JP2018203602A - アンモニア増産システム及び方法 - Google Patents

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亘 松原
Wataru Matsubara
亘 松原
田中 幸男
Yukio Tanaka
幸男 田中
幹也 桜井
Mikiya Sakurai
幹也 桜井
長安 弘貢
Hirotsugu Nagayasu
弘貢 長安
基文 伊藤
Motofumi Ito
基文 伊藤
昌記 湯島
Masaki Yushima
昌記 湯島
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Abstract

【課題】 アンモニア合成ループを備えたアンモニア製造プラントにおいて、既存設備全体を大きく改造する必要がなく、アンモニアの増産に必要な機器や装置を追設することで、容易にアンモニアの増産量を変更可能な、アンモニア増産システム及び方法を提供する。
【解決手段】 本発明のアンモニア増産システム1では、アンモニア合成ループからのパージガスを熱交換器10で加熱し、この加熱されたパージガスから、直列に配置された複数の反応器20を用いてアンモニアを合成するとともに、複数の反応器20の間の中間生成ガスを複数の冷却器30で冷却し、気液分離器40にて、複数の反応器20で最終的に得られた生成ガスからアンモニア42を分離し、アンモニアを分離したオフガス41をアンモニア製造プラントのアンモニア回収ユニットに供給する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アンモニア増産システム及び方法に関する。
アンモニア合成プロセスは、特開昭61−106403号公報に記載されているように、例えば天然ガス等を用い、水蒸気改質反応等によって水素と窒素を所定の割合で含む合成ガスを得て、この合成ガスからアンモニア合成ループにてアンモニアを合成している。このアンモニア合成ループでは、反応器でアンモニアを含む生成ガスを得た後、アンモニアを凝縮、回収して未反応の水素と窒素などを含むガス混合物を得て、これを、圧縮機を介して反応器へ戻している。このガス混合物は、水素と窒素の他に、メタン及びアルゴン等の不活性成分を含有するので、アンモニア合成ループ内に不活性物質が過度に蓄積するのを避けるために、アンモニア合成ループからパージ流が通常抜き出される。これをパージガスという。パージガスは通常、アンモニア回収ユニット(ARU)で処理され、パージガス中のアンモニアが回収されるとともに、残りのオフガスは、プラント内の燃料系統で直接使用されたりしている。
このようなアンモニア合成ループを用いたアンモニア製造プラントにおいて、アンモニアを更に増産するための試みが数多くなされている。例えば、特開2000−143238号公報には、アンモニア合成ループのパージガスを転化して追加的なアンモニアを生成する直立型でシェルアンドチューブ型の等温アンモニア転化器が開示されている。このアンモニア転化器は、垂直に延びるシェル側で加圧水を沸騰させることで、アンモニア転化器内を等温にて操作でき、パージガスをアンモニア転化器に1回通過させるだけで、アンモニアの製造量を大きくすることができることが記載されている。
特開昭61−106403号公報 特開2000−143238号公報
上述した方法の他にも、アンモニアを増産するためにいくつかの方法が考えられる。例えば、ARUにおいて、パージガス中のアンモニアが分離されたあとのオフガスは、水素を未だに含有しているので、この水素を回収するHRU(水素回収ユニット)をARUの後流に新たに設置し、ここで回収した水素を、アンモニア合成ループに供給する合成ガスに加えて、アンモニア合成反応に再利用することが考えられる。その他にも、アンモニア合成ループの前流の工程である水蒸気改質工程の一次改質の直前に、プレリフォーマ―を設置し、これにより改質容量を増加させることも考えられる。しかし、HRUをARUの後流に設置する方法は、合成ガス中で水素が増加するため、不足分の窒素を供給する必要があること、また、水蒸気改質工程における二次改質での空気供給量を増加させる必要があるため二次改質以降の既存設備全体を改造(処理量能力増強のため)する必要があること、といった問題点がある。また、プレリフォーマ―を設置する方法は、天然ガスの処理量の増加に伴って、一次改質以降の既存設備全体を改造(処理量能力増強のため)する必要があること、といった問題点がある。更に、特開2000−143238号公報に記載された方法では、運転が複雑化し反応のコントロールが難しいという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、アンモニア合成ループを備えたアンモニア製造プラントにおいて、既存設備全体の大幅な改造をする必要がなく、アンモニアの増産に必要な機器や装置を追設することで、容易にアンモニアの増産量を変更可能な、アンモニア増産システム及び方法を提供することを目的とする。
本発明は、その一態様として、アンモニア製造プラントからパージされるパージガスを使用してアンモニアをさらに製造するために、前記アンモニア製造プラントに追設されるアンモニア増産システムであって、前記パージガスを加熱する熱交換器と、前記熱交換器で加熱されたパージガスからアンモニアを合成する直列に配置された複数の反応手段と、前記複数の反応手段の間の中間生成ガスを冷却する冷却手段と、前記複数の反応手段で得られた生成ガスからアンモニアを分離する気液分離器とを備え、前記気液分離器で前記アンモニアを分離したオフガスが、前記アンモニア製造プラントのアンモニア回収ユニットへ供給される構成となっている。
前記複数の反応手段は、それぞれ別個の反応器としても、これら全部を一つの反応塔としても、又は一部を一つの反応塔として残りを一つ又は複数の反応器としてもよい。
前記中間冷却手段は、前記中間生成ガスと冷却材との間で熱交換を行う熱交換器としても、前記中間生成ガスを冷却材と混合する混合器としても、又はこれらの組み合わせ(例えば、前記中間冷却手段が複数の場合、そのうちの一部(例えば複数の反応器の間に配置される中間冷却手段)を前記熱交換器とし、その他(例えば一つの反応塔内の複数の反応手段の間に配置される中間冷却手段)を前記混合器とする)としてもよい。前記熱交換器に使用する冷却材は、水、空気、前記パージガスの一部、循環冷媒、又はこれらの組み合わせとしてもよい。前記混合器の冷却材には、前記パージガスの一部を使用する。
本発明のアンモニア増産システムは、前記冷却材を予熱する予熱手段を更に備えてもよい。前記予熱手段は、前記冷却材と、前記中間生成ガス若しくは前記生成ガスとの間で熱交換する熱交換器としてもよいし、又は前記冷却材を前記加熱されたパージガスの一部と混合する混合器としてもよい。
本発明のアンモニア増産システムは、前記オフガスの一部を前記熱交換器に供給する循環ラインを更に備えてもよい。
本発明のアンモニア増産システムは、前記複数の反応手段の各出口に、前記中間生成ガス又は前記生成ガスのアンモニア濃度および温度を測定する測定器と、前記測定器で測定されたアンモニア濃度および温度の測定値から、前記複数の反応手段におけるアンモニアの合成の反応を制御する制御装置とを更に備えてもよい。
本発明のアンモニア増産システムは、前記生成ガスを除塵する除塵装置を更に備えてもよい。
更に、前記中間冷却手段が、前記中間生成ガスを冷却材と混合する混合器である場合、前記混合器は、前記中間生成ガス中に前記冷却材を噴出する複数の分散ノズルを備えてもよいし、前記中間生成ガス中に前記冷却材の旋回流が発生するように配置された噴射ノズルを備えてもよいし、又は前記中間生成ガスの流路に充填された分散媒体を備えてもよい。前記複数の分散ノズルは、前記中間生成ガスの流路に配置された前記冷却材の複数の配管に間隔を空けて設けてもよいし、又は前記中間生成ガスの流路に配置された前記冷却材の配管の先端部分に設けてもよい。
