JP2018511331A - 導入遺伝子発現のための植物プロモーター - Google Patents

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Abstract

本開示は、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターを用いて植物体又は植物細胞におけるヌクレオチド配列の転写を促進するための組成物及び方法に関する。いくつかの実施形態は、作用可能であるように連結されたヌクレオチド配列の転写を促進するように植物で作用するミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターに関する。【選択図】 図1

Description

関連特許出願の相互参照
本出願は、2015年4月15日に出願された米国特許仮出願第62/147,868号の利益に対する優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に援用される。
電子ファイルで提出される資料の参照による援用
本願と共に提出され、且つ、2016年3月22日に作製された「77035-WO-PCT-20160322-Sequence-Listing-ST25.txt」という名称の1つの36.7KBのACII(Text)ファイルとして特定されるコンピューター読み込み可能ヌクレオチド/アミノ酸配列表の全体を参照により援用する。
本開示は、全般的に植物又は植物細胞におけるヌクレオチド配列の構成及び転写を促進する方法に関する。いくつかの実施形態は、作用可能であるように連結されたヌクレオチド配列の転写を促進するように植物で作用するミナトカモジグサ(Brachypodium distachyon)メタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターに関する。特定の実施形態は、プロモーター(例えば、核酸分子を細胞に導入するため)と細胞、細胞培養株、組織、生物体及びプロモーターを含む生物体の一部、ならびにそこから生成される生産物を含む方法に関する。
多くの植物種は、農学的に望ましい形質又は特性を導入するために導入遺伝子で形質転換することができる。植物種は、特定の望ましい形質を持つように開発、及び/又は改変される。一般に、望ましい形質としては、例えば栄養的価値品質を改良する、収量を増やす、害虫又は病害耐性を付与する、乾燥及びストレス耐性を高める、園芸品質を改良する(例えば、色素形成及び成長)、除草剤耐性を与える、産業的に有用な化合物の生産を可能にする、及び/又は医薬の生産を可能にすることが挙げられる。
単一ゲノム遺伝子座にスタック化された複数の導入遺伝子を含むトランスジェニック植物種は植物形質転換技術を介して作製される。植物形質転換技術によって、植物細胞への導入遺伝子の導入、植物ゲノムに導入遺伝子が安定に取り込まれたコピーを含む稔性のトランスジェニック植物の再生が得られ、同時に、植物ゲノムの転写及び翻訳を介したその後の導入遺伝子発現は、望ましい形質及び表現型を有するトランスジェニック植物をもたらす。しかし、複数形質として設計された複数の導入遺伝子を高発現するトランスジェニック植物種の作製を可能にするメカニズムが望ましい。
同様に、植物の特定の組織又は器官内で導入遺伝子の発現を可能にするメカニズムが望ましい。例えば、植物の土壌病原体による感染耐性の増大は、病原体耐性蛋白質が植物の根中で強靭に発現するように病原体耐性遺伝子を用いて植物ゲノムを形質転換することで達成する可能性がある。あるいは、例えば細胞分裂又は伸長などの特定の成長又は発育相にある植物組織に導入遺伝子を発現させることが望ましいかもしれない。更にまた、除草剤耐性又は地上の昆虫及び害虫耐性を提供するために、植物の葉及び茎で導入遺伝子を発現させることが望ましいかもしれない。
従って、特定の植物組織で導入遺伝子の所望の発現レベルを促進できる新たな遺伝子調節エレメントの存在が必要である。
主題開示の実施形態において、開示は、ポリリンカー配列、非メタロチオネイン様遺伝子、又はポリリンカー配列及び非メタロチオネイン様遺伝子の組合せと作用可能であるように連結するプロモーターであって、前記プロモーターが配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を持つポリヌクレオチド配列を含む核酸ベクターに関する。いくつかの実施形態において、プロモーターは長さが2,000bpである。追加的実施形態において、プロモーターは配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列からなる。他の実施形態において、プロモーターは選択マーカーをコードするポリヌクレオチドの発現を促進する。更なる実施形態において、プロモーターは導入遺伝子と作用可能であるように連結される。本実施形態の態様において、導入遺伝子は、殺虫剤耐性、除草剤耐性、窒素利用効率、水利用効率又は栄養価を付与する選択マーカー又は遺伝子産物をコードする。配列番号1のプロモーターは3’非翻訳ポリヌクレオチド配列(3’−UTR)と共に使用するために提供され、その3’非翻訳ポリヌクレオチド配列は、配列番号3と少なくとも90%の配列同一性を持つ配列を含み、その3’非翻訳ポリヌクレオチド配列は前記ポリリンカー又は前記導入遺伝子と作用可能であるように連結されている。他の実施形態において、配列番号1のプロモーターは、5’非翻訳ポリヌクレオチド配列と共に使用するために提供され、5’非翻訳ポリヌクレオチド配列は、配列番号4と少なくとも90%の配列同一性を持つ配列を含み、5’非翻訳ポリヌクレオチド配列は前記ポリリンカー又は前記導入遺伝子と作用可能であるように連結されている。他の実施形態において、配列番号1のプロモーターは更にイントロン配列を含む。更なる実施形態において、配列番号1のプロモーターは地下組織特異的発現を促進する。
さらに別の実施形態において、主題開示によって、導入遺伝子に作用可能であるように連結された配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を持つポリヌクレオチド配列を含む非ヤマカモジグサ属(Brachypodium)植物が提供される。本実施形態に従って、植物はトウモロコシ、コムギ、イネ、モロコシ、オート麦、ライ麦、バナナ、サトウキビ、ダイズ、ワタ、シロイヌナズナ、タバコ、ヒマワリ及びアブラナからなる群から選択される。続いて、配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を持つポリヌクレオチド配列を含むその非ヤマカモジグサ属植物はいくつかの実施形態においてトウモロコシであり得る。他の実施形態において、導入遺伝子は、配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を持つポリヌクレオチド配列に作用可能であるように連結され、植物ゲノムに挿入される。いくつかの実施形態において、配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を持つポリヌクレオチド配列はプロモーターであり、前記プロモーターは導入遺伝子と作用可能であるように連結される。他の実施形態において、その非ヤマカモジグサ属植物は、配列番号3を含む3′非翻訳配列、又は配列番号3と少なくとも90%の配列同一性を持つ3′非翻訳配列を含み、その3′非翻訳配列は前記導入遺伝子と作用可能であるように連結されている。更なる実施形態において、配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を持つポリヌクレオチド配列は、地下組織特異的発現で導入遺伝子の発現を促進する。更なる実施形態において、配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を持つポリヌクレオチド配列は長さが2,000bpである。
1つの実施形態において、主題開示は、トランスジェニック植物細胞を作製する方法であって、少なくとも1つの対象のポリヌクレオチド配列に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含む遺伝子発現カセットで植物細胞を形質転換するステップ、その遺伝子発現カセットを含む形質転換植物細胞を単離するステップ、及び少なくとも1つの対象のポリヌクレオチド配列に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含むトランスジェニック植物を作製するステップを含む前記方法を提供する。他の実施形態において、植物細胞を形質転換する工程は、植物形質転換法を用いて行う。植物形質転換法は、アグロバクテリウム媒介形質転換法、バイオリステック形質転換法、 炭化ケイ素形質転換法、プロトプラスト形質転換法及びリポソーム形質転換法からなる群から選択することができる。他の実施形態において、対象のポリヌクレオチド配列がトランスジェニック植物細胞全体で構造的に発現される。いくつかの実施形態において、対象のポリヌクレオチド配列がトランスジェニック植物細胞のゲノムに安定に組み込まれる。従って、トランスジェニック植物細胞を作製する前記方法は、トランスジェニック植物細胞をトランスジェニック植物に再生するステップ、及びそのトランスジェニック植物を得るステップをさらに含むことができ、そのトランスジェニック植物は少なくとも1つの対象のポリヌクレオチド配列に作用可能であるように連結したミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含む遺伝子発現カセットを含む。1つの実施形態において、トランスジェニック植細胞は単子葉トランスジェニック植細胞又は双子葉トランスジェニック植細胞である。例えば、双子葉トランスジェニック植物細胞はシロイヌナズナ植物細胞、タバコ植物細胞、ダイズ植物細胞、アブラナ植物細胞、及びワタ植物細胞からなる群から選択することができる。更に、単子葉トランスジェニック植細胞はトウモロコシ植物細胞、イネ植物細胞及びコムギ植物細胞からなる群から選択される。本方法で使用されるミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは配列番号1のポリヌクレオチドを含んでもよい。実施形態において、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは配列番号1の3′末端に作用可能であるように連結された対象の第1ポリヌクレオチド配列を更に含んでもよい。
1つの実施形態において、主題開示は、植物細胞での対象のポリヌクレオチド配列を発現する方法であって、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターに作用可能であるように連結された対象のポリヌクレオチド配列を植物細胞に導入することを含む前記方法を提供する。いくつかの実施形態において、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターに作用可能であるように連結されたその対象のポリヌクレオチド配列は植物形質転換法によって植物細胞に導入される。このような植物形質転換法は、アグロバクテリウム媒介形質転換法、バイオリステック形質転換法、炭化ケイ素形質転換法、プロトプラスト形質転換法、及びリポソーム形質転換法からなる群から選択することができる。実施形態において、対象のポリヌクレオチド配列が植物細胞全体で構造的に発現される。いくつかの実施形態において、対象のポリヌクレオチド配列が植物細胞に安定に組み込まれる。したがって、そのトランスジェニック植物細胞は単子葉植物細胞又は双子葉植細胞である。例えば、双子葉植物細胞はシロイヌナズナ植物細胞、タバコ植物細胞、ダイズ植物細胞、アブラナ植物細胞、及びワタ植物細胞からなる群から選択することができる。更に、単子葉トランスジェニック植物細胞はトウモロコシ植物細胞、イネ細胞及びコムギ植物細胞からなる群から選択される。
1つの実施形態において、主題開示はミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含むトランスジェニック植物細胞を提供する。いくつかの実施形態において、トランスジェニック植物細胞はトランスジェニック事象を含む。実施形態の1つの態様において、トランスジェニック事象は農業形質を含む。従って、農業形質は殺虫性耐性形質、除草剤耐性形質、窒素使用効率形質、水利用効率形質、栄養価形質、DNA結合形質、選択マーカー形質、低分子RNA形質又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。他の実施形態において、農業形質は除草剤耐性形質を含む。実施形態に1つの態様において、除草剤耐性形質はaad-1コード配列を含む。いくつかの実施形態において、トランスジェニック植物細胞は商品生産物を産生する。商品生産物は、厳選された蛋白質濃縮物、蛋白質分離物、穀粒、ミール、オイル、小麦粉、又は繊維である。実施形態において、トランスジェニック植物細胞は双子葉植物細胞又は単子葉植物細胞からなる群から選択される。従って、単子葉植物細胞はトウモロコシ植物細胞である。他の実施形態において、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは配列番号1のポリヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を持つポリヌクレオチドを含む。さらに別の実施形態において、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは長さが2,000bpである。更なる実施形態において、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは配列番号1からなる。追加的実施形態において、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは、配列番号1の3′末端に作用可能であるように連結されている配列番号1からなる。他の実施形態において、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは地下植物組織での農業形質の発現を促進する。
主題開示は、配列番号1のポリヌクレオチドと少なくとも90%の配列同一性を持つ核酸配列を含む単離ポリヌクレオチドに対して提供する。いくつかの実施形態において、単離ポリヌクレオチドは地上組織特異的発現を促進する。他の実施形態において、単離ポリヌクレオチドは植物細胞の中で発現活性を持つ。実施形態において、単離ポリヌクレオチドはポリペプチド及び終止配列をコードするオープンリーディングフレームポリヌクレオチドを含む。更なる実施形態としては、配列番号1のポリヌクレオチドと少なくとも90%の配列同一性を持つ核酸配列を含み、その配列番号1のポリヌクレオチドの長さが2,000bpである単離ポリヌクレオチドが挙げられる。
前記及び他の特徴は、幾つかの実施形態の以下の詳述からより明らかになるし、添付図面を参照することで進展するであろう。
(ミナトカモジグサMTLプロモーターと表示される)配列番号1のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターと(ミナトカモジグサMTL3’ UTRと表示される)配列番号3のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3’−UTRを含むpDAB102419の模式図を示す図である。 配列番号1のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター(2,000bp)と配列番号7(1,730bp)、配列番号8(1,530bp)、配列番号9(1,330bp)、配列番号10(1,130bp)及び配列番号11(1,001bp)の短縮型ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターのポリヌクレオチドアラインメントを提供する図である。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 配列番号1のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターと配列番号12の改変型ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターのポリヌクレオチドアラインメントを提供する図である。 同上。 同上。 配列番号3のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3’−UTRと配列番号13(264bp)、配列番号14(332bp)、配列番号15(630bp)及び配列番号16(727bp)の短縮型ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3’−UTRのポリヌクレオチドアラインメントを提供する図である。 同上。 同上。 配列番号3のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3’−UTRと配列番号17及び配列番号18の改変型ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3’−UTRのポリヌクレオチドアラインメントを提供する図である。 同上。
I. いくつかの実施形態の概要
トランスジェニック植物産物の開発がますます複雑になっている。商業的に実現可能なトランスジェニック植物は現在、単一遺伝子座に複数の導入遺伝子のスタッキングを必要とする。基礎研究又は生物工学応用に使用される植物プロモーターは一般に一方向であり、3′末端(下流)で融合される唯一の遺伝子を指向する。従って、各導入遺伝子は通常1つの発現用プロモーターを必要とし、1つの遺伝子スタック内の複数の導入遺伝子を発現するのに複数のプロモーターが必要である。遺伝子スタックの導入遺伝子数の増加とともに、通常同じプロモーターを使用し、異なる導入遺伝子の同様な発現パターンレベルを得る。導入遺伝子発現の同様なレベルを得ることが、単一ポリジーン形質の産生に必要である。残念なことに、同じプロモーターで促進される多重遺伝子構築物は圃場では効果の少ない遺伝子組換え作物をもたらす遺伝子サイレンシングの原因となる。プロモーターエレメントの反復が相同性に基づく遺伝子サイレンシングをもたらすかもしれない。加えて、導入遺伝子内の繰返し配列がポリヌクレオチド再編成を生じる遺伝子座内で遺伝子相同組み換えをもたらすかもしれない。導入遺伝子のサイレンシング及び再編成は、導入遺伝子を発現するために作製されたトランスジェニック植物の能力におそらく好ましくない影響を持つであろう。更に、プロモーター反復に起因する過剰な転写因子(TF)結合部位が転写不活性をもたらす内因性TFの減少を引き起こす場合がある。代謝工学及び形質スタッキングのために植物体に複数の遺伝子を導入する必要性を考慮すると、複数遺伝子の発現を促進する遺伝子組換え作物を開発するためにはさまざまなプロモーターが必要である。
プロモーター同定における特定の問題は、他の植物組織で発現しないその植物における特異的細胞型、成長段階及び/又は機能に関連した組織特異的プロモーターを同定することの必要性である。組織特異的(すなわち、優先される組織)又は器官特異的プロモーターは、植物の穀粒、根、葉又はタペート組織等の特定組織での遺伝子発現を促進する。 組織及び発育段階特異的プロモーターは、最初は、植物成長中の特定組織又は特定期間に発現する遺伝子発現の観察から識別することができる。これらの組織特異的プロモーターはトランスジェニック植物産業における特定の応用に必要であり、他の組織ではない種々の器官、組織及び/又は時間で差別的に異種遺伝子の発現を示し、組織及び/又は成長段階の選択的様式で異種遺伝子の特異的発現を可能にすることから望ましい。例えば、植物の土壌病原体による感染耐性の増大は、病原体耐性蛋白質が植物の根中で強靭に発現するように病原体耐性遺伝子を用いて植物ゲノムを形質転換することで達成する可能性がある。あるいは、例えば細胞分裂又は伸長などの特定の成長又は発育相にある植物組織に導入遺伝子を発現させることが望ましいかもしれない。もう1つの応用は、柔組織細胞の発達のように特定組織タイプでの農業形質コード化導入遺伝子発現に限定するための組織特異的プロモーターを使用する望ましさである。そのように、プロモーター同定の特定の問題は、プロモーター同定の方法及び特異的組織発現用細胞の開発的特性と同定プロモーターとの関連付けである。
プロモーターの同定に関する別の問題は、クローン化DNA断片が所望の特異的発現パターンで転写を促進するように全ての関連性のあるシス作用及びトランス活性化転写制御エレメントをクローン化する必要性である。そのような制御エレメントが翻訳開始部位又は開始点から遠位に位置するならば、プロモーターポリヌクレオチド配列の発現レベル及び発現パターンの提供には、プロモーターを含むように選択されたポリヌクレオチドのサイズが重要である。プロモーターの長さは機能的な情報を包含することが知られており、異なる遺伝子がゲノム内の他の遺伝子のプロモーターより長いか又は短いプロモーターを持つことが示された。プロモーターの転写開始点を明らかにすること、及びプロモーター領域内の機能的遺伝子エレメントを予測することは難しい。調節性モチーフならびにシス及びトランス調節エレメントの複雑性、多様性及び固有の縮重性がその難しさにさらに加えられる(Blanchette, Mathieu, et al. "Genome-wide computational prediction of transcriptional regulatory modules reveals new insights into human gene expression." Genome research 16.5 (2006): 656-668)。シス及びトランス調節エレメントはプロモーターの遠位部に位置し、必要な部位及び特定の時点においてのみ遺伝子の空間的及び時間的発現が起こるように調節を行う(Porto, Milena Silva, et al. "Plant promoters: an approach of structure and function." Molecular biotechnology 56.1 (2014): 38-49)。既存のプロモーター解析ツールは一般に配列内容にだけ焦点を置いているため、これらのツールはゲノム配列の中でそのようなシス調節エレメントを確実に特定することができず、従ってあまりに多くの偽陽性を予測する(Fickett JW, Hatzigeorgiou AG (1997) Eukaryotic promoter recognition. Genome research 7: 861-878)。従って、プロモーター調節エレメントの同定は、所望の態様で作用可能であるように連結された導入遺伝子の発現誘導が得られるであろう特定サイズの適切な配列を得ることが要件となる。
