JP2018204957A - 光学部材の光学特性測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学部材の形状に歪み(反り)がある場合にも、簡易な構成によって精密に光学特性を測定することができる光学特性測定装置を提供すること。
【解決手段】光学部材Fに対して所定の波長又は波長範囲を持つ測定光Lを照射する光出射部160と、光学部材Fで反射され又は透過された測定光Lを受光し分析する測定部と、光学部材Fを固定するとともに、光学部材F表面の測定光Lの入射点Pを通り測定光Lに垂直な回転軸Aを中心に回転されて、光学部材Fへの測定光Lの入射角を調整する入射角調整機構110と、前記光学部材Fを回動可能支持するとともに、回転軸Aを中心に回転されて、測定光Lが光学部材Fへ垂直入射する初期位置を決定する垂直入射位置決定機構120と、回転軸Aを中心に回転されて、測定部の測定光Lを受光する部分の位置を調整する測定部角度位置調整機構140とを備える光学特性測定装置100。
【選択図】図1

Description

本発明は、カメラ等の光学機器に使用される光学部材の光学特性を測定する装置に関する。
デジタルスチルカメラやビデオカメラに利用されているCCDやCMOSなどの固体撮像素子の分光感度は、人間の視感度特性と比べて近赤外域の光に対して強い感度を持つという特徴がある。そこで、一般に、これら固体撮像素子の分光感度を人間の視感度特性に合わせるための視感度補正フィルタが用いられている。
このような視感度補正フィルタとして、特許文献1には、フツリン酸塩ガラスやリン酸塩ガラスなどのガラス中にCu2+イオンを存在させて、分光特性を調整した近赤外線カットフィルタガラスが開示されている。
また、透過する波長域を正確に決定し、かつシャープにすることを目的として、上記のような近赤外線カットフィルタガラスの表面に、高屈折率層と低屈折率層とを複数交互に積層した光学多層膜を設け、可視域の波長(400〜600nm)を効率的に透過しかつ近赤外域の波長(700nm)をシャープにカットする、優れた特性を有する近赤外線カットフィルタが知られている(例えば、特許文献2参照。)。その他、ガラス基板表面の反射を抑制し透過率を向上させることを目的として、近赤外線カットフィルタガラスの表面に反射防止膜が設けられる場合もある。
近赤外線カットフィルタの場合、前記光学多層膜は、例えば、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ等からなる高屈折率層と、酸化珪素等からなる低屈折率層とをガラス基板上に交互積層したもので、高屈折率層と低屈折率層の構成材料、厚さ、層数等を適宜に設定することで、光の干渉を利用して光を選択透過する。
近年では薄型のスマートフォンの普及やウェアラブルカメラ、車載カメラ等の登場などで、カメラモジュールの小型化、薄型化が急速に進んでいる。このため、カメラの受光レンズと近赤外線カットフィルタ、固体撮像素子などの部材間距離が短くなり、近赤外線カットフィルタには従来よりも斜めに入射する斜め入射光成分が多くなっている。このため、近赤外線カットフィルタの製造においては、垂直入射光に対する分光測定評価のほか、斜め入射光に対する分光測定評価の重要性が高まってきている。
特開平06−16451号公報 特開平02−213803号公報
近赤外線カットフィルタにおいては、従来より入射角度に依存して分光特性が変化することは知られていた。しかしながら、通常は大きな角度変化(例えば、垂直入射角度(0deg)と30°斜め入射光(30deg))においてどの程度の分光波形変化があるかについて考慮されることがほとんどであった。そのため、従来の一般的な分光器では、以下に説明するように、分光特性の入射角度依存にかかわる問題があるにも関わらず、考慮されていなかった。
上記のように、近赤外線カットフィルタではその分光特性は入射角度に依存する。この入射角度依存性を、分光測定を行うことを中心に考慮する場合、次のようになる。
まず、分光特性の入射角度依存性は垂直入射角度を0degとした場合、その入射角度が大きくなればなるほどその程度は大きくなる。具体的には、測定時の入射角度を0degとし、測定角度の誤差が±1degであるとすると、その誤差範囲内の分光特性変化はほとんどなく、前述したカメラ、ビデオ用途ではその変化は無視しても良いレベルである。しかしながら、これが入射角度30degに対する入射角度誤差±1degであった場合には、分光特性変化は無視できないレベルとなる。つまり、測定光の入射角度に応じて、その測定誤差にかかわる分光特性変化の程度が大きく異なっている。
従来は、0degの入射角度における分光測定が一般的であり、かつ分光器を構成、もしくは使用する際に、近赤外線カットフィルタの入射角度依存性に関して、さらには近赤外線カットフィルタが膜応力によってその形状を変化させ、基板が反ってしまうことに関して、十分に考慮してこなかったため、次のような問題が発生していた。
一般的な分光器では光源からの入射光と、入射角度、これらに応じた光検出器の位置関係は、測定に用いる治工具の機械的寸法公差による保証で維持されている。例えば、基板をセットする基板ホルダの面が測定光の入射角度に対して0degになるように構成されている場合、この面に測定基板の測定面を接触、もしくはそれに相当する処理を行うことで、測定面への入射角度0degが保証される。30degの入射角度に対しては、基板ホルダの基準面が任意の角度になるように回転、もしくは角度付きの基準面を持つ治工具をさらにセットすることで30degの入射角度を作り出す。
