり、0点から9点の範囲である。臨床応答は、PMSの、ベースラインからの少なくとも2点および少なくとも25%の減少、それと共に、付随的な、RBSの少なくとも1点の減少または絶対的RBS intまたは絶対的RBSが0もしくは1であることと定義される。臨床的寛解は、個々のサブスコアは1以下で、TMS≦2と定義される。PMS査定は、およそ4週目、およそ8週目、およそ12週目、およそ24週目、およそ32週目、およそ40週目、およそ52週目、およそ2年目、およそ4年目に実施する。
一部の実施形態では、改変メイヨースコア(MMS)を査定する。MMSは、総メイヨースコアの排便回数、直腸出血および内視鏡サブスコアに基づき、PGAサブスコアは本質的に主観的な全体的な評価基準であるので、除外される。改変メイヨースコアは0点から9点の範囲である。臨床応答は、MMSの、ベースラインから少なくとも2点および少なくとも25%の減少、それと共に、付随的な、RBSの少なくとも1点の減少または絶対的RBSが0もしくは1であることと定義される。MMSに基づいて、臨床的寛解は、個々のサブスコアは1以下で、MMS≦2と定義される。MMS査定は、およそ4週目、およそ8週目、およそ12週目、およそ24週目、およそ32週目、およそ40週目、およそ52週目、およそ2年目、およそ4年目に実施する。
直腸出血サブスコア(RBS)は、メイヨースコアリングシステム(MSS)の4つの測定のうちの1つである。RBSは、多くの場合、0から3の範囲であり、0は、血液が見られないことを表し、1は、排便回数の半分未満で便に少量の血液が伴うことを表し、2は、排便回数の大部分で便にはっきりした血液が伴うことを表し、3は、血液だけが出ることを表す。1日当たりのRBSは、その日の最も重度の出血を表す。
一部の実施形態では、安全性または忍容性パラメータは、有害事象、身体検査、バイタルサイン、体重、心電図(EKG)、臨床検査室安全性評価、便培養、または妊娠検査を含む。
一部の実施形態では、安全性または忍容性パラメータの分析は、有害事象の型、頻度もしくは重症度、有害事象のSMAD7 AONの投与との関連性、有害事象に起因するSMAD7 AON投与の中止、または、バイタルサイン、ECG、もしくは検査所見の臨床的に有意な変化を査定することを含む。
一部の実施形態では、臨床検査室安全性評価は、血液学的検査、凝固検査、血清生化学検査、および/または尿検査を含む。一部の実施形態では、血液学的検査は、赤血球(RBC)数、ヘモグロビンレベル、ヘマトクリット、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)、平均血球体積(MCV)、白血球百分率(WBC)数、絶対的WBC数、または血小板数を含む。一部の実施形態では、凝固検査は、プロトロンビン時間(PT)または活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を分析することを含む。一部の実施形態では、血清生化学検査は、総タンパク質量、アルブミン、カルシウム、亜リン酸、グルコース、総コレステロール、トリグリセリド、尿酸、総ビリルビン、アルカリホスファターゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)、ナトリウム、カリウム、塩化物、二酸化炭素、血中尿素窒素(BUN)、クレアチニン、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、マグネシウム、または補体活性化(例えば、Bb、C3aおよびC5a)を分析することを含む。
一部の実施形態では、便培養は、Clostridium difficile(C.difficile)毒素についての検査を含む。
一部の実施形態では、尿検査は、尿試験紙による尿検査または顕微鏡による尿検査を含む。一部の実施形態では、尿試験紙による尿検査は、比重、pH、グルコース、ケトン、総タンパク質量、ビリルビン、白血球エステラーゼ、亜硝酸塩、またはウロビリノーゲンを分析することを含む。一部の実施形態では、顕微鏡による尿検査は、上皮細胞、RBC、またはWBCを分析することを含む。
一部の実施形態では、小腸炎または組織損傷のバイオマーカーの分析は、SMAD7、SMAD3リン酸化、HLA−DR、CD4、CD8、CRP(例えば、hsCRPとして測定される)、FCP、TNFα、IL8、IFN−γ、IL−12、IL17AまたはIL6を分析することを含む。バイオマーカー分析は、絶対的なバイオマーカーレベルの分析またはバイオマーカーレベルの変化(例えば、ベースラインから、または患者の病歴(medical history)に由来する別の参照値からの低下または上昇)の分析を含み得る。IBDを有する患者におけるバイオマーカーレベルを健康な対照群における対応するバイオマーカーレベルと比較することもでき、IBDを有する患者におけるバイオマーカーレベルの変化を経時的に追跡することもできる。バイオマーカーは、最初のスクリーニング期間中、第1の処置期間中、第2の処置期間中、第3の処置期間中、またはフォローアップ期間中、またはこれらの組合せの任意の1つまたは複数の時点で分析することができる。一部の実施形態では、IBDを有する患者から得た血液試料中のCRPを分析する。一部の実施形態では、IBDを有する患者から得た糞便試料中のFCPを分析する。
一部の実施形態では、小腸炎または組織損傷のバイオマーカーの分析は、FCP、CRP、CD4、CD8、HLA−DR、SMAD3リン酸化、SMAD7 mRNAまたはタンパク質レベル、TNF−α、IL−8、IFN−γ、IL−12、IL−17、IL−6、Reg−3α、IL−10、IL−25、CCL20、IL−17A、Foxp3、CCR9、IL−5、IL−13、IL4およびTGF−β1を分析することを含む。
患者試料中のバイオマーカーを分析するための方法は、当技術分野で公知であり、例えば、ELISA、ウェスタンブロット、RT−PCR、HPLC、LC−MS、蛍光顕微鏡、免疫細胞化学などを含む。
一部の実施形態では、例えば、IBDを有する患者由来の血液試料中、血清試料中または血漿試料中のCRPレベル(例えば、hsCRPとして測定される)により、IBDを有する患者がSMAD7 AONに応答するかどうかが示される。
一部の実施形態では、他のバイオマーカー(例えば、IL−10、CCL20、TNF−α)を血清血液試料および腸粘膜生検から分析する。一部の実施形態では、腸のマイクロバイオームおよびFCPを糞便試料から査定する。一部の実施形態では、免疫バイオマーカー(例えば、IL−17A)の発現を評価するために、指定の時点で全血試料を採取してPBMCを単離する。
一部の実施形態では、小腸炎または組織損傷のバイオマーカーの分析は、CRPのベースラインからの変化を、第1の処置期間の4週目中、8週目中、もしくは12週目中、第2の処置期間の0週目中、4週目、8週目、12週目、16週目、20週目、もしくは24週目、第3の処置期間の24週目中、52週目中、104週目中、156週目中、もしくは208週目中、または観察期間の20週目中もしくは52週目中のある時点で分析することを含む。
一部の実施形態では、腸粘膜生検におけるバイオマーカーの発現の分析は、表面抗原分類4(CD4)、表面抗原分類8(CD8)、主要組織適合性遺伝子複合体(MHC)クラスIまたはクラスII(例えば、HLA−DR)、SMAD3(例えば、SMAD3リン酸化)またはSMAD7(例えば、SMAD7 mRNAレベルまたはタンパク質レベル)などのバイオマーカーを分析することを含む。
6.2.1 臨床応答
IBD患者における、本明細書において提示される処置方法および/または投与レジメンに対する臨床応答により、例えば、第1の処置期間から第2の処置期間への移行中、第2の処置期間から第3の処置期間への移行中、または第2の処置期間もしくは第3の処置期間からの出口における、処置方法および/または投与レジメンに対する調整が通知され得る。例えば、節6.1.1.3、節6.1.1.6、節6.6および節6.7を参照されたい。例えば、抗SMAD7療法に応答しているIBD患者の投与レジメンを、例えば、第1の処置期間および/もしくは第2の処置期間の長さを短縮することによって、IBD患者を第1の処置期間から第2の処置期間へもしくは第2の処置期間から第3の処置期間へ移行させることによって、抗SMAD7療法の用量を減少させることによって、または抗SMAD7療法を終わらせることによって調整することができる。抗SMAD7療法に応答していないIBD患者の投与レジメンは、例えば、抗SMAD7療法の用量を増加させることによって調整することができる。
一部の実施形態では、IBDを有する患者が、SES−CDのベースライン(例えば、第1の処置期間の0週目中のある時点)からの≧50%の減少、CDAIスコアの、ベースラインから≧100点の減少、PRO−2スコアの、ベースラインから≧8点の減少、1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度の、ベースラインから≧3.0もしくは≧1.5点の減少および/または腹痛スコアのベースラインから≧1点の減少、TMSスコアの、ベースラインから≧30%および≧3点の減少、ESの、ベースラインから≧1の減少;PMSスコアの、ベースラインから≧25%および≧2点の減少;MMSスコアの、ベースラインから≧25%および≧2点の減少(例えば、第1の処置期間中、第2の処置期間中および/または第3の処置期間中のある時点で)を示す場合、IBDを有する患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者が、絶対的なCDAIスコア<180、およびCDAIスコアの、ベースライン(例えば、第1の処置期間の0週目中のある時点)から≧70点の減少を示す場合、IBDを有する患者は、臨床的改善を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者が、TMSスコアの、ベースライン(例えば、第1の処置期間の0週目中のある時点)からの≧30%および≧3点の減少、それと併せて、RBSスコアの≧1の減少または絶対的RBS≦1;内視鏡サブスコアの、ベースラインから≧1の減少;PMSスコアの、ベースラインから≧25%および≧2点の減少、それと併せて、RBSスコアの≧1の減少または絶対的RBS≦1;MMSスコアの、ベースラインから≧25%および≧2点の減少、それと併せて、RBSスコアの≧1の減少または絶対的RBS≦1を示す場合、IBDを有する患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、第1の処置期間の前もしくは第1の処置期間中、第2の処置期間中、および/または第3の処置期間中のある時点で、IBDを有する患者から得た試料中の炎症性サイトカイン(例えば、TNFα、IFN−γ、IL6、IL8、もしくはIL12、または別のバイオマーカー、例えば、SMAD7、SMAD3リン酸化、FCP、CRP、CD4、CD8、もしくはHLA−DRなど)などの1種または複数の小腸炎のバイオマーカーのレベルが、ベースラインから少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%低下する場合、IBDを有する患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、第1の処置期間の前もしくは第1の処置期間中、第2の処置期間中、および/または第3の処置期間中のある時点で、IBDを有する患者から得た試料中の抗炎症性サイトカイン、例えばIL10などの1種または複数の小腸炎のバイオマーカーのレベルが、ベースラインから少なくとも2分の1、少なくとも3分の1、少なくとも5分の1、少なくとも10分の1、少なくとも15分の1、少なくとも20分の1、少なくとも25分の1、少なくとも50分の1、少なくとも100分の1、少なくとも250分の1、少なくとも500分の1または少なくとも1,000分の1に低下する場合、IBDを有する患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、第1の処置期間中および/または第2の処置期間中のある時点で、IBDを有する患者から得た試料中の1種または複数の小腸炎のバイオマーカー(例えば、SMAD3リン酸化)のレベルが、ベースラインから少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも75倍、または少なくとも100倍に上昇する場合、IBDを有する患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者から得た試料中のSMAD3リン酸化がベースライン(例えば、第1の処置期間の0週目中のある時点)から少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも250倍、少なくとも500倍または少なくとも1,000倍に増大する場合、IBDを有する患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、第1の処置期間の最後に、患者から得た試料中のSMAD7 mRNAレベルおよび/またはSMAD7タンパク質レベルが、第1の処置期間の開始時に患者から得た試料と比較して少なくとも2分の1、少なくとも3分の1、少なくとも5分の1、少なくとも10分の1、少なくとも15分の1、少なくとも20分の1、少なくとも25分の1、少なくとも50分の1、少なくとも100分の1、少なくとも250分の1、少なくとも500分の1または少なくとも1,000分の1に低下する場合、IBDを有する患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の血液試料中、血清試料中または血漿試料中のCRPレベル(例えば、hsCRPとして測定される)が<3.0mg/L、<2.5mg/L、<2.0mg/L、<1.5mg/L、<1.0mg/L、または<0.5mg/Lである場合、IBD患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の血液試料中、血清試料中または血漿試料中のTNFαレベルが<30pg/ml、<25pg/ml、<20pg/ml、または<15pg/mlである場合、IBD患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の血液試料中、血清試料中または血漿試料中のIL6レベルが<600pg/ml、<500pg/ml、<400pg/ml、または<300pg/mlである場合、IBD患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の血液試料中、血清試料中、または血漿試料中のIL8レベルが<30pg/ml、<25pg/ml、<20pg/ml、または<15pg/mlである場合、IBD患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の血液試料中、血清試料中または血漿試料中のIL12レベルが<100pg/ml、<75pg/ml、<50pg/ml、または<25pg/mlである場合、IBD患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の血液試料中、血清試料中または血漿試料中のIL17Aレベルが<100pg/ml、<75pg/ml、<50pg/ml、または<25pg/mlである場合、IBD患者は臨床応答を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の糞便試料中のFCPレベルが便1g当たり≦25μg、便1g当たり≦50μg、便1g当たり≦75μg、便1g当たり≦100μg、便1g当たり≦150μg、または便1g当たり≦200μgである場合、IBD患者は臨床応答を示す。
6.2.2 臨床的寛解
一部の実施形態では、IBDを有する患者が、例えば、第1の処置期間中、第2の処置期間中および/または第3の処置期間中のある時点で、SES−CDスコア≦2、CDAIスコア<150、PRO−2スコア<8、腹痛スコア≦1および/または1日当たりの平均液状便もしくは軟便頻度スコア≦1.5;TMSスコア≦2;ES=0;PMSスコア≦2;MMSスコア≦2または例えば腸粘膜潰瘍化がないことによって示される粘膜治癒を示す場合、患者は寛解を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者が、例えば、第1の処置期間中、第2の処置期間中および/または第3の処置期間中のある時点で、個々のサブスコアは1以下で、TMSスコア≦2点;内視鏡サブスコア=0;個々のサブスコアは1以下で、PMSスコア≦2点;個々のサブスコアは1以下で、MMSスコア≦2点を示す場合、患者は寛解を示す。
一部の実施形態では、患者由来の試料中の1種または複数の小腸炎のバイオマーカー(例えば、TNFα、IFN−γ、IL6、IL8もしくはIL12、または別のバイオマーカー、例えば、FCP、CRP、SMAD3リン酸化、IL−17A、CD4、CD8、もしくはHLA−DRなど)のレベルが、健康な対照群(例えば、病歴(medical history)、年齢、性別、人種、または他の因子をマッチさせた)におけるバイオマーカーのレベルの代表値、中央値、または平均値から2σ、3σ、5σ、7σ、または10σの標準偏差(SD)範囲内である場合、IBDを有する患者は寛解を示す。
6.2.3 応答の消失
一部の実施形態では、CDAIスコアが≧50点増加する場合、および、2つもしくはそれよりも多くの連続的な時点において、または患者がSMAD7 AONに対する応答を最初に示した後、例えば、第1の処置期間中、第2の処置期間中または第3の処置期間中にCDAIスコアが≧150になる場合、患者は、応答の部分的消失、または応答の完全な消失を生じる。
6.3 便中カルプロテクチン
本明細書において提示される方法では、節6.2に記載されている通り、バイオマーカーFCPを使用して抗SMAD7処置の活性をモニタリングすることができる(例えば、患者がSMAD7 AONに対して臨床応答を示すかどうか、または患者が寛解を得るかどうかを分析するために)。一部の実施形態では、例えば、節6.1に記載されている通り、IBD患者試料中のFCPレベルにより、IBD患者を第1の処置期から第2の処置期へ移行させるかどうか(例えば、患者がSMAD7 AONに対して臨床応答を示すかどうかまたは患者が寛解を示すかどうか)に関する決定が通知され得る。
本明細書において提示される他の方法では、FCPを、患者を選択するためのバイオマーカーとして使用することができる。
別の態様では、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法が本明細書において提示される。一実施形態では、方法は、(a)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(b)患者におけるFCPのレベルを分析するステップと、(c)FCPのレベルがFCPの正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量よりも高いまたはそれと等しい後続用量を投与するステップとを含む。あるいは、ステップ(c)において、ステップ(b)において決定されたFCPのレベルがFCPの正常レベル未満である場合には、ステップ(c)は、患者に初回用量と等しいまたはそれよりも低い後続用量を投与することを含む。
別の態様では、炎症性腸疾患(IBD)を有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者についてのFCPの対照レベルを確立するステップと、(b)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、c)患者におけるFCPのレベルを分析するステップと、(d)FCPのレベルが対照レベルよりも低い場合には、患者に初回用量と同じまたは初回用量よりも低い後続用量を投与する、あるいは、FCPのレベルが、対照レベルと比較して変化していないまたは上昇している場合には、患者に初回用量と同じもしくは初回用量よりも高い後続用量を投与するまたは処置を終了するステップとを含む方法が本明細書において提示される。
一部の実施形態では、IBD患者についての対照レベルは、慢性疾患期間中、例えば、患者が寛解の状態であるときに、第1の抗SMAD7処置を投与する前にIBD患者から得た試料中のFCPレベルである。一部の実施形態では、IBD患者についての対照レベルは、急性疾患期間中、第1の抗SMAD7処置を投与する前にIBD患者から得た試料中のFCPレベルである(例えば、CD患者:CDAI>150;CDAI≧250および≦450;UC患者:MMS≧4および≦9、ならびにES≧2)。一部の実施形態では、IBD患者についての対照レベルは、患者に抗SMAD7処置を投与する期間中、または処置期間の開始時にIBD患者から得た試料中のFCPレベルである(例えば、0週目中、ベースラインレベル)。一部の実施形態では、IBD患者の対照レベルは、抗SMAD7処置期間中の初期の時点でIBD患者から得た試料中のFCPレベルである。
別の態様では、初回用量のSMAD7 AONの投与に関してIBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法が本明細書において提示される。一実施形態では、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者におけるFCPのレベルを分析するステップと、(b)FCPのレベルがFCPの正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む方法が本明細書において提示される。さらに、方法は、(c)前記投与するステップ、すなわちステップ(b)の後に患者におけるFCPのレベルを分析するステップと、(d)FCPのレベルがFCPの正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量よりも高いまたはそれと等しい後続用量を投与するステップとをさらに含み得る。あるいは、ステップ(d)において、ステップ(c)において決定されたFCPのレベルがFCPの正常レベル未満である場合には、ステップ(d)は、患者に初回用量と等しいまたはそれよりも低い後続用量を投与することを含む。一部の例では、ステップ(d)において投与される後続用量が最大耐量(MTD)と等しいまたはそれよりも高い場合には、方法は、処置を終了するステップを含む。
FCPのレベルは、本明細書において提示されるIBDを処置するための方法における投与スケジュール中の任意の時点で分析することができる。例えば、FCPレベルを、抗SMAD7療法を投与する前またはその後(例えば、少なくとも1日、少なくとも3日、少なくとも5日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1カ月、少なくとも2カ月、少なくとも4カ月、または少なくとも6カ月)、または抗SMAD7療法の投与と並行して分析することができる。
FCPのレベルは、投与するステップ(b)の後の種々の時点で分析することができる。例えば、一部の実施形態では、投与するステップ(b)の後、FCPのレベルを、前記投与するステップの少なくとも1日後、少なくとも3日後、少なくとも5日後、少なくとも1週間後、少なくとも2週間後、少なくとも3週間後、少なくとも1カ月後、少なくとも2カ月後、少なくとも4カ月後、または少なくとも6カ月後に分析する。一部の実施形態では、FCPのレベルを前記投与するステップの直後に分析する。さらに他の実施形態では、FCPのレベルを前記投与するステップの約7日後、約10日後、約15日後、約20日後、約25日後、または約28日後に分析する。
FCPの正常レベルは、参照数値に基づいて、または健康な対照群におけるFCPのレベルに関して決定することができる。例えば、一部の実施形態では、FCPの正常レベルは、約≦20μg/g(糞便)、約≦40μg/g、約≦60μg/g、約≦80μg/g、約≦100μg/g、約≦120μg/g、約≦140μg/g、約≦160μg/g、約≦180μg/g、約≦200μg/g、約≦220μg/g、または約≦240μg/gである。一部の実施形態では、2〜9歳の健康な対照におけるFCPの正常レベルは、約100μg/gから約200μg/gの間、約110μg/gから約190μg/gの間、約120μg/gから約180μg/gの間、約130μg/gから約170μg/gの間、または約140μg/gから約160μg/gの間である。一部の実施形態では、10〜59歳の健康な対照におけるFCPの正常レベルは、約166μg/gである。一部の実施形態では、10〜59歳の健康な対照におけるFCPの正常レベルは、約10μg/gから約100μg/gの間、約20μg/gから約90μg/gの間、約30μg/gから約80μg/gの間、約40μg/gから約70μg/gの間、または約50μg/gから約60μg/gの間である。一部の実施形態では、10〜59歳の健康な対照におけるFCPの正常レベルは、約51μg/gである。一部の実施形態では、60歳以上の健康な対照におけるFCPの正常レベルは、約60μg/gから約160μg/gの間、約70μg/gから約150μg/gの間、約80μg/gから約140μg/gの間、約90μg/gから約130μg/gの間、または約100μg/gから約120μg/gの間である。一部の実施形態では、60歳以上の健康な対照におけるFCPの正常レベルは、約112μg/gである。
本発明の他の実施形態では、FCPの正常レベルは、健康な対照群におけるFCPのレベルの中央値と定義される。健康な対照群は、患者における同じ判断基準のセットとマッチさせた、遺伝的背景、習慣、および身体的特質に関連する種々の判断基準に基づいて定義することができる。例えば、一部の実施形態では、健康な対照群とIBDを有する患者を、年齢、性別、民族起源、喫煙習慣、食習慣、肥満度指数(BMI)、および/または運動習慣に関してマッチさせる。
本発明の種々の実施形態では、IBDを有する患者に投与するSMAD7 AONの初回用量は、変動し得る。例えば、一部の実施形態では、IBDを有する患者に投与するSMAD7 AONの初回用量は、1日当たり500mg未満、1日当たり400mg未満、1日当たり300mg未満、1日当たり200mg未満、1日当たり100mg未満、1日当たり90mg未満、1日当たり80mg未満、1日当たり70mg未満、1日当たり60mg未満、1日当たり50mg未満、1日当たり40mg未満、1日当たり30mg未満、1日当たり20mg未満、または1日当たり10mg未満である。あるいは、他の実施形態では、初回用量は、1日当たり少なくとも1mg、1日当たり少なくとも5mg、1日当たり少なくとも10mg、1日当たり少なくとも20mg、1日当たり少なくとも30mg、1日当たり少なくとも40mg、1日当たり少なくとも50mg、1日当たり少なくとも60mg、1日当たり少なくとも70mg、1日当たり少なくとも80mg、1日当たり少なくとも90mg、1日当たり少なくとも100mg、1日当たり少なくとも200mg、1日当たり少なくとも300mg、1日当たり少なくとも400mg、または1日当たり少なくとも500mgである。さらに他の実施形態では、初回用量は、1日当たり約5mg、1日当たり約10mg、1日当たり約20mg、1日当たり約30mg、1日当たり約40mg、1日当たり約50mg、1日当たり約60mg、1日当たり約70mg、1日当たり約80mg、1日当たり約90mg、1日当たり約100mg、1日当たり約200mg、1日当たり約300mg、1日当たり約400mg、または1日当たり約500mgである。一部の実施形態では、初回用量は、1日当たり5mg、1日当たり10mg、1日当たり20mg、1日当たり30mg、1日当たり40mg、1日当たり50mg、1日当たり60mg、1日当たり70mg、1日当たり80mg、1日当たり90mg、1日当たり100mg、1日当たり110mg、1日当たり120mg、1日当たり130mg、1日当たり140mg、1日当たり150mg、1日当たり160mg、1日当たり170mg、1日当たり180mg、1日当たり190mg、または1日当たり200mgである。
この節において提示される炎症性腸疾患(IBD)を処置または管理するための方法の一部の実施形態では、ステップ(b)または(c)において患者におけるFCPのレベルを分析した後、FCPのレベルがFCPの正常レベルを超えている場合には、方法は、患者に初回用量よりも高い後続用量を投与するステップを含み得る。一部の実施形態では、ステップ(b)または(c)において患者におけるFCPのレベルを分析した後、FCPのレベルがFCPの正常レベル未満である場合には、方法は、患者に初回用量よりも低い後続用量を投与するステップを含み得る。
別の態様では、IBDを有する患者におけるFCPのレベルに基づいて、初回用量のSMAD7 AONに対してSMAD7 AONの後続用量のレベルを決定するための方法が本明細書において提示される。例えば、本明細書に記載されている本発明の実施形態では、最初の投与するステップ(a)または(b)の後のIBDを有する患者におけるFCPレベルが正常レベルを超えている場合、ステップ(c)または(d)において投与する後続用量は、初回用量よりも1日当たり少なくとも約5mg、1日当たり少なくとも約10mg、1日当たり少なくとも約20mg、1日当たり少なくとも約30mg、1日当たり少なくとも約40mg、1日当たり少なくとも約50mg、1日当たり少なくとも約60mg、1日当たり少なくとも約70mg、1日当たり少なくとも約80mg、1日当たり少なくとも約90mg、1日当たり少なくとも約100mg、1日当たり少なくとも約110mg、1日当たり少なくとも約120mg、1日当たり少なくとも約130mg、1日当たり少なくとも約140mg、1日当たり少なくとも約150mg、または1日当たり少なくとも約160mg、1日当たり少なくとも約170mg、1日当たり少なくとも約180mg、1日当たり少なくとも約190mg、または1日当たり少なくとも約200mg、高い。あるいは、一部の実施形態では、最初の投与するステップ(a)または(b)の後のIBDを有する患者におけるFCPレベルが正常レベル未満である場合、ステップ(c)または(d)において投与する後続用量は、初回用量よりも1日当たり少なくとも約5mg、1日当たり少なくとも約10mg、1日当たり少なくとも約20mg、1日当たり少なくとも約30mg、1日当たり少なくとも約40mg、1日当たり少なくとも約50mg、1日当たり少なくとも約60mg、1日当たり少なくとも約70mg、1日当たり少なくとも約80mg、1日当たり少なくとも約90mg、または1日当たり少なくとも約100mg、低い。さらに、一部の実施形態では、最初の投与するステップ(a)または(b)において投与する初回用量は、1日当たり約10mgから1日当たり100mgの間、1日当たり約5mgから1日当たり200mgの間、1日当たり約10mgから1日当たり50mgの間、1日当たり約50mgから1日当たり100mgの間、および1日当たり約100mgから1日当たり約200mgの間であり、ステップ(c)または(d)において投与する後続用量は、1日当たり約30mgから1日当たり200mgの間、1日当たり約5mgから1日当たり30mgの間、1日当たり約20mgから1日当たり50mgの間、1日当たり約50mgから1日当たり100mgの間、または1日当たり約100mgから1日当たり200mgの間である。
別の態様では、IBDの患者におけるSMAD7 AONを用いた処置を、最初の投与するステップの前後の患者における相対的なFCPのレベルの比較に基づいて調節するための方法が本明細書において提示される。方法は、(a)患者におけるFCPのレベルを分析するステップと、(b)FCPのレベルがFCPの正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(c)前記投与するステップの後に患者におけるFCPのレベルを分析するステップと、(d)FCPのレベルが、前記投与するステップの後に前記投与するステップの前のFCPのレベルよりも低い場合には、患者に初回用量と同じまたは初回用量よりも低い後続用量を投与するステップとを含む。あるいは、ステップ(d)において、FCPのレベルが、前記投与するステップ(すなわち、ステップ(b))の後に、前記投与するステップの前のFCPのレベルと比較して変化していないまたは上昇している場合には、ステップ(d)は、患者に初回用量よりも高い後続用量を投与するまたは処置を終了することを含む。あるいは、ステップ(d)において、患者が臨床的寛解の状態であり、かつ、FCPのレベルが、前記投与するステップ(すなわち、ステップ(b))の後に、前記投与するステップの前のFCPのレベルと比較して変化していないまたは上昇している場合には、ステップ(d)は、処置を終了することを含む。
この節において提示される方法の一部の実施形態では、最初の投与するステップ(SMAD7 AONを)後に観察される、投与するステップの前のFCPレベルと比較したFCPレベルの変化を、例えば、FCPレベルのパーセントの変化として分析して、IBDの患者に投与する後続用量のSMAD7 AONの量を決定することができる。例えば、一部の実施形態では、FCPのレベルが、前記投与するステップ(例えば、投与するステップ(b))の後に、前記投与するステップの前のFCPのレベルと比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%低下した場合には、方法は、患者に初回用量と同じまたは初回用量よりも低い後続用量を投与するステップ(例えば、投与するステップ(d))を含む。
別の態様では、IBDを有する患者がSMAD7 AONを用いた処置後に臨床的寛解を得る確率を、SMAD7 AONを用いた処置の前後のFCPレベルの比較に基づいて、例えば、FCPレベルのパーセント変化の比較に基づいて決定するための方法が本明細書において提示される。例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法は、投与するステップ(例えば、投与するステップ(b))の後のFCPのレベルが、投与するステップの前のFCPのレベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%低下した場合、IBDを有する患者が、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも6週間または少なくとも8週間の期間IBDの臨床的寛解を得る見込みが20%よりも高い、30%よりも高い、40%よりも高い、50%よりも高い、60%よりも高い、70%よりも高い、80%よりも高い、90%よりも高いまたは100%よりも高いと決定するステップをさらに含む。
本明細書に記載されている臨床的寛解は、参照値との比較、例えば、クローン病活動指数(CDAI)または改変メイヨースコア(MMS)によって決定することができる。本発明の一部の実施形態では、IBDを有する患者における臨床的寛解は、CDAIスコアが150未満(CDAI<150)であること、またはMMS≦2によって示される。例えば、節6.2.2を参照されたい。
この節において提示される方法の一部の実施形態では、臨床応答または臨床的寛解は、SMAD7 AONの投与に対して所与の時点においてまたは所与の時間枠内で観察することができる(例えば、例えばCDAIスコアまたはMMSを含めた、節6.2に記載されている分析を使用して)。例えば、一部の実施形態では、臨床的寛解は、投与するステップ(例えば、投与するステップ(b))の約1日後、約3日後、約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約6週間後、約8週間後、または約10週間後に観察され、少なくとも3日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、または少なくとも10週間の期間維持される。同様に、本発明の一部の実施形態は、IBDを有する患者のCDAIが、抗SMAD7療法を投与するステップ(例えば、投与するステップ(b))の1週間前に約220から約400の間、約150から約200の間、約200から約250の間、約250から約300の間、約300から約350の間、約350から約400の間、約400から約450の間、または約450よりも高い場合、IBDを有する患者がIBDの臨床的寛解を得る見込みがあると決定する方法を含む。本発明の一部の実施形態は、IBDを有する患者のMMSが、抗SMAD7療法を投与するステップ(例えば、投与するステップ(b))の1週間前に約4から約9の間、約2から約4の間、約4から約6の間、約6から約8の間、または約8よりも高い場合、IBDを有する患者がIBDの臨床的寛解を得る見込みがあると決定する方法を含む。
一部の実施形態では、FCPが正常レベルを超えている患者においてIBDを処置または管理する方法は、患者にある用量のSMAD7 AONを投与するステップを含む。さらに、一部の実施形態では、ある用量のSMAD7 AONの投与後にFCPレベルが正常を超えている患者においてIBDを処置または管理するための方法は、前の用量よりも高いまたはそれと等しい、さらなる用量のSMAD7 AONを投与するステップを含む。同様に、IBDを処置または管理する方法の一部の実施形態では、ある用量のSMAD7 AONの投与後、IBDを有する患者のFCPレベルは正常未満である。後者の場合には、方法は、患者に前の用量よりも低いまたはそれと等しい、さらなる用量のSMAD7 AONを投与するステップを含む。一部の実施形態では、患者が臨床応答または寛解を示すまで、例えば、節6.2に記載されている臨床的パラメータのモニタリングに基づいて、例えば、バイオマーカー、例えば、SMAD7、SMAD3−リン酸化、HLA−DR、CD4、CD8、IFN−γ、IL−12、IL17A、IL6、IL8、CRP、TNFα、FCPのレベルが正常レベルに到達するまで、もしくは患者が150未満のCDAIスコアを達成するまで、または節6.2に記載されている任意の他の臨床的パラメータに基づいて、患者へのSMAD7 AONの投与を繰り返す。
FCPのレベルが正常を超えている患者においてIBDを処置または管理する方法の一部の実施形態では、患者におけるFCPレベルが低下するまで患者に投与するSMAD7 AONの量を増加させる。そのような実施形態では、患者におけるFCPのレベルがFCPのおよそ正常レベル、またはFCPの正常レベル未満に低下するまで患者に投与するSMAD7 AONのレベルを上昇させることができる。
IBDを処置または管理する方法の一部の実施形態では、IBDの患者におけるIBDの処置または管理をモニタリングすることを含み、モニタリングは、各SMAD7 AON投与後に患者におけるFCPレベルを分析することを含む。これらの方法を利用して、FCPレベルが低下しないことにより、処置または管理が有効でないことが示される。そのような実施形態では、FCPレベルを各SMAD7 AONの投与後、1回または多数回、例えば、2回、3回、4回、約5回、約10回、約15回、約20回、または約30回分析することができる。さらに、FCPレベルを測定するタイミングは、SMAD7 AON投与の時間に関して変動させることができ、したがって、FCPレベルは、SMAD7 AON投与の直後、約1時間後、約3時間後、約6時間後、約12時間後、約1日後、約3日後、約1週間後、約2週間後、および/または約1カ月後に分析することができる。
