JP2018199442A - 車体ルーフ補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体のルーフアウタパネルの積雪強度を向上させる車体ルーフ補強構造。【解決手段】車体ルーフ補強構造1は、Aピラー3、Bピラー5およびCピラー7によって支持される略矩形状のルーフアウタパネル9を有し、該ルーフアウタパネルにおける車体長さ方向と車体幅方向の長さの比が1.6以下である車体において、前記ルーフアウタパネルの下面に樹脂製の帯状補強部材15を貼付することにより積雪強度を向上させるものであって、前記帯状補強部材は、前記ルーフアウタパネルにおける前辺9aおよび後辺9bのそれぞれに沿って前記ルーフアウタパネルの両側辺9cまで延在する前辺部17および後辺部19と、前記ルーフアウタパネルの各コーナー部9dに配置され、中央部が前記アウタパネルの内側に向かって凸状に屈曲する屈曲部21と、各屈曲部から前記各コーナー部に向かって延在するコーナー延在部23と、を備えてなることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、車体のルーフを補強する車体ルーフ補強構造に関し、特に、ルーフアウタパネルに樹脂製補強部材を貼付することによりルーフアウタパネル全体に亘る分布荷重を与えた際の剛性を確保するための積雪強度を向上させる車体ルーフ補強構造に関する。
自動車車体のルーフの重要な機能の一つに積雪強度の担保があり、ルーフの積雪強度を向上させるため、従来から、ルーフの外板を構成するルーフアウタパネルの板厚を増加させる方法の他、例えば特許文献1および特許文献2に開示されているように、ルーフを補強する部品として、車体上部の左右に配設されたサイドパネル同士を直線的につなぐルーフリンフォースを配設する方法が用いられてきた。
特開2012−245898号公報 特開2015−205533号公報
特許文献1および特許文献2に開示されている技術はいずれも、複数本のルーフリンフォースを用いてルーフパネルを補強するものであるため、積雪強度をさらに向上させるためには、ルーフリンフォースの本数を増加することを要し、車体重量の増加を招いてしまう。また、ルーフアウタパネルの板厚を増加させる方法があるが、車体の重量を増加させてしまう。
このように、ルーフの積雪強度を向上させる従来技術は車体の重量を増すものであるが、車体運動を考えた場合、車体のルーフは車両の重心位置から遠い上方位置にあるため、車両走行時において大きな慣性力が働き、例えばレーンチェンジに代表されるような車体挙動に影響を及ぼす。そのため、ルーフリンフォースは出来るだけ軽量であることが求められるが、ルーフパネルの積雪強度を向上して車体を軽量化することはできなかった。そのため、ルーフリンフォースを用いた車体よりも軽量かつ十分な積雪強度を有する車体ルーフの補強構造が望まれていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、車体のルーフの積雪強度を確保しつつ車体を軽量化することができる車体ルーフ補強構造を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る車体ルーフ補強構造は、車体前方から順に配設されたAピラー、BピラーおよびCピラーによって支持される略矩形状のルーフアウタパネルを有し、該ルーフアウタパネルにおける車体長さ方向と車体幅方向の長さの比が1.6以下であるセダンタイプの車体において、前記ルーフアウタパネルの下面に樹脂製の帯状補強部材を貼付することにより前記ルーフアウタパネルの積雪強度を向上させるものであって、前記帯状補強部材は、前記ルーフアウタパネルにおける前辺に沿って前記ルーフアウタパネルの両側辺まで延在する前辺部と、前記ルーフアウタパネルにおける後辺に沿って前記ルーフアウタパネルの両側辺まで延在する後辺部と、前記ルーフアウタパネルの各コーナー部に配置され、中央部が前記アウタパネルの内側に向かって凸状に屈曲する屈曲部と、各屈曲部から前記ルーフアウタパネルのコーナー部に向かって延在するコーナー延在部と、を備えてなることを特徴とするものである。
(2)本発明に係る車体ルーフ補強構造は、車体前方から順に配設されたAピラー、Bピラー、CピラーおよびDピラーによって支持される略矩形状のルーフアウタパネルを有し、該ルーフアウタパネルにおける車体長さ方向と車体幅方向の長さの比が1.6超え2.0未満であるハッチバックタイプの車体において、前記ルーフアウタパネルの下面に樹脂製の帯状補強部材を貼付することにより前記ルーフアウタパネルの積雪強度を向上させるものであって、前記帯状補強部材は、前記ルーフアウタパネルにおける前辺に沿って前記ルーフアウタパネルの両側辺まで延在する前辺部と、前記ルーフアウタパネルの左右両側にそれぞれ配置されて、前端側が前記前辺部の端部に接続され、後端側が前記ルーフアウタパネルにおける前記Cピラーの上端部近傍に配置されると共に該ルーフアウタパネルの内側に向かって弧状に湾曲する一対の内向き弧状部と、前端側が前記内向き弧状部に接続され、後端側が前記ルーフアウタパネルにおける後辺の中央近傍まで延在し、前記ルーフアウタパネルの外側に向かって弧状に湾曲する一対の外向き弧状部と、該外向き弧状部から前記ルーフアウタパネルのコーナー部に向かって延在する一対のコーナー延在部と、前記内向き弧状部の中央部と前記外向き弧状部とを架橋する一対の中央架橋部とを備えてなることを特徴とするものである。
(3)本発明に係る車体ルーフ補強構造は、車体前方から順に配設されたAピラー、Bピラー、CピラーおよびDピラーによって支持される略矩形状のルーフアウタパネルを有し、該ルーフアウタパネルにおける車体長さ方向と車体幅方向の長さの比が2.0以上であるSUVタイプの車体において、前記ルーフアウタパネルの下面に樹脂製の帯状補強部材を貼付することにより前記ルーフアウタパネルの積雪強度を向上させるものであって、前記帯状補強部材は、前記ルーフアウタパネルにおける前辺に沿って前記ルーフアウタパネルの両側辺まで延在する前辺部と、前記ルーフアウタパネルのコーナー部同士を結ぶ対角線に沿って延在する対角線部と、前端側が該対角線部に接続され、後端側が前記ルーフアウタパネルにおける後辺の中央近傍まで延在し、前記ルーフアウタパネルの外側に向かって弧状に湾曲する一対の外向き弧状部と、該一対の外向き弧状部における両側のBピラーの上端部近傍同士を架橋する第一架橋部と、前記外向き弧状部における両側のCピラーの上端部近傍同士を架橋する第二架橋部と、前記外向き弧状部の前端側から車体幅方向外方に延在する幅方向延在部と、を備えてなることを特徴とするものである。
本発明においては、車体前方から順に配設されたAピラー、BピラーおよびCピラーによって支持される略矩形状のルーフアウタパネルを有し、該ルーフアウタパネルの下面に樹脂製の帯状補強部材を貼付することにより前記ルーフアウタパネルの積雪強度を向上させるものであって、前記帯状補強部材を備えることにより、ルーフアウタパネルの上面全体に分布荷重が作用したときの該ルーフアウタパネルの変形を低減させ、該ルーフアウタパネルの積雪強度を向上させることができる。さらに、本発明によれば、積雪強度を維持したまま車体全体を軽量化することができる。
