JP2018503706A - 新規なタリウムをドープしたヨウ化ナトリウム、ヨウ化セシウムまたはヨウ化リチウムのシンチレーター - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2014年11月19日出願の米国仮特許出願第62/082,018号についての優先権を主張し、参照として本明細書に組み入れる。
本発明は、米国国土安全保障省に裁定された承認番号HSHQDC−07−X−00170、および米国エネルギー省に裁定された契約番号DE−AC02−05CH11231の下での政府の支援を受けてなされた。政府は本発明について一定の権利を有する。
本発明は、ガンマ線検出物質として有用なシンチレーション特性を有する無機結晶の分野にある。
1948年以来、いくつかの異なる手段でNaIのシンチレーション性能を改善する多くの試みが行われてきており、たいていは結晶成長関連だが、シンチレーションプロセスでの不純物の役割を通しても行われてきた[6]。低濃度でのMn、Pb、Ag、カルコゲン(酸化物および硫化物)、ならびにハロゲン化合物(Cl)を含めて[7]、多くの不純物が溶融物に添加されたが、NaIの発光出力およびエネルギー分解能への有効性は見出せなかった。2010年に、Shiran等は、NaI:TlへのEu2+の添加で、6.2%のエネルギー分解能を有する48,000光子/MeVの発光出力を生成することを見出した[8]。Eu2+発光の大きな効率および遅延パルス立ち上がり時間に基づいて受け入れられたこの系のシンチレーション機構は、Tl+の発光バンドとEu2+の励起バンドとの重なりが、NaI格子内のTl+からEu2+発光中心への放射性エネルギーの移動の原因となることである。
MaI:Tl,Ln,A,X(I)
(式中、MaはNa、CsまたはLiであり、Lnはランタニド、またはランタニドの混合物であり、Aはアルカリ金属(AがMaでないものを除く)またはアルカリ土類金属であり、XはSc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Pt、Au、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、N、P、As、Sb、Bi、B、O、S、Se、Te、またはそれらの混合物であり、Tlは以下の値のモルパーセント、0mol%<[Tl]<100mol%または溶解限度までの高い方を有し、Lnは以下の値のモルパーセント:0mol%<[Ln]<100mol%を有し、Aは以下の値のモルパーセント:0mol%<[A]<100mol%を有し、Xは以下の値のモルパーセント:0mol%≦[X]<100mol%を有する)
いくつかの実施形態では、結晶組成物または無機シンチレーターは、式(Ia)を有する。
NaI:Tl,Ln,A,X(Ia)
CsI:Tl,Ln,A,X(Ib)
LiI:Tl,Ln,A,X(Ic)
いくつかの実施形態では、Tlは以下の値のモルパーセント:0.00001mol%<[Tl]<10mol%または溶解限度までの高い方を有する。いくつかの実施形態では、Lnは以下の値のモルパーセント:0.00001mol%<[Ln]<10mol%または溶解限度までの高い方を有する。いくつかの実施形態では、Aは以下の値のモルパーセント:0.00001mol%<[A]<10mol%または溶解限度までの高い方を有する。いくつかの実施形態では、Xは以下の値のモルパーセント:0mol%<[X]<100mol%を有する。いくつかの実施形態では、Xは以下の値のモルパーセント:0.00001mol%<[X]<10mol%または溶解限度までの高い方を有する。いくつかの実施形態では、Tl、Ln、AおよびXは、各々独立に以下の値のモルパーセント:0.00001mol%<[Tl、Ln、AもしくはX]<1mol%または溶解限度までの高い方を有する。いくつかの実施形態では、Tl、Ln、AおよびXは、各々独立に以下の値のモルパーセント:0.001mol%<[Tl、Ln、AもしくはX]<1mol%または溶解限度までの高い方を有する。いくつかの実施形態では、Tl、Ln、AおよびXは、各々独立に以下の値のモルパーセント:0.01mol%<[Tl、Ln、AもしくはX]<1mol%または溶解限度までの高い方を有する。いくつかの実施形態では、Tl、Ln、AおよびXは、各々独立に以下の値のモルパーセント:0.1mol%<[Tl、Ln、AもしくはX]<1mol%または溶解限度までの高い方を有する。
MaxI:Tla,Lnb,Ac,Xd(II)
(式中、MaはNa、CsまたはLiであり、Lnはランタニド、またはランタニドの混合物であり、Aはアルカリ金属(AがMaでないものを除く)またはアルカリ土類金属であり、XはSc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Pt、Au、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、N、P、As、Sb、Bi、B、O、S、Se、Te、またはそれらの混合物であり、xは、x=1−a−b’−c’−2dに等しい値を有し、0<x<1であり、aは、0<a<1に等しい値を有し、bは、0<b’<1に等しい値を有し、cは、0<c’<1に等しい値を有し、dは、0≦2d<1に等しい値を有し、Lnが2+の原子価を有する場合、b’は2bであり、またはLnが3+の原子価を有する場合、b’は3bであり、Aが1+の原子価を有する場合、c’はcであり、またはAが2+の原子価を有する場合、c’は2cである)
