JP2018513843A - グルコース制御立体配座スイッチを含むインスリン類似体 - Google Patents

グルコース制御立体配座スイッチを含むインスリン類似体 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 2本鎖インスリン類似体は、(i)そのN末端またはその付近に単量体グルコース結合要素により修飾されたA鎖、および(ii)この結合がグルコースにより置換可能となるように単量体グルコース結合要素に可逆的に結合した要素により、そのC末端またはその付近で修飾されたB鎖を含む。前記単量体グルコース結合要素は、(選択的にハロゲン化された)フェニルボロン酸誘導体としてもよい。前記B鎖は単糖類、二糖類、またはオリゴ糖に由来するジオール含有要素、非糖類ジオール含有構造、またはα−ヒドロキシカルボン酸含有構造により修飾されていてもよい。前記類似体はトリプシンを介した半合成により製造可能である。製剤は、インスリン類似体単量体1当たり0.0〜3.0のモル比の亜鉛イオン存在下または非存在下、pH7.0〜8.0の可溶性溶液に溶解し、U−10〜U−1000の強度とすることができる。糖尿病患者は、生理学的有効量の前記インスリン類似体を皮下、腹腔内、または経口投与することができる。【選択図】 図3A

Description

連邦政府の支援を受けた研究又は開発に関する記述
本発明は、助成金番号DK040949として米国国立衛生研究所との共同契約のもと、政府支援を受けて行われた。米国政府は本発明に対して一定の権利を有する。
本発明は、グルコース立体配座スイッチを含むため、ホルモン分解または同族の細胞受容体に対するグルコース反応性結合のグルコース反応性速度を示す、ポリペプチドホルモン類似体に関する。インスリンへの応用は、皮下、腹腔内、または静脈内注射により1型または2型糖尿病に罹患した患者または非ヒト哺乳類の治療に関連して説明される。本発明のインスリン類似体も、熱力学的安定性の上昇、室温以上の熱フィブリル化に対する抵抗性増大、分裂促進性低下、および/または薬物動態学的および薬力学的特性の変化など、他の薬剤学的特性の向上を示す可能性がある。より具体的には、本発明は、前記インスリン受容体に対する前記類似体の親和性が、生理学的範囲未満の濃度(<80mg/dl、低血糖症)で、グルコースを含む溶液に溶解した場合よりも生理学的範囲を超える濃度(>140mg/dl、高血糖)でグルコースを含む溶液に溶解した場合に高くなるような、(その通常の可溶性製剤の野生型インスリンに対して)速い作用、(当該分野で既知のNPHインスリン製剤と同等の)中間の作用、または(インスリンデテミルおよびインスリングラルギンを例とする、当該分野で既知の基礎インスリンと同等の)遅延性の作用を与えるインスリン類似体に関する。
治療薬およびワクチンを含む非標準的タンパク質の設計は、広く医学的および社会的利益を有する可能性がある。一般に、ヒト、その他の哺乳類、脊椎生物、無脊椎生物、真核細胞でコードされる天然タンパク質は、細胞内で選択的に機能するように進化した可能性があるが、治療用途では最適には及ばない。そのようなタンパク質の類似体は、生物物理学的、生化学的、または生物的特性が向上する可能性がある。タンパク質類似体の利益は、(高血糖状態で血糖濃度を低下させる代謝調節などの)活性を向上させ、(低血糖症またはその増悪などの)好ましくない作用は抑制することであろう。治療用タンパク質の例はインスリンにより示される。RNAスプライシングの別の形式、または翻訳後糖鎖付加の別のパターンにより生成した受容体イソ型とは関係なく、他の哺乳類遺伝子でコードされ、インスリン受容体に結合する野生型ヒトインスリンおよびインスリン分子は、複数の臓器および多様な細胞に存在する。医学的利益の例は、標的細胞表面のインスリン受容体に対する内因性の親和性、したがって、生物学的力価が血流中グルコース濃度に依存する、非標準的デザインの溶解性インスリン類似体であろう。
前記インスリン分子には21残基から成るA鎖と30残基から成るB鎖が含まれる。成熟ホルモンは、図1に概要を示したより長い単鎖前駆体、すなわち指定のプロインスリンに由来する。インスリン分子の特定残基は、アミノ酸の種類(典型的には標準的な三文字のコード、例えば、LysおよびAlaはリジンおよびアラニンを示す)と、その鎖の上付き文字(AまたはB)およびその鎖の位置によって示される。例えば、ヒトインスリンB鎖14位のアラニンはAlaB14で示され、同様に、インスリンリスプロ(ヒューマログ(登録商標)の活性成分、Eli Lilly and Co.)B28位のリジンはLysB28で示される。前記ホルモンはZn2+により安定化した六量体として膵臓のβ細胞に保存されるが、血中ではZn2+が遊離した単量体として機能する。インスリンの投与は糖尿病の治療として長く確立されてきた。糖尿病患者における従来のインスリン補充療法の主な目標は、血糖濃度を厳密にコントロールし、健康なヒト被験者に特徴的な正常範囲を上下に逸脱しないようにすることである。正常範囲以上に逸脱すると、網膜症、失明、および腎不全などの微小血管疾患の長期的リスクが上昇する。糖尿病患者の低血糖症はインスリン補充療法に多い合併症であり、重度の場合は(精神状態の変化、意識喪失、発作、および死亡を含む)重大な疾患に至る可能性がある。実際、そのような合併症の恐れがあることから、患者(および医師が)血糖濃度の厳密なコントロールを行う(すなわち、正常範囲内またはその上限値をやや上回る値とする)努力への大きな障害が生じ、2型糖尿病が確定してから長い患者では、そのような努力(「厳密なコントロール」)によって死亡率が上昇する可能性がある。上記の重度低血糖症(神経低糖作用とする)の結果に加え、軽度低血糖症は不安および振戦(アドレナリン作動性とされる症状)に変化する交感神経系の過剰活性化を含め、対抗制御的機序を活性化する可能性がある。糖尿病患者はそのような警告徴候を示さない可能性もあるが、これは無自覚性低血糖として知られる状態である。軽度低血糖症の症状がないと、重大な低血糖リスクとそれに関連した罹患率および死亡率が上昇する。頻回の再発性低血糖エピソードも、長期にわたる糖尿病患者の痴呆有病率上昇の根底にあるメカニズムとして提案された、慢性的な認識衰退と関連している。したがって、低血糖リスクは低下させるが、正常範囲を超えて血糖濃度を上方逸脱させない新しい糖尿病治療技術が早急に必要である。
インスリンを投与した患者の低血糖の脅威を軽減する努力として、多様な技術が開発された。そのような努力全ての基本は、低血糖症状に関する患者(およびその家族)の教育であり、その後、そのような症状、グルコース、スクロース、または他の急速に消化される炭水化物が豊富な飲食物を摂取する必要性の緊急性について認識することであり、その例はスクロース(甘庶糖)添加オレンジジュースによって示される。このベースラインのアプローチは、口、咽頭、胃、および小腸粘膜から急速に吸収することのできる形態でグルコースを含むエマルジョン含有スクイーズチューブなど、特定の糖尿病向け製剤の開発により拡大適用されてきた。粉末として提供される対抗制御的ホルモンであるグルカゴンの調整は、同様に、急速に溶解されやすい形態および重度低血糖の緊急治療としての皮下注射において開発された。インスリンポンプを連続グルコースモニターに接続し、間質性グルコース濃度が低血糖の測定値になった場合にインスリンの皮下注射が中止され、アラームがなるようになっている。そのような装置によるアプローチから、前記ポンプとモニターを「人工膵」としてコンピュータにより作成したアルゴリズムと組み合わせた、閉ループ系の実験検査が行われた。
30年以上、皮下デポーからのホルモン放出速度が間質グルコース濃度に依存するように、インスリン類似体または修飾インスリン分子を同時投与することを目的とし、グルコース反応性材料を開発することに関心がもたれていた。そのような系には、一般に、グルコース反応性ポリマー、ゲル、またはその他のカプセル化材料を含み、上記材料に前記ホルモンが結合できる修飾を含むインスリン誘導体も必要となる。皮下注射部位で間質液中の周囲グルコース濃度が上昇すると、前記ホルモンの競合的置換により、またはポリマー、ゲル、または他のカプセル化材料の性質が物理化学的に変化することで、結合インスリンまたはインスリン誘導体が置換されることがある。そのような系の目標は、周囲のグルコース濃度が正常範囲内またはそれ未満である場合に、インスリンの放出が遅延することで低血糖リスクが軽減されるように、カプセル化またはゲルコーティングした皮下デポーに内因性の自己調節機能を提供することである。現在まで、そのようなグルコース反応系は臨床的に使用されていない。
最近の技術では、前記修飾インスリン分子と前記キャリアの複合体が溶解し、血流に入ることができるように、選択的にキャリア分子と同時に修飾インスリン分子の構造を開発する。この概念は、遊離ホルモンが血流に入るときに前記ポリマー、ゲル、または他のカプセル化材料が前記皮下デポー内に留まる、グルコース反応性デポーとは異なる。このアプローチの実施形態は当該分野で既知であり、A鎖がそのN末端またはその付近で(糖類部分として定義される)「親和性リガンド」を含むように(残基A1のαアミノ基を利用するか、またはA2、A3、A4、またはA5位で置換されたリジンのεアミノ基を介して)修飾され、B鎖がそのN末端またはその付近で「一価グルコース結合剤」を含むように(残基B1のαアミノ基を利用するか、またはB2、B3、B4、またはB5位で置換されたリジンのεアミノ基を介して)修飾される。この説明では、例示または想定されたグルコース結合剤(単量体レクチンドメイン、DNAアプタマー、またはペプチドアプトマー)のサイズが大きいために、上述のB鎖N末端セグメントへの配置が制限された。外来性グルコースまたは他の外来性糖類がないと、A1結合親和性リガンドとB1結合グルコース結合剤との間の分子内相互作用により前記ホルモンの構造が「閉じる」ことで、その活性が低下すると想定された。このクラスの分子デザインでは、控えめなグルコース反応性のみが報告された(Zion et al., 2012)。
親和性リガンドにより残基A1またはその付近で修飾され、同時に、高分子量のグルコース結合剤により残基B1またはその付近で修飾されたインスリン類似体の特性が最適ではないことは、このクラスの分子デザインに固有のものである可能性がある。実際、そのようなデザインの根拠は、残基A1とB1のαアミノ基間に短い化学的架橋を含むインスリン類似体の活性が低いことに依存していたが、インスリンA鎖またはB鎖と同等またはこれよりも長いこれらの残基間のペプチドリンカーを含むインスリン類似体の活性は自然であるか、高くなっていることを見落としていた。したがって、上記のインスリン類似体の推定される「閉じた」形態は、実際、(外来性グルコース存在下で修飾されたインスリンと比較し)受容体結合を有意に障害するため、有用なまたは最適なグルコース依存性生物活性を提供する立体配座で十分に抑制されないことがある。上述のインスリン類似体クラスの規定では、遊離グルコース濃度とは無関係に活性の著しい低下も見落としており、(リジンなど)他の脂肪族または非脂肪族アミノ酸により残基A2またはA3(IleA2またはValA3)の置換に起因する可能性があり、これらの類似体は生物活性が無視できる程度と予測されるため、当該分野で長く知られているとおり、有用ではないだろう。A1位でのリジンの置換によりイスリン類似体へのインスリン類似体の結合も障害を受けるが、その程度は少ない。上記のインスリン類似体クラスで見落とされる点として、皮下デポーのグルコース制御薬物速度論的特性に関すると考えられるとおり、前記インスリン受容体に対する類似体の親和性だけでなく、インスリンの自己会合の程度とその分解速度に影響する可能性がある、別のタイプのグルコース制御立体配座スイッチの利点がある。
驚くべきことに、基本的に異なるクラスの分子デザインが、上記の欠点を生じずに、選択的にインスリン分子の閉じた状態と開いた状態とのグルコース依存性の立体配座スイッチを提供することが分かった。したがって、本発明の類似体はA鎖のN末端またはその付近ではなく、B鎖のC末端またはその付近に1若しくはそれ以上の糖修飾を含む。さらに、本発明の類似体は、残基B1またはその付近の嵩高いグルコース結合剤を避け、代わりに残基A1またはその付近の小さな化学構造(フェニルボロン酸誘導体、PBA)を利用する。本発明の閉じた状態は、B鎖C末端またはその付近の糖修飾(または同様の官能基を持つ非糖類類似体)とA鎖N末端またはその付近の小さな化学構造との間の相互作用(共有結合か否かは問わないが、可逆的であること)でつながっているため、これまでに開示された構造とは異なり、関連性がない。本発明の閉じた状態は、インスリン受容体にはまることができるインスリン分子の保護ヒンジを利用する。短い共有結合がB鎖C末端をA鎖N末端につなぐ、ミニプロインスリンまたは短鎖インスリン類似体は、当該分野で、非常に低い、または検出できない活性を示すことが知られている(図2)。A鎖N末端またはその付近に結合した小さなPBA部分と、B鎖C末端またはその付近の同族PBA結合要素へのその可逆的結合により、インスリンの古典的二量体表面付近の立体配座スイッチを提供するため、グルコースの会合および分解のグルコース制御が可能となる。PBA(およびフルオロフェニルボロン酸としてのPBA誘導体)は、(a)(単糖類サブユニットの数および組成が異なる)多様な糖類および(b)単糖類内にみられるものを模倣したジオール官能基(または代わりのPBA結合官能基としてα−ヒドロキシカルボキシレート)を提示する非糖類有機化合物双方のジオール官能基に可逆的共有結合を示すため、本発明の真髄は前記B鎖の修飾に関する特定の分子学的実施形態に依存しない(図3B)。
生物学的利用率(皮下デポーでは、グルコース制御による六量体分解速度により調節される)および/または生物学的効果(前記インスリン受容体のグルコース依存的親和性により調節される)が低血糖条件下よりも高血糖条件下で強くなる本発明のインスリン類似体は、インスリン置換療法の全体的安全性、有効性、簡潔性、および利便性を向上させるだろう。そのようなインスリン類似体製剤は(インスリンバイアル、インスリンペン、およびインスリンポンプなどの)複数の装置と適合し、当該分野で既知のインスリン分子の修飾と統合し、即効性、中間型、または持続性のインスリン作用を与えることができる。さらに、B鎖C末端とA鎖N末端の間に作成されたインスリン分子の本グルコース制御立体配座スイッチは、(閉ループ系またはグルコース反応性ポリマーなどの)他のグルコース反応性技術と組み合わせ、その統合された特性を最適化することができる。したがって、我々は、本発明の生成物は西洋社会および発展途上国のいずれにおいても、1型または2型糖尿病患者の利益になると考えている。