本発明の実施の形態1に係るセダンタイプの車体のルーフを補強する車体ルーフ補強構造を説明する図である。 本発明に至った経緯の説明において、形状最適化解析手法の処理の流れを示す図である。 本発明に至った経緯の説明において、ルーフを補強する補強部材の形状最適化解析に用いた車体モデル、補強部材モデルおよび最適化解析モデルを説明する図である。 本発明に至った経緯の説明において、補強部材モデルと該補強部材モデルと車体モデルとの結合状態および方法を説明する図である。 本発明に至った経緯の説明において、形状最適化解析で最適化解析モデルに与える荷重拘束条件を説明する図である。 セダンタイプの車体モデルを対象とした状最適化解析により得られた最適形状補強部材モデルの一例を示す図である。 本発明に実施の形態2に係るハッチバックタイプの車体のルーフを補強する車体ルーフ補強構造を説明する図である。 ハッチバックタイプの車体モデルを対象とした形状最適化解析により得られた最適形状補強部材モデルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態3に係るSUVタイプの車体のルーフを補強する車体ルーフ補強構造を説明する図である。 SUVタイプの車体モデルを対象とした形状最適化解析により得られた最適形状補強部材モデルの一例を示す図である。 実施例1において、最適形状補強部材モデルを用いて車体モデルを軽量化する車体解析モデルの一例を説明する図である((a):ルーフリンフォースを有する基準車体モデル、(b)ルーフリンフォースを除去した車体モデル、(c)最適形状補強部材モデル)。 実施例1において、セダンタイプの車体解析モデルのルーフアウタパネルの板厚と重量の関係(a)およびルーフアウタパネルの板厚と車体解析モデルの変化重量の関係(b)を示すグラフである。 実施例1において、セダンタイプの車体解析モデルのルーフアウタパネルの板厚と剛性向上率との関係を示すグラフである。 実施例2において、ハッチバックタイプの車体解析モデルのルーフアウタパネルの板厚と重量の関係(a)およびルーフアウタパネルの板厚と車体解析モデルの変化重量の関係(b)を示すグラフである。 実施例2において、ハッチバックタイプの車体解析モデルのルーフアウタパネルの板厚と剛性向上率との関係を示すグラフである。 実施例3において、SUVタイプの車体解析モデルのルーフアウタパネルの板厚と重量の関係(a)およびルーフアウタパネルの板厚と車体解析モデルの変化重量の関係(b)を示すグラフである。 実施例3において、SUVタイプの車体解析モデルのルーフアウタパネルの板厚と剛性向上率との関係を示すグラフである。
本発明の実施の形態1乃至3に係る車体ルーフ部補強構造を説明する前に、本発明に至った経緯を図2〜図6に基づいて説明する。
<本発明に至った経緯>
本発明者はこれまで、車体に要求される剛性等の性能を保持しつつ車体の軽量化を実現する手法として、例えば特開2013−25533号に開示されている形状最適化解析方法を提案した。
形状最適化解析方法とは、予め所定形状、例えばT字型形状を想定し、その形状を前提として最適な形状を求めるのではなく、所定の形状を想定することなく、与えられた解析条件を満たす最適な形状をトポロジー最適化等により求めるものである。
また、トポロジー最適化とは、ある程度の大きさの設計空間を設け、当該設計空間に立体要素を組み込み、与えられた解析条件を満たしつつ必要最小限の立体要素を残すことで当該解析条件を満たす最適形状を得るという方法である。トポロジー最適化においては、設計空間をなす立体要素に直接拘束を行い、直接荷重を加えるという方法が用いられる。
そこで本発明者は、従来用いられていたルーフリンフォースの替わりに車体のルーフアウタパネルの下面に樹脂製の補強部材を貼付することにより、該ルーフアウタパネルの積雪強度を向上させることを目的として、前記補強部材を解析対象として形状最適化解析を行い、その最適形状に関する予備的検討を行った。ここで、形状最適化解析は、図2に示すステップS1からステップS9を実行することにより行った。以下、図2に示す各ステップにおける処理について説明する。なお、ステップS1からステップS9は、コンピュータ上で実行することができる。
≪車体モデル取得ステップ≫
車体モデル取得ステップS1は、平面要素及び/又は立体要素を用いて前記車体をモデル化した車体モデル31(図3(a))を取得するステップである。
車体モデル31は、自動車の車体骨格部品やシャシー部品等といった複数の部品で構成されたものであり、補強部材を貼付することにより補強する対象となるルーフアウタパネル33を有する。
≪補強部材モデル生成ステップ≫
補強部材モデル生成ステップS3は、立体要素35a(図4参照)からなり車体モデル31の一部と結合する車体モデル31とは別の補強部材モデル35(図3(b)参照)を生成するステップである。
図4に示す補強部材モデル35は、車体モデル31において補強する対象となる部位であるルーフアウタパネル33の下面から下方に向かって立体要素35aを積み重ねるように生成したものである。
そして、補強部材モデル生成ステップS3において生成される補強部材モデル35は、後述する最適化解析モデル生成ステップS7における最適化解析の対象となるものであり、最適化解析の過程において、補強に不要な部位に位置する立体要素は消去され補強に必要となる部位に位置する立体要素が残存する。
≪材料特性設定ステップ≫
材料特性設定ステップS5は、補強部材モデル生成ステップS3において生成した補強部材モデル35の材料特性を設定するステップである。
本発明では、樹脂製の補強部材によりルーフアウタパネルを補強することを対象としているため、材料特性設定ステップS5において補強部材モデル35に設定する材料特性としては、樹脂のヤング率、ポアソン比及び比重などが挙げられる。
さらに、補強部材が、例えばFRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化樹脂)のようにその材料特性が面内異方性を有する樹脂の場合においては、補強部材モデル35の材料特性の面内異方性を与える主軸角度を与え、該主軸角度に対応する前記材料特性の値を設定することで、補強部材モデル35の材料特性の面内異方性が設定される。また、補強部材が複数の層からなる場合においては、該複数の層ごとに主軸角度を設定することも可能である。
≪最適化解析モデル生成ステップ≫
最適化解析モデル生成ステップS7は、補強部材モデル生成ステップS3において生成した補強部材モデル35を車体モデル31の一部に結合して最適化解析モデル36(図3(c)参照)を生成するものである。
ルーフアウタパネル33と補強部材モデル35との結合は、例えば、ルーフアウタパネル33が図4に示すように平面要素33aでモデル化されている場合、補強部材モデル35の立体要素35aのノード(節点)とルーフアウタパネル33の平面要素33aのノードとを共有することにより行うことができる。
≪最適化解析ステップ≫
最適化解析ステップS9は、最適化解析モデル生成ステップS7において生成した最適化解析モデル36に解析条件を与え、補強部材モデル35を最適化の解析処理を行う対象として最適化解析を行い、補強部材モデル35の最適形状を求めるステップである。
最適化解析モデル36に与える解析条件としては、最適化解析モデル36に荷重を付加する位置や拘束位置を与える荷重拘束条件(図5参照)と、最適化解析の目的に応じて設定する目的条件と制約条件がある。
最適化解析ステップS9における最適化解析には、トポロジー最適化を適用することができる。さらに、トポロジー最適化において密度法を適用する場合、要素のペナルティ係数を2以上に設定して離散化を行うようにすることが好ましい。
もっとも、最適化解析ステップS9における最適化解析には、他の計算方式により最適化の解析処理を適用することができ、最適化の解析処理を行うものとしては、例えば、市販されている有限要素を用いた解析ソフトを使用することができる。
