(関連出願の相互参照)
本願は、2013年5月30日に出願され“Heating and Shaping System Using Microwave Focused Beam Heating”と題された米国特許出願第13/905,365号の一部係属出願である。該米国特許出願の内容は、参照により本明細書中に援用される。
本発明は、マイクロ波集束ビーム加熱を使用する加熱および屈曲(および/または成形)システムに関し、より具体的には、少なくとも2つ、例えば、少なくとも3つの加熱火炉を有するガラスラインに関する。第1の加熱火炉は、1つまたはそれを上回るガラス基板を第1の温度まで予熱するために使用され、第2の加熱火炉は、ガラス形成火炉であり、基板を第1の温度に維持し、マイクロ波集束ビーム加熱を使用して、1つまたはそれを上回るガラス基板の選択された部分を加熱および屈曲させ、第1の加熱火炉または第3の火炉は、1つまたはそれを上回るガラス基板を制御可能に冷却する。
また、本明細書に提供されるものは、成形されるべきガラスシートの温度および屈曲のリアルタイム監視のための方法である。
屈曲技術において屈曲用鉄器具また成形用金具と一般的に称される屈曲デバイスは、陸上、水上、航空、および宇宙車両のためのモノリシックかつ積層された透明材の製造における使用のために1つまたはそれを上回るガラスシートを成形する分野において周知である。陸上および水上車両のための透明材の製造における使用のためのガラス基板またはシートを成形するための方法は、通常、継ぎ合わされた、または平滑化された縁および事前判定されたサイズを有する1つまたはそれを上回るガラスシートを提供するステップと、ガラスシートを熱軟化させるために、屈曲用鉄器具上に支持されるガラスシートを火炉を通して移動させるステップと、ガラスシートを成形するステップと、成形されたガラスシートを焼鈍する、または焼戻しするために、成形されたガラスシートを制御可能に冷却するするステップと、陸上または水上車両のための透明材の製造において成形されたガラスシートを使用するステップとを含む。航空および宇宙車両のための透明材の製造における使用のためのガラス基板またはシートを成形するための方法は、通常、継ぎ合わされた、または平滑化された縁および事前判定されたサイズを有する1つまたはそれを上回るガラスシートを提供するステップと、ガラスシートを熱軟化させるために、屈曲用鉄器具上に支持されるガラスシートを火炉を通して移動させるステップと、ガラスシートを成形するステップと、成形されたガラスシートを焼鈍するために、成形されたガラスシートを制御可能に冷却するするステップと、成形されたガラスシートを第2の事前判定されたサイズに切断するステップと、成形されたガラスシートの縁を継ぎ合わせる、または平滑化するステップと、成形されたガラスシートを化学的に強化する、または成形されたガラスシートを熱的に焼戻しするステップと、航空または宇宙車両のための透明材の製造において強化された成形されたガラスシートを使用するステップとを含む。
陸上および水上車両のための透明材との併用のためのガラスシートを成形するステップと、航空および宇宙車両のための透明材との併用のためのガラスシートを成形するステップとの間の本議論における着目差異は、陸上および水上車両のための透明材との併用のためのガラスシートが、成形または屈曲前に定サイズに切断される一方、航空および宇宙車両のための透明材との併用のためのガラスシートが、成形前により大きいサイズに切断され、次いで、屈曲後に定サイズに切断されることである。明確化を目的として、陸上および水上車両のための透明材との併用のためのガラスシートを成形するための現在利用可能なプロセスはまた、「定サイズ切断プロセス」とも称され、航空および宇宙車両における透明材との併用のためのガラスシートを成形するための現在利用可能なプロセスは、「屈曲後切断プロセス」と称される。
定サイズ切断プロセスは、ガラスシートの加熱および屈曲に先立って所望される厳密なサイズへのガラスシートの切断を可能にする。しかしながら、定サイズ切断プロセスは、ガラスシートの表面上に発生し得る任意の可能性として考えられる損傷を考慮せず、これは、ガラスシートおよび続けて形成される透明材の光学品質を許容不可能にし得る。
本問題の1つの解決策は、その設計において屈曲用鉄器具と接触するガラスシートの表面の損傷を防止するための改良を有する屈曲用鉄器具を提供することである。そのような屈曲用鉄器具は、米国特許出願第13/714,494号に開示される。本問題の別の解決策は、火炉の温度を低下させる、および/またはガラスシートを成形するための加熱サイクルの時間期間を短縮し、シート成形プロセス中に屈曲用鉄器具と接触するガラスシートの表面の損傷を低減または排除することである。
ここで当業者によって理解され得るように、屈曲用鉄器具と接触するガラスシートの表面の損傷を排除または低減させながら、定サイズ切断プロセスを使用して、航空機および宇宙用透明材における使用のためのガラスシートを成形するプロセスおよび/またはそのための機器を提供することが、有利であろう。
また、ガラスシートの効率的かつ効果的な加熱、および/またはその複雑な形状への成形、および/またはその冷却を可能にするシステムおよび方法を提供することによって、「屈曲後切断」のプロセスを排除することが、有利であろう。
本明細書に提供されるものは、効率的かつ自動化された様式で複雑なガラスシート形状を生産するための方法およびシステムである。本明細書に提供される方法およびシステムは、それらが、過剰な熱の使用および結果として生じる損傷の可能性の増加を伴わずに、精密な個別化形状を可能にする点において、以前の技術に優る改良物である。さらに、リアルタイムフィードバックによって、本明細書に説明される方法およびシステムは、複雑な形状が毎回達成されることを確実にする。
本明細書に提供されるものは、屈曲用鉄器具上のガラスシートを600°F〜1,000°Fに及ぶ予熱温度まで予熱するステップと、シートの温度を、予熱温度を上回るものから、ガラスが弛む温度を下回るものに及ぶ温度まで、例えば、限定ではないが、1,100°F〜1,250°Fの温度範囲内で増加させるステップと、i.)コンピュータ実装プロトコルによって制御されるジャイロトロンビームを用いて、ガラスシートの一部をガラスシートの少なくとも一部が弛む温度まで選択的に加熱するステップと、ii.)選択的に加熱するステップ中またはその後の1つまたはそれを上回る時点において、1つまたはそれを上回る赤外線(IR)走査装置を用いてガラスシートの少なくとも一部を走査し、1つまたはそれを上回るIR走査装置から取得されるデータから、ガラスシートの少なくとも一部に関する少なくとも2つの次元における温度分布を取得するステップと、iii.)コンピュータ実装プロセスを使用して、取得された温度分布をコンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と比較するステップと、取得された温度分布をコンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と合致させるために、コンピュータ実装プロセスによって制御されるジャイロトロンビームを用いてガラスシートを選択的に加熱するステップとによってガラスシートを屈曲させるステップとを含む、ガラスシートを成形および/または屈曲させるための方法およびシステムである。
本明細書に付加的に提供されるものは、本明細書ではガラス予熱チャンバ/オーブンとも称される第1の火炉であって、赤外線ヒータと、温度センサとを備える、第1の火炉と、本明細書ではガラス成形、ガラス屈曲、および/またはガラス形成火炉とも称される第2の火炉であって、赤外線ヒータと、ジャイロトロンデバイスまたは超高周波数(例えば、少なくとも20GHz(ギガヘルツ)、例えば、20GHz〜300GHz)および高電力(例えば、マイクロ波スペクトル内の少なくとも5kW(キロワット))電磁波を生産し得る他のデバイスを備えるジャイロトロンシステムと、第2の火炉内の屈曲用鉄器具上のガラスシートに対するジャイロトロンデバイスのビームの形状、場所、および移動を制御するための光学システムと、1つまたはそれを上回る赤外線(IR)撮像センサとを備える、第2の火炉と、第1および第2の火炉を通して屈曲用鉄器具上のガラスシートを搬送するためのコンベヤシステムと、1つまたはそれを上回るIR撮像センサおよびジャイロトロンシステムに接続されたコンピュータシステムであって、該コンピュータシステムは、プロセッサと、ジャイロトロンシステムによる選択的加熱によって第2の火炉内のガラスシートの屈曲を制御するための命令とを備え、該命令は、第2の火炉内のガラスシートを加熱および屈曲させるためのコンピュータ実装プロトコルを備え、該コンピュータシステムは、ガラスの屈曲中の1つまたはそれを上回る時点において、1つまたはそれを上回るIR撮像センサからのデータからガラスシートの温度プロファイルを取得し、取得された温度プロファイルをコンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と比較し、ガラスシートを選択的に加熱し、基準温度分布と合致させるために、ジャイロトロンビームシステムを制御する、コンピュータシステムとを備えるシステムである。本システムは、随意に、ガラスシートを制御可能に冷却するための第3の加熱火炉を含有する。第3の火炉は、IRヒータと、強制冷気対流システムと、空気ファンとを備える。第3の火炉が存在しない場合、第1の火炉は、これらの特徴の全てを含有するであろう。
加えて、本発明は、例えば、航空機透明材のためのガラスシートを成形するように火炉システムを動作させる方法に関し、本方法は、とりわけ、
a)固定成形レールと、移動可能成形レールとして画定される、関節アーム上の成形レールとを有する屈曲用鉄器具上に平坦ガラスシートを配置するステップと、
b)ガラスシートを有する屈曲用鉄器具を火炉の内部に位置付け、ガラスシートを加熱し、固定成形レール上のガラスシートを成形しながら、ジャイロトロンからのマイクロ波エネルギーのビームを移動させ、移動可能成形レールにオーバーレイするガラスシートの一部を加熱し、関節アームの移動によってガラスシートの一部を成形するステップと、
c)1つまたはそれを上回るIR撮像センサからガラスシートの少なくとも一部の1つまたはそれを上回る熱画像を取得し、随意に、1つまたはそれを上回る3D撮像センサから1つまたはそれを上回る形状プロファイル画像を取得し、コンピュータに伝送するステップと、
d)コンピュータ実装方法を使用して、1つまたはそれを上回る熱画像、および随意に、1つまたはそれを上回る形状プロファイル画像を分析し、コンピュータ実装方法を用いて、画像を1つまたはそれを上回る基準熱画像、および随意に、1つまたはそれを上回る基準形状プロファイル画像と比較し、1つまたはそれを上回る熱画像、および随意に、形状プロファイル画像と基準画像との間の差異を判定するステップと、
e)事前判定された基準としての熱(電力および速度)プロファイルに基づいて、コンピュータ実装方法を使用して、ジャイロトロンまたは他の好適な源からのマイクロ波エネルギーのビームを指向させ、ガラスシートの一部を加熱し、1つまたはそれを上回る基準熱画像と合致させ、随意に、1つまたはそれを上回る基準形状プロファイル画像と合致させ、1つまたはそれを上回る熱画像が、1つまたはそれを上回る基準熱画像と合致するまで、および随意に、1つまたはそれを上回る形状プロファイル画像が、1つまたはそれを上回る基準形状プロファイル画像と合致するまで、分析および比較するステップを繰り返すステップと、
f)コンピュータ実装方法を通して、ガラス粘度分布を生産し、ガラスシートが、許容可能な光学品質を伴う要求される形状に形成または屈曲されることを可能にするステップと、
g)成形されたガラスシートを制御可能に冷却するステップと、
を含む。
図1は、透明材の積層構造を図示する、積層航空機透明材の断面図である。
図2は、本発明の教示に従って成形される、成形されたシートの斜視図である。
図3は、とりわけ、図2の成形されたシートを提供するために、本発明の教示に従って成形され得る平坦シートの斜視図である。
図4は、とりわけ、ガラスシート、例えば、限定ではないが、図3のシートを図2に示される成形されたシートに成形するために、本発明の実践において使用され得る屈曲デバイスの非限定的実施形態の斜視図である。
図5は、本発明の教示による、とりわけ、ガラスシートを加熱および成形するために、例えば、限定ではないが、図3のシートを図2に示される成形されたシートに加熱および成形するために、本発明の実践において使用され得る火炉システムの非限定的実施形態の斜視図である。
図6は、図5に示される火炉の立面断面図である。
図7は、図5および6に示される火炉システムの隣接する内部間の熱損失を低減させるために、本発明の特徴を組み込む、明確化を目的として除去される部分を有する火炉扉の斜視図である。
図8は、屈曲用鉄器具、例えば、限定ではないが、図4に示される屈曲用鉄器具を支持するための搬器および搬器を図5および6に示される火炉の入口端に移動させるための移動可能コンベヤ区分の斜視図である。
図9は、本発明の教示による、センサからの信号を受信し、信号に作用するためのマイクロプロセッサを図示する。
図10は、ガラスシートの選択された部分を加熱するために、本発明の実践において使用され得るジャイロトロンを示す部分的に断面の概略図である。
図11は、1つまたはそれを上回るガラスシートのスタックの一部を選択的に加熱するためのジャイロトロンのマイクロ波ビームの経路を示す平面図である。
図12は、とりわけ、ガラスシートを加熱および成形するために、本発明の実践において使用され得る本発明の特徴を組み込む、火炉システムの立面断面側面図である。
図13は、とりわけ、ガラスシートを加熱および成形するために、本発明の実践において使用され得る本発明の特徴を組み込む、火炉システムの立面平面図である。
図14は、とりわけ、ガラスシートを加熱および成形するために、本発明の実践において使用され得る本発明の火炉の立面断面図である。
図15は、本発明の火炉システムの立面断面図である。
図16は、本発明による、ガラスシートを成形する方法のフロー図を図示する。
本明細書で使用されるように、「左」、「右」、「内側」、「外側」、「上方」、「下方」、および同等物等の空間または方向的用語は、これが図面において示されるように本発明に関連する。しかしながら、本発明は、種々の代替配向をとり得、故に、そのような用語は、限定として見なされるべきではないことを理解されたい。さらに、本明細書で使用されるように、本明細書および請求項において使用される寸法、物理的特性、処理パラメータ、成分量、反応条件、および同等物を表す全ての数は、用語「約」によって全ての事例において修飾されるものと理解されたい。故に、そうでないことが示されない限り、以下の明細書および請求項に記載される数値は、本発明によって取得されるように追求される所望の性質に応じて、変動し得る。少なくとも、本請求項の範囲に対する均等論の適用を限定する企図としてではなく、各数値は、少なくとも報告された有効数字の数に照らして、かつ通常の端数処理技法を適用することによって解釈されるべきである。さらに、本明細書に開示される全ての範囲は、開始範囲値および終了範囲値、およびその中に組み込まれる任意の部分的範囲および全ての部分的範囲を包含するように理解されたい。1の最小値と10の最大値との間の(およびこれらの値を含む)範囲にわたって、つまり、全ての部分的範囲は、1またはそれを上回る最小値で開始し、10またはそれを下回る最大値で終了し、例えば、1〜3.3、4.7〜7.5、5.5〜10、および同等物である。さらに、本明細書で使用されるように、用語「わたる」は、上を意味するが、必ずしも、表面と接触することを意味しない。例えば、第2の基板に「わたる」第1の基板は、第1および第2の基板間に位置する同一または異なる組成物の1つまたはそれを上回る他の基板の存在を除外しない。
本発明を議論する前に、本発明は、具体的な例証される実施例が、単に、一般的な発明的概念の例証であるため、その用途においてそれらに限定されないことを理解されたい。さらに、本発明を議論するために本明細書で使用される専門用語は、説明を目的とし、限定的ではない。またさらに、以下の議論で別様に示されない限り、同様の番号は、同様の要素を指す。
以下の議論の目的に関して、本発明は、航空機透明材のためのシートを成形することに関して議論されるであろう。本願に関して、用語「ガラス成形」は、ガラス屈曲および/またはガラス形成の概念を指す。これらの用語は、本願全体を通して同義的に使用される。理解されるであろうように、本発明は、シートの材料に限定されず、例えば、シートは、限定ではないが、ガラスシートまたはプラスチックシートであり得る。本発明の広範な実践では、シートは、任意の所望の特性を有する任意の所望の材料から作製されることができる。例えば、シートは、可視光に対して不透明、透明、または半透明であり得る。「不透明」とは、0%の可視光透過率を有することを意味する。「透明」とは、0%を上回るもの〜100%の範囲内の可視光透過率を有することを意味する。「半透明」とは、電磁エネルギー(例えば、可視光)が通過することを可能にするが、視認者に対向する側上の物体が明確に可視ではないように本エネルギーを拡散させることを意味する。本発明の好ましい実践では、シートは、透明ガラスシートである。ガラスシートは、従来のソーダ石灰シリカガラス、ホウケイ酸ガラス、またはリチア−アルミナ−シリカガラスを含むことができる。ガラスは、透明ガラスであり得る。「透明ガラス」とは、非着色または非有色ガラスを意味する。代替として、ガラスは、着色される、または別様に有色のガラスであり得る。ガラスは、焼鈍、熱処理、または化学的に強化されることができる。本発明の実践では、ガラスは、従来のフロートガラスであり得、任意の光学性質、例えば、任意の値の可視透過率、紫外線透過率、赤外線透過率、および/または合計太陽エネルギー透過率を有する任意の組成物であり得る。「フロートガラス」とは、従来のフロートプロセスによって形成されるガラスを意味する。フロートガラスプロセスの実施例が、米国特許第4,744,809号および第6,094,942号(その特許は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
本発明の一実施例では、ガラスは、米国特許第8,062,749号に開示されるタイプの透明リチア−アルミナ−シリカガラスであり、本発明の別の実施例では、ガラスは、米国特許第4,192,689号、第5,565,388号、および第7,585,801号に開示されるタイプの透明ソーダ石灰シリカガラスであった。
ガラスシートは、航空機のための成形されたモノリシックまたは成形された積層透明材の製造において使用されることができる。しかしながら、理解され得るように、本発明の成形されたガラスシートは、限定ではないが、フロントガラス、窓、尾灯、サンルーフおよびムーンルーフ、積層または非積層住宅用および/または商業用窓、断熱ガラスユニット、および/または陸上、航空、宇宙、水上、および水中車両のための透明材等、任意のタイプの透明材の製造において使用されることができる。車両透明材、住宅用および商業用透明材、および航空機透明材、および同一物を作製する方法の非限定的実施例が、米国特許第4,820,902号、第5,028,759号、第6,301,858号、および第8,155,816号(その特許は、本明細書に参照することによって本明細書に組み込まれる)に見出されている。
図1に示されるものは、本発明の実践によって作製され得る構成要素を有する、例示的積層航空機フロントガラス20の断面図である。フロントガラス20は、第1のウレタン中間層30によってビニル中間層またはシート28に固着される第1のガラスシート22を含み、ビニル中間層28は、第2のウレタン中間層34によって加熱可能部材32に固着される。当分野で使用されるタイプの縁部材または防湿層36、例えば、限定でないが、シリコーンゴムまたは他の可撓性耐久性耐湿性材料が、(1)フロントガラス20の周辺縁38、すなわち、ビニル中間層28、第1および第2のウレタン中間層30、34、および加熱可能部材32の周辺縁38、(2)フロントガラス20の外面42の周縁または周縁縁部40、すなわち、フロントガラス20の第1のガラスシート22の外面42の周縁40、および(3)フロントガラス20の外面46の周縁または周縁縁部44、すなわち、加熱可能部材32の外面46の周縁に固着される。
第1のガラスシート22、ビニル中間層28、および第1のウレタン中間層30は、フロントガラス20の構造的部分または内側区分を形成する。フロントガラス20の外面42は、車両、例えば、航空機(図示せず)の内部に面する。ウレタン層34および加熱可能部材32は、フロントガラス20の非構造的部分または外側区分を形成する。フロントガラス20の表面46は、航空機の外部に面する。加熱可能部材32は、フロントガラス20の外面46から曇りを除去する、および/またはその上の氷を溶解させるために熱を提供する。
図2に示されるものは、本発明の教示に従って成形される、2枚の成形されたガラスシート60および61である。ガラスシート60および61はそれぞれ、湾曲した端部部分62および64と、成形された中間部分66とを有する。例えば、成形されたガラスシート60および61は、図4に示される屈曲用鉄器具70を使用して、図3に示される平坦ガラスシート68および69から成形されることができる。「Bending Device For Shaping Glass For Use In Aircraft Transparencies」と題され、2012年12月14日に出願された、米国特許出願第13/714,494号に開示されている屈曲用鉄器具が、本発明の実践において使用されることができる。米国特許出願第13/714,494(以降では、「米国特許出願第‘494号」とも称される)の開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。屈曲用鉄器具70の詳細な議論に関して、米国特許出願第‘494号に注目されたい。本文書の図4は、米国特許出願第‘494号の図4に対応する。理解され得るように、本発明は、屈曲用鉄器具70に限定されず、任意の設計の屈曲用鉄器具が、任意の所望の形状に1つのシートを成形する、または2つのシート68および69(図3参照)を同時に成形する、または2つを上回るシートを成形するために、本発明の実践において使用されることができる。
図5および6は、例示的火炉74、例えば、限定ではないが、ガラスシート、例えば、限定ではないが、成形されたガラスシート68および69を加熱および成形するための本発明の火炉システムまたは装置を示す。火炉74は、第1のチャンバ76または火炉と、第2のチャンバ78または火炉とを含む。第1のチャンバ76は、屈曲用鉄器具70(図4)上に支持される、または位置付けられる、ガラスシート、例えば、限定ではないが、平坦ガラスシート68または平坦ガラスシート68および69(図3参照)を予熱し、成形されたガラスシートを焼鈍するために、屈曲用鉄器具70上に支持される、または位置付けられる、成形されたガラスシート、例えば、限定ではないが、成形されたガラスシート60または成形されたガラスシート60および61(図2)を制御可能に冷却する。第2のチャンバ78は、本発明の教示に従って、平坦ガラスシート68および69の一部を選択的に加熱し、ガラスシート68および69を所望の形状、例えば、本発明を限定するものではないが、図2に示される成形されたガラスシート60および61の形状に成形する。
第1のチャンバ76は、第1の開口部80(第1のチャンバ76の「入口80」とも称される)と、第1の開口部80に対向し、それから離間される第2の開口部82(第1のチャンバ76の「出口82」とも称される)とを有する(第2の開口部は、図6に明確に示される)。第2のチャンバ78は、第1の開口部84(第2のチャンバ78の「入口84」とも称される)と、第2のチャンバ78の第1の開口部84に対向し、それから離間される第2の開口部86(第2のチャンバ78の「出口86」とも称される)とを有する。本配列では、屈曲用鉄器具70上に支持される平坦シート68および69は、ガラスシート68および69を予熱するために、第1のチャンバ76の第1の開口部80を通して、第1のチャンバ76の内部88(図6参照)に移動される。予熱されたガラスシート68および69は、ガラスシート68および69を制御可能に加熱し、本発明の教示に従ってガラスシートを成形するために、第1のチャンバ76の第2の開口部82を通して、かつ第2のチャンバ78の第1の開口部84を通して、第2のチャンバ78の内部90(図6参照)に移動される。加熱された成形されたガラスシート60および61は、成形されたガラスシートを制御可能に冷却するために、第2のチャンバ78の内部90から、第2のチャンバ78の第1の開口部84および第1のチャンバ76の第2の開口部82を通して、第1のチャンバ76の内部88に移動される。その後、成形されたガラスシート60および61は、第1のチャンバ76の内部88から、第1のチャンバ76の第1の開口部80を通して移動される。