ここで、測定基板が反りを持っている場合、通常その反りは曲面であり、その反りの角度を知ること自体が難しいので、入射角度のずれが発生してしまうことは自明である。また、基板の中央であっても、反りの頂点であるとは限らないので、測定基板上のどの箇所を垂直入射面とみなせるか考えることも難しい。このため、通常は曲がってしまった基板を基準となる平面に押し付けて反りをなくし、治工具の平面と、測定基板の平面が一致するようにして測定を行う。また、測定基板が大きくて治工具への押し付けができない場合は、測定基板を小さく切断し、反りの影響を緩和してから上記の操作が行われる。
しかし、上記基板ホルダなどはこれを保持する位置決めピンに取り付けるなどして、測定が行われることが多く、それぞれの機械公差上のずれは常に存在するうえ、長期間の使用でピン穴が削られて大きくなると、その分の誤差は大きくなる。さらに、上記のように反っている基板を治工具に押し付けることで平面を作り出す場合も、基板が平面になっている保証はないうえ、作業者の押し付け方によって基板の反りの程度が変動してしまう。また、押し付けるという外力が治工具同士の寸法公差分のずれを任意の方向に動かしてしまうという現象も引き起こしかねない。このような治工具に起因する測定データの変動の問題は従来から位置決めの「遊び」などと呼称されて認識自体はされていたが、0deg入射の測定では多少の角度ずれは分光特性に影響を与えないので問題とされることはほとんどなかった。しかし、上記したように、30degなどの大きな入射角度の分光特性の測定においては、測定角度誤差が与える分光波形への影響が大きく、無視することができない。
以上のことから、反りが大きい光学フィルタ等の光学部材の光学特性の測定に際しても、測定作業が容易で、かつ正確な分光測定が可能な測定装置及び測定方法が求められていた。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであって、光学フィルタ等の光学部材の形状に歪み(反り)がある場合にも、簡易な構成によって精密に光学特性を測定することができる光学特性測定装置を提供することを目的とする。
本発明の光学特性測定装置は、光学部材の光学特性を、測定光の前記光学部材への入射角を変更して測定する装置であって、前記光学部材に対して所定の波長又は波長範囲を持つ前記測定光を照射する光出射部と、前記光学部材で反射され又は透過された前記測定光を受光し分析する測定部と、前記光学部材を固定するとともに、前記光学部材表面の前記測定光の入射点を通り前記測定光に垂直な回転軸を中心に回転されて、前記光学部材への前記測定光の入射角を調整する入射角調整機構と、前記光学部材を回動可能に支持するとともに、前記入射角度調整機構と同じ前記回転軸を中心に回転されて、前記測定光が前記光学部材へ垂直入射する初期位置を決定する垂直入射位置決定機構と、前記回転軸を中心に回転されて、前記測定部の前記測定光を受光する部分の位置を調整する測定部角度位置調整機構とを備えることを特徴とする。
本発明の光学特性測定装置において、前記測定部は、内部に前記測定光が導入されてその導入された測定光を受光し平均化するための積分球と、前記積分球で平均化された光を分析するための光検出器と、前記積分球から前記光検出器に光を伝えるための導光部材と
を備え、前記積分球、前記光検出器及び前記導光部材は、前記測定部角度位置調整機構に固定され、それぞれ互いの位置関係が変化しないことが好ましい。
本発明の光学特性測定装置において、前記積分球は、前記回転軸による回転面の法線方向に位置を調整可能であることが好ましい。
本発明の光学特性測定装置は、前記光出射部からの前記測定光を反射させる反射ミラーを備え、前記光出射部は前記光学部材の前記測定点に前記測定光を直接照射する方向に位置を固定できるとともに、前記反射ミラーに前記測定光を照射し、前記反射ミラーで反射された前記測定光が前記光学部材の前記測定点に入射するように、前記反射ミラーと前記光出射部の方向を組み合わせて固定することができるとともに、前記測定光の入射角を、前記光出射部からの前記測定光が前記光学部材に垂直に入射した場合を0°として、前記反射ミラーと前記光出射部とが接触する場合には、前記反射ミラーを経由して前記測定光が前記光学部材へ光が入射する経路で測定を行い、前記反射ミラーと前記光出射部とが接触しない場合には、前記反射ミラーを経由することなく前記測定光が前記光学部材へ光が入射する経路で測定を行い、いずれの入射角においても前記光学部材への前記測定光の入射点は同一であることが好ましい。
本発明の光学特性測定装置において、前記光学部材を、前記回転軸に垂直な平面方向に移動させる水平位置調整部及び前記回転軸による回転面に対して法線方向に移動させる垂直位置調整部を有することが好ましい。
本発明の光学特性測定装置において、前記入射角調整機構は、前記光学部材をその端面の一部に当接して板厚方向に挟持する、前記光学部材の当接部から上端に向かって広がる形状の支持体を備え、1つ又は2つ以上の前記支持体によって前記光学部材を固定することが好ましい。
本発明の光学特性測定装置において、前記積分球、前記入射角調整機構、前記垂直入射位置決定機構及び前記測定部角度位置調整機構は、暗箱内に配置されることが好ましい。また、前記暗箱の上面には、前記光学部材を出し入れする開閉式の小窓が備えられることが好ましい。
本発明の光学特性測定装置において、前記光学部材表面は曲率を有することが好ましい。
本発明の光学特性測定装置によれば、光学フィルタ等の光学部材の形状に歪み(反り)がある場合にも、簡易な構成によって精密に光学特性を測定することができる。
本発明の実施形態に係る光学特性測定装置を模式的に示す断面図である。 図1の光学特性測定装置を概略的に示す平面図である。 光学フィルタを支持する支持部の一例を模式的に示す正面図である。 図3の支持部の側面図である。 反射ミラーを備える実施形態に係る光学特性測定装置の一部を概略的に示す図である。
実施例の光学特性測定装置によって、光学フィルタへの入射角5°の反射光を測定した結果を表すグラフである。 図6のグラフの可視光波長域を拡大したグラフである。 実施例の光学特性測定装置によって、光学フィルタへの入射角30°の反射光を測定した結果を表すグラフである。 図8のグラフの可視光波長域を拡大したグラフである。
