「連結」、「連結される」、「連結する」、「連結すること」等の用語は、広範に理解されるべきであり、2つ以上の要素を機械的におよび/または別の方法で接続することを指す。2つ以上の機械的要素は、電気的または他の方法で連結されずに、機械的に連結され得る。連結は、任意の長さの時間、例えば、永久もしくは半永久、または瞬間のみ、であってよい。
「機械的連結」などは広く解釈されるべきであり、あらゆる種類の機械的に連結を含む。
「連結」等の語の近くの「取り外し可能に」、「取り外し可能」等の語の欠如は、対象の該結合等が、取り外し可能であること、または取り外し可能でないことを意味するものではない。
いくつかの実施形態は、ゴルフクラブヘッドを有する。ゴルフクラブヘッドは、上端部および上端部の反対側にある底端部と、前端部および前端部の反対側にある後端部と、トゥ端部およびトゥ端部の反対側にあるヒール端部とを備える。さらに、ゴルフクラブヘッドは、フェース要素を備える。フェース要素は、前端部に位置するフェース面を備え、フェース面は、フェース中心およびフェース周縁部を備える。また、フェース要素は、後端部に位置し、フェース面とは略反対側にある後面を備え、後面は、フェース中心の略反対側にある後中心および後周縁部を備える。さらにまた、ゴルフクラブヘッドは、後面に位置する強化デバイスを備える。これらの実施形態では、x軸は、フェース面に略平行に延在し、後中心を通過し、y軸は、フェース面に略平行に延在し、x軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、z軸は、フェース面に略垂直に延在し、x軸とy軸に略垂直に延在し、後中心と交わる。さらに、x軸は、トゥ端部およびヒール端部を通って、かつ上端部と底端部から等距離の位置で延在し、y軸は、上端部および底端部を通って、かつトゥ端部とヒール端部から等距離の位置で延在し、z軸は、前端部および後端部を通って、かつ(i)トゥ端部とヒール端部から、および(ii)上端部と後端部から等距離の位置で延在する。さらにこれらの実施形態では、強化デバイスは、略z軸上に位置する幾何学的中心を有する強化要素を備え、強化要素は、後面から後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、強化要素は、ループ状リブを備える。一方、フェース面は、フェース周縁部の近位においてよりもフェース中心の近位において後面により近くなり得る。
他の実施形態は、ゴルフクラブヘッドを有する。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドを備える。ゴルフクラブヘッドは、上端部および上端部の反対側にある底端部と、前端部および前端部の反対側にある後端部と、トゥ端部およびトゥ端部の反対側にあるヒール端部とを備える。さらに、ゴルフクラブヘッドは、フェース要素を備える。フェース要素は、前端部に位置するフェース面を備え、フェース面は、フェース中心およびフェース周縁部を備える。また、フェース要素は、後端部に位置し、フェース面とは略反対側にある後面を備え、後面は、フェース中心の略反対側にある後中心および後周縁部を備える。さらにまた、ゴルフクラブヘッドは、後面に位置する強化デバイスを備える。そして、さらにまた、ゴルフクラブヘッドは、(i)後面から後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、(ii)後面の周縁部の周り全体に延在する周縁壁要素を備える。周縁壁要素は、上端部で後面の後周縁部に沿って延在する第1の周縁壁部、および、底端部で後面の後周縁部に沿って延在する第2の周縁壁部を備える。これらの実施形態では、x軸は、フェース面に略平行に延在し、後中心を通過し、y軸は、フェース面に略平行に延在し、x軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、z軸は、フェース面に略垂直に延在し、x軸とy軸に略垂直に延在し、後中心と交わる。さらに、x軸は、トゥ端部およびヒール端部を通って、かつ上端部と底端部から等距離の位置で延在し、y軸は、上端部および底端部を通って、かつトゥ端部とヒール端部から等距離の位置で延在し、z軸は、前端部および後端部を通って、かつ(i)トゥ端部とヒール端部との間、および(ii)上端部と後端部から等距離の位置で延在する。さらにこれらの実施形態では、強化デバイスは、略z軸上に位置する幾何学的中心を備える強化要素を備え、強化要素は、後面から後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、強化要素は、閉円形ループ状リブを備える。また、ゴルフクラブヘッドは、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドを備え、フェース中心から後中心までの中心厚さが、およそ0.203センチメートル以下であり、第2の周縁壁部の少なくとも一部が、フェース周縁部に近位のフェース要素よりも薄い。
いくつかの実施形態は、さらに、ループ状リブによって形成される強化要素のキャビティの中を少なくとも部分的に充填するインサートを有する。いくつかの実施形態では、キャビティは、中心キャビティとすることができる。また、中心キャビティは、バッジによって部分的に覆われることができる。バッジは、インサートから分離していてもよく、インサートと一体をなしてもよい。他の実施形態では、バッジは、強化要素と一体をなすことができる。インサートは、約3g未満の軽量の材料であることができ、ゴルフクラブヘッドのスイングの重心に著しく影響を及ぼさないようにし得る。代替実施形態では、インサートは、約5g〜約10gなど、約3gよりも大きい重量とすることができ、クラブヘッドのスイングウエイトまたは重心に寄与し得る。
さらなる実施形態は、雑音を減少させるため、より望ましい音を生み出すため、そして、ゴルフクラブヘッドの振動を減少させるために、ゴルフクラブヘッドの後面上に配設される振動減衰特徴部を有する。振動減衰特徴部は、制振フォイル、ゴム、もしくは感圧性粘弾性アクリルポリマーのような制振性もしくは振動除去性の他の材料もしくは組成で構成されることができる。振動減衰特徴部は、感圧性であり得、ゴルフボールが打撃されるとき、ゴルフクラブヘッドからの振動を減少もしくは除去をもたらす。振動減衰特徴部は、薄いフェースのゴルフクラブヘッドにおいて、よりよい性能を獲得することと組み合わさって、より望ましい音をゴルフクラブヘッドに与える。振動減衰特徴部は、ゴルフクラブヘッドの後面に少なくとも部分的に適用される。振動減衰特徴部は、また、強化要素に適用されることができる。振動減衰特徴部は、さらに、強化要素のキャビティの全てもしくは部分に適用され得る。キャビティは、中心キャビティとすることができる。後面の中心キャビティは、また、振動減衰特徴部によって部分的に覆われることができる。中心キャビティは、また、バッジによって部分的に覆われることができ、そして、振動減衰特徴部は、バッジの下に配設されることができる。
さらなる実施形態は、ゴルフクラブヘッドを提供する方法を含む。その方法は、(i)前端部に位置し、フェース中心およびフェース周縁部を備えるフェース面と、(ii)後端部に位置し、フェース面とは略反対側にある後面であって、フェース中心の略反対側にある後中心、および後周縁部を備える後面と、を備えるフェース要素を提供することと、後面に強化デバイスを提供することと、を含むことができる。これらの実施形態では、ゴルフクラブヘッドが、上端部および上端部の反対側にある底端部と、前端部および前端部の反対側にある後端部と、トゥ端部およびトゥ端部の反対側にあるヒール端部とを備える。さらに、x軸が、フェース面に略平行に延在し、後中心を通過し、y軸が、フェース面に略平行に延在し、x軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、z軸が、フェース面に略垂直に延在し、x軸およびy軸に略垂直に延在し、後中心を通過する。さらにまた、x軸が、トゥ端部およびヒール端部を通って、かつ上端部と底端部から等距離の位置で延在し、y軸が、上端部および底端部を通って、かつトゥ端部とヒール端部から等距離の位置で延在し、z軸が、前端部および後端部を通って、かつ(i)トゥ端部とヒール端部から、および(ii)上端部と後端部から等距離の位置で延在する。一方、強化デバイスが、略z軸上に位置する幾何学的中心を備える強化要素を備え、強化要素が、後面から後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、強化要素が、ループ状リブを備える。また、フェース面が、フェース周縁部の近位においてよりもフェース中心の近位において後面により近くなり得る。
いくつかの実施形態は、ゴルフクラブを有する。ゴルフクラブは、シャフトと、シャフトに結合されたゴルフクラブヘッドとを備える。ゴルフクラブヘッドは、上端部および上端部の反対側にある底端部と、前端部および前端部の反対側にある後端部と、トゥ端部およびトゥ端部の反対側にあるヒール端部とを備える。さらに、ゴルフクラブヘッドは、フェース要素を備える。フェース要素は、前端部に位置し、フェース中心およびフェース周縁部を備えるフェース面を備える。また、フェース要素は、後端部に位置し、フェース面とは略反対側にある後面であって、フェース中心の略反対側にある後中心、および後周縁部を備える後面とを備える。さらにまた、ゴルフクラブヘッドは、後面に位置する強化デバイスを備える。これらの実施形態では、x軸が、フェース面に略平行に延在し、後中心を通過し、y軸が、フェース面に略平行に延在し、x軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、z軸が、フェース面に略垂直に延在し、x軸およびy軸に略垂直に延在し、後中心を通過する。さらに、x軸が、トゥ端部およびヒール端部を通って、かつ上端部と底端部から等距離の位置で延在し、y軸が、上端部および底端部を通って、かつトゥ端部とヒール端部から等距離の位置で延在し、z軸が、前端部および後端部を通って、かつ(i)トゥ端部とヒール端部から、および(ii)上端部と後端部から等距離の位置で延在する。さらにこれらの実施形態では、強化デバイスが、略z軸上に位置する幾何学的中心を有する強化要素を備え、強化要素が、後面から外に後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、強化要素が、ループ状リブを備える。一方、フェース面が、フェース周縁部の近位においてよりもフェース中心の近位において後面により近くなり得る。
図面に移ると、図1は、一実施形態によるクラブヘッド100の上面、後面、トゥ側面図を示す。一方、図2は、図1の実施形態によるクラブヘッド100の上面、正面、ヒール側面図を示す。クラブヘッド100は、例示にすぎず、本明細書に提示する実施形態に限定されない。クラブヘッド100は、本明細書で明確に図示または説明していない多くの異なる実施形態または例で用いられ得る。
一般に、クラブヘッド100は、ゴルフクラブヘッドを備えることができる。ゴルフクラブヘッド100は、対応するゴルフクラブの部分とすることができる。例えば、ゴルフクラブ1400(図14)は、シャフト1490およびグリップ1495に結合されたゴルフクラブヘッド100を備えることができる。さらに、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッドのセットの部分とすることができ、および/またはゴルフクラブは、ゴルフクラブのセットの部分とすることができる。例えば、クラブヘッド100は、任意の適切なアイアンタイプのゴルフクラブヘッドを備えることができる。いくつかの実施形態では、クラブヘッド100は、マッスルバックアイアンタイプのゴルフクラブヘッドまたはキャビティバックアイアンタイプのゴルフクラブヘッドを備えることができる。それにも関わらず、クラブヘッド100については一般に、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドに関して説明するが、クラブヘッド100は、例えばウッドタイプのゴルフクラブヘッド(例えばドライバクラブヘッド、フェアウェイウッドクラブヘッド、ハイブリッドクラブヘッド等)や、パターゴルフクラブヘッドなどの、他のどんな適切なタイプのゴルフクラブヘッドを備えてもよい。一般に、クラブヘッド100は、どんな適切な材料を含んでもよいが、多くの実施形態では、クラブヘッド100は、1つまたは複数の金属材料を含む。前述の内容にも関わらず、本明細書で説明する装置、方法、および製品は、この点に関して限定されない。