IBDを有する患者におけるバイオマーカーまたは分析物、例えばFCPのレベルを本明細書に記載されている方法を使用して決定するために、試料を患者から得ることができる。したがって、この節において提示されるIBDを処置または管理する方法の一部の実施形態では、IBDを有する患者から得た試料中の、IBDを有する患者におけるFCPのレベルを決定する。FCP以外のまたは追加の分析物、例えば、これだけに限定されないが、インターロイキン−6(IL6)、インターロイキン−8(IL8)、インターロイキン−12(IL12)、インターロイキン−17A(IL17A)、インターフェロンガンマ(IFN−γ)、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)、表面抗原分類4(CD4)、表面抗原分類8(CD8)、ヒト白血球抗原−DR(HLA−DR)、およびC反応性タンパク質(CRP)も本発明の方法において決定することができる。したがって、一部の実施形態では、方法は、IBDを有する患者における1種または複数の追加的な分析物のレベル、または多数のレベルを決定するステップを含む。TNFαの分析物は、NCBI Reference Sequence:NG_007462.1に記載されているTNFα遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。CRPの分析物は、NCBI Reference Sequence:NG_013007.1に記載されているCRP遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IL8の分析物は、NCBI Reference Sequence:NG_029889.1に記載されているTNFα遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。FCPの分析物は、Entrez GeneID No.6280に記載されているFCP遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IL6の分析物は、Entrez GeneID No.3569に記載されているIL6遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IL8の分析物は、Entrez GeneID No.3567に記載されているIL8遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IL12の分析物は、Entrez GeneID No.3593に記載されているIL12遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IL17Aの分析物は、Entrez GeneID No.3605に記載されているIL17A遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IFNγの分析物は、Entrez GeneID No.3458に記載されているIFNγ遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。CD4の分析物は、Entrez GeneID No.920に記載されているCD4遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。CD8の分析物は、Entrez GeneID No.925に記載されているCD8遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。HLA−DRの分析物は、例えば、Entrez GeneID No.3122、3123、3125、3126、および3127に記載されているHLA−DR遺伝子ファミリー(例えば、HLA−DRA、HLA−DRB1、HLA−DRB3、HLA−DRB4、およびHLA−DRB5を含む)のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。Foxp3の分析物は、Entrez GeneID No.50943に記載されているFoxp3遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。
IBDを有する患者から得られる、目的の分析物、例えば、SMAD7、リン酸化SMAD3(phosphor-SMAD3)、HLA−DR、TNFα、CRP、IFN−γ、IL6、IL8、IL12、IL17A、CD4および/またはCD8を含有する試料は、血液試料、血清試料、または血漿試料を含み得る。FCPを含有する試料は、便試料を含み得る。便試料は、水分を含む便試料であっても乾燥便試料であってもよい。試料は、これだけに限定されないが、組織試料、胃腸試料、粘膜試料、粘膜下試料、腸試料、食道試料、回腸試料、直腸試料、またはリンパ試料などの組織試料も含み得る。IBDを有する患者由来の試料中の目的の分析物のレベルは、様々なアッセイを使用して決定することができる。例えば、本発明の方法では、FCPおよび/または別の分析物のレベルは、免疫化学によって、例えば、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって、または、ヌクレオチド分析によって決定することができる。
本明細書において提示される方法は、様々な形態のIBDを処置および管理するための方法を含む。例えば、本発明は、IBDを処置および管理するための方法を含み、IBDは、クローン病(CD)または潰瘍性大腸炎(UC)である。企図されている発明は、例えば、これだけに限定されないが、活動性CDを有するステロイド依存性の患者;および活動性CDを有するステロイド抵抗性の患者であるIBD患者を含めた、異なる型のIBDの患者を処置するための方法も提供する。
本明細書に記載されている本発明の方法においてIBDを有する患者に投与するSMAD7 AONは、種々の投与経路によって投与することができることが理解されよう。種々の実施形態では、SMAD7 AONは、経口的、局所的、非経口的なものを含め、1つまたはいくつかの経路によって、例えば、皮下注射によって、吸入噴霧によって、または直腸に投与することができる。非経口という用語は、本明細書で使用される場合、皮下注射、膵臓内投与、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内注射または注入技法を含む。好ましい実施形態では、SMAD7 AONを、IBDを有する患者に経口的に投与することができる。
節6.11に記載されているSMAD7 AONは、例えば、本明細書に記載されている本発明の方法において使用することができる。
6.4 IL6、IL12、およびHLA−DR
本明細書において提示される方法では、節6.2に記載されている通り、バイオマーカーIL6、IL12、またはHLA−DRを使用して抗SMAD7処置の活性をモニタリングすることができる(例えば、患者がSMAD7 AONに対して臨床応答を示すかどうか、または患者が寛解を得るかどうかを分析するために)。一部の実施形態では、例えば、節6.1に記載されている通り、IBD患者試料中のIL6、IL12またはHLA−DRレベルにより、IBD患者を第1の処置期から第2の処置期へ移行させるかどうか(例えば、患者がSMAD7 AONに対して臨床応答を示すかどうかまたは患者が寛解を示すかどうか)に関する決定が通知され得る。
本明細書において提示される他の方法では、IL6、IL12またはHLA−DRを、患者を選択するためのバイオマーカーとして使用することができる。
別の態様では、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法が本明細書において提示される。一実施形態では、方法は、(a)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(b)患者におけるIL6、IL12またはHLA−DRのレベルを分析するステップと、(c)IL6、IL12またはHLA−DRのレベルがIL6、IL12またはHLA−DRの正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量よりも高いまたはそれと等しい後続用量を投与するステップとを含む。あるいは、ステップ(c)において、ステップ(b)において決定されたIL6、IL12またはHLA−DRのレベルがIL6、IL12またはHLA−DRの正常レベル未満である場合には、ステップ(c)は、患者に初回用量と等しいまたはそれよりも低い後続用量を投与することを含む。
別の態様では、炎症性腸疾患(IBD)を有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者についてのIL6、IL12またはHLA−DRの対照レベルを確立するステップと、(b)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、c)患者におけるIL6、IL12またはHLA−DRのレベルを分析するステップと、(d)IL6、IL12またはHLA−DRのレベルが対照レベルよりも低い場合には、患者に初回用量と同じまたは初回用量よりも低い後続用量を投与する、あるいは、IL6、IL12またはHLA−DRのレベルが、対照レベルと比較して変化していないまたは上昇している場合には、患者に初回用量と同じもしくは初回用量よりも高い後続用量を投与するまたは処置を終了するステップとを含む方法が本明細書において提示される。
一部の実施形態では、IBD患者についての対照レベルは、慢性疾患期間中、例えば、患者が寛解の状態であるときに、第1の抗SMAD7処置を投与する前にIBD患者から得た試料中のIL6、IL12またはHLA−DRレベルである。一部の実施形態では、IBD患者についての対照レベルは、急性疾患期間中、第1の抗SMAD7処置を投与する前にIBD患者から得た試料中のIL6、IL12またはHLA−DRレベルである(例えば、CDAI>150;CDAI≧250および≦450;または改変メイヨースコア(MMS))。一部の実施形態では、IBD患者についての対照レベルは、患者に抗SMAD7処置を投与する期間中、または処置期間の開始時(例えば、0週目中、ベースラインレベル)にIBD患者から得た試料中のIL6、IL10、IL12またはHLA−DRレベルである。一部の実施形態では、IBD患者の対照レベルは、抗SMAD7処置期間中の初期の時点でIBD患者から得た試料中のIL6、IL12またはHLA−DRである。
別の態様では、初回用量のSMAD7 AONの投与に関してIBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法が本明細書において提示される。一実施形態では、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者におけるIL6、IL12またはHLA−DRのレベルを分析するステップと、(b)IL6、IL12またはHLA−DRのレベルがIL6、IL12またはHLA−DRの正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む方法が本明細書において提示される。さらに、方法は、(c)前記投与するステップ、すなわちステップ(b)の後に患者におけるIL6、IL12、またはHLA−DRのレベルを分析するステップと、(d)IL6、IL12、またはHLA−DRのレベルがIL6、IL12またはHLA−DRの正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量よりも高いまたはそれと等しい後続用量を投与するステップとをさらに含み得る。あるいは、ステップ(d)において、ステップ(c)において決定されたIL6、IL12またはHLA−DRのレベルがIL6、IL12またはHLA−DRの正常レベル未満である場合には、ステップ(d)は、患者に初回用量と等しいまたはそれよりも低い後続用量を投与することを含む。一部の例では、ステップ(d)において投与される後続用量が最大耐量(MTD)と等しいまたはそれよりも高い場合には、方法は、処置を終了するステップを含む。
IL6、IL12またはHLA−DRのレベルは、本明細書において提示されるIBDを処置するための方法における投与スケジュール中の任意の時点で分析することができる。例えば、IL6、IL12またはHLA−DRレベルを、抗SMAD7療法を投与する前もしくはその後(例えば、少なくとも1日、少なくとも3日、少なくとも5日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1カ月、少なくとも2カ月、少なくとも4カ月、または少なくとも6カ月)、または抗SMAD7療法の投与と並行して分析することができる。
IL6、IL12またはHLA−DRのレベルは、投与するステップ(b)の後の種々の時点で分析することができる。例えば、一部の実施形態では、投与するステップ(b)の後、IL6、IL12またはHLA−DRのレベルを、前記投与するステップの少なくとも1日後、少なくとも3日後、少なくとも5日後、少なくとも1週間後、少なくとも2週間後、少なくとも3週間後、少なくとも1カ月後、少なくとも2カ月後、少なくとも4カ月後、または少なくとも6カ月後に分析する。一部の実施形態では、IL6、IL12またはHLA−DRのレベルを前記投与するステップの直後に分析する。さらに他の実施形態では、IL6、IL12またはHLA−DRのレベルを前記投与するステップの約7日後、約10日後、約15日後、約20日後、約25日後、または約28日後に分析する。
IL6、IL12またはHLA−DRの正常レベルは、参照数値に基づいて、または健康な対照群におけるIL6、IL12もしくはHLA−DRのレベルに関して決定することができる。例えば、一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の血液試料、血清試料または血漿試料中のIL6レベルの正常レベルは、<600pg/ml、<500pg/ml、<400pg/ml、または<300pg/mlである。一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の血液試料、血清試料または血漿試料中のIL12レベルの正常レベルは、<100pg/ml、<75pg/ml、<50pg/ml、または<25pg/mlである。
本発明の他の実施形態では、IL6、IL12またはHLA−DRの正常レベルは、健康な対照群におけるIL6、IL12またはHLA−DRのレベルの中央値と定義される。健康な対照群は、患者における同じ判断基準のセットとマッチさせた、遺伝的背景、習慣、および身体的特質に関連する種々の判断基準に基づいて定義することができる。例えば、一部の実施形態では、健康な対照群とIBDを有する患者を、年齢、性別、民族起源、喫煙習慣、食習慣、肥満度指数(BMI)、および/または運動習慣に関してマッチさせる。
本発明の種々の実施形態では、IBDを有する患者に投与するSMAD7 AONの初回用量は、変動し得る。例えば、一部の実施形態では、IBDを有する患者に投与するSMAD7 AONの初回用量は、1日当たり500mg未満、1日当たり400mg未満、1日当たり300mg未満、1日当たり200mg未満、1日当たり100mg未満、1日当たり90mg未満、1日当たり80mg未満、1日当たり70mg未満、1日当たり60mg未満、1日当たり50mg未満、1日当たり40mg未満、1日当たり30mg未満、1日当たり20mg未満、または1日当たり10mg未満である。あるいは、他の実施形態では、初回用量は、1日当たり少なくとも1mg、1日当たり少なくとも5mg、1日当たり少なくとも10mg、1日当たり少なくとも20mg、1日当たり少なくとも30mg、1日当たり少なくとも40mg、1日当たり少なくとも50mg、1日当たり少なくとも60mg、1日当たり少なくとも70mg、1日当たり少なくとも80mg、1日当たり少なくとも90mg、1日当たり少なくとも100mg、1日当たり少なくとも200mg、1日当たり少なくとも300mg、1日当たり少なくとも400mg、または1日当たり少なくとも500mgである。さらに他の実施形態では、初回用量は、1日当たり約5mg、1日当たり約10mg、1日当たり約20mg、1日当たり約30mg、1日当たり約40mg、1日当たり約50mg、1日当たり約60mg、1日当たり約70mg、1日当たり約80mg、1日当たり約90mg、1日当たり約100mg、1日当たり約200mg、1日当たり約300mg、1日当たり約400mg、または1日当たり約500mgである。一部の実施形態では、初回用量は、1日当たり5mg、1日当たり10mg、1日当たり20mg、1日当たり30mg、1日当たり40mg、1日当たり50mg、1日当たり60mg、1日当たり70mg、1日当たり80mg、1日当たり90mg、1日当たり100mg、1日当たり110mg、1日当たり120mg、1日当たり130mg、1日当たり140mg、1日当たり150mg、1日当たり160mg、1日当たり170mg、1日当たり180mg、1日当たり190mg、または1日当たり200mgである。
この節において提示される炎症性腸疾患(IBD)を処置または管理するための方法の一部の実施形態では、ステップ(b)または(c)において患者におけるIL6、IL12またはHLA−DRのレベルを分析した後、IL6、IL12またはHLA−DRのレベルがIL6、IL12またはHLA−DRの正常レベルを超えている場合には、方法は、患者に初回用量よりも高い後続用量を投与するステップを含み得る。一部の実施形態では、ステップ(b)または(c)において患者におけるIL6、IL12またはHLA−DRのレベルを分析した後、IL6、IL12またはHLA−DRのレベルがIL6、IL12またはHLA−DRの正常レベル未満である場合には、方法は、患者に初回用量よりも低い後続用量を投与するステップを含み得る。
別の態様では、IBDを有する患者におけるIL6、IL12またはHLA−DRのレベルに基づいて、初回用量のSMAD7 AONに対してSMAD7 AONの後続用量のレベルを決定するための方法が本明細書において提示される。例えば、本明細書に記載されている本発明の実施形態では、最初の投与するステップ(a)または(b)の後のIBDを有する患者におけるIL6、IL12またはHLA−DRレベルが正常レベルを超えている場合、ステップ(c)または(d)において投与する後続用量は、初回用量よりも1日当たり少なくとも約5mg、1日当たり少なくとも約10mg、1日当たり少なくとも約20mg、1日当たり少なくとも約30mg、1日当たり少なくとも約40mg、1日当たり少なくとも約50mg、1日当たり少なくとも約60mg、1日当たり少なくとも約70mg、1日当たり少なくとも約80mg、1日当たり少なくとも約90mg、1日当たり少なくとも約100mg、1日当たり少なくとも約110mg、1日当たり少なくとも約120mg、1日当たり少なくとも約130mg、1日当たり少なくとも約140mg、1日当たり少なくとも約150mg、または1日当たり少なくとも約160mg、1日当たり少なくとも約170mg、1日当たり少なくとも約180mg、1日当たり少なくとも約190mg、または1日当たり少なくとも約200mg、高い。あるいは、一部の実施形態では、最初の投与するステップ(a)または(b)の後のIBDを有する患者におけるIL6、IL12またはHLA−DRレベルが正常レベル未満である場合、ステップ(c)または(d)において投与する後続用量は、初回用量よりも1日当たり少なくとも約5mg、1日当たり少なくとも約10mg、1日当たり少なくとも約20mg、1日当たり少なくとも約30mg、1日当たり少なくとも約40mg、1日当たり少なくとも約50mg、1日当たり少なくとも約60mg、1日当たり少なくとも約70mg、1日当たり少なくとも約80mg、1日当たり少なくとも約90mg、または1日当たり少なくとも約100mg、低い。さらに、一部の実施形態では、最初の投与するステップ(a)または(b)において投与する初回用量は、1日当たり約10mgから1日当たり100mgの間、1日当たり約5mgから1日当たり200mgの間、1日当たり約10mgから1日当たり50mgの間、1日当たり約50mgから1日当たり100mgの間、および1日当たり約100mgから1日当たり約200mgの間であり、ステップ(c)または(d)において投与する後続用量は、1日当たり約30mgから1日当たり200mgの間、1日当たり約5mgから1日当たり30mgの間、1日当たり約20mgから1日当たり50mgの間、1日当たり約50mgから1日当たり100mgの間、または1日当たり約100mgから1日当たり200mgの間である。
別の態様では、IBDの患者におけるSMAD7 AONを用いた処置を、最初の投与するステップの前後の患者における相対的なIL6、IL12またはHLA−DRのレベルの比較に基づいて調節するための方法が本明細書において提示される。方法は、(a)患者におけるIL6、IL12またはHLA−DRのレベルを分析するステップと、(b)IL6、IL12またはHLA−DRのレベルがIL6、IL12またはHLA−DRの正常レベルを超えている場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(c)前記投与するステップの後に患者におけるIL6、IL12またはHLA−DRのレベルを分析するステップと、(d)IL6、IL12またはHLA−DRのレベルが、前記投与するステップの後に前記投与するステップの前のIL6、IL12、またはHLA−DRのレベルよりも低い場合には、患者に初回用量と同じまたは初回用量よりも低い後続用量を投与するステップとを含む。あるいは、ステップ(d)において、IL6、IL12、またはHLA−DRのレベルが、前記投与するステップ(すなわち、ステップ(b))の後に、前記投与するステップの前のIL6、IL12またはHLA−DRのレベルと比較して変化していないまたは上昇している場合には、ステップ(d)は、患者に初回用量よりも高い後続用量を投与するまたは処置を終了することを含む。あるいは、ステップ(d)において、患者が臨床的寛解の状態であり、かつ、IL6、IL12またはHLA−DRのレベルが、前記投与するステップ(すなわち、ステップ(b))の後に、前記投与するステップの前のIL6、IL12またはHLA−DRのレベルと比較して変化していないまたは上昇している場合には、ステップ(d)は、処置を終了することを含む。
この節において提示される方法の一部の実施形態では、最初の(SMAD7 AONを)投与するステップ後に観察される、投与するステップの前のIL6、IL12またはHLA−DRレベルと比較したIL6、IL12またはHLA−DRレベルの変化を、例えば、IL6、IL12またはHLA−DRのパーセントの変化として分析して、IBDの患者に投与する後続用量のSMAD7 AONの量を決定することができる。例えば、一部の実施形態では、IL6、IL12またはHLA−DRのレベルが、前記投与するステップ(例えば、投与するステップ(b))の後に、前記投与するステップの前のIL6、IL12またはHLA−DRのレベルと比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%低下した場合には、方法は、患者に初回用量と同じまたは初回用量よりも低い後続用量を投与するステップ(例えば、投与するステップ(d))を含む。
別の態様では、IBDを有する患者がSMAD7 AONを用いた処置後に臨床的寛解を得る確率を、SMAD7 AONを用いた処置の前後のIL6、IL12またはHLA−DRの比較に基づいて、例えば、IL6、IL12、またはHLA−DRレベルのパーセント変化の比較に基づいて決定するための方法が本明細書において提示される。例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法は、投与するステップ(例えば、投与するステップ(b))の後のIL6、IL12またはHLA−DRのレベルが、投与するステップの前のIL6、IL12またはHLA−DRのレベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%低下した場合、IBDを有する患者が、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも6週間または少なくとも8週間の期間IBDの臨床的寛解を得る見込みが20%よりも高い、30%よりも高い、40%よりも高い、50%よりも高い、60%よりも高い、70%よりも高い、80%よりも高い、90%よりも高いまたは100%よりも高いと決定するステップをさらに含む。
本明細書に記載されている臨床的寛解は、参照値との比較、例えば、クローン病活動指数(CDAI)または改変メイヨースコア(MMS)によって決定することができる。本発明の一部の実施形態では、IBDを有する患者における臨床的寛解は、CDAIスコアが150未満(CDAI<150)であることまたはMMSが2またはそれよりも低いこと(MMS≦2)によって示される。例えば、節6.2.2を参照されたい。
この節において提示される方法の一部の実施形態では、臨床応答または臨床的寛解は、SMAD7 AONの投与に対して所与の時点においてまたは所与の時間枠内で観察することができる(例えば、例えばCDAIスコアを含めた、節6.2に記載されている分析を使用して)。例えば、一部の実施形態では、臨床的寛解は、投与するステップ(例えば、投与するステップ(b))の約1日後、約3日後、約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約6週間後、約8週間後、または約10週間後に観察され、少なくとも3日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、または少なくとも10週間の期間維持される。同様に、本発明の一部の実施形態は、IBDを有する患者のCDAIが、抗SMAD7療法を投与するステップ(例えば、投与するステップ(b))の1週間前に約220から約400の間、約150から約200の間、約200から約250の間、約250から約300の間、約300から約350の間、約350から約400の間、約400から約450の間、または約450よりも高い場合、IBDを有する患者がIBDの臨床的寛解を得る見込みがあると決定する方法を含む。本発明の一部の実施形態は、IBDを有する患者のMMSが、抗SMAD7療法を投与するステップ(例えば、投与するステップ(b))の1週間前に約4から約9の間、約2から約4の間、約4から約6の間、約6から約8の間、または約8よりも高い場合、IBDを有する患者がIBDの臨床的寛解を得る見込みがあると決定する方法を含む。
一部の実施形態では、IL6、IL12またはHLA−DRが正常レベルを超えている患者においてIBDを処置または管理する方法は、患者にある用量のSMAD7 AONを投与するステップを含む。さらに、一部の実施形態では、ある用量のSMAD7 AONの投与後にIL6、IL12またはHLA−DRレベルが正常を超えている患者においてIBDを処置または管理するための方法は、前の用量よりも高いまたはそれと等しい、さらなる用量のSMAD7 AONを投与するステップを含む。同様に、IBDを処置または管理する方法の一部の実施形態では、ある用量のSMAD7 AONの投与後、IBDを有する患者のIL6、IL12またはHLA−DRレベルは正常未満である。後者の場合には、方法は、患者に前の用量よりも低いまたはそれと等しい、さらなる用量のSMAD7 AONを投与するステップを含む。一部の実施形態では、患者へのSMAD7 AONの投与を、患者が臨床応答または寛解を示すまで、例えば、節6.2に記載されている臨床的パラメータのモニタリングに基づいて、例えば、バイオマーカー、例えば、SMAD7、Foxp3、CCR9、CCL20、IL10、CD4、CD8、IFN−γ、IL17、IL4、IL8、CRP、TNFα、FCPのレベルが正常レベルに到達するまで、もしくは患者が150未満のCDAIスコアを達成するまで、または節6.2に記載されている任意の他の臨床的パラメータに基づいて、繰り返す。
IL6、IL12またはHLA−DRのレベルが正常を超えている患者においてIBDを処置または管理する方法の一部の実施形態では、患者におけるIL6、IL12またはHLA−DRレベルが低下するまで患者に投与するSMAD7 AONの量を増加させる。そのような実施形態では、患者におけるIL6、IL12またはHLA−DRのレベルがIL6、IL12もしくはHLA−DRのおよそ正常レベル、またはIL6、IL12もしくはHLA−DRの正常レベル未満に低下するまで患者に投与するSMAD7 AONのレベルを上昇させることができる。
IBDを処置または管理する方法の一部の実施形態では、IBDの患者におけるIBDの処置または管理をモニタリングすることを含み、モニタリングは、各SMAD7 AON投与後に患者におけるIL6、IL12またはHLA−DRレベルを分析することを含む。これらの方法を利用して、IL6、IL12またはHLA−DRレベルが低下しないことにより、処置または管理が有効でないことが示される。そのような実施形態では、IL6、IL12またはHLA−DRレベルを各SMAD7 AONの投与後、1回または多数回、例えば、2回、3回、4回、約5回、約10回、約15回、約20回、または約30回分析することができる。さらに、IL6、IL12またはHLA−DRレベルを測定するタイミングは、SMAD7 AON投与の時間に関して変動させることができ、したがって、IL6、IL12またはHLA−DRレベルは、SMAD7 AON投与の直後、約1時間後、約3時間後、約6時間後、約12時間後、約1日後、約3日後、約1週間後、約2週間後、および/または約1カ月後に分析することができる。
IBDを有する患者におけるバイオマーカーまたは分析物、例えば、IL6、IL12またはHLA−DRのレベルを本明細書に記載されている方法を使用して決定するために、試料を患者から得ることができる。したがって、この節において提示されるIBDを処置または管理する方法の一部の実施形態では、IBDを有する患者から得た試料において、IBDを有する患者におけるIL6、IL12またはHLA−DRのレベルを決定する。IL6、IL12もしくはHLA−DR以外のまたは追加の分析物、例えば、これだけに限定されないが、便中カルプロテクチン(FCP)、インターロイキン−8(IL8)、インターロイキン−17(IL17A)、インターフェロンガンマ(IFN−γ)、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)、表面抗原分類4(CD4)、表面抗原分類8(CD8)およびC反応性タンパク質(CRP)も本発明の方法において決定することができる。したがって、一部の実施形態では、方法は、IBDを有する患者における1種または複数の追加的な分析物のレベル、または多数のレベルを決定するステップを含む。TNFαの分析物は、NCBI Reference Sequence:NG_007462.1に記載されているTNFα遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。CRPの分析物は、NCBI Reference Sequence:NG_013007.1に記載されているCRP遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IL8の分析物は、NCBI Reference Sequence:NG_029889.1に記載されているTNFα遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。FCPの分析物は、Entrez GeneID No.6280に記載されているFCP遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IL6の分析物は、Entrez GeneID No.3569に記載されているIL6遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IL8の分析物は、Entrez GeneID No.3567に記載されているIL8遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IL12の分析物は、Entrez GeneID No.3593に記載されているIL12遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IL17の分析物は、Entrez GeneID No.3605に記載されているIL17A遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IFNγの分析物は、Entrez GeneID No.3458に記載されているIFNγ遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。CD4の分析物は、Entrez GeneID No.920に記載されているCD4遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。CD8の分析物は、Entrez GeneID No.925に記載されているCD8遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。HLA−DRの分析物は、例えば、Entrez GeneID No.3122、3123、3125、3126、および3127に記載されているHLA−DR遺伝子ファミリー(例えば、HLA−DRA、HLA−DRB1、HLA−DRB3、HLA−DRB4、およびHLA−DRB5を含む)のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。
IBDを有する患者から得られる、目的の分析物、例えば、SMAD7、リン酸化SMAD3(phosphor-SMAD3)、HLA−DR、TNFα、CRP、IFN−γ、IL6、IL8、IL12、IL17、CD4および/またはCD8を含有する試料は、血液試料、血清試料、または血漿試料を含み得る。FCPを含有する試料は、便試料を含み得る。便試料は、水分を含む便試料であっても乾燥便試料であってもよい。試料は、これだけに限定されないが、組織試料、胃腸試料、粘膜試料、粘膜下試料、腸試料、食道試料、回腸試料、直腸試料、またはリンパ試料などの組織試料も含み得る。IBDを有する患者由来の試料中の目的の分析物のレベルは、様々なアッセイを使用して決定することができる。例えば、本発明の方法では、FCPおよび/または別の分析物のレベルは、免疫化学によって、例えば、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって、または、ヌクレオチド分析によって決定することができる。
本明細書において提示される方法は、様々な形態のIBDを処置および管理するための方法を含む。例えば、本発明は、IBDを処置および管理するための方法を含み、IBDは、クローン病(CD)または潰瘍性大腸炎(UC)である。企図されている発明は、例えば、これだけに限定されないが、活動性CDを有するステロイド依存性の患者;および活動性CDを有するステロイド抵抗性の患者であるIBD患者を含めた、異なる型のIBDの患者を処置するための方法も提供する。
本明細書に記載されている本発明の方法においてIBDを有する患者に投与するSMAD7 AONは、種々の投与経路によって投与することができることが理解されよう。種々の実施形態では、SMAD7 AONは、経口的、局所的、非経口的なものを含め、1つまたはいくつかの経路によって、例えば、皮下注射によって、吸入噴霧によって、または直腸に投与することができる。非経口という用語は、本明細書で使用される場合、皮下注射、膵臓内投与、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内注射または注入技法を含む。好ましい実施形態では、SMAD7 AONを、IBDを有する患者に経口的に投与することができる。
節6.11に記載されているSMAD7 AONは、例えば、本明細書に記載されている本発明の方法において使用することができる。
6.5 リン酸化SMAD3
本明細書において提示される方法では、節6.2に記載されている通り、バイオマーカーリン酸化SMAD3を使用して抗SMAD7処置の活性をモニタリングすることができる(例えば、患者がSMAD7 AONに対して臨床応答を示すかどうか、または患者が寛解を得るかどうかを分析するために)。一部の実施形態では、例えば、節6.1に記載されている通り、IBD患者試料中のリン酸化SMAD3レベルにより、IBD患者を第1の処置期から第2の処置期へ移行させるかどうか(例えば、患者がSMAD7 AONに対して臨床応答を示すかどうかまたは患者が寛解を示すかどうか)に関する決定が通知され得る。
本明細書において提示される他の方法では、リン酸化SMAD3を、患者を選択するためのバイオマーカーとして使用することができる。
別の態様では、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法が本明細書において提示される。一実施形態では、方法は、(a)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(b)患者におけるリン酸化SMAD3のレベルを分析するステップと、(c)リン酸化SMAD3のレベルがリン酸化SMAD3の正常レベル未満である場合には、患者に初回用量よりも高いまたはそれと等しい後続用量を投与するステップとを含む。あるいは、ステップ(c)において、リン酸化SMAD3のレベルがステップ(b)において決定されたリン酸化SMAD3の正常レベルを超えている場合には、ステップ(c)は、患者に初回用量と等しいまたはそれよりも低い後続用量を投与することを含む。
別の態様では、炎症性腸疾患(IBD)を有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者についてのリン酸化SMAD3の対照レベルを確立するステップと、(b)患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、c)患者におけるリン酸化SMAD3のレベルを分析するステップと、(d)リン酸化SMAD3のレベルが対照レベルよりも高い場合には、患者に初回用量と同じまたは初回用量よりも低い後続用量を投与する、あるいは、リン酸化SMAD3のレベルが対照レベルと比較して変化していないまたは低い場合には、患者に初回用量と同じもしくは初回用量よりも高い後続用量を投与するまたは処置を終了するステップとを含む方法が本明細書において提示される。
