JP2018527394A - 臍組織組成物及び使用方法 - Google Patents

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Abstract

開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含む。同じく開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の生細胞;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含む。開示されるのは、臍組織を含む組成物の製造方法であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含む。同じく開示されるのは、損傷組織の治療方法であって、本方法は、損傷組織の部位に、臍組織を含む組成物を投与することを含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含む。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年9月23日出願の米国仮出願第62/222,446号の利益を主張し、この出願はそのまま全体が、本明細書中参照として援用される。
有胎盤哺乳類では、臍帯(UC)が、発育中の胎児を胎盤に接続している。UCは、静脈及び動脈、これらを包埋するワルトン膠質、さらにワルトン膠質を包む羊膜上皮層からなる(図1)。ワルトン膠質及び羊膜上皮層は、臍組織(UT)を構成し、一方、静脈及び動脈は、臍血管である。
UTの生来の成分として、内因性細胞、細胞外基質(ECM)、及び生理活性因子が挙げられる。UTで見られる内因性細胞として、羊膜上皮細胞及びワルトン膠質の間質細胞、例えば、新生児線維芽細胞、筋線維芽細胞、間葉系幹細胞、及びマクロファージなどが挙げられる。UTのECMは、大部分がコラーゲン、ムコ多糖類(ヒアルロン酸(HA)及びコンドロイチン硫酸)で出来ている。生理活性因子は、成長因子、サイトカイン、及び抗菌性ペプチドからなるが、これらに限定されない。内因性細胞、ECM、及び生理活性因子をはじめとするUTの生来の成分は、組織修復及び再建に有益であることが知られている。したがって、UCの全ての免疫原性成分(臍血管)を除去しつつ、UTの全成分は保存されているUT製剤を開発する必要がある。
UT細胞(羊膜上皮細胞及びワルトン膠質細胞)は、治療薬となる可能性があることが知られている。それらは、さらなる生理活性因子及びECMタンパク質を分泌することができ;局所組織に生着することができ;及び他の細胞型へと分化することができる。UT細胞を生存させたまま維持し、細胞生存率を犠牲にすることなく比較的厚い組織(厚さ>1mm)を大きな面積で冷凍保存することができるプロセスが必要である。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含む。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は冷凍保存されている。開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、以前に冷凍保存されている。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、組成物は、生血液細胞を含まない。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、組成物は、血管を含まない。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、臍組織生来の生細胞を含む。場合によっては、生細胞は、間葉系幹細胞、線維芽細胞、上皮細胞、またはそれらの組み合わせを含む。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、臍組織生来の1種または複数の成長因子を含む。場合によっては、成長因子は、上皮成長因子(EGF)、ヒト成長因子(HGF)、ケラチン生成細胞成長因子(KGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、TGF−β1、2、及び3、インスリン様成長因子−1(IGF−1)、血管内皮増殖因子(VEGF)、VEGF−C、VEGF−D、TGF−α、インターロイキン10(IL−10)、インターロイキン−1受容体α(IL−1rα)、間質細胞由来因子−1(SDF−1)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(N−Gal)、マトリックスメタロプロテイナーゼ8(MMP8)、組織メタロプロテイナーゼ阻害物質1(TIMP1)、TIMP2、アンジオポエチン2(hAng2)、トロンボスポンジン2(TSP2)、血小板由来増殖因子AA(PDGF−AA)、PDGF−AB、胎盤成長因子(PIGF)、インスリン様成長因子(IGFBP1)、IGFBP2、IGFBP3、α2−マクログロブリン、アディポネクチン(hACRP30)、またはフィブロネクチンが可能である。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、さらに、臍組織生来の1種または複数のサイトカインを含む。場合によっては、1種または複数のサイトカインは、間質細胞由来因子−1(SDF−1もしくはCXCL12)、IL−10、またはIL−1rαが可能である。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、生来の生細胞を含む。1つの態様において、臍組織は、少なくとも70%の生来の生細胞を含む。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、ワルトン膠質層側及び羊膜上皮層側を有し、改変チャネルは、ワルトン膠質層側に存在していて、羊膜上皮層側に延伸してはいない。場合によっては、改変チャネルは、臍組織全体に延伸している。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、組成物は、生免疫原性細胞を含まない。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、さらに、冷凍保存溶液を含む。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、約0.02mm〜約2mmの範囲の直径を有する。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸を有し、かつ各改変チャネルは、改変チャネルの縦方向全長にわたり一定の直径を有する。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、ある直径を有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルの直径は、少なくとも1つの他の改変チャネルの直径と等しい。場合によっては、全ての改変チャネルが、実質的に同じ直径を有する。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸及び縦方向の長さを有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルは、改変チャネルの縦方向の長さに沿って変化する直径を有する。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸及び縦方向の長さを有し、かつ各改変チャネルは、約0.7mm〜約3.5mmの範囲の縦方向の長さを有する。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸及び縦方向の長さを有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルの縦方向の長さは、少なくとも1つの他の改変チャネルの縦方向の長さと実質的に等しい。場合によっては、全ての改変チャネルが、実質的に同じ縦方向の長さを有する。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、天然臍組織と比較して上昇した速度で経時的に臍組織因子を放出することができる。場合によっては、臍組織因子は、血管新生因子が可能である。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、この臍組織は、1cm〜350cmである。
同じく開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の生細胞;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含む。場合によっては、生細胞は、間葉系幹細胞、線維芽細胞、上皮細胞、またはそれらの組み合わせを含む。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の生細胞;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、成長因子は、TGF−β1、TGF−β3、EGF、HGF、KGF、bFGF、及びVEGFから選択される。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の生細胞;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、かつ、さらに臍帯生来の1種または複数のサイトカインを含む。場合によっては、1種または複数のサイトカインは、sdf−1、IL−10、及びIL−1rαから選択される。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の生細胞;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、ワルトン膠質層側及び羊膜上皮層側を有し、改変チャネルは、ワルトン膠質層側に存在して、羊膜上皮層側に延伸してはいない。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の生細胞;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含む。場合によっては、改変チャネルは、臍組織全体に延伸している。場合によっては、各改変チャネルは、約0.02mm〜約2mmの範囲の直径を有する。場合によっては、各改変チャネルは、縦軸を有し、かつ各改変チャネルは、改変チャネルの縦方向全長にわたり一定の直径を有する。場合によっては、各改変チャネルは、ある直径を有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルの直径は、少なくとも1つの他の改変チャネルの直径と等しい。場合によっては、全ての改変チャネルが、実質的に同じ直径を有する。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の生細胞;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸を有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルは、改変チャネルの縦方向の長さに沿って変化する直径を有する。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の生細胞;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸を有し、かつ各改変チャネルは、約0.7mm〜約3.5mmの範囲の縦方向の長さを有する。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の生細胞;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸及び縦方向の長さを有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルの縦方向の長さは、少なくとも1つの他の改変チャネルの縦方向の長さと実質的に等しい。場合によっては、全ての改変チャネルが、実質的に同じ縦方向の長さを有する。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の生細胞;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、組成物は、血管を含まない。
