本発明では喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置に使用する物品が提供され、この物品は、
キャリアーと、
キャリアー上に配された喫煙材とを含み、
喫煙材は喫煙材からなる第1の層と喫煙材からなる第2の層とを含み、喫煙材からなる第1の層はキャリアーと喫煙材からなる第2の層の間に位置し
喫煙材からなる第1の層の喫煙材は喫煙材からなる第2の層の喫煙材の形体または化学組成とは異なる形体または化学組成を有する。
例示的な実施態様では喫煙材からなる第1および第2の層の一方の喫煙材は、喫煙材からなる第1および第2の層のもう一方の喫煙材より速く加熱できるようにするための形体または化学組成を有する。例示的な実施態様では喫煙材からなる第1および第2の層の一方の喫煙材は、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるために喫煙材からなる第1および第2の層のもう一方の喫煙材より速く加熱できるようにするための形体または化学組成を有する。
例示的な実施態様では喫煙材からなる第1の層の喫煙材は、喫煙材からなる第2の層の喫煙材より速く加熱できるようにするための形体または化学組成を有する。例示的な実施態様では喫煙材からなる第1の層の喫煙材は、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるために喫煙材からなる第2の層の喫煙材より速く加熱できるようにするための形体または化学組成を有する
例示的な実施態様では喫煙材からなる第1および第2の層の一方の喫煙材は、第1の平均粒径を有する喫煙材の粒子を含み、喫煙材からなる第1および第2の層のもう一方の喫煙材は、第1の平均粒径より大きな第2の平均粒径を有する喫煙材の粒子を含む。
例示的な実施態様では喫煙材からなる第1の層の喫煙材は、第1の平均粒径を有する喫煙材の粒子を含み、喫煙材からなる第2の層の喫煙材は第2の平均粒径を有する喫煙材の粒子を含む。
例示的な実施態様では喫煙材からなる第1および第2の層の一方の喫煙材は、エアロゾル形成剤を含み、喫煙材からなる第1および第2の層のもう一方の喫煙材は、エアロゾル形成剤を含まないまたは実質的に含まない。
例示的な実施態様では喫煙材からなる第1の層の喫煙材は、エアロゾル形成剤を含み、喫煙材からなる第2の層の喫煙材は、エアロゾル形成剤を含まないまたは実質的に含まない。
例示的な実施態様ではエアロゾル形成剤はグリセリンを含む。
例示的な実施態様では喫煙材からなる第1の層はキャリアーに接着されている。
例示的な実施態様では喫煙材からなる第1の層は接着剤によってキャリアーに接着されている。
例示的な実施態様では喫煙材からなる第2の層は喫煙材からなる第1の層と接触している。
例示的な実施態様では喫煙材からなる第2の層はキャリアーと接触していない。
例示的な実施態様ではキャリアーはキャリアーを介して喫煙材の方に熱を伝えるためのものである。
例示的な実施態様では物品は喫煙材を含むパウチを含み、キャリアーはパウチの壁の少なくとも一部を形成する。
例示的な実施態様では喫煙材はタバコを含む。
喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置に使用するカートリッジも提供され、このカートリッジは上述の物品を含む。
例示的な実施態様ではカートリッジは、チェンバーを画定するハウジングを含み、キャリアーはカートリッジの外面の一部を画定し、喫煙材はチェンバー内に位置する。
例示的な実施態様ではカートリッジの外面は、喫煙材を加熱するためのヒーターを収容するキャビティーを含み、キャリアーはキャビティーの少なくとも一部を画定する。
例示的な実施態様ではキャビティーは口と長手方向軸を有し、この軸に垂直なキャビティーの断面の大きさは、口からキャビティーの長さの少なくとも大半に亘って離れるにつれて小さくなる。
例示的な実施態様ではキャビティーの断面の大きさは口からキャビティーの全長に亘って離れるにつれて小さくなる。
例示的な実施態様ではキャビティーは楔形状のキャビティーまたは半球体形状のキャビティーである。
上述の物品または上述のカートリッジと喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるために喫煙材を加熱するための装置とを含むキットも提供される。
例示的な実施態様では装置は喫煙材を燃焼させずに喫煙材のその少なくとも1つの成分を揮発させるために喫煙材を加熱するためのものである。
