JP2018531408A6 - 基板テーブル及びリソグラフィ装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、本体と、本体から延出し、第1の上端を有するバールと、第2の上端を有する支持ピンとを備えた、基板を支持する基板テーブルを提供する。第1の上端は、基板を支持する支持面を画定する。支持ピンは、収縮位置と伸長位置の間を移動可能である。支持ピンは、基板を伸長位置において支持するように配置される。支持ピンは、第1の剛性モード及び第2の剛性モードに切り替えられるように構成される。支持ピンは、第1の剛性モードにおいて、支持面に平行な方向の第1の剛性を有する。支持ピンは、第2の剛性モードにおいて、支持面に平行な方向の第2の剛性を有する。第1の剛性は第2の剛性と異なる。
【選択図】 図2
【選択図】 図2
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2015年10月9日出願の欧州特許出願第15189177.7号及び2016年3月17日出願の欧州特許出願第16160992.0号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本出願は、2015年10月9日出願の欧州特許出願第15189177.7号及び2016年3月17日出願の欧州特許出願第16160992.0号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、基板テーブル及びリソグラフィ装置に関する。
リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
リソグラフィ装置の既知の実施形態では、基板は、基板の底部側で基板を保持するロボットによって基板テーブルの支持面上にロードされる。実質的に水平の支持面上への基板のローディングを可能にするために、eピンとも呼ばれる3つのローディングピンが基板テーブルに設けられる。ローディングピンは、ローディングピンの上端が基板テーブルより上に伸長する伸長位置と、ローディングピンの上端が基板テーブル内に収縮された収縮位置の間を移動可能である。
基板の基板テーブルへのローディング中、ロボットは伸長位置にある3つのローディングピン上に基板をロードする。基板は支持面より上に伸長するローディングピンで受けられるため、基板をローディングピン上に残してロボットを引き抜くことができる。
その後、ローディングピンを収縮位置に移動させて基板を支持面上に置くことができる。支持面は、基板テーブルの本体に設けられ、基板テーブルの本体から延出する複数のバールの上端によって画定される。
ローディングシーケンス中の基板の形状は、とりわけ基板の重力たわみによって画定される。基板が基板テーブルに接触している間は最終基板形状を操作する自由が限られている。
その結果、通常は基板の異なる部分が、ローディング中の異なる時点において支持面のバールの異なる部分に接触することになる。
基板が1つ以上のバールに初めて接触したときから、バールによって完全に支持されるまでの期間に、基板の形状は、基板が重力下で3つのローディングピンだけで支持される初期形状から、複数のバールによって支持されたときの最終形状に変化する。一般に、この期間の間に、基板の外縁は外側に移動し、支持面の外側部分にあるバール上をスライドする。このように基板がバール上をスライドすることによって、バールの上端が摩耗する可能性がある。このスライドによって基板の底部から粒子が分離される可能性もある。そして、このような粒子は、上述の結像を妨げるおそれがある汚染を形成する。
また、基板をローディングピンによって支持面から持ち上げることによって、基板のバール上でのスライド運動が生じ、同様に、バールの摩耗及び汚染が生じることになる。一般に、バールの摩耗は支持面の外側領域で生じる。
バールの摩耗によって、支持面が非平面になる可能性がある。結果として、リソグラフィ装置は、パターン付きビームを基板のターゲット部分に投影する際に正確な焦点合わせができない可能性がある。
更に、バールの上端によって画定される支持面への基板のローディングが、例えば基板とバールの間の大きな摩擦に起因して、バール上での基板のスライドをもたらさない場合、支持体によって支持されたときに基板に内部応力/内力が生じる可能性があることに留意されたい。このような内部応力は、パターン付きビームを基板に投影する際の基板の位置及び/又は形状に影響を及ぼす可能性があるため望ましくない。このような位置及び/又は形状は、基板が同じでも投影ごとに異なる可能性があるため、内部応力はリソグラフィ装置のオーバーレイ性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
基板支持体の支持面を画定するバールの摩耗及び基板の摩耗を低減する基板支持体を提供することが望ましい。更に、内部応力を全く又はほとんど発生させずに、基板を支持面上にローディングすることを可能にする基板支持体を提供することが望ましい。