したがって、本発明の観点は、前記インスリン受容体にグルコース反応性結合を提供するため、グルコース制御生物活性を提供するインスリン類似体を提供することである。本発明の類似体には2つの重要要素を含む。第1の要素は、A1位のグリシン(GlyA1)のαアミノ基、または選択的に、A1位で耐性に優れたアミノ酸置換としてのDリジン(D−LysA1)のεアミノ基、またはA4位の置換としてのLリジンのεアミノ基(L−LysA4)にある(ペーサー要素を含む)フェニルボロン酸誘導体である。代わりに、この修飾はA鎖N末端付近、すなわち、A鎖の最初5アミノ酸以内にみられてもよい。フェニルボロン酸構造(図4)は、フッ素、塩素、ホウ素、またはヨウ素などのハロゲン原子による水素原子の置換により、その芳香環内が修飾されてもよく(図5)、前記スペーサー要素は1〜16炭素原子の直鎖アシル鎖を含んでもよい(図6)。第2の要素はB27、B28、B29、B30位の1若しくはそれ以上にある、または1残基B31(B31)または2残基(B31−B32)を含むB鎖のペプチド伸長に結合したN結合またはO結合単糖類、二糖類、またはオリゴ糖である。代わりに、L−DOPAまたはD−DOPAなどの非標準的ジオール含有アミノ酸をB27〜B30のいずれかの位置で置換してもよい。O結合単糖類の例は、セレンまたはトレオニン誘導体であり、N結合単糖類の例はアスパラギンまたはグルタミン誘導体である。単糖類の例はグルコース、マンノース、およびN−アセチル−ガラクトースである。本発明のインスリン類似体の全体構造を図3Aおよび3Bの概略図に示す。このスキームでは前記A鎖に結合した一般的な単量体グルコース結合要素には前記B鎖に結合した同族グルコースまたは糖類が必要となると予想されるが(図3A)、フェニルボロン酸として単量体グルコース結合要素に関する特定の分子学的実施形態が、この要件を、糖類または非糖類試薬であるかにかかわらず、広範な分子学的多様性のジオールを含む構造(または別のPBA結合官能基としてα−ヒドロキシカルボキシレート基を含む付加体)に緩和する(図3B)。したがって、そのような実施形態では、前記N結合またはO結合型糖類が、単糖類のジオール官能基を模倣したジオール官能基を含む、同様の分子量の有機構造によって置換され、したがって、可逆的PBA結合活性(または別のPBA結合官能基としてα−ヒドロキシカルボキシレート基を含む付加体)を与えてもよい。そのような非糖類ジオール含有化合物は、酸、アルコール、芳香族および非芳香族骨格を含むチオール試薬などの広範な化学的クラスに及び、α−ヒドロキシカルボキシレート基を含む付加体は別のPBA結合官能基を提供してもよい。そのようなジオール含有およびα−ヒドロキシカルボキシレート含有付加体は、一般に、分子量80〜600ダルトンであり、一般に炭素原子3〜30個を含む。前記B鎖への簡便な結合様式は、上述のN結合およびO結合型糖類誘導体に加えて広範な結合に及び、これらの追加の結合様式には、(i)リジン、オルニチン、ジアミノ酪酸、(主鎖の掌性がLまたはDの)ジアミノプロピオン酸の側鎖アミノ官能基、および(ii)(主鎖の掌性がLまたはDの)システインまたはホモシステインの側鎖チオール官能基を含む。
本発明の前記類似体は、皮下デポー製剤の表面レクチンに前記インスリン類似体のグルコース感受性結合を提供することを目的としたメカニズムとして、(スペーサー要素とともに)残基B1に結合した追加フェニルボロン酸基(またはそのハロゲン誘導体)を選択的に含んでもよい。さらに、本発明の類似体は、選択的に、即効性を与える当該分野で既知の置換(インスリンアスパルト(Novolog(登録商標)の活性成分)にみられる置換であるAspB28など);[LysB28、ProB29]、インスリンリスプロ(Humalog(登録商標)の活性成分)にみられる対置換;GluB29またはその組み合わせ[LysB3、GluB29](後者はインスリングルリジン(Apridra(登録商標)の活性成分)にみられる)、またはインスリン六量体の分解加速と関連したB24位の修飾(例えば、シクロヘキサニルアラニンまたは芳香環内に単一のハロゲン置換を含むフェニルアラニン誘導体によるPheB24の置換)を含んでもよい。代わりに、本発明の類似体は、選択的に、それぞれインスリンデテミル(Levemir(登録商標)の活性成分)およびインスリンデグルデク(Tresiba(登録商標)の活性成分)により示されるとおり、LysB29のεアミノ基のアシル鎖またはアシルグルタミン酸付加体による修飾など、長期的作用を与える当該分野で既知の修飾を含んでもよく、またはインスリングラルギン(Lantus(登録商標)の活性成分)のArgB31−ArgB32伸長により例示されるとおり、等電点(pI)が中性付近にシフトするようにデザインされた塩基性アミノ酸置換または塩基性鎖の伸長を含んでもよい。また、そのようなpIのシフトを示すようにデザインされた本発明の類似体には、グリシン、アラニン、またはセリンなどによるAsnA21の置換を含んでもよい。また、本発明の類似体には、選択的に、受容体結合親和性および/または熱力学的安定性に対する上述デザインの主な2つの要素(A鎖N末端またはその付近のフェニルボロン酸およびB鎖C末端またはその付近の1もしくはそれ以上の糖類誘導体)の有害作用を軽減するために導入可能なとおり、インスリン受容体に対する親和性の上昇および/または熱力学的安定性の上昇と関連したThrA8の非β分岐鎖アミノ酸置換を含んでもよい。当該分野で既知のそのようなA8置換の例は、HisA8、LysA8、ArgA8、およびGluA8である。
本発明により可能となる2つのグルコース反応性メカニズム(グルコース依存性インスリン六量体分解速度およびインスリン受容体へのグルコース依存性結合強度)は、分子学的実施形態に共存することもあるが、一方の性質または他の性質のみを示す実施形態もある。さらに他の実施形態は、同等ではない特性で前記2つの特性の組み合わせを示すこともある。いずれのメカニズムも、皮下デポーのグルコース依存性インスリン六量体分解速度は低血糖状態でホルモンの生物学的利用能を低下させるため、患者に利益を与えると考えられるが、グルコース依存性結合により、低血糖状態ですでに血流中にあるホルモンの力価が低下する可能性がある。これらの2つの保護的利益は独立していると予想され、または低血糖エピソードのリスクまたは重症度を低下させるように相乗的に作用することもある。
革新的な製造方法が開発され、A鎖N末端またはその付近の単量体グルコース結合要素により修飾され、かつB鎖C末端またはその付近の糖類またはジオール含有構造により修飾されたインスリン類似体の調製を証明したことも本発明の観点であり、後者は代わりのPBA結合官能基としてα−ヒドロキシカルボキシレート基を含んでもよい。この製造方法では事前に修飾したインスリンフラグメントおよび事前に修飾した合成ペプチドのトリプシン介在性半合成を利用しているため、最終製剤の精製が簡単になる。前記インスリンフラグメントは、インスリンまたは短鎖インスリン前駆体のdes−ペンタペプチド[B23−B30]フラグメントである。前記合成ペプチドにはN末端グリシンを含み、6、7、8、9、または10残基長である。前記ペプチドは、固相合成の過程で、または合成後修飾の結果として、直接NまたはO結合型糖類を組み込んでもよい(図3A)。後者のアプローチでは、図3Bに示すとおり、フェニルボロン酸により修飾されたA鎖と併用されるジオール含有構造により、塩基性側鎖またはチオール側鎖の誘導体化を容易に伸長することができる。
本発明のインスリン類似体は、4.0〜6.0の範囲の等電点(pI)を示すことから、6.8〜7.8のpH範囲で製剤に影響が出やすいと考えられ、代わりに、本発明の類似体は6.8〜7.8の範囲の等電点(pI)を示すことから、4.0〜4.2のpH範囲で製剤に影響が出やすいと考えらる。後者の条件は当該分野で既知であり、長期作用のメカニズムとして皮下デポーでそのようなpIシフトしたインスリン類似体が等電沈殿されている。そのようなpIシフトしたインスリン類似体の例はインスリングラルギンにより示され、B鎖の塩基性残基2つ(ArgB31−ArgB32)が伸長することでpIがほぼ中性にシフトするため、皮下デポーからの薬物動態吸収を長くすることができる。一般に、インスリン類似体のpIは、塩基性残基を中性または酸性残基で置換することにより、また酸性残基を中性または塩基性残基で置換することにより、塩基性または酸性鎖の伸長を追加することで修正可能であり、この場合、酸性残基をアスパラギン酸およびグルタミン酸、塩基性残基をアルギニン、リジン、および状況によってはヒスチジンと定義する。さらに、中性pHでの側鎖の正味荷電と関連して「中性」残基を定義する。
インスリン類似体のインスリン受容体(IR−AおよびIR−Bイソ型)に対する絶対的in vitro親和性は、野生型ヒトインスリンに対して5〜100%の範囲であることは、本発明のさらなる観点であるため、ホルモン−受容体複合体が滞留時間の延長を示す可能性は低く、このような滞留時間の延長は、哺乳類の発癌リスクの上昇または培養時の癌細胞株のより急速な増殖と関連すると考えられる。また、インスリン類似体の1型インスリン様成長因子受容体(IGF−1R)に対する絶対的in vitro親和性は、野生型ヒトインスリンの5〜100%の範囲であることは、本発明のさらなる観点であるため、ホルモン/IGF−1R複合体が滞留時間の延長を示す、または野生型ヒトインスリンを介する有糸分裂誘発よりも過剰のIGF−1R関連有糸分裂誘発を媒介する可能性は低い。
本発明のインスリン類似体は、前記類似体がグルコースまたは他の外因性糖類非存在下、A鎖N末端またはその付近の単量体グルコース結合構造(選択的に、フェニルボロン酸に由来)に対し、B鎖のC末端又はその付近で(a)1もしくはそれ以上の糖類構造、または(b)1もしくはそれ以上の非糖類ジオール含有構造間で可逆的相互作用(共有結合または非共有結合)を示すような、A鎖およびB鎖に新規の修飾の組み合わせを含む2つのポリペプチド鎖から成る。例は、ThrB27および/またはThrB30のグルコース、マンノース、またはN−アセチル−ガラクトースによるO結合誘導体で提供され、代わりに、ThrB27および/またはThrB30のセリンによる置換を含む、インスリン類似体の類似O結合誘導体によっても提示される。さらなる単糖修飾の例は、B26、B27、B28、B29、B30位での置換、またはB鎖の2残基長までのC末端伸長(B31またはB31〜B32)の場合、AsnまたはGlnのN結合修飾により提示される。C末端伸長B鎖を使用することで、B31および/またはB32で酸性残基を使用することができ、溶解性が向上し、分裂促進性IGF−1R受容体への交差連結を妨げる。さらに、B30にグリコシル化残基を含むB鎖フラグメントの固相ペプチド合成(トリプシンを介した半合成を利用)は、そのような伸長ペプチドで促進されるため、樹脂結合C末端残基はグリコシル化されない。
N結合またはO結合型糖類構造はジオール官能基(または代わりのPBA結合官能基としてα−ヒドロキシカルボキシレート基)を含む分子量が同程度の有機構造と置換することができ、A鎖N末端またはその付近に結合したPBAまたはPBA誘導体へ可逆的に結合させることができることは本発明のさらなる観点である。一部の実施形態では、前記ジオールが3〜26炭素長であってもよい。さらに、または代わりに、前記ジオールの分子量は90〜570であってもよい。そのような非糖類ジオール含有要素の例は、有機酸(グルコン酸、トレオン酸、グリセリン酸、ガラクトン酸、およびジヒドロキシ桂皮酸など)、チオール含有化合物(1−チオグリセロール、および1,2,3−ブタントリオール4−メルカプトなど)、およびアミノ化合物((±)−3−アミノ−1,2−プロパンジオール、(±)−3−アミノ−1,2−プロパンジオール、およびグルコサミンなど)により提示される。前記チオール含有構造の1−チオ−β−D−グルコースも、適切に修飾したB鎖のシステインまたはホモシステインへのジスルフィド結合で利用することができる。市販のものを容易に利用でき、原則として合成ペプチドに結合しやすい追加試薬を表1に示すが、そのような結合は適切な「化学的ハンドル」を提供するために化合物の活性化またはその誘導体化を必要とすることもある。この表は完全なものではなく、分子構造(ジオール含有化合物またはα−ヒドロキシカルボキシレート基を含むもの)の多様性の概要を示すためのものであり、本発明の範囲内であると想定される。
Figure 2018513843
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理論により制限されることは望まないが、これらの2つのデザイン要素が外因性グルコース非存在下で可逆的相互作用を形成し、前記ホルモンの構造が閉じた、比較的活性の低い立体配座で安定化するようになっていると我々は認識している。当該分野では、化学結合または短い介在ペプチドにより(またはGlyA1と残基B28、B29、またはB30との直接ペプチド結合によっても)、残基B30とA1との間の距離が近づくと、結合型または短鎖インスリン類似体のインスリン受容体に対する親和性が著しく低下することが知られている。前記インスリン受容体の細胞外ドメインにある「微小受容体」フラグメントに結合したインスリンの最新の共結晶構造は、結合したホルモンがインスリンαヘリカルコアのB24−B27セグメントを部分的に切り離すことを示しているため、これらの所見の正当性を説明している。さらに、残基GlyA1およびThrB30は天然で近接した状態にあることが、中心のB鎖αヘリックス(残基B9−B19)に対するB鎖C末端β鎖(残基B24−B28)の位置を反映しており、インスリン単量体の閉じた形態が二量体化、ひいては六量体会合の要素となっていることは、当該分野で周知である。理論により制限されることはないが、我々は、A鎖N末端またはその付近に結合したPBA要素、およびB鎖C末端またはその付近に結合した相補的PBA結合要素によるこの閉じた立体配座の安定化は、二量体化に有利に働き、皮下デポーでインスリン六量体会合速度を遅くすると予想している。理論に制限されることはないが、我々はさらに、外因性グルコース分子(または他の遊離糖類)のA鎖N末端またはその付近でのフェニルボロン酸構造への結合が、後者のB鎖C末端またはその付近でのO結合またはN結合型糖類構造との相互作用を妨げるため、B24−B27セグメントの部分的解離を促し、(a)皮下デポーにおけるインスリン六量体と二量体の解離、および/または(b)血流中および標的組織での修飾ホルモンのインスリン受容体への結合を促すと予想している。