同じく開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含む。場合によっては、生細胞は、間葉系幹細胞、線維芽細胞、上皮細胞、またはそれらの組み合わせを含む。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、成長因子は、TGF−β1、TGF−β3、EGF、HGF、KGF、bFGF、及びVEGFから選択される。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、かつ、さらに臍帯生来の1種または複数のサイトカインを含む。場合によっては、1種または複数のサイトカインは、sdf−1、IL−10、及びIL−1rαから選択される。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、ワルトン膠質層側及び羊膜上皮層側を有し、改変チャネルは、ワルトン膠質層側に存在して、羊膜上皮層側に延伸してはいない。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含む。場合によっては、改変チャネルは、臍組織全体に延伸している。場合によっては、各改変チャネルは、約0.02mm〜約2mmの範囲の直径を有する。場合によっては、各改変チャネルは、縦軸を有し、かつ各改変チャネルは、改変チャネルの縦方向全長にわたり一定の直径を有する。場合によっては、各改変チャネルは、ある直径を有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルの直径は、少なくとも1つの他の改変チャネルの直径と等しい。場合によっては、全ての改変チャネルが、実質的に同じ直径を有する。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸を有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルは、改変チャネルの縦方向の長さに沿って変化する直径を有する。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸を有し、かつ各改変チャネルは、約0.7mm〜約3.5mmの範囲の縦方向の長さを有する。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸及び縦方向の長さを有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルの縦方向の長さは、少なくとも1つの他の改変チャネルの縦方向の長さと実質的に等しい。場合によっては、全ての改変チャネルが、実質的に同じ縦方向の長さを有する。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、組成物は、血管を含まない。
同じく開示されるのは、本明細書で記載されるとおりの組成物の製造方法であり、この方法は、臍組織を含み、本方法は、臍組織に改変チャネルを形成することを含む。
開示されるのは、本明細書で記載される臍組織を含む組成物の製造方法であり、本方法は、臍組織に改変チャネルを形成することを含み、かつ、さらに、臍組織を、少なくとも1種の抗生物質で処理することを含む。場合によっては、少なくとも1種の抗生物質で処理することは、臍組織を、抗生物質カクテル液とともに、18〜96時間インキュベートすることを含む。
開示されるのは、本明細書で記載される臍組織を含む組成物の製造方法であり、本方法は、臍組織に改変チャネルを形成することを含み、かつ、さらに、臍組織を切断して所望の寸法にすることを含む。場合によっては、臍組織を切断して所望の寸法にすることは、臍組織の上にカッターを置くこと;及び直角形状を維持するように臍組織を切断することを含む。
開示されるのは、本明細書で記載される臍組織を含む組成物の製造方法であり、本方法は、臍組織に改変チャネルを形成することを含み、さらに、組織の余計な筋及び脱色について臍組織を視診することを含む。
開示されるのは、本明細書で記載される臍組織を含む組成物の製造方法であり、本方法は、臍組織に改変チャネルを形成することを含み、さらに、残存する臍帯血を全て除去することを含む。
同じく本明細書で開示されるのは、本明細書で記載される組成物を使用した、損傷組織の治療方法である。例えば、開示されるのは、損傷組織の部位に臍組織を含む組成物を投与することを含む損傷組織の治療方法であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含む。場合によっては、損傷組織は、軟部組織損傷(筋肉、靱帯、及び腱)、手術創、骨盤底突出症、膣欠損症、足及び足首創傷、慢性創傷、裂傷または腱断裂、神経損傷、または皮膚創傷によるものである。
開示される方法及び組成物のさらなる利点は、一部は、以下に続く説明の中に記載され、一部は、説明から理解でき、さもなくば開示される方法及び組成物の実行から分かる場合がある。開示される方法及び組成物の利点は、添付の請求項で特に指摘される要素及び組み合わせにより理解及び達成されるだろう。当然のことながら、上記の全般的な説明及び以下の詳細な説明は、両方とも、例示かつ説明にすぎず、特許請求されるとおりの本発明を制限するものではない。
添付の図面は、本明細書に援用されて本明細書の一部分を構成するものであり、開示される方法及び組成物の複数の実施形態を例示するとともに、説明と一緒になって、開示される方法及び組成物の原理を説明する働きをする。
2本の臍動脈及び1本の臍静脈、これらを包埋する粘液結合組織(ワルトン膠質)、全体を覆う羊膜上皮層、を含有する臍帯の断面図を示す。 図2Aは、直鎖(A)臍帯の加工処理方法の図を示す。得られるものは、改変チャネルを持つ臍組織である。 図2Bは、コイル状(B)臍帯の加工処理方法の図を示す。得られるものは、改変チャネルを持つ臍組織である。 図3A及び図3Bは、改変チャネルを持つ臍組織の構造を示し、(A)組織をトリパンブルーで染色してマクロスケールでチャネルを表示したもの;(B)チャネルの導入ありまたはなしの冷凍保存された臍組織の組織学的HA組織化学検査、である。 冷凍保存された臍組織によるLPS誘導型TNF−α放出を示す。LPSあり及びなしでインキュベートしたヒト末梢血単核球(hPBMC)を、それぞれ陽性及び陰性対照として用いた。 7日間の期間にわたる、改変チャネルを持つまたは持たない冷凍保存された臍組織からの塩基性FGF及びVEGFの放出を示す。 冷凍保存された生臍組織に付着したヒト皮膚線維芽細胞(HDF)の図を示す。 縫合維持試験の最大荷重(N)及び対応する変位(mm)を示す(平均±標準偏差)。 繊維方向に関する臍組織の構造特性及び材料特性を示す(平均±標準偏差)。 縫合維持の生データを示す表である。 二軸引張試験結果を示す表である;平均±標準偏差で報告。 一軸引張試験結果を示す表である;平均±標準偏差で報告。
開示される方法及び組成物は、以下の、特定の実施形態及びその中に含まれる実施例の詳細な説明、ならびに図面及びそれらについての上述及び以下の説明を参照することで、より容易に理解できる。
当然のことながら、開示される方法及び組成物は、特に記載がないかぎり、具体的な合成法、具体的な分析技法、または特定の試薬に限定されず、そのため、変更可能である。同じく当然のことながら、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、制限することを意図しない。
A.定義
当然のことながら、開示される方法及び組成物は、記載される特定の方法論、プロトコル、試薬に限定されず、変更可能である。同じく当然のことながら、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明の範囲を制限することを意図せず、本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ制限されることになる。
なお、本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈で特に明白に指定されない限り、複数形についての記述も含む。すなわち、例えば、「an(1つの)改変チャネル」という記述は、そのようなチャネルが複数ある場合も含み、「the(1つの)改変チャネル」という記述は、1つまたは複数の改変チャネル及び当業者に既知であるその等価物の記述であるといった具合である。
「血管」という用語は、血液を組織及び臓器にくまなく運ぶまたは輸送することができる菅構造体を示す。例えば、「血管」という用語は、静脈、動脈、及び毛細管を示すことができる。
「血液細胞」という用語は、造血系起源の細胞を示す。血液細胞は、血液でもどの組織でも位置することができる。
「サイトカイン」という用語は、細胞により分泌される、他の細胞及び/またはその細胞自身の挙動に影響を及ぼすことができる分子(その構造は問わない)の巨大カテゴリーを示す。
「生血液細胞を含まない」という語句は、<10%の生血液細胞しか含まないことを意味する。
「生免疫原性細胞を含まない」という語句は、<10%の生免疫原性細胞しか含まないことを意味する。免疫原性細胞として、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、及び赤血球が可能であるが、これらに限定されない。
「損傷組織」という用語は、組織の正常構造及び/または機能が改変されるようなやり方で損傷してしまったまたは改変されてしまった組織を示す。例えば、損傷組織として、軟部組織損傷(筋肉、靱帯、及び腱)、手術創、骨盤底突出症、膣欠損症、足及び足首創傷、慢性創傷、裂傷または腱断裂、神経損傷、及び皮膚創傷が可能であるが、これらに限定されない。
「manipulate(操作する)」、「manipulating(操作する)」、または「manipulated(操作された)」という用語は、改変することまたは修飾することを示す。例えば、臍組織を操作することは、臍組織の圧延、切断、成形、平滑化、または平坦化、臍組織に改変チャネルを付加すること、またはそれらの組み合わせを示すことができるが、これらに限定されない。場合によっては、臍組織を操作することは、天然臍帯に対する、成長因子の放出をもたらす任意の改変を含むことができる。
「生来の細胞」という用語は、細胞の発生源から取り出されたことも単離されたこともない細胞を示す。例えば、生来の生細胞を含む臍組織は、臍組織に元来存在していたもので臍組織から取り出されたことがない生細胞を有する臍組織を示す。臍組織から単離され、その後臍組織に戻し入れられたことがある細胞は、生来の細胞とは見なされない。
「改変チャネル」は、本明細書で使用される場合、非天然の、人造チャネルを示す。「改変チャネル」は、臍組織の通常の磨耗及び裂傷から自然に生じる裂傷または裂溝を含まない。任意選択で、改変チャネルは、機械的に形成または製造することができる。改変チャネルは、他の手段により、形成または製造することができ、そのような手段として、例えば、レーザーが挙げられるが、これに限定されない。例示の態様において、改変チャネルは、臍組織の機械的変位により形成することができる。他の例示の態様において、改変チャネルは、臍組織の機械的除去により形成することができる。場合によっては、改変チャネルは、化学的に製造されたものではない。任意選択で、例示の態様において、改変チャネルは、一次改変チャネル及び少なくとも1つの二次改変チャネルを含むことができ、この二次チャネルは、一次チャネルから分岐していて、一次チャネルと流体連通するように配置されている。態様によっては、各二次改変チャネルの縦軸は、一次改変チャネルの縦軸に対して選択された角度で配置することができることを企図する。2つ以上の二次チャネルが、任意の所望の角度配置で一次改変チャネルから分岐できることを企図し、任意の所望の角度配置として、例えば、Y型連結、T型連結、などがあるが、これらに限定されない。しかしながら、他の態様では、少なくとも1つの二次改変チャネルが、一次改変チャネルの縦軸と実質的に並行である及び/または実質的に一直線に配置された縦軸を有することができることを企図する。複数の例示の態様において、改変チャネルは、実質的に直線状に延びることができる;しかしながら、所望であれば、改変チャネルは、曲線状または弓状の輪郭を有することもできることを企図する。本明細書でさらに開示されるとおり、改変チャネルは、臍組織のワルトン膠質層側の外側表面から延びることができる;しかしながら、改変チャネルは、臍組織のどの外側表面でも起点としてそこから延びることができることを企図する。任意選択で、例示の態様において、改変チャネルが臍組織の複数の表面から延びる場合、臍組織の第一外側表面から延びる少なくとも1つの改変チャネルは、臍組織の第一外側表面とは異なる第二外側表面から延びる少なくとも1つの他の改変チャネルと交差することができることを企図する。改変チャネルは、制御されたまたは特定の様式で製造することができる。場合によっては、改変チャネルは、予測可能な様式で形成することができ、予測可能な及び/または予定された形状及び配置を持つと見なすことができる。すなわち、例示の態様において、複数の改変チャネルが本明細書で開示されるとおりに形成される場合、改変チャネルの少なくとも一部は、実質的に外観が均一であることが可能であることを企図する。本明細書で使用される場合、第一改変チャネルの縦方向の長さが第二改変チャネルの縦方向の長さから20%以内でそれより長いまたは短い場合、第一改変チャネルは、第二改変チャネルに対して「実質的に均一」である。任意選択で、実質的に均一な改変チャネルは、実質的に同じ直径(最大断面寸法)、断面形状、先細り輪郭なども有することができることを企図する。任意選択で、例示の態様において、複数の改変チャネルが本明細書で開示されるとおりに形成される場合、改変チャネルの少なくとも20%は、実質的に均一であることができ、改変チャネルの少なくとも20%は、第一改変チャネルの縦方向の長さの20%以内に含まれる相対的な縦方向の長さを有する。さらなる例示の態様において、改変チャネルの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%は、実質的に均一であることができる。任意選択で、さらなる例示の態様において、改変チャネルの少なくとも一部分の縦軸は、互いに実質的に並行である。例えば、これらの態様において、改変チャネルの少なくとも20%の縦軸は互いに実質的に並行であることが可能であることを企図する。さらなる例示の態様において、改変チャネルの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%は、互いに実質的に並行であることができる。なおさらなる例示の態様において、本明細書で開示されるとおりの実質的に均一な改変チャネルの縦軸は、任意選択で、互いに実質的に並行であることができる。しかしながら、改変チャネルは、互いに並行ではなくとも、実質的に均一であることができることを企図する。
