JP2018521959A - Btlaアゴニスト抗体を用いた免疫応答のモジュレーション - Google Patents

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Abstract

本発明は、BTLAアゴニスト抗体が免疫系をモジュレートするという将来性のある発見に関する。特に、本発明は、活性化状態にあるBTLAに結合し、BTLAシグナル伝達を増大させる抗体を提供する。本発明は、BTLAアゴニスト抗体により免疫および炎症疾患ならびに障害を処置する方法をさらに提供する。一実施形態において、本発明は、自己免疫障害または炎症性障害の処置を必要とする対象にBTLAの活性をモジュレートする治療的薬剤を投与し、それによって自己免疫障害または炎症性障害を処置する工程を含む、自己免疫障害または炎症性障害を処置する方法を提供する。

Description

本願は、2015年4月29日に出願された米国仮出願第62/154,484号の利益を請求し、その内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
政府支援の声明
本発明は、米国国立衛生研究所によって授与された助成金番号R37AI033068の下で政府支援により一部なされた。米国政府は、本発明における特定の権利を有する。
配列表の組み込み
添付の配列表にあるものは、本願に参照によって本明細書に組み込まれる。添付の配列表テキストファイル、名称BURN1660_1WO_Sequence_Listingは、2016年4月28日に作製され、7kbである。このファイルは、Windows(登録商標)OSを使用するコンピュータ上でMicrosoft Wordを使用して評価され得る。
本発明の分野
本発明は、一般に、抗体、より具体的にはBTLAアゴニスト抗体の開発および使用、ならびに免疫応答をモジュレートし、免疫および炎症関連疾患および障害を処置するためのその使用に関する。
リンパ球活性化は、一次抗原受容体、すなわちT細胞受容体またはB細胞受容体のいずれかによって伝達されるシグナル、ならびにリンパ球活性化の程度、質および持続時間を調節する数々の共刺激および阻害受容体によって伝達される二次シグナルに関わる。T細胞の場合、共刺激受容体および阻害細胞表面受容体には、CD28、細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA−4)、および腫瘍壊死因子(TNF)受容体(TNFR)ファミリーのいくつかのメンバーが含まれる。免疫グロブリンスーパーファミリーの共刺激受容体には、CD28および誘導可能なT細胞共刺激因子(ICOS)が含まれ、阻害受容体には、CTLA−4、およびプログラム細胞死1(PD−1)ならびにBおよびT細胞リンパ球アテニュエータ(BTLA)が含まれる。CD28、ICOS、CTLA−4、PD−1ならびにBおよびTリンパ球アテニュエータ(BTLA)からなる受容体のCD28ファミリーは、免疫応答の開始の調節において顕著な役割を果たす。CTLA−4、PD−1またはBTLAの会合がT細胞応答を減衰させるのに対して、CD28またはICOSいずれかの連結は、T細胞活性化を増大させる。
移植片対宿主疾患または自己免疫疾患における場合など、免疫介在性病理を患っている患者においてリンパ球活性を阻害するように設計された新規の治療の必要性は殆ど満たされていない。これら疾患の多くの型においては、限られた数の承認された処置しか存在せず、またはいくつかの個体は利用可能な処置に応答することができない。新規治療の魅力的な標的は、自己免疫疾患の原因である病原性リンパ球によって発現される阻害受容体のアゴニスト活性化である。ヒト阻害受容体を活性化するように設計した抗体に基づく治療を開発する試みは、動物モデルにおける有望な結果にもかかわらず殆ど失敗に終わった。
本発明の概要
本発明は、BTLAアゴニスト抗体が免疫応答をモジュレートするという将来性のある発見に関する。特に、本発明は、活性化状態にあるBTLAに結合し、BTLAシグナル伝達を増大させる抗体を提供する。本明細書に記載の通り、本発明は、BTLAアゴニスト抗体により免疫および炎症疾患ならびに障害を処置する方法をさらに提供する。
一実施形態において、本発明は、自己免疫障害または炎症性障害の処置を必要とする対象にBTLAの活性をモジュレートする治療的薬剤を投与し、それによって自己免疫障害または炎症性障害を処置する工程を含む、自己免疫障害または炎症性障害を処置する方法を提供する。一態様において、自己免疫または炎症性障害は、アジソン病、筋萎縮性側索硬化症、クローン病、クッシング症候群、1型真性糖尿病、移植片対宿主疾患、グレーブス病、ギランバレー症候群、エリテマトーデス、多発性硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、関節リウマチ、サルコイドーシス、強皮症、全身性エリテマトーデス、がん、移植拒絶反応または血管炎である。好ましい一態様において、治療的薬剤は抗体である。別の態様において、抗体はBTLAに結合する。さらなる態様において、抗体はアゴニスト抗体である。追加の態様において、抗体は、活性化されているBTLAに結合する。ある特定の態様において、抗体は、BTLAに対するHVEM結合を遮断しない。一態様において、BTLAシグナル伝達が増大する。別の態様において、抗体は、モノクローナル、キメラ、ヒトもしくはヒト化抗体またはその結合断片である。特定の態様において、本明細書に記載の通り抗体のアゴニストクローンは、6F4である。
追加の態様において、免疫応答モジュレーターが投与される。ある特定の態様において、免疫応答モジュレーターは、エイコサノイド、サイトカイン、プロスタグランジン、インターロイキン、ケモカインまたはインターフェロンである。さらなる態様において、免疫応答モジュレーターは、CXCL−8、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL11、CXCL10、IL1、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL10、IL11、IL12、IL13、IL15、IL17、IL17、INF−α、INF−β、INF−ε、INF−γ、G−CSF、TNF−α、CTLA、CD20またはCD52である。特定の態様において、免疫応答モジュレーターは、例えば、それだけには限らないが、トシリズマブ(アクテムラ)、CDP870(シムジア)、エタネルセプト(enteracept)(エンブレル)、アダリムマブ(ヒュミラ)、キネレット、アバタセプト(オレンシア)、インフリキシマブ(レミケード)、リツキシマブ(rituzimab)(リツキサン)、ゴリムマブ(シンポニー)、アボネックス、レビフ、レシゲン(ReciGen)、プレグリディ、ベータセロン、コパキソン、ノバントロン(Novatrone)、ナタリズマブ(タイサブリ)、フィンゴリモド(ジレニア)、テリフルノミド(オーバジオ)、BG12、テクフィデラまたはアレムツズマブ(キャンパス、レムトラダ)である。
