JP2018194498A - 発信機の保守点検支援システム - Google Patents

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【課題】故障あるいは電池が消耗している発信機や点検候補の発信機を速やかに発見し報知することができる発信機の保守点検支援システムを提供する。【解決手段】発信機から発信される信号を受信可能な受信回路および無線通信回路を備えた携帯端末と、携帯端末から送信された情報を受信可能な通信回路および所定のエリアに設置されている発信機の識別情報および設置位置情報を記憶した記憶手段を備えたデータ処理装置とを含む発信機の保守点検支援システムにおいて、携帯端末は発信機から発信された識別情報を受信し該識別情報と受信電波強度情報とを送信する機能を有し、データ処理装置は、携帯端末から送信されてくる識別情報および受信電波強度情報を記憶手段に記憶する機能と、記憶手段に記憶されている複数の発信機の所定期間の受信電波強度情報に基づいて各発信機の能力状態を判定する機能と、発信機の能力状態を報知する機能とを有するようにした。【選択図】図2

Description

本発明は、建物内部のような制限された空間内での携帯端末の通信機能を利用して歩行体や移動体の位置を把握するためのシステムを構成する発信機(ビーコン)の保守点検を支援するのに適用して有効な技術に関する。
火災等の発生により建物の中へ消防隊員が進入し、消火および救助活動等(以下、消火活動)をする際には、屋外にいる指揮隊が建物内の情報及び建物内の隊員の位置情報をできるだけ正確に把握する必要がある。
従来、作業者のような歩行体や車両などの移動体の位置を検出する測位システムに関する発明が種々提案されており、その中の1つに、例えばGPS(全地球測位システム)を用いて位置情報を取得する方法がある。
しかしながら、GPSを併用した位置情報の取得方法では、GPS電波の届かない屋内で活動する作業者の位置を取得することができない。また、ジャイロセンサや加速度センサなどを用いた測位方法のみでは、観測を続けるうちに誤差が大きくなってしまうという課題がある。そこで、本出願人は、ビーコンを利用して、建物内部のような制限された空間内を作業者が移動する場合に、その位置を迅速かつ正確に把握することができ、それによって短時間に作業や任務を完了させることができる位置推定方法およびシステムに関する発明をなし出願した(特許文献1)。
特開2016−206016号公報 特開2007−124406号公報 特開2016−38895号公報
特許文献1に開示されている位置推定方法を適用する場合には、予め建造物内に複数のビーコンを設置しておく必要がある。さらに、建造物内に複数のビーコンを設置した場合、設置済のビーコンが正常に機能しているか検査し、故障あるいは電池が消耗しているビーコンがあった場合には、速やかに発見し正常なビーコンと交換する必要がある。しかしながら、ビーコンは電波の届く範囲が比較的狭いため、一つの監視エリアに多数のビーコンが設置されている場合、故障あるいは電池が消耗しているビーコンを発見するのが困難であるという課題があることが明らかになった。
なお、建物内部を移動する作業者の位置を監視する位置確認装置に関する発明やビーコンを利用して対象者を発見する対象者発見支援システムに関する発明も提案されている(特許文献2、3)。
このうち、特許文献2に記載されている発明は、無線LAN基地局を監視エリアに設置し、端末が測定した各基地局の電波強度情報を、基地局を介してサーバへ送信しサーバは受信した電波強度情報と各基地局の電波特性を示す近似曲線から各基地局と端末の距離を推定し、端末の位置を検出し、検出した端末の位置を配信・表示するようにしたものである。
ここで、無線基地局は一般に外部から供給される電源で動作するので、特許文献2のシステムにおいては電池切れの心配はない。また、無線基地局から送信される電波の強度はビーコンに比べて高いため、1つのエリアに設置する基地局の数はビーコンほど多くないので、故障した際の発見は容易である。
一方、特許文献3に記載されている発明は、電池で動作するビーコンを利用して対象者を発見するシステムであるが、監視対象エリアは屋外であってビーコンは屋外に設置されており、設置場所が互いに離れているとともに設置環境も大きく異なることから、ビーコンが故障した場合の発見は比較的容易である。
本発明は上記のような課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、建物内部のような所定のエリアに複数の発信機(ビーコン)が設置されている場合に、故障あるいは電池が消耗している発信機や点検候補の発信機を速やかに発見することができる発信機の保守点検支援システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
所定のエリアに設置され自己の識別情報を発信可能な複数の発信機から発信される信号を受信可能な受信回路および無線通信を行う無線通信回路を備えた携帯端末と、