例示的な実施態様では装置は、喫煙材を加熱するための加熱装置と喫煙材を燃焼させずに喫煙材のその少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するように加熱装置の加熱を制御するためのコントローラーとを含む。
本明細書中で使用する「喫煙材」成る用語は、加熱すると揮発成分を、典型的にはエアロゾルの形体で供する材料を含む。「喫煙材」は非タバコ含有材またはタバコ含有材であってもよい。「喫煙材」は、例えばタバコ自体、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコまたはタバコ代替え品の内の1つ以上を含んでもよい。喫煙材は、挽いたタバコ、刻みラグタバコ、押し出しタバコ、ゲルまたは塊の形体であってもよい。「喫煙材」は製品によってニコチンを含むまたは含まない他の非タバコ製品を含んでもよい。
本明細書中で使用する「風味」および「風味剤」なる用語は各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味や香りを製品に加えるのに用いることができる材料を指す。このような材料としては、抽出物(例えば、ユーカリ、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、クローブ、メントール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエキス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ピメント、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油など)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物息消臭剤などのその他の添加剤などが挙げられる。 これら材料は模造品、合成または天然成分であってもよく、またはこれらのブレンドであってもよい。 これらは天然または天然のものと同一の香料を含んでもよい。これら材料は、例えば油、液体、粉末、ゲルなどの任意の好適な形態であってもよい。
図1を参照すると本発明の実施態様による物品40の一例の断面が略式に示されている。物品40はキャリアー41と、キャリアー41上に配された喫煙材42とを含む。喫煙材42は喫煙材からなる第1の層43と喫煙材からなる第2の層44とを含む。喫煙材からなる第1の層43は、キャリアー41と喫煙材からなる第2の層44の間に位置する。この実施態様では喫煙材からなる第1の層43は接着剤(図示せず)によってキャリアー41に接着されている。他の実施態様では喫煙材からなる第1の層43は、いくつかの他の機構によってキャリアー41に接着またはキャリアー41上に配置されてもよい。この実施態様では喫煙材からなる第1の層43は、約0.5mm〜3mmまたは0.1mm〜2.0mmまたは1.0mm〜1.4mmの範囲内の第1の厚さを有する。この実施態様では喫煙材からなる第2の層44は、約0.5mm〜3mmまたは0.1mm〜2.0mmまたは1.0mm〜1.4mmの範囲内の第2の厚さを有する。他の実施態様では第1および第2の厚さは、これらの範囲内以外のものであってもよい。
この実施態様ではキャリアー41は、キャリアー41を介して喫煙材42の方に熱を伝えるためのものである。キャリアー41はアルミニウム箔などの金属箔を含むが、他の実施態様ではキャリアー41は紙、非金属箔、ポリマー、プラスチック材または箔と紙を組み合わせたものなどでもよい。一部の実施態様ではキャリアー41は、例えば再生タバコ紙のような紙などの材料からなる第1の層と、この第1の材料層に取り付けられる例えば金属箔などの材料からなる第2の層を含んでもよい。一部の実施態様では喫煙材からなる第1の層43は、第2の材料層の材料より第1の材料層の材料に、より簡単に結合または接着されてもよい。一部の実施態様では第2の材料層の材料は、第1の材料層の材料より硬質または頑丈であってもよい。従って、一部の実施態様では第1の材料層は、喫煙材42をキャリアー41に接着しやすくし、第2の材料層はキャリアー41の剛性および/または頑健性を増加させる。