別の実施形態において、本発明は、T細胞をBTLAの活性をモジュレートする薬剤と接触させる工程を含む、T細胞活性を低下させる方法を提供する。一態様において、治療的薬剤は、抗BTLAアゴニスト抗体である。別の態様において、抗体は、活性化されているBTLAに結合する。追加の態様において、抗体は、BTLAに対するHVEM結合を遮断しない。ある特定の態様において、抗体はBTLAシグナル伝達を増大させる。特定の態様において、抗体クローンは、6F4である。接触させる工程は、例えばin vivoまたはex vivoであり得る。
追加の実施形態において、本発明は、活性化されているBTLAに結合する抗体を提供する。一態様において、抗体は、BTLAに対するHVEM結合を遮断しない。別の態様において、BTLAシグナル伝達が増大する。追加の態様において、BTLAに対する抗体の結合は、BTLAの細胞質ドメインのリン酸化をもたらす。さらなる態様において、BTLAに対する抗体の結合は、SHP1およびSHP2を動員する。特定の態様において、抗体クローンは、6F4である。
さらなる実施形態において、本発明は、抗BTLA抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
一実施形態において、本発明は、薬剤をBTLAと接触させる工程と;BTLA活性を測定する工程とを含み、BTLA活性の増加が、薬剤がBTLAアゴニストであることを示す、BTLAアゴニスト薬剤をスクリーニングする方法を提供する。一態様において、薬剤は、抗体、抗体断片またはペプチドである。追加の態様において、抗体はモノクローナル、キメラ、ヒトまたはヒト化抗体である。さらなる態様において、抗体は、クローン6F4と同じエピトープに結合する。
図1A〜1Cは、抗BTLAモノクローナル抗体の特徴づけを示す図である。BTLAで形質導入したBJAB細胞を、HVEM−Fc(A)またはヒトCMV UL144−Fc(B)で染色する前に指示濃度の抗BTLAとインキュベートした。(C)BTLAの2つの画像を示す。 図1A〜1Cは、抗BTLAモノクローナル抗体の特徴づけを示す図である。BTLAで形質導入したBJAB細胞を、HVEM−Fc(A)またはヒトCMV UL144−Fc(B)で染色する前に指示濃度の抗BTLAとインキュベートした。(C)BTLAの2つの画像を示す。 図1A〜1Cは、抗BTLAモノクローナル抗体の特徴づけを示す図である。BTLAで形質導入したBJAB細胞を、HVEM−Fc(A)またはヒトCMV UL144−Fc(B)で染色する前に指示濃度の抗BTLAとインキュベートした。(C)BTLAの2つの画像を示す。
図2A〜2Fは、多様な病原体に関連し、生体工学によりde novo作製したHVEMムテインの間で同程度のBTLAアゴニズムを示す図である。表示したHVEMリガンドで形質導入したJTAg細胞を、(A)ホスホ−ZAP70/Syk、(B)ホスホ−BTK/ITK、(C)ホスホ−PLCγ1、(D)ホスホ−ERK1/2、(E)ホスホ−チロシンおよび(F)ホスホ−ERK1/2に対する細胞内染色の前に、Fcタンパク質を有するかまたは有さない抗CD3にカップリングしたマイクロスフェアで培養した。 図2A〜2Fは、多様な病原体に関連し、生体工学によりde novo作製したHVEMムテインの間で同程度のBTLAアゴニズムを示す図である。表示したHVEMリガンドで形質導入したJTAg細胞を、(A)ホスホ−ZAP70/Syk、(B)ホスホ−BTK/ITK、(C)ホスホ−PLCγ1、(D)ホスホ−ERK1/2、(E)ホスホ−チロシンおよび(F)ホスホ−ERK1/2に対する細胞内染色の前に、Fcタンパク質を有するかまたは有さない抗CD3にカップリングしたマイクロスフェアで培養した。 図2A〜2Fは、多様な病原体に関連し、生体工学によりde novo作製したHVEMムテインの間で同程度のBTLAアゴニズムを示す図である。表示したHVEMリガンドで形質導入したJTAg細胞を、(A)ホスホ−ZAP70/Syk、(B)ホスホ−BTK/ITK、(C)ホスホ−PLCγ1、(D)ホスホ−ERK1/2、(E)ホスホ−チロシンおよび(F)ホスホ−ERK1/2に対する細胞内染色の前に、Fcタンパク質を有するかまたは有さない抗CD3にカップリングしたマイクロスフェアで培養した。 図2A〜2Fは、多様な病原体に関連し、生体工学によりde novo作製したHVEMムテインの間で同程度のBTLAアゴニズムを示す図である。表示したHVEMリガンドで形質導入したJTAg細胞を、(A)ホスホ−ZAP70/Syk、(B)ホスホ−BTK/ITK、(C)ホスホ−PLCγ1、(D)ホスホ−ERK1/2、(E)ホスホ−チロシンおよび(F)ホスホ−ERK1/2に対する細胞内染色の前に、Fcタンパク質を有するかまたは有さない抗CD3にカップリングしたマイクロスフェアで培養した。 図2A〜2Fは、多様な病原体に関連し、生体工学によりde novo作製したHVEMムテインの間で同程度のBTLAアゴニズムを示す図である。表示したHVEMリガンドで形質導入したJTAg細胞を、(A)ホスホ−ZAP70/Syk、(B)ホスホ−BTK/ITK、(C)ホスホ−PLCγ1、(D)ホスホ−ERK1/2、(E)ホスホ−チロシンおよび(F)ホスホ−ERK1/2に対する細胞内染色の前に、Fcタンパク質を有するかまたは有さない抗CD3にカップリングしたマイクロスフェアで培養した。 図2A〜2Fは、多様な病原体に関連し、生体工学によりde novo作製したHVEMムテインの間で同程度のBTLAアゴニズムを示す図である。表示したHVEMリガンドで形質導入したJTAg細胞を、(A)ホスホ−ZAP70/Syk、(B)ホスホ−BTK/ITK、(C)ホスホ−PLCγ1、(D)ホスホ−ERK1/2、(E)ホスホ−チロシンおよび(F)ホスホ−ERK1/2に対する細胞内染色の前に、Fcタンパク質を有するかまたは有さない抗CD3にカップリングしたマイクロスフェアで培養した。
図3A〜3Bは、ラット抗hBLTA Mabクローン6F4のタンパク質配列を示す図である。ラット抗hBLTA Mabクローン6Fの(A)軽鎖および(B)重鎖のアミノ酸配列。
図4A〜4Bは、BTLAがEAEの重症度を調節することを示す図である。(A)野生型およびBTLA欠損動物を低用量のMOGペプチドで免疫化した後に、中枢神経系浸潤リンパ球を、CD4およびガンマデルタT細胞の存在ならびにIL−17産生について分析した。(B)抗BTLA処置動物において疾患の重症度の減少を示すMOG免疫化した動物の平均EAEスコア。 図4A〜4Bは、BTLAがEAEの重症度を調節することを示す図である。(A)野生型およびBTLA欠損動物を低用量のMOGペプチドで免疫化した後に、中枢神経系浸潤リンパ球を、CD4およびガンマデルタT細胞の存在ならびにIL−17産生について分析した。(B)抗BTLA処置動物において疾患の重症度の減少を示すMOG免疫化した動物の平均EAEスコア。
発明の詳細な説明
本発明は、BTLAアゴニスト抗体が免疫系および免疫応答をモジュレートするという将来性のある発見に関する。特に、本発明は、活性化状態にあるBTLAに結合し、BTLAシグナル伝達を増大させる抗体を提供する。本発明は、BTLAアゴニスト抗体により免疫および炎症疾患ならびに障害を処置する方法をさらに提供する。
