JP2018199777A - マウスガード用樹脂組成物およびそれを用いたマウスガード - Google Patents

マウスガード用樹脂組成物およびそれを用いたマウスガード Download PDF

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Abstract

【課題】 マウスガードとしての使用に耐え得る優れた強度を有するとともに、成形加工性が向上したマウスガード用樹脂組成物およびそれを用いたマウスガードを提供すること。【解決手段】 本発明のマウスガード樹脂組成物は、トランス型ポリイソプレン、シス型ポリイソプレン、およびオイル成分を含有する。本発明の樹脂組成物によれば、優れた機械的強度を保持したマウスガードを容易に製造することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、マウスガード用樹脂組成物およびそれを用いたマウスガードに関し、より詳細には、成形加工性が向上したマウスガード用樹脂組成物およびそれを用いたマウスガードに関する。
スポーツ用マウスガードは、スポーツマウスガードまたは単にマウスガードとも呼ばれ、様々なスポーツを行うアスリートが、例えば、歯、顎、口腔内等の外傷の予防や脳震盪の防止を目的として、口腔内に装着して使用されている。
マウスガードを構成する材料には、このような用途を考慮して、生体への安全性、衝撃吸収性、耐久性などを有することが所望されており、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン、ポリスチレン・ポリオレフィン共重合体などが汎用されている。
しかし、これらの材料は一般に成形温度が高い(例えば、120℃〜130℃)が高いことが知られており(非特許文献1)、成形加工し難いことが難点とされていた。
さらに、マウスガードは、使用するアスリートの歯型からオーダーメイドにより個別に製造されることがある。オーダーメイドによるマウスガードは、アスリートの口腔によりフィットしたものとなる点で、装着感および使用性が向上し得る。
しかし、上記材料による成形加工の困難さは、マウスガードのオーダーメイド品の普及を停滞させる一因になり得ることも想定される。
International Journal of Sport Dentistry, 6, 028-036, 2013
本発明は、上記課題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、マウスガードとしての使用に耐え得る優れた強度を有するとともに、成形加工性が向上したマウスガード用樹脂組成物およびそれを用いたマウスガードを提供することにある。
本発明は、トランス型ポリイソプレン、シス型ポリイソプレン、およびオイル成分を含有する、マウスガード用樹脂組成物である。
1つの実施形態では、本発明のマウスガード用樹脂組成物は、上記トランス型ポリイソプレン100重量部に対して、100重量部から130重量部の上記シス型ポリイソプレンを含有する。
1つの実施形態では、上記オイル成分は、スクワレンおよびスクワランからなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明はまた、上記樹脂組成物のいずれかから構成されている、マウスガードである。
本発明はまた、マウスガードの製造方法であって、
トランス型ポリイソプレン、シス型ポリイソプレン、およびオイル成分を混練して樹脂組成物を得る工程、および該樹脂組成物を成形する工程を含む、方法である。
1つの実施形態では、上記樹脂組成物は、上記トランス型ポリイソプレン100重量部に対して、100重量部から130重量部の上記シス型ポリイソプレンを含有する。
1つの実施形態では、上記オイル成分は、スクワレンおよびスクワランからなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明によれば、優れた機械的強度を保持したマウスガードを容易に製造することができる。本発明のマウスガードはまた、成形加工性に優れた樹脂組成物から構成されているため、適度な温度を付与することにより、装着するアスリートの口腔内の形状等に合わせた微調整を行うことができる。これにより、アスリートへの装着性を一層高めることも可能となる。
本発明のマウスガードの一例を模式的に示した図であって、当該マウスガードの斜視図である。
以下、本発明について詳述する。
(マウスガード用樹脂組成物)
本発明のマウスガード用樹脂組成物は、トランス型ポリイソプレン、シス型ポリイソプレン、およびオイル成分を含有する。
