JP2018510674A - 対象の状態を非侵襲的に監視する方法およびシステム - Google Patents

対象の状態を非侵襲的に監視する方法およびシステム Download PDF

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Abstract

対象の1以上のパラメータを決定するための測定システムであって、キャリア周波数を有し時間で変化する1以上のパラメータの所定の符号化関数で変調された音響タギング放射を生成して対象の関心領域に照射する音響デバイスと、関心領域を所定の周波数範囲の電磁放射で照明し、関心領域の電磁放射応答を検出し、関心領域中の連続位置における前記音響タギング放射と電磁放射間の相互作用を示す測定データを生成する光学デバイスであって、少なくとも第1の測定セッションの間に前記音響デバイスと同時に動作可能である光学デバイスと、前記測定データを処理し、関心領域内の測定された連続位置の各々がそのスペクトルデータにより特徴付けられるように、スペクトルデータを含む少なくとも第1のデータを位置の関数として決定する制御ユニットとを含む。【選択図】図1A

Description

本発明は、一般に医療装置の分野に属し、光の超音波タグ付けに基づいて、対象の状態を監視する方法およびシステムに関する。本発明は、媒体または組織を特徴付けるとともに、脳、筋肉、腎臓および他の器官といった組織内の関心領域における流体含有媒体中のフローパラメータを同定あるいは位置特定および/または測定するのに特に有用である。
非電離放射線を用いた非侵襲的なモニタリングおよび画像化により、医療従事者は、例えば出血を伴うなどの侵襲的処置を行うことなく患者の状態を診断およびモニタすることができる。非侵襲的モニタリング方法のいくつかは、組織を照射し、当該組織の光応答を検出することによって組織の光学特性を監視するものである。組織が均質であれば、単純なモデルで光学特性の計算が可能である。しかしながら、生体組織は複雑かつ分散した媒体であるため、局所的な光学特性の測定は困難な課題であった。
本発明の譲受人に譲渡されたWO2008/149342は、対象の1またはそれ以上のパラメータを特定するのに用いる方法およびシステムを開示する。この技術によれば、対象の関心領域が音響タグ放射で照射され、同時に、当該関心領域の少なくとも一部が、所定の周波数範囲の電磁放射で照射される。この関心領域の少なくとも一部の電磁放射応答が検出され、それを示す測定データが生成され、ここで検出される応答は音響放射でタグ付けされた電磁放射を含む。検出された電磁放射線応答を示す測定データが処理され、電磁放射が音響放射によってタグ付けされた媒体内の位置に対応する領域における対象の少なくとも1のパラメータが特定される。
この分野において、各々の、そしてすべて深度における組織の光学特性に関する情報を失うことなく、または少なくとも大幅に減少させることなく、関心領域の様々な深さの組織を完全に特徴付けることを可能にする新規な測定技術を提供する必要があった 。
また、この分野において、測定される対象の状態や、測定環境および検査される関心領域の深さに拘わらず、対象に関する正確な測定を提供する新規な測定技術を提供する必要があった。例えば、2の対象に対して行われた測定が潜在的に同じ医学的/物理的意味を持ち、比較し得ることが必要である。加えて、同じ対象に対して異なる時間または異なる環境で実施された2つの測定は、医学的な測定条件が同じ場合には同じとなるべきである。さらに、適切な測定品質を保証するために、測定品質のオンライン表示を得て、必要なアクションを取り得るようにすることが望ましい。
本発明は、光で探査されるのと同じ組織ボリュームでの音波の相互作用に基づく効果である「光の超音波タグ付け」(UTL)を利用する。この相互作用により、光波は音波の特性(すなわち周波数、位相)で変調またはタグ付けされる。組織内では音波の伝搬が比較的遅いので(軟組織では約1500m/秒)、光と音響放射との相互作用の位置を特定することができる。各遅延に対して計算された音響放射のキャリア周波数成分のみを取って得られる信号は、本書においてキャリア周波数超音波タグ付き光(CFUTL)と称され、これは本願譲受人に譲渡された前述のWO2008/149342に記載の通り、送出された音波(超音波)の生成に用いられた符号化信号(符号化関数ともいう)と検出された光信号との間の相関と等しい。
音響波と媒体との相互作用の効率および出力は、測定における空間および時間分解能と信号対雑音比(SNR)に影響を与える。音波、連続波(CW)、短波バースト波(SB)、およびパルスの生成には、取り得る3つの方式がある。より多くの音響エネルギーが照射され検出されるので、連続波での運用はより高いSNRとなる。連続的な音波が(所定の周波数範囲で)光と相互作用し、音波が完全に伝播する間に光を回収すると、より高い音響エネルギーが相互作用に利用可能となり、したがって信号を増大することができる。さらに、連続的な音波のスペクトル帯域幅は非常に狭くなることがあり、したがってノイズ帯域幅が低減する。これにより、SNRが大幅に改善される。しかしながら、連続的な音波で提供される測定の空間分解能は、音波の短いバーストまたはパルスで提供される測定ほど高くはない。この低減した空間分解能は、音波の伝播の測定ジオメトリが本質的に光伝搬方向と平行となることが要求される場合に特に制限される。音波とパルスの短いバーストを利用すると、空間分解能がよくなるが、連続波モードに比べて相互作用の音響エネルギーがより低く、帯域幅が広くなり、結果としてSNRが低下する。高い空間分解能と高いSNRを両立させるために、本発明者らは、WO2008/149342に開示の方法を導入し、連続的な音波の生成(したがってSNRは改善される)を用い、ここで連続的な音波は狭い自己相関関数によって特徴付けられる変調(符号化)信号であり、それによって空間分解能が改善される。
上述の測定技術の目標を達成するためには、音響および光学放射の被検組織への適切な結合が保証されるべきであるが、最適な結合が達成できない場合でも、測定データの較正/正規化により最適でない結合条件を補償しうる。さらに、結合条件が最適でない場合はそれが示されることが望ましく、これにより適切な処置を行うことが可能となる(例えば、測定中のカプリングの改善、またはオンラインまたはオフラインのいずれかで異なる下流の処理方法をデータに適用するなど)。結合条件が悪化し、UTL信号レベルが低下しても、雑音レベルは同じ量だけ減少しないことが多く、SNRも低下するため、平均測定値への結合の影響が補償されても、全体の測定品質が低下し、重要な情報をデータから抽出する能力が損なわれる。
本発明によれば、通常は特定のキャリア周波数の変調された音響波(超音波)を、特別に生成された符号化信号を用いて試料ボリュームに照射し、かつ同時に、所定の波長範囲の電磁放射によって照射して、超音波と光が超音波伝播の軸に沿って連続的な組織ボリューム(位置、深さ)で相互作用するようにする。組織から後方散乱した光が検出され、この検出光には、超音波のキャリア周波数を中心とする周波数範囲にシフトされたタグ付け光と、タグなし光とが含まれる。検出された光信号は時間領域と周波数領域の両方で分析され、遅延−周波数分布が得られる。この遅延は、通常の超音波伝搬軸に沿った距離(深さ)の関数である。検出された光は、組織内の複数の深度から戻った光を示すデータ部分を含んでいる。この検出された光が復号され、各遅延(深さ)ごとに個々に独立した信号が得られる。
このように復号された各時間トレース信号のスペクトル領域分析(例えば、フーリエ変換、スペクトルフィルタリングなど)によって、その特定の深度における、深度特有のスペクトル領域パラメータ(例えば、スペクトルピーク幅、振幅など)や、試料/組織内の光散乱中心の流れ/動きに関する情報が抽出可能となる。得られたパラメータは、1の遅延で得られたパラメータを次の遅延で得られたパラメータと(例えば、減算、除算、または他の数学的演算によって)比較することで得られる、特定の遅延または差分におけるスペクトル幅のように、累積的であり得る。より具体的には、得られたパラメータは1またはそれ以上の遅延について得られたパラメータに数学的演算を施した結果であり、さらなる例としては線形結合および非線形結合を含む。
各深度特有のスペクトル領域の処理結果を用いると、マッピングされた試料に関する物理的パラメータを推定することが可能となる。これらの物理的パラメータは、限定しないが、深度の関数としての光学的非相関時間、絶対単位における流量対深さの分布、流れ単位における流量対深さの較正分布、または音響カプリング品質であり得る。考えられる重要なパラメータの1つは血液−酸素飽和レベルであり、これはパルス符号化された音響放射を用いて取得することができる。
サンプリングされたボリューム(例えば、血流)内の流体の流れは、散乱光の移動を増大させ、異なる伝搬経路に沿って蓄積された位相の変動性の増大をもたらす。音響キャリア周波数周辺の周波数範囲で試料から後方散乱した検出光のパワースペクトルピーク幅は、試料の監視対象媒体内の散乱中心の動きにより、ドップラー幅のような周波数広がり効果の影響を受ける。流れが増大すると、超音波周波数における検出光の振幅は減少するが、超音波周波数を含むスペクトル成分の幅は増大する(他の条件が変化しないと仮定する)。したがって、パワースペクトルプロファイルは、試料内の流れパラメータを示す。
本発明によれば、複数の周波数を含む各遅延のスペクトルを、第1の測定セッションの検出信号を用いて計算することができ、したがって、各ボリューム/位置は、そのスペクトルデータによって特徴付けられる。特定の遅延は、超音波、組織および光の間の相互作用の位置である特定の測定された位置に対応することを理解されたい。 本発明は、全パワースペクトルについて、累積的なスペクトル拡大をシフトさせ、各深度特有の散乱中心の動きの局所的寄与を抽出する。
