JP2018512265A - テクスチャ表面形成のための固体粒子溶液を調製する方法 - Google Patents
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Abstract
本明細書中に記載される実施形態は、液体含浸表面を形成する方法に関し、特に、テクスチャ表面形成のための固体粒子溶液の調製方法に関する。テクスチャ表面に含浸液を含浸させて液体含浸表面を形成することができる。いくつかの実施形態では、テクスチャ表面を形成する方法は、溶媒中に固体を溶解させて溶液を形成することを含む。固体は、第1温度での溶媒中の固体の第1飽和濃度よりも低く、且つ第2温度での溶媒中の固体の第2飽和濃度よりも高い濃度を有する。溶液は固体粒子溶液を形成させる。固体粒子溶液を、次いで、表面上に配置し、溶媒を蒸発させて表面上にテクスチャ表面を形成する。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2015年2月25日に出願された、“Methods of Preparing Solid Particle Solutions for Forming Textured Surfaces”という名称の米国特許仮出願第62/120,630号に対する優先権及び利益を主張する。同出願の開示全体は参照により本明細書に援用される。
本出願は、2015年2月25日に出願された、“Methods of Preparing Solid Particle Solutions for Forming Textured Surfaces”という名称の米国特許仮出願第62/120,630号に対する優先権及び利益を主張する。同出願の開示全体は参照により本明細書に援用される。
背景
本明細書中に記載される実施形態は、液体含浸表面を形成する方法に関し、特に、テクスチャ表面形成のための固体粒子溶液の調製方法に関する。テクスチャ表面に含浸液を含浸させて液体含浸表面を形成することができる。
本明細書中に記載される実施形態は、液体含浸表面を形成する方法に関し、特に、テクスチャ表面形成のための固体粒子溶液の調製方法に関する。テクスチャ表面に含浸液を含浸させて液体含浸表面を形成することができる。
この10年間でのマイクロ/ナノ加工表面の出現により、熱流体科学における多種多様な物理的現象を向上させる新たな技術が利用できるようになった。例えば、マイクロ/ナノ表面テクスチャを使用することで、粘性抵抗の低下、氷及びその他の材料に対する付着性の低下、自己洗浄性及び撥水性の実現が可能な非濡れ性表面をもたらした。これらの改良は、概して、固体表面と隣接する液体との間の接触の減少(すなわち、濡れ性の低下)によりもたらされる。
対象となる非濡れ性表面の種類の1つは超疎水性表面である。概して、超疎水性表面は、疎水性コーティングなどの本質的に疎水性の表面上にマイクロ/ナノスケールの粗さを含む。超疎水性表面は、マイクロ/ナノ表面テクスチャ内の空気−水界面によって水との接触に耐える。
既存の非濡れ性表面(例えば、超疎水性、超疎油性及び超疎金属性(supermetallophobic)表面)の欠点の1つは、表面の非濡れ性を消失させる突き刺し浸透(impalement)を生じやすいことである。突き刺し浸透は、衝突する液体(例えば、液体小滴又は液体流)が表面テクスチャ内に閉じ込められた空気に取って代わった場合に発生する。突き刺し浸透を防ぐこれまでの取り組みでは、表面テクスチャ寸法をマイクロスケールからナノスケールに低減することに焦点が当てられてきた。
既存の非濡れ性表面の別の欠点は、これらが氷の形成及び付着を生じやすいことである。例えば、既存の超疎水性表面上に霜が形成された場合、表面は親水性になる。凍結条件下では、水滴が表面に張り付き、氷が蓄積する場合がある。氷は表面のテクスチャと固着し得るため、氷の除去は困難な場合がある。同様に、例えば、脱塩又は油及びガスの用途におけるように、これら表面が塩で飽和した溶液に曝露した場合、表面上にスケールが蓄積し、機能性が損なわれることになる。既存の非濡れ性表面の同様の制約としては、表面上における水和物の形成及びその他の有機又は無機堆積物の形成に関する問題が挙げられる。
したがって、より頑丈な非濡れ性表面が必要とされている。特に、より耐久性があり、且つ繰り返し使用した後でも高い非濡れ性を維持することができる非濡れ性表面が必要とされている。
概要
本明細書中に記載される実施形態は、液体含浸表面を形成する方法に関し、特に、テクスチャ表面形成のための固体粒子溶液の調製方法に関する。テクスチャ表面に含浸液を含浸させて液体含浸表面を形成することができる。いくつかの実施形態では、テクスチャ表面を形成する方法は、溶媒中に固体を溶解させて溶液を形成することを含む。固体は、第1温度での溶媒中の固体の第1飽和濃度よりも低く、且つ第2温度での溶媒中の固体の第2飽和濃度よりも高い濃度を有する。溶液は固体粒子溶液を形成させる。固体粒子溶液を、次いで、表面上に配置し、溶媒を蒸発させて表面上にテクスチャ表面を形成する。
本明細書中に記載される実施形態は、液体含浸表面を形成する方法に関し、特に、テクスチャ表面形成のための固体粒子溶液の調製方法に関する。テクスチャ表面に含浸液を含浸させて液体含浸表面を形成することができる。いくつかの実施形態では、テクスチャ表面を形成する方法は、溶媒中に固体を溶解させて溶液を形成することを含む。固体は、第1温度での溶媒中の固体の第1飽和濃度よりも低く、且つ第2温度での溶媒中の固体の第2飽和濃度よりも高い濃度を有する。溶液は固体粒子溶液を形成させる。固体粒子溶液を、次いで、表面上に配置し、溶媒を蒸発させて表面上にテクスチャ表面を形成する。
詳細な説明
本明細書中に記載される実施形態は、液体含浸表面を形成する方法に関し、特に、テクスチャ表面形成のための固体粒子溶液の調製方法に関する。テクスチャ表面に含浸液を含浸させて液体含浸表面を形成することができる。設計された化学的性質及び粗さを有するいくつかの既知の表面は相当な非濡れ性(疎水性)特性を有し、多種多様な商用及び技術的用途に極めて有用であり得る。自然界から着想を得、これらの既知の疎水性表面は、表面のマイクロ又はナノテクスチャ内に閉じ込められたエアポケットを含む。このエアポケットにより、このような疎水性表面の、液体、例えば、水、水性液体又は任意の他の水性製品との接触角が低減する。これらのエアポケットが安定している限り、表面は非濡れ性を維持する。エアポケットを含むこのような既知の疎水性表面は、しかしながら、ある制限を呈する。制限には、例えば、以下が含まれる。i)エアポケットが外部の濡れ圧力によって崩壊する可能性がある、ii)エアポケットが周囲の液体に拡散する可能性がある、iii)テクスチャが損傷すると表面が頑強性を失う可能性がある、iv)特別なテクスチャ設計が実施されない限り、エアポケットが表面張力の低い液体に置き換わることがある、及びv)テクスチャ全体にわたりナノスケールで形成する可能性のある凝縮又は霜の核によって濡れ性が完全に変化し、テクスチャ表面を高度に濡れ性にする可能性がある。
本明細書中に記載される実施形態は、液体含浸表面を形成する方法に関し、特に、テクスチャ表面形成のための固体粒子溶液の調製方法に関する。テクスチャ表面に含浸液を含浸させて液体含浸表面を形成することができる。設計された化学的性質及び粗さを有するいくつかの既知の表面は相当な非濡れ性(疎水性)特性を有し、多種多様な商用及び技術的用途に極めて有用であり得る。自然界から着想を得、これらの既知の疎水性表面は、表面のマイクロ又はナノテクスチャ内に閉じ込められたエアポケットを含む。このエアポケットにより、このような疎水性表面の、液体、例えば、水、水性液体又は任意の他の水性製品との接触角が低減する。これらのエアポケットが安定している限り、表面は非濡れ性を維持する。エアポケットを含むこのような既知の疎水性表面は、しかしながら、ある制限を呈する。制限には、例えば、以下が含まれる。i)エアポケットが外部の濡れ圧力によって崩壊する可能性がある、ii)エアポケットが周囲の液体に拡散する可能性がある、iii)テクスチャが損傷すると表面が頑強性を失う可能性がある、iv)特別なテクスチャ設計が実施されない限り、エアポケットが表面張力の低い液体に置き換わることがある、及びv)テクスチャ全体にわたりナノスケールで形成する可能性のある凝縮又は霜の核によって濡れ性が完全に変化し、テクスチャ表面を高度に濡れ性にする可能性がある。
本明細書中に記載される液体含浸表面は、固体フィーチャのマトリックスを含む表面(すなわち、マイクロテクスチャ表面)に含浸させる含浸液を含む。固体フィーチャのマトリックスは、間隙領域が含浸液のポケットを含むように間隙領域を画定する。含浸液は、製品が極めて高い前進接触角及び極めて低い滑落角(例えば、約1度の滑落角及び約100度超の接触角)を有するように、固体表面を優先的に濡らし、強い毛管力によってマイクロテクスチャ表面に付着するように構成されている。これにより、液体含浸表面上の製品を極めて容易に移動させることが可能になる。したがって、本明細書中に記載される液体含浸表面は、以下を含む、従来の超疎水性表面に優るある種の顕著な利点を提供する。(i)液体含浸表面が低いヒステリシスを有する、(ii)液体含浸表面が自己洗浄特性を有することができる(例えば、表面を水洗して清浄にするのに必要な時間を削減若しくは排除する、又は所与の水準の清浄度を得るために必要な水洗の反復回数を削減する)、(iii)液体含浸表面が高い落下衝撃圧力に耐えることができる(すなわち、耐摩耗性である)、(iv)液体含浸表面が、損傷時、毛管現象によって自己修復することができる、(v)液体含浸表面が凝縮の向上を示す、(vi)液体含浸表面が、容器上の目盛りのより簡単且つより正確な観察を可能にする、(vii)液体含浸表面が、製品を含む容器の排出割合(すなわち、排出されたときに供給される製品の量)の増加を促進する、例えば、後にリサイクル/廃棄ストリームに入る残留製品の量が減少する、及び(viii)液体含浸表面が、製品を含む容器の排出速度の増加を促進する(例えば、以前には実行不可能又は実現不可能であった用途でのより高粘度の特定製品の使用を可能にする)。液体含浸表面の例、液体含浸表面の製造方法並びにその用途については、2012年8月16日に出願された“Liquid-Impregnated Surfaces,Methods of Making, and Devices Incorporating the Same”という名称の米国特許第8,574,704号、及び2013年11月19日に出願された“Apparatus and Methods for Employing Liquid-Impregnated Surfaces”という名称の米国特許出願第14/084,126号(「‘126出願」とも称される)に記載されており、これらの内容全体は参照によって本明細書に組み込まれる。表面上に固体フィーチャを形成するために使用される材料、含浸液、食用接触液体(edible contact liquid)を含む用途の例は、2012年7月17日に出願された“Self-Lubricating Surfaces for Food Packaging and Food Processing Equipment”という名称の米国特許第8,535,779号に記載されており、その内容全体は参照によって本明細書に組み込まれる。表面上に固体粒子溶液又は懸濁液をスプレーコーティングするためのスプレーコーティング方法の例は、2014年3月25日に出願された“Spray Processes and Methods for Forming Liquid-Impregnated Surfaces”という名称の米国特許出願第14/668,444号(「‘444公報」とも称される)に記載されており、その内容全体は参照によって本明細書に組み込まれる。本明細書中に記載される液体含浸表面は、いくつかの実施形態では、例えば上述したような付加的な利点を提供しつつ、製品容器において現在用いられているバリアコーティングの代わりに用いることができる。
多くの種々の方法を使用して、表面上に固体フィーチャ、すなわち、液体含浸表面を形成するためのテクスチャ表面を形成することができる。このような方法の1つは、表面上に沈殿してテクスチャ表面を形成することができる固体粒子の溶液を表面にスプレーコーティングすることを含む。本明細書中に記載される実施形態は、任意の他の適切な手段を用いて表面上にスプレーコーティング、ディップコーティング、塗装又は塗布され、含浸液を含浸させて液体含浸表面を形成することができるテクスチャ表面を形成することができる固体粒子溶液の種々の調製方法を含む。本明細書中に記載される、固体粒子溶液を調製するための実施形態は、例えば、(1)室温での溶媒中の固体の飽和濃度を超える溶媒中の固体の溶解を可能にすること、(2)表面への固体粒子の最適な付着を得、頑丈なテクスチャ表面を形成するための固体と溶媒の種々の組み合わせ、(3)溶液に結合剤を添加して表面に対する固体粒子の付着性を向上させること、及び(4)溶液中にマイクロスケール粒子とナノスケール粒子を混合し、テクスチャ表面を形成するための核剤として機能させることができることを含むいくつかの利点を提供する。任意のスプレーコーティング方法を使用して、固体粒子の溶液を表面上に配置することができる。このようなスプレーコーティング方法の例は、‘444公報に記載されている。
いくつかの実施形態では、液体含浸表面を形成する方法は、溶媒を第1温度Thに加熱することを含む。固体が溶媒中に溶解して溶液を形成する。固体は、第1温度での溶媒中の固体の飽和濃度(Csat(Th))よりも低く、且つ室温での溶媒中の固体の飽和濃度(Csat(Tr))よりも高い濃度Cを有する。溶液を室温まで冷却して固体粒子溶液を形成し、表面上に配置する。溶媒を固体粒子溶液から蒸発させてテクスチャ表面を形成する。いくつかの実施形態では、当該方法は、溶液を室温よりも高い第2温度で保管することも含む。第2温度は、固体を溶液中で一部溶解相又は完全溶解相のうち少なくとも1つに維持するのに十分である。いくつかの実施形態では、当該方法は、固体が溶液中で完全溶解相を維持するように、C<Csat(Th)である第2温度で溶液を保管することも含む。
いくつかの実施形態では、テクスチャ表面を形成する方法は、溶媒中に固体を溶解させて溶液を形成することを含む。固体は、第1温度での溶媒中の固体の第1飽和濃度よりも低く、且つ第2温度での溶媒中の固体の第2飽和濃度よりも高い濃度を有する。溶液は固体粒子溶液を形成させる。固体粒子溶液を、次いで、表面上に配置し、溶媒を蒸発させて表面上にテクスチャ表面を形成する。
いくつかの実施形態では、当該方法は、溶媒を加熱して溶媒中の固体を溶解させることを含む。いくつかの実施形態では、第2温度は室温である。いくつかの実施形態では、第1温度は溶媒の沸点に実質的に等しい。いくつかの実施形態では、固体粒子溶液は添加剤を含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、表面上での固体粒子溶液の拡散を向上させるように作製される。いくつかの実施形態では、添加剤は、表面上での固体粒子溶液の濡れ性を向上させるように作製される。いくつかの実施形態では、添加剤は、溶媒の蒸発を制御するように作製される。いくつかの実施形態では、添加剤はシリコーン系シーラントを含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、テクスチャ表面の表面化学特性を変えるように作製された界面活性剤である。いくつかの実施形態では、添加剤は、テクスチャ表面に対する含浸液の濡れ性を向上させるように作製された界面活性剤である。いくつかの実施形態では、添加剤は、固体を溶液中で一部溶解相又は完全溶解相のうち少なくとも1つに維持するように作製される。いくつかの実施形態では、当該方法は更に、マイクロ粒子及びナノ粒子のうち少なくとも1つを溶液に添加して懸濁液を形成することを含む。いくつかの実施形態では、当該方法は、液体をテクスチャ表面へと移して液体含浸表面を形成することも含む。
いくつかの実施形態では、テクスチャ表面を形成する方法は、固体を溶媒と組み合わせることと、溶媒を第1温度に加熱することにより、溶媒中に固体を溶解させて溶液を形成することとを含む。固体は、第1温度での溶媒中の固体の第1飽和濃度よりも低く、且つ第2温度での溶媒中の固体の第2飽和濃度よりも高い濃度を有する。溶液を第2温度に冷却することにより固体粒子溶液を形成させる。固体粒子溶液を、次いで、表面上に配置し、溶媒を蒸発させて表面上にテクスチャ表面を形成する。
いくつかの実施形態では、第2温度は室温である。いくつかの実施形態では、当該方法は、溶液の冷却速度を制御することを含む。いくつかの実施形態では、固体粒子溶液は複数の固体粒子を含み、冷却速度は、溶媒中の固体粒子の粒子サイズ分布を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、当該方法は更に、表面を加熱して溶媒を蒸発させることを含む。いくつかの実施形態では、当該方法は、液体をテクスチャ表面へと移して液体含浸表面を形成することも含む。
いくつかの実施形態では、テクスチャ表面を形成する方法は、溶媒を第1温度に加熱することと、次いで、溶媒中に固体を溶解させて溶液を形成することとを含む。固体は、第1温度での溶媒中の固体の第1飽和濃度よりも低く、且つ室温での溶媒中の固体の第2飽和濃度よりも高い濃度を有する。溶液を室温まで冷却して固体粒子溶液を形成する。固体粒子溶液を、次いで、表面上に配置し、溶媒を蒸発させて表面上にテクスチャ表面を形成する。