図1Aは、A鎖およびB鎖および側方の二塩基開裂部位(黒丸)で示した接続領域およびCペプチド(白丸)を含むヒトプロインスリン配列(配列ID番号:1)の略図である。 図1Bは、インスリン様構造および不規則な接続ペプチド(点線)から成るプロインスリンの構造モデルである。 図1Cは、A鎖(配列ID番号:2)およびB鎖(配列ID番号:3)を含み、B鎖の残基B27およびB30の位置を示す略図である。 図2は、ペプチド結合がLysB29とGlyA1をつないでいるミニプロインスリン(単鎖インスリン)の円柱モデルであり、ThrB30は削除されている。当該分野では、この類似体は検出可能な活性を有さないことが知られている。 図3Aは、インスリン分子(上部)および本発明に関係する修飾を示す略図である。A鎖は短い水平方向の円柱で表現され、B鎖は長い水平方向の円柱で表現されている。野生型インスリンの標準的なジスルフィド架橋を黒の線で示す(右下の枠を参照)。前記A鎖は、単量体のグルコース結合構造およびそのN末端またはその付近のスペーサー(それぞれ赤色のカップ型の図形および黒色の波線、左下の枠を参照)により修飾され、選択的に、B鎖のαアミノ基で修飾される(括弧に赤色のアスタリスク)。前記B鎖は、C末端又はその付近の1もしくはそれ以上の糖類(緑色の三角)により修飾され、これはセリンまたはトレオニンの側鎖酸素原子と結合するか(O結合型糖類)、アスパラギンまたはグルタミンの側鎖窒素原子と結合していてもよい(N結合型糖類)。前記糖類は、単糖類、二糖類、またはオリゴ糖としてもよい。 図3Bは、単糖であろうと、または広範な分子多様性を持つ非糖類ジオール含有化合物に由来するものであろうと、芳香族であろうと、非芳香族であろうと、および合成B鎖由来ペプチドのアミノ酸側鎖への結合を促すアミノ基、カルボキシレート基、またはチオール基を含むか否かによらず、図3Aで示したスキームの修飾の略図であり、前記単量体グルコース結合要素は(選択的にハロゲン化した)フェニルボロン酸であるのに対し、前記B鎖の対応する要素はジオール含有構造としてもよい。 図4は、フェニルボロン酸の分子構造を示したものである。 図5は、ハロゲン修飾フェニルボロン酸の分子構造図であり、この場合、芳香環のハロゲン原子はボロン酸構造に対してオルトの位置にあるフッ素原子で置換されている。前記ボロン酸基のpKaを調節するためのフェニル環のハロゲン化修飾は当該分野で既知である。 図6は、全フェニルボロン酸構造がどのように糖類のジオールと結合しているかを示した反応スキームの略図である。同様の可逆的反応スキームは、ジオールまたはトリオール官能基を含む広範な非糖類化学構造に関する。 図7は、ペプチド結合として単一のカルボニル(中央の矢印部分)を介したPBA構造(左)とGlyA1(右)間の最も簡単な結合の分子構造を示している。前記フェニル基の選択的フルオロ誘導体を示している。この化学構造は、我々の例の説明研究に使用した。我々は、PBA構造は選択的な1〜12炭素のアシルリンカーにより、残基A1と離れていてもよい、と予想している。 図8Aは、EDTAコバルト金属イオン封鎖試験で調査したとおり、25℃、pH7.4でグルコース(25mM)存在下または非存在下、野生型ヒトインスリンの解離速度のコントロール試験を行った結果のグラフである。過量のEDTAを追加し、R状態特異的d−dの光学バンド減衰速度に差は認められなかった。 図8Bは、本発明の代表的類似体における六量体分解のグルコース制御解離速度を示したグラフである(ここで、GlyA1はフルオロ−フェニルボロン酸(配列ID番号:51)により誘導体化されており、ThrB30はO結合型マンノシル修飾を含む、表2)。前記類似体は、インスリンリスプロ(Humalog)の対となるLysB28−ProB29置換およびGluB31−GluB32によるB鎖C末端伸長を含んでいた(配列ID番号:16)。 図8Cは、ThrB30に結合したO結合型マンノースを用いた場合を含め、残基A1(または他の位置)にPBA修飾がないが、それ以外はパネルBに説明した類似体と同一の類似体の対照コバルト金属イオン封鎖試験の結果を示したグラフである。この対照類似体は、25mMグルコース存在下または非存在下での分解速度にほとんどまたは全く差がないことを示し、曲線のわずかな差は実験誤差であるか、または高血糖条件下での好ましくないわずかな分解の遅延を示していると考えられる(すなわち、糖尿病患者に有益である状態の反対)。 図9は、糖尿病ラットモデルにおける静脈内ボーラス注射での特定インスリン類似体の力価に関するラット試験の結果のグラフを示している。前記データは、本発明のインスリン類似体の生物活性(ダイアモンド、N=6、マンノース−ThrB30をGlyA1のαアミノ基に結合したフルオロ−PBAと併用し、C末端の伸長GluB31およびGluB32を有するLysB28およびProB29を含む変異型B鎖において検討した)を、A1にPBA修飾がない同様の類似体(丸、N=5)およびインスリンリスプロ(四角、N=5、インスリンリスプロはHumalogの活性成分である)と比較している。パネルAでは、データを血糖濃度の絶対値と関連させてプロットしているが(垂直軸、mg/dl)、パネルBでは、データを血糖濃度の初期値(1.0とした)と関連させてプロットしている。本研究は、300gのラットにつき20μgのタンパク質に相当する用量でストレプトゾトシンにより糖尿病とした雄Lewisラットで行った。
本発明は、皮下デポーにおいてグルコース依存性の速度でインスリン六量体を分解し、および/または血流中および標的組織においてインスリン受容体にグルコース依存的に結合することで、in vivoでの血糖コントロールを向上させるインスリン類似体に関する。表2に示すとおり、6種類の新規インスリン類似体を調整した。それぞれグルコース検出要素としてフルオロフェニルボロン酸を利用している。フルオロ−PBA構造とGlyA1のαアミノ基との間の化学結合を図7に示しているが、PheB1のαアミノ基では同時にフルオロ―PBA付加体を用い、類似体に対応する結合を採用した(図示せず)。
2つの類似体には(A鎖のαアミノ基に)そのような付加体を1つ含み(表2A)、3つの類似体には(A鎖およびB鎖両方のαアミノ基に)そのような付加体を2つ含む(表2B)。活性FPA試薬によるインスリンフラグメントの誘導体化プロトコールを以下に示す。これらの類似体は、ヒトインスリンの自然に発生したトレオニンの位置(残基B27および/またはB30)にO結合α−D−マンノピラノシド(マンノース−Oβ−Thr)またはα−D−グルコピラノシド(グルコース−Oβ−Thr)を含んでいた。各ケースで予想分子量を質量分析により確認した。マンノース含有インスリン類似体は、図8に示すとおり、野生型インスリン(ただし、分解速度は異なる、下記参照)と同様のコバルトR六量体会合特性を示した。前記マンノース含有インスリン類似体は、Humalog(登録商標)(Eli Lilly)の活性成分であるインスリンリスプロと同等のストレプトゾトシンにより糖尿病とした雄Lewiラットに静脈内ボーラス投与した場合、図9に示すとおり生物活性を示した。
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本発明の代表的類似体はインスリン受容体に対して高い親和性を保持することを証明するため、上記親和性をin vitro競合置換シンチレーション近接分析により測定した(以下)。標準的な対照サンプルはOrnB29−インスリンによって提供されたが、その活性は野生型インスリンと区別できない。[Glu,Glu]−伸長リスプロB鎖(すなわち、置換LysB28およびProB29を有し、C末端の伸長GluB31およびGluB32を有する)との関連で、O結合マンノース−ThrB30を含むインスリン類似体の親和性は、(i)GlyA1のαアミノ基に結合したフルオロ−PBA付加体存在下、(OrnB29−インスリンに対して)50〜75%の範囲、および(ii)GlyA1およびPheB1のαアミノ基に結合したフルオロ−PBA付加体存在下、(OrnB29−インスリンに対して)10〜30%の範囲であることが認められた。当該分野で周知のとおり、我々は、これらの親和性のわずかな低下は、A1およびB1付加体の好ましくない作用の結果であると考える。リスプロの置換(LysB28およびProB29)およびC末端の伸長GluB31およびGluB32では、その他の点では多様なインスリン類似体の単離インスリン受容体に対する親和性への影響はごくわずかであることが、我々のおよび他の先行研究で開示されており、O結合マンノシル構造によるThrB30の修飾は同様に忍容性に優れている。
スペクトロスコピーの測定によりグルコース反応性分解速度が検討され、R六量体としてのフェノール存在下、コバルト(Co2+)置換インスリン六量体の可視吸収スペクトルを得た。この測定は(Richard, J.P. et al.("Self−association properties of monomeric insulin analogs under formulation conditions."Pharm.Res.15:1434−41;1998に説明があるとおり)、金属イオンのR状態特異的4面体配位を利用しており、青色の吸収バンドを発生する。
このバンドはコバルトイオンの埋まっていないdシェル電子から生じており、4面体配位環境の特徴となっている。キレート剤であるエチレン−ジアミン−テトラ−酢酸(EDTA)を過量に追加すると、(無色の8面体錯体で)進行性に金属イオン封鎖が起こるため、六量体分解の動態を迅速かつ簡便に調査することができる。野生型インスリン、25mMの濃度でグルコース存在下または非存在下、同じR状態特異的d−dシグナル消失速度を示している(図8A)。対照的に、表2Aに示した類似体(マンノース−ThrB30−LysB28−ProB29−GluB31−GluB32)は、高血糖の条件下で著しい分解の加速を示している(図8B)。B鎖ではマンノース付加体存在下、A鎖ではN末端のPBA付加体非存在下、そのようなグルコース制御による分解は起こらない(図8C)。
血糖濃度が正常範囲内またはそれ以下の場合に、請求されたインスリン類似体が野生型インスリンと比較してインスリン受容体に低い親和性を示すことは、本発明の特徴である。理論に制約されることは望まないが、我々は、この親和性低下は、B鎖C末端またはその付近の糖修飾とN末端またはその付近でA鎖に結合したフェニルボロン酸誘導体との可逆的相互作用の結果であると予想している。そのような共有結合であるが、可逆的相互作用はB鎖C末端β鎖(残基B24−B28)の立体配座を「閉じる」ため、インスリン受容体への結合が妨げられ、このため、インスリン分子のαヘリカルコアからこのβ鎖を部分的に解離する必要がある。A鎖結合フェニルボロン酸誘導体が過剰な外因性グルコース溶液によりB鎖結合糖類構造から競合的に置換されるため、血糖濃度が正常範囲を超えた場合に、請求されたインスリン類似体の血糖力価が野生型インスリンと同様のレベルまで回復することは、本発明の特徴である。我々は、200mg/mlを超える濃度でのグルコース存在下では、5〜100%の範囲の受容体結合親和性が、糖尿病を有する動物でそのような天然または天然に近い血糖力価を与えるのに十分であろう、と予想している。これらの修飾は、室温またはそれ以上の温度でフィブリル化を受け、インスリンの分裂促進性を減弱するというインスリンの傾向を抑制する可能性があることも、本発明のさらなる特徴であり、これは、癌のリスクおよび癌の増殖の展望からは望ましくない、明確に異なるシグナル伝達経路である。
A鎖がN末端又はその付近でフェニルボロン酸誘導体により修飾され、B鎖C末端またはその付近の1もしくはそれ以上のアミノ酸側鎖がO結合またはN結合型単糖類、二糖類、またはオリゴ糖で修飾されている限り、インスリン類似体は、制限されない例として、ブタ、ウシ、ウマ、およびイヌインスリンなどの動物インスリン由来のA鎖およびB鎖配列から作られるとも予想される。そのようなヒトインスリンまたは動物インスリン由来の変異型B鎖は任意にC末端ジペプチドの伸長を含むが(それぞれの残基の位置はB31およびB32とする)、これらのC末端で伸長した塩基の少なくとも1つはO結合またはN結合型糖類を含む修飾アミノ酸である。加えてまたは代わりに、本発明のインスリン類似体はB1〜B3残基の欠失を含む、またはB28位にプロリンのない(例えば、Humalogのような[LysB28,ProB29]、またはAspB28またはGluB28とB29位のリジンまたはプロリンとの組み合わせ)またはB29位にグルタミン酸を含む変異型B鎖と結合してもよい。A13位のロイシンを選択的にトリプトファン置換し、A14位のチロシンを選択的にグルタミン酸と置換してもよい。
さらに、本発明のインスリン類似体は、ピキア酵母(Pichia pastoris)、サッカロミケス酵母(Saccharomyces cerevisciae)、または他の酵母発現種または菌株における酵母生合成で前駆体ポリペプチドのLysタンパク質分解に由来することも想定される。そのような菌株は、改変tRNA合成酵素および直交ナンセンス抑制によりB24位にハロゲン修飾フェニルアラニンを挿入するように改変することもできる。本発明のインスリン類似体のBドメインは、(熱力学的安定性、受容体結合親和性、およびフィブリル化抵抗性を増大させる目的で)選択的にB20および/またはB23位のDアミノ酸など、非標準的置換を含んでもよい。B24位のハロゲン化修飾は、PheB24の2つの環の位置(すなわち、オルト−F−PheB24、オルト−Cl−PheB24、またはオルト−Br−PheB24)とすることができる。選択的に、前記類似体は、熱力学的安定性および受容体結合活性を増大することを目的とし、TyrB16および/またはTyrB26(3−モノ−ヨード−Tyrまたは[3,5]−ジ−ヨード−Tyr)の芳香環にヨウ素置換を含んでもよい。C末端のThrB27、ThrB30、または1若しくはそれ以上のセリン残基を単独または組み合わせて単糖類付加体で修飾することも想定され、例はO−結合N−アセチル−β−D−ガラクトピラノシド(GalNAc−Oβ−SerまたはGalNAc−Oβ−Thr)、O−結合α−D−マノピラノシド(マンノース−Oβ−Serまたはマンノース−Oβ−Thr)、および/またはα−D−グルコピラノシド(グルコース−Oβ−Serまたはグルコース−Oβ−Thr)により示される。
さらに、ヒトと動物のインスリンが同様であり、過去にヒト糖尿病患者で動物インスリンが使用されていたことを考慮すると、インスリン配列に他の軽微な修飾、特に「保存的」と考えられるこれらの置換を導入可能であることも想定される。例えば、本発明から離れずに、同じ側鎖のアミノ酸群内にさらにアミノ酸の置換を加えることもできる。これには、アラニン(AlaまたはA)、バリン(ValまたはV)、ロイシン(LeuまたはL)、イソロイシン(IleまたはI)、プロリン(ProまたはP)、トリプトファン(TrpまたはW)、フェニルアラニン(PheまたはF)およびメチオニン(MetまたはM)といった天然型疎水性アミノ酸を含む。同様に、天然型極性アミノ酸は、グリシン(GlyまたはG)、セリン(SerまたはS)、トレオニン(ThrまたはT)、チロシン(TyrまたはY)、システイン(CysまたはC)、グルタミン(GluまたはQ)、およびアスパラギン(AsnまたはN)の群内で互いに置換することができる。酸性アミノ酸はアスパラギン酸(AspまたはD)およびグルタミン酸(GluまたはE)である。(リジン(LysまたはK)、アルギニン(ArgまたはR)およびヒスチジン(HisまたはH)を含む)塩基性アミノ酸置換の導入は、このクラスの類似体で上昇した正味の負電荷を維持するためには好ましくない。ほかに記載がない限り、または内容から明らかな場合は、本明細書に示したアミノ酸はLアミノ酸と考える。標準的なアミノ酸は、同じ化学的クラスに属する非標準アミノ酸によって置換することもできる。
