JP2018520113A - 磁性造影剤としての鉄安定化ミセル - Google Patents
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Abstract
本発明は、高分子化学の分野に関し、より詳細には、磁性造影剤としての、マルチブロックコポリマーおよびそれを含む鉄安定化ミセルに関する。本明細書における組成物は、診断および薬物送達応用に有用である。鉄イオンおよび鉄キレートは、概して、超常磁性特性を呈さず、そのことが、それらを磁気撮像における造影剤としての使用から除外されてきた。しかし、ポリマーミセルを安定化するために使用される鉄が、磁気共鳴撮像(MRI)において造影剤として作用することが見出された。
Description
(関連出願への相互参照)
本出願は、2015年12月11日に出願された米国仮出願番号第62/266,161号および2015年5月26日に出願された米国仮出願番号第62/166,498号の利益を主張しており、これら仮出願の全体は、参考として援用される。
本出願は、2015年12月11日に出願された米国仮出願番号第62/266,161号および2015年5月26日に出願された米国仮出願番号第62/166,498号の利益を主張しており、これら仮出願の全体は、参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、高分子化学の分野に関し、より詳細には、マルチブロックコポリマーおよびその使用に関する。
本発明は、高分子化学の分野に関し、より詳細には、マルチブロックコポリマーおよびその使用に関する。
(発明の背景)
骨は、X線撮像を使用して簡単に視覚化されるが、多くの他の器官および組織は、コントラストの強化なしには簡単に撮像することができない。造影媒体または診断剤としても公知である造影剤は、多くの場合、医療撮像検査中に、身体の特定の部分(例えば、組織および器官)をハイライトし、それらを視覚化することをより簡単にし、疾患診断を改善するために使用される。造影剤は、少数だが例を挙げると、X線検査、コンピュータ断層撮影スキャン、磁気共鳴撮像および陽電子放出断層撮影を含む多くの種類の撮像検査とともに使用され得る。
骨は、X線撮像を使用して簡単に視覚化されるが、多くの他の器官および組織は、コントラストの強化なしには簡単に撮像することができない。造影媒体または診断剤としても公知である造影剤は、多くの場合、医療撮像検査中に、身体の特定の部分(例えば、組織および器官)をハイライトし、それらを視覚化することをより簡単にし、疾患診断を改善するために使用される。造影剤は、少数だが例を挙げると、X線検査、コンピュータ断層撮影スキャン、磁気共鳴撮像および陽電子放出断層撮影を含む多くの種類の撮像検査とともに使用され得る。
(発明の特定の実施形態の詳細な説明)
1.概要:
磁気共鳴撮像は、医療分野において、対象内の種々の組織を撮像するために有用である。撮像プロセスは、水分子内の陽子の核のスピンを配向するために、磁場の使用を伴う。このスピンの配向は、陽子をより高いエネルギーレベルに「励起する」。次いで、陽子は、エネルギーを電波の形態で放射することにより、基底状態または平衡状態に「緩和する」。この緩和に特有の時間は、水分子の環境についての情報を含有する。異なる組織は、異なる緩和時間を保有する。例えば、脂肪組織は、他の組織よりもはるかに短い緩和時間を有する。特徴的な緩和時間を組み合わせて、画像を形成することができる。
1.概要:
磁気共鳴撮像は、医療分野において、対象内の種々の組織を撮像するために有用である。撮像プロセスは、水分子内の陽子の核のスピンを配向するために、磁場の使用を伴う。このスピンの配向は、陽子をより高いエネルギーレベルに「励起する」。次いで、陽子は、エネルギーを電波の形態で放射することにより、基底状態または平衡状態に「緩和する」。この緩和に特有の時間は、水分子の環境についての情報を含有する。異なる組織は、異なる緩和時間を保有する。例えば、脂肪組織は、他の組織よりもはるかに短い緩和時間を有する。特徴的な緩和時間を組み合わせて、画像を形成することができる。
造影剤は、医療撮像において一般に利用されている。磁気共鳴撮像において、そのような造影剤は、典型的には、水分子中の陽子の緩和時間を短縮し、それらを造影剤の存在下ではるかに速く緩和させる。緩和時間におけるより大きな差異により、造影剤の使用を介して得られる画像においてより大きなコントラストが観察され得る。
Fe、Fe2O3、Fe3O4、MnFe2O4、CoFe2O4、NiFe2O4、Co、Ni、FePt、CoPt、CoO、Fe3Pt、Fe2Pt、Co3Pt、Co2Pt、FeOOH等の磁性ナノ粒子は、in vitroおよびin vivoでの診断および処置に有用とされてきた。2nm〜100nmの範囲のサイズを持つこの種類のナノ粒子は、磁気共鳴、磁気的に制御された薬物送達ビヒクルのために、および温熱処置において、造影剤として成功裏に利用されてきた。Jeong, U.、Teng, X.、Wang, Y.、Yang, H.、Xia, Y.「Superparamagnetic Colloids: Controlled Synthesis and Niche Applications」Adv. Mater.、2007年、19巻、33〜60頁。Niederberger, M.、Garnweitner, G. 「Organic Reaction Pathways in the Nonaqueos Synthesis of Metal Oxide Nanoparticles」2006年、12巻、7282〜7302頁。Sun, S.、Zeng, H.、「Size−controlled Synthesis of Magnetite Nanoparticles」2002年、124巻、8204〜8205頁を参照されたい。
磁性ナノ粒子は、造影剤として使用するために、トリブロックコポリマーを含むポリマーミセルに封入されてきた。2009年4月9日に20090092554として公開された米国特許出願第12/112,799号を参照されたい。
ポリマーミセルおよびリポソーム等のコロイド状薬物担体の水性集合体を駆動する疎水性力は比較的弱く、これらの集合構造は、臨界ミセル濃度(CMC)として公知である有限濃度未満で解離する。ポリマーミセルのCMC値は、薬物装填コロイド状担体が投与後に血流中で希釈され、CMC未満の濃度(μMまたはそれ未満)に急速に到達することから、臨床応用において非常に重要である。この希釈効果は、ミセル解離および標的エリア外への薬物放出につながることになり、ミセルサイズに関連するあらゆる利益(透過性および保持の強化、またはEPR効果)も能動的標的化も失われることになる。1990年代を通して、多くの研究が、超低CMC値(nMまたはそれ未満)を持つポリマーミセルを識別することに焦点を合わせてきたが、Maysinger(Savicら、Langmuir、2006年、3570〜3578頁)およびSchiochet(Luら、Macromolecules、2011年、6002〜6008頁)は、生理食塩水中におけるCMC値を血清ありおよびなしで比較した場合に、ポリマーミセルのCMC値が2桁シフトすることを示すことによって、生物学的に関連したCMCの概念を再定義した。
薬物装填ミセルは、典型的には、20nm超の直径を保有するため、最小化した腎クリアランスに起因して、独立型薬物と比較した場合に、劇的に増大した循環時間を呈する。ナノベクターおよびポリマー性薬物のこの独自の特徴は、増大された浸透および保持効果(「EPR」)に起因して、病変組織とりわけ癌性組織における選択的蓄積に至る。このEPR効果は、腫瘍血管系の無秩序な性質の結果であり、これは、ポリマー治療薬の透過性および腫瘍部位における薬物保持の増大をもたらす。EPR効果による受動的細胞標的化に加えて、ミセルは、ミセル周辺への標的化基の化学的付着を介して腫瘍細胞を能動的に標的化するように設計される。そのような基の組み込みは、ほとんどの場合、化学的コンジュゲーション技術を使用する親水性ブロックの末端基の官能基化を介して遂行される。
ミセル薬物担体についての大量の作業にもかかわらず、最近になってようやく、希釈に対するそれらのin vivo安定性を改善することに焦点を合わせる努力が始まった。1つの可能な理由は、in vivoでのミセル希釈の真の効果が、より大きな動物研究を利用して初めて完全に実現されることである。マウスの代謝はより大きな動物よりもはるかに高いため、ラットまたはイヌ等のより大きな動物と比較するとマウスはかなり高用量の毒性薬物を受容することができる。したがって、薬物装填ミセルが投与され、血液量全体にわたって完全に希釈される場合、対応するポリマー濃度は、常にマウスモデルにおいて最高となる。したがって、生体媒質内での希釈に対して安定化された(架橋された)ミセルを調製することが非常に望ましいであろう。さらに、腫瘍組織中におけるナノ粒子の優先蓄積であるEPR効果は、インタクトなミセル(例えば、ナノ粒子)を必要とする。ミセルの解離は、封入された治療薬の早期放出をもたらし、遊離薬物のものと同様の、生体内分布、有効性および毒性プロファイルにつながる。
過去の作業では、ミセル安定性を提供するために、金属イオンと相互作用するカルボン酸および/またはヒドロキサム酸を含有するトリブロックコポリマーを利用した。2006年10月26日に20060240092として公開された米国特許出願第11/396,872号;2013年11月7日に20130296531として公開された米国特許出願第13/839,715号;および2013年3月28日に20130078310として公開された米国特許出願第13/621,652号を参照されたい。具体的には、鉄が、トリブロックポリマーミセルの安定化のために好ましい金属イオンとして識別された。
鉄イオンおよび鉄キレートは、概して、超常磁性特性を呈さず、そのことが、それらを磁気撮像における造影剤としての使用から除外している。しかしながら、上述した酸化鉄ナノ粒子(Fe2O3、Fe3O4)は、超常磁性特性を保有する。これらのナノ粒子中における固有の常磁性の大きさは、粒子サイズに依存する。驚くべきことに、ポリマーミセルを安定化するために使用される鉄は、磁気共鳴撮像(MRI)において造影剤として作用することができ、薬物装填鉄安定化ミセルの直接撮像を可能にすることが分かった。いかなる特定の理論にも拘束されることは望まないが、ミセルの外部コアにおける球状シェルである鉄の空間的配向は、常磁性のまたは超常磁性の効果を付与し、薬物装填安定化ミセルに、それ自体の造影剤として機能させると考えられる。当業者は、鉄イオンが配位または溶媒和の水を会合したことを認識し得る。