参照のために示すと、クラブヘッド100は、上端部101および上端部101の反対側にある底端部102、前端部203(図2)および前端部203(図2)の反対側にある後端部104、ならびにトゥ端部105およびトゥ端部105の反対側にあるヒール端部106を備える。また、クラブヘッド100は、x軸107、y軸108、およびz軸109を備える。
一方、x軸107、y軸108、およびz軸109は、クラブヘッド100のデカルト基準座標系を形成する。したがって、x軸107、y軸108、およびz軸109は、互いに垂直である。さらに、x軸107は、トゥ端部105およびヒール端部106を通って延在し、上端部101と底端部102との間で等距離のところにあり、y軸108は、上端部101および底端部102を通って延在し、トゥ端部105とヒール端部106との間で等距離のところにあり、z軸109は、前端部203(図2)および後端部104を通って延在し、(i)トゥ端部105とヒール端部106との間、および(ii)上端部101と後端部102との間で等距離のところにある。
実装の際には、クラブヘッド100は、クラブヘッド本体110を備える。クラブヘッド本体110は、中実でもよく、中空でもよく、部分的に中空でもよい。クラブヘッド本体110が中空および/または部分的に中空のとき、クラブヘッド本体110は、シェル構造を備えることができ、さらに、シェル構造の材料とは異なる充填材料で充填および/または部分的に充填され得る。例えば、充填材料は、プラスチック発泡体を含むことができる。
クラブヘッド本体110は、フェース要素111および強化デバイス112を備える。多くの実施形態では、クラブヘッド本体110は、周縁壁要素113を備えることができる。
多くの実施形態では、フェース要素111は、フェース面214(図2)および後面115を備える。一方、フェース面214(図2)は、フェース中心216(図2)およびフェース周縁部217(図2)を備え、後面115は、後中心118および後周縁部119を備える。フェース面214(図2)とは、クラブヘッド100の打撃フェースまたは打撃プレートのことを指すことができ、例えばゴルフボールなどのボール(図示せず)をインパクトするように構成され得る。多くの実施形態では、フェース面214(図2)は、1つまたは複数のスコアリングライン223(図2)を備えることができる。
これらまたは他の実施形態では、フェース面214(図2)は前端部203(図2)に位置することができ、後面115は、後端部104に位置することができる。さらに、後面115は、フェース面214(図2)とは略反対側にあることができ、後中心118は、フェース中心216(図2)の略反対側にあることができ、後周縁部119は、フェース周縁部217(図2)の略反対側にあることができる。一般に、多くの例では、フェース中心216(図2)とは、フェース面214(図2)の幾何学的中心のことを指すことができる。したがって、これらまたは他の例では、フェース中心216(図2)とは、フェース面214(図2)における、トゥ端部105とヒール端部106との間で略等距離のところにあり、さらに上端部101と底端部102との間で略等距離のところにある位置のことを指すことができる。さまざまな例では、フェース中心とは、参照により本明細書に組み込まれる、United States Golf Association:Procedure for Measuring the Flexibility of a Golf Clubhead、USGA−TPX3004、改訂版1.0.0、6ページ、2008年5月1日(http://www.usga.org/equipment/testing/protocols/Test−Protocols−For−Equipmentから2014年5月12日に取得)で定義されるフェース中心のことを指すことができる。同様に、いくつかの例では、後中心118とは、後面115の幾何学的中心のことを指すことができる。
参照として示すと、x軸107およびy軸108は、フェース面214(図2)に略平行に延在することができ、z軸109は、フェース面214(図2)に略垂直に延在することができる。一方、x軸107、y軸108、およびz軸109の各々は、後中心118がx軸107、y軸108、およびz軸109によって形成されるデカルト基準座標系の原点を備えるように、後中心118と交わることができる。
さまざまな実施形態では、スコアリングライン223(図2)がそれぞれ、1つまたは複数の溝を備えることができ、トゥ端部105とヒール端部106との間で延在することができる。これらまたは他の実施形態では、スコアリングライン223(図2)は、x軸107に略平行とすることができる。
多くの実施形態では、強化デバイス112が、1つまたは複数の強化要素120(例えば強化要素121)を備える。強化デバイス112および/または強化要素120は、後面115に位置し、後面115から外に後端部104に向かって、かつ前端部203(図2)から離れて延在する。多くの実施形態では、強化要素120の各強化要素が、外周縁面および幾何学的中心を備える。これらまたは他の実施形態では、強化要素120のうちの1つまたは複数(例えば強化要素121)の幾何学的中心は、略z軸109のところに位置することができる。例えば、強化要素121は、外周縁面126および幾何学的中心130を備えることができる。
強化デバイス112および強化要素120は、例えば、フェース面214(図2)がボール(例えばゴルフボール)をインパクトするときなどに、フェース要素111が屈曲するのを可能にしながら、フェース要素111を強化するように構成される。その結果、フェース要素111は、薄化されて、フェース要素111からの質量がクラブヘッドの他の部分に再分配されることが可能になっても、またフェース要素111がより可撓性になっても、結果として生じる屈曲下で座屈および破損し得ない。有利には、フェース要素111は、強化デバイス112および強化要素120を伴って実装されるときのほうが、強化デバイス112および強化要素120を伴わずに実装されるときよりも薄くできるので、クラブヘッド100の重心、慣性モーメント、および反発係数が、クラブヘッド100の性能特性を向上させるように変更され得る。例えば、強化デバイス112および強化要素120を実装すると、ゴルフボールの発射角を(例えばおよそ10分の1度〜10分の3度)増大させることによって、フェース面214(図2)で打ったゴルフボールの飛行距離が増大し得、ゴルフボールのボール速度が(例えばおよそ0.1マイル毎時(mph)(0.161キロメートル毎時(kph)〜およそ3.0mph(4.83kph))増大し得、および/またはゴルフボールのスピンが(例えばおよそ1〜500回転毎分)低減する。これらの例では、強化デバイス112および強化要素120が、フェース面214(図2)によって与えられるゴルフボールに対するギアリング(gearing)をいくらか打ち消す効果を有することができる。
ゴルフクラブヘッド100の一実施形態を備えるゴルフクラブのテストを実施した。全体的に、標準の強化型打撃フェースおよびカスタムチューニングポート付きのアイアンゴルフクラブと比較したとき、テストでは、x軸および/またはy軸の周りの慣性モーメントがより高いこと、ならびにゴルフボールがゴルフクラブヘッドのフェースに衝突する統計面積がより狭いことによって示されるように、寛容性がより大きいことが示された。いくつかのテストでは、x軸の周りの慣性モーメントがおよそ2%増大し、y軸の周りの慣性モーメントがおよそ4%増大し、および/またはゴルフボールがゴルフクラブヘッドのフェースに衝突する統計面積が、およそ15〜50パーセント減少した。加えて、ゴルフボールのボール速度の増大、ゴルフボールの発射角の上昇、および/またはゴルフボールのスピンの低減が見られた。一例として、5番アイアンゴルフクラブ上でゴルフクラブ100の一実施形態のテストをした際、ゴルフボールのボール速度が、およそ1.5mph(2.41kph)増大し、ゴルフボールの発射角が、およそ0.3度上昇し、ゴルフボールのスピンが、およそ250回転毎分(rpm)低減したことが見られた。別の例では、7番アイアンゴルフクラブ上でゴルフクラブ100の一実施形態のテストをした際、ゴルフボールのボール速度が、およそ2.0mph(3.22kph)増大し、ゴルフボールの発射角の度数に、ほぼ変化がなく、ゴルフボールのスピンが、およそ450rpm低減したことが見られた。さらなる例として、ウェッジアイアンゴルフクラブ上でゴルフクラブ100の一実施形態のテストをした際、ゴルフボールのボール速度に、ほぼ速度変化がなく、ゴルフボールの発射角が、およそ0.1度上昇し、ゴルフボールのスピンが、およそ200rpm低減したことが見られた。
とりわけ、多くの例では、フェース要素111がスコアリングライン223(図2)を備え、かつフェース要素111が強化デバイス112および強化要素120を実装せずに薄化されるとき、図3および図4に示し、図3および図4に関して以下の通り説明するように、フェース要素111の座屈および破損が、特にフェース中心216(図2)に近位のスコアリングライン223(図2)において、スコアリングライン223の底部で発生するおそれがある。
強化デバイス112を有するクラブヘッド100は、前端部203から底端部102にかけて延在する均一な移行厚さ(transition thickness)550(図5)も有することができる。均一な移行厚さ550は、強化デバイス112を有するクラブヘッド100の、前端部203と底端部102との間の領域に向けられた応力を吸収する。均一な移行厚さ550は、およそ0.20〜0.80インチの範囲とすることができる。例えば、均一な移行厚さ550は、およそ0.20、0.25、0.30、0.35 0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、または0.80インチとすることができる。
具体的には、図面を先に進むと、図3は、一実施形態による従来型のクラブヘッド300を示す。クラブヘッド300は、クラブヘッド100(図1および図2)に類似し得るが、クラブヘッド100とは異なり、クラブヘッド300には、クラブヘッド300のフェース要素311の後面315に強化デバイスおよび強化要素がない。クラブヘッド300は、クラブヘッド300のフェース面314に1つまたは複数のスコアリングライン323を備える。後面315は、後面115(図1)に類似し得、フェース要素311は、フェース要素111(図1)に類似していてもよく、それと同一でもよく、フェース面314は、フェース面214(図2)に類似していてもよく、それと同一でもよく、および/またはスコアリングライン323は、スコアリングライン223(図2)に類似していてもよく、それと同一でもよい。さらに、不在の強化デバイスは、強化デバイス112(図1)に類似し得、不在の強化要素は、強化要素120(図1)に類似し得る。一方、図4は、図3の実施形態による、クラブヘッド300の図3の切断線4−4に沿った部分断面図の、クラブヘッド300のフェース面314がゴルフボール(図示せず)をインパクトしているところをシミュレーションし、その際、結果として生じる屈曲が3倍になっている、応力歪み解析の様子を示す。
図4で実証されるように、フェース要素311は、支持ばりに類似した振舞いをし、したがって中立軸436を備える。フェース要素311のフェース面314と中立軸436との間の部分は、圧縮状態にあり、フェース要素311の中立軸436と後面315との間の部分は、引張状態にある。応力はまず、フェース面314および後面315で増し、中立軸436に向かって内側に移動する。しかし、支持ばりとは異なり、フェース要素311は、フェース要素311の圧縮状態にある部分にスコアリングライン323も備えている。フェース要素311が過度に屈曲すると、スコアリングライン323の底部におけるフェース要素311の機械的降伏に達するおそれがある。スコアリングライン323がなければ、フェース要素311は通常、まずフェース要素311の引張りを受けている部分内で破損するものと予測されるが、スコアリングライン323が、まずフェース要素311の圧縮状態にある部分で破損を発生させる。すなわち、フェース要素311がスコアリングライン323のところで破損してから、フェース要素311の残りの部分が、破損を生じさせるのに十分高い応力レベルに達する可能性がある。アイアンタイプのクラブヘッドは、スコアリングライン323のところで破損をより被りやすいことがある。というのも、アイアンタイプのクラブヘッドは、フェース面314で凸状になっている傾向のあるウッドタイプのゴルフクラブヘッドとは異なり、フェース面314で平坦になっている傾向があるためである。その結果、ウッドタイプのゴルフクラブヘッドがフェース面314で屈曲しても、フェース面314は依然として、いくらか外側に湾曲していることがある。その一方で、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドがフェース面314で屈曲すると、フェース面314が凹形状に屈曲し、それが、フェース要素311の圧縮を受けている部分での圧縮の程度を増大させることがある。