前述のように、試料に超音波(通常は音響放射)と電磁放射線とを同時に照射すると、検出される当該試料の電磁放射応答のスペクトルは、全ての深度の光子、特に、検出器に達する可能性が統計的にはるかに高いことから、より浅いところを移動する光子によって影響を受ける。スペクトルは、実際には、異なる経路で伝搬する光子のスペクトルの加重和である。試料中の特定の層(ボリューム)によって生じる周波数変化を観察するために、特定の深度(局所的な層/ボリューム)のみを超音波で励起して、この特定の深度から戻された/タグ付けされた光を示すデータを、抽出して弁別することが可能である。この局所的な励起(「タギング」)は、例えば、特定の層のみが所与の時間に空間的に励起されるように、狭いパルス形状(時間領域において狭い)で超音波振幅を変調することによって行うことができる。超音波が組織を通って伝搬するにつれ、超音波放射の対応する時間遅延で異なる深度が放射される。したがって、時間遅延が異なれば、試料中の異なる深度に対応するスペクトルが生じる。しかし、特定の深度に関するスペクトル幅は、超音波送出面からその距離内のすべての中間層の増分供与(incremental donations)から構成される。所定の深度で生じるスペクトル拡幅(局所的拡幅)は、隣接層のスペクトル幅(隣接時間遅延)を微分することで導出すことができる。スペクトル幅の変化は流れの位置に起因し、一方で拡幅量は容積流量に関連する。
一時的な狭いパルス形状で局所励起を行う代替例として、符号化された励起関数で組織を連続的に励起し(すなわち>100の励起サイクルの長いパルス)、その後に測定信号を復号化して、組織内の異なる場所で生じるタグ付け事象が、個別に処理・分析できる個別の信号となるようにすることがある。この技術の利点の1つは、より多くのエネルギーを組織に伝達することにより、信頼できる情報抽出が可能なより大きな信号が得られることである。
UTL信号は、組織に結合された光の大きさおよび音響圧力波の振幅に依存する。したがって、周波数/色(酸素飽和度)および局所血流効果などの組織の光学特性を特定するためには、2つのパラメータ(光と音響エネルギー)を分離する必要がある。
超音波の分離は、いくつかの波長の光を使用し、各波長について得られたUTLプロファイルを互いに分割することによって達成することができる。これは、WO2008/149342に記載されている。しかしながら、1の波長の光のみを用いる場合、取得されたUTL光プロファイルで、組織に結合される超音波の振幅の変動の影響を切り離すことは、別の方法で達成され得る。
本発明は、検出された光信号に対する超音波結合効果を潜在的に排除することによって、例えば特徴的な非相関時間といった組織の光学特性を特定するための技術を提供する。これにより例えば、1の特定深度について演算されたキャリア周波数周辺のスペクトル帯域における光パラメータのエネルギーで(スカラー)、または複数の深度から計算され平均されたキャリア周波数周辺のスペクトル帯域における光エネルギーで(スカラー)、またはすべての深度で計算されたキャリア周波数周辺のスペクトル帯域における光エネルギーの合計である光の合計エネルギーで(スカラー)、あるいは各深度について演算されたキャリア周波数周辺のスペクトル帯域における光エネルギーで(ベクトル、要素ごとの分割)、UTLのスペクトルピーク振幅を割ることによって、潜在的に超音波結合から独立した深度フロー分布または較正された血流パラメータ(較正された計算フローインデックス:cCFI)の計算が可能となる。
上記または他の選択肢による、またはこれらの計算の逆の項(inverse term)を用いたUTLの分割により、UTLに対する光学的および音響的結合条件の変動の望ましくない影響が低減され、深度−流れ分布または較正された深度−流れ分布の「絶対単位」を得ることが可能となる。
上述のように、各遅延(深度)についての光エネルギーのパラメータは、局所光エネルギーパラメータとも呼ばれ、周波数軸に沿ってその遅延で計算されたパワースペクトルを、超音波キャリア周波数周辺の特定の帯域幅(BW)で積分することによって得られる。同様に、全体の光エネルギーは、すべての遅延でのすべてのパワースペクトルに対して計算された、超音波キャリア周波数周辺の特定の帯域幅(BW)でのパワーの合計である。
「光エネルギー」の用語は、スペクトルデータの特定の所定機能をいい、したがって広義に解釈されるべきであり、「エネルギー」の数学的意味、すなわち二乗光強度に限定されないことに留意されたい。
本発明は、UTLベースの測定法の精度を改善する新規な技術を提供する。これは、音響放射でタグ付けされた光によって形成される検出光信号を正規化することで行われる。この検出信号を、本書において「UTL信号」と称す。本発明はまた、音響結合を評価し、その測定品質を示す手段を提供する。この正規化により、関心領域内の特定の測定位置に関連するUTL信号が、例えば光源の出力、音源の出力、光学結合条件、音響結合条件などの対象の外部の状況に関連する光学および音響信号振幅の変動性によって影響されなくなる。さらに、本発明者らは、関心領域内の各深度から検出された光放射から抽出された追加のスペクトルデータをどのように抽出し、使用するかを見いだした。
本発明によれば、対象(関心領域)は2回の測定セッションにかけられる。通常、この2回の測定セッションは、2つの異なる光検出器を用いて、例えば各測定セッションの音響放射に異なるキャリア周波数を使用することによって、同時に行ってもよいし、いずれかの順序で、音響放射に同様のまたは異なるキャリア周波数を使用して、連続的に行ってもよい。本書で使用される「第1」および「第2」という用語は、第1のものが第2のものに先行することを意味するものではなく、上述のように同時に、あるいはどちらの順序でも順番に実行可能な2つの測定セッションを区別するためだけに用いる。測定セッションのうちの1つは、特定の(第1の)キャリア周波数の符号化された音響放射(例えば、ゴーレイ符号で符号化)を領域に照射し、超音波タグ付きおよびタグなし光を含む光強度信号を検出し、音響放射遅延に応じた位置(深度)の関数として超音波のキャリア周波数によって周波数シフトされた超音波タグ付き光の強度を測定する。第2の測定セッションは、第1のキャリア周波数と同一または異なる特定の(第2の)キャリア周波数のCW非符号化音響放射と、タグ付きおよびタグなし光を含む光強度信号の検出と、総タグ付き光エネルギーの計算とで動作し、これがキャリア周波数周辺の所定の周波数範囲での検出光のエネルギーである。処理段階で、第1の測定セッションで検出された信号は、第2の測定セッションで取得された総タグ付き光エネルギーによってタグ付き光位置関数(UTL)を除算することによって正規化される。この正規化ステップにより、例えばUTLの結合条件といった外部の光学的条件および音響条件の望ましくない影響が緩和され、絶対単位フローインデックスまたは較正されたフロー測定値を得ることが可能となる。総タグ付き光エネルギーはまた、音響結合条件を評価し、測定品質を示すためにも使用される。
このように、本発明の広範な態様によると、対象の少なくとも1のパラメータを特定するのに用いられる測定システムが提供され、当該システムは、
(a)音響タギング放射を生成し、通常の伝播方向に伝搬する前記音響タギング放射を対象の関心領域に照射するのに適合された音響デバイスであって、前記音響タギング放射は、キャリア周波数を有する音波の形態の変調音響放射であって、時間で変化する前記音響タギング放射の少なくとも1のパラメータの所定の符号化関数によって変調されている、音響デバイスと、
(b)前記関心領域を所定の周波数範囲の電磁放射で照射し、当該関心領域の電磁放射応答を検出し、検出された電磁放射線応答に対応する測定データを生成するように適合された光学デバイスであって、少なくとも第1の測定セッション中に前記音響デバイスと同時に動作可能であり、これによって前記測定データは、前記少なくとも第1の測定セッション中に前記一般的な伝搬方向に沿って、前記関心領域内の連続する位置における前記音響タギング放射と前記電磁放射との相互作用に対する電磁放射応答を示し、これは前記音響タギング放射と前記電磁放射との相互作用の連続的な遅延に対応している、光学デバイスと、
(c)前記測定データを処理し、前記関心領域を通る前記音響タギング放射の前記一般的な伝播方向に沿った前記関心領域内の位置の関数としてのスペクトルデータを含む少なくとも第1のデータを特定するように適合された制御ユニットであって、前記関心領域における測定される連続位置はそれぞれ、そのスペクトルデータによって特徴付けられる、制御ユニットとを具えることを特徴とする。
いくつかの実施例では、本発明は、前記所定の関数としてゴーレイ符号を用いて得られる超音波の変調に関する。
いくつかの実施例では、前記測定データの処理は、前記測定データに、異なる遅延でシフトされた前記所定の関数(すなわちゴーレイ符号)の包絡線を乗算し、各遅延による乗算の積は、前記遅延に対応する前記関心領域の部分/位置からの電磁放射応答を示し、前記異なる遅延による乗算の積に対してスペクトル処理(例えば、フーリエ変換)を実行し、それによって各遅延(深度)についてのスペクトル拡幅パラメータを得ることを含む。
いくつかの実施例では、前記測定データの処理は、前記測定データに、異なる遅延でシフトされた前記所定の関数(すなわちゴーレイ符号)の包絡線を乗算し、各遅延による乗算の積は、前記遅延に対応する前記関心領域の部分/位置からの電磁放射応答を示し、前記異なる遅延による乗算の積に対して少なくとも1のスペクトル領域フィルタを適用し、それによって各遅延(深度)についてのスペクトル拡幅パラメータを得ることを含む。
いくつかの実施例では、前記測定データの処理は、前記電磁放射の伝搬軌跡に沿った連続位置からのスペクトルデータにスペクトル分析を適用し、それによって特定の位置の局所的スペクトル拡幅データを決定することを含む。スペクトル分析は、前記電磁放射の伝播軌跡に沿った連続位置からのスペクトルデータの線形結合(linear combination)の決定を含んでもよい。スペクトル分析は、前記電磁放射の伝播軌跡に沿った第1および第2の連続位置のスペクトルデータを減算することを含み、それによって前記第2の位置の局所的スペクトル拡幅データを決定することを含んでもよい。