図6に、上記のステップS1からステップS9を実行して得られた最適形状補強部材モデル37の形状を示す。最適形状補強部材モデル37は、車体モデル31における4箇所のジャッキアップ設置部(図5の△印)を完全拘束とし、ルーフアウタパネル33の上面の節点に対して車体高さ方向下向きに500Nの分布荷重を与える荷重拘束条件(図5参照)と、ひずみエネルギー総和を最小とする目的条件と、体積制約率を20%以下する制約条件を最適化解析ステップS9における解析条件として与えて求めたものである。
最適形状補強部材モデル37は、図6(b)中に破線で示すように、ルーフアウタパネル33の車体長さ方向における前辺および後辺のそれぞれに沿ってルーフアウタパネル33の両側辺まで延在する形状と、ルーフアウタパネル33の各コーナー部に配置され、中央部がルーフアウタパネル33の内側に向かって凸状に屈曲する形状と、該屈曲する形状の部位からルーフアウタパネル33のコーナー部に向かって延在する形状とを有するものになった。
最適形状補強部材モデル37がこのような形状となったのは、最適化解析の過程において、車体変位が小さい部位には立体要素は残存せず、車体変位が大きい部位を支持するように立体要素が残存したためであると考えられる。
そして、本発明者は、上記の形状最適化解析により得られた結果に基づいて、積雪強度を効果的に向上させる車体ルーフ部補強構造に関してさらに検討をすすめた結果、形状最適化解析により求めた最適形状補強部材モデル37における上記の各形状に相当する部位に沿って樹脂製の帯状補強部材をルーフアウタパネルの下面に貼付すればよいことを見出した。
本発明に係る車体ルーフ部補強構造は、上記の検討により完成したものであり、その具体的な構成等を以下の実施の形態1に説明する。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係る車体ルーフ補強構造1は、図1に示すように、車体前方から後方に向かって順に配設された車体幅方向における左右一対のAピラー3、Bピラー5およびCピラー7によって支持される略矩形状のルーフアウタパネル9と、Aピラー3、Bピラー5およびCピラー7の上端を連結する左右一対のルーフサイドレール11とを有し、ルーフアウタパネル9における車体長さ方向の長さLと車体幅方向の長さWの比L/Wが1.6以下であるセダンタイプの車体13において、ルーフアウタパネル9の下面に樹脂製の帯状補強部材15を貼付することによりルーフアウタパネル9の積雪強度を向上させるものである。
そして、帯状補強部材15は、ルーフアウタパネル9における前辺9aに沿って左右一対の側辺9cまで延在する前辺部17と、ルーフアウタパネル9の後辺9bに沿って両側辺9cまで延在する後辺部19と、ルーフアウタパネル9の各コーナー部9dに配置され、中央がルーフアウタパネル9の内側に向かって凸状に屈曲する屈曲部21と、各屈曲部21からルーフアウタパネル9のコーナー部9dに向かって延在するコーナー延在部23とを備えている。
ここで、ルーフアウタパネル9におけるコーナー部9dは、前辺9a又は後辺9bと各側辺9cとが交差して形成される部位である。そして、帯状補強部材15の屈曲部21は、その一端が前辺9a又は後辺9bに接続し、他端が側辺9cに接続して、コーナー部9dの頂部を跨ぐように設置されている。
さらに、屈曲部21は、図1に示すように、その中央がルーフアウタパネル9の内側に向かって凸状に屈曲し、該中央付近からコーナー延在部23がコーナー部9dの頂部に向かって延在している。
ただし、コーナー延在部23は、屈曲部21が設置されているコーナー部9dの頂部に向かって延在しているものに限らず、コーナー部9dにおいて屈曲部21の両端が接続する部位の間に向かって延在しているものであってもよい。
なお、帯状補強部材15は、前述のとおり、セダンタイプの車体モデル31を解析対象とした形状最適化解析により得られた最適形状補強部材モデル37(図6参照)に基づいてその形状が規定されたものである。
そして、このように規定された帯状補強部材15は、様々な形状の部位の加工を容易にすることに加えて重量の観点から、その材質は樹脂製(硬質プラスチック、繊維強化樹脂など)とする。
ここで、帯状補強部材15の幅および厚みは、帯状補強部材15の全体に亘って均一としてもよいし、又は、形状最適化解析により得られた最適形状補強部材モデル37の形状に基づいて局所的に(例えば、前辺部17、後辺部19、屈曲部21およびコーナー延在部23毎に)異なるものとしてもよく、目標とする積雪強度や車体の重量に応じて適宜設定することができる。
さらには、帯状補強部材15は、図6に示す最適形状補強部材モデル37と同一形状に加工したものであってもよい。
本実施の形態1に係る車体ルーフ補強構造1において、帯状補強部材15をルーフアウタパネル9の下面に貼付することにより積雪強度が向上する理由は以下のとおりである。
セダンタイプの車体13(図3(a)の車体モデル31参照)は、図1に示すルーフアウタパネル51の車体長さ方向と車体幅方向の長さの比(図1中のLとWの比)が後述するハッチバックタイプやSUVタイプの車体ほど大きくなく(L/W≦1.6)、ルーフアウタパネル9の上面全体に一様な分布荷重が作用すると、ルーフアウタパネル9の前部および最後部における変形量が他の部位に比べて大きい。
本実施の形態1に係る車体ルーフ補強構造1においては、ルーフアウタパネル9に分布荷重が作用したときの変形量を小さくするのに最適な形状である最適形状補強部材モデル37に基づいて帯状補強部材15が規定されているため、変形量が大きいルーフアウタパネル9の前部および最後部の剛性を向上するようにルーフアウタパネル9の下面に樹脂製の帯状補強部材15が貼付されている。その結果、本実施の形態1に係る車体ルーフ補強構造1によれば、ルーフアウタパネル9に分布荷重が作用したときの変形量を小さくすることができ、積雪強度を適切に向上させることができる。
さらに、従来、セダンタイプの車体においてはルーフアウタパネルの積雪強度を向上させるためにルーフリンフォース(図11中のルーフリンフォース125参照)が設けられているが、本実施の形態1に係る車体ルーフ補強構造1においては、当該ルーフリンフォースの替わりに帯状補強部材15を用いることにより、ルーフアウタパネル9の積雪強度を維持したまま車体全体を軽量化することができる。
なお、本実施の形態1に係る車体ルーフ補強構造1による積雪強度の向上と車体の軽量化に関しては、後述する実施例1にて実証する。
上記の説明は、セダンタイプの車体についてのものであったが、本発明者は、セダンタイプの車体とはルーフアウタパネルの車体長さ方向と車体幅方向の長さの比と、該ルーフアウタパネルを支持するピラーの本数が異なるハッチバックタイプの車体およびSUV(Sport Utility Vehicle)タイプの車体それぞれについても、ルーフアウタパネルを補強する補強部材の形状最適化解析を行った。その結果、ハッチバックタイプの車体およびSUVタイプの車体においても、各車体について形状最適化解析により求めた最適形状補強部材モデルに基づいて樹脂製の帯状補強部材をルーフアウタパネルの下面に貼付することにより、積雪強度を適切に向上することができる車体ルーフ補強構造が得られることを見出した。