一部の実施形態では、IBD患者についての対照レベルは、慢性疾患期間中、例えば、患者が寛解の状態であるときに、第1の抗SMAD7処置を投与する前にIBD患者から得た試料中のリン酸化SMAD3レベルである。一部の実施形態では、IBD患者についての対照レベルは、急性疾患期間中、第1の抗SMAD7処置を投与する前にIBD患者から得た試料中のリン酸化SMAD3レベルである(例えば、CDAI>150;CDAI≧250および≦450;MMS≧4および≦9)。一部の実施形態では、IBD患者についての対照レベルは、患者に抗SMAD7処置を投与する期間中、または処置期間の開始時(例えば、0週目中、ベースラインレベル)にIBD患者から得た試料中のリン酸化SMAD3レベルである。一部の実施形態では、IBD患者の対照レベルは、抗SMAD7処置期間中の初期の時点でIBD患者から得た試料中のリン酸化SMAD3である。
別の態様では、初回用量のSMAD7 AONの投与に関してIBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法が本明細書において提示される。一実施形態では、IBDを有する患者においてIBDを処置または管理するための方法であって、(a)患者におけるリン酸化SMAD3のレベルを分析するステップと、(b)リン酸化SMAD3のレベルがリン酸化SMAD3の正常レベル未満である場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップとを含む方法が本明細書において提示される。さらに、方法は、(c)前記投与するステップ、すなわちステップ(b)の後に患者におけるリン酸化SMAD3のレベルを分析するステップと、(d)リン酸化SMAD3のレベルがリン酸化SMAD3の正常レベル未満である場合には、患者に初回用量よりも高いまたはそれと等しい後続用量を投与するステップとをさらに含み得る。あるいは、ステップ(d)において、ステップ(c)において決定されたリン酸化SMAD3のレベルがリン酸化SMAD3の正常レベルを超えている場合には、ステップ(d)は、患者に初回用量と等しいまたはそれよりも低い後続用量を投与することを含む。一部の例では、ステップ(d)において投与される後続用量が最大耐量(MTD)と等しいまたはそれよりも高い場合には、方法は、処置を終了するステップを含む。
リン酸化SMAD3のレベルは、本明細書において提示されるIBDを処置するための方法における投与スケジュール中の任意の時点で分析することができる。例えば、リン酸化SMAD3を、抗SMAD7療法を投与する前もしくはその後(例えば、少なくとも1日、少なくとも3日、少なくとも5日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1カ月、少なくとも2カ月、少なくとも4カ月、または少なくとも6カ月)、または抗SMAD7療法の投与と並行して分析することができる。
リン酸化SMAD3のレベルは、投与するステップ(b)の後の種々の時点で分析することができる。例えば、一部の実施形態では、投与するステップ(b)の後、リン酸化SMAD3のレベルを、前記投与するステップの少なくとも1日後、少なくとも3日後、少なくとも5日後、少なくとも1週間後、少なくとも2週間後、少なくとも3週間後、少なくとも1カ月後、少なくとも2カ月後、少なくとも4カ月後、または少なくとも6カ月後に分析する。一部の実施形態では、リン酸化SMAD3のレベルを前記投与するステップの直後に分析する。さらに他の実施形態では、リン酸化SMAD3のレベルを前記投与するステップの約7日後、約10日後、約15日後、約20日後、約25日後、または約28日後に分析する。
リン酸化SMAD3の正常レベルは、健康な対照群におけるリン酸化SMAD3のレベルと比較することによって決定することができる。
本発明の他の実施形態では、リン酸化SMAD3の正常レベルは、健康な対照群におけるリン酸化SMAD3のレベルの中央値と定義される。健康な対照群は、患者における同じ判断基準のセットとマッチさせた、遺伝的背景、習慣、および身体的特質に関連する種々の判断基準に基づいて定義することができる。例えば、一部の実施形態では、健康な対照群とIBDを有する患者を、年齢、性別、民族起源、喫煙習慣、食習慣、肥満度指数(BMI)、および/または運動習慣に関してマッチさせる。
本発明の種々の実施形態では、IBDを有する患者に投与するSMAD7 AONの初回用量は、変動し得る。例えば、一部の実施形態では、IBDを有する患者に投与するSMAD7 AONの初回用量は、1日当たり500mg未満、1日当たり400mg未満、1日当たり300mg未満、1日当たり200mg未満、1日当たり100mg未満、1日当たり90mg未満、1日当たり80mg未満、1日当たり70mg未満、1日当たり60mg未満、1日当たり50mg未満、1日当たり40mg未満、1日当たり30mg未満、1日当たり20mg未満、または1日当たり10mg未満である。あるいは、他の実施形態では、初回用量は、1日当たり少なくとも1mg、1日当たり少なくとも5mg、1日当たり少なくとも10mg、1日当たり少なくとも20mg、1日当たり少なくとも30mg、1日当たり少なくとも40mg、1日当たり少なくとも50mg、1日当たり少なくとも60mg、1日当たり少なくとも70mg、1日当たり少なくとも80mg、1日当たり少なくとも90mg、1日当たり少なくとも100mg、1日当たり少なくとも200mg、1日当たり少なくとも300mg、1日当たり少なくとも400mg、または1日当たり少なくとも500mgである。さらに他の実施形態では、初回用量は、1日当たり約5mg、1日当たり約10mg、1日当たり約20mg、1日当たり約30mg、1日当たり約40mg、1日当たり約50mg、1日当たり約60mg、1日当たり約70mg、1日当たり約80mg、1日当たり約90mg、1日当たり約100mg、1日当たり約200mg、1日当たり約300mg、1日当たり約400mg、または1日当たり約500mgである。一部の実施形態では、初回用量は、1日当たり5mg、1日当たり10mg、1日当たり20mg、1日当たり30mg、1日当たり40mg、1日当たり50mg、1日当たり60mg、1日当たり70mg、1日当たり80mg、1日当たり90mg、1日当たり100mg、1日当たり110mg、1日当たり120mg、1日当たり130mg、1日当たり140mg、1日当たり150mg、1日当たり160mg、1日当たり170mg、1日当たり180mg、1日当たり190mg、または1日当たり200mgである。
この節において提示される炎症性腸疾患(IBD)を処置または管理するための方法の一部の実施形態では、ステップ(b)または(c)において患者におけるリン酸化SMAD3のレベルを分析した後、リン酸化SMAD3のレベルがリン酸化SMAD3の正常レベル未満である場合には、方法は、患者に初回用量よりも高い後続用量を投与するステップを含み得る。一部の実施形態では、ステップ(b)または(c)において患者におけるリン酸化SMAD3のレベルを分析した後、リン酸化SMAD3のレベルがリン酸化SMAD3の正常レベルを超えている場合には、方法は、患者に初回用量よりも低い後続用量を投与するステップを含み得る。
別の態様では、IBDを有する患者におけるリン酸化SMAD3のレベルに基づいて、初回用量のSMAD7 AONに対してSMAD7 AONの後続用量のレベルを決定するための方法が本明細書において提示される。例えば、本明細書に記載されている本発明の実施形態では、IBDを有する患者におけるリン酸化SMAD3レベルは、最初の投与するステップ(a)または(b)の後に正常レベル未満であり、ステップ(c)または(d)において投与する後続用量は、初回用量よりも1日当たり少なくとも約5mg、1日当たり少なくとも約10mg、1日当たり少なくとも約20mg、1日当たり少なくとも約30mg、1日当たり少なくとも約40mg、1日当たり少なくとも約50mg、1日当たり少なくとも約60mg、1日当たり少なくとも約70mg、1日当たり少なくとも約80mg、1日当たり少なくとも約90mg、1日当たり少なくとも約100mg、1日当たり少なくとも約110mg、1日当たり少なくとも約120mg、1日当たり少なくとも約130mg、1日当たり少なくとも約140mg、1日当たり少なくとも約150mg、または1日当たり少なくとも約160mg、1日当たり少なくとも約170mg、1日当たり少なくとも約180mg、1日当たり少なくとも約190mg、または1日当たり少なくとも約200mg、高い。あるいは、一部の実施形態では、最初の投与するステップ(a)または(b)の後のIBDを有する患者におけるリン酸化SMAD3レベルが正常レベルを超えている場合、ステップ(c)または(d)において投与する後続用量は、初回用量よりも1日当たり少なくとも約5mg、1日当たり少なくとも約10mg、1日当たり少なくとも約20mg、1日当たり少なくとも約30mg、1日当たり少なくとも約40mg、1日当たり少なくとも約50mg、1日当たり少なくとも約60mg、1日当たり少なくとも約70mg、1日当たり少なくとも約80mg、1日当たり少なくとも約90mg、または1日当たり少なくとも約100mg、低い。さらに、一部の実施形態では、最初の投与するステップ(a)または(b)において投与する初回用量は、1日当たり約10mgから1日当たり100mgの間、1日当たり約5mgから1日当たり200mgの間、1日当たり約10mgから1日当たり50mgの間、1日当たり約50mgから1日当たり100mgの間、および1日当たり約100mgから1日当たり約200mgの間であり、ステップ(c)または(d)において投与する後続用量は、1日当たり約30mgから1日当たり200mgの間、1日当たり約5mgから1日当たり30mgの間、1日当たり約20mgから1日当たり50mgの間、1日当たり約50mgから1日当たり100mgの間、または1日当たり約100mgから1日当たり200mgの間である。
別の態様では、IBDの患者におけるSMAD7 AONを用いた処置を、最初の投与するステップの前後の患者におけるリン酸化SMAD3の相対的なレベルの比較に基づいて調節するための方法が本明細書において提示される。方法は、(a)患者におけるリン酸化SMAD3のレベルを分析するステップと、(b)リン酸化SMAD3のレベルがリン酸化SMAD3の正常レベル未満である場合には、患者に初回用量のSMAD7 AONを投与するステップと、(c)前記投与するステップの後に患者におけるリン酸化SMAD3のレベルを分析するステップと、(d)リン酸化SMAD3のレベルが、前記投与するステップの後に前記投与するステップの前のリン酸化SMAD3のレベルよりも高い場合には、患者に初回用量と同じまたは初回用量よりも低い後続用量を投与するステップとを含む。あるいは、ステップ(d)において、リン酸化SMAD3のレベルが、前記投与するステップ(すなわち、ステップ(b))の後に、前記投与するステップの前のリン酸化SMAD3のレベルと比較して変化していないまたは低い場合には、ステップ(d)は、患者に初回用量よりも高い後続用量を投与するまたは処置を終了することを含む。あるいは、ステップ(d)において、患者が臨床的寛解の状態であり、かつ、リン酸化SMAD3のレベルが、前記投与するステップ(すなわち、ステップ(b))の後に、前記投与するステップの前のリン酸化SMAD3のレベルと比較して変化していないまたは低下している場合には、ステップ(d)は、処置を終了することを含む。
この節において提示される方法の一部の実施形態では、最初の投与するステップ(SMAD7 AONを)後に観察される、投与するステップの前のリン酸化SMAD3レベルと比較したリン酸化SMAD3レベルの変化を、例えば、リン酸化SMAD3のパーセントの変化として分析して、IBDの患者に投与する後続用量のSMAD7 AONの量を決定することができる。例えば、一部の実施形態では、リン酸化SMAD3のレベルが、前記投与するステップ(例えば、投与するステップ(b))の後に、前記投与するステップの前のリン酸化SMAD3のレベルと比較して少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または少なくとも10倍上昇した場合には、方法は、患者に初回用量と同じまたは初回用量よりも低い後続用量を投与するステップ(例えば、投与するステップ(d))を含む。
別の態様では、IBDを有する患者が、SMAD7 AONを用いた処置後に臨床的寛解を得る確率を、リン酸化SMAD3の比較に基づいて、例えば、SMAD7 AONを用いた処置の前後のリン酸化SMAD3レベルのパーセント変化の比較に基づいて決定するための方法が本明細書において提示される。例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法は、投与するステップ(例えば、投与するステップ(b))の後のリン酸化SMAD3のレベルが、投与するステップの前のリン酸化SMAD3のレベルと比較して少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または少なくとも10倍上昇した場合、IBDを有する患者が、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも6週間または少なくとも8週間の期間IBDの臨床的寛解を得る見込みが20%よりも高い、30%よりも高い、40%よりも高い、50%よりも高い、60%よりも高い、70%よりも高い、80%よりも高い、90%よりも高いまたは100%よりも高いと決定するステップをさらに含む。
本明細書に記載されている臨床的寛解は、参照値との比較、例えば、クローン病活動指数(CDAI)または改変メイヨースコア(MMS)によって決定することができる。本発明の一部の実施形態では、IBDを有する患者における臨床的寛解は、CDAIスコアが150未満(CDAI<150)であることまたはMMS≦2によって示される。例えば、節6.2.2を参照されたい。
この節において提示される方法の一部の実施形態では、臨床応答または臨床的寛解は、SMAD7 AONの投与に対して所与の時点においてまたは所与の時間枠内で観察することができる(例えば、例えばCDAIスコアまたはMMSを含めた、節6.2に記載されている分析を使用して)。例えば、一部の実施形態では、臨床的寛解は、投与するステップ(例えば、投与するステップ(b))の約1日後、約3日後、約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約6週間後、約8週間後、または約10週間後に観察され、少なくとも3日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、または少なくとも10週間の期間維持される。同様に、本発明の一部の実施形態は、IBDを有する患者のCDAIが、抗SMAD7療法を投与するステップ(例えば、投与するステップ(b))の1週間前に約220から約400の間、約150から約200の間、約200から約250の間、約250から約300の間、約300から約350の間、約350から約400の間、約400から約450の間、または約450よりも高い場合、IBDを有する患者がIBDの臨床的寛解を得る見込みがあると決定する方法を含む。本発明の一部の実施形態は、IBDを有する患者のMMSが、抗SMAD7療法を投与するステップ(例えば、投与するステップ(b))の1週間前に約4から約9の間、約2から約4の間、約4から約6の間、約6から約8の間、または約8よりも高い場合、IBDを有する患者がIBDの臨床的寛解を得る見込みがあると決定する方法を含む。
一部の実施形態では、リン酸化SMAD3が正常レベルを超えている患者においてIBDを処置または管理する方法は、患者にある用量のSMAD7 AONを投与するステップを含む。さらに、一部の実施形態では、ある用量のSMAD7 AONの投与後にリン酸化SMAD3レベルが正常を超えている患者においてIBDを処置または管理するための方法は、前の用量よりも高いまたはそれと等しい、さらなる用量のSMAD7 AONを投与するステップを含む。同様に、IBDを処置または管理する方法の一部の実施形態では、ある用量のSMAD7 AONの投与後、IBDを有する患者のリン酸化SMAD3レベルは正常未満である。後者の場合には、方法は、患者に前の用量よりも低いまたはそれと等しい、さらなる用量のSMAD7 AONを投与するステップを含む。一部の実施形態では、患者へのSMAD7 AONの投与を、患者が臨床応答または寛解を示すまで、例えば、節6.2に記載されている臨床的パラメータのモニタリングに基づいて、例えば、バイオマーカー、例えば、SMAD7、Foxp3、CCR9、CCL20、IL4、IL10、CD4、CD8、IFN−γ、IL17、IL8、CRP、TNFα、FCPのレベルが正常レベルに到達するまで、もしくは患者が150未満のCDAIスコアを達成するまで、または節6.2に記載されている任意の他の臨床的パラメータに基づいて、繰り返す。
リン酸化SMAD3のレベルが正常未満である患者においてIBDを処置または管理する方法の一部の実施形態では、患者におけるリン酸化SMAD3レベルが上昇するまで、患者に投与するSMAD7 AONの量を増加させる。そのような実施形態では、患者におけるリン酸化SMAD3のレベルがリン酸化SMAD3のおよそ正常レベルまたはリン酸化SMAD3の正常レベルを超えて上昇するまで患者に投与するSMAD7 AONのレベルを上昇させることができる。
IBDを処置または管理する方法の一部の実施形態では、IBDの患者におけるIBDの処置または管理をモニタリングすることを含み、モニタリングは、各SMAD7 AON投与後に患者におけるリン酸化SMAD3レベルを分析することを含む。これらの方法を利用して、リン酸化SMAD3レベルが上昇しないことにより、処置または管理が有効でないことが示される。そのような実施形態では、リン酸化SMAD3レベルを各SMAD7 AON投与後に、1回または多数回、例えば、2回、3回、4回、約5回、約10回、約15回、約20回、または約30回分析することができる。さらに、リン酸化SMAD3レベルを測定するタイミングは、SMAD7 AON投与の時間に関して変動させることができ、したがって、リン酸化SMAD3レベルは、SMAD7 AON投与の直後、約1時間後、約3時間後、約6時間後、約12時間後、約1日後、約3日後、約1週間後、約2週間後、および/または約1カ月後に分析することができる。
IBDを有する患者におけるバイオマーカーまたは分析物、例えば、リン酸化SMAD3のレベルを本明細書に記載されている方法を使用して決定するために、試料を患者から得ることができる。したがって、この節において提示されるIBDを処置または管理する方法の一部の実施形態では、IBDを有する患者から得た試料において、IBDを有する患者におけるリン酸化SMAD3のレベルを決定する。リン酸化SMAD3以外のまたは追加の分析物、例えば、これだけに限定されないが、便中カルプロテクチン(FCP)、インターロイキン−8(IL8)、インターロイキン−17(IL17)、インターフェロンガンマ(IFN−γ)、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)、表面抗原分類4(CD4)、表面抗原分類8(CD8)およびC反応性タンパク質(CRP)も本発明の方法において決定することができる。したがって、一部の実施形態では、方法は、IBDを有する患者における1種または複数の追加的な分析物のレベル、または多数のレベルを決定するステップを含む。TNFαの分析物は、NCBI Reference Sequence:NG_007462.1に記載されているTNFα遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。CRPの分析物は、NCBI Reference Sequence:NG_013007.1に記載されているCRP遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IL8の分析物は、NCBI Reference Sequence:NG_029889.1に記載されているTNFα遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。FCPの分析物は、Entrez GeneID No.6280に記載されているFCP遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IL6の分析物は、Entrez GeneID No.3569に記載されているIL6遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IL8の分析物は、Entrez GeneID No.3567に記載されているIL8遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IL12の分析物は、Entrez GeneID No.3593に記載されているIL12遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。IL17の分析物は、Entrez GeneID No.3605に記載されているIL17A遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。CD4の分析物は、Entrez GeneID No.920に記載されているCD4遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。CD8の分析物は、Entrez GeneID No.925に記載されているCD8遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。HLA−DRの分析物は、例えば、Entrez GeneID No.3122、3123、3125、3126、および3127に記載されているHLA−DR遺伝子ファミリー(例えば、HLA−DRA、HLA−DRB1、HLA−DRB3、HLA−DRB4、およびHLA−DRB5を含む)のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。Foxp3の分析物は、Entrez GeneID No.50943に記載されているFoxp3遺伝子のまたはそれに由来するRNA、DNA、およびタンパク質産物を含む。
IBDを有する患者から得られる、目的の分析物、例えば、SMAD7、リン酸化SMAD3、HLA−DR、TNFα、CRP、IFN−γ、IL6、IL8、IL12、IL17A、CD4および/またはCD8を含有する試料は、血液試料、血清試料、血漿試料、または組織生検などの組織試料を含み得る。FCPを含有する試料は、便試料を含み得る。便試料は、水分を含む便試料であっても乾燥便試料であってもよい。試料は、これだけに限定されないが、組織試料、胃腸試料、粘膜試料、粘膜下試料、腸試料、食道試料、回腸試料、直腸試料、またはリンパ試料などの組織試料も含み得る。IBDを有する患者由来の試料中の目的の分析物のレベルは、様々なアッセイを使用して決定することができる。例えば、本発明の方法では、リン酸化SMAD3および/または別の分析物のレベルは、免疫化学によって、例えば、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定することができる。あるいは、組織生検などの試料中のリン酸化SMAD3(phosphor-SMAD3)のレベルは、高圧液体クロマトグラフィーと質量分析(HPLC−MS)を併せたアッセイにおいて決定することができる。
本明細書において提示される方法は、様々な形態のIBDを処置および管理するための方法を含む。例えば、本発明は、IBDを処置および管理するための方法を含み、IBDは、クローン病(CD)または潰瘍性大腸炎(UC)である。企図されている発明は、例えば、これだけに限定されないが、活動性CDを有するステロイド依存性の患者;および活動性CDを有するステロイド抵抗性の患者であるIBD患者を含めた、異なる型のIBDの患者を処置するための方法も提供する。
本明細書に記載されている本発明の方法においてIBDを有する患者に投与するSMAD7 AONは、種々の投与経路によって投与することができることが理解されよう。種々の実施形態では、SMAD7 AONは、経口的、局所的、非経口的なものを含め、1つまたはいくつかの経路によって、例えば、皮下注射によって、吸入噴霧によって、または直腸に投与することができる。非経口という用語は、本明細書で使用される場合、皮下注射、膵臓内投与、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内注射または注入技法を含む。好ましい実施形態では、SMAD7 AONを、IBDを有する患者に経口的に投与することができる。
節6.11に記載されているSMAD7 AONは、例えば、本明細書に記載されている本発明の方法において使用することができる。
6.6 IBDの処置、管理、および予防
この節で記載される方法は、例えば、臨床的活性パラメータまたはバイオマーカーレベルによって決定される、例えば、IBDの軽度の、中程度の、または重度の形態(例えば、CDまたはUCの軽度の、中程度の、または重度の形態)が挙げられるIBDを有する患者または対象において、IBDを処置または管理するのに有用である。一部の実施形態では、方法は、例えば、当技術分野において公知である、患者におけるある特定のリスク因子(例えば、遺伝的因子、環境因子、またはライフスタイル因子)の存在によって決定される、例えば、IBDを発症する危険がある患者において、IBDを予防するのに有用である。一部の実施形態では、本明細書中で提供される方法は、以前にIBD処置(例えば、アミノサリチレート処置またはステロイド処置)を受容したが、これが失敗している患者において、またはほとんどもしくは全く臨床症状のない慢性疾患を経験している処置未経験患者において、IBDの再発生を予防するのに有用である。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、IBDの1つまたは複数の臨床症状を低減することを含む。一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、CDの症状、例えば腹部の痛み(例えば、痙攣、接触時の疼き、常にある痛みが挙げられる)、下痢(例えば血便が挙げられる)、食欲不振、発熱、体重減少、貧血、腸炎、もしくは感染症(例えば膿瘍)、裂肛、関節痛、眼の障害、皮膚発疹、または肝疾患を低減することを含む。一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、UCの1つまたは複数の症状、例えば腸の膨張、腸炎、大腸(結腸)の内層の潰瘍、下痢、腹部の痛み、または直腸からの出血を低減することを含む。一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、疾患の慢性期の間の1つまたは複数のIBD症状を低減することを含む。一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、疾患の急性期の間の(例えば、疾患の「フレアアップ」の間の)1つまたは複数のIBD症状を低減することを含む。一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、IBD処置、例えば抗SMAD7療法(および、例えば、抗SMAD7 AON)に応答したIBD患者において再発するまでの時間を延ばすことを含む。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、疾患のフレアアップの強さを低減することを含む。一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、IBD患者においてフレアアップが起こる頻度を低減することを含む。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、例えば、IBD患者において痛みを低減することによって、IBD患者の食欲を向上させることによって、またはIBD患者の睡眠(例えば、連続した睡眠の長さ)を向上させることによって、IBD患者の生活の質(例えば、患者の調査によって決定される)を向上させることを含む。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、IBDバイオマーカーレベル(例えば、hsCRP、FCP、炎症性サイトカイン(例えば、IL6、IL8、IL12、IL17、TNFα、IFNγ)、リン酸化SMAD3もしくはSMAD7 mRNA、またはSMAD7タンパク質のレベル)を引き下げることを含む。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、IBDバイオマーカーレベル(例えばSMAD3リン酸化)を増大させることを含む。
一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の糞便サンプル中のFCPレベルは、第1の処置期間中の時点にて、または第2の処置期間中の時点にて、50μg/g便以下、75μg/g便以下、100μg/g便以下、125μg/g便以下、150μg/g便以下、175μg/g便以下、200μg/g便以下、225μg/g便以下、250μg/g便以下、275μg/g便以下、300μg/g便以下、325μg/g便以下、350μg/g便以下、375μg/g便以下、または400μg/g便以下である。FCPレベルは、IBD患者の湿潤便サンプルまたは乾燥便サンプルにおいて決定され得る。一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の糞便サンプル中のFCPレベルは、第1の処置期間の終わりにて、または第2の処置期間の終わりにて、200μg/g便以下である。一部の実施形態では、2〜9歳の患者由来の糞便サンプル中のFCPレベルは、約100μg/g便から約200μg/g便、約110μg/g便から約190μg/g便、約120μg/g便から約180μg/g便、約130μg/g便から約170μg/g便、または約140μg/g便から約160μg/g便の間に低減される。一部の実施形態では、2〜9歳の患者由来の糞便サンプル中のFCPレベルは、約166μg/g便に低減される。一部の実施形態では、10〜59歳の患者由来の糞便サンプル中のFCPレベルは、約10μg/g便から約100μg/g便、約20μg/g便から約90μg/g便、約30μg/g便から約80μg/g便、約40μg/g便から約70μg/g便、または約50μg/g便から約60μg/g便の間に低減される。一部の実施形態では、10〜59歳の患者由来の糞便サンプル中のFCPレベルは、約51μg/g便に低減される。一部の実施形態では、60歳以上の患者由来の糞便サンプル中のFCPレベルは、約60μg/g便から約160μg/g便、約70μg/g便から約150μg/g便、約80μg/g便から約140μg/g便、約90μg/g便から約130μg/g便、または約100μg/g便から約120μg/g便の間に低減される。一部の実施形態では、60歳以上の患者由来の糞便サンプル中のFCPレベルは、約112μg/g便に低減される。
一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の糞便サンプル中のFCPレベルは、第1の処置期間中の時点にて、ベースラインから20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上低減される。一部の実施形態では、IBDを有する患者由来の糞便サンプル中のFCPレベルは、第2の処置期間中の時点にて、ベースラインから20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上低減される。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、IBDバイオマーカーレベルを、正常な範囲、またはほぼ正常な範囲(例えば、健康的な対照群におけるそれぞれのバイオマーカーレベルによって決定される)内に維持することを含む。一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、臨床的活性スコア、例えばSES−CD、CDAI、UCDAI、PRO−2、腹痛、1日当たりの液状便もしくは軟便の平均頻度スコア、MMS、PMS、TMS、ES、または組織学的スコアを低下させることを含む。一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、臨床的活性スコア、例えば、SES−CD、CDAI、UCDAI、PRO−2、腹痛、1日当たりの液状便もしくは軟便の平均頻度スコア、MMS、PMS、TMS、ESスコア、または組織学的スコアを、特定の閾値レベル未満に維持することを含む(例えば、SES−CD2以下;CDAI150未満;PRO−2<8;腹痛1以下;1日当たりの液状便または軟便の平均頻度1.5以下または3.0以下、TMSスコア2以下;ES=0;PMSスコア2以下;MMSスコア2以下)。一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、臨床的活性スコア、例えばSES−CD、CDAI、UCDAI、PRO−2、腹痛、1日当たりの液状便もしくは軟便の平均頻度スコア、MMS、PMS、TMS、ESスコア、または組織学的スコアを、特定の点数低下させることを含む(例えば、SES−CDスコアの、ベースラインからの25%または50%の引下げ;CDAIスコアの、ベースラインからの100以上の引下げ;PRO−2の、ベースラインからの8点以上の引下げ;腹痛の、ベースラインからの1以上の引下げ、および/または1日当たりの液状便もしくは軟便の平均頻度の、ベースラインからの1以上の引下げ;TMSスコアの、ベースラインからの30%以上かつ3点以上の低下;ESの、ベースラインからの1以上の低下;PMSスコアの、ベースラインからの25%以上かつ2点以上の低下;MMSスコアの、ベースラインからの25%以上かつ2点以上の低下)。一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、臨床的活性スコアを、正常な範囲、またはほぼ正常な範囲(例えば、健康的な対照群におけるそれぞれのバイオマーカーレベルによって決定される)内に維持することを含む。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、臨床的活性スコア、例えば、TMS、PMS、MMSスコア、またはRBS、内視鏡サブスコアを低下させることを含む。一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、臨床的活性スコア、例えば、TMS、PMS、MMSスコア、またはRBS、内視鏡サブスコアを、特定の閾値レベル未満に維持することを含む(例えば、RBSサブスコア1以下)。一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、臨床的活性スコア、例えば、TMS、PMS、MMSスコア、またはRBS、内視鏡サブスコアを、ベースラインからあるパーセンテージまたは特定の点数低下させることを含む(例えば、TMSスコアの、ベースラインからの30%以上かつ3点以上の引下げ;PMSスコアの、ベースラインからの25%以上かつ2点以上の引下げ;MMSスコアの、ベースラインからの25%以上かつ2点以上の引下げ;RBSサブスコアの1点以上の引下げ)。一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、臨床的活性スコアを、正常な範囲、またはほぼ正常な範囲(例えば、健康的な対照群におけるそれぞれのスコアレベルによって決定される)内に維持することを含む。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、第1の処置期間の4週目またはその前後の時点にて、ベースラインと比較して、SES−CDスコアにおける約4点の引下げを含む。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、SES−CDスコアがベースラインに対して4点引き下げられている場合、SMAD7 AONに対する応答を示す。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、ベースラインの(例えば、第1の処置期間の0週目の間の時点での)SES−CDスコアと比較して、第1の処置期間の間の、または第2の処置期間の間の時点にて、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、または20%以下のSES−CDスコアを含む。一部の実施形態では、第1の処置期間の間の時点でのSES−CDスコアは、ベースラインの患者のSES−CDスコアと比較して、50%以下である。一部の実施形態では、第1の処置期間の4週目またはその前後の時点でのSES−CDスコアは、ベースラインと比較して、75%以下または50%以下である。一部の実施形態では、第1の処置期間の12週目またはその前後の時点でのSES−CDスコアは、ベースラインと比較して、75%以下または50%以下である。
一部の実施形態では、SES−CDスコアは、第1の処置期間または第2の処置期間の間の時点(例えば、第1の処置期間または第2の処置期間の最終週の間の時点)にて、5以下、4以下、3以下、2以下、または1以下である。一部の実施形態では、SES−CDスコアは、第1の処置期間または第2の処置期間の間の(例えば、第1の処置期間または第2の処置期間の最終週の間の)時点にて、2以下である。一部の実施形態では、SES−CDスコアは、第1の処置期間の12週目またはその前後の時点にて、2以下である。
一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間の初めにて(例えば、0週目の間の時点にて)、7以上のSES−CDスコアを有する。
一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間の初めにて(例えば、0週目の間の時点にて)、6以上の総SES−CDスコアまたは4以上の回腸区域SES−CDスコアを有する。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、IBDを有する患者において、1日当たりの液状便もしくは軟便の平均頻度スコアを、第1の、第2の、そして/または第3の処置期間の間の時点にて、例えば、第1の処置期間の2週目、4週目、8週目、もしくは12週目の間の、第2の処置期間の4週目、8週目、12週目、16週目、20週目、もしくは24週目の間の、または第3の処置期間の24週目、52週目、104週目、156週目、もしくは208週目の間の時点にて、ベースラインから20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上引き下げることを含む。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、IBDを有する患者において、一日の平均腹痛を、第1の、第2の、そして/または第3の処置期間の間の時点にて、例えば、第1の処置期間の2週目、4週目、8週目、もしくは12週目の間の、第2の処置期間の4週目、8週目、12週目、16週目、20週目、もしくは24週目の間の、または第3の処置期間の24週目、52週目、104週目、156週目、もしくは208週目の間の時点にて、ベースラインから20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上引き下げることを含む。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、IBDを有する患者において、第1の処置期間の間の時点にて、14未満、12未満、10未満、8未満、6未満、4未満、または2未満のPRO−2スコアを達成することを含む。一部の実施形態では、第2の処置期間の間の時点でのPRO−2スコアは、14未満、12未満、10未満、8未満、6未満、4未満、または2未満である。
