JP2018519808A - サンプルからのシーケンス - Google Patents

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Abstract

【課題】試料中の核酸の増幅及び配列決定のための方法並びに試料容器を提供する。【解決手段】試料中の核酸の増幅及び配列決定のための方法であって、(a)第1段階の増幅チャンバー中に試料を配置する工程と、(b)第1段階の増幅チャンバーを増幅条件下にする工程と、(c)試料の一部が第2段階の増幅ウェルのそれぞれに移動されるように、試料を第2段階の増幅ウェルのアレイに移動させる工程と、(d)第2段階の増幅ウェルにおいて第2段階の増幅を実施して、個々の核酸が試料中に存在する場合に、第2段階の増幅ウェルのそれぞにおいてアンプリコンを生成させる工程と、(e)少なくとも1つの第2段階の増幅ウェルの内容物を配列決定条件下にする工程と、を含む方法。【選択図】図1

Description

[0001] 短期間でのサンプルからのシーケンス(sample-to-sequence)の結果が大きな有用性を有すると予想される様々な用途が存在する。これらの用途として、例えば、迅速な、ポイントオブケアに近い、又は研究室での、抗生物質耐性を付与する突然変異の同定、ウイルス遺伝子の配列決定、法医学的目的での組織の同定、臓器移植のための組織タイピング及び薬物代謝の速度に関する対立遺伝子の同定が挙げられ得る。
[0002] 例えば、敗血症に関与する細菌病原体に関して、細菌が、それらを広域スペクトルセファロスポリンに対して耐性にさせる広域スペクトル・ベータ−ラクタマーゼ(ESBL)を保有するかどうかを知ることが有用である。これらのESBLは、TEM−1、TEM−2、SHV及び他のベータラクタマーゼ遺伝子における突然変異に起因する。抗生物質耐性表現型を付与することができる多数の他の遺伝子が存在し、その発現又は活性は、これらの遺伝子のコード領域又は調節領域における点突然変異によって調節される。単一の公知の点突然変異は、標準的なPCR技法を使用してアッセイしやすいのに対して、多重対立遺伝子を有する遺伝子における突然変異は、同定することがより困難であり得る。
[0003] 同様に、ウイルス遺伝子の配列が、ヒト試料中のそのウイルスの存在と、そのウイルスが抗ウイルス化合物に耐性であるかどうかの両方を示すことができる。したがってどのような処理が開始、継続又は停止されるべきであるかを示す多数の場合が存在する。これは、C形肝炎、B型肝炎及びHIVに当てはまる。これらの慢性ウイルス感染にとって結果に至る時間はそれほど緊急性がないのに対して、インフルエンザなどの他のウイルス感染にとって時間は最も重要である。インフルエンザ及び他の急性ウイルス感染では、FDAに認可されているノイラミニダーゼ阻害剤に対して耐性を与える十分に特徴付けられた点突然変異のますますの増加が見られる。理想的には、ノイラミニダーゼ阻害剤による処理は、ウイルスが検出された後に可能な限り素早く開始すべきであるが、正確な阻害剤を使用することが重要である。
[0004] 病原体検出及び同定の他に、ヒト遺伝子(単数又は複数)の配列を迅速に決定することが重要である場合が幾つか存在する。これらには、例として縦列型反復配列(STR)の長さをマッピングすることによる法医学目的でのヒト組織の同定が含まれる。この同定は現在のところ、PCRアンプリコンをサイズ分けすることによって実施されているが、同様に配列決定によっても行うことができる。迅速なサンプルからのシーケンス方法は、多くのかかる事例で役立つ。
[0005] 別の例は、移植用の臓器をHLAタイピングすることである。供与されるべき臓器は、亡くなったばかりの個体に由来する。ドナーに対して最良のMHC適合を有する移植レシピエントへ素早く臓器を送達させることが重要である。これを行うのに最も的確な方法は、移植拒絶を支配するMHC遺伝子を配列決定し、続いてこれらの配列をレシピエントMHC型の国家登録に適合させることである。迅速なサンプルからのシーケンス方法は、多くの臓器提供の事例で役立つ。
[0006] さらに別の例は、薬物代謝の速度を決定するチトクロムP450対立遺伝子の同定である。肝臓におけるチトクロムP450酵素は、排泄のために外来化合物を代謝することが知られている。このファミリーの多重タンパク質が公知であり、それぞれの異なる対立遺伝子が、異なる集団及び個体中に存在する。例えば、非常に速くワルファリンを代謝する酵素に関する対立遺伝子を保有する人々もいれば、またワルファリンをはるかにゆっくりと代謝する人々もいる。患者の遺伝子型を知ることによって、血流中で薬物のある特定の濃度を達成するように、ワルファリン又は他のかかる薬をどれくらい投与するかを医師は決定することが可能となる。
[0007] 配列決定が有用であり得る他の非限定的な例として、癌遺伝子並びに結核などの他の感染病原体が挙げられる。臨床診断及び他の分野の両方で使用されるように、多くの他の例が可能である。
[0008] ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、分子生物学において広く使用されている技法である。その重要な構成成分の1つである、in vitroでの酵素的複製によってDNA片を増幅するのに使用されるDNAポリメラーゼに、その名称は由来している。PCRが進行するにつれ、生成されたDNA(アンプリコン)自体が、複製用の鋳型として使用される。これが、DNA鋳型が指数関数的に増幅される連鎖反応を引き起こす。PCRを用いれば、DNA片の単一又は数個のコピーを桁違いに多く増幅させることが可能であり、DNA片の数百万個又はそれを超えるコピーを生成させる。PCRは、熱安定性ポリメラーゼ、dNTP(デオキシヌクレオチド三リン酸)及びプライマー(オリゴヌクレオチド)対を用いる。既存のPCR技法及び他の増幅方法は、次世代の配列決定(NGS)と組み合わせて、迅速なサンプルからのシーケンスの結果を提供し得る。
[0009] 伝統的な核酸配列決定技法は、特異的な塩基での化学的切断(マクサムギルバート法)又はジデオキシヌクレオチドを使用した鎖終結(サンガー配列決定)のいずれかを用いる。次世代の配列決定は、ハイスループット配列決定技術を含み、それらの幾つかが、配列決定プロセスを並列化して、何千個から何百万個の配列を同時に生じて、多くの場合、ヌクレオチドのそれぞれが、個々の鎖のそれぞれに付加される場合に検出する。様々な次世代システムが、現在利用可能である。
[0010] 本開示の一態様は、試料中の核酸の増幅及び配列決定のための方法である。例としての方法は、増幅チャンバー中に試料を配置する工程であって、増幅チャンバーが試料中に存在し得る複数の個々の核酸を増幅するように構成されている、工程と、増幅チャンバーを増幅条件下にする工程と、核酸の一部がさらなる第2の増幅ウェルのそれぞれに移動されるように、試料を第2段階の増幅ウェルのアレイに移動させる工程であって、それぞれの第2段階の増幅ウェルが試料中に存在し得る1つの個々の核酸をさらに増幅するように構成されている、工程と、さらなる第2段階の増幅ウェルにおいて第2段階の増幅を実施して、個々の核酸が試料中に存在する場合に第2段階の増幅ウェルのそれぞれでアンプリコンを生成させる工程と、少なくとも複数のウェルを配列決定条件下にする工程とを含み得る。
[0011] 幾つかの実施形態において、本明細書中に記載するシステム及び方法は、試料中の核酸の増幅及び配列決定のための方法であって、第1段階の増幅チャンバー中に試料を配置する工程であって、第1段階の増幅チャンバーが、試料中に存在し得る複数の個々の核酸を増幅するように構成されている、工程と、第1段階の増幅チャンバーを増幅条件下にする工程と、試料の一部が、第2の増幅ウェルのそれぞれに移動されるように、試料を、それぞれが試料中に存在し得る1つの個々の核酸をさらに増幅するように構成されている第2の増幅ウェルのアレイに移動させる工程と、第2段階の増幅ウェルにおいて第2段階の増幅を実施して、その個々の核酸が試料中に存在する場合に第2段階の増幅ウェルのそれぞれにおいてアンプリコンを生成させる工程と、少なくとも1つの第2段階の増幅ウェルの内容物を配列決定条件下にする工程とを含む方法を含む。幾つかの場合において、さらなる第2段階の増幅ウェルのそれぞれが、そこに係留されたプライマーを有し、配列決定が、第2段階の増幅ウェルで行われ得る。他の場合において、工程が全て、単一の容器中で実施され、最後の2工程が、前記ウェル中で実施される。さらに他の場合において、容器は、1つ又は複数の密封可能なポートを備えており、ここで1つ又は複数の密封可能なポートが密封されると容器が完全に閉鎖されるように、密封可能なポートは、容器の外面から第1段階の増幅チャンバー及び第2段階の増幅ウェルのアレイへの唯一の経路を提供する。幾つかの場合において、配列決定が、別の試料容器中で実施され得る。他の場合において、工程が全て、約5時間又はそれ未満で実施される。さらに他の場合において、全ての第2段階の増幅ウェルが配列決定条件下にされる。さらに他の場合において、本方法は、アンプリコンが第2段階の増幅ウェルのそれぞれにおいて生成され、アンプリコンが生成された第2段階の増幅ウェルのそれぞれについて陽性判定が生成したかどうかを検出する工程をさらに含み得る。幾つかの場合において、配列決定が、陽性判定が存在する第2段階の増幅ウェルに関してのみ実施される。他の場合において、第1段階のアンプリコンチャンバーが、それぞれが試料中に存在し得る複数の個々の核酸の1つを増幅するように構成された複数の第1段階のプライマー対を含み、第2段階の増幅ウェルのそれぞれが試料中に存在し得る複数の個々の核酸の1つを増幅するように構成された第2段階のプライマーの対を含む。さらに他の場合において、第2段階のプライマーの対のそれぞれの少なくとも1つが、その対応する第1段階のプライマー内で入れ子状である。
[0012] 幾つかの実施形態において、本明細書中に記載するシステム及び方法は、試料中の核酸の増幅及び配列決定のための方法であって、増幅チャンバー中に試料を配置する工程であって、増幅チャンバーが、試料中に存在し得る複数の個々の核酸を増幅するように構成されている、工程と、増幅チャンバーを増幅条件下にする工程と、試料を、スポットのアレイに移動させる工程であって、それぞれのスポットが、それらに係留された第2段階の増幅プライマーの組を含み、第2段階の増幅プライマーのそれぞれの組が、個々の核酸の1つのさらなる増幅用に構成されている、工程と、アレイに第2段階の増幅を実施して、その個々の核酸が試料中に存在する場合にスポットのそれぞれでアンプリコンを生成させる工程と、スポットの少なくとも1つを配列決定条件下にする工程とを含む方法を含む。幾つかの場合において、工程が全て、単一の容器中で実施される。他の場合において、容器は、1つ又は複数の密封可能なポートを備えており、1つ又は複数の密封可能なポートが密封されると容器が完全に閉鎖されるように、密封可能なポートは、容器の外面から増幅チャンバー及び第2段階の増幅ウェルのアレイへの唯一の経路を提供する。さらに他の場合において、アレイが、入口チャネル及び出口チャネルを有し、入口チャネル及び出口チャネルの開放及び閉鎖が、アレイを通る流体の流量を制御する。幾つかの場合において、流体を入口チャネルに進入させながら出口チャネルを閉鎖することにより、アレイ上に流体の泡を生じさせ、泡を攪拌させることにより流体を均質化させる。他の場合において、本方法は、アンプリコンがスポットのそれぞれで生成され、アンプリコンが生成されたウェルのそれぞれについて陽性判定を生成させたかどうかを検出する工程をさらに含む。さらに他の場合において、スポットの数が、合計で512個以下である。幾つかの場合において、スポットの数が、合計で256個以下である。他の場合において、前記組が、第2段階のプライマー対の両方を含む。さらに他の場合において、第2段階の増幅が、3’から5’へのエキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼの存在下で実施される。幾つかの場合において、前記組が、第2段階のプライマー対の一方を含む。他の場合において、第2段階の増幅が、第2段階のプライマー対のそれぞれの第2のものを含む溶液の存在下で実施される。さらに他の場合において、試料が、増幅チャンバーを、増幅にする工程に続いて、3’から5’へのエキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼで処理される。幾つかの場合において、第2段階のプライマー対の第2のものの全てが、ユニバーサルプライマーに相当する5’配列を備える。他の場合において、溶液が、ユニバーサルプライマーをさらに含む。さらに他の場合において、第2段階のプライマー対の第2のものの全てが、ユニバーサルプライマーの約10分の1以下の濃度で供給される。幾つかの場合において、試料が、増幅チャンバーを増幅条件下にする工程と第2段階の増幅を実施する工程との間で希釈されない。他の場合において、第2段階のプライマー対の少なくとも1つが、ユニバーサルプライマーに相当するさらなる配列を有し、配列決定が、ユニバーサルプライマーを使用した合成によって実施される。
[0013] 幾つかの実施形態において、本明細書中に記載するシステム及び方法は、試料中に存在し得る核酸の増幅及び配列決定のための方法であって、それぞれが核酸の1つを増幅するように構成された複数の外側プライマー対の存在下で、及び核酸のそれぞれに対する少なくとも1つの内側プライマーの存在下で増幅を行い、試料中に存在する核酸のそれぞれのアンプリコンを生成させる工程と、アンプリコンを配列決定条件下にする工程とを含む方法を含む。他の実施形態において、複数の外側プライマー対が、1つの反応チャンバー中に位置しており、内側プライマーが、別の反応チャンバーに位置している。さらに他の実施形態において、複数の外側プライマー対及び内側プライマーが、単一の反応チャンバー中に位置している。
[0014] 幾つかの実施形態において、本明細書中に記載するシステム及び方法は、試料中の核酸を増幅する方法であって、第1段階の増幅チャンバー中に試料を配置する工程であって、増幅チャンバーが、試料中に存在し得る核酸を増幅するように構成された第1のプライマー対を含む、工程と、増幅チャンバーを増幅条件下にして、アンプリコンを生成させる工程と、試料の第1の部分を、第1の複数の第2段階の増幅プライマーの組を含む第1の第2段階の増幅ゾーンに移動させる工程であって、第2段階の増幅プライマーのそれぞれの組が、アンプリコンの異なる非重複領域を増幅するように構成されている、工程と、試料の第2の部分を、第2の複数の第2段階の増幅プライマーの組を含む第2の第2段階の増幅ゾーンに移動させる工程であって、第2段階の増幅プライマーのそれぞれの組が、アンプリコンの異なる非重複領域を増幅するように構成されている、工程と、第2段階の増幅を、第1の第2段階の増幅ゾーンで実施して、第1の第2段階のアンプリコンを生成させ、第2の第2段階の増幅ゾーンで実施して、第2の第2段階のアンプリコンを生成させる工程とを含み、第1の第2段階のアンプリコンの少なくとも一部が、第2の第2段階のアンプリコンの少なくとも一部と重複している、方法を含む。他の実施形態において、本方法は、アンプリコンの少なくとも1つを配列決定条件下にする工程をさらに含む。