ハッチバックタイプおよびSUVタイプの車体の車体ルーフ補強構造を以下の実施の形態2および3においてそれぞれ説明する。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2に係る車体ルーフ補強構造41は、図7に示すように、車体前方から後方に向かって順に配設された車体幅方向における左右一対のAピラー43、Bピラー45、Cピラー47およびDピラー49によって支持される略矩形状のルーフアウタパネル51と、Aピラー43、Bピラー45、Cピラー47およびDピラー49の上端を連結する左右一対のルーフサイドレール53とを有し、ルーフアウタパネル51における車体長さ方向の長さLと車体幅方向の長さWの比L/Wが1.6超え2.0未満であるハッチバックタイプの車体55において、ルーフアウタパネル51の下面に樹脂製の帯状補強部材57を貼付することによりルーフアウタパネル51の積雪強度を向上させるものである。
そして、帯状補強部材57は、ルーフアウタパネル51における前辺51aに沿ってルーフアウタパネル51の両側辺51cまで延在する前辺部59と、ルーフアウタパネル51の左右両側にそれぞれ配置されて、前端側が前辺部59の端部に接続され、後端側がルーフアウタパネル51におけるCピラー47の上端部近傍に配置されると共にルーフアウタパネル51の内側に向かって弧状に湾曲する左右一対の内向き弧状部61と、前端側が内向き弧状部61に接続され、後端側がルーフアウタパネル51における後辺51bの中央近傍まで延在し、ルーフアウタパネル51の外側に向かって弧状に湾曲する左右一対の外向き弧状部63と、各外向き弧状部63からルーフアウタパネル51の車体後方側のコーナー部51dに向かって延在する一対のコーナー延在部65と、内向き弧状部61の中央部と外向き弧状部63とを架橋する一対の中央架橋部67とを備えている。
ここで、一対の内向き弧状部61は、図7に示すように、互いに接触しないように、内側に向かって弧状に湾曲した形状であることが望ましい。
また、外向き弧状部63は、前端がBピラー45よりも前方において内向き弧状部61に接続し、中央部がルーフアウタパネル51の側辺51cにおけるBピラー45の上端に相当する部位に接するように外側に向かって弧状に湾曲している。そして、左右一対の外向き弧状部63は、双方の後端が後辺51bの中央近傍において連結している。
さらに、コーナー延在部65は、外向き弧状部63における内向き弧状部61と交差する部位と後辺51bに接続する部位との間から各コーナー部51dの頂部に向かって延在している。なお、コーナー部51dは、前辺51a又は後辺51bと各側辺51cとが交差して形成される部位である。
また、中央架橋部67は、内向き弧状部61の中央部と外向き弧状部63とを架橋するものであるが、外向き弧状部63における架橋する部位としては、内向き弧状部61の中央部と外向き弧状部63における側辺51cと接する部位であることが好ましく、さらには、Bピラー45の上端に相当する部位であることがより好ましい。
なお、帯状補強部材57は、前述の実施の形態1と同様、図8に示すようなハッチバックタイプの車体モデル71を解析対象としてルーフアウタパネル73を補強する補強部材の形状を最適化する形状最適化解析により得られた最適形状補強部材モデル75に基づいてその形状が規定されたものである。
図8に示す最適形状補強部材モデル75は、図2に示す最適化解析ステップS9において与える解析条件として、車体解析モデル77における4箇所のジャッキアップ設置部を完全拘束とし、ルーフアウタパネル73の上面の節点に対して車体高さ方向下向きに500Nの分布荷重を与える荷重拘束条件(図5参照)と、ひずみエネルギー総和を最小とする目的条件と、体積制約率を20%以下とする制約条件を与えて求めたものである。
すなわち、帯状補強部材57は、図8(b)に示す最適形状補強部材モデル75において破線で示す形状に対応するものであり、図7に示したように、前辺部59、内向き弧状部61、外向き弧状部63、コーナー延在部65および中央架橋部67を有している。
そして、このように規定された帯状補強部材57は、前辺部59、内向き弧状部61、外向き弧状部63、コーナー延在部65および中央架橋部67といった様々な形状の部位の加工を容易にすることに加えて重量の観点から、その材質は樹脂製(硬質プラスチック、繊維強化樹脂など)とする。
ここで、帯状補強部材57の幅および厚みは、帯状補強部材57の全体に亘って均一としてもよいし、又は、形状最適化解析により得られた最適形状補強部材モデル75の形状に基づいて局所的に(例えば、前辺部59、内向き弧状部61、外向き弧状部63、コーナー延在部65および中央架橋部67毎に)異なるものとしてもよく、目標とする積雪強度および重量に応じて適宜設定すればよい。
さらには、帯状補強部材57は、最適形状補強部材モデル75と同一形状に加工したものであってもよい。
本実施の形態2に係る車体ルーフ補強構造41において、帯状補強部材57をルーフアウタパネル51の下面に貼付することにより積雪強度が向上する理由は以下のとおりである。
一般に、ハッチバックタイプの車体55は、前述のセダンタイプの車体13に比べると、ルーフアウタパネル51の車体長さ方向と車体幅方向の長さの比(図7中のL/W)が大きいため(L/W<2.0)、ルーフアウタパネル51の上面全体に一様な分布荷重が作用すると、ルーフアウタパネル51の前部および中央部後端における変形量が大きい。
本実施の形態2に係る車体ルーフ補強構造41においては、ルーフアウタパネル51に分布荷重が作用したときの変形量を小さくするのに最適な形状である最適形状補強部材モデル75に基づいて帯状補強部材57が規定されているため、変形量が大きいルーフアウタパネル51の前部および中央部後端の剛性を向上するようにルーフアウタパネル51の下面に樹脂製の帯状補強部材57が貼付されている。その結果、本実施の形態2に係る車体ルーフ補強構造41によれば、ルーフアウタパネル51に分布荷重が作用したときの変形量を小さくすることができ、積雪強度を適切に向上させることができる。
さらに、一般的なハッチバックタイプの車体においては、ルーフアウタパネルの積雪強度を向上させるため、前述のセダンタイプの車体13と同様にルーフアウタパネルを補強するルーフリンフォース(図11中のルーフリンフォース125参照)が設けられているが、本実施の形態2に係る車体ルーフ補強構造41においては、当該ルーフリンフォースの替わりに帯状補強部材57を用いることにより、ルーフアウタパネル51の積雪強度を維持したまま車体全体を軽量化することができる。
なお、本実施の形態2に係る車体ルーフ補強構造41による積雪強度の向上と車体の軽量化に関しては、後述する実施例2にて実証する。
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3に係る車体ルーフ補強構造81は、図9に示すように、車体前方から後方に向かって順に配設された車体幅方向における左右一対のAピラー83、Bピラー85、Cピラー87およびDピラー89によって支持される略矩形状のルーフアウタパネル91と、Aピラー83、Bピラー85、Cピラー87およびDピラー89の上端を連結する左右一対のルーフサイドレール93とを有し、ルーフアウタパネル91における車体長さ方向の長さLと車体幅方向の長さWの比L/Wが2.0以上であるSUVタイプの車体95において、ルーフアウタパネル91の下面に樹脂製の帯状補強部材97を貼付することによりルーフアウタパネル91の積雪強度を向上させるものである。