本発明のある実施形態によれば、本体と、本体から延出し、第1の上端を有するバールと、第2の上端を有する支持ピンとを備える、基板を支持する基板テーブルが提供される。第1の上端は、基板を支持する支持面を画定する。支持ピンは、第2の上端が支持面より下に配置される収縮位置と、第2の上端が支持面より上に伸長する伸長位置の間を移動可能である。支持ピンは、基板を伸長位置に支持するように配置される。支持ピンは、第1の剛性モード及び第2の剛性モードに切り替えられるように構成される。支持ピンは、第1の剛性モードにおいて、支持面に平行な方向の第1の剛性を有する。支持ピンは、第2の剛性モードにおいて、支持面に平行な方向の第2の剛性を有する。第1の剛性は第2の剛性と異なる。
本発明のある実施形態によれば、放射ビームを調節するように構成された照明システムと、放射ビームの断面にパターンを付与してパターン付き放射ビームを形成可能なパターニングデバイスを支持するように構築されたパターニングデバイス支持体と、上述の基板テーブルと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分に投影するように構成された投影システムと、を備えたリソグラフィ装置が提供される。
対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、放射ビームB(例えば、UV放射又は任意の他の適切な放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に配置するように構成された第1の位置決めデバイスPMに接続されたパターニングデバイス支持体(例えば、マスクテーブル)MTとを含む。この装置は、また、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、特定のパラメータに従って基板を正確に配置するように構成された第2の位置決めデバイスPWに接続された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WT又は「基板支持体」を含む。更に、この装置は、基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上にパターニングデバイスMAによって放射ビームBへ付与されたパターンを投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSを備える。
本明細書で使用する「放射ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
パターニングデバイスMT支持体は、パターニングデバイスMAを支持、すなわちその重量を支えている。パターニングデバイス支持体MTは、パターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスMAが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。パターニングデバイス支持体MTは、パターニングデバイスMAを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。パターニングデバイス支持体MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。パターニングデバイス支持体MTは、パターニングデバイスMAが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板Wのターゲット部分Cにパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板Wのターゲット部分Cにおける所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路等のターゲット部分Cに生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
パターニングデバイスMAは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを付与する。
本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これは更に一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル又は「基板支持体」(及び/又は2つ以上のマスクテーブル又は「マスク支持体」)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブル又は支持体を並行して使用するか、1つ以上の他のテーブル又は支持体を露光に使用している間に1つ以上のテーブル又は支持体で予備工程を実行することができる。
リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源SOがエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源SOはリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するように設定されたアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