植物で導入遺伝子を発現するミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター調節エレメントの使用によってそのような問題を克服するための方法及び組成物が提供される。
II. 用語及び略語
出願明細書全体を通して、多くの用語が使用されている。そのような用語が与えられる範囲を含め、明細書及び特許請求の範囲の主張の明確で一貫した理解を提供するために、以下の定義が提供される。
本明細書で使用されるとき、用語「イントロン(intron)」は、転写されるが翻訳されない遺伝子に含まれる任意の核酸配列(又は、対象の発現したポリヌクレオチド配列)を意味する。イントロンは、DNAの発現される配列内の非翻訳核酸配列、ならびにそこから転写されるRNA分子中の対応する配列を含む。また、本明細書に記載される構築物はイントロンなどの翻訳及び/又はmRNA安定性を高める配列も含むことができる。そのようなイントロンの例は、シロイヌナズナ又は任意の他の一般に知られているイントロン配列のヒストンH3変異体の遺伝子IIの第1イントロンである。イントロンをプロモーター配列と組み合わせて使用し、翻訳及び/又はmRNA安定性を高めることができる。
本明細書で使用されるとき、用語「単離される(isolated)」は、天然の環境から除去される、又は化合物が最初に形成されるときに存在する他の化合物から除去されることを意味する。「単離される(isolated)」という用語は、天然源から単離される材料ならびに、宿主細胞での組み換え発現による調製後に回収される材料(例えば、核酸及び蛋白質)、あるいは核酸分子、蛋白質及びペプチド等の化学的合成品を包含する。
本明細書で使用されるとき、用語「精製される(purified)」は、天然又は自然環境において分子又は化合物と通常に会合した不純物を実質的に含まない形態の分子又は化合物、あるいは化合物が最初に形成されるときに存在する他の化合物と比較して濃度が実質的に高い分子又は化合物の分離を言い、最初の組成物の他の成分から分離された結果として純度が増加することを意味する。用語「精製された核酸(purified nucleic acid)」は、限定はされないが、ポリペプチド、脂質及び炭水化物を含む他の生物学的化合物から分離される、作製される又は精製される一方、成分の化学的又は機能的変化(例えば、蛋白質不純物の除去及び染色体に残留するDNAと核酸を結合する化学結合に破断によって染色体から精製されてもよい)に影響を及ぼす核酸配列を記載するために本明細書で使用される。
本明細書で使用されるとき、用語「合成物」は、インビトロ工程のときに化学合成を介して作製されるポリヌクレオチド(すなわち、DNA又はRNA)分子を指す。例えば、合成DNAは、合成DNAがDNA又はRNAの天然鎖から酵素的に生成されるようにエッペンドルフ(商標)チューブ内の反応中に作製されてもよい。他の実験室的方法を利用してポリヌクレオチド配列を合成することができる。オリゴヌクレオチドは、ホスホラミダイトを使用する固相合成を介してオリゴシンセサイザー上で化学的に合成することができる。合成オリゴヌクレオチドが複合体として相互にアニール化されることによって「合成」ポリヌクレオチドを産生する。ポリヌクレオチドを化学的に合成する他の方法は当技術分野においては公知であり、本開示での使用で容易に実施することができる。
本明細書で使用されるとき、用語「約(about)」は、その値の多少又は記載された値の10パーセントの範囲を意味するが、単なる広義で任意の値又は値の範囲を表わすことを意図しない。用語「約(about)」の後の値又はその値の範囲は、記載された絶対値又は値の範囲の具体化を包含することも意図されている。
本開示の目的では、「遺伝子」は、遺伝子産物をコードするDNA領域だけでなく、そのような調節配列がコーディング及び/又は転写配列に隣接するかどうかにかかわらず遺伝子産物の生成を調節するDNA領域を含む。従って、遺伝子としては、プロモーター配列、ターミネーター、翻訳調節配列(例えばリボソーム結合部位及び配列内リボソーム進入部位)、エンハンサー、サイレンサー、インスレーター 、バウンダリーエレメント、複製起点、基質付着部位及び遺伝子座領域が挙げられるが、これらに必ずしも限定されない。
本明細書で使用されるとき、「天然」又は「自然」という用語は自然で発見される状態を定義する。「天然のDNA配列」は、遺伝子工学(例えば、分子生物学/形質転換技術を使用する)によって生成されるのではなく自然な方法又は従来型繁殖方法によって生産される自然に存在するDNA配列である。
本明細書で使用されるとき、「導入遺伝子」は遺伝子産物をコードする核酸配列と定義され、例えば、限定はされないがmRNAが挙げられる。1つの実施形態において、導入遺伝子は外因的な核酸であり、導入遺伝子は通常発見されない場合に遺伝子工学によって宿主細胞に導入される。1つの実施形態において、導入遺伝子は工業的又は薬学的に有用な化合物をコードする、あるいは好ましい農業形質をコードする遺伝子(例えば、除草剤耐性遺伝子)である。さらに別の例では、導入遺伝子はアンチセンス核酸配列の発現が標的核酸配列の発現を阻害するアンチセンス核酸配列である。1つの実施形態において、導入遺伝子は、内因性核酸の追加的ゲノムコピーが望ましい内因性核酸、又は宿主生物で標的核酸の配列に対してアンチセンス方向にある核酸である。
本明細書で使用されるとき、「非メタロチオネイン様導入遺伝子」又は「非メタロチオネイン様遺伝子」という用語は、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子コード配列(配列番号6)と80%未満の配列同一性を持つ任意の導入遺伝子である。
本明細書で定義される「遺伝子産物」は、遺伝子によって産生される任意の産物である。例えば、遺伝子産物は、遺伝子の直接転写産物(例えば、mRNA、tRNA、rRNA、アンチセンスRNA、干渉RNA、リボザイム、構造RNA又は任意の他のRNAタイプ)又はmRNAの翻訳によって生成される蛋白質の場合がある。また、遺伝子産物としては、例えばキャッピング、ポリアデニル化、メチル化、及び編集によって修飾されるRNA、ならびに例えばメチル化、アセチル化、リン酸化、ユビキチン結合、ADPリボシル化、ミリストイル化、及びグリコシル化によって修飾される蛋白質を挙げることができる。遺伝子発現は、例えば細胞、組織又は生物体の遺伝子発現を増減させる薬剤への曝露等、外部シグナルによって影響を受ける場合がある。遺伝子の発現はまた、DNAからRNA、蛋白質への経路のいずれかで制御され得る。遺伝子発現の制御は、例えば転写、翻訳、RNAの輸送及びプロセシング、例えばmRNAなどの中間分子の分解に対する作用を制御することにより発生するか、又はそれらが生成された後の特定の蛋白質分子の活性化、不活化、区画化、又は分解を介して発生するか、又はそれらの組み合わせにより発生する。遺伝子発現は、これらに限定はされないが、ノーザンブロット、RT-PCR、ウエスタンブロット、又はインビトロ、インシトゥー、あるいはインビボ蛋白質活性アッセイ(複数)を含む当該技術分野で公知の任意の方法によってRNAレベル又は蛋白質レベルで測定することができる。
本明細書で使用されるとき、「遺伝子発現」は、核酸転写単位(例えば、ゲノムDNAを含む)のコードされた情報は、しばしば蛋白質の合成を含む細胞の操作、非操作又は構成部分に変換される。遺伝子発現は、遺伝子発現を増加又は低下させる剤への、例えば細胞、組織、又は生物体の曝露などの外部シグナルにより影響され得る。遺伝子の発現はまた、DNAからRNA、蛋白質への経路のいずれかで制御され得る。遺伝子発現の制御は、例えば転写、翻訳、RNAの輸送及びプロセッシング、例えばmRNAなどの中間分子の分解に対する作用を制御することにより発生するか、又はそれらが生成された後の特定の蛋白質分子の活性化、不活化、区画化、又は分解を介して発生するか、又はそれらの組み合わせにより発生する。遺伝子発現は、これらに限定はされないが、ノーザンブロット、RT-PCR、ウエスタンブロット、又はインビトロ、インシトゥー、あるいはインビボ蛋白質活性アッセイ(複数)を含む当該技術分野で公知の任意の方法によってRNAレベル又は蛋白質レベルで測定することができる。
本明細書で使用されるとき、「相同性ベースの遺伝子サイレンシング(HBGS)」は転写性遺伝子サイレンシング及び転写後遺伝子サイレンシングの両方を含む総称である。非連結サイレンシング遺伝子座による標的遺伝子座のサイレンシングは、プロモーター又は転写配列に一致する二本鎖RNA(dsRNA)の生成に起因して、転写阻害(転写性遺伝子サイレンシング;TGS)又はmRNA分解(転写後遺伝子サイレンシング;PTGS)から生じる場合がある。各工程における異なる細胞構成要素の関与は、dsRNAによって誘導されるTGS及びPTGSが、おそらく先祖の共通メカニズムの多様化から生じることを示唆する。しかしながら、TGSとPTGSの厳密な比較を行うことは、多くの場合、別個の遺伝子座のサイレンシングの解析に依っていることから、困難である。いくつかの例で、単一導入遺伝子の遺伝子座が、異なる標的遺伝子のプロモーター及び転写配列に相当するdsRNAの生成によって、TGS及びPTGS両方を起動させることができる。Mourrain et al. (2007) Planta 225:365−79.siRNAは、相同配列に対しTGSとPTGSを誘導する実績のある分子である可能性がある。siRNAはこのモデルにおいて、シス及びトランスで、内因性プロモーターへの導入遺伝子配列のメチル化の拡散を介した相同配列のサイレンシングとメチル化を誘導する。
本明細書で使用されるとき、「核酸分子」(又は「核酸」又は「ポリヌクレオチド」)という用語はヌクレオチドの高分子形を指し、RNAのセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方、cDNA、ゲノムDNAならびに上記の合成形態及び混合高分子を挙げることができる。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、又はいずれかのタイプのヌクレオチドの修飾型を指す場合がある。本明細書で使用されるとき、「核酸分子」は「核酸」及び「ポリヌクレオチド」と同義である。別段の言及がない限り、核酸分子は通常、少なくとも10塩基の長さである。この用語は、不確定な長さのRNA分子又はDNA分子を指す場合もある。前記用語はDNAの一本鎖及び二本鎖の形を含む。核酸分子は、自然に発生する及び/又は非自然に発生するヌクレオチド結合によって共に連結された自然発生ヌクレオチド及び修飾ヌクレオチドのいずれか又は両方を含んでもよい。
核酸分子は、当業者によって容易に特性化される化学的又は生化学的に修飾されてもよく、あるいは非自然又は誘導体化ヌクレオチド塩基を含んでもよい。そのような修飾としては、例えば、標識、メチル化、自然発生ヌクレオチドの類似体による1つ以上の置換、ヌクレオチド間修飾(例えば無電荷結合:例えばメチルホスホナート、リン酸トリエステル、ホスホラミダイト、カルバマート等;荷電結合:例えばホスホナート、ホスホロジチオアート等;側鎖部分:ペプチド;インターカレータ:例えば、アクリジン、ソラレン等;キレーター;アルキル化剤;及び修飾連結;例えばα‐アノマ核酸等)を挙げることができる。また、「核酸分子」という用語は、一本鎖、二本鎖、部分的に二重、三重、ヘアピン型、円形及び南京錠型立体配座を含む位相幾何学立体配座も含む。
転写は、DNA鎖に沿って5’→3’の様式で進行する。これは、RNAが成長鎖のリボヌクレオチド-5′‐三リン酸から3′末端の逐次付加(ピロリン酸の必要な脱離によって)によって作製されることを意味する。直線状核酸分子、又は環状核酸分子のいずれかにおいて、別個のエレメント(例えば、特定のヌクレオチド配列)は、さらなるエレメントから5’の方向で同一核酸に結合されている場合、又は結合される場合に、そのエレメントに対し、「上流」又は「5’」であると呼称される場合もある。同様に、分離したエレメントが更なるエレメントに対して「下流」又は「3′」であるとしてよいのは、そのエレメントから3′方向に同じ核酸に結合する場合、又は結合する可能性ある場合である。
本明細書で使用される塩基「位置」は指定した核酸内に与えられた塩基又はヌクレオチド残基の位置を指す。指定された核酸とは、基準核酸とのアライメント(以下を参照)により規定され得る。
ハイブリダイゼーションは水素結合を介した2つのポリヌクレオチド鎖の結合と関連する。オリゴヌクレオチド及びそれらの類似体は、相補的塩基の間でワトソン・クリック型、フーグスティーン型又は逆フーグスティーン型水素結合を含む水素結合によって対合する。一般的に、核酸分子は、ピリミジン類(シトシン(C)、ウラシル(U)、及びチミン(T))又はプリン類(アデニン(A)及びグアニン(G))のいずれかの窒素含有塩基からなる。これら窒素含有塩基は、ピリミジンとプリンの間に水素結合を形成し、ピリミジンとプリンの結合は「塩基対」と呼称される。より具体的には、Aは、T又はUに水素結合し、GはCに結合する。「相補的」とは、2つの別個の核酸配列の間、又は同じ核酸配列の2つの別個の領域の間に存在する塩基対を指す。
「特異的にハイブリダイズ可能」及び「特異的に相補的」という用語は、オリゴヌクレオチドとDNA標的又はRNA標的の間に安定で特異的な結合が発生するのに充分な程度の相補性を示す用語である。オリゴヌクレオチドは、特異的にハイブリダイズ可能であるために、その標的配列に対して必ずしも100%相補的ではない。オリゴヌクレオチドは、標的DNA又はRNA分子へのオリゴヌクレオチドの結合が標的DNA又はRNAの正常機能と干渉するときに実質的にハイブリダイゼーションする。また、特異的結合が望まれる場合の条件、例えばインビボアッセイ又はシステムのケースでは生理的条件下で非標的配列へのオリゴヌクレオチドの非特異的結合を回避するのに十分な相補性度がある。かかる結合は、特異的ハイブリダイゼーションと呼称される。
特定の程度のストリンジェンシーを生じさせるハイブリダイゼーション条件は、選択したハイブリダイゼーション方法の性質、及びハイブリダイズする核酸配列の組成と長さに応じて変化する。概して、ハイブリダイゼーションの温度、及びハイブリダイゼーション緩衝液のイオン強度(特にNa+及び/又はMg2+の濃度)が、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを決定するが、洗浄時間もストリンジェンシーに影響を与える。特定のストリンジェンシーの程度を得るために必要とされるハイブリダイゼーション条件に関する算定は、例えば、Sambrook et al.(編) Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、第1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory Press、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク州、1989年、第9章及び第11章において検討されている。
本明細書において使用される場合、「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリダイゼーション分子とDNA標的の間のミスマッチが50%未満である場合でのみハイブリダイゼーションが発生する条件を包含する。「ストリンジェントな条件」は、特定のレベルのストリンジェンシーをさらに含む。したがって本明細書において使用される場合、「中程度のストリンジェンシー」条件とは、50%を超える配列ミスマッチを伴う分子がハイブリダイズしない条件であり、「高いストリンジェンシー」の条件は、20%を超えるミスマッチを伴う配列がハイブリダイズしない条件であり、及び「非常に高いストリンジェンシー」の条件は、10%を超えるミスマッチを伴う配列がハイブリダイズしない条件である。
特定の実施形態において、ストリンジェントな条件は、65℃でのハイブリダイゼーションと、次いで65℃、0.1×SSC/0.1%SDSを用いて40分間洗浄を行うことを含む場合がある。
以下は、代表的な非限定的ハイブリダイゼーション条件である:
非常に高いストリンジェンシー:16時間、65℃で5×SSC緩衝剤中ハイブリダイゼーション;15分間、室温で2×SSC緩衝剤中 2回洗浄;及び20分間、65℃で0.5×SSC緩衝剤中2回 洗浄。
高いストリンジェンシー:16〜20時間、65〜70℃で5x〜6×SSC緩衝剤中ハイブリダイゼーション; 5〜20分間、室温で2×SSC緩衝剤中2回洗浄;及び、30分間、55〜70℃で1×SSC緩衝剤中 2回洗浄。
中程度のストリンジェンシー:16-20時間、室温〜 55℃で6×SSC緩衝剤中ハイブリダイゼーション;20〜30分間、室温〜 55℃で2x〜3×SSC緩衝剤中少なくとも2回洗浄。
特定の実施形態において、特異的にハイブリダイズ可能な核酸分子は、非常に高いストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で結合を維持することができる。これら、及びさらなる実施形態において、特異的にハイブリダイズ可能な核酸分子は、高いストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で結合を維持することができる。これら、及びさらなる実施形態において、特異的にハイブリダイズ可能な核酸分子は、中程度のストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で結合を維持することができる。
オリゴヌクレオチド:オリゴヌクレオチドは、短い核酸ポリマーである。オリゴヌクレオチドは、長い核酸セグメントの開裂により形成されてもよく、又は個々のヌクレオチド前駆体の重合により形成されてもよい。自動合成により、最大で数百塩基対の長さのオリゴヌクレオチドの合成が可能である。オリゴヌクレオチドは相補的ヌクレオチド配列に結合することができるため、DNA又はRNAを検出するためのプローブとして使用することができる。DNA(オリゴデオキシリボヌクレオチド)から構成されるオリゴヌクレオチドを、小さなDNA配列の増幅のための技術であるPCRにおいて使用してもよい。PCRでは、オリゴヌクレオチドは一般的に、DNAポリメラーゼがオリゴヌクレオチドを延長して相補鎖を複製することを可能にする「プライマー」と称される。
本明細書で使用されるとき、2つの核酸又はポリペプチド配列の文脈の中で本明細書で使用される「配列同一性」又は「同一性」は、特定のComparison Window上で最大一致のために整列化させたときに同一である2つの配列中の残基と称すことができる。
本明細書において使用される場合、「配列同一性の割合」という用語は、最適に並べられた2つの分子配列(例えば、核酸配列又はポリペプチド配列)を、比較ウィンドウ上で比較することにより決定される値を指す場合があり、この場合において比較ウィンドウの配列部分は、2つの配列の最適なアライメントのために、基準配列(付加又は欠失を含んでいない)と比較し、付加又は欠失(すなわち、ギャップ)を含有する場合がある。割合は、比較ウィンドウにおいて、同一のヌクレオチド残基又はアミノ酸残基が両配列に存在する位置の数を決定し、合致した位置の数を出し、合致した位置の数を位置の総数で割り、100を掛けて配列同一性の割合を出すことにより算出される。
比較のための配列アライメントの方法は当分野において公知である。様々なプログラム及びアライメントアルゴリズムが記載されており、例えば以下がある:Smith and Waterman (1981) Adv.Appl.Math.2:482;Needleman and Wunsch(1970)J.Mol.Biol. 48:443;Pearson and Lipman (1988)Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.85:2444;Higgins and Sharp(1988)Gene73:237−44;Higgins and Sharp(1989)CABIOS5:151−3;Corpetet al. (1988)Nucleic Acids Res.16:10881−90; Huang et al.(1992)Comp. Appl. Biosci. 8:155−65;Pearson et al.(1994)Methods Mol.Biol. 24:307−31;Tatiana et al.(1999)FEMS Microbiol.Lett. 174:247−50.配列アライメント法及び相同性算出に関する詳細な検討については、例えば、下記に見出される:Altschul et al.(1990)J.Mol. Biol. 215:403−10.
