JP2018205684A - 電子シンバル - Google Patents
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Abstract
【課題】シンバルパッドの回転変位を可能にしてアコースティックシンバルの演奏感を得ることができる電子シンバルを提供する。【解決手段】電子シンバル100は、上方に向かって凸状に湾曲するとともに平面視で円板状の板状体からなるシンバルパッド101を備えている。シンバルパッド101は、中央部に取付孔102aが形成されるとともに、この取付孔102aの周囲に取付部102bが形成されている。取付孔102a内には、スタンド110の貫通部111が貫通しており、この貫通部111に支持スリーブ112を介してパッド取付具105が2つの押圧具115a,115bによって挟まれた状態で設けられている。パッド取付具105は、押圧具115a,115bによって押圧されることで押圧方向に直交する径方向に弾性変形する保持部106および保持部106の外周部から張り出して取付部102bに取り付けられるシンバル連結部107を備えている。【選択図】 図2
Description
本発明は、電子回路を用いてアコースティックのシンバルを電子的に実現した電子シンバルに関する。
従来から、電子回路を用いてアコースティックのシンバルを電子的に実現した電子シンバルは床面から棒状に延びるスタンドによって所定の高さ位置に支持されている。例えば、下記特許文献1には、スタンドから延びる棒状の回り止め具がシンバルパッドを貫通した状態でシンバルパッドをフェルトワッシャによって挟むことでシンバルパッドをスタンドに取り付ける構造が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載されたシンバルパッドの取付構造においては、シンバルパッドが回り止め具によって周方向の回転が不能な状態でスタンドに固定されているため、アコースティックシンバルように叩打時にシンバルが回転せずアコースティックシンバルの演奏感を十分に再現できていないという問題があった。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、シンバルパッドの回転変位を可能にしてアコースティックシンバルの演奏感を得ることができる電子シンバルを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、棒状に延びるスタンドの一方端が貫通する取付孔を有して板状に形成されたシンバルパッドと、シンバルパッドの周方向に沿って複数設けられて同シンバルパッドの叩打を検出する叩打センサと、シンバルパッドをスタンドに対して回転可能な状態で取り付けるためのパッド取付具とを備え、パッド取付具は、スタンドを摺動可能な状態で把持する保持部と、保持部と一体的に繋がって形成されてシンバルパッドに取り付けられまたは押し付けられるシンバル連結部とを備えることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、電子シンバルは、シンバルパッドにシンバル連結部を介して連結されるパッド取付具がスタンドを摺動可能な状態で把持する保持部を備えているため、シンバルパッドをスタンドに対して回転可能な状態で取り付けることができる。これにより、本発明に係る電子シンバルにおいては、演奏者が演奏時においてシンバルパッドの叩打によってシンバルパッドを回転させることができるため、アコースティックシンバルの演奏感を得ることができる。この場合、保持部がスタンドに対して摺動可能とは、保持部がスタンドに対して摩擦抵抗を生じた状態でスタンドの周方向に変位できることである。
また、本発明の他の特徴は、前記電子シンバルにおいて、さらに、パッド取付具をスタンドの軸線方向から押圧する押圧具を備え、保持部は、取付孔の内周面に対して内側に張り出した状態でスタンドの一方端が貫通する環状に形成されるとともに押圧具によって押圧されることで内周部が弾性的に張り出すように形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、電子シンバルは、パッド取付部における保持部が環状に形成されてスタンドを貫通させるとともにスタンドの軸線方向からの押圧によって内周部分が弾性的に収縮変形するため、この保持部をスタンドの軸線方向に押圧することで弾性変形させた保持部によってシンバルパッドをスタンドに対して回転可能な状態で取り付けることができる。これにより、本発明に係る電子シンバルにおいては、演奏者が演奏時においてシンバルパッドの叩打によってシンバルパッドを回転させることができるため、アコースティックシンバルの演奏感を得ることができる。また、本発明に係る電子シンバルにおいては、保持部を弾性変形させる押圧力を調整することで保持部がスタンドを圧迫する力を加減できるため、シンバルパッドの回転のし易さを調整することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記電子シンバルにおいて、シンバル連結部は、保持部の外側に形成されてシンバルパッドに繋がっていることにある。この場合、シンバル連結部は、シンバルパッドに対して接着剤、ネジ、シンバルパッドに対して圧入またはシンバルパットと一体的成形などの手法などの手法を用いて両者を繋ぐことができる。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、電子シンバルは、シンバル連結部が保持部の外側に形成されてシンバルパッドに連結または一体成形などによって繋がれるため、シンバルパッドに対して種々の連結位置、連結形態および形成形態を採用し易くなって種々の大きさまたは形状のシンバルパッドに対して適切な位置、形態または強度でパッド取付具を取り付けることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記電子シンバルにおいて、保持部は、押圧具によって押圧されることで内周部とともに外周部も弾性的に張り出す環状に形成されており、シンバル連結部は、保持部における外周部であることにあり、取付孔は、シンバル連結部に対向する位置まで延びて形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、電子シンバルは、パッド取付具が押圧具によって押圧されることで内側および外側にそれぞれ張り出すように構成されているため、このパッド取付具を取付孔内に配置して押し付けて変形させることでシンバルパッドをスタンドに弾性的に取り付けることができる。