いくつかの実施形態では、当該方法は更に、溶液を室温よりも高い第2温度で保管することを含み、第2温度は固体を溶液中で少なくとも一部溶解相又は完全溶解相のうち1つに維持するのに十分である。いくつかの実施形態では、当該方法は、固体が溶液中で完全溶解相を維持するように濃度が第1飽和濃度よりも低い第2温度で溶液を保管することも含む。
本発明で使用する場合、用語「約(about)」及び「約(approximately)」は、概して、記載した値のプラス又はマイナス10%を意味し、例えば、約250μmは、225μm〜275μmを含み、約1,000μmは、900μm〜1,100μmを含む。
本発明で使用する場合、用語「滑落角(roll off angle)」とは、表面上に配置された液体の滴が転がり始める表面の傾斜角を意味する。
本発明で使用する場合、用語「噴霧(spray)」とは、溶融固体、液体溶液又は固体粒子懸濁液の霧状噴霧若しくはミストを意味する。
本発明で使用する場合、用語「複雑度(complexity)」は(r−1)×100%に等しく、式中、rはウェンゼル粗さである。
本発明で使用する場合、用語「揮発性(volatile)」とは、室温及び室圧で水の蒸気圧よりも大幅に高い蒸気圧を有する液体を意味する。このような揮発性液体は、室温及び室圧で、水が同一条件下で蒸発する速度に比して大幅に速い速度で蒸発することができる。
ここで図1A及び図1Bを参照すると、従来の非濡れ性表面10はテクスチャ表面であり、非濡れ性表面10は、表面10上に配置された複数の固体フィーチャ12を含む。固体フィーチャ12は複数の固体フィーチャそれぞれの間に、ガス、例えば、空気を含浸させた間隙領域を画定する。製品が固体フィーチャの頂部部分に接してはいるものの、ガスと製品との界面14によって製品が表面10全体を濡らすことを妨げるように、製品P(例えば、非ニュートン流体、ビンガム流体又はチキソトロープ流体)が従来の非濡れ性表面上に配置されている。いくつかの場合においては、製品Pは含浸ガスを押しのけ、表面10のフィーチャ12内に突き刺し浸透することができる。突き刺し浸透は、例えば、製品Pの小滴が表面10に高速で衝突すると起こり得る。突き刺し浸透が起こると、固体フィーチャ12間の領域を占めるガスは製品Pによって部分的に又は完全に置き換えられ、表面10はその非濡れ性を失う場合がある。
ここで図2を参照すると、いくつかの実施形態では、液体含浸表面100が固体表面110を含む。固体表面110は複数の固体フィーチャ112を含み、複数の固体フィーチャ112は、複数の固体フィーチャ112が複数の固体フィーチャ間に間隙領域を画定するように表面110上に配置されている。含浸液120を、複数の固体フィーチャ112によって画定される間隙領域に含浸させる。液体製品界面124が製品を表面110から分離し、製品Pが表面110を完全に濡らすことを妨げるように、製品Pが液体含浸表面100上に配置されている。
製品Pは、任意の製品、例えば、非ニュートン流体、ビンガム流体、チキソトロープ流体、高粘度流体、高ゼロせん断速度粘性流体(high zero shear rate viscosity fluid)(ずり減粘流体)、ずり増粘流体及び高い表面張力を有する流体であり得るとともに、例えば、食品、薬品、健康及び/若しくは美容製品、粘性工業用流体、農薬製品(例えば、駆除剤、殺虫剤、除草剤、殺真菌剤、殺線虫剤、肥料、成長剤、土壌改良剤等)、本明細書中に記載される任意の他の製品又はこれらの組み合わせを含むことができる。
表面110は、第1滑落角、例えば、表面110に接触する製品(例えば、水、食品、薬品、健康若しくは美容製品又は本明細書中に記載される任意の他の製品)の滑落角を有する任意の表面であり得る。表面110は、平面、例えば、シリコンウェハ、ガラスウェハ、天板、壁、風防、スキーゴーグルのスクリーンであり得る、又は曲面、例えば、容器、プロペラ、パイプ等であり得る。
いくつかの実施形態では、表面110は、製品P(例えば、食品、FDA承認薬品及び/又は健康若しくは美容製品)を収容するための容器の内部表面を含むことができ、例えば、管、ボトル、バイアル、フラスコ、金型、ジャー、タブ、カップ、グラス、ピッチャー、樽、箱、トート、タンク、小樽、タブ、シリンジ、ブリキ製容器、小袋、裏打ちされた箱、ホース、シリンダー及び缶を含み得る。容器は、単回使用(例えば、小売)容器又はバルク材料の保管に使用される容器であり得る。容器は、ほぼあらゆる所望の形状に構築することができる。いくつかの実施形態では、表面110は、ホース、配管、導管、ノズル、注射針、分注チップ、蓋、ポンプの内部表面、及び製品Pを収容する、運搬する又は分注するための他の表面を含むことができる。表面110、例えば、容器の内部表面は、プラスチック、ガラス、金属、セラミックス、コーティング繊維及びこれらの組み合わせを含む任意の好適な材料で作製することができる。好適な表面としては、例えば、ポリスチレン(PS)、ナイロン、ろう、ポリエチレンテレフタレート(PET/PETE)、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、ポリビニルアルコール(PVA)、フッ化エチレンプロピレン共重合体(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレン共重合体(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(プロピレンオキシド)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、D−ソルビトール、テクノフロン酢酸セルロース、フッ素化POSS及びポリカーボネートを挙げることができる。容器は剛性又は可撓性材料で作製することができる。箔で裏打ちされた若しくはポリマーで裏打ちされた板紙製の紙箱、又は金属製容器もまた好適な容器を成すことができる。いくつかの実施形態では、表面は、中実、平滑、テクスチャ加工済み、粗面又は多孔質であり得る。
表面110は容器の内部表面であり得るとともに、第1滑落角、例えば、製品CL(例えば、洗濯用洗剤又は本明細書中に記載される任意の他の製品)の滑落角を有することができる。表面110は、平面、例えば、角柱状容器の内部表面、又は曲面、例えば、円形、長円形、楕円形、卵形若しくは別の曲面を有する容器の内部表面であり得る。
複数の固体フィーチャ112が複数の固体フィーチャ112間に間隙領域を画定するように、複数の固体フィーチャ112が表面110上に配置されている。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112は、柱、球体、粒子、マイクロ/ナノ針、ナノグラス(nanograss)、孔、空洞、相互連結した孔、相互連結した空洞、マイクロ及び/又はナノ表面粗さを付与する任意の他のランダムな幾何学的形状であり得る。いくつかの実施形態では、フィーチャの高さは、約10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、又は約100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、約1mm以下(これらの間の全ての範囲が含まれる)又は含浸液120を受け入れるための任意の他の適切な高さであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112は、約1nm、5nm、10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、又は約1,000nmの高さを有することができ、これらの間の全ての範囲が含まれる。いくつかの実施形態では、フィーチャの高さは、約1μm未満であり得る。更に、固体フィーチャ112の高さは、例えば、実質的に均一であり得る。いくつかの実施形態では、固体フィーチャは、約1.01超、約1.05超、約1.1超、約1.2超、約1.3超、約1.4超、約1.5超、約1.6超、約1.7超、約1.8超、約1.9超、約2.0超、約2.5超、約3超、約5又は約10超のウェンゼル粗さ「r」を有することができる。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112は、例えば、約1μm〜約100μm、又は約5nm〜約1μmの範囲内の間隙空間を有することができる。いくつかの実施形態では、テクスチャ表面110は、階層的フィーチャ、例えば、上にナノスケールフィーチャを更に含むマイクロスケールフィーチャを有することができる。いくつかの実施形態では、表面110は等方性であり得る。いくつかの実施形態では、表面110は異方性であり得る。
いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112は、不溶性繊維(例えば、精製木材セルロース、微結晶セルロース及び/又はオート麦ふすま繊維)、ろう(例えば、カルナバワックス、木ろう、蜜ろう、コメヌカロウ、キャンデリラろう、フッ素化ろう、シリコン含有ろう、脂肪酸エステルろう、脂肪酸、脂肪酸アルコール、グリセリド、トリグリセリド等)、他の多糖類、フラクトオリゴ糖、金属酸化物、モンタンろう、亜炭及び泥炭、オゾケライト、セレシン、ビチューメン、ペトロラタン(petrolatuns)、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ラノリン、金属又はアルカリのエステル、ココナツ粉、アーモンド、ジャガイモ、小麦、パルプ、ゼイン、デキストリン、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、酸化第二鉄、酸化第一鉄、シリカ、粘土鉱物、ベントナイト、パリゴルスカイト、カオリナイト、バーミキュライト、アパタイト、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、ゼラチン、ペクチン、グルテン、アルギン酸デンプン、カラギーナン、ポリカーボネート、フッ化シリコーン、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化エチレンプロピレン共重合体(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレン共重合体(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(プロピレンオキシド)、D−ソルビトール、テクノフロン酢酸セルロース、フッ素化POSS、フルオロエチレン−アルキルビニルエーテル(FEVE)、変性ポリテトラフルオロエチレン、フルオロポリウレタン、フルオロアクリル、テトラフルオロエチレン/クロロトリフルオロエチレンとビニルモノマーとの共重合体、フッ化ビニリデンとメチルメタクリレートとの共重合体、乳清及び/若しくは本明細書中に記載される任意の他の食用固体粒子、又はこれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない粒子の集合体又はコーティングで形成してもよい。
いくつかの実施形態では、表面110及び/又は固体フィーチャ112の表面エネルギーを変えて、例えば、表面110に対する固体フィーチャ112の付着性を高めることができる、又は固体フィーチャ112及び/若しくは表面110に対する含浸液120の親和力を高めることができる。このような表面改質プロセスとしては、例えば、スパッタコーティング、シラン処理、フルオロポリマー処理、陽極酸化、不動態化、化学気相成長、物理気相成長、酸素プラズマ処理、アーク処理、熱処理、任意の他の適切な表面化学特性改質プロセス、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
固体フィーチャ112は、例えば、柱、球体、ナノ針、孔、空洞、相互連結した孔、溝、隆起、相互連結した空洞、又はマイクロ及び/若しくはナノ表面粗さを付与する任意の他のランダムな幾何学的形状等のマイクロスケールフィーチャを含むことができる。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112は、表面上にランダムに若しくは均一に分散され得るマイクロスケール又はナノスケール寸法を有する粒子を含むことができる。固体フィーチャ112間の特徴的な空間は、約1mm、約900μm、約800μm、約700μm、約600μm、約500μm、約400,μm、約300μm、約200μm、約100μm、約90μm、約80μm、約70μm、約60μm、約50μm、約40μm、約30μm、約20μm、約10μm、約5μm、1μm、又は100nm、約90nm、約80nm、約70nm、約60nm、約50nm、約40nm、約30nm、約20nm、約10nm、又は約5nmであり得る。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112間の特徴的な空間は、約100μm〜約100nm、約30μm〜約1μm、又は約10μm〜約1μmの範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112間の特徴的な空間は、約100μm〜約80μm、約80μm〜約50μm、約50μm〜約30μm、約30μm〜約10μm、約10μm〜約1μm、約1μm〜約90nm、約90nm〜約70nm、約70nm〜約50nm、約50nm〜約30nm、約30nm〜約10nm、又は約10nm〜約5nmの範囲内とすることができ、これらの間の全ての範囲が含まれる。
いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112、例えば、固体粒子は、約200μm、約100μm、約90μm、約80μm、約70μm、約60μm、約50μm、約40μm、約30μm、約20μm、約10μm、約5μm、1μm、約100nm、約90nm、約80nm、約70nm、約60nm、約50nm、約40nm、約30nm、約20nm、約10nm、又は約5nmの平均寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112の平均寸法は、約100μm〜約100nm、約30μm〜約10μm、又は約20μm〜約1μmの範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112の平均寸法は、約100μm〜約80μm、約80μm〜約50μm、約50μm〜約30μm、又は約30μm〜約10μm、又は10μm〜約1μm、約1μm〜約90nm、約90nm〜約70nm、約70nm〜約50nm、約50nm〜約30nm、約30nm〜約10nm、又は約10nm〜約5nmの範囲内とすることができ、これらの間の全ての範囲が含まれる。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112の高さは実質的に均一であり得る。いくつかの実施形態では、表面110は、階層的フィーチャ、例えば、上に配置されたナノスケールフィーチャを更に含むマイクロスケールフィーチャを有することができる。
いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112(例えば、粒子)は、多孔質であり得る。粒子の特徴的な孔サイズ(例えば、孔幅又は長さ)は、約5,000nm、約3,000nm、約2,000nm、約1,000nm、約500nm、約400nm、約300nm、約200nm、約100nm、約80nm、約50、又は約10nmであり得る。いくつかの実施形態では、特徴的な孔サイズは、約200nm〜約2μm、又は約10nm〜約1μmの範囲内とすることができ、これらの間の全ての範囲が含まれる。孔サイズ、孔の長さ及び孔の数を制御することによって、含浸液流量、製品流量及び全体的な材料の収率のより適切な制御を可能にし得る。
複数の固体フィーチャ112によって画定される間隙領域、例えば、孔、空洞、又は表面110によって画定される別のフィーチャ間空間に含浸液120が含浸し、空気が間隙領域内に残らないように、含浸液120は表面110上に配置される。間隙領域は、毛管力によって含浸液120の一部が間隙領域内に保持されるように寸法決めされ且つ及び構成され得る。複数の固体フィーチャ112の間隙領域内に配置される含浸液120は、第1滑落角(すなわち、未改質表面110の滑落角)よりも小さな第2滑落角を画定するように構成されている。いくつかの実施形態では、含浸液120は、室温で、約1,000cP未満、例えば、約50cP、約100cP、約150cP、約200cP、約300cP、約400cP、約500cP、約600cP、約700cP、約800cP、約900cP又は約1,000cPの粘度を有することができ、これらの間の全ての範囲が含まれる。いくつかの実施形態では、含浸液120は、約1cP未満、例えば、約0.1cP、0.2cP、0.3cP、0.4cP、0.5cP、0.6cP、0.7cP、0.8cP、0.9cP又は約0.99cPの粘度を有することができ、これらの間の全ての範囲が含まれる。いくつかの実施形態では、含浸液120が、表面110上に配置された複数の固体フィーチャ112の上方に少なくとも約5nmの厚さの層を形成するように、含浸液120を、固体フィーチャ112によって画定される間隙領域に充填することができる。いくつかの実施形態では、含浸液120は、表面110上に配置された複数の固体フィーチャ112の上方に少なくとも約1μmの層を形成する。いくつかの実施形態では、複数の固体フィーチャは、例えば、規制機関(例えば、食品医薬品局(FDA))の規則及び規定に準拠して、0.8μm未満の平均粗さRaを有することができる。