「縦方向の長さと実質的に等しい」という語句は、少なくとも1つの改変チャネルの縦方向の長さが第二の改変チャネルの縦方向の長さの10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100%以内にあることを示す。場合によっては、少なくとも1つの改変チャネルの縦方向の長さは、第二の改変チャネルの縦方向の長さの50%以上の範囲内にある。
「実質的に同じ直径」という語句は、2つ以上の改変チャネルが、互いの10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100%である直径を有することを示す。
「実質的に同じ縦方向の長さ」という語句は、2つ以上の改変チャネルの縦方向の長さが、互いの10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100%である縦方向の長さを有することを示す。
「実質的に直線状」という語句は、改変チャネルの縦方向の長さの少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100%が、直線状であることを示す。
「実質的に並行」という語句は、2つ以上の改変チャネルが、それらの縦軸または縦方向の長さの少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100%にわたり並行であることを示す。
「臍組織」という用語は、あらゆる血管構造を除く、臍帯に存在する組織を示す。臍組織は、間葉系幹細胞(MSC)の宝庫である。臍組織は、ワルトン膠質層(中胚葉結合組織)及び羊膜上皮層を含む。
「臍組織因子」という用語は、臍組織を起源とする任意の因子を示す。臍組織因子の例として、成長因子、サイトカイン、抗菌ペプチド、プロテアーゼ、及びそれらの阻害物質が可能であるが、これらに限定されない。
「任意選択の」または「任意選択で」は、続いて記載される事象、状況、または材料が、生じるまたは存在する場合もそうでない場合もあること、ならびにその記載が、事象、状況、または材料が生じるまたは存在する場合、及び生じないまたは存在しない場合を含むことを意味する。
範囲は、本明細書中、「約」1つの特定の値から及び/または「約」別の特定の値までとして表示される場合がある。そのような範囲が表示される場合、同じく具体的に企図され及び開示されたと見なされるのは、文脈から具体的にそうではないと示されない限り、その1つの特定の値から及び/またはその他の特定の値までの範囲である。同様に、値が、先行する「約」の使用により、近似値として表示される場合、当然のことながら、その特定の値は、文脈から具体的にそうではないと示されない限り、開示されたと見なされるべき別の具体的な企図される実施形態を形成する。さらに当然のことながら、各範囲の端点は、文脈から具体的にそうではないと示されない限り、他方の端点との関連において及び他方の端点とは独立しての両方で、有効数字である。最後に、当然のことながら、文脈から具体的にそうではないと示されない限り、明白に開示される範囲内の個々の値及び値のサブ範囲も全て、具体的に企図されるものであり、開示されたと見なされるべきである。上記は、特定の場合においてこれらの実施形態の一部または全部が明白に開示されているか否かにかかわらず、当てはまる。
「対象」は、本明細書で使用される場合、損傷組織を持つ生きた個体を示す。「対象」という用語は、家庭動物(例えば、ネコ、イヌなど)、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)、及び実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモットなど)を含む。1つの態様において、対象は、哺乳類である。別の態様において、対象は、ヒトである。この用語は、特定の年齢または性別を意味しない。すなわち、男性女性いずれかの、成人、小児、青年、及び新生児を包含するものとする。
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、開示される方法及び組成物が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で記載されるものと同様なまたは等価な任意の方法及び材料を本方法及び組成物の実施及び試験に使用することができるものの、特に有用な方法、装置、及び材料は、記載されるとおりである。本明細書で引用される刊行物及びそれらを引用する理由である内容は、本明細書により参照として具体的に援用される。本明細書中には何一つ、先行発明により本発明がそのような開示に先行する資格がないとすることの承認と見なされるものはない。どの参照も先行技術を構成することの承認とはならない。参照の説明は、それらの著者が主張するものを述べており、出願人は、引用文献の正確さ及び適切性に異議を述べる権利を有する。明らかに当然のことながら、本明細書中、複数の刊行物が言及されるものの、そのような言及は、それら文献のどれかが当該分野の共通する一般常識の一部を形成することの承認を構成しない。
本明細書の記載及び請求項全体を通じて、「comprise(含む)」という語及びその語の活用形、例えば「comprising(含む)」及び「comprises(含む)」などは、「を含むが、それに限定されない」という意味であり、例えば、他の添加物、要素、成分、または工程を排除することを意図しない。詳細には、1つまたは複数の工程または操作を含むと記載される方法において、各工程は、列挙されるものを含む(工程が、「consisting of(からなる)」などの限定的用語を含まない限り)ことが具体的に企図され、このことは、各工程が、その工程で列挙されていない、例えば、他の添加物、要素、成分、または工程を排除することを意図しないことを意味する。
材料
開示されるのは、材料、組成物、及び要素であり、これらは、開示される方法及び組成物のために使用することができ、それらと一緒に使用することができ、それらを製造するために使用することができ、またはそれらの成果物である。そうした材料及び他の材料が本明細書で開示されるが、当然のことながら、そうした材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループなどが開示される場合、様々な各個体について及びこれら化合物の集合としての組み合わせ及び順列について具体的な記述が明白に開示されない場合があるとしても、それぞれが、本明細書で具体的に企図及び記載される。すなわち、あるクラスの分子A、B、及びC、ならびにあるクラスの分子D、E、及びFが開示され、さらに組み合わせ分子の一例A−Dが開示される場合、たとえそれぞれが個別に記載されないとしても、それぞれが個別に及び集合的に企図される。すなわち、この例では、A、B、及びC;D、E、及びF;ならびに組み合わせ例A−Dの開示から、組み合わせA−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−E、及びC−Fのそれぞれが、具体的に企図されており、開示されたと見なされるべきである。同様に、これらの任意のサブセットまたは組み合わせも具体的に企図及び開示されたものとなる。すなわち、A、B、及びC;D、E、及びF;ならびに組み合わせ例A−Dという開示から、例えば、A−E、B−F、及びC−Eのサブグループが、具体的に企図されており、開示されたと見なされるべきである。この概念は、開示される組成物の作成方法及び使用方法の工程をはじめとして、これらに限らず、本出願の全ての態様に当てはまる。すなわち、実行可能な追加工程が多様に存在する場合、当然のことながら、そのような追加工程のそれぞれが、開示される方法の任意の具体的な実施形態または実施形態の組み合わせとともに実行可能であり、及びそのような組み合わせのそれぞれが具体的に企図されており、開示されたと見なされるべきである。
A.臍組織を含む組成物
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含む。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、冷凍保存されている。同じく開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、以前に冷凍保存されている。以前に冷凍保存された臍組織は、冷凍保存されていてその後冷凍保存から取り出された臍組織を示す。場合によっては、冷凍保存から取り出された、は、その臍組織が、冷凍保存溶液から取り出されたことを意味する。場合によっては、冷凍保存から取り出された、は、その臍組織が、冷凍保存後に解凍されたことを意味する。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、組成物は、生血液細胞を含まない。場合によっては、1種または複数の抗凝固剤を、血液及び血液産物を除去する補助に使用することができる、例えば、ACD−A(抗凝固クエン酸ブドウ糖液、溶液A、USP)、ヘパリン、ダルテパリンナトリウム、及びビバリルジンなどである。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、組成物は、血管を含まない。場合によっては、開示される組成物は、臍組織で典型的に見られる2本の動脈及び1本の静脈を含まない。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、かつ臍組織は、臍組織生来の生細胞を含む。臍組織生来の細胞とは、天然の臍組織に存在する細胞を示す。場合によっては、生細胞は、間葉系幹細胞、線維芽細胞、上皮細胞、またはそれらの組み合わせが可能である。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、かつ臍組織は、臍組織生来の1種または複数の成長因子を含む。臍組織生来の成長因子とは、天然の臍組織に存在する成長因子を示す。場合によっては、成長因子は、上皮成長因子(EGF)、ヒト成長因子(HGF)、ケラチン生成細胞成長因子(KGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、TGF−β1、2、及び3、インスリン様成長因子−1(IGF−1)、血管内皮増殖因子(VEGF)、VEGF−C、VEGF−D、TGF−α、インターロイキン10(IL−10)、インターロイキン−1受容体α(IL−1rα)、間質細胞由来因子−1(SDF−1)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(N−Gal)、マトリックスメタロプロテイナーゼ8(MMP8)、組織メタロプロテイナーゼ阻害物質1(TIMP1)、TIMP2、アンジオポエチン2(hAng2)、トロンボスポンジン2(TSP2)、血小板由来増殖因子AA(PDGF−AA)、PDGF−AB、胎盤成長因子(PIGF)、インスリン様成長因子(IGFBP1)、IGFBP2、IGFBP3、α2−マクログロブリン、アディポネクチン(hACRP30)、またはフィブロネクチンが可能である。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、さらに、臍組織生来の1種または複数のサイトカインを含む。臍組織生来のサイトカインとは、天然の臍組織に存在するサイトカインを示す。場合によっては、1種または複数のサイトカインは、間質細胞由来因子−1(sdf−1またはCXCL12)、IL−10、またはIL−1rαが可能である。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、生来の生細胞を含む。同じく開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、少なくとも70%の生来の生細胞を含む。開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%の生来の生細胞を含む。少なくとも70%の生来の生細胞を含む臍組織とは、加工処理前の臍組織中の生細胞数と比較して、生来の生細胞のうち少なくとも70%が臍組織に存在することを意味する。例えば、加工処理前の臍組織は、天然臍帯由来の生細胞の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を有することができる。すなわち、開示される少なくとも70%の生来の生細胞を含む組成物は、組成物が、加工処理前の臍組織から70%の生細胞を含み、天然臍組織と比較して必ずしも70%の生細胞ではないことを意味する。1つの態様において、生来の生細胞とは、元来の臍帯組織(例えば、本明細書で記載される方法で使用される臍帯組織)に生来のものであり、かつその組織から取り出されたことがない細胞である。例えば、生来の生細胞は、同一または異なる起源由来の、臍組織に播種された細胞ではない。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、ワルトン膠質層側及び羊膜上皮層側を有し、改変チャネルは、ワルトン膠質層側に存在する。