すなわち、本発明に係る電子シンバルによれば、簡単な構成でシンバルパッドをスタンドに弾性的に取り付けることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記電子シンバルにおいて、押圧具は、フェルトで構成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、電子シンバルは、押圧具がフェルトで構成されているため、保持部を押圧して変形させる際に両者間の摩擦抵抗を低減して保持部を円滑に変形させることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記電子シンバルにおいて、取付孔は、スタンドの軸線方向における一方の端部側から他方の端部側に向かって内径が大きくなる凹状の円錐面を有しており、保持部は、取付孔における凹状の円錐面に密着する凸状の円錐面を有するとともにスタンドの周方向の一部に内周部と外周部との間でスタンドの軸線方向に貫通する切欠き部を有し、シンバル連結部は、保持部における凸状の円錐面であることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、電子シンバルは、パッド取付具がシンバルパッドの取付孔における凹状の円錐面に対応する凸状の円錐面および保持部の内周部と外周部との間に切欠き部をそれぞれ有した保持部を備えるとともに前記凸状の円錐面がシンバル連結部を構成しているため、このパッド取付具を取付孔に押し付けて変形させることでシンバルパッドとスタンドとを互いに弾性的に連結することができる。すなわち、本発明に係る電子シンバルによれば、簡単な構成でシンバルパッドをスタンドに弾性的に取り付けることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記電子シンバルにおいて、保持部は、スタンドの外周部に沿って内部が空洞に形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、電子シンバルは、保持部の内部がスタンドの外周部に沿って空洞に形成されて保持部が変形し易くなるため、押圧具は小さい押圧力でも変形させることができるとともに保持部がスタンドを圧迫する力の微調整が容易となる。
また、本発明の他の特徴は、前記電子シンバルにおいて、叩打センサは、シンバルパッドの周方向に沿って均等配置されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、電子シンバルは、叩打センサがシンバルパッドの周方向に沿って均等配置されているため、シンバルパッドの回転変位によって演奏者に対する向きが変化した場合であってもシンバルパッドの叩打を精度良く検出することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る電子シンバルの第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る電子シンバル100の外観構成の概略を模式的に示した斜視図である。また、図2は、図1に示す電子シンバル100の内部構成の概略を模式的に示す断面図である。なお、本明細書において参照する図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この電子シンバル100は、演奏者(図示せず)がスティック(図示せず)を介して叩いた打面の衝撃を検出して電子的な楽音を発生させる電子打楽器である。
以下、本発明に係る電子シンバルの第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る電子シンバル100の外観構成の概略を模式的に示した斜視図である。また、図2は、図1に示す電子シンバル100の内部構成の概略を模式的に示す断面図である。なお、本明細書において参照する図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この電子シンバル100は、演奏者(図示せず)がスティック(図示せず)を介して叩いた打面の衝撃を検出して電子的な楽音を発生させる電子打楽器である。
(電子シンバル100の構成)
電子シンバル100は、シンバルパッド101を備えている。シンバルパッド101は、演奏者による叩く操作によって振動する部品であり、上方に向かって凸状に湾曲するとともに平面視で円形の板状体で構成されている。このシンバルパッド101は、主として、ベース体102、パッド103および叩打センサ104をそれぞれ備えている。
電子シンバル100は、シンバルパッド101を備えている。シンバルパッド101は、演奏者による叩く操作によって振動する部品であり、上方に向かって凸状に湾曲するとともに平面視で円形の板状体で構成されている。このシンバルパッド101は、主として、ベース体102、パッド103および叩打センサ104をそれぞれ備えている。
ベース体102は、シンバルパッド101を形作る芯材となる部品であり、樹脂材を上方に向かって凸状に湾曲するとともに平面視で円環状の板状体に形成して構成されている。この場合、ベース体102は、中央部に取付孔102aが形成されるとともに、この取付孔102aの周囲に取付部102bが形成されている。取付孔102aは、後述するスタンド110の貫通部111および押圧具115a,115bがそれぞれ貫通した状態で配置される部分であり、ベース体102の中央部を厚さ方向に貫通する貫通孔によって構成されている。この場合、取付孔102aは、押圧具115a,115bよりも大きな内径に形成されている。
取付部102bは、後述するパッド取付具105が取り付けられる部分であり、ベース体102の裏面における前記取付孔102aの周囲に平面状に形成されている。この取付部102bは、押圧具115a,115bが取り付けられる部分の厚さが押圧具115a,115bが取り付けられる部分よりも外側部分の厚さよりも厚い厚さに形成されている。
パッド103は、演奏者がスティックなどを用いて叩く打面を構成する部分であり、ゴム材または発泡樹脂材などからなる弾性体をベース体102の上面および外縁部をそれぞれ覆う円環状に形成して構成されている。なお、シンバルパッド101は、本実施形態においては、ベース体102およびパッド103の2種の材料で構成されているが、1種の材料、例えば、樹脂材料のみまたは樹脂材料を含む繊維強化プラスチックのみで構成することもできる。
