ある特定の専門用語
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者により通常に理解されているものと同じ意味を有する。前述の概要及び以下の概要が、単に例示的で説明のためのものであり、特許請求されるいかなる主題も制限しないことを理解されたい。本出願では、特に明記されない限り、単数形の使用は、複数を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、特に文脈が明確に示していない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。本出願では、「または(or)」の使用は、特に記述されない限り、「及び/または(and/or)」を意味する。さらに、「含む(including)」という用語、ならびに他の形態、例えば、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含む(included)」の使用は、限定されない。
本明細書で使用される場合、範囲及び量は、特定の値または範囲を「約」として表すことができる。また、約はその正確な量を含む。したがって、「約5μL」は、「約5μL」及び「5μL」も意味する。通常、「約」という用語は、実験誤差内であると予測され得る量を含む。
本明細書で使用される項の見出しは、構成する目的のためのものであり、記載される主題を限定すると解釈されるべきではない。
本明細書で使用される場合、「個体(複数可)」、「対象(複数可)」、及び「患者(複数可)」という用語は、任意の哺乳動物を意味する。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、非ヒトである。用語のいずれも、医療従事者(例えば、医師、登録看護師、ナースプラクティショナー、医師助手、病棟付き職員、またはホスピス職員)の指示を特徴とする状態(例えば、恒常的または間欠的)を必要としないか、またはそれに限定されない。
概説
TEC阻害剤及び抗CD20治療剤の組み合わせを含む、方法及び併用投与レジメンが、本明細書に開示される。血液学的悪性疾患の治療のために、TEC阻害剤及び抗CD20治療剤の組み合わせを投与する方法もまた、開示される。場合によっては、TEC阻害剤は、BTK、ITK、TEC、RLK、またはBMX阻害剤である。場合によっては、TEC阻害剤は、ITK阻害剤である。場合によっては、TEC阻害剤は、BTK阻害剤である。
場合によっては、血液学的悪性疾患の治療を必要とする対象における、血液学的悪性疾患の治療のための第1段階及び第2段階を含む併用投与レジメンが、本明細書で提供され、第1段階は、単剤治療としてBTK阻害剤の第1の長期間の投与であり、第2段階は、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤の組み合わせの第2の長期間の投与である。
場合によっては、血液学的悪性疾患の治療を必要とする対象における、血液学的悪性疾患の治療のための第1段階及び第2段階を含む併用投与レジメンが、本明細書で提供され、第1段階は、単剤治療としてイブルチニブの第1の長期間の投与であり、第2段階は、イブルチニブ及び抗CD20治療剤の組み合わせの第2の長期間の投与である。
場合によっては、慢性リンパ球性白血病の治療を必要とする対象における、慢性リンパ球性白血病の治療のための第1段階及び第2段階を含む併用投与レジメンが、本明細書で提供され、第1段階は、単剤治療としてBTK阻害剤の第1の長期間の投与であり、第2段階は、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤の組み合わせの第2の長期間の投与である。
場合によっては、慢性リンパ球性白血病の治療を必要とする対象における、慢性リンパ球性白血病の治療のための第1段階及び第2段階を含む併用投与レジメンが、本明細書で提供され、第1段階は、単剤治療としてイブルチニブの第1の長期間の投与であり、第2段階は、イブルチニブ及び抗CD20治療剤の組み合わせの第2の長期間の投与である。
場合によっては、血液学的悪性疾患の治療を必要とする対象における、血液学的悪性疾患を治療する方法が、本明細書で提供され、本方法は、併用投与レジメンに従って、対象に、治療有効量のBTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与することを含み、併用投与レジメンは、第1段階として第1の長期間にわたって、単剤としてBTK阻害剤を投与してから、第2段階として第2の長期間にわたって、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与することを含む。
いくつかの態様では、血液学的悪性疾患の治療を必要とする対象における、血液学的悪性疾患を治療する方法が、本明細書で提供され、本方法は、併用投与レジメンに従って、対象に、治療有効量のイブルチニブ及び抗CD20治療剤を含む組み合わせを投与することを含み、併用投与レジメンは、第1段階として第1の長期間にわたって、単剤としてイブルチニブを投与してから、第2段階として第2の長期間にわたって、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与することを含む。
場合によっては、慢性リンパ球性白血病の治療を必要とする対象における、慢性リンパ球性白血病を治療する方法が、本明細書で提供され、本方法は、併用投与レジメンに従って、対象に、治療有効量のBTK阻害剤及び抗CD20治療剤を含む組み合わせを投与することを含み、併用投与レジメンは、第1段階として第1の長期間にわたって、単剤としてBTK阻害剤を投与してから、第2段階として第2の長期間にわたって、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与することを含む。
いくつかの実施形態では、慢性リンパ球性白血病の治療を必要とする対象における、慢性リンパ球性白血病を治療する方法が、本明細書で提供され、本方法は、併用投与レジメンに従って、対象に、治療有効量のイブルチニブ及び抗CD20治療剤を含む組み合わせを投与することを含み、併用投与レジメンは、第1段階として第1の長期間にわたって、単剤としてイブルチニブを投与してから、第2段階として第2の長期間にわたって、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与することを含む。
抗CD20治療剤
いくつかの実施形態では、抗CD20治療剤は、抗体である。場合によっては、抗体は、モノクローナル抗体である。場合によっては、抗CD20治療剤は、抗CD20モノクローナル抗体である。
例示的な抗CD20治療剤は、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、オファツムマブ(Arzerra(登録商標))、オビヌツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン(In−111 Zevalin(登録商標)、Y−90 Zevalin(登録商標)、Zevalin(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar Therapeutic,Bexxar Dosimetric)、FBTA05、ヨウ素I 131/トシツモマブ(Bexxar)、オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))、オカラツズマブ(AME−133v)、オクレリズマブ、TRU−015、またはベルツズマブ(IMMU−106)を含む。
場合によっては、抗CD20治療剤は、US8101179、US8057793、US2013/0089540、US2010/0303808、US2009/0060921、US2009/0203886、またはUS2005/0180972に記載される、抗CD20治療剤である。
場合によっては、血液学的悪性疾患の治療を必要とする対象における、血液学的悪性疾患の治療のための併用投与レジメンが本明細書に記載され、これには、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、オファツムマブ(Arzerra(登録商標))、オビヌツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン(In−111 Zevalin(登録商標)、Y−90 Zevalin(登録商標)、Zevalin(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar Therapeutic,Bexxar Dosimetric)、FBTA05、ヨウ素I 131/トシツモマブ(Bexxar)、オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))、オカラツズマブ(AME−133v)、オクレリズマブ、TRU−015、ベルツズマブ(IMMU−106)、またはこれらの組み合わせから選択される、TEC阻害剤及び抗CD20治療剤の組み合わせが含まれる。場合によっては、TEC阻害剤は、ITK阻害剤またはBTK阻害剤である。
場合によっては、血液学的悪性疾患の治療を必要とする対象における、血液学的悪性疾患の治療のための併用投与レジメンが本明細書に記載され、これには、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、オファツムマブ(Arzerra(登録商標))、オビヌツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン(In−111 Zevalin(登録商標)、Y−90 Zevalin(登録商標)、Zevalin(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar Therapeutic,Bexxar Dosimetric)、FBTA05、ヨウ素I 131/トシツモマブ(Bexxar)、オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))、オカラツズマブ(AME−133v)、オクレリズマブ、TRU−015、ベルツズマブ(IMMU−106)、またはこれらの組み合わせから選択される、ITK阻害剤及び抗CD20治療剤の組み合わせが含まれる。
場合によっては、血液学的悪性疾患の治療を必要とする対象における、血液学的悪性疾患の治療のための併用投与レジメンが本明細書に記載され、これには、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、オファツムマブ(Arzerra(登録商標))、オビヌツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン(In−111 Zevalin(登録商標)、Y−90 Zevalin(登録商標)、Zevalin(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar Therapeutic,Bexxar Dosimetric)、FBTA05、ヨウ素I 131/トシツモマブ(Bexxar)、オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))、オカラツズマブ(AME−133v)、オクレリズマブ、TRU−015、ベルツズマブ(IMMU−106)、またはこれらの組み合わせから選択される、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤の組み合わせが含まれる。場合によっては、BTK阻害剤は、イブルチニブ、PCI−45292、PCI−45466、AVL−101/CC−101(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−263/CC−263(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−292/CC−292(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−291/CC−291(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、CNX 774(Avila Therapeutics)、BMS−488516(Bristol−Myers Squibb)、BMS−509744(Bristol−Myers Squibb)、CGI−1746(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CGI−560(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CTA−056、GDC−0834(Genentech)、HY−11066(また、CTK4I7891、HMS3265G21、HMS3265G22、HMS3265H21、HMS3265H22、439574−61−5、AG−F−54930)、ONO−4059(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、ONO−WG37(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、PLS−123(Peking University)、RN486(Hoffmann−La Roche)、HM71224(Hanmi Pharmaceutical Company Limited)、またはLFM−A13から選択される。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブである。
場合によっては、血液学的悪性疾患の治療を必要とする対象における、血液学的悪性疾患の治療のための併用投与レジメンが本明細書に記載され、これには、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、オファツムマブ(Arzerra(登録商標))、オビヌツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン(In−111 Zevalin(登録商標)、Y−90 Zevalin(登録商標)、Zevalin(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar Therapeutic,Bexxar Dosimetric)、FBTA05、ヨウ素I 131/トシツモマブ(Bexxar)、オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))、オカラツズマブ(AME−133v)、オクレリズマブ、TRU−015、ベルツズマブ(IMMU−106)、またはこれらの組み合わせから選択される、イブルチニブ及び抗CD20治療剤の組み合わせが含まれる。場合によっては、抗CD20治療剤は、オファツムマブである。
場合によっては、血液学的悪性疾患の治療を必要とする対象における、血液学的悪性疾患の治療のための併用投与レジメンが本明細書に記載され、これには、イブルチニブ及びオファツムマブの組み合わせが含まれる。
併用投与レジメンに従って、対象に、治療有効量の、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、オファツムマブ(Arzerra(登録商標))、オビヌツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン(In−111 Zevalin(登録商標)、Y−90 Zevalin(登録商標)、Zevalin(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar Therapeutic,Bexxar Dosimetric)、FBTA05、ヨウ素I 131/トシツモマブ(Bexxar)、オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))、オカラツズマブ(AME−133v)、オクレリズマブ、TRU−015、ベルツズマブ(IMMU−106)、またはこれらの組み合わせから選択される、TEC阻害剤及び抗CD20治療剤を含む組み合わせを投与することを含む、血液学的悪性疾患の治療を必要とする対象における、血液学的悪性疾患を治療する方法もまた、本明細書に記載される。場合によっては、TEC阻害剤は、ITK阻害剤またはBTK阻害剤である。
併用投与レジメンに従って、対象に、治療有効量の、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、オファツムマブ(Arzerra(登録商標))、オビヌツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン(In−111 Zevalin(登録商標)、Y−90 Zevalin(登録商標)、Zevalin(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar Therapeutic,Bexxar Dosimetric)、FBTA05、ヨウ素I 131/トシツモマブ(Bexxar)、オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))、オカラツズマブ(AME−133v)、オクレリズマブ、TRU−015、ベルツズマブ(IMMU−106)、またはこれらの組み合わせから選択される、ITK阻害剤及び抗CD20治療剤を含む組み合わせを投与することを含む、血液学的悪性疾患の治療を必要とする対象における、血液学的悪性疾患を治療する方法もまた、本明細書に記載される。
併用投与レジメンに従って、対象に、治療有効量の、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、オファツムマブ(Arzerra(登録商標))、オビヌツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン(In−111 Zevalin(登録商標)、Y−90 Zevalin(登録商標)、Zevalin(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar Therapeutic,Bexxar Dosimetric)、FBTA05、ヨウ素I 131/トシツモマブ(Bexxar)、オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))、オカラツズマブ(AME−133v)、オクレリズマブ、TRU−015、ベルツズマブ(IMMU−106)、またはこれらの組み合わせから選択される、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を含む組み合わせを投与することを含む、血液学的悪性疾患の治療を必要とする対象における、血液学的悪性疾患を治療する方法もまた、本明細書に記載される。場合によっては、BTK阻害剤は、イブルチニブ、PCI−45292、PCI−45466、AVL−101/CC−101(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−263/CC−263(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−292/CC−292(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−291/CC−291(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、CNX 774(Avila Therapeutics)、BMS−488516(Bristol−Myers Squibb)、BMS−509744(Bristol−Myers Squibb)、CGI−1746(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CGI−560(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CTA−056、GDC−0834(Genentech)、HY−11066(また、CTK4I7891、HMS3265G21、HMS3265G22、HMS3265H21、HMS3265H22、439574−61−5、AG−F−54930)、ONO−4059(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、ONO−WG37(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、PLS−123(Peking University)、RN486(Hoffmann−La Roche)、HM71224(Hanmi Pharmaceutical Company Limited)、またはLFM−A13から選択される。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブである。
併用投与レジメンに従って、対象に、治療有効量の、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、オファツムマブ(Arzerra(登録商標))、オビヌツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン(In−111 Zevalin(登録商標)、Y−90 Zevalin(登録商標)、Zevalin(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar Therapeutic,Bexxar Dosimetric)、FBTA05、ヨウ素I 131/トシツモマブ(Bexxar)、オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))、オカラツズマブ(AME−133v)、オクレリズマブ、TRU−015、ベルツズマブ(IMMU−106)、またはこれらの組み合わせから選択される、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を含む組み合わせを投与することを含む、血液学的悪性疾患の治療を必要とする対象における、血液学的悪性疾患を治療する方法もまた、本明細書に記載される。場合によっては、抗CD20治療剤は、オファツムマブである。
併用投与レジメンに従って、対象に、治療有効量の、イブルチニブ及びオファツムマブを含む組み合わせを投与することを含む、血液学的悪性疾患の治療を必要とする対象における、血液学的悪性疾患を治療する方法もまた、本明細書に記載される。
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、最も広範な意味で使用され、完全に組み立てられた抗体、抗原に結合することができる抗体断片(例えば、Fab、F(ab’)2、Fv、一本鎖抗体、ダイアボディ、抗体キメラ、ハイブリッド抗体、二重特異性抗体、ヒト化抗体等)、及び上述を含む組み換えペプチドを包含する。
「モノクローナル抗体」及び「mAb」という用語は、本明細書中で使用される場合、抗体の実質的に均質な集団(すなわち、その集団を構成する個々の抗体が、微量に存在し得る可能性のある天然に存在する突然変異を除いて同一である)から得られる抗体を指す。
場合によっては、抗体は、2つの同一の軽(L)鎖と2つの同一の重(H)鎖とからなる、約150,000ダルトンのヘテロ四量体の糖タンパク質である。各軽鎖は、1つの共有ジスルフィド結合によって重鎖に連結されるが、ジスルフィド連結の数は異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖の間で変わる。各々の重鎖及び軽鎖はまた、規則的に間隔の空いた鎖内ジスルフィド架橋を有する。各重鎖は、一端に可変ドメイン(VH)を有し、次にいくつかの定常ドメインが続く。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(VL)及びその他端に定常ドメインを有し;軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインと並置して、軽鎖可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと並置している。特定のアミノ酸残基が、軽鎖可ドメインと重鎖可変ドメインとの間で界面を形成すると考えられる。
「可変」という用語は、可変ドメインのある部分が抗体間で広範囲にわたって配列が異なるという事実を指す。可変領域は、抗原結合特異性を与える。しかしながら、その可変性は、抗体の可変ドメインの全体にわたって均一に分布しない。それは、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインの両方で相補性決定領域(CDR)または超可変領域と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク(FR)領域と呼ばれる。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、それぞれ、4つのFR領域を含み、これらの領域は、大部分はβプリーツシート配置をとり、βプリーツシート構造に結合する(場合によってはβプリーツシート構造の一部分を形成する)ループを形成する3つのCDRによって結合される。各鎖中のCDRは、FR領域によってごく近接して一緒になって、他の鎖由来のCDRと一緒に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat et al.(1991)NIH PubL.No.91−3242,Vol.I,pages 647−669を参照のこと)。定常ドメインは、抗原に対する抗体の結合に直接的には関与しないが、種々のエフェクター機能(例えば、Fc受容体(FcR)結合、抗体依存性細胞毒性における抗体の関与、補体依存性細胞毒性の惹起、及び肥満細胞脱顆粒)を示す。
「超可変領域」という用語は、本明細書中で使用される場合、抗原結合を担う抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」に由来するアミノ酸残基(すなわち、軽鎖可変ドメインにおける残基24〜34(L1)、50〜56(L2)、及び89〜97(L3)、ならびに重鎖可変ドメインにおける残基31〜35(H1)、50〜65(H2)、及び95〜102(H3);Kabatら(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institute of Health,Bethesda,Md.)、ならびに/あるいは「超可変ループ」に由来するアミノ酸残基(すなわち、軽鎖可変ドメインにおける残基26〜32(L1)、50〜52(L2)、及び91〜96(L3)、ならびに重鎖可変ドメインにおける残基(H1)、53〜55(H2)、及び96〜101(13);Clothia and Lesk,(1987)J.Mol.Biol.,196:901−917)を含む。「フレームワーク」または「FR」残基は、本明細書中で判断されるように、超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
「抗体断片」は、無傷抗体の一部を含み、好ましくは、その無傷抗体の抗原結合領域または可変領域を含む。抗体断片の例としては、Fab、Fab、F(ab’)2、及びFv断片;ダイアボディ;直鎖状抗体(Zapata et al.(1995)Protein Eng.10:1057−1062);一本鎖抗体分子;ならびに抗体断片から形成された多特異的抗体が挙げられる。抗体のパパイン消化により、各々単一の抗原結合部位を有する2つの同一の抗原結合断片(「Fab」断片と呼ばれる)、及び残りの「Fc」断片(この名称は、容易に結晶化する能力を反映する)が生成される。ペプシン処理は、2つの抗原結合部位を有し、依然として抗原と架橋結合することができるF(ab’)2断片を生じる。
「Fv」は、完全な抗原認識部位及び抗原結合部位を含有する最小の抗体断片である。この領域は、緊密に非共有結合的に会合した1つの重鎖可変ドメインと1つの軽鎖可変ドメインとの二量体からなる。この構成において、各可変ドメインの3つのCDRが相互作用して、VH−VL二量体の表面における抗原結合部位を規定する。集合的に、6つのCDRは、抗体に対する抗原結合特異性を与える。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原に対して特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)でも、抗原を認識し、結合する能力を有するが、完全な結合部位よりは親和性は低い。
Fab断片はまた、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第一の定常ドメイン(CH1)を含む。Fab断片は、抗体のヒンジ領域由来の1つ以上のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端の数個の残基の付加によって、Fab’断片とは異なる。Fab’−SHは、本明細書において、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離チオール基を担うFab’の表記である。Fab’断片は、F(ab’)2断片の重鎖ジスルフィド結合を還元することによって生成される。抗体断片の他の化学結合もまた公知である。
任意の脊椎動物種由来の抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、2つの明らかに異なる型(カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる)の一方に割り当てられ得る。
それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンが異なるクラスに割り当てられ得る。ヒト免疫グロブリンの5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMがあって、このいくつかはサブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2へさらに分類することができる。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、及びミューと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造及び三次元配置は公知である。異なるアイソタイプは、異なるエフェクター機能を有する。例えば、ヒトIgG1及びIgG3アイソタイプは、ADCC(抗体依存性の細胞媒介性細胞毒性)活性を有する。
併用投与レジメン
場合によっては、併用投与レジメンは、第1段階及び第2段階を含む。場合によっては、第1段階は、第2段階の第2の長期間の投与前に、単剤治療としてTEC阻害剤の第1の長期間の投与を含む。場合によっては、第2段階は、TEC阻害剤及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。場合によっては、TEC阻害剤は、ITK阻害剤である。場合によっては、TEC阻害剤は、BTK阻害剤である。
場合によっては、第1段階は、第2段階の第2の長期間の投与前に、単剤治療としてITK阻害剤の第1の長期間の投与を含む。場合によっては、第2段階は、ITK阻害剤及び抗CD20治療剤の組み合わせの投与を含む。
場合によっては、第1段階は、第2段階の第2の長期間の投与前に、単剤治療としてBTK阻害剤の第1の長期間の投与を含む。場合によっては、第2段階は、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブ、PCI−45292、PCI−45466、AVL−101/CC−101(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−263/CC−263(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−292/CC−292(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−291/CC−291(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、CNX 774(Avila Therapeutics)、BMS−488516(Bristol−Myers Squibb)、BMS−509744(Bristol−Myers Squibb)、CGI−1746(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CGI−560(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CTA−056、GDC−0834(Genentech)、HY−11066(また、CTK4I7891、HMS3265G21、HMS3265G22、HMS3265H21、HMS3265H22、439574−61−5、AG−F−54930)、ONO−4059(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、ONO−WG37(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、PLS−123(Peking University)、RN486(Hoffmann−La Roche)、HM71224(Hanmi Pharmaceutical Company Limited)、またはLFM−A13から選択される。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブである。