本組成物および方法について記述する前に、記述されている組成物、方法および条件は変化し得るので、本発明が、特定の組成物、方法および実験条件に限定されないことは理解されよう。本明細書において使用される用語は、特定の実施形態について記述するためだけのものであり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲においてのみ限定されることになるので、限定する目的はないことも理解されよう。
別段の規定がない限り、本明細書において使用される技術および科学用語の全ては、本発明が属する当分野の技術者によって共通して理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記述される方法および材料と類似もしくは同等の任意の方法および材料を、本発明の実施または試験に使用することができるが、好ましい方法および材料についてはこれから記述する。以下に述べる定義は、本開示を理解するためのものであるが、当業者が持つ用語の理解に取って代わると考えるものでは決してない。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈に別段の明確な指図がない限り複数形の言及を含む。したがって、例えば、「方法」への言及は、本開示などを読むと当業者に明らかになるであろう本明細書に記述される1つもしくは複数の方法、および/または工程の型を含む。
抗体は通常、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質であり、2本の同一の軽鎖(L)および2本の同一の重鎖(H)で構成される。ジスルフィド結合の数は、異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖の間で変化するが、各軽鎖は、1つの共有結合性ジスルフィド結合によって重鎖に連結されている。重鎖および軽鎖はそれぞれ、一定の間隔をあけた鎖内ジスルフィド架橋も有する。各重鎖は、一方の末端に可変ドメイン(V)に続いていくつかの定常ドメインを有する。各軽鎖は、一方の末端に可変ドメイン(V)および他方の末端に定常ドメインを有し;軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインと整列しており、軽鎖可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと整列している。特定のアミノ酸残基が、軽鎖および重鎖可変ドメインの間に界面を形成すると考えられている。各可変領域は、相補性決定領域(CDR)または超可変領域と呼ばれる3つの区域から構成され、可変ドメインの一層高度に保存されている部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。重鎖および軽鎖の可変ドメインはそれぞれ、4つのFR領域を含み、β−シート構成を主にとり、3つのCDRにより接続されており、CDRはβ−シート構造を接続するループを形成し、いくつかの場合にはβ−シート構造の部分を形成する。各鎖のCDRは、FRによって近接近に、および他の鎖由来のCDRと一緒に保持され、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。定常ドメインは、抗体が抗原に結合することに直接関わらないが、抗体依存性細胞性細胞傷害における抗体の関与など様々なエフェクター機能を呈する。
それら重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンを、異なるクラスに割り当てることができる。免疫グロブリンには5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMがあり、これらのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgAおよびIgA2にさらに分けることができる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γおよびμと呼ばれる。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造および3次元構成は、周知である。
本明細書で使用される用語「抗体」とは、インタクトなモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つのインタクトな抗体から形成される多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、および所望の生物活性を呈する限り抗体断片のことを指す。
「抗体断片」は、インタクトな抗体の一部、好ましくはインタクトな抗体の抗原結合または可変領域を含む。抗体断片の例には、Fab、Fab’、F(ab’)およびFv断片;ダイアボディ、トリアボディ(tribodies)等;直鎖状抗体;一本鎖抗体分子;および抗体断片から形成される多重特異性抗体が含まれる。
本明細書で使用される用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体のことを指し、即ち、集団を含む個々の抗体は、少量で存在し得る天然に起こる可能性がある突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、非常に特異的であり、単一の抗原部位に対して作られる。さらに各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定因子に対して作られる。その特異性に加えて、モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ培養により合成され、他の免疫グロブリンが混入していないので有利である。例えば、本発明により使用されるモノクローナル抗体は、ハイブリドーマにより、組換えDNA方法により作る、またはファージ抗体ライブラリから単離することができる。
モノクローナル抗体は、本明細書において特に「キメラ」抗体(免疫グロブリン)を含み、重鎖および/もしくは軽鎖の一部が、特定の種に由来するまたは特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一かもしくは相同であり、一方で鎖(複数可)の残りは、別の種に由来するまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体、ならびに所望の生物活性を呈する限り、そのような抗体の断片中の対応する配列と同一かもしくは相同である。
