JP2018202269A - 超音波振動子とその駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の超音波振動子とその駆動方法に比較して小型化、消費電力小さくすることを提供すること。
【解決手段】 超音波振動子1はボルト締めランジュバン型超音波振動子であり、フロントマス4、圧電素子2、リン青銅板3そしてリアマス5から構成される。ここでは、フロントマス4、突起6、オネジ7を一体のステンレスで作成した。2個の圧電素子2a、2bの間には電極用リン青銅板3a、そしてアース用の電極用リン青銅板3bは圧電素子2bとリアマス4の間にある。またステンレス製のリアマス4にはネジ穴があり、フロントマスに設けられたオネジ7とリアマス5に設けられたメネジ8により圧電素子2とリン青銅板3を締付けてボルト締めランジュバン型超音波振動子1を作成する。また超音波振動子1の形状は、図中にmm単位で示す。
【選択図】図6
【解決手段】 超音波振動子1はボルト締めランジュバン型超音波振動子であり、フロントマス4、圧電素子2、リン青銅板3そしてリアマス5から構成される。ここでは、フロントマス4、突起6、オネジ7を一体のステンレスで作成した。2個の圧電素子2a、2bの間には電極用リン青銅板3a、そしてアース用の電極用リン青銅板3bは圧電素子2bとリアマス4の間にある。またステンレス製のリアマス4にはネジ穴があり、フロントマスに設けられたオネジ7とリアマス5に設けられたメネジ8により圧電素子2とリン青銅板3を締付けてボルト締めランジュバン型超音波振動子1を作成する。また超音波振動子1の形状は、図中にmm単位で示す。
【選択図】図6
Description
本発明は、超音波振動子とその駆動方法に関する。
従来、超音波振動子は、振動体である超音波振動子の内部に振動の節部を持ち、その節部を支持するためのフランジを設け、そしてフランジを支持する構成であった。この構成については非特許文献1に詳しく記述されている。
実吉純一他、「超音波技術便覧」、日刊工業新聞、昭和60年12月、p1028
従来の超音波振動子は、振動体の振動の節部付近に設けたフランジを用いて支持していた。したがって、超音波振動子の形状と材料によって決まる固有振動数で振動する。このため、希望する駆動周波数と異なる場合、固有振動数の調整の手段がない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、超音波振動子の形状と材料で決まる固有振動数と異なる周波数で駆動できる構成と駆動方法を提供することを課題とする。
本発明は、振動体の中心軸と直交する中心軸を持つ突起の形状及び突起の支持方法により超音波振動子の固有振動数を決定する。
本発明また、振動体内に振動の節部がないこと、そして突起を支持することによる突起内に振動の節部を持つ振動モードで駆動するものである。
本発明はまた、超音波振動子の縦振動の半波長振動モードの固有振動数より小さい振動数で駆動するものである。
本発明の超音波振動子とその駆動方法により、従来の縦振動の半波長振動モードの固有振動数と異なる駆動周波数で駆動できる。そして、従来の縦振動の半波長振動モードでの消費電力に比較して省電力で駆動できる。
以下、本発明に関わる超音波振動子を、図1を用いて説明する。
非特許文献1に記述する超音波振動子は、フランジにより振動体の振動の節部を支持することにより、超音波振動子の振動モードに与える影響を小さくして超音波振動子を他の構造体に固定するものである。
本発明は、振動体の中に節部を持たせず、振動体と振動的に一体化した突起部を他の構造体に固定することにより振動体の中心軸方向に振動する振動モードを励起することである。そして、振動体内部に振動の節部がないため、振動体内部に振動の節部を1個持つ基本振動モードに比較して固有振動数が小さくなる。このことにより超音波振動子の小型化が可能となる。これを確認するために、まず有限要素法により計算した。
実際に有限要素法を用いて計算した振動体と突起について図1に用いて説明する。まず、中心軸方向の振動である縦振動と、中心軸を通る面の対称面を持つ振動モードだけを抽出するため振動体と突起を図1(A)のA−A線での断面を示す図1(B)の切断面を対称面とする振動モードを抽出した。
図1(B)に示すように振動体の直径を10mm、長さを52mmとした。そして振動体の長さ方向の中央に円環状の突起を設ける。突起の内径は10mm、厚さは2mmそして外径は、10mm、12mm、14mm、16mm、18mmそして20mmの6種類とした。図中では、円環状の突起の外側の半径と内側の半径の差をLとして現した。そしてこのLは、0mm、1mm、2mm、3mm、4mm、そして5mmである。
Lを0mm、1mm、2mm、3mm、4mm、そして5mmでの計算結果を表1に示す。また、これをグラフにした結果を図2に示す。振動体内部に振動の節部がない、そして突起で拘束したモードは、自由振動では、出現しない。そして、Lが大きくなると固有振動数はより小さくなる。振動体内部に振動の節部を1個持つ基本振動モードは、自由振動、拘束モードでも出現し、拘束モードの方が固有振動数は大きくなる。
実際に1KHzから100KHzまでの計算した結果において、中心軸方向の振動モードを図3、図4、図5に示す。ここで振動体も突起も材料はステンレスとした。図3は突起が外径14mm、内径10mmそして厚さ2mmの計算例である。まず、どこも拘束しない自由振動の結果について説明する。中心軸方向の振動で振動体の中央部に節部を持ち、両側に対称に伸縮する振動モードのみが抽出された。