含浸液120は、固体フィーチャ112によって画定される間隙空間内に、任意の好適な手段を用いて配置してもよい。例えば、含浸液120は、テクスチャ表面110(例えば、ボトルの内部表面上のテクスチャ)上に噴霧することができる又はブラシで塗ることができる。いくつかの実施形態では、含浸液120は、テクスチャ表面110を含む容器に充填する又は部分的に充填することによってテクスチャ表面110に塗布することができる。余分な含浸液120は、次いで、容器から除去される。いくつかの実施形態では、余分な含浸液120は、洗浄液(例えば、水)を容器に加え、余分な含浸液を回収する又は抽出することによって、容器から除去することができる。いくつかの実施形態では、余分な含浸液は、機械的に除去してもよく(例えば、固体物体又は流体によって表面から押し取る)、別の多孔質材料を用いて表面110から吸収して取ってもよく、又は重力若しくは遠心力により除去してもよい。いくつかの実施形態では、含浸液120は、液体と接触している表面110(例えば、容器)をスピンさせ(例えば、スピンコーティングプロセス)、含浸液120を表面110上に凝縮させることによって配置することができる。いくつかの実施形態では、含浸液120は、含浸液及び1種以上の揮発性液体を含む溶液を(例えば、前述の方法のいずれかにより)堆積させ、この1種以上の揮発性液体を蒸発させることによって塗布される。
いくつかの実施形態では、含浸液120は拡散液(spreading liquid)を用いて塗布することができる。拡散液は、含浸液を表面110に沿って拡散させる又は押す。例えば、含浸液120(例えば、オレイン酸エチル)と拡散液(例えば、水)とを容器内で組み合わせ、かき混ぜる又は攪拌してもよい。容器内の流体流は、固体フィーチャ112に含浸する際、含浸液120を容器中に分配してもよい。いくつかの実施形態では、含浸液は、テクスチャ表面上にスプレーコーティングされ得る。
いくつかの実施形態では、含浸液120は、シリコーンオイル、パーフルオロカーボン液、ハロゲン化バキュームオイル、グリース、潤滑剤(例えば、Krytox 1506又はFromblin 06/6)、フッ素化冷却剤(例えば、FC-70、FC-43として販売されているパーフルオロトリペンチルアミン、パーフルオロトリブチルアミンFC-75、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)、FC-72(パーフルオロヘキサン)、又は3Mによって製造されているFluosol及びFluorinert製品において使用されているパーフルオロトリブチルアミン)、イオン性液体、水と不混和性のフッ素化イオン性液体、PDMSを含むシリコーンオイル、フッ素化シリコーンオイル、例えば、ポリフルオロシロキサン若しくはポリオルガノシロキサン、液体金属、合成油、植物油、電気粘性流体、磁気粘性流体、強磁性流体、誘電性液体、炭化水素液体、例えば、鉱油、ポリアルファオレフィン(PAO)若しくは他の合成炭化水素コオリゴマー、フルオロカーボン液体、例えば、ポリフェニルエーテル(PPE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、パーフルオロデカリン若しくはパーフルオロアルカン、冷媒(例えば、ハイドロフルオロエーテル(HFE)液体、Novecシリーズ液体)、バキュームオイル、相変化材料、半液体、ポリアルキレングリコール、飽和脂肪酸と飽和二塩基酸のエステル、ポリ尿素、グリース、滑液、体液、若しくは任意の他の水性流体、若しくは本明細書中に記載される任意の他の含浸液、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
含浸液120に対する固体フィーチャ112(例えば、粒子)の比は、固体フィーチャ112のいかなる部分も液体製品界面より上に突出することのないように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、この比は、約15%未満、約5未満%又は約1%未満であり得る。いくつかの実施形態では、この比は、約50%未満、約45%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、又は約1%未満であり得る。いくつかの実施形態では、この比は、約5%〜約50%、約10%〜約30%、又は約15%〜約20%の範囲内とすることができ、これらの間の全ての範囲が含まれる。いくつかの実施形態では、実質的に先細の、陥没した又は丸みのある表面テクスチャを用いて低い比を得ることができる。対照的に、平坦な表面テクスチャは高い比をもたらす可能性があり、表面に露出する固体材料が過度に多くなる。
いくつかの実施形態では、液体含浸表面100は、室温での液体含浸表面100の投影表面積に相当する、非液浸固体を表す部分として定義される「露出領域部分(emerged area fraction)」φを有することができ、φは、約0.30未満、約0.25未満、約0.20未満、約0.15未満、約0.10未満、約0.05未満、約0.01未満、又は約0.005未満である。いくつかの実施形態では、φは、約0.001超、約0.005超、約0.01超、約0.05超、約0.10超、約0.15超、又は約0.20超であり得る。いくつかの実施形態では、φは、約0〜約0.25の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、φは約0〜約0.01の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、φは約0.001〜約0.25の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、φは約0.001〜約0.10の範囲内であり得る。
いくつかの実施形態では、液体含浸表面100は、表面上での接触液体CLの蓄積を最小限にする有利な小滴滑落特性を有することができる。いかなる特定の理論に拘束されるものではないが、いくつかの実施形態では、テクスチャが施された固体上に置かれた製品の小滴が移動し始める液体含浸表面100の傾斜角である滑落角は、接触液の特定の体積において約50°未満、約40°未満、約30°未満、約25°未満、又は約20°未満であり得る。このような実施形態では、滑落角は小滴に含まれる製品の体積に伴って変化し得るが、接触液の特定の体積においては、滑落角は実質的に同一のままである。
いくつかの実施形態では、含浸液120は、含浸液120の蒸発を防止する又は低減するための1種以上の添加剤を含むことができる。例えば、含浸液120に界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、ドコセン酸、トランス−13−ドコセン酸、シス−13−ドコセン酸、ノニルフェノキシトリ(エチレンオキシ)エタノール、メチル12−ヒドロキシオクタデカネート、1−テトラコサノール、フッ素化合物「L−1006」及び並びにこれらの任意の組み合わせを挙げることができるがこれらに限定されない。本明細書中に記載される界面活性剤の例及び含浸液中に含まれ得る他の界面活性剤は、White, I.,“Effect of Surfactants on the Evaporation of Water Close to 100 C.”Industrial & Engineering Chemistry Fundamentals 15.1 (1976): 53-59に見ることができ、この内容全体を参照により本明細書に組み込む。いくつかの実施形態では、添加剤は、C16H33COOH、Cl7H33COOH、C18H33COOH、C19H33COOH、C14H29OH、C16H33OH、C18H37OH、C20H41OH、C22H45OH、C17H35COOCH3、C15H31COOC2H5、C16H33OC2H4OH、C18H37OC2H4OH、C20H41OC2H4OH、C22H45OC2H4OH、硫酸ドコシルナトリウム(SDS)、ポリ(ステアリン酸ビニル)、ポリ(オクタデシルアクリレート)、ポリ(オクタデシルメタクリレート)並びにこれらの任意の組み合わせを含むことができる。添加剤の更なる例は、Barnes, G.T.,“The potential for monolayers to reduce the evaporation of water from large water storages,”Agricultural Water Management 95.4 (2008): 339-353に見ることができ、この内容全体を参照により本明細書に組み込む。
テクスチャ表面形成のための固体粒子溶液の調製方法
いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112は、例えば、スプレーコーティング、ディップコーティング、塗装等のような物理的堆積プロセスを使用して表面110上に画定され、テクスチャ表面を形成することができる。固体粒子溶液又は懸濁液を表面上に配置するために使用可能なスプレーコーティングプロセスの例は、‘444公報に記載されている。このような実施形態では、溶液、懸濁液又は溶媒中の固体粒子のエマルションは、本明細書記載の方法を使用して作製することができ、表面110上に配置(例えば、スプレーコーティング)され、テクスチャ表面を形成することができる。
いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112は、例えば、スプレーコーティング、ディップコーティング、塗装等のような物理的堆積プロセスを使用して表面110上に画定され、テクスチャ表面を形成することができる。固体粒子溶液又は懸濁液を表面上に配置するために使用可能なスプレーコーティングプロセスの例は、‘444公報に記載されている。このような実施形態では、溶液、懸濁液又は溶媒中の固体粒子のエマルションは、本明細書記載の方法を使用して作製することができ、表面110上に配置(例えば、スプレーコーティング)され、テクスチャ表面を形成することができる。
いくつかの実施形態では、表面110上にスプレーコーティングされてテクスチャ表面を形成することができるコロイド懸濁液の調製方法は、室温Trを超える第1温度Thまで加熱した溶媒中に固体(例えば、本明細書中に記載される固体のいずれか)を溶解させることと、その後、溶液を第2温度(例えば、室温)まで冷却することとを含む。例えば、第1温度Thは、溶媒のほぼ沸点であり得る。固体は、第1温度Thにおいて溶媒中に実質的にすべての固体が溶解して溶液を形成するように濃度Cを有することができる。例えば、固体の濃度Cは、第1温度での溶媒中の固体の飽和濃度(Csat(Th))よりも低く、且つ室温での溶媒中の固体の飽和濃度(Csat(Tr))よりも高くすることができる。溶液は、溶液が冷却されると、溶液中に溶解させた固体の少なくとも一部分が核生成する又は別の手法で沈殿して溶媒中に懸濁するマイクロ若しくはナノスケール粒子を形成し、これにより懸濁液、例えば、コロイド懸濁液を形成するように作製することができる。懸濁液が表面110上に噴霧されると、粒子は表面110上に定着することができ、溶媒を蒸発させて、固体フィーチャ112を形成する粒子又は粒子の凝結体によって被覆された非平滑面を形成することができ、それにより、テクスチャ表面を形成する。いくつかの実施形態では、溶媒は、実質的に揮発性の溶媒、例えば、水の蒸気圧よりも大幅に高い蒸気圧を有する溶媒を含むことができる。このような溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、又は本明細書中に記載される任意の他の揮発性溶媒を挙げることができる。いくつかの実施形態では、溶媒は、不揮発性溶媒、例えば、水又は水よりも大幅に低い蒸気圧を有する任意の他の溶媒を含むことができる。このような実施形態では、溶媒が蒸発してテクスチャ表面を形成するように、表面110は、ある期間にわたって自然に蒸発させることができる、又は(例えば、ホットプレート若しくはオーブンで)ほぼ同一若しくは溶媒の蒸発温度を超える温度に加熱することができる。
粒子又は粒子の凝結体は、例えば、水素結合を含むファンデルワールス力により表面110に付着することができる。溶媒が蒸発すると、室温で溶液中に溶解したままの固体の一部分は表面110上に配置された粒子及び/又は粒子凝結体間に沈殿することができる。これにより、粒子及び/又は粒子凝結体間、又は粒子/粒子凝結体と表面110との間の付着性が向上し、強いテクスチャ表面をもたらすことができる。換言すると、室温で溶媒中に溶解したままの固体の一部は、粒子及び/若しくは粒子凝結体を互いに及び/又は表面110に結合するための結合剤として機能する。いくつかの実施形態では、固体は第1固体とすることができ、溶液は溶媒中に溶解した第2固体を含むことができ、第2固体は結合剤として機能する。いくつかの実施形態では、結合剤は、溶液を安定化するように作製することができる。いくつかの実施形態では、結合剤は、シリコーン系シーラント、糊、接着剤、ろう又は本明細書中に記載される任意の他の結合剤を含むことができる。
いくつかの実施形態では、溶液は、室温Trよりも高い第2温度で保管され得る。いくつかの実施形態では、第2温度は、固体を一部溶解相又は完全溶解相に維持するのに十分であり得る。いくつかの実施形態では、第2温度での固体の濃度Cは、固体が溶液中で溶解相に維持されるように、第1温度での固体の飽和濃度(Csat(Th))よりも低くされ得る。第2温度で保管することで、コロイド懸濁液中で固体粒子を安定的に懸濁した状態に維持することに伴う課題を大幅に低減する又はそうでなければ排除することができる。いくつかの実施形態では、コロイド懸濁液を第2温度に維持しつつ、コロイド懸濁液を表面110上に噴霧してテクスチャ表面を形成することができる。いくつかの実施形態では、冷却中及び/又は冷却前に、溶液又はそうでなければコロイド懸濁液にマイクロ粒子及び/若しくはナノ粒子を添加することができる。このようなマイクロ粒子及び/又はナノ粒子は、表面110上の溶解した固体の核生成を促進することができる及び/又は物性、例えば、テクスチャ表面の表面粗さを高めることができる核剤として機能することができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子溶液、懸濁液及び/又はエマルションの形成方法は、溶媒中に混合若しくは溶解させた固体粒子にせん断応力を加えることを含むことができる。例えば、固体粒子は、任意の適切な機器、例えば、ホモジナイザ、ディスペンサ、撹拌機、ミル、マイクロフルイダイザ、ブレンダ、任意の他のせん断応力生成機器又はこれらの組み合わせを使用して、溶媒中に均質化させる若しくは分散させることができる。このような機器を使用して、粒子凝集体を分解し、均一な粒子サイズ低減を生じさせ、安定な均質化された固体粒子の懸濁液を生成することができる高いせん断応力を、溶媒中に懸濁した固体粒子において生成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、種々の速度の異なる寸法及び形状のブレードを含む工業用ブレンダを使用して、固体粒子と懸濁液に含まれる任意の他の成分とを混合することができる。加えて、ホモジナイザを使用して、溶液をブレンドし、均質溶液を作製することができる。いくつかの実施形態では、高せん断流体プロセッサであるマイクロフルイダイザを使用して、固体粒子サイズをナノメートルスケールに低減し、それにより、均質固体粒子懸濁液を作製することができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子溶液、懸濁液及び/又はエマルションの形成方法は、音波処理を含むことができる。例えば、超音波周波数(すなわち、約20kHz超の周波数)を使用して、溶媒中に懸濁した固体粒子を撹拌し、粒子凝集体をマイクロメートル又はナノメートルサイズスケールに分解し、溶媒中に一様に分散して懸濁液を形成することができる。いくつかの実施形態では、音波処理又はそうでなければ超音波処理を使用して、溶媒中に広範な核形成を比較的短時間で導入することができる。固体粒子懸濁液又は別の溶液に、超音波浴又は超音波プローブを使用して超音波処理を行うことができる。固体粒子の粒子サイズ分布、形状及び結晶化度は、音波処理の所要時間、超音波周波数を制御することにより、又は超音波浴の温度を制御することにより制御することができる。更に、これらのパラメータを制御することで、粒子の安定性を高めることができ、且つ再凝結プロセスを遅らせることができる。いくつかの実施形態では、固体粒子懸濁液又は溶液は、過冷却することができ、その後、超音波処理に晒し、核形成を生じさせ、均一分散溶液の形成を促進する。