放射ビームBは、パターニングデバイス支持体MT上に保持されたパターニングデバイスMAに入射し、パターニングデバイスMAによってパターン形成される。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2の位置決めデバイスPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1の位置決めデバイスPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。一般に、パターニングデバイス支持体MTの移動は、第1の位置決めデバイスPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、パターニングデバイス支持体MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブラインアライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
1.ステップモードでは、パターニングデバイス支持体MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
2.スキャンモードでは、パターニングデバイス支持体MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。パターニングデバイス支持体MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
3.別のモードでは、パターニングデバイス支持体MTはプログラマブルパターニングデバイスMAを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源SOを使用して、基板テーブルWTを移動させるごとに、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスMAを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
1.ステップモードでは、パターニングデバイス支持体MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
2.スキャンモードでは、パターニングデバイス支持体MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。パターニングデバイス支持体MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
3.別のモードでは、パターニングデバイス支持体MTはプログラマブルパターニングデバイスMAを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源SOを使用して、基板テーブルWTを移動させるごとに、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスMAを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
リソグラフィ装置は基板テーブルWTを備える。基板テーブルWTの上部を、図2及び図3にそれぞれ断面図及び上面図としてより詳細に示す。図4は、基板Wを支持する図2の基板テーブルWTの細部Aを示す。
基板テーブルWTは、本体MBと、本体MBから支持面Sを画定する支持高さまで延出する複数のバールとを備える。支持面Sは、基板テーブルWT上に基板Wを支持するように構成される。基板テーブルWTの製造において、バールBを高精度で加工及び研磨して平坦な支持面Sを得る。一般的に支持面Sは水平面である。バールBは、基板が支持面Sに支持されるときに基板Wに影響を及ぼす基板テーブルWT上又は基板Wの底面の汚染を防止するように、基板テーブルWTと基板Wの接触表面積を制限する。
更に、基板テーブルWTの外側領域にあるバールB間の空間は、基板Wを支持面S、特にバールBの上端にクランプする負圧を生成するのに使用され得る封止リングSRによって区切られる。他の実施形態では、例えば基板Wを基板支持体WTにクランプするのに静電クランプを使用するリソグラフィ装置では、そのような封止リングSRが存在しない可能性がある。基板Wを支持面Sで支持するとき、封止リングSRと基板Wの間にギャップが存在してもよい。代替的には、ギャップが存在せず、封止リングSRは、基板Wを支持面Sで支持するときに基板Wと接触している。封止リングSRの上面は、支持面Sの一部を形成してよい。
基板テーブルWTは、支持面S上の所定エリアにおいて基板Wを受けるように構成される。この所定エリアを図3の破線の円によって示す。この所定エリアは中心CEを有する。この中心CEは、基板テーブルWTに配置される基板Wの中心を受けることになる。
基板テーブルWTは、基板テーブルWT上に基板をロードするため、及び基板テーブルWTから基板Wをアンロードするために、基板Wを受けて支持するように構成された一セットのローディングピンLPを備える。