第1のチャンバ76の内部88および第2のチャンバ78の内部90は、第1のチャンバ76の入口80に扉92、第2のチャンバ78の入口84に扉94、および第2のチャンバ78の出口86に扉96を提供することによって、相互に、かつ火炉74の外部の環境から分離される。理解され得るように、本発明は、それぞれ、入口80、入口84、および出口86に提供される扉92、94、96のタイプに限定されず、任意の扉設計および/または構造が、本発明の実践において使用されることができる。例えば、扉92および96は、設計および構造において類似し得る。前述に照らして、本議論は、ここで、別様に示されない限り、本議論が扉96を対象とすることを理解して、扉92の設計および構造を対象とする。図5を参照すると、扉92は、チャンバ76の入口80を開放するために上向きに移動し、入口80を閉鎖するために下向きに移動し、扉96に関して、開口部86を開放するために上向きに移動し、開口部86を閉鎖するために下向きに移動する往復垂直移動のために、軌道102および104内に搭載される側98および100を有する。火炉78の開口部86は、とりわけ、火炉78の修復を行い、それに対する保守を実施し、火炉78の内部90を清掃する、例えば、限定ではないが、割れたガラスを除去し、以下に詳細に議論される火炉74を拡張するために使用される。
扉92および96は、相互に離間され、回転シャフト114上に搭載される車輪110および112の対を含む滑車配列108によって、二方向矢印106によって指定される往復垂直経路に沿って移動される。ケーブル116、118は、それぞれ、扉92および96の側98、100に隣接して上側121に固着される一方の端部120(扉92に関して明確に示される)と、それぞれ、空気シリンダ126に接続されるケーブル116、118の対向する端部122、124(図5の扉92および96に関して明確に示される)とを有する。
例えば、扉92および94は、それぞれ、鋼から作製される一方の側128と、ステンレス鋼から作製される、火炉のうちのその個別のものの内部に面する対向する側129とを有する外側金属筐体127から作製されることができる。筐体127の内部は、Kaowool断熱材130(図5に明確に示される)を用いて充填されることができる。
成形されたガラスシート60および61は、第1の火炉の中に移動され、焼鈍される。
ガラスシートを焼鈍する方法は、当分野で周知であり(例えば、米国特許第7,240,519号(その特許は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)参照)、いかなるさらなる議論も、必要であると見なされない。シートが焼鈍された後、扉92は、離昇され、成形されたガラスシートは、第1の火炉76から除去される。成形されたガラスシート60および61が第1の火炉76から除去されるときの第1の火炉76と第2の火炉78との間の温度差は、800〜1,000°Fの範囲内の温度に到達し得る。より具体的には、第1の火炉76の温度は、200°Fと同程度に低くあり得、焼鈍された成形されたガラスシート60および61が第1の火炉76から移動可能コンベヤ202上で除去される温度である一方、第2の火炉78の温度は、1,000°Fを上回り得、ガラス予熱温度である。それぞれ、第1および第2の火炉76および78間の熱損失を低減させるために、扉94は、0.80BTU/(hr・ft・°F)を下回る熱伝導率を有することができる。
図7を参照すると、例示的扉94は、パイプフレーム94aの側94cに固着されるステンレス鋼11ゲージシート94bと、パイプフレーム94aの側94eに固着されるステンレス鋼11ゲージシート94dとを有する、パイプフレーム94aを含む。1 1/2インチの厚さを有する、Super Firetemp(R)Mという登録商標で販売される断熱材料の層133が、ステンレス鋼シート94bおよび94d間のパイプフレーム94a内に提供された。断熱材料の層94gが、鋼シート94dにわたって提供され、0.008〜0.010インチ厚さのステンレス鋼箔94hを用いて被覆される。扉94は、火炉78の内部に面するステンレス鋼シート94hとともに搭載される。開口部94iおよび94jが、室温圧縮空気をパイプフレーム94aを通して移動させ、扉94を冷却し、パイプフレーム94aおよびシート94bおよび94dの撓みを防止するために、コンプレッサ(図示せず)に接続される。随意に、層94gの周辺縁は、箔94hによって被覆される。
扉94は、垂直に往復する反転されたU形部材136(図5に明確に示される)に接続される。より具体的には、扉94は、ロッド138によってU形部材136の中間脚部137に接続され、外側脚部139および140が、任意の便宜的な様式で、それぞれ、垂直軌道141および142内に往復垂直移動のために搭載される(図5参照)。U形部材は、電気モータ145(図6のみに示される)によって、垂直に上向きかつ下向きに移動される。扉94が下位置にあると、火炉78の入口84は、閉鎖され、扉94が上位置にあると、火炉78の入口84は、開放される。上位置では、図6に示されるように、扉94は、火炉78の金属屋根150の垂直延長部148によって一方の側上に形成されるエンベロープ146の中に移動され(図6参照)、エンベロープ146の別の側152は、軌道140および142間に固着されるセラミックまたは金属壁から作製される(図5参照)。
第1の火炉76の設計および構造は、本発明を限定するものではなく、ガラスシートを所望の温度、例えば、平坦ガラスシート68および69の軟化する、または弛む温度を下回る温度まで加熱または予熱し、ガラスシートの表面の損傷を回避し、成形されたガラスシート、例えば、限定ではないが、以下に議論される様式で成形されたガラスシート60および61を制御可能に冷却するための任意のタイプの火炉である。より具体的には、600〜900°Fの範囲内の予熱温度が、リチウムソーダ石灰ガラスシートに対して提供され、900〜1,025°Fの範囲内の予熱温度が、ソーダ石灰シリカガラスシートに対して提供される。第1の火炉76は、火炉76の内部88を提供するために、側壁160(図6参照)および対向する側壁162(図5参照)と、上面壁または天井164と、底面壁166とを含むことができる。スタブロール168が、以下に議論される様式で第1の火炉76の内部88の内外に搬器170(図8参照)を移動させるために、側壁160および162を通して第1の火炉76の内部88に延在する。赤外線ヒータ172が、第1の火炉76の内部82を所望の温度まで加熱するために、側壁160および162(側壁162のみが、図6に示される)の内面174、天井164の内面176、および底面壁166上に提供される。加えて、第1の火炉は、火炉の熱を測定するためのサーモカップル191を備える。サーモカップル以外の他のデバイスも、火炉の温度を測定するために採用されることができる。
第2の火炉78の設計および構造は、本発明を限定するものではなく、ガラスシートを所望の温度、例えば、本発明を限定するものではないが、リチウムソーダ石灰ガラスシートに対して900°Fを上回る加熱温度およびソーダ石灰シリカガラスシートに対して1,025°Fを上回る加熱温度まで加熱するための任意のタイプの火炉である。1,100°F〜1,250°Fの範囲内等のガラスを弛ませる熱温度が、好ましい。例えば、成形されるべきガラスシートの一部、例えば、限定ではないが、成形されたガラスシート60および61(図2参照)は、ジャイロトロンまたは任意の他の好適なマイクロ波エネルギー源によって生成されるマイクロ波エネルギーを使用して、そのより高い成形温度まで加熱される。図5および6を参照すると、第2の火炉78の屋根180上に搭載される、超高周波数、高電力電磁波を生産するデバイス177、例えば、示されるようなジャイロトロン、光学ボックス178、およびミラーボックス179が、示される。ジャイロトロン177、光学ボックス178、およびミラーボックス179の動作は、以下により詳細に議論される。
第2の火炉78は、構造において第1の火炉76と類似し、火炉78の内部90を提供するために、側壁181(図6参照)および対向する側壁182(図5参照)と、上面壁または天井184と、底面壁186(図6参照)とを含む。スタブロール168(図6参照)が、以下に議論される様式で第2の火炉78の内部90の内外に搬器170(図7参照)を移動させるために、側壁180および182を通して第2の火炉78の内部90に延在する。赤外線ヒータ172は、第2の火炉78の内部90を所望の温度まで加熱するために、側壁180および182(側壁181が図6に示され、側壁182が図5に示される)の内面188、天井184の内面190、および底面壁186上に提供されることができる。リチウムケイ酸アルミニウムガラスシートに関して、火炉78の内部90は、600〜900°Fの範囲内の温度まで加熱され、ソーダ石灰ケイ酸ガラスシートに関して、火炉78の内部90は、900〜1,000°Fの範囲内の温度まで加熱された。概して、本発明を限定するものではないが、火炉76の予熱温度およびジャイロトロンが通電解除された火炉78の温度は、火炉76内のガラスシートによって達成される温度が火炉78内で維持されるように、類似する。
それぞれ、火炉76および78の内部88および90の温度が、サーモカップル191によって測定された。サーモカップル191は、信号をコンピュータマイクロプロセッサシステム193(図9参照)に転送する。コンピュータマイクロプロセッサシステム193は、それぞれ、火炉76および78の内部88および90の温度を判定するように信号に作用する。火炉内部のうちの一方または両方の温度が、設定温度を下回る場合、信号が、火炉の熱入力を増加させるために、ライン195に沿って転送される。一方、火炉内部88および90のうちの一方または両方の温度が、高すぎる場合、信号が、火炉への熱入力を減少させるために、ライン195に沿って転送される。火炉内部の温度が、許容可能な範囲内である場合、いかなる措置も、講じられない。
火炉74のためのコンベヤシステムは、スタブロールを回転させるためのシャフトと、シャフトにパワー供給するためのモータとを含むギヤリング配列192(図5参照)によって駆動される、第1の火炉76のスタブコンベヤロール168を含み(ギヤリング配列192のシャフトおよびモータは、示されない)、スタブロールを回転させるためのシャフトと、シャフトにパワー供給するためのモータとを含むギヤリング配列194(図5参照)によって駆動される、第2の火炉78のスタブコンベヤロール168を含む(ギヤリング配列194のシャフトおよびモータは、示されない)。当業者によって理解されるように、スタブロールを使用するコンベヤは、当分野で周知であり、いかなるさらなる議論も、必要であると見なされない。
図3−8を参照すると、必要に応じて、装填ステーション(図示せず)において、1つまたはそれを上回るガラスシートが、屈曲用鉄器具、例えば、図4に示される屈曲用鉄器具70上に位置付けられる。2つのガラスシート、例えば、ガラスシート68および69(図3参照)が、屈曲用鉄器具70上に位置付けられ、随意に、セラミック粉末(図示せず)が、成形されたガラスシート60および61の固着を防止するために使用されることができる。シート68および69を有する屈曲用鉄器具70は、搬器170(図8)上に位置付けられ、搬器170は、移動可能コンベヤ202のスタブロール200上に配置される。移動可能コンベヤ202は、装填エリアから火炉エリアに移動される。第1の火炉76の92は、開放され(図5および6参照)、移動可能コンベヤ202は、移動可能コンベヤ202のスタブロール200を第1の火炉76のスタブロール168と整合させるように開口部80の中に移動される。搬器170は、次いで、第1の火炉76の隣接するスタブロール168と係合するように移動され、搬器170は、第1の火炉76のスタブロール168によって火炉76の内部88に移動される。スタブロール168の回転は、搬器170が第1の火炉76の内部88の事前判定された位置にあるときに停止され、これは、通常、第1の火炉76内の最も高温の位置である。スタブロール168の回転が停止した後、屈曲用鉄器具70およびガラスシート68および69を有する搬器170は、ガラスシート68および69が所望の温度に到達するまで第1の火炉76内に留まり、例えば、リチウムケイ酸アルミニウムガラスに対する温度は、600〜900°Fの範囲内であり、ソーダ石灰シリカガラスに対する温度は、900〜1,000°Fの範囲内である。随意に、搬器170は、シート68および69の周囲で火炉内の加熱された空気を循環させるために、コンベヤ移動経路に沿って上流および下流にわずかに移動されることができる。
ガラスシートの温度は、任意の便宜的な様式で監視されることができ、例えば、ガラスシート68および69の温度は、Land Instruments International(Dronfield, UK)(Land)によって製造される光学パイロメータまたは光学熱走査装置等の光学パイロメータまたは光学熱走査装置によって監視される。パイロメータまたは熱走査装置204が、第1の火炉76の屋根164上に搭載される(図5参照)。より具体的には、パイロメータまたは熱走査装置204、例えば、限定ではないが、(Landによって作製される)光学熱走査装置は、搬器170が火炉76および78を分離する扉94に向かって移動する際のガラスの温度を測定する。信号が、ライン204aに沿って、コンピュータマイクロプロセッサシステム193(図9参照)に転送される。ガラスの温度が許容可能な予熱温度範囲内、例えば、ガラスが弛む温度をわずかに下回る温度である場合、搬器170は、火炉78の中に移動される。ガラスが許容可能な成形温度範囲内ではない場合、搬器170は、成形火炉78の中に移動されず、適切な措置、例えば、限定ではないが、ガラス温度が低すぎる場合、火炉76の温度を増加させる措置、またはガラス温度が高すぎる場合、火炉76の温度を減少させる措置が、講じられる。
ガラスシート68および69が所望の温度に到達した後、第2の火炉78の扉94は、開放され、第1の火炉76および第2の火炉78のスタブロール168は、搬器170を、第2の火炉78の開口部84を通して、以下に詳細に議論されることになる第2の火炉78の内部90内の指定された成形位置に移動させるように通電される。第2の火炉78の扉94は、搬器170が第2の火炉78の内部を通過した後の任意の時点で閉鎖されることができる。ガラスシート68および69および屈曲用鉄器具70を有する搬器170が、第2の火炉78の内部88内の指定された成形位置に位置付けられた後、または搬器170が、以下に議論されるように扉94を通過した後、扉94は、閉鎖され、以下に詳細に議論されるジャイロトロン177を使用する本発明の成形プロセスが、実践される。
ガラスシート68および69が成形された後、ジャイロトロン177は、通電解除または無効にされ、第2の火炉78の扉94は、開放される。それぞれ、第1および第2の火炉76および78のスタブロール168は、成形されたシート60および61を有する搬器170を、第2の火炉の内部90から、第2の火炉78の開口部84を通して、第1の火炉74の内部88に移動させるように通電される。搬器170が第1の火炉76の内部88に移動された後、第2の火炉78の扉94は、閉鎖される。成形されたガラスシートは、シートを焼鈍するために制御可能に冷却される。焼鈍プロセスが完了すると、第1の火炉76の扉92は、開放され、移動可能コンベヤ202(図8参照)は、第1の火炉76のスタブロール168と整合するように第1の火炉76の開口部80の中に移動される。第1の火炉のスタブロール168は、搬器170を第1の火炉76の内部88から移動可能コンベヤ202上に移動させるように通電される。搬器170を有する移動可能コンベヤは、抜取ステーション(図示せず)に移動され、成形されたガラスシートは、任意の通常の様式で屈曲用鉄器具70から除去される。
本議論は、ここで、1つまたはそれを上回るガラスシートの一部をその屈曲または成形温度まで加熱するために、ジャイロトロン177(必要に応じて図5、6、および10参照)を使用することを対象とする。留意されることとして、本願は、ジャイロトロンシステムの使用を説明する。ジャイロトロンは、非限定的実施例であり、シートの外面および内部を含む、シートの厚さを通してガラスシートをスポット加熱するために採用され得る任意の好適なシステムである。好適なシステムは、マイクロ波スペクトル内の超高周波数、例えば、少なくとも20GHz(ギガヘルツ)および高電力、例えば、少なくとも5kW(キロワット)電磁波を生産するシステムを含む。例えば、クライストロンまたは進行波管等であるが、これらのデバイスの出力周波数およびワット数は、ジャイロトロンシステムのものを下回る。先に議論されるように、航空機透明材のためのガラスは、例えば、それに限定されないが、ガラスシートが屈曲用鉄器具上に静止し、屈曲のための所望の温度を達成するために要求される長い時間期間からもたらされる、光学歪みを有するガラスシートの部分を除去するために、屈曲後切断プロセスを使用して作製される。例えば、ガラスの所望の屈曲を達成するために、伝統的な方法を使用するガラスシートの表面の過熱は、ジャイロトロンまたは高エネルギー電磁放射の他の源の使用によって不必要になることが予期される。ガラスシート表面温度は、ガラスシートの選択された部分をその屈曲または成形温度まで内部加熱するようにジャイロトロンを使用して、30〜40%だけ低下されることができる。ここで理解され得るように、火炉温度を調整する伝統的な方法によってガラス表面を過熱する必要性の低減およびその上にガラスシートが位置する屈曲用鉄器具および/または成形レールの過熱の結果として生じる排除は、ガラス損傷を有意に低減させ、屈曲後切断プロセスの代わりに定サイズ切断プロセスを使用して、例えば、航空機透明材のためのガラスシートの屈曲を大幅に促進する。
ジャイロトロンは、赤外線テラヘルツ(THz)スペクトルの端に接近する高電力高周波数電磁放射を生成することが可能な高出力線形ビーム真空管である。その動作は、例えば、超伝導磁石によって提供されるような強力な磁場内で発振する電子の刺激されたサイクロトロン放射に基づく。20GHz〜300GHzに及ぶ出力周波数を有し、少なくとも5kWの電力出力を有するマイクロ波発生器等、高電力高周波数電磁波を生成することが可能な任意の好適なマイクロ波発生器が、好適であろう。ジャイロトロン177の種々の部分を示す概略図が、図10に示される。概して、本発明を限定するものではないが、ジャイロトロン177の動作では、ガンコイル磁石208によって囲繞されるカソード206によって放出される電子が、超伝導磁石210の強力な磁場内で加速される。電子ビーム212が強い磁場210を通して進行する間に、電子は、磁場の強度によって与えられる具体的周波数において回転し始める。最も高い磁場強度を伴う位置に位置する空洞214内で、THz放射は、強く増幅される。モードコンバータ216が、窓222を通してジャイロトロン177を離れる自由ガウシアンビーム217を形成するために使用され、導波管224に結合される。ジャイロトロンの動作は、当分野で周知であり、いかなるさらなる議論も、必要であると見なされない。ジャイロトロンは、例えば、Gyrotron Technology, Inc.(Philadelphia, Pennsylvania)から商業的に利用可能である。
継続して図10を参照すると、自由ガウシアンビーム217は、導波管224を通して光学ボックス178に通過する。光学ボックス178は、自由ガウシアンビーム217を単一ビーム225にコリメートさせ、ビーム225のサイズ、例えば、直径を制御するように当分野で公知なように配列される、ミラー(図示せず)を有する。コリメートされたビーム225は、導波管226を通して光学ボックス178を離れ、ミラーボックス179の中に通過する。ミラーボックス179は、円錐230(図6および10参照)によって画定される事前判定された面積を通してビーム225を移動させるために、1つまたはそれを上回る移動可能ミラー228(1つのミラーが、図10の透視図に示される)を有する。図10では、円錐230を通して移動するビーム225は、平坦ガラスシート、例えば、屈曲用鉄器具、例えば、屈曲用鉄器具70(図4)上に位置付けられる平坦ガラスシート68および69に入射する。シート68および69および屈曲用鉄器具70は、図10のブロック図に示される。
本議論は、ここで、屈曲用鉄器具70の関節アーム234(図4)によって成形される平坦ガラスシート68および69の部分232(図3参照)および屈曲用鉄器具70の固定された成形レール238によって成形される部分236を加熱するためにジャイロトロン177からのビーム225を使用することを対象とする。概して、関節アーム234の成形レール239上に位置付けられる平坦ガラスシート68および69は、関節アーム234を図4に視認されるような下位置に維持し、これは、重り240を上位置に維持する。屈曲用鉄器具70の関節アーム234の成形レール239にオーバーレイするガラスシート68および69の部分232が、ガラスシート68および69の成形温度まで加熱されるにつれて、重り240は、下向きに移動し、関節アーム234を上向きに移動させ、ガラスシート68および69の部分232を図2のシート60および61上に示される形状232に成形する。屈曲用鉄器具70の関節アーム234の動作のより詳細な議論に関して、米国特許出願第494号を参照するべきである。平坦ガラスシート68および69の部分236は、固定された成形レール238によって、成形されたガラスシート60および61の部分236に成形される。本発明の実践では、ガラスシート62の部分232および236は、リチウムケイ酸アルミニウムガラスに対して1,000〜1,100°Fの範囲内およびソーダ石灰ケイ酸ガラスシートに対して1,100〜1,200°Fの範囲内の屈曲温度に迅速に到達するために、ジャイロトロン177からのビーム225によって加熱される。
マイクロプロセッサまたはコンピュータシステム193(図9)は、例えば、限定ではないが、ワイヤ239に沿って送信される信号によって、成形されているガラスシートの部分に入射するビーム225のサイズを設定するための光学ボックス178のミラーの動作を制御し、区域230(図10参照)内のビーム225の移動の方向および速度を制御するためにミラーボックス179のミラー228の移動を制御し、およびアノード電圧、磁場の強度、および/またはジャイロトロンのシステムに印加される電圧を改変することによってビーム225のエネルギーを制御するようにプログラムされる。必要に応じて図9および10を参照すると、マイクロプロセッサ193によって動作されるミラー228は、上面ガラスシート、例えば、ミラーボックス179に面する上面ガラスシート68の表面246上の事前判定された経路244に沿ってビーム225を移動させる。エネルギービーム225は、番号236によって指定されるシートの面積内の経路244に沿って移動する際、固定された成形レール238(図4参照)の形状をとるように、ガラスシートをそのガラスシートが軟化する温度まで加熱する。エネルギービーム225は、番号232(図11参照)によって指定されるシートの面積内の経路244に沿って移動する際、ガラスシートをその成形温度まで加熱し、その時点で、屈曲用鉄器具70の関節アーム234は、面積232内のシートを成形する。ミラーボックス177の各側上で火炉78の屋根180を通して搭載されるものは、ガラスの温度を監視するためのパイロメータ250(図6参照)である。パイロメータ250は、ワイヤ251によってマイクロプロセッサまたはコンピュータ193に接続され、信号をマイクロプロセッサ193に送信し、マイクロプロセッサは、信号をワイヤ239に沿って転送し、経路244に沿ったビーム225の速度を改変することによって、および/または上記に議論されるようにビームのエネルギーを改変することによって、ガラスの選択された部分の温度を所望の温度範囲内に維持する。より具体的には、ビーム225の速度を減少させることは、ガラスの温度を増加させ、逆もまた同様であり、アノード電圧、磁場、および/または印加される電圧を増加させることは、ガラスの温度を増加させ、逆もまた同様である。
以下は、航空機透明材の製造における使用のためのガラスシートを成形するための本発明の実施例である。平坦ガラスシート68および69(図3)は、屈曲用鉄器具70(図4)上に位置付けられる。屈曲用鉄器具70は、搬器170(図7)内に配置され、搬器は、コンベヤ202のスタブロール200上に配置される。屈曲用鉄器具70およびガラスシート68および69を有する搬器170は、第1の火炉76のスタブロール168によって第1の火炉76(図6)の内部88に移動される。第1の火炉76の閉鎖された内部内のガラスシートは、ガラスの軟化点温度を下回る温度まで加熱される。その後、加熱されたガラスシート68および69を有する搬器170は、第1の火炉76および第2の火炉78のスタブロール168によって、第2の火炉78の内部90に移動され、円錐230(図6および10参照)の面積内に位置付けられる。