この実施態様では喫煙材からなる第2の層44は喫煙材からなる第1の層43と接触している。他の実施態様では喫煙材からなる第1および第2の層43、44の間に他の材料が存在してもよい。このような他の材料は、物品40の剛性または頑健性を増加させ、喫煙材からなる第1および第2の層43、44の相対位置を保持するのに役立ち、および/または喫煙材42の異なる領域をまとめて保持するのに役立つ。そのような他の材料の例として再生タバコ紙などの紙の層が挙げられる。この実施態様では喫煙材からなる第2の層44はキャリアー41と接触しない。他の実施態様では喫煙材からなる第2の層44の1つ以上のセクションはキャリアー41と接触してもよい。
本発明の実施態様において喫煙材からなる第1の層43の喫煙材は、喫煙材からなる第2の層44の喫煙材の形体または化学組成と異なる形体または化学組成を有する。一部の実施態様では喫煙材からなる第1および第2の層43、44の一方の喫煙材は、喫煙材からなる第1および第2の層43、44のもう一方の喫煙材より、例えば喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるためにより速く加熱できるような形体または化学組成を有する。例えば、喫煙材からなる第1の層43の喫煙材が、喫煙材からなる第2の層44の喫煙材より例えば喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるためにより速く加熱できるような形体または化学組成を有してもよい。
異なる形体または化学組成を有する喫煙材からなる第1および第2の層43、44を供することによって、一部の実施態様では喫煙材42の加熱を進行させ、ユーザーが吸入するためのエアロゾルの発生を進行させることができる。より具体的には喫煙材からなる第1および第2の層43、44の形体または化学組成のそれぞれは、使用時に比較的小さい程度のキャリアー41の加熱だけが喫煙材からなる第1の層43を加熱するようにして、これによって喫煙材からなる第1の層43の喫煙材の少なくとも1つの成分の揮発を開始させるのに必要となるように選択される。揮発させた成分は、空気流などによって冷却して、凝集させてエアロゾルを形成してもよい。キャリアー41がさらに加熱されると、喫煙材からなる第2の層44は、喫煙材からなる第2の層44の喫煙材の少なくとも1つの成分の揮発させ始めるのに充分に加熱され、これもまた凝集するように冷却し、エアロゾルを形成する。その結果、ユーザーによる活性化時に喫煙材の成分を比較的速く揮発させることができ、喫煙材の成分は、喫煙材からなる第1の層43が揮発性成分を消費し尽くした後であっても揮発し続ける。従って、エアロゾルの発生を進行させることが可能になる。
他の実施態様では形体または化学組成の違いは、代わりにキャリアー41と喫煙材からなる第1の層43の間の距離と比較してキャリアー41と喫煙材からなる第2の層44の間の長い距離を補うように機能する。後者の距離はゼロであってもよい。例えば、喫煙材からなる第1および第2の層43、44それぞれの形体または化学組成は、キャリアー41の加熱時に喫煙材からなる第1および第2の層43、44それぞれの喫煙材の少なくとも1つの成分が実質的に同時に揮発させられるように選択してもよい。またエアロゾルを喫煙材からなる第1および第2の層43、44のそれぞれからから揮発させた成分からそれら揮発成分を冷却することによって凝集させた結果として実質的に同時に形成してもよい。
一部の実施態様では喫煙材からなる第1および第2層43、44の形体の違いは、喫煙材からなる第1および第2の層43、44喫煙材の粒子の平均径の違いを含んでもよい。即ち、一部の実施態様では喫煙材からなる第1および第2の層43、44の一方の喫煙材は、第1の平均粒径を有する喫煙材の粒子を含み、もう一方の喫煙材からなる第1および第2の層43、44の喫煙材は、第1の平均粒径より大きい第2の平均粒径を有する喫煙材の粒子を含む。一部の実施態様では喫煙材42全体として0.6〜0.9mmまたは0.7〜0.8mmの平均粒径を有してもよい。喫煙材42はメッシュ分離または例えば所望の範囲外の粒径を有する喫煙材の粒子から所望の範囲内の粒径を有する喫煙材の粒子を分離するように選択された孔径を有する篩いを使用して調製してもよい。
通常は小さい平均粒径を有する喫煙材の粒子は、大きな平均粒径を有する喫煙材の粒子より所定の熱源によって、例えば喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるために速く加熱することができる。異なる平均粒径の喫煙材からなる第1および第2の層43、44を供することによって、一部の実施態様では実質的に上述したようにキャリアー41の加熱時に喫煙材の加熱を進行させ、これによりエアロゾルの発生を進行させることが可能になる。他の実施態様ではキャリアー41の加熱時に喫煙材からなる第1および第2の層43、44それぞれの喫煙材の少なくとも1つの成分を同時に揮発させ、喫煙材からなる第1および第2の層43、44それぞれから揮発した成分を使用して同時にエアロゾルを発生させることを実質的に上述したように行うことが可能である。