ここで図1および図2に戻ると、強化デバイス112および強化要素120を実装すると、スコアリングライン223(図2)内の、特にスコアリングライン223のうちのフェース中心216(図2)に近位のスコアリングライン内の、局所的な屈曲が強化されるととともに、フェース要素111内の全体的な屈曲の増大が可能になり得る。強化デバイス112および強化要素120は、これらの利益を、フェース要素111の局所的な厚さを増大させ、それにより、フェース要素111がそれらの位置においてより剛性(stiffer)に、かつより硬く(harder)なることによって、もたらすことが可能である。実際、強化デバイス112および強化要素120は、フェース要素111の中立軸をフェース面214(図2)から引き離し、後面115のより近くに引き寄せる働きをすることができる。
一方、強化デバイス112および強化要素120はさらに、これらの利益を、閉構造(例えば1つまたは複数のループ状リブ)として実装されるときにもたらすことが可能である。というのも、そのような閉構造にすると、周方向(すなわちフープ)応力が強化デバイス112および強化要素120に作用する結果として、変形に耐えることが可能なためである。例えば、強化デバイス112および強化要素120に作用する周方向(すなわちフープ)応力は、強化デバイス112および強化要素120の対向する側が、互いから離れて回転するのを防止し、それにより屈曲が減少し得る。
さらに、強化デバイス112および強化要素120は、インパクト時におけるクラブヘッド100に対する応力の実質的部分を吸収し、それにより、応力が、インパクト時に、フェース要素111、フェース面214、および後面115などのクラブヘッド100の他の部分によって吸収されないようにする。応力を、強化デバイス112および強化要素120の方向に導くことは、強化デバイスおよび強化要素を欠くクラブヘッド300と比較して、または強化要素120のない、もしくは少ない強化デバイス112を有するクラブヘッドと比較して、フェース要素111およびクラブヘッド100の耐久性を向上させる。
実装の際には、強化要素120(例えば強化要素121)は、上述した強化デバイス112および/または強化要素120の所期の機能を実施するように構成された、任意の適切な形状(例えば多角形、楕円形、円形等)および/または任意の適切な構成で実装され得る。さらに、強化要素120が複数の強化要素を備えるとき、強化要素120のうちの2つ以上の強化要素が、別のものに類似し得、および/または強化要素120のうちの2つ以上の強化要素が、別のものとは異なり得る。
いくつかの実施形態では、強化要素120(例えば強化要素121)は、x軸107および/またはy軸108の周りで対称とすることができる。強化要素120(例えば強化要素121)が横長形状で実装される場合、多くの実施形態では、強化要素の最大寸法(例えば長軸)が、x軸107またはy軸108のうちの一方と平行および/または共線とすることができる。しかし、他の実施形態では、最大寸法(例えば長軸)は、所望の通りにx軸107および/またはy軸108に対して角度付けされ得る。さらに、多くの実施形態では、強化要素120(例えば強化要素121)は、z軸109に中心が置かれ得るが、いくつかの実施形態では、強化要素120のうちの1つまたは複数(例えば強化要素121)が、例えば、上端部101、底端部102、トゥ端部105、およびヒール端部106のうちの1つまたは2つのほうに偏在されるなど、z軸109の中心から外れて偏在され得る。
多くの実施形態では、強化要素120の各強化要素(例えば強化要素121)は、1つまたは複数のループ状リブ127(例えばループ状リブ122)を備えることができる。具体的には、強化要素121は、ループ状リブ122を備えることができる。これらまたは他の実施形態では、ループ状リブ127が複数のループ状リブを備える場合、ループ状リブ127は、ある点および/または軸(例えばz軸109)の周りで互いに同心とすることができる。他の実施形態では、ループ状リブ127が複数のループ状リブを備える場合、ループ状リブ127のうちの2つ以上を非同心とすることができる。さらに、これらまたは他の実施形態では、ループ状リブ127のうちの2つ以上がオーバーラップすることができる。一方、これらの実施形態では、ループ状リブ122は楕円形ループ状リブを備えることができ、これらの実施形態のいくつかでは、ループ状リブ122は円形ループ状リブを備えることができる。上記したように、強化要素120をループ状リブ127として実装すると、ループ状リブ127の閉構造によってもたらされる周方向(例えばフープ)応力のため、有利となり得る。多くの実施形態では、ループ状リブ127のうちの1つもしくは複数(またはループ状リブ127の各々)が、連続した閉ループである。
これらまたは他の実施形態では、ループ状リブ127の各ループ状リブは、外周縁面および内周縁面を備える。一方、これらの実施形態では、各強化要素(例えば強化要素121)の外周縁面は、その強化要素に対応するループ状リブ(例えばループ状リブ122)の外周縁面を備える。例えば、ループ状リブ122は、外周縁面128および内周縁面129を備えることができる。さらに、内周縁面129は、急峻かつリブ高さ540(図13)のところで後面に対して実質的に直交とすることができる。
いくつかの実施形態では、強化要素120の1つまたは複数の外周縁面(例えば強化要素121の外周縁面126)が、後面115に対してすみ肉付けされ得る。これらまたは他の実施形態では、ループ状リブ127の1つまたは複数の内周縁面(例えばループ状リブ122の内周縁面129)が、後面115に対してすみ肉付けされ得る。強化要素120の外周縁面(例えば強化要素121の外周縁面126)を後面115に対してすみ肉付けすると、強化要素120(例えば強化要素121の外周縁面126)の後面115への平滑な移行が可能になり得る。さらに、後面115に対して強化要素120の外周縁面(例えば、強化要素121の外周縁面126)にすみ肉付けすることは、インパクトからの応力を、強化要素120に向けるとともに、フェース面214から離れるようにすることができる。一方、強化要素の外周縁面(例えば、強化要素121の外周縁面126)、またはループ状リブ127の内周縁面(例えば、ループ状リブ122の内周縁面129)は、およそ0.012センチメートル以上の半径を有するすみ肉117を用いて後面115に対してすみ肉付けされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、後面115に対する外周縁面126のすみ肉117は、およそ0.012センチメートルからおよそ2.0センチメートル、およそ0.50センチメートルからおよそ3.0センチメートル、またはおよそ1.0センチメートルからおよそ4.0センチメートルの範囲とすることができる。さらなる例の場合、いくつかの実施形態では、後面115に対する内周縁面129のすみ肉117は、およそ0.012センチメートルからおよそ2.0センチメートル、およそ0.50センチメートルからおよそ3.0センチメートル、またはおよそ1.0センチメートルからおよそ4.0センチメートルの範囲とすることができる。
いくつかの実施形態では、強化要素の外周縁面は、後面115に対して直接すみ肉付けされ得る。これらの実施形態においては、フェース厚さは、リブ高さ540におけるフェース厚さから、後面115におけるフェース厚さへとすみ肉117に沿って徐々に減少する。
いくつかの実施形態では、クラブヘッド100は、クラブヘッド100の後面115上にリップ部552をさらに含むことができる。図15〜図17を参照すると、示された実施形態においては、リップ部552が、クラブヘッド100の強化要素120の周りで、ヒール端部106からトゥ端部105へと延在している。これらまたは他の実施形態では、強化要素120の外周縁面上のすみ肉117は、リップ部552へと移行することができ、したがって、フェース厚さは、リブ高さ540におけるフェース厚さから最小の厚さ544へとすみ肉117に沿って徐々に減少し、次いで、最小の厚さ544からリップ部高さ554におけるフェース厚さへと徐々に増加する。これらの実施形態では、強化要素120とリップ部552の間の最小の厚さ544は、中心厚さ537よりも大きくすることができ、強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544は、中心厚さ537に略等しくすることができ、または強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544は、中心厚さ537未満にすることができる。図15〜図16で示された実施形態では、強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544は、中心厚さ537よりも大きい。図17で示された実施形態では、強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544は、中心厚さ537に略等しい。
多くの実施形態では、強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544は、フェースプレートの屈曲およびボール速度に対応する。強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544が減少するにつれて、強化要素120の外周縁面がゴルフボールとのインパクト中にさらに屈曲し得る。インパクト時における強化要素120の外周縁面の増加した屈曲により、フェースプレートのたわみを増加させて、ゴルフボールへのエネルギー伝達を増加させ、かつボール速度を増加させることができる。例えば、中心厚さ537に略等しい強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544を有する図17で示されたゴルフクラブヘッド100は、中心厚さ537よりも大きい強化要素120とリップ部552の間の最小厚さ544を有する図15〜図16で示されたクラブヘッド100よりも最高で1マイル毎時(mph)速いボール速度を生ずる。
いくつかの実施形態では、強化要素121がループ状リブ122を備える場合、ループ状リブ122はキャビティ131を備えることができる。他の実施形態では、強化要素121がループ状リブ122を備えるとき、ループ状リブ122はキャビティ131を備えていない。キャビティ131を伴わない実施形態では、中心厚さ537(図5および図13)は、キャビティ131を伴う実施形態においてよりも大きくすることができ、フェース面214(図2)からループ状リブ122の遠位端まで測定され得る(例えば中心厚さ537(図5)とリブ高さ542(図5)を合わせた距離とすることができる)、リブ高さ542(図5および図13)のところのフェース厚さ以下とすることができる。キャビティ131は、内周縁面129と後面115とによって画定される。いくつかの実施形態では、キャビティ131は、中心キャビティとすることができる。多くの実施形態では、キャビティ131には、例えば加重インサート(weighted insert)などのどんな内容物も無しとすることができる。他の実施形態では、キャビティ131は、図8および図9に示すように、インサート805を収容することができる。
