JP2018197670A - 飛来塩分捕捉装置および飛来塩分捕捉方法 - Google Patents

飛来塩分捕捉装置および飛来塩分捕捉方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大気中の飛来塩分を自動または簡単な手動操作で正確に捕捉し、かつ高い耐久性を有する飛来塩分捕捉装置および飛来塩分捕捉方法を提供する。【解決手段】飛来塩分捕捉装置10は大気中に飛散する塩分を捕捉する装置であって、捕捉シート20と、未使用ロール20aと、使用済ロール20c、繰り出し部30と、第1収容部40と、第1開口部と、第1開口部を遮断する第1シャッター40bと、飛来塩分補足部110と、巻き取り部50と、第2収容部60と、第2開口部と、第2開口部を遮断する第2シャッター60bと、第1収容部40および第2収容部60の内部の湿度を調整する、湿度調整機構と、繰り出し部30および/または巻取り部50の飛来塩分捕捉時の回転を防止する、回転防止機構とを備え、巻き取り部50が、第2収容部内60に収容された、仕切用シート90を介して大気中に曝された捕捉シート20bを巻き取る。【選択図】図1

Description

本発明は、飛来塩分捕捉装置および飛来塩分捕捉方法に関する。
耐食鋼材または防食材料の開発にあたり、曝露される環境における材料の劣化調査とともに、同環境を把握することが必要となる。一般的な大気環境においては、温度、湿度および飛来塩分が鋼材の腐食に大きく影響することが知られており、飛来塩分の評価においては国内ではドライガーゼ法(JIS Z 2382)または土研式、海外ではウェットキャンドル式が一般的である。
上記方法はいずれも、曝露環境にガーゼ、鋼製容器等を一定期間設置し、定期的にガーゼ、容器等内を水洗して回収した水の塩分濃度を計測して、飛来塩分を測定し、あわせてガーゼ、容器等を交換するものである。これらの方法は、回収作業が人力によって行われるが、回収頻度を高くすると労力・人件費ともにアップする。特に、遠隔地などでは大きな問題となる。従って、通常は1カ月毎またはそれ以上の期間放置し、調査している。
ここで、鋼材の腐食は、その表面が曝された環境に依存する。そして、環境条件は、季節によって大きく変化するが、それだけではなく、週単位、日単位、さらには時単位でも変化する。例えば、台風等で海風が強い時には、たった数時間あるいは1日で1カ月分の塩分が(ガーゼなどに)付着することもあれば、降雨等により洗い流されることもある。よって、本来、環境は連続的、または短時間毎に計測する必要がある。
特許文献1では、大気中に飛散している塩分を捕獲可能である素材が連なった帯状の飛来塩分捕獲体を用いて、その一部が曝露するように保持し、定期的に、飛来塩分捕獲体の使用済み部分を巻き取る飛来塩分捕獲装置に関する発明が開示されている。特許文献1の発明によれば、飛来塩分を捕獲する素材の交換を自動若しくは簡単な操作により実施できると共に、捕獲期間の異なる塩分が混ざり合わないように、使用済の素材を保管できるとされている。
特許第6000997号公報
特許文献1の発明では、捕捉シートの未使用ロールを収容する上段保持部および使用済みロールを収容する下段保持部のそれぞれの開口が大きく開かれているため、暴露試験中に、上段保持部および下段保持部の内部に大気が侵入することになり、このときに大気中の塩分が捕捉シートに付着し、塩分の捕捉量が実際とは異なる値となり、正確な塩分量の測定ができなくなる。さらには、上段保持部および下段保持部の内部に侵入した塩分が各種機械部品、計測機器、制御装置などに付着してしまうので、降雨等により高湿度環境になった場合、上段保持部および下段保持部の内部に侵入した塩分が潮解し、捕捉シートに付着した塩分が流失する、制御装置などの電子部品や金属製の部品が腐食し故障するなどの問題が生じる場合がある。また、風が吹くなどして、捕捉シートが揺れ動き、弛みが生じることがある。
図5は、補足シートに弛みが生じた状態を示す図である。回転防止機構を有しない装置の場合、飛来塩分捕捉時に風の影響で、未使用ロール20aから補足シート20が想定外に繰り出されるか、使用済ロール20cから補足シート20が巻き戻されて、図5に示すように、飛来塩分捕捉部110において捕捉シート20bに弛みが生じた状態になることがある。このように、飛来塩分捕捉部110において捕捉シート20bに弛みが生じると補足シート20bに付着した飛来塩分量が増減し、正確な飛来塩分の測定ができなくなる。