いくつかの実施例では、測定データの処理はさらに、絶対単位でフロー深度分布を計算することを含む。この計算は、前記電磁放射の伝播軌道に沿った1以上の連続位置におけるスペクトルデータのプロファイルのパラメータを決定するステップを含んでもよい。前記計算は、前記電磁放射の伝播軌跡に沿った1以上の連続位置におけるスペクトルデータの少なくとも1のピークの幅パラメータを決定するステップを含んでもよい。時には、計算は、検出された電磁放射線の光エネルギーパラメータを、タギング音響放射の符号化関数と検出された電磁放射信号との間の相互相関の振幅で除算することを含む。
いくつかの実施例では、前記光エネルギーパラメータは、前記関心領域内の1つの特定位置におけるキャリア周波数周辺のスペクトル帯域における光エネルギーを含む。いくつかの実施例では、前記光エネルギーパラメータは、前記関心領域内の複数の位置におけるキャリア周波数周辺のスペクトル帯域における光エネルギーの平均を含む。いくつかの実施例では、前記光エネルギーパラメータは、前記関心領域内の少なくとも2つの位置のキャリア周波数周辺のスペクトル帯域における光エネルギーのベクトルを含む。
いくつかの実施例では、測定データの処理はさらに、スペクトルデータの関数である較正済み計算フローインデックス(calibrated Calculated Flow Index:cCFI)を計算することを含む。前記計算は、前記電磁放射の伝播軌跡に沿った1以上の連続位置におけるスペクトルデータの少なくとも1つのピークの幅パラメータを決定することを含んでもよい。前記計算は、前記タグ付けされた音響放射の符号化関数と前記検出された電磁放射との間の相互相関の振幅によって、前記検出された電磁放射の全エネルギーパラメータを除算することを含んでもよい。いくつかの実施例によれば、前記処理は、周波数軸に沿ってその遅延で計算されたパワースペクトルを積分し、総エネルギーパラメータをすべての局所的エネルギーパラメータの合計として決定することによって、各遅延についての局所的エネルギーパラメータを得ることを含む。
いくつかの実施例では、前記測定データの処理は、少なくとも1のパラメータの所定の符号化関数と前記電磁放射応答の間の相互相関として、キャリア周波数超音波タグ付き光(CFUTL)信号を計算することを含む。
いくつかの実施例では、前記音響デバイスはさらに、第1のキャリア周波数と同一であっても異なっていてもよい第2のキャリア周波数を有する連続した符号化されていない音響波の形態の音響タギング放射を生成して、前記一般的な伝搬方向に沿って伝搬させ、これによって前記関心領域において前記連続的な音響放射と前記電磁放射との間の相互作用を生じさせ、前記測定データがさらに、前記関心領域から前記連続的な音響放射との前記相互作用への検出された電磁放射応答を示すデータを含み、前記制御ユニットは、前記測定データを処理し、前記関心領域のスペクトルデータを含む第2のデータを決定し、第2のキャリア周波数周辺の所定の周波数範囲内で前記検出された電磁放射の前記タグ付け部分の総エネルギーパラメータを決定するために、前記第1および第2のデータの少なくとも1つを利用する。前記第1および第2のキャリア周波数は同一であっても異なってもよい。
いくつかの実施例では、前記第1および第2のデータは、第1および第2の連続的な測定セッション中に取得され、その時間間隔は同じであってもなくてもよい。
いくつかの実施例では、前記第1の測定データの処理は、キャリア周波数超音波タグ付き光(CFUTL)信号を計算することを含む。当該処理は、CFUTL信号を総エネルギーパラメータで除算することをさらに含むことができる。
いくつかの実施例では、前記第2の測定データの処理は、前記第2の測定データのスペクトル幅の計算を含む。
いくつかの実施例では、前記第1および第2の測定データのいずれかの処理が、データのフーリエ変換を決定することを含む。
いくつかの実施例では、前記第1および第2の測定データのいずれかのスペクトル処理は、スペクトルフィルタリングをデータに適用することを含む。
いくつかの実施例では、前記総エネルギーパラメータの決定は、各遅延について、周波数軸に沿ってその遅延で計算されたパワースペクトルを積分し、総エネルギーパラメータをすべての局所的エネルギーパラメータの合計として決定することによって、局所的エネルギーパラメータを得ることを含む。
別の広範な態様によると、対象の1またはそれ以上のパラメータを特定するのに用いるシステムが提供され、当該システムは、
(a)所定の周波数範囲の電磁放射で関心領域を照射し、前記関心領域からの電磁放射応答を検出し、検出された電磁放射応答を示す測定データを生成するように構成された光学デバイスと、
(b)前記関心領域を照射するように構成された音響デバイスであって、照射中に、第1および第2の測定セッション中にそれぞれ第1および第2の音響放射が一般的な伝搬方向に伝搬するように構成され、前記第1の音響放射が、第1のキャリア周波数を有し、時間で変化する第1の音響タギング放射の少なくとも1つのパラメータの所定の符号化関数によって変調された音響波の形態の音響タギング放射を含み、前記第2の音響放射が、第2のキャリア周波数を有する連続的な符号化されていない音響波の形態の音響タギング放射を含み、これにより前記測定データが、前記第1および第2の測定セッション中の前記関心領域内の第1および第2の音響タギング放射のそれぞれを有する電磁放射と、前記関心領域の連続的な位置における電磁放射との間の第1および第2の相互作用を示す第1および第2のデータを含む、音響デバイスと、
(c)前記第1および第2のデータを処理するように構成され動作可能な制御ユニットであって、前記処理は、前記第1の測定セッション中の前記第1の音響タギング放射と前記電磁放射との相互作用の連続的な遅延に対応する前記関心領域の連続的な位置からの第1の電磁放射応答を示す第1のスペクトルデータと、前記関心領域の第2の電磁放射応答と前記第2のキャリア周波数周辺の電磁放射のタグ付け部分の総エネルギーパラメータとを示す第2のスペクトルデータと、を決定することを特徴とする制御ユニットとを具える。
さらなる別の態様によれば、本発明は、対象の1またはそれ以上のパラメータを決定するのに用いるための監視システムを提供し、当該監視システムは制御ユニットを具え、当該制御ユニットは、
第1の測定セッションの時間インターバル中に、相互作用の連続的な遅延に対応する関心領域内の音響放射伝搬軸に沿った連続位置で、第1キャリア周波数の符号化された音響タギング放射と所定の周波数範囲の電磁放射との間の相互作用の超音波タグ付き光を示す少なくとも第1のデータを含む測定データを受信するように構成されたデータ入力ユーティリティと、
前記測定データを分析し、前記一般的な伝搬軸に沿った前記関心領域内の位置の関数として、音響的にタグ付けされた電磁放射のスペクトルデータを決定するように構成されたデータプロセッサおよびアナライザとを具え、前記関心領域内の連続位置のそれぞれがそのスペクトルデータで特徴づけられることを特徴とする。
前記制御ユニットは、前記測定データを生成する測定ユニット、および/または前記測定データが格納される記憶デバイスとデータ通信するよう構成される。前記測定ユニットは、時間で変化する前記音響放射の少なくとも1つのパラメータの所定の符号化関数によって変調された音波の形態であるキャリア周波数を有する音響タギング放射を生成し、所定の周波数範囲の光を生成し、前記測定データを生成するよう構成される。上記のように2つの測定セッションが実行される場合、前記制御ユニットはまた、無変調の音波の形態のキャリア周波数を有する音響タギング放射を生成するように構成される。
前記プロセッサおよびアナライザのユーティリティは、第1の測定データを処理して遅延分布データを得るように構成された第1の処理モジュールと、総タグ付き光エネルギーを計算するように構成された第2の処理モジュールと、前記第2のモジュールで得られた総タグ付き光エネルギーによって前記第1のモジュールで得られた遅延分布の正規化を計算するように構成された第3の処理モジュールとを具える。第1の処理モジュールから得られた遅延分布データは、各深度ごとに単一の値を有する一次元であってもよいし、各深度ごとに複数の値を有する二次元であってもよい。一次元の遅延分布データの非限定的な例は、CFUTL信号や、各深度ごとにスペクトル幅値を含む信号である。二次元データの例は、各深度ごとのパワースペクトル信号を算出して得られる遅延−周波数分布である。したがって、前記第1の処理モジュールは、異なる遅延でシフトされた符号化関数の包絡線によって前記測定データを乗算するように構成された復号器モジュールと、例えばフーリエ変換やフィルタリング技術を適用して前記乗算の積に対してスペクトル処理を行うように構成された第2のスペクトル処理モジュールとを具え、これにより、進行軸(axis of progression)に沿って前記関心領域を通して位置スペクトルデータを示す遅延周波数分布データを取得し、これが前記関心領域の少なくとも1のパラメータを示す。代替的に、前記第1の処理モジュールは、前記符号化関数と前記測定光強度信号との間の相互相関を計算して、CFUTLを生成するモジュールを具えてもよい。
符号化されていないCW音響信号を特徴とする第2の測定セッションから総タグ付き光エネルギーを計算する第2の処理モジュールは、前記符号化されていないUTL信号から、キャリア周波数周辺の所定の帯域幅からエネルギーを抽出するように構成される。全タグ付き光エネルギーを得るには、例えば、UTL信号にスペクトルバンドパスフィルタを適用した後に、フィルタ後の信号パワーを積分する積分器を適用して総エネルギーを得ることができる。総タグ付き光エネルギーをこのように抽出する別の方法は、フーリエ変換を適用し、符号化されていないUTLのパワースペクトルを計算した後、パワーを周波数領域で積分する積分器を適用して総エネルギーを得ることである。
前記第3の処理モジュールは、前記第1の処理モジュールからの遅延分布データを示す第1の処理データと、前記第2の処理モジュールからの総タグ付き光エネルギーを示す第2の処理データとを受け取り、前記第1の処理データを前記第2の処理データで除算することによって正規化された遅延分布データを示す第3の処理データを得るよう構成されている。