場合によっては、第1段階は、第2段階の第2の長期間の投与前に、単剤治療としてイブルチニブの第1の長期間の投与を含む。場合によっては、第2段階は、イブルチニブ及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。
場合によっては、第1の長期間は、最長90日間である。場合によっては、第1の長期間は、最長85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、10、または5日間である。いくつかの実施形態では、第1の長期間は、最長60日間である。いくつかの実施形態では、第1の長期間は、最長28日間である。いくつかの実施形態では、第1の長期間は、最長14日間である。
いくつかの実施形態では、第1段階は、最長90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、10、または5日間の単剤治療としてTEC阻害剤の投与を含む。場合によっては、TEC阻害剤は、ITK阻害剤またはBTK阻害剤である。
いくつかの実施形態では、第1段階は、最長90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、10、または5日間の単剤治療としてITK阻害剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、第1段階は、最長90日間の期間の単剤治療としてITK阻害剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、第1段階は、最長60日間の単剤治療としてITK阻害剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、第1段階は、最長28日間の単剤治療としてITK阻害剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、第1段階は、最長14日間の単剤治療としてITK阻害剤の投与を含む。
いくつかの実施形態では、第1段階は、最長90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、10、または5日間の単剤治療としてBTK阻害剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、第1段階は、最長90日間の単剤治療としてBTK阻害剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、第1段階は、最長60日間の単剤治療としてBTK阻害剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、第1段階は、最長28日間の単剤治療としてBTK阻害剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、第1段階は、最長14日間の単剤治療としてBTK阻害剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブ、PCI−45292、PCI−45466、AVL−101/CC−101(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−263/CC−263(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−292/CC−292(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−291/CC−291(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、CNX 774(Avila Therapeutics)、BMS−488516(Bristol−Myers Squibb)、BMS−509744(Bristol−Myers Squibb)、CGI−1746(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CGI−560(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CTA−056、GDC−0834(Genentech)、HY−11066(また、CTK4I7891、HMS3265G21、HMS3265G22、HMS3265H21、HMS3265H22、439574−61−5、AG−F−54930)、ONO−4059(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、ONO−WG37(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、PLS−123(Peking University)、RN486(Hoffmann−La Roche)、HM71224(Hanmi Pharmaceutical Company Limited)、またはLFM−A13から選択される。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブである。
いくつかの実施形態では、第1段階は、最長90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、10、または5日間の単剤治療としてイブルチニブの投与を含む。いくつかの実施形態では、第1段階は、最長90日間の単剤治療としてイブルチニブの投与を含む。いくつかの実施形態では、第1段階は、最長60日間の単剤治療としてイブルチニブの投与を含む。いくつかの実施形態では、第1段階は、最長28日間の単剤治療としてイブルチニブの投与を含む。いくつかの実施形態では、第1段階は、最長14日間の単剤治療としてイブルチニブの投与を含む。
いくつかの実施形態では、第2の長期間は、最長40週間である。場合によっては、第2の長期間は、最長35、30、25、20、または15週間である。いくつかの実施形態では、第2の長期間は、最長35週間である。いくつかの実施形態では、第2の長期間は、最長30週間である。いくつかの実施形態では、第2の長期間は、最長25週間である。
いくつかの実施形態では、第2段階は、最長40、35、30、25、20、または15週間のTEC阻害剤及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。場合によっては、TEC阻害剤は、ITK阻害剤またはBTK阻害剤である。場合によっては、抗CD20治療剤は、オファツムマブ、リツキシマブ、オビヌツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、トシツモマブ、FBTA05、ヨウ素I 131/トシツモマブ、オビヌツズマブ、オカラツズマブ(AME−133v)、オクレリズマブ、TRU−015、ベルツズマブ(IMMU−106)、またはこれらの組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態では、第2段階は、最長40、35、30、25、20、または15週間のITK阻害剤及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長40週間のITK阻害剤及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長35週間のITK阻害剤及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長30週間のITK阻害剤及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長25週間のITK阻害剤及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。場合によっては、抗CD20治療剤は、オファツムマブ、リツキシマブ、オビヌツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、トシツモマブ、FBTA05、ヨウ素I 131/トシツモマブ、オビヌツズマブ、オカラツズマブ(AME−133v)、オクレリズマブ、TRU−015、ベルツズマブ(IMMU−106)、またはこれらの組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態では、第2段階は、最長40、35、30、25、20、または15週間のBTK阻害剤及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長40週間のBTK阻害剤及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長35週間の期間のBTK阻害剤及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長30週間の期間のBTK阻害剤及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長25週間の期間のBTK阻害剤及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。場合によっては、抗CD20治療剤は、オファツムマブ、リツキシマブ、オビヌツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、トシツモマブ、FBTA05、ヨウ素I 131/トシツモマブ、オビヌツズマブ、オカラツズマブ(AME−133v)、オクレリズマブ、TRU−015、ベルツズマブ(IMMU−106)、またはこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブ、PCI−45292、PCI−45466、AVL−101/CC−101(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−263/CC−263(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−292/CC−292(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−291/CC−291(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、CNX 774(Avila Therapeutics)、BMS−488516(Bristol−Myers Squibb)、BMS−509744(Bristol−Myers Squibb)、CGI−1746(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CGI−560(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CTA−056、GDC−0834(Genentech)、HY−11066(また、CTK4I7891、HMS3265G21、HMS3265G22、HMS3265H21、HMS3265H22、439574−61−5、AG−F−54930)、ONO−4059(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、ONO−WG37(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、PLS−123(Peking University)、RN486(Hoffmann−La Roche)、HM71224(Hanmi Pharmaceutical Company Limited)、またはLFM−A13から選択される。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブである。
いくつかの実施形態では、第2段階は、最長40、35、30、25、20、または15週間のイブルチニブ及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長40週間のイブルチニブ及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長35週間のイブルチニブ及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長30週間のイブルチニブ及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長25週間のイブルチニブ及び抗CD20治療剤の併用投与を含む。場合によっては、抗CD20治療剤は、オファツムマブ、リツキシマブ、オビヌツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、トシツモマブ、FBTA05、ヨウ素I 131/トシツモマブ、オビヌツズマブ、オカラツズマブ(AME−133v)、オクレリズマブ、TRU−015、ベルツズマブ(IMMU−106)、またはこれらの組み合わせから選択される。場合によっては、抗CD20治療剤は、オファツムマブである。
いくつかの実施形態では、第2段階は、最長40、35、30、25、20、または15週間のイブルチニブ及びオファツムマブの併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長40週間のイブルチニブ及びオファツムマブの併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長35週間のイブルチニブ及びオファツムマブの併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長30週間のイブルチニブ及びオファツムマブの併用投与を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、最長25週間のイブルチニブ及びオファツムマブの併用投与を含む。
場合によっては、併用投与レジメン(すなわち、組み合わせられた第1段階及び第2段階の時間)は、最長52週間投与される。場合によっては、併用投与レジメンは、最長50、45、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、10、または5週間投与される。場合によっては、併用投与レジメンは、最長37週間投与される。場合によっては、併用投与レジメンは、最長29週間投与される。場合によっては、併用投与レジメンは、最長27週間投与される。場合によっては、併用投与レジメンは、最長25週間投与される。
いくつかの実施形態では、投与されるTEC阻害剤の量は、10mg/日から最長1000mg/日までである。いくつかの実施形態では、TEC阻害剤の投与量は、約40mg/日〜900mg/日、約40mg/日〜840mg/日、約80mg/日〜600mg/日、約100mg/日〜500mg/日、または約140mg/日〜420mg/日である。いくつかの実施形態では、TEC阻害剤の投与量は、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約110mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約180mg、約220mg、約260mg、約300mg、約350mg、約400mg、約420mg、または約840mgである。
いくつかの実施形態では、ITK阻害剤の投与量は、10mg/日から最長1000mg/日までである。いくつかの実施形態では、ITK阻害剤の投与量は、約40mg/日〜900mg/日、約40mg/日〜840mg/日、約80mg/日〜600mg/日、約100mg/日〜500mg/日、または約140mg/日〜420mg/日である。いくつかの実施形態では、ITK阻害剤の投与量は、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約110mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約180mg、約220mg、約260mg、約300mg、約350mg、約400mg、約420mg、または約840mgである。
いくつかの実施形態では、BTK阻害剤の投与量は、10mg/日から最長1000mg/日までである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤の投与量は、約40mg/日〜900mg/日、約40mg/日〜840mg/日、約80mg/日〜600mg/日、約100mg/日〜500mg/日、または約140mg/日〜420mg/日である。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤の投与量は、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約110mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約180mg、約220mg、約260mg、約300mg、約350mg、約400mg、約420mg、または約840mgである。
いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与量は、10mg/日から最長1000mg/日までである。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与量は、約40mg/日〜900mg/日、約40mg/日〜840mg/日、約80mg/日〜600mg/日、約100mg/日〜500mg/日、または約140mg/日〜420mg/日である。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与量は、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約110mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約180mg、約220mg、約260mg、約300mg、約350mg、約400mg、約420mg、または約840mgである。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与量は、約40mg/日である。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与量は、約50mg/日である。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与量は、約60mg/日である。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与量は、約70mg/日である。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与量は、約420mg/日である。いくつかの実施形態では、イブルチニブの投与量は、約840mg/日である。
いくつかの実施形態では、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)は、1日1回、1日2回、1日3回、1日1回、隔日、週1日、週2回、週3回、隔週、月3回、月1回、または間欠的に投与される。
いくつかの実施形態では、イブルチニブは、1日1回、1日2回、1日3回、1日1回、隔日、週1日、週2回、週3回、隔週、月3回、月1回、または間欠的に投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、維持療法として投与される。
いくつかの実施形態では、TEC阻害剤の投与経路は、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、または筋肉内)、頬側、鼻腔内、経腸、または経皮である。いくつかの実施形態では、TEC阻害剤は、経口投与される。いくつかの実施形態では、ITK阻害剤は、経口投与される。場合によっては、BTK阻害剤は、経口投与される。場合によっては、イブルチニブは、経口投与される。
いくつかの実施形態では、抗CD20治療剤の投与量は、約50mg/日〜約5000mg/日である。場合によっては、抗CD20治療剤の投与量は、約60mg/日〜約4500mg/日、約80mg/日〜約4000mg/日、約100mg/日〜約3500mg/日、約200mg/日〜約3000mg/日、または約300mg/日〜約2000mg/日である。場合によっては、抗CD20治療剤の投与量は、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約500mg/日、約750mg/日、約1000mg/日、約1500mg/日、約2000mg/日、または約2500mg/日である。場合によっては、抗CD20治療剤の投与量は、約300mg/日である。場合によっては、抗CD20治療剤の投与量は、約2000mg/日である。
場合によっては、抗CD20治療剤は、オファツムマブ、リツキシマブ、オビヌツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、トシツモマブ、FBTA05、ヨウ素I 131/トシツモマブ、オビヌツズマブ、オカラツズマブ(AME−133v)、オクレリズマブ、TRU−015、またはベルツズマブ(IMMU−106)から選択される。場合によっては、抗CD20治療剤は、オファツムマブである。
いくつかの実施形態では、オファツムマブの投与量は、約50mg/日〜約5000mg/日である。場合によっては、オファツムマブの投与量は、約60mg/日〜約4500mg/日、約80mg/日〜約4000mg/日、約100mg/日〜約3500mg/日、約200mg/日〜約3000mg/日、または約300mg/日〜約2000mg/日である。場合によっては、オファツムマブの投与量は、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約500mg/日、約750mg/日、約1000mg/日、約1500mg/日、約2000mg/日、または約2500mg/日である。場合によっては、オファツムマブの投与量は、約300mg/日である。場合によっては、オファツムマブの投与量は、約2000mg/日である。
いくつかの実施形態では、抗CD20抗体の投与経路は、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、または筋肉内)、頬側、鼻腔内、経腸、または経皮である。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、静脈内投与される。場合によっては、オファツムマブは、静脈内投与される。
いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、50、または100回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、最大で6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、最大12回投与される。
いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、最小で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、50、または100回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、最小で6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、最小で12回投与される。
いくつかの実施形態では、オファツムマブは、最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、50、または100回投与される。いくつかの実施形態では、オファツムマブは、最大で6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15回投与される。いくつかの実施形態では、オファツムマブは、最大で12回投与される。
いくつかの実施形態では、オファツムマブは、最小で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、50、または100回投与される。いくつかの実施形態では、オファツムマブは、最小で6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15回投与される。いくつかの実施形態では、オファツムマブは、最小で12回投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物は、予防、治療、または維持療法のために投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物は、治療的適用のために投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物は、治療的適用のために投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物は、例えば、寛解における患者のための維持療法として投与される。
患者の状態が改善される場合には、医師の裁量で、化合物は、連続的に投与され得、あるいは、投与される薬物の用量は、一時的に減量され得るか、またはある特定の時間の長さ(すなわち、「休薬期間」)、一時的に停止され得る。休薬期間の長さは、例として、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日、または365日を含むが、これらに限定されない、2日から1年の間で異なり得る。休薬期間中の用量減量は、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%を含むが、これらに限定されない、10%〜100%であってもよい。
一旦患者の状態が改善したら、必要に応じて維持用量で投与される。続いて、投与の用量若しくは頻度、またはその両方は、改善された疾患、障害、または状態が保持されるレベルまで、症状の機能として低減され得る。しかしながら、患者は、症状の再発に応じて、長期的に間欠処置が必要となることがある。
かかる量に対応するであろう所与の薬剤の量は、特定の化合物、疾患の重篤度、治療を必要とする対象または宿主の特性(例えば体重)等の要因に応じて変わることになるが、それにもかかわらず、例えば、投与される特定の薬剤、投与経路、治療される対象または宿主を含む、その症例を取り囲む特定の環境に応じて当該技術分野で公知の様式で日常的に決定することができる。しかしながら、概して、成人ヒトの治療のために用いられる用量は、典型的には、0.02〜5000mg/日、または約1〜1500mg/日の範囲内であろう。所望の用量は、単一用量で、または同時に(若しくは短期間にわたって)投与される分割された用量としてまたは適切な間隔、例えば、1日当たり2回、3回、4回またはそれ以上の分割用量として好都合に提示され得る。
本明細書に記載される薬学的組成物は、正確な投薬量の単回投与に適している単位剤形であってもよい。単位剤形では、製剤は、1つ以上の化合物の適切な量を含有する単位用量に分割される。単位投薬量は、製剤の別個の量を含有するパッケージの形態であってもよい。非限定的な例は、包装された錠剤またはカプセル剤、及びバイアルまたはアンプル中の散剤である。水性懸濁組成物は、単回投与用の再密閉不可能な容器に包装され得る。あるいは、反復投与用の再密閉可能な容器が使用され得、その場合には組成物に防腐剤を含有させることが典型的である。単なる例として、非経口注射用製剤は、単位剤形(これは、アンプルを含むが、これに限定されない)で、または添加された防腐剤と共に反復投与用容器で提示されてもよい。
前述の範囲は、個々の治療レジメンに関する変数の数が大きいため、単に暗示され、これらの推奨される値からの相当な偏位は、珍しくはない。かかる投薬量は、使用される化合物の活性、治療される疾患または状態、投与経路、各対象の要件、治療対象とされる疾患または状態の重篤度、及び医師の判断に限定されない、多くの変数に応じて変化され得る。
かかる治療レジメンの毒性及び治療効果は、LD50(集団の50%に致命的な量)及びED50(集団の50%に治療として有効な量)の決定を含むが、これらに限定されない、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順によって決定することができる。毒性と治療効果の間の用量比は、治療指数であり、LD50とED50の間の比として表すことができる。高い治療指数を示す化合物が好ましい。細胞培養アッセイ及び動物試験から得られたデータは、ヒトでの使用のための投薬量の範囲の製剤化において使用され得る。かかる化合物の投薬量は、最小毒性を有するED50を含む循環濃度の範囲内に好ましくある。投薬量は、用いられる剤形及び使用される投与経路に応じてこの範囲内で異なり得る。
Btk阻害剤化合物及びその薬学的に許容される塩
本明細書に記載されるBtk阻害剤化合物(すなわち、イブルチニブ)は、Btk及びBtkのシステイン481のアミノ酸配列位置と相同であり、チロシンキナーゼのアミノ酸配列位置にシステイン残基を有するキナーゼに対して選択的である。Btk阻害剤化合物は、(例えば、マイケル反応を介して)BtkのCys 481による共有結合を形成し得る。
いくつかの実施形態では、Btk阻害剤は、以下の構造を有する式(A)の化合物であって、
式中、
AがNであり、
R1が、フェニル−O−フェニルまたはフェニル−S−フェニルであり、
R2及びR3が、独立して、Hであり、
R4がL3−X−L4−Gであり、式中、
L3が任意選択であり、かつ結合が存在する場合に、任意に置換または非置換アルキル、任意に置換または非置換シクロアルキル、任意に置換または非置換アルケニル、任意に置換または非置換アルキニルであり、
Xが任意選択であり、かつ結合が存在する場合に、−O−、−C(=O)−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−NH−、−NR9−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−NR9C(O)−、−C(O)NR9−、−S(=O)2NH−、−NHS(=O)2−、−S(=O)2NR9−、−NR9S(=O)2−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−OC(O)NR9−、−NR9C(O)O−、−CH=NO−、−ON=CH−、−NR10C(O)NR10−、ヘテロアリール−、アリール−、−NR10C(=NR11)NR10−、−NR10C(=NR11)−、−C(=NR11)NR10−、−OC(=NR11)−、または−C(=NR11)O−であり、
L4が任意選択であり、かつ結合が存在する場合に、置換または非置換アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換複素環であるか、
またはL3、X、及びL4が一緒になって、窒素含有複素環式環を形成し、
Gが、
であり、
式中、
R6、R7、及びR8が独立して、H、ハロゲン、CN、OH、置換若しくは非置換アルキル、または置換若しくは非置換ヘテロアルキル、または置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアリールの中から選択され、
各R9が独立して、H、置換若しくは非置換低級アルキル、及び置換若しくは非置換低級シクロアルキルの中から選択され、
各R10が独立して、H、置換若しくは非置換低級アルキル、または置換若しくは非置換低級シクロアルキルであるか、または
2つのR10基が、一緒になって、5、6、7、または8員の複素環式環を形成することができるか、または
R10及びR11が、一緒になって、5、6、7、または8員の複素環式環を形成することができるか、または各R11が独立して、Hまたは置換若しくは非置換アルキル、またはその薬学的に許容される塩から選択される。いくつかの実施形態では、L3、X、及びL4が一緒になって、窒素含有複素環式環を形成する。いくつかの実施形態では、窒素含有複素環式環は、ピペリジン基である。いくつかの実施形態では、Gは、
である。いくつかの実施形態では、式(A)の化合物は、1−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンである。
