JP2018518253A - 揮発性物質の蒸発送達のためのデバイス - Google Patents
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Abstract
本発明は、揮発性物質の蒸発送達のためのデバイスを対象とする。本デバイスは、(a)開放キャビティおよび周辺部分を有する、液体揮発性物質を含有するリザーバー部分と、(b)リザーバーの上に位置付けられる、第1および第2の表面を有する微孔質膜であって、前記膜は、リザーバーの周辺部分に対して固定されており、膜の第2の表面は、液体揮発性物質と接触し、微孔質膜は、微孔質膜の第1の表面の上に、バリアコーティング層をさらに含む、微孔質膜と、(c)第1の表面および第2の表面を有する取り外し可能なキャップ層であって、接着剤層が、微孔質蒸気透過性膜および液体揮発性物質がキャップ層の下で実質的に封止されるように、微孔質膜の第1の表面とキャップ層の第2の表面との間に挟まれている、取り外し可能なキャップ層と、を含む。
Description
関連出願への相互参照
本出願は、2015年5月18日に出願された米国仮特許出願第62/163,069号および2016年5月17日に出願された米国実用特許出願第15/156,475号の優先権の利益を主張し、これらは、その全体が参考として本明細書中に援用される。
本出願は、2015年5月18日に出願された米国仮特許出願第62/163,069号および2016年5月17日に出願された米国実用特許出願第15/156,475号の優先権の利益を主張し、これらは、その全体が参考として本明細書中に援用される。
発明の分野
本発明は、芳香剤および防虫剤などの揮発性物質を、デバイスを取り囲む隣接する環境へと蒸発送達するためのデバイスを対象とする。
本発明は、芳香剤および防虫剤などの揮発性物質を、デバイスを取り囲む隣接する環境へと蒸発送達するためのデバイスを対象とする。
発明の背景
芳香剤および防虫剤などの揮発性物質を、周囲環境へと蒸発送達するための膜ベースのデバイスは、当技術分野において公知である。そのようなデバイスは、4つの基本的構成要素:揮発性液体用のリザーバー、揮発性液体、蒸発膜、および剥離用(取り外し可能な)カバー層を含む。カバー層の取り外しによって起動する前には、液体揮発性材料は、リザーバーと蒸発膜とによって形成された空間内に存在している。一般に、蒸発膜の蒸発表面は、カバー層によって完全に被覆されており、かつリザーバーの縁部と蒸発膜とによって形成された外縁部(または周辺領域)に沿って封止されている。カバー層は、多くの場合、カバー層を取り外して、それによりデバイスを起動するのを補助するためのプルタブを備え付けられている。
芳香剤および防虫剤などの揮発性物質を、周囲環境へと蒸発送達するための膜ベースのデバイスは、当技術分野において公知である。そのようなデバイスは、4つの基本的構成要素:揮発性液体用のリザーバー、揮発性液体、蒸発膜、および剥離用(取り外し可能な)カバー層を含む。カバー層の取り外しによって起動する前には、液体揮発性材料は、リザーバーと蒸発膜とによって形成された空間内に存在している。一般に、蒸発膜の蒸発表面は、カバー層によって完全に被覆されており、かつリザーバーの縁部と蒸発膜とによって形成された外縁部(または周辺領域)に沿って封止されている。カバー層は、多くの場合、カバー層を取り外して、それによりデバイスを起動するのを補助するためのプルタブを備え付けられている。
非多孔質の蒸発膜は、典型的には、起動前に液体揮発性物質によって飽和される。このタイプの非多孔質膜は、勾配のある濃度によって駆動されるため、揮発性液体が蒸発膜の外側から容易に蒸発しなければ、さらなる揮発性液体を、膜を通じて輸送することはできない。さらに、勾配のある濃度によって駆動される膜は、揮発性液体と直接接触する膜の表面の量に依存する。したがって、揮発性液体の一部がいったんリザーバーから失われてしまうと、蒸発表面を最大限活用することはできない。揮発性液体のレベルが時間とともに減少すると、デバイスの寿命にわたって、蒸発速度も比例して減少する。また、このような非多孔質膜は、多くの揮発性物質との接触により、悪影響を及ぼされ得る。したがって、このような非多孔質膜は、このようなデバイスの製造業者を、限られた数の揮発性物質配合物に制限する。
多孔質蒸発膜も、このような「ピールアンドリリース(peel and release)」デバイスにおいて使用されている。このような多孔質膜を使用することで、勾配濃度によって駆動される膜の使用に関して述べた欠陥の一部を克服することができる。多孔質膜は、一般に、(勾配濃度とは対照的に)毛管作用によって駆動される。これらの多孔質膜によって、より広い範囲の揮発性物質配合物が可能となる。さらに、このような多孔質膜は、耐用期間の指標が明確なピールアンドリリースデバイスを提供する。即ち、リザーバー内の揮発性液体物質は、そのすべてが、多孔質膜の外側表面から、均一な蒸気の送達速度で失われる。前述の利点はあるものの、蒸発送達デバイスにおける多孔質膜の使用は、膜の外側表面における液体揮発性材料の捕集をもたらし得ることが発見されている。このような場合、いったん取り外し可能なカバー層が剥離されると、膜の表面は濡れてしまい、周囲の表面(例えば、家具の表面)上に滴り落ちる可能性がある。これは、消費者にとって許容できない経験をもたらす。したがって、この問題を克服することができる、揮発性物質を蒸発送達するためのデバイスに対する、市場における必要性が未だ存在している。
発明の要旨
本発明は、揮発性物質の蒸発送達のためのデバイスであって、
(a)開放キャビティおよびその周囲の周辺部分を有する、液体揮発性物質を含有するリザーバー部分と、
(b)リザーバーの上に位置付けられる、第1の表面および第2の表面を有する微孔質蒸気透過性膜であって、前記膜は、リザーバーの周辺部分に対して固定されており、膜の第2の表面は、少なくとも液体揮発性物質と接触しており、微孔質膜は、
(A)ポリマーマトリックス、
(B)ポリマーマトリックスの全体にわたって連通している細孔の相互接続網状構造、および
(C)微細化された、実質的に水に不溶性の充填材料を含み、
微孔質膜は、微孔質膜の少なくとも第1の表面の少なくとも一部の上に、バリアコーティング層をさらに含む、微孔質蒸気透過性膜と、
(c)第1の表面および第2の表面を有する取り外し可能なキャップ層であって、接着剤層が、微孔質蒸気透過性膜および液体揮発性物質がキャップ層の下で実質的に封止されるように、微孔質膜の第1の表面とキャップ層の第2の表面との間に挟まれている、取り外し可能なキャップ層と、を含む、デバイスに関する。
本発明は、揮発性物質の蒸発送達のためのデバイスであって、
(a)開放キャビティおよびその周囲の周辺部分を有する、液体揮発性物質を含有するリザーバー部分と、
(b)リザーバーの上に位置付けられる、第1の表面および第2の表面を有する微孔質蒸気透過性膜であって、前記膜は、リザーバーの周辺部分に対して固定されており、膜の第2の表面は、少なくとも液体揮発性物質と接触しており、微孔質膜は、
(A)ポリマーマトリックス、
(B)ポリマーマトリックスの全体にわたって連通している細孔の相互接続網状構造、および
(C)微細化された、実質的に水に不溶性の充填材料を含み、
微孔質膜は、微孔質膜の少なくとも第1の表面の少なくとも一部の上に、バリアコーティング層をさらに含む、微孔質蒸気透過性膜と、
(c)第1の表面および第2の表面を有する取り外し可能なキャップ層であって、接着剤層が、微孔質蒸気透過性膜および液体揮発性物質がキャップ層の下で実質的に封止されるように、微孔質膜の第1の表面とキャップ層の第2の表面との間に挟まれている、取り外し可能なキャップ層と、を含む、デバイスに関する。
発明の詳細な説明
他に指示しない限り、本明細書に開示される全ての範囲は、そこに包含される任意のおよび全ての部分範囲を含むことが理解されるべきである。例えば、記述される範囲「1から10」は、最小値1から最大値10の間(およびこれらの値も含めた)任意のおよび全ての部分範囲を含むと考えられるべきであり;即ち、最小値1またはそれより多くから始まり最大10またはそれ未満で終わる全ての部分範囲、例えば1から6.1まで、3.5から7.8まで、5.5から10までなどである。
他に指示しない限り、本明細書に開示される全ての範囲は、そこに包含される任意のおよび全ての部分範囲を含むことが理解されるべきである。例えば、記述される範囲「1から10」は、最小値1から最大値10の間(およびこれらの値も含めた)任意のおよび全ての部分範囲を含むと考えられるべきであり;即ち、最小値1またはそれより多くから始まり最大10またはそれ未満で終わる全ての部分範囲、例えば1から6.1まで、3.5から7.8まで、5.5から10までなどである。
他に指示しない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される、構造寸法、成分の量などを表すような全ての数または表現は、「約」という用語によって全ての場合に修飾されることが理解される。
先述の通り、本発明のデバイスは、揮発性物質を含有するリザーバー部分(a)を含む。本明細書および特許請求の範囲で使用される「揮発性物質」という用語は、周囲の室温および圧力で、付与された追加の、または補われたエネルギーが、(例えば、熱および/または攪拌の形態で)存在しない状態で、ガス状または蒸気の形態に変換することが可能な(即ち、気化することが可能な)材料を意味する。揮発性物質は、有機揮発性材料を含むことができ、これは、溶媒をベースにした材料を含むような揮発性材料、または溶媒をベースにした材料に分散されたものを含み得る。揮発性物質は、典型的には液体の形態であるが、いくつかの場合には、揮発性物質は、固体の形態であってもよく、天然に存在しても合成によって形成されてもよい。固体の形態である場合、揮発性物質は、典型的には中間の液体の形態の存在なしで固体の形態から蒸気の形態に昇華する。揮発性物質は任意選択で、担体(例えば水および/または不揮発性溶媒)などの不揮発性材料と組み合わされるか、または配合されてもよい。固体の揮発性物質の場合、不揮発性担体は、固体の揮発性材料が内部に保持される多孔質材料(例えば多孔質無機材料)の形態をとってもよい。また、固体揮発性材料は、半固体ゲルの形態をとってもよい。典型的には、揮発性物質は液体の形態である。
