JP2018523712A - 腫瘍に対する免疫調節療法を向上させる為のvdasの使用 - Google Patents
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Abstract
がん又は腫瘍を患っている対象において抗腫瘍効果をもたらす為の方法が開示される。該方法は、その為に有効な量で、コンブレタスタチン剤である血管破壊剤(VDA)と、CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体からなる群から選択される1又は複数の抗体とを、患者に投与することを含む。コンブレタスタチンの例としては、CA1P、CA4P、並びにそれらの対応する塩及びプロドラッグが挙げられる。該VDAと1又は複数の該抗体との組み合わせは、相乗的な抗腫瘍効果をもたらした。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、35 U.S.C 119の下で、「腫瘍に対する免疫調節療法を向上させる為のVDAsの使用(Use of VDAs to Enhance Immunomodulating Therapies Against Tumors)」と題された2015年8月18日に出願された米国仮特許出願第62/206,719号に基づく優先権を主張し、該開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、35 U.S.C 119の下で、「腫瘍に対する免疫調節療法を向上させる為のVDAsの使用(Use of VDAs to Enhance Immunomodulating Therapies Against Tumors)」と題された2015年8月18日に出願された米国仮特許出願第62/206,719号に基づく優先権を主張し、該開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
参照による組み込み
この明細書において言及される全ての刊行物及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
この明細書において言及される全ての刊行物及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は一般にがんの処置に関する。
現在認められる多種多様ながんの為に、体内でがんを破壊する為に数多くの抗がん剤が開発されてきた。これらの化合物は、正常な健康な細胞を乱さないまま残しながら、悪性細胞を破壊するか、さもなければその増殖を阻害する目的でがん患者に投与される。
抗がん剤は、その作用機序に基づいて分類されてきた。化学療法の1つの有望な新しい部類は、血管破壊剤(VDAs:Vascular Disrupting Agents)(又は代替的に、血管損傷剤(Vascular Damaging Agents)、血管標的化剤(VTAs:Vascular Targeting Agents)、又は抗血管剤(Anti-vascular agents))と称される。VDAsの作用の主要メカニズムは「血管標的化(vascular targeting)」であり、固形腫瘍の新生脈管構造が選択的に破壊され、低酸素症、アシドーシス、及び/又は栄養欠乏に起因する続発性の腫瘍細胞死をもたらす結果となる、腫瘍血流の一過性の減少又は完全なシャットダウンをもたらす(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)。血管破壊剤(VDAs)は、確立された腫瘍脈管構造の急速なシャットダウンを引き起こし、これに、重度の腫瘍内低酸素症及び壊死が続く。VDAsは様々な腫瘍に対して強い活性を有するが、典型的には、腫瘍組織の生存能力のある辺縁(viable rim)が処置後の広範な壊死腫瘍中心を取り囲んでいる。該生存能力のある腫瘍辺縁に存在しており、かつ血管再生を刺激する、骨髄由来末梢循環血管内皮前駆細胞(CEPs:circulating endothelial precursor cells)の急性的な全身流動によって推進されて、この残存している生存能力のある辺縁から急速な腫瘍再増殖が再開し得る。
ダーク等(Dark et al.)著,「キャンサー リサーチ(Cancer Research)」,1997年,57巻,p.1829−34
チャップリン等(Chaplin et al.)「アンチキャンサー リサーチ(Anticancer Research)」,1999年,19巻,p.189−96
ヒル等(Hill et al.),「アンチキャンサー リサーチ」,2002年,22巻3号,p.1453−8
ホルウェル等(Holwell et al.)「アンチキャンサー リサーチ」,2002年,22巻2A号,p.707−11
腫瘍の血行再建及び再増殖を防止する療法を含めた、がんを処置する為の改善された療法が望まれている。
本発明は、がんを処置する為の方法に関する。該方法は、がん又は腫瘍を患っている対象において抗腫瘍効果をもたらすことを含み得る。該方法は、その為に有効な量で、コンブレタスタチン剤である血管破壊剤(VDA)と、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA−4)抗体、プログラム細胞死タンパク質1(PD−1)抗体、プログラム死−リガンド1(PD−L1)抗体、及びプログラム死−リガンド2(PD−L2)抗体からなる群から選択される1又は複数の抗体とを、患者に投与することを含み得る。該コンブレタスタチン剤と該抗体との組み合わせは、がん又は腫瘍に対する相乗効果をもたらし得る。
一般に、一実施態様において、がん又は腫瘍を患っている対象において抗腫瘍効果をもたらす為の方法であって、その為に有効な量で、コンブレタスタチン剤である血管破壊剤(VDA)と、CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体からなる群から選択される1又は複数の抗体とを、患者に投与することを含む、方法。
一般に、一実施態様において、がん又は腫瘍を患っている対象において腫瘍再増殖を防止する為の方法であって、その為に有効な量で、コンブレタスタチン剤である血管破壊剤(VDA)と、CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体からなる群から選択される1又は複数の抗体とを、患者に投与することを含む、方法。
一般に、一実施態様において、コンブレタスタチン剤である血管破壊剤(VDA)で処置される対象において腫瘍関連血管新生を阻害する為の方法であって、その為に有効な量で、CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体からなる群から選択される1又は複数の抗体を、患者に投与することを含む、方法。
一般に、一実施態様において、がんの処置の為の方法であって、相乗的な、治療上有効な量の(1)コンブレタスタチン剤である血管破壊剤;並びに(2)CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体からなる群から選択される1又は複数の抗体を、必要とする対象に投与することを含む、方法。
この実施態様及び他の実施態様は、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。方法は、CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体からなる群から選択される2以上の抗体を投与することを含み得る。方法は、CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体を治療有効量で投与することを含み得る。コンブレタスタチン剤は、コンブレタスタチンA1ジホスファート(CA1P)又はコンブレタスタチンA4ホスファート(CA4P)であり得る。CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体は、トレメリムマブ(Tremelimumab)、イピルマブ(Ipilumab)、ニボルマブ(Nivolumab)、ペムブロリズマブ(Pembrolizumab)、ピディリズマブ(Pidilizumab)、MEDI4736、BMS936559、MPDL328OA、及びAMP−224からなる群から選択され得る。化合物は、同時に又は連続的に投与され得る。コンブレタスタチン剤は、抗体より前に投与され得る。コンブレタスタチン剤は、抗体の約12時間前より前に投与され得る。前記がんは、卵巣がん、卵管がん、子宮頸がん、乳がん、肺がん、メラノーマ、腎臓、及び腹膜の原発がんからなる群から選択され得る。腫瘍は、メラノーマ、卵巣腫瘍、子宮頸部腫瘍、乳房腫瘍、小細胞肺腫瘍、非小細胞肺腫瘍、卵管腫瘍、腹膜の原発腫瘍、多形性膠芽腫、神経膠腫、星細胞腫、甲状腺癌、神経内分泌腫瘍、軟部組織肉腫、肝細胞癌、及び消化管間質腫瘍からなる群から選択される固形腫瘍であり得る。前記がんは、血液悪性腫瘍、急性白血病、慢性白血病、リンパ腫、及び骨髄腫からなる群から選択され得る。腫瘍は、約5cmを超え得る直径又は長さを有し得る。腫瘍は、約7cmを超え得る直径又は長さを有し得る。腫瘍は、約10cmを超え得る直径又は長さを有し得る。コンブレタスタチン剤は、式II:
の化合物又はその薬学的に許容し得る塩(式中、Raは、H、ホスファート、ホスファートエステル、ホスホナート、ホスホルアミダートモノエステル、ホスホルアミダートジエステル、環状ホスホルアミダート、ホスホルジアミダート、環状ホスホロジアミダート、ホスホンアミダート、又はアミノ酸アシルであり得;そして、Rbは、ホスファート、ホスファートエステル、ホスホナート、ホスホルアミダートモノエステル、ホスホルアミダートジエステル、環状ホスホルアミダート、ホスホルジアミダート、環状ホスホロジアミダート、ホスホンアミダート、又はアミノ酸アシルであり得る)であり得る。コンブレタスタチン剤は、式IIb:
[式中、Raは、H又はOP(O)(OR3)OR4であり得;そして、OR1、OR2、OR3、及びOR4は、それぞれ独立して、H、−O−QH+、又は−O−M+(式中、M+は、一価又は二価の金属カチオンであり得、そして、Qは、独立して:a)少なくとも2つの窒素原子を含有するアミノ酸であり、ここで該窒素原子のうちの1つは、プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオンQH+を形成し得るか;又は、b)プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオン、QH+を形成し得る少なくとも1つの窒素原子を含有する有機アミンであり得る)であり得る]の化合物であり得る。式IIbについて、R3は、H又はOP(O)(OR3)OR4であり得、そして、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、脂肪族有機アミン、アルカリ金属、遷移金属、ヘテロアリーレン、ヘテロシクリル、ヌクレオシド、ヌクレオチド、アルカロイド、アミノ糖、アミノニトリル、又は窒素系抗生物質であり得る。式IIbについて、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、Na、TRIS、ヒスチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、グルカミン、N−メチルグルカミン、エチレンジアミン、2−(4−イミダゾリル)−エチルアミン、コリン、又はヒドラバミンであり得る。式II又はIIbは、式III:
の化合物及びその薬学的に許容し得る塩によって表され得る。
一般に、一実施態様において、コンブレタスタチンA1ジホスファート(CA1P)と、トレメリムマブ、イピルマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、BMS936559、MPDL328OA、及びAMP−224からなる群から選択される1又は複数の化合物とを含む医薬組成物を対象に投与することによって、それを必要とする対象において腫瘍を処置する方法。
一般に、一実施態様において、コンブレタスタチンA4ホスファート(CA4P)と、トレメリムマブ、イピルマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、BMS936559、MPDL328OA、及びAMP−224からなる群から選択される1又は複数の化合物とを含む医薬組成物を対象に投与することによって、それを必要とする対象において腫瘍を処置する方法。
この実施態様及び他の実施態様は、以下の特徴の1又は複数を含み得る。対象はヒトであり得る。腫瘍は、約5cmを超え得る直径又は長さを有し得る。腫瘍は、約7cmを超え得る直径又は長さを有し得る。腫瘍は、約10cmを超え得る直径又は長さを有し得る。
一般に、一実施態様において、がん又は腫瘍を患っている対象において抗腫瘍効果をもたらす為の医薬組成物であって、その為に有効な量で、コンブレタスタチン剤を含む血管破壊剤(VDA)と、CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体からなる群から選択される1又は複数の抗体とを医薬担体中に含む、医薬組成物。
この実施態様及び他の実施態様は、以下の特徴の1又は複数を含み得る。CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体は、トレメリムマブ、イピルマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、BMS936559、MPDL328OA、及びAMP−224からなる群から選択され得る。組成物は、トレメリムマブ、イピルマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、BMS936559、MPDL328OA、及びAMP−224からなる群から選択される2以上の抗体を含み得る。VDAは、コンブレタスタチンA1ジホスファート(CA1P)又はコンブレタスタチンA4ホスファート(CA4P)であり得る。コンブレタスタチン剤は、式II:
の化合物又はその薬学的に許容し得る塩(式中、Raは、H、ホスファート、ホスファートエステル、ホスホナート、ホスホルアミダートモノエステル、ホスホルアミダートジエステル、環状ホスホルアミダート、ホスホルジアミダート、環状ホスホロジアミダート、ホスホンアミダート、又はアミノ酸アシルであり得;そして、Rbは、ホスファート、ホスファートエステル、ホスホナート、ホスホルアミダートモノエステル、ホスホルアミダートジエステル、環状ホスホルアミダート、ホスホルジアミダート、環状ホスホロジアミダート、ホスホンアミダート、又はアミノ酸アシルであり得る)であり得る。コンブレタスタチン剤は、式IIb:
[式中、Raは、H又はOP(O)(OR3)OR4であり得;そして、OR1、OR2、OR3、及びOR4は、それぞれ独立して、H、−O−QH+、又は−O−M+(式中、M+は、一価又は二価の金属カチオンであり得、そして、Qは、独立して:a)少なくとも2つの窒素原子を含有するアミノ酸であり、ここで該窒素原子のうちの1つは、プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオンQH+を形成し得るか;又は、b)プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオン、QH+を形成し得る少なくとも1つの窒素原子を含有する有機アミンであり得る)であり得る]の化合物であり得る。式IIbについて、R3は、H又はOP(O)(OR3)OR4であり得;そして、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、脂肪族有機アミン、アルカリ金属、遷移金属、ヘテロアリーレン、ヘテロシクリル、ヌクレオシド、ヌクレオチド、アルカロイド、アミノ糖、アミノニトリル、又は窒素系抗生物質であり得る。式IIbについて、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、Na、TRIS、ヒスチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、グルカミン、N−メチルグルカミン、エチレンジアミン、2−(4−イミダゾリル)−エチルアミン、コリン、又はヒドラバミンであり得る。式II又はIIbは、式III:
の化合物及びその薬学的に許容し得る塩によって表され得る。医薬組成物は、CA1Pと、トレメリムマブ、イピルマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、BMS936559、MPDL328OA、及びAMP−224からなる群から選択される1又は複数の化合物とを含み得る。医薬組成物は、CA4Pと、トレメリムマブ、イピルマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、BMS936559、MPDL328OA、及びAMP−224からなる群から選択される1又は複数の化合物とを含み得る。
本発明の新規な特徴は、以下の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の本質が利用されている例示的な実施態様を説明している以下の詳細な説明、及び下記の添付図面を参照することによって、本発明の特徴及び利点のより良い理解が得られるであろう。
詳細な説明
本出願は、コンブレタスタチン剤であるVDAと、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2に対する1又は複数の抗体との相乗的組み合わせの驚くべきかつ予想外の発見に関する。本明細書に開示されるとおり、コンブレタスタチン剤と、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2抗体との組み合わせは、がん腫瘍に対して、いずれかの化合物のみよりも、はるかに優れた応答をもたらした。
本出願は、コンブレタスタチン剤であるVDAと、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2に対する1又は複数の抗体との相乗的組み合わせの驚くべきかつ予想外の発見に関する。本明細書に開示されるとおり、コンブレタスタチン剤と、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2抗体との組み合わせは、がん腫瘍に対して、いずれかの化合物のみよりも、はるかに優れた応答をもたらした。
VDAにより引き起こされる壊死性細胞死の、T細胞上のCTLA−4、PD−1、PD−L1、及びPD−L2受容体の1又は複数をブロックする抗体と組み合わせた組み合わせは、腫瘍に対する免疫系応答の大幅な改善をもたらし得ると考えられている。がん又は腫瘍に対する免疫系応答の改善は様々な異なる方法で反映され得る。いくつかの実施態様において、処置は、腫瘍退縮を含む。いくつかの実施態様において、処置は、がん又は腫瘍を患っている対象において抗腫瘍効果をもたらすことを含む。いくつかの実施態様において、処置は、がん又は腫瘍を患っている対象において腫瘍再増殖を防止することを含む。いくつかの実施態様において、処置は、がん又は腫瘍を患っている対象において腫瘍関連血管新生を阻害することを含む。いくつかの実施態様において、処置は、患者に施された個々の療法の効果を合わせたよりも大きな、腫瘍に対する相乗効果をもたらすことを含む。本明細書に記載の相乗的抗腫瘍療法はまた、良好な抗腫瘍効果を発揮しながら、副作用を最小化し得る、より低い薬物投与量を可能にし得る。
T細胞上のCTLA−4及びPD−1受容体はT細胞機能を下方制御することができる。研究では、CTLA−4及びPD−1経路のブロッキングが抗腫瘍免疫応答に影響を与え得ることが示唆されてきた。キャラハン等(Callahan et al.)(「CTLA−4及びPD−1経路の遮断:臨床における併用(CTLA-4 and PD-1 pathway blockade: combinations in the clinic)」フロンティアズ イン オンコロジー(Frontiers in Oncology),2015年1月,4巻,記事385号,1−6頁)は、CTLA−4及びPD−1のようなT細胞上の調節分子を標的とする抗体をブロックするチェックポイントを検討した。数多くのCTLA−4、PD−1、及びPD−L1抗体が現在評価されている。(VDAによって引き起こされる)壊死性細胞死と、CTLA−4、PD−1、及びPD−L1抗体由来の免疫応答の改変との組み合わせは抗腫瘍効果を高めることができると考えられている。しかしながら、ガムレケラシヴィリ等(Gamrekelashvili et al.)は、VDA ZD6126が、このVDAがT細胞媒介性免疫応答を低下させ得ることを示すことを見出した(「インビボ壊死性腫瘍細胞死は腫瘍特異的免疫応答を損なう(Necrotic Tumor Cell Death in Vivo Impairs Tumor-Specific Immune Responses)」ジャーナル オブ イムノロジー(Journal of Immunology),2007年,178巻,p.1573−1580)。本出願は、コンブレタスタチン剤とCTLA−4、PD−1、及びPD−L1抗体との相乗的組み合わせを予想外に見出した。
細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA−4)は、CD152(分化抗原群(cluster of differentiation)152)としても知られており、免疫系を下方制御する免疫チェックポイントとして機能するタンパク質受容体である。CTLA−4抗体は、CTLA−4を標的とし、そしてがんの処置の間に免疫系の上昇をもたらす為に使用され得る。CTLA−4抗体の例としては、以前はチシリムマブ(ticilimumab)/CP−675,206として知られていたトレメリムマブ(メドイムノ/アストラゼネカ(MedImmune/AstraZeneca)、及びイピルマブ(ブリストル・マイヤーズスクイブ(Bristol-Myers Squibb))が挙げられる。イピルマブは、メラノーマの処置について、FDAの承認を受けている。