本発明は、別の態様として、アンモニア製造プラントからパージされるパージガスを使用してアンモニアをさらに製造するためのアンモニア増産方法であって、前記パージガスを加熱するステップと、直列に配置された複数の反応手段を用いて、前記加熱されたパージガスから前記アンモニアを合成するステップと、前記複数の反応手段の間の中間生成ガスを冷却するステップと、前記複数の反応手段で得られた生成ガスからアンモニアを分離するステップと、前記分離ステップで前記アンモニアを分離したオフガスを、前記アンモニア製造プラントのアンモニア回収ユニットに供給するステップとを含むものである。
前記冷却ステップは、前記中間生成ガスと冷却材との間で熱交換を行い冷却すること、前記中間生成ガスを冷却材と混合して冷却すること、又はこれらの組み合わせ(例えば、前記冷却ステップが複数回行われる場合、そのうちの一部を前記熱交換とし、その他を前記混合器とする)を含んでもよい。前記熱交換器に使用する冷却材は、水、空気、前記パージガスの一部、循環冷媒、又はこれらの組み合わせとしてもよい。前記混合器の冷却材には、前記パージガスの一部を使用する。
本発明に係るアンモニア増産方法は、前記冷却材を予熱する予熱ステップを更に含んでよい。前記予熱ステップは、前記冷却材と、前記中間生成ガス若しくは前記生成ガスとの間で熱交換して予熱することを含んでよいし、又は前記冷却材を前記加熱されたパージガスの一部と混合して予熱することを含んでもよい。
本発明に係るアンモニア増産方法は、前記オフガスの一部を前記熱交換器に供給する循環ステップを更に含んでもよい。
本発明に係るアンモニア増産方法は、前記複数の反応手段の各出口で、前記中間生成ガス又は前記生成ガスのアンモニア濃度および温度を測定するステップと、前記測定されたアンモニア濃度および温度の測定値から、前記複数の反応手段におけるアンモニアの合成の反応を制御するステップとを更に含んでもよい。
本発明に係るアンモニア増産方法は、前記生成ガスを除塵するステップを更に含んでもよい。
前記冷却ステップが、前記中間生成ガスを冷却材と混合して冷却することを含む場合、前記混合は、前記中間生成ガス中に前記冷却材を複数の分散ノズルから噴出することを含んでもよいし、前記中間生成ガス中に前記冷却材の旋回流が発生するように噴射することを含んでもよいし、又は分散媒体が充填された前記中間生成ガスの流路に前記中間生成ガスと前記冷却材とを流通させることを含んでもよい。
本発明によれば、本来、アンモニア製造プラントのアンモニア合成ループからパージして、ARUで処理されるはずのパージガスを利用し、このパージガスを加熱した後、直列に配置された複数の反応手段を用いて、アンモニアを合成するとともに、これら複数の反応手段の間の中間生成ガスを冷却し、複数の反応手段で得られた最終的な生成ガスからアンモニアを分離し、このアンモニアを分離したオフガスを、ARU処理するという構成にしたことから、アンモニア製造プラントのアンモニア合成ループまでの既存プロセスを大きく改造する必要がなく、上記のアンモニアの増産に必要な複数の反応手段などの機器や装置を追設することで、容易にアンモニアの増産量を変更可能な、アンモニア増産システム及び方法を提供することができる。
本発明に係るアンモニア増産システムの一実施の形態である、中間冷却タイプのアンモニア増産システムを示す模式図である。 本発明に係るアンモニア増産システムの一実施の形態である、クエンチタイプのアンモニア増産システムを示す模式図である。 本発明に係るアンモニア増産システムの一実施の形態である、中間冷却タイプとクエンチタイプを組み合わせたアンモニア増産システムを示す模式図である。 本発明に係るアンモニア増産システムの一実施の形態である、中間冷却タイプであって循環ループを使用したアンモニア増産システムを示す模式図である。 本発明に係るアンモニア増産システムの一実施の形態である、冷却器にクエンチ用のパージガスを使用し中間冷却タイプとクエンチタイプを組み合わせたアンモニア増産システムを示す模式図である。 本発明に係るアンモニア増産システムの一実施の形態である、冷媒循環型のクエンチタイプのアンモニア増産システムを示す模式図である。 本発明に係るアンモニア増産システムの一実施の形態である、予熱器を備えるクエンチタイプのアンモニア増産システムを示す模式図である。 本発明に係るアンモニア増産システムの一実施の形態である、中間冷却タイプと予熱器を備えるクエンチタイプを組み合わせたアンモニア増産システムを示す模式図である。 本発明に係るアンモニア増産システムの一実施の形態である、高温ガス混合式のクエンチタイプのアンモニア増産システムを示す模式図である。 本発明に係るアンモニア増産システムの一実施の形態である、中間冷却タイプと高温ガス混合式のクエンチタイプを組み合わせたアンモニア増産システムを示す模式図である。 本発明に係るアンモニア増産システムの一実施の形態である、別の予熱器を備えるクエンチタイプのアンモニア増産システムを示す模式図である。 本発明に係るアンモニア増産システムの一実施の形態である、中間冷却タイプと別の予熱器を備えるクエンチタイプを組み合わせたアンモニア増産システムを示す模式図である。 本発明に係るアンモニア増産システムの一実施の形態である、センサーを設置したクエンチタイプのアンモニア増産システムを示す模式図である。 本発明に係るアンモニア増産システムの一実施の形態である、センサーを設置した冷媒循環型のクエンチタイプのアンモニア増産システムを示す模式図である。 本発明に係るアンモニア増産システムの一実施の形態である、除塵装置を備えたアンモニア増産システムを示す模式図である。 本発明に係るアンモニア増産システムで用いる中間生成ガスをパージガスと混合して冷却する混合器について、その混合器の一実施形態を模式的に示す平面図である。 図16に示す混合器の一部を模式的に示す斜視図である。 本発明に係るアンモニア増産システムで用いる中間生成ガスをパージガスと混合して冷却する混合器について、その混合器の別の実施形態を模式的に示す側面図である。 図18に示す混合器の使用形態を示す平面図である。 本発明に係るアンモニア増産システムで用いる中間生成ガスをパージガスと混合して冷却する混合器について、その混合器の更に別の実施形態を模式的に示す平面図である。 本発明に係るアンモニア増産システムで用いる中間生成ガスをパージガスと混合して冷却する混合器について、その混合器の異なる実施形態を模式的に示す側面図である。 本発明に係るアンモニア増産システムが追設されたアンモニア製造プラントを示す模式図である。 アンモニア合成反応と冷却を複数回繰り返す場合における反応器内の操作温度とアンモニア濃度の関係の一例を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明に係るアンモニア増産システムおよび方法の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態であるアンモニア増産システム1Aは、パージガスを加熱する熱交換器10と、熱交換器10で加熱されたパージガスからアンモニアを合成する複数の反応器20と、複数の反応器20の間の中間生成ガスを冷却する複数の冷却器30と、複数の反応器20で最終的に得られた生成ガスからアンモニアを分離する気液分離器40とを備える。図中、複数の反応器20として、第1反応器20a、第2反応器20b、第3反応器20cが順に直列に配置されているが、反応器の数は特にこれに限定されるものではない。また、複数の冷却器30として、第1冷却器30a、第2冷却器30bが配置されているが、反応器と同様に特にこのような数に限定されるものではない。このアンモニア増産システム1は、図22に示すアンモニア製造プラント220において、アンモニア合成ループ230と、アンモニア合成ループ230からパージされるパージガス中のアンモニアを回収するアンモニア回収ユニット(ARU)228との間に設置される。
先ず、アンモニア製造プラント220について簡単に説明すると、このアンモニア製造プラント220では、天然ガスが、水蒸気改質装置(一次改質、二次改質を含む)221、一酸化炭素転化装置222、及び二酸化炭素除去装置・一酸化炭素除去装置223等を経て水素及び窒素を所定の割合で含む合成ガスを得て、これをアンモニア合成ループ230にてアンモニア合成する。
なお、本明細書において、天然ガスとは、ガス田から産出される天然ガスのみならず、油田から石油に随伴して産出される随伴ガスや、シェールガス等の非在来型天然ガスを広く含むものである。原料ガスとしての天然ガスには、製品ガスとしての天然ガスの主成分であるメタンの他、C2以上の炭化水素が含まれている。