叩打センサ104は、演奏者の叩打によるシンバルパッド101の振動を検出する検出器であり、ベース体102の振動に応じた電気信号からなる叩打検出信号を外部に設けられる図示しない音源に出力する。本実施形態においては、叩打センサ104は、圧電セラミックスの両面にそれぞれ電極を配置するとともに、これらの電極の一方に金属板を配置したピエゾ素子によって構成されている。
この叩打センサ104は、図3に示すように、シンバルパッド101の裏面を構成するベース体102の裏面側の内周部側に周方向に沿って均等な間隔で4つ設けられている。この場合、各叩打センサ104は、板状の弾性体を介して図示しない両面テープまたは接着剤などによってそれぞれベース体102の裏面に固着されている。
そして、これら4つの叩打センサ104は、図示しない配線を介して各叩打検出信号の総和信号を出力するためのフォーン端子(図示せず)に接続されている。ここで、フォーン端子は、4つの叩打検出信号の総和信号を音源など外部機器に出力するための部品であり、シンバルパッド101の裏面に取り付けられている。また、音源は、電子シンバル100とは別体で設けられるマイクロコンピュータによって構成されており、フォーン端子から出力される4つの叩打検出信号の総和信号に基づいて楽音信号を出力する電子回路である。なお、図3は、シンバルパッド101、叩打センサ104およびパッド取付具のみ示している。
パッド取付具105は、シンバルパッド101をスタンド110に回転摺動可能かつ着脱自在な状態で取り付けるための部品であり、ゴム材または発泡樹脂材などからなる弾性体を平面視で円環状に形成して構成されている。より具体的には、パッド取付具105は、図4に示すように、主として、保持部106とシンバル連結部107とで構成されている。このパッド取付具105は、コンプレッション成形、トランスファー成形、インジェクション成形または押出し成形などを用いて成形することができる。
保持部106は、押圧具115a,115bによって押圧されることで押圧方向に直交する方向、すなわち、径方向に弾性変形する部分であり、平面視で円環状に形成されている。この場合、保持部106は、周方向に沿って円筒状に形成されており、内部が中空に形成されている。この保持部106は、外径が取付孔102aよりも小径に形成されるとともに、内径がスタンド110における貫通部111よりも大径に形成されている。
シンバル連結部107は、保持部106をシンバルパッド101の裏面側における取付孔102aの開口部に配置するための部分であり、保持部106の外周部からフランジ状に張り出す平面視で円環平板状に形成されている。このシンバル連結部107は、シンバルパッド101の裏面における取付部102bに図示しないネジまたは接着剤などによって取り付けられて固定されている。これにより、パッド取付具105は、保持部106におけるシンバル連結部107よりも図示上側の部分が取付孔102a内に配置されるとともに、シンバル連結部107よりも図示下側の部分が取付孔102aの直下に配置された状態でシンバルパッド101に固定的に取り付けられる。この場合、パッド取付具105は、取付孔102aに対して保持部106が同心の位置に取り付けられる。
スタンド110は、シンバルパッド101を演奏者が希望する高さ位置で支持するための部品であり、床面に対して垂直方向に延びる金属製の棒状体で構成されている。このスタンド110は、図示上側の上端部に貫通部111が形成されているとともに、図示下側の下端部は図示しない三脚で構成されている。
貫通部111は、シンバルパッド101の取付孔102aおよびパッド取付具105の保持部106の各内側をそれぞれ貫通してパッド取付具105を介してシンバルパッド101を支持する部分である。この貫通部111には、その外周部の上部に雄ネジが形成されており、この雄ネジに締付ナット114がネジ嵌合している。
支持スリーブ112は、パッド取付具105および押圧具115a,115bがそれぞれ貫通部111に直接接触することを防止するための部品であり、樹脂材を円筒状に形成して構成されている。支持スリーブ112の外周部は、パッド取付具105の保持部106が嵌合する大きさ(例えば、保持部106の内径と同一または同内径よりも若干大きな外径)以下の外径に形成されている。本実施形態においては、支持スリーブ112の外径は、保持部106の内径よりも小径に形成されている。
また、支持スリーブ112の外周部における両端部のうちの一方(図示下方)の端部は、径方向外側にフランジ状に張り出した状態で受けフランジ部113が形成されており、この受けフランジ部113によって押圧具115aを図示下方から支持するように形成されている。一方、支持スリーブ112の内周部には、貫通部111に対して摺動可能な状態で嵌合するように形成されている。
そして、支持スリーブ112は、パッド取付具105の保持部106が嵌合する部分が保持部106の弾性変形による圧迫によって径方向内側に弾性変形するように構成されている。締付ナット114は、貫通部111に形成された雄ネジにネジ嵌合する部品であり、金属製の筒体の内周面に雌ネジが形成されて構成されている。
押圧具115a,115bは、パッド取付具105における保持部106を図示上下方向の両側から挟んで押し潰して径方向に伸長させるための部品であり、フェルト材をそれぞれ円筒状に成形して構成されている。この場合、押圧具115a,115bは、内径が支持スリーブ112の外径と略同一の大きさに形成されて支持スリーブ112の外周面に摺動自在に嵌合するとともに、外径が取付孔102aよりも小径で支持スリーブ112の受けフランジ部113の外径と同じ大きさに形成されている。
(電子シンバル100の作動)
次に、このように構成した電子シンバル100の作動について説明する。まず、演奏者は、電子シンバル100をスタンド110に組み付ける。具体的には、演奏者は、シンバルパッド101、スタンド110、支持スリーブ112、締付ナット114および押圧具115a,115bをそれぞれ用意する。この場合、シンバルパッド101は、ベース体102に対してパッド103、叩打センサ104およびパッド取付具105がそれぞれ取り付けられており、シンバルパッド101を一体的に構成している。