[0015] 幾つかの実施形態において、本明細書中に記載するシステム及び方法は、試料中の核酸の増幅及び配列決定のための方法であって、増幅チャンバー中に試料を配置する工程であって、増幅チャンバーが、第1のフォワードプライマー、第1のフォワードプライマー内で入れ子状の第2のフォワードプライマー、及びリバースプライマーを含み、第2のフォワードプライマーが構造に係留されている、工程と、増幅チャンバーを増幅条件下にする工程とを含む方法を含む。他の実施形態において、本方法は、増幅チャンバーを配列決定条件下にする工程をさらに含む。
[0016] 幾つかの実施形態において、本明細書中に記載するシステム及び方法は、複数の核酸の増幅及び配列決定のための容器であって、複数の第1段階のプライマー対を含む第1段階の増幅チャンバーであって、それぞれの第1段階のプライマー対が、第1段階のアンプリコンを生成させるための複数の核酸の1つの増幅用に構成されている、増幅チャンバーと、複数の第2段階のプライマー対を含む第2段階の増幅チャンバーであって、それぞれの第2段階のプライマー対が、第2段階のアンプリコンを生成させるための第1段階のアンプリコンの1つの配列の少なくとも一部の増幅用に構成されている、増幅チャンバーとを含み、第2段階の増幅チャンバーが、第2段階のアンプリコンを配列決定するようにさらに構成されている、容器を含む。幾つかの場合において、第2段階のプライマー対のそれぞれの少なくとも1つのメンバーが、相当する第1段階のプライマー内で入れ子状である。他の場合において、第2段階のプライマー対のそれぞれの少なくとも1つのメンバーが、支持体に係留されている。さらに別の場合において、第2段階のプライマー対のそれぞれの少なくとも1つのメンバーが、5’末端によって支持体に係留されている。幾つかの場合において、第2段階のアンプリコンが、単一の分子種を含む。他の場合において、容器は、1つ又は複数の密封可能なポートをさらに備えており、1つ又は複数の密封可能なポートが密封されると容器が完全に閉鎖されるように、1つ又は複数の密封可能なポートは、容器の外面から第1の増幅チャンバー及び第2段階の増幅チャンバーへの唯一の経路を提供する。さらに他の場合において、第2段階の増幅チャンバーが、入口チャネル及び出口チャネルを含み、入口チャネル及び出口チャネルの開放及び閉鎖が、第2段階の増幅チャンバーを通る流体の流量を制御する。幾つかの場合において、容器が、試料を受け取り、溶解した試料を調製するように構成されている溶解チャンバーをさらに含む。他の場合において、容器が、溶解した試料を受け取り、溶解した試料から核酸を抽出するように構成されている核酸抽出チャンバーをさらに含む。幾つかの場合において、第2段階の増幅チャンバーが、それぞれが第2段階の増幅反応を実行するように構成されているウェルのアレイを含む。他の場合において、第2段階の増幅チャンバーが、それぞれが第2段階のプライマー対を含み、それぞれが第2段階の増幅反応を実行するように構成されているスポットのアレイを含む。さらに別の場合において、第2段階のプライマーの少なくとも1つが、スポットに係留されている。幾つかの場合において、スポットの数が、合計で512個以下である。他の場合において、スポットの数が、合計で256個以下である。
[0017] 幾つかの実施形態において、本明細書中に記載するシステム及び方法は、試料中に存在し得る複数の核酸の2ステップ増幅及び配列決定のための方法であって、それぞれが複数の核酸の1つの増幅用に構成される複数の第1段階のプライマー対を含む第1の混合物において核酸を増幅して、試料中に存在する核酸のそれぞれの第1段階のアンプリコンを生成させる工程と、それぞれが第1段階のアンプリコンの1つの増幅用に構成される複数の第2段階のプライマー対を使用して、第1段階のアンプリコンを増幅する工程であって、第2段階のプライマー対のそれぞれの少なくとも1つが、その対応する第1段階のプライマー対内で入れ子状であり、試料中に存在する核酸のそれぞれについて単一の分子種を生成させる、工程と、生成される単一の分子種を配列決定する工程とを含む方法を含む。他の実施形態において、増幅及び配列決定の工程が、単一の反応チャンバー中で実施される。さらに他の実施形態において、第2段階のプライマー対のそれぞれの少なくとも1つが、固体支持体に係留されている。幾つかの実施形態において、増幅及び配列決定の工程が、異なる反応容器中で実施される。他の実施形態において、正確なアンプリコンを同定するために、フィルターが増幅工程と配列決定工程との間で使用されない。
[0018] 本発明の実施形態のさらなる特色及び利点は、下記の説明に記載されるか、又はかかる実施形態の実施によって習得され得る。かかる実施形態の特色及び利点は、併記の特許請求の範囲において特に注目する手段及び組合せを用いて実現並びに獲得され得る。これらの特色及び他の特色は、下記説明及び併記の特許請求の範囲から十分に明らかとなるか、又はこれ以降で記載するようなかかる実施形態の実施によって習得され得る。
[0019] 本発明の上述の及び他の利点並びに特色が獲得され得る方法について記載するために、簡潔に上述した本発明のより詳細な説明を、添付の図面に示されるそれらの特定の実施形態を参照することによって示す。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを表し、したがってその範囲の限定であるとみなされるべきではないという理解の下、本発明は、下記の添付の図面の使用によって、さらに具体的に且つ詳細に、記載及び説明される。
[0020] 図1は、本開示における1つの実施形態における使用のための例としてのポーチを示す。 [0021] 図2Aは、単一の試料ウェル中での増幅及び配列決定に使用される工程を示す。 [0021] 図2Bは、単一の試料ウェル中での増幅及び配列決定に使用される工程を示す。 [0022] 図3は、増幅に続く配列決定用に構成される図1のポーチの例としての第2段階の部分的分解組立図である。 [0023] 図4は、図1に類似しているが、第2段階のアレイに関する異なる実施形態を示す。 [0024] ブリッジ増幅を示すことを除いて、図5Aから図5Cは、図2A〜図2Bと同様である。 [0025] 本明細書中に記載するデバイスを用いた使用に関する異なる実施形態を示すことを除いて、図6Aから図6Eは、図5A〜図5Cと同様である。 [0026] 図7Aから図7Cは、単一の第1段階のアンプリコンから生成される多重増幅産物を配列決定するための実施形態を示す。図7Aは、重複する第2段階のアンプリコンを示すのに対して、図7A〜図7Bは、第2段階の増幅を、第2段階の増幅反応へ進ませる1つの方法を示す。 [0027] 代替的なプライマー実施形態を示すことを除いて、図8Aから図8Cは、図5A〜図5Cと同様である。
[0028] 実施例遂行を詳細に記載する前に、本開示は、特定の例示されるシステム、方法、装置、製品、プロセス、組成物及び/又はキットのパラメーターに限定されず、それらは当然のことながら多様であることが理解されよう。同様に、本明細書中で使用する専門用語は、単に本開示の特定の遂行について記載する目的のためであり、いかなる方法でも本開示及び/又は本発明の範囲を限定するとは必ずしも意図されないことが理解されよう。したがって、本開示は、特定の形態を参照することによって詳細に説明される一方で、説明は、単なる例であり、特許請求される本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。例えば、ある特定の遂行は、添付の図面に示され、及び/又は書面による説明で記載される少数の又はさらなる構成要素を含んでもよい。さらに、特許請求の範囲によって規定されるような本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、示した形態に対して、様々な修飾を成すことができる。したがって、本発明の様々な態様、実施形態及び/又は遂行は、本明細書中に記載及び/又は開示される一方で、他の態様、遂行及び実施形態もまた意図される。
[0029] 別記しない限り、本明細書中で使用する技術用語及び科学用語は全て、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同義を有する。本明細書中に記載するものに類似するか、又は等価な多数の方法及び材料は、本開示の実施において使用することができる一方で、ある特定の例示的な材料及び方法のみが、本明細書中で記載される。
[0030] デバイス、システム、方法等を含む本開示の様々な態様は、1つ又は複数の例示的な遂行を参照することによって示され得る。本明細書中で使用する場合、「例示的な」及び「例としての」という用語は、「例、場合又は説明として機能すること」を意味し、本明細書中に開示する他の遂行よりも好ましいか、又は有利であると必ずしも解釈されるべきではない。さらに、本開示若しくは本発明の「遂行」又は「実施形態」に対する言及は、その1つ又は複数の実施形態に対する特定の言及を含み、逆も同じであり、下記の説明によってではなく、併記の特許請求の範囲によって示される本発明の範囲を限定することなく、例としての実施例を提供すると意図される。
[0031] 本明細書及び併記の特許請求の範囲で使用される場合、内容が明らかに他を指示しない限りは、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、複数形を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「タイル(a tile)」に対する言及は、1つ、2つ又はそれ以上のタイルを含む。同様に、複数の指示対象に対する言及は、内容及び/又は文脈が明らかに他を指示しない限りは、単一の指示対象及び/又は複数の指示対象を含むと解釈されるべきである。したがって、「タイル」に対する言及は、複数のかかるタイルを必ずしも必要としない。代わりに、活用とは無関係に、1つ又は複数のタイルが本明細書中で意図されることが理解されよう。
[0032] 本出願全体にわたって使用する場合、「することができる」及び「してもよい」という単語は、命令的な意味(即ち、しなくてはならないと意味すること)よりも、許容的意味(即ち、する可能性を有すると意味すること)で使用される。さらに、「を含んでいる」、「を有している」、「を包含している」、「を含有している」、「を特徴とする」という用語、それらの変形(例えば、「を含んでいる(includes)」、「を有している(has)」、及び「を包含している(involves)」、「を含有している(contains)」など)及び類義語は、特許請求の範囲を含む本明細書中で使用する場合、包括的であり、及び/又は制約がないものとされ、「を含んでいる」という単語及びその変形(例えば、「を含む(comprise)」及び「を含む(comprises)」)と同じ意味を有するものであり、例としてさらなる記載されていない要素又は方法工程を排除しない。
[0033] 本明細書中で使用する場合、「最上部」、「底部」、「左側」、「右側」、「上方」、「下方」、「上部」、「下部」、「内側」、「外側」、「内部」、「外部」、「内面」、「外面」、「近位」、「遠位」、「フォワード」、「リバース」等などの方向性及び/又は任意の用語は、相対的な方向及び/又は配向を単に示すのに使用することができ、他の場合では、明細書、本発明及び特許請求の範囲を含む本開示の範囲を限定するように意図され得ない。
[0034] また、本明細書中に記載する様々な遂行は、本開示の範囲を逸脱することなく、記載又は開示される任意の他の遂行と組み合わせて利用することができることが理解される。したがって、本開示のある特定の遂行に従う製品、メンバー、要素、デバイス、装置、システム、方法、プロセス、組成物及び/又はキットは、本開示の範囲を逸脱することなく、本明細書中に開示する他の遂行において記載される特性、フィーチャ、構成要素、メンバー、要素、工程等(システム、方法、装置等を含む)を包含する、組み込む、又はそれ以外の方法で含む。したがって、1つの遂行に関する特定の特色に対する言及は、前記遂行内のみでの適用に限定されると解釈されるべきではない。
[0035] 本明細書中で使用する見出しは、単に構成の目的のためであり、説明又は特許請求の範囲を限定するのに使用すると意図されない。理解を促進するために、可能であれば、同様の参照数字が使用されて、図面に共通する同様の要素を指定する。さらに、可能であれば、要素の同様の番号付与は、様々な図面で使用されている。さらに、特定の要素の代替的な形態はそれぞれ、要素番号に付加される別の文字を含んでもよい。
[0036] 「約」という用語は、およそ、その辺りで、概略で、又はおおよそを意味するのに本明細書中で使用される。「約」という用語が、数値と併用される場合、それは、記載する数値の上下の境界を延長させることによって範囲を修飾する。概して、「約」という用語は、5%の分散で記載した値の上下の数値を修飾するのに本明細書中で使用される。かかる範囲を表す場合、別の実施形態は、ある特定の値から、及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、値が、先行詞「約」の使用によって近似値として表される場合、特定の値が別の実施形態を形成することが理解される。範囲のそれぞれの終点が、他の終点に関連して、及び他の終点とは無関係に有意であることがさらに理解される。
[0037] 「又は」という単語は本明細書中で使用する場合、特定のリストのいずれか1つのメンバーを意味し、また当該リストのメンバーの任意の組合せを含む。
[0038] 「試料」とは、本明細書中で記載するようにアッセイされる動物;動物由来の組織又は臓器;細胞(対象内、対象から直接採取した、又は培養物中に維持されるか、又は培養細胞株由来の細胞);細胞溶解物(又は溶解物分画)又は細胞抽出物;細胞、細胞材料又はウイルス材料に由来する1つ又は複数の分子(例えば、ポリペプチド又は核酸)を含有する溶液;ウイルス、ウイルスに由来する1つ又は複数の分子を含有する溶液;寄生虫;寄生虫に由来する1つ又は複数の分子を含有する溶液;細菌;細菌に由来する1つ又は複数の分子を含有する溶液;真菌;真菌に由来する1つ又は複数の分子を含有する溶液;植物;植物に由来する1つ又は複数の分子を含有する溶液;又は核酸を含有する溶液を意味する。試料はまた、細胞、細胞構成要素又は核酸を含有する任意の体液又は排泄物(例えば、血液、尿、便、唾液、涙、胆汁、脳脊髄液、粘液、膿、汗、しかし、これらに限定されない)であってもよい。