アンモニア合成ループ230では、水素及び窒素を所定の割合で含む合成ガスをアンモニア合成塔231に導入し、触媒存在下で反応させアンモニアを得る。ここで得られたアンモニア含有ガスは、複数の冷却器を備える冷却システム232へ送られ、冷却された後、気液分離器233よりライン234を経て液体アンモニアが得られる。液体アンモニアから分離されたオフガスは、オフガス戻しライン235を介して、アンモニア合成塔231に戻され、オフガスに含まれる未反応の水素及び窒素をアンモニア合成反応に再利用される。オフガス戻しライン235は、オフガスが冷却システム232の一部の冷却器の冷媒として利用されるように構成されており、例えば、アンモニア含有ガスを約10℃に下げる冷却器232cの冷媒として利用された後、圧縮機236で加圧し、アンモニア含有ガスの流れ方向に対して前記冷却器232cの上流側に隣接する冷却器232bの冷媒として利用される。
一方で、アンモニア合成ループ230を循環するガス中には、未反応の水素、窒素や、生成するアンモニアの他、メタン及びアルゴン等の不活性成分が蓄積することから、パージガスライン225を介して、循環するガスの一部をパージする。このパージガスは、パージガスライン225に設けた冷却器226で冷却された後、気液分離器227で液体アンモニアを分離した後、アンモニア増産システム1へ送られる。そして、詳しくは後述するが、本発明のアンモニア増産方法が実施された後、オフガスがARU228に送られる。なお、パージガスライン11は、図中、冷却システム232の後流位置に設けられているが、特にこの位置に限定されない。また、合成ガスの供給ライン224も同様の位置に設けられているが、特にこの位置に限定されない。
アンモニア増産システム1は、アンモニア合成ループ230とARU228との間に設けられることが特に好ましいが、前述のようにアンモニア増産システム1はアンモニア製造プロセス中に様々な箇所に適宜に設置又は離脱することが可能であるため、必要に応じてアンモニア合成ループ230とARU228との間以外の箇所に設けることもできる。アンモニア増産システム1を、本実施形態のようにアンモニア合成ループ230とARU228との間に設けることで、既存設備の改造部分が極めて少なくでき、追設工事中の製品生産量に与える影響を抑えることができ、製造状況に臨機応変に、継続的かつ低コストで、運転することが可能となる。また、この位置への設置は、アンモニア合成に必要な高圧条件を保持でき、アンモニア増産システムで分離収集できなかったアンモニアは後流の既存のARUで補足されるため、完全な分離収集を行う必要がないといった利点もある。
次に、図1に示すアンモニア増産システム1の構成について説明する。パージガスを加熱する熱交換器10には、アンモニア合成ループ230からパージガスが送られてくるパージガスライン11と、熱交換されたパージガスを第1反応器20aへ送るためのライン12と、直列に配置された複数の反応器20a、20b、20cで順次反応して最終的に得られた生成ガスを熱交換器10へその熱源として送るためのライン17と、熱交換により冷却された生成ガスを気液分離器40へ送るためのライン18が設けられている。このライン18には、生成ガスを更に冷却する冷却器50が設けられている。
複数の反応器20は、上述したように、第1反応器20a、第2反応器20b、及び第3反応器20cが直列に配置されており、複数の反応器20の間に、つまり第1反応器20aと第2反応器20bの間及び第2反応器20bと第3反応器20cの間に、それぞれ冷却器30a及び冷却器30bが設けられている(本発明では、このような配置を、「中間冷却タイプ」と呼ぶ)。また、第1反応器20aには、加熱されたパージガスが供給されるライン12と、第1反応器20aで得られた中間生成ガスを第1冷却器30aに送るためのライン13とが設けられている。第2反応器20bには、第1冷却器30aで冷却された中間生成ガスを第2反応器20bに送るためのライン14と、第2反応器20bで得られた中間生成ガスを第2冷却器30bに送るためのライン15とが設けられている。第3反応器20cには、第2冷却器30bで冷却された中間生成ガスを第3反応器20cに送るためのライン16と、第3反応器20cで得られた最終的な生成ガスを熱交換器10へ送るライン17とが設けられている。
反応器20には、水素および窒素からアンモニアを合成する反応を促進するアンモニア合成触媒が充填されており、分散供給されたパージガス中の有効成分が効率的に反応するようにしている。その他、反応器の種類については、気体同士の反応が進行するものであればよく、特に限定されない。例えば、各反応器20は、内部が複数の段に分かれていてもよく、それぞれの段にアンモニア合成触媒が充填されていてもよい。
アンモニア合成触媒としては、特に制約は無く、鉄系触媒やルテニウム系触媒などを用いることができる。
複数の冷却器30は、複数の反応器20のアンモニア合成反応が発熱反応であることから、温度が上昇した中間生成ガスを次の反応器に供給するために、適切な温度に冷却するものである。冷却器50は、次工程である気液分離器40のためにアンモニアが液化するまで冷却するものである。なお、冷却器50は、所望の温度に調節するために複数台設けることができる。冷却器30に用いる冷却材としては、メタノール、エチレングリコール、アンモニア等の有機冷媒、ハイドロフルオロカーボン等の代替フロン系の溶媒、空気、またはボイラ水等の水が挙げられる。冷却器50も、必要により、水以外の上述の冷却材を使用してもよい。
気液分離器40には、冷却器50で冷却された生成ガスのライン19と、気液分離して得られた液体アンモニアのライン42と、気液分離して得られた液体アンモニア以外のガスをARU228に送るためのライン41とが設けられている。気液分離器40は、生成ガス中のアンモニアよりも低い沸点を有するガス成分(水素、窒素、メタン、不活性成分)を液体アンモニアから分離できる構成を有するものであれば、特に限定されない。
このような構成によれば、先ず、アンモニア製造プラント220のアンモニア合成ループ230からパージされたパージガスを、パージガスライン11から熱交換器に供給し、複数の反応器20で最終的に得られた生成ガスで、所定の温度まで加熱する。このように加熱されたパージガスを第1反応器20aに供給してアンモニア合成反応を行う。第1反応器20aで得られた中間生成ガスは、発熱反応によって温度が上昇しているため、第1冷却器30aで再び所定の温度まで冷却する。冷却された中間生成ガスは多くの水素および窒素を含んでいるので、第2反応器20bに供給して再びアンモニア合成反応を行う。第2反応器20bで得られた中間生成ガスも、発熱反応によって温度が上昇しているため、第2冷却器30bで再び所定の温度まで冷却する。冷却された中間生成ガスは依然として多くの水素および窒素を含んでいるので、第3反応器20cに供給して再びアンモニア合成反応を行う。このようにアンモニア合成反応と冷却を繰り返し、パージガスに含まれる水素および窒素からアンモニアを合成する。最終的に得られた生成ガスは、冷却器50で所定の温度まで冷却し、気液分離器40にて、液体アンモニアとガスに分離する。アンモニア製造プラント220に加えて、このアンモニア増産システム1で追加のアンモニアを合成することができる結果、アンモニア増産が達成される。液体アンモニアが分離されたガスは、ライン41を経てARU228に送り、従来と同様に処理される。
熱交換器10では、温度の低いパージガスと非常に高温の生成ガスを熱交換するため、システム全体で非常にエネルギー効率良く、パージガスをアンモニア合成反応に適した温度に加熱することができる。
複数の反応器20を直列に設置することで、反応器の数の増減は比較的容易に行えるため、アンモニアの増産率を調節することができる。また、直立型の等温アンモニア転化器を1塔設ける従来技術では、運転が複雑化し反応のコントロールが比較的に困難であるが、本実施の形態のように、直列に配置された複数の反応器20の間に中間生成ガスを冷却する複数の冷却器30を設置することで、各反応器20a〜20cのアンモニア合成反応の温度制御や、各冷却器30a、30bの冷却温度の制御が容易となり、これによってパージガスから効率良くアンモニア合成、回収することができる。
