JP2018515103A - ポリメラーゼバリアントおよびその使用 - Google Patents

ポリメラーゼバリアントおよびその使用 Download PDF

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Abstract

H223、N224、Y225、H227、I295、Y342、T343、I357、S360、L361、I363、S365、S366、Y367、P368、D417、E475、Y476、F478、K518、H527、T529、M531、N535、G539、P542、N545、Q546、A547、L549、I550、N552、G553、F558、A596、G603、A610、V615、Y622、C623、D624、I628、Y629、R632、N635、M641、A643、I644、T647、I648、T651、I652、K655、W656、D657、V658、H660、F662、L690、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの変異を有するバリアントpol6ポリメラーゼを本明細書において記載する。【選択図】なし

Description

関連出願
[001]本出願は、2016年2月1日に出願された「Polymerase Variants」と題する米国特許出願第15/012,317号の一部継続出願であり、2015年5月14日に出願された「Polymerase Variants」と題する米国仮特許出願第62/161,571号、2015年8月9日に出願された「Polymerase Variants」と題する米国仮特許出願第62/202,895号、および2016年5月10日に出願された「Polymerase Variants and Uses Thereof」と題する米国特許出願第15/151,364号に基づく優先権を主張する。
配列表
[002]本出願は、ASCIIフォーマットで電子出願された配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2016年5月10日に作成された上記のASCIIコピーは、20−04338.521WO2_SL.txtという名前であり、17,989バイトのサイズである。
[003]本明細書においては、特に、組換えDNA技術における適用のために、より適する酵素を選択するよう設計された定向進化実験において同定される変異に基づくアミノ酸変化を含有する改変DNAポリメラーゼを提供する。
[004]DNAポリメラーゼは、1本鎖DNAを鋳型として使用して相補的なDNA鎖を合成する酵素のファミリーである。特に、DNAポリメラーゼは、新たに形成する鎖の3’末端に遊離のヌクレオチドを添加し、その結果、新しい鎖を5’から3’への方向に伸長させることができる。ほとんどのDNAポリメラーゼは、重合活性とエキソヌクレアーゼ活性の両方を有する多機能タンパク質である。例えば、多くのDNAポリメラーゼは、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を有する。これらのポリメラーゼは、誤って組み込まれたヌクレオチドを認識することができ、酵素の3’→5’エキソヌクレアーゼ活性により、その間違ったヌクレオチドが除去される(この活性は、プルーフリーディングとして知られる)。ヌクレオチドの除去後、ポリメラーゼは正しいヌクレオチドを再挿入することができ、複製が継続できる。多くのDNAポリメラーゼは、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性も有する。
[005]ポリメラーゼには、ナノポアシーケンシングを含めた組換えDNAの応用例における用途が見出されている。しかしながら、DNA鎖は、1塩基あたり1μs〜5μsの速度で急速にナノポアを通過する。これにより記録は困難になり、またバックグラウンドノイズを受けやすくなり、単一ヌクレオチドの分解能を得ることができなくなる。したがって、DNA鎖またはその断片のシーケンシングでは、検出可能なタグをヌクレオチドに使用することがある。よって、シーケンシングするDNAの速度を制御する必要性だけでなく、改変ヌクレオチド、例えばタグを有するか、または有しないヌクレオチドポリリン酸を組み込むことなどの、(野生型酵素と比較して)改良された特性を有するポリメラーゼを提供する必要性がある。
[006]本発明は、産業用途または研究用途で使用される条件下での有利な表現型、例えば高い塩濃度で例えばタグ付きヌクレオチドなどの改変ヌクレオチドポリリン酸の組み込みを触媒することなどを与える変異を選択するよう設計された定向進化実験に基づいた、改変DNAポリメラーゼ(例えば、変異体)を提供する。
[007]一態様においては、配列番号2(Pol6(Hisタグ付き))のH223、N224、Y225、H227、I295、Y342、T343、I357、S360、L361、I363、S365、S366、Y367、P368、D417、E475、Y476、F478、K518、H527、T529、M531、N535、G539、P542、N545、Q546、A547、L549、I550、N552、G553、F558、A596、G603、A610、V615、Y622、C623、D624、I628、Y629、R632、N635、M641、A643、I644、T647、I648、T651、I652、K655、W656、D657、V658、H660、F662、およびL690に対応する位置で少なくとも1つの変化を含むバリアントポリメラーゼがある。
[008]一実施形態においては、DNAポリメラーゼ活性を有する改変DNAポリメラーゼであって、配列番号1または2に記載するアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する改変DNAポリメラーゼを提供する。
[009]第2の実施形態においては、DNAポリメラーゼ活性を有する改変DNAポリメラーゼであって、H223、N224、Y225、H227、I295、Y342、T343、I357、S360、L361、I363、S365、S366、Y367、P368、D417、E475、Y476、F478、K518、H527、T529、M531、N535、G539、P542、N545、Q546、A547、L549、I550、N552、G553、F558、A596、G603、A610、V615、Y622、C623、D624、I628、Y629、R632、N635、M641、A643、I644、T647、I648、T651、I652、K655、W656、D657、V658、H660、F662、およびL690、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を有する配列番号1または2に記載するアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する改変DNAポリメラーゼを提供する。さらなる実施形態においては、1つまたは複数のアミノ酸置換は、H223A、N224Y/L/Q/M/R/K、Y225L/T/I/F/A/M、H227P/E/F/Y、I295W/F/M/E、Y342L/F、T343N/F、I357G/L/Q/H/W/M/A/E/Y/P、S360G/E/Y、L361M/W/V/F、I363V/A/R/M/W、S365Q/W/M/A/G、S366A/L、Y367L/E/M/P/N/F、P368G、D417P、E475D、Y476V、F478L、K518Q、H527W/R/L/Y/T/M、T529M/F、M531H/Y/A/K/R/W/T/L/V/G、N535L/Y/M/K/I/R/W/Q、G539Y/F、P542E/S/G、N545K/D/S/L/R/Q/W、Q546W/F、A547M/Y/W/F/V/S、L549Q/Y/H/G/R/K、I550A/W/T/G/F/S、N552L/M/S/T、G553S/T/E/Q/K/R/M、F558P/T、A596S、G603T/A/L、A610T/E、V615A/T、Y622A/M、C623G/S/Y/F、D624F/K、I628Y/V/F/L/M、Y629W/H/M/K、R632L/C、N635D、M641L/Y、A643L、I644H/M/Y、T647G/A/E/K/S/Y、I648K/R/V/N/T/L、T651Y/F/M、I652Q/G/S/N/F/T/A/L/E/K/M、K655G/F/E/N/Q/M/A、W656E、D657R/P/A/E、V658L、H660A/Y、F662I/L、L690Mおよびそれらの組合せから選択される。1つまたは複数のアミノ酸置換を有する改変DNAポリメラーゼは、親ポリメラーゼと比較して、酵素活性、忠実度、処理能力、伸長速度、シーケンシング精度、長時間連続性解読能、安定性、および溶解性から選択される変化した特性を有する。一実施形態においては、変化した特性は酵素活性である。一実施形態においては、変化した特性は忠実度である。一実施形態においては、変化した特性は処理能力である。一実施形態においては、変化した特性は伸長速度である。一実施形態においては、変化した特性は安定性である。一実施形態においては、変化した特性は溶解性である。一実施形態においては、変化した特性は、ヌクレオチドポリリン酸に結合する能力、および/またはヌクレオチドポリリン酸を組み込む能力である。ヌクレオチドポリリン酸は、例えばヌクレオチド四リン酸、ヌクレオチド五リン酸、ヌクレオチド六リン酸、ヌクレオチド七リン酸、またはヌクレオチド八リン酸である。
[0010]第3の実施形態においては、配列番号1または2と比較した場合に、酵素活性、忠実度、処理能力、伸長速度、安定性、または溶解性から選択される変化した特性を有する改変DNAポリメラーゼを提供する。一実施形態においては、変化した特性は酵素活性である。一実施形態においては、変化した特性は忠実度である。一実施形態においては、変化した特性は処理能力である。一実施形態においては、変化した特性は伸長速度である。一実施形態においては、変化した特性は安定性である。一実施形態においては、変化した特性は溶解性である。
[0011]第4の実施形態においては、DNAポリメラーゼ活性を有する改変DNAポリメラーゼであって、H223A、N224Y/L/Q/M/R/K、Y225L/T/I/F/A、H227P/E/F/Y、I295W/F/M/E、Y342L/F、T343N/F、I357G/L/Q/H/W/M/A/E/Y/P、S360G/E/Y、L361M/W/V/F、I363V/A/R/M/W、S365Q/W/M/A/G、S366A/L、Y367L/E/M/P/N/F、P368G、D417P、E475D、Y476V、F478L、K518Q、H527W/R/L/Y/T/M、T529M/F、M531H/Y/A/K/R/W/T/L/V/G、N535L/Y/M/K/I/R/W/Q、G539Y/F、P542E/S/G、N545K/D/S/L/R/Q/W、Q546W/F、A547M/Y/W/F/V/S、L549Q/Y/H/G/R/K、I550A/W/T/G/F/S、N552L/M/S/T、G553S/T/E/Q/K/R/M、F558P/T、A596S、G603T/A/L、A610T/E、V615A/T、Y622A/M、C623G/S/Y/F、D624F/K、I628Y/V/F/L/M、Y629W/H/M/K、R632L/C、N635D、M641L/Y、A643L、I644H/M/Y、T647G/A/E/K/S/Y、I648K/R/V/N/T/L、T651Y/F/M、I652Q/G/S/N/F/T/A/L/E/K/M、K655G/F/E/N/Q/M/A、W656E、D657R/P/A/E、V658L、H660A/Y、F662I/L、L690Mおよびその組合せからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む配列番号1に記載するアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、1つまたは複数のアミノ酸置換が、親ポリメラーゼと比較して、酵素活性、忠実度、処理能力、伸長速度、シーケンシング精度、長時間連続性解読能、安定性、または溶解性を変化させる、改変DNAポリメラーゼを提供する。一実施形態においては、変化した特性は酵素活性である。一実施形態においては、変化した特性は忠実度である。一実施形態においては、変化した特性は処理能力である。一実施形態においては、変化した特性は伸長速度である。一実施形態においては、変化した特性は安定性である。一実施形態においては、変化した特性は溶解性である。一実施形態においては、変化した特性は、ヌクレオチドポリリン酸に結合する能力、および/またはヌクレオチドポリリン酸を組み込む能力である。ヌクレオチドポリリン酸は、例えばヌクレオチド四リン酸、ヌクレオチド五リン酸、ヌクレオチド六リン酸、ヌクレオチド七リン酸、またはヌクレオチド八リン酸である。
[0012]一実施形態においては、配列番号1または2と比較して変化した酵素活性を有するバリアントポリメラーゼは、
a. H223A;
b. N224Y/L/Q/M/R/K;
c. Y225L/I/T/F/A/M;
d. H227P/E/F/Y;
e. I295F/E/M/W;
f. Y342L/F;
g. T343N/F;
h. I357G/L/Q/H/W/M/A/E/Y/P;
i. S360G/E/Y;
j. L361M/W/V/F;
k. I363V/A/R/M/W;
l. S365Q/W/M/A/G;
m. S366A/L;
n. Y367L/E/M/P/N/F;
o. P368G;
p. D417P;
q. E475D;
r. Y476V;
s. F478L;
t. K518Q;
u. H527W/R/L/Y/T/M;
v. T529M/F;
w. M531H/Y/A/K/R/W/T/L/V/G;
x. N535L/Y/M/K/I/R/W/Q;
y. P542E/S/G;
z. N545D/K/S/L/R/Q/W;
aa. Q546W/F;
bb. A547F/M/W/Y/V/S;
cc. L549H/Y/Q/G/R/K;
dd. I550A/W;
ee. I550T/G/F/S;
ff. N552L/M/T;
gg. G553S/T/E/Q/K/R/M;
hh. F558P/T;
ii. A596S;
jj. G603T/A/L;
kk. A610T/E;
ll. V615A/T;
mm. Y622A/M;
nn. C623G/S/Y/A/F;
oo. D624F/K;
pp. I628Y/V/F/L/M;
qq. Y629W/H/M/K;
rr. R632L/C;
ss. N635D;
tt. M641L/Y;
uu. A643L;
vv. I644H/M/Y;
ww. T647G/A/E/K/S/Y;
xx. I648K/R/V/N/T/L;
yy. T651Y/F/M;
zz. I652Q/G/S/N/F/T/A/L/E/K/M;
aaa. K655G/F/E/N/Q/M/A;
bbb. W656E;
ccc. D657R/P/A/E;
ddd. V658L;
eee. H660A/Y;
fff. F662I/L;
ggg. L690M;
hhh. S366A+N535L;
iii. T651Y+N535L;
jjj. Y342L+E475D+F478L;
kkk. T343N+D417P+K518Q;
lll. N535L+N545K+T651Y;
mmm. I363V+E475D+Y476V;
nnn. S366L+G553S+F558P;
ooo. S366A+N535L+A547M;
ppp. S366A+P542E+N545K;
qqq. S366A+P542E+I652Q;
rrr. S366A+N535L+T529M;
sss. S366A+N535L+I652Q;
ttt. S366A+N535L+N545K;
uuu. T651Y+P542E+N545K;
vvv. T651Y+P542E+Q546W;
www. T651Y+P542E+S366A;