[0039] 「核酸」という語句は本明細書中で使用する場合、DNA又はRNA又はDNA−RNAハイブリッドのいずれかの、単鎖又は二重鎖の、センス又はアンチセンスの、ワトソンクリック塩基対形成によって相補核酸へのハイブリダイゼーションが可能である、天然に存在するか、若しくは合成のオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを指す。本発明の核酸はまた、ヌクレオチド類似体(例えば、BrdU)、及び非ホスホジエステルヌクレオシド間結合(例えば、ペプチド核酸(PNA)又はチオジエステル結合)、又は例えばBenner、米国特許第8,354,225号、「Amplification of oligonucleotides containing non−standard nucleobases」及び米国特許第8,871,469号 「Self−avoiding molecular recognition systems in DNA priming」によって記載される伸長遺伝子アルファベットを含むことができる。特に、核酸として、DNA、RNA、cDNA、gDNA、ssDNA、dsDNA又はそれらの任意の組合せが挙げられ得るが、これらに限定されない。
[0040] 「プローブ」、「プライマー」又は「オリゴヌクレオチド」とは、相補配列(「標的」)を含有する第2の核酸分子と塩基対形成することができる規定の配列の単鎖核酸分子を意味する。生じたハイブリッドの安定性は、長さ、GC含有量、及び行われた塩基対形成の程度に依存する。塩基対形成の程度は、プローブと標的分子との間の相補性の程度、及びハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーの度合いなどのパラメーターによって影響される。ハイブリダイゼーションストリンジェンシーの度合いは、温度、塩濃度及びホルムアミドなどの有機分子の濃度などのパラメーターによって影響され、当業者に公知の方法によって決定される。プローブ、プライマー及びオリゴヌクレオチドは、当業者に周知の方法によって、放射能で、蛍光的に、又は非放射能で、検出可能に標識され得る。dsDNA結合色素を使用して、dsDNAを検出し得る。「プライマー」は、ポリメラーゼによって伸長されるように特異的に構成されるのに対して、「プローブ」又は「オリゴヌクレオチド」は、そのように構成されてもよく、又はされなくてもよいことが理解される。
[0041] 「dsDNA結合色素」とは、通常、より強力に蛍光を発することによって、単鎖DNAに結合されるか、又は溶液中で遊離している場合よりも、二重鎖DNAに結合されている場合に、差次的に蛍光を発する色素を意味する。dsDNA結合色素について言及する一方で、参照により本明細書中に組み込まれる米国特許第7,387,887号に記載される幾つかの非限定的な例としての色素を用いて、任意の適切な色素が本明細書中で使用され得ることが理解される。他のシグナル産生物質もまた、当該技術分野で公知であるように、核酸増幅を検出して、例として酵素、抗体等を融解させるのに使用され得る。
[0042] 「特異的にハイブリダイズする」とは、プローブ、プライマー又はオリゴヌクレオチドが、高ストリンジェンシー条件下で、実質的に相補的な核酸(例えば、試料核酸)を認識して、物理的に相互作用し(即ち、塩基対)、他の核酸とは実質的に塩基対形成しないことを意味する。
[0043] 「高ストリンジェンシー条件」とは、標的核酸配列の同定を可能にするように設定されている条件を意味する。かかる条件は通常、約Tm−5℃(プローブのTmの5℃未満)で行われる。機能的に、高ストリンジェンシー条件は、少なくとも80%配列同一性を有する核酸配列を同定するのに使用される。
[0044] PCRは、本明細書中の実施例で使用される増幅方法である一方で、プライマーを使用する任意の増幅方法が適切であり得ることが理解される。かかる適切な手順として、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR);鎖置換増幅(SDA);核酸配列ベースの増幅(NASBA);カスケードローリングサークル増幅(CRCA)、DNAのループ媒介性等温増幅(LAMP);核酸の等温及びキメラプライマー開始増幅(ICAN);標的ベースのヘリカーゼ依存性増幅(HDA);転写媒介性増幅(TMA)等が挙げられる。したがって、PCRという用語が使用される場合、他の代替的な増幅方法を含むことが理解されるべきである。別個のサイクルを用いない増幅方法に関して、測定がサイクル又はCpで行われる反応時間が使用されてもよく、さらなるPCRサイクルが本明細書中に記載する実施形態で付加されるさらなる反応時間が付加されてもよい。プロトコールは、状況に応じで調節する必要があり得ることは理解される。
[0045] 幾つかの実施形態では、PCRは、任意の適切なPCR方法を含む。例えば、PCRは、マルチプレックスPCRを含むことができ、ここではポリメラーゼ連鎖反応を使用して、幾つかの異なる核酸配列を同時に増幅させる。マルチプレックスPCRは、多重プライマー組を使用することができ、幾つかの異なる核酸配列を同時に増幅することができる。幾つかの場合において、マルチプレックスPCRは、単一のPCR反応内で多重プライマー組を用いて、異なる核酸標的配列に特異的である異なる核酸配列のアンプリコンを産生することができる。マルチプレックスPCRは、多重の個々のPCR反応に代わって、単一のPCR反応を用いて、異なる核酸標的配列のアンプリコンを生成させる有益な特色を有し得る。
[0046] 本明細書中で使用する場合、「配列決定」は、個々の塩基の順番を決定するために核酸の一方又は両方の鎖の配列を同定することを含む、核酸の配列を同定することを意味する。「次世代配列決定」は、複数の同時併発反応で実施される配列決定である。
[0047] オリゴヌクレオチドに関する下記命名法を本明細書中で使用する:
U=ユニバーサルプライマー−特定の反応において全てのプライマーによって共有される共通配列
S=特異的なプライマー−所定の標的アッセイに特有
添字:
o=外側−外側アンプリコンを生成させるための第1段階の増幅で使用するプライマー
i=内側−第2段階のアンプリコン反応で使用するネステッドプライマー。このプライマーは、外側アンプリコンを生成させるのに使用された外側プライマーと部分的に重複することができるが、外側アンプリコンの部分的に又は完全に内部に存在する
ii=内側−内側−入れ子状の内側プライマーの内部で入れ子状になるプライマー。このプライマーは、この内側プライマーと部分的に重複することができるか、又は内側プライマーの完全に内部に位置していてもよい
F=フォワード及びR=リバースは、PCRアンプリコンを規定する2つのプライマーである。配向性は任意であることが理解される
x=マルチプレックスにおける特定の特異的なオリゴヌクレオチドの指数(1≦x≦n)
例えば:UiR4は、アンプリコン数4のための特異的な内側リバースの5’末端上のユニバーサルリバースプライマーである。
[0048] 本明細書中に記載する様々な実施例は、ヒト標的及びヒト病原体について言及する一方で、これらの実施例は、単なる例である。本明細書中に記載する方法、キット及びデバイスを使用して、ヒト試料、動物試料、獣医学試料、植物試料、藻類試料、食品試料、工業試料、ウイルス試料、真菌試料、細菌試料、寄生虫試料及び環境試料を含むが、これらに限定されない多種多様な試料由来の多種多様な核酸配列を、検出及び配列決定し得る。本明細書中に記載する方法、キット及びデバイスを使用して、抗生物質耐性を検出すること、ウイルス遺伝子を検出すること、法医学、組織タイピング、臓器移植、薬物代謝、バイオテロリズム、食品安全、環境安全、農業、生態学を含むが、これらに限定されない多種多様な用途由来の多種多様な核酸配列を、検出及び配列決定し得る。
[0049] 本明細書中に開示する様々な実施形態は、例として単一の閉鎖系において、様々な生物学的物質、例として抗原及び核酸配列の存在及び/又は同定に関して試料をアッセイするための内蔵型核酸分析ポーチを使用する。ポーチ及びポーチとともに使用するための機器を含むかかるシステムは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,394,608号及び第8,895,295号並びに米国特許出願第2014−0283945号において、より詳細に開示されている。しかしながら、かかるポーチは、単に例示的であり、本明細書中に論述するPCR反応は、当該技術分野で公知であるように様々な増幅システムを使用して、96ウェルプレート、他の形態のプレート、アレイ、カルーセル等を含む、当該技術分野で公知であるような様々な開放又は閉鎖系の試料容器のいずれかにおいて実施され得ることが理解される。「試料ウェル」、「増幅ウェル」、「増幅容器」等の用語が本明細書中で使用される一方で、これらの用語は、これらの増幅システムにおいて使用されるように、ウェル、チューブ、DNAチップ及び様々な他の反応容器を包含すると意図される。一実施形態において、ポーチは、多重標的核酸に関してアッセイするのに使用される。ポーチは、例示的な閉鎖系において、試料ウェルとして使用される1つ又は複数のブリスターを含んでもよい。例として、核酸調製、一次大容量マルチプレックスPCR、一次増幅産物の希釈及び二次PCRを含む様々な工程が、任意選択により使い捨てのポーチにおいて実施されてもよく、融解曲線分析及び核酸配列決定などの任意のリアルタイム検出又は増幅後分析に終わる。さらに、様々な工程が、本発明のポーチにおいて実施され得る一方で、工程の1つ又は複数が、ある特定の使用に関して省略されてもよく、ポーチ形態は、状況に応じて変更されてもよいことが理解される。
[0050] 図1は、様々な実施形態で使用され得るか、又は様々な実施形態用に再構成され得る例としてのポーチ510を示す。ポーチ510は、米国特許第8,895,295号の図15に類似しており、同じ項目は、同じ番号付けをした。備品590は、進入チャネル515aから515lまで備えており、進入チャネルはまた、試薬リザーバ又は廃棄物リザーバとして機能する。例として、試薬は、備品590中で凍結乾燥されて、使用前に再水和され得る。各々のチャネル538、543、552、553、562及び565を有するブリスター522、544、546、548、564及び566は、米国特許第8,895,295号の図15の同じ数のブリスターに類似している。図1の第2段階の反応ゾーン580は、米国特許出願番号第8,895,295号の反応ゾーンに類似しているが、高密度アレイ581の第2段階のウェル582は、いくらか異なるパターンで配置される。図1の高密度アレイ581のより円形なパターンは、角にあるウェルを排除して、第2段階ウェル582のより均一な充填をもたらし得る。図示するように、高密度アレイ581は、102個の第2段階のウェル582を備えている。ポーチ510は、FilmArray機器(Biofire Diagnostics、ソルトレイクシティ、UT)における使用に適している。しかしながら、ポーチの実施形態は、単に例示的であることが理解される。
[0051] ポーチ510は、米国特許第8,895,295号に記載される方法で使用され得る。ある例としての実施形態では、試験されるべき試料(100μl)及び溶解緩衝液(200μl)を含む混合物300μlを、チャネル515a付近にある備品590における注入ポート(図示せず)に注入し、試料混合物を、進入チャネル515aに引き入れる。水もまた、進入チャネル515lに隣接した備品590の第2の注入ポート(図示せず)に注入して、備品590に備えられたチャネル(図示せず)を介して分配され、それにより最大11個の異なる試薬を水和させ、試薬はそれぞれ、進入チャネル515bから515lにて乾燥形態で予め供給された。これらの試薬は例として、凍結乾燥させたPCR試薬、DNA抽出試薬、洗浄試薬、イムノアッセイ試薬、又は他の化学物を含んでもよい。例として、試薬は、核酸抽出、第1段階のマルチプレックスPCR、マルチプレックス反応の希釈、及び第2段階のPCR試薬の調製、並びに対象反応用である。図1に示す実施形態において、注入する必要のあるもの全ては、一方の注入ポートでは試料溶液であり、他方の注入ポートでは水である。注入後、2つの注入ポートを密封してもよい。ポーチ510及び備品590の様々な形態に関するより多くの情報については、すでに参照により組み込まれる米国特許第8,895,295号を参照されたい。
[0052] 注入後、試料を、チャネル514を介して注入チャネル515aから溶解ブリスター522に移動させる。溶解ブリスター522は、セラミックビーズ534を備え、FilmArray機器内に備えられた回転ブレード又はパドルを使用した嵌入を介してボルテックスするように構成されている。細胞が適切に溶解されたら、試料を、チャネル538、ブリスター544、及びチャネル543から、ブリスター546まで移動させて、ブリスター546で、試料を、シリカでコーティングした磁気ビーズ533などの核酸結合磁気ビーズと混合する。混合物を、適切な時間、例としてはおよそ10秒〜10分間インキュベートする。ブリスター546に隣接するFilmArray機器内に位置する格納式マグネットにより、溶液から磁気ビーズが捕捉されて、ブリスター546の内面表面に対してペレットを形成する。次に、液体をブリスター546から、ブリスター5544を戻って通って、ブリスター522へ移動させ、ブリスター522はここでは、廃棄物容器として使用される。注入チャネル515cから515eまでの1つ又は複数からの1つ又は複数の洗浄緩衝液は、ブリスター544及びチャネル543を介して、ブリスター546へ供給される。任意選択により、マグネットが格納されて、磁気ビーズは、ビーズをブリスター544及びブリスター546からチャネル543を介して前後に移動させることによって洗浄される。磁気ビーズが洗浄されたら、磁気ビーズは、マグネットの活性化によってブリスター546中に格納され、続いて洗浄溶液を、ブリスター522に移動させる。このプロセスは、溶解緩衝液及び試料残骸を核酸結合磁気ビーズから洗浄するために必要に応じて繰り返してもよい。
[0053] 洗浄後、注入チャネル515fで保管される溶出緩衝液を、ブリスター548に移動させて、マグネットを格納する。溶液は、チャネル552を介して、ブリスター546とブリスター548との間で循環させて、ブリスター546中で磁気ビーズのペレットを崩壊させて、捕捉された核酸をビーズから解離させて、溶液に放出させる。マグネットを再度活性化させて、ブリスター546中に磁気ビーズを捕捉して、溶出した核酸溶液をブリスター548へ移動させる。
[0054] 注入チャネル515gからの第1段階のPCRマスターミックスを、ブリスター548中で核酸試料と混合させる。任意選択により、混合物は、チャネル553を介して、548と564との間に混合物を通すことによって混合させる。混合の数サイクル後、溶液をブリスター564中に含有させて、ブリスター564で、第1段階のPCRプライマーのペレットが供給され、プライマーの少なくとも1つの組が、各標的核酸配列用であり、第1段階のマルチプレックスPCRが実施される。RNA標的が存在する場合、RT(逆転写)工程は、第1段階のマルチプレックスPCRに先立って、又はそれと同時に実施され得る。FilmArray機器における第1段階のマルチプレックスPCR温度循環は、例として、15〜30サイクルで実施されるが、特異的な用途の要件に応じて、他のレベルの増幅が望ましい場合がある。第1段階のPCRマスターミックスは、当該技術分野で公知であるように、様々なマスターミックスのいずれかであり得る。1つの例において、第1段階のPCRマスターミックスは、1サイクルにつき20秒未満かかるPCRプロトコールを用いた使用のための、すでに参照により組み込まれる米国特許第14/403,369号及び国際公開第2013/177429号で開示される化学のいずれかであり得る。