本発明は、上記の問題を解決するべくなされたものであり、大気中の飛来塩分を自動もしくは簡単な操作により正確に捕捉し、かつ高い耐久性を有する飛来塩分捕捉装置および飛来塩分捕捉方法を提供することを目的としている。
大気中に飛散する塩分を捕捉する装置であって、
捕捉シートをロール状に巻き取った、未使用ロールと、
前記未使用ロールから前記捕捉シートを繰り出す、繰り出し部と、
前記未使用ロールおよび前記繰り出し部を収容する、第1収容部と、
前記第1収容部から大気中に前記捕捉シートを排出するための第1開口部と、
前記第1開口部を遮断する、第1シャッターと、
前記第1開口部から排出され、前記補足シートを大気中に曝す飛来塩分補足部と、
前記飛来塩分補足部で大気中に曝された前記捕捉シートを巻き取り、使用済ロールを得る、巻き取り部と、
前記使用済みロールおよび前記巻取り部を収容する、第2収容部と、
大気中に曝された前記捕捉シートを前記第2収容部に挿入するための第2開口部と、
前記第2開口部を遮断する、第2シャッターと、
前記第1収容部および前記第2収容部の内部の湿度を調整する、湿度調整機構と、
前記繰り出し部および/または前記巻取り部の飛来塩分捕捉時の回転を防止する、回転防止機構とを備え、
前記巻き取り部が、前記第2収容部内に収容された、仕切用シートを介して大気中に曝された前記捕捉シートを巻き取る、
飛来塩分捕捉装置。
前記湿度調整機構は、乾燥空気を供給する乾燥ガス供給部であってもよい。前記乾燥ガス供給機構は、乾燥ガス導入部と乾燥ガス排出部とを備える乾燥ガス流通部を備え、前記乾燥ガス流通部は、前記第1収容部および前記第2収容部と導通していてもよい。前記乾燥ガス供給機構は、大気中から回収した空気を除塩する、除塩部と、前記除塩した空気を除湿する、除湿部とを備えていてもよい。
前記飛来塩分捕捉装置は、さらに、移動距離測定部を備えるものでもよい。前記移動距離測定部は、前記捕捉シートの排出位置を規制する第1ガイドロールおよび/または前記捕捉シートの挿入位置を規制する第2ガイドロールを備え、前記第1ガイドロールおよび/または前記第2ガイドロールの回転数に基づいて、前記捕捉シートの移動距離を測定するものでもよい。
前記飛来塩分捕捉装置は、さらに、前記捕捉シートの大気中の暴露時間に基づいて、前記捕捉シートの移動、ならびに、前記第1シャッターおよび第2シャッターの動作を制御する、制御部を備えるものでもよい。
本実施形態に係る飛来塩分捕捉方法は、前記飛来塩分捕捉装置を用いて、下記の工程(1)〜(3)を順に行う、
(1)前記未使用ロールから繰り出した前記捕捉シートを所定距離移動させ、停止させることにより、未使用の捕捉シートを大気中に曝すとともに、大気中に曝された使用済みの捕捉シートを前記使用済ロールに巻き取る工程、
(2)前記第1シャッターおよび前記第2シャッターを閉じる工程、
(3)所定時間経過後、前記第1シャッターおよび前記第2シャッターを開ける工程。
本発明によれば、飛来塩分捕捉時以外は、未使用ロールの繰り出し部および使用済みロール巻取り部の回転が防止されているため、風による捕捉シートの弛みを防止できるとともに、飛来塩分捕捉時には、未使用ロールおよび使用済みロールの収容部が外部環境から遮断されており、その収容部内には湿度調整機構を備えているため、捕捉前後の捕捉シートに余分な塩分が付着せず、捕捉シートに付着した塩分の潮解も防止できるので、正確な塩分の捕捉および計測が可能である。また、湿度調整機構は計測機器部分も乾燥するため、装置内部に進入した飛来塩分による装置の故障を防止することが可能であるため、自動または簡単な操作で長期にわたって信頼性の高い飛来塩分の計測が可能である。
図1は、本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置を示す上面図である。 図2は、本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置を示す側面図である。 図3は、本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置の第1シャッターを示す図である。(a)第1シャッターを設置する前の第1収容部を示す図、(b)第1シャッターを開口した状態を示す図、(c)第1シャッターを閉口した状態を示す図 図4は、他の実施形態に係る飛来塩分捕捉装置の第1シャッターを示す図である。(a)第1シャッターを設置する前の第1収容部を示す図、(b)第1シャッターを開口した状態を示す図、(c)第1シャッターを閉口した状態を示す図 図5は、補足シートに弛みが生じた状態を示す図である。
