JP2018202506A - 立体構造基板製造方法 - Google Patents

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Shusuke Kanazawa
周介 金澤
洋史 牛島
Yoji Ushijima
洋史 牛島
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【課題】 梁チップ膜を転写基板上に確実に保持させつつ、一方で、転写工程時の梁チップ膜の破損を抑制するよう、梁チップ膜からの転写基板の脱離(剥離)抵抗を小さく出来る立体構造基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】 スペーサ膜を間に挟んで主基板と対向する梁チップ膜を含む立体構造基板の製造方法である。転写基板の剥離面上に梁チップ膜を与えるとともに、主基板上に与えられたスペーサ膜を梁チップ膜の上に当接させて接合し、転写基板を剥離面から脱離させて転写する工程において、剥離面は架橋ゴムからなり、転写基板及び主基板の間に架橋ゴムを膨潤させる剥離液体を与えて、梁チップ膜に剥離面に対する剪断力を生起させて転写基板を脱離させることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、カンチレバーやブリッジのように基板上に間隙をもって対向配置される梁チップ膜の如きを含む立体構造基板の製造方法に関し、特に、接合転写プロセスによる立体構造基板の製造方法に関する。
スイッチやセンサなどを組み込んだMEMS(Micro Electro Mechanical System)基板において、カンチレバー(片持ち梁)やブリッジ(両持ち梁)のように基板上に間隙をもって対向配置される梁チップ膜からなる機械接点などを組み込んだ立体構造基板がある。かかる立体構造基板は、微細構造の製造に適した化学エッチングプロセスやプラズマエッチングのような真空プロセスを利用して製造され得る。
例えば、特許文献1では、片持ち梁を含むMEMS基板において、犠牲層とこれを除去するエッチャントを用いた化学エッチングプロセスによる立体構造基板の製造方法を開示している。基板に設けた凹部に埋め込まれるシリコン酸化膜からなる犠牲層を介して構造体を設け、該犠牲層をフッ化水素酸溶液によりエッチングすることで凹部を中空空間として間隙を形成するのである。
また、特許文献2では、加速度センサに用い得るMEMS基板において、梁チップの一部又は全部を中空とした筒状構造を有する「はり(梁)バネ」を成形する方法を開示している。かかる梁チップの筒状構造は、電子サイクロトロン共鳴プラズマ成膜技術により中空部分に相当する構造体を形成しこの部分に高分子材料による犠牲層を形成し、更に、これを被覆するように膜厚の小さい薄膜を形成する。最後に犠牲層を除去すると、サブミクロンオーダーの薄膜からなる外殻によって内部に中空構造を与えた筒状構造を得られるとしている。
一方、別々に加工された部材同士を貼り合わせる接合プロセス、又は、一方を他方に転写する接合転写プロセスによる立体構造基板の製造方法も提案されている。
例えば、特許文献3では、片持ち若しくは両持ち梁構造の薄膜の形成方法において、基板上に設けた凹部の空間を維持した状態で開口を閉塞するように薄膜を形成する方法として、ポリイミド薄膜を与える薄膜原料であるポリアミド酸及びこの薄膜原料よりも表面エネルギーの小さい有機化合物であり且つ熱分解で除去可能なポリカプロラクタムを含む1−メチル−2−ピロリドン液を基材上に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を基板に転写する接合転写プロセスによる方法を開示している。ポリカプロラクタムによってポリイミド薄膜を基材から剥離させやすくして転写によるポリイミド薄膜の破損を抑制でき且つ熱分解でこれを除去できるのである。
特開2005−342817号公報 特開2007−229825号公報 特開2008−251816号公報