[0055] 第1段階のPCRが、所望のサイクル数を継続した後、試料は、例として、試料の大部分をブリスター548に戻して通して、ブリスター564中にほんの少量を残して、注入チャネル515iからの第2段階のPCRマスターミックスを添加することによって希釈され得る。或いは、515iからの希釈緩衝液を、ブリスター566に移動させた後、流体をブリスター564とブリスター566との間で前後に移動させることによってブリスター564中で増幅試料と混合されてもよい。望ましければ、希釈は、注入チャネル515j及びチャネル515kからの希釈溶液を使用して、数回繰り返してもよく、又は注入チャネル515kは、以下で論述するように配列決定した後に、注入チャネル515hからの第2段階のPCRマスターミックスを、希釈した増幅試料の幾つか又は全てに添加するために貯蔵されてもよい。希釈のレベルは、希釈工程の数を変更することによって、又は増幅用の構成成分、例として、ポリメラーゼ、dNTP及び適切な緩衝液を含む希釈緩衝液若しくは第2段階のPCRマスターミックスと混合する前に廃棄される試料のパーセントを変更させることによって調節され得るが、他の構成成分もまた、非PCR増幅方法に特に適切であり得ることが理解される。望ましければ、試料及び第2段階のPCRマスターミックスのこの混合物は、第2段階の増幅のための第2段階のウェル582への移動に先立って、ブリスター564中で予熱され得る。かかる予熱は、第2段階のPCR混合物においてホットスタート構成成分(抗体、化学物質又はそれ以外)の必要性を除去し得る。
[0056] 例としての第2段階のPCRマスターミックスは不完全であり、プライマー対を欠如しており、102個の第2段階のウェル582のそれぞれは、特異的なPCRプライマー対を個々に予め供給される。望ましければ、第2段階のPCRマスターミックスは、他の反応構成成分を欠如してもよく、これらの構成成分は、同様に第2段階のウェル582において予め供給されてもよい。プライマー対はそれぞれ、第1段階のPCRプライマー対に類似し得るか、若しくはそれと同一であってもよく、又は第1段階プライマー対内で入れ子状であり得る。ネステッドプライマーは、第1段階のプライマーのハイブリダイゼーション位置に対して内部である位置で、第1段階のアンプリコンにハイブリダイズするプライマーであることが理解される。ネステッドプライマーは、第1段階のプライマーと部分的に重複してもよいが、3’末端は、第1段階のプライマーの3’末端に対して内部に位置する。ブリスター564から第2段階のウェル582までの試料の移動は、PCR反応混合物を完成させる。高密度アレイ581が充填されると、個々の第2段階の反応は、当該技術分野で公知であるように、任意数の手段によって、各々の第2段階のブリスター中で密封される。相互汚染を伴わない高密度アレイ581を充填及び密封する例としての方法は、すでに参照により組み込まれる米国特許第8,895,295号で論述される。例として、高密度アレイ581のウェル582における様々な反応が、例として1つ又は複数のペルチェデバイスを用いて、同時に熱循環されて、第2段階のPCR反応を実行するが、熱循環に関する他の手段は、当該技術分野で公知である。
[0057] ある特定の実施形態において、第2段階のPCRマスターミックスは、dsDNA結合色素LCGreen(登録商標)Plusを含有して、増幅を示すシグナルを生成する。しかしながら、この色素は、単なる例であり、当該技術分野で公知であるように、他のdsDNA結合色素、及び蛍光的に、放射能で、化学発光的に、酵素的に、又は他で標識されるプローブを含む他のシグナルを使用してもよいことが理解される。或いは、アレイ581のウェル582は、シグナルを伴わずに、続く配列決定から報告される結果を提供してもよい。
[0058] 例としてのFilmArray機器は、PCR後融解に基づいて第2段階の反応のそれぞれに関する陽性又は陰性判定を行うようにプログラムすることができる。陽性判定は、相当するウェル582に関して、成功した第2段階のPCR反応を示し得る。陽性判定はまた、第2段階のPCR反応で生成されるアンプリコンの量が、配列決定を可能にするのに十分であることを示し得る。陽性判定はまた、第2段階のPCR反応が、実質的に均質な分子種であるアンプリコンを産生したことを示し得る。陰性判定は、相当するウェル582に関して、失敗した第2段階のPCR反応を示し得る。陰性判定はまた、第2段階のPCR反応で生成されるアンプリコンの量が、配列決定を可能にするのに十分ではないことを示し得る。陰性判定はまた、第2段階のPCR反応が、実質的に均質な分子種であるアンプリコンを産生しなかったことを示し得る。一実施形態において、融解曲線は、陽性であるべき判定に関して、予め規定される温度範囲内に融解ピーク(例えば、一次導関数最大値又は負の一次導関数最大値)を生じなくてはならない。第2段階の反応のそれぞれを判定するこの方法は、単なる例であり、判定は、当該技術分野公知であるように、リアルタイム増幅データを使用して、若しくは他の手段によって行うことでき、又は判定は、続く配列決定が実施されるまで先送りされてもよいことが理解される。
[0059] 例として、機器が、陽性又は陰性判定を行うように構成される場合、機器は、続く配列決定に関して陽性の結果を生じるウェルのみに印を付すようにプログラムされ得る。幾つかの実施形態において、陽性判定と、配列決定用に印を付されたウェルとの間に1対1の一致が見られ得る。他の実施形態において、配列決定用に印を付されたウェルは、陽性判定を生じるウェルと1対1の一致を有し得ない。例えば、FilmArrayポーチ510の第2段階580は、反復ウェル、例として二重反復又は三重反復ウェルでスポットされ得る。それらのウェルの1つ又は複数が、陽性で現れる場合、当該標的配列の複製物全てが、配列決定用に印を付されることが望ましい場合がある。他の実施形態において、複製物のそれぞれに関して唯一のウェルを、配列決定に関して印を付すことが望ましい場合がある。さらに他の実施形態において、対照として使用されるウェルは、続く配列決定用に印を付されてもよく、又は印を付されなくてもよい。さらに他の実施形態において、ウェルは全て、陽性若しくは陰性の増幅判定を伴って、又は伴わずに配列決定され得る。
[0060] FilmArrayが、未精製の生物学的試料由来のPCRに基づいて、陽性又は陰性の結果を提供するのに有用である一方で、未精製の生物学的試料から、特異的なRNA及びDNA標的の配列へと進む方法もまた有用である。1つの例としての実施形態において、手順は自動化されてもよく、8時間未満、さらに例としては5時間未満、さらに例としては3時間又はそれ未満かかってもよく、配列の25個以上の塩基、例として多重アンプリコン、例として最大1000個のアンプリコンに関する配列の最大200個の塩基を提供し得る。例として、未精製の試料(サンプル)からシーケンスまでのプロセスは、アンプリコン混入の機会を最低限に抑えるように閉鎖系で行われる。
[0061] FilmArrayポーチ510の第2段階の580は、所望の標的に対するアンプリコンを生成させるのに使用される。2工程PCRのため、本質的に均質なアンプリコンが、第2段階のウェル582のそれぞれにおいて生成される。その各々のウェル582におけるアンプリコンのバッチのそれぞれが独立して、当該技術分野で公知の配列決定方法によって配列決定され得る。例えば、アンプリコンのバッチのそれぞれが、Ion Torrent(Life Technologies)、454(Roche)、SOLiD(ABI)、HiSeq又はMiSeq(Illumina)及びPacific Biosciencesなどの次世代配列決定(NGS)に関して、当該技術分野で公知の幾つかの技法のいずれか1つによって配列決定することができる。
[0062] 多くの成功したFilmArrayポーチの実行において、第2段階のアレイ581におけるウェル582中の陽性シグナルは、アンプリコンの実質的に純粋な単一種を表す。アンプリコンのこの単一種は、必ずしも分子クローンであるとは限らない。例えば、デジタルPCR、エマルジョンPCR、又はプラスミドへの分子クローニングは、元の核酸分子の空間的に分離された分子クローンを生成させる全ての方法である。対比して、第2段階のアンプリコンは、多くの同一の又は密接に関連した鋳型分子によって生じる。しかしながら、第1段階の濃縮及び希釈のため、第2段階のPCRの最終結果は、主に「単一の分子種」と本明細書中で称されるアンプリコンの単一種である。本明細書中で使用する場合、単一の分子種は、必ずしも分子クローンであるとは限らず、配列決定を可能にするのに十分な1つの優勢種であることが理解される。
[0063] 幾つかの実施形態において、第2段階のPCRにおいて発生するアンプリコンの融解曲線は、これらのアンプリコンが、本質的に均質であることを示す。融解曲線分析が、非特異的な二重鎖DNA結合色素LCGreen(登録商標)Plusを用いてFilmArray機器で実施することにより、単一のピークが生じ、第2段階のPCR産物が、単一の意図されるアンプリコンに支配されて、相当量のプライマー−二量体種又は非特異的なアンプリコンを含まないことを示し、2工程ネステッドマルチプレックス増幅が、単一の分子種を生成させることを実証している。
[0064] 幾つかの実施形態において、標的核酸配列は、試料において非常に低コピー数で存在する。標的核酸は、試料全体の非常に少量の部分を構成することができ、及び/又は他の核酸が存在し得る。例えば、PCRベースの病原体検出用途において、目的の病原体は、試料において非常に低コピー数で存在してもよく、試料は、大過剰の他の核酸、例としてヒト核酸(例えば、血液)又は他の微生物学的ゲノム(例えば、便)が混入されてもよく、複雑な核酸混合物をもたらし得る。従来の単一段階のPCR検出システムにおいて、この複雑な核酸混合物由来の単一段階のPCR増幅は多くの場合、所望の特異的なアンプリコンに加えて、多重の非特異的な産物をもたらす。したがって、従来の単一段階のPCR検出システムは多くの場合、正確なアンプリコンを単離して、及び/又は正確なアンプリコンの同定を確認するのに、基礎的な単一段階のPCRに加えて、第2の検出メカニズム又は「フィルター」を必要とする。このフィルターは、標的アンプリコンを同定するためのサイズ排除工程(例えば、アガロース又はアクリルアミドゲル)、プローブベースの検出方法(例えば、加水分解プローブ又は2つのハイブリダイゼーションプローブを使用した)又は表面(GenMark Diagnostics, Inc.、カールスバッド、カリフォルニア)への、又は保管することができるビーズ(Luminex Corporation、オースティン、テキサス)への配列捕捉を使用した配列捕捉方法を含むことができる。
[0065] 幾つかの実施形態において、2工程PCRは、本質的に均質であるアンプリコンを生成させるため、第2の検出メカニズム又は「フィルター」を省略することができ、第2段階のPCRにおいて発生するアンプリコンを直接配列決定することができる。したがって、第2段階のPCRによって生成されるアンプリコンは、当該技術分野で公知の任意の手段によって直接配列決定することができる。
例として、アンプリコンの一部をウェルに係留させることによって、例としては、当該技術分野で公知であるように、第2段階のプライマー又はアンプリコンをウェルの底部に共有結合させて、続いてIon Torrent、454、Illumina又はABI(SoLiD)のNGS技術、又は他の配列決定方法に基づき得る次世代配列決定方法を使用することによって、集団を配列決定することが可能であるはずである。他のシステムとは異なり、この続く配列決定は、第2の段階のウェルの1つ又は複数内で自動的に遂行されてもよい。
[0066] 実施例1
[0067] この実施例において、アンプリコンの1つの鎖は、配列決定に先立って、ウェルの底部に係留されている(図2A)。1つの例では、係留されたアンプリコンを供給する方法の1つは、一方が正常な5’OHを有し、且つ他方が、ウェル表面に架橋させることが可能である5’末端に供給される化学部分を有する5’伸長を有する、2つの形態のオリゴヌクレオチドの1つ(例として、フォワードプライマー)を合成することである。この目的で、当該技術分野で公知である様々な化学が存在する。これは、反応ウェルに係留されたフォワードプライマーの幾つか及び溶液中で遊離したフォワードプライマーの幾つかを供給する。溶液中で遊離したフォワードプライマーは、増幅反応の動態を改善するのに供給されることが理解される。第2段階のアレイ581に供給するための1つの例としての方法は、例として、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2013/158740号及び米国特許第14/395,002号に記載されるデバイスなどを使用して、二度アレイをスポットすることである。例として、第1回のアレイ581をスポットして、化学的に修飾されたプライマー24を、アレイ581のウェル582のそれぞれに付加させる。続いて、化学的に修飾されたプライマー24をウェル582に架橋して、続いてカップリング反応をクエンチして、アレイへの分子のさらなる架橋を防止し得る。アレイ581を乾燥させて、次に、リバースプライマー32、及び任意選択により他のPCR構成成分で再びスポットし得る。任意選択により、未修飾のフォワードプライマー26をスポットして、プライマー濃度の増加を提供して、PCR増幅の動態を改善し得る。しかしながら、アレイ581をスポットするこの方法は、単なる例であり、化学的に修飾されたプライマー24(図2Aに示すような)、未修飾のフォワードプライマー26、及びリバースプライマー32に、一度に、又は任意の順序でスポットしてもよいことが理解される。他の実施形態において、化学的に修飾されたプライマー24は、リバースプライマー32をスポットするのと一緒に、又はそれに先立ってスポットしてもよく、未修飾のフォワードプライマー26を省略し得る。例として、リバースプライマー32は、アレイ581における全てのリバースプライマーに関して同じである5’伸長配列20を有し得る。この「ユニバーサルプライマー」は、後に配列決定反応中に使用されるように供給される。溶液中で遊離した幾つかのフォワードプライマーが供給される例としての実施形態において、PCR反応の大部分が溶液中で行われるが、アンプリコン28の一部は、アレイ581におけるウェル582に係留されている係留されたアンプリコン29の形態で存在する(図2Aを参照)。
本明細書中の実施例の多くは、1つ又は複数のプライマーをアレイ上の試料ウェル又はスポットに係留させることについて記載している。しかしながら、係留が論述される場合、これは、配列決定位置へ移動させることができるビーズを含む任意の固体表面へ係留させることを含み得ることが理解される。
[0068] 実施例2
