JP2018515094A - 作物植物の処理方法 - Google Patents

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Abstract

双子葉類実生の処理方法は、双子葉類実生を移植する前に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に双子葉類実生を1回または複数回接触させることを含む。作物植物の処理方法は、作物植物が生殖成長段階などの特定の発育段階にある間に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に作物植物を1回または複数回接触させることを含む。

Description

優先権の主張
本出願は、本明細書中にその全体が援用される「作物植物の処理方法」についての2015年5月8日出願の米国特許出願第14/707,958号の出願日の利益を主張する。
本開示は、作物植物の品質、収穫量および/または環境ストレス耐性を改善するための、作物植物の処理方法および双子葉類実生(dicot seedling)の処理方法に関する。
有害生物(例えば、昆虫)からの攻撃および/または植生(例えば、雑草または真菌)を防除するため、そして植物の成長および/または収穫を増進するために、植物は化学組成物で処理されることが多い。また、植物の成長および生産性に悪影響を与え得る非生物的環境ストレス(例えば、熱、寒気、強風、塩分、干ばつ、または洪水)から植物を保護することも望ましい。さらに、植物は、1つの場所から別の場所へ移植されるときに移植ショックを受け、そして/あるいは死滅し得る。植物がこのような環境ストレス下におかれると、一般的に品質および収穫量の著しい損失が観察される。
L.Pozoらは、器官脱離剤(abscission agent)および1−メチルシクロプロペン(1−MCP)を含有する液体溶液で処理した柑橘類木が低い果実脱離力および低レベルの落葉を示したことを報告している。L.Pozo et al.,Differential Effects of 1−Methyl cyclopropene on Citrus Leaf and Mature Fruit Abscission,J.Amer.Soc.Hort.Sci.,2004,129(4),pp.473−478。
米国特許出願公開第2006/0160704号明細書には、シクロプロペンを含む組成物と、シクロプロペンではない植物成長調節剤を含む組成物とに非柑橘類植物を接触させることによって、非柑橘類植物の作物収穫量を増大させる方法が開示されている。
米国特許出願公開第2010/0304975号明細書には、非生物的環境ストレスが到達する1時間〜72時間前にキシログルカン誘導体を含む組成物を植物に圃場で葉面に散布することによって、植物の非生物的環境ストレス耐性を増大させるための方法が開示されている。
米国特許出願公開第2013/0298290号明細書には、植物灌漑用水中にシクロプロペンを添加することによって、植物の非生物的環境ストレス耐性を増大させる方法が開示されている。
米国特許第8119855号明細書には、RKSタンパク質、特にRKSサブグループIIタンパク質(より具体的には、RKS1、RKS4または切断型RKS4)、またはRKSサブグループIII(より好ましくは、RKS12)をコードするヌクレオチド配列により植物を形質転換することによって、非生物的ストレスに対する耐性を植物に付与するための方法が開示されている。
米国特許第8889949号明細書には、正常な植物成長および発育特性を保持しながら、TPSP遺伝子を発現するためにトレハロース−6リン酸シンテターゼ(TPS)遺伝子およびトレハロース−6−リン酸ホスファターゼ(TPP)遺伝子の融合遺伝子(TPSP)を含有する組換えプラスミドにより単子葉類植物を形質転換することによって、非生物的ストレスに対する単子葉類植物の抵抗性を増大させるための方法が開示されている。
本開示の1つの態様では、作物植物の処理方法は、作物植物がこのような作物植物に適した特定の発育段階にある間に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に作物植物を1回または複数回接触させるステップを含む。
本開示の他の態様では、作物植物の処理方法は、作物植物が1つまたは複数の生殖成長段階にある間に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に作物植物を1回または複数回接触させるステップを含む。
本開示のさらに他の態様では、作物植物または実生の処理方法は、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に作物植物または実生を1回または複数回接触させるステップと、作物植物または実生を1つの場所から別の場所へ移植するステップとを含む。
本開示のさらなる態様では、双子葉類実生の処理方法は、双子葉類実生を移植する数分前〜7日前に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に双子葉類実生を1回または複数回接触させるステップを含む。
本明細書で使用される場合、「実生(seedling)」という用語またはその文法的変化形は、種子からの植物胚から発育した若い植物の胞子体を意味および包含する。実生の発育は種子の発芽から始まり、これは一般的に、制御環境、例えば、温室、温床、冷床において実施される。
本明細書で使用される場合、「移植する」という用語またはその文法的変化形は、植物を1つの場所から移動させて、別の場所に植え直すことを意味および包含する。
本明細書で使用される場合、「非生物的ストレス」という用語またはその文法的変化形は、非生物因子がその正常な変動範囲を超える特定の環境下において植物に与える影響を意味および包含し、植物集団の性能または植物の個々の生理機能に著しい悪影響をもたらす。非生物的ストレスの例には、熱、寒気、強風、干ばつ、洪水、浸透圧ストレス、または塩分が含まれ得るが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「作物植物」という用語またはその文法的変化形は、1つまたは複数の植物部位が有用な産物と考えられる場合にこのような部位を除去する目的で成長される植物を意味および包含する。
本明細書で使用される場合、「園芸作物」、「園芸作物植物」という用語またはその文法的変化形は、農学的作物(agronomic crop)でなくかつ林業製品(forestry product)でない農産物を意味および包含する。農学的作物は、穀物、飼料、油糧種子、および繊維作物を含む草本農作物である。林業製品は、森林樹木および林産品である。園芸作物植物は、通常、食品または美的目的のために栽培される、比較的集中的に管理された植物である。いくつかの典型的な園芸作物は、果実、野菜、スパイス、ハーブ、および観賞用に成長された植物である。
本明細書で使用される場合、「収穫する」という用語またはその文法的変化形は、作物植物から有用な植物部位を除去する行為を意味および包含する。
本明細書で使用される場合、「シクロプロペン」という用語は、以下の式
Figure 2018515094
を有するあらゆる化合物を意味および包含し、式中、
各R1、R2、R3およびR4は、Hおよび式:
−(L)n−Z
の化学基からなる群から独立して選択され、
nは0〜12の整数であり、
各Lは、D1、D2、E、およびJからなる群から独立して選択され、
D1は式:
Figure 2018515094
を有し、
D2は、式:
Figure 2018515094
を有し、
Eは、式:
Figure 2018515094
を有し、
Jは、式:
Figure 2018515094
を有し、
各XおよびYは独立して、式:
−(L)m−Z、
の化学基であり、
mは、0〜8の整数であり、2つを超えるD2またはE基は互いに隣接せず、かつJ基は互いに隣接しておらず、
各Zは、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロラート、ブロマート、ヨーダート、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ、および化学基Gからなる群から独立して選択され、ここでGは3員〜14員環系であり、−(L)n−Z中のへテロ原子の総数は0〜6であり、化合物中の非水素原子の総数は50以下である。
本開示の目的のために、種々のL基の構造表現において、各オープン結合は、別のL基、Z基、またはシクロプロペン部分への結合を示す。例えば、構造表現
Figure 2018515094
は2つの他の原子への結合を有する酸素原子を示し、ジメチルエーテル部分を示すものではない。
1、R2、R3およびR4の少なくとも1つが水素でなく、2つ以上のL基を有する実施形態において、その特定のR1、R2、R3またはR4基内のL基はその同じR1、R2、R3またはR4基内の他のL基と同一であってもよいし、あるいはその特定のR1、R2、R3またはR4基内の任意の数のL基がその同じR1、R2、R3またはR4基内の他のL基と異なっていてもよい。
1、R2、R3およびR4の少なくとも1つが2つ以上のZ基を含有する実施形態において、そのR1、R2、R3またはR4基内のZ基はそのR1、R2、R3またはR4基内の他のZ基と同一であってもよいし、あるいはそのR1、R2、R3またはR4基内の任意の数のZ基がそのR1、R2、R3またはR4基内の他のZ基と異なっていてもよい。
1、R2、R3およびR4基は、適切な基から独立して選択される。R1、R2、R3、およびR4基は互いに同一であってもよいし、あるいは任意の数のこれらの基が他の基と異なっていてもよい。R1、R2、R3およびR4の1つまたは複数として使用するのに適した基の例には、脂肪族基、脂環式基、脂肪族−オキシ基、アルキルホスホナト基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、アルキルアミノスルホニル基、アルキルカルボニル基、複素環式基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シリル基、その他の基、ならびにこれらの混合物および組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。R1、R2、R3およびR4の1つまたは複数として使用するのに適した基は置換されていても置換されていなくてもよい。独立して、R1、R2、R3およびR4の1つまたは複数として使用するのに適した基はシクロプロペン環に直接結合していてもよいし、あるいは、例えばヘテロ原子含有基などの介在基を介してシクロプロペン環に結合していてもよい。
脂肪族基の例には、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基が含まれ得るが、これらに限定されない。適切な脂肪族基は置換されていても置換されていなくてもよい。いくつかの適切な置換脂肪族基には、アセチルアミノアルケニル、アセチルアミノアルキル、アセチルアミノアルキニル、アルコキシアルコキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキニル、アルコキシカルボニルアルケニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルコキシカルボニルアルキニル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキル(アルコキシイミノ)アルキル、カルボキシアルケニル、カルボキシアルキル、カルボキシアルキニル、ハロアルコキシアルケニル、ハロアルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキニル、ハロアルケニル、ハロアルキル、ハロアルキニル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキニル、トリアルキルシリルアルケニル、トリアルキルシリルアルキル、トリアルキルシリルアルキニル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルチオアルケニル、アルキルチオアルキル、アルキルチオアルキニル、ハロアルキルチオアルケニル、ハロアルキルチオアルキル、またはハロアルキルチオアルキニルが含まれ得るが、これらに限定されない。
脂肪族−オキシ基の例には、アルケノキシ、アルコキシ、アルキノキシ、およびアルコキシカルボニルオキシが含まれ得るが、これらに限定されない。アルキルホスホナト基の例には、アルキルホスホナト、ジアルキルホスファト、またはジアルキルチオホスファトが含まれ得るが、これらに限定されない。アルキルアミノ基の非限定的な例はジアルキルアミノまたはモノアルキルアミノ(monalkylamino)であり得る。アルキルスルホニル基の非限定的な例はジアルキルアミノスルホニルであり得る。
脂環式基の例には、シクロアルケニル、シクロアルキル、およびシクロアルキニルが含まれ得るが、これらに限定されない。適切な脂環式基は置換されていても置換されていなくてもよい。適切な置換脂環式基としては、例えば、アセチルアミノシクロアルケニル、アセチルアミノシクロアルキル、アセチルアミノシクロアルキニル、シクロアルケノキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキノキシ、アルコキシアルコキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルケニル、アルコキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキニル、アルコキシカルボニルシクロアルケニル、アルコキシカルボニルシクロアルキル、アルコキシカルボニルシクロアルキニル、シクロアルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシシクロアルキル、カルボキシシクロアルケニル、カルボキシシクロアルキル、カルボキシシクロアルキニル、ハロシクロアルコキシシクロアルケニル、ハロシクロアルコキシシクロアルキル、ハロシクロアルコキシシクロアルキニル、ハロシクロアルケニル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルキニル、ヒドロキシシクロアルケニル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキニル、トリアルキルシリルシクロアルケニル、トリアルキルシリルシクロアルキル、トリアルキルシリルシクロアルキニル、ジアルキルアミノシクロアルキル、アルキルスルホニルシクロアルキル、シクロアルキルカルボニルオキシアルキル、シクロアルキルスルホニルアルキル、アルキルチオシクロアルケニル、アルキルチオシクロアルキル、アルキルチオシクロアルキニル、ハロアルキルチオシクロアルケニル、ハロアルキルチオシクロアルキル、またはハロアルキルチオシクロアルキニルがある。
ヘテロシクリル基(すなわち、環内に少なくとも1つのヘテロ原子を有する非芳香族環状基)の例には、置換または非置換のシクロアルキルスルホニル基またはシクロアルキルアミノ基、例えば、ジシクロアルキルアミノスルホニルまたはジシクロアルキルアミノなどが含まれ得るが、これらに限定されない。適切な置換ヘテロシクリル基は置換されていても置換されていなくてもよい。適切な置換ヘテロシクリル基としては、例えば、アルケニルヘテロシクリル、アルキルヘテロシクリル、アルキニルヘテロシクリル、アセチルアミノヘテロシクリル、アルコキシアルコキシヘテロシクリル、アルコキシヘテロシクリル、アルコキシカルボニルヘテロシクリル、アルキルカルボニルオキシヘテロシクリル、カルボキシヘテロシクリル、ハロアルコキシヘテロシクリル、ハロヘテロシクリル、ヒドロキシヘテロシクリル、トリアルキルシリルヘテロシクリル、ジアルキルアミノヘテロシクリル、アルキルスルホニルヘテロシクリル、アルキルチオヘテロシクリル、ヘテロシクリルチオアルキル、またはハロアルキルチオヘテロシクリルがある。
介在するオキシ基、アミノ基、カルボニル基、またはスルホニル基によってシクロプロペン化合物に結合された置換および非置換ヘテロシクリル基の例には、ヘテロシクリルカルボニル、ジヘテロシクリルアミノ、またはジヘテロシクリルアミノスルホニルが含まれ得るが、これらに限定されない。
置換および非置換のアリール基の例には、アルケニルアリール、アルキルアリール、アルキニルアリール、アセチルアミノアリール、アリールオキシ、アルコキシアルコキシアリール、アルコキシアリール、アルコキシカルボニルアリール、アリールカルボニル、アルキルカルボニルオキシアリール、カルボキシアリール、ジアリールアミノ、ハロアルコキシアリール、ハロアリール、ヒドロキシアリール、トリアルキルシリルアリール、ジアルキルアミノアリール、アルキルスルホニルアリール、アリールスルホニルアルキル、アルキルチオアリール、アリールチオアルキル、ジアリールアミノスルホニル、およびハロアルキルチオアリールが含まれ得るが、これらに限定されない。