揮発性物質は、例えば、天然に存在するか、または合成の香油などの芳香放出材料、防虫剤放出材料、またはその混合物であってもよい。例えば、揮発性物質は、液体の形態の芳香放出材料であってもよい。そこから揮発性物質が選択されてもよい香油の例には、ベルガモット、苦橙皮、レモン、マンダリン、キャラウェイ、ニオイヒバ、丁子葉、セダーウッド、ゼラニウム、ラベンダー、オレンジ、オレガノ、プチグレーン、ヌマヒノキ、パチョリ、ネロイリ、純バラ、およびこれらの組合せの油が含まれるが、これらに限定するものではない。そこから揮発性材料が選択されてもよい固体の芳香材料の例には、バニリン、エチルバニリン、クマリン、トナリド、カロン、ヘリオトロペン、ムスクキシロール、セドロール、ムスクケトンベンゾフェノン、ラズベリーケトン、メチルナフチルケトンベータ、フェニルエチルサリチレート、ベルトール、マルトール、メープルラクトン、プロオイゲノールアセテート、エヴェミル、およびこれらの組合せが含まれるが、これらに限定するものではない。
リザーバー部分(a)は、開放キャビティおよびその周囲の周辺部分を含む。リザーバー部分は、任意の適切な形状を有してもよく、任意の適切な材料で作製することができる。例えば、リザーバー部分は、セルロース系材料、金属箔、ポリマー材料、またはこれらの複合材を含み得る。当然ながら、リザーバー部分は、その中に含有される揮発性物質に対して耐性を有せねばならない。即ち、リザーバー部分は、揮発性物質によって化学的に分解されたり、軟化されたり、または膨潤されたりする材料で作製されてはならない。リザーバー部分は、所望の量の揮発性物質と、所望される場合には十分な蒸発空間とを収容できる体積を有するキャビティを画定するように、適切に設計されるべきである。キャビティは、「縁部」または開口部の周囲の周辺部分で開放している。当業者であれば、実用的かつ装飾的である、リザーバーの多くの変化形態を想起することができる。
第1の表面および第2の表面を有する微孔質蒸気透過性膜(b)は、リザーバーの上に位置付けられる。この膜の第2の表面は、少なくとも、リザーバー部分内に含有されている液体揮発性物質と接触している。例えば、微孔質膜(b)は、リザーバーの開放キャビティ上に配置されてもよく、開放キャビティの周囲の周辺部分まで延在してもよい。膜は、当技術分野において公知である任意の適切な接着剤材料を使用して、リザーバーの周辺部分に対して固定できるが、但し、この接着剤が、膜の周辺部分に液体揮発性物質が移動しないように、微孔質膜の細孔に対して十分に浸透することを条件とする。膜は、当技術分野において公知であるものなどのホットメルト接着剤を使用して、あるいは公知のラミネーション技法を介して、リザーバーの周辺部分に対して固定されてもよい。
本発明のデバイスにおいて使用するのに適切な微孔質蒸気透過性膜(b)は、一般に、ポリマーマトリックス、ポリマーマトリックスの全体にわたって連通している細孔の相互接続網状構造、および微細化された、実質的に水に不溶性の充填材料を含む。膜のポリマーマトリックスは、実質的に水に不溶性の熱可塑性有機ポリマー(複数可)で構成される。マトリックスとして使用するのに適切なそのようなポリマーの数および種類は多い。一般に、押し出し、カレンダー掛けし、押圧し、または膜、シート、ストリップ、もしくはウェブ状に巻き取ることができる、任意の実質的に水に不溶性の熱可塑性有機ポリマーを、使用してもよい。ポリマーは、単一ポリマーであってもよく、またはポリマーの混合物であってもよい。ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、アタクチックポリマー、イソタクチックポリマー、シンジオタクチックポリマー、線状ポリマー、または分枝状ポリマーであってもよい。ポリマーの混合物を使用する場合、混合物は、均質であってもよく、または2つもしくはそれより多くのポリマー相を含んでいてもよい。
適切な、実質的に水に不溶性の熱可塑性有機ポリマーのクラスの例には、熱可塑性ポリオレフィン、ポリ(ハロ置換オレフィン)、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ(ビニルハロゲン化物)、ポリ(ビニリデンハロゲン化物)、ポリスチレン、ポリ(ビニルエステル)、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリスルフィド、ポリイミド、ポリシラン、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリアクリレート、およびポリメタクリレートが含まれる。そこから水に不溶性の熱可塑性有機ポリマーが選択されてもよい混成クラスは、例えば、熱可塑性ポリ(ウレタン−尿素)、ポリ(エステル−アミド)、ポリ(シラン−シロキサン)、およびポリ(エーテル−エステル)を含み、企図されている。適切な、実質的に水に不溶性の熱可塑性有機ポリマーのさらなる例には、熱可塑性高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン(アタクチック、イソタクチック、またはシンジオタクチック)、ポリ(塩化ビニル)、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンおよびアクリル酸のコポリマー、エチレンおよびメタクリル酸のコポリマー、ポリ(塩化ビニリデン)、塩化ビニリデンおよび酢酸ビニルのコポリマー、塩化ビニリデンおよび塩化ビニルのコポリマー、エチレンおよびプロピレンのコポリマー、エチレンおよびブテンのコポリマー、ポリ(酢酸ビニル)、ポリスチレン、ポリ(オメガ−アミノウンデカン酸)ポリ(ヘキサメチレンアジポアミド)、ポリ(イプシロン−カプロラクタム)、ならびにポリ(メチルメタクリレート)が含まれる。実質的に水に不溶性の熱可塑性有機ポリマーの、これらのクラスおよび例の列挙は、排他的なものではなく、例示の目的のために提供されるものである。
実質的に水に不溶性の熱可塑性有機ポリマーは、特に、例えばポリ(塩化ビニル)、塩化ビニルのコポリマー、またはこれらの混合物を含んでいてもよい。例えば、水に不溶性の熱可塑性有機ポリマーは:少なくとも10デシリットル/グラムの固有粘度を有する超高分子量ポリオレフィン(例えば、本質的に線状の超高分子量ポリオレフィン);もしくは少なくとも6デシリットル/グラムの固有粘度を有する超高分子量ポリプロピレン(例えば、本質的に線状の超高分子量ポリプロピレン);またはこれらの混合物から選択される、超高分子量ポリオレフィンを含み得る。一例では、ポリマーマトリックスは少なくとも1つのポリオレフィンポリマーを含む。水に不溶性の熱可塑性有機ポリマーは、少なくとも18デシリットル/グラムの固有粘度を有する超高分子量ポリエチレン(例えば、線状超高分子量ポリエチレン)を含み得る。
超高分子量ポリエチレン(UHMWPE:ultrahigh molecular weight polyethylene)は、無限の分子量を有する熱硬化性ポリマーではなく、熱可塑性として技術的には分類される。しかし、分子は実質的に非常に長い鎖であるので、UHMWPEは、加熱されたときに軟化するが、通常の熱可塑性手法では溶融液体として流れない。UHMWPEに提供された非常に長い鎖および独特の性質は、大部分が、このポリマーを使用して作製される微孔質材料の所望の性質に寄与すると考えられる。
先に示したように、UHMWPEの固有粘度は少なくとも約10デシリットル/グラムである。通常、この固有粘度は少なくとも約14デシリットル/グラムである。しばしばこの固有粘度は少なくとも約18デシリットル/グラムである。多くの場合、この固有粘度は少なくとも約19デシリットル/グラムである。この固有粘度の上限に特定の制約はないが、この固有粘度は、高い頻度で、約10から約39デシリットル/グラムの範囲にある。この固有粘度は、しばしば約14から約39デシリットル/グラムの範囲にある。ほとんどの場合、この固有粘度は約18から約39デシリットル/グラムの範囲にある。約18から約32デシリットル/グラムの範囲にある固有粘度が好ましい。
UHMWPEの名目上の分子量は、方程式:
M(UHMWPE)=5.3×104[η]1.37
(式中、M(UHMWPE)は名目上の分子量であり、[η]は、デシリットル/グラムで表されるUHMWPEの固有粘度である。)
により、ポリマーの固有粘度に経験的に関連付けられる。
M(UHMWPE)=5.3×104[η]1.37
(式中、M(UHMWPE)は名目上の分子量であり、[η]は、デシリットル/グラムで表されるUHMWPEの固有粘度である。)
により、ポリマーの固有粘度に経験的に関連付けられる。
本明細書で使用されるように、固有粘度は、ゼロ濃度に、UHMWPEのいくつかの希釈溶液の還元粘度または本来の粘度を外挿することによって決定され、希釈する溶媒は、0.2重量パーセントの3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸、ネオペンタンテトライルエステル[CAS Registry No.6683-19-8]が添加された、新たに蒸留されたデカヒドロナフタレンである。UHMWPEの還元粘度または本来の粘度は、異なる濃度のいくつかの希釈溶液が用いられる他は、ASTM D 4020−81の一般手順に従いUbbelohde No.1粘度計を使用して、135℃で得られた相対粘度から確認される。ASTM D 4020−81は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
例示的な実施形態では、マトリックスが、少なくとも10デシリットル/グラムの固有粘度を有する実質的に線状の超高分子量ポリエチレンと、50グラム/10分未満のASTM D 1238−86 Condition Eメルトインデックスおよび少なくとも0.1グラム/10分のASTM D 1238−86 Condition Fメルトインデックスを有する低分子量ポリエチレンとの混合物を含む。低分子量ポリエチレン(LMWPE)の名目上の分子量は、UHMWPEの場合よりも低い。LMWPEは熱可塑性であり、多くの異なるタイプが公知である。分類の1つの方法は、以下にまとめられるように、ASTM D 1248−84(1989年再承認)に従ってグラム/立方センチメートルで表されかつ小数第3位に丸められた密度による:
これらのポリエチレンのいずれかまたは全ては、本発明においてLMWPEとして使用されてもよい。いくつかの適用例では、通常はMDPEまたはLDPEよりも線状になる傾向があるので、HDPEが使用され得る。ASTM D 1248−84(1989年再承認)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