「イブルチニブ」または「1−((R)−3−(4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン」または「1−{(3R)−3−[4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}プロプ−2−エン−1−オン」または「2−プロペン−1−オン、1−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−1−ピペリジニル−」またはイブルチニブまたは任意の他の好適な名称は、以下の構造を有する化合物を指す:
種々の薬学的に許容される塩は、イブルチニブから形成され、かつ、
−イブルチニブを有機酸(脂肪族モノ−及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシルアルカン酸、アルカン二酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸、アミノ酸等が含まれ、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸等が含まれる)と反応させることによって形成される酸付加塩、
−イブルチニブを無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸等が含まれる)と反応させることによって形成される酸付加塩、が含まれる。
イブルチニブに関連して、「薬学的に許容される塩」という用語は、イブルチニブの塩を指し、それが投与される哺乳動物に対して著しい刺激を生じず、化合物の生物学的活性及び特性を実質的には排除しない。
薬学的に許容される塩への言及は、溶媒付加形態(溶媒和物)を含むことを理解されたい。溶媒和物は、化学量論または非化学量論のいずれかの溶媒を含有し、水、エタノール、メタノール、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ニトロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、ヘプタン、トルエン、アニソール、アセトニトリル等の薬学的に許容される溶媒による産物形成または単離のプロセス中に形成される。一態様では、溶媒和物は、限定されないが、クラス3の溶媒(複数可)を使用して形成される。溶媒の種類は、例えば、日米EU医薬品規制調和国際会議(the International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use(ICH))の「不純物:残留溶媒についてのガイドライン(Impurities:Guidelines for Residual Solvents)Q3C(R3)、(2005年11月)において定義されている。水和物は、溶媒が水である場合に形成されるか、またはアルコラートは、溶媒がアルコールである場合に形成される。いくつかの実施形態では、イブルチニブまたはその薬学的に許容される塩の溶媒和物は、本明細書に記載されるプロセス中に都合よく調製されるか、または形成される。いくつかの実施形態では、イブルチニブの溶媒和物は、無水である。いくつかの実施形態では、イブルチニブまたはその薬学的に許容される塩は、非溶媒和形態で存在する。いくつかの実施形態では、イブルチニブまたはその薬学的に許容される塩は、非溶媒和形態で存在し、かつ無水である。
さらに他の実施形態では、イブルチニブまたはその薬学的に許容される塩は、非晶質相、結晶形態、粉砕形態、及びナノ粒子形態が挙げられるが、これらに限定されない、様々な形態で調製される。いくつかの実施形態では、イブルチニブまたはその薬学的に許容される塩は、非晶質である。いくつかの実施形態では、イブルチニブまたはその薬学的に許容される塩は、非晶質かつ無水である。いくつかの実施形態では、イブルチニブまたはその薬学的に許容される塩は、結晶質である。いくつかの実施形態では、イブルチニブまたはその薬学的に許容される塩は、結晶質かつ無水である。
いくつかの実施形態では、イブルチニブは、米国特許第7,514,444号に概要される通りに調製される。
いくつかの実施形態では、Btk阻害剤は、PCI−45292、PCI−45466、AVL−101/CC−101(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−263/CC−263(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−292/CC−292(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、AVL−291/CC−291(Avila Therapeutics/Celgene Corporation)、CNX 774(Avila Therapeutics)、BMS−488516(Bristol−Myers Squibb)、BMS−509744(Bristol−Myers Squibb)、CGI−1746(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CGI−560(CGI Pharma/Gilead Sciences)、CTA−056、GDC−0834(Genentech)、HY−11066(また、CTK4I7891、HMS3265G21、HMS3265G22、HMS3265H21、HMS3265H22、439574−61−5、AG−F−54930)、ONO−4059(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、ONO−WG37(Ono Pharmaceutical Co.,Ltd.)、PLS−123(Peking University)、RN486(Hoffmann−La Roche)、HM71224(Hanmi Pharmaceutical Company Limited)、及びLFM−A13である。
いくつかの実施形態では、Btk阻害剤は、4−(tert−ブチル)−N−(2−メチル−3−(4−メチル−6−((4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニル)アミノ)−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラジン−2−イル)フェニル)ベンズアミド(CGI−1746)、7−ベンジル−1−(3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)−2−(4−(ピリジン−4−イル)フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−g]キノキサリン−6(5H)−オン(CTA−056)、(R)−N−(3−(6−(4−(1,4−ジメチル−3−オキソピペラジン−2−イル)フェニルアミノ)−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラジン−2−イル)−2−メチルフェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド(GDC−0834)、6−シクロプロピル−8−フルオロ−2−(2−ヒドロキシメチル−3−{1−メチル−5−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル}−フェニル)−2H−イソキノリン−1−オン(RN−486)、N−[5−[5−(4−アセチルピペラジン−1−カルボニル)−4−メトキシ−2−メチルフェニル]スルファニル−1,3−チアゾール−2−イル]−4−[(3,3−ジメチルブタン−2−イルアミノ)メチル]ベンズアミド(BMS−509744,HY−11092)、若しくはN−(5−((5−(4−アセチルピペラジン−1−カルボニル)−4−メトキシ−2−メチルフェニル)チオ)チアゾール−2−イル)−4−(((3−メチルブタン−2−イル)アミノ)メチル)ベンズアミド(HY11066)、またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、Btk阻害剤は、
またはその薬学的に許容される塩である。
さらなるTECファミリーキナーゼ阻害剤
BTKは、キナーゼのチロシン−タンパク質キナーゼ(TEC)ファミリーの一員である。いくつかの実施形態では、TECファミリーは、BTK、ITK、TEC、RLK、及びBMXを含む。いくつかの実施形態では、TECファミリーキナーゼ阻害剤は、BTK、ITK、TEC、RLK、及びBMXのキナーゼ活性を阻害する。いくつかの実施形態では、TECファミリーキナーゼ阻害剤は、BTK阻害剤であり、これは本明細書の他の箇所に開示されている。いくつかの実施形態では、TECファミリーキナーゼ阻害剤は、ITK阻害剤である。いくつかの実施形態では、TECファミリーキナーゼ阻害剤は、TEC阻害剤である。いくつかの実施形態では、TECファミリーキナーゼ阻害剤は、RLK阻害剤である。いくつかの実施形態では、TECファミリーキナーゼ阻害剤は、BMK阻害剤である。
いくつかの実施形態では、ITK阻害剤は、ITKのシステイン442に共有結合する。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2002/0500071(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2005/070420(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2005/079791(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2007/076228(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2007/058832(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2004/016610(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2004/016611(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2004/016600(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2004/016615(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2005/026175(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2006/065946(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2007/027594(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2007/017455(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2008/025820(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2008/025821(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2008/025822(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2011/017219(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2011/090760(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2009/158571(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2009/051822(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、US2011/0281850(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2014/082085(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2014/093383(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、US8759358(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2014/105958(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、US2014/0256704(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、US2014/0315909(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、US2014/0303161(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、WO2014/145403(これは参照によりその全体が組み込まれる)に記載されるItk阻害剤化合物である。
いくつかの実施形態では、Itk阻害剤は、
から選択される構造を有する。
血液学的悪性疾患
血液学的悪性疾患の治療のために、TEC阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、血液学的悪性疾患は、白血病、リンパ腫、骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、T細胞悪性腫瘍、またはB細胞悪性腫瘍である。
いくつかの実施形態では、血液学的悪性疾患はT細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、T細胞悪性腫瘍は、末梢性T細胞リンパ腫分類不能(PTCL−NOS)、未分化大細胞リンパ腫、血管免疫芽球性リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATLL)、芽球性NK細胞リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、肝脾ガンマ−デルタT細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、鼻NK/T細胞リンパ腫、または治療関連T細胞リンパ腫である。
いくつかの実施形態では、血液学的悪性疾患は、B細胞増殖性疾患である。いくつかの実施形態では、癌は、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、または前リンパ球性白血病(PLL)である。いくつかの実施形態では、癌は、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症である。いくつかの実施形態では、DLBCLは、サブタイプ:活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC−DLBCL)、胚中心びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB DLBCL)、及び二重適合(DH)DLBCLにさらに分類される。いくつかの実施形態では、ABC−DLBCLは、CD79B突然変異を特徴とする。いくつかの実施形態では、ABC−DLBCLは、CD79A突然変異を特徴とする。いくつかの実施形態では、ABC−DLBCLは、MyD88、A20、またはこれらの組み合わせにおける突然変異を特徴とする。いくつかの実施形態では、癌は、急性または慢性骨髄性(または骨髄性)白血病、骨髄異形成症候群、または急性リンパ芽球性白血病である。
いくつかの実施形態では、癌は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。いくつかの実施形態では、癌は、活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC−DLBCL)である。いくつかの実施形態では、癌は、濾胞性リンパ腫(FL)である。いくつかの実施形態では、癌は、多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、癌は、慢性リンパ球性白血病(CLL)である。いくつかの実施形態では、癌は、小リンパ球性リンパ腫(SLL)である。いくつかの実施形態では、癌は、非CLL/SLLリンパ腫である。いくつかの実施形態では、癌は、高リスクCLLまたは高リスクSLLである。いくつかの実施形態では、癌は、PLLである。いくつかの実施形態では、癌は、MCLである。いくつかの実施形態では、癌は、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症である。
いくつかの実施形態では、癌は、未治療の癌である。場合によっては、未治療の癌は、治療薬によって、例えば、TEC阻害剤、抗CD20治療剤、及び/または本明細書で他の箇所に開示されるさらなる治療剤等によって治療されたことがない癌である。いくつかの実施形態では、未治療の癌は、血液学的癌である。
いくつかの実施形態では、未治療の血液学的癌は、白血病、リンパ腫、骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、T細胞悪性腫瘍、またはB細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、未治療の血液学的癌は、B細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、B細胞悪性腫瘍は、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、前リンパ球性白血病(PLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症である。いくつかの実施形態では、未治療の血液学的癌は、CLLである。いくつかの実施形態では、未治療の血液学的癌は、SLLである。いくつかの実施形態では、未治療の血液学的癌は、DLBCLである。いくつかの実施形態では、未治療の血液学的癌は、マントル細胞リンパ腫である。いくつかの実施形態では、未治療の血液学的癌は、FLである。いくつかの実施形態では、未治療の血液学的癌は、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症である。いくつかの実施形態では、未治療の血液学的癌は、多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、未治療の血液学的癌は、バーキットリンパ腫である。いくつかの実施形態では、未治療の血液学的癌は、PLLである。
いくつかの実施形態では、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、前リンパ球性白血病(PLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症から選択される血液学的悪性疾患の治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、CLLの治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、SLLの治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、PLLの治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、DLBCLの治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、MCLの治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症の治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、前リンパ球性白血病(PLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症から選択される血液学的悪性疾患の治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、CLLの治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、SLLの治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、PLLの治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、DLBCLの治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、MCLの治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症の治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、前リンパ球性白血病(PLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症から選択される血液学的悪性疾患の治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、CLLの治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、SLLの治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、PLLの治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、DLBCLの治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、MCLの治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症の治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、前リンパ球性白血病(PLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症から選択される未治療の血液学的悪性疾患の治療のために、TEC阻害剤(例えば、イブルチニブ等のITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
再発性または難治性血液学的悪性疾患
いくつかの実施形態では、血液学的癌は、再発性または難治性血液学的癌である。いくつかの実施形態では、再発性または難治性血液学的癌は、白血病、リンパ腫、骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、T細胞悪性腫瘍、またはB細胞悪性腫瘍である。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性血液学的癌は、T細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、再発性または難治性T細胞悪性腫瘍は、末梢性T細胞リンパ腫分類不能(PTCL−NOS)、未分化大細胞リンパ腫、血管免疫芽球性リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATLL)、芽球性NK細胞リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、肝脾ガンマ−デルタT細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、鼻NK/T細胞リンパ腫、または治療関連T細胞リンパ腫である。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性血液学的癌は、B細胞増殖性障害である。いくつかの実施形態では、再発性または難治性癌は、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、または前リンパ球性白血病(PLL)である。いくつかの実施形態では、癌は、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症である。いくつかの実施形態では、再発性または難治性DLBCLは、サブタイプ:活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC−DLBCL)、胚中心びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB DLBCL)、及び二重適合(DH)DLBCLにさらに分類される。いくつかの実施形態では、ABC−DLBCLは、CD79B突然変異を特徴とする。いくつかの実施形態では、ABC−DLBCLは、CD79A突然変異を特徴とする。いくつかの実施形態では、ABC−DLBCLは、MyD88、A20、またはこれらの組み合わせにおける突然変異を特徴とする。いくつかの実施形態では、癌は、急性または慢性骨髄性(または骨髄性)白血病、骨髄異形成症候群、または急性リンパ芽球性白血病である。
いくつかの実施形態では、癌は、再発性または難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。いくつかの実施形態では、癌は、再発性または難治性活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC−DLBCL)である。いくつかの実施形態では、癌は、再発性または難治性濾胞性リンパ腫(FL)である。いくつかの実施形態では、癌は、再発性または難治性多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、癌は、再発性または難治性慢性リンパ球性白血病(CLL)である。いくつかの実施形態では、癌は、再発性または難治性小リンパ球性リンパ腫(SLL)である。いくつかの実施形態では、癌は、再発性または難治性非CLL/SLLリンパ腫である。いくつかの実施形態では、癌は、再発性または難治性高リスクCLLまたは高リスクSLLである。いくつかの実施形態では、癌は、再発性または難治性PLLである。いくつかの実施形態では、癌は、再発性または難治性MCLである。いくつかの実施形態では、癌は、再発性または難治性ワルデンシュトレームマクログロブリン血症である。
いくつかの実施形態では、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、前リンパ球性白血病(PLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症から選択される再発性または難治性の血液学的悪性疾患の治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性CLLの治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性SLLの治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性PLLの治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性DLBCLの治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性MCLの治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性ワルデンシュトレームマクログロブリン血症の治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、前リンパ球性白血病(PLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症から選択される再発性または難治性の血液学的悪性疾患の治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性CLLの治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性SLLの治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性PLLの治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性DLBCLの治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性MCLの治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性ワルデンシュトレームマクログロブリン血症の治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、前リンパ球性白血病(PLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症から選択される再発性または難治性の血液学的悪性疾患の治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性CLLの治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性SLLの治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性PLLの治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性DLBCLの治療のために、イブルチニブ 抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性MCLの治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性ワルデンシュトレームマクログロブリン血症の治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、再発性または難治性血液学的癌は、再発性または難治性イブルチニブ耐性血液学的癌である。いくつかの実施形態では、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、前リンパ球性白血病(PLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症から選択される再発性または難治性イブルチニブ耐性血液学的悪性疾患の治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
転移性血液学的悪性疾患
いくつかの実施形態では、血液学的癌は、転移性血液学的癌である。いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、白血病、リンパ腫、骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、T細胞悪性腫瘍、またはB細胞悪性腫瘍である。
いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、T細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、T細胞悪性腫瘍は、末梢性T細胞リンパ腫分類不能(PTCL−NOS)、未分化大細胞リンパ腫、血管免疫芽球性リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATLL)、芽球性NK細胞リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、肝脾ガンマ−デルタT細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、鼻NK/T細胞リンパ腫、または治療関連T細胞リンパ腫である。
いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、B細胞増殖性障害である。いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、または前リンパ球性白血病(PLL)である。いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症である。いくつかの実施形態では、DLBCLは、サブタイプ:活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC−DLBCL)、胚中心びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB DLBCL)、及び二重適合(DH)DLBCLにさらに分類される。いくつかの実施形態では、ABC−DLBCLは、CD79B突然変異を特徴とする。いくつかの実施形態では、ABC−DLBCLは、CD79A突然変異を特徴とする。いくつかの実施形態では、ABC−DLBCLは、MyD88、A20、またはこれらの組み合わせにおける突然変異を特徴とする。いくつかの実施形態では、癌は、急性または慢性骨髄性(または骨髄性)白血病、骨髄異形成症候群、または急性リンパ芽球性白血病である。
いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC−DLBCL)である。いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、濾胞性リンパ腫(FL)である。いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、慢性リンパ球性白血病(CLL)である。いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、小リンパ球性リンパ腫(SLL)である。いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、非CLL/SLLリンパ腫である。いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、高リスクCLLまたは高リスクSLLである。いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、PLLである。いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、MCLである。いくつかの実施形態では、転移性血液学的癌は、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症である。
いくつかの実施形態では、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、前リンパ球性白血病(PLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症から選択される転移性血液学的悪性疾患の治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性CLLの治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性SLLの治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性PLLの治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性DLBCLの治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性MCLの治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性ワルデンシュトレームマクログロブリン血症の治療のために、TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、前リンパ球性白血病(PLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症から選択される転移性血液学的悪性疾患の治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性CLLの治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性SLLの治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性PLLの治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性DLBCLの治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性MCLの治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性ワルデンシュトレームマクログロブリン血症の治療のために、BTK阻害剤及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、前リンパ球性白血病(PLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、またはリンパ腫様肉芽腫症から選択される転移性血液学的悪性疾患の治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性CLLの治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性SLLの治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性PLLの治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性DLBCLの治療のために、イブルチニブ 抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性MCLの治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、転移性ワルデンシュトレームマクログロブリン血症の治療のために、イブルチニブ及び抗CD20治療剤を併用投与するための方法及び併用投与レジメンが、本明細書に記載される。
さらなる治療剤
TEC阻害剤(例えば、ITK阻害剤またはBTK阻害剤)、抗CD20治療剤、及びさらなるさらなる治療剤を併用投与する方法及び併用投与レジメンが、本明細書に開示され、含まれる。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、化学療法剤、ステロイド、鎮痛剤、免疫療法剤、標的療法、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、B細胞受容体経路阻害剤である。いくつかの実施形態では、B細胞受容体経路阻害剤は、CD79A阻害剤、CD79B阻害剤、CD19阻害剤、Lyn阻害剤、Syk阻害剤、PI3K阻害剤、Blk阻害剤、PLCγ阻害剤、PKCβ阻害剤、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、抗体、B細胞受容体シグナル伝達阻害剤、PI3K阻害剤、IAP阻害剤、mTOR阻害剤、放射線免疫治療薬、DNA損傷薬剤、プロテオソーム阻害剤ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、タンパク質キナーゼ阻害剤、ヘッジホッグ阻害剤、Hsp90阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、Jak1/2阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、PKC阻害剤、PARP阻害剤、またはこれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、アセトアミノフェン等の鎮痛剤を含む。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、LYN、SYK、JAK、PI3K、PLCγ、MAPK、MEK、またはNFκBの阻害剤から選択される薬剤を含む。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、ベンダムスチン、ボルテゾミブ、レナリドマイド、イデラリシブ(GS−1101)、ボリノスタット、エベロリムス、パノビノスタット、テムシロリムス、ロミデプシン、ボリノスタット、フルダラビン、シクロホスファミド、ミトキサントロン、ペントスタチン、プレドニゾン、エトプシド、プロカルバジン、及びサリドマイドから選択される薬剤を含む。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、ベンダムスチンである。いくつかの実施形態では、ボルテゾミブは、リツキシマブと併用投与される。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、ボルテゾミブである。いくつかの実施形態では、ベンダムスチンは、リツキシマブと併用投与される。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、レナリドマイドである。いくつかの実施形態では、レナリドマイドは、リツキシマブと併用投与される。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、多剤治療レジメンである。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、HyperCVADレジメン(シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン、メトトレキサート及びシタラビンを交互に投与)を含む。いくつかの実施形態では、HyperCVADレジメンでは、リツキシマブと併用投与される。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、R−CHOPレジメント(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)を含む。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、FCRレジメン(FCR(フルダラビン、シクロホスファミド、リツキシマブ)を含む。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、FCMRレジメン(フルダラビン、シクロホスファミド、ミトキサントロン、リツキシマブ)を含む。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、FMRレジメン(フルダラビン、ミトキサントロン、リツキシマブ)を含む。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、PCRレジメン(ペントスタチン、シクロホスファミド、リツキシマブ)を含む。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、PEPCレジメン(プレドニゾン、エトポシド、プロカルバジン、シクロホスファミド)を含む。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、90Y−イブリツモマブ・チウキセタンまたは131I−トシツモマブによる放射線免疫療法を含む。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、自家幹細胞移植である。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、ナイトロジェンマスタード類、例えば、ベンダムスチン、クロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、プレドニムスチン、トロホスファミド;アルキルスルホン酸塩、例えばブスルファン、マンノスルファン、トレオスルファン;エチレンイミン、例えばカルボコン、チオテパ、トリアジコン;ニトロソ尿素、例えばカルムスチン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン;エポキシド類、例えばエトグルシド;他のアルキル化剤、例えばダカルバジン、ミトブロニトール、ピポブロマン、テモゾロミド;葉酸類似体、例えばメトトレキサート、ペルメトレキセド、プララトレキセート、ラルチトレキセド;プリン類似体、例えばクラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ネララビン、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えばアザシチジン、カペシタビン、カルモフール、シタラビン、デシタビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、テガフール;ビンカアルカロイド類、例えばビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン;ポドフィロトキシン誘導体、例えばエトポシド、テニポシド;コルヒチン誘導体、例えばデメコルチン;タキサン類、例えばドセタキセル、パクリタキセル、パクリタキセルポリグルメックス;その他の植物アルカロイド及び天然物、例えばトラベクテジン;アクチノマイシン類、例えばダクチノマイシン;アントラサイクリン類、例えばアクラルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ピラルビシン、バルルビシン、ゾルビンシン;その他の細胞毒性抗生物質、例えばブレオマイシン、イクサベピロン、マイトマイシン、プリカマイシン;白金化合物、例えばカルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン;メチルヒドラジン類、例えばプロカルバジン;感作性物質、例えばアミノレブリン酸、エファプロキシラル、メチルアミノレブリネート、ポルフィマーナトリウム、テモポルフィン;プロテインキナーゼ阻害剤、例えばダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾナニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス;その他の抗新生物薬、例えばアリトレチノイン、アルトレタミン、アムザクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、ベキサロテン、ボルテゾミブ、セレコキシブ、デニロイキンジフチトクス、エストラムスチン、ヒドロキシルカルバミド、イリノテカン、ロニダミン、マソプロコール、ミルテフォセイン、ミトグアゾン、ミトタン、オブリメルセン、ペガスパルガーゼ、ペントスタチン、ロミデプシン、シチマゲンセラデノベク、チアゾフリン、トポテカン、トレチノイン、ボリノスタット;エストロゲン類、例えばジエチルスチルベノール、エチニルエストラジオール、ホスフェストロール、ポリエストラジオールホスフェート;プロゲステロン類、例えばゲストノロン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール;ゴナドトロピン放出ホルモン類似体、例えばブセレリン、ゴセレリン、リュープロレリン、トリプトレリン;抗エストロゲン、例えばフルベストラント、タモキシフェン、トレミフェン;抗アンドロゲン、例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、酵素阻害剤、アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタン、レトロゾール、ボロゾール;その他のホルモン拮抗剤、例えばアバレリクス、デガレリクス;免疫刺激剤、例えばヒスタミン二塩酸塩、ミファムルチド、ピドチモド、プレリキサフォル、ロキニメックス、チモペンチン;免疫抑制剤、例えばエベロリムス、グスペリムス、レフルノミド、ミコフェノール酸、シロリムス;カルシニューリン阻害剤、例えばシクロスポリン、タクロリムス;その他の免疫抑制剤、例えばアザチオプリン、レナリドミド、メトトレキサート、サリドマイド;ならびに放射性医薬品、例えばイオベングアンから選択される。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、成長因子等から選択される。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、アンセスチム、フィルグラスチム、レノグラスチム、モルグラモスチム、ペグフィルグラスチム、サルグラモスチム;インターフェロン類、例えば天然インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファコン−1、インターフェロンアルファ−n1、天然インターフェロンベータ、インターフェロンベータ−1a、インターフェロンベータ−1b、インターフェロンガンマ、ペグインターフェロンアルファ−2a、ペグインターフェロンアルファ−2b;インターロイキン類、例えばアルデスロイキン、オプレルベキン;その他の免疫賦活剤、例えばBCGワクチン、酢酸グラチラマー、ヒスタミン二塩酸塩、イムノシアニン、レンチナン、メラノーマワクチン、ミファムルチド、ペガデマーゼ、ピドチモド、プレリキサフォル、ポリI:C、ポリICLC、ロキニメックス、タソネルミン、チモペンチン;免疫抑制剤、例えばアバタセプト、アベチムス、アレファセプト、抗リンパ球イムノグロブリン(ウマ)、抗胸腺細胞イムノグロブリン(ウサギ)、エクリズマブ、エファリズマブ、エベロリムス、グスペリムス、レフルノミド、ムロマブ−CD3、ミコフェノール酸、ナタリズマブ、シロリムス;TNFアルファ阻害剤、例えばアダリムマブ、アフェリモマブ、セルトリズマブペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ;インターロイキン阻害剤、例えばアナキンラ、バシリキシマブ、カナキヌマブ、ダクリズマブ、メポリズマブ、リロナセプト、トシリズマブ、ウステキヌマブ;カルシニューリン阻害剤、例えばシクロスポリン、タクロリムス;その他の免疫抑制剤、例えばアザチオプリン、レナリドミド、メトトレキサート、サリドマイドから選択される。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、アダリムマブ、アレムツズマブ、バシリキシマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、セルトリズマブペゴル、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、ゲムツズマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、インフリキシマブ、ムロモナブ−CD3、ナタリズマブ、パニツムマブ、ラニビズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ等、またはこれらの組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、モノクローナル抗体、例えばアレムツズマブ、ベバシズマブ、カツマキソマブ、セツキシマブ、エドレコロマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ;免疫抑制剤、例えばエクリズマブ、エファリズマブ、ムロマブ−CD3、ナタリズマブ;TNFアルファ阻害剤、例えばアダリムマブ、アフェリモマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、インフリキシマブ;インターロイキン阻害剤、例えばバシリキシマブ、カナキヌマブ、ダクリズマブ、メポリズマブ、トシリズマブ、ウステキヌマブ;放射性医薬品、イブリツモマブ・チウキセタン、トシツモマブ;その他のモノクローナル抗体、例えばアバゴボマブ、アデカツムマブ、アレムツズマブ、抗CD30モノクローナル抗体Xmab2513、抗METモノクローナル抗体MetMab、アポリズマブ、アポマブ、アルシツモマブ、バシリキシマブ、二重特異性抗体2B1、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブ・ベドチン、カプロマブペンデチド、シクスツムマブ、クラウジキシマブ、コナツムマブ、デカツムマブ、デノスマブ、エクリズマブ、エプラツズマブ、エプラツズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、フィギツムマブ、フレソリムマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ジェムツズマブ・オゾガミシン、グレムバツムマブ、イブリツモマブ、イノツズマブ・オゾガミシン、イピリムマブ、レクサツムマブ、リンツズマブ、リンツズマブ、ルカツムマブ、マパツムマブ、マツズマブ、ミラツズマブ、モノクローナル抗体CC49、ネシツムマブ、ニモツズマブ、オレゴボマブ、ペルツズマブ、ラマクリマブ、ラニビズマブ、シプリズマブ、ソネプシズマブ、タネズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレメリムマブ、ツコツズマブ・セルモロイキン、ベルツズマブ、ビジリズマブ、ボロシキシマブ、ザルツムマブから選択される。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、細胞のシグナル伝達ネットワーク(例えば、B細胞受容体及びIgE受容体からシグナルを発信する、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)シグナル伝達経路)等の腫瘍微小環境に影響を与える薬剤から選択される。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、PI3Kシグナル伝達阻害剤またはsycキナーゼ阻害剤である。一実施形態では、syk阻害剤は、R788である。別の実施形態では、ほんの一例としてエンザスタウリン等のPKCγ阻害剤である。
腫瘍微小環境に影響を与える薬剤の例には、PI3Kシグナル伝達阻害剤、sycキナーゼ阻害剤、プロテインキナーゼ阻害剤、例えばダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾナニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス;その他の血管形成阻害剤、例えば、GT−111、JI−101、R1530;その他のキナーゼ阻害剤、例えばAC220、AC480、ACE−041、AMG900、AP24534、Arry−614、AT7519、AT9283、AV−951、アキシチニブ、AZD1152、AZD7762、AZD8055、AZD8931、バフェチニブ、BAY73−4506、BGJ398、BGT226、BI811283、BI6727、BIBF1120、BIBW2992、BMS−690154、BMS−777607、BMS−863233、BSK−461364、CAL−101、CEP−11981、CYC116、DCC−2036、ジナシクリブ、乳酸ドビチニブ、E7050、EMD1214063、ENMD−2076、ホスタマチニブ・ジナトリウム、GSK2256098、GSK690693、INCB18424、INNO−406、JNJ−26483327、JX−594、KX2−391、リニファニブ、LY2603618、MGCD265、MK−0457、MK1496、MLN8054、MLN8237、MP470、NMS−1116354、NMS−1286937、ON 01919.Na,OSI−027、OSI−930、Btk阻害剤、PF−00562271、PF−02341066、PF−03814735、PF−04217903、PF−04554878、PF−04691502、PF−3758309、PHA−739358、PLC3397、プロゲニポイエチン、R547、R763、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、RO5185426、SAR103168、SCH 727965、SGI−1176、SGX523、SNS−314、TAK−593、TAK−901、TKI258、TLN−232、TTP607、XL147、XL228、XL281RO5126766、XL418、XL765が含まれる。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼシグナル伝達の阻害剤、例えばU0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY−142886、SB239063、SP600125、BAY 43−9006、ウォルトマニン、またはLY294002;Syk阻害剤;mTOR阻害剤;及び抗体(例えばリツキサン)から選択される。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アムボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテーパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビスアントレン;二メシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デクソロマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアミン;ジアジクオン;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキセート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロオシタビン;ホスキドン;フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イイモホシン;インターロイキンII(組み換え型インターロイキンIIまたはrlL2を含む)、インターフェロンアルファ−2a;インターフェロンアルファ−2b;インターフェロンアルファ−n1;インターフェロンアルファ−n3;インターフェロンベータ−la;インターフェロンガンマ−lb;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメテレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾイ(nocodazoie);ノガラマイシン;オルマプラチン;オクシスラン;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシビリン;トリメトレキサート;グルグロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート;硫酸ビンレウロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシンから選択される。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、20−epi−1、25のジヒドロキシビタミンD3;5‐エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アキルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アムバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラフォライド;血管形成阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗背側化形態形成タンパク質(anti−dorsalizing morphogenetic protein)−1;抗アンドロゲン前立腺癌;抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィジコリン;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシス調節剤;アプリン酸;ara−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ−アレチン;ベータクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビスアントレン;ビサジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシイミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリア痘IL−2;カペシタビン;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN‐700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カセインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;cis‐ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベスシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;9−ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト、エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン;ホルフェニメックス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ハプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロニック酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫促進ペプチド;例えば、成長因子−1受容体阻害剤等のインスリン;インターフェロンアゴニスト、インターフェロン;インターロイキン;ヨーベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール,4−;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン−Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病抑制因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミソール;リアロゾール;線状ポリアミン類似体;脂溶性二糖ペプチド;脂溶性白金化合物;リッソクリナミド(lissoclinamide)7;ロバプラチン;ロムブリシン;ロメトレキソール(lometrexol);ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ラルトテカン(lurtotecan);ルテチウム・テキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリックスメタロプロテアーゼ(metalloproteinase)阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;不適正二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;マイトトキシン繊維芽細胞成長因子サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+マイオバクテリア(myobacterium)細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;外発性腫瘍抑制因子1に基づく治療;マスタード抗癌剤;ミカペロキシドB;マイコバクテリアの細胞壁抽出液;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N−置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド酸化防止剤;ニトルリン;O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘発因子;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリスルフェート・ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲン活性化因子阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金−トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス−アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;タンパク質Aベースの免疫変調成分;タンパク質キナーゼC阻害剤;タンパク質キナーゼC阻害剤、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビン・ポリオキシエチレン(polyoxyethylerie)共役;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビジノン(rubiginone)B1;ルボキシル(ruboxyl);サフィンゴール;セイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1模倣薬;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル報伝達モジュレーター;一本鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプテイトナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;サルフィノシン;超活性血管作用性小腸ペプチドアンタゴニスト;サラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;サリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣薬;チマルファシン;チモポエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;エチルエチオプロプリンすず;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;分化全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド(turosteride);チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクトル系赤血球遺伝子療法;ベラレゾール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;及びジノスタチンスチマラマーから選択される。