図に示す例では、一セットのローディングピンLPは、実質的に垂直に伸長し、中心CEを中心とする正三角形の頂点を形成するように配置された3つのピンを含む。各ローディングピンLPは、第1の収縮位置と第1の伸長位置の間を移動可能である。第1の収縮位置では、ローディングピンLPの上端は支持面Sより下に配置される。第1の伸長位置では、ローディングピンLPの上端は支持面Sより上に伸長する。図2には、伸長位置にあるローディングピンLPが示されている。
基板テーブルWTは、基板Wを支持するように構成された一セットの支持ピンSPを備える。各支持ピンSP、又は少なくともその上端は、第2の収縮位置と第2の伸長位置の間を移動可能である。第2の収縮位置では、支持ピンSPの上端は支持面Sより下に配置される。第2の伸長位置では、支持ピンSPの上端は支持面Sより上に伸長する。図2には、伸長位置にある支持ピンSPが示されている。
支持ピンSPの上端は、第2の収縮位置と第2の伸長位置の間に小さな変位を有してよい。支持ピンSPの上端の第2の伸長位置と第2の収縮位置の間の変位は小さくてよい。例えば、第2の伸長位置と第2の収縮位置の間の距離は、第1の伸長位置と第1の収縮位置の間の距離よりも短い。図示された実施形態では、支持ピンSPは、印加される電圧に依存して高さが変化し得るピエゾ素子を備える。
支持ピンSPを支持面Sの外縁に沿って分布させ、支持面S上に配置される基板Wのエッジエリアを支持する。支持ピンSPは、支持面Sを画定するバールBの周りに配置される。
支持ピンSPは、中心CEに対して一定半径を有する円形にバールBの周りに配置されてよい。
図3は、複数の支持ピンSPを概略的に示しているが、実際には、配置される支持ピンSPの数はかなり多くてよい。好ましくは、バールBの周りに配置される支持ピンSPの数は少なくとも50個、例えば250〜500個の支持ピンSPである。個々の支持ピンSP間のピッチは1〜5mmの範囲内、例えば1.5mm又は2.5mmであってよい。
支持ピンSPの寸法は、バールBの寸法と実質的に対応してよい。支持ピンSPは、PZT材料(チタン酸ジルコン酸鉛)又は任意の他の適切なピエゾ材料から作られることが好ましい。
支持ピンSPは、キャリアデバイス上に配置されてよい。例えば、支持ピンSPは、基板ステージWTの本体MBに解放可能に取り付けられた環状のキャリアリングCR上に配置される。キャリアリングCRを解放可能に取り付けることによって、支持ピンSPを含むキャリアリングCRの製造を本体BDの製造から分離することができる。これは例えば、本体MBが支持ピンSPに適していない、高温での焼結が必要なセラミック材料から作られている場合に有利である。更に、支持ピンSPが故障した場合、支持ピンSPを備えたキャリアリングCRを、完全に新しい基板テーブルWTを提供する必要なしに交換することができる。
キャリアリングCRは、例えば圧着又は光学的接着によって基板テーブルWTに取り付けることができる。キャリアリングCRを基板テーブルWTに解放可能に取り付ける任意の他の適切な方法を使用してもよい。
更に、キャリアリングCRは、複数のリングセグメント、例えばそれぞれ支持面Sの外周の4分の1に延在する4つのリングセグメントを組んで作ることができることに留意されたい。代替的に、キャリアデバイスは、キャリアリングCRとして形成されず、別の適切な形状を有する。例えば、キャリアデバイスは正方形又は長方形であってもよい。
支持ピンSPは、MEMSデバイス、特にMEMS PZTデバイスとして製造することができる。MEMS技術を用いて支持ピンSPを製造することの利点は、支持ピンSPをバッチ製造で製造できる点である。そのようなバッチ製造は、個々の支持ピンSPをキャリアリングCR上に組み付ける必要性をなくすことができる。
例えば、支持ピンSPは、基板Wの外側エッジエリアにリング構成で作製することができる。作製が終わると、基板Wの外側エッジエリアを基板Wから切断し、複数の支持ピンSPを有する環状のキャリアリングCRを形成することができる。この環状のキャリアリングCRは、光学的接触、陽極接合又は共晶接合のいずれかによって基板テーブルWTに取り付けることができる。
支持ピンSP、又は少なくともその上端と、これが支持する基板Wとの摩擦が、バールBの上端と同じ基板Wとの摩擦と比較して低くなるように設計することができる。基板Wと支持ピンSPの上端との摩擦が小さくなるため、基板Wは、バールBの上端上よりも、支持ピンSPの上端上をスライドしやすくなる。
支持ピンSPの重要な利点は、バールB、特に支持面Sの外周付近のバールBの摩耗を低減するために、それぞれ基板Wを基板テーブルWT上にロードする間及び基板テーブルWTからアンロードする間に支持ピンSPを使用できる点である。
支持面S上に基板Wをロードしようとするとき、ローディングピンLPは、図2に示すように伸長位置に配置されている。ローディングピンLPが基板ローディングデバイス、例えばローディングロボットから基板Wを受け取ると、ローディングピンLPは、基板Wを支持面Sに近づけるように下降することができる。
基板テーブルWT上に支持ピンSPがない場合、ローディングピンLPが基板Wを支持面S上に配置するように下降するとき、基板WはバールB上に直接配置される。これは特に、外側のバールBは、基板Wの重力たわみによって初めて基板Wと接触することを意味する。