様々なLMWPEを作製するためのプロセスは、周知であり、十分に文書化されている。それらには、高圧プロセス、Phillips Petroleum Companyプロセス、Standard Oil Company(Indiana)プロセス、およびZieglerプロセスが含まれる。
LMWPEのASTM D 1238−86 Condition E(即ち、190℃および2.16キログラム荷重)メルトインデックスは、約50グラム/10分未満である。しばしばCondition Eメルトインデックスは、約25グラム/10分未満である。好ましくは、Condition Eメルトインデックスは、約15グラム/10分未満である。
LMWPEのASTM D 1238−86 Condition F(即ち、190℃および21.6キログラム荷重)メルトインデックスは、少なくとも0.1グラム/10分である。多くの場合、Condition Fメルトインデックスは、少なくとも約0.5グラム/10分である。好ましくは、Condition Fメルトインデックスは、少なくとも約1.0グラム/10分である。
ASTM D 1238−86は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
十分なUHMWPEおよびLMWPEが、それらの性質を微孔質材料に与えるためにマトリックス中に存在すべきである。1つまたは複数のその他の熱可塑性有機ポリマーも、その存在が、有害な様式で微孔質材料の性質に大いに影響を及ぼすことがない限り、マトリックス中に存在していてもよい。その他の熱可塑性ポリマーが、1つのその他の熱可塑性ポリマーであってもよく、あるいは、その他の熱可塑性ポリマーが、1つより多くのその他の熱可塑性ポリマーであってもよい。存在していてもよいその他の熱可塑性ポリマーの量は、そのようなポリマーの特質に依存する。任意選択で存在していてもよい熱可塑性有機ポリマーの例には、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリプロピレン、エチレンおよびプロピレンのコポリマー、エチレンおよびアクリル酸のコポリマー、ならびにエチレンおよびメタクリル酸のコポリマーが含まれる。望む場合には、カルボキシル含有コポリマーのカルボキシル基の全てまたは一部を、ナトリウムまたは亜鉛などで中和してもよい。
ほとんどの場合、UHMWPEおよびLMWPEは一緒になって、マトリックスのポリマーの少なくとも約65重量パーセントを構成する。しばしばUHMWPEおよびLMWPEは一緒になってマトリックスのポリマーの少なくとも約85重量パーセントを構成する。好ましくは、その他の熱可塑性有機ポリマーが実質的に存在せず、UHMWPEおよびLMWPEが一緒になってマトリックスのポリマーの実質的に100重量パーセントを構成する。
UHMWPEは、マトリックスのポリマーの少なくとも1重量パーセントを構成することができ、UHMWPEおよびLMWPEが一緒になって、マトリックスのポリマーの実質的に100重量パーセントを構成することができる。
UHMWPEおよびLMWPEが一緒になって、微孔質材料のマトリックスのポリマーの100重量パーセントを構成する場合、UHMWPEは、マトリックスのポリマーの40重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、UHMWPEは、マトリックスのポリマーの45重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、UHMWPEは、マトリックスのポリマーの48重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、UHMWPEは、マトリックスのポリマーの50重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、UHMWPEは、マトリックスのポリマーの55重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。また、UHMWPEは、マトリックスのポリマーの99重量パーセント未満またはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、UHMWPEは、マトリックスのポリマーの80重量パーセント未満またはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、UHMWPEは、マトリックスのポリマーの70重量パーセント未満またはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、UHMWPEは、マトリックスのポリマーの65重量パーセント未満またはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、UHMWPEは、マトリックスのポリマーの60重量パーセント未満またはそれに等しい割合を構成することができる。マトリックスのポリマーを構成するUHMWPEのレベルは、列挙した値を含めたこれらの値のいずれかの間に及ぶことができる。
同様に、UHMWPEおよびLMWPEが一緒になって、微孔質材料のマトリックスのポリマーの100重量パーセントを構成する場合、LMWPEは、マトリックスのポリマーの1重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの5重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの10重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの15重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの20重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの25重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの30重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの35重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの40重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの45重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの50重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの55重量パーセントより多くまたはそれに等しい割合を構成することができる。また、LMWPEは、マトリックスのポリマーの70重量パーセント未満またはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの65重量パーセント未満またはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの60重量パーセント未満またはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの55重量パーセント未満またはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの50重量パーセント未満またはそれに等しい割合を構成することができる。例えば、LMWPEは、マトリックスのポリマーの45重量パーセント未満またはそれに等しい割合を構成することができる。LMWPEのレベルは、列挙された値を含めたこれらの値のいずれかの間に及ぶことができる。
本発明の、先に記載された微孔質材料のいずれかに関し、LMWPEは、高密度ポリエチレンを含むことができることに留意すべきである。
微孔質材料は、微細化された、実質的に水に不溶性の粒状充填材材料も含む。粒状充填材材料は、有機粒状材料および/または無機粒状材料を含んでいてもよい。粒状充填材材料は、典型的には着色されておらず、例えば粒状充填材材料は、白色またはオフホワイトの粒状充填材材料であり、例えばケイ質またはクレー(clay)粒状材料である。
微細化された、実質的に水に不溶性の充填材粒子は、微孔質材料の20から90重量パーセントを構成してもよい。例えば、そのような充填材粒子は、微孔質材料の30重量パーセントから90重量パーセントを構成してもよい。例えば、このような充填材粒子は、微孔質材料の40から90重量パーセントを構成してもよい。例えば、このような充填材粒子は、微孔質材料の40から85重量パーセントを構成してもよい。例えば、このような充填材粒子は、微孔質材料の50から90重量パーセントをも構成してもよい。例えば、このような充填材粒子は、微孔質材料の60から90重量パーセントをも構成してもよい。
微細化された、実質的に水に不溶性の粒状充填材は、究極(ultimate)粒子、究極粒子の凝集体、または両方の組合せの形をとってもよい。微孔質材料を調製する際に使用される充填材の少なくとも約90重量パーセントは、0.04マイクロメートル程度に小さい粒子直径を測定することが可能なBeckman Coultonのレーザー回折粒度機器、LS230を使用することによって決定したときに、0.5から約200マイクロメートルの範囲、例えば1から100マイクロメートルの全体粒度を有する。典型的には、粒状充填材の少なくとも90重量パーセントは、10から30マイクロメートルの範囲の全体粒度を有する。充填材の凝塊のサイズは、微孔質材料を調製するのに使用される成分の加工中に低減する可能性がある。したがって、微孔質材料における全体粒度の分布は、生の充填材そのものの場合よりも小さくなる可能性がある。
本発明の微孔質材料で使用され得る、適切な有機および無機粒状材料の非限定的な例には、参照によりその引用部分が本明細書に組み込まれる米国特許第6,387,519 B1号、第9欄第4行から第13欄第62行に記載されるものが含まれる。
