JP2018519306A - Hcvを処置するための方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1b、2、3または4を処置するためのインターフェロンフリー治療を特色とする。一態様において、治療は、化合物1、リトナビルおよび化合物2を、HCV遺伝子型1bまたは4に感染した対象に投与することを含み、ここで、治療は任意のインターフェロンの投与を含まず、治療は12週間続く。好ましくは、治療は任意のリバビリンの投与を含まない。
Description
本発明は、HCVのためのインターフェロンフリー処置に関する。
C型肝炎ウイルス(HCV)は、フラビウイルス科(Flaviviridae)におけるヘパシウイルス(Hepacivirus)属に属するRNAウイルスである。エンベロープに包まれたHCVビリオンは、単一の中断されていないオープンリーディングフレームにおける全ての公知のウイルス特異的タンパク質をコード化するプラス鎖RNAゲノムを含有する。オープンリーディングフレームは、およそ9500ヌクレオチドを含み、約3000アミノ酸の単一の大きなポリタンパク質をコード化する。ポリタンパク質は、コアタンパク質、エンベロープタンパク質E1およびE2、膜結合タンパク質p7、ならびに非構造タンパク質NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5AおよびNS5Bを含む。
慢性HCV感染は、肝硬変および肝細胞癌を含めた進行性肝臓病態を伴う。C型慢性肝炎は、リバビリンとの組合せにおけるペグインターフェロン−アルファで処置することができる。効力および忍容性に対する実質的な限界は、多くの使用者が副作用を患っているように、依然として残っており、身体からのウイルス排出は、しばしば不完全である。そのため、HCV感染を処置するための新たな治療の必要がある。
本発明は、HCV遺伝子型(GT)1b、2、3または4のための処置の方法を特色とする。該処置は、HCV遺伝子型1b、2、3または4に感染している患者に、化合物1(パリタプレビル)またはこの医薬として許容される塩および化合物2(オムビタスビル)またはこの医薬として許容される塩を投与することを含む。該処置は、任意のインターフェロンの投与を含まない。薬物動態を改善するため、化合物1またはこの塩は、好ましくは、リトナビルまたは別のCYP3A4阻害剤(例えば、コビシスタット)と同時投与される。
本発明の処置レジメンは一般に、完全な処置を構成し、後続のインターフェロン含有レジメンは意図されない。そのため、本明細書に記載されている処置または使用は一般に、任意の後続のインターフェロン含有処置を含まない。
本発明の処置レジメンは、好ましくは12週以下続く。より好ましくは、本発明の処置レジメンは、8週、9週、10週、11週または12週のような8週から12週続く。非常に好ましくは、本発明の処置レジメンは、12週間続く。
化合物1(パリタプレビル、
化合物2(オムビタスビル、
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、化合物1は例えば100mgを1日1回(QD)で、化合物2は25mgをQDで、リトナビルは100mgをQDで投与することができる。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、化合物1、リトナビルおよび化合物2は、例えば、単一剤形で共製剤化することができる。好ましくは、化合物1、リトナビルおよび化合物2は、単一固体剤形で共製剤化される。より好ましくは、化合物1、リトナビルおよび化合物2は、親水性ポリマーおよび医薬として許容される界面活性剤を含む非晶質固体分散体に各々製剤化される。化合物1、リトナビルおよび化合物2は、同じ固体分散体に製剤化することができ;化合物1、リトナビルおよび化合物2は、別々の固体分散体に製剤化し、次いで一緒に混合することで、単一固体剤形を提供することができる。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、化合物1、リトナビルおよび化合物2は、例えば、75mgの化合物1、50mgのリトナビルおよび12.5mgの化合物2を含む単一剤形で共製剤化することができる。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、本発明の処置レジメンは、例えば、患者にリバビリンを投与することをさらに含むこともできる。好ましくは、本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、本発明の処置レジメンは、任意のリバビリンの投与を含まない。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、処置未経験患者、インターフェロン無応答者またはインターフェロン非応答者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、処置経験患者(例えば、インターフェロン無応答者またはインターフェロン非応答者)であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、非肝硬変の処置未経験患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、非肝硬変の処置経験患者(例えば、インターフェロン無応答者またはインターフェロン非応答者)であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、代償性肝硬変を有する処置未経験患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、代償性肝硬変を有する処置経験患者(例えば、インターフェロン無応答者またはインターフェロン非応答者)であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、代償性肝硬変を有するインターフェロン無応答者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、代償性肝硬変を有するインターフェロン非応答者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、肝硬変を有していない患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、肝硬変患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、代償性肝硬変を有する患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、化合物1/rおよび化合物2は、下に記載されている通り、ダサブビルとしても知られている化合物3(N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド)との組合せで使用することもできる。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、化合物1/rおよび化合物2は、QDで投与することができる。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、化合物1/rおよび化合物2はQDで投与することができ;化合物3(ダサブビル)も投与されるならば、化合物3はBIDで投与することができる。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、化合物1/rおよび化合物2はQDで投与することができ;化合物3も投与されるならば、化合物3はQDで投与することができる。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、HCV GT1に感染している患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、HCV GT1aに感染している患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、HCV GT1bに感染している患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、HCV GT4に感染している患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、HCV GT1に感染しているとともに肝硬変を有していない患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、HCV GT1aに感染しているとともに肝硬変を有していない患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、HCV GT1bに感染しているとともに肝硬変を有していない患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、HCV GT4に感染しているとともに肝硬変を有していない患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、HCV GT1に感染しているとともに代償性肝硬変を有する患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、HCV GT1aに感染しているとともに代償性肝硬変を有する患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、HCV GT1bに感染しているとともに代償性肝硬変を有する患者であってよい。
本発明の任意の方法もしくは処置レジメンまたは本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、患者は、HCV GT4に感染しているとともに代償性肝硬変を有する患者であってよい。
一態様において、本発明は、HCV遺伝子型1bのための処置の方法を特色とする。該処置は、HCV遺伝子型1bに感染している患者に、化合物1またはこの医薬として許容される塩および化合物2またはこの医薬として許容される塩を投与することを含み、ここで処置は、患者へのインターフェロンの投与を含まない。該処置は、8週から12週続くことができる。例えば、処置は8週、9週、10週、11週または12週続く。好ましくは、処置は12週間続く。
化合物1は、好ましくは、リトナビルと同時投与される。コビシスタットのような別のCYP3A4阻害剤もリトナビルの代わりに使用することができる。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、処置未経験患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、処置経験患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、インターフェロン無応答者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、インターフェロン非応答者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、非肝硬変の処置未経験患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、非肝硬変の処置経験患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、非肝硬変のインターフェロン無応答者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、非肝硬変のインターフェロン非応答者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、代償性肝硬変を有する処置未経験患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、代償性肝硬変を有する処置経験患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、代償性肝硬変を有するインターフェロン無応答者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、代償性肝硬変を有するインターフェロン非応答者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、患者は、肝硬変を有していない患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、患者は、肝硬変患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、患者は、代償性肝硬変を有する患者であってよい。
本発明のこの態様またはこの任意の実施形態もしくは実施例において、処置レジメンは、前記患者にリバビリンを投与することをさらに含むことができる。好ましくは、本発明のこの態様またはこの任意の実施形態もしくは実施例において、処置レジメンは、前記患者への任意のリバビリンの投与を含まない。
別の態様において、本発明は、HCV遺伝子型4のための処置の方法を特色とする。該処置は、HCV遺伝子型4に感染している患者に、化合物1またはこの医薬として許容される塩および化合物2またはこの医薬として許容される塩を投与することを含み、ここで、処置は、患者への任意のインターフェロンの投与を含まない。処置は、8週から12週続くことができる。例えば、処置は、8週、9週、10週、11週または12週の間続くことができる。好ましくは、処置は12週間続く。