前記プロセッサとアナライザのユーティリティは、前記所定の符号化関数と前記第1の測定データとの間の相互相関を計算するように構成された相互相関モジュールを具え、それにより、前記関心領域内の伝搬軸に沿った連続位置から到着する前記第1の測定データ内のタグ付け光の強度を示す相関データを得る。前記相関データは、前記関心領域の少なくとも1のパラメータを示すことになる。
本書に開示された主題をより良く理解し、実際にどのように実施することができるかを例示するために、以下の実施形態を添付の図面を参照しながら非限定的な例として説明する。
図1Aは、本発明にかかる測定システムの一例の概略図である。 図1Bは、2D遅延−周波数分布を得るために図1Aに示すシステムよって実現する本発明の方法を具体化するフロー図である。 図1Cは、図1Aのシステによって実現する本発明の別の方法のフロー図である。 図2Aは、全体としての遅延−周波数分布と、特定の周波数および特定の遅延(深度)に沿った断面を例示するグラフ表示である。 図2Bは、深度および超音波励起位置に関連するスペクトルの拡幅効果を示す。 図2Cは、深度および超音波励起位置に関連するスペクトルの拡幅効果を示す。 図3Aは、液体が撹拌散乱中心を含む液体ファントムから得られた結果を示す。 図3Bは、超音波源からの3つの異なる深度(距離/遅延)で得られたパワースペクトルを示す。 図4は、異なる深度からの異なる信号(図4A)および異なる深度における局所的スペクトル拡幅効果(図4B)を生じさせ記録するための液体チャネルファントムの概略図である。 図5は、液体ファントムにおけるフロー状態およびノーフロー状態をシミュレートするために使用される実験装置を示す。 図6は、フローおよびノーフロー状態で得られたタグ付き電磁放射のパワースペクトルおよびエネルギーを示す。 図7は、タグ付け光の平均エネルギーと超音波振幅との間の線形関係を示す。 図8は、音響放射を一定に保ちながら、検出されたタグ付き電磁放射エネルギーに対する電磁照射強度を変化させた場合の効果を示す。 図9は、音響放射を一定に保ちながら、検出されたタグ付き電磁放射エネルギーに対する電磁照射強度を変化させた場合の効果を示す。 図10は、電磁照射強度を一定に保ちながら、検出された電磁放射エネルギーに対する音響タギング放射の振幅を変化させた場合の効果を示す。 図11は、電磁照射強度を一定に保ちながら、検出された電磁放射エネルギーに対する音響タギング放射の振幅を変化させた場合の効果を示す。 図12は、フローインデックス(FI)計算と音響放射振幅との間の関係の差であり、電磁放射エネルギーを用いたUTL正規化に基づくか、総エネルギーパラメータを用いたUTL正規化に基づいてFIを計算した場合を示す。
図1Aを参照すると、対象の組織をそのスペクトルデータによって特徴付け、対象の1またはそれ以上のパラメータを決定するように構成され動作可能な本発明の測定システム10のブロック図が示されている。このシステムは、特に入力/出力ユーティリティ12Aと、メモリユーティリティ12Bと、入力測定データを処理するために本発明に従って構成され動作可能なデータプロセッサおよびアナライザユーティリティ12Cとを含むコンピュータシステムとして構成された制御ユニット12を具える。
測定データは、リアルタイムで、すなわち測定セッション中に測定ユニット14から受信され、その場合制御ユニットはいわゆるオンラインデータ処理モードで動作し、あるいは、記憶デバイス15から受信され(点線で示す)、この場合は測定データはそれ以前に制御ユニットに格納されておりしたがって制御ユニットはオフライン処理モードで動作する。制御ユニット12、または少なくともそのデータプロセッサユーティリティ12Cは、測定ユニット14または記憶デバイス15と一体であってもよいし、例えば通信ネットワークを介するなど有線または無線信号通信を介して測定データソース(測定ユニット14または記憶デバイス15)に接続可能なスタンドアロン型のユニット/システムに付随してもよい。したがって、制御ユニット12には、適切な通信ユーティリティが装備され/設けられている。このような通信ユーティリティの構成および動作は、それ自体が既知であり、本発明の一部を構成するものではないので、詳細な説明は省略する。
制御ユニット12はさらに、測定ユニット14に関連する照射アセンブリと通信するように構成され動作可能な照射コントローラ12Dを含んでもよい。この照射アセンブリは、1以上の光出力ポート14Aに関連する光源ユニット16Aを具える。本例では、測定ユニット14は、被測定物に接近・接触されるプローブとして構成されており、外部/内部光源と光学的に結合された1以上の光出力ポート(照明ポート)14Aと、内部/外部の光検出部16Bと光学的に結合され、ともに検出アセンブリを形成する1以上の光入力ポート(光収集ポート)14Bと、ともにトランスデューサアセンブリを形成する外部/内部の音波発生部16C、16Dに接続された音響出力ポート14Cとを含む。音波生成部16C、16Dは、実際には、符号化(例えば、パルスまたはCW)および符号化されていないCW音響放射をそれぞれ生成するための異なる機能ユーティリティであり、したがって、符号化(パルス)および連続波の2つのモードで動作する単一の音響生成部として実現してもよいし、2つの別々の生成部ユニットとしてもよい。光源および/または光検出部および/または音響波生成部は、測定ユニット14と一体であってもよいことを理解されたい。光源、光検出部および音波生成部のいずれかまたはすべてが制御ユニット12と一体であってもよい。
本発明の測定技術は、測定セッション(測定時間インターバル)中に経時変化する音響放射の1以上のパラメータの所定の関数の形の変調音響信号を用いる。このため、さらに図示するように、符号化信号生成部12Eが設けられており、これは制御ユニット12とは別個であって音波生成部16Cに接続可能なユーティリティでもよいし、トランスデューサアセンブリと一体であってもよい(例えば音波生成器と一体)。
いくつかの実施例では、後にさらに説明するように、本発明の測定技術は、所定順序で実行される2つの測定セッションを用いるものであり、第1の測定セッション中に、時間で変化する音響放射の1以上のパラメータの所定の関数の形の変調音響信号が、音波発生部16Cを介して(または1ユニットの音波発生部の第1のモードを介して)送信される。このため、さらに図示するように、制御ユニット12とは別個のユーティリティであり音波発生部16Cと接続可能であるか、トランスデューサアセンブリと一体(すなわち音波発生部と一体)である、符号化信号生成部12Eが設けられている。第2の測定セッションの間、連続した変調されていない音響信号が、音波発生部16Dを介して(または1つのユニット音波発生部の第2のモードを介して)送信される。ここで 「第1」および「第2」という用語は、検出された信号を区別できるように(例えば、音響放射に対して2つの異なるキャリア周波数を使用することによって)、同時にあるいはいずれかの順序で連続的に実行することができる測定セッションを区別するためにのみ用いていることを理解されたい。
図1Bは、本発明の制御ユニット12を利用する上述の測定システム10によって実行される方法を例示するフローチャート100を示し、そのスペクトルデータで対象の組織を特徴付け、対象の1またはそれ以上のパラメータを決定するものである。このフローチャートは、測定データを生成するシステム動作を例示する。このフローチャートでは、所定の関数を用いて符号化された信号で変調された超音波が生成され(ステップ110)、体内組織といった組織の試料ボリュームが、変調された超音波で照射され、同時に所定の波長範囲の光で照明され(ステップ120)、超音波および光が、超音波伝播軸に沿った組織の連続的なボリュームにおいて相互作用するようにする。
非限定的な例として、超音波は、高い信号対雑音比(SNR)を得るために連続波として生成される。所定の関数によって信号を変調する目的は、特定の後方散乱光信号が光検出器に到達したソース/位置/深度を特定できるようにすることである。制御ユニット12は、所定の関数を用いて変調(符号化)された連続信号を生成する。超音波トランスデューサが、変調された連続波を電気的に生成された符号化信号の形で受信し、超音波を生成して組織に送信する。光源と検出器は、組織領域(少なくともその一部)を照射し、ここで照射された組織から、超音波でタグ付けされた光を含む光応答を検出するように動作する。
一般に、特定の簡略化の仮定の下で、超音波で変調された光のAC検出強度は以下のように記述できる。
Figure 2018510674
ここで、ωusは超音波周波数(キャリア周波数)であり、ψarは任意の位相シフトであり、Iarは振幅である。連続波(CW)信号による変調のスペクトル分布は、以下のフーリエ積分によって与えられる:
Figure 2018510674
変調信号が(ブラウン運動、流れ等による)ランダムな位相変調も含む場合、追加の位相シフトが行われる:
Figure 2018510674
スペクトル分析は、以下のようになる:
Figure 2018510674
ここで、
Figure 2018510674
は畳み込み(convolution)であり、
Figure 2018510674

Figure 2018510674
のフーリエ変換である。
伝搬の軌跡/軸に沿ったボリューム要素のセットνについて、各ボリュームがそのランダムな位相変調効果を有する場合、得られる検出光信号は以下の通りである:
Figure 2018510674
このように、総スペクトル拡幅は、多くの拡幅プロセスの累積結果である。
本発明のいくつかの実施形態では、連続音波を変調する所定の関数はゴーレイ符号である。ゴーレイ符号化法は、送信面から所定の深さ/距離で、特定のボリュームのみを効果的に変調するのに用いることができ、したがって音響放射の特定の遅延を特徴付ける。
このゴーレイ符号は、以下の形の超音波伝送によって実現することができる:
Figure 2018510674