しかし、基板テーブルWTの図示した実施形態には支持ピンSPが存在するため、基板Wを支持面S上にロードする前に、支持ピンSPを伸長位置に配置することができる。そして、基板Wを支持しているローディングピンLPが支持面Sに向かって下降すると、基板Wの外側エッジは支持ピンSPで初めて静止する。
支持ピンSPの上端と基板Wとの摩擦が比較的低いため、基板Wは、支持ピンSPの上端上をスライドしやすくなり、その結果、支持面S上に配置されたときに基板Wに内部応力が全く又はほとんど発生しなくなる。基板WがバールBの上端付近に又はバールBの上端に接触して配置されると、支持ピンSPは収縮位置に移動することができる。そして基板WはバールBによって支持されることになる。バールBと基板Wとの摩擦は比較的大きいため、バールBは、例えば真空クランプ及び/又は静電クランプなどのクランプデバイスとともに、基板Wを支持面S上にしっかりと保持することができる。
更に、基板WはバールBの上端上をスライドしないため、バールBの摩耗が避けられる。したがって、支持ピンSPの上端の高さは、必要に応じて、支持ピンSPのピエゾ素子の作動によって調整できることに留意されたい。したがって、支持ピンSPの上端のいかなる摩耗も、各ピエゾ素子の作動電圧を調整することによって調整することができる。このように、支持ピンSPが摩耗した後に基板Wが再度バールBに最初に接触すること、及び/又はキャリアリングCRを交換しなければならないことが避けられる。
支持ピンSPの少なくとも上端の摩耗を最小限に抑えるため、支持ピンSPは、ダイヤモンド状炭素又はSiCコーティングなどの耐摩耗性コーティングでコーティングされてよい。支持ピンSPは、バールBの材料よりも摩耗耐性が高い材料から製造することもできる。
支持ピンSPの上端の高さを、ピエゾ素子に適切な電圧を印加することによって適合させるように制御デバイスCDを構成してよい。制御デバイスCDは、基板テーブルWTに配置されても、別の場所に配置されてもよい。制御デバイスCDは、例えばリソグラフィ装置の中央処理装置の一部であってよい。
制御デバイスCDは、支持ピンSPの上端の高さを個別に、又はまとめて制御するように構成されてよい。
基板テーブル上に基板Wをロードする際、支持ピンSPは、支持面Sの半径方向、又はより一般に支持面Sの平面内で比較的剛性が高いことが、基板WのバールB上でのスライドを容易にするという理由で有利である。以上で説明したように、このスライドによって、基板Wのロード中の基板Wにおける内部応力及び/又は内力の発生が抑えられる。
しかし、基板テーブルWTから基板Wをアンロードするときは、支持ピンSPは支持面Sの平面内で比較的可撓性が高いことが有利である。基板Wをアンロードする際、真空クランプから解放し、ローディングピンLPにより基板Wを持ち上げることによって、基板Wは元の形状、すなわち基板Wを支持面S上にクランプする前の形状に戻る。支持ピンSPが支持面Sの平面内で比較的剛性が高い場合、基板Wが支持ピン上をスライドすることによって、基板Wとの摩耗が発生し、場合によって汚染が発生する可能性もある。
このような基板Wの底面の摩耗及び/又は汚染を防ぐために、支持ピンSPの剛性を第1の剛性モード及び第2の剛性モードに切り替えることができる。第1の剛性モードでは、支持ピンSPは、支持面Sに平行な方向の第1の剛性を有し、第2の剛性モードでは、支持ピンSPは、支持面Sに平行な方向の第2の剛性を有する。第1の剛性は第2の剛性と異なる。ある実施形態では、第1の剛性は第2の剛性よりも大きい。別の実施形態では、第1の剛性は第2の剛性よりも小さい。
第1の剛性モードでは、支持ピンSPは、支持面Sに平行な方向の第1の剛性で基板Wを支持することができる。第2の剛性モードでは、支持ピンSPは、支持面Sに平行な方向の第2の剛性で基板Wを支持することができる。
支持ピンSPは、第1の剛性モード及び第2の剛性モードにおいてそれぞれに異なる電圧を印加することによって、第1の剛性モードと第2の剛性モードを切り替えるように構成されたピエゾ素子を備えてよい。
第1の剛性が第2の剛性よりも大きい場合、基板のロード中、支持ピンSPは、比較的高い剛性を有する第1の剛性モードに配置されるように構成される。基板Wは、支持ピンSPの上端上を比較的スライドしやすくなる。基板のアンロード中、支持ピンSPは、比較的低い剛性を有する第2の剛性モードに配置される。第2の剛性モードでは、支持ピンSPの上端は可撓性が高く、図4に両矢印で示す支持面Sの平面内で移動する。
基板Wがクランプデバイスから解放され、ローディングピンLPによって持ち上げられると、支持面Sの平面内での基板Wの形状変化に、可撓性のある支持ピンSPは少なくとも部分的に追随することができる。結果的に、基板Wの底面及び/又は支持ピンSPの上端の摩耗を低減する、あるいは防ぐことができる。
第1の剛性モードと第2の剛性モードの切り替えは、例えば制御デバイスCDによって制御することができる。制御デバイスCDは、ピエゾ素子を制御して第1の剛性モードと第2の剛性モードを切り替えることができる。
代替的な実施形態では、基板テーブルWTの一セットの支持ピンSPは、ロード及びアンロード中に基板Wのエッジエリアを支持するように、支持面Sの外側エッジエリアに沿って交互に配置された支持ピンSPの第1のサブセット及び支持ピンSPの第2のサブセットに細分される。