以下、図1〜図4を用いて、本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置10を説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置10は、大気中に飛散する塩分を捕捉する装置であって、捕捉シート20と、未使用ロール20aと、使用済ロール20c、繰り出し部30と、第1収容部40と、第1開口部40aと、第1シャッター40bと、飛来塩分補足部110と、巻き取り部50と、第2収容部60と、第2開口部60aと、第2シャッター60bと、湿度調整機構(図示省略)と、回転防止機構(図示省略)と、を備える。
捕捉シート20は、大気中に飛散する塩分を捕捉するための帯状のシートであり、高い非伸縮性と耐水性および飛来塩分に対する高い耐食性を有するものであればよく、例えば、高い非伸縮性を有するガーゼ、耐水性を有する紙、プラスチックなどの樹脂シート、ステンレスやチタンなどの金属薄板などを用いることができる。
捕捉シート20は、ロール状に巻き取られた未使用ロール20aとして、繰り出し部30に取り付けられ、その先端部分を数回転分巻き取ったロール芯(図示省略)が巻き取り部50に取り付けられる。この状態で、繰り出し部30は、未使用ロール20aから捕捉シート20を繰り出し、巻き取り部50は、大気中に曝された捕捉シート20bを巻き取り、使用済ロール20cを得る。
第1収容部40は、未使用ロール20aおよび繰り出し部30を収容している。そして第1収容部40には、第1収容部40内から大気中に捕捉シート20を排出するための第1開口部40aが設けられ、第1開口部40aには第1シャッター40bが設けられている。一方、第2収容部60は、使用済みロール20cおよび巻取り部50を収容している。そして、第2収容部60には、飛来塩分補足部110において大気中に曝された捕捉シート20bを第2収容部60内に挿入するための第2開口部60aが設けられ、第2開口部60aには第2シャッター60bが設けられている。
図3には、本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置の第1シャッター40bの動作を説明する図である。基本的に、第1シャッター40bおよび第2シャッター60bの動作は共通しているので、ここでは、第1シャッター40bの動作の説明をする。なお、図3は、第1シャッター40bを第1収容部40の外部から見た図である。
図3(a)および図3(b)に示すように、第1シャッター40bは、例えば、第1収容部40の外部に、その開口部40aを覆うように取り付けられる。そして、図3(b)に示す例では、第1シャッター40bは、枠41と、枠41内部に遮蔽部42および一対のバネ群43を備える。遮蔽部42は、一対の遮蔽板45と、各遮蔽板45に取り付けられ、相互に向かい合う帯状の弾性体44とを備える。一対の弾性体44の隙間には、捕捉シート20が導通可能な状態で配置されている。弾性体44の素材は、例えば、捕捉シート20を傷つけることなく、開口部40aを遮蔽できるものであればよく、例えば、ゴムなどを用いることができる。また遮蔽板45、枠41の素材は外部の大気環境に対する耐久性の高い素材が好ましく、例えばステンレスなどの高耐食性金属やプラスチック、セラミクス等を用いることができる。また、バネ群43は、開口部40bを開閉するためのものであるため、ゴムなどの弾性体で代替することも可能である。バネの素材は外部の大気環境に対する耐久性の高い素材を用いるほか、そのような素材を用いない場合は枠41の内側は外気を遮断する構成とすることもできる。
図3(b)に示すように、捕捉シート20を移送するときには、駆動装置(図示省略)によって、バネ群43の力に反する方向に力を付与して、一対の遮蔽板45に取り付けられた弾性体44に一定の隙間を設けた状態とする。この状態で、未使用ロール20aから繰り出した捕捉シート20を所定距離移動させることが可能である。一方、図3(c)に示すように、捕捉シート20の移送を停止し、飛来塩分捕捉部(図1および図2の符号110)において大気中の塩分の捕捉を開始する際には、駆動装置(図示省略)による力の付与を停止すると、バネ43の力によって、一対の弾性体44同士の隙間を狭くし、開口部40aを遮蔽することが可能である。