xxx. T651Y+N535L+N545K;
yyy. S366A+N535I+I652Q;
zzz. T651Y+S366A+A547F;
aaaa. T647G+A547F+Y225T;
bbbb. A547F+A610T+S366A;
cccc. A547F+A610T+Y225I;
dddd. S366A+T647G+A547F;
eeee. T529M+S366A+A547F;
ffff. T647E+S366A+A547F;
gggg. T529M+T647G+A547F;
hhhh. N545K+S366A+A547F;
iiii. T647G+A547F+T529M;
jjjj. T529M+A610T+A547F;
kkkk. M641Y+T529M+A547F;
llll. T647G+C623G+A547F;
mmmm. A610T+I295W+T651Y;
nnnn. V615A+M531Y+T647G;
oooo. S366L+F478L+A596S+L690M;
pppp. H223A+G553S+A643L+F662I;
qqqq. N535L+N545K+T651Y+T529M;
rrrr. N535L+N545K+T651Y+N635D;
ssss. N535L+N545K+T651Y+I652Q;
tttt. S366A+N535L+I652Q+T529M;
uuuu. S366A+S365A+P368G+G603T;
vvvv. N535L+N545K+T651Y+T647G;
wwww. S366A+N535L+I652Q+A547Y;
xxxx. S366A+N535L+A547M+T647G;
yyyy. T529M+S366A+A547F+N545K;
zzzz. T529M+S366A+A547F+N545R;
aaaaa. T529M+S366A+A547F+N552L;
bbbbb. T529M+S366A+A547F+Y629W;
ccccc. N535I+N545K+T651Y+T529M;
ddddd. N535I+N545K+T651Y+N635D;
eeeee. N535I+N545K+T651Y+I652Q;
fffff. N535L+N545K+T651Y+T647G+C623G;
ggggg. N535L+N545K+T651Y+T647G+I628Y;
hhhhh. S366A+N535L+A547M+T647G+S360G;
iiiii. N535I+N545K+T651Y+I652Q+Y225I;
jjjjj. N535L+N545K+T651Y+T647G+K655G;
kkkkk. N535L+N545K+T651Y+T647G+L549Q;
lllll. S366A+N535L+I652Q+A547Y+K655G;
mmmmm. T529M+S366A+A547F+N545L+Y629W;
nnnnn. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L;
ooooo. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225F;
ppppp. T529M+S366A+A547F+N545L+K655F;
qqqqq. T529M+S366A+A547F+N545L+N552L;
rrrrr. T529M+S366A+A547F+N545R+M531A;
sssss. T529M+S366A+A547F+N545R+G539Y;
ttttt. T529M+S366A+A547F+N545R+V658L;
uuuuu. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+D657R;
vvvvv. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+N552L;
wwwww. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+I652G;
xxxxx. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+I652Q;
yyyyy. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+N552M
zzzzz. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+D657R+N224R;
aaaaaa. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+D657R+I628M;
bbbbbb. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+D657R+K655A;および
cccccc. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+D657R+Y629W
から選択される。一実施形態においては、変化した特性は酵素活性である。一実施形態においては、変化した特性は忠実度である。一実施形態においては、変化した特性は処理能力である。一実施形態においては、変化した特性は伸長速度である。一実施形態においては、変化した特性は安定性である。一実施形態においては、変化した特性は溶解性である。一実施形態においては、変化した特性は、ヌクレオチドポリリン酸に結合する能力、および/またはヌクレオチドポリリン酸を組み込む能力である。ヌクレオチドポリリン酸は、例えばヌクレオチド四リン酸、ヌクレオチド五リン酸、ヌクレオチド六リン酸、ヌクレオチド七リン酸、またはヌクレオチド八リン酸である。
[0013]一部の実施形態においては、N535I+N545K+T651Y+N635D変異を有する配列番号2、または配列番号1もしくは2と比較して変化した酵素活性を有するバリアントポリメラーゼは、
a. A547F+A610T+Y225I;
b. Y225T+T647G+A547F;
c. S366A+T647G+A547F;
d. S366A+A547F+A610T;
e. T529M+S366A+A547F;
f. T529M+T647G+A547F;
g. T529M+A610T+A547F;
h. N545K+S366A+A547F;
i. N545K+T647G+A547F;
j. A610T+I295W+T651Y;
k. V615A+M531Y+T647G;
l. M641Y+T529M+A547F;
m. T647E+S366A+A547F;
n. T647G+A547F+T529M;
o. T647G+C623G+A547F;および
p. T651Y+S366A+A547F。
から選択される。
[0014]一部の実施形態においては、バリアントポリメラーゼは、
a. N535L+N545K+T651Y;
b. S366A+N535L+I652Q;
c. S366A+T529M+N535L;
d. S366A+N535L+N545K;
e. S366A+N535L+A547M;
f. S366A+P542E+I652Q;
g. S366A+P542E+N545K;
h. S366A+P542E+T651Y;
i. P542E+N545K+T651Y;
j. P542E+Q546W+T651Y;
k. N535L+T651Y;
l. S366A+N535L;
m. N535L+N545K+T651Y+T529M;
n. N535L+N545K+T651Y+N635D;
o. N535L+N545K+T651Y+I652Q;
p. S366A+N535L+I652Q+T529M;
q. N535L+N545K+T651Y+T647G;
r. S366A+N535L+I652Q+A547Y;
s. S366A+N535L+A547M+T647G;
t. S366A+N535I+I652Q;
u. N535I+N545K+T651Y+T529M;
v. N535I+N545K+T651Y+N635D;
w. N535I+N545K+T651Y+I652Q;
x. N535L+N545K+T651Y+T647G+C623G;
y. N535L+N545K+T651Y+T647G+I628Y;
z. S366A+N535L+A547M+T647G+S360G;
aa. N535I+N545K+T651Y+I652Q+Y225I;
bb. N535L+N545K+T651Y+T647G+K655G;
cc. N535L+N545K+T651Y+T647G+L549Q;
dd. S366A+N535L+I652Q+A547Y+K655G;
ee. T647G+A547F+Y225T;
ff. A547F+A610T+S366A;
gg. A547F+A610T+Y225I;
hh. S366A+T647G+A547F;
ii. T651Y+S366A+A547F;
jj. T529M+S366A+A547F;
kk. T647E+S366A+A547F;
ll. T529M+T647G+A547F;
mm. N545K+S366A+A547F;
nn. T647G+A547F+T529M;
oo. N545K+T647G+A547F;
pp. T529M+A610T+A547F;
qq. M641Y+T529M+A547F;
rr. T647G+C623G+A547F;
ss. A610T+I295W+T651Y;
tt. V615A+M531Y+T647G;
uu. T529M+S366A+A547F+N545K;
vv. T529M+S366A+A547F+N545R;
ww. T529M+S366A+A547F+N552L;
xx. T529M+S366A+A547F+Y629W;
yy. T529M+S366A+A547F+N545L+Y629W;
zz. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L;
aaa. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225F;
bbb. T529M+S366A+A547F+N545L+K655F;
ccc. T529M+S366A+A547F+N545L+N552L;
ddd. T529M+S366A+A547F+N545R+M531A;
eee. T529M+S366A+A547F+N545R+G539Y;
fff. T529M+S366A+A547F+N545R+V658L;
ggg. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+D657R;
hhh. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+N552L;
iii. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+I652G;
jjj. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+I652Q;
kkk. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+N552M
lll. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+D657R+N224R;
mmm. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+D657R+I628M;
nnn. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+D657R+K655A;および
ooo. T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+D657R+Y629W
から選択される。一部の実施形態においては、バリアントポリメラーゼは、配列番号1もしくは2、または親ポリメラーゼと比較して変化した酵素活性を有する。
[0015]一部の実施形態においては、S366A+T529M+N545L+A547F変異を有する配列番号2、または配列番号1もしくは2と比較して変化した酵素活性を有するバリアントポリメラーゼは、
a. Y225L/F/A/M;
b. M531A/G;
c. G539Y;
d. N552L/T;
e. Y629W/K;
f. K655F
から選択される。一実施形態においては、変化した特性は酵素活性である。一実施形態においては、変化した特性は忠実度である。一実施形態においては、変化した特性は処理能力である。一実施形態においては、変化した特性は伸長速度である。一実施形態においては、変化した特性は安定性である。一実施形態においては、変化した特性は溶解性である。一実施形態においては、変化した特性は、ヌクレオチドポリリン酸に結合する能力、および/またはヌクレオチドポリリン酸を組み込む能力である。ヌクレオチドポリリン酸は、例えばヌクレオチド四リン酸、ヌクレオチド五リン酸、ヌクレオチド六リン酸、ヌクレオチド七リン酸、またはヌクレオチド八リン酸である。
[0016]一部の実施形態においては、親ポリメラーゼは野生型Pol6(配列番号1)である。一部の実施形態においては、親ポリメラーゼは、Hisタグを含むPol6(配列番号2)である。一部の実施形態においては、親ポリメラーゼは、S366A+T529M+A547F+N545L/R変異を含む。一部の実施形態においては、親ポリメラーゼは、1つまたは複数の変異を含む配列番号1としてもよい。例えば、S366A+T529M+A547F+N545Rは、S366A+T529M+A547Fを親ポリメラーゼとして使用し、その後N545Rを加えたものである。
[0017]一部の実施形態においては、改変ポリメラーゼは、親ポリメラーゼよりも大きいkchemを有する。一部の実施形態においては、改変ポリメラーゼは、親ポリメラーゼよりも小さいkoffを有する。一部の実施形態においては、改変ポリメラーゼは、親ポリメラーゼよりも少なくとも1.5倍、2.0倍、または2.5倍大きいkchem/koff(すなわち、比)を有する。
[0018]本発明の他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。しかしながら、詳細な説明および具体例は本発明の好ましい実施形態を示すが、この詳細な説明から本発明の範囲および趣旨内の様々な変化および改変が当業者に明らかになるので、詳細な説明および具体例は単に説明として提供するものであることを理解するべきである。