支持ピンSPの第1のサブセットは、支持面Sの平面内で比較的高い剛性を有するのに対し、支持ピンSPの第2のサブセットは、支持面Sの平面内で比較的低い剛性を有する。したがって、支持ピンSPの第1のサブセットは、基板Wを支持面S上にロードする際に基板Wのエッジを支持するのにより適しているのに対し、支持ピンSPの第2のサブセットは、基板Wを支持面Sからアンロードする際に基板Wのエッジを支持するのにより適している。
この実施形態では、制御デバイスCDは、基板Wを支持面S上にロードする前に、支持ピンSPの第1のサブセットを第2の伸長位置に移動させるように構成される。支持ピンSPの第2のサブセットは、第2の収縮位置にとどまるか又は第2の収縮位置に移動される。基板Wを支持面Sからアンロードする前に、支持ピンSPの第2のサブセットは、第2の伸長位置に移動されるのに対し、支持ピンSPの第1のサブセットは、第2の収縮位置にとどまるか又は第2の収縮位置に移動される。
ある実施形態では、基板Wを支持面S上にロードする際、支持ピンSPの第1のサブセットと支持ピンSPの第2のサブセットの両方を使用して基板Wを支持する。基板Wを支持面Sからアンロードする際、支持ピンSPの第1のサブセットと支持ピンSPの第2のサブセットの一方のみを使用して基板Wを支持する。基板Wをアンロードするときよりも基板Wをロードするときに多くの支持ピンSPが使用されるため、支持ピンSPは、アンロード時よりもロード時に高い剛性を示す。
図4は、基板Wが支持面Sで支持されている、図2の基板テーブルWTの細部Aを示す。基板Wは、バールBだけでなく、支持ピンSPによっても支持されていることが分かる。このような実際の投影ステップ中の基板Wのエッジの追加的な支持を用いて、投影中の基板Wの形状を改良する、特に基板の基板エッジの巻き上がり又は基板エッジの巻き下がりを補正することができる。
各支持ピンSPの所望の高さを決定するために、基板テーブルWT上にロードされた後の基板Wの上面を、いわゆるレベルセンサによってスキャンすることができる。このレベルセンサは、クランプされた基板Wの高さマップを提供する。このスキャンステップの間、基板Wは既に支持ピンSPによって支持されていてよい。このような高さマップが知られると、支持ピンSPの高さを基板Wの各エッジ部分の所望の補正に対応させることによって、基板Wのエッジの巻き上がり又は巻き下がりを補正することができる。
支持ピンSPの高さは、各ピエゾ素子又は一群のピエゾ素子に印加される電圧を調整し得る制御デバイスCDによって変えることができる。支持ピンSPの高さを高さマップに基づいて調整することによって、基板Wのエッジが所望の高さに適合された後、パターン付き投影ビームの基板Wへの実際の投影が開始されてよい。
代替的な実施形態では、支持ピンの高さの調整は、各支持ピンSPによって支持された位置における基板Wの高さレベルが、その位置における基板の所望の高さレベルと異なると制御デバイスCDが判定した直後に実行することができる。基板の高さレベルは、レベル/高さセンサによって決定することができ、制御デバイスCDは、レベル/高さセンサから信号を受信すると、所望の高さレベル及び測定された高さレベル間の差を直接確定するように構成することができる。
図5は、基板テーブルWTの代替的な実施形態を示している。この実施形態では、支持ピンSPは、支持面Sの外周に配置され、ウェーハWを支持する。支持ピンSPは封止リングSRを支える。封止リングSRは、基板Wを基板テーブルWT上にクランプする真空クランプの真空空間を区切るために設けられる。
図2及び図3の実施形態では、封止リングSRは、基板テーブルWTの本体MBに取り付けられ、投影中の基板Wの形状に悪影響を及ぼす可能性がある、投影ステップ中の封止リングSRと基板Wの接触を防ぐために、バールBよりも低い高さまで延びる。代替的には、封止リングSRは投影ステップ中に基板Wと接触する。
図6の実施形態の封止リングSRの高さは、支持ピンSPのピエゾ素子の高さを調整することによって調整することができるため、封止リングSRは、パターン付きビームの基板Wのターゲット部分Cへの投影中に基板Wと極めて接近して、あるいは基板Wと接触して配置することができる。これによって、封止リングSR及び基板W間の真空クランプの圧力漏れが減る。更に、支持ピンSP及び封止リングSRは、支持面Sの1つの直径のところに組み合わせて設けられるため、真空クランプの真空クランプ空間を増やすことができる。
この実施形態では、支持ピンSPのそれぞれの所望の高さは、基板Wに対して所望の高さに封止リングSRを位置決めするために、レベルセンサによって得られる高さマップに基づいて決定することができる。代替的な実施形態では、支持ピンSPの高さのリアルタイム補正を、レベルセンサによって測定した高さレベルに基づいて行うことができる。
封止リングSRの基板Wのエッジに対する位置を用いて、パターン付きビームの基板Wへの投影中に基板Wのエッジの巻き上がり又は巻き下がりを補正することもできる。
図6は、本発明に係る基板テーブルWTの別の実施形態を示している。この実施形態では、支持ピンSPを備えたキャリアリングCRをローディングピンLPの周りに配置する。この支持ピンSPは、図2の実施形態の支持ピンSPと同様に、基板Wの支持面S上へのロード中及び基板Wの支持面Sからのアンロード中に少なくとも基板Wを支持するのに使用することができる。