非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態は、キメラ免疫グロブリン、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含有する免疫グロブリン鎖またはその断片(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)または抗体の他の抗原結合性の部分配列など)である。殆どの部分において、ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)由来残基が、所望の特異性、親和性および能力を有するマウス、ラットまたはウサギなど非ヒト種のCDR(ドナー抗体)由来残基によって置き換えられているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの例において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基により置き換えられる。さらにまた、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、取り込んだCDRまたはフレームワーク配列にも見られない残基を含むことができる。これらの修飾は、抗体性能をさらに洗練し、最大化するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つおよび典型的に2つの可変ドメインの全てを実質的に含むことになり、CDRの全てまたは実質的に全ては、非ヒト免疫グロブリンのCDRに対応し、FRの全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリン配列のFRである。ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にヒト免疫グロブリンのFcの少なくとも一部も最適に含むことになる。
「一本鎖Fv」または「sFv」抗体断片は、抗体のVおよびVドメインを含み、これらのドメインは、単一のポリペプチド鎖で存在する。好ましくは、Fvポリペプチドは、VおよびVドメインの間に、sFvが抗原結合に望ましい構造を形成できるようにするポリペプチドリンカーをさらに含む。
本明細書で使用される場合、用語「処置する」または「処置」または「緩和」とは、治療的処置、予防的および/もしくは防止的措置のことを指し、その目的は、標的化した病理学的症状もしくは障害を防止するまたは減速させる(小さくする)ことである。処置を必要とする者には、既に障害がある者ならびに障害になりやすい者または障害が防止されるべき者が含まれる。
本明細書で使用される用語「治療的薬剤」は、患者または対象に投与した場合に所望の治療効果を誘導できる化合物もしくは組成物を含む。本発明の治療的薬剤の例は、抗BTLA抗体である。
本明細書で使用される場合、用語、疾患を処置するために使用される薬物の「有効量」または「治療有効量」は、疾患の重症度を減少させ得る、疾患またはその処置と関連する1つもしくは複数の症候の重症度を減少させ得る、或いは処置した症状の後にある程度の頻度で起こる可能性があるより重篤な症候またはより重篤な疾患の発症を遅延させ得る量である。「有効量」は、述べた目的との関係で、経験的に、日常的な様式で決定することができる。
治療的薬剤は、対象を処置するために局所的、非経口、皮下、腹腔内、肺内、鼻腔内、静脈内および/または病巣内投与を含めた任意の適当な手段により投与され得る。しかしながら、例示的な実施形態において、治療的薬剤は、液体、クリーム、ゲル、軟膏、泡スプレー等の形態など局所適用のために処方される。
本明細書で使用される場合、用語「障害」または「疾患」とは、抗BTLA抗体による処置の利益を得ることになる任意の症状のことを指す。抗BTLA処置の利益を得ることになる疾患および障害の例には、免疫、自己免疫および炎症性疾患ならびに障害が含まれる。
免疫疾患または障害は、免疫系の機能不全である。これらの障害は、いくつかの異なる方法:影響を受ける免疫系の成分(複数可);免疫系が過活動か低活動かどうか、および症状が先天性か後天性かどうか、により特徴づけることができる。自己免疫疾患は、身体内に通常存在する物質および組織に対する身体の異常な免疫応答から発生する(自己免疫)。自己免疫疾患の基礎をなす病態生理学の主要な理解は、自己免疫疾患間での著しい程度の遺伝的共有を同定したゲノムワイド関連解析の適用であった。
自己免疫障害には、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、筋萎縮性側索硬化症(別名ルーゲーリッグ病)、強直性脊椎炎、抗リン脂質症候群、抗合成酵素症候群、アトピー性アレルギー、アトピー性皮膚炎、自己免疫性無形成性貧血、自己免疫性心筋症、自己免疫性腸症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、自己免疫性リンパ増殖性症候群、自己免疫性膵炎、自己免疫性末梢ニューロパシー、自己免疫性多内分泌腺症候群、自己免疫性プロゲステロン皮膚炎、自己免疫性血小板減少性紫斑病、自己免疫性蕁麻疹、自己免疫性ブドウ膜炎、バロー病/バロー同心円性硬化症、ベーチェット病、バージャー病、ビッカースタッフ脳炎、ブラウ症候群、水疱性類天疱瘡、がん、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発性ニューロパシー、慢性炎症性脱髄性多発性ニューロパシー、慢性閉塞性肺疾患、慢性再発性多巣性骨髄炎、チャーグ−ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷凝集素症、補体成分2欠乏症、接触性皮膚炎、頭蓋動脈炎、クレスト症候群、クローン病、クッシング症候群、皮膚白血球破砕性血管炎、ドゴー病(Dego's disease)、ダーカム病、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、1型真性糖尿病、びまん性皮膚硬化型全身性強皮症、円板状エリテマトーデス、ドレスラー症候群、薬物誘導性狼瘡、湿疹、子宮内膜症、好酸球性筋膜炎、好酸球性胃腸炎、好酸球性肺炎、後天性表皮水疱症、結節性紅斑、胎児赤芽球症、本態性混合型クリオグロブリン血症、エヴァンス症候群、進行性骨化性線維異形成症、線維性肺胞炎(または、特発性肺線維症)、胃炎、消化管類天疱瘡、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、移植片対宿主疾患、グレーブス病、ギランバレー症候群、橋本脳症、橋本甲状腺炎、ヘノッホシェーンライン紫斑病、妊娠性疱疹、別名妊娠類天疱瘡、化膿性汗腺炎、ヒューズ−ストーヴィン症候群、低ガンマグロブリン血症、特発性炎症性脱髄疾患、特発性肺線維症、特発性血小板減少性紫斑病、IgA腎症、封入体筋炎、間質性膀胱炎、若年性特発性関節炎、別名若年性関節リウマチ、川崎病、ランバート−イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、線状IgA病、ルポイド肝炎、別名自己免疫性肝炎、エリテマトーデス、マジード症候群、顕微鏡的大腸炎、顕微鏡的多発血管炎、ミラーフィッシャー症候群、混合型結合組織病、限局性強皮症、ムッハ・ハーベルマン病、別名急性苔癬状痘瘡状粃糠疹、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、メニエール病、ナルコレプシー、視神経脊髄炎、神経性筋強直、眼瘢痕性類天疱瘡(occular cicatricial