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、ワルトン膠質層側及び羊膜上皮層側を有し、改変チャネルは、ワルトン膠質層側に存在し、かつ羊膜上皮層側に延伸してはいない。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、ワルトン膠質層側及び羊膜上皮層側を有し、改変チャネルは、ワルトン膠質層側に存在し、かつ臍組織全体に延伸している。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、組成物は、生免疫原性細胞を含まない。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、かつ、さらに、冷凍保存溶液を含む。冷凍保存溶液は、DMSO、HSA、生理食塩水、またはそれらの組み合わせを含むことができる。場合によっては、冷凍保存溶液は、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%DMSOを含む。場合によっては、冷凍保存溶液は、5%以下、10%以下、15%以下、20%以下、25%以下、30%以下、35%以下、40%以下、45%以下、または50%以下のHSAを含む。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、約0.02mm〜約2mmの範囲の直径を有する。場合によっては、各改変チャネルは、約0.008mm〜約2mmの範囲の直径を有する。場合によっては、範囲の上限は、約1mmが可能である。場合によっては、各改変チャネルは、約0.008mm〜約1mmまたは約0.2mm〜約1mmの範囲の直径を有する。改変チャネルの直径は、少なくとも1つの細胞が改変チャネルの内側に収まるのに十分な大きさが可能である。大部分の哺乳類細胞の平均的な大きさは、10〜30μmであり、したがって、改変チャネルの直径は、10〜30μmより大きいものが可能である。場合によっては、改変チャネルの直径は、8μmが可能であり、これは細胞の寸法より小さい可能性があるが、それでも細胞が遊走して改変チャネルに入るのには十分な大きさである。場合によっては、改変チャネルの直径は、複数の細胞が改変チャネルの内側に収まるのに十分な大きさである。場合によっては、改変チャネルの直径は、10μmより小さい。改変チャネルは、成長因子の放出を刺激する。成長因子は、細胞よりも非常に小さく、したがって、10μmより小さいチャネルを通過して移動することができる。直径寸法を決定する場合、臍組織の高さを考慮しなければならない。2mmよりも相当に大きすぎる直径を有する改変チャネルは、過剰な組織損失を招く恐れがあり、その結果、組織の機械的構造の弱体化及び組織機能の損失を招く恐れがある。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、ワルトン膠質層側及び羊膜上皮層側を有し、ワルトン膠質層側及び羊膜上皮層側はそれぞれ外側表面を有し、改変チャネルは、臍帯のワルトン膠質層側の外側表面で定義された第一端、及びワルトン膠質層側の外側表面以外の臍組織のどこかで定義された対向する第二端を有する。場合によっては、改変チャネルの第二端は、ワルトン膠質層側の外側表面と羊膜上皮層側の外側表面との間の臍組織内にある。場合によっては、改変チャネルの第二端は、羊膜上皮層側の外側表面にある。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、改変チャネルは、臍帯のワルトン膠質層側の外側表面で定義された第一端、及びワルトン膠質層側の外側表面以外の臍組織のどこかで定義された対向する第二端を有し、かつ改変チャネルの第一端は、臍組織のワルトン膠質層側の外側表面に実質的に均等に離して置かれている。本明細書で使用される場合、「実質的に均等に離して置かれた」という用語は、各チャネルの第一端が、その隣り合うチャネルの第一端と概して等間隔に置かれている配置を示す。例示の態様において、改変チャネルは、臍組織の隣り合うチャネルの第一端が平均分離距離(中心から中心までで測定)だけ離して置かれており、隣り合うチャネルの各対の第一端間の分離距離が平均分離距離の約20%内に入る場合、実質的に均等に離して置かれたものであり得る。あるいは、例示の非限定的態様において、改変チャネルの第一端は、臍組織のワルトン膠質層側の外側表面に無秩序に離して置かれることが可能であることが企図される。任意選択で、なおさらなる例示の態様において、改変チャネルの第一端は、隣り合うチャネルの第一端間の分離距離が選択的に変更され、それにより所望のチャネルパターンが形成される配置で離して置かれることが可能である。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸及び縦方向の長さを有する。場合によっては、各改変チャネルは、改変チャネルの縦方向の全長にわたり一定の直径を有する。本明細書で使用される場合、「直径」という用語は、チャネルにより定義される最大断面距離を示し、改変チャネルは、任意の所望の断面形状を有することができることが企図され、断面形状として、例えば、多角形状、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、菱形、台形などが挙げられるが、これらに限定されない。開示される組成物は、対象の健常組織に付着させて、損傷組織を置き換えることができる。組成物の臍組織内の改変チャネルは、臍組織により大きな表面積をもたらす。表面積がより大きくなることで、対象の健常組織の成長因子及び細胞が、組成物の臍組織と、より多くの場所で接触することが可能になり、臍組織が対象へとより良好に組み込まれることを可能にする。改変チャネルはまた、臍組織内に保存されていた成長因子及び細胞が臍組織から放出されて対象と接触することを可能にする。場合によっては、改変チャネルの直径は、改変チャネルの縦方向の長さに沿って変わり得る。例えば、改変チャネルの直径は、狭くなるまたは広くなる(例えばコーン形になる)ことができる。場合によっては、少なくとも1つの改変チャネルは、改変チャネルの縦方向の長さに沿って変化する直径を有する。1つの例示の態様において、少なくとも1つの改変チャネルの少なくとも一部分は、チャネルの直径がチャネルの第一端からチャネルの第二端に進むにつれて小さくなるように、チャネルの第一端からチャネルの第二端に進むにつれて内側に向かって先細りとなることができる。あるいは、別の任意選択の態様において、少なくとも1つの改変チャネルの少なくとも一部分は、チャネルの直径がチャネルの第一端からチャネルの第二端に進むにつれて大きくなるように、チャネルの第二端からチャネルの第一端に進むにつれて外側に向かって先細りとなることができる。任意選択で、さらなる例示の態様において、少なくとも1つの改変チャネルの縦軸は、少なくとも1つの他の改変チャネルの縦軸に対して選択された角度(すなわち、鋭角、直角、または鈍角)で配置することができる。なおさらなる任意選択の態様において、少なくとも1つの改変チャネルの縦軸は、少なくとも1つの他の改変チャネルの縦軸と実質的に並行であることが可能であることが企図される。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、直径を有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルの直径は、少なくとも1つの他の改変チャネルの直径と等しい。場合によっては、改変チャネルは全て、実質的に同じ直径を有する。場合によっては、改変チャネルの一部分(すなわち、チャネルの第一グループ)は全て、実質的に同じ直径を有することができ、かつ改変チャネルの別の一部分(すなわち、チャネルの第二グループ)も全て、実質的に同じ直径を有することができるが、これら少なくとも2つの改変チャネルのグループは、同じ直径を有していない。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸及び縦方向の長さを有し、かつ各改変チャネルは、約0.7mm〜約3.5mmの範囲の縦方向の長さを有する。場合によっては、各改変チャネルは、約0.1mm〜約5mmの範囲の縦方向の長さを有することが可能である。縦方向の長さは、変わり得る。場合によっては、各改変チャネルは、臍組織の縦方向の長さと等しい縦方向の長さを有することができる。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸及び縦方向の長さを有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルの縦方向の長さは、少なくとも1つの他の改変チャネルの縦方向の長さと実質的に等しい。場合によっては、改変チャネルは全て、実質的に同じ縦方向の長さを有することができる。場合によっては、改変チャネルの一部分(すなわち、チャネルの第一グループ)は全て、実質的に同じ縦方向の長さを有することができ、かつ改変チャネルの別の一部分(すなわち、チャネルの第二グループ)も全て、実質的に同じ縦方向の長さを有することができるが、これら少なくとも2つの改変チャネルのグループは、同じ縦方向の長さを有していない。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、血管新生因子などの臍因子を、天然臍組織と比較して上昇した速度で経時的に放出することができる。場合によっては、臍組織は、血管新生因子などの臍因子を、天然臍組織と比較して上昇した速度で経時的に放出する。場合によっては、血管新生因子は、成長因子が可能である。例えば、開示される組成物は、同じ長さの期間にわたり、天然臍組織により放出される成長因子のレベルと比較して、10%多い成長因子の放出を行うことができる。場合によっては、成長因子は、EGF、HGF、KGF、bFGF、TGF−β1、2、及び3、IGF−1、VEGF、VEGF−C、VEGF−D、TGF−α、IL−10、IL−1rα、SDF−1、bFGF、N−Gal、MMP8、TIMP1、TIMP2、hAng2、TSP2、PDGF−AA、PDGF−AB、PIGF、IGFBP1、IGFBP2、IGFBP3、α2−マクログロブリン、hACRP30、またはフィブロネクチンが可能である。
開示されるのは、臍組織を含む組成物であり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、1cm〜350cmである。臍帯から血管を除去することにより、血管の周囲で切断しなくてもよくなり、より大きい臍組織片を使用できるようになる。
B.以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含む。本明細書で称する場合、「組織完全性」は、臍組織の引張り強度、収量、及び縫合引き抜き強度を示す。「組織完全性」は、組織の細胞または構造完全性も示すことができる。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、生細胞は、間葉系幹細胞、線維芽細胞、上皮細胞、またはそれらの組み合わせを含む。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、成長因子は、TGF−β1、TGF−β3、EGF、HGF、KGF、bFGF、またはVEGFである。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、かつ、さらに臍帯生来の1種または複数のサイトカインを含む。臍組織生来のサイトカインは、天然の臍組織に存在するサイトカインを示す。場合によっては、1種または複数のサイトカインは、sdf−1、IL−10、またはIL−1rαである。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、ワルトン膠質層側及び羊膜上皮層側を有する。場合によっては、改変チャネルは、ワルトン膠質層側に存在する。場合によっては、改変チャネルは、ワルトン膠質層側に存在して、羊膜上皮層側に延伸してはいない。場合によっては、改変チャネルは、臍組織全体に延伸している。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、約0.02mm〜約2mmの範囲の直径を有する。場合によっては、各改変チャネルは、約0.008mm〜約2mmの範囲の直径を有する。場合によっては、範囲の上限は、約1mmが可能である。場合によっては、各改変チャネルは、約0.008mm〜約1mmまたは約0.2mm〜約1mmの範囲の直径を有する。改変チャネルの直径は、少なくとも1つの細胞が改変チャネルの内側に収まるのに十分な大きさが可能である。大部分の哺乳類細胞の平均的な大きさは、10〜30μmであり、したがって、改変チャネルの直径は、10〜30μmより大きいものが可能である。場合によっては、改変チャネルの直径は、8μmが可能であり、これは細胞の寸法より小さい可能性があるが、それでも細胞が改変チャネルにねじ込み入るのには十分な大きさである。場合によっては、改変チャネルの直径は、複数の細胞が改変チャネルの内側に収まるのに十分な大きさである。場合によっては、改変チャネルの直径は、10μmより小さい。改変チャネルは、成長因子の放出を刺激する。成長因子は、細胞よりも非常に小さく、したがって、10μmより小さいチャネルを通過して移動することができる。直径寸法を決定する場合、臍組織の高さを考慮しなければならない。2mmよりも相当に大きすぎる直径を有する改変チャネルは、過剰な組織損失を招く恐れがあり、その結果、組織の機械的構造の弱体化及び組織機能の損失を招く恐れがある。