プログラム細胞死タンパク質1は、PD−1及びCD279(分化抗原群279)としても知られている。PD−1は、T細胞及びプロB細胞上に発現される細胞表面受容体である。PD−1は、2つのリガンド、PD−L1とPD−L2との間に結合することができる。PD−1は免疫チェックポイントとして機能する。PD−1抗体は、PD−1を標的として、がんの処置の間に免疫系の上昇をもたらす為に使用され得る。使用が承認されているPD−1抗体の例としては、ニボルマブ(オプジーボ(Opdivo)、BMS−936558、ブリストル・マイヤーズスクイブ)及びペンブロリズマブ(キイトルーダ(Keytruda)、MK−3475、メルク(Merck))が挙げられる。開発初期段階にあるPD−1抗体の他の例としては、ピディリズマブ(CT−011、キュアテック(Cure Tech))が挙げられる。
PD−L1及びPD−L2リガンドもまた、抗体を用いて標的化することができる。CD279(分化抗原群279)としても知られているプログラム死−リガンド1(PD−L1)は、PD−1に結合することができる膜貫通タンパク質である。臨床開発中のPD−L1抗体の例としては、MEDI4736(メドイムノ/アストラゼネカ)、BMS936559(MDX−1105、ブリストル・マイヤーズスクイブ)、及びMPDL328OA(ロッシュ(Roche))が挙げられる。臨床開発中のPD−L2抗体の例としては、AMP−224(メドイムノ)が挙げられる。
いくつかの実施態様において、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及びPD−L2抗体の他に、他のチェックポイント阻害剤が、本明細書に記載のコンブレタスタチン剤と組み合わせて使用され得る。他のチェックポイント阻害剤の例としては、IMP321(イムテップ(Immutep))及びTRX518(GITR社(GITR, Inc))が挙げられる。IMP321(イムテップ)は、可溶性リンパ球活性化遺伝子−3免疫グロブリン融合タンパク質かつ主要組織適合性複合体クラスIIアゴニストである。TRX518(GITR社)は、グルココルチコイド誘導腫瘍壊死因子受容体関連遺伝子に対するモノクローナル抗体である。
本明細書に開示される処置方法は、1又は複数のCTLA−4、PD−1、PD−L1、及びPD−L2抗体、並びに他のチェックポイント阻害剤を含み得る。いくつかの実施態様において、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及びPD−L2抗体からなる群から選択される1つの抗体が患者に提供され得る。いくつかの実施態様において、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及びPD−L2抗体からなる群から選択される2つの抗体が患者に提供され得る。いくつかの実施態様において、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及びPD−L2抗体の3つ全てが患者に提供され得る。いくつかの実施態様において、複数の異なるCTLA−4抗体が患者に提供され得る。いくつかの実施態様において、複数の異なるPD−1抗体が患者に提供され得る。いくつかの実施態様において、複数の異なるPD−L1抗体が患者に提供され得る。いくつかの実施態様において、複数の異なるPD−L2抗体が患者に提供され得る。いくつかの実施態様において、複数の異なるチェックポイント阻害剤が患者に提供され得る。いくつかの実施態様において、チェックポイント阻害剤は、本明細書に開示される他の抗体の1又は複数と組み合わせて使用される。いくつかの実施態様において、チェックポイント阻害剤は、コンブレタスタチン剤のみと共に、本明細書に開示される他の抗体なしで使用される。
様々なコンブレタスタチン剤が、本明細書に記載のCTLA−4、PD−1、PD−L1、及びPD−L2抗体、並びにチェックポイント阻害剤と共に使用され得る。数多くのコンブレタスタチン剤が本明細書に記載されている。いくつかの実施態様において、コンブレタスタチン剤は、コンブレタスタチンA1ジホスファート(CA1P)である。いくつかの実施態様において、コンブレタスタチン剤は、コンブレタスタチンA4ホスファート(CA4P)である。
以下により詳細に議論されるように、本明細書に開示される処置は、様々な異なる腫瘍及びがんを処置する為に使用され得る。いくつかの実施態様において、がんは、卵巣がん、卵管がん、子宮頚がん、乳がん、肺がん、メラノーマ、腎臓、及び腹膜の原発がんからなる群から選択される。いくつかの実施態様において、腫瘍は、メラノーマ、卵巣腫瘍、子宮頸部腫瘍、乳房腫瘍、小細胞肺腫瘍、非小細胞肺腫瘍、卵管腫瘍、腹膜の原発腫瘍、多形性膠芽腫、神経膠腫、星細胞腫、甲状腺癌、神経内分泌腫瘍、軟部組織肉腫、肝細胞癌、及び消化管間質腫瘍からなる群から選択される固形腫瘍である。いくつかの実施態様において、がんは、血液悪性腫瘍、急性白血病、慢性白血病、リンパ腫、及び骨髄腫からなる群から選択される。
本明細書で使用される場合、用語「コンブレタスタチン」又は「コンブレタスタチン化合物」は、化合物、その誘導体又は類似体、それらのプロドラッグ(好ましくはホスファートプロドラッグ)及びその誘導体、並びにそれらの化合物の塩のコンブレタスタチンファミリーのうちの少なくとも1つを表す。コンブレタスタチンとしては、コンブレタスタチンA−4ホスファート(CA4P)化合物、コンブレタスタチンA−1ジホスファート(CAldP)化合物、及びその塩に例示される、限定されるものではないが、コンブレタスタチンA−1、A−2、A−3、A−4、B−1、B−2、B−3、B−4、D−1、及びD−2、並びにその様々なプロドラッグを含めた、南アフリカの木のコンブレタム カフラム(Combretum caffrum)から単離された抗がん化合物が挙げられる(例えば、ペティット等(Pettit et al.),「カナディアン ジャーナル オブ ケミストリー(Canadian Journal of Chemistry)」,1982年;ペティット等,「ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)」,1985年;ペティット等,「ジャーナル オブ ナチュラル プロダクト(Journal of Natural Products)」,1987年;リン等(Lin et al.),「バイオケミストリー(Biochemistry)」,1989年;ペティット等(Pettit et al.),「ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)」,1995年;ペティット等,「アンチキャンサー ドラッグ デザイン(Anticancer Drug Design)」,2000年;ペティット等(Pettit et al.),「アンチキャンサー ドラッグ デザイン」,2001年,16巻(4−5号):p.185−93を参照されたい)。
本明細書で使用される場合、用語コンブレタスタチンA−4ホスファート(「CA4P」)は、コンブレタスタチンA−4ホスファートプロドラッグ、その誘導体、及びこれらの化合物の塩のうちの少なくとも1つを表す。本明細書で使用される場合、用語コンブレタスタチンA−1ジホスファート(「CA1P」)化合物は、コンブレタスタチンA−1ジホスファートプロドラッグ(例えば、CA1P)、その誘導体、及びこれらの化合物の塩のうちの少なくとも1つを表す。
いくつかの実施態様において、コンブレタスタチン剤は、式II:
の化合物又はその薬学的に許容し得る塩(式中、Raは、H、ホスファート、ホスファートエステル、ホスホナート、ホスホルアミダートモノエステル、ホスホルアミダートジエステル、環状ホスホルアミダート、ホスホルジアミダート、環状ホスホロジアミダート、ホスホンアミダート、又はアミノ酸アシルであり;そして
Rbは、ホスファート、ホスファートエステル、ホスホナート、ホスホルアミダートモノエステル、ホスホルアミダートジエステル、環状ホスホルアミダート、ホスホルジアミダート、環状ホスホロジアミダート、ホスホンアミダート、又はアミノ酸アシルである)
である。
Rbは、ホスファート、ホスファートエステル、ホスホナート、ホスホルアミダートモノエステル、ホスホルアミダートジエステル、環状ホスホルアミダート、ホスホルジアミダート、環状ホスホロジアミダート、ホスホンアミダート、又はアミノ酸アシルである)
である。
好ましい実施態様において、Raは、式:
のホスファートであり;そして、Rbは、式:
のホスファートである
[式中、OR1、OR2、OR3、及びOR4は、それぞれ独立して、H、−O−QH+、又は−O−M+(式中、M+は、一価又は二価の金属カチオンであり、そして、Qは、独立して:
a)少なくとも2つの窒素原子を含有するアミノ酸であり、ここで該窒素原子のうちの1つは、プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオンQH+を形成しているか;又は
b)プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオン、QH+を形成している少なくとも1つの窒素原子を含有する有機アミンである)である]。
[式中、OR1、OR2、OR3、及びOR4は、それぞれ独立して、H、−O−QH+、又は−O−M+(式中、M+は、一価又は二価の金属カチオンであり、そして、Qは、独立して:
a)少なくとも2つの窒素原子を含有するアミノ酸であり、ここで該窒素原子のうちの1つは、プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオンQH+を形成しているか;又は
b)プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオン、QH+を形成している少なくとも1つの窒素原子を含有する有機アミンである)である]。
特定の実施態様では、コンブレタスタチン剤は、式IIb:
[式中、
Raは、H又はOP(O)(OR3)OR4であり;そして
OR1、OR2、OR3、及びOR4は、それぞれ独立して、H、−O−QH+、又は−O−M+(式中、M+は、一価又は二価の金属カチオンであり、そして、Qは、独立して:
a)少なくとも2つの窒素原子を含有するアミノ酸であり、ここで該窒素原子のうちの1つは、プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオンQH+を形成しているか;又は
b)プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオン、QH+を形成している少なくとも1つの窒素原子を含有する有機アミンである)である]
の化合物である。
Raは、H又はOP(O)(OR3)OR4であり;そして
OR1、OR2、OR3、及びOR4は、それぞれ独立して、H、−O−QH+、又は−O−M+(式中、M+は、一価又は二価の金属カチオンであり、そして、Qは、独立して:
a)少なくとも2つの窒素原子を含有するアミノ酸であり、ここで該窒素原子のうちの1つは、プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオンQH+を形成しているか;又は