図4には、他の実施形態に係る飛来塩分捕捉装置の第1シャッター40bの動作を説明する図である。図3示す例と同様、基本的に、第1シャッター40bおよび第2シャッター60bの動作は共通しているので、ここでは、第1シャッター40bの動作の説明をする。なお、図4は、第1シャッター40bを第1収容部40の外部から見た図である。
図4(a)および図4(b)に示すように、第1シャッター40bは、例えば、第1収容部40の外部に、その開口部40aを覆うように取り付けられる。そして、図4(b)に示す例では、第1シャッター40bは、遮蔽部42および一対の遥動部46を備える。遮蔽部42は、一対の遮蔽板45と、各遮蔽板45に取り付けられ、相互に向かい合う帯状の弾性体44を備える。一対の弾性体44の隙間には、捕捉シート20が導通可能な状態で配置されている。弾性体44の素材は、例えば、捕捉シート20を傷つけることなく、開口部40aを遮蔽できるものであればよく、例えば、ゴムなどを用いることができる。
図4(b)に示すように、捕捉シート20を移送するときには、駆動装置(図示省略)によって、一対の遮蔽部42の軸方向と、一対の遥動部46の軸方向とが直交するような状態とする。この状態で、未使用ロール20aから繰り出した捕捉シート20を所定距離移動させることが可能である。一方、図4(c)に示すように、捕捉シート20の移送を停止し、飛来塩分捕捉部(図1および図2の符号110)において大気中の塩分の捕捉を開始する際には、駆動装置(図示省略)によって、一対の遥動部46を回転させ、一対の遮蔽部42の弾性体44同士の隙間を狭くし、開口部40aを遮蔽することが可能である。
なお、図3および図4に示す例では、第1シャッター40bが、第1収容部40の外部に、その開口部40aを覆うように取り付けられているが、このような例に限定されない。第1シャッター40bが、第1収容部40の内部に、その開口部40aを覆うように取り付けられているものでもよい。第2シャッター60bも同様である。
本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置10は、このような構成を有しているので、大気中の塩分の捕捉中に、第1収容部40および第2収容部60内への外気の侵入を遮断することができるので、第1収容部40および第2収容部60内での塩分の付着を防止できるので、実際の環境に応じた塩分の捕捉が可能であり、正確な飛来塩分濃度の測定が可能である。また、第1収容部40、第2収容部60およびハウジング80内の各種機械部品、計測機器、制御装置などの故障を防止することが可能である。
本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置10は、さらに、第1収容部40および第2収容部60の内部の湿度を調整する、湿度調整機構を備えていてもよい。湿度調整機構としては、第1収容部40および第2収容部60の内部の湿度を低下させる機構であれば特に制約はなく、例えば、シリカゲルなどの吸湿材を設置しても良い。また、乾燥した空気や窒素、アルゴン等の乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給機構であってもよい。
例えば、図1および図2に示すように、乾燥ガス供給機構は、別途設けられたガスボンベなどの乾燥ガス供給部から(図示省略)ハウジング80、第1収容部40、第2収容部60に供給・排出される。すなわち乾燥ガス供給部から乾燥ガス導入部81aを通じてハウジング80に乾燥ガスを供給し、ハウジング80内部から、第1収容部40、第2収容部60にも供給され、ハウジング80に設けられた逆止弁を備える乾燥ガス排出部81bから大気中に排出される。ハウジング80には、繰り出し部30のモータ、巻取り部50のモータ、仕切りシート繰り出し部90bのモータ、回転計100、制御装置などが設置される。