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、臍組織は、ワルトン膠質層側及び羊膜上皮層側を有し、ワルトン膠質層側及び羊膜上皮層側はそれぞれ外側表面を有し、改変チャネルは、臍帯のワルトン膠質層側の外側表面で定義された第一端、及びワルトン膠質層側の外側表面以外の臍組織のどこかで定義された対向する第二端を有する。場合によっては、改変チャネルの第二端は、ワルトン膠質層側の外側表面と羊膜上皮層側の外側表面との間の臍組織内にある。場合によっては、改変チャネルの第二端は、羊膜上皮層側の外側表面にある。場合によっては、改変チャネルの第一端は、臍組織のワルトン膠質層側の外側表面に実質的に均等に離して置かれている。本明細書で使用される場合、「実質的に均等に離して置かれた」という用語は、各チャネルの第一端が、その隣り合うチャネルの第一端と概して等間隔に置かれているチャネルの配置を示す。例示の態様において、改変チャネルは、臍組織の隣り合うチャネルの第一端が平均分離距離(中心から中心までで測定)だけ離して置かれており、隣り合うチャネルの各対の第一端間の分離距離が平均分離距離の約20%内に入る場合、実質的に均等に離して置かれたものであり得る。あるいは、例示の非限定的態様において、改変チャネルの第一端は、臍組織のワルトン膠質層側の外側表面に無秩序に離して置かれることが可能であることが企図される。任意選択で、なおさらなる例示の態様において、改変チャネルの第一端は、隣り合うチャネルの第一端間の分離距離が選択的に変更され、それにより所望のチャネルパターンが形成される配置で離して置かれることが可能である。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、この臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸及び縦方向の長さを有する。場合によっては、各改変チャネルは、改変チャネルの縦方向の全長にわたり一定の直径を有する。本明細書で使用される場合、「直径」という用語は、チャネルにより定義される最大断面距離を示し、改変チャネルは、任意の所望の断面形状を有することができることが企図され、断面形状として、例えば、多角形状、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、菱形、台形などが挙げられるが、これらに限定されない。開示される組成物は、対象の健常組織に付着させて、損傷組織を置き換えることができる。組成物の臍組織内の改変チャネルは、臍組織に、より大きな表面積をもたらす。表面積がより大きくなることで、対象の健常組織の成長因子及び細胞が、組成物の臍組織と、より多くの場所で接触することが可能になり、臍組織が対象へとより良好に組み込まれることを可能にする。改変チャネルはまた、臍組織内に保存されていた成長因子及び細胞が臍組織から放出されて対象と接触することを可能にする。場合によっては、改変チャネルの直径は、改変チャネルの縦方向の長さに沿って変わり得る。例えば、改変チャネルの直径は、狭くなるまたは広くなる(例えばコーン形になる)ことができる。場合によっては、少なくとも1つの改変チャネルは、改変チャネルの縦方向の長さに沿って変化する直径を有する。1つの例示の態様において、少なくとも1つの改変チャネルの少なくとも一部分は、チャネルの直径がチャネルの第一端からチャネルの第二端に進むにつれて小さくなるように、チャネルの第一端からチャネルの第二端に進むにつれて内側に向かって先細りとなることができる。あるいは、別の任意選択の態様において、少なくとも1つの改変チャネルの少なくとも一部分は、チャネルの直径がチャネルの第一端からチャネルの第二端に進むにつれて大きくなるように、チャネルの第二端からチャネルの第一端に進むにつれて外側に向かって先細りとなることができる。任意選択で、さらなる例示の態様において、少なくとも1つの改変チャネルの縦軸は、少なくとも1つの他の改変チャネルの縦軸に対して選択された角度(すなわち、鋭角、直角、または鈍角)で配置することができる。なおさらなる任意選択の態様において、少なくとも1つの改変チャネルの縦軸は、少なくとも1つの他の改変チャネルの縦軸と実質的に並行であることが可能であることが企図される。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、直径を有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルの直径は、少なくとも1つの他の改変チャネルの直径と等しい。場合によっては、改変チャネルは全て、実質的に同じ直径を有する。場合によっては、改変チャネルの一部分(すなわち、チャネルの第一グループ)は全て、実質的に同じ直径を有することができ、かつ改変チャネルの別の一部分(すなわち、チャネルの第二グループ)も全て、実質的に同じ直径を有することができるが、これら少なくとも2つの改変チャネルのグループは、同じ直径を有していない。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸及び縦方向の長さを有し、かつ各改変チャネルは、約0.7mm〜約3.5mmの範囲の縦方向の長さを有する。場合によっては、各改変チャネルは、約0.1mm〜約5mmの範囲の縦方向の長さを有することが可能である。縦方向の長さは、変わり得る。場合によっては、各改変チャネルは、臍組織の縦方向の長さと等しい縦方向の長さを有することができる。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、各改変チャネルは、縦軸及び縦方向の長さを有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルの縦方向の長さは、少なくとも1つの他の改変チャネルの縦方向の長さと実質的に等しい。場合によっては、改変チャネルは全て、実質的に同じ縦方向の長さを有することができる。場合によっては、改変チャネルの一部分(すなわち、チャネルの第一グループ)は全て、実質的に同じ縦方向の長さを有することができ、かつ改変チャネルの別の一部分(すなわち、チャネルの第二グループ)も全て、実質的に同じ縦方向の長さを有することができるが、これら少なくとも2つの改変チャネルのグループは、同じ縦方向の長さを有していない。
開示されるのは、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であり、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含み、この組成物は、血管を含まない。臍組織は、多くの場合、2本の動脈及び1本の静脈を有する。場合によっては、開示される組成物は、これら2本の動脈及び1本の静脈を含まない。
C.臍組織を含む組成物の製造方法
開示されるのは、開示される組成物の製造方法であり、本方法は、臍組織に改変チャネルを形成することを含む。例えば、開示されるのは、臍組織を含む組成物の製造方法であり、この方法は、臍組織に改変チャネルを形成することを含む。臍組織に改変チャネルを形成することは、臍組織を操作することにより実行できる。臍組織の操作は、臍組織に改変チャネルを形成する一方で、切断、圧延、成形、平滑化、または平坦化することを含むことができる。場合によっては、臍組織の操作は、組織を平坦化すること及び改変チャネルを形成することを含む。臍組織の圧延または平坦化は、積層ローラー、例えばバブルバスター、またはマイクロダーマルローラーなどで実行できる。臍組織の操作は、生来の成長因子の放出の上昇をもたらすことができる。臍組織の平坦化は、均一な厚さの最終生成物をもたらすことができる。
開示されるのは、臍組織を含む組成物の製造方法であり、本方法は、臍組織に改変チャネルを形成することを含み、さらに、臍組織を少なくとも1種の抗生物質で処理することを含む。場合によっては、少なくとも1種の抗生物質で処理することは、臍組織を抗生物質カクテル液とともに18〜96時間インキュベートすることを含む。場合によっては、臍組織は、2種以上の抗生物質で同時にまたは連続して処理することができる。場合によっては、少なくとも1種の抗生物質での処理は、冷凍保存の前に実行できる。場合によっては、臍組織は、少なくとも1種の抗生物質を含む溶液中で、冷凍保存することができる。
開示されるのは、臍組織を含む組成物の製造方法であり、本方法は、臍組織に改変チャネルを形成することを含み、さらに、臍組織を所望の寸法に切断することを含む。場合によっては、臍組織を所望の寸法に切断することは、臍組織の上にカッターを置くこと;及び直角形状を維持するように臍組織を切断することを含む。カッターは任意の装置が可能であり、例えば、組織の切断を助けるステンシルなどがあるが、これに限定されない。カッターは、組織を適所に保つ、または組織がこれから切断されようとする具体的な形を提供することができる。
開示されるのは、臍組織を含む組成物の製造方法であり、本方法は、臍組織に改変チャネルを形成することを含み、さらに、組織の余計な筋及び脱色について臍組織を視診することを含む。
開示されるのは、臍組織を含む組成物の製造方法であり、本方法は、臍組織に改変チャネルを形成することを含み、さらに、残存する血液を全て除去することを含む。
D.損傷組織の治療方法
開示されるのは、損傷組織の治療方法であり、本方法は、損傷組織の部位に、開示される組成物のいずれか1種を投与することを含む。例えば、開示されるのは、損傷組織の治療方法であり、この方法は、損傷組織の部位に、臍組織を含む組成物を投与することを含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含む。
開示されるのは、損傷組織の治療方法であり、本方法は、損傷組織の部位に、開示される組成物のいずれか1種を投与することを含み、損傷組織は、軟部組織損傷(筋肉、靱帯、及び腱)、手術創、骨盤底突出症、膣欠損症、足及び足首創傷、慢性創傷、裂傷または腱断裂、神経損傷、または皮膚創傷が可能であるが、これらに限定されない。場合によっては、損傷組織は、骨盤臓器脱、腹圧性尿失禁、再編成されたまたは新規の癒着、外科手技、例えば形成手術をはじめとする再建手術、及び腹腔鏡手術など、創傷、潰瘍、壊死、腱及び靱帯などの損傷軟部組織によるものが可能である。
場合によっては、開示されるのは、腱損傷の修復方法であり、本方法は、損傷した腱に、開示される組成物のいずれか1種を投与することを含む。例えば、開示されるのは、腱損傷の修復方法であり、本方法は、損傷した腱に、臍組織を含む組成物を投与することを含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含む。腱損傷は、アキレス腱断裂、Haglund変形、アキレス腱炎/腱鞘炎、滑液包炎、短腓骨筋腱損傷、距腓靱帯損傷、後脛骨けば立ち/後脛骨腱機能障害、またはそれらの組み合わせが可能であるが、これらに限定されない。
開示されるのは、癒着の治療または予防方法であり、本方法は、癒着形成または癒着形成の可能性がある範囲に、開示される組成物のいずれか1種を投与することを含む。例えば、開示されるのは、癒着の治療または予防方法であり、本方法は、癒着形成または癒着形成の可能性がある範囲に、臍組織を含む組成物を投与することを含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含む。
開示されるのは、感染の治療または予防方法であり、本方法は、感染または感染の可能性がある範囲に、開示される組成物のいずれか1種を投与することを含む。例えば、開示されるのは、感染の治療または予防方法であり、本方法は、感染または感染の可能性がある範囲に、臍組織を含む組成物を投与することを含み、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含む。場合によっては、感染は、手術中または手術後に起こり、そのような手術として、腹部手術が挙げられるが、これに限定されない。
E.キット
上記の材料ならびに他の材料を、開示される方法を実行するのに、または実行を助けるのに有用なキットとして、任意の適切な組み合わせで一つのパッケージにまとめることができる。所定のキット中のキット構成要素が、開示される方法で一緒に使用されるように設計及び適合されていると便利である。開示されるのは、開示される組成物のいずれか1種を含むキットである。例えば、開示されるのは、臍組織を含む組成物を含むキットであり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含む。キットはまた、以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物を含有することもでき、冷凍保存及びその後の解凍後、臍組織は、a)臍組織生来の細胞、細胞の40%超は生きている;b)天然臍組織の組織完全性;c)臍組織生来の1種または複数の成長因子;及びd)減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞を含む。同じく開示されるのは、臍組織を含む組成物を含むキットであり、臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含み、組成物は、さらに、冷凍保存溶液を含む。
開示されるキットは、臍組織を所望の寸法に切断するための道具も含むことができる。臍組織の切断または切削用具として、メス、ハサミ、ナイフ、ブレード、バイター、穿孔機、または関節鏡視下シェーバーが可能であるが、これらに限定されない。例えば、キットは、少なくとも1種の開示される組成物及びメスを含むことができる。
