JP2018195195A - 設備状態監視方法 - Google Patents

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圭介 佐々木
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輝人 堀
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Abstract

【課題】設備の状態監視の精度を向上させることができる、設備状態監視方法を提供する。
【解決手段】状態監視装置20において、周波数スペクトル算出部22は、取得部21で取得された、機器11の稼働状態における電気信号をフーリエ変換することで、稼働時スペクトルを算出する。そして、ベクトル算出部23は、周波数スペクトル算出部22で算出された稼働時スペクトルに基づいて、状態特徴ベクトルを算出する。支配的方位特定部28は、状態特徴ベクトルの方位に関する情報に基づいて、設備10の状態を監視する。
【選択図】図1

Description

本発明は、設備状態監視方法に関する。
従来、設備(プラント、機器を含む)の異常検知・診断方法に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。この設備の状態監視方法では、設備に装着した複数のセンサから取得したセンサデータ又は運転時間や操作時間などの稼働データを取得し、取得したセンサデータ及び/あるいは稼働データのうち、ほぼ正常なデータから成るデータを学習データとしてモデル化する。そして、モデル化した学習データを用いて取得したセンサデータ、稼働データの異常測度をベクトルとして算出し、算出したベクトルの大きさ又は角度に基づいて、設備の異常を検知する。
特開2013−041448号公報
しかしながら、従来の設備の状態監視方法では、設備の状態を判定するデータベースの構築と、判定闘値の最適化とに重点が置かれており、データベースや判定方法の工夫によって統計的分析に落とし込むために、取得データを簡素化している。このため、本来電気信号に含まれる僅かな異常の兆候や変化がフィルタリングによって消失してしまい、設備の異常を検知する精度が低下してしまう問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、設備の状態監視の精度を向上させることができる、設備状態監視方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る設備状態監視方法は、機器を含む設備の状態監視方法であって、前記設備に装着されたセンサから前記機器の動作に伴い変化する電気信号を取得し、前記機器の稼働状態において取得された電気信号をフーリエ変換することで、周波数スペクトルを算出し、前記算出された周波数スペクトルにおいて所定の周波数グループ内の各周波数に対応するピーク値を各要素とするベクトルを算出し、前記算出されたベクトルの方位に関する情報に基づいて、設備の状態を監視する。
本発明によれば、設備の状態監視の精度を向上させることができる、設備状態監視方法を提供することができる。
第1実施形態に係る状態監視システムの一例を示すブロック図である。 第1実施形態の状態監視システムの動作例の説明に供する図である。 実施例の状態監視システムの構成を示す図である。 実施例の状態監視システムにおける電源ケーブルに接続されたセンサによって得られた電流信号の波形、及び、当該波形から得られる周波数スペクトルの一例を示す図である。 1号機及び2号機のそれぞれのU相、V相、及びW相に関する監視パラメータの推移の一例を示す図である。 表示形態の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<状態監視システムの概要>
図1は、本発明の第1実施形態に係る状態監視システムの一例を示すブロック図である。図1において、状態監視システム1は、設備10と、状態監視装置20とを有する。設備10は、監視対象の機器11と、設備10に装着されたセンサ12とを有する。