ヘテロアリール基の例には、アルケニルヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、アルキニルヘテロアリール、アセチルアミノヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルコキシアルコキシヘテロアリール、アルコキシヘテロアリール、アルコキシカルボニルヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニル、アルキルカルボニルオキシヘテロアリール、カルボキシヘテロアリール、ジヘテロアリールアミノ、ハロアルコキシヘテロアリール、ハロヘテロアリール、ヒドロキシヘテロアリール、トリアルキルシリルヘテロアリール、ジアルキルアミノヘテロアリール、アルキルスルホニルヘテロアリール、ヘテロアリールスルホニルアルキル、アルキルチオヘテロアリール、またはハロアルキルチオヘテロアリールが含まれ得るが、これらに限定されない。
介在するオキシ基、アミノ基、カルボニル基、スルホニル基、チオアルキル基、またはアミノスルホニル基によってシクロプロペン化合物に結合された置換および非置換のヘテロアリール基の例には、ジヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオアルキル、またはジヘテロアリールアミノスルホニルが含まれ得るが、これらに限定されない。
適切なR1、R2、R3およびR4基のさらなる例には、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロラト(chlorato)、ブロマト(bromato)、ヨーダト(iodato)、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ、アセトキシ、カルボエトキシ、シアナト、ニトラト、ニトリト、ペルクロラト、アレニル、ブチルメルカプト、ジエチルホスホナト、ジメチルフェニルシリル、イソキノリル、メルカプト、ナフチル、フェノキシ、フェニル、ピペリジノ、ピリジル、キノリル、トリエチルシリル、トリメチルシリル、またはこれらの置換類似体が含まれ得るが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、化学基Gは3員〜14員環系である。化学基Gとして適切な環系は置換されていても置換されていなくてもよい。さらに、これらは、芳香族(例えば、フェニルおよびナフチルを含む)であっても脂肪族(不飽和脂肪族、部分飽和脂肪族、または飽和脂肪族を含む)であってもよく、そして炭素環式でも複素環式でもよい。複素環式G基の中で、いくつかの適切なヘテロ原子としては、例えば、窒素、硫黄、酸素、およびこれらの組み合わせがある。化学基Gとして適切な環系は、単環式、二環式、三環式、多環式、または縮合環系であり得る。二環式、三環式、または縮合環系である適切な化学基G環系の中で、単一の化学基G中の種々の環は全て同一のタイプであってもよいし、あるいは2つ以上のタイプを有していてもよい(例えば、芳香族環が脂肪族環と縮合していてもよい)。
いくつかの実施形態では、Gは、飽和または不飽和3員環、例えば、置換または非置換のシクロプロパン、シクロプロペン、エポキシド、またはアジリジン環などを含有する環系である。
いくつかの実施形態では、Gは4員複素環式環を含有する環系であり、このような実施形態のいくつかでは、複素環式環は、正確に1つのヘテロ原子を含有する。独立して、いくつかの実施形態では、Gは、5員以上の複素環式環を含有する環系であり、このような実施形態のいくつかでは、複素環式環は1〜4個のへテロ原子を含有する。独立して、いくつかの実施形態では、G中の環は非置換であり、他の実施形態では、環系は1〜5個の置換基を含有しており、Gが置換基を含有する実施形態のいくつかでは、各置換基は、本明細書において以下で定義されるカテゴリーXの化学基から独立して選択される。また、Gが炭素環式環系である実施形態も適切である。
適切なG基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンタ−3−エン−1−イル、3−メトキシシクロヘキサン−1−イル、フェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、4−ブロモフェニル、3−ニトロフェニル、2−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、2−メチル−3−メトキシフェニル、2,4−ジブロモフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、4−メトキシフェニル、ナフチル、2−クロロナフチル、2,4−ジメトキシフェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、2−ヨード−4−メチルフェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピラジニル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピリダジニル、トリアゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピペラジニル、ジオキソラニル、ジオキサニル、インドリニル、5−メチル−6−クロマニル、アダマンチル、ノルボルニル、またはこれらの置換類似体、例えば、3−ブチル−ピリジン−2−イル、4−ブロモ−ピリジン−2−イル、5−カルボエトキシ−ピリジン−2−イル、または6−メトキシエトキシ−ピリジン−2−イルなどが含まれ得るが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、各Gは、独立して、置換または非置換のフェニル、ピリジル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチル、ピロリル、フリル、チオフェニル、トリアゾリル、ピラゾリル、1,3−ジオキソラニル、またはモルホリニルである。これらの実施形態の中には、例えば、Gが非置換または置換フェニル、シクロペンチル、シクロヘプチル、またはシクロヘキシルである実施形態が含まれる。これらの実施形態のいくつかでは、Gはシクロペンチル、シクロヘプチル、シクロヘキシル、フェニル、または置換フェニルである。Gが置換フェニルである実施形態としては、例えば、1、2、または3個の置換基が存在する実施形態がある。独立して、Gが置換フェニルである実施形態として、例えば、置換基がメチル、メトキシ、およびハロから独立して選択される実施形態もある。
いくつかの実施形態では、R1、R2、R3およびR4の1つまたは複数が水素である、1つまたは複数のシクロプロペンが使用される。いくつかの実施形態では、R1またはR2またはR1およびR2の両方が水素である。独立して、いくつかの実施形態では、R3またはR4またはR3およびR4の両方が水素である。いくつかの実施形態では、R2、R3、およびR4が水素である。
いくつかの実施形態では、R1、R2、R3およびR4の1つまたは複数は、二重結合を持たない構造である。独立して、いくつかの実施形態では、R1、R2、R3、およびR4の1つまたは複数は、三重結合を持たない構造である。独立して、いくつかの実施形態では、R1、R2、R3およびR4の1つまたは複数は、ハロゲン原子置換基を持たない構造である。独立して、いくつかの実施形態では、R1、R2、R3およびR4の1つまたは複数は、イオン性の置換基を持たない構造である。独立して、いくつかの実施形態では、R1、R2、R3およびR4の1つまたは複数は、酸素化合物を生じることができない構造である。
本開示のいくつかの実施形態では、R1、R2、R3およびR4の1つまたは複数は水素または(C1〜C10)アルキルである。いくつかの実施形態では、R1、R2、R3およびR4のそれぞれは水素または(C1〜C8)アルキルである。いくつかの実施形態では、R1、R2、R3およびR4のそれぞれは水素または(C1〜C4)アルキルである。いくつかの実施形態では、R1、R2、R3およびR4のそれぞれは水素またはメチルである。R1がメチルであり、R2、R3、およびR4のそれぞれが水素である場合、シクロプロペンは、本明細書では、1−メチルシクロプロペン(1−MCP)として知られている。
いくつかの実施形態では、1気圧における沸点が50℃以下;または25℃以下;または15℃以下であるシクロプロペンが使用される。独立して、いくつかの実施形態では、1気圧における沸点が−100℃以上;−50℃以上;または−25℃以上;または0℃以上であるシクロプロペンが使用される。
本開示に適用可能なシクロプロペンは任意の方法によって調製され得る。いくつかの適切なシクロプロペンの調製方法は、米国特許第5,518,988号明細書および同第6,017,849号明細書に開示されるプロセスである。シクロプロペンではない化合物は、本明細書では「非シクロプロペン」として知られている。
本開示の組成物は、少なくとも1つのシクロプロペンを含む。本組成物は、気体組成物、液体組成物、または固体組成物であり得る。
植物は、例えば、成長、熟成、老化、成熟、器官脱離、および分解などの種々の生物学的過程にさらされる。1つまたは複数の化学組成物と接触させることにより植物または植物部位における生物学的過程を変化させることは、植物成長調節として知られている。植物成長調節を引き起こすのに効果的である化学組成物は、本明細書では「植物成長調節剤」として知られている。
シクロプロペンでない植物成長調節剤の種類のいくつかの例は、以下の通りである:
(I)エチレン、非シクロプロペンエチレン放出剤、および高エチレン活性を有する非シクロプロペン化合物(例えば、エテホン、アブシシン酸、プロピレン、塩化ビニル、一酸化炭素、アセチレン、または1−ブテンを含む)。
(II)エチレン合成またはエチレン受容体部位作用またはその両方を阻害する非シクロプロペン化合物(例えば、アミノエトキシビニルグリシンまたはアミノオキシ酢酸を含む)。
(III)サイトカイニン活性を有する非シクロプロペン化合物(例えば、ベンジルアデニン、キネチン、ゼアチン、アデニン、ジヒドロゼアチン、テトラヒドロピラニルベンジルアデニン、ジメチルアリルアデニン、メチルチオゼアチン、エトキシエチルアデニン、ベンジルアミノベンゾイミダゾール、クロロフェニルフェニル尿素、ベンズチオゾリオキシ酢酸、またはサイトカイニン応答を誘発するフルオロフェニルビウレット化合物を含む)。
(IV)非シクロプロペンオーキシン(例えば、インドール酢酸、インドールプロピオン酸、インドール酪酸、ナフタレン酢酸、ベータ−ナフトキシ酢酸、4−クロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロオキシ酢酸、トリクロロフェノキシ酢酸、トリクロロ安息香酸、または4アミノ−3,5,6−トリクロロピコリン酸を含む)。
(V)ジベレリン(例えば、様々に置換されたジベレリン骨格構造を有するGA2、GA3、GA4、GA5、GA7、およびGA8、ヘルミントスポル酸(helminthosporic acid)、ファゼオール酸(phaseolic acid)、カウレン酸、またはステビオールを含む)。
(VI)IAAオキシダーゼの補因子および阻害剤(例えば、クロロゲン酸、クマル酸、ケルセチン、またはカフェイン酸を含む)。
(VII)非シクロプロペン二次成長阻害剤(例えば、ジャスモン酸メチルを含む)。
(VIII)非シクロプロペン天然成長ホルモン(例えば、例えばケルプ、藻類、または細菌に由来する天然成長ホルモンを含む)。
いくつかの実施形態では、本開示の実施は少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物の使用を含み、シクロプロペンでない植物成長調節剤の使用は含まない。いくつかの実施形態では、本開示の実施は、少なくともシクロプロペンの使用と、シクロプロペンでない少なくとも1つの植物成長調節剤の使用とを含む。このような実施形態はシクロプロペンでない植物成長調節剤の残りの種類の1つまたは複数のメンバーを使用してもよいし、使用しなくてもよい。例えば、種類I(本明細書において上記で定義される)のメンバーをどれも使用しない実施形態が想定されるが、このような実施形態は種類II〜VIIIのいずれか1つを使用してもよいし、使用しなくてもよい。
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物の使用と、少なくとも1つの殺真菌活性化合物を含む組成物の使用とを含む。独立して、いくつかの実施形態では、本開示の組成物はアミノエチルビニルグリシンを含まない。独立して、いくつかの実施形態では、本開示の組成物はビニルグリシンの誘導体をどれも含まない。
独立して、いくつかの実施形態では、組成物は、ストロビルリンである化合物はどれも含まない。ストロビルリンは当該技術分野において知られており、例えば、Hardenらにより国際公開第2005/044002号パンフレットにおいて定義されている。
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は器官脱離剤を含まない。
本開示の実施において、組成物は、様々な方法で植物に接触され得る。例えば、組成物は、固体、液体、気体、またはこれらの混合物であり得る。
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は気体組成物である。このような実施形態では、作物植物は、本開示の組成物が添加された通常の周囲雰囲気(ほぼ1気圧)によって包囲され得る。いくつかの実施形態では、シクロプロペンの濃度は、0.1nl/l(すなわち、ナノリットル/リットル)以上;または1nl/l以上、または10nl/l以上;または100nl/l以上である。独立して、いくつかの実施形態では、シクロプロペンの濃度は3,000nl/l以下;または1,000nl/l以下である。
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は液体組成物である。このような組成物は、25℃の温度において液体であり得る。いくつかの実施形態では、組成物は、植物を処理するために組成物が使用される温度において液体である。植物は建物の外部で処理されることが多いので、植物は約1℃〜約45℃の範囲の温度で処理され得る。適切な液体組成物はこのような範囲全体にわたって液体である必要はないが、約1℃〜約45℃のある温度において液体である。
本開示の液体組成物は単一の純粋な物質であってもよいし、あるいは2つ以上の物質を含有していてもよい。2つ以上の物質を含有する場合、液体組成物は、溶液または分散系またはこれらの組み合わせであり得る。液体組成物において、1つの物質が分散系の形態で別の物質中に分散される場合、分散系は、例えば、懸濁液、ラテックス、エマルション、ミニエマルション、マイクロエマルション、またはこれらの任意の組み合わせを含む任意のタイプを有し得る。
液体組成物中のシクロプロペンの量は、組成物のタイプおよび意図される使用方法に応じて大きく異なり得る。いくつかの実施形態では、シクロプロペンの量は、組成物の全重量を基準として、4重量%以下;または1重量%以下;または0.5重量%以下;または0.05重量%以下である。独立して、いくつかの実施形態では、シクロプロペンの量は、組成物の全重量を基準として、0.000001重量%以上;または0.00001重量%以上;または0.0001重量%以上;または0.001重量%以上である。
水を含む液体組成物を使用する本開示の実施形態において、シクロプロペンの量は、百万分率(すなわち、組成物中の水1,000,000重量部当たりのシクロプロペンの重量部、「ppm」)、または十億分率(すなわち、組成物中の水1,000,000,000重量部当たりのシクロプロペンの重量部、「ppb」)として特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、シクロプロペンの量は1ppb以上;または10ppb以上;または100ppb以上である。独立して、いくつかの実施形態では、シクロプロペンの量は10,000ppm以上;または1,000ppm以上である。
いくつかの実施形態では、組成物はさらに少なくとも1つの分子カプセル化剤を含み得る。独立して、いくつかの実施形態では、組成物は分子カプセル化剤を少しも含まなくてもよい。分子カプセル化剤が使用される場合、適切な分子カプセル化剤には、例えば、有機および無機分子カプセル化剤が含まれる。適切な有機分子カプセル化剤には、例えば、置換シクロデキストリン、非置換シクロデキストリン、およびクラウンエーテルが含まれる。適切な無機分子カプセル化剤には、例えば、ゼオライトが含まれる。適切な分子カプセル化剤の混合物も適している。本開示のいくつかの実施形態では、カプセル化剤は、アルファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリン、またはこれらの混合物である。いくつかの実施形態では、特に、シクロプロペンが1−メチルシクロプロペンである場合、カプセル化剤はアルファ−シクロデキストリンである。好ましいカプセル化剤は、使用されるシクロプロペン(単数または複数)の構造に応じて異なり得る。任意のシクロデキストリンもしくはシクロデキストリン混合物、シクロデキストリンポリマー、変性シクロデキストリン、またはこれらの混合物も本開示に従って使用され得る。いくつかのシクロデキストリンは、例えば、Wacker Biochem Inc.,Adrian,MIまたはCerestar USA,Hammond,IN、および他の供給業者から入手可能である。