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、アルキル化剤、代謝拮抗剤、天然産生物、またはホルモン、例えばナイトロジェンマスタード(例えばメクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル等)、スルホン酸アルキル(例えばブスルファン)、ニトロソ尿素(例えばカルムスチン、ロムスチン等)、またはトリアゼン(デカルバジン等)から選択される。代謝拮抗剤の例としては、葉酸類似体(例えばメトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例えばシタラビン)、プリン類似体(例えばメルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、ナイトロジェンマスタード(例えばメクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン等)、エチレンイミン及びメチルメラミン(例えばヘキサメチルメラミン、チオテパ)、スルホン酸アルキル(例えばブスルファン)、ニトロソ尿素(例えばカルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン等)、またはトリアゼン(デカルバジンなど)から選択される。代謝拮抗薬の例としては、葉酸類似体(例えばメトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例えばフルオロウラシル、フロクソウリジン、シタラビン)、プリン類似体(例えばメルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチンが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、微小管の安定化により、細胞をG2−M期に停止させることによって作用する薬剤、例えば、エルブロゾール(R−55104としても知られている)、ドラスタチン10(DLS−10及びNSC−376128としても知られている)、ミボブリンイセチオネート(CI−980としても知られている)、ビンクリスチン、NSC−639829、ディスコデルモリド(NVP−XX−A−296としても知られている)、ABT−751(Abbott、E−7010としても知られている)、アルトリルチン(アルトリルチンA及びアルトリルチンC等)、スポンジスタチン(スポンジスタチン1、スポンジスタチン2、スポンジスタチン3、スポンジスタチン4、スポンジスタチン5、スポンジスタチン6、スポンジスタチン7、スポンジスタチン8、及びスポンジスタチン9)、塩酸セマドチン(LU−103793及びNSC−D−669356としても知られている)、エポチロン(例えばエポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(デソキシエポチロンA、またはdEpoAとしても知られている)、エポチロンD(KOS−862、dEpoB、及びデソキシエポチロンBとも称される)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンB N−オキシド、エポチロンA N−オキシド、16−アザ−エポチロンB、21−アミノエポチロンB(BMS−310705としても知られている)、21−ヒドロキシエポチロンD(デソキシエポチロンF及びdEpoFとしても知られている)、26−フルオロエポチロン)、アウリスタチンPE(NSC−654663としても知られている)、ソブリドチン(TZT−1027としても知られている)、LS−4559−P(Pharmacia、LS−4577としても知られている)、LS−4578(Pharmacia、LS−477−Pとしても知られている)、LS−4477(Pharmacia)、LS−4559(Pharmacia)、RPR−112378(Aventis)、硫酸ビンクリスチン、DZ−3358(Daiichi)、FR−182877(Fujisawa、WS−9885Bとしても知られている)、GS−164(Takeda)、GS−198(Takeda)、KAR−2(Hungarian Academy of Sciences)、BSF−223651(BASF、ILX−651及びLU−223651としても知られている)、SAH−49960(Lilly/Novartis)、SDZ−268970(Lilly/Novartis)、AM−97(Armad/Kyowa Hakko)、AM−132(Armad)、AM−138(Armad/Kyowa Hakko)、IDN−5005(Indena)、cryptophycin 52(LY−355703としても知られている)、AC−7739(Ajinomoto、AVE−8063A及びCS−39.HCIとしても知られている)、AC−7700(Ajinomoto、AVE−8062、AVE−8062A、CS−39−L−Ser.HCI、及びRPR−258062Aとしても知られている)、ビチレブアミド、ツブリシンA、カナデンソール、センタウレイジン(NSC−106969としても知られている)、T−138067(Tularik、T−67、TL−138067、及びTI−138067としても知られている)、COBRA−1(Parker Hughes Institute、DDE−261及びWHI−261としても知られている)、H10(Kansas State University)、H16(Kansas State University)、オンコシジンA1(BTO−956及びDIMEとしても知られている)、DDE−313(Parker Hughes Institute)、フィジアノリドB、ラウリマリド、SPA−2(Parker Hughes Institute)、SPA−1(Parker Hughes Institute、SPIKET−Pとしても知られている)、3−IAABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、MF−569としても知られている)、ナルコシン(NSC−5366としても知られている)、ナスカピン、D−24851(Asta Medica)、A−105972(Abbott)、ヘミアステルリン、3−BAABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、MF−191としても知られている)、TMPN(Arizona State University)、バナドセンアセチルアセトネート、T−138026(Tularik)、モンサトロール、イナコシン(NSC−698666としても知られている)、3−lAABE(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine)、A−204197(Abbott)、T−607(Tuiarik、T−900607としても知られている)、RPR−115781(Aventis)、エリュテロビン(デスメチルエリュテロビン、デスアセチルエリュテロビン、イソエリュテロビンA、及びZ−エリュテロビン等)、カリバエオシド、カリバエオリン、ハリコンドリンB、D−64131(Asta Medica)、D−68144(Asta Medica)、ジアゾナミドA、A−293620(Abbott)、NPI−2350(Nereus)、タッカロノリドA、TUB−245(Aventis)、A−259754(Abbott)、ジオゾスタチン、(−)−フェニルアヒスチン(NSCL−96F037としても知られている)、D−68838(Asta Medica)、D−68836(Asta Medica)、ミオセベリンB、D−43411(Zentaris、D−81862としても知られている)、A−289099(Abbott)、A−318315(Abbott)、HTI−286(SPA−110、トリフルオロ酢酸塩としても知られている)(Wyeth)、D−82317(Zentaris)、D−82318(Zentaris)、SC−12983(NCI)、リン酸レスベラスタチンナトリウム、BPR−OY−007(National Health Research Institutes)、及びSSR−250411(Sanofi)から選択される。
薬学的組成物/製剤
ある特定の実施形態では、TEC阻害剤(例えばITK阻害剤、BTK阻害剤、例えば共有結合BTK阻害剤)、及び/または抗CD20治療剤を含む、B細胞増殖性障害の治療を必要とする個体における、B細胞増殖性障害を治療するための組成物が、本明細書に開示される。ある特定の実施形態では、共有結合Btk阻害剤(例えば不可逆的共有結合BTK阻害剤、例えばイブルチニブ)及び/または抗CD20治療剤を含む、B細胞増殖性障害の治療を必要とする個体における、B細胞増殖性障害を治療するための組成物が、本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、B細胞増殖性障害に対し、共有結合Btk阻害剤(例えば不可逆的共有結合BTK阻害剤、例えばイブルチニブ)は無効である。いくつかの実施形態では、B細胞増殖性障害は、再発性である。いくつかの実施形態では、B細胞増殖性障害は、マントル細胞リンパ腫である。
いくつかの実施形態では、共有結合BTK阻害剤は、式(A)の化合物である。いくつかの実施形態では、共有結合Btk阻害剤は、(R)−1−(3−(4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(すなわち、PCI−32765/イブルチニブ)である。
共有結合Btk阻害剤(例えば不可逆的共有結合BTK阻害剤、例えばイブルチニブ)及び/または抗CD20治療剤の薬学的組成物は、活性化合物を薬学的に使用され得る調製物に処理するのを促進する賦形剤及び助剤を含む、1つ以上の生理学的に許容される担体を使用する、従来の様式で製剤化される。適切な製剤は、選択された投与経路に依存する。本明細書に記載される薬学的組成物の要約は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995)、Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975、Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980、及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)において見出される。
薬学的組成物は、本明細書で使用される場合、共有結合Btk阻害剤(例えば不可逆的共有結合BTK阻害剤、例えばイブルチニブ)及び/または抗CD20治療剤と、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、増粘安定剤、及び/または賦形剤等の他の化学成分との混合物を指す。
薬学的組成物は、ほんの一例として、従来の混合、溶解、造粒、ドラゼー製法、微粒子化、乳化、カプセル化、封入、または圧縮プロセス等を用いて、従来の様式で任意に製造される。
ある特定の実施形態では、組成物はまた、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、及び塩酸等の酸;水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、及びトリヒドロキシメチルアミノメタン等の塩基;ならびにシトラート/デキストロース、重炭酸ナトリウム、及び塩化アンモニウム等の緩衝液を含む、1つ以上のpH調節剤または緩衝剤を含んでもよい。かかる酸、塩基、及び緩衝液は、組成物のpHを許容される範囲で維持するのに必要とされる量で含まれる。
他の実施形態では、組成物はまた、組成物のオスモル濃度を許容される範囲にするのに必要とされる量で1つ以上の塩を含んでもよい。かかる塩は、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、またはアンモニウムカチオン及び塩化物アニオン、クエン酸アニオン、アスコルビン酸アニオン、ホウ酸アニオン、リン酸アニオン、重炭酸アニオン、硫酸アニオン、チオ硫酸アニオン、または亜硫酸水素アニオンを有するものを含み、適切な塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、及び硫酸アンモニウムを含む。
本明細書で使用される、「薬学的な組み合わせ」という用語は、1つを超える活性成分の混合または組み合わせに由来する生成物を意味し、活性成分の固定された及び固定されない組み合わせの両方を含む。「固定された組み合わせ」という用語は、活性成分、例えば本明細書に記載される化合物及び補助剤の両方が、単一体または単一用量の形態で患者に同時に投与されることを意味する。「固定されない組み合わせ」という用語は、活性成分、例えば本明細書に記載される化合物及び補助剤が、具体的な時間制限の介入なく同時に、平行して、または連続して別々に患者に投与されることを意味し、かかる投与は、患者の身体に有効量の2つの化合物を提供する。後者はまた、カクテル療法、例えば、3つ以上の活性成分の投与にも当てはまる。
本明細書に記載される薬学的製剤の投与経路には、経口、非経口(例えば静脈内、皮下、筋肉内)、鼻腔内、頬側、局所、経腸、または経皮が挙げられるが、これらに限定されない、任意の好適な投与経路によって投与される。
本明細書に記載される薬学的組成物は、治療される個体による経口摂取のための水性経口分散、液体、ゲル、シロップ剤、エリキシル剤、スラリー、懸濁液等、固体の経口投薬剤形、エアゾール剤、制御放出製剤、速溶製剤、発泡性製剤、凍結乾燥製剤、錠剤、散剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、遅延解除性製剤、拡張放出製剤、パルス放出製剤、多重微粒子の製剤、ならびに即時混合放出及び制御放出製剤が挙げられるが、これらに限定されない、任意の好適な剤形に製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、カプセル剤に製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、溶剤(例えば、静脈内投与のための)に製剤化される。
本明細書に記載される薬学的固形の剤形は、任意に、本明細書に記載される化合物、及び互換性を持つ担体、結合剤、充填剤、懸濁化剤、香料添加剤、甘味剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、希釈剤、溶解剤、湿潤剤、可塑剤、安定剤、浸透促進剤、湿潤剤、消泡剤、酸化防止剤、防腐剤等の1つ以上の薬学的に許容される添加剤、またはこれらの1つ以上の組み合わせを含む。
さらに他の態様では、Remington’s Pharmaceutical Sciences,20th Edition(2000)に記載されていたもの等の標準のコーティング手順を使用し、膜コーティングは、組成物の周りに提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、(例えば、カプセル剤による投与のために)粒子に製剤化され、粒子のいくつかまたはすべてがコーティングされる。いくつかの実施形態では、組成物は、(例えば、カプセル剤による投与のために)粒子に製剤化され、粒子のいくつかまたはすべてがマイクロカプセル化される。いくつかの実施形態では、組成物は、(例えば、カプセル剤による投与のために)粒子に製剤化され、粒子のいくつかまたはすべてがマイクロカプセル化されず、コーティングされない。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される組成物はまた、微生物活性を阻害する1つ以上の防腐剤も含んでもよい。好適な防腐剤は、メルフェン及びチオマーサル等の水銀包含物質;安定した二酸化塩素;及び塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、及び塩化セチルピリジニウム等の四級アンモニウム化合物を含む。
「消泡剤」は、処理中の泡立ちを減少させ、水性分散液の凝析をもたらし、完成した膜中に泡ができる、または一般に処理に障害をもたらすことがある。例示的な消泡剤は、シリコンエマルジョンまたはソルビタンセスクオリートを含む。
「酸化防止剤」は、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、及びトコフェロールを含む。ある特定の実施形態では、酸化防止剤は、必要な場合、化学安定性を高める。
本明細書に記載される製剤は、酸化防止剤、金属キレート剤、チオール含有化合物、及び他の一般的な安定剤から恩恵を受け得る。かかる安定剤の例としては、(a)約0.5%〜約2%w/vのグリセロール、(b)約0.1%〜約1%w/vのメチオニン、(c)約0.1%〜約2%w/vのモノチオグリセロール、(d)約1mM〜約10mM EDTA、(e)約0.01%〜約2%w/vのアスコルビン酸、(f)0.003%〜約0.02%w/vのポリソルベート80、(g)0.001%〜約0.05%w/vのポリソルベート20、(h)アルギニン、(i)ヘパリン、(j)硫酸デキストラン、(k)シクロデキストリン、(l)ペントサンポリサルフェート及び他のヘパリノイド、(m)マグネシウム及び亜鉛等の二価カチオン;または(n)これらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
「結合剤」は、粘着性のある性質を与え、例えば、アルギン酸及びその塩;カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、メチルセルロース(例えばMethocel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えばKlucel(登録商標))、エチルセルロース(例えばEthocel(登録商標))、及び微結晶性セルロース(例えばAvicel(登録商標));微結晶デキストロース;アミロース;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;多糖類酸;ベントナイト;ゼラチン;ポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー;クロスポビドン;ポビドン;デンプン;アルファデンプン;トラガカントゴム、デキストリン、スクロース(例えばDipac(登録商標))等の砂糖、グルコース、グルコース、糖蜜、マンニトール、ソルビトール、キシリトール(例えばXylitab(登録商標))及び乳糖;アカシア等の天然若しくは合成のゴム、トラガカントゴム、ガッチ(ghatti)ガム、イサポール皮(isapol husk)の粘液、ポリビニルピロリドン(例えばPolyvidone(登録商標)CL、Kollidon(登録商標)CL、Polyplasdone(登録商標)XL−10)、カラマツアラボガラクタン、Veegum(登録商標)、ポリエチレングリコール、ワックス、アルギン酸ナトリウム等が含まれる。
「担体」または「担体材料」は、薬剤学において一般に用いられている任意の賦形剤を含み、イブルチニブの化合物等の本明細書に開示される化合物と、抗癌剤との適合性及び所望の剤形の放出プロファイル特性に基づいて選択されるべきである。例示的な担体物質としては、例えば、結合剤、懸濁剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定化剤、滑沢剤、湿潤剤、希釈剤等が含まれる。「薬学的に適合する担体物質」は、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン(PVP)、コレステロール、コレステロールエステル、カゼイン塩ナトリウム、大豆レシチン、タウロコール酸、ホスホチジルコリン、塩化ナトリウム、三リン酸カルシウム、二リン酸カリウム、セルロース及びセルロース接合体、糖類、ステアロイルラクチラート塩ナトリウム、カラギーナン、モノグリセリド、ジグリセリド、アルファデンプン等が含まれ得るが、これらに限定されない。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995)、Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975、Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980、及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)を参照されたい。
「分散剤」及び/または「粘度調節剤」は、液体媒体または造粒法または混合法を介して薬物の拡散性及び均質性を制御する物質を含む。いくつかの実施形態では、これらの薬剤はまた、コーティングまたは浸食マトリックスの有効性を促進する。例示的な拡散促進剤/分散剤としては、例えば、親水性重合体、電解液、Tween(登録商標)60または80、PEG、ポリビニルピロリドン(PVP;商業的にPlasdone(登録商標)として知られている)、及び炭水化物ベースの分散剤である、例えばヒドロキシプロピルセルロース(例えばHPC、HPC−SL、及びHPC−L)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばHPMC K100、HPMC K4M、HPMC K15M、及びHPMC K100M)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(HPMCAS)、非晶質セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー(S630)、エチレンオキシド及びホルムアルデヒドを有する4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー(チロキサポールとしても知られている)、ポロキサマー(例えばエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体である、Pluronics F68(登録商標)、F88(登録商標)、及びF108(登録商標));ならびにポロキサミン(例えばPoloxamine 908(登録商標)としても知られており、ピロピレンオキシド及びエチレンオキシドのエチレンジアミンへの逐次付加から誘導される四官能性のブロック共重合体であるTetronic 908(登録商標)(BASF Corporation,Parsippany,N.J.))、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー(S−630)、ポリエチレングリコール、例えばポリエチレングリコールは、約300〜約6000、または約3350〜約4000、または約7000〜約5400の分子量を有することができ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、ゴム、例えばトラガカントゴム、アカシアゴム、グアーガム、キサンタンガムを含むキサンタン、糖、セルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシ化ソルビタンモノラウレート、ポビドン、カルボマー、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギン、キトサン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。セルロースまたはトリエチルセルロースのような可塑剤も、分散剤として使用され得る。リポソーム分散と自己乳化性分散において特に有用な分散剤は、ジミリストイルフォスファチジルコリン、卵由来の天然フォスファチジルコリン、卵由来の天然フォスファチジルグリセロール、コレステロール、及びイソプロピルミリステートである。
1つ以上の拡散促進剤を有する1つ以上の侵食促進剤の組み合わせも、本組成物中で使用することができる。
「希釈剤」という用語は、送達前に対象となる化合物を希釈するために使用される化合物を指す。希釈剤もまた、より安定した環境を提供できるため、化合物を安定させるために使用することができる。緩衝液中に溶解される塩(pHの制御または維持を提供することもできる)は、リン酸緩衝生理食塩溶液を含むが、これに限定されない、希釈剤として利用される。ある特定の実施形態では、希釈剤は、圧縮を促進するまたはカプセル剤充填のために均質な混合に十分な量を得るために、組成物の量を増加させる。かかる化合物としては、例えば、ラクトース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、デキストロース、Avicel(登録商標)等の微結晶性セルロース;二塩基性リン酸カルシウム、二水和リン酸二カルシウム;リン酸三カルシウム、リン酸カルシウム;無水ラクトース、噴霧乾燥ラクトース;アルファデンプン、Di−Pac(登録商標)(Amstar)等の圧縮性の糖(compressible sugar);マンニトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、ショ糖ベースの希釈剤、粉砂糖;一塩基性硫酸カルシウム一水和物、硫酸カルシウム二水和物;乳酸カルシウム三水和物、デキストレート;加水分解された穀類固形分(cereal solid)、アミロース;粉末セルロース、炭酸カルシウム;グリセリン、カオリン;マンニトール、塩化ナトリウム;イノシトール、ベントナイト等が挙げられる。
「崩壊」という用語は、胃腸液と接触した場合の剤形の分解及び分散の両方を含む。「崩壊薬剤または崩壊剤」は、物質の分解または崩壊を促進する。崩壊薬剤の例としては、デンプン、例えばコーンスターチ若しくはジャガイモデンプン等の天然デンプン、National 1551若しくはAmijel(登録商標)等のアルファデンプン、またPromogel(登録商標)若しくはExplotab(登録商標)等のグリコール酸ナトリウムデンプン、木製品等のセルロース、メチル結晶セルロース、例えばAvicel(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicel(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tia(登録商標)、及びSolka−Floc(登録商標)、メチルセルロース、クロスカルメロース、または架橋セルロース、例えば架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース(Ac−Di−Sol(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース、または架橋クロスカルメロース、グリコール酸ナトリウムデンプン等の架橋デンプン、クロスポビドン等の架橋ポリマー、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウム等のアルギン酸の塩のアルキン酸塩、Veegum(登録商標)HV(ケイ酸マグネシウムアルミニウム)等のクレイ、寒天、グアール、イナゴマメ、カラヤ(Karaya)、ペクチン、若しくはトラガカント等のゴム、ナトリウムグリコール酸デンプン、ベントナイト、天然海綿、界面活性剤、陽イオン交換樹脂等の樹脂、シトラスパルプ、ラウリル硫酸ナトリウム、混合デンプン中のラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
「薬物吸収」または「吸収」は、一般に、薬物の投与部位から境界を越えて血管または作用の部位への薬物(例えば消化管から門脈またはリンパ系に移動する薬物)の移動するプロセスを意味する。
「腸溶コーティング」は、胃において本質的に完全なままであるが、小腸または結腸内で薬物を溶解し、放出する物質である。一般に、腸溶コーティングは、胃の低いpH環境においては放出を妨げるが、より高いpH(典型的にはpH6〜7)ではイオン化し、したがって、小腸または結腸内では十分に溶解して、活性薬剤を小腸または結腸内に放出するポリマー性材料を含む。
「浸食促進剤」は、胃腸液中において特定の材料の浸食を制御する材料を含む。浸食促進剤は一般に、当業者に既知である。例示的な浸食促進剤としては、例えば、親水性ポリマー、電解質、タンパク質、ペプチド、及びアミノ酸が挙げられる。
「充填剤」としては、ラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストレート、デキストラン、デンプン、アルファデンプン、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール等の化合物が挙げられる。
本明細書に記載される製剤において有用な「風味料」及び/または「甘味料」としては、例えば、アカシアシロップ、アセスルファムK、アリテーム、アニス、リンゴ、アスパルテーム、バナナ、ババロアクリーム、ベリー、クロフサスグリ、バタースコッチ、クエン酸カルシウム、ショウノウ、カラメル、サクランボ、サクランボクリーム、チョコレート、シナモン、風船ガム、シトラス、シトラスパンチ、シトラスクリーム、綿飴、ココア、コーラ、クールサクランボ、クールシトラス、チクロ、シクラメート、デキストロース、ユーカリ、オイゲノール、フルクトース、フルーツポンチ、ショウガ、グリチルレチン酸、甘草(リコリス)シロップ、ブドウ、グレープフルーツ、蜂蜜、イソマルト、レモン、ライム、レモンクリーム、グリチルリチン酸モノアンモニウム(MagnaSweet(登録商標))、マルトール、マンニトール、メープル、マシュマロ、メントール、ミントクリーム、ミックスベリー、ネオヘスペリジンDC、ネオテーム、オレンジ、西洋ナシ、モモ、ペパーミント、ペパーミントクリーム、Prosweet(登録商標)パウダー、ラズベリー、ルートビール、ラム酒、サッカリン、サフロール、ソルビトール、ハッカ、ハッカクリーム、イチゴ、イチゴクリーム、ステビア、スクラロース、ショ糖、サッカリンナトリウム、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、マンニトール、タリン、シリトール(sylitol)、スクラロース、ソルビトール、スイスクリーム、タガトース、タンジェリン、タウマチン、トゥッティフルッティ、バニラ、クルミ、スイカ、野生のサクランボ、冬緑油、キシリトール、またはこれらの風味成分の任意の組み合わせ、例えばアニス−メントール、サクランボ−アニス、シナモン−オレンジ、サクランボ−シナモン、チョコレート−ミント、蜂蜜−レモン、レモン−ライム、レモン−ミント、メントール−ユーカリ、オレンジ−クリーム、バニラ−ミント、及びこれらの混合物が挙げられる。
「滑沢剤」及び「流動促進剤」は、材料の付着または摩擦を妨げる、低下させる、または阻害する化合物である。例示的な滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸;水酸化カルシウム、タルク、ステアリルフマル酸ナトリウム、鉱油等の炭化水素、または水素添加ダイズ油(Sterotex(登録商標))等の硬化植物油、高級脂肪酸、及びアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、グリセロール、タルク、ロウ、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコール(例えばPEG−4000)等のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、またはCarbowax(商標)等のメトキシポリエチレングリコール、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、グリセリルベヘネート、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸マグネシウム若しくはラウリル硫酸ナトリウム、Syloid(商標)、Carb−O−Sil(登録商標)等のコロイド状シリカ、コーンスターチ等のデンプン、シリコーン油、界面活性剤等が挙げられる。