機器11は、電源(図示せず)からの電力供給を受けて、稼働する。機器11は、例えば、電動機(モータ)であってもよい。
センサ12は、機器11の動作に伴い変化する電気信号をセンシングし(つまり、取得し)、センシングした電気信号を状態監視装置20へ送出する。ここで、センサ12と状態監視装置20とは、例えば、無線、有線に関わらず、情報伝送ネットワークを介して接続されている。そして、センサ12でセンシングされた電気信号は、この情報伝送ネットワークを介して、状態監視装置20へ送信されてもよい。
状態監視装置20は、センサ12でセンシングされた電気信号を用いて、設備10の状態を監視する。詳細については後述する。
<状態監視装置の構成例>
図1に示すように、状態監視装置20は、取得部21と、周波数スペクトル算出部22と、ベクトル算出部23と、判定角度算出部24と、判定部25と、記憶部26と、方位角度算出部27と、支配的方位特定部28とを有する。
取得部21は、センサ12でセンシングされた電気信号を取得し、取得した電気信号を周波数スペクトル算出部22へ出力する。
周波数スペクトル算出部22は、取得部21で取得された電気信号をフーリエ変換することによって、周波数スペクトルを算出する。ここで、以下では、機器11の稼働状態においてセンシングされた電気信号に基づいて算出された周波数スペクトルを「稼働時スペクトル(又は、第1の周波数スペクトル)」と呼ぶことがある。
ベクトル算出部23は、周波数スペクトル算出部22で算出された周波数スペクトルに基づいて、「状態特徴ベクトル」を算出する。「状態特徴ベクトル」は、周波数スペクトル算出部22で算出された稼働時スペクトルにおいて「所定の周波数グループ」の中の各周波数に対応するピーク値を各要素とするベクトルである。また、「所定の周波数グループ」とは、機器11の稼働状態においてセンシングされる電気信号に、他の周波数に比べて優位に含まれる周波数群(つまり、該電気信号に、他の周波数の成分に比べて、多く含まれる周波数群、また言い換えれば、周波数スペクトル上で他の周波数に比べてピーク値が大きい周波数群)であり、正常と異常の違いが顕著に現れる周波数群である。以下では、「状態特徴ベクトル」を第1ベクトルと呼ぶことがある。
判定角度算出部24は、「基準ベクトル」とベクトル算出部23で算出された「状態特徴ベクトル」とのなす角度(以下では、「異常判定角度」と呼ぶことがある)を算出する。「基準ベクトル」は、記憶部26に記憶されている。例えば、判定角度算出部24は、次の式(1)を用いることにより、「基準ベクトル」と「状態特徴ベクトル」とのなす角度を算出する。
Figure 2018195195
aは、基準ベクトルであり、bは、状態特徴ベクトルである。
ここで、「基準ベクトル」は、例えば、機器11が正常に稼働しているときにセンサ12でセンシングされた電気信号に基づいて予め算出された状態特徴ベクトルであってもよいし、又は、機器11が正常に稼働すると見込まれる状態で得られると推定される状態特徴ベクトルであってもよい。なお、上記式(1)は「基準ベクトル」と「状態特徴ベクトル」とのなす角度を算出する算出方法の一例であり、「基準ベクトル」と「状態特徴ベクトル」とのなす角度を算出する算出方法はこれに限定されるものではない。
判定部25は、判定角度算出部24で算出された異常判定角度と、「判定閾値」とに基づいて、設備10の状態を監視する。すなわち、ここでは、「基準ベクトル」とベクトル算出部23で算出された「状態特徴ベクトル」とのなす角度が、「状態監視パラメータ」として用いられている。
例えば、判定部25は、判定角度算出部24で算出された異常判定角度と「異常判定閾値」との大小に基づいて、機器11が正常状態にあるか異常状態にあるかを判定する。具体的には、判定部25は、判定角度算出部24で算出された異常判定角度が「異常判定閾値」以上である場合、「状態特徴ベクトル」が「基準ベクトル」から大きくズレてしまっているので、機器11又は機器11の周辺に異常が発生していると判定する。一方、判定角度算出部24で算出された異常判定角度が「異常判定閾値」未満である場合、「状態特徴ベクトル」の「基準ベクトル」からのズレが許容範囲内であるので、機器11及び機器11の周辺の状況が正常であると判定する。
