JP2018500907A - ヒトα−ガラクトシダーゼバリアント - Google Patents

ヒトα−ガラクトシダーゼバリアント Download PDF

Info

Publication number
JP2018500907A
JP2018500907A JP2017533453A JP2017533453A JP2018500907A JP 2018500907 A JP2018500907 A JP 2018500907A JP 2017533453 A JP2017533453 A JP 2017533453A JP 2017533453 A JP2017533453 A JP 2017533453A JP 2018500907 A JP2018500907 A JP 2018500907A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
galactosidase
recombinant
gla
sequence
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017533453A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6650943B2 (ja
Inventor
ニコラス ジェイ. アガード,
ニコラス ジェイ. アガード,
マシュー ジー. ミラー,
マシュー ジー. ミラー,
シユン ザン,
シユン ザン,
ジャルト ダブリュー. ユイスマン,
ジャルト ダブリュー. ユイスマン,
Original Assignee
コデクシス, インコーポレイテッド
コデクシス, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コデクシス, インコーポレイテッド, コデクシス, インコーポレイテッド filed Critical コデクシス, インコーポレイテッド
Publication of JP2018500907A publication Critical patent/JP2018500907A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6650943B2 publication Critical patent/JP6650943B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/43Enzymes; Proenzymes; Derivatives thereof
    • A61K38/46Hydrolases (3)
    • A61K38/47Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2), e.g. cellulases, lactases
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0019Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/06Antihyperlipidemics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/24Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2)
    • C12N9/2402Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2) hydrolysing O- and S- glycosyl compounds (3.2.1)
    • C12N9/2465Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2) hydrolysing O- and S- glycosyl compounds (3.2.1) acting on alpha-galactose-glycoside bonds, e.g. alpha-galactosidase (3.2.1.22)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y302/00Hydrolases acting on glycosyl compounds, i.e. glycosylases (3.2)
    • C12Y302/01Glycosidases, i.e. enzymes hydrolysing O- and S-glycosyl compounds (3.2.1)
    • C12Y302/01022Alpha-galactosidase (3.2.1.22)

Abstract

本発明は、操作されたヒトα−ガラクトシダーゼポリペプチドおよびその組成物を提供する。操作されたヒトα−ガラクトシダーゼポリペプチドは、酸性(pH<4.5)および塩基性(pH>7)の両方の条件下で、改良された安定性を提供するように最適化されている。本発明はまた、治療目的のための、操作されたヒトα−ガラクトシダーゼポリペプチドを含む組成物の使用に関する。配列番号5と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%の配列同一性を含むアミノ酸配列を含む組換えαガラクトシダーゼAおよび/または生物学的に活性な組換えαガラクトシダーゼAフラグメントを提供する。