国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)ベーシック・ローカルアラインメント・サーチツール(BLAST(商標);Altschul et al. (1990))は、いくつかの配列解析プログラムと共に使用するため、国立バイオテクノロジー情報センター(ベセスダ、メリーランド州)を含むいくつかの起源より入手可能であり、且つ、インターネット上で利用可能である。このプログラムを使用して配列同一性を決定する方法の記載は、BLAST(商標)の「ヘルプ」セクション下のインターネットで入手することができる。核酸配列の比較では、BLAST(商標)(Blastn)プログラムの機能「Blast2配列」を、デフォルトパラメータを使用して利用してもよい。この方法で評価する場合、参照配列に対して高い配列類似性を有する核酸配列は、高い割合の同一性を示す。
本明細書で使用されるとき、「作用可能であるように連結された(operably linked)」という用語は、第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的な関係にあるときに、第1の核酸配列が第2の核酸配列と作用可能であるように連結されることを意味する。例えば、プロモーターが、コード配列の転写又は発現に影響を与える場合、プロモーターは、コード配列に操作可能に連結されている。遺伝子組換的に作製されるとき、作用可能であるように連結された核酸配列は一般に隣接し、同じ読み枠の中で2つの蛋白質コード領域を結合する必要性がある。しかしながら、エレメントは、操作可能に連結されるために連続である必要はない。
本明細書で使用されるとき、プロモーター(promoter)」という用語は、一般に遺伝子の上流(遺伝子の5′領域の方)に位置し、遺伝子の転写を開始及び促進するために必要とされるDNAの領域を指す。プロモーターは調節する遺伝子の活性化又は抑制を可能にすることができる。プロモーターは、転写因子により認識される特異的配列を含有する場合がある。これらの因子はプロモーターDNA配列に結合することができ、その結果、遺伝子のコード領域からRNAを合成する酵素RNAポリメラーゼの動員をもたらす。プロモーターは、一般に、上流プロモーター、5′‐UTR、イントロン及びリーダー配列を含む遺伝子の上流に位置する全遺伝子調節エレメントを指す。
本明細書で使用されるとき、「上流‐プロモーター(upstream−promoter)」という用語は、転写の開始を命令するのに十分な隣接ポリヌクレオチド配列を指す。本明細書で使用されるとき、上流-プロモーターは幾つかの配列モチーフを持つ転写開始部位を包含し、それらにはTATAボックス、イニシエーター配列、TFIIB認識エレメント及び他のプロモーターモチーフ (Jennifer, E.F. et al., (2002) Genes & Dev., 16: 2583-2592)が含まれる。上流プロモーターは、TFIIA、B、D、E、F及びH等の基本的又は一般的転写因子を持つマルチサブユニット酵素であるRNAポリメラーゼIIに作用部位を提供する。 これらの因子は、DNAテンプレートからRNAの合成を触媒する転写プレ開始複合体を組み立てる。
上流‐プロモーターの活性化は、種々の蛋白質が結合し、次いで転写開始複合体と相互作用して遺伝子発現を活性化させる、調節性DNA配列エレメントの追加的配列によって行われる。これらの遺伝子調節エレメント配列は、特異的DNA結合因子と相互作用する。これらの配列モチーフは、時々シス‐エレメントと称され得る。組織特異的又は成長特異的転写因子が個別に又は組合せで結合するそのようなシス‐エレメントは、転写レベルでプロモーターの空間時間的発現パターンを決定することができる。これらのシス‐エレメントは、作用可能であるように連結された遺伝子上で出す調節タイプで大きく変化する。いくつかのエレメントは、環境応答(例えば、温度、湿度及び損傷)に応じて作用可能であるように連結された遺伝子の転写を増加させるように作用する。他のシス‐エレメントは、発達上の合図(例えば、発芽、種成熟及び開花)又は、空間的情報(例えば、組織特異性)に反応するかもしれない。 例えば、Langridge et al., (1989) Proc.Natl. Acad. Sci. USA 86:3219−23.を参照されたい。これらのシス‐エレメントは転写開始点からさまざまな距離に位置し、いくつかのシス-エレメント(近位エレメントと称す)はミニマルコアプロモーター領域に隣接する一方、他のエレメントはプロモーター(エンハンサー)の数キロベース上流又は下流に位置する場合がある。
本明細書で使用されるとき、「5′非翻訳領域」又は「5′−UTR」という用語は、プレmRNA又は成熟mRNAの5′末端の非翻訳セグメントと定義される。例えば、成熟mRNAでは5′-UTRが一般的にその5′末端7-メチルグアノシンキャップ上に宿り、スプライシング、ポリアデニル化、細胞原形質へのmRNA輸出、翻訳機構によるmRNAの5′末端の識別、及びmRNAの分解保護等の多くの工程に関与する。
本明細書で使用されるとき、「転写ターミネーター」という用語は、プレmRNA又は成熟mRNAの3′末端の転写セグメントと定義される。例えば、「ポリアデニル化シグナル」部位を超えたDNAのより長いひと配列がプレmRNAとして転写される。このDNA配列は、通常成熟mRNAへの適切なプレmRNAプロセシングのための転写終結シグナルを含む。
本明細書で使用されるとき、「3′‐非翻訳領域」又は「3′-UTR」という用語は、プレmRNA又は成熟mRNAの3′末端の非翻訳セグメントと定義される。例えば、成熟mRNAでは、この領域はポリA鎖を担持し、mRNA安定性、翻訳開始及びmRNA輸出で多くの役割を持つことが知られている。加えて、3′-UTRはポリアデニル化シグナル及び転写ターミネータを含むと考えられている。
本明細書で使用されるとき、「ポリアデニル化シグナル」という用語は、ポリ-(A)ポリメラーゼの存在で、転写産物が、例えばポリ-(A)シグナルの10〜30下流に位置するポリアデニル化部位上でポリアデニル化されるのを可能にする、mRNA転写産物に存在する核酸配列を意味する。多くのポリアデニル化シグナルは当技術分野において公知であり、本発明に有用である。例示的な配列としては、Loke J.,et al., (2005)Plant Physiology 138(3);1457−1468に記載されているようにAAUAAA及びその変異体を挙げることができる。
「DNA結合導入遺伝子」は、DNA結合蛋白質をコードするポリヌクレオチドコード化配列である。DNA結合蛋白質はその後別の分子に結合できる。結合蛋白質は、例えばDNA分子(DNA結合蛋白質)、RNA分子(RNA結合蛋白質)、及び/又は蛋白質分子(蛋白質結合蛋白質)に結合できる。蛋白質結合蛋白質の場合、その蛋白質は(ホモ二量体を形成するために)自分自身に結合することができ、且つ/又はその蛋白質は1つ以上の異なる蛋白質分子に結合することができる。結合蛋白質は、1つ以上の結合活性タイプを持つ場合がある。例えば、亜鉛フィンガー蛋白質はDNA結合、RNA結合、及び蛋白質結合活性を有する。
DNA結合蛋白質の例としては、予定されたヌクレオチド配列に結合するように「設計」が可能な、メガヌクレアーゼ、Znフィンガー、CRISPR、TALEのDNA結合ドメインを挙げることができる。一般的に、設計されたDNA結合蛋白質(例えば、Znフィンガー、CRISPR、又はTALE)は天然由来の非自然発生的な蛋白質である。. DNA結合蛋白質の工学方法の非限定例は設計及び選別である。設計されたDNA結合蛋白質は、その設計/組成物結果が主に合理的な基準から得られる本質で発生しない蛋白質である。設計の合理的な基準は、既存のZFP、CRISPR、及び/又はTALE設計及び結合データのデータベース格納情報におけるプロセシング情報の置換規則及び計算機化アルゴリズムの利用を含む。例えば、米国特許第6,140,081号、 6,453,242号及び6,534,261号を参照されたい。また、WO98/53058;WO98/53059;WO98/53060;WO02/016536、及びWO03/016496ならびに米国公報第20110301073号、20110239315号及び20119145940号を参照されたい。
「ZnフィンガーDNA蛋白質」(又は結合ドメイン)は、1つ以上のZnフィンガーによって配列特異的態様でDNAに結合し、その構造が亜鉛イオンの配位によって安定化される結合ドメイン内のアミノ酸領域である、蛋白質又は大きな蛋白質内のドメインである。用語ZnフィンガーDNA結合蛋白質は、しばしばZnフィンガー蛋白質又はZFPと略される。Znフィンガー結合ドメインは、予定されたヌクレオチド配列に結合するように「設計」することができる。Znフィンガー蛋白質を工学方法の非限定例は設計と選別である。設計されたZnフィンガー蛋白質は、その設計/組成物が合理的な基準から得られる本質で発生しない蛋白質である。設計の合理的な基準は、既存のZFP設計及び結合データのデータベース格納情報におけるプロセシング情報の置換規則及び計算機化アルゴリズムの利用を含む。例えば、米国特許第6,140,081号、6,453,242号、6,534,261号及び6,794,136号を参照されたい。また、WO98/53058、WO98/53059、WO98/53060、WO02/016536及びWO03/016496を参照されたい。
他の例では、1つ以上のヌクレアーゼのDNA結合ドメインが自然発生的又は設計された(非自然発生的)TALエフェクターDNA結合ドメインを含む。例えば、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許公報第20110301073号を参照されたい。キサントモナス属の植物病原菌は重要な作物で多くの病害を引き起こすことが知られている。キサントモナス属の病原性は、植物細胞により大きい異なるエフェクター蛋白質を注入する保存III型分泌(T3S)システムに依存する。これらの注入された蛋白質の中には植物転写活性化因子を模倣し、植物トランスクリプトームを操作する転写活性化因子(TALEN)エフェクターがある(Kay et al., (2007) Science 318:648−651)を参照)。これらの蛋白質はDNA結合ドメイン及び転写活性化ドメインを含む。最もよく特徴づけられたTALエフェクターの1つはキサントモナス・カンペストグリ(Xanthomonas campestgris)病原型ベシカトリア(Vesicatoria)由来のAvrBs3である(Bonas et al., (1989) Mol Gen Genet 218: 127-136及び国際公開WO2010079430号参照)。TALエフェクターはタンデムリピートの集中化ドメインを含み、各反複が蛋白質のDNA結合特異性に重要な約34個のアミノ酸を含む。加えて、それらは核局在化配列及び酸性転写性活性化ドメインを含む(レビューに関しては、Schornack S、et al., (2006) J Plant Physiol 163(3): 256−272を参照)。加えて、植物病原性細菌ラルストニア・ソラナセアム(Ralstonia solanacearum)では、ラルストニア・ソラナセアム生物型株GMI1000及び生物型4株RS1000においてbrg11及びhpx17という2つの遺伝子がキサントモナス属のAvrBs3ファミリーに相同であることがわかっている(Heuer et al., (2007) Appl and Enviro Micro 73(13): 4379-4384を参照)。これらの遺伝子は、互いにヌクレオチド配列で98.9%同一であるが、hpx17の繰り返しドメインで1,575bpの欠失によって異なる。しかし、両方の遺伝子産物は、キサントモナス属のAvrBs3ファミリー蛋白質と40%未満の配列同一性を持つ。例えば、参照によりその全体が援用される米国特許公報第20110301073号を参照されたい。
これらのTALエフェクターの特異性は、タンデムリピートで発見された配列に依存する。反復配列は、およそ102bpを含み、繰り返しは一般的に相互に91〜100%相同である(Bonas et al.,ibid). 反復多型は、通常位置12及び13に位置する。TALエフェクターの標的配列で隣接するヌクレオチドの同一性に関して、位置12と位置13との高頻度可変性両残基の同一性は1対1対応に見える(Moscou and Bogdanove,(2009)Science326:1501 and Bochet al., (2009)Science326:1509−1512参照)。位置12及び位置13のHD配列がシトシン(C)に結合することになり、NGがTに結合し、NIがA、C、G、又はTに結合し、NNがA又はGに結合し、INGがTに結合するようにこれらのTALエフェクターのDNA認識のための天然コードが実験的に決定されている。これらのDNA結合リピートは新しいリピートの組合せ及びリピート数を有する蛋白質に組み立てられて、新たな配列と相互作用し、且つ、植物細胞内の非内因性リポーター遺伝子の発現を活性化することができる人工転写因子を作製する(Boch et al., ibid)。設計されたTAL蛋白質は、FokI切断半ドメインに連結し、酵母リポーターアッセイ(プラスミドベース標的)で活性を示すTALエフェクタードメインヌクレアーゼ融合(TALEN)が得られる。
CRISPR(クリスパー)/Cas(CRISPR関連遺伝子群)ヌクレアーゼシステムは、ゲノム工学に利用可能な細菌株に基づいて最近設計されたヌクレアーゼシステムである。これは多くの細菌及び古細菌の適応性免疫応答の一部に基づく。ウイルス又はプラスミドが細菌に侵入するときに侵入者のDNAセグメントが「免疫」反応によってCRISPR RNA(crRNA)に変換される。次いで、このcrRNAは部分的相補性の領域を介して別のタイプのRNA(tracrRNAと称される)と会合し、「protospacer」と呼ばれる標的DNA中のcrRNAと相同な領域にCas9ヌクレアーゼを誘導する。Cas9は、crRNA転写産物内に含まれる20‐ヌクレオチドガイド配列によって特定化される部位での二重鎖切断(DSB)でDNAを裂き平滑末端を生じる。Cas9は、部位特異的DNA認識及び切断にはcrRNA及びtracrRNAの両方を必要とする。このシステムは、現在crRNA及びtracrRNAが1分子(「単一ガイドRNA」)に結合するように設計されており、単一ガイドRNAのcrRNA等価部分がCas9ヌクレアーゼを誘導し、任意の望ましい配列を標的化する設計が可能である(Jinek et al., (2012) Science 337, pp. 816-821、Jinek et al., (2013), eLife 2:e00471、及びDavid Segal, (2013) eLife 2:e00563を参照)。従って、CRISPR/Casシステムを設計し、ゲノムの望ましい標的でDSBを作製することが可能であり、DSBの修復は修復阻害剤の使用に影響を受け、誤りがちな修復(error prone repair)の増加を引き起こす場合がある。
他の例では、DNA結合導入遺伝子は、設計された(非自然発生的)メガヌクレアーゼを含む部位特異的ヌクレアーゼ(ホーミングエンドヌクレアーゼとも記載)である。ホーミングエンドヌクレアーゼ又はメガヌクレアーゼ、例えばI−SceI、I−CeuI、PI−PspI、PI−Sce、I−SceIV、I−CsmI、I−PanI、I−SceII、I−PpoI、I−SceIII、I−CreI、I−TevI、I−TevII及びI−TevIIIの認識配列が知られている。以下も参照されたい、米国特許第5,420,032号;米国特許第6,833,252号;Belfort et al.,(1997)Nucleic Acids Res.25:3379-303388;Dujon et al.,(1989) Gene 82:115-118;Perler et al.,(1994)Nucleic Acids Res.22,11127;Jasin(1996)Trends Genet.12:224-228;Gimble et al.,(1996)J.mol.Biol. 263:163-180; Argast et al.,(1998)J.Mol. Biol. 280:345-353 and the New England Biolabs catalogue.加えて、ホーミングエンドヌクレアーゼ及びメガヌクレアーゼのDNA結合特異性を非自然発生的に結合するように設計することができる。以下を参照されたい、、例えば、Chevalier et al.,(2002)Molec.Cell 10:895−905;Epinat et al.,(2003)Nucleic Acids Res.5 31:2952−2962;Ashworth et al.,(2006)Nature 441:656−659;Paques et al.,(2007)Current Gene therapy 7:49−66;米国特許出願公開第20070117128号.ホーミングエンドヌクレアーゼ及びメガヌクレアーゼのDNA結合ドメインは、全体としてヌクレアーゼの文脈で変化させる(すなわち、例えばヌクレアーゼが同族の切断ドメインを含む)、あるいは異種の切断ドメインへ融合させることができる。
本明細書で使用されるとき、「形質転換」という用語は、核酸分子を細胞等に導入することができる全技術を包含する。例としては、ウイルスベクターによるトランスフェクション;プラスミドベクトルによる形質転換;エレクトロポレーション;リポフェクション;マイクロインジェクション(Mueller et al.,(1978) Cell 15:579−85);アグロバクテリウム媒介移入;直接DNA取込み;ウイスカー(商標)媒介形質転換;及び微粒子銃を挙げることができるが、これらに限定されない。これらの技術は、植物細胞の安定した形質転換及び過渡的形質転換の両方で使用することができる。「安定な形質転換」は、遺伝的に安定した継承を生じる宿主生物体のゲノムへの核酸断片の導入を意味する。一旦安定に形質転換すると、核酸断片が宿主生物体及び任意の次世代のゲノムに安定に取り込まれる。形質転換した核酸断片を含む宿主生物体は「トランスジェニック」生物体と呼ばれる。「過渡的形質転換」は、遺伝的に安定した継承がない遺伝子発現を生じる宿主生物体の核又はDNA含有オルガネラへの核酸断片の導入を意味する。
外因的な核酸配列。1つの例では、導入遺伝子は、遺伝子配列(例えば、除草剤耐性遺伝子)、産業的又は薬学的に有用な化合物をコードする遺伝子、又は望ましい農業形質をコードする遺伝子である。さらに他の例において、導入遺伝子は、アンチセンス核酸配列であり、この場合において当該アンチセンス核酸配列の発現は、標的核酸配列の発現を阻害する。導入遺伝子は、当該導入遺伝子に操作可能に連結された制御配列(例えば、プロモーター)を含有してもよい。いくつかの実施形態において、対象のポリヌクレオチド配列は導入遺伝子である。しかし、他の実施形態において、対象のポリヌクレオチド配列は、内因性核酸配列の追加的ゲノムコピーが望ましい内因性核酸配列であり、又は宿主生物体で標的核酸分子の配列に対してアンチセンス方向にある核酸配列である。
本明細書で使用されるとき、用語のトランスジェニック「事象」は異種DNAによる植物細胞の形質転換によって作製され、すなわち対象の導入遺伝子を含む核酸構築物、植物ゲノムへの導入遺伝子の挿入で生じる植物群の再生、及び特定のゲノム位置への挿入によって特徴付けられる特定の植物の選別である。「イベント」という用語は、元々の形質転換体と、異種DNAを含有する形質転換体の子孫を指す。また、用語「事象」は、形質転換体とゲノム/導入遺伝子DNAを含む別の品種との有性他殖によって産生される子孫も指す。反復親への繰り返し戻し交雑の後でも、形質変換された親からの挿入導入遺伝子DNA及び近傍のゲノムDNA(ゲノム/導入遺伝子DNA)が交雑種の子孫の同じ染色体位置に存在する。また、用語「事象」は、挿入DNAを含む一つの親系列(例えば原始形質転換体と自殖で生じた子供)及び挿入DNAを含まない親系列の雄性交雑の結果としての対象の導入遺伝子を含め、挿入DNAを受ける子孫へ伝達されることが期待されている挿入DNA及び挿入DNAの直近に位置する近傍ゲノム配列を含む原始形質転換体及びその子孫からのDNAも指す。
本明細書で使用されるとき、「ポリメラーゼ連鎖反応」又は「PCR」という用語は、1987年7月28日に出願の米国特許第4,683,195号に記載のように微量の核酸、RNA及び/又はDNAが増幅される手順又は技術を定義する。一般に、例えばオリゴヌクレオチドプライマが設計できるように、関心領域又はそれを超えた配列情報を入手する必要があり、すなわちこれらのプライマーは増幅される鋳型の反対鎖の配列に同一又は類似であろう。2つのプライマーの5′末端ヌクレオチドは増幅される材料の末端と一致してもよい。PCRを使用して、特異的RNA配列、総ゲノムDNAからの特異的DNA配列、及び全細胞内RNAから転写されるcDNA、バクテリオファージ又はプラスミド配列等を増幅することができる。一般に、Mullis et al.,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.,51:263(1987);Erlich, ed.,PCR Technology,(Stockton Press,NY,1989)を参照されたい。
本明細書で使用されるとき、用語「プライマー」は、条件がプライマー伸長産物の合成に好適なときに、相補鎖に沿って合成の開始点として作用することができるオリゴヌクレオチドを指す。合成条件は、4つの異なるデオキシリボヌクレオチド三燐酸及び、例えば逆転写酵素又はDNAポリメラーゼ等の少なくとも1つの重合誘導剤の存在を含む。これらは、補助因子の成分を含む緩衝剤又は種々の好適な温度でのpH等の条件に影響を及ぼす適切な緩衝剤中に存在する。プライマーは増幅効率が最適化されるように一本鎖であることが好ましいが、二本鎖配列も利用できる。
本明細書で使用されるとき、用語「プローブ」は標的配列にハイブリダイゼーションするオリゴヌクレオチドを指す。TaqMan(登録商標)又はTaqMan(登録商標)-スタイル 検査手技では、プローブは、2つのプライマーのアニーリング部位の間に位置する標的の一部にハイブリダイゼーションする。プローブは、約8個のヌクレオチド、約10個のヌクレオチド、約15個のヌクレオチド、約20個のヌクレオチド、約30個のヌクレオチド、約40個のヌクレオチド、又は約50個のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、プローブは約8個のヌクレオチド〜約15個のヌクレオチドを含む。更に、プローブは、検出可能な標識、例えば発蛍光団(Texas−Red(登録商標)、フルオレッセインイソチオシアネートなど)を含む。検出可能な標識は、例えばプローブの5′末端又はプローブの3′末端に位置するプローブオリゴヌクレオチドに直接共有結合することができる。また、蛍光団を含むプローブは、例えばBlack Hole Quencher(商標)、Iowa Black(商標)等のクエンチャを備えてもよい。
本明細書で使用されるとき、「制限酵素」及び「制限エンドヌクレアーゼ」という用語は細菌酵素を指し、個々の酵素が特定のヌクレオチド配列又は近傍で二本鎖DNAを切断する。2型制限酵素は同部位でDNAを認識し切断し、XbaI、BamHI、HindIII、EcoRI、XhoI、Sali、KpnI、AvaI、PstI及びSmaIが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、用語「ベクター」は、用語「構築物」、「クローニングベクター 」及び「発現ベクター」と交互に用いられ、宿主を形質転換する、あるいは導入された配列の発現(例えば、転写及び翻訳)を促進するために、DNA又はRNA配列(例えば、外来遺伝子)が宿主細胞に導入される場合の媒体を意味する。「非ウイルスベクター」は、ウイルス又はレトロウィルスを含まないあらゆるベクターを意味することが意図される。いくつかの実施形態において、「ベクター」は、DNA複製の少なくとも1つの起源及び少なくとも1つの選択マーカー遺伝子を含む一連のDNAである。例としては、プラスミド、コスミド、バクテリオファージ、細菌人工染色体(BAC)又は細胞に外因的DNAを運ぶウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。ベクターは、1つ以上の遺伝子、アンチセンス分子、及び/又は選択マーカー遺伝子、ならびに当分野に公知の他の遺伝エレメントを含有してもよい。ベクターが、細胞に形質導入し、形質転換し、又は感染することにより、当該細胞が、ベクターにコードされた核酸分子及び/又は蛋白質を発現してもよい。用語「プラスミド」は、原核生物又は真核生物のいずれかの宿主細胞で常染色体複製が可能な核酸の環状鎖と定義する この用語は、DNA又はRNAのどちらでもよい、また一本鎖又は二本鎖でもよい核酸を含む。また、定義のプラスミドは細菌性複製開始点と一致する配列も含むことができる。