ここで、判定部25は、「異常判定閾値」よりも小さい「注意状態判定閾値」に基づいて、機器11及び機器11の周辺の状況が正常であるが、「注意状態」にあるか否かを判定してもよい。この場合、判定部25は、判定角度算出部24で算出された異常判定角度が「異常判定閾値」未満であっても「注意状態判定閾値」以上である場合、機器11及び機器11の周辺の状況に異常の予兆がある様な「注意状態」であると判定する。なお、「異常判定閾値」及び「異常判定閾値」は、記憶部26に記憶されている。
そして、判定部25は、判定結果を表示部(図示せず)へ出力する。この表示部での表示形態の一例については後に詳しく説明する。
方位角度算出部27は、状態特徴ベクトルを含む「ベクトル空間」の複数の座標軸のそれぞれと状態特徴ベクトルとのなす角度(以下では、「方位角度」と呼ぶことがある)を算出する。例えば、状態特徴ベクトルが16次元の場合(つまり、状態特徴ベクトルが16個のベクトル要素を含む場合)、16個の座標軸のそれぞれと状態特徴ベクトルとのなす角度が16個算出されることになる。ここで、方位角度も上記式(1)のように内積計算等によって求めることができる。なお、各座標軸を表すベクトルは、記憶部26に記憶されている。
支配的方位特定部28は、方位角度算出部27で算出された複数の方位角度(つまり、状態特徴ベクトルの方位に関する情報)に基づいて、設備10の状態を監視する。例えば、支配的方位特定部28は、状態特徴ベクトルを含むベクトル空間の複数の座標軸のうちで、状態特徴ベクトルとの間でなす方位角度が小さい方から順番に「所定数個」の座標軸を特定する。例えば、「所定数個」を1個又は3個にすることができる。
ここで、支配的方位特定部28によって特定された所定数個の座標軸は、状態特徴ベクトルとの間でなす方位角度が小さいので、該座標軸と状態特徴ベクトルとは向きが近い。すなわち、支配的方位特定部28によって特定された所定数個の座標軸は、他の座標軸に比べて、状態特徴ベクトルの向きに関して支配的である。このため、判定部25において機器11及び機器11の周辺の状況が異常であると判定されたときに、支配的方位特定部28によって特定された所定数個の座標軸は、異常の種類を示している。すなわち、支配的方位特定部28は、状態特徴ベクトルを含むベクトル空間の複数の座標軸のうちで、状態特徴ベクトルとの間でなす方位角度が小さい方から順番に「所定数個」の座標軸を特定することによって、異常種類を判別していることになる。
<状態監視システムの動作例>
以上の構成を有する状態監視システムの動作例について説明する。図2は、第1実施形態の状態監視システムの動作例の説明に供する図である。ここでは、一例として、機器11に対して電流を供給する電源ケーブル(図示せず)にセンサ12が接続されている場合について説明する。
センサ12は、図2のグラフ101(横軸:時間(s)、縦軸:振幅(V))に示すように、電源ケーブル(図示せず)に流れる電流信号(時間波形)をセンシングする。このセンサ12によってセンシングされた電流信号は、状態監視装置20の取得部21によって取得される。
そして、周波数スペクトル算出部22は、取得部21によって取得された、時刻Aの電流信号を用いて、周波数スペクトルを算出する。ここでは、時刻Aは、機器11が動き始めて間もない時間、つまり、機器11が正常に動作している可能性が高い時間とする。そして、ベクトル算出部23は、この時刻Aの電流信号に基づいて算出された周波数スペクトル(図2のグラフ102)において「所定の周波数グループ」の中の各周波数に対応するピーク値を各要素とするベクトル(つまり、状態特徴ベクトル)を算出する。図2のグラフ102では、「所定の周波素グループ」の要素周波数は、「F,G,H,I,J」である。そして、要素周波数「F,G,H,I,J」のピーク値は、それぞれ、「F(V),G(V),H(V),I(V),J(V)」であり、これが、時刻Aの状態特徴ベクトルaのベクトル要素となる。すなわち、時刻Aの状態特徴ベクトルa=(F,G,H,I,J)となる。