Description

この出願は、2014年12月22日に出願された米国仮特許出願第62/095313号および2015年9月10日に出願された米国仮特許出願第62/216452号(これらの両方は、全ての目的のためにそれらの全体が参考として本明細書に援用される)への優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、操作されたヒトα−ガラクトシダーゼポリペプチドおよびその組成物を提供する。操作されたヒトα−ガラクトシダーゼポリペプチドは、酸性(pH<4.5)および塩基性(pH>7)の両方の条件下で、改良された安定性を提供するように最適化されている。本発明はまた、治療目的のための、操作されたヒトα−ガラクトシダーゼポリペプチドを含む組成物の使用に関する。
配列表、表、またはコンピュータプログラムに関する言及
配列表の写しを、ファイル名「CX7−147WO2_ST25.txt」、作成日2015年11月30日、およびサイズ2,545,851バイトのASCII形式のテキストファイルとしてEFS−Webから明細書と同時に提出している。EFS−Webから提出した配列表は、本明細書の一部を構成し、その全体が本明細書中で参照によって組み込まれる。
発明の背景
ヒトαガラクトシダーゼ(「GLA」;EC3.2.1.22)は、糖脂質および糖タンパク質からの末端αガラクトシル部分の加水分解に関与するリソソーム糖タンパク質である。それは、一連のヒト組織内に存在する多くの基質に作用する。ファブリー病(びまん性体部被角血管腫、アンダーソン−ファブリー病、遺伝性異所性リピドーシス(hereditary dystopic lipidosis)、α−ガラクトシダーゼA欠損症、GLA欠損症およびセラミドトリヘキソシダーゼ欠損症とも称される)は、α−ガラクトシダーゼAの欠損または活性欠如に起因するスフィンゴ糖脂質異化のX連鎖先天異常である。ファブリー病に罹患している患者は、血管、組織および器官の血漿および細胞リソソーム中に、グロボトリオシルセラミド(Gb)および関連スフィンゴ糖脂質を蓄積する(例えば、Nanceら、Arch.Neurol.,63:453−457[2006]を参照のこと)。患者が老化するにつれて、これらの脂質の蓄積により、血管は徐々に狭くなり、組織、特に皮膚、腎臓、心臓、脳および神経系における血流および栄養が減少する。したがって、ファブリー病は、腎不全、心疾患、脳血管疾患、小線維末梢神経障害および皮膚病変ならびに他の障害として症状発現する全身性障害である(例えば、Schiffmann,Pharm.Ther.,122:65−77[2009]を参照のこと)。罹患患者は、手足の痛み、皮膚上の小さな暗赤色の斑点のクラスター、発汗能力の低下、角膜混濁、胃腸の問題、耳鳴りおよび難聴などの症状を示す。生命に関わる恐れのある合併症には、進行性腎損傷、心臓発作および脳卒中が含まれる。この疾患は、男性では推定で40,000〜60,000人に1人が罹患しているが、女性でも起こる。実際、ファブリー病を有するヘテロ接合女性は、医療処置を必要とする重大な生命に関わる状態(神経系異常、慢性疼痛、疲労、高血圧、心臓病、腎不全および脳卒中を含む)を経験する(例えば、Wantら、Genet.Med.,13:457−484[2011]を参照のこと)。ファブリー病の徴候は、乳児期以降の任意の時点で始まる可能性があり、徴候は通常、4〜8歳に現れ始めるが、一部の患者は、より軽度の遅発性疾患を示す。一般に、処置は支持的であり、ファブリー病の治療法はないので、安全で有効な処置が依然として必要である。
Nanceら、Arch.Neurol.,[2006]63:453〜457 Schiffmann,Pharm.Ther.,[2009]122:65〜77 Wantら、Genet.Med.,[2011]13:457〜484
本発明は、操作されたヒトα−ガラクトシダーゼポリペプチドおよびその組成物を提供する。操作されたヒトα−ガラクトシダーゼポリペプチドは、酸性(pH<4.5)および塩基性(pH>7)の両方の条件下で、改良された安定性を提供するように最適化されている。本発明はまた、治療目的のための、操作されたヒトα−ガラクトシダーゼポリペプチドを含む組成物の使用に関する。
本発明は、配列番号5と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%の配列同一性を含むアミノ酸配列を含む組換えαガラクトシダーゼAおよび/または生物学的に活性な組換えαガラクトシダーゼAフラグメントを提供する。いくつかの実施形態では、αガラクトシダーゼAは、表2.1、2.2、2.4、および/または2.5に提供した少なくとも1つの位置であって、配列番号5を参照してナンバリングされている位置において少なくとも1つの変異を含む。いくつかの実施形態では、αガラクトシダーゼAは、表2.3に提供した少なくとも1つの位置であって、配列番号10を参照してナンバリングされている位置において少なくとも1つの変異を含む。いくつかのさらなる実施形態では、組換えαガラクトシダーゼAは、ヒトαガラクトシダーゼAに由来する。いくつかのさらなる実施形態では、組換えαガラクトシダーゼAは、配列番号15、13、10、または18のポリペプチド配列を含む。またいくつかのさらなる実施形態では、組換えαガラクトシダーゼAは、配列番号5のαガラクトシダーゼAよりも熱安定性である。いくつかのさらなる実施形態では、組換えαガラクトシダーゼAは、pH7.4において、配列番号5のαガラクトシダーゼAよりも安定であり、さらなる実施形態では、組換えαガラクトシダーゼAは、pH4.3において、配列番号5のαガラクトシダーゼAよりも安定である。いくつかの実施形態では、組換えαガラクトシダーゼAは、pH7.4およびpH4.3において、配列番号5のαガラクトシダーゼAよりも安定である。またいくつかのさらなる実施形態では、組換えαガラクトシダーゼAは、脱免疫化αガラクトシダーゼAである。いくつかの実施形態では、組換えαガラクトシダーゼAは、表7.1に提供した脱免疫化αガラクトシダーゼAである。またいくつかのさらなる実施形態では、組換えαガラクトシダーゼAは、精製されている。いくつかの実施形態では、組換えαガラクトシダーゼAは、参照配列と比較して、i)触媒活性の増強;ii)pH7.4に対する耐性の増加;iii)pH4.3に対する耐性の増加;またはiv)免疫原性の減少;またはi)、ii)、iii)、もしくはiv)のいずれかの組み合わせから選択される少なくとも1つの改良された特性を示す。いくつかの実施形態では、参照配列は配列番号5であり、いくつかの代替的な実施形態では、参照配列は配列番号10である。
本発明はまた、本明細書中(例えば、表2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、および/または表7.1)に提供した少なくとも1つの組換えαガラクトシダーゼAをコードする組換えポリヌクレオチド配列を提供する。いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチド配列は、コドン最適化されている。
本発明はまた、本明細書中(例えば、表2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、および/または表7.1)に提供した少なくとも1つの組換えαガラクトシダーゼAをコードする組換えポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターを提供する。いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチド配列は、調節配列に作動可能に連結されている。いくつかのさらなる実施形態では、調節配列は、プロモーターである。いくつかのさらなる実施形態では、プロモーターは、異種プロモーターである。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、本明細書中に提供したシグナル配列をさらに含む。
本発明はまた、本明細書中に提供した少なくとも1つの発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、本明細書中(例えば、表2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、および/または表7.1)に提供した少なくとも1つの組換えαガラクトシダーゼAをコードする組換えポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、真核生物である。
本発明はまた、αガラクトシダーゼAバリアントを生成する方法であって、組換えポリヌクレオチドによってコードされるαガラクトシダーゼAが産生される条件下で、本明細書中に提供した宿主細胞を培養する工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、該方法は、αガラクトシダーゼAを回収する工程をさらに含む。いくつかのさらなる実施形態では、該方法は、αガラクトシダーゼAを精製する工程をさらに含む。
本発明はまた、本明細書中(例えば、表2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、および/または表7.1)に提供した少なくとも1つの組換えαガラクトシダーゼAを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、医薬組成物を提供する。いくつかのさらなる実施形態では、本発明は、ファブリー病を処置するための医薬組成物であって、本明細書中に提供した酵素組成物を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容され得るキャリアおよび/または賦形剤をさらに含む。いくつかのさらなる実施形態では、医薬組成物は、ヒトへの非経口注射または注入に適切である。
本発明はまた、被験体におけるファブリー病の症状を処置および/または予防するための方法であって、ファブリー病を有する被験体を提供する工程、および本明細書中(例えば、表2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、および/または表7.1)に提供した少なくとも1つの組換えαガラクトシダーゼAを含む少なくとも1つの医薬組成物組成物(pharmaceutical composition compositions)を提供する工程、および医薬組成物を被験体に投与する工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、ファブリー病の症状は、被験体において改善される。いくつかのさらなる実施形態では、本発明の医薬組成物が投与された被験体は、ファブリー病の症状を示す被験体が必要とする食事よりも、その脂肪含有量の制限が少ない食事を摂ることができる。いくつかの実施形態では、被験体は乳児または小児であり、いくつかの代替的な実施形態では、被験体は成人または若年成人である。
本発明はまた、本明細書中に提供した組成物の使用を提供する。
図1は、2〜5日間の培養後のS.cerevisiaeにおける異なるGLA構築物の相対活性を示すグラフを提供する。
図2は、種々のpHにおけるインキュベーション後のGLAバリアントの絶対(パネルA)および相対(パネルB)活性を示すグラフを提供する。
図3は、種々の温度におけるインキュベーション後のGLAバリアントの絶対(パネルA)および相対(パネルB)活性を示すグラフを提供する。
図4は、漸増量の血清を含有する緩衝液によるチャレンジ後のGLAバリアントの絶対(パネルAおよびB)および相対(パネルCおよびD)活性を示すグラフを提供する。 図4は、漸増量の血清を含有する緩衝液によるチャレンジ後のGLAバリアントの絶対(パネルAおよびB)および相対(パネルCおよびD)活性を示すグラフを提供する。
図5は、HEK293T細胞において発現されたGLAバリアントの相対活性を示すグラフを提供する。
図6は、HEK293T細胞において発現され、活性について正規化し、種々のpHでインキュベートしたGLAバリアントの絶対(パネルA)および相対(パネルB)活性を示すグラフを提供する。
図7は、HEK293T細胞において発現され、活性について正規化し、種々の温度でインキュベートしたGLAバリアントの絶対(パネルA)および相対(パネルB)活性を示すグラフを提供する。
図8は、酸性(パネルA)または塩基性(パネルB)溶液中におけるインキュベーション後に残存するGLAバリアント活性を示すグラフを提供する。
図9は、GLAバリアントの投与後のラット血清中における回復したGLA活性を示すグラフを提供する。
発明の説明
本発明は、操作されたヒトα−ガラクトシダーゼポリペプチドおよびその組成物を提供する。操作されたヒトα−ガラクトシダーゼポリペプチドは、酸性(pH<4.5)および塩基性(pH>7)の両方の条件下で、改良された安定性を提供するように最適化されている。本発明はまた、治療目的のための、操作されたヒトα−ガラクトシダーゼポリペプチドを含む組成物の使用に関する。
いくつかの実施形態では、操作されたヒトα−ガラクトシダーゼポリペプチドは、種々のレベルで改良された安定性を提供するように最適化されている。本発明はまた、治療目的のための、操作されたヒトα−ガラクトシダーゼポリペプチドを含む組成物の使用に関する。
適格な個体については、ファブリー病の処置のための酵素補充療法(例えば、Fabrazyme(登録商標)アガルシダーゼベータ;Genzyme)が利用可能であり、検討される。現在使用されている酵素補充療法は、野生型ヒトGLAの組換え発現形態である。静脈内投与したGLAは循環し、エンドサイトーシスされて、標的器官のエンドソーム/リソソームに移動し、そこで、Gb3の蓄積を減少させることが公知である。神経因性疼痛および一過性虚血発作が低い割合で起こり続けるので、これらの薬物は、患者の症状を完全に取り除くものではない。加えて、ほとんどの標的器官によるGLAの取り込みは、肝臓と比較して乏しく、血液およびリソソームのpHでは、この酵素は不安定である。したがって、利用可能な処置には依然として問題がある。加えて、患者は、免疫応答(投与した薬物を標的とするIgGおよびIgE抗体)を起こし、重度のアレルギー(アナフィラキシー)反応、重度の注入反応に苦しみ、さらには死に至り得る。本発明は、現在利用可能な処置と比較して、ファブリー病の処置に適切なより安定な酵素であって、副作用がより少なく、転帰が改善された酵素を提供することを意図する。実際、本発明は、血流中への注射時に酵素が遭遇する血液(pH7.4)中において、増加した安定性を有する組換えGLA酵素を提供することを意図する。加えて、該酵素は、リソソーム(すなわち、治療中に酵素が活性である場所)のpH(pH4.3)において、増加した安定性を有する。したがって、所望の安定特性を有する新規GLAバリアントを提供するために、多様な酵素バリアントライブラリーのハイスループットスクリーニングを用いた、Saccharomyces cerevisiaeにおいて組換え発現されたヒトGLAの指向進化を使用した。加えて、減少した予測免疫原性を有する新規GLAバリアントを同定するために、バリアント酵素をスクリーニングし、それらのアミノ酸配列を決定した。増加したpH安定性および減少した免疫原性を有するGLAバリアントを提供することによって、本発明は、患者の処置耐性を増加させ、患者転帰の改善のために投与および製剤化の柔軟性を提供することによって、患者における使用に適切な組成物および方法を提供する。
略語および定義:
特に定義がない限り、本明細書中で使用する全ての技術用語および科学用語は、一般に、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。一般に、本明細書中で使用する命名法ならびに下記の細胞培養、分子遺伝学、微生物学、生化学、有機化学、分析化学および核酸化学の実験手順は、当該分野で周知であり一般に用いられるものである。かかる技術は周知であり、当業者に周知の多数のテキストおよび参考文献に記載されている。標準的な技術またはその改変は、化学合成および化学分析に使用される。本明細書(上記および下記の両方)中で言及する全ての特許、特許出願、論文および刊行物は、本明細書中で参照によって明確に組み込まれる。
本明細書中に記載のものと類似または同等の任意の適切な方法および材料が本発明の実施に使用されるが、いくつかの方法および材料が本明細書中に記載される。本発明は、記載する特定の方法論、プロトコールおよび試薬に限定されないが、それは、当業者によって使用される状況に応じてこれらが変動し得るためであることを理解すべきである。したがって、以下に直接定義する用語は、全体として本出願を参照することによってより詳細に説明される。本明細書(上記および下記の両方)中で言及する全ての特許、特許出願、論文および刊行物は、本明細書中で参照によって明確に組み込まれる。
また、特に文脈上明確な指示がない限り、本明細書中で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、複数の指示対象を含む。
数値範囲は、範囲を規定する数を含む。したがって、本明細書中に開示のあらゆる数値範囲は、より狭い数値範囲が全て本明細書中に明確に記述されているかのように、かかるより広い数値範囲内に含まれるあらゆるより狭い数値範囲を包含することを意図する。本明細書中に開示のあらゆる最大(または最小)数値限定は、より小さい(またはより大きい)数値限定が本明細書中に明確に記述されているかのように、あらゆるかかるより小さい(またはより大きい)数値限定を含むことも意図する。
用語「約」は、特定の値に対する許容誤差を意味する。いくつかの場合では、「約」は、所定の値の範囲の0.05%、0.5%、1.0%、または2.0%内を意味する。いくつかの場合では、「約」は、所定の値の1、2、3または4標準偏差内を意味する。
さらに、本明細書中に提供した見出しは、全体として本出願を参照することによってなされ得る本発明の種々の態様または実施形態の限定ではない。したがって、以下に直接定義する用語は、全体として本出願を参照することによってより詳細に説明される。それにもかかわらず、本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語を以下に定義する。
特に指示がない限り、それぞれ、核酸は、5’から3’方向で左から右に記述され;アミノ酸配列は、アミノからカルボキシ方向で左から右に記述される。
本明細書中で使用する場合、用語「含む(comprising)」およびその同義語は、その包括的な意味で使用される(すなわち、用語「含む(including)」およびその対応する同義語と同等)。
「EC」番号は、Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology(NC−IUBMB)の酵素命名法をいう。IUBMBの生化学的分類は、酵素が触媒する化学反応に基づく酵素の数値分類体系である。
「ATCC」は、American Type Culture Collectionをいい、そのバイオレポジトリーコレクションには、遺伝子および株が含まれる。
「NCBI」は、National Center for Biological Informationおよびその中で提供されている配列データベースをいう。
「タンパク質」、「ポリペプチド」、および「ペプチド」を、長さや翻訳後修飾(例えば、グリコシル化またはリン酸化)と無関係にアミド結合によって共有結合した少なくとも2つのアミノ酸のポリマーを示すために本明細書中で互換的に使用する。
「アミノ酸」は、本明細書中では、それらの一般的に公知の3文字記号によって、またはIUPAC−IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨される1文字記号のいずれかによって参照される。同様に、ヌクレオチドは、一般的に認められている1文字コードによって参照され得る。
用語「操作された」、「組換えの」、「天然に存在しない」、および「バリアント」は、細胞、ポリヌクレオチド、またはポリペプチドに関して使用する場合、材料、すなわち、本来は天然に存在しないと考えられる様式で改変された材料の天然または未変性の形態に対応する材料、または天然または未変性の形態に同一であるが、合成材料および/または組換え技術を使用した操作によって産生または誘導された材料をいう。
本明細書中で使用される場合、「野生型」および「天然に存在する」は、天然に見出される形態をいう。例えば、野生型のポリペプチド配列またはポリヌクレオチド配列は、天然供給源から単離することができ、且つ人為的に意図的に改変されていない生物中に存在する配列である。
「脱免疫化された」は、本明細書中で使用する場合、野生型または参照タンパク質ほど免疫原性でないと予測されるバリアントを作るためのタンパク質配列の操作をいう。いくつかの実施形態では、バリアントタンパク質が投与される患者において、バリアントタンパク質が免疫応答を刺激しないと予測される点で、予測脱免疫化は完全なものである。この応答は、限定されないが、抗薬物抗体の存在もしくは存在量、中和抗体の存在もしくは存在量、アナフィラキシー応答の存在、主要組織適合複合体−II(MHC−II)タンパク質上のペプチド提示、またはタンパク質の投与時のサイトカイン放出の蔓延もしくは強度を含む種々の方法によって測定され得る。いくつかの実施形態では、バリアントタンパク質は、野生型または参照タンパク質よりも低免疫原性である。いくつかの実施形態では、脱免疫化は、ヒト白血球抗原(HLA)受容体によって認識されるタンパク質の部分配列(例えば、エピトープ)に対する改変を伴う。いくつかの実施形態では、かかる部分配列がHLA受容体によってもはや認識されない脱免疫化バリアントタンパク質を生成するために、これらのエピトープは、それらのアミノ酸配列を変化させることによって除去される。いくつかの他の実施形態では、これらのエピトープは、HLA受容体に対する結合親和性を保持するが、提示されない。いくつかの実施形態では、脱免疫化タンパク質は、ヒト免疫応答の生化学的および細胞生物学的予測因子(樹状細胞T細胞活性化アッセイまたは(HLA)ペプチド結合アッセイを含む)において、より低レベルの応答を示す。いくつかの実施形態では、エピトープがT細胞受容体によってもはや認識されない脱免疫化バリアントタンパク質を生成するために、これらのエピトープは、それらのアミノ酸配列を変化させることによって除去される。また他の実施形態では、脱免疫化タンパク質は、その対応するT細胞のアネルギーを誘導し、T制御性細胞を活性化し、または認識B細胞のクローン除去をもたらす。
「コード配列」は、タンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸(例えば、遺伝子)の一部をいう。
用語「パーセント(%)配列同一率」を、ポリヌクレオチド間およびポリペプチド間の比較をいうために本明細書中で使用し、比較ウィンドウにわたる2つの最適にアラインメントした配列の比較によって決定し、ここで、比較ウィンドウ中のポリヌクレオチド配列部分またはポリペプチド配列部分は、2配列の最適なアラインメントのために参照配列と比較した場合に付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列中に生じる位置の数を決定して一致した位置の数を得、一致した位置の数を比較ウィンドウ中の位置の総数で除し、結果に100を乗じて配列同一率を得ることによって百分率を計算することができる。あるいは、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列中に生じるか、核酸塩基またはアミノ酸残基をギャップを用いてアラインメントした位置の数を決定して一致した位置の数を得、一致した位置の数を比較ウィンドウ中の位置の総数で除し、結果に100を乗じて配列同一率を得ることによって百分率を計算することができる。当業者は、2つの配列をアラインメントするために利用可能な確立されたアルゴリズムが多数存在すると認識する。比較のための配列の最適アラインメントを、例えば、Smith and Waterman(Smith and Waterman,Adv.Appl.Math.,2:482[1981])の局所相同性アルゴリズム、Needleman and Wunsch(Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.,48:443[1970])の相同性アラインメントアルゴリズム、Pearson and Lipman(Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444[1988])の類似性検索法、これらアルゴリズムのコンピュータ化された実行(例えば、GCG Wisconsin Software Package中のGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、または当技術分野において公知の通りの目視検査によって行うことができる。配列同一率および配列類似率の決定に適切なアルゴリズムの例として、Altschulら(それぞれ、Altschulら,J.Mol.Biol.,215:403−410[1990]およびAltschulら,Nucleic Acids Res.,3389−3402[1977]を参照のこと)による記載のBLASTアルゴリズムおよびBLAST2.0アルゴリズムが挙げられるが、これらに限定されない。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、国立生物工学情報センターウェブサイトから公的に利用可能である。このアルゴリズムは、データベース配列中の同一の長さのワードとアラインメントした場合にいくつかの正の値の閾値スコアTと一致するか満たすクエリー配列中の長さWのショートワードの同定による高スコア配列対(high scoring sequence pair)(HSP)の第1の同定を含む。Tを、隣接ワードスコア閾値(neighborhood word score threshold)という(Altschulら、前出を参照のこと)。これらの最初の隣接ワードヒットは、これらのワードヒットを含むより長いHSPを見出すための検索開始のためのシードとして働く。次いで、ワードヒットを、累積アラインメントスコアを増加させることができるかぎり、各配列に沿って両方向に伸長させる。累積スコアを、ヌクレオチド配列についてはパラメーターM(一致する残基対のための報酬スコア;常に0超)およびN(ミスマッチ残基のためのペナルティスコア;常に0未満)を使用して計算する。アミノ酸配列について、スコア行列を使用して、累積スコアを計算する。各方向でのワードヒットの伸長は、以下の場合に停止される:累積アラインメントスコアがその最大到達値から量Xだけ低下した場合;1つまたはそれを超える負スコアの残基アラインメントの蓄積によって累積スコアが0またはそれ未満に進行した場合;またはいずれかの配列の末端に到達した場合。BLASTアルゴリズムパラメーターW、T、およびXは、アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、デフォルトとしてワードレングス(W)11、期待値(E)10、M=5、N=−4、および両鎖の比較を使用する。アミノ酸配列について、BLASTPプログラムは、デフォルトとしてワードレングス(W)3、期待値(E)10、およびBLOSUM62スコア行列(Henikoff and Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915[1989]を参照のこと)を使用する。例示的な配列アラインメントおよび配列同一率の決定には、提供されたデフォルトパラメーターを使用したGCG Wisconsinソフトウェアパッケージ(Accelrys,Madison WI)中のBESTFITプログラムまたはGAPプログラムを使用することができる。
「参照配列」は、配列比較の基本として使用される定義された配列をいう。参照配列は、より大きな配列のサブセット(例えば、全長の遺伝子配列またはポリペプチド配列のセグメント)であり得る。一般に、参照配列は、少なくとも20ヌクレオチド長またはアミノ酸残基長、少なくとも25残基長、少なくとも50残基長、少なくとも100残基長、または核酸もしくはポリペプチドの全長である。2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドが、それぞれ、(1)2配列間で類似する配列(すなわち、完全配列の一部)を含むことができ、(2)2配列間で異なる配列をさらに含むことができるので、2つ(またはそれを超える)ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの間の配列比較を、典型的には、配列が類似する局所領域を同定および比較するための「比較ウィンドウ」にわたる2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列の比較によって行う。いくつかの実施形態では、「参照配列」は一次アミノ酸配列に基づくことができ、ここで、参照配列は一次配列中に1つまたはそれを超える変化を有し得る配列である。「比較ウィンドウ」は、少なくとも約20個の連続するヌクレオチドの位置またはアミノ酸残基の概念的セグメントをいい、ここで、ある配列を少なくとも20個の連続するヌクレオチドまたはアミノ酸の参照配列と比較することができ、比較ウィンドウ中の配列の一部が2配列の最適なアラインメントのために参照配列(付加や欠失を含まない)と比較した場合に20%またはそれ未満の付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含むことができる。比較ウィンドウは、20個の連続残基よりも長いことが可能であり、任意選択的に、30、40、50、100、またはそれより長いウィンドウが含まれる。