よって、乾燥ガス導入部81aから導入された乾燥ガス(図中のD)は、乾燥ガス流通部を兼ねるハウジング80、第1収容部40および第2収容部60内を流通し(図中の矢印)、これらの内部の湿度を一定以下に制限することが可能であり、第1収容部40、第2収容部60およびハウジング80内の各種機械部品、計測機器、制御装置などの故障を防止することが可能である。また、乾燥ガス導入部81aから導入された乾燥ガスによって、第1収容部40、第2収容部60およびハウジング80内部を乾燥するので第1収容部40、第2収容部60およびハウジング80内に多少の飛来塩分が侵入したとしてもその量は少なく、侵入した塩分の潮解を防止するため正確な飛来塩分測定が可能である。第1シャッター40bおよび第2シャッター60bの閉口時および開口時にかかわらず常に乾燥ガスを供給した場合には、第1収容部40、第2収容部60およびハウジング80の内圧が外気よりも高い状態にすることができ、第1シャッター40bおよび第2シャッター60bが開口しているときの外気の侵入をさらに確実に防止することができる。なお、運転時のエネルギーコストを抑制する場合には、乾燥ガスは、第1シャッター40bおよび第2シャッター60bの開口時または閉口時のいずれかのみに導入することもできる。
乾燥ガス供給機構80は、ガスボンベを用いてもよく、大気中から回収した空気を除塩部(図示省略)で水中を流通させて除塩した後に、除湿部(図示省略)によって除湿した、乾燥ガスを供給するものであってもよい。乾燥ガス排出部81bから回収したガスを繰り返し除塩部、除湿部に供給して、再生した乾燥ガスを供給してもよい。
巻き取り部50は、内蔵されたモータの回転力により捕捉シート20bを巻き取る。繰り出し部30は、内蔵されたモータの回転力により捕捉シート20を繰り出す構成であってもよいが、モータを内蔵せず、巻き取り部50のモータによる引張力によって捕捉シート20が繰り出される構成であってもよい。
回転防止機構(図示省略)は、飛来塩分捕捉時に繰り出し部30および/または巻取り部50が回転するのを防止する。前述の通り、飛来塩分捕捉部110において捕捉シート20bに弛みが生じると(図5参照)、補足シート20bに付着する飛来塩分量が増減し、正確な飛来塩分の測定ができなくなる。
このため、本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置は、回転防止機構(図示省略)を備えることとしている。これにより、捕捉シートの弛みを防止することができる。回転防止機構としては、例えば、繰り出し部30および/または巻取り部50に設けた、正方向と逆方向で形状を変えた歯車と歯止め(爪)とを備えるラチェット機構である。回転防止機構としては、また、第1シャッターおよび第2シャッターが閉じたときに、捕捉シート20を挟持して、その移動を抑止するものでもよい。回転防止機構としては、さらに、第1ガイドロール70a、第2ガイドロール70bが、飛来塩分捕捉時以外に、捕捉シート20を保持して、その移動を防止することとしてもよい。その他、回転防止機構(図示省略)としては、繰り出し部30および/または巻取り部50の回転を防止して、捕捉シートの弛みを防止することができる機構であれば、制約はない。
巻き取り部50によって巻き取られる捕捉シート20の表面には大気中から捕捉した塩分が付着しているが、使用済ロール20cとして巻き取られる際に、別の部位に転移すると、補足シート20bに付着する飛来塩分量が増減し、その後に正確な塩分の測定ができない場合がある。このため、巻き取り部50は、第2収容部60内に収容された仕切用シートロール90aから仕切用シート繰り出し部90bによって繰り出した仕切り用シート90を介して、大気中に曝された捕捉シート20bを巻き取るものがよい。
本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置10は、さらに、捕捉シート20の排出位置を規制する第1ガイドロール70aおよび/または捕捉シート20の挿入位置を規制する第2ガイドロール70bを備えていてもよい。そして、捕捉シート20の移動距離を測定する、移動距離測定機構を備えるものでもよい。例えば、第1ガイドロール70aおよび/または第2ガイドロール70bに回転計100を設置することができ、測定された回転数から捕捉シート20の移動距離を測定してもよいし、補足シートに設けた印をカメラやレーザーセンサーなどで計測するものでもよい。このように捕捉シート20の移動距離を測定する、移動距離測定機構を備えることで、捕捉シート20の移動距離を正確に測定することができる。