そして、ここでは、時刻Aの状態特徴ベクトルa=(F,G,H,I,J)を、「基準ベクトル」として用いることとしている。
また、周波数スペクトル算出部22は、取得部21によって取得された、時刻Aより遅い時刻Bの電流信号を用いて、周波数スペクトルを算出する。そして、ベクトル算出部23は、この時刻Bの電流信号に基づいて算出された周波数スペクトル(図2のグラフ103)において「所定の周波数グループ」の中の各周波数に対応するピーク値を各要素とするベクトル(つまり、状態特徴ベクトル)を算出する。図2のグラフ103でも、「所定の周波数グループ」の要素周波数は、「F,G,H,I,J」である。そして、要素周波数「F,G,H,I,J」のピーク値は、それぞれ、「F(V),G(V),H(V),I(V),J(V)」であり、これが、時刻Bの状態特徴ベクトルbのベクトル要素となる。すなわち、時刻Bの状態特徴ベクトルb=(F,G,H,I,J)となる。
そして、判定角度算出部24は、図2の模式図104に示すように、基準ベクトルaと状態特徴ベクトルbとのなす角度θを算出する。この角度θは、図2の模式図105に示すように、時刻Bを順次ずらして行き(例えば、B=B+所定値を行い)、各時刻Bの電流信号に基づいて得られる状態特徴ベクトルbと基準ベクトルaとに関して、算出される。図2の模式図105において、状態特徴ベクトルbは、点線で示されたベクトルである。
そして、判定部25は、各時刻Bの電流信号に基づいて得られた角度θと「異常判定閾値」との大小に基づいて、機器11が正常状態にあるか異常状態にあるかを判定する。
また、方位角度算出部27は、状態特徴ベクトルを含む「ベクトル空間」の複数の座標軸のそれぞれと状態特徴ベクトルとのなす角度(つまり、方位角度)を算出する。
そして、支配的方位特定部28は、状態特徴ベクトルを含むベクトル空間の複数の座標軸のうちで、状態特徴ベクトルとの間でなす方位角度が小さい方から順番に「所定数個」の座標軸を特定する。以上のようにして状態監視方法が実現される。
<実施例>
次に、実施例として、機器11が、ターボコンプレッサであり、センサ12が、機器11と制御盤とを接続する電源ケーブルに接続されている場合について具体的に説明する。
図3は、実施例の状態監視システムの構成を示す図である。図3に示すように、実施例の状態監視システム1は、例えば、それぞれターボコンプレッサである機器11−1〜4、センサ12−1〜4、及び制御盤15を含む設備10と、状態監視装置20とを有している。機器11−1〜4のそれぞれと制御盤15とは、それぞれ、電源ケーブルL1,L2,L3,L4によって接続されている。これら電源ケーブルL1,L2,L3,L4には、それぞれ、センサ12−1,12−2,12−3,12−4が接続されている。センサ12−1,12−2,12−3,12−4と、状態監視装置20の取得部(データロガー)21は、信号伝送線によって接続されている。
例えば、機器11−1と制御盤15とを結ぶ電源ケーブルL1に接続されたセンサ12−1によって電流測定を行って、図4の左図に示す電流信号が得られた。図4の左図には、ターボコンプレッサである機器11−1のU相、V相及びW相にそれぞれ対応する、電流信号波形L111,L112,L113が示されている。ここで、電流信号波形L111,L112,L113は、それぞれ波形が異なっているものの、フーリエ変換を行って図4の右図のような周波数スペクトルに変換すると、他の周波数に比べて優位な周波数(つまり、ピーク周波数。これは、上記の周波数グループに含まれる周波数に対応)は略同じである。従って、電流信号波形L111,L112,L113の波形の相違は、ピーク周波数のピーク強度のバランス(比率)が異なっていることに起因している。これらのピーク周波数は、機器11−1の特徴を顕著に表しているため、「特徴周波数」と呼ぶことができる。
このため、機器11−1の動作状態を監視する方法として、特徴周波数における信号強度のバランス(比率)を監視する手法が適切である。なぜならば、機器11−1の動作状態が変わった場合、その変化に応じて電流信号波形が変化すると考えられ、これは、周波数スペクトルの特徴周波数のピーク値のバランス(比率)が変化したことに相当するからである。また、電流信号波形の変化は、機器11−1の各動作又は各部位に供給される電流量の比率が変化したことを意味する。