「〜に相当する」、「〜に関する」、または「〜に関連する」は、所与のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列の付番の文脈で使用する場合、所与のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列を参照配列と比較した場合に指定した参照配列の残基の付番をいう。換言すれば、所与のポリマーの残基番号または残基の位置を、所与のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列内の残基の実際の番号の位置によるよりもむしろ参照配列に関して命名する。例えば、所与のアミノ酸配列(操作されたGLAのアミノ酸配列など)を、2配列間の残基マッチを最適にするためのギャップの導入によって参照配列とアラインメントすることができる。これらの場合、ギャップが存在するにもかかわらず、所与のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列中の残基を、アラインメントした参照配列に関して付番する。
「アミノ酸の相違」または「残基の相違」は、参照配列中の対応する位置のアミノ酸残基と比較したポリペプチド配列の位置のアミノ酸残基の相違をいう。アミノ酸の相違の位置を、一般に、本明細書中で「Xn」といい、ここで、nは残基の相違に基づいた参照配列中の対応する位置をいう。例えば、「配列番号2と比較した場合のX93位の残基の相違」は、配列番号2の93位に対応するポリペプチドの位置でのアミノ酸残基の相違をいう。したがって、配列番号2の参照ポリペプチドが93位にセリンを有する場合、「配列番号2と比較した場合のX93位の残基の相違」は、配列番号2の93位に対応するポリペプチドの位置でのセリン以外の任意の残基のアミノ酸置換をいう。本明細書中のほとんどの例では、ある位置での特異的なアミノ酸残基の相違を「XnY」として示し、ここで、「Xn」は上記の対応する位置を指定し、「Y」は操作されたポリペプチド中に見出されるアミノ酸(すなわち、参照ポリペプチド中の残基と異なる残基)の一文字識別子である。いくつかの場合(例えば、表2.1、2.2、2.3、2.4、2.5および6.1中)、本開示はまた、従来の表示法「AnB」で示す特異的なアミノ酸の相違を提供し、ここで、Aは参照配列中の残基の一文字識別子であり、「n」は参照配列中の残基の位置の番号であり、Bは操作されたポリペプチド配列中の残基置換の一文字識別子である。いくつかの例では、本開示のポリペプチドは、参照配列と比較した1つまたはそれを超えるアミノ酸残基の相違を含むことができ、この相違は、参照配列と比較した場合に残基の相違が存在する特定の位置のリストによって示される。1つを超えるアミノ酸が、ポリペプチドの特定の残基の位置で使用され得るいくつかの実施形態では、使用され得る種々のアミノ酸残基は、「/」によって区切られる(例えば、X307H/X307PまたはX307H/P)。いくつかの実施形態では、酵素バリアントは、1つを超える置換を含む。これらの置換は、読みやすさのために、スラッシュによって区切られる(例えば、C143A/K206A)。本出願は、保存的アミノ酸置換および非保存的アミノ酸置換のいずれか/または両方を含む1つまたはそれを超えるアミノ酸の相違を含む操作されたポリペプチド配列を含む。
「保存的アミノ酸置換」は、ある残基の類似の側鎖を有する異なる残基との置換をいい、したがって、典型的には、ポリペプチド中のアミノ酸の同一または類似と定義されたアミノ酸クラス内のアミノ酸との置換を含む。制限されない例として、それぞれ、脂肪族側鎖を有するあるアミノ酸を、別の脂肪族アミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシン)と置換することができ;ヒドロキシル側鎖を有するあるアミノ酸を、ヒドロキシル側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、セリンおよびトレオニン)と置換し;芳香族側鎖を有するあるアミノ酸を、芳香族側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、およびヒスチジン)と置換し;塩基性側鎖を有するあるアミノ酸を、塩基性側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、リジンおよびアルギニン)と置換し;酸性側鎖を有するあるアミノ酸を、酸性側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)と置換し;かつ/またはある疎水性または親水性のアミノ酸を、別の疎水性または親水性のアミノ酸と置換する。
「非保存的置換」は、ポリペプチド中のアミノ酸の有意に性質が異なる側鎖を有するアミノ酸との置換をいう。非保存的置換は、定義した群内よりもむしろ群間のアミノ酸を使用することができ、(a)置換領域中のペプチド骨格の構造(例えば、グリシンのプロリンへの置換)、(b)電荷または疎水性、または(c)側鎖の嵩高さに影響を及ぼす。制限されない例として、例示的な非保存的置換は、塩基性アミノ酸または脂肪族アミノ酸に置換された酸性アミノ酸;小アミノ酸に置換された芳香族アミノ酸;および疎水性アミノ酸に置換された親水性アミノ酸であり得る。
「欠失」は、参照ポリペプチドからの1つまたはそれを超えるアミノ酸の除去によるポリペプチドの改変をいう。欠失は、操作された酵素の酵素活性を保持し、そして/またはその改良された性質を保持しながら、参照酵素を構成する1またはそれを超えるアミノ酸、2またはそれを超えるアミノ酸、5またはそれを超えるアミノ酸、10またはそれを超えるアミノ酸、15またはそれを超えるアミノ酸、または20またはそれを超えるアミノ酸、全アミノ酸数の10%まで、または全アミノ酸数の20%までを除去することができる。欠失は、ポリペプチドの内部および/または末端部が対象であり得る。種々の実施形態では、欠失は、連続的なセグメントを含むことができるか、不連続であり得る。
「挿入」は、参照ポリペプチドに対する1つまたはそれを超えるアミノ酸の付加によるポリペプチドの改変をいう。ポリペプチドの内部またはカルボキシ末端もしくはアミノ末端に挿入することができる。本明細書中で使用される挿入には、当該分野で公知の融合タンパク質が含まれる。挿入は、アミノ酸の連続セグメントであり得るか、天然に存在するポリペプチド中で1つまたはそれを超えるアミノ酸によって分離され得る。
本明細書中で互換的に使用する「機能的フラグメント」または「生物学的に活性なフラグメント」は、アミノ末端および/またはカルボキシ末端の欠失および/または内部欠失を有するが、残りのアミノ酸配列が、それが比較される配列(例えば、本発明の操作された全長GLA)中の対応する位置と同一であるポリペプチドであって、全長ポリペプチドの活性の実質的に全てを保持するポリペプチドをいう。
「単離されたポリペプチド」は、ポリペプチドに天然に付随している他の夾雑物(例えば、タンパク質、脂質、およびポリヌクレオチド)から実質的に分離されたポリペプチドをいう。この用語は、その天然に存在する環境または発現系(例えば、宿主細胞またはin vitro合成)から除去または精製されているポリペプチドを含む。組み換えGLAポリペプチドは、細胞内に存在することができるか、細胞培地中に存在することができるか、種々の形態(溶解物または単離された調製物など)で調製することができる。そのようなものとして、いくつかの実施形態では、組み換えGLAポリペプチドは、単離されたポリペプチドであり得る。
「実質的に純粋なポリペプチド」は、ポリペプチド種が主に存在する種である(すなわち、モルベースまたは重量ベースで、組成物中の任意の他の個別の高分子種よりも豊富に存在する)組成物をいい、一般に、モルまたは重量%で存在する高分子種の少なくとも約50%を対象種が占める場合、実質的に精製された組成物である。一般に、実質的に純粋なGLA組成物は、モルまたは重量%で組成物に存在する全高分子種の約60%またはそれを超えて、約70%またはそれを超えて、約80%またはそれを超えて、約90%またはそれを超えて、約95%またはそれを超えて、および約98%またはそれを超えて含まれる。いくつかの実施形態では、対象種を、本質的に均一(すなわち、従来の検出方法によって組成物中の夾雑種を検出できない)まで精製し、ここで、組成物は、本質的に単一の高分子種からなる。溶媒種、小分子(500ダルトン未満)、および元素イオン種は、高分子種と見なさない。いくつかの実施形態では、単離された組み換えGLAポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチド組成物である。
「改良された酵素特性」は、参照GLAポリペプチドおよび/または野生型GLAポリペプチドもしくは別の操作されたGLAポリペプチドと比較して、任意の酵素特性の改良を示す操作されたGLAポリペプチドをいう。改良された特性には、増加したタンパク質発現、増加した熱活性(thermoactivity)、増加した熱安定性、増加したpH活性、増加した安定性、増加した酵素活性、増加した基質特異性または親和性、増加した比活性、基質または最終生成物阻害に対する増加した抵抗性、増加した化学安定性、改良された化学選択性、改良された溶媒安定性、酸性または塩基性pHに対する増加した耐性、タンパク質分解活性に対する増加した耐性(すなわち、タンパク質分解に対する減少した感受性)、減少した凝集、増加した溶解度、減少した免疫原性、改良された翻訳後修飾(例えば、グリコシル化)、および変化した温度プロファイルなどの特性が含まれるが、これらに限定されない。
「酵素活性の増加」または「触媒活性の向上」は、操作されたGLAポリペプチドの性質の改良をいい、この酵素活性の増加を、参照GLA酵素と比較した場合の比活性(例えば、生成された生成物/時間/タンパク質重量)の増加または基質の生成物への変換率(例えば、特定の量のGLAを使用した特定の時間における出発量の基質の生成物への変換率)の増加によって示すことができる。例示的な酵素活性の決定方法を、実施例に示す。酵素活性に関する任意の性質(その変化によって酵素活性が増加し得るK、Vmax、またはkcatの古典的な酵素の性質が含まれる)が影響を受け得る。酵素活性の改良は、対応する野生型酵素の酵素活性の約1.1倍から、GLAポリペプチドが由来する天然に存在するGLAまたは別の操作されたGLAよりも酵素活性が2倍、5倍、10倍、20倍、25倍、50倍、75倍、100倍、150倍、200倍、またはそれを超えるまでであり得る。
いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドは、少なくとも0.1/秒、少なくとも0.5/秒、少なくとも1.0/秒、少なくとも5.0/秒、少なくとも10.0/秒の、およびいくつかの好ましい実施形態では10.0/秒を超えるkcatを有する。いくつかの実施形態では、Kは、約1μM〜約5mMの範囲内;約5μM〜約2mMの範囲内;約10μM〜約2mMの範囲内;または約10μM〜約1mMの範囲内である。いくつかの特定の実施形態では、操作されたGLA酵素は、特定の条件への曝露後に、参照GLA酵素(例えば、野生型GLAまたは任意の他の参照GLA)のものよりも1.5〜10倍、1.5〜25倍、1.5〜50倍、1.5〜100倍の範囲内またはそれを超える改良された酵素活性を示す。GLA活性は、当該分野で公知の任意の適切な方法(例えば、反応物質または生成物の分光光度特性の変化のモニタリングなどの標準的なアッセイ)によって測定され得る。いくつかの実施形態では、生成される生成物の量は、UV吸光度または直接的な蛍光検出またはその後のo−フタルジアルデヒド(OPA)誘導体化と組み合わせた高速液体クロマトグラフィ(HPLC)分離によって測定され得る。本明細書中にさらに詳述するように、酵素活性を、定義された酵素の調製、設定された条件下での定義されたアッセイ、および1つまたはそれを超える定義された基質を使用して比較する。一般に、溶解物を比較する場合、宿主細胞による酵素の生成量および溶解物中の酵素の存在量の変動を最小にするために同一の発現系および同一の宿主細胞も使用して細胞数およびタンパク質のアッセイ量を決定する。
用語「酸性pHに対する改良された耐性」は、本発明の組換えGLAが、参照GLAまたは別の酵素と比較して増加した安定性を有する(酸性pHへの曝露後に、約pH4.8において、より高い活性が特定の期間(1時間、最大24時間)保持される)ことを意味する。
「生理学的pH」は、本明細書中で使用する場合、被験体(例えば、ヒト)の血液中に一般に見出されるpH範囲を意味する。
(例えば、塩基性pH条件に対する改良された安定性、または塩基性pHに対する増加した耐性に関して使用する)用語「塩基性pH」は、約7〜11のpH範囲を意味する。
(例えば、酸性pH条件に対する改良された安定性、または酸性pHに対する増加した耐性に関して使用する)用語「酸性pH」は、約1.5〜4.5のpH範囲を意味する。
「変換」は、基質の対応する生成物への酵素変化(または生物学的転換(biotransformation))をいう。「変換率」は、特定の条件下での時間内の生成物に変換した基質の百分率をいう。したがって、GLAポリペプチドの「酵素活性」または「活性」を、特定の期間における基質の生成物への「変換率」として示すことができる。
「ハイブリッド形成ストリンジェンシー」は、核酸のハイブリッド形成における洗浄条件などのハイブリッド形成条件をいう。一般に、ハイブリッド形成反応を、低い方のストリンジェンシーの条件下で実施後、多様であるが高い方のストリンジェンシーで洗浄する。用語「中程度のストリンジェントなハイブリッド形成」は、標的−DNAが標的DNAに対して約60%同一、好ましくは約75%同一、約85%同一、標的−ポリヌクレオチドに対して約90%を超える同一性で相補核酸に結合可能な条件をいう。例示的な中程度にストリンジェントな条件は、42℃での50%ホルムアミド、5×デンハート液、5×SSPE、0.2%SDSでのハイブリッド形成後、42℃での0.2×SSPE、0.2%SDSでの洗浄に等価な条件である。「高ストリンジェンシーハイブリッド形成」は、一般に、定義されたポリヌクレオチド配列についての溶液条件下で決定した熱融解温度Tから約10℃またはそれ未満低い温度の条件をいう。いくつかの実施形態では、高ストリンジェンシー条件は、65℃で0.018M NaClにて安定なハイブリッドを形成する核酸配列のみがハイブリッド形成することが可能な条件をいう(すなわち、ハイブリッドが65℃の0.018M NaCl中で安定ではない場合、本明細書中で意図するように、高ストリンジェンシー条件下で安定でないであろう)。高ストリンジェンシー条件を、例えば、42℃の50%ホルムアミド、5×デンハート液、5×SSPE、0.2%SDS後、65℃で0.1×SSPE、および0.1%SDSでの洗浄に等価な条件でのハイブリッド形成によって提供することができる。別の高ストリンジェンシー条件は、65℃の0.1%(w:v)SDSを含む5×SSCでのハイブリッド形成および65℃の0.1%SDSを含む0.1×SSCの洗浄に等価な条件でのハイブリッド形成である。他の高ストリンジェンシーハイブリッド形成条件および中程度にストリンジェントな条件は、上記で引用した文献に記載されている。
「コドン最適化」は、タンパク質をコードするポリヌクレオチドのコドンの、コードされたタンパク質が目的の生物中でより効率的に発現されるように特定の生物中で優先的に使用されるコドンへの変化をいう。ほとんどのアミノ酸がいくつかのコドンによって示されるという点で遺伝暗号が縮重している(「同義語」または「同義」コドンと呼ばれる)にもかかわらず、特定の生物によるコドン使用頻度が非ランダムであり、特定のコドントリプレットに偏っていることが周知である。このコドン使用頻度の偏りは、所与の遺伝子、共通の機能または起源となる祖先の遺伝子、低コピー数タンパク質に対する高発現タンパク質、および生物のゲノムの凝集タンパク質コード領域に関して高い可能性がある。いくつかの実施形態では、GLA酵素をコードするポリヌクレオチドを、発現のために選択された宿主生物からの最適な産生のためにコドン最適化することができる。
「調節配列」は、本明細書中で、本出願のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現に必要であるか有利な全ての成分を含むことをいう。各調節配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列に対して未変性または外来であり得る。かかる調節配列には、リーダー配列、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター配列、シグナルペプチド配列、開始配列および転写ターミネーターが含まれるが、これらに限定されない。最小限でも、調節配列は、プロモーター、転写停止シグナル、および翻訳停止シグナルを含む。調節配列に、ポリペプチドをコードする核酸配列のコード領域内の調節配列のライゲーションを容易にする特異的な制限部位を導入するためのリンカーを提供することができる。
「作動可能に連結された」は、本明細書中で、調節配列が目的のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現を指示または制御するように目的のポリヌクレオチドに関連する位置に調節配列が適切に(すなわち、機能的関係において)配置された構成と定義する。
「プロモーター配列」は、目的のポリヌクレオチド(コード配列など)の発現のために宿主細胞によって認識される核酸配列をいう。プロモーター配列は、目的のポリヌクレオチドの発現を媒介する転写調節配列を含む。プロモーターは、最適な宿主細胞中で転写活性を示す任意の核酸配列であってよく(変異プロモーター、短縮プロモーター、およびハイブリッドプロモーターが含まれる)、宿主細胞と同種または異種のいずれかの細胞外または細胞内のポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。
「適切な反応条件」は、本出願のGLAポリペプチドが基質を所望の生成物化合物に変換することができる酵素的変換反応溶液中の条件(例えば、酵素負荷、基質負荷、温度、pH、緩衝液、共溶媒の範囲など)をいう。例示的な「適切な反応条件」を、本出願中に示し、実施例で例示する。「化合物負荷」、または「酵素負荷」などにおける「負荷」は、反応開始時の反応混合物中の成分の濃度または量をいう。酵素的変換反応プロセスの文脈における「基質」は、GLAポリペプチドが作用する化合物または分子をいう。酵素的変換プロセスの文脈中の「生成物」は、GLAポリペプチドの基質に対する作用に起因する化合物または分子をいう。
本明細書中で使用する場合、用語「培養する」は、(例えば、液体、ゲルまたは固体培地を使用した)任意の適切な条件下で、微生物細胞の集団を成長させることをいう。
組換えポリペプチドは、当該分野で公知の任意の適切な方法を使用して生成され得る。目的の野生型ポリペプチドをコードする遺伝子は、プラスミドなどのベクターにクローニングされ、大腸菌、S.cerevisiaeなどの所望の宿主において発現され得る。組換えポリペプチドのバリアントは、当該分野で公知の種々の方法によって生成され得る。実際、当業者に周知の多種多様な異なる変異誘発技術がある。加えて、変異誘発キットはまた、多くの商業的分子生物学供給業者から入手可能である。規定のアミノ酸における特異的置換(部位特異的)、遺伝子の局所領域における特異的もしくはランダム変異(領域特異的)、または遺伝子全体にわたるランダム変異誘発(例えば、飽和変異誘発)を行うための方法が利用可能である。酵素バリアントを生成するための多数の適切な方法が当業者に公知であり、PCRを使用した一本鎖DNAまたは二本鎖DNAの部位特異的変異誘発、カセット変異誘発、遺伝子合成、エラープローンPCR、シャッフリング、および化学飽和変異誘発、または当該分野で公知の任意の他の適切な方法が含まれるが、これらに限定されない。DNAおよびタンパク質工学に使用される方法の非限定的な例は、以下の特許:米国特許第6,117,679号;同第6,420,175号;同第6,376,246号;同第6,586,182号;同第7,747,391号;同第7,747,393号;同第7,783,428号;および同第8,383,346号に提供されている。バリアントが生成された後、それらは、任意の所望の特性(例えば、高いもしくは増加した活性、または低いもしくは減少した活性、増加した熱活性、増加した熱安定性、および/または酸性pH安定性など)についてスクリーニングされ得る。いくつかの実施形態では、「組換えGLAポリペプチド」(本明細書中では「操作されたGLAポリペプチド」、「バリアントGLA酵素」および「GLAバリアント」とも称される)が使用される。
本明細書中で使用する場合、「ベクター」は、DNA配列を細胞に導入するためのDNA構築物である。いくつかの実施形態では、ベクターは、DNA配列中のコードされるポリペプチドの適切な宿主における発現を行うことができる適切な調節配列に作動可能に連結されている発現ベクターである。いくつかの実施形態では、「発現ベクター」は、宿主細胞における発現を駆動するためのDNA配列(例えば、導入遺伝子)に作動可能に連結されているプロモーター配列を有し、いくつかの実施形態では、転写終結配列も含む。
本明細書中で使用する場合、用語「発現」は、ポリペプチドの産生に関与する任意の工程(転写、転写後修飾、翻訳、および翻訳後修飾が含まれるが、これらに限定されない)を含む。いくつかの実施形態では、この用語はまた、細胞からのポリペプチドの分泌を包含する。
本明細書中で使用する場合、用語「産生する」は、細胞によるタンパク質および/または他の化合物の産生をいう。この用語は、ポリペプチドの産生に関与する任意の工程(転写、転写後修飾、翻訳、および翻訳後修飾が含まれるが、これらに限定されない)を包含することを意図する。いくつかの実施形態では、この用語はまた、細胞からのポリペプチドの分泌を包含する。
本明細書中で使用する場合、アミノ酸またはヌクレオチド配列(例えば、プロモーター配列、シグナルペプチド、終結配列など)は、2つの配列が天然では結合されていない場合、それが作動可能に連結されている別の配列に対して「異種」である。
本明細書中で使用する場合、用語「宿主細胞」および「宿主株」は、本明細書中に提供したDNA(例えば、GLAバリアントをコードするポリヌクレオチド)を含む発現ベクターのための適切な宿主をいう。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、当該分野で公知の組換えDNA技術を使用して構築されたベクターで形質転換またはトランスフェクトされた原核細胞または真核細胞である。
用語「類似体」は、参照ポリペプチドと70%超100%未満の配列同一性(例えば、75%超、78%超、80%超、83%超、85%超、88%超、90%超、91%超、92%超、93%超、94%超、95%超、96%超、97%超、98%超、99%超の配列同一性)を有するポリペプチドを意味する。いくつかの実施形態では、類似体は、1つまたはそれを超える天然に存在しないアミノ酸残基(ホモアルギニン、オルニチンおよびノルバリンが含まれるが、これに限定されない)および天然に存在するアミノ酸を含むポリペプチドを意味する。いくつかの実施形態では、類似体はまた、1つまたはそれを超えるD−アミノ酸残基と、2つまたはそれを超えるアミノ酸残基間の非ペプチド結合とを含む。
用語「治療薬」は、病状の徴候または症状を示す被験体に投与される化合物であって、有益なまたは望ましい医学的効果を有する化合物をいう。
用語「医薬組成物」は、哺乳動物被験体(例えば、ヒト)における医薬用途に適切な組成物であって、薬学的に有効な量の本発明によって包含される操作されたGLAポリペプチドと、許容され得るキャリアとを含む組成物をいう。
用語「有効量」は、所望の結果をもたらすために十分な量を意味する。当業者は、日常的な実験を使用することによって、有効量を決定し得る。
用語「単離された」および「精製された」は、それが天然に結合している少なくとも1つの他の成分から取り出された分子(例えば、単離された核酸、ポリペプチドなど)または他の成分をいうために使用される。用語「精製された」は、絶対的な純度を必要とせず、むしろそれは、相対的な定義として意図される。
用語「被験体」は、ヒト、非ヒト霊長類、家畜、コンパニオンアニマル、および実験動物(例えば、齧歯類およびウサギ類)などの哺乳動物を包含する。この用語は、雌および雄を包含することを意図する。
本明細書中で使用する場合、用語「患者」は、疾患について評価されているか、疾患について処置されているか、または疾患を経験している任意の被験体を意味する。
用語「乳児」は、生後1カ月〜約1歳の期間の小児をいう。本明細書中で使用する場合、用語「新生児」は、出生〜生後28日の期間の小児をいう。用語「未熟児」は、妊娠満20週後だが正常な妊娠期間完了前に生まれた乳児であって、一般に、体重が出生時に約500〜約2499グラムの乳児をいう。「極低出生体重児」は、体重が出生時に1500g未満の乳児である。
本明細書中で使用する場合、用語「小児」は、処置または研究手順の同意に関する法定年齢に達していない者をいう。いくつかの実施形態では、この用語は、出生時〜青年期の者をいう。
本明細書中で使用する場合、用語「成人」は、関連権限に関する法定年齢(例えば、米国では18歳)に達した者をいう。いくつかの実施形態では、この用語は、完全に成長して成熟した任意の生物をいう。いくつかの実施形態では、用語「若年成人」は、18歳未満だが性的成熟に達した者をいう。
本明細書中で使用する場合、「組成物」および「製剤」は、少なくとも1つの本発明の操作されたGLAを含む製品であって、任意の適切な使用を目的とする製品(例えば、医薬組成物、食事/栄養サプリメント、飼料など)を包含する。
組成物の「投与」および組成物を「投与する」という用語は、本発明の組成物を被験体(例えば、ファブリー病の影響に苦しんでいる者)に提供することを意味する。
用語「キャリア」は、医薬組成物に関して使用する場合、標準的な医薬キャリア、緩衝液、および賦形剤(例えば安定剤、保存剤、およびアジュバント)のいずれかを意味する。
用語「薬学的に許容され得る」は、いかなる望ましくない生物学的効果も引き起こさず、およびそれが含まれる成分のいずれかと有害な様式で相互作用せずに、被験体に投与され得る材料であって、所望の生物学的活性を有する材料を意味する。
本明細書中で使用する場合、用語「賦形剤」は、活性医薬成分(API;例えば、本発明の操作されたGLAポリペプチド)以外の任意の薬学的に許容され得る添加剤、キャリア、希釈剤、アジュバント、または他の成分をいう。賦形剤は、典型的には、製剤化および/または投与目的で含められる。
用語「治療有効量」は、疾患/状態の症状に関して使用する場合、疾患/状態の1つもしくはそれを超える症状を改善、軽減もしくは排除し、または症状の発症を予防もしくは遅延する化合物(例えば、操作されたGLAポリペプチド)の量および/または濃度をいう。
用語「治療有効量」は、疾患/状態に関して使用する場合、疾患/状態を改善、軽減または排除する組成物(例えば、操作されたGLAポリペプチド)の量および/または濃度をいう。いくつかの実施形態では、この用語は、研究者、医師、獣医、または他の臨床医が求める組織、系または動物被験体による生物学的(例えば医学的)応答を誘発する組成物の量に関して使用される。
用語「処置すること」、「処置する」および「処置」は、予防的(例えば、保護的)および緩和的処置を包含することを意図する。
操作されたGLAの発現および活性:
酵母コドン最適化成熟ヒトGLAの分泌を促すために、酵母MFαシグナルペプチド(MF−SP)または83アミノ酸のより長いリーダー配列(MFリーダー)を使用して、分泌GLA発現のための2つの戦略を利用した。S.cerevisiae株INVSc1においてpYT−72ベクターからクローンを発現させた。両アプローチは、蛍光原基質4−メチルウンベリフェリルα−D−ガラクトピラノシド(4−MuGal)に対して測定可能な活性を有する上清を提供した。しかしながら、酵母MFαシグナルペプチドを有する構築物は、3倍高い活性を提供し、指向進化の開始配列として使用した。
変異の多様性を同定するために、13位保存「ホモログ」コンビナトリアルライブラリーおよび192位部位飽和変異誘発ライブラリーを構築した。非チャレンジ条件(インキュベーションなし、pH4.8)で、または低pH(3.9〜4.2)もしくは高pH(7.1〜8.2)環境における1時間のインキュベーション後に、等容量の上清をスクリーニングした。GLA発現またはGLA比活性の増加による増加した活性を有するGLAバリアントを、親GLAに対するそれらの改良の倍数に基づいて同定した。チャレンジ条件下で観察された改良の倍数を、非チャレンジ条件下で観察された改良の倍数で割ることによって、増加した安定性を有するGLAバリアントを同定した。このアプローチは、極端なpHにおける比活性の変化を伴わない発現の増加に基づいてバリアントを選択することに対するバイアスを減少させる。複合活性スコア(全3条件の改良の倍数の結果(product))および安定性(安定性スコアの結果)を使用して、後のGLAライブラリーに含めるための改良されたバリアントの変異をランク付けした。