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態の光学特性測定装置100を概略的に示す断面図である。図2は、図1の光学特性測定装置を上方から見た平面図である。各図中の矢印はその構成が移動可能な方向の一例を示す。なお、図1では、光学特性測定装置100は、水平面上に載置された態様を示すが、本発明の光学特性測定装置はこれに限定されない。また、実施形態においては、光学部材として光学フィルタを用いた形態を示すが、本発明における光学部材はこれに限定されない。
図1に示す光学特性測定装置100は、所定の波長の測定光Lを、入射角を変化させて光学フィルタFに照射した際の、反射光又は透過光の分光特性を測定する装置である。
光学フィルタFは、例えば、CCDやCMOSなどの固体撮像素子の視感度補正フィルタであり、例えば、透明基板と、透明基板の一方の主面上に設けられた第1の光学多層膜(紫外線及び赤外線を反射し、可視光を透過する光学膜)と、透明基板の他方の主面上に設けられた第2の光学多層膜(反射防止膜)とを備える。また、透明基板としては、可視光を透過するガラスもしくは樹脂であり、好ましくは近赤外域に吸収を持つ近赤外線吸収ガラスである。このような光学フィルタFは、紫外線、赤外線、近赤外域の光をカットするため、CCDやCMOSの感度を人の視感度に合わせるための視感度補正フィルタとして用いられる。
透明基板としては、ガラスや樹脂基板であることが好ましい。また、透明基板の形状や厚さに限定はない。例えば、透明基板の形状は、板状だけでなく、プリズムや異形(反射鏡のような凹状を含む形状)などであってもよい。
第1の光学多層膜は、例えば、波長650〜750nm程度の近赤外域の光の透過率を著しく低下させて、近赤外光をカットするとともに、波長400〜600nm程度の可視域の光を効率的に透過する。第1の光学多層膜は、SiO、SiO、MgF等からなる低屈折率膜とTiO、HfO、Al、ZrO、YbF、Ta、Nb、アルミニウムランタン酸化物(AlLa)、アルミニウムタンタル酸化物(AlTa)等からなる高屈折率膜が交互に積層されることで上記光学的機能を有する膜として形成することができる。第1の光学多層膜は、求められる光学特性に応じて、その具体的な層数や膜厚、及び使用する高屈折率材料及び低屈折率材料の屈折率が、従来の手法を用いて設計される。また、第1の光学多層膜は、IAD(Ion Assisted Deposition)蒸着法、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法等の乾式成膜プロセス等によって製造することができる。第1の光学多層膜は、物理膜厚が0.2μm以上8μm以下であることが好ましい。
第2の光学多層膜は、波長400〜600nm程度の可視域の波長の光の反射率を低くして、その透過率を高める。第2の光学多層膜は、上記第1の光学多層膜と同様の材料によって形成される。このとき、第1の光学多層膜に求められる光学特性に応じて、その具体的な層数や膜厚が設計され、使用する高屈折率材料及び低屈折率材料の屈折率が選択されて、設計される。第2の光学多層膜は、物理膜厚が0.2μm以上8μm以下であることが好ましい。
なお、光学フィルタFは透明基板の両方の主面に光学多層膜を有する態様に限定されず、いずれか一方の主面のみに光学多層膜を備えていてもよく、いずれも備えずに透明基板のみで構成されてもよい。例えば、光学フィルタFが、上記のように、第1の光学多層膜と第2の光学多層膜を備える場合、より厚みの大きい第1の光学多層膜側の面が凸状の反りを有する形状になりやすい。本実施形態の光学特性測定装置100は、ガラス板の少なくとも一方の主面に光学多層膜を備えることで表面に曲率(反りや歪み)を有した光学フィルタFの測定に好適である。
また、光学フィルタFが歪みや反りを有している場合、光学フィルタF表面内における最大高低差は、上記76mm×76mm程度の大きさの光学フィルタFで0.1mm〜5mm程度であってよい。なお、光学フィルタFの最大高低差は、例えば、光学フィルタFを第1の光学多層膜を備える面を上にして水平面上に載置した際の光学フィルタFの表面の、水平面からの最大高さとして測定することができる。
光学特性測定装置100は、光学フィルタFを固定する入射角調整機構110と、入射角調整機構110を回動可能に支持する垂直入射位置決定機構120を備えている。光学特性測定装置100は、光学フィルタFに対して所定の波長又は波長範囲を持つ測定光Lを照射する光出射部160と、光学フィルタFで反射され又は透過された測定光Lを受光し分析する測定部とを備えている。また、光学特性測定装置100は、前記入射角調整機構110の回転軸を中心に回転され、前記測定部の測定光を受光する位置を調整する測定部角度位置調整機構140を有している。
光出射部160は、測定光Lを放射する。光出射部160は、基台B上に、支持構造体161によって、光学フィルタF表面の所定の入射点Pに測定光Lを入射する高さに固定されている。なお、本実施形態では、光出射部160は、高さ及び水平位置を固定した態様を示すが、光出射部160は、高さ及び水平位置を調整可能に設置されていてもよい。光出射部160は、例えばコリメータレンズであって、光ファイバなどの導光部材を用いて光源(不図示)と接続される。光源は、装置内の温度変化の影響を回避するためおよび迷光の発生源となることを防ぐため、装置の外に設置するのが好ましい。
光源は、例えば、波長360〜2000nmの光を発生し、発生した光を、必要に応じて光学系によって分光した後に集光し、所定の波長の光を、光ファイバなどの導光部材を介して出射する光源を使用することができる。このような光源としては、光の発生源としてタングステンハロゲンランプを用いた光源等が挙げられる。