次に図3と同じモデルで突起の外側面を拘束した結果について図4、図5を用いて説明する。中心軸方向の振動する振動モードが2個抽出された。一つは、図4に示す振動体の内部に節部を持たず、拘束した突起の外側面を節部とする振動モードである。突起を拘束しない場合は、振動体と突起は並進運動します。したがって、振動体内に振動の節部を持たない場合は、振動モードは出現しない。突起を拘束することにより、出現する振動モードである。
もう一つは、図3に示したす自由振動の計算で算出した振動モードと同じ中心軸方向の振動で振動体の中央部に節部を持ち、両側に対称に伸縮する振動モードである。これを図5に示した。
同じ振動モードにおいて、自由振動モードに比較して、拘束振動モードの方が固有振動数は大きい。これは拘束面積が無限小でないため、振動する長さが小さくなることに原因している。
従来は、上記の振動体の中央に節部がある振動モードをもっぱら用いてきたが、ほぼ振動体の形状と材料で固有振動数が決まってしまうので、小型化を図ろうとすると目標とする周波数より大きくなってしまう。
同様に振動体の形状を大きくすることを図ると目標とする周波数より小さくなってしまう。
本発明の振動体に接続する突起を保持し、振動体内に振動の節部を持たない振動モードを用いることで振動体の形状によらない周波数で駆動することが可能となる。
ここで、実際に図6に示す超音波振動子を製作して、その振動特性を測定した。
製作した超音波振動子1はボルト締めランジュバン型超音波振動子であり、フロントマス4、圧電素子2、リン青銅板3そしてリアマス5から構成される。ここでは、フロントマス4、突起6、オネジ7を一体のステンレスで作成した。2個の圧電素子2a、2bの間には電極用リン青銅板3a、そしてアース用の電極用リン青銅板3bは圧電素子2bとリアマス4の間にある。またステンレス製のリアマス4にはネジ穴があり、フロントマスに設けられたオネジ7とリアマス5に設けられたメネジ8により圧電素子2とリン青銅板3を締付けてボルト締めランジュバン型超音波振動子1を作成する。また超音波振動子1の形状は、図中にmm単位で示す。
先に記述した有限要素法による突起を持つ超音波振動子1の振動モードを確認するため、先ず、インピーダンスアナライザーにより周波数特性を測定した。拘束を与えない周波数特性は図7に、フランジ型の突起6の上面と下面の一部を円環状に拘束した周波数特性を図8に示す。
図7の拘束を与えない周波数特性に示す周波数42、125Hzの振動モードは、超音波振動子1の長さ方向の中央部を節部とし、その節部の上下では逆方向の振動をする縦振動の基本モードである。
図8に示すフランジ型の突起6の上面と下面の一部を円環状に拘束した周波数特性において、周波数24、250Hzの共振ピークの振動モードは、本発明の振動モードであり。拘束した突起6の一部を振動の節部として振動体を中心軸方向に上下に振動させるものである。そして上下に振動する振動体の中には振動の節部はない。
また、周波数44、375Hzの共振ピークの振動モードは、超音波振動子1の長さ方向の中央部を節部とし、その節部の上下では逆方向の振動をする縦振動の基本モードである。そして、拘束の影響により、自由振動に比較して約5%周波数が高くなっている。
図6に示す超音波振動子1の振動特性をレーザードップラー振動計により測定した結果である。拘束を与えない自由振動モードでは、駆動周波数41.87KHz、電圧44Vp−p、電流約430mAp−pにおいて、図6に示す超音波振動子1のリアマス5上面の振動変位量は約32μmp−pであった。そして電圧と電流は、ほぼ同位相であり、駆動電力は約0.6Wであった。
一方、フランジ型の突起6の上面と下面の一部を円環状に拘束した振動モードにおいては、駆動周波数23.64KHz、電圧60Vp−p、電流約70mAp−pにおいて、図5に示す超音波振動子のリアマス5上面の振動変位量は約30μmp−pであった。そして電圧と電流は、ほぼ同位相でり、駆動電力は約0.5Wであった。
同じくフランジ型の突起6の上面と下面の一部を円環状に拘束した別の振動モードにおいては、駆動周波数43.86KHz、電圧60Vp−p、電流約460mAp−pにおいて、図6に示す超音波振動子1のリアマス5上面の振動変位量は約33μmp−pであった。そして電圧と電流は、ほぼ同位相であり、駆動電力は約3.5Wであった。
フランジ型の突起6の上面と下面の一部を円環状に拘束した振動モードにおいては、本発明の振動モードと従来の縦振動の基本モードを比較すると、同じ振幅量を発生させるのに要する電力は、本発明の振動モードは、従来の振動モードに比較して、約1/7の電力でよい。大幅な省エネルギー効果である。
本発明の超音波振動子とその駆動方法により、超音波振動子の小型化と省電力化が実現できるため、超音波加工機の省電力化そして超音波センサの小型化に用いることができる。
1 超音波振動子
2 圧電素子
3 リン青銅板
4 フロントマス
5 リアマス
6 突起
7 オネジ
8 メネジ
2 圧電素子
3 リン青銅板
4 フロントマス
5 リアマス
6 突起
7 オネジ
8 メネジ
Claims (3)
- 振動体の中心軸と直交する中心軸を持つ突起の形状及び突起の支持方法により超音波振動子の固有振動数を決定することを特徴とする超音波振動子。
- 振動体内に振動の節部がないこと、そして突起を支持することによる突起内に振動の節部を持つ振動モードで駆動することを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子。
- 超音波振動子の縦振動の半波長振動モードの固有振動数より小さい振動数で駆動することを特徴とする請求項1、2に記載の超音波振動子。
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