上記でいくらか詳細に論じたように、強化デバイス112および強化要素120を実装することによって、フェース面214(図2)は、フェース周縁部217(図2)の近位で(例えばフェース周縁部217で)よりもフェース中心216(図2)の近位で(例えばフェース中心216で)、後面115により近く(すなわちより薄く)なり得る。いくつかの実施形態では、フェース面214(図2)の、フェース中心216(図2)に近位の部分とは、フェース面214の表面積の、フェース中心216(図2)と境界を接し、かつフェース面214の総表面積のおよそ1パーセント、2パーセント、3パーセント、5パーセント、10パーセント、または20パーセントを表す部分のことを指すことができる。これらまたは他の実施形態では、フェース面214(図2)の表面積のその部分は、後フェース115の表面積の、強化要素121によって覆われる部分に対応することができる。一方、いくつかの実施形態では、フェース面214(図2)の、フェース周縁部217(図2)に近位の部分とは、フェース面214の、フェース周縁部217と、フェース周縁部217(図2)からおよそ0.10センチメートル、0.20センチメートル、0.25センチメートル、0.50センチメートル、1.00センチメートル、または2.00センチメートルのところに位置する挿入された境界とによって囲まれる領域のことを指すことができる。
図面を少しの間先に進むと、図5および図13は、図1の実施形態によるクラブヘッド100の図2の切断線5−5に沿った断面図を示す。クラブヘッド100は、中心厚さ537を備えることができる。中心厚さ537とは、フェース中心216(図2)から後中心118(図1)までの距離のことを指すことができる。多くの実施形態では、中心厚さ537は、およそ0.150cm〜およそ0.300cmとすることができる。いくつかの実施形態では、中心厚さ537は、0.300cm未満、0.255cm未満、0.250cm未満、0.205cm未満、0.200cm未満、または0.155cm未満とすることができる。いくつかの実施形態では、強化要素120の中心が少なくとも部分的に埋められ得る。例えば、強化要素120の中心は、制振材料もしくは振動減衰特徴部(例えばインサート805(図8))、または他の材料で埋められ得る。多くの実施形態では、中心厚さ537は、リブ高さ540におけるフェース厚さよりも薄くすることができる。他の実施形態では、中心厚さ537は、リブ高さ540におけるフェース厚さにほぼ等しくすることができる。リブ高さ540におけるフェース厚さは、リブ高さ540を中心厚さ537に加えたものであってもよい。多くの実施形態では、強化要素120の外側のフェース厚さ542は、中心厚さ537よりも厚いが、リブ高さ540におけるフェース厚さよりも薄くすることができる。他の実施形態では、フェース厚さ542は、中心厚さ537と同じであってもよい。
いくつかの実施形態では、リブ高さ540におけるフェース厚さは、およそ0.30cmからおよそ0.70cmとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ高さ540におけるフェース厚さは、およそ0.30cmからおよそ0.50cmとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ高さ540におけるフェース厚さは、およそ0.40cmからおよそ0.60cmとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ高さ540におけるフェース厚さは、およそ0.50cmからおよそ0.70cmとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ高さ540におけるフェース厚さは、0.30cmより大きく、0.40cmより大きく、0.50より大きく、または0.60cmより大きくすることができる。
いくつかの実施形態では、強化要素120の外側のフェース厚さ542は変化することができる。図15〜図16は、上部厚さ546を有する、強化要素120の外側のフェースプレートの上部545と、底部厚さ548を有する、強化要素120の外側のフェースプレートの底部547とを示している。いくつかの実施形態では、上部厚さ546は、底部厚さ548と同じであってもよい(図5および図13)。これらの実施形態では、中心厚さ537は、上部厚さ546および底部厚さ548よりも薄くすることができ、また上部厚さ546および底部厚さ548は、リブ高さ540におけるフェース厚さよりも薄くすることができる。いくつかの実施形態では、上部厚さ546は、底部厚さ548と異なっていてもよい(図15〜図16)。例えば、いくつかの実施形態では、中心厚さ537は、上部厚さ546よりも薄くすることができ、上部厚さ546は、底部厚さ548よりも薄くすることができ、また底部厚さ548は、リブ高さ540におけるフェース厚さよりも薄くすることができる。さらなる例に関して、いくつかの実施形態では、上部厚さ546は、中心厚さ537よりも薄くすることができ、中心厚さ537は、底部厚さ548よりも薄くすることができ、また底部厚さ548は、リブ高さ540におけるフェース厚さ540よりも薄くすることができる。
多くの実施形態では、強化要素120の外側のフェース厚さ542は、およそ0.150cmからおよそ0.300cmとすることができる。いくつかの実施形態では、強化要素120の外側のフェース厚さ542は、0.300cm未満、0.255cm未満、0.250cm未満、0.205cm未満、0.200cm未満、または0.155cm未満とすることができる。多くの実施形態では、上部厚さ546は、およそ0.150cmからおよそ0.300cmとすることができる。いくつかの実施形態では、上部厚さ546は、0.300cm未満、0.255cm未満、0.250cm未満、0.205cm未満、0.200cm未満、または0.155cm未満とすることができる。多くの実施形態では、底部厚さ548は、およそ0.150cmからおよそ0.300cmとすることができる。いくつかの実施形態では、底部厚さ548は、0.300cm未満、0.255cm未満、0.250cm未満、0.205cm未満、0.200cm未満、または0.155cm未満とすることができる。
多くの実施形態では、支持するための裏当て材料を必要とすることなく(例えば、フェースプレートの後部に位置するエラストマーなどの充填材料を使用することなく)、強化要素120の外側のフェース厚さ542は、およそ0.150cmからおよそ0.300cmとすることができ、また中心厚さ537は、およそ0.150cmからおよそ0.300cmとすることができる。例えば、強化要素120の外側のフェース厚さ542は、強化要素120の外側のフェース厚さ542の後部に位置するエラストマーまたは他の可撓性材料を有することなく、およそ0.150cmからおよそ0.300cmとすることができる。他の例の場合、中心厚さ537は、フェース中心厚さ537の後部に位置するエラストマーまたは他の可撓性材料を有することなく、およそ0.150cmからおよそ0.300cmとすることができる。
通常、ゴルフクラブヘッドのフェースプレートは、個々のスイング速度要件に対して(例えば、フェースプレート厚さを低減することにより)ボール速度を最大化するように設計される。一般に、クラブヘッドを用いたインパクト時の力は、スイング速度とともに減少するので、フェースプレート厚さは(例えば、男子のゴルフクラブヘッドに比較して女子のゴルフクラブヘッドの場合)、低いスイング速度の耐久性要件に伴い減少させることができる。例えば、低いスイング速度の耐久性要件を有するクラブヘッドは、より高いスイング速度の耐久性要件を有するクラブヘッドと比較して、低い中心厚さ537、リブ高さ540における低いフェース厚さ、低い上部厚さ546、低い底部厚さ548、または上記で述べた厚さ低減の任意の組合せを有することができる。いくつかの実施形態では、中心厚さ537は、およそ0.150cmからおよそ0.250cmとすることができ、上部厚さ546は、およそ0.150cmからおよそ0.250cmとすることができ、また底部厚さ548は、およそ0.150cmからおよそ0.250cmとすることができて、クラブヘッド100が、100マイル毎時(mph)(160.9キロメートル毎時、kph)未満、90mph(144.8kph)未満、80mph(128.7kph)未満、70mph(112.6kph)未満、または、60mph(96.6kph)未満のスイング速度に耐えることを可能にする。いくつかの実施形態では、中心厚さ537は、およそ0.200cmからおよそ0.300cmとすることができ、上部厚さ546は、およそ0.200cmからおよそ0.300cmとすることができ、また底部厚さ548は、およそ0.200cmからおよそ0.300cmとすることができて、クラブヘッド100が、130mph(209.2kph)未満、120mph(193.1kph)未満、110mph(177.0kph)未満、100mph(160.9kph)未満、または、90mph(144.8kph)未満のスイング速度に耐えることを可能にする。
多くの実施形態では、スコアリングライン223は、およそ0.030cmからおよそ0.060cmの深さを有することができる。いくつかの実施形態では、スコアリングライン223は、0.060cm未満、0.055cm未満、0.050cm未満、0.045cm未満、0.040cm未満、または0.035cm未満の深さを有することができる。例えば、図15〜図16で示された実施形態では、スコアリングライン223は、およそ0.046cmの深さを有する。本明細書で述べられる場合、中心厚さ537、強化要素120の外側のフェース厚さ542、上部厚さ546、および底部厚さ548に対する測定は、スコアリングラインのないフェースプレートの領域で行われる。したがって、スコアリングライン223内で測定されたフェースプレート厚さは、フェースプレートの同じ領域内のスコアリングライン223の外側で、またはスコアリングライン223の隣で測定された関連するフェースプレート厚さよりも、(スコアリングラインの深さによって)低くなる。
いくつかの実施形態では、リブの幅が、ループ状リブ122(図1)全体にわたって変化することができ、いくつかの実施形態では、ループ状リブ122(図1)および/または内周縁面129(図1)が、最大リブスパン538を備えることができる。最大リブスパン538とは、内周縁面129(図1)の一方の側から向かいの内周縁面129(図1)の対向する側までの、後面115(図1)と平行に測定される最大距離のことを指すことができる。したがって、ループ状リブ122(図1)が楕円形ループ状リブを備えるとき、最大リブスパン538とは、内周縁面129(図1)の長軸のことを指すことができる。さらに、ループ状リブ122(図1)が円形ループ状リブを備えるとき、最大リブスパン538とは、内周縁面129(図1)の直径のことを指すことができる。とりわけ、多くの実施形態では、最大リブスパン538は、内周縁面129(図1)の中点で測定され得る。
いくつかの実施形態では、最大リブスパン538は、およそ0.609cm〜およそ1.88cmとすることができる。いくつかの実施形態では、最大リブスパン538は、およそ1.0cmとすることができる。いくつかの実施形態では、最大スパン538があまりにも大きすぎる(例えばおよそ1.88センチメートルよりも大きい)場合、ループ状リブ122(図1)は、フェース中心216(図2)に最も近いスコアリングライン223(図2)を強化するのに不十分となり得る。一方、これらまたは他の実施形態では、最大スパン538があまりにも小さい(例えばおよそ0.609センチメートル未満である)場合、ループ状リブ122は、フェース周縁部217(図2)に最も近いスコアリングライン223(図2)を強化するのに不十分となり得る。一般に、最大リブスパン538に対するこれらの上限および下限は、フェース要素111(図1)のサイズの関数となり得る。いくつかの実施形態では、例えば図6に示すように、2つ以上のリブ621および641が存在し得る。この場合、大きいほうのリブスパンまたはリブ641(図6)の内径もしくは外径は、1.88センチメートルよりも大きいとすることができ、小さいほうのリブスパンまたはリブ621(図6)の内径もしくは外径は、0.609センチメートル未満とすることができる。