次に、このように構成した電子シンバル100の作動について説明する。まず、演奏者は、電子シンバル100をスタンド110に組み付ける。具体的には、演奏者は、シンバルパッド101、スタンド110、支持スリーブ112、締付ナット114および押圧具115a,115bをそれぞれ用意する。この場合、シンバルパッド101は、ベース体102に対してパッド103、叩打センサ104およびパッド取付具105がそれぞれ取り付けられており、シンバルパッド101を一体的に構成している。
次に、演奏者は、図5に示すように、スタンド110を起立させた後、貫通部111に支持スリーブ112を嵌合させて取り付ける。次いで、演奏者は、支持スリーブ112の貫通部111に取り付けた支持スリーブ112における円筒部の外周部上に押圧具115aを嵌めた後、この押圧具115a上にシンバルパッド101の取付孔102aを嵌めて、さらに、その上に押圧具115bを嵌める。つまり、演奏者は、シンバルパッド101を支持スリーブ112上においてパッド取付具105の保持部106を2つの押圧具115a,115bで挟んだ状態で配置する。
そして、演奏者は、図2に示すように、締付ナット114を貫通部111にネジ嵌合させて締め付ける。これにより、パッド取付具105は、保持部106が2つの押圧具115a,115bによって貫通部111の軸線方向上で挟まれて押圧されるため、保持部106の内周部が貫通部111側に張り出して支持スリーブ112を周方向に沿って圧迫して支持スリーブ112の内周面を貫通部111側に弾性変形させる。
この場合、演奏者は、締付ナット114の締付具合によって支持スリーブ112が貫通部111を圧迫する力を調節することができる。すなわち、演奏者は、シンバルパッド101がスタンド110に対して回転摺動する摺動抵抗を締付ナット114の締付具合によって規定することができる。この結果、シンバルパッド101は、スタンド110に可動的に取り付けられる。この後、演奏者は、電子シンバル100を図示しない前記音源に電気的に接続して演奏可能な状態とするが、この作業は本発明に直接関わらないため、その説明は省略する。
次に、演奏者は、電子シンバル100を演奏する。具体的には、演奏者は、スティックを用いてシンバルパッド101の上面を叩く。この場合、シンバルパッド101は、スタンド110に対してパッド取付具105を介して回転摺動可能な状態で取り付けられているため、スタンド110に対して周方向に回転変位することができる(図1における破線矢印参照)。この場合、シンバルパッド101は、前記シンバルパッドの組付け工程で規定した摺動抵抗を介して回転摺動する。これにより、シンバルパッド101は、叩打による過度な回転変位が防止される。
また、シンバルパッド101に設けられた4つ叩打センサ104は、パッド103上の叩打位置に応じた叩打強度の叩打検出信号を音源にそれぞれ出力する。この場合、叩打センサ104は、シンバルパッド101とスタンド110との間で剛体同士の接触による無用な振動または衝撃が生じることが防止されるため、演奏者のスティック操作によるシンバルパッド101の振動を精度良く検出して音源に出力することができる。また、演奏時において、演奏者は、必要に応じて締付ナット114の締付力を調整することによりシンバルパッド101のスタンド110への取り付け強度を適宜調整することができる。
次に、演奏者は、電子シンバル100の演奏を終える場合には、前記音源に対する電気的な接続を外した後、締付ナット114を弛めて貫通部111から取り外す。これにより、シンバルパッド101は、パッド取付具105の保持部106の押圧状態が解消されるため、保持部106は自身の弾性力によって元の円環状に復帰して貫通部111の圧迫状態を解消する。したがって、演奏者は、支持スリーブ112上から押圧具115b、シンバルパッド101および押圧具115aをそれぞれ取り外すとともに、スタンド110の貫通部111から支持スリーブ112を取り外すことができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記第1実施形態によれば、電子シンバル100は、シンバルパッド101にシンバル連結部107を介して連結されるパッド取付具105が環状に形成されてスタンド110を貫通させるとともにスタンド110の軸線方向からの押圧によって内周部分が弾性的に収縮変形する保持部106を備えているため、この保持部106をスタンド110の軸線方向に押圧することで弾性変形させた保持部106によってシンバルパッド101をスタンド110に対して回転可能な状態で取り付けることができる。これにより、本発明に係る電子シンバル100においては、演奏者が演奏時においてシンバルパッド101の叩打によってシンバルパッド101を回転させることができるため、アコースティックシンバルの演奏感を得ることができる。また、本発明に係る電子シンバル100においては、保持部106を弾性変形させる押圧力を調整することで支持スリーブ112がスタンド110を圧迫する力を加減できるため、シンバルパッド101の回転のし易さを調整することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る電子シンバルの第2実施形態について図6〜図8を用いて説明する。この第2実施形態の説明においては、主として、上記第1実施形態と異なる部分について説明し、共通する部分については適宜省略する。この第2実施形態に係る電子シンバル200は、上記第1実施形態に係る電子シンバル100に対してパッド取付具201の形状が異なる点において相違している。
次に、本発明に係る電子シンバルの第2実施形態について図6〜図8を用いて説明する。この第2実施形態の説明においては、主として、上記第1実施形態と異なる部分について説明し、共通する部分については適宜省略する。この第2実施形態に係る電子シンバル200は、上記第1実施形態に係る電子シンバル100に対してパッド取付具201の形状が異なる点において相違している。
具体的には、パッド取付具201は、図7に示すように、上記パッド取付具105と同様に、ゴム材または発泡樹脂材などからなる弾性体を平面視で円環状に形成して構成されており、主として、保持部202およびシンバル連結部203をそれぞれ備えている。