[0069] この実施例において、配列決定チップとしての第2段階のPCRアレイ580の幾何学の例について記載する。図3は、例としてのアレイ581の部分的分解組立図を示す。この例としての実施形態において、ケイ素層589は、アレイ581の底部上に構築されて、例として、米国特許第8,895,295号で論述されるように第2の層587(図示せず)を置き換えて、ウェル582のそれぞれにおいて底部表面を形成する。
[0070] 上述するように、相互汚染を伴わずに高密度アレイ581を充填及び密封する例としての方法は、すでに参照により組み込まれる米国特許第8,895,295号で論述されている。図3に示す1つの例としての実施形態において、米国特許第8,895,295号の穿孔層585に類似した穿孔層585が提供される。穿孔層585は、力の存在下で流体がウェル582のそれぞれを通過するのを可能にするが、穿孔は、力の非存在下では、流体が通過するのを実質的に防ぐように十分小さい。しかしながら、再水和中にプライマーを適所に保つ化学的メカニズムは、続く配列決定工程においてほとんど妨害を提供しないように、本実施形態において、穿孔層として存在してもよく、又は穿孔層よりも望ましい場合もあることが理解される。化学的メカニズムを用いる一実施形態において、「溶液相」フォワードプライマー26及びリバースプライマー32を、溶融した低融解アガロースの溶液、例えばUltraPure(商標)Low Melting Point Agarose(Life Technologies)と組み合わせてもよく、その後、それらが最初に溢れた場合にそれらがアレイから流れ出ないようにスポットするが、化学的メカニズムに関する他の材料が、当該技術分野で公知であり、それらの幾つかは、米国特許第8,895,295号で論述されている。第2段階のアレイ581を溢れた後は、アレイ581におけるウェル582は、米国特許第8,895,295号で論述される機器においてブラダーを膨らませること、及び米国特許第8,895,295号に記載されるように、層518と同じか、又は類似した薄膜518に対して押し込むことによって密封して塞ぐ。低融解アガロースを使用した実施形態において、ウェル582が密封されると、アレイの加熱により、溶液中にフォワードプライマー26及びリバースプライマー22が放出される。アレイ581は、主にケイ素で作製されてもよく、又はケイ素層589を備えてもよく、米国特許第8,895,295号で論述されるように、材料の残部は、アレイ581に類似しており、又は他の材料で作製されてもよく、且つアレイ581を横切って流れる液体が、ウェル582に進入することが可能であり、また新しい化学物質を導入するか、若しくはこれまでの化学物質を洗い流すように構成される。深さ約50μm〜約500μmを有するアレイ581を提供することが望ましい場合があるが、配列方法及び形態に応じて、他のサイズが適切である場合もある。
[0071] 図1を参照すると、第2段階の反応ゾーン580は、2つのポート、チャネル565及びチャネル567を備えており、それらはそれぞれ、圧力又は他の手段によって密封され得る。チャネル565は、ブリスター566から液体を受け取るために提供され、ブリスター566は、多重進入チャネルに接続して図示される。注入チャネル515kは、配列決定用の材料を含有し得るか、又は配列決定に必要とされる材料に関する外部供給源への接続を可能にするバルブ又は密封可能なポートを有し得る。同様に、注入チャネル515lは、配列決定から廃棄物材料を受け取ってもよく、又は別の廃棄物容器への接続のためのバルブ又は密封可能なポートを備えてもよい。したがって、この例としての実施形態において、液体は、注入チャネル515kから、チャネル565を通って、アレイ581のウェル582全て及び出口チャネル567を横切って、廃棄物リザーバ515lまで流れる。流体が、第2段階の増幅ゾーン580へ移動すると、出口チャネルは密封されたままであり得ることが理解される。これが、アレイ581上に流体の泡を形成して、攪拌によりアレイ上に均質化された流体が創出され得る。チャネル565及びチャネル567の同調した開放及び閉鎖は、アレイ581を通る流体の量を制御することができる。
[0072] 第1段階のアンプリコン21(図2A(i)及び図2A(ii))の増幅に続いて、例として、配列決定が、下記工程によって実施され得る:
1)例として加熱することによって、係留されたアンプリコン29を変性させること、及びアレイから未結合の鎖30を洗浄すること(図2A(ii)及び(iii))。これもまた、未結合のアンプリコン28全てを洗い流すことが理解される。
2)配列決定プライマー32をユニバーサルテイル20へアニーリングさせること、及び開始複合体を形成するためにDNAポリメラーゼ34を供給すること。未結合の配列決定プライマー及び未結合のDNAポリメラーゼを洗い流すこと(図2B(iv)及び図2B(v))。
3)配列決定。DNAポリメラーゼが、結合鎖29に沿って移動して、結合鎖29の配列を増幅する合成によって、配列決定が実施され得る。ヌクレオチドA、T、C及びGはそれぞれ個々に供給され、個々のdNTPの組込みが測定されて、それにより結合鎖29のヌクレオチド配列が明らかとなる。個々のdNTPの組込みは、当該技術分野で公知の方法(例えば、プロトン生成(Ion Torrentと同様)、蛍光又は化学発光(Roche 454と同様)、又は配列決定方法に適切であるような任意の他のシグナル)によって測定することができる。アレイ581を洗浄して、配列が生成されるまで、これを繰り返す(図2B(vi)及び図2B(vii))。
[0073] 代替的な実施形態において、PCRは、リアルタイム曲線及び/又は融解物を用いてポーチ510において実施されてもよく、続いてウェル582のそれぞれが密封されて、ポーチ510の第2段階の増幅ゾーン580は、配列決定用の第2の機器へ移動される。上記で論述するようにフォワードプライマーを係留することは、ウェルからウェルへの混入を防止する方法の1つであり得るが、例としてウェル582を密封することによって、他の方法が可能であり得る。したがって、係留することは、使用する配列決定方法に応じて、任意選択的であり得る。
[0074] 他の配列決定方法が、かかるシステムで使用され得ることは理解される。かかる例としての方法の1つは、アンプリコンをウェルに連結させることを必要とせず、むしろ単一の分子配列決定方法を使用する(Oxford Nanopore、Wolna AH等を参照、Electrical Current Signatures of DNA Base Modifications in Single Molecules Immobilized in the α-Hemolysin Ion Channel. Isr J Chem. 2013 Jun 1; 53(6-7):417-430. PubMed PMID:24052667; PubMed Central PMCID: PMC3773884)。かかる代替的な実施形態において、アレイウェル582は、単一のチャネルを有するチャンバーに接続されてもよく、又はそれと統合されてもよく、ウェル582における第2段階のアンプリコンの集団は、アンプリコンがチャネルを通じて位置を変える際に、1塩基読み取られる。このチャンバーへの接続が、ポーチ510へと構築させることができ、又はそれが、第2段階のPCR実行が完了した後に行われ得る(アンプリコンが、それら個々のウェルへ分離された状態である限り)。例として、増幅後に、アレイ581の片側が、ウェルのそれぞれ上に配置される単一のタンパク質ナノポアチャネルを有する薄膜の層上へ密封される。チャネルの他方の側にはさらなる流体が存在し、その結果ウェル582とさらなる流体との間に、タンパク質ナノポアチャネルを通って電流が印加され得る。次に、Oxford Nanoporeのように、又は類似した方法によって、タンパク質ナノポアチャネルを通って移動すると、配列決定はアンプリコンに関して実施することができる。例として、Oxford Nanoporeは、タンパク質ナノポアチャネルとしてタンパク質α−ヘモリジンを使用する。タンパク質ナノポアは、脂質二重層中に配置されて、開放を通じて単鎖DNA分子の位置を変えるのに十分なサイズの開放を有する。単鎖DNA分子がナノポアを通ると、他の場合ではナノポアを横切って流れるプロトン及び他のイオンが妨害されて、その結果としてナノポアを通る電流が変更される。Oxford Nanoporeシステムでは、単鎖DNA分子の個々の塩基の独自性(A、T、G又はC)は、電流におけるこの変さらによって個々に識別することができる。したがって、個々の塩基対に相当する電流変さらによって引き起こされる電位の変化を測定することによって、単鎖DNA分子内の個々のヌクレオチドの配列を確認することができる(Maglia, Giovanni, et al. "Analysis of single nucleic acid molecules with protein nanopores." Methods in enzymology 475(2010): 591-623及びClarke, James, et al. "Continuous base identification for single-molecule nanopore DNA sequencing." Nature Nanotechnology 4.4(2009): 265-270を参照)。しかしながら、Oxford Nanoporeシステムは例であり、他の配列決定形態が意図されることが理解される。別のバージョンでは、Pacific Biosciences of Menlo Park、カリフォルニアによって開発された方法に類似して、配列決定ウェルは、小さな光検出容量を創出する底部表面上にゼロモードの導波管を含む。ゼロモードの導波管のそれぞれが、励起ビームによって下から照射されて、ゼロモードの導波管は、光の波長が、導波管を効率的に通過するのを防ぎ、それにより、励起ビームからの衰弱した光を、ゼロモードの導波管のそれぞれの20〜30nm下を透過するのを可能にする。続いて、アンプリコン及びDNAポリメラーゼ複合体の複合体は、ゼロモードの導波管の底部に係留されている。次に、ホスホ連結されたヌクレオチドをウェルに添加する。4つのヌクレオチドはそれぞれ、異なる有色のフルオロフォアで標識することができる。DNAポリメラーゼ複合体がアンプリコンを増幅すると、個々のホスホ連結されたヌクレオチドは、新生鎖に組み込まれ、個々のホスホ連結されたヌクレオチドのそれぞれの蛍光色が、順番に検出されて、アンプリコンのヌクレオチド配列を決定することができる。元のウェル1つにつき多重のポリメラーゼが存在するため、ポリメラーゼのそれぞれによって維持される鎖のそれぞれへのヌクレオチドの組込みは、最良の結果に同調されるべきである。
[0075] 単一の分子種が2工程ネステッドマルチプレックスPCRに起因することを実証するための1つの例において、FilmArrayの第2段階のアンプリコンが配列決定されている。FilmArray BCID Panel(BioFore Diagnostics)における偽陽性の試験結果の研究の一部として、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)、大腸菌(Escherichia coli)、及びストレプトコッカス・ミティス(Streptococcus mitis)を含む生物の混合物は、市販のFilmArray BCID Panel及び実験ソフトウェアを使用して試験した。乏しい増幅を示す、非常に遅いCps弱偽陽性の結果は、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)の第2段階のウェルにおいて検出された。
[0076] これらの陽性の第2段階のウェルのそれぞれからのアンプリコンを、インスリンシリンジを用いて、第2段階のアレイ上のウェルのそれぞれを穿孔すること、及びアンプリコンを含有する溶液を引き抜くことによってポーチから抽出した。次に、BCIDパネルの第2段階で使用するのと同じカンジダ・クルセイ(Candida krusei)内側プライマーを使用して、CFX機器(Bio-Rad)においてアンプリコンをさらに20サイクル増幅させた。続いて、このさらに増幅した材料を、ABI機器でサンガー配列決定によって配列決定した。51個のヌクレオチド(フォワードプライマー)及び75個のヌクレオチド(リバースプライマー)に関して、20を超えるPhred品質スコアを有するフォワード及びリバースプライマーの両方を使用して、読取り可能な配列を得ることができる。表1は、GenBankデータベース(National Center for Biotechnology Information)に対する近接配列(フォワード及びリバース配列の重複領域から作製される)のBLASTアルゴリズムを使用した配列比較の結果を示す。
[0077]
[0078] これらのデータにより、BCIDパネルの第2段階におけるC.クルセイ(C. krusei)アッセイが、ストレプトコッカス・ミティス(Streptococcus mitis)ゲノムの領域を特異的に増幅していることが示される。これにより、配列を産生するPCRが、アンプリコンが豊富でなかったことを示す非常に遅いCpを有する場合でさえ、BCIDパネルにおいて2工程ネステッドマルチプレックスPCRから、良好な配列データを得ることができることが実証される。
[0079] 実施例3
[0080] この実施例では、2工程PCRシステムにおけるヌクレオチド配列決定の例としての実施形態について記載する。ここで図4を参照すると、図4は、図1に類似しており、同様の参照数字は、類似した構成要素を示す。この実施形態において、ウェル582を有するアレイ580が、スポット682(多くの場合、フィーチャと称される)を有するマイクロアレイ680で置き換えられる。スポット682は、それらの上に堆積される少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを有するアレイの領域である。スポット682の1個当たりに1つの均質な群のオリゴヌクレオチドでスポットしたことが、本明細書中で例として使用されるのに対して、スポット682のそれぞれが、プライマー対の両方のメンバーを有してもよく、又はその上にスポットされた1組のネステッドオリゴヌクレオチドを有してもよく、また他の形態が可能であることが理解される。したがって、各組が、1つ又は複数のオリゴヌクレオチド種であり、組が、標的に特異的である場合に、スポット682のそれぞれが、その上にスポットされた1組のオリゴヌクレオチドを有することが理解される。
[0081] 1つの例としての実施形態において、1つのオリゴヌクレオチド種が、スポット682のそれぞれにおいてスポットされ、それを使用して、アンプリコンの一方の末端を伸長させて、複数のスポット682のそれぞれが、その上にスポットされた異なるオリゴヌクレオチド種を有する。アレイ680のスポット682のそれぞれが、異なる種を有してもよく、又は反復(例として、二重反復又は三重反復)スポット、又はそれらの任意の組合せが存在し得ることが理解される。