一部の実施形態では、第3の処置期間の間の時点でのPRO−2スコアは、14未満、12未満、10未満、8未満、6未満、4未満、または2未満である。
一部の実施形態では、PRO−2スコアは、第1の、第2の、そして/または第3の処置期間の間の時点にて(例えば、第1の処置期間の2週目、4週目、8週目、もしくは12週目の間の時点にて、第2の処置期間の4週目、8週目、12週目、16週目、20週目、もしくは24週目の間の時点にて、または第3の処置期間の24週目、52週目、104週目、156週目、もしくは208週目の間の時点にて)、8未満である。
一部の実施形態では、PRO−2スコアは、第1の、第2の、そして/または第3の処置期間の間の時点にて、ベースラインから2点以上、3点以上、4点以上、5点以上、6点以上、7点以上、8点以上、9点以上、10点以上、12点以上、または14点以上低下している。
一部の実施形態では、PRO−2は、第1の処置期間の2週目、4週目、8週目、もしくは12週目の間の、第2の処置期間の4週目、8週目、12週目、16週目、20週目、もしくは24週目の間の、または第3の処置期間の24週目、52週目、104週目、156週目、もしくは208週目の間の時点にて、ベースラインから8点以上低下している。
一部の実施形態では、CDAIスコアは、第1の処置期間の間に、第2の処置期間の間に、または第1の、そして第2の処置期間の間に、ベースラインから20点以上、30点以上、40点以上、50点以上、60点以上、70点以上、80点以上、90点以上、100点以上、110点以上、120点以上、130点以上、140点以上、または150点以上低下している。
一部の実施形態では、CDAIスコアは、第3の処置期間の間に、第2の、そして第3の処置期間の間に、第1の、そして第3の処置期間の間に、または3つ全ての処置期間の間に、ベースラインから20点以上、30点以上、40点以上、50点以上、60点以上、70点以上、80点以上、90点以上、100点以上、110点以上、120点以上、130点以上、140点以上、または150点以上低下している。
一部の実施形態では、CDAIスコアは、第1の処置期間の間の、第2の処置期間の間の、または第1の、そして第2の処置期間の間の時点にて、ベースラインから100点以上低下している。一部の実施形態では、CDAIスコアは、第1の処置期間の2週目、4週目、8週目、または12週目の間の時点にて、そして第2の処置期間の4週目、8週目、12週目、16週目、20週目、または24週目の間の時点にて、ベースラインから100点以上低下している。
一部の実施形態では、CDAIスコアは、第3の処置期間の間の、第2の、そして第3の処置期間の間の、第1の、そして第3の処置期間の間の、または3つ全ての処置期間の間の時点にて、ベースラインから100点以上低下している。一部の実施形態では、CDAIスコアは、第3の処置期間の24週目、52週目、104週目、156週目、または208週目の間の時点にて、ベースラインから100点以上低下している。
一部の実施形態では、CDAIスコアは、第1の、第2の、または第3の処置期間の間の時点にて(例えば、第1の、第2の、または第3の処置期間の最終週の間の時点にて)、200未満、190未満、180未満、170未満、160未満、150未満、140未満、130未満、120未満、110未満、または100未満である。一部の実施形態では、CDAIスコアは、第1の、第2の、または第3の処置期間の間の時点にて、150未満である。
一部の実施形態では、CDAIスコアは、第1の処置期間の2週目、4週目、8週目、もしくは12週目またはその前後の時点にて、第2の処置期間の4週目、8週目、12週目、16週目、20週目、もしくは24週目またはその前後の時点にて、または第3の処置期間の24週目、52週目、104週目、156週目、もしくは208週目の間の時点にて、150未満である。一部の実施形態では、CDAIスコアは、第1の処置期間の4週目またはその前後の時点にて、150未満である。
一部の実施形態では、CDAIスコアは、第1の処置期間の8週目またはその前後の時点にて、150未満である。一部の実施形態では、CDAIスコアは、第1の処置期間の12週目またはその前後の時点にて、150未満である。一部の実施形態では、CDAIスコアは、第2の処置期間の24週目またはその前後の時点にて、150未満である。一部の実施形態では、CDAIスコアは、第2の処置期間の52週目またはその前後の時点にて、150未満である。一部の実施形態では、CDAIスコアは、第3の処置期間の52週目またはその前後の時点にて、150未満である。一部の実施形態では、CDAIスコアは、第3の処置期間の208週目またはその前後の時点にて、150未満である。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、第1の処置期間の4週目またはその前後の時点にて、ベースラインと比較して、TMSスコアの約3点の引下げを含む。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、TMSスコアがベースラインに対して3点引き下げられている場合、SMAD7 AONに対する応答を示す。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、ベースラインの(例えば、第1の処置期間の0週目の間の時点での)TMSスコアと比較して、第1の処置期間の間の、または第2の処置期間の間の時点にて、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、または20%以下のTMSスコアを含む。一部の実施形態では、第1の処置期間の間の時点でのTMSスコアは、ベースラインの患者のTMSスコアと比較して、70%以下である。一部の実施形態では、第1の処置期間の4週目またはその前後の時点でのTMSスコアは、ベースラインと比較して、70%以下である。一部の実施形態では、第1の処置期間の8週目またはその前後の時点でのTMSスコアは、ベースラインと比較して、70%以下である。一部の実施形態では、第2の処置期間の間の時点でのTMSスコアは、ベースラインの患者のTMSスコアと比較して、70%以下である。
一部の実施形態では、TMSスコアは、第1の処置期間または第2の処置期間の間の時点(例えば、第1の、または第2の処置期間の最終週の間の時点)にて、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、2以下、または1以下である。一部の実施形態では、TMSスコアは、第1の処置期間または第2の処置期間の間の(例えば、第1の、または第2の処置期間の最終週の間の)時点にて、9以下である。一部の実施形態では、TMSスコアは、第1の処置期間の8週目またはその前後の時点にて、2以下である。
一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間の初めにて(例えば、0週目の間の時点にて)、4以上のTMSスコアを有する。一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間の初めにて(例えば、0週目の間の時点にて)、6以上のTMSスコアを有する。一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間の初めにて(例えば、0週目の間の時点にて)、9以上のTMSスコアを有する。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、第1の処置期間の4週目またはその前後の時点にて、ベースラインと比較して、PMSスコアの約2点の引下げを含む。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、PMSスコアがベースラインに対して2点引き下げられている場合、SMAD7 AONに対する応答を示す。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、ベースラインの(例えば、第1の処置期間の0週目の間の時点での)PMSスコアと比較して、第1の処置期間の間の、または第2の処置期間の間の時点にて、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、または20%以下のPMSスコアを含む。一部の実施形態では、第1の処置期間の間の時点でのPMSスコアは、ベースラインの患者のPMSスコアと比較して、75%以下である。一部の実施形態では、第1の処置期間の4週目またはその前後の時点でのPMSスコアは、ベースラインと比較して、75%以下である。一部の実施形態では、第1の処置期間の8週目またはその前後の時点でのPMSスコアは、ベースラインと比較して、75%以下である。一部の実施形態では、第2の処置期間の間の時点でのPMSスコアは、ベースラインの患者のPMSスコアと比較して、75%以下である。
一部の実施形態では、PMSスコアは、第1の処置期間または第2の処置期間の間の時点(例えば、第1の、または第2の処置期間の最終週の間の時点)にて、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、2以下、または1以下である。一部の実施形態では、PMSスコアは、第1の処置期間または第2の処置期間の間の(例えば、第1の、または第2の処置期間の最終週の間の)時点にて、7以下である。一部の実施形態では、PMSスコアは、第1の処置期間の8週目またはその前後の時点にて、2以下である。
一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間の初めにて(例えば、0週目の間の時点にて)、4以上のPMSスコアを有する。一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間の初めにて(例えば、0週目の間の時点にて)、6以上のPMSスコアを有する。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、第1の処置期間の4週目またはその前後の時点にて、ベースラインと比較して、MMSスコアの約2点の引下げを含む。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、MMSスコアがベースラインに対して2点引き下げられている場合、SMAD7 AONに対する応答を示す。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、ベースラインの(例えば、第1の処置期間の0週目の間の時点での)MMSスコアと比較して、第1の処置期間の間の、または第2の処置期間の間の時点にて、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、または20%以下のMMSスコアを含む。一部の実施形態では、第1の処置期間の間の時点でのMMSスコアは、ベースラインの患者のMMSスコアと比較して、75%以下である。一部の実施形態では、第1の処置期間の4週目またはその前後の時点でのMMSスコアは、ベースラインと比較して、75%以下である。一部の実施形態では、第1の処置期間の8週目またはその前後の時点でのMMSスコアは、ベースラインと比較して、75%以下である。一部の実施形態では、第2の処置期間の間の時点でのMMSスコアは、ベースラインの患者のMMSスコアと比較して、75%以下である。
一部の実施形態では、MMSスコアは、第1の処置期間または第2の処置期間の間の時点(例えば、第1の、または第2の処置期間の最終週の間の時点)にて、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、2以下、または1以下である。一部の実施形態では、MMSスコアは、第1の処置期間または第2の処置期間の間の(例えば、第1の、または第2の処置期間の最終週の間の)時点にて、7以下である。一部の実施形態では、MMSスコアは、第1の処置期間の8週目またはその前後の時点にて、2以下である。
一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間の初めにて(例えば、0週目の間の時点にて)、4以上のMMSスコアを有する。一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間の初めにて(例えば、0週目の間の時点にて)、6以上のMMSスコアを有する。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、第1の処置期間の4週目またはその前後の時点にて、ベースラインと比較して、RBSスコアの約1点の引下げを含む。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、RBSサブスコアがベースラインに対して1点引き下げられている場合、SMAD7 AONに対する応答を示す。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、第1の処置期間の間の、または第2の処置期間の間の時点にて、0または1点のRBSサブスコアを含む。一部の実施形態では、第1の処置期間の間の時点でのRBSサブスコアは、0または1である。一部の実施形態では、第1の処置期間の4週目またはその前後の時点でのRBSサブスコアは、0または1である。一部の実施形態では、第1の処置期間の8週目またはその前後の時点でのRBSサブスコアは、0または1である。一部の実施形態では、第2の処置期間の間の時点でのRBSサブスコアは、0または1である。
一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間の初めにて(例えば、0週目の間の時点にて)、1以上のRBSサブスコアを有する。一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間の初めにて(例えば、0週目の間の時点にて)、2以上のRBSサブスコアを有する。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、第1の処置期間の4週目またはその前後の時点にて、ベースラインと比較して、内視鏡サブスコアの約1点の引下げを含む。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、内視鏡サブスコアがベースラインに対して1点引き下げられている場合、SMAD7 AONに対する応答を示す。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、第1の処置期間の間の、または第2の処置期間の間の時点にて、0または1点の内視鏡サブスコアを含む。一部の実施形態では、第1の処置期間の間の時点での内視鏡サブスコアは、0または1である。一部の実施形態では、第1の処置期間の4週目またはその前後の時点での内視鏡サブスコアは、0または1である。一部の実施形態では、第1の処置期間の8週目またはその前後の時点での内視鏡サブスコアは、0または1である。一部の実施形態では、第2の処置期間の間の時点での内視鏡サブスコアは、0または1である。
一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間の初めにて(例えば、0週目の間の時点にて)、1以上の内視鏡サブスコアを有する。一部の実施形態では、患者は、第1の処置期間の初めにて(例えば、0週目の間の時点にて)、2以上の内視鏡サブスコアを有する。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、ベースラインと比較して、TMSスコアの少なくとも3点の、そして少なくとも30%の引下げを、RBSスコアの少なくとも1点の、または絶対RBSの0もしくは1の付随する引下げと共に含む。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、ベースラインと比較して、MMSスコアの少なくとも2点の、そして少なくとも25%の引下げを、RBSスコアの少なくとも1点の、または絶対RBSの0もしくは1の付随する引下げと共に含む。
一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、ベースラインと比較して、PMSスコアの少なくとも2点の、そして少なくとも25%の引下げを、RBSスコアの少なくとも1点の、または絶対RBSの0もしくは1の付随する引下げと共に含む。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の間の(例えば、2週目、4週目、8週目、または12週目の間の)、もしくは第2の処置期間の間の(例えば、4週目、8週目、12週目、16週目、20週目、または24週目の間の)時点にて、または第2の処置期間後の(例えば、第2の処置期間の1週、2週、4週、3カ月、6カ月、9カ月、12カ月、18カ月、2年、3年、4年、または5年後の)時点にて、SMAD7 AON投与に対する応答を示す。一部の実施形態では、SMAD7 AON投与に対する応答は、IBDの1つまたは複数の臨床症状の重篤度、または再発の頻度の引下げを含む。一部の実施形態では、SMAD7 AON投与に対する応答は、SES−CDスコアにおいて、ベースライン(例えば、第1の処置期間の0週目の間の時点)と比較して、少なくとも50%の引下げを含む。一部の実施形態では、SMAD7 AON投与に対する応答は、CDAIスコアにおいて、ベースラインからの100点以上の低下を含む。一部の実施形態では、SMAD7 AON投与に対する応答は、PRO−2スコアにおいて、ベースラインからの8点以上の低下を含む。一部の実施形態では、SMAD7 AON投与に対する応答は、1日当たりの液状便もしくは軟便の平均頻度スコアにおいて、ベースラインからの1点以上の低下を含む。一部の実施形態では、SMAD7 AON投与に対する応答は、腹痛スコアにおいて、ベースラインからの1.0点以上の低下を含む。一部の実施形態では、SMAD7 AON投与に対する応答は、1日当たりの液状便もしくは軟便の平均頻度スコアにおいて、ベースラインからの1点以上の低下を、そして腹痛スコアにおいて、ベースラインからの1点以上の低下を含む。一部の実施形態では、SMAD7 AON投与に対する応答は、ベースラインからのTMSの30%以上かつ3点以上の低下を含む。一部の実施形態では、SMAD7 AON投与に対する応答は、ベースラインからのESの1以上の低下を含む。一部の実施形態では、SMAD7 AON投与に対する応答は、ベースラインからのPMSスコアの25%以上かつ2点以上の低下を含む。一部の実施形態では、SMAD7 AON投与に対する応答は、ベースラインからのMMSスコアの25%以上かつ2点以上の低下を含む。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第3の処置期間の間の(例えば、24週目、52週目、104週目、または208週目の間の)時点にて、または第3の処置期間後の(例えば、第3の処置期間の1週、2週、4週、3カ月、6カ月、9カ月、12カ月、18カ月、2年、3年、4年、または5年後の)時点にて、SMAD7 AON投与に対する応答を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の、第2の、または第3の処置期間の少なくとも2週、少なくとも4週、少なくとも6週、少なくとも8週、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも6カ月、少なくとも9カ月、少なくとも12カ月、少なくとも18カ月、少なくとも24カ月、少なくとも30カ月、少なくとも36カ月、少なくとも42カ月、少なくとも48カ月、少なくとも54カ月、または少なくとも60カ月後の、応答の消失(すなわち、臨床的IBD症状の再発生)までの時間を示す。一部の実施形態では、応答の消失までの時間は、例えば、150以上のCDAIスコアの2つの連続的な時点での決定、および患者が最初にSMAD7 AONに対する応答を示した時点でのCDAIスコアからの、CDAIスコアの50以上の増大と定義される。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の間の(例えば、2週目、4週目、8週目、または12週目の間の)、もしくは第2の処置期間の間の(例えば、4週目、8週目、12週目、16週目、20週目、または24週目の間の)時点にて、または第2の処置期間後の(例えば、第2の処置期間の1週、2週、4週、3カ月、6カ月、9カ月、12カ月、18カ月、2年、3年、4年、または5年後の)時点にて、寛解を示す。一部の実施形態では、寛解は、IBDの1つまたは複数の臨床症状の重篤度、または再発の頻度の引下げを含む。一部の実施形態では、寛解は、2以下のSES−CDスコアを含む。一部の実施形態では、寛解は、150未満のCDAIスコアを含む。一部の実施形態では、寛解は、8未満のPRO−2スコアを含む。一部の実施形態では、寛解は、例えば、腸内粘膜潰瘍化の不在によって示される、粘膜治癒を含む。一部の実施形態では、寛解は、1以下の腹痛スコアを含む。一部の実施形態では、寛解は、1.5以下の1日当たりの液状便もしくは軟便の平均頻度スコアを含む。一部の実施形態では、寛解は、2以下のMMS、PMS、またはTMSスコアを含む。一部の実施形態では、寛解は、ES=0を含む。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第3の処置期間の間の(例えば、24週目、52週目、104週目、または208週目の間の)時点にて、または第3の処置期間後の(例えば、第2の処置期間の1週、2週、4週、3カ月、6カ月、9カ月、12カ月、18カ月、2年、3年、4年、または5年後の)時点にて、寛解を示す。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の間に、線維化事象(例えば瘢痕化)を経験しない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第2の処置期間の間に、線維化事象を経験しない。一部の実施形態では、IDを有する患者は、第2の処置期間の終了後の少なくとも1週、少なくとも2週、少なくとも3週、少なくとも4週、少なくとも6週、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも4カ月、少なくとも5カ月、少なくとも6カ月、少なくとも9カ月、少なくとも12カ月、少なくとも18カ月、少なくとも24カ月、少なくとも30カ月、少なくとも36カ月、少なくとも42カ月、少なくとも48カ月、少なくとも54カ月、または少なくとも60カ月の期間、線維化事象を経験しない。
一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第3の処置期間の間に、線維化事象を経験しない。一部の実施形態では、IDを有する患者は、第3の処置期間の終了後の少なくとも1週、少なくとも2週、少なくとも3週、少なくとも4週、少なくとも6週、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも4カ月、少なくとも5カ月、少なくとも6カ月、少なくとも9カ月、少なくとも12カ月、少なくとも18カ月、少なくとも24カ月、少なくとも30カ月、少なくとも36カ月、少なくとも42カ月、少なくとも48カ月、少なくとも54カ月、または少なくとも60カ月の期間、線維化事象を経験しない。
6.6.2 予防
一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、IBDの1つまたは複数の臨床症状の発生または再発生を部分的に、または完全に予防することを含む。一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、CDの症状、例えば腹部の痛み(例えば、痙攣、接触時の疼き、常にある痛みが挙げられる)、下痢(例えば血便が挙げられる)、食欲不振、発熱、体重減少、貧血、腸炎、もしくは感染症(例えば膿瘍)、裂肛、関節痛、眼の障害、皮膚発疹、または肝疾患の発生または再発生を予防することを含む。一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、UCの1つまたは複数の症状、例えば腸の膨張、腸炎、大腸(結腸)の内層の潰瘍、下痢、腹部の痛み、または直腸からの出血の発生または再発生を予防すること含む。一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、疾患の慢性期の間の1つまたは複数のIBD症状を予防することを含む。一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、疾患の急性期の間の(例えば、疾患の「フレアアップ」の間の)1つまたは複数のIBD症状を低減することを含む。一部の実施形態では、IBDの再発生の予防は、IBD処置、例えば抗SMAD7療法(および、例えば、抗SMAD7 AON)に応答したIBD患者において再発するまでの時間を延ばすことを含む。
一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、疾患のフレアアップの、または特定の強さの疾患のフレアアップの発生または再発生を予防することを含む。一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、特定の頻度での(例えば、IBD処置レジメンを施す前のIBDを有する患者において直接観察される頻度での、または未処置IBD患者の対照群において観察される(例えば、メジアンまたは平均)頻度での)フレアアップの発生または再発生を予防することを含む。
一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、例えば、IBD患者において痛みの増大を予防することによって、IBD患者の(更なる)食欲不振を予防することによって、またはIBD患者の不眠症の悪化を予防することによって、IBD患者の生活の質(例えば、患者の調査によって決定される)の(更なる)悪化を予防することを含む。
一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、IBDバイオマーカーレベル(例えば、CRP(例えば、hsCRPとして測定される)、FCP、炎症性サイトカイン(例えば、IL6、IL8、IL12、またはIL17)、CD4、CD8、リン酸化SMAD3(phosphor-SMAD3)、HLA−DR、もしくはSMAD7 mRNA、またはSMAD7タンパク質のレベル)の増大、例えば、患者において観察される以前のIBDバイオマーカーレベルを超える増大、または正常な、もしくはほぼ正常なIBDバイオマーカーレベル(例えば、健康的な対照群におけるそれぞれのバイオマーカーレベルによって決定される)に対する増大を予防することを含む。一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、臨床的活性スコア、例えばSES−CD、CDAI、UCDAI、PRO−2、腹痛、1日当たりの液状便もしくは軟便の平均頻度スコア、MMS、PMS、TMS、ES、または組織学的スコアの(さらなる)増大を予防することを含む。一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、臨床的活性スコア、例えばSES−CD、CDAI、UCDAI、PRO−2、腹痛、1日当たりの液状便もしくは軟便の平均頻度スコア、MMS、PMS、TMS、ES、または組織学的スコアが、特定の閾値レベル(例えば、SES−CD=2;CDAI=150;PRO−2=8;腹痛=1.0;1日当たりの液状便または軟便の平均頻度=1.5または3.0、MMS=2、PMS=2、TMS=2、ES=0または1)を上回って増大するのを予防することを含む。一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、臨床的活性スコア、例えば、SES−CD、CDAI、UCDAI、PRO−2、腹痛、1日当たりの液状便もしくは軟便の平均頻度スコア、MMS、PMS、TMS、ES、または組織学的スコアが、特定の点数増大するのを(例えば、SES−CDスコアの倍化;CDAIの50以上または100より大きい増大;PRO−2の8以上の増大;腹痛の1点以上の増大および/または1日当たりの液状便もしくは軟便の平均頻度の1点以上の増大;MMS、TMS、またはPMSの2以上の増大;ESの1以上の増大)予防することを含む。一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、臨床的活性スコアが、正常な範囲またはほぼ正常な範囲(例えば、健康的な対照群におけるそれぞれのバイオマーカーレベルによって決定される)を超えるのを予防することを含む。
一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、臨床的活性スコア、例えば、TMS、PMS、MMSスコア、またはRBS、内視鏡サブスコアの(更なる)増大を防止することを含む。一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、臨床的活性スコア、例えば、TMS、PMS、MMSスコア、またはRBS、内視鏡サブスコアが、特定の閾値レベル(例えば、RBSサブスコア=1)を上回って増大するのを予防することを含む。一部の実施形態では、IBDの予防またはIBDの再発生の予防は、臨床的活性スコア、例えば、TMS、PMS、MMSスコア、またはRBS、内視鏡サブスコアが、ベースラインからあるパーセンテージまたは特定の点数増大するのを(例えば、TMSスコアの、ベースラインからの30%以上かつ3点以上の増大;PMSスコアの、ベースラインからの25%以上かつ2点以上の増大;MMSスコアの、ベースラインからの25%以上かつ2点以上の増大;RBSサブスコアの1点以上の増大)予防することを含む。一部の実施形態では、IBDの処置または管理は、臨床的活性スコアを、正常な範囲、またはほぼ正常な範囲(例えば、健康的な対照群におけるそれぞれのスコアレベルによって決定される)内に維持することを含む。
6.7. 処置レジメンの調整
一部の実施形態では、本明細書中で提供される方法はさらに、IBDを有する患者が、SMAD7 AONに対する応答を示し、または寛解を経験する時点にて、IBDを処置または管理する方法を調整することを含む。例えば節6.1.1.3および節6.1.1.6参照。
例えば、IBDを有する患者が、第1の処置期間の終了前にSMAD7 AONに対する応答を示す場合、第1の処置期間は、終わらせてもよいし、(例えば、何日、何週、または何カ月でも)短くしてもよい。この場合、第2の処置期間は、早めに始めてよく、そして第2の処置期間は、第2の用量または第2の用量よりも低い(例えば、20%、30%、40%、または50%低い)用量でのSMAD7 AONの投与を含んでよい。一部の実施形態では、IBDを有する患者が、第1の処置期間の間にSMAD7 AONに応答する場合、第2の処置期間の間の投薬スケジュールは、変更されてよい。例えば、交互投薬スケジュールは、処置なしの期間がより長くなるように変更されてよい。
一部の実施形態では、IBDを有する患者が、第1の処置期間の終わりにて、応答を示さず、寛解を示さず、または追加的なIBD処置を次第に完全になくすことができない場合、患者は、第2の処置期間に入らず、その代わりとして、第1の処置期間を繰り返す。この場合、IBDを有する患者は、第1の処置期間の繰返しの間に、第1の用量が増大されて投与されてよい(例えば、第1の用量は、20mg/日だけ、または10%増大されてよい)。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、SMAD7 AONの第1の用量を継続的に増大させる際に、IBDを有する患者がSMAD7 AONに対する応答を示し、寛解を示し、追加的なIBD処置を次第に完全になくすまで、第1の処置期間を繰り返してよい。第1の用量が最大耐量を超える場合、処置を終了する。
一部の実施形態では、第1の処置期間の繰返しの間の第1の用量は、40mg/日、80mg/日、120mg/日、160mg/日、240mg/日、320mg/日だけ、または50%、100%、200%、400%増大してよい。
一部の実施形態では、第2の処置期間の間に応答または寛解を示さないIBD患者は、第2の処置期間から第3の処置期間に移行してよい。第3の処置期間の間に、IBD患者は、第3の用量が増大されて投与されてよい(例えば、第3の用量は、120mg/日だけ、40mg/日から約160mg/日に、または第2の用量に対して4倍増大されてよい)。一部の実施形態では、IBD患者は、連続的投薬スケジュールまたは交互投薬スケジュール(例えば、4週のSMAD7 AON処置が、4週のプラセボまたは処置なしと交互に起こる)を用いて、IBD患者が、SMAD7 AONに対する応答を示し、または寛解を経験するまで、第3の用量が投与されてよい。第3の用量が最大耐量を超える場合、処置を終了する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONの活性のモニタリングは、患者が、第1の処置期間の間にSMAD7 AONの初期の第1の用量に応答することを示し、そして第2の処置期間の間の時点での、応答の部分的な、または完全な消失を示す。一部のそのような実施形態では、第2の処置期間は終わり、そして患者は、第1の処置期間に再び入って、初期の第1の用量にて、または、初期の第1の用量よりも高い用量にて、SMAD7 AONを受ける。
6.8 薬物動態(PK)および薬力学的(PD)の査定
一部の実施形態では、本明細書中で提供される、IBDを処置または予防する方法はさらに、SMAD7 AONのPK/PD特性を分析することを含む。
一部の実施形態では、PK/PD特性の分析は、IBDを有する患者由来の血液サンプル中のバイオマーカー(例えばCRP)、または便サンプル中のバイオマーカー(例えばFCP)を分析することを含む。
一部の実施形態では、PK/PD特性の分析は、IBDを有する患者由来の腸内粘膜サンプル中のバイオマーカー(例えば、TNFα、微生物叢)を分析することを含む。一部の実施形態では、PK/PD特性の分析は、IBDを有する患者由来の単核細胞サンプル中のバイオマーカー(例えば、IL−17A、Foxp3、CCR9)を分析することを含む。
一部の実施形態では、PK/PD特性の分析は、IBDを有する患者由来の腸内粘膜生検を分析することを含む。一部の実施形態では、PK/PD特性の分析は、例えば、IBDを有する患者由来の腸内粘膜生検において、SMAD7リン酸化を分析することを含む。一部の実施形態では、PK/PD特性の分析は、IBDを有する患者由来の腸内粘膜生検中のバイオマーカー、例えばCD4、CD8、またはHLA−DRの発現を分析することを含む。
一部の実施形態では、SMAD7 AONのPK/PD特性の分析は、IBDを有する患者において、SMAD7 AONの系統的曝露をモニタリングすることを含む。一部の実施形態では、IBDを有する患者におけるSMAD7 AONの系統的曝露のモニタリングは、第1の処置期間の4週目、8週目、または12週目の間の時点にて、SMAD7 AONの血漿濃度を分析することを含む。一部の実施形態では、SMAD7 AONの系統的曝露のモニタリングは、第1の処置期間または第2の処置期間の間に、スパースPK分析(例えば、ごく少ない患者サンプルに基づく、曲線下面積、および他の薬物動態学的パラメータの分析、例えば、実施例1参照)を実行することを含む。一部の実施形態では、スパースPK分析は、第1の処置期間の4週目、8週目、または12週目に実行される。
一部の実施形態では、スパースPKは、IBDを有する患者から、2つの時点、すなわち投与前時点と投与後時点にて血液サンプルを採ることを含む。一部の実施形態では、投与前時点は、SMAD7 AONの従前の用量の投与の少なくとも23時間より長い時間の後であり、投与後時点は、SMAD7 AONの注目する用量の投与の1から6時間後である。血液サンプルは、当技術分野において公知の方法(例えばHPLC)を用いて、SMAD7 AON含有量について分析され得る。
6.9 患者集団
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、UC患者またはCD患者である。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、開始スクリーニング期間または第1の処置期間の少なくとも3カ月前にCDまたはUCと診断された。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、スクリーニング期間または第1の処置期間前の2年以内に、例えば内視鏡的、X線検査、または別の画像化方法(例えば磁気共鳴画像法[MRI]、コンピュータ断層撮影法[CT]スキャン)により決定される、回腸炎または回腸大腸炎と診断された。一部の実施形態では、患者は、遠位結腸〜横行結腸中部を含むIBDを有する。一部の実施形態では、患者は、広範囲大腸炎を有する。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、スクリーニング期間または第1の処置期間の開始に、220以上〜450以下(範囲:0〜600)のCDAIスコアにより、または7以上のSES−CDスコアにより特徴付けられる、活動性疾患を有する。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、スクリーニング期間または第1の処置期間の開始に、220以上〜450以下(範囲:0〜600)のCDAIスコアにより、および(患者が回腸炎のみを有する場合)4以上のSES−CDスコアにより特徴付けられる、活動性疾患を有する。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、スクリーニング期間または第1の処置期間の開始に、220以上〜450以下(範囲:0〜600)のCDAIスコアにより、および6以上の総SES−CDスコアまたは4以上の回腸区域SES−CDにより特徴付けられる、活動性疾患を有する。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、4以上〜9以下のMMS、および2以上のメイヨー内視鏡サブスコアにより特徴付けられる、活動性疾患を有する。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、SMAD7 AON以外のIBD処置、例えばアミノサリチル酸、ブデソニド、全身コルチコステロイド、免疫抑制剤(6−メルカプトプリン[6−MP]、アザチオプリン[AZA]、またはメトトレキセート[MTX])、または生物学的薬剤(例えばインフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ、またはベドリズマブ)を含むIBD処置について失敗したか、または不耐性を経験した。