b)プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオン、QH+を形成している少なくとも1つの窒素原子を含有する有機アミンである)である]
の化合物である。
式IIbの一実施態様において、RaはHであり、OR1及びOR2のうちの一方はヒドロキシルであり、そして他方は−O−QH+(式中、Qは、L−ヒスチジンである)である。式IIbの別の実施態様において、RaはHであり、OR1及びOR2のうちの一方はヒドロキシルであり、そして他方は−O−QH+であり、そしてQは、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(「TRIS」)である。
式IIbの別の実施態様において、Raは、H又はOP(O)(OR3)OR4であり、そして、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、脂肪族有機アミン、アルカリ金属、遷移金属、ヘテロアリーレン、ヘテロシクリル、ヌクレオシド、ヌクレオチド、アルカロイド、アミノ糖、アミノニトリル、又は窒素系抗生物質である。
式IIbの別の実施態様において、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、Na、TRIS、ヒスチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、グルカミン、N−メチルグルカミン、エチレンジアミン、2−(4−イミダゾリル)−エチルアミン、コリン、又はヒドラバミンである。
別の実施態様において、式IIbは、式III:
[式中、OR1、OR2、OR3、及びOR4は、それぞれ独立して、H、−O−QH+、又は−O−M+(式中、M+は、一価又は二価の金属カチオンであり、そして、Qは、独立して:
a)少なくとも2つの窒素原子を含有するアミノ酸であり、ここで該窒素原子のうちの1つは、プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオンQH+を形成しているか;又は
b)プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオン、QH+を形成している少なくとも1つの窒素原子を含有する有機である)である]
の化合物によって表される。
a)少なくとも2つの窒素原子を含有するアミノ酸であり、ここで該窒素原子のうちの1つは、プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオンQH+を形成しているか;又は
b)プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオン、QH+を形成している少なくとも1つの窒素原子を含有する有機である)である]
の化合物によって表される。
式IIIの一実施態様において、OR1、OR2、OR3、及びOR4のうちの少なくともの1つはヒドロキシルであり、そして、OR1、OR2、OR3、及びOR4のうちの少なくともの1つは−O−QH+(式中、Qは、L−ヒスチジンである)である。式IIIの別の実施態様において、OR1、OR2、OR3、及びOR4のうちの少なくともの1つはヒドロキシルであり、そして、OR1、OR2、OR3、及びOR4のうちの少なくともの1つはTRISである。
語句「併用療法(combination therapy)」(又は「共療法(co-therapy)」)は、その抗体とそのVDAの共作用からの有益な効果をもたらすことを意図した特定の処置レジメンの一部として、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2抗体と、コンブレタスタチン剤のようなVDAとの投与を包含する。
CTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2抗体とVDAとを組み合わせた投与は、典型的には規定された時間(選択される組み合わせに応じて、通常、数分、数時間、数日、又は数週間)にわたって実施される。「併用療法」は、一般的に、偶然かつ任意に本明細書に記載の組み合わせとなる別々の単独療法レジメンの一部として、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2抗体、及びVDAを投与することを包含することを意図するものではない。「併用療法」は、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2抗体とVDAとの実質的に同時の投与だけでなく、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2抗体とVDAとの連続的な様式での投与、すなわち、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2抗体とVDAとが異なる時間に投与される投与も包含することが意図される。実質的に同時の投与は、例えば、各治療剤が一定比率である単回投与量を同時に、あるいは、複数の各治療剤についての単回投与量を、対象に投与することによって達成され得る。各治療剤の連続的な又は実質的に同時の投与は、限定されるものではないが、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、及び粘膜組織を通した直接吸収を含めた任意の適切な経路によって行われ得る。治療剤が複数の場合は、同一経路又は異なる経路によって投与され得る。例えば、選択された組み合わせの第一の治療剤を静脈内注射によって投与してもよく、一方、該組み合わせの他の治療剤を経口投与してもよい。あるいは、例えば、全ての治療剤を経口投与してもよく、又は全ての治療剤を静脈内注射によって投与してもよい。CTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2抗体は、典型的には、コンブレタスタチン剤の投与後となるが、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2抗体とVDAとが投与される順序は厳密に決定的な意味を持つものではない。「併用療法」はまた、上記のCTLA−4、PD−1、PD−L1抗体とVDAとの投与を、他の生物活性成分及び非薬物療法(例えば、限定されるものではないが、外科的手術)とさらに組み合わせることを包含し得る。
コンブレタスタチン剤は、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2抗体と同時に又は連続的に投与され得る。いくつかの場合には、コンブレタスタチン剤は、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2抗体より前に投与され得る。例えば、コンブレタスタチン剤は、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2抗体の約12時間以上前に投与され得る。いくつかの場合には、コンブレタスタチン剤は、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2抗体の約24時間以上前に投与され得る。
抗体及びVDAの投与スケジュールは、毎日、1日おき、1週当たり複数回、あるいは他に推奨されるとおりであり得る。薬剤は、数週間にわたって投与され得る。いくつかの実施態様において、抗体及びVDAは、連続した2週間以上にわたって週2回投与され得る。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される化合物及び組み合わせのいずれかを、対象に投与する為の医薬組成物に製剤化することができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載の併用療法のいずれかを、他の療法:放射線療法、外科的手術、化学療法等と組み合わせることができる。
各々の化合物、すなわち、CTLA−4、PD−1、PD−L1、及びPD−L2抗体、並びにVDA(例えば、コンブレタスタチン)についての1日当たりの好適な用量は、個々に、約1ng〜約10,000mg、約5ng〜約9,500mg、約10ng〜約9,000mg、約20ng〜約8,500mg、約30ng〜約7,500mg、約40ng〜約7,000mg、約50ng〜約6,500mg、約100ng〜約6,000mg、約200ng〜約5,500mg、約300ng〜約5,000mg、約400ng〜約4,500mg、約500ng〜約4,000mg、約1μg〜約3,500mg、約5μg〜約3,000mg、約10μg〜約2,600mg、約20μg〜約2,575mg、約30μg〜約2,550mg、約40μg〜約2,500mg、約50μg〜約2,475mg、約100μg〜約2,450mg、約200μg〜約2,425mg、約300μg〜約2,000、約400μg〜約1,175mg、約500μg〜約1,150mg、約0.5mg〜約1,125mg、約1mg〜約1,100mg、約1.25mg〜約1,075mg、約1.5mg〜約1,050mg、約2.0mg〜約1,025mg、約2.5mg〜約1,000mg、約3.0mg〜約975mg、約3.5mg〜約950mg、約4.0mg〜約925mg、約4.5mg〜約900mg、約5mg〜約875mg、約10mg〜約850mg、約20mg〜約825mg、約30mg〜約800mg、約40mg〜約775mg、約50mg〜約750mg、約100mg〜約725mg、約200mg〜約700mg、約300mg〜約675mg、約400mg〜約650mg、約500mg、又は約525mg〜約625mgの範囲であり得る。
化合物についての他の好適な用量としては、例えば、0.1mg/kg〜約100mg/kg;約1mg/kg〜約100mg/kg;約5mg/kg〜約50mg/kg;約10〜約25mg/kg;約10mg/kg;約15mg/kg;約20mg/kg;約25mg/kg;約30mg/kg;約40mg/kg;約50mg/kg;約60mg/kg;約70mg/kg;約80mg/kg;約90mg/kg;及び約100mg/kgが挙げられる。いくつかの実施態様において、VDA(例えば、CA4Pのようなコンブレタスタチン剤)は、20mg/m2と80mg/m2の間の範囲の用量で投与される。本明細書に開示される方法は、トレメリムマブ、イピルマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、BMS936559、MPDL328OA、及びAMP−224からなる群から選択される1又は複数の抗体についての製造業者の推奨投与量レベルを提供することを含み得る。
いくつかの実施態様において、コンブレタスタチン剤及び抗体についての投与量レベルは、有効量で提供され得る。本明細書で使用される場合、化合物又は医薬組成物の「有効量」という用語は、がんを患っている動物、好ましくはヒトにおいて所望の抗がん効果又は抗腫瘍効果をもたらす為に十分な量を指す。所望の抗腫瘍効果としては、限定されるものではないが、腫瘍増殖(例えば、腫瘍増殖の遅延)、腫瘍サイズ、又は転移の調節、特定の抗がん剤に関連する毒性及び副作用の低減、腫瘍の壊死又は低酸素症の促進、腫瘍血管新生の低減、腫瘍再増殖の低減、CEP及び他の血管新生促進細胞の腫瘍滞留の低減、がんの臨床的障害又は症状の改善又は最小化、対象の生存期間をかかる処置が行われない場合に期待されるであろう生存期間を超えて延長すること、並びに投与前にいかなる腫瘍も形成されていない動物における腫瘍増殖の防止、すなわち、予防的投与が挙げられる。