本実施形態では、このバランスを監視するために、上記の通り、「状態特徴ベクトル」を定義し、この「状態特徴ベクトル」を用いた状態監視法(つまり、「ベクトル監視法」)を採用している。
ここで、図4の右図の周波数スペクトルにおけるピーク群の中でピーク強度が比較的大きい16個の周波数、「50Hz,100Hz,150Hz,300Hz,400Hz,650Hz,1050Hz,1300Hz,1700Hz,1800Hz,2100Hz,2400Hz,2450Hz,2800Hz,3100Hz,3400Hz」を、特徴周波数の集まりである「周波数グループ」として選び出した。この「周波数グループ」の各特徴周波数のピーク強度を要素とするベクトルが、「状態特徴ベクトル」である。ここでは、「状態特徴ベクトル」の次元は、16次元である。
上記の通り、機器11−1の動作状態が変化すると(例えば、機器11−1の動作状態に伴う供給電流の状態が変化すると)、状態特徴ベクトルの要素群のバランスが変わってくる。バランスが変わる前後では、状態特徴ベクトルの向きが異なっているため、例えば、上記の式(1)を用いることにより、2つのベクトルがなす角度を求めることができる。角度が大きい程、変化が大きいことを意味する。
そこで、例えば、機器11−1の始めの状態(例えばオーバーホール直後の正常状態)に対応する「基準ベクトル」と現在の機器11−1の動作状態に対応する「状態特徴ベクトル」とのなす角度を、「監視パラメータ」としている。
次に、「監視パラメータ」である角度の算出方法を具体的に説明する。この「監視パラメータ」である角度の算出は、上記の通り、判定角度算出部24によって行われる。
機器11−1のU相を或る期間(或る10秒間)の間測定した電流信号をフーリエ変換すると、周波数グループ「50Hz,100Hz,150Hz,300Hz,400Hz,650Hz,1050Hz,1300Hz,1700Hz,1800Hz,2100Hz,2400Hz,2450Hz,2800Hz,3100Hz,3400Hz」におけるピークの高さ(つまり、信号振幅)は、「0.0603435(V), 0.00298553(V), 0.00447738(V), 0.132506(V), 0.0679784(V), 0.0375036(V), 0.0228004(V), 0.0150712(V), 0.003894(V), 0.00475024(V), 0.00516008(V), 0.0348993(V), 0.00281858(V), 0.00214451(V), 0.00177439(V), 0.000133124(V)」であった。なお、50Hzの信号振幅だけは、比率調整のために20で割った値となっている。このベクトルを、基準ベクトルaとして設定する。
機器11−1のU相の測定信号から得られる、基準ベクトルa以外の状態特徴ベクトルは、それぞれ状態特徴ベクトルbとなる。例えば、状態特徴ベクトルbの1つが次のベクトルであるとする。b=(0.0424524, 0.000958385, 0.0030038, 0.0991667, 0.0549956, 0.0354294, 0.0272109, 0.0161954, 0.00641181, 0.00360079, 0.0036587, 0.0378731, 0.00398024, 0.00252317, 0.00212475, 0.0000968)
この基準ベクトルa及び状態特徴ベクトルbを用いると、ベクトルaとベクトルbの内積値は、「0.023085」となる。また、ベクトルaの絶対値は、「0.171361」となり、ベクトルbの絶対値は、「0.135857」となる。
これらを、上記の式(1)に代入して計算すると、θ=7.43°が求まる。
以上で説明した異常判定角度の算出方法と同じようにして、1号機(機器11−1)及び2号機(機器11−2)のそれぞれのU相、V相及びW相に関して、各サンプルタイミングにおける異常判定角度(監視パラメータ)を算出する。図5は、1号機及び2号機のそれぞれのU相、V相、及びW相に関する監視パラメータの推移の一例を示す図である。