一部の実施形態では、アミノサリチル酸での処置に失敗した、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、3グラム以上のメサラミンまたはスルファサラジン(sulafasalazine)での8週間以上の処置を受容した履歴にもかかわらず、活動性疾患の徴候または症状を示した。一部の実施形態では、アミノサリチル酸について不耐性である、IBDを有する患者は、アミノサリチル酸を受容したとき、頭痛、吐き気、嘔吐、過敏症反応(例えば発疹、好酸球増加症、発熱、またはリンパ節腫脹)、腎毒性、肝毒性、血液障害、精子減少症、または不妊症を経験した。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されたIBD患者がブデソニド(budenoside)処置に応じることができなかったことは、9グラム以上の用量のブデソニドでの8週間以上の処置を受容した履歴にもかかわらず、IBD患者において活動性IBDの徴候または症状があることにより示される。一部の実施形態では、ブデソニド不耐性は、ブデソニドを受容したIBD患者における、クッシング症候群、骨減少症/骨粗鬆症、高血糖、不眠症、または感染の発症により示される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されたIBD患者が全身コルチコステロイドでの処置に応じることができなかったことは、経口で1日当たり0.75mg/kg mg以上もしくは同等のプレドニゾンでの少なくとも1回の4週過程レジメン、もしくは1週間の静脈内コルチコステロイドを受容した履歴にもかかわらず、IBD患者において活動性IBDの徴候もしくは症状があること;または2回の機会についての10mg以下もしくは同等のプレドニゾンまでコルチコステロイドを漸減する試みの2回の失敗により示される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されたIBD患者が免疫抑制剤での処置に応じることができなかったことは、アザチオプリン(1.5mg/kg以上)または6−メルカプトプリン(0.75mg/kg以上)またはメトトレキセート(12.5mg/週以上)での8週間以上の処置の履歴にもかかわらず、IBD患者において活動性CDの徴候または症状があることにより示される。一部の実施形態では、免疫抑制剤への不耐性は、全身免疫抑制剤を受容したIBD患者における、吐き気、嘔吐、腹痛、膵臓炎、肝機能試験異常、リンパ球減少症、または感染により示される。
本明細書で提供される方法の一部の実施形態では、IBD患者が生物学的薬剤での処置に応じることができなかったことは、(a)少なくとも2週間離れたインフリキシマブ(5mg/kgを超える用量)、アダリムマブ(160mg、続いて80mgの用量)、セルトリズマブ(400mgの用量)、もしくは少なくとも8週間離れたベドリズマブ(300mgの用量)に対する少なくとも2用量の誘導療法後の不十分な開始応答(一次非応答者)、または(b)インフリキシマブ(5mg/kgを超える用量)、アダリムマブ(40mgの用量)、セルトリズマブ(400mgの用量)、もしくはベドリズマブ(300mgの用量)に対する少なくとも2用量の維持療法後の、下痢、腹痛、直腸出血の悪化、もしくは下痢止めの開始もしくは使用増大などの、徴候および症状の再発(二次非応答者)により示される。一部の実施形態では、生物学的薬剤への不耐性は、処置と関連した、発熱、悪寒、発疹、紅潮、掻痒、低血圧、蕁麻疹、筋痛、関節痛により示される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、SMAD7 AON処置前に1つまたは複数の追加的なIBD処置を受容した。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、SMAD7 AON処置前に1つの追加的なIBD処置を受容した。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、SMAD7 AON処置前に2つまたはそれより多い追加的なIBD処置を受容した。一部の実施形態では、追加的なIBD処置の1つは、生物学的薬剤処置(例えばインフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ、またはベドリズマブ)である。一部の実施形態では、追加的なIBD処置の1つは、コルチコステロイド処置(例えばプレドニゾン、ブデソニド)である。一部の実施形態では、追加的なIBD処置の1つは、免疫抑制剤処置(例えばAZA、6−MP、またはMTX)である。一部の実施形態では、追加的なIBD処置の1つは、アミノサリチル酸処置(例えばSSZ、ASA)である。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者の失敗は、SMAD7 AON以外の追加的なIBD処置を受容する。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、経口アミノサリチル酸を含む。一部の実施形態では、経口アミノサリチル酸を含む追加的なIBD処置は、第1の処置期間の開始6週間以上前に開始され、経口アミノサリチル酸は、第1の処置期間の開始前の2週間以上の間、安定用量で投与されており、経口アミノサリチル酸の用量は、第1の処置期間および/または第2の処置期間中安定なままである。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始の少なくとも2週間前にアミノサリチル酸を中断した。
一部の実施形態では、経口アミノサリチル酸の用量は、12週目まで安定なままである。一部の実施形態では、経口アミノサリチル酸の用量は、12週目の後、医師の自由裁量で、臨床的に指示されるように、変更(すなわち、漸減、停止、または増大)してもよい。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、経口コルチコステロイドを含む。一部の実施形態では、経口コルチコステロイドは、第1の処置期間前の少なくとも約4週間の間、安定用量で投与され(例えば20mg/日以下または同等のプレドニゾン、9mg/日以下のブデソニド)、経口コルチコステロイドの用量は、IBDを有する患者がコルチコステロイド漸減を開始するまで安定なままである。
一部の実施形態では、経口コルチコステロイドは、第1の処置期間前の少なくとも約3週間の間、安定用量で投与され(20mg/日未満または同等のプレドニゾン、9mg/日未満のブデソニド)、用量は、対象がコルチコステロイド漸減を開始するのに適格になるまで安定なままである。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始の少なくとも3週間前に経口コルチコステロイドを中断した。一部の実施形態では、経口コルチコステロイドは、第1の処置期間前の少なくとも約3週間の間、安定用量で投与され(20mg/日未満または同等のプレドニゾン、9mg/日未満のブデソニド)、用量は、12週目まで安定なままである。一部の実施形態では、経口コルチコステロイドの用量は、12週目の後、医師の自由裁量で、臨床的に指示されるように、変更(すなわち、漸減、停止、または増大)してもよい。
一部の実施形態では、追加的なIBD処置は、免疫抑制剤、例えば6−MP、AZA、またはMTXを含む。一部の実施形態では、免疫抑制剤を含む追加的なIBD処置は、第1の処置期間の12週間以上前に開始され、免疫抑制剤は、第1の処置期間前の8週間以上の間、安定用量で投与され、第1の処置期間および/または第2の処置期間中、安定用量で投与され続ける。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の少なくとも8週間前に免疫抑制剤を中断した。
一部の実施形態では、免疫抑制剤を含む追加的なIBD処置は、第1の処置期間の12週間以上前に開始され、免疫抑制剤は、第1の処置期間前の8週間以上の間、安定用量で投与され、12週目まで安定用量で投与され続ける。一部の実施形態では、経口コルチコステロイドの用量は、12週目の後、医師の自由裁量で、臨床的に指示されるように、変更(すなわち、漸減、停止、または増大)してもよい。
一部の実施形態では、経口アミノサリチル酸(例えばスルファサラジン[SSZ]または5−アミノサリチル酸[5−ASA]化合物)または免疫抑制剤(例えばAZA、6−MP、またはMTX)は、用量が、0週目〜12週目の第3の処置期間の最初の12週間を通して安定なままである限り、第1の処置期間の開始前に開始もしくは変更してもよく、または以前の第1および/もしくは第2の処置期間から継続してもよい。一部の実施形態では、第3の処置の12週目の後に、患者は、用量を漸減するか、もしくはこれらのバックグラウンドCD投薬法のいずれかを完全に中断してもよく、または用量を増大するか、もしくは医師の自由裁量で、生物学的薬剤を除く、臨床的に指示される任意の新しいCD投薬法を追加してもよい。
一部の実施形態では、経口コルチコステロイド(用量制限なし)は、用量が、0週目〜4週目の第3の処置期間の最初の4週間を通して安定なままである限り、第1の処置期間の開始前に開始もしくは変更してもよく、または以前の第1および/もしくは第2の処置期間から継続してもよい。一部の実施形態では、4週目の後、患者は、医師の自由裁量で、臨床的に指示されるように、コルチコステロイド用量を漸減してもよい。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、以下の検査室基準:3000/mm3以上(3.0×109/L以上)〜14,000/mm3未満(14.0×109/L未満)の白血球カウント;100,000/mm3以上(100×109/L以上)の血小板カウント;1.5mg/dL以下(132.6μmol/L以下)の血清クレアチニン;正常上限(ULN)の2倍以下のAST(SGOT)およびALT(SGPT);2mg/dL以下(34μmol/L以下)の総ビリルビン、または正常下限(LLN)を超えるアルブミン;9g/dL以上(5.6mmol/L以上)のヘモグロビン、ULNの1.5倍以下の活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の1つまたは複数を満たす。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、少なくとも18歳の男性または女性患者である。一部の実施形態では、IBD患者は、約18〜約45歳の間の男性または女性患者である。一部の実施形態では、IBD患者は、約18〜約75歳の男性または女性患者である。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、ウィーン分類スキーム、モントリオール分類スキーム、またはパリ分類スキームを使用してCD患者として診断される。例えばGasche, C.ら、A simple classification of Crohn's disease: report of the Working Party for the World Congresses of Gastroenterology, Vienna 1998.、Inflamm Bowel Dis.、2000年2月、6巻(1号):8〜15頁;Levine, A.ら、A comparison of budesonide and prednisone for the treatment of active pediatric Crohn disease.、J Pediatr Gastroenterol Nutr、2003年、36巻(2号):248〜52頁;Levine, A.ら、Pediatric modification of the Montreal classification for inflammatory bowel disease: the Paris classification.、Inflamm Bowel Dis.、2011年6月、17巻(6号):1314〜21頁、doi:10.1002/ibd.21493.Epub 2010年11月8日;Satsangi, J.ら、The Montreal classification of inflammatory bowel disease: controversies, consensus, and implications.、Gut.、2006年6月、55巻(6号):749〜53頁を参照のこと。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、第1の処置期間の開始に処置未経験である。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間前に抗SMAD7療法を受容したことがない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間前にSMAD7 AONを受容したことがない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間前にSMAD7 AON以外のIBD処置を受容したことがない。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、第1の処置期間前にSMAD7 AON以外の1つまたは複数の追加的なIBD処置(例えばアミノサリチル酸、コルチコステロイド、または免疫抑制剤)を受容した。一部の実施形態では、IBD患者は、第1の処置期間前(例えば第1の処置期間の少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも4週間、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも6カ月、少なくとも9カ月、少なくとも12カ月、少なくとも18カ月、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、または少なくとも5年前)に追加的なIBD処置を中断した。一部の実施形態では、IBD患者は、第1の処置期間中、または第1の処置期間の部分中、追加的なIBD処置を受容し続ける。一部の実施形態では、IBD患者は、第2の処置期間中、または第2の処置期間の部分中、追加的なIBD処置を受容し続ける。一部の実施形態では、ある特定の追加的なIBD処置を受容したIBD患者は、本明細書で提供される方法に従う処置に適格でない。一部の実施形態では、IBD患者は、1つまたは複数の追加の処置を忍容することができない。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、1つまたは複数の追加的なIBD処置に応答するか、またはそれにより寛解を達成することができなかった。一部の実施形態では、IBD患者は、本明細書で提供される方法に従う処置中(例えば第1または第2の処置期間中)に、1つまたは複数の追加的なIBD処置を漸減することができる。一部の実施形態では、IBD患者は、1つまたは複数の追加的なIBD処置を漸減することはできない。
一部の実施形態では、第1の処置期間の開始に本明細書で提供される方法で処置されるIBD患者は、潰瘍性大腸炎(UC)、分類不能大腸炎、虚血性大腸炎、顕微鏡的大腸炎、放射線大腸炎、または憩室疾患関連大腸炎と診断されない。一部の実施形態では、第1の処置期間の開始にIBDを有する患者は、狭窄、膿瘍、痔瘻、短腸症候群などのCDの局所的徴候、または手術が指示され得るか、もしくは有効性の評価を混乱させ得る、他の疾患合併症と診断されない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間前6カ月以内に腸切除または3カ月以内に任意の腹腔内手術を受容していない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、回腸瘻増設もしくは人工肛門形成を受容していないか、または第1の処置期間の開始に腸内病原菌を有しない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、結腸直腸がんまたは結腸直腸異形成の病歴を有しない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始前に、ミコフェノール酸、タクロリムス、シロリムス、シクロスポリン、サリドマイド、またはアフェレーシス(例えばAdacolumn(登録商標))を使用していない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始の2週間以内に、静脈内(IV)コルチコステロイドを使用していない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始の2週間以内に、5−アミノサリチル酸(5−ASA)またはコルチコステロイド浣腸剤または坐剤での局所処置を使用していない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始に、任意の腸内病原菌またはC.difficile毒素について便陽性ではない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始の3週間以内にCDの処置のための抗生物質療法を受容していない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始の3週間以内にコレスチラミンを使用していない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始前に、TNF遮断薬を含む任意の生物学的薬剤での処置を受容していない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始の4週間以内に、完全非経口栄養(TPN)を投与されていない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、臨床的に顕著な神経学的、腎臓の、肝臓の、胃腸の、肺の、代謝的、心血管的、精神医学的、内分泌的、または血液学的障害または疾患の1つまたは複数の病歴を有しない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、妊娠中または授乳中ではない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始の6カ月以内に以下の心臓状態:心筋梗塞、急性冠状動脈症候群、不安定狭心症、新規開始心房細動、新規開始心房粗動、第2度もしくは第3度房室ブロック、心室細動、心室頻拍、心不全、心臓手術、介入性心臓カテーテル法(ステント設置を伴うまたは伴わない)、介入性電気生理学的手技、または埋め込み除細動器の存在の1つまたは複数の病歴を有しない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始の4週間以内に、再発性細菌、ウイルス、真菌、マイコバクテリア、もしくは他の感染(非限定的に、結核および非定型抗酸菌症、ならびに帯状疱疹を含む)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、または入院もしくは静脈内(IV)もしくは経口抗生物質での処置を必要とする任意の主要な感染エピソードが、現在活動性であることが知られていることはないか、またはその病歴を有しない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、先天的または後天的免疫不全(例えば分類不能型免疫不全症)の病歴を有しない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、処置された(すなわち、治癒した)基底細胞または扁平細胞皮膚上皮内癌;以前の5年以内に再発の証拠を有しない、処置された(すなわち、治癒した)子宮頸部上皮内腫瘍または子宮頸部の上皮内癌を除く、悪性腫瘍の病歴を有しない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始の3カ月以内に、任意の治験薬物またはデバイスを受容していない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、SMAD7 AONでの事前処置を受容していない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、第1の処置期間の開始前6カ月以内に、アルコール、薬物、または化学物質乱用の履歴を有しない。一部の実施形態では、IBDを有する患者は、オリゴヌクレオチドへの過敏症が知られていることはない。
6.10 SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド
本開示は、一部には、SMAD7阻害剤を含む抗SMAD7療法で、患者においてIBDを処置する方法を対象とする。SMAD7阻害剤は、SMAD7安定性、生成、または機能を結合、分解、またはその他の方法で妨害する、例えば小結合分子、例えば天然および合成化合物、抗体、アプタマー、イントラマー、RNAi(二本鎖RNA、siRNA)、ならびにSMAD7 AONを含み得る。また、SMAD7阻害剤は、SMAD7活性、結合パートナー、または基質を妨害し、およびそれによりSMAD7機能を阻害する、トランケートされた、および/または変異したSMAD7分子を含み得る。
また、本開示は、一部には、SMAD7 AONで、患者においてIBDを処置する方法を対象とする。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的タンパク質(例えばSMAD7)をコードするメッセンジャーRNA(mRNA)に相補的な、短い合成オリゴヌクレオチド配列である。理論に束縛されるものではないが、アンチセンスオリゴヌクレオチド配列は、mRNAにハイブリダイズして、二本鎖ハイブリッドを生成し、これは遍在する触媒酵素、例えばDNA/RNAハイブリッド鎖を分解するRNアーゼHの活性化をもたらし、したがってタンパク質翻訳を妨げ得る。理論に束縛されるものではないが、この節で説明し、本明細書で提供される方法で有用なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、RNAまたはDNAとしてその標的配列にハイブリダイズすることができる。したがって、DNA配列が標的として提供される場合でさえも、対応するRNA配列(チミンの代わりにウラシルを含む)が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、RNAまたはDNAのいずれかであり得る。
本明細書で提供される方法で使用されるSMAD7 AONは、任意の1種類の哺乳動物生物体からのSMAD7を特異的に標的とし得る。かかる哺乳動物生物体は、例えば、限定ではなく、ヒト、霊長類(例えばサル、チンパンジー、オランウータン、およびゴリラ)、ネコ、イヌ、ウサギ、家畜動物(例えばウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ブタ)、およびげっ歯類(例えばマウス、ラット、ハムスター、およびモルモット)を含む。
SMAD7 AONは、任意の翻訳領域または任意の非翻訳領域を含む、SMAD7の任意の1つの領域を標的とし得る。SMAD7の任意の8もしくはそれより多い、10もしくはそれより多い、12もしくはそれより多い、14もしくはそれより多い、16もしくはそれより多い、18もしくはそれより多い、20もしくはそれより多い、22もしくはそれより多い、24もしくはそれより多い、26もしくはそれより多い、28もしくはそれより多い、または30もしくはそれより多い連続ヌクレオチドは、SMAD7 AONにより標的とされ得る。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ヒトSMAD7の領域を標的とすることができる。一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ヒトSMAD7の8もしくはそれより多い、10もしくはそれより多い、12もしくはそれより多い、14もしくはそれより多い、16もしくはそれより多い、18もしくはそれより多い、20もしくはそれより多い、22もしくはそれより多い、24もしくはそれより多い、26もしくはそれより多い、28もしくはそれより多い、または30もしくはそれより多い連続ヌクレオチドの領域を標的とすることができる。一部の実施形態では、SMAD7 AONは、配列番号1の核酸配列を含むヒトSMAD7の領域、または対応するRNA配列を標的とすることができる。
配列番号1(コード配列:NM_005904.3のCDS(288〜1568);Homo sapiens SMADファミリーメンバー7(SMAD7)、転写産物バリアント1、mRNA)(領域108〜128下線):
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ヒトSMAD7の領域108〜128を標的とする。一部の実施形態では、ヒトSMAD7は、配列番号1の核酸配列または対応するRNA配列を有する。一部の実施形態では、ヒトSMAD7は、配列番号1の核酸配列を有するヒトSMAD7の天然に存在するバリアントである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ヒトSMAD7のヌクレオチド403、233、294、295、296、298、299、または533を標的とする。一部の実施形態では、SMAD7 AONは、配列番号1の核酸配列または対応するRNA配列のヌクレオチド403、233、294、295、296、298、299、または533を標的とする。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、配列番号2のヌクレオチド配列(5’−GTCGCCCCTTCTCCCCGCAG−3’)を含む。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、配列番号3のヌクレオチド配列(5’−GTCGCCCCTTCTCCCCGCAGC−3’)を含む。
本明細書で提供される方法で使用されるSMAD7 AONは、天然に存在する核酸塩基、糖、および共有ヌクレオチド間(骨格)結合、ならびに天然に存在しない部分を含み得る。例えば、SMAD7 AONは、例えば1つまたは複数のホスホロチオエート結合を含む、混合骨格を含み得る。一部の実施形態では、SMAD7 AONは、5−メチルシトシンにより置換される1つまたは複数のシトシン残基を有し得る。一部の実施形態では、1つまたは複数のシトシン残基は、CpG対の部分を形成する。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、人工ヌクレオチド、例えばデオキシシチジン、ならびに/または非限定的に5−メチル−2’−デオキシシチジン5’−モノホスフェートおよび5−メチル−2’−デオキシシチジン5’−モノホスホロチオエートを含む、5−メチル2’−デオキシシチジンを含み得る。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、配列番号7の核酸配列(5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAG−3’)を含み、Xは、5−メチル2’−デオキシシチジンである。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、配列番号5の核酸配列(5’−GTXYCCCCTTCTCCCXYCAG−3’)を含み、Xは、シトシン、5−メチルシトシン、および2−O−メチルシトシンからなる群から選択される窒素性塩基を含むヌクレオチドであり、Yは、グアニン、5−メチルグアニン、および2−O−メチルグアニンからなる群から選択される窒素性塩基を含むヌクレオチドであり、任意選択で、ヌクレオチドXまたはYの少なくとも1つは、メチル化窒素性塩基を含む。一部の実施形態では、SMAD7 AONのヌクレオシド間結合の少なくとも1つは、ホスホロチオエート結合である。一部の実施形態では、SMAD7 AONのヌクレオシド間結合の全ては、ホスホロチオエート結合である。一部の実施形態では、SMAD7 AONは、配列番号5のヌクレオチド配列を含むSMAD7 AONであり、全てのヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、配列番号6の核酸配列(5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAGC−3’)を含み、Xは、5−メチル−2’−デオキシシチジンである。一部の実施形態では、SMAD7 AONのヌクレオシド間結合の少なくとも1つは、ホスホロチオエート結合である。一部の実施形態では、SMAD7 AONのヌクレオシド間結合の全ては、ホスホロチオエート結合である。一部の実施形態では、SMAD7 AONは、配列番号6のヌクレオチド配列を含むSMAD7 AONであり、全てのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、図2のAONを含む。
化合物(1)は、ホスホロチオエート骨格を有するSMAD7 AONである。それは化学的に、20個のヌクレオチド間結合の各々が、O,O結合ホスホロチオエートである、3’→5’結合2’−デオキシリボホスホロチオエートオリゴヌクレオチド21マーの完全中和ナトリウム塩として説明することができる。複素環塩基の配列を、配列番号6により描写し、図2で標準のオリゴヌクレオチド構造描写慣習にて示し、ここで、T=チミジン、C=2’−デオキシシチジン、C*=5−メチル−2’−デオキシシチジン、G=2’−デオキシグアノシン、およびA=2’−デオキシアデノシンであり、左から右へ5’から3’である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、化合物(I)の構造を有する。以下の化合物(I)の構造を、4頁にわたり描写する:
化合物(I)の構造は、ナトリウム対イオン(「Na」)を示すように本明細書で示される。当業者は、また、化合物(I)は対イオンを伴わないアニオン形を指し得ることを理解する。当業者は、化合物(I)のアニオン形はプロトン化されて、化合物(I)の酸性形を形成し得ることをさらに理解する。一部の実施形態では、化合物(I)のホスホロチオエート骨格は、完全にまたは部分的にプロトン化されて、化合物(I)の酸性形を形成し得る。
一部の実施形態では、化合物(I)は、遠位消化管に活性物質を送達するように設計された胃酸抵抗性遅延放出pH依存性錠剤として製剤化される(製剤(I))。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ホスフェート結合、例えばモノホスフェート結合である、少なくとも1つのヌクレオシド間結合を含む。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、ホスホロチオエート結合である、少なくとも1つのヌクレオシド間結合を含む。一部の実施形態では、SMAD7 AONは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25個、またはそれより多いホスホロチオエート結合を含む。一部の実施形態では、SMAD7 AONのヌクレオシド間結合の少なくとも5%、10%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%は、ホスホロチオエート結合である。一部の実施形態では、全てのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、少なくとも1つの非天然ヌクレオシド、例えば5−メチル−2’−デオキシシチジン−5’−モノホスフェートおよび5−メチル−2’−デオキシシチジン−5’−モノホスホロチオエートを含む。一部の実施形態では、SMAD7 AONは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25個、またはそれより多いデオキシシチジンおよび/または5−メチル2’−デオキシシチジンを含む。一部の実施形態では、SMAD7 AONのヌクレオチドの少なくとも5%、10%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%は、デオキシシチジンおよび/または5−メチル−2’−デオキシシチジンを含む。一部の実施形態では、SMAD7 AONは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25個、またはそれより多いデオキシシチジンおよび/または5−メチル2’−デオキシシチジンを含む。一部の実施形態では、SMAD7 AONは、1つまたは複数のデオキシシチジンを含み、5−メチル2’−デオキシシチジンを含まない。一部の実施形態では、SMAD7 AONは、1つまたは複数の5−メチル2’−デオキシシチジンを含み、デオキシシチジンを含まない。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、SMAD7 AONの5’および/または3’末端に位置するメチルホスホネート結合を含む。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、薬学的に許容される塩または溶媒和物を含む。一部の実施形態では、溶媒和物は水和物である。一部の実施形態では、SMAD7 AONは、任意選択で、1〜20個のO,O−結合ホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み得る、化合物(I)の核酸配列(配列番号6により描写される)を含むSMAD7 AONのナトリウム塩である。一部の実施形態では、SMAD7 AONは、化合物(I)の核酸配列の対イオンを伴わない遊離酸形態、塩形態、またはアニオン形態を含み、20個のヌクレオチド間結合の各々は、O,O−結合ホスホロチオエート結合である。SMAD7 AONの企図される塩は、完全に中和されたもの、例えば各ホスホロチオエート結合がNa+などのイオンと連合しているものを含む。一部の実施形態では、SMAD7 AONの塩は、部分的にのみ中和されており、例えば全てのホスホロチオエート結合より少ない結合がイオンと連合している(例えば99%未満、95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、3%未満、または1%未満が中和されている)。一部の実施形態では、化合物(I)の核酸配列のホスホロチオエート骨格は、完全にまたは部分的にプロトン化されて、化合物(I)の核酸配列の酸性形態を形成し得る。
例示的なSMAD7 AONは、米国特許第6,159,697号、同第7,807,818号、および同第8,648,186号で、ならびに国際特許出願公開WO2010/054826で説明されており、それらの各々は参照により本明細書に組み込む。
一部の実施形態では、SMAD7 AONは、例えばDで置換される1つまたは複数のHを有する、同位体富化SMAD7 AONである。
一部の実施形態では、SMAD7 AON中の2’−デオキシリボヌクレオチドは、対応するリボヌクレオチドにより置換される。
6.11 医薬組成物
この節で説明する医薬組成物は、本明細書で提供される方法で使用することができる。一部の実施形態では、医薬組成物は、説明するSMAD7 AONならびに薬学的に許容される補助剤および/または賦形剤を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、経口医薬組成物である。一部の実施形態では、医薬組成物は、改変SMAD7 AONをIBD患者の回腸末端部および/または右結腸に局所的に送達するための腸溶コーティングを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、胃酸抵抗性顆粒製剤である。
企図されるSMAD7 AONは、SMAD7に対して作用し、経口投与することができる、オリゴヌクレオチドを含む。開示される療法は、IBDを患う対象に経口投与されると、有効量のAONを患者の腸管系に送達し、例えば有効量のAONを患者の回腸末端部および/または右結腸に送達し得る。
本明細書で提供されるIBDを処置する方法の一部の実施形態では、抗SMAD7療法(例えばSMAD7 AONを含む療法)は、AON、例えば、組成物がアンチセンス化合物を例えば患者の回腸末端部および右結腸に送達し得るように腸溶コーティング、例えば胃酸抵抗性コーティングを含む錠剤の経口送達に好適であり得る。例えば、かかる投与は、局所効果をもたらし、アンチセンス化合物を直接的に対象の腸の患部に実質的に局所適用し得る。かかる投与は、一部の実施形態では、アンチセンス化合物の不必要な全身吸収を実質的に避けることができる。
例えば、経口投与のための錠剤は、開示されるSMAD7 AONおよび薬学的に許容される賦形剤を含む、顆粒を含み得る(例えば少なくとも部分的には顆粒から形成される)。かかる錠剤は、腸溶コーティングでコーティングすることができる。企図される錠剤は、薬学的に許容される賦形剤、例えば充填剤、結合剤、崩壊剤、および/または潤滑剤、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味料、香味剤、例えばヒメコウジ、オレンジ、キシリトール、ソルビトール、果糖、およびマルトデキストリン、および芳香剤、保存剤および/または抗酸化剤を含み得る。
一部の実施形態では、企図される医薬製剤は、企図されるSMAD7 AONまたは薬学的に許容される塩および薬学的に許容される充填剤を含む粒内相を含む。例えば、化合物(I)および充填剤は、任意選択で他の賦形剤を伴って、共に配合し、顆粒を形成することができる。一部の実施形態では、粒内相は、湿式造粒を使用して形成することができ、例えば液体(例えば水)を、配合したアンチセンス化合物および充填剤に添加し、その後この組合せを乾燥させ、製粉し、および/またはふるいにかけて、顆粒を生成する。当業者は、粒内相を達成するために他のプロセスを使用することができることを理解し得る。
一部の実施形態では、企図される製剤は、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤を含み得る粒外相を含み、これは粒内相と配合されて開示される製剤を形成し得る。