分子カプセル化剤が存在する実施形態のいくつかにおいて、少なくとも1つの分子カプセル化剤は1つまたは複数のシクロプロペンを封入する。分子カプセル化剤の分子内に封入されたシクロプロペンまたは置換シクロプロペン分子は、本明細書では「シクロプロペン分子カプセル化剤複合体」として知られている。いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、シクロプロペンの一部または全てが1つまたは複数のカプセル化剤に封入された液体組成物である。シクロプロペン分子カプセル化剤複合体は任意に手段によって調製され得る。
1つの調製方法では、例えば、このような複合体は、シクロプロペンを分子カプセル化剤の溶液またはスラリーに接触させ、次に、例えば米国特許第6,017,849号明細書に開示されるプロセスを用いてこの複合体を単離することによって調製される。例えば、1−MCPが分子カプセル化剤内に封入された複合体の1つの製造方法では、1−MCPガスがアルファ−シクロデキストリンの水溶液中にバブリングされ、そこから複合体がまず沈殿し、次にろ過により単離される。いくつかの実施形態では、複合体は上記の方法により製造され、単離の後に乾燥され、有用な組成物に後で添加するために固体形態、例えば粉末として貯蔵される。
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つのシクロプロペンおよび少なくとも1つの分子カプセル化剤を含む。このような実施形態のいくつかにおいて、分子カプセル化剤の量は、分子カプセル化剤のモル数のシクロプロペンのモル数に対する比によって有用に特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、分子カプセル化剤のモル数のシクロプロペンのモル数に対する比は0.1以上;または0.2以上;または0.5以上;または0.9以上である。独立して、このような実施形態のいくつかでは、分子カプセル化剤のモル数のシクロプロペンのモル数に対する比は2以下;または1.5以下である。
いくつかの実施形態では、組成物はさらに少なくとも1つのイオン性錯化試薬を含み得る。イオン性錯化試薬はシクロプロペンと相互作用をして、水中で安定した錯体を形成する。いくつかの適切なイオン性錯化試薬には、例えば、リチウムイオンが含まれる。いくつかの実施形態では、イオン性錯化試薬は使用されない。
いくつかの実施形態では、本開示の組成物はさらに1つまたは複数の金属錯化剤を含む。いくつかの実施形態では、本開示の組成物はどの金属錯化剤も含まない。金属錯化剤は、金属原子と配位結合を形成することができる化合物である。いくつかの金属錯化剤はキレート剤である。本明細書で使用される場合、「キレート剤」は、そのそれぞれの分子が単一の金属原子と2つ以上の配位結合を形成することができる化合物である。いくつかの金属錯化剤は金属原子との配位結合に関与する電子供与体原子を含有するので、金属錯化剤は金属原子と配位結合を形成する。適切なキレート剤には、例えば、有機および無機キレート剤が含まれる。適切な無機キレート剤としては、例えばリン酸塩、例えば、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、およびヘキサメタリン酸などがある。適切な有機キレート剤としては、大環状構造および非大環状構造を有するものがある。適切な大環状有機キレート剤としては、例えば、ポルフィン化合物、環状ポリエーテル(クラウンエーテルとも呼ばれる)、ならびに窒素原子および酸素原子の両方を有する大環状化合物がある。
非大環状構造を有するいくつかの適切な有機キレート剤は、例えば、アミノカルボン酸、1,3−ジケトン、ヒドロキシカルボン酸、ポリアミン、アミノアルコール、芳香族複素環式塩基、フェノール、アミノフェノール、オキシム、シッフ(Shiff)塩基、硫黄化合物、およびこれらの混合物である。いくつかの実施形態では、キレート剤は、1つまたは複数のアミノルボン酸、1つまたは複数のヒドロキシカルボン酸、1つまたは複数のオキシム、またはこれらの混合物を含む。いくつかの適切なアミノカルボン酸には、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、N−ジヒドロキシエチルグリシン(2−HxG)、エチレンビス(ヒドロキシフェニルグリシン)(EHPG)、およびこれらの混合物が含まれる。いくつかの適切なヒドロキシカルボン酸には、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、5−スルホサリチル酸、およびこれらの混合物が含まれる。いくつかの適切なオキシムには、例えば、ジメチルグリオキシム、サリチルアルドキシム、およびこれらの混合物が含まれる。いくつかの実施形態では、EDTAが使用される。
いくつかの付加的な適切なキレート剤は高分子である。いくつかの適切な高分子キレート剤には、例えば、ポリエチレンイミン、ポリメタクリロイルアセトン、ポリ(アクリル酸)、およびポリ(メタクリル酸)が含まれる。いくつかの実施形態ではポリ(アクリル酸)が使用される。
キレート剤でないいくつかの適切な金属錯化剤は、例えば、アルカリ炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムなどである。
金属錯化剤は、中性形態または1つもしくは複数の塩の形態で存在し得る。適切な金属錯化剤の混合物も適している。
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は水を全く含有しない。いくつかの実施形態では、本開示の組成物は水を含有する。このような実施形態のいくつかにおいて、水は、1つまたは複数の金属イオン、例えば、鉄イオン、銅イオン、他の金属イオン、またはこれらの混合物などを含有し得る。いくつかの実施形態では、水は、0.1ppm以上の1つまたは複数の金属イオンを含有する。
1つまたは複数の金属錯化剤を使用する実施形態において、使用される金属錯化剤は広範囲にわたって異なり得る。少なくとも1つの液体組成物が使用されるいくつかの実施形態では、その液体組成物中の金属錯化剤の量は、金属錯化剤を含有する液体組成物中に存在するか存在することが予期される量の金属イオンと錯体を形成するのに十分であるように調整されるであろう。例えば、いくらかの金属イオンを含有する水を含む本開示の液体組成物が使用されるいくつかの実施形態では、比較的効率的な金属錯化剤(すなわち、水中の金属イオンの全てまたはほぼ全てと錯体を形成し得る金属錯化剤)が使用される場合、金属錯化剤のモル数の金属イオンのモル数に対する比は0.1以上;または0.2以上、または0.5以上、または0.8以上であろう。比較的効率的な金属錯化剤を使用するこのような実施形態において、金属錯化剤のモル数の金属イオンのモル数に対する比は2以下、または1.5以下;または1.1以下であろう。効率性の低い金属錯化剤が使用される場合、金属錯化剤のモル数の金属イオンのモル数に対する比は、より低い効率性を補償するために増大され得ることが企図される。
独立して、液体組成物が使用されるいくつかの実施形態では、金属錯化剤の量は、液体組成物の全重量を基準として、25重量%以下;または10重量%以下;または1重量%以下である。独立して、いくつかの実施形態では、金属錯化剤の量は、液体組成物の全重量を基準として、0.00001%以上;または0.0001%以上;または0.01%以上である。
独立して、水を含む液体組成物が使用されるいくつかの実施形態では、金属錯化剤の量は、水中の金属錯化剤のモル濃度(すなわち、水1リットル当たりの金属錯化剤のモル数)によって有用に特徴付けることができる。このような液体組成物のいくつかにおいて、金属錯化剤の濃度は0.00001mM(すなわち、ミリモル)以上;または0.0001mM以上;または0.001mM以上;または0.01mM以上;または0.1mM以上である。独立して、本開示の液体組成物が水を含むいくつかの実施形態では、金属錯化剤の濃度は100mM以下;または10mM以下;または1mM以下である。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアジュバントも本開示の組成物中に含まれる。アジュバントの使用は、本開示の実施において任意であると考えられる。アジュバントは、単独または任意の組み合わせで使用され得る。2つ以上のアジュバントが使用される場合、1つまたは複数のアジュバントの任意の組み合わせが使用され得ることが企図される。適切なアジュバントの例には、界面活性剤、アルコール、油、増量剤、顔料、充填剤、結合剤、可塑剤、潤滑剤、湿潤剤、展着剤、分散剤、粘着剤、接着剤、消泡剤、増粘剤、輸送剤、または乳化剤が含まれ得るが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、アルコール、油、またはこれらの混合物から選択される少なくとも1つのアジュバントを含有する。このような組成物は1つまたは複数の界面活性剤をさらに含有していてもよいし、含有していなくてもよい。
液体組成物が使用される実施形態において、以下の液体組成物のうちの任意の1つまたは複数が使用され得る:1つまたは複数の界面活性剤を含有するが、油およびアルコールを含有しない液体組成物;1つまたは複数の油を含有するが、界面活性剤およびアルコールを含有しない液体組成物;または1つまたは複数のアルコールを含有するが、界面活性剤および油を含有しない液体組成物。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の界面活性剤および1つまたは複数の油をそれぞれが含有する1つまたは複数の液体組成物が使用されるか、あるいは1つまたは複数の界面活性剤および1つまたは複数のアルコールをそれぞれが含有する1つまたは複数の液体組成物が使用される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の界面活性剤、1つまたは複数の油、および/または1つまたは複数のアルコールをそれぞれが含有する1つまたは複数の液体組成物が使用される。
いくつかの実施形態では、液体組成物は、有機ケイ酸塩化合物を全く含有しない。いくつかの実施形態では、液体組成物は、少なくとも1つの有機ケイ酸塩化合物を含有する。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の界面活性剤が使用される。適切な界面活性剤には、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはこれらの混合物が含まれる。適切な界面活性剤の混合物も使用され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアニオン性界面活性剤が使用される。
適切なアニオン性界面活性剤の1つの群はスルホコハク酸塩であり、例えば、モノおよびジアルキルスルホコハク酸のアルカリ塩が含まれる。いくつかの実施形態では、例えば、4個以上の炭素、または6個以上の炭素を有するアルキル基を有するものを含む、ジアルキルスルホコハク酸のナトリウム塩が使用される。いくつかの実施形態では、例えば、18個以下の炭素;または14個以下の炭素;または10個以下の炭素を有するアルキル基を有するものを含む、ジアルキルスルホコハク酸のナトリウム塩が使用される。適切なジアルキルスルホコハク酸のナトリウム塩の例は、例えば、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムである。1つの他の適切なジアルキルスルホコハク酸のナトリウム塩は、例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムである。
適切なアニオン性界面活性剤の別の群は、例えばアルキル硫酸のアルカリ塩を含む、硫酸塩およびスルホン酸塩である。いくつかの実施形態では、例えば、4個以上の炭素、または6個以上の炭素、または8個以上の炭素を有するアルキル基を有するものを含む、アルキル硫酸のナトリウム塩が使用される。いくつかの実施形態では、例えば、18個以下の炭素;または14個以下の炭素;または10個以下の炭素を有するアルキル基を有するものを含む、アルキル硫酸のナトリウム塩が使用される。1つの適切なアルキル硫酸のナトリウム塩は、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムである。
いくつかの適切な界面活性剤は、例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリグリセロールエステル、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート(例えば、DowからのTRITONTMX−100など)、臭化セチルピリジニウム、エトキシル化アルキルアミン、アルコールアミン(例えば、エタノールアミンなど)、サポニン、およびシリコーン系界面活性剤(例えば、OSi SpecialtiesからのSILWETTML−77界面活性剤など)である。
適切な界面活性剤は種々の特性を有する。例えば、いくつかは、シクロプロペンを特定の植物または植物部位に接触したままの状態にすることを可能にするのに優れており;いくつかは、配合物中の他の成分中に容易に溶解し;いくつかは、植物または植物部位において植物毒性を引き起こさない。全ての特性において優れている界面活性剤はほとんどないが、1つまたは複数の界面活性剤が使用される場合、例えば、処理されることが望まれる種および組成物中で使用することが意図される他の成分を考慮に入れて、実行者は所望の用途に最も適した特性のバランスを有する界面活性剤または界面活性剤の混合物を容易に選択することができるであろう。
1つまたは複数の界面活性剤を含む1つまたは複数の液体組成物が使用される実施形態において、いくつかの液体組成物は、液体組成物の全重量を基準として0.025重量%以上;または0.05重量%以上;または0.1重量%以上の量の界面活性剤を含有する。独立して、いくつかの液体組成物は、液体組成物の全重量を基準として75重量%以下;または50重量%以下;または20重量%以下;または5重量%以下;または2重量%以下;または1重量%以下;または0.5重量%以下;または0.3重量%以下の量の界面活性剤を使用する。
液体組成物が使用される実施形態のいくつかでは、組成物中に油は含まれない。
独立して、液体組成物が使用される実施形態のいくつかでは、1つまたは複数の油が使用される。本明細書で使用される場合、「油」は、25℃の温度および1気圧において液体であり、1気圧で30℃以上の沸点温度を有する化合物である。本明細書で使用される場合、「油」は水を含まず、界面活性剤(本明細書において上記)を含まず、そしてアルコール(本明細書において以下に記載)を含まない。いくつかの油は炭化水素油であり、他の油は非炭化水素油である。炭化水素油は、6個以上の炭素原子を有する直鎖状、分枝状、または環状のアルカン化合物であり得る。本明細書で使用される場合、「非炭化水素」は、水素でも炭素でもない少なくとも1つの原子を含有する任意の化合物を意味および包含する。
液体組成物が使用されるいくつかの実施形態では、1つまたは複数の炭化水素油が組成物中に含まれる。いくつかの実施形態では、炭化水素油は石油の蒸留から得られ、一部の例では不純物と共に、アルカン化合物の混合物を含有する。いくつかの実施形態では、18個以下の炭素原子を含有する炭化水素油が使用される。いくつかの適切な炭化水素油には、例えば、ヘキサン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、ディーゼル油、精製パラフィン油、例えばSun Companyからの ULTRAFINETMスプレー油など、またはこれらの混合物が含まれる。
液体組成物が使用されるいくつかの実施形態では、1つまたは複数の非炭化水素油が組成物中に含まれる。いくつかの実施形態では、非炭化水素油は、50℃以上;または75℃以上;または100℃以上の沸点温度を有する。独立して、いくつかの実施形態では、非炭化水素油は、100以上;または200以上;または500以上の分子量を有する。
いくつかの適切な非炭化水素油は、例えば、脂肪族非炭化水素油である。「脂肪族」という用語は、本明細書で使用される場合、1つまたは複数の脂肪酸の残基を含有する任意の化合物を意味および包含する。脂肪酸は、少なくとも4つの炭素原子の鎖長を有する長鎖カルボン酸である。典型的な脂肪酸は4〜18個の炭素原子の鎖長を有するが、より長い鎖を有するものもある。線状、分枝状、または環状の脂肪族基がこの長い鎖に結合され得る。脂肪酸残基は飽和でも不飽和でもよい。さらに、脂肪酸残基は、天然に存在するか、あるいは付加された官能基(例えば、アルキル基、エポキシド基、ハロゲン、スルホン酸基、またはヒドロキシル基を含む)を含有し得る。いくつかの適切な脂肪族非炭化水素油は、例えば、脂肪酸;脂肪酸のエステル;脂肪酸のアミド;これらのダイマー、トリマー、オリゴマー、もしくはポリマー;またはこれらの混合物である。
