JP2018510254A - 誘電体基板に伝導性ポリマーを形成するのに好適な高分子量酸を含む組成物 - Google Patents

誘電体基板に伝導性ポリマーを形成するのに好適な高分子量酸を含む組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、誘電体基板に伝導性ポリマーを析出させるための組成物及びプロセスに関する。具体的には、本発明は、誘電体基板の表面に電気的な伝導性ポリマーを形成するための組成物であって、伝導性ポリマーを形成することができる少なくとも1つの重合性モノマーと、乳化剤と、酸とを含み、リチウムイオン、ナトリウムイオン、アルミニウムイオン、ベリリウムイオン、ビスマスイオン、ホウ素イオン、インジウムイオン、及びアルキルイミダゾリウムイオンからなる群から選択される少なくとも1つの金属イオンを含むことを特徴とする組成物に関する。前記酸は、典型的には、少なくとも500,000Daの分子量を有する高分子量高分子酸であり、例えば、約1,000,000Daの分子量を有するポリスチレンスルホン酸を含む。【選択図】図6

Description

本発明は、誘電体基板に伝導性ポリマーを析出させるための組成物及びプロセスに関する。具体的には、本発明は、誘電体基板の表面に電気的な伝導性ポリマーを形成するための組成物であって、伝導性ポリマーを形成することができる少なくとも1つの重合性モノマーと、乳化剤と、酸とを含み、リチウムイオン、ナトリウムイオン、アルミニウムイオン、ベリリウムイオン、ビスマスイオン、ホウ素イオン、インジウムイオン、及びアルキルイミダゾリウムイオンからなる群から選択される少なくとも1つの金属イオンを含むことを特徴とする組成物に関する。前記酸は、典型的には、少なくとも500,000Daの分子量を有する高分子量高分子酸であり、例えば、約1,000,000Daの分子量を有するポリスチレンスルホン酸を含む。
本発明は、誘電体基板に伝導性ポリマーを析出させるための組成物及び方法に関する。具体的には、本発明は、誘電体基板の表面を金属化すると共に、プリント回路基板(PCB)の製造において一般的に用いられる誘電体基板におけるドリルスルーホール及びマイクロビアの表面を金属化するためのプロセスにおいて用いられる組成物及び方法に関する。
誘電体高分子樹脂基板の金属化における電気的な伝導性ポリマーの使用は、PCB製造におけるエポキシ樹脂基板の金属化について特許文献1に開示されている。ここに記載されている方法は、過マンガン酸塩等の酸化剤で高分子樹脂基板の露出面を酸化し、続いて、重合性複素環式芳香族分子と酸とを含む触媒溶液から伝導性ポリマーを析出させることを含んでいた。触媒組成物における例示的な複素環式芳香族分子は、ピロール、フラン、及びチオフェンであった。複素環式芳香族分子は、高分子樹脂基板の酸化された露出面全体に亘って重合し、そして、析出したポリピロール、ポリフラン、又はポリチオフェンによって、エポキシ樹脂基板の露出面が電気的に伝導性になった。伝導性ポリマーによって得られる伝導性を誘電体表面の電解銅メッキのために用いることができた。例えば、後で銅メッキを行うために銅張積層板におけるドリルスルーホールの露出側壁を電気的に伝導性にするために、前記プロセスが用いられた。有利なことに、酸化工程は、エポキシ樹脂の露出領域、即ち、ドリルスルーホールの側壁に対して選択的であり、銅積層板に重合を触媒させることはなかった。
特許文献2には、高分子樹脂基板を電解銅メッキできるようにするために用いられる特定の伝導性ポリマーであるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)が開示されている。現在実施されている通り、プラスチック基板におけるスルーホール及びマイクロビアの金属化は、幾つかの工程を含む:穴あけ、コンディショニング、すすぎ、酸化、すすぎ、触媒、すすぎ、及びメッキ。後で電解銅メッキを行うために誘電体表面を電気的に伝導性にするために、PEDOTに代えてポリアニリン(PAni)を用いてもよい。
特許文献3には、例えば、PWBにおけるスルーホールの内面等の基板表面に第1の伝導性層を形成するために伝導性ポリマーを使用して、誘電体基板の表面を電解メッキされた銅で金属化するプロセスが開示されている。
特許文献4には、リチウム、ナトリウム、アルミニウム、ベリリウム、ホウ素、インジウム、又はアルキルイミダゾリウムに基づくイオンを配合することによって、重合性モノマーが著しい量の非伝導性オリゴマーを形成する傾向が低減するという知見に基づく、上述のプロセスに対する改善が開示されている。
米国特許第5,194,313号明細書(Hupe等) 米国特許第5,403,467号明細書(Jonas等) 欧州特許第1 897 974号明細書 国際公開第2012/058681号パンフレット(Rietmann等)
数ある態様の中でも、本発明の目的は、寿命及び安定性が増大している、誘電体表面の金属化プロセスにおいて誘電体基板に伝導性ポリマーを析出させるための改善された組成物及び方法を提供することにある。また、横方向(側面)銅成長(LCG)特性が明らかに改善され、析出速度が改善され、且つ構成要件が低減しており、そして、高Cu系及び低Cu系の両方に有効なかかる組成物及び方法を提供することも目的とする。更に、本発明の態様は、金属の電解析出によって誘電体基板の表面を金属化するための改善されたプロセスを提供することである。
したがって、簡潔に述べると、本発明は、誘電体基板の表面に電気的な伝導性ポリマーを形成するための組成物であって、伝導性ポリマーを形成することができる少なくとも1つの重合性モノマーと、乳化剤と、酸とを含み、リチウムイオン、ナトリウムイオン、アルミニウムイオン、ベリリウムイオン、ビスマスイオン、BxOyアニオン、インジウムイオン、及びアルキルイミダゾリウムイオンからなる群から選択される少なくとも1つの金属イオン又は窒素イオンを含むことを特徴とし、前記酸が、少なくとも500,000Daの分子量を有する高分子酸である組成物を目的とする。
また、本発明は、金属を析出させることによって、誘電体基板の表面を金属化する方法を目的とする。前記方法は、一般的に、本発明に係る組成物に基板を浸漬して、誘電体基板の表面に電気的な伝導性ポリマーを形成することと、前記電気的な伝導性ポリマーに金属を析出させることとを含む。
図1は、本発明の組成物に基づくモノマー処方を用いて本発明の重合方法に従って提供される伝導性ポリマーコーティングにおける、銅の電着の横方向銅成長速度のプロットである。870nmにおける紫外線の吸収によって示されるモノマー処方のオリゴマー含量に対して、横方向成長速度をプロットする。 図2は、870nmにおける赤外線の吸収によって測定した、本発明のモノマー処方のエージングに対するオリゴマー形成のプロットである。 図3は、実施例21に記載する横方向銅成長(LCG)速度試験を示す。 図4は、実施例21に記載する横方向銅成長(LCG)速度試験を示す。 図5は、実施例21に記載する横方向銅成長(LCG)速度試験を示す。 図6は、実施例21に記載する横方向銅成長(LCG)速度試験を示す。
本発明に係る触媒組成物は、一般的に、伝導性ポリマーを形成することができる少なくとも1つの重合性モノマーと、乳化剤と、リチウムイオン、ナトリウムイオン、アルミニウムイオン、ベリリウムイオン、ビスマスイオン、BxOyアニオン、インジウムイオン、及びアルキルイミダゾリウムイオンのうちの1以上に基づく少なくとも1つの金属イオン又は窒素イオンと、高分子量高分子酸(例えば、500,000Daを超える分子量を有する高分子酸)とを含む。
重合性モノマー
電気的な伝導性ポリマーを形成するための重合性モノマーは、例えば、重合性複素環式芳香族分子である。かかるモノマーは、本発明の組成物と接触させる前に、誘電体基板を処理する開始剤溶液に含有されている酸化剤と反応させてよい。かかる酸化剤は、例えば、過マンガン酸塩を含む開始剤溶液から析出した酸化マンガン(IV)であってよい。酸は、誘電体基板(好ましくは、高分子樹脂基板である)の酸化表面における複素環式芳香族分子の重合を触媒し、それによって、前記基板に電気的な伝導性ポリマーを形成する。複素環式芳香族分子は、1つのヘテロ原子を有する5員複素芳香環(即ち、2つの二重結合を有する5員環)から誘導してよく、複素環は、以下の構造を有する:
(式中、Xは、O、S、又はNであり;R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、1個〜8個の炭素原子を有する置換又は非置換アルキル基、1個〜8個の炭素原子(例えば、1個〜4個の炭素原子)を有する置換又は非置換アルコキシ基である)。置換又は非置換アルコキシ基は、酸素原子によって5員複素環に結合し得る。更に、R及びRは、3個若しくは4個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アルキル基を介して又は1個若しくは2個の炭素原子を有する置換又は非置換アルキルジオキシ基を介して5員環又は6員環を共に形成し得る。置換又は非置換アルキルジオキシ基は、酸素原子によって5員複素環に結合し得る。好ましくは、複素環式芳香族分子は、置換又は非置換チオフェン(Xは硫黄である)であってよいが、その理由は、伝導性及び加工性が優れているためである。好ましい置換基は、構造が5員環及び6員環を含む縮合環系を含むように2つの酸素原子によって5員チオフェン環に結合している非置換エチレンジオキシ基である。3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDT)としても知られているこの物質は、重合してポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)になり、これは、伝導性が優れていることから好ましい電気的な伝導性ポリマーである。好ましい3,4−エチレンジオキシチオフェンの構造を示す。
乳化剤