本明細書で使用されるとき、本明細書で使用される用語「選択マーカー遺伝子」は、選択マーカー遺伝子が挿入される細胞の認識を容易にする蛋白質をコードする遺伝子又は他の発現カセットと定義する。例えば、「選択マーカー遺伝子」はリポーター遺伝子ならびに例えば、選択剤から植物細胞を保護する、又は選択剤に耐性/抵抗性を提供するために植物形質転換で使用される遺伝子を含む。1つの実施形態において、機能的な選択マーカーを受けるこれらの細胞又は植物だけが選択剤を持つ条件下で隔離又は増殖することができる。選択剤の例としては、例えばスペクチノマイシン、ネオマイシン、カナマイシン、パロモマイシン、ゲンタマイシン及びハイグロマイシンを含む抗生物質を挙げることができる。これらの選択マーカーは、抗生物質カナマイシン耐性を付与する酵素を発現するネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(npt II)、関連抗生物質ネオマイシン、パロモマイシン、ゲンタマイシン及びG418の遺伝子、あるいはハイグロマイシン耐性を付与する酵素を発現するハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(hpt)の遺伝子を含む。他の選択マーカー遺伝子としては、bar又はpat(グルフォシネートアンモニウム又はフォスフィノスリシン耐性)、アセト乳酸合成酵素(ALS、例えばスルホニル尿素(SU)、イミダゾリノン(IMI)、トリアゾロピリミジン(TP)、ピリミジニルオキシベンゾエート(POB)及び分岐鎖アミノ酸合成の第1工程を回避するスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン)、グリフォセート、2,4-D及び金属抵抗性又は感受性を含む除草剤耐性コード化遺伝子を挙げることができる。選択マーカー遺伝子として使用できる「リポーター遺伝子」の例は、発現したリポーター遺伝子蛋白質(例えば、β-グルクロニダーゼ(GUS)、をコードしている蛋白質、ルシフェラーゼ、緑色蛍光蛋白質(GFP)、黄色蛍光蛋白質(YFP)、DsRed、β-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、アルカリ性ホスファターゼ等)の目視観測を含む。句「マーカー陽性」は、選択マーカー遺伝子を含むように形質転換された植物を指す。
本明細書で使用されるとき、用語「検出可能なマーカー」は、例えばラジオアイソトープ、蛍光化合物、生物発光化合物、化学発光化合物、金属キレーター又は酵素等の検出可能な標識を指す。検出可能なマーカーの例としては、蛍光標識(例えば、FITC、ローダミン、ランタニドリン光体)、酵素標識(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリ性ホスファターゼ)、化学発光、ビオチニル群、第2リポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体のための結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)が挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、検出可能なマーカーは、強力な立体障害を減少させるさまざまな長さのスペーサーアームを結合させることができる。
本明細書で使用されるとき、「カセット」、「発現カセット」及び「遺伝子発現カセット」という用語は、特異的制限部位の核酸又はポリヌクレオチドへ挿入される、又は相同組み換えによって挿入されるDNAセグメントを指す。本明細書で使用されるとき、DNAのセグメントは対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、カセット及び制限部位は、転写及び翻訳のための適当な読み枠にカセットの挿入を確実にするように設計される。1つの実施形態において、発現カセットは、対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、また特定の宿主細胞の形質転換を容易化するポリヌクレオチドに加えてエレメントを持つことができる。1つの実施形態において、遺伝子発現カセットは宿主細胞における対象のポリヌクレオチドをコードするポリヌクレオチドの発現を高めることを可能にするエレメントを含んでもよい。これらのエレメントは、プロモーター、最小プロモーター、エンハンサー、応答エレメント、終了配列、ポリアデニル化配列等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、「リンカー」又は「スペーサ」は、2つの別々の個体を互いに結び付ける結合、分子又は分子群である。リンカー及びスペーサは、2つの実体の最適間隔を供給する、あるいはさらに2つの実体を互いから分離することを可能にする不安定な結合を提供することができる。 不安定な結合としては、光分解性基、酸に不安定な部分、塩基に不安定な部分及び酵素切断可能基を挙げることができる。本明細書で使用される「ポリリンカー」又は「多重クローニング部位」という用語は、核酸配列上で互いの10個のヌクレオチド内に位置する3つ又はそれ以上の2型制限酵素部位のクラスターと定義する。ポリリンカーを含む構築物は、遺伝子のコード領域のような核酸配列の挿入及び/又は切除に利用される。他の例では、本明細書で使用される用語「ポリリンカー」は、任意の既知シームレスクローニング法(すなわち、 Gibson Assembly(登録商標)、NEBuilder HiFiDNA Assembly(登録商標)、Golden Gate Assembly(登録商標)、BioBrick(登録商標)Assembly等)を介して2つの配列を結合するために標的化されるヌクレオチド区間を指す。ポリリンカーを含む構築物は、遺伝子のコード領域のような核酸配列の挿入及び/又は切除に利用される。
本明細書で使用されるとき、用語「対照(control)」は比較する目的で解析手順に使用される試料を指す。対照は「陽性」又は「陰性」の場合がある。例えば、解析手順の目的が細胞又は組織で差別的に発現した転写産物を検出することである場合、一般に、陽性対照(例えば、所望の発現を示す既知植物からの試料)及び陰性対照(例えば、所望の発現を欠く既知植物からの試料)を含むことが好ましい。
本明細書で使用されるとき、用語「植物」は、植物及びあらゆる子孫の全体、細胞、組織又は植物の一部を含む。本発明で使用される植物クラスは、一般に、被子植物(単子葉及び双子葉類植物)、裸子植物、シダ類及び多細胞藻類を含む変異誘発に従順な広範囲の高等及び下等植物クラスである。従って、「植物」は双子葉植物及び単子葉植物を含む。用語「植物部位」は、例えば、種子(成熟種子及び未熟種子を含む)、裁断植物、植物細胞、植物細胞培養、植物器官(例えば、花粉、胚、花、果物、撮影、葉、根、茎及び外植体)が挙げられるが、これらに限定されない。植物組織又は植物器官は、種子、プロトプラスト、カルス、又は構造又は機能的単位に組織化される植物細胞の任意の他の基でもよい。植物細胞又は組織培養は、細胞又は組織が得られる植物の生理的及び形態的特性を持つ植物を再生する、あるいはその植物と実質的に同じ遺伝子型を有する植物を再生することができるかもしれない。対照的に、いくつかの植物細胞は再生して植物を作製することができない。植物細胞又は組織培養での再生可能な細胞は、胚、プロトプラスト、分裂組織細胞、カルス、花粉、葉、葯、根、根端、絹糸、花、穀粒、穂先、穂軸、外皮又は茎とすることができる。
植物部位は、収穫可能な部分及び子孫植物の増殖に役立つ部位を含む。増殖に有用な植物部位としては、例えば、種子、果実、さし木、苗、塊茎、及び台木が挙げられるが、これらに限定されない。植物の収穫可能な部位は、植物の任意の有用な部分であってもよく、例えば花、花粉、苗、塊茎、葉、茎、果実、種子及び根が挙げられるが、これらに限定されない。
植物細胞はプロトプラスト及び細胞壁を含む植物の構造的及び生理的単位である。植物細胞は単離した単一細胞又は細胞の集合体(例えば、脆いカルス及び培養細胞)の形でもよく、高度に組織化した単位(例えば、植物組織、植物器官及び植物体)の部分でもよい。従って、植物細胞は、プロトプラスト、細胞を産生する配偶子、又は植物全体へ再生できる細胞又は細胞集合でもよい。そのように、種子(複数の植物細胞を含み植物全体に再生が可能)は本明細書の実施形態では「植物細胞」とみなされる。
本明細書で使用されるとき、用語「低分子RNA」は幾つかのクラスのノンコーディングリボ核酸(ncRNA)を指す。用語低分子RNAは、細菌細胞、動物、植物及び真菌で産生される短鎖のncRNAを記述する。これらの短鎖のncRNAは、細胞内で自然に作製されてもよく、又は短鎖又はncRNAを発現する外因的配列の導入によって作製されてもよい。低分子RNA配列は直接蛋白質をコードしない。また、低分子RNA配列が転写のみで翻訳されない点で他のRNAと機能的に異なる。低分子RNA配列は、遺伝子発現及び修飾を含め他の細胞機能に関与する。低分子RNA分子は、通常約20〜30ヌクレオチドで構成される。低分子RNA配列は、より長い前駆体から誘導される場合がある。前駆体は、自己相補的な領域で互いの上に後ろに折りたためる構造を形成し、次いで動物ではヌクレアーゼDicer又は植物ではDCL1によって処理される。
多種類の低分子RNAが、マイクロRNA(miRNA)、短干渉RNA(siRNA)、アンチセンスRNA、短ヘアピンRNA(shRNA)、及び核小体低分子RNA(snoRNA)を含め自然的又は人工的に存在する。ある種の低分子RNA(例えばマイクロRNA及びsiRNA)は遺伝子サイレンシング及びRNA干渉(RNAi)に重要である。遺伝子サイレンシングは、通常は発現されであろう遺伝子が細胞内エレメント、この場合低分子RNAによって止められる遺伝学的調節の過程である。通常はこの遺伝情報によって形成されるであろう蛋白質が干渉により形成されず、また遺伝子にコードされる情報が発現から遮断される。
本明細書において使用されるとき、「低分子RNA」という用語は、「微小RNA」 (Storz, (2002) Science 296:1260-3、Illangasekare et al., (1999) RNA 5:1482-1489)、原核生物「低分子RNA」(sRNA)(Wassarman et al., (1999) Trends Microbiol. 7:37-45)、真核生物「非コードRNA(ncRNA)」、「マイクロRNA(miRNA)」、「低分子非mRNA(snmRNA)」、「機能性RNA(fRNA)」、「トランスファーRNA(tRNA)」、「触媒性RNA」 [例えば、自己アシル化リボザイムをはじめとするリボザイム(Illangaskare et al., (1999) RNA 5:1482-1489)、「核小体低分子RNA(snoRNA)」、「tmRNA」(「10S RNA」ともいう、Muto et al., (1998) Trends Biochem Sci. 23:25-29、及び Gillet et al., (2001) Mol Microbiol. 42:879-885)、「短干渉RNA(siRNA)、「エンドリボヌクレアーゼ調製性siRNA(e−siRNA)」、「短ヘアピンRNA(shRNA)」及び「低分子時間的制御RNA(stRNA)」を含むがこれらに限定されないRNAi分子、「ダイサー切断siRNA(d−siRNA)」、ならびにアプタマー、オリゴヌクレオチド、及び少なくとも1つのウラシル塩基を含む他の合成核酸として文献中に記載されるRNA分子を包含する。
具体的に別段の説明がなされない限り、本明細書において使用されるすべての技術的用語及び科学的用語は、本開示が属する分野の当業者により普遍的に理解される意味と同じ意味を有する。分子生物学の普遍的な用語の定義は、例えば以下に見出される:Lewin,Genes V,Oxford University Press,1994 (ISBN 0−19−854287−9);Kendrew et al.(eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, Blackwell Science Ltd., 1994 (ISBN 0−632−02182−9); and Meyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology:A Comprehensive Desk Reference, VCH Publishers, Inc., 1995 (ISBN 1−56081−569−8).
本明細書において使用される場合、「a」、「an」、及び「the」という冠詞は、明白に、及び明確に文脈において別段の定義がなされない限り、複数への言及を含む。
III. ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター及び同プロモーターを含む核酸
植物内で非メタロチオネイン様導入遺伝子を発現するためにミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターを使用するための方法と組成物を提供する。1つの実施形態において、プロモーターは配列番号1のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターとすることができる。
1つの実施形態において、配列番号1と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.8%、又は100%同一であるプロモーターを含むポリヌクレオチドが提供される。1つの実施形態において、プロモーターは、配列番号1のポリヌクレオチドと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.8%、又は100%同一のポリヌクレオチドを含むミナトカモジグサ メタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターである。1つの実施形態において、配列番号1のポリヌクレオチドと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.8%、又は100%の同一性を含む単離ポリヌクレオチドが提供される。1つの実施形態において、配列番号1のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含む核酸ベクターが提供される。1つの実施形態において、ポリリンカーに作用可能であるように連結されているミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含むポリヌクレオチドが提供される。1つの実施形態において、非メタロチオネイン様導入遺伝子に作用可能であるように連結されているミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含む遺伝子発現カセットが提供される。1つの実施形態において、非メタロチオネイン様導入遺伝子に作用可能であるように連結されているミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含む核酸ベクターが提供される。1つの実施形態において、プロモーターは配列番号1からなる。具体的な実施形態において、核酸ベクターは導入遺伝子に作用可能であるように連結されているミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含み、その導入遺伝子は殺虫剤耐性導入遺伝子、除草剤耐性導入遺伝子、窒素利用効率導入遺伝子、水利用効率導入遺伝子、栄養価導入遺伝子、DNA結合導入遺伝子、低分子RNA導入遺伝子、選択マーカー導入遺伝子、又はそれらの組み合わせとすることができる。
導入遺伝子発現は、遺伝子コード配列の下流に位置する3′‐非翻訳遺伝子領域(すなわち、3′-UTR)によって調節されてもよい。プロモーター及び3′-UTRの両方が導入遺伝子発現を調節できる。プロモーターは転写の促進に必要である一方、3′-UTR遺伝子領域は転写を終結させ、翻訳及び蛋白質合成のために結果物mRNAのポリアデニル化を開始することができる。3′-UTR遺伝子領域は導入遺伝子の安定な発現を助ける。
1つの実施形態において、本明細書に記載されるミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター及び3′-UTRを含む核酸ベクターを提供する。1つの実施形態において、その核酸ベクターはミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRを含む。1つの実施形態において、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRは配列番号3である。
1つの実施形態において、本明細書に記載されるミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター及び配列番号3のポリヌクレオチドと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.8%、又は100%同一である3′-UTRを含む核酸ベクターが提供される。1つの実施形態において、本明細書に記載されるミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター及び3′-UTRを含み、そのミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターとその3′-UTRの両方がポリリンカーの反対端に作用可能であるように連結されている核酸ベクターが提供される。1つの実施形態において、本明細書に記載されるミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター及び3′-UTRを含み、そのミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターとその3′-UTRの両方が非メタロチオネイン様導入遺伝子の反対端に作用可能であるように連結されている遺伝子発現カセットが提供される。1つの実施形態において、3′-UTRは配列番号3からなる。1つの実施形態において、本明細書に記載されるミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター及び3′-UTRを含み、そのミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターが配列番号1を含み、その3′-UTRが配列番号3を含み、そのプロモーターと3′-UTRが非メタロチオネイン様導入遺伝子の反対端に作用可能であるように連結される遺伝子発現カセットが提供される。本実施形態の1つの態様において、3′-UTRは配列番号3からなる。本実施形態の別の態様において、プロモーターは配列番号1からなる。具体的な実施形態において、遺伝子発現カセットは導入遺伝子に作用可能であるように連結されているミナトカモジグサ メタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRを含み、その導入遺伝子は殺虫剤耐性導入遺伝子、除草剤耐性導入遺伝子、窒素利用効率導入遺伝子、水利用効率導入遺伝子、栄養価導入遺伝子、DNA結合導入遺伝子、低分子RNA導入遺伝子、選択マーカー導入遺伝子、又はそれらの組み合わせとすることができる。更なる実施形態において、その導入遺伝子は、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター及び同メタロチオネイン様遺伝子の3′-UTRに作用可能であるように連結される。
また、導入遺伝子発現はプロモーター配列の下流に位置するイントロン領域によっても調節される場合がある。プロモーター及びイントロンの両方が導入遺伝子発現を調節できる。プロモーターは転写の促進に必要である一方、イントロンの存在は翻訳及び蛋白質合成用のmRNA転写産物をもたらす発現レベルを上昇させることができる。イントロン遺伝子領域は導入遺伝子の安定な発現を助ける。更なる実施形態において、イントロンはミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターに作用可能であるように連結される。
また、導入遺伝子発現はプロモーター配列の下流に位置する5′‐UTR領域によっても調節される場合がある。プロモーター及び5′‐UTRの両方が導入遺伝子発現を調節できる。プロモーターは転写の促進に必要である一方、5′‐UTRの存在は翻訳及び蛋白質合成用のmRNA転写産物をもたらす発現レベルを上昇させることができる。5′‐UTR遺伝子領域は導入遺伝子の安定な発現を助ける。更なる実施形態において、5′‐UTRはミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターに作用可能であるように連結される。
また、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子 (mtl)プロモーターは1つ以上の追加的配列エレメントも含むことができる。いくつかの実施形態において、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターはエクソン(例えば、葉緑体トランジットペプチド又は小胞体保留シグナル等のリーダーペプチド又はシグナルペプチド)を含むことができる。例えば、限定はされないが、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは、更なる実施形態として、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターに組込まれるエクソンをコードすることができる。
1つの実施形態において、核酸ベクターは本明細書で開示された遺伝子発現カセットを含む。 1つの実施形態において、ベクターはプラスミド、コスミド、細菌人工染色体(BAC)、バクテリオファージ、ウイルス、又はダイレクトトランスフォーメーション若しくは遺伝子ターゲッティングで使用するドナーDNA等の切り出されたポリヌクレオチド断片とすることができる。
1つの実施形態に従って、組み換え型遺伝子発現カセットを含む核酸ベクターであって、その組み換え型遺伝子発現カセットがポリリンカー配列、非メタロチオネイン様導入遺伝子、又はそれらの組合せに作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含む前記核酸ベクターが提供される。1つの実施形態において、その組み換え型遺伝子カセットは、非メタロチオネイン様導入遺伝子に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含む。1つの実施形態において、その組換え型遺伝子カセットは、ポリリンカー配列に作用可能であるように連結されている本明細書で開示されるミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含む。そのポリリンカーは、そのポリリンカーの制限部位の1つへのコード配列の挿入によりそのコード配列が作用可能であるように連結され、そのベクターが宿主細胞に形質移入されるとそのコード配列の発現が可能になるように、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターに作用可能であるように連結される。
1つの実施形態に従って、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは配列番号1、又は配列番号1と少なくとも80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ配列を含む。1つの実施形態に従って、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは配列番号1、又は配列番号1と80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ配列を含む。1つの実施形態に従って、プロモーター配列は、わずか1.5、2、2.5、3、又は4kbの全長しか持たない。1つの実施形態に従って、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは配列番号1、又は配列番号1と少なくとも80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ2,000bpの配列からなる。1つの実施形態に従って、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは配列番号1、又は配列番号1と80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ2,000bpの配列からなる。
ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターの実施形態として配列番号12がさらに提供される。この改変型ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター配列を本明細書で使用して導入遺伝子の発現を促進することができ、且つ、本明細書での主題開示によって提供される配列番号1の代わりに使用され得る代替的プロモーター配列を提供することができる。配列番号1及び配列番号12のプロモーターポリヌクレオチド配列は97.2%の配列同一性を共有する。配列番号12のプロモーターは、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターの追加的実施形態として提供される。
ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターの実施形態として図2に示される配列番号7(1,730bp)、配列番号8(1,530bp)、配列番号9(1,330bp)、配列番号10(1,130bp)、及び配列番号11(1,001bp)も提供される。これらの短縮型ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター配列を本明細書で使用して導入遺伝子の発現を促進することができ、且つ、本明細書での主題開示によって提供される配列番号1の代わりに使用され得る代替的プロモーター配列を提供することができる。配列番号7の1,730bpのプロモーターは、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターの追加的実施形態として提供される。加えて、配列番号8の1,530bpのプロモーターは、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターの追加的実施形態として提供される。配列番号9の1,330bpのプロモーターは、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターの追加的実施形態として提供される。 更に、配列番号10の1,130bpのプロモーターは、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターの追加的実施形態として提供される。更に、配列番号9の1,001bpのプロモーターは、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターの追加的実施形態として提供される。
1つの実施形態に従って、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター、非メタロチオネイン様導入遺伝子及び配列番号3のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRからなる遺伝子カセットを含む核酸ベクターが提供される。1つの実施形態において、配列番号3のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRが非メタロチオネイン様導入遺伝子の3′末端に作用可能であるように連結される。更なる実施形態において、その3′非翻訳配列は、配列番号3、又は配列番号3と少なくとも80、85、90、95、99又は100%の配列同一性を持つ配列を含む。更なる実施形態において、その3′非翻訳配列は、配列番号3、又は配列番号3と80、85、90、95、99又は100%の配列同一性を持つ配列を含む。1つの実施形態に従って、配列番号1、又は配列番号1と少なくとも80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ2,000bpの配列、非メタロチオネイン様導入遺伝子及び3′-UTRからなる遺伝子カセットを含む核酸ベクターであって、配列番号1が非メタロチオネイン様導入遺伝子の5′末端に作用可能であるように連結され、且つ、配列番号3の3′-UTRが非メタロチオネイン様導入遺伝子の3′末端に作用可能であるように連結されている前記核酸ベクターが提供される。1つの実施形態に従って、配列番号1、又は配列番号1と80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ2,000bpの配列、非メタロチオネイン様導入遺伝子及び3′-UTRからなる遺伝子カセットを含む核酸ベクターであって、配列番号1が非メタロチオネイン様導入遺伝子の5′末端に作用可能であるように連結され、且つ、配列番号3の3′-UTRが非メタロチオネイン様導入遺伝子の3′末端に作用可能であるように連結されている前記核酸ベクターが提供される。更なる実施形態において、3′非翻訳配列は、配列番号3、又は配列番号3と少なくとも80、85、90、95、99又は100%の配列同一性を持つ配列を含む。更なる実施形態において、3′非翻訳配列は、配列番号3、又は配列番号3と少なくとも80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ1,002bpの配列を含む。更なる実施形態において、3′非翻訳配列は、配列番号3、又は配列番号3と80、85、90、95、99又は100%の配列同一性を持つ配列を含む。更なる実施形態において、3′非翻訳配列は、配列番号3、又は配列番号3と80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ1,002bpの配列を含む。
ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3’−UTRの実施形態として配列番号17及び配列番号18がさらに提供される。これらの改変型ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTR配列を本明細書で使用して導入遺伝子の発現を停止することができ、且つ、本明細書での主題開示によって提供される配列番号3の代わりに使用され得る代替的3′-UTR配列を提供することができる。配列番号3及び配列番号17の3’−UTRポリヌクレオチド配列は94.2%の配列同一性を共有する。配列番号3及び配列番号18の3’−UTRポリヌクレオチド配列は97.5%の配列同一性を共有する。最後に、配列番号18及び配列番号17のプロモーターポリヌクレオチド配列は92.7%の配列同一性を共有する。配列番号17の3′-UTRは、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRの追加的実施形態として提供される。配列番号18の3′-UTRは、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRの追加的実施形態として提供される。
ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3’−UTRの実施形態として図4に示される配列番号13(264bp)、配列番号14(332bp)、配列番号15(630bp)、及び配列番号16(727bp)も提供される。これらの短縮型ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTR配列を本明細書で使用して導入遺伝子の発現を停止することができ、且つ、本明細書での主題開示によって提供される配列番号3の代わりに使用され得る代替的3′-UTR配列を提供することができる。配列番号13の264bpの3′-UTRは、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRの追加的実施形態として提供される。配列番号14の332bpの3′-UTRは、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRの追加的実施形態として提供される。配列番号15の630bpの3′-UTRは、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRの追加的実施形態として提供される。さらに、配列番号16の727bpの3′-UTRは、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRの追加的実施形態として提供される。
1つの実施形態において、プロモーター、非メタロチオネイン様導入遺伝子及び任意選択で下記のエレメント、すなわち
a)5′非翻訳領域、
b)イントロン、及び
c)3′非翻訳領域
のうちの1つ以上を含み、
プロモーターが配列番号1、又は配列番号1と98%の配列同一性を持つ配列からなり、且つ
3′非翻訳領域が配列番号3、又は配列番号3と98%の配列同一性を持つ配列からなり、更に、前記プロモーターが前記導入遺伝子に作用可能であるように連結されており、且つ、各任意エレメントが存在する場合はプロモーターと導入遺伝子の両方に作用可能であるように連結されている核酸構築物が提供される。更なる実施形態において、直上で開示された核酸構築物を含むトランスジェニック細胞が提供される。1つの実施形態において、トランスジェニック細胞は植物細胞であり、更なる実施形態において、前記トランスジェニック細胞を含む植物が提供される。
1つの実施形態において、プロモーター、非メタロチオネイン様導入遺伝子及び任意選択で下記のエレメント、すなわち
a)3′非翻訳領域;
のうちの1つ以上を含み、
プロモーターが配列番号1、又は配列番号1と98%の配列同一性を持つ配列からなり、
3′非翻訳領域が配列番号3、又は配列番号3と98%の配列同一性を持つ配列からなり、更に、前記プロモーターが前記導入遺伝子に作用可能であるように連結されており、且つ、各任意エレメントが存在する場合はプロモーターと導入遺伝子の両方に作用可能であるように連結されている核酸構築物が提供される。更なる実施形態において、直上で開示された核酸構築物を含むトランスジェニック細胞が提供される。1つの実施形態において、トランスジェニック細胞は植物細胞であり、更なる実施形態において、前記トランスジェニック細胞を含む植物が提供される。
1つの実施形態において、プロモーター及びポリリンカー、及び任意選択で以下のエレメント、すなわち
a)5′非翻訳領域、
b)イントロン、及び
c)3′非翻訳領域
のうちの1つ以上を含み、
プロモーターが配列番号1、又は配列番号1と98%の配列同一性を持つ配列からなり、且つ
3′非翻訳領域が配列番号3、又は配列番号3と98%の配列同一性を持つ配列からなり、更に、前記プロモーターが前記ポリリンカーに作用可能であるように連結されており、且つ、各任意エレメントが存在する場合はプロモーターとポリリンカーの両方に作用可能であるように連結されるている核酸構築物が提供される。
1つの実施形態に従って、核酸ベクターは、選択マーカーをコードする配列を更に含む。1つの実施形態に従って、組換え遺伝子カセットは、アグロバクテリウムT-DNAボーダーに作用可能であるように連結される。1つの実施形態に従って、組換え遺伝子カセットは更に第1及び第2T-DNAボーダーを含み、第1T-DNAボーダーは遺伝子構築物の一端に作用可能であるように連結され、第2T-DNAボーダーは遺伝子構築物の他方の末端に作用可能であるように連結される。第1及び第2アグロバクテリウムT-DNAボーダーは、ノパリン合成アグロバクテリウムT-DNAボーダー、オクトピン合成アグロバクテリウムT-DNAボーダー、マンノピン合成アグロバクテリウムT-DNAボーダー、スクシナモピン合成アグロバクテリウムT-DNAボーダー又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される細菌株起源のT-DNAボーダーから独立して選択されることができる。1つの実施形態において、ノパリン合成株、マンノピン合成株、スクシナモピン合成株又はオクトピン合成株からなる群から選択されるアグロバクテリウム株が提供され、前記株がプラスミドを含み、前記プラスミドが配列番号1から選択される配列又は配列番号1と80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ配列と作用可能であるように連結された導入遺伝子を含む。
本出願で開示された構築物で使用するのに好適な対象の導入遺伝子としては、これらに限定はされないが、(1)害虫又は病害耐性、2)除草剤耐性、(3)付加価値農業形質、例えば収量改善、窒素利用効率、水利用効率及び栄養価、(4)部位特異的にDNAへの蛋白質の結合、(5)低分子RNAの発現、及び(6)選択マーカーを付与するコード配列を挙げることができる。1つの実施形態に従って、導入遺伝子は、殺虫剤耐性、除草剤耐性、低分子RNA発現、窒素利用効率、水利用効率又は栄養価を付与する選択マーカー又は遺伝子産物をコードする。
1.耐虫性
さまざまな耐虫性コード配列が配列番号1、又は配列番号1と少なくとも80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ配列を含むミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターと作用可能であるように連結され得る。さまざまな耐虫性コード配列が配列番号1、又は配列番号1と80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ配列を含むミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターと作用可能であるように連結され得る。次いで、作用可能であるように連結された配列は、形質転換された植物(「形質転換体」)の特定及び選別を可能にする選択されたベクターに組み込むことができる。例示的な耐虫性コード配列は当技術分野においては公知である。主題開示の調節エレメントに作用可能であるように連結が可能な耐虫性コード配列の実施形態として、以下の形質が提供される。cry1A.105例示的な鱗翅類耐虫性を提供するコード配列としては、以下を挙げることができる:cry1A、cry1a.105、cry1Ab、cry1Ab( 短縮)、cry1Ab−Ac (融合蛋白質)、cry1Ac (Widestrike(登録商標)として市販)、cry1c、cry1f (Widestrike(登録商標)として市販)、cry1Fa2、cry2Ab2、cry2Ae、cry9c、mocry1f、pinII(プロテアーゼ阻害剤蛋白質)、vip3a(a)、及び vip3Aa20。例示的な甲虫耐虫性を提供するコード配列は下記を挙げることができる: cry34Ab1 (Herculex(登録商標)として市販); cry35Ab1 (Herculex(登録商標)として市販); cry3a; cry3Bb1; dvsnf7; 及び mcry3A。例示的なマルチ耐虫性を提供するコード配列は、ecry31.Abを含む。耐虫性遺伝子の上記リストは制限することを意味していない。あらゆる耐虫性遺伝子は本開示に含まれる。
2.除草剤耐性
さまざまな除草剤耐性コード配列が配列番号1、又は配列番号1と少なくとも80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ配列を含むミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターと作用可能であるように連結され得る。さまざまな除草剤耐性コード配列が配列番号1、又は配列番号1と80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ配列を含むミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターと作用可能であるように連結され得る。次いで、作用可能であるように連結された配列は、形質転換された植物(「形質転換体」)の特定及び選別を可能にする選択されたベクターに組み込むことができる。例示的な除草剤耐性コード配列は当技術分野においては公知である。主題開示の調節エレメントに作用可能であるように連結が可能な除草剤耐性コード配列の実施形態として、以下の形質が提供される。グリフォセート除草剤はEPSPS酵素(5−エノイルピルビニルシキミ酸−3−リン酸合成酵素)を阻害することによる作用様式を含む。この酵素は植物の成長及び生育に重要な芳香族アミノ酸の生合成に関与する。酵素を阻害するために利用することできるさまざまな酵素メカニズムが当分野では公知である。そのような酵素をコードする遺伝子は、主題開示の遺伝子調節エレメントに作用可能であるように連結することができる。1つの実施形態において、グリフォセート耐性遺伝子をコードする遺伝子に限定されない選択マーカー遺伝子としては、突然変異体EPSPS遺伝子(例えば2mEPSPS遺伝子、cp4 EPSPS遺伝子、mEPSPS遺伝子、dgt-28遺伝子)、aroA遺伝子;及び、グリフォセート分解遺伝子(例えばグリフォセートアセチルトランスフェラーゼ遺伝子(gat)及びグリフォセートオキシダーゼ遺伝子(gox)を挙げることができる。これらの形質は、現在Gly−Tol(商標)、Optimum(登録商標)、GAT(登録商標)、Agrisure(登録商標)GT及びRoundup Ready(登録商標)として市販されている。グルフォシネート及び/又はビアラホス化合物に耐性な遺伝子としては、dsm−2、bar及びpat遺伝子を挙げることができる。このbar及びpat形質は現在LibertyLink(登録商標)として市販されている。また、2,4-Dに抵抗性を提供する耐性遺伝子としては、例えばaad-1遺伝子(aad-1遺伝子がアリールオキシフェノキシプロピオナート(Arloxyphenoxypropionate)除草剤上に更なる活性を持つ点に留意する必要がある)及びaad-12遺伝子(aad-12遺伝子がpyidyloxyacetate合成オーキシン上に更なる活性を持つ点に留意する必要がある)を挙げることができる。これらの形質はEnlist(登録商標)作物保護技術として市販されている。ALS阻害剤(スルホニル尿素、イミダゾリノン、トリアゾロピリミジン、ピリミジニル(チオ)ベンゾエート及びスルホニルアミノ‐カルボニル-トリアゾリノン)の耐性遺伝子は当技術分野において公知である。これらの耐性遺伝子は最も一般にはALSコード化遺伝子配列に対する点突然変異から生じる。他のALS阻害剤耐性遺伝子としては、hra遺伝子、csr1-2遺伝子、Sr-HrA遺伝子及びsurB遺伝子を挙げることができる。いくつかの形質は商品名Clearfield(登録商標)の下で市販されている。HPPDを阻害する除草剤としては、ピラゾロン(例えばピラゾキシフェン、ベンゾフェナップ及びトプラメゾン)、トリケトン(例えばメソトリオン、スルコトリオン、テンボトリオン、ベンゾビシクロン)、及びジケトニトリル(例えばイソキサフルトール )を挙げることができる。これらの例示的なHPPD除草剤は、既知の形質 HPPD阻害剤の例は、hppdPF_W336遺伝子(イソキサフルトール耐性)及びavhppd-03遺伝子(メソトリオン耐性)を挙げることができる。オキシニル除草剤耐性形質の例は、除草剤/抗生物質ブロモキシニルに耐性を付与することが示されたbxn遺伝子が挙げられる。ジカンバ耐性遺伝子としては、国際PCT公開WO2008/105890に開示されているジカンバモノオキシゲナーゼ遺伝子(dmo)を挙げることができる。PPO又はPROTOX阻害剤型除草剤(例えば、アシフルオルフェン、ブタフェナシル、フルポロパジル(flupropazil)、ペントキサゾン、カルフェントラゾン、フルアゾレート、ピラフルフェン、アクロニフェン、アザフェニジン、ルミオキサジン、フルミクロラック、ビフェノックス、オキシフルオルフェン、ラクトフェン、ホメサフェン、フルオログリコフェン及びスルフェントラゾン)の耐性遺伝子は当技術分野において公知である。PPOに対する耐性を付与する例となる遺伝子には野生型シロイヌナズナPPO酵素(Lermontova I and Grimm B, (2000) Overexpression of plastidic protoporphyrinogen IX oxidase leads to resistance to the diphenyl-ether herbicide acifluorfen. Plant Physiol 122:75-83.)、枯草菌PPO遺伝子(Li, X. and Nicholl D. 2005. Development of PPO inhibitor-resistant cultures and crops. Pest Manag. Sci. 61:277-285、及びChoi KW, Han O, Lee HJ, Yun YC, Moon YH, Kim MK, Kuk YI, Han SU and Guh JO, (1998) Generation of resistance to the diphenyl ether herbicide, oxyfluorfen, via expression of the Bacillus subtilis protoporphyrinogen oxidase gene in transgenic tobacco plants. Biosci Biotechnol Biochem 62:558-560.)の過剰発現が含まれる。ピリジンオキシプロピオン酸又はフェノキシプロピオン酸及びシクロヘキソン(cyclohexone)の耐性遺伝子にはACCアーゼ阻害剤コード化遺伝子(例えば、Acc1-S1、Acc1-S2及びAcc1-S3)が含まれる。シクロヘキサンジオン誘導体及び/又はアリールオキシフェノキシプロパン酸に耐性を付与する例示的遺伝子としては、ハロキシホップ、ジクロホップ、フェノキサプロップ、フルアジホップ及びキザロホップを挙げることができる。最後に、トリアジン又はベンゾニトリルを含む除草剤は光合成を阻害することができ、psbA遺伝子(トリアジン耐性)、1s+遺伝子(トリアジン耐性)及びニトリラーゼ遺伝子(ベンゾニトリル耐性)によって耐性が提供される。除草剤耐性遺伝子の上記リストは制限することを意味していない。あらゆる除草剤耐性遺伝子は本開示に含まれる。
3.農業形質
さまざまな農業形質コード配列が配列番号1、又は配列番号1と少なくとも80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ配列を含むミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターと作用可能であるように連結され得る。さまざまな農業形質コード配列が配列番号1、又は配列番号1と80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ配列を含むミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl) プロモーターと作用可能であるように連結され得る。次いで、作用可能であるように連結された配列は、形質転換された植物(「形質転換体」)の特定及び選別を可能にする選択されたベクターに組み込むことができる。例示的な農業形質コード配列は当技術分野においては公知である。主題開示の調節エレメントに作用可能であるように連結が可能な農業形質コード配列の実施形態として、以下の形質が提供される。細胞壁のペクチン分子の破壊に関与するポリガラクツロナーゼ酵素の産生を阻害し、果実の軟化抑制を起こし果実の軟化抑制が発生する果実の軟化抑制がpg遺伝子によって提供される。さらに、acc遺伝子の果実の熟成/老化抑制が生来のacc合成酵素遺伝子の通常の発現を抑制するように作用し、その結果エチレン産生の減少及び果実成熟抑制をもたらす。他方では、accd遺伝子は果実成熟ホルモンエチレンの前駆体を代謝し、その結果、果実成熟抑制をもたらす。代わりに、sam−k遺伝子は、エチレン生成基質のS‐アデノシルメチオニン(SAM)を減少させることによって成熟を遅らす。乾燥ストレス耐性表現型は、cspB遺伝子によって提供され、RNA安定性及び翻訳を維持することによって水ストレス条件の下で正常細胞機能を維持する。別の例としては、水ストレス耐性を付与する浸透圧調節物質の化合物グリシンベタインの生成を触媒するEcBetA遺伝子を挙げることができる。加えて、RmBetA遺伝子が水ストレス耐性を付与する浸透圧調節物質の化合物グリシンベタインの生成を触媒する。植物の昼/夜生理的過程を調節する1つ以上の内因性転写因子と相互作用する蛋白質を発現するbbx32 遺伝子によって光合成及び収量増大が提供される。エタノール生産は、澱粉分解に使われるアミラーゼの耐熱性強化によるバイオエタノール産生を高める耐熱性アルファアミラーゼ酵素コードamy797E遺伝子の発現によって増加させることができる。最後に、修飾アミノ酸組成は、アミノ酸リジンの生産を増やすジヒドロジピコリン酸合成酵素コード化cordapA遺伝子の発現によって生じる。農業形質コード配列の上記リストは制限することを意味していない。あらゆる農業形質コード配列は本開示によって包含される。
4.DNA結合蛋白質
さまざまなDNA結合蛋白質コード配列が配列番号1、又は配列番号1と少なくとも80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ配列を含むミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl) プロモーターと作用可能であるように連結され得る。さまざまなDNA結合蛋白質コード配列が配列番号1、又は配列番号1と80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ配列を含むミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターと作用可能であるように連結され得る。次いで、作用可能であるように連結された配列は、形質転換された植物(「形質転換体」)の特定及び選別を可能にする選択されたベクターに組み込むことができる。例示的なDNA結合蛋白質コード配列は当技術分野においては公知である。主題開示の調節エレメントに作用可能であるように連結が可能なDNA結合蛋白質コード配列の実施形態として、以下の種類のDNA結合蛋白質、すなわちZnフィンガー、Talen、CRISPRS及びメガヌクレアーゼを含むことができる。DNA結合蛋白質コード配列の上記リストは制限することを意味していない。あらゆるDNA結合蛋白質コード配列は本開示によって包含される。
