JP2018515477A - 免疫調節薬の新規な結晶形 - Google Patents
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Abstract
本発明は、フォームB、フォームM、ポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶と命名されるポマリドミドの新規な固体結晶形およびその製造に関する。有利なことに、これらの固体形態は、多発性骨髄腫、炎症性疾患、自己免疫疾患、免疫疾患、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、貧血、強皮症、アミロイドーシスまたは他の望ましくない血管新生に関連する疾患の治療および予防のための医薬組成物において使用される。
Description
本発明は、ポマリドミドの新規な固体形態、さらに詳しくは、安定で容易に精製可能であり、ポマリドミドより水溶性が高い新規な共結晶、およびその製造方法に関する。
式I:
I
で示されるポマリドミドまたは(R,S)-4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジニル)-イソインドール-1,3-ジオン(CAS番号19171-19-8)は、抗炎症剤、免疫調節剤、抗腫瘍剤および抗血管新生剤として有効であり、特に、多発性骨髄腫の治療のために処方されるサリドマイドに類似の薬物である。
で示されるポマリドミドまたは(R,S)-4-アミノ-2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジニル)-イソインドール-1,3-ジオン(CAS番号19171-19-8)は、抗炎症剤、免疫調節剤、抗腫瘍剤および抗血管新生剤として有効であり、特に、多発性骨髄腫の治療のために処方されるサリドマイドに類似の薬物である。
ラセミ体のポマリドミドの製造は、Celgene Corporationを出願人とするWO2007005972A1特許出願に記載されている。
この特許出願の実施例3において、生成物は、反応に使用されるアセトニトリルから、融点315.5〜317.5℃の黄色固体結晶(HPLC純度99.57%)として沈殿する。
実施例17では、DMSO/水からのポマリドミドの沈殿が記載されている:このようにして得られた固体は、321-323℃の融点を有する(本明細書において、以降、フォーム0と称する)。しかしながら、この方法は、特許出願CN103288797AおよびCN103275062Aにおいて、DMSO/水からの沈殿によって粗生成物から得られたポマリドミドのサンプルで実施されたHPLC分析によって証明されるように、不純物を除去するのにはあまり有効ではない。
特許出願WO2014170909A2は、結晶形Iのいくつかの製造方法およびポマリドミドの精製方法を記載している。
特許出願WO2013126326A1は、フォームAと命名されたポマリドミド結晶形の製造および特徴付けを記載している。
特に、フォームAは、アセトニトリル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン(表4)ニトロメタンからの結晶化によって(段落00232)、およびアセトニトリル、水またはそれらの混合物中での懸濁を用いて(段落00233-00236)得られ、主にDSC、TGAおよびXRPDによって特徴付けられる(WO2013126326A1出願の図1-17)。
現在市販されているポマリドミドは、一般にDMSO/水からの沈殿によって得られ、それは非水溶性結晶性黄色粉末として出現し、水への溶解度が非常に低いという特徴を有する。
これに関して、欧州医薬品庁ポマリドミドセルジーン(Celgene)評価報告(EMA/CHMP/427059/2013)の文書の10頁と11頁には、「...活性物質....は、アセトン、アセトニトリル、塩化メチレン、メチルエチルケトンおよびTHFにわずかに可溶であり、無水エタノール、酢酸エチル、ヘプタン、メタノール、2-プロパノールおよびトルエンにはほとんど溶けず、水にはほとんど不溶性である」と記載されている。
WO2013126326A1の記載では、段落00219および表3に、水などのさまざまな溶媒中でのポマリドミドの溶解度についてのデータが報告されている。化合物は、この溶媒中で非常に低い溶解度(<1mg/ml)を有することが確認される。
米国食品医薬品局(FDA)の国際分類システム生物医薬品分類システム(BCS)(http://www.fda.gov/AboutFDA/CentersOffices/OfficeofMedicalProductsandTobacco/CDER/ucm128219.htm)によれば、ポマリドミドは、低溶解度および透過性を有するクラスIVの化合物である。このクラスの化合物は、一般にバイオアベイラビリティーが低く、通常、腸粘膜のレベルで、不十分かつ可変的にしか吸収されない。
FDA CEDER- Appl. No 204026Orig1s000 クリニカル・ファーマコロジー・アンド・バイオファーマシューティクス・レビューの24ページ(http://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/nda/2013/204026Orig1s000MedR.pdf pageからインターネットでも入手可能)には、2mgの用量でのポマリドミドは、pH1.2、4.5および6.8では250mlの水性媒体に可溶であるが、4mgの臨床用量はそうではないと記載されている。第13表に記載されており、以下の第1表にまとめられている飽和溶解度データから、溶液のpHを変化させることによってもポマリドミドの溶解度が有意に改善されないことが明らかである:
第1表
37℃におけるpHの関数としての水性媒体中の飽和溶解度
これは、ポマリドミドが水性媒体中に溶解する傾向が低いことをさらに確認する。
第1表
37℃におけるpHの関数としての水性媒体中の飽和溶解度
これは、ポマリドミドが水性媒体中に溶解する傾向が低いことをさらに確認する。
ポマリドミドの溶解度が低いと、特に高用量での経口バイオアベイラビリティが制限される。
したがって、この分野では、ポマリドミドの水への溶解度を高める必要性が、極めて長い期間維持されている。
しかしながら、ポマリドミド分子は、薬学的に許容されるとは限らない非常に強い酸または塩基を除いて、容易に塩化可能な官能基を有していないので、塩化による溶解度の改善は実現可能ではない。
この点において、我々が知る限りでは、文献において、ポマリドミドの塩はごくわずかしか記載されておらず、強酸との塩のみが記載されている。
特許出願WO2011050962A1においては、ポマリドミドの酸付加塩は、-10〜+4のpKa(25℃にて、水中)を有する一般的なHX酸、特に塩酸塩、硫酸塩(pKa<1)および酸性硫酸塩(pKa=1.92)をクレームする。発明の詳細な記載では、実施例5の製剤において、塩酸ポマリドミドのみが具体的に言及されているが、その製造は記載されておらず、溶解度および安定性に関して特に特徴付けはされていない。さらに、この特許出願では、別の塩の具体的な例は示されておらず、水への溶解度に関するデータもない。
結論として、我々が知る限りでは、現在のところ、ポマリドミドの固体形態は実際には利用可能ではなく、既知の形態よりも可溶性の高い形態はない。
その代わりに、安定しており、吸湿性ではなく、簡単なプロセスおよび高純度で製造されうる、最も高い臨床用量でさえ、より高い一定のインビボでの吸収を有し、より高い水溶性を有するポマリドミドの固体形態を得ることが望ましいであろう
発明の概略
本出願人は、驚くべきことに、先に論じた当技術分野の必要性である、改善された水溶性、安定性、製造の容易さおよび純度に応答する新しい固体形態のポマリドミドを見出した。
本出願人は、驚くべきことに、先に論じた当技術分野の必要性である、改善された水溶性、安定性、製造の容易さおよび純度に応答する新しい固体形態のポマリドミドを見出した。
したがって、本発明の第1の態様は、フォームB、フォームMおよびポマリドミドとゲンチジン酸の共結晶から選ばれるポマリドミドの新規な固体結晶形である。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様によるポマリドミドとゲンチジン酸の共結晶の製造方法であって、
a)既定量のポマリドミドを提供すること;
b)ポマリドミドに対して、モル比が4:1、3:1、2:1、1.5:1または1.2:1以下のゲンチジン酸を提供すること;
c)ポマリドミドとゲンチジン酸、場合によっては少なくとも1つの共結晶ポマリドミド:ゲンチジン酸を
c1)適切な溶媒中での溶解もしくは懸濁により、または
c2)任意に痕跡量の適切な溶媒の存在下で粉砕することによって、
接触させること;
d)本発明の第1の態様による共結晶を形成するのに必要な時間、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の接触を維持すること;および任意に
e)共結晶を溶媒から分離すること;
を含む方法。
a)既定量のポマリドミドを提供すること;
b)ポマリドミドに対して、モル比が4:1、3:1、2:1、1.5:1または1.2:1以下のゲンチジン酸を提供すること;
c)ポマリドミドとゲンチジン酸、場合によっては少なくとも1つの共結晶ポマリドミド:ゲンチジン酸を
c1)適切な溶媒中での溶解もしくは懸濁により、または
c2)任意に痕跡量の適切な溶媒の存在下で粉砕することによって、
接触させること;
d)本発明の第1の態様による共結晶を形成するのに必要な時間、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の接触を維持すること;および任意に
e)共結晶を溶媒から分離すること;
を含む方法。
本発明の第3の態様は、治療有効量の本発明の第1の態様によるフォームB、フォームM、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶ならびにそれらの混合物から選ばれるポマリドミドの固体結晶形ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物である。
本発明の第4の態様は、医薬品としての使用のための、本発明の第1の態様による、フォームB、フォームM、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶ならびにそれらの混合物から選ばれるポマリドミドの固体結晶形である。