抗SMAD7療法製剤は、充填剤を含む粒内相を含み得る。例示的な充填剤は、セルロース、ゼラチン、リン酸カルシウム、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、微結晶セルロース、ペクチン、ポリアクリレート、デキストロース、セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、部分アルファ化デンプン、炭酸カルシウム、およびそれらの組合せを含むその他のものを含むが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、抗SMAD7療法製剤は、一般的に医薬製剤の成分を共に保持するように機能し得る結合剤を含む、粒内相および/または粒外相を含み得る。例示的な結合剤は、例えば以下のもの:デンプン、糖、セルロースまたは修飾セルロース、例えばヒドロキシプロピルセルロース、乳糖、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、糖アルコール、およびそれらの組合せを含むその他のものを含む。
例えば粒内相および/または粒外相を含む、企図される抗SMAD7療法製剤は、崩壊剤、例えば非限定的に、デンプン、セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸塩、トウモロコシデンプン、クロスカルメロースナトリウム(crosmellose sodium)、架橋カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、アカシア、およびそれらの組合せを含むその他のものを含み得る。例えば、粒内相および/または粒外相は、崩壊剤を含み得る。
一部の実施形態では、企図される抗SMAD7療法製剤は、開示されるアンチセンス化合物、およびマンニトール、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびデンプングリコール酸ナトリウム、またはこれらの組合せから選択される賦形剤を含む、粒内相;ならびに微結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムの1つもしくは複数、またはこれらの組合せを含む、粒外相を含む。
一部の実施形態では、企図される抗SMAD7療法製剤は、潤滑剤を含んでもよく、例えば、粒外相が潤滑剤を含有し得る。潤滑剤は、タルク、シリカ、脂肪、ステアリン、ステアリン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、二酸化ケイ素(silicone dioxide)、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸金属塩、水素添加植物油、トウモロコシデンプン、安息香酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、タルク、およびステアリン酸を含むが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、本医薬製剤は、腸溶コーティングを含む。一般的に、腸溶コーティングは、薬物が消化路に沿って吸収される場所を制御する、経口投薬法のための障壁を創出する。腸溶コーティングは、pHによって異なる速度で崩壊するポリマーを含み得る。腸溶コーティングは、例えばセルロースアセテートフタレート、メチルアクリレート−メタクリル酸コポリマー、セルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート−メタクリル酸コポリマー、エチルアクリレート−メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸コポリマーC型、ポリビニルアセテート−フタレート、およびセルロースアセテートフタレートを含み得る。
一部の実施形態では、腸溶コーティングは、メタクリル酸、メタクリル酸/アクリル酸エステル、またはそれらの誘導体に基づくアニオン性、カチオン性、または中性コポリマーを含む。一部の実施形態では、腸溶コーティングは、エチルアクリレート−メタクリル酸コポリマーを含む。市販の腸溶コーティングは、Opadry(登録商標)AMB、Acryl−EZE(登録商標)、Eudragit(登録商標)を含む。一部の実施形態では、腸溶コーティングは、企図される錠剤の約5重量%〜約10重量%、約5重量%〜約20重量%、約8重量%〜約15重量%、約8重量%〜約18重量%、約10重量%〜約12重量%、または約12重量%〜約16重量%を構成する。
例えば、約0.5重量%〜約70重量%、例えば約0.5重量%〜約10重量%、または約1重量%〜約20重量%のSMAD7 AONまたはその薬学的に許容される塩を含むか、または本質的にそれからなる、錠剤の形態の抗SMAD7療法が提供される。かかる錠剤は、例えば約0.5重量%〜約60重量%のマンニトール、例えば約30重量%〜約50重量%のマンニトール、例えば約40重量%のマンニトール;および/または約20重量%〜約40重量%の微結晶セルロース、または約10重量%〜約30重量%の微結晶セルロースを含み得る。例えば、企図される錠剤は、約30重量%〜約60重量%、例えば約45重量%〜約65重量%、またはあるいは約5〜約10重量%の化合物(I)、約30重量%〜約50重量%、またはあるいは約5重量%〜約15重量%のマンニトール、約5%〜約15%の微結晶セルロース、約0%〜約4%、または約1%〜約7%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および約0重量%〜約4重量%、例えば約2重量%〜約4重量%のデンプングリコール酸ナトリウムを含む、粒内相を含み得る。
例示的な抗SMAD7療法製剤は、化合物(I)の核酸配列を含む、約10mg〜約500mgのSMAD7 AONを含むか、または本質的にそれからなる剤形を含み、例えば、約30mg〜約310mgの間、約50mg〜約290mgの間、約70mg〜約270mgの間、約70mg〜約250mgの間、約90mg〜約230mgの間、約110mg〜約210mgの間、または130mg〜約190mgの間、または150mg〜約170mgの間の化合物(I)を含む錠剤が、本明細書で企図される。一部の実施形態では、錠剤は、約5mg〜約90mgの間、約10mg〜約70mgの間、または約30mg〜約50mgの間の化合物(I)を含む。一部の実施形態では、錠剤は、約20mg、約40mg、約60mg、約80mg、約100mg、約120mg、約140mg、約160mg、約180mg、約200mg、約220mg、約240mg、約260mg、約280mg、または約300mgの化合物(I)を含む。
一実施形態では、抗SMAD7療法は、約0.5重量%〜約10重量%の化合物(I)またはその薬学的に許容される塩;約30重量%〜約50重量%のマンニトール;および約10重量%〜約30重量%の微結晶セルロースを含む経口使用のための錠剤であり得る。
本発明の例示的な実施形態では、約50重量%の化合物(I)(またはその塩)、約11.5重量%のマンニトール、約10重量%の微結晶セルロース、約3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および約2.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウムを含み得る粒内相、ならびに約20重量%の微結晶セルロース、約2.5重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、および約0.5重量%のステアリン酸マグネシウムを含み得る粒外相を含む、経口投与のための薬学的に許容される錠剤が提供される。また、錠剤は、腸溶コーティングを含み得る。
別の例示的な実施形態では、約5重量%〜約10重量%、例えば約8重量%の化合物(I)、約40重量%のマンニトール、約8重量%の微結晶セルロース、約5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および約2重量%のデンプングリコール酸ナトリウムを含むか、もしくは本質的にそれからなり得る粒内相、ならびに約17重量%の微結晶セルロース、約2重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、および約0.4重量%のステアリン酸マグネシウムを含み得る粒外相を含むか、または本質的にそれからなる、経口投与のための薬学的に許容される錠剤が提供される。
また、企図される錠剤は、腸溶コーティングを含むことができ、例えば開示される錠剤は、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、または約18重量%の腸溶コーティング、例えばエチルアクリレート−メタクリル酸コポリマー(例えばAcyrlEZE(登録商標))を含み得る。
例えば、抗SMAD7療法は、粒内相および粒外相を含む、経口使用のための薬学的に許容される錠剤の形態であってもよく、例えば粒内相は、約5重量%〜約10重量%(例えば約8重量%)の化合物(I)またはその薬学的に許容される塩、約40重量%のマンニトール、約8重量%の微結晶セルロース、約5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および約2重量%のデンプングリコール酸ナトリウムを含み、例えば粒外相は、約17重量%の微結晶セルロース、約2重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、および約0.4重量%のステアリン酸マグネシウムを含み、錠剤はさらに腸溶コーティングを含み得る。
企図される製剤、例えば錠剤は、一部の実施形態では、患者に経口投与される場合、患者において最小血漿濃度のオリゴヌクレオチドをもたらし得る。別の実施形態では、企図される製剤は、患者に経口投与される場合、患者の回腸末端部および/または右結腸に、例えば患者の患部または疾患腸内部位に局所的に送達する。
7.実施例
(実施例1)
活動性クローン病を有する対象における内視鏡の結果および臨床結果に対する化合物(I)の効果を探索するためのランダム化二重盲検多施設研究
研究目的
第一の研究目的は、活動性CDを有する対象においてSES−CDにより測定される、内視鏡の結果に対するSMAD7 AON化合物(I)(160mg QD(QD=1日1回))の効果を探索することである。
第二の研究目的は、活動性CDを有する対象においてCDAIにより測定される、臨床的活性に対する化合物(I)(40mg QDおよび160mg QD)の効果を評価すること、および活動性CDを有する対象において化合物(I)(40mg QDおよび160mg QD)の安全性および忍容性を評価することである。
探索的な研究目的は:
・活動性CDを有する対象においてPRO−2により測定される、臨床的活性に対する化合物(I)(40mg QDおよび160mg QD)の効果を探索すること、
・活動性CDを有する対象において非限定的にhsCRPおよびFCPなどの腸炎症および組織損傷のバイオマーカーに対する化合物(I)(40mg QDおよび160mg QD)の効果を探索すること、
・活動性CDを有する対象からの腸粘膜生検における組織学的スコアに対する化合物(I)(160mg QD)の効果を探索すること;活動性CDを有する対象からの腸粘膜生検における非限定的にCD4、CD8、およびHLA−DRなどのバイオマーカーの発現に対する化合物(I)(160mg QD)のPD効果を探索すること、ならびに
・活動性CDを有する対象において化合物(I)(160mg QD)の全身曝露を評価すること
である。
薬物特定
化合物(I)は、ホスホロチオエート骨格を有するAS ODNである。それは、20個のヌクレオチド間結合の各々がO,O結合ホスホロチオエートである、3’→5’結合2’−デオキシリボホスホロチオエートオリゴヌクレオチド21マーの完全中和ナトリウム塩として化学的に説明することができる。化合物(I)(配列番号6により示される)の複素環塩基の配列を、標準のオリゴヌクレオチド構造製図慣習で図2にて示し、ここで、T=チミジン、C=2’−デオキシシチジン、C*=5−メチル−2’−デオキシシチジン、G=2’−デオキシグアノシン、およびA=2’−デオキシアデノシンであり、左から右へ5’〜3’である。
研究設計
研究設計を例示する模式図を、図1に示す。
これは、220以上〜450以下のCDAIスコア、および7以上のSES−CDスコア(または対象が回腸炎のみを有する場合、4を超えるSES−CD)として定義される、活動性CDを有する対象における内視鏡の結果および臨床結果に対する経口化合物(I)の効果を探索するためのランダム化二重盲検多施設研究である。
およそ51人の対象を、12週間誘導期で3つの処置レジメン:
・化合物(I)160mg QDを12週間
・化合物(I)160mg QDを8週間、続いて4週間のプラセボ
・化合物(I)160mg QDを4週間、続いて8週間のプラセボ
のうちの1つを受容するように、1:1:1の比にランダム化する。
ベースラインでの処置割り当てを、以前のTNFα遮断薬への曝露(あり/なし)および疾患位置(回腸末端部および/もしくは最大で横行結腸中部のみに限定される疾患、または遠位結腸〜横行結腸中部の少なくとも1つの潰瘍化区域を含む疾患)に基づいてIVRS/IWRSにより層別化する。以前のTNFα遮断薬への曝露(あり/なし)を有する対象の数は、およそ40%になるように標的化する。遠位結腸〜横行結腸中部を含む疾患を有する対象の数は、研究集団のおよそ50%を構成するように標的化する。
適格な対象は、ベースライン来院で誘導期に入る(0週目/誘導来院1)。上記に説明するように、対象を、IPを受容するようにランダムに割り当てる。
誘導12週目で、続く誘導来院(4、8週目および/または12週目)のいずれかでの、150未満のCDAIスコアとして定義される臨床的寛解、またはCDAIスコアにおける100点以上のベースラインからの減少として定義される臨床寛解を達成した対象(応答者)は、観察期に入る。観察期は、最大52週間の持続期間を有する。続く誘導来院(4、8週目および12週目)で、臨床的寛解または臨床応答を達成することができなかった対象(非応答者)は、研究から中断させる。観察期に入り、かつベースラインでコルチコステロイドを受容していた対象は、誘導期の終わり(誘導12週目)でコルチコステロイドの漸減を開始する。
観察期に入った対象を、4週毎にCDAIスコアにより評価する。対象は、観察期中にIPを受容しない。観察期中に応答の部分的消失を経験するか、またはコルチコステロイドを漸減することができなかった対象は、延長期に入る。応答の部分的消失は、150以上のCDAIスコア、および対象が誘導期中に最初に応答者になったときの来院でのCDAIスコアからの50点以上のCDAIスコアの増大の両方を有する2回の連続来院として定義される。応答の部分的消失は、応答の部分的消失の最初の特定の2〜4週間後に確認されなければならない。観察52週目まで応答の部分的消失を経験しなかった対象は、研究最終来院を有する。
延長期に入った対象は、4週交互投薬スケジュール(化合物(I)での4週間の処置、続いて化合物(I)なしでの4週間の処置)で24週間、化合物(I)40mg QDを受容する。
延長24週目の来院を完了した対象は、2つの選択肢:
・対象が長期延長研究の包含/除外基準の全てを満たす場合、対象は、長期延長研究(例えば実施例3を参照のこと)に進んでもよい。
・対象が長期延長研究に入らないことを選択する場合、対象は、フォローアップ来院を受容してもよい。
を有する。
延長期を完了した対象、および任意の理由のために研究から早期に中断した対象は、最後の研究来院後の4週間の期間であるフォローアップ期に入る。
研究は、5つの期:
・スクリーニング期−最大4週間
・誘導期−12週間
・観察期−最大52週間
・延長期−24週間
・フォローアップ期−4週間
からなる。
研究エンドポイント
この研究の第一のエンドポイントは、誘導12週目でのSES−CDスコアのベースラインからの変化である。
本研究の第二のエンドポイントは:
・誘導4週目での150未満のCDAIスコアとして定義される臨床的寛解を達成した対象の割合、ならびに
・有害事象の種類、頻度、および重症度、およびそのIPへの関係、有害事象のための中断、および生命徴候、ECG、および/または検査所見における臨床的に顕著な変化により査定される、化合物(I)の安全性および忍容性の評価
である。
この研究の探索的エンドポイントは、探索的有効性エンドポイント、探索的薬力学(PD)/バイオマーカーエンドポイント、および探索的薬物動態(PK)エンドポイントを含む。
探索的有効性エンドポイントは:
・誘導12週目での、ベースラインと比較したSES−CDスコアの少なくとも50%の低減として定義される、内視鏡的応答を有する対象の割合、
・誘導12週目での、2以下のSES−CDスコアとして定義される、内視鏡的寛解を有する対象の割合、
・誘導12週目での、腸粘膜潰瘍化の非存在として定義される、粘膜治癒を有する対象の割合、
・誘導2、8、12週目、および延長4、8、12、16、20、24週目での、150未満のCDAIスコアとして定義される、臨床的寛解にある対象の割合、
・誘導2、4、8、12週目、および延長4、8、12、16、20、24週目での、CDAIスコアの100点以上のベースラインからの減少として定義される、臨床応答にある対象の割合、
・150以上のCDAIスコア、および対象が誘導期中に最初に応答者になったときの来院でのCDAIスコアからの50点以上のCDAIスコアの増大の両方を有する、2回の連続来院として定義される、応答の部分的消失までの時間、
・誘導2、4、8、12週目、および延長4、8、12、16、20、24週目で、8未満のPRO−2スコアを有する対象の割合、
・2、4、8、12週目、および4、8、12、16、20、24週目で、PRO−2スコアの8点以上のベースラインからの減少を有する対象の割合、
・ベースラインで経口コルチコステロイドを受容した対象の中で、延長24週目で、コルチコステロイド不要の臨床的寛解を達成した対象の割合、
・誘導2、4、8、12週目、および延長0、4、8、12、16、20、24週目での、CDAIスコアのベースラインからの変化、
・誘導2、4、8、12週目、および延長0、4、8、12、16、20、24週目での、PRO−2スコアのベースラインからの変化;誘導2、4、8、12週目、および延長0、4、8、12、16、20、24週目での、1日当たりの平均液状便または軟便頻度スコアのベースラインからの変化、
・誘導2、4、8、12週目、および延長0、4、8、12、16、20、24週目での、1日当たりの平均腹痛スコアのベースラインからの変化、
・誘導12週目での、腸粘膜からの組織学的スコアのベースラインからの変化、ならびに
・観察52週目で、臨床応答および臨床的寛解にある対象の割合
である。
探索的PD/バイオマーカーエンドポイントは:
・誘導4、8、12週目、観察20、52週目、および延長0、4、8、12、16、20、24週目での、hsCRPのベースラインからの変化、
・誘導4、8、12週目、観察期(観察期の持続期間中8週毎)、および延長0、4、8、12、16、20、24週目での、FCPのベースラインからの変化、ならびに
・誘導12週目での、腸粘膜における、非限定的に、CD4、CD8、およびHLA−DRなどのPDマーカーのベースラインからの変化
である。
探索的PKエンドポイントは、誘導4、8、および12週目での、化合物(I)の血漿濃度である。
研究集団
研究集団は、活動性CDを有する18歳およびそれよりも年配の女性および男性対象からなる。対象は、スクリーニング前に少なくとも3カ月の持続期間を有するCDの診断、ならびにスクリーニング時に220以上〜450以下のCDAIスコア、および7以上のSES−CDスコア(または対象が回腸炎のみを有する場合、4を超えるSES−CD)を有しなければならない。対象は、アミノサリチル酸、ブデソニド、全身コルチコステロイド、免疫抑制剤、またはTNFα遮断薬いずれかについての処置失敗または不耐性を経験済みでなければならない。TNFα遮断薬への事前曝露を有する対象の登録は、登録される全対象のおよそ40%に限定される。遠位結腸〜横行結腸中部を含む疾患を有する対象の数は、研究集団のおよそ50%を構成するように標的化する。
研究持続期間
全体的な研究持続期間は、最大97週間であり、次のような様々な期:スクリーニング期で最大5週間、誘導期で12週間、観察期で最大52週間、延長期で24週間、およびフォローアップ期で4週間を有する。
治験の終了
治験の終了は、プロトコールおよび/またはSAPで事前に特定されるように、最後の対象の研究を完了するための最後の来院日、または第一の、第二の、および/もしくは探索的分析に必要とされる最後の対象からの最後のデータ点の受領日のいずれかのうち、後の方の日として定義される。
安全性査定
妊娠の可能性のある女性についての血清および尿妊娠検査:
25mIU/mL以下の感受性を有する血清妊娠検査は、スクリーニング時にFCBPに必要である。尿妊娠検査は、ベースライン来院で、対象が観察の52週までに応答の部分的消失を経験しなかった場合観察52週目/または延長24週目/または早期終了来院で、およびフォローアップ来院で、全てのFCBPについて行われる。尿妊娠検査キットは、中央検査室により提供される。FCBPの月経期間が来ないか、または避妊方法を変えた場合、妊娠検査を行うべきである。
生命徴候、身長、および体重:
体温、脈拍、および座位での血圧を含む、生命徴候を、来院中に取る。身長を、スクリーニング時に測定および記録し、体重(外出着で靴なしでなされる)もまた、スクリーニング中を含む様々な時点で測定および記録する。肥満度指数(BMI)は、スクリーニング時に計算する。
完全および限定的身体検査:
完全身体検査は、皮膚、鼻腔、眼、耳、呼吸器系、心血管系、腹部系、神経学系、リンパ系、および筋骨格系の評価を含む。限定的身体検査は、皮膚、呼吸器系、心血管系、リンパ系、および筋骨格系の評価を含む。完全および限定的身体検査の結果は、原資料にのみ記録する。
IPの最初の用量前に特定された臨床的に顕著な異常所見(研究下の疾患[CD]を除く)は、病歴(medical history)として電子症例報告フォーム(eCRF:electronic case report form)に記録し、IPの最初の用量後の臨床的に顕著な所見は、AEとして記録する。
婦人科学検査および泌尿生殖器検査は、正当な理由のためでなければ行わない。
便培養/微生物学:
腸内病原体の便培養およびClostridium difficile(C.difficile)毒素の査定を、スクリーニング時に行う。最初にC.difficile陽性であった対象は、療法がうまく完了し、C.difficileについての試験が連続して陰性であった2カ月後に、研究のために再スクリーニングしてもよい。
12誘導心電図:
対象がおよそ3分間仰臥位になった後に、12誘導ECGを行う。現場は、研究に、所有する現地のECG機を利用し、自動ECG読み取りは、調査者がそれらを対象の状態と臨床的に相関させることによりさらに解釈される。調査者の臨床的解釈は、正常、異常で臨床的に顕著でない、または異常で臨床的に顕著として、eCRFに記録される。「異常で臨床的に顕著な」結果は、IPの最初の用量前に発見された場合、病歴(medical history)eCRFに、またはIPの最初の用量後に発見された場合、AE eCRFに記録されるべきである。
臨床検査室評価:
中央検査室が、この研究に使用される。臨床検査室評価は:
・血液学:完全血液カウント(赤血球[RBC]カウント、ヘモグロビン、ヘマトクリット、白血球[WBC]カウント、および差異、絶対WBCカウント、血小板カウント)
・凝固:プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
・血清化学:総タンパク質、アルブミン、カルシウム、亜リン酸、ブドウ糖、総コレステロール、トリグリセリド、尿酸、総ビリルビン、アルカリホスファターゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)、ナトリウム、カリウム、塩化物、二酸化炭素、血中尿素窒素(BUN)、クレアチニン、乳酸脱水素酵素(LDH)、マグネシウム、補体活性化(Bb、C3a、およびC5a)
・検尿:尿試験紙検尿(比重、pH、ブドウ糖、ケトン、タンパク質、血液、ビリルビン、白血球エステラーゼ、亜硝酸塩、およびウロビリノーゲン)
・尿試験紙検尿が異常であった場合のみ、顕微鏡による検尿(上皮細胞、RBC、WBC、および尿円柱)を行う
を含む。
臨床検査室評価は、絶食である必要はない。しかしながら、現場は、臨床検査室評価が絶食であるか、非絶食であるかを検査室請求フォームに記録する。
有害事象
CD再燃を含む、対象のCDの悪化は、研究下の疾患の悪化として考えられるべきであり、AEとして捉えられるべきではない。SAEの定義を満たす、CD再燃を含む、CDの悪化または憎悪は、SAEとして報告されるべきである。
有効性査定
クローン病活動についての対象の日記
スクリーニング来院1中に、以下の情報:
・1日当たりの液状便または軟便の回数
・腹痛/痙攣
・全般的なウェルビーイング
・以前の週中の37.8℃を超える熱
・下痢のためのジフェノキシレート/アトロピン、ロペラミド、またはオピエートの摂取
を記録するためにCD活動性についての電子対象日記を各対象に与える。
データは各研究来院前の最後の7日間にわたり記録されたことを考慮に入れて、抽出された情報は、CDAIおよびPRO−2の計算に使用される。
クローン病活動指数
CDAIは、主に炎症性の疾患を有するCD患者における新しい療法の有効性を評価する臨床試験で最も一般的に使用される尺度である。この指数は主に、対象が完了する自己査定アンケートに基づく。それは、CDが対象の生活の質に影響を及ぼすか、および処置の効果を査定する。CDAIは、数値的にスコア付けされ、荷重された回答を伴うアンケートからなる。その後、スコア(0〜600に及ぶ)は、疾患の重症度に従ってランク付けされる。軽度活動性疾患は、150以上〜219以下のスコアにより定義され、中程度活動性疾患は、220以上〜450以下のスコアにより定義され、重度疾患は、450を超えるCDAIスコアとして定義される。寛解は、150未満のCDAIスコアとして定義される。
CDAIは、8個の変数:
・1日当たりの液状便または軟便の回数(各日、7日間)
・腹痛/痙攣(各日、7日間)
・全般的なウェルビーイング(各日、7日間)
・合併症の数:
・関節炎または関節痛
・虹彩炎またはブドウ膜炎
・結節性紅斑、壊疽性膿皮症、またはアフタ性潰瘍
・裂肛、痔瘻、または肛門膿瘍
・他の痔瘻
・以前の週中の37.8℃を超える熱
・下痢のためのロペラミド、ジフェノキシレート、またはオピエートの摂取
・腹部腫瘤
・男性で0.47未満、および女性で0.42未満のヘマトクリット
・標準体重を超えるまたはそれに満たない開差率
からなる。
患者報告アウトカム
症状を定量するために患者により定義される、患者報告アウトカム(PRO)は、IBDの活動性を査定する重要な態様として提案されている。CDについてのPRO−2は、CDAIからの2項目:液状便または軟便頻度、および腹痛からなる。総PRO−2スコアは、CDAIと同様に計算され、液状便または軟便頻度および腹痛の1日当たりのスコアは7日間にわたり平均化され、独自のCDAI増倍係数で荷重される。150、220、および450点のCDAIスコアに対応する値は、8、14、および34点であり、50、70、および100点のCDAIスコアのベースラインからの変化についての対応する値は、PRO−2の2、5、および8点である。
回腸結腸内視鏡
全ての対象は、スクリーニング期および誘導12週目中に行われる回腸結腸内視鏡を有する必要がある。スクリーニング回腸結腸内視鏡は、CDAIおよびPRO−2査定を妨害し得るので、ベースライン来院の少なくとも14日前に行われる必要がある。
回腸結腸内視鏡を行った場合、腸粘膜生検を行う。関連領域(潰瘍のない端部)から、約2個の生検を回収する。
また、従来型組織学査定を行い、顕微鏡組織等級付けスコアを使用することにより測定する。手技中、炎症を起こした粘膜から(潰瘍からではなく)生検を回収する。
CDについての簡易内視鏡スコア
SES−CDは、クローン病内視鏡重症度指数(CDEIS)と緊密に相関する、確証された内視鏡指数であり、多くの場合、CDを有する対象における内視鏡評価についての標準と考えられる。2つのスコア指数は、緊密に相関するが、しかしながら、SES−CDは、その単純性のために臨床試験により好適であると考えられ、この目的のために広く採用されている。内視鏡応答はベースラインからのSES−CDスコアの少なくとも50%の低減として、内視鏡的寛解は2以下のSES−CDとして、粘膜治癒は潰瘍化の非存在として定義されている。
薬力学/生物学マーカー
血液試料中で高感度C反応性タンパク質(hsCRP:High sensitivity C−reactive protein)を分析し、追加の血清バイオマーカーもまた分析してもよい。糞便試料中で糞便カルプロテクチン(FCP)を査定する。腸粘膜生検における、非限定的に、CD4、CD8、およびHLA−DRなどのバイオマーカーの発現もまた分析する。
薬物動態
スパースPKサブ研究を、化合物(I)の系統的曝露をモニタリングするための研究に組み込んだ。
スパース薬物動態血液採取:
登録した全ての対象について、4、8、および12週目にスパースPK採取のため2回の血液採取を得、1人の対象から全部で6個の血液標本を得た。血液採取は2つの時間ウィンドウ:1)投薬前(以前の投薬後少なくとも23時間を超えて);および2)投薬1〜6時間後に行う。
全てのPK来院時に、対象は、自身のIPを研究センターに持ってこなければならず、IPは、投薬前PK血液試料の回収後に研究センターで対象に投与されなければならない。
各来院のPK血液採取前の最後の投薬日および時間を記録する。対象がPKサブ研究来院の日に投薬前血液採取を提供している場合、対象に、来院前の日から最後の投薬の日および時間を提供するように催促しなければならない。実際のPK血液試料回収時間および関連付けられる投薬時間(例えばPK試料採取時間前の投薬時間)を記録する。
投薬
対象に、朝、朝食30分前に、グラス1杯の水と共にIPを摂取するように教示する。
個々の対象の研究完了は、延長24週目への到達、または対象が観察の52週までに応答の部分的消失を経験しない場合観察52週目への到達、およびフォローアップ期の完了として定義される。この定義を満たさない対象は、早期終了者と考えられる。
研究集団
対象および現場の数:
約48人の対象を、この研究に登録する。
包含基準−
対象は、本研究に登録されるには以下の基準:
・ICFに署名する時点で18歳以上の男性または女性である。
・任意の研究関連査定/手技を行う前にICFを理解し、ICFに自発的に署名する。
・研究来院スケジュールおよび他のプロトコール要件を守ることができる。
・スクリーニング前に少なくとも3カ月の持続期間を有するCDの診断。
・スクリーニング前2年以内に行われた内視鏡、X線検査、または任意の他の画像化様式(例えばMRI、CTスキャン)評価により決定される、回腸炎、回腸大腸炎、または大腸炎の診断。左結腸に限定される大腸炎を有する対象は、治験に許可されない。
・スクリーニング時に220以上〜450以下のCDAIスコア(0〜600に及ぶ)として定義される、活動性疾患。
・スクリーニング時に7以上のSES−CDスコア。回腸炎のみを有する対象は、4を超えるSES−CDを必要とする。
・以下の:アミノサリチル酸、ブデソニド、全身コルチコステロイド、もしくは免疫抑制剤(例えば6−MP、AZA、またはMTX)、またはTNFa遮断薬(例えばインフリキシマブ、アダリムマブ(adalimimab)、またはセルトリズマブ)の少なくとも1つについて失敗しているか、または不耐性を経験していなければならない。
・経口アミノサリチル酸を受容する対象は、処置がベースライン来院の少なくとも6週間前に開始され、ベースライン来院の前の少なくとも2週間安定用量で与えられている限り、研究中にそれらの使用を継続してもよい。経口アミノサリチル酸の用量は、研究持続期間または研究からの早期終了全体を通して安定なままでなければならない。経口アミノサリチル酸が最近中断された場合、処置は、ベースライン来院の少なくとも2週間前に停止されていなければならない。
・経口コルチコステロイドを受容する対象は、用量(20mg/日以下または同等のプレドニゾン、9mg/日以下のブデソニド)がベースライン来院前の3週間安定である限り、誘導期中にそれらの使用を継続してもよい。経口コルチコステロイドが最近中断された場合、中断は、スクリーニングの少なくとも4週間前に完了されていなければならない。コルチコステロイド用量は、対象がコルチコステロイド漸減を開始するのに適格になるまで、安定なままであるべきである。
・6−MP、AZA、またはMTXなどの免疫抑制剤を受容する対象は、処置がベースライン来院の12週間以上前に開始されたならば、研究中にそれらの使用を継続してもよい。免疫抑制剤の用量は、ベースライン来院前の8週間以上の間安定用量でなければならず、研究持続期間または研究からの早期終了全体を通して安定なままでなければならない。免疫抑制剤を中断した対象は、ベースライン来院の少なくとも8週間前にそれらを停止していることが望ましい。
・以下の検査室基準:
・3000/mm3以上(3.0×109/L以上)〜14,000/mm3未満(14.0×109/L未満)の白血球カウント
・100,000/mm3以上(100×109/L以上)の血小板カウント
・1.5mg/dL以下(132.6μmol/L以下)の血清クレアチニン
・正常上限(ULN)の2倍以下のAST(SGOT)およびALT(SGPT)
・2mg/dL以下(34μmol/L以下)の総ビリルビン、または正常下限(LLN)を超えるアルブミン
・9g/dL以上(5.6mmol/L以上)のヘモグロビン
・ULNの1.5倍以下の活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
を満たさなければならない。
・妊娠の可能性のある女性(FCBP:females of childbearing potential)は、スクリーニングおよびベースライン来院時に妊娠検査で陰性でなければならない。
を満たさなければならない。
除外基準−
以下のもの:
・左結腸に限定される大腸クローン病、UC、分類不能大腸炎、虚血性大腸炎、顕微鏡的大腸炎、放射線大腸炎、または憩室疾患関連大腸炎の診断。
・狭窄、膿瘍、痔瘻、短腸症候群などのCDの局所的徴候、または手術が指示され得るか、もしくは有効性の評価を混乱させ得る、他の疾患合併症。
・女性対象の選択した避妊形態が、女性対象が研究にランダム化されるまで有効でなければならない(例えばホルモン避妊法は、ランダム化の少なくとも28日前に開始するべきである)。
・スクリーニング前6カ月以内の腸切除、または3カ月以内の任意の腹腔内手術。
・回腸瘻増設または人工肛門形成を有する対象。
・スクリーニング時に任意の腸内病原体またはC.difficile毒素陽性の便。
・結腸直腸がんまたは結腸直腸異形成の病歴。
・CDの処置のためのミコフェノール酸、タクロリムス、シロリムス、シクロスポリン、サリドマイド、またはアフェレーシス(例えばAdacolumn)の事前使用。加えて、スクリーニングの8週間以内のCD以外の適応症のためのこれらの処置様式のいずれかの事前使用もまた除外される。
・ベースライン来院の2週間以内のIVコルチコステロイドの使用。
・ベースライン来院の2週間以内の5−ASAまたはコルチコステロイド浣腸剤または坐剤での局所処置の使用。
・スクリーニングの3週間以内のCDの処置のための抗生物質療法の使用。
・スクリーニングの3週間以内のコレスチラミンの使用。
・2つを超えるTNFa遮断薬(例えばインフリキシマブ、アダリムマブ、またはセルトリズマブ)、TNF遮断薬を含む任意の生物学的薬剤での事前処置。
・任意のインテグリンアンタゴニスト(例えばナタリズマブまたはベドリズマブ)での事前処置。
・スクリーニングの12カ月以内のTNFα遮断薬の使用。
・スクリーニングの4週間以内の完全非経口栄養(TPN)の投与。
・任意の臨床的に顕著な神経学的、腎臓の、肝臓の、胃腸の、肺の、代謝的、心血管的、精神医学的、内分泌的、血液学的障害もしくは疾患の病歴、または調査者の意見で、対象が研究に参加することを妨げ得る任意の他の健康状態。
・対象が研究に参加することになる場合対象が容認できないリスクに置かれるか、または研究からデータを解釈する能力を混乱させる、検査値異常の存在を含む任意の状態。
・妊娠中または授乳中。
・スクリーニングの6カ月以内の以下の心臓状態:心筋梗塞、急性冠状動脈症候群、不安定狭心症、新規開始心房細動、新規開始心房粗動、第2度もしくは第3度房室ブロック、心室細動、心室頻拍、心不全、心臓手術、介入性心臓カテーテル法(ステント設置を伴うまたは伴わない)、介入性電気生理学的手技、または埋め込み除細動器の存在のいずれかの病歴。
・スクリーニングの4週間以内の、再発性細菌、ウイルス、真菌、マイコバクテリア、もしくは他の感染(非限定的に、結核および非定型抗酸菌症、ならびに帯状疱疹を含む)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、または入院もしくは静脈内(IV)もしくは経口抗生物質での処置を必要とする任意の主要な感染エピソードが、現在活動性であることが知られていること、またはその病歴。
・先天的または後天的免疫不全(例えば分類不能型免疫不全症)の病歴。
・以下のもの:
・処置された(すなわち、治癒した)基底細胞または扁平細胞皮膚上皮内癌
・以前の5年以内に再発の証拠を有しない、処置された(すなわち、治癒した)子宮頸部上皮内腫瘍または子宮頸部の上皮内癌
を除く、悪性腫瘍の病歴。
・スクリーニングの1カ月以内に任意の治験薬物またはデバイスを受容した対象。
・化合物(I)での事前処置、または化合物(I)に関する臨床研究への参加。
・スクリーニング前6カ月以内のアルコール、薬物、または化学物質乱用の履歴。
・オリゴヌクレオチドまたはIP中の任意の成分への過敏症が知られていること。
のいずれかの存在により、対象は登録から除外される。
研究処置の説明
治験薬の説明:
化合物(I)は、40mgフィルムコーティング錠剤として提供する。プラセボは、同様の外観の錠剤として提供する。
処置投与およびスケジュール:
対象は、各来院に1ボトルを受容する。誘導期では1日1回4個の錠剤が対象により摂取され、延長期では1日当たり1個の錠剤が摂取される。対象に、朝、朝食30分前に、グラス1杯の水と共にIPを摂取するように教示し、また、保存教示のためにラベルを参照するように教示する。処置および投与スケジュールを、以下の表2および表3で説明する。
処置割り当ての方法
およそ48人の対象を、12週間誘導期で3つの処置レジメン:
・化合物(I)160mg QDを12週間
・化合物(I)160mg QDを8週間、続いて4週間のプラセボ
・化合物(I)160mg QDを4週間、続いて8週間のプラセボ
のうちの1つを受容するように、1:1:1の比にランダム化する。
ベースラインでの処置割り当てを、疾患位置(回腸末端部および/もしくは最大で横行結腸中部のみに限定される疾患、または遠位結腸〜横行結腸中部の少なくとも1つの潰瘍化区域を含む疾患)に基づいてIVRS/IWRSにより層別化する。遠位結腸〜横行結腸中部を含む疾患を有する対象の数は、研究集団のおよそ50%を構成するように標的化する。
適格な対象は、ベースライン来院で誘導期に入る(0週目/誘導来院1)。上記に説明するように、対象を、IPを受容するようにランダムに割り当てる。