pemphigoid)、オプソクローヌスミオクローヌス症候群、オルド甲状腺炎、回帰性リウマチ、PANDAS(小児自己免疫性レンサ球菌関連精神神経障害)、腫瘍随伴性小脳変性、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、パリーロンベルグ症候群、毛様体扁平部炎、パーソネジ−ターナー症候群、尋常天疱瘡、静脈周囲性脳脊髄炎、悪性貧血、ポエムス症候群、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発筋痛、多発筋炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、進行性炎症性ニューロパシー、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆、壊疽性膿皮症、ラスムッセン脳炎、レイノー現象、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、下肢静止不能症候群、後腹膜線維化症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、統合失調症、シュミット症候群、シュニッツラー症候群、強膜炎、強皮症、血清病、シェーグレン症候群、脊椎関節症、スティッフパーソン症候群、スチル病、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、スイート症候群、シドナム舞踏病、交感性眼炎、全身性エリテマトーデス、高安動脈炎、側頭動脈炎、血小板減少、トローザ−ハント症候群、横断性脊髄炎、潰瘍性大腸炎、未分化脊椎関節症、蕁麻疹性血管炎、血管炎、白斑、ヴェーゲナー肉芽腫症が含まれるが、これに限定されない。
炎症性疾患は、幅広い種類のヒト疾患の根底にある障害の大群である。免疫系は、アレルギー反応およびいくつかのミオパチーの両方において実証されている炎症性障害、異常な炎症をもたらす多くの免疫系障害としばしば関わる。炎症過程に病因論的起原がある非免疫性疾患には、がん、アテローム性動脈硬化症および虚血性心臓疾患が含まれる。多種多様なタンパク質が炎症に関わっており、そのうちのいずれか1つが、タンパク質の正常機能および発現を損なうか、さもなければ異常調節する遺伝子突然変異を受けやすい。炎症と関連する障害の例には、尋常性ざ瘡、喘息、自己免疫疾患、セリアック病、慢性前立腺炎、糸球体腎炎、過敏性、炎症性腸疾患、骨盤炎症性疾患、再灌流傷害、関節リウマチ、サルコイドーシス、移植拒絶反応、血管炎、間質性膀胱炎、アテローム性動脈硬化症、アレルギー、ミオパチー、白血球欠損およびがんが含まれる。
本明細書では用語「免疫モジュレーター」とは、免疫系をモジュレートする任意の治療的薬剤のことを指す。免疫モジュレーターの例には、エイコサノイド、サイトカイン、プロスタグランジン、インターロイキン、ケモカインおよびインターフェロンが含まれる。免疫モジュレーターの特定の例には、PGI2、PGE2、PGF2、CCL14、CCL19、CCL20、CCL21、CCL25、CCL27、CXCL12、CXCL13、CXCL−8、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL11、CXCL10、IL1、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL10、IL11、IL12、IL13、IL15、IL17、IL17、INF−α、INF−β、INF−ε、INF−γ、G−CSF、TNF−α、CTLA、CD20およびCD52が含まれる。免疫モジュレーターの他の例には、トシリズマブ(アクテムラ)、CDP870(シムジア)、エタネルセプト(エンブレル)、アダリムマブ(ヒュミラ)、キネレット、アバタセプト(オレンシア)、インフリキシマブ(レミケード)、リツキシマブ(リツキサン)、ゴリムマブ(シンポニー)、アボネックス、レビフ、レシゲン、プレグリディ、ベータセロン、コパキソン、ノバントロン、ナタリズマブ(タイサブリ)、フィンゴリモド(ジレニア)、テリフルノミド(オーバジオ)、BG12、テクフィデラおよびアレムツズマブ(キャンパス、レムトラダ)が含まれる。
免疫系は、疾患から保護する生物内の生物学的構造および過程の系である。この系は、病原体および他の異物から身体を保護し、感染した細胞および悪性細胞を破壊し、細胞残屑を除去する細胞、細胞産物、および細胞形成組織が相互作用する広範で、複雑なネットワークであり:この系には、胸腺、脾臓、リンパ節およびリンパ組織、幹細胞、白血球、抗体ならびにリンフォカインが含まれる。B細胞またはBリンパ球は、適応免疫系の液性免疫におけるリンパ球の一種であり、免疫監視に重要である。T細胞またはTリンパ球は、細胞介在性免疫において中心的役割を果たすリンパ球の一種である。T細胞には2つの主要なサブタイプ:キラーT細胞およびヘルパーT細胞がある。加えて、免疫応答をモジュレートする役割を有するサプレッサーT細胞がある。キラーT細胞は、クラスI MHC分子とカップリングした抗原だけを認識し、一方でヘルパーT細胞は、クラスII MHC分子とカップリングした抗原だけを認識する。抗原提示のこれら2つの機構は、T細胞の2つの型の異なる役割を反映している。第3の、少数のサブタイプは、MHC受容体に結合していないインタクトな抗原を認識するγδT細胞である。対照的に、B細胞抗原特異的受容体は、B細胞表面にある抗体分子であり、抗原プロセシングを少しも必要とせずに全病原体を認識する。B細胞の各系統は異なる抗体を発現するので、B細胞抗原受容体の一式は、身体が製造し得る抗体の全てを表している。
BおよびT細胞アテニュエータ(BTLAまたはCD272)は、免疫系の不可欠な部分である。BTLA発現は、T細胞の活性化の間に誘導され、BTLAは、Th1細胞において発現され続けるが、Th2細胞では発現されない。プログラム細胞死1(PD1)および細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4)のように、BTLAは、阻害経路を活性化し、T細胞活性化を調節する。しかしながら、PD−1およびCTLA−4とは異なり、BTLAは、細胞表面受容体のB7ファミリーではなく腫瘍壊死ファミリー受容体(TNF−R)との相互作用によってT細胞阻害を示す。BTLAは、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)としても公知である、腫瘍壊死因子(受容体)スーパーファミリー、メンバー14(TNFRSF14)に対するリガンドである。BTLA−HVEM複合体は、T細胞免疫応答を負に調節する。
腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー(TNFRSF)ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)(TNFRSF14)は、古典的なTNF関連リガンド、リンホトキシン−α(LT−α)およびLIGHTに結合するが;HVEMの目立った特徴は、免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーであるBおよびTリンパ球アテニュエータ(BTLA)ならびにCD160との会合である。HVEMが別個の構成の複数のリガンドと相互作用することができるため、機能的に多様な内因性で二方向性のシグナル伝達経路が生じる。これらの異なるリガンドに結合する能力は、HVEMの細胞外ドメイン内にある異なる2つの局所的領域にある。これらの別個の部位があることにより、HVEMは、炎症誘発性および阻害性経路の両方を活性化することができる。いくつかのシグナル伝達経路に関係するHVEMにより、HVEMが、T細胞同時刺激、樹状細胞(DC)ホメオスタシスの調節、自己免疫介在性炎症応答などの免疫系、ならびに病原体に対する宿主防御において重要な役割を果たすことは、驚くことではない。HVEMは、感覚ニューロン発達および脂肪細胞代謝の調節において免疫系以外の重要な役割も果たすことができる。
BTLAは、別個の表面を使用してHVEMと相互作用する。BTLA/HVEM経路は、免疫寛容の維持および自己免疫疾患の防止に重要な役割を果たす。BTLA欠損マウスは、関節リウマチ、リンパ球浸潤、自己免疫性肝炎(AIH)様疾患およびEAEを発症する。HVEM欠損マウスは、MOGペプチド誘導性EAEに対する感受性の増加ならびにT細胞増殖およびサイトカイン産生の増加を示す。拮抗性HVEM−Igは、DBA1バックグラウンドマウスにおいてコラーゲン誘導性関節炎の自己免疫を悪化させる。したがって、活性化したT細胞におけるBTLAの強制発現は、自己免疫疾患の処置に対する有望な戦略となろう。
腫瘍免疫に関しては、腫瘍抗原特異的CD8T細胞は、BTLAを持続的に発現するように見える。CpGワクチン接種は、腫瘍抗原特異的CD8T細胞においてBTLAの発現を部分的に下方調節し、BTLA/HVEM介在性阻害シグナルを遮断すると報告されている。BTLA/HVEM経路の遮断は、エフェクターT細胞機能を増大させる手段として意味があるように思えるが、HVEM相互作用分子の複雑さに細心の注意を払うべきである。CD160、IgSF阻害性受容体も、HVEMに結合する。加えて、LIGHT、TNFファミリーメンバーは、HVEMと会合すると共刺激シグナルを伝達する。これら複数の経路が、悪性病変に対する新規の治療的介入を確立することを困難にしている。
BTLA/HVEM経路の操作は、感染症患者を処置する有望な戦略となり得る。BTLAは、マウスにおいてP.berghei ANKA感染の間に誘導され、抗BTLA拮抗性mAbは、原虫に起因する脳マラリアの発病率を有意に減少させる。したがって、BTLA/HVEM経路を撹乱させる病原体は、抗BTLA mAb免疫療法に理想的な標的となり得る。
移植において、BTLA/HVEM経路は、同種応答の調節に特有の役割を有する。PD−1ではなくBTLAが、部分的にMHC不適合な心臓同種移植片で移植されたマウス由来の同種反応性T細胞において強く誘導されることは注目に値する。同種移植片が、野生型マウスにおいて比較的長期間生存するのに対して、この部分的に不適合なモデルにおいては、迅速な拒絶反応がBTLA欠損マウスに観察される。このことは、BTLAおよびPD−1が、移植において重複しない役割を果たし得ることを示している。免疫応答が比較的弱い場合、BTLAは、PD−1よりも支配的であると思われるが、PD−1は、強いアロ応答において主要な役割を果たす。可溶性HVEM−Igまたは抗HVEM mAbは、GVHDおよび同種移植片拒絶反応を防止することができる。拮抗性抗BTLA mAbとCTLA−4−Igの組合せは、同種移植片の生存を延長するが、CTLA−4−Igまたは抗BTLA mAb単独では移植片拒絶反応を防止することができない。
阻害性受容体シグナル伝達の活性化の成功は、活性化受容体−リガンド構成に類似して、活性化状態にある阻害受容体の構成に会合する受容体アゴニストの能力に依存する。この活性化した構成を促進することができる抗体の形態の受容体アゴニストは、BおよびTリンパ球アテニュエータ(BTLA)などの阻害受容体の特定のエピトープに会合し、BTLAシグナル伝達を増大させることになる。これら抗体のエピトープは、BTLA受容体ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)の結合部位と重複しない。これら抗体は、BTLA細胞質ドメインのリン酸化、SHP1および2を含めた関連タンパク質の動員ならびにリン酸化、活性化のマーカーであるBTLAの細胞質ドメインに動員される他のシグナル伝達タンパク質を活性化することによりシグナル伝達を増大させるように機能することになる。BTLAの下流にある阻害性シグナル伝達の活性化は、T細胞におけるT細胞受容体およびB細胞におけるB細胞受容体の下流にある正常なシグナルトランスダクション経路を負に調節すると予測される。加えて、BTLA阻害性シグナル伝達は、γδT細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞など生来の細胞においてIL−7ならびにI型インターフェロンサイトカインシグナル伝達を負に調節する。
一実施形態において、本発明は、自己免疫障害または炎症性障害の処置を必要とする対象にBTLAの活性をモジュレートする治療的薬剤を投与し、それによって自己免疫障害または炎症性障害を処置する工程を含む、自己免疫障害または炎症性障害を処置する方法を提供する。一態様において、自己免疫または炎症性障害は、アジソン病、筋萎縮性側索硬化症、クローン病、クッシング症候群、1型真性糖尿病、移植片対宿主疾患、グレーブス病、ギランバレー症候群、エリテマトーデス、多発性硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、関節リウマチ、サルコイドーシス、強皮症、全身性エリテマトーデス、がん、移植拒絶反応または血管炎である。一態様において、治療的薬剤は抗体である。別の態様において、抗体はBTLAに結合する。さらなる態様において、抗体はアゴニスト抗体である。追加の態様において、抗体は、活性化されているBTLAに結合する。ある特定の態様において、抗体は、BTLAに対するHVEM結合を遮断しない。一態様において、BTLAシグナル伝達が増大する。別の態様において、抗体は、モノクローナル、キメラ、ヒトまたはヒト化抗体である。特定の態様において、抗体は6F4である。追加の態様において、免疫応答モジュレーターが投与される。ある特定の態様において、免疫応答モジュレーターは、エイコサノイド、サイトカイン、プロスタグランジン、インターロイキン、ケモカインまたはインターフェロンである。さらなる態様において、免疫応答モジュレーターは、CXCL−8、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL11、CXCL10、IL1、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL10、IL11、IL12、IL13、IL15、IL17、IL17、INF−α、INF−β、INF−ε、INF−γ、G−CSF、TNF−α、CTLA4、CD20またはCD52である。特定の態様において、免疫応答モジュレーターは、トシリズマブ(アクテムラ)、CDP870(シムジア)、エタネルセプト(エンブレル)、アダリムマブ(ヒュミラ)、キネレット、アバタセプト(オレンシア)、インフリキシマブ(レミケード)、リツキシマブ(リツキサン)、ゴリムマブ(シンポニー)、アボネックス、レビフ、レシゲン、プレグリディ、ベータセロン、コパキソン、ノバントロン、ナタリズマブ(タイサブリ)、フィンゴリモド(ジレニア)、テリフルノミド(オーバジオ)、BG12、テクフィデラまたはアレムツズマブ(キャンパス、レムトラダ)である。