本発明において、トランス型ポリイソプレンは、例えば、バイオマス由来のもの、石油化学由来のもの、またはこれらの組合せのいずれであってもよい。特に、非石油系材料であり、入手が容易である等の理由から、トランス型ポリイソプレンはバイオマス由来のポリイソプレンであることが好ましい。
トランス型ポリイソプレンを含有するバイオマスは、好ましくは植物体の根、茎(幹)、葉、翼果(果皮および種子)、および樹皮、ならびにこれらの組合せのから得られたものである。
トランス型ポリイソプレンを含有する植物体の例としては、必ずしも限定されないが、トチュウ(Eucommia ulmoides)、グッタペルカノキ(Palaquium gutta)、バラタゴムノキ(Mimusops balata)が挙げられる。本発明においては、重量平均分子量が大きいトランス型ポリイソプレンが得られることに加えて、その構造中にトランス1,4−結合単位の含有率が高くかつ結合異性単位の含有率が低いとの理由から、トチュウ由来のトランス型ポリイソプレンを用いることが好ましい。
本発明におけるトランス型ポリイソプレンの数平均分子量(Mn)は必ずしも限定されないが、例えば、トランス型ポリイソプレンがトチュウ由来のものである場合、好ましくは10,000〜1,500,000、より好ましくは50,000〜1,500,000、さらにより好ましくは100,000〜1,500,000である。あるいは、本発明におけるトランス型ポリイソプレンの重量平均分子量(Mw)は、必ずしも限定されないが、例えば、トチュウ由来のものである場合、好ましくは1×10〜5×10、より好ましくは1×10〜5×10、さらにより好ましくは1×10〜5×10である。
さらに、トランス型ポリイソプレンは、無水マレイン酸基、マレイミド基、エポキシ基などによって適宜化学修飾されたものであってもよい。
このようなトランス型ポリイソプレンは、上記のような植物体の乾燥体、非乾燥体またはそれらの組み合わせから、当該技術分野において公知の手法により得ることができる。
本発明において、シス型ポリイソプレンは、例えば、バイオマス由来のもの、石油化学由来のもの、またはこれらの組合せのいずれであってもよい。
シス型ポリイソプレンを含有するバイオマスは、好ましくは植物体の根、茎(幹)、葉、翼果(果皮および種子)、および樹皮、ならびにこれらの組合せのから得られたものである。
シス型ポリイソプレンを含有する植物体の例としては、必ずしも限定されないが、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)、ロシアタンポポ(Taraxacum koksaghyz)、グアユール(Parthenium argentatum)、キョウチクトウ科のペリプロカ(Periploca sepium)などが挙げられる。
本発明において、シス型ポリイソプレンは、臭気が少ない、アレルゲンが混在する可能性が少ない等の理由から、石油化学由来のシス型ポリイソプレン、あるいは臭気原因物質および/またはアレルゲンが予め除去された精製天然ゴム(上記パラゴムノキ等を由来とする)を用いることが好ましい。
本発明におけるシス型ポリイソプレンの数平均分子量(Mn)は、必ずしも限定されないが、好ましくは10,000〜1,500,000、より好ましくは50,000〜1,500,000、さらにより好ましくは100,000〜1,500,000である。あるいは、本発明におけるシス型ポリイソプレンの重量平均分子量(Mw)は、必ずしも限定されないが、好ましくは1×10〜5×10、より好ましくは1×10〜5×10、さらにより好ましくは1×10〜5×10である。
このようなシス型ポリイソプレンは、市販されているか、あるいは石油材料または上記バイオマスから当該技術分野において公知の手法により得ることができる。
本発明の樹脂組成物において、シス型ポリイソプレンは、好ましくは上記トランス型ポリイソプレンの含有量と同一またはそれ以上の含有量で含有されている。1つの実施形態では、本発明の樹脂組成物は、上記トランス型ポリイソプレン100重量部に対して、好ましくは100重量部〜130重量部、より好ましくは100重量部〜125重量部のシス型ポリイソプレンを含有する。トランス型ポリイソプレンに対してシス型ポリイソプレンがこのような範囲内の含有量を有することにより、本発明の樹脂組成物は、例えば、60℃〜120℃のような比較的低い成形加工温度であっても、マウスガードに所望される機械的強度を損なうことなく、マウスガードの成形をより容易に行うことができる。