本発明の第5の態様は、多発性骨髄腫、炎症性疾患、自己免疫疾患、免疫疾患、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、貧血、強皮症、アミロイドーシスまたは他の望ましくない血管新生に関連する疾患の予防および治療における使用のための、本発明の第1の態様による、フォームB、フォームM、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶ならびにそれらの混合物から選ばれるポマリドミドの固体結晶形である。
本発明の第6の態様は、粗ポマリドミドの精製方法であって、
a)既定量の粗ポマリドミドを提供すること;
b)ポマリドミドに対して、モル比が4:1、3:1、2:1、1.5:1または1.2:1以下のゲンチジン酸を提供すること;
c1)任意にポマリドミド:ゲンチジン酸の少なくとも1つの共結晶の存在下で、適切な溶媒中での溶解もしくは懸濁により、粗ポマリドミドおよびゲンチジン酸を接触させること;
d)本発明の第1の態様による共結晶を形成するのに必要な時間、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の接触を維持すること;
e)得られた共結晶を溶媒から分離すること;
f)任意に適切な溶媒から共結晶を結晶化させること;および
g)好ましくは適切な溶媒中での懸濁により、精製されたポマリドミドを共結晶から回収すること;
を含む方法。
a)既定量の粗ポマリドミドを提供すること;
b)ポマリドミドに対して、モル比が4:1、3:1、2:1、1.5:1または1.2:1以下のゲンチジン酸を提供すること;
c1)任意にポマリドミド:ゲンチジン酸の少なくとも1つの共結晶の存在下で、適切な溶媒中での溶解もしくは懸濁により、粗ポマリドミドおよびゲンチジン酸を接触させること;
d)本発明の第1の態様による共結晶を形成するのに必要な時間、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の接触を維持すること;
e)得られた共結晶を溶媒から分離すること;
f)任意に適切な溶媒から共結晶を結晶化させること;および
g)好ましくは適切な溶媒中での懸濁により、精製されたポマリドミドを共結晶から回収すること;
を含む方法。
定義
用語ポマリドミドは、一般に、ラセミ体および単一のRまたはS鏡像異性体の両方を示し、ラセミ体が好ましい。
用語ポマリドミドは、一般に、ラセミ体および単一のRまたはS鏡像異性体の両方を示し、ラセミ体が好ましい。
薬学的な文脈において、共結晶という用語は、結晶格子中に活性成分(API)および少なくとも1つの他の化合物(共形成剤(共形成剤))を含む固体結晶形を示す。共形成剤は、薬理学的に活性であっても非活性であってもよい。成分がイオン化された状態で結晶格子中に存在する塩とは異なり、共結晶では、成分は一般に中性状態にあり、可逆的な弱い非イオン性および非共有性相互作用を介して相互作用する。
略語APIは、Active Pharmaceutical Ingredient、すなわち薬理学的活性を有する活性物質を意味する。
XRPDという用語は、X線粉末回折を意味する。
DSCという用語は、示差走査熱量測定を意味する。
1 H-NMRは、プロトンの核磁気共鳴分光法を意味する。
用語TGAは、熱重量分析を意味する。
「治療有効量」は、疾患または障害を治療、緩和および/または予防するのに十分な量の活性成分を意味し、慣例的な実験を通して当業者が決定することができる。
発明の詳細な記載
フォームB、フォームM、およびポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶から選ばれるポマリドミドの新規な固体結晶形である。
フォームB、フォームM、およびポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶から選ばれるポマリドミドの新規な固体結晶形である。
ポマリドミド(フォームBおよびフォームM)の固体結晶形BおよびMは、それぞれ図1および図2に示されるディフラクトグラムXRPDによって特徴付けられる。
フォルムBと命名されたポマリドミドの結晶形は、クロロホルムの存在下でフォルムOを粉砕することによって、またはすでに結晶を有するものを、テトラヒドロフランまたはイソプロパノールの存在下でフォームOを粉砕する間に播種することによって製造することができる 。
フォームMと命名されたポマリドミドの結晶形は、フォームBを播種した後、イソプロパノール中で一晩攪拌しながらフォームOを懸濁させること(スラリー化)によって製造されうる。
フォームMの製造のための別の方法は、本明細書の実験部分に記載されているように、ジオキサン中で4日間攪拌(スラリー化)してフォームOを懸濁させ、フォームAを播種することを規定している。
ポマリドミドのフォームMは、有利なことに非吸湿性の形態であり、すなわち、100%の相対湿度に一晩曝した後でも水分を吸収しない。
既知のフォームOおよびAのXRPDディフラクトグラムと、ポマリドミドの2つの新規なフォームBおよびMのXRPDディフラクトグラムの重複から、これらの結晶形が、類似しているが区別可能であることが明らかである。特に、フォームB<フォームO<フォームM<フォームAの順序に従う約12.0°、16.6°および17.2°に2θの小さなシフトがあり、25.6°において最も強いピークに対応するが、それらは逆の順序で出現する。
実験部分に記載された溶媒中での懸濁による種々の形態の製造の試験の結果に基づいて、フォームMは、フォームBおよびフォームOよりも高い安定性を有すると結論付けることができる。
本発明の特に好ましい態様は、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶である。
出願人の知る限りでは、ポマリドミドの共結晶は知られていない。
対照的に、式IIで示される、ポマリドミドの類縁体であるレナリドミドの共結晶、特に、尿素(Crystal Growth & Design、2014、14 (6)、pp 3069−3077およびWO2013012485A2)、3,5-ジヒドロキシ安息香酸(Crystal Growth & Design、2014、14 (6)、pp 3069 -3077)、没食子酸、没食子酸プロピル、シュウ酸、マロン酸、塩化アンモニウムおよびDL-酒石酸(WO2013012485A2)との共結晶は、記載されている:
I II
ポマリドミド レナリドミド
ポマリドミド レナリドミド
上記の文献は、共形成剤としてのゲンチジン酸の選択について、レナリドミドについてもポマリドミドについても示唆はなく、可能な共結晶の特性を予測するための有益な情報も提供していない。
本出願人は、かなりの構造的類似性にもかかわらず、2つのAPIが共結晶の形成において、全く異なった予測可能でない挙動を示すことを実験的に見出した(実施例5、第6表参照)。実際に、ポマリドミドおよび上記文献によって示唆されたレナリドミドのいくつかの共形成剤、特に尿素、シュウ酸、DL-酒石酸および没食子酸プロピルで実施された共結晶製造試験は失敗した。
本出願人は、ゲンチジン酸(III)に構造的に非常に近い共形成剤、特にバニリン酸(IV)および2,4-ジヒドロキシ安息香酸(V):
III IV V
も試みているが、本発明の共結晶を播種してさえも成功していない。
も試みているが、本発明の共結晶を播種してさえも成功していない。
本出願人はまた、ニコチン酸、アスコルビン酸、安息香酸、ピリドキシン、ピリドキシン塩酸塩、L-ピログルタミン酸、L-リンゴ酸、4-アミノ安息香酸、L-プロリン、バニリン、グリコール酸、ソルビン酸、ベタイン、桂皮酸、L-グルタミン酸、塩酸コリン、マルトール、ギ酸などの上記の先行技術において示唆されていないいくつかの他の共形成剤を用いてポマリドミドの共結晶を製造しようと試みたが、常に否定的な結果しか得られなかった。
予期せぬことに、ゲンチジン酸または2,5-ジヒドロキシ安息香酸が、ポマリドミドと共結晶を形成することができるとみんされたものの中で唯一の共成体であった。
ゲンチジン酸は、弱い有機酸(25℃で、pKa=2.93)であり、水に非常に溶けやすい。それは鎮痛および抗炎症特性も有するサリチル酸の代謝産物であり、たとえば、酸化防止剤および安定剤などの医薬製剤に使用される。
ポマリドミドは、計算された11.61のpKa値を特徴とする(pKb=2.39に対応)。ポマリドミドとゲンチジン酸の間のpKの差(pKb-pKa)は、1未満であり、共結晶の問題においてFDAガイドライン(ウエブサイトでも利用可能:http://www.fda.gov/downloads/Drugs/.../guidances/UCM281764.pdf)によって定められた要件を満たす。
これらのガイドラインによれば、実質的にAPIと共形成剤との間のプロトン移動が起こらない、すなわち、塩基のpKbと酸のpKaの差が1未満である場合に、複合体は、共結晶であると考えられる。
これらのガイドラインによれば、実質的にAPIと共形成剤との間のプロトン移動が起こらない、すなわち、塩基のpKbと酸のpKaの差が1未満である場合に、複合体は、共結晶であると考えられる。
本共結晶中のポマリドミドは、ラセミ形態、または単一のエナンチオマー形態、またはそれらの混合物のいずれかであり得るが、好ましくはラセミ体のポマリドミドである。
実験部分に記載された過剰のポマリドミドまたはゲンチジン酸の存在下での粉砕製造試験によって立証されているように、本発明の共結晶は、1:1のモル比のポマリドミドおよびゲンチジン酸を含み、それは、NMR分析によって確認される。
実験部分に記載された過剰のポマリドミドまたはゲンチジン酸の存在下での粉砕製造試験によって立証されているように、本発明の共結晶は、1:1のモル比のポマリドミドおよびゲンチジン酸を含み、それは、NMR分析によって確認される。
本発明の共結晶の結晶形は、本明細書においてフォーム1と称され、図8に示されたものに実質的に対応するXRPDディフラクトグラムによって特徴付けられる。
用語「実質的に対応する」とは、XRPDディフラクトグラム中のピークの2θ(°)の値が±10%以下、好ましくは±5%以下、さらに好ましくは±1%または±0.5%以下で変動しうることを意味する。
図7のXRPDスペクトルは、ポマリドミド、ゲンチジン酸およびそれらの共結晶の混合物に関連し、たとえば、7.5°辺りおよび約10.1°辺りのピーク2θなどの、出発物質ポマリドミドおよびゲンチジン酸の両方についての特徴的なシグナルの存在を示しており、これらは、図8の共結晶のXRPDスペクトルではもはや検出されないシグナルである。
XRPDで測定したポマリドミド:ゲンシシン酸共結晶フォーム1は、少なくとも13.7、14.2および26.0辺りのピーク2θ(°)を特徴とする。
