JP2018526443A - 全身性エリテマトーデスを治療するためのlgals3bpの調節方法 - Google Patents

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Abstract

発明の実施形態は、LGALS3BPを調節する方法、並びに全身性エリテマトーデスおよびループス腎炎を含む自己免疫疾患の治療において、LGALS3BPに対する抗体の使用を記載する。

Description

優先権主張
本PCT特許出願は、2015年8月31日に出願された米国仮特許出願番号第62/212,163に対し優先権を主張する。ここで、当該仮出願は、その全てを本明細書中に明確に援用される。
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出された配列表を含み、そしてその全てを明細書中に援用する。2016年8月23日付で作成されたASCIIコピーは、P15167WO_SEQ_LISTING.txtという名であり、5320バイトのサイズである。
技術分野
本発明は、一般に、様々な自己免疫病理に関連する自己抗体の産生が減少するような条件下でLGALS3BPの活性を調節(非限定的に、減少、低下、阻害、抑制、制限または制御を含む)するか、あるいは代替的に組換えLGALS3BPを補充することによって病原性感染因子に対して応答する天然の抗体分泌またはワクチン応答を増強および亢進するための方法に関する。
免疫系の不全は、宿主を感染性因子から防御することができないこと、あるいは逆に、寛容を破壊し、そうして自己免疫病理を引き起こす自己の誤認のいずれかを介して現れる。自己免疫病理は、一般に、遺伝要因と環境要因との組み合わせによって引き起こされ、T細胞またはB細胞によって媒介される病理に大別することができる。自己反応性病原性T細胞は、MHC I分子と自己抗原由来ペプチドの適切な組み合わせに、T細胞受容体が結合することにより、標的細胞を認識し、多数の異なるメカニズムを介して、標的細胞の直接的な殺傷をもたらす。1型糖尿病および原発性胆汁性肝硬変の発達は、自己反応性T細胞によって媒介される病態の代表的な例である。
B細胞に関連する自己免疫の共通の特徴は、細胞の機能的構造(核酸、核タンパク質、受容体、イオンチャネル)に向けられた自己抗体の存在である。それらの標的に結合することにより、自己抗体は、補体活性化および/または抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)により、あるいは標的機能をブロックすることによって、細胞の細胞傷害性破壊を媒介することができる。病原性自己抗体は、グレーブス病(抗甲状腺刺激ホルモンAbs)、重症筋無力症(抗アセチルコリン受容体Abs)、血管炎およびウェゲナー肉芽腫症(抗ANCA Abs)、神経滑膜炎(抗アクアポリン−4Abs)、原発性硬化性胆管炎(抗好中球細胞質Ab、抗SM Ab)を含む多数の疾患の発達を媒介する。他の自己免疫疾患、例えばSLE,シューグレン症候群及びループス腎炎(抗DNA、抗RNA、抗ヒストン、抗Ro、抗La、抗リン脂質Abs)、関節リウマチのサブセット(抗シトルリン化タンパク質、抗RF、抗CarP Abs)は、自己抗体とそれらの標的分子との免疫複合体の病原性作用により引き起こされる
自己免疫疾患の治療のための治療的アプローチは、かなり限定された有効性を有する。伝統的な治療レジメンは、ステロイドおよび様々な細胞毒性および細胞増殖抑制性の免疫抑制剤の作用に依存し、それらは急速に増殖する自己反応性免疫細胞を排除し、自己免疫プロセスの発達を遅らせるべきである。最も一般的に使用される、自己免疫疾患の治療薬、つまりコルチゾン/プレドニゾン、メトトレキセート、ミコフェノレートモフェチル、クロロキンおよびアザチオプリンは、限られた治療効果しか示さず、そして多くの有害作用を伴う。
より標的化されたアプローチは、自己抗体産生の排除に焦点を当て、そしてより良い治療の約束を保持する。ベリムマブ(Belimumab)(商標名:Benlysta、以前はLymphoStat-Bとして知られていた)は、B細胞の分化及び生存に重要なサイトカインであるB−リンパ球刺激因子(BlyS)としても知られているB細胞活性化因子(BAFF)を阻害するヒトモノクローナル抗体であり、活性型、自己抗体陽性のSLEを患う成人患者に対する承認された療法であり、そしてこの療法は控えめな効力しか示さなかった。B細胞を排除し、そして結果として関連する病原性自己抗体を排除しようとするいくつかの他の生物学的療法は、ヒトB細胞上に存在する細胞表面受容体および分子にフォーカスしてきた。抗CD20標的抗体であるリツキシマブ(および同様に追加の生物製剤、例えばオクレリズマブ、オビヌツズマブおよびオフアツムマブ)は、抗体産生B細胞を認識し、そしてADCCを介してそれらを排除するように設計した。抗CD20抗体は、SLEの治療のために承認されていないが、それらは、しばしば、SLEおよび他の自己免疫疾患の治療のためにオフラベルで処方される。さらに、ヒトB細胞上の追加の表面分子、CD19およびCD22を標的する生物製剤(エプラツズマブ)は、臨床開発中であるか、開発が終わっており、それにもかかわらず臨床効果は限定的であるか、又はなかった。B細胞標的化戦略の共通の欠点は、長く生存した形質細胞の表面上にそれらの標的が存在しないことであると考えられる。 CD19- / CD38hi / CD138 +形質細胞は、骨髄中に存在し、長く生存したAb応答の多くの源である。病原性自己抗体産生を抑制するために、それらの活性を阻害するか、またはそれらの排除につながる治療は、現在同定されていない。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、炎症、組織損傷及び早期死亡を引き起こす自己抗体含有免疫複合体(IC)の形成により特徴づけられる代表的な自己免疫疾患である。 SLE ICはしばしば、サイトカイン、インターフェロンの産生を引き起こし、最終的には器官損傷へとつながる免疫応答を引き起こす、病理学的メカニズムを開始することができる、多くの先天性の免疫受容体により認識される核酸を含むことがある。SLEの大きな臨床的多様性および特発性の性質のために、特発性SLEの管理は、その特異的症状および重症度に依存する。したがって、SLEを治療するために提案される薬物は、一般に、SLEの全ての症状およびSLEに起因する合併症(例えば、LN)の治療に必ずしも有効であるとは限らない。 LNは通常、疾患経過の早期、診断の5年以内に生じる。 LNの病因は、炎症反応を開始する腎臓糸球体における免疫複合体の沈着に由来すると考えられている。 SLE患者の推定30〜50%が、腎炎を発症し、医学的評価および治療が必要となる。 LNは進行性疾患であり、臨床的増悪および寛解の経過をたどる。