さらに、ループ状リブ122(図1)は、リブ厚さ539を備えることができる。リブ厚さ539とは、ループ状リブ122(図1)の内周縁面129(図1)とループ状リブ122(図1)の外周縁面128(図1)との間の、後面115(図1)と平行に測定される距離のことを指すことができる。いくつかの実施形態では、ループ状リブ122(図1)の厚さは、ループ状リブ122(図1)全体にわたって変わることができ、リブ厚さ539は、ループ状リブ122(図1)の最大リブ厚さとすることができる。多くの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ0.050cm〜およそ1.50cmとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ0.05cmとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ0.25センチメートル以上とすることができる。いくつかの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ0.50センチメートルとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ0.75センチメートルとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ1.00センチメートルとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ1.25センチメートルとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ厚さ539は、およそ1.50センチメートルとすることができる。さまざまな実施形態では、ループ状リブ127(図1)が複数のループ状リブを備える場合、ループ状リブ127(図1)のうちの2つ以上のループ状リブが、同じリブ厚さを備えることができ、および/またはループ状リブ127(図1)のうちの2つ以上のループ状リブが、異なるリブ厚さを備えることができる。とりわけ、多くの実施形態では、リブスパン539は、内周縁面129(図1)および/または外周縁面128(図1)の中点で測定され得る。
さらになお、ループ状リブ122(図1)は、リブ高さ540を備えることができる。リブ高さ540とは、後面115(図1)から、ループ状リブ122(図1)の後面115から最も遠い中心位置(すなわち外周縁面128(図1)が内周縁面129(図1)と接するところまでの垂直な距離のことを指すことができる。これらまたは他の実施形態では、リブ高さ540は、およそ0.3048センチメートル以上とすることができる。いくつかの実施形態では、リブ高さ540は、およそ0.1778cm〜およそ0.3048cmとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ高さ540は、およそ0.17cm、0.20cm、0.23cm、0.26cm、0.29cm、または0.30cmとすることができる。多くの実施形態では、リブ高さ540は、およそ0.512cm以下とすることができる。いくつかの実施形態では、ループ状リブ122(図1)の高さは、ループ状リブ122全体にわたって変わることができ、リブ高さ540は、ループ状リブ122(図1)の最大リブ高さとすることができる。さまざまな実施形態では、ループ状リブ127(図1)が複数のループ状リブを備えるとき、ループ状リブ127(図1)のうちの2つ以上のループ状リブが、同じリブ高さを備えることができ、および/またはループ状リブ127(図1)のうちの2つ以上のループ状リブが、異なるリブ高さを備えることができる。
多くの実施形態では、中心厚さ537、最大リブスパン538、リブ厚さ539、および/またはリブ高さ540は、互いのうちの1つまたは複数に応じて変わり得る。例えば、中心厚さ537は、リブ厚さ539およびリブ高さ540の関数となり得る。すなわち、リブ厚さ539および/またはリブ高さ540が増大する場合、中心厚さ537は低減され得、逆も同様である。一方、リブ厚さ539およびリブ高さ540は、互いによって変わり得る。例えば、リブ厚さ539を増大させると、リブ高さの低減が可能になり得、逆も同様である。
ここで図1および図2に戻ると、多くの実施形態では、周縁壁要素113が、第1の周縁壁部124および第2の周縁壁部125を備えることができる。周縁壁要素113は、(i)後面115の後周縁部119の周りに少なくとも部分的に(例えばその周り全体に)、(ii)後面115から外に後端部104に向かって、かつ(iii)前端部203(図2)から離れて延在する。一方、第1の周縁壁部124は、上端部101で後面115の後周縁部119に沿って延在することができ、第2の周縁壁部125は、底端部102で後面115の後周縁部119に沿って延在することができる。多くの実施形態では、強化デバイス112および強化要素120は、強化デバイス112および強化要素120が後面115で浮動するように、後面115のところで周縁壁要素113から離隔しており、および/またはそこから離れて位置する。強化デバイス112および強化要素120を浮動させることによって、フェース要素111がフェース中心216(図2)の周りで略対称的に屈曲することが可能になり得る。
多くの実施形態では、クラブヘッド本体110は、(i)少なくとも部分的に第1の周縁壁部124および/もしくは上端部101にある上面132、および/または(ii)少なくとも部分的に第2の周縁壁部125および/もしくは底端部102にあるソール面133を備えることができる。したがって、いくつかの実施形態では、第1の周縁壁部124は、上面132の少なくとも一部を構成することができ、および/または第2の周縁壁部125は、ソール面133の少なくとも一部を構成することができる。さらに、上面132は、上端部101でフェース面214(図2)と接することができ、および/またはソール面133は、底端部102でフェース面214(図2)と接することができる。
いくつかの実施形態では、第2の周縁壁部125の少なくとも部分が、フェース周縁部217(図2)のところのおよび/またはフェース周縁部217に近位のフェース要素111と略等しい厚さ、またはそれよりも薄くすることができる。例えば、第2の周縁壁部125は、第2の周縁壁部125の、フェース周縁部217(図2)に近位の部分(すなわち、第2の周縁壁部125がフェース要素111と接するところ)で、フェース周縁部217のおよび/またはフェース周縁部217に近位のフェース要素111と等しい厚さ、またはそれよりも薄くすることができる。第2の周縁壁部125のこの部分を、フェース周縁部217(図2)のおよび/またはフェース周縁部217に近位のフェース要素111と等しい厚さに、またはそれよりも薄くなるように実装すると、フェース面214(図2)がゴルフボールをインパクトしたときに、第2の周縁壁部125に応力集中部が形成することが防止され得る。
後面115は、第1の後面部および第2の後面部を備える。第1の後面部とは、後面115の、周縁壁要素113によって覆われる部分のことを指すことができ、第2の後面部とは、後面115の残りの部分のことを指すことができる。多くの実施形態では、強化要素121(例えばループ状リブ122)は、後面115の第2の後面部の表面積のおよそ25パーセント以上、および/または後面115の第2の後面部の表面積のおよそ40パーセント以下を覆うことができる。他の実施形態では、強化要素121(例えばループ状リブ122)は、後面115の第2の後面部の表面積のおよそ30パーセント以上を覆うことができる。いくつかの実施形態では、強化要素121(例えばループ状リブ122)は、後面115の第2の後面部の表面積のおよそ25パーセント、28パーセント、31パーセント、34パーセント、37パーセント、または40パーセントを覆うことができる。
さらに、クラブヘッド本体110は、シャフトを受領し、それをクラブヘッド100および/またはクラブヘッド本体100に結合するための、ホーゼル134または他の任意の適切な機構(例えばボア)を備えることができる。他の適切な機構は、1つまたは複数の点で、ホーゼル134に類似し得る。
一方、一般的に言うと、ホーゼル134はヒール端部106に、またはそれに近接して位置することができる。シャフトは図面に示していないが、ホーゼル134は、例えばゴルフクラブシャフトなどのシャフトを(すなわちホーゼル134の開口を通じて)受領するように構成され得る。したがって、ホーゼル134は、シャフトを受領することができ、ホーゼル134がシャフトを受領したときに、シャフトがクラブヘッド100および/またはクラブヘッド本体110に(例えば恒久的にまたは取り外し可能に)結合されるのを可能にすることができる。
さらに、いくつかの実施形態では、第2の周縁壁部125は、ウエイトキャビティ135を備えることができる。これらの実施形態では、ウエイトキャビティ135は、取り外し可能なまたは恒久的な加重インサートを受領するように構成され得る。加重インサートは、加重インサートがクラブヘッド100の重心よりもクラブヘッド100の底端部102の近くに位置するように、ウエイトキャビティ135内に配置され得る。言い換えると、加重インサートは、クラブヘッド100の重心が、加重インサートよりもクラブヘッド100の上端部101の近くに位置するように、ウエイトキャビティ135内に配置され得る。加重インサートは、クラブヘッド100の重心を変更するように構成され得る。
図面を先に進むと、図6は、一実施形態によるクラブヘッド600の上面、後面、トゥ側面図を示す。一方、図7は、図6の実施形態によるクラブヘッド600の上面、正面、トゥ側面図を示す。
クラブヘッド600は、クラブヘッド100(図1)に類似していてもよく、それと同一でもよい。したがって、クラブヘッド600は、強化デバイス612を備えることができ、強化デバイス612は、強化要素620を備えることができる。強化デバイス612は、強化デバイス112(図1)に類似していてもよく、それと同一でもよく、強化要素620は、強化要素120(図1)に類似していてもよく、それと同一でもよい。
強化要素620は、第1の強化要素621および第2の強化要素641を備えることができる。第1の強化要素621および/または第2の強化要素641はそれぞれ、第1の強化要素121(図1)に類似し得る。したがって、第1の強化要素621は、第1のループ状リブ622を備えることができ、第2の強化要素641は、第2のループ状リブ642を備えることができる。第1のループ状リブ622および/または第2のループ状リブ642はそれぞれ、ループ状リブ122(図1)に類似し得る。
これらの実施形態では、第1の強化要素621および/または第1のループ状リブ622が、円形ループ状リブを備えることができ、第2の強化要素622および/または第2のループ状リブ642が、楕円形ループ状リブを備えることができる。第2の強化要素622および/または第2のループ状リブ642は、第1の強化要素621および/または第1のループ状リブ622を囲むことができる。多くの実施形態では、楕円形ループ状リブの長軸が、クラブヘッド600のx軸と略平行とすることができる。x軸は、x軸107(図1)に近似していてもよく、それと同一でもよい。それと同じまたは異なる実施形態では、楕円形ループ状リブの短軸が、クラブヘッド600のy軸と非平行とすることができる。y軸は、y軸108(図1)に近似していてもよく、それと同一でもよい。
強化デバイス612を有するクラブヘッド600は、前端部203から底端部102にかけて延在する均一な移行厚さ550(図示せず)も有することができる。均一な移行厚さ550は、強化デバイス612を有するクラブヘッド600の、前端部203と底端部102との間の領域に向けられた応力を吸収する。均一な移行厚さ550は、およそ0.20〜0.80インチの範囲とすることができる。例えば、均一な移行厚さ550は、およそ0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、または0.80インチとすることができる。
別の実施形態において、図8は、図1の別の実施形態によるクラブヘッド800の図2の切断線5−5に沿った側面図を示す。図8に示すクラブヘッド800は、キャビティ131内のインサート805を示す。図9は、図8の実施形態によるクラブヘッド800の上面、後面、ヒール側面図を示す。いくつかの実施形態では、インサート805は、振動減衰特徴部とすることができる。インサート805は、非金属材料、ポリウレタンなどのエラストマー材料、または発泡体などの別の材料とすることができる。インサート805は、クラブヘッド800の音および感触を調整するために使用され得る。振動を吸収または制振することによって、インサート805は、クラブヘッド800の感触を向上させる。加えて、インサート805は、ゴルフボールがフェースを打撃する音を吸収し、それにより、ゴルフクラブ800のヘッドの感触が、より中空ではなくなり、より中実になる。さらなる実施形態では、キャビティ131を、バッジ(図示せず)が少なくとも部分的に覆うことができる。バッジは、インサート805から分離していてもよく、インサート805と一体をなしてもよい。他の実施形態では、バッジは、強化要素120(図1)などの強化要素と一体をなすことができる。