本明細書で使用される場合、用語「調節する(modulate)」、「調節する(modulating)」、又は「調節(modulation)」は、特定のプロセスが起こる比率(rate)を変化させること、特定のプロセスを阻害すること、特定のプロセスを逆行させること、及び/又は特定のプロセスの開始を防止することを指す。したがって、該特定のプロセスが腫瘍の増殖又は転移である場合、用語「調節」としては、限定されるものではないが、腫瘍の増殖及び/若しくは転移が起こる比率を低下させること;抗がん剤による処置後の腫瘍再増殖も含めて、腫瘍の増殖及び/若しくは転移を阻害すること;腫瘍の増殖及び/若しくは転移を逆行させること(腫瘍の縮小及び/又は根絶を含む)、並びに/又は、腫瘍の増殖及び/若しくは転移を防止することが挙げられる。
様々な異なるがん及び疾患が、本明細書に記載の併用療法を使用して処置され得る。本明細書で使用される場合、用語「腫瘍」、「腫瘍増殖」、又は「腫瘍組織」は、互換可能に使用され得、そして、細胞の無制御の進行性の増殖から生じ、かつ生理的機能を果たしていない組織の異常増殖を指す。用語「対象」は、腫瘍を患っているか、又は腫瘍に苦しんでいる哺乳動物を含むことが意図される。例示的な対象としては、ヒト、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラット、及びトランスジェニック非ヒト動物が挙げられる。特定の実施態様において、対象は、ヒト、例えば、がんを患っているか、がんを患うリスクがあるか、又は潜在的にがんを患う可能性のあるヒトである。
本明細書に記載の併用療法は、より大きな腫瘍サイズを処置する為に特に有効であり得る。より大きな腫瘍サイズは、より小さい腫瘍と比べて、より多量の脈管構造を有し得る。CA1P及びCA4Pのような本明細書に記載の血管破壊剤は、より大きな腫瘍中に存在する増大した脈管構造を破壊することによって、より大きな腫瘍サイズに対する応答の改善をもたらし得る。本明細書に記載の抗体処置と組み合わせたより大きな腫瘍の血管破壊の改善は、相乗効果をもたらして、腫瘍に対する免疫療法応答を高めて、標的の腫瘍をより効果的に処置し得る。腫瘍サイズは、腫瘍の支配的な寸法の最大長又は最大径として表すことができる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載の併用療法は、約5cmを超える最大長又は最大径を有する腫瘍を有する患者に提供される。いくつかの実施態様において、本明細書に記載の併用療法は、約7cmを超える最大長又は最大径を有する腫瘍を有する患者に提供される。いくつかの実施態様において、本明細書に記載の併用療法は、約10cmを超える最大長又は最大径を有する腫瘍を有する患者に提供される。例えば、肺がん腫瘍は、該腫瘍が約5cmを超える直径又は長さを有する場合に、大腫瘍(非小腫瘍(non-small tumors))とみなされ得る。別の例では、卵巣がん腫瘍は、該腫瘍が約5cmを超える直径又は長さを有する場合に、大腫瘍(非小腫瘍)とみなされ得る。
いくつかの実施態様において、本明細書に開示される方法は、固形腫瘍を処置する為に使用される。当技術分野で周知であるように、固形腫瘍は、造血関連がんに見られるもののような非固形腫瘍とは全く異なるものである。固形腫瘍は、悪性である、例えば、転移する傾向があり、そして生命を脅かすものであるか、又は良性であり得る。本明細書に記載の方法に従って治療又は予防され得る固形腫瘍の例としては、肉腫及び癌腫、例えば、限定されるものではないが:繊維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、軟骨腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、結腸直腸がん、胃がん、膵がん、乳がん、卵巣がん、卵管がん、腹膜の原発癌、前立腺がん、扁平上皮がん、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、ヘパトーマ、肝転移、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胚性癌腫、未分化甲状腺がんのような甲状腺癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、精巣腫瘍、小細胞肺癌及び非小細胞肺癌のような肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、音響神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、メラノーマ、神経芽細胞腫、及び網膜芽細胞腫が挙げられる。
他の実施態様において、子宮頸部、食道、及び肺におけるもののような上皮組織において、異常増殖的(dysproliferative)な変化(例えば、化生及び異形成)を含む腫瘍が、本明細書に記載の医薬組成物又は方法で治療又は予防され得る。したがって、本開示は、新生物又は癌への進行に先行することが知られている又は疑われる状態、特に、過形成、化生、又は最も特には異形成からなる非新生物性細胞増殖が起こっている状態の処置を提供する(そのような異常増殖状態の総括については、ロビンス及びエンジェル(Robbins and Angell),1976年,「ベーシック パソロジー(Basic Pathology)」,第2版,W.B.サウンダース社(W.B. Saunders Co.),フィラデルフィア,pp.68〜79を参照されたい)。過形成は、組織又は器官における細胞数の増加を伴う制御された細胞増殖の形態であり、構造又は機能の顕著な変化を伴わない。例えば、子宮内膜増殖症はしばしば子宮内膜がんに先行する。化生は、ある種類の成体又は完全に分化した細胞が他の種類の成体細胞に代替する、制御された細胞増殖の形態である。化生は、上皮細胞又は結合組織細胞で起こり得る。異型化生はやや無秩序な化生上皮を伴う。異形成は、しばしばがんの前兆であり、そして主に上皮で発見され;これは、個々の細胞の均一性及び細胞の構造的配向の喪失を伴う、非新生物性細胞増殖の最も無秩序な形態である。異形成細胞は、しばしば、異常に大きく、濃く染色される核を有し、そして多形性を示す。異形成は、慢性的な刺激又は炎症が存在するところに特徴的に発生し、また、しばしば、子宮頸部、気道、口腔、及び胆嚢で発見される。そのような障害の総説については、フィッシュマン等(Fishman et al.),1985年,「メディシン(Medicine)」,第2版,J.B.リッピンコット社(J. B. Lippincott Co.),フィラデルフィアを参照されたい。
良性であり、かつ本明細書に記載の方法に従って治療又は予防され得る腫瘍の他の例としては、特に頭蓋内部位における動静脈(AV:arteriovenous)奇形、及び骨髄腫が挙げられる。
米国特許第9,040,500号は、コンブレタスタチン化合物の使用を含めた、造血器新生物を処置する為の方法を開示している。コンブレタスタチン剤をCTLA−4、PD−1、及び/又はPD−L1に対する抗体と組み合わせて投与する為の本明細書に記載の方法は、米国特許第9,040,500号に記載されているように、造血器新生物を処置する為に使用され得る。したがって、本開示の一態様は、造血器新生物を処置する方法であって、造血器新生物を患っている哺乳動物に、治療有効量のコンブレタスタチン化合物とCTLA−4、PD−1、及び/又はPD−L1に対する抗体の1又は複数とを投与することを含む、方法を提供する。
当技術分野において周知であるように、固形腫瘍は、造血関連癌に見られるもののような非固形腫瘍とは全く異なるものである。非固形腫瘍の例としては、骨髄球性白血病(myeloid leukemia)及びリンパ球性白血病のような白血病、骨髄腫、及びリンパ腫が挙げられる。いくつかの実施形態において、非固形腫瘍は、造血系の細胞の異常増殖である造血器新生物である。造血悪性腫瘍は、多能性(pluripotent)幹細胞、多能性(multipotent)前駆細胞、寡能性関連前駆細胞(oligopotent committed progenitor cells)、前駆細胞、及び造血に関与する最終分化細胞にその起源を有し得る。いくつかの血液悪性腫瘍は、自己再生能を有する造血幹細胞から生じると考えられている。例えば、移植時に特定の亜型の急性骨髄球性白血病(AML:acute myeloid leukemia)を発症させる可能性のある細胞は、造血幹細胞の細胞表面マーカーを提示し、造血幹細胞を白血病細胞の源として関連付ける。造血器新生物はしばしば幹細胞を起源とするが、関連前駆細胞、又は発達系列のより最終分化した細胞も、いくつかの白血病の源になり得る。例えば、一般的な骨髄球系前駆細胞又は顆粒球/マクロファージ前駆細胞における、(慢性骨髄性白血病(myelogenous leukemia)に関連する)融合タンパク質Bcr/Ablの強制発現は、白血病様状態をもたらす。
造血器新生物は、循環が可能であり、そして活性化血管細胞との相互作用を通して様々な臓器へのアクセスを有することにおいて固形腫瘍とは異なる。実際、いくつかの造血器新生細胞は血管細胞に付着して、血管周囲性浸潤を確立し得、かつそれ自体として、化学療法に対する固有の耐性機構を有し得る。循環造血器新生物及び血管接着性造血器新生物は両方とも、ミトコンドリア及び細胞の機能を維持し、そして細胞死を回避する為に、細胞骨格の安定性を必要とする。
いくつかの実施形態において、処置される造血器新生物は、異常細胞がそれに由来し、かつ/又はリンパ系統の細胞の特徴的な表現型を提示する、リンパ系新生物である。リンパ系新生物は、B細胞新生物、T及びNK−細胞新生物、並びにホジキンリンパ腫に細分することができる。B細胞新生物はさらに、前駆B細胞新生物及び成熟/末梢B細胞新生物に細分することができる。例示的なB細胞新生物は、前駆Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫(前駆B細胞急性リンパ芽球性白血病)であり、一方、例示的な成熟/末梢B細胞新生物は、B細胞慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫、有毛細胞白血病、形質細胞性骨髄腫/形質細胞腫、MALT型節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(mediastinal large B-cell lymphoma)、原発性滲出液リンパ腫、及びバーキットリンパ腫/バーキット細胞白血病である。T細胞及びNK細胞新生物はさらに、前駆T細胞新生物及び成熟(末梢)T細胞新生物に細分される。例示的な前駆T細胞新生物は、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病(前駆T細胞急性リンパ芽球性白血病)であり、一方、例示的な成熟(末梢)T細胞新生物は、T細胞前リンパ球性白血病、T細胞顆粒リンパ球性白血病、進攻性NK細胞白血病、成人T細胞リンパ腫/白血病(HTLV−1)、節外性NK/T細胞リンパ腫(鼻型)、腸管症型T細胞リンパ腫、肝脾ガンマ−デルタT細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、菌状息肉腫/セザリー症候群、未分化大細胞型リンパ腫(T/ヌル細胞、原発性皮膚型)、末梢T細胞リンパ腫(非特定型)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫(T/ヌル細胞、原発性全身型)である。リンパ系新生物の第三のメンバーは、ホジキン病とも呼ばれる、ホジキンリンパ腫である。化合物で処置され得るこの分類の例示的な診断としては、とりわけ、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫、及びホジキン病の様々な古典的な形態(その例示的なメンバーは、結節性硬化型ホジキンリンパ腫(グレード1及び2)、リンパ球豊富型古典的ホジキンリンパ腫、混合細胞型ホジキンリンパ腫、及びリンパ球減少型ホジキンリンパ腫である)である。様々な実施形態において、該リンパ系新生物のいずれかを、本明細書に記載のコンブレタスタチン化合物及び抗体で処置することができる。