冷凍保存された生臍組織は、抗癒着バリアに、及び組織再建手術創に利用することができ、組織再建手術創として、骨盤底修復、膣修復、足及び足首創傷、慢性創傷、腱修復、及び神経修復が挙げられるが、これらに限定されない。
A.実施例1 冷凍保存された生臍組織(CUT)生成物の加工処理及び包装
組織バンクまたは他の公認組織回収機関から受け取ったドナー胎盤から、臍帯(UC)を単離した。組織を、回収機関のSOPに従って収集した。UCを加工処理する手順を以下に説明する。
UCを胎盤から取り出した。胎盤表面からできるだけ近くで切断した。
UCをPBSで2回すすいで、表面の血餅を全て除去した。比較的まっすぐなUCから血管を除去した(図2A)。静脈が下側に、及び2本の動脈が上側にくるように、UCを配置した。メス型ブレードを用いて、2本の動脈の間を縦方向に、臍帯の深さの半分まで、丁寧に切断した。UCを半分に切断してしまわないように注意した。
鉗子一式を用いて、動脈を周囲間質組織から剥がした。動脈が完全に露出してはいない場合、ハサミまたはメス型ブレードを用いて動脈周囲を丁寧に切断した。
コイル状の臍帯から、血管を除去した。静脈に、スパーテルまたは鉗子で穴を開けた。スパーテルまたは鉗子に先導させて、静脈を、ハサミまたはメス型ブレードで切開した。メス型ブレードを用いて、静脈の反対側をその真下のワルトン膠質とともに切断し、動脈を露出させた。鉗子一式を用いて、動脈を周囲間質組織から剥がした。
UCがコイル状の場合(図2B)、静脈に、スパーテルまたは鉗子で穴を開けた。スパーテルまたは鉗子に先導させて、静脈を、ハサミまたはメス型ブレードで切開した。メス型ブレードを用いて、静脈の反対側をその真下のワルトン膠質とともに切り裂き、動脈を露出させた。鉗子一式を用いて、動脈を周囲間質組織から剥がした。
静脈及び動脈を除去した後のUCは臍組織(UT)になる。UTを、PBSに入れてすすぎ、残存血液を全て除去した。積層ローラーを用いて、臍帯を平坦化した。過剰なワルトン膠質を、曲線ハサミで切り落とした。UTを平坦化及び成形し、そしてワルトン膠質を切り落とす工程は、UT表面が滑らかになるまで繰り返すことができる。次いで、UTをPBSで2回すすいだ。組織上の血液粒子は全て除去した。
抗生物質処理(任意選択):加工処理したUTを、250mlの抗生物質カクテル液Dに入れて、37℃、5%COで、18〜84時間インキュベートした。
UTから単位片へと加工処理する:UTを生理食塩水中で2回すすいだ。メスを用いて、垂直に切断し、角形端を維持した。単位片周囲の過剰な組織を全て切り離した。
組織の過剰な筋及び脱色についてUTを視診する:組織の過剰な外来性筋または脱色(血斑の兆候)が存在しないように、UTの最終的な単位片を、加工処理した。
UT単位片を、生理食塩水で2回すすぎ、所望の形状及び寸法に切断した。各単位片を、冷凍保存し、次いで−80の冷凍庫で冷凍させて貯蔵した。
B.実施例2 生CUTの胎盤組織細胞生存度の評価
トリパンブルー排除法:解凍した組織試料を、小さい立方体に細分化し、温コラゲナーゼII溶液(Worthington)中、2.5時間インキュベートした。次いで、消化された組織試料を、70−100μm細胞ろ過器でろ過し、2000rpmで遠心して、組織から放出された細胞をペレットにした。次いで、細胞ペレットをトリパンブルー含有DMEMに再懸濁させた。自動細胞計数器、Cellometerを用いて、細胞数を計測した。
LIVE/DEAD生存率/細胞毒性アッセイ:LIVE/DEAD生存率/細胞毒性アッセイを、取扱説明書(Life Technologies)に従って行った。簡単に述べると、組織試料を、カルセインAM及びエチジウムホモ二量体−1中、37℃で30〜45分間インキュベートした。次いで、試料をPBS中ですすぎ、蛍光顕微鏡観察により分析した。4倍で画像を撮影した。2人の別々のオペレーターがImageJ(NIH)を用いて細胞計数を行った。
組織処理及び冷凍保存の効率を、冷凍保存された試料中対新鮮な試料中の生細胞%により評価した。生細胞%は、(冷凍保存された組織での解凍後の生存度)/(新鮮な組織での生存度)×100%として計算した。
表1は、新鮮な臍組織及び解凍後の臍組織中の細胞生存度を示す。
表1に示す結果は、加工処理方法が、新鮮な組織中に存在する生細胞の>95%を保持することを示す。
C.実施例3 生CUTの構造特性
改変チャネルを可視化するため、ローラーをトリパンブルー色素で染色し、UT上でチャネル形成を行った。図3Aは、トリパンブルーが、UTを染色して、改変チャネルを鮮明に示したことを実証する。
UTの完全性が保存されているかどうかを調べるため、チャネル形成したまたはしていないいずれかであるUTで組織学的解析を行った。主要ECMタンパク質、ヒアルロン酸(HA)を、免疫化学染色用に選択した。
図3Bに示すとおり、チャネル形成(加工処理)は、臍組織に一連の圧痕を形成した。
D.実施例5 生CUTリポ多糖類の免疫原性
(LPS)誘導型TNF−α分泌アッセイを行って、冷凍保存された臍帯の免疫原性を求めた。新鮮な(未処理の)臍組織及び冷凍保存された臍組織の2×2cm片を、LPS(1ug/mL)とともに24時間インキュベートした。LPS(1ug/mL)ありまたはなしで刺激されたヒト末梢血単核球(hPBMC)を、それぞれ、陽性対照及び陰性対照とみなした。24時間後、上清を収集し、TNF−α ELISAアッセイを行った。結果は、LPSが冷凍保存された生UTを活性化してTNF−αを放出させることはなかったことを示し、したがって、冷凍保存されたUTは、非免疫原性である(図4)。
E.実施例6 生CUTの成長因子解析
室温の生理食塩水を、直接、円筒形ジャーに加えることにより、生CUTを解凍した。単位片を切断して小片にし、次いでメスを用いて、非常に小さい立方体(1×1×1mm)にし、液体窒素バスに入れたホモジナイズ管中で急速凍結させた。次いで、製造元の推奨に従って、TissueLyser LT(Qiagen)の予冷したチャンバを用いて、1mlのPBS中でプロテイナーゼ阻害剤(Roche)の存在下、組織をホモジナイズした。次いで、ホモジネートを、遠心し、上清を収集して、特定の成長因子についてELISAで解析した。
E.実施例7 チャネル形成は、in vitroでの塩基性FGF(bFGF)及びVEGF放出を増加させる
成長因子の放出に対するチャネル形成の効果を実証するため、生CUT試料を、チャネル形成工程ありまたはなしいずれかで加工処理した。冷凍保存を含むその他の工程全ては、両方のグループで同一にした。次いで、単位片を解凍し、24ウェルプレートに入れ、1mLの低血清培養培地(DMEM+1%FBS+2%anti−anti+2%GlutaMAX)に浸し、37℃で1日間、4日間、及び7日間インキュベートした。各時点で培養上清を収集し、新鮮な培地を培養物に加え直した。ELISAを使用して、重要な血管新生成長因子、bFGF及びVEGFの放出を、経時的に分析した。
まとめ:UTのチャネル形成は、UT組織からの塩基性FGF及びVEGF放出を増加させ、このことは、in vivoでの一体化をより良好に促進する可能性がある(図5)。
G.実施例8 生CUTは、in vitroで細胞付着を促進する
生CUT上への細胞付着に対するチャネル形成の効果を実証するため、ヒト皮膚線維芽細胞(HDF)を、カルセイン−AMで予め標識化し、VCUTの表面に1時間及び2時間播種した。1時間または2時間インキュベーション後、生CUTをPBSで洗い、蛍光顕微鏡下で描出した。
結果は、生CUTが、HDF付着を促進することを実証する(図6)。
H.実施例9 生CUTは、抗菌性ペプチド、RNAアーゼ7を含有し、それを放出する
2×2cmの冷凍保存された臍組織試料を、滅菌生理食塩水中で解凍し、次いでDMEM+1%FBS中で3日間インキュベートした。3日後、培養上清及び細胞溶解液を、RNAアーゼ7の存在について分析した。組織培養液を調製するため、組織片を細分し、プロテイナーゼ阻害剤(Roche)を補充した組織タンパク質抽出試薬(T−PER)に入れて室温で40分間シェーカーで溶解させた。14,000rpmで2分間遠心して不溶性物質を除去し、得られる組織溶解液を、新たな試験管に移した。ヒトRNAアーゼ7ELISAキット(Icosagen)を用いて、培養上清及び組織溶解液中のRNAアーゼ7のレベルを検出した(表3)。
結果は、生CUTが、抗菌性質を持つタンパク質であるN−Galに加えて、別の抗菌性タンパク質、RNAアーゼ7も含有し、これを放出することを示した。
I.実施例10 生CUTの機械的試験
生CUTの生物力学的特性を特性決定するため、破断するまでの二軸引張、縫合維持、及びボールバースト試験を行った。
試験試料は、少なくとも3体の異なるドナーから得て、2つの試験(破損するまでの引張り及び縫合維持)については、各方向(血管方向に対して並行及び垂直)に対して3つ組で試験した。ボールバースト試験の二軸性は、マトリクスの方向性を考慮にいれるため、3つの試料に由来する3つ組の試料を、繊維方向を考慮せずに使用した。全ての検体を室温で解凍し、次いで厚さを、ゲージ長さにわたって、荷重のない状態で、光学マイクロメーターで測定した。1検体あたり3回の厚さ測定の最小値を記録し、平均した。正確な厚さの測定値を得るため、検体を叩くようにして乾かし、表面の余分な水を除去した。
1.材料及び方法
i.装置及び用品
材料試験システム(ElectroPuls E3000;Instron);100N荷重セル(2530−427;Instron);含気性くさび形グリップ(CP101755;Instron);200グリット紙やすりシート;220グリット紙やすりリング;光学マイクロメーター(LS−7030MT;Keyence);特注ボールバースト試験備品(12.5mm支持板開口部/6.25mm圧子併用);メスに#10または#11ブレードをセット;0.35mm径の鋼線(2−0縫合直径と等しい);0.9%塩化ナトリウム灌水用USP(B−Braun);真鍮角棒ストック、幅6.25mm;ステンレス鋼定規(1.0mm精度)
ii.試験設計
試験用検体は、2つの試験、一軸引張及び縫合維持について、各方向(主要マトリクス方向に対して並行及び垂直)で臍組織試料から得た。引張り破断試験用に、9つの(n=9)組織条片を、4つの移植片から並行方向で得て、9つの(n=9)条片を、5つの移植片から垂直方向で得た。同様に、縫合維持試験用に、9つの(n=9)検体を4つの移植片から並行方向で得て、9つの(n=9)検体を、4つの移植片から垂直方向で得た。ボールバースト検査の二軸性は、マトリクスの方向性を考慮にいれるため、7つの移植片から9つの(n=9)検体を、繊維方向を考慮せずに選択した。
iii.検体調製
検体を、冷凍保存溶液に懸濁させ、ドライアイスで凍結させて輸送した。移植片を、氷晶が存在しなくなるまで、室温で解凍し、次いで、厚さ測定及び生物力学的試験用に0.9%生理食塩水に入れた。
iv.縫合維持検査
縫合維持検体(最適寸法2cm×4cm)を、並行及び垂直方向の移植片両方を含む「2.5×5.0cm」とラベルの付いた検体群から、選択した。検体を含気性グリップで固定し、上部クランプから2.0cmのタブがぶら下がった状態にした。直線分25.4cmのワイヤを、検体の幅の中心に、自由末端から1.0cm離して、タブに通して設置した。ワイヤを、特注グリップ台座及び支柱システムを備えた材料試験システムの台座に固定した。ワイヤを支柱に巻きつけ、それがクロスヘッドの伸張でほどける心配がないようにワイヤ自身に巻きつけた。検体を、25.4mm/秒の制御された変位速度で引っ張った。
荷重及び変位データを、それぞれ、材料試験システムの100N荷重セル及び一体型LVDT位置センサーで記録した。
v.ボールバースト試験
検体を、提供された最大移植片から選択した。各繊維方向で、レーザーマイクロメーターを用いて3回厚さ測定を行い、次いで平均した。次いで、各検体を、検査中に滑らないようにするために2つの220グリット紙やすりリングの間に挟んで、ボールバースト備品の板の間にクランプで固定した。検査は、ASTM標準法D6797−021に従って、変位速度305mm/分で行った(本来提唱されている25.4mm/秒(1,524mm/分)では、エラーになることが分かったので、修正した)。
荷重及び変位データを、それぞれ、材料試験システムの100N荷重セル及び一体型LVDT位置センサーで記録した。変位は、臍組織の面に対して垂直な圧子の移動と定義され、検体の上面を、ゼロ位置とした。壁応力を、Freytes et al. 2. Stretch is a non−dimensional equivalent of strain in two dimensions2に報告された式を用いて計算した。
vi.破断までの一軸引張試験
組織条片を、メス、及び真っ直ぐで一定した切断を誘導するための真鍮角棒からなる型を用いて切断した(検体寸法については、図15を参照)。全ての検体について、ゲージ長を27mmに設定し、レーザーマイクロメーターを用いて、このゲージ長内で3回の厚さ測定を行った。検体幅は、定規で3回測定し、その平均を計算に使用した。検体を、ゲージ長がグリップ間の最初の距離であるようにして、含気性グリップ中に置き、試験中に滑らないようにするために200グリット紙やすりを検体とグリップ面との間に用いた。取扱上の問題がなかったので、元来提唱されているとおりに検体を測定しやすくまたは締め付けしやすくするためのTyvekは必要なかった。全ての検体を、5mm/秒の制御された変位速度で試験した。