例えば、粒状充填材材料は、ケイ質材料を含み得る。微孔質材料を調製するのに使用されてもよいケイ質充填材の非限定的な例には、シリカ、雲母、モンモリロナイト、カオリナイト、Southern Clay Productsから入手可能なクロイサイトなどのナノクレー、タルク、珪藻土、バーミキュライト、天然および合成ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ポリケイ酸アルミニウム、アルミナシリカゲル、ならびにガラス粒子が含まれる。ケイ質充填材に加え、その他の微細化された粒状の実質的に水に不溶性の充填材も、任意選択で用いてもよい。そのような任意選択の粒状充填材の非限定的な例には、カーボンブラック、木炭、黒鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アンチモン、ジルコニア、マグネシア、アルミナ、二硫化モリブデン、硫化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、および炭酸マグネシウムが含まれる。例えば、ケイ質充填材は、シリカ、および前述のクレーのいずれかを含んでいてもよい。シリカの非限定的な例には、沈降シリカ、シリカゲル、ヒュームドシリカ、およびこれらの組合せが含まれる。
シリカゲルは、一般に、可溶性金属シリケート、例えばケイ酸ナトリウムの水溶液を、酸で低いpHに酸性化することによって商業的に生成される。用いられる酸は、一般に、硫酸または塩酸などの強力な無機酸であるが、二酸化炭素を使用することができる。粘度が低い状態で、ゲル相とその周囲の液相との間の密度に本質的に差はないので、ゲル相は沈降せず、即ち沈殿しない。その結果、シリカゲルは、コロイド状非晶質シリカの隣接粒子の非沈殿、密着、剛性、3次元網状構造(network)と記述されてもよい。細分割の状態は、大きな固体の塊から極微小粒子にまで及び、水和の程度は、ほぼ無水のシリカから、重量でシリカ1部当たり水100部程度を含有する軟質ゼラチン状の塊にまで及ぶ。
沈降シリカは一般に、シリカのコロイド状粒子が弱アルカリ溶液中で成長するように、かつ得られた可溶性アルカリ金属塩のアルカリ金属イオンによって凝固するように、可溶性金属シリケート、通常はケイ酸ナトリウムなどのアルカリ金属シリケートの水溶液と、酸とを組み合わせることによって商業的に生成される。無機酸を含むがこれに限定されない様々な酸を使用してもよい。使用されてもよい酸の非限定的な例には、塩酸および硫酸が含まれるが、二酸化炭素を使用して、沈降シリカを生成することもできる。凝固剤が存在しない状態では、シリカは、任意のpHで溶液から沈殿しない。非限定的な実施形態では、シリカを沈殿させるのに使用される凝固剤は、コロイド状シリカ粒子の形成中に生成される可溶性アルカリ金属塩であってもよく、または可溶性無機もしくは有機塩などの添加された電解質であってもよく、または両方の組合せであってもよい。
沈降シリカは、多くのグレードで入試可能であり、PPG Industries,Inc.から形成される。これらのシリカは、Hi−Sil(登録商標)商品名の下で販売されている。
本発明の目的には、微細化された粒状の実質的に水に不溶性のケイ質充填材は、実質的に水に不溶性の充填材材料の少なくとも50重量パーセント(例えば少なくとも65重量パーセントもしくは少なくとも75重量パーセント)、または少なくとも90重量パーセントを構成することができる。ケイ質充填材は、粒状充填材材料の50から90重量パーセント(例えば60から80重量パーセント)を構成してもよく、またはケイ質充填材は、実質的に水に不溶性の粒状充填材材料の実質的に全てを構成してもよい。
粒状充填材(例えばケイ質充填材)は、典型的には高表面積を有し、そのため充填材は、本発明の微孔質材料を生成するのに使用される加工可塑剤組成物の多くを保持することが可能になる。
充填材粒子は、実質的に水に不溶性であり、微孔質材料を調製するのに使用される任意の有機加工液にも実質的に不溶性であり得る。これは、微孔質材料内での粒状充填材の保持を容易にすることができる。
充填材粒子は、実質的に水に不溶性であり、微孔質材料を調製するのに使用される任意の有機加工液にも実質的に不溶性であり得る。これは、微孔質材料内での粒状充填材の保持を容易にすることができる。
本発明の微孔質材料はまた、少量(例えば微孔質材料の全重量に基づき5重量パーセント未満またはこれに等しい量)の、加工に使用されるその他の材料、例えば潤滑剤、加工可塑剤、有機抽出液、および水などを含んでいてもよい。熱、紫外線、および寸法安定性などの特定の目的で導入されるさらなる材料は、任意選択で微孔質材料中に、少量(例えば微孔質材料の全重量に基づき15重量パーセント未満またはこれに等しい量)で存在していてもよい。そのようなさらなる材料の例には、抗酸化剤、紫外線吸収剤、強化繊維、例えばチョップドガラスファイバーストランドなどが含まれるが、これらに限定するものではない。充填材、および任意のコーティング、印刷インク、または含浸剤であって、1つまたは複数の特別な目的のために適用されたものを除いた微孔質材料の残りは、本質的に熱可塑性有機ポリマーである。
本発明の微孔質材料はまた、微孔質材料の実質的に全体にわたって連通する、細孔を相互接続する網状構造も含む。コーティングがなく、インクを含まず、かつ含浸剤を含まない状態では、細孔は、本明細書にさらに記述されるプロセスによって作製される場合、微孔質材料の全体積に基づき30から95体積パーセントを典型的には構成する。細孔は、微孔質材料の全体積に対して、微孔質材料の50から75体積パーセントを構成してもよい。本明細書および特許請求の範囲で使用されるように、体積パーセントで表される微孔質材料の多孔率(空隙容量としても公知である)は、下記の方程式:
多孔率=100[1−d1/d2]
(式中、d1は、試料寸法の測定から確認された試料重量および試料体積から決定される、試料の密度であり;d2は、試料重量および試料の固体部分の体積から決定される、試料の固体部分の密度である。)
により決定される。微孔質材料の固体部分の体積は、機器に付随する操作マニュアルに従いQuantachrome立体比重瓶(Quantachrome Corp.)を使用して決定される。
多孔率=100[1−d1/d2]
(式中、d1は、試料寸法の測定から確認された試料重量および試料体積から決定される、試料の密度であり;d2は、試料重量および試料の固体部分の体積から決定される、試料の固体部分の密度である。)
により決定される。微孔質材料の固体部分の体積は、機器に付随する操作マニュアルに従いQuantachrome立体比重瓶(Quantachrome Corp.)を使用して決定される。
微孔質材料の細孔の体積平均直径は、機器に付随する操作マニュアルに従いAutoscan水銀ポロシメーター(Quantachrome Corp.)を使用した水銀ポロシメトリーによって決定される。単一スキャンに関する体積平均細孔半径は、ポロシメーターによって自動的に決定される。ポロシメーターの操作において、スキャンは高圧範囲(138絶対キロパスカルから227絶対メガパスカル)でなされる。全侵入体積の2パーセントまたはそれ未満が高圧範囲の下限(138から250絶対キロパスカル)で生じる場合、体積平均細孔直径は、ポロシメーターによって決定される体積平均細孔半径の2倍で得られる。そうでない場合、低圧範囲(7から165絶対キロパスカル)で追加のスキャンがなされ、体積平均細孔直径は、方程式:
d=2[v1r1/w1+v2r2/w2]/[v1/w1+v2/w2]
(式中、dは体積平均細孔直径であり;v1は、高圧範囲で侵入した水銀の全体積であり;v2は、低圧範囲で侵入した水銀の全体積であり;r1は、高圧スキャンから決定された体積平均細孔半径であり;r2は、低圧スキャンから決定された体積平均細孔半径であり;w1は、高圧スキャンに供される試料の重量であり;w2は、低圧スキャンに供される試料の重量である。)に従い計算される。
d=2[v1r1/w1+v2r2/w2]/[v1/w1+v2/w2]
(式中、dは体積平均細孔直径であり;v1は、高圧範囲で侵入した水銀の全体積であり;v2は、低圧範囲で侵入した水銀の全体積であり;r1は、高圧スキャンから決定された体積平均細孔半径であり;r2は、低圧スキャンから決定された体積平均細孔半径であり;w1は、高圧スキャンに供される試料の重量であり;w2は、低圧スキャンに供される試料の重量である。)に従い計算される。
一般に、コーティングがなく、印刷インクを含まず、かつ含浸剤を含まない状態で、微孔質材料の細孔の体積平均直径は、少なくとも0.02マイクロメートル、典型的には少なくとも0.04マイクロメートル、より典型的には少なくとも0.05マイクロメートルである。また同じ状態で、微孔質材料の細孔の体積平均直径は、典型的には0.5マイクロメートル未満またはそれに等しく、より典型的には0.3マイクロメートル未満またはそれに等しく、さらに典型的には0.25マイクロメートル未満またはそれに等しい。この状態で、細孔の体積平均直径は、列挙された値を含めたこれらの値のいずれかの間に及んでもよい。例えば、微孔質材料の細孔の体積平均直径は、0.02から0.5マイクロメートル、または0.04から0.3マイクロメートル、または0.05から0.25マイクロメートルに及んでもよく、それぞれの場合において、列挙された値が包まれる。
上述の手順を用いて体積平均細孔直径を決定する過程で、検出された最大細孔半径も決定されてもよい。これは、実行される場合には低圧範囲スキャンから得られ;そうでない場合には高圧範囲スキャンから得られる。微孔質材料の最大細孔直径は、典型的には最大細孔半径の2倍である。
コーティング、印刷、および含浸プロセスは、微孔質材料の細孔の少なくとも一部を充填し得る。さらに、そのようなプロセスは、微孔質材料を不可逆的に圧縮し得る。したがって、多孔率、細孔の体積平均直径、および最大細孔直径に関するパラメーターは、これらのプロセスの1つまたは複数を適用する前に、微孔質材料について決定される。
微孔質材料は、少なくとも0.7g/cm3または少なくとも0.8g/cm3の密度を有することができる。本明細書で使用される、微孔質材料の密度は、微孔質材料の試料の重量および体積を測定することによって決定される。微孔質材料の密度の上限は、揮発性物質の十分な蒸発速度をもたらすように許容される透過性を有することを前提として、広範に及んでもよい。典型的には、微孔質材料の密度は1.5g/cm3未満もしくはそれに等しく、または1.0g/cm3未満またはそれに等しい。微孔質材料の密度は、上述の値のいずれかの間であって列挙された値を含めたものの間に及ぶことができる。例えば、微孔質材料は、0.7g/cm3から1.5g/cm3、例えば0.8g/cm3から1.2g/cm3であって、列挙された値も含めた密度を有することができる。