前記無線通信回路により送信された情報を受信可能な通信手段および前記所定のエリアに設置されている発信機の識別情報および設置位置情報を記憶した記憶手段を備えたデータ処理装置と、を含む発信機の保守点検支援システムにおいて、
前記携帯端末は、前記受信回路により前記発信機から発信された識別情報を受信し、該識別情報と受信電波強度情報とを送信する機能を有し、
前記データ処理装置は、
前記携帯端末から送信されてくる前記識別情報および受信電波強度情報を前記通信手段によって受け取って前記記憶手段に記憶する機能と、
前記記憶手段に記憶された前記複数の発信機の所定期間の受信電波強度情報に基づいて前記複数の発信機のそれぞれの能力状態を判定する機能と、
判定した前記発信機の能力状態を報知する機能と、
を有するように構成したものである。
上記のような構成を有する保守点検支援システムによれば、監視エリアに設置されている複数の発信機(ビーコン)の能力状態を判定して報知するため、故障あるいは電池が消耗している発信機や点検候補の発信機を速やかに発見することができる。また、所定期間における受信電波強度情報に基づいて発信機の能力状態を判定するため、信頼性の高い判定結果が得られる。
ここで、望ましくは、前記データ処理装置は、所定期間の受信履歴がない場合または所定期間における受信電波強度の低下量が所定値以上である場合に、当該発信機は故障していると判定するように構成する。
また、前記記憶手段には前記複数の発信機の設置直後に取得した受信電波強度情報が記憶されており、前記データ処理装置は、所定期間の受信電波強度が設置直後の受信電波強度よりも所定値以上低下した場合に、当該発信機は電池が消耗していると判定するように構成する。
さらに、前記データ処理装置は、所定期間の受信回数が所定回数以下である場合に、当該発信機は点検が必要であると判断するように構成する。
上記のような構成によれば、発信機の故障、電池の消耗、点検の要否を区別して報知できるため、報知の内容に応じた処置、作業を適切に実施し、建物の内部空間内を移動する作業者の位置を把握するシステムを正常に機能する状態に維持することができる。
また、前記データ処理装置は、所定期間における特定箇所のビーコンの故障回数または交換回数が所定回数を超えた場合に、当該特定箇所は設置環境が異常であると判断するように構成しても良い。
上記のような構成によれば、故障頻度の多いビーコンがあった場合、設置環境が異常であると判定して、ビーコン設置箇所を、電磁波ノイズの影響を受けない場所へ移動して設置したり、設定するビーコンの数を増やすなどの対応をとることができる。
また、望ましくは、前記データ処理装置は、前記複数の発信機の設置位置にそれぞれシンボルマークを表わした前記エリアのマップを作成し、前記発信機の能力状態が正常でない場合に前記マップに前記シンボルマークの形態を変えて表示させる機能を有するように構成する。
かかる構成によれば、表示装置の画面に表示されるマップを見るだけで、監視エリア内の各発信機の能力状態を把握することができ、異常がある場合には速やかに対応することができる。
さらに、望ましくは、前記データ処理装置は、所定期間に前記携帯端末から取得した前記複数の発信機の識別情報および受信電波強度情報に基づいて前記携帯端末の移動軌跡を算出する機能と、算出された移動軌跡の分布パターンを前記マップ上に描画する機能と、を有するように構成する。
かかる構成によれば、表示装置の画面に表示されるマップおよび移動軌跡パターンを見るだけで、監視エリア内に設置されている複数の発信機のうち異常が発生しているものを把握することができ、異常がある場合には速やかに対応することができる。
さらに、望ましくは、前記記憶手段には前記複数の発信機の設置直後に取得した前記携帯端末の移動軌跡の初期分布パターン情報が記憶されており、
前記データ処理装置は、前記初期分布パターンと所定期間における前記携帯端末の移動軌跡の分布パターンとの差分をとり、当該差分を前記マップ上に表示させる機能を有するように構成する。
あるいは、前記記憶手段には前記携帯端末の移動軌跡の分布パターン情報を順次記憶し、前記データ処理装置は、記憶されているいずれかの前記分布パターンと所定期間における前記携帯端末の移動軌跡の分布パターンとの差分をとり、当該差分を前記マップ上に表示させる機能を有するように構成する。
かかる構成によれば、経験の少ない者であっても表示装置の画面に表示されるマップおよび移動軌跡パターンを見るだけで、監視エリア内に設置されている複数の発信機のうち異常が発生しているものを把握することができる。また、発信機の設置直後あるいはそれ以外の時点での移動軌跡パターンと現在の移動軌跡パターンとの差分をとってマップ上に表示させるため、報知内容の信頼性が高くなる。
本発明によれば、建物内部のような比較的狭いエリアに複数の発信機(ビーコン)が設置されている場合に、故障あるいは電池が消耗している発信機や点検候補の発信機を速やかに発見することができるという効果がある。