化合物1は、好ましくは、リトナビルと同時投与される。コビシスタットのような別のCYP3A4阻害剤もリトナビルの代わりに使用することができる。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、処置未経験患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、処置経験患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、インターフェロン無応答者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、インターフェロン非応答者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、非肝硬変の処置未経験患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、非肝硬変の処置経験患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、非肝硬変のインターフェロン無応答者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、非肝硬変のインターフェロン非応答者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、代償性肝硬変を有する処置未経験患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、代償性肝硬変を有する処置経験患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、代償性肝硬変を有するインターフェロン無応答者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は、代償性肝硬変を有するインターフェロン非応答者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、患者は、肝硬変を有していない患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、患者は、肝硬変患者であってよい。
本発明のこの態様の任意の方法または処置レジメンにおいて、患者は、代償性肝硬変を有する患者であってよい。
好ましくは、本発明のこの態様またはこの任意の実施形態もしくは実施例において、処置レジメンは、前記患者にリバビリンを投与することを含む。代替として、本発明のこの態様またはこの任意の実施形態もしくは実施例において、処置レジメンは、前記患者への任意のリバビリンの投与を含まない。
本明細書で使用される場合、インターフェロンの非限定的な例としては、ペグ化インターフェロン−アルファ−2aまたはペグ化インターフェロン−アルファ−2bのようなペグ化インターフェロン(pegIFN)が挙げられる。インターフェロンの具体例としては、以下に限定されないが、ペガシス、ペグイントロン、ロフェロンAまたはイントロンAが挙げられる。リバビリン(RBV)の具体例としては、以下に限定されないが、コペガス、レベトールまたはリバスフェアが挙げられる。
GUIDANCE FOR INDUSTRY−CHRONIC HEPATITIS C VIRUS INFECTION:DEVELOPING DIRECT−ACTING ANTIVIRAL AGENTS FOR TREATMENT(FDA、2010年9月、ドラフトガイダンス)は、処置未経験、部分応答者、応答者再燃者(即ち、リバウンド)および無応答者の患者を定義している。インターフェロン非応答者患者は、無応答者、部分応答者ならびにリバウンド患者を含む。
様々な尺度が使用されることで、HCV処置の応答性または有効性を評価することができる。1つのこうした尺度は、HCVが4週の処置後に対象において検出不可能であることを意味する速やかなウイルス学的応答(RVR)である。別の尺度は、対象が12週の処置後にウイルス負荷の>2log10の低減を有することを意味する早期ウイルス学的応答(EVR)である。別の尺度は、HCVが12週の処置後に対象の血清において検出不可能であることを意味する完全EVR(cEVR)である。別の尺度は、RVRおよびcEVRの両方の達成、つまり、HCVが4週目および12週目に検出不可能であることを意味する拡張RVR(eRVR)である。別の尺度は、治療の終了時(EOTR)に検出可能なウイルスの存在または非存在である。別の尺度はSVRであり、SVRは本明細書で使用される場合、ウイルスが治療の終了時におよび治療の終了後少なくとも8週間検出不可能であること(SVR8);好ましくは、ウイルスが治療の終了時におよび治療の終了後少なくとも12週間、検出不可能であること(SVR12);より好ましくは、ウイルスが治療の終了時におよび治療の終了後少なくとも16週間、検出不可能であること(SVR16);ならびに非常に好ましくは、ウイルスが治療の終了時におよび治療の終了後少なくとも24週間、検出不可能であること(SVR24)を意味する。所望の処置は、有意に高いSVR率を達成するべきである。
好ましくは、本発明の処置レジメンは少なくとも80%のSVR12率を達成する。より好ましくは、本発明の処置レジメンは少なくとも90%のSVR12率を達成する。非常に好ましくは、本発明の処置レジメンは少なくとも95%のSVR12率を達成する。
本発明の処置レジメンは、他のHCVプロテアーゼ阻害剤、HCVポリメラーゼ阻害剤、他のHCV NS5A阻害剤、シクロフィリン阻害剤、またはこれらの組合せのような1種以上の他のHCV直接作用型薬剤(DAA)を患者に投与することを含むこともできる。
HCVプロテアーゼ阻害剤の非限定的な例としては、テラプレビル(Vertex)、ボセプレビル(Merck)、BI−201335(Boehringer Ingelheim)、GS−9451(Gilead)およびBMS−650032(BMS)が挙げられる。他の適当なプロテアーゼ阻害剤としては、以下に限定されないが、ACH−1095(Achillion)、ACH−1625(Achillion)、ACH−2684(Achillion)、AVL−181(Avila)、AVL−192(Avila)、BMS−650032(BMS)、ダノプレビル(RG7227/ITMN−191、Roche)、GS−9132(Gilead)、GS−9256(Gilead)、IDX−136(Idenix)、IDX−316(Idenix)、IDX−320(Idenix)、MK−5172(Merck)、ナルラプレビル(Schering−Plough Corp)、PHX−1766(Phenomix)、TMC−435(Tibotec)、バニプレビル(MK−7009、Merck)、VBY708(Virobay)、VX−500(Vertex)、VX−813(Vertex)およびVX−985(Vertex)が挙げられる。
非ヌクレオシドHCVポリメラーゼ阻害剤の非限定的な例としては、GS−9190(Gilead)、BI−207127(Boehringer Ingelheim)およびVX−222(VCH−222)(Vertex&ViraChem)が挙げられる。ヌクレオチドHCVポリメラーゼ阻害剤の非限定的な例としては、GS−7977(Gilead)が挙げられる。HCVポリメラーゼ阻害剤の他の適当な非限定的な例としては、ANA−598(Anadys)、BI−207127(Boehringer Ingelheim)、BILB−1941(Boehringer Ingelheim)、BMS−791325(BMS)、フィリブビル、GL59728(Glaxo)、GL60667(Glaxo)、GS−9669(Gilead)、IDX−375(Idenix)、MK−3281(Merck)、テゴブビル、TMC−647055(Tibotec)、VCH−759(Vertex&ViraChem)、VCH−916(ViraChem)、VX−759(Vertex)、GS−6620(Gilead)、IDX−102(Idenix)、IDX−184(Idenix)、INX−189(Inhibitex)、MK−0608(Merck)、RG7128(Roche)、TMC64912(Medivir)、GSK625433(GlaxoSmithKline)、BCX−4678(BioCryst)、ALS−2200(Alios BioPharma/Vertex)およびALS−2158(Alios BioPharma/Vertex)が挙げられる。
NS5A阻害剤の非限定的な例としては、BMS−790052(BMS)およびGS−5885(Gilead)が挙げられる。適当なNS5A阻害剤の他の非限定的な例としては、GSK62336805(GlaxoSmithKline)、ACH−2928(Achillion)、AZD2836(Astra−Zeneca)、AZD7295(Astra−Zeneca)、BMS−790052(BMS)、BMS−824393(BMS)、GS−5885(Gilead)、PPI−1301(Presidio)、PPI−461(Presidio)A−831(Arrow Therapeutics)およびA−689(Arrow Therapeutics)が挙げられる。
シクロフィリン阻害剤の非限定的な例としては、アリスポリビル(Novartis&Debiopharm)、NM−811(Novartis)およびSCY−635(Scynexis)が挙げられる。
化合物1(またはこの医薬として許容される塩)および化合物2(またはこの医薬として許容される塩)は、肝硬変を有するHCV患者を処置するために使用することができる。患者は、遺伝子型1aまたは1bのようなHCV遺伝子型1、2、3、4、5または6に感染していてよく、肝硬変は、代償性または非代償性のいずれかであってよい。該方法は、こうした患者に、化合物1またはこの医薬として許容される塩および化合物2またはこの医薬として許容される塩を投与することを含み、ここで処置は、患者へのインターフェロンの投与を含まない。処置は8週から12週続くことができ;例えば、処置は8週、9週、10週、11週または12週の間続くことができる。好ましくは、処置は12週間続く。24週またはより少ない持続期間のような、より長い処置持続期間も使用することができる。リバビリンは投与することができ;または代替として、処置はリバビリンを投与することを含まない。好ましくは、処置は、リバビリンおよびN−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(またはこの医薬として許容される塩)を投与することをさらに含む。米国特許出願公開第2013/0102525号を参照されたい。薬物動態を改善するため、化合物1またはこの塩は、好ましくは、リトナビルまたは別のCYP3A4阻害剤(例えば、コビシスタット)と同時投与される。臨床試験において現在試験されている他の公知のDAA組合せも、同様のレジメンにおいて肝硬変患者を処置するために使用することができる。
本明細書に記載されている任意の態様、実施形態、優先度、実施例、方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は小児患者であってよく、化合物1、化合物2、化合物3およびリトナビルの投薬は以下のスケジュールに従うことができる:(1)最大14kgの体重を有する小児患者には、35mgの化合物1、25mgのリトナビルおよび5mgの化合物2を1日1回、ならびに必要とされるならば、50mgの化合物3を1日2回;(2)15kgから29kgの体重を有する小児患者には、50mgの化合物1、35mgのリトナビルおよび10mgの化合物2を1日1回、ならびに必要とされるならば、100mgの化合物3を1日2回;(3)30kgから44kgの体重を有する小児患者には、100mgの化合物1、70mgのリトナビルおよび15mgの化合物2を1日1回、ならびに必要とされるならば、150mgの化合物3を1日2回;(4)45kg以上の体重を有する小児患者には、150mgの化合物1、100mgのリトナビルおよび25mgの化合物2を1日1回、ならびに必要とされるならば、250mgの化合物3を1日2回。
本明細書に記載されている任意の態様、実施形態、優先度、実施例、方法または処置レジメンにおいて、処置されている患者は小児患者であってよく、化合物1、化合物2、化合物3およびリトナビルの投薬は以下のスケジュールに従うことができる:(1)3−8歳の年齢および最大14kgの体重を有する小児患者には、35mgの化合物1、25mgのリトナビルおよび5mgの化合物2を1日1回、ならびに必要とされるならば、50mgの化合物3を1日2回;(2)3−8歳の年齢および15kgから29kgの体重を有する小児患者には、50mgの化合物1、35mgのリトナビルおよび10mgの化合物2を1日1回、ならびに必要とされるならば、100mgの化合物3を1日2回;(3)9−11歳の年齢および15kgから29kgの体重を有する小児患者には、60mgの化合物1、40mgのリトナビルおよび10mgの化合物2を1日1回、ならびに必要とされるならば、100mgの化合物3を1日2回;(4)3−8歳の年齢および30kgから44kgの体重を有する小児患者には、100mgの化合物1、70mgのリトナビルおよび15mgの化合物2を1日1回、ならびに必要とされるならば、150mgの化合物3を1日2回;(5)9−11歳の年齢および30kgから44kgの体重を有する小児患者には、90mgの化合物1、60mgのリトナビルおよび15mgの化合物2を1日1回、ならびに必要とされるならば、150mgの化合物3を1日2回;(6)12−18歳の年齢および30kgから44kgの体重を有する小児患者には、80mgの化合物1、55mgのリトナビルおよび12.5mgの化合物2を1日1回、ならびに必要とされるならば、125mgの化合物3を1日2回;(7)年齢にかかわらず45kg以上の体重を有する小児患者には、150mgの化合物1、100mgのリトナビルおよび25mgの化合物2を1日1回、ならびに必要とされるならば、250mgの化合物3を1日2回。
上に記載されている実施形態および以下の実施例は、限定ではなく例示の目的で示されていると理解されるべきである。本発明の範囲内の様々な変化および変更は、本記載から当業者に明らかである。
[実施例1]
HCV遺伝子型1bのインターフェロンフリーおよびリバビリンフリーの処置
処置未経験患者および前pegIFN/RBV無応答者は、化合物1(150mg QD)、リトナビル(100mg QD)および化合物2(25mg QD)を12週間受けた。慢性HCV遺伝子型1b感染を有する42人の処置未経験患者および40人の前pegIFN/RBV無応答者を登録した。全ての患者は非肝硬変である。ベースライン特性は表1に示されている。該処置の処置4週目および12週目での観察されたHCV RNA<25IU/mL(検出限界)の率、ならびに観察されたSVR4率(処置後4週目でHCV RNA <25IU/mLを有する患者のパーセント)は、表1に要約されている。SVR4率は、処置未経験患者の中で100%および前無応答者の中で87.9%であった。
HCV遺伝子型1bのインターフェロンフリーおよびリバビリンフリーの処置