誘導12週目で、続く誘導来院(4、8週目および/または12週目)のいずれかでの、150未満のCDAIスコアとして定義される臨床的寛解、またはCDAIスコアにおける100点以上のベースラインからの減少として定義される臨床寛解を達成した対象(応答者)は、観察期に入る。観察期は、最大52週間の持続期間を有する。続く誘導来院(4、8週目および12週目)で、臨床的寛解または臨床応答を達成することができなかった対象(非応答者)は、研究から中断させる。
観察期に入った対象を、4週毎にCDAIスコアにより評価する。対象は、観察期中にIPを受容しない。観察期中に応答の部分的消失を経験するか、またはコルチコステロイドを漸減することができなかった対象は、延長期に入る。応答の部分的消失は、150以上のCDAIスコア、および対象が誘導期中に最初に応答者になったときの来院でのCDAIスコアからの50点以上のCDAIスコアの増大の両方を有する2回の連続来院として定義される。応答の部分的消失は、応答の部分的消失の最初の特定の2〜4週間後に確認されなければならない。観察52週目まで応答の部分的消失を経験しなかった対象は、研究最終来院を有する。
延長期に入った対象は、4週交互投薬スケジュール(化合物(I)での4週間の処置、続いて化合物(I)なしでの4週間の処置)で24週間、化合物(I)40mg QDを受容する。
許可される併用薬および手技
研究中に、以下の併用薬:
・処置がベースライン来院の少なくとも6週間前に開始され、ベースライン来院前の少なくとも2週間安定用量で与えられている限り、経口アミノサリチル酸(スルファサラジン[SSZ]または5−ASA化合物)を、研究中に許可する。経口アミノサリチル酸の用量は、研究持続期間または研究からの早期終了全体を通して安定なままでなければならない。経口アミノサリチル酸が最近中断された場合、処置はベースライン来院の少なくとも2週間前に停止されていなければならない。
・用量(20mg/日以下または同等のプレドニゾン、9mg/日以下のブデソニド)がベースライン来院前の4週間安定である限り、経口コルチコステロイドを、誘導期中に許可する。経口コルチコステロイドが最近中断された場合、中断は、スクリーニングの少なくとも4週間前に完了していなければならない。対象がコルチコステロイド漸減を開始するのに適格になるまで、コルチコステロイド用量は、安定なままであるべきである。
・処置が、ベースライン来院の12週間以上前に開始されたならば、AZA、6−MP、またはMTXなどの免疫抑制剤を、研究中に許可する。免疫抑制剤の用量は、ベースライン来院前に8週間以上の間安定用量でなければならず、研究持続期間または研究からの早期終了全体を通して安定なままでなければならない。免疫抑制剤を中断した対象は、ベースライン来院の少なくとも8週間前にそれらを停止していることが望ましい。
・心血管予防のためのアセトアミノフェンおよび低用量アスピリンを、許可する。上記に示される併用薬の用量は、研究中ベースライン用量を超えて増大することはできない。対象が研究にランダム化されると、新しいCD療法を処方することはできない。
は許可する。
観察期に入り、かつベースラインでコルチコステロイドを受容していた対象は、誘導期の終わり(誘導12週目)でコルチコステロイドの漸減を開始する。観察期中にコルチコステロイドを漸減することができない対象は、調査者の自由裁量で、延長期中に漸減を開始してもよい。漸減スケジュールは、以下の通り:
・1日当たり10mgを超える(または同等の)用量のプレドニゾン用量については、各週に1日当たりの用量を、10mg/日の用量に達するまで、5mgずつ漸減し、その各週後、1日当たりの用量を、中断まで2.5mgずつ漸減する。
・10mg以下の(または同等の)プレドニゾン用量については、各週に1日当たりの用量を、中断まで2.5mgずつ漸減する。
・ブデソニドを受容する対象は、1日当たりの用量を毎週3mgずつ漸減するべきである。
である。
禁止される併用薬および手技
以下の併用薬:
・研究持続期間を通した、TNF遮断薬を含む、任意の生物学的薬剤の使用。
・研究持続期間を通した、ミコフェノール酸、タクロリムス、シロリムス、シクロスポリン、サリドマイド、またはアフェレーシス(例えばAdacolumn)の使用。
・ベースライン来院の2週間以内および研究持続期間を通した、5−ASAまたはコルチコステロイド浣腸剤または坐剤での局所処置の使用。
・ベースライン来院の2週間以内および研究持続期間を通した、IVコルチコステロイドの使用。
・スクリーニング4週間以内および研究持続期間を通した、TPNの投与。
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAID:nonsteroidal anti−inflammatory drug)の慢性的使用。
・スクリーニング3週間以内および研究持続期間を通した、CDの処置のための抗生物質療法の使用。
・スクリーニング3週間以内および研究持続期間を通した、コレスチラミンの使用。
を禁止する。
必要な併用薬および手技
必要な併用薬はない。
必要な手技は、回腸結腸内視鏡および腸粘膜生検を含む。
有害事象
有害事象のモニタリング、記録、および報告:
有害事象(AE)は、研究過程中に対象において出現または悪化し得る、任意の有害な、意図されない、または不都合な医療的出来事である。それは、病因にかかわらず、検査室試験値を含む、新しい介入性の病気、悪化させる併発する病気、傷害、または任意の併発する対象の健康の機能障害であり得る。任意の悪化(すなわち、事前に存在する状態の頻度または強度における任意の臨床的に顕著な有害変化)は、AEと考えられるべきである。
治験薬の乱用、離脱症状、感受性、または毒性は、AEとして報告されるべきである。
全ての対象は、研究中にAEについてモニタリングされる。査定は、以下のパラメータ:対象の臨床症状、検査的、病理学的、放射線学的、もしくは外科的所見、身体検査所見、または他の試験および/もしくは手技からの所見のいずれかまたは全てのモニタリングを含み得る。
有害事象の評価:
資格を有する調査者が、以下に従って、全ての有害事象を評価する:
重篤度:
重篤な有害事象(SAE:serious adverse event)は、
・死をもたらす、
・生命を脅かす(すなわち、調査者の意見で、対象がAEのために即時的な死のリスクにある)、
・入院または現行の入院の延長を必要とする(入院は、滞在の長さにかかわらず、入院許可として定義される)、
・持続性または顕著な身体障害/不能状態をもたらす(正常な生活機能を行う対象の能力の実質的な破壊)、
・先天異常/先天性欠損をもたらす、
・重要な医療事象を構成する、
任意の用量で起こる任意のAEである。
重要な医療事象は、即時に生命を脅かしたり、または死、入院、もしくは身体障害をもたらしたりすることはないが、対象を危険にさらし得るか、または上記に列挙される他の結果の1つを防ぐために医療的もしくは外科的介入を必要とし得る、出来事として定義される。かかるAEを重篤であると考えるべきかどうかの決定において、医療的および科学的判断が行使されるべきである。
SAEであると考えられない事象は:
・プロトコール療法投与のための標準手技。しかしながら、療法投与の合併症のための入院または入院延長は、SAEとして報告する。
・状態の任意の変質と関連付けられない、研究される適応症のルーチンの処置またはモニタリング。
・研究される適応症のルーチンの処置としての血液または血小板輸血の投与。しかしながら、かかる輸血の合併症のための入院または入院延長は、報告すべきSAEである。
・プロトコール/疾患関連調査のための手技(例えば手術、スキャン、内視鏡、検査室試験のための試料採取、骨髄試料採取)。しかしながら、かかる手技の合併症のための入院または入院延長は、報告すべきSAEである。
・AEの非存在下での、技術的、実際的、または社会的理由のための入院または入院延長。
のための入院である。
(実施例2)
活動性クローン病を有する対象の処置についての化合物(I)の有効性および安全性を調査するためのランダム化二重盲検プラセボ対照多施設研究
研究目的
第一の研究目的は、活動性CDを有する対象において、CDAIにより測定される臨床的活性に対する、プラセボと比較した化合物(I)の有効性を評価することである。
第二の研究目的は:
・活動性CDを有する対象において、SES−CDにより測定される内視鏡の結果に対する、プラセボと比較した化合物(I)の有効性を評価すること、
・活動性CDを有する対象において、コルチコステロイド不要の臨床的寛解に対する、プラセボと比較した化合物(I)の有効性を評価すること、
・活動性CDを有する対象において、臨床的活性および内視鏡の結果に対する、プラセボと比較した化合物(I)の長期有効性を評価すること、
・活動性CDを有する対象において、化合物(I)の安全性および忍容性を評価すること
である。
探索的目的は:
・活動性CDを有する対象において、臨床的活性および内視鏡の結果に対する、プラセボと比較した化合物(I)の短期および長期有効性の追加の尺度を評価すること、
・活動性CDを有する対象において、プラセボと比較した、化合物(I)に応じたhsCRPおよびFCPなどのバイオマーカーの変化を評価すること、
・活動性CDを有する対象において、プラセボと比較した、化合物(I)に応じた生活の質および健康経済結果の変化を評価すること、
・活動性CDを有する対象において、化合物(I)の全身曝露を評価すること
である。
薬物特定
試験する薬物は、実施例1の化合物(I)である。
研究設計
研究設計を例示する模式図を、図3に示す。
これは、活動性CD(スクリーニング時の220以上〜450以下のCDAIスコアおよび6以上の総SES−CD、またはスクリーニング時の4以上の回腸区域SES−CDにより定義される)を有する対象において、経口化合物(I)の3つの処置レジメン対プラセボの有効性および安全性を評価するための、ランダム化二重盲検プラセボ対照多施設研究である。約1064人の対象を、1:1:1:1の比にランダム化し(化合物(I)アーム当たり266人の対象[全部で798人]およびプラセボアームに266人の対象)、3つの二重盲検経口化合物(I)処置レジメンのうちの1つ、または同様の外観のプラセボを1日1回(QD)52週間受容させる。
ベースライン(0週目/来院2)での処置割り当ては、コルチコステロイドの併用(あり/なし)、免疫抑制剤(例えばアザチオプリン[AZA]、6−メルカプトプリン[6−MP]、またはメトトレキセート[MIX])の併用(あり/なし)、および以前の生物学的薬剤(例えばインフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ、またはベドリズマブ)への曝露(あり/なし)に基づいて、インタラクティブウェブ応答システム(IWRS:Interactive Web Response System)により層別化する。以前の生物学的薬剤への曝露を有する対象の総数は、研究集団のおよそ35%を構成するように標的化する。
対象は、二重盲検経口化合物(I)または同様の外観のプラセボ(QD)を以下のように受容する(表5を参照のこと):
・化合物(I)160mg QDを12週間、続いてプラセボQDを4週間、続いて52週目の来院まで、化合物(I)160mg QD4週間およびプラセボQD4週間を交互に、
・化合物(I)160mg QDを12週間、続いてプラセボQDを4週間、続いて52週目の来院まで、化合物(I)40mg QD4週間およびプラセボQD4週間を交互に、
・化合物(I)160mg QDを12週間、続いて52週目の来院まで、連続化合物(I)40mg QD、
・52週目の来院まで、プラセボQD。
12週目の来院後およびその後52週目の来院まで、「早期離脱」の基準を満たす対象は、長期積極処置研究(実施例3)に入るのに適格であるか、または研究から中断してもよい。「早期離脱」の基準は、180以上のCDAI、および少なくとも14日間離れた2回の連続研究来院のベースラインと比較して、CDAIスコアで少なくとも70点の低減を達成または維持することができなかったこととして定義される。
52週目の来院でこの実施例で説明する研究を完了した対象は、実施例3長期積極処置研究に入る選択肢を有する。
研究エンドポイント
本研究の主要エンドポイントは、4週目での150未満のCDAIスコアとして定義される臨床的寛解を達成した対象の割合である。
本研究の第二のエンドポイントは:
・12週目および52週目での2以下のSES−CDとして定義される粘膜治癒を有する対象の割合、
・12週目および52週目でSES−CDのベースラインからの少なくとも50%の低減を有する対象の割合、
・12週目および52週目での150未満のCDAIスコアとして定義される臨床的寛解を達成した対象の割合、
・ベースラインで経口コルチコステロイドを受容する対象の中で、52週目でコルチコステロイド不要の臨床的寛解を達成した対象の割合、
・4週目、12週目、および52週目で、3以下の1日当たりの平均液状便または軟便頻度および1以下の1日当たりの平均腹痛スコアを有する対象の割合、
・4週目、12週目、および52週目で、1.5以下の1日当たりの平均液状便または軟便頻度および1以下の1日当たりの平均腹痛スコアを有する対象の割合、
・AEの種類、頻度、重症度、重篤度、およびIPへの関係、
・任意のAEのためにIPを中断した対象の数、
・生命徴候、EGG、および/または検査所見における臨床的に顕著な変化
である。
本研究の探索的エンドポイントは、探索的有効性エンドポイント、探索的薬力学(PD)/バイオマーカーエンドポイント、探索的薬物動態(PK)エンドポイント、探索的生活の質エンドポイント、および探索的健康経済エンドポイントを含む。
探索的有効性エンドポイントは:
・12週目および52週目の両方で、ベースラインと比較したSES−CDの少なくとも50%の低減を有する対象の割合、
・12週目および52週目での2以下のSES−CDとして定義される粘膜治癒を有する対象の割合、
・52週目までの各時点での150未満のCDAIスコアとして定義される、臨床的寛解にある対象の割合、
・52週目までの各時点での100点以上のCDAIのベースラインからの減少として定義される、臨床応答を有する対象の割合、
・24週目で開始する各時点で、ベースラインで経口コルチコステロイドを受容する対象の中で、少なくとも連続12週間、コルチコステロイド不要の臨床的寛解を有する対象の割合、
・40週目で開始する各時点で、ベースラインで経口コルチコステロイドを受容する対象の中で、少なくとも連続26週間、コルチコステロイド不要の臨床的寛解を有する対象の割合、
・52週目までの各時点での、1日当たりの平均腹痛スコアのベースラインからの変化、
・52週目までの各時点での、1日当たりの平均液状便または軟便頻度のベースラインからの変化、
・52週目までの各時点で、8未満の患者報告アウトカム(PRO−2)スコアを有する対象の割合、
・52週目までの各時点で、PRO−2のベースラインからの8以下の低減を有する対象の割合、
・52週目までの各時点で、3以下の1日当たりの平均液状便または軟便頻度および1以下の1日当たりの平均腹痛スコアを有する対象の割合、
・52週目までの各時点で、1.5以下の1日当たりの平均液状便または軟便頻度および1以下の1日当たりの平均腹痛スコアを有する対象の割合、
・52週目までの各時点での、CDAIスコアのベースラインからの変化、
・52週目までの各時点での、SES−CDのベースラインからの変化、
・52週目までの各時点での、PRO−2スコアのベースラインからの変化、
・52週目までの各時点での、Harvey−Bradshaw Index(HBI)スコアのベースラインからの変化
である。
探索的PD/バイオマーカーエンドポイントは:
・52週目までの各時点での、hsCRPのベースラインからの変化、
・52週目までの各時点での、FCPのベースラインからの変化
である。
探索的PKエンドポイントは、4週目および8週目での、化合物(I)の血漿濃度である。
探索的生活の質エンドポイントは:
・52週目までの各時点での、ベースラインと比較した、Short Form 36 Item Health Survey、第2版(SF−36v2)スコアの変化、
・52週目までの各時点での、ベースラインと比較した、炎症性腸疾患アンケート(IBDQ)の変化、
・52週目までの各時点での、ベースラインと比較した、仕事の生産性および活動障害に関するアンケート−クローン病(WPAI−CD)の変化、
・52週目までの各時点での、ベースラインと比較した、European Quality of Life−5 Dimensions Questionnaire(EQ−5D)の変化
である。
探索的健康経済エンドポイントは、52週目までの各時点での、ベースラインと比較した、保険医療資源利用(HRU)の変化である。
研究持続期間
対象は、この研究に最大60週間参加し、スクリーニング期間は最大4週間、二重盲検処置期間は52週間、およびフォローアップ期間は4週間である。
研究の終了
研究の終了は、プロトコールで事前に特定されるように、最後の対象の処置後フォローアップを完了するための最後の来院日、または第一の、第二の、および/もしくは探索的分析に必要とされる最後の対象からの最後のデータ点の受領日のいずれかのうち、後の方の日として定義される。
研究集団
対象の数:
活動性CDを有する約1064人の対象を、この研究に登録する。以前の生物学的薬剤への曝露を有する対象の総数は、研究集団のおよそ35%を構成するように標的化する。
包含基準:
対象は、本研究に登録されるには以下の基準:
・対象は、インフォームドコンセントフォーム(ICF:informed consent form)に署名する時点で18歳以上の男性または女性である、
・対象は、任意の研究関連査定/手技を行う前にICFを理解し、ICFに自発的に署名しなければならない、
・対象は、研究来院スケジュールおよび他のプロトコール要件を守ることをいとわず、守ることができる、
・対象は、スクリーニング来院前に少なくとも3カ月の持続期間を有するCDの診断を有しなければならない、
・対象は、内視鏡、X線検査、または任意の他の画像化様式(例えば磁気共鳴画像法[MRI]、コンピュータ断層撮影法[CT]スキャン)により決定される、回腸炎、回腸大腸炎、または大腸炎の診断を有しなければならない、
・対象は、スクリーニング時に220以上〜450以下のCDAIスコアとして定義される、活動性CD疾患を有しなければならない、
・対象は、スクリーニング時に3.5以上の7日の平均便頻度または1.5以上の7日の平均腹痛を有しなければならない、
・対象は、スクリーニング時に6以上の総SES−CD、またはスクリーニング時に4以上の回腸区域SES−CDを有しなければならない、
・対象は、以下の:アミノサリチル酸、ブデソニド、全身コルチコステロイド、免疫抑制剤(例えばAZA、6−MP、またはMTX)、またはCDの処置のための生物学的薬剤の少なくとも1つについて失敗しているか、または不耐性を経験していなければならない、
・結腸直腸がんのリスクの増大を有する(全大腸炎の8年の病歴または左側大腸炎の12年の病歴を有すると定義される)対象は、スクリーニング来院の2年以内に、全大腸炎監視生検を伴う結腸内視鏡を経験していることが望ましい。生検は、異形成について陰性でなければならない、
・対象は、以下の検査室基準
・3000/mm3以上(3.0×109/L以上)の白血球カウント
・100,000/mm3以上(100×109/L以上)の血小板カウント
・1.5mg/dL以下(132.6μmol/L以下)の血清クレアチニン
・正常の上限(ULN)の2.5倍以下のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)
・対象が、ジルベール病の確認された診断を有しない限り、2mg/dL(34μmol/L)以下の総ビリルビン
・8g/dL以上(4.97mmol/L以上)のヘモグロビン
・ULNの1.5倍以下の活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
を満たさなければならない、
・妊娠の可能性のある女性(FCBP)は、スクリーニングおよびベースライン来院時に妊娠検査で陰性でなければならない、
・男性対象(精管切除を受けた対象を含む)は、妊娠可能な女性と性行為を行う場合、IP中および最終用量後少なくとも28日間、バリア避妊法を使用しなければならない
を満たさなければならない。
除外基準:
以下のもの:
・対象が、潰瘍性大腸炎(UC)、分類不能大腸炎、虚血性大腸炎、顕微鏡的大腸炎、放射線大腸炎、または憩室疾患関連大腸炎の診断を有する、
・対象が、狭窄、膿瘍、短腸症候群などのCDの局所的徴候;または手術が指示され得るか、もしくは有効性の評価を混乱させ得る、他の疾患合併症を有する、
・対象が、スクリーニング来院前6カ月以内の任意の腸切除、または3カ月以内の任意の腹腔内手術を有した、
・対象が、回腸瘻増設または人工肛門形成を有する、
・対象が、スクリーニング来院前8週間以内に、ミコフェノール酸、タクロリムス、シロリムス、シクロスポリン、サリドマイド、またはアフェレーシス(例えばAdacolumn(登録商標))での事前処置を有した、
・スクリーニング来院前2週間以内の静脈内(IV)コルチコステロイドの使用、
・スクリーニング来院前2週間以内の5−アミノサリチル酸(5−ASA)またはコルチコステロイド浣腸剤または坐剤などの局所処置の使用、
・対象が、スクリーニング来院前2週間以内に、経口アミノサリチル酸の許可された用量を変えたか、または中断した、
・スクリーニング来院前3週間以内のコレスチラミンの使用、
・対象が、スクリーニング来院前3週間以内に、経口コルチコステロイドの許可された用量(20mg/日以下または同等のプレドニゾン、9mg/日以下のブデソニド)を変えたか、または中断した、
・対象が、スクリーニング来院前12週間以内に免疫抑制剤(例えばAZA、6−MP、またはMTX)を開始し、スクリーニング来院前8週間以内に免疫抑制剤の許可された用量を変えたか、または中断した、
・対象が、スクリーニング来院前2週間以内に5−アミノサリチル酸(5−ASA)またはコルチコステロイド浣腸剤または坐剤などの局所処置を受容した、
・対象が、スクリーニング来院前3週間以内に、コレスチラミンを受容した、
・対象が、スクリーニング来院前2週間以内に、CDの処置のために使用される抗生物質(例えばシプロフロキサシン、メトロニダゾール)を変えたか、または中断した、
・対象が、CDの処置のために3種類を超える生物学的薬剤での事前処置を有した、
・対象が、スクリーニング来院前8週間以内に、生物学的薬剤での処置を有した、
・対象が、ナタリズマブでの事前処置を有した、
・対象が、スクリーニング来院前4週間以内に、完全非経口栄養を受容した、
・対象が、スクリーニング来院時に腸管感染症またはC.difficile毒素の証拠を有した、
・対象が、任意の臨床的に顕著な神経学的、腎臓の、肝臓の、胃腸の、肺の、代謝的、心血管的、精神医学的、内分泌的、血液学的障害もしくは疾患の病歴、または調査者の意見で、対象が研究に参加することを妨げ得る任意の他の健康状態を有する、
・対象が、対象が研究に参加することになる場合対象が容認できないリスクに置かれるか、または研究からデータを解釈する能力を混乱させる、検査値異常の存在を含む任意の状態を有する、
・対象が、妊娠中または授乳中である、
・対象が、スクリーニング来院前6カ月以内、およびスクリーニング期間中いつでもIPの最初の用量に至るまで、以下の心臓状態:心筋梗塞、急性冠状動脈症候群、不安定狭心症、新規開始心房細動、新規開始心房粗動、第2度もしくは第3度房室ブロック、心室細動、心室頻拍、心不全、心臓手術、介入性心臓カテーテル法(ステント設置を伴うまたは伴わない)、介入性電気生理学的手技、または埋め込み除細動器の存在のいずれかの病歴を有する、
・対象が、スクリーニング来院前4週間以内、およびスクリーニング期間中いつでもIPの最初の用量に至るまで、臨床的に顕著な再発性細菌、ウイルス、真菌、マイコバクテリア、または他の感染(非限定的に、結核および非定型抗酸菌症、ならびに帯状疱疹を含む)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、もしくは入院もしくはIVもしくは経口抗生物質での処置を必要とする任意の第一の感染エピソードが現在活動性であることが知られているか、またはその病歴を有する、
・対象が、先天的または後天的免疫不全(例えば分類不能型免疫不全症)の病歴を有する、
・対象が、結腸直腸がんまたは結腸直腸異形成の病歴を有する(完全に切除された腺腫性結腸ポリープを除外する)、
・対象が、以下のもの:
・処置された(すなわち、治癒した)基底細胞または扁平細胞皮膚上皮内癌、
・スクリーニング来院前の以前の5年以内に再発の証拠を有しない、処置された(すなわち、治癒した)子宮頸部上皮内腫瘍または子宮頸部の上皮内癌
を除く、悪性腫瘍の病歴を有する、
・対象が、スクリーニング来院前1カ月以内に、任意の治験薬物またはデバイスを受容した、
・対象が、スクリーニング来院前6カ月以内に、アルコール、薬物、または化学物質乱用の履歴を有する、
・対象が、オリゴヌクレオチドまたはIP中の任意の成分への過敏症を有することが知られている、
・対象が、化合物(I)での事前処置を受容したか、または化合物(I)に関する臨床研究に参加した、
・心血管予防のためのアセトアミノフェンおよび低用量アスピリンは許可される
のいずれかの存在により、対象は登録から除外される。
コルチコステロイド漸減手技
対象は、調査者の自由裁量で、以下のスケジュール:
・10mgを超える(または同等の)プレドニゾン用量については、各週に1日当たりの用量を、10mg/日の用量に達するまで、5mgずつ漸減し、その各週後、1日当たりの用量を、中断まで2.5mgずつ漸減する。
・10mg未満(または同等の)プレドニゾン用量については、各週に1日当たりの用量を、中断まで2.5mgずつ漸減する。
・ブデソニドを受容する対象は、1日当たりの用量を3週毎に3mgずつ漸減するべきである。
に従って、12週目の来院で開始するコルチコステロイド漸減を開始するのに適格である。
研究処置の説明
治験薬(複数可)の説明:
化合物(I)は、40mgフィルムコーティング錠剤として提供する。プラセボは、同様の外観の錠剤として提供する。
処置投与およびスケジュール:
対象は、研究の最初の12週間中、化合物(I)(160mg QD)またはプラセボを受容し、続いて研究の終わり(52週目の来院)まで化合物(I)(40mg QDまたは160mg QD)またはプラセボQDの3つの用量レジメンの1つを受容する。全ての対象は、二重盲検処置期間中1日に4個の錠剤を受容する。また、適合するプラセボ錠剤を提供する。対象に、朝、朝食30分前に、グラス1杯の水と共にIPを摂取するように教示する。処置および投与スケジュールを表5で説明する。
対象は、二重盲検経口化合物(I)または同様の外観のプラセボを毎日(QD)、以下のように受容する(表4):
・化合物(I)160mg QDを12週間、続いてプラセボQDを4週間、続いて52週目の来院まで、化合物(I)160mg QD4週間およびプラセボQD4週間を交互に、
・化合物(I)160mg QDを12週間、続いてプラセボQDを4週間、続いて52週目の来院まで、化合物(I)40mg QD4週間およびプラセボQD4週間を交互に、
・化合物(I)160mg QDを12週間、続いて52週目の来院まで、連続化合物(I)40mg QD、
・52週目の来院まで、プラセボQD。
併用薬および手技
研究中に許可される併用薬は以下を含む:
・処置がスクリーニング来院前の少なくとも2週間、安定用量で与えられている限り、経口アミノサリチル酸(SSZまたは5−ASA化合物)。経口アミノサリチル酸の用量は、研究持続期間または研究からの早期終了全体を通して安定なままでなければならない。経口アミノサリチル酸が最近中断された場合、処置は、スクリーニング来院の少なくとも2週間前に停止されていなければならない。
・用量(20mg/日未満または同等のプレドニゾン、9mg/日未満のブデソニド)がスクリーニング来院前の3週間安定である限り、経口コルチコステロイド。用量は、対象がコルチコステロイド漸減を開始するのに適格になるまで、安定なままでなければならない。経口コルチコステロイドが最近中断された場合、中断は、スクリーニング来院の少なくとも3週間前に完了していなければならない。
・処置がスクリーニング来院の12週間より前に開始されたならば、AZA、6−MP、またはMTXなどの免疫抑制剤は、スクリーニング来院前の8週間を超える期間の間、安定用量でなければならず、研究持続期間中、安定なままでなければならない。
・心血管予防のためのアセトアミノフェンおよび低用量アスピリンは許可される。
以下の併用薬:
・研究中、任意の生物学的薬剤の使用は禁止され、スクリーニング来院の少なくとも8週間前に中断されなければならない。
・研究中、コレスチラミンの使用は禁止され、スクリーニング来院の少なくとも3週間前に中断されなければならない。
・研究中、CDの処置のための抗生物質の使用は禁止され、スクリーニング来院の少なくとも3週間前に中断されなければならない。
・研究中、ミコフェノール酸、タクロリムス、シロリムス、シクロスポリン、サリドマイド、またはアフェレーシス(例えばAdacolumn(登録商標))の使用は禁止され、スクリーニング来院の少なくとも8週間前に中断されなければならない。
・研究中、5−ASAまたはコルチコステロイド浣腸剤または坐剤での局所処置の使用は禁止され、スクリーニング来院の少なくとも2週間前に中断されなければならない。
・研究中、IVコルチコステロイドの使用は禁止され、スクリーニング来院の少なくとも2週間前に中断されなければならない。
・完全非経口栄養(TPN)の投与は禁止され、スクリーニング来院の少なくとも4週間前に中断されなければならない。
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の慢性的使用は禁止される。
は、研究の二重盲検処置期間、ベースライン来院(0週目/来院2)〜52来院、または研究中早期に中断した対象についてのET来院中は禁止する。
必要とされる併用薬はない。必要とされる手技は、回腸結腸内視鏡を含む。
有害事象
有害事象のモニタリング、記録、および報告:
有害事象(AE)は、研究過程中に対象において出現または悪化し得る、任意の有害な、意図されない、または不都合な医療的出来事である。それは、病因にかかわらず、検査室試験値を含む、新しい介入性の病気、悪化させる併発する病気、傷害、または任意の併発する対象の健康の機能障害であり得る。任意の悪化(すなわち、事前に存在する状態の頻度または強度における任意の臨床的に顕著な有害変化)は、AEと考えられるべきである。
治験薬の乱用、離脱症状、感受性、または毒性は、AEとして報告されるべきである。
全ての対象は、研究中にAEについてモニタリングされる。査定は、以下のパラメータ:対象の臨床症状、検査的、病理学的、放射線学的、もしくは外科的所見、身体検査所見、または他の試験および/もしくは手技からの所見のいずれかまたは全てのモニタリングを含み得る。
有害事象の評価:
資格を有する調査者が、以下に従って、全ての有害事象を評価する:
重篤度:
重篤な有害事象(SAE)は、
・死をもたらす、
・生命を脅かす(すなわち、調査者の意見で、対象がAEのために即時的な死のリスクにある)、
・入院または現行の入院の延長を必要とする(入院は、滞在の長さにかかわらず、入院許可として定義される)、
・持続性または顕著な身体障害/不能状態をもたらす(正常な生活機能を行う対象の能力の実質的な破壊)、
・先天異常/先天性欠損をもたらす、
・重要な医療事象を構成する、
任意の用量で起こる任意のAEである。
SAEであると考えられない事象は:
・プロトコール療法投与のための標準手技。しかしながら、療法投与の合併症のための入院または入院延長は、SAEとして報告する。
・状態の任意の変質と関連付けられない、研究される適応症のルーチンの処置またはモニタリング。
・プロトコール/疾患関連調査のための手技(例えば手術、スキャン、内視鏡、検査室試験のための試料採取、骨髄試料採取)。しかしながら、かかる手技の合併症のための入院または入院延長は、報告すべきSAEである。
・AEの非存在下での、技術的、実際的、または社会的理由のための入院または入院延長。
・計画される(すなわち、研究の処置開始前に計画される)手技は、原資料およびeCRFに記録されなければならない。合併症のための入院または入院延長は、報告すべきSAEである。
・ベースラインから悪化していない、研究される適応症に関連のない、事前に存在する状態の選択的処置、またはその状態のための選択的手技。
・上記の他の重篤度基準を満たさない限り、結果として入院しない、緊急外来患者処置または観察。
のための入院である。
(実施例3)
クローン病を有する対象における化合物(I)の長期積極処置延長研究
研究目的
第一の研究目的は、CDを有する対象における経口化合物(I)の長期安全性を評価することである。
探索的な研究目的は:
・以前の化合物(I)研究(例えば実施例2を参照のこと)に参加したCDを有する対象における、経時的な化合物(I)の長期臨床有効性を探索すること、
・以前の化合物(I)研究(例えば実施例2を参照のこと)に参加したCDを有する対象における、健康関連生活の質(HRQOL:health−related quality of life)結果尺度に対する化合物(I)の長期利点を評価すること、
・以前の化合物(I)研究(例えば実施例2を参照のこと)に参加したCDを有する対象における、化合物(I)に応じたhsCRPおよびFCPなどのバイオマーカーの長期変化を評価すること
である。
薬物特定
試験される薬物は、実施例1で説明する、化合物(I)である。
研究設計
研究設計を例示する模式図を、図4に示す。
これは、以前に化合物(I)研究(例えば実施例2を参照のこと)に参加したCDを有する対象における、化合物(I)の長期安全性、忍容性、および探索的有効性を評価するための二重盲検長期積極処置研究である。
52週目で研究を完了したか、または早期離脱基準を満たし、かつ12週目の後〜52週目で中断した、実施例2研究からの対象は、この研究に入るのに適格であり得る。実施例2研究を中断した対象は、この研究に適格でない。
研究は、3つの研究期間:
・スクリーニング期間−最大4週間(すなわち、長期積極処置がいつその対象に使用可能であるかによって1日〜28日)、
・長期積極処置期間−208週間(0〜208週目)、
・フォローアップ期間−4週間(すなわち、IPを摂取しない)
からなる。
208週目まででこの研究を完了した対象は、4週間のフォローアップ来院を有する。208週目の前にこの研究から早期に処置を中断した対象は、早期終了(ET:early termination)来院および4週間のフォローアップ来院を有する。ET来院は、IPの最終用量後可能な限り早く計画されるべきである。ET来院がIPの最終用量28日後である場合、フォローアップ来院は必要とされない。
対象が適格であり、登録されると、割り当てられる処置は、この研究の全208週間の対象の処置過程を決定する臨床改善基準に基づく。
臨床改善基準は、180未満のCDAI、または少なくとも14日間離れた2回の連続研究来院のベースラインと比較して、以前に参加した化合物(I)研究で、ベースラインと比較したCDAIスコアの70点以上の低減を有する対象として定義される。ベースライン値は、以前の化合物(I)研究(例えば実施例2)の開始時に取られた測定値であり、8個の因子(クローン病活動指数)からなる複合スコアであり、その後化合物(I)研究の最後に測定された値(例えば実施例2の52週目)と比較される。
52週目で臨床改善基準を満たした、実施例2研究の以前に処置した化合物(I)対象は:
a.PBO QDを4週間/化合物(I)40mg QDを4週間、または
b.化合物(I)40mg QD、または
c.PBO QDを4週間/化合物(I)160mg QDを4週間
の同じ盲検処置を受容し続ける。
12週目で臨床改善基準を満たした、以前の化合物(I)研究で処置した、以前に処置した化合物(I)対象は、PBO QDを4週間/化合物(I)160mgを4週間の盲検処置を受容する。
実施例2研究の52週目で、または別の以前の化合物(I)研究の12週目で、臨床改善基準を満たした、以前に処置したプラセボ対象は、化合物(I)160mg QDを4週間/PBO QDを4週間の盲検処置を受容する。
実施例2研究の12週目の後〜52週目で、または別の以前の化合物(I)研究の12週目で、臨床改善基準を満たさなかった、以前に処置した化合物(I)またはプラセボ対象は:
a.対象が以前に化合物(I)処置を受容した場合、化合物(I)160mg QDを4週間/PBO QDを4週間、または
b.対象が以前にプラセボを受容した場合、化合物(I)160mg QDを12週間、続いてPBO QDを4週間/化合物(I)160mg QDを4週間
の盲検処置を受容する。
研究エンドポイント
本研究の主要エンドポイントは、有害事象の種類、頻度、および重症度、および治験薬(IP)へのその関係、有害事象のための中断、ならびに心電図(ECG:electrocardiogram)、生命徴候、および/または検査所見における臨床的に顕著な変化により査定される、化合物(I)の安全性および忍容性の評価である。
この研究の探索的エンドポイントは、以下の探索的有効性エンドポイント:
・12週目までで経時的にベースラインと比較したCDAIの変化、
・208週目までで経時的にベースラインと比較したHBIの変化、
・208週目までで経時的にベースラインと比較したEQ−5Dスコアの変化、
・208週目までで経時的にベースラインと比較したEQ−5Dスコアの変化、
・208週目までで経時的にベースラインと比較したHRUの変化、
・208週目までで経時的にベースラインと比較したhsCRP濃度の変化、
・52週目までで経時的にベースラインと比較したFCP濃度の変化
を含む。
研究持続期間
対象は、3つの異なる研究期間で最大216週間:スクリーニング期間で最大4週間、長期積極処置期間で208週間;およびフォローアップ期間で4週間、参加し得る。
研究終了
研究終了は、プロトコールで事前に特定されるように、最後の対象の処置後フォローアップを完了するための最後の来院日、または第一のおよび/もしくは探索的分析に必要とされる最後の対象からの最後のデータ点の受領日のいずれかのうち、後の方の日として定義される。この研究には第二の目的またはエンドポイントはない。
研究集団
対象の数:
この長期積極処置研究に登録することが計画される対象の数は、世界各地での対象参加を含む、実施例2研究などの以前に行われた化合物(I)研究から入る、適格な対象の数に基づく。
包含基準:
対象は、本研究に登録されるには以下の基準:
・対象は、インフォームドコンセントフォーム(ICF)に署名する時点で18歳以上の男性または女性である、
・対象は、任意の研究関連査定/手技を行う前にICFを理解し、ICFに自発的に署名しなければならない、
・対象は、研究来院スケジュールおよび他のプロトコール要件を守ることをいとわず、守ることができる、
・対象は、以前の化合物(I)研究から12週目までで完了し、かつ:
・実施例2研究の52週目の、または別の化合物(I)研究の12週目の、最後の研究処置来院までで参加を完了したか、または
・「早期離脱基準」を満たし、実施例2研究の12週目の後に中断したか
のいずれかでなければならない
を満たさなければならない。
除外基準:
以下のもの:
・対象が、以前の化合物(I)研究に参加している間に、IPに関連するSAEを経験した、