本発明において、オイル成分は、上記トランス型ポリイソプレンおよびシス型ポリイソプレンの溶解性に優れ、かつ樹脂成形品に対して所定の柔軟性を付与し得る油状成分である。マウスガードが口腔内に装着して使用される点で、オイル成分は人体に対して安全であり、かつマウスガードの表面から滲出が困難な成分、すなわち樹脂成形品の外表面からブリードし難い成分であることが好ましい。このようなオイル成分の好ましい例としては、動物性または植物性原料(例えば、アイザメ肝油、オリーブオイル、コーンオイル、またはベニバナオイル)から得られた油状成分が挙げられ得る、オイル成分のより好ましい例としては、スクワレン、スクワランおよびそれらの組み合わせが挙げられる。
1つの実施形態では、本発明の樹脂組成物は、上記トランス型ポリイソプレン100重量部に対して、好ましくは20重量部〜60重量部、より好ましくは25重量部〜50重量部のオイル成分を含有する。上記において、樹脂組成物に含まれるオイル成分の含有量が20重量部を下回ると、得られる樹脂成形品の柔軟性が不充分となることがあり、マウスガードとして装着した際の装着感が劣る場合がある。オイル成分の含有量が60重量部を上回ると、オープンロール混練機やバンバリーミキサーを用いた樹脂組成物の混練が充分に行うことが困難になる、成形かつ冷却後の樹脂成形品の表面において当該オイル成分の滲出(ブリード)が発生する等の生産性の低下を引き起こす場合がある。
本発明の樹脂組成物は、成形後のマウスガードとしての品質を低下させない範囲において、他の添加剤を含有していてもよい。
このような他の添加剤の例としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、結晶核剤、およびそれらの組み合わせが挙げられる。本発明の樹脂組成物における当該他の添加剤の含有量は特に限定されず、成形後のマウスガードとしての品質を低下させない範囲において任意の含有量が当業者によって選択され得る。
本発明の樹脂組成物は、好ましくは60℃〜120℃、より好ましくは80℃〜100℃の成形加工温度を付与することにより、より簡便にマウスガードとしての任意の形態に成形することができる。
(マウスガードおよびその製造方法)
図1は、本発明のマウスガードの一例を模式的に示した図であって、当該マウスガードの斜視図である。
図1に示す本発明のマウスガード100は、例えば、アスリートの口腔内の上顎歯列に被せて到着されるものであり、上顎歯列の前方を覆う前方壁部102、上顎歯列の後方を覆う後方壁部104、および上顎歯列と下顎歯列との間に配置される噛合部106を備える。噛合部106は、図1に記載のように略平坦な面を有していてもよく、あるいは使用するアスリートの上顎歯列および下顎歯列の形状に合わせた凹凸が設けられていてもよい。前方壁部102と後方壁部104との間の間隔は、例えば、使用するアスリートの個々の上顎歯列の大きさ(オーダーメイド品の場合)や、大人用または子ども用などの使用を想定するアスリートの対象者を想定して、任意の長さが選択され得る。
本発明のマウスガードは、図1に記載の形態のものに限定されず、当業者によって設計された任意の形態を有していてもよい。
本発明のマウスガードは、全部またはその一部(例えば、図1に示す前方壁部102
後方壁部104および噛合部106のうちの少なくとも1つ)が上記マウスガード用樹脂組成物により構成されている。
本発明のマウスガードは例えば、以下のようにして製造される。
まず、トランス型ポリイソプレン、シス型ポリイソプレン、およびオイル成分を混練して樹脂組成物が形成される。
混練は当該分野において周知の手段(例えば、オープンロール混練機またはバンバリーミキサー)が使用される。混練の時間、温度等は特に限定されず、当業者によって適宜選択され得る。なお、この混練の際に、必要に応じて上記他の添加剤が添加されてもよい。
次いで、得られた樹脂組成物がマウスガードの形態に成形される。
1つの実施形態では、当該成形は以下のようにして行われ得る。
まず、樹脂組成物が押出成形、カレンダー成形、プレス成型、射出成形などの任意の成形方法を用いてシートの形態に予備成形される。この予備成形されたシートは、他の樹脂を共押出成形、ラミネート成形、プレス成形、2色成形などの手法を用いて積層した積層シートであってもよい。