いくつかの実施形態では、結晶組成物または無機シンチレーターは、式(IIa)を有する。
NaxI:Tla,Lnb,Ac,Xd(IIa)
いくつかの実施形態では、結晶組成物または無機シンチレーターは、式(IIb)を有する。
CsxI:Tla,Lnb,Ac,Xd(IIb)
いくつかの実施形態では、結晶組成物または無機シンチレーターは、式(IIc)を有する。
NaxI:Tla,Lnb,Ac,Xd(IIc)
いくつかの実施形態では、結晶組成物または無機シンチレーターは、MeV当たり少なくとも40,000光子をもたらす。
いくつかの実施形態では、XはMg、Ca、SrもしくはBa、またはそれらの混合物である。
いくつかの実施形態では、ランタニドはLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、またはそれらの混合物である。2+の原子価を有するランタニドの例としては、EuおよびYbである。3+の原子価を有するランタニドの例としては、CeおよびYbである。無機シンチレーターは、ガンマ放射線などの好適な放射線による照射で明るいルミネセンスを生成するシンチレーターである。
いくつかの実施形態では、無機シンチレーターはセラミックである。
いくつかの実施形態では、無機シンチレーターのエネルギー分解能は、約662keVで約2.5から約5%の範囲内である。
本発明のいくつかの実施形態では、無機シンチレーターは、少なくとも1次元が少なくとも1mm、少なくとも5mm、少なくとも1cmもしくは少なくとも3cmの長さ、またはガンマ放射線を止めるかもしくは吸収するのに少なくとも十分な長さを有する、単結晶である。
本発明はさらに、本明細書に記載した無機シンチレーターを含む組成物の製造方法であって、(a)本明細書に記載したような無機シンチレーターの製造のために有用な、本明細書に記載したヨウ化物塩の混合物を本質的に含む組成物を用意することと、(b)その混合物を加熱してヨウ化物塩の反応を開始することと、(c)混合物を室温に冷却して、その結果無機シンチレーターを含む組成物を形成することとを含む方法を提供する。
本発明は、本発明の無機シンチレーターを含む組成物を備えるデバイス、および光検出器を提供する。そのデバイスは、ガンマ放射線などの電離放射線の検出に有用である。そのデバイスは、工業上、医用上の保護および防御目的に有用であり、すなわち石油および原子力産業である。
前述の態様およびその他のことは、添付図面と併せて読むとき、以下の例示的実施形態の説明から、当業者によって容易に認識されるであろう。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用するように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに別のことを規定しているのでない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「結晶」への言及は、単結晶と同様に複数の結晶を含む。
本明細書で使用するように、用語「任意で」または「してもよい」は、後に記載する特長もしくは構造が存在してもしなくてもよいことを意味し、または後に記載する事象もしくは状況が発生してもしなくてもよいことを意味し、説明は、特定の特長または構造が存在する事例およびその特長または構造が存在しない事例、または事象もしくは状況が発生する事例およびそれが発生しない事例を含むことを意味する。
用語「約」は、指定値より10%大きい値および指定値より10%小さい値を含むことを意味する。
本発明のこれらおよびその他の目的、利点および特長は、以下のより完全に記載された本発明の詳細を読むことにより、当業者に明らかになるであろう。
本発明の結晶組成物または無機シンチレーターの有用な品質は、高い光収率、急速なルミネセンス減衰(3000ナノ秒以下、または2000ナノ秒以下、または1000ナノ秒以下など)、良好な阻止能、高密度、良好なエネルギー分解能、容易な成長、および周囲環境条件下での安定性である。
結晶組成物または無機シンチレーターは、多結晶粉末または単結晶形態であることが可能である。結晶は、任意の寸法であることが可能であり、平均体積は少なくとも0.001mm3、少なくとも1mm3、少なくとも5mm3、少なくとも10mm3、少なくとも100mm3、少なくとも3cm3、少なくとも1cm3または少なくとも10cm3である。結晶は、任意の寸法であることが可能であり、結晶の少なくとも1次元が、少なくとも100μm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも5mm、少なくとも1cm、少なくとも3cm、少なくとも5cmまたは少なくとも10cmの長さを有する。本発明のいくつかの実施形態では、結晶は少なくとも1次元が、ガンマ放射線を電子的に検出するためにガンマ放射線を停止または吸収するのに十分な長さまたは深さとしての長さを有する。