第2の火炉78の内部90の温度は、第1の火炉76の内部88と略同一の温度、すなわち、屈曲用鉄器具70上のガラスシートの成形温度を下回る温度である。本温度では、屈曲用鉄器具上に位置付けられるガラスシートは、成形されていない。搬器170がシートを円錐230内に位置付けた後、ジャイロトロン177、光学ボックス178、およびミラーボックス179が、ビーム225を走査経路244(図10参照)に沿って移動させるように通電される。ビーム225が走査経路244に沿って移動する際、ジャイロトロン177は、作業モードである。エネルギービーム225は、番号236によって指定されるシートの面積内の経路244に沿って移動する際、固定された成形レール238(図4参照)の形状をとるように、ガラスシートをそのガラスシートが軟化する温度まで加熱する。エネルギービーム225は、番号232(図9参照)によって指定されるシートの面積内の経路244に沿って移動する際、ガラスシートをその成形温度まで加熱し、その時点で、屈曲用鉄器具70の関節アーム234は、面積232内のシートを成形する。ビームが走査経路の区分250に沿って移動する際、ビームは、シート68の区分232を加熱するために、作業モードである。シート68の区分または部分232が加熱されるにつれて、シート区分は、軟化し、屈曲用鉄器具の重り240は、関節レール238を上向きに移動させ、シート268の部分232を成形する。シートが成形された後、ジャイロトロン177への電力は、ジャイロトロンおよびビーム225をアイドルモードにするために、低減または切断される。
それぞれ、第2および第1の火炉78および76のスタブロール168は、成形されたシート60および61を有する搬器170を、第2の火炉78の内部90から、第1の火炉76の内部88に移動させる。第1の火炉76内の成形されたシートは、成形されたガラスシートを焼鈍するために制御可能に冷却される。その後、搬器170は、第1の火炉76のスタブロール168によって移動可能コンベヤ202上に移動され、移動可能コンベヤは、抜取エリア(図示せず)に移動される。
ここで理解され得るように、扉92および94(図5および6参照)が開放されているとき、搬器170(図9参照)が、火炉76および78の中に、かつ火炉76および78間で移動されることを確かめるように注意する。安全特徴として、搬器170が火炉76および78を通して移動される際、その位置を追跡するために、追跡センサ300、302、および304が、使用された。本発明を限定するものではないが、追跡センサ300、302、および304はそれぞれ、生成された連続光ビーム、例えば、限定ではないが、検出器に入射するレーザ生成光ビームを含んでいた。搬器170が連続光ビームを通して移動したとき、ビームは、検出器から離れるように指向され、検出器は、ケーブル306に沿ってマイクロプロセッサ193に信号を送信し、光ビームが検出器に入射していないことを示した。コンピュータマイクロプロセッサシステム193は、扉92または扉94を開閉するために、ワイヤ308に沿って信号を送信する。例証として、本発明を限定するものではないが、追跡検出器300は、搬器170の幅を上回る距離だけ扉92から離間される火炉76内に位置付けられる。光ビームの進行は、搬器170の進行経路に対して直角である。搬器170が火炉76の中に移動する際、搬器170は、センサ300の検出器から離れるようにビームを指向させることによって、光ビームを中断する。追跡センサ300の検出器は、ケーブル306に沿ってマイクロプロセッサ193に信号を送信し、光ビームが検出器に衝突していないことを示し、マイクロプロセッサは、扉92を閉鎖するようにモータ124(図5参照)に通電するために、ケーブル308に沿って信号を送信する。
随意に、ガラスシート68および69は、搬器170が火炉76を通して移動するにつれて加熱される、またはガラスシート68および69は、火炉の中心に移動され、シートを加熱するために停止される。ガラスシートが加熱された後、ガラスシート68および69(図3参照)および搬器170は、火炉76および78を分離する扉94に向かって移動される。搬器は、センサ302の光ビームを中断し、信号が、扉94を上昇させるようにモータ145に通電するために、ケーブル308に沿ってコンピュータマイクロプロセッサシステム193に転送される。本システムは、搬器193が、いずれの中断も伴わずに第1の火炉76から第2の火炉78の中に連続的に移動し得るようにタイミングをとられる。搬器170は、火炉78の中に移動し、完全に進入した後、火炉78は、センサ304の光ビームを中断する。センサ304は、扉94を閉鎖するために、ケーブル308に沿ってマイクロプロセッサ193に信号を転送し、マイクロプロセッサ193は、扉94を閉鎖するようにモータに通電するために、ケーブル308に沿って信号を転送する。搬器170は、成形位置に移動され、コンベヤは、停止する。理解され得るように、成形位置から検出器304の光ビームまでの距離および搬器170の速度は、公知であり、本方式で、コンベヤの運動は、搬器およびガラスシートが成形位置にあるとき、停止されることができる。本発明の別の実施例では、追跡センサ309(透視図において示され、図6のみに示される)が、搬器170を成形位置に位置付けるために使用される。搬器170が追跡センサ309の光ビームを変位させる、または中断すると、信号が、例えば、ケーブル306に沿ってコンピュータマイクロプロセッサシステム193に転送され、コンピュータマイクロプロセッサシステムは、スタブロールの回転を停止させ、搬器170およびガラスシートを成形位置に位置付けるために、例えば、ケーブル308に沿って信号を転送する。随意に、センサ309およびコンピュータマイクロプロセッサシステムのタイミングは、ビームに対して搬器を位置付けるために使用されることができる。
ガラスシート68および69が成形された後、搬器170および成形されたシートは、火炉74から移動される。より具体的には、本発明を限定するものではないが、センサ304の光ビームを偏向または中断する搬器170は、扉94を開放し、検出器302の光ビームを中断するものは、扉94を閉鎖し、検出器300の光ビームを中断するものは、扉92を開放する。
理解され得るように、本発明は、火炉74の設計に限定されず、本発明は、限定ではないが、上記に議論される図5および6および以下に議論される図12−15に示される火炉等の任意のタイプの火炉を用いて本発明を実践することを想定する。より具体的には、図12に示されるものは、上記に議論される、それぞれ、第1および第2の火炉76および78を有する火炉258および第2の火炉78の第2の開口部86(図5、6、および12参照)に取り付けられる火炉260である。火炉260は、第1の火炉76と同じではないにしても、それと類似する。図12に示される火炉配列では、シート68および69を有する屈曲用鉄器具70を有する搬器170は、矢印270によって指定される経路に沿って火炉76を通して移動し、第1の火炉76に関して上記に議論されるように、火炉78を通してガラスシート68および69を予熱し、ガラスシート68を成形し、火炉260を通して成形されたガラスシート60および61を焼鈍することができる。本発明の第2の実施例では、火炉258は、上記に議論されるように、それぞれ、第1および第2の火炉76および78を使用して、屈曲用鉄器具70およびガラスシート68および69を有する搬器170を矢印272によって指定される往復経路に沿って移動させ、火炉76および78と類似する様式で火炉78および260を使用してガラスシート68および69の第2の群を成形し、ガラスシートの第2の群を矢印274によって指定される往復経路に沿って移動させることによって、ガラスシート68および69を成形することができる。
図13を参照すると、番号261によって指定される火炉の別の実施例が、示される。火炉261は、火炉76、78、および260(図12参照)と、火炉262および264とを含む。成形火炉78は、火炉262および264間にある。火炉261を使用して処理されるガラスは、図13に視認されるように、水平方向における進行経路270および278と、垂直方向における進行経路270aおよび278aとを有し、図13に視認されるように、往復進行経路272および274と、垂直方向における往復進行経路275および276とを有する。進行経路276に沿って移動するガラスシートは、火炉262および78および火炉264および78の内外に移動することができる。理解され得るように、図13に示される火炉78のための運搬システムは、搬器を経路278に沿って火炉262、78、および262を通して移動させるために、および搬器を経路278aに沿って火炉76、78、および260を通して移動させるために、二段運搬システムを用いて調節可能である、またはそれを提供される。
図14を参照すると、番号280によって指定される本発明の火炉のさらに別の非限定的実施形態が、示される。火炉280は、平坦ガラスシート68および69が矢印284の方向に移動する際、それらを予熱するための第1のトンネル火炉282を含む。ガラスシート68および69は、屈曲用鉄器具70上に位置付けられることができる、または上記に議論されるように、屈曲用鉄器具70は、搬器170内に位置付けられることができる。トンネル火炉282の出口端287に位置付けられる成形火炉286は、任意の数の成形区域、例えば、実線において示される1つの成形区域230、または透視線において示される2つの成形区域231、または実線230および透視線231において示される3つの成形区域を提供するために、任意の数のジャイロトロンを有することができる。第2のトンネル火炉288が、成形されたガラスシート60および61を制御可能に冷却するために、成形火炉286の出口端289に接続される。加えて、描写されるものは、熱センサ324および位置センサ320および321である。
熱センサ324は、広く公知であり、商業的に利用可能であるような、電荷結合素子(CCD)、赤外線レーザ光センサデバイス、熱撮像デバイス、または熱走査装置等、ガラスシートの1つまたはそれを上回る部分の温度を表すデータを生産することが可能なIR走査装置またはIR撮像センサ等の任意のセンサまたは走査デバイスである。ガラスシートの表現は、コンピュータ実装プロセスによって、熱センサから取得される未加工CCDデータ等のデータを組み立て、ガラスシートの少なくとも一部の2次元または3次元温度プロファイルを生産することによって生産されることができる。以下に示されるように、熱センサから取得される熱データおよびそのデータから生産される温度プロファイルは、コンピュータ実装プロセスにおいて基準温度プロファイルと比較され、生産される温度プロファイルと基準温度プロファイルとの間の任意の差異が、ガラスシートの温度プロファイルを基準温度プロファイルのものと合致させるために、ジャイロトロンによるガラスシートの選択的加熱をトリガする。これらのタスクおよび本明細書に示される任意のタスクを実施するためのコンピュータ実装プロセスは、コンピュータ撮像およびプロセス技術における当業者によって容易に考察および実装される。ガラスシートの正確かつ有用なリアルタイム熱プロファイルを取得するために、1つまたはそれを上回る熱センサが、使用されることができ、1つを上回る異なるタイプのセンサが、採用され得る。
位置センサ320および321は、ガラスシートの形状を表すデータを生産することが可能な任意のデバイスである。位置センサの非限定的実施例は、広く公知であり、商業的に利用可能であるようなCCDおよびレーザ光センサである。データが、位置センサ320および321から取得され、コンピュータ実装プロセスによって組み立てられ、火炉78内のガラスシートの形状プロファイルを生産する。以下に示されるように、位置センサから取得される位置データおよびそのデータから生産される形状プロファイルは、コンピュータ実装プロセスにおいて基準形状プロファイルと比較され、生産される形状プロファイルと基準形状プロファイルとの間の任意の差異が、ガラスシートの形状プロファイルを基準形状プロファイルのものと合致させるために、ジャイロトロンによるガラスシートの選択的加熱をトリガする。屈曲プロセス中のガラスシートのリアルタイム形状プロファイルに関連する有意義なデータが取得される限り、任意の数の位置センサが、使用されることができる。同様に、1つを上回るタイプの位置センサが、屈曲プロセス中のガラスシートの正確かつ有用なリアルタイム表現を取得するように、生産された形状プロファイルを取得するために使用されることができる。例えば、任意の時点におけるガラスシートの屈曲度を最良に判定するために、2つのCCDが、ガラスシートの立体形状プロファイルを生成するために使用され得る一方、1つまたはそれを上回るレーザ距離センサが、ガラスシートの表面上の1つまたはそれを上回る点の空間的場所または配向を判定するために使用される。
熱および形状データの取得および処理、および温度および形状プロファイルを生産するためのそれらのデータの使用は、屈曲プロセス中に1回またはそれを上回る回数、例えば、それらの間の任意の増分を含む0.0001、0.001、0.01、0.1、0.5、1、2、5、10、15、20、30、および60秒毎を含む、0.0001〜60秒毎に及ぶ間隔において繰り返され得る。さらに短い時間間隔が、想定され、コンピュータシステムのスループット(例えば、処理能力)のみによって限定される。ジャイロトロンシステムは、コンピュータシステムがデータを分析し得るのと同程度に迅速にコンピュータシステムに応答することが可能ではない場合があり、したがって、走査間隔は、ジャイロトロンシステムの応答性に基づいて設定され得る。したがって、熱プロファイル、および随意に、空間的プロファイルの走査および分析は、関連するハードウェアの限界内で、ジャイロトロンの制御よりも速いレートで実施されることができる。
当業者によって理解されるように、シートの成形中、第1のトンネル火炉282の入口開口部290および第2のトンネル火炉288の出口開口部292は、開放されたままであり得る。成形火炉286に出入りするための扉は、好ましくは、成形されるべきガラスシートを火炉288の内外に移動させるために開放され、成形火炉286内のガラスシートの成形中、扉(図5および6参照)は、シート成形プロセス中の熱損失を最小限にするために閉鎖される。随意に、本発明の範囲内で、トンネル火炉の扉は、ガラスシートを成形するためのトンネル火炉を通したガラスシートの連続的移動のために開放されたままであり得る。
図15は、図6の火炉システムの実施例を図式的に示す。図6の火炉と図15のものとの間の動作および構造的差異を示すために不必要である図6の詳細は、可視化を容易にするために省略されるが、図15に含まれる。図6のように、図15の火炉システム74は、第1のチャンバ76と、第2のチャンバ78と、U形部材136によって支持される扉94とを含む。第1のチャンバ76は、赤外線ヒータの使用を通して、コンベヤ202上で搬送されるガラスシートを900〜1,000°Fの範囲内の温度まで予熱するが、他の好適な予熱温度も、ガラスシートの材料に応じて利用され得る。使用時、ガラスシートは、(図示しないが、本明細書に描写および説明されるように)屈曲用鉄器具上に支持される、または位置付けられる。本明細書では成形チャンバとも称される第2のチャンバ78は、ガラスシートの所望の形状を達成するために、平坦ガラスシートの一部を選択的に加熱する。第2のチャンバ78の赤外線ヒータは、約1,000〜1,100°Fまでのチャンバの温度またはガラスシートの成形または弛み温度をわずかに下回る任意の温度を維持する。ガラスシートの具体的部分が、ジャイロトロン177と、光学ボックス178と、ミラーボックス179とを含むジャイロトロンビームシステムによって、第2のチャンバ78内で選択的に加熱される。本明細書に説明される高エネルギーマイクロ波システムの使用の利益は、マイクロ波源、例えば、ジャイロトロンが、ガラスシートを内部から、かつガラスシート上の精密な場所で加熱することである。一方、伝統的な赤外線ヒータは、ガラス表面のみを加熱し、熱伝導を通して、エネルギーは、ガラスの中に通過する。その結果、伝統的な赤外線加熱下では、ガラス表面は、内部ガラス温度よりも有意に高温であり、したがって、ガラス屈曲のために望ましくない製造条件の可能性を増加させる。「選択的加熱」とは、ジャイロトロンビームシステムがガラスの具体的面積、部分、または場所を加熱するように指向され、ガラスシートを弛ませ、所望の形状を生産することを意味する。いったんガラスシートが所望の仕様に成形されると、これは、制御可能に冷却される。示される実施形態では、第1のチャンバ76はまた、ガラスシートを焼鈍するための冷却チャンバとしての役割を果たし、したがって、いったんガラスシートが第2のチャンバ78内で成形されると、これは、第1のチャンバ76に戻され、これは、制御された様式で冷却される。火炉システム74は、第2のチャンバ78の第1のチャンバ76から対向する側上に第3のチャンバを含むことができ、コンベヤ202は、第1のチャンバ76から、第2のチャンバ78を通して、第3の火炉にガラスを連続的に通過させる。図14の火炉システム280は、類似する配向を描写する。第3の火炉の包含は、ガラスシートが線形様式で本システムを通して移動することが可能である点において、本プロセスを簡略化し得る。第3の火炉は、成形されたガラスシートを制御可能に冷却し、成形されたガラスシートを焼鈍することが可能である冷却チャンバである。第3の火炉は、成形されたガラスシートが焼戻しまたは熱強化され得るように修正され得る。
図6に示されるパイロメータ204に加えて、またはその代わりに、赤外線センサ324が、提供されることができる。パイロメータ204および/または赤外線センサ324は、ガラスシート全体および/またはガラスの具体的部分の温度を監視する。本明細書で使用されるように、「部分」は、物体の全体または100%を下回る量であり、ガラスシート等の物体上および/またはその中の点、線、面積、領域等であり得る。
一側面における本明細書に説明される方法およびシステムは、少なくとも本明細書に説明されるガラスシートの加熱および屈曲の進度を監視および制御するために、コンピュータ、例えば、限定ではないが、マイクロプロセッサ193に依拠する。コンピュータまたはコンピュータシステムは、パーソナルコンピュータ(PC)、クレジットカードコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、タブレット、ワークステーション、サーバ、メインフレーム/エンタープライズサーバ等の任意の物理的形態をとることができる。コンピュータ、コンピュータシステム、またはマイクロプロセッサシステム、またはコンピュータマイクロプロセッサシステムという用語は、本明細書では同義的に使用される。コンピュータは、1つまたはそれを上回るプロセッサ、例えば、中央処理ユニット(CPU)を含み、これは、コンピュータに対する命令を実行する。コンピュータはまた、システムバス等の任意の好適な構造によってプロセッサに接続される、メモリ、例えば、RAMおよびROM(例えば、UEFIまたはBIOSを記憶する)を含む。コンピュータはまた、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、光学ドライブ、テープドライブ、フラッシュメモリ(例えば、不揮発性コンピュータ記憶チップ)、カートリッジドライブ、および新しいソフトウェアをロードするための制御要素等、コンピュータ可読媒体/メディアの形態において、プログラミングおよびデータを記憶するための非一時記憶装置を備える。本明細書に説明されるようなコンピュータシステムは、種々のハードウェア要素の任意のトポロジによって、またはその相対的場所によって限定されず、当業者がコンピュータシステムを実装する際に採用する、多様な物理的構造および仮想構造を認識する。
データ、プロトコル、コントローラ、ソフトウェア、プログラム等が、コンピュータ内で、例えば、ハードドライブまたはSSD内でローカルに、ローカルエリアネットワークまたは広域ネットワーク内で、例えば、サーバ、ネットワーク関連ドライブ(NAS)の形態で、または接続がインターネット接続を経由して成されるように、例えば、遠隔アクセスを介して遠隔に記憶され得る。本明細書に説明される方法およびシステムによって生産または使用される画像、温度プロファイル、または形状プロファイル等のデータは、1つまたはそれを上回る目的のために編成されるデータの集合である、データベース内のコンピュータ可読媒体上で編成され得る。典型的なコンピュータの要素を形成する他の例示的ハードウェアは、限定ではないが、広く公知であるようなユニバーサルシリアルバス(USB)、SATA、eSATA、SCSI、Thunderbolt、ディスプレイ(例えば、DVIまたはHDMI(登録商標))、およびイーサネット(登録商標)ポート、および、グラフィックスカード等のCPUの一体部品、マザーボードのサブシステム、または別個のハードウェアデバイスであり得るグラフィックスアダプタ等の入力/出力デバイス/ポートを含む。Wi−Fi(IEEE 802.11)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の無線通信ハードウェアおよびソフトウェアもまた、コンピュータ内に含まれ得る。コンピュータの要素は、同一の筐体内に格納される必要はなく、任意の好適なポート/バスを介してメインコンピュータ筐体に接続されることができる。典型的なコンピュータでは、少なくともCPU、メモリ(ROMおよびRAM)、入力/出力機能性、および多くの場合、ハードドライブまたはSSD、およびディスプレイアダプタが、ともに格納され、任意の有用なトポロジの高性能バスによって接続される。
記憶およびメモリ能力を有するコンピュータは、本明細書では「プログラミング命令」と称される、プログラムされるようにコンピュータシステムに相互作用および動作するように独立して、または集合的に命令するために実行可能な命令の設計、記憶、および実行を可能にする、コントローラ側面を含むことができる。コンピューティングの文脈では、コンピュータ実装プロセス(すなわち、プログラム)は、概して、数学的または論理的公式または演算、アルゴリズム等の実装等の結果を生成する任意のコンピュータ実装アクティビティを指す。
コントローラの一実施例は、命令の実行を指示するためにコンピュータシステム上にインストールされるソフトウェアアプリケーション(例えば、基本入力/出力システム(BIOS)、ユニファイドエクステンシブルファームウェアインターフェース(UEFI)、オペレーティングシステム、ブラウザアプリケーション、クライアントアプリケーション、サーバアプリケーション、プロキシアプリケーション、オンラインサービスプロバイダアプリケーション、および/またはプライベートネットワークアプリケーション)である。一実施例では、コントローラは、WINDOWS(登録商標)ベースのオペレーティングシステムである。コントローラは、任意の好適なコンピュータ言語(例えば、C\C++、UNIX(登録商標) SHELL SCRIPT、PERL、JAVA(登録商標)、JAVASCRIPT(登録商標)、HTML/DHTML/XML、FLASH、WINDOWS(登録商標) NT、UNIX(登録商標)/LINUX(登録商標)、APACHE、ORACLEを含むRDBMS、INFORMIX、およびMySQL)および/またはオブジェクト指向技法を利用することによって実装され得る。
コントローラは、任意のタイプの機械、コンポーネント、物理的または仮想機器、記憶媒体、または命令をコンピュータシステムに送達することが可能な伝搬信号において恒久的または一時的に具現化されることができる。特に、コントローラ(例えば、ソフトウェアアプリケーションおよび/またはコンピュータプログラム)は、コンピュータシステムが記憶媒体を読み取る場合、本明細書に説明される機能が実施されるように、コンピュータシステムによって可読である、任意の好適なコンピュータ可読媒体(例えば、ディスク、デバイス、または伝搬信号)上に記憶され得る。