処置未経験患者および前pegIFN/RBV無応答者は、化合物1(150mg QD)、リトナビル(100mg QD)および化合物2(25mg QD)を12週間受けた。慢性HCV遺伝子型1b感染を有する42人の処置未経験患者および40人の前pegIFN/RBV無応答者を登録した。全ての患者は非肝硬変である。ベースライン特性は表1に示されている。該処置の処置4週目および12週目での観察されたHCV RNA<25IU/mL(検出限界)の率、ならびに観察されたSVR4率(処置後4週目でHCV RNA <25IU/mLを有する患者のパーセント)は、表1に要約されている。SVR4率は、処置未経験患者の中で100%および前無応答者の中で87.9%であった。
さらなる追跡調査は、処置後8週目に実際に試験された39人の処置未経験患者の中で、患者の100%が検出可能なHCV RNAを有しておらず;処置後12週目に実際に試験された30人の処置未経験患者の中で、患者の97%(29/30)が検出可能なHCV RNAを有していないことを示した。追跡調査試験は、42人の処置未経験患者の中で、40人の患者がSVR12を達成し、2人の残りの患者が追跡調査の中止によりSVR12を達成していないことを示した。
試験は、処置後4週目に実際に試験された39人の無応答者の中で、患者の90%(35/39)が検出可能なHCV RNAを有していないことも示した。処置後8週目でのさらなる試験は、実際に試験された無応答者の87%(26/30)が検出可能なHCV RNAを有していないことを示した。追跡調査試験は、40人の前pegIFN/RBV無応答者の中で、36人の患者がSVR12を達成したことを示した。
82人の患者の中で、有害事象(AE)または実験室異常による中断はなかった。2つの重篤なAEがあった(両方とも研究薬物に関連していない。)。2人の対象は、AEにより研究薬物を中断した。1つの中断は、研究薬物におそらく関連しており(ALT、ASTおよびビリルビンの増加);これらの値は再開された処置中または完了後に改善した。
[実施例2]
HCV遺伝子型4のインターフェロンフリー処置のための臨床モデル化
DAAの組合せを使用するインターフェロンフリーのHCV治療の適切な用量および持続期間を評価するための新規な臨床モデルは、米国特許出願公開第2013/0102525号の実施例6に記載されており、この実施例を参照により本明細書に組み込む。化合物1および化合物2の臨床研究からのデータ、ならびにインビトロレプリコン実験を使用して、薬物動態学的およびウイルス動的モデルパラメーターを推算した。遺伝子型1についてのインビボおよびインビトロのデータ間の関係に基づくインビトロデータを使用して、遺伝子型4についてのインビボパラメーターを近似させた。該モデルは、化合物1(150mg QD)、リトナビル(100mg QD)および化合物2(25mg QD)の組合せを用いる8週または12週の投薬に続いて、遺伝子型4処置未経験患者の90%超は、SVRを達成することができると予測する。図1を参照されたい。図1は、インターフェロンを用いずに化合物1、リトナビルおよび化合物2の組合せを使用する異なる処置持続期間についての、予測SVR百分率中央値(「%のSVR」)および90%信頼区間(各SVR百分率カラムの最上部の縦の棒線)を示す。リバビリンがレジメンに含まれる場合、同様のまたはより良好なSVR率が予想される。
HCV遺伝子型4のインターフェロンフリー処置のための臨床モデル化
DAAの組合せを使用するインターフェロンフリーのHCV治療の適切な用量および持続期間を評価するための新規な臨床モデルは、米国特許出願公開第2013/0102525号の実施例6に記載されており、この実施例を参照により本明細書に組み込む。化合物1および化合物2の臨床研究からのデータ、ならびにインビトロレプリコン実験を使用して、薬物動態学的およびウイルス動的モデルパラメーターを推算した。遺伝子型1についてのインビボおよびインビトロのデータ間の関係に基づくインビトロデータを使用して、遺伝子型4についてのインビボパラメーターを近似させた。該モデルは、化合物1(150mg QD)、リトナビル(100mg QD)および化合物2(25mg QD)の組合せを用いる8週または12週の投薬に続いて、遺伝子型4処置未経験患者の90%超は、SVRを達成することができると予測する。図1を参照されたい。図1は、インターフェロンを用いずに化合物1、リトナビルおよび化合物2の組合せを使用する異なる処置持続期間についての、予測SVR百分率中央値(「%のSVR」)および90%信頼区間(各SVR百分率カラムの最上部の縦の棒線)を示す。リバビリンがレジメンに含まれる場合、同様のまたはより良好なSVR率が予想される。
[実施例3]
HCV遺伝子型4のインターフェロンフリー処置の臨床研究
HCV遺伝子型4のインターフェロンフリー処置の臨床研究を行った。HCV GT4感染を有する2つの群の処置未経験患者を研究に登録し、各群は約40人の患者を含む。化合物1(150mg QD)、リトナビル(100mg QD)および化合物2(25mg QD)を両群における各患者に投与した。重量ベースのリバビリンも第1の群における患者に投与したが、第2の群には投与しなかった。これらの患者のベースライン特性は、表2に要約されている。
HCV遺伝子型4のインターフェロンフリー処置の臨床研究
HCV遺伝子型4のインターフェロンフリー処置の臨床研究を行った。HCV GT4感染を有する2つの群の処置未経験患者を研究に登録し、各群は約40人の患者を含む。化合物1(150mg QD)、リトナビル(100mg QD)および化合物2(25mg QD)を両群における各患者に投与した。重量ベースのリバビリンも第1の群における患者に投与したが、第2の群には投与しなかった。これらの患者のベースライン特性は、表2に要約されている。
12週の処置後、第1の群の患者(リバビリンを用いる。)は約100%のSVR12率を達成し、第2の群(リバビリンを用いない。)は約90%のSVR12を達成した。
別のアームにおいて、HCV GT4感染を有する49人のインターフェロン部分応答者/無応答者または再燃者を登録し、化合物1(150mg QD)、リトナビル(100mg QD)、化合物2(25mg QD)およびリバビリンで12週間処置した。この群の患者についてのSVR4は100%であった。49人の患者のうち7人を処置後12週目に試験し、SVR12は100%であった。さらなる試験は、このアームにおける全49人の患者がSVR12(100%)を達成することを示した。
さらなる分析は、化合物1/リトナビル+化合物2が、リバビリンの有無のいずれかで、異なるGT4サブタイプを有する患者の中で高いSVR率を達成することを示した。したがって、GT4を処置するための本発明の任意の方法もしくは処置レジメン、またはGT4を処置するための本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、治療の開始より前の特定のGT4サブタイプの同定は任意選択である。例えば、GT4を処置するための本発明の任意の方法もしくは処置レジメン、またはGT4を処置するための本明細書に記載されている任意の態様、実施形態もしくは実施例において、該方法は、好ましくは、治療の開始より前の特定のGT4サブタイプの同定を含まない。
[実施例4]
HCV遺伝子型1bのインターフェロンフリー処置の臨床研究
この研究は二重盲検制御試験であった。重量ベースのリバビリン(1日1000mgまたは1200mg、分割BID、アームA)またはリバビリンの代わりのプラセボ(アームB)とともに化合物1(150mg QD)、リトナビル(100mg QD)、化合物2(25mg QD)および化合物3(250mg BID)を用いる12週の処置に、対象を無作為化した(1:1)。化合物3(ダサブビル)は、N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(
HCV遺伝子型1bのインターフェロンフリー処置の臨床研究
この研究は二重盲検制御試験であった。重量ベースのリバビリン(1日1000mgまたは1200mg、分割BID、アームA)またはリバビリンの代わりのプラセボ(アームB)とともに化合物1(150mg QD)、リトナビル(100mg QD)、化合物2(25mg QD)および化合物3(250mg BID)を用いる12週の処置に、対象を無作為化した(1:1)。化合物3(ダサブビル)は、N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(
419人の対象は上記レジメンを受容し、ベースライン特性は表3に示されている通りである。これらの対象はHCV GT1bに感染しており、処置未経験および非肝硬変であった。SVR12率(処置意図に基づく)は、リバビリンを用いない上記レジメンを受けた対象の中で処置に基づくウイルス学的失敗または処置後再燃がなく、99.5%(アームA)および99.0%(アームB)であった。アームAにおいて19人の対象およびアームBにおいて0人が(P<0.001)、ヘモグロビン<10g/dLを有していた。アームAおよびBにおける最も共通の有害事象は、頭痛(24.3%対23.4%、P=NS)および疲労(21.4%対23.0%、P=NS)であった。有害事象により中断した対象はいなかった。
この研究は、化合物1/r、化合物2および化合物3の組合せが、HCV GT−1b感染の処置に対して、RBVの有無を問わず高度に効力的および安全であることを示す。両レジメンは、テラプレビル+pegIFN/RBVについての既存率と比較して劣っておらず優れていた。RBVの添加は、化合物1/r、化合物2および化合物3で処置された場合、このGT−1b集団に追加の臨床的利益を提供すると思われない。
[実施例5]
HCV遺伝子型1bのインターフェロンフリー処置の臨床研究
この実施例は、1:1に無作為化されて、12週間、RBVを用いて(アームA)またはRBVを用いずに(アームB)、リトナビル(100mg QD)とともに投薬された化合物1(150mg QD)、化合物2(25mg QD)および化合物3(250mg BID)を受けたHCV GT1b感染患者における第3相非盲検研究を記載する。各処置アームについての12週の処置後SVR率(SVR12)を、既存テラプレビルプラスpegIFN/RBV閾値と比較した。少なくとも1用量の研究薬物を受けた全ての患者について、有害事象(AE)を記録した。全ての患者は非肝硬変であった。
HCV遺伝子型1bのインターフェロンフリー処置の臨床研究
この実施例は、1:1に無作為化されて、12週間、RBVを用いて(アームA)またはRBVを用いずに(アームB)、リトナビル(100mg QD)とともに投薬された化合物1(150mg QD)、化合物2(25mg QD)および化合物3(250mg BID)を受けたHCV GT1b感染患者における第3相非盲検研究を記載する。各処置アームについての12週の処置後SVR率(SVR12)を、既存テラプレビルプラスpegIFN/RBV閾値と比較した。少なくとも1用量の研究薬物を受けた全ての患者について、有害事象(AE)を記録した。全ての患者は非肝硬変であった。
187人の処置経験の無作為化GT1b感染患者のうち、186人が研究薬物を投薬され、安全性分析に含まれ;179人の患者が化合物1/rおよび化合物2の共製剤化薬物を受け、処置意図(ITT)に基づく効力分析に含まれた。ITT集団において、前のpegIFN/RBV処置に対して、35.2%は無応答者であり、28.5%は部分応答者であり、36.3%は再燃者であった。平均年齢(54.2歳対54.2歳)、性別(49.5%の男性対60.0%の男性)およびIL28B遺伝子型CC(11.0%対7.4%)は、それぞれアームAとBの間で匹敵した。12週の処置後に、処置意図に基づくSVR12率は、アームAについて96.6%およびアームBについて100%であった(表4)。同様に高いSVR12率が、無応答者、部分応答者および再燃者において観察された。ウイルス学的失敗を経験した患者はおらず;アームAにおいて2人の患者がAEにより薬物を中断した。有害事象は一般に軽度であり、最も頻繁なAEは、それぞれアームAおよびBにおいて疲労(31.9%対15.8%、P=.015)、頭痛(24.2%対23.2%、P>.05)および吐き気(20.9%対6.3%、P=.005)であった。処置の終了時に正常下限未満のヘモグロビンおよびビリルビン>3Xの正常上限を有する患者の割合は、RBVを受けた患者のほうが高く;患者の1.1%(2/186)だけがヘモグロビン<10g/dLを経験し、ともにアームAにおいてであった。
この研究は、RBVの有無を問わず化合物1/r、化合物2および化合物3の12週レジメンが高いSVR12率を達成し(RBVを用いて96.6%およびリバビリンを用いて100%)、低い処置中断率および重篤な有害事象率によって証明されている通り、一般に良い忍容性を示したことを示す。RBVを用いないレジメンは、ビリルビン上昇およびヘモグロビン減少を含めて、より低い実験室異常率を伴った。
[実施例6]
HCV遺伝子型1aのインターフェロンフリー処置の臨床研究
この研究におけるHCV遺伝子型1a感染の処置未経験患者を1:2に無作為化し、体重に従って1日当たり1000mgから1200mg(体重が<75kgだったならば1000mg、体重が≧75kgだったならば1200mg)の用量で1日2回盲検リバビリン(A群)または適合するプラセボ(B群)のいずれかを12週間受けた。全ての患者が非盲検化合物1/r/化合物2(150mg/100mg/25mg1日1回)および化合物3(250mg1日2回)を12週間受けた。患者を処置期間後に48週間追跡した。合計305人の患者を無作為化し、少なくとも1つの用量の研究薬物を受けた。ベースラインの人口統計および特徴は、典型的な北アメリカまたはヨーロッパのGT1a感染HCV集団を代表していた。全ての患者は非肝硬変であった。
HCV遺伝子型1aのインターフェロンフリー処置の臨床研究
この研究におけるHCV遺伝子型1a感染の処置未経験患者を1:2に無作為化し、体重に従って1日当たり1000mgから1200mg(体重が<75kgだったならば1000mg、体重が≧75kgだったならば1200mg)の用量で1日2回盲検リバビリン(A群)または適合するプラセボ(B群)のいずれかを12週間受けた。全ての患者が非盲検化合物1/r/化合物2(150mg/100mg/25mg1日1回)および化合物3(250mg1日2回)を12週間受けた。患者を処置期間後に48週間追跡した。合計305人の患者を無作為化し、少なくとも1つの用量の研究薬物を受けた。ベースラインの人口統計および特徴は、典型的な北アメリカまたはヨーロッパのGT1a感染HCV集団を代表していた。全ての患者は非肝硬変であった。