上記したように、接合転写プロセスではカンチレバーやブリッジのような梁部を構成する梁チップ膜を転写基板上に形成し、主基板上の所定位置に転写させることになる。かかる転写工程では、梁チップ膜を主基板上の所定位置に接合するとともに、転写基板を脱離させるのである。しかしながら、MEMS基板に与えられるような微細且つ薄い梁チップ膜においては、その強度が弱くなるため、これを破損させることなく転写基板を脱離させることが非常に困難となる。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、カンチレバーやブリッジのように基板上に間隙をもって対向配置される梁チップ膜の如きを含む立体構造基板の転写接合プロセスによる製造において、該梁チップ膜を転写基板上に確実に保持させつつ、一方で、転写工程時の該梁チップ膜の破損を抑制するよう、該梁チップ膜からの転写基板の脱離(剥離)抵抗を小さく出来る立体構造基板の製造方法を提供することにある。
本発明による立体構造基板の製造方法は、スペーサ膜を間に挟んで主基板と対向する梁チップ膜を含む立体構造基板の製造方法であって、転写基板の剥離面上に前記梁チップ膜を与えるとともに、前記主基板上に与えられた前記スペーサ膜を前記梁チップ膜の上に当接させて接合し、前記転写基板を前記剥離面から脱離させて転写する工程において、前記剥離面は架橋ゴムからなり、前記転写基板及び前記主基板の間に前記架橋ゴムを膨潤させる剥離液体を与えて、前記梁チップ膜に前記剥離面に対する剪断力を生起させて前記転写基板を脱離させることを特徴とする。
かかる発明によれば、膨潤した架橋ゴムによる転写基板の剥離面に対する剪断力によって梁チップ膜を剥離するので、脱離(剥離)抵抗を小さくできて、梁チップ膜を転写基板上に確実に保持させつつも、転写工程時の該梁チップ膜の破損を抑制できる。
上記した発明において、前記剥離面に沿って前記転写基板を移動させてこれを脱離させることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、剥離面に対する剪断力を簡単に生起させることができる。
上記した発明において、前記剥離液体は毛細管現象により前記転写基板及び前記主基板の間に侵入させることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、転写基板及び主基板の間の全面において確実に架橋ゴムを膨潤させ得る。
上記した発明において、前記主基板は前記転写基板の前記剥離面の面領域内に配置されることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、転写基板を下側に配置して剥離液の供給を容易とし得る。
上記した発明において、前記梁チップ膜は樹脂、もしくは樹脂前駆体であることを特徴としてもよい。また、上記した発明において、前記梁チップ膜及び前記スペーサ膜の接合は前記樹脂又は前記樹脂前駆体の硬化反応によるものであることを特徴としてもよい。さらに、上記した発明において、前記硬化反応は加熱によることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、加熱による硬化反応などの簡単な手順によって梁チップ膜をスペーサ膜に接合させることができる。
上記した発明において、前記梁チップ膜はその端部を前記スペーサ膜に接合されて片持ち支持されることを特徴としてもよい。また、上記した発明において、前記梁チップ膜はその両端部を2つの前記スペーサ膜に接合されて両持ち支持されることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、片持ち支持又は両持ち支持の立体構造基板を得ることができる。
本発明による立体構造基板の製造方法によって得られる立体構造基板の一例を示す断面図である。 本発明による立体構造基板の製造方法の一例を示す断面図である。 PDMSに対する各剥離液体の吸収量及び膨潤速度の測定結果である。 立体構造基板の製造方法に用いる製造装置の一例を示す断面図である。 同製造装置を用いた立体構造基板の製造方法を示す断面図である。 立体構造基板の製造に用いた主基板及びスペーサ膜の平面図である。 立体構造基板の製造に用いた転写基板及び梁チップ膜の平面図である。 立体構造基板の製造工程を示す断面図である。 実施例及び比較例による梁チップ膜の転写成功率の一覧である。 本発明による製造方法により得られる他の構造の基板の断面図である。
以下に、本発明による1つの実施例である立体構造基板の製造方法について、図1及び2を用いて説明する。
図1に示すように、同製造方法によって製造される立体構造基板10は、例えば、主基板1と、この上に設けられたスペーサ膜2と、スペーサ膜2を間に挟んで主基板1と対向するように取り付けられた梁チップ膜3とを含む。梁チップ膜3はその一端をスペーサ膜2に接合され、片持ち支持されている。