コンピュータは、例えば、ガラスシートに対する屈曲プロセスを制御する命令およびデータである、「プロトコル」を含有する。種々のモデル化技法が、プロトコルを開発するために使用され得、コンピュータ実装プロトコルの一部として実装され得る。モデル化技法は、ガラス屈曲プロセスに関して特有の科学的かつ数学的モデルを含み、これは、高品質の最終ガラスシートを達成するために必要な、プロセスの異なる段階において要求される温度を判定することが可能である。例えば、第1の火炉の出口における予熱温度、ガラス形成火炉内のガラス形成/屈曲温度プロファイル、いったん形成プロセスが完了したときの出口ガラス温度、およびガラス焼鈍温度がある。プロトコルは、ジャイロトロンビームシステムを制御し、加熱プロファイルを確立し、ガラスシートに関する具体的形状を達成する。ジャイロトロンビームは、ジャイロトロンビームの経路、速度、幅、形状、周波数、ある場所(ガラスシート上の位置)における滞留時間、または強度/エネルギー(例えば、キロワット、kW)を改変する等、種々の方法で操作されることができる。一実施形態では、ビーム幅、ビーム形状、強度/エネルギー、および周波数は、一定であるが、ジャイロトロンビームの場所、経路、速度、および/またはある場所における滞留時間は、シート上に所望の加熱プロファイルを提供するように改変される。別の実施例では、ビームがガラスシートの表面を横断して一定の速度で移動している間、所望の熱プロファイルを生産するために、ジャイロトロンビームの電力は、操作されることができる。別の実施例では、同一の効果を達成するために、電力およびビーム速度の両方を変更することができる。プロトコルは、ジャイロトロンユニットまたはジャイロトロン後光学素子によって制御され得る、場所、経路、強度/エネルギー、速度、ビーム形状、ビーム直径、および出力周波数等、少なくともジャイロトロンビームの任意のまたは全ての可能性として考えられるパラメータを制御するための命令を備える。したがって、プロトコルは、ガラスシートの所望の形状およびサイズを達成するためにガラスシート上の熱プロファイルおよび/または熱分布を制御する。プロトコルの一部として含まれるものとして、コンピュータは、熱および位置センサ、特に、熱センサ、および随意に、位置センサからのリアルタイムデータを受信および処理する。コンピュータは、次いで、リアルタイムデータから、温度プロファイル、および随意に、形状プロファイルを生産する。温度プロファイルおよび形状プロファイルは、単に、屈曲プロトコルと関連して記憶される基準温度および形状プロファイルと比較され得るコンピュータ内の表現である。コンピュータシステムは、生産されたプロファイルを基準プロファイルと比較し、ガラスシート上の1つまたはそれを上回る場所における生産されたプロファイルと基準プロファイルとの間の差異を判定し、差異が存在し、ガラスシート上の1つまたはそれを上回る位置が、ガラスシートの温度および形状を基準プロファイルと合致させるために加熱を要求する場合、コンピュータは、ジャイロトロンビームの1つまたはそれを上回るパラメータを制御し、ガラスシートの一部を選択的に加熱し、それらの差異を補正する。上記に加えて、随意に、コンピュータは、本明細書に説明される任意の実施例による本システムの1つまたはそれを上回るチャンバおよび/または火炉のサーモカップルまたはIR走査装置等、1つまたはそれを上回る温度センサから付加的温度データを受信し、サーモスタットとして作用し、例えば、本システムにおいて利用されるIRヒータ、送風機等の出力を調節することによって、チャンバの周囲温度を監視および調節する。例えば、一側面では、(例えば、図6に示されるような)サーモカップルは、図15に示されるような第2の火炉78の温度を検出する。第2の火炉78が所望の温度にない場合、コンピュータは、例えば、上記に説明されるようなコンピュータ実装プロセスを使用して、第2の火炉78の実際の周囲温度を、第2の火炉78に関する記憶された基準周囲温度と比較し、記憶された基準周囲温度に到達するために、第2の火炉78の熱を自動的に調節する。本明細書に説明される火炉に関する「周囲温度」とは、火炉内の1つまたはそれを上回る点における雰囲気の温度を意味し、ガラスシートの温度を指さない。
別の側面では、熱センサ324は、屈曲されているガラスシートのIR画像を捕捉するIRレーザ光センサであり、これは、コンピュータに送信され、これは、捕捉された画像を、特定のガラスシートに関するガラス屈曲プロトコルの一部として記憶される基準画像と比較し、ガラス上のある位置が、ガラス屈曲プロトコルの一部として記憶される画像内の同一の位置のものよりも低い温度にある場合、ジャイロトロンビームが、その位置の温度が、ガラス屈曲プロトコルの一部として記憶される画像の基準温度と合致するまで、その位置を加熱するように指向される。本明細書で使用されるように、ガラスシートから具体的形状を生産するためのプロトコルは、屈曲プロセス中の1つまたはそれを上回る時点における具体的形状およびガラスシートに関する、1つまたはそれを上回る基準温度分布プロファイルおよび形状プロファイルを含有する。
図15はまた、随意の位置センサ320を描写する。撮像を可能にするために必要な範囲においてガラスシートの照明を提供するための好適な光源もまた、採用され得るが、加熱されたガラスは、典型的には、撮像目的のために十分な光を放出する。位置センサは、リアルタイムで画像捕捉またはデータの捕捉のいずれかを可能にし、ガラスシート上の1つまたはそれを上回る位置の空間的位置を示す、単一のユニットまたは複数のユニットを含む。非限定的実施例は、Rockwell Automation(Allen Bradly)から取得される位置センサであり、例えば、42CM 18 mm LaserSightまたは42EF LaserSight RightSightが、好適な位置センサである。位置センサは、チャンバ78内でともに格納されるか、またはその中の別個の場所に格納されるかのいずれかである、1つまたはそれを上回るCCDおよび/またはレーザ光センサデバイス等の撮像センサであり得る。CCDおよび/またはレーザ光センサデバイスセンサデバイスは、コンピュータ内で、または本デバイス内で処理される2D画像を出力する。画像は、その2D形態において使用されることができる、またはコンピュータによって3D画像を形成するように処理されることができ、ガラスシート上の任意の部分または点のリアルタイム空間的位置および形状を示し、次いで、その2Dプロファイルをプロトコルと関連付けられる基準プロファイルと比較し、ガラスシートの形状プロファイルを基準プロファイルと合致させるためにジャイロトロンを用いて加熱を調節する、ガラスシートのプロファイルを生産する。多種多様な位置、距離、測定、変位、プロファイル、2D、および3Dセンサ、例えば、レーザセンサが、例えば、限定ではないが、Rockwell Automation(Allen Bradly)、Emerson Electric(St.Louis Missouri)、Schmitt Industries, Inc.(Portland Oregon)、およびOmron Automation & Safety(Hoffman Estates, Illinois)から商業的に利用可能である。いずれの場合も、位置センサは、コンピュータに接続され、データが、随意に、上記に説明されるIRデータと協調して位置センサから取得され、そのデータは、特定のガラスシートを屈曲させるためのプロトコルと関連付けられる基準データと比較され、ガラスシートの任意の部分の温度が、ジャイロトロンビームを使用して調節されることができる。
図15に示されるように、2つの位置センサ320、321が、示される。任意の所与の時点におけるガラスシートの合成3D画像または画像のセットが、任意の時点におけるガラスシートの形状を評価するように、コンピュータ実装プロセスによって生成されることができる。ガラスシートおよび/またはその一部のコンピュータシステム生成3D画像、合成画像、または画像のセットは、プロトコルの基準形状プロファイルの値と比較されることができ、プロトコル内に記憶される所望の形状からの逸脱が存在する場合、コンピュータシステムは、随意に、2D赤外線撮像センサ324からの赤外線画像データと組み合わせて、ジャイロトロン177および/または第2の火炉78の周囲温度を制御し、ガラスシートまたはその一部を加熱し、レシピの要件を満たすようにガラスシートを成形する。図16は、図15に関連して議論されるような2つまたは3つのチャンバを採用する、本明細書に説明される方法の非限定的実施形態を図示するフローチャートを提供する。
ジャイロトロンビームは、ジャイロトロンビームの経路、速度、幅、周波数、ある場所における滞留時間、またはエネルギー強度または電力を改変する等、種々の方法で操作されることができる。一実施例では、ビーム幅、エネルギー、および周波数は、一定であるが、ジャイロトロンビームの場所、経路、速度、および/またはある場所における滞留時間は、シート上に所望の加熱プロファイルを提供するように改変される。
「温度プロファイル」または「温度分布プロファイル」は、そのガラスシートを加熱、屈曲、および冷却するプロセス中の任意の時点または複数の時点における具体的ガラスシートの任意の部分または複数の部分の温度を指す。本明細書で使用されるように、「基準温度プロファイル」は、その具体的ガラスシートを屈曲させるためのプロトコルと関連してコンピュータシステム内にローカルに、またはそれから遠隔に記憶される、任意の具体的ガラスシートに関する温度分布プロファイルを指す。基準温度プロファイルは、具体的ガラスシートの具体的形状を生産するために、公式および/または試行錯誤等による任意の方法によって生成または開発される。ガラスシートから所望の形状を生産するための基準温度分布プロファイルは、とりわけ、ガラスシートの組成物、所望の形状、および屈曲用鉄器具の形状および機能性を含む、種々の要因に依存するであろう。基準として事前判定された温度プロファイルを使用し、最終的に、ガラスシートを選択的に加熱するようにジャイロトロンシステムを操作することによって、均一なガラス粘度分布が、ガラスの内側だけではなく、ガラス全体を通して生産される。本ガラス粘度の均一な分布は、ガラス表面の過熱を排除し、結果として、ガラスシートは、満たされた光学品質を伴う要求された形状に形成または屈曲されるであろう。
用語「「形状プロファイル」は、ガラスシートを加熱、屈曲、および冷却するプロセス中の任意の時点または複数の時点におけるガラスシートの2Dまたは3D形状を指す。「基準形状プロファイル」は、その具体的ガラスシートを屈曲させるためのプロトコルと関連してコンピュータシステム内にローカルに、またはそれから遠隔に記憶される、ガラス形成プロセスの任意の時点の任意の具体的ガラスシートに関する形状プロファイルを指す。基準形状プロトコルは、具体的ガラスシートの具体的形状を生産するために、公式および/または試行錯誤等による任意の方法によって生成または開発される。事前判定された熱分布のように、ガラスシートから所望の形状を生産するための基準形状プロファイルは、とりわけ、ガラスシートの組成物、所望の形状、屈曲用鉄器具の形状および機能性を含む、種々の要因に依存するであろう。
本発明はさらに、機器を動作させる人物への損傷を限定または防止するために、および/または機器への損傷を防止または限定するために、安全機器の使用を想定する。例えば、本議論を限定するものではないが、機器は、アーク検出器330を含む。アーク検出器330は、火炉78内に搭載され、ケーブル306を用いてマイクロプロセッサ193に接続されるフォトセルを含む。アーク放電は、当分野で公知なように、イオン化物質、例えば、限定ではないが、粉塵の浮遊ポケットであり、光のバーストとして出現する。アーク放電現象は、当分野で周知であり、いかなるさらなる議論も、必要であると見なされない。検出器330のフォトセルは、アーク放電を感知し、信号をケーブル305に沿って転送する。マイクロプロセッサ193は、信号をケーブル308に沿って転送し、ジャイロトロンをシャットダウンし、火炉78の周囲の人員およびジャイロトロン機器への損傷を防止する。
本発明の実施例は、2つのガラスシートを成形するために議論された。ここで理解され得るように、本発明は、それに限定されず、本発明は、1つのシート、または2つを上回るシート、例えば、限定ではないが、3つ、4つ、またはそれを上回るシートに対して実践されることができる。
本発明はさらに、以下の付番された付記において特徴付けられることができる。
付記1:ガラスシートを成形する方法であって、
a.屈曲用鉄器具(70)上のガラスシートを600°F〜1,000°Fに及ぶ予熱温度まで予熱するステップと、
b.シートの温度を、予熱温度を上回るものから、ガラスが弛む温度を下回るものに及ぶ温度まで増加させるステップと、
c.ガラスシートを屈曲させるステップであって、該屈曲させるステップは、
i.ガラスシートの一部をデバイス(177)を用いて選択的に加熱するステップであって、該デバイスは、該ガラスシートの少なくとも一部が弛む温度までコンピュータ実装プロトコルによって制御される、超高周波数、高電力電磁波を生成する、ステップと、
ii.選択的に加熱するステップ中またはその後の1つまたはそれを上回る時点において、1つまたはそれを上回る熱センサ(324)を用いてガラスシートの少なくとも一部を走査し、1つまたはそれを上回る熱センサ(324)から取得されるデータから、ガラスシートの少なくとも一部に関する少なくとも2つの次元における温度分布を取得するステップと、
iii.コンピュータ実装プロセスを使用して、取得された温度分布をコンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と比較するステップと、
iv.取得された温度分布をコンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と合致させるために、コンピュータ実装プロセスによって制御される超高周波数、高電力デバイス(177)のビーム(225)を用いてガラスシートを選択的に加熱するステップと、
によって行われる、ステップと、
を含む、方法。
付記2:超高周波数、高電力電磁波を生産するデバイス(177)は、ジャイロトロンである、付記1に記載の方法。
付記3:取得された温度分布が、コンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と合致するまで、屈曲させるステップのステップii.−iv.を繰り返すステップをさらに含む、付記1または2に記載の方法。
付記4:屈曲させるステップc.はさらに、
v.選択的に加熱するステップ中の1つまたはそれを上回る時点において、1つまたはそれを上回る位置センサ(320および321)からガラスシートの少なくとも一部の位置データを取得し、コンピュータ実装プロセスを使用して、1つまたはそれを上回る時点におけるガラスシートに関する形状プロファイルを生産するステップと、
vi.コンピュータ実装プロセスを使用して、生産された形状プロファイルをコンピュータ実装プロトコルの基準形状プロファイルと比較するステップと、
vii.ガラスシートの形状プロファイルを基準形状プロファイルと合致させるために、コンピュータ実装プロセスによって制御される超高周波数、高電力デバイス(177)のビーム(225)を用いてガラスシートを選択的に加熱するステップと、
を含む、付記1−3のうちのいずれか1つに記載の方法。
付記5:取得された形状プロファイルが、コンピュータ実装プロトコルの基準形状プロファイルと合致するまで、屈曲させるステップのステップv.−vii.を繰り返すステップをさらに含む、付記4に記載の方法。
付記6:比較するステップiii.およびvi.は、実質的に並行して実施される、付記4または5に記載の方法。
付記7:位置センサ(320および321)のうちの1つまたはそれを上回るものは、カメラまたは電荷結合素子(CCD)である、付記4−6のいずれかに記載の方法。
付記8:形状プロファイルは、複数のCCDから取得されたデータから組み立てられた3次元形状プロファイルである、付記7に記載の方法。
付記9:形状プロファイルは、複数のレーザ光センサから取得されたデータから組み立てられた3次元形状プロファイルである、付記7に記載の方法。
付記10:1つまたはそれを上回る位置センサ(320および321)のうちの1つまたはそれを上回るものは、レーザ光センサである、付記4−9のいずれかに記載の方法。
付記11:ガラスシートは、加熱および成形に先立って定サイズに切断される、付記1−10のいずれかに記載の方法。
付記12:熱センサ(324)は、IR走査装置または/およびIR撮像センサ、随意に、レーザ光センサである、付記1−11のいずれかに記載の方法。
付記13:システムであって、
赤外線ヒータ(172)と、温度センサ(191)とを備える、第1の火炉(76)と、
赤外線ヒータ(172)と、超高周波数、高電力電磁波を生産するデバイス(177)と、第2の火炉(78)内の屈曲用鉄器具上のガラスシートに対する本デバイスのビームの形状、場所、および移動を制御するための光学システムと、1つまたはそれを上回る赤外線(IR)撮像センサとを備える、第2の火炉(78)と、
第1および第2の火炉(76および78)を通して屈曲用鉄器具(70)上のガラスシートを搬送するためのコンベヤシステムと、
1つまたはそれを上回るIR撮像センサおよび超高周波数、高電力デバイス(177)に接続され、プロセッサと、超高周波数、高電力デバイス(177)による選択的加熱によって第2の火炉(78)内のガラスシートの屈曲を制御するための命令であって、第2の火炉(78)内のガラスシートを加熱および屈曲させるためのコンピュータ実装プロトコルを備える、命令とを備える、コンピュータシステムであって、ガラスの屈曲中の1つまたはそれを上回る時点において、1つまたはそれを上回るIR撮像センサ(324)からのデータからガラスシートの温度プロファイルを取得し、取得された温度プロファイルをコンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と比較し、ガラスシートを選択的に加熱し、基準温度分布と合致させるために、超高周波数、高電力デバイス(177)を制御する、コンピュータシステムと、
IRヒータと、強制冷気対流システムと、空気ファンとを備える、ガラスシートを制御可能に冷却するための第3の加熱火炉(260)と、
を備える、システム。
付記14:超高周波数、高電力電磁波を生産するデバイス(177)は、ジャイロトロンである、付記13に記載のシステム。
付記15:屈曲中にガラスシートの1つまたはそれを上回る部分に関する位置データを取得するように配列される、1つまたはそれを上回る位置センサ(230および231)を第2の火炉(78)内にさらに備え、位置センサ(230および231)は、コンピュータシステムに接続され、コンピュータシステムは、
a.ガラスシートの屈曲中の1つまたはそれを上回る時点において、1つまたはそれを上回る位置センサ(230および231)からデータを取得し、
b.1つまたはそれを上回る時点において1つまたはそれを上回る位置センサから取得されたデータから、ガラスシートに関する形状プロファイルを生産し、
c.取得された形状プロファイルをコンピュータ実装プロトコルの基準形状プロファイルと比較し、
d.ガラスシートを選択的に加熱し、ガラスシートの形状プロファイルを基準形状プロファイルと合致させるために、超高周波数、高電力デバイス(177)を制御する、
付記13または14に記載のシステム。
付記16:1つまたはそれを上回る位置センサ(230および231)のうちの1つまたはそれを上回るものは、電荷結合素子(CCD)である、付記15に記載のシステム。
付記17:複数のCCDを備え、形状プロファイルは、複数のCCDから取得されたデータから組み立てられた3次元形状プロファイルである、付記16に記載のシステム。
付記18:1つまたはそれを上回る位置センサ(230および231)のうちの1つまたはそれを上回るものは、レーザ光センサである、付記15−17のいずれかに記載のシステム。
付記19:複数のレーザ光センサを備え、形状プロファイルは、複数のCCDから取得されたデータから組み立てられた3次元形状プロファイルである、付記18に記載のシステム。
付記20:1つまたはそれを上回るIR撮像センサ(324)のうちの1つまたはそれを上回るものは、レーザ光センサまたはCCDである、付記13−19のいずれかに記載のシステム。
付記21:IRヒータを有する第3の火炉(260)をさらに備え、コンベヤシステムはさらに、第3の火炉を通してガラスシートを搬送する、付記13−20のいずれかに記載のシステム。
付記22:第1、第2、および第3の火炉(76、78、および260)は、単一のトンネルを形成する、付記21に記載のシステム。
付記23:第1および第2の火炉(76および78)間および第2および第3の火炉(78および260)間に扉を備える、付記22に記載のシステム。
付記24:コンピュータシステムは、第1の火炉の温度を取得し、IRヒータを使用して、第1の火炉(76)の温度を調節し、コンピュータ実装プロトコルに従って予熱温度と合致させる、付記13−23のいずれかに記載のシステム。
付記25:コンピュータシステムは、第2の火炉(78)の周囲温度を取得し、IRヒータを使用して、第2の火炉(78)の温度を調節し、予熱温度を上回るものから、ガラスが弛む温度を下回るものに及ぶ温度と合致させる、付記13−24のいずれかに記載のシステム。
修正が、前述の説明に開示される概念から逸脱することなく、本明細書に開示される本発明の非限定的実施形態に成され得ることが、当業者によって容易に理解されるであろう。故に、本明細書に詳細に説明される本発明の特定の非限定的実施形態は、例証にすぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、これは、添付される請求項およびその任意および全ての均等物の全範囲を与えられるべきである。
(関連出願の相互参照)
本願は、2013年5月30日に出願され“Heating and Shaping System Using Microwave Focused Beam Heating”と題された米国特許出願第13/905,365号の一部係属出願である。該米国特許出願の内容は、参照により本明細書中に援用される。
本発明は、マイクロ波集束ビーム加熱を使用する加熱および屈曲(および/または成形)システムに関し、より具体的には、少なくとも2つ、例えば、少なくとも3つの加熱火炉を有するガラスラインに関する。第1の加熱火炉は、1つまたはそれを上回るガラス基板を第1の温度まで予熱するために使用され、第2の加熱火炉は、ガラス形成火炉であり、基板を第1の温度に維持し、マイクロ波集束ビーム加熱を使用して、1つまたはそれを上回るガラス基板の選択された部分を加熱および屈曲させ、第1の加熱火炉または第3の火炉は、1つまたはそれを上回るガラス基板を制御可能に冷却する。
また、本明細書に提供されるものは、成形されるべきガラスシートの温度および屈曲のリアルタイム監視のための方法である。
屈曲技術において屈曲用鉄器具また成形用金具と一般的に称される屈曲デバイスは、陸上、水上、航空、および宇宙車両のためのモノリシックかつ積層された透明材の製造における使用のために1つまたはそれを上回るガラスシートを成形する分野において周知である。陸上および水上車両のための透明材の製造における使用のためのガラス基板またはシートを成形するための方法は、通常、継ぎ合わされた、または平滑化された縁および事前判定されたサイズを有する1つまたはそれを上回るガラスシートを提供するステップと、ガラスシートを熱軟化させるために、屈曲用鉄器具上に支持されるガラスシートを火炉を通して移動させるステップと、ガラスシートを成形するステップと、成形されたガラスシートを焼鈍する、または焼戻しするために、成形されたガラスシートを制御可能に冷却するするステップと、陸上または水上車両のための透明材の製造において成形されたガラスシートを使用するステップとを含む。航空および宇宙車両のための透明材の製造における使用のためのガラス基板またはシートを成形するための方法は、通常、継ぎ合わされた、または平滑化された縁および事前判定されたサイズを有する1つまたはそれを上回るガラスシートを提供するステップと、ガラスシートを熱軟化させるために、屈曲用鉄器具上に支持されるガラスシートを火炉を通して移動させるステップと、ガラスシートを成形するステップと、成形されたガラスシートを焼鈍するために、成形されたガラスシートを制御可能に冷却するするステップと、成形されたガラスシートを第2の事前判定されたサイズに切断するステップと、成形されたガラスシートの縁を継ぎ合わせる、または平滑化するステップと、成形されたガラスシートを化学的に強化する、または成形されたガラスシートを熱的に焼戻しするステップと、航空または宇宙車両のための透明材の製造において強化された成形されたガラスシートを使用するステップとを含む。
陸上および水上車両のための透明材との併用のためのガラスシートを成形するステップと、航空および宇宙車両のための透明材との併用のためのガラスシートを成形するステップとの間の本議論における着目差異は、陸上および水上車両のための透明材との併用のためのガラスシートが、成形または屈曲前に定サイズに切断される一方、航空および宇宙車両のための透明材との併用のためのガラスシートが、成形前により大きいサイズに切断され、次いで、屈曲後に定サイズに切断されることである。明確化を目的として、陸上および水上車両のための透明材との併用のためのガラスシートを成形するための現在利用可能なプロセスはまた、「定サイズ切断プロセス」とも称され、航空および宇宙車両における透明材との併用のためのガラスシートを成形するための現在利用可能なプロセスは、「屈曲後切断プロセス」と称される。
定サイズ切断プロセスは、ガラスシートの加熱および屈曲に先立って所望される厳密なサイズへのガラスシートの切断を可能にする。しかしながら、定サイズ切断プロセスは、ガラスシートの表面上に発生し得る任意の可能性として考えられる損傷を考慮せず、これは、ガラスシートおよび続けて形成される透明材の光学品質を許容不可能にし得る。
本問題の1つの解決策は、その設計において屈曲用鉄器具と接触するガラスシートの表面の損傷を防止するための改良を有する屈曲用鉄器具を提供することである。そのような屈曲用鉄器具は、米国特許出願第13/714,494号に開示される。本問題の別の解決策は、火炉の温度を低下させる、および/またはガラスシートを成形するための加熱サイクルの時間期間を短縮し、シート成形プロセス中に屈曲用鉄器具と接触するガラスシートの表面の損傷を低減または排除することである。