その後、得られたシートをヒーター等の加熱手段を用いて上記成形加工温度にまで加熱し、個々のアスリートの上顎または下顎模型、あるいは平均的なヒトの上顎または下顎模型に沿うようにして真空成形、圧空成形、真空圧空成形等が行われ得る。あるいは、当該上顎または下顎模型を通じて作製された金型を用い、上記成形加工温度にまで加熱した樹脂組成物が射出成形され得る。なお、本発明においては、上記成形の際に好ましくは60℃〜120℃、より好ましくは80℃〜100℃の成形加工温度下が採用され得る。
このようにして、本発明のマウスガードを製造することができる。
本発明のマウスガードは、生体(ヒト)に対して安全な上記樹脂材料から構成されており、かつマウスガードとして求められる充分な衝撃吸収性および耐久性、ならびに機械的強度を有する。本発明のマウスガードは、例えば、ボクシング、ラグビー、アメリカンフットボール、空手、テコンドー、バスケットボールなどのコンタクト・スポーツを行うアスリートに対して有用である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
ロール表面温度を80℃に設定したオープンロール機(6×14インチ、大竹機械工業株式会社製)に、トランス型ポリイソプレン(日立造船株式会社製)120g、シス型ポリイソプレン(クレイトン社製cariflex IR0310K)150g、およびスクワレン(キシダ化学株式会社製)30gを仕込み、均一になるまで混練した。次いで、得られた混合物をシート状に加工し、80℃に設定したミニテストプレス(株式会社東洋精機製作所製MP−WCH)で3分間圧縮成形を行って、2mm厚のシートを得た。
得られたシートの機械的強度(引裂強度および硬度)をそれぞれ以下のようにして測定した。
上記で得られたシートを、ショッパー・試験打抜き器(株式会社東洋精機製作所製)で引裂試験用の試験片(JIS K6252 切込みなしアングル形)を打ち抜いた。まず、引裂試験については、JIS K6252に基づき、万能材料試験機(株式会社島津製作所社製オートグラフAGX−plus)で測定を行った。次に、シートの硬度については、JIS K6253に基づいてゴム硬度計(株式会社テクロック製GS−719N)により測定した。得られた結果を表1に示す。
次に上記で得られたシートについて、当該技術分野における専門家3名により官能評価(シートの表面状態および弾力性)をそれぞれ以下のようにして行った。
まず、シートの表面状態を各専門家が目視で観察し、以下の基準で判定した:
「○」・・・表面が平滑であるとみなすことができた。
「×」・・・表面に凹凸が観察され、平滑であるとはみなすことができなかった。
得られた各専門家の判定結果を総合して多数となった結果を表1に示す。
次いで、シートを口腔内に入れ、上顎歯列と下顎歯列との間に挟んで噛んだ際の弾力性の有無を以下の基準で判定した:
「○」・・・適度な柔らかさを有し、マウスガードとして使用する際に装着し易くかつ良好な弾力性を有すると判断した。
「△」・・・幾分硬くて、充分な弾力性を有しておらず、マウスガードとして使用するには装着し難いと判断した。
「×」・・・硬過ぎて弾力性に欠け、マウスガードとして使用するには装着が困難であり、使用中の異和感も大きいと判断した。
得られた各専門家の判定結果を総合し、最も多数となった結果を表1に示す。
(実施例2)
シス型ポリイソプレンの添加量を120gおよびスクワレン添加量を60gとしたこと以外は、実施例1と同様にして2mm厚のシートを作製した。このシートについて、実施例1と同様にして機械的強度および官能評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例1)
シス型ポリイソプレンおよびスクワレンを添加することなく、トランス型ポリイソプレンの添加量を300gに変更し、成形加工温度としてロール表面温度および圧縮成形温度をともに100℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にして2mm厚のシートを作製した。このシートについて、実施例1と同様にして機械的強度および官能評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例2)
スクワレンを添加することなく、トランス型ポリイソプレンの添加量を210gおよびシス型ポリイソプレンの添加量を90gに変更し、成形加工温度としてロール表面温度および圧縮成形温度をともに100℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にして2mm厚のシートを作製した。このシートについて、実施例1と同様にして機械的強度および官能評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例3)