荷重及び変位データを、それぞれ、材料試験システムの100N荷重セル及び一体型アクチュエーター位置センサーで記録した。最大応力は、各検体について最大荷重を平均横断面積で除算したものとして計算した。最大応力での歪みは、最大応力値をゲージ長で除算したものに相当する変位値であった。弾性率及び剛性、すなわち応力歪み曲線及び荷重変位曲線の線形部分は、各図の点の直線回帰の傾きとして使用した。値が、0.05mm/mmより大きく、かつ最大応力での歪みの80%であった場合に、その値を考慮に入れた。この手順を、全ての検体に一貫して繰り返した。
vii.データ分析
算出された構造特性及び材料特性のそれぞれを記述統計学に基づき報告したが、これには、平均、中央値、標準偏差、±25thパーセンタイル、平均値の標準偏差(SEM)、及び正規性(Shapiro−Wilk検定でα>0.05が正規性と示される)解析が含まれる。
2.結果
組織の取扱いは、質的に非常に良好であった。端のめくれ上がりまたは周囲材料に対する過剰な固着はなかった。検体を特定寸法に切断する最中に困難にぶつかることはなかった。
i.縫合維持試験
荷重及び変位データを、表4及び図7に示す。どの検体でもグリップからの滑り落ちは認められず、またどの検体のワイヤも巻きつけがまったくほどけることはなかった。
ii.ボールバースト試験
データを表5に示す。ボールバーストスタンドの支持リム近くでの破断は観察されなかった。破断は全て、圧子の先端の近辺で生じた。全ての検体は、試験中確実に締められていて、板開口部の端周囲での滑り落ちは観測されなかった。
iii.破断までの一軸引張試験
18の検体のうち15(83.3%)で、破断が、グリップから離れた組織中間物質で生じた。残りの3つの検体については、グリップ近くで破断が生じたが、これらの生物力学解析の結果は、中間物質破断データと一致していたので、それらもこの試験に含めた。データを、表6(並行方向)、表7(垂直方向)に記載し、構造特性を図8A〜Cに示し、材料特性を図8D〜Fに示すことで図8にグラフで示す。
3.結論
この試験の目的は、3つの試験様式を用いて臍組織に基づく生成物の様々な生物力学的特性を特性決定することであった。文献には限られたデータしか存在しないため、この試験が必要とされる。概して、組織は、取扱性に優れ、行った試験のどれについても検体の固定に問題はなかった。全ての試験について、組織破断荷重は、100N荷重セルの操作範囲内にあった。特定の方向性のある組織で特性決定した試験(縫合維持及び一軸引張)では、方向による大きな生物力学的差は現れなかった(統計的比較は、この試験の一部として含まれなかった)。
この試験で測定された最大応力値は、0.41±0.09MPaであったが、一方最大応力での歪みは、0.95±0.71であった。
J.冷凍保存された生臍組織(vCUT)は、軟部組織再生を改善する:6例の腱修復症例報告
6人の患者が、vCUT促進性腱修復手技を受けた。この集団には、年齢19歳〜58歳の患者が含まれ、女性患者4人、男性患者2人であった。1人の患者は、急性アキレス腱修復を受けたことがあり、2人は、踵骨外骨腫切除/Haglund切除術をデブリードマン/アキレス修復とともに受けたことがあり、2人は短腓骨筋修復を受けたことがあり、そして1人は、Kidner術をデブリードマン/後脛骨腱の修復とともに受けたことがあった。保存的治療は、安静、行動修正、耐久性医療機器の試用、及び理学療法からなるものであるが、これを、患者全員に対し、vCUTを移植する前に行った。患者は誰も手術後感染症を発症しなかった。
1.アキレス修復、急性及び慢性
i.症例1
28歳の男性が、バスケットボールをしている最中に、右アキレス腱の完全断裂に見舞われた。患者は、Krakow縫合術を用いてエチボンドでの腱の端端修復と合わせてVY切離術(V to Y recession)を受けた。次いで、腱をvCUTで包んだ。縫合する際、その部位にアダプティックを当てて乾燥滅菌包帯(DSD)を巻き、患者に、膝下の免荷ギプスをはめ、松葉杖を与えた。手術から1週間後、患者が経過観察のため再来訪したとき、患者は、痛みがほとんどまたはまったくなく、患者の可動域が背屈−5度であることを報告した。手術から4週間で、患者の可動域は、背屈0度になった。手術から6週間後、ギプスを外し、患者に足首動作制御(Controlled Ankle Movement, CAM)ブーツを履かせ、4週間にわたる週に3回の理学療法を開始した。手術から8週間で、患者の可動域は、背屈+5度になり、患者は、普通の靴に移行して仕事に復帰し、痛みの報告はなかった。
ii.症例2
44歳の女性の右足に、痛みを伴うHaglund変形が、滑液包炎及びアキレス腱炎とともに見つかった。Haglund変形及び右滑液包の切除を、右アキレス腱のデブリードマンと併せて行った。次いで、アキレス腱をvCUTで包み、バイクリルで固定した。縫合後、アダプティック非固着性ドレッシング材を当てて乾燥滅菌包帯(DSD)を巻き、患者に、免荷ギプスをはめ、荷重を軽くするため松葉杖を与えた。手術から1週間後、患者は、痛みをほとんどまたはまったく報告しなかった。手術から2週間後、ギプスを外し、患者にCAMブーツを履かせた。手術から4週間後、切開線は、ほとんど視認できなかった。患者は、耐えられるかぎり普通の靴に移行することが許可され、理学療法が処方された。手術から8週間後、腫脹はまったく認められなかった。患者は、筋肉強度を100%再獲得し、理学療法を続けた。
2.アキレス腱炎/腱鞘炎
i.症例3
58歳の女性の左足に、痛みを伴うHaglund変形が、踵骨骨棘及びアキレス腱炎/腱鞘炎とともに見つかった。保存的治療に失敗した後、患者は手術を勧められて、踵骨骨棘の摘出を、アキレス腱のデブリードマン及び繋留とともに受けた。vCUTを、修復されるアキレスを覆って置き、それから縫合した。DSDを巻き、患者に膝下のギプスをはめ、荷重を軽くするため松葉杖を与えた。手術から1週間後、切開線は、平坦で、最小限の腫脹しかなかった。手術から2週間後、合併症はまったく報告されなかった。患者は、手術から3週間後、2/10レベルの疼痛を報告したが、腫脹もなく、裂開もなく、感染もなかった。患者は、膝下のギプスを3週間はめ、その後CAMブーツを履き、耐えられる限りで体重をかけることが許された。患者は、4週目に理学療法を開始した。
3.短腓骨筋腱修復
i.症例4
左短腓骨筋腱の部分裂傷及び左足首の前距腓靱帯損傷がある、19歳の男性。患者は、多発性めまい(multiple vertigo)の既往歴があり、その結果、何度も左足首を捻挫していた。患者は、短腓骨筋腱の修復及び管状成形術(tubularization)、改変Brostrom術、ならびに低位筋腹の切除を受けた。腱をvCUTで包み、追加のvCUTを、Brostrom修復部を覆って置き、それから縫合した。患者の左下肢に、免荷ギプスをはめた。手術後最初の1週間、患者は、痛みを最小限にしか、またはまったく感じなかった。浮腫、紅斑、または感染の兆候は、観察されなかった。4週間でギプスは外され、患者は、CAMブーツを履かされて、4週間にわたる週に3回の理学療法を開始した。手術から4週間後、切開部には最小限の瘢痕しか観察されなかった。手術から6週間後、患者は、靴を履いて来診した。手術から7週間後、瘢痕は観察されなかった。患者は、vCUTなしで行われた以前の手術よりも少ない疼痛、腫脹、及び瘢痕形成で、より速く治癒した。
ii.症例5
47歳の糖尿病の女性の左足首に、短腓骨筋腱裂傷が見つかり、MRIで確認された。患者は、腱のデブリードマン及び修復を受けた。腱に、菅形成術を施し、次いでvCUTで包んでバイクリルで固定した。最初の縫合後、追加のvCUT片を、皮下に設置し、続いて皮膚を縫合した。アダプティック非固着性ドレッシング材を当てて乾燥滅菌包帯(DSD)を巻き、患者に膝下の免荷ギプスをはめた。患者は、手術から最初の1週間の間、4/10の疼痛レベルを報告したが、切開線の腫脹は観察されなかった。患者の疼痛レベルは、手術から2週間後、2/10疼痛レベルに低下し、手術から4週間後には、患者は疼痛がないと報告した。患者は、3週間、毎週ギプスを交換し、その後、CAMブーツに移行した。手術から6週間後、切開部位には小さな瘢痕があり、患者は、耐えられる限りにおいて通常の靴に移行するよう指導された。手術から10週間後、手術部位の瘢痕は、引き続き消えつつあった。
4.後脛骨腱修復
i.症例6
38歳の女性に、左後脛骨けば立ち/後脛骨腱機能障害が見つかった。患者は、短下肢装具(AFO)の助けを借りて歩行していた。さらに、患者の治療歴には、左足に、左側下垂足及び肥大舟状骨により引き起こされた過敏及び前潰瘍化の治療範囲が含まれていた。肥大舟状骨の摘出を、後脛骨腱のデブリードマン及び骨アンカーを用いた腱と舟状骨の繋留とともに行った。vCUTを後脛骨腱に付着させ、バイクリルで固定した。アダプティック非固着性ドレッシング材を当てて乾燥滅菌包帯(DSD)を巻き、患者に免荷ギプスをはめ、荷重を軽くするため松葉杖を与えた。手術から1週間後、患者は、疼痛がないと報告した。手術から4週間後、ギプスを外し、患者は、CAMブーツを履かされた。同じく4週間で、AFOによる過敏範囲は解消され、切開は治癒した。手術から8週間後、過敏範囲は引き続き改善されており多少の変色があった。手術から13週間後の来診時、濃い変色は引き続き正常な色素沈着へと戻りつつあった。
5.考察
これらの結果は、様々な腱修復手術における冷凍保存された生臍組織の補助的使用が、安全かつ有効であることを示す。そのうえさらに、これらの結果は、冷凍保存された生臍組織が、顕著に、患者の疼痛レベルを改善し、修復過程をスピードアップし、瘢痕形成を最小限にすることができたことを示し、冷凍保存された生臍組織のおかげで、患者は、制約なく、かつほとんどまたはまったく疼痛を感じずに、日常活動及び余暇活動を再開することができる。
K.癒着バリアのウサギモデル
ウサギに、ケタミン及びキシラジンで麻酔をかけた。さらに、ブプレノルフィン(0.03mg/kg)を投与した。IVカテーテルを、耳翼辺縁静脈に設置し、ウサギの腹部を剃毛した。手術室で、気管内チューブを設置した。外科手術中、ウサギは、1〜3%イソフルラン+1〜2Lt酸素で麻酔下に維持した。パルスオキシメーターを使用して、心拍数及びSpO2をモニタリングした。温度は、可能な場合に15分ごとにモニタリングした。手技の開始前に、外科手術野をベタダインスクラブ液で無菌摩擦し、70%エタノールで3回清拭した。
外科手術野を滅菌手術ドレープで覆った後、10cmの正中線開腹を作り、盲腸及び腸を切除した。側壁欠損と隣接する盲腸の表面を、点状出血が観察されるまで、滅菌ガーゼで15分間擦過した。腸の残部に面する盲腸の表面も、5分間擦過した。筋肉層の一部を除去することにより、腹壁を擦過し、出血及び炎症を誘導した。癒着形成を完了した後、腸を腹腔に戻し入れ、腹部を縫合した。治療群については、腹部縫合の前に、冷凍保存された生臍組織(CUT)を腹壁に縫合し、続いて、擦過組織と壁面が直接(かつ連続して)接触するように、盲腸を腹壁に縫合した。腹部を縫合した。各動物について体重を毎週測定した。1日1回、ケージ脇から観察して、動物の全体的な健康状態をモニタリングした。7、28、及び74日目、動物を、ケタミンキシラジン麻酔下でペントバルビタールナトリウムを使用して安楽死させた。実験計画を、表8にまとめる。
盲腸と直接対向する擦過腹壁は、7日目に早くも癒着形成の兆候を示した。これらの癒着には、複数の腸セグメントが関与していた。CUTの存在下では、CUTにより覆われた範囲での癒着は検出されなかった。わずかな癒着が、CUTにより覆われていない辺縁でのみ認められた。手術による顕著な局所的出血が、依然として見つかった。擦過盲腸と縫合された腹壁は、強力な癒着を形成したことが、手術から7日後に観察された。CUTの存在下では、盲腸と腹壁の間の癒着は検出されなかった。しかしながら、CUTに覆われなかった擦過辺縁は、癒着形成を示した。CUTと擦過盲腸の間にわずかな癒着が検出されたことは、炎症により駆動されたCUTタンパク質分解によるものである可能性がある。
盲腸の複数セクションが、腹壁との緊密な癒着を示した。CUTの存在下では、癒着形成はなかった。部分CUT分解が観察された。盲腸の辺縁は、CUTで覆われておらず、そこでは癒着があった。擦過盲腸と縫合された腹壁は、複数のセグメントで強力な癒着形成をもたらした。CUTの存在下での盲腸と腹壁の間の癒着は検出されなかった。しかしながら、盲腸及び腹壁のCUTに覆われなかった擦過辺縁は、癒着があった。
盲腸の複数セクションが、腹壁との緊密な癒着を示した。CUTの存在下では、癒着の兆候はなかった。また、CUTは、74日間の期間後、腹壁に組織の痕跡を残して完全に消失していた。著しい炎症の存在はなく、腹壁と盲腸の間に癒着は全く存在しなかった。擦過盲腸と縫合された腹壁は、依然として、非常に強力な癒着を有していた。擦過腹壁と盲腸との間に癒着は観察されなかった。CUTは、腹壁にごくわずかのCUTを残して、ほぼ完全に溶解していた。
L.手術後感染のラットモデルにおける冷凍保存された生臍組織(CUT)の抗菌効果
癒着及び感染は、合成メッシュを用いる腹部再建手術の重篤な合併症である。感染は、使用された材料に関わらず、汚染された腹部手術野でのメッシュ使用後で、症例の30%にもなる多さで報告されてきた。この試験の目的は、Sprague Dawleyラットで、手術後感染の予防について、冷凍保存された生臍組織を評価することである。
ラットに手術を行い、皮下感染を起こさせて、手術後感染を予防するためのバリア候補の能力を試験した。