光学特性測定装置100において、測定部は、積分球131と、光検出器132と、積分球131と光検出器132を接続する光ファイバ(導光部材)133とを有している。積分球131は、内部が球面状の中空構造であり、入射された光をその内壁で拡散反射して積分し、出射する。積分球131は、これにより、測定光Lを受光し平均化する。積分球131の中空の内面の直径は、測定光Lの利用効率を高めるなどの観点から、例えば、30mm〜60mmである。
積分球131は、測定光Lの入射される入射口と、積分球131の内壁で拡散反射された測定光Lが出射される出射口135とを有する。積分球131は、通常、アルミニウム等の金属からなる筐体に収容されている。
積分球131においては、入射口134と出射口135の位置関係は、迷光等の影響を排除するため、対向配置を避け、積分球131の一の極を北極とし、反対側の極を南極として、入射口134が赤道上の0°位置を中心として設けられているとした場合に、出射口135は赤道上の45°〜135°、好ましくは90°の位置を中心として設けることができる。
光ファイバ(導光部材)133は、出射口135と光検出器132を接続して、積分球131から出射した測定光Lを光検出器132に伝達する。光学フィルタFにおいて反射され、又は透過された測定光Lは光検出器132に伝達されてここで分析される。光検出器132としては、伝達された光のスペクトルを解析する分光測定装置等が使用される。光検出器132は、例えば、波長350〜1000nmの範囲を測定可能な可視近赤域の分光測定器や、波長900〜1700nmの範囲を測定可能な赤外域の分光測定器などを単独、もしくは複数使用することができる。複数の分光測定器を使用する場合には、光ファイバ133を分岐させるか、積分球131の出射口135の数を増やして光ファイバ133を介して複数の光検出器につなげることが可能である。なお、光検出器132としては、測定光Lを内部のグレーティングで分光し、リニアCCDアレイ素子で各分光の光強度を測定するタイプの分光測定器が好ましい。
積分球131、光検出器132、光ファイバ(導光部材)133は、全て測定部角度位置調整機構140に固定され、それぞれ互いに位置関係が変化しないことが好ましい。このようにすることで、測定光の角度を調整したとしても、上記各部材の位置関係が変わることがないため、測定位置(角度)による誤差を抑制することができる。
入射角調整機構110は、入射角調整回転部111と水平位置調整部112からなる。入射角調整回転部111は、水平位置調整部112とともに垂直入射位置決定機構120に対して回転することで、入射角調整機構110を回転させ、光学フィルタFへの測定光Lの入射角を調整する。入射角調整機構110によって、測定光Lの入射角は透過光の測定において好ましくは4°〜70°の間で変更することができる。
入射角調整回転部111は、光学フィルタF表面の測定光Lの入射点Pを通り、測定光Lに垂直な軸(回転軸A)を中心として回転する。入射角調整回転部111が、入射点Pを通らない測定光Lに垂直な光学フィルタF表面上の軸を回転する場合、光学フィルタFが曲率を有すると、入射角調整回転部111を回転させることで測定光Lの入射点Pの位置が大幅にずれてしまう。そのため、入射角調整回転部111の初期位置(例えば入射角0°の位置)からの回転角と、実際の測定光Lの光学フィルタFへの入射角が一致せず、測定精度が低下する。これに対し、光学特性測定装置100によれば、入射角調整回転部111が回転軸Aを中心として回転することで、測定光Lの、表面に曲率を有する光学フィルタFへの入射角を変更した場合にも、測定光Lの入射点Pの位置が固定されてずれることがない。そのため、表面に曲率を有する光学フィルタFであっても、所定の入射角での光学特性を精密に測定することができる。
入射角調整回転部111は、例えば、回転ステージ等で構成され、垂直入射位置決定機構120上に回動可能に設置されている。入射角調整回転部111は、垂直位置調整部122の上面に、回転軸Aを中心に回動可能に固定されてもよい。例えば、垂直位置調整部122の上面に回転軸Aと同心のピンを設け、入射角調整回転部111の底面に前記ピンに対応する穴を設け、垂直位置調整部122のピンを入射角調整回転部111の穴に挿入することで、入射角調整回転部111は回転軸Aを中心に回動可能に設置されてもよい。また、この場合、入射角調整回転部111の底面にピンを設け、垂直位置調整部122の上面に穴を設けてもよい。その他、ピンを設けず、各部材の機械寸法で入射角調整回転部111が上記位置関係となるようにしてもよい。
水平位置調整部112は、光学フィルタFとともに入射角調整回転部111上を水平移動されることで入射点Pを水平方向に調節する。水平位置調整部112は、水平面を一軸(X軸)方向又は二軸(XY軸)方向に移動させる水平面ステージ等で構成され、入射角調整回転部111上に設置される。水平位置調整部112は必須ではなく、必要に応じて設けられる。光学特性測定装置100は、水平位置調整部112を備えない場合、入射角調整回転部111のみで入射角調整機構110を構成する。
図3は、本実施形態の入射角調整機構110に光学フィルタFを固定する態様の一例である支持部115を示す正面図である。図4は、図3の支持部115を用いて入射角調整機構110上に光学フィルタFを固定した状態を模式的に示す側面図である。
光学フィルタFは、図3、4に示す支持部115によって入射角調整機構110上に支持することができる。支持部115は、4つの支持体113と一対のL字形状の薄板114を用い、一対の薄板114のL字の2つの辺においてそれぞれ支持体113を挟んで構成される。このようにして構成された一対の支持部115が、入射角調整機構110上に対向して配置され、これらによって光学フィルタFの一つの端面と、当該端面と直交する二つの対向する端面を支持して、光学フィルタFを固定することができる。なお、入射角調整機構110は4つの支持体113と一対のL字形状の薄板114を用いて光学フィルタFを支持する態様に限られず、1〜3つ、又は5つ以上の支持体113によって光学フィルタFを支持することができる。