操作されたGLA:
いくつかの実施形態では、改善された特性を示す操作されたGLAは、配列番号5との少なくとも約85%、少なくとも約88%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%のアミノ酸配列同一性、および1つまたはそれより多くのアミノ酸位置に配列番号5と比較した場合のアミノ酸残基の差異(例えば、配列番号5と比較して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、20またはそれより多くのアミノ酸位置において、または配列番号5と少なくとも85%、少なくとも88%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれを超えるアミノ酸配列同一性を有する配列)を有する。いくつかの実施形態では、1つまたはそれより多くのアミノ酸位置における配列番号5と比較した場合の残基の差異は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多くの保存的アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドは、表2.1、2.2、2.4、2.5または表7.1に列挙されるポリペプチドである。
いくつかの実施形態では、改善された特性を示す操作されたGLAは、配列番号10との少なくとも約85%、少なくとも約88%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%のアミノ酸配列同一性、および1つまたはそれより多くのアミノ酸位置に配列番号10と比較した場合のアミノ酸残基の差異(例えば、配列番号10と比較して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、20またはそれより多くのアミノ酸位置において、または配列番号10と少なくとも85%、少なくとも88%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれを超えるアミノ酸配列同一性を有する配列)を有する。いくつかの実施形態では、1つまたはそれより多くのアミノ酸位置における配列番号10と比較した場合の残基の差異は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多くの保存的アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドは、表2.3に列挙されるポリペプチドである。
いくつかの実施形態では、改善された特性を示す操作されたGLAは、配列番号5との少なくとも85%、少なくとも88%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、改善された特性を示す操作されたGLAは、配列番号10との少なくとも85%、少なくとも88%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドは、配列番号15、13、10および18から選択される。
いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドは、本発明に包含される操作されたGLAポリペプチドの機能的フラグメントを含む。機能的フラグメントは、それが由来する操作されたGLAポリペプチド(すなわち、親の操作されたGLA)の少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の活性を有する。機能的フラグメントは、操作されたGLAの親配列の少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%およびさらには99%を含む。いくつかの実施形態では、機能的フラグメントは、5未満、10未満、15未満、10未満、25未満、30未満、35未満、40未満、45未満および50未満のアミノ酸だけ短縮されている。
操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、発現ベクター、および宿主細胞;
本発明は、本明細書中に記載の操作されたGLAポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドを、遺伝子発現を調節する1つまたはそれを超える異種制御配列に作動可能に連結してポリペプチドを発現することができる組換えポリヌクレオチドを作製する。操作されたGLAポリペプチドをコードする異種ポリヌクレオチドを含む発現構築物を適切な宿主細胞に導入して、対応するGLAポリペプチドを発現させることができる。
当業者に明らかなように、種々のアミノ酸に対するタンパク質配列の利用可能性および対応するコドンの知識により、対象ポリペプチドをコードすることができる全てのポリヌクレオチドが説明される。同一のアミノ酸が代替コドンまたは同義コドンによってコードされる遺伝暗号の縮重により、非常に多数の核酸を作製することが可能であり、その核酸の全てが操作されたGLAポリペプチドをコードする。したがって、特定のアミノ酸配列の知識を有することにより、当業者は、タンパク質のアミノ酸配列を変えない方法で1つまたはそれを超えるコドンの配列を改変するだけでいくつもの異なる核酸を作製することができる。これに関して、本発明は、可能なコドンの選択に基づいた組み合わせの選択による本明細書中に記載のポリペプチドをコードする作製可能なポリヌクレオチドのそれぞれおよびあらゆる可能なバリエーションを具体的に意図し、全てのかかるバリエーションは、本明細書中に記載の任意のポリペプチド(表2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、および6.1に提供したバリアントが含まれる)について具体的に開示されるとみなされるものとする。
種々の実施形態では、タンパク質が生成される宿主細胞に適合するようにコドンを選択することが好ましい。例えば、細菌で使用される好ましいコドンは、細菌における発現のために使用される。その結果、操作されたGLAポリペプチドをコードするコドン最適化ポリヌクレオチドは、全長コード領域の約40%、50%、60%、70%、80%または90%を超えるコドン位置において好ましいコドンを含む。
いくつかの実施形態では、上記のように、ポリヌクレオチドは、本明細書中に開示の特性を有するGLA活性を有する操作されたポリペプチドをコードし、このポリペプチドは、配列番号5、および/もしくは10から選択される参照配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれを超える同一性を有するアミノ酸配列、または表2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、もしくは6.1に開示の任意のバリアントのアミノ酸配列、ならびに配列番号5、および/もしくは10の参照ポリペプチドと比較した場合に1つもしくはそれを超える残基の相違、または表2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、もしくは6.1に開示の任意のバリアントのアミノ酸配列(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれを超えるアミノ酸残基の位置)を含む。いくつかの実施形態では、参照配列は、配列番号5および/または10から選択される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書中に開示の特性を有するGLA活性を有する操作されたポリペプチドをコードし、このポリペプチドは、配列番号5のポリペプチドと最適にアラインメントした場合に、配列番号5の参照配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性と、表2.1、2.2、2.4、2.5、または6.1に提供したものから選択される残基の位置において、配列番号5と比較した場合に1つまたはそれを超える残基の相違とを有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書中に開示の特性を有するGLA活性を有する操作されたポリペプチドをコードし、このポリペプチドは、配列番号10のポリペプチドと最適にアラインメントした場合に、配列番号10の参照配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性と、表2.3に提供したものから選択される残基の位置において、配列番号10と比較した場合に1つまたはそれを超える残基の相違とを有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号10、13、15、18、21、および24をコードするポリヌクレオチド配列から選択されるポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号8、9、11、12、14、16、17、19、20、22、および/または23と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、93%、95%、96%、97%、98%、99%のヌクレオチド残基同一性を有する。いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号8、9、11、12、14、16、17、19、20、22、および23から選択されるポリヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、高ストリンジェントな条件下で、配列番号8、9、11、12、14、16、17、19、20、22、および23から選択される参照ポリヌクレオチド配列もしくはその相補物、または本明細書中に提供したバリアントGLAポリペプチドのいずれかをコードするポリヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができる。いくつかの実施形態では、高ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドは、表2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、および/または6.1に示されている任意の位置から選択される残基の位置において、配列番号5および/または10と比較した場合に1つまたはそれを超える残基の相違を有するアミノ酸配列を含むGLAポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、本明細書中に提供した操作されたGLAポリペプチドのいずれかをコードする単離されたポリヌクレオチドを、ポリペプチドを発現させる種々の方法で操作する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、ポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現を制御するための1つまたはそれを超える調節配列が存在する発現ベクターとして提供する。発現ベクターに応じて単離されたポリヌクレオチドをベクターへの挿入前に操作することが望ましいか必要かもしれない。組換えDNA法を利用したポリヌクレオチドおよび核酸配列の改変技術は、当該分野で周知である。
いくつかの実施形態では、調節配列には、とりわけ、プロモーター、リーダー配列、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、シグナルペプチド配列、および転写ターミネーターが含まれる。当該分野で公知のように、適切なプロモーターは、使用される宿主細胞に基づいて選択され得る。糸状菌宿主細胞のための例示的なプロモーターには、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Rhizomucor mieheiアスパラギン酸プロテイナーゼ、Aspergillus niger中性α−アミラーゼ、Aspergillus niger酸安定性α−アミラーゼ、Aspergillus nigerまたはAspergillus awamoriグルコアミラーゼ(glaA)、Rhizomucor mieheiリパーゼ、Aspergillus oryzaeアルカリプロテアーゼ、Aspergillus oryzaeトリオースリン酸イソメラーゼ、Aspergillus nidulansアセトアミダーゼ、およびFusarium oxysporumトリプシン様プロテアーゼ(例えば、WO96/00787号を参照のこと)の遺伝子から得たプロモーター、ならびにNA2−tpiプロモーター(Aspergillus niger中性α−アミラーゼおよびAspergillus oryzaeトリオースリン酸イソメラーゼの遺伝子由来のプロモーターのハイブリッド)、その変異プロモーター、短縮プロモーター、およびハイブリッドプロモーターが含まれる。例示的な酵母細胞プロモーターは、Saccharomyces cerevisiaeエノラーゼ(ENO−1)、Saccharomyces cerevisiaeガラクトキナーゼ(GAL1)、Saccharomyces cerevisiaeアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)、およびSaccharomyces cerevisiae3−ホスホグリセリン酸キナーゼの遺伝子に由来し得る。酵母宿主細胞のための他の有用なプロモーターは当該分野で公知である(例えば、Romanosら、Yeast 8:423−488[1992]を参照のこと)。哺乳動物細胞における使用のための例示的なプロモーターには、サイトメガロウイルス(CMV)、シミアン空胞化ウイルス40(SV40)由来のもの、Homo sapiensホスホグリセリン酸キナーゼ(phosphorglycerate kinase)、ベータアクチン、伸長因子1Aもしくはグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ由来のもの、またはGallus gallusのβ−アクチン由来のものが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、調節配列はまた、適切な転写終結配列(転写を終結させるために宿主細胞によって認識される配列)である。終結配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列の3’末端に作動可能に連結される。最適な宿主細胞で機能する任意のターミネーターを、本発明で使用する。例えば、糸状菌宿主細胞のための例示的な転写ターミネーターを、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Aspergillus nigerグルコアミラーゼ、Aspergillus nidulansアントラニル酸シンターゼ、Aspergillus nigerのα−グルコシダーゼ、およびFusarium oxysporumトリプシン様プロテアーゼの遺伝子から得ることができる。酵母宿主細胞のための例示的なターミネーターを、Saccharomyces cerevisiaeエノラーゼ、Saccharomyces cerevisiaeシトクロムC(CYC1)、およびSaccharomyces cerevisiae グリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼの遺伝子から得ることができる。酵母宿主細胞のための他の有用なターミネーターは、当該分野で公知である(例えば、Romanosら,前出を参照のこと)。哺乳動物細胞のための例示的なターミネーターには、サイトメガロウイルス(CMV)、サル空胞化ウイルス40(SV40)由来のもの、またはHomo sapiens成長ホルモン由来のものが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、調節配列は、適切なリーダー配列(宿主細胞による翻訳に重要なmRNAの非翻訳領域)である。リーダー配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列の5’末端に作動可能に連結される。最適な宿主細胞で機能する任意のリーダー配列を使用することができる。糸状菌宿主細胞のための例示的なリーダーを、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼおよびAspergillus nidulansトリオースリン酸イソメラーゼの遺伝子から得る。酵母宿主細胞に適切なリーダーには、Saccharomyces cerevisiaeエノラーゼ(ENO−1)、Saccharomyces cerevisiae 3−ホスホグリセリン酸キナーゼ、Saccharomyces cerevisiae α−因子、およびSaccharomyces cerevisiaeアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)の遺伝子から得られるものが含まれるが、これらに限定されない。
調節配列はまた、ポリアデニル化配列(核酸配列の3’末端に作動可能に連結され、転写時に転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するためのシグナルとして宿主細胞によって認識される配列)であり得る。最適な宿主細胞で機能する任意のポリアデニル化配列を、本発明で使用することができる。糸状菌宿主細胞のための例示的なポリアデニル化配列には、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Aspergillus nigerグルコアミラーゼ、Aspergillus nidulansアントラニル酸シンターゼ、Fusarium oxysporumトリプシン様プロテアーゼ、およびAspergillus niger α−グルコシダーゼの遺伝子に由来するものが含まれるが、これらに限定されない。酵母宿主細胞のための有用なポリアデニル化配列もまた、当該分野で公知である(例えば、Guo and Sherman,Mol.Cell.Bio.,15:5983−5990[1995]を参照のこと)。
いくつかの実施形態では、調節配列は、ポリペプチドのアミノ末端に連結したアミノ酸配列をコードし、コードされたポリペプチドを細胞の分泌経路に方向づけるシグナルペプチドコード領域である。核酸配列のコード配列の5’末端は、分泌されるポリペプチドをコードするコード領域のセグメントと共に翻訳読み枠中に天然に連結したシグナルペプチドコード領域を固有に含むことができる。あるいは、コード配列の5’末端は、コード配列に対して外来のシグナルペプチドコード領域を含むことができる。発現されたポリペプチドを最適な宿主細胞の分泌経路に方向づける任意のシグナルペプチドコード領域を、本明細書中に提供した操作されたGLAポリペプチドの発現に使用する。糸状菌宿主細胞のための有効なシグナルペプチドコード領域には、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Aspergillus niger中性アミラーゼ、Aspergillus nigerグルコアミラーゼ、Rhizomucor mieheiアスパラギン酸プロテイナーゼ、Humicola insolensセルラーゼ、およびHumicola lanuginosaリパーゼの遺伝子から得たシグナルペプチドコード領域が含まれるが、これらに限定されない。酵母宿主細胞のための有用なシグナルペプチドには、Saccharomyces cerevisiae α−因子およびSaccharomyces cerevisiaeインベルターゼの遺伝子に由来するものが含まれるが、これらに限定されない。哺乳動物宿主細胞のための有用なシグナルペプチドには、免疫グロブリンガンマ(IgG)の遺伝子由来のものが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、調節配列は、ポリペプチドのアミノ末端に配置されたアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域である。得られたポリペプチドは、「プロ酵素」または「プロポリペプチド」(または、いくつかの場合、「酵素原」)と呼ばれる。プロポリペプチドは、プロポリペプチドからのプロペプチドの触媒的切断または自己触媒的切断によって活性な成熟ポリペプチドに変換され得る。
別の態様では、本発明はまた、操作されたGLAポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、および導入される宿主のタイプに応じて1つまたはそれを超える発現制御領域(プロモーターおよびターミネーターなど)、複製起点などを含む組換え発現ベクターを提供する。いくつかの実施形態では、上記の種々の核酸および調節配列を共に接合して組換え発現ベクターを産生し、この組換え発現ベクターは、1つまたはそれを超える都合の良い制限部位を含み、この制限部位は、かかる部位でのバリアントGLAポリペプチドをコードする核酸配列の挿入または置換が可能である。あるいは、本発明のポリヌクレオチド配列を、ポリヌクレオチド配列または該ポリヌクレオチド配列を含む核酸構築物の、発現に適切なベクター内への挿入によって発現する。発現ベクターの作製では、コード配列が発現に適切な調節配列と作動可能に連結されるようにコード配列をベクター中に配置する。
組換え発現ベクターは、組換えDNA手順に都合よく供することができ、且つバリアントGLAポリヌクレオチド配列の発現をもたらすことができる任意のベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス)であり得る。ベクターの選択は、典型的には、ベクターとベクターを導入する宿主細胞との適合性に依存するであろう。ベクターは、線状プラスミドまたは閉じた環状プラスミドであり得る。
いくつかの実施形態では、発現ベクターは、その複製が染色体複製から独立している自己複製ベクター(すなわち、染色体外実体として存在するベクター)(例えば、プラスミド、染色体外エレメント、ミニ染色体、または人工染色体)である。ベクターは、自己複製を保証する任意の手段を含むことができる。いくつかの代替的な実施形態では、ベクターは、宿主細胞に導入された場合にゲノムに組み込まれ、既に組み込まれている染色体と共に複製されるベクターであり得る。さらに、単一のベクターまたはプラスミドまたは宿主細胞のゲノムに導入されるべきDNAの全てを共に含む2つまたはそれを超えるベクターまたはプラスミド、またはトランスポゾンを使用することができる。
いくつかの実施形態では、発現ベクターは、形質転換した細胞を容易に選択することができる1つまたはそれを超える選択マーカーを含むことが好ましい。「選択マーカー」は、その産物が殺生物剤耐性またはウイルス耐性、重金属に対する耐性、および栄養素要求体に対する原栄養性などを提供する遺伝子である。酵母宿主細胞に適切なマーカーには、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1、およびURA3が含まれるが、これらに限定されない。糸状菌宿主細胞で用いる選択マーカーには、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸レダクターゼ)、pyrG(オロチジン5’−リン酸デカルボキシラーゼ)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)、およびtrpC(アントラニル酸シンターゼ)、ならびにその等価物が含まれるが、これらに限定されない。別の態様では、本発明は、少なくとも1つの本出願の操作されたGLAポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、このポリヌクレオチドが宿主細胞中で操作されたGLA酵素の発現のための1つまたはそれを超える調節配列に作動可能に連結されている、宿主細胞を提供する。本発明の発現ベクターによってコードされたポリペプチドの発現で用いる宿主細胞は、当該分野で周知であり、真菌細胞、例えば酵母細胞(例えば、Saccharomyces cerevisiae細胞およびPichia pastoris細胞[例えば、ATCCアクセッション番号201178]);昆虫細胞(例えば、Drosophila S2細胞およびSpodoptera Sf9細胞)、植物細胞、動物細胞(例えば、CHO、COSおよびBHK)およびヒト細胞(例えば、HEK293T、ヒト線維芽細胞、THP−1、JurkatおよびBowes黒色腫細胞株)である。
したがって、別の態様では、本発明は、操作されたGLAポリペプチドを生成するための方法であって、ポリペプチドの発現に適切な条件下で、操作されたGLAポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現することができる宿主細胞を培養する工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、該方法は、本明細書中に記載のGLAポリペプチドを単離および/または精製する工程をさらに含む。
上記宿主細胞の適切な培養培地および成長条件は当該分野で周知である。GLAポリペプチド発現のためのポリヌクレオチドを、当該分野で公知の種々の方法によって細胞に導入することができる。技術には、とりわけ、エレクトロポレーション、遺伝子銃粒子衝突、リポソーム媒介トランスフェクション、塩化カルシウムトランスフェクション、およびプロトプラスト融合が含まれる。
本明細書中に開示の特性を有する操作されたGLAは、天然に存在するまたは操作されたGLAポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、当該分野で公知のおよび本明細書中に記載の変異誘発法および/または指向進化法に供することによって得ることができる。例示的な指向進化技術は、変異誘発および/またはDNAシャッフリングである(例えば、Stemmer,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:10747−10751[1994];WO95/22625;WO97/0078;WO97/35966;WO98/27230;WO00/42651;WO01/75767および米国特許第6,537,746号を参照のこと)。使用され得る他の指向進化手順には、とりわけ、スタッガードエクステンションプロセス(staggered extension process)(StEP)、インビトロ組換え(例えば、Zhaoら、Nat.Biotechnol.,16:258−261[1998]を参照のこと)、変異誘発PCR(例えば、Caldwellら、PCR Methods Appl.,3:S136−S140[1994]を参照のこと)、およびカセット変異誘発(例えば、Blackら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:3525−3529[1996]を参照のこと)が含まれる。