好適な乳化剤として、本発明の組成物は、ノニオン性又はアニオン性の界面活性剤を含んでいてよい。典型的には、ノニオン性界面活性剤が好ましい。特定の理論に縛られるものではないが、ノニオン性界面活性剤は安定性の効果をもたらすと考えられる。具体的には、重合性モノマーの非伝導性オリゴマーの形成が望ましくない速い速度で進行し得、これによって、伝導性ポリマーの形成が低減され、更にはある程度阻止され得る。したがって、ノニオン性界面活性剤により触媒組成物が安定化されると、非伝導性オリゴマーよりも伝導性ポリマーの形成が促進されると考えられる。好適なノニオン性界面活性剤としては、エトキシ化トリスチリルフェノールを含む様々なアルコキシ化アラルキルフェノールが挙げられる。特に好ましい乳化剤は、以下の構造を有する、SOPROPHOR TS 29という名称でRhodia S.A.から市販されている製品である。
それに加えて又はそれに代えて、アニオン性界面活性剤を添加すると、モノマー処方における重合性モノマーの非伝導性オリゴマーの形成を低減するのに役立ち得るので、アニオン性界面活性剤を利用してもよい。好適なアニオン性乳化剤は、例えば、アニオン性ポリアリールフェノールアルコキシレート及びその塩類、アニオン性アラルキル置換スルホポリアルコキシ化フェノール、例えば、モノ、ジ、若しくはトリベンジル、又はトリ−(1−フェニルエチル)置換スルホポリエトキシ化又はスルホポリプロポキシ化フェノール、或いはアニオン性スルホアルキル化ポリアルコキシ化β−ナフトール、例えば、スルホエチル化、スルホプロピル化、又はスルホヘキシル化、ポリエトキシ化又はポリプロポキシ化ナフトール、及びこれらの塩類、例えば、NH 、Na、Li、又はイソプロピルアンモニウム塩である。
1つの好適なアニオン性乳化剤は、以下の式に係る分子構造を有する、SOPROPHOR 4D 384という名称でRhodia S.A.から市販されている製品である。
別の好適なアニオン性乳化剤は、ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)α−スルホ−ω−[ビス(1−フェニルエチル)フェノキシ]−アンモニウム塩に対応する、SOPROPHOR DSS/15という名称でRhodia S.A.から市販されている化合物である。
別の特に好ましい乳化剤は、以下の式に係る分子構造を有するRALUFON NAPE 14 90という名称でRaschig GmbH(ドイツ)から市販されている製品である。
一般的に、乳化剤は、0.1mL/L〜200mL/L、好ましくは5mL/L〜100mL/L、より好ましくは10mL/L〜50mL/Lの範囲内で本発明の組成物に含まれ得る。
金属イオン又は窒素イオン
触媒組成物に配合される金属イオン又は窒素イオンは、リチウム、ナトリウム、アルミニウム、ベリリウム、ホウ素、インジウム、又はアルキルイミダゾリウムに基づく。中でも、リチウム、ナトリウム、アルミニウム、ベリリウム、ホウ素、インジウム、又はアルキルイミダゾリウムが好ましい。中でも、リチウム及びナトリウムが最も好ましく、したがって、様々な好ましい実施形態で、リチウム及び/又はナトリウムのいずれか又は両方が配合される。これら添加イオンは全て、典型的にはホウ素の酸化物から誘導されるホウ素イオンを除くカチオンであり、したがって、例えば、ホウ酸を溶解させることによって生成されるBO 又は触媒溶液にホウ砂等のホウ酸塩を溶解させることによって生成されるB 等のホウ酸イオンである。したがって、本明細書では、ホウ素イオンをBアニオンと総称する。これらイオンを添加することにより、組成物中の重合性モノマーが非伝導性オリゴマーを形成する傾向が低減される。これによって、組成物の寿命が増大する。更に、これらイオンは、これらイオンを含有しない触媒組成物と比較して、表面に電気的な伝導性ポリマーを形成するための組成物の寿命全体に亘って電解金属析出中の平均横方向金属成長速度を少なくとも50%増大させる。金属カチオン、窒素カチオン、及び/又はホウ酸イオンがオリゴマー形成を遅延させるように機能する正確な機序は完全には理解されていないが、溶液中におけるオリゴマー化を酸が触媒するのを阻害すると考えられる。前記イオンは、0.001モル/L〜溶解限度、好ましくは、0.002モル/L〜0.8モル/L、より好ましくは、0.04モル/L〜0.4モル/Lの濃度で前記組成物中に含まれ得る。

触媒組成物中に含めるのに好適な酸は、一般的に、硫酸、リン酸、スルホン酸、アルキルスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)、高分子スルホン酸(好ましくは、ポリスチレンスルホン酸)、ポリリン酸、イセチオン酸、スルホコハク酸、アリールスルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸)、及びこれらの塩類を含む。好ましい実施形態では、酸は、アルキルスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸)である。本発明の別の好ましい実施形態では、酸は、高分子酸である。特に好ましい実施形態では、酸は、ポリ(ビニルアリール)スルホン酸、例えば、ポリスチレンスルホン酸である。
一般的に、高分子酸は、≧25,000Da、≧40,000Da、≧50,000Da、≧75,000Da、≧100,000Da、又は更には≧200,000Daの平均分子量を有する。幾つかの実施形態によれば、高分子酸は、典型的には、約40,000Da〜約300,000Da、より典型的には、約50,000Da〜約300,000Da、又は約75,000Da〜約300,000Da、又は約100,000Da〜約300,000Daの平均分子量を有する。
これら指定範囲内の平均分子量を有する高分子酸の使用は、重合媒体としての用途の寿命サイクル中に触媒組成物中の重合性モノマーが非伝導性オリゴマーを形成するのを低減し、当技術分野の対応する状況から公知である組成物と比較してハンドリング及び保存を50%超低減する機能を有するが、基板表面における目的とする伝導性ポリマー構造の形成に対しては負の影響を与えないことが見出された。オリゴマー形成の低減は、直接、組成物の寿命を少なくとも2倍増大させる。次いで、これによって、メッキ側において組成物を補充又は交換する必要性が低減され、これは、直接、コスト低減による経済的効果及び廃棄物低減によるエコロジカルな効果をもたらす。
特に好ましい別の実施形態では、酸は、高分子量高分子酸、特に、少なくとも500,000Daの分子量を有する高分子酸である。本明細書で使用するとき、用語「高分子量高分子酸」とは、一般的に、500,000Daを超える分子量を有する高分子酸を指す。典型的には、かかる実施形態によれば、高分子酸の分子量は、少なくとも約600,000Da、少なくとも約700,000Da、少なくとも約800,000Da、少なくとも約900,000Da、少なくとも約1,000,000Da、又は更には少なくとも約1,250,000Daである。かかる実施形態では、高分子酸の分子量は、典型的には、約500,000Da〜約1,500,000Da、より典型的には、約700,000Da〜約1,300,000Da、更により典型的には、約900,000Da〜約1,100,000Daである。これら実施形態では、高分子量酸は、好ましくは、ポリスチレンスルホン酸であり、より具体的には、アタクチックなポリスチレンスルホン酸である。1つの好ましい実施形態では、酸は、約1,000,000Daの分子量を有する。
高分子量高分子酸の使用によって、様々な銅析出系における横方向銅成長(LCG)が改善される。例えば、LCGは、銅析出中経時的に許容できないレベル(例えば、2ミリメートル/分(mm/分)未満)まで低下することがある。この2mm/分というLCG限度は、業界閾値であり、本明細書ではLCG「限界」と称することもある。一般的に、本発明の触媒組成物によって、典型的には少なくとも20日間、少なくとも40日間、少なくとも60日間、又は更には少なくとも80日間の触媒寿命の間、LCGが2mm/分未満の許容できないレベルに達するのを避けられる。特に、高分子量高分子酸は、本明細書の他の箇所で詳述する所謂「低Cu」メッキ組成物と併用したとき、LCGを改善することができる。
LCGの改善は、本発明の高分子量酸系によって得られる析出膜の性質に関連すると現在考えられている。伝導性高分子膜は、金属イオン(例えば、マンガン、リチウム、及び/又はナトリウム)と、重合性モノマーから形成される伝導性ポリマーと、酸とを含む。LCGが改善される1つの考えられる理由は、高分子量酸によってより長鎖又は「より高次」の高分子膜が得られることである。これについての1つの考えられる説明は、重合性モノマー(例えば、PEDOT)が本来芳香族であることに基づいて、PEDOT及び酸が層状配置(グラファイトのグラフェン層に類似)で配置される可能性があることである。高分子量酸の「遊離酸」部分では、より低分子量の酸と比較して重合性モノマーの基本単位が大きくなるので、より安定な酸−PEDOT配置が得られる。
また、より高分子量の酸からは、酸とPEDOTとの間の「層状」配置とは全く関係なく、より秩序立った構造化された伝導性高分子膜を得ることができる。同じ重量比の酸:PEDOTを得るためには、高分子量酸よりも高いモル比の低分子量酸が必要になる。例えば、同じ重量比を得るためには、1,000,000Daの酸と比較して100,000Daの酸のモル比を10倍高くする。より秩序立った且つより構造化された酸:PEDOT配置は、高分子量酸のモル比を低くすることにより個々の酸部分がより大きくなることによって得られると考えられる。
より秩序立った高分子膜は、伝導性上の利点ももたらし、これによって、より有効な銅メッキが得られる及び/又は低Cu系をより有効に使用することができるようになる。伝導性ポリマーを通過する電子流は、異方性である。したがって、高分子膜の伝導方向により秩序立った高分子膜が形成されることによって、必要な銅濃度が減少し、低Cu系から銅を有効に析出させることができるようになる。
前記膜の伝導性ポリマー(PEDOT)部分は、正に帯電しているが、酸は負に帯電しているので、伝導性ポリマーに対する対イオンとして作用し得る。前述の議論によれば、この配置は、平面状又は層状の配置でみられ得る。いずれの場合も、かかる配置における一般的には酸、より具体的には高分子量酸の存在は、1以上の利点をもたらすと現在考えられている。