いくつかの実施形態において、処置される造血器新生物は骨髄性新生物(myeloid neoplasm)である。この群は、骨髄系統の細胞の特徴的な表現型に関連するか又はそれを提示する細胞増殖性疾患の大分類を含む。骨髄性新生物は、骨髄増殖性疾患、骨髄異形成性/骨髄増殖性疾患、骨髄異形成症候群、及び急性骨髄球性白血病に細分することができる。例示的な骨髄増殖性疾患は、慢性骨髄性白血病(例えば、フィラデルフィア染色体陽性(t(9;22)(qq34;q11))、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病/好酸球増多症候群、慢性特発性骨髄線維症、真性赤血球増多症、及び本態性血小板増多症である。例示的な骨髄異形成性/骨髄増殖性疾患は、慢性骨髄単球性白血病、非定型慢性骨髄性白血病、及び若年性骨髄単球性白血病である。例示的な骨髄異形成症候群は、環状鉄芽球を伴う又は環状鉄芽球を伴わない難治性貧血、多系統異形成を伴う難治性血球減少症(骨髄異形成症候群)、過剰芽球を伴う難治性貧血(骨髄異形成症候群)、5q−症候群、及び骨髄異形成症候群である。様々な実施形態において、該骨髄性新生物のいずれかを、本明細書に記載のコンブレタスタチン化合物及び抗体で処置することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の併用療法は、疾患の独自の下位分類を有する骨髄性新生物の大分類を表す、急性骨髄球性白血病(AML)を処置する為に使用され得る。これらの下位分類としては、とりわけ、再発性細胞遺伝学的転座を伴うAML、多系統異形成を伴うAML、及び他に分類されない他のAMLが挙げられる。例示的な再発性細胞遺伝学的転座を伴うAMLとしては、とりわけ、t(8;21)(q22;q22)を有するAML,AML1(CBF−alpha)/ETO、急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia)(t(15;17)(q22;q11−12)を伴うAML及び変異体,PML/RAR−alpha)、異常骨髄好酸球を伴うAML(inv(16)(p13q22)又はt(16;16)(p13;q11),CBFb/MYHI1X)、及び11q23(MLL)異常を伴うAMLが挙げられる。例示的な多系統異形成を伴うAMLは、骨髄異形成症候群の既往に関連する又は関連しないものである。いずれの定義可能な群にも分類されない他の急性骨髄球性白血病としては、最小分化型AML、未成熟型AML、成熟型AML、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤芽球性白血病、急性巨核球性白血病、急性好塩基球性白血病、及び骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症が挙げられる。
本明細書に開示される併用療法はまた、カルチノイド症候群及び神経内分泌腫瘍を処置する為に使用され得る。米国特許出願公開第2015/0141349号明細書は、カルチノイド症候群及び神経内分泌腫瘍を処置する為にコンブレタスタチン化合物を使用することを開示しており、該開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
「神経内分泌腫瘍」は、内分泌及び神経系の分泌細胞から生じる細胞増殖性障害を指し、そして、異なる内分泌腺(例えば、下垂体、副甲状腺、又は神経内分泌副腎)からか、内分泌小島(例えば、膵臓の)からか、又は消化管及び呼吸器にわたって外分泌細胞間に分散している内分泌細胞から発症する。
カルチノイド症候群はまれであり、そして、カルチノイド腫瘍−最も一般的には消化管の粘膜下組織に生じる、小さく、悪性又は良性の腫瘍によって引き起こされる。カルチノイド症候群は、カルチノイド腫瘍を有する患者において起こり得る一連の症状である。該症候群は、カルチノイド腫瘍が、通常は身体全体を循環する、セロトニン及びクロモグラニンAのような物質を過剰産生するときに起こる。カルチノイド腫瘍によって産生されたセロトニンはさらに、最も重要なセロトニン代謝物、5−ヒドロキシインドール酢酸(5−HIAA)に代謝される。
セロトニン及び他のホルモンのこの過剰産生は、一過性の潮紅、下痢、喘鳴、及び、潜在的には最終的なカルチノイド心疾患の発症を含む、カルチノイド症候群の症状を引き起こす。カルチノイド腫瘍は、肝臓に拡がるまでは、目立った症状を生じないことが多い。これは、消化管からの循環の大部分は、身体の残りの部分に到達する前に肝臓を通過しなければならない為である。肝臓は、カルチノイド腫瘍によって産生される過剰なセロトニン及び他の物質の大部分を代謝して、それらが症状を引き起こし得る組織に到達するのを防止する。カルチノイド腫瘍が肝臓に転移すると、それらが過剰産生する物質がより容易に血流に達し得、そして、それらが症状を引き起こし得る組織に到達し得る。カルチノイド患者は、カルチノイド症候群の個々の症状の1又は複数を提示し得る。本明細書に記載の方法の特定の実施形態は、カルチノイド症候群に関連する1又は複数の症状を有する哺乳動物の処置に関する。
本明細書で使用される場合、カルチノイド症候群、又はホルモン産生神経内分泌腫瘍に関連する他の症状を「処置する(treating)」という用語は、腫瘍産生ホルモンの産生を阻害すること、腫瘍誘導性ホルモンのレベルを低下させること、及びカルチノイド症候群の退縮及び緩和を引き起こすこと、すなわち、潮紅若しくは下痢事象の回数を減少させること、並びに/又は生活の質を向上させることを意味することが意図される。他の所望の効果としては、限定されるものではないが、腹痛、心疾患、喘鳴、膨満感、又は発汗の低減、及び、対象の生存期間をかかる処置が行われない場合に期待されるであろう生存期間を超えて延長することが挙げられる。
したがって、いくつかの実施態様は、カルチノイド症候群を処置する方法であって、カルチノイド症候群の1又は複数の症状を患っている哺乳動物に、治療有効量のコンブレタスタチン剤である血管破壊剤をCTLA−4、PD−1、PD−L1、及びPD−L2に対する1又は複数の抗体と共に投与することを含む、方法を提供する。
本明細書に記載の方法に従って処置され得る疾患としては、限定されるものではないが:加速期慢性骨髄性白血病;急性赤芽球性白血病;急性リンパ芽球性白血病;寛解期の急性リンパ芽球性白血病;急性リンパ球性白血病;急性単芽球性及び急性単球性白血病;急性骨髄性白血病;急性骨髄球性白血病;腺癌;結腸の腺癌;食道の腺癌;肺の腺癌;膵臓の腺癌;前立腺の腺癌;直腸の腺癌;胃の腺癌;頭頸部の腺様嚢胞癌;肺腺扁平上皮がん;成人巨細胞性膠芽腫;進行期成人原発性肝がん;進行期消化管間質腫瘍;進行期非鼻咽頭頭頸部癌;進行期NSCLC;進行期固形腫瘍;特発性骨髄;化生;未分化星細胞腫;退形成性乏突起膠腫(Anaplastic Oligodendroglioma);未分化甲状腺がん;星細胞腫;非定型慢性骨髄性白血病;B細胞成人急性リンパ芽球性白血病;膀胱がん;急性転化期慢性骨髄性白血病;骨転移;脳腫瘍;乳がん;非浸潤性乳がん(Breast Cancer in Situ);乳房新生物;ブレンナー腫瘍;気管支肺胞細胞肺がん;卵管のがん;癌腫(扁平上皮細胞);中枢神経系がん;子宮頸部新生物;小児急性リンパ芽球性白血病;寛解期の小児急性リンパ芽球性白血病;小児脳腫瘍;小児中枢神経系胚細胞腫瘍;小児小脳星細胞腫;小児慢性骨髄性白血病;小児上衣腫;小児悪性胚細胞腫瘍;小児乏突起膠腫;小児軟部組織肉腫;脊索腫;慢性好酸球性白血病(CEL);慢性特発性骨髄線維症;慢性骨髄性白血病;慢性骨髄球性白血病;慢性骨髄単球性白血病;慢性期慢性骨髄性白血病;結腸がん;結腸直腸がん;先天性線維肉腫;皮膚線維肉腫;隆起性皮膚線維肉腫(DFSP:Dermatoftbrosarcoma Protuberans);デスモイド腫瘍;子宮内膜腺癌;子宮内膜腺扁平上皮細胞(Endometrial Adenosquamous Cell);好酸球増多症;食道がん;流行性カポジ肉腫;上皮中皮腫;食道がん;食道胃がん;本態性血小板増多症;ユーイング腫瘍(Ewing's Family of Tumors);進展期小細胞肺がん;肝外胆管がん;卵管がん;家族性過好酸球増多症(Familiar Hypereosinophilia);線維肉腫;甲状腺濾胞がん;胆嚢がん;胃腺癌;胃がん;消化器がん;ガストリノーマ;消化管カルチノイド;消化管新生物;消化管間質腫瘍;巨細胞性膠芽腫;神経膠芽腫;神経膠腫;多形性膠芽腫;神経膠肉腫;グレードI髄膜腫;グレードII髄膜腫;グレードIII髄膜腫;頭頸部がん;頭頸部新生物;造血器及びリンパがん;肝細胞癌;高悪性度小児大脳星細胞腫;過好酸球増多症候群;下咽頭がん;特発性肺線維症;炎症性筋線維芽細胞腫瘍;頭頸部の手術不能局所進行扁平上皮癌;インスリノーマ;乳管内癌(Intraductal Breast Carcinoma);膵島細胞癌;腎及び泌尿器がん;LI成人急性リンパ芽球性白血病;L2成人急性リンパ芽球性白血病;大細胞肺がん;喉頭がん;白血病(リンパ球性、急性L2);白血病(骨髄球性、慢性);白血病(骨髄球性、慢性期);口唇及び口腔がん;口唇がん;肝臓がん;肝臓の機能障害及び新生物;限局性切除不能成人原発性肝がん;低悪性度小児大脳星細胞腫;慢性骨髄球性白血病のリンパ性急性転化期;細気管支−肺胞性の兆候を伴う肺腺癌;肺がん;男性乳がん;悪性線維性組織球腫;悪性メラノーマ;肥満細胞症;甲状腺髄様がん;メラノーマ;髄膜腫瘍;髄膜血管周囲細胞腫;髄膜腫;髄膜腫;髄膜腫;中皮腫;転移性がん;転移性固形腫瘍;転移性結腸直腸がん;転移性消化管カルチノイド腫瘍;転移性膵癌;混合神経膠腫;多発性骨髄腫;筋骨格腫瘍;骨髄異形成症候群;骨髄性白血病(急性);骨髄線維症;骨髄球性白血病(慢性);骨髄球性白血病(慢性加速期);骨髄球性白血病(慢性、慢性期);骨髄様化生;好酸球増多症を伴う骨髄増殖性疾患(MPD:Myeloproliferative Disorder);鼻咽頭がん(Nasopharyngeal