一実施形態によれば、本発明は、磁気撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。本発明の別の実施形態は、磁気共鳴撮像(MRI)によって薬物装填鉄安定化ミセルの蓄積をモニターする方法を提供する。本発明の別の実施形態は、磁気共鳴撮像(MRI)によって鉄安定化ミセルの蓄積をモニターする方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、対象における少なくとも1つの組織を撮像するための方法であって、前記対象に、準備した薬物装填鉄安定化ミセルまたはその組成物を投与するステップと、MRIによって前記ミセルを検出するステップとを含む、前記方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、(a)対象に、準備した鉄安定化ミセルまたはその組成物を投与するステップと、(b)磁気共鳴撮像によって、対象への投与後の鉄安定化ミセルを撮像するステップとを含む、診断撮像方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、対象における少なくとも1つの組織を撮像する方法であって、準備した鉄安定化ミセルまたはその組成物を投与するステップと、撮像手順を実施するステップとを含む、前記方法を提供する。
ある特定の実施形態では、対象は動物である。ある特定の実施形態では、動物は哺乳動物である。ある特定の実施形態では、哺乳動物は霊長類である。ある特定の実施形態では、霊長類はヒトである。
2.定義:
本発明の化合物は、概して上述したものを含み、本明細書において開示されている実施形態、副実施形態および種によってさらに例証される。本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、下記の定義が当てはまるものとする。本発明の目的において、化学元素は、Periodic Table of the Elements、CAS version、Handbook of Chemistry and Physics、第75版に従って識別される。加えて、有機化学の一般原理は、「Organic Chemistry」、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito:1999年、および「March’s Advanced Organic Chemistry」、第5版、Smith, M.B.およびMarch, J.編、John Wiley & Sons、New York:2001年において記述されており、これらの内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の化合物は、概して上述したものを含み、本明細書において開示されている実施形態、副実施形態および種によってさらに例証される。本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、下記の定義が当てはまるものとする。本発明の目的において、化学元素は、Periodic Table of the Elements、CAS version、Handbook of Chemistry and Physics、第75版に従って識別される。加えて、有機化学の一般原理は、「Organic Chemistry」、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito:1999年、および「March’s Advanced Organic Chemistry」、第5版、Smith, M.B.およびMarch, J.編、John Wiley & Sons、New York:2001年において記述されており、これらの内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書において使用される場合、用語「造影剤」(「造影媒体」および「放射線造影剤」としても公知である)は、撮像中における内部身体構造の可視性を改善するために使用される化合物を指す。
本明細書において使用される場合、用語「T1」は、スピン−格子緩和時間を指す。
本明細書において使用される場合、用語「T2」は、スピン−スピン緩和時間を指す。
本明細書において使用される場合、用語「常磁性」、「常磁性の」、「超常磁性の」および「超常磁性」は、外部磁場によって誘起される磁性の形態を指す。
本明細書において使用される場合、用語「磁気共鳴撮像」、「核磁気共鳴撮像」、「磁気共鳴断層撮影」、「MRT」および「MRI」は、水分子中の陽子によって組織を撮像する医療撮像技術を指す。
本明細書において使用される場合、用語「ファントム画像」または「ファントム撮像」は、撮像デバイスの性能を評価する、分析する、較正するおよび/または調節するための、造影媒体(1つまたは複数)を種々の濃度で含有する非生物物体の使用または使用することを指す。
本明細書において使用される場合、用語「ボクセル」は、三次元空間における規則的な格子についての値;体積要素、またはピクセルの三次元アナログの表現を指す。
本明細書において使用される場合、用語「SEMS」は、スピンエコーマルチスライスパルスシーケンスを指す。
本明細書において使用される場合、用語「MEMS」は、多重エコーマルチショットパルスシーケンスを指す。
本明細書において使用される場合、用語「ROI」は、関心領域を意味する。
本明細書において使用される場合、用語「TEM」は、透過電子顕微鏡または顕微鏡法を意味する。
本明細書において使用される場合、用語「マルチブロックコポリマー」は、1つの合成ポリマー部分および2つまたはそれ超のポリ(アミノ酸)部分を含むポリマーを指す。そのようなマルチブロックコポリマーは、フォーマットW−X−X’を有するものを含み、式中、Wは、合成ポリマー部分であり、XおよびX’は、ポリ(アミノ酸)鎖または「アミノ酸ブロック」である。ある特定の実施形態では、本発明のマルチブロックコポリマーは、トリブロックコポリマーである。本明細書において記述されている通り、アミノ酸ブロックの1つまたは複数は、「混合ブロック」であってよく、これは、これらのブロックがモノマーの混合物を含有することができ、それにより、本発明のマルチブロックコポリマーを作成することを意味する。一部の実施形態では、本発明のマルチブロックコポリマーは、混合されたアミノ酸ブロックを含み、テトラブロックコポリマーである。
当業者は、モノマー繰り返し単位は、繰り返しモノマー単位周囲の丸括弧によって定義されることを認識し得る。丸括弧の右下の数字(または数値範囲を表す文字)は、ポリマー鎖中に存在するモノマー単位の数を表す。1つのみのモノマーがブロック(例えば、ホモポリマー)を表す場合、ブロックは、丸括弧によって単独で表記されることになる。混合ブロックの場合、複数のモノマーが、1つの連続ブロックを構成する。角括弧は、部分またはブロックを定義することが理解され得る。例えば、1つのブロックは、4つの個々のモノマーからなってよく、それらのモノマーはそれぞれ、それら自体の個々の丸括弧のセットおよび存在する繰り返し単位の数によって定義される。丸括弧の4つすべてのセットは、角括弧のセットによって囲まれることになり、これは、これらのモノマーの4つすべてが、ランダムなまたはランダムに近い順序で組み合わさって混合ブロック構成することを表記する。明瞭にすると、[BCADDCBADABCDABC]のランダムに混合されたブロックは、[(A)4(B)4(C)4(D)4]によって簡略して表されることになる。
本明細書において使用される場合、上述したモノマー繰り返し単位は、ポリマー鎖を含むモノマー単位の平均数を表す数値である。例えば、(A)10によって表されるポリマーは、一緒に連結した10の「A」モノマー単位からなるポリマーに対応する。当業者ならば、この場合の数字10は、10の平均を持つ数の分布を表すことを認識し得る。この分布の幅は、多分散指数(PDI)によって表される。1.0のPDIは、各鎖長が全く同じであるポリマー(例えば、タンパク質)を表す。2.0のPDIは、鎖長がガウス分布を有するポリマーを表す。一部の実施形態では、本発明のポリマーは、典型的には、約1.20未満のPDIを保有していた。
本明細書において使用される場合、用語「トリブロックコポリマー」は、1つの合成ポリマー部分および2つのポリ(アミノ酸)部分を含むポリマーを指す。
本明細書において使用される場合、用語「内部コア」は、本発明のミセルに当てはまる場合、疎水性D,L−混合ポリ(アミノ酸)ブロックによって形成されるミセルの中心を指す。本発明においては、内部コアは、架橋していない。例証として、上述した通りのフォーマットW−X’−X”のトリブロックポリマーにおいて、内部コアは、X”ブロックに対応する。
本明細書において使用される場合、用語「外部コア」は、本発明のミセルに当てはまる場合、第1のポリ(アミノ酸)ブロックによって形成される層を指す。外部コアは、内部コアと親水性シェルとの間にある。本発明においては、外部コアは、鉄と相互作用して、複数のポリマーを一緒に結合する。鉄により複数のポリマーを一緒に連結することは、ミセルに安定性を付与する。例証として、上述した通りのフォーマットW−X’−X”のトリブロックポリマーにおいて、外部コアは、X’ブロックに対応する。X’ブロックは混合ブロックであり得ることが企図されている。
本明細書において使用される場合、用語「薬物装填」および「封入されている」ならびにそれらの派生語は、交換可能に使用される。本発明においては、「薬物装填」ミセルは、ミセルのコア内に位置付けられた薬物または治療剤を有するミセルを指す。ある特定の事例では、薬物または治療剤は、コアと親水性コロナとの間の界面に位置付けられる。これは、ミセル内に「封入されている」薬物または治療剤とも称される。
本明細書において使用される場合、用語「架橋された」および「安定化された」は、交換可能に使用される。本発明においては、「安定化」ミセルは、トリブロックコポリマーおよび鉄から構成され、ここで、鉄は、ポリマーのセンターブロックと相互作用して、ミセルに安定性を付与する。
本明細書において使用される場合、用語「ポリマー性親水性ブロック」は、性質が親水性であるポリマーを指す。そのような親水性ポリマーは、当技術分野において周知であり、ポリエチレンオキシド(ポリエチレングリコールまたはPEGとも称される)およびその誘導体、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)およびその誘導体、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)およびその誘導体、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)およびその誘導体、ポリ(ヒドロキシルエチルメタクリレート)およびその誘導体、ならびにN−(2−ヒドロキシプロピル(hydroxypropoyl))メタクリルアミド(HMPA)のポリマーおよびその誘導体を含む。
本明細書において使用される場合、用語「ポリマー性安定化ブロック」は、鉄と相互作用する(例えば、ライゲーションするまたは錯体形成する)ことができる官能性を含有するポリマーを指す。そのような官能基は、ヒドロキサム酸、カルボン酸、カテコール、アミン、および窒素含有複素環を含むがこれらに限定されない。