5. 低分子RNA
さまざまな低分子RNAが配列番号1、又は配列番号1と少なくとも80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ配列を含むミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターと作用可能であるように連結され得る。さまざまな低分子RNAが配列番号1、又は配列番号1と80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ配列を含むミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターと作用可能であるように連結され得る。次いで、作用可能であるように連結された配列は、形質転換された植物(「形質転換体」)の特定及び選別を可能にする選択されたベクターに組み込むことができる。例示的な低分子RNA形質は当技術分野においては公知である。主題開示の調節エレメントに作用可能であるように連結が可能な低分子RNAコード配列の実施形態として、以下の形質が提供される。例えば、抗-efe 低分子RNAの果実の熟成/老化抑制はエチレン形成酵素をコードするACO遺伝子のサイレンシング介してエチレン産生を抑制することによって熟成を遅らせる。低分子RNA ccomtのリグニン生産変化が、内因性S‐アデノシル-L-メチオニン:トランスカフェオイルCoA 3-O-メチルトランスフェラーゼ(CCOMT遺伝子)の阻害によるguanacyl(G)リグニン含量を低下させる。さらに、Solanum verrucosumのBlack Spot Bruise ToleranceがPpo5低分子RNAに起因し、Ppo5転写産物の分解によるblack spot bruise損傷発達を引き起こす場合がある。また、低分子RNA dvsnf7としては、西洋ハムシモドキの幼虫Snf7遺伝子の240bp断片を含むdsRNAによって西洋ハムシモドキの幼虫を阻害することも挙げられる。化工デンプン/炭水化物は、低分子RNA、例えば、pPhL低分子RNA(澱粉分解によって還元糖形成を制限するPhL転写産物を低下させる)及びpR1低分子RNA(澱粉分解によって還元糖形成を制限するR1転写産物を低下させる)から得ることができる。低分子RNA asn1がAsn1の分解を誘導し、アスパラギン形成を弱め、ポリアクリルアミドを低下させる結果、アクリルアミドが減少する追加的な利益がある。最後に、低分子RNA pgas ppo suppressionの非褐変表現型によって、PPOを抑制し、非褐変表現型のリンゴが得られる。低分子RNAの上記リストは制限することを意味していない。あらゆる低分子RNAコード配列は本開示によって包含される。
6.選択マーカー
レポーター遺伝子としても記載されているさまざまな選択マーカーが配列番号1、又は配列番号1と少なくとも80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ配列を含むミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターと作用可能であるように連結され得る。レポーター遺伝子としても記載されているさまざまな選択マーカーが配列番号1、又は配列番号1と80、85、90、95、又は99%の配列同一性を持つ配列を含むミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターと作用可能であるように連結され得る。次いで、作用可能であるように連結された配列は、形質転換された植物(「形質転換体」)の特定及び選別を可能にする選択されたベクターに組み込むことができる。形質転換された植物での選択マーカーの発現を確認するために多くの方法が利用されており、例えば、ベクターから発現した蛋白質の検出に関してはDNAシークエンシング及びPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)、サザンブロッティング、RNAブロッティング、免疫学的方法が挙げられる。しかし、通常、レポーター遺伝子は、発現したときに着色産物を生成する蛋白質の目視によって観測される。 例となるレポーター遺伝子が当技術分野において知られており、βグルクロニダーゼ(GUS)、ルシフェラーゼ、緑色蛍光蛋白質(GFP)、黄色蛍光蛋白質(YFP、Phi−YFP)、赤色蛍光蛋白質(DsRFP、RFP等)、βガラクトシダーゼ等をコードする(参照により全体が本明細書に援用されるSambrook, et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Third Edition, Cold Spring Harbor Press, N.Y., 2001を参照されたい)。
選択マーカー遺伝子は形質転換された細胞又は組織の選別に利用される。選択マーカー遺伝子は、抗生物質抵抗性をコードする遺伝子、例えばネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(NEO)、スペクチノマイシン/ストレプトマイシン抵抗性(AAD)、及びハイグロマイシンフォスフォトランスフェラーゼ(HPT又はHGR)ならびに除草化合物耐性を付与する遺伝子を挙げることができる。除草剤耐性遺伝子は、一般に除草剤に反応いない改変標的蛋白質、あるいは作用する前に除草剤を分解又は解毒する酵素をコードする。例えば、グリホサート耐性は突然変異体標的酵素、5-エノイルピルビニルシキミ酸-3-リン酸合成酵素(EPSPS)をコードする遺伝子の使用によって得られる。EPSPSの遺伝子及び突然変異体は周知であり、以下に詳述する。グルフォシネートアンモニウム、ブロモキシニル及び2,4-ジクロロフェノキシアセテート(2,4-D)耐性は、Pat又はDSM-2、ニトリラーゼ、AAD-1又はAAD-12コード化細菌性遺伝子(それぞれが除草剤を解毒する蛋白質の例)を用いて得られた。
1つの実施形態において、除草剤は、イミダゾリノン又はスルホニル尿素を含めて成長点又は分裂組織を阻害することができ、これらの除草剤のアセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)及びアセト乳酸合成酵素(ALS)の耐性/抵抗性遺伝子は公知である。グリフォセート耐性遺伝子としては、突然変異体5-エノイルピルビニルシキミ酸-3-リン酸合成酵素(EPSP)及びdgt-28遺伝子(組み換え型核酸の導入及び/又は生来EPSP遺伝子の種々の形態のインビボ突然変異生成の導入による)、aroA遺伝子及びグリフォセートアセチルトランスフェラーゼ(GAT)遺伝子)をそれぞれ挙げることができる。他のホスホノ化合物の耐性遺伝子としては、Streptomyces hygroscopicus及びStreptomyces viridichromogenesを含むストレプトマイセス種由来のbar及びpat遺伝子、ならびにフェノキシプロピオン酸及びcyclohexones(ACCアーゼ阻害剤コード化遺伝子)を挙げることができる。シクロヘキサンジオン及び/又はアリールオキシフェノキシプロパン酸(ハロキシホップ、ジクロホップ、フェノキサプロップ、フルアジホップ、キザロホップを含む)に耐性を付与する例示的遺伝子としては、アセチルコエンザイムAカルボキシラーゼ(ACCアーゼ)の遺伝子、すなわちAcc1-S1、Acc1-S2及びAcc1-S3を挙げることができる。1つの実施形態において、除草剤はトリアジン(psbA及び1s+遺伝子)又はベンゾニトリル(ニトリラーゼ遺伝子)を含め、光合成を阻害することができる。更に、このような選択マーカーとして、ホスホマンノースイソラーゼ(PMI)酵素のようなポジティブセレクションマーカーが挙げられる。
1つの実施形態において、選択マーカー遺伝子としては、2,4-D、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼII、シアナミドヒドラターゼ、アスパラギン酸キナーゼ、ジヒドロジピコリン酸合成酵素、トリプトファンデカルボキシラーゼ、ジヒドロジピコリン酸合成酵素及び脱感作アスパラギン酸キナーゼ、bar遺伝子、トリプトファンデカルボキシラーゼ、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(NEO)、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HPT又はHYG)、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)、フォスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼ、 2,2-ジクロロプロピオン酸デハロゲナーゼ、アセトヒドロキシ酸シンターゼ、5-エノイルピルビニル‐シキミ酸‐リン酸塩シンターゼ(aroA)、ハロアリルニトリラーゼ、アセチル補酵素Aカルボキシラーゼ、ジヒドロプテロイン酸シンターゼ(sul I)、そして、32 kdの光化学系IIポリペプチド(psbA)を挙げることができるが、これらに限定はされない。また、1つの実施形態は、クロラムフェニコール、メトトレキサート、ハイグロマイシン、スペクチノマイシン、ブロモキシニル、グリフォセート、及びフォスフィノスリシン耐性をコードする選択マーカー遺伝子も含む。選択マーカー遺伝子の上記リストは制限することを意味していない。あらゆる選択マーカー遺伝子は本開示に含まれる。
いくつかの実施形態において、コード配列は植物での最適発現のために合成される。例えば、1つの実施形態において、遺伝子のコード配列は植物での発現を高めるために、コドン最適化によって修飾される。殺虫性耐性導入遺伝子、除草剤耐性導入遺伝子、窒素利用効率導入遺伝子、水利用効率導入遺伝子、栄養価導入遺伝子、DNA結合導入遺伝子、又は選択マーカー導入遺伝子は、特定の植物種での発現用に最適化する、あるいは双子葉又は単子葉植物での最適発現用に修飾することができる。植物の優先コドンは、興味の特定植物において最大量で発現した蛋白質の最多頻度のコドンから決定してもよい。1つの実施形態において、コード配列、遺伝子又は導入遺伝子はより高い形質転換効率をもたらすより高レベルで植物に発現させるように設計される。遺伝子の植物最適化の方法は公知である。合成DNA配列の最適化及び生成に関するガイダンスは、例えば、参照により本明細書で援用されるWO2013016546、WO2011146524、WO1997013402、米国特許第6166302号、及び米国特許第5380831号で見出すことができる。
形質転換
植物の最適な形質転換方法としては、DNAを細胞に導入できるあらゆる方法、例えば、エレクトロポレーション(例えば米国特許第5,384,253号を参照)、微粒子銃(例えば、米国特許第5,015,580号、5,550,318号、5,538,880号、6,160,208号、6,399,861号及び6,403,865号を参照)、アグロバクテリウム-媒介形質転換(例えば、米国特許第5,635,055号、5,824,877号、5,591,616号、5,981,840号及び6,384,301号を参照)、及びプロトプラスト形質転換(例えば、米国特許第5,508,184号を参照)が挙げられるが、これらに限定されない。
DNA構築物は、例えば炭化けい素繊維(米国特許第5,302,523号及び5,464,765号を参照)等の技術を用いて植物細胞のゲノムDNAへ直接導入してもよく、又はDNA構築物は、例えばDNA粒子衝撃等の微粒子銃法(例えば、Klein et al. (1987) Nature 327:70−73を参照)を用いて植物組織に直接導入することができる。あるいは、DNA構築物は、ナノ粒子形質転換を介して植物細胞へ導入することができる(例えば、参照により本明細書で援用される米国特許公報第20090104700号を参照)。
加えて、遺伝子導入は、非アグロバクテリウム 細菌又はウイルス、例えばリゾビウム属種NGR234、Sinorhizoboium meliloti、Mesorhizobium loti、ジャガイモウイルスX、カリフラワーモザイクウイルス及びキャッサバ葉脈モザイクウイルス及び/又はタバコモザイクウィルスを用いて達成してもよく、例えば、Chung et al. (2006) Trends Plant Sci. 11(1):1−4を参照されたい。
形質転換技術の応用によって、事実上あらゆる植物種の細胞が安全に形質添加することができ、これらの細胞は公知技術によってトランスジェニック植物へ成長させることができる。例えば、ワタの形質転換の文脈において特に有用としてもよい技術は特に綿の転換の前後関係に役立つ場合がある技術は米国特許第5,846,797号、5,159,135号、5,004,863号及び6,624,344号に記載されており、アブラナ属植物の形質転換技術は、例えば米国特許第5,750,871号に記載されており、大豆の形質転換技術は、例えば技術は、例えば米国特許第6,384,301号に記載されており、及びトウモロコシの形質転換技術は、例えば米国特許第7,060,876号及び5,591,616号、ならびに国際PCT公開WO95/06722号に記載されている。
レシピエント細胞への外因的核酸の輸送を果たした後、一般に更なる培養及び植物再生のために形質転換細胞を同定する。形質転換体を同定する能力を改善するため、形質転換ベクターを使用して形質転換体を作製するのと併せて、選択マーカー遺伝子を用いることが望ましい。例示的な実施形態においては、細胞を選択剤又は薬剤に曝露させることによって形質転換細胞集団を分析し、あるいは、望ましいマーカー遺伝子形質に関して細胞をスクリーニングすることができる。
選択剤への曝露に生き残る細胞、又はスクリーニング検定で陽性スコアの細胞は、植物の再生を支持する培地で培養することができる。1つの実施形態において、任意の好適な植物組織培養培地を、成長調整剤等の更なる物質を含むことによって修飾させてもよい。組織は、植物再生の取り組みを開始するのに十分な組織が利用できるまで成長調整剤を含む基礎培地で維持してもよく、又は手動の選択の繰り返し期間の後、組織の形態が再生に最適となるまで(例えば、少なくとも2週間)維持し、その後シュート形成を誘導する培地に移してもよい。培養物は、充分な発芽形成が発生するまで、定期的に移送される。発芽が形成されたら、それらを、根形成に寄与する培地へと移送する。充分な根が形成されたら、さらなる成長と成熟のために植物を土壌へと移してもよい。
分子確認
形質転換した植物細胞、カルス、組織又は植物体は、形質転換するDNA上にあるマーカー遺伝子によって同定及び単離をすることができる。例えば、選別は、形質転換遺伝子構築物が耐性を付与する抑制的な量の抗生物質又は除草剤を含む培地上に組み換え型植物材料を増殖することによって達成することができる。更に、形質転換した植物体及び植物細胞は、組換え型核酸構築物上に存在してもよい任意の可視的マーカー遺伝子(例えば、β‐グルクロニダーゼ、ルシフェラーゼ又はgfp遺伝子)の活性をスクリーニングすることによって同定することもできる。そのような選択及びスクリーニング方法論は当業者には公知である。トランスジェニック植物を同定するために使用することができる分子確認方法は当業者には公知である。幾つかの例示的方法を更に以下に記載する。
分子ビーコンが配列検出に使用するために記載されている。簡潔にはFRETオリゴヌクレオチドプローブを隣接ゲノム及び挿入DNA接合体に重なるように設計される。FRETプローブの唯一の構造が近接近で蛍光及び消光部分を保持する二次構造を含むことから得られる。FRETプローブ及びPCRプライマー(挿入DNA配列中に1つのプライマー及び隣接ゲノム配列中に1つのプライマー)が熱安定性ポリメラーゼ及びdNTPの存在下で循環される。効率的なPCR増幅の後、FRETプローブ(複数)の標的配列へのハイブリダイゼーションによって、プローブの二次構造の除去及び蛍光と消光部分の空間的分離が生じる。蛍光発光は、成功裏の増幅及びハイブリダイゼーションによって隣接ゲノム/導入遺伝子挿入配列の存在を示す。そのような増幅反応の検出用分子ビーコンアッセイが主題開示の1つの実施形態である。
別途TAQMAN(登録商標)(Life Technologies, Foster City, Calif.)として知られている加水分解プローブアッセイはDNA配列の存在を検出及び定量化する方法である。簡潔には、FRETオリゴヌクレオチドプローブは導入遺伝子内の1つのオリゴで設計され、事象特異的検出のために隣接ゲノム配列内にある。FRETプローブ及びPCRプライマー(挿入DNA配列中に1つのプライマー及び隣接ゲノム配列中に1つのプライマー)が熱安定性ポリメラーゼ及びdNTPの存在下で循環される。FRETプローブのハイブリダイゼーションはFRETピローブ上で消光部分から離れた蛍光部分の切断と放出を生じる。蛍光発光は、成功裏の増幅及びハイブリダイゼーションによって隣接/導入遺伝子挿入配列の存在を示す。そのような増幅反応の検出用の加水分解アッセイが主題開示の1つの実施形態である。
Kaspar(登録商標)は、DNA配列の存在を検出し定量化する方法である。簡潔には、組み入れた遺伝子発現カセットポリヌクレオチドを含むゲノムDNA試料は、KASPar(登録商標)アッセイシステムとして知られるアッセイに基づくポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いてスクリーニングされる。主題開示の実施で使用するKASPar(登録商標)アッセイは複数のプライマーを含むKASPar(登録商標)PCRアッセイ混合物を利用することができる。PCRアッセイ混合物で使用するプライマーは、少なくとも1つのフォワードプライマーと少なくとも1つのリバースプライマーを含むことができる。フォワードプライマーはDNAポリヌクレオチドの特異的領域に対応する配列を含み、リバースプライマーはゲノム配列の特異的領域に対応する配列を含む。加えて、PCRアッセイ混合物で使用されるプライマーは少なくとも1つのフォワードプライマーと1つのリバースプライマーを含むことができる。例えば、KASPar(登録商標)PCRアッセイ混合物は、2つの異なる対立遺伝子に対応する2つのフォワードプライマーと1つのリバースプライマーを含むことができる。1つのフォワードプライマーは内在性ゲノム配列の特定領域に対応する配列を含む。第2のフォワードプライマーはDNAポリヌクレオチドの特異的領域に対応する配列を含む。リバースプライマーはゲノム配列の特異的領域に対応する配列を含む。そのような増幅反応検出用のKASPar(登録商標)アッセイは主題開示の1つの実施形態である。
いくつかの実施形態において、蛍光発光又は蛍光色素は、HEX蛍光色素、FAM蛍光色素、Joe蛍光色素、TET蛍光色素、Cy3蛍光色素、Cy3.5蛍光色素、Cy5蛍光色素、Cy5.5蛍光色素、Cy7蛍光色素及びROX蛍光色素からなる群から選択される。
他の実施形態において、増幅反応は、フローサイトメトリーで検出可能な濃縮範囲で細胞DNAを着色することが可能であり、リアルタイムサーマルサイクラーによって検出可能な蛍光発光スペクトルを持つ最適な第2蛍光DNA色素を使用して行う。他の核酸色素は公知であり、絶えず同定されていることが当業者によって理解されるだろう。適切な励起及び発光スペクトルを有した任意の好適な核酸色素は、例えばYO−PRO−1(登録商標)、SYTOX Green(登録商標)、SYBR Green I(登録商標)、SYTO11(登録商標)、SYTO12(登録商標)、SYTO13(登録商標)、BOBO(登録商標)、YOYO(登録商標)、及びTOTO(登録商標)が用いられる。1つの実施形態において、第2蛍光DNA色素は、10μM未満、4μM未満又は2.7μM未満で使用されるSYTO13(登録商標)である。
更なる実施形態において、次世代シークエンシング(NGS)は検出に使用することができる。Brautigmaet al.,2010によって記載されるように、DNA配列分析を用いて単離及び増幅した断片のヌクレオチド配列を決定することができる。増幅断片を単離し、ベクターにサブクローン化し、チェインターミネーター法(サンガーシークエンシングとも称される)又はダイターミネーター法を用いて配列決定を行うことができる。加えて、アンプリコンは、次世代シークエンシングで配列決定することができる。NGS技術はサブクローニング工程を必要としない。また複数シークエンシングリードを単一反応で完成することができる。3種類のNGSプラットホームである454 Life Sciences/Roche製のGenome Sequencer FLX(商標)、Solexa製のIllumina Genome Analyser(商標)、 Applied Biosystems製のSOLiD(商標)(「Sequencing by Oligo Ligation and Detection」の頭文字)が市販されている。加えて、現在開発中の2つの単一分子塩基配列解読法がある。これらはHelicos Bioscience(商標)の単一分子シークエンシング(tSMS)及びPacific Biosciences(商標)の単一分子リアルタイムシークエンシング(SMRT)が含まれる。
454 Life Sciences/Roche によって市販されているGenome Sequencher FLXは、配列の読取値を発生させるエマルションPCR及びピロシーケンスを使用するロングリードNGSである。300〜800bpのDNA断片又は3〜20kbの断片を含むライブラリを使用することができる。反応は、250〜400メガ塩基の全収量に対して1ランあたり約250〜400塩基の百万以上のリードを産出することができる。この技術は最長リードを産出するが、1ランあたり全配列出力がNGS技術と比較して低い。
Solexaによって販売されるIllumina Genome Analyserは、蛍光染料標識可逆化ターミネーターヌクレオチドでの合成手法によるシークエンシングを使った短リードNGSであり、固相ブリッジPCRに基づいている。最高10kbのDNA断片を含むpaired endシークエンシングライブラリの構築が使用できる。反応は、長さが35〜76塩基である1億超の短い配列を産出する。このデータは1ランあたり3〜6ギガ塩基を産出することができる。
Applied Biosystems(商標)から販売されているOligo Ligation and Detection(SOLiD)によるシークエンシングは短リード技術である。このNGS技術は、長さが最大10kbの断片化した二本鎖DNAを使う。このシステムは、色素標識オリゴヌクレオチドプライマとエマルションPCRによるシークエンシングを用いて1ランあたり最大30ギガ塩基の全配列出力を生じる10億の短鎖読み取りを産出する。
Helicos Bioscience(商標)のtSMS及びPacific Biosciences(商標)のSMRTは配列反応で単一DNA分子を使用する異なる手法を適用する。tSMS Helicos(商標)システムは1ランあたり21ギガ塩基を生じる最大800百万の短鎖読み取りを産出する。これらの反応は、「合成手法による配列決定」として記載される蛍光色素標識バーチャルターミネーターヌクレオチドを用いて完了させる。
Pacific Biosciences(商標)から販売されているSMRT Next Generation Sequencingシステムは合成によるリアルタイム配列決定を使用する。この技術は、可逆的ターミネーターによって制限されない結果として長さで最高1,000bpのリードを産出することができる。二倍性ヒトゲノムの×1カバレージに相当する生リードスループットが本技術を使って1日あたりに産生することができる。
他の実施形態では、検出はウエスタンブロット、ノーザンブロット及びサザンブロットを含むブロッティングアッセイを使って達成することができる。そのようなブロッティングアッセイは、生体試料の識別及び定量化の生物調査で一般的に用いられる技術である。これらのアッセイは、まず電気泳動法でゲル中の試料成分を分離した後、ゲルから電気泳動的に分離した成分を、ニトロセルロース、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)又はナイロン等の材料から作られた転写膜へ移動することを含む。検体をこれらの支持体に直接スポットしてもよく、又は事前分離なしに真空、毛管作用又は圧力を適用して支持体上で特定領域に誘導することもできる。次いで転写膜は、一般に移動後処理にかけて、可視的又は自動読み取り器によって検体の他から識別、検出される能力を高める。