いくつかの実施形態では、固体は溶媒中で一部のみ可溶であり得る。このような実施形態では、固体は、固体の融点Tmである又は固体の融点Tmを超える温度Tまで加熱して、固体を融解させることができる。加熱は、任意の好適な装置、例えば、ホットプレート、ヒートジャケット、オーブン、炉、ヒートガン、任意の他の適切な加熱機器又はこれらの組み合わせを使用して実施され得る。融解した固体は、次いで、例えば、超音波処理、攪拌、ブレンディング、かき混ぜ、混合、分散、均質化、任意の他の適切な方法、又はこれらの組み合わせなどの任意の好適な方法を使用して、溶媒と混合し、溶媒中に乳化させることができる。いくつかの実施形態では、乳化は、固体粒子の融点Tmにおける温度又は固体粒子の融点Tmを超える温度で実施され得る。これにより、溶媒中における固体の溶解及び/又は分散を促進することができ、且つ例えば、過飽和溶液又はエマルションを生成することができる。溶液は室温まで冷却することができ、これにより、例えば、溶媒中に固体粒子のマイクロ及び/又はナノスケール分散を含む濁った若しくは乳状の懸濁液を得ることができる。
いくつかの実施形態では、電場を使用して、固体粒子の溶液中に核形成を誘発することができる。例えば、溶媒中に懸濁又は溶解した固体は、導電性粒子(例えば、金属粒子)又は荷電粒子を含むことができる。電場は、溶液中に沈めた電極若しくはプローブ、導電性容器を使用して、又は任意の他の方法を使用して、又はこれらの組み合わせで印加することができる。電場は、強い静電場又は振動電場を含むことができる。いくつかの実施形態では、電場は、溶液中に均一に懸濁した針形状の(例えば、針状の)粒子を生じさせることができる。
いくつかの実施形態では、磁場を使用して、固体粒子の溶液中に核形成を誘発することができる。例えば、溶媒中に懸濁又は溶解した固体は、磁性粒子(例えば、酸化鉄粒子などの強磁性粒子)又は荷電粒子を含むことができる。磁場は、交番磁界又は一方向磁場(例えば、負の一方向磁場)を含むことができる。磁場は固体粒子の原子と整列することができ、これにより、電子のエネルギー状態及び速度を増加することができる。これにより、電子がその軌道を印加された磁場との相乗作用で配向することを可能にすることができ、凝集及び不安定性を引き起こすファンデルワールス力及びエントロピー効果を低減することができる。更に、磁場は高いエネルギー状態の結果として原子のゼータ電位を増加することができ、相当の核形成をもたらす及び/又は懸濁液の安定性を高める。磁場は核形成の動力学を増加し、結晶成長速度を加速することができる。磁束密度及び曝露時間を変更して結晶成長速度を制御することができる。任意の適切な磁束源、例えば、一時磁石、永久磁石又は電磁石を使用して、磁場を印加することができる。
いくつかの実施形態では、マイクロ波を使用して、固体粒子の溶液中に核形成を誘発することができる。例えば、固体粒子懸濁液又は溶液の容器をマイクロ波コイルで巻き、又はマイクロ波オーブン内に配置し、固体粒子懸濁液若しくは溶液中にマイクロ波を発生させることができる。マイクロ波は溶媒中の粒子の核形成を誘発し、均質の、固体粒子の懸濁液及び/又はエマルションを生成することができる。粒子サイズ、構造及び/又は結晶化度はマイクロ波放射の強度を制御することによって変更することができる。
いくつかの実施形態では、レーザ照射を使用して、固体粒子溶液又は懸濁液の核形成を誘発することができる。このような実施形態では、レーザは、例えば、固体粒子の核形成部位として機能することができる気泡、したがって、空洞を生成するキャビテーションを誘発することができる。更に、レーザは、固体粒子溶液中に、核形成を引き起こすことができる局部的な高温又は低温領域を生じさせることができる。いくつかの実施形態では、磁気インク(例えば、磁気流体インク)を固体粒子溶液に添加し、溶液中のレーザエネルギーの吸収を促進することができる。例えば、Nd−YAGレーザ、ヘリウム−ネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、二酸化炭素レーザ、一酸化炭素レーザ、エキシマレーザ、固体レーザ、色素レーザ、化学レーザ、任意の他の適切なレーザ又はこれらの組み合わせなどの任意の適切なレーザを使用して、核形成を誘発することができる。
いくつかの実施形態では、不純物若しくはドーパントを固体粒子懸濁液又は別の溶液に添加し、核形成を誘発することができる。固体粒子懸濁液又は溶液中のドーパント若しくは不純物の存在は、溶媒中の固体粒子の核形成挙動に大きな影響を及ぼすことができる。任意の適切な物理的若しくは化学的構造及び/又は大きさを有する任意の適切なドーパントを固体粒子懸濁液又は溶液に添加して、核形成を誘発することができる。好適なドーパントとしては、例えば、アジピン酸、安息香酸、アスコルビン酸、カオリン、タルク、任意の他の適切なドーパント又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、ドーパントは、小さな平均粒子サイズ及び高融点を有する無機材料を含むことができる。
いくつかの実施形態では、核形成は、固体粒子懸濁液又は溶液中において、固体粒子溶液の表面積を増大させることによって誘発され得る。例えば、いくつかの実施形態では、固体粒子溶液は、表面積を増加し、核形成を促進するために底の広い容器に移され得る。いくつかの実施形態では、固体粒子の容器に冷却フィンを付加して表面積を増加し、核形成を誘発することができる。いくつかの実施形態では、固体粒子懸濁液又は溶液を収容する容器は、固体粒子の核形成を促進することができる表面エネルギーを有することができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子溶液又は懸濁液中の核形成は、核形成を誘発することができる及び/若しくは溶液中の販売される(sold)粒子の結晶化を促進することができる少量の固体粒子又は任意の他の材料によって溶液にシード添加することによって誘発され得る。例えば、シード添加材料は、固体粒子の過飽和溶液に添加して核形成を誘発することができる固体粒子の小粒子を含むことができる。シード粒子又は結晶の大きさは、溶液中で核生成される固体粒子の大きさ、量及び/又は分布に影響を及ぼす可能性がある。いくつかの実施形態では、シード添加粒子は、金属球(例えば、鋼球)、木球、塩結晶、任意の他の適切なシード添加粒子又はこれらの組み合わせを含むことができる。
いくつかの実施形態では、任意の適切な反応性又は湿式化学法を含むことができるボトムアップアプローチを使用して固体粒子懸濁液又はコロイド分散体を作製することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ゾルゲル法を使用して、溶媒中の固体粒子のコロイド分散体を作製することができる。このような実施形態では、溶媒中で溶解及び凝縮により粒子を形成することができる反応基を使用して、固体粒子懸濁液又はコロイド分散体を形成することができる。例えば、アルコール中の金属アルコキシドは酸触媒又は塩基触媒の存在下で加水分解され、次いで、脱水によって凝縮され、固体粒子懸濁液又はコロイド分散体を生成することができる。いくつかの実施形態では、溶液中における沈殿、重合、凝集、粒子の架橋、軟凝集及び/若しくは凝結によってマイクロ及び/又はナノ粒子合成を実施することができる。例えば、付加、凝縮、イオン性凝縮、カチオン性凝縮、アニオン性凝縮、フリーラジカル法及び/又はステップ成長法などの任意の適切な重合プロトコルを使用することができる。いくつかの実施形態では、テンプレート化された成長及び/又は自己集合を使用し、前駆体、ナノ粒子又は足場を用いて固体粒子懸濁液を作製し、固体粒子を核生成及び成長させることができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子懸濁液又はコロイド分散体を、共役を用いて生成することができるように、固体粒子は重合粒子を含むことができる。いくつかの実施形態では、共役ポリマー粒子は、共役ポリマーの溶液を、1種以上の溶媒を含み得る水性媒体中で部分的に乳化することによって合成することができる。いくつかの実施形態では、共役ポリマー溶液は、溶媒と混和可能であるがポリマーとは混和可能でない液体に注入され得る又は別の手法で伝達され得る。このことは共役ポリマーが急速に沈殿し、粒子を形成することにつながり得る。
いくつかの実施形態では、超臨界流体を使用して、固体粒子懸濁液又はコロイド分散系を作製することができる。超臨界流体では、固体粒子溶液の溶媒又は非溶媒を交換して粒子懸濁液を作製することができる。例えば、いくつかの実施形態では、固体粒子懸濁液は、低沸点溶媒(例えば、ジエチルエーテル)において望まれ得るが、粒子は高沸点溶媒(例えば、キシレン)においてのみ作製され得る。このような実施形態では、固体粒子を高沸点溶媒中で作製し、次いで、超臨界流体溶媒交換プロセスを行い、固体粒子から高沸点溶媒を除去することができる。高沸点溶媒を、次いで、低沸点溶媒に置換し、粒子懸濁液を得ることができる。
いくつかの実施形態では、光誘導架橋を使用して、固体粒子懸濁液又はコロイド分散系を作製することができる。例えば、溶媒は、十分なエネルギーを持つ光子に反応することによってフリーラジカルを生成可能なモノマーを含むことができる。このようなモノマーは、例えば、ビニル基、エポキシド基、アクリレート基若しくはメタクリレート基、任意の他の感光性モノマー、光開始剤又はこれらの組み合わせなどの感光性部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、紫外線(UV)を使用して、光架橋を開始することができる。感光性部分は、モノマー又はオリゴマーであり得る。光誘導架橋は、1次元、2次元及び3次元架橋により溶媒中に粒子を生成し、固体粒子懸濁液又はコロイド分散系を得ることにつながり得る。架橋の程度並びに粒子形状及びサイズは、曝露時間、光子のエネルギー、放射の強度、固体粒子溶液の温度及び/又は固体粒子溶液中の感光性部分の濃度によって制御することができる。
いくつかの実施形態では、粉砕を使用して、固体粒子のサイズを既定のサイズ又は形状に低減することができる。粉砕は乾燥固体粒子又は溶媒中に懸濁若しくは分散した固体粒子に対して実施することができる。例えば、ボールミル、遊星ミル、湿式ミル、セメントミル、竪型ローラーミル、アーバミル、任意の他の適切なミル若しくはこれらの組み合わせなどの任意の適切なミル又は粉砕方法を使用して粒子サイズを低減することができる。いくつかの実施形態では、凍結粉砕(低温粉砕(freezer milling)又は低温破砕(freezer grinding)としても知られる)を使用して、粒子サイズを低減することができる。このような実施形態では、固体粒子又は固体粒子溶液はまず、例えば、極低温まで冷却され、次いで、所望の粒子サイズへと粉砕又は破砕される。冷却温度及び/又は粉砕時間を使用して固体粒子のサイズを制御することができる。いくつかの実施形態では、粉砕は、超音波湿式粉砕を含むことができる。このような実施形態では、大きなサイズの粒子又は凝集体を有する固体粒子懸濁液を使用し、固体粒子懸濁液に超音波キャビテーションを施すことにより、超微粒子懸濁液を作製することができる。超音波は、交番する低周波及び高周波での希薄化及び圧縮サイクル、局所的高温及び/又は圧力を生じさせることができ、粒子をより小さなサイズスケールに分解することができる。いくつかの実施形態では、粉砕プロセスを使用して、固体粒子を微粉に破砕することができる。
いくつかの実施形態では、エレクトロスプレー及び/又はエレクトロスピニングを使用して、溶媒中に固体粒子を作製することができる。このような実施形態では、電界を印加することによって粒子及び繊維が懸濁液、分散体又は溶液を含む液体の流れ中に作製され、得られた物質を回収する。これにより、溶液から繊維、粒子又は粒子の凝集体を作製することができ、これらを溶媒中に懸濁させて固体懸濁液を形成することができる。例えば、粒子は金属酸化物又はセラミック粒子を含むことができる。これらはエレクトロスプレーによって表面110上に形成され、テクスチャ表面を形成することができる。いくつかの実施形態では、液体の流れは、電界によって噴霧する又は紡糸することができるタンパク質及び金属アルコキシドゲルを含むことができる。いくつかの実施形態では、溶解又は分散ポリマー溶液を含み得る液体は、金属針から延伸し、高電圧をかけ、表面上に配置し、破砕して固体粒子を得ることができる(すなわち、エレクトロスピニングされる)。この固体粒子を使用して固体粒子懸濁液又はコロイド溶液を形成することができる。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥を使用して、固体粒子を作製することができる。固体粒子は、固体懸濁液又はコロイド分散体を形成するために使用することができる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥プロセスを使用して、固体粒子の懸濁液を熱ガスに曝すことにより、乾燥粒子を作製することができる。例えば、例えば空気又は窒素などの任意の熱ガスを使用して、液体又はスラリー中の粒子若しくは溶解固体を加熱し、粒子を急速に完全に乾燥させ、又は溶解固体から沈殿させ、乾燥粒子を形成することができる。このことにより実質的に均一な粒子サイズ分布を有する粒子を作製することができる。
いくつかの実施形態では、微粒化を使用して、既定サイズの固体粒子を作製することができる。微粒化プロセスは、スプレーの均一な液滴サイズを形成し、実質的に均一なサイズの粒子の作製につながり得る、噴霧器又はスプレーノズルの使用を含むことができる。好適な微粒化方法としては、例えば、単一流体、二流体又は混合流体ノズル、回転式噴霧器、超音波噴霧器及び静電噴霧器を挙げることができる。単一流体、二流体又は混合流体噴霧器では、ポンプで押し出された流体の運動エネルギー並びにノズルサイズ及び/又は形状の変化を利用して流体をより小さな液滴に分解する。回転式噴霧器は、液体を遠心力により排出して液滴を作製する高速回転ホイール、ディスク又はカップを含む。いくつかの実施形態では、噴霧器は、低速スプレーを引き起こす毛細波を生成することによって狭い粒子の粒子サイズ分布を生成する超音波噴霧器を含むことができる。いくつかの実施形態では、固体は液体に融解することができ、この液体を、後に、本明細書中に記載される噴霧器のいずれかを使用して微粒化し、固体粒子を作製することができる。いくつかの実施形態では、ピエゾノズルを使用して、固体粒子溶液、懸濁液又は溶融固体の極小液滴を作製することができる。いくつかの実施形態では、微粒化を使用して、添加剤を封入し且つ添加剤の制御放出を行うことができる固体粒子の液滴を作製することができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子懸濁液に含まれる固体粒子のサイズ又は分布は、固体粒子溶液又は別の懸濁液の過飽和の比率及び/若しくは程度によって制御することができる。本明細書中に記載されるように、過飽和溶液は、溶媒中の固体の溶解度よりも高い、溶媒中の固体の溶解濃度を有する。過飽和状態に維持された溶液は熱力学的に不安定であり、固体の溶解度を超える、溶媒中に溶解した固体の部分は最終的に溶媒に沈殿する。溶液に沈殿する粒子のサイズ及び数は溶液が過飽和状態になる速度及び程度に依存する。過飽和が速く且つ高いほど、小粒子が多数になる一方で、過飽和が遅く且つ低いほど大きな粒子の数が少なくなる。
過飽和の速度及び程度は各種技術を使用して制御することができる。いくつかの実施形態では、溶液は、固体粒子溶液を急速に冷却又は過冷却することによって過飽和にされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、固体粒子溶液は容器内に配置され得る。容器は、氷浴、ドライアイス、液体窒素又は任意の他の急冷媒体中で急冷され得る。いくつかの実施形態では、高導電性材料(例えば、冷却された金属球又は任意の他の形状若しくはサイズの熱伝導性物体)を大量の溶液中に加え、固体粒子溶液の温度の急激な低下を促すことができる。例えば、1/4インチ金属球(例えば、鋼、銅、アルミニウム、合金、任意の他の適切な金属又はこれらの組み合わせ)を固体粒子溶液に加え、固体粒子溶液中にナノメートルサイズスケールの固体粒子を作製することができる。金属球は、その後、溶液から取り除かれ、固体粒子懸濁液を得ることができる。いくつかの実施形態では、金属球又は別の熱伝導性物体は、固体粒子溶液中に浸漬して過冷却の速度及び程度を増加させる前に、室温未満、摂氏約0度又は更には摂氏約0度未満の温度に冷却され得る。更に、過冷却の速度は、固体粒子溶液に浸漬させる金属球若しくは別の物体の表面積、材料の熱容量及び/又は物体を形成するために使用される材料の導電率を制御することによって変更することができる。