手術前、ラットは、ケタミン及びキシラジンで麻酔をかけることができる。ブプレノルフィンを投与することができる。背側表面を、剃毛することができ、または脱毛剤を使用して望ましくない毛髪を除去することができ、そして動物を注射麻酔下に維持及び必要であればイソフルランを補充することができる。手術場所は、ノルバサンスクラブ液またはベタダインスクラブ液で手術時洗浄を行うことができ、70%エタノールで少なくとも2〜3回清拭することができる。
左右対称な3cmの背側切開を、脊椎に対して1cm外側に作ることができる。各切開部位で皮下ポケットを作ることができ、各ポケットに、1つの試験物(同じ種類及び接種材料のもの)を入れることができる。細菌接種材料(約200μL)または滅菌生理食塩水(約200μL)を、各移植された試験物にピペットで加え、その後、滅菌ステープル、または縫合糸、及び/または組織接着剤で皮膚を縫合することができる。28日後に、肉眼評価及び組織学的評価を行うことができる。試験群を、表9に記載する。
ラットの背側を剃毛して、手術用に皮膚を露出させた。3×3cmの切開を作り、皮下ポーチを導入した。背側に2.5×2.5cmのCUTを皮下移植し、続いて2種の異なる細菌株を播種した。Staphylococcus aureus ATCC 6538を、1×10CFU/創傷の濃度で、及びEscherichia coli ATCC 25922を、7×10CFU/創傷の濃度で使用した。手術後、切開した背側を縫合した。試験材料及び細菌の皮下移植の評価及び収集は、28日後に行った。
当業者なら、本明細書で記載される方法及び組成物の具体的な実施形態と等価なものを多数認めることができ、または常用実験に過ぎないものを用いてそのような等価物を確認することができるだろう。そのような等価物は、以下の請求項により包含されるものとする。
参照文献
1. ASTM D6797−02 − Standard Test Method for Bursting Strength of Fabrics: Constant−rate−of−extension (CRE) Ball Burst
2. Biaxial strength of multilaminated extracellular matrix scaffolds. Freytes DO, Badylak SF, Webster TJ, Geddes LA, Rundell AE. Biomaterials, 2004 (25), 12,2353−61
3. Biomechanical properties of the human umbilical cord. Pennati G. Biorheology, 2001 (38), 355−366

Claims (52)

  1. 臍組織を含む組成物であって、前記臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含む、前記組成物。
  2. 前記臍組織は、冷凍保存されている、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記臍組織は、以前に冷凍保存されている、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記組成物は、生免疫原性細胞を含まない、請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記組成物は、血管を含まない、請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記臍組織は、前記臍組織生来の生細胞を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記生細胞は、間葉系幹細胞、線維芽細胞、上皮細胞、またはそれらの組み合わせを含む、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記臍組織は、前記臍組織生来の1種または複数の成長因子を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記成長因子は、上皮成長因子(EGF)、ヒト成長因子(HGF)、ケラチン生成細胞成長因子(KGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、TGF−β1、2、及び3、インスリン様成長因子−1(IGF−1)、血管内皮増殖因子(VEGF)、VEGF−C、VEGF−D、TGF−α、インターロイキン10(IL−10)、インターロイキン−1受容体α(IL−1rα)、間質細胞由来因子−1(SDF−1)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(N−Gal)、マトリックスメタロプロテイナーゼ8(MMP8)、組織メタロプロテイナーゼ阻害物質1(TIMP1)、TIMP2、アンジオポエチン2(hAng2)、トロンボスポンジン2(TSP2)、血小板由来増殖因子AA(PDGF−AA)、PDGF−AB、胎盤成長因子(PIGF)、インスリン様成長因子(IGFBP1)、IGFBP2、IGFBP3、α2−マクログロブリン、アディポネクチン(hACRP30)、またはフィブロネクチンである、請求項8に記載の組成物。
  10. 前記臍組織は、前記臍組織生来の1種または複数のサイトカインを含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記1種または複数のサイトカインは、間質細胞由来因子−1(SDF−1またはCXCL12)、IL−10、またはIL−1rαである、請求項1から10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 前記臍組織は、生来の生細胞を含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 前記臍組織は、ワルトン膠質層側及び羊膜上皮層側を有し、前記改変チャネルは、前記ワルトン膠質層側に存在し、かつ前記羊膜側に延伸してはいない、請求項1から12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 前記改変チャネルは、前記臍組織全体に延伸している、請求項1から13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 前記組成物は、生免疫原性細胞を含まない、請求項1から14のいずれか1項に記載の組成物。
  16. さらに、冷凍保存溶液を含む、請求項1から15のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 各改変チャネルは、約0.02mm〜約2mmの範囲の直径を有する、請求項1から16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 各改変チャネルは、縦軸を有し、かつ各改変チャネルは、前記改変チャネルの前記縦方向の全長にわたり一定の直径を有する、請求項1から17のいずれか1項に記載の組成物。
  19. 各改変チャネルは、直径を有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルの前記直径は、少なくとも1つの他の改変チャネルの前記直径と等しい、請求項1から18のいずれか1項に記載の組成物。
  20. 前記改変チャネルは全て、実質的に同じ直径を有する、請求項19に記載の組成物。
  21. 各改変チャネルは、縦軸を有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルは、前記改変チャネルの前記縦方向の長さに沿って変化する直径を有する、請求項1から20のいずれか1項に記載の組成物。
  22. 各改変チャネルは、縦軸を有し、かつ各改変チャネルは、約0.7mm〜約3.5mmの範囲の縦方向の長さを有する、請求項1から21のいずれか1項に記載の組成物。
  23. 各改変チャネルは、縦軸及び縦方向の長さを有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルの前記縦方向の長さは、少なくとも1つの他の改変チャネルの前記縦方向の長さと実質的に等しい、請求項1から22のいずれか1項に記載の組成物。
  24. 前記改変チャネルは全て、実質的に同じ縦方向の長さを有する、請求項22に記載の組成物。
  25. 前記臍組織は、天然臍組織と比較して、経時的に、上昇した速度で血管新生因子を放出することができる、請求項1から24のいずれか1項に記載の組成物。
  26. 前記臍組織は、1cm〜350cmである、請求項1から25のいずれか1項に記載の組成物。
  27. 以前に冷凍保存された臍組織を含む組成物であって、冷凍保存及びその後の解凍後、前記臍組織は、以下
    a.前記臍組織生来の生細胞;
    b.天然臍組織の組織完全性;
    c.前記臍組織生来の1種または複数の成長因子;及び
    d.減少した量の1種または複数の型の機能性免疫原性細胞
    を含む、前記組成物。
  28. 前記生細胞は、間葉系幹細胞、線維芽細胞、上皮細胞、またはそれらの組み合わせを含む、請求項27に記載の組成物。
  29. 前記成長因子は、EGF、HGF、KGF、bFGF、TGF−β1、2、及び3、IGF−1、VEGF、VEGF−C、VEGF−D、TGF−α、IL−10、IL−1rα、SDF−1、bFGF、N−Gal、MMP8、TIMP1、TIMP2、hAng2、TSP2、PDGF−AA、PDGF−AB、PIGF、IGFBP1、IGFBP2、IGFBP3、α2−マクログロブリン、hACRP30、またはフィブロネクチンである、請求項27から28のいずれか1項に記載の組成物。
  30. さらに、前記臍帯生来の1種または複数のサイトカインを含む、請求項27から29のいずれか1項に記載の組成物。
  31. 前記1種または複数のサイトカインは、SDF−1、IL−10、またはIL−1rαである、請求項30に記載の組成物。
  32. 前記臍組織は、ワルトン膠質層側及び羊膜上皮層側を有し、前記改変チャネルは、前記ワルトン膠質層側に存在し、かつ前記羊膜側に延伸してはいない、請求項27から31のいずれか1項に記載の組成物。
  33. 前記臍組織は、1つまたは複数の改変チャネルを含む、請求項27から32のいずれか1項に記載の組成物。
  34. 前記改変チャネルは、前記臍組織全体に延伸している、請求項33に記載の組成物。
  35. 各改変チャネルは、約0.02mm〜約2mmの範囲の直径を有する、請求項33から34のいずれか1項に記載の組成物。
  36. 各改変チャネルは、縦軸を有し、かつ各改変チャネルは、前記改変チャネルの前記縦方向の全長にわたり一定の直径を有する、請求項33から35のいずれか1項に記載の組成物。
  37. 各改変チャネルは、直径を有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルの前記直径は、少なくとも1つの他の改変チャネルの前記直径と等しい、請求項33から36のいずれか1項に記載の組成物。
  38. 前記改変チャネルは全て、実質的に同じ直径を有する、請求項37に記載の組成物。
  39. 各改変チャネルは、縦軸を有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルは、前記改変チャネルの前記縦方向の長さに沿って変化する直径を有する、請求項33から38のいずれか1項に記載の組成物。
  40. 各改変チャネルは、縦軸を有し、かつ各改変チャネルは、約0.7mm〜約3.5mmの範囲の縦方向の長さを有する、請求項33から39のいずれか1項に記載の組成物。
  41. 各改変チャネルは、縦軸及び縦方向の長さを有し、かつ少なくとも1つの改変チャネルの前記縦方向の長さは、少なくとも1つの他の改変チャネルの前記縦方向の長さと実質的に等しい、請求項33から40のいずれか1項に記載の組成物。
  42. 前記改変チャネルは全て、実質的に同じ縦方向の長さを有する、請求項33から41のいずれか1項に記載の組成物。
  43. 前記組成物は、血管を含まない、請求項27から42のいずれか1項に記載の組成物。
  44. 請求項1に記載の組成物の製造方法であって、前記臍組織に改変チャネルを形成することを含む、前記方法。
  45. さらに、前記臍組織を、少なくとも1種の抗生物質で処理することを含む、請求項44に記載の方法。
  46. さらに、前記臍組織を所望の寸法に切断することを含む、請求項44から45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 前記臍組織を所望の寸法に切断することは、以下
    a.カッターを前記臍組織上に設置すること;及び
    b.前記臍組織を、直角形状を維持するように切断すること、
    を含む、請求項46に記載の方法。
  48. さらに、組織の余計な筋及び脱色について前記臍組織を視診することを含む、請求項44から47のいずれか1項に記載の方法。
  49. さらに、残存する血液を全て除去することを含む、請求項44から48のいずれか1項に記載の方法。
  50. 損傷組織の治療方法であって、前記損傷組織の部位に、請求項1から423のいずれか1項に記載の組成物を投与することを含む、前記方法。
  51. 前記損傷組織は、軟部組織損傷、手術創、骨盤底突出症、膣欠損症、足及び足首創傷、慢性創傷、腱裂傷または腱断裂、神経損傷、または皮膚創傷に由来するものである、請求項50に記載の方法。
  52. 請求項1から423のいずれか1項に記載の組成物を含む、キット。
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