ここで当業者によって理解され得るように、屈曲用鉄器具と接触するガラスシートの表面の損傷を排除または低減させながら、定サイズ切断プロセスを使用して、航空機および宇宙用透明材における使用のためのガラスシートを成形するプロセスおよび/またはそのための機器を提供することが、有利であろう。
また、ガラスシートの効率的かつ効果的な加熱、および/またはその複雑な形状への成形、および/またはその冷却を可能にするシステムおよび方法を提供することによって、「屈曲後切断」のプロセスを排除することが、有利であろう。
本明細書に提供されるものは、効率的かつ自動化された様式で複雑なガラスシート形状を生産するための方法およびシステムである。本明細書に提供される方法およびシステムは、それらが、過剰な熱の使用および結果として生じる損傷の可能性の増加を伴わずに、精密な個別化形状を可能にする点において、以前の技術に優る改良物である。さらに、リアルタイムフィードバックによって、本明細書に説明される方法およびシステムは、複雑な形状が毎回達成されることを確実にする。
本明細書に提供されるものは、屈曲用鉄器具上のガラスシートを600°F〜1,000°Fに及ぶ予熱温度まで予熱するステップと、シートの温度を、予熱温度を上回るものから、ガラスが弛む温度を下回るものに及ぶ温度まで、例えば、限定ではないが、1,100°F〜1,250°Fの温度範囲内で増加させるステップと、i.)コンピュータ実装プロトコルによって制御されるジャイロトロンビームを用いて、ガラスシートの一部をガラスシートの少なくとも一部が弛む温度まで選択的に加熱するステップと、ii.)選択的に加熱するステップ中またはその後の1つまたはそれを上回る時点において、1つまたはそれを上回る赤外線(IR)走査装置を用いてガラスシートの少なくとも一部を走査し、1つまたはそれを上回るIR走査装置から取得されるデータから、ガラスシートの少なくとも一部に関する少なくとも2つの次元における温度分布を取得するステップと、iii.)コンピュータ実装プロセスを使用して、取得された温度分布をコンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と比較するステップと、取得された温度分布をコンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と合致させるために、コンピュータ実装プロセスによって制御されるジャイロトロンビームを用いてガラスシートを選択的に加熱するステップとによってガラスシートを屈曲させるステップとを含む、ガラスシートを成形および/または屈曲させるための方法およびシステムである。
本明細書に付加的に提供されるものは、本明細書ではガラス予熱チャンバ/オーブンとも称される第1の火炉であって、赤外線ヒータと、温度センサとを備える、第1の火炉と、本明細書ではガラス成形、ガラス屈曲、および/またはガラス形成火炉とも称される第2の火炉であって、赤外線ヒータと、ジャイロトロンデバイスまたは超高周波数(例えば、少なくとも20GHz(ギガヘルツ)、例えば、20GHz〜300GHz)および高電力(例えば、マイクロ波スペクトル内の少なくとも5kW(キロワット))電磁波を生産し得る他のデバイスを備えるジャイロトロンシステムと、第2の火炉内の屈曲用鉄器具上のガラスシートに対するジャイロトロンデバイスのビームの形状、場所、および移動を制御するための光学システムと、1つまたはそれを上回る赤外線(IR)撮像センサとを備える、第2の火炉と、第1および第2の火炉を通して屈曲用鉄器具上のガラスシートを搬送するためのコンベヤシステムと、1つまたはそれを上回るIR撮像センサおよびジャイロトロンシステムに接続されたコンピュータシステムであって、該コンピュータシステムは、プロセッサと、ジャイロトロンシステムによる選択的加熱によって第2の火炉内のガラスシートの屈曲を制御するための命令とを備え、該命令は、第2の火炉内のガラスシートを加熱および屈曲させるためのコンピュータ実装プロトコルを備え、該コンピュータシステムは、ガラスの屈曲中の1つまたはそれを上回る時点において、1つまたはそれを上回るIR撮像センサからのデータからガラスシートの温度プロファイルを取得し、取得された温度プロファイルをコンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と比較し、ガラスシートを選択的に加熱し、基準温度分布と合致させるために、ジャイロトロンビームシステムを制御する、コンピュータシステムとを備えるシステムである。本システムは、随意に、ガラスシートを制御可能に冷却するための第3の加熱火炉を含有する。第3の火炉は、IRヒータと、強制冷気対流システムと、空気ファンとを備える。第3の火炉が存在しない場合、第1の火炉は、これらの特徴の全てを含有するであろう。
加えて、本発明は、例えば、航空機透明材のためのガラスシートを成形するように火炉システムを動作させる方法に関し、本方法は、とりわけ、
a)固定成形レールと、移動可能成形レールとして画定される、関節アーム上の成形レールとを有する屈曲用鉄器具上に平坦ガラスシートを配置するステップと、
b)ガラスシートを有する屈曲用鉄器具を火炉の内部に位置付け、ガラスシートを加熱し、固定成形レール上のガラスシートを成形しながら、ジャイロトロンからのマイクロ波エネルギーのビームを移動させ、移動可能成形レールにオーバーレイするガラスシートの一部を加熱し、関節アームの移動によってガラスシートの一部を成形するステップと、
c)1つまたはそれを上回るIR撮像センサからガラスシートの少なくとも一部の1つまたはそれを上回る熱画像を取得し、随意に、1つまたはそれを上回る3D撮像センサから1つまたはそれを上回る形状プロファイル画像を取得し、コンピュータに伝送するステップと、
d)コンピュータ実装方法を使用して、1つまたはそれを上回る熱画像、および随意に、1つまたはそれを上回る形状プロファイル画像を分析し、コンピュータ実装方法を用いて、画像を1つまたはそれを上回る基準熱画像、および随意に、1つまたはそれを上回る基準形状プロファイル画像と比較し、1つまたはそれを上回る熱画像、および随意に、形状プロファイル画像と基準画像との間の差異を判定するステップと、
e)事前判定された基準としての熱(電力および速度)プロファイルに基づいて、コンピュータ実装方法を使用して、ジャイロトロンまたは他の好適な源からのマイクロ波エネルギーのビームを指向させ、ガラスシートの一部を加熱し、1つまたはそれを上回る基準熱画像と合致させ、随意に、1つまたはそれを上回る基準形状プロファイル画像と合致させ、1つまたはそれを上回る熱画像が、1つまたはそれを上回る基準熱画像と合致するまで、および随意に、1つまたはそれを上回る形状プロファイル画像が、1つまたはそれを上回る基準形状プロファイル画像と合致するまで、分析および比較するステップを繰り返すステップと、
f)コンピュータ実装方法を通して、ガラス粘度分布を生産し、ガラスシートが、許容可能な光学品質を伴う要求される形状に形成または屈曲されることを可能にするステップと、
g)成形されたガラスシートを制御可能に冷却するステップと、
を含む。
本明細書は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
ガラスシートを成形する方法であって、
a.屈曲用鉄器具上のガラスシートを600°F〜1,000°Fに及ぶ予熱温度まで予熱するステップと、
b.上記シートの温度を、上記予熱温度を上回るものから、上記ガラスが弛む温度を下回るものに及ぶ温度まで増加させるステップと、
c.上記ガラスシートを屈曲させるステップであって、上記屈曲させるステップは、
i.コンピュータ実装プロトコルによって制御される超高周波数、高電力電磁波を生産するデバイスを用いて、上記ガラスシートの一部を上記ガラスシートの少なくとも一部が弛む温度まで選択的に加熱するステップと、
ii.上記選択的に加熱するステップ中またはその後の1つまたはそれを上回る時点において、1つまたはそれを上回る熱センサを用いて上記ガラスシートの少なくとも一部を走査し、上記1つまたはそれを上回る熱センサから取得されるデータから、上記ガラスシートの少なくとも一部に関する少なくとも2つの次元における温度分布を取得するステップと、
iii.コンピュータ実装プロセスを使用して、上記取得された温度分布を上記コンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と比較するステップと、
iv.上記取得された温度分布を上記コンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と合致させるために、上記コンピュータ実装プロセスによって制御される超高周波数、高電力デバイスのビームを用いて上記ガラスシートを選択的に加熱するステップと、
によって行われる、ステップと、
を含む、方法。
(項目2)
上記超高周波数、高電力電磁波を生産するデバイスは、ジャイロトロンである、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記取得された温度分布が、上記コンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と合致するまで、上記屈曲させるステップのステップii.−iv.を繰り返すステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
屈曲させるステップc.はさらに、
v.上記選択的に加熱するステップ中の1つまたはそれを上回る時点において、1つまたはそれを上回る位置センサから上記ガラスシートの少なくとも一部の位置データを取得し、コンピュータ実装プロセスを使用して、上記1つまたはそれを上回る時点における上記ガラスシートに関する形状プロファイルを生産するステップと、
vi.コンピュータ実装プロセスを使用して、生産された形状プロファイルを上記コンピュータ実装プロトコルの基準形状プロファイルと比較するステップと、
vii.上記ガラスシートの形状プロファイルを上記基準形状プロファイルと合致させるために、コンピュータ実装プロセスによって制御される上記超高周波数、高電力デバイスのビームを用いて上記ガラスシートを選択的に加熱するステップと、
を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
上記取得された形状プロファイルが、上記コンピュータ実装プロトコルの基準形状プロファイルと合致するまで、上記屈曲させるステップのステップv.−vii.を繰り返すステップをさらに含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
上記比較するステップiii.およびvi.は、実質的に並行して実施される、項目4に記載の方法。
(項目7)
上記位置センサのうちの1つまたはそれを上回るものは、カメラまたは電荷結合素子(CCD)である、項目4に記載の方法。
(項目8)
上記形状プロファイルは、複数のCCDから取得されたデータから組み立てられた3次元形状プロファイルである、項目7に記載の方法。
(項目9)
上記形状プロファイルは、複数のレーザ光センサから取得されたデータから組み立てられた3次元形状プロファイルである、項目7に記載の方法。
(項目10)
上記1つまたはそれを上回る位置センサのうちの1つまたはそれを上回るものは、レーザ光センサである、項目4に記載の方法。
(項目11)
上記ガラスシートは、加熱および成形に先立って定サイズに切断される、項目1に記載の方法。
(項目12)
上記熱センサは、IR走査装置またはIR撮像センサである、項目1に記載の方法。
(項目13)
システムであって、
赤外線ヒータと、温度センサとを備える、第1の火炉と、
赤外線ヒータと、超高周波数、高電力電磁波を生産するデバイスと、第2の火炉内の屈曲用鉄器具上のガラスシートに対する上記デバイスのビームの形状、場所、および移動を制御するための光学システムと、1つまたはそれを上回る赤外線(IR)撮像センサとを備える、第2の火炉と、
上記第1および第2の火炉を通して屈曲用鉄器具上のガラスシートを搬送するためのコンベヤシステムと、
上記1つまたはそれを上回るIR撮像センサおよび上記超高周波数、高電力デバイスに接続されたコンピュータシステムであって、上記コンピュータシステムは、プロセッサと、上記超高周波数、高電力デバイスによる選択的加熱によって上記第2の火炉内のガラスシートの屈曲を制御するための命令とを備え、上記命令は、上記第2の火炉内のガラスシートを加熱および屈曲させるためのコンピュータ実装プロトコルを備え、上記コンピュータシステムは、上記ガラスの屈曲中の1つまたはそれを上回る時点において、上記1つまたはそれを上回るIR撮像センサからのデータから上記ガラスシートの温度プロファイルを取得し、上記取得された温度プロファイルを上記コンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と比較し、上記ガラスシートを選択的に加熱し、上記基準温度分布と合致させるために、上記超高周波数、高電力デバイスを制御する、コンピュータシステムと、
IRヒータと、強制冷気対流システムと、空気ファンとを備える、上記ガラスシートを制御可能に冷却するための第3の加熱火炉と、
を備える、システム。
(項目14)
上記超高周波数、高電力電磁波を生産するデバイスは、ジャイロトロンである、項目13に記載のシステム。
(項目15)
屈曲中に上記ガラスシートの1つまたはそれを上回る部分に関する位置データを取得するように配列される、1つまたはそれを上回る位置センサを上記第2の火炉内にさらに備え、上記位置センサは、上記コンピュータシステムに接続され、上記コンピュータシステムは、
a.上記ガラスシートの屈曲中の1つまたはそれを上回る時点において、上記1つまたはそれを上回る位置センサからデータを取得し、
b.上記1つまたはそれを上回る時点において上記1つまたはそれを上回る位置センサから取得されたデータから、上記ガラスシートに関する形状プロファイルを生産し、
c.上記取得された形状プロファイルを上記コンピュータ実装プロトコルの基準形状プロファイルと比較し、
d.上記ガラスシートを選択的に加熱し、上記ガラスシートの形状プロファイルを上記基準形状プロファイルと合致させるために、上記超高周波数、高電力デバイスを制御する、
項目13に記載のシステム。
(項目16)
上記1つまたはそれを上回る位置センサのうちの1つまたはそれを上回るものは、電荷結合素子(CCD)である、項目15に記載のシステム。
(項目17)
複数のCCDを備え、上記形状プロファイルは、上記複数のCCDから取得されたデータから組み立てられた3次元形状プロファイルである、項目16に記載のシステム。
(項目18)
上記1つまたはそれを上回る位置センサのうちの1つまたはそれを上回るものは、レーザ光センサである、項目15に記載のシステム。
(項目19)
複数の上記レーザ光センサを備え、上記形状プロファイルは、上記複数のCCDから取得されたデータから組み立てられた3次元形状プロファイルである、項目18に記載のシステム。
(項目20)
上記1つまたはそれを上回るIR撮像センサのうちの1つまたはそれを上回るものは、レーザ光センサまたはCCDである、項目13に記載のシステム。
(項目21)
IRヒータを有する第3の火炉をさらに備え、上記コンベヤシステムはさらに、上記第3の火炉を通して上記ガラスシートを搬送する、項目13に記載のシステム。
(項目22)
上記第1、第2、および第3の火炉は、単一のトンネルを形成する、項目21に記載のシステム。
(項目23)
上記第1および第2の火炉間および上記第2および第3の火炉間に扉を備える、項目22に記載のシステム。
(項目24)
上記コンピュータシステムは、上記第1の火炉の温度を取得し、上記IRヒータを使用して、上記第1の火炉の温度を調節し、上記コンピュータ実装プロトコルに従って予熱温度と合致させる、項目13に記載のシステム。
(項目25)
上記コンピュータシステムは、上記第2の火炉の周囲温度を取得し、上記IRヒータを使用して、上記第2の火炉の温度を調節し、上記予熱温度を上回るものから、上記ガラスが弛む温度を下回るものに及ぶ温度と合致させる、項目13に記載のシステム。
図1は、透明材の積層構造を図示する、積層航空機透明材の断面図である。
図2は、本発明の教示に従って成形される、成形されたシートの斜視図である。
図3は、とりわけ、図2の成形されたシートを提供するために、本発明の教示に従って成形され得る平坦シートの斜視図である。
図4は、とりわけ、ガラスシート、例えば、限定ではないが、図3のシートを図2に示される成形されたシートに成形するために、本発明の実践において使用され得る屈曲デバイスの非限定的実施形態の斜視図である。
図5は、本発明の教示による、とりわけ、ガラスシートを加熱および成形するために、例えば、限定ではないが、図3のシートを図2に示される成形されたシートに加熱および成形するために、本発明の実践において使用され得る火炉システムの非限定的実施形態の斜視図である。
図6は、図5に示される火炉の立面断面図である。
図7は、図5および6に示される火炉システムの隣接する内部間の熱損失を低減させるために、本発明の特徴を組み込む、明確化を目的として除去される部分を有する火炉扉の斜視図である。
図8は、屈曲用鉄器具、例えば、限定ではないが、図4に示される屈曲用鉄器具を支持するための搬器および搬器を図5および6に示される火炉の入口端に移動させるための移動可能コンベヤ区分の斜視図である。
図9は、本発明の教示による、センサからの信号を受信し、信号に作用するためのマイクロプロセッサを図示する。
図10は、ガラスシートの選択された部分を加熱するために、本発明の実践において使用され得るジャイロトロンを示す部分的に断面の概略図である。
図11は、1つまたはそれを上回るガラスシートのスタックの一部を選択的に加熱するためのジャイロトロンのマイクロ波ビームの経路を示す平面図である。
図12は、とりわけ、ガラスシートを加熱および成形するために、本発明の実践において使用され得る本発明の特徴を組み込む、火炉システムの立面断面側面図である。
図13は、とりわけ、ガラスシートを加熱および成形するために、本発明の実践において使用され得る本発明の特徴を組み込む、火炉システムの立面平面図である。
図14は、とりわけ、ガラスシートを加熱および成形するために、本発明の実践において使用され得る本発明の火炉の立面断面図である。
図15は、本発明の火炉システムの立面断面図である。
図16は、本発明による、ガラスシートを成形する方法のフロー図を図示する。
本明細書で使用されるように、「左」、「右」、「内側」、「外側」、「上方」、「下方」、および同等物等の空間または方向的用語は、これが図面において示されるように本発明に関連する。しかしながら、本発明は、種々の代替配向をとり得、故に、そのような用語は、限定として見なされるべきではないことを理解されたい。さらに、本明細書で使用されるように、本明細書および請求項において使用される寸法、物理的特性、処理パラメータ、成分量、反応条件、および同等物を表す全ての数は、用語「約」によって全ての事例において修飾されるものと理解されたい。故に、そうでないことが示されない限り、以下の明細書および請求項に記載される数値は、本発明によって取得されるように追求される所望の性質に応じて、変動し得る。少なくとも、本請求項の範囲に対する均等論の適用を限定する企図としてではなく、各数値は、少なくとも報告された有効数字の数に照らして、かつ通常の端数処理技法を適用することによって解釈されるべきである。さらに、本明細書に開示される全ての範囲は、開始範囲値および終了範囲値、およびその中に組み込まれる任意の部分的範囲および全ての部分的範囲を包含するように理解されたい。1の最小値と10の最大値との間の(およびこれらの値を含む)範囲にわたって、つまり、全ての部分的範囲は、1またはそれを上回る最小値で開始し、10またはそれを下回る最大値で終了し、例えば、1〜3.3、4.7〜7.5、5.5〜10、および同等物である。さらに、本明細書で使用されるように、用語「わたる」は、上を意味するが、必ずしも、表面と接触することを意味しない。例えば、第2の基板に「わたる」第1の基板は、第1および第2の基板間に位置する同一または異なる組成物の1つまたはそれを上回る他の基板の存在を除外しない。
本発明を議論する前に、本発明は、具体的な例証される実施例が、単に、一般的な発明的概念の例証であるため、その用途においてそれらに限定されないことを理解されたい。さらに、本発明を議論するために本明細書で使用される専門用語は、説明を目的とし、限定的ではない。またさらに、以下の議論で別様に示されない限り、同様の番号は、同様の要素を指す。
以下の議論の目的に関して、本発明は、航空機透明材のためのシートを成形することに関して議論されるであろう。本願に関して、用語「ガラス成形」は、ガラス屈曲および/またはガラス形成の概念を指す。これらの用語は、本願全体を通して同義的に使用される。理解されるであろうように、本発明は、シートの材料に限定されず、例えば、シートは、限定ではないが、ガラスシートまたはプラスチックシートであり得る。本発明の広範な実践では、シートは、任意の所望の特性を有する任意の所望の材料から作製されることができる。例えば、シートは、可視光に対して不透明、透明、または半透明であり得る。「不透明」とは、0%の可視光透過率を有することを意味する。「透明」とは、0%を上回るもの〜100%の範囲内の可視光透過率を有することを意味する。「半透明」とは、電磁エネルギー(例えば、可視光)が通過することを可能にするが、視認者に対向する側上の物体が明確に可視ではないように本エネルギーを拡散させることを意味する。本発明の好ましい実践では、シートは、透明ガラスシートである。ガラスシートは、従来のソーダ石灰シリカガラス、ホウケイ酸ガラス、またはリチア−アルミナ−シリカガラスを含むことができる。ガラスは、透明ガラスであり得る。「透明ガラス」とは、非着色または非有色ガラスを意味する。代替として、ガラスは、着色される、または別様に有色のガラスであり得る。ガラスは、焼鈍、熱処理、または化学的に強化されることができる。本発明の実践では、ガラスは、従来のフロートガラスであり得、任意の光学性質、例えば、任意の値の可視透過率、紫外線透過率、赤外線透過率、および/または合計太陽エネルギー透過率を有する任意の組成物であり得る。「フロートガラス」とは、従来のフロートプロセスによって形成されるガラスを意味する。フロートガラスプロセスの実施例が、米国特許第4,744,809号および第6,094,942号(その特許は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
本発明の一実施例では、ガラスは、米国特許第8,062,749号に開示されるタイプの透明リチア−アルミナ−シリカガラスであり、本発明の別の実施例では、ガラスは、米国特許第4,192,689号、第5,565,388号、および第7,585,801号に開示されるタイプの透明ソーダ石灰シリカガラスであった。
ガラスシートは、航空機のための成形されたモノリシックまたは成形された積層透明材の製造において使用されることができる。しかしながら、理解され得るように、本発明の成形されたガラスシートは、限定ではないが、フロントガラス、窓、尾灯、サンルーフおよびムーンルーフ、積層または非積層住宅用および/または商業用窓、断熱ガラスユニット、および/または陸上、航空、宇宙、水上、および水中車両のための透明材等、任意のタイプの透明材の製造において使用されることができる。車両透明材、住宅用および商業用透明材、および航空機透明材、および同一物を作製する方法の非限定的実施例が、米国特許第4,820,902号、第5,028,759号、第6,301,858号、および第8,155,816号(その特許は、本明細書に参照することによって本明細書に組み込まれる)に見出されている。
図1に示されるものは、本発明の実践によって作製され得る構成要素を有する、例示的積層航空機フロントガラス20の断面図である。フロントガラス20は、第1のウレタン中間層30によってビニル中間層またはシート28に固着される第1のガラスシート22を含み、ビニル中間層28は、第2のウレタン中間層34によって加熱可能部材32に固着される。当分野で使用されるタイプの縁部材または防湿層36、例えば、限定でないが、シリコーンゴムまたは他の可撓性耐久性耐湿性材料が、(1)フロントガラス20の周辺縁38、すなわち、ビニル中間層28、第1および第2のウレタン中間層30、34、および加熱可能部材32の周辺縁38、(2)フロントガラス20の外面42の周縁または周縁縁部40、すなわち、フロントガラス20の第1のガラスシート22の外面42の周縁40、および(3)フロントガラス20の外面46の周縁または周縁縁部44、すなわち、加熱可能部材32の外面46の周縁に固着される。