多くの患者は、上記のケア投薬の標準に、応答しないか、又は部分的にしか応答しない一方で、高用量のコルチコステロイドの使用および細胞傷害性療法は、骨髄抑制、日和見生物による感染増加、不可逆性卵巣障害、脱毛症、および悪性腫瘍のリスクの増加などの深刻な副作用を有しうる。感染性合併症は、活動性SLEと一致し、免疫抑制薬による治療はSLE患者の最も一般的な死因である。したがって、SLE、そして好ましい実施態様ではLNを治療するための代替の治療薬であって、現在の治療の標準よりも副作用が少ない治療薬に対する必要性が存在する。
本出願の主題であるLGALS3BPは、B細胞関連標的として同定され、その機能的遮断が活性型B細胞ならびに長期生存した形質細胞の排除を導く。本発明の特許請求された方法は、いかなる特定のメカニズムにも限定されることを意図しないが、B細胞の活性化および抗体の産生は、多くのレベルで制御される。ある例では、B細胞は、様々なT細胞依存性刺激(例えば、CD40ライゲーション)や、T細胞非依存性刺激(例えば、様々なTLRリガンド、多糖類など)によって活性化される。本出願の実験セクションに示されるように、TLR7アゴニストは、抗体産生を誘導することができるB細胞活性化剤の代表的な例として、B細胞刺激剤の例を提供する。
自己抗体産生は、臨床的に広く観察されているが、自己抗体を産生する人口のわずかな割合しかSLEを発症しない。さらに、SLEにおける自己抗体レパートリーは制限されており、核酸に関連するタンパク質上の自己抗原を認識する抗体について富化されているようである。SLE患者の大部分は、DNA、RNPまたはその両方に対する抗体の産生を記録されている。核酸に関連する自己抗原は、自己反応性B細胞を活性化し、それらが末梢耐性チェックポイントを逃れ、自己抗体分泌細胞に分化することを可能にする。
核酸−細胞デブリ複合体の抗原認識、及び取り込みに続いて、核酸は、部分的にエンドソームのトル様受容体(例えば、TLR3、TLR7、TLR8およびTLR9)によって認識される。 B細胞におけるTLRの刺激は、それらの活性化および成熟、抗体ならびに多数のサイトカインの産生を増加させる。 SLEの発症における個々のTLRの相対的寄与は、多くのマウスSLEモデルで観察されている。さらに、RNAレセプターであるTLR7の活性が主要な役割を果たし、遺伝子をノックアウトし、並びにTLR7阻害剤の使用が、疾患の進行を有意に減弱させる。また、TLR7遺伝子の過剰発現や、小分子TLR7アゴニストの全身投与によるTLR7活性の増加は、SLE様症状の誘発をもたらす。
SLE免疫複合体中に存在する核酸はまた、樹状細胞中のTLRによって認識され得る。形質細胞様樹状細胞におけるTLR7の刺激は、大量のI型インターフェロンの産生を導く。 I型IFNは、ウイルスの拡散の制御および宿主の完全性の維持に寄与する遺伝子のセット(インターフェロン標的遺伝子)を活性化することによって、抗ウイルス防御に関与するサイトカインである。これらの遺伝子は、しばしば、SLE患者において活性化されると見られる。 I型IFNは、B細胞の活性化およびそれらによるIg産生細胞への拡大及び分化について役割を果たす。
TLR7刺激がB細胞の活性において果たす重要な役割を考慮して、本発明の実施形態は、抗体の産生を調節し得るタンパク質を同定するスクリーニングを記載する。これらのスクリーニングは、SLEの治療における自己抗体産生の薬理学的調節に有用なタンパク質およびパスウェイを同定した。これらのタンパク質について濃縮された細胞培養上清の一過性産生のための、分泌タンパク質をコードするプラスミドのライブラリーを使用し、そして続いて、IgG産生を効力を図るための読み出しとして使用して、小分子TLR7リガンドで刺激された原発性B細胞を伴う細胞系において、これらのタンパク質の活性を測定した。このスクリーニングは、IgGの産生を増加または減少させる多数のタンパク質を同定した。本発明の実施形態は、B細胞生物学に以前に関連していないタンパク質を記載しており、好ましい実施形態では、LGALS3BPを含む。
LGALS3BP(Mac2-BP、p90)は、スカベンジャー受容体ファミリーに属し、特定のタイプの腫瘍細胞によって分泌されるタンパク質として最初に同定された遍在的に発現される遺伝子である。LGALS3BP発現レベルは、腫瘍進行と密接に相関する。腫瘍細胞増殖/生存に対するその直接的効果とは別に、LGALS3BPは、血管内皮増殖因子の発現をアップレギュレートし、血管新生を促進することもできる。そのレベルはHIV-1感染の間に増加し、その活性は、エンベロープタンパク質の成熟およびビリオンへの取り込みを妨害することを介してHIV-1の感染力を低下させると考えられている。 C型肝炎患者の肝生検を分析すると、C型肝炎関連線維症におけるLGALS3BPの直接的役割が示唆された。さらに、形質LGALS3BPのレベルの上昇も、SLE患者において観察された。 LGALS3BPは、血栓形成を促進し、そして内皮細胞への血栓の付着を促進し得るため、SLEにおける心血管合併症の増加に寄与し得る。 LGALS3BPの血清レベルもまた、ベーチェット病を患う患者において増加し、疾患活動と相関することが見出された。
LGALS3BPと相互作用し、そしてLGALS3BPの機能を媒介する様々なタンパク質が記載されており、ガラクチン、レクチン、インテグリン及び他のタンパクが挙げられる。LGALS3BPは、細胞特異的様式で細胞タンパク質との多数の相互作用に関与する可能性のあるいくつかのタンパク質 - タンパク質相互作用ドメイン(SRCR、BTB、POZ)を含む。