いくつかの実施形態では、熱交換器を使用して、固体粒子溶液を過冷却し、且つ固体粒子溶液を過飽和させることができる。例えば、二重管式熱交換器、プレート式熱交換器、断熱ホイール式(adiabatic wheel)熱交換器、シェルアンドチューブ式熱交換器、プレートフィン式熱交換器、ピロー式熱交換器、任意の他の適切な熱交換器又はこれらの組み合わせなどの任意の適切な熱交換器を使用することができる。いくつかの実施形態では、溶媒に比べて実質的により揮発性の高い低温固体又は液体を固体粒子溶液に加え、この固体粒子溶液を過冷却することができる。このような固体及び/又は液体としては、例えば、溶媒に比べて実質的により揮発性の高いドライアイス、液体窒素又は過冷却された揮発性液体を挙げることができる。固体又は液体が固体粒子溶液に加えられると、固体又は液体は固体粒子溶液を過冷却し、次いで、固体粒子溶液から蒸発させることができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子溶液は、液体を固体粒子溶液に添加することによって過冷却され得る。固体は非常に低い溶解度を有する。このことにより、得られる固体粒子溶液と液体との混合物の過飽和を促すことができる。このような実施形態では、粒子サイズ分布及び/又は量は、液体の添加の速度、添加する液体の量及び/又は固体粒子溶液に含まれる溶媒と添加する液体との比を変えることによって制御することができる。例えば、固体粒子の平均粒子サイズの増加は速度及び固体粒子溶液に添加される液体の量を増加することで減少させることができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子溶液は、固体粒子溶液に含まれる溶媒の少なくとも一部を蒸発させることによって過冷却され得る。溶媒の蒸発は溶媒中に溶解した固体粒子の濃度を上昇させ、溶液が過飽和になるのを促す。過飽和及び/又は粒子サイズ分布の程度は蒸発の程度を制御することによって制御することができる。蒸発の程度は、例えば、溶液の表面積の増加及び迅速な溶媒の蒸発、固体粒子溶液中のガスの発泡、溶液の温度の増加及び固体粒子溶液の真空への曝露につながる溶液の滴への微粒化(例えば、溶液の噴霧による)などの任意の好適な方法を使用して制御することができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子懸濁液中の固体粒子サイズ分布は、例えば、異なる極性及び/又は溶媒中の固体粒子の異なる溶解度を有する異なる種類の溶媒を添加若しくは混合することによって制御することができる。異なる溶媒の使用を使用して、固体粒子溶液又はコロイド分散系の成分を相分離し、溶液中の固体粒子の粒子サイズ分布を制御することができる。例えば、極性溶媒に可溶の固体は、非極性溶媒中での溶解度が限定されている又は溶解度がない。したがって、極性固体粒子溶液への非極性溶媒の導入により、固体粒子溶液中の小又は大粒子の核形成を誘発することができる。更に加えて、非極性固体は、例えば、ヘプタンなどの非極性溶媒中に溶解する。例えば、酢酸エチルなどの極性溶媒を本溶液に添加した場合、固体粒子の少なくとも一部分は固体粒子として沈殿する。いくつかの実施形態では、固体は、極性溶媒及び非極性溶媒に可溶であり得る。このような実施形態では、極性溶媒と非極性溶媒(すなわち、溶媒及び共溶媒)との混合物を使用して、極性溶媒及び非極性溶媒を含む固体粒子溶液中に固体をより効果的に分散させることができる。いくつかの実施形態では、固体は乳化剤として機能することができ、固体粒子溶液の安定性を高めることができる。更に、溶媒の乾燥又は蒸発時間は、共溶媒の選択によって制御することができ、例えば、水の乾燥時間は、水にエタノールを添加することによって減少することができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子の粒子サイズ分布は、分画によって制御することができる。分画には、溶媒中に懸濁した異なる大きさの粒子をそれらのサイズに基づき異なるグループに分離することを含む。任意の適切な分画技術を使用して、粒子を異なる大きさのグループに分離することができる。いくつかの実施形態では、分画はフィールドフロー分画を含むことができる。フィールドフロー分画では、場中で異なる移動度を有する種々のサイズの固体粒子を含む固体粒子懸濁液又はコロイド分散系に任意の適切な場(例えば、電場、磁場、重力場、熱場、遠心場等)が適用される。いくつかの実施形態では、固体粒子溶液中に懸濁した異なる大きさの粒子は、層流プロファイルで実施される拡散を用いて分画され得る。粒子のサイズが大きいほど、例えば、より小さなサイズの粒子に比べて遅く拡散し、固体粒子が種々のサイズの画分に分離することになり得る。いくつかの実施形態では、分画プロセスは、粒子サイズ分布が混ざった懸濁液を、粒子を含まない流れによってピンチングすることによって固体粒子溶液中の固体粒子を種々のサイズの分散体に分離することを含むピンチフロー分画(pinch flow fractionation)を含むことができる。このような実施形態では、固体粒子溶液のピンチ部は、大幅に小さな粒子サイズ分布を有し得る。
いくつかの実施形態では、固体粒子懸濁液中に懸濁した異なる大きさの粒子は、それぞれ、濾過、遠心力及び重力の組み合わせを使用して分離することができる。例えば、これら方法の組み合わせを使用して、粒子凝集体を分解することができる。濾過は、例えば、重力式濾過又は真空式濾過などの任意の適切な濾過方法を含み得る。異なる孔径のフィルタコーン(例えば、ブフナー漏斗、ベルト漏斗、回転式真空ドラムフィルタ、クロスフローフィルタ、スクリーンフィルタ等)、フィルタピペット及び吸引構成を使用して、濾過を実施することができる。いくつかの実施形態では、重力テーブルにより重力分離を行うことができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子懸濁液中に懸濁した異なる大きさの粒子は、デカンテーションを使用して分離され得る。このような実施形態では、固体粒子溶液の異なる粒子サイズへの分離は、沈降した沈殿物を含む溶液の最上層を除去することによって実施することができる。このようにして、大きな粒子を固体粒子溶液から除去し、小さな固体粒子を固体粒子溶液中に残すことができる。遠心器を使用し、大きな粒子を容器の底部に押しやることによってプロセスを補助することができる。更に、溶媒抽出/混合に加えて、不混和性及び異なる密度に基づきデカンテーションを使用することができる。
いくつかの実施形態では、粒子サイズ及び固体粒子溶液中に生成される分布は、核剤を固体粒子溶液に添加することによって制御することができる。種々の粒子を核剤として添加し、粒子が制御可能なサイズ及び均質性で成長することができる部位を与えることができる。核剤は、高表面エネルギーに加えて高表面積を有する。例えば、タルクなどの任意の適切な核剤を使用することができる。いくつかの実施形態では、核剤は、コポリマー又はブロックコポリマーを含むことができる。いくつかの実施形態では、核形成は、固体粒子溶液へのガス(例えば、二酸化炭素)又は液体(例えば、水)の発泡によって固体粒子溶液中に誘発され得る。気泡は固体粒子溶液中の固体粒子の成長を誘発するための核形成部位を与えることができる。
いくつかの実施形態では、第1の粒子サイズ分布を含む第1固体粒子溶液は第2の粒子サイズ分布を含む第2固体粒子溶液と混合することができる。例えば、第1固体粒子溶液は、マイクロメートル固体粒子サイズ分布を含むことができ、第2固体粒子溶液は、ナノメートル固体粒子サイズ分布を含むことができる。これにより、マイクロメートルサイズ粒子とナノメートルサイズ粒子との階層的分布を含む第1固体粒子溶液と第2固体粒子溶液との混合物を得ることができる。
非常に強いファンデルワールス相互作用によって、固体粒子溶液中のマイクロ/ナノサイズ粒子は不安定で、凝集する傾向があり、テクスチャ表面を形成するために表面110上に形成される固体フィーチャ112の相分離及び低減につながる可能性がある。各種方法を使用して、マイクロ/ナノ粒子懸濁液の安定性を制御し、それらが凝結しないようにすることができる。いくつかの実施形態では、固体粒子懸濁液中の固体粒子の安定性は、固体粒子溶液の物理的攪拌によって制御することができる。好適な物理的攪拌法としては、例えば、流体攪拌、音波処理、かき混ぜ、ブレンド、振盪、自然対流、ガス発泡、再循環、任意の他の適切な物理的攪拌法又はこれらの組み合わせを挙げることができる。例えば、固体粒子の凝集は、固体粒子溶液に超音波処理を施すことにより大幅に低減することができる。このような超音波処理された固体粒子溶液は、未処理の固体粒子溶液よりも大幅に長い保管寿命を有することができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子溶液に添加剤を加え、固体粒子溶液の安定性を高めることができる。例えば、いくつかの実施形態では、固体粒子溶液に界面活性剤を加え、懸濁粒子を安定させ、それらが凝結しないようにすることで、溶液中の小粒子の均一な分散を補助することができる。いくつかの実施形態では、界面活性剤を使用して、別の媒質/溶媒(又は媒質(複数)/溶媒(複数))内の、異なる大きさ及び形状を持つ1つの媒質/溶媒(又は媒質(複数)/溶媒(複数))に基づき、核形成のミセル制御を提供し相を生成することができる。大きさ及び形状は、親水性親油性バランス(HLB:hydrophilic-lipophilic balance)値を用いて界面活性剤を選別することによって制御することができる。HLB系は、凝固剤を添加すること又はpHを変更すること又はHLB値を調整して凝固の程度を制御することによって、界面活性剤の核形成のミセル制御を分離すること又は凝集の大きさ/程度を制御することに基づく。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、例えば、固体粒子懸濁液中で湿潤剤及び安定剤として機能し得るフルオロカーボンなどの揮発性界面活性剤を含むことができる。このような揮発性界面活性剤は、固体粒子溶液が表面110上に噴霧されると蒸発し、テクスチャ表面を生成することができる。
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、固体粒子懸濁液中に懸濁した固体粒子の、立体反発による速い沈殿を効果的に回避し得る長鎖界面活性剤及びポリマーを含むことができる。このような界面活性剤としては、例えば、プルロニック酸、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)、グリコシド、トリトンX−100、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトポリマーなどの両親媒性分子、任意の他の適切な界面活性剤又はこれらの組み合わせを挙げることができる。このような界面活性剤は粒子の表面上に効果的に吸収され、粒子懸濁液の安定性を増加させるための保護層として機能し得る。
いくつかの実施形態では、固体粒子懸濁液又は別のコロイド分散体の安定性は、固体粒子溶液にpH制御添加剤を添加することによって向上させることができる。例えば、pH制御添加剤は、粒子の周りに電気二重層を形成することによって固体粒子を分離された状態に維持する強い静電反発力を与えることができる。高い表面ポテンシャルを有する固体粒子は溶液中で動力学的に安定である。例えば、pHを増加させるために少量のアンモニア水、NaOH、KOH又は任意の他の塩基を使用してもよい。
いくつかの実施形態では、極性プロトン性溶媒及び極性非プロトン性溶媒を固体粒子溶液に添加して固体粒子溶液の安定性を高めることができる。このような極性溶媒は、粒子表面上に安定な実効電荷を付与することができる。これらの実効電荷が粒子の反発をもたらし、それによって固体粒子溶液の安定性を高めることができる。好適な極性非プロトン性溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド及びプロピレンカーボネートを挙げることができる。好適な極性プロトン性溶媒としては、例えば、ギ酸、n−ブタノール、イソブタノール、n−プロパノール、エタノール、メタノール、酢酸、ニトロメタン及び水を挙げることができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子溶液は、固体粒子溶液中に、固体粒子懸濁液中の固体粒子の粒子サイズ分布と異なる粒子分布を有する粒子を導入することにより安定化することができる。例えば、小さなサイズの粒子を大きなサイズの固体粒子を含む固体粒子溶液に加えることができる。小さな粒子は、大きなサイズの粒子の間に散在し、大きなサイズの粒子を安定させることができる。小さな粒子は、大きな粒子に立体又は静電反発力を付与して、凝集体の形成を防止し、それにより固体粒子溶液の安定性を高めることによって固体粒子溶液を安定させることができる非荷電粒子又は荷電粒子を含むことができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子懸濁液又は別のコロイド分散系の安定性は、固体粒子溶液を室温と異なる温度で保管することによって向上させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、粒子懸濁液は室温よりも低い温度で保管することができ、これにより固体粒子の凝集を防止し、それによって固体粒子懸濁液の安定性を高めることができる。低温では、固体粒子の移動度が減少し、大幅に遅い凝結につながる場合がある。いくつかの実施形態では、固体粒子懸濁液は、室温よりも高い温度で保管し、固体粒子溶液の安定性を高めることができる。溶媒中の固体粒子の溶解度は高温で増加することができる。これにより、固体粒子が固体粒子溶液中でより高い安定性を有するように、固体粒子が溶媒中において懸濁相から溶解相に移行するよう促すことができる。
いくつかの実施形態では、液体含浸表面の固体部分を形成する選択したポリマーと、含浸固体(impregnating solid)が基材材料に対する十分な付着性を有しない基材材料との間に結合層を与えるために、溶液の一部として接着促進剤を使用する。例えば、高固体比率(例えば、10%超の体積重量のポリエステル)の溶液に1.4重量パーセント以下のハイブリッドカルボキシ/ヒドロキシル機能性金属有機接着促進剤を添加して、金属表面、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー及び処理済みプロピレン/ポリエチレンに対する付着性を向上させる。
いくつかの実施形態では、固体粒子溶液の粘度を増大させることによって、固体粒子懸濁液又はコロイド分散系の安定性を高めることができ、且つ固体粒子に含まれる固体粒子の凝結を最小限にすることができる。懸濁液の動的粘度を増大させることによって、固体粒子の移動度が低下し、より安定な固体粒子懸濁液の形成につなげることができる。固体粒子溶液の粘度は1種以上の増粘剤を固体粒子懸濁液に添加することによって増大させることができる。例えば、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸(カルボマー)、植物ゴム質、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、クレー、セルロース誘導体、スルホン酸塩、タンパク質、寒天、オルガノシリコーン、任意の他の適切な増粘剤又はこれらの組み合わせなどの任意の適切な増粘剤を固体粒子溶液に添加することができる。
いくつかの実施形態では、添加剤を固体粒子溶液、懸濁液又はコロイド分散系に添加して、固体粒子溶液を表面110上にスプレーコーティングすることにより形成されたテクスチャ表面の性質に影響を及ぼすことができる。例えば、いくつかの実施形態では、架橋剤を添加し、基材に対する固体テクスチャの付着性を高め、且つ固体テクスチャの耐久性を高めることができる。このような剤は、例えば、熱、圧力、pH、光子、紫外線照射によって開始される化学反応などの任意の適切な機構、又は任意の他の適切な架橋機構を用いて架橋するように作製することができる。好適な架橋剤としては、例えば、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリジシクロペンタジエン、エポキシ樹脂などのポリマー類、任意の他の架橋剤又はこれらの組み合わせを挙げることができる。固体粒子溶液を表面110上にスプレーコーティングすることにより形成されたテクスチャ表面の付着性又は安定性が、テクスチャ表面の表面粗さ及び表面化学特性に影響することなく向上するように、架橋剤は固体懸濁液と既定の体積比で混合することができる。
いくつかの実施形態では、結合剤を固体粒子懸濁液、溶液又はコロイド分散系中に組み込み、固体粒子溶液を表面110上にスプレーコーティングすることにより形成されたテクスチャ表面の付着性を増加することができる。例えば、いくつかの実施形態では、固体粒子溶液を表面110上にスプレーコーティングすることにより形成されたテクスチャ表面は表面110に対する乏しい付着性を有し得る。このようにして形成されたテクスチャ表面は、しかしながら、含浸液120を組み込み、液体含浸表面を形成するのに最も適した性質を付与することができ、液体含浸表面上における既定の製品の摺動における最も好適な性質を提供する。このような実施形態では、結合剤を固体粒子溶液に添加し、表面110上に形成されるテクスチャ表面の付着性を増加することができる。好適な結合剤としては、例えば、接着剤、糊、ろう、エポキシ、シーラント(例えば、シリコーン系シーラント)、任意の他の好適な結合剤又はこれらの組み合わせを挙げることができる。テクスチャ表面により形成された固体フィーチャ112内の含浸液の濡れ性に影響を及ぼさないように、結合剤は固体粒子溶液に比較的小さな体積比で添加することができる。いくつかの実施形態では、結合剤は、例えば、固体粒子溶液が表面110上にスプレーコーティングされてテクスチャ表面が形成された後、硬化し、固体粒子表面に結合するように作製することができる。結合剤は、例えば、乾燥、加湿、紫外線硬化、加熱、所定の時間室温に維持などの任意の適切な硬化プロセス、任意の他の適切な硬化プロセス又はこれらの組み合わせを使用して硬化するように作製することができる。