[0019]置換アッセイにおいて使用する例示的な鋳型を示す図である。実施例3に関するものである。 [0020]本明細書においてポリリン酸の組み込み速度の測定に使用するkchemアッセイの模式図である。実施例6に関するものである。 [0021]本明細書においてバリアントポリメラーゼの速度特性の測定に使用する、蛍光消光に基づくkoffアッセイの概要を示す図である。実施例4に関するものである。 [0022]蛍光偏光に基づくkoffアッセイの図示、および例示的なデータトレースを示す図である。実施例5に関するものである。 [0023]置換アッセイからのバリアントポリメラーゼの代表的なデータを示すグラフである。実施例3に関するものである。 [0024]蛍光偏光に基づくkoffアッセイからの、2種のバリアントポリメラーゼの代表的なデータのグラフである。実施例5に関するものである。 [0025]二重層の上下のHepes7.5 20mM、NaCl300mM、CaCl 3mM、およびTCEP5mMにおける、アルファ溶血素ナノポアに連結したPol6(S366A+N535L+I652Q)−DNA複合体による、100mVでのタグ付きチミンヌクレオチドの静的捕獲のトレースを示す図である。縦軸は、%開口チャネル電流(正規化)であり、横軸は秒単位の時間である。実施例8に関するものである。 [0026]二重層の上下のHepes pH7.5 20mM、NaCl300mM、CaCl2 3mM、およびTCEP5mMにおける、アルファ溶血素ナノポアに連結したPol6(S366A+N535L+I652Q)−DNA複合体を用いた、100mVでの静的捕獲実験の滞留時間対電流のプロットのグラフである。dTNPタグ付きヌクレオチドの各捕獲の平均滞留時間は、1.2秒である。実施例8に関するものである。 [0027]蛍光消光に基づくkchemアッセイ(図2を参照のこと)からの、バリアントポリメラーゼの代表的なデータのグラフである。あらかじめ形成させたポリメラーゼとフルオレセイン−DNA鋳型の二元複合体を、Mg2+の存在下で、Kintekストップトフローデバイスを使用して、飽和濃度のdCnP−Alexa555と急速に混合する。フルオレセインの蛍光をある時間にわたってモニターする。律速段階から見積もったkchemは0.2s−1である。x軸は秒単位の時間(T)であり、y軸は相対蛍光単位(RFU)である。 [0028]蛍光消光に基づくkoffアッセイ(図3を参照のこと)からの、バリアントポリメラーゼの代表的なデータのグラフである。ポリメラーゼ、フルオレセイン−DNA鋳型、およびdCnP−Alexa555のあらかじめ形成した三元複合体を、Ca2+存在下でプレインキュベートし、過剰な未変性dCTPを用いて追跡した。フルオレセインの蛍光をある時間にわたってモニターした。これより測定したkoffは0.028s−1である。x軸は秒単位の時間(T)であり、y軸は相対蛍光単位(RFU)である。 [0029]ローリングサークルアッセイの増副産物を示すゲルの写真である。左端および右端のレーンは分子ラダーである。左から2番目のレーンはゼロ時点のものである。他の全てのレーンは、様々なポリメラーゼヒットの40分時点のものである。実施例9に関するものである。 [0030]成長しているDNA鎖にタグ付きヌクレオチドが組み込まれたときのタグ付きヌクレオチドの記録を与える電流変化を示すシーケンシングトレースを示す図である。鋳型DNA配列、および、>70%の精度を示す新生鎖の召集配列も示されている(登場順に、それぞれ配列番号6〜8)。実施例10に関するものである。
[0031]これより、以下の定義および例を使用して、単なる参照として本発明を詳細に説明する。本明細書において参照するあらゆる特許および刊行物は、このような特許および刊行物で開示されているあらゆる配列を含めて、参照によって本明細書に明示的に組み入れられる。
[0032]本明細書において別段の定めがない限り、本明細書中で使用する全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。Singletonら、DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY、第2版、John Wiley and Sons、New York(1994)、およびHale&Marham、THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY、Harper Perennial、NY(1991)により、本発明で使用する用語の多くの一般的な辞書が当業者に与えられる。本明細書において説明する方法および材料と類似または等価である任意の方法および材料を、本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料を説明する。当技術分野の定義および用語について、Sambrookら、1989年、およびAusubel FMら、1993年が実施者らに特に向くものである。方法、プロトコールおよび試薬は様々であり得るので、本発明は、記載する特定の方法、プロトコールおよび試薬に限定されないことを理解するべきである。
[0033]数の範囲は、範囲を定める数を含める。約という用語は、本明細書においては、値のプラスまたはマイナス10パーセント(10%)を意味するよう使用する。例えば「約100」は、90〜110の間の任意の数を指す。
[0034]別段に示されていない限り、核酸は5’〜3’の方向でそれぞれ左から右に書き、アミノ酸配列はアミノからカルボキシの方向でそれぞれ左から右に書く。
[0035]本明細書において示している見出しは、本発明の様々な態様または実施形態を限定するものではなく、本発明は、明細書を全体として参照によって理解され得る。したがって、直下で定義する用語は、明細書を全体として参照によってより充分に定義される。
定義:
[0036]アミノ酸:本明細書において使用する場合、「アミノ酸」という用語は、広義には、ポリペプチド鎖に組み込まれ得る任意の化合物および/または物質を指す。一部の実施形態においては、アミノ酸は、一般構造HN−C(H)(R)−COOHを有する。一部の実施形態においては、アミノ酸は、天然由来のアミノ酸である。一部の実施形態においては、アミノ酸は合成アミノ酸であり、一部の実施形態においては、アミノ酸はD−アミノ酸であり、一部の実施形態においては、アミノ酸はL−アミノ酸である。「標準アミノ酸」は、天然由来のペプチドにおいて一般に見出される20種の標準的なL−アミノ酸のいずれかを指す。「非標準アミノ酸」は、合成により調製されるものであるか天然源から得られるものであるかにかかわらず、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸を指す。本明細書において使用する場合、「合成アミノ酸」は化学修飾アミノ酸を包含し、化学修飾アミノ酸としては、塩、アミノ酸誘導体(アミドなど)、および/または置換体が含まれるが、これらに限定されない。ペプチドのカルボキシ末端アミノ酸および/またはアミノ末端アミノ酸を含めたアミノ酸は、それらの活性に悪影響を及ぼすことなく、メチル化、アミド化、アセチル化、および/または、他の化学物質での置換によって修飾することができる。アミノ酸は、ジスルフィド結合に関与することができる。「アミノ酸」という用語は、「アミノ酸残基」と互換的に使用され、遊離アミノ酸、および/またはペプチドのアミノ酸残基を指すことができる。その用語が遊離アミノ酸、またはペプチドの残基のいずれを指すかは、その用語が使用される文脈から明らかになる。本明細書においては、全てのアミノ酸残基配列は、左右の方向が、アミノ末端からカルボキシ末端への従来の方向になっている式によって示していることに留意するべきである。
[0037]塩基対(bp):本明細書において使用する場合、塩基対は、2本鎖DNA分子におけるアデニン(A)とチミン(T)、またはシトシン(C)とグアニン(G)との結び付きを指す。
[0038]相補的:本明細書において使用する場合、「相補的」という用語は、塩基対形成による2本のポリヌクレオチド鎖の領域間、または2つのヌクレオチド間の配列相補性の広範な概念を指す。アデニンヌクレオチドが、チミンまたはウラシルであるヌクレオチドと特異的な水素結合を形成(「塩基対形成」)することができることは公知である。同様に、シトシンヌクレオチドがグアニンヌクレオチドと塩基対形成することができることは公知である。
[0039]DNA結合親和性:本明細書において使用する場合、「DNA結合親和性」という用語は、典型的には、DNA核酸に結合することにおけるDNAポリメラーゼの活性を指す。一部の実施形態においては、DNA結合活性は、2バンドシフトアッセイにおいて測定することができる。例えば、Sambrookら(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY)の9.63〜9.75(核酸の末端標識について記載)を参照のこと。結合バッファー(リン酸ナトリウムバッファー(pH8.0)50mM、グリセロール10%、KCl25mM、MgCl 25mM)約10μl中に少なくとも約0.5μgのポリペプチドを含有する反応混合物を調製する。反応混合物を10分間、37℃に加熱する。標識した2本鎖核酸約1×10〜5×10cpm(または約0.5〜2ng)を反応混合物に加え、さらに10分間インキュベートする。反応混合物を、0.5倍トリスホウ酸バッファー中の未変性ポリアクリルアミドゲルに載せる。反応混合物を室温で電気泳動に付す。ゲルを乾燥させ、標準的な方法を使用してオートラジオグラフィーに付す。標識した2本鎖核酸の移動度において検出可能な減少がある場合は、ポリペプチドと2本鎖核酸の間に結合複合体が形成していることを示す。このような核酸結合活性は、標準的な濃度測定法を使用して、最初の反応混合物における放射能の総量と比較した結合複合体における放射能の量を測定することにより、定量することができる。DNA結合親和性を測定する他の方法は、当技術分野において公知である(例えば、Kongら(1993)J.Biol.Chem.268(3):1965〜1975を参照のこと)。
[0040]伸長速度:本明細書において使用する場合、「伸長速度」という用語は、DNAポリメラーゼがポリマー鎖を伸ばす平均速度を指す。本明細書において使用する場合、高伸長速度は、2nt/sより大きい(例えば、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140nt/sより大きい)伸長速度を指す。本出願において使用する場合、「伸長速度」、「延長速度」、および「組み込み速度」という用語は互換的に使用する。
[0041]酵素活性:本明細書において使用する場合、「酵素活性」という用語は、DNAポリメラーゼの特異性および効率を指す。DNAポリメラーゼの酵素活性は「ポリメラーゼ活性」とも呼ばれ、典型的には、ポリヌクレオチドの鋳型特異的合成を触媒することにおけるDNAポリメラーゼの活性を指す。ポリメラーゼの酵素活性は、当技術分野で公知の様々な技術および方法を用いて測定することができる。例えば、ポリメラーゼの段階希釈物を、希釈バッファー(例えば、Tris.Cl、pH8.0 20mM、KCl50mM、NP40 0.5%、およびTween−20 0.5%)中で調製することができる。各希釈物について5μlを取り出し、TAPS(pH9.25)25mM、KCl50mM、MgCl 2mM、dATP0.2mM、dGTP0.2mM、dTTP0.2mM、dCTP0.1mM、活性化DNA12.5μg、[α−32P]dCTP(0.05μCi/nmol)100μM、および滅菌脱イオン水を含有する反応混合物45μlに加えることができる。反応混合物を37℃(または、熱安定性DNAポリメラーゼでは74℃)で10分間インキュベートし、次いで反応物を4℃に急冷して、氷冷した60mM EDTA10μlを加えることによって停止させることができる。各反応混合物からアリコート25μlを取り出すことができる。組み込まれなかった放射能標識dCTPを、ゲルろ過(Centri−Sep、Princeton Separations、Adelphia、N.J.)によって各アリコートから取り出すことができる。カラム溶離液を、シンチレーション液(1ml)と混合することができる。シンチレーションカウンターを用いてカラム溶離液中の放射能を定量化して、ポリメラーゼによって合成された産物の量を決定する。ポリメラーゼ活性の1単位は、30分間に10nモルの産物を合成するために必要なポリメラーゼの量として定義することができる(Lawyerら(1989)J.Biol.Chem.264:6427〜647)。ポリメラーゼ活性を測定する他の方法は、当技術分野で公知である(例えば、Sambrookら(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY)を参照のこと)。
[0042]精製された:本明細書において使用する場合、「精製された」は、分子が、含有されている試料の少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも98重量%の濃度で試料中に存在することを意味する。
[0043]単離された:「単離された」分子は、通常、例えば分子の自然環境で会合している少なくとも1種の他の分子から分離されている核酸分子である。単離された核酸分子としては、その核酸分子を通常発現する細胞に含有された核酸分子が挙げられるが、その核酸分子は、染色体外、またはその自然の染色体位置とは異なる染色体位置に存在する。
[0044]相同性%:本明細書においては、「相同性%」という用語は、本明細書の「同一性%」という用語と互換的に使用し、本発明のポリペプチドのいずれか1つをコードする核酸配列、または本発明のポリペプチドのアミノ酸配列の間での、配列アライメントプログラムを使用して整列させた場合の核酸またはアミノ酸配列の同一性のレベルを指す。
[0045]例えば、本明細書において使用する場合、相同性80%は、定義済みのアルゴリズムによって決定される配列同一性80%と同じことを意味し、したがって所与の配列の相同体は、所与の配列ある長さにわたって80%超の配列同一性を有する。配列同一性の例示的なレベルとしては、所与の配列、例えば本明細書に記載する本発明のポリペプチドのいずれか1つのコード配列との80、85、90、95、98%以上の配列同一性が挙げられるが、これらに限定されない。
[0046]2つの配列間の同一性を決定するのに使用することができる例示的なコンピュータープログラムとしては、インターネット上で公開されている一連のBLASTプログラム、例えば、BLASTN、BLASTX、およびTBLASTX、BLASTP、およびTBLASTNが挙げられるが、これらに限定されない。Altschulら、1990年、およびAltschulら、1997年、も参照のこと。
[0047]配列検索は、GenBankのDNA配列および他の公開データベースの核酸配列と比較して所与の核酸配列を評価する場合には、典型的にはBLASTNプログラムを使用して行う。BLASTXプログラムは、GenBankのタンパク質配列および他の公開データベースのアミノ酸配列に対して、全ての読み枠で翻訳されている核酸配列を検索することに好ましい。BLASTNとBLASTXの両方は、11.0のオープンギャップペナルティー、および1.0のエクステンディッドギャップペナルティーのデフォルトパラメーターを使用し、BLOSUM−62マトリックスを利用して走らせる。(例えば、Altschul,S.F.ら、Nucleic Acids Res.25:3389〜3402、1997年を参照のこと。)
[0048]2つ以上の配列間での「同一性%」を決定するための、選択された配列の好ましいアライメントは、例えば、MacVectorバージョン13.0.7のCLUSTAL−Wプログラムを使用し、10.0のオープンギャップペナルティー、0.1のエクステンディッドギャップペナルティーを含むデフォルトパラメーター、およびBLOSUM30類似度マトリックスを用いて動作させて行う。
[0049]改変DNAポリメラーゼ:本明細書において使用する場合、「改変DNAポリメラーゼ」という用語は、別の(すなわち、親)DNAポリメラーゼから生じ、親DNAポリメラーゼと比較して1つまたは複数のアミノ酸の変化(例えば、アミノ酸の置換、欠失または挿入)を含有するDNAポリメラーゼを指す。一部の実施形態においては、本発明の改変DNAポリメラーゼは、天然由来のDNAポリメラーゼ、または野生型DNAポリメラーゼから生じるか、またはそれから改変されている。一部の実施形態においては、本発明の改変DNAポリメラーゼは、組換えDNAポリメラーゼまたは操作されたDNAポリメラーゼから生じるか、またはそれから改変されている。組換えDNAポリメラーゼまたは操作されたDNAポリメラーゼとしては、キメラDNAポリメラーゼ、融合DNAポリメラーゼ、または別の改変DNAポリメラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、改変DNAポリメラーゼは、親ポリメラーゼと比較して変更された表現型を少なくとも1つ有する。
[0050]変異:本明細書において使用する場合、「変異」という用語は、親配列に導入された変更を指し、その変更としては、置換、挿入、欠失(切り詰めを含める)が挙げられるが、これらに限定されない。変異の結果としては、親配列によってコードされるタンパク質では見出されない新しい特性、特質、機能、表現型、または形質の創造が挙げられるが、これらに限定されない。