複数の反応器20と複数の冷却器30によって、水素と窒素からアンモニアを合成する反応における、反応器内の操作温度とアンモニア濃度の関係の一例を図23に示す。この反応は平衡反応であり、図23中の実線は平衡線、波線はパージガスが第1から第3反応器20a〜20cまでのプロセスを経る場合の操作温度及びアンモニア濃度の変化を示す。
図23の平衡線に示すように温度が高いほど平衡に達するアンモニア濃度が低くなるため、第1反応器20aで得られた高温の中間生成ガスBを、第1冷却器30aで冷却する。この際、中間生成ガスのアンモニア濃度は、Cまで冷却しても、低下しない。そして、この中間生成ガスCを第2反応器20bで反応させ、得られた高温の中間生成ガスDを第2冷却器30bで冷却する。この際、上述したように、中間生成ガスを再びEまで冷却しても、アンモニア濃度は低下しない。よって、この中間生成ガスを第3反応器20cでFまで反応させ、アンモニア濃度が例えば約20%と高濃度となるまで、アンモニアを更に合成することができる。このように反応と冷却を繰り返すことで、パージガスからアンモニアを効率的に高い濃度まで合成することができる。なお、図23に示すように、ガス中のアンモニア濃度が高くなると平衡の温度が低くなるため、このような繰り返しには限界がある。複数の反応器20の反応器の数は、2以上が好ましく、3以上がより好ましい。反応器の数の上限は一般には設備コストとの関係から制約される。また、中間生成ガスを冷却してどれくらいまで温度を下げるかについては、反応の活性の程度、反応速度、反応時間、製造コスト、生産量等によって適宜変更することができる。
図2に示す実施の形態について説明する。なお、図1に示す実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その構成および作用についての詳しい説明は省略する。
本実施の形態アンモニア増産システム1Bは、図1の複数の反応器20の替りに、複数の反応部71が直列的に配置された1つの反応塔70が設けられている。また、図1の複数の冷却器30の替りに、反応塔70の複数の反応部71の間に配置された複数の混合器72が設けられている。複数の反応部71は、反応塔70の塔頂部から塔底部へ向かって順に、第1反応部71a、第2反応部71b、第3反応部71cが配置されている。反応塔70にパージガスを供給するライン12は、反応塔70の塔頂部に設けられている。また、反応塔70で最終的に得られる生成ガスを冷却器50に送るライン17は、反応塔70の塔底部に設けられている。アンモニア合成ループ230からのパージガスライン11は、パージガスの一部を熱交換器10へ送るライン21と、パージガスの一部を反応塔70の混合器72へ送るクエンチライン26とに分岐している。そして、反応塔70の複数の混合器72には、パージガスの一部を第1混合器72a、第2混合器72bにそれぞれ送るクエンチライン26a、26bが設けられている(本発明では、このような構成を「クエンチタイプ」と呼ぶ)。なお、反応塔70内の複数の反応部71および複数の混合器72の段数、及びそれに対応したライン26の支管の設置数は、図1の中間冷却タイプと同様に適宜変更することができる。
反応塔70内の複数の反応部71は、図1の実施の形態の反応器20と同様にアンモニア合成反応を促進する金属触媒が充填されている。
このような構成によれば、先ず、パージガスライン11からの低温のパージガスを、熱交換器10で加熱した後、ライン12を経て反応塔70の塔頂部から第1反応部71aに供給する。第1反応部71aでアンモニア合成反応を行って得られた中間生成ガスは、発熱反応によって温度が上昇しているため、第1混合器72aで、クエンチライン26aからの低温のパージガスを混合することで、所定の温度に冷却する。この中間生成ガスとパージガスの混合ガスは、第2反応部71bでアンモニア合成反応を行う。発熱反応によって温度が上昇した中間生成ガスは、第2混合器72bでクエンチライン26bからの低温のパージガスを混合することで、再び所定の温度に冷却する。そして、第3反応部71cでアンモニア合成反応を行い、最終的に得られた生成ガスは、反応塔70の塔底部からライン17を経て冷却器50、気液分離器40に送り、液体アンモニアを得ることで、アンモニア増産が達成される。図1の中間冷却タイプでは熱交換器である冷却器30で冷却材として、水などの冷媒を別途使用しなければならなかったが、本実施の形態のクエンチタイプでは、冷却材としてパージガスを中間生成ガスに混合して使用することで、冷媒の使用に比べて運転コストを抑えることができる。
図3に示す実施の形態について説明する。なお、図1、図2に示す実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その構成および作用についての詳しい説明は省略する。
本実施の形態では、図1の中間冷却タイプと図2のクエンチタイプを組み合わせたアンモニア増産システム1Cを説明する。すなわち、第1反応塔70aと第2反応塔70bが直列に配置されている。第1反応塔70aには第1反応部71aと第2反応部71bが塔頂部から塔底部に向かって順に配置され、第2反応塔70bには第3反応部71cと第4反応部71dが塔頂部から塔底部に向かって順に配置されている。第1反応塔70a内の第1反応部71aと第2反応部71bとの間に第1混合器72aが配置され、第1反応塔70aと第2反応塔との間には冷却器30cが配置され、第2反応塔70bの第3反応部71cと第4反応部71dとの間に第2混合器72cが配置されている。また、第1混合器72a、第2混合器72cには、中間生成ガスに混合して冷却するためのパージガスのライン26a、26cがそれぞれ設けられている。なお、複数の反応塔70、複数の反応部71、複数の混合器72、冷却器30、及びそれに対応したライン26の設置数は、図1の中間冷却タイプと同様に適宜変更することができる。
このような構成によれば、先ず、パージガスライン11からの低温のパージガスを、熱交換器10で加熱した後、ライン12を経て第1反応塔70aの塔頂部から第1反応部71aに供給する。第1反応部71aでアンモニア合成反応を行って得られた高温の中間生成ガスは、第1混合器72aで、クエンチライン26aからの低温のパージガスを混合することで、所定の温度に冷却する。この中間生成ガスとパージガスの混合ガスは、第2反応部71bでアンモニア合成反応を行い、高温の中間生成ガスは、ライン13を経て冷却器30cで冷却材との熱交換により所定の温度に冷却し、ライン14を経て第2反応塔70bに供給する。そして、第3反応部71cでアンモニア合成反応を行って得られた高温の中間生成ガスは、第2混合器72cでクエンチライン26cからの低温のパージガスを混合することで、再び所定の温度に冷却する。そして、第4反応部71dでアンモニア合成反応を行い、最終的に得られた生成ガスは、第2反応塔70bの塔底部からライン17を経て冷却器50、気液分離器40に送り、液体アンモニアを得ることで、アンモニア増産が達成される。このように、別途冷却材を用いる冷却器30及びパージガスとの混合で冷却する混合器72を併用することで、反応プロセス中の中間生成ガスの温度の調整がよりしやすくなるため、更に効率的にアンモニアを増産することができる。
図4に示す実施の形態について説明する。なお、図1に示す実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その構成および作用についての詳しい説明は省略する。
本実施の形態では、図1に示す実施の形態の中間冷却タイプのアンモニア増産システム1に、循環ループ44を設置した形態を説明する。気液分離器40には、分離した液体アンモニアのライン42と、液体アンモニアが分離されたガスのライン41が設けられている。後者のライン41は、アンモニアを更に回収するためにARU228に接続されているが、このライン41に、当該ガスの一部をパージガスライン11に送る循環ループ44が設けられている。この循環ループ44は、ライン41を流れるガスの一部を取り出すライン45と、ガスを圧縮する圧縮機47と、圧縮されたガスをパージガスライン11へ送るライン46とを備えている。