本発明の一実施形態では、LGALS3BP中和抗体が、TLR7リガンドで刺激されるか、又はBCRライゲーションによって刺激されたB細胞からのIgG産生を有意に低下させるような条件下で、LGALS3BPがTLR7リガンドで刺激した原発性B細胞においてIgG産生を促進する。SLEにおける種々の免疫細胞のトランスクリプトーム分析は、健常ドナーに比べてLGALS3BP mRNAレベルが増加し、そしてインターフェロン調節遺伝子の発現レベルと相関することを明らかにした。
本発明の特許請求さる実施態様が、任意の特定のメカニズム(特に、TLR7が、排他的に、刺激効果を発揮しなければならないという任意の示唆)に限定されることは意図されておらず、LGALS3BPは、B細胞におけるIgG産生に及ぼす効果、並びにSLE、LN、及び潜在的な他の自己免疫疾患、例えば関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、真性糖尿病、重症筋無力症、血管炎、原発性硬化性胆管炎、自己免疫性甲状腺炎、シェーグレン症候群、ウェゲナー肉芽腫症、グレーブス病、橋本甲状腺炎、自己免疫性血小板減少性紫斑病、抗リン脂質症候群、視神経脊髄炎および原発性硬化性胆管炎の治療におけるLGALS3BP中和抗体の使用のための確認を提供する。
しかしながら、自己免疫の範囲外では、自然発生性またはワクチン誘導性の病原体特異的体液性免疫応答の増大が有益であり、実際には、感染症の設定において細菌、寄生虫またはウイルスに対する防御免疫を提供するために必要であり得る。これに関して、例えば、安全性を犠牲にすることなく組換えタンパク質サブユニットワクチンの有効性を高める戦略は、大きな関心である。なぜなら、これら(つまりマラリアに対する)により誘発される免疫応答は、より強力な生きた弱毒化または組換えベクターに対する弱い程度及び耐久性である。そのような場合、体液性免疫および抗病原体応答を増強する組換えLGALS3BP補充は、宿主防御を支持する上で有益であろう。
一実施形態では、本発明は、免疫障害、炎症応答または自己免疫疾患の症状を呈する対象においてLGALS3BPを調節する方法であって、抗LGALS3BP抗体を、前記免疫障害、炎症反応または疾患の少なくとも1の症状を改善するような条件下で、当該対象に投与することを含む、方法を記載する。
一実施形態では、本発明は、グレーブス病、重症筋無力症、血管炎およびウェゲナー肉芽腫症、オプソニクス神経炎、原発性硬化性胆管炎、シェーグレン症候群、ループス腎炎、及び関節リウマチから本質的になる疾患状態の症状を呈する対象において、LGALS3BPを調節する方法であって、該疾患状態のうちの1つの少なくとも1つの症状が改善されるような条件下で該対象に抗LGALS3BP抗体を投与することを含む、前記方法を記載する。
好ましい実施形態では、本発明は、SLEを患う患者の治療であって、治療有効量の抗LGALS3BP抗体を当該患者に投与することを含む治療を記載する。一実施形態では、抗LGALS3BP抗体は、患者において、(a)腎炎の進行を阻害する; (b)腎炎を安定させる;または、(c)腎炎を逆行させることに有効である。別の実施形態において、抗LGALS3BP抗体の量は、患者において(a)タンパク尿の進行を阻害する; (b)タンパク尿を安定化させる;または(c)タンパク尿を逆行させるために有効である。
一実施形態では、本発明は、SLEを患う患者の治療であって、治療有効量の抗LGALS3BP抗体を、以下の:(a)患者の尿素、クレアチニンまたはタンパク質の血中濃度;(b)タンパク質または血液細胞の患者の尿濃度; (c)患者の尿比重; (d)患者の尿の量; (e)イヌリン、クレアチニン、尿素またはp-アミノ馬尿酸の患者のクリアランス速度; (f)患者の高血圧; (g)患者の浮腫; (h)患者の循環自己抗体レベルから選択される臨床パラメーターを患者において安定化または減少させるのに有効な用量で患者に投与することを含む治療を記載する。
1つの実施形態において、本発明は、防御的な抗体応答を増大させることにより、ウイルス誘導性のワクチンの活性を増強するためのアジュバントとしての組換えLGALS3BPの投与を記載する。
図1Aは、単離され、そして小分子TLR7アゴニストで刺激され、そして5日間培養された初代ヒトB細胞からのデータを示す。分泌されたタンパク質を伴う条件付けされた細胞培養上清のライブラリーを加え、そして培養の終わりにIgG分泌および細胞生存度(CTG、CellTiter-Glo)を測定した。 図1Bは、健常対照(各細胞サブセットの第1のデータポイント)から、並びにI型IFNのレベルの増加を伴うループス腎炎患者(データポイント2-4)から、FACSにより単離された異なる細胞サブセットからのデータを示す。RNA発現をRNA-seqで分析した。正規化されたFPKM発現値がグラフに示される。 図1Cは、小分子TLR7アゴニスト、CpG(ODN2006)または抗IgM/CD40L/CpG(ODN2006)で刺激された、精製ヒトB細胞に添加された精製組換えLGALS3BPを示す。刺激の5日後にIgGをAlphaLISAにより測定した。 図1Dは、小分子TLR7アゴニストで刺激し、5時間後にRNAを単離したヒトPBMCを示す。遺伝子発現解析はRNA-seqにより行い、発現レベルは正規化FPKM値として解析した。 図2A-1および図2A-2は、増加した濃度の精製された組換えLGALS3BPの存在下で小分子TLR7アゴニストで刺激されたB細胞からのデータを示す。 16時間後にCD69発現を定量するフローサイトメトリーによって、B細胞活性化を測定した。 図2Bは、抗LGALS3BP抗体を、組換えLGALS3BP(recLGALS3BP)およびヒト血漿を用いたウエスタンブロットにおける特異性について試験した実験データを示す。 図2Cは、CD19B細胞およびDAPI核染色と比較して、抗LGALS3BP抗体を用いて検出されたLGALS3BPの局在を示す。 