適切な脂肪族非炭化水素油のいくつかは、例えば、脂肪酸のエステルである。このようなエステルには、例えば、脂肪酸のグリセリドが含まれる。グリセリドは脂肪酸とグリセロールとのエステルであり、これらは、モノ−、ジ−、またはトリグリセリドであり得る。様々なトリグリセリドが天然に見出される。天然に存在するトリグリセリドの大部分は、いくつかの異なる長さおよび/または組成を有する脂肪酸の残基を含有する。いくつかの適切なトリグリセリドは、例えば、乳製品、動物性脂肪、および魚などの動物源において見出される。適切なトリグリセリドのさらなる例は、例えば、ココナッツ、パーム、綿実、オリーブ、トール(tall)、ピーナッツ、ベニバナ、ヒマワリ、トウモロコシ、大豆、アマニ、アブラギリ、トウゴマ、キャノーラ、柑橘類種子、ココア、オート麦、パーム核、米ぬか、クフェア、または菜種油などの植物において見出される油である。
適切なトリグリセリドとしては、それがどこで見出されたか、あるいはどのようにして製造されたかに関係なく、例えば、14個以上の炭素原子を有する少なくとも1つの脂肪酸残基を含有するものがある。いくつかの適切なトリグリセリドは脂肪酸残基を有し、これは、残基の重量を基準として50重量%以上の、14以上の炭素原子、または16個以上の炭素原子、または18個以上の炭素原子を有する脂肪酸残基を含有する。適切なトリグリセリドの一例は大豆油である。
適切な脂肪族非炭化水素油は、合成油、または天然油、または天然油の修飾物、またはこれらの組み合わせもしくは混合物であり得る。適切な天然油の修飾としては、例えば、アルキル化、水素化、ヒドロキシル化、アルキルヒドロキシル化、アルコール分解、加水分解、エポキシ化、ハロゲン化、スルホン化、酸化、重合、およびこれらの組み合わせがある。いくつかの実施形態では、アルキル化(例えば、メチル化およびエチル化を含む)油が使用される。1つの適切な修飾天然油はメチル化大豆油である。
また適切な脂肪族非炭化水素油としては、自己乳化性の脂肪酸エステルがある。
適切な非炭化水素油の別の群はシリコーン油である。シリコーン油は、部分的または完全に−Si−O−結合で構成された骨格を有するオリゴマーまたはポリマーである。シリコーン油は、例えば、ポリジメチルシロキサン油を含む。ポリジメチルシロキサン油は、
Figure 2018515094
の形態の単位を含有するオリゴマーまたはポリマーであり、ここで、この単位の少なくとも1つはX1=CH3を有する。他の単位では、X1は、例えば、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルキルポリアルコキシル、これらの置換型、またはこれらの組み合わせを含む、Siに結合することができる任意の他の基であり得る。置換基は、例えば、ヒドロキシル、アルコキシル、ポリエトキシル、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、他の置換基、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの適切なポリジメチルシロキサン油では、全てのX1基はメチルである。いくつかの適切なポリジメチルシロキサンでは、少なくとも1つの単位は、メチルでないX1基を有する;2つ以上の非メチルX1単位が存在する場合、非メチルX1単位は互いに同一であってもよいし、あるいは2つ以上の異なる非メチルX1単位が存在していてもよい。ポリジメチルシロキサン油は、例えば、水素、メチル、他のアルキル、またはこれらの任意の組み合わせを含む様々な種類の化学基のいずれかによってエンドキャップされていてもよい。また、環状ポリジメチルシロキサン油も企図される。
適切な油の混合物、例えば、複数の炭化水素油の混合物、複数の非炭化水素油の混合物、または1つもしくは複数の炭化水素油と1つもしくは複数の非炭化水素油との混合物なども使用され得る。
いくつかの実施形態は、組成物の全重量を基準として、0.25重量%以上;または0.5重量%以上;または1%以上の量の油を使用する。独立して、いくつかの実施形態は、組成物の全重量を基準として、90重量%以下;または50重量%以下;または10重量%以下;または5重量%以下;または4重量%以下;または3重量%以下の量の油を使用する。
1つまたは複数の液体組成物が使用される実施形態において、いくつかの液体組成物において、1つまたは複数のアルコールが使用される。適切なアルコールには、例えば、アルキルアルコールおよび他のアルコールが含まれる。本明細書で使用される場合、アルキルアルコールは1つのヒドロキシル基を有するアルキル化合物であり、アルキル基は線状、分枝状、環状、またはこれらの組み合わせでよく、アルコールは、第1級、第2級、または第3級でよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の炭素原子を有するアルキル基を有するアルキルアルコールが使用される。いくつかの実施形態では、エタノール、イソプロパノール、またはこれらの混合物が使用される。いくつかの実施形態では、20個以下の炭素原子;または10個以下の炭素原子;または6個以下の炭素原子;または3個以下の炭素原子を有するアルキル基を有する、1つまたは複数のアルキルアルコールが使用される。
アルコールを使用する液体組成物において、いくつかの液体組成物は、液体組成物の全重量を基準として0.25重量%以上;または0.5重量%以上、または1重量%以上の量のアルコールを使用する。アルコールを使用する液体組成物において、いくつかの液体組成物は、液体組成物の全重量を基準として90重量%以下;または50重量%以下;または10重量%以下;または5重量%以下;または4重量%以下;または3重量%以下の量のアルコールを使用する。
開示される組成物の成分は、任意の手段により任意の順序で混合され得る。
本明細書には、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に作物植物を1回または複数回接触させるステップを含む、作物植物の処理方法が開示される。
本開示の実施において、開示組成物が作物植物に接触するのを可能にする任意の方法が使用され得る。このような接触方法の例には、例えば、噴霧、発泡、雲霧、注入、ブラッシング、浸漬、同様の方法、またはこれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、噴霧または浸漬またはその両方が使用される。いくつかの実施形態では、噴霧が使用される。
開示組成物が噴霧される実施形態において、任意の噴霧条件が使用され得る。例えば、ノズルサイズおよび圧力は、所望の結果を達成するように本開示の実行者によって選択され得る。いくつかの有用なノズルタイプは、例えば、フラットファン、プレオリフィスフラットファン、中空円錐、充円錐、エアインクルージョン、低ドリフト、またはフラッディングである。独立して、いくつかの有用な噴霧圧力は、例えば、127kPa(15psi)、422kPa(50psi)、844kPa(100psi)、1689kPa(200psi)、および2534kPa(300psi)である。これらの有用な噴霧圧力の任意の対の中間である噴霧圧力もいくつかの実施形態では有用である。独立して、いくつかの実施形態では、噴霧条件は特定の液滴サイズを達成するように選択され、いくつかの有用な液滴サイズは、例えば、50マイクロメートル、100マイクロメートル、200マイクロメートル、300マイクロメートル、400マイクロメートル、600マイクロメートル、および800マイクロメートルである。これらの有用な液滴サイズの任意の対の中間である液滴サイズもいくつかの実施形態では有用である。
作物植物が開示組成物と接触された後、作物植物と相互作用をする開示組成物の任意の成分は、すぐにその相互作用を開始させることができる。あるいは、開示組成物の成分は、互いに独立して、異なる時点で作物植物と相互作用をすることができる。例えば、液体組成物は、作物植物の全てまたは一部の上にリリースコーティングを形成することができ、1つまたは複数の成分は、時間と共に作物植物と相互作用をすることが可能になり得る。
本開示の実施において、組成物は植物全体と接触されてもよいし、あるいは1つまたは複数の植物部位と接触されてもよい。植物部位は、例えば、花(flower)、芽、花(bloom)、種子、切り枝、根、鱗茎、果実、野菜、葉、およびこれらの組み合わせを含む、植物の任意の部位を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は液体であり、この液体は、圃場で成長している作物植物上に噴霧される。このような噴霧操作は、特定の作物植物群において、単一の成長期の間に1回または2回以上実施され得る。いくつかの実施形態では、1回の噴霧操作で使用されるシクロプロペンの量は0.1グラム/ヘクタール(g/ha)以上;または0.5g/ha以上;または1g/ha以上;または5g/ha以上;または25g/ha以上;または50g/ha以上;または100g/ha以上である。独立して、いくつかの実施形態では、1回の噴霧操作で使用されるシクロプロペンの量は6000g/ha以下;または3000g/ha以下;または1500g/ha以下である。
開示組成物は、有用な植物部位を収穫する前に作物植物に適用され得る。組成物が植物の一部分と接触させられる場合、その部分は、収穫することが意図される有用な植物部位を含んでいてもいなくてもよい。開示組成物による少なくとも1回の作物植物の処理は、任意の有用な植物部位が収穫される前に実施され得る。
処理される作物植物は、有用な産物を生じる任意の作物植物であり得る。通常、植物の特定の部位は有用な産物を形成する。複数の植物から除去された後の複数の有用な植物部位は、「作物」として知られている。いくつかのタイプの作物植物は単一のタイプの有用な植物部位を有するが、他のタイプの作物植物は、複数のタイプの有用な植物部位を有する。
本開示において使用するのに適した作物植物としては、例えば、食用である植物部位を有するもの、食用でないが何か他の目的のために有用である植物部位を有するもの、およびこれらの組み合わせがある。また、有用な材料を抽出可能であるものも適切な作物植物として企図され、このような有用な材料は、例えば、食用材料、製造のための原材料、医学的に有用な材料、および他の目的のために有用な材料であり得る。
さらに、その美的特性および/または装飾特性のために有用な植物部位をもたらすものも適切な作物植物として企図される。このような観賞植物部位には、例えば、花および他の観賞植物部位(例えば、観賞植物の葉など)が含まれる。このような植物のいくつかは有用な鱗茎を産する。いくつかの実施形態では、観賞植物全体が有用な植物部位であると考えられる。
また、食用の植物部位を生じる作物植物も適している。全てのタイプの食用植物部位を生じる作物植物が本開示の使用に適していると企図される。
本開示のために適切な作物植物は、果実、野菜、スパイス、ハーブ、または観賞用に成長された植物もしくは植物部位を生じる作物植物であり得る。いくつかの実施形態では、作物植物は、果実または野菜を産する。いくつかの実施形態では、作物植物は野菜を産する。
本開示の実施における使用に適した植物の多くは、カテゴリーまたはグループに有用に分類することができる。このようなグループを定義するための1つの有用な方法は、国連の食糧農業機関(Food and Agriculture Organization)(「FAO」)により「草案」として2006年3月23日またはそれ以前に発行された「物品の定義および分類(Definition and Classification of Commodities)」である。
本開示のいくつかの実施形態では、作物植物は、以下の作物グループのいずれか1つの範囲内にある1つまたは複数の作物を生じ得る。
2つ以上の作物を産する作物植物が使用される実施形態も企図される。このような実施形態では、2つ以上の作物を産する単一の作物植物のタイプが使用されてもよいし、あるいは互いに異なる作物を産する2つ以上の植物の混合物が使用されてもよいし、あるいはこれらの任意の組み合わせでもよい。独立して、2つ以上の作物が使用される場合、これらは同じ作物グループからのものであっても、異なる作物グループからのものであってもよい。
作物グループ1は穀類であり、例えば、小麦、米、大麦、トウモロコシ、ポップコーン、ライ麦、オート麦、キビ、ソルガム、ソバ、キノア、フォニオ、ライ小麦、カナリ―シード、カナグア(canagua)、キウイチャ(quihuicha)、ハトムギ(adlay)、野生の米、および他の穀類が含まれる。本開示のいくつかの実施形態では、適切な植物は、小麦または米またはトウモロコシまたはソルガムを産するものである。いくつかの実施形態では、トウモロコシ植物が適切である。いくつかの実施形態では、小麦植物が適切である。
作物グループ2は根および塊茎であり、例えば、ジャガイモ、サツマイモ、キャッサバ、ヤウティア(yautia)(ココマイ(cocomay))、タロイモ(ココヤム(cocoyam))、ヤムイモ、ならびに他の根および塊茎が含まれる。また、チャイニーズウォーターチェストナット(エレオカリス・ドゥルキス(Eleocharis dulcis))も本明細書において適切な根作物であると考えられる。
作物グループ3は糖作物であり、例えば、サトウキビ、サトウダイコン、サトウカエデ、スイートソルガム、シュガーパーム、および他の糖作物が含まれる。
作物グループ4は豆類であり、例えば、マメ(例えば、インゲンマメ(kidney)、インゲンマメ(haricot)、リママメ(lima)、ライマメ(butter)、アズキ、ムンゴ(mungo)、ゴールデン(golden)、リョクトウ、ケツルアズキ、ウルドマメ、ベニバナインゲン、タケアズキ、モスビーン、テパリービーン、フジマメ(lablab)、フジマメ(hyacinth)、タチナタマメ、シカクマメ、グアーマメ、ハッショウマメ、ヤムビーン、および他のマメを含む)、ソラマメ(horse−bean)、ソラマメ(broad bean)、ソラマメ(field bean)、エンドウ、ヒヨコマメ、ベンガルグラム、ガルバンゾ、ササゲ、クロメマメ、キマメ(pigeon pea)、キマメ(cajan pea)、コンゴマメ、ヒラマメ、バンバラマメ、ラッカセイ(earth pea)、ベッチ(vetch)、ルピナス、および他の豆類が含まれる。
作物グループ5はナッツ類であり、例えば、ブラジルナッツ、カシューナッツ、栗、アーモンド、クルミ、ピスタチオ、コーラナッツ、ヘーゼルナッツ、ビンロウジ、ピーカンナッツ、バターナッツ、ピリナッツ、ジャワアーモンド、パラダイスナッツ、マカダミアナッツ、松の実、および他のナッツ類が含まれる。
作物グループ6は含油作物であり、例えば、大豆、落花生(ピーナッツを含む)、ココナッツ、アブラヤシ果実、オリーブ、カリテナッツ、トウゴマの実、ヒマワリ種子、菜種、キャノーラ、タンナッツ(tung nuts)、ベニバナ種子、ゴマ種子、カラシ種子、ケシの実、メロン種子、ナンキンハゼの種子、カポック果実、実綿、アマニ、麻の実、および他の油糧種子が含まれる。いくつかの実施形態では、大豆植物が適している。
作物グループ7は野菜であり、例えば、キャベツ、アーティーチョーク、アスパラガス、レタス、ホウレン草、キャッサバの葉、トマト、カリフラワー、パンプキン、キュウリおよびガーキン、ナス、トウガラシおよびコショウ、グリーンオニオン、ドライオニオン、ニンニク、ニラネギ、他のネギ属の野菜、サヤインゲン、グリーンピース、グリーンブロードビーンズ、サヤマメ、ニンジン、オクラ、青トウモロコシ、マッシュルーム、スイカ、カンタロープメロン、タケノコ、ビート、フダンソウ、ケーパー、カルドン、セロリ、チャービル、コショウソウ、フェンネル、セイヨウワサビ、マジョラム、オイスタープラント、パセリ、パースニップ、ラディッシュ、ルバーブ、ルタバガ、セイボリー、フタナミソウ、スイバ、クレソン、および他の野菜が含まれる。
作物グループ8は果実であり、例えば、バナナおよびプランテン;柑橘類果実;仁果類;核果;ベリー類;ブドウ類;トロピカルフルーツ;種々の果実;および他の果実が含まれる。柑橘果実には、例えば、オレンジ、タンジェリン、マンダリン、クレメンタイン、温州ミカン、レモン、ライム、グレープフルーツ、ポメロウ(pomellow)、ベルガモット、シトロン、キノット、キンカン、および他の柑橘果実が含まれる。仁果類には、例えば、リンゴ、セイヨウナシ、マルメロ、および他の仁果類が含まれる。核果には、例えば、アンズ、サクランボ、モモ、ネクタリン、プラム、および他の核果が含まれる。ベリー類には、例えば、イチゴ、ラズベリー、グースベリー、スグリ、ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ローガンベリー、クワの実、マートルベリー、ハックルベリー、デングルベリー、および他のベリー類が含まれる。トロピカルフルーツには、例えば、イチジク、カキ、キウイ、マンゴ、アボカド、パイナップル、ナツメヤシ、カシューアップル、パパイヤ、パンノキ、カランボラ、チェリモヤ、ドリアン、フェイジョア、グアバ、モンビン、ジャックフルーツ、リュウガン、マンメア、マンゴスチン、ナランジロ(naranjillo)、パッションフルーツ、ランブータン、サポテ、サポジラ、スターアップル、および他のトロピカルフルーツが含まれる。種々の果実には、例えば、アザロール、ババコ、エルダーベリー、ナツメ、ライチ、ビワ、セイヨウカリン、ポーポー、ザクロ、ウチワサボテン、ローズヒップ、ナナカマド、サービスアップル(service−apple)、タマリンド、およびツリーストロベリーが含まれる。