本明細書において使用される場合、用語「ポリ(アミノ酸)」または「アミノ酸ブロック」は、各モノマーがアミノ酸単位である、共有結合しているアミノ酸鎖を指す。そのようなアミノ酸単位は、天然および非天然アミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、任意選択で架橋可能または架橋されたポリ(アミノ酸ブロック)の各アミノ酸単位は、L配置である。そのようなポリ(アミノ酸)は、好適に保護されている官能基を有するものを含む。例えば、アミノ酸モノマーは、ヒドロキシルまたはアミノ部分を有してよく、これらは、適宜、ヒドロキシル保護基またはアミン保護基によって任意選択で保護されている。そのような好適なヒドロキシル保護基およびアミン保護基は、本明細書において下記でさらに詳細に記述される。本明細書において使用される場合、アミノ酸ブロックは、1つまたは複数のモノマーあるいは2つまたはそれ超のモノマーのセットを含む。ある特定の実施形態では、アミノ酸ブロックは、全体的なブロックが親水性であるような、1つまたは複数のモノマーを含む。また他の実施形態では、本発明のアミノ酸ブロックは、ランダムアミノ酸ブロック、すなわち、アミノ酸残基の混合物を含むブロックを含む。
本明細書において使用される場合、用語「D,L−混合ポリ(アミノ酸)ブロック」は、ポリ(アミノ酸)がDおよびL配置の両方のアミノ酸の混合物からなる、ポリ(アミノ酸)ブロックを指す。ある特定の実施形態では、D,L−混合ポリ(アミノ酸)ブロックは、疎水性である。他の実施形態では、D,L−混合ポリ(アミノ酸)ブロックは、含まれているポリ(アミノ酸)ブロック全体が疎水性であるような、D配置の疎水性アミノ酸およびL配置の親水性アミノ酸側鎖基の混合物からなる。
例示的なポリ(アミノ酸)は、ポリ(ベンジルグルタメート)、ポリ(ベンジルアスパルテート)、ポリ(L−ロイシン−co−チロシン)、ポリ(D−ロイシン−co−チロシン)、ポリ(L−フェニルアラニン−co−チロシン)、ポリ(D−フェニルアラニン−co−チロシン)、ポリ(L−ロイシン−co−アスパラギン酸)、ポリ(D−ロイシン−co−アスパラギン酸)、ポリ(L−フェニルアラニン−co−アスパラギン酸)、ポリ(D−フェニルアラニン−co−アスパラギン酸)を含む。
本明細書において使用される場合、語句「天然アミノ酸側鎖基」は、タンパク質において天然に存在する20のアミノ酸のいずれかの側鎖基を指す。明瞭にするために、側鎖基−CH3は、アミノ酸アラニンを表すであろう。そのような天然アミノ酸は、非極性、または疎水性アミノ酸、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびプロリンを含む。システインは、時には非極性または疎水性として、またある時には極性として分類される。天然アミノ酸は、チロシン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸(帯電している場合、アスパルテートとしても公知である)、グルタミン酸(帯電している場合、グルタメートとしても公知である)、アスパラギンおよびグルタミン等の極性または親水性アミノ酸も含む。ある特定の極性または親水性アミノ酸は、帯電した側鎖を有する。そのような帯電したアミノ酸は、リシン、アルギニンおよびヒスチジンを含む。当業者ならば、極性または親水性アミノ酸側鎖の保護が、アミノ酸を非極性にすることができることを認識するであろう。例えば、好適に保護されているチロシンヒドロキシル基は、ヒドロキシル基を保護することにより、チロシンを非極性かつ疎水性にすることができる。
本明細書において使用される場合、語句「非天然アミノ酸側鎖基」は、上述した通りのタンパク質において天然に存在する20のアミノ酸の一覧に含まれないアミノ酸を指す。そのようなアミノ酸は、20の天然に存在するアミノ酸のいずれかのD−異性体を含む。非天然アミノ酸は、ホモセリン、オルニチンおよびチロキシンも含む。他の非天然アミノ酸側鎖は、当業者に周知であり、非天然脂肪族側鎖を含む。他の非天然アミノ酸は、N−アルキル化、環化、リン酸化、アセチル化、アミド化、アジジル化、標識されているもの等を含む、修飾されたアミノ酸を含む。
本明細書において使用される場合、用語「立体規則性」は、ポリ(アミノ酸)疎水性ブロックの立体化学を指す。単一の立体異性体(例えば、すべてL異性体)からなるポリ(アミノ酸)ブロックは、「アイソタクチック」と称される。DおよびLアミノ酸モノマーのランダム組み込みからなるポリ(アミノ酸)は、「アタクチック」ポリマーと称される。交互の立体化学を持つポリ(アミノ酸)(例えば、...DLDLDL...)は、「シンジオタクチック」ポリマーと称される。ポリマー立体規則性は、「Principles of Polymerization」、第3版、G. Odian、John Wiley & Sons、New York: 1991年においてより詳細に記述されており、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
ヒドロキサム酸という用語は、本明細書において使用される場合、ヒドロキサム酸(−CO−NH−OH)官能基を含有する部分を指す。この構造は、
によって表され、
によって表されてもよい。当業者ならば、点線の結合が分子の残部との付着点を表すことを認識するであろう。
ヒドロキサメートという用語は、本明細書において使用される場合、ヒドロキサム酸またはN−置換ヒドロキサム酸のいずれかを含有する部分を指す。N−置換により、RおよびR’基
によってここに示される通り、化学的付着のための2つの別個の場所が存在する。ヒドロキサメート(Hydoxamates)は、本明細書において
によっても表され得る。
カテコールという用語は、本明細書において使用される場合、置換オルト−ジヒドロキシベンゼン誘導体を指す。2つの異なる異性体の立体配置は、
によって表される。カテコールは、ピロカテコールおよびベンゼン−1,2−ジオールとしても公知である。
3.例示的な実施形態の記述:
一実施形態によれば、本発明は、鉄、ならびにポリマー性親水性ブロック、ポリマー性安定化ブロックおよびポリマー性疎水性ブロックを含むマルチブロックコポリマーを含むミセルであって、内部コア、架橋された外部コアおよび親水性シェルを有することを特徴とする、前記ミセルを提供する。ポリマー性親水性ブロックは親水性シェルに対応し、任意選択で架橋可能または架橋されたポリマー性ブロックは任意選択で架橋された外部コアに対応し、ポリマー性疎水性ブロックは内部コアに対応することが認識され得る。
一実施形態によれば、本発明は、鉄、ならびにポリマー性親水性ブロック、ポリマー性安定化ブロックおよびポリマー性疎水性ブロックを含むマルチブロックコポリマーを含むミセルであって、内部コア、架橋された外部コアおよび親水性シェルを有することを特徴とする、前記ミセルを提供する。ポリマー性親水性ブロックは親水性シェルに対応し、任意選択で架橋可能または架橋されたポリマー性ブロックは任意選択で架橋された外部コアに対応し、ポリマー性疎水性ブロックは内部コアに対応することが認識され得る。
ある特定の実施形態では、本発明は、その中に封入されている薬物を有する鉄安定化ミセルであって、
ポリマー性親水性ブロックと、
架橋された外部コアブロックと、
ポリマー性疎水性ブロックと
を含むマルチブロックコポリマーを含む、前記ミセルを提供する。
ポリマー性親水性ブロックと、
架橋された外部コアブロックと、
ポリマー性疎水性ブロックと
を含むマルチブロックコポリマーを含む、前記ミセルを提供する。
他の実施形態では、本発明は、鉄安定化ミセルであって、
ポリマー性親水性ブロックと、
架橋された外部コアブロックと、
ポリマー性疎水性ブロックと
を含むマルチブロックコポリマーを含む、前記ミセルを提供する。
ポリマー性親水性ブロックと、
架橋された外部コアブロックと、
ポリマー性疎水性ブロックと
を含むマルチブロックコポリマーを含む、前記ミセルを提供する。
薬物装填鉄安定化ミセルの例証を、図面の図1において提供する。本発明の薬物装填安定化ミセルは、数十から数千のポリマー鎖から構成されることが、当業者には明らかであり得る。本発明の薬物装填安定化ミセルは、数十から数百万の鉄原子から構成されることが、当業者には明らかであり得る。本発明の薬物装填安定化ミセルは、数十から数百万の薬物分子から構成されることが、当業者には明らかであり得る。
腫瘍学では、多くの化学療法に付随する毒性に対象を曝露する前に、処置に対する対象の応答を予測することが非常に望ましい。同様に、投与された薬物が、疾患部位に非侵襲性様式で到達しているか否かを決定することが非常に望ましい。一部の実施形態では、本発明は、MRIによってミセルを安定化するために使用される鉄の固有の磁気コントラストを使用して、薬物装填鉄架橋ミセル(例えば、ナノ粒子)の蓄積を追跡する方法を提供する。薬物装填鉄安定化ミセルを対象に投与し、次いで、対象内の特定の組織をMRIによって撮像して、ナノ粒子が目的の組織において蓄積しているか否かを決定する。医師は、これらの画像の結果に基づき、用量レベルまたはスケジュールを修正することを決定してよい。薬物装填鉄安定化ミセルによって付与される磁気コントラストは、ミセルの固有の特性であることが、当業者には理解される。明瞭にするために、ミセルが解離したら、いかなる特定の理論にも拘束されることは望まないが、任意の磁気コントラストが存在する場合、ごくわずかである。当業者ならば、MRIにおいて観察されたあらゆるコントラストが、インタクトなミセルの直接的な結果であることをさらに理解し得る。
ある特定の実施形態では、非薬物装填鉄安定化ミセルは、診断目的のために使用され得る。明瞭にすると、治療的利益は期待されないであろうが、非薬物装填鉄安定化ミセルは、造影剤としての有用性を保有するであろう。
ある特定の実施形態では、本発明は、診断撮像方法であって、(a)対象に、準備した非薬物装填鉄安定化ミセルまたはその組成物を投与するステップと、(b)磁気共鳴撮像によって対象への投与後の鉄安定化ミセルを撮像するステップとを含む方法を提供する。
腫瘍学では、がん予防および早期検出は、現在、アンメットメディカルニーズである。いかなる特定の理論にも拘束されることは望まないが、本発明の非薬物装填鉄安定化ミセルは、小さな疾患部位の検出において有用性を保有すると考えられる。小さな疾患部位または小さな腫瘍の撮像は、がんの早期検出を補助し得る。
ある特定の実施形態では、本発明は、診断撮像方法であって、(a)対象に、準備した非薬物装填鉄安定化ミセルまたはその組成物を投与するステップと、(b)磁気共鳴撮像によって対象への投与後の鉄安定化ミセルを撮像するステップと、(c)対象内の腫瘍(1つまたは複数)の存在を検出するステップとを含む方法を提供する。