[0051]変異体:本明細書において使用する場合、「変異体」という用語は、親タンパク質と比較した場合に変化した特性を示す改変タンパク質を指す。「バリアント」および「変異体」という用語は、本明細書において互換的に使用する。
[0052]野生型:本明細書において使用する場合、「野生型」という用語は、天然由来の供給源から単離された際に、その遺伝子または遺伝子産物の特性を有する遺伝子または遺伝子産物を指す。
[0053]忠実度:本明細書において使用する場合、「忠実度」という用語は、鋳型依存性DNAポリメラーゼによるDNA重合の精度、または、鋳型DNAに結合している誤ったヌクレオチドに対する正しいヌクレオチドのkoffの測定差異のいずれかを指す。DNAポリメラーゼの忠実度は、典型的には、エラー率(不正確なヌクレオチド、すなわち、鋳型依存的な方式で組み込まれていないヌクレオチドを組み込む頻度)によって測定する。DNA重合の精度または忠実度は、DNAポリメラーゼのポリメラーゼ活性と3’−5’エキソヌクレアーゼ活性の両方によって維持される。「高忠実度」という用語は、4.45×10−6変異/nt/倍加未満(例えば、4.0×10−6、3.5×10−6、3.0×10−6、2.5×10−6、2.0×10−6、1.5×10−6、1.0×10−6、0.5×10−6変異/nt/倍加未満)のエラー率を指す。DNAポリメラーゼの忠実度またはエラー率は、当技術分野で公知のアッセイを使用して測定することができる。例えば、DNAポリメラーゼのエラー率は、本明細書に記載するように試験するか、またはJohnsonら、Biochim Biophys Acta.2010年5月;1804(5):1041〜1048において記載されているように試験することができる。
[0054]ナノポア:本明細書において使用する場合、「ナノポア」という用語は概して、膜に形成された、または他の方法で膜に与えられた細孔、チャネル、または通路を指す。膜は、脂質二重層などの有機膜であっても、ポリマー材料で形成された膜などの合成膜であってもよい。膜はポリマー材料としてもよい。ナノポアは、例えば相補型金属酸化膜半導体(CMOS)回路または電界効果トランジスター(FET)回路などの検出回路、または検出回路に連結された電極に隣接して、またはその近傍に配置してもよい。一部の例においては、ナノポアは、0.1ナノメートル(nm)〜約1000nmの桁の特徴的な幅または直径を有する。一部のナノポアはタンパク質である。アルファ溶血素、MspAは、タンパク質ナノポアの例である。
[0055]ヌクレオチド:本明細書において使用する場合、DNAまたはRNAの単量体ユニットは、糖部分(ペントース)、リン酸、および窒素含有複素環塩基からなる。塩基はグリコシドの炭素(ペントースの1’炭素)を介して糖部分に連結され、その塩基と糖の組合せがヌクレオシドである。ヌクレオシドが、ペントースの3’位または5’位に結合したリン酸基を含有する場合、それはヌクレオチドと呼ばれる。作用的に連結されたヌクレオチドの配列は、本明細書においては典型的に「塩基配列」または「ヌクレオチド配列」と呼び、本明細書においては、左から右への方向が、5’末端から3’末端への従来の方向になっている式によって表す。本明細書において使用する場合、「改変ヌクレオチド」は、ヌクレオチドポリリン酸、例えば、ヌクレオチド3、4、5、6、7、または8リン酸を指す。
[0056]オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド:本明細書において使用する場合、「オリゴヌクレオチド」という用語は、2つ以上、好ましくは3つ超のデオキシリボヌクレオチドおよび/またはリボヌクレオチドを含む分子として定義される。その正確なサイズは多くの因子に依存し、その因子はさらにはオリゴヌクレオチドの最終的な機能または用途に依存することになる。オリゴヌクレオチドは、合成によって、またはクローニングによって得ることができる。本明細書において使用する場合、「ポリヌクレオチド」という用語は、鎖内で共有結合したヌクレオチド単量体で構成されたポリマー分子を指す。DNA(デオキシリボ核酸)およびRNA(リボ核酸)は、ポリヌクレオチドの例である。
[0057]ポリメラーゼ:本明細書において使用する場合、「ポリメラーゼ」は、ヌクレオチドの重合を触媒する(すなわち、ポリメラーゼ活性)酵素を指す。通常、その酵素は、ポリヌクレオチドの鋳型配列にアニーリングしたプライマーの3’末端で合成を開始し、鋳型鎖の5’末端へ進行することになる。「DNAポリメラーゼ」は、デオキシヌクレオチドの重合を触媒する。
[0058]プライマー:本明細書において使用する場合、「プライマー」という用語は、核酸鎖に相補的なプライマー延長産物の合成が誘導される条件下に置かれた場合、例えば、好適な温度における適切なバッファー(「バッファー」は、pH、イオン強度、補助因子などを含む)中の4種の異なるヌクレオチド三リン酸および熱安定性酵素の存在下で、核酸合成の開始点の役割を果たすことができる、天然に存在しているものであっても合成によって生成されたものであってもよいオリゴヌクレオチドを指す。プライマーは、増幅効率を最大にするために1本鎖であることが好ましいが、代替的に2本鎖であってもよい。2本鎖の場合、プライマーは、まず、その鎖が分離するよう処理し、その後、延長産物の調製に使用する。プライマーはオリゴデオキシリボヌクレオチドであることが好ましい。プライマーは、熱安定性酵素の存在下での延長産物の合成の出発物質となるのに充分な長さでなければならない。プライマーの正確な長さは、温度、プライマーの供給源、および方法の用途を含めた多くの因子に依存することになる。例えば、標的配列の複雑さに依存して、オリゴヌクレオチドプライマーは典型的には15〜25ヌクレオチドを含有するが、それよりも多いか、または少ないヌクレオチドを含有することができる。短いプライマー分子は概して、鋳型と充分に安定なハイブリッド複合体を形成するにはより低い温度を必要とする。
[0059]処理能力:本明細書において使用する場合、「処理能力」は、鋳型に付いてとどまり、複数の改変反応を行うポリメラーゼの能力を指す。「改変反応」としては、重合、およびエキソヌクレアーゼ的切断が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態においては、「処理能力」は、成長しているDNA鎖から酵素が途中で解離することなく一連の重合工程を行うDNAポリメラーゼの能力を指す。典型的には、DNAポリメラーゼの「処理能力」は、成長しているDNA鎖からDNAポリメラーゼが途中で解離することなく重合または改変されるヌクレオチドの長さ(例えば、20nt、300nt、0.5〜1kb以上)によって測定する。「処理能力」は、ポリメラーゼの性質、DNA鋳型の配列、および反応条件、例えば、塩濃度、温度、または特定のタンパク質の存在に依存し得る。本明細書において使用する場合、「高処理能力」という用語は、鋳型との1会合/解離当たり20nt超(例えば、40nt超、60nt超、80nt超、100nt超、120nt超、140nt超、160nt超、180nt超、200nt超、220nt超、240nt、260nt超、280nt超、300nt超、320nt超、340nt超、360nt超、380nt超、400nt超、またはそれ以上)の処理能力を指す。処理能力は、本明細書およびWO01/92501A1(MJ Bioworks,Inc.、Improved Nucleic Acid Modifying Enzymes、2001年12月06日公開)において定義された方法に従って測定することができる。
[0060]合成:本明細書において使用する場合、「合成」という用語は、鋳型依存的な方式で、新しいポリヌクレオチド鎖を作製するか、または現存するポリヌクレオチド(すなわち、DNAまたはRNA)を伸長する任意のインビトロ方法を指す。本発明による合成には、ポリメラーゼを使用してポリヌクレオチド鋳型配列の複製物の数を増加させる増幅が含まれる。ポリヌクレオチドの合成(例えば、増幅)の結果、ヌクレオチドがポリヌクレオチド(すなわちプライマー)に組み込まれ、それによってポリヌクレオチド鋳型に相補的な新しいポリヌクレオチド分子が形成される。形成されたポリヌクレオチド分子およびその鋳型は、さらなるポリヌクレオチド分子を合成するための鋳型として使用することができる。本明細書において使用する場合、「DNA合成」には、PCR、ポリヌクレオチドの標識(すなわち、プローブおよびオリゴヌクレオチドプライマーに対して)、ポリヌクレオチドシーケンシングが含まれるが、これらに限定されない。
[0061]鋳型DNA分子:本明細書において使用する場合、「鋳型DNA分子」という用語は、例えばプライマー延長反応において、DNAポリメラーゼによって相補的な核酸鎖が合成される核酸鎖を指す。
[0062]鋳型依存的な方式:本明細書において使用する場合、「鋳型依存的な方式」という用語は、鋳型依存的なプライマー分子の延長(例えば、DNAポリメラーゼによるDNA合成)を含むプロセスを指す。「鋳型依存的な方式」という用語は、典型的には、新たに合成されるポリヌクレオチド鎖の配列が、相補的な塩基対形成の周知の規則によって規定される、RNAまたはDNAのポリヌクレオチドの合成を指す(例えば、Watson,J.D.ら、Molecular Biology of the Gene、第4版、W.A.Benjamin,Inc.、Menlo Park、Calif.(1987)を参照のこと)。
[0063]タグ:本明細書において使用する場合、「タグ」という用語は、原子もしくは分子、または、原子もしくは分子の集団としてもよい検出可能な部分を指す。タグは、光学的、電気化学的、磁気的、または静電的(例えば、誘導的、容量的)性状を示すことができ、その性質は、ナノポアを利用して検出することができる。
[0064]タグ付きヌクレオチド:本明細書において使用する場合、「タグ付きヌクレオチド」という用語は、タグが付けられたヌクレオチドまたは改変ヌクレオチドを指す。タグは、糖、リン酸(もしくはポリリン酸)、または塩基に共有結合で付けてもよい。タグは、末端リン酸上にあってもよい。
[0065]ベクター:本明細書において使用する場合、「ベクター」という用語は、異なる宿主細胞間の移動用に設計された核酸構造物を指す。「発現ベクター」は、外来性細胞において異種DNA断片を組み込んで発現する能力を有するベクターを指す。多くの原核生物発現ベクターおよび真核生物発現ベクターが市販されている。適切な発現ベクターの選択は、当業者に知られている。
[0066]本明細書において示すポリメラーゼバリアントは、WO2013/188841(Genia Technologies,Inc.、Chip Set−Up and High−Accuracy Nucleic Acid Sequencing、2013年12月19日公開)において記載されている、チップを用いたポリヌクレオチドシーケンシングに有用である。
[0067]DNAのシーケンシングに用いられるポリメラーゼの望ましい特性は、以下のとおりである。
a.遅いkoff(改変ヌクレオチドに対して)
b.速いkon(改変ヌクレオチドに対して)
c.高忠実度
d.低エキソヌクレアーゼ活性
e.DNA鎖置換
f.より速いkchem(改変ヌクレオチド基質に対して)
g.向上した安定性
h.処理能力
i.塩耐性
j.ナノポアへの取付けの適合性
k.4、5、6、7、または8個のリン酸を有するヌクレオチドポリリン酸、例えばヌクレオチド四リン酸、ヌクレオチド五リン酸、ヌクレオチド六リン酸、ヌクレオチド七リン酸、またはヌクレオチド八リン酸を組み込む能力
l.シーケンシング精度
m.長いリード長、すなわち長時間連続性解読。
命名法
[0068]本明細書および特許請求の範囲において、アミノ酸残基の従来の1文字表記および3文字表記を使用する。
[0069]参照を容易にするため、本出願のポリメラーゼバリアントは、以下の命名法を使用して記載する。
[0070]元のアミノ酸(1つまたは複数):位置(1つまたは複数):置換したアミノ酸(1つまたは複数)。この命名法によれば、例えば、位置242におけるセリンのアラニンによる置換は、
Ser242AlaまたはS242A
として示す。
[0071]複数の変異はプラス記号によって分ける。すなわち、
Ala30Asp+Glu34SerまたはA30N+E34S
は、位置30および34における、アラニンとグルタミン酸をそれぞれアスパラギンとセリンに置換する変異を表す。
[0072]1つまたは複数の代替アミノ酸残基を所与の位置に挿入することができる場合は、A30N/E、またはA30NもしくはA30Eとして示す。
[0073]別段に述べられていない限り、残基の番号は、配列番号2の残基の番号付けに対応する。
ポリメラーゼの部位特異的突然変異誘発
[0074]クロストリジウムファージphiCPV4野生型配列は、本明細書において示しており(配列番号3、核酸コード領域およびHisタグ;配列番号1、タンパク質コード領域)、他の場所で入手可能である(National Center for BioinformaticsまたはGenBank受入番号AFH27113)。
[0075]点変異は、QuikChange Lightning2キット(Stategene/Agilent)を使用して、製造業者の指示書に従って導入することができる。
[0076]プライマーは、営利会社、例えばIDT DNAに注文することができる。
ナノポア構築および挿入
[0077]本明細書において記載する方法は、ポリメラーゼがナノポアに付いたナノポアを使用することができる。一部の場合においては、(例えば、各ナノポアで1つのみの核酸分子がシーケンシングされるように)ナノポア1つ当たりただ1つのポリメラーゼを有することが望ましい。しかしながら、例えばアルファ溶血素(aHL)を含めた多くのナノポアは、複数のサブユニット(例えば、aHLでは7サブユニット)を有する多量体タンパク質であり得る。サブユニットは、同じポリペプチドの同一複製物であり得る。本明細書においては、無改変サブユニット(例えば、a−HL)に対する改変サブユニット(例えば、a−HLバリアント)の規定された比を有する多量体タンパク質(例えば、ナノポア)を提供する。本明細書においては、無改変サブユニットに対する改変サブユニットの規定された比を有する多量体タンパク質(例えば、ナノポア)を作製する方法も提供する。
[0078]WO2014/074727(Genia Technologies,Inc.)の図27を参照すると、複数のサブユニットを有するタンパク質を構築する方法は、複数の第1のサブユニット2705を用意すること、および複数の第2のサブユニット2710を用意することを含み、第2のサブユニットは第1のサブユニットと比較すると改変されている。一部の場合においては、第1のサブユニットは野生型(例えば、天然源から精製したもの、または組換えで作製したもの)である。第2のサブユニットは、任意の好適な方法で改変することができる。一部の場合においては、第2のサブユニットは、(例えば、融合タンパク質として)付けられたタンパク質(例えば、ポリメラーゼ)を有する。
[0079]改変サブユニットは、化学反応性部分(例えば、連結の形成に好適なアジド基またはアルキン基)を含むことができる。一部の場合においては、当該方法は、反応(例えば、Click化学付加環化)を行って、実在物(例えば、ポリメラーゼ)を化学反応性部分に付けることをさらに含む。
[0080]当該方法は、第1のサブユニットを第2のサブユニット2715と第1の比で接触させて、第1のサブユニットおよび第2のサブユニットを有する複数のタンパク質2720を形成させることをさらに含むことができる。例えば、ポリメラーゼを付けるのに好適な反応基を有する改変aHLサブユニット1部を、野生型aHLサブユニット6部と混合することができる(すなわち、第1の比は1:6である)。複数のタンパク質は、第2のサブユニットに対する第1のサブユニットの複数の比を有することができる。例えば、混合したサブユニットは、改変サブユニット:無改変サブユニットの化学量論比(例えば、1:6、2:5、3:4)の分布を有するいくつかのナノポアを形成させることができる。