場合によっては、クラブヘッド800のスイングウエイトまたは重心に著しく影響を及ぼさないように、インサート805の重量は約3g未満とすることができる。他の実施形態では、インサート805の重量は、約5g〜約10gなど、約3gよりも大きくてもよく、クラブヘッド800のスイングウエイトおよび/または重心に大きく寄与することができる。いくつかの実施形態では、インサート805は、エポキシ接着剤、粘弾性発泡体テープ、振動減衰特徴部、または3M(商標)VHB(商標)テープなどの高強度テープを使用して、キャビティ131に付着され得る。他の実施形態では、インサート805は、キャビティ131に直接流し込まれ、接着され得る。バッジは、類似の接着剤を用いて接着され得る。いくつかの実施形態では、インサート805またはバッジは、ループ状リブ122(図1)と、リブ高さ540の上部で同一平面であってもよく、またはそれらは、完全に組み立てられたとき、リブ高さ540より下であってもよい。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの振動減衰特徴部(例えばインサート805(図8)が、ゴルフクラブヘッド800などのゴルフクラブヘッドの後面115(図1)上に配設され得る。振動減衰特徴部は、インパクト時にゴルフクラブヘッド800からより望ましい音を生み出すことができる。ゴルフクラブヘッド800の薄いフェース要素111(図1)は、ゴルフボールを打撃するときに望ましくない音を発生させることがある。振動減衰特徴部が振動を減少させ、それにより、薄いフェース要素111(図1)によるインパクト時に、より望ましい音がもたらされ得る。振動減衰構成要素は、より望ましい雑音を提供することによって、使用中のユーザの自信を増大させることができる。振動減衰特徴部は、ゴルフクラブのユーザがゴルフボールを打撃するときに感じる振動衝撃を低減させることもできる。さらに、振動減衰特徴部は、振動疲労を減少させて、ゴルフクラブ800、および限定されないがキャビティ131やウエイトキャビティ135(図1)などのさまざまな特徴部に対する、摩耗を低減させることができる。振動疲労が減少するとさらに、限定されないがキャビティ131のインサート805やウエイトキャビティ135(図1)内のインサートなどの部品が緩むまたは変位するリスクが、低下し得る。振動疲労が減少すると、ゴルフクラブヘッド800の性能寿命が延長し得る。
図12に見られるように、さらなる実施形態では、振動減衰特徴部が、粘弾性制振材料からなる少なくとも1層を備えることができる。制振材料は、3M(商標)制振フォイルテープ2552などの制振フォイル1202をなす、感圧性粘弾性アクリルポリマーおよびアルミニウムフォイルを含むことができる。制振フォイル1202は、接着剤層を備えることができる。一実施形態では、振動減衰特徴部は、少なくとも1つの粘弾性接着剤層1203を備えることができ、この層は、エポキシ接着剤、粘弾性発泡体テープ、および/または3M(商標)VHB(商標)テープなどの高強度テープのうちの少なくとも1層の、さまざまな層からなる組成を備えることができる。いくつかの実施形態では、振動減衰特徴部は、粘弾性接着剤1203、制振フォイル1202、および/またはバッジ1201のうちの少なくとも1つの、さまざまな層組合せを備えることができる。
図8に戻ると、いくつかの実施形態では、振動減衰特徴部は、ゴルフクラブヘッド800などのゴルフクラブヘッドの、鋼鉄1204などの後面材料を備える後面115(図1)上に配設され得る。別の実施形態では、振動減衰特徴部は、ゴルフクラブヘッド800のキャビティ131内またはインサート805の上もしくは下に配設され得る。振動減衰特徴部は、ゴルフクラブヘッド800の後面115(図1)のさまざまな位置に位置することができる。一般に、振動減衰特徴部は、後面115(図1)上でバッジの輪郭の下に、少なくとも部分的に位置する。いくつかの実施形態では、振動減衰特徴部は、バッジの輪郭全体の下に配設される。他の実施形態では、振動減衰特徴部は、バッジの輪郭の、アルミニウム領域やエラストマー領域などの特定領域のみの下に、少なくとも部分的に配設される。振動減衰特徴部は、バッジの輪郭の周縁領域の少なくとも部分のみの下に配設され得る。いくつかの実施形態では、振動減衰特徴部は、ゴルフクラブヘッド800のキャビティ131内に、少なくとも部分的に配設され得る。振動減衰特徴部は、キャビティ131内でインサート805の上または下に、少なくとも部分的に配設され得る。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド800上への振動減衰特徴部の配設は、フォイルが、バッジの下に少なくとも部分的に、インサート805の上に少なくとも部分的に、ウエイトキャビティ135(図1)内に少なくとも部分的に、および/またはキャビティ131内に少なくとも部分的に配設される、さまざまな組合せを含む。いくつかの実施形態では、振動減衰特徴部は、後面115(図1)の表面積の少なくとも10パーセントをそれが覆うように配設される。他の実施形態では、振動減衰特徴部は、後面115の表面積の少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100パーセントを覆うことができる。
インサート805を有するクラブヘッド800は、前端部203から底端部102にかけて延在する均一な移行厚さ550(図8)も有することができる。均一な移行厚さ550は、インサート805を有するクラブヘッド800の、前端部203と底端部102との間の領域に向けられた応力を吸収する。均一な移行厚さ550は、およそ0.20〜0.80インチの範囲とすることができる。例えば、均一な移行厚さ550は、およそ0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、または0.80インチとすることができる。
ゴルフクラブヘッド100、300、600、800は、変化するロフト角を有する1組のクラブヘッドの一部とすることができる。いくつかの実施形態では、中心厚さ537、強化要素120の外側のフェース厚さ542、上部厚さ546、底部厚さ548、リブ高さ540におけるフェース厚さ、または前述の厚さの組合せは、1組のクラブヘッド内でクラブヘッドのロフト角とともに変化することができる。
ここで次の図面に移ると、図10は、ゴルフクラブヘッドを提供する方法1000の一実施形態に関するフローチャートを示す。方法1000は、単なる例示であり、本明細書に提示する実施形態に限定されない。方法1000は、本明細書で明確に図示または説明していない多くの異なる実施形態または例で用いられ得る。いくつかの実施形態では、方法1000の作業、手順、および/またはプロセスが、提示した順序で実施され得る。他の実施形態では、方法1000の作業、手順、および/またはプロセスが、他の任意の適切な順序で実施され得る。さらに他の実施形態では、方法1000における作業、手順、および/またはプロセスのうちの1つまたは複数が、組み合わされてもよく、スキップされてもよい。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッド100(図1および図2)、ゴルフクラブヘッド600(図6および図7)、および/またはゴルフクラブヘッド800(図8および図9)に類似していてもよく、それと同一でもよい。
方法1000は、フェース要素を提供する作業1001を含むことができる。フェース要素は、フェース要素111(図1)に類似していてもよく、それと同一でもよい。
方法1000は、強化デバイスを提供する作業1002を含むことができる。強化デバイスは、強化デバイス112(図1)に類似していてもよく、それと同一でもよい。図11は、図10の実施形態による例示的作業1002を示す。
例えば、作業1002は、第1の強化要素を提供する作業1101を含むことができる。第1の強化要素は、第1の強化要素121(図1)、強化要素621(図6)、強化要素120(図1)のうちのいずれか1つの強化要素、および/または強化要素620(図6)のうちのいずれか1つの強化要素に類似していてもよく、それと同一でもよい。
さらに、作業1002は、第2の強化要素を提供する作業1102を含むことができる。第2の強化要素は、第2の強化要素641(図6)および/または強化要素620(図6)のうちのいずれか1つの強化要素に類似していてもよく、それと同一でもよい。いくつかの実施形態では、作業1101および作業1102は、略同時に実施され得る。他の実施形態では、作業1102は省略され得る。
図10に戻ると、方法1000は、周縁壁要素を提供する作業1003を含むことができる。周縁壁要素は、周縁壁要素113(図1)に類似していてもよく、それと同一でもよい。いくつかの実施形態では、作業1003は省略され得る。
いくつかの実施形態では、方法1000は、作業1002において提供された強化デバイス内の中心キャビティ内に、インサートを提供する作業1004を含むことができる。いくつかの実施形態では、作業1004は省略され得る。
多くの実施形態では、作業1001〜1004のうちの2つ以上が、順次実施されてもよく、互いに略同時に実施されてもよい。これらまたは他の実施形態では、作業1001〜1004は、任意の適切な製造技法(例えば鋳造、鍛造、モールディング、機械加工、接合等)を実行して、実施され得る。
以上、本明細書のゴルフクラブヘッド、および関連方法について、特定の実施形態に即して説明してきたが、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、さまざまな変更が加えられ得る。例えば、当業者には、図10の作業1001〜1004、ならびに図11の作業1101および1102が、多くの異なる手順、プロセス、および作業から構成され、多くの異なるモジュールによって、多くの異なる順序で実施され得ること、図1〜図4の任意の要素が修正され得ること、ならびにこれらの実施形態のうちのいくつかについての先の議論が必ずしも、可能な全ての実施形態の完全な説明になっているとは限らないことが、容易に明らかとなるであろう。
さらに、上記の例は、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドに関連して説明されていることがあるが、本明細書で説明する装置、方法、および製品は、ウッドタイプのゴルフクラブやパタータイプのゴルフクラブなど、他のタイプのゴルフクラブに適用可能とすることができる。あるいは、本明細書で説明する装置、方法、および製品は、ホッケースティック、テニスラケット、釣り竿、スキーストック等のような、適用可能な他のタイプのスポーツ用品とすることもできる。
そのような変更その他のさらなる例が、先の説明の中で挙げられたさまざまな図の特徴部のうちの1つまたは複数を有する異なる実施形態の他の置換えも、同様に企図される。したがって、本明細書の明細書、特許請求の範囲、および図面は、本開示の範囲を例示するためのものであり、限定するものではない。本出願の範囲は、添付の特許請求の範囲によって求められる範囲のみに限定されることが意図される。