圧縮機47は、対象ガスをパージガスラインの受入圧力にまで昇圧することができる性能を有することが好ましい。
このような構成によれば、気液分離器40で液体アンモニアが分離されたガスは、ライン45によりその一部を圧縮機47に送り、ここで再圧縮した後に、ライン46を経てパージガスライン11へと送る。そして、複数の反応器20にパージガスとともにアンモニア合成反応に使用する。このようにガスを循環させることにより、液体アンモニアが分離されたガスに依然として残る未反応の水素および窒素を再度、アンモニア合成反応に利用できるので、複数の反応器20に1度通過させる場合と比べ、更に効率的にアンモニアを増産することができる。循環させるガスの割合は、特に制約はなく、運転コストやアンモニア増産率などから適宜決定することができる。また、図2に示す形態に適宜変更することができる。
また、このような循環ループ44により、図1に示す実施の形態を複数システム直列に設置するよりも機器点数を少なくすることができるため、アンモニア増産システム1Dを設置するための費用が抑えられる。
図5に示す実施の形態について説明する。なお、図3に示す実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その構成および作用についての詳しい説明は省略する。
本実施の形態では、中間冷却用の冷却器30cの代わりに、パージガスを冷却材として用いる冷却器30dを設置したアンモニア増産システム1Eを説明する。この冷却器30dには、アンモニア合成ループ230からの低温のパージガスの一部を冷却器30dに供給するクエンチライン26dと、冷却器30dで加熱されたパージガスをライン21へ送るライン21dとが設けられている。
このような構成によれば、第1反応塔70aからの中間生成ガスが、冷却器30dで低温のパージガスと熱交換することにより、所定の温度まで下げてから次の第2反応塔70bへ供給する。一方、冷却器30dで温度が上がったパージガスは、ライン21d、21を経て熱交換器10へ供給する。このように図3の冷却器30cの代わりに、パージガスの一部を冷却材として用いる冷却器30dを使用することで、別途中間冷却用の冷却材を使用せず、アンモニア増産できる。つまり、中間冷却用の冷媒が不要になった分、運転コストを削減することができる。また、冷却器30dで温度が上がったパージガスを、熱交換器10に送ることで再度反応に利用することができるため、熱効率が良い。
図6に示す実施の形態について説明する。なお、図2に示す実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その構成および作用についての詳しい説明は省略する。
本実施の形態では、図2に示す実施の形態の熱交換器10に代えて、ライン11からのパージガスを、後述する循環する冷却材と熱交換して加熱する熱交換器10fを設置したアンモニア増産システム1Fを説明する。反応塔70fの内部には、第1、第2、第3の各反応部71a、71b、71cの後流側に中間生成ガスを冷却材と熱交換して冷却する第1、第2、第3の各冷却器60a、60b、60cが設置されている。そして、これら第1、第2、第3冷却器60a、60b、60cには、熱交換器10fでパージガスにより冷却された冷却材をそれぞれに供給し、冷却器60で温度が上がった各冷却材を再び熱交換器10fに戻す循環ライン65が設けられている。また反応塔70fには、熱交換器10fで加熱されたパージガスが供給されるライン12fと、生成ガスを冷却器50、気液分離器40を送るライン17fが設けられている。
循環ライン65を流れる冷却材は、反応塔70fの中間生成ガスに対しては冷媒として、反応塔70fへ供給するパージガスに対しては熱媒として作用するものが好ましいが、特に限定されない。
このような構成によれば、パージガスライン11からのパージガスを、熱交換器10fで冷却材により加熱した後、ライン12fを介して反応塔70fの塔頂部へ供給する。反応塔70f内では、第1反応部71aでアンモニア合成反応が行われ、温度が上昇した中間生成ガスが、第1冷却器60aにて、熱交換器10fで冷却された冷却材により冷却される。そして、この中間生成ガスが、同様にして第2反応部71b、第3反応部71cでアンモニア合成反応が行われた後、第2冷却器60b、第3冷却器60cで冷却材により冷却される。反応塔70fの塔底部から出た生成ガスは、ライン17fを介して冷却器50、気液分離器40へと送る。このように循環ライン65の冷却材が、反応塔70fに対しては冷媒として、反応塔70fに供給されるパージガスに対しては熱媒として作用し、よって、熱効率が更に向上し、製造コストを削減することができる。
図7に示す実施の形態について説明する。なお、図2に示す実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その構成および作用についての詳しい説明は省略する。
本実施の形態では、図2に示す実施の形態に予熱器80を新たに設置したアンモニア増産システム1Gを説明する。この予熱器80には、反応塔70の塔底部からの生成ガスを熱交換器10へ送るライン17gと、パージガスライン11からのパージガスの一部を第1及び第2混合器72a、72bへそれぞれ供給するライン26gが設けられており、生成ガスとパージガスとの間で熱交換するように予熱器80は構成されている。
このような構成によれば、パージガスライン11の低温のパージガスは、その一部が熱交換器10を経て反応塔70に供給されるとともに、別の一部がクエンチライン26を経て予熱器80に導入される。予熱器80では、パージガスは、反応塔70の塔底部からの生成ガスによって予熱され、その後、クエンチライン26gを経て反応塔70の第1及び第2混合器72a、72bに導入され、中間生成ガスを冷却するために混合される。これにより、例えば図2では、反応塔70の内部に低温のパージガスを混合した際、部分的にアンモニアの露点温度以下となる箇所(例えば、反応塔70内へパージガスを供給するライン26の供給口付近)が生じ、アンモニアが凝縮した場合に、腐食が進む原因となるが、パージガスを予熱器80で事前に露点温度以上に間接予熱することによって、これを防ぐことができる。これにより、機器交換、改修の回数が減り、計画的にアンモニアを生産することができる。予熱器80におけるパージガスの予熱温度の上限は、特に限定されない。
図8に示す実施の形態について説明する。なお、図3、7に示す実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その構成および作用についての詳しい説明は省略する。
本実施の形態では、図3に示す実施の形態に予熱器80を新たに設置したアンモニア増産システム1Hを説明する。第1及び第2反応塔70a、70bには、それぞれ、第1及び第2混合器72a、72cにパージガスの一部を送るライン26g、26hが設けられているが、これらクエンチライン26g、26hには、それぞれ第1及び第2予熱器80a、80bが設けられている。第1反応塔70aの塔底部から中間生成ガスを第2反応塔の塔頂部へ送るライン13hには、塔底部と中間冷却用の冷却器30cとの間に第1予熱器80aが設けられている。第2反応塔70bから生成ガスを熱交換器10へ送るライン17hには、第2予熱器80bが設けられている。
このような構成によれば、パージガスライン11の低温のパージガスは、その一部が熱交換器10を経て反応塔70に供給されるとともに、別の一部がクエンチライン26を経て第1及び第2予熱器80a、80bにそれぞれ導入される。第1予熱器80aでは、パージガスは、第1反応塔70aの塔底部からの中間生成ガスによって予熱され、その後、クエンチライン26gを経て第1反応塔70aの第1混合器72aに導入され、中間生成ガスを冷却するために混合される。また、第2予熱器80bでは、パージガスは、第2反応塔70bの塔底部からの生成ガスによって予熱され、その後、クエンチライン26hを経て第2反応塔70bの第2混合器72cに導入され、中間生成ガスを冷却するために混合される。これにより、図7に示す実施形態の作用・効果と同様に、クエンチ用のパージガスをアンモニアの露点温度以上に間接予熱することによって、アンモニアの凝縮による腐食を防ぐことができる。