図1に示す物品40では喫煙材からなる第1の層43の喫煙材は、例えば喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるために喫煙材からなる第2の層44の喫煙材より速く加熱できる形体を有する。より具体的にはこの実施態様では喫煙材からなる第1の層43の喫煙材は、第1の平均粒径を有する喫煙材の粒子を含み、喫煙材からなる第2の層44の喫煙材は、第2の平均粒径を有する喫煙材の粒子を含む。従って、使用時にキャリアー41が加熱されると、喫煙材からなる第1の層43の喫煙材の粒子は、例えば喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるために喫煙材からなる第2の層44の喫煙材の粒子より速く加熱される。喫煙材からなる第1の層43が喫煙材からなる第2の層44よりキャリアー41に近いというこの実施態様の特徴と組み合わせることで、喫煙材からなる第1の層43の喫煙材の少なくとも1つの成分は、キャリアー41の加熱時に喫煙材からなる第2の層44の喫煙材の成分よりかなり速く揮発させてもよい。
図1に示す物品40に対する変形例において、喫煙材からなる第2の層44の喫煙材は第1の平均粒径を有する喫煙材の粒子を含んでもよく、喫煙材からなる第1の層43の喫煙材は第2の平均粒径を有する喫煙材の粒子を含んでもよい。これらの特徴を設けることは、例えば喫煙材の少なくとも1つの成分がキャリアー41の加熱時に喫煙材からなる第1および第2の層43、44で実質的に同時に揮発させる、またはキャリアー41の加熱時に喫煙材からなる第2の層44で喫煙材の少なくとも1つの成分の揮発の潜在的な遅れを減少させるまたは避けるような上述の補償効果を供する。
一部の実施態様では喫煙材からなる第1および第2の層43、44は異なる化学組成を有してもよい。その結果、採用される化学組成によって、一部の実施態様ではキャリアー41の加熱時に喫煙材の少なくとも1つの成分の加熱を上述したように実質的に進行させることができる。他の実施態様ではキャリアー41の加熱時に喫煙材からなる第1および第2の層43、44で喫煙材の少なくとも1つの成分を上述したように実質的に同時に揮発させることができ、またはキャリアー41の加熱時の喫煙材からなる第2の層44の喫煙材の少なくとも1つの成分の潜在的な遅れを減少させるまたは避けられる。
一部の実施態様では喫煙材からなる第1および第2の層43、44の化学組成の違いは、第1および第2の層43、44それぞれの喫煙材の総重量のパーセンテージとして第1および第2の層43、44それぞれのグリセリンなどのエアロゾル形成剤の重量による量の違いを含んでもよい。例えば一部の実施態様では喫煙材からなる第1および第2の層43、44の一方の喫煙材は、グリセリンなどのエアロゾル形成剤を含んでもよく、喫煙材からなる第1および第2の層43、44のもう一方の喫煙材はエアロゾル形成剤を含まないまたは実質的に含まない。例えば、エアロゾル形成剤を含むのは喫煙材からなる第1の層43の喫煙材であってもよい。他の実施態様では喫煙材からなる第1および第2の層43、44の両方がエアロゾル形成剤を含んでもよいが、喫煙材からなる第1および第2の層43、44の一方が、第1および第2の層43、44それぞれの喫煙材の総重量のパーセンテージとして第1および第2の層43、44のそれぞれにおいてエアロゾル形成剤の重量で測定して喫煙材からなる第1および第2の層43、44のもう一方より多くのエアロゾル形成剤を含んでもよい。
一部の実施態様では喫煙材からなる第1および第2の層43、44の化学組成の違いは、第1および第2の層43、44それぞれの喫煙材の総重量のパーセンテージとして第1および第2の層43、44のそれぞれにおいて風味剤などの煙変性物質の重量による量の違いを含んでもよい。例えば一部の実施態様では喫煙材からなる第1および第2の層43、44の一方の喫煙材は風味剤を含み、喫煙材からなる第1および第2の層43、44のもう一方の喫煙材は風味剤を含まないまたは実質的に含まない。一部の実施態様では喫煙材からなる第1および第2の層43、44の一方は第1の風味剤を含んでもよく、喫煙材からなる第1および第2の層43、44のもう一方は、第1の風味剤と異なる第2の風味剤を含んでもよい。異なる量の煙変性剤または風味剤を有する喫煙材からなる第1および第2の層43、44を供することによって、一部の実施態様ではユーザーが吸入するために発生させるエアロゾルの風味を変えることができる。