「測定可能な血清濃度」または「測定可能な血漿濃度」は、一般的には、投与後に血流中に吸収される治療薬の、1mL、1dL、若しくは1Lの血清当たりの、mg、μg、またはngの治療薬として測定される血清濃度または血漿濃度を説明する。本明細書で使用される場合、測定可能な血漿濃度は、一般的には、ng/mLまたはμg/mLで測定される。
「薬力学的」とは、作用部位における薬物の濃度に対して観察される生物学的反応を決定する因子を指す。
「薬物動態学的」とは、作用部位における適切な濃度の薬物の到達及び維持を決定する因子を指す。
「可塑剤」は、マイクロカプセル化用材料または膜コーティングを軟化して、もろくならないようにするために使用される化合物である。好適な可塑剤としては、例えば、PEG300、PEG400、PEG600、PEG1450、PEG3350、及びPEG800等のポリエチレングリコール、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、トリエチルセルロース、及びトリアセチンが挙げられる。いくつかの実施形態では、可塑剤はまた、分散剤または湿潤剤としても機能することができる。
「可溶化剤」としては、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、ドキュサートナトリウム、ビタミンE TPGS、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、n−ブタノール、イソプロピルアルコール、コレステロール、胆汁塩、ポリエチレングリコール200―600、グリコフロール、トランスクトール(transcutol)、プロピレングリコール、及びジメチルイソソルビド等が挙げられる。
「安定剤」には、任意の酸化防止剤、緩衝剤、酸、防腐剤等の化合物が含まれる。
「定常状態」は、本明細書に使用される場合、投与された薬物の量が頭打ちまたは一定の血漿薬物曝露をもたらす1つの投与間隔内に除去された薬物の量と等しい場合である。
「懸濁化剤」としては、ポリビニルピロリドン、例えば、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30、ビニルピロリドン/ビニルアセテート共重合体(S630)、ポリエチレングリコール、例えば、ポリエチレングリコールは約300〜約6000、または約3350〜約4000、または約7000〜約5400の分子量を有することができ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースアセテートステアレート、ポリソルベート−80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ガム、例えば、トラガカントガム及びアカシアガム、グアールガム、キサンタンガムを含むキサンタン、糖、セルロース誘導体、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等、ポリソルベート−80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポビドン等の化合物が挙げられる。
「界面活性剤」としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、Tween60または80、トリアセチン、ビタミンE TPGS、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポロキサマー、胆汁酸塩、モノステアリン酸グリセリン、酸化エチレンと酸化プロピレンの共重合体(例えばPluronic(登録商標)(BASF))等の化合物が挙げられる。いくつかの他の界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド及び植物油、例えば、ポリオキシエチレン(60)水素化ヒマシ油;ならびにポリオキシエチレンアルキルエーテル及びアルキルフェニルエーテル、例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40が挙げられる。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、物理的安定性を高めるために、または他の目的のために含まれ得る。
「増粘剤」には、例えば、メチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボマー、ポリビニルアルコール、アルギン、アカシア、キトサン、及びこれらの組み合わせが含まれる。
「湿潤剤」には、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリン、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ドクサートナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、トリアセチン、Tween 80、ビタミンE TPGS、アルミニウム塩等が含まれる。
剤形
本明細書に記載される組成物の投与経路には、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、または筋肉内)、頬側、鼻腔内、経腸、または経皮が含まれるが、これらに限定されない、任意の従来の手段によって対象に投与するために製剤化され得る。いくつかの実施形態では、組成物は、組み合わせられた剤形での投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、別々の剤形での投与のために製剤化される。本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、動物、好ましくはヒトまたは非ヒトを含む哺乳動物を意味するために使用される。「個体(複数可)」、「対象(複数可)」、及び「患者(複数可)」という用語は、本明細書で同義に使用され、任意の哺乳動物を意味する。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、非ヒトである。用語のいずれも、医療従事者(例えば、医師、登録看護師、ナースプラクティショナー、医師助手、病棟付き職員またはホスピス職員)の指示を特徴とする状態(例えば、恒常的または間欠的)を必要としないか、またはそれに限定されない。
さらに、イブルチニブ及び/または抗癌剤を含む、本明細書に記載される薬学的組成物は、治療される患者による経口摂取のための水性経口分散、液体、ゲル、シロップ剤、エリキシル剤、スラリー、懸濁液等、固体の経口投薬剤形、エアゾール剤、制御放出製剤、速溶製剤、発泡性製剤、凍結乾燥製剤、錠剤、散剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、遅延解除性製剤、拡張放出製剤、パルス放出製剤、多重微粒子の製剤、ならびに即時混合放出及び制御放出製剤が挙げられるが、これらに限定されない、任意の好適な剤形に製剤化され得る。
経口使用のための薬学的調製物は、1つ以上の固体賦形剤を本明細書に記載される1つ以上の化合物と混合し、任意に得られた混合物を粉砕し、所望であれば、好適な助剤を添加した後、顆粒の混合物を加工し、錠剤または糖衣コアを得ることによって得られ得る。好適な賦形剤としては、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、若しくはソルビトールを含む糖等の充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース調製物;または、ポリビニルピロリドン(PVP若しくはポビドン)またはリン酸カルシウム等の他のものが含まれる。所望であれば、架橋結合クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、アガー、またはアルギン酸、若しくはアルギン酸ナトリウム等のそれらの塩等の、崩壊剤が添加され得る。
糖衣コアは、好適なコーティングによって提供される。この目的のために、濃縮された糖溶液が使用され得、これは、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/または二酸化チタン、ラッカー溶液、及び好適な有機溶媒または溶媒混合物を任意に含み得る。染料または色素は、識別のために、または活性化合物の用量の異なる組み合わせを特徴付けるために、錠剤または糖衣コーティングに加えられ得る。
経口で使用され得る薬学的調製物は、ゼラチンで作られた押し込み型カプセル剤、ならびにゼラチン及びグリセロールまたはソルビトール等の可塑剤で作られた密閉された軟カプセル剤を含む。押し込み型カプセル剤は、ラクトース等の充填剤、デンプン等の結合剤、及び/またはタルク若しくはステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、及び任意に安定剤と混和して、活性成分を含み得る。軟カプセル剤において、活性化合物は、脂肪油、液動パラフィン、または液体ポリエチレングリコール等の好適な液体中で溶解または懸濁され得る。さらに、安定剤が加えられ得る。経口投与のためのすべての製剤は、そのような投与に適した投薬量であるべきである。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される固形の剤形は、錠剤(懸濁液錠剤、速溶錠剤、咬合崩壊錠剤(a bite−disintegration tablet)、迅速崩壊錠剤、発泡錠、若しくはカプレットを含む)、丸剤、粉末(無菌包装された粉末、分配可能な粉末、若しくは発泡粉末を含む)、カプセル(軟または硬カプセル剤、例えば動物由来のゼラチン若しくは植物由来のHPMCから作られたカプセル、または、「スプリンクルカプセル」の両方を含む)、固形の分散剤、固溶体、生体内分解性剤形、制御放出製剤、パルス放出剤形、多重微粒子剤形、ペレット剤、顆粒剤、またはエアロゾルの形態であり得る。他の実施形態では、薬学的製剤は粉末形状である。さらに他の実施形態では、薬学的製剤は、速溶錠剤を含むが、これに限定されない、錠剤の形態である。さらに、本明細書に記載される薬学的製剤は、単一のカプセルまたは複数のカプセル剤形として投与され得る。いくつかの実施形態では、薬学的製剤は、2つまたは3つまたは4つのカプセルまたは錠剤で投与される。
いくつかの実施形態では、固形の剤形、例えば錠剤、発泡錠剤、及びカプセル剤は、イブルチニブ及び/または抗癌剤の粒子を1つ以上の薬学的賦形剤と混合して、バルク混合組成物を形成することによって調製される。これらのバルク混合組成物を均質と呼ぶ場合に、イブルチニブ及び/または抗癌剤の粒子が組成物中において均一に分散していることを意味し、このため、この組成物は、錠剤、丸剤、及びカプセル剤等の同様に効果的な単位剤形へと容易に分割され得る。個々の単位投薬量はまた、膜コーティングを含んでもよく、これらは経口摂取されるか、または希釈剤と接触すると崩壊する。これらの剤形は、従来の薬理学的な技術によって製造され得る。
従来の薬理学的な技術には、例えば、(1)乾燥混合、(2)直接の圧縮、(3)製粉、(4)乾燥若しくは非水性の造粒、(5)湿式造粒法、または(6)融合、の方法のうちの1つまたはこれらの組み合わせが含まれる。例えば、Lachman et al.,The Theory and Practice of Industrial Pharmacy(1986)を参照されたい。他の方法には、例えば、噴霧乾燥、パンコーティング、溶解造粒、造粒、流動床噴霧乾燥、またはコーティング(例えばワースターコーティング)、接線コーティング、トップ噴霧、錠剤化、押し出し加工等が含まれる。
本明細書に記載される薬学的固体の剤形は、本明細書に記載される化合物、及び互換性を持つ担体、結合剤、充填剤、懸濁化剤、香料添加剤、甘味剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、希釈剤、溶解剤、湿潤剤、可塑剤、安定剤、浸透促進剤、湿潤剤、消泡剤、酸化防止剤、防腐剤等の1つ以上の薬学的に許容される添加剤、またはこれらの1つ以上の組み合わせを含むことができる。さらに他の態様では、Remington’s Pharmaceutical Sciences,20th Edition(2000)に記載されていたもの等の標準のコーティング手順を使用し、膜コーティングは、イブルチニブ及び/または抗癌剤の製剤の周りに提供される。別の実施形態では、イブルチニブ及び/または抗癌剤の粒子のいくつかまたはすべてがマイクロカプセル化されず、コーティングされない。
本明細書に記載される固形の剤形に用いるのに適切な担体としては、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、カゼイン酸ナトリウム、大豆レシチン、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カリウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、カラギーナン、モノグリセリド、ジグリセリド、アルファデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、スクロース、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトール等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に記載される固形の剤形に用いるのに適切な充填剤としては、ラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストレート、デキストラン、デンプン、アルファデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(HPMCAS)、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール等が挙げられるが、これらに限定されない。
イブルチニブ及び/または抗癌剤の化合物を、固形の剤形マトリックスから可能な限り効率的に放出するために、崩壊剤がしばしば、製剤において、特に剤形が結合剤で圧縮される場合に用いられる。水分が剤形に吸収された場合、崩壊剤は、膨張または毛管運動によって剤形マトリックスが断裂する助けをする。本明細書に記載される固形の剤形に用いるのに適切な崩壊剤としては、デンプン、例えばコーンスターチ若しくはジャガイモデンプン等の天然デンプン、National 1551若しくはAmijel(登録商標)等のアルファデンプン、またPromogel(登録商標)若しくはExplotab(登録商標)等のグリコール酸ナトリウムデンプン、木製品等のセルロース、メチル結晶セルロース、例えばAvicel(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicel(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tia(登録商標)、及びSolka−Floc(登録商標)、メチルセルロース、クロスカルメロース、または架橋セルロース、例えば架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース(Ac−Di−Sol(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース、または架橋クロスカルメロース、グリコール酸ナトリウムデンプン等の架橋デンプン、クロスポビドン等の架橋ポリマー、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウム等のアルギン酸の塩のアルキン酸塩、Veegum(登録商標)HV(ケイ酸マグネシウムアルミニウム)等のクレイ、寒天、グアール、イナゴマメ、カラヤ(Karaya)、ペクチン、若しくはトラガカント等のゴム、ナトリウムグリコール酸デンプン、ベントナイト、天然海綿、界面活性剤、陽イオン交換樹脂等の樹脂、シトラスパルプ、ラウリル硫酸ナトリウム、混合デンプン中のラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
結合剤は、固形の経口剤形製剤に粘着性を与える:粉末充填カプセルの製剤に関しては、軟または硬い殻のカプセルに充填することができる栓形成に役立ち、錠剤製剤に関しては、圧縮後に錠剤が損傷を受けないようにし、圧縮または充填ステップ前に混合均一性を確実にする手助けをする。本明細書に記載される固形の剤形に結合剤として用いるために適している材料としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース(例えばMethocel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばハイプロメロースUSP Pharmacoat−603、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(Aqoate HS−LF及びHS)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば Klucel(登録商標))、エチルセルロース(例えば Ethocel(登録商標))、及び微結晶性セルロース(例えばAvicel(登録商標))、微結晶性のグルコース、アミロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、多糖類酸、ベントナイト、ゼラチン、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、クロスポビドン、ポピドン、デンプン、アルファデンプン、トラガカントゴム、デキストリン、サッカロース(例えばDipac(登録商標))等の糖、グルコース、グルコース、糖蜜、マンニトール、ソルビトール、キシリトール(例えばXylitab(登録商標))、ラクトース、アカシア等の天然若しくは合成のゴム、トラガカントゴム、ガッチゴム、イサポール皮の粘液、デンプン、ポリビニルピロリドン(例えばPovidone(登録商標)CL、Kollidon(登録商標)CL、Polyplasdone(登録商標)XL−10、及びPovidone(登録商標)K−12)、カラマツアラボガラクタン、Veegum(登録商標)、ポリエチレングリコール、ワックス、アルギン酸ナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
一般に、結合剤量の20〜70%は、粉末充填ゼラチンカプセル製剤に使用される。錠剤製剤における結合剤の利用量は、直接圧縮、湿式造粒法、ローラー圧縮、または単独で適度な結合剤として作用することができる充填剤等の他の賦形剤の利用のいずれかで変化する。当業者は、製剤用の結合剤量を決定することができるが、錠剤剤形における70%までの結合剤の利用量が一般的である。
本明細書に記載される固体の剤形で使用される適切な滑沢剤または流動促進剤としては、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、コーンスターチ、ステアリルフマル酸ナトリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ロウ、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコール、またはメトキシポリエチレングリコール(例えばCarbowax(商標)、PEG4000、PEG5000、PEG6000、ポリピレングリコール)等のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、オレイン酸ナトリウム、グリセリルベヘネート、グリセリルパルミトステアラート、安息香酸グリセリル、ラウリル硫酸マグネシウム若しくはラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に記載される固形の剤形に用いるのに適切な希釈剤としては、糖(ラクトース、スクロース、及びデキストロースを含む)、多糖(デキストレート及びマルトデキストリンを含む)、ポリオール(マンニトール、キシリトール、及びソルビトールを含む)、シクロデキストリン等が挙げられるが、これらに限定されない。
「非水溶性の希釈剤」という用語は、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デンプン、加工デンプン、及び微結晶性セルロース等の薬学的に製剤、ならびに微結晶性セルロース(例えば約0.45g/cm3の密度を有して、例えば、Avicel、粉末セルロース)、ならびにタルクを表す。
本明細書に記載される固形の剤形に用いるのに適切な湿潤剤には、例えば、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリル、ソルビタンモノオレアート、ソルビタンモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、第4級アンモニウム化合物(例えば、Polyquat 10(登録商標))、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ドクセートナトリウム、トリアセチン、ビタミンE TPGS等が含まれる。
本明細書に記載される固形の剤形に用いるのに適切な界面活性剤には、例えば、ラウリン硫酸ナトリウム、ソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポロキサマー、胆汁酸塩、モノステアリン酸グリセリン、酸化エチレンと酸化プロピレンの共重合体、例えばPluronic(登録商標)(BASF)等が含まれる。
ここに記載される固形の剤形に用いるのに適切な懸濁化剤としては、ポリビニルピロリドン、例えばポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30、ポリエチレングリコール、例えば、ポリエチレングリコールは約300〜約6000、または約3350〜約4000、または約7000〜約5400の分子量を有することができ、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(S630)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリソルベート−80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ガム、例えば、トラガカントガム及びアカシアガム、グアールガム、キサンタンガムを含むキサンタン、糖、セルロース誘導体、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等、ポリソルベート−80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポビドン等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に記載される固形の剤形に用いるのに適切な酸化防止剤には、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウム、及びトコフェノールが含まれる。
本明細書に記載される固形の剤形で用いられる添加剤の間には相当な重複が存在することが理解されよう。したがって、上記列挙した添加物は、本明細書に記載される固形の剤形に含まれ得る添加物の種類の単なる一例にすぎず、かつ、これらに限定されるわけでもない。かかる添加剤の量は、説明される特定の特性に従い、当業者によって容易に決定することができる。
他の実施形態では、薬学的製剤の1つ以上の層は、可塑化される。実例として、可塑剤は、一般に高沸点の固体または液体である。好適な可塑剤は、約0.01重量%〜約50重量%(w/w)のコーティング組成物が添加され得る。可塑剤としては、フタル酸ジエチル、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセロール、アセチル化グリセリド、トリアセチン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸、ステアロール、ステアレート、及びヒマシ油が挙げられるが、これらに限定されない。
圧縮錠剤は、上記の製剤のバルク混合を圧縮することによって調製された固形の剤形である。様々な実施形態では、口内で溶解するよう設計された圧縮錠剤は、1つ以上の香味剤を含むであろう。他の実施形態では、圧縮錠剤は、最終圧縮錠剤を包囲するフィルムを含むであろう。いくつかの実施形態では、膜コーティングは、製剤からイブルチニブまたは第2の薬剤の遅延放出を提供することができる。他の実施形態では、膜コーティングは、患者のコンプライアンスに役立つ(例えばOpadry(登録商標)コーティングまたは糖コーティング)。Opadry(登録商標)を含む膜コーティングは、一般的に、約1%〜約3%の錠剤重量の範囲である。他の実施形態では、圧縮錠剤は、1つ以上の賦形剤を含む。
カプセルは、例えば、上記の、イブルチニブまたは第2の薬剤の製剤のバルク混合物をカプセル内に配することによって調製され得る。いくつかの実施形態では、剤形(非水溶性懸濁液及び溶液)は、ソフトゼラチンカプセル内に配される。他の実施形態では、剤形は、標準的なゼラチンカプセル内、または非ゼラチンカプセル、HPMCを含むカプセル等に配される。他の実施形態では、カプセル全体は飲み込まれるか、あるいはカプセルを開けて食事前に食べ物の上に中身が拡散される。いくつかの実施形態では、治療用量は、複数(例えば2つ、3つ、または4つ)のカプセルに分割される。いくつかの実施形態では、製剤の全用量は、カプセル形状で輸送される。
様々な実施形態では、イブルチニブ及び/または抗癌剤の粒子ならびに1つ以上の賦形剤は、乾燥混合され、経口投与後、約30分未満、約35分未満、約40分未満、約45分未満、約50分未満、約55分未満、または約60分未満以内に実質的に分解され、それによって、製剤を胃腸液へ放出する、薬学的組成物を提供するのに十分な硬さを有する、錠剤等の塊に圧縮される。
別の態様では、剤形は、マイクロカプセル化された製剤を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の他の適合材料は、マイクロカプセル化材料内に存在する。例示的な材料としては、pH調整剤、侵食促進剤、消泡剤、酸化防止剤、香味剤、及び担体材料(結合剤、懸濁化剤、分解剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定化剤、滑沢剤、湿潤剤、及び希釈剤等)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に記載されるマイクロカプセル化に有用な材料は、イブルチニブ及び/または抗癌剤と適合する材料を含み、それらは他の非適合性の賦形剤からイブルチニブまたは抗癌剤のうちのいずれかの化合物を十分に単離する。イブルチニブまたは抗癌剤のうちのいずれかの化合物と適合する材料は、イブルチニブまたは抗癌剤のうちのいずれかの化合物の放出をインビボで遅延させるものである。
本明細書に記載される化合物を含む製剤の放出を遅延させるために有用な例示的なマイクロカプセル化材料としては、ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(HPC)(Klucel(登録商標)またはNisso HPC等)、低置換型ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(L−HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル(HPMC)(Seppifilm−LC、Pharmacoat(登録商標)、Metolose SR、Methocel(登録商標)−E、Opadry YS、PrimaFlo、Benecel MP824、及びBenecel MP843等)、メチルセルロースポリマー(Methocel(登録商標)−A、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートAqoat(HF−LS,HF−LG,HF−MS)、及びMetolose(登録商標)等)、エチルセルロース(EC)、及びE461、Ethocel(登録商標)、Aqualon(登録商標)−EC、Surelease(登録商標)等との混合物、ポリビニルアルコール(PVA)(Opadry AMB等)、ヒドロキシエチルセルロース(Natrosol(登録商標)等)、カルボキシメチルセルロース及びAqualon(登録商標)−CMC等のカルボキシメチルセルロース(CMC)の塩、ポリビニルアルコールとポリエチレングリコールの共重合体(Kollicoat IR(登録商標)等)、モノグリセリド(Myverol)、トリグリセリド(KLX)、ポリエチレングリコール、改変食用デンプン(modified food starch)、アクリルポリマー及びアクリルポリマーとセルロースエーテルの混合物(Eudragit(登録商標)EPO、Eudragit(登録商標)L30D−55、Eudragit(登録商標)FS 30D Eudragit(登録商標)L100−55、Eudragit(登録商標)L100、Eudragit(登録商標)S100、Eudragit(登録商標)RD100、Eudragit(登録商標)E100、Eudragit(登録商標)L12.5、Eudragit(登録商標)S12.5、Eudragit(登録商標)NE30D、及びEudragit(登録商標)NE 40D、セルロースアセテートフタレート、セピフィルム(sepifilm)(HPMCとステアリン酸の混合物、シクロデキストリン、及びこれらの材料の混合物等)が挙げられるが、これらに限定されない。
さらに他の実施形態では、ポリエチレングリコール(例えばPEG300、PEG400、PEG600、PEG1450、PEG3350、及びPEG800)、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、及びトリアセチン等の可塑剤は、マイクロカプセル化材料に組み込まれる。他の実施形態では、薬学的組成物の放出を遅延させるために有用なマイクロカプセル化材料は、USPまたは国民医薬品集(NF)からのものである。さらに他の実施形態では、マイクロカプセル化材料は、Klucelである。さらに他の実施形態では、マイクロカプセル化材料は、メトセル(methocel)である。
イブルチニブまたは抗癌剤のうちのいずれかのマイクロカプセル化化合物は、当業者に知られている方法によって製剤化され得る。かかる周知の方法としては、例えば、噴霧乾燥法、回転円板溶媒法、熱溶解法、噴霧冷却法、流動床、静電沈着、遠心押出、回転懸濁液分離、液体ガス若しくは固体ガス面における重合、押出圧力、または噴霧溶媒抽出浴が挙げられる。これらに加えて、いくつかの化学的技法、例えば、複合コアセルベーション、溶媒蒸発、高分子間不和合性、液体培地における界面重合、原位置重合、液中乾燥法、及び液体培地内脱溶媒和もまた、使用され得る。さらに、ローラー圧縮、押し出し/球形化、コアセルベーション、またはナノ粒子コーティング等の他の方法もまた、使用され得る。
一実施形態では、イブルチニブまたは抗癌剤のうちのいずれかの化合物の粒子は、上記の形態のうちの1つに製剤化される前に、マイクロカプセル化される。さらに別の実施形態では、粒子のいくつかまたは大部分は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,20th Edition(2000)に記載されるもの等の標準コーティング手順の使用によってさらに製剤化される前にコーティングされる。
他の実施形態では、イブルチニブ及び/または抗癌剤のうちのいずれかの化合物の固形の剤形は、1つ以上の層により可塑化される(コーティングされる)。実例として、可塑剤は、一般に高沸点の固体または液体である。好適な可塑剤は、約0.01重量%〜約50重量%(w/w)のコーティング組成物が添加され得る。可塑剤としては、フタル酸ジエチル、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセロール、アセチル化グリセリド、トリアセチン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸、ステアロール、ステアレート、及びヒマシ油が挙げられるが、これらに限定されない。
他の実施形態では、本明細書に記載されるイブルチニブ及び/または抗癌剤のうちのいずれかの化合物による製剤を含む粉末は、1つ以上の薬学的賦形剤及び香味料を含むように製剤化されてもよい。このような粉末は、例えば、製剤及び任意の薬学的賦形剤を混合し、バルク混合組成物を形成することによって調製されてもよい。さらなる実施形態はまた、懸濁化剤及び/または湿潤剤を含む。このバルク混合は、単位投薬パッケージングまたは複合投薬パッケージング単位へ均一に細分される。