化合物1/r、化合物2および化合物3を用いる12週の処置後、処置後12週の持続性ウイルス学的応答率(SVR12)は、A群において97.0%(97/100)およびB群において90.2%であった。A群およびB群のSVR12率は、両方ともに、肝硬変を有していない処置未経験のHCV遺伝子型1a感染成人におけるテラプレビルプラスペグインタ−フェロン/リバビリンについての既存率よりも劣っておらず優れていた。
不均一性についての試験は、性別、ヒスパニック系またはラテン系の民族性、年齢、線維症、ウイルス負荷およびIL28B遺伝子型に関してSVRの有意な差異を示さなかった。両処置アームについて少なくとも95%のSVR12率が、IL28B CC遺伝子型を有する患者(A群における100%対B群における97%)および女性患者(A群における100%対B群における95%)を含めて、ある特定のサブグループにおいて観察された。A群とB群との間の処置差異は、評価されたサブグループの中で有意に変動しなかった。
[実施例7]
HCV遺伝子型1のインターフェロンフリー処置の臨床研究
この研究において、Child−Pugh A肝硬変を有する患者を、化合物1/r/化合物2(150mg/100mg/25mg1日1回)、化合物3(250mg1日2回)および重量ベースのリバビリンを用いて12週間処置した。一次効力分析は、43%(劣っていない)および54%(優れている)の既存のテラプレビルベースの閾値と比較して、SVR12を達成した対象の割合であった。
HCV遺伝子型1のインターフェロンフリー処置の臨床研究
この研究において、Child−Pugh A肝硬変を有する患者を、化合物1/r/化合物2(150mg/100mg/25mg1日1回)、化合物3(250mg1日2回)および重量ベースのリバビリンを用いて12週間処置した。一次効力分析は、43%(劣っていない)および54%(優れている)の既存のテラプレビルベースの閾値と比較して、SVR12を達成した対象の割合であった。
適格患者は、処置未経験であるまたはペグインタ−フェロン/リバビリンで前に処置された、慢性HCV遺伝子型1感染および血漿HCV RNAレベル>10,000IU/mLを有する18歳から70歳の成人であった。全ての患者は、肝臓生検またはFibroScanを使用して記録されており、スクリーニングで<7のChild−Pugh分類Aスコアによって代償されたと定義されており、Child−Pugh BまたはC分類の現在または過去の臨床的証拠がない肝硬変を有していた。
ペグインタ−フェロン/リバビリンを用いる前処置に従って、患者を処置経験があるまたは処置未経験であるとして層別化した。HCVサブタイプによっておよび前のペグインタ−フェロン/リバビリン処置に対する非応答の型:無応答者、部分応答者または再燃者によって、処置経験患者を層別化した。処置期間中、患者は、共製剤化化合物1/r/化合物2(150mg/100mg/25mg1日1回)を、化合物3(250mg1日2回)およびリバビリン(体重に従って1日2回に分割された1000mgから1200mg)と一緒に12週間受けた。
上に記載されているレジメンに従った12週の処置後、SVR12率は91.8%であった(研究された合計208人の患者の中で、191人の患者がSVR12を達成した。)。表5は、異なる患者集団の中のSVR12率を要約している。SVR12率は、肝硬変を有するHCV遺伝子型1感染患者において、既存テラプレビルプラスペグインタ−フェロン/リバビリン閾値よりも劣っておらず優れていた。
12週の処置の終了時に、肝臓酵素は、ベースライン上昇を有する大部分の患者において正常化された。活性化部分トロンボプラスチン時間は、ベースライン時に>ULN値を有する47/67人(70.1%)の患者において、処置の終了時に正常化された。平均総ビリルビン値は、処置の終了までに減少し、処置後に正常化した。要するに、12週の処置は、高いSVR率、ならびに肝硬変を有する患者にしばしば存在する肝臓関連の化学および凝固のプロファイル異常の正常化をもたらした。
末期肝臓疾患(MELD)スコアについてのモデルは、肝臓疾患重症度を判定する。ベースラインMELDスコアによるMELDスコアの変化を、この研究において判定した。MELDスコアの変化は、6−9、10−13、または≧14のベースラインMELDスコアを有する患者のサブグループについて報告された。化合物1/r/化合物2(150mg/100mg/25mg1日1回)、化合物3(250mg1日2回)および重量ベースのリバビリンの組合せは、ベースラインMELDスコアにかかわらず肝硬変患者における高いSVR12率および好ましい安全性に至ると決定された。
[実施例8]
HCV遺伝子型1のインターフェロンフリー処置の臨床研究
この無作為化二重盲検プラセボ対照の多施設試験において、631人の処置未経験の非肝硬変のHCV遺伝子型1感染患者を、活性レジメン(アームA;473人の患者)またはマッチングプラセボ(アームB;158人の患者)に割り当てた(3:1)。アームAは、共製剤化化合物1/r/化合物2(150mg/100mg/25mg1日1回)を、化合物3(250mg1日2回)および重量ベースのリバビリン(体重が<75kgであったならば1日1000mg、体重が≧75kgであったならば1日1200mg)と一緒に、12週の二重盲検期間中に投与することを含んだ。アームB患者は、この期間中にマッチングプラセボを受けた。アームA患者の5.5%において有害事象により、リバビリン用量を変更した。
HCV遺伝子型1のインターフェロンフリー処置の臨床研究
この無作為化二重盲検プラセボ対照の多施設試験において、631人の処置未経験の非肝硬変のHCV遺伝子型1感染患者を、活性レジメン(アームA;473人の患者)またはマッチングプラセボ(アームB;158人の患者)に割り当てた(3:1)。アームAは、共製剤化化合物1/r/化合物2(150mg/100mg/25mg1日1回)を、化合物3(250mg1日2回)および重量ベースのリバビリン(体重が<75kgであったならば1日1000mg、体重が≧75kgであったならば1日1200mg)と一緒に、12週の二重盲検期間中に投与することを含んだ。アームB患者は、この期間中にマッチングプラセボを受けた。アームA患者の5.5%において有害事象により、リバビリン用量を変更した。
主要エンドポイントは、処置後12週の持続性ウイルス学的応答(SVR12)であった。一次分析は、アームAについての応答率を、テラプレビルおよびペグインタ−フェロン/リバビリンを受けた非肝硬変の処置未経験患者についての既存対照応答率と比較した。無作為化をHCVサブタイプ(1a、非1a)およびIL28B遺伝子型(CC、非CC)によって層別化した。
変更された処置意図に基づくSVR12率は、アームAについて96.2%であった(合計473人のアームA患者の中で、455人の患者がSVR12を達成した。)。この率は、テラプレビルプラスペグインタ−フェロン/リバビリンについての既存対照SVR率よりも劣っておらず優れていた。SVR12率は、HCV遺伝子型1aに感染した患者において95.3%(307/322)およびHCV遺伝子型1bに感染した患者において98.0%(148/151)であった。これらの率は、それぞれのサブグループについての既存対照SVR率よりも優れていた。SVR12率は、IL28B遺伝子型(CC:96.5%、非CC:96.0%)、人種(黒人:96.4%、非黒人:96.2%)、ベースライン線維症スコア(F0−F1:97.0%、F2:94.3%、≧F3:92.5%)、またはベースラインHCV RNAレベル(<800,000IU/mL:98.1%、≧800,000IU/mL:95.7%)を含めた特徴にかかわらず、同様に高かった。リバビリン用量変更を用いる患者におけるSVR12率は、変更を用いない患者における96.4%(426/442)と対比して93.5%(29/31)であった。肥満度指数≧30kg/m2を有する患者の中でさえ、SVR12率が高かった(91.5%)。
[実施例9]
HCV遺伝子型1のインターフェロンフリー処置の臨床研究
この第3相臨床研究において、394人の患者を12週の二重盲検期間中に活性レジメンまたはプラセボに無作為化した(3:1)。無作為化スケジュールを、前のペグインタ−フェロン/リバビリン処置(再燃、部分的応答または無応答)に対する応答の型およびHCVサブ遺伝子型(1a、非1a)によって層別化した。二重盲検期間中、活性レジメンに無作為化された患者は、経口用共製剤化化合物1/r/化合物2(150mg/100mg/25mg1日1回)を、化合物3(250mg1日2回)および重量ベースのリバビリン(体重が<75kgだったならば1日1000mg、体重が≧75kgだったならば1日1200mg;両方とも1日2回に分割された。)と一緒に、12週間受けた。プラセボに無作為化された患者は、マッチングプラセボピルを、この期間中に受けた。処置割り当ては、二重盲検期間中、調査者、患者およびスポンサーに隠されていた。該研究に登録された全ての患者は、前再燃(処置の終了時に検出不可能であったが、その後は検出可能なHCV RNA)、または部分的応答(処置12週目で≧2log10IU/mLHCV RNA低減だったが、処置の終了時に検出可能)もしくは無応答(処置12週目または4週目で、それぞれ<2log10IU/mLまたは<1log10IU/mLのHCV RNA低減)を有する、非肝硬変のペグインタ−フェロン/リバビリン二重治療経験のHCV遺伝子型1感染患者であった。
HCV遺伝子型1のインターフェロンフリー処置の臨床研究
この第3相臨床研究において、394人の患者を12週の二重盲検期間中に活性レジメンまたはプラセボに無作為化した(3:1)。無作為化スケジュールを、前のペグインタ−フェロン/リバビリン処置(再燃、部分的応答または無応答)に対する応答の型およびHCVサブ遺伝子型(1a、非1a)によって層別化した。二重盲検期間中、活性レジメンに無作為化された患者は、経口用共製剤化化合物1/r/化合物2(150mg/100mg/25mg1日1回)を、化合物3(250mg1日2回)および重量ベースのリバビリン(体重が<75kgだったならば1日1000mg、体重が≧75kgだったならば1日1200mg;両方とも1日2回に分割された。)と一緒に、12週間受けた。プラセボに無作為化された患者は、マッチングプラセボピルを、この期間中に受けた。処置割り当ては、二重盲検期間中、調査者、患者およびスポンサーに隠されていた。該研究に登録された全ての患者は、前再燃(処置の終了時に検出不可能であったが、その後は検出可能なHCV RNA)、または部分的応答(処置12週目で≧2log10IU/mLHCV RNA低減だったが、処置の終了時に検出可能)もしくは無応答(処置12週目または4週目で、それぞれ<2log10IU/mLまたは<1log10IU/mLのHCV RNA低減)を有する、非肝硬変のペグインタ−フェロン/リバビリン二重治療経験のHCV遺伝子型1感染患者であった。
主要エンドポイントは、処置後12週の持続性ウイルス学的応答であった(SVR12)。一次効力分析は、活性レジメン受容者におけるこの率を、テラプレビルおよびペグインタ−フェロン/リバビリンを受けたHCV遺伝子型1感染の非肝硬変の処置経験患者における既存応答率と比較した。
活性レジメンの患者の中で、SVR12率は96.3%であった(活性レジメンの297人のうちの286人の患者がSVR12を達成した。)。これは、テラプレビルおよびペグインタ−フェロン/リバビリンの既存対照SVR率よりも劣っておらず優れていた。HCVサブタイプ1aおよび1bを有するHCV感染患者の中のSVR12率は、それぞれ96.0%(166/173)および96.7%(119/123)であった。HCVサブタイプは、SVR12を達成した1人の患者について決定することができなかった。SVR12率は、前再燃者の中では95.3%(82/86)、部分応答者の中では100%(65/65)および無応答者の中では95.2%(139/146)であった。SVR12率は、人種、年齢、線維症スコアおよびIL28B遺伝子型を含めた特徴が異なるサブグループに渡っても高かった。
293人のうち7人の患者(2.4%)は、処置後のウイルス再燃を経験した。再燃時に、7人のうち6人の患者は、レジメンに含まれる3種の直接作用性抗ウイルス薬の1種に耐性を与えることが知られている少なくとも1つの変異体を有していた。ウイルス学的失敗時での5人の遺伝子型1a感染患者における最も頻繁に検出された変異体は、NS3におけるD168V(2/5)、NS5AにおけるM28V(3/5)およびQ30R(2/5)、ならびにNS5BにおけるS556G(2/5)であった。ウイルス学的失敗時で、遺伝子型1b感染患者の1人は、NS3、NS5AまたはNS5Bにおける耐性関連変異体を有しておらず;他の遺伝子型1b感染患者は、NS3におけるY56HおよびD168A、NS5AにおけるY93HおよびNS5BにおけるC316N+S556Gを有していた。
[実施例10]
HCV遺伝子型2のインターフェロンフリー処置の臨床研究
この研究において、慢性HCV GT2感染を有する37人の非肝硬変のペグインタ−フェロン/リバビリン(pegIFN/RBV)処置経験日本人成人を、化合物1/r(100mg/100mgまたは150mg/100mg;QD)および化合物2(QD)で12週間処置した。これらの処置経験患者は、無応答者、部分応答者および/または再燃者を含んだ。
HCV遺伝子型2のインターフェロンフリー処置の臨床研究
この研究において、慢性HCV GT2感染を有する37人の非肝硬変のペグインタ−フェロン/リバビリン(pegIFN/RBV)処置経験日本人成人を、化合物1/r(100mg/100mgまたは150mg/100mg;QD)および化合物2(QD)で12週間処置した。これらの処置経験患者は、無応答者、部分応答者および/または再燃者を含んだ。
化合物1/r(100mg/100mg)アームについてのSVR12率およびSVR24率は57.9%(N=19)であり、化合物1/r(150mg/100mg)アームについては72.2%(N=18)であった。化合物1/r(100mg/100mg)プラス化合物2で処置された8人のうちの2人のGT2b感染患者はSVR24を達成し;化合物1/r(150mg/100mg)プラス化合物2で処置された8人のうちの3人のGT2b感染患者はSVR24を達成し;化合物1/r(100mg/100mg)プラス化合物2で処置された11人のうちの9人のGT非2b感染患者はSVR24を達成し;化合物1/r(150mg/100mg)プラス化合物2で処置された全10人のGT2b感染患者はSVR24を達成した。