本発明のインスリン類似体には、(これに限定されるものではないが、)変異型B鎖が以下の配列ID番号7〜50に示されるポリペプチド配列と一致し、変異型A鎖が配列ID番号51〜53に示されるポリペプチド配列と一致したインスリン類似体を含む。neo−C末端αアミノ基が選択的にフェニルボロン酸誘導体により修飾されるように、本発明の変異型B鎖は残基B1の欠失、残基B1およびB2の欠失、または残基B1−B3の欠失も含むことは理解される。比較のため、ヒトプロインスリンのアミノ酸配列を配列ID番号:1として提供する。比較のため、ヒトA鎖のアミノ酸配列を配列ID番号:2として提供する。比較のため、ヒトB鎖および当該分野で既知のB鎖類似体のアミノ酸配列を配列ID番号:3〜6として提供する。
比較のため、ヒトプロインスリンのアミノ酸配列を配列ID番号:1として提供する。
配列ID番号:1(ヒトプロインスリン)
Phe−Val−Asn−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Tyr−Thr−Pro−Lys−Thr−Arg−Arg−Glu−Ala−Glu−Asp−Leu−Gln−Val−Gly−Gln−Val−Glu−Leu−Gly−Gly−Gly−Pro−Gly−Ala−Gly−Ser−Leu−Gln−Pro−Leu−Ala−Leu−Glu−Gly−Ser−Leu−Gln−Lys−Arg−Gly−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Thr−Ser−Ile−Cys−Ser−Leu−Tyr−Gln−Leu−Glu−Asn−Tyr−Cys−Asn
ヒトインスリンA鎖のアミノ酸配列を配列ID番号:2として提供する。
配列ID番号:2(ヒトA鎖)
Gly−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Thr−Ser−Ile−Cys−Ser−Leu−Tyr−Gln−Leu−Glu−Asn−Tyr−Cys−Asn
ヒトインスリンB鎖のアミノ酸配列を配列ID番号:3として提供する。
配列ID番号:3(ヒトB鎖)
Phe−Val−Asn−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Tyr−Thr−Pro−Lys−Thr
prandial insulin(食事前のインスリン)類似体であるKP−インスリンの「KP」B鎖のアミノ酸配列にはProB28→LysおよびLysB29→Proの置換が含まれ、配列ID番号:4として提供する。
配列ID番号:4
Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Try−Thr−Lys−Pro−Thr
prandial insulin(食事前のインスリン)類似体であるKP−インスリンの伸長「KP」B鎖の32残基アミノ酸配列は、配列ID番号:5として提供する。
配列ID番号:5
Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Try−Thr−Lys−Pro−Thr−Glu−Glu
B29位にオルニチンを含むように修飾された変異型B鎖の30残基アミノ酸配列は、配列ID番号:6として提供する。
配列ID番号:6
Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−Xaa4−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Try−Thr−Pro−Orn−Thr
ProB28を保持している場合に残基B27でO結合グリコシル化により修飾された変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:7として提供する。
配列ID番号:7
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Xaa−Pro−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されるOβ−ThrB27結合またはOβ−SerB27結合単糖類ピラノシドであるか、またはXaaは上記の単糖類サブユニットを1もしくはそれ以上含むOβ−ThrB27結合またはOβ−SerB27結合二糖類であり、Xaaはリジン、オルニチン、アルギニン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、アラニン、グルタミン酸であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
残基B27でO結合グリコシル化により修飾され、B29位をプロリンで置換した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:8として提供する。
配列ID番号:8
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Xaa−Xaa−Pro−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されるOβ−ThrB27結合またはOβ−SerB27結合単糖類ピラノシドであるか、またはXaaは上記の単糖類サブユニットを1もしくはそれ以上含むOβ−ThrB27結合またはOβ−SerB27結合二糖類であり、Xaaはリジン、アルギニン、オルニチン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、アラニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
残基B27でN結合グリコシル化により修飾された変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:9として提供する。
配列ID番号:9
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Xaa−Pro−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されるNβ−AsnB27結合またはNγ−GlnB27結合単糖類ピラノシドであるか、またはXaaは上記の単糖類サブユニットを1もしくはそれ以上含むNβ−AsnB27結合またはNγ−GlnB27結合二糖類であり、Xaaはリジン、オルニチン、アルギニン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、アラニン、グルタミン酸であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
残基B27でN結合グリコシル化により修飾され、B29位をプロリンで置換した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:10として提供する。
配列ID番号:10
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Xaa−Xaa−Pro−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されるNβ−AsnB27結合またはNγ−GlnB27結合単糖類ピラノシドであるか、またはXaaは上記の単糖類サブユニットを1もしくはそれ以上含むNβ−AsnB27結合またはNγ−GlnB27結合二糖類であり、Xaaはリジン、アルギニン、オルニチン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、アラニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
B27位の塩基性残基でジオール含有試薬により修飾された変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:11として提供する。
配列ID番号:11
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Xaa−Pro−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaは側鎖アミノ基がジオール含有試薬と結合した、リジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸のDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaaはアルギニン、アラニン、またはグルタミン酸であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
B27位の塩基性残基でジオール含有試薬により修飾され、B29位をプロリンで置換した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:12として提供する。
配列ID番号:12
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Xaa−Xaa−Pro−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaは側鎖アミノ基がジオール含有試薬と結合した、リジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸のDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaaはアルギニン、アラニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
B27位の硫黄含有残基でジオール含有試薬により修飾されているが、ProB28は保持した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:13として提供する。
配列ID番号:13
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Xaa−Pro−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaは側鎖硫黄原子がジオール含有試薬に結合したシステインまたはホモシステインのDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaaはアルギニン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、アラニン、またはグルタミン酸であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
B27位の硫黄含有残基でジオール含有試薬により修飾され、B29位をプロリンで置換した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:14として提供する。
配列ID番号:14
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Xaa−Xaa−Pro−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaは側鎖硫黄原子がジオール含有試薬に結合したDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaaはアルギニン、オルニチン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、アラニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
残基B30でO結合グリコシル化により修飾されているが、ProB28は保持した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:15として提供する。
配列ID番号:15
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはリジン、オルニチン、アルギニン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、アラニン、またはグルタミン酸であり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されたOβ−ThrB31結合またはOβ−SerB31結合単糖類ピラノシドであり、またはXaaは1もしくはそれ以上の上記単糖類サブユニットを含むOβ−ThrB31結合またはOβ−SerB31結合二糖類であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
残基B30でO結合グリコシル化により修飾され、B29位をプロリンで置換した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:16として提供する。
配列ID番号:16
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Pro−Xaa−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはリジン、アルギニン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、ジ−アミノプロピオン酸、アラニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されたOβ−ThrB31結合またはOβ−SerB31結合単糖類ピラノシドであり、またはXaaは1もしくはそれ以上の上記単糖類サブユニットを含むOβ−ThrB31結合またはOβ−SerB31結合二糖類であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
残基B30でN結合グリコシル化により修飾されているが、ProB28は保持した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:17として提供する。
配列ID番号:17