そして、帯状補強部材97は、ルーフアウタパネル91における前辺91aに沿ってルーフアウタパネル91の両側辺91cまで延在する前辺部99と、ルーフアウタパネル91のコーナー部91d同士を結ぶ対角線に沿って延在する対角線部101と、前端側が対角線部101に接続され、後端側がルーフアウタパネル91における後辺91bの中央近傍まで延在し、ルーフアウタパネル91の外側に向かって弧状に湾曲する左右一対の外向き弧状部103と、外向き弧状部103における両側の一対のBピラー85の上端部近傍同士を架橋する第一架橋部105と、外向き弧状部103における両側の一対のCピラー87の上端部近傍同士を架橋する第二架橋部107と、外向き弧状部103の前端側から車体幅方向外方に延在する幅方向延在部109とを備えている。
外向き弧状部103は、前端がBピラー85よりも前方において対角線部101に接続し、中央部がルーフアウタパネル91の側辺91cにおけるBピラー85の上端とCピラー87の上端との間に相当する部位に接するように外側に向かって弧状に湾曲した形状である。そして、図9において左右一対の外向き弧状部103は、双方の後端が後辺91bの中央近傍において連結しているが、必ずしも連結していることを要するものではない。
また、幅方向延在部109は、側辺91cにおけるBピラー85の上端に相当する部位と連結するように外向き弧状部103の前端側から車体幅方向外方に延在するものであることが好ましい。
なお、帯状補強部材97は、図10に示すようなSUVタイプの車体モデル111を解析対象としてルーフアウタパネル113を補強する補強部材の形状を最適化する形状最適化解析により得られた最適形状補強部材モデル115に基づいてその形状が規定されたものである。
図10に示す最適形状補強部材モデル115は、図2に示す最適化解析ステップS9において与える解析条件として、車体解析モデル117における4箇所のジャッキアップ設置部を完全拘束とし、ルーフアウタパネル113の上面の節点に対して車体高さ方向下向きに500Nの分布荷重を与える荷重拘束条件(図5参照)と、ひずみエネルギー総和を最小とする目的条件と、体積制約率を20%以下とする制約条件を与えたものである。
すなわち、帯状補強部材97は、図10(b)に示す最適形状補強部材モデル115の破線の形状に対応するものであり、図9に示したように、前辺部99、対角線部101、外向き弧状部103、第一架橋部105および第二架橋部107および幅方向延在部109を有している。
そして、このように規定された帯状補強部材97は、前辺部99、対角線部101、外向き弧状部103、第一架橋部105および第二架橋部107および幅方向延在部109といった様々な形状の部位の加工を容易にすることに加えて重量の観点から、帯状補強部材97の材質は樹脂製とするとよい。
ここで、帯状補強部材97の幅および厚みは、帯状補強部材97の全体に亘って均一としてもよいし、又は、形状最適化解析により得られた最適形状補強部材モデル115の形状に基づいて局所的に(例えば、前辺部99、対角線部101、外向き弧状部103、第一架橋部105、第二架橋部107および幅方向延在部109毎に)異なるものとしてもよく、目標とする積雪強度および重量に応じて適宜設定すればよい。
さらには、最適形状補強部材モデル115と同一形状に製造した帯状補強部材を、車体95のルーフアウタパネル91の下面に貼付したものであってもよい。
本実施の形態3に係る車体ルーフ補強構造81において、帯状補強部材97をルーフアウタパネル51の下面に貼付することにより積雪強度が向上する理由は以下のとおりである。
一般に、SUVタイプの車体95は、ルーフアウタパネル91の車体長さ方向と車体幅方向の長さの比(図9中のL/W)が前述のセダンタイプの車体13やハッチバックタイプの車体55(図7参照)よりも大きいため(L/W≧2.0)、ルーフアウタパネル91の上面全体に一様な分布荷重が作用すると、ルーフアウタパネル91の中央部前寄りにおける変形量が大きい。
これに対して本実施の形態3に係る車体ルーフ補強構造81においては、ルーフアウタパネル91に分布荷重が作用したときの変形量を小さくするのに最適な形状である最適形状補強部材モデル115に基づいて帯状補強部材97が規定されているため、変形量が大きいルーフアウタパネル91の中央部前寄りの剛性を向上するようにルーフアウタパネル91の下面に樹脂製の帯状補強部材97が貼付されている。その結果、本実施の形態3に係る車体ルーフ補強構造81によれば、ルーフアウタパネル91に分布荷重が作用したときの変形量を小さくすることができ、積雪強度を適切に向上させることができる。
さらには、一般的なSUVタイプの車体においては、ルーフアウタパネルの積雪強度を向上させるために、前述のセダンタイプの車体13と同様にルーフリンフォース(図11中のルーフリンフォース125参照)が設置されているが、本実施の形態3に係る車体ルーフ補強構造81においては、当該ルーフリンフォースの替わりに帯状補強部材97を用いることにより、ルーフアウタパネル91の積雪強度を維持したまま車体全体を軽量化することができる。
なお、本実施の形態3に係る車体ルーフ補強構造81による積雪強度の向上と車体の軽量化に関しては、後述する実施例3にて実証する。
実施例1では、セダンタイプの車体に本発明に係る車体ルーフ補強構造を適用することによる積雪強度の向上と車体の軽量化を検討する実験を行った。以下、これについて説明する。
ここでは、図1に示す帯状補強部材15を備えた車体ルーフ補強構造1を適用したセダンタイプの車体13のルーフアウタパネル9の積雪強度と、車体ルーフ補強構造1を適用することによる車体13の軽量化を検討するために、図6に示す最適形状補強部材モデル37をセダンタイプの車体モデル31に結合した車体解析モデル39におけるルーフアウタパネル33の剛性と車体解析モデル39の重量変化を求めた。
最適形状補強部材モデル37は、前述の実施の形態で述べた形状最適化解析(図2〜図5参照)により求めたものであり、その重量は5.3kgであった。なお、形状最適化解析で与えた解析条件(荷重拘束条件、目的条件および制約条件)は、前述の実施の形態で示したものと同じである。
なお、実施例1における車体モデル31および最適形状補強部材モデル37の材質は、それぞれ鋼板および樹脂とし、これらの材料特性として表1に示す値を与えた。
実施例1では、積雪強度を以下のように評価した。
まず、車体モデル31のルーフアウタパネル33の下面に最適形状補強部材モデル37を結合して車体解析モデル39を生成し、図5に示す荷重拘束条件を車体解析モデル39に与えて構造解析を行った。
荷重拘束条件は、車体解析モデル39における4箇所のジャッキアップ設置部(図5中の△印)を完全拘束とし、ルーフアウタパネル33の上面の節点に対して車体高さ方向下向きに500Nの分布荷重を与えた。
このような荷重拘束条件を与えて構造解析を行い、車体解析モデル39のルーフアウタパネル33の最大変位を取得した。そして、ルーフアウタパネル33に与えた荷重の総和を前記取得した最大変位で除した値である車体解析モデル39の剛性値を積雪強度として求めた。
また、車体の軽量化は、以下のように評価した。
まず、図11に示すように、セダンタイプの車体モデル31に対して左右のルーフサイドレール123をつなぐようにルーフリンフォース125を配設した基準車体モデル121を生成し、基準車体モデル121に荷重拘束条件を与えて構造解析を行った。ここで、荷重拘束条件は、前述の車体解析モデル39に与えたものと同一(図5参照)とした。
そして、基準車体モデル121のルーフアウタパネル33の最大変位を、性能(剛性)維持の基準とする基準値として取得した。
次に、最適形状補強部材モデル37を結合した車体解析モデル39についても、基準車体モデル121と同様に荷重拘束条件を与えて構造解析を行い、車体解析モデル39のルーフアウタパネル33における車体高さ方向の最大変位を解析値として取得した。