[0082] 以下でより詳細に論述する別の例としての実施形態において、プライマー対の2つのメンバーが、アレイ上の同じスポット682でスポットされ、当該スポットでブリッジPCRが可能となり、その結果、スポット682全体が、一方又は他方の末端によって留められるアンプリコンを覆うようになる。ブリッジPCRを無作為に使用する従来技術の次世代シーケンサーは、プライマーを、フローセル全体を横切って堆積させ、アレイ上に堆積されたライブラリーの任意の単一のメンバーの増幅を可能にする。単一のスポット682においてプライマー対の両方のメンバーをスポットすることによって、標的配列が存在する場合のみ、当該スポット682から配列が得られる。したがって、当該スポットから配列を得ることにより、配列が提供されるだけでなく、当該標的に関する陽性判定が提供され得る。
[0083] 例として、アレイ680の基板材料はガラスであり得る。例として、(1)高い負荷密度でオリゴヌクレオチドをガラスにカップリングするための化学が十分に理解されているため、(2)平坦性及び伸びの欠如は、アレイプリンターが小さなスポットを互いに非常に近くに配置することができることを意味するため、及び(3)ガラスは、比較的低い自己蛍光を有し、その結果、アレイ上の蛍光色素に関するシグナルノイズ比がより検出しやすいため、多くのマイクロアレイはガラス表面上で作製される。ガラスアレイの、ポーチ610への組込みは、ガラスアレイ680の破損を低減するために、アレイ680周辺又はポート610周辺に硬質なフレームを置く必要がある場合がある。
[0084] しかしながら、他の材料をアレイ680に使用してもよいことが理解される。オリゴヌクレオチドをプラスチックに結合する方法は、当該技術分野で公知である。幾つかの実施形態において、プラスチックアレイは、下記:(1)プラスチックが、他のプラスチック構成要素に容易に結合すること、及びポーチ610へより容易に組み込ませることができること、(2)可撓性プラスチックを使用してもよく、その結果、ポーチ610にストレスがかかった場合に、アレイ681はあまり脆弱性ではないことのうちの1つ又は複数を有し得る。プラスチックマイクロアレイは、(a)比較的大きなスポットを作製することができ、そのため、シグナルが比較的大きく、スポッティングの精度は重要でない(アレイ面積1平方cm上に256個のスポット=0.39mmの平方スポット)ため、プラスチックマイクロアレイは、ポーチ610において良好に機能する。このサイズのスポットは、マイクロアレイ基準で非常に大きい。比較により、市販のFilmArrayウェルは、1.98mm面積の円である(ウェルは、直径1.59mmである)。より大きなスポットは、より大きなシグナルを発生し、これは、蛍光ヌクレオチド組込みを画像化するためのカメラが、より少数の感知要素を必要とすることを意味し、又はpH変化を感知するのに使用されるシリコンチップは、より少数のトランジスターしか必要とせず、これにより、どちらのデバイスも製造するのにより安価となり、また(b)プラスチックは、低い自己蛍光を有し、さらに比較的高密度でオリゴヌクレオチドと結合できることもある。512個のスポット若しくはそれ未満、又は256個のスポット又はそれ未満、又は任意数のスポットが意図されることが理解される。
[0085] 本明細書中に記載する例としてのアレイは、5’末端でウェル682に係留されたオリゴヌクレオチドを有し得ることが理解される。その意味で、それらは基板(例えば、ウェル)の3’末端によって結合されるオリゴヌクレオチドを有する当該技術分野で多くの公知の他のアレイ、例えばAffymetrixアレイとは異なる。したがって、Affymetrixアレイは、ハイブリダイゼーションにのみ使用することができ、例としてのアレイのような増幅反応におけるプライマーとして伸長に使用することができない。
[0086] 3’から5’へのエキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼ(例えば、T4 DNAポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ又はVent DNAポリメラーゼ)は、DNAポリメラーゼとして作用することに加えて、下記のさらなる活性を実施することができる(dNTPの存在下で):(1)二重鎖DNAの3’オーバーハングから塩基を除去すること、及び(2)一本鎖DNAをヌクレオチドへ分解すること。(New England BioLabs, New England. "New England BioLabs catalog and technical reference." Beverly, MA: New England Biolabs(2014)and BEBENEK, K. et al.(1989)Nucl. Acids Res. 17, 5408を参照、参照により本明細書に組み込まれる)。幾つかの実施形態において、これらのさらなる活性を有するこれらの3’から5’へのエキソヌクレアーゼDNAポリメラーゼは、2工程ネステッドマルチプレックスPCRで有用である。ある特定の商業的な実施形態において、第1段階のPCRの最後に、ネステッド第2段階反応に先立って、反応混合物を、例として100〜250倍に希釈して、新たな内側ネステッドプライマーが使用される(第1段階のプライマー内で入れ子状であるプライマー)。これは、第1段階のPCRプライマーが、任意のプライマー二量体を増幅し続けるのを防ぐために行われ、増幅曲線における非特異的な上昇するベースライン、及び第2段階のPCRにおける大きく、幅広い融解ピークを回避する。dNTPの存在下での3’から5’へのエキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼ(例えば、エキソ+DNAポリメラーゼ)の例としての処理により、二重鎖アンプリコンへ組み込まれなかった第1段階のプライマーが分解される。正確なアンプリコン、非特異的なアンプリコン及びプライマー二量体は全て二重鎖であり、そのためそれらは、無傷のままであるはずである。第1段階のPCRプライマーを用いない場合、第1段階のPCRから提示されるプライマー二量体は、第2段階のPCRにおいて増幅しないはずであり、したがって、第1段階のPCRと第2段階のPCRとの間でより小さな希釈(又は希釈なし)が可能であり、それは、第2段階のアンプリコンが、バックグラウンド上に現れる(第2段階の反応において、より早期のCpを有する)のにより少ないサイクルが必要とされることを意味する。
[0087] さらに、エキソ+DNAポリメラーゼ処理は、低コピー数で存在する非常に複雑なゲノムのセグメント(ヒトゲノムDNA、cDNAに変換されるヒトmRNA(RT-CR工程が使用される場合)、並びに非増幅病原体、及び存在し得る混入など)を分解する。これは、標準的なPCR循環条件(特に、アニーリング工程)が、低コピーの非常に複雑なDNAが再アニーリングするのを防ぐのに十分速い可能性があり、したがってエキソ+活性によって分解されるので起こり得るが、より高いコピー数で存在する幾つかの配列は、再アニーリングし得る。この工程でエキソヌクレアーゼを使用する利点は、それが第2段階のPCR反応に進入するDNAの配列複雑性を低減することである。これは、LCGreenなどの二重鎖DNA結合色素によって検出することができる第2段階のPCRにおける非特異的な増幅をあまり生じ得ない。したがって、誤った増幅からのシグナル妨害をあまり伴わずに、さらなるサイクルを第2段階のPCRに付加することが可能であり得る。
[0088] 1つの例において、ポーチ610において、100〜225倍の総希釈に等しいそれぞれ約10〜15倍の2回の連続希釈は、注入チャネル616h、615i及び/又は615jからの構成成分を使用して行われる。このレベルの希釈を実施することの代わりとして、1つの例としての実施形態において、少量のエキソ+ポリメラーゼは、循環の最後に、例として注入チャネル615hから第1段階のPCRに直接添加することができる。これは、高度に多重化される第1段階のPCR中に存在する多数のプライマーのため、より長い消化を必要とし得る。ほんのわずかな標的が、通常任意の単回の実行で増幅するため、これらのプライマーの大部分が、依然として一本鎖のままであることが理解される。しかしながら、第2段階のPCRにおける速度の低減の任意の利点は、この大きな消化を実施するのにかかる時間によって損失され得る。したがって、エキソ+消化に先立って、又はそれと同時に、例として10〜15倍の単回の希釈を実施することが望ましい場合がある。例として、エキソ+酵素がT4又はT7である場合、混合物は、各々第1段階のPCRプライマーを分解させるのに十分な時間、37〜42℃でインキュベートされ得る。この工程の最後に、混合物を、エキソ+酵素を不活性化させるのに十分長い時間、80〜90℃に加熱し得る。続いて、この混合物は、第2段階のアレイ681を横切って溢れ得る。
[0089] 幾つかの実施形態において、3’から5’へのエキソヌクレアーゼを有するVent DNAポリメラーゼが使用され、Ventポリメラーゼによる第2段階のPCRプライマーの不活性化を防止する工程を行わなくてならない。Ventポリメラーゼは、熱不安定性ではなく、そのためそれは、第2段階のPCR増幅を実行する前に熱によって不活性化することはできない。Ventポリメラーゼの3’から5’へのエキソヌクレアーゼ活性による第2段階のPCRプライマーの不活性化を防止するために、Ventポリメラーゼの濃度は、それが第2段階のプライマーを分解しない程度に十分低いレベルに滴定され得る(Barnes WM. PNAS USA. 1994 Mar 15; 91(6):2216-20. PMID: 8134376を参照、これは、KlenTaqポリメラーゼ及びVent DNAポリメラーゼの混合物の使用について記載しており、ここで、KlenTaqは、混合物の主要な構成成分を構成し、Vent DNAポリメラーゼは、混合物の微量構成成分である)。また、オリゴヌクレオチドの3’末端でホスホロチオエート結合を伴って少数の塩基を含有する第2段階のプライマーを、これらの塩基が3’から5’へのエキソヌクレアーゼDNAポリメラーゼのエキソ+活性による消化に耐性であるため使用することが可能である(Chrisey, L.A.(1991)Antisense, Research and Development 1(1), 65-113; Spitzer, S.; Eckstein, F.(1988)Nucl. Acids. Res. 16(24), 11691-11704. Connolly, B.A.; Potter, B.V.L.; Eckstein, F.; Pingoud, A.; Grotjahn, L.(1984)Biochemistry 23, 3443-3453; Stein, C.A.; Pal, R.; Devico, A.L.; Hoke, G.; Mumbauer, S.; Kinstler, O.; Sarngadharan, M.G.; Letsinger, R.L.(1991)Biochemistry 30(9), 2439-2444. Sayers, J.R.; Olsen, D.B.; Eckstein, F.(1989)Nucl. Acids Res. 17(22)9495. Manson, J.; Brown, T.; Duff, G.(1990)Lymphokine Research 9(1), 35-42. Woolf, T.M.; Jennings, C.B.G.; Rebagliati, M.; Melton, D.A.(1990)Nucl. Acids Res. 18(7), 1763-1769. Leiter, J. M.E.; Agrawal, S.; Palese, P.; Zamecnik, P.C.(1990)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87(9), 3430-3434. Reed, J.C.; Stein, C.; Subasinghe, C.; Haldar, S.; Croce, C.M.; Yum, S.; Cohen, J.(1990)Cancer Research 50(20), 6565-6570; Iyer, R.P.; Egan, W.; Regan, J.B.; Beaucage, S.L.(1990)J. Am. Chem Soc. 112, 1254-1255. Iyer, R.P.; Phillips, L.R.; Egan, W.; Regan, J.B.; Beaucage, S.L.(1990)J. Org. Chem. 55, 4693-4699; Dagle, J.M.; Weeks, D.L.; Walder, J.A.(1991)Antisense, Research and Development 1(1), 11-20. Maher, L.J.; Dolnick, B.J.(1988)Nucl. Acids Res. 16, 3341-3358. Walkder, R.Y.; Walkder, J.A.(1988)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85, 5011-5015を参照、それらの全体が参照により組み込まれる)。
[0090] 第2段階のPCR反応の複雑性を低減することに加えて、エキソ+DNAポリメラーゼはまた、より長い第1段階のPCRアンプリコンを、それらの3’末端で、配列決定に使用されるユニバーサルプライマー配列の相補体を含有するより短い第2段階のPCRアンプリコンへ変換するのに使用することができる。
[0091] 幾つかの実施形態において、ある特定の配列決定方法(例えば、Illumina SBS又はIon Torrent)は、単一のクローン集団からの配列決定読みよりを決定する。一塩基多型(SNP)並びに挿入及び欠失(In/Del)は、単一のクローン集団から決定されるこれらの配列において曖昧さを引き起こさないことが理解される。したがって、多重配列読取りにわたって配列を比較することによって、SNP及び/又はIn/Delは、配列決定される分子の集団に位置することができ、続いてSNP及びIn/Delにおける特異的な変化を決定することができる。他の実施形態において、配列が、単一のクローン集団から決定されない場合、分子の多重集団が配列シグナルに寄与し得るため、SNP及びIn/Delは、配列において曖昧さを引き起こし得る。幾つかの場合において、配列におけるこれらの曖昧さは、同じ理由で従来のサンガー配列決定において生じ得る。当該技法と同様に、SNPが、1つの特定の位置で2つの異なる塩基として現れる点で、多型の性質を決定することが可能であり得る。同様に、一塩基挿入は、当該塩基位置まで単一の配列として、その後、互いの一塩基フレームシフトである2つの配列の混合物として現れる。この情報を解いて、それがサンガー配列決定に関して行われた通りに、SNP及びIn/Delを決定することが可能であり得る。