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはリジン、オルニチン、アルギニン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、アラニン、またはグルタミン酸であり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されたNβ−AsnB30結合またはNγ−GlnB30結合単糖類ピラノシドであり、またはXaaは1もしくはそれ以上の上記単糖類サブユニットを含むNβ−AsnB30結合またはNγ−GlnB30結合二糖類であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
残基B30でN結合グリコシル化により修飾され、B29位をプロリンで置換した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:18として提供する。
配列ID番号:18
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Pro−Xaa−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはリジン、アルギニン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、ジ−アミノプロピオン酸、アラニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されたNβ−AsnB30結合またはNγ−GlnB30結合単糖類ピラノシドであり、Xaaは1もしくはそれ以上の上記単糖類サブユニットを含むNβ−AsnB30結合またはNγ−GlnB30結合二糖類であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
B30位の塩基性残基でジオール含有試薬により修飾された変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:19として提供する。
配列ID番号:19
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖アミノ基がジオール含有試薬と結合した、リジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸のDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
B30位の塩基性残基でジオール含有試薬により修飾され、B29位をプロリンで置換した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:20として提供する。
配列ID番号:20
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Pro−Xaa−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖アミノ基がジオール含有試薬と結合した、リジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸のDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
B30位の硫黄含有残基でジオール含有試薬により修飾されているが、ProB28は保持した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:21として提供する。
配列ID番号:21
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖硫黄原子がジオール含有試薬と結合した、システインまたはホモシステインのDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
B30位の硫黄含有残基でジオール含有試薬により修飾され、B29位をプロリンで置換した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:22として提供する。
配列ID番号:22
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Pro−Xaa−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖硫黄原子がジオール含有試薬と結合した、システインまたはホモシステインのDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
残基B31でO結合グリコシル化により修飾されているが、ProB28は保持した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:23として提供する。
配列ID番号:23
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはリジン、オルニチン、アルギニン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、アラニン、またはグルタミン酸であり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されたOβ−ThrB31結合またはOβ−SerB31結合単糖類ピラノシドであり、Xaaは1もしくはそれ以上の上記単糖類サブユニットを含むOβ−ThrB31結合またはOβ−SerB31結合二糖類であり、XaaはGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerを表す。
残基B31でO結合グリコシル化により修飾され、B29位をプロリンで置換した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:24として提供する。
配列ID番号:24
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Pro−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはリジン、アルギニン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、ジ−アミノプロピオン酸、アラニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されたNβ−AsnB31結合またはNγ−GlnB31結合単糖類ピラノシドであり、またはXaaは1もしくはそれ以上の上記単糖類サブユニットを含むNβ−AsnB31結合またはNγ−GlnB31結合二糖類であり、XaaはGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerを表す。
残基B31でN結合グリコシル化により修飾されているが、ProB28は保持した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:25として提供する。
配列ID番号:25
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはリジン、オルニチン、アルギニン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、アラニン、またはグルタミン酸であり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されたNβ−AsnB31結合またはNγ−GlnB31結合単糖類ピラノシドであり、Xaaは1もしくはそれ以上の上記単糖類サブユニットを含むNβ−AsnB31結合またはNγ−GlnB31結合二糖類であり、XaaはGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerを表す。
残基B31でN結合グリコシル化により修飾され、B29位をプロリンで置換した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:26として提供する。
配列ID番号:26
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Pro−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはリジン、オルニチン、アルギニン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、アラニン、またはグルタミン酸であり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されたNβ−AsnB31結合またはNγ−GlnB31結合単糖類ピラノシドであり、Xaaは1もしくはそれ以上の上記単糖類サブユニットを含むNβ−AsnB31結合またはNγ−GlnB31結合二糖類であり、XaaはGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerを表す。
B31位でジオール含有試薬により修飾されているが、ProB28は保持した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:27として提供する。
配列ID番号:27
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはリジン、オルニチン、アルギニン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、アラニン、またはグルタミン酸であり、Xaaはアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖アミノ基がジオール含有試薬に結合したリジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸のDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaa(含めた場合)は選択的にGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerである。
残基B31でジオール含有試薬により修飾され、B29位をプロリンで置換した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:28として提供する。
配列ID番号:28
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Pro−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaはアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖アミノ基がジオール含有試薬に結合したリジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸のDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaa(含めた場合)は選択的にGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerである。
B32位の塩基性残基でジオール含有試薬により修飾された変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:29として提供する。
配列ID番号:29
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはアルギニン、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、アラニン、またはグルタミン酸であり、Xaaはアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖アミノ基がジオール含有試薬に結合したリジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸のDまたはL立体異性体の誘導体である。
残基B32でジオール含有試薬により修飾され、B29位をプロリンで置換した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:30として提供する。
配列ID番号:30
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Pro−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaはアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖アミノ基がジオール含有試薬に結合したリジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸のDまたはL立体異性体の誘導体である。
B32位の硫黄含有残基でジオール含有試薬により修飾されているが、ProB28は保持した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:31として提供する。
配列ID番号:31
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはリジン、オルニチン、アルギニン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、アラニン、またはグルタミン酸であり、Xaaはアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖硫黄原子がジオール含有試薬に結合したシステインまたはホモシステインのDまたはL立体異性体の誘導体である。
B32位の硫黄含有残基でジオール含有試薬により修飾され、B29位をプロリンで置換した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:32として提供する。
配列ID番号:32
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Pro−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaはアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖硫黄原子がジオール含有試薬に結合したシステインまたはホモシステインのDまたはL立体異性体の誘導体である。