いくつかの実施形態では、1種以上の反応性物質を固体粒子溶液に添加して、表面110に対するテクスチャ表面の付着性を高めることができる。このような反応性物質は、例えば、それぞれ固体粒子懸濁液又は溶液中に懸濁させた又は別の手法で溶解させた固体粒子と相互作用し、表面110に対する固体粒子の付着性を高めるように作製され得る。このようにして、安定且つ頑丈なテクスチャ表面を形成することができる。好適な反応性物質としては、例えば、シラン、モノマー、架橋剤(例えば、チオール、ホスホン酸塩等)、任意の他の適切な反応性物質又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、反応性物質は、表面110上に自己組織化単分子層(SAM:self assembled monolayer)を形成するように作製することができる。例えば、オクタデシルトリコロロシラン(octadecyltricholorosilane)分子が基材のヒドロキシル基と反応して非常に安定な共有結合を形成する。ドデカンチオール分子などのチオール基で処理された固体粒子は、次いで、チオール−金属共有結合によりSAM層に結合することができる。SAMは固体粒子を表面110に結合するための化学リンカーを提供することができる。いくつかの実施形態では、表面110は、表面110上でのSAMの形成を促進するために、好適な物理的又は化学的表面処理プロセスを使用して前処理され得る。好適な表面処理プロセスとしては、例えば、プラズマ処理、コロナ処理、化学処理、アーク処理、反応性ガス処理、pH緩衝剤処理、サンドブラスト、研磨、結合剤及び/若しくは接着剤層などのコーティングの付加並びに任意の他の適切な処理プロセス又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、表面処理プロセスは表面110に固体粒子溶液をスプレーコーティングする前に実施することができる。いくつかの実施形態では、表面処理プロセスは表面110に固体粒子溶液をスプレーコーティングした後に実施することができる。
いくつかの実施形態では、テクスチャ表面を形成するための表面110に対する固体粒子の付着性は、形成されるテクスチャ表面の表面エネルギー、疎水性及び/又は化学的性質を制御することを目的とした表面改質剤を添加することによって大幅に高めることができる。例えば、表面110の表面エネルギーを増加させて固体粒子と表面110との間の付着性の機能を向上し、それによって、表面110に対する固体粒子の付着性を高めることができる。いくつかの実施形態では、表面110に対する固体粒子の付着性は、固体粒子と表面110との間の界面のエネルギーを低減することによって及び/又は固体粒子の表面エネルギーを増加することによって大幅に増加することができる。いくつかの実施形態では、界面のエネルギーは、固体粒子に類似する表面化学特性(例えば、疎水性、親水性、疎油性、金属親和性等)を有するように表面110を改質することによって低減することができる。例えば、蜜ろう固体粒子は、フッ素分子(すなわち、Solvay FluoroLink製品などのフッ素化表面改質剤)で前処理した基材に対するより良好な付着性を有することができる。いくつかの実施形態では、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリスチレンなどのポリマーを基材上に配置し、基材に対する固体粒子の付着性を高めることができる。このような処理プロセスにより、表面110上にテクスチャ表面を形成する、表面110上に対する不十分な付着性を有していたはずの固体粒子の付着性を大幅に高めることができる。このようにして、表面110に対する固体粒子の固有の付着性を問わず、あらゆる固体粒子を表面110上に安定的に配置することができる。これにより、固体粒子と含浸液との最良の組み合わせを任意の表面上に配置し、製品又は別の接触液体に対して最適なすべり特性若しくは物理/化学的特性を付与する液体含浸表面を得ることを可能にできる。
いくつかの実施形態では、添加剤を固体粒子溶液、懸濁液又はコロイド分散系に添加し、固体粒子溶液を表面110上に噴霧することにより形成されたテクスチャ表面に物理的若しくは化学的性質を付与する又はテクスチャ表面の物理的若しくは化学的性質を変えることができる。例えば、添加剤を固体粒子溶液又は懸濁液に添加し、融点、化学的安定性、拡散率(すなわち、含浸液及び/若しくは接触液に対する拡散率)、絶縁特性、任意の他の適切な特性又はこれらの組み合わせを変えることができる。表面110上に形成される最終テクスチャ表面の適用に応じて、固体粒子溶液又は懸濁液を改質し、固体粒子溶液又は懸濁液にある特定の物理的及び/若しくは化学的性質を付与することができる。例えば、いくつかの実施形態では、テクスチャ表面に含浸液120を含浸させることにより形成される液体含浸表面は、周囲温度又は室温よりも大幅に高い温度において滑りやすい特性を維持するように構成することができる。このような実施形態では、固体粒子溶液又は懸濁液中に添加剤を含むことによって、テクスチャ表面の安定性を高めることができ、且つに対する液体含浸表面の滑りやすい特性を維持することができる。高める又は変えることができる他の特性としては、例えば、熱伝導率、導電率、ヤング率、機械的強度、クリープ特性等が挙げられる。したがって、添加剤を固体粒子溶液に添加し、固体粒子溶液を表面110上にスプレーコーティングすることにより形成される液体含浸表面が所望の物理的若しくは化学的性質を有するようにすること及び/又は使用中、液体含浸表面の物理的及び/若しくは化学的性質が変化しないままにすることができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子溶液又は懸濁液をスプレーコーティングすることにより形成されるテクスチャ表面の物理的又は化学的性質は、固体粒子溶液に異なる濃度の1種以上の成分を添加することによって制御することができる。例えば、いくつかの実施形態では、固体粒子溶液又は懸濁液の親水性は、疎水性ポリマーを含む固体粒子溶液に、ある濃度の親水性成分(例えば、親水性ポリマー)を添加することによって増大させることができる。逆に、固体粒子溶液又は懸濁液の疎水性は、親水性ポリマーを含む固体粒子溶液に、ある濃度の疎水性成分(例えば、疎水性ポリマー)を添加することによって増大させることができる。いくつかの実施形態では、固体粒子溶液又は懸濁液に噴霧することにより形成されるテクスチャ表面の極性は、固体粒子溶液又は懸濁液に、より非極性の若しくはより極性の成分(例えば、固体、液体又は粒子)を添加することによって変えることができる。添加成分は固体粒子溶液と混合することができる、又は添加成分は、得られる最終のテクスチャ表面が期待通りの性質を示すように、最初にスプレーコーティングした固体粒子溶液、すなわち、テクスチャ表面の上に別個の層として噴霧することができる。このようにして、テクスチャ表面の物理的及び化学的性質は、異なる成分を混合することによって調整され得る。
いくつかの実施形態では、界面活性剤などの添加剤を固体粒子溶液、懸濁液又はコロイド分散系に添加し、表面110上における固体粒子溶液又は懸濁液の拡散係数(spreading coefficient)を変更することによって、固体粒子溶液又は懸濁液(又は固体粒子溶液若しくは懸濁液に含まれる溶媒)の拡散又はそうでなければ濡れ性を向上させることができる。拡散係数は、拡散係数がゼロを超える場合、液体が固体表面を完全に濡らすことを示すヤング−デュプレの式によって表すことができる。拡散係数がゼロ未満である場合、部分的な濡れが生じる。均一なテクスチャ表面を形成するための、固体粒子溶液による表面110の効率的なコーティングは、概して、固体粒子溶液又は懸濁液が表面を完全に濡らすときに生じることから、表面110上での固体粒子溶液の拡散を促進することで、テクスチャ表面の品質を向上させることができる。例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤又は乳化剤などの任意の界面活性剤を固体粒子溶液又は懸濁液に添加して、固体粒子溶液又は懸濁液の拡散係数を向上させることができる。界面活性剤によって溶媒の表面張力を低減することによって、非濡れ性固体懸濁液を、部分的に又は完全に濡れるように作製することができる。これにより基材上の粒子の凝結を低減し、且つ溶媒蒸発時間を変更し、より均一なコーティング、例えば、固体コーティングを得ることができる。
いくつかの実施形態では、添加剤を固体粒子溶液、懸濁液又はコロイド分散系に添加し、固体粒子溶液に含まれる溶媒の蒸発の速度を低下させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、固体粒子溶液に含まれる溶媒は低沸点を有し、表面110上での固体粒子の核形成及び成長を妨げ、不均一なテクスチャ表面をもたらす可能性のある非常に高い蒸発速度、又はフィーチャ間の空間若しくは最適でない任意の他の性質を有するテクスチャ表面をもたらす場合がある。このような実施形態では、例えば、トリエタノールアミン、塩、共溶媒、任意の他の添加剤又はこれらの組み合わせなどの添加剤を溶液に添加し、溶媒の蒸発速度を遅延させる又はそうでなければ遅らせて、より均質且つ均一なテクスチャ表面、及び表面110の固有のフィーチャへの固体粒子溶液のより良好な浸透によるより良好な付着性をもたらすことができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子溶液、懸濁液又はコロイド分散系は、溶解ガスを含み得る。このようなガスは、固体粒子溶液、懸濁液又はコロイド分散系中に、上昇圧、例えば、大気圧よりも高い圧力下で溶解させることができる。例えば、このような実施形態では、固体粒子溶液又は懸濁液は、ガスを溶解状態に維持するために加圧容器内で保管され得る。固体粒子溶液又は懸濁液が表面110上にスプレーコーティングされるとき、ガスは減圧によって溶液又は懸濁液から気泡として出ることができる。これにより、核形成又はそうでなければ配置された固体粒子コーティングからガスの発泡を生じさせ、多孔質テクスチャ表面をもたらすことができる。これにより、粗さを増すこと、より安定なテクスチャ表面を得ること、及び/又はテクスチャ表面の付着性を増すことができる。任意のガスを固体粒子溶液中に溶解させて多孔質テクスチャ表面を得ることができる。このようなガスとしては、例えば、酸素、二酸化炭素、空気、非反応性ガス(例えば、窒素、アルゴン)、任意の他の適切なガス又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
いくつかの実施形態では、相変化材料を固体粒子溶液、懸濁液又はコロイド分散系に添加し、テクスチャ表面の粗さ及び/又は間隙空間を制御することができる。相変化材料は、適切な処理プロセスを施した際に、例えば、紫外線、熱、水分等に曝露した際に、その相を変化する、例えば、固相、液相又は気相の間で移行することができる。いくつかの相変化材料は、相変化材料が特定の温度若しくは特定の物理的条件下で(例えば、紫外線への曝露)融解する又は固化することを可能にし得る高融解熱を有することができる。固体粒子溶液又は懸濁液にこのような相変化材料を導入することで、溶媒消費の大きな節約及び固体テクスチャのより制御可能な形成につながる可能性がある。いくつかの実施形態では、このような相変化材料は、例えば、ショウノウ、ドライアイス、ヨウ素、ナフタレンなどの昇華材料、任意の他の適切な昇華材料又はこれらの組み合わせを含むことができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子溶液又は懸濁液に含まれる固体粒子は、異なる性質を有する複数の成分を含むことができ、複数の成分はそれらの性質を基にバルク溶液から1種以上の成分に分離することができる。例えば、固体粒子溶液の成分は、種々の融点、溶解度、表面化学特性、極性、イオン電荷並びに/又は全般的に異なる物理的及び/若しくは化学的性質を有することができる。固体粒子の成分は溶液中でそれらの異なる化学的性質(例えば、溶解度)に基づき分離され得る。固体粒子溶液が固体の単一成分のみを含むように、固体粒子の成分のいずれか1つを固体粒子溶液から分離することができる。次いで、除去した成分を用いて、固体分離成分を固体粒子として含む別の固体粒子溶液を調製することができる。例えば、蜜ろうは、溶液中で又は異なる温度で異なる溶解度を有する第1成分と第2成分とを含むことができる。第1成分は第2成分に比べて、高温で溶媒中におけるより高い溶解度を有することができる。蜜ろうから第1成分と第2成分とを分離するために、蜜ろうを溶媒に加え、溶媒の温度を上昇させることができる。いくつかの実施形態では、これにより、第2成分が粒子状形態で溶媒中に懸濁したままとなる一方で、第1成分の溶解を促すことができる。換言すると、第2相が第1相上に浮くように、第1成分は第1相(例えば、液相)を形成することができ、第2成分は第2相(例えば、懸濁液)を形成することができる。いくつかの実施形態では、第1成分及び第2成分のそれぞれは、高温で溶媒中に溶解することができる。しかしながら、第1成分を含む溶液の第1部分は、第2成分を含む溶液の第2部分よりも低い又は高い密度を有することができる。これにより、密度の差によって溶液の第1部分が溶液の第2部分から分離するのを促すことができる。いくつかの実施形態では、溶液が冷却されると、第1成分が第2成分の前に溶媒から沈殿する又はそうでなければ固化するように、第2成分は第1成分よりも高い融点を有することができる。これは、例えば、目視で観察することができる(例えば、溶液の色の変化を観察することによって)。第2成分は、その後、例えば、デカンテーション、濾過、スクレーピング(scraping)などの任意の適切なプロセス、任意の他の適切な分離プロセス又はこれらの組み合わせを使用して第1成分から除去することができる。残った溶液は蜜ろうの第1成分のみを含む。第1成分は、ここで、本明細書中に記載される任意の核形成プロセス(例えば、過冷却、急冷、過飽和等)を使用して、核生成し、溶媒中の第1成分のみから形成される固体粒子を形成するように促すことができる。蜜ろうの第1成分のみで形成される固体粒子溶液は、ここで、表面110上にスプレーコーティングしてテクスチャ表面を形成することができる。第2成分は、溶媒(例えば、同一溶媒又は別の溶媒)中に溶解又は懸濁させて固体粒子溶液を形成することができ、固体粒子溶液は、また、表面110上にスプレーコーティングしてテクスチャ表面を形成することができる。
図3は、テクスチャ表面形成のために使用することができる、テクスチャ表面を形成する方法200の概略流れ図を示す。方法200は、202に、溶媒を第1温度Thに加熱することを含む。溶媒は、例えば、水、アセトン、エタノール、イソプロパノール、メタノール、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、トルエンなどの、本明細書中に記載される任意の溶媒又は本明細書中に記載される任意の他の好適な溶媒又はこれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1温度は、溶媒の沸点に実質的に等しいものであり得る。204で、固体が溶媒中に溶解して溶液を形成する。溶解した固体は、第1温度での溶媒中の固体の飽和濃度(Csat(Th))よりも低く、且つ室温での溶媒中の固体の飽和濃度(Csat(Tr))よりも高い(すなわち、Csat(Tr)<C<Csat(Th)濃度Cを有する。いくつかの実施形態では、結合剤、例えば、シリコーン系シーラント又は本明細書中に記載される任意の他の結合剤も溶液中に溶解させることができる。結合剤は、例えば、方法200を使用して調製した固体粒子溶液を表面にスプレーコーティングすることにより形成されたテクスチャ表面の付着性を高めるように作製され得る。いくつかの実施形態では、界面活性剤も溶液中に溶解させることができる。界面活性剤は、本明細書中に記載される界面活性剤のいずれかを含むことができ、テクスチャ表面の表面化学特性を改質するように作製することができる。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、表面上に固体粒子溶液をスプレーコーティングすることにより形成されたテクスチャ表面の濡れ性を高めるように作製することができる。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、固体、例えば、固体粒子を溶媒中において一部溶解相又は完全溶解相のうち少なくとも1つに維持するように作製することができる。いくつかの実施形態では、マイクロ粒子又はナノ粒子を溶液に添加し、例えば、溶液中における固体粒子の成長のための核形成部位として機能することができる、及び/又は固体粒子懸濁液中に懸濁した固体粒子を安定させることができる。任意選択的に、いくつかの実施形態では、206で、溶液は、溶液を溶液中において一部溶解相又は完全溶解相のうち少なくとも1つに維持するのに十分な室温よりも高い第2温度で保管することもできる。いくつかの実施形態では、溶液は、固体が溶液中で完全溶解相に維持され得るようにC<Csat(Th)である第2温度で保管することができる。