上述のように、組織は、超音波伝搬軸に沿った組織の連続的なボリュームにおいて超音波と光が相互作用するように、所定期間このように変調された超音波によって照射され、同時に、所定の波長範囲の光で照射される。超音波でタグ付けされた散乱光が検出され、対応する測定データが生成される(ステップ130)。この測定データは、検出された光信号のスペクトル強度/プロファイルの時間関数を示す符号化信号であり、ここで時点(遅延)は超音波伝播の一般軸に沿った組織内部の連続位置に対応する。
散乱光の移動がトランスデューサ面から距離Rの単一面に限定されると仮定すると、ゴーレイ包絡線Genv(t)の+1と−1の列は、検出器の強度パターンAUSの位相を反転させ、ゴーレイ符号化強度の軌跡は以下のようになる:
Figure 2018510674
測定データは、そのデジタル表現で、処理され分析される(ステップ140)。この分析は、測定された符号化信号に、異なる遅延シフトされた所定の関数(共役ゴレイ符号)の包絡線を乗算し、各遅延ごとにスペクトルデータを計算すること、例えば、前記異なる遅延による乗算の積をフーリエ変換することを含み得る。代替的に、異なる遅延による乗算の積にスペクトルフィルタリングを適用してもよい。したがって、一般に「スペクトル処理」を行うことは、スペクトルデータの計算とともに、スペクトルフィルタリングのような他の適切なスペクトル分析を含む。
したがって、IGolay−coded(t)がGenv(t−τ‘)で乗算されてゴーレイ復号化トレースが得られる。
Figure 2018510674
Golay−decodedは、既に示した式(6)と似たスペクトルを有することが理解できる。多くの面Rから検出器に多くの時間トレース(または多くの遅延時間τ=R/VUS)が入ると、全体強度は以下のようになる:
Figure 2018510674
ゴーレイ符号は以下の特性を有する:
Figure 2018510674
ここで、δττ'がクロネッカーのデルタである場合、他の距離から到着する信号は、時間トレースにおいて破壊的に干渉することが予想される。したがって、強度時間トレースにシフトされたゴーレイ包絡線Genv(t−τ)を乗算し、フーリエ積分を実行すると、以下が求められる:
Figure 2018510674
これは、式(13)により、以下のようになる:
Figure 2018510674
このようにして、式(15)で表される遅延−周波数分布が得られ(ステップ150)、それぞれの遅延/深度での周波数が表される。周波数の違いは、各深度での移動中心の尺度であり、したがって、特定の位置(遅延)に多くの周波数が存在するほど、媒体内の当該位置の移動中心に関してより多くの変動がある。
一方、特定の周波数を見ると、分布は、特定の周波数を有する信号の時間における強度、すなわち、時間遅延に対応する深度での強度に関する情報を供する。本願の譲受人に譲渡されたWO2008/149342に示され、さらに上記したように、CFUTL(すなわち、各遅延について計算された超音波のキャリア周波数成分のみを取って得られる信号)は、伝送された超音波の符号化関数と検出された光信号間の相互相関と一致する。事実、(散乱光の移動に起因して)音響放射パラメータに媒体が与える影響を考慮に入れた総周波数分布ではなく、キャリア周波数のみでの分布を決定するようにすると、各遅延に対して、ω=ωusに沿った2D分布の断面を提供する。すなわち、ω=ωusであり、式(14)に式(10)を代入した場合、分布は以下のようになる。
Figure 2018510674
前述したように、光の超音波タグ付けを利用すると、とりわけ、組織内の光分布および測定ボリューム内の血流の変動を特定することが可能となる。超音波タグ付き光(UTL)は、光の振幅および組織に結合された音響圧力波の振幅に依存するため、例えば色(酸素飽和度)などの組織の光学特性や局所的な血流効果を特定するために、2つのパラメータ(光と音響エネルギー)を切り離す必要がある。
超音波の振幅を切り離す1つの方法は、(WO2008/149342に記載されているように)いくつかの波長の光を用いて、これらの異なる波長の光を用いて得られたUTLプロファイルを1つずつ分割することである。1の波長の光のみが使用される場合、得られたUTL光プロファイル上で組織に結合された超音波の振幅変動の影響を切り離す必要がある。
本出願の譲受人に譲渡された米国特許第8,336,391号に記載されているように、血流インデックス(CFI)は、平均、あるいは「直流(DC)」光強度を、時間/位置軸に沿って特定の関心範囲(IR)内の平均CFUTL値で割ることによって算出できる。しかしながら、エネルギーパラメータは、光強度(DC)と超音波振幅の両方の効果を併せ持つ。したがって、本質的により多くのデータを提供し、超音波結合への、特に一般に対象の表面組織に送信される超音波出力へのCFIの依存性を排除する。本発明の一実施例では、切り離しは、エネルギーパラメータをCFUTL信号の振幅で割るか(WO2008/149342では検出された光信号と送信された超音波信号の符号化関数(CCA(λ、 μ)として規定)との間の相互相関として規定される)、またはその逆の方法で行うことができる。さらに、DC光の強度は、検査組織への光結合に関する情報を供給するが、総タグ付き光エネルギーは、組織への超音波結合に関する情報をさらに供給し、オンラインまたはオフラインで利用可能な、測定品質が向上したモニタリングおよび準最適結合条件の指標を実現する。
図1Cを参照すると、検出された光データによって対象の組織を特徴付け、対象の1またはそれ以上のパラメータを決定するために、本発明の制御ユニット12を利用する上述の測定システム10で実行できる別の方法を例示するフローチャート102が示されている。このフローチャートは、2つの別個の測定セッション100A、100Bにおいて第1および第2の測定データを生成するためのシステム動作を例示する。測定セッション100Aは図1Bに記載の方法で得られるのと同じ測定ステップを含み、本書で「第1の測定データ」と呼ばれるものは、図1Bの方法を適用して得られる測定データと同一であることを理解されたい。
測定セッション100A、100Bは、任意の順序で、例えばセッション100Aの後にセッション100Bを、あるいはその逆の順序でも実行できることにも留意されたい。セッション100Aでは、符号化された音響放射のキャリア周波数を考慮して、各深度(位置/遅延)についてのCFUTL信号が得られる。しかしながら、上述のように、より一般的なスペクトル情報を第1の測定データから抽出できることに留意すべきである。測定セッション100Bでは、符号化されていないCW音響放射を用いて、第2の測定データを、関心領域全体からの検出光のタグ付き部分の総エネルギーを計算するために使用することができる。次に、ステップ192に示すように、セッション100Aからの各深度のCFUTLを、セッション100Bからの総エネルギーで除算して、得られた光パラメータの正規化された数値を得る。この正規化は、検出光における超音波源および光源の変動の影響とともに、結合条件を軽減し、これは、測定値が結果に影響を及ぼす様々な条件とは無関係であることを意味し、したがって、より正確かつ均一で、検査対象にまたがって比較可能である。さらに、測定品質の指標として総タグ付き光エネルギーを用いることにより、超音波源、光源および結合条件の変動による測定品質の変動を継続的に監視できることを意味する。
したがって、測定セッション100Bでは、超音波の符号化されていない連続波が生成され(ステップ160)、セッション100Aにおいて照射されたのと同じ組織ボリュームに向けて照射される。同時に、この組織ボリュームは、所定の波長範囲の光で照射される(ステップ170)。後方散乱光が検出され、第2の測定データが形成される(ステップ180)。第2の測定データは、タグ付け光が抽出され、スペクトル領域で分析され、キャリア周波数周辺の周波数範囲内で検出されたタグ付き光の総エネルギーを計算するように処理される(ステップ190)。このために、任意の既知の適切なスペクトル分析技術を使用することができる。総エネルギーは、キャリア周波数周辺の書影の帯域幅bwにおける、各遅延で計算されたパワースペクトルの積分に相当する。
例えば、積分は、キャリア周波数の0.5倍からキャリア周波数の1.5倍までの周波数、または雑音などの追加の要因を考慮することができる他の所定の範囲、あるいは動的に決定された範囲に対して計算される。
本発明の方法による最後の段階は、2つの独立したステップを含む。第1のステップは、ステップ140で得られた監視ボリュームに沿った各深度のCFUTL信号を、ステップ190で得られた総エネルギーパラメータで割ることである(ステップ192)。各深度/位置の結果の数値は、実際にはCFUTLの正規化された値である。これにより、同じ対象または異なる対象について、同じまたは異なる測定中に取得された異なる深度/位置でのCFUTL値を比較することが可能になる。この正規化は、検査ボリュームへの超音波結合による制御されない可変性を低減し、組織の光特性が正確になる。第2のステップ(ステップ194)は、ステップ190で得られた総エネルギーパラメータを、音響結合による信号品質の表示として使用し、これにより必要なときに音響結合の修復が可能となる。
本願発明者らは、光エネルギーパラメータおよび超音波放射に関する予備的実現可能性実験を行った。この実験の結果は、エネルギーパラメータは超音波の振幅に依存するが、流れとは独立であることを証明し、したがって超音波結合に対するUTLの依存性の除去因子としてのエネルギーパラメータの使用の実現可能性の証明を提供するものであった。
図5は、使用される実験設備500を示す。長いコヒーレンス長(>1m)、830nm波長のレーザダイオード510(光源を構成する)からの光を、光出力ポートがグリセロール+TiO2を含むファントム560にある62.5μmのマルチモードファイバ540に結合した。ファントム560を攪拌プレート570上に置いた。0.995MHzの超音波が、音響放射生成器およびトランスデューサアセンブリ520によって生成され、同時に光とともにファントム560に送出された。音響トランスデューサ(その出力ポート)はリング形状であり、照射ファイバ540の光出力ポートは、音響ポートと同軸に配置されてもよい(中心照明構成)。別の62.5μmマルチモードファイバ550を、ファントム560に、伝送ファイバ540から約11mm離して挿入した。この受信ファイバ550は、ファントム560からの光を集め、それをアバランシェフォトダイオード530(APD)に向けて再配向する。