「辺りのピーク2θ(°)」という用語は、XRPDディフラクトグラムのピークの2θ(°)値が±10%以下、好ましくは±5%以下、 さらにより好ましくは±1%または±0.5%以下で変動してもよいことを意味する。
ポマリドミドおよびゲンチジン酸共結晶フォーム1は、XRPDによって測定される、少なくとも10.9、13.7、14.2、21.5、25.3および26.0辺りのピーク2θ(°)を特徴とするのが好ましい。
XRPD分析によって特徴付けられる、本発明によるポマリドミドおよびゲンチジン酸共結晶フォーム1は、少なくとも以下の第4a表:
第4a表
に示されるそれぞれの相対強度を有するシグナルを有するのが好ましい。
第4a表
に示されるそれぞれの相対強度を有するシグナルを有するのが好ましい。
XRPD分析によって特徴付けられる、本発明によるポマリドミドおよびゲンチジン酸共結晶フォーム1は、少なくとも以下の第4b表:
第4b表
に示されるそれぞれの相対強度を有するシグナルを有するのが好ましく、
少なくとも以下の第4c表:
第4c表
に示されるそれぞれの相対強度を有するシグナルを有するのがより好ましい。
第4b表
に示されるそれぞれの相対強度を有するシグナルを有するのが好ましく、
少なくとも以下の第4c表:
第4c表
に示されるそれぞれの相対強度を有するシグナルを有するのがより好ましい。
本発明のポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶は、さらに、1H-NMR分析、DSC、およびTGA(それぞれ、図3、5および6)によって特徴付けられる。
図3の1 H-NMR分析は、共結晶中での1:1のモル比でのポマリドミドとゲンチジン酸の存在を確認している(図9のポマリドミド単独のNMRトレースと比較)。
図5および図6の熱分析から、本共結晶は、融解する前に減量を伴って水を放出しないので、約232℃(約226℃でピークの開始)で融解し、より高温で分解し、水和形態ではないことが示される。
約232℃という用語は、融解ピークの温度232℃に対して、±10%、好ましくは±5%、より好ましくは±1%または±0.5%の温度範囲を意味する。
本発明の共結晶は、図5に示されるDSCダイアグラムによって特徴付けられる。
本明細書の実験部分の実施例9にて実証されるように、本発明によるポマリドミド:ゲンチジン酸(1:1)の共結晶は、ポマリドミドよりも水中で、特に酸性pHにおいてより高い溶解度を有する。
本発明の共結晶は、実施例8の水中での試験および実施例10に記載の高相対湿度条件下での安定性の試験から明らかなように、水性媒体中で安定であり、水和物を形成する傾向がない。有利なことに、本発明の共結晶は、通常の貯蔵条件および製薬処理(たとえば、湿式造粒、圧縮(compression)、圧縮(compaction)など)下で安定である。
本発明の共結晶は、水溶性がより高いゆえに、高用量であっても、特に胃のレベルで、より吸収性の高い形態でのポマリドミドの投与に都合がよいので、薬学的観点から特に興味深い。
ポマリドミドに関して、ポマリドミドの本発明の共結晶の使用における別の利点は、その高分子量にある。現在のポマリドミドの治療用量は、1カプセルあたり1〜4mgで変化する。当然のことながら、そのような少量の活性成分を、分散を保証する賦形剤と均一に混合することは困難である。
増加した分子量ゆえに、本発明の共結晶は、投与量単位あたりより多くの量で使用され、したがって固体形態の賦形剤中での活性物質のより良好な分布を可能にする。
本発明の共結晶は、ポマリドミドを精製するための中間体としても有用である。
事実、本出願人は、粗ポマリドミドから出発して、高純度の本発明の共結晶を得ることができることを観察している。
本発明の共結晶は、好適な製剤中のポマリドミドの固体投与形態として直接使用することができ、またはより高い純度を有するポマリドミドのその後の放出のための中間体として働くことができる。
共形成剤であるゲンチジン酸が薬局方に承諾されているので、本共結晶は直接投与されうる。
代わって、共結晶が精製のための中間体として使用される場合、精製されたポマリドミドは、たとえば、本明細書の実験部分に記載されているように、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、エタノール、イソプロパノールおよびアセトンなどの適切な溶媒中で、十分な時間、共結晶を振とうすることによるなどの適切な処理によって共結晶から回収されうる。
本発明の第2の態様は、本発明によるポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶の製造方法である。
本発明の第2の態様は、本発明によるポマリドミドとゲンチジン酸の共結晶の製造方法である。
この方法は、
a)既定量のポマリドミドを提供すること;
b)ポマリドミドに対して、モル比が4:1、3:1、2:1、1.5:1または1.2:1以下のゲンチジン酸を提供すること;
c)ポマリドミドとゲンチジン酸、場合によっては少なくとも1つの共結晶ポマリドミド:ゲンチジン酸を
c1)適切な溶媒中での溶解もしくは懸濁により、または
c2)任意に痕跡量の適切な溶媒の存在下で粉砕することによって、
接触させること;
d)本発明の第1の態様による共結晶を形成するのに必要な時間、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の接触を維持すること;および任意に
e)共結晶を溶媒から分離すること;
を含む。
a)既定量のポマリドミドを提供すること;
b)ポマリドミドに対して、モル比が4:1、3:1、2:1、1.5:1または1.2:1以下のゲンチジン酸を提供すること;
c)ポマリドミドとゲンチジン酸、場合によっては少なくとも1つの共結晶ポマリドミド:ゲンチジン酸を
c1)適切な溶媒中での溶解もしくは懸濁により、または
c2)任意に痕跡量の適切な溶媒の存在下で粉砕することによって、
接触させること;
d)本発明の第1の態様による共結晶を形成するのに必要な時間、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の接触を維持すること;および任意に
e)共結晶を溶媒から分離すること;
を含む。
本発明の方法は、以下の特徴のうちの1つ以上を、単独で、または組み合わせて用いることを特徴とする。
本発明の方法は、出発物質としてポマリドミドおよびゲンチジン酸を使用することに基づく。
ポマリドミド(PM 273.24)を、たとえば、米国特許6395754および5635517に記載されている、4-アミノ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-イソインドールのクラスの一般的な製造方法などの、既知の方法の1つにしたがって、製造することができ、あるいは、さらに詳しくは、Celgene Corporationによって出願された特許出願WO2007005972に記載されているようにラセミ体で、またはにUS6476052したがって単一のエナンチオマーとして製造することができる。
本発明の方法のポマリドミドは、好ましくはラセミ体である。
本発明の共結晶の製造において、ポマリドミド出発材料は、非晶質形態または任意の結晶形態、たとえば、フォームO、フォームA、フォーム1、フォームBまたはフォームM、好ましくは、フォームOでありうる。
本発明の方法において、ポマリドミド出発材料は、反応媒体中に存在したままであるか、または好ましくは媒体から単離され、任意に1種以上の不純物または微量の溶媒を含有する、粗ポマリドミドでありうる。本発明の製造方法は、粗生成物中に含まれる不純物の還元を可能にし、したがって、高純度の共結晶が得られるが、特に、少なくとも1回のさらなる結晶化後に共結晶を得るのが有利である。
あるいは、あるいは、ポマリドミド出発物質は、部分的または完全に精製されたポマリドミドでありうる。
共結晶の製造に使用されるゲンチジン酸は、ポマリドミドに対して、4:1〜1:4、好ましくは3:1〜1:3、2:1〜1:2のモル比、より好ましくは 1:1.5〜1.5:1、さらにより好ましくは1:1.2〜1.2:1または約1:1のモル比で用いられうる。
共結晶の製造において、ゲンチジン酸が、ポマリドミドに対して、モル過剰で使用されるのが好ましい。
共結晶の製造において、ゲンチジン酸が、ポマリドミドに対して、4:1、3:1、2:1、1.5:1または1.2:1以下のモル過剰で使用されるのが好ましい。
本発明の方法において、ポマリドミドとゲンチジン酸を接触させる工程は、さまざまな方法で実現されうる。
本発明の方法の第1の実施態様において、ゲンチジン酸は、部分的に溶解または懸濁された粗ポマリドミドを含む、好ましくは共結晶フォーム1を播種している最終反応媒体に直接添加されうる。
溶媒、濃度および操作温度を適切に選択することにより、粗ポマリドミドよりも高純度の共結晶を得て、直接沈殿させることができ、有利なことには、方法を単純化し、時間およびコストを削減することができる。実際に、より高純度の所望の生成物を単一工程で得ることが可能である。
別の実施態様では、単離された粗ポマリドミドまたは既に精製されたポマリドミドを適切な溶媒に溶解し、好ましくは共結晶を播種した後にゲンチジン酸の添加(溶液からの沈殿または結晶化)によって共結晶を沈殿させることが可能である 。
本発明の方法の好ましい別の実施態様では、ポマリドミドおよびゲンチジン酸は、攪拌下で、好ましくは共結晶フォーム1を播種されて、溶媒中に懸濁される(スラリー化)。
ゲンチジン酸(MW 154.12)が、4:1〜1:4、好ましくは1:3〜3:1、2:1〜1:2、より好ましくは1:1.5〜1.5:1、さらにより好ましくは1:1.2〜1.2:1のモル比で使用されるのが好ましい。
ポマリドミドに対して、モル過剰のゲンチジン酸が使用されるのが好ましい。
共結晶の製造において、ゲンチジン酸が、ポマリドミドに対して、4:1以下、3:1以下、2:1以下、1.5:1以下または1.2:1以下のモル過剰で使用されるのが好ましい。
ゲンチジン酸が、ポマリドミドに対して、2.1:1〜1.1:1で使用されるのが好ましい。
懸濁液に使用される溶媒が、アセトニトリル、水、酢酸イソブチルおよびそれらの混合物、より好ましくはアセトニトリル、水またはそれらの混合物から選択されるのが好ましい。
溶媒が、1〜15ml/g、より好ましくは5〜12ml/g、さらにより好ましくは6〜10ml/gの体積比(ml/g)(ポマリドミドの重量に対する溶媒の体積)で使用されるのが好ましい。
溶媒が、15ml/g未満、より好ましくは10ml/g未満、さらにより好ましくは8ml/g未満の体積比(ml/g)(ポマリドミドの重量に対する溶媒の体積)で使用されるのが好ましい。