B29位の塩基性残基でジオール含有試薬により修飾された変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:33として提供する。
配列ID番号:33
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa2−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはプロリン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖アミノ基がジオール含有試薬と結合した、リジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸のDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
B29位の塩基性残基でジオール含有試薬により修飾された変異型des−B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:34として提供する。
配列ID番号:34
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはプロリン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖アミノ基がジオール含有試薬に結合したリジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸のDまたはL立体異性体の誘導体である。
B29位の硫黄含有残基でジオール含有試薬により修飾された変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:35として提供する。
配列ID番号:35
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはプロリン、リジン、オルニチン、アルギニン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、アラニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖硫黄原子がジオール含有試薬と結合した、システインまたはホモシステインのDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
B29位の硫黄含有残基でジオール含有試薬により修飾された変異型des−B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:36として提供する。
配列ID番号:36
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはプロリン、リジン、オルニチン、アルギニン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、アラニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖硫黄原子がジオール含有試薬に結合したシステインまたはホモシステインのDまたはL立体異性体の誘導体である。
B28位の硫黄含有残基でジオール含有試薬により修飾された変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:37として提供する。
配列ID番号:37
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaは側鎖硫黄原子がジオール含有試薬に結合したシステインまたはホモシステインのDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaaはリジン、プロリン、アルギニン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
B28位の硫黄含有残基でジオール含有試薬により修飾された変異型des−B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:38として提供する。
配列ID番号:38
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaは側鎖硫黄原子がジオール含有試薬に結合したシステインまたはホモシステインのDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaaはリジン、プロリン、アルギニン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸である。
B28位の硫黄含有残基でジオール含有試薬により修飾された変異型des−[B29,B30]B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:39として提供する。
配列ID番号:39
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaは側鎖硫黄原子がジオール含有試薬に結合したシステインまたはホモシステインのDまたはL立体異性体の誘導体である。
B28位の塩基性残基でジオール含有試薬により修飾された変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:40として提供する。
配列ID番号:40
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaは側鎖アミノ基がジオール含有試薬と結合した、リジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸のDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
B28位の塩基性残基でジオール含有試薬により修飾された変異型des−B30 B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:41として提供する。
配列ID番号:41
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaは側鎖アミノ基がジオール含有試薬に結合したリジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸のDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaaはリジン、プロリン、アルギニン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸である。
B28位の塩基性残基でジオール含有試薬により修飾された変異型des−[B29,B30]B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:42として提供する。
配列ID番号:42
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaは側鎖アミノ基がジオール含有試薬に結合したリジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸のDまたはL立体異性体の誘導体である。
B29位の塩基性残基でジオール含有試薬により修飾された変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:43として提供する。
配列ID番号:43
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはプロリン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖アミノ基がジオール含有試薬と結合した、リジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸のDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
B29位の塩基性残基でジオール含有試薬により修飾された変異型des−B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:44として提供する。
配列ID番号:44
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはプロリン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖アミノ基がジオール含有試薬に結合したリジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸のDまたはL立体異性体の誘導体である。
B29位の硫黄含有残基でジオール含有試薬により修飾されているが、ProB28は保持した変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:45として提供する。
配列ID番号:45
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはリジン、オルニチン、アルギニン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、アラニン、またはグルタミン酸であり、Xaaはアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖硫黄原子がジオール含有試薬と結合した、システインまたはホモシステインのDまたはL立体異性体の誘導体であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
B29位の硫黄含有残基でジオール含有試薬により修飾された変異型des−B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:46として提供する。
配列ID番号:46
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはリジン、オルニチン、アルギニン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、ノルロイシン、アミノ酪酸、アミノプロピオン酸、アラニン、またはグルタミン酸であり、Xaaはアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、Xaaは側鎖硫黄原子がジオール含有試薬に結合したシステインまたはホモシステインのDまたはL立体異性体の誘導体である。
残基B28でO結合グリコシル化により修飾された変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:47として提供する。
配列ID番号:47
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されるOβ−ThrB28結合またはOβ−SerB28結合単糖類ピラノシドであるか、またはXaaは上記の単糖類サブユニットを1もしくはそれ以上含むOβ−ThrB28結合またはOβ−SerB28結合二糖類であり、Xaaはアルギニン、オルニチン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、プロリン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン、またはグルタミン酸であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
残基B28でN結合グリコシル化により修飾された変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:48として提供する。
配列ID番号:48
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されるNβ−AsnB28結合またはNγ−GlnB28結合単糖類ピラノシドであるか、またはXaaは上記の単糖類サブユニットを1もしくはそれ以上含むNβ−AsnB28結合またはNγ−GlnB28結合二糖類であり、Xaaはアルギニン、オルニチン、ジ−アミノ−酪酸、ジ−アミノ−プロピオン酸、プロリン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン、またはグルタミン酸であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
残基B29でO結合グリコシル化により修飾された変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:49として提供する。
配列ID番号:49
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはアルギニン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、ジ−アミノプロピオン酸、プロリン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン、またはグルタミン酸であり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されるOβ−ThrB29結合またはOβ−SerB29結合単糖類ピラノシドであるか、またはXaaは1もしくはそれ以上の上記単糖類サブユニットを含むOβ−ThrB29結合またはOβ−SerB29結合二糖類であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
残基B29でN結合グリコシル化により修飾された変異型B鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:50として提供する。
配列ID番号:50
Xaa−Phe−Val−Glu−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Xaa−Phe−Tyr−Thr−Xaa−Xaa−Thr−Xaa−Xaa