作物グループ9は繊維であり、例えば、綿、亜麻、麻、カポック、ジュート、ラミー、サイザル麻、および植物から得られる他の繊維が含まれる。いくつかの実施形態では、綿植物が適している。
作物グループ10はスパイスであり、例えば、コショウ、ピメント、バニラ、シナモン、ナツメグ、メース、カルダモン、クローブ、アニス、バディアン、フェンネル、ショウガ、ベイリーフ、ディルシード、フェヌグリークシード、サフラン、タイム、ターメリック、および他のスパイスが含まれる。
作物グループ11は飼料作物である。飼料作物は、主に動物の餌のために栽培される作物である。自然草地および牧草地は、栽培されているかどうかにかかわらず、作物グループ11に含まれる。また飼料作物には、例えば、飼料用トウモロコシ、飼料用ソルガム、飼料用ライ麦、飼料用クローバー、飼料用アルファルファ、飼料用の他の草、サイレージ用グリーンオイルシード(green oilseed)、サイレージ用マメ科植物、サイレージ用の他の作物、飼い葉用キャベツ、飼い葉用パンプキン、飼い葉用カブ、飼い葉用ビート、飼い葉用ニンジン、飼い葉用スウェード、飼い葉用の他の野菜または根、および他の飼い葉用作物も含まれる。
作物グループ12は刺激物作物であり、例えば、コーヒー、カカオ豆、茶、マテ茶、茶のような浸出液を作るために使用される他の植物、および他の刺激物作物が含まれる。
作物グループ13はタバコおよびゴムおよびその他の作物であり、例えば、チコリの根、イナゴマメ、ホップ、シトロネラの油、ペパーミント、スペアミント、他の植物油(香料、食品、よび他の産業で使用される)、除虫菊、タバコ、天然ゴム、天然ガム(例えば、バラタ、セレア(cerea)、チクル、グアユール、グタペルカ、およびジェルトンを含む)、他の樹脂(例えば、コパイバ、トラガカントガム、インセンス、ミルラ、オポパナクス、メッカバルサム、トルーバルサム、およびペルーバルサムを含む)、および植物ワックス(例えば、カンデリラ、カルナウバ、ウルキュリー、およびパームワックスを含む)が含まれる。
いくつかの実施形態では、本開示は、任意の非柑橘類植物(すなわち、シトラス(Citrus)属でない任意の植物)の処理を含む。
リンゴの木が使用される実施形態のいくつかにおいて、本開示の組成物は、アミノエトキシビニルグリシン、またはいくつかの実施形態では本明細書において上記で定義されるII型の植物成長調節剤、またはいくつかの実施形態ではシクロプロペンでない植物成長調節剤を含有しない。他の実施形態では、リンゴの木は、本開示の実施において使用されない。いくつかの実施形態では、仁果類の木は、本開示の実施において使用されない。
いくつかの実施形態では、処理される作物植物はニコチアナ(Nicotiana)属のメンバーではない。
いくつかの実施形態では、本開示の組成物と接触される作物植物は、トウモロコシ、大豆、綿、リンゴ、セイヨウナシ、米、小麦、トマト、ブドウ、ソルガム、プラム、キウイ、クルミ、アーモンド、ピーカン、ヒマワリ、アブラナ(oilseed rape)、キャノーラ、大麦、ライ麦またはライ小麦のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、本開示の組成物と接触される作物植物は、トウモロコシ、大豆、綿、リンゴ、セイヨウナシ、米、小麦、トマト、ブドウまたはソルガムのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、本開示の組成物と接触される作物植物は、トウモロコシ、大豆、綿または小麦のうちの1つまたは複数を含む。
いくつかの実施形態では、処理される作物植物は、園芸作物を産する任意の作物植物である。園芸作物は、農学的作物でなくかつ林業製品でない農産物である。農学的作物は、穀物、飼料、油糧種子、および繊維作物を含む草本農作物である。林業製品は、森林樹木および林産品である。園芸作物植物は、通常、食品または美的目的のために栽培される、比較的集中的に管理された作物植物である。いくつかの典型的な園芸作物は、果実、野菜、スパイス、ハーブ、および観賞用に成長された植物である。
いくつかの実施形態は、ナス科植物またはウリ科植物の処理を含む。ナス科植物には、例えば、リコペルシコン・エスクレンツム(Lycopersicon esculentum)植物(例えば、トマト植物を含む);カプシクム植物(例えば、ピーマン、パプリカ、およびチリペッパー植物を含む);およびソラヌム・メロンゲナ(Solanum melongena)植物(例えば、ナス(eggplant)、ナス(aubergine)、またはナス(brinjal)植物を含む)が含まれる。ウリ科植物には、例えば、キトルルス・ラナトゥス(Citrullus lanatus)(スイカ)植物、ククミス・サティブス(Cucumis sativus)(キュウリ)植物、ククミス・メロ(Cucumis melo)(全ての種類のメロン)植物、ククミス・アングリア(Cucumis anguria)(ニシインドコキュウリ(bur gherkin))植物、ククルビタ(Cucurbita)(5種のスクワッシュおよびパンナプキン)植物、ククルビタ・ペポ(Cucurbita pepo)(サマースクワッシュ、パンプキン、スカロップ(scallop)、ストレートネック、ズッキーニ、黄色の花のゴード)植物、ククルビタ・マキシマ(Cucurbita maxima)(ハバード)植物、ククルビタ・ミクスタ(Cucurbita mixta)(ウインタースクワッシュ)植物、およびククルビタ・モスカータ(Cucurbita moschata)(バターナットスクワッシュ、バナナスクワッシュ、およびエイコーンスクワッシュ)植物が含まれる。
いくつかの実施形態では、シクロプロペンの量は、処理される特定の作物に対して適切であるように選択される。例えば、作物植物がトウモロコシまたは大豆である実施形態のいくつかにおいて、シクロプロペンの量は500g/ha以下、または250g/ha以下、または100g/ha以下、または50g/ha以下である。別の例として、作物植物が綿である実施形態のいくつかにおいて、シクロプロペンの量は50g/ha以上、または100g/ha以上、または200g/ha以上である。
いくつかの実施形態では、作物植物群は同時または逐次的に処理される。このような植物群の1つの特徴は作物収穫量であり、これは、規定の植物群から採取された有用な植物部位の量(本明細書では、「作物量」と呼ばれる)として定義される。作物収穫量の1つの有用な定義において、規定の植物群は、地面の特定の面積を占める群である(この定義は、圃場において植物が連続した群で成長している場合に使用されることが多い)。作物収穫量の別の有用な定義において、規定の植物群は、特定の数の個々に識別される植物である(この定義は、例えば、圃場の植物、鉢の植物、温室の植物、またはこれらの任意の組み合わせを含む任意の植物群ために使用され得る)。
作物量は様々な方法で定義され得る。本開示の実施において、作物量は、例えば、以下の方法:収穫された植物部位の重量、体積、数、またはバイオマスのいずれかによって測定され得る。特定の構成要素(例えば、糖、デンプン、またはタンパク質など)の作物中の量として作物量が測定される方法も企図される。さらに、特定の特徴(例えば、トマトの収穫量を測定するために使用されることがある赤みなど)の量として作物量が測定される方法も企図される。さらに、収穫された植物部位の特定の部分の量(例えば、トウモロコシの収穫量を測定するために使用されることがある穀粒の数または穀粒の重量;または綿作物の量を測定するために使用されることがあるリントの重量など)として作物量が測定される方法も企図される。
いくつかの実施形態では、作物収穫量は、土地の単位面積当たりの作物量として定義される。すなわち、作物が収穫された土地の面積を測定し、その土地面積で作物量を割って、作物収穫量が計算される。例えば、収穫された植物部位の重量として測定される作物量は、重量/面積(例えば、キログラム/ヘクタール)で報告される作物収穫量を導き得る。
いくつかの実施形態では、作物量に寄与する収穫された植物部位は、そのタイプの植物部位に適した最低品質基準を満たしている植物部位である。すなわち、特定の植物から植物部位が収穫される場合、作物量は、例えば、これらの植物から収穫された、許容可能な品質を有する植物部位の重量である。許容可能な品質は、対象の植物部位を収穫するまたは取り扱う人々により使用される一般的な基準のいずれかによって決定され得る。植物部位の許容可能な品質のこのような基準は、例えば、サイズ、重量、硬度、押し傷に対する抵抗性、風味、糖/デンプンのバランス、色、美しさ、他の品質基準、またはこれらの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数であり得る。また植物部位がその品質(上記の基準のいずれかにより判断される)を維持する期間も、単独または上記の基準のいずれかとの組み合わせで、品質の基準として企図される。
作物量のいくつかの説明的な例(限定はされない)は、例えば、収穫された作物の全重量;収穫された植物部位の総数;その種類の植物部位に対するいくらかの最低重量をそれぞれが満たすか超過する、収穫された植物部位の重量(または数);あるいはその種類の植物部位に対するいくらかの最低品質基準(例えば、色または風味または質感または他の基準または基準の組み合わせ)をそれぞれが満たすか超過する、収穫された植物部位の重量(または数);食用である収穫された植物部位の重量(または数);あるいは販売することができる、収穫された植物部位の重量(または数)である。いずれの場合も、本明細書において上記で定義されるように、作物収穫量は作物が成長された土地の単位面積当たりの作物量である。
本開示の方法は、本開示の方法で処理しなかった場合にその植物群から得られたであろう作物収穫量と比較して、その植物群の作物収穫量を増大させ得る。作物収穫量の増大は、様々な種類の手段のいずれかにおいて得ることができる。例えば、作物収穫量の増大が得られる1つの手段は、各植物がより多数の有用な植物部位を産生し得ることである。別の例として、作物収穫量の増大が得られる1つの手段は、それぞれの有用な植物部位がより大きい重量を有し得ることである。第3の例として、作物収穫量は、より多数の潜在的に有用な植物部位が許容可能な品質に対する最低基準を満たす場合に増大し得る。また作物収穫量を増大させる他の手段も本開示の実施に起因し得る。また、手段の任意の組み合わせにより起こる作物収穫量の増大も企図される。
本開示のいくつかの実施形態を実施することの別の企図される利点は、作物の一般的な品質が改善され得ることである。すなわち、本開示の方法によって生産された作物は、その作物に適した品質基準により判断したときに、本開示の方法を用いずに生産された同等の作物よりも高い一般的または平均的レベルの品質を有し得る。場合によっては、このようにより高い品質の作物は、販売するときにより高い価格を要求することができる。
本開示の方法によって引き起こされる作物収穫量の改善は、任意のメカニズムにより生じ得る。すなわち、本開示の方法は、いくつかの実施形態において、植物の発育、成熟、成長、または生殖のいくつかのプロセスにおいて改善を引き起こすことができ、このようなプロセスにおけるこのような改善は次に作物収穫量の改善を引き起こすことができる。例えば、本開示の方法は、以下のプロセスのいずれか1つまたは任意の組み合わせにおいて改善を引き起こし得る:授粉の同期化(すなわち、植物が花粉を放出する期間と、その植物が花粉を受け取り受精することができる期間との間のより良い一致)、光合成、窒素蓄積、葉の老化、または時季遅れの青葉の産生。光合成が改善される実施形態のいくつかでは、光合成の改善は、二酸化炭素の同化の増大として観察することができる。独立して、いくつかの実施形態では、作物収穫量の改善は、耐病性または耐乾燥性または耐霜性または耐熱性またはこれらの組み合わせの改善のために起こり得る。
いくつかの作物(例えば、トウモロコシなど)において、本開示の方法は気孔閉鎖を引き起こし、これにより植物にその耐乾燥性が付与されるので、耐乾燥性が生じ、その結果作物収穫量が改善されることが企図される。独立して、いくつかの作物(例えば、小麦など)は、本開示の方法において使用されると耐霜性の改善を経験する。独立して、いくつかの作物(例えば、小麦およびブドウなど)は、本開示の方法において使用されると耐病性の改善を経験する。
独立して、いくつかの実施形態では、作物収穫量の改善は、葉、花、または結実構造(例えば、鞘、莢、または果実それ自体など)の1つまたは複数の落下が遅延されるために起こり得る。
独立して、いくつかの実施形態では、例えば大豆などの特定の作物において起こることがある根粒形成の増強のために作物収穫量の改善が起こり得る。
本開示の方法が上記のプロセスの1つまたは複数における改善をもたらすかどうかにかかわらず、いくつかの実施形態では、本開示の方法は、以下のうちの1つまたは複数における改善をもたらす:バイオマス体積、バイオマス品質、果実の増加、果実サイズの増大(所望される場合)、果実サイズの減少(所望される場合)、収穫のタイミング(所望されるように早める、または遅くする)、果実落下の減少、細胞膨圧の低減、褐斑(russetting)の減少、ストレス応答の低下、創傷応答の低下、収穫された植物部位における貯蔵障害の低減、収穫された植物部位の貯蔵期間の増大、頂芽優勢、器官脱離の防止、老化防止、黄変防止、成長中の活力の改善、輸送中の活力の改善、移植中の活力の改善、またはこれらの組み合わせ。
多くの作物植物の成長および発育プロセスは、特定の発育段階によって説明することができる。例えば、多くの作物植物は、栄養成長段階と、それに続く生殖成長段階を経て発育する。
驚くことに、そして予想外に、いくつかの特定の作物植物について、作物植物の特定の最適段階が存在し、作物植物がこのような特定の最適段階にある間に開示組成物で処理されると作物収穫量の最大の改善が達成され得ることが今見出された。この最適段階は作物植物のそれぞれの種類によって異なることがあり、場合により、特定の成長条件に依存する。
従って、本開示の1つの態様では、作物植物の処理方法は、最大の作物収穫量を達成するために、作物植物が特定の発育の最適段階にある間に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に作物植物を1回または複数回(one or time)接触させるステップを含む。このような接触は、所望の発育段階に達した植物の数の、群内の植物の総数に対する比が少なくとも0.1、または少なくとも0.5、または少なくとも0.75、または少なくとも0.9であるとき(すなわち、所望の発育段階に達した植物の部分が少なくとも10%、または50%、または75%、または90%であるとき)に実施され得ることが企図される。
いくつかの実施形態では、作物植物が1つまたは複数の栄養成長段階にある間に、作物植物は本開示の組成物に1回または複数回接触される。
いくつかの実施形態では、作物植物が1つまたは複数の生殖成長段階にある間に、作物植物は本開示の組成物に1回または複数回接触される。
また、作物植物が1つまたは複数の栄養成長段階にある間に作物植物が本開示の組成物に1回または複数回接触され、作物植物が1つまたは複数の生殖成長段階にある間にも本開示の組成物に1回または複数回接触される実施形態も企図される。
いくつかの作物植物は、その生殖成長段階の後に熟成段階を経て発育する。いくつかの実施形態では、このような作物植物は、作物植物が他の発育段階にある間に加えてあるいはその代わりに、作物植物が1つまたは複数の熟成段階にある間に、1回または複数回本開示の組成物に接触される。
いくつかの作物植物は、栄養成長および生殖成長プロセスを同時に経て発育する。このような作物植物は、その発芽後であるが収穫の前に、本開示の組成物に1回または複数回接触され得る。
本開示の1つの特定の実施形態は大豆植物の処理方法に関する。
大豆植物は、栄養成長段階と、それに続く生殖成長段階を経て発育する。栄養成長段階のいくつかは、VE(出芽)、VC(子葉)、V1(単葉節(unifoliate node)で完全に発育した葉)、およびVN(「N」は完全に発育した葉を有する主幹上の節の数)である。生殖成長段階のいくつかは、R1(開花開始)、R2(完全に開花)、R3(着莢開始)、R4(完全に着莢)、R5(結実開始)、R5.5(R5およびR6の中間)、R6(完全に結実)、R7(成熟開始)、およびR8(完全に成熟)である。