溶液または懸濁液の温度が、室温〜60℃、より好ましくは約50℃であるのが好ましい。
溶液または懸濁液が、30分〜24時間、より好ましくは1〜12時間、さらにより好ましくは1.5〜5時間撹拌されるのが好ましい。
共結晶の形成において、懸濁液に、少なくとも1つのポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶フォーム1を添加するのが好都合であった。
本発明の方法の好ましい実施態様において、ポマリドミドおよびゲンチジン酸は、共結晶フォーム1を播種され、室温で一晩撹拌下(スラリー化)、6.6体積のアセトニトリル(ml/g)中に、1:2のモル比で懸濁される。
本発明の方法の好ましい実施態様において、ポマリドミドおよびゲンチジン酸は、共結晶フォーム1を播種され、50℃で一晩撹拌下(スラリー化)、10体積の水(ml/g)中に、1:2のモル比で懸濁される。
本発明の方法の好ましい実施態様において、ポマリドミドおよびゲンチジン酸は、共結晶フォーム1を播種され、50℃で3時間撹拌下(スラリー化)、10体積の水(ml/g)中に、1:1.5のモル比で懸濁される。
得られたポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶フォーム1が、遠心分離、デカンテーションまたは濾過、好ましくは濾過により溶媒から分離されるのが好ましい。
あるいは、本発明の方法の前記の実施態様において、添加の順序を逆にすること、すなわちポマリドミドまたはその溶液または懸濁液を、適切な溶媒に溶解または懸濁したゲンチジン酸に添加することによって進行させることが可能である。
本発明の方法のもう1つの実施態様において、ポマリドミドおよびゲンチジン酸は、任意に痕跡量の溶媒の存在下で(混練)、任意に共結晶フォーム1を播種されて、固体状態で一緒に粉砕される(共粉砕)。
本発明の共粉砕の方法において、ゲンチジン酸が、ポマリドミドに対して、2:1〜1:2、より好ましくは1.5:1〜1:1.5、さらにより好ましくは1:1.2〜1.2:1または約1:1のモル比で使用されるのが好ましい。
それが存在する場合、溶媒が、水、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メタノール、イソプロピルアルコールおよびそれらの混合物、より好ましくは水から選ばれるのが好ましい。
共粉砕において、溶媒が、微量で、好ましくは溶媒/ポマリドミドの重量の体積比(ml/g)が10ml/g未満、5ml/g未満、2ml/g未満、1ml未満/gまたは0.5ml/g未満で使用されるのが好ましい。
共粉砕は、少量については手動にて乳鉢で、または工業的には、たとえば、製薬分野の固体を粉砕するために一般的に使用されるミル(ボールミル、振動ミルまたは他のもの)を用いて行うことができる。
共粉砕が、室温で、任意に過熱を防止するために冷却によって実施されるのが好ましい。
任意の溶媒が、任意に真空下で蒸発させることにより、共結晶から分離されるのが好ましい。
ポマリドミドとゲンチジン酸を接触させる工程は、適切な溶媒中で攪拌しながら懸濁させること(スラリー化)によって行われるのがより好ましい。
本発明の共結晶の製造方法は、一般に、ポマリドミド出発物質に対して、70%より高い、80%より高い、好ましくは90%以上の収率を示す。
任意に、本発明の方法によって得られた共結晶を、結晶化により、好ましくはアセトニトリル、水またはそれらの混合物からの結晶化により、さらに精製することができる。
本発明の第3の態様は、治療有効量の、本発明の第1の態様による、フォームB、フォームM、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶ならびにそれらの混合物から選ばれるポマリドミドの固体結晶形、および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物である。
本発明の医薬組成物が、固体形態、たとえば、粉末、錠剤、カプセルまたは顆粒であるのが好ましい。
治療有効量は、たとえば、治療または予防される疾患、その重篤度、使用される特定の薬学的組成物、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、および患者の食事;投与の方法、タイミングおよび経路;ポマリドミドの個人排出率、治療期間、他の薬物の同時投与および当技術分野で周知の他の因子などの多数の要因に依存する。
本発明の医薬組成物が、1回の投与当たり、0.1〜100mg、0.5〜50mg、0.5〜25mg、より好ましくは0.5〜10mg、または0.5〜5mgの投薬量で、本発明のポマリドミドの1種以上の固体形態を含むのが好ましい。
本発明の医薬組成物が、1回の投与当たり、0.1〜100mg、0.5〜50mg、0.5〜25mg、より好ましくは0.5〜10mg、または1〜7mgの投薬量で、本発明のポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶を含むのが好ましい。
本発明の医薬組成物が、本発明によるポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶を含むのが好ましい。
本発明の医薬組成物が、ポマリドミドを含む個々の市販の投与剤形(Imnovid カプセル、投与単位当たり1〜4 mgのポマリドミドを含む)に現在含まれている量と治療的に等価な量で、本発明によるポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶を含むのが好ましい。
有利なことには、本発明の医薬組成物は、改良された溶解特性、およびその結果としての共結晶吸収を理由として、比例的、より少量のポマリドミドを含むことができる。
本発明の医薬組成物の少なくとも1つの賦形剤は、「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」 22nd Edに記載されているような、医薬分野、特に固体剤形用に一般的に使用されるものから選択されうる。
本発明のポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶は、同じ含量の活性成分であるが、かなりの重量増加(PMポラリドミド273.24、PM共結晶427.36)ゆえに、有利なことに、改善された投薬および固体成分中のより良好な分散を可能にする。
任意に、本発明の医薬組成物は、少なくとも第2の活性物質、好ましくはステロイド、抗生物質または抗腫瘍剤、より好ましくはデキサメタゾンなどのステロイドを含むことができる。
本発明組成物における会合に適した可能な第2の活性成分の例は、特許出願WO2013126326A1のセクション00128に記載されている。
本発明の医薬組成物は、たとえば、「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」 22nd Edなどに記載の公知の方法に従って製造されうる。
本発明の第4の態様は、医薬として使用するための、本発明の第1の態様による、フォームB、フォームM、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶ならびにそれらの混合物から選ばれるポマリドミドの固体結晶形である。
本発明の第5の態様は、多発性骨髄腫、炎症性疾患、自己免疫疾患、免疫疾患、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、貧血、強皮症、アミロイドーシスまたは望ましくない血管新生に関連する他の疾患の予防および治療において使用するための、本発明の第1の態様による、フォームB、フォームM、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶ならびにそれらの混合物から選ばれるポマリドミドの固体結晶形である。
さらに詳しくは、本発明のポマリドミドの固体形態およびそれらの医薬組成物は、特許出願WO2013126326A1の段落00124から段落00126に列挙されたような病状の予防または治療における使用に適している。
本発明の第6の態様は、ポマリドミドの精製方法であって、
a)既定量の粗ポマリドミドを提供すること;
b)ポマリドミドに対して、モル比が4:1、3:1、2:1、1.5:1または1.2:1以下のゲンチジン酸を提供すること;
c1)任意にポマリドミド:ゲンチジン酸の少なくとも1つの共結晶の存在下で、適切な溶媒中での溶解もしくは懸濁により、粗ポマリドミドおよびゲンチジン酸を接触させること;
d)本発明の第1の態様による共結晶を形成するのに必要な時間、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の接触を維持すること;
e)得られた共結晶を溶媒から分離すること;
f)任意に適切な溶媒から共結晶を結晶化させること;および
g)好ましくは適切な溶媒中での懸濁により、精製されたポマリドミドを共結晶から回収すること;
を含む方法。
a)既定量の粗ポマリドミドを提供すること;
b)ポマリドミドに対して、モル比が4:1、3:1、2:1、1.5:1または1.2:1以下のゲンチジン酸を提供すること;
c1)任意にポマリドミド:ゲンチジン酸の少なくとも1つの共結晶の存在下で、適切な溶媒中での溶解もしくは懸濁により、粗ポマリドミドおよびゲンチジン酸を接触させること;
d)本発明の第1の態様による共結晶を形成するのに必要な時間、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の接触を維持すること;
e)得られた共結晶を溶媒から分離すること;
f)任意に適切な溶媒から共結晶を結晶化させること;および
g)好ましくは適切な溶媒中での懸濁により、精製されたポマリドミドを共結晶から回収すること;
を含む方法。
用語「粗ポマリドミド」は、一般に総量10%未満、5%未満、好ましくは3%未満の量で含まれる、合成の出発物質の残留物または反応副生成物の1種以上などの不純物を少なくとも含有するポマリドミドを意味する。
本発明の精製方法は、単独または組み合わせて、本発明の共結晶の製造方法についてすでに上に列挙した特徴の1つ以上によって特徴付けられる。
さらに詳しくは、本発明の方法におけるポマリドミド出発材料は、反応媒体中に存在したままであるか、または好ましくは媒体から単離され、たとえば、前述の既知の方法に従って製造された粗ポマリドミドと呼ばれる1種以上の不純物を含有する、粗ポマリドミドである。
1つの実施態様において、ゲンチジン酸を、好ましくは共結晶フォーム1を播種して、溶解または懸濁された粗ポマリドミドを含む最終反応媒体に直接添加することができる。