診断撮像は、がん患者の病期診断の重要な側面である。病期診断(がんの病期を決定すること)は、典型的には、身体検査、撮像、診断テストおよび血液化学を含むがこれらに限定されない。がんの病期は、腫瘍のサイズ、腫瘍が転移しているか否か、腫瘍がどこにあるか、腫瘍細胞型、および腫瘍が広がる可能性を含む、いくつかの要因によって決定される。対象内の腫瘍の撮像には、多くの場合、陽電子放出断層撮影−コンピュータ断層撮影(PET−CT)が使用される。しかしながら、PET−CTスキャンに付随する放射線曝露がある。したがって、PET−CTに関連する放射線への曝露がない撮像方法論を利用することが有利であろう。
ある特定の実施形態では、本発明は、(a)対象に、準備した非薬物装填鉄安定化ミセルまたはその組成物を投与するステップと、(b)磁気共鳴撮像によって対象への投与後の鉄安定化ミセルを撮像するステップと、(c)対象内のがんの病期を決定するステップとを含む、診断撮像方法を提供する。
当業者ならば、本発明の薬物装填鉄安定化ミセルは、磁性造影剤(例えば、診断)としておよび薬物の送達において治療的利益を提供するものとしての両方の二重目的を果たすことを認識し得る。そのような二重有用性は、時に、「セラノスティック(theragnostic)」と称される。
ある特定の実施形態では、本発明は、対象における少なくとも1つの組織を撮像するための方法であって、前記対象に、準備した薬物装填鉄安定化ミセルまたはその組成物を投与するステップと、MRIによって前記ミセルを検出するステップとを含む前記方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、(a)対象に、準備した薬物装填鉄安定化ミセルまたはその組成物を投与するステップと、(b)磁気共鳴撮像によって対象への投与後の鉄安定化ミセルを撮像するステップとを含む、診断撮像方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、対象における少なくとも1つの組織を撮像する方法であって、準備した薬物装填鉄安定化ミセルまたはその組成物を投与するステップと、撮像手順を実施するステップとを含む前記方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、対象を処置し、鉄安定化ミセルまたはその組成物の投与の後に少なくとも1つの組織を撮像し、撮像手順を実施する方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、下記のステップ:1)対象への薬物装填鉄安定化ミセルまたはその組成物を投与するステップ、2)MRIにより少なくとも1つの組織を撮像するステップ、3)任意選択で処置期間または用量レベルを調整するステップを含む方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、下記のステップ:1)固形腫瘍悪性病変を保有する対象への薬物装填鉄安定化ミセルまたはその組成物を投与するステップ、2)MRIにより前記腫瘍を撮像するステップ、3)腫瘍中にコントラストが観察されることを確認するステップ、および4)処置スケジュールを続けるステップを含む、がんを持つ対象を処置する方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、(a)対象に、準備した薬物装填鉄安定化ミセルまたはその組成物を投与するステップと、(b)磁気共鳴撮像によって対象への投与後の鉄安定化ミセルを撮像するステップと、(c)対象内のがんの病期を決定するステップとを含む、診断撮像方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、(a)対象に、準備した薬物装填鉄安定化ミセルまたはその組成物を投与するステップと、(b)磁気共鳴撮像によって対象への投与後の鉄安定化ミセルを撮像するステップと、(c)対象内の腫瘍(1つまたは複数)の存在を検出するステップとを含む、診断撮像方法を提供する。
本明細書において記述されているような両親媒性マルチブロックコポリマーは、水溶液中で自己集合して、ナノおよびミクロンサイズの構造を形成することができる。水中で、これらの両親媒性マルチブロックコポリマーは、溶液中に臨界ミセル濃度(CMC)を上回って存在する場合、多分子ミセル化によって集合する。いかなる特定の理論によっても拘束されることは望まないが、コポリマーの疎水性ポリ(アミノ酸)部分または「ブロック」は、崩壊してミセルのコアを形成し、一方、親水性PEGブロックは、周辺コロナを形成し、水溶性を付与すると考えられる。ある特定の実施形態では、本発明に従うマルチブロックコポリマーは、ミセルを形成する明確な疎水性セグメントおよび親水性セグメントを保有する。加えて、これらのマルチブロックポリマーは、架橋のための官能性を含有するポリ(アミノ酸)ブロックを任意選択で含む。この官能性は、対応するアミノ酸側鎖において見られることが認識され得る。
一実施形態によれば、本発明は、ポリマー性親水性ブロックと、任意選択で架橋可能または架橋されたポリ(アミノ酸ブロック)と、疎水性D,L−混合ポリ(アミノ酸)ブロックとを含むトリブロックコポリマーを含むミセルであって、内部コア、任意選択で架橋可能または架橋された外部コアおよび親水性シェルを有することを特徴とする、前記ミセルを提供する。本明細書において記述されているように、本発明のミセルは、治療剤を封入するためにとりわけ有用である。ある特定の実施形態では、治療剤は、疎水性である。
いかなる特定の理論によっても拘束されることは望まないが、本発明のミセル内における構造的に多様な治療剤の収容は、疎水性D,L−混合ポリ(アミノ酸)ブロック、すなわち、Ryを含むブロックを調整することによって達成されると考えられる。上記で論じた通り、D立体異性体およびL立体異性体の疎水性混合物は、ランダムコイル立体配置を持つポリ(アミノ酸)ブロックを生じさせ、それにより、疎水性薬物の封入を強化する。
本発明のミセルに装填するために好適な疎水性小分子薬は、当技術分野において周知である。ある特定の実施形態では、本発明は、薬物が本明細書において後述されているものから選択される疎水性薬物である、本明細書において記述されているような薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
本明細書において使用される場合、疎水性小分子薬、小分子薬、治療剤、および疎水性治療剤という用語は、いずれも交換可能である。
ある特定の実施形態では、本発明は、pH7.4(血液)で疎水性治療剤またはイオン性治療剤を有効に封入するが、5.0(エンドソームpH)から6.8(細胞外腫瘍pH)の範囲の標的とされる酸性pH値で薬物を解離し放出する、架橋ミセルを提供する。さらに他の実施形態では、pH値は、4.0から7.4の間に調整され得る。これらのpHで標的にされるナノベクターは、化学療法剤のがん特異的送達を劇的に改善し、強力な化学療法薬が一般に遭遇する有害な副作用を最小にし得る。加えて、pH値のある範囲にわたって解離するように合わせることができる化学の利用は、これらの薬物装填ミセルを、薬物耐性になった固形腫瘍および悪性病変を処置する際に適用可能なものにする。
他の実施形態では、本発明は、トリブロックコポリマーと、疎水性治療剤と、鉄とを含む系を提供する。別の実施形態では、トリブロックコポリマーと、疎水性治療剤と、凍結保護剤と、鉄とを含む。
金属媒介性架橋の最終目的は、血液(pH7.4)中で希釈した場合のミセル安定性、続いて、腫瘍環境において見られるもの等の限定されたpH変化に応答した急速な溶解および薬物放出を確実にすることである。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がタキサンである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がパクリタキセルである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がドセタキセルである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がカバジタキセルである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がエポチロンである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がエポチロンDである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がエポチロンBである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がエポチロンAまたはエポチロンCである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がビンカアルカロイドである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がビノレルビンである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がベルベリンである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がベルベルルビンである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がカンプトテシンである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がSN−38である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がS39625である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がアントラサイクリンである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がダウノルビシンである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がドキソルビシンである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がアミノプテリンである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がピコプラチンである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物が白金治療薬である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
タキサンは、文献において周知であり、イチイ属の植物によって生成される天然生成物である。作用機序は、微小管の安定化であり、故に、有糸分裂を阻害する。多くのタキサンは、水に難溶性またはほぼ完全に不溶性である。例示的なエポチロンを以下に示す。