支持体113は、光学フィルタFの端面の一部に当接して、光学フィルタFを、その板厚方向に挟持する。また、支持体113は、光学フィルタFの当接部113aから上端113bに向かって広がる形状である。このように、支持体113が当接部113aから上端113bに向かって広がる形状であることで、上端113bにおいて、光学フィルタFとの間に隙間を設けることができる。そのため、反りを有する光学フィルタFであっても、光学フィルタFの反りを押さえつけて平面にならす必要がなく、簡易に保持することができる。
支持体113は、光学フィルタFに傷や衝撃を与えにくい樹脂などの材料を用いて成型することができる。このような樹脂材料としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
図1に示す垂直入射位置決定機構120は、垂直入射位置決定回転部121と、垂直位置調整部122からなる。垂直入射位置決定回転部121が垂直位置調整部122とともに基台Bに対して回転することで、垂直入射位置決定機構120が回転される。これにより、光学フィルタFへの測定光Lが垂直入射する位置、すなわち、光学フィルタFを固定した状態での入射角調整機構110の、測定光Lの入射角が0°の位置を決定することができる。
垂直入射位置決定回転部121は、回転ステージ等で構成され、基台B上に回動可能に設置される。例えば、基台Bの略中心の回転軸Aの位置に、垂直入射位置決定回転部121が回転軸Aを中心に回転するように設置することができる。また、例えば、垂直入射位置決定回転部121として、目盛板付の回転ステージを使用することで、垂直入射位置からの入射角調整機構110の回転角、すなわち、測定光Lの入射角を簡易に計測することができる。
垂直入射位置決定回転部121は、回転軸Aを中心に回転することで、入射角が0°の位置を決定した後に、入射角調整機構110によって測定光Lの入射角を所定の角度に変更した際にも、測定光Lの入射点Pが固定されてずれることがない。そのため、表面に曲率を有する光学フィルタFであっても、入射角を変更させた際の入射角と光学特性との関係を精密に測定することができる。
垂直位置調整部122は、垂直入射位置決定回転部121上に設置され、入射角調整機構110を高さ方向に移動させることで、入射点Pの高さを調節する。垂直位置調整部122は、昇降ステージ等で構成され、垂直入射位置決定回転部121に固定されている。垂直位置調整部122は、必須ではなく、垂直入射位置決定機構120は、垂直入射位置決定回転部121のみから構成されてもよい。
なお、入射角調整回転部111、垂直入射位置決定回転部121、垂直位置調整部122の各部材の上下方向の位置関係は、上述の説明や図面の記載に限らず、入れ替わってもよい。ただし、水平位置調整部112は、入射角調整回転部111、垂直入射位置決定回転部121などの各回転部よりも上部に位置することが必須である。
光学特性測定装置100は、測定部角度位置調整機構140を有している。積分球131は、測定部角度位置調整機構140に固定された支持構造体141によって支持されている。測定部角度位置調整機構140は、積分球131を、入射角調整機構110の回転軸Aによる回転面に対して法線方向に位置を調節可能に支持することが好ましい。このような構成であれば、光学フィルタFへの測定光Lの垂直入射が保証される回転軸Aがなす方向への回転角度と異なり、その保証方法がない法線方向への角度ずれによって発生する反射光の位置ずれにより生じる積分球131の入射口に対する測定光Lのずれを防止し、安定した分光測定が可能となる。測定光Lの垂直方向から±2°の範囲であれば、光学フィルタFの分光測定結果に与える影響は非常に少ないため、積分球131の高さの調整では、測定光Lの垂直方向からのずれは0°から±2°の範囲に収めることで、測定結果への影響をなくすことができる。
測定部角度位置調整機構140は、基台Bに対して回転軸Aを中心に回動可能に設置されている。これにより、所定の入射角で光学フィルタFに入射し、光学フィルタFで反射され又は透過された測定光Lが、積分球131の受光面134に入射するように、積分球131を、回転軸Aを中心として回転させることができる。
測定部角度位置調整機構140がこのような構成であるため、絶対反射光学系としての測定が可能であり、反射光および透過光の測定が可能である。具体的には、光学フィルタFがない状態で積分球131が光を受光するには、測定光Lの出射方向の先に積分球131がある必要がある。ここでの全光束受光光量が反射率測定、透過率測定における100%の光に相当する光量になり、積分球の入射口134から光を外して入らないようにするなどして積分球131に光が入らないようにした状態が0%の光に相当する光量(光が入らなくても暗電流として光量値がカウントされる)となる。上記100%の光の測定位置の積分球131の位置のまま、途中に光学フィルタFを置けば透過率測定となり、光学フィルタFからの反射光が積分球に入るように積分球131の位置を動かせば反射率測定となるが、反射率測定としてはベースとなる100%の光、0%の光の測定に基準サンプルを用いる必要のない絶対反射光学系となる。