好ましい実施態様において、本発明の精製方法は、アセトニトリル、水、酢酸イソブチルおよびそれらの混合物、より好ましくはアセトニトリル、水またはそれらの混合物から選ばれる適切な溶媒に粗ポマリドミドを懸濁させ、次いで、好ましくは共結晶フォーム1を播種して、攪拌下、ゲンチジン酸を添加することによって実行される。
ゲンチジン酸(MW 154.12)が、4:1〜1:4、好ましくは1:3〜3:1、2:1〜1:2、より好ましくは1:1.5〜1.5:1または1:1.2〜1.2:1のモル比で使用されるのが好ましい。
ポマリドミドに対して、モル過剰のゲンチジン酸が使用されるのが好ましい。
ゲンチジン酸が、ポマリドミドに対して、2.1:1〜1.1:1で使用されるのが好ましい。
本発明のポマリドミドの精製方法において、ゲンチジン酸が、ポマリドミドに対して、4:1以下、3:1以下、2:1以下、1.5:1以下または1.2:1以下のモル過剰で使用されるのが好ましい。
溶媒が、1〜15ml/g、より好ましくは5〜12ml/g、さらにより好ましくは6〜10ml/gの体積比(ml/g)(ポマリドミドの重量に対する溶媒の体積)で使用されるのが好ましい。
溶媒が、15ml/g未満、より好ましくは10ml/g未満、さらにより好ましくは8ml/g未満の体積比(ml/g)(ポマリドミドの重量に対する溶媒の体積)で使用されるのが好ましい。
ポマリドミドおよびゲンチジン酸を含む溶液または懸濁液の温度が、室温〜60℃、より好ましくは35℃〜55℃、さらにより好ましくは約50℃であるのが好ましい。
溶液または懸濁液が、30分〜24時間、より好ましくは1〜12時間、さらにより好ましくは1.5〜5時間撹拌されるのが好ましい。
得られたポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶フォーム1が、遠心分離、デカンテーションまたは濾過、好ましくは濾過により溶媒から分離されるのが好ましい。
任意に、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶を、適切な溶媒からの結晶化により、好ましくはアセトニトリルからの結晶化により、さらに精製することができる。
ポマリドミドが、たとえば、本明細書の実験部分に記載されているように、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、エタノール、イソプロパノールおよびアセトンなどの適切な溶媒中で、十分な時間、共結晶を攪拌することによるなどの適切な処理によって本発明の共結晶から回収されるのが好ましい。
純度を高めるために、共結晶の生成と分離、およびポマリドミドの回収工程を繰り返すことが可能である。
有利なことに、本発明の精製方法は、一般に、既知の方法(たとえば、DMSO/水からの結晶化方法)での精製よりも良好な高い収率での、精製されたポマリドミド、すなわち、実施例10に例示されているような粗出発物質よりも不純物含有量が低いポマリドミドの回収を可能にする。
説明を目的とし、本発明を限定するものではないが、以下の実施例を示す。
実施例
分析機器および分析操作条件
本明細書に示されたXRPDデータは、ブラッグ-ブレンターノ(Bragg-Brentano)構造にCu-Kα放射線を有するPANalytical XPert回折計を使用して測定された。このシステムは、一次元検出器RTMS(リアルタイムマルチプルストリップ)を備えた。ディフラクトグラムは、スキャン速度0.0821°/sで、3°から40°(2θ)まで獲得された。サンプルは、石英試料ホルダーの表面上に生成物の薄層を圧縮することにより製造された。安全の理由から、サンプルをプラスチックフィルムで覆った。このプラスチック材料のXRPDスペクトルは、非晶質プロファイル(図4、バックグラウンドノイズ)を有し、分析された結晶形態のシグナルに干渉しなかった。
分析機器および分析操作条件
本明細書に示されたXRPDデータは、ブラッグ-ブレンターノ(Bragg-Brentano)構造にCu-Kα放射線を有するPANalytical XPert回折計を使用して測定された。このシステムは、一次元検出器RTMS(リアルタイムマルチプルストリップ)を備えた。ディフラクトグラムは、スキャン速度0.0821°/sで、3°から40°(2θ)まで獲得された。サンプルは、石英試料ホルダーの表面上に生成物の薄層を圧縮することにより製造された。安全の理由から、サンプルをプラスチックフィルムで覆った。このプラスチック材料のXRPDスペクトルは、非晶質プロファイル(図4、バックグラウンドノイズ)を有し、分析された結晶形態のシグナルに干渉しなかった。
DSC分析を、Mettler DSC822e機器を用いて行なった。サンプルは、穿孔した蓋を有する40μLのアルミニウム製るつぼに化合物を秤量し、30℃〜350℃まで10℃/分で窒素下(流量50mL/分)で加熱することによって製造した。
熱重量分析またはTGA分析を、熱重量分析計Mettler TGA/SDTA851eを用いて行った。サンプルは、穿孔した蓋を有する70μLのアルミニウム製るつぼに化合物を秤量し、30℃〜350℃まで10℃/分で窒素下(流量50mL/分)で加熱することによって製造した。
1H-NMRプロトン磁気共鳴分析を、5mmブロードバンドプローブATB 1H/19F/Xを備えたVarian Mercury 400分光計で、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-D6)中で行った。スペクトルを、重水素化された0.6mlの溶媒に5〜10mgのサンプルを溶解することによって得た。
以下の操作条件および器具類により、サンプルの純度を決定するためのHPLC分析(高速液体クロマトグラフィー)を実施した:
カラム:Zorbax Eclipse C18 (XDB)、150 x 4.6 mm、5ミクロン
サンプル濃度:0.5 mg/ml、ACN:H2O:H3PO4 (65:35:0.2 v/v)中
移動相:A:ACN:H2O:H3PO4 (5:95:0.1 v/v)、B:ACN
勾配:1分 (90:10)、20分 (75:25)
温度:40℃
流速:1ml/分
UV検出(波長):225 nm
注入:5ml
捕捉時間:21分
カラム:Zorbax Eclipse C18 (XDB)、150 x 4.6 mm、5ミクロン
サンプル濃度:0.5 mg/ml、ACN:H2O:H3PO4 (65:35:0.2 v/v)中
移動相:A:ACN:H2O:H3PO4 (5:95:0.1 v/v)、B:ACN
勾配:1分 (90:10)、20分 (75:25)
温度:40℃
流速:1ml/分
UV検出(波長):225 nm
注入:5ml
捕捉時間:21分
ポマリドミドのフォームOの製造および特徴付け
15gのラセミポマリドミドのフォームOを、特許出願WO2007005972に記載された手順、特に実施例17にしたがって製造した。この特許出願に記載されているように、DMSO/水によって最終的な結晶化を達成した。
15gのラセミポマリドミドのフォームOを、特許出願WO2007005972に記載された手順、特に実施例17にしたがって製造した。この特許出願に記載されているように、DMSO/水によって最終的な結晶化を達成した。
生成物を、1H-NMR、DSCおよびTGAによって特徴付けた(図9〜12)。
予備溶解性試験
ポマリドミドのフォームOの溶解度に関する予備的試験を、以下の第5表に示すさまざまな溶媒および操作条件にて行った:
ポマリドミドのフォームOの溶解度に関する予備的試験を、以下の第5表に示すさまざまな溶媒および操作条件にて行った:
略語:DMSO:ジメチルスルホキシド;DMF:ジメチルホルムアミド;NMP:N-メチルピロリドン;AcOiBu:イソブチルアセテート;MIBK:メチルイソブチルケトン;EtOH:エタノール。
得られたデータは、多くの有機溶媒、および特に水中でのポマリドミドの難溶性の文献値を確認する。
ポマリドミドのフォームAの製造および特徴付け
1.2gのラセミポマリドミドのフォームAを、特許出願WO2013126326A1の段落00233に記載された手順にしたがって、水およびアセトニトリルに実施例1のポマリドミドのフォームOを50℃にて20時間攪拌しながら懸濁させて、製造した。
1.2gのラセミポマリドミドのフォームAを、特許出願WO2013126326A1の段落00233に記載された手順にしたがって、水およびアセトニトリルに実施例1のポマリドミドのフォームOを50℃にて20時間攪拌しながら懸濁させて、製造した。
生成物を、XRPDおよびDSCによって特徴付けた(図13および14)。
結晶フォームAは、WO2013126326A1に記載された生成物の同じXRPDピークを提供する(図25参照)が、本ディフラクトグラム(図13)では、保護プラスチックフィルムの存在により、前記特許出願の図25では検出できない、図4に示す非晶質のプロファイルが追加されている。
ポマリドミドのフォームAは、317.14℃(融解)から始まる鋭い吸熱ピークを特徴とする(図14)。
ポマリドミドのフォームBの製造および特徴付け
実施例1と同様にして製造したポマリドミドのフォームO(クロロホルム10mlで湿らせたもの)の1gを乳鉢で約180分間粉砕し、真空下で乾燥して、新規なポマリドミドのフォームBを結晶性粉末として得た。
実施例1と同様にして製造したポマリドミドのフォームO(クロロホルム10mlで湿らせたもの)の1gを乳鉢で約180分間粉砕し、真空下で乾燥して、新規なポマリドミドのフォームBを結晶性粉末として得た。
新規なポマリドミドのフォームBを、XRPDによって特徴付けた(図1)。
あるいは、ポマリドミドのフォームBは、クロロホルム、テトラヒドロフランまたはイソプロパノールの存在下、ポマリドミドのフォームOおよびL-酒石酸(1:1)を粉砕することによって得られた。このようにして得られた生成物を、それぞれテトラヒドロフランまたはイソプロパノールの存在下でポマリドミドのフォームOを粉砕することによって実施されたポマリドミドのフォームBの他の製造において、結晶化種子として用いた。
ポマリドミドのフォームMの製造および特徴付け
実施例1と同様にして製造したポマリドミドのフォームOの1gをイソプロパノール20mlに懸濁し、ポマリドミドのフォームBの結晶を播種し、室温で一晩撹拌し、ろ過、乾燥後に、新規なポマリドミドのフォームMを結晶性粉末として得た。
実施例1と同様にして製造したポマリドミドのフォームOの1gをイソプロパノール20mlに懸濁し、ポマリドミドのフォームBの結晶を播種し、室温で一晩撹拌し、ろ過、乾燥後に、新規なポマリドミドのフォームMを結晶性粉末として得た。