エポチロンは、微小管安定化剤、パクリタキセルと同様の機序であることが示された分子の群である(Bollag DMら、Cancer Res. 1995年、55巻、2325〜2333頁)。生化学的研究は、エポチロンがチューブリンからパクリタキセルを移動させることができることを実証し、それらが同じ結合部位をめぐって競合していると示唆していた(Kowalski RJ、Giannakakou P、Hamel E. J Biol Chem. 1997年、272巻、2534〜2541頁)。エポチロンの1つの利点は、PGP過剰発現細胞において、パクリタキセルと比較してはるかに大きい細胞毒性効果を発揮することである。例示的なエポチロンを以下に示す。
ビンカアルカロイドは、文献において周知であり、抗有糸分裂剤のセットである。ビンカアルカロイドは、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびビノレルビンを含み、微小管の形成を防止するように作用する。例示的なビンカアルカロイドを以下に示す。
ベルベリンは、文献において周知であり、抗菌および腫瘍学応用を含む応用の範囲において薬理効果が示されている。ベルベリンおよび関連誘導体の抗腫瘍活性は、Hoshiら、Gann、1976年、67巻、321〜325頁において記述されている。具体的には、ベルベルルビンおよびベルベルルビンのエステル誘導体は、ベルベリンに対して増大した抗腫瘍活性を有することが示されている。ベルベリンおよびベルベルルビンの構造を以下に示す。
抗腫瘍性植物アルカロイドカンプトテシン(CPT)は、DNAトポイソメラーゼIを標的とする広域スペクトル抗がん剤である。CPTは、in vitroおよびin vivoで有望な抗腫瘍活性を示したが、その低い治療有効性および重篤な毒性により、臨床的に使用されていない。CPTアナログの中でも、イリノテカン塩酸塩(CPT−11)は、結腸直腸、肺および卵巣がんに対して活性であることが最近示された。CPT−11自体はプロドラッグであり、in vivoでのカルボキシルエステラーゼによって、CPT−11の生物学的に活性な代謝産物である7−エチル−10−ヒドロキシ−CPT(SN−38として公知である)に変換される。いくつかのカンプトテシン誘導体が開発中であり、それらの構造を以下に示す。
数種のアントラサイクリン誘導体が生成され、白血病、ホジキンリンパ腫、ならびに膀胱、乳房、胃、肺、卵巣、甲状腺のがん、および軟部組織肉腫の処置のための、クリニックにおける使用が見出された。そのようなアントラサイクリン誘導体は、ダウノルビシン(ダウノマイシンまたはダウノマイシンセルビジンとしても公知である)、ドキソルビシン(DOX、ヒドロキシダウノルビシンまたはアドリアマイシンとしても公知である)、エピルビシン(エレンスまたはファルモルビシン(Pharmorubicin)としても公知である)、イダルビシン(4−デメトキシダウノルビシン、ザベドスまたはイダマイシンとしても公知である)、およびバルルビシン(N−トリフルオロアセチルアドリアマイシン−14−バレレートまたはバルスターとしても公知である)を含む。アントラサイクリンは、典型的には、水溶性を改善し、投与の簡便性を可能にするためのアンモニウム塩(例えば、塩酸塩)として調製される。
アミノプテリンは、文献において周知であり、抗新生物剤である葉酸のアナログである。アミノプテリンは、酵素ジヒドロフォレート(dihydofolate)レダクターゼのフォレート結合部位をめぐって競合することにより、酵素阻害剤として働く。アミノプテリンの構造を以下に示す。
白金ベースの治療薬は、文献において周知である。白金治療薬は、腫瘍学において広く使用されており、DNAを架橋させるように作用して、これが細胞死(アポトーシス)をもたらす。カルボプラチン、ピコプラチン、シスプラチンおよびオキサリプラチンは、例示的な白金治療薬であり、構造を以下に示す。
分子標的治療薬は、文献において周知である。分子標的療法は、腫瘍学において広く使用されており、特定の酵素活性を阻害するか、またはある特定の細胞受容体をブロックするように作用する。チロシンキナーゼ阻害剤は、分子標的治療薬の1つのサブクラスである。他のクラスの分子標的治療薬は、プロテアソーム阻害剤、ヤヌスキナーゼ阻害剤、ALK阻害剤、Bcl−2阻害剤、PARP阻害剤、PI3K阻害剤、Braf阻害剤、MEK阻害剤、SMAC模倣薬およびCDK阻害剤を含むがこれらに限定されない。LY2835219、パルボシクリブ(palociclib)、セルメチニブ、MEK162、トラメチニブ、アリセルチブ、ビリナパント、LCL161、AT−406、BBI608、KP46、エベロリムスおよびXL147は、例示的な分子標的治療薬であり、構造を以下に示す。
追加の分子標的治療薬も開発中である。例は、E7016、XL765、TG101348、E7820、エリブリン、INK128、TAK−385、MLN2480、TAK733、MLN−4924、モテサニブ、イキサゾミブ、TAK−700、ダコミチニブおよびスニチニブを含む。それぞれの構造を以下に示す。
分子標的治療薬のさらなる例は、クリゾチニブ、アクシチニブ、PF03084014、PD0325901、PF05212384、PF04449913、リダフォロリムス(ridaforlimus)、MK−1775、MK−2206、GSK2636771、GSK525762、エルトロンボパグ、ダブラフェニブ(dabrefenib)およびフォレチニブを含む。それぞれの構造を以下に示す。
分子標的治療薬のまたさらなる例は、ラパチニブ、パゾパニブ、CH5132799、RO4987655、RG7338、A0379、エルロチニブ、ピクチリシブ、GDC−0032、ベムラフェニブ(venurafenib)、GDC−0980、GDC−0068、arry−520、パシレオチド、ドビチニブおよびコビメチニブ(cobmetinib)を含む。それぞれの構造を以下に示す。
分子標的治療薬の追加例は、ブパルリシブ、AVL−292、ロミデプシン、arry−797、レナリドマイド、サリドマイド、アプレミラスト、AMG−900、AMG208、ルカパリブ、NVP−BEZ235、AUY922、LDE225およびミドスタウリンを含む。それぞれの構造を以下に示す。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がチロシンキナーゼ阻害剤である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物が分子標的治療薬である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がLY2835219である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がパルボシクリブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がセルメチニブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がMEK162である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がトラメチニブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がアリセルチブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がビリナパントである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がLCL161である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がAT−406である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がBBI608である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がKP46[トリス(8−キノリノラト)ガリウム(III)]である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がエベロリムスである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がXL147である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がE7016である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がXL765である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がTG101348である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がE7820である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がエリブリンである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がINK128である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がTAK−385である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がMLN2480である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がTAK733である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がMLN−4924である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がモテサニブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がイキサゾミブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がTAK−700である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がダコミチニブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がスニチニブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がクリゾチニブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がアキシチニブ(axitnib)である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がPF03084014である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がPD0325901である