2つの異なる状態を作り出すために、ファントム560の底部に配置された磁石(図示せず)とともに、攪拌プレート570が使用された。攪拌プレート570が「オフ」である第1の状態は、「ノーフロー」状態である。第2の状態は、プレート570が「オン」となり、ファントム560の底部で磁石が回転され、ファントム内で光学散乱の動きが生成される「フロー」状態である。両方の状態で、光強度のパワースペクトルを計算し、分析した。この手順をいくつかの超音波振幅に対して繰り返した。
図6は、実験結果を示す。 ライン610は、フローが存在しない場合の第1の状態のパワースペクトルであり、ライン620は、フローが存在する第2の状態のパワースペクトルである。上部中央のグラフ630では、フローが変化してもエネルギーパラメータは変化しないが、パワースペクトルのピークはフローがあると著しく低下することが分かる。異なる結合条件をシミュレートするために、これを超音波のいくつかの振幅で繰り返した。
図7は、超音波振幅に対するエネルギーパラメータの依存性を示す。このグラフには、異なる超音波振幅の実現可能性実験全体にわたって計算された平均エネルギー、Y軸、X軸が含まれている。線形関係710が明確に観察された。
前述したように、セッション100Aで測定された検出光データ(図1Cの第1の測定データまたは図1Bの測定データと称する。)の処理は、送出面からのそれぞれの距離/遅延で複数の周波数のスペクトル情報を提供することができる。これについて、図2−4に関連して以下でより詳細に説明する。
図2Aを参照すると、人間の頭部に行われた実際の測定から本発明により得られた遅延−周波数分布200を例示するグラフ表示である。図のA部分に示すように、水平軸210は周波数軸であり、垂直軸220は遅延(深度/位置)軸である。
ω=ωusにおける垂直の点線の断面bは、WO2008/149342に既に記載され、CCAまたはCFUTLとして知られる、光強度の時間トレースをもたらす。これを部分Bに示し、グラフは、CFUTLグラフ252に対応して、ある軸に遅延220、第2の軸に信号強度230を有する。
水平の破線の断面aは、特定の深度のスペクトル情報を生じる。これが部分Cに示されており、グラフは、ある軸に周波数210、第2の軸に信号強度240を有し、スペクトル分布262に対応している。
図2Bを参照すると、関心領域272に対して電磁放射および超音波を同時に照明および照射するシミュレーションが示されている。異なる光路270A、280A、280cが、関心領域内の異なる深度(ボリューム)を探索する。最も確実な経路は、比較的短い「バナナ状」の形状(270A)のようになる。経路が長くなるにつれて、検出器に到達する確率が低くなり(280A)、さらに低くなる(290A)。これらの経路上の黒い点は、典型的な散乱部位を示す。ここで、TとRはそれぞれ送信と受信を表す。図の上側に示す例では、関心領域全体が超音波274Aによって励起される。3つの経路270A、280A、290Aのスペクトル形状は、概して、それぞれ曲線270B、280B、290Bのようになる。図示するように、検出の確実性が最も高いソースにより近い経路(すなわち270A)が最も高い。図の下側に示す例では、関心領域の一部のみが超音波274Bによって励起される。この場合、超音波274Bは、主に中間の経路(280A)に重なるボリュームのみを変調しており、したがってスペクトルはこの経路によって占められ、これが曲線280Cとなる。短い経路270Aはほとんど変調されず、長い経路290Aは部分的に変調される。経路270Aの場合は変調されないため、または検出の確率が比較的低く、超音波の重なりが小さいため(すなわち、超音波との相互作用がより小さく、したがって変調が不完全)、経路270Aと290Aの双方が、曲線270Cおよび290Cで示されるように、経路290Aの場合より低く現れる。
図2Cは、流れる媒体276を含む領域の一部分のみに関心がある状況を示す。超音波は領域272を通って伝播し、異なる時間遅延で異なる部分を励起する。図の上のパネルでは、超音波が経路270Aを含む部分を励起し、これは超音波伝播の方向に関して関心領域276の上流にある。この状況では、(右側の)検出光スペクトルは、軌跡270Aに沿った光と相互作用する超音波のキャリア周波数によって主に影響され、曲線292Aで示されるように、流れる媒体における超音波および光相互作用によって拡幅/影響されず、経路280Aから戻った光が検出されて流れ276の領域を通る前後に超音波によって部分的に変調されることによって、側部292Bで示すようにいくらかの拡幅のみが生じる。中央のパネルでは、超音波274Bによって励起された部部が流れのボリューム276と重なっており、したがって「変調された軌跡」(280A)において検出されたスペクトルは、流れの媒体/ボリュームでの超音波との相互作用に影響され、予想されるスペクトルは曲線294に似たものとなる。下のパネルに転ずると、超音波274Bは、流れのボリューム276の下流かつ外側にある層/ボリュームを励起するが、経路290Aに沿って移動する光子の総数は比較的小さく(経路が長いと検出器に戻る確率が低くなるため)、したがって強度(スペクトルの振幅)は小さく、この軌跡290Aの光子が流れのボリューム276を通るときスペクトル296も拡幅する。
図3A、3Bを参照すると、液体が攪拌された散乱中心を含む液体ファントムから得られた結果が示されている。測定は、超音波源および光源からの深度/距離が異なる3つのスラブ310A、320Aおよび330Aで行われた。より具体的には、スラブ310Aは画素範囲10−15の深度に位置し、スラブ320Aは画素範囲18−22の深度にあり、スラブ320Aは画素範囲30−35の深度にあり、各画素は0.4mmの深さと概略等しい。図3Bは、3つの異なる深度310B、320Bおよび330Bにおける3つのスペクトルグラフを示し、これらはそれぞれスラブ310A、320Aおよび330Aのスペクトルグラフである。図3Bに示すように、より深いスラブ/面(遅延時間がより大きい)では、スペクトル幅がより大きくなる。この効果は、上述のように、光が組織の中に深く入るにつれて広がりが累積されるために予想されるものである。さらに、所与の深度Rで測定されたスペクトル幅を、より距離のある深度(R+dR)で測定されたスペクトル幅から引くことによって、特により深い層による拡幅量を導出することができる。このように、定量的な組織フローの断面またはプロファイルを得ることができる。
所与の遅延における
Figure 2018510674
のスペクトル幅の定量化の可能な具体化は、以下の比として算出可能である:
Figure 2018510674
ここで、
Figure 2018510674
は、ωus,bw付近の所与のスペクトル帯域幅でのエネルギーである。このエネルギーは、フーリエ変換を行って
Figure 2018510674
を求め、次にbw内の周波数にわたって合計することによって直接計算することができる(bwがωusの周りで対称である場合)。
Figure 2018510674
しかしながら、場合によっては(例えば、演算負荷を軽減するため)、
Figure 2018510674
ではなく、例えば二次フィルタなどの有効帯域幅IIRフィルタを用いて、スペクトル領域のフィルタリングによって、帯域幅エネルギーを直接計算することが望ましい。
図4A、4Bを参照すると、図4Aは、異なる深度から異なる信号を生成して記録するために使用される液体チャネルファントム400の概略図を示す。散乱流体が、チャネル410の各深度に個別に注入される。最初の最も浅いチャネルは超音波源から8mmの離れており、2番目の中間チャネルは10mm離れており、3番目の最も深いチャネルは超音波源から12mm離れている。
図4Bは、フローファントム400のより長い距離(またはより長い時間遅延)におけるスペクトル幅から所与の遅延深度/距離で測定されたスペクトル幅を差し引いて得られる微分スペクトル拡幅を示し、基本的に時間遅延に対する幅関数の導関数を計算したものである。線450は、超音波トランスデューサの下8mmの距離で上記規定された微分拡幅の軌跡を示し、すなわち、この線は深度8mmで得られたスペクトル幅と、8mm直上(僅かに浅い場所)で得られたスペクトル幅との差を示す。両方の信号が、その地点までのすべての拡幅効果の累積を含むため、2つの信号の差を計算して深度8mmでの効果を得る。同様に、線460および470は、それぞれの深度での信号とその特定の深度までの信号との差を表すので、それぞれ超音波トランスデューサの下10mmと12mmでの拡幅の差を示す。軌跡450、460および470のそれぞれの正の傾きは、それぞれ8、10、および12mmチャネルへの液体注入の開始を示し、負の傾きは液体注入の停止をそれぞれ示す。
本発明の発明者は、本発明の特徴のいくつかを検証するためにさらなる2つの実験を行った。第1の実験は、総エネルギーパラメータと、タグなし光からなる検出DC光強度との間の線形関係を検証することを目的とし、第2の実験は、総エネルギーパラメータと超音波タギング放射振幅との相関(直線性)を検証することを目的とする。両実験は、本発明により構成されたシステムを用いて対象の前頭部に対して実施された。
図8、9を参照すると、第1の実験の結果が示されている。この実験では、照明光の照射が徐々に減少され、その結果、検出器で測定された検出光の強度が徐々に減少し、一方で超音波振幅および超音波結合は一定に保たれた。光送信用の光ファイバが、送信光パワーの制御を可能にする減衰器を介してシステムの制御ユニットに接続された。図8は、検出されたDC光強度810および正規化された総光エネルギー820の、時間に対する正規化された振幅値のプロットを示す。図9は、タグ付き光強度920に対する検出光910の総エネルギーのプロットを示す。20分間の連続測定を記録した。5分ごとに減衰器を再設定して光の透過をより少なくし、これにより、検出された光強度が4つの異なる光強度レベル811、812、813、および814を生成するようにした。タグ付き光信号を記録し、前述のように総エネルギーパラメータを計算した。図8に明示されるように、光強度810および総エネルギーパラメータ820の動きは、予想通り似たものとなった。また、図9から明らかなように、正規化された総エネルギーに対する正規化された光強度(線910)のプロットは、2つのパラメータ間が線形関係920を明示するものとなった。