更なる実施形態において、固相酵素免疫測定法を用いて物質、液体試料又は湿潤試料中の通常抗原の存在を検出するELISAアッセイによって検出を完了することができる。試料の抗原はプレート表面に付着する。次に、抗原に結合できるようにさらに特異抗体を表面上に塗布する この抗体を酵素に結合させて、最終工程で酵素の基質を含む物質を加える。後続反応が検出可能な信号(最も一般的には基質中の色の変化)を産み出す。
トランスジェニック植物
1つの実施形態において、植物体、植物組織、又は植物細胞は、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含む。1つの実施形態において、植物体、植物組織、又は植物細胞は、配列番号1から選択される配列、又は配列番号1から選択される配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含む。1つの実施形態において、植物体、植物組織、又は植物細胞は、配列番号1から選択される配列、又は配列番号1から選択される配列と80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含む。別の実施形態において、植物体、植物組織、又は植物細胞は、配列番号3から選択される配列、又は配列番号3から選択される配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列を含むミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRを含む。別の実施形態において、植物体、植物組織、又は植物細胞は、配列番号3から選択される配列、又は配列番号3から選択される配列と80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列を含むミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRを含む。 1つの実施形態において、植物体、植物組織、又は植物細胞は、非ミナトカモジグサメタロチオネイン様導入遺伝子と作用可能であるように連結されている配列番号1から選択される配列、又は配列番号1から選択される配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列を含む遺伝子発現カセットを含む。1つの実施形態において、植物体、植物組織、又は植物細胞は、非ミナトカモジグサメタロチオネイン様導入遺伝子と作用可能であるように連結されている配列番号1から選択される配列、又は配列番号1から選択される配列と80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列を含む遺伝子発現カセットを含む。例示的な実施形態において、植物体、植物組織、又は植物細胞は、導入遺伝子に作用可能であるように連結されている1}ミナトカモジグサメタロチオネイン様プロモーターを含む遺伝子発現カセットを含み、その遺伝子は殺虫剤耐性導入遺伝子、除草剤耐性導入遺伝子、窒素利用効率導入遺伝子、水利用効率導入遺伝子、栄養価導入遺伝子、DNA結合導入遺伝子、選択可能マーカー導入遺伝子、又はそれらの組合せとすることができる。
1つの実施形態に従って、導入遺伝子と作用可能であるように連結された非内在性ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)由来プロモーター配列を含む植物体、植物組織、又は植物細胞が提供され、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター由来のプロモーター配列が配列番号1、又は配列番号1と80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列を含む。1つの実施形態において、非ミナトカモジグサメタロチオネイン様導入遺伝子と作用可能であるように連結された配列番号1、又は配列番号1と少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列を含む植物体、植物組織、又は植物細胞が提供される。1つの実施形態において、非ミナトカモジグサメタロチオネイン様導入遺伝子と作用可能であるように連結された配列番号1、又は配列番号1と80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列を含む植物体、植物組織、又は植物細胞が提供される。1つの実施形態において、植物、植物組織又は植物細胞は、双子葉又は単子葉植物、又は双子葉又は単子葉植物から誘導される細胞又は組織である。1つの実施形態において、植物はトウモロコシ、コムギ、イネ、モロコシ、オート麦、ライ麦、バナナ、サトウキビ、ダイズ、ワタ、ヒマワリ及びアブラナからなる群から選択される。1つの実施形態において、植物はトウモロコシである。1つの実施形態に従って、植物体、植物組織、又は植物細胞は、非ミナトカモジグサメタロチオネイン様導入遺伝子に作用可能であるように連結された配列番号1、又は配列番号1と80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列を含む。1つの実施形態において、植物はトウモロコシである。1つの実施形態に従って、植物体、植物組織、又は植物細胞は、非ミナトカモジグサメタロチオネイン様導入遺伝子に作用可能であるように連結された配列番号1、又は配列番号1と少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列を含む。1つの実施形態において、植物体、植物組織、又は植物細胞は、導入遺伝子に作用可能であるように連結されたプロモーターであって、配列番号1、又は配列番号1と80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列からなる前記プロモーターを含む。1つの実施形態において、植物体、植物組織、又は植物細胞は、導入遺伝子に作用可能であるように連結されたプロモーターであって、配列番号1、又は配列番号1と少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列からなる前記プロモーターを含む。1つの実施形態に従って、導入遺伝子に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様由来プロモーター配列を含む遺伝子構築物は植物体、植物組織又は植物細胞のゲノムに組み込まれる。
1つの実施形態において、導入遺伝子に作用可能であるように連結された配列番号1、又は配列番号1と少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を有する配列を含む非ヤマカモジグサ属の植物体、植物組織又は植物細胞が提供される。1つの実施形態において、導入遺伝子に作用可能であるように連結された配列番号1、又は配列番号1と80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を有する配列を含む非ヤマカモジグサ属の植物体、植物組織又は植物細胞が提供される。1つの実施形態に従って、非ヤマカモジグサ属の植物体、植物組織、又は植物細胞は、双子葉植物又は単子葉植物の植物体、又は双子葉植物若しくは単子葉植物に由来する植物細胞又は植物組織である。1つの実施形態において、植物はトウモロコシ、コムギ、イネ、モロコシ、オート麦、ライ麦、バナナ、サトウキビ、ダイズ、ワタ、ヒマワリ及びアブラナからなる群から選択される。1つの実施形態において、植物はトウモロコシである。1つの実施形態に従って、導入遺伝子に作用可能であるように連結されるプロモーターは植物体、植物組織、又は植物細胞のゲノムに取り込まれる。
1つの実施形態において、導入遺伝子の5′末端に作用可能であるように連結されている配列番号1、又は配列番号1と少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列、及び配列番号3、又は配列番号3と少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列を含む3′非翻訳配列を含み、その3′非翻訳配列が前記導入遺伝子に作用可能であるように連結されている非ヤマカモジグサ属の植物体、植物組織、又は植物細胞が提供される。1つの実施形態に従って、その非ヤマカモジグサ属の植物体、植物組織、又は植物細胞は、双子葉植物又は単子葉植物の植物体であり、又は双子葉植物若しくは単子葉植物に由来する植物組織又は植物細胞である。1つの実施形態において、植物はトウモロコシ、コムギ、イネ、モロコシ、オート麦、ライ麦、バナナ、サトウキビ、ダイズ、ワタ、ヒマワリ及びアブラナからなる群から選択される。1つの実施形態において、植物はトウモロコシである。1つの実施形態に従って、導入遺伝子に作用可能であるように連結されるプロモーターは植物体、植物組織、又は植物細胞のゲノムに取り込まれる。
1つの実施形態において、本明細書に開示された方法に従った植物体、植物組織、又は植物細胞は単子葉植物とすることができる。単子葉植物体、植物組織、又は植物細胞としては、限定はされないが、トウモロコシ、イネ、コムギ、サトウキビ 、大麦、ライ麦、モロコシ、ラン、竹、バナナ、ガマ、ユリ、オート麦、タマネギ、キビ、スイッチグラス、芝草及びライコムギの場合がある。
1つの実施形態において、本明細書に開示された方法に従った植物体、植物組織、又は植物細胞は双子葉植物することができる。双子葉植物体、植物組織、又は植物細胞は、限定はされないが、アルファルファ、ナタネ、アブラナ 、カラシナ、エチオピアマスタード、ダイズ、ヒマワリ、ワタ、マメ、ブロッコリー、キャベツ、カリフラワー、セロリ、キュウリ、ナス、レタス、メロン、エンドウ、コショウ、南京豆、ジャガイモ、カボチャ、ラディッシュ、ホウレンソウ、テンサイ、ヒマワリ、タバコ、トマト及びスイカの場合がある。
当業者であれば、外因的配列がトランスジェニック植物に安定に取り込まれ、作用可能であることを確認した後、有性交雑によって他の植物に導入することができることはわかるであろう。多数の育種技術を任意で、交雑される種に依存して使用することができる。
本開示は、上述のトランスジェニック植物の種子も含み、種子は導入遺伝子又は主題開示の遺伝子調節エレメントを含む遺伝子構築物を持つ。本開示は、上記の子孫、クローン、細胞株又は細胞を更に包含し、前記子孫、クローン、細胞株又は細胞は導入遺伝子又は主題開示の遺伝子調節エレメントを含む遺伝子構築物を持つ。
また、本開示は、上述のトランスジェニック植物の栽培を包含し、トランスジェニック植物は導入遺伝子又は主題開示の遺伝子調節エレメントを含む遺伝子構築物を持つ。従って、そのようなトランスジェニック植物は、本発明に従った核酸分子で形質転換されることによって、とりわけ、1つ以上の所望形質又は主題開示の遺伝子調節エレメントを含むトランスジェニック事象を持つように設計されてもよく、また当業者に公知な任意の方法によって作付けし、又は栽培してもよい。
導入遺伝子を発現する方法
1つの実施形態において、植物内で少なくとも1つの導入遺伝子を発現する方法は、少なくとも1つの導入遺伝子又はポリリンカー配列に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含む植物を栽培することを含む。1つの実施形態において、植物内で少なくとも1つの導入遺伝子を発現する方法は、少なくとも1つの導入遺伝子又はポリリンカー配列に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターと3′‐UTRを含む植物を栽培することを含む。1つの実施形態において、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは、配列番号1から選択される配列、又は配列番号1から選択される配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列からなる。別の実施形態において、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRは、配列番号3から選択される配列、又は配列番号3から選択される配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列からなる。1つの実施形態において、植物内で少なくとも1つの導入遺伝子を発現する方法は、少なくとも1つの導入遺伝子に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター及びミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′‐UTRを含む植物を栽培することを含む。1つの実施形態において、植物組織又は植物細胞内で少なくとも1つの導入遺伝子を発現する方法は、少なくとも1つの導入遺伝子に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含む植物組織又は植物細胞を培養することを含む。1つの実施形態において、植物組織又は植物細胞内で少なくとも1つの導入遺伝子を発現する方法は、少なくとも1つの導入遺伝子に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターと3′‐UTRを含む植物組織又は植物細胞を培養することを含む。1つの実施形態において、植物組織又は植物細胞内で少なくとも1つの導入遺伝子を発現する方法は、少なくとも1つの導入遺伝子に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター及びミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl) 3′‐UTRを含む植物組織又は植物細胞を培養することを含む。
1つの実施形態において、植物内で少なくとも1つの導入遺伝子を発現する方法は、少なくとも1つの導入遺伝子に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含む遺伝子発現カセットを含む植物を栽培することを含む。1つの実施形態において、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは、配列番号1から選択される配列、又は配列番号1から選択される配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列からなる。1つの実施形態において、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは、配列番号1から選択される配列、又は配列番号1から選択される配列と80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列からなる。別の実施形態において、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRは、配列番号3から選択される配列、又は配列番号3から選択される配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列からなる。別の実施形態において、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRは、配列番号3から選択される配列、又は配列番号3から選択される配列と80%、85%、90%、95%、又は99.5%の配列同一性を持つ配列からなる。1つの実施形態において、植物内で少なくとも1つの導入遺伝子を発現する方法は、少なくとも1つの導入遺伝子に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター及びミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′‐UTRを含む遺伝子発現カセットを含む植物を栽培することを含む。1つの実施形態において、植物内で少なくとも1つの導入遺伝子を発現する方法は、少なくとも1つの導入遺伝子に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′‐UTRを含む遺伝子発現カセットを含む植物を栽培することを含む。1つの実施形態において、植物組織又は植物細胞内で少なくとも1つの導入遺伝子を発現する方法は、少なくとも1つの導入遺伝子に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを含む遺伝子発現カセットを含む植物組織又は植物細胞を培養することを含む。1つの実施形態において、植物組織又は植物細胞内で少なくとも1つの導入遺伝子を発現する方法は、少なくとも1つの導入遺伝子に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′‐UTRを含む遺伝子発現カセットを含む植物組織又は植物細胞を培養することを含む。1つの実施形態において、植物組織又は植物細胞内で少なくとも1つの導入遺伝子を発現する方法は、遺伝子発現カセット、少なくとも1つの導入遺伝子に作用可能であるように連結されたミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター及びミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′‐UTRを含む植物組織又は植物細胞を培養することを含む。
以下の実施例は、ある特定の特性及び/又は実施形態の解説のために提供される。実施例によって、例示される特定の特性又は実施形態に本開示が限定されるとみなされるべきではない。
実施例1.ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーター
ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)(配列番号1)のプロモーターは、ミナトカモジグサゲノムDNA(gDNA)配列から同定された2,000bpのポリヌクレオチド配列である。トウモロコシメタロチオネイン様遺伝子(mtl)でPhytozomeデータベース(Goodstein et al., 2012)をBLASTサーチすることでそのプロモーターを特定した。得られたヒットを解析し、単一コード配列を更なる解析用に選択した。何百万塩基対にわたった隣接する染色体配列の評価から、異種のコード配列の発現用に2,000bpのポリヌクレオチド配列を同定し、単離した。この新規ポリヌクレオチド配列を、遺伝子発現を促進させる調節配列とし使用するために解析した。下記の配列(配列番号2)で示されるように、配列番号1の2,000bpのミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl) プロモーターが塩基対1〜2,000として提供される。配列番号6の天然mtl遺伝子コード配列が塩基対2,001〜2,345として提供される。配列番号3の1,002bpのミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl) 3′-UTRが、塩基対2,346〜3,347として提供される。従って、配列番号2は以下のように提供される:
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実施例2:ベクター構築
以下のベクターは、導入遺伝子の上流にミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターを組み込むために構築された。ベクター構築物pDAB120419は遺伝子発現カセットを含み、その中でphi−yfp導入遺伝子(ファイ−イエロー蛍光蛋白質;クローンテック社、マウンテンビュー、カリフォルニア州)が配列番号1のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターによって駆動され、且つ、 配列番号3のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3’−UTRがそれに隣接している。この遺伝子発現カセットの図は、図1に示されており、配列番号4として提供される。そのベクターは、トウモロコシUbiquitin 1プロモーター(Christensen et al., (1992) Plant Molecular Biology18; 675-689)によって駆動され、トウモロコシリパーゼ3’-UTR(米国特許第 7,179,902号明細書)によって終結させられるaad−1導入遺伝子(米国特許第7,838,733号明細書)を含む選択マーカー遺伝子発現カセットも含む。この遺伝子発現カセットの図は、図1に示されており、配列番号5として提供される。この構築物は、外部のプロバイダー(Geneart via Life Technologies、カールスバッド、カリフォルニア州)がミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子の新たに設計したプロモーターを合成し、そのプロモーターを、GeneArt(登録商標)シームレスクローニング及びアセンブリキット(Life technologies)及び制限酵素を使用してGateway(商標)(Life Technologies)ドナーベクターにクローニングすることによって構築された。得られたドナーベクターをGateway(商標)クローニングシステム(Life Technologies)を使用し、最終的なバイナリーデスティネーションベクターに組み入れた。pDAB120419のクローンを得て、制限酵素消化及びシークエンシングを介して確認した。得られた構築物は、プロモーターの3′末端に作用可能であるように連結された導入遺伝子の発現を強く促進する可能性があるプロモーターを含んだ。
実施例3:改変型ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)調節エレメント
この配列番号1の2,000bpのミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターは、プロモーター配列に変異を起こさせることによって改変された。変異体が配列番号12として設計され、提供された。配列番号1の改変型ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターと配列番号12の改変型ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを比較したアライメントが図3に提供されている。図3に示されるように、配列番号1及び配列番号12のプロモーターポリヌクレオチド配列は97.2%の配列同一性を共有する。本明細書では、配列番号1のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーターを起源とする新規なプロモーター配列が提供される。1つの実施形態において、配列番号12の新規なプロモーターポリヌクレオチド配列は、導入遺伝子の発現を促進するために遺伝子発現カセット内に使用され得る。本実施形態の別の態様において、配列番号12の新規なプロモーターポリヌクレオチド配列は3′-UTR、例えば、配列番号3の3′-UTRに作用可能であるように連結することができ、且つ、導入遺伝子の発現を促進するために遺伝子発現カセット内に使用され得る。
配列番号3の1,002bpのミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′-UTRは、3′-UTR配列に変異を起こさせることによって改変された。新規の変異体が配列番号17と配列番号18として設計された。そしてそれらの変異体が配列番号17と配列番号18として提供される。配列番号3の改変型ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3’−UTRと配列番号17及び配列番号18の改変型ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3’−UTRを比較するアライメントが図5に提供されている。図5に示されるように、配列番号3及び配列番号17の3′‐UTRポリヌクレオチド配列は94.2%の配列同一性を共有する。97.5%の配列同一性を共有する配列番号3及び配列番号18の3′‐UTRポリヌクレオチド配列が図5に示されている。最後に、図5は、92.7%の配列同一性を共有する配列番号18及び配列番号17のプロモーターポリヌクレオチド配列を提示している。本明細書では、配列番号3のミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)3′‐UTRを起源とする新規な3′‐UTR配列が提供される。1つの実施形態において、配列番号17の新規な3′‐UTRポリヌクレオチド配列は、導入遺伝子の発現を終結させるために遺伝子発現カセット内に使用され得る。本実施形態の別の態様において、配列番号17の新規3′‐UTR ポリヌクレオチド配列は、プロモーター、例えば、配列番号1のプロモーターに作用可能であるように連結することができ、且つ、導入遺伝子の発現を促進するために遺伝子発現カセット内に使用され得る。1つの実施形態において、配列番号18の新規な3′‐UTRポリヌクレオチド配列は、導入遺伝子の発現を終結させるために遺伝子発現カセット内に使用され得る。本実施形態の別の態様において、配列番号18の新規3′‐UTR ポリヌクレオチド配列は、プロモーター、例えば、配列番号1のプロモーターに作用可能であるように連結することができ、且つ、導入遺伝子の発現を促進するために遺伝子発現カセット内に使用され得る。