伝導性膜の酸の水素原子と銅との間にカチオン交換が存在すると現在考えられている。全ての水素原子が交換される訳ではないが、このカチオン交換によって銅の析出が改善され得る。銅の析出が改善される1つの理由は、単に、高分子膜を通過する電子流の方向において高分子膜に吸着される銅の比率が増大することによる。更に、吸着される銅のより好ましい位置は、高分子膜における核形成部位が増加し、銅成長も増大するように、カチオン交換機構によって提供され得る。したがって、銅の電解析出がより有効になる。
カチオン交換による銅析出物の組込みは、高分子膜を形成するために高MW酸が用いられる低Cu系において特に有利であると現在考えられている。析出に利用可能な銅が少なくなると、より大きな比率の銅を析出に利用可能であることから銅析出の改善の銅析出に対する重要性又は影響が少なくなる高Cu系と比較して、より有効な銅析出が特に有利である。高MW酸は、低Cu系と高Cu系とのLCGの差が低MW酸を使用した場合よりも小さいという利点も示す。
高分子層に組み込まれる金属イオンは、分光法(エネルギー分散X線分光分析(EDX)を含む)等の好適な分析法によって同定することができる。これら金属は、触媒組成物中の酸の水素及び/又はアルカリ金属(例えば、Na及びLi)及び/又は触媒組成物の他の成分(例えば、Mn)の間のカチオン交換によって伝導性高分子膜に組み込まれ得ると現在考えられている。このように銅を組み込むことの1つの利点は、伝導性高分子層からの有益な電子移動及び前記層の電気抵抗の低下に寄与する点である。
この金属イオンの組込みは、メッキ組成物の銅とのイオン交換に関与し、それによって、銅メッキの有効性を増強する金属イオン、典型的にはナトリウムによるLCGの改善にも寄与する。銅メッキがより有効であるので、本発明の触媒組成物によって、メッキ組成物の銅濃度に対する銅析出プロセスの感受性が低くなる。この増強された銅析出は、低Cu系に特に適しているという本発明の触媒組成物の利点に少なくとも部分的に寄与しているとも考えられる。
それに加えて又はそれに代えて、特定の理論に縛られるものではないが、重合性モノマーからオリゴマーが形成され、系中に蓄積されたときに、LCGが許容できないレベルまで低下すると現在考えられている。このオリゴマー形成は、LCGを遅延させる。高分子量酸の存在は、オリゴマー形成を遅延させ、それによって、有利なことに、LCGを増大させ得ると現在考えられている。しかし、逆に、高分子量酸に起因する酸濃度の全体的な増大は、典型的には、オリゴマー形成とは関係なくLCGの低下に関連している。したがって、好ましくは、高分子量酸の重合性モノマーに対する重量比は、望ましくないオリゴマー形成は低減するが、高分子量酸によって生じる高濃度の酸の存在によるLCGの許容できない低下を回避するという上述の利点をもたらすように選択又は制御される。典型的には、これら効果の均衡を保つために、重合性モノマーの酸に対する重量比は、約1:1である。しかし、一般的に、触媒組成物中の重合性モノマーの酸に対する重量比は、約1:0.5〜約1:5、約1:0.5〜約1:3、約1:0.5〜約1:2、又は約1:0.75〜約1:1.25であってよい。
500,000Daを超える分子量を有するポリスチレンスルホン酸等の高分子量高分子酸は、典型的には、塩形態で入手可能である。したがって、前記組成物は、例えばNa及びLi等のカチオンを含む、この塩に由来する追加のカチオンを含んでいてよい。特定の好ましい実施形態では、高分子量高分子酸のナトリウム塩(例えば、約1,000,000Daの分子量を有するポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩)が利用され、触媒組成物のこの成分によって少なくとも1つの金属イオン又は窒素イオンが得られる。かかる組成物の1つの利点は、銅メッキ組成物中に安定剤が必要とされない場合がある点である。高分子量酸のカチオンは、銅メッキ組成物の安定剤として機能し得る。
本発明のこの記載は、ドリルで又は他の方法で高分子樹脂基板に形成されるスルーホール及びマイクロビアの側壁の金属化に焦点をあてる。しかし、本発明の金属化プロセスは、一般的に誘電体基板の金属化にも適用可能である。例えば、金属化プロセスを用いて、単層若しくは二層の銅積層PCB基板又は多層銅積層基板の製造において誘電体基板の片側又は両側を金属化することができる。
触媒組成物は、従来の金属化プロセスにおいて公知のものとは異なり、多くの場合より単純な化学組成を特徴し、従来の金属化プロセスよりも少ない工程及び高い電流密度を使用する金属化プロセスにおいて有用である。これら付随する利点の全てから、廃液が少なく、処理能力が高く、且つ高品質のメッキPCB製品が得られる金属化プロセスが得られる。
本発明の触媒組成物を用いることができる金属化プロセスは、様々な誘電体基板材料に適用可能である。プリント回路基板に適した基板材料としては、例えば、繊維強化エポキシ樹脂基板(即ち、熱及び圧力下で熱硬化性樹脂と接合させた繊維材料の層)が挙げられる。一般的に、エポキシ樹脂基板は、エポキシ樹脂系と接合している連続フィラメントガラス布を含む。エポキシ樹脂基板の具体例としては、以下が挙げられる:G−10(ガラス繊維布シートで強化されたエポキシ樹脂を含む基板である);FR−4(G−10と同様に自己消火性基板である);G−11(ガラス布及びエポキシ混合物である);及びFR−5(G−11の耐炎化型である)。FR−4基板は、例えば、Rogers Corporation(Chandler,AZ)から入手可能なもの等のセラミック粒子で強化されていてもよい。他の樹脂としては、ポリフェニレンエーテル、シアン酸エステル、及びビスマレイミド/トリアジンが挙げられる。
金属化用の基板となり得る更なる誘電体材料としては、セラミック、ガラス、テフロン(登録商標)、ガラス繊維強化テフロン(登録商標)、セラミック強化テフロン(登録商標)、ポリスチレン、及びポリイミド(フレキシブル基板用途用)が挙げられる。
上記材料に加えて、基板は、例えば、半導体材料(例えば、シリコン、SiO、又はガリウムヒ素)又は無機酸化物(例えば、アルミナ、チタン、又はジルコニウム)を含んでいてよい。
PCB基板を製造するためには、従来のプロセスによって上記誘電体基板の片側又は両側に銅箔を積層する。一般的に用いられる積層板は、厚み18μmの銅張りを有する。多層回路基板は、上記基板材料によって分離され且つ支持されている銅層を最高16層積み重ねることによって形成される。銅層間に電気的接続を形成するために、例えば、超硬バイト及びレーザ穴あけによって、PCB基板にスルーホール(PCB又は多層回路基板の深さ全体に亘って延在する穴)及びブラインドビア(PCB又は多層回路基板の深さの一部のみに延在する穴)をあける。ドリルスルーホール及びブラインドビアは、本発明の金属化プロセスを用いて金属化することができる。
或いは、本発明の触媒組成物を金属化プロセスで使用して、従来の銅積層の代わりに、上記誘電体基板の表面全体に例えば銅層を積層してもよい。本発明の組成物及びプロセスを用いて銅析出/電解メッキした後、PCB基板にスルーホール及びブラインドビアをあけてもよく、これらを本発明の金属化プロセスを用いて金属化してよい。
更に別の選択肢では、銅積層PCB基板におけるドリルスルーホール及びブラインドビアの金属化は、銅伝導パターンの形成と同時に行ってよい。
PCBを貫通する穴は、典型的には、超硬ドリルバイトであけられる。非常に小さなビアが必要である場合、レーザによってビアを形成してよい。マイクロビアと呼ばれるレーザであけられたビアは、典型的には、穴の内側に下面仕上げを有するが、これが金属化において課題を提示する。これら穴は、マイクロビアと呼ばれる。業界は、150μm未満の直径を有し、且つ高アスペクト比を有するように幅よりも深くてよいマイクロビアに向かって進んでいる。
アスペクト比は、典型的には、少なくとも約0.5:1であり、場合によっては、約1:1超である。本明細書では、アスペクト比は、ビアの深さのビア開口部の幅に対する比である。銅積層前にPCBの個々のシートを深さ制御穴あけ、レーザ穴あけ、又は予備穴あけすることによって、基板全体を貫通するのではなく、銅層の一部のみを接続する穴を作製することも可能である。これら穴は、内側銅層を外層に接続する場合ブラインドビアと呼ばれ、2以上の内側銅層を接続する場合埋め込みビアと呼ばれる。
スルーホール及びブラインドビアの壁は、本発明の金属化プロセスを用いて金属化することができる。
本発明の組成物を用いる金属化プロセスは、PCB製造において一般的に用いられるガラス繊維強化エポキシ樹脂基板等の誘電体基板を金属化することができる。前記プロセスは、ドリルスルーホール又はマイクロビアの側壁を銅でメッキするために適用可能であり、また、誘電体基板を金属化して単層又は二層の銅で被覆されたPCB基板を作製するために用いることもできる。1つの実施形態では、非伝導性基板を電気的に伝導性にし、電解銅メッキすることができるようにする工程は、以下を含む:
1. 誘電体基板をコンディショニング溶液に曝露して露出面を湿潤可能にすることによって、前記基板の露出面(例えば、スルーホール又はマイクロビアの側壁)をコンディショニングする。
2. 水ですすぐ。
3. スルーホール及びマイクロビアにおける誘電体材料のコンディショニングされた露出面を、酸化剤を含む組成物で酸化する。
4. 水ですすぐ。
5. 重合性複素環式芳香族分子と、酸と、乳化剤と、リチウムイオン、ナトリウムイオン、アルミニウムイオン、ベリリウムイオン、ビスマスイオン、ホウ素イオン、インジウムイオン、及び/又はアルキルイミダゾリウムイオンからなる群から選択される少なくとも1つの金属イオンとを含む本発明の触媒溶液で、酸化された露出面を触媒して、誘電体材料の酸化された露出面に電気的な伝導性ポリマーを析出させ、それによって、前記露出面を電気的に伝導性にする。
6. 水ですすぐ。
次いで、電気的な伝導性ポリマーを有する誘電体基板の表面を、アノードと電解銅メッキ組成物とを含む電解銅メッキ浴に曝露し、電子の外部源を印加することによって、基板を金属化することができる。