新規なポマリドミドのフォームMを、XRPDによって特徴付けた(図2)。
ポマリドミドのフォームMの安定性(水分への暴露)
ポマリドミドのフォームMを水分安定性試験に付した。上記のようにして製造した100mgのポマリドミドのフォームMを室温にて100%相対湿度(RH100%)で一晩維持し、XRPDで分析した。フォームMは、構造内に水を吸収せず、別の結晶形に変換されず、医薬用途に適合した安定性を示した。
ポマリドミドのフォームMを水分安定性試験に付した。上記のようにして製造した100mgのポマリドミドのフォームMを室温にて100%相対湿度(RH100%)で一晩維持し、XRPDで分析した。フォームMは、構造内に水を吸収せず、別の結晶形に変換されず、医薬用途に適合した安定性を示した。
ポマリドミド共結晶の形成スクリーニング
下記第6表に示すように、ポマリドミド共結晶の形成実験を、50mgのポマリドミドのフォームOとさまざまな共形成剤を出発原料として、ポマリドミド 対 共形成剤のモル比(R mol)、方法および溶媒の種類を変化させて行った:
下記第6表に示すように、ポマリドミド共結晶の形成実験を、50mgのポマリドミドのフォームOとさまざまな共形成剤を出発原料として、ポマリドミド 対 共形成剤のモル比(R mol)、方法および溶媒の種類を変化させて行った:
略語:H2O:水;CHCl3:クロロホルム;DMF:ジメチルホルムアミド;THF:テトラヒドロフラン;MeOH:メタノール、IPA:イソプロパノール;ACN:アセトニトリル;MIK:メチルイソブチルケトン;AcOiBu:酢酸イソブチル;AG:ゲンチジン酸;PMD:ポマリドミド。
粉砕条件:0.5mlの溶媒、室温にて3時間。
懸濁条件:0.5mlの溶媒、室温にて5時間攪拌下。
懸濁条件:0.5mlの溶媒、室温にて5時間攪拌下。
最終生成物をXRPDにより分析した。
このスクリーニングから、本発明のポマリドミド:ゲンチジン酸(1:1)を播種することなく粉砕することにより得られた、ただ1つの共結晶のみがもたらされた。
表から、ゲンチジン酸に非常に類似しているバニリン酸および2,4-ジヒドロキシ安息香酸、およびたとえば、類似のレナリドマイドと共結晶を形成するのに適している尿素、シュウ酸、DL-酒石酸および没食子酸プロピルなどの他の共生成剤が、所望の共結晶をもたらさなかったことは明らかである。
ポリマドミドに対して、ゲンチジン酸のさまざまな比率(1:2、1:1、2:1)を用いる水中での湿式粉砕試験から、共結晶の比率が、1:1であることが確認されている。XRPDディフラクトグラムでは、化学量論量に関してモル過剰で使用される場合に、ゲンチジン酸またはポマリドミドのシグナルが見える。
本発明によるポマリドミド:ゲンチジン酸(1:1)の共結晶は、さまざまな溶媒(H2O、CHCl3、DMF、THF、MeOH、IPA)から得られ、したがって、溶媒和した形態または水和した形態でもないことがTGAによって確認された。
溶媒中の懸濁による、ポマリドミド:ゲンチジン酸 1:1共結晶フォーム1の製造スクリーニング
本発明の共結晶のいくつかの形成試験を、さまざまなモル比で、さまざまな溶媒中、特に下記の第7表に記載されている操作条件下で、実施例5に記載したように得られたポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶フォーム1を播種して、室温で一晩撹拌しながら行った。
本発明の共結晶のいくつかの形成試験を、さまざまなモル比で、さまざまな溶媒中、特に下記の第7表に記載されている操作条件下で、実施例5に記載したように得られたポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶フォーム1を播種して、室温で一晩撹拌しながら行った。
このスクリーニングの結果は、アセトニトリルを、本発明の純粋な共結晶の懸濁におけるの製造のための好ましい溶媒として強調するが、水およびAcOiBuからの予備試験は、ゲンチジン酸過剰であっても、部分的なポマリドミドの変換しかもたらさなかった。
アセトニトリル中の懸濁によるポマリドミド:ゲンチジン酸1:1の共結晶フォーム1の製造
マグネティックスターラーを備えた試験管に、ポマリドミド (フォームO、実施例1、150mg、0.55mmol)およびゲンチジン酸(169mg、1.1mmol、2当量)を導入した。アセトニトリル(1ml、6.7 vol.)を添加し、得られた混合物にフォーム1を播種し、室温にて一晩撹拌した。
マグネティックスターラーを備えた試験管に、ポマリドミド (フォームO、実施例1、150mg、0.55mmol)およびゲンチジン酸(169mg、1.1mmol、2当量)を導入した。アセトニトリル(1ml、6.7 vol.)を添加し、得られた混合物にフォーム1を播種し、室温にて一晩撹拌した。
固体を焼結ガラスフィルター(No.3)で濾過し、ACN(2×2vol、2×0.3ml)で洗浄した。室温で真空乾燥した後、白色固体として232mgの純粋なポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶フォーム1を得た(収率99%)。
ポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶 (1:1)フォーム1の特徴付け
実施例7で製造したポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶フォーム1を、1H-NMR、XRPD、DSCおよびTGAによって特徴付けた。
実施例7で製造したポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶フォーム1を、1H-NMR、XRPD、DSCおよびTGAによって特徴付けた。
1 H-NMR (DMSO-d6)
フォーム1のサンプルの1H-NMR(図3)は、ポマリドミドのフォームOおよびゲンチジン酸のスペクトルの正確な重ね合わせをもたらした。分解もシグナルシフトも観察されなかった。シグナル間の比は、湿式粉砕実験から推測された共結晶中の成分の1:1比を確認した。アセトニトリルは存在しなかった。
フォーム1のサンプルの1H-NMR(図3)は、ポマリドミドのフォームOおよびゲンチジン酸のスペクトルの正確な重ね合わせをもたらした。分解もシグナルシフトも観察されなかった。シグナル間の比は、湿式粉砕実験から推測された共結晶中の成分の1:1比を確認した。アセトニトリルは存在しなかった。
XRPD
共結晶フォーム1のXRPD分析を行った(図8)。以下の第8表では、相対強度が1%以上であるピークが記載されている:
共結晶フォーム1のXRPD分析を行った(図8)。以下の第8表では、相対強度が1%以上であるピークが記載されている:
DSC
共結晶フォーム1は、226℃(融解エンタルピー-271.93J/g)から始まる吸熱ピークと、DSC分析(10℃/分)によって測定された、フォーム1の融解および分解に対応する約232℃におけるピークによって特徴付けられる(図5)。
共結晶フォーム1は、226℃(融解エンタルピー-271.93J/g)から始まる吸熱ピークと、DSC分析(10℃/分)によって測定された、フォーム1の融解および分解に対応する約232℃におけるピークによって特徴付けられる(図5)。
TGA
共結晶フォーム1の熱重量分析は、融点前でもわずかな重量損失しか示さなかった(図6)。したがって、共結晶フォーム1は、水和物ではないと思われる。融点後の熱事象は分解に対応する。
共結晶フォーム1の熱重量分析は、融点前でもわずかな重量損失しか示さなかった(図6)。したがって、共結晶フォーム1は、水和物ではないと思われる。融点後の熱事象は分解に対応する。
水中での懸濁によるポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶フォーム1の製造
メカニカルスターラーおよび温度計を備えた100mlの三つ口フラスコに、ポマリドミドのフォーム0(実施例1)3.55g(12.99ミリモル)、ゲンチジン酸3.00g(19.46ミリモル、1.5当量)および水(35ml)を入れた。この混合物を撹拌しながら50℃に加熱し、共結晶フォーム1の結晶を播種し、XRPDでモニターした。
メカニカルスターラーおよび温度計を備えた100mlの三つ口フラスコに、ポマリドミドのフォーム0(実施例1)3.55g(12.99ミリモル)、ゲンチジン酸3.00g(19.46ミリモル、1.5当量)および水(35ml)を入れた。この混合物を撹拌しながら50℃に加熱し、共結晶フォーム1の結晶を播種し、XRPDでモニターした。
50℃にて6.5時間撹拌した後、変換が完了した。固体を50℃にて焼結フィルター(No.2)でろ過し、50℃の水(2×7ml)で洗浄した。室温、大気圧下で、その後、50℃にて真空下で一定重量になるまで乾燥し、5.24gのポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶フォーム1を黄色固体で得た(収率95%)。
ポマリドミド:ゲンチジン酸(1:1)共結晶フォーム1の特徴付け
本発明の共結晶フォーム1の1H-NMRスペクトルは、図3の基準スペクトルに対応していた。共結晶中の成分の比は1:1であった。
本発明の共結晶フォーム1の1H-NMRスペクトルは、図3の基準スペクトルに対応していた。共結晶中の成分の比は1:1であった。
本発明の共結晶フォーム1のサンプルをXRPD分析に付した。ディフラクトグラムから、図8の基準に対応することが判明した。
含水量(カール・フィッシャー)
カール・フィッシャーによる含水量分析を、Metrohm 787 KF Trinito装置を用いて行った。以下の試薬:Hydranal-Composite 5 (Riedel de Haen Ref.34081)、Hydranal Methanol Rapad (Riedel de Haen Ref. 37817)およびHydranal water Standard 10.0 (ファクターを計算するのに用いたRiedel de Haen Ref. 34849)を用いて、実施例8のポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶フォーム1の重量49.5mg、51mgおよび49.1mgの3つのサンプルを分析した。