一部の実施態様では物品は喫煙材を含むパウチを含み、キャリアーはパウチの壁の少なくとも一部を形成する。図2を参照すると本発明の実施態様による物品50の一例の断面を略式に示している。
物品50は喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置に使用するパウチを含む。パウチは第1の壁と第2の壁とを含み、パウチは第1の壁51と第2の壁55の間に喫煙材52を含む。第1の壁51はキャリアーとして機能し、この実施態様ではキャリアー51と喫煙材52は図1を参照して上述したキャリアー41および喫煙材42に対応する。従って、パウチに含まれる喫煙材52は、喫煙材からなる第1の層53と喫煙材からなる第2の層54とを含み、喫煙材からなる第1の層53はキャリアー51と喫煙材からなる第2の層54の間に位置する。この実施態様では喫煙材からなる第2の層54は第2の壁55と喫煙材からなる第1の層53の間に位置する。
物品が喫煙材を含むパウチを含み、キャリアーがパウチの壁の少なくとも一部を形成している他の実施態様では、キャリアーは上述の他の形状のいずれかであってもよく、喫煙材は上述の他の形状のいずれかであってもよい。図に示した実施態様で分かるようにパウチの第1の壁51と第2の壁55は喫煙材52用の密封容器を形成している。
物品が喫煙材を含むパウチを含み、キャリアーがパウチの壁の少なくとも一部を形成する物品の一部の実施態様では、パウチの第1の壁51は第1の材料で作製され、パウチの第2の壁55は第1の材料とは異なる材料である第2の材料で作製されてもよい。他の実施態様では第1および第2の壁51、55は、第2の材料などの同じ材料で作製してもよい。一部の実施態様では第2の材料は、パウチ内で発生させたエアロゾルまたは揮発した材料をパウチ内部からパウチの外へと通過させる多孔質材料であってもよく、第1の壁51はこの多孔性材料よりエアロゾルまたは揮発した材料が通過しにくい材料で作製してもよい。例えば第2の材料は、フリース、ビスコース、不織材、不織 フリース、織り材、編み材、ナイロンおよびポリエステルからなる群から選択される1つ以上の材料を含んでもよい。
一部の実施態様では物品は喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置に使用するカートリッジ内に組み込まれる。図3を参照すると本発明の実施態様によるカートリッジ60の一例の断面を略式に示している。
カートリッジ60はチェンバー66を画定するハウジング65を含む。キャリアー61は、カートリッジ60の外面の一部を画定し、喫煙材62は、チェンバー66内に配置される。「外面」はカートリッジ60の残りを囲むまたはカートリッジ60を描出する面であってもよい。この実施態様ではキャリアー61および喫煙材62は図1を参照して上述したキャリアー41および喫煙材42に対応する。従って、チェンバー66内に配置された喫煙材62は、喫煙材からなる第1の層63と喫煙材からなる第2の層64とを含み、喫煙材からなる第1の層63はキャリアー61と喫煙材からなる第2の層64の間に位置する。この実施態様では喫煙材からなる第2の層64は、ハウジング65と喫煙材からなる第1の層63の間に位置する。
この実施態様では空気流入り口68がハウジング65の外側からチェンバー66内に空気を入らせるためにハウジング65を介して延びている。他の実施態様では複数の空気流入り口68の代わりに空気流入り口68を1つだけ設けてもよい。この実施態様では開口部69はハウジング65を通って延びている。開口部69のそれぞれは、喫煙材62の加熱によってチェンバー66内に発生した揮発した材料をチェンバー66からハウジング65の外に通過させるための揮発した材料用出口69である。他の実施態様では複数の開口部69の代わりに開口部69を1つだけ設けてもよい。