上記金属化プロセスにおけるコンディショナー溶液は、参照によって全体が本明細書に援用される独国特許出願第4205190号に記載の成分を含んでいてよい。例えば、コンディショナー溶液は、窒素を含む複素環式芳香族分子と、架橋剤と、pH緩衝剤とを少なくとも0.001重量%含有していてよい。例示的な窒素を含む芳香族分子としては、ピリジン、キノリン、ピロール、インドール、アクリジン、イソキノリン、ピリダジン、ピリミジン、キノアゾリン、フェナジン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、イソインドール、これらの誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。例示的なコンディショナー溶液は、Enthone Inc.(West Haven,Conn.)から入手可能であり、例えば、Envision(登録商標)HDI Conditioner 7310、Envision(登録商標)DMS−E Conditioner 7010、Envision(登録商標)DMS−E Conditioner 7015、及びEnvision(登録商標)DMS−E Conditioner 7310が挙げられる。
誘電体材料の表面をコンディショニング溶液に曝露して、表面を湿潤可能にすることによって次の工程で酸化するために前記表面の状態を整える。酸化前に穴及びビアを濡らすことは、穴あきPCB基板において次第に一般的になりつつある、約100μm未満、又は更には約50μm未満であり得る小さな直径を有する穴及びビアにとって有利である。曝露方法によって、例えばスルーホール及びマイクロビアの側壁等、誘電体基板の露出面が適切に湿潤する限り、浸漬、ディップ、又は噴霧等の任意の方法によって誘電体基板をコンディショナー溶液に曝露してよい。曝露は、典型的には、約30℃〜約65℃、例えば、約30℃〜約50℃又は約40℃〜約65℃の温度で、約1分間〜約6分間、例えば、約2分間〜約5分間又は約1分間〜約3分間行われる。
上記金属化プロセスにおける開始剤組成物は、酸化剤を含む。酸化剤は、マンガン(VII)化合物、マンガン(VI)化合物、ヨウ素(VII)化合物、及びセリウム(IV)化合物等、公知の分類の酸化剤から選択してよい。上記化合物は、好ましくは、酸素化合物である。例えば、酸化剤は、過マンガン酸塩、マンガン酸塩、及び過ヨウ素酸塩であってよい。好ましい酸化剤は、ナトリウム塩又はカリウム塩として提供され得る過マンガン酸塩である。開始剤溶液中の酸化剤が過マンガン酸塩であるとき、誘電体基板のコンディショニングされた表面を曝露することによって、露出した誘電体の表面が酸化され、酸化マンガン(IV)(MnO)膜が析出した表面が得られる。この表面は、酸化剤としても機能し、後続の重合に必要である。MnOが消費され、Mn(II)イオンが形成される。酸化マンガン(IV)膜の密度は、開始剤溶液中の酸化剤濃度、曝露時間、及び曝露方法等の要因に依存する。典型的には、開始剤溶液中の過マンガン酸塩の濃度は、約40g/L〜約70g/L、例えば、約60g/Lである。開始剤組成物は、酸化マンガン(IV)の析出を改善するために、イオン性又はノニオン性のフルオロ界面活性剤等の追加の湿潤剤を含有していてもよい。
開始剤は、pH6で作用するとき、通常、バッファとしてホウ酸を含有する。生成中にpHを調整するためにリン酸が用いられる。開始剤の構成成分は、当技術分野において公知であり、例えば、参照によって援用される独国特許第4113654号に開示されている。
誘電体基板のコンディショニングされた露出面におけるMnO密度が約1mg/dm〜約10mg/dm、例えば、約4mg/dm〜約6mg/dmである酸化マンガン(IV)膜を前記コンディショニングされた露出面上に作製するのに適切な曝露方法である限り、浸漬、ディップ、又は噴霧等の任意の方法によって高分子樹脂基板のコンディショニングされた表面を開始剤溶液に曝露してよい。曝露は、典型的には、約80℃〜約90℃の温度で約3分間〜約6分間行われる。例示的な開始剤溶液は、Enthone Inc.(West Haven,Conn.)から入手可能であり、例えば、Envision(登録商標)HDI Initiator 7320及びEnvision(登録商標)DMS−E Initiator 7020が挙げられる。
上記金属化プロセスにおける触媒溶液は、上記及び下記の実施形態に記載の本発明の組成物であってよい。
触媒組成物は、リン酸水素、リン酸二水素、及び酢酸のアルカリ金属塩等の緩衝剤を用いて好適なpHに緩衝してもよい。触媒組成物において用いるのに好適な溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、高級アルコール、ポリアルコール、DMF(ジメチルホルムアミド)、ケトン、より具体的には、メチルエチルケトン、スルホン酸クメン、N−メチルピロリドン、トリグリム、ジグリム、トルエンスルホン酸のアルカリ金属塩若しくはそのエチルエステル、アルカリ水溶液、又はこれらの混合物が挙げられる。
誘電体基板の酸化された表面を触媒組成物に曝露することにより、前記酸化された表面上のMnO膜と、重合性複素環式芳香族分子と、酸との間の反応が開始され、その結果、誘電体基板の酸化された露出面上で電気的な伝導性ポリマーが重合し、析出する。曝露は、浸漬、ディップ、又は噴霧によって行ってよく、典型的には、室温又は室温よりも僅かに低い温度で、約1分間〜約8分間、例えば、約2分間〜約4分間行われる。例示的な触媒溶液は、Enthone Inc.(West Haven,Conn.)から入手可能であり、例えば、Envision(登録商標)HDI Catalyst 7350及びEnvision(登録商標)DMS−E Catalyst 7050が挙げられる。
高分子樹脂基板の表面を触媒溶液に曝露して、その上に電気的な伝導性ポリマーを析出させた後、通常、すすぎ工程を行い、続いて、電解銅メッキ組成物及びアノードを含む電解銅メッキ浴に曝露する。電解銅メッキ組成物は、銅イオン源と酸とを含む。電解銅浴は、当技術分野において公知である塩化物イオン、光沢剤、開始剤、及び微細化剤等の添加剤を含んでいてもよい。
簡潔に述べた通り、本発明の組成物における高分子量酸の使用は、触媒組成物の寿命の増大に有用であることが見出された。
使用中に触媒組成物における高分子量酸の最適な比率を維持するために、触媒処理容器から触媒の一部を除去しながら又はあふれさせながら、触媒組成物の一部を連続して導入するストラテジを使用してよい。かかるストラテジでは、容器内に残る触媒組成物全体の約10%〜約20%(例えば、約15%)が容器から除去されるか又は排出される。このように触媒組成物を利用することによって、触媒組成物中の高分子量酸の濃度ができる限り最適に近いレベルで維持され、したがって、LCGの観点で最高の性能及び効果が得られると現在考えられている。
本発明の触媒組成物の更なる効果は、銅の析出速度を改善することである。例えば、本発明の触媒組成物によって、より高速で銅が析出する銅析出プロセスが可能になる。上述の通り、銅析出を評価するための業界閾値又はベンチマークとして、2mm/分を超えるLCGが使用されることが多い。本発明の触媒組成物は、2mm/分を超えるLCG速度を少なくとも20日間、少なくとも40日間、少なくとも60日間、又は更には少なくとも80日間提供する。特に、本発明の高分子量酸触媒組成物は、低Cuメッキ組成物に関連して使用するとき、3mm/分等の更に高いレベル又はそれに近いレベルを含む、2mm/分を超えるLCG速度をもたらす。例えば、何週間にも亘って、例えば、少なくとも約6週間、少なくとも約8週間、又は約10週間、高分子量酸組成物によって、3mm/分又はそれに近い速度でLCGが維持される。同じ触媒組成物を高Cuメッキ組成物と組み合わせると、LCGは一定期間2mm/分付近で維持され、最終的には、同じ触媒組成物を低Cuメッキ組成物と組み合わせたときよりも遥かに前に2mm/分の閾値よりも低くなる。全体的に、この改善は、一定期間に析出する銅の質量及び/又はLCGの平均速度によって決定したとき、銅メッキを少なくとも25%、少なくとも約40%、又は更には少なくとも50%増加させることができる。例えば、特定の実施形態では、少なくとも6週間、少なくとも8週間、又は少なくとも10週間、2.5mm/分を超える平均LCGが得られる。典型的には、かかる実施形態によれば、平均LCGを求める期間全体に亘ってLCGは2mm/分超である。
銅イオン源としては、硫酸銅、硫酸銅五水和物、酸化銅、炭酸銅、フルオロホウ酸銅、ピロリン酸銅、シアン化銅、ホスホン酸銅、及び他の銅金属錯体、例えば、メタンスルホン酸銅が挙げられる。好ましくは、銅源は、硫酸銅系源、即ち、硫酸銅又は硫酸銅五水和物のうちの1つである。銅の濃度は、広範囲に亘って変動し得、例えば、約5g/L〜約75g/LのCuである。「低Cu」系(即ち、低濃度の銅を含む電解質)では、Cuイオン濃度は、典型的には、約5g/L〜約30g/L、例えば、約8g/L〜約25g/Lである。例示的な低Cu系は、8g/Lの銅イオン、10g/Lの銅イオン、20g/Lの銅イオン、又は25g/Lの銅イオンを含み得る。
プリント配線板(PWB)事業の顧客は、様々な性能上の理由から低Cu系を使用することを好む場合が多い。しかし、残念なことに、低Cu系は、横方向銅成長(LCG)に関連する問題に煩わされることが多い。現行の低Cu系では、LCGが2ミリメートル未満に低下することがある。有利なことに、本発明によれば、高分子量酸、特に、ポリスチレンスルホン酸等の高分子量高分子酸を使用することによって、これら問題が回避され及び/又は低Cu系におけるLCGが改善されることが見出された。したがって、これにより、LCGの問題を回避しながら、PWBの製造において好ましい低Cu系を使用することができるようになる。特に、低Cu系に関連して、本発明の触媒組成物では、少なくとも約7日間、少なくとも約30日間、又は更には少なくとも70日間、LCGが2mm/分超であり続ける。それに加えて又はそれに代えて、銅析出の最初の5分間以内に、LCGが1mm/分を超えるか又は1.5mm/分を超える。