いくつかの実施形態では、大豆植物は、任意の栄養成長段階の1つまたは複数、任意の生殖成長段階の1つまたは複数、またはこれらの任意の組み合わせの間に、本開示の組成物に1回または複数回接触される。いくつかの実施形態では、V3、V4、V5、またはV6の1つまたは複数の間に、そしてまた任意選択的に1つまたは複数の生殖成長段階の間に1回または複数回、大豆植物は本開示の組成物に接触される。いくつかの実施形態では、大豆植物は、R1、R2、R3、R5、またはR5.5の間に、本開示の組成物に1回または複数回接触される。独立して、いくつかの実施形態では、大豆植物は、段階V3の間またはその後、そして任意選択的に、その後の1つまたは複数の段階において、本開示の組成物に1回または複数回接触される。独立して、いくつかの実施形態では、大豆植物は、段階R1の間またはその後、そして任意選択的に、その後の1つまたは複数の段階において、本開示の組成物に1回または複数回接触される。独立して、いくつかの実施形態は、前記大豆植物の少なくとも10%が少なくとも1枚の完全に発育した葉を有する主幹上に少なくとも1つの節を有した後に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む液体組成物に大豆植物を接触させることを含む。いくつかの実施形態は、大豆植物の少なくとも10%が開花し始めた後に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む液体組成物に大豆植物を1回または複数回接触させることを含む。
1つの特定の実施形態では、大豆植物の処理方法は、大豆植物がR2(完全に開花)、R3(着莢開始)、R5.5(結実開始と完全に結実の中間)、またはこれらの生殖成長段階のいずれかの組み合わせの生殖成長段階にある間に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に大豆植物を1回または複数回接触させることを含む。
以下の実施例1に示されるように、異なる投与量で、そして大豆植物が異なる生殖成長段階にある間に、大豆植物は1−MCPを含む組成物で処理される。以下の表1は実施例1の結果を要約する。
表1は、1−MCPを含む組成物で処理しない大豆植物と比較して、大豆植物が異なる発育段階:R2(完全に開花)、R3(着莢開始)、R5.5(結実開始と完全に結実の中間)またはこれらの生殖成長段階のいずれかの組み合わせの生殖成長段階にある間に、本組成物で処理した大豆植物について、作物収穫量の増大%を示す。
Figure 2018515094
表1に示されるように、作物収穫量の増大は、大豆植物がR2(完全に開花)、R3(着莢開始)、R5.5(結実開始と完全に結実の中間)、またはこれらの生殖成長段階のいずれかの組み合わせの生殖成長段階にある間に、大豆植物が1−MCPを含む組成物に接触される場合に達成される。
驚くことに、そして予想外に、作物収穫量の増強の大きさは、大豆植物が1−MCPを含む組成物に接触される発育段階に依存する。大豆植物が1−MCPを含む組成物で処理されると大豆作物の収穫量の増大が達成されるが、大豆植物がR3(着莢開始)、またはR3とR2(完全に開花)および/またはR5.5(結実開始と完全に結実の中間)との組み合わせの生殖成長段階にある間に組成物を適用すると、大豆作物の収穫量を増強するためにより有効であると思われる。
さらに、実施例1に示されるように、大豆植物がR2(完全に開花)、R3(着莢開始)および/またはR5.5(結実開始と完全に結実の中間)の生殖成長段階にある間に1−MCPを含む組成物により大豆植物を処理すると、収穫された大豆作物のタンパク質含量が改善される。
本開示の1つの特定の実施形態はトウモロコシ植物の処理方法に関する。
トウモロコシ植物は、栄養成長段階と、それに続く生殖成長段階を経て発育する。トウモロコシ植物の栄養成長段階には、VE(出芽)、V1(第1葉の発生)、VN(N番目の葉の発生)、VNMAX(最後の葉の発生)、およびVT(出穂(tasselling))が含まれる。これらの栄養成長段階の1つはV5であり、第5葉が発生したときに始まる。これらの栄養成長段階のもう1つはV12であり、第12葉が発生したときに始まる。トウモロコシ植物の生殖成長段階には、R1(絹糸抽出)、R2(ブリスター)、R3(ミルク)、R4(ドウ)、R5(デント)、R6(成熟)が含まれる。
いくつかの実施形態では、V5(第5葉の発生)、V12(第12葉の発生)、VT、R3のいずれかの段階の間に、またはその後に、あるいはV6、V12、VT、およびR3のうちの2つ以上の任意の組み合わせの間に、またはその後に、トウモロコシ植物は本開示の組成物と接触される。独立して、いくつかの実施形態では、トウモロコシ植物は、V12の間、VTの間、およびR3の間に本開示の組成物と接触される。独立して、いくつかの実施形態は、第5葉が完全に開く発育段階に前記トウモロコシ植物の少なくとも10%が達した後に、あるいは第12葉が完全に開く発育段階に前記トウモロコシ植物の少なくとも10%が達した後に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む液体組成物をトウモロコシ植物に1回または複数回噴霧することを含む。
1つの特定の実施形態では、トウモロコシ植物の処理方法は、トウモロコシ植物がV12(第12葉の出現)、VT(出穂)、R3(ミルク)、またはこれらの生殖成長段階のいずれかの組み合わせの発育段階にある間に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物にトウモロコシ植物を1回または複数回接触させることを含む。
以下の実施例2に示されるように、異なる1−MCPの投与量で、そしてトウモロコシ植物が異なる生殖成長段階にある間に、トウモロコシ植物は1−MCPを含む組成物で処理される。表2は実施例2の結果を要約する。
表2は、未処理のトウモロコシ植物と比較して、トウモロコシ植物が異なる発育段階:V12(第12葉の出現)、VT(出穂)、R3(ミルク)、またはこれらの生殖成長段階のいずれかの組み合わせの生殖成長段階にある間に、1−MCPを含む組成物で処理されたトウモロコシ植物について、作物収穫量および穀粒重量の両方の増大を示す。
Figure 2018515094
表2に示されるように、作物収穫量および穀粒重量の両方の増大は、トウモロコシ植物がV12(第12葉の発生)、VT(出穂)、R3(ミルク)、またはこれらの生殖成長段階のいずれかの組み合わせの発育段階にある間に、トウモロコシ植物が1−MCPを含む組成物に接触される場合に達成される。しかしながら、作物収穫量の増強および穀粒重量の増大の大きさは、トウモロコシ植物が1−MCPを含む組成物に接触される発育段階に依存する。トウモロコシ植物がVT(出穂)段階にある間にトウモロコシ植物が1−MCPを含む組成物で処理されると、V12(第12葉の発生)またはVT(出穂)、R3(ミルク)段階と比べて、作物収穫量および穀粒重量を増強するためにより有効であると思われる。
本開示の1つの特定の実施形態は綿植物の処理方法に関する。
綿植物は栄養および結実構造を同時に生じると考えられる。しかしながら、綿植物は周知の段階を経て発育する。1つのこのような段階は実生の出芽である。次の段階はピンヘッドスクエア(pinhead square)の出現を特徴とし、次に花が咲く。
いくつかの実施形態では、綿植物は、実生の出芽の後に、本開示の組成物に1回または複数回接触される。いくつかの実施形態では、綿植物は、ピンヘッドスクエアの出現後すぐに(すなわち、3日以内に)本開示の組成物に1回または複数回接触される。いくつかの実施形態では、綿植物は、ピンヘッドスクエアの出現後すぐに本開示の組成物に接触され、続いて、その後で(すなわち、前回の処理の7日以上後で)1回または複数回、本開示の組成物に再度接触される。
独立して、いくつかの実施形態は、前記綿植物の少なくとも10%がピンヘッドスクエアを示した後に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む液体組成物を綿植物に1回または複数回噴霧することを含む。
1つの特定の実施形態では、綿植物の処理方法は、植物におけるピンヘッドスクエアまたは早期開花の出現後3日以内に少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に綿植物を1回または複数回接触させ、次に最初の接触の14日後にトウモロコシ植物を組成物に再度接触させ、そして任意選択的に、最初の接触の28日後にトウモロコシ植物を組成物にもう1回接触させることを含む。
1つのさらに特定の実施形態では、綿植物の処理方法は、綿植物における早期開花の出現後3日以内に少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に綿植物を接触させ、次に最初の接触の14日後にトウモロコシ植物を組成物に再度接触させ、さらに最初の接触の28日後に綿植物を組成物に再度接触させることを含む。
綿植物は、以下の表3および以下の実施例3に示されるように、綿植物が異なる発育段階にある間に1−MCPを含む組成物で処理される。
Figure 2018515094
表4は、未処理の綿植物と比較して、表3に示される処理の種類に従い、そして異なる1−MCPの投与量(250g/ha、500g/ha、および1250g/ha)で1−MCPを含む組成物により処理した綿植物について、リント収穫量の増大率を示す。
作物収穫量は、1ヘクタール当たりのリントの重量として評価した。処理の種類、処理量(1ヘクタール当たりの1−MCPのグラム数)および結果は次の通りである。処理の多くはリントの収穫量の改善をもたらす。
Figure 2018515094
表4に示されるように、綿植物が1−MCPを含む組成物に接触される場合、綿植物からのリント収穫量の増大が達成される。しかしながら、リント収穫量は、綿植物が1−MCPを含む組成物に接触される発育段階に依存する。最も改善されたリント収穫量は、綿植物における早期開花の出現後3日以内に1−MCPを含む組成物で処理され、次に最初の処理の14日後に再度、そして最初の処理の28日後に再度処理された綿植物から得られる。
本開示の1つの実施形態は小麦植物の処理方法に関する。
小麦植物は、周知のFeekesスケールで一般的に説明される発育段階を経て発育する。本開示の実施において、小麦植物は、Feekesスケールの1つまたは複数の段階の間に、あるいはその任意の組み合わせの間に、本開示の組成物に1回または複数回接触され得る。Feekesスケールの段階のいくつかは、例えば、F8.0(止葉(flag leaf)が見られる)、F9.0(止葉の葉舌が見られる)、F10.0(穂ばらみ(boot)段階)、およびF10.5(出穂(heading)完了)である。いくつかの実施形態では、小麦植物は、F8.0、F9.0、F10.0、またはF10.5のうちのいずれか1つまたは複数の間に、またはその後に、本開示の組成物に接触される。いくつかの実施形態では、小麦植物は、F8.0、F9.0、F10.0、およびF10.5の2つ以上の間に本開示の組成物に接触される。いくつかの実施形態では、小麦植物は、F8.0、F9.0、F10.0、およびF10.5のそれぞれの間に、本開示の組成物に接触される。独立して、いくつかの実施形態では、小麦植物の少なくとも10%がF9.0成長段階に達した後に、小麦植物は本開示の組成物に少なくとも1回接触される。独立して、いくつかの実施形態は、止葉が見られる発育段階に小麦植物の少なくとも10%が達した後に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む液体組成物を小麦植物に1回または複数回噴霧することを含む。
いくつかの実施形態では、品種HalberdおよびKarl92のいずれかまたは両方を含まない1つまたは複数の品種から選択される小麦植物が処理される。いくつかの実施形態では、処理される植物は小麦を含まない。
以下の実施例4に示されるように、作物収穫量の増大、ならびに霜害および病害に対する抵抗性の改善は、小麦植物がF10.5(出穂完了)の発育段階にある間に、1−MCPを含む組成物に小麦植物を接触させることによって達成される。
本開示の1つの特定の実施形態はトマト植物の処理方法に関する。適切なトマト植物には、加工用トマト植物および生食用トマト植物が含まれ得るが、これらに限定されない。
トマト植物は、任意の生殖成長段階の間の任意の時点で行われる少なくとも1つの処理によって少なくとも1回処理される。いくつかの実施形態では、トマト植物は、以下の時期の1つまたは複数において処理される:第1の開花期間の開始時;第1の開花期間の開始の7日後、予定収穫日の28日前、予定収穫日の21日前、予定収穫日の14日前、およびこれらの任意の組み合わせ。適切な処理率には、例えば、5g/ha以上;または10g/ha以上;または20g/ha以上が含まれる。独立して、トマト植物の処理を含む実施形態において、適切な処理率には、例えば、100g/ha以下;または60g/ha以下;または30g/ha以下が含まれる。
1つの特定の実施形態では、トマト植物の処理方法は、以下の時期の1つまたは複数において、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物にトマト植物を接触させることを含む:第1の開花期間の開始から第1の開花期間の開始の7日後までの期間の間;予定収穫日の28日前から収穫日までの期間の間に1回または複数回。
種々の品種のトマト植物は、以下の実施例5に示されるように、1−MCPを含む開示組成物で処理される。
実施例5Aは、以下の時期の1つまたは複数において、1−MCPを含む組成物で品種AB2の加工用トマト植物を処理することによって、トマト収穫量の増大を示す:(i)第1の開花期間の開始時(bloom1)から第1の開花期間の開始の7日後(bloom2)までの期間の間、および(ii)予定収穫日の28日前から収穫日(day28)までの期間の間に1回または複数回。さらに、実施例5Aは、品種AB2の加工用トマト植物を1−MCPを含む組成物で処理することによって、トマト品質の尺度であるブリックス収量(すなわち、可溶性固形分、全可溶性固形分、可溶性固形分含量)が増強されることを示す。従って、開示される方法はトマト植物の作物収穫量を増大させるだけでなく、このようなトマト植物から得られるトマトの品質も増強する。
実施例5Bは、トマト植物が第1の開花期間の開始時(bloom1)または第1の開花期間の開始の7日後(bloom2)にある間に、1−MCPを含む組成物に品種410の加工用トマト植物を接触させることによって、トマト収穫量の増大(トマト作物の重量/作付面積、またはトマト作物の数/作付面積のいずれかに基づく)が達成されることを示す。しかしながら、第1の開花期間の開始時(bloom1)におけるトマト植物品種410の処理は、第1の開花期間の開始の7日後(bloom2)における処理と比較して、トマト収穫量の優れた改善を提供する。
実施例5Cは、以下の時期の1つまたは複数において、1−MCPを含む組成物で品種FL74の生食用トマト植物を処理することによって、トマト収穫量の増大を示す:第1の開花期間の開始時;第1の開花期間の開始の7日後、予定収穫日の28日前、および予定収穫日の14日前。
本開示の1つの特定の実施形態はピーマン植物の処理方法に関する。
ピーマン植物は、任意の生殖成長段階の間の任意の時点で行われる少なくとも1つの処理によって少なくとも1回処理される。いくつかの実施形態では、ピーマン植物は第1の開花期間の開始時に処理される。
ピーマン植物の処理を含む実施形態において、適切な処理率には、例えば、5g/ha以上;または10g/ha以上;または20g/ha以上が含まれる。独立して、ピーマン植物の処理を含む実施形態において、適切な処理率には、例えば、100g/ha以下;または60g/ha以下;または30g/ha以下が含まれる。
以下の実施例6は、異なる1−MCPの投与量で、第1の開花期間の開始時に1−MCPを含む組成物によりピーマン植物を処理することによって、ピーマン収穫量の増大を示す。表5は、第1の開花期間の開始時のピーマン植物の処理がピーマン収穫量に与える効果を要約する。
Figure 2018515094
表5に示されるように、第1の開花期間の開始時に1−MCPを含む組成物でピーマン植物を処理することによって作物収穫量(すなわち、作付面積当たりで得られるピーマンの総数)の著しい増大が達成される。
本開示の1つの特定の実施形態はスイカ植物の処理方法に関する。
スイカ植物は、任意の生殖成長段階の間の任意の時点で行われる少なくとも1つの処理によって少なくとも1回処理される。スイカ植物の処理のタイミングは、開花の開始後の日数を意味する「DAF」(すなわち開花後の日数)として有用に説明することができる。いくつかの実施形態では、スイカ植物は、1〜14DAFにおいて1回または複数回処理される。いくつかの実施形態では、スイカ植物は、以下のタイミングのいずれか1つまたは任意の組み合わせで処理される:1DAF、7DAF、および14DAF。
処理率には、例えば、1g/ha以上;または2g/ha以上;または5g/ha以上が含まれ得る。独立して、スイカ植物の処理を含む実施形態において、適切な処理率には、例えば、100g/ha以下;または60g/ha以下;または30g/ha以下が含まれる。
1つの特定の実施形態では、スイカ植物の処理方法は、スイカ植物の開花後14日以内に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物にスイカ植物を1回または複数回接触させることを含む。