数多くの当技術分野で認識されているプロセスを、本発明の微孔質材料を生成するのに使用してもよい。例えば、本発明の微孔質材料は、充填材粒子、熱可塑性有機ポリマー粉末、加工可塑剤、少量の潤滑剤および抗酸化剤を、実質的に均一な混合物が得られるまで一緒に混合することによって、調製することができる。混合物を形成する際に用いられる粒状充填材とポリマー粉末との重量比は、生成される微孔質材料の場合と本質的に同じである。混合物は、追加の加工可塑剤と一緒に、スクリュー押出し機の加熱バレルに典型的には導入される。押出し機の末端には、シーティングダイが取り付けられている。ダイによって形成された連続シートは、ダイから出て行く連続シートよりも厚さが薄い連続シートを形成するために協働的に動作する1対の加熱されたカレンダーロールに引かれることなく前進する。プロセスのこの時点で連続シート中に存在する加工可塑剤のレベルは、広く変化してもよい。例えば、本明細書の下記において記載されるように抽出前の、連続シート中に存在する加工可塑剤のレベルは、連続シートの30重量パーセントより多くまたはそれに等しくすることができ、例えば、抽出前の連続シートの40重量パーセントより多くもしくはそれに等しく、または45重量パーセントより多くもしくはそれに等しくすることができる。また、抽出前の連続シート中に存在する加工可塑剤の量は、連続シートの70重量パーセント未満またはそれに等しくすることができ、例えば抽出前の連続シートの65重量パーセント未満もしくはそれに等しく、または60重量パーセント未満もしくはそれに等しく、または55重量パーセント未満もしくはそれに等しくすることができる。抽出前の、プロセスのこの時点で連続シート中に存在する加工可塑剤のレベルは、列挙された値を含めたこれらの値のいずれかの間に及ぶことができる。
次いでカレンダーからの連続シートを、第1の抽出ゾーンに通し、そこでは加工可塑剤を、加工可塑剤に良好な溶媒、有機ポリマーには不十分な溶媒、および加工可塑剤よりも揮発性がある有機液体で抽出することによって、実質的に除去する。通常、必ずしも必要ではないが、加工可塑剤および有機抽出液は共に、水に対して実質的に不混和性である。次いで連続シートは第2の抽出ゾーンに移り、そこでは残留有機抽出液を、水蒸気および/または水によって実質的に除去する。次いで連続シートを強制空気乾燥器内に通して、残留水および残された残留有機抽出液を実質的に除去する。乾燥器から、多孔質材料である連続シートを巻取りロールに通す。
加工可塑剤は、室温では液体であり、通常はパラフィン油、ナフテン油、または芳香油などの加工油である。適切な加工油には、ASTM D 2226−82の要件を満たすもの、Type 103および104が含まれる。より典型的には、ASTM D 97−66(1978年再承認)に従い220℃未満の流動点を有する加工油が、本発明の微孔質材料を生成するのに使用される。本発明の微孔質材料を調製する際に有用な加工可塑剤は、参照によりその開示が本明細書に組み込まれる米国特許第5,326,391号、第10欄第26から50行までに、さらに詳細に論じられている。
微孔質材料を調製するのに使用される加工可塑剤組成物は、60℃ではポリオレフィンに対して溶媒和効果を有することはほとんどできず、100℃程度の高温では中程度の溶媒和効果しか有することができない。加工可塑剤組成物は、一般に、室温で液体である。使用されてもよい加工油の非限定的な例には、ナフテン系原油から誘導された溶媒精製および水素化処理油であるSHELLFLEX(登録商標)412油、SHELLFLEX(登録商標)371油(Shell Oil Co.)、ならびに白色鉱油であるARCOprime(登録商標)400油(Atlantic Richfield Co.)およびKAYDOL(登録商標)油(Witco Corp.)を含めることができる。加工可塑剤のその他の非限定的な例には、フタル酸エステル可塑剤、例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、およびフタル酸ジトリデシルを含めることができる。前述の加工可塑剤のいずれかの混合物を、本発明の微孔質材料を調製するのに使用することができる。
本発明の微孔質材料を調製するのに使用することができる、多くの有機抽出液がある。その他の適切な有機抽出液の例には、参照によりその開示が本明細書に組み込まれる米国特許第5,326,391号、第10欄第51から57行に記載されるものが含まれる。
抽出流体組成物は、塩素化炭化水素および/またはフッ素化炭化水素などのハロゲン化炭化水素を含むことができる。特に、抽出流体組成物は、ハロゲン化炭化水素(複数可)を含んでいてもよく、4から9(Jcm3)1/2に及ぶ計算された溶解度パラメーター、クーロン項(δclb)を有していてもよい。本発明の微孔質材料を生成する際に使用される抽出流体組成物として適切なハロゲン化炭化水素(複数可)の非限定的な例には、trans−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、および/または1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンから選択されるハロゲン化炭化水素の1種または複数の共沸混合物を含めることができる。そのような材料は、VERTREL MCA(1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−ジヒドロデカフルオロペンタンおよびtrans−1,2−ジクロロエチレン:62%/38%の2元共沸混合物)およびVERTREL CCA(1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−ジヒドロデカフルオルペンタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオルブタン、およびtrans−1,2−ジクロロエチレン:33%/28%/39%の3元共沸混合物)として市販されており、共にMicroCare Corporationから
入手可能である。
入手可能である。
本発明による微孔質材料の残留加工可塑剤の含量は、通常、微孔質材料の全重量に基づき10重量パーセント未満であり、この量は、同じまたは異なる有機抽出液を使用する追加の抽出によって、さらに低減されてもよい。しばしば、残留加工可塑剤の含量は、微孔質材料の全重量に基づき5重量パーセント未満であり、この量は、追加の抽出によってさらに低減されてもよい。
本発明の微孔質材料はまた、米国特許第2,772,322号;第3,696,061号;および/または第3,862,030号の一般的な原理および手順に従って生成されてもよい。これらの原理および手順は、マトリックスのポリマーが、ポリ(塩化ビニル)であるか、もしくは大部分がポリ(塩化ビニル)であるか、または高い割合の重合した塩化ビニルを含有するコポリマーである場合、特に適用可能である。
上述のプロセスによって生成された微孔質材料は、任意選択で延伸させてもよい。微孔質材料の延伸は、典型的には、材料の空隙容量の増大と、増大または増強された分子配向の領域の形成との両方をもたらす。当技術分野で公知のように、分子が配向された熱可塑性有機ポリマーの、引張り強さ、引張り係数、ヤング率およびその他を含めた物理的性質の多くは、分子配向をほとんどまたは全く持っていない対応する熱可塑性有機ポリマーの場合とは(例えばかなり)異なる。延伸は、典型的には上述の加工可塑剤が実質的に除去された後に実現される。
様々なタイプの延伸装置およびプロセスは、当業者に周知であり、本発明の微孔質材料の延伸を実現するのに使用されてもよい。微孔質材料の延伸は、参照によりその開示が本明細書に組み込まれる米国特許第5,326,391号、第11欄第45行から第13欄第13行までにさらに詳細に記載されている。
微孔質膜は、微孔質膜の第1の表面および第2の表面のうちの少なくとも1つの上に、少なくとも1つのバリアコーティング層をさらに含む。本発明の特定の実施形態では、微孔質膜は、微孔質膜の少なくとも第1の表面の上に、バリアコーティング層を含む。
バリアコーティング層(複数可)は、液体コーティング組成物および固体粒状コーティング組成物(例えば、粉末コーティング組成物)から選択されるコーティング組成物から形成されてもよい。典型的には、バリアコーティング層(複数可)は、水、有機溶媒、およびこれらの組合せから選択される溶媒を任意選択で含んでいてもよい液体コーティング組成物から形成される。バリアコーティング層(複数可)は、架橋性コーティング組成物(例えば、熱硬化性コーティング組成物および光硬化性コーティング組成物)、ならびに非架橋性コーティング組成物(例えば、空気乾燥コーティング組成物)から選択されてもよい。バリアコーティング層(複数可)は、当技術分野で認識されている方法、例えば噴霧塗布、カーテンコーティング、浸漬コーティング、および/またはドローダウンコーティング(例えばドクターブレードまたはドローダウンバーによる)技法を用いて、微孔質材料のそれぞれの表面に塗布されてもよい。
コーティング組成物は、それぞれ独立して、当技術分野で認識されている添加剤、例えば抗酸化剤、紫外線安定化剤、流動制御剤、分散安定化剤(例えば水性分散体の場合には)、ならびに着色剤(例えば染料および/または顔料)を含むことができる。典型的には、バリアコーティング組成物は着色剤を含まず、したがってそれらは実質的に透明または不透明である。任意選択の添加剤は、例えば、バリアコーティング組成物の全重量に基づき0.01から10重量パーセントの個々の量で、コーティング組成物中に存在し得る。
バリアコーティング層(複数可)は、分散した有機ポリマー材料を含む水性コーティング組成物から形成することができる。水性コーティング組成物は、200から400nmの粒度(particle size)を有していてもよい。水性コーティング組成物の固形分は、広く変化してもよく、例えば、水性コーティング組成物の全重量に基づき、それぞれの場合で、0.1から30重量パーセント、または1から20重量パーセントであってもよい。水性コーティング組成物を含む有機ポリマーは、例えば1000から4,000,000または10,000から2,000,000の数平均分子量(Mn)を有していてもよい。