図2に示すように、測定部角度位置調整機構140は例えば、所定の幅を持つ円環状板部材によって構成することができる。図1のように上記円環状板部材の、内周及び外周の上部を切り欠いた段差を設けるとともに、基台B上に、上記外周の段差と嵌合する段差を有する円弧状固定板部材142を設けて、測定部角度位置調整機構140を構成する円環状板部材を上方から押圧して固定する。また、上記内周の段差と嵌合する段差を有する円環形上の円環状固定板部材143を設けて、測定部角度位置調整機構140を構成する円環状板部材を上方から押圧して固定する。これらによって、測定部角度位置調整機構140は、垂直方向に固定されるとともに、水平面に対して回転されるように配置することができる。測定部角度位置調整機構140を構成する円環状板部材における内周及び外周の中心を、回転軸Aに一致させることで、測定部角度位置調整機構140を回転軸A中心に回転させることができる。なお、測定部角度位置調整機構140の動きが円滑になるよう、基台Bと測定部角度位置調整機構140との間にベアリングを介したり、V溝レールを用いたりしてもよい。
また、図5に示すように、光学特性測定装置100は、光出射部160からの測定光Lを反射させる反射ミラー136を備えることが好ましい。反射ミラーは136、光出射部160から出射される測定光Lの反射ミラー136への入射角度を変更するように位置を調節可能であるとともに、回転軸Aによる回転面の法線方向に位置を調節可能である。例えば、一般的に使用される積分球131と光出射部160では、これらの大きさによっては、測定光Lの入射角を30°以下として光学フィルタFで反射された測定光Lを測定する位置に配置することが極めて困難となることがある。
そのため、反射ミラー136を備える光学特性測定装置100では、測定光Lの入射角を4°〜30°で、光学フィルタFで反射された測定光Lを測定する場合には、光出射部160から測定光Lを反射ミラー136に照射し、反射ミラー136で反射された測定光Lを光学フィルタFへ入射させてその反射光を受光する位置に積分球131や光出射部を配置する。一方、測定光Lの入射角が30°超となる場合には、積分球131と光出射部160の間隔を十分に確保することができるため、光出射部160からの測定光Lを、反射ミラー136を介さず光学フィルタFに直接入射させてその反射光を受光する位置に積分球131や光出射部160を配置する。この際、光学特性測定装置100を用いることで、いずれの測定光Lの入射角においても光学フィルタFへの測定光Lの入射点Pは同一であり、これにより誤差の少ない、精度の高い分光測定が可能である。
光学特性測定装置100において、少なくとも、積分球131、入射角調整機構110、垂直入射位置決定機構120及び測定部角度位置調整機構140は、暗箱内に配置されることが好ましい。これにより、ノイズとなる外部からの光を排除することができるため、光学フィルタFの光学特性を高精度で測定することができる。また、暗箱の上面に光学フィルタFを出し入れするための開閉式の小窓を有することが好ましい。これにより、多数の光学フィルタFの測定に際し、光学フィルタFを取りかえる時間を短縮し、測定効率を向上させることができる。
次に、図1に示す光学特性測定装置100を用いたフィルタFの光学特性の測定方法について説明する。
先ず、入射角調整機構110上に固定された支持体113に測定対象の光学フィルタFを設置する。このとき、光学フィルタFが反りを有する形状である場合、光学フィルタFは、凸状となる面に測定光Lが照射される位置に設置されてもよく、凹状となる面に測定光Lがされる位置に設置されてもよい。その後、光出射部160から測定光Lを光学フィルタFに照射し、この状態で、垂直入射位置決定機構120のみを回転させる。光学フィルタFで反射された測定光Lが光出射部160に照射される位置を目視で確認し、これを垂直入射位置(入射角0°の位置)と決定する。
次に、垂直入射位置決定機構120を固定した状態で、入射角調整機構110を回転させて、所定の入射角で測定光Lが光学フィルタFに入射される位置を決定する。
この際、垂直入射位置決定機構120及び入射角調整機構110がいずれも、回転軸Aを中心に回転することで、入射角が0°の位置を決定した後に、入射角調整機構110によって測定光Lの入射角を所定の角度に変更した際にも、測定光Lの入射点Pが固定されてずれることがない。そのため、表面に曲率を有する光学フィルタFであっても、入射角を変更させた際の入射角と光学特性との関係を精密に測定することができる。
光学フィルタFを透過した測定光Lを測定する場合には、積分球131の受光面134が光学フィルタFを挟んで測定光を捕捉できる位置、例えば出射部160と略対向する位置になるように、測定部角度位置調整機構140を回転させる。
図5から分かるように、光学フィルタFに対して例えば5°の反射測定を行う場合、測定光Lを反射ミラー136に反射させてから光学フィルタFに入射させることで、光出射部160と積分球131との接触(干渉)を避けている。反射ミラー136は、測定光LのPS分離が少ない金属膜を用いた反射ミラーが好ましい。しかしながら、金属膜を用いた反射ミラーを用いても光学フィルタFへの入射角度が30°を超える場合には、光学フィルタFでの測定光LにおけるPS分離の影響が無視できなくなる。そのため、測定光Lの入射角度が30°を超える場合には、反射ミラー136を介さず、光出射部160から直接光学フィルタFに測定光Lを入射させることが必要である。なお、反射ミラー136の利用は、光出射部160と積分球131の接触を避けるためなので、たとえば20°〜30°の角度では反射ミラー136を用いる必要はない。ただし、上記のように30°を超えない入射角度では反射ミラー136を用いたとしても測定光LのPS分離の影響は小さく、特に金属膜を用いた反射ミラー136では無視できるレベルである。そのため、入射角度が4〜30°の反射測定と、入射角度が0〜30°の透過測定では、反射ミラー136を用いてもよい。これにより、入射角度が0〜30°範囲での光学系の位置関係調整の手間が省略でき、作業負荷を低減する。もちろん、透過測定においては光出射部160と積分球131が接触する位置関係にはならないので反射ミラー136を用いなくても良く、反射測定においても接触のおそれがない20°以上の測定では同様に反射ミラー136を用いる必要はないが、どちらにしろ30°以下の入射角度測定においては反射ミラーを介した測定も可能である。なお、どの測定においても、積分球131を回転移動することで光学フィルタFから反射した、もしくは透過した光を積分球131で捕捉する。