Cancer);鼻咽頭癌(Nasopharyngeal Carcinoma);新生物;神経芽細胞腫;神経線維肉腫;非B小児急性リンパ芽球性白血病;非転移性(T2−T4、N0−N3、MO;ステージII及びIII)及び組織学的に確定された腸GC;非転移性前立腺がん;切除不能副腎皮質癌;非小細胞肺がん;鼻のがん;乏突起膠腫;乏突起膠細胞腫瘍;口腔がん;中咽頭がん;骨肉腫;卵巣がん;上皮性卵巣がん;卵巣胚細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;卵巣新生物;膵がん;甲状腺乳頭がん;骨盤新生物;腹腔がん;腹膜癌;腹膜新生物;咽頭がん;フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病;フィラデルフィア陽性急性リンパ芽球性白血病;骨髄球性急性転化期のフィラデルフィア陽性慢性骨髄球性白血病;肺炎型腺癌(P−ADC:Pneumonic-Type Adenocarcinoma);真性赤血球増多症;肺線維症;原発性肝細胞癌;原発性肝がん;前立腺がん;前立腺がん(抗原非依存性);直腸がん;再発成人脳腫瘍;再発成人軟部組織肉腫;再発成人原発性肝がん;再発乳がん;再発子宮頸がん;再発結腸がん;再発子宮内膜がん;再発食道がん;再発胃がん;再発神経膠芽腫;再発多形性膠芽腫(GBM:Glioblastoma Multiforme);再発カポジ肉腫;再発メラノーマ;再発メルケル細胞癌;再発上皮性卵巣がん;再発膵がん;再発前立腺がん;再発直腸がん;再発唾液腺がん;再発皮膚がん;再発小細胞肺がん;再発ユーイング腫瘍;再発子宮肉腫;EGRF発現難治性胚細胞腫瘍;再発性慢性骨髄性白血病;腎細胞がん(Renal Cell Cancer);腎細胞癌(Renal Cell Carcinoma);腎乳頭癌;横紋筋肉腫;唾液腺腺様嚢胞癌;肉腫;肉腫様中皮腫;皮膚がん;小細胞肺がん;軟部組織肉腫;扁平上皮癌;食道の扁平上皮癌;頭頸部の扁平上皮癌;皮膚の扁平上皮癌;肺扁平上皮がん;ステージII食道がん;ステージIII食道がん、ステージIIメラノーマ;ステージIIメルケル細胞癌;ステージIII成人軟部組織肉腫;ステージIII食道がん;ステージIIIメルケル細胞癌;ステージIII上皮性卵巣がん;ステージIII膵がん;ステージIII唾液腺がん;ステージIIIB乳がん;ステージIIIC乳がん;ステージIV成人軟部組織肉腫;ステージIV乳がん;ステージIV結腸がん;ステージIV食道がん;ステージIV胃がん;ステージIVメラノーマ;ステージIV上皮性卵巣がん;ステージIV前立腺がん;ステージIV直腸がん;ステージIV唾液腺がん;ステージIVA膵がん;ステージIVB膵がん;全身性肥満細胞症;滑膜肉腫;T−リンパ腫;T細胞小児急性リンパ芽球性白血病;精巣がん;胸部及び呼吸器がん;咽喉がん;甲状腺がん;腎盂及び尿管の移行上皮がん;膀胱の移行上皮癌;卵管癌(Tubal Carcinoma);切除不能又は転移性悪性消化管間質腫瘍(GIST:Gastrointestinal Stromal Tumor);非特定小児固形腫瘍;非特定成人固形腫瘍;未治療小児脳幹神経膠腫;尿道がん;子宮癌肉腫、及び子宮肉腫が挙げられる。
例:
皮下EMT−6マウス乳腺腫瘍細胞を有するマウスにおけるフォスブレタブリントロメタミン(CA4P)の抗腫瘍活性を他の処置と組み合わせて評価する為にランダム化試験を行った。他の処置としては、抗CTLA−4抗体(参照番号:BE0131、バイオXセル(Bioxcell);クローン:9H10;反応性:マウス;アイソタイプ:ハムスターIgGl;保存条件:+4℃)との併用処置が挙げられる。
皮下EMT−6マウス乳腺腫瘍細胞を有するマウスにおけるフォスブレタブリントロメタミン(CA4P)の抗腫瘍活性を他の処置と組み合わせて評価する為にランダム化試験を行った。他の処置としては、抗CTLA−4抗体(参照番号:BE0131、バイオXセル(Bioxcell);クローン:9H10;反応性:マウス;アイソタイプ:ハムスターIgGl;保存条件:+4℃)との併用処置が挙げられる。
CA4P及び抗CTLA−4抗体をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に調製した。CA4Pは100mg/kgの用量で注射した。抗CTLA−4抗体は10mg/kgの用量で注射した。試験アイテムはマウスの腹膜腔内(例えば、腹腔内、IP)に注射した。投与容量は、マウスの最新の個々の体重に合うように調整して10mL/kg(200μL/マウス20g)とした。
ATCC由来のEMT−6細胞株と培養培地とを使用した。EMT−6細胞株は、過形成性乳腺肺胞結節の移植後のBALB/cCRGLマウスに生じた可移植性マウス乳癌から樹立されたものである。EMT−6腫瘍細胞を、加湿雰囲気(5%CO2、95%大気)中、37℃で、単層として増殖させた。培養培地は、10%ウシ胎児血清(参照番号:3302、ロンザ(Lonza))を補充した、2mM L−グルタミン含有RPMI1640(参照番号:BE12−702F、ロンザ、ヴェルヴィエ(Verviers)、ベルギー)であった。
健康な雌Balb/Cマウス、投与時6〜8週齢を試験に使用した。腫瘍がおよそ75〜150mm3の平均体積に達したときに処置を開始した。マウスを、Vivo manager(登録商標)ソフトウェア(バイオシステムス(Biosystemes)、クテルノン(Couternon)、フランス)を使用して、個々の腫瘍体積に従って動物8匹ずつの群にランダム化した。統計的検定(分散分析)を行って群間の均質性を試験した。処置スケジュールは以下のとおりであった:
TW×2は、連続した2週間にわたる週2回の1回の注射を指す。CA4Pは、各抗体投与の24時間前に投与した。
試験におけるマウスについての、時間に対する腫瘍体積及び時間に対する体重の結果を図1〜2にそれぞれ示す。所与の群においてマウスの20%超が死亡したら、該所与の群については試験を中止とした。図1は、腫瘍サイズが平均して着実に増加した対照群、CA4P単独群、及び抗CTLA−4単独群とは対照的に、CA4P及び抗CTLA−4の両方の投与を受けたマウスでは平均腫瘍サイズが顕著に減少したことを示す。抗CTLA−4単独の投与を受けた8匹のマウスのうちの2匹が、処置による腫瘍退縮を示した。CA4P単独の投与を受けた8匹のマウスのうちの1匹が腫瘍退縮を示した。予想外に、CA4P及び抗CTLA−4の両方の投与を受けた8匹のマウスのうちの7匹が、完全な腫瘍退縮を示した。CA4P及び抗CTLA−4の両方の投与を受けた8匹のマウスのうちの7匹が、試験41日目の時点で依然として生存していた。CA4P及び抗CTLA−4の両方を用いた併用処置は、本試験において、CA4P及び抗CTLA−4の両方で処置したマウスの腫瘍退縮の増加/完全な腫瘍退縮、生存率の向上、および顕著な寿命の延長によって例示される、マウスにおける腫瘍に対する相乗効果をもたらした。
本明細書で使用される用語は、特定の実施態様を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。例えば、本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上そうでないことが明確に示されていない限り、複数形をも含むことが意図される。さらに、用語「含む(comprises)」及び/又は「含む(comprising)」は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、工程、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を規定するものであるが、1又は複数の他の特徴、工程、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことが理解されるであろう。本明細書で使用される場合、用語「及び/又は(and/or)」は、列挙された関連項目の1又は複数の任意及び全ての組み合わせを包含し、且つ「/」と略記されても良い。
実施例において使用される場合を含めて、本明細書及び特許請求の範囲において使用され、かつ、そうでないことが明示的に規定されていない限り、全ての数値は、その用語が明示的に表示されていない場合であっても、「約(about)」又は「およそ(approximately)」という語によって前置きされているかのごとく読まれ得る。「約」又は「およそ」という語句は、大きさ及び/又は位置を記載する場合、該記載された値及び/又は位置が、値及び/又は位置の合理的に予測し得る範囲内であることを示す為に使用され得る。例えば、数値は、述べられた値(又は値の範囲)の+/−0.1%、述べられた値(又は値の範囲)の+/−1%、述べられた値(又は値の範囲)の+/−2%、述べられた値(又は値の範囲)の+/−5%、述べられた値(又は値の範囲)の+/−10%等の値を有し得る。本明細書に記載の任意の数値範囲は、その中に包含される全ての下位範囲を包含することが意図される。
様々な例示的な実施態様が上に記載されているが、様々な実施態様に対して、特許請求の範囲によって記載されるとおりの本発明の範囲から逸脱することなく、任意の数の変更を行ってもよい。例えば、記載された様々な方法の工程が実行される順序は、多くの場合、別の実施態様では変更してもよく、そして他の別の実施態様では、一又は複数の方法の工程を完全に省略してもよい。様々なデバイス及びシステムの実施態様の任意選択の特徴をいくつかの実施態様に含めてもよく、そして他の実施態様には含めなくてもよい。したがって、上記の説明は主として例示目的の為に提供されるものであり、それは特許請求の範囲に示されるとおりの本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
本明細書に含まれる実施例及び図は、例示として、かつ限定することなく、発明特定事項が実施され得る特定の実施態様を示す。上述したように、本開示の範囲から逸脱することなく構造的及び論理的な置換及び変更がなされ得るように、他の実施態様が利用及び導出されてもよい。本発明特定事項のそのような実施態様は、本明細書において、単に便宜上、また複数の発明又は発明概念が実際に開示されている場合には本出願の範囲を自発的にいずれかの単一の発明又は発明概念に限定することを意図することなく、個別に又は集合的に用語「発明」と称され得る。したがって、本明細書において特定の実施態様を例示及び記載してきたが、示した特定の実施態様に代えて、同じ目的を達成する為に計画された任意の構成(arrangement)を用いてもよい。本開示は、様々な実施態様の任意及び全ての改作又は変形に及ぶことが意図される。上記の実施態様の組み合わせ、及び本明細書に具体的に記載されていない他の実施態様は、上記の記載を再考すれば当業者には明らかであろう。
Claims (39)
- がん又は腫瘍を患っている対象において抗腫瘍効果をもたらす為の方法であって、その為に有効な量で、コンブレタスタチン剤である血管破壊剤(VDA)と、CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体からなる群から選択される1又は複数の抗体とを、患者に投与することを含む、方法。