図3A-1および図3A-2は、潜在的なLGALS3BP阻害剤および対照(左)の存在下で、小分子TLR7アゴニストで刺激された単離された初代ヒトB細胞からのデータを示す。抗LGALS3BP抗体を、CpGまたは抗IgM / CD40L / CpGで活性化した初代ヒトB細胞に添加した(右)。 5日後、AlphaLISAによりIgG分泌を測定した。 。図3B-1は、潜在的なLGALS3BP阻害剤および対照の存在下で小分子TLR7アゴニストで活性化された初代ヒトB細胞からのデータを示す。 IgM分泌を5日後にAlphaLISAにより測定した。 図3B-2は、潜在的なLGALS3BP阻害剤および対照の存在下で小分子TLR7アゴニストで活性化された初代ヒトB細胞からのデータを示す。 B細胞生存率は、5日後にCellTiter-Gloによって測定した。 図3B-3は、潜在的なLGALS3BP阻害剤および対照の存在下で小分子TLR7アゴニストで活性化された初代ヒトB細胞からのデータを示す。 IL-6分泌を、AlphaLISAによる刺激の2日後に測定した。 図3C-1は、活性化から16時間後に測定した潜在的なLGALS3BP阻害剤および対照の存在下でのB細胞活性化からのデータを、フローサイトメトリーによるCD69発現の定量化により示す。 図3C-2は、活性化後16時間で計測された、潜在的なLGALS3BP阻害剤および対照の存在下でのB細胞活性化からのデータを、CD69発現の定量により示し、アップレギュレートされたCD69を有する細胞の割合が示される。 図3C-3は、活性化の16時間後に測定した潜在的なLGALS3BP阻害剤および対照の存在下でのB細胞活性化からのデータを、CD69発現の定量化により示し、すべてのB細胞におけるCD69検出の平均蛍光強度(MFI)が示される。 図3D-1および図3D-2は、刺激されていない初代ヒトB細胞に抗LGALS3BP抗体を添加し、2日後にCellTtiter-Gloを用いてこれらのB細胞の生存率を測定した実験データを示す。 図4Aは、腎臓および脾臓を14週齢(早期疾患)のメスMRL / lprマウスから収集した実験データを示す。組織ホモジネートを、LGALS3BPの発現についてNanoStringによって分析し、C57BL / 6健康対照マウスと比較した。あるいは、プリスタンまたはPBSで処理されたマウスの血液又はあ秘蔵サンプルから、又はBXSB-Yaa老齢マウス又は若齢対照マウスの血液、脾臓または腎臓で処置したマウスの血液または脾臓サンプルからRNAを単離した。提示されたLGALS3BP遺伝子発現レベルをQPCRにより測定し、Hprtに対して正規化した。 図4Bは、SJLマウスをプロテオリピッドタンパク質(PLP)で免疫化して実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を誘導する実験データを示す。 7日目および14日目に、SJL-PLP EAE罹患マウスを安楽死させ、腰椎脊髄を採取した。 RNAを精製し、LGALS3BPの発現について、NanoStringによって分析し、ナイーブ非免疫化健常対照マウスと比較した。図4Aおよび4Bに記載された実験では、各実験群は5匹以上のマウスを含み、罹患したマウスを健常対照と、非ペアのスチューデントt検定で比較した。 * p <0.05、** p <0.01、*** p <0.001。 図4Cは、「IFN遺伝子シグネチャスコア」を示す。これらのスコアは、インターフェロンで調節されることが知られている5つの遺伝子(USP18、IRF7、IFIT1、OAS3、BST2)の発現に基づいて計算した。次いで、マウスをこれらのスコアに基づいて四分位数にグループ分けし、健常対照マウスと比較して平均LGALS3BP発現に対してプロットした。 図5Aは、指定された刺激で6時間活性化されたインビトロで分化した初代ヒトマクロファージから抽出されたRNAを用いた、QPCRによるLGALS3BP発現を示す。ハウスキーピング遺伝子としてHPRT1を用いてサンプル間の発現を正規化した。 図5Bは、指定された刺激で20時間活性化されたインビトロで分化した初代ヒトマクロファージの上清中でELISAによって測定したLGALS3BPを示す。 図6Aは、健常対照(HC)から単離した初代B細胞を示し、そしてSLE患者の血液を抗LGALS3BP抗体の存在下(刺激+ Ab)または非存在下(刺激のみ)でTLR7アゴニストで刺激した。 IgMは、刺激の5日後に培養物中で測定した。 * P <0.05; ** P <0.01両側ペアのスチューデントのt検定。 図6Bは、健常対照(HC)およびSLE患者血液から単離した初代B細胞を、抗LGALS3BP抗体の存在下(刺激+ Ab)または非存在下(刺激のみ)でTLR7アゴニストで刺激したデータを示す。 IgGは、刺激の5日後に培養物中で測定した。 * P <0.05; ** P <0.01両側ペアのスチューデントのt検定。 図7A-1および図7A-2は、抗LGALS3BP抗体処置が特異性に関係なく抗体力価を低下させる能力を確認するデータを示す。健常対照(HC)およびSLE患者由来のB細胞をTLR7アゴニストで5日間刺激し、細胞培養上清は128個の自己抗体特異性(IgMおよびIgG)について分析した。認識された自己抗原の数は、シグナル対ノイズ比> 3で特異性として計算した。刺激されていないB細胞+抗LGALS3BP抗体における陽性シグナル有する特異性を除外した。 図7Bは、zスコア(サンプル - 平均all)/標準allとして表される抗体力価のヒートマップを示す。各カラムは、抗LGALS3BP抗体を伴う(+ Ab)または有さない( - )TLR7アゴニストで刺激された1人のドナーを表す。 * P <0.05両側のペアスチューデントのt検定。 図8A-1、図8A-2および図8A-3は、抗LGALS3BP抗体処置が形質細胞の生存率を低下させることを示すデータを示す。健康なボランティアから新鮮に単離したB細胞を、B細胞活性化(ステップ1)およびB細胞分化(ステップ2)を促進するサイトカインの存在下で、2段階、7日プロトコールで形質細胞に分化させた。インビトロ分化ヒト抗体分泌細胞(ASC)、形質芽細胞(PB)形質細胞(PC)のフローサイトメトリー。