条項1:ゴルフクラブヘッドであって、上端部および上端部の反対側にある底端部と、前端部および前端部の反対側にある後端部と、トゥ端部およびトゥ端部の反対側にあるヒール端部と、フェース要素であって、前端部に位置し、フェース中心およびフェース周縁部を備えるフェース面と、後端部に位置し、フェース面とは略反対側にある後面であって、フェース中心の略反対側にある後中心、および後周縁部を備える後面とを備えるフェース要素と、後面に位置する強化デバイスとを備え、x軸が、フェース面に略平行に延在し、後中心を通過し、y軸が、フェース面に略平行に延在し、x軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、z軸が、フェース面に略垂直に延在し、x軸およびy軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、x軸が、トゥ端部およびヒール端部を通って、上端部と底端部から等距離の位置で延在し、y軸が、上端部および底端部を通って、トゥ端部とヒール端部から等距離の位置で延在し、z軸が、前端部および後端部を通って、(i)トゥ端部とヒール端部から、(ii)上端部と後端部から等距離の位置で延在し、強化デバイスが、実質的にz軸上に位置する幾何学的中心を備える強化要素を備え、強化要素が、後面から後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、強化要素が、ループ状リブを備え、フェース面が、フェース周縁部の近位においてよりもフェース中心の近位において後面により近くなっている、ゴルフクラブヘッド。
条項2:フェース面が、トゥ端部とヒール端部との間に延在する1つまたは複数のスコアリングラインを備える、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項3:アイアンタイプのゴルフクラブヘッドを備える、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項4:後面が、フェース周縁部の近位においてよりもフェース中心においてフェース面により近くなっていること、及び、フェース中心から後中心までの中心厚さが、およそ0.203センチメートル以下であること、のうちの少なくとも一方である、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項5:ループ状リブが、x軸に対して対称であること、及び、ループ状リブが、y軸に対して対称であること、のうちの少なくとも一方である、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項6:ループ状リブが、楕円形ループ状リブを備える、条項5に記載のゴルフクラブヘッド。
条項7:楕円形ループ状リブが、円形ループ状リブを備える、条項6に記載のゴルフクラブヘッド。
条項8:強化要素が、外周縁面を備え、ループ状リブが、外周縁面および内周縁面を備え、強化要素の外周縁面が、ループ状リブの外周縁面を備え、強化要素の外周縁面が、後面に対してすみ肉付けされること、及び、ループ状リブの内周縁面が、後面に対してすみ肉付けされること、のうちの少なくとも一方である、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項9:ループ状リブが、内周縁面を備え、ループ状リブが、内周縁面と後面とによって画定されるキャビティを備え、キャビティに加重インサートがない、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項10:ループ状リブが、内周縁面を備え、ループ状リブが、内周縁面と後面とによって画定されるキャビティを備え、キャビティがインサートを収容する、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項11:インサートが、エラストマーまたは発泡体を含む、条項10に記載のゴルフクラブヘッド。
条項12:キャビティが、バッジによって少なくとも部分的に覆われる、条項10に記載のゴルフクラブヘッド。
条項13:バッジがインサートと一体をなす、条項12に記載のゴルフクラブヘッド。
条項14:インサートの重量が、およそ3グラム以下である、条項12に記載のゴルフクラブヘッド。
条項15:インサートとバッジを合わせた重量が、およそ8グラム以下である、条項12に記載のゴルフクラブヘッド。
条項16:後面が少なくとも部分的に、その上に配設された振動減衰特徴部を備える、条項10に記載のゴルフクラブヘッド。
条項17:振動減衰特徴部が、ゴルフクラブヘッドの後面上に配設された制振フォイルと、ゴルフクラブヘッドの後面を少なくとも部分的に覆うバッジ、及び、キャビティを少なくとも部分的に覆うバッジ、のうちの少なくとも一方とを備える、条項16に記載のゴルフクラブヘッド。
条項18:制振フォイルが、バッジと、ゴルフクラブヘッドの後面及びキャビティのうちの少なくとも一方との間に位置する、条項17に記載のゴルフクラブヘッド。
条項19:バッジが、少なくとも1つのアルミニウム領域を備え、制振フォイルが、アルミニウム領域と、ゴルフクラブヘッドの後面及びキャビティのうちの少なくとも一方との間に位置する、条項17に記載のゴルフクラブヘッド。
条項20:後面から外に後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在する周縁壁要素をさらに備え、周縁壁要素が、上端部で後面の周縁部に沿って延在する第1の周縁壁部、および底端部で後面の周縁部に沿って延在する第2の周縁壁部を備える、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項21:第2の周縁壁部の少なくとも一部が、フェース周縁部に近位のフェース要素よりも薄い、条項16に記載のゴルフクラブヘッド。
条項22:第2の周縁壁部が、加重インサートを受け入れるように構成されたウエイトキャビティを備える、条項16に記載のゴルフクラブヘッド。
条項23:加重インサートの重量が、およそ5グラムとおよそ10グラムの間である、条項18に記載のゴルフクラブヘッド。
条項24:後面が、第1の後面部および第2の後面部を備え、周縁壁要素が、後面の周縁部の周り全体に延在し、第1の後面部を覆い、第2の後面部が、表面積を有し、強化要素が、表面積の少なくともおよそ25パーセントを覆う、条項16に記載のゴルフクラブヘッド。
条項25:強化要素が、外周縁面を備え、ループ状リブが、外周縁面および内周縁面を備え、強化要素の外周縁面が、ループ状リブの外周縁面を備え、内周縁面が、およそ0.609センチメートル以上でおよそ1.88センチメートル以下の最大リブスパンを有する、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項26:強化要素が、外周縁面を備え、ループ状リブが、外周縁面および内周縁面を備え、強化要素の外周縁面が、ループ状リブの外周縁面を備え、ループ状リブの内周縁面とループ状リブの外周縁面との間のリブ厚さが、およそ0.0508センチメートルからおよそ1.448センチメートルである、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項27:ループ状リブが、リブ高さを有し、リブ高さが、およそ0.1778センチメートルからおよそ0.3048センチメートルである、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項28:ループ状リブが、内周縁面を備え、リブ高さにおけるループ状リブの内周縁面が、後面に対して実質的に直交する、条項23に記載のゴルフクラブヘッド。
条項29:ループ状リブが、リブ高さを有し、リブ高さが、ループ状リブの中間領域において最大である、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項30:強化要素が、第1の強化要素を備え、ループ状リブが、第1のループ状リブを備え、強化デバイスが、第2の強化要素を備え、第2の強化要素が、第2のループ状リブを備え、第2のループ状リブが、第1のループ状リブと略同心である、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項31:アイアンタイプのゴルフクラブヘッドであって、上端部および上端部の反対側にある底端部と、前端部および前端部の反対側にある後端部と、トゥ端部およびトゥ端部の反対側にあるヒール端部と、フェース要素であって、前端部に位置し、フェース中心およびフェース周縁部を備えるフェース面と、後端部に位置し、フェース面とは略反対側にある後面であって、フェース中心の略反対側にある後中心、および後周縁部を備える後面とを備えるフェース要素と、後面に位置する強化デバイスと、(i)後面から後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、(ii)後面の周縁部の周り全体に延在する周縁壁要素であって、上端部で後面の周縁部に沿って延在する第1の周縁壁部、および底端部で後面の周縁部に沿って延在する第2の周縁壁部を備える周縁壁要素とを備え、x軸が、フェース面に略平行に延び、後中心を通過し、y軸が、フェース面に略平行に延在し、x軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、z軸が、フェース面に略垂直に延在し、x軸およびy軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、x軸が、トゥ端部およびヒール端部を通って、上端部と底端部から等距離の位置で延在し、y軸が、上端部および底端部を通って、トゥ端部とヒール端部から等距離の位置で延在し、z軸が、前端部および後端部を通って、(i)トゥ端部とヒール端部との間、(ii)上端部と後端部から等距離の位置で延在し、強化デバイスが、略z軸上に位置する幾何学的中心を備える強化要素を備え、強化要素が、後面から後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、強化要素が、閉円形ループ状リブを備え、ゴルフクラブヘッドが、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドを備え、フェース中心から後中心までの中心厚さが、およそ0.203センチメートル以上であり、第2の周縁壁部の少なくとも一部が、フェース周縁部に近位のフェース要素よりも薄い、アイアンタイプのゴルフクラブヘッド。
条項32:強化要素が、第1の強化要素を備え、強化デバイスが、第2の強化要素を備え、第2の強化要素が、閉円形ループ状リブを囲む閉楕円形ループ状リブを備え、閉楕円形ループ状リブが、閉円形ループ状リブと略同心であり、閉楕円形ループ状リブが、x軸と略平行な長軸を有する、条項27に記載のアイアンタイプのゴルフクラブヘッド。
条項33:ゴルフクラブヘッドを提供する方法であって、前端部に位置し、フェース中心およびフェース周縁部を備えるフェース面と、後端部に位置し、フェース面とは略反対側にある後面であって、フェース中心の略反対側にある後中心、および後周縁部を備える後面と、を備えるフェース要素を提供する工程と、後面に強化デバイスを提供する工程と、を備え、ゴルフクラブヘッドが、上端部および上端部の反対側にある底端部と、前端部および前端部の反対側にある後端部と、トゥ端部およびトゥ端部の反対側にあるヒール端部と、を備え、x軸が、フェース面に略平行に延在し、後中心を通過し、y軸が、フェース面に略平行に延在し、x軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、z軸が、フェース面に略垂直に延在し、x軸およびy軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、x軸が、トゥ端部およびヒール端部を通って、上端部と底端部から等距離の位置で延在し、y軸が、上端部および底端部を通って、トゥ端部とヒール端部から等距離の位置で延在し、z軸が、前端部および後端部を通って、(i)トゥ端部とヒール端部から、(ii)上端部と後端部から等距離の位置で延在し、強化デバイスを提供することが、略z軸上に位置する幾何学的中心を備える強化要素を提供することを含み、強化要素が、後面から外に後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、強化要素が、ループ状リブを備え、フェース面が、フェース周縁部の近位においてよりもフェース中心の近位において後面により近くなっている、方法。
条項34:ループ状リブが、内周縁面を備え、ループ状リブが、内周縁面と後面とによって画定される中心キャビティを備え、中心キャビティがインサートを収容する、条項29に記載の方法。
条項35:強化要素が、第1の強化要素を備え、ループ状リブが、第1のループ状リブを備え、強化デバイスを提供することが、第2の強化要素を提供する工程をさらに含み、第2の強化要素が、第2のループ状リブを備え、第2のループ状リブが、第1のループ状リブと略同心である、条項29に記載の方法。