本発明の結晶は種々の方法を使用して特性決定できる。結晶は、X線回折法、X線ルミネセンススペクトル、活性剤の濃度用に蛍光X線分析、および/またはパルスX線時間応答に関して特性決定できる。X線回折法は、結晶相の識別などの、結晶固体の組成を決定する。X線ルミネセンススペクトルは、スペクトル成分を決定する。パルスX線時間応答は、光度、減衰時間、およびフラクションを決定する。X線ルミネセンスは、結晶の比視感度を決定するために使用する。X線励起発光スペクトルは、X線を結晶に照射して、90°などで放出光をCCD検出器により収集することで、結晶から得られる。
いくつかの実施形態では、結晶組成物または無機シンチレーターの光度は、イットリウムアルミニウムペロブスカイト(YAP)および/またはゲルマニウム酸ビスマス(BGO)の光度よりも高い。本発明の更なる実施形態では、結晶組成物または無機シンチレーターの光度は、YAPおよび/またはBGOの光度の2倍を超える。
いくつかの実施形態では、結晶組成物または無機シンチレーターは、662keVでルミネセンス出力が52,000光子/MeVに以上であり、および/または4.9%以下のエネルギー分解能を有する、0.1mol%TlのNaIに0.2mol%のCaおよび0.1mol%のEuを共ドープしたものである。
いくつかの実施形態では、結晶組成物または無機シンチレーターは、662keVでルミネセンス出力が42,800光子/MeV以上である、および/または5.4%以下のエネルギー分解能を有する、NaI:0.25%Tl、0.2%Ca、0.1%Euである。
いくつかの実施形態では、結晶組成物または無機シンチレーターは、662keVでルミネセンス出力が42,800光子/MeV以上である、および/または5.4%以下の低いエネルギー分解能を有する。いくつかの実施形態では、無機シンチレーターは、662keVでルミネセンス出力が52,000光子/MeV以上である、および/または4.9%以下のエネルギー分解能を有する。
本発明の結晶組成物または無機シンチレーターは、種々の方法を使用して調製できる。例えば、発光スクリーンの製作に使用できる結晶は、本明細書に記載するように、ヨウ化物の融剤を用いてまたは用いることなく、固相反応により調製できる。いくつかの実施形態では、単結晶は、本明細書に記載するように、無機シンチレーターを製造するために有用なヨウ化物塩の混合物を本質的に含む組成物を提供することにより調製される。反応性の溶融混合物を生成する単純なプログラム可能な炉を使用して、約550〜900℃までの温度に混合物を加熱する。混合物が完全に反応し、所望の溶融物を生成する温度で反応を維持する。次いで、反応で生成した溶融生成物を2から5℃/分でゆっくりと冷却する。
本発明の結晶組成物または無機シンチレーター調製の具体的な方法は、以下の通りである。ブリッジマン成長および関連技法、チョクラルスキー成長および関連技法、移動ヒーター法および関連技法である。これらの方法は、単結晶1個ずつとして結晶組成物または無機シンチレーターの製造に使用できる。
移動ヒーター法は、Triboulet, Prog. Cryst. Gr. Char. Mater., 128, 85 (1994)および、Funaki et al., Nucl. Instr. And Methods, A 436 (1999)に記載されており、それらは参照としてそれら全体を組み入れる。
本発明のいくつかの実施形態では、結晶組成物または無機シンチレーターの単結晶は、本明細書に記載したように、粉末形態の事前合成した化合物を溶融し再凝固することで成長させることができ、または活性剤としてヨウ化物塩を使用した混合物の溶融物から直接成長させることができる。最良の性能の結晶を成長させるためには、出発化合物をさらにゾーン精製法により精製する必要があるであろう。
単結晶の成長には、本明細書に記載したように、乾燥環境で石英アンプルに混合物を装填し、高温の発炎灯を使用してアンプルを密封し、アンプル内を減圧にして乾燥環境を維持することを必要とする。その後、アンプルを炉に入れる。結晶成長は、既知の垂直「ブリッジマン」法の変形形態により実施できる。化合物を溶融し、融点を超える温度で均質化させ、化合物を温度勾配中で方向性をもたせて凝固させる。アンプルは、底部(円錐形)に核形成部位をもたらすような形状にする。凝固する前面は上方に移動する。水平な配置およびチョクラルスキー法(成長チャンバを加圧する必要がある場合もある)などのその他の成長法も使用できる。