さらに他の実施形態では、発泡粉末もまた、本開示に従って調製される。発泡塩は、経口投与用に薬を水に分散させるため用いられた。発泡塩は、顆粒または粗粉末であって、乾燥混合物内に薬剤を含有し、通常、重炭酸ナトリウム、クエン酸、及び/または酒石酸で構成される。本明細書に記載される組成物の塩を、水に添加し、酸及び塩基を反応させて、二酸化炭素ガスを遊離させ、これによって「発泡」を引き起こす。二酸化炭素の遊離を結果としてもたらす任意の酸‐塩基の組み合わせは、成分が薬学的使用に適しており、かつpHの約6.0またはそれ以上をもたらす限り、重炭酸ナトリウム及びクエン酸及び酒石酸の組み合わせに代わって使用することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固形の剤形は、腸溶コーティングされた遅延放出経口剤形、すなわち、本明細書に記載される薬学的組成物の経口剤形として製剤化され得、これは腸溶コーティングを利用して、消化管の小腸における放出に影響を与える。腸溶コーティングされた剤形は、それ自体コーティングまたはコーティングされていない活性成分及び/または他の組成物成分の顆粒、粉末、ペレット、ビーズ、または粒子を含有する、(コーティングまたはコーティングされていない)圧縮または成形または押出された錠剤/モールドであってもよい。腸溶コーティング経口剤形はまた、それ自体コーティングされているまたはコーティングされていない固体担体または組成物のペレット、ビーズ、または顆粒を含有する、(コーティングされたまたはコーティングされていない)カプセル剤であってもよい。
本明細書で使用される、「遅延放出」という用語は、放出が腸管内のいくつかの一般的に予測可能な位置で達成することができる輸送を指し、この位置は、遅延放出の変化がなかった場合に達成される位置よりも遠位である。いくつかの実施形態では、放出を遅延させるための方法はコーティングである。コーティング全体が約5未満のpHで胃腸液内では溶解しないが、約5及びそれ以上のpHでは溶解するため、いかなるコーティングも、十分な厚みに適用されなければならない。下方胃腸管に対する輸送を達成するのに本明細書に記載される方法及び組成物の中で腸溶コーティングとしてpH依存の溶解度プロファイルを示す任意の陰イオンポリマーを使用することができることが期待される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマーは、アニオンカルボキシル基ポリマーである。他の実施形態では、ポリマー及びこの適合性の混合物、ならびにそれらの特性のうちのいくつかとしては、
シェラック、精製ラックとも呼ばれる昆虫の樹脂質の分泌から得られた精製品、が挙げられるが、これに限定されない。このコーティングは、媒体pH>7で溶解する。
アクリルポリマー。アクリルポリマーの性能(主にその生体液内における溶解度)は、置換の度合い及び種類に基づき、変化し得る。好適なアクリルポリマーの例には、メタクリル酸コポリマー及びメタクリル酸アンモニウムコポリマーを含む。EudragitシリーズE、L、S、RL、RS、及びNE(Rohm Pharma)は、有機溶媒、水分散液、または乾燥粉末内で可溶化される時に利用可能である。EudragitシリーズRL、NE、及びRSは、胃腸管内で不溶性であるが浸透性であって、主に結腸標的のために用いられる。EudragitシリーズEは、胃で溶解する。EudragitシリーズL、L−30D、及びSは、胃において溶解せず、腸内で溶解する。
セルロース誘導体。適切なセルロース誘導体の例は、エチルセルロース;無水フタル酸を有するセルロースの部分的なアセテートエステルの反応混合物である。性能は、置換の程度及び種類に基づいて変化し得る。酢酸フタル酸セルロース(CAP)は、pH>6で溶解する。Aquateric(FMC)は水性の系であって、1μm未満の分子で噴霧乾燥したCAP偽ラテックスである。Aquateric内の他の成分は、pluronic、Tween、及びアセチル化モノグリセリドを含むことができる。他の適切なセルロース誘導体は以下を含む:酢酸セルローストリメリテート(Eastman);メチルセルロース(Pharmacoat,Methocel);ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP);ヒドロキシプロピルメチルセルロース琥珀酸エステル(HPMCS);及びヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート琥珀酸エステル(例えば AQOAT(Shin Etsu))。性能は、置換の程度及び種類に基づいて変化し得る。例えば、HP−50、HP−55、HP−55S、HP−55Fグレード等のHPMCPが好適である。性能は、置換の程度及び種類に基づいて変化し得る。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート琥珀酸エステルの適切なグレードは、pH5で溶解するAS−LG(LF)、pH5.5で溶解するAS−MG(MF)、及びより高いpHで溶解するAS−HG(HF)を含むが、これらに限定されない。これらのポリマーは、水分散液用に顆粒、または微粒子として提供される。PVAPは、pH>5で溶解し、水蒸気及び胃液に対する透過性が非常に少ない。
いくつかの実施形態では、コーティングは、当該技術分野において周知である、可塑剤及び場合によっては他のコーティング賦形剤、着色剤、タルク、及び/またはステアリン酸マグネシウム等を含むことができ、通常は含んでいる。好適な可塑剤には、クエン酸トリエチル(Citroflex 2)、トリアセチン(三酢酸グリセリル)、クエン酸アセチルトリエチル(Citroflec A2)、Carbowax 400(ポリエチレングリコール400)、フタル酸ジエチル、クエン酸トリブチル、アセチル化モノグリセリド、グリセロール、脂肪酸エステル、プロピレングリコール、及びフタル酸ジブチルを含む。特に、アニオンカルボン酸アクリルポリマーは、通常10〜25重量%の可塑剤、特にフタル酸ジブチル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、及びトリアセチンを含むであろう。噴霧またはパンコーティング等の従来のコーティング技術を用い、コーティングを適用する。コーティングの厚みは、局所輸送の所望の部位が消化管内に到達するまで、経口剤形が無傷のままであることを確実にするのに十分でなければならない。
着色剤、粘着性除去剤(detackifier)、界面活性剤、消泡剤、滑沢剤(例えばカルナバワックスまたはPEG)は、可塑剤に加えてコーティングに加え、コーティング材料を可溶化または分散させて、コーティング性能及びコーティングされた製品を改善させてもよい。
他の実施形態では、イブルチニブ及び/または抗癌剤を含む、本明細書に記載される製剤は、パルス状剤形を使用して輸送される。パルス状剤形は、遅延時間が制御された後の予め定められた時点、または特定の部位にて、1つ以上の即時放出パルスをもたらすことが可能である。多くの他の種類の制御放出系は、本明細書に記載される製剤と共に用いることが適している。かかる輸送系の例には、例えばポリ乳酸及びポリグリコール酸、ポリ無水物及びポリカプロラクトン等のポリマーベースの系;多孔性のマトリックス、コレステロール、コレステロールエステル、及び脂肪酸、または中性脂肪(モノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリド)等のステロールを含む脂質である非ポリマーベースの系;ヒドロゲル放出系;シラスティック系;ペプチドベースの系;ワックスコーティング、生体内分解性の剤形、従来の結合剤を使用する圧縮錠剤等が含まれる。例えば、Liberman et al.,Pharmaceutical Dosage Forms,2 Ed.,Vol.1,pp.209−214(1990)、Singh et al.,Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,2nd Ed.,pp.751−753(2002)、米国特許第4,327,725号、同第4,624,848号、同第4,968,509号、同第5,461,140号、同第5,456,923号、同第5,516,527号、同第5,622,721号、同第5,686,105号、同第5,700,410号、同第5,977,175号、同第6,465,014号、及び同第6,932,983号を参照されたい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるイブルチニブ及び/または抗癌剤の粒子、ならびに対象への経口投与用の少なくとも1つの分散剤または懸濁化剤を含む、薬学的製剤が提供される。製剤は、懸濁のため粉末及び/または顆粒であり得、水と混合すると、実質的には均一な懸濁液が得られる。
経口投与のための液体製剤の剤形は、薬学的に許容可能な水性経口分散剤、エマルジョン、溶液、エリキシル剤、ゲル、及びシロップを含むが、これらに限定されない、群から選択される水性懸濁液であり得る。例えば、Singh et al.,Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,2nd Ed.,pp.754−757(2002)を参照されたい。加えて、液体剤形は、(a)崩壊剤、(b)分散剤、(c)湿潤剤、(d)少なくとも1つの防腐剤、(e)粘度促進剤、(f)少なくとも1つの甘味剤、及び(g)少なくとも1つの香味剤等の添加剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、水性分散液は、結晶性阻害剤をさらに含むことができる。
The USP Pharmacists’ Pharmacopeia(2005 edition,chapter 905)に定義されるように、本明細書に記載される水性懸濁液及び分散液は、少なくとも4時間、均質の状態を保つことができる。均一性は、全組成物の均一性を決定することを考慮して、一貫した試料採取法によって決定されるべきである。一実施形態では、水性懸濁液は、1分未満続く物理的な撹拌によって均質な懸濁液へ再懸濁することができる。別の実施形態では、水性懸濁液は、45秒未満続く物理的な撹拌によって均質な懸濁液へ再懸濁することができる。さらに別の実施形態では、水性懸濁液は、30秒未満続く物理的な撹拌によって均質な懸濁液へ再懸濁することができる。さらに別の実施形態では、撹拌は、均質な水性分散液を維持するのには必要ではない。
水性懸濁液及び分散液で用いるための崩壊剤の例としては、デンプン、例えばコーンスターチ若しくはジャガイモデンプン等の天然デンプン、National 1551若しくはAmijel(登録商標)等のアルファデンプン、またPromogel(登録商標)若しくはExplotab(登録商標)等のグリコール酸ナトリウムデンプン、木製品等のセルロース、メチル結晶セルロース、例えばAvicel(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicel(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tia(登録商標)、及びSolka−Floc(登録商標)、メチルセルロース、クロスカルメロース、または架橋セルロース、例えば架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース(Ac−Di−Sol(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース、または架橋クロスカルメロース、グリコール酸ナトリウムデンプン等の架橋デンプン、クロスポビドン等の架橋ポリマー、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウム等のアルギン酸の塩のアルキン酸塩、Veegum(登録商標)HV(ケイ酸マグネシウムアルミニウム)等のクレイ、寒天、グアール、イナゴマメ、カラヤ(Karaya)、ペクチン、若しくはトラガカント等のゴム、ナトリウムグリコール酸デンプン、ベントナイト、天然海綿、界面活性剤、陽イオン交換樹脂等の樹脂、シトラスパルプ、ラウリル硫酸ナトリウム、混合デンプン中のラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される水性懸濁液及び分散に適している分散剤としては、例えば、親水性ポリマー、電解液、Tween(登録商標)60または80、PEG、ポリビニルピロリドン(PVP;商業的にPlasdone(登録商標)として知られている)、及び炭水化物ベースの分散剤である、例えばヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースエーテル(例えばHPC、HPC−SL、及びHPC−L)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル(例えばHPMC K100、HPMC K4M、HPMC K15M、及びHPMC K100M)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、非晶質セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー(Plasdone(登録商標)、例えばS−630)、エチレンオキシド及びホルムアルデヒドを有する4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー(チロキサポールとしても知られている)、ポロキサマー(例えばエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体である、Pluronics F68(登録商標)、F88(登録商標)、及びF108(登録商標));ならびにポロキサミン(例えばPoloxamine 908(登録商標)としても知られており、ピロピレンオキシド及びエチレンオキシドのエチレンジアミンへの逐次付加から誘導される四官能性のブロック共重合体であるTetronic 908(登録商標)(BASF Corporation,Parsippany,N.J.))が挙げられる。他の実施形態では、分散剤は以下の薬剤のうちの1つを含まない群から選択される:親水性ポリマー;電解液;Tween(登録商標)60または80;PEG;ポリビニルピロリドン(PVP);ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースエーテル(例えばHPC、HPC−SL、及びHPC−L);ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル(例えばHPMC K100、HPMC K4M、HPMC K15M、HPMC K100M、及びPharmacoat(登録商標)USP 2910(Shin−Etsu));カルボキシメチルセルロースナトリウム;メチルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート;非晶質セルロース;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;トリエタノールアミン;ポリビニルアルコール(PVA);エチレンオキシド及びホルムアルデヒドを有する4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー;ポロキサマー(例えばエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体である、Pluronics F68(登録商標)、F88(登録商標)、及びF108(登録商標));またはポロキサミン(例えばPoloxamine 908(登録商標)としても知られている、Tetronic 908(登録商標))。
本明細書に記載される水性懸濁液及び分散液に適している湿潤剤は、技術分野で知られており、セチルアルコール、グリセロールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、市販のTween(登録商標)、例えばTween20とTween80(登録商標)(ICIのSpecialty Chemicals))、及びポリエチレングリコール(例えばCarbowaxs3350(登録商標)及び1450(登録商標)、及びCarbopol934(登録商標)(Union Carbide))、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリン、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、トリアセチン、ビタミンE TPGS、タウロコール酸ナトリウム、シメチコン、ホスホチジルコリン等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に記載される水性懸濁液及び分散液に好適な防腐剤には、例えば、ソルビン酸カリウム、パラベン(例えばメチルパラベン及びプロピルパラベン)、安息香酸及びその塩、ブチルパラベン等のパラヒドロキシ安息香酸の他のエステル、エチルアルコールまたはベンジルアルコール等のアルコール、フェノール等のフェノール化合物、または塩化ベンザルコニウム等の第4級化合物が含まれる。本明細書に使用される防腐剤は、微生物の生育を阻害するのに十分な濃度で剤形に組み込まれる。
本明細書に記載される水性懸濁液または分散液に好適な粘度促進剤としては、メチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、Plasdon(登録商標)S−630、カルボマー、ポリビニルアルコール、アルギン、アカシア、キトサン、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。粘度促進剤の濃度は、選択される薬剤及び所望の粘度に応じて異なるであろう。
本明細書に記載される水性懸濁液または分散液に適している甘味剤の例には、例えば、アカシアシロップ、アセスルファムK、アリテーム、アニス、リンゴ、アスパルテーム、バナナ、ババロアクリーム、ベリー、クロフサスグリ、バタースコッチ、クエン酸カルシウム、ショウノウ、カラメル、サクランボ、サクランボクリーム、チョコレート、シナモン、風船ガム、シトラス、シトラスパンチ、シトラスクリーム、綿飴、ココア、コーラ、クールサクランボ、クールシトラス、チクロ、シクラメート、デキストロース、ユーカリ、オイゲノール、フルクトース、フルーツポンチ、ショウガ、グリチルレチン酸、甘草(リコリス)シロップ、ブドウ、グレープフルーツ、蜂蜜、イソマルト、レモン、ライム、レモンクリーム、グリチルリチン酸モノアンモニウム(MagnaSweet(登録商標))、マルトール、マンニトール、メープル、マシュマロ、メントール、ミントクリーム、ミックスベリー、ネオヘスペリジンDC、ネオテーム、オレンジ、西洋ナシ、モモ、ペパーミント、ペパーミントクリーム、Prosweet(登録商標)パウダー、ラズベリー、ルートビール、ラム酒、サッカリン、サフロール、ソルビトール、ハッカ、ハッカクリーム、イチゴ、イチゴクリーム、ステビア、スクラロース、ショ糖、サッカリンナトリウム、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、マンニトール、タリン、シリトール(sylitol)、スクラロース、ソルビトール、スイスクリーム、タガトース、タンジェリン、タウマチン、トゥッティフルッティ、バニラ、クルミ、スイカ、野生のサクランボ、冬緑油、キシリトール、またはこれらの風味成分の任意の組み合わせ、例えばアニス−メントール、サクランボ−アニス、シナモン−オレンジ、サクランボ−シナモン、チョコレート−ミント、蜂蜜−レモン、レモン−ライム、レモン−ミント、メントール−ユーカリ、オレンジ−クリーム、バニラ−ミント、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、水性液体分散剤は、水性分散剤の約0.001体積%〜約1.0体積%の範囲に及ぶ濃度の甘味剤または香味剤を含むことができる。別の実施形態では、水性液体分散剤は、水性分散剤の約0.005体積%〜約0.5体積%の範囲に及ぶ濃度の甘味剤または香味剤を含むことができる。さらに別の実施形態では、水性液体分散剤は、水性分散剤の約0.01体積%〜約1.0体積%の範囲に及ぶ濃度の甘味剤または香味剤を含むことができる。
上記の列挙された添加剤に加えて、液体製剤はまた、水または他の溶媒、可溶化剤、及び乳化剤等の一般に技術分野で使用される不活性な希釈剤を含むことができる。例示的な乳化剤は、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ラウリル硫酸ナトリウム、ドキュサートナトリウム、コレステロール、コレステロールエステル、タウロコール酸、ホスホチジルコリン、油、例えば綿実油、アメリカホドイモ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブオイル、ヒマシ油、及び胡麻油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物等である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される薬学的製剤は、自己乳化型薬物輸送系(SEDDS)であり得る。エマルジョンは、別の形状、通常、溶滴の形状における1つの不混和層の分散である。一般的に、エマルジョンは、活発な機械的分散によって生成される。エマルジョンまたはマイクロエマルジョンとは対照的に、SEDDSは、いかなる外部からの機械的分散または撹拌を行わずに過度の水に加えられると、自発的にエマルジョンを形成する。SEDDSの利点は、溶液全体に液滴を分布させるのに穏やかな混合を必要とするだけであるということである。さらに、水または水性相が、投与する直前に添加することができ、それによって不安定なまたは疎水性の活性成分の安定性が保証される。したがって、SEDDSSは、疎水性の活性成分の経口及び非経口送達に有効な送達系をもたらす。SEDDSは、疎水性の活性成分のバイオアベイラビリティの改善をもたらすことができる。自己乳化剤形を生成する方法は当技術分野で知られており、これには、例えば、米国特許第5,858,401号、同第6,667,048号、及び同第6,960,563号が挙げられるが、これらに限定されず、これらのそれぞれは、参照により具体的に組み込まれる。
所定の添加剤は、分野の異なる実行者によって異なるように分類されることがしばしばあり、または、複数の異なる機能のいずれかのために一般的に用いられることがあるため、本明細書に記載される水性分散液及び懸濁液中で用いられる上記に列挙された添加剤間には重なりがあることを理解されたい。したがって、上記に列挙された添加剤は、本明細書に記載される製剤に含まれ得る添加剤の種類の単なる一例にすぎず、かつ、これらに限定されるわけでもない。かかる添加剤の量は、説明される特定の特性に従い、当業者によって容易に決定することができる。
鼻腔内製剤
鼻腔内製剤は、当技術分野で知られており、これらは、例えば、米国特許第4,476,116号、同第5,116,817号、及び同第6,391,452号に記載され、これらのそれぞれは、参照により具体的に組み込まれる。イブルチニブ及び/または抗癌剤を含む製剤は、当該技術分野で公知のこれらの及び他の技術に従って調製され、当該技術分野で周知の他の好適な保存料、フルオロカーボン、及び/または他の可溶化剤若しくは分散剤を用いて、生理食塩水中の溶液として調製される。例えば、Ansel,H.C.et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Sixth Ed.(1995)を参照されたい。好ましくは、これらの組成物及び製剤は、適切で毒性のない、薬学的に許容される成分を用いて調製される。これらの成分は、鼻腔剤形の調製における当業者には周知であり、これらのうちのいくつかは、技術分野において標準的な参考文献である、REMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY,21st edition,2005において見出すことができる。好適な担体の選択は、所望の鼻腔剤形(例えば、溶液、懸濁液、軟膏剤、またはゲル)の正確な性質に大きく依存する。鼻腔剤形は、活性成分に加えて、一般に多量の水を含有する。pH調整剤、乳化剤、若しくは分散剤、防腐剤、界面活性剤、ゲル化剤、または緩衝剤、ならびに他の安定化剤及び可溶化剤等の少量の他の成分もまた、存在することがある。鼻腔剤形は、鼻からの分泌物と等張性があるべきである。
本明細書に記載される吸入による投与に関しては、エアロゾル、噴霧、または粉末としての形態であり得る。本明細書に記載される薬学的組成物は、好適な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の好適なガスを使用する加圧パックまたは噴霧器からエアロゾルスプレー提示の形態で簡便に送達される。加圧エアロゾルの場合、薬用量単位は、測量された量を送達するためのバルブを提供することによって決定され得る。例として、吸入器または注入器における使用のためのゼラチンのカプセル及びカートリッジは、本明細書に記載される化合物の粉末混合物及びラクトースまたはデンプン等の好適な粉末基材を含有して製剤され得る。
口腔製剤
口腔製剤は、当該技術分野で周知の様々な製剤を用いて投与され得る。例えば、かかる製剤としては、米国特許第4,229,447号、同第4,596,795号、同第4,755,386号、及び同第5,739,136号が挙げられるが、これらに限定されず、これらのそれぞれは、参照により具体的に組み込まれる。加えて、本明細書に記載される口腔剤形は、生体内分解性(加水分解性)の重合体担体をさらに含むことができ、それらはまた、剤形を頬粘膜に付着させるよう機能する。口腔剤形は、予め定められた期間を超えると次第に浸食されるように加工され、送達は本質的にくまなく行われる。口腔薬物送達は、薬物の経口投与に伴う不利益(例えば、吸収の悪さ、胃腸管に存在する流体による活性化剤の分解、及び/または肝臓における初回通過時の不活性化)を避ける。生体内分解性(加水分解性)の重合体担体に関して、所望の薬物放出プロファイルが損なわれず、この担体がイブルチニブ及び/または抗癌剤、ならびに口腔の投薬量単位に存在し得る他の成分と適合する限り、実際にこのような任意の担体は使用することができることが理解されよう。一般に、重合体担体は、頬粘膜の湿表面に付着する親水性(水溶性及び水膨潤性)ポリマーを含む。本明細書に有用な重合体担体の例としては、アクリル酸重合体及び共重合体、例えば「カルボマー」として公知のもの(B.F.Goodrichから得られ得るCarbopol(登録商標)は、このような重合体の1つである)が挙げられる。他の成分はまた、崩壊剤、希釈液、結合剤、滑沢剤、香味料、着色剤、防腐剤等が挙げられるが、これらに限定されない、本明細書に記載される口腔剤形に組み込まれ得る。口腔または舌下投与のために、組成物は、従来の様式で製剤化される錠剤、トローチ剤、またはゲル剤の形態を取り得る。
経皮製剤
本明細書に記載される経皮製剤は、当該技術分野で記載される様々な装置を用いて投与され得る。例えば、かかる装置としては、米国特許第3,598,122号、同第3,598,123号、同第3,710,795号、同第3,731,683号、同第3,742,951号、同第3,814,097号、同第3,921,636号、同第3,972,995号、同第3,993,072号、同第3,993,073号、同第3,996,934号、同第4,031,894号、同第4,060,084号、同第4,069,307号、同第4,077,407号、同第4,201,211号、同第4,230,105号、同第4,292,299号、同第4,292,303号、同第5,336,168号、同第5,665,378号、同第5,837,280号、同第5,869,090号、同第6,923,983号、同第6,929,801号、及び同第6,946,144号が挙げられるが、これらに限定されない、これらのそれぞれは、参照により具体的に組み込まれる。
本明細書に記載される経皮剤形は、当該技術分野では従来から知られている、ある特定の薬学的に許容される賦形剤を組み込んでもよい。一実施形態では、本明細書に記載される経皮製剤は、少なくとも3つの成分:(1)イブルチニブ及び抗癌剤の化合物の製剤、(2)浸透促進剤、及び(3)水性アジュバント、を含む。加えて、経皮製剤は、例えば、ゲル化剤、クリーム、及び軟膏基剤等が含まれるが、これらに限定されない、さらなる成分を含み得る。いくつかの実施形態では、経皮製剤は、吸収を促進し、皮膚からの経皮製剤の除去を防ぐために、織布基材または不織布基材をさらに含み得る。他の実施形態では、本明細書に記載される経皮製剤は、肌への拡散を促進するために飽和状態または過飽和状態を維持することができる。
本明細書に記載される化合物の経皮投与に適している製剤は、経皮輸送装置及び経皮輸送パッチを用い得、ポリマーまたは接着剤中で溶解及び/または分散する、脂溶性のエマルジョンまたは緩衝水溶液であり得る。このようなパッチは、連続的、パルス状、または要求に応じた医薬品の輸送のために構築され得る。またさらに、本明細書に記載される化合物の経皮輸送は、イオン導入パッチ等の手段によって達成され得る。さらに、経皮パッチは、イブルチニブ及び抗癌剤の制御された輸送を提供することができる。吸収の速度は、律速膜を使用することによって、またはポリマーマトリックス若しくはゲル内で化合物を捕捉することによって遅延させることができる。逆に、吸収促進剤は、吸収を促進するために使用され得る。吸収促進剤または担体は、皮膚への通過を補助する吸収性の薬学的に許容される溶媒を含み得る。例えば、経皮装置は、裏当て材(backing member)、任意に担体を備える化合物を含み、任意に、長時間にわたって制御された速度及び予め定められた速度で化合物を宿主の皮膚に輸送するための律速バリアを含有するリザーバー、及び装置を皮膚に固定するための手段を含む包帯(bandage)の形態である。
注射可能な製剤
イブルチニブ及び/または抗癌剤の化合物を含み、筋肉注射、皮下注射、または静脈注射に適している製剤は、生理学的に許容される滅菌した水溶液若しくは非水溶液、分散液、懸濁液、またはエマルション、及び滅菌した注射剤または分散剤に再構築される滅菌した粉末を含み得る。好適な水溶性及び非水溶性の担体は、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例は、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、クレモホール等)を含む賦形剤、それらの好適な混合物、植物油(オリーブオイル等)、及びオレイン酸エチル等の注射可能な有機エステルを含む。好適な流動性は、例えば、レシチン等のコーティング剤の使用によって、分散の場合は必要な粒子サイズの維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持され得る。皮下注射に適している製剤も、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤等の添加剤を含有し得る。微生物の成長の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の様々な抗菌剤及び抗真菌薬によって確実に阻害可能である。砂糖、塩化ナトリウム等の等張剤を含むことも所望され得る。注射可能な薬学的形態の持続的な吸収は、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン等の、吸収を遅らせる薬剤の使用によってもたらされ得る。
静脈内注射に関して、本明細書に記載される化合物は、水溶液、好ましくは、ハンクス液、リンガー液、または緩衝生理食塩水等の生理学的に混合可能な緩衝液中で製剤化され得る。経粘膜投与に関して、浸透されるバリアに好適な浸透剤は、製剤中で使用される。このような浸透剤は、一般的に、当該技術分野に公知である。他の非経口注射に関して、好適な製剤は、好ましくは、生理学的に相溶性のある緩衝液または賦形剤とともに、水溶液または非水溶液を含み得る。かかる賦形剤は、一般的に、当該技術分野に公知である。
非経口注射剤は、ボーラス投与または持続投与に関連し得る。注射のための製剤は、単位剤形、例えば、アンプルまたは反復投与用容器において、加えられた防腐剤とともに提示され得る。本明細書に記載される薬学的組成物は、油性または水溶ビヒクル中の滅菌した懸濁液、水溶液、またはエマルシジョンとして非経口注射剤に適している形態であり得る。非経口投与用の薬学的製剤は、水溶性形態の活性化合物の水溶液を含む。さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油性の注射懸濁液として調製され得る。好適な親油性の溶媒またはビヒクルは、胡麻油等の脂肪油、オレイン酸エチル若しくはトリグリセリド等の合成脂肪酸エステル、またはリポソームを含む。水溶性の注射懸濁液は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、またはデキストラン等の、懸濁液の粘性を増加させる物質を含み得る。任意に、懸濁液はまた、化合物の溶解度を増加させる好適な安定剤または薬剤を含み、高濃縮溶液の調製を可能にし得る。あるいは、活性成分は、使用前には、好適なビヒクル、例えば、滅菌したピロゲンを含まない水で構成するための粉末形態であり得る。