細胞をCD19 + B細胞上に予めゲーティングした。 図8Bは、抗LGALS3BP抗体の存在下または非存在下で培養した7日目の分化した形質細胞を示す。生存率は、4日後にCellTiter-Glo(ATP産生)によって測定した。 * P <0.05両側ペアのスチューデントのt検定。 図9A-1および図9A-2は、抗LGALS3BP抗体処置がB細胞においてアポトーシスを優先的に誘導する様子を示す。健康なドナーから新しく単離したPBMCを、抗LGALS3BP抗体(aLGALS3BP)、アイソタイプ対照(ウサギIgG)、グリセロール対照またはヒドロキシクロロキンアナログ(HCQアナログ)の存在下または非存在下で3日間インキュベートした。図9A-1において、アネキシンVおよび7-AADは、B(CD19)およびT(CD3)細胞のマーカーとともにフローサイトメトリーによって測定された。 図9B-1および図9B-2は、4人のドナーからのアネキシンV陽性アポトーシス細胞の平均頻度を示す。総PBMCにおけるB細胞およびT細胞の相対頻度。頻度は、無処置対照に対して正規化した。 図10A-1、図10A-2および図10A-3は、抗LGALS3BP抗体SP-2がB細胞生存率または抗体産生を低下させないことを確認する。健康なヴォランティアから新しく単離したB細胞を、抗LGALS3BP抗体SP-2またはPBS対照の存在下または非存在下でTLR7アゴニストで5日間刺激した。 図10Bは、IgM及びIgGが、細胞培養上清中で、AlphaLISAにより測定され、Celltiter-Glo(CTG)により細胞生存率が測定されかたを示す。
本発明の実施形態は、LGALS3BPがIgG産生において果たす役割、およびSLE、より具体的にはLNの治療のための同じ役割を包含することに基づいている。本発明のこれらの治療的実施形態は、以下に示すデータによって立証される。LGALS3BPは、ループス腎炎患者と健常対照との間で、複数の細胞型にわたって最も差異的に制御される遺伝子の1つである。LGALS3BPは、IFN誘導性遺伝子と密接に相関し、TLR7刺激後にヒトPBMCにおいてアップレギュレートされる。 LGALS3BPは、ex vivoで刺激された初代ヒトB細胞におけるIgG分泌を増強する。 LGALS3BPは、B細胞および他のすべてのPBMCの表面上に存在する。抗体または乳糖を用いたLGALS3BPの遮断は、IgG産生を無効にする。 LGALS3BP抗体遮断は、B細胞上の阻害性FcγRIIbを必要としない。 LGALS3BP遮断は、培養された初代ヒトB細胞の生存性を特異的に提言するが、初代単球や合計PBMCには少しの影響しか有さず、そうしてLGALS3BPはSLEおよびEAEのマウスモデルにおいてアップレギュレートされる。
LGALS3BPポリペプチドは、文脈がそうではないと示さない限りは、完全長のポリペプチド配列、ならびに部分配列、フラグメントまたは部分、およびLGALS3BPポリペプチドの改変された形態および変異体を意味する。このようなLGALS3BP部分配列、フラグメント、改変された形態および変異体は、非改変または参照となるLGALS3BPタンパク質の機能または活性の少なくとも一部を有する。特定の実施形態では、改変された形態または変異体は、未改変または参照タンパク質の機能または活性の少なくとも一部を保持する。 「機能的ポリペプチド」または「活性ポリペプチド」は、改変されたポリペプチドまたはその部分配列をいう。例えば、機能的または活性なLGALS3BPポリペプチドまたはその部分配列は、天然の野生型または全長の対応するポリペプチド、例えば本明細書に開示されるLGALS3BPの少なくとも1つの部分的な機能または活性(例えば、生物学的活性)を有し、その機能や活性はアッセイを介して同定することができる。したがって、本発明の実施形態は、LGALS3BPポリペプチド配列、および部分配列の改変された形態や変異体であって、これらの改変形態や変異体が典型的には、未改変又は参照のLGALS3BPポリペプチド配列の1つ以上の機能または活性の少なくとも一部を典型的に保持する。
本明細書に開示するように、LGALS3BPポリペプチドの機能または活性の特定の非限定的な例は、異常な免疫応答、免疫障害、炎症応答、または炎症、または自己免疫応答、障害または疾患を調節することである。一実施形態では、前記自己免疫疾患はSLEである。好ましい実施形態では、前記自己免疫疾患はLNである。本発明を任意の特定のメカニズムへと限定されることを意図するものではないが、LGALS3BPポリペプチドの機能または活性の追加の非限定的な例は、IgGの発現を調節することである。
例示的な完全長ヒトLGALS3BPポリペプチド配列(配列番号1)は、以下の通りである:
定義
「ポリペプチド」とは、アミド結合または等価な結合によって連結された2、又はそれ以上のアミノ酸をいう。ポリペプチドは、本明細書において、とりわけ、タンパク質、ペプチド、またはアミノ酸配列と言及されうる。ポリペプチドは、アミド結合、または等価結合によって結合された少なくとも2つ、またはそれ以上のアミノ酸を含む。ポリペプチドは、分子内または分子間ジスルフィド結合を形成することができる。ポリペプチドはまた、同一または異なるポリペプチドまたは他の分子と、多量体またはオリゴマーなどのより高次の構造を形成することもできる。
用語「患者」および「対象」は、本開示において、SLEまたはLNのような状態のために治療されるか、または治療を必要とする哺乳動物を指すために使用される。この用語には、ヒト患者およびボランティア、非ヒト哺乳動物、例えば非ヒト霊長類、大型動物モデルおよびげっ歯類が含まれる。
患者への薬物の「投与」または「投与する」は、医療従事者により患者へ投与されるか、又は自己投与される直接投与を指すか、及び/又は薬剤を処方する行為である間接的な投与を指してもよい。例えば、患者に薬剤を自己投与するように指示するか、又は薬剤の処方箋を提供する医師や病院は、薬剤を患者に投与しているということができる。