そして、車体解析モデル39のルーフアウタパネル33における最大変位(解析値)と、基準車体モデル121のルーフアウタパネル33における最大変位(基準値)とを比較し、車体解析モデル39の最大変位が基準車体モデル121の最大変位よりも小さい場合、車体解析モデル39のルーフアウタパネル33の板厚を減少させて構造解析を行い、ルーフアウタパネル33の最大変位を再び取得した。
このように、車体解析モデル39の最大変位が、基準車体モデル121の最大変位と等しく(等価剛性)なるまで、車体解析モデル39のルーフアウタパネル33の板厚を減少させて繰り返し構造解析を行った。
図12に、セダンタイプの車体解析モデル39におけるルーフアウタパネル33の板厚と重量の関係と、ルーフアウタパネル33の板厚と車体の変化重量の関係を示す。
図12(b)に示す車体の変化重量は、板厚1.2mmのルーフアウタパネル33にルーフリンフォース125を配設した基準車体モデル121の重量を基準として、ルーフアウタパネル33の板厚を変化させたときの車体解析モデル39の変化重量であり、最適形状補強部材モデル37(図6参照)の重量からルーフリンフォース125の重量(=1.7kg)及びルーフアウタパネル33の板厚減少によって変化した重量を減じたものである。
例えば、ルーフアウタパネル33が板厚1.2mmの場合における車体の変化重量は、ルーフアウタパネル33の板厚を減少させていないため、これによって変化する重量が0kgであるため、最適形状補強部材モデル37の重量(=5.3kg)からルーフリンフォース125の重量(=2.2kg)を減じた値(5.3kg-1.7kg=+3.6kg)となる。
実施例1で対象とした車体解析モデル39のルーフアウタパネル33は、初期の板厚が1.2mm、重量が5.3kgであり、図12(a)に示すように、ルーフアウタパネル33の重量は、その板厚との相関係数RがR2=1となることから、その板厚の減少とともに直線的に減少する。
そして、図12(b)に示すように、ルーフアウタパネル33の板厚減少に伴って車体の変化重量は減少し、ルーフアウタパネル33の板厚が0.93mmのとき、車体の変化重量は0kgとなる。すなわち、ルーフアウタパネル33の板厚を0.93mm以下に減少することにより、車体解析モデル39は、ルーフリンフォース125が配設された基準車体モデル121よりも軽量化できることがわかる。
図13に、ルーフアウタパネル33の板厚を変更したときの車体解析モデル39の剛性向上率を示す。ここで、剛性向上率は、ルーフリンフォース125を配設した基準車体モデル121の剛性と、最適形状補強部材モデル37を結合した車体解析モデル39の剛性との比であり、基準車体モデル121および車体解析モデル39の剛性はそれぞれ、構造解析においてルーフアウタパネル33に与えた荷重の総和を最大変位で除した値である。
図13より、ルーフアウタパネル33が初期板厚1.2mmであるとき、車体解析モデル39の剛性は、基準車体モデル121に場合に比べて約33%高い値である。すなわち、この結果は、ルーフリンフォースの替わりに本発明に係る帯状補強部材を備えた車体ルーフ構造とすることで、車体の積雪強度が向上することを示唆する。
さらに、ルーフアウタパネル33の板厚を減少させると、車体解析モデル39の剛性向上率は減少し、板厚0.53mmのときに剛性向上率はほぼ0%、すなわち、ルーフリンフォース125を設置した基準車体モデル121の剛性とほぼ等しくなった(等価剛性)。
よって、図12および図13の結果から、ルーフリンフォース125の替わりに最適形状補強部材モデル37を用いてルーフアウタパネル33を補強する場合、ルーフアウタパネル33の板厚を1.2mmから0.53mmに減少することで、図12(b)の点線矢印から、ルーフアウタパネル33の板厚0.53mmは車体の変化重量-5.2kgに対応することから、ルーフリンフォース125が配設された基準車体モデル121と同等の剛性を保ったまま、ルーフリンフォース125の削減とルーフアウタパネル33の板厚減少によって、車体重量を5.2kg軽量化できることが示された。
上記の結果から、本発明に係るセダンタイプの車体の車体ルーフ補強構造においては、従来用いられてきたルーフリンフォースの替わりに、最適形状補強部材モデル37の形状に基づいて規定した帯状補強部材をルーフアウタパネルの下面に貼付することで、車体のルーフアウタパネルの積雪強度を向上することができ、さらに、積雪強度を維持したまま車体を軽量化することができることが示された。
実施例2では、ハッチバックタイプの車体に本発明に係る車体ルーフ補強構造を適用することによる積雪強度の向上と車体の軽量化を検討する実験を行った。以下、これについて説明する。
ここでは、図7に示す帯状補強部材57を備えた車体ルーフ補強構造41を適用したハッチバックタイプの車体55のルーフアウタパネル51の積雪強度と、車体ルーフ補強構造41を適用することによる車体55の軽量化を検討するために、図8に示す最適形状補強部材モデル75をハッチバックタイプの車体モデル71に結合した車体解析モデル77におけるルーフアウタパネル73の剛性と車体解析モデル77の重量変化を求めた。
最適形状補強部材モデル75は、前述の実施の形態で述べた形状最適化解析(図2〜図5参照)により求めたものであり、その重量は5.7kgであった。なお、形状最適化解析で与えた解析条件(荷重拘束条件、目的条件および制約条件)は、前述の実施の形態2で示したものと同じである。
なお、実施例1と同様、実施例2における車体モデル71および最適形状補強部材モデル75の材質は、それぞれ鋼板および樹脂とし、これらの材料特性として前掲した表1に示す値を与えた。
積雪強度は、実施例1と同様の方法により評価した。
まず、車体解析モデル77に対して図5に示すものと同様の荷重拘束条件を与えて構造解析を行い、ルーフアウタパネル73における最大変位を取得する。そして、前記構造解析においてルーフアウタパネル73に与えた荷重の総和を最大変位で除した値を車体解析モデル77の剛性値を積雪強度として求めた。
また、車体の軽量化に関しても実施例1と同様の方法により評価した。
まず、図11に示す基準車体モデル121と同様に、ハッチバックタイプの車体モデル71にルーフリンフォースを配設した基準車体モデル(図示なし)と、最適形状補強部材モデル75を結合した車体解析モデル77のそれぞれについて構造解析を行い、ルーフアウタパネルの最大変位を取得した。
そして、車体解析モデル77のルーフアウタパネル73における最大変位(解析値)と、前記基準車体モデルのルーフアウタパネルにおける最大変位(基準値)とを比較し、車体解析モデル77の最大変位が、前記基準車体モデルの最大変位と等しく(等価剛性)なるまで、車体解析モデル77のルーフアウタパネル73の板厚を減少させて繰り返し構造解析を行うとともに、ルーフアウタパネル73の板厚を減少させたときの車体解析モデル77の重量を取得した。
図14に、ハッチバックタイプの車体解析モデル77におけるルーフアウタパネル73の板厚とその重量の関係と、ルーフアウタパネル73の板厚と車体の変化重量の関係を示す。
車体解析モデル77において、板厚を減少する前のルーフアウタパネル73の初期の板厚は0.75mm、重量は11.8kgである。そして、図14(b)に示す車体の変化重量は、ルーフリンフォースを配設した基準車体モデルの重量を基準とし、ルーフアウタパネル73を初期板厚0.75mmから変化させたときの車体解析モデル77の変化重量であり、最適形状補強部材モデル75(図8参照)の重量(=5.7kg)から前記ルーフリンフォースの重量(=2.2kg)とルーフアウタパネル73の板厚減少によって変化した重量とを減じたものである。