図10、11を参照すると、第2の実験結果が示されている。この第2の実験では、図10に示すように、光強度は一定に保たれた。異なる超音波結合条件をモデル化するために、システムの制御ユニットを介して超音波振幅を5回(5つの異なる振幅に)設定した。図10は、標準化された検出DC光強度1010および正規化された総光エネルギー1020の時間に対する振幅値のプロットであり、タグ付け超音波の振幅が変更されている。図から明らかなように、正規化されたDC強度に反映されるように伝送光強度は一定に保たれていたが、総エネルギーは大幅に変化し、US振幅に依存していた。図11は、超音波振幅に対する検出された総光エネルギーのプロットを示す(点1110)。本図は、総エネルギーパラメータと超音波振幅間の線形関係(線1120)を示している。このように、総エネルギーパラメータは、測定品質、すなわち、検査中の対象への超音波および電磁放射の結合の指標として役立つ。さらに、フローインデックス(FI)を2つの異なる方法で計算した。これを図12に示し、正規化された平均流量計算(FI)と、異なる超音波振幅(異なる音響結合条件を模倣)との間の関係が示されている。FIを計算する第1の方法は、DC光強度でCFUTLを正規化することであり(線1210)、第2の方法は、総エネルギーパラメータでCFUTLを正規化することである(線1220)。これら2つの正規化方法の間で、結果は、総エネルギーパラメータによるCFUTLの正規化により、US振幅へのFI依存性が減少することが明確に示された。
このように、本発明は、組織/媒体の特性を特徴付けるための新規かつ有効な非侵襲的技術を提供する。図1Aに戻ると、制御ユニット12は、特定の期間(測定セッション)中、または2つの期間(図1Cに関して説明したように2つの測定セッション)中に光検出器によって連続的に収集された測定データを受信する。第1の測定セッション中に収集された測定データは、そのデジタル表現において、データプロセッサおよびアナライザのユーティリティ12Cによって処理される。データ・プロセッサおよびアナライザユーティリティ12Cは、復号器モジュール12Gおよびスペクトルプロセッサモジュール12H(ソフトウェア/ハードウェア)を具える。復号器12Gは、超音波の変調に用いた所定の符号化関数を示すデータ(例えば、このデータはメモリユーティリティから受信される)および超音波キャリア周波数を示すデータを利用し、測定データを、音響放射の異なる遅延でシフトされた符号化関数の包絡線で乗算する。スペクトルプロセッサモジュール12Hは、乗算の結果に対して周波数領域に関連する分析/フィルタリングを適用し、処理されたスペクトルデータを得る。この周波数関連分析は、フーリエ変換であり、それにより実際には組織深度を通して位置関連スペクトルデータである遅延周波数分布を得ることができる。分析はまた、スペクトルフィルタを適用して、総スペクトル幅あるいはその総見積もりを得るようにしてもよい。このスペクトルデータは、関心領域の少なくとも1つのパラメータを決定するためのソフトウェアモジュール12Iによってさらに処理される。この処理は、例えば、光パラメータの局所エネルギーおよび/または光パラメータの総エネルギーの計算、キャリア周波数周辺の強度分布の計算、および前の計算ステップからの結果を利用する計算を含んでもよい。モジュール12Iの処理はまた、組織の特徴的な光学的非相関時間、および/または流れを示す他のパラメータなどのパラメータを推定するために、局所または総スペクトル幅の処理を含んでもよい。
測定セッションが2つの場合、図1Cによると、第2の測定セッション中に収集された第2の測定データ(すなわち、符号化されていないCW音響放射)が、スペクトルプロセッサモジュール12Hによって処理されて、検出信号内のすべてのタグ付き光のエネルギーパワースペクトルが取得される。ソフトウェアモジュール12Iは、連続波音響放射のキャリア周波数周辺の所定の周波数範囲内の総タグ付け光エネルギーを計算するように構成される。ソフトウェアモジュール12Iはまた、全体エネルギーによってUTL振幅を分割し、それによって深度特有の組織特性/パラメータを生成するように構成される。さらに、ソフトウェアモジュール12Iは、上述したように、音響結合について教示する検出タグ付き光の総エネルギーを利用して、音響結合品質(測定品質)を評価するように構成される。予想外の変化が起こった場合、すなわち音響放射の出力が変化しないのに総エネルギーが変化した場合、これは音響放射結合の変化を示す。その後、ソフトウェアモジュール12Iは、この情報を品質インジケータユーティリティ12Jに送信してもよく、これが音響結合における変化についてユーザにリアルタイムで通知し警告する。

Claims (42)

  1. 対象の少なくとも1のパラメータを特定するのに用いられる測定システムであって、当該システムは、
    (a)音響タギング放射を生成し、通常の伝播方向に伝搬する前記音響タギング放射を前記対象の関心領域に照射するのに適合された音響デバイスであって、前記音響タギング放射は、キャリア周波数を有する音波の形態の変調音響放射であって、時間で変化する前記音響タギング放射の少なくとも1のパラメータの所定の符号化関数によって変調されている、音響デバイスと、
    (b)前記関心領域を所定の周波数範囲の電磁放射で照明し、当該関心領域の電磁放射応答を検出し、検出された電磁放射線応答に対応する測定データを生成するように適合された光学デバイスであって、少なくとも第1の測定セッション中に前記音響デバイスと同時に動作可能であり、これによって前記測定データは、前記少なくとも第1の測定セッション中に前記通常の伝搬方向に沿った前記関心領域内の連続する位置における前記音響タギング放射と前記電磁放射との相互作用に対する電磁放射応答を示し、これは前記音響タギング放射と前記電磁放射との相互作用の連続的な遅延に対応している、光学デバイスと、
    (c)前記測定データを処理し、前記関心領域を通る前記音響タギング放射の前記通常の伝播方向に沿った前記関心領域内の位置の関数としてのスペクトルデータを含む少なくとも第1のデータを特定するように適合された制御ユニットであって、前記関心領域における測定される連続位置はそれぞれ、そのスペクトルデータによって特徴付けられる、制御ユニットとを具えることを特徴とするシステム。
  2. 請求項1に記載の測定システムにおいて、前記制御ユニットによる前記測定データの処理は、当該測定データに、前記音響タギング放射の異なる遅延でシフトされた前記所定の符号化関数の包絡線を乗算し、各遅延による乗算の積にスペクトル処理を適用し、これによって前記関心領域の少なくとも1のパラメータを示す電磁応答の遅延−周波数の分布を得ることを含むことを特徴とするシステム。
  3. 請求項1に記載の測定システムにおいて、前記所定の関数はゴーレイコードであることを特徴とするシステム。
  4. 請求項2に記載の測定システムにおいて、前記スペクトル処理は、フーリエ変換を含むことを特徴とするシステム。
  5. 請求項2に記載の測定システムにおいて、前記スペクトル処理は、スペクトルフィルタリングを含むことを特徴とするシステム。
  6. 請求項1に記載の測定システムにおいて、前記測定データの処理は、前記電磁放射の伝搬軌跡に沿った連続位置からのスペクトルデータにスペクトル分析を適用し、それによって特定の位置の局所的スペクトル拡幅データを決定することを含むことを特徴とするシステム。
  7. 請求項6に記載の測定システムにおいて、前記スペクトル分析は、前記電磁放射の伝播軌跡に沿った連続位置からのスペクトルデータの線形結合を決定することを含むことを特徴とするシステム。
  8. 請求項6に記載の測定システムにおいて、前記スペクトル分析は、前記電磁放射の伝播軌跡に沿って第1および第2の連続位置のスペクトルデータを減算し、それによって前記第2の位置の局所的スペクトル拡幅データを決定することを含むことを特徴とするシステム。
  9. 請求項1に記載の測定システムにおいて、前記測定データの処理はさらに、絶対単位で流れ−深度分布を計算することを含むことを特徴とするシステム。
  10. 請求項9に記載の測定システムにおいて、前記計算は、前記電磁放射の伝播軌道に沿った1またはそれ以上の連続位置におけるスペクトルデータのプロファイルのパラメータを決定するステップを含むことを特徴とするシステム。
  11. 請求項9に記載の測定システムにおいて、前記計算は、前記電磁放射の伝播軌跡に沿った1またはそれ以上の連続位置におけるスペクトルデータの少なくとも1のピークの幅パラメータを決定するステップを含むことを特徴とするシステム。
  12. 請求項9に記載の測定システムにおいて、前記計算は、検出された電磁放射線の光エネルギーパラメータを、前記音響タギング放射の符号化関数と前記検出された電磁放射応答との間の相互相関の振幅で除算することを含むことを特徴とするシステム。
  13. 請求項12に記載の測定システムにおいて、前記光エネルギーパラメータは、前記関心領域内の1つの特定位置におけるキャリア周波数周辺のスペクトル帯域における光エネルギーを含むことを特徴とするシステム。
  14. 請求項12に記載の測定システムにおいて、前記光エネルギーパラメータは、前記関心領域内の複数の位置におけるキャリア周波数周辺のスペクトル帯域における光エネルギーの平均を含むことを特徴とするシステム。
  15. 請求項12に記載の測定システムにおいて、前記光エネルギーパラメータは、前記関心領域内の少なくとも2つの位置のキャリア周波数周辺のスペクトル帯域における光エネルギーのベクトルを含むことを特徴とするシステム。