図2(a)に示すように、このような立体構造基板10の製造方法としては、まず、一方の主面をシリコンゴム等の架橋ゴム(図示せず)で覆われて剥離面4aとされた転写基板4を用意する。この剥離面4a上に梁チップ膜3を形成させる。梁チップ膜3は、後述するスペーサ膜2に接合させ得るものであり、例えば、加熱や光照射によって硬化する樹脂や樹脂前駆体などを用い得る。他方、主基板1の表面にスペーサ膜2を形成させておく。なお、主基板1、スペーサ膜2、梁チップ膜3、転写基板4及び架橋ゴムの詳細については後述する。
続いて、図2(b)に示すように、主基板1の上に形成されたスペーサ膜2を梁チップ膜3に接合させる。詳細には、梁チップ膜3を上に向けた転写基板4の上から、スペーサ膜2を下に向けた主基板1を位置合わせしつつ近接させ、スペーサ膜2を梁チップ膜3の所定の位置に当接させる。更に、両基板を互いに押し付けながら、梁チップ膜3を硬化反応させて硬化させる。すなわち、梁チップ膜3に上記したような加熱や光照射によって硬化する樹脂が含まれていれば、加熱又は光照射して硬化させ、スペーサ膜2に接合させる。
更に、図2(c)及び(d)に示すように剥離液体5を転写基板4上の架橋ゴムに膨潤させる。すなわち、剥離液体5を転写基板4及び主基板1の間に侵入させ、必要に応じてこれを保持して膨潤させるのである。このとき、主基板1が転写基板4の面領域内に配置されて、転写基板4の縁を外側にはみ出させていると、図2(c)のように剥離液体5を主基板1の縁であって転写基板4の上面となる位置に載せることができて、作業性を向上させ得る。また、図2(d)のように、転写基板4及び主基板1の間の全面に侵入させやすくなるよう毛細管現象を利用して剥離液体5を侵入させるとよい。このような転写基板4と主基板1との間隔は、例えば、100nm〜3mm程度とすると好適である。
最後に、図2(e)に示すように、主基板1を転写基板4から脱離させる。このとき、剥離面4aと梁チップ膜3との間に剥離面方向の剪断力を生起させた上で脱離させる。例えば、剥離動作の初動として、剥離面に沿った方向に直線的に移動させたり、剥離面に垂直な回転軸の周りに回転させたりして、剥離面4aに沿って主基板1及び転写基板4を相対的に移動させるとこのような剪断力を容易に生起させることができる。かかる梁チップ膜3の剥離面4aに対する剪断力によって、梁チップ膜3から転写基板4の脱離する抵抗を小さくして、脱離の作業における梁チップ膜3の破損を抑制するのである。
以上のようにして、梁チップ膜3を転写基板4から主基板1に転写して立体構造基板10を得ることができる。
以下、このような方法に用い得る主基板1、スペーサ膜2、梁チップ膜3、転写基板4、架橋ゴム、及び、剥離液体5の詳細について説明する。
主基板1は、梁チップ膜3の接合における加熱や光照射などに対する耐性と、剥離液体5に対する耐性と、立体構造基板10を形成するために必要とされる機械強度及び形状と、を有するものである。例えば、ガラス板、樹脂板、樹脂フィルム、金属板、金属箔、紙、フィルムラミネート紙などを用い得る。
スペーサ膜2は、梁チップ膜3の接合における加熱や光照射などに対する耐性と、剥離液体5に対する耐性と、立体構造基板10を形成するために必要とされる機械強度や形状等を有するものである。例えば、エポキシ系樹脂などによって形成されたレジスト膜などを用いることができる。
梁チップ膜3は、剥離液体5に対する耐性を有し、スペーサ膜2へ接合させ得るものである。例えば、未硬化の低分子材料を用いて転写基板4の架橋ゴム上に形成し、上記したような加熱や光照射により硬化させてスペーサ膜2に接合させることができる。硬化済みの材料を用いる場合は、加熱によってガラス転移温度以上の温度まで昇温させて冷却させることでスペーサ膜2に接合させる。
このような梁チップ膜3の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリアミド、ポリフタルアミド、ポリフッ化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂などを用い得る。さらに、導電性を付与するために、導電性の粒子や繊維などを分散させてもよく、このような導電性の材料としては、金、銀、銅、アルミ、ニッケル、ケイ素、炭化ケイ素、カーボンナノチューブ、グラフェン、ITO(インジウムスズ酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)などが挙げられる。また、半導体性を付与するために、カーボンナノチューブ、フラーレン、ルブレンや低分子チオフェン誘導体などの有機半導体、ZnO、ZnS、TiO2、IGZO(インジウムガリウム亜鉛酸化物)などを用いてもよい。