キャリアリングCR及び支持ピンSPの組み合わせを使用して、図5に示す封止リングを支持面の外側エッジにおいて支持することもできる。
支持ピンSPは、ローディングピンLPに隣接し、他の適切な位置にある支持ピンSP、特に図2及び図3に示す支持面Sのエッジにある支持ピンSPと併用される複数の追加の支持ピンSPとして使用されて、基板Wの支持面S上へのローディング及び/又は支持面Sからのアンローディングを改善する、及び/又は投影ステップ中に基板を支持することできる。
支持面Sの1本の線に沿って、支持ピンSPは、バールBよりも中心CEから大きい半径のところに配置されてよい。支持面Sの1本の線に沿って、ローディングピンLPは、支持ピンSPよりも中心CEに近くてよい。支持ピンSPは、基板Wのエッジにおいて基板Wを支持できるように、基板Wのエッジに配置されてよい。代替的には、図7の実施形態に示すように、支持ピンSPは支持面Sのエッジに近く、一部のバールBが支持ピンSPよりも中心Cから大きい半径のところにある。半径に沿って、支持面Sのエッジと支持ピンSPの間に10個未満のバール、又は5個未満のバール、例えば1、2又は3個のバールBがあってよい。
支持ピンSPはカバーを使用して覆われてよい。支持ピンSPをカバーで覆うことで、支持ピンSPを汚染、及び/又は液浸液などの液体から保護することを支援することができる。カバーは個々の支持ピンSPに付けられてよい。単一のカバーが複数の支持ピンSPに付けられてよい。例えば、カバーは、支持ピンSPをキャリアリングCRとカバーの間に封じ込む表面を備えてよい。カバーは、支持面Sの全体に、又は支持面Sの一部分にのみ付けられてよい。カバーは、セラミック、ポリマー、酸化アルミニウム、ガラスなどの任意の適切な材料を含んでよい。カバーは、薄膜コーティングなどのコーティングを含んでよい。
支持ピンSPは、ピエゾ素子に加えて又はピエゾ素子の代替手段として、別のタイプのアクチュエータを備えてもよい。例えば、支持ピンSPは、油圧アクチュエータ又は空圧アクチュエータを備えてよい。油圧アクチュエータ又は空圧アクチュエータは、加圧流体を用いて支持ピンSPの上端を第2の収縮位置と第2の伸長位置の間で移動させることができる。加圧流体は、気体、液体又は気体と液体の組み合わせを含んでよい。
基板テーブルWTは、追加のローディングピンが、支持面Sの1本の線に沿ってローディングピンLPと支持ピンSPの間に配置されるように構成されてよい。追加のローディングピンは支持ピンSPよりも広い移動範囲を有してよい。追加のローディングピンの可動範囲は、約1mm、0.5mm、又は0.1mmであってよい。3〜12個、例えば5、9、又は10個のローディングピンがあってよい。基板Wを基板テーブルWT上にロードするとき、基板WはまずローディングピンLPによって支持される。ローディングピンLPが基板Wを支持面Sに向かって下降させると、基板Wは追加のローディングピンと接触する。追加のローディングピンは、ローディングピンLPよりも基板Wのエッジの近くで基板Wを支持してよい。基板Wは、ローディングピンLP及び追加のローディングピンによって支持されると、ローディングピンLP及び追加のローディングピンの移動、例えば垂直方向の移動によって平坦化されてよい。基板Wが平坦化された後、基板Wを支持ピンSPと接触するように支持面Sに向かって更に下降させる。追加のローディングピンを使用することで、平坦でない形状を有する基板Wをロードすることを支援することができる。
図7に開示される実施形態は、以上で説明した全ての特徴を有してよい。付加的又は代替的に、バールBの剛性は、支持ピンSPよりも大きい剛性を有してよい。これはボウル形の基板Wをロードするときに特に有利な場合がある。図7に示すように、基板Wのエッジは、ボウル形状に起因して反りあがっている。基板Wを基板支持体WT上にロードするとき、基板Wを平坦化するために力のモーメントMが必要となる。実験によれば、力のモーメントMは、支持面Sのエッジから半径方向内側にいくつかのバールBがある位置Xに大きな反力を生じさせる。位置XにバールBがある場合、高い反力は高い摩擦力を生じさせ、基板WがバールBにおいてスライドするのを防止する。このスライドの防止によって、基板Wに大きな面内変形が生じる。しかし、図7の実施形態では、高い反力が生じ得る位置に支持ピンSPが位置している。支持ピンSPはバールBの面内剛性よりも低い面内剛性を有するため、支持ピンSPは半径方向に変形可能であり、基板Wは応力を低下させることができる。支持ピンSPの剛性は、バールBの剛性の2分の1、4分の1、5分の1、10分の1又は20分の1であってよい。
支持ピンSPは、バールBよりも低い軸方向剛性、すなわち垂直方向の剛性を有してよい。支持ピンSPは、基板Wがロードされていないときに支持面Sより上に延びてよい。基板Wがロードされると、基板Wは支持ピンSPと接触し、支持ピンSPを押し込む。支持ピンSPを押し込むことによって、位置Xにおける摩擦力は次第に大きくなり、基板Wは支持ピンSP上をスライド可能になる。支持ピンSPが完全に押し込まれると、基板WはバールBと接触する。支持ピンSPが完全に押し込まれると、位置Xにおける反力は、バールBにおける反力と同じになる可能性がある。ある実施形態では、支持ピンSPの面内剛性及び軸方向剛性はどちらもバールBよりも低い。