保持部202は、上記保持部106と同様に、押圧具115a,115bによって押圧されることで押圧方向に直交する方向、すなわち、径方向に弾性変形する部分であり、平面視で円環状に形成されている。この場合、保持部202は、シンバル連結部203に隣接する部分がパッド取付具201の軸線方向における一方側にU字状に屈曲して環状に隆起した第1凸部202aと、この第1凸部202aから前記軸線方向における他方側にU字状に屈曲して環状に隆起する第2凸部202bとで構成されている。すなわち、保持部202は、径方向に沿って図示上下方向に屈曲する波型形状に形成されている。この場合、保持部202は、外径が取付孔102aよりも小径に形成されるとともに、内径がスタンド110における貫通部111よりも大径に形成されている。
また、シンバル連結部203は、上記シンバル連結部107と同様に、保持部202をシンバルパッド101の裏面側における取付孔102aの開口部に配置するための部分であり、保持部202の外周部からフランジ状に張り出す平面視で円環平板状に形成されている。このシンバル連結部203は、シンバルパッド101の裏面における取付部102bに図示しないネジまたは接着剤などによって取り付けられて固定されている。
これにより、パッド取付具201は、保持部202におけるシンバル連結部203よりも図示上側の部分が取付孔102a内に配置されるとともに、シンバル連結部203よりも図示下側の部分が取付孔102aの直下に配置された状態でシンバルパッド101に固定的に取り付けられる。この場合、パッド取付具201は、取付孔102aに対して保持部202が同心の位置に取り付けられる。
このように構成された電子シンバル200をスタンド110に組み付ける場合には、演奏者は、図8に示すように、上記第1実施形態と同様に、スタンド110の貫通部111に支持スリーブ112を嵌合させた後、押圧具115a、シンバルパッド101および押圧具115bの順に支持スリーブ112上に配置する。そして、演奏者は、締付ナット114を貫通部111にネジ嵌合させて締め付ける。
これにより、パッド取付具201は、図6に示すように、保持部202が2つの押圧具115a,115bによって貫通部111の軸線方向上で挟まれて押圧されるため、保持部202の内周部が貫通部111側に張り出して支持スリーブ112を周方向に沿って圧迫して弾性変形させる。この結果、シンバルパッド101は、スタンド110に摺動可能な状態で取り付けられる。
上記作動説明からも理解できるように、上記第2実施形態によれば、電子シンバル100は、パッド取付具201における保持部202が波型状に屈曲して構成されて表面全体が外部に露出しているため、弾性変形する保持部202の劣化および損傷を容易に確認することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る電子シンバルの第3実施形態について図9〜図11を用いて説明する。この第3実施形態の説明においても、主として、上記第1実施形態および第2実施形態と異なる部分について説明し、共通する部分については適宜省略する。この第3実施形態に係る電子シンバル300は、上記各実施形態に係る電子シンバル100,200に対してパッド取付具301の形状が異なる点において相違している。
次に、本発明に係る電子シンバルの第3実施形態について図9〜図11を用いて説明する。この第3実施形態の説明においても、主として、上記第1実施形態および第2実施形態と異なる部分について説明し、共通する部分については適宜省略する。この第3実施形態に係る電子シンバル300は、上記各実施形態に係る電子シンバル100,200に対してパッド取付具301の形状が異なる点において相違している。
具体的には、パッド取付具301は、図10に示すように、上記パッド取付具105,201と同様に、ゴム材または発泡樹脂材などからなる弾性体を平面視で円環状形成されている。より具体的には、パッド取付具301は、上記シンバル連結部107,203と同様の平板円環状のシンバル連結部302の最内縁部側に保持部303が形成されて構成されている。
保持部303は、シンバル連結部302の内縁部に周方向に沿って複数(本実施形態においては8つ)の基台303aが均等配置されるとともに、これらの各基台303a上にそれぞれ弾性部303bを介して変位部303cを有して構成されている。基台303aは、変位部303cを径方向に沿う往復変位を案内する部分であり、シンバル連結部302の内縁部から径方向外側に向かって上り傾斜となる斜面を有して構成されている。
弾性部303bは、変位部303cを径方向に沿って往復変位可能な状態で弾性的に支持する部分であり、基台302aと変位部303cとの間でU字状に曲がる板状体で構成されている。変位部303cは、スタンド110における貫通部111を支持スリーブ112を介して保持する部分であり、基台303a上に浮いた状態で弾性部303bによって弾性的に支持されている。
この場合、変位部303cは、外周部が弾性部303bに連結されているとともに、内周部が平面視で円弧状に形成されている。この保持部303は、複数の変位部303cによって形成される断続的な円の外径が取付孔102aよりも小径に形成されるとともに、内径がスタンド110における貫通部111よりも大径に形成されている。
このように構成された電子シンバル300をスタンド110に組み付ける場合には、演奏者は、図11に示すように、上記各実施形態と同様に、スタンド110の貫通部111に支持スリーブ112を嵌合させた後、押圧具115a、シンバルパッド101および押圧具115bの順に支持スリーブ112上に配置する。そして、演奏者は、締付ナット114を貫通部111にネジ嵌合させて締め付ける。
これにより、パッド取付具301は、図9に示すように、保持部303が2つの押圧具115a,115bによって貫通部111の軸線方向上で挟まれて押圧されるため、各変位部303cが基台303a上にそれぞれ押圧されて各基台303aの傾斜面に沿って貫通部111側に摺動して支持スリーブ112を周方向に沿って圧迫して弾性変形させる。この結果、シンバルパッド101は、図10に示すように、スタンド110に固定的に取り付けられる。
上記作動説明からも理解できるように、上記第3実施形態によれば、複数の変位部303cが支持スリーブ112の外周面をそれぞれ独立して押圧するため、支持スリーブ112の形状が周方向に凹凸があった場合であっても確実かつ安定的に保持することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る電子シンバルの第4実施形態について図12〜図14を用いて説明する。この第4実施形態の説明においては、主として、上記第1実施形態と異なる部分について説明し、共通する部分については適宜省略する。この第4実施形態に係る電子シンバル400は、上記第1実施形態に係る電子シンバル100に対して取付孔401の形状およびパッド取付具402の構成がそれぞれ異なる点において相違している。