また、必要に応じて、水平位置調整部112によって光学フィルタFを水平方向に移動させて、測定光Lの入射点Pの位置を調節する。また、必要に応じて、垂直位置調整部122によって光学フィルタFを鉛直方向に移動させて、測定光Lの入射点Pの位置を調節する。
光学フィルタFを支持体113で保持する場合、窪み部である当接部113aに基板端面が接すると、光学フィルタFはもっとも正確に支持できることになるが、ここで光学フィルタFに反りが発生した場合、反ることによって当接部113aから基板端部が離れていくので、光学フィルタFの保持にいわゆる遊びが生じる状態になり、光学フィルタFが直立状態から傾斜することになる。回転方向角度においては垂直入射位置決定機構120により入射角度が保証される一方、入射角度を規定するための回転が作り出す回転面(測定器の底面や、地面と同一方向面)に対して規定される方向の角度、すなわち上記の直立状態からの傾斜に関する部分の入射角度を調整する機能がなく、反りが極端に大きい場合でも、それに応じて基板を保持するための支持体113同士を近づければよく、光学フィルタごとにわずかに異なる反りによって発生する程度の傾斜であれば±1〜2°程度の影響を考慮すればよいので、これによって縦方向に変化した反射光方向のずれについては測定光Lを受光する積分球131の高さ調整によって対応でき、またこの方向における成分では基本は0°入射に対する±1〜2°程度の差異と同等になるので、上記に記載したように測定分光波形に対しての影響はほとんどない。このような考え方に基づいた治具や入射角度調整に関する対応によって、本発明による装置は構成や調整方法が大幅に簡易化されている。
このようにして、光学フィルタFに入射し、光学フィルタFにおいて透過された測定光L又は反射された測定光Lを受光面134で受光し、積分球131、光ファイバ133を介して、光検出器132に伝達させる。光検出器132に導入された測定光Lは、ここで、分光分析されて、光学フィルタFの光学特性が測定される。
以上説明した本実施形態の光学特性測定装置によれば、入射角調整機構が光学フィルタF表面の測定光Lの入射点Pをとおり、測定光Lに垂直な軸(回転軸A)を中心として回転することで、表面に曲率を有する光学フィルタFに照射する測定光Lの入射角を変更した場合にも、測定光Lの入射点Pの位置が固定されてずれることがない。そのため、表面に曲率を有する光学フィルタFであっても、所定の入射角での光学特性を精密に測定することができる。
また、垂直入射位置決定機構120及び測定部角度位置調整機構140が上記同様に回転軸Aを中心として回転するために、表面に曲率を有する光学フィルタFに照射する測定光Lの入射角を変更した場合にも、測定光Lの入射点Pの位置が固定されてずれることがない。そのため、表面に曲率を有する光学フィルタFであっても、所定の入射角での光学特性を精密に測定することができる。
さらに、垂直位置調整部、水平位置調整部を用いれば、入射点Pを、光学フィルタFの所望の位置に合わせることができる。これにより、入射角を変更させた際の入射角と光学特性との関係をより精密に測定するように調整することができる。
以上を要するに、本実施形態の光学特性測定装置によれば、光学フィルタがたとえ反っていても、成膜面を治工具に押し付けることなく、かつ光学フィルタの切断などを行うことなく、0°での垂直入射分光測定のほか、例えば30°以上の大きな入射角度により、角度依存の影響が大きくなる角度範囲においても、簡易な装置で、簡便、正確、かつ短時間に分光測定を行うことができる。
次に、実施例について説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。
図1と同様の光学特性測定装置を用い、次の基準用光学フィルタの光学特性を測定した。銅含有フツリン酸ガラス(厚さ0.2mm)の一方の面に、赤外線反射膜(SiOとTiOを交互に積層した光学多層膜、合計層数40層、物理膜厚5μm)、他方の面に反射防止膜(SiOとTiOを交互に積層した光学多層膜、合計層数6層、物理膜厚0.2μm)が設けられた赤外線カットフィルタを、76mm×76mmの大きさにカットして、基準用光学フィルタを作成した。
基準用光学フィルタは、赤外線反射膜を備える面が凸となる、大きさが1.8mmの反りを有していた。なお、基準用光学フィルタの反りの大きさは、基準用光学フィルタ表面内における最大高低差であり、基準用光学フィルタを、赤外線反射膜を備える面を上にして水平面上に載置した際の、基準用光学フィルタの表面の、水平面からの最大高さとして測定することができる。
光学特性測定装置は、上面に光学フィルタを出し入れするための開閉式の小窓を有する、アルミ板に黒塗り処理を施した暗箱内に配置した。なお、本実施例では暗箱は、アルミ板を用いたが、暗箱は、光を遮ることができれば、SUS等のステンレス、鉄、プラスチック等の材質であってもよい。
光源として、タングステンハロゲンランプを用いた光源(Ocean Optics社製、型番HL−2000−HP)を用いた。基準用光学フィルタの赤外線反射膜を備える面に、上記光出射部から反射ミラーを介して入射角5°、30°で測定光を入射し、基準用光学フィルタを反射した測定光の分光分析を行った。分光測定器はOcean Optics社製の型番:FLAME−Tを用いた。また、参考例として、日立ハイテクサイエンス社製の紫外可視赤外分光光度計UH4150を用いて入射角5°、30°で測定光を入射した際の反射光の分光分析を行った。