支持面Sのエッジ付近のバールBは、中心CE付近のバールBよりも低い面内剛性を有してよい。例えば、支持ピンSPを直接取り囲むバールBは、他のバールBよりも低い面内剛性を有してよい。
ローディングピンLPの剛性は、支持ピンSPの剛性より大きくてよい。
本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを印加することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。
上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
Claims (16)
- 本体と、
前記本体から延出し、第1の上端を有するバールと、
第2の上端を有する支持ピンと、を備えた、基板を支持する基板テーブルであって、
前記第1の上端は、前記基板を支持する支持面を画定し、
前記支持ピンは、前記第2の上端が前記支持面より下に配置される収縮位置と、前記第2の上端が前記支持面より上に伸長する伸長位置の間を移動可能であり、
前記支持ピンは、前記基板を前記伸長位置において支持し、
前記支持ピンは、第1の剛性モード及び第2の剛性モードに切り替えられ、
前記支持ピンは、前記第1の剛性モードにおいて、前記支持面に平行な方向の第1の剛性を有し、
前記支持ピンは、前記第2の剛性モードにおいて、前記支持面に平行な方向の第2の剛性を有し、
前記第1の剛性は前記第2の剛性と異なる、基板テーブル。 - 前記第1の剛性は前記第2の剛性より大きい、請求項1に記載の基板テーブル。
- 前記支持ピンは、前記基板を前記基板テーブル上にロードするときは前記第1の剛性モードにあり、前記基板を前記基板テーブルからアンロードするときは前記第2の剛性モードにある、請求項1又は2に記載の基板テーブル。
- 前記支持ピンは、前記支持面に平行な方向の前記第1の剛性を有する支持ピンの第1のサブセットと、前記支持面に平行な方向の前記第2の剛性を有する支持ピンの第2のサブセットとを含む、請求項1から3の一項に記載の基板テーブル。
- 前記基板テーブルは、前記基板を前記バール上にロードするときに、前記支持ピンの第2のサブセットが前記収縮位置にある状態で、前記支持ピンの第1のサブセットを前記伸長位置に移動させ、前記基板テーブルは、前記基板を前記バールからアンロードするときに、前記支持ピンの第1のサブセットが前記収縮位置にある状態で、前記支持ピンの第2のサブセットを前記伸長位置に移動させる、請求項4に記載の基板テーブル。
- 前記支持ピンの少なくとも1つは、前記第1の剛性モードと前記第2の剛性モードを切り替えるピエゾ素子を備える、請求項1から5の一項に記載の基板テーブル。
- 前記第1の上端と、前記第1の上端に支持される前記基板との摩擦は、前記支持ピンの前記第2の上端と、前記第2の上端に支持される前記基板との摩擦よりも大きい、請求項1から6の一項に記載の基板テーブル。
- 第3の上端を有するローディングピンを備え、
前記ローディングピンは、前記第3の上端が前記支持面より下にある別の収縮位置と、前記第3の上端が前記支持面より上に伸長する別の伸長位置の間を移動可能であり、
前記支持面は、基板の中心を受ける中心を有し、
前記ローディングピンは、前記基板を前記別の伸長位置において支持し、
前記ローディングピンは、前記支持面の1本の線に沿って、前記支持ピンより前記中心に近い、請求項1から7の一項に記載の基板テーブル。 - 前記第3の上端と、前記第3の上端に支持される前記基板との摩擦は、前記第2の上端と、前記第2の上端に支持される前記基板との摩擦よりも大きい、請求項8に記載の基板テーブル。
- 前記ローディングピンの1つに隣接配置された複数の追加の支持ピンを備える、請求項8から9の一項に記載の基板テーブル。
- 前記ローディングピンの剛性は、前記第1の剛性及び前記第2の剛性より大きい、請求項8から10の一項に記載の基板テーブル。
- 前記支持ピンは、前記本体に取り付けられたキャリアデバイス上に配置される、請求項1から11の一項に記載の基板テーブル。
- 前記バールの剛性は、前記第1の剛性及び前記第2の剛性より大きい、請求項1から12の一項に記載の基板テーブル。
- 前記支持ピンは、前記基板を前記基板のエッジ付近又は前記基板のエッジにおいて支持する、請求項1から13の一項に記載の基板テーブル。
- 放射ビームを調節する照明システムと、
前記放射ビームの断面にパターンを付与して、パターン付き放射ビームを形成可能なパターニングデバイスを支持するパターニングデバイス支持体と、
請求項1から14の一項に記載の前記基板テーブルと、
前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影する投影システムと、を備えたリソグラフィ装置。 - 前記支持ピンは、前記パターン付き放射ビームの前記基板のターゲット部分への投影中に前記基板を支持する、請求項15に記載のリソグラフィ装置。
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