他の「高Cu」系(即ち、高濃度の銅を含む電解質)では、Cuイオン濃度は、約35g/L〜約75g/L、好ましくは約35g/L〜約60g/L、例えば、約38g/L〜約42g/Lであり得る。一部の高Cu系では、Cuイオン濃度は、約46g/L〜約60g/L、例えば、約48g/L〜約52g/Lであり得る。例示的な高Cu系では、Cuイオン濃度は、約40g/Lである。
別の例示的な高Cu系では、Cuイオン濃度は、約50g/Lである。更に別の例示的な高Cu系では、Cuイオン濃度は、約75g/Lである。約5g/Lの銅濃度を得るためには、溶液1L当たり約19グラムの硫酸銅五水和物を添加する。約75g/Lの銅濃度を得るためには、溶液1L当たり約292グラムの硫酸銅五水和物を添加する。本発明の触媒組成物は、低Cu系に関連する様々な問題に対処するが、前記組成物は高Cu系においても有効であることを理解すべきである。
200mg/L以下、例えば、約40mg/L〜約200mg/L又は約10mg/L〜約90mg/Lの濃度の塩化物イオンを電解メッキ浴で用いてもよい。他の浴添加剤の機能を強化するために、これら濃度範囲の塩化物イオンを添加する。典型的な塩化物イオン源としては、塩酸及び塩化物のアルカリ金属塩が挙げられ、最も典型的には、塩化ナトリウムである。当技術分野において公知である他の添加剤、例えば、光沢剤、阻害剤、及び微細化剤を添加してもよい。好ましい電解銅メッキ添加剤は、Enthone Inc.(West Haven,Conn.)から入手可能なCuprostar(登録商標)LP−1添加剤であり、これは、約2mL/L〜約8mL/L、より好ましくは約3mL/L〜約6mL/L、例えば、約4mL/L又は約5mL/Lの濃度で添加してよい。電気メッキ浴中の酸源としては、硫酸、メタンスルホン酸、リン酸、及び特定の高分子酸、例えば、ポリスチレンスルホン酸が挙げられる。典型的には、従来の銅電気メッキ組成物中に、酸は、約50g/L〜約300g/L、より典型的には約100g/L〜約220g/L、例えば、約200g/Lの濃度で存在し得る。
本発明の好ましい実施形態では、溶液のpHを約1〜約3.5、好ましくは約1.5〜約3.5、より好ましくは約1.5〜約2.5、例えば、約2にするために、触媒組成物中の酸の濃度は、低く、例えば、約0.1g/L〜約30g/L、より好ましくは約1g/L〜約3g/Lで維持される。例えば、溶液のpHを約2にするためには、約1g/Lの濃度の硫酸を添加してよい。或いは、1つの好ましい実施形態では、溶液のpHを約2にするために、約2.5g/Lの濃度の高分子量酸、例えば、ポリスチレンスルホン酸を添加してよい。本発明に従ってpHを約1.5〜約2.5にするためには、約1g/Lのオーダー、例えば、約0.5g/L〜約10g/L、又は約0.5g/L〜約5g/Lの酸を添加する。これは、少なくとも50g/Lの酸、例えば、約200g/Lの硫酸を使用する従来の酸性銅浴とは対照的である。従来の浴のpHは、通常、測定されないか又は測定不可能であるので、酸性度は、酸のg/Lの観点で特徴付けられる。本発明のこの態様は、伝導性基板における従来のメッキに加えて、電気的な伝導性ポリマーで処理された誘電体基板におけるメッキにも適用される。
本発明の触媒組成物の別の実施形態では、触媒組成物は、銅イオン源を更に含み、触媒溶液に曝露した後のすすぎ工程が省略される。この実施形態では、触媒組成物の成分及び電解銅メッキ組成物の成分を合わせて1つの組成物にする。この組成物は、誘電体基板の露出面に電気的な伝導性ポリマーを析出させることができ、更に、電流を印加して電気的な伝導性ポリマーの表面に銅を析出させることもできる。これは、酸濃度が高く、モノマー(EDT)が沈殿するため、通常の銅浴では不可能である。
例示的な触媒組成物/電解銅メッキ組成物は、重合性複素環式芳香族分子と、銅イオン源と、酸と、典型的に電解銅メッキ組成物に添加される他の添加剤とを含む。本発明の幾つかの実施形態の好ましい触媒組成物及び/又は触媒/電解メッキ組成物は、500,000Daを超える分子量を有する高分子量酸(例えば、約1,000,000Daの分子量を有する高分子ポリスチレンスルホン酸)を含む。触媒組成物/電解銅メッキ組成物の成分のアイデンティティ及び濃度は、別の溶液に関連して上に記載したものと実質的に同じである。
しかし、特定の実施形態では、1つの例外は、本発明の触媒組成物が消泡剤を含むことである。
本発明の触媒組成物の更なる利点は、触媒組成物又は電解メッキ溶液において安定剤を必要としない点である。上述の通り、金属イオン(例えば、Li又はNa)は、電解メッキ溶液の安定剤として機能し得る。
中でも、この複合溶液及び複合操作の利点は、中間すすぎ工程が省略され、別個の触媒及び電解メッキ容器の必要性がなくなり、全体的なプロセス時間が低減される点である。
本発明の触媒組成物を用いてプロセスを実行する場合、上記組成物は、単層又は二層の銅積層PCB基板又は多層回路基板のスルーホール及びマイクロビアの側壁に銅を析出させるために用いられる。1つの実施形態では、スルーホール及びマイクロビアの側壁を銅でメッキするプロセスは、以下の工程を含む:
1. 超硬バイト及びレーザ穴あけを用いて、単層若しくは二層の銅積層PCB基板又は多層回路基板にスルーホール又はマイクロビアをあける。
2. 40℃で3分間Envision(登録商標)DMS−E Conditioner 7015(40mL/L)に前記基板を曝露することによって、スルーホール又はマイクロビアの壁の露出面をコンディショニングする。
3. 水ですすぐ。
4. 80℃で3分間Envision(登録商標)DMS−E Initiator 7020(60g/Lの過マンガン酸カリウム及び10g/Lのホウ酸、pH6)に前記基板を曝露することによって、スルーホール又はマイクロビアの壁のコンディショニングされた露出面を酸化する(同時に酸化Mn(IV)を析出させる)。
5. 水ですすぐ。
6. Envision(登録商標)HDI Catalyst 7350A(15mL/L、3,4−エチレンジオキシチオフェン及び乳化剤を含有)と、Envision(登録商標)HDI Catalyst 7350B(45mL/L、ポリスチレンスルホン酸を含有)と、リチウムイオン、ナトリウムイオン、アルミニウムイオン、ベリリウムイオン、ビスマスイオン、ホウ素イオン、インジウムイオン、及びアルキルイミダゾリウムイオンからなる群から選択される少なくとも1つの金属イオン又は窒素イオンとを含む組成物に前記基板を曝露することによって、スルーホール又はマイクロビアの壁の酸化された表面に電気的な伝導性ポリマーを析出させる。
7. 水ですすぐ。
8. (a)アノードと、硫酸銅五水和物(80g/L)、硫酸(pH2にするためには1g/L)、塩化物イオン(60mg/L)、及びCuprostar(登録商標)LP−1添加剤(5mL/L)を含む電解銅メッキ組成物とを含む電解メッキ浴に前記基板を曝露し、
(b)前記基板に電流(3A、5分間)を印加して、スルーホールの壁及びマイクロビアに銅を析出させる
ことによって、スルーホール又はマイクロビアの表面上の電気的な伝導性ポリマーを電気的に銅メッキする。
上記方法を用いて、PCB又は多層回路基板のスルーホール及びマイクロビアの壁を高品質の銅析出物でメッキすることができる。上記プロセスは、予め銅箔が適用されていない裸誘電体基板(即ち、ガラス繊維強化エポキシ樹脂基板)を銅積層板でメッキするために用いることもできる。更に、上記プロセスは、予めスルーホールがあけられている裸誘電体基板(即ち、ガラス繊維強化エポキシ樹脂基板)の片側又は両側を銅積層板でメッキし、スルーホール及びマイクロビアの側壁を銅でメッキするために用いることもできる。
別の実施形態では、スルーホール及びマイクロビアの側壁を銅でメッキするプロセスは、以下の工程を含む:
1. 超硬バイト又はレーザ穴あけを用いて、単層又は二層の銅積層PCB基板又は多層回路基板にスルーホール又はマイクロビアをあける。
2. 40℃で3分間Envision(登録商標)DMS−E Conditioner 7015(40mL/L)に前記基板を曝露することによって、スルーホール又はマイクロビアの壁の露出面をコンディショニングする。
3. 水ですすぐ。
4. 80℃で3分間Envision(登録商標)DMS−E Initiator 7020(60g/Lの過マンガン酸カリウム及び10g/Lのホウ酸、pH6)に前記基板を曝露することによって、スルーホール又はマイクロビアの壁のコンディショニングされた露出面を酸化する。
5. 水ですすぐ。
6. Envision(登録商標)HDI Catalyst 7350A(15mL/L、3,4−エチレンジオキシチオフェン及び乳化剤を含有)と、Envision(登録商標)HDI Catalyst 7350B(15mL/L、ポリスチレンスルホン酸を含有)と、リチウムイオン、ナトリウムイオン、アルミニウムイオン、ベリリウムイオン、ビスマスイオン、ホウ素イオン、インジウムイオン、及びアルキルイミダゾリウムイオンからなる群から選択される少なくとも1つの金属イオン又は窒素イオンと、硫酸銅五水和物(80g/L)と、硫酸(pH2にするためには1g/L)と、塩化物イオン(60mg/L)と、Cuprostar(登録商標)LP−1添加剤(5mL/L)とを含む触媒溶液/電解メッキ組成物に前記基板を3分間曝露することによって、スルーホール又はマイクロビアの壁の酸化された表面に電気的な伝導性ポリマーを析出させる。
7. 前記基板に電流(1A/dm〜2A/dm、5分間)を印加して、スルーホールの壁及びマイクロビアに銅を析出させることによって、電気的な伝導性ポリマーを有するスルーホール又はマイクロビアの壁の表面を電気的に銅メッキする。
上記方法を用いて、PCB又は多層基板におけるスルーホール及びマイクロビアの壁を高品質の銅析出物でメッキすることができる。
更に別の実施形態では、本発明の触媒組成物を用いるプロセスは、銅伝導パターンを得るために更に加工されるPCB又は多層基板におけるスルーホール及びマイクロビアの壁を銅メッキするために用いることもできる。このプロセスにおける工程は、以下の通りである:
1. 従来のプロセス又は上記プロセスのうちの1つによって片側又は両側に銅が積層されているガラス繊維強化エポキシ樹脂基板に穴をあける。