転写基板4は、梁チップ膜3の接合における加熱や光照射などに対する耐性と、剥離液体5に対する耐性と、を有するものである。また、梁チップ膜3を脱離させる際に剪断力を生起させるため、剥離面4aを平坦として剥離面4a方向の移動を容易とすることが好ましい。例えば、ガラス板、樹脂板、樹脂フィルム、金属板、金属箔、紙、フィルムラミネート紙などを用い得る。また、上記したように、剥離面4aは架橋ゴムによって覆われている。
架橋ゴムは、剥離液体5によって膨潤して取り付けた梁チップ膜3を剥離させるものであって、梁チップ膜3の接合における加熱や光照射などに対する耐性を有するものである。例えば、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレン・プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、多硫化ゴムなどが使用できる。上記した耐熱性を有するとともに膨潤させる観点から、シリコンゴムやフッ素ゴムが好ましく、シリコンゴムが特に好ましい。
剥離液体5としては、転写基板4上の架橋ゴムに対して0.1μm/分以上の膨潤速度を有するものが好ましい。梁チップ膜3は、後述する脱離の動作によって転写基板4から剥離させるのではなく、架橋ゴムの膨潤によって剥離させる。そのため、膨潤速度がこれより遅いと、剥離の進行に長い時間を必要としてしまい、作業効率が低下してしまう。なお、膨潤速度は次のようにして求めることができる。すなわち、架橋ゴムの試験片を剥離液体5に浸漬させ、所定時間後の重量変化を測定し、かかる重量変化から剥離液体5の試験片に吸収された体積を求める。かかる体積を試験片の表面積で除して、単位表面積あたりの吸収量(長さの単位)を得て、これを試験時間で割って膨潤速度とするのである。
図3には、シリコンゴムの一種であるポリジメチルシロキサン(PDMS)を架橋させたゴム体を架橋ゴムの試験片として、剥離液体5となり得る溶媒として、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)のそれぞれを用いたときの膨潤速度の測定結果を示す。同図に示す通り、いずれもPDMSに対して0.1μm/分以上の膨潤速度を有し、転写基板4の架橋ゴムとしてPDMSの架橋ゴム体を使用した場合に剥離液体5として使用し得ることが判る。
また、上記した立体構造基板10の製造には、主基板1及び転写基板4の位置合わせや、接合のための加熱などを行う装置を用いることが好ましい。このような製造装置について図4乃至図6を用いて説明する。
図4に示すように、立体構造基板の製造装置20は、主基板1を把持して移動させることのできる上部ステージ21と、転写基板4を固定できる下部ステージ22と、下部ステージ22に設けられた位置合わせ用のカメラ23と、剥離液体5を供給可能なシリンジなどの剥離液供給機構24とを含む。上部ステージ21及び下部ステージ22は、例えば空気の吸引などによって各基板を保持する保持機構などを有している。また、上部ステージ21は少なくとも主基板1を転写基板4に接近させ当接させる動作、脱離させる動作を行い得るような移動を可能とするものである。脱離させる動作には、上記した通り剥離面4aに沿った方向の剪断力を生起させるため、鉛直軸を中心とした回転や、水平方向への直線移動などが含まれる。また、上部ステージ21及び下部ステージ22の両者又は一方については、主基板1及び転写基板4の位置合わせを行うための水平方向の相対的な移動も可能とされ、カメラ23により得られる画像に基づいて位置合わせのための自動的な動作又は手動操作を可能とされる。なお、剥離液供給機構24は、複数設けられてもよい。
図5に示すように、製造装置20を用いて、上記した製造方法によって立体構造基板10を製造すると、以下のような手順となる。
図5(a)に示すように、上部ステージ21に主基板1を保持させ、下部ステージ22に転写基板4を保持させて、スペーサ膜2と梁チップ膜3との水平方向の位置を合わせる。
図5(b)に示すように、上部ステージ21を下降させて、転写基板4上の梁チップ膜3に主基板1上のスペーサ膜2を当接させる。さらに、図示しない加熱機構で加熱するなどして、梁チップ膜3をスペーサ膜2に接合させる。