本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置10は、さらに、捕捉シート20の大気中の暴露時間に基づいて捕捉シート20の移動、ならびに、第1シャッター40bおよび第2シャッター60bの動作を制御する、制御部(図示省略)を備えるのがよい。また、制御部は、事前に設定した制御プログラムを実行させるものであってもよいし、通信部を備え、遠隔操作が可能なものであってもよい。以下、本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置10の動作について説明する。
本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置10においては、まず、捕捉シート20がロール状に巻き取られた未使用ロール20aとして、繰り出し部30に取り付けられる。補足シートの先端部分がロール芯(図示省略)に数回転分巻き取られた状態で、巻き取り部50に取り付けられる。そして、図3(b)に示すように、第1シャッター40bおよび第2シャッター60bを閉口し、第1開口部40aおよび第2開口部60aを遮断し、この状態で大気中に曝して塩分を補足する。この暴露時間は、目的に応じて設定すればよい。例えば、数時間単位、日単位、週単位など自由に設定することが可能である。
そして、所定の暴露時間が経過した後は、本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置10が、下記の工程(1)〜(3)を順に動作するよう制御して、連続的に飛来塩分の捕捉を行う。
(1)未使用ロール20aから繰り出した捕捉シート20を所定距離移動させ、飛来塩分補足部110において停止させることにより、未使用の捕捉シート20を大気中に曝すとともに、大気中に曝された使用済みの捕捉シート20bを使用済ロール20cに巻き取る工程、
(2)第1シャッター40bおよび第2シャッター40bを閉じる工程、
(3)所定時間経過後、前記第1シャッターおよび第2シャッターを開けて、前記捕捉シートを開放する工程。
上記(1)の工程においては、未使用ロール20aから繰り出した捕捉シート20の未使用部分が第1シャッター40bと第2シャッター60bの間に配置されるように移動させ、停止させる。これにより、捕捉シート20の未使用部分が大気中に曝される。このとき、飛来塩分補足部110において大気中に曝された使用済みの捕捉シート20bが同時に使用済ロール20cに巻き取られる。
上記(2)の工程において、第1シャッター40bおよび第2シャッター60bを閉じて、第1開口部40aおよび第2開口部60aを遮断し、この状態で所定の時間放置することで、飛来塩分補足部110において捕捉シート20が大気中に暴露される。これにより、飛来塩分捕捉時には、未使用ロールおよび使用済みロールの収容部が外部環境から遮断されており、その収容部内には湿度調整機構を備えているため、捕捉前後の捕捉シートに余分な塩分が付着せず、捕捉シートに付着した塩分の潮解も防止できるので、正確な塩分の捕捉および計測が可能である。また、湿度調整機構は計測機器部分も乾燥するため、装置内部に進入した飛来塩分による装置の故障を防止することが可能であるため、自動または簡単な操作で長期にわたって信頼性の高い飛来塩分の計測が可能である。
上記(3)の工程において、所定の暴露時間が経過した後に、第1シャッター40bおよび第2シャッター60bを開けて、捕捉シート20を開放し、上記(1)の工程を行うことにより、連続的な飛来塩分の捕捉が可能となる。
本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置10は、例えば、雨の侵入を防止できる、屋根付きの場所や、百葉箱内に設置できる。また、未使用ロール20aと使用済ロール20cとの相対的な位置には制約がなく、これらが水平方向となるように設置しても良いし、鉛直方向となるように設置しても良い。また、それぞれの軸が水平方向となるように設置しても良いし、鉛直方向となるように設置しても良い。
本発明によれば、飛来塩分捕捉時以外は、未使用ロールの繰り出し部および使用済みロール巻取り部の回転が防止されているため、風による捕捉シートの弛みを防止できるとともに、飛来塩分捕捉時には、未使用ロールおよび使用済みロールの収容部が外部環境から遮断されており、その収容部内には湿度調整機構を備えているため、捕捉前後の捕捉シートに余分な塩分が付着せず、捕捉シートに付着した塩分の潮解も防止できるので、正確な塩分の捕捉および計測が可能である。また、湿度調整機構は計測機器部分も乾燥するため、装置内部に進入した飛来塩分による装置の故障を防止することが可能であるため、自動または簡単な操作で長期にわたって信頼性の高い飛来塩分の計測が可能である。