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がPF05212384である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がPF04449913である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がリダフォロリムスである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がMK−1775である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がMK−2206である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がGSK2636771である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がGSK525762である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がエルトロンボパグである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がダブラフェニブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がフォレチニブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がラパチニブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がパゾパニブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がCH5132799である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がRO4987655である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がRG7338である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がA0379である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がエルロチニブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がピクチリシブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がGDC−0032である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がベムラフェニブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がGDC−0980である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がGDC−0068である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がarry−520である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がパシレオチドである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がドビチニブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がコビメチニブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がブパルリシブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がAVL−292である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がロミデプシンである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がarry−797である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がレナリドマイドである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がサリドマイドである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がアプレミラストである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がAMG−900である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がAMG208である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がルカパリブである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がNVP−BEZ235である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がAUY922である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がLDE225である、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、薬物がミドスタウリンである、本明細書において記述されているような磁気共鳴撮像においてコントラストを提供する薬物装填鉄安定化ミセルを提供する。
本発明のミセルに装填するために好適な小分子薬は、当技術分野において周知である。ある特定の実施形態では、本発明は、薬物が、鎮痛薬、抗炎症剤、HDAC阻害剤、有糸分裂阻害剤、微小管安定化剤、DNA干渉物質、トポイソメラーゼ阻害剤、駆虫薬、抗不整脈剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗凝固薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗てんかん薬、抗真菌剤、抗痛風剤、抗高血圧剤、抗マラリア薬、抗片頭痛剤、抗ムスカリン剤、抗新生物剤、勃起不全改善剤、免疫抑制薬、抗原虫剤、抗甲状腺剤、抗不安剤、鎮静薬、睡眠薬、神経弛緩薬、β遮断薬、強心剤、コルチコステロイド、利尿薬、抗パーキンソン病剤、胃腸剤、ヒスタミン受容体アンタゴニスト、角質溶解薬(keratolyptics)、脂質調節剤、抗狭心症剤、Cox−2阻害剤、ロイコトリエン阻害剤、マクロライド、筋弛緩薬、栄養剤、オピオイド(opiod)鎮痛薬、プロテアーゼ阻害剤、性ホルモン、刺激薬、筋弛緩薬、抗骨粗鬆症剤、抗肥満剤、認知エンハンサー、抗尿失禁剤、抗良性前立腺肥大剤、必須脂肪酸、非必須脂肪酸、およびそれらの混合物から選択される疎水性薬物である、本明細書において記述されているような薬物装填ミセルを提供する。
他の実施形態では、疎水性薬物は、1つまたは複数の鎮痛薬、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗てんかん薬、抗高血圧剤、抗片頭痛剤、免疫抑制薬、抗不安剤、鎮静薬、睡眠薬、神経弛緩薬、β遮断薬、胃腸剤、脂質調節剤、抗狭心症剤、Cox−2阻害剤、ロイコトリエン阻害剤、マクロライド、筋弛緩薬、オピオイド鎮痛薬、プロテアーゼ阻害剤、性ホルモン、認知エンハンサー、抗尿失禁剤、およびそれらの混合物から選択される。
一態様によれば、本発明は、エキセメスタン(Exemestance)(アロマシン)、カンプトサール(イリノテカン)、エレンス(エピルビシン)、フェマーラ(レトロゾール)、グリベック(Gleevac)(メシル酸イマチニブ)、レンタロン(フォルメスタン)、シタドレン/オリメテン(アミノグルテチミド)、テモダール、プロスカー(フィナステリド)、ビアデュール(Viadur)(ロイプロリド)、ネクサバール(ソラフェニブ)、カイトリル(グラニセトロン)、タキソテール(ドセタキセル)、タキソール(パクリタキセル)、カイトリル(グラニセトロン)、ベサノイド(トレチノイン)(レチンA)、ゼローダ(カペシタビン)、アリミデックス(アナストロゾール)、カソデックス/コスデックス(Cosudex)(ビカルタミド)、ファスロデックス(フルベストラント)、イレッサ(ゲフィチニブ)、ノルバデックス、イスツバル(Istubal)、バロデックス(Valodex)(クエン酸タモキシフェン)、トムデックス(ラルチトレキセド)、ゾラデックス(酢酸ゴセレリン)、ロイスタチン(クラドリビン)、ベルケイド(ボルテゾミブ)、マイロターグ(ゲムツズマブオゾガマイシン)、アリムタ(ペメトレキセド)、ジェムザール(ゲムシタビン塩酸塩)、リツキサン(リツキシマブ)、レブリミド(レナリドマイド)、サロミド(サリドマイド)、アルケラン(メルファラン)、およびそれらの誘導体のいずれか1つまたは複数から選択される疎水性薬物を装填した、本明細書において記述されているようなミセルを提供する。
4.本発明の化合物を提供するための一般的な方法
本発明に従う薬物装填鉄安定化ミセルの調製は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月7日に20130296531として公開され、2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/839,715号において詳細に記述されているものを含む、当技術分野において公知の方法によって遂行される。加えて、当技術分野において公知の方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2009年4月9日に20090092554として公開され、2008年2月29日に出願された米国特許出願第12/112,799号において詳細に記述されているものを含む。
本発明に従う薬物装填鉄安定化ミセルの調製は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月7日に20130296531として公開され、2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/839,715号において詳細に記述されているものを含む、当技術分野において公知の方法によって遂行される。加えて、当技術分野において公知の方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2009年4月9日に20090092554として公開され、2008年2月29日に出願された米国特許出願第12/112,799号において詳細に記述されているものを含む。
(組成物)