式中、Xaaは天然のPheB1のαアミノ基であるか、選択的にフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりPheB1のαアミノ基に結合したフェニルボロン酸構造のハロゲン化誘導体であり、Xaaはフェニルアラニン、ペンタ−フルオロ−Phe、2−クロロ−Phe、2−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、2−メチル−Phe、またはシクロヘキサニルアラニンであり、Xaaはアルギニン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、ジ−アミノプロピオン酸、プロリン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン、またはグルタミン酸であり、Xaaはα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドから成る群から選択されるNβ−AsnB29結合またはNγ−GlnB29結合単糖類ピラノシドであるか、またはXaaは1もしくはそれ以上の上記単糖類サブユニットを含むNβ−AsnB29結合またはNγ−GlnB29結合二糖類であり、Xaa−Xaaは選択的にB鎖の1または2残基伸長を表し、式中、Xaa(含めた場合)はGlu、Gln、Gly、Ala、またはSerとすることができ、Xaa−Xaa(含めた場合)は少なくとも1つの伸長位がグルタミン酸であるなどの同じアミノ酸の組み合わせから選択される。
GlyA1のα−アミノ基でフェニルボロン酸により修飾された変異型A鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:51として提供する。
配列ID番号:51
Xaa−Gly−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Xaa−Ser−Ile−Cys−Ser−Xaa−Xaa−Gln−Leu−Xaa−Asn−Tyr−Cys−Xaa
式中、Xaaはフェニルボロン酸構造またはペプチド結合または選択的にアシルリンカーによりGlyA1のα−アミノ基に結合したフェニルボロン酸のハロゲン化物誘導体であり、Xaaはトレオニン、アラニン、ヒスチジン、グルタミン、アルギニン、またはグルタミン酸であり、XaaはLeuまたはTrpであり、Xaaはチロシン、アラニン、またはグルタミン酸であり、Xaaはグルタミン酸、グルタミン、またはアルギニンであり、Xaaはアスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、またはグリシンである。
A4位の塩基性残基の側鎖アミノ基でフェニルボロン酸により修飾されたヒトインスリン変異型A鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号:52として提供する。
配列ID番号:52
Gly−Ile−Val−Xaa−Gln−Cys−Cys−Xaa−Ser−Ile−Cys−Ser−Xaa−Xaa−Gln−Leu−Xaa−Asn−Tyr−Cys−Xaa
式中、Xaaはフェニルボロン酸構造またはリジン、オルニチン、ジ−アミノ酪酸、またはジ−アミノプロピオン酸の側鎖アミノ基に結合したフェニルボロン酸のハロゲン化物誘導体であり、Xaaはトレオニン、アラニン、ヒスチジン、グルタミン、アルギニン、またはグルタミン酸であり、XaaはLeuまたはTrpであり、Xaaはチロシン、アラニン、またはグルタミン酸であり、Xaaはグルタミン酸、グルタミン、またはアルギニンであり、Xaaはアスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、またはグリシンである。
ヒトインスリンの変異型A鎖のアミノ酸配列を配列ID番号:53として提供する。
配列ID番号:53
Xaa−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Xaa−Ser−Ile−Cys−Ser−Xaa−Xaa−Gln−Leu−Xaa−Asn−Tyr−Cys−Xaa
式中、Xaaは側鎖アミノ基が選択的にハロゲン修飾を含み、選択的にアシルリンカーにより結合したフェニルボロン酸で誘導体化されたD−リジン、L−リジン、D−オルニチン、L−オルニチン、D−ジ−アミノ−プロピオン酸、L−ジ−アミノプロピオン酸から選択される塩基性残基であり、Xaaはトレオニン、アラニン、ヒスチジン、グルタミン、アルギニン、またはグルタミン酸であり、XaaはLeuまたはTrpであり、Xaaはチロシン、アラニン、またはグルタミン酸であり、Xaaはグルタミン酸、グルタミン、またはアルギニンであり、Xaaはアスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、またはグリシンである。
トレオニンのOβ結合付加体としてα−D−マンノピラノシド、α−D−グルコピラノシド、および/またはN−アセチル−β−D−ガラクトピラノシドを含むインスリン類似体は、トリプシンを介した半合成により調整した。半合成プロトコールでは、N末端グリシン(オクタペプチド、ノナペプチド、またはデカペプチド)を含む合成ペプチドおよびThrB27および/またはThrB30の単糖付加体とともに、ヒトインスリンまたはインスリン類似体のdes−オクタペプチド[B23−B30]フラグメントを利用した。前記des−オクタペプチド[B23−B30]フラグメントには、野生型インスリンの3つの天然型ジスルフィド架橋を含み、高速液体クロマトグラフィーによる前記フラグメント、ペプチド、および生成物の精製を含むプロトコールは、報告済みのものを変更したものであった(Mirmira, R.G., and Tager, H.S., 1989.J. Biol.Chem.264: 6349−6354)。本プロトコールでは、(i)単糖類ピラノシド付加体を含む合成ペプチド(配列ID番号:53−65)および(ii)切断型類似体であるdes−トリペプチド[B1−B3]−des−オクタペプチド[B23−B30]−インスリン、または[HisA4,HisA8,GlyA21]−インスリン類似体の場合は[HisA4,HisA8,GlyA21]−des−トリペプチド[B1−B3]−des−オクタペプチド[B23−B30]−インスリン、またはGlnB13−インスリン類似体の場合はGlnB13−des−トリペプチド[B1−B3]−des−オクタペプチド[B23−B30]−インスリン、またはHisA8−インスリン類似体の場合を利用した。以下の文献は、本明細書に説明された試験および試験法は当業者が理解するものであることを示すために引用する。
フェニルボロン酸のNHS活性化:
GlyA1のα−アミノ基がFPAで修飾されたインスリン類似体を調整するため、3段階のプロトコールを開発した。
(i)工程1:PBA試薬の活性化。
4−カルボキシ−3−フルオロ−フェニルボロン酸ピナコールエステル(PBA、Combi−Blocks[米国カリフォルニア州San Diego]から購入)のカップリングしやすい種への活性化は、N−ヒドロキシスクシナミド(NHS)(Sigma Aldrich[米国ミズーリ州St. Louis])により行った。この工程を以下のとおり説明する。この目的を達するため、PBA(300mg、1.126mmol)を4.4mLの酢酸エチルに溶解し、4℃で20分間インキュベートした。この反応混合物に、131mg(1.14mmol)のNHSおよび247mg(1.86mmol)のジシクロへキシルカルボジイミド(DCC)(Sigma Aldrich[米国ミズーリ州St. Louis])を加えた。この溶液は室温で一晩攪拌した。N,N’−ジシクロへキシル尿素の副産物は、Eppendorf(登録商標)微量遠心管に入れ、13,500rpmで5分間遠心分離により除去した。前記溶媒は減圧留去した。PBA−N−ヒドロキシスクシニミドエステルは、アセトンおよびn−ヘキサンを用いた再結晶により精製した。生成物はアセトニトリル中30mg/mlとした。
(ii)工程2:活性化PBAのインスリンフラグメントN末端へのカップリング。
des[B23−B30]−オクタペプチドインスリン(DOI)(pH 7.6で0.1Mの炭酸ナトリウム100μlに5mgを溶解)をアセトニトリル中100μlのPBAのNHS−エステル(30mg/ml)に加えた。前記溶液を25℃で2時間攪拌した。1箇所および2箇所が誘導体化されたDOI分子がいずれも生じた段階で反応を停止し、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分離し、それぞれを精製した。Waters(登録商標)2535 quaternary−gradientのクロマトグラフィー系をHiggins Analytical(登録商標)Proto 300 C4カラム(10μm、250x20mm)と併用した。0.1%トリフルオロ酢酸水溶液(TFA、緩衝液A)および0.1% TFAアセトニトリル液(緩衝液B)の2緩衝液混合の移動相を精製に用い、40分で緩衝液Bの勾配を5〜95%とした。タンパク質の溶出時間をWaters 2489 UV/Vis検出器を用い、UV吸光度215nmおよび280nmでモニターした。18分および19.5分でそれぞれ1カップリング分子および2カップリング分子が溶出した。タンパク質生成物の同定は、Applied Biosystems(登録商標)4700 Proteomics Analyzerを用い、MALDI−TOF質量分析により確認した。α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸(α−CHCA)(Sigma−Aldrich、米国ミズーリ州St. Louis)の50%アセトニトリル0.1% TFA飽和溶液を基質として用いた。質量分析では、すでに報告されているとおり、レーザー脱離により無水物が形成したことで2つの水酸基がなくなったことが示された(Hoeg−Jensen, et al)。(1カップリングDOIの質量:4997、2カップリングDOIの質量:5127)前記反応では、B鎖へのカップリング前にA鎖N末端にPBAがカップリングすることが分かった。1カップリングした類似体の同定は、室温で1時間、pH 7.4とし、1xPBSで50mMジチオトレイトール(DTT)による還元後に確認した。タンパク質はMillipore(登録商標)C18 ZipTip(登録商標)ピペットチップを用いて脱塩し、5μL α−CHCA基質に溶出した。個々のポリペプチド鎖の質量はMALDI−TOF質量分析により確認した(PBA結合A鎖の質量:2515、B鎖の質量:2488)。サンプルはLabconco(登録商標)Freezezone 6(登録商標)凍結乾燥器を用いて凍結乾燥した。
(iii)工程3:トリプシンを介した半合成。
望みのインスリン類似体は、上述のとおりトリプシンを介した半合成により調整した。
インスリン類似体六量体の分解に関する動態特性を評価するため、Richards, J.P.らが報告したとおり、視覚的吸光光度法を利用した("Self−association properties of monomeric insulin analogs under formulation conditions."Pharm.Res.15:1434−41; 1998)。手短かに言えば、視覚的吸光光度法は、フェノール安定化R Co2+置換インスリン六量体の形成および分解をモニターする簡便なプローブを提供する。このために、50mM Tris−HCl(pH 7.4)、50mMフェノール、0.2mM CoCl、および2mM NaSCNを含む緩衝液中、グルコース非存在下または25mMグルコース存在下、インスリン類似体0.6mMを作成した。サンプルのpHは各ケース7.4であり、試験前にサンプルを室温で一晩インキュベートし、立体配座が平衡となったことを確認した。スペクトル(400〜750nm)を取得し、574nmまたはその付近の特徴的なd−d吸収バンドにより4面体Co2+配位をモニターした。前記六量体からのCo2+放出速度を決定するため、金属イオン封鎖は、EDTA原液(pH7.4で50mM)をEDTAの最終濃度2mM(すなわち、コバルトイオンの総濃度以上)まで加えて33℃(皮下温度をシミュレート)で開始した。574nmの吸収バンドの減衰を秒から時間のスケールでモニターした。分解後の吸収スペクトル(400〜750nm)を収集し、d−d吸収バンドの完全な減衰を確認した。動力学的データは単一指数崩壊関数に当てはめ、分解速度(または、同等のCo2+配位変異型インスリンR六量体の半減期)を決定した。
齧歯類試験−報告されているとおり、雄Lewisラット(平均体重約300g)はストレプトゾトシン(STZ)を投与して糖尿病とした(35)。OrnB29−インスリンまたはNleB29−インスリンに関してインスリン類似体のin vivo作用強度を試験するため、インスリン類似体を含むタンパク質溶液は、16mgのグリシン、1.6mgのメタクレゾール、0.65mgのフェノール、および3.8mgのリン酸ナトリウムから成る緩衝液(pH7.4)で構成した。300gのラット1匹につき、緩衝液100μl、用量10μgでインスリン類似体を尾静脈に静脈内(IV)注射した。次の数時間、臨床用グルコメーター(EasyMax Voice Blood Glucose Meter)を用い、連続測定によりこれによる血中グルコース濃度の変化をモニターした。インスリン類似体は逆相HPLCによりそれぞれ再精製し、粉末になるまで乾燥し、同じタンパク質の最大濃度で希釈液に溶解し、分析用C4逆相HPLCにより再定量し、希釈液は上記緩衝液を用いて作成した。
t=0でラットに静脈内注射した。t=0の時点および最初の1時間は10分おき、2時間目は20分おき、3時間目は30分おき、その後は1時間おきに360分まで毛を剃った尾先端部から採血した。高親和性天然類似体の研究はサイズに制限があったが(ラットN=5)、ヨード−TyrB26修飾の影響は高い検出力で評価された。そのため、3−I−TyrB26−NleB29−インスリンの研究は(NleB29−インスリンに対して)6ヵ月にわたり4日反復して実施され、週ごとにラット群体の環境に影響が出る交絡変数を回避した。各日に試験したラット(N=4または5)は大規模群体(50匹)から無作為抽出した。ベースラインの平均血糖値は各群、各日で同等であり、各日とも個体ごとに同様の傾向が認められた。血糖濃度を低下させるインスリン作用の効果は、(a)最初の1時間の濃度変化(d[グルコース]/dt)、(b)開始血糖濃度から最終濃度までグルコース時間依存性でほぼ水平のライン間の積分面積、および(c)最初の0〜80分と80〜360分の間隔で観察された同曲線の積分面積(後者はインスリン作用が遅れた「テール」を表す)を用いて計算した。高血糖性のベースライン上限の直線下面積および観察された血糖濃度を表す曲線上の面積は、台形近似および示されたAOCにより推定した。統計学的有意性はStudentのt検定により評価した。