次に、本発明に係る電子シンバルの第4実施形態について図12〜図14を用いて説明する。この第4実施形態の説明においては、主として、上記第1実施形態と異なる部分について説明し、共通する部分については適宜省略する。この第4実施形態に係る電子シンバル400は、上記第1実施形態に係る電子シンバル100に対して取付孔401の形状およびパッド取付具402の構成がそれぞれ異なる点において相違している。
具体的には、シンバルパッド101における取付孔401は、スタンド110の軸線方向における一方(図示下側)の端部側から他方(図示上側)の端部側に向かって内径が大きくなる凹状の円錐面からなる受け面401aを有した貫通孔によって構成されている。
一方、パッド取付具402は、上記パッド取付具105と同様に、ゴム材または発泡樹脂材などからなる弾性体で構成されているが、上記パッド取付具105とは異なりシンバルパッド101とは別体で分離して構成されている。より具体的には、パッド取付具402は、図13に示すように、主として、保持部403とシンバル連結部404とによって平面視で略C字状に形成されている。
ここで、保持部403は、取付孔401内に嵌り込んで同取付孔401内にて弾性変形する部分であり、筒状の円錐体状に形成されている。また、保持部403には、周方向の一部に内周部と外周部との間にスタンド110の軸線方向に貫通した扇状の切欠き部403aが形成されている。この場合、切欠き部403aの幅は、保持部403の内周部が収縮して貫通部111を掴んだ場合であっても隙間を確保する幅に形成されるとよい。これにより、保持部403は、切欠き部403aの幅が狭まる方向に変形することで内径および外径がそれぞれ収縮する。一方、シンバル連結部404は、前記取付孔401に形成された凹状の円錐面からなる受け面401aに密着する部分であり、保持部403の一部を構成する凸状の円錐面で構成されている。
なお、シンバルパッド101は、ベース体102の裏面における取付孔401の周囲が上記各実施形態における取付部102bと同様に平面状に形成されているが、パッド取付具402は、前記したように、シンバルパッド101とは別体で構成されているため、前記平面状の部分にパッド取付具402が取り付けられることはない。
このように構成された電子シンバル400をスタンド110に組み付ける場合には、演奏者は、図14に示すように、スタンド110の貫通部111に支持スリーブ112を嵌合させた後、この支持スリーブ112上に押圧具115aおよびシンバルパッド101をそれぞれ配置する。この場合、シンバルパッド101は、取付孔401が上方に向かって拡径する向きで支持スリーブ112上に配置される。
次いで、演奏者は、支持スリーブ112が貫通したシンバルパッド101の取付孔401内にパッド取付具402を配置した後、このパッド取付具402上に押圧具115bを配置する。この場合、パッド取付具402は、シンバル連結部404がシンバルパッド101の取付孔401内の受け面401aに面する向きで配置される。そして、演奏者は、締付ナット114を貫通部111にネジ嵌合させて締め付ける。
これにより、パッド取付具402は、図12に示すように、押圧具115bによって取付孔401の受け面401aにシンバル連結部404が押し付けられることで保持部403の内径および外径が収縮する方に弾性変形する。すなわち、パッド取付具402は、保持部403が2つの押圧具115a,115bによって取付孔401を介して貫通部111の軸線方向上で挟まれて押圧されるため、保持部403の内周部が貫通部111側に張り出して支持スリーブ112を周方向に沿って圧迫して弾性変形させるとともにシンバル連結部404が取付孔401の受け面401aに強く押し付けられる。この結果、シンバルパッド101は、スタンド110に摺動可能な状態で取り付けられる。
一方、演奏者は、演奏を終えた場合には、締付ナット114を弛めて貫通部111から取り外すことでパッド取付具402が取付孔401の受け面401aに強く押し付けられた状態および保持部403が弾性変形した状態をそれぞれ解消することができる。これにより、演奏者は、支持スリーブ112から押圧具115b、パッド取付具402、シンバルパッド101および押圧具115aをそれぞれ取り外すことができるとともに、支持スリーブ112を貫通部111から取り外すことができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記第4実施形態によれば、電子シンバル400は、パッド取付具402がシンバルパッド101に対して別体で構成されているため、弾性変形を繰り返すパッド取付具402が損傷または劣化した場合にはシンバルパッド101を交換することなく新品に取り換えることができる。また、電子シンバル400は、複数種類の内径のパッド取付具402を予め用意しておくことで、1つのシンバルパッド101を複数種類のスタンド110の貫通部111または支持スリーブ112間で共通して使用することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明に係る電子シンバルの第5実施形態について図15〜図17を用いて説明する。この第5実施形態の説明においては、主として、上記第4実施形態と異なる部分について説明し、共通する部分については適宜省略する。この第5実施形態に係る電子シンバル500は、上記第4実施形態に係る電子シンバル400に対して取付孔501およびパッド取付具502の各形状が異なる点において相違している。
次に、本発明に係る電子シンバルの第5実施形態について図15〜図17を用いて説明する。この第5実施形態の説明においては、主として、上記第4実施形態と異なる部分について説明し、共通する部分については適宜省略する。この第5実施形態に係る電子シンバル500は、上記第4実施形態に係る電子シンバル400に対して取付孔501およびパッド取付具502の各形状が異なる点において相違している。
具体的には、シンバルパッド101における取付孔501は、スタンド110の軸線方向にストレートに延びて貫通する貫通孔で構成されている。この場合、取付孔501は、支持スリーブ112上に配置されるパッド取付具502の外周部に対向する長さで形成されている。