例えば、変異誘発法および指向進化法を、発現、スクリーニング、およびアッセイが可能なバリアントライブラリーを生成するために、ポリヌクレオチドに容易に適用することができる。変異誘発法および指向進化法は当該分野で周知である(例えば、米国特許第5,605,793号、同第5,811,238号、同第5,830,721号、同第5,834,252号、同第5,837,458号、同第5,928,905号、同第6,096,548号、同第6,117,679号、同第6,132,970号、同第6,165,793号、同第6,180,406号、同第6,251,674号、同第6,277,638号、同第6,287,861号、同第6,287,862号、同第6,291,242号、同第6,297,053号、同第6,303,344号、同第6,309,883号、同第6,319,713号、同第6,319,714号、同第6,323,030号、同第6,326,204号、同第6,335,160号、同第6,335,198号、同第6,344,356号、同第6,352,859号、同第6,355,484号、同第6,358,740号、同第6,358,742号、同第6,365,377号、同第6,365,408号、同第6,368,861号、同第6,372,497号、同第6,376,246号、同第6,379,964号、同第6,387,702号、同第6,391,552号、同第6,391,640号、同第6,395,547号、同第6,406,855号、同第6,406,910号、同第6,413,745号、同第6,413,774号、同第6,420,175号、同第6,423,542号、同第6,426,224号、同第6,436,675号、同第6,444,468号、同第6,455,253号、同第6,479,652号、同第6,482,647号、同第6,489,146号、同第6,506,602号、同第6,506,603号、同第6,519,065号、同第6,521,453号、同第6,528,311号、同第6,537,746号、同第6,573,098号、同第6,576,467号、同第6,579,678号、同第6,586,182号、同第6,602,986号、同第6,613,514号、同第6,653,072号、同第6,716,631号、同第6,946,296号、同第6,961,664号、同第6,995,017号、同第7,024,312号、同第7,058,515号、同第7,105,297号、同第7,148,054号、同第7,288,375号、同第7,421,347号、同第7,430,477号、同第7,534,564号、同第7,620,500号、同第7,620,502号、同第7,629,170号、同第7,702,464号、同第7,747,391号、同第7,747,393号、同第7,751,986号、同第7,776,598号、同第7,783,428号、同第7,795,030号、同第7,853,410号、同第7,868,138号、同第7,873,499号、同第7,904,249号、および同第7,957,912号、同第8,383,346号、同第8,504,498号、同第8,849,575号、同第8,876,066号、同第8,768,871号ならびに全ての関連する非米国対応物;Lingら、Anal.Biochem.,254(2):157−78[1997];Daleら、Meth.Mol.Biol.,57:369−74[1996];Smith,Ann.Rev.Genet.,19:423−462[1985];Botsteinら、Science,229:1193−1201[1985];Carter,Biochem.J.,237:1−7[1986];Kramerら、Cell,38:879−887[1984];Wellsら、Gene,34:315−323[1985];Minshullら、Curr. Op.Chem.Biol.,3:284−290[1999];Christiansら、Nat.Biotechnol.,17:259−264[1999];Crameriら、Nature,391:288−291[1998];Crameri,ら、Nat.Biotechnol.,15:436−438[1997];Zhangら、Proc. Nat.Acad.Sci.U.S.A.,94:4504−4509[1997];Crameriら、Nat.Biotechnol.,14:315−319[1996];Stemmer,Nature,370:389−391[1994];Stemmer,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,91:10747−10751[1994];米国特許出願公開第2008/0220990号、米国特許出願公開第2009/0312196号、米国特許出願公開第2014/0005057号、米国特許出願公開第2014/0214391号、米国特許出願公開第2014/0221216号;米国特許出願公開第2015/0050658号、米国特許出願公開第2015/0133307号、米国特許出願公開第2015/0134315号ならびに全ての関連する非米国対応物;WO95/22625号、WO97/0078号、WO97/35966号、WO98/27230号、WO00/42651号、WO01/75767号、およびWO2009/152336号(その全てが本明細書中で参照によって組み込まれる)を参照のこと)。
いくつかの実施形態では、変異誘発処理後に得られた酵素バリアントは、酵素バリアントを規定の温度(または他のアッセイ条件)に供し、熱処理または他のアッセイ条件後に残存する酵素活性の量を測定することによってスクリーニングされる。次いで、GLAポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むDNAは、宿主細胞から単離され、配列決定されてヌクレオチド配列変化(存在する場合)が同定され、異なるまたは同じ宿主細胞において酵素を発現させるために使用される。発現ライブラリーからの酵素活性の測定は、当該分野で公知の任意の適切な方法(例えば、HPLC分析などの標準的な生化学技術)を使用して実施され得る。
配列が既知の操作されたポリペプチドについては、酵素をコードするポリヌクレオチドを、公知の合成方法にしたがった標準的な固相法によって調製することができる。いくつかの実施形態では、約100塩基までのフラグメントを、個別に合成し、次いで、接合して(例えば、酵素的もしくは化学的なライゲーション(litigation)法、またはポリメラーゼ媒介法による)、任意の所望の連続配列を形成することができる。例えば、本明細書中に開示のポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドを、自動化合成法で典型的に実施される古典的なホスホルアミダイト法(例えば、Beaucageら、Tetra.Lett.,22:1859−69[1981];およびMatthesら、EMBO J.,3:801−05[1984]を参照のこと)を使用した化学合成によって調製することができる。ホスホルアミダイト法によれば、オリゴヌクレオチドを(例えば、自動DNA合成機で)合成し、精製し、アニーリングし、ライゲーションし、適切なベクター中にクローニングする。
したがって、いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドを調製するための方法は、(a)表2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、および/または6.1に提供した任意のバリアントのアミノ酸配列ならびに配列番号10、13、15、18、21、および/または24から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを合成する工程、ならびに(b)ポリヌクレオチドによってコードされるGLAポリペプチドを発現させる工程を含み得る。方法のいくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列は、任意選択的に1つまたは数個の(例えば、3、4、5まで、または10までの)アミノ酸残基の欠失、挿入、および/または置換を有することができる。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、任意選択的に、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜15、1〜20、1〜21、1〜22、1〜23、1〜24、1〜25、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、または1〜50個のアミノ酸残基の欠失、挿入、および/または置換を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、任意選択的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、30、35、40、45、または50個のアミノ酸残基の欠失、挿入、および/または置換を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、任意選択的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、21、22、23、24、または25個のアミノ酸残基の欠失、挿入、および/または置換を有する。いくつかの実施形態では、置換は、保存的置換または非保存的置換であり得る。
発現された操作されたGLAポリペプチドは、当該分野で公知の任意の適切なアッセイ(本明細書中に記載のアッセイおよび条件が含まれるが、これらに限定されない)を使用して、任意の所望の改良された性質(例えば、活性、選択性、安定性、酸耐性、プロテアーゼ感受性など)について評価され得る。
いくつかの実施形態では、宿主細胞において発現された操作されたGLAポリペプチドのいずれかは、周知のタンパク質精製技術(とりわけ、リゾチーム処理、超音波処理、ろ過、塩析、超遠心分離、およびクロマトグラフィが含まれる)のいずれか1つまたはそれを超えるものを使用して、細胞および/または培養培地から回収される。
GLAポリペプチドの単離のためのクロマトグラフィ技術には、とりわけ、逆相クロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、疎水性相互作用クロマトグラフィ、ゲル電気泳動、およびアフィニティークロマトグラフィが含まれる。特定の酵素を精製するための条件は、正味電荷、疎水性、親水性、分子量、分子形状などの要因に部分的に依存し、当業者には明らかであろう。いくつかの実施形態では、親和性技術は、改良されたバリアントGLA酵素を単離するために使用され得る。アフィニティークロマトグラフィ精製を利用するいくつかの実施形態では、バリアントGLAポリペプチドに特異的に結合する任意の抗体が使用される。アフィニティークロマトグラフィ精製を利用するいくつかの実施形態では、GLAに共有結合されているグリカンに結合するタンパク質が使用される。アフィニティークロマトグラフィ精製を利用するまた他の実施形態では、GLA活性部位に結合する任意の小分子が使用される。抗体の生成のために、種々の宿主動物(ウサギ、マウス、ラットなどが含まれるが、これらに限定されない)は、GLAポリペプチド(例えば、GLAバリアント)またはそのフラグメントの注射によって免疫化される。いくつかの実施形態では、GLAポリペプチドまたはフラグメントは、側鎖官能基または側鎖官能基に結合されているリンカーによって、BSAなどの適切なキャリアに結合される。
いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドは、操作されたGLAポリペプチドの産生を促す条件下で、本明細書中に記載の操作されたGLAポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む宿主細胞(例えば、S.cerevisiae、Daucus carota、Nicotiana tabacum、H.sapiens(例えば、HEK293T)、またはCricetulus griseus(例えば、CHO))を培養する工程、ならびに細胞および/または培養培地から操作されたGLAポリペプチドを回収する工程を含む方法によって、宿主細胞において産生される。
いくつかの実施形態では、本発明は、操作されたGLAポリペプチドを生成する方法であって、配列番号5および/または10のアミノ酸配列と最適にアラインメントした場合に、配列番号5および/もしくは10の参照配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の配列同一性、表2.1、2.2、2.4、2.5、および/もしくは6.1に提供したものから選択される配列番号5および/もしくは10と比較した場合に1つもしくはそれを超えるアミノ酸残基の相違、ならびに/またはそれらの組み合わせを有する操作されたGLAポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む組換え真核細胞を、操作されたGLAポリペプチドの産生を可能にするための適切な培養条件下で培養する工程、ならびに任意選択的に、培養物および/または培養細菌細胞から操作されたGLAポリペプチドを回収する工程を含む方法を包含する。
いくつかの実施形態では、組換え宿主細胞または細胞培養培地から操作されたGLAポリペプチドが回収されたら、それらは、当該分野で公知の任意の適切な方法によってさらに精製される。いくつかのさらなる実施形態では、異なる適用および使用(例えば、医薬組成物)に適切な操作されたGLAポリペプチドを含む組成物および製剤を提供するために、精製されたGLAポリペプチドは、他の成分および化合物と組み合わされる。いくつかのさらなる実施形態では、精製されたGLAポリペプチドまたは製剤化されたGLAポリペプチドは、凍結乾燥される。
組成物:
本発明は、種々の組成物およびフォーマット(下記のものが含まれるが、これらに限定されない)を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、医薬組成物および他の組成物(例えば、食事/栄養サプリメント)に使用するのに適切な操作されたGLAポリペプチドを提供する。
投与様式に応じて、治療有効量の本発明の操作されたGLAを含むこれらの組成物は、固体、半固体または液体の形態である。いくつかの実施形態では、組成物は、希釈剤、緩衝液、賦形剤、塩、乳化剤、保存剤、安定剤、充填剤、および他の成分などの他の薬学的に許容され得る成分を含む。製剤化および投与のための技術の詳細は当該分野で周知であり、文献に記載されている。
いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドは、医薬組成物における使用のために製剤化される。操作されたGLAポリペプチドの送達に使用するための任意の適切なフォーマット(丸剤、錠剤、ゲルタブ(gel tab)、カプセル、ロゼンジ、糖衣錠、粉末、ソフトゲル、ゾルゲル、ゲル、エマルジョン、インプラント、パッチ、スプレー、軟膏、リニメント、クリーム、ペースト、ゼリー、ペイント、エアロゾル、チューインガム、粘滑剤、スティック、溶液、懸濁液(油性懸濁液、水中油型エマルジョンなどが含まれるが、これらに限定されない)、スラリー、シロップ、制御放出製剤、坐剤などが含まれるが、これらに限定されない)が、本発明において使用される。いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドは、注射または注入に適切なフォーマット(すなわち、注射可能な製剤)で提供される。いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドは、シリカ系(例えば、オキシシラン)ゾルゲルを含むゾルゲルなどの生体適合性マトリックスで提供される。いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドは、カプセル化される。いくつかの代替的な実施形態では、操作されたGLAポリペプチドは、ナノ構造物(例えば、ナノチューブ(nanotube)、ナノチューブ(nanotubule)、ナノカプセル、またはマイクロカプセル、マイクロスフェア、リポソームなど)中にカプセル化される。実際、本発明は、任意の特定の送達製剤および/または送達手段に限定されることを意図しない。操作されたGLAポリペプチドは、当該分野で公知の任意の適切な手段(非経口、経口、局所、経皮、鼻腔内、眼内、髄腔内、インプラントによるなどを含むが、これらに限定されない)によって投与されることを意図する。
いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドは、グリコシル化、化学架橋試薬、ペグ化(すなわち、ポリエチレングリコール[PEG]または活性化PEGなどによる改変)または他の化合物(例えば、Ikeda,Amino Acids 29:283−287[2005];米国特許第7,531,341号、同第7,534,595号、同第7,560,263号、および同第7,53,653号;米国特許出願公開第2013/0039898号、米国特許出願公開第2012/0177722号などを参照のこと)によって化学的に改変される。実際、本発明は、任意の特定の送達方法および/または機構に限定されることを意図しない。
いくつかのさらなる実施形態では、操作されたGLAポリペプチドは、マトリックス安定化酵素結晶を含む製剤で提供される。いくつかの実施形態では、製剤は、操作された架橋結晶GLA酵素と、酵素結晶に付着する反応性部分を有するポリマーとを含む。本発明はまた、ポリマーの操作されたGLAポリペプチドを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明の操作されたGLAポリペプチドを含む組成物は、1つまたはそれを超える一般的に使用されるキャリア化合物(糖(例えば、ラクトース、スクロース、マンニトールおよび/またはソルビトール)、デンプン(例えば、トウモロコシ、小麦、米、ジャガイモまたは他の植物デンプン)、セルロース(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ゴム(例えば、アラビア、トラガカント、グアーなど)および/またはタンパク質(例えば、ゼラチン、コラーゲンなど)が含まれるが、これらに限定されない)を含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、血液、脳脊髄液などの流体中の糖脂質の濃度を減少させるのに使用するために適切な操作されたGLAポリペプチドを提供する。操作されたGLAポリペプチドの投与量は、状態または疾患、被験体の全身状態、および当業者に公知の他の要因に依存する。いくつかの実施形態では、組成物は、単回投与または複数回投与のためのものである。いくつかの実施形態では、ファブリー病を有するヒトに投与される組成物中の操作されたGLAポリペプチドの濃度は、疾患(例えば、ファブリー病)を有効に処置および/または改善するのに十分であると考えられる。いくつかの実施形態では、操作されたGLAポリペプチドは、他の医薬組成物および/または食事用組成物と組み合わせて投与される。
実験
以下の実施例(達成された実験および結果が含まれる)を、例示のみを目的として提供し、この実施例は、本発明を制限すると解釈されない。
以下に開示の実験では、以下の略語を適用する:ppm(百万分率);M(モル濃度);mM(ミリモル濃度)、uMおよびμM(マイクロモル濃度);nM(ナノモル濃度);mol(モル);gmおよびg(グラム);mg(ミリグラム);ugおよびμg(マイクログラム);Lおよびl(リットル);mlおよびmL(ミリリットル);cm(センチメートル);mm(ミリメートル);umおよびμm(マイクロメートル);sec.(秒);min(分);hおよびhr(時間);U(単位);MW(分子量);rpm(毎分回転数);℃(摂氏);CDS(コード配列);DNA(デオキシリボ核酸);RNA(リボ核酸);大腸菌W3110(一般的に使用される研究用大腸菌株,the Coli Genetic Stock Center[CGSC],New Haven,CTから利用可能);HPLC(高圧液体クロマトグラフィ);MWCO(分子量カットオフ);SDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動);PES(ポリエーテルスルホン);CFSE(カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル);IPTG(イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド);PMBS(硫酸ポリミキシンB);NADPH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸);GIDH(グルタミン酸デヒドロゲナーゼ);FIOPC(ポジティブコントロールに対する改良の倍数);PBMC(末梢血単核細胞);LB(Luriaブロス);MeOH(メタノール);Athens Research(Athens Research Technology,Athens,GA);ProSpec(ProSpec Tany Technogene,East Brunswick,NJ);Sigma−Aldrich(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO);Ram Scientific(Ram Scientific,Inc.,Yonkers,NY);Pall Corp.(Pall,Corp.,Pt.Washington,NY);Millipore(Millipore,Corp.,Billerica MA);Difco(Difco Laboratories,BD Diagnostic Systems,Detroit,MI);Molecular Devices(Molecular Devices,LLC,Sunnyvale,CA);Kuhner(Adolf Kuhner,AG,Basel,Switzerland);Axygen(Axygen,Inc.,Union City,CA);Toronto Research Chemicals(Toronto Research Chemicals Inc.,Toronto,Ontario,Canada);Cambridge Isotope Laboratories,(Cambridge Isotope Laboratories, Inc.,Tewksbury,MA);Applied Biosystems(Applied Biosystems,part of Life Technologies,Corp.,Grand Island,NY)、Agilent(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA);Thermo Scientific(part of Thermo Fisher Scientific,Waltham,MA);Corning(Corning,Inc.,Palo Alto,CA);Megazyme(Megazyme International,Wicklow,Ireland);Enzo(Enzo Life Sciences,Inc.,Farmingdale,NY);GE Healthcare(GE Healthcare Bio−Sciences,Piscataway,NJ);Pierce(Pierce Biotechnology(now part of Thermo Fisher Scientific),Rockford,IL);LI−COR(LI−COR Biotechnology,Lincoln,NE);Amicus(Amicus Therapeutics,Cranbury,NJ);Phenomenex(Phenomenex,Inc.,Torrance,CA);Optimal(Optimal Biotech Group,Belmont,CA);およびBio−Rad(Bio−Rad Laboratories,Hercules,CA)。
以下のポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列が本発明において使用される。(以下に示されているように)いくつかの場合では、ポリヌクレオチド配列の後に、コードされるポリペプチドが続く。
実施例1
GLA遺伝子の取得および発現ベクターの構築
Saccharomyces cerevisiaeにおける最適化された遺伝子発現のために、WTヒトGLAをコードする合成遺伝子(配列番号3)を設計し、アセンブルし、大腸菌発現ベクターpCK100900i(配列番号6)にサブクローニングした。
成熟形態の酵母最適化GLAに融合された19アミノ酸のS.cerevisiae MFαシグナルペプチドをコードするキメラGLA発現構築物を、以下のように、分泌発現のために設計した酵母発現ベクターで生成した。S288CゲノムDNA由来のオリゴヌクレオチドMMO435(配列番号27)およびMMO439(配列番号28)を使用してPCRによって、MFαシグナルペプチドをコードするフラグメント(配列番号25)を増幅し、プライマーMMO514(配列番号29)およびMMO481(配列番号30)を使用して、合成GLAをコードするフラグメント(配列番号3)を増幅した。これらのオリゴヌクレオチドの5’末端のさらなる配列は、線状化されたプラスミドpYT−72Bgl(配列番号7)で共形質転換する場合の酵母組換えクローニングのための相同性を提供する。得られたベクターにおいて、融合タンパク質SP−GLA(配列番号36)の発現は、ADH2プロモーターによって駆動される。GLA(配列番号37)にN末端融合された83アミノ酸のMFαリーダーペプチド(配列番号38)の融合物をコードする融合構築物を、同じ技術を使用してクローニングした。S.cerevisiae株INVSc1において、組換えクローニングおよび遺伝子発現を実施した。当業者に一般に公知の指向進化技術を使用して、このプラスミド構築物から遺伝子バリアントのライブラリーを生成した(例えば、米国特許第8,383,346号およびWO2010/144103を参照のこと)。
一過性トランスフェクションにおける分泌発現のための成熟ヒトGLAコード配列をコードする合成遺伝子に融合された合成シグナルペプチドをコードするキメラGLA発現構築物を、以下のように生成した。オリゴヌクレオチドPLEV113Fw(配列番号32)およびSPGLARv(配列番号33)を使用し、PCRを使用して、合成シグナルペプチドをコードするフラグメント(配列番号31)を増幅した。成熟形態のGLAの天然ヒトコード配列をコードする第2のフラグメント(配列番号4)を、オリゴヌクレオチドSPGLAFw(配列番号34)およびGLARv(配列番号35)を使用して増幅した。オーバーラップエクステンションPCRによるスプライシングを使用して、これらのフラグメントを組換え、得られたキメラフラグメントを、HindIII/NotIで線状化した哺乳動物発現ベクターpLEV113にライゲーションした。当業者に一般に公知の指向進化技術を使用して、このプラスミド構築物から特定の遺伝子バリアントを生成した。
実施例2
ハイスループット増殖アッセイ
GLAおよびGLAバリアントのハイスループット(HTP)増殖
酢酸リチウム法を使用して、GLAおよびGLAバリアントを発現するベクターで形質転換した酵母(INVSc1)細胞を、SD−Ura寒天プレート上で選択した。30℃で72時間インキュベートした後、6%グルコースを補充した200μl/ウェルのSD−Uraブロス(2g/L SD−Ura、6.8g/Lアミノ酸不含酵母ニトロゲンベース[Sigma Aldrich])、3.06g/Lリン酸二水素ナトリウム、0.804g/Lリン酸水素二ナトリウム、pH6.0を充填したAxygen(登録商標)1.1ml 96ウェルディープウェルプレートのウェルに、コロニーを入れた。Kuhnerシェーカー(250rpm、30℃および相対湿度85%)中で、細胞を20〜24時間成長させた。2%グルコースを補充した380μLのSD−uraブロスを充填したCorning Costar(登録商標)96ウェルディーププレートに、一晩培養したサンプル(20μL)を移した。Kuhnerシェーカー(250rpm、30℃および相対湿度85%)中で、プレートを66〜84時間インキュベートした。次いで、細胞をペレット化し(4000rpm×20分間)、上清を単離し、分析前に4℃で保存した。
上清のHTP分析
4−メチルウンベリフェリルα−D−ガラクトピラノシド(MUGal)の加水分解を測定することによって、GLAバリアント活性を決定した。このアッセイのために、上記のように生成した5〜50μLの酵母培養上清を、96ウェルブラック不透明底プレート中で、0〜45μLのMcIlvaine緩衝液(McIlvaine,J.Biol.Chem.,49:183−186[1921])、pH4.8および50μLの50mMクエン酸塩中2mM MUGal、200mM KCl、pH4.6と混合した。反応物を短時間混合し、37℃で30〜180分間インキュベートしてから、100μLの1M炭酸ナトリウムでクエンチした。蛍光をモニタリングするSpectraMax(登録商標)M2マイクロプレートリーダー(励起355nm、発光448nm)を使用して、加水分解を分析した。
酸で前処理した上清のHTP分析
リソソーム中でバリアントが遭遇し得る極端なpHをシミュレートするために、酸性緩衝液でGLAバリアントをチャレンジした。最初に、50μLの酵母培養上清および50uLのMcIlvaine緩衝液(pH3.3〜4.3)を96ウェル丸底プレートのウェルに添加した。PlateLoc Thermal Microplate Sealer(Agilent)でプレートを密封し、37℃で1〜3時間インキュベートした。アッセイのために、10〜50μLの酸性pHチャレンジサンプルを、0〜40μLのMcIlvaine緩衝液pH4.8、25μLの1Mクエン酸緩衝液pH4.3および25μLのMcIlvaine緩衝液pH4.8中4mM MUGalと混合した。反応物を短時間混合し、37℃で30〜180分間インキュベートしてから、100μLの1M炭酸ナトリウムでクエンチした。蛍光をモニタリングするSpectraMax(登録商標)M2マイクロプレートリーダー(励起355nm、発光448nm)を使用して、加水分解を分析した。
塩基で前処理した上清のHTP分析
患者への投与後に血液中でバリアントが遭遇するpHをシミュレートするために、塩基性(中性)緩衝液でGLAバリアントをチャレンジした。最初に、50μLの酵母培養上清および50uLのMcIlvaine緩衝液(pH7.0〜8.2)または200mM重炭酸ナトリウム(pH9.1〜9.7)を96ウェル丸底プレートのウェルに添加した。プレートを密封し、37℃で1〜18時間インキュベートした。アッセイのために、10〜50μLの塩基性pHチャレンジサンプルを、0〜40μLのMcIlvaine緩衝液pH4.8、25μLの1Mクエン酸緩衝液pH4.3および25μLのMcIlvaine緩衝液pH4.8中4mM MUGalと混合した。反応物を短時間混合し、37℃で30〜180分間インキュベートしてから、100μLの1M炭酸ナトリウムでクエンチした。蛍光をモニタリングするSpectraMax(登録商標)M2マイクロプレートリーダー(励起355nm、発光448nm)を使用して、加水分解を分析した。
ウシ血清で前処理した上清のHTP分析