スクワレンを添加することなく、トランス型ポリイソプレンの添加量を150gおよびシス型ポリイソプレンの添加量を150gに変更し、成形加工温度としてロール表面温度および圧縮成形温度をともに100℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にして2mm厚のシートを作製した。このシートについて、実施例1と同様にして機械的強度および官能評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例4)
シス型ポリイソプレンを添加することなく、トランス型ポリイソプレンの添加量を180gおよびスクワレンの添加量を120gに変更し、成形加工温度としてロール表面温度および圧縮成形温度をともに100℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にして2mm厚のシートを作製した。このシートについて、実施例1と同様にして機械的強度および官能評価を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 2018199777
表1に示すように、実施例1および2で使用した樹脂組成物は、比較例1〜3の組成物と比較して、成形後に引裂強度および硬度のいずれに対しても硬過ぎず適度な柔らかさを提供していたことがわかる。また、官能評価の観点から見ても、実施例1および2の樹脂組成物から得られたシートは、比較例1〜3で得られたシートと比較して、マウスガードに所望される平滑かつ適度な弾力性を有していたことがわかる。なお、比較例3の樹脂組成物は、混練の際にオープンロール機に組成物が貼りつく傾向にあり、圧縮成形を通じて平滑な表面を有する成形体が得られにくいものであった。これに対し、実施例1および2の樹脂組成物と比較例4の組成物とを対比すると、いずれの組成物も良好な機械的強度を有していた一方で、口腔内で噛んだ際の弾力性に差異が生じており、マウスガード用として使用するには、実施例1および2の樹脂組成物が比較例4の組成物よりも優れていたことがわかる。
(実施例3:マウスガードの製造)
印象材を、被検者の上顎歯列に配置して当該被検者の歯型を印象する。次いで、得られた印象に硬石膏を流し、固化した後に印象から石膏を取り出し、そして適宜バリ取りを行って歯列模型を作製する。
その後、真空成形機内で、当該歯列模型の上に予め80℃まで加熱した実施例1のシート(トランス型ポリイソプレン、シス型ポリイソプレン、およびスクワレンを混練して得た樹脂組成物のシート)を配置し、80℃にて真空成形することにより歯列模型にシートを圧着する。
放冷後、歯列模型を取り外すことにより、実施例1の樹脂組成物を用いたマウスガードを得る。
100 マウスガード
102 前方壁部
104 後方壁部
106 噛合部

Claims (7)

  1. トランス型ポリイソプレン、シス型ポリイソプレン、およびオイル成分を含有する、マウスガード用樹脂組成物。
  2. 前記トランス型ポリイソプレン100重量部に対して、100重量部から130重量部の前記シス型ポリイソプレンを含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記オイル成分が、スクワレンおよびスクワランからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の樹脂組成物から構成されている、マウスガード。
  5. マウスガードの製造方法であって、
    トランス型ポリイソプレン、シス型ポリイソプレン、およびオイル成分を混練して樹脂組成物を得る工程、および該樹脂組成物を成形する工程を含む、方法。
  6. 前記樹脂組成物が、前記トランス型ポリイソプレン100重量部に対して、100重量部から130重量部の前記シス型ポリイソプレンを含有する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記オイル成分が、スクワレンおよびスクワランからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項5または6に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7339468B1 (ja) * 2023-07-10 2023-09-05 慶孝 大友 マウスピースの製造方法

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