一方、パッド取付具502は、図16に示すように、上記パッド取付具402と同様に、ゴム材または発泡樹脂材などからなる弾性体を平面視で円環状形成されてシンバルパッド101とは別体で構成されている。より具体的には、パッド取付具502は、周方向に沿って円筒状に形成されて内部が中空に形成された保持部503と、この保持部503の外周部からなるシンバル連結部504とで構成されている。この保持部503は、外径(すなわち、シンバル連結部504の外径)が取付孔501よりも小径に形成されるとともに、内径がスタンド110における貫通部111よりも大径に形成されている。
このように構成された電子シンバル500をスタンド110に組み付ける場合には、図17に示すように、演奏者は、上記第4実施形態と同様に、スタンド110の貫通部111に支持スリーブ112を嵌合させた後、この支持スリーブ112上に押圧具115aおよびシンバルパッド101をそれぞれ配置する。次いで、演奏者は、支持スリーブ112が貫通した押圧具115a上でかつシンバルパッド101の取付孔501の内側にパッド取付具502を配置した後、このパッド取付具502上に押圧具115bを配置する。そして、演奏者は、締付ナット114を貫通部111にネジ嵌合させて締め付ける。
これにより、パッド取付具502は、図15に示すように、保持部503が押圧具115bによって押圧具115aに押し付けられることで保持部503の内周部が貫通部111側に張り出して支持スリーブ112を周方向に沿って圧迫して弾性変形させるとともに保持部503の外周部であるシンバル連結部504が取付孔501側に張り出して取付孔501の内周面に強く押し付けられる。この結果、シンバルパッド101は、スタンド110に摺動可能な状態で取り付けられる。
一方、演奏者は、演奏を終えた場合には、締付ナット114を弛めて貫通部111から取り外すことでパッド取付具502が押圧具115aに強く押し付けられる状態および保持部503が弾性変形した状態をそれぞれ解消することができる。これにより、演奏者は、支持スリーブ112から押圧具115b、パッド取付具502、シンバルパッド101および押圧具115aをそれぞれ取り外すことができるとともに、支持スリーブ112を貫通部111から取り外すことができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記第5実施形態によれば、電子シンバル500は、パッド取付具502がシンバルパッド101に対して別体で構成されているため、上記第4実施形態における電子シンバル400と同様の作用効果を得ることができる。また、電子シンバル500は、パッド取付具502が平面視で単に円環状に形成されているため、簡単な構成でシンバルパッド101がスタンド110に取り付けることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記第1実施形態および第5実施形態においては、パッド取付具105,502は、中空状に形成した。しかし、パッド取付具105,502は、中実状に形成することもできる。
また、上記第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態においては、パッド取付具105,201,301は、シンバルパッド101に固着して設けた。しかし、パッド取付具は、上記第4実施形態および第5実施形態のように、シンバルパッド101に対して別個独立して設けることもできる。
また、上記各実施形態においては、押圧具115a,115bをそれぞれフェルト材で構成した。しかし、押圧具115a,115bは、パッド取付具105,201,301,402,502をそれぞれ押圧することができるように構成されていればよい。したがって、押圧具115a,115bは、ゴム材、シリコーン材または軟質樹脂材などの弾性体で構成してもよいし、金属材または硬質樹脂材などの剛体で構成することもできる。
また、上記各実施形態においては、電子シンバル100〜500は、1つのシンバルパッド101がスタンド110に取り付けられて構成されている。しかし、本発明に係る電子シンバルは、2つのシンバルパッドを上下方向に互いに対向配置してこれらの両者をペダル操作によって接触または離隔させる所謂ハイハットで構成することもできる。
また、上記各実施形態においては、電子シンバル100〜500は、支持スリーブ112を介してパッド取付具105,201,301,402,502を貫通部111に間接的に押し付けた。しかし、電子シンバル100〜500は、支持スリーブ112を省略してパッド取付具105,201,301,402,502を直接貫通部111に押し付けるようにしてもよい。
また、上記各実施形態においては、支持スリーブ112は、保持部106の圧迫によって弾性的に収縮変形するように構成した。しかし、支持スリーブ112は、保持部106の圧迫によって弾性変形しない剛性を有して形成されていてもよい。この場合、シンバルパッド101は、保持部106が支持スリーブ112に対して回転摺動することで回転変位するようにしてもよい。この場合、支持スリーブ112は、貫通部111に対して圧入またはネジ嵌合などによって固定的に取り付けられる。
また、シンバルパッド101は、支持スリーブ112が貫通部111に嵌合する摺動抵抗よりも強い摺動抵抗によって保持部106が支持スリーブ112を圧迫することによって支持スリーブ112が貫通部111に対して回転摺動することで回転変位するようにしてもよい。さらに、シンバルパッド101は、保持部106が支持スリーブ112に対して回転摺動とともに支持スリーブ112が貫通部111に対して回転摺動することで回転変位するようにしてもよい。
また、上記各実施形態においては、パッド取付具105の保持部106が嵌合する支持スリーブ112の外周部の外径を保持部106の内径よりも細く形成した。しかし、パッド取付具105の保持部106が嵌合する支持スリーブ112の外周部の外径を保持部106の内径と同じまたは同内径よりも太く形成することもできる。この場合、保持部106は、支持スリーブ112に対して圧入されることになる。これによれば、押圧具115a,115bを省略することもできる。
また、上記各実施形態においては、パッド取付具105は、保持部106を押圧具115a,115bで押圧することで変形させてスタンド110を保持するように構成した。しかし、電子シンバル100は、保持部106がスタンド110における貫通部111を摺動可能な状態で把持することで押圧具115a,115bを省略することもできる。