いくつかの実施形態で、Tl、Ln、Aおよび/またはXをドープしたヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウムまたはヨウ化セシウムの結晶で、全エネルギーピークに対するエネルギー分解能が662keVで2.5%から5%の範囲にあるもののシンチレーションの作製方法は、(a)前記結晶のブールを成長させることと、(b)ブールを切断して複数の結晶試料にすることと、(c)不活性(アルゴンなど)または反応性(ヨウ素など)雰囲気下の高温でアニーリングし、さらに材料の特性を改善することと、を含む。いくつかの実施形態では、アニーリングは急速熱アニーリングまたは炉内アニーリングを含む。いくつかの実施形態では、使用する温度は室温(25℃)よりも高いが、配合物の融解温度よりは低い値を有する。アニーリングは、組成物に応じて数日に至るまでの期間に渡って行う。
いくつかの実施形態では、Tl、Ln、Aおよび/またはXをドープしたヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウムまたはヨウ化セシウムの結晶で、225℃での発光出力の変化が25%を超えないもののシンチレーションの作製方法は、(a)前記結晶のブールを成長させることと、(b)ブールを切断して複数の結晶試料にすることと、(c)不活性(アルゴンなど)または反応性(ヨウ素など)雰囲気下の高温でアニーリングし、さらに材料の特性を改善することと、を含む。いくつかの実施形態では、使用する温度は室温(25℃)よりも高いが、配合物の融解温度よりは低い値を有する。アニーリングは、組成物に応じて数日に至るまでの期間に渡って行う。
得られた結晶は、その後本明細書に記載する方法によって特性評価する。得られた結晶はまた、本明細書に記載するものと類似の特性を有する。
本発明は、本発明の無機シンチレーターの透明な単結晶から構成されるシンチレーター、およびシンチレーターによる光パルスの放出に応答して電気信号を生成するためにシンチレーターに光学的に結合した光検出器を含むガンマ線またはX線検出器を提供する。
本発明は、電離放射線の検出に有用である。用途には、医用画像、核物理学、非破壊評価、条約の検証および保障措置、環境モニタリングならびに地質調査を含む。これは、より細かい分解能、より高い最大発生率、およびより鮮明な画像を提供することで、主要な改善をなすことになる。
本発明はまた、特にガンマ線および/またはX線による放射線の検出のための検出器の構成部品として、上記のシンチレーション材料の使用に関する。そのような検出器は、特にシンチレーターにより生成された光パルスの放出に応答して電気信号を生成するために、シンチレーターに光学的に結合した光検出器を備える。検出器の光検出器は、特に光電子増倍管、フォトダイオード、またはCCDセンサーであってもよい。
このタイプの検出器の具体的な使用は、ガンマ線またはX線放射の測定に関するが、そのようなシステムはまた、アルファおよびベータ放射線ならびに電子の検出も可能である。本発明はまた核医学診断装置での上記検出器の使用に関し、特にアンガー型のガンマカメラおよび陽電子放出断層撮影スキャナーに関する(例えば参照として本明細書に組み入れる、C. W. E. Van Eijk, "Inorganic Scintillator for Medical Imaging", International Seminar New types of Detectors, 15 19 May 1995--Archamp, France. "Physica Medica", Vol. XII, supplement 1, June 96に出版、を参照されたい)。
本発明の一実施形態を、ガンマ線検出器を示す図5に示す。検出器は、参照として本明細書に組み入れる、米国特許第4,958,080号に記載されたものでもよい。もちろん、本発明の新規な単結晶無機シンチレーターの有用性は、ガンマ放射線の検出に限定されるのでは無く、その他の種類の類似の放射線、例えばX線、宇宙線およびエネルギー粒子の検出の一般的な用途も有することが理解されるであろう。
本発明を説明してきたが、以下の実施例は例示によって発明の主題を例示するために提供するものであり、限定によってではない。
Eu2+およびアルカリ土類金属の共ドーピングによるNaIのエネルギー分解能最適化のための組合せ手法
0.1mol%TlのNaIの発光出力およびエネルギー分解能は、0.2mol%のCaおよび0.1mol%のEuの共ドーピングにより改善する。垂直ブリッジマン法により成長させた最良の単結晶試料の性能は、662keVで52,000±2600光子/MeVおよび4.9±0.2%のエネルギー分解能である。
本明細書で提示するのは、組合せ手法および重回帰分析を使用しての、Eu2+およびアルカリ土類金属(Mg、Ca、SrおよびBa)による共ドーピングを通したNaI:Tlのエネルギー分解能改善の結果である[13]。一連の試料を、いくつかのパラメーターの最適化のために合成し、最良の試料は市販の標準品を超えたエネルギー分解能の著しい改善を有することを示す。
化学的、生物学的、電子工学的、磁性的、光学的および発光の材料発見のために、薄膜形成法による新規固体材料の緻密な組合せライブラリーを作ることが提案されてきた[14〜16]。重回帰分析でレバレッジを効かせた実験設計が、蛍光体材料および発光材料の最適化に非常に強力な技法であることが見出される[17〜19]。こうした方法は、シンチレーター材料の進行中の研究の高速処理を増強するために使用される[20]。