第1のガラスシート22、ビニル中間層28、および第1のウレタン中間層30は、フロントガラス20の構造的部分または内側区分を形成する。フロントガラス20の外面42は、車両、例えば、航空機(図示せず)の内部に面する。ウレタン層34および加熱可能部材32は、フロントガラス20の非構造的部分または外側区分を形成する。フロントガラス20の表面46は、航空機の外部に面する。加熱可能部材32は、フロントガラス20の外面46から曇りを除去する、および/またはその上の氷を溶解させるために熱を提供する。
図2に示されるものは、本発明の教示に従って成形される、2枚の成形されたガラスシート60および61である。ガラスシート60および61はそれぞれ、湾曲した端部部分62および64と、成形された中間部分66とを有する。例えば、成形されたガラスシート60および61は、図4に示される屈曲用鉄器具70を使用して、図3に示される平坦ガラスシート68および69から成形されることができる。「Bending Device For Shaping Glass For Use In Aircraft Transparencies」と題され、2012年12月14日に出願された、米国特許出願第13/714,494号に開示されている屈曲用鉄器具が、本発明の実践において使用されることができる。米国特許出願第13/714,494(以降では、「米国特許出願第‘494号」とも称される)の開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。屈曲用鉄器具70の詳細な議論に関して、米国特許出願第‘494号に注目されたい。本文書の図4は、米国特許出願第‘494号の図4に対応する。理解され得るように、本発明は、屈曲用鉄器具70に限定されず、任意の設計の屈曲用鉄器具が、任意の所望の形状に1つのシートを成形する、または2つのシート68および69(図3参照)を同時に成形する、または2つを上回るシートを成形するために、本発明の実践において使用されることができる。
図5および6は、例示的火炉74、例えば、限定ではないが、ガラスシート、例えば、限定ではないが、成形されたガラスシート68および69を加熱および成形するための本発明の火炉システムまたは装置を示す。火炉74は、第1のチャンバ76または火炉と、第2のチャンバ78または火炉とを含む。第1のチャンバ76は、屈曲用鉄器具70(図4)上に支持される、または位置付けられる、ガラスシート、例えば、限定ではないが、平坦ガラスシート68または平坦ガラスシート68および69(図3参照)を予熱し、成形されたガラスシートを焼鈍するために、屈曲用鉄器具70上に支持される、または位置付けられる、成形されたガラスシート、例えば、限定ではないが、成形されたガラスシート60または成形されたガラスシート60および61(図2)を制御可能に冷却する。第2のチャンバ78は、本発明の教示に従って、平坦ガラスシート68および69の一部を選択的に加熱し、ガラスシート68および69を所望の形状、例えば、本発明を限定するものではないが、図2に示される成形されたガラスシート60および61の形状に成形する。
第1のチャンバ76は、第1の開口部80(第1のチャンバ76の「入口80」とも称される)と、第1の開口部80に対向し、それから離間される第2の開口部82(第1のチャンバ76の「出口82」とも称される)とを有する(第2の開口部は、図6に明確に示される)。第2のチャンバ78は、第1の開口部84(第2のチャンバ78の「入口84」とも称される)と、第2のチャンバ78の第1の開口部84に対向し、それから離間される第2の開口部86(第2のチャンバ78の「出口86」とも称される)とを有する。本配列では、屈曲用鉄器具70上に支持される平坦シート68および69は、ガラスシート68および69を予熱するために、第1のチャンバ76の第1の開口部80を通して、第1のチャンバ76の内部88(図6参照)に移動される。予熱されたガラスシート68および69は、ガラスシート68および69を制御可能に加熱し、本発明の教示に従ってガラスシートを成形するために、第1のチャンバ76の第2の開口部82を通して、かつ第2のチャンバ78の第1の開口部84を通して、第2のチャンバ78の内部90(図6参照)に移動される。加熱された成形されたガラスシート60および61は、成形されたガラスシートを制御可能に冷却するために、第2のチャンバ78の内部90から、第2のチャンバ78の第1の開口部84および第1のチャンバ76の第2の開口部82を通して、第1のチャンバ76の内部88に移動される。その後、成形されたガラスシート60および61は、第1のチャンバ76の内部88から、第1のチャンバ76の第1の開口部80を通して移動される。
第1のチャンバ76の内部88および第2のチャンバ78の内部90は、第1のチャンバ76の入口80に扉92、第2のチャンバ78の入口84に扉94、および第2のチャンバ78の出口86に扉96を提供することによって、相互に、かつ火炉74の外部の環境から分離される。理解され得るように、本発明は、それぞれ、入口80、入口84、および出口86に提供される扉92、94、96のタイプに限定されず、任意の扉設計および/または構造が、本発明の実践において使用されることができる。例えば、扉92および96は、設計および構造において類似し得る。前述に照らして、本議論は、ここで、別様に示されない限り、本議論が扉96を対象とすることを理解して、扉92の設計および構造を対象とする。図5を参照すると、扉92は、チャンバ76の入口80を開放するために上向きに移動し、入口80を閉鎖するために下向きに移動し、扉96に関して、開口部86を開放するために上向きに移動し、開口部86を閉鎖するために下向きに移動する往復垂直移動のために、軌道102および104内に搭載される側98および100を有する。火炉78の開口部86は、とりわけ、火炉78の修復を行い、それに対する保守を実施し、火炉78の内部90を清掃する、例えば、限定ではないが、割れたガラスを除去し、以下に詳細に議論される火炉74を拡張するために使用される。
扉92および96は、相互に離間され、回転シャフト114上に搭載される車輪110および112の対を含む滑車配列108によって、二方向矢印106によって指定される往復垂直経路に沿って移動される。ケーブル116、118は、それぞれ、扉92および96の側98、100に隣接して上側121に固着される一方の端部120(扉92に関して明確に示される)と、各々が空気シリンダ126に接続されるケーブル116、118の対向する端部124(図5の扉92および96に関して明確に示される)とを有する。
例えば、扉92および94は、それぞれ、鋼から作製される一方の側128と、ステンレス鋼から作製される、火炉のうちのその個別のものの内部に面する対向する側129とを有する外側金属筐体127から作製されることができる。筐体127の内部は、Kaowool断熱材130(図6に明確に示される)を用いて充填されることができる。
成形されたガラスシート60および61は、第1の火炉の中に移動され、焼鈍される。
ガラスシートを焼鈍する方法は、当分野で周知であり(例えば、米国特許第7,240,519号(その特許は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)参照)、いかなるさらなる議論も、必要であると見なされない。シートが焼鈍された後、扉92は、離昇され、成形されたガラスシートは、第1の火炉76から除去される。成形されたガラスシート60および61が第1の火炉76から除去されるときの第1の火炉76と第2の火炉78との間の温度差は、800〜1,000°Fの範囲内の温度に到達し得る。より具体的には、第1の火炉76の温度は、200°Fと同程度に低くあり得、焼鈍された成形されたガラスシート60および61が第1の火炉76から移動可能コンベヤ202上で除去される温度である一方、第2の火炉78の温度は、1,000°Fを上回り得、ガラス予熱温度である。それぞれ、第1および第2の火炉76および78間の熱損失を低減させるために、扉94は、0.80BTU/(hr・ft・°F)を下回る熱伝導率を有することができる。
図7を参照すると、例示的扉94は、パイプフレーム94aの側94cに固着されるステンレス鋼11ゲージシート94bと、パイプフレーム94aの側94eに固着されるステンレス鋼11ゲージシート94dとを有する、パイプフレーム94aを含む。1 1/2インチの厚さを有する、Super Firetemp(R)Mという登録商標で販売される断熱材料の層133が、ステンレス鋼シート94bおよび94d間のパイプフレーム94a内に提供された。断熱材料の層94gが、鋼シート94dにわたって提供され、0.008〜0.010インチ厚さのステンレス鋼箔94hを用いて被覆される。扉94は、火炉78の内部に面するステンレス鋼シート94hとともに搭載される。開口部94iおよび94jが、室温圧縮空気をパイプフレーム94aを通して移動させ、扉94を冷却し、パイプフレーム94aおよびシート94bおよび94dの撓みを防止するために、コンプレッサ(図示せず)に接続される。随意に、層94gの周辺縁は、箔94hによって被覆される。
扉94は、垂直に往復する反転されたU形部材136(図5に明確に示される)に接続される。より具体的には、扉94は、ロッド138によってU形部材136の中間脚部137に接続され、外側脚部139および140が、任意の便宜的な様式で、それぞれ、垂直軌道141および142内に往復垂直移動のために搭載される(図5参照)。U形部材は、電気モータ145(図6のみに示される)によって、垂直に上向きかつ下向きに移動される。扉94が下位置にあると、火炉78の入口84は、閉鎖され、扉94が上位置にあると、火炉78の入口84は、開放される。上位置では、図6に示されるように、扉94は、火炉78の金属屋根150の垂直延長部148によって一方の側上に形成されるエンベロープ146の中に移動され(図6参照)、エンベロープ146の別の側152は、軌道140および142間に固着されるセラミックまたは金属壁から作製される(図5参照)。
第1の火炉76の設計および構造は、本発明を限定するものではなく、ガラスシートを所望の温度、例えば、平坦ガラスシート68および69の軟化する、または弛む温度を下回る温度まで加熱または予熱し、ガラスシートの表面の損傷を回避し、成形されたガラスシート、例えば、限定ではないが、以下に議論される様式で成形されたガラスシート60および61を制御可能に冷却するための任意のタイプの火炉である。より具体的には、600〜900°Fの範囲内の予熱温度が、リチウムソーダ石灰ガラスシートに対して提供され、900〜1,025°Fの範囲内の予熱温度が、ソーダ石灰シリカガラスシートに対して提供される。第1の火炉76は、火炉76の内部88を提供するために、側壁160(図6参照)および対向する側壁162(図5参照)と、上面壁または天井164と、底面壁166とを含むことができる。スタブロール168が、以下に議論される様式で第1の火炉76の内部88の内外に搬器170(図8参照)を移動させるために、側壁160および162を通して第1の火炉76の内部88に延在する。赤外線ヒータ172が、第1の火炉76の内部88を所望の温度まで加熱するために、側壁160および162(側壁162のみが、図6に示される)の内面174、天井164の内面176、および底面壁166上に提供される。加えて、第1の火炉は、火炉の熱を測定するためのサーモカップル191を備える。サーモカップル以外の他のデバイスも、火炉の温度を測定するために採用されることができる。
第2の火炉78の設計および構造は、本発明を限定するものではなく、ガラスシートを所望の温度、例えば、本発明を限定するものではないが、リチウムソーダ石灰ガラスシートに対して900°Fを上回る加熱温度およびソーダ石灰シリカガラスシートに対して1,025°Fを上回る加熱温度まで加熱するための任意のタイプの火炉である。1,100°F〜1,250°Fの範囲内等のガラスを弛ませる熱温度が、好ましい。例えば、成形されるべきガラスシートの一部、例えば、限定ではないが、成形されたガラスシート60および61(図2参照)は、ジャイロトロンまたは任意の他の好適なマイクロ波エネルギー源によって生成されるマイクロ波エネルギーを使用して、そのより高い成形温度まで加熱される。図5および6を参照すると、第2の火炉78の屋根または天井184上に搭載される、超高周波数、高電力電磁波を生産するデバイス177、例えば、示されるようなジャイロトロン、光学ボックス178、およびミラーボックス179が、示される。ジャイロトロン177、光学ボックス178、およびミラーボックス179の動作は、以下により詳細に議論される。
第2の火炉78は、構造において第1の火炉76と類似し、火炉78の内部90を提供するために、側壁181(図6参照)および対向する側壁182(図5参照)と、上面壁または天井184と、底面壁186(図6参照)とを含む。スタブロール168(図6参照)が、以下に議論される様式で第2の火炉78の内部90の内外に搬器170(図8参照)を移動させるために、側壁180および182を通して第2の火炉78の内部90に延在する。赤外線ヒータ172は、第2の火炉78の内部90を所望の温度まで加熱するために、側壁180および182(側壁181が図6に示され、側壁182が図5に示される)の内面188、天井184の内面、および底面壁186上に提供されることができる。リチウムケイ酸アルミニウムガラスシートに関して、火炉78の内部90は、600〜900°Fの範囲内の温度まで加熱され、ソーダ石灰ケイ酸ガラスシートに関して、火炉78の内部90は、900〜1,000°Fの範囲内の温度まで加熱された。概して、本発明を限定するものではないが、火炉76の予熱温度およびジャイロトロンが通電解除された火炉78の温度は、火炉76内のガラスシートによって達成される温度が火炉78内で維持されるように、類似する。
それぞれ、火炉76および78の内部88および90の温度が、サーモカップル191によって測定された。サーモカップル191は、信号をコンピュータマイクロプロセッサシステム193(図9参照)に転送する。コンピュータマイクロプロセッサシステム193は、それぞれ、火炉76および78の内部88および90の温度を判定するように信号に作用する。火炉内部のうちの一方または両方の温度が、設定温度を下回る場合、信号が、火炉の熱入力を増加させるために、ライン195に沿って転送される。一方、火炉内部88および90のうちの一方または両方の温度が、高すぎる場合、信号が、火炉への熱入力を減少させるために、ライン195に沿って転送される。火炉内部の温度が、許容可能な範囲内である場合、いかなる措置も、講じられない。
火炉74のためのコンベヤシステムは、スタブロールを回転させるためのシャフトと、シャフトにパワー供給するためのモータとを含むギヤリング配列192(図5参照)によって駆動される、第1の火炉76のスタブコンベヤロール168を含み(ギヤリング配列192のシャフトおよびモータは、示されない)、スタブロールを回転させるためのシャフトと、シャフトにパワー供給するためのモータとを含むギヤリング配列194(図5参照)によって駆動される、第2の火炉78のスタブコンベヤロール168を含む(ギヤリング配列194のシャフトおよびモータは、示されない)。当業者によって理解されるように、スタブロールを使用するコンベヤは、当分野で周知であり、いかなるさらなる議論も、必要であると見なされない。
図3−8を参照すると、必要に応じて、装填ステーション(図示せず)において、1つまたはそれを上回るガラスシートが、屈曲用鉄器具、例えば、図4に示される屈曲用鉄器具70上に位置付けられる。2つのガラスシート、例えば、ガラスシート68および69(図3参照)が、屈曲用鉄器具70上に位置付けられ、随意に、セラミック粉末(図示せず)が、成形されたガラスシート60および61の固着を防止するために使用されることができる。シート68および69を有する屈曲用鉄器具70は、搬器170(図8)上に位置付けられ、搬器170は、移動可能コンベヤ202のスタブロール200上に配置される。移動可能コンベヤ202は、装填エリアから火炉エリアに移動される。第1の火炉76の92は、開放され(図5および6参照)、移動可能コンベヤ202は、移動可能コンベヤ202のスタブロール200を第1の火炉76のスタブロール168と整合させるように開口部80の中に移動される。搬器170は、次いで、第1の火炉76の隣接するスタブロール168と係合するように移動され、搬器170は、第1の火炉76のスタブロール168によって火炉76の内部88に移動される。スタブロール168の回転は、搬器170が第1の火炉76の内部88の事前判定された位置にあるときに停止され、これは、通常、第1の火炉76内の最も高温の位置である。スタブロール168の回転が停止した後、屈曲用鉄器具70およびガラスシート68および69を有する搬器170は、ガラスシート68および69が所望の温度に到達するまで第1の火炉76内に留まり、例えば、リチウムケイ酸アルミニウムガラスに対する温度は、600〜900°Fの範囲内であり、ソーダ石灰シリカガラスに対する温度は、900〜1,000°Fの範囲内である。随意に、搬器170は、シート68および69の周囲で火炉内の加熱された空気を循環させるために、コンベヤ移動経路に沿って上流および下流にわずかに移動されることができる。
ガラスシートの温度は、任意の便宜的な様式で監視されることができ、例えば、ガラスシート68および69の温度は、Land Instruments International(Dronfield, UK)(Land)によって製造される光学パイロメータまたは光学熱走査装置等の光学パイロメータまたは光学熱走査装置によって監視される。パイロメータまたは熱走査装置204が、第1の火炉76の屋根164上に搭載される(図5参照)。より具体的には、パイロメータまたは熱走査装置204、例えば、限定ではないが、(Landによって作製される)光学熱走査装置は、搬器170が火炉76および78を分離する扉94に向かって移動する際のガラスの温度を測定する。信号が、ライン204aに沿って、コンピュータマイクロプロセッサシステム193(図9参照)に転送される。ガラスの温度が許容可能な予熱温度範囲内、例えば、ガラスが弛む温度をわずかに下回る温度である場合、搬器170は、火炉78の中に移動される。ガラスが許容可能な成形温度範囲内ではない場合、搬器170は、成形火炉78の中に移動されず、適切な措置、例えば、限定ではないが、ガラス温度が低すぎる場合、火炉76の温度を増加させる措置、またはガラス温度が高すぎる場合、火炉76の温度を減少させる措置が、講じられる。
ガラスシート68および69が所望の温度に到達した後、第2の火炉78の扉94は、開放され、第1の火炉76および第2の火炉78のスタブロール168は、搬器170を、第2の火炉78の開口部84を通して、以下に詳細に議論されることになる第2の火炉78の内部90内の指定された成形位置に移動させるように通電される。第2の火炉78の扉94は、搬器170が第2の火炉78の内部を通過した後の任意の時点で閉鎖されることができる。ガラスシート68および69および屈曲用鉄器具70を有する搬器170が、第2の火炉78の内部88内の指定された成形位置に位置付けられた後、または搬器170が、以下に議論されるように扉94を通過した後、扉94は、閉鎖され、以下に詳細に議論されるジャイロトロン177を使用する本発明の成形プロセスが、実践される。
ガラスシート68および69が成形された後、ジャイロトロン177は、通電解除または無効にされ、第2の火炉78の扉94は、開放される。それぞれ、第1および第2の火炉76および78のスタブロール168は、成形されたシート60および61を有する搬器170を、第2の火炉の内部90から、第2の火炉78の開口部84を通して、第1の火炉74の内部88に移動させるように通電される。搬器170が第1の火炉76の内部88に移動された後、第2の火炉78の扉94は、閉鎖される。成形されたガラスシートは、シートを焼鈍するために制御可能に冷却される。焼鈍プロセスが完了すると、第1の火炉76の扉92は、開放され、移動可能コンベヤ202(図8参照)は、第1の火炉76のスタブロール168と整合するように第1の火炉76の開口部80の中に移動される。第1の火炉のスタブロール168は、搬器170を第1の火炉76の内部88から移動可能コンベヤ202上に移動させるように通電される。搬器170を有する移動可能コンベヤは、抜取ステーション(図示せず)に移動され、成形されたガラスシートは、任意の通常の様式で屈曲用鉄器具70から除去される。
本議論は、ここで、1つまたはそれを上回るガラスシートの一部をその屈曲または成形温度まで加熱するために、ジャイロトロン177(必要に応じて図5、6、および10参照)を使用することを対象とする。留意されることとして、本願は、ジャイロトロンシステムの使用を説明する。ジャイロトロンは、非限定的実施例であり、シートの外面および内部を含む、シートの厚さを通してガラスシートをスポット加熱するために採用され得る任意の好適なシステムである。好適なシステムは、マイクロ波スペクトル内の超高周波数、例えば、少なくとも20GHz(ギガヘルツ)および高電力、例えば、少なくとも5kW(キロワット)電磁波を生産するシステムを含む。例えば、クライストロンまたは進行波管等であるが、これらのデバイスの出力周波数およびワット数は、ジャイロトロンシステムのものを下回る。先に議論されるように、航空機透明材のためのガラスは、例えば、それに限定されないが、ガラスシートが屈曲用鉄器具上に静止し、屈曲のための所望の温度を達成するために要求される長い時間期間からもたらされる、光学歪みを有するガラスシートの部分を除去するために、屈曲後切断プロセスを使用して作製される。例えば、ガラスの所望の屈曲を達成するために、伝統的な方法を使用するガラスシートの表面の過熱は、ジャイロトロンまたは高エネルギー電磁放射の他の源の使用によって不必要になることが予期される。ガラスシート表面温度は、ガラスシートの選択された部分をその屈曲または成形温度まで内部加熱するようにジャイロトロンを使用して、30〜40%だけ低下されることができる。ここで理解され得るように、火炉温度を調整する伝統的な方法によってガラス表面を過熱する必要性の低減およびその上にガラスシートが位置する屈曲用鉄器具および/または成形レールの過熱の結果として生じる排除は、ガラス損傷を有意に低減させ、屈曲後切断プロセスの代わりに定サイズ切断プロセスを使用して、例えば、航空機透明材のためのガラスシートの屈曲を大幅に促進する。
ジャイロトロンは、赤外線テラヘルツ(THz)スペクトルの端に接近する高電力高周波数電磁放射を生成することが可能な高出力線形ビーム真空管である。その動作は、例えば、超伝導磁石によって提供されるような強力な磁場内で発振する電子の刺激されたサイクロトロン放射に基づく。20GHz〜300GHzに及ぶ出力周波数を有し、少なくとも5kWの電力出力を有するマイクロ波発生器等、高電力高周波数電磁波を生成することが可能な任意の好適なマイクロ波発生器が、好適であろう。ジャイロトロン177の種々の部分を示す概略図が、図10に示される。概して、本発明を限定するものではないが、ジャイロトロン177の動作では、ガンコイル磁石208によって囲繞されるカソード206によって放出される電子が、超伝導磁石210の強力な磁場内で加速される。電子ビーム212が磁石210の強い磁場を通して進行する間に、電子は、磁場の強度によって与えられる具体的周波数において回転し始める。最も高い磁場強度を伴う位置に位置する空洞214内で、THz放射は、強く増幅される。モードコンバータ216が、窓222を通してジャイロトロン177を離れる自由ガウシアンビーム217を形成するために使用され、導波管224に結合される。ジャイロトロンの動作は、当分野で周知であり、いかなるさらなる議論も、必要であると見なされない。ジャイロトロンは、例えば、Gyrotron Technology, Inc.(Philadelphia, Pennsylvania)から商業的に利用可能である。
継続して図10を参照すると、自由ガウシアンビーム217は、導波管224を通して光学ボックス178に通過する。光学ボックス178は、自由ガウシアンビーム217を単一ビーム225にコリメートさせ、ビーム225のサイズ、例えば、直径を制御するように当分野で公知なように配列される、ミラー(図示せず)を有する。コリメートされたビーム225は、導波管226を通して光学ボックス178を離れ、ミラーボックス179の中に通過する。ミラーボックス179は、円錐230(図6および10参照)によって画定される事前判定された面積を通してビーム225を移動させるために、1つまたはそれを上回る移動可能ミラー228(1つのミラーが、図10の透視図に示される)を有する。図10では、円錐230を通して移動するビーム225は、平坦ガラスシート、例えば、屈曲用鉄器具、例えば、屈曲用鉄器具70(図4)上に位置付けられる平坦ガラスシート68および69に入射する。シート68および69および屈曲用鉄器具70は、図10のブロック図に示される。