別の実施形態において、本発明は、T細胞をBTLAの活性をモジュレートする薬剤と接触させる工程を含む、T細胞活性を低下させる方法を提供する。一態様において、治療的薬剤は、抗BTLAアゴニスト抗体である。別の態様において、抗体は、活性化されているBTLAに結合する。追加の態様において、抗体は、BTLAに対するHVEM結合を遮断しない。ある特定の態様において、抗体はBTLAシグナル伝達を増大させる。特定の態様において、抗体は、6F4である。
追加の実施形態において、本発明は、活性化されているBTLAに結合する抗体を提供する。一態様において、抗体は、BTLAに対するHVEM結合を遮断しない。別の態様において、BTLAシグナル伝達が増大する。追加の態様において、BTLAに対する抗体の結合は、BTLAの細胞質ドメインのリン酸化をもたらす。さらなる態様において、BTLAに対する抗体の結合は、SHP1およびSHP2を動員する。特定の態様において、抗体は、6F4である。
さらなる実施形態において、本発明は、抗BTLA抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
一実施形態において、本発明は、薬剤をBTLAと接触させる工程と;BTLA活性を測定する工程とを含み、BTLA活性の増加が、薬剤がBTLAアゴニストであることを示す、BTLAアゴニスト薬剤をスクリーニングする方法を提供する。一態様において、薬剤は、抗体、抗体断片またはペプチドである。追加の態様において、抗体はモノクローナル、キメラ、ヒトまたはヒト化抗体である。さらなる態様において、抗体は、クローン6F4と同じエピトープに結合する。
下記の実施例は、滴定様式においてBTLA受容体HVEMとの相互作用を増大させるヒトBTLAに対して作られたモノクローナル抗体(抗体クローン6F4)について記述する。可溶形での天然のリガンド、LIGHTの結合は、BTLAに対するHVEM結合を増大させ、したがって6F4は天然のリガンドを模倣している。6F4抗体は、サイトメガロウイルスにおいて発現されるHVEMのウイルスパラログ(orf UL144)とのBTLA相互作用を改変しない。この抗体は、BTLAだけに反応性を示し、この抗体のエピトープは、アンタゴニスト(HVEM遮断)抗体(クローンJ168およびクローンMIH128)のエピトープと重複しない。抗BTLA 6F4は、阻害性受容体アゴニストの予測を満たす。この抗体は、活性な状態にBTLAの構成を固定し、HVEM結合およびその後のBTLAシグナル伝達を増加させる。この抗体および他の類似のものは、リンパ球活性化を阻害することになり、さらに、このクラスの抗体は、免疫介在性病理において潜在的な治療的利益になる。
本発明の態様の全ては、以下の実施例でさらに例示される。しかしながら、実施例は、本発明の範囲を限定せず、その範囲は、添付の特許請求の範囲により規定される。
(実施例1)
BTLAアゴニスト抗体
抗ヒトBTLAモノクローナル抗体クローン6F4を、293T細胞において産生したhuBTLA:huIgG組換え融合タンパク質で免疫化したSprague−Dawleyラットから産生した。免疫化したラットの脾臓細胞を、古典的なPEG−融合プロトコルに従ってSP2/0−Ag14骨髄腫パートナー細胞と融合させ、HAT培地中で選択した。得られたハイブリドーマクローンを、huBTLA:huIgGに対するELISAによりスクリーニングし、huIgGを精製してhuBTLAに特異的なクローンを同定した。二次スクリーンを、huBTLAを発現しているBeg+/+MEF細胞に対する結合および非BTLA発現親細胞と比較したフローサイトメトリーによる分析によって実行した。クローン6F4を、huBTLAに反応性であると同定し、さらにサブクローニングし、拡大して、プロテインG親和性クロマトグラフィーにより抗体を精製した。6F4のアイソタイプを、ラット免疫グロブリンアイソタイピングキット(BD)を使用して決定した。
アミノ酸配列を、6F4抗体について決定した。トリプシンペプチド質量を使用してデータベースを検索し、それによって6F4抗体定常領域のタンパク質配列を同定した。軽鎖(図3A、配列番号1)および重鎖(図3B、配列番号2)定常領域の両方を同定した。大部分のトリプシンペプチドを同定した後、MS/MSを使用して残りのペプチド配列を決定し、その後BLAST検索により同定した。CDRを含有するペプチドを、確認のためのN末端配列決定のために採取した。
(実施例2)
抗BTLAモノクローナル抗体の特徴づけ
BTLAで形質導入したBJAB細胞を、20μg/mL HVEM−FcまたはヒトCMV UL144−Fcで染色する前に指示濃度の抗BTLA抗体とインキュベートした(図1AおよびB)。グラフは、HVEMおよびUL144−Fc細胞結合の抗体遮断の曲線を示す。BTLAの2つの画像を示す(図1C)。HVEMおよびBTLA二量体の結合表面は、HVEMおよびBTLAの構造を使用して予測される。左の画像において、特定の残基は、抗体結合の要件を示す:Glu45、Glu57、Pro59(MIH26結合に必要とされる)、Arg42(J168結合に必要とされる)。右の画像において、特定の残基は、HVEM/UL144結合エピトープを示す:Gln37、Arg42、Pro59、His127(HVEM/UL144結合に必要とされる)、Glu45、Glu57、Phe119、Ser121(HVEM/UL144結合に必要とされない)。
(実施例3)
多様な病原体に関連し、生体工学によりde novo作製したHVEMムテインの間のBTLAアゴニズム
BTLAアゴニズムを、HVEMムテイン、UL144およびリンパ腫変異体を使用して調べた。結果は、ITK/BTK、PLCg1、ZAP70/Syk、ERKを含めたTCR活性化の下流にあるタンパク質のリン酸化、ならびに全チロシンリン酸化の低下を示した。示されたHVEMリガンドで形質導入したJTAg細胞を、ホスホ−ZAP70/Syk(Y319/Y352)(図2A)、ホスホ−BTK/ITK(Y551/Y511)(図2B)、ホスホ−PLCγ1(Y783)(図2C)、ホスホ−ERK1/2(T202/Y204)(図2DおよびF)およびホスホ−チロシン(図2E)に対する細胞内染色の前に、Fcタンパク質を有するかまたは有さない抗CD3にカップリングしたマイクロスフェアで5分間培養した。グラフは、染色された細胞の%陽性、および(F)において染色された細胞のMFIを示す(図2A〜F)。(3つの実験の平均±SEM代表例)。*、p<0.05;**、p<0.01;***、p<0.001。これらの実験から、HVEM、HVEMムテイン、UL144、またはリンパ腫変異体とのBTLA会合によってモデル化した通りT細胞活性化のBTLA阻害の機序は、ITK、PLCg1、ZAP70を含めたT細胞受容体により直ちに起動されるシグナル伝達タンパク質ならびにERKなど下流にあるシグナル伝達タンパク質の不活性化であると結論付けられた。