2. 穴のあいた基板をコンディショナー、開始剤、及び本発明の触媒組成物で処理して、ドリルスルーホールの側壁に電気的な伝導性ポリマー膜を析出させる。
3. フォトレジストを銅箔に適用する。
4. 銅伝導パターンの色が黒く(dark)、マスクの残りが透明であるパターンマスクを適用する。
5. 前記マスクに紫外線を照射して、銅伝導パターンを決定する明領域の下のフォトレジスト材料を可溶性にする。
6. パターンマスクを除去する。
7. 照射されていないフォトレジスト(現像剤に可溶性、通常炭酸ナトリウムを含有)を溶解するアルカリ性現像剤を適用する。この場合、ネガ像が作製され、所謂付加(additive)技術である。フォトレジストを除去し、そこに銅トラックが形成される。後続のメッキにおいて、照射されたレジスト間の「溝」及びスルーホール又はマイクロビアに銅が析出する。
8. pH2の電解銅メッキ浴を用いて、約5マイクロメートルの厚みになるまで露出パターンを電気的に銅メッキする(スルーホールもめっきする)。続いて25マイクロメートル(通常の厚み)までメッキする場合、高酸含量(約200g/L〜約250g/L)の銅浴を用いてよい。
9. 銅導体パターンをスズ鉛又は他のレジスト材料で保護するが、これは、酸化を阻止し、レジストパターンとして作用する。
10. 残りのフォトレジストを溶媒で溶解させる。(典型的には、市販されている強アルカリ性溶液)。
11. 銅箔を酸で溶解させ、樹脂基板を露出させる。銅伝導パターンは、レジストによって保護されているので溶解しない。
12. 金属レジストを除去する。
したがって、本発明の触媒組成物を用いるプロセスは、銅張誘電体基板の露出面、例えば、誘電体基板を貫通しているスルーホールの側壁を選択的に金属化して、エポキシガラス繊維基板の一方の側の銅積層板とエポキシガラス繊維基板の他方の側の銅積層板との間に電気的接続を確立するために用いることができる。前記プロセスは、誘電体基板の表面全体を金属化するために用いることもできる。
別の態様では、本発明は、誘電体基板上の伝導性ポリマー層であって、金属イオン又はリチウム、ナトリウム、アルミニウム、ベリリウム、ビスマス、ホウ素、インジウム、及びアルキルイミダゾリウムからなる群から選択される他の金属イオン若しくは窒素イオンを含むことを特徴とするポリマー層に関する。驚くべきことに、上記誘電体基板の表面に電気的な伝導性ポリマーを形成するために組成物を使用したとき、前記組成物に含まれる金属イオン又は窒素イオンが伝導性ポリマー層に組み込まれることが見出された。この理論に縛られるものではないが、この金属イオンの伝導性ポリマー層への組込みは、伝導性ポリマー層の伝導性に寄与し、それによって、前記層の電気抵抗を低減すると考えられる。
リチウム、ナトリウム、アルミニウム、ベリリウム、ビスマス、ホウ素、インジウム、及びアルキルイミダゾリウムからなる群から選択される金属イオン又は窒素イオンは、少なくとも0.01原子%、好ましくは少なくとも0.05原子%、より好ましくは少なくとも0.1原子%の濃度で伝導性ポリマー層に含まれ得る。伝導性ポリマー層中のこの金属イオン又は窒素イオンの濃度は、好ましくは、1原子%以下、例えば、0.5原子%以下である。
これらイオンの金属表面への組込みは、例えば、ESCA(化学分析用電子分光法)、GDOES(グロー放電発光分光法)、又はAES(オージェ電子分光法)等の適切な分析法を介して測定することができる。
以下の実施例は、本発明を更に説明するものである。
図1は、誘電体基板と接触して、銅が電気的に析出する伝導性ポリマーコーティングを形成する、モノマー処方(触媒溶液)中における非伝導性オリゴマーの濃度からの横方向銅成長の依存性を示す予測である。
図1は、基板表面に伝導性ポリマー膜を析出させるために用いられる触媒組成物中の非伝導性オリゴマーの濃度に対する、基板表面上の横方向銅成長(LCG)の依存性を示す。図1から分かる通り、例えばENVISION HDIプロセス等、当技術分野において公知の伝導性ポリマー膜を析出させるための従来の方法に従って処理された標準的な試験クーポン(ストリップサイズが10cm×3cmであり、銅不含領域が7cm×3cmである積層材料IS410)におけるLCGRは、ポリマーが形成されるモノマー化合物のオリゴマーの触媒組成物中の濃度が増大すると共に減少する。伝導性ポリマー膜の析出後、2A/dmの電流密度で5分間、ENTHONE Inc.から商品名LP−1として市販されている銅電解質中で試験クーポンを銅メッキする。触媒組成物中のオリゴマーの相対濃度は、UV−VISスペクトルの870nmにおける吸収によって測定される。870nmにおける新たな触媒組成物の吸収は約0の範囲であり、LCGRは約5.5mm/分であるが、非伝導性オリゴマーによって引き起こされる吸収が約3.0まで増加したとき、LCGRは約2.5mm/分に低下する。これは、後続の金属メッキプロセスに関して、触媒組成物中の非伝導性オリゴマーの役割のエビデンスを提供するものである。
実施例1
実施例1は、比較例として使用され、当技術分野の技術水準の触媒組成物を表す。1,000mLのビーカーに、脱イオン水500mLを入れる。撹拌しながら、Envision(登録商標)HDI Catalyst 7350B(ポリスチレンスルホン酸を含有)45mL及びEnvision(登録商標)HDI Catalyst 7350A(3,4−エチレンジオキシチオフェン及び乳化剤を含有)15mLを添加する。脱イオン水440mLによって混合物を体積1,000mLにメスアップする。混合物のpH値は、23℃で2.2である。数日間の耐用寿命後のUV−VISスペクトルの870nmにおける触媒組成物の吸収値を表1に示す。
実施例2
1,000mLのビーカーに、脱イオン水500mLを入れる。撹拌しながら、Envision(登録商標)HDI Catalyst 7350B(ポリスチレンスルホン酸を含有)45mL及びEnvision(登録商標)HDI Catalyst 7350A(3,4−エチレンジオキシチオフェン及び乳化剤を含有)15mLを添加する。この混合物に、2.6gのBeSO*4HOを添加する。脱イオン水440mLによって混合物を体積1,000mLにメスアップする。混合物のpH値は、25.8℃で2.18である。数日間の耐用寿命後のUV−VISスペクトルの870nmにおける触媒組成物の吸収値を表1に示す。
実施例3
1,000mLのビーカーに、脱イオン水500mLを入れる。撹拌しながら、Envision(登録商標)HDI Catalyst 7350B(ポリスチレンスルホン酸を含有)45mL及びEnvision(登録商標)HDI Catalyst 7350A(3,4−エチレンジオキシチオフェン及び乳化剤を含有)15mLを添加する。この混合物に、3.8gのAl(SO*16HOを添加する。脱イオン水440mLによって混合物を体積1,000mLにメスアップする。混合物のpH値は、25.8℃で2.21である。数日間の耐用寿命後のUV−VISスペクトルの870nmにおける触媒組成物の吸収値を表1に示す。
実施例4
1,000mLのビーカーに、脱イオン水500mLを入れる。撹拌しながら、Envision(登録商標)HDI Catalyst 7350B(ポリスチレンスルホン酸を含有)45mL及びEnvision(登録商標)HDI Catalyst 7350A(3,4−エチレンジオキシチオフェン及び乳化剤を含有)15mLを添加する。この混合物に、1.9gのLiSO*1HOを添加する。脱イオン水440mLによって混合物を体積1,000mLにメスアップする。混合物のpH値は、25.8℃で2.19である。数日間の耐用寿命後のUV−VISスペクトルの870nmにおける触媒組成物の吸収値を表1に示す。
実施例5
1,000mLのビーカーに、脱イオン水500mLを入れる。撹拌しながら、Envision(登録商標)HDI Catalyst 7350B(ポリスチレンスルホン酸を含有)45mL及びEnvision(登録商標)HDI Catalyst 7350A(3,4−エチレンジオキシチオフェン及び乳化剤を含有)15mLを添加する。この混合物に、2.95gのLiCOを添加する。脱イオン水440mLによって混合物を体積1,000mLにメスアップする。混合物のpH値は、25.8℃で2.3である。数日間の耐用寿命後のUV−VISスペクトルの870nmにおける触媒組成物の吸収値を表1に示す。
実施例6
1,000mLのビーカーに、脱イオン水500mLを入れる。撹拌しながら、Envision(登録商標)HDI Catalyst 7350B(ポリスチレンスルホン酸を含有)46mL及びEnvision(登録商標)HDI Catalyst 7350A(3,4−エチレンジオキシチオフェン及び乳化剤を含有)15mLを添加する。この混合物に、1mLのビスマスメタンスルホン酸を添加する。脱イオン水449mLによって混合物を体積1,011mLにメスアップする。混合物のpH値は、22.2℃で1.85である。数日間の耐用寿命後のUV−VISスペクトルの870nmにおける触媒組成物の吸収値を表1に示す。
実施例7
1,000mLのビーカーに、脱イオン水500mLを入れる。撹拌しながら、約75kDaの平均分子量を有するポリスチレンスルホン酸(AkzoNobel ABによって商品名Versa TL 77として市販)46mL及びEnvision(登録商標)HDI Catalyst 7350A(3,4−エチレンジオキシチオフェン及び乳化剤を含有)15.5mLを添加する。この混合物に、2.5gのBeSO*4HOを添加する。脱イオン水440mLによって混合物を体積1,002mLにメスアップする。混合物のpH値は、22.2℃で3.46である。硫酸(50%)を26滴添加することによって、pH値を22.3℃で1.97に設定する。数日間の耐用寿命後のUV−VISスペクトルの870nmにおける触媒組成物の吸収値を表1に示す。
実施例8