[0081]一部の場合においては、タンパク質は、サブユニットを単純に混合することによって形成させる。例えばaHLナノポアの場合においては、界面活性剤(例えば、デオキシコール酸)は、aHL単量体が細孔構造をとることを引き起こすことができる。ナノポアは、脂質(例えば、1,2−ジフィタノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPhPC)または1,2−ジ−O−フィタニル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DoPhPC))、および中温(例えば、約100℃未満)を用いて形成させることもできる。一部の場合においては、DPhPCを緩衝溶液と混合すると、大きな多重膜ベシクル(LMV)が生じ、この溶液にaHLサブユニットを加えて、混合物を40℃で30分間インキュベートすると、細孔が形成する。
[0082]異なる2種類のサブユニット(例えば、天然野生型タンパク質と、単一点変異を含有することができる第2のaHL単量体)を使用する場合、得られるタンパク質は、(例えば野生型と変異体タンパク質の)混合化学量論比を有することができる。これらのタンパク質の化学量論比は、細孔形成反応において使用する2種のタンパク質の濃度比に依存した式に従うことができる。この式は以下のとおりである。
100P=100[n!/m!(n−m)!]・fmut ・fwt n〜m、式中
=m個の変異体サブユニットを有する細孔の確率
n=サブユニットの総数(例えば、aHLでは7個)
m=「変異体」サブユニットの数
mut=一緒に混合した変異体サブユニットの割合または比
wt=一緒に混合した野生型サブユニットの割合または比
[0083]当該方法は、複数のタンパク質を分画して、第2のサブユニット2725に対する第1のサブユニットの第2の比を有するタンパク質の割合を増やすことをさらに含むことができる。例えば、ただ1つの改変サブユニットを有するナノポアタンパク質を単離することができる(例えば、第2の比は1:6)。しかしながら、いずれの第2の比も好適である。第2の比の分布も分画することができ、例えば、1つまたは2つのいずれかの改変サブユニット有するタンパク質の割合を増やすことができる。WO2014/074727の図27に示されているように、タンパク質を形成するサブユニットの総数は7個であるとは限らない(例えば、異なるナノポアを使用することができ、または6個のサブユニットを有するアルファ溶血素ナノポアが形成し得る)。一部の場合においては、1つのみの改変サブユニットを有するタンパク質の割合を増やす。このような場合においては、第2の比は、第1のサブユニット(n−1)個当たり、第2のサブユニット1個であり、nはタンパク質を構成するサブユニットの数である。
[0084]第1の比は、第2の比と同じものとすることができるが、必要とされるものではない。一部の場合においては、変異単量体を有するタンパク質は、変異サブユニットを有しないタンパク質よりも低い効率で形成し得る。この場合は、第1の比は、第2の比よりも大きいものとすることができる(例えば、変異サブユニット1:無変異サブユニット6の第2の比がナノポアで所望される場合、好適な数の1:6タンパク質を形成させるには、1:6よりも大きい比でサブユニットを混合することが必要とされてもよい)。
[0085]異なる第2のサブユニット比を有するタンパク質は、分離において、異なる挙動を示す(例えば、異なる保持時間を有する)ことができる。一部の場合においては、タンパク質は、イオン交換クロマトグラフィーまたはアフィニティークロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを使用して分画する。第1および第2のサブユニットは、改変を除いては同一とすることができるので、タンパク質における改変の数は、分離の根拠として役割を果たすことができる。一部の場合においては、第1または第2のサブユニットのいずれかは、分画を可能にするか、または分画の効率を改良するよう、(例えば、改変に加えて)精製タグを有する。一部の場合においては、ポリヒスチジンタグ(Hisタグ)、ストレプトアビジンタグ(Strepタグ)、または他のペプチドタグを使用する。一部の例においては、第1および第2のサブユニットはそれぞれ異なるタグを含み、分画工程では、各タグに基づき分画される。Hisタグの場合には、低いpHでタグに電荷を生じさせる(ヒスチジン残基は、側鎖のpKa未満で正に荷電する)。他のものと比較してaHL分子の1つにおいて電荷が有意に異なることにより、イオン交換クロマトグラフィーを使用して、0、1、2、3、4、5、6、または7個の「電荷タグ付き」aHLサブユニットを有するオリゴマーを分離することができる。原則的に、この電荷タグは、一定の電荷を運ぶ任意のアミノ酸が糸状に連なるものとすることができる。図28および図29では、Hisタグに基づくナノポアの分画の例が示されている。図28では、280ナノメートルにおける紫外吸光度、260ナノメートルにおける紫外吸光度、および伝導率のプロットが示されている。ピークは、改変サブユニットと無改変サブユニットの様々な比を有するナノポアに対応する。WO2014/074727の図29では、HisタグとStrepタグの両方を使用した、aHLナノポアおよびその変異体の分画が示されている。
[0086]一部の場合においては、分画後に、実在物(例えば、ポリメラーゼ)をタンパク質に付ける。タンパク質はナノポアとすることができ、実在物はポリメラーゼとすることができる。一部の例においては、当該方法は、第2の比のサブユニットを有するタンパク質を二重層に挿入することをさらに含む。
[0087]一部の状況においては、ナノポアは、複数のサブユニットを含むことができる。ポリメラーゼは、サブユニットの1つに付けることができ、サブユニットの少なくとも1つかつ全部未満が、第1の精製タグを含む。一部の例においては、ナノポアはアルファ溶血素またはそのバリアントである。一部の例においては、サブユニットの全てが第1の精製タグまたは第2の精製タグを含む。第1の精製タグは、(例えば、ポリメラーゼが付いたサブユニットにおける)ポリヒスチジンタグとすることができる。
ナノポアに付けられたポリメラーゼ
[0088]一部の場合においては、ポリメラーゼ(例えば、DNAポリメラーゼ)は、ナノポアに付けられ、かつ/または、ナノポアの近傍に配置される。ポリメラーゼは、ナノポアが膜に組み込まれる前または後に、ナノポアに付けることができる。一部の例においては、ナノポアおよびポリメラーゼは融合タンパク質(すなわち、単一のポリペプチド鎖)である。
[0089]ポリメラーゼは、任意の好適な方法でナノポアに付けることができる。一部の場合においては、ポリメラーゼは、ナノポア(例えば、溶血素)タンパク質単量体に付け、その後、(例えば、ポリメラーゼが付いていないナノポア(例えば、溶血素)単量体6つに対し、ポリメラーゼが付いた単量体1つの比で)全体のナノポア七量体を構築する。次いでナノポア七量体を膜に挿入することができる。
[0090]ポリメラーゼをナノポアに付ける別の方法は、溶血素単量体にリンカー分子を付けるか、または溶血素単量体を、取付け部位を有するよう変異させること、ならびに、その後、(例えば、リンカーおよび/または取付け部位を有しない溶血素単量体6つに対し、リンカーおよび/または取付け部位を有する単量体1つの比で)全体のナノポア七量体を構築することを含む。次いでポリメラーゼを、(例えば、膜への挿入前に、大量で)取付け部位または取付けリンカーに付けることができる。ポリメラーゼは、(例えば、七量体の)ナノポアを膜に形成させた後で、取付け部位または取付けリンカーに付けることもできる。一部の場合においては、複数のナノポア−ポリメラーゼペアを、バイオチップの(例えば、ウェルおよび/または電極に配置した)複数の膜に挿入する。一部の例においては、ポリメラーゼのナノポア複合体への取付けは、各電極上のバイオチップにおいて行う。
[0091]ポリメラーゼは、任意の好適な化学作用(例えば、共有結合および/またはリンカー)を用いてナノポアに付けることができる。一部の場合においては、ポリメラーゼは、分子ステープル(molecular staple)を用いてナノポアに付ける。一部の例においては、分子ステープルは、3種のアミノ酸配列(リンカーA、B、およびCで示す)を含む。リンカーAは溶血素単量体から延びることができ、リンカーBはポリメラーゼから延びることができ、その場合にリンカーCは、リンカーAとリンカーBを(例えば、リンカーAとリンカーBの両方に巻き付くことによって)つなぐことができ、したがってポリメラーゼをナノポアとつなぐことができる。リンカーCは、リンカーAまたはリンカーBの一部分となるよう構築することもでき、したがってリンカー分子の数は減る。
[0092]一部の例においては、ポリメラーゼは、Solulink(商標)化学を用いてナノポアに連結する。Solulink(商標)は、HyNic(6−ヒドラジノ−ニコチン酸、芳香族ヒドラジン)と4FB(4−ホルミル安息香酸エステル、芳香族アルデヒド)の間の反応とすることができる。一部の例においては、ポリメラーゼは、Click化学(例えば、LifeTechnologiesから入手可能)を用いてナノポアに連結する。一部の場合においては、溶血素分子にジンクフィンガー変異を導入し、次に分子(例えば、DNA中間体分子)を使用してポリメラーゼを溶血素のジンクフィンガー部位に連結する。
[0093]ポリメラーゼをナノポアに付けることにおいて使用することができる他のリンカーは、直接の遺伝子連結(例えば、(GGGGS)1−3(配列番号4)アミノ酸リンカー)、トランスグルタミナーゼ媒介連結(例えば、RSKLG(配列番号5))、ソルターゼ媒介連結、およびシステイン修飾による化学連結である。本明細書において有用であると考えられる具体的なリンカーは、(GGGGS)1−3(配列番号4)、N末端のKタグ(RSKLG(配列番号5))、ΔTEV部位(12〜25)、ΔTEV部位+SpyCatcherのN末端(12〜49)である。
装置のセットアップ
[0094]ナノポアは、集積回路などの検出回路の検出電極に隣接して配置された膜に形成するか、または他の方法で埋め込んでもよい。集積回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)としてもよい。一部の例においては、集積回路は電界効果トランジスターまたは相補型金属酸化膜半導体(CMOS)である。検出回路は、ナノポアを有するチップもしくは他のデバイスに位置するか、または、チップもしくはデバイスの外部に、例えばオフチップ配置などで位置することができる。半導体は任意の半導体とすることができ、IV族半導体(例えば、ケイ素)、およびIII−V族半導体(例えば、ヒ化ガリウム)が含まれるが、これらに限定されない。ヌクレオチドまたはタグを検出するための装置およびデバイスのセットアップについては、例えば、WO2013/123450を参照のこと。
[0095]細孔を用いたセンサー(例えば、バイオチップ)は、単一分子の電子照合に使用することができる。細孔を用いたセンサーは、検出電極に隣接して、またはその近傍に配置された膜に形成された本開示のナノポアを含むことができる。センサーは対電極を含むことができる。膜は、トランス側(すなわち、検出電極に面する側)およびシス側(すなわち、対電極に面する側)を含む。
[0096]この後の実験に関する開示においては、以下の略記が適用される:eq(当量);M(モル濃度);μM(マイクロモル濃度);N(規定);mol(モル);mmol(ミリモル);μmol(マイクロモル);nmol(ナノモル);g(グラム);mg(ミリグラム);kg(キログラム);μg(マイクログラム);L(リットル);ml(ミリリットル);μl(マイクロリットル);cm(センチメートル);mm(ミリメートル);μm(マイクロメートル);nm(ナノメートル);℃(摂氏度);h(時間);min(分);sec(秒);msec(ミリ秒)。
[0097]本発明を以下の実施例においてさらに説明する。実施例は、いかなる方法でも、特許請求する本発明の範囲を限定することを意図するものではない。添付の図は、本発明の明細書および説明の一部をなす部分としてみなされることを意図している。全ての参考文献は、そこに記載されている全てが参照によって本明細書に明確に組み込まれる。以下の実施例は、説明するために提供するものであり、特許請求する本発明を限定するために提供するものではない。
定方向突然変異誘発
[0098]この実施例では、pol6ポリメラーゼへの所望の位置での変異導入を説明している。
[0099]Hisタグ付き野生型pol6をコードするDNAを、商業的供給源(DNA2.0、Menlo Park、California)から購入した。配列は、シーケンシングによって確かめた。
[00100]変異体スクリーニング用に、ポリメラーゼをそのまま発現させた(N末端His−Pol6)。polがチップに付くことを試験するため、pol6のN末端またはC末端にSpyCatcherドメインを操作して入れた。
[00101]Pol6−ヌクレオチド結合に影響を与える合理的位置は、公知の結晶構造のホモロジーモデリングに基づいて同定した。
[00102]最初のスクリーニング用に、合理的位置の各々を、Q5突然変異誘発プロトコールを用いて、Gly、Ala、Leu、Glu、Gln、Lys、His、Tyr、Pro、Trp、Thr、またはMetに変異させた。
[00103]各突然変異誘発反応用のプライマーは、NEB塩基チェンジャープロトコールを用いて設計し、IDTに96ウェルプレートフォーマットで注文した。
[00104]順方向プライマーおよび逆方向プライマーは、NEBから購入したT4ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)を使用して、ハイスループット(HTP)フォーマットで5’リン酸化した。典型的な25μl反応物は、10μMのプライマー15μl、5倍反応バッファー(NEBより)5μl、PNK酵素1.25μl、水3.75μlを含有した。反応は37℃で30分間行い、酵素は65℃で20分間熱失活させた。
[00105]PCR突然変異誘発は、NEBからのQ5DNAポリメラーゼを使用して行った。典型的な25μl反応物は、Q5バッファー5μl、GCエンハンサー5μl、10mM dNTP0.5μl、10μMリン酸化突然変異誘発順方向プライマーおよび逆方向プライマー1.25μl、Q5ポリメラーゼ0.25μl、および5ng/ml野生型Pol6鋳型、すなわちHis−Pol6 1μl、およびHO10.75μlを含有した。
[00106]PCRが完了したら、Dpn1 0.5μlをPCRミックス25μlに加え、37℃で1時間インキュベートした。
[00107]Dpn1で処理したPCR産物2.5μlをBlunt/TAリガーゼマスターミックス2.5μlに加える。室温で1時間インキュベートした。
[00108]ライゲーションミックス1μlを、96ウェルBL21DE3細胞(EMD Millipore)20μlに加え、氷上で5分間インキュベートする。
[00109]PCRデバイスを使用して、正確に30秒間、42℃で熱ショックを与え、氷上に2分間置く。
[00110]SOC80μlを加え、37℃のインキュベーターで1時間、振盪せずにインキュベートする。
[00111]SOCまたは超純水100μlを加え、カナマイシン50〜100μg/mlを含む48ウェルLB寒天プレートに蒔く。
発現および精製
[00112]以下の実施例では、pol6バリアントをハイスループット法を用いてどのように発現させて精製したかを詳しく述べる。
[00113]pD441ベクター(発現プラスミド)中のバリアントをコードするDNAを、大腸菌(E. coli)コンピテント細胞に形質転換し、グリセロールストックを作製した。グリセロールストックから取った微量から開始し、グルコース0.2%およびカナマイシン100μg/mlを含むLBでスターター培養物1mlを約8時間増殖させた。対数期のスターター培養物25μlを、96ディープウェルプレートの発現培地1ml(グルコース0.2%、リン酸カリウム50mM、MgCl2 5mM、およびカナマイシン100μg/mlを追加したTerrific Broth(TB)自己誘導培地)に移す。プレートを、250〜300rpmで振盪しながら28℃で36〜40時間インキュベートした。