この実験戦略の中核は、タグチ等によって開発された[21]。その方法は、所望の出力パラメーターについての複数の要素の効果を同時に研究する実験を、異なるレベルの要素で実験することにより可能にする。直交配列[22]を使用する実験セットの具体的な配置が、この種類の実験設計の本質である。それは、最小限の数の実験を使用する多次元パラメーター空間内での材料性能の調査を可能にする。それぞれ4種の要素の4レベルでの影響を、NaIのエネルギー分解能および発光出力について、それらの効果を研究する。実験のために選択された要素および対応するレベルを表1にリスト化しており、Tl+濃度、アルカリ土類金属、共ドーパント元素の濃度およびEu2+濃度である。
#12−NaI:0.25%Tl、0.2%Ba、0.1%Euを除いては、市販または自家製参照試料(図1)さえよりも、良い発光出力を示す試料がない。#12の発光出力は47,000光子/MeVである。エネルギー分解能の場合では、設計#2、#6および#10(すべてCa2+共ドープ)が、662keVで、自家製参照試料の7%よりも良い結果を示す。Sr2+共ドープの#11およびBa2+共ドープの#12が、市販の参照試料(6.3%)さえよりも良いエネルギー分解能を示し−それぞれ6.1%および5.9%である。
発光出力およびエネルギー分解能の両方のパラメーターについて、ドーパントおよび共ドーパントの最適濃度は一致し、0.25mol%のTl+、0.2mol%のCa2+および0.1mol%のEu2+として計算される。対応するレベルの試料を、直交実験セットと全く同じ溶融混合法を使用して合成する。これらのドーパント濃度の試料は、662keVで42,800光子/MeVの発光出力および5.4%のエネルギー分解能を有する。
0.1mol%Tl+を有する第2の結晶を、同じBridgman−Stockbarger法を使用して成長させる。この試料は、662keVで52,020光子/MeVの発光出力および4.9±0.2%のエネルギー分解能を生み出す。137Cs源を使用して捕捉したこの結晶からの光電ピークを、同一寸法(約10mm3)の市販の試料の光電ピークと比較して図4に示す。
EuおよびCaの共ドーピングにより、NaI:Tlのエネルギー分解能は、4.9%に低下して改善され、発光出力は52,000光子/MeVまで改善され、それらは市販のNaI試料のエネルギー分解能および発光出力を改善している。
こうした無機シンチレーター結晶は、核物質の検出などの、国家の安全保障の目的に有用である。
Eu2+およびアルカリ土類金属の共ドーピングによるNaIのエネルギー分解能最適化のための組合せ手法
ドープされたバルクのシンチレーター材料を、同時に外来のドーピング/共ドーピングをする戦略を通して、それらの特性を速やかに最適化させることができる組合せ手法を提示する。実験設計、急速な成長および評価の技法、ならびに多変量回帰分析を使用する概念は、シンチレーション検出においての歴史はあるが平凡な能力であるNaI性能の工学技術に、首尾良く適用されてきた。この手法を使用して、我々は、材料性能を著しく改善する3元素ドーピング/共ドーピング戦略を明らかにした。その組成は、アルカリ土類金属類中の有益な共ドーパントイオンの同時スクリーニングによって、ならびに、その濃度およびTl+とEu2+イオンの濃度の最適化によって、明らかにされた。最良の性能を有する組成は、0.1mol%Tl+、0.1mol%Eu2+および0.2mol%Ca2+であると同定した。この配合は、662keVでのエネルギー分解能および発光出力を、それぞれ6.3から4.9%に、および44,000から52,000光子/MeVに増強することを示す。NaI性能の向上に加えて、本方法は、材料組成と性能との間の複雑で隠された関係を速やかに明らかにするための多才な枠組みをもたらし、その他の材料特性の最適化に広く適用すべきである。
膨大な組合せの空間からの多元素化合物の発見および最適化は、気の遠くなる作業である。ドープされたバルクのガンマ線検出器材料は、元素組成(格子)からppmレベル(ドーパント)まで数桁にわたる範囲の濃度を考慮しなければならず、特に難題であった。この巨大な組成の空間は、明らかに難題であり、次世代シンチレーター材料の開発を減速させ、材料/性能の関係の理論的理解の増加にもかかわらず、プロセスは主として時間のかかる試行錯誤の手法1を通して発達する。比較的単純な2成分系でさえも、組成、エネルギー流動および材料性能の間の複雑な相互作用を完全に理解するのには、計算機技法は依然として不足している。巨大なパラメーター空間を考慮するための組合せ最適化手法の使用は、薄膜および粉末形態材料の開発2に有益であったが、バルク材料に適用する場合には、わずかに成功してきたに過ぎない。単結晶材料を速やかに合成すること、およびガンマ線への応答性などの代表的なバルク特性を測定することの困難さは、明確なトレンドまたはパターンの抽出を常に妨げてきた。