[実施例11]
慢性オピオイド1治療を受けたHCV GT1感染患者の臨床研究
安定なメサドンまたはブプレノルフィン+/−ナロキソン治療中である慢性HCV GT1感染を有する非肝硬変患者を、この非盲検研究に登録した。患者を共製剤化化合物1/r/化合物2(2個の錠剤QD)、化合物3(1個の錠剤BID)および重量ベースのRBV(3D+RBV)で12週間処置した。SVR12(処置後12週のHCV RNA <LLOQ)を達成した患者の百分率を、処置意図に基づく分析で判定した。
慢性オピオイド1治療を受けたHCV GT1感染患者の臨床研究
安定なメサドンまたはブプレノルフィン+/−ナロキソン治療中である慢性HCV GT1感染を有する非肝硬変患者を、この非盲検研究に登録した。患者を共製剤化化合物1/r/化合物2(2個の錠剤QD)、化合物3(1個の錠剤BID)および重量ベースのRBV(3D+RBV)で12週間処置した。SVR12(処置後12週のHCV RNA <LLOQ)を達成した患者の百分率を、処置意図に基づく分析で判定した。
38人の患者を登録した(メサドンに19人、ブプレノルフィンに19人)。平均年齢は48.2歳であり、66%が男性であり、95%が処置未経験であり、84%がGT1a感染を有し、68%がIL28b非CC遺伝子型を有していた。1人の患者は、研究薬物に非関連の重篤な有害事象(脳血管事故および肉腫)により早期に中断した。残りの37人の対象(97.4%)は全員、SVR12を達成した。ウイルス学的失敗はなかった。最も頻繁な有害事象は、吐き気(50%)、疲労(47.4%)および頭痛(31.6%)であり;8人の患者は、処置の最中にヘモグロビン<10g/dLを経験し、このヘモグロビンはRBV用量低減で管理した。メサドンまたはブプレノルフィンの用量調整は報告されなかった。安定なメサドンまたはブプレノルフィン治療中の患者の中で、3D+RBVレジメンは良い忍容性を示し、97.4%のSVR12率を達成した。
別の研究は、その上、3DレジメンがRBVの有無を問わず、メサドンまたはブプレノルフィンを用いる慢性オピオイド置換処置中の患者において良い忍容性を示し、95%超の高いSVR12率であったことを示した。
[実施例12]
C型肝炎およびHIV−1に同時感染した患者の臨床研究
これは、12週間の3D+RBVレジメンを評価する無作為化非盲検研究であった。研究適格性は:HCV処置未経験のまたはpegIFN/RBV経験、肝硬変(Child−Pugh A)の存在または非存在、CD4+カウント ≧200細胞/mm3またはCD4+% >14%および安定なアタザナビル−またはラルテグラビル包含抗レトロウイルスレジメン中に抑制された血漿HIV−1 RNAを含んだ。主要エンドポイントは、処置後12週のSVR(SVR12)であった。患者のベースライン特性は、表6に要約されている。
C型肝炎およびHIV−1に同時感染した患者の臨床研究
これは、12週間の3D+RBVレジメンを評価する無作為化非盲検研究であった。研究適格性は:HCV処置未経験のまたはpegIFN/RBV経験、肝硬変(Child−Pugh A)の存在または非存在、CD4+カウント ≧200細胞/mm3またはCD4+% >14%および安定なアタザナビル−またはラルテグラビル包含抗レトロウイルスレジメン中に抑制された血漿HIV−1 RNAを含んだ。主要エンドポイントは、処置後12週のSVR(SVR12)であった。患者のベースライン特性は、表6に要約されている。
処置終了時(EOTR)および処置後4週(SVR4)でのウイルス学的応答は、それぞれ30/31人(96.8%)および29/31人(93.5%)の患者によって達成された。1人の患者は処置を終える前に同意を撤回したが、最後の研究訪問(10週目)で検出不可能なHCV RNAを有し、別の患者は処置後2週目でウイルス学的再燃を経験した。重篤なAEを経験したまたはAEにより研究薬物を中断した患者はいなかった。総ビリルビンの上昇は、アタザナビルを受けた患者において優勢な、最も共通の実験室異常であった。HIV−1 RNA抑制<200コピー/mLは、全ての患者において維持された。
肝硬変を有するまたは有しない処置未経験および処置経験のGT1 HCV/HIV−1同時感染患者において3D+RBVで観察された高いウイルス学的応答率および低い処置中断率は、このレジメンを受けたHCV GT1単感染集団におけるものと一致する。
[実施例13]
HCV遺伝子型1bおよび肝硬変を有する患者のためのオムビタスビル/パリタプレビル/rおよびダサブビルの12週のリバビリンフリーのレジメン
12週間の、リバビリン(RBV)を用いない、オムビタスビル、パリタプレビル(リトナビルでブーストされた。)およびダサブビルの3直接作用性抗ウイルス薬(3D)レジメンを用いる処置は、肝硬変を有していないHCV遺伝子型(GT)1b患者において100%および12週間RBVと同時投与された場合に代償性肝硬変を有するGT1b患者において99%の12週持続性ウイルス学的応答(SVR12)率を実証した。この実施例は、HCV GT1b感染および代償性肝硬変を有する患者における、RBVを用いない3Dレジメンの安全性および効力を記載する。
HCV遺伝子型1bおよび肝硬変を有する患者のためのオムビタスビル/パリタプレビル/rおよびダサブビルの12週のリバビリンフリーのレジメン
12週間の、リバビリン(RBV)を用いない、オムビタスビル、パリタプレビル(リトナビルでブーストされた。)およびダサブビルの3直接作用性抗ウイルス薬(3D)レジメンを用いる処置は、肝硬変を有していないHCV遺伝子型(GT)1b患者において100%および12週間RBVと同時投与された場合に代償性肝硬変を有するGT1b患者において99%の12週持続性ウイルス学的応答(SVR12)率を実証した。この実施例は、HCV GT1b感染および代償性肝硬変を有する患者における、RBVを用いない3Dレジメンの安全性および効力を記載する。
この第3b相多施設非盲検研究に登録された患者は、RBVを用いない3Dを12週受けた。代償不全の病歴を有さない代償性肝硬変を有する処置未経験患者およびペグインタ−フェロン/RBV処置経験患者の両方を、以下の基準で登録した:ヘモグロビン≧10g/dL、アルブミン≧2.8g/dL、血小板カウント≧25×109/Lおよびクレアチニンクリアランス≧30ml/min。処置後12週目(SVR12)にSVR(定量化[LLOQ;<25IU/mL]のレベル未満のHCV RNA)を達成した患者の百分率によって、効力を判定した。研究薬物を受けた全ての患者において、効力および安全性を判定した。
代償性肝硬変を有する60人のGT1b感染患者は3Dを受けた。研究集団は、33人(55%)の処置経験、IL28B非CC遺伝子型を有する50人(83%)、血小板カウント<90×109/Lを有する13人(22%)およびアルブミン<3.5g/dLを有する10人(17%)から構成されていた。血清HCV RNA減退は急速であり、処置の終了まで、37/60人(62%)の患者が処置2週目で<LLOQおよび60/60人(100%)の患者が4週目までに<LLOQであった。早期処置中断はなかった。全60人の患者が処置を完了し、60/60人(100%)がSVR12を達成した。平均アルブミンレベルは、処置後4週目までにベースライン時の3.9g/dLから4.1g/dLに改善した。有害事象(AE)の大部分は軽度または中程度であり、下痢(17%)、頭痛(15%)および疲労(12%)が最も共通のAEであった。臨床的に有意な実験室異常は観察されなかった。
この研究は、12週間のRBVを用いない3Dレジメンが良い忍容性を示し、処置経験患者を含めて代償性肝硬変を有するHCV GT1b感染患者において高度に効力的であることを確認する。この研究は、リバビリンが、肝硬変を有するHCV GT1b患者の処置において、オムビタスビル、パリタプレビル(リトナビルでブーストされる。)およびダサブビルとともに必要とされないことも確認する。
本発明は、本発明の任意の方法または処置レジメンにおいて、患者(例えば、GT1またはGT4に感染している。)が、Child−Pugh B(CPB)肝硬変を有し得ることをさらに企図する。本発明は、本発明の任意の方法または処置レジメンにおいて、患者(例えば、GT1またはGT4に感染している。)が、非代償性肝硬変を有し得ることをさらに企図する。CPB肝硬変または非代償性肝硬変を有する患者に行われた研究は、3D+RBVが、8週の処置後にHCVウイルスレベルを検出不可能に有効に抑制することができることを示した。
[実施例14]
遺伝子型4C型慢性肝炎感染および肝硬変を有する成人における、リバビリンと同時投与されるオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビルの効力および安全性
HCV遺伝子型4(GT4)は、世界的なHCV感染のおよそ20%に当たる。GT4感染は中東およびサハラ以南のアフリカにおいてより一般的であるが、グローバリゼーションとともに、GT4は現在、ヨーロッパおよび多くの他の国においてますます見られる。第2b相PEARL−I研究において、2種の直接作用型抗ウイルス剤(2DAA)オムビタスビル(OBV)、NS5A阻害剤およびパリタプレビル、リトナビル(PTV/r)と同時投薬されるNS3/4Aプロテアーゼ阻害剤の、リバビリン(RBV)の有無における効力および安全性を、肝硬変を有していないHCV GT4感染を有する135人の対象において判定した。SVR12は、12週間2DAA+RBVを受けた、処置未経験(TN)対象ならびに前インターフェロン(IFN)およびRBV処置経験(TE)対象の両方において100%であった。この実施例は、代償性肝硬変を有するHCV GT4感染対象において、RBVを用いる共製剤化OBV/PTV/rの効力および安全性を評価することによって、それらの観察を広げた。
遺伝子型4C型慢性肝炎感染および肝硬変を有する成人における、リバビリンと同時投与されるオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビルの効力および安全性
HCV遺伝子型4(GT4)は、世界的なHCV感染のおよそ20%に当たる。GT4感染は中東およびサハラ以南のアフリカにおいてより一般的であるが、グローバリゼーションとともに、GT4は現在、ヨーロッパおよび多くの他の国においてますます見られる。第2b相PEARL−I研究において、2種の直接作用型抗ウイルス剤(2DAA)オムビタスビル(OBV)、NS5A阻害剤およびパリタプレビル、リトナビル(PTV/r)と同時投薬されるNS3/4Aプロテアーゼ阻害剤の、リバビリン(RBV)の有無における効力および安全性を、肝硬変を有していないHCV GT4感染を有する135人の対象において判定した。SVR12は、12週間2DAA+RBVを受けた、処置未経験(TN)対象ならびに前インターフェロン(IFN)およびRBV処置経験(TE)対象の両方において100%であった。この実施例は、代償性肝硬変を有するHCV GT4感染対象において、RBVを用いる共製剤化OBV/PTV/rの効力および安全性を評価することによって、それらの観察を広げた。
この進行中の第3相無作為化非盲検多国籍研究(NCT02265237)は、HCV GT4感染TN対象、または代償性肝硬変を有するIFN/RBVもしくはpegIFN/RBVTE対象を登録した。対象は1:1に無作為化されて、各アームにおいておよそ等しい数のTNおよびTE対象で12週(アームA)または16週(アームB)の間、重量ベースのRBVと同時投与される共製剤化OBV/PTV/rを受けた。ソホスブビル/pegIFN/RBVまたはソホスブビル/RBVのいずれかでウイルス学的失敗を経験した対象における24週処置アーム(C)および探索判定が後に続く。一次目的は、pegIFN/RBVで処置されたHCV GT4感染対象についての既存SVR12率と比較する場合の、これらの2つのDAAレジメンの安全性およびSVR12率を判定することである。
55人および56人の肝硬変対象を、それぞれアームAおよびBに無作為化した。111人の対象のうち、48%はTNであり、52%はIFN/RBVまたはpegIFN/RBVを用いるTEであった(30%の前無応答、12%の前再燃者、10%の部分応答者)。ベースライン時に、対象の91%は、5、6%が6および3%が7のChild−Pughスコアを有した。全体的に、72%は男性、78%は白人および17%は黒人またはアフリカ系アメリカ人であった。平均年齢は57歳および平均BMIは28kg/m2であり、29%が糖尿病の病歴を報告した。対象の≧10%において出現した全体的なDAA関連処置下発現有害事象(AE)は、疲労および頭痛(各々約15%)であった。5人の対象は合計12の処置下発現重篤なAEを報告し;1つは研究薬物に関連する(躁病発作)と見なされた。研究薬物の中断に至ったAEはなく;1人の対象は同意を撤回し、1人の対象はウイルス学的失敗のための処置に基づく基準を満たした。12週および16週の間のRBVを用いるOBV/PTV/rは一般に、良い忍容性を示した。
アームAにおいて、12人の患者を今までのところ処置後4週目で試験し、12/12人(100%)がSVR4を達成している。ただ1つのウイルス学的失敗が今までのところアームAにおいて観察されている。さらなる評価は、今までのところ試験された全ての患者(各アームにおいて約50人の患者)の中で、95%超のSVR12(ITT分析)が両アームについて達成されていることを示した。
[実施例15]
エジプトにおいて慢性HCV遺伝子型4感染を有する成人における、リバビリンを用いる共製剤化オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビルの効力および安全性
C型慢性肝炎ウイルス(HCV)感染は、エジプトにおける肝臓肝硬変および肝臓がんの主な原因であり、5つの主要な死亡原因の1つである。エジプトにおけるHCV感染の有病率は世界で最も高く(10−14%)、90%超がHCV遺伝子型(GT)4に感染している。この実施例は、代償性肝硬変を有するおよび有しないGT4感染対象について、エジプトにおいてRBVを用いるOBV/PTV/rを評価するための第1の第3相試験を記載する。
エジプトにおいて慢性HCV遺伝子型4感染を有する成人における、リバビリンを用いる共製剤化オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビルの効力および安全性