図5(c)に示すように、主基板1の上部ステージ21による保持を解除して上方に退避させるとともに、剥離液供給機構24を転写基板4の縁部分に近接させる。さらに、剥離液供給機構24から剥離液体5(ここでは図示しない)を主基板1の縁、且つ、転写基板4の上面に載せるように供給し、剥離液体5を主基板1及び転写基板4の間に侵入させ、転写基板4の架橋ゴムに浸透させる。これによって、架橋ゴムを膨潤させて、梁チップ膜3を転写基板4から剥離させる。
図5(d)に示すように、剥離液供給機構24を退避させて、上部ステージ21によって再び主基板1を保持する。
図5(e)に示すように、脱離動作の初動として上部ステージ21を鉛直軸の周りにわずかに回転させて、梁チップ膜3に剥離面4aに対する剪断力を生起させた上で、上部ステージ21とともに主基板1を上方に移動させ、転写基板4を主基板1に接合した梁チップ膜3から脱離させる。これにより、立体構造基板10を得られる。
なお、主基板1及び転写基板4の接合までを行う装置と、転写基板4の主基板1からの脱離を行う装置とを別個に設けてもよい。
[実施例1]
上記した製造方法により、立体構造基板10を製造し、梁チップ膜3を破損させずに転写できる転写成功率について確認した。その製造方法について図6乃至図8を用いて説明する。
図6に示すように、主基板1及びスペーサ膜2を準備した。まず、100mm角×厚さ0.7mmの無アルカリガラス(日本板硝子社製、OA−10G)の表面をUVオゾン装置(TAKEDEN社製、OZB−021)で洗浄し主基板1とする。主基板1の表面に1000rpmでスピンコートしてエポキシ系感光性レジスト(日本化薬社製、SU−8 50)を成膜した上で、フォトマスクを介して露光、現像及び乾燥を行って3mm角×厚さ70μmのレジスト膜(スペーサ膜2)を10mmピッチで5行5列に配列させた。
図7に示すように、転写基板4及び梁チップ膜3を準備した。まず、150mm角×厚さ0.7mmの無アルカリガラス(日本板硝子社製、OA−10G)の表面にシリコンゴム(信越シリコン社製、KE106)を800rpmでスピンコートし、オーブンで160℃×1時間の加熱を行い硬化させ、厚さ100μmの架橋ゴム層を形成させて、転写基板4とした。この架橋ゴム層の表面に、エポキシ系銀ペースト(日本ハンダ社製、ECA100)をスクリーン印刷して、幅0.5mm×長さ5mm×厚さ7μmの矩形の梁チップ膜3を形成し、10mmピッチで5行5列に配列させた。これにオーブンで100℃×30分の加熱を行って銀ペーストを硬化させた。
図8(a)に示すように、転写基板4上の梁チップ膜3に主基板1上のスペーサ膜2を接合させる。詳細には、転写基板4上の梁チップ膜3の上方に、下に向けた主基板1のスペーサ膜2を配置して水平方向の位置合わせを行いつつ、互いに近接させて当接させる。位置合わせにおいては、梁チップ膜3の長さ5mmのうち2mmの範囲のみがスペーサ膜2に接触するようにした。かかる当接を維持したまま、熱プレス機によって1.5MPaの圧力を加えながら160℃×15分で加熱した。加熱後に、主基板1を上側にしたまま室内に静置し室温まで冷却させた。
図8(b)に示すように、転写基板4の上の主基板1の縁にシリンジ11を用いて剥離液体5としてヘキサンを5mL供給した。転写基板4及び主基板1による隙間に毛細管現象によって剥離液体5の侵入してゆく様子が観察された。この状態で5分間放置し、剥離液体5によって架橋ゴムを膨潤させて、梁チップ膜3を架橋ゴムから剥離させた。
図8(c)に示すように、主基板1を剥離面4aに沿って水平方向にスライドさせて、転写基板4を梁チップ膜3から脱離させる。これにより、梁チップ膜3が主基板1のスペーサ膜2上に転写された。
得られた立体構造基板10をレーザー顕微鏡によって観察し、梁チップ膜3がスペーサ膜2の厚さである70μmだけ主基板1の表面から離れたカンチレバー構造を形成していることを確認するとともに、5行5列に配列した25か所の全てにおいて転写に成功していることを確認した。
[比較例]
実施例1と同様の構造の立体構造基板を一部の製造工程の異なる比較例1乃至3のそれぞれの製造方法によって製造し、レーザー顕微鏡での観察によって転写の成功率を算出した。かかる結果について図9を用いて説明する。
図9に示すように、比較例1は剥離液体を使用せずに立体構造基板を得た。また、比較例2は脱離の初動において剥離面に沿った方向に剪断力を生起させずに剥離面に垂直な方向へ引き上げて立体構造基板を得た。比較例3は、剥離液体を使用せず、さらに脱離の初動において剥離面に垂直に引き上げて立体構造基板を得た。なお、その他は実施例1と同様である。また、転写の成功率は、5行5列に配列した25か所中の、破損せずに転写に成功した梁チップ膜3の数の割合とした。