カール・フィッシャーによる含水量分析を、Metrohm 787 KF Trinito装置を用いて行った。以下の試薬:Hydranal-Composite 5 (Riedel de Haen Ref.34081)、Hydranal Methanol Rapad (Riedel de Haen Ref. 37817)およびHydranal water Standard 10.0 (ファクターを計算するのに用いたRiedel de Haen Ref. 34849)を用いて、実施例8のポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶フォーム1の重量49.5mg、51mgおよび49.1mgの3つのサンプルを分析した。
これらの分析によれば、サンプルは、水から製造されたが、平均含水量0.82%(3回分析の平均値)であり、共結晶が水和形態ではないことが確認された。
粗ポマリドミドのフォームAおよびポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶の以下のバッチ:
ロットA:2.5 gの粗ポマリドミド;
ロットB:5 gの粗ポマリドミド、特許出願WO2007005972の記載にしたがって製造;および
ロットC:10 gのポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶フォーム1、上記実施例7で製造;
を後記実験に用いた。
ロットA:2.5 gの粗ポマリドミド;
ロットB:5 gの粗ポマリドミド、特許出願WO2007005972の記載にしたがって製造;および
ロットC:10 gのポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶フォーム1、上記実施例7で製造;
を後記実験に用いた。
ポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶フォーム1の溶解度および溶液中の安定性
水溶液中でのロットAのポマリドミドに対するロットCの共結晶性フォーム1の溶解度の比較研究を以下の操作条件で行った:
温度:室温(24℃)および37℃;
緩衝液:pH1.2(塩酸)およびpH6.8 (リン酸緩衝液)
水溶液中でのロットAのポマリドミドに対するロットCの共結晶性フォーム1の溶解度の比較研究を以下の操作条件で行った:
温度:室温(24℃)および37℃;
緩衝液:pH1.2(塩酸)およびpH6.8 (リン酸緩衝液)
溶液を、米国薬局方USP 35 NF 30に記載されているように製造した。しかしながら、リン酸塩緩衝液(pH6.8)の場合、共結晶フォーム1からの多量のゲンチジン酸の放出に対して、緩衝液の強度を増加させ、一定のpHを維持するために、より濃厚な溶液を使用した。
サンプルを異なる時間(0.5時間、1時間、3時間および24時間)で採取した。
異なるpHおよび温度で、ロットAのポマリドミドの結晶分散液およびロットCの共結晶フォーム1の濾液から採取したサンプルのポマリドミドHPLCピークの面積を比較して、ポマリドミドの相対溶解度を経時的に評価した。
実験手順
ポマリドミド(PMD)およびそのゲンチジン酸との共結晶(フォーム1)の溶解度を、特に以下のpHおよび温度の操作条件で測定した:
−pH1.2(塩酸)、室温(24℃);
−pH1.2(塩酸)、37℃;
−pH6.8(リン酸緩衝液)、37℃。
ポマリドミド(PMD)およびそのゲンチジン酸との共結晶(フォーム1)の溶解度を、特に以下のpHおよび温度の操作条件で測定した:
−pH1.2(塩酸)、室温(24℃);
−pH1.2(塩酸)、37℃;
−pH6.8(リン酸緩衝液)、37℃。
各操作条件について、ロットCの共結晶フォーム1およびロットAのポマリドミドについて二連で溶解度試験を行った(合計12の溶解度測定)。
共結晶フォーム1およびポマリドミドを乳鉢で粉砕した。次いで、各生成物200mgを、対応する水性緩衝液(24ml、120 vol)中で、同じ撹拌速度(900rpm、2cmの磁気攪拌棒)にて、同じタイプのフラスコ(50ml丸底フラスコ)内で攪拌した。
約6mlの懸濁液のアリコートを採取し、異なる時間(30、60、180分および24時間)で濾過した。ろ過後、母液をHPLCにより直接分析し(各分析について2回の複製を実施)、それらのpHを測定した。
ろ過した固体を乾燥段階なしでXRPDにより分析した。これらの分析は、共結晶フォーム1の場合には、測定された溶解度が共結晶フォーム1のみに対応するか、再結晶したポマリドミドと共結晶フォーム1の混合物に対応するか、または沈殿したポマリドミドのみに対応するかを示す。
ポマリドミドの溶解度を決定するために、以下のHPLC操作条件を選択した:
カラム:Zorbax Eclipse C18 (XDB)、150 x 4.6 mm、5ミクロン
サンプル濃度:0.5 mg/ml、ACN:H2O:H3PO4 (65:35:0.2 v/v)中
移動相:A:ACN:H2O:H3PO4 (5:95:0.1 v/v);B:ACN;(A/B 85/15)
温度:室温
流速:1ml/分
UV検出(波長):225 nm
注入:5ml
捕捉時間:21分
カラム:Zorbax Eclipse C18 (XDB)、150 x 4.6 mm、5ミクロン
サンプル濃度:0.5 mg/ml、ACN:H2O:H3PO4 (65:35:0.2 v/v)中
移動相:A:ACN:H2O:H3PO4 (5:95:0.1 v/v);B:ACN;(A/B 85/15)
温度:室温
流速:1ml/分
UV検出(波長):225 nm
注入:5ml
捕捉時間:21分
pH1.2および室温における溶解度
ポマリドミドおよびその共結晶フォーム1をそれぞれpH1.2の緩衝液に溶解して得られたサンプルの室温(約24℃)での溶解度試験結果は、時間に対するポマリドミド(PMD)のHPLC面積値の平均として、図16のダイアグラムに記載されている 。
ポマリドミドおよびその共結晶フォーム1をそれぞれpH1.2の緩衝液に溶解して得られたサンプルの室温(約24℃)での溶解度試験結果は、時間に対するポマリドミド(PMD)のHPLC面積値の平均として、図16のダイアグラムに記載されている 。
このダイアグラムから、溶解度の改善が明瞭に見られ、共結晶フォーム1の最初の3時間で特に高い(3倍または4倍の倍率)。その後、溶解度は徐々に低下するが、いずれにせよ24時間後でさえ、結晶性ポマリドミドの値より高い値を維持する。
XRPD分析により、共結晶フォーム1の解離を追うことが可能であった:30分の時点で部分解離が観察され、24時間後に完全解離が観察された。
pH1.2および37℃における溶解度
pH1.2の緩衝液中37℃における溶解度試験の結果を図17のダイアグラムに示す。
pH1.2の緩衝液中37℃における溶解度試験の結果を図17のダイアグラムに示す。
24℃にて行った実験の場合と同様に、ポマリドミド結晶に関しては、最初の数時間で、共結晶フォーム1の溶解度が有意に高かった。
XRPD分析により、フォーム1の解離は37℃にて24℃におけるよりも速く、3時間後に解離が完了することが観察された。
pH6.8および室温における溶解度
pH約6.8(リン酸緩衝液)の緩衝溶液中で、共結晶フォーム1およびポマリドミドの溶解度試験を二連で行った。緩衝液は、緩衝作用を維持するために、USP 35-NF 30に記載されている方法と同様の方法であるが、高濃度(0.05Mではなく0.15M)で製造した(共結晶フォーム1を用いた場合、0.05M緩衝溶液のpHは、6.8から5.8に低下した)。
pH約6.8(リン酸緩衝液)の緩衝溶液中で、共結晶フォーム1およびポマリドミドの溶解度試験を二連で行った。緩衝液は、緩衝作用を維持するために、USP 35-NF 30に記載されている方法と同様の方法であるが、高濃度(0.05Mではなく0.15M)で製造した(共結晶フォーム1を用いた場合、0.05M緩衝溶液のpHは、6.8から5.8に低下した)。
pH 6.8の緩衝溶液中の室温(約24℃)における溶解度試験の結果を図18のダイアグラムに示す。
前の実験と同様に、最初の時間の間にポマリドミドに対してより良好な溶解性が観察された後(1.2〜1.4倍の倍率)、24時間後に結晶性ポマリドミドの溶解度に達するまで徐々に溶解度が減少した。
XRPD分析により、30分後に共結晶フォーム1の解離が完了したことが観察された。
結論として、上記の試験は、ポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶フォーム1がポマリドミドよりも優れた水への溶解度を有することを示している。
不純物の分析による特性付け
ポマリドミドのフォームA(粗生成物)の各バッチAおよびBについてのサンプルおよびポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶Cのサンプルを、前述の操作条件下で、HPLCによって分析した。生成物および主要不純物の平均値(面積%)およびそれぞれの保持時間(RT)を以下の表9に示す:
ポマリドミドのフォームA(粗生成物)の各バッチAおよびBについてのサンプルおよびポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶Cのサンプルを、前述の操作条件下で、HPLCによって分析した。生成物および主要不純物の平均値(面積%)およびそれぞれの保持時間(RT)を以下の表9に示す:
AG:ゲンチジン酸;PMD:ポマリドミド;RT:保持時間
共結晶を介したポマリドミドの精製
以下の第10表に示す操作条件下で、溶媒(スラリー化)中の懸濁によってゲンチジン酸との共結晶フォーム1を形成することによる以下の精製試験において、出発材料として、最も多量の不純物を含むロットBのポマリドミドを用いた:
以下の第10表に示す操作条件下で、溶媒(スラリー化)中の懸濁によってゲンチジン酸との共結晶フォーム1を形成することによる以下の精製試験において、出発材料として、最も多量の不純物を含むロットBのポマリドミドを用いた:
略語:B:粗ポマリドミド ロットB;AG:ゲンチジン酸;PMD:ポマリドミド;Imp.:不純物;Eq.:当量;ACN:アセトニトリル T. Amb.:室温。
カッコ内の数値はゲンチジン酸ピークの面積を除いて計算した面積の百分率である。
上記表に記載されているデータから分かるように、高温アセトニトリル(実施例10b)において、特に1.06%から0.66%に低下した不純物3に関して、最良の精製効果が観察された。実施例10bおよび10cの精製方法の結果として、ポマリドミドBは、有利なことに、99%以上の純度を達成する。
共結晶を用いたポマリドミドの精製の有効性を確認するために、50℃のACN中での共結晶フォーム1の製造を、大規模で繰り返した(下記表11中の実施例10d)。精製が、実際には、撹拌下での懸濁(スラリー化)における粗生成物への溶媒の精製効果のみではなく、共結晶フォーム1の形成に依存することを確認するために、空試験(表11の実施例10eのゲンチジン酸を含まない50℃のACN中での粗ポマリドミドの1つの懸濁)も実施した。これらのサンプルにおいて実施した試験の操作条件およびHPLC分析の結果を下記第11表に記載する。