患者への注入後にバリアントが遭遇する条件をシミュレートするために、ウシ血清でGLAバリアントをチャレンジした。最初に、20μLの酵母培養上清および80μLのウシ血清を96ウェル丸底プレートのウェルに添加した。プレートを密封し、37℃で1時間インキュベートした。アッセイのために、50μLの血清チャレンジサンプルを、25μLの1Mクエン酸緩衝液pH4.3および25μLのMcIlvaine緩衝液pH4.8中4mM MUGalと混合した。反応物を短時間混合し、37℃で180分間インキュベートしてから、100μLの1M炭酸ナトリウムでクエンチした。蛍光をモニタリングするSpectraMax(登録商標)M2マイクロプレートリーダー(励起355nm、発光448nm)を使用して、加水分解を分析した。
実施例3
GLAバリアントのインビトロ特徴付け
酵母におけるGLAの産生
GLA含有上清を産生するために、実施例2に記載されているように、GLAのレプリカHTP培養物を成長させた。さらなる分析の前に、レプリカ培養物由来の上清(n=12〜36)を合わせた。
HEK293T細胞におけるGLAの産生
哺乳動物細胞におけるGLAバリアントの分泌発現を、HEK293細胞の一過性トランスフェクションによって実施した。N末端合成哺乳動物シグナルペプチドに融合されたGLAバリアント(配列番号3、4、9、12、17、20、23、および41)で細胞をトランスフェクトし、実施例1に記載されているように、哺乳動物発現ベクターpLEV113にサブクローニングした。プラスミドDNAでHEK293細胞をトランスフェクトし、当業者に公知の技術を使用して4日間懸濁物中で成長させた。上清を回収し、4℃で保存した。
実施例4
GLAバリアントの精製
哺乳動物細胞上清からのGLAバリアントの精製
基本的には当該分野で公知のように(Yasudaら、Prot.Exp.Pur,.37,499−506[2004]を参照のこと)、哺乳動物培養上清からGLAバリアントを精製した。0.1M酢酸ナトリウム、0.1M NaCl、1mM MgCl、CaCl、およびMnClpH6.0(ConA結合緩衝液)でコンカナバリンA樹脂(Sigma Aldrich)を平衡化した。結合緩衝液で上清を1:1希釈し、カラムにロードした。15容量のコンカナバリンA結合緩衝液でカラムを洗浄し、0.9Mメチル−α−D−マンノピラノシドおよび0.9Mメチル−α−D−グルコピラノシドを含むコンカナバリンA結合緩衝液を添加することによって、サンプルを溶出した。溶出したタンパク質を濃縮し、10kDa分子量カットオフのCentricon(登録商標)Plus−20ろ過ユニット(Millipore)を使用して、ThioGal結合緩衝液(25mMクエン酸−リン酸(citrate−phosphate)、0.1M NaCl、pH4.8)に3回緩衝液交換した。緩衝液交換したサンプルを、ThioGal結合緩衝液で平衡化した固定化D−ガラクトース樹脂(Pierce)にロードした。6容量のThioGal結合緩衝液で樹脂を洗浄し、25mMクエン酸リン酸、0.1M NaCl、0.1M D−ガラクトース、pH5.5で溶出した。10kDa分子量カットオフのCentricon(登録商標)Plus−20ろ過ユニットを使用して、溶出したサンプルを濃縮した。ブラッドフォード定量に基づき、精製により、培養上清1ml当たり2.4〜10μgの精製タンパク質が得られた。
GLAバリアントのSDS−PAGE分析
SDS−PAGEによって、酵母培養上清および哺乳動物細胞培養上清および精製GLAのサンプルを分析した。酵母上清では、GLAレベルは低過ぎて、この方法によって検出されなかった。哺乳動物細胞培養上清および精製GLAサンプルの両方において、約49kDaの予測GLA分子量に対応するバンドが見出された。
GLAバリアントのイムノブロット分析
イムノブロットによって、酵母上清および哺乳動物細胞培養上清のサンプルを分析した。簡潔に言えば、SDS−PAGEによって、サンプルを分離した。iBlotドライブロットシステム(Life Technologies)を使用して、タンパク質をPVDF膜に転写した。オデッセイブロッキング緩衝液(TBS)(LI−COR)で膜を室温で1時間ブロッキングし、0.2%Tween(登録商標)20を含むオデッセイブロッキング緩衝液で1:250希釈したウサギα−GLA IgG(Thermo−Fischer)によって4℃で14時間プローブした。トリス緩衝食塩水+0.1%Tween(登録商標)20で膜を4×5分間洗浄し、0.2%Tween(登録商標)20および0.01%SDSを含むオデッセイブロッキング緩衝液で1:5000希釈したIRDye800CWロバα−ウサギIgG(LI−COR)によって室温で1時間プローブした。トリス緩衝食塩水+0.1%Tween(登録商標)20で膜を4×5分間洗浄し、オデッセイイメージャー(LI−COR)を使用して分析した。哺乳動物細胞培養物および酵母上清の両方において、約49kDaの予測GLA分子量に対応するバンドが見出された。S.cerevisiae発現サンプルでは、変異E367Nを含む変異体が、わずかに高い分子量に泳動した。この変異は、標準的なNXT N結合グリコシル化部位(Xは、P以外の任意のアミノ酸である)を導入し、さらなるN結合グリカンの導入の可能性によってより高い分子量を説明することができる。
実施例5
GLAバリアントのインビトロ特徴付け
S.cerevisiaeによるGLAの分泌発現のためのシグナルペプチドの最適化
Mfリーダー−GLA(配列番号7)、SP−GLA(配列番号36)またはベクターコントロールで形質転換したS.cerevisiaeを、実施例2に記載されているようにHTPで成長させた。実施例2に記載されているように、上清の回収および分析(n=6)の前に、培養物を48〜120時間成長させた。図1は、2〜5日間の培養後のS.cerevisiaeにおける異なるGLA構築物の相対活性を示すグラフを提供する。この図に示されているように、3日間の成長後に、SP−GLA(配列番号36)は、飽和した高レベルの活性酵素を産生した。
S.cerevisiaeにおいて発現されたGLAバリアントのpH安定性
酵素の全体的な安定性を評価するために、異なる緩衝液でGLAバリアントをチャレンジした。最初に、50μLのGLAバリアント酵母培養物由来上清および50uLのMcIlvaine緩衝液(pH2.86〜9.27)または200mM炭酸ナトリウム(pH9.69)を96ウェル丸底プレート(Costar #3798,Corning)のウェルに添加した。プレートを密封し、37℃で1時間インキュベートした。アッセイのために、50μLのチャレンジ上清を、25μLの1Mクエン酸緩衝液pH4.3および25μLのMcIlvaine緩衝液pH4.8中4mM MUGalと混合した。反応物を短時間混合し、37℃で60〜180分間インキュベートしてから、100μLの1M炭酸ナトリウムでクエンチした。蛍光をモニタリングするSpectraMax(登録商標)M2マイクロプレートリーダー(励起355nm、発光448nm)を使用して、加水分解を分析した。図2は、種々のpHにおけるインキュベーション後のGLAバリアントの絶対(パネルA)および相対(パネルB)活性を示すグラフを提供する。
S.cerevisiaeにおいて発現されたGLAバリアントの熱安定性
酵素の全体的な安定性を評価するために、1μM 1−デオキシガラクトノジリマイシン(Migalastat;Toronto Research Chemicals)の存在下および非存在下、種々の温度でGLAバリアントをチャレンジした。最初に、50μLのGLAバリアント酵母培養物由来上清および50uLのMcIlvaine緩衝液(pH7.65)+/−2mM 1−デオキシガラクトノジリマイシンを96ウェルPCRプレート(Biorad,HSP−9601)のウェルに添加した。プレートを密封し、サーモサイクラーの勾配プログラムを使用して30〜54℃で1時間インキュベートした。アッセイのために、50μLのチャレンジ上清を、25μLの1Mクエン酸緩衝液pH4.3および25μLのMcIlvaine緩衝液pH4.8中4mM MUGalと混合した。反応物を短時間混合し、37℃で90分間インキュベートしてから、100μLの1M炭酸ナトリウムでクエンチした。蛍光をモニタリングするSpectraMax(登録商標)M2マイクロプレートリーダー(励起355nm、発光448nm)を使用して、加水分解を分析した。図3は、種々の温度におけるインキュベーション後のGLAバリアントの絶対(パネルA)および相対(パネルB)活性を示すグラフを提供する。
S.cerevisiaeにおいて発現されたGLAバリアントの血清安定性
血液の存在下におけるバリアントの相対的な安定性を評価するために、サンプルを血清に曝露した。最初に、20μLのGLAバリアント酵母培養物由来上清および0〜80μLの水または0〜80μLのウシ血清を96ウェル丸底プレート(Costar #3798,Corning)のウェルに添加した。プレートを密封し、37℃で1時間インキュベートした。アッセイのために、50μLのチャレンジ上清を、25μLの1Mクエン酸緩衝液pH4.3および25μLのMcIlvaine緩衝液pH4.8中4mM MUGalと混合した。反応物を短時間混合し、37℃で90分間インキュベートしてから、100μLの1M炭酸ナトリウムでクエンチした。蛍光をモニタリングするSpectraMax(登録商標)M2マイクロプレートリーダー(励起355nm、発光448nm)を使用して、加水分解を分析した。図4は、種々の割合の血清によるチャレンジ後のGLAバリアントの絶対(パネルAおよびB)および相対(パネルCおよびD)活性を示すグラフを提供する。
HEK293T細胞において発現されたGLAバリアントの相対活性
HEKT293T細胞において発現されたGLAバリアント由来の上清を、非GLA発現酵母培養物由来の上清で2倍連続希釈した。希釈物(50μL)を、Corning(登録商標)96ウェルブラック不透明底プレート中で、25μLのMcIlvaine緩衝液pH4.8中4mM MUGalおよび25μLの1Mクエン酸緩衝液pH4.3と混合した。反応物を短時間混合し、37℃で60分間インキュベートしてから、100μLの1M炭酸ナトリウムでクエンチした。蛍光をモニタリングするSpectraMax(登録商標)M2マイクロプレートリーダー(励起355nm、発光448nm)を使用して、加水分解を分析した。図5は、HEK293T細胞において発現されたGLAバリアントの相対活性を示すグラフを提供する。バリアントGLA酵素でトランスフェクトした細胞由来の上清は、WT酵素と比較して顕著に高い加水分解酵素活性を示し、容量当たりの活性は、S.cerevisiae発現において見られたものよりもかなり高かった。
HEK293T細胞において発現されたGLAバリアントのpH安定性
全体的な安定性を評価するために、異なる緩衝液でGLAバリアントをチャレンジした。非GLA発現培養物由来の上清による希釈によって、哺乳動物細胞培養物由来の上清を同等の活性に正規化した。正規化上清(50μL)および50μLのMcIlvaine緩衝液(pH4.06〜8.14)を96ウェル丸底プレート(Costar#3798、Corning)のウェルに添加した。プレートを密封し、37℃で3時間インキュベートした。アッセイのために、50μLのチャレンジ上清を、25μLの1Mクエン酸緩衝液pH4.3および25μLのMcIlvaine緩衝液pH4.8中4mM MUGalと混合した。反応物を短時間混合し、37℃で3時間インキュベートしてから、100μLの1M炭酸ナトリウムでクエンチした。蛍光をモニタリングするSpectraMax(登録商標)M2マイクロプレートリーダー(励起355nm、発光448nm)を使用して、加水分解を分析した。図6は、HEK293T細胞において発現され、活性について正規化し、種々のpHでインキュベートしたGLAバリアントの絶対(パネルA)および相対(パネルB)活性を示すグラフを提供する。
全ての酵素は、S.cerevisiaeにおいて発現されたWT GLAと比較した場合、pHチャレンジに対してより安定であることが見出された(図2との比較)。この相違はおそらく、発現宿主間の差示的なグリコシル化によるものである。しかしながら、本発明は、いかなる特定の機構にも理論にも限定されるものではない。変異体酵素は、HEK293Tにおいて発現されたWT酵素と比較してより広いpH安定性プロファイルを有していた。
HEK293T細胞において発現されたGLAバリアントの熱安定性
全体的な安定性を評価するために、1μM 1−デオキシガラクトノジリマイシン(Migalastat)の存在下および非存在下、種々の温度でGLAバリアントをチャレンジした。非GLA発現培養物由来の上清による希釈によって、哺乳動物細胞培養物由来の上清をほぼ同等の活性に正規化した。希釈上清を96ウェルPCRプレート(Biorad,HSP−9601)のウェルに添加した。プレートを密封し、サーモサイクラーの勾配プログラムを使用して30〜54℃で1時間インキュベートした。アッセイのために、20μLのチャレンジ上清を、30μLの1Mクエン酸緩衝液pH4.3および50μLのMcIlvaine緩衝液pH4.8中4mM MUGalと混合した。反応物を短時間混合し、37℃で90分間インキュベートしてから、100μLの1M炭酸ナトリウムでクエンチした。蛍光をモニタリングするSpectraMax(登録商標)M2マイクロプレートリーダー(励起355nm、発光448nm)を使用して、加水分解を分析した。図7は、HEK293T細胞において発現され、活性について正規化し、種々の温度でインキュベートしたGLAバリアントの絶対(パネルA)および相対(パネルB)活性を示すグラフを提供する。この図に示されているように、全ての酵素は、S.cerevisiaeにおいて発現されたWT GLAと比較した場合、温度チャレンジ後においてより安定であったが(図2との比較)、これはおそらく、発現宿主間の差示的なグリコシル化によるものである。GLAバリアント(配列番号10および13)では、酵素のTは、それぞれ2℃および4℃増加した。Migalastatの添加は、Tを5.5℃増加させたが、アッセイにおける0.2μMの最終濃度では、Migalastat処理サンプルの活性は、約60%減少した。
代替基質に対するWT GLAおよびGLAバリアントの活性
改良されたMUGal加水分解活性が、より天然の基質に対応していたことを確認するために、基質としてN−ドデカノイル−NBD−セラミドトリヘキソシド(NBD−GB3)を使用して、哺乳動物細胞発現GLAバリアントをアッセイした。HEK293T培養上清(10μL)、100mMクエン酸ナトリウムpH4.8(80μL)、および10%エタノール中NBD−GB3(0.1mg/ml)(10μL)を微小遠心管に添加した。サンプルを逆さにして混合し、37℃で1時間インキュベートした。50μLのメタノールの添加によって反応物をクエンチし、100μLのクロロホルムで希釈し、ボルテックスし、分析のために有機層を単離した。有機相(10μL)をシリカプレート上にスポットし、365nm UVランプを使用して出発物質および生成物を検出する薄層クロマトグラフィ(クロロホルム:メタノール:水、100:42:6)によって分析した。配列番号13の場合にのみ、有意な変換が観察されたが、これは、バリアントが、WT−GLAと比較して改良された活性を示すことを確認している。
GLAバリアントの比活性
実施例4に記載されているように精製したGLAバリアントを、それらの比活性について評価した。0〜0.25ngの精製酵素を、McIlvaine緩衝液pH4.8(最終pH4.8)中4mM MUGalに添加した。サンプルを37℃で60分間インキュベートし、100μLの1M炭酸ナトリウムの添加によってクエンチした。蛍光をモニタリングするSpectraMax(登録商標)M2マイクロプレートリーダー(励起355nm、発光448nm)を使用して、加水分解を分析し、標準曲線の使用によって、4−メチルウンベリフェロンの絶対量と相関させた。
時間をわたっての精製GLAバリアントのpH安定性
精製GLAバリアントが、酵母における発現後に観察された所望のpH安定性を示すことを確認するために、酸性または塩基性緩衝液中で、WT GLA(配列番号5)および配列番号42をインキュベートし、残存活性について分析した。GLAバリアント(200ng)をMcIlvaine緩衝液pH4.1またはpH7.5に添加し、37℃で0〜24時間インキュベートした。25uLの1Mクエン酸pH4.3および25μLのMcIlvaine緩衝液pH4.8中4mM MUGalの混合物にサンプル(50μL)を添加し、37℃で1時間インキュベートした。100μLの1M炭酸ナトリウムでサンプルをクエンチし、1M炭酸ナトリウムで1:4希釈し、蛍光分光法(励起355nm、発光448nm)によって分析した。酸性および塩基性チャレンジ条件下の両方において、配列番号42はかなり安定であったが、これは、酵母において開発された安定性の上昇が、哺乳動物細胞において発現されたタンパク質に転換したことを裏付けている(結果のグラフについては、図8を参照のこと)。
HEK293T細胞において発現された精製GLAバリアントの熱安定性
全体的な安定性を評価するために、WT GLA(配列番号5)および配列番号42の熱安定性を決定した。実施例4に記載されているように精製した酵素を、1×Sypro Orange(Thermo Fischer Scientific)を含む1×PBSで20μg/mlに希釈し、96ウェルPCRプレート(Biorad,HSP−9601)に添加した。RT−PCR装置によって、プレートを0.5℃/分で30℃〜75℃に加熱し、Sypro Orange蛍光をモニタリングした。これらの条件下では、WT GLAは37℃で融解した一方、配列番号42は55℃で融解した。
実施例6
GLAバリアントのインビボ特徴付け
精製GLAバリアントの血清薬物動態
実施例4に記載されているように生成した精製GLAバリアントを、生存ラットの血清中における安定性について評価した。1mg/mlのWT GLA(配列番号5)または配列番号42を、3匹のナイーブ頸静脈カニューレ挿入Sprague−Dawleyラット(7〜8週齢)にそれぞれ静脈内投与した。投与前ならびに投与5分後、15分後、30分後、60分後、120分後、および240分後に、各ラットから200μLの血液をEDTAチューブに採取し、4℃および6000rpmで遠心分離して、1サンプル当たり80μL超の血清を生成した。サンプルを凍結し、分析前にドライアイス上で保存した。分析のために、血清(10μL)を40μLのMcIlvaine緩衝液pH4.4中5mM MUGalに添加し、37℃で1時間インキュベートした。50μLの1M炭酸ナトリウムでサンプルをクエンチし、1M炭酸ナトリウムで1:100希釈し、蛍光分光法(励起355nm、発光448nm)によって分析した。投与4時間後に、配列番号42は最大活性の15.3%を保持していた一方、WT GLAは0.66%しか保持していなかった(図9を参照のこと)。
実施例7
GLAの脱免疫化
本実施例では、GLAから予測T細胞エピトープを除去する多様性を同定するために行った実験を説明する。
脱免疫化多様性の同定:
T細胞エピトープを除去する変異多様性を同定するために、コンピュータによる方法を使用して、代表的なHLA受容体に効率的に結合すると予測されたGLA部分配列を同定した。加えて、特に、(例えば、実施例2に記載されているアッセイにおいて)GLA活性に影響を及ぼさない変異について、アミノ酸変異の実験的探索を行った。次いで、コンピュータによる方法を使用して、予測免疫原性について、活性バリアントのアミノ酸配列を分析した。
WT GLAにおける推定T細胞エピトープのコンピュータによる同定:
当該分野で公知の免疫エピトープデータベース(IEDB;免疫エピトープデータベースおよび分析リソースウェブサイト)ツールおよび独自の統計分析ツール(例えば、iedb.orgおよびVitaら、Nucl.Acids Res.,38(Database issue):D854−62[2010].Epub 2009 Nov 11]を参照のこと)を使用して、WT GLA(配列番号5)における推定T細胞エピトープを同定した。WT GLAを、考えられる全ての15マーの分析フレームに分解した(各フレームは、最後の14アミノ酸が重複する)。IEDBウェブサイトで推奨されている方法を使用して、合計でヒト集団の約95%をカバーする8つの一般的なクラスII HLA−DR対立遺伝子(DRB1*0101、DRB1*0301、DRB1*0401、DRB1*0701、DRB1*0801、DRB1*1101、DRB1*1301、およびDRB1*1501)(例えば、Southwoodら、J.Immunol.,160:3363−3373[1998]を参照のこと)への予測結合について、9マーのコア領域をスコア化することによって、15マーの分析フレームを免疫原性について評価した。当該分野で公知の統計分析ツールを使用して、酵素内に含まれる潜在的なT細胞エピトープクラスタ(すなわち、GLA内に含まれる部分領域であって、免疫原性である可能性が非常に高い部分領域)を同定した。同定したT細胞エピトープクラスタを、公知のエピトープのIEDBデータベースに対してスクリーニングした。これらのスクリーニングによって、WT酵素における5つの推定T細胞エピトープを同定した。これらのエピトープは、以下でTCE−I、II、III、IV、およびVと称する。
脱免疫化ライブラリーの設計:
最初に、実施例2で同定した活性GLA変異体の配列を、T細胞エピトープの存在について評価する。HLA−DR対立遺伝子への結合を潜在的に減少させると同定された変異を組換えライブラリーに組み込む。5つのT細胞エピトープ内の全ての単一アミノ酸の飽和変異誘発を使用して、さらなるライブラリーを調製する。これらのライブラリーからのヒットを、さらなる一連の飽和変異誘発、HTPスクリーニングおよび組換えに供して、考えられる全てのT細胞エピトープを除去する。
脱免疫化ライブラリーの構築およびスクリーニング:
上記のように設計したコンビナトリアルおよび飽和変異誘発ライブラリーを、当該分野で公知の方法によって構築し、実施例2に記載されている非チャレンジアッセイにおいて、活性について試験した。活性バリアントを同定し、配列決定した。WT GLAと比べたそれらの活性および変異は、以下の表に提供されている。
脱免疫化多様性の同定:
上記のように、8つの一般的なクラスII HLA−DR対立遺伝子への結合を評価することによって、予測免疫原性のレベルについて、活性バリアントを分析した。総免疫原性スコアおよび免疫原性ヒットカウントは、表7.1に示されている。総免疫原性スコア(TIS)は、バリアントの全体的な予測免疫原性を反映する(すなわち、より高いスコアは、より高レベルの予測免疫原性を示す)。免疫原性「ヒットカウント」(IHC)は、免疫原性である可能性が非常に高い15マーの分析フレームの数を示す(すなわち、より高いスコアは、より高い免疫原性の可能性を示す)。参照配列のものよりも低い総免疫原性スコアおよび/または免疫原性ヒットカウントをもたらす変異を、潜在的な「脱免疫化変異」であるとみなした。最も脱免疫化する変異の収集物を組換えて、活性であり、かつWT GLAよりも有意に低免疫原性であると予測されたいくつかのバリアントを生成した。総免疫原性スコア(TIS)および免疫原性ヒットカウント(IHC)は、以下の表に提供されている。
特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、種々の変更を行うことができ、特定の状況、材料、物質組成、プロセス、プロセスステップまたはステップに適合させるために等価物に置き換え、それにより、特許請求の範囲から逸脱せずに本発明の利益を達成することができる。
米国における全ての目的のために、本出願で引用した各々のおよびあらゆる刊行物および特許文献は、各々のかかる刊行物または文献が本明細書中で参照によって組み込まれると具体的且つ個別に示されているかのように、本明細書中で参照によって組み込まれる。刊行物および特許文献の引用は、かかる文献が関連先行技術であることを示すものではなく、その内容または日付に関する承認を構成するものでもない。
本発明はまた、本明細書中に提供した組成物の使用を提供する。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
配列番号5と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を含むアミノ酸配列を含む、組換えαガラクトシダーゼAおよび/または生物学的に活性な組換えαガラクトシダーゼAフラグメント。
(項目2)
表2.1、2.2、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、および/または7.1に提供した少なくとも1つの位置であって、配列番号5を参照してナンバリングされている位置において少なくとも1つの変異を含む、項目1に記載の組換えαガラクトシダーゼA。
(項目3)
表2.3に提供した少なくとも1つの位置であって、配列番号10を参照してナンバリングされている位置において少なくとも1つの変異を含む、項目2に記載の組換えαガラクトシダーゼA。
(項目4)
ヒトαガラクトシダーゼAに由来する、項目1〜3のいずれかに記載の組換えαガラクトシダーゼA。
(項目5)
配列番号15、13、10、18、40、42、44、または46のポリペプチド配列を含む、組換えαガラクトシダーゼA。
(項目6)
配列番号5のαガラクトシダーゼAよりも熱安定性である、項目1〜5のいずれかに記載の組換えαガラクトシダーゼA。
(項目7)
pH7.4において、配列番号5のαガラクトシダーゼAよりも安定である、項目1〜6のいずれかに記載の組換えαガラクトシダーゼA。
(項目8)
pH4.3において、配列番号5のαガラクトシダーゼAよりも安定である、項目7に記載の組換えαガラクトシダーゼA。
(項目9)
配列番号5のαガラクトシダーゼAよりも血清への曝露に対して安定である、項目7に記載の組換えαガラクトシダーゼA。
(項目10)
脱免疫化αガラクトシダーゼAである、項目1〜9のいずれかに記載の組換えαガラクトシダーゼA。
(項目11)
表7.1に提供した脱免疫化αガラクトシダーゼAである、項目1〜10のいずれかに記載の組換えαガラクトシダーゼA。
(項目12)
精製されている、項目1〜11のいずれかに記載の組換えαガラクトシダーゼA。
(項目13)
参照配列と比較して、i)増強した触媒活性;ii)pH7.4に対する増加した耐性;iii)pH4.3に対する増加した耐性;iv)血清に対する増加した耐性;またはv)減少した免疫原性;またはi)、ii)、iii)、iv)、もしくはv)のいずれかの組み合わせから選択される少なくとも1つの改良された特性を示す、項目1〜12のいずれかに記載の組換えαガラクトシダーゼA。
(項目14)
前記参照配列が配列番号5または配列番号10である、項目13に記載の組換えαガラクトシダーゼA。
(項目15)
項目1〜14のいずれかに記載の少なくとも1つの組換えαガラクトシダーゼAを含む、組成物。
(項目16)
項目1〜15のいずれかに記載の少なくとも1つの組換えαガラクトシダーゼAをコードする、組換えポリヌクレオチド配列。
(項目17)
コドン最適化されている、項目16に記載の組換えポリヌクレオチド配列。
(項目18)
項目16および/または17に記載の組換えポリヌクレオチド配列を含む、発現ベクター。
(項目19)
前記組換えポリヌクレオチド配列が調節配列に作動可能に連結されている、項目18に記載の発現ベクター。
(項目20)
前記調節配列がプロモーターである、項目19に記載の発現ベクター。
(項目21)
前記プロモーターが異種プロモーターである、項目20に記載の発現ベクター。
(項目22)
項目18〜21のいずれかに記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
(項目23)
真核生物である、項目22に記載の宿主細胞。
(項目24)
αガラクトシダーゼAバリアントを生成する方法であって、組換えポリヌクレオチドによってコードされる前記αガラクトシダーゼAが産生される条件下で、項目22または23に記載の宿主細胞を培養する工程を含む、方法。
(項目25)
前記αガラクトシダーゼAを回収する工程をさらに含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記αガラクトシダーゼAを精製する工程をさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
ファブリー病を処置するための医薬組成物であって、項目15に記載の酵素組成物を含む、医薬組成物。
(項目28)
薬学的に許容され得るキャリアおよび/または賦形剤をさらに含む、項目27に記載の医薬組成物。
(項目29)
ヒトへの非経口注射または注入に適切である、項目27および/または28に記載の医薬組成物。
(項目30)
被験体におけるファブリー病の症状を処置および/または予防するための方法であって、ファブリー病を有する被験体を提供する工程、および項目27〜39のいずれかに記載の医薬組成物を前記被験体に提供する工程を含む、方法。
(項目31)
ファブリー病の前記症状を改善する、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記被験体が、ファブリー病の症状を示す被験体が必要とする食事よりも、その脂肪含有量の制限が少ない食事を摂ることができる、項目30および/または31に記載の方法。
(項目33)
前記被験体が乳児または小児である、項目30〜32のいずれかに記載の方法。
(項目34)
前記被験体が成人または若年成人である、項目30〜32のいずれかに記載の方法。
(項目35)
項目15および27〜29のいずれかに記載の組成物の使用。