この実施態様ではカートリッジ60の外面は、使用時に喫煙材62を加熱するためのヒーターを収容するためのキャビティー67を含み、キャリアー61はキャビティー67の少なくとも一部を画定する。即ち、カートリッジ60の外面はキャビティー67を設けるために凹んだ部分を含む。従って、この実施態様ではキャリアー61は、上記のようにカートリッジ60のハウジング65の外面の一部を画定する。この実施態様ではキャビティー67は、口67a、第1および第2トランクセクション67b、67cおよび閉端部67dを有する止まり穴である。第1トランクセクション67bは口67aを第2トランクセクション67cに接続し、第2トランクセクション67cは第1トランクセクション67bを閉端部67dに接続する。この実施態様では第2トランクセクション67cは、第1トランクセクション67bと閉端部67dとの間の長さを通して一定または実質的に一定の断面の形状および大きさ(例えば、幅、高さ、直径、寸法または面積)を有する。一方、第1トランクセクション67bの断面の大きさ(例えば、幅、高さ、直径、寸法または面積)は、テーパーした輪郭を有するように口67から離れるほど小さくなる。テーパーした輪郭は、使用の際キャビティー67内にヒーターを導く際にユーザーの役に立つ。一部の実施態様ではキャビティー67は、代わりに貫通孔であってもよい。
他の実施態様ではキャビティー67は異なる形状を有してもよい。例えば一部の実施態様ではキャビティー67の断面の大きさは、口67からキャビティー67の全長に亘って離れるほど小さくなる。図4および5を参照すると、本発明の2つの実施態様それぞれのカートリッジ70、80の例の断面が略式に示されている。図3と図4および5において同じ部材には同じ参照番号で表し、それらについての説明は簡潔化のためにここでは行わない。簡単に説明すると図4のカートリッジ70のキャビティー67は楔形状のキャビティーであり、図5のカートリッジ80のキャビティー67は半球体形状のキャビティーである。図4および5に示す実施態様では楔形状および半球体形状のキャビティー67は対照または回転対称である。
図6を参照すると本発明の実施態様による別のカートリッジ90の一例の断面が略式に示されている。図6のカートリッジ90は、図6のカートリッジ90が図2の2つの物品を、ハウジング65によって画定され、コネクターによって互いに接続されたチェンバー66内に含むこと以外は図4のカートリッジ70と同じである。図6のカートリッジではパウチそれぞれの第1の壁51、即ちキャリアー51は、キャビティー67の少なくとも一部を画定する。従って、この実施態様ではそれぞれのキャリアー51および従ってそれぞれに対応するパウチのそれぞれがカートリッジ90の外面の一部を画定する。図6に示した実施態様の変型例である別の実施態様ではカートリッジは、パウチのキャリアー51の1つだけがキャビティー67の少なくとも一部を画定するようにして図2の物品1つだけをチェンバー66内に含んでもよい。キャビティー67の残りは、1つ以上の別の部材によって画定されるようになる。
物品がカートリッジ内に組み込まれる他の実施態様では、キャリアーは上述の他の形状のいずれかであってもよく、喫煙材は上述の他の形状のいずれかであってもよい。
図1〜6に示した物品およびカートリッジ40、50、60、70、80、90のそれぞれおよび上述の他の物品およびカートリッジのそれぞれは、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置(図示せず)に使用可能である。一部の実施態様ではその装置は、喫煙材を燃焼または燃やさずに物品またはカートリッジ40、50、60、70、80、90の喫煙材42、52、62を加熱し、喫煙材42、52、62の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置である。
一部の実施態様のそれぞれにおいて、装置はヒーターを有する加熱装置を含み、これは上述の図1〜6に示した物品またはカートリッジ40、50、60、70、80、90の1つのキャリアー41、51、61と接触するまたは近接するためのものである。一部の実施態様ではヒーターは、キャリアー41、51、61の表面外形と合致する、またはほとんど合致する表面外形を有する。これはキャリアー41、51、61に配された喫煙材42、52、62にヒーターから熱を良好に伝導するのに役立つ。一部の実施態様ではヒーターは、上述の図3〜6に示したカートリッジ60、70、80、90それぞれの1つのキャビティー67内に挿入されるような外形を有する。