[0092] 図4を参照すると、例としてのアレイ681は、100個〜1000個のスポットを有し得るが、より多くの、又はより少ないスポットが可能であり、幾つかの場合において、例として25mm×25mmのアレイ全体を用いた場合に、スポットは例として直径2mmであり得る。しかしながら、このサイズは、単なる例であり、任意数のスポット及び任意のサイズのアレイが意図される。一実施形態において、このアレイ上のスポットは、例としてブリスター664において、第1段階の増幅で生成される所定のアンプリコンに関して、1対の内側プライマーの両方を含有する。内側プライマーのそれぞれが例として、ユニバーサルフォワード又はユニバーサルリバースプライマー(例えば、幾つかの異なるNGS法においてライブラリー産生中に導入される共通配列決定プライマーに類似している)のいずれかに相補的であるさらなる配列を、それらの5’末端に有する。一実施形態において、スポットの位置が、当該スポット中に存在するアンプリコンに関する情報、したがって、当該スポットで生成される配列の独自性をコードするため、次世代配列決定で一般的に使用されるようなバーコードプライマー配列を省略してもよい。
[0093] 多数のサイクル(特異的なアッセイに応じて、約10〜約26回のサイクル、ここで、10回のサイクルは、大量の病原体が、また26回のサイクルは、あまり大量でない標的が、第1段階のPCRにおいて産物形成の飽和に達するのに十分であり得る)後、この第1段階のPCR材料は、上述するようにアレイ681へ溢れる。一例において、試料は、熱いうちにアレイ681に移行されて(その結果、PCR産物は変性される)、冷却されて、アレイ681上でプライマーにハイブリダイズする。第2段階の増幅ゾーン680に進入するDNAポリメラーゼ及びdNTPは、ハイブリダイズされる係留されたオリゴヌクレオチドを伸長することができる。例として、配列決定が、アレイ上の係留されたオリゴヌクレオチドの単回の伸長切り離し後に実施され得る場合、第1段階の増幅産物は、希釈されてもよく、又は希釈なしで使用されてもよい。伸長後、余分な材料は、チャネル665を通って戻って、又はチャネル667から押し出すことができ、新たなPCR緩衝液、酵素及びdNTPは、進入ウェル615i、615j及び615kのいずれか又は全てから導入され得る。これは、全ての溶液アンプリコン及び第1段階のプライマーを除去する。
[0094] 上記のように、ブリスター664における増幅に続いて、増幅は、アンプリコン221をゾーン680へ移動することによって、第2段階の増幅ゾーン680で実施され得る。アレイ681上での増幅は、係留されたプライマー224及び任意選択により上述するようなユニバーサルプライマーに相補的な配列を有するリバースプライマーを使用する。図5A〜図5Cは、ブリッジPCRを使用する例を示す。第1段階のアンプリコン221の増幅はまず、フォワードプライマー224のSiFx部分を使用して行われ(図5A(i)〜図5A(iii))、第2段階のアンプリコン229を生成する。リバース鎖230は、リバースプライマーSiRxを使用して生成され得る(図5B(iv)〜図5B(v))。エキソ+DNAポリメラーゼを使用して、長い第1段階のアンプリコンの末端234を修復することができ、その結果、それは、その3’末端でUプライマー配列を有して(図5C(vi)及び図5C(vii))、Uプライマーを使用する配列決定に利用可能になる。鎖230は、その3’末端に、ユニバーサルプライマーUの相補体を含み、その結果、鎖230は任意選択により、MiSeq又はHiSeq(Illumina)で使用されるものに類似した方法を使用して、ユニバーサルプライマーUを使用して配列決定され得る。任意選択により、一方又は両方の鎖229、230は、この実施形態において配列決定され得る。
[0095] ブリッジPCRは、LLGreen(登録商標)(BioFire Diagnostics、LLC)などのdsDNA結合色素の存在下で、又はプローブ若しくは当該技術分野で公知であるような他の検出方法の存在下で行われ得る。1つの例としての実施形態において、ブリッジPCRに続いて、アレイを融解させて、dsDNA結合色素からの蛍光を使用して、特異的に増幅される産物の存在を示し得る融解曲線を作成する。反応が完全に失敗した場合、融解曲線は存在せず、プロセスは、配列決定反応に進み得ない。
[0096] アレイ上にアンプリコンが存在する場合、チャネル665及びチャネル667は、配列決定用の溶液を導入及び除去するのに使用され得る。続いて、配列決定は、本出願に記載するものを含む任意の従来方法によって、例えばIlluminaによって記載されるものなどの方法によって実施することができる(例えば、特許第7,544,794号及び第8,946,397号を参照、これらは参照により本明細書に組み込まれる)。
[0097] また、他の配列決定メカニズムを使用してもよいことが理解される。例えば、454ピロシーケンシング技術に類似した実施形態を用いてもよく、ここで、特定のスポット682で組み込まれたdNTPがピロリン酸を生成して、さらなる酵素は、これをATPへ、続いて光へ変換する。この光を検出して、ヌクレオチド配列が明らかとなる。同様に、Ion Torrent型技術を使用することが可能である場合があり、ここで、発生するシグナルはプロトンであり、検出は、アレイ下にあるpH感受性トランジスター要素である。
[0098] 配列決定はまた、アレイ681において組み込まれるNanoporeスタイルのチャネルを通って流れる分子の電流変化を測定することによって実施することができ、又はアレイ681を、Nanopore機器へ移動されてもよい。他の配列決定方法は、当該技術分野で公知であり、本明細書中で意図される。
[0099] 代替的な実施形態において、上記で論述するのと同じポーチ610を使用してもよく、又は2工程PCR用の他の容器を用いてもよい。しかしながら、この実施形態において、プライマー対のそれぞれの唯一の内側プライマーは、アレイに係留され、内側プライマー全てが、第2段階の増幅ゾーン680における増幅溶液中に存在する。この遂行は、アレイ上での増幅を伴う溶液中での増幅が、迅速で且つ効率的であるという利点を有するが、それはまた、内側プライマー全てが、混合物中に存在し、そのため、より非特異的な産物が作製され、これは、単一の分子種ではないスポットのそれぞれに結合された産物をもたらし得るという欠点を有する。この遂行において、増幅及び融解分析後に、アレイは、リバース鎖を洗い流してもよく、アレイは、配列決定ライブラリーのようになり、適切な一連の配列決定化学物質は、上述するようにアレイ及び検出の乏しい容量から溢れる。この実施形態は、アレイ682上の増幅が、単一の反応混合物において実施されることを除いて、図1に関して記載するものに類似している。
[00100] 例として、類似した実施形態において、特異的な内側フォワードプライマー(SiFxは324である)のみが、アレイ681に係留され、リバースプライマー332のみが、第1段階のアンプリコン321のさらなる増幅のために溶液中に存在する(図6A)。利点は、マルチプレックスの第2段階の反応が、存在するプライマーの数のおよそ半分を有し、それが、非特異的な増幅を低減するはずであることである。しかしながら、同様に、それは、一方の鎖が、アレイ上でのみ作製され、他方の鎖が溶液中でのみ作製されるため、増幅の動態がよりゆっくりであることを意味する(図6A〜図6B(i)〜(iv))。この実施形態において、増幅及び任意選択の融解分析(図6A〜図6B(i)〜(iv))後に、アレイは、リバース鎖を洗い流して(変性に続いて、図6B(iii)〜(iv))、アレイは、配列決定ライブラリーとして機能し、適切な一連の配列決定化学物質は、上述するようにアレイ及び検出の乏しい容量から溢れる。
[00101] さらに、アレイ681についての溶液中の第2段階のリバースプライマーを用いた非特異的な増幅は、この第2段階の反応に進む材料の配列複雑性が、第1段階のPCRからの濃縮によって低減されたため、アレイ681上のスポット682のそれぞれで、第2段階のアンプリコンの単一の分子種の生成を妨害しないはずである。しかしながら、単一の分子種を保証するさらなる工程を、一緒に又は別に行うことができることが理解される。1つのかかる工程において、3’から5’へのエキソ+DNAポリメラーゼを上述するように使用して、入力材料の配列複雑性をさらに低減することができる。
[00102] 別の例において、PCRの特異性は、Genaco Biomedical Products,Inc.のTemplex方法(Han J. et al. JCM. 2006 Nov; 44(11):4157-62. PMID: 17005760)などの方法を使用して、増大させることができる。この例としての実施形態において、アレイ681にわたって溶液中に存在するプライマー332は、特異的な内側プライマーの5’側上に結合するユニバーサルリバース配列330を含む(図6C〜図6Dにおいて最良に見られる)。例として、これらのプライマーは、標準的なPCR中に存在する正常濃度の10分の1〜100分の1で存在する(標準物質は、0.4〜0.8μMである)。プライマー二量体の創出は、2つのプライマー及びDNAポリメラーゼの三分子複合体を必要とし、この複合体の形成速度は、プライマーの濃度の関数である。したがって、プライマーがそれぞれ、標準的なPCRにおける濃度の10分の1で存在する場合、プライマー二量体形成の速度は、100分の1に低減されるはずである。低濃度で存在するUiRプライマー322の他に、標準的なプライマー濃度で存在するさらなるプライマー−U配列−が存在する。低濃度UiRプライマーがそれらの標的にハイブリダイズする時間を有するように長い伸長時間で実施されるPCRの数回のサイクル(例として、3〜10回のサイクル)(図6C〜図6D(v)〜(viii))後に、新生アンプリコン329においてU配列の十分な相補体が存在する。この時点で、UiRプライマーは任意選択により、洗い流すことができ、エキソ+DNAポリメラーゼを導入して、アンプリコン329を修復して、アンプリコン329aを生成することができ、その結果、それは、ユニバーサルプライマー320に相補的な配列を含有する(図6D〜図6E(viii)〜(ix))。続いて、高濃度での単一のUプライマーを導入して、この鋳型へアニーリングすることができ(図6E(xi))、PCR循環は、標準的なアニーリング及び伸長回数で進行し得る。最終的な結果は、第2段階のPCRの特異性が増大され、したがってアレイ上のフィーチャのそれぞれが、単一の分子種である可能性がより高いことである。したがって、特異性の増大は、PCRの初期部分において、少しゆっくりしたサイクルとの交換で得られる。
[00103] 第3の例において、Templex方法のさらなる伸長は、参照により本明細書に組み込まれるBennerの「自己回避分子認識システム」(SAMRS)及び「人工的に増殖される遺伝情報システム」(AEGIS)(Glushakova et al. J. Virol. Methods. 2015 Mar; 214:60-74. PMID: 25680538)を使用する。これにより、ネステッドPCR方式で、きれいな高レベルのマルチプレックスPCR増幅が可能となる。これは、第2段階の反応ゾーン680における第2段階のマルチプレックス反応で記載するように、直接遂行することができる。
[00104] 実施例4
[00105] ここでは、第1段階のPCRアンプリコン内で入れ子状の配列決定多重領域について記載する。幾つかの状況において、例として第1段階のPCR標的内で入れ子状の異なる第2段階のアンプリコンに由来する第1段階のPCRアンプリコンの多くの領域の配列を決定することは有利である。例えば、ESBL表現型を付与するTEMベータラクタマーゼにおける突然変異は、遺伝子にわたって散在し得る。第1段階の増幅反応において遺伝子の大部分を増幅することができ、続いて、第2段階のPCRにおいて、様々なより小さな領域を増幅することができる。
[00106] 1つの例において、重複アンプリコンが、第2段階のPCRで生成される。図1のデバイスのウェル582においてなどの別個の反応で実施される場合、これらの重複アンプリコンは、容易に生成され得る。図4のアレイ681において、増幅の特異性は、アレイスポット682に結合されたプライマーに由来する。しかしながら、溶液中のプライマー及びスポット682上のプライマーは、別個の組の重複する第2段階のアンプリコンを作製すること(図7A(i)におけるI1〜I5)に代わって、重複せず且つ配列を完全に網羅しないより一層短いアンプリコンが生成され得る(例えば、SiFb1とSiRa1との間、それは、重複するI1及びI2の部分のみであるアンプリコンを生成する)ような様式で重複し得る(図7A(i)〜図7A(ii)を参照)。
この問題は、2組の反応を用いて、第2段階のPCRを、ともに第2段階の増幅ゾーン680に類似した2つの区画へ分けることによって回避され得る(図7B及び図7C)。この遂行において、第1段階のAで生成されるアンプリコン(図7B(iv))は重複せず、その結果、望ましくない短いアンプリコンは最低限に抑えられるか、又は排除される。介在アンプリコンは、第2段階Bで生成され(図7B(v))、それらは同様に重複せず、その結果、望ましくない短いアンプリコンは同様に最低限に抑えられるか、又は排除される。
[00107] 実施例5
この遂行は、内側プライマーが全て、混合物中に存在することを除いて、上記実施例3に類似している(図8A)。これは、アレイ上での増幅を伴う溶液中での増幅が、迅速で且つ効率的であるという利点を有する(図8B)。アレイ681上で合成される単一の分子種の特異性に関する任意選択のフィルターを付加するために、捕捉プライマーは、「内側−内側」であり得る。内側−内側SiiFxは、外側プライマーSoFxに対して内部にある溶液ベースの内側プライマーSiFxに対して内部にある配列にハイブリダイズする(図8A(i)を参照)。数個の塩基(例として、少なくとも4個の塩基)が、SiFx配列に対して(又はその3’に対して)内部にある限りは、内側−内側プライマーSiiFxは、当該方向で内側プライマーSiFx配列と部分的に重複することができる。溶液ベースのPCRは、図8B(iv)に示すように、内側プライマーSiFn及びUiRnを使用して、また図8B(iii)に示すようにアレイ682上で同時に行われ、図8C(v)に示すように、適切なユニバーサルプライマーを有する係留されたアンプリコンを生じる。この実施形態において、付加された特異性が、2組のネステッドプライマーSiFx及びSiiFxを使用して提供されるため、SoFxを用いた第1段階の増幅は任意選択的であり、増幅は全て、単一の増幅チャンバーにおいて行われ得ることが理解される。配列決定用のアレイ681を調製することは、上記で論述する本方法のいずれかに従うものであり得る。
[00108] 本発明は、その趣旨又は本質的特質を逸脱することなく、他の特定の形態で具体化され得る。記載する実施形態は、あらゆる点で、単なる例として、また限定的ではないとして考慮されるべきである。したがって、本発明の範囲は、先述の説明によってではなく、併記の特許請求の範囲によって示される。ある特定の実施形態及び詳細は、本発明を示す目的で、本明細書中に、及び添付の本開示に含まれてきたが、併記の特許請求の範囲で規定される本発明の範囲を逸脱することなく、本明細書中に開示する方法及び装置における様々な変更が成され得ることは、当業者には明らかである。特許請求の範囲の等価性の意義及び範囲内に収まる変更は全て、それらの範囲内に包含されるべきである。