[00114]次に細胞を、4℃で30分間、3200×gにて遠心分離して収集した。デカントして培地を除き、細胞ペレットをあらかじめ冷却した溶解バッファー200μl(リン酸カリウム20mM pH7.5、NaCl100mM、Tween20 0.5%、TCEP5mM、イミダゾール10mM、PMSF1mM、1×Bug Buster、リゾチーム100μg/ml、およびプロテアーゼ阻害剤)中で再懸濁させ、穏やかに撹拌しながら室温で20分間インキュベートした。次いで10倍ストックからの20μlを、最終濃度100μg/mlのDNase、5mMのMgCl2、100μg/mlのRNase Iに加え、氷上で5〜10分間インキュベートして溶解液を生成させる。溶解液に、1Mリン酸カリウム200μl、pH7.5(最終濃度は、溶解液400μl中の約0.5Mリン酸カリウムとなる)を追加し、4℃で10分間、約1500rpmにて遠心分離することによりPallフィルタープレート(部品番号5053、3ミクロンフィルター)でろ過する。次いで、澄んだ溶解液を、平衡化した96ウェルHis−Purコバルトプレート(Pierce部品番号90095)に入れ、15〜30分間結合させた。
[00115]流出液(FT)を、500×Gにて3分間遠心分離することによって収集した。次いでFTを400μlの洗浄バッファー1(リン酸カリウム0.5M pH7.5、NaCl1M、TCEP5mM、イミダゾール20mM、およびTween20 0.5%)で3回洗浄した。次いでFTを400μlの洗浄バッファー2(トリス50mM pH7.4、KCl200mM、TCEP5mM、Tween20 0.5%、イミダゾール20mM)で2回洗浄した。
[00116]Polを、溶出バッファー200μl(トリス50mM pH7.4、KCl200mM、TCEP5mM、Tween20 0.5%、イミダゾール300mM、グリセロール25%)を使用して溶出させ、1〜2分のインキュベーション後に収集した。溶離液を2〜3回、同じHis−Purプレートに再び入れて、溶離液中に濃縮したPol6を得る。精製したポリメラーゼは、SDS−PAGEで評価した場合に95%超の純度である。タンパク質濃度は、Nanodropによって評価した場合に約3uM(0.35mg/ml)であり、260/280比は0.6である。
[00117]ポリメラーゼ活性は、蛍光置換アッセイによって確認する(実施例3を参照のこと)。
活性の測定
[00118]この実施例では、バリアントポリメラーゼの活性を測定する方法を示す。
置換アッセイプロトコール
[00119]このアッセイでは、DNA鎖にヌクレオチドポリリン酸を組み込む変異体ポリメラーゼの能力、および2本鎖DNAをほどいて置換する変異体ポリメラーゼの能力を特性決定する。
[00120]ストック試薬は以下のとおりである。
低塩
高塩
[00121]単一変異体および二重変異体のスクリーニング用:
[00122]試薬Aを希釈液として使用して、1.42倍にて4種の異なるヌクレオチド条件を作製する。
[00123]三重変異体のスクリーニング用:
[00124]試薬Aを希釈液として使用して、1.42倍にて4種の異なるヌクレオチド条件を作製する。
[00125]ヌクレオチド条件1では、高濃度の六リン酸での活性について試験する。
[00126]ヌクレオチド条件2では、低濃度の六リン酸での活性について試験する。
[00127]ヌクレオチド条件3では、誤組み込み率(すなわち、忠実度)について試験する。変異体ポリメラーゼが、必要な4種のヌクレオチドのうちの3種のみでの有意な活性を示す場合には、変異体ポリメラーゼは、DNA鎖の延長中に正しいヌクレオチドまたは誤ったヌクレオチドを識別しないと結論する。
[00128]ヌクレオチド条件4では、エキソヌクレアーゼ活性について試験する。ヌクレオチドが存在しないときにポリメラーゼが有意な活性を示す場合には、ポリメラーゼはエキソヌクレアーゼ活性を示していると結論する。
[00129]96ウェルハーフエリア透明プレートの各反応ウェルに、
試薬A/ヌクレオチドミックス23μl
ポリメラーゼ(1〜10μM)2μl
を加える。
[00130]プレート振盪機で800RPMにて10分間振盪する。
[00131]各ウェルに1.4M NaCl5μlを加えてNaCl濃度を300mMに上げるか、または各ウェルに525mM NaCl5μlを加えてNaCl濃度を150mMに上げる。
[00132]30分間インキュベートする。
[00133]BMG LABTECHプレートリーダーにおいて、試薬B10μlを注入して、蛍光シグナルを2〜10分間読み取る。
[00134]バリアントポリメラーゼの置換アッセイからの代表的なデータを図5に示す。ポリメラーゼの活性は、A.dTnP20μM+dA、C、G3P15μM(赤色四角形;■)、B.dTnP5μM+dA、C、G3P15μM(青色ダイヤモンド形;◆)、C.dA、C、G3P15μM(緑色三角形;▲)の存在下、またはD.ヌクレオチドの非存在下(紫色×)での置換アッセイを用いて測定した。AおよびBは、変異体バリアントがヌクレオチドポリリン酸を組み込み、ヌクレオチドポリリン酸を用いてDNA鋳型に沿って延長することができることを示している。Cは、バリアントが忠実度を失っておらず、Tヌクレオチドの非存在下で無秩序なヌクレオチドを誤って組み込んでいないことを示している。D.は、発生したシグナルが、全てのヌクレオチドの非存在下でのポリメラーゼエキソヌクレアーゼ活性の結果ではないことを示している。4つの全ての曲線は、ポリメラーゼスクリーニングの一部分として4つの異なるアッセイプレートで試験した単一バリアントの代表である。
offの測定
[00135]下記のストップトフローアッセイを使用して、バリアントポリメラーゼのkoff速度を測定した。
[00136]試薬Aでは、ポリメラーゼは、Ca2+のような非触媒性2価金属の存在下で、フルオレセイン標識DNA鋳型−プライマーに、Cy3(またはAlexa555)連結ヌクレオチドポリリン酸と共に結合している。これはFRETペアを形成し、フルオレセインはドナーフルオロフォアであり、Cy3はアクセプターフルオロフォアである。試薬Bは追跡ヌクレオチドを含有する。このアッセイでは、鋳型/プライマーに組み込まれる1番目のヌクレオチドはシトシンである。
[00137]試薬A(NaCl75mM、HEPES25mM(pH7.5)、CaCl2 2mM、フルオレセイン−鋳型/プライマー250nM、dCnP−Cy3 20uM、およびポリメラーゼ>250nM)は、ポリメラーゼを確実に最後に加えながら成分を混合することによって新しく調製した。試薬A中でポリメラーゼを10分間インキュベートした。
[00138]試薬B(NaCl75mM、HEPES25mM(pH7.5)、CaCl2 2mM、およびdCTP200uM)を調製した。
[00139]試薬AとBを混合すると、dCTPはdCnP−Cy3と会合を競合し、dCTP濃度が過剰であるならば蛍光の増加が観測される。アッセイは、ストップフローデバイス(Kintek Corp)または蛍光プレートリーダーのいずれかを用いて行うことができる。時間に対する蛍光の増加を一次または二次指数関数にフィッティングして、その特定のポリメラーゼの速度定数koffを得る。
[00140]選択したバリアントの精製収量およびkoffを表1に示す。
[00141]アッセイの模式図、および例示的な反応のグラフについては、図3を参照のこと。代表的なデータについては、図10を参照のこと。
offの測定
[00142]この実施例では、蛍光偏光を用いる、koffを測定する代替方法を示す。
[00143]トリス25mM pH7.0、KCl75mM、Triton−X100 0.01%、1×BSA(100ug/ml)、EDTA0.5mM、CaCl2 2mM、DTT2mMを含むアッセイバッファーを使用して、ヘアピンフルオレセイン標識DNA鋳型およびdC6P−C6−Cy3タグ付きヌクレオチド250nMを含有するアッセイマスターミックスを調製した。マスターミックス55μlを黒色96ウェルCostarプレートのウェルの各々に加え、培養物1mlから精製したポリメラーゼ変異体20μlをハイスループット(HTP)フォーマットで加えた。プレートは、プレート振盪機で1分間振盪し、ポリメラーゼ−DNA鋳型−ヌクレオチドの均一な三元複合体を形成させた。プレートをBMG Polarstarプレートリーダー(BMG LABTECH Inc.、North Carolina)に置き、2000周辺でのゲインを有するよう標的ミリ偏光を200mPおよび10%に調節した。励起フィルターは485nMに設定し、発光フィルターは590〜20nMに設定した。注射器に、1mM dCTP追跡ヌクレオチド溶液1mlを詰めた。データは、1インターバルにつき1ウェル当たり最低30フラッシュで、開始の合計読取り時間60秒で収集した。遅い解離を示したヒット変異体では、フラッシュを50以上に増加させ、より長い読取り時間を取った。データ収集は、1mM dCTP25μlの注入で開始した。
[00144]アッセイの模式図、および例示的な反応のグラフについては、図4を参照のこと。
[00145]蛍光偏光に基づくkoffアッセイからの、2種のバリアントポリメラーゼ(S366A+N535L+I652Q(B6)およびS366A+P542E+I652Q(C6))の代表的なデータについては、図6を参照のこと。mPはミリ偏光である。あらかじめ形成させた、ポリメラーゼ−DNA鋳型−dCnP−Alexa555の三元複合体を、未変性dCTPを用いて追跡し、偏光dCnP−Alexa555をある時間にわたってモニターした。
chemの測定
[00146]この実施例では、バリアントポリメラーゼのkchemを測定するためのFRETに基づくアッセイを示す。
[00147]試薬Aでは、ポリメラーゼはフルオレセイン標識DNA鋳型−プライマーに結合している。試薬Bは、Mg2+のような触媒性2価金属の存在下で、Cy3(またはAlexa555)連結ヌクレオチドポリリン酸を含有する。このプロトコールでは、鋳型/プライマーに組み込まれる1番目のヌクレオチドはシトシンである。
[00148]試薬A(NaCl75mM、HEPES25mM(pH7.5)、フルオレセイン−鋳型/プライマー250nM、ポリメラーゼ>250nM)を調製した。ポリメラーゼは、試薬A中で10分間インキュベートした。
[00149]試薬B(NaCl75mM、HEPES25mM(pH7.5)、MgCl 10mM、およびdCnP−Cy3 20uM)を調製した。
[00150]試薬AとBを混合すると、ポリメラーゼ−フルオレセイン−鋳型−プライマー複合体はdCnP−Cy3に結合し、蛍光が消光する。Mg2+は、ポリメラーゼがヌクレオチドを組み込むことを可能にし、ヌクレオチドは切断産物である、Cy3が付いたピロリン酸、nP−Cy3を放出する。消光剤が放出されるので、蛍光は増加する。アッセイは、ストップフローデバイス(Kintek Corp)または蛍光プレートリーダーのいずれかを用いて行うことができる。
[00151]アッセイの模式図、および例示的な反応のグラフについては、図2を参照のこと。代表的なデータについては、図9を参照のこと。
ナノポアへの取付け
[00152]この実施例では、バリアントポリメラーゼをナノポア、例えばα−溶血素に付ける方法を示す。
[00153]ポリメラーゼは、任意の好適な手段によってナノポアに連結してもよい。例えば、PCT/US2013/068967(WO2014/074727として公開;Genia Technologies,Inc.)、PCT/US2005/009702(WO2006/028508として公開;President and Fellows of Harvard College)、およびPCT/US2011/065640(WO2012/083249として公開;Columbia University)を参照のこと。
[00154]ポリメラーゼ、例えばバリアントpol6DNAポリメラーゼを、リンカー分子を介してタンパク質ナノポア(例えば、アルファ溶血素)に連結させた。詳細には、生理的条件下で共有結合性イソペプチド連結を自発的に形成するSpyTagおよびSpyCatcherシステムを使用した。例えば、Liら、J Mol Biol.2014年1月23;426(2):309〜17を参照のこと。
[00155]pol6バリアントSpyCatcher Hisタグを実施例2に従って発現させ、コバルトアフィニティーカラムを使用して精製した。SpyCatcherポリメラーゼおよびSpyTagオリゴマー化ナノポアタンパク質を、3mM SrCl中で、4℃にて終夜インキュベートした。次に1:6−ポリメラーゼ−鋳型複合体を、分子ふるいクロマトグラフィーを使用して精製した。
[00156]pol6バリアントのN末端またはC末端のいずれかに、リンカーを付けた。N末端で付けられたバリアントはより頑強、例えばより安定であることが見出された。したがって、N末端に付けられたリンカーを使用した。
バイオチップにおける活性
[00157]この実施例では、ナノポアに結合したバリアントポリメラーゼがタグ付きヌクレオチドに結合して、それによりポリメラーゼが付いたナノポアで閉鎖チャネル電流の検出を可能にさせる、バリアントポリメラーゼの能力を示す。
[00158]ポリメラーゼをナノポアに付け、バイオチップとも呼ばれる半導体センサーチップのウェル上の脂質二重層に埋め込んだ。脂質二重層は、PCT/US2014/061853(「Methods for Forming Lipid Bilayers on Biochips」という題名で、2014年10月22日に出願された)において記載されているように形成させて、ポリメラーゼが付いたナノポアを挿入した。
[00159]バリアントポリメラーゼは、低塩条件下で鋳型DNAと複合化した。
[00160]ナノポアに結合したバリアントポリメラーゼのタグ付きヌクレオチドに結合する能力は、静的捕獲実験において測定した。静的捕獲実験では、タグ付きヌクレオチドがポリメラーゼに結合し、タグ付きヌクレオチドがナノポアに呈示されたときに閉鎖チャネル電流を測定する。静的捕獲実験はCa2+の存在下で行い、Ca2+は、DNAの触媒作用および伸長を妨げ、また同じ種類のタグ付きヌクレオチドの繰り返しの捕獲を検出することを可能にする。この実験においては、使用したタグ付きヌクレオチドはdTnP−タグであった。
[00161]バイオチップのアルファ溶血素ナノポアに連結した例示的なポリメラーゼバリアントPol6(S366A+N535L+I652Q)を、鋳型DNAと複合化した。
[00162]Pol6(S366A+N535L+I652Q)−DNA複合体によるタグ付きチミジンヌクレオチド(タグはT30である(配列番号9))の静的捕獲は、二重層の上下でのHepes7.5 20mM、NaCl300mM、CaCl 3mM、およびTCEP5mMの存在下で、100mVで記録した。
[00163]結果を図7および図8に示す。図7におけるトレースでは、時間の関数として、細孔をわたって100mVで測定した電解電流が示されている。この電圧における開口細孔電流は約1nAであり(一番上のトレース)、同じ電圧における閉鎖細孔電流は約0.33nAであった(中央のトレース)。システムのソフトウェアに従って、開口チャネル電流を1に対し正規化した。閉鎖チャネル電流は、dTnP−T30(配列番号9)によって開口チャネル電流の33%に減少した。このトレースで示されている電流遮断は、ナノポアの近傍で生じるバリアントPol6−DNA複合体によるチミジンポリリン酸の結合に関連している。図7(右)における、対応する一番上のヒストグラムでは、100mVにて、同じ細孔での開口細孔電流に対し正規化された電流の変化で観測された電流遮断の頻度が示されており、中央のトレースに対応するヒストグラム(右)では、100mVにて、同じ細孔での閉鎖細孔電流に対し正規化された電流の変化で観測された電流遮断の頻度が示されている。