次いで、208において、溶液を室温まで冷却する。冷却により溶液が過飽和になるのを促進することができる。過飽和溶液の温度が室温に低下するにつれて、固体粒子は核生成を開始し、最終的に溶液から沈殿して溶媒中に懸濁し、それにより、固体粒子溶液を形成する。いくつかの実施形態では、溶液を室温未満の温度に冷却して、過飽和の程度を増すことができる並びに/又は固体粒子溶液中に懸濁させる粒子の分布及びサイズを制御することができる。次いで、210で、固体粒子溶液は、本明細書中に記載される任意の適切なプロセスを使用して表面上に配置され得る、例えば、表面上にスプレーコーティングされ得る又は配置され得る。次いで、212で、溶媒を固体粒子溶液から蒸発させてテクスチャ表面を形成する。方法200を使用して形成されるテクスチャ表面に含浸液、例えば、本明細書中に記載される含浸液のいずれかを含浸させ、液体含浸表面を形成することができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子懸濁液は含浸液によって調製することができる。例えば、含浸液を第1温度の摂氏80度まで加熱する。この温度で固体が液体中に完全に溶解し、溶液を形成する。固体は、第1温度での含浸液中の固体の飽和濃度よりも低く、且つ室温での含浸液中の固体の飽和濃度よりも高い濃度を有する。溶液はまず、通常、室温又は保管温度である第2温度の摂氏0〜30度に所与の速度で冷却される一方、溶解した固体は固体懸濁液を形成する。得られた含浸液中の固体懸濁液を表面上に配置し、液体含浸表面を作製する。いくつかの実施形態では、加熱した含浸液に溶媒を加え、第1温度でより多くの量の固体を溶解することを可能にする。
いくつかの実施形態では、相溶性のある溶媒を保管温度で固体粒子懸濁液に加え、いくらかの固体を一部溶解することができる。溶媒が固体粒子溶液から蒸発して頑丈なテクスチャ表面が形成された後、固体の溶解部分は基材に更なる付着力を与えることができる。
いくつかの実施形態では、固体の融点は含浸液の沸点未満であってもよい。固体懸濁液は、固体の融解温度よりも高い第1温度で固体を含浸液に添加することにより調製することができる。溶融固体と含浸液とのエマルションは第1温度で、上述した任意の手段によって形成することができる。エマルションを保管温度に冷却し、固体懸濁液を形成する。
いくつかの実施形態では、固体の融点は含浸液の沸点よりも高くてもよい。固体懸濁液は、第1温度で固体を含浸液に添加し、含浸液中の固体粒子の一部溶解度を増すことにより調製することができる。固体の懸濁液は、液体温度を、通常室温又は保管温度である第2温度に低下することによって形成することができる。
いくつかの実施形態では、懸濁液中の固体粒子の粒子サイズ分布は、第1温度から第2温度への溶液の冷却速度を制御することによって調整することができる。いくつかの実施形態では、固体粒子の粒子サイズ分布は、攪拌速度、均質化プロセスの強さ、超音波処理のパワー、マイクロフルイダイザプロセスの流量及びチャンバサイズ/形状、並びに核形成を誘発するために使用した方法に応じた熱交換比率、を変更することによって制御することができる。実施形態は固体粒子の粒子サイズ分布を制御するために個々に又は組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、固体懸濁液中の大きな粒子は、溶液調製プロセス中又は後に、例えば、濾過、遠心分離、デカンテーション又は重力沈降という手段によって除去することができる。
いくつかの実施形態では、固体粒子は、異なる融解温度を持つ複数の成分で構成され得る。固体粒子は核形成プロセスの前に混合物として調製し、又は核形成プロセス後に添加剤として使用し、液体含浸表面のテクスチャを改質することができる。
以下の実施例は、本明細書記載の方法を使用して調製した固体粒子溶液を使用するテクスチャ表面を示す。このようなテクスチャ表面を使用して、より高い安定性及びより長い寿命を有する液体含浸表面を形成することができる。これらの実施例は単に例示目的であり、本開示の範囲を限定することを目的としていない。
実施例1:過飽和固体粒子溶液の調製
実施例1は、コメヌカロウ固体粒子懸濁液を形成する方法について記載する。コメヌカロウ固体粒子溶液を形成するために、1%(w/v)のコメヌカロウを沸騰したエタノール中に溶解させて溶液を形成した。次に、溶液に超音波処理を施しながら室温まで冷却させた。エタノール中のコメヌカロウの溶解度は室温で1%(w/v)よりも大幅に低い。したがって、溶液を室温まで冷却することで、コメヌカロウの一部がエタノール中に沈殿するのを促進した。音波処理の30分後、図4に示すような、安定な白色乳状のコメヌカロウ−エタノールエマルションを得た。このエマルションを透明な8オンスPETボトルの内部表面上にスプレーコーティングし、テクスチャ表面を形成する複数の粒子又は粒子凝結体によって被覆された非平滑面をもたらした。テクスチャ表面はファンデルワールス力によりPET表面に対する強い付着性を有していた。更に、エタノールが蒸発するにつれて、エタノール中のコメヌカロウの溶解部分が、室温で、配置されたコメヌカロウ固体粒子間に沈殿し、更に付着性が高まった。インターフェロメトリ(Taylor Hobson, CCI HD)を用いてテクスチャ表面の表面トポグラフィーを分析した。図5は、コメヌカロウ固体粒子溶液を使用して形成されたテクスチャ表面のインターフェロメトリ画像を示す。2乗平均平方根(RMS)粗さは約1μmであると決定され、複雑度は約40%であった。図6Aは、テクスチャ表面のSEM画像を示し、図6Bは、図6Aに示されるテクスチャ表面の一部分のより高倍率の画像を示す。コメヌカロウ固体粒子を使用して形成されるテクスチャ表面は、例えば、ポリプロピレングリコールジ(カプリル酸/カプリン酸)などの好適な含浸液又は本明細書中に記載される任意の他の含浸液を保持し、液体含浸表面を形成するのに十分な間隙空間を画定した。コメヌカロウはヒトの食用に安全なことから、このような液体含浸表面を使用して、ヒトの食用の製品(例えば、練り歯磨き、マヨネーズ、コーンシロップ、ハチミツ、トマトソース、サルサ、ジャム、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルト、カッテージチーズ又は本明細書中に記載される任意の他の製品)と接触する表面のロールオブ角(roll of angle)を低減することができる。更に、本明細書に記載されている方法を使用して調製したコメヌカロウのテクスチャ表面は、例えば、PET、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ステンレス鋼、アルミニウムなどの任意の好適な基材又は本明細書中に定義される任意の他の基材上に形成することができる。
実施例1は、コメヌカロウ固体粒子懸濁液を形成する方法について記載する。コメヌカロウ固体粒子溶液を形成するために、1%(w/v)のコメヌカロウを沸騰したエタノール中に溶解させて溶液を形成した。次に、溶液に超音波処理を施しながら室温まで冷却させた。エタノール中のコメヌカロウの溶解度は室温で1%(w/v)よりも大幅に低い。したがって、溶液を室温まで冷却することで、コメヌカロウの一部がエタノール中に沈殿するのを促進した。音波処理の30分後、図4に示すような、安定な白色乳状のコメヌカロウ−エタノールエマルションを得た。このエマルションを透明な8オンスPETボトルの内部表面上にスプレーコーティングし、テクスチャ表面を形成する複数の粒子又は粒子凝結体によって被覆された非平滑面をもたらした。テクスチャ表面はファンデルワールス力によりPET表面に対する強い付着性を有していた。更に、エタノールが蒸発するにつれて、エタノール中のコメヌカロウの溶解部分が、室温で、配置されたコメヌカロウ固体粒子間に沈殿し、更に付着性が高まった。インターフェロメトリ(Taylor Hobson, CCI HD)を用いてテクスチャ表面の表面トポグラフィーを分析した。図5は、コメヌカロウ固体粒子溶液を使用して形成されたテクスチャ表面のインターフェロメトリ画像を示す。2乗平均平方根(RMS)粗さは約1μmであると決定され、複雑度は約40%であった。図6Aは、テクスチャ表面のSEM画像を示し、図6Bは、図6Aに示されるテクスチャ表面の一部分のより高倍率の画像を示す。コメヌカロウ固体粒子を使用して形成されるテクスチャ表面は、例えば、ポリプロピレングリコールジ(カプリル酸/カプリン酸)などの好適な含浸液又は本明細書中に記載される任意の他の含浸液を保持し、液体含浸表面を形成するのに十分な間隙空間を画定した。コメヌカロウはヒトの食用に安全なことから、このような液体含浸表面を使用して、ヒトの食用の製品(例えば、練り歯磨き、マヨネーズ、コーンシロップ、ハチミツ、トマトソース、サルサ、ジャム、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルト、カッテージチーズ又は本明細書中に記載される任意の他の製品)と接触する表面のロールオブ角(roll of angle)を低減することができる。更に、本明細書に記載されている方法を使用して調製したコメヌカロウのテクスチャ表面は、例えば、PET、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ステンレス鋼、アルミニウムなどの任意の好適な基材又は本明細書中に定義される任意の他の基材上に形成することができる。
実施例2:結合剤を用いて固体粒子の付着性を高める
本実施例では、シリコーン系シーラントを固体粒子溶液に加え、固体粒子溶液を表面上にスプレーコーティングすることによるテクスチャ表面の付着性を増加させるための結合剤として機能させた。3グラムのシリコンワックス(silicon wax)(GP-533 GPC Silicon, Inc.など)を100mlのヘプタン中に溶解させることによって固体粒子溶液を形成した。シリコーンワックスがヘプタン中に完全に溶解するまで溶液を摂氏約60度に加熱した。溶液に超音波処理を施しながら溶液を氷浴中で急冷した。これによりシリコーンワックスが、溶媒中に懸濁するマイクロスケール及びナノスケール固体粒子へと核生成するのを促した。しかしながら、シリコーンワックス粒子は、PET及びHDPE表面に対する低い付着性を有する。シリコーンワックスの付着性を向上させるために、2グラムのシリコーン系シーラント(例えば、RTV 118, Momentive, Inc.)を固体懸濁液に添加した。添加したシーラントは溶媒に可溶であることが望ましい。シーラントが添加されると固体懸濁液の粘度は増加した。次いで、固体粒子懸濁液を8オンスPET容器の内部表面上にスプレーコーティングした。溶媒が蒸発すると、シリコーン系シーラントは表面上で乾燥し、シリコーンワックス粒子と結合し、それによって固体粒子を表面に接着する。図7Aは、均一なテクスチャ表面を示す、固体粒子溶液をスプレーコーティングすることにより形成されたテクスチャ表面のSEM画像を示す。これに対し、図7Bは、表面上のシリコン系シーラント(silicon based sealant)のみのコーティングを示す。この図は、ほぼ平坦な表面を示し、したがって、シーラントが表面に対する固体粒子の付着性を増加させることを立証する。
本実施例では、シリコーン系シーラントを固体粒子溶液に加え、固体粒子溶液を表面上にスプレーコーティングすることによるテクスチャ表面の付着性を増加させるための結合剤として機能させた。3グラムのシリコンワックス(silicon wax)(GP-533 GPC Silicon, Inc.など)を100mlのヘプタン中に溶解させることによって固体粒子溶液を形成した。シリコーンワックスがヘプタン中に完全に溶解するまで溶液を摂氏約60度に加熱した。溶液に超音波処理を施しながら溶液を氷浴中で急冷した。これによりシリコーンワックスが、溶媒中に懸濁するマイクロスケール及びナノスケール固体粒子へと核生成するのを促した。しかしながら、シリコーンワックス粒子は、PET及びHDPE表面に対する低い付着性を有する。シリコーンワックスの付着性を向上させるために、2グラムのシリコーン系シーラント(例えば、RTV 118, Momentive, Inc.)を固体懸濁液に添加した。添加したシーラントは溶媒に可溶であることが望ましい。シーラントが添加されると固体懸濁液の粘度は増加した。次いで、固体粒子懸濁液を8オンスPET容器の内部表面上にスプレーコーティングした。溶媒が蒸発すると、シリコーン系シーラントは表面上で乾燥し、シリコーンワックス粒子と結合し、それによって固体粒子を表面に接着する。図7Aは、均一なテクスチャ表面を示す、固体粒子溶液をスプレーコーティングすることにより形成されたテクスチャ表面のSEM画像を示す。これに対し、図7Bは、表面上のシリコン系シーラント(silicon based sealant)のみのコーティングを示す。この図は、ほぼ平坦な表面を示し、したがって、シーラントが表面に対する固体粒子の付着性を増加させることを立証する。
実施例3:別の成分への固体の分離
本実施例では、蜜ろうを、異なる溶媒、すなわち、酢酸エチル及びエタノール中における各成分の溶解度に基づき、第1成分と第2成分とに分離した。分離を実施するために、2グラムの蜜ろうを摂氏約78度の温度で沸騰したエタノールに加えた。沸騰エタノール中に溶解させた蜜ろうの第1成分は透明なエタノール溶液を形成する一方、第2成分はエタノールを収容している容器の底部に沈降した。これは、第1成分がエタノール中で高い溶解度を有する一方、第2成分はエタノール中で乏しい又はそうでなければごくわずかな溶解度を有することを意味する。第1成分のエタノール溶液の上部透明層を第2成分から分離し、金属缶内に配置した。金属缶をソニケータ内の氷と水との混合物中に配置し、第1成分の溶液を急速冷却した。エタノール中に懸濁した第1成分の固体粒子を含む均質の濁った溶液が得られるまで第1成分の溶液を20分間音波破砕した。実質的にすべての第2成分が酢酸エチル中に溶解して第2成分の透明溶液を形成するまで、未溶解の第2成分を高温酢酸エチルに加えた。次いで、第2成分の溶液を超音波処理下で室温まで冷却した。これによりエチルアセテート中に懸濁した蜜ろうの第2成分のマイクロ粒子を作製し、それによって、蜜ろうの第2成分の固体粒子懸濁液を作製した。
本実施例では、蜜ろうを、異なる溶媒、すなわち、酢酸エチル及びエタノール中における各成分の溶解度に基づき、第1成分と第2成分とに分離した。分離を実施するために、2グラムの蜜ろうを摂氏約78度の温度で沸騰したエタノールに加えた。沸騰エタノール中に溶解させた蜜ろうの第1成分は透明なエタノール溶液を形成する一方、第2成分はエタノールを収容している容器の底部に沈降した。これは、第1成分がエタノール中で高い溶解度を有する一方、第2成分はエタノール中で乏しい又はそうでなければごくわずかな溶解度を有することを意味する。第1成分のエタノール溶液の上部透明層を第2成分から分離し、金属缶内に配置した。金属缶をソニケータ内の氷と水との混合物中に配置し、第1成分の溶液を急速冷却した。エタノール中に懸濁した第1成分の固体粒子を含む均質の濁った溶液が得られるまで第1成分の溶液を20分間音波破砕した。実質的にすべての第2成分が酢酸エチル中に溶解して第2成分の透明溶液を形成するまで、未溶解の第2成分を高温酢酸エチルに加えた。次いで、第2成分の溶液を超音波処理下で室温まで冷却した。これによりエチルアセテート中に懸濁した蜜ろうの第2成分のマイクロ粒子を作製し、それによって、蜜ろうの第2成分の固体粒子懸濁液を作製した。
第1成分の固体粒子溶液及び第2成分の固体粒子溶液のそれぞれをPET容器の内部表面上にスプレーコーティングし、エタノール溶媒を蒸発させてテクスチャ表面を形成した。図8Aは、第1成分の固体粒子溶液をPET容器上に噴霧することにより形成されたテクスチャ表面の及び(and)SEM画像を示す。図8Aに示すように、テクスチャ表面は全般的にうろこ状であり鋭いフィーチャを有する。テクスチャ表面における含浸液の露出領域部分φは非常に小さく、ピン止め領域の減少をもたらす。これに対し、図8Bは、第2成分の固体粒子溶液をPET表面上にスプレーコーティングし、酢酸エチル溶媒を蒸発させることにより形成されたテクスチャ表面のSEM画像を示す。テクスチャ表面に含まれる固体フィーチャは略円形であり且つ小さく、含浸液のより高い露出領域部分φにつながり得る。高い露出領域部分φを有する液体含浸表面上に製品がピン止めされる可能性が高くなるため、このことは、テクスチャ表面に含浸液を含浸させることにより形成された液体含浸表面上における製品の摺動性能に影響を及ぼす可能性がある。
実施例4:溶媒を変更して固体粒子サイズ分布を変える