条項36:ゴルフクラブであって、シャフトと、シャフトに結合されたゴルフクラブヘッドであって、上端部および上端部の反対側にある底端部と、前端部および前端部の反対側にある後端部と、トゥ端部およびトゥ端部の反対側にあるヒール端部と、フェース要素であって、前端部に位置し、フェース中心およびフェース周縁部を備えるフェース面と、後端部に位置し、フェース面とは略反対側にある後面であって、フェース中心の略反対側にある後中心、および後周縁部を備える後面とを備えるフェース要素と、後面に位置する強化デバイスと、を備えるゴルフクラブヘッドを備え、x軸が、フェース面に略平行に延在し、後中心を通過し、y軸が、フェース面に略平行に延在し、x軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、z軸が、フェース面に略垂直に延在し、x軸およびy軸に略垂直に延在し、後中心を通過し、x軸が、トゥ端部およびヒール端部を通って、上端部と底端部から等距離の位置で延在し、y軸が、上端部および底端部を通って、トゥ端部とヒール端部から等距離の位置で延在し、z軸が、前端部および後端部を通って、(i)トゥ端部とヒール端部から、(ii)上端部と後端部から等距離の位置で延在し、強化デバイスが、略z軸上に位置する幾何学的中心を有する強化要素を備え、強化要素が、後面から外に後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、強化要素が、ループ状リブを備え、フェース面が、フェース周縁部の近位においてよりもフェース中心の近位において後面により近くなっている、ゴルフクラブ。
条項37:ゴルフクラブヘッドであって、上端部および上端部の反対側にある底端部と、前端部および前端部の反対側にある後端部と、トゥ端部およびトゥ端部の反対側にあるヒール端部と、フェース要素であって、前端部に位置し、フェース中心およびフェース周縁部を備えるフェース面と、後端部に位置し、フェース面とは略反対側にある後面であって、フェース中心の略反対側にある後中心および後周縁部を備える後面とを備えるフェース要素と、後面に位置する強化デバイスとを備え、x軸が、フェース面に略平行に延在し、かつ後中心を通過し、y軸が、フェース面に略平行に延在し、x軸に略垂直に延在し、かつ後中心を通過し、z軸が、フェース面に略垂直に延在し、x軸およびy軸に略垂直に延在し、かつ後中心を通過し、x軸が、トゥ端部およびヒール端部を通って、上端部と底端部から等距離の位置で延在し、y軸が、上端部および底端部を通って、トゥ端部とヒール端部から等距離の位置で延在し、z軸が、前端部および後端部を通って、(i)トゥ端部とヒール端部から、(ii)上端部と後端部から等距離の位置で延在し、強化デバイスが、略z軸上に位置する幾何学的中心を備える強化要素を備え、強化要素が、後面から後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、強化要素が、外周縁面および内周縁面を有するループ状リブを備え、フェース面が、フェース周縁部の近位においてよりもフェース中心の近位において後面により近くなっており、強化要素の外周縁面が、およそ0.012センチメートル以上の半径を有するすみ肉を用いて、後面に対してすみ肉付けされ、また内周縁面が、およそ0.609センチメートル以上からおよそ1.88センチメートルの最大のリブスパンを含む、ゴルフクラブヘッド。
条項38:フェース面が、トゥ端部とヒール端部との間に延在する1つまたは複数のスコアリングラインを備える、条項37に記載のゴルフクラブヘッド。
条項39:クラブヘッドの後面上に位置するリップ部をさらに備える、条項37に記載のゴルフクラブヘッド。
条項40:後面が、フェース周縁部の近位においてよりもフェース中心においてフェース面により近くなっていること、またはフェース中心から後中心までの中心厚さが、およそ0.203センチメートル以下であることの少なくとも一方である、条項37に記載のゴルフクラブヘッド。
条項41:ループ状リブが、x軸に対して対称であること、及びループ状リブが、y軸に対して対称であること、の少なくとも一方である、条項37に記載のゴルフクラブヘッド。
条項42:ループ状リブが、楕円形ループ状リブを備える、条項41に記載のゴルフクラブヘッド。
条項43:楕円形ループ状リブが、円形ループ状リブを備える、条項42に記載のゴルフクラブヘッド。
条項44:ループ状リブの内周縁面が、後面に対してすみ肉付けされる、条項37に記載のゴルフクラブヘッド。
条項45:ループ状リブが、内周縁面と後面とによって画定されるキャビティを備え、キャビティに加重インサートがない、条項37に記載のゴルフクラブヘッド。
条項46:ループ状リブが、内周縁面と後面とによって画定されるキャビティを備え、キャビティがインサートを収容する、条項37に記載のゴルフクラブヘッド。
条項47:インサートが、エラストマーまたは発泡体を含む、条項46に記載のゴルフクラブヘッド。
条項48:後面が少なくとも部分的に、その上に配設された振動減衰特徴部を備え、振動減衰特徴部が、ゴルフクラブヘッドの後面上に配設される制振フォイルと、ゴルフクラブヘッドの後面を少なくとも部分的に覆うバッジ、及びキャビティを少なくとも部分的に覆うバッジ、の少なくとも一方とを備える、条項46に記載のゴルフクラブヘッド。
条項49:制振フォイルが、バッジと、ゴルフクラブヘッドの後面及びキャビティの少なくとも一方との間に位置する、条項48に記載のゴルフクラブヘッド。
条項50:ゴルフクラブヘッドが、後面から後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在する周縁壁要素をさらに備え、周縁壁要素が、上端部で後面の周縁部に沿って延在する第1の周縁壁部と、底端部で後面の周縁部に沿って延在する第2の周縁壁部と、を備える、条項37に記載のゴルフクラブヘッド。
条項51:強化要素が、外周縁面を備え、ループ状リブが、外周縁面および内周縁面を備え、強化要素の外周縁面が、ループ状リブの外周縁面を備え、ループ状リブの内周縁面とループ状リブの外周縁面との間のリブ厚さが、およそ0.0508センチメートルからおよそ1.448センチメートルである、条項37に記載のゴルフクラブヘッド。
条項52:ゴルフクラブヘッドを提供する方法であって、前端部に位置し、フェース中心およびフェース周縁部を備えるフェース面と、後端部に位置し、フェース面とは略反対側にある後面であって、フェース中心の略反対側にある後中心および後周縁部を備える後面とを備えるフェース要素を提供する工程と、後面に強化デバイスを提供する工程とを含み、ゴルフクラブヘッドが、上端部および上端部の反対側にある底端部と、前端部および前端部の反対側にある後端部と、トゥ端部およびトゥ端部の反対側にあるヒール端部とを備え、x軸が、フェース面に略平行に延在し、後中心を通過し、y軸が、フェース面に略平行に延在し、x軸に略垂直に延在し、かつ後中心を通過し、z軸が、フェース面に略垂直に延在し、x軸およびy軸に略垂直に延在し、かつ後中心を通過し、x軸が、トゥ端部およびヒール端部を通って、上端部と底端部から等距離の位置で延在し、y軸が、上端部および底端部を通って、トゥ端部とヒール端部から等距離の位置で延在し、z軸が、前端部および後端部を通って、(i)トゥ端部とヒール端部から、(ii)上端部と後端部から等距離の位置で延在し、強化デバイスを提供する工程が、略z軸上に位置する幾何学的中心を備える強化要素を提供する工程を含み、強化要素が、後面から後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、強化要素が、外周縁面および内周縁面を有するループ状リブを備え、フェース面が、フェース周縁部の近位においてよりもフェース中心の近位において後面により近くなっており、強化要素の外周縁面が、およそ0.012センチメートル以上の半径を有するすみ肉を用いて、後面に対してすみ肉付けされ、また内周縁面が、およそ0.609センチメートル以上からおよそ1.88センチメートルの最大のリブスパンを含む、方法。
条項53:ループ状リブが、内周縁面と後面とによって画定される中心キャビティを備え、中心キャビティがインサートを収容する、条項52に記載のゴルフクラブヘッド。
条項54:強化要素が、第1の強化要素を備え、ループ状リブが、第1のループ状リブを備え、強化デバイスを提供することが、第2の強化要素を提供することをさらに含み、第2の強化要素が、第2のループ状リブを備え、また第2のループ状リブが、第1のループ状リブと略同心である、条項52に記載のゴルフクラブヘッド。
条項55:ゴルフクラブであって、シャフトと、シャフトに結合されたゴルフクラブヘッドであって、上端部および上端部の反対側にある底端部と、前端部および前端部の反対側にある後端部と、トゥ端部およびトゥ端部の反対側にあるヒール端部と、フェース要素であって、前端部に位置し、フェース中心およびフェース周縁部を備えるフェース面と、後端部に位置し、フェース面とは略反対側にある後面であり、フェース中心の略反対側にある後中心および後周縁部を備える後面とを備えるフェース要素と、後面に位置する強化デバイスとを備えるゴルフクラブヘッドとを備え、x軸が、フェース面に略平行に延在し、かつ後中心を通過し、y軸が、フェース面に略平行に延在し、x軸に略垂直に延在し、かつ後中心を通過し、z軸が、フェース面に略垂直に延在し、x軸およびy軸に略垂直に延在し、かつ後中心を通過し、x軸が、トゥ端部およびヒール端部を通って、上端部と底端部から等距離の位置で延在し、y軸が、上端部および底端部を通って、トゥ端部とヒール端部から等距離の位置で延在し、z軸が、前端部および後端部を通って、(i)トゥ端部とヒール端部から、(ii)上端部と後端部から等距離の位置で延在し、強化デバイスが、略z軸上に位置する幾何学的中心を備える強化要素を備え、強化要素が、後面から後端部に向かうとともに前端部から離れるように延在し、強化要素が、外周縁面および内周縁面を有するループ状リブを備え、フェース面が、フェース周縁部の近位においてよりもフェース中心の近位において後面により近くなっており、強化要素の外周縁面が、およそ0.012センチメートル以上の半径を有するすみ肉を用いて、後面に対してすみ肉付けされ、また内周縁面が、およそ0.609センチメートル以上からおよそ1.88センチメートルの最大のリブスパンを含む、ゴルフクラブ。
本明細書で論じたゴルフクラブヘッドおよび関連方法は、さまざまな実施形態において実行され得、これらの実施形態のうちのいくつかについての先の議論は必ずしも、可能な全ての実施形態の完全な説明になっているとは限らない。そうではなく、図面の詳細な説明、および図面自体が、少なくとも1つの好ましい実施形態を開示し、また代替実施形態を開示することがある。
1つまたは複数の特許請求される要素の置換えは、訂正ではなく再構成となる。加えて、利益、他の利点、および問題に対する解決策について、特定の実施形態に関して説明してきた。しかし、利益、利点、問題に対する解決策、および任意の利益、利点、または解決策を生じさせ、またはより顕著にさせることのできる1つまたは複数の任意の要素を、請求項のうちのいずれかまたは全ての、肝要な、必要な、または不可欠な特徴部または要素と解釈することは、そのような利益、利点、解決策、または要素がそのような請求項内に明示的に述べられていない限り、すべきではない。
ゴルフのルールは時々変わることがある(例えば、全米ゴルフ協会(USGA)、ロイヤルアンドエンシェントゴルフクラブオブセントアンドリュース(R&A)等のようなゴルフの標準化組織および/または運営団体によって、新たな規定が採用されることがあり、または旧ルールが廃止もしくは修正されることがある)ので、本明細書で説明する装置、方法、および製品に関連するゴルフ用品は、任意の特定の時点のゴルフのルールに準拠していることもあり、準拠していないこともある。したがって、本明細書で説明する装置、方法、製品に関連するゴルフ用品は、準拠している、または準拠していないゴルフ用品として、広告され、売りに出され、および/または販売されることがある。本明細書で説明する装置、方法、および製品は、この点に関して限定されない。
さらに、本明細書で開示する実施形態および限定事項は、実施形態および/または限定事項が、(1)特許請求の範囲において明示的に特許請求されておらず、(2)均等論の下で、特許請求の範囲における明示的な要素および/もしくは限定事項の均等物であるか、または潜在的な均等物である場合、公有の原則の下で公に供されることはない。