以下の実施例7は、スイカ植物の開花後の異なる時点で、1−MCPを含む組成物でスイカ植物を処理することによって、スイカ植物の作物収穫量(市場性のあるスイカの総数/スイカ植物、および市場性のあるスイカの全質量/作付面積に基づく)の増大を示す。表6は、開花後の異なる期間に、そして異なる1−MCPの投与量でスイカ植物を処理したときの作物収穫量に対する効果を要約する。
Figure 2018515094
表6に示されるように、スイカ植物の開花後14日以内に、1−MCPを含む組成物でスイカ植物を1回または複数回処理することによって、スイカ植物の作物収穫量(市場性のあるスイカの総数/植物、または市場性のあるスイカの全質量/作付面積のいずれかに基づく)の著しい増大が達成される。
本開示の1つの特定の実施形態はカンタロープ植物の処理方法に関する。
カンタロープ植物は、任意の生殖成長段階の間の任意の時点で行われる少なくとも1つの処理によって少なくとも1回処理される。いくつかの実施形態では、カンタロープ植物は、発芽開始から開花の10日後までの期間に1回または複数回処理される。いくつかの実施形態では、カンタロープ植物は、発芽開始後であるが開花の前に処理される。いくつかの実施形態では、カンタロープ植物は開花の10日後に処理される。
適切な処理率には、例えば、5g/ha以上;または10g/ha以上;または20g/ha以上が含まれる。独立して、カンタロープ植物の処理を含む実施形態において、適切な処理率には、例えば、100g/ha以下;または60g/ha以下;または30g/ha以下が含まれる。
1つの特定の実施形態では、カンタロープ植物の処理方法は、発芽開始後であるが開花の前に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物にカンタロープ植物を1回または複数回接触させることを含む。
以下の実施例8および以下の表7は、カンタロープ植物の異なる発育段階で、約5g/ha〜約25g/haの1−MCPの投与量を有する1−MCPを含む組成物によってカンタロープ植物を処理することにより、カンタロープ植物の作物収穫量(最初の着花の平均に基づく)を示す。
Figure 2018515094
表7に示されるように、カンタロープ植物の作物収穫量の増大は、発芽開始後であるが開花の前に1−MCPを含む組成物によりカンタロープ植物を1回または複数回処理することによって達成される。
いくつかの実施形態では、米植物は、1つまたは複数の栄養成長段階、1つまたは複数の生殖成長段階、1つまたは複数の熟成段階、またはこれらの任意の組み合わせの間に本開示の組成物に1回または複数回接触される。
いくつかの実施形態では、アブラナ植物(菜種植物とも呼ばれる)は、アブラナ植物の少なくとも10%が開花し始めた後に、本開示の組成物に1回または複数回接触される。
いくつかの実施形態では、リンゴの木は作物収穫量を改善するために収穫の前に本開示の組成物に1回または複数回接触される。例えば、実施例9に示されるように、1ヘクタール当たり375グラムの1−MCPの投与率で収穫の1週間前に、1−MCPを含む組成物によりGolden Deliciousリンゴの木を処理した。表8は、処理後の異なる期間において落下したリンゴ果実の数/木を示す。比較のために、20ppmの1−ナフタレン酢酸(NAA)および125ppmのアミノエトキシビニルグリシン(AVG)を用いる処理の結果も報告される。
Figure 2018515094
表8に示されるように、1−MCPを含む組成物で処理されたリンゴの木は、未処理のリンゴの木と比べて約5倍少ないリンゴの落下数/木を示し、従って、リンゴ収穫量の著しい増大を提供する。さらに、1−MCPを含む組成物で処理されたリンゴの木は、1−ナフタレン酢酸(NAA)またはアミノエトキシビニルグリシン(AVG)で処理されたリンゴの木と比べて、より少ないリンゴの落下数/木を提供する。
いくつかの実施形態では、実施例1〜9に開示されるように、例えば、改善が土地の単位面積当たりの作物の重量(すなわち、質量)または数の増大である場合など、作物収穫量の改善は収穫時に明白である。
いくつかの実施形態では、作物収穫量の改善は、作物が貯蔵されてしばらくしてから観察される。すなわち、場合により、作物収穫量は、貯蔵後に小売市場に出される高品質作物の量として測定される。
本開示のいくつかの実施形態は、作物植物を収穫前に開示組成物と接触させて、収穫後に貯蔵庫に入れ、その後、これまで入手可能であるよりも高い品質を伴って貯蔵庫から出すことができる作物を提供することを含む。
例えば、リンゴは、まだリンゴの木になっている間に「ウォーターコア(water core)」として知られる果肉中の望ましくない透明な外観を示すことがある。ウォーターコアは、存在する場合、収穫後の貯蔵の間も存在し得る。本開示のいくつかの実施形態では、リンゴの木は収穫前に本開示の組成物と接触され、得られたリンゴ作物は、ウォーターコアの発生に対して改善された抵抗性を有する。実施例10に示されるように、収穫のタイミングの直前に1ヘクタール当たり375グラムの1−MCPの投与率で1−MCPを含む組成物によりScarletspur Deliciousリンゴの木を処理すると、ウォーターコアのないリンゴがより高い割合で達成され得る。
同様に、いくつかの品種のリンゴ(例えば、フジリンゴなど)は、収穫後の貯蔵の間に「シミ(staining)」として知られる望ましくない赤い斑点を発生させる。本開示のいくつかの実施形態では、リンゴの木は、収穫の前に本開示の組成物と接触され、得られたリンゴ作物は、貯蔵の間の赤い斑点の発生に対して改善された抵抗性を有する。実施例11に示されるように、収穫前に1ヘクタール当たり211グラムの1−MCPの投与率で1−MCPを含む組成物により1回または2回処理されたフジリンゴの木は、未処理のフジリンゴの木と比べてより低い割合の、シミを有するリンゴを提供する。
また、本開示の組成物が、1つの場所から別の場所への移植の前に作物植物または実生に適用される実施形態も企図される。
従って、本開示の他の態様では、作物植物または実生の処理方法は、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に作物植物または実生を1回または複数回接触させるステップと、作物植物または実生を1つの場所から別の場所へ移植するステップとを含む。組成物は、気体組成物、液体組成物、または固体組成物であり得る。
植物は1つの場所から別の場所へ移植されるときに移植ショックを受ける。移植ショックは、熱、干ばつ、寒気、低いもしくは高い太陽放射、大気汚染物質、または水質汚染物質(高度の塩、金属など)などの種々の非生物的環境ストレスを伴う。
作物植物または実生を開示組成物で1回または複数回処理すると、作物植物または実生の移植ショックからの早期回復が達成され得る。早期回復の兆候には、以下のうちの1つまたは複数が含まれ得るが、これらに限定されない:
a.より速いシュート成長、緑色組織(葉+茎)の産生、および高さ;
b.より速い根の成長;
c.現存する葉に対する損傷が少ないこと(例えば、より少ない黄変、縁腐れ);
d.より急速な直立位置の確立;
e.移植後数日間のしおれが少ないこと;
f.より大きいバイオマス蓄積;
g.開花および生殖成長段階までの時間の短縮;または
h.より多い着果/植物およびより高い収穫量。
本開示の方法は、種々のストレス(熱、干ばつ、寒気、低いまたは高い太陽放射、大気汚染物質、および水質汚染物質を含むが、これらに限定されない)に対して、処理された作物植物に移植ショック保護を提供することができる。
本開示の方法は全ての植物種にわたって移植ショック保護を提供することができるが、ナス科作物(トマト、ピーマン、ナス)、ウリ科(メロン、キュウリ)、およびアブラナ科作物(ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、芽キャベツ)において最も重要である。
本開示の方法は、作物植物を温室生産環境、圃場環境、またはその両方へ移植するために、移植ショック保護を提供することができる。
いくつかの実施形態では、開示組成物は、植物が容器、例えば、鉢、平箱、またはポータブルベッド内で成長している間に植物に適用され得る。このような実施形態のいくつかにおいて、処理された植物が続いて野外の地面に移植されると、処理植物は、未処理の植物と比べて、移植ショックに対して増強された抵抗性を示す。
このような態様の1つの実施形態では、作物植物または実生の処理方法は、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に作物植物の実生を1回または複数回接触させるステップと、処理した実生を1つの場所から別の場所へ移植するステップと、移植した実生が成熟するまで成長できるようにするステップとを含む。
適切な処理は、制御環境(例えば、温室、温床、冷床内の実生)、野外の地面、1つもしくは複数の容器(例えば、鉢、プランター、またはつぼなど)、限定された床(confined bed)もしくは揚げ床、または他の場所に植え付けられた植物において実施され得る。
本開示のさらなる態様では、双子葉類実生の処理方法は、双子葉類実生を移植する前(例えば、双子葉類実生の移植の数分前〜7日前)に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に双子葉類実生を1回または複数回接触させることを含む。組成物は、気体組成物、液体組成物、または固体組成物であり得る。
植物を処理するために1−MCPを使用することについての報告が存在しているが、この報告は1−MCPの植物に対する即時効果に関するものであり、植物は、光合成効率を増大し、細胞損傷を低減し、生殖構造(花、鞘、莢、穀粒)の不全を少なくするために、その生殖成長段階においてまたはその近くで1−MCPで処理される。処理の効果は数日しか持続しないと報告されており、長期間の効果(例えば、適用後2〜3カ月など)ではない。
本開示の方法において、移植前に双子葉類実生に少なくとも1つのシクロプロペン(例えば、1−MCP)を含む組成物が適用されると、適用の数週間または数カ月後に収穫量の劇的な増大が達成される。実施例12は、実生を温室内の熱性ストレス条件に移植する3日前の、約50ppmの1−MCPを含む組成物によるトマト実生の処理を示す。移植の21日後の最後に、処理したトマト実生から成長させたトマト植物は、未処理のトマト実生から成長させたトマト植物よりも高い高さ、枝および葉の数、シュートの乾燥重量、ならびに根の乾燥重量を示す。実施例13は、実生が圃場に移植されて成熟するまで成長される3日前の、約50ppmの1−MCPを含む組成物によるトマト実生の処理を示す。処理した実生から成長させた移植トマト植物は、未処理の実生から成長させた移植トマト植物と比較して、より高い割合の大型トマトを提供した。さらに、処理した実生から成長させた移植トマト植物から得られた大型トマトの量は、未処理の実生から成長させた移植トマト植物から得られた量の2倍である。実施例14は、実生が圃場に移植されて成熟するまで成長される直前の、約50ppmの1−MCPを含む組成物によるキャベツ実生の処理を示す。処理した実生から成長させた移植キャベツ植物は、未処理の実生から成長させた移植キャベツ植物と比較して、より高い結球重量およびより高い質量収穫量を有するキャベツ作物を提供する。
従って、双子葉類実生(例えば、トマト、ピーマン、アブラナ科、およびウリ科作物)の移植の数分前〜7日前における1−MCPを含む組成物の適用は、作物収穫量を5〜70%改善する。収穫量の著しい増大は、大部分は、1−MCPを含む組成物の適用の数か月後に結実される果実数の実質的な増大に起因する。これらの結果は、効果が、移植の前に小さい実生として処理された双子葉類実生において収穫量が著しくより高いという長期間の効果である点で予想外である。これは、双子葉類実生が、移植の前に根が損傷されない(すなわち、実生の損傷がほとんどないか全くない)セル内で成長されているにもかかわらずである。作物収穫量に対するこれらの著しい効果は、米では観察されない。さらに、果実が1−MCP処理の数か月後に結実されるという事実にもかかわらず、処理は果実の数に対して大きい効果を有する。
双子葉類実生を移植する前に少なくとも1つのシクロプロペン(例えば、1−MCP)を含む組成物によって双子葉類実生(例えば、植物実生)を1回または複数回処理する開示の方法は、移植ショックからより速く回復し、より早期に開花し、より多くの果実を生じ、従ってより高い収穫量をもたらすことにより、双子葉類実生が移植ショックを克服するのに役立つ。
本明細書および特許請求の範囲の目的のために、本明細書に記載される範囲および割合の限度が組み合わせ可能であることは理解されるべきである。例えば、特定のパラメータについて60〜120および80〜110の範囲が記載される場合、60〜110および80〜120の範囲も企図される。もう1つの例として、特定のパラメータについて1、2、および3の最小値が記載され、そのパラメータについて4および5の最大値が記載される場合、以下の範囲:1〜4、1〜5、2〜4、2〜5、3〜4、および3〜5が全て企図されることも理解されるべきである。
以下の実施例は、本開示の実施形態をより詳細に説明するのに役立つ。これらの実施例は、本開示の範囲に関して徹底的または排他的であると解釈されてはならない。
以下の材料を使用した:
粉末1=3.8重量%の1−MCPを含有する粉末(Rohm and Haas Co.からAFXRD−038として入手可能)
粉末2=2.0重量%の1−MCPを含有する粉末(Rohm and Haas Co.からAFXRD−020として入手可能)
アジュバント1=Petro Canada Co.から得られる乳化スプレー油PureSpray Spray Oil 10E(乳化剤が添加された、高度に水素処理された鉱油)と、Cytec Industriesから得られるAEROSOLTMOT界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム界面活性剤)と、Tomah Co.から得られるTOMADOLTM界面活性剤(エトキシル化アルコール界面活性剤)とを含有する油「AF−400」
アジュバント2=DYNE−AMICTMスプレー油(Helena Chemicalから入手可能)。
実施例1:大豆植物
試験組成物を調製するために、必要とされる水の全体積の約2/3をスプレータンクに入れた。調製されるスプレーの割合および全体積に従って粉末1または粉末2の量を秤量した。適切な量を計算して、1%v/vの全スプレー体積を得た。アジュバント1をスプレータンクに添加し、これを混合物が乳白色になるまで攪拌した。粉末1または粉末2をスプレー容器に添加し、次にこれを穏やかに(激しくなく)攪拌した。粉末の全てが湿潤していることを確認しながら残りの水を添加し、(側面に付着している場合には)タンクの側面から洗い流した。次に、スプレータンクを少なくとも2分間(2〜5分間)旋回または攪拌させて、組成物の良好な混合を保証した。その後5〜60分の間で、大豆植物に組成物を噴霧した。
フラットファンノズルを用いて試験組成物を大豆植物に適用し、100〜500マイクロメートルの液滴サイズを生じた。組成物の噴霧率は500リットル/ヘクタールであった。バックパック噴霧器を使用した。噴霧は午前10:00よりも前に実施した。
大豆植物が以下の成長段階:R2、R3、およびR5.5のうちの1つまたは複数の段階にあるときに、試験組成物で大豆植物を処理した。結果は以下に示される。
Figure 2018515094
大豆植物がR2(完全に開花)、R3(着莢開始)および/またはR5.5(結実開始と完全に結実の中間)の生殖成長段階にある間に、1−MCPを含む組成物で大豆植物を処理すると、大豆作物の収穫量の増大、および収穫された大豆作物のタンパク質含量の改善が得られた。
実施例2:トウモロコシ植物
ハイブリッド品種FR1064X LH185のトウモロコシを、72,000の植物/ヘクタール(ha)で植え、実施例1に記載されるように処理した。粉末1を使用した。処理段階(すなわち、トウモロコシ植物が開示組成物で処理される発育段階)、処理量(1ヘクタール当たりの1−MCPのグラム数)、および結果は次の通りであった。収穫量の簡単な尺度は、メートルトン(mT)/ヘクタールとして報告される。収穫量の他の尺度も示される。処理は、1つまたは複数の尺度により収穫量の増大をもたらす。
Figure 2018515094
実施例3:綿植物
実施例1と同様の方法を用いて、綿植物も処理した。以下のように、綿植物の各処理群を2回または3回処理した。
Figure 2018515094
作物収穫量は、ヘクタール当たりのリントの重量として評価した。処理の種類、処理量(1ヘクタール当たりの1−MCPのグラム数)、および結果は次の通りであった。処理の多くはリントの収穫量の改善をもたらす。
Figure 2018515094
実施例4:小麦植物
実施例1と同様の方法を用いて、F10.5段階において小麦植物を噴霧した。シードヘッドの損傷部分を調べることにより霜害を評価し、実を結ばない外皮の割合として報告した。フザリウム(fusarium)病による損傷は、病原体により損傷されたシードヘッドの割合として評価した。以下の表は、処理した小麦植物が、より高い収穫量、より低い霜害、およびより低い病害を示したことを示す。