[00164]図8では、図7に示されているタグ付きチミジンの静的捕獲の滞留時間が示されている。図8(左)では、開口チャネル電流に対し正規化された電流の関数としての、タグ付きdTNPがバリアントPol6に結合することの発生回数のヒストグラムが示されている。dTNPタグ付きヌクレオチドの各捕獲の平均滞留時間は、1.2秒と測定された。細孔におけるタグのバックグラウンド捕獲(すなわち、ポリメラーゼが媒介していないもの)は、数ミリ秒の範囲の滞留時間を有する(データ示さず)。酵素進化のゴールは、タグ付きヌクレオチドポリリン酸の解離速度を改良することであったので、バックグラウンドからはっきりと区別されるポリメラーゼ媒介捕獲を記録するのに充分長い滞留時間が理解され得る。図8に示されているように、1.2秒の平均滞留時間は、バックグラウンドよりもかなり上である。セルインデックスは、この実験において使用するチップに存在する約8000個のセルの、色に基づくスキームである。
[00165]データにより、例示的なバリアントポリメラーゼPol6(S366A+N535L+I652Q)は、タグ付きヌクレオチドに結合することができ、ポリメラーゼが付けられたナノポアによる電流変化の検出を可能にすることが示されている。
[00166]この結果は、バイオチップのナノポアに付けられたバリアントポリメラーゼが、高忠実度でタグ付きヌクレオチドに結合し、そのタグ付きヌクレオチドを、ヌクレオチド組み込みの検出に充分な時間、また場合によっては例えばナノポアシーケンシング中の挿入、欠失などのシーケンシングエラーの確率を減らすのに充分な時間を与える滞留時間でナノポアに呈示することができる証拠を示している。
ローリングサークル増幅アッセイ
[00167]この実施例では、ローリングサークル型アッセイにおけるポリヌクレオチド鋳型の増幅を説明する。
[00168]使用した鋳型は、社内製の鋳型HFcirc10であった。その鋳型は、長さ約150bpの単純環状鋳型である。
[00169]合計反応容量40μl(試薬A28μl+2μMポリメラーゼ2μl+試薬B10μl)でアッセイを行った。
[00170]試薬A:
[00171]試薬B:
[00172]2μMポリメラーゼ2μlを試薬A28μlに加えて、最終アッセイミックス40μl中でのDNA:ポリメラーゼ(それぞれ100nM)のモル比を1:1にした。試薬A/ポリメラーゼミックスを、この75mMの塩条件において10分間インキュベートして、ポリメラーゼをDNAに結合させた。
[00173]次に、試薬B10μlを試薬A/ポリメラーゼ混合物に加えて、反応を開始させた。
[00174]所定の時点にて試料10μlを反応物から取り出し、EDTA50mMを含むホルムアミド10μlに加えて反応を失活させた。試料は、0分、10分、30分、および40分の時点で取った。
[00175]ホルムアミド試料を約3分間、94℃に加熱して、タンパク質と、DNAの二次構造とを変性させた。試料は4℃に放冷しなかった。100×SYBR GREENまたはGOLD色素2μlを加えた。
[00176]各試料の15μlを、1.2%アガロースゲルにおいて、100Vで1時間15分間泳動させた。
[00177]Biorad GEL DOC EZ撮像装置の青色トレーを使用して、ゲルの画像を取得した。
[00178]図11では、アッセイの40分時点の結果が示されている。左から右に数えてレーン1および19において分子ラダーが示されている。レーン2はt=0の試料を有し、産物は見えない。レーン3〜18の各々は、異なるバリアントpol6ポリメラーゼである。
[00179]示されている全てのバリアントは鎖置換を行うことができ、長いキロベースのDNA産物を、全てヌクレオチド六リン酸を用いて産生することができる。
タグ付きヌクレオチドを使用した鋳型DNAのシーケンシング
[00180]この実施例では、バリアントポリメラーゼが、バイオチップでの合成法によるシーケンシングにおいて機能的であることを示す。
[00181]Pol6−26i−D44Aポリメラーゼを使用したヘテロポリマー鋳型のACシーケンシングを、Hepes20mM、pH8、グルタミン酸カリウム500mM、およびMgCl2 3mMにおいて、室温で行った。ポリメラーゼが付いたナノポアを、本明細書において記載したように脂質二重層に埋め込んだ。プライマーが付いたDNAを加え、ポリメラーゼと複合化させた。4種の異なるタグ付きヌクレオチドを25μMの濃度で加えた。合成によるシーケンシングは、「Nucleic Acid Sequencing Using Tags」という題名のWO2014/074727において記載されているように進めてもよい。図12におけるトレースでは、ヘテロポリマー鋳型に対する76%のシーケンシング精度、および96bpのリード長が示されている。
[00182]本明細書において記載される実施例および実施形態は、単なる例示目的のものであり、またその実施例および実施形態を考慮した様々な改変または変化が当業者に提案されることになり、本出願の趣旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれることになることが理解されよう。本明細書において引用されるあらゆる刊行物、特許、および特許出願は、参照によりその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
配列番号1−野生型Pol6(DNAポリメラーゼ[クロストリジウムファージphiCPV4];GenBank:AFH27113.1)
1 mdkhtqyvke hsfnydeykk anfdkiecli fdtesctnye ndntgarvyg wglgvtrnhn 061 miygqnlnqf wevcqnifnd wyhdnkhtik itktkkgfpk rkyikfpiav hnlgwdvefl 121 kyslvengfn ydkgllktvf skgapyqtvt dveepktfhi vqnnnivygc nvymdkffev 181 enkdgsttei glcldffdsy kiitcaesqf hnyvhdvdpm fykmgeeydy dtwrspthkq 241 ttlelryqyn diymlrevie qfyidglcgg elpltgmrta ssiafnvlkk mtfgeektee 301 gyinyfeldk ktkfeflrkr iemesytggy thanhkavgk tinkigcsld inssypsqma 361 ykvfpygkpv rktwgrkpkt eknevyliev gfdfvepkhe eyaldifkig avnskalspi 421 tgavsgqeyf ctnikdgkai pvykelkdtk lttnynvvlt sveyefwikh fnfgvfkkde 481 ydcfevdnle ftglkigsil yykaekgkfk pyvdhftkmk venkklgnkp ltnqakliln 541 gaygkfgtkq nkeekdlimd knglltftgs vteyegkefy rpyasfvtay grlqlwnaii 601 yavgvenfly cdtdsiycnr evnsliedmn aigetidkti lgkwdvehvf dkfkvlgqkk 661 ymyhdckedk tdlkccglps darkiiigqg fdefylgknv egkkqrkkvi ggcllldtlf 721 tikkimf

配列番号2−Pol6(Hisタグ付き)
MHHHHHHHHS GGSDKHTQYV KEHSFNYDEY KKANFDKIEC LIFDTESCTN 50
YENDNTGARV YGWGLGVTRN HNMIYGQNLN QFWEVCQNIF NDWYHDNKHT 100
IKITKTKKGF PKRKYIKFPI AVHNLGWDVE FLKYSLVENG FNYDKGLLKT 150
VFSKGAPYQT VTDVEEPKTF HIVQNNNIVY GCNVYMDKFF EVENKDGSTT 200
EIGLCLDFFD SYKIITCAES QFHNYVHDVD PMFYKMGEEY DYDTWRSPTH 250
KQTTLELRYQ YNDIYMLREV IEQFYIDGLC GGELPLTGMR TASSIAFNVL 300
KKMTFGEEKT EEGYINYFEL DKKTKFEFLR KRIEMESYTG GYTHANHKAV 350
GKTINKIGCS LDINSSYPSQ MAYKVFPYGK PVRKTWGRKP KTEKNEVYLI 400
EVGFDFVEPK HEEYALDIFK IGAVNSKALS PITGAVSGQE YFCTNIKDGK 450
AIPVYKELKD TKLTTNYNVV LTSVEYEFWI KHFNFGVFKK DEYDCFEVDN 500
LEFTGLKIGS ILYYKAEKGK FKPYVDHFTK MKVENKKLGN KPLTNQAKLI 550
LNGAYGKFGT KQNKEEKDLI MDKNGLLTFT GSVTEYEGKE FYRPYASFVT 600
AYGRLQLWNA IIYAVGVENF LYCDTDSIYC NREVNSLIED MNAIGETIDK 650
TILGKWDVEH VFDKFKVLGQ KKYMYHDCKE DKTDLKCCGL PSDARKIIIG 700
QGFDEFYLGK NVEGKKQRKK VIGGCLLLDT LFTIKKIMF* 739

配列番号3−Hisタグ付きPol6(DNA配列)
ATGCATCACC ATCATCATCA CCACCACAGC GGCGGTTCCG ACAAACACAC 50
GCAGTACGTC AAAGAGCATA GCTTCAATTA TGACGAGTAT AAGAAAGCGA 100
ATTTCGACAA GATCGAGTGC CTGATCTTTG ACACCGAGAG CTGCACGAAT 150
TATGAGAACG ATAATACCGG TGCACGTGTT TACGGTTGGG GTCTTGGCGT 200
CACCCGCAAC CACAATATGA TCTACGGCCA AAATCTGAAT CAGTTTTGGG 250
AAGTATGCCA GAACATTTTC AATGATTGGT ATCACGACAA CAAACATACC 300
ATTAAGATTA CCAAGACCAA GAAAGGCTTC CCGAAACGTA AGTACATTAA 350
GTTTCCGATT GCAGTTCACA ATTTGGGCTG GGATGTTGAA TTCCTGAAGT 400
ATAGCCTGGT GGAGAATGGT TTCAATTACG ACAAGGGTCT GCTGAAAACT 450
GTTTTTAGCA AGGGTGCGCC GTACCAAACC GTGACCGATG TTGAGGAACC 500
GAAAACGTTC CATATCGTCC AGAATAACAA CATCGTTTAT GGTTGTAACG 550
TGTATATGGA CAAATTCTTT GAGGTCGAGA ACAAAGACGG CTCTACCACC 600
GAGATTGGCC TGTGCTTGGA TTTCTTCGAT AGCTATAAGA TCATCACGTG 650
TGCTGAGAGC CAGTTCCACA ATTACGTTCA TGATGTGGAT CCAATGTTCT 700
ACAAAATGGG TGAAGAGTAT GATTACGATA CTTGGCGTAG CCCGACGCAC 750
AAGCAGACCA CCCTGGAGCT GCGCTACCAA TACAATGATA TCTATATGCT 800
GCGTGAAGTC ATCGAACAGT TTTACATTGA CGGTTTATGT GGCGGCGAGC 850
TGCCGCTGAC CGGCATGCGC ACCGCTTCCA GCATTGCGTT CAACGTGCTG 900
AAAAAGATGA CCTTTGGTGA GGAAAAGACG GAAGAGGGCT ACATCAACTA 950
TTTTGAATTG GACAAGAAAA CCAAATTCGA GTTTCTGCGT AAGCGCATTG 1000
AAATGGAATC GTACACCGGT GGCTATACGC ACGCAAATCA CAAAGCCGTT 1050
GGTAAGACTA TTAACAAGAT CGGTTGCTCT TTGGACATTA ACAGCTCATA 1100
CCCTTCGCAG ATGGCGTACA AGGTCTTTCC GTATGGCAAA CCGGTTCGTA 1150
AGACCTGGGG TCGTAAACCA AAGACCGAGA AGAACGAAGT TTATCTGATT 1200
GAAGTTGGCT TTGACTTCGT GGAGCCGAAA CACGAAGAAT ACGCGCTGGA 1250
TATCTTTAAG ATTGGTGCGG TGAACTCTAA AGCGCTGAGC CCGATCACCG 1300
GCGCTGTCAG CGGTCAAGAG TATTTCTGTA CGAACATTAA AGACGGCAAA 1350
GCAATCCCGG TTTACAAAGA ACTGAAGGAC ACCAAATTGA CCACTAACTA 1400
CAATGTCGTG CTGACCAGCG TGGAGTACGA GTTCTGGATC AAACACTTCA 1450
ATTTTGGTGT GTTTAAGAAA GACGAGTACG ACTGTTTCGA AGTTGACAAT 1500
CTGGAGTTTA CGGGTCTGAA GATTGGTTCC ATTCTGTACT ACAAGGCAGA 1550
GAAAGGCAAG TTTAAACCTT ACGTGGATCA CTTCACGAAA ATGAAAGTGG 1600
AGAACAAGAA ACTGGGTAAT AAGCCGCTGA CGAATCAGGC AAAGCTGATT 1650
CTGAACGGTG CGTACGGCAA ATTCGGCACC AAACAAAACA AAGAAGAGAA 1700
AGATTTGATC ATGGATAAGA ACGGTTTGCT GACCTTCACG GGTAGCGTCA 1750
CGGAATACGA GGGTAAAGAA TTCTATCGTC CGTATGCGAG CTTCGTTACT 1800
GCCTATGGTC GCCTGCAACT GTGGAACGCG ATTATCTACG CGGTTGGTGT 1850
GGAGAATTTT CTGTACTGCG ACACCGACAG CATCTATTGT AACCGTGAAG 1900
TTAACAGCCT CATTGAGGAT ATGAACGCCA TTGGTGAAAC CATCGATAAA 1950
ACGATTCTGG GTAAATGGGA CGTGGAGCAT GTCTTTGATA AGTTTAAGGT 2000
CCTGGGCCAG AAGAAGTACA TGTATCATGA TTGCAAAGAA GATAAAACGG 2050
ACCTGAAGTG TTGCGGTCTG CCGAGCGATG CCCGTAAGAT TATCATTGGT 2100
CAAGGTTTCG ACGAGTTTTA TCTGGGCAAA AATGTCGAAG GTAAGAAGCA 2150
ACGCAAAAAA GTGATCGGCG GTTGCCTGCT GCTGGACACC CTGTTTACGA 2200
TCAAGAAAAT CATGTTCTAA 2220
先行技術文献
特許文献
[1] PCT/US2005/009702 (published as WO2006/028508 on 16 March 2006; President and Fellows of Harvard College; entitled METHODS AND APPARATUS FOR CHARACTERIZING POLYNUCLEOTIDES).