図5では、左側から順に、1号機(機器11−1)のU相の推移(トレンド)、V相の推移、W相の推移、2号機(機器11−2)のU相の推移、V相の推移、W相の推移が示されている。
また、図5において、閾値TH11は、1号機(機器11−1)に関する「異常判定閾値」であり、閾値TH12は、1号機(機器11−1)に関する「注意状態判定閾値」である。また、閾値TH21は、2号機(機器11−2)に関する「異常判定閾値」であり、閾値TH22は、2号機(機器11−2)に関する「注意状態判定閾値」である。
図5では、いずれの監視パラメータの推移も「異常判定閾値」に到達しておらず、1号機(機器11−1)のU相、V相、W相、2号機(機器11−2)のU相、V相、W相のいずれも正常状態にあり、また、「注意状態判定閾値」にも到達していないので注意状態でもない。この判定は、上記の通り、判定部25によって行われる。
ここで、信頼性のある「異常判定閾値」及び「注意状態判定閾値」は、異常時の監視パラメータを蓄積することで、設定することができる。例えば、異常時の監視パラメータが十分に蓄積されるまでは、「異常判定閾値」を標準偏差の6倍(6σ)とし、「注意状態判定閾値」を標準偏差の3倍(3σ)としてもよい。また、ここでは、1号機(機器11−1)及び2号機(機器11−2)のそれぞれに、異なる値の「異常判定閾値」及び異なる値の「注意状態判定閾値」が設定されているが、これに限定されるものではなく、共通の「異常判定閾値」及び「注意状態判定閾値」が用いられてもよい。
また、本実施形態では、状態特徴ベクトルを含む「ベクトル空間」の複数の座標軸のそれぞれと状態特徴ベクトルとのなす角度(つまり、方位角度)が算出される。そして、例えば、状態特徴ベクトルを含むベクトル空間の複数の座標軸のうちで状態特徴ベクトルとの間でなす方位角度が最も小さい座標軸が特定される。上記の通り、機器11及び機器11の周辺の状況が異常であると判定されたときに特定された、状態特徴ベクトルとの間でなす方位角度が最も小さい座標軸は、異常の種類を示している。例えば、どの座標軸が特定されるかによって、同じ異常状態であっても例えば原因や異常部位等を判別することが可能となる。
図6は、表示形態の一例を示す図である。図6では、図面を簡潔にするために、監視対象である1号機〜4号機(つまり、機器11−1〜11−4)のうちの1号機及び2号機(機器11−1,11−2)に関する情報のみが示されている。
図6に示すように、状態監視装置20に接続される表示部には、まず、監視対象である1号機及び2号機(機器11−1,11−2)の識別情報が表示される。そして、1号機及び2号機のそれぞれについて、現在の異常判定角度値(監視パラメータの値)、一定期間における異常判定角度値(監視パラメータ)の推移(トレンドグラフ)、及び、状態情報(正常状態、注意状態、異常状態)が表示されている。さらに、状態監視装置20に接続される表示部には、状態特徴ベクトルを含むベクトル空間の各座標軸に対しての状態特徴ベクトルの方位角度の値が表示されている。図6の例では、16本の座標軸にそれぞれ対応する座標軸番号1〜16が横軸に設定され、各座標軸に対応する方位角度の瞬時値が縦軸となっている。すなわち、状態特徴ベクトルを含むベクトル空間の各座標軸に対しての状態特徴ベクトルの方位角度の瞬時値スペクトルが表示されている。さらに、状態監視装置20に接続される表示部には、方位角度が最も小さい座標軸の座標軸番号が表示されている。
なお、例えば、現在の異常判定角度値(監視パラメータの値)、一定期間における異常判定角度値(監視パラメータ)の推移(トレンドグラフ)、及び、状態情報(正常状態、注意状態、異常状態)は、所定の周期で(例えば10秒毎に)更新されてもよい。