図9に示す実施の形態について説明する。なお、図2に示す実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その構成および作用についての詳しい説明は省略する。
本実施の形態では、図2に示す実施の形態において、反応塔70の混合器72に供給する低温のパージガスに、熱交換器10で加熱した高温のパージガスを混合する形態である高温ガス混合式のアンモニア増産システム1Iを説明する。熱交換器10で熱せられたパージガスを反応塔70に供給するライン12には、その一部を、パージガスを反応塔70の混合器72に供給するクエンチライン26に混合する予熱用混合ライン90が設けられている。この予熱用混合ライン90は、ライン12からの高温のパージガスを、第1及び第2混合器72a、72bへ低温のパージガスを供給するクエンチライン26a、26bに、それぞれ供給するライン90a、90bに分岐している。
このような構成によれば、パージガスライン11の低温のパージガスは、その一部が熱交換器10を経て反応塔70に供給されるとともに、別の一部がクエンチライン26a、26bを経て反応塔70の第1及び第2混合器72a、72bに導入されるが、その際、予熱用混合ライン90を介して熱交換器10で加熱されたパージガスが混合され、予め加熱される。そのため、図2では、上述したように反応塔70に低温のパージガスを混合した際、部分的にアンモニアの露点温度以下となる箇所が生じるおそれがあるが、クエンチライン26から送られてくる低温のパージガスをライン90からの高温のパージガスと混合し、事前に露点温度以上に予熱することによって、これを防ぐことができる。これにより、機器交換、改修の回数が減り、計画的にアンモニアを生産することができる。
図10に示す実施の形態について説明する。なお、図3及び図9に示す実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その構成および作用についての詳しい説明は省略する。
本実施の形態では、図3に示す実施の形態において、第1及び第2反応塔70a、70bの第1及び第2混合器72a、72cに供給する低温のパージガスに、熱交換器10で加熱した高温のパージガス、第2反応塔70bに供給する中間生成ガスをそれぞれ混合する形態である、高温ガス混合式のアンモニア増産システム1Jを説明する。熱交換器10で熱せられたパージガスを第1反応塔70aに供給するライン12には、その一部を、パージガスを第1反応塔70aの第1混合器72aに供給するクエンチライン26aに混合する予熱用混合ライン90が設けられている。また、第1反応塔70aからの中間生成ガスを中間冷却用の冷却器30cで冷却した後の中間生成ガスのライン14には、その一部を、パージガスを第2反応塔70bの第2混合器72cに供給するクエンチライン26cに混合するライン91が設けられている。
このような構成によれば、パージガスライン11の低温のパージガスは、その一部が熱交換器10を経て第1反応塔70aに供給されるとともに、別の一部がクエンチライン26a、26cを経て第1及び第2反応塔70a、70bの第1及び第2混合器72a、72cに導入されるが、その際、予熱用混合ライン90を介して熱交換器10で加熱されたパージガスと、ライン91を介して冷却された中間生成ガスとがそれぞれ混合され、予め加熱される。図9に示す実施形態の作用・効果と同様に、クエンチ用のパージガスをアンモニアの露点温度以上に予熱することによって、アンモニアの凝縮による腐食を防ぐことができる。これにより、機器交換、改修の回数が減り、計画的にアンモニアを生産することができる。
図11に示す実施の形態について説明する。なお、図2に示す実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その構成および作用についての詳しい説明は省略する。
本実施の形態では、図2に示す実施の形態の冷却器50を、生成ガスとクエンチ用のパージガスとの熱交換器51に代えたアンモニア増産システム1Kを説明する。この熱交換器51には、反応塔70で生成し、熱交換器10で熱交換された後の生成ガスのライン18と、反応塔70内の中間生成ガスを冷却するために混合器72に供給するパージガスのクエンチライン26とが設けられており、生成ガスとパージガスとの間で熱交換するように熱交換器51は構成されている。
なお、このような熱交換器51と、図2の冷却器50とを両方設けることもでき、その場合、生成ガスの流れ方向に沿って、熱交換器51、冷却器50の順に設けてもその逆でもよい。また、冷却器50は複数設けてもよい等、適宜変更することができる。
このような構成によれば、反応塔70で生成された生成ガスは、熱交換器10で熱交換され、冷却された後、ライン18を経て熱交換器51に供給され、パージガスライン11からクエンチライン26を経て送られてきた低温のパージガスとの熱交換によって更に冷却されてから気液分離器40に導入される。熱交換器51で予熱されたパージガスは、クエンチライン26a、26bを経て反応塔70の第1及び第2混合器72a、72bにそれぞれ供給される。これにより、例えば図2では、上述したように、反応塔70にクエンチ用のパージガスを混合した際、部分的にアンモニアの露点温度以下となる箇所が生じるおそれがあるが、熱交換器51にて生成ガスで事前にアンモニアの露点温度以上に予熱することによって、これを防ぐことができる。これにより、機器交換、改修の回数が減り、計画的にアンモニアを生産することができる。
図12に示す実施の形態について説明する。なお、図3及び図11に示す実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その構成および作用についての説明は省略する。
本実施の形態では、図3に示す実施の形態の冷却器50を、生成ガスとクエンチ用のパージガスとの熱交換器51に代えたアンモニア増産システム1Lを説明する。この熱交換器51には、第2反応塔70bで生成し、熱交換器10で熱交換された後の生成ガスのライン18と、第1及び第2反応塔70a、70b内の中間生成ガスを冷却するために第1及び第2混合器72a、72cに供給するパージガスのクエンチライン26とが設けられており、生成ガスとパージガスとの間で熱交換するように熱交換器51は構成されている。
このような構成によれば、第2反応塔70bで生成された生成ガスは、熱交換器10で熱交換され、冷却された後、ライン18を経て熱交換器51に供給され、パージガスライン11からクエンチライン26を経て送られてきた低温のパージガスとの熱交換によって更に冷却されてから気液分離器40に導入される。熱交換器51で予熱されたパージガスは、クエンチライン26d、26eを経て第1及び第2反応塔70a、70bの第1及び第2混合器72a、72cにそれぞれ供給される。これにより、図11に示す実施形態と同様に、クエンチ用のパージガスをアンモニアの露点温度以上に予熱することによって、アンモニアの凝縮による腐食を防ぐことができる。これにより、機器交換、改修の回数が減り、計画的にアンモニアを生産することができる。
図13に示す実施の形態について説明する。なお、図2に示す実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その構成および作用についての詳しい説明は省略する。また、図1、図3に示す形態に適宜変更することができる。
本実施の形態では、図2に示す実施の形態の反応塔70内の複数の反応部71の各出口に、アンモニア濃度測定器(AT)120及び温度測定器(TT)130が設けられている。また、AT120及びTT130は、制御装置(図示省略)と通信可能に接続されている。この制御装置は、反応塔70の複数の反応部71におけるアンモニア合成反応を制御するように構成されている。例えば、制御装置は、測定したアンモニア濃度および温度のデータに基づいて、反応塔70の塔頂部へ供給するパージガスの流量の増減を調整したり、反応塔70内の複数の混合器72へ送る冷却用のパージガスの流量の増減を調整する機能を有している。なお、ガスの流量を調整するバルブ等については図示省略している。