1,000mLのビーカーに、脱イオン水500mLを入れる。撹拌しながら、約1,000kDaの平均分子量を有するポリスチレンスルホン酸(AkzoNobel ABによって商品名Versa TL 501として市販)45mL及びEnvision(登録商標)HDI Catalyst 7350A(3,4−エチレンジオキシチオフェン及び乳化剤を含有)15.5mLを添加する。この混合物に、4.0gのMnSO*HOを添加する。脱イオン水440mLによって混合物を体積1,001mLにメスアップする。混合物のpH値は、22.3℃で6.1である。硫酸(50%)を32滴添加することによって、pH値を22.3℃で1.99に設定する。数日間の耐用寿命後のUV−VISスペクトルの870nmにおける触媒組成物の吸収値を表1に示す。
実施例9
1,000mLのビーカーに、脱イオン水500mLを入れる。撹拌しながら、約1,000kDaの平均分子量を有するポリスチレンスルホン酸(AkzoNobel ABによって商品名Versa TL 501として市販)23mL、75kDaの平均分子量を有するポリ(4−スチレンスルホン酸)リチウム塩溶液(HO中30重量%)23mL、及びEnvision(登録商標)HDI Catalyst 7350A(3,4−エチレンジオキシチオフェン及び乳化剤を含有)15mLを添加する。脱イオン水440mLによって混合物を体積1,001mLにメスアップする。混合物のpH値は、22.1℃で5.36である。硫酸(50%)を27滴添加することによって、pH値を22.3℃で1.99に設定する。数日間の耐用寿命後のUV−VISスペクトルの870nmにおける触媒組成物の吸収値を表1に示す。
実施例10
1,000mLのビーカーに、脱イオン水500mLを入れる。撹拌しながら、約1,000kDaの平均分子量を有するポリスチレンスルホン酸(AkzoNobel ABによって商品名Versa TL 501として市販)23mL、75kDaの平均分子量を有するポリ(4−スチレンスルホン酸)ナトリウム塩溶液(HO中30重量%、AkzoNobel ABによって商品名Versa TL 77として市販)23mL、及びEnvision(登録商標)HDI Catalyst 7350A(3,4−エチレンジオキシチオフェン及び乳化剤を含有)15mLを添加する。脱イオン水440mLによって混合物を体積1,001mLにメスアップする。混合物のpH値は、21.9℃で5.27である。硫酸(50%)を28滴添加することによって、pH値を21.9℃で1.98に設定する。数日間の耐用寿命後のUV−VISスペクトルの870nmにおける触媒組成物の吸収値を表1に示す。
実施例11
1,000mLのビーカーに、脱イオン水500mLを入れる。撹拌しながら、Envision(登録商標)HDI Catalyst 7350B(ポリスチレンスルホン酸を含有)46mLと、10重量%の3,4−エチレンジオキシチオフェン及び乳化剤として12重量%のSoprophor 4D384を含有する含む水溶液15mLとを添加する。脱イオン水440mLによって混合物を体積1,001mLにメスアップする。混合物のpH値は、21.2℃で2.13である。数日間の耐用寿命後のUV−VISスペクトルの870nmにおける触媒組成物の吸収値を表1に示す。
実施例12
1,000mLのビーカーに、脱イオン水500mLを入れる。撹拌しながら、Envision(登録商標)HDI Catalyst 7350B(ポリスチレンスルホン酸を含有)45mLと、10重量%の3,4−エチレンジオキシチオフェン並びに乳化剤として6重量%のSoprophor 4D384及び6重量%のSoprophor TS 29を含有する含む水溶液15mLとを添加する。混合物のpH値は、20.6℃で1.97である。数日間の耐用寿命後のUV−VISスペクトルの870nmにおける触媒組成物の吸収値を表1に示す。
実施例13
1,000mLのビーカーに、脱イオン水500mLを入れる。約25kDaの平均分子量を有するポリスチレンスルホン酸(AkzoNobel ABによって商品名Versa TL 4として市販)及びマレイン酸の1:1比の混合物45mLと、Envision(登録商標)HDI Catalyst 7350A(3,4−エチレンジオキシチオフェン及び乳化剤を含有)15mLとを添加する。脱イオン水440mLによって混合物を体積1,000mLにメスアップする。混合物のpH値は、20.6℃で9.11である。硫酸(50%)1.1mLを添加することによって、pH値を20.7℃で2.07に設定する。数日間の耐用寿命後のUV−VISスペクトルの870nmにおける触媒組成物の吸収値を表1に示す。
実施例14
1,000mLのビーカーに、脱イオン水(500mL)を入れた。次いで、撹拌しながら、3−4−エチレンジオキシチオフェン(3,4−EDT)及びSoprophor TS29を含有する組成物A(15mL)と、75,000Daの分子量を有するポリスチレンスルホン酸及び水を含む組成物B(46mL)(商品名Versa TL 71として販売)と、脱イオン水(440mL)とをビーカー内の水に添加した。完全に溶解したことが観察されるまで撹拌を続けた。
実施例15
1,000mLのビーカーに、脱イオン水(500mL)を入れた。次いで、撹拌しながら、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート(EMIトリフラート;10g)と、3−4−エチレンジオキシチオフェン(3,4−EDT)及びSoprophor TS29を含有する組成物A(15mL)と、75,000Daの分子量を有するポリスチレンスルホン酸及び水を含む組成物B(45mL)(商品名Versa TL 71として販売)と、脱イオン水(440mL)とをビーカー内の水に添加した。完全に溶解したことが観察されるまで撹拌を続けた。
実施例16
1,000mLのビーカーに、脱イオン水(500mL)を入れた。次いで、撹拌しながら、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム(HMI)(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(9.9g)と、3−4−エチレンジオキシチオフェン(3,4−EDT)及びSoprophor TS29を含有する組成物A(16mL)と、75,000Daの分子量を有するポリスチレンスルホン酸及び水を含む組成物B(46mL)(商品名Versa TL 71として販売)と、脱イオン水(440mL)とをビーカー内の水に添加した。完全に溶解したことが観察されるまで撹拌を続けた。溶液は、依然として曇っており且つ乳白色であった。
実施例17
1,000mLのビーカーに、脱イオン水(500mL)を入れた。次いで、撹拌しながら、硫酸リチウム(2g)と、硫酸マンガン一水和物(2g)と、3−4−エチレンジオキシチオフェン(3,4−EDT)及びSoprophor TS29を含有する組成物A(15mL)と、75,000Daの分子量を有するポリスチレンスルホン酸及び水を含む組成物B(46mL)(商品名Versa TL 71として販売)と、脱イオン水(440mL)とをビーカー内の水に添加した。完全に溶解したことが観察されるまで撹拌を続けた。
オリゴマーの測定
調製後2日間、27日間、86日間、99日間、及び105日間の間隔で、実施例14、15、及び17に従って調製した様々な触媒溶液を、870nmにおけるUV−IS吸収分析に付した。結果を以下の表2に記載する。
表2のデータを図2にプロットする。これらデータから、実施例14、15、及び17のそれぞれについて、時間に対する吸収の増大速度を計算した。吸収の逐次測定間の吸収の増大速度(勾配)を表3に記載する。
オリゴマー形成傾向線を計算するために線形回帰分析を適用することができ、これによって、以下の勾配及び相関係数が得られる。
実施例14及び17の場合、計算結果は良い一致を示す。実施例15の場合のみ、かなりの逸脱が存在する。後者の場合、初期間中の勾配は線形ではないが、吸収度が0.2に達する点から勾配が大きくなる。他の2つの系については、勾配は全体に亘って実質的に線形であり、その結果、相関係数が1.0に非常に近くなる。
105日間後の析出速度
105日間後、実施例14〜17のモノマー処方を、それぞれ、誘電体基板に伝導性ポリマー層を提供するために用いた。
前側及び後側の各側の縁部及び中央において、電解メッキ工程で析出した銅の厚みを定規で測定した(mm)。各側の3つの値を合計し、12で除した。また、これら2つの平均値を合計し、再度2で除した。その結果、1分間当たりの析出速度がmm/分で得られる。
重合中、実施例14〜17のそれぞれについて、平均析出速度をmm/分で求めた。モノマー処方(触媒溶液)を105日間エージングした後に実施した重合について、結果を以下の表4に記載する。
105日間のエージング後、析出速度が不十分なのは実施例14の触媒組成物のみであった。他は全て少なくとも辛うじて許容可能である。
IS410伝導性測定結果
析出速度に加えて、実施例14〜17のそれぞれについてのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリマー析出物の伝導性を4点法によって求めた。結果を以下の表に記載する。
抵抗は、1,000,000Ωを大きく超える。
前側における抵抗の平均は33,300Ωである。後側における抵抗の平均は36,570Ωである。
前側における抵抗の平均は51,960Ωである。後側における抵抗の平均は52,240Ωである。抵抗は実施例17の約2倍である。
前側における抵抗の平均は9,360Ωである。後側における抵抗の平均は10,410Ωであり、他の全ての実験よりも著しく低い。それにもかかわらず、析出速度はそれほど優れていなかった。これは、上述の実験でも確認されている。
実施例18〜20
実施例14〜17にそれぞれ記載した方法に従って、誘電体基板に伝導性ポリマーコーティングを形成した。
IS EN 156ML析出結果
105日間後、実施例18〜21のモノマー処方のそれぞれを用いて誘電体基板に伝導性ポリマー層を提供した。
mm/分で表される析出速度を以下の通り測定した。
前側及び後側の各側の縁部及び中央において、電解メッキ工程で析出した銅の厚みを定規で測定した(mm)。各側の3つの値を合計し、12で除した。また、これら2つの平均値を合計し、再度2で除した。その結果、1分間当たりの析出速度がmm/分で得られる。