こうした努力は、我々を多元素ドーピング/共ドーピング手法を使用するNaIの工学技術に再考させる。本明細書で以前に要約した研究により大きく推進されて、実験計画では、662keVでのNaIのエネルギー分解能および発光出力を同時に研究し最適化することを、Tl+濃度([Tl+])、アルカリ土類金属類の中から選択された共ドーパントイオンの添加(種類、IIAおよび濃度[IIA2+])、および第2の発光中心であるユーロピウムの濃度([Eu2+])の関数として考案した。タグチ4の業績のレバレッジ効果により、組成物空間をL16直交配列(要素とも呼ばれる、パラメーター当たり4レベルである−表3)を形成するよう組織された実験セットを通して調査した。一部実施法17として分類することができるこの配列は、標的とする目的物に関する要素の主要な効果を同時に検査できると同時に、実験の必要数を大幅に減らすことができる。4種の要素/4レベルの完全な要因分析法は、同じ組合せ空間を網羅するのに、非実用的な256の実験セットを必要とすることになる。対照と比較の目的のために、0.1mol%のTl+がドープされたNaI:Tl+を参照試料として、表4にリスト化した実験セットに含めた。すべての濃度をモルパーセントで示し、出発物質の公称濃度と対応させる。
発光出力およびエネルギー分解能の値を表4に提示する。市販および自家製試料は、662keVで、それぞれ44,000光子/MeVおよび43,000光子/MeVの発光出力、ならびに6.3%および7%のエネルギー分解能を示す。同一組成物についての測定値の広がりに基づいて、発光出力およびエネルギー分解能の値の実験誤差は約5%と見積もった。47,000光子/MeVを有する#12(NaI:0.25%Tl、0.2%Ba、0.1%Eu)を除いては、市販または自家製参照試料さえよりも、良い発光出力を示す試料はなかった。エネルギー分解能の場合では、設計#2、#6および#10(すべてCa2+共ドープ)が、自家製参照試料よりも良い結果を示し、#11(Sr2+共ドープ)および#12(Ba2+共ドープ)が、それぞれ6.1%および5.9%で、市販の参照試料よりも良いエネルギー分解能を示した。
多変量回帰分析の結果の有効性を試験するために、2種の追加の試料を最適組成配合で合成した。第1の試料は、非方向性凝固の類似手法を使用して合成し、一方第2の試料は、従来の垂直Bridgman−Stockbarger法を使用して成長させた。後者については、残留水分を除去するために、反応物質を真空下の約200℃で加熱した。垂直ブリッジマン炉につるした封止したアンプルを、0.8〜2.0mm/時の速度で10℃/cmの熱勾配を通して転換させて、成長を行った。結晶は、直径10mm、長さ約6cmであった。
両方の試料で、662keVでのそれらの発光出力およびエネルギー分解能を特性評価した。第1の試料は、発光出力が48,200光子/MeVおよびエネルギー分解能が5.4%と、非方向性凝固試料セットの中で最良の結果を出した。ブリッジマン法で成長させた試料では、成長軸方向に沿って、底部、中間および先端から収集したいくつかの試料で測定を行った。
最適なタリウム濃度のより良い量を定めるために、0.1mol%Tl+を有する第2の結晶を、同じBridgman−Stockbarger法を使用して成長させた。結晶の異なる部分からの単結晶片は、662keVで50,000光子/MeVを超える発光出力および約5.0%のエネルギー分解能を示す。662keVで、最良である52,000光子/MeVの発光出力、および4.9%のエネルギー分解能が、ブールの中央部分からの結晶の1個から記録された。この結晶からの光電ピークを、市販および自家製参照試料と比較して図4に示す。
統計分析は、複雑な実験データセットの中のパターンを探すプロセスを客観化することが可能であるが、その一方で統計分析は、一度見つけたパターンを何が作るのかについては、明らかに提供しない。3種をドープしているNaIの場合には、基礎となる物理は明らかに、発光出力およびエネルギー分解能の改善に向けて相乗作用で働く複数の機構に関係する。
本研究において、我々は材料組成と材料特性との間の関係を速やかに調査することができる組合せ手法を提供する。著者の知識では、ドープされたバルクシンチレーター性能の最適化にこの手法を応用した、これが最初の報告である。要素と極端に厳しいレベルの要求性能との相互依存による莫大な数の変数および/または複合体に起因して、組成物をめぐる景観が益々複雑になっている中で、この手法は、検出器および発光材料の開発の手引きとして特に適合している。
最後に、この組合せ手法は、要因効果のあるその他の目標および/または研究に拡張できると考えることは合理的である。後者において、材料の化学量論量および/または成長パラメーター(温度勾配、雰囲気など)などの変数は、明らかに論理的拡張である。ユーロピウムドープ材料での自己吸収の最小化または2重モード検出器での中性子/ガンマ線識別の最大化などのその他の検出器要求の最適化を同等の標的とすることもまた、この検討の首尾一貫した方向性である。手法の中枢原理を強調することは重要ではあるが、しかしこの方法の成功のためには、具体的な実験設計で評価される要素などの具体的な問題に関連し得ること、またはしないことについての、いくつかのすでに存在するアイデア無しにデータを収集することはできない。所与の研究において、どの特定の変数が調べられなければならないかと言う数学的表現は存在しない。我々の場合には、その決定は過去の実験的および理論的研究により、大いに推進された。