別の実施形態によれば、本発明は、本発明のミセルまたは薬学的に許容されるその誘導体と、薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルとを含む、組成物を提供する。ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、そのような組成物を必要とする対象への投与のために製剤化される。他の実施形態では、本発明の組成物は、対象への経口投与のために製剤化される。
別の実施形態によれば、本発明は、本発明のミセルまたは薬学的に許容されるその誘導体と、薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルとを含む、組成物を提供する。ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、そのような組成物を必要とする対象への投与のために製剤化される。他の実施形態では、本発明の組成物は、対象への経口投与のために製剤化される。
用語「対象」は、本明細書において使用される場合、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
用語「薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクル」は、ともに製剤化される化合物の薬理活性を破壊しない非毒性担体、アジュバントまたはビヒクルを指す。本発明の組成物において使用され得る、薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルは、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミン等の血清タンパク質、リン酸塩等の緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩、または、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩等の電解質、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂を含むがこれらに限定されない。
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される無機および有機酸および塩基に由来するものを含む。酸塩の例は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩を含む。それら自体は薬学的に許容されるものではないが、シュウ酸等の他の酸を、本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容される酸付加塩を取得する際の中間体として有用な塩の調製において用いてよい。
適切な塩基に由来する塩は、アルカリ金属(例えば、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウムおよびN+(C1〜4アルキル)4塩を含む。本発明は、本明細書において開示されている化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化も想定している。水または油溶性または分散性生成物は、そのような四級化によって取得され得る。
本発明の組成物は、経口的に、非経口的に、吸入噴霧によって、局所的に、経直腸的に、経鼻的に、頬側に、経膣的にまたは埋込みレザバーを介して投与され得る。用語「非経口」は、本明細書において使用される場合、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術を含む。好ましくは、組成物は、経口的に、腹腔内にまたは静脈内に投与される。本発明の組成物の無菌注射剤形態は、水性または油性懸濁液であってよい。これらの懸濁液は、当技術分野において公知の技術により、分散または湿潤剤および懸濁化剤を使用して製剤化されてよい。無菌注射用調製物は、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液または懸濁液であってもよい。許容されるビヒクルおよび溶媒の中でも用いられ得るのは、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液である。
本発明の薬学的に許容される組成物は、カプセル剤、錠剤、水性懸濁液または溶液を含むがこれらに限定されない任意の経口的に許容される剤形で経口的に投与され得る。経口使用のための錠剤の場合、一般に使用される担体は、ラクトースおよびコーンスターチを含む。ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤も典型的には添加される。カプセル剤形態での経口投与では、有用な希釈剤は、ラクトースおよび乾燥コーンスターチを含む。水性懸濁液が経口使用に必要とされる場合、活性成分を、乳化および懸濁化剤と組み合わせる。所望ならば、ある特定の甘味、香味または着色剤も添加してよい。ある特定の実施形態では、本発明の薬学的に許容される組成物は、腸溶コーティングされている。
本発明の薬学的に許容される組成物を、鼻エアゾールまたは吸入によって投与してもよい。そのような組成物は、医薬製剤の分野において周知の技術によって調製され、ベンジルアルコールもしくは他の保存剤、バイオアベイラビリティを強化するための吸収促進剤、フルオロカーボン、ならびに/または他の従来の可溶化もしくは分散剤を用いて、生理食塩水中溶液として調製され得る。
ある特定の実施形態では、本発明の薬学的に許容される組成物は、経口投与のために製剤化される。
担体材料と組み合わせて単一剤形の組成物を生成し得る本発明の化合物の量は、処置される宿主、特定の投与モードに応じて変動し得る。好ましくは、組成物は、0.01〜5,000mg/体重kg/日の間の投薬量の薬物が、これらの組成物を受ける対象に投与され得るように製剤化されるべきである。
封入されている薬物に典型的に用いられる投薬量が、本発明によって企図されていることが認識され得る。ある特定の実施形態では、対象には、薬物の投薬量が、その薬物について典型的に投与されるのと同等である本発明の薬物装填ミセルが投与される。他の実施形態では、対象には、薬物の投薬量が、その薬物について典型的に投与されるよりも低い本発明の薬物装填ミセルが投与される。
任意の特定の対象のための具体的な投薬量および処置レジメンは、用いられている具体的な化合物の活性、年齢、体重、全般的健康、性別、食事、投与時間、排泄率、薬物の組合せ、ならびに処置医師の判断および処置されている特定の疾患の重症度を含む様々な要因によって決まることも理解すべきである。組成物中における本発明の化合物の量は、組成物中における特定の化合物に依存し得る。
本明細書において記述されている発明をより完全に理解し得るように、下記の実施例を記載する。これらの実施例は、例証のみを目的としており、本発明をいかようにも限定するものとして解釈すべきではないことが理解され得る。
(実施例1)
スピン−格子(r1)およびスピン−スピン(r2)緩和度値を決定するために、In vitroファントム測定を実施した。各ナノ粒子の複数の濃縮物を、0.002mMから0.6mMの範囲の値で調製し、2つに切断した96ウェルプレート中、3連で繰り返した。これを、7テスラの水平ボア磁石(Agilent ASR310)内の72mm IDバードケージコイルに直接入れ、スピンエコー画像(sems)を、複数のTR値のいずれかで(進行性飽和)、または、続いて、多重スピンエコー(mems)の収集のために一連の180°パルスで、獲得した。これらの画像を、8×4cm2の視野および256×128のマトリックスサイズで収集した。各ボクセル内の関心領域から平均値を取得し、レーベンバーグ・マーカートアルゴリズムを使用する非線形最小二乗法当てはめで、緩和度を当てはめるために使用した。各緩和度パラメーターの推定(スピン格子についてはn=1、またはスピン−スピンについてはn=2)を、式rn=(Rn−Rn,0)/[Fe]の線形回帰によって決定した。非薬物装填鉄安定化ミセルについてのファントム測定の結果を、図2に示す。スピン−格子緩和度(r1)は、10.9mmol−1s−1であることが分かった。スピン−スピン緩和度(r2)は、53.5mmol−1s−1であることが分かった。SN−38装填鉄安定化ミセルについてのファントム測定の結果を、図3に示す。スピン−格子緩和度(r1)は、7.6mmol−1s−1であることが分かった。スピン−スピン緩和度(r2)は、69.0mmol−1s−1であることが分かった。エポチロンD装填鉄安定化ミセルについてのファントム測定の結果は、次の通りである:スピン−格子緩和度(r1)は、16.2mmol−1s−1であることが分かり、スピン−スピン緩和度(r2)は、80.1mmol−1s−1であることが分かった。これらの結果は、本発明の鉄安定化ミセルが、封入されている分子とは無関係に好適な磁性造影剤であることを実証するものである。これらのデータはさらに、ミセルコアに封入されている分子にかかわらず、各鉄安定化ミセルについて同様の緩和度データが取得されることを実証するものであり、ナノ粒子の超常磁性特性が、治療薬ではなく鉄安定化ミセルの機能であることを示唆している。
スピン−格子(r1)およびスピン−スピン(r2)緩和度値を決定するために、In vitroファントム測定を実施した。各ナノ粒子の複数の濃縮物を、0.002mMから0.6mMの範囲の値で調製し、2つに切断した96ウェルプレート中、3連で繰り返した。これを、7テスラの水平ボア磁石(Agilent ASR310)内の72mm IDバードケージコイルに直接入れ、スピンエコー画像(sems)を、複数のTR値のいずれかで(進行性飽和)、または、続いて、多重スピンエコー(mems)の収集のために一連の180°パルスで、獲得した。これらの画像を、8×4cm2の視野および256×128のマトリックスサイズで収集した。各ボクセル内の関心領域から平均値を取得し、レーベンバーグ・マーカートアルゴリズムを使用する非線形最小二乗法当てはめで、緩和度を当てはめるために使用した。各緩和度パラメーターの推定(スピン格子についてはn=1、またはスピン−スピンについてはn=2)を、式rn=(Rn−Rn,0)/[Fe]の線形回帰によって決定した。非薬物装填鉄安定化ミセルについてのファントム測定の結果を、図2に示す。スピン−格子緩和度(r1)は、10.9mmol−1s−1であることが分かった。スピン−スピン緩和度(r2)は、53.5mmol−1s−1であることが分かった。SN−38装填鉄安定化ミセルについてのファントム測定の結果を、図3に示す。スピン−格子緩和度(r1)は、7.6mmol−1s−1であることが分かった。スピン−スピン緩和度(r2)は、69.0mmol−1s−1であることが分かった。エポチロンD装填鉄安定化ミセルについてのファントム測定の結果は、次の通りである:スピン−格子緩和度(r1)は、16.2mmol−1s−1であることが分かり、スピン−スピン緩和度(r2)は、80.1mmol−1s−1であることが分かった。これらの結果は、本発明の鉄安定化ミセルが、封入されている分子とは無関係に好適な磁性造影剤であることを実証するものである。これらのデータはさらに、ミセルコアに封入されている分子にかかわらず、各鉄安定化ミセルについて同様の緩和度データが取得されることを実証するものであり、ナノ粒子の超常磁性特性が、治療薬ではなく鉄安定化ミセルの機能であることを示唆している。