本実施例では、3つの異なる溶媒中でコメヌカロウのエマルションを調製し、異なる粒子サイズ分布を有する固体粒子溶液を得た。より具体的には、コメヌカロウはジイソプロピルエーテルに可溶であり、エタノールに不溶であり、イソプロピルアルコールに一部可溶である。コメヌカロウの固体粒子溶液を噴霧することにより形成される固体フィーチャの粒子サイズ分布は、コメヌカロウを懸濁又は溶解させる溶媒の選択によって制御することができ、溶媒中のコメヌカロウの溶解度に基づく。コメヌカロウの固体粒子溶液は、コメヌカロウを、それぞれ、摂氏78度で沸騰したエタノール中、摂氏83度で沸騰したイソプロピルアルコール中及び摂氏70度で沸騰したジイソプロピルエーテル中に溶解させることによって調製した。溶液のそれぞれを室温まで冷却し、各溶媒中におけるコメヌカロウの固体粒子懸濁液を得た。固体粒子懸濁液のそれぞれをPET容器の内部表面上にスプレーコーティングし、溶媒を蒸発させてテクスチャ表面を形成した。図9は、エタノール中のコメヌカロウの固体粒子溶液をスプレーコーティングすることにより形成された第1のテクスチャ表面のトポグラフィックインターフェロメトリ画像(Taylor Hobson, CCI HD)を示す。第1のテクスチャ表面は、PET表面上における固体フィーチャの一様分布を含む。図10は、ジイソプロピルエーテル中のコメヌカロウの固体粒子溶液をスプレーコーティングすることにより形成された第2のテクスチャ表面のトポグラフィックインターフェロメトリ画像(Taylor Hobson, CCI HD)を示す。第2のテクスチャ表面は、複数の小さな固体フィーチャが散在する、約20μmの平均高さを有する大きな固体フィーチャを含む固体テクスチャを有していた。図11は、イソプロピルアルコール中のコメヌカロウの固体粒子溶液をスプレーコーティングすることにより形成された第3のテクスチャ表面のトポグラフィックインターフェロメトリ画像(Taylor Hobson, CCI HD)を示す。第3のテクスチャ表面は第1のテクスチャ表面及び第2のテクスチャ表面よりも大幅に粗く、小さな固体フィーチャが散在する大きな固体フィーチャを含んでいた。
本実施例では、3つの異なる溶媒中でコメヌカロウのエマルションを調製し、異なる粒子サイズ分布を有する固体粒子溶液を得た。より具体的には、コメヌカロウはジイソプロピルエーテルに可溶であり、エタノールに不溶であり、イソプロピルアルコールに一部可溶である。コメヌカロウの固体粒子溶液を噴霧することにより形成される固体フィーチャの粒子サイズ分布は、コメヌカロウを懸濁又は溶解させる溶媒の選択によって制御することができ、溶媒中のコメヌカロウの溶解度に基づく。コメヌカロウの固体粒子溶液は、コメヌカロウを、それぞれ、摂氏78度で沸騰したエタノール中、摂氏83度で沸騰したイソプロピルアルコール中及び摂氏70度で沸騰したジイソプロピルエーテル中に溶解させることによって調製した。溶液のそれぞれを室温まで冷却し、各溶媒中におけるコメヌカロウの固体粒子懸濁液を得た。固体粒子懸濁液のそれぞれをPET容器の内部表面上にスプレーコーティングし、溶媒を蒸発させてテクスチャ表面を形成した。図9は、エタノール中のコメヌカロウの固体粒子溶液をスプレーコーティングすることにより形成された第1のテクスチャ表面のトポグラフィックインターフェロメトリ画像(Taylor Hobson, CCI HD)を示す。第1のテクスチャ表面は、PET表面上における固体フィーチャの一様分布を含む。図10は、ジイソプロピルエーテル中のコメヌカロウの固体粒子溶液をスプレーコーティングすることにより形成された第2のテクスチャ表面のトポグラフィックインターフェロメトリ画像(Taylor Hobson, CCI HD)を示す。第2のテクスチャ表面は、複数の小さな固体フィーチャが散在する、約20μmの平均高さを有する大きな固体フィーチャを含む固体テクスチャを有していた。図11は、イソプロピルアルコール中のコメヌカロウの固体粒子溶液をスプレーコーティングすることにより形成された第3のテクスチャ表面のトポグラフィックインターフェロメトリ画像(Taylor Hobson, CCI HD)を示す。第3のテクスチャ表面は第1のテクスチャ表面及び第2のテクスチャ表面よりも大幅に粗く、小さな固体フィーチャが散在する大きな固体フィーチャを含んでいた。
実施例5:添加剤として塩を水系ワックスエマルションに混合する
本実施例では、水中カルナバワックスのエマルションに塩を加え、表面粗さを増加させ、均一なテクスチャ表面を作製した。本実施例では、水系カルナバワックスエマルション(Syncera 1407, Paramelt.com)を使用した。このカルナバワックスエマルションは、果物をコーティングし、このような果物の緩衝性(buffability)及び光沢度を高めるための直接食品添加剤(direct food additive)として広く使用されている。カルナバワックスエマルションを表面上に配置することにより形成されたテクスチャ表面は固体粒子溶液を安定的に含浸させるには滑らか過ぎる。テクスチャ表面の粗さを増すために、塩が表面上で核生成し、所望のテクスチャ表面を作製することができるように、塩粒子をカルナバワックス中に溶解させた。約1グラムの塩化ナトリウム塩を約10グラムのカルナバワックスエマルションに加え、溶液を十分に混ぜた。塩化ナトリウムの濃度はエマルション中の塩の飽和濃度を大幅に下回り、したがって、すべての塩がエマルション中に溶解した。その後、エマルションをPET容器の内部表面上にスプレーコーティングし、溶媒を30秒間蒸発させた。表面上における塩分子の核形成によって、濁ったテクスチャド(textured)が表面上に形成された。図12は、PET容器上に形成されたテクスチャ表面のインターフェロメトリ画像(Taylor Hobson, CCI HD)を示す。表面は約58%の複雑度を有し、固体コーティングの重量は約0.05グラムであった。固体フィーチャにより多くの量の含浸液を安定的に含浸させることができ、塩を含まないカルナバワックスエマルションをスプレーコーティングすることにより形成されたテクスチャ表面に比べてより少ない露出領域部分φを有した。しかしながら、表面上に形成される塩粒子の固体フィーチャは製品、例えば、水性接触液に可溶であり得る。これを克服するため、塩粒子を含むテクスチャ表面に塩を含まないカルナバワックスエマルションのコーティングを上塗りした。これにより、塩粒子が製品と直接接触しないようにし、塩が製品中に溶解することを防ぐカルナバワックス層で被覆された塩粒子の固体フィーチャをテクスチャ表面が有するように「サンドウィッチ」コーティングを作製した。図13は、カルナバワックスエマルションを上塗りした後のテクスチャ表面のインターフェロメトリ画像(Taylor Hobson, CCI HD)を示す。テクスチャ表面の全体的な複雑度は約15%低下し、塩粒子が被覆され、カルナバワックスコーティングによって保護されたことを示した。塩−カルナバワックスエマルションとカルナバワックスエマルションとの複数層を表面上に配置し、テクスチャ表面の所望の表面粗さ、複雑度、粒子サイズ分布、表面化学特性及び又は安定性又はそうでなければ頑強性を得ることができる。
本実施例では、水中カルナバワックスのエマルションに塩を加え、表面粗さを増加させ、均一なテクスチャ表面を作製した。本実施例では、水系カルナバワックスエマルション(Syncera 1407, Paramelt.com)を使用した。このカルナバワックスエマルションは、果物をコーティングし、このような果物の緩衝性(buffability)及び光沢度を高めるための直接食品添加剤(direct food additive)として広く使用されている。カルナバワックスエマルションを表面上に配置することにより形成されたテクスチャ表面は固体粒子溶液を安定的に含浸させるには滑らか過ぎる。テクスチャ表面の粗さを増すために、塩が表面上で核生成し、所望のテクスチャ表面を作製することができるように、塩粒子をカルナバワックス中に溶解させた。約1グラムの塩化ナトリウム塩を約10グラムのカルナバワックスエマルションに加え、溶液を十分に混ぜた。塩化ナトリウムの濃度はエマルション中の塩の飽和濃度を大幅に下回り、したがって、すべての塩がエマルション中に溶解した。その後、エマルションをPET容器の内部表面上にスプレーコーティングし、溶媒を30秒間蒸発させた。表面上における塩分子の核形成によって、濁ったテクスチャド(textured)が表面上に形成された。図12は、PET容器上に形成されたテクスチャ表面のインターフェロメトリ画像(Taylor Hobson, CCI HD)を示す。表面は約58%の複雑度を有し、固体コーティングの重量は約0.05グラムであった。固体フィーチャにより多くの量の含浸液を安定的に含浸させることができ、塩を含まないカルナバワックスエマルションをスプレーコーティングすることにより形成されたテクスチャ表面に比べてより少ない露出領域部分φを有した。しかしながら、表面上に形成される塩粒子の固体フィーチャは製品、例えば、水性接触液に可溶であり得る。これを克服するため、塩粒子を含むテクスチャ表面に塩を含まないカルナバワックスエマルションのコーティングを上塗りした。これにより、塩粒子が製品と直接接触しないようにし、塩が製品中に溶解することを防ぐカルナバワックス層で被覆された塩粒子の固体フィーチャをテクスチャ表面が有するように「サンドウィッチ」コーティングを作製した。図13は、カルナバワックスエマルションを上塗りした後のテクスチャ表面のインターフェロメトリ画像(Taylor Hobson, CCI HD)を示す。テクスチャ表面の全体的な複雑度は約15%低下し、塩粒子が被覆され、カルナバワックスコーティングによって保護されたことを示した。塩−カルナバワックスエマルションとカルナバワックスエマルションとの複数層を表面上に配置し、テクスチャ表面の所望の表面粗さ、複雑度、粒子サイズ分布、表面化学特性及び又は安定性又はそうでなければ頑強性を得ることができる。
システム、方法及びデバイスの種々の実施形態について上述してきたが、これらは単に例として提示されものであり、限定ではないと理解すべきである。上述の方法及び工程は特定の順序で起こる特定の事象を示すが、本開示の利益を有する当業者であれば、特定の工程の順序は変更してよく、このような変更は本発明の変更形態に従うものであると理解している。加えて、可能であれば、特定の工程は並列プロセスで同時に実施してよいことに加えて、上述のように順次実施してもよい。
例えば、いくつかの実施形態では、高融点固体は、高沸点を有する第1溶媒中に溶解させて、固体粒子溶液又は別の懸濁液を調製することができる。溶液が形成されると、低粘度及び/又は低沸点を有する第2溶媒を固体粒子溶液に加えることができる、又は第1溶媒を第2溶媒で置換することができる。第2溶媒の低い粘度は固体粒子溶液のスプレーコーティングを容易にし得る一方、低い粘度は蒸発速度を加速することができる。いくつかの実施形態では、固体粒子溶液を、高溶融点(molten point)の固体を溶融状態で低沸点溶媒に加え、溶解を加速することによって形成することができる。超音波処理も実施し、溶解プロセスを加速することができる。いくつかの実施形態では、固体粒子溶液中に高蒸気圧溶媒を使用し、固体粒子を表面上にスプレーコーティングしたときの微粒化の程度を増すことができる。いくつかの実施形態では、量子ドット若しくは蛍光粒子を固体粒子溶液又は懸濁液に加え、テクスチャ表面に色、蛍光又はバイオセンシング性能(例えば、酸素検知)を付加することができる。いくつかの実施形態では、様々な粒子サイズを有する固体粒子溶液は紫外線硬化性固体を溶媒中に溶解させて固体粒子溶液を形成することにより調製することができる。溶液は、種々の強度の紫外線に曝露させ、溶媒中に懸濁した様々な粒子サイズを有する複数の固体粒子を得ることができる。
実施例6:非溶媒を固体溶液に添加して粒子を導入する
溶媒/非溶媒の組み合わせを使用して、溶媒混合液の蒸発時にマイクロ/ナノ多孔質網状体へと自己集合する固体粒子懸濁液又はコロイド分散系を作製することができる。音波処理を使用して凝集を破砕し、より密な(tighter)粒子サイズ分布を得ることができる。例えば、いくらかのポリマー(例えば、アイソタクチックポリプロピレン)を濃度2グラム/100mlの高沸点相溶性溶媒(例えば、キシレン)中に完全に溶解させ、続いて、系をゲルで固化する前に非溶媒(例えば、2−ブタノン)を添加することができる(例えば、キシレン対2−ブタノンの比は3:2未満である)。得られたコーティングは本質的に超疎水性であってよく、図14に示すように約30.5%の複雑度を有する。
溶媒/非溶媒の組み合わせを使用して、溶媒混合液の蒸発時にマイクロ/ナノ多孔質網状体へと自己集合する固体粒子懸濁液又はコロイド分散系を作製することができる。音波処理を使用して凝集を破砕し、より密な(tighter)粒子サイズ分布を得ることができる。例えば、いくらかのポリマー(例えば、アイソタクチックポリプロピレン)を濃度2グラム/100mlの高沸点相溶性溶媒(例えば、キシレン)中に完全に溶解させ、続いて、系をゲルで固化する前に非溶媒(例えば、2−ブタノン)を添加することができる(例えば、キシレン対2−ブタノンの比は3:2未満である)。得られたコーティングは本質的に超疎水性であってよく、図14に示すように約30.5%の複雑度を有する。
実施形態を特に示し且つ記載してきたが、形態及び細部に種々の変更を施してもよいことは理解されよう。
Claims (23)
- テクスチャ表面を形成する方法であって、
溶媒中に固体を溶解させて溶液を形成することであって、前記固体は、第1温度での前記溶媒中の前記固体の第1飽和濃度よりも低く、且つ第2温度での前記溶媒中の前記固体の第2飽和濃度よりも高い濃度を有することと、
前記溶液を前記第2温度に冷却させて固体粒子溶液を形成することと、
前記固体粒子溶液を表面上に配置することと、
前記溶媒を蒸発させて前記テクスチャ表面を形成することと
を含む、方法。 - 前記溶媒を加熱して前記溶媒中の前記固体を溶解することを更に含む、請求項1に記載の方法。
- 前記第2温度は室温である、請求項1に記載の方法。
- 前記第1温度は前記溶媒の沸点に実質的に等しい、請求項1に記載の方法。
- 前記固体粒子溶液は添加剤を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記添加剤は、前記表面上での前記固体粒子溶液の拡散を向上させるように作製される、請求項5に記載の方法。
- 前記添加剤は、前記表面上での前記固体粒子溶液の濡れ性を向上させるように作製される、請求項5に記載の方法。
- 前記添加剤は、前記溶媒の蒸発を制御するように作製される、請求項5に記載の方法。
- 前記添加剤はシリコーン系シーラントを含む、請求項5に記載の方法。
- 前記添加剤は、前記テクスチャ表面の表面化学特性を変えるように作製された界面活性剤である、請求項5に記載の方法。
- 前記添加剤は、前記テクスチャ表面に対する含浸液の濡れ性を向上させるように作製された界面活性剤である、請求項5に記載の方法。
- 前記添加剤は、前記固体を前記溶液中で一部溶解相又は完全溶解相のうち少なくとも1つに維持するように作製される、請求項5に記載の方法。
- マイクロ粒子及びナノ粒子のうち少なくとも1つを前記溶液に添加して懸濁液を形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
- 液体を前記テクスチャ表面へと移して液体含浸表面を形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
- テクスチャ表面を形成する方法であって、
固体を溶媒と組み合わせることと、
前記溶媒を第1温度に加熱することにより前記溶媒中に前記固体を溶解させて溶液を形成することであって、前記固体は、前記第1温度での前記溶媒中の前記固体の第1飽和濃度よりも低く、且つ第2温度での前記溶媒中の前記固体の第2飽和濃度よりも高い濃度を有することと、
前記溶液を第2温度に冷却させて固体粒子溶液を形成することと、
前記固体粒子溶液を表面上に配置することと、
前記溶媒を蒸発させて前記テクスチャ表面を形成することと
を含む、方法。 - 前記第2温度は室温である、請求項15に記載の方法。
- 前記溶液の冷却速度を制御することを更に含む、請求項15に記載の方法。
- 前記固体粒子溶液は複数の固体粒子を含み、前記冷却速度は、前記溶媒中の前記固体粒子の粒子サイズ分布を制御するように構成される、請求項17に記載の方法。
- 前記表面を加熱して前記溶媒を蒸発させることを更に含む、請求項15に記載の方法。
- 液体を前記テクスチャ表面へと移して液体含浸表面を形成することを更に含む、請求項15に記載の方法。
- テクスチャ表面を形成する方法であって、
溶媒を第1温度に加熱することと、
前記溶媒中に固体を溶解させて溶液を形成することであって、前記固体は、前記第1温度での前記溶媒中の前記固体の第1飽和濃度よりも低く、且つ室温での前記溶媒中の前記固体の第2飽和濃度よりも高い濃度を有することと、
前記溶液を前記室温まで冷却して固体粒子溶液を形成することと、
前記固体粒子溶液を表面上に配置することと、
前記溶媒を蒸発させて前記テクスチャ表面を形成することと
を含む、方法。 - 前記溶液を室温よりも高い第2温度で保管することを更に含み、前記第2温度は、前記固体を前記溶液中で一部溶解相又は完全溶解相のうち少なくとも1つに維持するのに十分である、請求項21に記載の方法。
- 前記固体が前記溶液中で完全溶解相を維持するように前記濃度が前記第1飽和濃度よりも低い第2温度で前記溶液を保管することを更に含む、請求項21に記載の方法。
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