一部の実施態様では装置は、喫煙材42、52、62の加熱が喫煙材42、52、62を燃焼させずに喫煙材42、52、62のその少なくとも1つの成分を揮発させるように加熱装置の加熱を制御するためのコントローラーを含む。一部の実施態様ではコントローラーは、電力源から加熱装置への電力の供給を制御するためのものである。一部の実施態様ではコントローラーは、ヒーターの温度を約150℃〜約300℃または約170℃〜約220℃の温度範囲内に確実に留まるように構成されている。一部の実施態様ではこの温度範囲内で物品またはカートリッジ40、50、60、70、80、90の喫煙材42、52、62は、喫煙材42、52、62を燃焼させずに喫煙材42、52、62の少なくとも1つの成分を揮発させるように充分に加熱される。他の実施態様では加熱の温度範囲はこの範囲外の範囲であってもよい。一部の実施態様では喫煙材42、52、62のその少なくとも1つの成分を揮発させた後、ユーザーによる吸引のためのエアロゾルが形成される。例えば、装置の出口で吸引するユーザーは、装置を介して空気を吸い込み、これが喫煙材42、52、62の揮発させた成分を冷却し、これら成分は凝集してエアロゾルを形成する。
上述の実施態様のそれぞれにおいて、喫煙材42、52、62はタバコを含む。しかしながら、これらの実施態様のそれぞれに対するそれぞれの変形例においては喫煙材42、52、62は、タバコから成ってもよく、実質的に全体的にタバコから成ってもよく、タバコおよびタバコ以外の喫煙材を含んでもよく、タバコ以外の喫煙材を含んでもよく、またはタバコを含まなくてもよい。一部の実施態様では 喫煙材42、52、62はグリセリンなどのエアロゾル形成剤を含んでもよい。
上述の実施態様のそれぞれにおいて、物品またはカートリッジ40、50、60、70、80、90は、消耗品である。物品またはカートリッジ40、50、60、70、80、90内の喫煙材42、52、62の揮発成分が全てまたは実質的に全て消費されると、ユーザーは装置から物品またはカートリッジ40、50、60、70、80、90を取り外し、物品またはカートリッジ40、50、60、70、80、90を廃棄する。その後ユーザーは別の物品またはカートリッジ40、50、60、70、80、90で装置を再利用する。しかしながら、他のそれぞれの実施態様では物品またはカートリッジ40、50、60、70、80、90は消耗品でなくてもよく、喫煙材42、52、62の揮発成分を消費したら装置および物品またはカートリッジ40、50、60、70、80、90を一緒に廃棄してもよい。
一部の実施態様では上述の装置は、装置を使用できる物品またはカートリッジ40、50、60、70、80、90とは別個に販売、供給または提供されてもよい。しかしながら、他の実施態様では装置および物品および/またはカートリッジ40、50、60、70、80、90の内の1つ以上はキットとして一緒に提供されてもよい。
図7を参照すると喫煙材を加熱して、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置1の一例を一部切り欠いて示した斜視図が示されている。装置1は図3を参照して上述したカートリッジ60に使用するのに特に好適である。装置1は本体10を有し、これはほぼ管状で、長尺であり、対向する第1および第2長手方向端部11、12を有し、カートリッジ60と協働するための接合部を画定する。この実施態様では接合部はカートリッジ60を収容するための凹部13を含む。他の実施態様では接合部は、棚、面または突起などの異なる形体であってもよく、選択的にカートリッジ60と協働するためにカートリッジ60との機械的な合致を必要とする。本体10の第1長手方向端部11は、凹部13の第1端部で凹部13内に開口した開口部14を画定する。開口部14は、カートリッジ60が開口部14を通って移動可能になって、ユーザーがカートリッジ60を凹部13内に挿入しておよび/または凹部13からカートリッジ60を取り外しできるような形状および大きさである。
この実施態様ではマウスピース30は、ほぼ管状で長尺であり、第1および第2の対向する長手方向端部31、32を有する。マウスピース30は、マウスピース30の第2長手方向端部32で入り口34と、マウスピース30の第1長手方向端部31で出口35と、入り口34を出口35に流体接続する流路36とを含む。マウスピース30の第2長手方向端部32はコネクター(図示せず)を含み、これはマウスピース30を本体10に接続するために本体10の第1長手方向端部11のコネクター(図示せず)と解除可能に係合可能である。他の実施態様ではマウスピース30および本体10はヒンジまたは可撓性部材などを介して永久的に接続されてもよい。装置1が使用中の際、マウスピース30の第1長手方向端部31は装置1の第1長手方向端部を形成し、本体10の第2長手方向端部12は装置1の第2長手方向端部を形成する。