実施例4:トウモロコシ形質転換転換
アグロバクテリウムチュメファシエンスの形質転換:
バイナリー発現ベクターをアグロバクテリウムチュメファシエンス株DAt13192(RecA欠失ターナリー株)(国際特許公開WO2012016222号)に形質転換した。細菌コロニーを選別し、バイナリープラスミドDNAを単離し、制限酵素消化を介して確認した。
アグロバクテリウム培養開始:
アグロバクテリウム培養物をグリセロールストックからAB最少培地(Wang, K.編、 Agrobacterium Protocols、第2版第1巻、 Humana Press、79頁内のGelvin, S.著、2006年、 Agrobacterium Virulence Gene Induction;ショ糖を加えず、5g/Lのグルコースと15g/LのBacto(商標)アガーを加えて作製した)に線描し、暗所において20℃で3日間にわたって培養した。その後、アグロバクテリウム培養物をYEP培地(Wang, K.編、 Agrobacterium Protocols、第2版第1巻、 Humana Press、79頁内のGelvin, S.著、2006年、 Agrobacterium Virulence Gene Induction)のプレート上に線描し、暗所において20℃で1日間にわたって培養した。
実験の日に、接種培地(2.2g/LのMS塩、68.4g/Lのショ糖、36g/Lのグルコース、115mg/LのL-プロリン、2mg/Lのグリシン、100mg/Lのミオイノシトール、0.05mg/Lのニコチン酸、0.5mg/LのピリドキシンHCl、0.5mg/LのチアミンHCl)及びアセトシリンゴンの混合物を実験のサイズに適した体積で調製した。100%ジメチルスルホキシドのアセトシリンゴンの1M原液を接種培地に加えて200μMのアセトシリンゴン最終濃度を調製した。
各構築物について、YEPプレートからの1〜2白金耳のアグロバクテリウム を、無菌、使い捨ての50ml遠心管内の15ml接種培地/アセトシリンゴン混合物に懸濁し、600nm(O.D.600)の光学濃度を分光光度計で測定した。次いで、懸濁液を追加の接種培地/アセトシリンゴン混合液を使用して0.25〜0.35O.D.600に希釈した。次いで、アグロバクテリウム懸濁液チューブを使用前の1〜4時間、室温で約75rpmでプラットフォームシェーカーセット上で水平に配置した。
トウモロコシ形質転換:
実験構築物を、アグロバクテリウム介在性形質転換を介してトウモロコシに形質転換(トウモロコシは 近交系、Zea mays c.v. B104から単離した未熟胚であった。使用した方法は、Ishida et al., (1996) Nature Biotechnol 14:745−750 and Frame et al., (2006) Plant Cell Rep 25: 1024−1034によって出版された方法と類似するが、幾つかの改変及び改良を加えて、高スループット形質転換に従順な方法を作った。トウモロコシにおける多数の遺伝子導入事象を行うために用いられる方法の例が米国特許出願公開第2013/0157369A1号に提示されており、その例は胚の感染ステップと共培養ステップから始まる。
推定上Tトランスジェニック小植物を、培養培地(Premix BX; Premier Tech Horticulture)で満たした小型3.5インチのプラスチックポット(T.O.Plastics;Clearwater,MN)にPhytatrays(商標)(Sigma−Aldrich; St. Louis, MO)から移植し、humidomes(Arco Plastics Ltd.)で被覆した後、育成室(28℃昼間/24℃夜間、16時間光周性、50-70%湿度、200μEm‐2秒‐1、光強度)でハードニングオフを行った。植物がV3〜V4発生段階(3〜4の頚領が目に見える)に達したときにそれらの植物をSunshine Custom Blend160混合土に移植し、開花するまで温室内で栽培した(露光方式;フォト又は同化;ハイライト限界:1200PAR;16時間の照明時間;昼間27℃/夜間24℃)。植物を導入遺伝子の相対コピー数を検出するために設計したプライマーを使用してqPCRアッセイによって導入遺伝子コピー数を解析し、促進用に選択した推定単一コピーイベントを5ガロンポットに移植した。
実施例5:コピー数の分子確認
phi−yfp導入遺伝子の安定な組込みがトランスジェニックZ. mays植物のゲノム内にあることが加水分解プローブアッセイを介して確認された。カルスから成長した安定形質転換トランスジェニックZ. mays小植物が得られ、完全長T鎖挿入物の小コピー数(1〜2コピー)を含む事象が確認された。確認された小植物を温室に進めで栽培した。
Roche Light Cycler480(商標)システムを使用して導入遺伝子コピー数を測定した。その方法は、phi−yfp遺伝子及び内在性トウモロコシ基準遺伝子であるインベルターゼ(Genbank登録番号U16123.1)に特異的なオリゴヌクレオチドを一回のアッセイで使用するバイプレックスTaqMan(登録商標)反応を利用した。コピー数及び接合生殖性は、既知コピー数標準と比較するときにインベルターゼ特異的蛍光に対するphi−yfp特異的蛍光の強度を測定することによって決定した。
phi−yfp 遺伝子-特異的DNA断片は、FAM(商標)蛍光色素で標識化したTaqMan(登録商標)プライマー/プローブセットで増幅し、インベルターゼは、HEX(商標)蛍光で標識化したTaqMan(登録商標)プライマー/プローブセットで増幅した。試料のコピー数及び接合生殖性は、リポーター遺伝子、既知コピー数標準と比較するとき、参照遺伝子、インベルターゼに特異的な蛍光に対する、phi−yfpに特異的な蛍光相対強度を測定することによって決定した。
実施例6:蛋白質発現の分子確認
蛋白質抽出
Nunc(登録商標)96ウェルマキシソーププレート(Thermo Fisher Scientific Inc., Rockford, IL)をELISAで使用した。プレートは、マウスモノクローナル抗Phi-YFPキャプチャー抗体(OriGene Technologies Inc., Rockville, MD)で被覆した。抗体をPBS(1μg/ml)で希釈し、150μLの希釈PBSをウェルに加えた。プレートを4℃で一晩中温置した。プレートは、20〜30分間保持した後、350μLの洗浄緩衝剤[0.05%Tween(登録商標)‐20(Sigma−Aldrich, St. Louis, MO)を補充した1x PBS]で4回洗浄した。次に、プレートをブロッキングバッファー[0.05%Tween(登録商標)‐20を補充した1x PBSプラス0.5%BSA(Millipore Probumin(登録商標))]のウェルあたり200μLで+37℃で最低1時間、ブロック化し、その後、350μLの洗浄緩衝剤(Tomtec QuadraWash(商標)2、Tomtec, Inc., Hamden, CT)で4回洗浄した。
Phi−YFP ELISAに関して、Evrogen recombinant Phi−YFP 1mg/mL (Axxora LLC, Farmingdale, NY)を標準に使用した。5‐パラメータフィット標準曲線(1ng/ml〜0.125ng/ml標準)を使用して曲線の線形部分に全データが位置するのを確保した。次に、100μLの標準物又は試料をウェルに添加した。アッセイ緩衝剤で最小1:4に希釈した試料を使用した。プレートは、プレート振盪機(250rpm;タイタープレート振盪機)上で1時間室温で温置し、その後、350μLの洗浄緩衝剤(Tomtec QuadraWash(商標)2)で4回洗浄した。約100μLの1μg/mL Evrogenウサギポリクローナル抗Phi−YFP一次抗体(Axxora)を各細胞ウェルに加えた。プレートは、250rpmでプレート振盪機上、室温で1時間温置し、次いで、350μLの洗浄緩衝剤(Tomtec QuadraWash(商標)2)で4回洗浄した。次に、100μLの抗ウサギIgG HRP二次抗体(Thermo Scientific)をブロッキング/アッセイ緩衝剤で1:5000に希釈し、各ウェルに加えた。プレートは、250rpmのプレート振盪機上、室温で1時間温置し、その後、350μLの洗浄緩衝剤(Tomtec QuadraWash(商標)2)で4回洗浄した。次いで、100μLのPierce 1 Step Ultra TMB ELISA(商標)(Thermo Scientific)基質を各ウェルに加えて、10分間緩く振蕩させた。反応は、50μLの0.4N HSOを加えて停止させた。吸光度は、650nmの参照フィルタを用いて450nmで読んだ。
Phi−YFP発現レベルは、Acadia BioSciences (Portland、ME)製キットを用いたELISAによって決定した。ELISAは、抽出物の複数の希釈液、試薬、供給元により提供された指示書を使って行った。蛋白質レベルは、総可溶性蛋白質アッセイを用いてノーマライズし、Thermo Scientificにより供給された660nm蛋白質アッセイ試薬を用いて及びその供給元の説明に従って実施した。
実施例7:ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターに作用可能であるように連結された遺伝子の発現
上述のようにミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターを含む遺伝子発現構築物でトウモロコシ植物体を形質転換した。ELISA分析で、新規プロモーターが導入遺伝子の発現を強力に促進することを確認した。新規プロモーター構築物を含むトランスジェニック植物から得られたPhi−YFP蛋白質の定量的測定は表1に示される。データは、新規ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)プロモーター(すなわち、pDAB120419)を含む植物におけるPhi−YFP蛋白質を示す。
安定的に組み込まれたpDAB120419遺伝子導入事象を含むT単一導入遺伝子コピー植物を野生型B104トウモロコシ植物に戻し交配し、成熟植物体まで栽培されるT種子を得た。これらの成熟植物体から、半接合T1植物を分析に使用して、AAD1及びPhi−YFP蛋白質の発現を測定した。構築物あたり5事象及び1事象あたり10植物体を蛋白質発現解析に使用した。1構築物あたり3事象及び1事象あたり3〜5植物体を他の組織タイプ発現に使用した。Phi−YFP/AAD1に対して接合性解析を行った。新規プロモーター構築物を含むTトランスジェニック植物の葉、穂軸、外皮、花粉、根、絹糸及び茎組織を含む異なる組織タイプから得られたPhi−YFP及びAAD1蛋白質の定量ELISAを表2に示す。データより葉組織でのT発現が確認され、且つ、Phi−YFP蛋白質の一貫した高い発現が新規プロモーター(pDAB120419)を含む植物の主に根組織で得られたことがさらに示された。これらのデータは、ここで例示される新規プロモーターにより植物体内での導入遺伝子の根における優先的発現が促進され、且つ、この発現プロファイルが第1世代から第2世代に遺伝可能であることを示している。以上より、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターは生物工学用途に有用である。


Phi−YFP ELISAの結果は、pDAB120419構築物で形質転換されたT事象でのPhi−YFPの地下での優先的発現、特に根組織での優先的発現がミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl) プロモーター調節エレメント(配列番号1)により促進されることを示した。これらの事象の葉組織ではミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl) プロモーター調節エレメントによるPhi−YFPの発現がわずかに観察された(表1及び表2)。また、形質転換から得られた事象は葉及び根の両方でAAD1蛋白質を発現した。これらの事象内のAAD1の発現は、異なる組織でのPhi−YFPの発現レベルを比較するために、対照として役に立った。まとめると、トウモロコシのような植物種の地下組織内での導入遺伝子の確固とした発現のためにミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl) プロモーターが開発された。
実施例8:ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターに作用可能であるように連結された遺伝子の作物形質転換
ダイズは、特許出願国際公開WO2007/053482号パンフレットの実施例11又は実施例13に以前記載された同じ技術を利用することにより、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターに作用可能であるように連結された遺伝子で形質転換され得る。
ワタは、米国特許第7,838,733号明細書の実施例14又は特許出願国際公開WO2007/053482号パンフレット(Wright et al.)の実施例12に以前記載された同じ技術を利用することにより、ミナトカモジグサ メタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターと作用可能であるように連結された遺伝子で形質転換され得る。
アブラナは、米国特許第7,838,733号明細書の実施例26又は特許出願国際公開WO2007/053482号パンフレット(Wright et al.)の実施例22で以前記載された同じ技術を利用することにより、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターと作用可能であるように連結された遺伝子で形質転換され得る。
コムギは、特許出願国際公開WO2013/116700A1号パンフレット(Lira et al.)の実施例23に以前記載された同じ技術を利用することにより、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターと作用可能であるように連結された遺伝子で形質転換され得る。
ダイズは、特許出願国際公開WO2013/116700A1号パンフレット(Lira et al.)の実施例19に以前記載された同じ技術を利用することにより、ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターに作用可能であるように連結された遺伝子で形質転換され得る。
実施例9:ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターに作用可能であるように連結された遺伝子のアグロバクテリウム介在性形質転換
主題開示を考慮して、追加的作物は、当技術分野において公知である技術を使用して主題開示の実施形態に従って形質転換することができる。ライ麦のアグロバクテリウム介在性形質転換に関しては、例えば、Popelka JC, Xu J, Altpeter f., “Generation of rye with low transgene copy number after biolistic gene transfer and production of (Secale cereale l.) plants instantly marker−free transgenic rye,” Transgenic Res 2003 Oct;12(5):587−96)を参照されたい。モロコシのアグロバクテリウム介在性形質転換に関しては、例えば、Zhao et al., "Agrobacterium−mediated sorghum transformation,“ Plant Mol Biol. 2000 Dec;44(6):789−98を参照されたい。 オオムギのアグロバクテリウム介在性形質転換に関しては、例えば、Tingay et al., “Agrobacterium tumefaciens−mediated barley transformation,” The Plant Journal, (1997) 11:1369−1376を参照されたい。コムギのアグロバクテリウム介在性形質転換に関しては、例えば、Cheng et al., “Genetic Transformation of Wheat Mediated by Agrobacterium tumefaciens,” Plant Physiol. 1997 Nov;115(3):971−980を参照されたい。イネのアグロバクテリウム介在性形質転換に関しては、例えば、Hiei et al., “Transformation of rice mediated by Agrobacterium tumefaciens,” Plant Mol. Biol. 1997 Sep;35(1−2):205−18を参照されたい。
これら及び他の植物のラテン名は以下に与えられる。ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターに作用可能であるように連結された遺伝子を、例えば、これららの植物及び他の植物に形質転換するために他の(非アグロバクテリウム)形質転換技術を用い得ることは明らかである。実施例はとしては、これらに限定されるものではないが、トウモロコシ(Zea mays)、コムギ(Triticum spp.)、イネ(Oryza spp及びZizania spp.)、オオムギ(Hordeum spp.)、ワタ(Abroma augusta及びGossypium spp.)、ダイズ(Glycine max)、砂糖及びテーブルビート(Beta spp.)、サトウキビ(Arenga pinnata)、トマト(Lycopersicon esculentum及び他の属種、ホオズキ、ナス及び他の属種、タマリロ)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、サツマイモ(Ipomoea batatas)、ライ麦(Secale spp.)、トウガラシ(Capsicum annuum、ラッキョウ、シソ)、レタス(Lactuca sativa、キク(perennis)、クリ(pulchella))、キャベツ(Brassica spp.)、セロリ(Apium graveolens)、ナス(Solanum melongena)、南京豆(Arachis hypogea)、ソルガム(Sorghum spp.)、アルファルファ(Medicago sativa)、ニンジン(Daucus carota)、マメ(Phaseolus spp.)、オート麦(Avena sativa)、エンバク(strigosa)、エンドウ(Pisum, Vigna、シカクマメ(Tetragonolobus)spp.)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、スクワッシュ(Cucurbita spp.)、キュウリ(Cucumis sativa)、タバコ(Nicotiana spp.)、アラビドプシス(シロイヌナズナ)、芝草(ライグラス、ヌカボ、イチゴツナギ属、ギョウギシバ及び他属)、クローバー(Trifolium)、ソラマメ類(Vicia)を挙げることができる。 ミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターと作用可能であるように連結された遺伝子でのそのような植物の形質転換は、例えば、主題開示の実施形態において考慮されている。
作用可能であるように連結された遺伝子を駆動するためのミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターの使用を多くの落葉性樹木種及び常緑樹木種で効果的に利用することができる。また、そのような応用は本開示の実施形態の範囲内でもある。これらの種としては、これらに限定されないが、ハンノキ(Alnus spp.)、アッシュ(Fraxinus spp.)、ハコヤナギ及びポプラ種(Populus spp.)、ブナノキ(Fagus spp.)、樺(Betula spp.)、サクランボ(Prunus spp.)、ユーカリノキ(Eucalyptus spp.)、ヒッコリー(Carya spp.)、カエデ(Acer spp.)、オーク(Quercus spp.)及びマツ(Pinus spp.)を挙げることができる。
作用可能であるように連結された遺伝子を駆動するためのミナトカモジグサメタロチオネイン様遺伝子(mtl)のプロモーターの使用を観賞植物種及び結実種で効果的に利用することができる。また、そのような応用は本開示の実施形態の範囲内でもある。実施例としては、これらに限定はされないが、バラ(Rosa spp.)、ホウキグ(Euonymus spp.)、ツクバネアサガオ(Petunia spp.)、ベゴニア(Begonia spp.)、ツツジ(Rhododendron spp.)、野生リンゴ又はリンゴ(Malus spp.)、西洋ナシ(Pyrus spp.)、桃(Prunus spp.)及びマリゴールド(Tagetes spp.)を挙げることができる。
多くの例示的態様及び実施形態が上記で考察されているが、当業者は、特定の改変、置換、追加及びそれらのサブコンビネーションを気づくであろう。従って、下記に添付の特許請求の範囲、以下に導入した特許請求の範囲は、真の趣旨及び範囲内にあるそのような全ての改変、置換、追加及びサブコンビネーションを含むと解釈されることが意図されている。

Claims (18)

  1. 核酸ベクターであって、
    a)ポリリンカー配列、
    b)非メタロチオネイン様遺伝子、又は
    c)(a)と(b)の組合せに作用可能であるように連結されたプロモーターを含み、前記プロモーターが配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を持つポリヌクレオチド配列を含む、前記ベクター。
  2. 前記プロモーターの長さが2.0Kbである、請求項1に記載の核酸ベクター。
  3. 前記プロモーターが配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を持つポリヌクレオチド配列からなる、請求項1に記載の核酸ベクター。
  4. 選択マーカーをコードする配列を更に含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の核酸ベクター。
  5. 前記プロモーターが導入遺伝子に作用可能であるように連結される、請求項1に記載の核酸ベクター。
  6. 前記導入遺伝子が、殺虫剤耐性、低分子RNA発現、部位特異的ヌクレアーゼ、除草剤耐性、窒素利用効率、水利用効率、栄養価、又はDNA結合蛋白質を付与する選択マーカー又は遺伝子産物をコードする、請求項5に記載の核酸ベクター。
  7. 配列番号3と少なくとも90%の配列同一性を持つ3′非翻訳ポリヌクレオチド配列を更に含み、前記3′非翻訳ポリヌクレオチド配列が前記ポリリンカー又は前記導入遺伝子と作用可能であるように連結される、請求項1〜3又は5のいずれか1項に記載の核酸ベクター。
  8. 5′非翻訳配列を更に含む、請求項1〜3又は5のいずれか1項に記載の核酸ベクター。
  9. イントロン配列を更に含む、請求項1〜3又は5のいずれか1項に記載の核酸ベクター。
  10. 前記プロモーターが地下組織特異的発現を有する、請求項1に記載の核酸ベクター。
  11. 導入遺伝子に作用可能であるように連結された配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を持つポリヌクレオチド配列を含む非ヤマカモジグサ属植物。
  12. 前記植物は、トウモロコシ、コムギ、イネ、モロコシ、オート麦、ライ麦、バナナ、サトウキビ、ダイズ、ワタ、シロイヌナズナ、タバコ、ヒマワリ及びアブラナからなる群から選択される、請求項11に記載の植物。
  13. 前記植物がトウモロコシである、請求項11に記載の植物。
  14. 前記導入遺伝子が前記植物のゲノムに挿入される、請求項11〜13のいずれか1項に記載の植物。
  15. 前記プロモーターが配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を持つポリヌクレオチド配列を含み、且つ、前記プロモーターが導入遺伝子と作用可能であるように連結されている、請求項11に記載の植物。
  16. 配列番号3を含む3′非翻訳配列又は配列番号3と少なくとも90%の配列同一性を持つ3′非翻訳配列を更に含み、前記3′非翻訳配列が前記導入遺伝子と作用可能であるように連結されている、請求項15に記載の植物。
  17. 前記導入遺伝子が地下組織特異的発現を有する、請求項15に記載の植物。
  18. 前記プロモーターの長さが2.0Kbである、請求項15に記載の植物。
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