例えば、ルーフアウタパネル73が初期板厚0.75mmのままの場合においては、ルーフアウタパネル73の板厚を減少させていないため、これによって変化する重量が0kgであるため、車体の変化重量は、最適形状補強部材モデル75の重量(=5.7kg)から前記ルーフリンフォースの重量(=2.2kg)を減じた値(5.7kg-2.2kg=+3.5kg)となる。
実施例2で対象とした車体解析モデル77のルーフアウタパネル73は、図14(a)に示すように、ルーフアウタパネル73の重量は、その板厚との相関係数RがR2=1となることから、その板厚の減少とともに直線的に減少する。
そして、図14(b)に示すように、ルーフアウタパネル73の板厚減少に伴って車体の変化重量は減少し、ルーフアウタパネル73の板厚が0.52mmのとき、車体の変化重量は0kgとなる。すなわち、ルーフアウタパネル73の板厚を0.52mm以下に減少することにより、車体解析モデル77は、ルーフリンフォースが配設された基準車体モデルよりも軽量化できることがわかる。
図15に、ルーフアウタパネル73の板厚を変更したときの車体解析モデル77の剛性向上率を示す。ここで、剛性向上率は、ルーフリンフォースを配設した前記基準車体モデルの剛性と、最適形状補強部材モデル75を結合した車体解析モデル77の剛性との比であり、前記基準車体モデルおよび車体解析モデル77の剛性はそれぞれ、構造解析においてルーフアウタパネル73に与えた荷重の総和を最大変位で除した値である。
図15より、ルーフアウタパネル73が初期板厚0.75mmであるとき、車体解析モデル77の剛性は、前記基準車体モデルの場合に比べて約40%高い値である。すなわち、この結果は、ルーフリンフォースの替わりに本発明に係る帯状補強部材を備えた車体ルーフ構造とすることで、車体の積雪強度を向上させることが可能であることを示唆する。
さらに、ルーフアウタパネル73の板厚を減少させると、車体解析モデル77の剛性向上率は減少し、板厚0.44mmのときに剛性向上率はほぼ0%、すなわち、前記基準車体モデルの剛性とほぼ等しくなった(等価剛性)。
よって、図14および図15の結果から、ルーフリンフォースの替わりに最適形状補強部材モデル75を用いてルーフアウタパネル73を補強する場合、ルーフアウタパネル73の板厚を0.75mmから0.44mmに減少することで、図14(b)の点線矢印から、ルーフアウタパネル73の板厚0.44mmは車体の変化重量-1.3kgに対応することから、ルーフリンフォースが配設された基準車体モデルと同等の剛性を保ったまま、ルーフリンフォースの削減とルーフアウタパネル73の板厚減少によって、車体重量を1.3kg軽量化できることが示された。
上記の結果から、本発明に係るハッチバックタイプの車体の車体ルーフ補強構造においても、従来用いられていたルーフリンフォースの替わりに、最適形状補強部材モデル75の形状に基づいて規定した帯状補強部材をルーフアウタパネルの下面に貼付することで、車体のルーフアウタパネルの積雪強度を向上することができ、さらに、積雪強度を維持したまま車体を軽量化することができることが示された。
実施例3では、SUVタイプの車体に本発明に係る車体ルーフ補強構造を適用することによる積雪強度の向上と車体の軽量化を検討する実験を行った。以下、これについて説明する。
ここでは、図9に示す帯状補強部材97を備えた車体ルーフ補強構造81を適用したSUVタイプの車体95のルーフアウタパネル91の積雪強度と、車体ルーフ補強構造81を適用することによる車体95の軽量化を検討するために、図10に示す最適形状補強部材モデル115をSUVタイプの車体モデル111に結合した車体解析モデル117におけるルーフアウタパネル113の剛性と車体解析モデル117の重量変化を求めた。
最適形状補強部材モデル115は、前述の実施の形態で述べた形状最適化解析(図2〜図5参照)により求めたものであり、その重量は9.5kgであった。なお、形状最適化解析で与えた解析条件(荷重拘束条件、目的条件および制約条件)は、前述の実施の形態3で示したものと同じである。
なお、実施例1および実施例2と同様、実施例3における車体モデル111および最適形状補強部材モデル115の材質は、それぞれ鋼板および樹脂とし、これらの材料特性として前掲した表1に示す値を与えた。
積雪強度は、実施例1と同様の方法により評価した。
すなわち、まず、車体モデル111に最適形状補強部材モデル115を結合して生成した車体解析モデル117に対して図5と同様に荷重拘束条件を与えて構造解析を行い、ルーフアウタパネル113における最大変位を取得する。そして、前記構造解析においてルーフアウタパネル113に与えた荷重の総和を最大変位で除した値を車体解析モデル117の剛性値として求め、該剛性値に基づいて積雪強度を評価した。
また、車体の軽量化に関しても実施例1と同様の方法により評価した。
すなわち、図11に示すセダンタイプの基準車体モデル121と同様に、SUVタイプの車体モデル111にルーフリンフォースを配設した基準車体モデル(図示なし)と、最適形状補強部材モデル115を結合した車体解析モデル117のそれぞれについて構造解析を行い、ルーフアウタパネルの最大変位を取得した。
そして、車体解析モデル117のルーフアウタパネル113における最大変位(解析値)と、前記基準車体モデルのルーフアウタパネルにおける最大変位(基準値)とを比較し、車体解析モデル117の最大変位が、前記基準車体モデルの最大変位と等しく(等価剛性)なるまで、車体解析モデル117のルーフアウタパネル113の板厚を減少させて繰り返し構造解析を行うとともに、ルーフアウタパネル113の板厚を減少させたときの車体解析モデルの重量を取得した。
図16に、SUVタイプの車体解析モデル117におけるルーフアウタパネル113の板厚とその重量の関係と、ルーフアウタパネル113の板厚と車体の変化重量の関係を示す。
車体解析モデル117において、板厚を減少する前のルーフアウタパネル113の初期の板厚は0.65mm、重量は13.7kgである。そして、図16(b)に示す車体の変化重量は、前記ルーフリンフォースを配設した基準車体モデルの重量を基準とし、ルーフアウタパネル113を初期板厚0.65mmから変化させたときの車体解析モデル117の変化重量であり、最適形状補強部材モデル115(図10参照)の重量(=9.5kg)から前記ルーフリンフォースの重量(=3.7kg)とルーフアウタパネル113の板厚減少によって変化した重量とを減じたものである。
例えば、ルーフアウタパネル113が初期板厚0.65mmのままの場合においてはルーフアウタパネル113の板厚を減少させていないため、これによって変化する重量が0kgであるため、車体の変化重量は、最適形状補強部材モデル115の重量(=9.5kg)から前記ルーフリンフォースの重量(=3.7kg)を減じた値(9.5kg-3.7kg=+5.8kg)となる。
実施例3で対象とした車体解析モデル117のルーフアウタパネル113は、図16(a)に示すように、ルーフアウタパネル113の重量は、その板厚との相関係数RがR2=1となることから、その板厚の減少とともに直線的に減少する。
そして、図16(b)に示すように、ルーフアウタパネル113の板厚減少に伴って車体の変化重量は減少し、ルーフアウタパネル113の板厚が0.36mmのとき、車体の変化重量は0kgとなる。すなわち、ルーフアウタパネル113の板厚を0.36mm以下に減少することにより、車体解析モデル117は、ルーフリンフォースが配設された前記基準車体モデルよりも軽量化できることがわかる。