AT120及びTT130は、どちらも中間生成ガス中のアンモニア濃度および温度を測定できる機器であれば特に限定されるものではない。例えば、測定端子(図示省略)を反応塔70内に設け、AT120及びTT130とそれぞれ有線または無線の通信ライン121及び131で、通信可能に接続されている。また、AT120及びTT130は、反応塔70内の複数の反応部71のうち、一部の出口に設置することもできるし、AT120またはTT130のうち、一方だけを反応部71一部の出口に設置することもできる。
このような構成によれば、反応塔70の運転中、AT120及びTT130によって、オンラインで、複数の反応部71出口における中間生成ガス中のアンモニア濃度および温度のデータを取得する。これらデータは、制御装置(図示省略)に送られ、複数の反応部71が、上述した図23で示すようなアンモニア濃度および温度となるように反応塔70を制御する。例えば、反応塔70の塔頂部に供給するパージガスの流量を増減するようにバルブ等(図示省略)の開閉を指示する信号を送ったり、第1及び第2混合器72a、72bへ送る冷却用のパージガスの流量をそれぞれ増減するようにバルブ等(図示省略)の開閉を指示する信号を送る。このように反応温度及びアンモニア濃度を継続して把握できるため、運転条件(温度、流量)を制御(最適化)することができる。また、触媒劣化や反応の進行の程度を把握しやすいため、より計画的にアンモニアを増産することができる。
図14に示す実施の形態について説明する。なお、図6、13に示す実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その構成および作用についての詳しい説明は省略する。
本実施の形態では、図6に示す実施の形態の反応塔70内の複数の反応部71の各出口に、図13と同様に、AT120及びTT130が設けられている。そして、これらは制御装置(図示省略)と通信可能に接続されている。この制御装置は、反応塔70の複数の反応部71におけるアンモニア合成反応を制御するように構成されており、例えば、制御装置は、測定したアンモニア濃度および温度のデータに基づいて、反応塔70へ供給するパージガスの流量の増減を調整したり、循環ライン65における複数の冷却器60への冷却材の流量の増減を調整する機能を有している。なお、ガス及び冷却材の流量を調整するバルブ等については図示省略している。
このような構成によれば、反応塔70の運転中、AT120及びTT130によって、オンラインで、複数の反応部71出口における中間生成ガス中のアンモニア濃度および温度のデータを取得する。これらデータは、制御装置(図示省略)に送られ、複数の反応部71が、上述した図23で示すようなアンモニア濃度および温度となるように反応塔70を制御する。例えば、反応塔70の塔頂部に供給するパージガスの流量を増減するようにバルブ等(図示省略)の開閉を指示する信号を送ったり、循環ライン65における第1、第2及び第3冷却器60a、60b、60cへ送る冷却材の流量をそれぞれ増減するようにバルブ等(図示省略)の開閉を指示する信号を送る。これにより図13に示す実施形態と同様の効果・作用を得ることができる。
図15に示す実施の形態について説明する。なお、図3に示す実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、その構成および作用についての説明は省略する。また、図1、図2に示す形態に適宜変更することができる。
本実施の形態では、図3に示す構成に加えて、除塵装置95が設けられている。除塵装置95は、熱交換器10で冷却された生成ガスを冷却器50に送るライン18に設置されている。
除塵装置95としては、生成ガス中に含まれる粉塵などの粒子をガスから分離、除去する構成であれば特に限定されるものではなく、例えばバグフィルタ等を使用することができる。
このような構成によれば、反応塔70でアンモニア合成反応にて得た生成ガスが除塵装置95に導入されると、反応塔70から飛散した触媒粉を除塵装置95で回収することができるため、後段の既存プラント内に設置されているフィルタ負荷を低減することができる。これにより、フィルタ等の機器交換の回数やトラブルの回数が減り、計画的にアンモニア増産を行うことができる。
次に、反応塔70内に設置される中間生成ガスとパージガスとを混合する混合器72の具体的な構成について説明する。先ず、パージガスを噴出する複数の分散ノズルが、塔内の中間生成ガスの流路全体にわたって配置されている実施の形態について、図16、17を参照して説明する。
図17は、本実施の形態の混合器160の一部である、パージガスを吹き出すための複数の分散ノズル162が設けられた供給支管161を示す斜視図であり、図16は、これを複数備えた混合器160が反応塔内の中間生成ガス流路73に設置されている状態を示す平面図である。図17に示すように、管状の供給支管161の長手方向に沿って、複数の分散ノズル162が設けられている。供給支管161の分散ノズルと反対側に、供給本管163が設けられている。図16に示すように、中間生成ガス流路73において、ガスの流れ方向に対して垂直方向に、供給本管163が延びており、この供給本管163に前記の供給支管161が複数、平行に配置されている。図16では、3つの供給支管161a、161b、161cを示したが、これに限定されず、流路全体に均一に分散ノズル162が配置できる数が好ましい。また、図16に示すように、流路の断面形状が円形の場合、複数の供給支管161の長さは、流路の形状に合わせて異なるものである。
複数の供給支管161a、161b、161cの供給本管163への設置間隔は等間隔であっても不規則な間隔であってもよいが、好ましくは等間隔である。また、供給支管161における複数の分散ノズル162の設置間隔は等間隔であっても不規則な間隔であってもよいが、好ましくは等間隔である。
このような構成によれば、反応塔の中間生成ガス流路73の内部全体にわたって、多数の分散ノズル162からパージガスを、中間生成ガスに対して向流方向に供給することができるため、中間生成ガスと効率よく均等にパージガスを混合することができる。
次に、パージガスを噴出する複数の分散ノズルが、塔内の中間生成ガスの流路の中心部に配置されている実施の形態について、図18、19を参照して説明する。
本実施の形態は、中間生成ガスにパージガスを分散させる別の方法である。図18は、本実施の形態の混合器180を示す側面図であり、図19は、これが反応塔内の中間生成ガス流路73に設置されている状態を示す平面図である。図18、図19に示すように、供給本管183はL字型の形状をしており、そのL字型の一方の先端部に円筒状のパンチングプレート181が設置されている。この円筒状のパンチングプレート181の中心軸が中間生成ガス流路73の中心部に位置するように設けられている。
パンチングプレート181の全周側面には、分散ノズル182が複数配置されており、パージガスがここからのみ中間生成ガス流路73の内部壁面に向かって半径方向に(図中の分散方向187に)噴出される。また、パンチングプレート181の先端面である上面186は、パージガスが分散ノズル182から分散するように塞がれていることが好ましいが、必要に応じて分散ノズルをここに設けてもよい。
このような構成によれば、パンチングプレート181に配置された複数の分散ノズル182からパージガスを噴出することによって、中間生成ガス流路73の中心部から側面方向に向かって、360度全方向にクエンチ用のパージガスを供給することができるため、効率よく均等にパージガスを中間生成ガスに混合することができる。
更に、中間生成ガス中にパージガスの旋回流を発生させる噴射ノズルの実施の形態について、図20を参照して説明する。
図20は、本実施の形態の混合器200が、反応塔内の中間生成ガス流路73に設置されている状態を示す平面図である。図20のように、偏芯ノズル201は、中間生成ガス流路73の中心方向ではなく、流路の内部側面に沿った方向にパージガスを吹き込むように、設置されている。例えば、中間生成ガス流路73の断面形状が、図のように円形である場合、円の接線方向に偏芯ノズル201が延びるように配置されている。