(実施例2)
in vivo撮像実験はすべて、205/120/HDS勾配および310mmボアを持つ7T水平磁石(ASR310、Agilent Technologies,Inc.)で、35mmのLitzcageコイル(Doty Scientific)を使用して行った。マウスに2%イソフルランで麻酔をかけ、特定の容器内に拘束した。マルチスライススピンエコー(SEMS)シーケンスを、TR/TE 315/7.43ms、17スライス、1mmのスライス厚および2平均値、FOV=80×40mm 256×128ピクセルで使用して、全身冠状スライスを獲得した。薬物注射前に、および投与後に複数の間隔で再度、画像を獲得して、ナノ粒子分布およびクリアランスをモニターした。Matlabスクリプトを使用して腫瘍を手動で分割して、各腫瘍全体の平均および標準偏差ならびに腫瘍ヒストグラムを算出した。腎臓、肝臓、筋肉における関心領域(ROI)も、同じMatlabスクリプトを用いて手動で描いて、薬物クリアランスをモニターした。
in vivo撮像実験はすべて、205/120/HDS勾配および310mmボアを持つ7T水平磁石(ASR310、Agilent Technologies,Inc.)で、35mmのLitzcageコイル(Doty Scientific)を使用して行った。マウスに2%イソフルランで麻酔をかけ、特定の容器内に拘束した。マルチスライススピンエコー(SEMS)シーケンスを、TR/TE 315/7.43ms、17スライス、1mmのスライス厚および2平均値、FOV=80×40mm 256×128ピクセルで使用して、全身冠状スライスを獲得した。薬物注射前に、および投与後に複数の間隔で再度、画像を獲得して、ナノ粒子分布およびクリアランスをモニターした。Matlabスクリプトを使用して腫瘍を手動で分割して、各腫瘍全体の平均および標準偏差ならびに腫瘍ヒストグラムを算出した。腎臓、肝臓、筋肉における関心領域(ROI)も、同じMatlabスクリプトを用いて手動で描いて、薬物クリアランスをモニターした。
7T Varian小動物MRIを使用して、HCT116細胞株ヒト結腸がん異種移植片マウスのMRI撮像を実施した。SN−38装填鉄安定化ミセルを、尾静脈注射によって投与した。動物を、投薬の前ならびにSN−38装填鉄安定化ミセルの投与2.5、5、20、24および168時間後に、T1強調およびT2強調撮像シーケンスの両方で連続的に撮像した。図4は、異なる深さにおける投薬の前のT1強調撮像を示す。図5は、2.5時間後のT1強調撮像を示す。図6は、5時間後のT1強調撮像を示す。図7は、20時間後のT1強調撮像を示す。図8は、24時間後のT1強調撮像を示す。図9は、168時間後のT1強調撮像を示す。図10は、投薬の前のT2強調撮像を示す。図11は、2.5時間後のT2強調撮像を示す。図12は、5時間後のT2強調撮像を示す。図13は、20時間後のT2強調撮像を示す。図14は、24時間後のT2強調撮像を示す。図15は、168時間後のT2強調撮像を示す。動物の異なる軸方向(横断)断面を表している図のそれぞれは、異なる深さで撮影したものである。腫瘍は、動物断面の左上に示される。画像に示すことができるように、腫瘍環境において、投薬前および168時間の画像と比較した場合、投与2.5、5、20および24時間後に、コントラストの強化が見られ得る。当業者ならば、個々の鉄イオンまたはキレートはMRI撮像においてコントラストを提供しないため、腫瘍において現れるコントラストは、インタクトなポリマーミセルの蓄積によるものであることが分かる。当業者ならば、ナノ粒子によって付与されたコントラストが、168時間で消散したことも分かるであろう。
(実施例3)
HCT−116細胞株ヒト結腸がん異種移植片マウス組織に対して、透過電子顕微鏡法を実施した。SN−38装填鉄安定化ミセルを、尾静脈注射によって、HCT−116ヒト結腸がん異種移植片腫瘍を保有するマウスに投与した。1時間後、動物を屠殺し、腫瘍組織を収集した。腫瘍組織を固定し、ミクロトームで70〜80nm厚面に切断し、次いで、顕微鏡法のために、四酸化オスミウム、クエン酸鉛および酢酸ウラニルで染色した。断面を銅グリッドに載せ、次いで、透過電子顕微鏡で撮像した。代表的な画像を、図16、図17および図18に示す。矢印は、SN−38装填鉄安定化ミセルを含有する液胞の存在を示す。当業者ならば、これらの画像は、ミセルが腫瘍細胞および腫瘍マクロファージに取り込まれ、一方、それらはインタクトである(例えば、ミセルは、腫瘍内に蓄積し、次いで、ミセルのナノ粒子として腫瘍細胞に取り込まれる)ことを示すことが分かるであろう。当業者ならば、図18に見られるように、液胞は後期エンドソーム段階に到達すると拡大することも分かるであろう。
(実施例3)
HCT−116細胞株ヒト結腸がん異種移植片マウス組織に対して、透過電子顕微鏡法を実施した。SN−38装填鉄安定化ミセルを、尾静脈注射によって、HCT−116ヒト結腸がん異種移植片腫瘍を保有するマウスに投与した。1時間後、動物を屠殺し、腫瘍組織を収集した。腫瘍組織を固定し、ミクロトームで70〜80nm厚面に切断し、次いで、顕微鏡法のために、四酸化オスミウム、クエン酸鉛および酢酸ウラニルで染色した。断面を銅グリッドに載せ、次いで、透過電子顕微鏡で撮像した。代表的な画像を、図16、図17および図18に示す。矢印は、SN−38装填鉄安定化ミセルを含有する液胞の存在を示す。当業者ならば、これらの画像は、ミセルが腫瘍細胞および腫瘍マクロファージに取り込まれ、一方、それらはインタクトである(例えば、ミセルは、腫瘍内に蓄積し、次いで、ミセルのナノ粒子として腫瘍細胞に取り込まれる)ことを示すことが分かるであろう。当業者ならば、図18に見られるように、液胞は後期エンドソーム段階に到達すると拡大することも分かるであろう。
(実施例4)
7T Varian小動物MRIを使用して、HCT−116細胞株ヒト結腸がん異種移植片マウスのMRI撮像を実施した。SN−38装填鉄安定化ミセルを、尾静脈注射によって投与した。動物を、投薬の前ならびにSN−38装填鉄安定化ミセルの投与24、48、72および96時間後に、T1強調およびT2強調撮像シーケンスの両方で連続的に撮像した。図19は、冠状画像の経時変化を示す。腫瘍は、各画像の左下に示される。腫瘍環境において、投薬前の画像と比較した場合、投与24、48、72および96時間後に、コントラストの強化が見られ得る。当業者ならば、個々の鉄イオンまたはキレートはMRI撮像においてコントラストを提供しないため、腫瘍において現れるコントラストは、インタクトなポリマーミセルの蓄積によるものであることが分かる。図20は、投薬前および24時間での腫瘍ROIにおけるコントラストのヒストグラムを表すものである。
(実施例5)
7T Varian小動物MRIを使用して、HCT−116細胞株ヒト結腸がん異種移植片マウスおよびNCI−H460肺がん異種移植片マウスのMRI撮像を実施した。エポチロンD装填鉄安定化ミセルを、尾静脈注射によって投与した。動物を、投薬の前およびエポチロンD装填鉄安定化ミセルの投与48時間後に、T1強調およびT2強調撮像シーケンスの両方で連続的に撮像した。図21aは、肺がんNCI−H460異種移植片マウスにおける、投薬前およびエポチロンD装填鉄安定化ミセル投薬48時間後のMR画像を示す。図21bは、ヒト結腸がんHCT−116細胞株異種移植片マウスにおける、投薬前およびエポチロンD装填鉄安定化ミセル投薬48時間後のMR画像を示す。腫瘍は、各画像の左下に示される。腫瘍環境において、投薬前の画像と比較した場合、投与48時間後に、コントラストの強化が見られ得る。当業者ならば、個々の鉄イオンまたはキレートはMRI撮像においてコントラストを提供しないため、腫瘍において現れるコントラストは、インタクトなポリマーミセルの蓄積によるものであることが分かる。
7T Varian小動物MRIを使用して、HCT−116細胞株ヒト結腸がん異種移植片マウスのMRI撮像を実施した。SN−38装填鉄安定化ミセルを、尾静脈注射によって投与した。動物を、投薬の前ならびにSN−38装填鉄安定化ミセルの投与24、48、72および96時間後に、T1強調およびT2強調撮像シーケンスの両方で連続的に撮像した。図19は、冠状画像の経時変化を示す。腫瘍は、各画像の左下に示される。腫瘍環境において、投薬前の画像と比較した場合、投与24、48、72および96時間後に、コントラストの強化が見られ得る。当業者ならば、個々の鉄イオンまたはキレートはMRI撮像においてコントラストを提供しないため、腫瘍において現れるコントラストは、インタクトなポリマーミセルの蓄積によるものであることが分かる。図20は、投薬前および24時間での腫瘍ROIにおけるコントラストのヒストグラムを表すものである。
(実施例5)
7T Varian小動物MRIを使用して、HCT−116細胞株ヒト結腸がん異種移植片マウスおよびNCI−H460肺がん異種移植片マウスのMRI撮像を実施した。エポチロンD装填鉄安定化ミセルを、尾静脈注射によって投与した。動物を、投薬の前およびエポチロンD装填鉄安定化ミセルの投与48時間後に、T1強調およびT2強調撮像シーケンスの両方で連続的に撮像した。図21aは、肺がんNCI−H460異種移植片マウスにおける、投薬前およびエポチロンD装填鉄安定化ミセル投薬48時間後のMR画像を示す。図21bは、ヒト結腸がんHCT−116細胞株異種移植片マウスにおける、投薬前およびエポチロンD装填鉄安定化ミセル投薬48時間後のMR画像を示す。腫瘍は、各画像の左下に示される。腫瘍環境において、投薬前の画像と比較した場合、投与48時間後に、コントラストの強化が見られ得る。当業者ならば、個々の鉄イオンまたはキレートはMRI撮像においてコントラストを提供しないため、腫瘍において現れるコントラストは、インタクトなポリマーミセルの蓄積によるものであることが分かる。
Claims (2)
- (a)対象に、準備した薬物装填鉄安定化ミセルまたはその組成物を投与するステップと、(b)磁気共鳴撮像によって、前記対象への投与後の前記鉄安定化ミセルを撮像するステップとを含む、診断撮像方法。
- 下記のステップ:1)固形腫瘍悪性病変を保有する対象への薬物装填鉄安定化ミセルまたはその組成物を投与するステップ、2)磁気共鳴撮像により前記腫瘍を撮像するステップ、3)前記腫瘍中にコントラストが観察されることを確認するステップ、および4)処置スケジュールを続けるステップを含む、がんを持つ対象を処置する方法。
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