図17に、ルーフアウタパネル113の板厚を変更したときの車体解析モデル117の剛性向上率を示す。ここで、剛性向上率は、ルーフリンフォースを配設した前記基準車体モデルの剛性と、最適形状補強部材モデル115を結合した車体解析モデル117の剛性との比であり、前記基準車体モデルおよび車体解析モデル117の剛性はそれぞれ、構造解析においてルーフアウタパネル113に与えた荷重の総和を最大変位で除した値である。
図17より、ルーフアウタパネル113が初期板厚0.65mmであるとき、車体解析モデル117は、前記基準車体モデルに場合に比べて約80%高い値である。すなわち、この結果は、ルーフリンフォースの替わりに本発明に係る帯状補強部材を備えた車体ルーフ構造とすることで、車体の積雪強度を向上させることが可能であることを示唆する。
さらに、ルーフアウタパネル113の板厚を減少させると、車体解析モデル117の剛性向上率は減少し、板厚0.29mmのときに剛性向上率はほぼ0%、すなわち、前記基準車体モデルの剛性とほぼ等しくなった(等価剛性)。
よって、図16および図17の結果から、ルーフリンフォースの替わりに最適形状補強部材モデル115を用いてルーフアウタパネル113を補強する場合、ルーフアウタパネル113の板厚を0.65mmから0.29mmに減少することで、図16(b)の点線矢印から、ルーフアウタパネル113の板厚0.29mmは車体の変化重量-1.7kgに対応することから、ルーフリンフォースが配設された前記基準車体モデルと同等の剛性を保ったまま、ルーフリンフォースの削減とルーフアウタパネル113の板厚減少によって、車体重量を1.7kg軽量化できることが示された。
上記の結果から、本発明に係るSUVタイプの車体の車体ルーフ補強構造においても、従来用いられていたルーフリンフォースの替わりに、最適形状補強部材モデル115の形状に基づいて規定した帯状補強部材をルーフアウタパネルの下面に貼付したものとすることで、車体のルーフアウタパネルの積雪強度を向上することができ、さらに、積雪強度を維持したまま車体を軽量化することができることが示された。
1 車体ルーフ補強構造
3 Aピラー
5 Bピラー
7 Cピラー
9 ルーフアウタパネル
9a 前辺
9b 後辺
9c 側辺
9d コーナー部
11 ルーフサイドレール
13 車体
15 帯状補強部材
17 前辺部
19 後辺部
21 屈曲部
23 コーナー延在部
31 車体モデル(セダンタイプ)
33 ルーフアウタパネル
35 補強部材モデル
36 最適化解析モデル
37 最適形状補強部材モデル
39 車体解析モデル
41 車体ルーフ補強構造
43 Aピラー
45 Bピラー
47 Cピラー
49 Dピラー
51 ルーフアウタパネル
51a 前辺
51b 後辺
51c 側辺
51d コーナー部
53 ルーフサイドレール
55 車体
57 帯状補強部材
59 前辺部
61 内向き弧状部
63 外向き弧状部
65 コーナー延在部
67 中央架橋部
71 車体モデル
73 ルーフアウタパネル
75 最適形状補強部材モデル
77 車体解析モデル
81 車体ルーフ補強構造
83 Aピラー
85 Bピラー
87 Cピラー
89 Dピラー
91 ルーフアウタパネル
91a 前辺
91b 後辺
91c 側辺
91d コーナー部
93 ルーフサイドレール
95 車体
97 帯状補強部材
99 前辺部
101 対角線部
103 外向き弧状部
105 第一架橋部
107 第二架橋部
109 幅方向延在部
111 車体モデル(SUVタイプ)
113 ルーフアウタパネル
115 最適形状補強部材モデル
117 車体解析モデル
121 基準車体モデル
123 ルーフサイドレール
125 ルーフリンフォース

Claims (3)

  1. 車体前方から順に配設されたAピラー、BピラーおよびCピラーによって支持される略矩形状のルーフアウタパネルを有し、該ルーフアウタパネルにおける車体長さ方向と車体幅方向の長さの比が1.6以下であるセダンタイプの車体において、前記ルーフアウタパネルの下面に樹脂製の帯状補強部材を貼付することにより前記ルーフアウタパネルの積雪強度を向上させる車体ルーフ補強構造であって、
    前記帯状補強部材は、
    前記ルーフアウタパネルにおける前辺に沿って前記ルーフアウタパネルの両側辺まで延在する前辺部と、前記ルーフアウタパネルにおける後辺に沿って前記ルーフアウタパネルの両側辺まで延在する後辺部と、
    前記ルーフアウタパネルの各コーナー部に配置され、中央部が前記アウタパネルの内側に向かって凸状に屈曲する屈曲部と、
    各屈曲部から前記ルーフアウタパネルのコーナー部に向かって延在するコーナー延在部と、を備えてなることを特徴とする車体ルーフ補強構造。
  2. 車体前方から順に配設されたAピラー、Bピラー、CピラーおよびDピラーによって支持される略矩形状のルーフアウタパネルを有し、該ルーフアウタパネルにおける車体長さ方向と車体幅方向の長さの比が1.6超え2.0未満であるハッチバックタイプの車体において、前記ルーフアウタパネルの下面に樹脂製の帯状補強部材を貼付することにより前記ルーフアウタパネルの積雪強度を向上させる車体ルーフ補強構造であって、
    前記帯状補強部材は、
    前記ルーフアウタパネルにおける前辺に沿って前記ルーフアウタパネルの両側辺まで延在する前辺部と、
    前記ルーフアウタパネルの左右両側にそれぞれ配置されて、前端側が前記前辺部の端部に接続され、後端側が前記ルーフアウタパネルにおける前記Cピラーの上端部近傍に配置されると共に該ルーフアウタパネルの内側に向かって弧状に湾曲する一対の内向き弧状部と、
    前端側が前記内向き弧状部に接続され、後端側が前記ルーフアウタパネルにおける後辺の中央近傍まで延在し、前記ルーフアウタパネルの外側に向かって弧状に湾曲する一対の外向き弧状部と、
    該外向き弧状部から前記ルーフアウタパネルのコーナー部に向かって延在する一対のコーナー延在部と、
    前記内向き弧状部の中央部と前記外向き弧状部とを架橋する一対の中央架橋部とを備えてなることを特徴とする車体ルーフ補強構造。
  3. 車体前方から順に配設されたAピラー、Bピラー、CピラーおよびDピラーによって支持される略矩形状のルーフアウタパネルを有し、該ルーフアウタパネルにおける車体長さ方向と車体幅方向の長さの比が2.0以上であるSUVタイプの車体において、前記ルーフアウタパネルの下面に樹脂製の帯状補強部材を貼付することにより前記ルーフアウタパネルの積雪強度を向上させる車体ルーフ補強構造であって、
    前記帯状補強部材は、
    前記ルーフアウタパネルにおける前辺に沿って前記ルーフアウタパネルの両側辺まで延在する前辺部と、
    前記ルーフアウタパネルのコーナー部同士を結ぶ対角線に沿って延在する対角線部と、
    前端側が該対角線部に接続され、後端側が前記ルーフアウタパネルにおける後辺の中央近傍まで延在し、前記ルーフアウタパネルの外側に向かって弧状に湾曲する一対の外向き弧状部と、
    該一対の外向き弧状部における両側のBピラーの上端部近傍同士を架橋する第一架橋部と、
    前記外向き弧状部における両側のCピラーの上端部近傍同士を架橋する第二架橋部と、
    前記外向き弧状部の前端側から車体幅方向外方に延在する幅方向延在部と、を備えてなることを特徴とする車体ルーフ補強構造。
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