以上のように第1実施形態によれば、状態監視装置20において、周波数スペクトル算出部22は、取得部21で取得された、機器11の稼働状態における電気信号をフーリエ変換することで、稼働時スペクトル(第1の周波数スペクトル)を算出する。そして、ベクトル算出部23は、周波数スペクトル算出部22で算出された稼働時スペクトルに基づいて、状態特徴ベクトル(第1ベクトル)を算出する。そして、方位角度算出部27は、状態特徴ベクトルを含むベクトル空間の複数の座標軸のそれぞれと状態特徴ベクトルとのなす角度(方位角度)を算出する。そして、支配的方位特定部28は、方位角度算出部27によって算出された、状態特徴ベクトルを含むベクトル空間の複数の座標軸のそれぞれと状態特徴ベクトルとのなす角度(つまり、状態特徴ベクトルの方位に関する情報)に基づいて、設備10の状態を監視する。ここで、支配的方位特定部28は、「設備状態監視部」と呼ぶことができる。
この状態監視装置20の構成により、機器11の稼働状態における電気信号に含まれる僅かな異常傾向及び変化を示す成分を、フィルタリングで消失してしまう(そぎ落としてしまう)こと無く、状態特徴ベクトルの成分として反映させることができる。そして、このような状態特徴ベクトルと該状態特徴ベクトルを含むベクトル空間の複数の座標軸のそれぞれとのなす角度(状態特徴ベクトルの方位に関する情報)に基づいて、異常種類を判別することができる。これにより、設備の状態監視の精度を向上させることができる。
また、状態監視装置20において、判定角度算出部24は、基準ベクトル(第2ベクトル)とベクトル算出部23で算出された状態特徴ベクトルとのなす角度(異常判定角度)を算出する。そして、判別部25は、判定角度算出部24で算出された角度に基づいて、設備10の状態を監視する。ここで、判別部25も、「設備状態監視部」と呼ぶことができる。
この状態監視装置20の構成により、状態特徴ベクトルの方位に関する情報及び異常判定角度の両方に基づいて設備10の状態を監視することができる。すなわち、多次元の情報に基づいて、設備10の状態を監視することができる。これにより、設備の状態監視の精度をさらに向上させることができる。
<他の実施形態>
(1)第1実施形態では、監視対象である機器11の一例として、機器11が電動機(モータ)又はターボコンプレッサであるものとして説明を行ったが、これに限定されるものではない。例えば、監視対象である機器11は、レシプロコンプレッサ、変圧器、冷凍機等の高電圧ケーブルを用いる、幅広い機器(設備)であってもよいし、高電圧ケーブルそのものであってもよい。
(2)第1実施形態で説明した状態監視装置20は、次のハードウェア構成で実現可能である。すなわち、状態監視装置20は、ネットワークインタフェースと、プロセッサと、メモリとを有していてもよい。第1実施形態で説明した状態監視装置20の取得部21は、ネットワークインタフェースによって実現されてもよい。また、第1実施形態で説明した状態監視装置20の周波数スペクトル算出部22、ベクトル算出部23、判定角度算出部24、判定部25、方位角度算出部27、及び支配的方位特定部28は、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現されてもよい。また、記憶部26は、メモリによって実現されてもよい。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1 状態監視システム
10 設備
11 機器
12 センサ
15 制御盤
20 状態監視装置
21 取得部
22 周波数スペクトル算出部
23 ベクトル算出部
24 判定角度算出部
25 判定部
26 記憶部
27 方位角度算出部
28 支配的方位特定部
L1,L2,L3,L4 電源ケーブル

Claims (1)

  1. 機器を含む設備の状態監視方法であって、
    前記設備に装着されたセンサから前記機器の動作に伴い変化する電気信号を取得し、
    前記機器の稼働状態において取得された電気信号をフーリエ変換することで、周波数スペクトルを算出し、
    前記算出された周波数スペクトルにおいて所定の周波数グループ内の各周波数に対応するピーク値を各要素とするベクトルを算出し、
    前記算出されたベクトルの方位に関する情報に基づいて、設備の状態を監視する、
    設備状態監視方法。
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