・対象が、以前の化合物(I)研究に参加している間に起こった、任意の継続中の重篤な健康状態、検査値異常、または精神医学的病気を有する、
・対象が、調査者の意見で、この対象にとってこの長期積極処置研究に参加することが最善の利益ではない場合がある、CDの再燃または悪化を有するか、または有した、
・対象が、TNF−α遮断薬またはインテグリンアンタゴニストなどの生物学的薬剤を開始した、
・対象が、以前の化合物(I)研究に参加している間に、結腸直腸がんまたは結腸直腸異形成と診断された(完全に切除された腺腫性結腸ポリープを除外する)、
・対象が、以前の化合物(I)研究に参加している間に、新規に診断された悪性腫瘍を有する。対象が、妊娠中または授乳中である、
・対象が、物質乱用と新規に診断された、
・対象が、オリゴヌクレオチド、化合物(I)、またはIP中の任意の成分への過敏症を発症していることが知られている
のいずれかの存在により、対象は登録から除外される。
コルチコステロイド漸減手技
対象は、以下のスケジュール:
・1日当たり10mgを超える(または同等の)用量のプレドニゾン用量については、各週に1日当たりの用量を、10mg/日の用量に達するまで、5mgずつ漸減する。その後、各週に1日当たりの用量を、中断まで2.5mgずつ漸減する。
・10mg以下の(または同等の)プレドニゾン用量については、各週に1日当たりの用量を、中断まで2.5mgずつ漸減する。
・ブデソニドを受容する対象は、1日当たりの用量を3週毎に3mgずつ漸減するべきである。
に従って、調査者の自由裁量で、4週目の来院で開始するコルチコステロイド漸減を開始するのに適格である。
研究処置の説明
治験薬(複数可)の説明[実施例2と同じ]:
化合物(I)は、40mgフィルムコーティング錠剤として提供する。プラセボは、同様の外観の錠剤として提供する。
処置投与およびスケジュール:
0週目で開始して12週目まで、対象は、以下の番号付けした処置群(図4を参照のこと):
1)連続160mg QDを12週間、
2)160mg QDを4週間、PBO QDを4週間、160mg QDを4週間、
3)PBO QDを4週間、160mg QDを4週間、PBO QDを4週間、
4)連続40mg QDを12週間、
5)PBO QDを4週間、40mg QDを4週間、PBO QDを4週間
の1つとして盲検活性化合物(I)(160mg QDまたは40mg QD)処置を受容する。
12週目で開始して208週目まで、上記の番号付けした処置群からの対象は、以下のように盲検活性化合物(I)処置を196週間受容し続ける:
1)208週目まで、PBO QD4週間および160mg QD4週間を交互に、
2)208週目まで、PBO QD4週間および160mg QD4週間を交互に、
3)208週目まで、160mg QD4週間およびPBO QD4週間を交互に、
4)208週目まで、連続40mg QD、
5)208週目まで、40mg QD4週間およびPBO QD4週間を交互に。
対象は、IPが投与されるとき、1個のブリスターカードを受容する。208週間長期積極処置期間中、4個の錠剤を1日1回摂取する。対象に、朝、朝食30分前に、グラス1杯の水と共にIPを摂取するように教示し、また、保存教示のためにラベルを参照するように教示する。
処置および投与スケジュールは、表8で開始して以下に説明する。
各囲みで説明する処置は、特定の週の来院で適用された処置である。例えば、対象が以前に、以前の化合物(I)研究でプラセボ(改善なし)を受容した場合、対象はこの研究では:
・0週目の来院で、盲検化合物(I)160mg QDを4週間供給、
・4週目の来院で、盲検化合物(I)160mg QDを4週間供給、
・52週目の来院で、盲検PBO QDを4週間供給、
・104週目の来院で、盲検化合物(I)160mg QDを4週間供給、
・156週目の来院で、盲検PBO QDを4週間供給、および
・208週目の来院で、IPなし
のように、IPを受容し得る。
処置割り当ての方法:
適格な対象は、この208週間長期積極処置研究中4週間隔の間:1)4個の40mg錠剤;2)1個の40mg錠剤および3個のプラセボ錠剤;または3)4個のプラセボ錠剤のいずれかとして、化合物(I)処置を受容する。
併用薬および手技
本研究中、許可される併用薬は:
・用量が、0〜12週目のこの研究の最初の12週間を通して安定なままである限り、経口アミノサリチル酸(例えばスルファサラジン[SSZ]または5−アミノサリチル酸[5−ASA]化合物):または免疫抑制剤(例えばAZA、6−MP、またはMTX)は、スクリーニング中に開始もしくは変更してもよく、または以前の化合物(I)研究から継続してもよい。12週目の後、対象は、用量を漸減するか、もしくはこれらのバックグラウンドCD投薬法のいずれかを完全に中断してもよく、または用量を増大させるか、もしくは調査者の自由裁量で、生物学的薬剤を除いては、臨床的に指示される任意の新しいCD投薬法を付加してもよい。
・用量が、0〜4週目のこの研究の最初の4週間を通して安定なままである限り、経口コルチコステロイド(用量制限なし)は、スクリーニング中に開始もしくは変更してもよく、または以前の化合物(I)研究から継続してもよい。4週目の後、対象は、調査者の自由裁量で、臨床的に指示されるようにコルチコステロイド用量を漸減してもよい。
・上記に示されるCD併用薬の用量は、登録来院2(0週目)で開始して12週目までの安定用量から変更するべきではない。しかしながら、コルチコステロイドは、4週目で開始して変更してもよい。対象が、来院2/0週目で研究に登録されると、12週目まで、新しいCD療法を処方することはできない。
を含む。
以下の併用薬は、スクリーニング期間中、および登録来院(すなわち、0週目/来院2)〜最後の研究処置来院(すなわち、208週目/来院54)まで、または研究中に早期に中断した対象についてはET来院中、禁止される。
・TNF−α遮断薬またはインテグリンアンタゴニストを含む、任意の生物学的薬剤の使用。生物学的薬剤が開始された場合、対象は、研究から中断されなければならない。
この研究で必要とされる併用薬および手技はない。
有害事象
有害事象のモニタリング、記録、および報告:
有害事象(AE)は、研究過程中に対象において出現または悪化し得る、任意の有害な、意図されない、または不都合な医療的出来事である。それは、病因にかかわらず、検査室試験値を含む、新しい介入性の病気、悪化させる併発する病気、傷害、または任意の併発する対象の健康の機能障害であり得る。任意の悪化(すなわち、事前に存在する状態の頻度または強度における任意の臨床的に顕著な有害変化)は、AEと考えられるべきである。
治験薬の乱用、離脱症状、感受性、または毒性は、AEとして報告されるべきである。
全ての対象は、研究中にAEについてモニタリングされる。査定は、以下のパラメータ:対象の臨床症状、検査的、病理学的、放射線学的、もしくは外科的所見、身体検査所見、または他の試験および/もしくは手技からの所見のいずれかまたは全てのモニタリングを含み得る。
有害事象の評価:
資格を有する調査者が、以下に従って、全ての有害事象を評価する:
・重篤度:
重篤な有害事象(SAE)は、
・死をもたらす、
・生命を脅かす(すなわち、調査者の意見で、対象がAEのために即時的な死のリスクにある)、
・入院または現行の入院の延長を必要とする(入院は、滞在の長さにかかわらず、入院許可として定義される)、
・持続性または顕著な身体障害/不能状態をもたらす(正常な生活機能を行う対象の能力の実質的な破壊)、
・先天異常/先天性欠損をもたらす、
・重要な医療事象を構成する、
任意の用量で起こる任意のAEである。
重要な医療事象は、即時に生命を脅かしたり、または死、入院、もしくは身体障害をもたらしたりすることはないが、対象を危険にさらし得るか、または上記に列挙される他の結果の1つを防ぐために医療的もしくは外科的介入を必要とし得る、出来事として定義される。かかるAEを重篤であると考えるべきかどうかの決定において、医療的および科学的判断が行使されるべきである。
SAEであると考えられない事象は:
・プロトコール療法投与のための標準手技。しかしながら、療法投与の合併症のための入院または入院延長は、SAEとして報告する。
・状態の任意の変質と関連付けられない、研究される適応症のルーチンの処置またはモニタリング。
・プロトコール/疾患関連調査のための手技(例えば手術、スキャン、内視鏡、検査室試験のための試料採取、骨髄試料採取)。しかしながら、かかる手技の合併症のための入院または入院延長は、報告すべきSAEである。
・AEの非存在下での、技術的、実際的、または社会的理由のための入院または入院延長。
・計画される(すなわち、研究の処置開始前に計画される)手技は、原資料およびeCRFに記録されなければならない。合併症のための入院または入院延長は、報告すべきSAEである。
・ベースラインから悪化していない、研究される適応症に関連のない、事前に存在する状態の選択的処置、またはその状態のための選択的手技。
・上記の他の重篤度基準を満たさない限り、結果として入院しない、緊急外来患者処置または観察。
のための入院である。
(実施例4)
活動性クローン病を有する対象における化合物(I)の薬力学的効果を探索するための非盲検多施設研究
研究目的
第一の研究目的は、活動性クローン病(CD)を有する対象において、化合物(I)160mg1日1回(QD)の作用機序を探索することである。
第二の目的は:
・炎症性サイトカインおよび腸粘膜における遺伝子発現に対する化合物(I)160mg QDの効果を探索すること
・活動性CDを有する対象において、化合物(I)160mg QDの安全性および忍容性を評価すること
である。
探索的目的は:
・活動性CDを有する対象において、臨床的活性に対する化合物(I)160mg QDの効果を探索すること
・活動性CDを有する対象において、内視鏡の結果に対する化合物(I)160mg QDの効果を探索すること
・循環単核細胞についての免疫バイオマーカーの発現に対する化合物(I)160mg QDの効果を探索すること
・化合物(I)160mg QDを受容する活動性CDを有する対象において、薬力学(PD)マーカーと臨床結果および内視鏡の結果との関連を探索すること。活動性CDを有する対象における、高感度C反応性タンパク質(hsCRP)、regenerating islet−derived 3−alpha(Reg−3α)、および便カルプロテクチン(FCP)などの、腸炎症および組織損傷のバイオマーカーに対する化合物(I)160mg QDの効果を探索すること
である。
研究エンドポイント
研究設計を例示する模式図を、図5に示す。
これは、220以上〜450以下のクローン病活動指数(CDAI)スコアおよび7以上のクローン病簡易内視鏡スコア(SES−CD)(または対象が回腸炎のみを有する場合、4以上のSES−CD)を有することとして定義される、活動性CDを有する対象における、化合物(I)のPD結果に対する12週間の効果を探索するための非盲検多施設研究である。
対象をスクリーニングして、非盲検療法として12週間の化合物(1)160mg QD処置を完了した16人の登録対象を得る。12週目の来院前に研究を中断した対象は、交替させる。
適格な対象は、登録され、ベースライン来院(0週目/来院2)で処置期間に入り、IPを化合物(I)160mg QDとして12週間受容するように割り当てられる。
また、この研究は、調査者の自由裁量で、IPなし4週間、続いて化合物(I)160mg QD4週間の交互で開始して、維持期間中最大52週目までの、維持処置を継続する選択肢を対象に与える。
本研究は、4つの期間:
・スクリーニング期間−最大4週間
・誘導期間−12週間(0週目〜12週目)
・維持期間−40週間(12週目〜52週目)
・フォローアップ期間−4週間(すなわち、IP摂取なし)
からなる。
52週目の前にこの研究から早期に処置を中断した対象は、早期終了来院を有し、また4週間のフォローアップ期間に入る。
以前のTNF−α遮断薬への曝露を有する対象の数は、およそ40%(すなわち、およそ6人の対象)になるように標的化する。
研究持続期間
全体的な研究持続期間は、4つの異なる期間で最大60週間:スクリーニング期間で最大4週間、誘導期間で12週間、維持期間で40週間、およびフォローアップ期間で4週間である。
研究集団
対象の数:
12週間の処置を完了した活動性CDを有するおよそ16人の対象は、欧州から登録される。
包含基準:
対象は、本研究でスクリーニングおよび登録されるには以下の基準:
・対象は、インフォームドコンセントフォーム(ICF)に署名する時点で18歳以上の男性または女性である。
・対象は、任意の研究関連査定/手技が行われる前にICFを理解し、ICFに自発的に署名しなければならない。
・対象は、研究来院スケジュールおよび他のプロトコール要件を守ることをいとわず、守ることができる。
・対象は、スクリーニング来院1前に少なくとも3カ月の持続期間を有するCDの診断を有しなければならない。
・対象は、内視鏡、X線検査、または任意の他の画像化様式(例えば磁気共鳴画像法[MRI]、またはコンピュータ断層撮影法[CT]スキャン)により決定される、回腸炎、回腸大腸炎、または大腸炎の診断を有しなければならない。
・対象は、スクリーニング時に220以上〜450以下のCDAIスコアとして定義される、活動性疾患を有しなければならない。
・対象は、スクリーニング時に7以上のSES−CDを有しなければならず、回腸炎のみを有する対象は、スクリーニング時に4以上のSES−CDを有しなければならない。
・対象は、以下の:アミノサリチル酸、ブデソニド、全身コルチコステロイド、免疫抑制剤(例えばアザチオプリン[AZA]、6−メルカプトプリン[6−MP]、またはメトトレキセート[MTX])、またはTNF−α遮断薬(例えばインフリキシマブまたはアダリムマブ)の少なくとも1つについて失敗しているか、または不耐性を経験していなければならない。
・対象は、以下の検査室基準:
・(医療モニターでの診察後、スクリーニング期間中に1回の検査室試験繰返しは許可される。)
・3000/mm3以上(3.0×109/L以上)の白血球(WBC)カウント
・100,000/mm3以上(100×109/L以上)の血小板カウント
・1.5mg/dL以下(132.6μmol/L以下)の血清クレアチニン
・正常の上限(ULN)の2.5倍以下のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)
・対象が、ジルベール病の確認された診断を有しない限り、2mg/dL(34μmol/L)以下の総ビリルビン
・8g/dL以上(4.98mmol/L以上)のヘモグロビン
・ULNの1.5倍以下の活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
を満たさなければならない。
を満たさなければならない。
除外基準:
以下のもの:
・対象が、上部消化管のCD関連を有する。
・対象が、UC、分類不能大腸炎、虚血性大腸炎、顕微鏡的大腸炎、放射線大腸炎、または憩室疾患関連大腸炎の診断を有する。
・対象が、狭窄、膿瘍、短腸症候群などのCDの局所的徴候;または手術が指示され得るか、もしくは有効性の評価を混乱させ得る、他の疾患合併症を有する。
・対象が、スクリーニング来院1前6カ月以内の腸切除、または3カ月以内の任意の腹腔内手術を有した。
・対象が、回腸瘻増設または人工肛門形成を有する。
・対象が、スクリーニング来院1前8週間以内に、ミコフェノール酸、タクロリムス、シロリムス、シクロスポリン、サリドマイド、またはアフェレーシス(例えばAdacolumn(登録商標))での事前処置を有した。
・対象が、スクリーニング来院1前2週間以内に、静脈内(IV)コルチコステロイドを受容した。
・対象が、スクリーニング来院1前2週間以内に、経口アミノサリチル酸の用量を開始、中断、または変更した。
・対象が、スクリーニング来院1前3週間以内に、経口コルチコステロイドの許可された用量(20mg/日以下または同等のプレドニゾン、9mg/日以下のブデソニド)を開始、変更、または中断した。
・対象が、スクリーニング来院1前12週間以内に、免疫抑制剤(例えばAZA、6−MP、またはMTX)を開始した。
・対象が、スクリーニング来院1前8週間以内に、免疫抑制剤(例えばAZA、6−MP、またはMTX)の許可された用量を中断または変更した。
・対象が、スクリーニング来院1前2週間以内に、5−アミノサリチル酸(5−ASA)またはコルチコステロイド浣腸剤または坐剤などの局所GI処置を受容した。
・対象が、スクリーニング来院1前3週間以内に、コレスチラミンを受容した。
・対象が、スクリーニング来院1前3週間以内に、CDの処置のための抗生物質を受容した。
・対象が、2種類を超えるTNF−α遮断薬(例えばインフリキシマブまたはアダリムマブ)での事前処置を有した。
・対象が、スクリーニング来院1前8週間以内に、TNF−α遮断薬での処置を有した。
・対象が、任意のインテグリンアンタゴニスト(例えばナタリズマブまたはベドリズマブ)での事前処置を有した。
・対象が、スクリーニング来院1前4週間以内に、完全非経口栄養(TPN)を受容した。
・対象が、スクリーニング来院1時に任意の腸内病原菌またはClostridium difficile(C.difficile)毒素について便陽性である。
・対象が、任意の臨床的に顕著な神経学的、腎臓の、肝臓の、胃腸の、肺の、代謝的、心血管的、精神医学的、内分泌的、血液学的障害もしくは疾患の病歴、または調査者の意見で、対象が研究に参加することを妨げ得る任意の他の健康状態を有する。
・対象が、対象が研究に参加することになる場合対象が容認できないリスクに置かれ得るか、または研究からデータを解釈する能力を混乱させ得る、検査値異常の存在を含む任意の状態を有する。
・対象が、妊娠中または授乳中である。
・対象が、スクリーニング来院1前6カ月以内、およびスクリーニング期間中いつでもIPの最初の用量に至るまで、以下の心臓状態:心筋梗塞、急性冠状動脈症候群、不安定狭心症、新規開始心房細動、新規開始心房粗動、第2度もしくは第3度房室ブロック、心室細動、心室頻拍、心不全、心臓手術、介入性心臓カテーテル法(ステント設置を伴うまたは伴わない)、介入性電気生理学的手技、または埋め込み除細動器の存在のいずれかの病歴を有する。
・対象が、スクリーニング来院1前4週間以内、およびスクリーニング期間中いつでもIPの最初の用量に至るまで、再発性細菌、ウイルス、真菌、マイコバクテリア、または他の感染(非限定的に、結核および非定型抗酸菌症、ならびに帯状疱疹を含む)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、もしくは入院もしくはIVもしくは経口抗生物質での処置を必要とする任意の第一の感染エピソードが現在活動性であることが知られているか、またはその病歴を有する。
・対象が、先天的または後天的免疫不全(例えば分類不能型免疫不全症)の病歴を有する。
・対象が、結腸直腸がんまたは結腸直腸異形成の病歴を有する。
・対象が、以下のもの:
・処置された(すなわち、治癒した)基底細胞または扁平細胞皮膚上皮内癌
・以前の5年以内に再発の証拠を有しない、処置された(すなわち、治癒した)子宮頸部上皮内腫瘍または子宮頸部の上皮内癌
を除く、悪性腫瘍の病歴を有する
・対象が、スクリーニング来院1前1カ月以内に、任意の治験薬物またはデバイスを受容した。
・対象が、スクリーニング来院1前6カ月以内に、アルコール、薬物、または化学物質乱用の履歴を有する。
・対象が、オリゴヌクレオチドまたはIP中の任意の成分への過敏症を有することが知られている。
・対象が、化合物(I)での事前処置を受容したか、または化合物(I)に関する臨床研究に参加した。
のいずれかの存在により、対象はスクリーニングおよび登録から除外される。
バイオマーカー
高感度C反応性タンパク質を、血液試料中で分析する。糞便カルプロテクチンを、糞便試料中で査定する。これらの回収のスケジュールおよび頻度は、例えば図5で示す(白丸の「B」により示される)。
研究処置の説明
治験薬(複数可)の説明:
化合物(I)を、40mgフィルムコーティング錠剤として提供する。
処置投与およびスケジュール:
対象は、IPが投与されるとき、1個の瓶を受容する。対象は4個の錠剤を、12週間誘導期間中に1日1回摂取し、40週間維持期間中のIPが摂取される月に1日1回摂取する。すなわち、対象は、160mg QD投薬のために、IPを4個の40mg錠剤として摂取する。全研究中、全てのIPを非盲検処置として提供する。対象に、朝、朝食30分前に、グラス1杯の水と共にIPを摂取するように教示し、また、保存教示のためにラベルを参照するように教示する。処置および投与スケジュールは、以下の表13で説明する。
併用薬手技
本研究中、以下の併用薬:
・経口アミノサリチル酸(スルファサラジン[SSZ]または5−ASA化合物)は、用量がスクリーニング来院1前の少なくとも2週間安定である限り、本研究中に許可される。
・経口アミノサリチル酸の用量は、12週目まで安定なままでなければならず、早期終了が12週目の前に起こった場合、早期終了来院まで安定なままであるべきである。
・経口アミノサリチル酸が最近中断された場合、処置はスクリーニング来院1の少なくとも2週間前に停止されていなければならない。
・経口アミノサリチル酸の用量は、12週目の後、調査者の自由裁量で、臨床的に指示されるように変更(すなわち、漸減、停止、または増大)することができる。
・経口コルチコステロイドは、用量(20mg/日未満または同等のプレドニゾン、9mg/日未満のブデソニド)がスクリーニング来院1前の3週間安定である限り、誘導期間中に許可される。
・経口コルチコステロイドの用量は、12週目まで安定なままでなければならず、早期終了が12週目前に起こった場合、早期終了来院まで安定なままであるべきである。
・経口コルチコステロイドが最近中断された場合、処置はスクリーニング来院1の少なくとも3週間前に停止されていなければならない。
・経口コルチコステロイドの用量は、12週目の後、調査者の自由裁量で、臨床的に指示されるように、変更(すなわち、漸減、停止、または増大)することができる。
AZA、6−MP、またはMTXなどの免疫抑制剤は、処置がスクリーニング来院1の12週間より前に開始されたならば、本研究中に許可される。
・免疫抑制剤の用量は、スクリーニング来院1前の8週間を超える期間の間安定用量でなければならず、12週目まで安定なままでなければならず、早期終了が12週目の前に起こった場合、早期終了来院まで安定なままであるべきである。
・免疫抑制剤が最近中断された場合、処置はスクリーニング来院1の少なくとも8週間前に停止されていなければならない。
・免疫抑制剤の用量は、12週目の後、調査者の自由裁量で、臨床的に指示されるように、変更(すなわち、漸減、停止、または増大)することができる。
・注意:上記に示される併用薬の用量は、本研究中12週目まで、ベースライン用量から変更することはできない。対象が、本研究に登録されると、12週目まで、新しいCD療法を処方することはできない。
を許可する。
以下の併用薬:
・スクリーニング来院1前8週間以内および研究の全持続期間を通した、TNF−α遮断薬を含む、任意の生物学的薬剤の使用。
・スクリーニング来院1前8週間以内および研究の12週目までの、ミコフェノール酸、タクロリムス、シロリムス、シクロスポリン、サリドマイド、またはアフェレーシス(例えばAdacolumn)の使用。
・スクリーニング来院1前2週間以内および研究の12週目までの、5−ASAまたはコルチコステロイド浣腸剤または坐剤での局所処置の使用。
・スクリーニング来院1前2週間以内および研究の12週目までの、IVコルチコステロイドの使用。
・スクリーニング来院1前4週間以内および研究の12週目までの、TPNの投与。
・研究の全持続期間を通した、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の慢性的使用。しかしながら、心血管予防のための低用量アスピリンは許可される。
・スクリーニング来院1前3週間以内および研究の12週目までの、CDの処置のための抗生物質療法の使用。
・スクリーニング来院1前3週間以内および研究の12週目までの、コレスチラミンの使用。
を禁止する。
有害事象
有害事象を、実施例3で説明するように、定義および報告する。
(実施例5)
活動性潰瘍性大腸炎を有する対象における化合物(I)の有効性および安全性を探索するための非盲検多施設研究
研究目的
第一の研究目的は、活動性UCを有する対象において、MMSにより測定される臨床的活性に対する化合物(I)の効果を探索することである。
第二の目的は:
・活動性UCを有する対象において、メイヨー内視鏡サブスコアにより測定される内視鏡の結果に対する化合物(I)の効果を探索すること
・活動性UCを有する対象において、化合物(I)の安全性および忍容性を評価すること
である。
探索的な目的は:
・活動性UCを有する対象において、化合物(I)に応じたhsCRPおよびFCPなどのバイオマーカーの変化を評価すること
・活動性UCを有する対象からの腸粘膜生検における組織学的スコアに対する化合物(I)の効果を探索すること
・活動性UCを有する対象において、腸粘膜における遺伝子発現に対する化合物(I)のPD効果を探索すること
・活動性UCを有する対象において、PDパラメータと化合物(I)の有効性との関連を探索すること
・活動性UCを有する対象において、化合物(I)の全身曝露を測定すること
である。
研究エンドポイント
研究エンドポイントを、表14に列挙する。
研究設計
研究設計を例示する模式図を、図6に示す。
これは、4以上〜9以下のMMSおよび2以上のメイヨー内視鏡サブスコアとして定義される、活動性UCを有する対象において、経口化合物(I)の有効性および安全性を探索するための非盲検多施設研究である。
およそ40人の対象を登録して、非盲検経口化合物(I)160mgを52週間処置の持続期間中、受容させる。以前のTNF−α遮断薬への曝露を有する対象の登録は、およそ15人の対象に限定する。広範囲の大腸炎を有する対象の数を、研究集団全体のおよそ50%を構成するように標的化する。
適格な対象は、ベースライン来院(0週目/来院2)を有し、以下の処置:
・誘導期−化合物(I)160mgを1日1回(QD)8週間、
・延長期−化合物(I)160mgを交互投薬スケジュール(160mg QD)で4週間。12週目でベースラインからのPMSの少なくとも20%の減少を達成しなかった対象は、研究から中断させる
を受容する。
本研究中に行われる進行中の安全性および有効性査定に基づいて、本研究は、化合物(I)160mg QD用量を継続してもよく、最大320mgまでの化合物(I)のQD用量を付加してもよく、または研究を終了してもよい。
化合物(I)160mg QD用量群を中断し、新しい用量群を付加する場合、追加の40人の対象を新しい用量群に登録する。化合物(I)の用量を調節する決定後に登録した対象は、以下の処置:
・誘導期−化合物(I)、最大320mg QDを8週間、
・延長期−化合物(I)、最大320mg QD、続いて化合物(I)処置を伴わない4週間を追加の44週間。12週目でベースラインからのPMSの少なくとも20%の減少を達成しなかった対象は、研究から中断させる
を受容する。
積極的に登録された対象は、用量調節を受けない。
ベースラインでコルチコステロイドを受容した対象は、MMSにおける、少なくとも1点のRBSの低減または1以下の絶対値RBSを伴う、少なくとも2点および少なくとも25%のベースラインからの減少として定義される臨床応答を達成した場合、8週目(誘導期の終わり)でコルチコステロイド漸減を開始する。調査者により査定される内視鏡サブスコアは、8週目MMSの計算に使用する。
研究は、4つの期:
・スクリーニング期−最大4週間
・誘導期−8週間
・延長期−44週間
・観察フォローアップ期−4週間
からなる。
延長期を完了した対象、および任意の理由のために研究から早期に中断した対象は、IPの最終用量後の4週間の期間である処置後観察フォローアップ期に入る。
研究持続期間
全体的な研究持続期間は、最大60週間であり、以下のような異なる期:スクリーニング期で最大4週間、誘導期で8週間、延長期で44週間、および処置後観察フォローアップ期で4週間を有する。
研究集団
対象の数:
およそ40人の対象が、世界各地で登録される。新しい用量群を探索する場合、対象の総数は最大80人まで増大してもよい。
包含基準:
対象は、本研究に登録されるには以下の基準:
・対象は、ICFに署名する時点で18歳以上の男性または女性である。
・対象は、任意の研究関連査定/手技を行う前にICFを理解し、ICFに自発的に署名することができる。
・対象は、研究来院スケジュールおよび他のプロトコール要件を守ることをいとわず、守ることができる。
・対象は、スクリーニング前に少なくとも3カ月の持続期間を有するUCの診断を有しなければならない。
・対象は、スクリーニング時に4以上〜9以下のMMSとして定義される、中程度〜重度のUCを有しなければならない。
・対象は、スクリーニング時に2以上のメイヨー内視鏡サブスコアを有しなければならない。
・対象は、以下の:アミノサリチル酸、ブデソニド、全身コルチコステロイド、免疫抑制剤(例えば6−メルカプトプリン[6−MP]、アザチオプリン[AZA]、またはメトトレキセート[MTX])、またはTNF−α遮断薬(例えばインフリキシマブ、アダリムマブ、またはゴリムマブ)の少なくとも1つについて失敗しているか、または不耐性を経験していなければならない。
・対象は、以下の検査室基準:
a. 3000/mm3以上(3.0×109/L以上)の白血球カウント
b. 100,000/mm3以上(100×109/L以上)の血小板カウント
c. 1.5mg/dL以下(132.6μmol/L以下)の血清クレアチニン
d. 正常の上限(ULN)の2.5倍以下のアスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ[SGOT])およびアラニントランスアミナーゼ(ALT/血清ピルビン酸トランスアミナーゼ[SGPT])
e. ジルベール病の確認された診断がない限り、2mg/dL以下(34μmol/L以下)の総ビリルビン
f. 9g/dL以上(5.6mmol/L以上)のヘモグロビン
g. ULNの1.5倍以下の活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
を満たさなければならない
を満たさなければならない。
除外基準:
以下のもの:
・対象が、CD、分類不能大腸炎、虚血性大腸炎、顕微鏡的大腸炎、放射線大腸炎、または憩室疾患関連大腸炎の診断を有する。
・対象が、遠位15cmまたはそれ未満に限定される潰瘍性大腸炎(例えば潰瘍性直腸炎)を有する。
・対象が、UCの処置としての手術を有したか、または調査者の意見で、本研究中にUCのための手術が必要になると考えられる。
・対象が、劇症性大腸炎または中毒性巨大結腸症を示唆する臨床徴候を有する。
・対象が、スクリーニング時に、任意の腸内病原菌またはClostridium difficile(C.difficile)毒素について便陽性である。
・対象が、結腸直腸がんまたは結腸直腸異形成の病歴を有する。
・2種類を超えるTNF−α遮断薬(例えばインフリキシマブ、アダリムマブ、またはゴリムマブ)での事前処置。
・任意のインテグリンアンタゴニスト(例えばナタリズマブまたはベドリズマブ)での事前処置。
・スクリーニングの8週間以内のTNF−α遮断薬の使用。
・対象が、UCの処置のためのミコフェノール酸、タクロリムス、シロリムス、シクロスポリン、サリドマイド、またはアフェレーシス(例えばAdacolumn(登録商標))での事前処置を有した。加えて、また、スクリーニングの8週間以内のUC以外の適応症のためのこれらの処置様式のいずれかの事前使用は、除外される。
・対象が、スクリーニングの2週間以内に、静脈内(IV)コルチコステロイドを受容した。
・対象が、スクリーニングの2週間以内に5−ASAまたはコルチコステロイド浣腸剤または坐剤での局所処置を受容した。
・対象が、スクリーニングの4週間以内に完全非経口栄養(TPN)を受容した。
・対象が、任意の臨床的に顕著な神経学的、腎臓の、肝臓の、胃腸の、肺の、代謝的、心血管的、精神医学的、内分泌的、血液学的障害もしくは疾患の病歴、または調査者の意見で、対象が研究に参加することを妨げ得る任意の他の健康状態を有する。
・対象が、対象が研究に参加することになる場合対象が容認できないリスクに置かれるか、または研究からデータを解釈する能力を混乱させる、検査値異常の存在を含む任意の状態を有する。
・対象が、妊娠中または授乳中である。
・対象が、スクリーニングの6カ月以内に、以下の心臓状態:心筋梗塞、急性冠状動脈症候群、不安定狭心症、新規開始心房細動、新規開始心房粗動、第2度もしくは第3度房室ブロック、心室細動、心室頻拍、心不全、心臓手術、介入性心臓カテーテル法(ステント設置を伴うまたは伴わない)、介入性電気生理学的手技、または埋め込み除細動器の存在のいずれかの病歴を有する。
・対象が、スクリーニングの4週間以内に、再発性細菌、ウイルス、真菌、マイコバクテリア、または他の感染(非限定的に、結核および非定型抗酸菌症、ならびに帯状疱疹を含む)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、もしくは入院もしくはIVもしくは経口抗生物質での処置を必要とする任意の第一の感染エピソードが現在活動性であることが知られているか、またはその病歴を有する。
・対象が、先天的または後天的免疫不全(例えば分類不能型免疫不全症)の病歴を有する。
・対象が、以下のもの:
a. 処置された(すなわち、治癒した)基底細胞または扁平細胞皮膚上皮内癌
b. 以前の5年以内に再発の証拠を有しない、処置された(すなわち、治癒した)子宮頸部上皮内腫瘍または子宮頸部の上皮内癌
を除く、悪性腫瘍の病歴を有する
・対象が、スクリーニングの1カ月以内に、治験薬物またはデバイスを受容した。
・対象が、スクリーニング前6カ月以内に、アルコール、薬物、または化学物質乱用の履歴を有する。
・対象が、オリゴヌクレオチドまたはIP中の任意の成分への過敏症を有することが知られている。
・対象が、化合物(I)での事前処置を有するか、または化合物(I)に関する臨床研究に参加した。
のいずれかの存在により、対象は登録から除外される。
治験薬の説明
化合物(I)は、21個のヌクレオチド(21マー)の長さである。化合物(I)は、ホスホロチオエート骨格を有するASODN(21マー)である。化合物(I)を、40mgフィルムコーティング錠剤として提供する。
処置投与スケジュール
対象は、各来院で1個の瓶を受容する。化合物(I)160mg QD用量群について、対象は4個の錠剤を1日1回摂取する。新しい用量群について、対象は最大8個の錠剤を1日1回摂取し得る。対象に、朝、朝食30分前に、グラス1杯の水と共にIPを摂取するように教示する。また、対象に、保存教示のためにラベルを参照するように教示する。IP処置および投与スケジュールを、以下の表15および表16で説明する。
本研究中、以下の併用薬:
・経口アミノサリチル酸(スルファサラジン[SSZ]または5−ASA化合物)は、処置がスクリーニングの少なくとも6週間前に開始され、スクリーニング前の少なくとも2週間安定用量で与えられている限り、本研究中に許可される。経口アミノサリチル酸の用量は、研究持続期間または研究からの早期終了全体を通して安定なままでなければならない。経口アミノサリチル酸が最近中断された場合、処置は、スクリーニングの少なくとも2週間前に停止されていなければならない。
・経口コルチコステロイドは、用量(20mg/日以下または同等のプレドニゾン、9mg/日以下のブデソニド)がスクリーニング前の3週間安定である限り、誘導期中に許可される。経口コルチコステロイドが最近中断された場合、中断は、スクリーニングの少なくとも3週間前に完了されていなければならない。コルチコステロイド用量は、対象が8週目でコルチコステロイド漸減を開始するのに適格になるまで安定なままであるべきである。漸減スケジュールは以下の通り:
− 1日当たり10mgを超える(または同等の)用量のプレドニゾン用量については、各週に1日当たりの用量を、10mg/日の用量に達するまで、5mgずつ漸減し、その各週後、1日当たりの用量を、中断まで2.5mgずつ漸減する。
− 10mg以下の(または同等の)プレドニゾン用量については、各週に1日当たりの用量を、中断まで2.5mgずつ漸減する。
− ブデソニドを受容する対象は、1日当たりの用量を3週毎に3mgずつ漸減するべきである。
である。
・AZA、6−MP、またはMTXなどの免疫抑制剤は、処置がスクリーニングの12週間以上前に開始されたならば、本研究中に許可される。免疫抑制剤の用量は、スクリーニング前8週間以上の間安定用量でなければならず、研究持続期間または研究からの早期終了全体を通して安定なままでなければならない。免疫抑制剤を中断した対象は、スクリーニングの少なくとも8週間前にそれらを停止していることが望ましい。
・心血管予防のためのアセトアミノフェンおよび低用量アスピリンは、許可される。
を許可する。
注意:上記に示される併用薬の用量は、本研究中、ベースライン用量を超えて増大することはできない。対象が、本研究に登録されると、新しいUC療法を処方することはできない。
以下の併用薬:
・スクリーニング前8週間以内および研究の持続期間を通した、TNF−α遮断薬を含む、任意の生物学的薬剤の使用。
・スクリーニング前8週間以内および研究の持続期間を通した、ミコフェノール酸、タクロリムス、シロリムス、シクロスポリン、サリドマイド、またはアフェレーシス(例えばAdacolumn)の使用。
・本研究中、5−ASAまたはコルチコステロイド浣腸剤または坐剤などの局所処置の使用は禁止され、スクリーニングの2週間前に中断されなければならない。
・本研究中、IVコルチコステロイドの使用は禁止され、スクリーニングの2週間前に中断されなければならない。
・スクリーニングの4週間以内および研究の持続期間を通した、TPNの投与。
・非ステロイド性抗炎症薬NSAIDの慢性的使用。
を禁止する。
有害事象
有害事象を、実施例3で説明するように、定義および報告する。
停止基準
個々の対象の処置を停止する基準は:
・繰返し試験で確認された、正常の上限(ULN)を超える国際標準化比(INR:International Normalized Ratio)またはプロトロンビン時間(PTT)を有する対象、
・補体活性化生成物の上昇を伴う、臨床的に顕著な血行動態変化または全身性炎症反応の徴候を有する対象
である。
本研究を終了する基準は:
・3人またはそれより多い対象が、凝固検査室パラメータまたは補体活性化因子の異常のために、研究から離脱したとき、
・潰瘍性大腸炎を有する対象において適切な利益リスクバランスを欠くとの、治験依頼者(安全および臨床)の決定
である。
参照による組込み
本明細書で引用する特許文献および科学論文の各々の全開示は、全ての目的について参照により組み込む。
均等物
本発明は、その本質的な特徴から逸脱して他の特定の形態で具体化することができる。それゆえ、上記実施形態は、本明細書で説明する発明についての限定ではなく例示と考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく、付属の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の均等物の意味および範囲に入る全ての変更はその中に包含されると意図される。