粗生成物Bと比較して、実施例10eで得られた生成物は、不純物含有量のわずかな減少しか示さず、特に、本発明の実施例10dにおいて明らかにより低い不純物3が、無視できる程度の減少しか示さないことが明らかである。
第12表に示すように、以下の実施例10fにおいて、ポマリドミドのより完全な変換を得るために、ポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶を、後者の量を2から3当量に増加させて製造した。
以下の第13表に概略的に示すように、以下の実験において、共結晶を介して精製工程、すなわち、アセトニトリル中で共結晶を製造し、攪拌下でアセトン中での懸濁によって、実施例10fでこのようにして得られた共結晶(スラリー化)を解離し、ろ過によりポマリドミドを回収し(実施例10g)、次いで、アセトニトリル中で再び共結晶を製造する(実施例10h)ことを繰り返した。
第13表に記載されたデータから明らかなように、共結晶化工程を2回繰り返すと、特に医薬品成分にとって有利な、より高い純度(最初の98.6%から99.7%へ)のポマリドミドが得られた。2回目の共結晶化の後、不純物3は、1.06%から0.14%に減少する。有利なことに、10hのサンプルの結晶化に使用される溶媒であるアセトニトリルは、揮発性が高く、最終生成物から容易に除去されうる。
さまざまな溶媒中での共結晶フォーム1の攪拌下懸濁によるポマリドミド精製
さまざまな溶媒(酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、エタノール、イソプロパノールおよびアセトン)の効果を、共結晶フォーム1の懸濁および攪拌によるポマリドミドの純度において検討した。
さまざまな溶媒(酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、エタノール、イソプロパノールおよびアセトン)の効果を、共結晶フォーム1の懸濁および攪拌によるポマリドミドの純度において検討した。
50℃にてACN中で製造した共結晶フォーム1(実施例10d、*第11表参照)を10体積の溶媒に懸濁し、得られる混合物を室温で一晩撹拌した。固体をろ過し、同じ溶媒(2×2体積)で洗浄し、室温にて真空下で乾燥した。ポマリドミドの化学的純度を、3.5時間後および一晩後に確認した(以下の第14表参照)。各生成物のサンプルをHPLCにて二連で分析した。すべての溶媒において、3.5時間後、共結晶が解離したことが示された(XRPDにより確認された)。
第14表に示すデータから明らかなように、試験した溶媒(EtOAc、MIBK、EtOH、IPAおよびアセトン)は、3.5時間後にも、1夜後でさえも、不純物の有意な減少をもたらさなかった。これらのデータはさらに、ポマリドミドの精製が共結晶フォーム1の形成および結晶化に起因するものであり、スラリー化の単純な条件における溶媒自体の効果に起因しないことをさらに確認する。
ポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶フォーム1の吸湿性
幅広い相対湿度(RH)におけるポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶フォーム1 の吸湿性を評価するために、DVS実験(動的水蒸気吸着、すなわち、蒸気の動的吸収)を行った。
幅広い相対湿度(RH)におけるポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶フォーム1 の吸湿性を評価するために、DVS実験(動的水蒸気吸着、すなわち、蒸気の動的吸収)を行った。
共結晶の吸湿性を、TA Q5000装置を用いるDVSによって測定した。DVSは、さまざまな相対湿度条件下でサンプルが吸収または脱着する水の量を測定する重量測定技術である。重量の変化を、相対湿度(RH)の既定値で測定する。
0〜95%RHの範囲で、25℃にて吸収脱着等温線を行い、その結果を図15のダイアグラムに記載する。
さらに詳しくは、DVS分析は、13.2922mgのロットCのフォーム1を用いて以下の操作条件で行われた:
−25℃および0%RHでの重力平衡
−次の湿度レベルに移行する前に、重量測定の変動は、20分間で0.01%未満でなければならず、そうでなければ最大300分まで待機した。
−25℃および0%RHでの重力平衡
−次の湿度レベルに移行する前に、重量測定の変動は、20分間で0.01%未満でなければならず、そうでなければ最大300分まで待機した。
図15から、本発明によるポマリドミド:ゲンチジン酸の共結晶のフォーム1は、0%〜95%RHの間に水分の有意な吸収が起こらないため、非吸湿性であると思われる。
共結晶のフォーム1が、高相対湿度への暴露によって別の結晶形に変換されないことを確認するために、フォーム1のサンプルを相対湿度95%で室温にて1週間保存した。XRPDによれば、大きな結晶変形はなかった。
Claims (15)
- フォームB、フォームMおよびポマリドミドとゲンチジン酸の共結晶から選ばれる、ポマリドミドの新規な固体結晶形。
- ポマリドミド:ゲンチジン酸のモル比が、1:1である、請求項1に記載の共結晶。
- 少なくとも13.7、14.2および26.0辺りにピーク2θ(°)を含むXRPDディフラクトグラムを特徴とする、請求項1または2に記載の共結晶。
- XRPDディフラクトグラムが、10.9、21.5および25.3辺りのピーク2θ(°)をさらに特徴とする、請求項3に記載の共結晶。
- XRPDディフラクトグラムが、図8に示されるものに実質的に対応する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の共結晶。
- 約232℃における吸熱融解ピーク(DSC)を特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の共結晶。
- XRPDディフラクトグラムが、それぞれ図1および2に記載されるものに実質的に対応する、フォームBおよびフォームMから選ばれる、請求項1に記載のポマリドミドの固体結晶形。
- ポマリドミドとゲンチジン酸の共結晶の製造方法であって、
a)既定量のポマリドミドを提供すること;
b)ポマリドミドに対して、モル比が4:1、3:1、2:1、1.5:1または1.2:1以下のゲンチジン酸を提供すること;
c)ポマリドミドとゲンチジン酸、場合によっては少なくとも1つの共結晶ポマリドミド:ゲンチジン酸を
c1)好ましくは、アセトニトリル、水、酢酸イソブチルおよびそれらの混合物から選ばれる、適切な溶媒中での溶解もしくは懸濁により、または
c2)任意に、好ましくは、水、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メタノール、イソプロピルアルコールおよびそれらの混合物から選ばれる、痕跡量の適切な溶媒の存在下で粉砕することによって、
接触させること;
d)請求項1〜6のいずれかに記載の共結晶を形成するのに必要な時間、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の接触を維持すること;および任意に
e)共結晶を溶媒から分離すること;
を含む方法。 - ポマリドミドおよびゲンチジン酸が、好ましくは攪拌下での懸濁によって接触する、請求項8に記載の方法。
- 溶媒が、15ml/g未満、より好ましくは10ml/g未満、さらにより好ましくは8ml/g未満の体積比(ml/g)(ポマリドミドの重量に対する溶媒の体積)で使用される、請求項9に記載の方法。
- ポマリドミドおよびゲンチジン酸が、粉砕によって接触し、溶媒が、10ml/g未満、5ml/g未満、2ml/g未満、1ml未満/gまたは0.5ml/g未満の体積比(ml/g)(ポマリドミドの重量に対する溶媒の体積)で使用される、請求項8に記載の方法。
- 治療有効量のフォームB、フォームM、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶ならびにそれらの混合物から選ばれるポマリドミドの固体結晶形、好ましくは、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶、ならびに少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
- 医薬として使用するための、フォームB、フォームM、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶ならびにそれらの混合物から選ばれるポマリドミドの固体結晶形。
- 腫瘍、多発性骨髄腫、炎症性疾患、自己免疫疾患、免疫疾患、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、貧血、強皮症、アミロイドーシスまたは他の望ましくない血管新生に関連する疾患の予防および治療における使用のための、フォームB、フォームM、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の共結晶ならびにそれらの混合物から選ばれるポマリドミドの固体結晶形。
- ポマリドミドの精製方法であって、
a)既定量の粗ポマリドミドを提供すること;
b)ポマリドミドに対して、モル比が4:1、3:1、2:1、1.5:1または1.2:1以下のゲンチジン酸を提供すること;
c1)任意にポマリドミド:ゲンチジン酸の少なくとも1つの共結晶の存在下で、好ましくは、アセトニトリル、水、酢酸イソブチルおよびそれらの混合物から選ばれる、適切な溶媒中での溶解もしくは懸濁により、粗ポマリドミドおよびゲンチジン酸を接触させること;
d)ポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶を形成するのに必要な時間、ポマリドミドおよびゲンチジン酸の接触を維持すること;
e)得られたポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶を溶媒から分離すること;
f)任意に適切な溶媒からポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶を結晶化させること;および
g)好ましくは適切な溶媒中での懸濁により、精製されたポマリドミドをポマリドミド:ゲンチジン酸共結晶から回収すること;
を含む方法。
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