同図に示すように、剥離液体の使用又は剥離面方向への初動のいずれか一方でも欠けると、転写の成功率は100%とならなかった。つまり、剥離液体による梁チップ膜3の剥離及び脱離時の剥離面方向への剪断力の生起の両者によって梁チップ膜3の破損を抑制していることが判る。
以上のように、上記した立体構造基板の製造方法によれば、剥離液体5による架橋ゴムの膨潤によって梁チップ膜3を剥離させるので、転写前において梁チップ膜3を転写基板4上に確実に保持させつつ、一方で、転写工程時の梁チップ膜3からの転写基板4の脱離抵抗を小さく出来て、梁チップ膜3の破損を抑制できる。特に、脱離時に剥離面4aに対する剪断力を生起させて梁チップ膜3の破損をさらに抑制できる。これは、脱離時の初動において剥離面4aに対する剪断力を生起させると、梁チップ膜3に曲げ方向の応力をかけずに位置をずらして架橋ゴムとの間に剥離液体5を侵入させて、その後に引き上げると曲げ方向の応力を小さくできるためと考えられる。
なお、立体構造基板としては、上記のように梁チップ膜3の一端部をスペーサ膜2に接合した片持ち支持構造だけではなく、梁チップ膜の両端部を二つのスペーサ膜2に接合させた両持ち支持構造としてもよい。両持ち支持構造であっても上記した製造方法によって同様に梁チップ膜3の破損を抑制して製造できる。
また、図10に示すような、梁チップ膜3と同様の膜体3’の全面をスペーサ膜2’に接合させるような上記した立体構造基板とは異なる構造の基板においても、上記した製造方法を用いることができる。例えば、膜体3’が脆く割れやすい材料である場合などに破損を抑制して転写することができる。これにより、例えば、スペーサ膜2’と膜体3’とで厚みを増した電極を形成させることもできる。
ここまで本発明による代表的実施例及びこれに基づく改変例について説明したが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。当業者であれば、添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、種々の代替実施例を見出すことができるだろう。
1 主基板
2 スペーサ膜
3 梁チップ膜
4 転写基板
5 剥離液体

Claims (9)

  1. スペーサ膜を間に挟んで主基板と対向する梁チップ膜を含む立体構造基板の製造方法であって、
    転写基板の剥離面上に前記梁チップ膜を与えるとともに、前記主基板上に与えられた前記スペーサ膜を前記梁チップ膜の上に当接させて接合し、前記転写基板を前記剥離面から脱離させて転写する工程において、
    前記剥離面は架橋ゴムからなり、前記転写基板及び前記主基板の間に前記架橋ゴムを膨潤させる剥離液体を与えて、前記梁チップ膜に前記剥離面に対する剪断力を生起させて前記転写基板を脱離させることを特徴とする立体構造基板の製造方法。
  2. 前記剥離面に沿って前記転写基板を移動させてこれを脱離させることを特徴とする請求項1記載の立体構造基板の製造方法。
  3. 前記剥離液体は毛細管現象により前記転写基板及び前記主基板の間に侵入させることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体構造基板の製造方法。
  4. 前記主基板は前記転写基板の前記剥離面の面領域内に配置されることを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の立体構造基板の製造方法。
  5. 前記梁チップ膜は樹脂、もしくは樹脂前駆体であることを特徴とする請求項1乃至4のうちの1つに記載の立体構造基板の製造方法。
  6. 前記梁チップ膜及び前記スペーサ膜の接合は前記樹脂又は前記樹脂前駆体の硬化反応によるものであることを特徴とする請求項5記載の立体構造基板の製造方法。
  7. 前記硬化反応は加熱によることを特徴とする請求項6記載の立体構造基板の製造方法。
  8. 前記梁チップ膜はその端部を前記スペーサ膜に接合されて片持ち支持されることを特徴とする請求項1乃至7のうちの1つに記載の立体構造基板の製造方法。
  9. 前記梁チップ膜はその両端部を2つの前記スペーサ膜に接合されて両持ち支持されることを特徴とする請求項1乃至8のうちの1つに記載の立体構造基板の製造方法。
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