「用量」および「投薬量」という用語は、一度に投与するための活性剤または治療剤の特定量を指す。 「剤形」は、治療されている被験体のための単一用量として包装されている、または物理的に分離した単位である。これは、所望の発症、忍容性、および治療効果を生じるように計算された所定量の活性薬剤を含有する。
薬物の「治療上有効量」とは、SLEおよびLNのような状態を治療するために患者に投与されたときに、1以上の症状、兆候、または病状の活性または病理学的形態に関連する検査マーカーの緩和、軽減、緩解または排除などの有益な効果を有するであろう薬物の量を指す。
以下の実施例は、例示のみを目的としており、特許請求の範囲に記載の発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:LGALS3BPは、TLR7アゴニストで活性化されたB細胞におけるIgG分泌を増強する
B細胞によるIgG産生に影響する分泌タンパク質を同定するために、初代ヒトB細胞を用いて、IgG分泌アッセイにおいてヒト分泌細胞からのタンパク質の選択をスクリーニングした。健常なボランティアからのB細胞を、1400組換え発現された分泌タンパク質に曝露した後、TLR7小分子アゴニストで活性化した。5日後、IgGを測定して、IgG分泌を増強または阻害するタンパク質を同定した。IL2やIL10などのB細胞刺激サイトカインの他に、この実験は、LGALS3BPがIgG分泌を4.1倍増加させ、細胞生存率および代謝活性(CellTiter-Gloアッセイで測定したATP)を倍増させることを実証した(図1a)。 LGALS3BPは、健康なボランティアと比較して、ループス腎炎患者からの血液中で最も差次的に調節される遺伝子として独立して同定された。 LGALS3BPは、分析されたすべての細胞タイプにおいてアップレギュレートされており、患者のインターフェロンシグネチャーと相関した(図1b)。亢進されたIgG産生(1.6倍)は、6人のより健康なボランティアのヒト対象由来のB細胞に、精製された組換えLGALS3BPを用いて確認された(図1c)。B細胞をTLR9アゴニストCpG(1.9倍)または抗IgM、CD40LおよびCpGの活性化カクテル(1.2倍)で刺激された場合に、IgGの同様の増加が観察された。活性化プロトコールがインビトロでLGALS3BP発現を増強し得るかどうかを試験するために、小分子アゴニストを用いて健康なボランティアからPBMCをシミュレートした(図1b)。ベースライン発現値は、直接生体外で細胞で見出された値と同等であった。 TLR7刺激は、発現レベルを3倍以上増加させた。この知見は、外因性LGALS3BPの添加が異なるドナーからのB細胞に及ぼす変動効果の説明を提供する。 LGALS3BPは、健康なボランティアと比較して、LN患者由来の異なる免疫細胞型において最も差次的に発現する遺伝子の1つと同定され、抗体産生における分泌タンパク質の強化された役割を見出した。
LGALS3BPは、I型インターフェロンによる制御と一致するIRF結合部位を有する。どのパスウェイがLGALS3BP発現を誘導することができるかを決定するために、初代ヒト単球をインビトロでマクロファージに分化させ、 そして続いてIFN-α、IFN-γ、TLR4アゴニスト(LPS)、TLR7 / 8アゴニスト(レスキモド(resiquimod))およびTLR9アゴニスト(CpG)で刺激した。IFN-α、IFN-γおよびLPSは、LGALS3BP mRNA発現を誘導し(図5A)、そしてタンパク質の分泌を増加させた(図5B)。全ての刺激は、IL-6の分泌を誘導した。これは、I型インターフェロンだけがLGALS3BP発現を駆動することができるわけではなく、IFN-γや他の先天性トリガーも駆動することを示している。
ヒストンアセチル化部位の位置に基づいて、LGALS3BP発現は、LGALS3BP遺伝子における4つの異なる領域:プロモーター開始部位、上流エンハンサー(上流5K領域)、イントロン部位、または3番目の領域、に結合する因子により制御される。3つの異なる方法によるモチーフスキャニングは、おそらく免疫関連転写制御因子を同定した。 IRFs、AP-1、およびSTATsならびにNF-KBなどの他の重要な因子が、LGALS3BP遺伝子座に、及びその周囲に見つかった。転写因子結合の予測は、LGALS3BPの発現がインターフェロン制御因子(IRF)ならびにSTATs、NF-κBおよびAP-1を活性化する他の免疫刺激を介してインターフェロンによって制御されることを示唆している。
実施例2:LGALS3BPはB細胞表面上に存在するが、B細胞活性化を増加させない
LGALS3BPの添加がナイーブB細胞の活性化に影響するかどうかを調べるために、CD69発現を、TLR7アゴニストによる刺激の16時間後に測定した。すべてのB細胞は非刺激細胞と比較してCD69発現が増加したが、種々の濃度の組換えLGALS3BPを添加しても変化は見られなかった(図2A-1および図2A-2)。次に、初代ヒトB細胞における内在性のLGALS3BPの局在を、LGALS3BPに特異的な抗体を用いて評価した(図2B)。これらの研究は、LGALS3BPがB細胞表面ならびにPBMCに見出される他の全ての細胞型状に存在することを確認した(図2C)。
実施例3:抗LGALS3BPは、B細胞および形質細胞のアポトーシスの誘導を介してIgG分泌を阻害する