重合中、実施例18〜21のそれぞれについて、平均析出速度をmm/分で求めた。モノマー処方(触媒溶液)を105日間エージングした後に実施した重合について、結果を以下の表4に記載する。
mm/分で表される、以下の平均析出速度を求めた。
105日間経過した後、上述の種類の金属イオン又は窒素イオンなしに重合を実施した実施例18でのみ析出速度が不十分であった。実施例19〜21の析出速度は全て少なくとも辛うじて許容可能である。
IS EN 156ML伝導性測定結果
析出に続いて、4点法によって伝導性を求める。
抵抗は、1,000,000Ωを大きく超える。
前側における抵抗の平均は24,050Ωである。後側における抵抗の平均は11,020Ωである。後側の抵抗は、前側の半分である。また、抵抗は実施例18よりも遥かに小さい。
前側における抵抗の平均は18,600Ωである。後側における抵抗の平均は17,990Ωである。抵抗は実施例21と同様であるが、析出速度は著しく低い。
前側における抵抗の平均は950Ωである。後側における抵抗の平均は910Ωである。同様に、抵抗は最低であるが、析出速度は、約18,000Ωの抵抗を有する実施例21と同等である。
実施例21
図3〜6は、一方は比較的低い分子量の酸を使用し、他方は比較的高い分子量の酸を使用する2つの触媒組成物について横方向銅成長(LCG)速度試験の結果を提供する。基板をこれら触媒組成物で処理し、次いで、高Cu電解質及び多くのPWB用途で現在好まれている低Cu電解質の両方を用いてCu電着における性能について分析した。
図3及び4は、EDTモノマー(約2g/L)及び約75,000Daの分子量を有するポリスチレンスルホン酸(約2g/L)を含有する触媒組成物(「低分子量酸組成物」)の約11週間に亘るLCG速度結果(mm/分)を提供する。次いで、触媒組成物で処理した基板を2つの銅メッキ浴のうちの1つを用いて銅メッキに付した。一方の銅メッキ浴は、約15g/L〜約20g/LのCuイオンを含有する「低−Cu」組成物(ST−2000)であった。他方の銅メッキ浴は、約50g/L〜約60g/Lの銅イオンを含有する「高Cu」組成物(CVF−2)であった。
触媒組成物を基板に適用した後、前記基板を銅メッキ浴(ST−2000又はCVF−2)に入れた。
図5及び6は、EDTモノマー(約2g/L)及び約1,000,000Daの分子量を有するポリスチレンスルホン酸(2g/L)を含有する触媒組成物(「高分子量酸組成物」)の約14週間に亘るLCG速度結果(mm/分)を提供する。次いで、この高MW酸触媒組成物で処理した基板を、約15g/L〜約20g/LのCuイオンを含有する「低−Cu」組成物(ST−2000)又は約50g/L〜約60g/Lの銅イオンを含有する「高Cu」組成物(CVF−2)のいずれかにおいて銅メッキに付した。
図5及び6は、高MW酸触媒組成物で処理した基板における電解銅メッキについて、LCG速度が14週間の間商業的に許容可能な最低速度である1mm/分を上回り続けたことを示す。更に、高Cu電解質と低Cu電解質との間のLCG速度の差は、一般的に言えば、約1.5mm未満であり、後半の週において特に小さかった。図3及び4は、対照的に、低MW酸触媒で処理した基板における電解銅メッキについて、約5週間で低Cu電解質におけるLCG速度が急落し、一般的に言えば、後半の週でLCG速度が大きく異なっていた(例えば、>2mm/分又は>3mm/分の差)。したがって、これら試験は、本発明の高MW酸触媒組成物が、高Cu電解質及び多くのPWBメッキ作業において好まれている低Cu電解質の両方について基板の調製に有利であることを示す。
図3における2mm/分のLCG限界に比べて、図4〜6のLCG限界は1mm/分である。この変化は、図4〜6に示す試験で用いた基板が高いガラス転移温度(TG)を有し、通常、図3に示す試験で用いた基板よりも低いLCGを有するという事実を説明するものである。
本発明又はその好ましい実施形態の要素を提示するとき、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、1以上の要素が存在することを意味することを意図する。用語「含む」、「包含する」、及び「有する」は、包括的であることを意図し、列挙する要素以外の追加の要素が存在していてもよいことを意味する。
本発明の範囲から逸脱することなしに様々な変更を行うことができるので、上記記載に含まれ、添付図面に示されている全ての対象は例示的であり、限定する意味はないと解釈するものとすることを意図する。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義され、本発明の範囲から逸脱することなしに上記実施形態を変更してもよい。

Claims (23)

  1. 誘電体基板の表面に電気的な伝導性ポリマーを形成するための組成物であって、伝導性ポリマーを形成することができる少なくとも1つの重合性モノマーと、乳化剤と、酸とを含み、リチウムイオン、ナトリウムイオン、アルミニウムイオン、ベリリウムイオン、ビスマスイオン、Bアニオン、インジウムイオン、及びアルキルイミダゾリウムイオンからなる群から選択される少なくとも1つの金属イオン又は窒素イオンを含み、前記酸が、少なくとも500,000Daの分子量を有する高分子酸であることを特徴とする組成物。
  2. 前記高分子酸が、少なくとも約600,000Da、少なくとも約700,000Da、少なくとも約800,000Da、少なくとも約900,000Da、少なくとも約1,000,000Da、又は少なくとも約1,250,000Daの分子量を有する請求項1に記載の組成物。
  3. 前記高分子酸が、約500,000Da〜約1,500,000Da、約700,000〜約1,300,000Da、又は約900,000〜約1,100,000Daの分子量を有する請求項1に記載の組成物。
  4. 前記酸が、硫酸、スルホン酸、アルキルスルホン酸、高分子スルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリリン酸、イセチオン酸、スルホコハク酸、アリールスルホン酸、p−トルエンスルホン酸からなる群から選択される少なくとも1つの酸及び/又は酸の塩を含む請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記酸が、高分子スルホン酸を含む請求項4に記載の組成物。
  6. 前記高分子スルホン酸が、ポリ(ビニルアリール)スルホン酸を含む請求項5に記載の組成物。
  7. 前記酸が、ポリスチレンスルホン酸である請求項6に記載の組成物。
  8. 前記ポリスチレンスルホン酸が、ナトリウム塩の形態で前記組成物に配合される請求項7に記載の組成物。
  9. 前記ポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩が、前記組成物の前記少なくとも1つの金属イオン又は窒素イオンの実質的に全てを提供する請求項8に記載の組成物。
  10. 前記金属イオン又は窒素イオンが、0.001モル/L〜溶解限度の濃度のリチウムイオン及びナトリウムイオンからなる群から選択される請求項1から9のいずれかに記載の組成物。
  11. 前記重合性モノマーが、以下の構造を有する複素環式芳香族分子である請求項1から10のいずれかに記載の組成物:
    (式中、Xは、O、S、又はNであり;R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、1個〜8個の炭素原子を有する置換又は非置換アルキル基、1個〜8個の炭素原子を有する置換又は非置換アルコキシ基である)。
  12. 前記乳化剤が、0.1mL/L〜200mL/Lの範囲の濃度で含まれる請求項1から11のいずれかに記載の組成物。
  13. 水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、高級アルコール、ポリアルコール、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、スルホン酸クメン、N−メチルピロリドン、トリグリム、ジグリム、及びトルエンスルホン酸のアルカリ金属塩又はそのエチルエステルからなる群から選択される少なくとも1つの溶媒を更に含む請求項1から12のいずれかに記載の組成物。
  14. 金属を電解析出させるためのカチオン源を更に含む請求項1から13のいずれかに記載の組成物。
  15. 前記乳化剤が、ノニオン性界面活性剤である請求項1から14のいずれかに記載の組成物。
  16. 前記ノニオン性界面活性剤が、アルコキシ化アラルキルフェノールである請求項15に記載の組成物。
  17. 前記ノニオン性界面活性剤が、エトキシ化トリスチリルフェノールである請求項16に記載の組成物。
  18. 前記乳化剤が、アニオン性ポリアリールフェノールアルコキシレート又はポリアリールフェノールアルコキシレートの塩である請求項1から14のいずれかに記載の組成物。
  19. 前記乳化剤が、スルホアルキル化ポリアルコキシ化ナフトールの塩又はアラルキル置換スルホポリアルコキシ化フェノールからなる群から選択される請求項1から14のいずれかに記載の組成物。
  20. 前記乳化剤が、以下の式に係る分子構造を有する化合物である請求項19に記載の組成物:
    ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)α−スルホ−ω−[ビス(1−フェニルエチル)フェノキシ]−アンモニウム塩。
  21. 以下の構造式に対応する乳化剤を含む請求項1から14のいずれかに記載の組成物:
  22. マンガンイオンを更に含む請求項1から21のいずれかに記載の組成物。
  23. 金属の析出によって誘電体基板の表面を金属化する方法であって、
    請求項1から22のいずれかに記載の組成物に前記基板を浸漬して、前記誘導体基板の表面に電気的な伝導性ポリマーを形成することと、
    前記電気的な伝導性ポリマーに金属を析出させることと
    を含むことを特徴とする方法。
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