(実施例4)
BTLAは、EAEの重症度を調節する
野生型およびBTLA欠損動物を低用量のMOGペプチド(CFA中に50μg)で免疫化し、中枢神経系浸潤リンパ球を、CD4およびガンマデルタT細胞の存在ならびにIL−17産生について分析した(図4A)。MOGペプチド(CFA中に50μg)で免疫化した野生型動物を、抗BTLA(クローン6A6)で、隔週で2週間処置し、EAEに関連する症候について監視した。図4Bは、抗BTLA処置動物において疾患の重症度の減少を示す免疫化した動物の平均スコアを示す(図4B)。BTLA欠損が、神経炎症の間にガンマデルタT細胞の活性化を選択的に制御し、抗BTLA抗体処置が、一部にはガンマデルタT細胞活性化の制御によって、神経炎症の重症度を限定できると結論付けられた。
本発明は、上の実施例を参照して記述されているが、修飾ならびに変更が、本発明の精神および範囲に包含されることは理解されよう。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (32)

  1. 自己免疫障害または炎症性障害の処置を必要とする対象にBTLAの活性をモジュレートする治療的薬剤を投与し、それによって自己免疫障害または炎症性障害を処置する工程を含む、対象において自己免疫障害または炎症性障害を処置する方法。
  2. 前記自己免疫障害または炎症性障害が、アジソン病、筋萎縮性側索硬化症、クローン病、クッシング症候群、1型真性糖尿病、移植片対宿主疾患、グレーブス病、ギランバレー症候群、エリテマトーデス、多発性硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、関節リウマチ、サルコイドーシス、強皮症、全身性エリテマトーデス、がん、移植拒絶反応および血管炎からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記治療的薬剤が抗体である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記抗体がBTLAに結合する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記抗体がアゴニスト抗体である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記抗体が、活性化されているBTLAに結合する、請求項4に記載の方法。
  7. 前記抗体がBTLAに対するHVEM結合を遮断しない、請求項3に記載の方法。
  8. BTLAシグナル伝達が増大する、請求項3に記載の方法。
  9. 前記抗体がモノクローナル、キメラ、ヒト、もしくはヒト化抗体またはその結合断片である、請求項3に記載の方法。
  10. 抗体クローンが6F4である、請求項3に記載の方法。
  11. 免疫応答モジュレーターを投与する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記免疫応答モジュレーターが、エイコサノイド、サイトカイン、プロスタグランジン、インターロイキン、ケモカインおよびインターフェロンからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記免疫応答モジュレーターが、CXCL−8、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL11、CXCL10、IL1、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL10、IL11、IL12、IL13、IL15、IL17、IL17、IFN−α、IFN−β、IFN−ε、IFN−γ、G−CSF、TNF−α、CTLA4、CD20およびCD52からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  14. 前記免疫応答モジュレーターが、トシリズマブ(アクテムラ)、CDP870(シムジア)、エタネルセプト(エンブレル)、アダリムマブ(ヒュミラ)、キネレット、アバタセプト(オレンシア)、インフリキシマブ(レミケード)、リツキシマブ(リツキサン)、ゴリムマブ(シンポニー)、アボネックス、レビフ、レシゲン、プレグリディ、ベータセロン、コパキソン、ノバントロン、ナタリズマブ(タイサブリ)、フィンゴリモド(ジレニア)、テリフルノミド(オーバジオ)、BG12、テクフィデラおよびアレムツズマブ(キャンパス、レムトラダ)からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  15. T細胞をBTLAの活性をモジュレートする薬剤と接触させる工程を含む、T細胞活性を低下させる方法。
  16. 前記薬剤が抗BTLAアゴニスト抗体である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記抗体が、活性化されているBTLAに結合する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記抗体がBTLAに対するHVEM結合を遮断しない、請求項16に記載の方法。
  19. BTLAシグナル伝達が増大する、請求項16に記載の方法。
  20. 抗体クローンが6F4である、請求項16に記載の方法。
  21. 前記接触させる工程が、in vivoまたはex vivoである、請求項15に記載の方法。
  22. 活性化されているBTLAに結合する、単離された抗体。
  23. BTLAに対するHVEM結合を遮断しない、請求項22に記載の抗体。
  24. BTLAシグナル伝達が増大する、請求項22に記載の抗体。
  25. BTLAに対する前記抗体の前記結合が、BTLAの細胞質ドメインのリン酸化をもたらす、請求項22に記載の抗体。
  26. BTLAに対する前記抗体の前記結合が、SHP1およびSHP2を動員する、請求項22に記載の抗体。
  27. 6F4である、請求項22に記載の抗体。
  28. 抗BTLA抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  29. a)薬剤をBTLAと接触させる工程と;
    b)BTLA活性を測定する工程と
    を含み、BTLA活性の増加が、前記薬剤がBTLAアゴニストであることを示す、BTLAアゴニスト薬剤をスクリーニングする方法。
  30. 前記薬剤が、抗体、抗体断片またはペプチドである、請求項29に記載の方法。
  31. 前記抗体が、モノクローナル、キメラ、ヒトもしくはヒト化抗体またはその結合断片である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記抗体が、クローン6F4と同じエピトープに結合する、請求項31に記載の方法。
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