初代ヒトB細胞によるIgG分泌に対する抗LGALS3BP抗体の効果を評価した。 TLR7活性化B細胞によるIgG分泌は、抗LGALS3BP抗体の存在下でほぼ90%、または抗LGALS3BP F(ab ')2(74%)の存在下で阻害され、B細胞上に存在するFcγRIIbを介した阻害を排除した(図3A-1および3A-2)。 LGALS3BPの既知のリガンドであるラクトースは、同じであるが弱い効果(59%阻害)を有し、その一方でスクロースはIgG分泌を阻害しなかった。 B細胞をCpG(94%)または抗IgM / CD40L / CpG(77%)で活性化した場合、LGALS3BP抗体の同じ阻害効果が観察された。 IgM分泌は、抗体遮断により阻害され、そのうえアイソタイプスイッチングにおけるLGALS3BPの役割を除去した(図3B-1、図3B-2および図3B-3)。細胞数および生存率についての読み出し値としてのATPの測定により、IgG分泌との密接な相関が示され、これによりB細胞生存および/または増殖におけるLGALS3BPの関与が示唆された。L-6分泌を測定して、LGALS3BP遮断がTLR7活性化およびシグナル伝達を妨害し、それによってB細胞増殖を低下させるかどうかを調べた。抗LGALS3BP抗体の存在下でB細胞刺激後48時間でIL-6産生の37%の減少が観察された。この減少は、LGALS3BP特異的であり、同じ効果をFcブロックの存在下または抗LGALS3BP F(ab ')2を用いて測定した場合であっても、FcγRIIbを介して媒介されることはなかった。ラクトースもまた、同じ効果を有しており、それにより表面結合タンパク質の架橋を介して抗体の直接的な効果を除いていた。刺激されていない初代ヒトB細胞は、は増殖せず、インビトロで生存が制限される。抗LGALS3BP抗体がB細胞活性化をブロックすることによってB細胞の生存を低下させるかどうかを試験するために、CD69アップレギュレーションをTLR7アゴニストによる活性化から16時間後に測定した(図3C-1、図3C-2および図3C-3)。抗LGALS3BP抗体を添加した場合、CD69 +活性化細胞の割合またはCD69の発現レベルの差は観察されなかった。 LGALS3BP遮断は、使用される刺激のプロトコルとは無関係にIgG分泌を阻害する。 LGALS3BP遮断が刺激の非存在下でB細胞の生存に影響を及ぼすかどうかを決定するために、さらなる実験が行われた。非刺激B細胞への当該抗体の添加は生存率を66%低下させた(図3D-1および図3D-2)。この効果は、B細胞において最も顕著であった。合計PBMCまたは単球の抗LGALS3BP処置は、生存率の37.5%および39%の減少を示した。これらの結果をまとめると、B細胞ホメオスタシス、活性化、増殖および分化のあいだにおいて、LGALS3BPの抗アポトーシスの役割が確認された。
制御不全のB細胞寛容は、SLE病因進行の主要な要因である。健康なドナーからのB細胞において観察されるように、抗LGALS3BP処置がSLE B細胞に対して同じ効果を有するかどうか決定するために、B細胞刺激実験をSLEドナーからのB細胞において繰り返した。抗LGALS3BP抗体の存在下においてTLR7アゴニストで細胞を刺激した場合に、IgM産生の有意な減少が観察された(図6Aおよび図6B)。有意ではなかったけれども、IgG分泌の減少が存在し、SLEドナーからのB細胞が、TLR7刺激に応答して多くのIgGを産生しなかったという事実について説明がついた。これらの実験は、抗LGALS3BP処置の阻害効果がSLE B細胞において保存されていることを確認した。
TLR7刺激B細胞からの上清を、128個の自己抗原タンパク質マイクロアレイ上で分析した(表1)。抗LGALS3BP処置は、IgM抗体によって認識される自己抗原の数を減少させ(図7B)、すべての自己抗原のIgM力価を均一に低下させ、特異性が抗LGALS3BP処置から逃れられないことを確認した(図7B)。これらのデータは、抗LGALS3BP処置が、特異性にかかわらず健常人並びにSLE患者のB細胞による抗体産生を均一に減少させることを確認する。
SLE患者は、通常、疾患と診断された時点で既に存在する長く生存した形質細胞を有する。B細胞を枯渇させる治療は、特異性に応じて抗体力価を低下させることができる。例えばdsDNA特異的抗体は、B細胞枯渇とともに減少するが、RNP特異的抗体などの他のものは上昇したままである。一方、長く生存したの形質細胞は、枯渇せず、抗体を分泌し続ける。健康なドナーから原発性ヒトB細胞由来の形質細胞を分化させるインビトロシステムを設計し、抗LGALS3BP処置が形質細胞生存性に影響を及ぼすかどうかを試験した(図8A-1、図8A-2および図8A-3 )。次いで、分化した形質細胞を抗LGALS3BP抗体に4日間暴露し、生存性をATP産物を測定することによって間接的に評価した。抗LGALS3BP処置が形質細胞生存率に影響を及ぼすかどうかを試験するために、健康なドナーから原発性ヒトB細胞から形質細胞を分化させるインビトロ系を設計した(図8A-1、図8A-2および図8A-3 )。次いで、分化した形質細胞を抗LGALS3BP抗体に4日間曝露し、生存率をATP産生を測定することによって間接的に評価した。形質細胞生存性の有意な低下が観察され、それにより、長く生存した形質細胞に対する抗LGALS3BP処置の治療効果が確認された(図8B)。
この減少した生存性が標的細胞のネクローシスまたはアポトーシスによるものかどうかを決定するために、健康なドナーからのPBMCを抗LGALS3BP抗体とともに4日間インキュベートし、そして続いてアネキシンV表面発現および細胞透過性(7-AAD)を、フローサイトメトリーにより計測した。抗LGALS3BP処置は、アネキシンVの発現を誘導し、これはアポトーシスによる細胞死と一致した(図9A-1、図9A-2、図9B-1および図9B-2)。グリセロールまたは対照ウサギIgGは同じ効果をもたらさなかったが、その一方で高用量のヒドロキシクロロキンアナログもアポトーシスを誘導した。 B細胞とT細胞の頻度を比較すると、処置は、T細胞よりB細胞に影響し、これはPBMCまたは単球はB細胞ほど処置に対して感受性でないという以前の観察のとおりであった。
これらの結果は、B細胞ホメオスタシス、活性化、増殖および分化な間におけるLGALS3BPの抗アポトーシスの役割を確認する。
実施例4:SLEおよびEAEモデルのマウスモデルにおいてLGALS3BP発現が増加する