10 本実施形態に係る飛来塩分捕捉装置
20 捕捉シート
20a 未使用ロール
20b 大気中に曝された捕捉シート
20c 使用済ロール
30 繰り出し部
30a 張力付与部
40 第1収容部
40a 第1開口部
40b 第1シャッター
41 枠
42 遮蔽部
43 バネ群
44 弾性体
45 遮蔽板
46 遥動部
50 巻き取り部
50a 張力付与部
60 第2収容部
60a 第2開口部
60b 第2シャッター
70a 第1ガイドロール
70b 第2ガイドロール
80 ハウジング
81a 乾燥ガス導入部
81b 乾燥ガス排出部
90 仕切用シート
90a 仕切用シートロール
90b 仕切用シート繰り出し部
100 回転計
110 飛来塩分捕捉部

Claims (8)

  1. 大気中に飛散する塩分を捕捉する装置であって、
    捕捉シートをロール状に巻き取った、未使用ロールと、
    前記未使用ロールから前記捕捉シートを繰り出す、繰り出し部と、
    前記未使用ロールおよび前記繰り出し部を収容する、第1収容部と、
    前記第1収容部から大気中に前記捕捉シートを排出するための第1開口部と、
    前記第1開口部を遮断する、第1シャッターと、
    前記第1開口部から排出され、前記補足シートを大気中に曝す飛来塩分補足部と、
    前記飛来塩分補足部で大気中に曝された前記捕捉シートを巻き取り、使用済ロールを得る、巻き取り部と、
    前記使用済みロールおよび前記巻取り部を収容する、第2収容部と、
    大気中に曝された前記捕捉シートを前記第2収容部に挿入するための第2開口部と、
    前記第2開口部を遮断する、第2シャッターと、
    前記第1収容部および前記第2収容部の内部の湿度を調整する、湿度調整機構と、
    前記繰り出し部および/または前記巻取り部の飛来塩分捕捉時の回転を防止する、回転防止機構とを備え、
    前記巻き取り部が、前記第2収容部内に収容された、仕切用シートを介して大気中に曝された前記捕捉シートを巻き取る、
    飛来塩分捕捉装置。
  2. 前記湿度調整機構が、
    乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給機構を有する、
    請求項1に記載の飛来塩分捕捉装置。
  3. 前記乾燥ガス供給機構が、
    乾燥ガス導入部と乾燥ガス排出部とを備える乾燥ガス流通部を備え、
    前記乾燥ガス流通部が、
    前記第1収容部および前記第2収容部と導通している、
    請求項2に記載の飛来塩分捕捉装置。
  4. 前記乾燥ガス供給機構が、
    大気中から回収した空気を除塩する、除塩部と、
    前記除塩した空気を除湿する、除湿部とを備える、
    請求項2または3に記載の飛来塩分捕捉装置。
  5. さらに、前記捕捉シートの移動距離を測定する、移動距離測定機構を備える、
    請求項1〜請求項4のいずれかに記載の飛来塩分捕捉装置。
  6. 前記移動距離測定部が、
    前記捕捉シートの排出位置を規制する第1ガイドロールおよび/または前記捕捉シートの挿入位置を規制する第2ガイドロールを備え、前記第1ガイドロールおよび/または前記第2ガイドロールの回転数に基づいて、前記捕捉シートの移動距離を測定する、
    請求項5に記載の飛来塩分捕捉装置。
  7. さらに、前記捕捉シートの大気中の暴露時間に基づいて、前記捕捉シートの移動、ならびに、前記第1シャッターおよび第2シャッターの動作を制御する、制御部を備える、
    請求項1〜6のいずれかに記載の飛来塩分捕捉装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の飛来塩分捕捉装置を用いて、下記の工程(1)〜(3)を順に行う、飛来塩分捕捉方法。
    (1)前記未使用ロールから繰り出した前記捕捉シートを所定距離移動させ、停止させることにより、未使用の捕捉シートを大気中に曝すとともに、大気中に曝された使用済みの捕捉シートを前記使用済ロールに巻き取る工程、
    (2)前記第1シャッターおよび前記第2シャッターを閉じる工程、
    (3)所定時間経過後、前記第1シャッターおよび前記第2シャッターを開ける工程。

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