Claims (35)

  1. 配列番号5と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を含むアミノ酸配列を含む、組換えαガラクトシダーゼAおよび/または生物学的に活性な組換えαガラクトシダーゼAフラグメント。
  2. 表2.1、2.2、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、および/または7.1に提供した少なくとも1つの位置であって、配列番号5を参照してナンバリングされている位置において少なくとも1つの変異を含む、請求項1に記載の組換えαガラクトシダーゼA。
  3. 表2.3に提供した少なくとも1つの位置であって、配列番号10を参照してナンバリングされている位置において少なくとも1つの変異を含む、請求項2に記載の組換えαガラクトシダーゼA。
  4. ヒトαガラクトシダーゼAに由来する、請求項1〜3のいずれかに記載の組換えαガラクトシダーゼA。
  5. 配列番号15、13、10、18、40、42、44、または46のポリペプチド配列を含む、組換えαガラクトシダーゼA。
  6. 配列番号5のαガラクトシダーゼAよりも熱安定性である、請求項1〜5のいずれかに記載の組換えαガラクトシダーゼA。
  7. pH7.4において、配列番号5のαガラクトシダーゼAよりも安定である、請求項1〜6のいずれかに記載の組換えαガラクトシダーゼA。
  8. pH4.3において、配列番号5のαガラクトシダーゼAよりも安定である、請求項7に記載の組換えαガラクトシダーゼA。
  9. 配列番号5のαガラクトシダーゼAよりも血清への曝露に対して安定である、請求項7に記載の組換えαガラクトシダーゼA。
  10. 脱免疫化αガラクトシダーゼAである、請求項1〜9のいずれかに記載の組換えαガラクトシダーゼA。
  11. 表7.1に提供した脱免疫化αガラクトシダーゼAである、請求項1〜10のいずれかに記載の組換えαガラクトシダーゼA。
  12. 精製されている、請求項1〜11のいずれかに記載の組換えαガラクトシダーゼA。
  13. 参照配列と比較して、i)増強した触媒活性;ii)pH7.4に対する増加した耐性;iii)pH4.3に対する増加した耐性;iv)血清に対する増加した耐性;またはv)減少した免疫原性;またはi)、ii)、iii)、iv)、もしくはv)のいずれかの組み合わせから選択される少なくとも1つの改良された特性を示す、請求項1〜12のいずれかに記載の組換えαガラクトシダーゼA。
  14. 前記参照配列が配列番号5または配列番号10である、請求項13に記載の組換えαガラクトシダーゼA。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の少なくとも1つの組換えαガラクトシダーゼAを含む、組成物。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の少なくとも1つの組換えαガラクトシダーゼAをコードする、組換えポリヌクレオチド配列。
  17. コドン最適化されている、請求項16に記載の組換えポリヌクレオチド配列。
  18. 請求項16および/または17に記載の組換えポリヌクレオチド配列を含む、発現ベクター。
  19. 前記組換えポリヌクレオチド配列が調節配列に作動可能に連結されている、請求項18に記載の発現ベクター。
  20. 前記調節配列がプロモーターである、請求項19に記載の発現ベクター。
  21. 前記プロモーターが異種プロモーターである、請求項20に記載の発現ベクター。
  22. 請求項18〜21のいずれかに記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
  23. 真核生物である、請求項22に記載の宿主細胞。
  24. αガラクトシダーゼAバリアントを生成する方法であって、組換えポリヌクレオチドによってコードされる前記αガラクトシダーゼAが産生される条件下で、請求項22または23に記載の宿主細胞を培養する工程を含む、方法。
  25. 前記αガラクトシダーゼAを回収する工程をさらに含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記αガラクトシダーゼAを精製する工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
  27. ファブリー病を処置するための医薬組成物であって、請求項15に記載の酵素組成物を含む、医薬組成物。
  28. 薬学的に許容され得るキャリアおよび/または賦形剤をさらに含む、請求項27に記載の医薬組成物。
  29. ヒトへの非経口注射または注入に適切である、請求項27および/または28に記載の医薬組成物。
  30. 被験体におけるファブリー病の症状を処置および/または予防するための方法であって、ファブリー病を有する被験体を提供する工程、および請求項27〜39のいずれかに記載の医薬組成物を前記被験体に提供する工程を含む、方法。
  31. ファブリー病の前記症状を改善する、請求項30に記載の方法。
  32. 前記被験体が、ファブリー病の症状を示す被験体が必要とする食事よりも、その脂肪含有量の制限が少ない食事を摂ることができる、請求項30および/または31に記載の方法。
  33. 前記被験体が乳児または小児である、請求項30〜32のいずれかに記載の方法。
  34. 前記被験体が成人または若年成人である、請求項30〜32のいずれかに記載の方法。
  35. 請求項15および27〜29のいずれかに記載の組成物の使用。
JP2017533453A 2014-12-22 2015-12-02 ヒトα−ガラクトシダーゼバリアント Active JP6650943B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201462095313P 2014-12-22 2014-12-22
US62/095,313 2014-12-22
US201562216452P 2015-09-10 2015-09-10
US62/216,452 2015-09-10
PCT/US2015/063329 WO2016105889A1 (en) 2014-12-22 2015-12-02 Human alpha-galactosidase variants