他の製剤
ある特定の実施形態では、例えば、リポソーム及びエマルジョン等の、薬学的化合物の輸送システムが、利用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される組成物は、例えば、カルボキシルメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/アクリル酸ブチルコポリマー、アルギン酸ナトリウム、及びデキストランの中から選択される、粘膜付着性ポリマーを含むことができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、局所的に投与され得、溶液、懸濁液、ローション剤、ゲル、ペースト剤、薬用スティック、鎮痛剤、クリーム、軟骨剤等の局所的に投与可能な様々な組成物で製剤化され得る。かかる薬学的化合物は、可溶化剤、安定剤、等張化促進剤、緩衝液、及び防腐剤を含み得る。
本明細書に記載される化合物はまた、浣腸剤、直腸ゲル、直腸発泡剤(rectal foam)、直腸エアロゾル、坐剤、ゼリー状の坐薬、または停留浣腸剤等の、直腸製剤において製剤化され、ココアバターまたは他のグリセリド等の従来の坐剤基剤、ならびにポリビニルピロリドン、PEG等の合成ポリマーも含有し得る。組成物の坐剤形態において、脂肪酸グリセリドの混合物等であるが、これに限定されない、低融点ワックスは、任意にココアバターと組み合わせて、最初に融解される。
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、各単位剤形中の共有結合Btk阻害剤(例えば不可逆的共有結合Btk阻害剤、例えばイブルチニブ)の量が約140mgごとであるように製剤化される。
キット/製品
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される1つ以上の方法で用いるためのキット及び製品が、本明細書に開示されている。かかるキットには、バイアル、チューブ等の1つ以上の容器を収容するよう区分化された担体、パッケージ、または容器を含み、その容器(複数可)の各々は、本明細書に記載される方法に使用される別々の要素のうちの1つを含む。好適な容器は、例えば、ボトル、バイアル、注射器、及び試験管を含む。一実施形態では、容器は、ガラスまたはプラスチック等の様々な材料から形成される。
本明細書で提供される製品は、パッケージ材料を含有する。薬学的パッケージ材料の例としては、ブリスターパック、ボトル、チューブ、バッグ、容器、ボトル、ならびに選択された製剤及び意図された様式による投与及び治療に適している任意のパッケージ材料が挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、容器(複数可)は、イブルチニブを、任意に、組成物中に、または本明細書に開示される抗CD20治療剤と組み合わせて含む。かかるキットは、任意に、識別についての記載、ラベル、または本明細書に記載される方法においてその使用に関する取扱説明書を含む。
キットは、典型的には、内容物及び/または使用のための指示を一覧表としたラベル、及び使用のための指示を含む添付文書を含む。1セットの取扱説明書も典型的には含まれよう。
一実施形態では、ラベルは、容器の上にある、またはそれに付随する。一実施形態では、ラベルは、ラベルを形づくる文字、番号、または他の表示が、それ自体容器中に貼り付けられるか、成形されるか、または刻まれている場合は、ラベルは容器上に取付けられ、ラベルが、また、容器を保持する貯蔵所(receptacle)または担体(例えば、添付文書)に存在する場合、ラベルは容器に付随する。一実施形態では、ラベルは、内容物が特定の治療用途に用いられるべきものであるということを示すために用いられる。ラベルは、例えば、本明細書に記載される方法で、内容物を用いる使用法の指示も示す。
ある特定の実施形態では、薬学的組成物は、本明細書に提供される化合物を含有する1つ以上の単位剤形を含む、パックまたはディスペンサーデバイスで提示される。パックは、例えば、ブリスターパック等の金属またはプラスチックホイルを含む。一実施形態では、パックまたはディスペンサーデバイスは、投与の説明書が添付されている。一実施形態では、パックまたはディスペンサーには、医薬品の製造、使用、または販売を規制する政府機関によって規定された形態の容器に付随する通知書が添付されており、この通知書は、ヒトまたは動物の投与に関する薬物の形態について政府機関の承認を反映するものである。かかる通知書は、例えば、処方薬に関して米国食品医薬品局によって承認されたラベル、または挿入された承認済み製品である。一実施形態では、適合する薬学的担体に製剤化された本明細書に提供される化合物を含有する組成物はまた、調製され、適切な容器に配され、指示された状態の治療のためにラベル付けされる。
これらの実施例は、例示的な目的のみに提供され、本明細書に提供される特許請求の範囲に限定されない。
実施例1:慢性リンパ球性白血病患者におけるオファツムマブと組み合わせたBTK阻害剤イブルチニブの安全性及び活性
慢性リンパ球性白血病(CLL)は、西欧諸国の成人において最も一般的な白血病の形態で、加齢に応じて発生率が増加する。診断時の年齢中央値は、72歳である。米国では2014年に15,720例が新規にCLLと診断され、4,600例が悪性腫瘍のため死亡するであろうと推定される。CLLは、骨髄、血液、リンパ節、及び他のリンパ系組織における悪性モノクローナルB細胞の蓄積によって特徴付けられる。CLLと免疫表現型的及び形質学的に等しい小リンパ球性リンパ腫(SLL)は、白血病の成分を有さずに細胞の同様の蓄積によって特徴付けられる。
CLLのための治療戦略は、アルキル化剤を単剤またはプリン類似体に基づいた化学療法と組み合わせた姑息療法から発展したものである。抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブの導入及び併用化学療法レジメンへのその一体化によるより集中的なアプローチは、かなりの割合の患者に長期間の寛解をもたらした。結果として、化学免疫療法は、CLL患者に適合する標準的なフロントライン療法とされている。概して、CLLは、現行の治療レジメンでは不治であり、再発性疾患の治療は依然として困難なままである。さらに、非突然変異IGHV、染色体異常del(17)(p13.1)等の高リスクの特性の存在、または高悪性度のリンパ腫への変換は、積極的な化学免疫療法を用いたとしても、不良転帰と関連している。
CLLは異種疾患であるが、悪性細胞へのB細胞の発達における経路及び白血病細胞自体における共通点により、標的療法の開発を可能にした。この数十年間、B細胞受容体(BCR)経路は、B細胞悪性腫瘍における新規の治療標的として現れた。この経路内の近位にある、Tecキナーゼファミリーの一員であるブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)は、悪性B細胞の生存及び増殖に必要とされる下流シグナル伝達の活性化においてにおいて中心的役割を果たす。BTKはまた、骨髄またはリンパ組織へのB細胞のホーミング、遊走、及び付着に関するB細胞の発達及び機能にも重要である。
イブルチニブは、画期的医薬品である、1日1回経口投与するBTKの共有結合阻害剤である。前臨床モデルにおいて、イブルチニブは、アポトーシスを誘導し、CLL細胞の生存を減少させ、腫瘍内微小環境へのそれらのホーミング、遊走、及び付着を阻害した。多施設第1b/2相試験において、イブルチニブ単剤投与によって、高リスクの臨床またはゲノム特性の存在にかかわらず、再発性/難治性CLL患者において全奏功率(ORR)(治験責任医師が評価)が71%となった。26カ月目の推定無増悪生存率(PFS)は、75%であり、これは、イブルチニブへの反応が持続したことを示している。さらに最近では、第3相RESONATE治験(PCYC−1112−CA)において、イブルチニブは、再発性/難治性CLL患者における進行または死亡のリスクを統計的に有意に78%低下させ、オファツムマブと比較して死亡のリスクを56%低下させたことが証明された。イブルチニブは、少なくとも1種の先行療法を受けたことがあるCLL患者及びdel(17)(p13.1)CLL患者全ての治療を適応としてFDAに承認されている。
オファツムマブは、リツキシマブのエピトープとは異なるエピトープと結合する抗CD20モノクローナル抗体である。それは、CLL細胞を含むB細胞株におけるリツキシマブと比較して、より強力な補体依存性毒性及びNK細胞抗体依存性細胞毒性(ADCC)を示す。オファツムマブの有効性は、アレムツズマブが無効であるか、またはアレムツズマブによる治療に適さない巨大病変を有したフルダラビン難治性のCLLに罹患している患者を対象とした第2相試験において実証された。オファツムマブはまた、リツキシマブによる治療歴のある患者にも有効であった。最近の試験は、化学療法と組み合わせてオファツムマブの実行可能性及び活性を示している。オファツムマブは、米国では、フルダラビンをベースとする治療が不適切であるCLLのフロントライン治療に、フルダラビン及びアレムツズマブ、ならびにクロラムブシルを併用しても効果がないCLLの治療を適応として承認されている。
イブルチニブ及びオファツムマブを混合するための原理は、再発性/難治性CLLにおいて承認された単剤活性、活性の異なる機序、及び非重複毒性に基づいている。本試験は、再発性/難治性CLL及び関連疾患に罹患している患者において、オファツムマブと組み合わせてイブルチニブの3つの異なる固定用量レジメンの安全性、忍容性、及び有効性を評価するように設計された。イブルチニブで一般に観察された初期リンパ球増加症がオファツムマブ注入に関連した反応または腫瘍崩壊症候群(TLS)の発達に罹りやすくなり得るかどうか分からなかったため、3つの異なる投薬順序が評価された:イブルチニブは、4週間前(投与群1)、1日間前(投与群2)、またはオファツムマブから8週間後(投与群3)に開始した。
患者
2011年1月から2012年6月までに患者を登録し、書面による同意を取得した後に、オハイオ州立大学(The Ohio State University)のJames Comprehensive Cancer Centerにて治療を行った。患者は、造血系新生物のWHO分類によって定義される、組織学的に確認されたCLL、SLL、B細胞前リンパ球性白血病(PLL)、またはリヒタートランスフォーメーションを有し、2008年に改訂された慢性リンパ球性白血病の国際ワークショップ(IWCLL)のガイドラインによって定義される治療に対する適応症を有したか、または幹細胞移植前に細胞減少が必要とされた場合に適格とされた。主要な適格性基準はまた、ヌクレオシド類似体を含む事前療法が2回以上失敗している場合(禁忌がない場合)、フローサイトメトリーによるCLL/SLL細胞上でのCD20の10%以上が発現している場合、ECOGパフォーマンスステータスが2以下である場合、及び終末器官機能が十分である場合とした。
試験のデザイン及び治療計画
この第1b/2相、単一施設非盲検逐次群試験は、施設内治験審査委員会から承認され、ヘルシンキ宣言及びICH(International Conference on Harmonization)「医薬品の臨床試験の実施の基準」に従って行われた。試験は、ClinicalTrials.gov(NCT01217749)に登録された。
スクリーニング時に、患者は、詳細な病歴、理学的検査、臨床検査、及び予後因子の評価(IGHV突然変異分析及びβ2−ミクログロブリンを含む)を行った。治療前評価は、フローサイトメトリー、骨髄の評価、ならびに胸部、腹部、及び骨盤のコンピュータ断層撮影(CT)検査を含んだ。、SLL患者及びリヒタートランスフォーメーションが認められた患者ではベースラインにPET/CT走査が行われた。
試験治療は、28日サイクルで施与した。イブルチニブは、1日1回、420mgの用量で経口投与し、疾患が進行するかまたは毒性が許容できなくなるまで継続した。オファツムマブは、、処方情報(初回投与時は300mg、及びその後の投与時は2000mg)に従って計12回静脈内投与した。次いで、延長試験PCYC−1103において進行するまたは許容できなくなるまで毎日イブルチニブの投与を継続してもよいこととした。3つの異なる順序で投与される患者を逐次的に登録した:イブルチニブを導入する投与群1、同時投与する投与群2(1日目にオファツムマブ及び2日目にイブルチニブ)、及びオファツムマブを導入する投与群3(図1)。投与群1の初めの6人の患者で、(56日以内に)DLTがないことを確認した後、登録を27人の患者まで拡大した。投与群2の登録は、同様に、安全性(28日間観察された初めの6人の患者の中でDLTが1以下であること)及び抗腫瘍活性に基づいて拡大した導かれた。投与群1及び2で登録が完了した後に、投与群2及び3の登録を開始した。
治療は、任意のグレード4の毒性を抑えたか、または個々の薬物がイブルチニブ関連若しくはオファツムマブ関連の臨床的に重大な管理し難いグレード3の有害事象(AE)を抑えた。治療は、AEがベースラインに戻るか、または消失した後に再開した。
患者は、アセトアミノフェン650mg、セチリジン10mgまたは同等物を含む前投薬を受け、各用量のオファツムマブの投与前に、デキサメタゾン20mgの静脈内投与に受けた。3〜12回のオファツムマブ投与においては、デキサメタゾンの用量は、グレード3以上の注入反応が事前投与中に生じなかった場合、徐々に減少させ得るか、または中断し得る。TLSにおいてリスクがあると見なされた患者には、補液が投与され、標準的なオファツムマブのガイダンスに従って尿酸降下薬が前投与された37。標準的な支持的ケア治療、例えば造血成長因子の使用が許容された。
評価
反応は、IWCLLガイドラインに従ってCLL及びPLLに罹患している患者、ならびに改訂された国際ワークショップ群基準に従ってSLL及びリヒタートランスフォーメーションについて、治験責任医師によって評価され、報告された。骨髄の評価は、完全寛解(CR)を確認するために必要とされた。リンパ球絶対数(ALC)のみの増加は、疾患の進行の他の兆候の不在下で、治療の失敗または進行性疾患であると見なさなかった。リンパ球増加症は、ベースラインから50%以上のALCの増加及び5×109/L超の絶対値として定義された。反応評価は、胸部、腹部、及び骨盤のCT走査を含む、サイクル1及び3の後、次いで、3サイクル毎に行われた。安全性評価は、臨床的評価及び理学的検査を含んだ。AEの重症度は、有害事象共通用語規準(4.0版)を用いて定義された。
統計学的考察
安全性は、少なくとも1つの用量の被験薬を受けたすべての患者において評価された。有効性は、少なくとも1つの用量の被験薬のうちの1つを受けた評価可能な患者の中から判定され、少なくとも1つの腫瘍反応評価を有した。ミニマックスSimonの2段階デザインを選択して、片側10%のアルファレベル検定を使用する場合に、帰無仮説(50%のORRに対して)を棄却する85%の検出力を提供した。中間分析は、投与群1及び投与群2の初めの10人の患者に対して行い、3人以上の患者が初めの3サイクル中に客観的反応を達成したときに限り、投与群を拡大した。有効性は、それぞれの投与群において別々に評価され、正式な統計学的な分析は、逐次的に登録された投与群の中での有効性を比較するためには計画されなかった。
主要評価項目は、投与群1及び投与群2において登録された初めの6人の患者の中で観察されたDLTの件数、及びすべての投与群においては、CR及び部分寛解(PR)を含むORRであった。副次的評価項目は、AEの発生率、(イブルチニブの中止をもたらすAEを含む)、グレード3以上のAE、重篤なAE(SAE)、反応までの時間、奏功期間(DOR)、PFS、及び血液学的改善を含んだ。カプランマイヤー手法を使用して、DOR及びPFSを推定し、記述統計量は、すべての他の評価項目の分析のために使用された。ベースラインに血球減少症に罹患していた患者の血液学的改善率は、副次的評価項目として評価された。
結果
患者
合計71人の患者が登録された。ベースライン特性は、3つの連続的に登録された投与群間で異なった(表1)。65人の患者(92%)はCLL、1人の患者(1%)はSLL、2人の患者(3%)はPLL、3人の患者(4%)はリヒタートランスフォーメーションを有した。年齢中央値は、64歳であった(範囲、48〜85歳)(表1)。大部分(61%)は、高リスクの病期(Rai病期IIIまたはIV)を有し、75%は、巨大なリンパ節(5cm以上)を有し、44%はdel(17)(p13.1)を有し、31%はdel(11)(q22.3)を有した。ベースラインの血球減少症は、70%の患者に認められた。全般的には、アルキル化剤、プリン類似体、及びリツキシマブ(表2)を含む、事前療法の回数の中央値は3回(範囲、2〜13)であった。
71人の患者すべてが試験治療を受け、68人の患者(96%)が反応に対して評価可能であり、患者のうち66人(93%)がCLL/SLLを有した。治療の中止理由を表3に示す。オファツムマブ単剤療法の期間中に進行性疾患を有した投与群3における4人の患者を含む、9人の患者(13%)が進行性疾患のため治療を中断し、7人(10%)がAEのため中止に至った。54人の患者(76%)は、長期延長試験においてイブルチニブによる治療を継続し、2人(3%)は同種幹細胞移植を受けた。長期延長試験に移行するまでのイブルチニブ療法期間の中央値は、投与群1において15.8カ月、投与群2において11.3カ月、及び投与群3において9.2カ月であり(表3)、これは、投与群1が投与群2及び投与群3よりも早く投与された逐次群デザイン、ならびにより後の投与群に対してより早い登録を可能にした長期延長試験の変更を反映する。オファツムマブ投与期間の中央値は、3つの群すべてで同様であった(中央値5.6カ月)。
安全性
DLTは生じなかった。最も一般的な治療中に発生したAEは、下痢(70%)、注入関連反応(45%)、末梢感覚神経障害(44%)、及び口内炎(38%)であった(表4)。これらのAEは、主に、グレード1または2であった。概して、45人の患者(63%)は、グレード3以上のAEを有し、最も一般的な事象は好中球減少症(24%)、肺炎(17%)、及び下痢(7%)であった。1症例のみのグレード3の注入反応が、71人の患者すべてにおいて報告された。8人の患者(11%)では、イブルチニブの投与中止に至ったAEが発現した。その内訳は、投与群1及び投与群2では、それぞれ、3人の患者、投与群3では2人の患者であった。
概して、投与群1では12人(44%)、投与群2では9人(45%)、及び投与群3では10人(42%)を含む、31人の患者(44%)に、SAEが発現した。最も一般的なSAEは、肺炎(16%)及び心房細動(6%)などであった。7人の患者(10%)には、プロトコルで定義された主要な出血性事象が発現した。7人の患者には、主要な出血性事象が発現し、これらのうちの1つ(硬膜下血腫)は、致命的な結果を至った。7件の大出血のうちの4件は、措置後に発現し、4つの措置のうちの2つは、現今推奨されている事前のイブルチニブ投与中止が行われることなく生じた。7件の事象は、グレード3の血胸症(症候性の再発性胸水のための胸腔穿刺後、n=1)、グレード3の措置後の出血(洞手術、n=1、骨髄生検、n=1)、グレード3の血腫(膝における[ベーカー嚢腫]、術後、n=1)、グレード2の消化管出血(胃潰瘍に起因、n=1)、グレード3の消化管出血(食道静脈瘤の現病歴を有する患者における食道静脈瘤出血に起因、n=1)、及び硬膜下血腫(n=1)であった。硬膜下血腫が発現した患者では、深部静脈血栓症の最近の病歴に起因して試験期間中、血栓予防としてワルファリン及びエノキサパリンが投与された。試験治療の最終投与から30日以内に他の致死的な非PD事象が、6人の患者に発現し、これには、肺炎(n=2)、器質化肺炎(n=1)、呼吸循環停止(n=1)、虚血性卒中(n=1)、及び敗血症(n=1)が含まれた。
有効性
CLL/SLLに罹患している患者のうちでORRは、投与群1では100%(95% CI:85.2%〜100%)であり、投与群2では78.9%(95% CI:54.4%〜93.9%)であり、投与群3では70.8%(95% CI:48.9%〜87.4%)であった。すべてのCLL/SLL患者のうちで、ORRは、83.3%(95% CI:72.1%〜91.4%)であった。1人の患者(1.5%)ではCRに達し、54人の患者(81.8%)ではPRに達した。2人のさらなる患者(3%)は、PR(PR−L)に達したがリンパ球増加症が認められた。CLL/SLLに罹患している患者で見られた最良の反応を図2Aに示す。PLL患者は両方とも、治療に応答し、CR及びPRの最良の反応を有し、それぞれ、DORは9.2+カ月及び11.3+カ月で、長期延長試験においてイブルチニブの投与が継続され、この報告期間中に応答を示した。リヒタートランスフォーメーションを有する患者のうち2人の患者は、疾患の増悪を発症する前に471日及び137日間安定を示し、リヒタートランスフォーメーションを有する1人の別の患者は、168日目に疾患の増悪を発症する前にPRの最良の反応(DOR4.6カ月)を有した。投与群3では4人の患者(17%)では、イブルチニブ投与開始前にオファツムマブの単剤療法において進行した。高リスクの特性によって、有効性が低下するとは考えられなかった。ORRは、65歳以上の患者では71%であり、Rai病期III/IVでは79%であり、巨大病変(5cm以上のリンパ節)では85%であり、非突然変異IGHVでは90%であり、del(17)(p13.1)では87%であり、β2−ミクログロブリンが3mg/L超であった患者では75%であった(図2B)。
概して、70人の患者のうちの37人の患者(53%)は、リンパ球増加症を発症し、これには、投与群1では17人(63%)、投与群2では11人(55%)、投与群3では9人(39%)が含まれた。経時的なALCの変化率の中央値を図2Cに示す。ピークALCまでの平均期間は、投薬スケジュールに反映して、投与群1では3.1週間、投与群2では1.1週間、投与群3では13.1週間であった。解析時、リンパ球増加症が消失するまでの期間の中央値は、投与群1の全例で12.1週間、投与群2では11人の患者のうちの9人の患者で7.6週間、投与群3では9人の患者のうちの6人の患者で21.1週間であった。リンパ節サイズの減少はすべての群において顕著であった(図2D)。予想されたように、随伴性リンパ球増加症は、その後のオファツムマブ治療の開始により、投与群2及び投与群3よりも投与群1における患者においてより報告され、すべての群において、ALCは経時的に減少した。
概して、ベースラインで血球減少症が認められた50人の患者のうちの39人の患者(78%)では、少なくとも1つの血液学的パラメーターが改善を示した。持続的な血液学的改善(輸血若しくは成長因子を使用することなく56日以上持続する、ベースライン値を上回る50%以上の改善または1500/μL超のANCまたは11g/dL超のヘモグロビンまたは100,000/μL超の血小板として定義される)は、ベースラインで好中球減少症が認められた20人の患者のうちの12人の患者(60%)、貧血が認められた33人の患者のうちの18人の患者(55%)、血小板減少症が認められた36人の患者のうちの25人の患者(69%)で認められた。
疾患全体で試験治療が奏功した58人の患者では、初期奏功までの期間の中央値は、投与群1では2.8カ月(範囲、1〜6)、投与群2では1カ月(範囲、1〜3.1)、投与群3では2.8カ月(範囲、2.7〜7.4)であった。CRに達した患者では両方とも、CRに達するまでの時間は12.2カ月で達成した。DOR中央値は、全体の試験集団または個々の群において依然として達しなかった。12カ月で、推定された持続奏功率は、88.9%(95% CI:74.3〜95.4)であった。試験の終了時に、52人の奏功例(89.7%)が生存しており増悪は認められなかった。
試験期間中(中央値12.5カ月)には、平均PFSは達せず、追跡調査期間の中央値は、投与群1、2、及び3でそれぞれ、16.4、11.8、及び11.1カ月であった。患者の大部分(76%)では、長期延長試験においてイブルチニブ投与が継続され、2人の患者(2.8%)が幹細胞移植を受けた。12カ月目の推定PFS率は、全体の試験集団において83.1%(95% CI:72.1%〜90%)であり、投与群1では88.7%(95% CI:69.0%〜96.2%)、投与群2で85%(60.4%〜94.9%)であり、投与群3では75%(95% CI:52.6%〜87.9%)であった(図3)。推定された12カ月目のOSは、全体の試験集団において88.6%(95% CI:78.6%〜94.2%)であり、投与群1で92.3%(95% CI:72.5%〜98%)であり、投与群2で85%(95% CI:60.4%〜94.9%)であり、投与群3では87.5%(95% CI:66.1%〜95.8%)であった。
考察
したがって、我々は、第1b/2相試験において、イブルチニブ及びオファツムマブが、調査された3つすべての用量投与順序で、再発性/難治性CLL/SLLに罹患している患者において高い臨床活性を示したことを実証する。これらの患者は、3つ(中央値)の事前療法により高度に事前治療され、大部分が、高リスクの疾患特性を有した。3つすべての群における奏功率が、この短い追跡期間で単剤のオファツムマブまたはイブルチニブによるこれまでの経験に基づいて予想されたものよりも実質的に高かった24、31。療法への反応は、オファツムマブの前に1カ月間イブルチニブを受けた群において最も高かった。対照的に、オファツムマブによる導入を受けた患者の中で反応が最低であり、これは、恐らく、CLLに罹患する以前に治療された患者を対象とする無作為化第3相RESONATE(商標)試験において最近実証されたイブルチニブと比較して、この治療の有効性が低いことを反映している25。毒性は、すべての群において同様であった。3つの群の直接比較は、無作為化の欠如及び各群の患者の異なる事前治療の特性に基づいて可能ではないが、このスケジュールが最高奏功率及び最低注入反応率を有したため(33%、これに対して投与群2で70%、及び投与群3では38%)、この試験の治験責任医師は、抗CD20抗体を組み合わせるその後の試験で投与群1のスケジュールを追求することを選択した。注目すべきは、3つすべてのスケジューは、患者の大部分が混合から恩恵を受けることを可能にしたことであった。イブルチニブ及びリツキシマブの併用投与は、この試験において観察された、反応によって評価された類似の有効性があることが報告されている42。CLL/SLLコホートに対して治験責任医師によって決定されたORRは、83.3%であり、さらに3%がリンパ球増加症を有する部分寛解を達成し、これは、好ましくは、再発性及び/または難治性CLLの治療において歴史的に使用されたレジメンと比較する。PCYC−1102−CA試験において、ORR(CR及びPR)は、イブルチニブ420mg及び840mgのコホートの両方において71%であり、患者のさらに20%及び15%は、それぞれ、PR−Lを有した24。とりわけ、組み合わせを用いたPR−Lの割合(3%)は、PCYC−1102−CAにおいてかなり低い(14.8%)。ここ3年の最新のPCYC−1102−CAデータは、PR−Lを初めに達成した患者の92%がイブルチニブ単剤投与により従来の反応に変化された(PR/CR)ことを実証した43。奏功例に対する最良反応までの平均期間は、2.8カ月であった。投与群1、2、及び3における、最良反応までの期間は、それぞれ、3.8、2.8、及び4.6カ月であった。対照的に、PCYC−1102−CAにおいて420mgで治療された再発性または難治性患者に対する最良反応までの期間は、7.4カ月であった。
CLLから生じるPLL及びDLBCL(リヒタートランスフォーメーション)に罹患している患者を登録した、本試験は、PLLに罹患している2人の患者及びリヒタートランスフォーメーションに罹患している3人の患者のみが治療されたという制限のある、侵襲性疾患に罹患している患者においてこの併用レジメンを用いると疾患が制御される可能性があることを示唆している。2人の患者でこの時点で持続する長期寛解が認められたことから、特にこれはPLLに当てはまる。
併用投与時の高いORRは、例えば、del(17)(p13.1)、非突然変異IGHV、及びβ2−ミクログロブリンレベルの上昇等の高リスクの特性を有する患者の中でさえ、患者のサブグループ全体で一致した。突然変異IGHVのサブグループ(n=8)は、非突然変異のサブグループ(n=50)と比較して、ORR(50%対90%)の低下を示した。突然変異IGHVに罹患している8人の患者のうちの2人の患者は、投与群3中におり、オファツムマブ単剤療法中に進行し、初期のイブルチニブ及びその後の両方でPR及びPR−Lが達成された。その他の6人の患者は、PR(n=4)、PR−L(n=1)、及び安定(n=1)を示した。異なる遺伝群の中でPFSの検査では、いかなるサブグループにおいてもPFS中央値に達しなかったため、さらなる追跡を必要とするであろう。実際には、PCYC−1102−CA試験において、del(17)(p13.1)またはdel(11)(q22.3)に罹患している患者のみで増悪傾向が見られ、PFSにのみに経時的に差が認められた43。
リンパ球増加症は、BCRを阻害する薬剤の十分に説明された薬力学的クラスの効果であり、イブルチニブを用いて、これは、BTK媒介性B細胞ホーミングの阻害及び腫瘍微環境への付着によって生じ、リンパ節部分から末梢血への白血病細胞の動員をもたらす21、23。リンパ球増加症は、本試験の全集団の53%に発症し、オファツムマブを開始する1カ月前にイブルチニブを開始した場合に、より高い割合が観察され(群1:63%)、オファツムマブを2カ月間単剤療法として開始した場合に、より低い割合が観察された(群3:39%)。単剤イブルチニブを用いた上述の第2相及び第3相試験において、リンパ球増加症は、より高い割合の患者(CLL/SLLに罹患している患者の、それぞれ、78%及び69%)において発症し、抗CD20モノクローナル抗体の添加が、イブルチニブで治療したCLL患者において観察されたリンパ球増加症の割合を低下し得ることを示唆している24、25。オファツムマブと比較してイブルチニブの投薬順序の違いを考えると、3つの群にわたるリンパ球増加症のパターンの時間差が予想された。単剤イブルチニブの報告と同様に、イブルチニブとオファツムマブを組み合わせて使用した本試験は、リンパ球増加症と同時に発症したリンパ節サイズの急速かつ実質的な減少を示した24、44。再発性/難治性CLLに罹患している患者を対象とする単剤イブルチニブの第2相治験からの最近の解析では、持続的なリンパ球増加症を伴うPRが、従来の臨床反応と比較して劣ることはなかった45。イブルチニブとオファツムマブの組み合わせを用いた本試験からのデータとともに、単剤イブルチニブを用いたこの見解45、及びイブルチニブとリツキシマブの組み合わせによるリンパ球増加症の報告の減少46は、抗CD20モノクローナル抗体を用いたリンパ球増加症のさらなる標的化が単剤イブルチニブ療法を上回る長期のPFS/OSの結果を改善するかどうかという重要な問題を提起する。これは、目下、イブルチニブ±リツキシマブを評価する第2相治験(NCT02007044)、ならびにリツキシマブとベンダムスチン、リツキシマブとイブルチニブ、及びイブルチニブ単剤療法を比較する3群比較第3相ALLIANCE試験(NCT01886872)を含む、無作為化試験において試験が行われている。
併用レジメンで最も報告頻度の高かった有害事象(例えば、下痢、注入関連の反応、打撲傷/打撲、上気道感染症)は、上述の試験における単剤の安全性プロファイルと一致した24、25、31。グレード3以上の主な出血性事象は、6人の患者(8%)において生じ、これは、単剤イブルチニブ(1%)対オファツムマブ(1.6%)の最近の無作為化RESONATE試験においては若干高いが、PCYC−1102−CAにおいて単剤イブルチニブについて報告された割合と一致している24、25。末梢感覚神経障害は、本試験において比較的高い割合(42%)で報告された。しかしながら、ほとんどの症例は、グレード1または2であり、わずか2人の患者がグレード3の事象を有した。末梢感覚神経障害は、イブルチニブを用いた先行の単剤試験において高頻度の有害事象ではなかった24,25。しかしながら、無作為化RESONATE試験において、末梢感覚神経障害(グレード1及び2)は、イブルチニブ(4%)と比較してオファツムマブを用いた場合に、より高い割合(13%)であることは顕著であった25。これらの結果は、末梢神経障害がオファツムマブによる治療と関連し得るが25、イブルチニブと組み合わせると悪化し得ることを示唆している。末梢神経障害は、抗CD20抗体及びイブルチニブを検査している他の試験においてあまり一般に述べられなかった(リツキシマブと組み合わせてイブルチニブで治療した患者の9%)42。概して、この合併症によって、現行の試験の一部としていずれの治療薬を投与する能力は制限されなかった。
本明細書に記載される実施例及び実施形態は、例示的であり、当業者に示唆されている様々な修正または変更は、この開示内に含まれるものとする。当業者には理解されるように、上の例に列挙された特定の成分は、他の機能的に等価な成分、例えば、希釈剤、結合剤、滑沢剤、充填剤等で置き換えられ得る。