水性コーティング組成物は、例えば、水性ポリ(メタ)アクリレート分散体、水性ポリウレタン分散体、水性シリコーン(またはシリコン)油分散体、およびこれらの組合せから選択することができる。水性ポリ(メタ)アクリレート分散体のポリ(メタ)アクリレートポリマーは、当技術分野で認識されている方法により調製され得る。例えば、ポリ(メタ)アクリレートポリマーは、アルキル基内部に1から20個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートの残基(またはモノマー単位)を含んでいてもよい。アルキル基内部に1から20個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートの例には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、および3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが含まれるが、これらに限定するものではない。非限定的な例示の目的で、そこからコーティング組成物が選択されてもよい水性ポリ(メタ)アクリレート分散体の例は、Lubrizol Advanced Materials,Inc.から市販されているHYCAR26138である。
そこからバリアコーティング層(複数可)が選択されてもよい水性ポリウレタン分散体のポリウレタンポリマーには、当業者に公知のもののいずれかが含まれる。典型的には、ポリウレタンポリマーは、2個またはそれより多いイソシアネート基を有するイソシアネート官能性材料、および2個またはそれより多い活性水素基を有する活性水素官能性材料から調製される。活性水素基は、例えば、ヒドロキシル基、チオール基、第1級アミン、第2級アミン、およびこれらの組合せから選択されてもよい。非限定的な例示の目的で、水性ポリウレタン分散体の適切な例は、Chemtura Corporationから市販されているWITCOBOND W−240である。
水性シリコーン油分散体のシリコンポリマーは、公知の、当技術分野で認識されている水性シリコーン油分散体から選択されてもよい。非限定的な例示の目的で、そこからバリアコーティング組成物が独立して選択されてもよい水性シリコン分散体の例は、Momentive Performance Materialsから市販されているMOMENTIVE LE−410である。
本発明のさらなる実施形態では、バリアコーティング層は、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ−アミンポリマー、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される樹脂構成成分を含むコーティング組成物から形成することができる。特定の例では、バリアコーティング層(複数可)は、ポリ(ビニルアルコール)を含むコーティング組成物から形成される。
ポリ(ビニルアルコール)含有バリアコーティングは、水、有機溶媒、およびこれらの組合せから選択される溶媒を任意選択で含んでいてもよい液体コーティング組成物から形成されてもよい。ポリ(ビニルアルコール)コーティングは、架橋性コーティング(例えば、熱硬化性コーティング)および非架橋性コーティング(例えば、空気乾燥コーティング)から選択されてもよい。ポリ(ビニルアルコール)コーティングは、当技術分野で認識されている方法、例えば噴霧塗布、カーテンコーティング、またはドローダウンコーティング(例えばドクターブレードまたはドローダウンバーによる)を用いて、微孔質材料のそれぞれの表面に塗布されてもよい。
ある例では、ポリ(ビニルアルコール)コーティングは、それぞれ独立して、水性ポリ(ビニルアルコール)コーティング組成物から形成される。水性ポリ(ビニルアルコール)コーティング組成物の固形分は、広く変化してもよく、例えば、それぞれの場合に水性コーティング組成物の全重量に基づき0.1から15重量パーセント、または0.5から9重量パーセントであってもよい。ポリ(ビニルアルコール)コーティング組成物中に存在するポリ(ビニルアルコール)ポリマーは、例えば100から1,000,000、または1,000から750,000の数平均分子量(Mn)を有していてもよい。
ポリ(ビニルアルコール)ポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーであってもよい。そこからポリ(ビニルアルコール)コポリマーが調製されてもよいコモノマーには、酢酸ビニルと共重合可能な(ラジカル重合を用いて)、当業者に公知のものが含まれる。例示の目的で、そこからポリ(ビニルアルコール)コポリマーが調製されてもよいコモノマーには:(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、これらの金属塩、これらのアルキルエステル(例えば、これらのC2〜C10アルキルエステル)、これらのポリエチレングリコールエステル、およびこれらのポリプロピレングリコールエステル;塩化ビニル;テトラフルオロエチレン;2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、およびその塩;アクリルアミド;N−アルキルアクリルアミド;N,N−ジアルキル置換アクリルアミド;ならびにN−ビニルホルムアミドが含まれるが、これらに限定するものではない。
本発明のポリ(ビニルアルコール)でコーティングされた微孔質材料を形成するのに使用されてもよい、適切なポリ(ビニルアルコール)コーティング組成物の非限定的例は、Sekisui Specialty Chemicalsから市販されているSELVOL(登録商標)325である。
バリアコーティング層(複数可)を形成するのに使用される前述のコーティング組成物のいずれかは、それぞれ独立して、当技術分野で認識されている添加剤、例えば抗酸化剤、紫外線安定化剤、流動制御剤、分散安定化剤(例えば水性分散体の場合には)、および可塑剤などを含んでいてもよい。任意選択の添加剤は、例えば、コーティング組成物の全重量に基づき0.01から10重量パーセントの個々の量で、ポリ(ビニルアルコール)コーティング組成物中に存在していてもよい。
また、本発明のデバイスにおいて使用されるバリアコーティング層(複数可)を形成するのに適切な組成物としては、米国特許出願公開第2005/0196601号(A1)の段落[0011]〜[0036]に記載されているものを挙げることができ、この特許出願の引用部分は、参照により本明細書に組み込まれる。
先述のバリアコーティング層(複数可)のいずれもが、それぞれ独立して、微孔質材料が一定かつ均一な蒸気送達速度をもたらすのに十分な蒸気透過性を有することを前提として、任意の適切な厚さで塗布され得る。また、バリアコーティング層は、微孔質膜の少なくとも第1の表面上に、0.5から5.50g/m2、例えば0.75から5g/m2または1.0から3g/m2のコーティング重量(即ち、微孔質材料の表面に塗布されたコーティングの重量)で存在する。
バリアコーティング層は、所望される場合、バーミキュライト、雲母、タルク、金属フレーク、板状クレー、および板状シリカからなる群から選択される高アスペクト比顔料をさらに含むことができることに留意すべきである。高アスペクト比顔料または薄板は、バリアコーティング層(複数可)を形成するのに使用される組成物中に、組成物の0.1から20重量パーセント、例えば1から10重量パーセントの量で存在することができ、この重量パーセントは、コーティング組成物の全固形分重量に基づく。高アスペクト比顔料/薄板は、蒸気がコーティング層の一方の側から他方へと通過するための屈曲路を提供する、コーティング層内の「フィッシュスケール」配置を形成してもよい。このような顔料/薄板は、典型的には、0から20ミクロン、例えば2から5ミクロンまたは2から10ミクロンの範囲の直径を有する。顔料/薄板のアスペクト比は、典型的には、少なくとも5:1、例えば少なくとも10:1または20:1である。高アスペクト比顔料/薄板の量は、所望されるバリア特性および/またはコーティングによって達成されるべき柔軟性/弾性に基づいて決定される。
バリアコーティング組成物は、コーティング組成物の構成成分に応じて、周囲温度または高温で、バリアコーティング層(複数可)を形成することができる。
本発明の、揮発性物質の蒸発送達のためのデバイスは、第1の表面および第2の表面を有する取り外し可能なキャップ層(c)をさらに含む。接着剤層が、微孔質蒸気透過性膜および液体揮発性物質がキャップ層の下で実質的に封止されるように、微孔質膜の第1の表面とキャップ層の第2の表面との間に挟まれている。
例えば、接着剤層が、キャップ層(c)の第2の表面に塗布されてもよく、次いでキャップ層がリザーバー部分に対して固定されてもよい。接着剤層は、接着剤層が蒸気透過性膜の周辺部分と接触するように、キャップ層の第2の表面に塗布されてもよい。別の例では、蒸気透過性膜に対して固定された場合に、バリアコーティング層を含む微孔質蒸気透過性膜の第1の表面と接着剤層が接触するように、接着剤層は、キャップ層の第2の表面全体に塗布されてもよい。別の例では、接着剤層は、膜の第1の表面の周辺部分または膜の第1の表面全体に塗布され、これに対してキャップ層の第2の表面が接着されてもよい。
取り外し可能なキャップ層(c)は、デバイスからの取り外しを容易にして、それにより微孔質蒸気透過性膜を露出させて、揮発性物質の蒸発送達を起動するための、任意選択でプルタブを含むピールシールであってもよい。キャップ層(c)は、金属箔、ポリマーフィルム、カーボンフィルム、銀/カーボンフィルム、塗工紙.などを含んでもよい。典型的には、取り外し可能なキャップ層(c)は、金属箔、ポリマーフィルム、およびこれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも1つの層を含む。例えば、キャップ層は、金属化されて見えるように、または「箔様」に見えるように印刷またはコーティングされた、少なくとも1つのポリマーフィルムを含んでもよい。所望される特性が達成されることを前提として、任意の公知の金属箔を使用することができる。適切なポリマーフィルムには、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、ポリエステルフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリ(エステル/ウレタン)フィルム、またはポリ(ビニルアルコール)フィルムが含まれ得るが、これらに限定するものではない。所望される特性が達成されることを前提として、任意の適切なポリマーフィルムを使用することができる。また、キャップ層(c)は、金属化ポリマーフィルムを、単独で、または金属箔層、ポリマーフィルム層、もしくは両方とともに含んでもよい。キャップ層は、1つの層または任意の組合せの1つ超の層を含むことができる。