この実施態様では凹部13と凹部13に開口した開口部14は装置1の本体10によって形成されている。この実施態様では加熱装置20は凹部13の長手方向軸に沿って延びたヒーター21を含む。ヒーター21はその軸に垂直な面で矩形の断面形状を有する。しかしながら、他の実施態様ではヒーター21の断面形状は、方形、円筒形、楕円形または多角形などの矩形以外の形状であってもよい。ヒーター21はカートリッジ60のキャビティー67内に挿入するのに好適である。ヒーター21は、軸の方向に長さ、長さに垂直な幅および、幅と長さに垂直な高さを有する。ヒーター21の幅および高さは、ヒーター21をキャビティー67内に挿入しやすくするためにカートリッジ60のキャビティー67の幅および高さより僅かに小さい。加熱装置20は、ヒーター21を本体10に対して所定の位置に保持するために本体10に固定された保持器18を含む。この実施態様ではヒーター21は凹部13の第2端部から凹部13の第1端部へと延びる。即ち、ヒーター21は凹部13の軸方向の全長に沿って延びている。しかしながら、他の実施態様ではヒーター21は、凹部13の第2端部から凹部13の長さの一部に沿って延びてもよい。図示の装置1は電力源15などの電気部品(充電可能なまたは充電不可のバッテリーなどの)、コントローラー16およびユーザーがヒーター21を活性化できるようにするアクチュエーター17も有する。
図8を参照すると喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための図4および6を参照して上述したカートリッジ70、90それぞれに使用するのに適した装置2の一例が示されている。装置2は図7の装置1と多くを同じように作動させてもよい。図7と8において同じ部材は同じ参照番号で表している。図示の例では加熱装置20は凹部13内に突出する楔形状のヒーター21を有する。楔形状のヒーター21は、キャリアー61、51を加熱するためにカートリッジ70、90のキャビティー67内に挿入することができる。1つの実施態様では楔形状のヒーター21は、キャリアー61、51および喫煙材52、62へ効率的に熱を移動させるためにキャビティー67に滑り嵌めする。
この実施態様ではヒーター21は第1ヒーター部21aと第2ヒーター部21bとを含む折り曲げられたヒーター21である。ヒーター21は、折り曲げ部21cを有し、第1ヒーター部21aは折り曲げ部21cで第2ヒーター部21bに接続されている。折り曲げ部21cは、保持器18から遠位にあるヒーター21の遠位端を形成している。第1ヒーター部21aはヒーター21の上面を画定し、第2ヒーター部21bはヒーター21の下面を画定する。この実施態様では第1および第2ヒーター部21a、21bは、実質的にそれぞれ第1および第2の面上にあり、第1および第2の面は鋭角で交わっている。
図9を参照すると喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための図5を参照して上述したカートリッジ80に好適に使用される装置3の一例が示されている。装置3は多くが図7および8の装置1、2と同じように作動させてもよい。図7、8および9において同じ部材は同じ参照番号で表している。ヒーター21は、図5のカートリッジ80のキャビティー67内に挿入するためのものである。ヒーター21はカートリッジ80のキャビティー67の半球体形状の表面外形と合致するまたはほぼ合致する半球体形状の外面外形を有する。従って、ヒーター21がキャビティー67内に位置すると、ヒーター21はキャリアー61と締まり嵌めする。これはヒーター21からキャリアー61およびその上の喫煙材62への熱伝導を良好にするのに役立つ。この実施態様ではヒーター21の半球体形状の外面外形は、湾曲および多角形部分を組み合わせ表面を含む。しかしながら、他の実施態様では半球体形状の外面外形は多角形または湾曲しているだけのヒーター21の面によって画定されてもよい。
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れた物品または喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置に使用するカートリッジを提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。