[2] PCT/US2011/065640 (published as WO2012/083249 on 21 June 2012; Columbia University; entitled DNA SEQUENCING BY SYNTHESIS USING MODIFIED NUCLEOTIDES AND NANOPORE DETECTION).
[3] PCT/US2013/068967 (published as WO2014/074727 on 15 May 2014; Genia Technologies; entitled NUCLEIC ACID SEQUENCING USING TAGS).
[4] PCT/US2013/046012 (Genia Technologies, Inc., entitled CHIP SET-UP AND HIGH-ACCURACY NUCLEIC ACID SEQUENCING, published 19 Dec 2013 as WO2013/188841).
[5] US 2013/0053544 (Isis Innovation Limited) entitled Peptide Tag Systems That Spontaneously Form an Irreversible Link to Protein Partners via Isopeptide Bonds, published 28 February 2013.
非特許文献
[1] Altschul, S. F., et al., J. Mol. Biol. (1990) 215:403-410.
[2] Altschul, S. F., et al., Nucleic Acids Res. 25:3389-3402, 1997.
[3] Ausubel, Frederick et al., (1992) Short Protocols in Molecular Biology, Current Protocols in Molecular Biology, 2nd ed., Greene Publishing Associates & John Wiley & Sons. New York, N.Y.
[4] Gardner et al., Nucleic Acids Res. (2012) pages 1-12 (doi: 10.1093/nar/gks330; First published online: May 8, 2012).
[5] Hale & Marham, THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY, Harper Perennial, NY (1991).
[6] Johnson, et al., Biochim Biophys Acta . 2010 May; 1804(5):1041-1048.
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[8] Lawyer et al. (1989) J. Biol. Chem. 264:6427-647.
[9] Li et al, Structural Analysis and Optimization of the Covalent Association between SpyCatcher and a Peptide Tag; J Mol Biol. (2014 Jan 23) 426(2):309-17.
[10] Sambrook et al., (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY).
[11] Sambrook et al. (2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual (3rd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY) at 9.63-9.75 (describing end-labeling of nucleic acids).
[12] Singleton, et al., DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY, 2D ED., John Wiley and Sons, New York (1994).
[13] Watson, J. D. et al., In: Molecular Biology of the Gene, 4th Ed., W. A. Benjamin, Inc., Menlo Park, Calif. (1987)).
[14] Zakari and Howarth, (2010) Spontaneous Intermolecular Amide Bond Formation between Side Chains for Irreversible Peptide Targeting, J. Am. Chem. Soc., 132(13):4526-4527.
[15] Zakari, B. et al., (2012) Peptide tag forming a rapid covalent bond to a protein, through engineering a bacterial adhesion, PNAS 109 (12):E690-E697.

Claims (23)

  1. DNAポリメラーゼ活性を有する改変DNAポリメラーゼであって、配列番号1または2に記載するアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列が、H223、N224、Y225、H227、I295、Y342、T343、I357、S360、L361、I363、S365、S366、Y367、P368、D417、E475、Y476、F478、K518、H527、T529、M531、N535、G539、P542、N545、Q546、A547、L549、I550、N552、G553、F558、A596、G603、A610、V615、Y622、C623、D624、I628、Y629、R632、N635、M641、A643、I644、T647、I648、T651、I652、K655、W656、D657、V658、H660、F662、L690、およびそれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、前記改変DNAポリメラーゼ。
  2. 前記置換が、H223A、N224Y/L/Q/M/R/K、Y225L/T/I/F/A/M、H227P/E/F/Y、I295W/F/M/E、Y342L/F、T343N/F、I357G/L/Q/H/W/M/A/E/Y/P、S360G/E/Y、L361M/W/V/F、I363V/A/R/M/W、S365Q/W/M/A/G、S366A/L、Y367L/E/M/P/N/F、P368G、D417P、E475D、Y476V、F478L、K518Q、H527W/R/L/Y/T/M、T529M/F、M531H/Y/A/K/R/W/T/L/V/G、N535L/Y/M/K/I/R/W/Q、G539Y/F、P542E/S/G、N545K/D/S/L/R/Q/W、Q546W/F、A547M/Y/W/F/V/S、L549Q/Y/H/G/R/K、I550A/W/T/G/F/S、N552L/M/S/T、G553S/T/E/Q/K/R/M、F558P/T、A596S、G603T/A/L、A610T/E、V615A/T、Y622A/M、C623G/S/Y/F、D624F/K、I628Y/V/F/L/M、Y629W/H/M/K、R632L/C、N635D、M641L/Y、A643L、I644H/M/Y、T647G/A/E/K/S/Y、I648K/R/V/N/T/L、T651Y/F/M、I652Q/G/S/N/F/T/A/L/E/K/M、K655G/F/E/N/Q/M/A、W656E、D657R/P/A/E、V658L、H660A/Y、F662I/L、L690Mおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  3. 前記改変ポリメラーゼが、親ポリメラーゼと比較して変化した特性を有する、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  4. 変化した特性が、忠実度、処理能力、伸長速度、安定性、溶解性、ならびに、ヌクレオチド四リン酸、ヌクレオチド五リン酸、ヌクレオチド六リン酸、ヌクレオチド七リン酸、またはヌクレオチド八リン酸のようなヌクレオチドポリリン酸に結合する能力、および/またはヌクレオチドポリリン酸を組み込む能力から選択される、請求項3に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  5. 変化した特性が、4、5、6、7、または8個のリン酸を有するヌクレオチドポリリン酸を、成長しているDNA鎖に組み込む能力である、請求項3に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  6. ヌクレオチドポリリン酸がタグ付きのものである、請求項5に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  7. 前記改変ポリメラーゼが、S366A/Lに一致した置換を有する、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  8. 前記改変ポリメラーゼが、E475Dに一致した置換を有する、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  9. 前記改変ポリメラーゼが、F478Lに一致した置換を有する、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  10. 前記改変ポリメラーゼが、K518Qに一致した置換を有する、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  11. 前記改変ポリメラーゼが、T529Mに一致した置換を有する、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  12. 前記改変ポリメラーゼが、N535Lに一致した置換を有する、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  13. 前記改変ポリメラーゼが、N545K/Lに一致した置換を有する、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  14. 前記改変ポリメラーゼが、A547Fに一致した置換を有する、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  15. 前記改変ポリメラーゼが、G553Sに一致した置換を有する、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  16. 前記改変ポリメラーゼが、T647G/Yに一致した置換を有する、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  17. 前記改変ポリメラーゼが、T651Yに一致した置換を有する、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  18. 前記改変ポリメラーゼが、I652Q/A/L/E/K/Mに一致した置換を有する、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  19. H223A;
    N224Y/L/Q/M/R/K;
    Y225L/I/T/F/A/M;
    H227P/E/F/Y;
    I295F/E/M/W;
    Y342L/F;
    T343N/F;
    I357G/L/Q/H/W/M/A/E/Y/P;
    S360G/E/Y;
    L361M/W/V/F;
    I363V/A/R/M/W;
    S365Q/W/M/A/G;
    S366A/L;
    Y367L/E/M/P/N/F;
    P368G;
    D417P;
    E475D;
    Y476V;
    F478L;
    K518Q;
    H527W/R/L/Y/T/M;
    T529M/F;
    M531H/Y/A/K/R/W/T/L/V/G;
    N535L/Y/M/K/I/R/W/Q;
    P542E/S/G;
    N545D/K/S/L/R/Q/W;
    Q546W/F;
    A547F/M/W/Y/V/S;
    L549H/Y/Q/G/R/K;
    I550A/W;
    I550T/G/F/S;
    N552L/M/T;
    G553S/T/E/Q/K/R/M;
    F558P/T;
    A596S;
    G603T/A/L;
    A610T/E;
    V615A/T;
    Y622A/M;
    C623G/S/Y/A/F;
    D624F/K;
    I628Y/V/F/L/M;
    Y629W/H/M/K;
    R632L/C;
    N635D;
    M641L/Y;
    A643L;
    I644H/M/Y;
    T647G/A/E/K/S/Y;
    I648K/R/V/N/T/L;
    T651Y/F/M;
    I652Q/G/S/N/F/T/A/L/E/K/M;
    K655G/F/E/N/Q/M/A;
    W656E;
    D657R/P/A/E;
    V658L;
    H660A/Y;
    F662I/L;
    L690M;
    S366A+N535L;
    T651Y+N535L;
    Y342L+E475D+F478L;
    T343N+D417P+K518Q;
    N535L+N545K+T651Y;
    I363V+E475D+Y476V;
    S366L+G553S+F558P;
    S366A+N535L+A547M;
    S366A+P542E+N545K;
    S366A+P542E+I652Q;
    S366A+N535L+T529M;
    S366A+N535L+I652Q;
    S366A+N535L+N545K;
    T651Y+P542E+N545K;
    T651Y+P542E+Q546W;
    T651Y+P542E+S366A;
    T651Y+N535L+N545K;
    S366A+N535I+I652Q;
    T651Y+S366A+A547F;
    T647G+A547F+Y225T;
    A547F+A610T+S366A;
    A547F+A610T+Y225I;
    S366A+T647G+A547F;
    T529M+S366A+A547F;
    T647E+S366A+A547F;
    T529M+T647G+A547F;
    N545K+S366A+A547F;
    T647G+A547F+T529M;
    T529M+A610T+A547F;
    M641Y+T529M+A547F;
    T647G+C623G+A547F;
    A610T+I295W+T651Y;
    V615A+M531Y+T647G;
    S366L+F478L+A596S+L690M;
    H223A+G553S+A643L+F662I;
    N535L+N545K+T651Y+T529M;
    N535L+N545K+T651Y+N635D;
    N535L+N545K+T651Y+I652Q;
    S366A+N535L+I652Q+T529M;
    S366A+S365A+P368G+G603T;
    N535L+N545K+T651Y+T647G;
    S366A+N535L+I652Q+A547Y;
    S366A+N535L+A547M+T647G;
    T529M+S366A+A547F+N545K;
    T529M+S366A+A547F+N545R;
    T529M+S366A+A547F+N552L;
    T529M+S366A+A547F+Y629W;
    N535I+N545K+T651Y+T529M;
    N535I+N545K+T651Y+N635D;
    N535I+N545K+T651Y+I652Q;
    N535L+N545K+T651Y+T647G+C623G;
    N535L+N545K+T651Y+T647G+I628Y;
    S366A+N535L+A547M+T647G+S360G;
    N535I+N545K+T651Y+I652Q+Y225I;
    N535L+N545K+T651Y+T647G+K655G;
    N535L+N545K+T651Y+T647G+L549Q;
    S366A+N535L+I652Q+A547Y+K655G;
    T529M+S366A+A547F+N545L+Y629W;
    T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L;
    T529M+S366A+A547F+N545L+Y225F;
    T529M+S366A+A547F+N545L+K655F;
    T529M+S366A+A547F+N545L+N552L;
    T529M+S366A+A547F+N545R+M531A;
    T529M+S366A+A547F+N545R+G539Y;
    T529M+S366A+A547F+N545R+V658L;
    T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+D657R;
    T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+N552L;
    T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+I652G;
    T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+I652Q;
    T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+N552M
    T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+D657R+N224R;
    T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+D657R+I628M;
    T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+D657R+K655A;および
    T529M+S366A+A547F+N545L+Y225L+D657R+Y629W
    から選択される、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  20. S366A+T529M+N545L+A547Fを含む、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  21. a. Y225L/F/A/M;
    b. M531A/G;
    c. G539Y;
    d. N552L/T;
    e. Y629W/K;
    f. K655F/Q/M/A;および
    g. D657R/E/P/A
    から選択される少なくとも1つの変異をさらに含む、請求項20に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  22. S365A+S366A+P368G+G603Tを含む、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  23. 前記ポリメラーゼが10個未満の変異を含む、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
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