具体的には、例えば、保持部106,202,303,403,503は、貫通部111に対して摩擦抵抗を介して摺動自在に嵌合する大きさの内径に形成することができる。この場合、保持部106,202,303,403,503は、スタンド110の径方向に弾性変形する弾性体であってもよいが硬質樹脂材や金属材などの剛体であってもよい。
この場合、演奏者は、パッド取付具105,201,301,402,502を貫通部111に押し込む。そして、この場合、パッド取付具105,201,301のようにシンバル連結部107,203,302がシンバルパッド101に取り付けられる構成の場合には、締付ナット114を貫通部111にネジ嵌合させてもよいが締付ナット114を省略することもできる。一方、パッド取付具402,502のようにシンバル連結部404,504がシンバルパッド101に押し付けられる構成の場合には、締付ナット114を貫通部111にネジ嵌合させてシンバル連結部404,504をシンバルパッド101に押し付ける。
また、上記各実施形態においては、電子シンバル100〜500は、4つの叩打センサ104をシンバルパッド101の裏面を構成するベース体102の裏面側の内周部側に周方向に沿って均等な間隔で4つ設けた。しかし、叩打センサ104を設ける数および設ける位置は、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、電子シンバル100〜500は、少なくとも2つの叩打センサ104を備えていればよい。また、複数の叩打センサ104は、シンバルパッド101の振動を検出できる位置、例えば、シンバルパッド101の裏面を構成するベース体102の裏面側の内周部側に代えてまたは加えて外周部側に設けることもできる。
100…電子シンバル、101…シンバルパッド、102…ベース体、102a…取付孔、102b…取付部、103…パッド、104…叩打センサ、105…パッド取付具、106…保持部、107…シンバル連結部、
110…スタンド、111…貫通部、112…支持スリーブ、113…受けフランジ部、114…締付ナット、115a,115b…押圧具、
200…電子シンバル、201…パッド取付具、202…保持部、202a…第1凸部、202b…第2凸部、203…シンバル連結部、
300…電子シンバル、301…パッド取付具、302…シンバル連結部、303…保持部、303a…基台、303b…弾性部、303c…変位部、
400…電子シンバル、401…取付孔、402…パッド取付具、403…保持部、403a…切欠き部、404…シンバル連結部、
500…電子シンバル、501…取付孔、502…パッド取付具、503…保持部、504…シンバル連結部。
110…スタンド、111…貫通部、112…支持スリーブ、113…受けフランジ部、114…締付ナット、115a,115b…押圧具、
200…電子シンバル、201…パッド取付具、202…保持部、202a…第1凸部、202b…第2凸部、203…シンバル連結部、
300…電子シンバル、301…パッド取付具、302…シンバル連結部、303…保持部、303a…基台、303b…弾性部、303c…変位部、
400…電子シンバル、401…取付孔、402…パッド取付具、403…保持部、403a…切欠き部、404…シンバル連結部、
500…電子シンバル、501…取付孔、502…パッド取付具、503…保持部、504…シンバル連結部。
Claims (8)
- 棒状に延びるスタンドの一方端が貫通する取付孔を有して板状に形成されたシンバルパッドと、
前記シンバルパッドの周方向に沿って複数設けられて同シンバルパッドの叩打を検出する叩打センサと、
前記シンバルパッドを前記スタンドに対して回転可能な状態で取り付けるためのパッド取付具とを備え、
前記パッド取付具は、
前記スタンドを摺動可能な状態で把持する保持部と、
前記保持部と一体的に繋がって形成されて前記シンバルパッドに取り付けられまたは押し付けられるシンバル連結部とを備えることを特徴とする電子シンバル。 - 請求項1に記載した電子シンバルにおいて、さらに、
前記パッド取付具を前記スタンドの軸線方向から押圧する押圧具を備え、
前記保持部は、
前記取付孔の内周面に対して内側に張り出した状態で前記スタンドの一方端が貫通する環状に形成されるとともに前記押圧具によって押圧されることで内周部が弾性的に張り出すように形成されていることを特徴とする電子シンバル。 - 請求項1または請求項2に記載した電子シンバルにおいて、
前記シンバル連結部は、
前記保持部の外側に形成されて前記シンバルパッドに繋がっていることを特徴とする電子シンバル。 - 請求項2に記載した電子シンバルにおいて、
前記保持部は、
前記押圧具によって押圧されることで前記内周部とともに外周部も弾性的に張り出す環状に形成されており、
前記シンバル連結部は、
前記保持部における前記外周部であり、
前記取付孔は、
前記シンバル連結部に対向する位置まで延びて形成されていることを特徴とする電子シンバル。 - 請求項2または請求項4に記載した電子シンバルにおいて、
前記押圧具は、
フェルトで構成されていることを特徴とする電子シンバル。 - 請求項2に記載した電子シンバルにおいて、
前記取付孔は、
前記スタンドの軸線方向における一方の端部側から他方の端部側に向かって内径が大きくなる凹状の円錐面を有しており、
前記保持部は、
前記取付孔における前記凹状の円錐面に密着する凸状の円錐面を有するとともに前記スタンドの周方向の一部に内周部と外周部との間で前記スタンドの軸線方向に貫通する切欠き部を有し、
前記シンバル連結部は、
前記保持部における前記凸状の円錐面であることを特徴とする電子シンバル。 - 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載した電子シンバルにおいて、
前記保持部は、
前記スタンドの外周部に沿って内部が空洞に形成されていることを特徴とする電子シンバル。 - 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載した電子シンバルにおいて、
前記叩打センサは、
前記シンバルパッドの周方向に沿って均等配置されていることを特徴とする電子シンバル。
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