本議論は、ここで、屈曲用鉄器具70の関節アーム234(図4)によって成形される平坦ガラスシート68および69の部分232(図3参照)および屈曲用鉄器具70の固定された成形レール238によって成形される部分236を加熱するためにジャイロトロン177からのビーム225を使用することを対象とする。概して、関節アーム234の成形レール239上に位置付けられる平坦ガラスシート68および69は、関節アーム234を図4に視認されるような下位置に維持し、これは、重り240を上位置に維持する。屈曲用鉄器具70の関節アーム234の成形レール239にオーバーレイするガラスシート68および69の部分232が、ガラスシート68および69の成形温度まで加熱されるにつれて、重り240は、下向きに移動し、関節アーム234を上向きに移動させ、ガラスシート68および69の部分232を図2のシート60および61上に示される形状232に成形する。屈曲用鉄器具70の関節アーム234の動作のより詳細な議論に関して、米国特許出願第494号を参照するべきである。平坦ガラスシート68および69の部分236は、固定された成形レール238によって、成形されたガラスシート60および61の部分236に成形される。本発明の実践では、ガラスシート62の部分232および236は、リチウムケイ酸アルミニウムガラスに対して1,000〜1,100°Fの範囲内およびソーダ石灰ケイ酸ガラスシートに対して1,100〜1,200°Fの範囲内の屈曲温度に迅速に到達するために、ジャイロトロン177からのビーム225によって加熱される。
マイクロプロセッサまたはコンピュータシステム193(図9)は、例えば、限定ではないが、ワイヤ239に沿って送信される信号によって、成形されているガラスシートの部分に入射するビーム225のサイズを設定するための光学ボックス178のミラーの動作を制御し、区域230(図10参照)内のビーム225の移動の方向および速度を制御するためにミラーボックス179のミラー228の移動を制御し、およびアノード電圧、磁場の強度、および/またはジャイロトロンのシステムに印加される電圧を改変することによってビーム225のエネルギーを制御するようにプログラムされる。必要に応じて図9および10を参照すると、マイクロプロセッサ193によって動作されるミラー228は、上面ガラスシート、例えば、ミラーボックス179に面する上面ガラスシート68の表面246上の事前判定された経路244に沿ってビーム225を移動させる。エネルギービーム225は、番号236によって指定されるシートの面積内の経路244に沿って移動する際、固定された成形レール238(図4参照)の形状をとるように、ガラスシートをそのガラスシートが軟化する温度まで加熱する。エネルギービーム225は、番号232(図11参照)によって指定されるシートの面積内の経路244に沿って移動する際、ガラスシートをその成形温度まで加熱し、その時点で、屈曲用鉄器具70の関節アーム234は、面積232内のシートを成形する。ミラーボックス177の各側上で火炉78の屋根180を通して搭載されるものは、ガラスの温度を監視するためのパイロメータ250(図6参照)である。パイロメータ250は、ワイヤ251によってマイクロプロセッサまたはコンピュータ193に接続され、信号をマイクロプロセッサ193に送信し、マイクロプロセッサは、信号をワイヤ239に沿って転送し、経路244に沿ったビーム225の速度を改変することによって、および/または上記に議論されるようにビームのエネルギーを改変することによって、ガラスの選択された部分の温度を所望の温度範囲内に維持する。より具体的には、ビーム225の速度を減少させることは、ガラスの温度を増加させ、逆もまた同様であり、アノード電圧、磁場、および/または印加される電圧を増加させることは、ガラスの温度を増加させ、逆もまた同様である。
以下は、航空機透明材の製造における使用のためのガラスシートを成形するための本発明の実施例である。平坦ガラスシート68および69(図3)は、屈曲用鉄器具70(図4)上に位置付けられる。屈曲用鉄器具70は、搬器170(図7)内に配置され、搬器は、コンベヤ202のスタブロール200上に配置される。屈曲用鉄器具70およびガラスシート68および69を有する搬器170は、第1の火炉76のスタブロール168によって第1の火炉76(図6)の内部88に移動される。第1の火炉76の閉鎖された内部内のガラスシートは、ガラスの軟化点温度を下回る温度まで加熱される。その後、加熱されたガラスシート68および69を有する搬器170は、第1の火炉76および第2の火炉78のスタブロール168によって、第2の火炉78の内部90に移動され、円錐230(図6および10参照)の面積内に位置付けられる。
第2の火炉78の内部90の温度は、第1の火炉76の内部88と略同一の温度、すなわち、屈曲用鉄器具70上のガラスシートの成形温度を下回る温度である。本温度では、屈曲用鉄器具上に位置付けられるガラスシートは、成形されていない。搬器170がシートを円錐230内に位置付けた後、ジャイロトロン177、光学ボックス178、およびミラーボックス179が、ビーム225を走査経路244(図10参照)に沿って移動させるように通電される。ビーム225が走査経路244に沿って移動する際、ジャイロトロン177は、作業モードである。エネルギービーム225は、番号236によって指定されるシートの面積内の経路244に沿って移動する際、固定された成形レール238(図4参照)の形状をとるように、ガラスシートをそのガラスシートが軟化する温度まで加熱する。エネルギービーム225は、番号232(図9参照)によって指定されるシートの面積内の経路244に沿って移動する際、ガラスシートをその成形温度まで加熱し、その時点で、屈曲用鉄器具70の関節アーム234は、面積232内のシートを成形する。ビームが走査経路の区分250に沿って移動する際、ビームは、シート68の区分232を加熱するために、作業モードである。シート68の区分または部分232が加熱されるにつれて、シート区分は、軟化し、屈曲用鉄器具の重り240は、関節レール238を上向きに移動させ、シート268の部分232を成形する。シートが成形された後、ジャイロトロン177への電力は、ジャイロトロンおよびビーム225をアイドルモードにするために、低減または切断される。
それぞれ、第2および第1の火炉78および76のスタブロール168は、成形されたシート60および61を有する搬器170を、第2の火炉78の内部90から、第1の火炉76の内部88に移動させる。第1の火炉76内の成形されたシートは、成形されたガラスシートを焼鈍するために制御可能に冷却される。その後、搬器170は、第1の火炉76のスタブロール168によって移動可能コンベヤ202上に移動され、移動可能コンベヤは、抜取エリア(図示せず)に移動される。
ここで理解され得るように、扉92および94(図5および6参照)が開放されているとき、搬器170(図9参照)が、火炉76および78の中に、かつ火炉76および78間で移動されることを確かめるように注意する。安全特徴として、搬器170が火炉76および78を通して移動される際、その位置を追跡するために、追跡センサ300、302、および304が、使用された。本発明を限定するものではないが、追跡センサ300、302、および304はそれぞれ、生成された連続光ビーム、例えば、限定ではないが、検出器に入射するレーザ生成光ビームを含んでいた。搬器170が連続光ビームを通して移動したとき、ビームは、検出器から離れるように指向され、検出器は、ケーブル306に沿ってマイクロプロセッサ193に信号を送信し、光ビームが検出器に入射していないことを示した。コンピュータマイクロプロセッサシステム193は、扉92または扉94を開閉するために、ワイヤ308に沿って信号を送信する。例証として、本発明を限定するものではないが、追跡検出器300は、搬器170の幅を上回る距離だけ扉92から離間される火炉76内に位置付けられる。光ビームの進行は、搬器170の進行経路に対して直角である。搬器170が火炉76の中に移動する際、搬器170は、センサ300の検出器から離れるようにビームを指向させることによって、光ビームを中断する。追跡センサ300の検出器は、ケーブル306に沿ってマイクロプロセッサ193に信号を送信し、光ビームが検出器に衝突していないことを示し、マイクロプロセッサは、扉92を閉鎖するようにモータ124(図5参照)に通電するために、ケーブル308に沿って信号を送信する。
随意に、ガラスシート68および69は、搬器170が火炉76を通して移動するにつれて加熱される、またはガラスシート68および69は、火炉の中心に移動され、シートを加熱するために停止される。ガラスシートが加熱された後、ガラスシート68および69(図3参照)および搬器170は、火炉76および78を分離する扉94に向かって移動される。搬器は、センサ302の光ビームを中断し、信号が、扉94を上昇させるようにモータ145に通電するために、ケーブル308に沿ってコンピュータマイクロプロセッサシステム193に転送される。本システムは、搬器170が、いずれの中断も伴わずに第1の火炉76から第2の火炉78の中に連続的に移動し得るようにタイミングをとられる。搬器170は、火炉78の中に移動し、完全に進入した後、火炉78は、センサ304の光ビームを中断する。センサ304は、扉94を閉鎖するために、ケーブル308に沿ってマイクロプロセッサ193に信号を転送し、マイクロプロセッサ193は、扉94を閉鎖するようにモータに通電するために、ケーブル308に沿って信号を転送する。搬器170は、成形位置に移動され、コンベヤは、停止する。理解され得るように、成形位置から検出器304の光ビームまでの距離および搬器170の速度は、公知であり、本方式で、コンベヤの運動は、搬器およびガラスシートが成形位置にあるとき、停止されることができる。本発明の別の実施例では、追跡センサ309(透視図において示され、図6のみに示される)が、搬器170を成形位置に位置付けるために使用される。搬器170が追跡センサ309の光ビームを変位させる、または中断すると、信号が、例えば、ケーブル306に沿ってコンピュータマイクロプロセッサシステム193に転送され、コンピュータマイクロプロセッサシステムは、スタブロールの回転を停止させ、搬器170およびガラスシートを成形位置に位置付けるために、例えば、ケーブル308に沿って信号を転送する。随意に、センサ309およびコンピュータマイクロプロセッサシステムのタイミングは、ビームに対して搬器を位置付けるために使用されることができる。
ガラスシート68および69が成形された後、搬器170および成形されたシートは、火炉74から移動される。より具体的には、本発明を限定するものではないが、センサ304の光ビームを偏向または中断する搬器170は、扉94を開放し、検出器302の光ビームを中断するものは、扉94を閉鎖し、検出器300の光ビームを中断するものは、扉92を開放する。
理解され得るように、本発明は、火炉74の設計に限定されず、本発明は、限定ではないが、上記に議論される図5および6および以下に議論される図12−15に示される火炉等の任意のタイプの火炉を用いて本発明を実践することを想定する。より具体的には、図12に示されるものは、上記に議論される、それぞれ、第1および第2の火炉76および78を有する火炉258および第2の火炉78の第2の開口部86(図5、6、および12参照)に取り付けられる火炉260である。火炉260は、第1の火炉76と同じではないにしても、それと類似する。図12に示される火炉配列では、シート68および69を有する屈曲用鉄器具70を有する搬器170は、矢印270によって指定される経路に沿って火炉76を通して移動し、第1の火炉76に関して上記に議論されるように、火炉78を通してガラスシート68および69を予熱し、ガラスシート68を成形し、火炉260を通して成形されたガラスシート60および61を焼鈍することができる。本発明の第2の実施例では、火炉258は、上記に議論されるように、それぞれ、第1および第2の火炉76および78を使用して、屈曲用鉄器具70およびガラスシート68および69を有する搬器170を矢印272によって指定される往復経路に沿って移動させ、火炉76および78と類似する様式で火炉78および260を使用してガラスシート68および69の第2の群を成形し、ガラスシートの第2の群を矢印274によって指定される往復経路に沿って移動させることによって、ガラスシート68および69を成形することができる。
図13を参照すると、番号261によって指定される火炉の別の実施例が、示される。火炉261は、火炉76、78、および260(図12参照)と、火炉262および264とを含む。成形火炉78は、火炉262および264間にある。火炉261を使用して処理されるガラスは、図13に視認されるように、水平方向における進行経路270および278と、垂直方向における進行経路270aおよび278aとを有し、図13に視認されるように、往復進行経路272および274と、垂直方向における往復進行経路275および276とを有する。進行経路276に沿って移動するガラスシートは、火炉262および78および火炉264および78の内外に移動することができる。理解され得るように、図13に示される火炉78のための運搬システムは、搬器を経路278に沿って火炉262、78、および262を通して移動させるために、および搬器を経路278aに沿って火炉76、78、および260を通して移動させるために、二段運搬システムを用いて調節可能である、またはそれを提供される。
図14を参照すると、番号280によって指定される本発明の火炉のさらに別の非限定的実施形態が、示される。火炉280は、平坦ガラスシート68および69が矢印284の方向に移動する際、それらを予熱するための第1のトンネル火炉282を含む。ガラスシート68および69は、屈曲用鉄器具70上に位置付けられることができる、または上記に議論されるように、屈曲用鉄器具70は、搬器170内に位置付けられることができる。トンネル火炉282の出口端287に位置付けられる成形火炉286は、任意の数の成形区域、例えば、実線において示される1つの成形区域230、または透視線において示される2つの成形区域231、または実線230および透視線231において示される3つの成形区域を提供するために、任意の数のジャイロトロンを有することができる。第2のトンネル火炉288が、成形されたガラスシート60および61を制御可能に冷却するために、成形火炉286の出口端289に接続される。加えて、描写されるものは、熱センサ324および位置センサ320および321である。
熱センサ324は、広く公知であり、商業的に利用可能であるような、電荷結合素子(CCD)、赤外線レーザ光センサデバイス、熱撮像デバイス、または熱走査装置等、ガラスシートの1つまたはそれを上回る部分の温度を表すデータを生産することが可能なIR走査装置またはIR撮像センサ等の任意のセンサまたは走査デバイスである。ガラスシートの表現は、コンピュータ実装プロセスによって、熱センサから取得される未加工CCDデータ等のデータを組み立て、ガラスシートの少なくとも一部の2次元または3次元温度プロファイルを生産することによって生産されることができる。以下に示されるように、熱センサから取得される熱データおよびそのデータから生産される温度プロファイルは、コンピュータ実装プロセスにおいて基準温度プロファイルと比較され、生産される温度プロファイルと基準温度プロファイルとの間の任意の差異が、ガラスシートの温度プロファイルを基準温度プロファイルのものと合致させるために、ジャイロトロンによるガラスシートの選択的加熱をトリガする。これらのタスクおよび本明細書に示される任意のタスクを実施するためのコンピュータ実装プロセスは、コンピュータ撮像およびプロセス技術における当業者によって容易に考察および実装される。ガラスシートの正確かつ有用なリアルタイム熱プロファイルを取得するために、1つまたはそれを上回る熱センサが、使用されることができ、1つを上回る異なるタイプのセンサが、採用され得る。
位置センサ320および321は、ガラスシートの形状を表すデータを生産することが可能な任意のデバイスである。位置センサの非限定的実施例は、広く公知であり、商業的に利用可能であるようなCCDおよびレーザ光センサである。データが、位置センサ320および321から取得され、コンピュータ実装プロセスによって組み立てられ、火炉78内のガラスシートの形状プロファイルを生産する。以下に示されるように、位置センサから取得される位置データおよびそのデータから生産される形状プロファイルは、コンピュータ実装プロセスにおいて基準形状プロファイルと比較され、生産される形状プロファイルと基準形状プロファイルとの間の任意の差異が、ガラスシートの形状プロファイルを基準形状プロファイルのものと合致させるために、ジャイロトロンによるガラスシートの選択的加熱をトリガする。屈曲プロセス中のガラスシートのリアルタイム形状プロファイルに関連する有意義なデータが取得される限り、任意の数の位置センサが、使用されることができる。同様に、1つを上回るタイプの位置センサが、屈曲プロセス中のガラスシートの正確かつ有用なリアルタイム表現を取得するように、生産された形状プロファイルを取得するために使用されることができる。例えば、任意の時点におけるガラスシートの屈曲度を最良に判定するために、2つのCCDが、ガラスシートの立体形状プロファイルを生成するために使用され得る一方、1つまたはそれを上回るレーザ距離センサが、ガラスシートの表面上の1つまたはそれを上回る点の空間的場所または配向を判定するために使用される。
熱および形状データの取得および処理、および温度および形状プロファイルを生産するためのそれらのデータの使用は、屈曲プロセス中に1回またはそれを上回る回数、例えば、それらの間の任意の増分を含む0.0001、0.001、0.01、0.1、0.5、1、2、5、10、15、20、30、および60秒毎を含む、0.0001〜60秒毎に及ぶ間隔において繰り返され得る。さらに短い時間間隔が、想定され、コンピュータシステムのスループット(例えば、処理能力)のみによって限定される。ジャイロトロンシステムは、コンピュータシステムがデータを分析し得るのと同程度に迅速にコンピュータシステムに応答することが可能ではない場合があり、したがって、走査間隔は、ジャイロトロンシステムの応答性に基づいて設定され得る。したがって、熱プロファイル、および随意に、空間的プロファイルの走査および分析は、関連するハードウェアの限界内で、ジャイロトロンの制御よりも速いレートで実施されることができる。
当業者によって理解されるように、シートの成形中、第1のトンネル火炉282の入口開口部290および第2のトンネル火炉288の出口開口部292は、開放されたままであり得る。成形火炉286に出入りするための扉は、好ましくは、成形されるべきガラスシートを火炉288の内外に移動させるために開放され、成形火炉286内のガラスシートの成形中、扉(図5および6参照)は、シート成形プロセス中の熱損失を最小限にするために閉鎖される。随意に、本発明の範囲内で、トンネル火炉の扉は、ガラスシートを成形するためのトンネル火炉を通したガラスシートの連続的移動のために開放されたままであり得る。
図15は、図6の火炉システムの実施例を図式的に示す。図6の火炉と図15のものとの間の動作および構造的差異を示すために不必要である図6の詳細は、可視化を容易にするために省略されるが、図15に含まれる。図6のように、図15の火炉システム74は、第1のチャンバ76と、第2のチャンバ78と、U形部材136によって支持される扉94とを含む。第1のチャンバ76は、赤外線ヒータの使用を通して、コンベヤ202上で搬送されるガラスシートを900〜1,000°Fの範囲内の温度まで予熱するが、他の好適な予熱温度も、ガラスシートの材料に応じて利用され得る。使用時、ガラスシートは、(図示しないが、本明細書に描写および説明されるように)屈曲用鉄器具上に支持される、または位置付けられる。本明細書では成形チャンバとも称される第2のチャンバ78は、ガラスシートの所望の形状を達成するために、平坦ガラスシートの一部を選択的に加熱する。第2のチャンバ78の赤外線ヒータは、約1,000〜1,100°Fまでのチャンバの温度またはガラスシートの成形または弛み温度をわずかに下回る任意の温度を維持する。ガラスシートの具体的部分が、ジャイロトロン177と、光学ボックス178と、ミラーボックス179とを含むジャイロトロンビームシステムによって、第2のチャンバ78内で選択的に加熱される。本明細書に説明される高エネルギーマイクロ波システムの使用の利益は、マイクロ波源、例えば、ジャイロトロンが、ガラスシートを内部から、かつガラスシート上の精密な場所で加熱することである。一方、伝統的な赤外線ヒータは、ガラス表面のみを加熱し、熱伝導を通して、エネルギーは、ガラスの中に通過する。その結果、伝統的な赤外線加熱下では、ガラス表面は、内部ガラス温度よりも有意に高温であり、したがって、ガラス屈曲のために望ましくない製造条件の可能性を増加させる。「選択的加熱」とは、ジャイロトロンビームシステムがガラスの具体的面積、部分、または場所を加熱するように指向され、ガラスシートを弛ませ、所望の形状を生産することを意味する。いったんガラスシートが所望の仕様に成形されると、これは、制御可能に冷却される。示される実施形態では、第1のチャンバ76はまた、ガラスシートを焼鈍するための冷却チャンバとしての役割を果たし、したがって、いったんガラスシートが第2のチャンバ78内で成形されると、これは、第1のチャンバ76に戻され、これは、制御された様式で冷却される。火炉システム74は、第2のチャンバ78の第1のチャンバ76から対向する側上に第3のチャンバを含むことができ、コンベヤ202は、第1のチャンバ76から、第2のチャンバ78を通して、第3の火炉にガラスを連続的に通過させる。図14の火炉システム280は、類似する配向を描写する。第3の火炉の包含は、ガラスシートが線形様式で本システムを通して移動することが可能である点において、本プロセスを簡略化し得る。第3の火炉は、成形されたガラスシートを制御可能に冷却し、成形されたガラスシートを焼鈍することが可能である冷却チャンバである。第3の火炉は、成形されたガラスシートが焼戻しまたは熱強化され得るように修正され得る。
図6に示されるパイロメータ204に加えて、またはその代わりに、赤外線センサ324が、提供されることができる。パイロメータ204および/または赤外線センサ324は、ガラスシート全体および/またはガラスの具体的部分の温度を監視する。本明細書で使用されるように、「部分」は、物体の全体または100%を下回る量であり、ガラスシート等の物体上および/またはその中の点、線、面積、領域等であり得る。
一側面における本明細書に説明される方法およびシステムは、少なくとも本明細書に説明されるガラスシートの加熱および屈曲の進度を監視および制御するために、コンピュータ、例えば、限定ではないが、マイクロプロセッサ193に依拠する。コンピュータまたはコンピュータシステムは、パーソナルコンピュータ(PC)、クレジットカードコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、タブレット、ワークステーション、サーバ、メインフレーム/エンタープライズサーバ等の任意の物理的形態をとることができる。コンピュータ、コンピュータシステム、またはマイクロプロセッサシステム、またはコンピュータマイクロプロセッサシステムという用語は、本明細書では同義的に使用される。コンピュータは、1つまたはそれを上回るプロセッサ、例えば、中央処理ユニット(CPU)を含み、これは、コンピュータに対する命令を実行する。コンピュータはまた、システムバス等の任意の好適な構造によってプロセッサに接続される、メモリ、例えば、RAMおよびROM(例えば、UEFIまたはBIOSを記憶する)を含む。コンピュータはまた、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、光学ドライブ、テープドライブ、フラッシュメモリ(例えば、不揮発性コンピュータ記憶チップ)、カートリッジドライブ、および新しいソフトウェアをロードするための制御要素等、コンピュータ可読媒体/メディアの形態において、プログラミングおよびデータを記憶するための非一時記憶装置を備える。本明細書に説明されるようなコンピュータシステムは、種々のハードウェア要素の任意のトポロジによって、またはその相対的場所によって限定されず、当業者がコンピュータシステムを実装する際に採用する、多様な物理的構造および仮想構造を認識する。