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019009294A Division JP2019076110A (ja) 2014-12-22 2019-01-23 ヒトα−ガラクトシダーゼバリアント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018500907A true JP2018500907A (ja) 2018-01-18
JP6650943B2 JP6650943B2 (ja) 2020-02-19

Family

ID=56151383

Family Applications (4)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017533453A Active JP6650943B2 (ja) 2014-12-22 2015-12-02 ヒトα−ガラクトシダーゼバリアント
JP2019009294A Withdrawn JP2019076110A (ja) 2014-12-22 2019-01-23 ヒトα−ガラクトシダーゼバリアント
JP2020168384A Pending JP2021003129A (ja) 2014-12-22 2020-10-05 ヒトα−ガラクトシダーゼバリアント
JP2022078184A Pending JP2022097653A (ja) 2014-12-22 2022-05-11 ヒトα-ガラクトシダーゼバリアント

Family Applications After (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019009294A Withdrawn JP2019076110A (ja) 2014-12-22 2019-01-23 ヒトα−ガラクトシダーゼバリアント
JP2020168384A Pending JP2021003129A (ja) 2014-12-22 2020-10-05 ヒトα−ガラクトシダーゼバリアント
JP2022078184A Pending JP2022097653A (ja) 2014-12-22 2022-05-11 ヒトα-ガラクトシダーゼバリアント

Country Status (19)

Country Link
US (5) US20170360900A1 (ja)
EP (2) EP3237621B1 (ja)
JP (4) JP6650943B2 (ja)
KR (2) KR102438885B1 (ja)
AU (2) AU2015370125B2 (ja)
BR (1) BR112017013300A2 (ja)
CA (1) CA2970638A1 (ja)
DK (1) DK3237621T3 (ja)
ES (1) ES2944889T3 (ja)
FI (1) FI3237621T3 (ja)
HR (1) HRP20230468T1 (ja)
HU (1) HUE062016T2 (ja)
IL (1) IL252479B (ja)
LT (1) LT3237621T (ja)
PL (1) PL3237621T3 (ja)
PT (1) PT3237621T (ja)
RS (1) RS64574B1 (ja)
SI (1) SI3237621T1 (ja)
WO (1) WO2016105889A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102438885B1 (ko) 2014-12-22 2022-09-01 코덱시스, 인코포레이티드 인간 알파-갈락토시다제 변이체
GB201508025D0 (en) 2015-05-11 2015-06-24 Ucl Business Plc Fabry disease gene therapy
WO2017109034A1 (en) * 2015-12-24 2017-06-29 Oxyrane Uk Ltd Human alpha-n-acetylgalactosaminidase polypeptide
WO2020047282A1 (en) 2018-08-29 2020-03-05 University Of Copenhagen Lysosomal enzymes modified by cell based glycoengineering
EP3898960A4 (en) * 2018-12-20 2022-11-30 Codexis, Inc. VARIANTS OF HUMAN ALPHA GALACTOSIDASE
WO2021055801A1 (en) * 2019-09-18 2021-03-25 The Medical College Of Wisconsin, Inc. Improved alpha-galactosidase protein for enzyme replacement therapy (ert) and methods of use
WO2021173928A2 (en) * 2020-02-28 2021-09-02 Codexis, Inc. Human alpha-galactosidase variants

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001504324A (ja) * 1996-09-13 2001-04-03 トランスカーヨティック セラピーズ インク. α―ガラクトシダーゼA欠損症の治療
JP2013520986A (ja) * 2010-03-02 2013-06-10 プロタリクス リミテッド 安定化α−ガラクトシダーゼおよびその使用
WO2013156552A1 (en) * 2012-04-18 2013-10-24 Vib Vzw Means and methods for generating improved proteins

Family Cites Families (63)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US753653A (en) 1903-09-14 1904-03-01 American Car & Foundry Co Hopper-bottom car.
US5356804A (en) 1990-10-24 1994-10-18 Mount Sinai School Of Medicine Of The City Of New York Cloning and expression of biologically active human α-galactosidase A
US6335160B1 (en) 1995-02-17 2002-01-01 Maxygen, Inc. Methods and compositions for polypeptide engineering
US5928905A (en) 1995-04-18 1999-07-27 Glaxo Group Limited End-complementary polymerase reaction
US6395547B1 (en) 1994-02-17 2002-05-28 Maxygen, Inc. Methods for generating polynucleotides having desired characteristics by iterative selection and recombination
US6406855B1 (en) 1994-02-17 2002-06-18 Maxygen, Inc. Methods and compositions for polypeptide engineering
US6165793A (en) 1996-03-25 2000-12-26 Maxygen, Inc. Methods for generating polynucleotides having desired characteristics by iterative selection and recombination
US5834252A (en) 1995-04-18 1998-11-10 Glaxo Group Limited End-complementary polymerase reaction
US5837458A (en) 1994-02-17 1998-11-17 Maxygen, Inc. Methods and compositions for cellular and metabolic engineering
US6995017B1 (en) 1994-02-17 2006-02-07 Maxygen, Inc. Methods for generating polynucleotides having desired characteristics by iterative selection and recombination
US5605793A (en) 1994-02-17 1997-02-25 Affymax Technologies N.V. Methods for in vitro recombination
US6117679A (en) 1994-02-17 2000-09-12 Maxygen, Inc. Methods for generating polynucleotides having desired characteristics by iterative selection and recombination
US6309883B1 (en) 1994-02-17 2001-10-30 Maxygen, Inc. Methods and compositions for cellular and metabolic engineering
US20060257890A1 (en) 1996-05-20 2006-11-16 Maxygen, Inc. Methods and compositions for cellular and metabolic engineering
DE69534185T2 (de) 1994-06-30 2006-02-23 Novozymes Biotech, Inc., Davis Nicht-toxisches, nicht-toxigenes, nicht-pathogenes fusarium expressionssystem und darin zu verwendende promotoren und terminatoren
FI104465B (fi) 1995-06-14 2000-02-15 Valio Oy Proteiinihydrolysaatteja allergioiden hoitamiseksi tai estämiseksi, niiden valmistus ja käyttö
US6096548A (en) 1996-03-25 2000-08-01 Maxygen, Inc. Method for directing evolution of a virus
US6506602B1 (en) 1996-03-25 2003-01-14 Maxygen, Inc. Methods for generating polynucleotides having desired characteristics by iterative selection and recombination
US6458574B1 (en) 1996-09-12 2002-10-01 Transkaryotic Therapies, Inc. Treatment of a α-galactosidase a deficiency
US7148054B2 (en) 1997-01-17 2006-12-12 Maxygen, Inc. Evolution of whole cells and organisms by recursive sequence recombination
US6326204B1 (en) 1997-01-17 2001-12-04 Maxygen, Inc. Evolution of whole cells and organisms by recursive sequence recombination
IL130635A0 (en) 1997-01-17 2000-06-01 Maxygen Inc Evolution of whole cells and organisms by recursive sequence recombination
AU746786B2 (en) 1997-12-08 2002-05-02 California Institute Of Technology Method for creating polynucleotide and polypeptide sequences
US6365408B1 (en) 1998-06-19 2002-04-02 Maxygen, Inc. Methods of evolving a polynucleotides by mutagenesis and recombination
JP4221100B2 (ja) 1999-01-13 2009-02-12 エルピーダメモリ株式会社 半導体装置
US6917882B2 (en) 1999-01-19 2005-07-12 Maxygen, Inc. Methods for making character strings, polynucleotides and polypeptides having desired characteristics
US6376246B1 (en) 1999-02-05 2002-04-23 Maxygen, Inc. Oligonucleotide mediated nucleic acid recombination
US6368861B1 (en) 1999-01-19 2002-04-09 Maxygen, Inc. Oligonucleotide mediated nucleic acid recombination
US6436675B1 (en) 1999-09-28 2002-08-20 Maxygen, Inc. Use of codon-varied oligonucleotide synthesis for synthetic shuffling
US7024312B1 (en) 1999-01-19 2006-04-04 Maxygen, Inc. Methods for making character strings, polynucleotides and polypeptides having desired characteristics
US7702464B1 (en) 2001-08-21 2010-04-20 Maxygen, Inc. Method and apparatus for codon determining
US6961664B2 (en) 1999-01-19 2005-11-01 Maxygen Methods of populating data structures for use in evolutionary simulations
EP1108783A3 (en) 1999-01-19 2001-09-05 Maxygen, Inc. Oligonucleotide-mediated nucleic acid recombination
CA2362737A1 (en) 1999-03-05 2000-09-08 Maxygen, Inc. Recombination of insertion modified nucleic acids
US7430477B2 (en) 1999-10-12 2008-09-30 Maxygen, Inc. Methods of populating data structures for use in evolutionary simulations
US6519065B1 (en) 1999-11-05 2003-02-11 Jds Fitel Inc. Chromatic dispersion compensation device
WO2001075767A2 (en) 2000-03-30 2001-10-11 Maxygen, Inc. In silico cross-over site selection
US20020095135A1 (en) * 2000-06-19 2002-07-18 David Meeker Combination enzyme replacement, gene therapy and small molecule therapy for lysosomal storage diseases
US20050084907A1 (en) 2002-03-01 2005-04-21 Maxygen, Inc. Methods, systems, and software for identifying functional biomolecules
US7747391B2 (en) 2002-03-01 2010-06-29 Maxygen, Inc. Methods, systems, and software for identifying functional biomolecules
DK2315145T3 (en) 2002-03-01 2016-01-25 Codexis Mayflower Holdings Llc Methods, systems, and software for identifying the functional biomolecules
WO2003078583A2 (en) 2002-03-09 2003-09-25 Maxygen, Inc. Optimization of crossover points for directed evolution
ATE514430T1 (de) 2002-04-25 2011-07-15 Shire Human Genetic Therapies Behandlung des alpha-galactosidase a mangels
US20090038023A1 (en) 2005-03-10 2009-02-05 Verenium Corporation Lyase Enzymes, Nucleic Acids Encoding Them and Methods For Making and Using Them
US7531341B1 (en) 2006-06-12 2009-05-12 Biomarin Pharmaceutical Inc. Compositions of prokaryotic phenylalanine ammonia-lyase and methods of using compositions thereof
US7534595B2 (en) 2006-06-12 2009-05-19 Biomarin Pharmaceutical Inc. Compositions of prokaryotic phenylalanine ammonia-lyase and methods of using compositions thereof
US7537923B2 (en) 2007-08-17 2009-05-26 Biomarin Pharmaceutical Inc. Compositions of prokaryotic phenylalanine ammonia-lyase and methods of treating cancer using compositions thereof
EP2250595B1 (en) 2008-02-12 2017-06-14 Codexis, Inc. Method of selecting an optimized diverse population of variants
EP2250594B1 (en) 2008-02-12 2017-04-19 Codexis, Inc. Method of generating an optimized, diverse population of variants
US8383346B2 (en) 2008-06-13 2013-02-26 Codexis, Inc. Combined automated parallel synthesis of polynucleotide variants
US20090312196A1 (en) 2008-06-13 2009-12-17 Codexis, Inc. Method of synthesizing polynucleotide variants
ES2575005T3 (es) 2008-06-13 2016-06-23 Codexis, Inc. Método de síntesis de variantes de polinucleótidos
US9194011B2 (en) * 2009-11-17 2015-11-24 Protalix Ltd. Stabilized alpha-galactosidase and uses thereof
US8876066B1 (en) 2009-12-17 2014-11-04 Progressive Fastening, Inc. Hanger with bolt closures
CA2782444C (en) 2010-02-04 2018-10-23 Biomarin Pharmaceutical Inc. Compositions of prokaryotic phenylalanine ammonia-lyase variants and methods of using compositions thereof
SI2717893T1 (sl) 2011-06-08 2019-10-30 Translate Bio Inc Sestavki lipidnih nanodelcev in postopki za dostavo mRNA
EP2726651B1 (en) 2011-06-28 2018-11-07 Codexis, Inc. Protein variant generation by region shuffling
WO2013138339A1 (en) 2012-03-15 2013-09-19 Codexis, Inc. Gene shuffling methods
US9684771B2 (en) 2013-01-31 2017-06-20 Codexis, Inc. Methods, systems, and software for identifying bio-molecules using models of multiplicative form
HUE048104T2 (hu) 2013-09-27 2020-05-28 Codexis Inc Szerkezet alapú prediktív modellezés
EP3049973B1 (en) 2013-09-27 2018-08-08 Codexis, Inc. Automated screening of enzyme variants
KR102438885B1 (ko) 2014-12-22 2022-09-01 코덱시스, 인코포레이티드 인간 알파-갈락토시다제 변이체
EP3898960A4 (en) 2018-12-20 2022-11-30 Codexis, Inc. VARIANTS OF HUMAN ALPHA GALACTOSIDASE

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001504324A (ja) * 1996-09-13 2001-04-03 トランスカーヨティック セラピーズ インク. α―ガラクトシダーゼA欠損症の治療
JP2013520986A (ja) * 2010-03-02 2013-06-10 プロタリクス リミテッド 安定化α−ガラクトシダーゼおよびその使用
WO2013156552A1 (en) * 2012-04-18 2013-10-24 Vib Vzw Means and methods for generating improved proteins

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
SUGAWARA K ET AL., JOURNAL OF HUMAN GENETICS, vol. 53, JPN6018032769, 2008, pages 812 - 824, ISSN: 0004133360 *
小林秀行, 鯉淵研報, vol. 29, JPN6018032767, 2013, pages 3 - 12, ISSN: 0004133362 *
衞藤義勝, 日本内科学会雑誌, vol. 98, no. 4, JPN6018032765, 2009, pages 163 - 170, ISSN: 0004133361 *

Also Published As

Publication number Publication date
KR20220123342A (ko) 2022-09-06
EP3237621B1 (en) 2023-04-19
AU2015370125A1 (en) 2017-06-22
IL252479B (en) 2021-03-25
DK3237621T3 (da) 2023-06-19
US20200360489A1 (en) 2020-11-19
US11278600B2 (en) 2022-03-22
IL252479A0 (en) 2017-07-31
US20210244804A1 (en) 2021-08-12
SI3237621T1 (sl) 2023-11-30
LT3237621T (lt) 2023-09-25
RS64574B1 (sr) 2023-10-31
US10973888B2 (en) 2021-04-13
KR102438885B1 (ko) 2022-09-01
KR20170093976A (ko) 2017-08-16
US20170360900A1 (en) 2017-12-21
US11497798B2 (en) 2022-11-15
AU2015370125B2 (en) 2022-02-03
CA2970638A1 (en) 2016-06-30
JP6650943B2 (ja) 2020-02-19
HRP20230468T1 (hr) 2023-11-10
HUE062016T2 (hu) 2023-09-28
PL3237621T3 (pl) 2023-10-30
JP2021003129A (ja) 2021-01-14
BR112017013300A2 (pt) 2018-02-27
ES2944889T3 (es) 2023-06-26
US20200405826A1 (en) 2020-12-31
AU2022202939A1 (en) 2022-05-26
EP3237621A1 (en) 2017-11-01
FI3237621T3 (fi) 2023-06-01
JP2022097653A (ja) 2022-06-30
PT3237621T (pt) 2023-07-20
EP4234699A1 (en) 2023-08-30
NZ732171A (en) 2021-01-29
JP2019076110A (ja) 2019-05-23
EP3237621A4 (en) 2018-12-05
US20200360490A1 (en) 2020-11-19
WO2016105889A1 (en) 2016-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11497798B2 (en) Human alpha-galactosidase variants
US20220356458A1 (en) Human alpha-galactosidase variants
US20220389464A1 (en) Engineered tyrosine ammonia lyase
US20210269787A1 (en) Human alpha-galactosidase variants
JP2023507575A (ja) 操作された酸性アルファ-グルコシダーゼバリアント
NZ732171B2 (en) Human alpha-galactosidase variants

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170822

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180823

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190123

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190726

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20190805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191011

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6650943

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250