接着剤層は、接着剤が、消費者による起動まで、デバイスを封止したままで保持するための十分な粘着性を提供する一方で、キャップ層の取り外し可能性は維持することを前提として、公知の接着剤のいずれかを含むことができる。特定の実施形態では、接着剤層は、感圧性接着剤(「PSA」)、例えば当技術分野において公知のPSA材料のいずれかを含む。適切なPSA材料には、ゴム系接着剤、ブロックコポリマー接着剤、ポリイソブテン系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ビニル系接着剤、およびこれらの混合物が含まれる。
本発明を、下記の実施例でより具体的に記載するが、それらは単なる例示を目的とするものであり、その理由は、数多くの修正例および変更例は当業者に明らかであるからである。他に指定しない限り、全ての部およびパーセンテージは重量によるものである。
パート1.バリアコーティングの調製
1000mLのビーカーにおいて、穏やかに撹拌しながら、667gの冷水中に40gのSELVOL(登録商標)325(Sekisui Specialty Chemicalsから入手可能である加水分解ポリ(ビニルアルコール))を分散させることで、バリアコーティング溶液を調製した。混合物を、190°F(87.8℃)に加熱し、完全に溶解するまで20〜30分間撹拌した。得られた溶液を、撹拌しながら室温まで冷まして、6重量%の測定された固形分を有する均質な溶液を得た。この溶液をさらに希釈して、パート2において使用するコーティング溶液を調製した。
1000mLのビーカーにおいて、穏やかに撹拌しながら、667gの冷水中に40gのSELVOL(登録商標)325(Sekisui Specialty Chemicalsから入手可能である加水分解ポリ(ビニルアルコール))を分散させることで、バリアコーティング溶液を調製した。混合物を、190°F(87.8℃)に加熱し、完全に溶解するまで20〜30分間撹拌した。得られた溶液を、撹拌しながら室温まで冷まして、6重量%の測定された固形分を有する均質な溶液を得た。この溶液をさらに希釈して、パート2において使用するコーティング溶液を調製した。
パート2.コーティングされた微孔質膜シートの調製
両方ともPPG Industries,Inc.から入手可能である、TESLIN(登録商標)SP(厚さ10ミル(0.25mm)、「SP」)またはTESLIN HD(厚さ11ミル(0.28mm)、「HD」)のシートをまず計量し、次いで透明なガラス表面上に配置した。上部の隅をガラスにテープで接着し、1片の、透明な10ミル厚のポリエステル、11インチ×3インチ(27.94cm×7.62cm)を、ガラス表面にテープで接着し、シートの上部1/2インチ(1.3cm)を覆うように位置付けた。コーティングされるシートの各々について、パート1からのバリアコーティング溶液を、指示される固形分まで希釈した。Diversified Enterprisesからの、表1において特定されたタイプの、1/2インチ(1.3cm)のワイヤが巻かれた測定ロッドを、上縁部に平行に、ポリエステルの上縁部付近に配置した。10〜20mLの量のコーティングを、使い捨てピペットを使用して測定ロッドのすぐ隣に接触するように、ビーズストリップ(およそ1/4インチ(0.6cm)幅)として堆積した。バーを、連続/一定速度を試みてシート全体にわたって完全に引いて、組成物を、シートの露出面全体に塗布した。得られた湿潤シートをガラス表面から除去し、すぐに計量し、湿潤コーティング重量を記録し、次いでコーティングされたシートを強制空気炉内に置き、95℃で2分間乾燥した。乾燥したシートを炉から取り出し、このコーティング手順を同じコーティング付きシート表面に対して繰り返した。2つの湿潤コーティング重量を使用して、1平方メートル当たりの最終乾燥コーティング重量を、グラムを単位として計算した。コーティングされたシートを、表1に示す。
両方ともPPG Industries,Inc.から入手可能である、TESLIN(登録商標)SP(厚さ10ミル(0.25mm)、「SP」)またはTESLIN HD(厚さ11ミル(0.28mm)、「HD」)のシートをまず計量し、次いで透明なガラス表面上に配置した。上部の隅をガラスにテープで接着し、1片の、透明な10ミル厚のポリエステル、11インチ×3インチ(27.94cm×7.62cm)を、ガラス表面にテープで接着し、シートの上部1/2インチ(1.3cm)を覆うように位置付けた。コーティングされるシートの各々について、パート1からのバリアコーティング溶液を、指示される固形分まで希釈した。Diversified Enterprisesからの、表1において特定されたタイプの、1/2インチ(1.3cm)のワイヤが巻かれた測定ロッドを、上縁部に平行に、ポリエステルの上縁部付近に配置した。10〜20mLの量のコーティングを、使い捨てピペットを使用して測定ロッドのすぐ隣に接触するように、ビーズストリップ(およそ1/4インチ(0.6cm)幅)として堆積した。バーを、連続/一定速度を試みてシート全体にわたって完全に引いて、組成物を、シートの露出面全体に塗布した。得られた湿潤シートをガラス表面から除去し、すぐに計量し、湿潤コーティング重量を記録し、次いでコーティングされたシートを強制空気炉内に置き、95℃で2分間乾燥した。乾燥したシートを炉から取り出し、このコーティング手順を同じコーティング付きシート表面に対して繰り返した。2つの湿潤コーティング重量を使用して、1平方メートル当たりの最終乾燥コーティング重量を、グラムを単位として計算した。コーティングされたシートを、表1に示す。
下式を使用して、最終乾燥コーティング重量を計算した。
コーティング重量(g/m2)=((コーティング固形分×0.01)×(第1の湿潤コーティング重量(g)+第2の湿潤コーティング重量(g)))/(コーティングされた表面積(m2))
コーティング重量(g/m2)=((コーティング固形分×0.01)×(第1の湿潤コーティング重量(g)+第2の湿潤コーティング重量(g)))/(コーティングされた表面積(m2))
パート3.模擬ピールアンドリリースデバイスのアセンブリ
膜の蒸発速度と性能試験に使用されるホルダーアセンブリは、リングガスケットを備えたフロントクランプ、バッククランプ、試験リザーバーカップ、および4つのスクリューからなるものとした。試験リザーバーカップは、およそ4センチメートルの開口面縁部での円直径および1センチメートルを超えない深さによって画定される内部寸法を有する、透明な熱可塑性ポリマーから製作した。開口面を使用して、揮発性材料移動速度を決定した。ホルダーアセンブリの各クランプは、試験リザーバーカップを収容し、かつ試験下で膜を露出させる開口を提供するための、1.5インチ(3.8cm)直径の円形開口を有していた。膜を試験下に置いた場合、即ち6から18ミル(0.15から0.46mm)の厚さを有する微孔質材料のシートに置いた場合、ホルダーアセンブリのバッククランプは、コルクリングの上部に配置した。試験リザーバーカップをバッククランプ内に配置し、およそ2mLの酢酸ベンジルを投入した。およそ2インチ(5.1cm)直径のディスクを膜シートから切断し、微孔質シートの揮発性材料接触面の12.5cm2がリザーバーの内部に曝されるように、リザーバーカップの縁部上に直接接触させて配置した。2インチ×2インチ(5cm×5cm)平方の標識材料(以下の表で特定される)を、膜ディスクに塗布した。コーティングされた微孔質シートを試験する場合、標識材料はコーティングされた表面に塗布した。膜/標識アセンブリを、微孔質シートの揮発性材料接触面の12.5cm2がリザーバーの内部に曝され、標識側が大気に曝されるように、リザーバーカップの縁部の上に直接接触させて配置した。ホルダーのフロントクランプをアセンブリ全体の上に慎重に配置した。スクリューを取り付け、ガスケットが漏れのない封止を形成するように、十分に堅く締めた。ホルダーは、試験下で膜試料が特定されるように標識した。対照(未コーティング)試料も含め、3から5個の複製物を、試験ごとに調製した。群内の試料はすべて、大気条件における差異に由来するノイズを最小化するために、同時に試験した。
膜の蒸発速度と性能試験に使用されるホルダーアセンブリは、リングガスケットを備えたフロントクランプ、バッククランプ、試験リザーバーカップ、および4つのスクリューからなるものとした。試験リザーバーカップは、およそ4センチメートルの開口面縁部での円直径および1センチメートルを超えない深さによって画定される内部寸法を有する、透明な熱可塑性ポリマーから製作した。開口面を使用して、揮発性材料移動速度を決定した。ホルダーアセンブリの各クランプは、試験リザーバーカップを収容し、かつ試験下で膜を露出させる開口を提供するための、1.5インチ(3.8cm)直径の円形開口を有していた。膜を試験下に置いた場合、即ち6から18ミル(0.15から0.46mm)の厚さを有する微孔質材料のシートに置いた場合、ホルダーアセンブリのバッククランプは、コルクリングの上部に配置した。試験リザーバーカップをバッククランプ内に配置し、およそ2mLの酢酸ベンジルを投入した。およそ2インチ(5.1cm)直径のディスクを膜シートから切断し、微孔質シートの揮発性材料接触面の12.5cm2がリザーバーの内部に曝されるように、リザーバーカップの縁部上に直接接触させて配置した。2インチ×2インチ(5cm×5cm)平方の標識材料(以下の表で特定される)を、膜ディスクに塗布した。コーティングされた微孔質シートを試験する場合、標識材料はコーティングされた表面に塗布した。膜/標識アセンブリを、微孔質シートの揮発性材料接触面の12.5cm2がリザーバーの内部に曝され、標識側が大気に曝されるように、リザーバーカップの縁部の上に直接接触させて配置した。ホルダーのフロントクランプをアセンブリ全体の上に慎重に配置した。スクリューを取り付け、ガスケットが漏れのない封止を形成するように、十分に堅く締めた。ホルダーは、試験下で膜試料が特定されるように標識した。対照(未コーティング)試料も含め、3から5個の複製物を、試験ごとに調製した。群内の試料はすべて、大気条件における差異に由来するノイズを最小化するために、同時に試験した。