以下の実験は、ループス腎炎患者におけるLGALS3BP発現の増加がSLEのマウスモデルにおいて保存されているかどうかを試験した。 MRL / lprマウスは、Fasに変異を有し、リンパ球アポトーシスの欠陥をもたらし、これは最終的にSLE様自己免疫疾患の病徴をもたらす。MRL / lpr動物と野生型C57 / BL6動物との比較により、罹患動物の腎臓および脾臓におけるLGALS3BP発現の有意な増加が示された(図4A)。同じことが、SLEの誘導マウスモデルにおいても観察され、そこではプリスタンの腹腔内注射により自己抗体、タンパク尿および腎炎が誘導される。これらのマウスはまた、SLEヒト患者で観察されるIFN誘発遺伝子と同様に、血液および脾臓において検出可能なIFNシグネチャーを発症する。 BXSB / Yaaマウスは、先天性RNAセンサーTLR7に及ぶ遺伝的領域の重複を有し、SLE様症状を発達させる。 TLR7はSLEにおいて重要な役割を果たすことが知られており、TLR7活性化はI型IFNの分泌をもたらす。 LGALS3BPの発現がTLR7刺激によって誘導可能であり、その発現がループス腎炎のIFNシグナリングと相関することを知っていたので、ヒト患者LGALS3BP発現は、BXSB/Yaaマウスの複数の器官にわたって測定された。 LGALS3BP mRNAの有意な増加は、腎炎を発症したマウスの腎臓サンプルにおいてのみ見出された。 2匹のマウスは低い腎炎スコアを有し、LGALS3BP発現の増加を示さなかった。 LGALS3BP発現がIFN制御遺伝子で追跡されるかどうかを評価するために、5遺伝子(uspl8、ir†7、ifitl、oas3、bst2)の発現に基づいて「IFN遺伝子サインスコア」を算出した。これらのスコアは、LN患者において見出されるLGALS3BP発現と、IFNスコアとの同じ相関を確認した。 IFN誘導性遺伝子のアップレギュレーションもまた腎臓に限定され、さらにLGALS3BPとIFN応答との関連性が確認された。LGALS3BPはまた、多発性硬化症(MS)のヒト患者およびEAEマウスにおいて、示差的に発現されることが見出された(Raddatzら、PLUS ONE 2014)。この知見は、SJLマウスにプロテオリピドタンパク質(PLP)を免疫してEAEを誘導することによって確認された。 LGALS3BPの発現は、疾患の誘導の14日後に有意に増加した(図4C)。
実施例5:ガレクチン-3阻害の用量は、B細胞の生存率および抗体産生を低下させない
健康なヒトドナーからの初代B細胞をガレクチン-3阻害剤の存在下で刺激して、ガレクチン-3がB細胞生物学におけるLGALS3BPの機能において役割を果たすかどうかを決定した。体的には、健康なボランティアから新鮮に単離されたB細胞をガレクチン-3(Gal-3)阻害剤と共に30分間プレインキュベートした後、TLR7アゴニストで5日間刺激した。上清を採取し、そしてIgGをAlphaLISAで測定した。細胞生存率は、CellTiter-Glo(ATP産生)によって測定した。どの阻害剤もB細胞生存率または抗体産生に影響を及ぼすことはなく、ガレクチン-3はB細胞による抗体産生に直接関与しないことが示された(表2)。
実施例6:SP-2、抗LGALS3BP腫瘍阻害性抗体の投与は、B細胞生存率または抗体産生に影響しない
LGALS3BPは癌において役割を果たすことが報告されており、そしてSP2、すなわち抗LGALS3BP抗体は、腫瘍増殖および血管新生を阻害する。 SP-2をB細胞刺激システムで試験し、B細胞生存率または抗体産生に対する効果は観察されなかった(図10A-1、図10A-2、図10A-3および10B-1)。さらに、SP-2は、LGALS3BPのC末端ドメインを標的とし、その一方でB細胞生存率および抗体産生を阻害する抗体は、ドメイン2に対して上昇し、タンパク質の異なるドメインに対する別々の機能を示した。
米国では全ての目的のため本明細書に引用される各出版物および特許文献は、そのような各出版物または文献が、本明細書中に参考として援用されるように具体的かつ個別に示されているかのように、あらゆる目的のために参照により組み込まれる。本発明は、特定の実施形態を参照して説明されているが、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、本発明の利点を達成するために、特定の状況または意図された用途に適応するために、変化を加えることができる、同等物が置換されうる。

Claims (7)

  1. 免疫障害、炎症応答、又は自己免疫疾患の症状を呈する対象において、LGALS3BPを調節する方法であって、抗LGALS3BP抗体を、前記免疫障害、炎症性応答又は疾患の少なくとも1の症状が改善されるような条件下で、前記対象に投与することを含む、前記方法。
  2. 前記免疫障害、炎症応答、又は自己免疫疾患が、グレーブス病、重症筋無力症、血管炎およびウェゲナー肉芽腫症、神経滑膜炎、原発性硬化性胆管炎、シューグレン症候群、ループス腎炎、及び関節リウマチから本質的になる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
  3. 抗LGALS3BP抗体の治療有効量を前記患者に投与することを含む、SLEを患う患者を治療する方法。
  4. 抗LGALS3BP抗体の量が、前記患者において、以下の:
    (a)腎炎の進行を阻害する;
    (b)腎炎を安定させる;または、
    (c)腎炎を逆行させる
    ために有効である、請求項3に記載の方法。
  5. 抗LGALS3BP抗体の量が、前記患者において、以下の:
    (a)タンパク尿の進行を阻害する;
    (b)タンパク尿を安定化させる;または
    (c)タンパク尿を逆行させる
    ために有効である、請求項3に記載の方法。
  6. 抗LGALS3BP抗体の量が、前記患者において、以下の:
    (a)患者の尿素、クレアチニンまたはタンパク質の血中濃度;
    (b)患者のタンパク質または血液細胞の尿濃度;
    (c)患者の尿比重;
    (d)患者の尿の量;
    (e)患者のイヌリン、クレアチニン、尿素またはp−アミノ馬尿酸のクリアランス速度;
    (f)患者の高血圧;
    (g)患者の浮腫;及び
    (h)患者の循環自己抗体レベル
    から選択される、臨床パラメーターを患者において安定化または低下させるために有効である、請求項3に記載の方法。
  7. ウイルス誘導性のワクチンの活性を高めるために、アジュバントとして、組み換えLGALS3BPを使用する方法。
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