Claims (30)
- (a)ヨウ化ナトリウム、ヨウ化セシウム、またはヨウ化リチウム、(b)ヨウ化タリウム、(c)ヨウ化ランタニド、またはヨウ化ランタニドの混合物、および(d)(i)アルカリ金属(ナトリウム、セシウムもしくはリチウムを除く)もしくはアルカリ土類金属のヨウ化物、または(ii)Zr、Al、Zn、Cd、GaもしくはInのヨウ化物、もしくはそれらの混合物を含み、MeV当たり少なくとも40,000光子の発光出力を有する、結晶組成物または無機シンチレーター。
- 式(I)を有する結晶組成物または無機シンチレーター。
MaI:Tl,Ln,A,X(I)
(式中、
Maは、Na、CsまたはLiであり、
Lnは、ランタニド、またはランタニドの混合物であり、
Aは、アルカリ金属(AがMaでないものを除く)またはアルカリ土類金属であり、
Xは、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Pt、Au、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、N、P、As、Sb、Bi、B、O、S、Se、Te、またはそれらの混合物であり、
Tlは、以下の値のモルパーセント:0mol%<[Tl]<100mol%または溶解限度までの高い方を有し、
Lnは、以下の値のモルパーセント:0mol%<[Ln]<100mol%を有し、
Aは、以下の値のモルパーセント:0mol%<[A]<100mol%を有し、
Xは、以下の値のモルパーセント:0mol%≦[X]<100mol%)を有する) - MaはNaである、請求項2に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- Tlは以下の値のモルパーセント:0.000001mol%≦[Tl]≦10mol%を有する、請求項2に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- Tlは以下の値のモルパーセント:0.1mol%≦[Tl]≦0.5mol%を有する、請求項4に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- Aはアルカリ土類金属である、請求項2に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- AはMg、Ca、Sr、Baまたはそれらの混合物である、請求項6に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- Aは以下の値のモルパーセント:0.000001mol%≦[A]≦10mol%を有する、請求項2に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- Aは以下の値のモルパーセント:0.1mol%≦[A]≦0.8mol%を有する、請求項8に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- AはMg、Ca、Sr、Baまたはそれらの混合物であり、以下の値のモルパーセント:0.000001mol%≦[A]≦10mol%を有する、請求項7に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- AはMg、Ca、Sr、Baまたはそれらの混合物であり、以下の値のモルパーセント:0.1mol%≦[A]≦0.8mol%を有する、請求項10に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- LnはEuである、請求項2に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- Lnは以下の値のモルパーセント:0.000001mol%≦[Ln]≦10mol%を有する、請求項2に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- Lnは以下の値のモルパーセント:0.1mol%≦[Ln]≦10mol%を有する、請求項13に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- LnはEuであり、以下の値のモルパーセント:0.000001mol%≦[Ln]≦10mol%を有する、請求項12に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- LnはEuであり、以下の値のモルパーセント:0.1mol%≦[Ln]≦1.0mol%を有する、請求項15に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- XはZr、