パート4.模擬デバイスの試験
3つのステップ:コンディショニング、起動/平衡化、および蒸発速度測定で、試験を実施した。アセンブリをコンディショニングするため、デバイスの各群を、膜表面が垂直となるように(即ち、液体が少なくとも膜の一部と接触するように)位置付けた。各群をこの位置に保持した時間量(日数単位)を、以下の表において、「コンディショニング時間」として記録する。所与のコンディショニング時間の後、群内のアセンブリのすべてを水平に配置し、クランプを取り外した。起動するために、各標識を慎重に剥離し、標識下の膜表面の外観について書き留めた。外観は以下のように等級付けした:1−溜まった液体で濡れている;2−均一に濡れている;3−濡れている領域と乾燥した領域とがある;4−均一に乾燥している。次いで、デバイスを、標識を伴わずに再びアセンブリした。各ホルダーアセンブリを計量して、投入済みアセンブリ全体の初期重量を得た。次いでアセンブリを、5フィート(1.5m)(高さ)×5フィート(1.5m)(幅)×2フィート(0.6m)(深さ)のおよその寸法を有する実験室用化学ヒュームフード内に、直立状態で配置した。試験リザーバーを直立状態にすることにより、酢酸ベンジルは、微孔質シートの揮発性材料接触面の少なくとも一部に直接接触した。ヒュームフードのガラス戸を引き下げ、フード内を通る空気流を、1時間当たり約8回転するフード体積になるように調節した。フード内の温度は周囲湿度で25℃±5℃に維持した。試験リザーバーを、フード内で定期的に計量した。起動の直後、デバイスには、3から5日間の平衡化時間が与えられ、その後定常状態の蒸発速度を判定した。
3つのステップ:コンディショニング、起動/平衡化、および蒸発速度測定で、試験を実施した。アセンブリをコンディショニングするため、デバイスの各群を、膜表面が垂直となるように(即ち、液体が少なくとも膜の一部と接触するように)位置付けた。各群をこの位置に保持した時間量(日数単位)を、以下の表において、「コンディショニング時間」として記録する。所与のコンディショニング時間の後、群内のアセンブリのすべてを水平に配置し、クランプを取り外した。起動するために、各標識を慎重に剥離し、標識下の膜表面の外観について書き留めた。外観は以下のように等級付けした:1−溜まった液体で濡れている;2−均一に濡れている;3−濡れている領域と乾燥した領域とがある;4−均一に乾燥している。次いで、デバイスを、標識を伴わずに再びアセンブリした。各ホルダーアセンブリを計量して、投入済みアセンブリ全体の初期重量を得た。次いでアセンブリを、5フィート(1.5m)(高さ)×5フィート(1.5m)(幅)×2フィート(0.6m)(深さ)のおよその寸法を有する実験室用化学ヒュームフード内に、直立状態で配置した。試験リザーバーを直立状態にすることにより、酢酸ベンジルは、微孔質シートの揮発性材料接触面の少なくとも一部に直接接触した。ヒュームフードのガラス戸を引き下げ、フード内を通る空気流を、1時間当たり約8回転するフード体積になるように調節した。フード内の温度は周囲湿度で25℃±5℃に維持した。試験リザーバーを、フード内で定期的に計量した。起動の直後、デバイスには、3から5日間の平衡化時間が与えられ、その後定常状態の蒸発速度を判定した。
酢酸ベンジルの計算された重量損失を、試験リザーバーの内部に曝される微孔質シートの経過時間および表面積と組み合わせて使用して、微孔質シートの揮発性材料移動速度を、mg/(時・cm2)を単位として決定した。複製物の平均蒸発速度(mg/時)は、アセンブリ全体に関して、以下の表に報告した。これら2つの値は、下式によって関係付けられる:
平均蒸発速度(mg/時)/12.5cm2=揮発性材料移動速度(mg/(時・cm2))
表2および表3は、未コーティングの対照に対する、様々なコーティング重量での2つの基材タイプについての結果を列挙している。表4は、同じ基材上における同じコーティング重量での、3種の異なる感圧性接着剤についての結果を示している。すべての場合において、標識は容易に取り外された。
平均蒸発速度(mg/時)/12.5cm2=揮発性材料移動速度(mg/(時・cm2))
表2および表3は、未コーティングの対照に対する、様々なコーティング重量での2つの基材タイプについての結果を列挙している。表4は、同じ基材上における同じコーティング重量での、3種の異なる感圧性接着剤についての結果を示している。すべての場合において、標識は容易に取り外された。
本発明の特定の実施形態について、例示の目的で記載してきたが、本発明の詳細の数多
くの変更を、添付される特許請求の範囲に定義される本発明から逸脱することなく行って
もよいことが、当業者に明らかであり得る。
くの変更を、添付される特許請求の範囲に定義される本発明から逸脱することなく行って
もよいことが、当業者に明らかであり得る。
Claims (16)
- 揮発性物質の蒸発送達のためのデバイスであって、
(a)開放キャビティおよびその周囲の周辺部分を有する、液体揮発性物質を含有するリザーバー部分と、
(b)前記リザーバーの上に位置付けられる、第1の表面および第2の表面を有する微孔質蒸気透過性膜であって、前記膜は、前記リザーバーの前記周辺部分に対して固定されており、前記膜の前記第2の表面は、少なくとも前記液体揮発性物質と接触しており、前記微孔質膜は、
(A)ポリマーマトリックス、
(B)前記ポリマーマトリックスの全体にわたって連通している細孔の相互接続網状構造、および
(C)微細化された、実質的に水に不溶性の充填材料を含み、
前記微孔質膜は、前記微孔質膜の少なくとも前記第1の表面の上に、バリアコーティング層をさらに含む、微孔質蒸気透過性膜と、
(c)第1の表面および第2の表面を有する取り外し可能なキャップ層であって、接着剤層が、前記微孔質蒸気透過性膜および前記液体揮発性物質が前記キャップ層の下で実質的に封止されるように、前記微孔質膜の前記第1の表面と前記キャップ層の前記第2の表面との間に挟まれている、取り外し可能なキャップ層と
を含む、デバイス。 - 前記液体揮発性物質が、芳香放出材料、防虫剤放出材料、およびこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは芳香放出材料である、請求項1に記載のデバイス。
- 前記微孔質蒸気透過性膜(b)の前記ポリマーマトリックスが、少なくとも1種の熱可塑性ポリオレフィンポリマーを含む、請求項1または2に記載のデバイス。
- 前記細孔が、前記微孔質膜の30から95体積パーセントを構成する、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記微細化された、実質的に水に不溶性の充填材料が、シリカ、雲母、モンモリロナイト、カオリナイト、タルク、珪藻土、バーミキュライト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ポリケイ酸アルミニウム、アルミナシリカゲル、およびこれらの混合物からなる群から選択される、水に不溶性のケイ質粒子を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記ケイ質粒子が、沈降シリカ、シリカゲル、ヒュームドシリカ、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載のデバイス。
- 前記充填材料が、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、ジルコニア、マグネシア アルミナ、硫化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される、水に不溶性の非ケイ質粒子をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記バリアコーティング層が、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ−アミンポリマー、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル、ポリシロキサン、およびこれらの混合物からなる群から選択される樹脂構成成分を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記バリアコーティング層の前記樹脂構成成分が、ポリビニルアルコールを含む、請求項8に記載のデバイス。
- 前記バリアコーティング層が、前記微孔質膜の前記第1の表面および前記第2の表面のうちの少なくとも1つの上に、1平方メートル当たり0.75から5.0グラムの範囲のコーティング重量で存在する、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記バリアコーティング層が、前記微孔質膜の前記第1の表面および前記第2の表面のうちの少なくとも1つの上に、1平方メートル当たり1.0から3.0グラムの範囲のコーティング重量で存在する、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記バリアコーティング層が、バーミキュライト、雲母、タルク、金属フレーク、板状クレー、および板状シリカからなる群から選択される高アスペクト比顔料をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記取り外し可能なキャップ層が、ピールシールである、請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記取り外し可能なキャップ層が、金属箔、ポリマーフィルム、およびこれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも1つの層を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記取り外し可能なキャップ層が、金属化されて見えるように印刷されたポリマーフィルムを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記接着剤層が、前記リザーバーの前記周辺部分と接触しており、前記微孔質蒸気透過性膜の前記第1の表面上の前記少なくとも1つのバリアコーティング層と接触し、かつその上に延在している、請求項1から15のいずれか一項に記載のデバイス。
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