データ、プロトコル、コントローラ、ソフトウェア、プログラム等が、コンピュータ内で、例えば、ハードドライブまたはSSD内でローカルに、ローカルエリアネットワークまたは広域ネットワーク内で、例えば、サーバ、ネットワーク関連ドライブ(NAS)の形態で、または接続がインターネット接続を経由して成されるように、例えば、遠隔アクセスを介して遠隔に記憶され得る。本明細書に説明される方法およびシステムによって生産または使用される画像、温度プロファイル、または形状プロファイル等のデータは、1つまたはそれを上回る目的のために編成されるデータの集合である、データベース内のコンピュータ可読媒体上で編成され得る。典型的なコンピュータの要素を形成する他の例示的ハードウェアは、限定ではないが、広く公知であるようなユニバーサルシリアルバス(USB)、SATA、eSATA、SCSI、Thunderbolt、ディスプレイ(例えば、DVIまたはHDMI(登録商標))、およびイーサネット(登録商標)ポート、および、グラフィックスカード等のCPUの一体部品、マザーボードのサブシステム、または別個のハードウェアデバイスであり得るグラフィックスアダプタ等の入力/出力デバイス/ポートを含む。Wi−Fi(IEEE 802.11)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の無線通信ハードウェアおよびソフトウェアもまた、コンピュータ内に含まれ得る。コンピュータの要素は、同一の筐体内に格納される必要はなく、任意の好適なポート/バスを介してメインコンピュータ筐体に接続されることができる。典型的なコンピュータでは、少なくともCPU、メモリ(ROMおよびRAM)、入力/出力機能性、および多くの場合、ハードドライブまたはSSD、およびディスプレイアダプタが、ともに格納され、任意の有用なトポロジの高性能バスによって接続される。
記憶およびメモリ能力を有するコンピュータは、本明細書では「プログラミング命令」と称される、プログラムされるようにコンピュータシステムに相互作用および動作するように独立して、または集合的に命令するために実行可能な命令の設計、記憶、および実行を可能にする、コントローラ側面を含むことができる。コンピューティングの文脈では、コンピュータ実装プロセス(すなわち、プログラム)は、概して、数学的または論理的公式または演算、アルゴリズム等の実装等の結果を生成する任意のコンピュータ実装アクティビティを指す。
コントローラの一実施例は、命令の実行を指示するためにコンピュータシステム上にインストールされるソフトウェアアプリケーション(例えば、基本入力/出力システム(BIOS)、ユニファイドエクステンシブルファームウェアインターフェース(UEFI)、オペレーティングシステム、ブラウザアプリケーション、クライアントアプリケーション、サーバアプリケーション、プロキシアプリケーション、オンラインサービスプロバイダアプリケーション、および/またはプライベートネットワークアプリケーション)である。一実施例では、コントローラは、WINDOWS(登録商標)ベースのオペレーティングシステムである。コントローラは、任意の好適なコンピュータ言語(例えば、C\C++、UNIX(登録商標) SHELL SCRIPT、PERL、JAVA(登録商標)、JAVASCRIPT(登録商標)、HTML/DHTML/XML、FLASH、WINDOWS(登録商標) NT、UNIX(登録商標)/LINUX(登録商標)、APACHE、ORACLEを含むRDBMS、INFORMIX、およびMySQL)および/またはオブジェクト指向技法を利用することによって実装され得る。
コントローラは、任意のタイプの機械、コンポーネント、物理的または仮想機器、記憶媒体、または命令をコンピュータシステムに送達することが可能な伝搬信号において恒久的または一時的に具現化されることができる。特に、コントローラ(例えば、ソフトウェアアプリケーションおよび/またはコンピュータプログラム)は、コンピュータシステムが記憶媒体を読み取る場合、本明細書に説明される機能が実施されるように、コンピュータシステムによって可読である、任意の好適なコンピュータ可読媒体(例えば、ディスク、デバイス、または伝搬信号)上に記憶され得る。
コンピュータは、例えば、ガラスシートに対する屈曲プロセスを制御する命令およびデータである、「プロトコル」を含有する。種々のモデル化技法が、プロトコルを開発するために使用され得、コンピュータ実装プロトコルの一部として実装され得る。モデル化技法は、ガラス屈曲プロセスに関して特有の科学的かつ数学的モデルを含み、これは、高品質の最終ガラスシートを達成するために必要な、プロセスの異なる段階において要求される温度を判定することが可能である。例えば、第1の火炉の出口における予熱温度、ガラス形成火炉内のガラス形成/屈曲温度プロファイル、いったん形成プロセスが完了したときの出口ガラス温度、およびガラス焼鈍温度がある。プロトコルは、ジャイロトロンビームシステムを制御し、加熱プロファイルを確立し、ガラスシートに関する具体的形状を達成する。ジャイロトロンビームは、ジャイロトロンビームの経路、速度、幅、形状、周波数、ある場所(ガラスシート上の位置)における滞留時間、または強度/エネルギー(例えば、キロワット、kW)を改変する等、種々の方法で操作されることができる。一実施形態では、ビーム幅、ビーム形状、強度/エネルギー、および周波数は、一定であるが、ジャイロトロンビームの場所、経路、速度、および/またはある場所における滞留時間は、シート上に所望の加熱プロファイルを提供するように改変される。別の実施例では、ビームがガラスシートの表面を横断して一定の速度で移動している間、所望の熱プロファイルを生産するために、ジャイロトロンビームの電力は、操作されることができる。別の実施例では、同一の効果を達成するために、電力およびビーム速度の両方を変更することができる。プロトコルは、ジャイロトロンユニットまたはジャイロトロン後光学素子によって制御され得る、場所、経路、強度/エネルギー、速度、ビーム形状、ビーム直径、および出力周波数等、少なくともジャイロトロンビームの任意のまたは全ての可能性として考えられるパラメータを制御するための命令を備える。したがって、プロトコルは、ガラスシートの所望の形状およびサイズを達成するためにガラスシート上の熱プロファイルおよび/または熱分布を制御する。プロトコルの一部として含まれるものとして、コンピュータは、熱および位置センサ、特に、熱センサ、および随意に、位置センサからのリアルタイムデータを受信および処理する。コンピュータは、次いで、リアルタイムデータから、温度プロファイル、および随意に、形状プロファイルを生産する。温度プロファイルおよび形状プロファイルは、単に、屈曲プロトコルと関連して記憶される基準温度および形状プロファイルと比較され得るコンピュータ内の表現である。コンピュータシステムは、生産されたプロファイルを基準プロファイルと比較し、ガラスシート上の1つまたはそれを上回る場所における生産されたプロファイルと基準プロファイルとの間の差異を判定し、差異が存在し、ガラスシート上の1つまたはそれを上回る位置が、ガラスシートの温度および形状を基準プロファイルと合致させるために加熱を要求する場合、コンピュータは、ジャイロトロンビームの1つまたはそれを上回るパラメータを制御し、ガラスシートの一部を選択的に加熱し、それらの差異を補正する。上記に加えて、随意に、コンピュータは、本明細書に説明される任意の実施例による本システムの1つまたはそれを上回るチャンバおよび/または火炉のサーモカップルまたはIR走査装置等、1つまたはそれを上回る温度センサから付加的温度データを受信し、サーモスタットとして作用し、例えば、本システムにおいて利用されるIRヒータ、送風機等の出力を調節することによって、チャンバの周囲温度を監視および調節する。例えば、一側面では、(例えば、図6に示されるような)サーモカップルは、図15に示されるような第2の火炉78の温度を検出する。第2の火炉78が所望の温度にない場合、コンピュータは、例えば、上記に説明されるようなコンピュータ実装プロセスを使用して、第2の火炉78の実際の周囲温度を、第2の火炉78に関する記憶された基準周囲温度と比較し、記憶された基準周囲温度に到達するために、第2の火炉78の熱を自動的に調節する。本明細書に説明される火炉に関する「周囲温度」とは、火炉内の1つまたはそれを上回る点における雰囲気の温度を意味し、ガラスシートの温度を指さない。
別の側面では、熱センサ324は、屈曲されているガラスシートのIR画像を捕捉するIRレーザ光センサであり、これは、コンピュータに送信され、これは、捕捉された画像を、特定のガラスシートに関するガラス屈曲プロトコルの一部として記憶される基準画像と比較し、ガラス上のある位置が、ガラス屈曲プロトコルの一部として記憶される画像内の同一の位置のものよりも低い温度にある場合、ジャイロトロンビームが、その位置の温度が、ガラス屈曲プロトコルの一部として記憶される画像の基準温度と合致するまで、その位置を加熱するように指向される。本明細書で使用されるように、ガラスシートから具体的形状を生産するためのプロトコルは、屈曲プロセス中の1つまたはそれを上回る時点における具体的形状およびガラスシートに関する、1つまたはそれを上回る基準温度分布プロファイルおよび形状プロファイルを含有する。
図15はまた、随意の位置センサ320を描写する。撮像を可能にするために必要な範囲においてガラスシートの照明を提供するための好適な光源もまた、採用され得るが、加熱されたガラスは、典型的には、撮像目的のために十分な光を放出する。位置センサは、リアルタイムで画像捕捉またはデータの捕捉のいずれかを可能にし、ガラスシート上の1つまたはそれを上回る位置の空間的位置を示す、単一のユニットまたは複数のユニットを含む。非限定的実施例は、Rockwell Automation(Allen Bradly)から取得される位置センサであり、例えば、42CM 18 mm LaserSightまたは42EF LaserSight RightSightが、好適な位置センサである。位置センサは、チャンバ78内でともに格納されるか、またはその中の別個の場所に格納されるかのいずれかである、1つまたはそれを上回るCCDおよび/またはレーザ光センサデバイス等の撮像センサであり得る。CCDおよび/またはレーザ光センサデバイスセンサデバイスは、コンピュータ内で、または本デバイス内で処理される2D画像を出力する。画像は、その2D形態において使用されることができる、またはコンピュータによって3D画像を形成するように処理されることができ、ガラスシート上の任意の部分または点のリアルタイム空間的位置および形状を示し、次いで、その2Dプロファイルをプロトコルと関連付けられる基準プロファイルと比較し、ガラスシートの形状プロファイルを基準プロファイルと合致させるためにジャイロトロンを用いて加熱を調節する、ガラスシートのプロファイルを生産する。多種多様な位置、距離、測定、変位、プロファイル、2D、および3Dセンサ、例えば、レーザセンサが、例えば、限定ではないが、Rockwell Automation(Allen Bradly)、Emerson Electric(St.Louis Missouri)、Schmitt Industries, Inc.(Portland Oregon)、およびOmron Automation & Safety(Hoffman Estates, Illinois)から商業的に利用可能である。いずれの場合も、位置センサは、コンピュータに接続され、データが、随意に、上記に説明されるIRデータと協調して位置センサから取得され、そのデータは、特定のガラスシートを屈曲させるためのプロトコルと関連付けられる基準データと比較され、ガラスシートの任意の部分の温度が、ジャイロトロンビームを使用して調節されることができる。
図15に示されるように、2つの位置センサ320、321が、示される。任意の所与の時点におけるガラスシートの合成3D画像または画像のセットが、任意の時点におけるガラスシートの形状を評価するように、コンピュータ実装プロセスによって生成されることができる。ガラスシートおよび/またはその一部のコンピュータシステム生成3D画像、合成画像、または画像のセットは、プロトコルの基準形状プロファイルの値と比較されることができ、プロトコル内に記憶される所望の形状からの逸脱が存在する場合、コンピュータシステムは、随意に、2D赤外線撮像センサ324からの赤外線画像データと組み合わせて、ジャイロトロン177および/または第2の火炉78の周囲温度を制御し、ガラスシートまたはその一部を加熱し、レシピの要件を満たすようにガラスシートを成形する。図16は、図15に関連して議論されるような2つまたは3つのチャンバを採用する、本明細書に説明される方法の非限定的実施形態を図示するフローチャートを提供する。
ジャイロトロンビームは、ジャイロトロンビームの経路、速度、幅、周波数、ある場所における滞留時間、またはエネルギー強度または電力を改変する等、種々の方法で操作されることができる。一実施例では、ビーム幅、エネルギー、および周波数は、一定であるが、ジャイロトロンビームの場所、経路、速度、および/またはある場所における滞留時間は、シート上に所望の加熱プロファイルを提供するように改変される。
「温度プロファイル」または「温度分布プロファイル」は、そのガラスシートを加熱、屈曲、および冷却するプロセス中の任意の時点または複数の時点における具体的ガラスシートの任意の部分または複数の部分の温度を指す。本明細書で使用されるように、「基準温度プロファイル」は、その具体的ガラスシートを屈曲させるためのプロトコルと関連してコンピュータシステム内にローカルに、またはそれから遠隔に記憶される、任意の具体的ガラスシートに関する温度分布プロファイルを指す。基準温度プロファイルは、具体的ガラスシートの具体的形状を生産するために、公式および/または試行錯誤等による任意の方法によって生成または開発される。ガラスシートから所望の形状を生産するための基準温度分布プロファイルは、とりわけ、ガラスシートの組成物、所望の形状、および屈曲用鉄器具の形状および機能性を含む、種々の要因に依存するであろう。基準として事前判定された温度プロファイルを使用し、最終的に、ガラスシートを選択的に加熱するようにジャイロトロンシステムを操作することによって、均一なガラス粘度分布が、ガラスの内側だけではなく、ガラス全体を通して生産される。本ガラス粘度の均一な分布は、ガラス表面の過熱を排除し、結果として、ガラスシートは、満たされた光学品質を伴う要求された形状に形成または屈曲されるであろう。
用語「「形状プロファイル」は、ガラスシートを加熱、屈曲、および冷却するプロセス中の任意の時点または複数の時点におけるガラスシートの2Dまたは3D形状を指す。「基準形状プロファイル」は、その具体的ガラスシートを屈曲させるためのプロトコルと関連してコンピュータシステム内にローカルに、またはそれから遠隔に記憶される、ガラス形成プロセスの任意の時点の任意の具体的ガラスシートに関する形状プロファイルを指す。基準形状プロトコルは、具体的ガラスシートの具体的形状を生産するために、公式および/または試行錯誤等による任意の方法によって生成または開発される。事前判定された熱分布のように、ガラスシートから所望の形状を生産するための基準形状プロファイルは、とりわけ、ガラスシートの組成物、所望の形状、屈曲用鉄器具の形状および機能性を含む、種々の要因に依存するであろう。
本発明はさらに、機器を動作させる人物への損傷を限定または防止するために、および/または機器への損傷を防止または限定するために、安全機器の使用を想定する。例えば、本議論を限定するものではないが、機器は、アーク検出器330を含む。アーク検出器330は、火炉78内に搭載され、ケーブル306を用いてマイクロプロセッサ193に接続されるフォトセルを含む。アーク放電は、当分野で公知なように、イオン化物質、例えば、限定ではないが、粉塵の浮遊ポケットであり、光のバーストとして出現する。アーク放電現象は、当分野で周知であり、いかなるさらなる議論も、必要であると見なされない。検出器330のフォトセルは、アーク放電を感知し、信号をケーブル305に沿って転送する。マイクロプロセッサ193は、信号をケーブル308に沿って転送し、ジャイロトロンをシャットダウンし、火炉78の周囲の人員およびジャイロトロン機器への損傷を防止する。
本発明の実施例は、2つのガラスシートを成形するために議論された。ここで理解され得るように、本発明は、それに限定されず、本発明は、1つのシート、または2つを上回るシート、例えば、限定ではないが、3つ、4つ、またはそれを上回るシートに対して実践されることができる。
本発明はさらに、以下の付番された付記において特徴付けられることができる。
付記1:ガラスシートを成形する方法であって、
a.屈曲用鉄器具(70)上のガラスシートを600°F〜1,000°Fに及ぶ予熱温度まで予熱するステップと、
b.シートの温度を、予熱温度を上回るものから、ガラスが弛む温度を下回るものに及ぶ温度まで増加させるステップと、
c.ガラスシートを屈曲させるステップであって、該屈曲させるステップは、
i.ガラスシートの一部をデバイス(177)を用いて選択的に加熱するステップであって、該デバイスは、該ガラスシートの少なくとも一部が弛む温度までコンピュータ実装プロトコルによって制御される、超高周波数、高電力電磁波を生成する、ステップと、
ii.選択的に加熱するステップ中またはその後の1つまたはそれを上回る時点において、1つまたはそれを上回る熱センサ(324)を用いてガラスシートの少なくとも一部を走査し、1つまたはそれを上回る熱センサ(324)から取得されるデータから、ガラスシートの少なくとも一部に関する少なくとも2つの次元における温度分布を取得するステップと、
iii.コンピュータ実装プロセスを使用して、取得された温度分布をコンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と比較するステップと、
iv.取得された温度分布をコンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と合致させるために、コンピュータ実装プロセスによって制御される超高周波数、高電力デバイス(177)のビーム(225)を用いてガラスシートを選択的に加熱するステップと、
によって行われる、ステップと、
を含む、方法。
付記2:超高周波数、高電力電磁波を生産するデバイス(177)は、ジャイロトロンである、付記1に記載の方法。
付記3:取得された温度分布が、コンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と合致するまで、屈曲させるステップのステップii.−iv.を繰り返すステップをさらに含む、付記1または2に記載の方法。
付記4:屈曲させるステップc.はさらに、
v.選択的に加熱するステップ中の1つまたはそれを上回る時点において、1つまたはそれを上回る位置センサ(320および321)からガラスシートの少なくとも一部の位置データを取得し、コンピュータ実装プロセスを使用して、1つまたはそれを上回る時点におけるガラスシートに関する形状プロファイルを生産するステップと、
vi.コンピュータ実装プロセスを使用して、生産された形状プロファイルをコンピュータ実装プロトコルの基準形状プロファイルと比較するステップと、
vii.ガラスシートの形状プロファイルを基準形状プロファイルと合致させるために、コンピュータ実装プロセスによって制御される超高周波数、高電力デバイス(177)のビーム(225)を用いてガラスシートを選択的に加熱するステップと、
を含む、付記1−3のうちのいずれか1つに記載の方法。
付記5:取得された形状プロファイルが、コンピュータ実装プロトコルの基準形状プロファイルと合致するまで、屈曲させるステップのステップv.−vii.を繰り返すステップをさらに含む、付記4に記載の方法。
付記6:比較するステップiii.およびvi.は、実質的に並行して実施される、付記4または5に記載の方法。
付記7:位置センサ(320および321)のうちの1つまたはそれを上回るものは、カメラまたは電荷結合素子(CCD)である、付記4−6のいずれかに記載の方法。
付記8:形状プロファイルは、複数のCCDから取得されたデータから組み立てられた3次元形状プロファイルである、付記7に記載の方法。
付記9:形状プロファイルは、複数のレーザ光センサから取得されたデータから組み立てられた3次元形状プロファイルである、付記7に記載の方法。
付記10:1つまたはそれを上回る位置センサ(320および321)のうちの1つまたはそれを上回るものは、レーザ光センサである、付記4−9のいずれかに記載の方法。
付記11:ガラスシートは、加熱および成形に先立って定サイズに切断される、付記1−10のいずれかに記載の方法。
付記12:熱センサ(324)は、IR走査装置または/およびIR撮像センサ、随意に、レーザ光センサである、付記1−11のいずれかに記載の方法。
付記13:システムであって、
赤外線ヒータ(172)と、温度センサ(191)とを備える、第1の火炉(76)と、
赤外線ヒータ(172)と、超高周波数、高電力電磁波を生産するデバイス(177)と、第2の火炉(78)内の屈曲用鉄器具上のガラスシートに対する本デバイスのビームの形状、場所、および移動を制御するための光学システムと、1つまたはそれを上回る赤外線(IR)撮像センサとを備える、第2の火炉(78)と、
第1および第2の火炉(76および78)を通して屈曲用鉄器具(70)上のガラスシートを搬送するためのコンベヤシステムと、
1つまたはそれを上回るIR撮像センサおよび超高周波数、高電力デバイス(177)に接続され、プロセッサと、超高周波数、高電力デバイス(177)による選択的加熱によって第2の火炉(78)内のガラスシートの屈曲を制御するための命令であって、第2の火炉(78)内のガラスシートを加熱および屈曲させるためのコンピュータ実装プロトコルを備える、命令とを備える、コンピュータシステムであって、ガラスの屈曲中の1つまたはそれを上回る時点において、1つまたはそれを上回るIR撮像センサ(324)からのデータからガラスシートの温度プロファイルを取得し、取得された温度プロファイルをコンピュータ実装プロトコルの基準温度分布と比較し、ガラスシートを選択的に加熱し、基準温度分布と合致させるために、超高周波数、高電力デバイス(177)を制御する、コンピュータシステムと、
IRヒータと、強制冷気対流システムと、空気ファンとを備える、ガラスシートを制御可能に冷却するための第3の加熱火炉(260)と、
を備える、システム。
付記14:超高周波数、高電力電磁波を生産するデバイス(177)は、ジャイロトロンである、付記13に記載のシステム。
付記15:屈曲中にガラスシートの1つまたはそれを上回る部分に関する位置データを取得するように配列される、1つまたはそれを上回る位置センサ(230および231)を第2の火炉(78)内にさらに備え、位置センサ(230および231)は、コンピュータシステムに接続され、コンピュータシステムは、
a.ガラスシートの屈曲中の1つまたはそれを上回る時点において、1つまたはそれを上回る位置センサ(230および231)からデータを取得し、
b.1つまたはそれを上回る時点において1つまたはそれを上回る位置センサから取得されたデータから、ガラスシートに関する形状プロファイルを生産し、
c.取得された形状プロファイルをコンピュータ実装プロトコルの基準形状プロファイルと比較し、
d.ガラスシートを選択的に加熱し、ガラスシートの形状プロファイルを基準形状プロファイルと合致させるために、超高周波数、高電力デバイス(177)を制御する、
付記13または14に記載のシステム。
付記16:1つまたはそれを上回る位置センサ(230および231)のうちの1つまたはそれを上回るものは、電荷結合素子(CCD)である、付記15に記載のシステム。
付記17:複数のCCDを備え、形状プロファイルは、複数のCCDから取得されたデータから組み立てられた3次元形状プロファイルである、付記16に記載のシステム。
付記18:1つまたはそれを上回る位置センサ(230および231)のうちの1つまたはそれを上回るものは、レーザ光センサである、付記15−17のいずれかに記載のシステム。
付記19:複数のレーザ光センサを備え、形状プロファイルは、複数のCCDから取得されたデータから組み立てられた3次元形状プロファイルである、付記18に記載のシステム。
付記20:1つまたはそれを上回るIR撮像センサ(324)のうちの1つまたはそれを上回るものは、レーザ光センサまたはCCDである、付記13−19のいずれかに記載のシステム。
付記21:IRヒータを有する第3の火炉(260)をさらに備え、コンベヤシステムはさらに、第3の火炉を通してガラスシートを搬送する、付記13−20のいずれかに記載のシステム。
付記22:第1、第2、および第3の火炉(76、78、および260)は、単一のトンネルを形成する、付記21に記載のシステム。
付記23:第1および第2の火炉(76および78)間および第2および第3の火炉(78および260)間に扉を備える、付記22に記載のシステム。
付記24:コンピュータシステムは、第1の火炉の温度を取得し、IRヒータを使用して、第1の火炉(76)の温度を調節し、コンピュータ実装プロトコルに従って予熱温度と合致させる、付記13−23のいずれかに記載のシステム。
付記25:コンピュータシステムは、第2の火炉(78)の周囲温度を取得し、IRヒータを使用して、第2の火炉(78)の温度を調節し、予熱温度を上回るものから、ガラスが弛む温度を下回るものに及ぶ温度と合致させる、付記13−24のいずれかに記載のシステム。
修正が、前述の説明に開示される概念から逸脱することなく、本明細書に開示される本発明の非限定的実施形態に成され得ることが、当業者によって容易に理解されるであろう。故に、本明細書に詳細に説明される本発明の特定の非限定的実施形態は、例証にすぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、これは、添付される請求項およびその任意および全ての均等物の全範囲を与えられるべきである。