C型慢性肝炎ウイルス(HCV)感染は、エジプトにおける肝臓肝硬変および肝臓がんの主な原因であり、5つの主要な死亡原因の1つである。エジプトにおけるHCV感染の有病率は世界で最も高く(10−14%)、90%超がHCV遺伝子型(GT)4に感染している。この実施例は、代償性肝硬変を有するおよび有しないGT4感染対象について、エジプトにおいてRBVを用いるOBV/PTV/rを評価するための第1の第3相試験を記載する。
この進行中の第3相多施設非盲検試験は、エジプトにおける5つの場所にわたった160人の対象を登録した。非肝硬変患者(n=100)は、共製剤化OBV/PTV/rを1日1回(25mg/150mg/100mg)、重量ベースのRBVとともに12週間受けた(アームA)。肝硬変対象(n=60)を、12週または24週(アームBおよびC;n=30/アーム)のいずれかの間の同じレジメンに1:1に無作為化した。一次効力エンドポイントはSVR12である。安全性は、有害事象(AE)モニタリング、実験室試験および他の標準判定によって評価されている。対象は処置後48週間追跡される。
合計160人の非肝硬変対象(アームA、n=101)および肝硬変対象(アームB、n=30、C、n=29)を登録した。およそ半分がTEであった(61%の前無応答、24%の前再燃者および15%の部分応答者)。全体的に、76%は男性である。平均年齢は54歳および平均BMIは29.5kg/m2であり、18%が糖尿病の病歴を報告し、67%がHOMA−IRスコア≧3を有していた。対象の≧10%において出現した全体的なDAA関連処置下発現有害事象(AE)は、疲労(12%)および頭痛(15%)であった。合理的にはおそらく研究薬物に関連すると見なされる深部静脈血栓症の重篤なAE(SAE)を有する1人の対象がいた。研究薬物の中断に至るAEはなく、1人の対象は同意を撤回し(アームA)、2人の対象はウイルス学的失敗についての処置に基づく基準を満たした(アームB、n=1およびC、n=1)。該研究レジメンは一般に、良い忍容性を示した。
アームAにおいて、ウイルス学的失敗は今までのところ観察されておらず;処置後4週目または12週目に試験されている患者について、患者の100%は、SVR4またはSVR12をそれぞれ達成している。アームBにおいて、ただ1つのウイルス学的失敗が今までのところ観察されており;処置後4週目または8週目に試験されている患者について、患者の100%は、それぞれSVR4またはSVR8を達成している。
[実施例16]
重度腎機能低下または末期腎疾患を有する非肝硬変のHCV遺伝子型1感染患者におけるオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル+ダサブビル+/−リバビリン(RBV)
HCVは、末期腎疾患を有する患者の中で共通である。「3D」と本明細書において称されている共製剤化オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル(25/150/100mg QD)プラスダサブビル(250mg BID)は、腎機能不全を有する患者における用量調整を必要としない。第3相試験において、3D+/−RBVは、HCV遺伝子型1(GT1)感染患者において、高いSVR率および有害事象による中断の低い率を示した。この実施例は、ステージ4または5の慢性腎臓疾患(CKD)およびGT1感染を有する患者において3D+/−RBVを評価する非盲検研究を記載する。
重度腎機能低下または末期腎疾患を有する非肝硬変のHCV遺伝子型1感染患者におけるオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル+ダサブビル+/−リバビリン(RBV)
HCVは、末期腎疾患を有する患者の中で共通である。「3D」と本明細書において称されている共製剤化オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル(25/150/100mg QD)プラスダサブビル(250mg BID)は、腎機能不全を有する患者における用量調整を必要としない。第3相試験において、3D+/−RBVは、HCV遺伝子型1(GT1)感染患者において、高いSVR率および有害事象による中断の低い率を示した。この実施例は、ステージ4または5の慢性腎臓疾患(CKD)およびGT1感染を有する患者において3D+/−RBVを評価する非盲検研究を記載する。
コホート1は、GT1感染およびCKDステージ4(推算GFR 15−30mL/min/1.73m2)または5(eGFR<15mL/min/1.73m2または透析の必要)を有する処置未経験の非肝硬変成人を登録した。患者は、3D+RBV(GT1a)または3D(GT1b)を12週受けた。RBVを200mg QDでGT1a患者のために投薬した。コホート2は、肝硬変患者を含んだ。
コホート1における20人の患者は研究薬物を受けた。全ての患者(N=17)が処置終了(EOT)応答を達成した。処置後4週目で利用可能データを有する全13人の患者および処置後12週目で利用可能データを有する全6人の患者が、SVRを達成した。ウイルス学的失敗は今までのところ観察されていない。1人の患者は、研究薬物に非関連の心臓原因により処置後14日で死亡した。患者の大多数(19/20)は少なくとも1つの有害事象を有していたが、有害事象の大部分は重症度が軽度または中程度であった。研究薬物中断はなかった。13人のうち9人のGT1a患者は、ヘモグロビン減少によりRBV用量を変更した。ヘモグロビン<8g/dLの1つの症例があった。輸血は行われなかった。
この研究においてステージ4または5のCKDを有するHCV GT1感染患者の中で、3D+/−RBVは、早期処置中断なく良い忍容性を示している。ヘモグロビン減少をRBV中断で管理したが、このことが効力に影響すると思われない。
処置後4週目に試験されている13人の患者について、彼らの全て(100%)がSVR4を達成している。処置後12週目に試験されている6人の患者について、彼らの全て(100%)がSVR12を達成している。さらなる評価は、全患者の90%(18/20)がSVR12を達成したことを示した。
したがって、本発明は、GT1を処置するための本発明の任意の方法または処置レジメンにおいて、患者がステージ4または5のCKDのようなCKDを有し得ることを企図する。本発明は、GT1を処置するための本発明の任意の方法または処置レジメンにおいて、患者が重度の腎機能低下または末期腎疾患を有し得ることをさらに企図する。
[実施例17]
HCV遺伝子型1感染を有する対象における、オムビタスビル、パリタプレビル、リトナビルおよびダサブビルの薬物動態に対する慢性腎臓疾患の効果
リトナビル(PTV/r)+ダサブビル(DSV)±リバビリン(RBV)と同時投与されるオムビタスビル(OBV)+パリタプレビルの、全て経口のインターフェロンフリーの3直接作用型抗ウイルス(3DAA)レジメンを、慢性腎臓疾患(CKD)を有するHCV遺伝子型(GT)1感染対象において評価した。腎機能低下を有するHCV非感染対象に3つのDAAを投与した場合、曝露における有意義な変化は見られなかった。該実施例は、HCV GT1感染対象におけるOBV、PTV/rおよびDSVの薬物動態に対するCKDステージ4およびステージ5の効果を記載する。
HCV遺伝子型1感染を有する対象における、オムビタスビル、パリタプレビル、リトナビルおよびダサブビルの薬物動態に対する慢性腎臓疾患の効果
リトナビル(PTV/r)+ダサブビル(DSV)±リバビリン(RBV)と同時投与されるオムビタスビル(OBV)+パリタプレビルの、全て経口のインターフェロンフリーの3直接作用型抗ウイルス(3DAA)レジメンを、慢性腎臓疾患(CKD)を有するHCV遺伝子型(GT)1感染対象において評価した。腎機能低下を有するHCV非感染対象に3つのDAAを投与した場合、曝露における有意義な変化は見られなかった。該実施例は、HCV GT1感染対象におけるOBV、PTV/rおよびDSVの薬物動態に対するCKDステージ4およびステージ5の効果を記載する。
正常または軽度の腎機能低下を有する対象(「腎臓疾患を有しない」対象)における第2相研究(N=38)からの薬物動態学的データを、血液透析中のCKDステージ4(N=5)またはステージ5を有する対象における第3b相研究(N=14)からの予備データと組み合わせた。両研究において、対象は、OBV/PTV/r25/150/100mg QDおよびDSV250mg BID±RBVを12週間受けた。集団薬物動態学的モデルを使用して、3DAAレジメンの薬物動態学的パラメーターおよび定常状態曝露を推算した。
CKDは集団薬物動態学的分析において有意な共変動でなく、3つのDAAの安全性プロファイルはCKDの有無を問わず対象において同様であった。PTVおよびDSV曝露は、腎臓疾患およびCKDステージ4を有しない対象間で匹敵した(<22%の差異)。OBVおよびリトナビル曝露は、この分析における対象の限定数の中のCKDステージ4の対象において、それぞれ約80%および200%高かった。OBVおよびPTV曝露は、腎臓疾患およびCKDステージ5を有しない対象間で匹敵し(<20%の差異)、一方、リトナビルおよびDSV曝露は、それぞれ約33%および37%低かった。3DAAレジメンの確立された安全性および効力プロファイル、ならびに曝露応答分析に基づき、曝露におけるこれらの差異は、臨床的に有意であると思われない。そのため、CKDステージ4および5を有するHCV遺伝子型1感染対象において、用量調整は必要ない。
[実施例18]
HCV GT1感染を有する2000人超の対象における、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル、ダサブビルおよびリバビリンの薬物動態に対する腎機能の効果
該実施例は、HCV感染GT1対象におけるOBV、PTV、DSV、RTVおよびRBVの薬物動態に対する、クレアチニンクリアランス(CrCL)によって推算された場合の腎機能の効果を評価する。
HCV GT1感染を有する2000人超の対象における、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル、ダサブビルおよびリバビリンの薬物動態に対する腎機能の効果
該実施例は、HCV感染GT1対象におけるOBV、PTV、DSV、RTVおよびRBVの薬物動態に対する、クレアチニンクリアランス(CrCL)によって推算された場合の腎機能の効果を評価する。
>2000人のHCV GT1感染対象における6つの第3相研究および1つの第2相研究からのデータをプールすることによる集団薬物動態学的モデル化を使用して、OBV、PTV、DSV、RTVおよびRBVについて、血漿濃度曲線下面積(AUC)によって測定される総曝露を発生させた。全ての対象は、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル25/150/100mg QDおよびダサブビル250mg BID±重量ベースのRBVを受けた。DAA(OBV、PTVまたはDSV)値およびRTV AUC値は2093人の対象から利用可能であり、RBV AUC値は1584人の対象から利用可能であった。データセットは、正常な腎機能(NF)(CrCl≧90mL/min、n=1495)、軽度の腎機能低下(RI)(CrCL60−89mL/min、n=576)および中程度のRI(CrCL30−59mL/min、n=22)を有する対象を含んだ。各DAA、RTVおよびRBVのAUC値に対するCrCLの効果を評価し、多重線形回帰(MLR)分析(R3.2.0)における年齢、性別、体重(BW)、肝硬変(CRHS)およびアジア人民族性(ASN)を含めた任意の有意な対象特異的な共変動(0.05の有意レベルで)について調整した。あるとしたらAUC値に対する効果を決定するため、それの統計的有意性にかかわらず、CrCLをモデルに保持した。最終MLRモデルを使用して、NF(CrCL=105mL/min)、軽度のRI(CrCL=75mL/min)および中程度のRI(CrCL=45mL/min)を有する対象について、AUC値を予測した。
CrCLは、DAA値およびRTV AUC値(p>0.05)の統計的に有意な予測因子でなかった。年齢、性別、CRHSは全てのDAA/RTVについての、一方BWおよびASNはオムビタスビルおよびダサブビルについての、有意な共変動であった。CrCLは、RBVの優勢な腎排泄と一致するRBV AUC値(p<0.05)との有意な関連を示した。年齢、性別、BWおよびCRHSは、RBVについての有意な共変動であった。DAA AUC値は腎機能の異なるレベルの中で匹敵し(≦10%の差異)、一方、RBV AUC値は、NFと比較して、軽度/中程度のRIにおいて最大17%高かった。
肝硬変を有するまたは有しないHCV GT1感染対象において、軽度/中程度のRIは、DAAおよびRTV曝露に影響しなかったので;したがって、用量調整は3Dレジメンに関して必要とされない。RBV用量は、それのラベルで推奨される通りに、腎機能低下に関して調整されるべきである。
[実施例19]
肝硬変を有するまたは有しないHCV遺伝子型1b感染日本人患者に関する、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビルの無作為化第3相試験
この実施例は、日本人HCV遺伝子型(GT)1b感染患者の処置のための共製剤化オムビタスビル(OBV)/パリタプレビル(PTV)/リトナビル(r)の12週レジメンの効力および安全性を評価する第3相試験を記載する。該研究は、肝硬変を有していない患者の二重盲検のプラセボ対照サブ研究および代償性肝硬変を有する患者の非盲検サブ研究を含む。肝硬変を有していない患者を、1日1回のOBV/PTV/r(25mg/150mg/100mg;A群)またはプラセボ(B群)に2:1に無作為化した。肝硬変を有する患者は、非盲検OBV/PTV/r(25mg/150mg/100mg;C群)を受けた。肝硬変を有していない合計321人の患者を無作為化し、二重盲検研究薬物を投薬し(106人は二重盲検プラセボを受け、後に非盲検OBV/PTV/rを受けた。)、肝硬変を有する42人の患者を登録し、非盲検OBV/PTV/rを投薬した。一次効力集団において、SVR12率は94.6%であった(106/112;95%信頼区間90.5−98.8)。SVR12率は、A群において94.9%(204/215)、B群(非盲検)において98.1%(104/106)およびC群において90.5%(38/42)であった。全体的に、ウイルス学的失敗は、OBV/PTV/rを受けた患者の3.0%(11/363)に出現した。有害事象による中断率は、OBV/PTV/rを受けた3つの患者群において0−2.4%であった。どの群においても患者における最も頻繁な有害事象は上咽頭炎であった。