Claims (55)

  1. 試料中の核酸の増幅及び配列決定のための方法であって、
    (a)第1段階の増幅チャンバー中に試料を配置する工程であって、前記第1段階の増幅チャンバーが、前記試料中に存在し得る複数の個々の核酸を増幅するように構成されている、工程と、
    (b)前記第1段階の増幅チャンバーを増幅条件下にする工程と、
    (c)前記試料の一部が第2段階の増幅ウェルのそれぞれに移動されるように、前記試料を前記第2段階の増幅ウェルのアレイに移動させる工程であって、前記第2段階の増幅ウェルのそれぞれが前記試料中に存在し得る1つの個々の核酸をさらに増幅するように構成されている、工程と、
    (d)前記第2段階の増幅ウェルにおいて第2段階の増幅を実施して、前記個々の核酸が前記試料中に存在する場合に、前記第2段階の増幅ウェルのそれぞれにおいてアンプリコンを生成させる工程と、
    (e)少なくとも1つの前記第2段階の増幅ウェルの内容物を配列決定条件下にする工程と
    を含む方法。
  2. 前記さらなる第2段階の増幅ウェルのそれぞれが、そこに係留されたプライマーを有し、配列決定が、前記第2段階の増幅ウェルで行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(a)から工程(e)が、単一の容器中で実施され、工程(d)及び工程(e)が、前記ウェル中で実施される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記容器が、1つ又は複数の密封可能なポートを備えており、ここで1つ又は複数の密封可能なポートが密封されると前記容器が完全に閉鎖されるように、前記密封可能なポートは、前記容器の外面から前記第1段階の増幅チャンバー及び前記第2段階の増幅ウェルのアレイへの唯一の経路を提供する、請求項3に記載の方法。
  5. 工程(e)が、別の試料容器中で実施される、請求項1に記載の方法。
  6. 工程(a)から工程(e)が、約5時間又はそれ未満で実施される、請求項1に記載の方法。
  7. 全ての第2段階の増幅ウェルが配列決定条件下にされる、請求項1に記載の方法。
  8. 前記アンプリコンが前記第2段階の増幅ウェルのそれぞれにおいて生成され、前記アンプリコンが生成された前記第2段階の増幅ウェルのそれぞれについて陽性判定が生成したかどうかを検出する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 工程(e)が、前記陽性判定が存在する第2段階の増幅ウェルに関してのみ実施される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記第1段階の増幅チャンバーが、それぞれが前記試料中に存在し得る複数の前記個々の核酸の1つを増幅するように構成された複数の第1段階のプライマー対を含み、前記第2段階の増幅ウェルのそれぞれが前記試料中に存在し得る複数の個々の核酸の1つを増幅するように構成された第2段階のプライマーの対を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記第2段階のプライマーの対のそれぞれの少なくとも1つが、その対応する第1段階のプライマー内で入れ子状である、請求項10に記載の方法。
  12. 試料中の核酸の増幅及び配列決定のための方法であって、
    (a)増幅チャンバー中に試料を配置する工程であって、前記増幅チャンバーが、前記試料中に存在し得る複数の個々の核酸を増幅するように構成されている、工程と、
    (b)前記増幅チャンバーを増幅条件下にする工程と、
    (c)前記試料をスポットのアレイに移動させる工程であって、それぞれのスポットが、それらに係留された第2段階の増幅プライマーの組を含み、前記第2段階の増幅プライマーの組のそれぞれが、前記個々の核酸の1つのさらなる増幅のために構成されている、工程と、
    (d)前記アレイで第2段階の増幅を実施して、その個々の核酸が前記試料中に存在する場合に、前記スポットそれぞれでアンプリコンを生成させる工程と、
    (e)前記スポットの少なくとも1つを配列決定条件下にする工程と
    を含む方法。
  13. 工程(a)から工程(e)が、単一の容器中で実施される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記容器が、1つ又は複数の密封可能なポートを備えており、前記1つ又は複数の密封可能なポートが密封されると前記容器が完全に閉鎖されるように、前記密封可能なポートは、前記容器の外面から前記増幅チャンバー及び前記第2段階の増幅ウェルのアレイへの唯一の経路を提供する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記アレイが、入口チャネル及び出口チャネルを有し、前記入口チャネル及び前記出口チャネルの開放及び閉鎖が、前記アレイを通る流体の流量を制御する、請求項14に記載の方法。
  16. 流体を前記入口チャネルに進入させながら前記出口チャネルを閉鎖することにより、前記アレイ上に流体の泡を生じさせ、前記泡を攪拌することにより前記流体を均質化させる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記アンプリコンがスポットのそれぞれで生成され、前記アンプリコンが生成されたウェルのそれぞれについて陽性判定を生成させたかどうかを検出する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  18. 前記スポットの数が、合計で512個以下である、請求項12に記載の方法。
  19. 前記スポットの数が、合計で256個以下である、請求項12に記載の方法。
  20. 前記組が、前記第2段階のプライマー対の両方を含む、請求項12に記載の方法。
  21. 工程(d)が、3’から5’へのエキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼの存在下で実施される、請求項12に記載の方法。
  22. 前記組が、前記第2段階のプライマー対の一方を含む、請求項12に記載の方法。
  23. 工程(d)が、前記第2段階のプライマー対のそれぞれの第2のものを含む溶液の存在下で実施される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記試料が、工程(b)に続いて、3’から5’へのエキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼで処理される、請求項12に記載の方法。
  25. 前記第2段階のプライマー対の前記第2のものの全てが、ユニバーサルプライマーに相当する5’配列を備える、請求項23に記載の方法。
  26. 前記溶液が、前記ユニバーサルプライマーをさらに含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記第2段階のプライマー対の前記第2のものの全てが、前記ユニバーサルプライマーの約10分の1以下の濃度で供給される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記試料が、工程(b)と工程(d)との間で希釈されない、請求項12に記載の方法。
  29. 前記第2段階のプライマー対の少なくとも1つが、ユニバーサルプライマーに相当するさらなる配列を有し、工程(e)が、前記ユニバーサルプライマーを使用した合成によって実施される、請求項12に記載の方法。
  30. 試料中に存在し得る核酸の増幅及び配列決定のための方法であって、
    それぞれが核酸の1つを増幅するように構成された複数の外側プライマー対の存在下で、及び前記核酸のそれぞれのための少なくとも1つの内側プライマーの存在下で増幅を行い、前記試料中に存在する前記核酸のそれぞれのアンプリコンを生成させる工程と、
    前記アンプリコンを配列決定条件下にする工程と
    を含む方法。
  31. 前記複数の外側プライマー対が、1つの反応チャンバー中に位置しており、前記内側プライマーが、別の反応チャンバーに位置している、請求項30に記載の方法。
  32. 複数の外側プライマー対及び内側プライマーが、単一の反応チャンバー中に位置している、請求項30に記載の方法。
  33. 試料中の核酸を増幅する方法であって、
    (a)第1段階の増幅チャンバー中に試料を配置する工程であって、増幅チャンバーが、試料中に存在し得る核酸を増幅するように構成された第1のプライマー対を含む、工程と、
    (b)増幅チャンバーを増幅条件下にして、アンプリコンを生成させる工程と、
    (c)試料の第1の部分を、第1の複数の第2段階の増幅プライマーの組を含む第1の第2段階の増幅ゾーンに移動させる工程であって、第2段階の増幅プライマーのそれぞれの組が、アンプリコンの異なる非重複領域を増幅するように構成されている、工程と、
    (d)試料の第2の部分を、第2の複数の第2段階の増幅プライマーの組を含む第2の第2段階の増幅ゾーンに移動させる工程であって、第2段階の増幅プライマーのそれぞれの組が、アンプリコンの異なる非重複領域を増幅するように構成されている、工程と、
    (e)第2段階の増幅を、第1の第2段階の増幅ゾーンで実施して、第1の第2段階のアンプリコンを生成させ、第2の第2段階の増幅ゾーンで実施して、第2の第2段階のアンプリコンを生成させる工程と
    を含み、第1の第2段階のアンプリコンの少なくとも一部が、第2の第2段階のアンプリコンの少なくとも一部と重複している、方法。
  34. (f)アンプリコンの少なくとも1つを配列決定条件下にする工程
    をさらに含む、請求項33に記載の方法。
  35. 試料中の核酸の増幅及び配列決定のための方法であって、
    増幅チャンバー中に試料を配置する工程であって、増幅チャンバーが、第1のフォワードプライマー、第1のフォワードプライマー内で入れ子状の第2のフォワードプライマー、及びリバースプライマーを含み、第2の増幅チャンバーが構造に係留されている、工程と、
    増幅チャンバーを増幅条件下にする工程と
    を含む方法。
  36. 増幅チャンバーを配列決定条件下にする工程
    をさらに含む、請求項35に記載の方法。
  37. 複数の核酸の増幅及び配列決定のための容器であって、
    複数の第1段階のプライマー対を含む第1段階の増幅チャンバーであって、それぞれの第1段階のプライマー対が、第1段階のアンプリコンを生成させるための複数の核酸の1つの増幅用に構成されている、増幅チャンバーと、
    複数の第2段階のプライマー対を含む第2段階の増幅チャンバーであって、それぞれの第2段階のプライマー対が、第2段階のアンプリコンを生成させるための前記第1段階のアンプリコンの1つの配列の少なくとも一部の増幅用に構成されている、増幅チャンバーと
    を含み、
    前記第2段階の増幅チャンバーが、前記第2段階のアンプリコンを配列決定するようにさらに構成されている、容器。
  38. 前記第2段階のプライマー対のそれぞれの少なくとも1つのメンバーが、相当する第1段階のプライマー内で入れ子状である、請求項37に記載の容器。
  39. 前記第2段階のプライマー対それぞれの少なくとも1つのメンバーが、支持体に係留されている、請求項37に記載の容器。
  40. 前記第2段階のプライマー対それぞれの少なくとも1つのメンバーが、5’末端によって前記支持体に係留されている、請求項39に記載の容器。
  41. 前記第2段階のアンプリコンが、単一の分子種を含む、請求項37に記載の容器。
  42. 1つ又は複数の密封可能なポートをさらに備えており、前記1つ又は複数の密封可能なポートが密封されると前記容器が完全に閉鎖されるように、前記1つ又は複数の密封可能なポートは、前記容器の外面から前記増幅チャンバー及び前記第2段階の増幅チャンバーへの唯一の経路を提供する、請求項37に記載の容器。
  43. 前記第2段階の増幅チャンバーが、入口チャネル及び出口チャネルを含み、前記入口チャネル及び前記出口チャネルの開放及び閉鎖が、前記第2段階の増幅チャンバーを通る流体の流量を制御する、請求項37に記載の容器。
  44. 試料を受け取り、溶解した試料を調製するように構成されている溶解チャンバーをさらに含む、請求項37に記載の容器。
  45. 前記溶解した試料を受け取り、前記溶解した試料から核酸を抽出するように構成されている核酸抽出チャンバーをさらに含む、請求項44に記載の容器。
  46. 前記第2段階の増幅チャンバーが、それぞれが第2段階の増幅反応を実行するように構成されているウェルのアレイを含む、請求項37に記載の容器。
  47. 前記第2段階の増幅チャンバーが、それぞれが第2段階のプライマー対を含み、それぞれが第2段階の増幅反応を実行するように構成されているスポットのアレイを含む、請求項37に記載の容器。
  48. 前記第2段階のプライマーの少なくとも1つが、前記スポットに係留されている、請求項47に記載の容器。
  49. 前記スポットの数が、合計で512個以下である、請求項47に記載の容器。
  50. 前記スポットの数が、合計で256個以下である、請求項47に記載の容器。
  51. 試料中に存在し得る複数の核酸の2ステップ増幅及び配列決定のための方法であって、
    (a)それぞれが複数の核酸の1つの増幅用に構成される複数の第1段階のプライマー対を含む第1の混合物において核酸を増幅して、前記試料中に存在する前記核酸それぞれについて第1段階のアンプリコンを生成させる工程と、
    (b)それぞれが前記第1段階のアンプリコンの1つの増幅用に構成される複数の第2段階のプライマー対を使用して、前記第1段階のアンプリコンを増幅する工程であって、第2段階のプライマー対それぞれの少なくとも1つが、その対応する第1段階のプライマー対内で入れ子状であり、前記試料中に存在する前記核酸のそれぞれについて単一の分子種を生成させる、工程と、
    (c)工程(b)で生成される前記単一の分子種を配列決定する工程と
    を含む方法。
  52. 工程(b)及び工程(c)が、単一の反応チャンバー中で実施される、請求項51に記載の方法。
  53. 前記第2段階のプライマー対のそれぞれの少なくとも1つが、固体支持体に係留されている、請求項51に記載の方法。
  54. 工程(b)及び工程(c)が、異なる反応容器中で実施される、請求項51に記載の方法。
  55. 正確なアンプリコンを同定するために、工程(b)と工程(c)との間で、フィルターが使用されない、請求項51に記載の方法。
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