  16. 請求項1に記載の測定システムにおいて、前記測定データの処理はさらに、スペクトルデータの関数である較正済み計算フローインデックス(cCFI)を計算することを含むことを特徴とするシステム。
  17. 請求項16に記載の測定システムにおいて、前記計算は、前記電磁放射の伝播軌跡に沿った1またはそれ以上の連続位置におけるスペクトルデータの少なくとも1つのピークの幅パラメータを決定することを含むことを特徴とするシステム。
  18. 請求項16に記載の測定システムにおいて、前記計算は、前記音響タギング放射の符号化関数と前記検出された電磁放射との間の相互相関の振幅によって、前記検出された電磁放射の総エネルギーパラメータを除算することを含むことを特徴とするシステム。
  19. 請求項18に記載の測定システムにおいて、前記処理は、周波数軸に沿って各遅延で計算されたパワースペクトルを積分し、総エネルギーパラメータをすべての局所的エネルギーパラメータの合計として決定することによって、各遅延についての局所的エネルギーパラメータを得ることを含むことを特徴とするシステム。
  20. 請求項1に記載の測定システムにおいて、前記測定データの処理は、少なくとも1のパラメータの前記所定の符号化関数と前記電磁放射応答との間の相互相関として、キャリア周波数超音波タグ付き光(CFUTL)信号を計算することを含むことを特徴とするシステム。
  21. 請求項1に記載の測定システムにおいて、前記音響デバイスはさらに、第2のキャリア周波数を有する連続した符号化されていない音響波の形態の音響タギング放射を生成して、前記通常の伝搬方向に沿って伝搬させ、これによって前記関心領域において前記連続的な音響放射と前記電磁放射との間の相互作用を生じさせ、前記測定データがさらに、前記関心領域から検出される前記連続的な音響放射との前記相互作用への電磁放射応答を示すデータを含み、前記制御ユニットは、前記測定データを処理し、前記関心領域のスペクトルデータを含む第2のデータを決定し、前記第2のキャリア周波数周辺の所定の周波数範囲内で前記検出された電磁放射の前記タグ付け部分の総エネルギーパラメータを決定するために、前記第1および第2のデータの少なくとも1つを利用することを特徴とするシステム。
  22. 請求項21に記載の測定システムにおいて、前記第1および第2のキャリア周波数は同一であるか、異なることを特徴とするシステム。
  23. 請求項21に記載の測定システムにおいて、前記第2のキャリア周波数を有する連続した符号化されていない音響波の形態の前記音響タギング放射の生成、および前記連続的な符号化されていない音響波との相互作用への電磁放射応答の検出は、第2の測定セッション中に行われることを特徴とするシステム。
  24. 請求項23に記載の測定システムにおいて、前記第1および第2の測定セッションの時間が同じであることを特徴とするシステム。
  25. 請求項21に記載の測定システムにおいて、前記測定データの処理は、前記第1のデータを処理することと、前記少なくとも1つのパラメータの所定の符号化関数と前記電磁放射応答管の相互相関として、キャリア周波数超音波タグ付け光(CFUTL)信号を計算することを含むことを特徴とするシステム。
  26. 請求項25に記載の測定システムにおいて、前記処理がさらに、前記CFUTL信号を前記総エネルギーパラメータで除算することを含むことを特徴とするシステム。
  27. 請求項21に記載の測定システムにおいて、前記第2の測定データの処理は、前記第2の測定データのスペクトル幅の計算を含むことを特徴とするシステム。
  28. 請求項21に記載の測定システムにおいて、前記第2の測定データの処理が、前記第2のデータのフーリエ変換を決定することを含むことを特徴とするシステム。
  29. 請求項21に記載の測定システムにおいて、前記第2の測定データのスペクトル処理は、前記第2の測定データにスペクトルフィルタリングを適用することを含むことを特徴とするシステム。
  30. 請求項21に記載の測定システムにおいて、前記総エネルギーパラメータの決定は、各遅延について、周波数軸に沿ってその遅延で計算されたパワースペクトルを積分し、前記総エネルギーパラメータをすべての局所的エネルギーパラメータの合計として決定することによって、前記第1のデータを用いて各遅延について局所的エネルギーパラメータを得ることを含むことを特徴とするシステム。
  31. 対象の1またはそれ以上のパラメータを決定するのに用いるための監視システムであって、当該監視システムは制御ユニットを具え、当該制御ユニットは、
    第1の測定セッションの時間インターバル中に、相互作用の連続的な遅延に対応する関心領域内の音響放射伝搬軸に沿った連続位置で、第1キャリア周波数の符号化された音響タギング放射と所定の周波数範囲の電磁放射との間の相互作用の超音波タグ付き光を示す少なくとも第1のデータを含む測定データを受信するように構成されたデータ入力ユーティリティと、
    前記測定データを分析し、一般的な伝搬軸に沿った前記関心領域内の位置の関数として、音響的にタグ付けされた電磁放射のスペクトルデータを決定するように構成されたデータプロセッサおよびアナライザとを具え、前記関心領域内の連続位置のそれぞれがそのスペクトルデータで特徴づけられることを特徴とする監視システム。
  32. 請求項31に記載の監視システムにおいて、前記測定データを生成する測定ユニットとデータ通信を行うよう構成されていることを特徴とする監視システム。
  33. 請求項31に記載の監視システムにおいて、前記測定データが格納される記憶デバイスとデータ通信するよう構成されていることを特徴とする監視システム。
  34. 請求項32に記載の監視システムにおいて、前記符号化された音響波は、時間で変化する前記音響放射の少なくとも1のパラメータの所定の符号化関数によって変調されることを特徴とする監視システム。
  35. 請求項32に記載の監視システムにおいて、前記プロセッサおよびアナライザのユーティリティは、異なる遅延でシフトされた符号化関数の包絡線によって前記第1のデータを乗算するように構成された復号器モジュールと、前記乗算の積に対してスペクトル処理を行うように構成されたスペクトル処理モジュールとを具え、これにより、前記軸に沿って前記関心領域を通して位置スペクトルデータを示す遅延−周波数分布データを取得し、これが前記関心領域の少なくとも1のパラメータを示すことを特徴とする監視システム。
  36. 請求項35に記載の監視システムにおいて、前記スペクトル処理は、フーリエ変換とスペクトルフィルタリングのいずれか1以上を含むことを特徴とする監視システム。
  37. 請求項35に記載の監視システムにおいて、前記符号化関数は、ゴーレイコードであることを特徴とする監視システム。
  38. 請求項35に記載の監視システムにおいて、前記データプロセッサおよびアナライザのユーティリティは、前記伝搬軸に沿った第1および第2の連続位置のスペクトルデータを減算し、これによって前記第2の位置の局所的なスペクトル拡幅データを得るよう構成されることを特徴とする監視システム。
  39. 請求項32に記載の監視システムにおいて、前記データプロセッサおよびアナライザのユーティリティは、スペクトルデータの関数である較正済み計算フローインデックス(cCFI)を計算するよう構成されていることを特徴とする監視システム。
  40. 請求項32に記載の監視システムにおいて、前記測定データはさらに、第2の測定セッション中に前記関心領域内で、第2のキャリア周波数を有する連続的なタグ付け音響放射と前記電磁放射管の相互作用の超音波タグ付け光を示す第2のデータを含み、前記データプロセッサおよびアナライザは、前記第2のデータを分析して、前記通常の伝搬軸に沿った前記関心領域内で音響タグ付き電磁放射の第2のスペクトルデータを特定し、前記第2のキャリア周波数周辺お所定の周波数範囲内で、前記第2の測定データの電磁放射のタグ付き部分の総エネルギーパラメータを決定するように構成されていることを特徴とする監視システム。
  41. 請求項40に記載の監視システムにおいて、前記制御ユニットは、前記第2のデータを用いて前記第1のスペクトルデータを較正するように適合していることを特徴とする監視システム。
  42. 対象の1またはそれ以上のパラメータを特定するのに用いるシステムであって、当該システムは、
    (a)所定の周波数範囲の電磁放射で関心領域を照明し、前記関心領域からの電磁放射応答を検出し、検出された電磁放射応答を示す測定データを生成するように構成された光学デバイスと、
    (b)前記関心領域を照射するように構成された音響デバイスであって、照射中に、第1および第2の測定セッション中に第1および第2の音響放射が通常の伝搬方向に伝搬し、前記第1の音響放射が、第1のキャリア周波数を有し、時間で変化する第1の音響タギング放射の少なくとも1つのパラメータの所定の符号化関数によって変調された音響波の形態の音響タギング放射を含み、前記第2の音響放射が、第2のキャリア周波数を有する連続的な符号化されていない音響波の形態の音響タギング放射を含み、これにより前記測定データが、前記第1および第2の測定セッション中の、前記関心領域内の第1および第2の音響タギング放射のそれぞれを有する電磁放射と、前記関心領域の連続的な位置における電磁放射との間の第1および第2の相互作用を示す第1および第2のデータを含む、音響デバイスと、
    (c)前記第1および第2のデータを処理するように構成され動作可能な制御ユニットであって、前記処理は、前記第1の測定セッション中の前記第1の音響タギング放射と前記電磁放射との相互作用の連続的な遅延に対応する前記関心領域の連続的な位置からの第1の電磁放射応答を示す第1のスペクトルデータと、前記関心領域の第2の電磁放射応答と前記第2のキャリア周波数周辺の電磁放射のタグ付け部分の総エネルギーパラメータとを示す第2のスペクトルデータと、を決定する制御ユニットと、を具えることを特徴とするシステム。
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