我々のin vitroインスリン受容体結合試験では可溶化インスリン受容体(イソ型B)を利用し、前記インスリン受容体イソ型を発現したポリクローナル安定形質移入293PEAK細胞株の洗浄剤可溶化液から連続的にコムギ胚芽凝集素(WGA)およびストレプトアクチン親和性クロマトグラフィーにより精製したC末端ストレプトアビジン結合タンパク質タグを用いた。インスリン類似体(11段階希釈、最終濃度を最高2μlとし、それぞれ5倍に希釈)を100μlの結合緩衝液(100mM HEPES(pH 7.8)、100mM NaCl、10mM MgSO、0.025%(v/v)Tween 20、および0.5%(w/v)ウシ血清アルブミン)に段階的に希釈し、96ウェルプレート(Costar)に作成した。前記試験は100μlの結合緩衝液のウェルに加えて開始し、(i)WGAシンチレーション近接アッセイ(SPA)ビーズ(Perkin Elmer)、(ii)可溶化受容体、および(iii)125I−TyrA14−インスリンを放射標識トレーサーとして追加した。[125I]標識リガンドの最終濃度は7.5pMであり、リガンドの欠乏現象を避けるため、競合リガンドがない場合に標識したリガンドの結合度が総追加数の15%未満になるように、追加する受容体の量を調節した。プレートを室温で24時間優しく振盪しながらインキュベートし、遠心分離し、12検出器のTriluxシンチレーションカウンター(Perkin Elmer/Wallac)で1ウェル当たり5分カウントした。類似体の解離定数を求めるため、競合結合データを非線形回帰により解析した。

Claims (48)

  1. 単量体グルコース結合構造によるA鎖のN末端またはその付近の修飾と、C末端またはその付近にジオール含有修飾またはαヒドロキシカルボキシレート修飾を含む変異型B鎖とを含むインスリン類似体。
  2. 請求項1記載のインスリン類似体において、前記ジオール含有修飾はチオール基を含むDアミノ酸の側鎖、またはアミノ基を含むDアミノ酸の側鎖を介して共役する、インスリン類似体。
  3. 請求項2記載のインスリン類似体において、前記Dアミノ酸は、D−システイン、D−ホモシステイン、D−リジン、D−オルニチン、D−ジアミノ酪酸、またはD−ジアミノプロピオン酸である、インスリン類似体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のインスリン類似体において、前記単量体グルコース結合構造は、フェニルボロン酸またはハロゲン修飾フェニルボロン酸誘導体を有する、インスリン類似体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のインスリン類似体において、前記単量体グルコース結合構造は、選択的に0〜16炭素原子を有するアシル基であるスペーサー要素を介してインスリンA鎖に共役する、インスリン類似体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のインスリン類似体において、前記単量体グルコース結合構造は、αアミノ官能基に結合する、インスリン類似体。
  7. 請求項6記載のインスリン類似体において、前記単量体グルコース結合構造は、A1位で置換されたD−リジン、D−オルニチン、D−ジアミノ酪酸、またはD−ジアミノプロピオン酸の側鎖アミノ官能基に結合する、インスリン類似体。
  8. 請求項6記載のインスリン類似体において、前記単量体グルコース結合構造は、A4位で置換されたL−リジン、L−オルニチン、L−ジアミノ酪酸、またはL−ジアミノプロピオン酸の側鎖アミノ官能基に結合する、インスリン類似体。
  9. 請求項7記載のインスリン類似体において、前記単量体グルコース結合構造は、L−リジン、L−オルニチン、L−ジアミノ酪酸、およびL−ジアミノプロピオン酸から成る群から選択されるA4置換の側鎖アミノ官能基に同時に結合する、インスリン類似体。
  10. 請求項1〜7のいずれか1つに記載のインスリン類似体において、
    前記単量体グルコース結合構造は残基B1のα−アミノ官能基に同時に結合し、または
    前記インスリンは残基B1の欠失を有し、かつ前記単量体グルコース結合構造は残基B2のα−アミノ官能基に同時に結合し、または
    前記インスリンは残基B1およびB2の欠失を有し、かつ前記単量体グルコース結合構造は残基B3のα−アミノ官能基に同時に結合し、または
    前記インスリンは残基B1〜B3の欠失を有し、かつ前記単量体グルコース結合構造は残基B4のα−アミノ官能基に同時に結合する、インスリン類似体。
  11. 請求項1記載のインスリン類似体において、B鎖は配列ID番号:7〜50のいずれか1つに一致し、A鎖は配列ID番号:51〜53のいずれか1つに一致する、インスリン類似体。
  12. 請求項11記載のインスリン類似体において、B鎖は配列ID番号:7〜20のいずれか1つに一致し、A鎖は配列ID番号:51〜53のいずれか1つに一致する、インスリン類似体。
  13. 請求項11記載のインスリン類似体において、前記B鎖は配列ID番号:16を有し、前記A鎖は配列ID番号:51を有する、インスリン類似体。
  14. 請求項1〜13のいずれか1つに記載のインスリン類似体であって、B24位にシクロヘキサニルアラニンを含む、インスリン類似体。
  15. 請求項14記載のインスリン類似体であって、2−フルオロ−Phe、2−ブロモ−Phe、2−クロロ−Phe、3−フルオロ−Phe、3−ブロモ−Phe、3−クロロ−Phe、4−フルオロ−Phe、4−ブロモ−Phe、4−クロロ−Phe、およびペンタ−フルオロ−Pheから選択されるB24位のフェニルアラニンの修飾も含む、インスリン類似体。
  16. 請求項1〜13のいずれか1つに記載のインスリン類似体であって、3−モノ−ヨード−Tyrまたは(3,5)−ジ−ヨード−TyrによるB26位のチロシン修飾を有する、インスリン類似体。
  17. 請求項1〜13のいずれか1つに記載のインスリン類似体であって、B13位にグルタミンを有する、インスリン類似体。
  18. 請求項1〜17のいずれか1つに記載のインスリン類似体において、前記ジオール含有修飾は、単糖類、二糖類、またはオリゴ糖である、インスリン類似体。
  19. 請求項1記載のインスリン類似体において、前記ジオール含有修飾は、Ser、Thr、Asn、Gln、Cys、またはホモシステインの側鎖に結合する、インスリン類似体。
  20. 請求項19記載のインスリン類似体において、前記ジオール含有修飾は、前記側鎖またはThrB27、ThrB30、または前記B鎖の伸長2残基のアミノ酸を介して結合する、インスリン類似体。
  21. 請求項20記載のインスリン類似体において、前記ジオール含有修飾は、前記B鎖のC末端アミノ酸を介しては結合しない、インスリン類似体。
  22. 請求項18記載のインスリン類似体において、前記ジオール含有修飾は、グルコース、マンノース、およびN−アセチル−ガラクトースから選択される単糖類である、インスリン類似体。
  23. 請求項18記載のインスリン類似体において、前記ジオール含有修飾は、グルコース−グルコース、マンノース−マンノース、グルコース−マンノース、およびマンノース−グルコースから選択される二糖類である、インスリン類似体。
  24. 請求項18記載のインスリン類似体において、前記ジオール含有修飾は分岐オリゴ糖である、インスリン類似体。
  25. 請求項1〜17のいずれか1つに記載のインスリン類似体において、前記ジオール含有修飾は、1,3−ベンゼンジメタノール、マンニトール、フルクトース、ソルビトール、トリス塩基、Fmoc−3,4−ジヒドロキシ−L−フェニルアラニン、酢酸2−(アセトキシメチル)−4−ヨードブチル、塩酸1(1R,2S,3R,5R)−3−アミノ−5−(ヒドロキシメチル)−1,2−シクロペンタンジオール、2−(N−Fmoc−4−アミノブチル)−1,3−プロパンジオール、2−(4−アミノブチル)−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1−,2−プロパンジオール、2−アミノプロパン−1,3−ジオール、3−メルカプトプロパン−1,2−ジオール、2−アミノ−4−ペンタン−1,3−ジオール、N−アセチル−D−ガラクトサミン、N−アセチルキノボサミン、アロプミリオトキシン267A、アミノシキミ酸、アトルバスタチン、β−D−ガラクトピラノシルアミン、カフェストール、グラフェニン、グリセルアルデヒド、グリセリン酸、3−リン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、臭化水素酸塩、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6,7−ジオール、D−スフィンゴシン、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シトシングリコール、4,5−ジヒドロキシ−2,3−ペンタンジオン、ジヒドロキシフェニルエチレングリコール、ジチオエリトリトール、ジチオトレイトール、ドロプロピジン、ジフィリン、flavagline FL3、フロクタフェニン、(3S,4R)−4−メチル−5−ヘキセン−1,3−ジオール、(3S,4R)−4−メチル−5−ヘキセン−2,3−ジオール1,3ブタンジオール、エリスリトール、サリチルヒドロキサム酸、カテコール、cis−1,2−シクロペンタンジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、1,2−ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシフェニルエチレングリコール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、ブチルボロン酸、イソソルビド、N,N−ジメチルスフィンゴシン、スフィンゴシン(2−アミノ−4−オクタデセン−1,3−ジオール)、酒石酸、グアイフェネシン、5β−アンドロスタン−3α,17α−ジオール−11−オン−17β−カルボン酸3−(β−D−グルクロニド)、および(1S−cis)−3−ブロモ−3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジオールから成る群から選択される、インスリン類似体。
  26. 請求項18記載のインスリン類似体において、前記ジオールは90〜570の分子量を有する、インスリン類似体。
  27. 医薬組成物であって、請求項1〜26のいずれか1つに記載のインスリン類似体の有効量と、薬学的に許容される担体または賦形剤とを有し、選択的に皮下注射用に製剤化される、医薬組成物。
  28. 患者を治療する方法であって、治療を必要とする患者に請求項27記載の医薬組成物を投与する工程を有する方法。
  29. 請求項27記載の製剤において、前記製剤は、インスリン類似体単量体あたりの亜鉛イオンが0.00〜0.50のモル比で亜鉛イオンを含み、前記製剤のpHはpH7.0〜pH8.0である、製剤。
  30. 請求項27記載の製剤において、前記製剤は、インスリン類似体単量体あたり亜鉛イオンが0.00〜0.50のモル比で亜鉛イオンを含み、前記製剤のpHはpH3.0〜pH4.2である、製剤。
  31. 請求項28記載の患者を治療する方法において、前記インスリン類似体製剤はU−5〜U−15の強度で製剤化される、方法。
  32. 請求項28記載の患者を治療する方法において、前記インスリン類似体製剤はU−40〜U−60の強度で製剤化される、方法。
  33. 請求項28記載の患者を治療する方法において、前記インスリン類似体製剤はU−100またはそれ以上の強度で製剤化される、方法。
  34. 請求項33記載の患者を治療する方法において、前記インスリン類似体製剤はU−500またはそれ以上の強度で製剤化される、方法。
  35. 請求項31〜34のいずれか1つに記載の患者を治療する方法において、投与経路は皮下注射である、方法。
  36. 請求項31〜34のいずれか1つに記載の患者を治療する方法において、投与経路は腹腔内注射である、方法。
  37. 請求項31〜34のいずれか1つに記載の患者を治療する方法において、投与経路は静脈内注射である、方法。
  38. 請求項31〜34のいずれか1つに記載の患者を治療する方法において、投与経路は肺への吸入である、方法。
  39. 請求項31〜34のいずれか1つに記載の患者を治療する方法において、投与経路は鼻腔内である、方法。
  40. 請求項31〜34のいずれか1つに記載の患者を治療する方法において、投与経路は非経口である、方法。
  41. 請求項31〜34のいずれか1つに記載の患者を治療する方法において、投与経路はインスリンポンプにより制御される、方法。
  42. 請求項39記載の患者を治療する方法において、前記インスリンポンプは、部分的または全体が連続的グルコースモニターと接続したコンピュータ作成アルゴリズムによって制御される、方法。
  43. 請求項1〜26のいずれか1つに記載のインスリン類似体を調整する方法であって、トリプシンを介した半合成を有し、
    (a)A鎖の修飾(すなわち、単量体グルコース結合構造による修飾)はインスリンまたはインスリン類似体のdes−オクタペプチド[B23−B30]フラグメントに導入され、
    (b)(前記単量体グルコース結合構造への可逆的結合を可能とする)相補的B鎖の修飾は、N末端残基がグリシンであり、かつ修飾されるとトリプシン開裂部位を含まない6〜10アミノ酸残基長の合成ペプチドに導入される、方法。
  44. 請求項43記載の方法において、前記インスリンまたはインスリン類似体のdes−オクタペプチド[B23−B30]フラグメントは、親インスリンまたはインスリン類似体のトリプシン消化によって得られる、方法。
  45. 請求項43記載の方法において、前記インスリンまたはインスリン類似体のdes−オクタペプチド[B23−B30]フラグメントは、大腸菌、酵母、ピキア・パストリス、またはタンパク質の組み換え発現用の他の微生物系で発現する(プロインスリン、プロインスリン類似体、またはCドメインが短縮した、またはCドメインがない対応するミニ−プロインスリン等の)単鎖ポリペプチドのトリプシン消化によって得られる、方法。
  46. 請求項43記載の方法において、前記インスリンまたはインスリン類似体のdes−オクタペプチド[B23−B30]フラグメントは、選択的に天然フラグメントの連結反応を含む固相化学ペプチド合成によって調整される(プロインスリン、プロインスリン類似体、またはCドメインが短縮した、またはCドメインがない対応するミニ−プロインスリン等の)単鎖ポリペプチドのトリプシン消化によって得られる、方法。
  47. 単量体グルコース結合構造によるA鎖のN末端またはその付近の修飾と、C末端またはその付近にジオール含有修飾を含む変異型B鎖とを含むインスリン類似体。
  48. 請求項47記載のインスリン類似体において、前記ジオール含有修飾はL−DOPAまたはD−DOPAである、インスリン類似体。
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