肝硬変を有するまたは有しないHCV遺伝子型1b感染日本人患者に関する、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビルの無作為化第3相試験
この実施例は、日本人HCV遺伝子型(GT)1b感染患者の処置のための共製剤化オムビタスビル(OBV)/パリタプレビル(PTV)/リトナビル(r)の12週レジメンの効力および安全性を評価する第3相試験を記載する。該研究は、肝硬変を有していない患者の二重盲検のプラセボ対照サブ研究および代償性肝硬変を有する患者の非盲検サブ研究を含む。肝硬変を有していない患者を、1日1回のOBV/PTV/r(25mg/150mg/100mg;A群)またはプラセボ(B群)に2:1に無作為化した。肝硬変を有する患者は、非盲検OBV/PTV/r(25mg/150mg/100mg;C群)を受けた。肝硬変を有していない合計321人の患者を無作為化し、二重盲検研究薬物を投薬し(106人は二重盲検プラセボを受け、後に非盲検OBV/PTV/rを受けた。)、肝硬変を有する42人の患者を登録し、非盲検OBV/PTV/rを投薬した。一次効力集団において、SVR12率は94.6%であった(106/112;95%信頼区間90.5−98.8)。SVR12率は、A群において94.9%(204/215)、B群(非盲検)において98.1%(104/106)およびC群において90.5%(38/42)であった。全体的に、ウイルス学的失敗は、OBV/PTV/rを受けた患者の3.0%(11/363)に出現した。有害事象による中断率は、OBV/PTV/rを受けた3つの患者群において0−2.4%であった。どの群においても患者における最も頻繁な有害事象は上咽頭炎であった。
肝硬変を有するまたは有しないこの広いHCV GT1b感染日本人患者集団において、OBV/PTV/rを用いる12週間の処置は、高度に有効であり、好ましい安全性プロファイルを実証した。
第2相無作為化非盲検試験は、日本人患者におけるHCV GT1b感染の処置のための、DAAオムビタスビル(OBV)およびパリタプレビル(低用量リトナビルとともに投与、PTV/r)の効力および安全性を示した。肝硬変を有していない前pegIFN/RBV処置経験HCV GT1b感染日本人患者は、100/100mgまたは150/100mgのPTV/rプラス25mgのOBVを1日1回、12週または24週の間受けた。高いSVR12およびSVR24率(100%の一致)および有害事象による中断の低い率が、処置持続期間またはPTV/r用量にかかわらず、HCV GT1b感染患者において観察された。この実施例は、肝硬変を有するまたは有しない日本人処置未経験および処置経験HCV GT1b感染患者において共製剤化OBV/PTV/rのIFNフリーおよびRBVフリーのレジメンを検査した第3相研究からの効力および安全性の結果を提供する。
この第3相試験は、上ならびに下に記載されている通りの2つのサブ研究(1つの二重盲検およびプラセボ対照、1つの非盲検)を含んだ。適格患者は、慢性HCV GT1b感染およびHCV RNAレベル>10,000IU/mlを有する、男性または女性の処置未経験または処置経験の(RBVの有無を問わず、IFNアルファ、ベータまたはpegIFNのようなIFNベースの治療で前に処置されている。)18−75歳(包括的)であった。患者がHBVまたはHIVに同時感染している、DAAで前に処置されている、または慢性HCV感染以外の肝臓疾患の任意の原因を有しているならば、彼らを除外した。サブ研究1は、肝硬変の過去または現在の臨床的証拠を有していない患者を登録した。サブ研究2は、代償性肝硬変を有し(Child−PughスコアA)、肝代償不全の臨床的病歴を有さず、血清アルファ−フェトプロテイン≦100ng/mLを有し、および画像化での肝細胞癌の証拠を有さない患者を登録した。各サブ研究において、肝硬変の存在または非存在は、肝臓生検、FibroScan、Fibrotest/APRI、または判別スコア試験に基づいた。
サブ研究1において、肝硬変を有していない患者は2:1に無作為化されて、二重盲検OBV/PTV/r25mg/150mg/100mg(A群)または二重盲検プラセボ(B群)を1日1回12週間受けた。二重盲検期間に続いて、B群における患者は、非盲検OBV/PTV/rを25mg/150mg/100mg1日1回で12週受けた。無作為化を前IFNベースの治療(未経験対経験)に従って層別化した。処置未経験患者をHCV RNAレベル(<100,000IU/ml対≧100,000IU/ml)によってさらに層別化した。HCV RNA≧100,000IU/mlを有する患者をIFNベースの治療についての適格性(適格対不適格)によってさらに層別化した。前にIFN処置されている患者を、IFNベースの治療に対する前の応答の型(IFNベースの治療に再燃、非応答者または不耐性)によってさらに層別化した。無作為化スケジュールをスポンサーによってコンピューター生成した。サイトは、処置への患者の無作為化のための双方向応答技術を利用した。
調査者、患者およびスポンサーは、二重盲検期間中に処置割り当てに気付かなかった。暗黙の非盲検化を防止するため、調査者、患者およびスポンサーも、HCV RNA、IP−10、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、ビリルビン(間接的および合計)およびガンマ−グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)のレベルが分からなかった。
サブ研究2において、代償性肝硬変を有する患者はC群に登録され、非盲検OBV/PTV/rを25mg/150mg/100mg1日1回で12週間受けた。
スクリーニングされた467人の患者のうち、肝硬変を有していない321人の患者をサブ研究1において無作為化し(二重盲検OBV/PTV/r[A群]に215人、二重盲検プラセボ[B群]に106人)、肝硬変を有する42人の患者をサブ研究2に登録した(非盲検OBV/PTV/r[C群])。肝硬変を有する患者の中で(サブ研究2)、78.6%は処置経験しており、平均(標準偏差)ベースライン血小板カウント、アルブミンおよび国際標準比(PT−INR)は、それぞれ114.2(47.4)×109細胞/L、38.2(3.9)g/Lおよび1.060(0.091)であった。
一次効力集団において、SVR12率は94.6%であった(106/112、95% CI 90.5−98.8)。A群における肝硬変を有していない患者の中での全体的なSVR12率は94.9%(204/215)であり;全ての処置未経験および処置経験患者におけるSVR12率は、それぞれ94.2%(131/139)および96.1%(73/76)であった。
非盲検OBV/PTV/rを受けた肝硬変を有していない患者(B群)における全体的なSVR12率は98.1%(104/106)であり;処置未経験および処置経験患者におけるSVR12率は、この群においてそれぞれ98.5%(67/68)および97.4%(37/38)であった。非盲検OBV/PTV/rを受けた肝硬変を有する患者(C群)における全体的なSVR12率は、処置未経験および処置経験患者におけるそれぞれ100%(9/9)および87.9%(29/33)を含めて、90.5%(38/42)であった。全ての他の予備定義された亜集団についてのSVR12率は、90%を超えていた(表7を参照されたい、95%CIは、Wilsonスコア方法を使用して算出した。)。
ベースライン時にALTレベル>ULNを有する肝硬変を有していない患者において、ALTは、二重盲検処置期間の終了時に、有意により大きな割合で、OBV/PTV/r対プラセボ(94.3%[116/123]対18.9%[10/53];P<0.001)を受けた患者において正常化した。
NS3/4およびNS5Aにおける耐性関連変異体(RAV)が、それぞれベースライン時に患者の1%および38%において検出された。ベースライン試料における、最も共通して検出されたNS3AおよびNS5AのRAVは、それぞれD168E(4/351、1%)およびY93H(49/357、14%)であった。RAVは、ウイルス性不全の過剰処置または再燃を体験した11人のうち10人の患者において、ウイルス学的失敗時にNS3およびNS5Aの両方で観察された。NS3において、D168Vが単独でまたはY56Hとの組合せで、患者の73%(8/11)において観察され、D168AがY56Hとの組合せで、2人の患者において観察され、1人の患者は、NS3における任意の処置下発現RAVを有していなかった。NS5Aにおいて、Y93Hは、8人の患者において前からおよび不全時に存在しており;Y93Hが単独でまたはL28M、R30Q、L31M、L31Vおよび/もしくはP58Sとの組合せで、患者の91%(10/11)において観察され;L31Fが1人の患者において観察された。
3つの患者群における処置下発現有害事象(TEAE)率も分析する。二重盲検期間中、OBV/PTV/rを受けた肝硬変を有していない患者のほうが、プラセボよりも大きな百分率で、TEAEを経験した(68.8%[215人のうち148人の患者]対56.6%[106人のうち60人の患者]、P<0.05)。TEAEは、重症度が優勢にグレード1または2であった。いずれかの処置群において二重盲検期間中に、肝硬変を有していない患者の中で、5%を超える頻度で出現したTEAEは、上咽頭炎(16.7%[36人の患者]、OBV/PTV/r;13.2%[14人の患者]、プラセボ)、頭痛(8.8%[19人の患者]、OBV/PTVr;9.4%[10人の患者]、プラセボ)および末梢性浮腫(5.1%[11人の患者]、OBV/PTV/r;0%、プラセボ)であった。二重盲検期間中にプラセボと対比してOBT/PTV/rを用いる有意により頻繁な唯一のTEAEは、末梢性浮腫であった。重篤なTEAEおよび研究薬物中断に至るTEAEの割合は、OBV/PTV/r対プラセボを受けた患者において有意には異なっていなかった(それぞれ、3.3%[7人の患者]対1.9%[2人の患者]、P>0.05;および0.9%[2人の患者]対0%、P>0.05)。OBV/PTV/rを受けた患者において研究薬物中断に至るTEAEは、各々1人の患者における無尿および低血圧であった。
非盲検OBV/PTV/rを受けた肝硬変を有していない患者におけるTEAEプロファイルは、二重盲検OBV/PTV/rを受けた肝硬変を有していない患者のそれに匹敵した。TEAEは優勢にグレード1または2であった。この群において5%を超える頻度で出現したTEAEは、上咽頭炎(7.5%[8人の患者])および頭痛(6.6%[7人の患者])であった。末梢性浮腫は、患者の3.8%(4人の患者)に出現した。重篤なTEAEは、この群において患者の2.8%(3人の患者)に出現し、TEAEにより処置を中断した患者はいなかった。
非盲検OBV/PTV/rを受けた肝硬変を有する患者の中で、73.8%(42人のうち31人の患者)が少なくとも1つのTEAEを経験した。TEAEは重症度が優勢にグレード1または2であった。5%を超える頻度で出現したTEAEは、上咽頭炎(14.3%[6人の患者])、発熱(9.5%[4人の患者])、吐き気(7.1%[3人の患者])、末梢性浮腫(7.1%[3人の患者])、血小板カウントの減少(7.1%[3人の患者])および頭痛(7.1%[3人の患者])であった。重篤なTEAEが、肝硬変を有する患者の4.8%(2人の患者)に出現した。1人の患者(2.4%)は、研究薬物中断に至った重篤なTEAE(肺水腫)を有していた。
末梢性浮腫のTEAEを経験した、研究における全ての患者は、併用のカルシウムチャネル遮断薬(CCB)を使用していた。追加の分析は、任意の浮腫関連(末梢性浮腫、浮腫、顔面浮腫または肺水腫として定義されている。)TEAEの発生率は、CCBの使用および用量に関連していたことを示した。
ヘモグロビン減少<8g/dLはなかった。研究中にエリスロポエチンまたは輸血を受けた患者はいなかった。50×109/L未満の血小板カウントの減少を有した患者はいなかった。
肝硬変を有するまたは有しないHCV GT1b感染を有する日本人患者におけるこの第3相試験からの結果は、高いSVR率が、OBV/PTV/rのIFNフリーおよびRBVフリーのレジメンの12週で達成されることを確認した。高いSVR12率は、HCV GT1b感染日本人患者においてIFNフリーおよびRBVフリーのOBV/PTV/rレジメンで達成された。この2DAAレジメンは、TEAEによる中断の低い率で良い忍容性を示した。
[実施例20]
健康な日本人対象における、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル(OBV/PTV/r)共製剤化錠剤の生物学的利用能に対する食物の効果
欧米人対象において、絶食条件に相対して、中脂肪食または高脂肪食とともにオムビタスビル、パリタプレビルおよびリトナビルを投与することは、平均AUCをそれぞれ76%から82%、180%から211%、44%から49%増加させた。この実施例は、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル共製剤化錠剤の生物学的利用能に対する食物の効果を評価するために日本人の健康なボランティアを研究する。
健康な日本人対象における、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル(OBV/PTV/r)共製剤化錠剤の生物学的利用能に対する食物の効果
欧米人対象において、絶食条件に相対して、中脂肪食または高脂肪食とともにオムビタスビル、パリタプレビルおよびリトナビルを投与することは、平均AUCをそれぞれ76%から82%、180%から211%、44%から49%増加させた。この実施例は、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル共製剤化錠剤の生物学的利用能に対する食物の効果を評価するために日本人の健康なボランティアを研究する。