Al、Zn、Cd、Ga、Inまたはそれらの混合物である、請求項2に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- Tlは以下の値のモルパーセント:0.000001mol%≦[Tl]≦10mol%を有し、Aは以下の値のモルパーセント:0.000001mol%≦[A]≦10mol%を有し、Lnは以下の値のモルパーセント:0.000001mol%≦[Ln]≦10mol%を有する、請求項15に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- Tlは以下の値のモルパーセント:0.1mol%≦[Tl]≦0.5mol%を有し、Aは以下の値のモルパーセント:0.1mol%≦[A]≦0.8mol%を有し、Lnは以下の値のモルパーセント:0.1mol%≦[Ln]≦1.0mol%を有する、請求項18に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- MaはNaであり、AはMg、Ca、Sr、Ba、またはそれらの混合物であり、LnはEuであり、およびXはZr、Al、Zn、Cd、Ga、Inまたはそれらの混合物である、請求項17に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- MaはNaであり、Tlは以下の値のモルパーセント:0.000001mol%≦[Tl]≦10mol%を有し、AはMg、Ca、Sr、Baまたはそれらの混合物であり、以下の値のモルパーセント:0.000001mol%≦[A]≦10mol%を有し、LnはEuであり、以下の値のモルパーセント:0.000001mol%≦[Ln]≦10mol%を有し、XはZr、Al、Zn、Cd、Ga、Inまたはそれらの混合物である、請求項20に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- MaはNaであり、Tlは以下の値のモルパーセント:0.1mol%≦[Tl]≦0.5mol%を有し、AはMg、Ca、Sr、Baまたはそれらの混合物であり、以下の値のモルパーセント:0.1mol%≦[A]≦0.8mol%を有し、LnはEuであり、以下の値のモルパーセント:0.1mol%≦[Ln]≦1.0mol%を有し、XはZr、Al、Zn、Cd、Ga、Inまたはそれらの混合物である、請求項21に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- 式(II)を有する結晶組成物または無機シンチレーター。
MaxI:Tla,Lnb,Ac,Xd(II)
(式中、
Maは、Na、CsまたはLiであり、
Lnは、ランタニド、またはランタニドの混合物であり、
Aは、アルカリ金属(AがMaでないものを除く)またはアルカリ土類金属であり、
Xは、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Pt、Au、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、N、P、As、Sb、Bi、B、O、S、Se、Te、またはそれらの混合物であり、
xは、x=1−a−b’−c’−2dに等しい値を有し、0<x<1であり、
aは、0<a<1に等しい値を有し、
bは、0<b’<1に等しい値を有し、
cは、0<c’<1に等しい値を有し、
dは、0≦2d<1に等しい値を有し、
Lnが2+の原子価を有する場合、b’は2bであり、またはLnが3+の原子価を有する場合、b’は3bであり、
Aが1+の原子価を有する場合、c’はcであり、またはAが2+の原子価を有する場合、c’は2cである) - MaはNaである、請求項23に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- Aはアルカリ土類金属である、請求項23に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- AはMg、Ca、Sr、Baまたはそれらの混合物である、請求項25に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- LnはEuである、請求項23に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- XはZr、Al、Zn、Cd、Ga、Inまたはそれらの混合物である、請求項23に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- MaはNaであり、AはMg、Ca、Sr、Ba、またはそれらの混合物であり、LnはEuであり、XはZr、Al、Zn、Cd、Ga、Inまたはそれらの混合物である、請求項28に記載の結晶組成物または無機シンチレーター。
- 請求項1から29までのいずれか1項に記載の無機シンチレーターを備えるガンマ線検出器。
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