Figure 2018515094
実施例5:トマト植物
試験組成物を調製するために、必要とされる水の全体積の約2/3をスプレータンクに入れた。調製されるスプレーの意図される処理率および全体積に従って粉末1または粉末2の量を秤量した。適切な量を計算して、0.38%v/vの全スプレー体積を得た。アジュバント2をスプレータンクに添加し、これを混合物が乳白色になるまで攪拌した。粉末1または粉末2をスプレー容器に添加し、次にこれを穏やかに(激しくなく)攪拌した。粉末の全てが湿潤していることを確認しながら残りの水を添加し、(側面に付着している場合には)タンクの側面から洗い流した。次に、スプレータンクを2〜5分間旋回または攪拌させて、組成物の良好な混合を保証した。その後5〜60分の間で、トマト植物に組成物を噴霧した。
フラットファンノズルを用いて組成物をトマト植物に適用し、100〜500マイクロメートルの液滴サイズを生じた。組成物の噴霧率は187〜373リットル/ヘクタール(20〜40ガロン/エーカー)であった。二酸化炭素で駆動されるバックパック噴霧器を使用した。噴霧は午前10:00よりも前に実施した。
トマト植物が以下の時期にある間に、トマト植物を組成物で処理した:
bloom1=第1の開花期間の開始時
bloom2=第1の開花期間の開始の7日後
day28=予定収穫日の28日前
day21=予定収穫日の21日前
day14=予定収穫日の14日前
A.品種AB2のトマト植物
品種AB2のトマト植物をGainesville,FLにおいて成長させた。ブリックスは可溶性固形分(全可溶性固形分または可溶性固形分含量とも呼ばれる)であり、トマト品質の尺度である。25g/ha(9.4オンス/エーカー)の1−MCP投与量で試験組成物をトマト植物に噴霧することにより処理を実行した。
結果は以下の表に示される通りであり、果実収穫量はmT/ha(トン/エーカー)として報告され、ブリックス収量は単位土地面積当たりの固形分重量、すなわちmT/ha(トン/エーカー)として報告され、収穫の遅延は緑熟%として報告される。
Figure 2018515094
Figure 2018515094
Figure 2018515094
Figure 2018515094
1−MCPを含む組成物で処理した品種AB2のトマト植物は、品種AB2の未処理のトマト植物と比較して、果実収穫量およびブリックス収量の改善を示した。
B.品種410のトマト植物
品種410のトマト植物を成長させ、上記のように処理した。結果は以下の表に示される通りであり、果実収穫量は、mT/ha(トン/エーカー)単位の果実質量として、そして果実1000個/ヘクタール(1000個/エーカー)単位の果実数として報告される。
Figure 2018515094
1−MCPを含む組成物で処理した品種410のトマト植物は、品種410の未処理のトマト植物と比較して、トマト収穫量(トマト質量/エーカーまたはトマト数/エーカーのいずれかの量に基づく)の改善を示した。
C.品種FL47のトマト植物
品種FL47のトマト植物をフロリダで成長させ、上記のように処理した。収穫量は、mT/ヘクタール(Cwt/エーカー、すなわち1エーカー当たりの100ポンド群の数)として報告される。結果は以下の通りであった。
Figure 2018515094
Figure 2018515094
Figure 2018515094
1−MCPを含む組成物で処理した品種FL47のトマト植物は、品種FL47未処理のトマト植物と比較して、トマト収穫量の改善を示した。
実施例6:ピーマン植物
Lady Bell品種のピーマン植物をFostoria,Ohioにおいて小区画で成長させ、実施例5に示されるような試験液体組成物で処理した(第1の開花期間の開始時に1回の処理)。処理率は、g/ha(オンス/エーカー)として報告される。結果は、全果実(区画全体で成長されたピーマンの総数)、植物当たりの果実(1つの植物当たりのピーマンの平均数)、および全植物(区画全体で成長された植物の総数)として報告される。「NS」は、液体組成物が界面活性剤を含有しないことを意味する。結果は以下の通りであった。
Figure 2018515094
1−MCPを含む組成物で処理したピーマン植物は、未処理のピーマン植物と比べて、植木鉢当たりおよび植物当たり、より大きいピーマンの数を提供した。従って、ピーマン植物の第1の開花期間の開始時に増大した1−MCPを含む組成物にピーマン植物を接触させることによって、ピーマン植物の作物収穫量の増大が達成された。
実施例7:スイカ
スイカ(三倍体品種cv.SS7187)植物を実施例5に記載されるように処理した。処理率は、1ヘクタール当たりの1−MCPのグラム数で報告される。タイミングは、DAF(開花後の日数)で報告される。市場性のあるメロンは、4.54kg以上の質量で収穫されたメロンである。処分されるのは、4.54kg未満の質量で収穫されたメロン、または5cmよりも大きい直径を有した未収穫のメロンである。以下の結果が報告される。
Num25=「着果」としても知られている、収穫前の25DAFで評価された、植物当たり5cmよりも大きい直径を有する果実の数
NumTot=5cmよりも大きい直径を有する、42〜56日に収穫された果物および未収穫の果物
NumMark=植物あたりの市場性のあるメロンの数
NumCull=植物あたりの処分した数
サイズ=果実の平均サイズ(kg)
収穫量=市場性のあるメロンの質量(メートルトン/ヘクタール)
Figure 2018515094
上記の表に示されるように、25g/haの1−MCP投与率で組成物により処理したスイカ植物は、未処理のスイカ植物と比べて、着果の著しい増大をもたらした。また処理したスイカ植物は、未処理のスイカ植物と比べて、市場性のある果実の数の著しい増大も示した。さらに、処理したスイカ植物は、未処理のスイカ植物と比べて、収穫量の著しい増大を示した。処理したスイカ植物と未処理のスイカ植物の間の果実サイズの違いは有意でなかった。
実施例8:カンタロープ植物
カンタロープ植物を実施例5に記載されるように処理した。処理のタイミングは開花前、または開花の10日後であった。最初の着花の平均を測定した。結果は次の通りであった。
Figure 2018515094
上記の表に示されるように、開花前に1−MCPを含む組成物で処理されたカンタロープ植物は、未処理のカンタロープ植物と比べて、最初の着花の平均の改善を提供した。
実施例9:Golden Deliciousリンゴの木
実施例1に記載されるものと同様の方法を用いて、収穫の1週間前に、1−MCPを含む組成物をGolden Deliciousリンゴの木に噴霧した。1−MCPを含む組成物を粉末1から調製し、1ヘクタール当たり375グラムの1−MCPの投与率で試験した。比較のために、20ppmの1−ナフタレン酢酸(NAA)、および125ppmのアミノエトキシビニルグリシン(AVG)も試験した。
処理したリンゴを木に残して、収穫後の落下を観察した。木1本当たりの落下したリンゴ果実の数は、以下の表に示されるように、処理後の種々の期間の後に決定した。
Figure 2018515094
上記の表に示されるように、1−MCPを含む組成物で処理したリンゴの木は、木1本当たり最も少ない量のリンゴ果実の落下を示し、従って、最高の作物収穫量を示した。
実施例10:Scarletspur Deliciousリンゴの木
実施例1に記載されるものと同様の方法を用いて、商業的な収穫時期の直前に、1−MCPを含む組成物をScarletspur Deliciousリンゴの木に噴霧した。1−MCPを含む組成物を粉末1から調製し、1ヘクタール当たり375グラムの1−MCPの投与率で試験した。
収穫したリンゴをウォーターコアの存在について評価した。以下の表は、収穫後の日数の関数として、ウォーターコアを示さなかったリンゴの割合(貯蔵中のリンゴの数に基づく)を示す。処理したリンゴは、同等またはより高い割合のウォーターコアのないリンゴを示した。
Figure 2018515094
実施例11:フジリンゴの木
実施例1に記載されるものと同様の方法を用いて、収穫前に1回または2回、約250ppmの1−MCPを含む組成物をフジリンゴの木に噴霧した。それぞれの噴霧は、約211g/ha(520g/エーカー)の1−MCPの投与量を提供した。収穫および貯蔵の後、シミについてリンゴを検査した。シミを示したリンゴのパーセントは以下の通りであった。
Figure 2018515094
上記の表に示されるように、1−MCPを含む組成物で1回または2回処理したリンゴの木は、未処理のリンゴの木と比較してより少ない量の、シミを有するリンゴ果実を提供した。
実施例12:温室内の熱ストレス環境に移植されたトマト植物
トマト実生を最適条件下で4〜6インチの高さになるまで成長させた。約50ppmの1−MCPを含む組成物をトマト実生に適用した。適用の3日後に、トマト実生を温室内の熱性ストレス条件へ移植および移動し、そこでさらに21日間成長させた。21日の最後に、処理したトマト実生から成長させたトマト植物の種々の変数を測定し、未処理のトマト実生から成長させたトマト植物と比較した。未処理のトマト実生から成長させたトマト植物と比べて、処理したトマト実生から成長させたトマト植物の種々の変数の増大の割合は以下の表に示される通りである。
Figure 2018515094
温室内の熱ストレス環境への移植の21日の最後に、処理したトマト実生から成長させたトマト植物は、未処理のトマト実生から成長させたトマト植物と比べて、より高い高さ、枝および葉の数、シュートの乾燥重量、ならびに根の乾燥重量を示した。
実施例13:圃場環境に移植されたトマト植物
トマト実生を通常の生産プラントハウス条件下で4〜6インチの高さになるまで成長させた。約50ppmの1−MCPを含む組成物をトマト実生に適用した。適用の3日後に、フロリダの圃場生産施設に実生を移植し、成熟するまで成長させた。新鮮なトマトのための標準の商業的な手摘み行為を用いてトマトを収穫した。以下の表は、処理した実生から成長させた移植トマト植物が、未処理の実生から成長させた移植トマト植物と比較して、より高い割合の大型トマトを提供することを示した。さらに、処理した実生から成長させた移植トマト植物から得られた大型トマトの量は、未処理の実生から成長させた移植トマト植物から得られた量の2倍であった。
Figure 2018515094
実施例14:圃場環境に移植されたキャベツ植物
キャベツ実生を通常のプラントハウス生産の実施において圃場に移植する準備ができるまで成長させた。約50ppmの1−MCPを含む組成物をトマト実生に適用した。適用の直後に、実生をフロリダの圃場試験に移植し、成熟するまで成長させた。標準の商業的な手摘み行為を用いてキャベツを収穫した。キャベツの平均結球重量(ポンド)および1エーカー当たりで得られたキャベツの全重量を以下に報告した。
Figure 2018515094
上記の表に示されるように、処理した実生から成長させた移植キャベツ植物は、未処理の実生から成長させた移植キャベツ植物と比較して、より高い結球重量およびより高い質量収穫量を有するキャベツ作物を提供した。

Claims (20)

  1. 双子葉類実生を処理する方法であって、前記双子葉類実生を移植する前に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に前記双子葉類実生を1回または複数回接触させるステップを含む方法。
  2. 前記組成物が少なくとも1つのシクロプロペンを含む液体組成物である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記組成物が少なくとも1つのシクロプロペンを含む気体組成物である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記組成物が約50ppmの少なくとも1つのシクロプロペンを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 少なくとも1つのシクロプロペンを含む前記組成物が、1−メチル(mehtyl)シクロプロペン(1−MCP)を含む組成物である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記組成物がさらに少なくとも1つの分子カプセル化剤を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記組成物がさらに少なくとも1つの金属錯化剤を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 少なくとも1つのシクロプロペンを含む前記組成物に前記双子葉類実生を接触させる前記ステップが、前記双子葉類実生を移植の数分前〜7日前に前記組成物に接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記双子葉類実生が野菜植物の双子葉類実生を含む。請求項1に記載の方法。
  10. 前記双子葉類実生が、ナス科作物、ウリ科作物、およびアブラナ科作物からなる群から選択される作物の双子葉類実生を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記双子葉類実生が、トマト、ピーマン、ナス、メロン、キュウリ、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、および芽キャベツからなる群から選択される植物の双子葉類実生を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 作物植物を処理する方法であって、
    前記作物植物が1つまたは複数の生殖成長段階にある間に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に前記作物植物を1回または複数回接触させるステップを含む方法。
  13. 少なくとも1つのシクロプロペンを含む前記組成物に前記作物植物を1回または複数回接触させる前記ステップが、
    大豆植物がR2(完全に開花)、R3(着莢開始)、またはR5.5(結実開始と完全に結実の中間)から選択される1つまたは複数の生殖成長段階にある間に、前記大豆植物を前記組成物に1回または複数回接触させることを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 少なくとも1つのシクロプロペンを含む前記組成物に前記作物植物を1回または複数回接触させる前記ステップが、
    以下の時期:第1の開花期間の開始から第1の開花期間の開始の7日後までの期間の間、および予定収穫日の28日前から収穫日までの期間の間のうちの1つまたは複数の時期において、トマト植物を前記組成物に1回または複数回接触させることを含む、請求項12に記載の方法。
  15. 少なくとも1つのシクロプロペンを含む前記組成物に前記作物植物を1回または複数回接触させる前記ステップが、
    ピーマン植物が第1の開花期間の開始時にある間に、前記ピーマン植物を前記組成物に1回または複数回接触させることを含む、請求項12に記載の方法。
  16. 少なくとも1つのシクロプロペンを含む前記組成物に前記作物植物を1回または複数回接触させる前記ステップが、
    スイカ植物の開花後14日以内に、前記スイカ植物を前記組成物に1回または複数回接触させることを含む、請求項12に記載の方法。
  17. 少なくとも1つのシクロプロペンを含む前記組成物に前記作物植物を1回または複数回接触させる前記ステップが、
    発芽開始後であるが開花の前に、カンタロープ植物を前記組成物に1回または複数回接触させることを含む、請求項12に記載の方法。
  18. 少なくとも1つのシクロプロペンを含む前記組成物に前記作物植物を1回または複数回接触させる前記ステップが、
    前記作物植物が1つまたは複数の生殖成長段階にある間に、1−メチル(mehtyl)シクロプロペン(1−MCP)を含む液体組成物に前記作物植物を1回または複数回接触させることを含む、請求項12に記載の方法。
  19. 作物植物が特定の発育段階にある間に、少なくとも1つのシクロプロペンを含む組成物に前記作物植物を1回または複数回接触させるステップを含む、作物植物の処理方法であって、
    前記作物植物がトウモロコシ植物である場合に、前記特定の発育段階が、V12(第12葉の発生)、VT(出穂)、R3(ミルク)、またはこれらの発育段階のいずれかの組み合わせから選択されるか、あるいは
    前記作物植物が綿植物である場合に、前記特定の発育段階が、最初の接触に対する綿植物における早期開花の出現後3日以内の時点、最初の接触の14日後、最初の接触の28日後を含む方法。
  20. 少なくとも1つのシクロプロペンを含む前記組成物に前記作物植物を1回または複数回接触させる前記ステップが、
    前記作物植物が特定の発育段階にある間に、1−メチル(mehtyl)シクロプロペン(1−MCP)を含む液体組成物に前記作物植物を1回または複数回接触させることを含む、請求項19に記載の方法。
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