肥満度指数≧18.5および<25kg/m2を有する全般的に良好な健康である年齢20歳から55歳の日本人の男性および女性のボランティアが、登録するのに適格であった。A型、B型またはC型肝炎についてまたはHIV感染について陽性の試験結果を有した対象およびポリペプチド1B1(OATP1B1)阻害剤を輸送するCYP3Aアイソザイムまたは有機アニオンの公知の阻害剤または誘発物を使用していた対象を、参加から除外した。対象は、アルコール、グレープフルーツ、スターフルーツまたはセビリアオレンジを72時間以内に摂取していてはならなかった、または研究薬物投与の前6カ月以内にニコチン含有製品を使用していてはならなかった。
これは、2順序2期間クロスオーバー研究であった。2個のオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル12.5/75/50mg共製剤化錠剤(25/150/100mgの総用量)の単回用量を、各期間の研究1日目の朝に、以下の通りに投与した:
レジメンA 絶食条件下。
レジメンB 投薬の30分前の高脂肪朝食(約900Kcal、35%カロリーは脂肪由来)を有する非絶食条件下。
レジメンA 絶食条件下。
レジメンB 投薬の30分前の高脂肪朝食(約900Kcal、35%カロリーは脂肪由来)を有する非絶食条件下。
オムビタスビル、パリタプレビルおよびリトナビルについてのPKパラメーターを、最大血漿濃度(Cmax)、Cmaxまでの時間(Tmax)、血漿濃度−時間曲線下の面積(AUC)および終末相排出半減期(t1/2)を含めて、Phoenix WinNonlin、バージョン6.3(Pharsight、A Certara(登録商標)会社、St.Louis、MO)を使用する非区画方法によって推算した。オムビタスビル、パリタプレビルおよびリトナビルの生物学的利用能に対する食物の効果を、Cmax値およびAUC値の自然対数の反復測定分析を使用して判定した。CmaxおよびAUCについての中心値比の点推定ならびにそれらの90%信頼区間(CI)を算出することで、食物効果の規模を定量化した。SAS、バージョン9.2(SAS Institute、Inc.、Cary、NC)を使用して、統計分析を行った。
28.9歳の平均年齢(20歳から45歳を範囲とする。)および63.3kgの平均重量(51kgから78kgを範囲とする。)を有する、日本における20人の男性対象を登録した。これらの日本人対象において、絶食条件に相対して、高脂肪食とともにオムビタスビル、パリタプレビルおよびリトナビルを投与することは、オムビタスビル、パリタプレビルおよびリトナビルの平均Tmaxを、それぞれ約1時間(4.4時間から5.3時間)、約1時間(4.2時間から5.2時間)および約1.5時間(3.4時間から4.9時間)遅延させ、オムビタスビル、パリタプレビルおよびリトナビルの平均AUCを、それぞれ73%、228%および34%増加させた。
試験されたレジメンは一般に、この研究における対象によって良い忍容性が示された。臨床的に有意なバイタルサイン、ECG、実験室測定または物理的所見は、研究の過程中で観察されなかった。研究中に重篤な有害事象または有害事象による中断はなかった。
該研究は、高脂肪朝食が日本人対象においてオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル共製剤化錠剤の生物学的利用能を増加させることを実証した。日本人対象において観察された生物学的利用能の増加の規模は、中脂肪または高脂肪の朝食に続く欧米人対象において前に観察された食物効果と同様である。結果として、日本人対象において、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル共製剤化錠剤は、欧米人対象と同じく、食物とともに服用されるべきである。
[実施例21]
リバビリン錠剤の生物学的同等性判定:健康なボランティアにおける無作為化単回用量非盲検2期間クロスオーバー研究
リバビリンは、抗ウイルス活性を有するヌクレオシド類似体である。リバビリンは、C型肝炎ウイルスを含めて、広範囲のRNAおよびDNAウイルスに対してインビトロ活性およびインビボ活性の両方を示してきた。リバビリンがHCVを阻害する作用機序(MOA)は、十分には理解されていない。MOAとしては、HCV複製の直接阻害、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼの阻害、変異原性の誘発および/または免疫応答の増強が挙げられ得る。リバビリンは単独で、HCV RNAレベルに対してまたは肝組織診断を改善することに対して限定効果を有するが、しかしながら、C型慢性肝炎の処置のための他の薬剤との組合せにおいて有効であることを示してきた。
リバビリン錠剤の生物学的同等性判定:健康なボランティアにおける無作為化単回用量非盲検2期間クロスオーバー研究
リバビリンは、抗ウイルス活性を有するヌクレオシド類似体である。リバビリンは、C型肝炎ウイルスを含めて、広範囲のRNAおよびDNAウイルスに対してインビトロ活性およびインビボ活性の両方を示してきた。リバビリンがHCVを阻害する作用機序(MOA)は、十分には理解されていない。MOAとしては、HCV複製の直接阻害、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼの阻害、変異原性の誘発および/または免疫応答の増強が挙げられ得る。リバビリンは単独で、HCV RNAレベルに対してまたは肝組織診断を改善することに対して限定効果を有するが、しかしながら、C型慢性肝炎の処置のための他の薬剤との組合せにおいて有効であることを示してきた。
リバビリンは、およそ50%の絶対生物学的利用能で広範に吸収される。200mgから1,200mgの単回用量に続いて、用量と濃度−時間曲線下の面積(AUC)との間に線形関係がある。用量−最大薬物濃度(Cmax)関係は曲線であり、800mgの単回用量を上回る量漸近線の傾向がある。
リバビリンは、USにおいてCopegus(登録商標)およびレベトール(登録商標)の商標名の下で200mgの錠剤として、ならびにRibasphere(登録商標)およびModeriba(登録商標)の商標名の下で200mg、400mgおよび600mgの錠剤として、利用可能である。成人のための利用可能な抗HCVレジメンは、分割用量で1日2回投与される、1日当たりリバビリン800−1400mgを典型的に必要とする。Ribasphere(登録商標)およびModeriba(登録商標)について、全3つの強度の錠剤は、それらの活性および非活性成分において比例的に同等である。該製剤は、非機能性フィルムコーティングの組成物中のみで変動する。インビトロ溶解試験は、全3つの強度が同様のリバビリン急速放出を有することを示す。そのため、生物学的同等性判定を、リバスフェアの最も高い用量強度(600mg)で行った。
この生物学的同等性研究の目的は、2種のリバビリン錠剤製品−Kadmon/DSM Pharmaceuticalsによって製造されている600mgのリバスフェア錠剤(試験)およびRocheによって販売されている200mgのコペガス錠剤(基準)の生物学的利用能を比較することであった。
第1相単回用量非絶食非盲検2期間無作為化クロスオーバー研究を使用した。I群における12人の対象に各々、中脂肪の朝食の開始後1日目の朝に単回のリバスフェア錠剤(600mgリバビリン)を投薬し;II群における12人の対象に各々、中脂肪の朝食の開始後1日目の朝に3個のコペガス錠剤(3×200mgリバビリン)を投薬した。42日の休薬期間後、1群における各患者に、3個のコペガス錠剤(3×200mgリバビリン)を投薬し、2群における各対象にリバスフェア錠剤(600mgリバビリン)を投薬した。薬物動態学的判定のための集中血液試料を、各用量の最大72時間後に収集した。
タンデム質量分析検出を用いる検証済みの液体−液体抽出HPLC方法を使用して、リバビリンの血漿濃度を決定した。非区画方法を使用して、リバビリンの薬物動態学的パラメーター値を推算した。
順序、期間およびレジメンのための効果を含めて、線形混合効果分析を、Cmax、AUCtおよびAUCinfの自然対数で行った。最小二乗平均の差異に関する90%信頼区間を介する2つの片側試験手順によって、レジメンの相対的生物学的利用能を判定した。90%信頼区間の真数が0.80から1.25の範囲内であったならば、レジメン間の生物学的同等性を結論付けた。
有害事象、理学的検査、簡易な神経学的検査、バイタルサイン、ECGおよび臨床実験室試験を含めた該研究の全体にわたって、安全性および忍容性を判定した。
リバビリンは、長い終末半減期および低い対象内変動を実証した。研究薬物投与後72時間の間の薬物動態学的試料採取は、固体剤形の完全な胃腸通過を確実にするのに充分であった。
1個のリバスフェア錠剤(600mgリバビリン)について、Cmax、AUCtおよびAUCinfの中心値比についての90%信頼区間は、3個のコペガス錠剤(3×200mgリバビリン)に相対して、生物学的同等性範囲(0.80、1.25)に入った。全てのAEは、重症度が軽度であり、リバスフェアまたはコペガスの錠剤に関連している妥当な可能性を有さないと調査者によって判定された。死亡、重篤なAE、対象中断、または臨床的に有意な異常バイタルサイン、ECGもしくは実験室尺度は、該研究において観察されなかった。
この研究は、リバスフェア600mg錠剤が、3個のコペガス200mg錠剤と生物学的に同等であることを示した。
[実施例23]
オムビタスビル/パリタプレビル/r、ダサブビルおよびソホスブビルを用いる、HCV遺伝子型1 DAA不全の再処置
直接作用性抗ウイルス薬(DAA)レジメンを用いる処置に失敗するHCV患者のための再処置選択肢はまだ明確に定義されていなかった。NS5Aにおける耐性関連変異体は、処置後最大96週存続すると示されてきた。この研究は、HCV遺伝子型(GT)1感染を有するDAA経験患者において、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル(OBV/PTV/r)およびダサブビル(DSV)プラスソホスブビル(SOF)の安全性および効力を評価した。
オムビタスビル/パリタプレビル/r、ダサブビルおよびソホスブビルを用いる、HCV遺伝子型1 DAA不全の再処置
直接作用性抗ウイルス薬(DAA)レジメンを用いる処置に失敗するHCV患者のための再処置選択肢はまだ明確に定義されていなかった。NS5Aにおける耐性関連変異体は、処置後最大96週存続すると示されてきた。この研究は、HCV遺伝子型(GT)1感染を有するDAA経験患者において、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル(OBV/PTV/r)およびダサブビル(DSV)プラスソホスブビル(SOF)の安全性および効力を評価した。
肝硬変を有していないGT1b感染を有する患者は、OBV/PTV/r+DSV+SOFを12週間受け;肝硬変を有していないGT1a感染を有する患者に、リバビリン(RBV)を投与した。肝硬変を有するGT1a感染患者は、OBV/PTV/r+DSV+SOF+RBVを24週受けた。登録患者は、ウイルス学的失敗以外の理由による中断なく前のDAA処置失敗の病歴を有していたに違いない。効力をSVRによって判定した。
GT1a感染を有する20人および代償性肝硬変を有する6人を含めて、22人のDAA経験患者を登録した。前の失敗処置レジメンに含まれる前DAAは、OBV/PTV/r+DSV(n=14)、OBV/PTV/r(n=2)、テラプレビル(n=2)、SOF(n=2)、シメプレビル/サマタスビル(n=1)およびシメプレビル+SOF(n=1)を含んだ。100%のSVR4が達成された。SVR12について試験された患者の中で、93%(12/13)のSVR12が、肝硬変を有していないHCV GT1a患者について達成され、100%のSVR12(2/2)がHCV GT1b患者について達成された。該処置は、処置関連AEによる中断なくおよび処置関連の重篤なAEの報告なく、良い忍容性を示した。
この研究は、SOFとの組合せにおけるOBV/PTV/r+DSV±RBVの多標的化レジメンが、NS5A阻害剤を含有するものを含めてDAA含有HCVレジメンを失敗した患者のための有効な再処置戦略であることを示した。
本発明の前述の説明は、例示および記載を提供しているが、網羅的であることまたは開示されているまさにそのものに本発明を限定することを意図されない。変更および変動は、上記の教示に照らして可能である、または本発明の実践から獲得することができる。したがって、本発明の範囲は、請求項およびそれらの同等物によって定義されていると認められる。
Claims (16)
- HCV遺伝子型1bに感染した患者のための処置の方法であって、化合物1またはこの医薬として許容される塩および化合物2またはこの医薬として許容される塩を患者に投与することを含み、処置が患者にインターフェロンまたはリバビリンのいずれも投与することを含まず、処置が8週から12週続き、化合物1またはこの塩がリトナビルとともに投与される、方法。
- 処置が8週続く、請求項1に記載の方法。
- 処置が12週続く、請求項1に記載の方法。
- 150mgの化合物1、100mgのリトナビルおよび25mgの化合物2を患者に1日1回投与することを含む、請求項1に記載の方法。
- 化合物1、リトナビルおよび化合物2が固体剤形で共製剤化される、請求項4に記載の方法。
- 患者が処置未経験患者である、請求項5に記載の方法。
- 患者がインターフェロン無応答者である、請求項5に記載の方法。
- HCV遺伝子型4に感染した患者のための処置の方法であって、化合物1またはこの医薬として許容される塩および化合物2またはこの医薬として許容される塩を患者に投与することを含み、処置が患者にインターフェロンを投与することを含まず、処置が8週から12週続き、化合物1またはこの塩がリトナビルとともに投与される、方法。
- 処置が8週続く、請求項8に記載の方法。
- 処置が12週続く、請求項8に記載の方法。
- リバビリンを患者に投与することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
- 処置がリバビリンを患者に投与することを含まない、請求項8に記載の方法。
- 150mgの化合物1、100mgのリトナビルおよび25mgの化合物2を患者に1日1回投与することを含む、請求項8に記載の方法。
- 化合物1、リトナビルおよび化合物2が固体剤形で共製剤化される、請求項13に記載の方法。
- 患者が処置未経験患者である、請求項14に記載の方法。
- 患者がインターフェロン無応答者である、請求項14に記載の方法。
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