垂直入射位置決定機構によって入射角0°の位置を決定し、次いで、反射ミラーを介した測定光の入射角が5°となるように、入射角調整機構によって基準用光学フィルタを回転させて入射角を調節した。さらに、測定部角度位置調整機構によって、積分球を、回転軸を中心として回転移動させて、基準用光学フィルタを反射した測定光を受光面に入射させた。入射角30°の場合も同様に、垂直入射位置決定機構によって入射角0°の位置を決定した後、入射角調整機構、垂直入射位置決定機構をそれぞれ用いて、光学フィルタ、積分球の位置を調節した。
このようにして、測定した結果を、入射角5°について図6、7のグラフに、入射角30°について図8、9のグラフにそれぞれ示す。なお、図7のグラフは、図6のグラフの可視光波長域を拡大したグラフであり、図9のグラフは、図8のグラフの可視光波長域を拡大したグラフである。また、各グラフにおいて、実線は上記実施形態と同様の光学特性測定装置を用いた実施例、破線は日立ハイテクサイエンス社製の紫外可視赤外分光光度計UH4150を用いた参考例を示す。
図6〜9に示すように、実施形態の光学特性測定装置によれば、簡易な構成によって、従来光学特性の測定に用いられた装置と同等に高精度で光学特性を測定できたことが分かる。
100…光学特性測定装置、110…入射角調整機構、111…入射角調整回転部、112…水平位置調整部、113…支持体、113a…当接部、113b…上端、114…薄板、115…支持部、120…垂直入射位置決定機構、121…垂直入射位置決定回転部、122…垂直位置調整部、131…積分球、132…光検出器、133…光ファイバ(導光部材)、134…入射口、135…出射口、136…反射ミラー、140…測定部角度位置調整機構、141…支持構造体、142,143…円弧状固定板部材、150…ピン、160…光出射部、161…支持構造体、162…出射面、A…回転軸、B…基台、F…光学フィルタ(光学部材)、L…測定光、P…入射点。

Claims (9)

  1. 光学部材の光学特性を、測定光の前記光学部材への入射角を変更して測定する装置であって、
    前記光学部材に対して所定の波長又は波長範囲を持つ前記測定光を照射する光出射部と、
    前記光学部材で反射され又は透過された前記測定光を受光し分析する測定部と、
    前記光学部材を固定するとともに、前記光学部材表面の前記測定光の入射点を通り前記測定光に垂直な回転軸を中心に回転されて、前記光学部材への前記測定光の入射角を調整する入射角調整機構と、
    前記光学部材を回動可能に支持するとともに、前記入射角度調整機構と同じ前記回転軸を中心に回転されて、前記測定光が前記光学部材へ垂直入射する初期位置を決定する垂直入射位置決定機構と、
    前記回転軸を中心に回転されて、前記測定部の前記測定光を受光する部分の位置を調整する測定部角度位置調整機構と
    を備えることを特徴とする光学特性測定装置。
  2. 前記測定部は、内部に前記測定光が導入されてその導入された測定光を受光し平均化するための積分球と、
    前記積分球で平均化された光を分析するための光検出器と、
    前記積分球から前記光検出器に光を伝えるための導光部材と
    を備え、
    前記積分球、前記光検出器及び前記導光部材は、前記測定部角度位置調整機構に固定され、それぞれ互いの位置関係が変化しない
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学特性測定装置。
  3. 前記積分球は、前記回転軸による回転面の法線方向に位置を調整可能であることを特徴とする請求項2に記載の光学特性測定装置。
  4. 前記光出射部からの前記測定光を反射させる反射ミラーを備え、
    前記光出射部は前記光学部材の前記測定点に前記測定光を直接照射する方向に位置を固定できるとともに、前記反射ミラーに前記測定光を照射し、前記反射ミラーで反射された前記測定光が前記光学部材の前記測定点に入射するように、前記反射ミラーと前記光出射部の方向を組み合わせて固定することができるとともに、
    前記測定光の入射角を、前記光出射部からの前記測定光が前記光学部材に垂直に入射した場合を0°として、
    前記反射ミラーと前記光出射部とが接触する場合には、前記反射ミラーを経由して前記測定光が前記光学部材へ光が入射する経路で測定を行い、
    前記反射ミラーと前記光出射部とが接触しない場合には、前記反射ミラーを経由することなく前記測定光が前記光学部材へ光が入射する経路で測定を行い、
    いずれの入射角においても前記光学部材への前記測定光の入射点は同一であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学特性測定装置。
  5. 前記光学部材を、前記回転軸に垂直な平面方向に移動させる水平位置調整部及び前記回転軸による回転面に対して法線方向に移動させる垂直位置調整部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学特性測定装置。
  6. 前記入射角調整機構は、前記光学部材をその端面の一部に当接して板厚方向に挟持する、前記光学部材の当接部から上端に向かって広がる形状の支持体を備え、
    1つ又は2つ以上の前記支持体によって前記光学部材を固定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学特性測定装置。
  7. 前記積分球、前記入射角調整機構、前記垂直入射位置決定機構及び前記測定部角度位置調整機構は、暗箱内に配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の光学特性測定装置。
  8. 前記暗箱の上面には、前記光学部材を出し入れする開閉式の小窓が備えられることを特徴とする請求項7に記載の光学特性測定装置。
  9. 前記光学部材表面は曲率を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光学特性測定装置。
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