このような構成によれば、偏芯ノズル201からパージガスを噴出することによって、中間生成ガス流路73の内部側面に沿って供給されたパージガスが旋回流を発生させ、効率よく均等にパージガスを中間生成ガスに混合させることができる。
また、中間生成ガス流路に分散媒体を充填させた実施の形態について、図21を参照して説明する。
本実施の形態は、中間生成ガスにパージガスを分散させる別の方法である。図21は、本実施の形態の混合器210が反応塔内の中間生成ガス流路73に設置されている状態を示す側面図であり、この混合器210は、複数の反応部71a、71bの間の中間生成ガス流路73において、流路内にパージガスを供給する供給ノズル211と、供給ノズル211の下方(次の反応部71b側)に、中間生成ガス流路73全体にわたって複数の充填剤212が充填された分散層213とを備えている。
充填剤212はパージガスを分散できるものならば、特に限定されないが、好ましくはアルミナボールである。分散層213における充填剤212を充填する高さは、供給ノズル211からのパージガスが流路全体に分散できるだけの高さであるならば、特に限定されない。
このような構成によれば、供給ノズル211から供給されたパージガスが中間生成ガス流路全体にわたって充填された充填剤212と接触することにより、中間生成ガス流路73の一部に偏在することを避け、効率よく均等にパージガスを中間生成ガスと混合させることができる。
1 アンモニア増産システム
10 熱交換器
11 パージガスライン
20 反応器
26 クエンチライン
30 冷却器
40 気液分離器
41 オフガス
42 アンモニア
44 循環ループ
47 圧縮機
50 冷却器
51 熱交換器
60 冷却器
65 循環ライン
70 反応塔
71 反応部
72 混合器
73 中間生成ガス流路
80 予熱器
90 予熱用混合ライン
95 除塵装置
120 アンモニア濃度測定器
130 温度測定器
160、180、200、210 混合器
162、182 分散ノズル
181 パンチングプレート
201 偏芯ノズル
212 充填剤
220 アンモニア製造プラント
221 水蒸気改質装置
222 一酸化炭素転化装置
223 二酸化炭素除去装置・一酸化炭素除去装置
224 供給ライン
225 パージガスライン
226 冷却器
227 気液分離器
228 アンモニア回収ユニット(ARU)
230 アンモニア合成ループ
231 アンモニア合成塔
232 冷却システム
233 気液分離器
235 オフガス戻しライン
236 圧縮機

Claims (20)

  1. アンモニア製造プラントからパージされるパージガスを使用してアンモニアをさらに製造するために、前記アンモニア製造プラントに追設されるアンモニア増産システムであって、
    前記パージガスを加熱する熱交換器と、
    前記熱交換器で加熱されたパージガスからアンモニアを合成する直列に配置された複数の反応手段と、
    前記複数の反応手段の間の中間生成ガスを冷却する中間冷却手段と、
    前記複数の反応手段で得られた生成ガスからアンモニアを分離する気液分離器と
    を備え、前記気液分離器で前記アンモニアを分離したオフガスが、前記アンモニア製造プラントのアンモニア回収ユニットへ供給される構成である、アンモニア増産システム。
  2. 前記複数の反応手段が、それぞれ別個の反応器、一つの反応塔、又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載のアンモニア増産システム。
  3. 前記中間冷却手段が、前記中間生成ガスと冷却材との間で熱交換を行う熱交換器、前記中間生成ガスを冷却材と混合する混合器、又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載のアンモニア増産システム。
  4. 前記冷却材が、水、空気、前記パージガスの一部、循環冷媒、又はこれらの組み合わせである、請求項3に記載のアンモニア増産システム。
  5. 前記冷却材を予熱する予熱手段を更に備える、請求項1に記載のアンモニア増産システム。
  6. 前記予熱手段が、前記冷却材と、前記中間生成ガス若しくは前記生成ガスとの間で熱交換する熱交換器、又は前記冷却材を前記加熱されたパージガスの一部と混合する混合器である、請求項5に記載のアンモニア増産システム。
  7. 前記オフガスの一部を前記熱交換器に供給する循環ラインを更に備える、請求項1に記載のアンモニア増産システム。
  8. 前記複数の反応手段の各出口に、前記中間生成ガス又は前記生成ガスのアンモニア濃度および温度を測定する測定器と、
    前記測定器で測定されたアンモニア濃度および温度の測定値から、前記複数の反応手段におけるアンモニアの合成の反応を制御する制御装置と
    を更に備える、請求項1に記載のアンモニア増産システム。
  9. 前記生成ガスを除塵する除塵装置を更に備える、請求項1に記載のアンモニア増産システム。
  10. 前記中間冷却手段が、前記中間生成ガスを冷却材と混合する混合器であり、前記混合器が、前記中間生成ガス中に前記冷却材を噴出する複数の分散ノズル、前記中間生成ガス中に前記冷却材の旋回流が発生するように配置された噴射ノズル、又は前記中間生成ガスの流路に充填された分散媒体を備える、請求項1に記載のアンモニア増産システム。
  11. 前記複数の分散ノズルが、前記中間生成ガスの流路に配置された前記冷却材の複数の配管に間隔を空けて設けられている、又は前記中間生成ガスの流路に配置された前記冷却材の配管の先端部分に設けられている、請求項10に記載のアンモニア増産システム。
  12. アンモニア製造プラントからパージされるパージガスを使用してアンモニアをさらに製造するためのアンモニア増産方法であって、
    前記パージガスを加熱するステップと、
    直列に配置された複数の反応手段を用いて、前記加熱されたパージガスからアンモニアを合成するステップと、
    前記複数の反応手段の間の中間生成ガスを冷却するステップと、
    前記複数の反応手段で得られた生成ガスからアンモニアを分離するステップと、
    前記分離ステップで前記アンモニアを分離したオフガスを、前記アンモニア製造プラントのアンモニア回収ユニットに供給するステップと
    を含む、アンモニア増産方法。
  13. 前記冷却ステップが、前記中間生成ガスと冷却材との間で熱交換を行い冷却すること、前記中間生成ガスを冷却材と混合して冷却すること、又はこれらの組み合わせを含む、請求項12に記載のアンモニア増産方法。
  14. 前記冷却材が、水、空気、前記パージガスの一部、循環冷媒、又はこれらの組み合わせである、請求項13に記載のアンモニア増産方法。
  15. 前記冷却材を予熱する予熱ステップを更に含む、請求項12に記載のアンモニア増産方法。
  16. 前記予熱ステップが、前記冷却材と、前記中間生成ガス若しくは前記生成ガスとの間で熱交換して予熱すること、又は前記冷却材を前記加熱されたパージガスの一部と混合して予熱することを含む、請求項15に記載のアンモニア増産方法。
  17. 前記オフガスの一部を前記熱交換器に供給する循環ステップを更に含む、請求項12に記載のアンモニア増産方法。
  18. 前記複数の反応手段の各出口で、前記中間生成ガス又は前記生成ガスのアンモニア濃度および温度を測定するステップと、
    前記測定されたアンモニア濃度および温度の測定値から、前記複数の反応手段におけるアンモニアの合成の反応を制御するステップと
    を更に含む、請求項12に記載のアンモニア増産方法。
  19. 前記生成ガスを除塵するステップを更に含む、請求項12に記載のアンモニア増産方法。
  20. 前記冷却ステップが、前記中間生成ガスを冷却材と混合して冷却することを含み、前記混合が、前記中間生成ガス中に前記冷却材を複数の分散ノズルから噴出すること、前記中間生成ガス中に前記冷却材の旋回流が発生するように噴射すること、又は分散媒体が充填された前記中間生成ガスの流路に前記中間生成ガスと前記冷却材とを流通させることを含む、請求項12に記載のアンモニア増産方法。
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