- がん又は腫瘍を患っている対象において腫瘍再増殖を防止する為の方法であって、その為に有効な量で、コンブレタスタチン剤である血管破壊剤(VDA)と、CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体からなる群から選択される1又は複数の抗体とを、患者に投与することを含む、方法。
- コンブレタスタチン剤である血管破壊剤(VDA)で処置される対象において腫瘍関連血管新生を阻害する為の方法であって、その為に有効な量で、CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体からなる群から選択される1又は複数の抗体を、患者に投与することを含む、方法。
- がんの処置の為の方法であって、相乗的な、治療上有効な量の(1)コンブレタスタチン剤である血管破壊剤;並びに(2)CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体からなる群から選択される1又は複数の抗体を、必要とする対象に投与することを含む、方法。
- 方法が、CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体からなる群から選択される2以上の抗体を投与することを含む、先行する請求項のいずれか一項記載の方法。
- 方法が、CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体を治療有効量で投与することを含む、先行する請求項のいずれか一項記載の方法。
- コンブレタスタチン剤が、コンブレタスタチンA1ジホスファート(CA1P)又はコンブレタスタチンA4ホスファート(CA4P)である、先行する請求項のいずれか一項記載の方法。
- CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体が、トレメリムマブ、イピルマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、BMS936559、MPDL328OA、及びAMP−224からなる群から選択される、先行する請求項のいずれか一項記載の方法。
- 化合物が、同時に又は連続的に投与される、先行する請求項のいずれか一項記載の方法。
- コンブレタスタチン剤が、抗体より前に投与される、先行する請求項のいずれか一項記載の方法。
- コンブレタスタチン剤が、抗体の約12時間前より前に投与される、請求項10記載の方法。
- 前記がんが、卵巣がん、卵管がん、子宮頸がん、乳がん、肺がん、メラノーマ、腎臓、及び腹膜の原発がんからなる群から選択される、先行する請求項のいずれか一項記載の方法。
- 腫瘍が、メラノーマ、卵巣腫瘍、子宮頸部腫瘍、乳房腫瘍、小細胞肺腫瘍、非小細胞肺腫瘍、卵管腫瘍、腹膜の原発腫瘍、多形性膠芽腫、神経膠腫、星細胞腫、甲状腺癌、神経内分泌腫瘍、軟部組織肉腫、肝細胞癌、及び消化管間質腫瘍からなる群から選択される固形腫瘍である、請求項12記載の方法。
- 前記がんが、血液悪性腫瘍、急性白血病、慢性白血病、リンパ腫、及び骨髄腫からなる群から選択される、先行する請求項のいずれか一項記載の方法。
- 腫瘍が、約5cmを超える直径又は長さを有する、先行する請求項のいずれか一項記載の方法。
- 腫瘍が、約7cmを超える直径又は長さを有する、先行する請求項のいずれか一項記載の方法。
- 腫瘍が、約10cmを超える直径又は長さを有する、先行する請求項のいずれか一項記載の方法。
- コンブレタスタチン剤が、式II:
Raは、H、ホスファート、ホスファートエステル、ホスホナート、ホスホルアミダートモノエステル、ホスホルアミダートジエステル、環状ホスホルアミダート、ホスホルジアミダート、環状ホスホロジアミダート、ホスホンアミダート、又はアミノ酸アシルであり;そして
Rbは、ホスファート、ホスファートエステル、ホスホナート、ホスホルアミダートモノエステル、ホスホルアミダートジエステル、環状ホスホルアミダート、ホスホルジアミダート、環状ホスホロジアミダート、ホスホンアミダート、又はアミノ酸アシルである)
である、先行する請求項のいずれか一項記載の方法。 - コンブレタスタチン剤が、式IIb:
Raは、H又はOP(O)(OR3)OR4であり;そして
OR1、OR2、OR3、及びOR4は、それぞれ独立して、H、−O−QH+、又は−O−M+(式中、M+は、一価又は二価の金属カチオンであり、そして、Qは、独立して:
a)少なくとも2つの窒素原子を含有するアミノ酸であり、ここで、該窒素原子のうちの1つは、プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオンQH+を形成しているか;又は
b)プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオン、QH+を形成している少なくとも1つの窒素原子を含有する有機アミンである)である]
の化合物である、先行する請求項のいずれか一項記載の方法。 - 式IIbについて、R3が、H又はOP(O)(OR3)OR4であり、そして、R1、R2、R3、及びR4が、それぞれ独立して、脂肪族有機アミン、アルカリ金属、遷移金属、ヘテロアリーレン、ヘテロシクリル、ヌクレオシド、ヌクレオチド、アルカロイド、アミノ糖、アミノニトリル、又は窒素系抗生物質である、請求項19記載の方法。
- 式IIbについて、R1、R2、R3、及びR4が、それぞれ独立して、Na、TRIS、ヒスチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、グルカミン、N−メチルグルカミン、エチレンジアミン、2−(4−イミダゾリル)−エチルアミン、コリン、又はヒドラバミンである、請求項19記載の方法。
- コンブレタスタチンA1ジホスファート(CA1P)と、トレメリムマブ、イピルマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、BMS936559、MPDL328OA、及びAMP−224からなる群から選択される1又は複数の化合物とを含む医薬組成物を対象に投与することによって、それを必要とする対象において腫瘍を処置する方法。
- コンブレタスタチンA4ホスファート(CA4P)と、トレメリムマブ、イピルマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、BMS936559、MPDL328OA、及びAMP−224からなる群から選択される1又は複数の化合物とを含む医薬組成物を対象に投与することによって、それを必要とする対象において腫瘍を処置する方法。
- 対象がヒトである、先行する請求項のいずれか一項記載の方法。
- 腫瘍が、約5cmを超える直径又は長さを有する、請求項23〜25のいずれか一項記載の方法。
- 腫瘍が、約7cmを超える直径又は長さを有する、請求項23〜25のいずれか一項記載の方法。
- 腫瘍が、約10cmを超える直径又は長さを有する、請求項23〜25のいずれか一項記載の方法。
- がん又は腫瘍を患っている対象において抗腫瘍効果をもたらす為の医薬組成物であって、その為に有効な量で、コンブレタスタチン剤を含む血管破壊剤(VDA)と、CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体からなる群から選択される1又は複数の抗体とを医薬担体中に含む、医薬組成物。
- CTLA−4抗体、PD−1抗体、PD−L1抗体、及びPD−L2抗体が、トレメリムマブ、イピルマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、BMS936559、MPDL328OA、及びAMP−224からなる群から選択される、請求項29記載の組成物。
- トレメリムマブ、イピルマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、BMS936559、MPDL328OA、及びAMP−224からなる群から選択される2以上の抗体を含む、請求項29記載の組成物。
- VDAが、コンブレタスタチンA1ジホスファート(CA1P)又はコンブレタスタチンA4ホスファート(CA4P)である、請求29〜31のいずれか一項記載の組成物。
- コンブレタスタチン剤が、式II:
Raは、H、ホスファート、ホスファートエステル、ホスホナート、ホスホルアミダートモノエステル、ホスホルアミダートジエステル、環状ホスホルアミダート、ホスホルジアミダート、環状ホスホロジアミダート、ホスホンアミダート、又はアミノ酸アシルであり;そして
Rbは、ホスファート、ホスファートエステル、ホスホナート、ホスホルアミダートモノエステル、ホスホルアミダートジエステル、環状ホスホルアミダート、ホスホルジアミダート、環状ホスホロジアミダート、ホスホンアミダート、又はアミノ酸アシルである)
である、請求項29記載の組成物。 - コンブレタスタチン剤が、式IIb:
Raは、H又はOP(O)(OR3)OR4であり;そして
OR1、OR2、OR3、及びOR4は、それぞれ独立して、H、−O−QH+、又は−O−M+(式中、M+は、一価又は二価の金属カチオンであり、そして、Qは、独立して:
a)少なくとも2つの窒素原子を含有するアミノ酸であり、ここで、該窒素原子のうちの1つは、プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオンQH+を形成しているか;又は
b)プロトンと一緒になって、四級アンモニウムカチオン、QH+を形成している少なくとも1つの窒素原子を含有する有機アミンである)である]
の化合物である、請求項29記載の組成物。 - 式IIbについて、R3が、H又はOP(O)(OR3)OR4であり;そして、OR1、OR2、OR3、及びOR4が、それぞれ独立して、脂肪族有機アミン、アルカリ金属、遷移金属、ヘテロアリーレン、ヘテロシクリル、ヌクレオシド、ヌクレオチド、アルカロイド、アミノ糖、アミノニトリル、又は窒素系抗生物質である、請求項34記載の組成物。
- 式IIbについて、R1、R2、R3、及びR4が、それぞれ独立して、Na、TRIS、ヒスチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、グルカミン、N−メチルグルカミン、エチレンジアミン、2−(4−イミダゾリル)−エチルアミン、コリン、又はヒドラバミンである、請求項34記載の組成物。
- 前記医薬組成物が、CA1Pと、トレメリムマブ、イピルマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、MED14736、BMS936559、MPDL328OA、及びAMP−224からなる群から選択される1又は複数の化合物とを含む、請求項29〜37のいずれか一項記載の組成物。
- 前記医薬組成物が、CA4Pと、トレメリムマブ、イピルマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、BMS936559、MPDL328OA、及びAMP−224からなる群から選択される1又は複数の化合物とを含む、請求項29〜38のいずれか一項記載の組成物。
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