本発明に係る発信機の保守点検支援システムの一実施形態を示す概略構成図である。 実施形態の保守点検支援システムを構成するデータ処理装置(管理サーバ)における処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態のデータ処理装置(管理サーバ)によって作成されるビーコン(発信機)からの受信履歴情報リストおよびビーコン情報リストの一例を示す図である。 実施形態のデータ処理装置(管理サーバ)によって作成され表示されるマップの一例を示す画像図である。 実施形態のデータ処理装置(管理サーバ)によって作成され表示される軌跡分布パターンの例を示すもので、(A)は初期軌跡分布パターン図、(B)は所定期間の軌跡分布パターン図、(C)は差分パターン図である。
以下、本発明に係る発信機の保守点検支援システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施例)
図1は、本発明に係る発信機(ビーコン)の保守点検支援システム(以下、単に保守点検支援システムと称する)の第1実施例の概略を示すものである。図1に示すように、本実施例の保守点検支援システムにおいては、建物内部の所定エリア内の複数の箇所に配設されているビーコン用の発信機10からの信号(電波)を受信可能な携帯端末20と、通信ネットワーク30を介して携帯端末20との間でデータ通信を行うデータ処理装置としての管理サーバ(コンピュータ装置)40および表示装置51、監視エリアである施設の地図情報や発信機10の設置位置情報等が格納されたデータベース50などから構成されている。
なお、携帯端末20へビーコンの無線信号(機器IDや設備情報等の固有情報)を発信する発信機10の通信方式としては、例えばBluetooth(登録商標)通信やIEEE 802.11規格に従ったWiFi等の無線LAN、赤外線通信など公知の通信方式を利用することができる。発信機10を配置する間隔は特に限定されないが、以下の説明では、隣接するそれぞれの発信機の通信範囲が互いに重なるような距離をおいて配置されているものとする。
具体的には、もともと建物内には所定の間隔をおいて火災感知器やスプリンクラーヘッドが設置されているので、それらの機器に内蔵もしくは付加させる形態で取り付けたビーコンを利用することができる。
発信機10は、電源としての内蔵電池と、定期的に自己の識別情報を無線信号に乗せて周囲に発信する発信部を備える。この発信機10が無線で発信する情報には、少なくとも当該発信機の識別コードが含まれていれば良く、さらに、設置されているエリアに関する情報が含まれても良い。
一方、携帯端末20は、発信機10からの信号を受信する機能および無線通信機能を備えるスマートフォンのような機器であり、日常的に当該監視エリアへの立ち入りが許可されている人間が帯同して移動する。携帯端末20には、定期的に上記発信機10から無線で発信されるビーコン信号を受信し、発信機10から発信されるビーコン信号に含まれる情報を抽出するとともに受信電波強度を検出し、受信情報と電波強度を、通信ネットワーク30を介して管理サーバ40へ送信する処理を実行するアプリケーション・プログラムが格納されている。
管理サーバ40は、携帯端末20から受信した発信機10(以下、ビーコンと称する)の情報を集計し、集計した情報に基づいてビーコンの能力状態を判定するビーコン能力状態判定処理部41やデータベース50から監視対象エリアの地図情報を読み出して、当該地図情報にビーコンの能力状態を付記したシンボルマーク等を表わした施設画像データ(マップ)を作成して表示装置51に表示させるマップ作成処理部42を備える。
なお、データベース50には、発信機(ビーコン)10の設置位置情報の他に、設置直後の基準となる受信強度情報が記憶されている。
ここで、基準となる受信電波強度の検出は、電波強度測定器(携帯端末)が置かれる所定の距離と所定の検出向きに基づき算出されるが、例えば、関係者または点検者が、ビーコンの真下で携帯端末または電波強度測定器の検出部を、ビーコン電波発信部に近づけるか、または、所定の距離をおいてビーコン発信部に所定の角度で向けて受信した値を基準の受信電波強度とすることができる。あるいは、周囲の複数の他のビーコンから携帯端末の位置と携帯端末の電波検出向きを推定し、それらに基づき対象ビーコンから期待される受信電波強度所定範囲の値を基準の受信電波強度の幅とし、実際に受信した受信電波強度が所定の基準の受信電波強度の範囲から外れる場合を故障と判断しても良い。
次に、本実施形態の保守点検支援システムを構成する管理サーバ40による処理手順を、図2に示すフローチャートを用いて説明する。
管理サーバ40は、保守点検支援プログラムが起動されると、図2に示すように、先ず各携帯端末20からのビーコン情報を受信し(ステップS1)、受信したビーコン情報を受信時刻と共に記録した図3(A)に示すような受信履歴情報リストを作成してデータベース50に記憶する(ステップS2)。その後、所定期間(例えば1日)の受信情報をビーコン毎に集計し(ステップS3)、受信なしのビーコンがあるか否か判定する(ステップS4)。ここで、受信なしのビーコンがある(Yes)と判定したときは、ステップS6へ移行して故障リストに当該ビーコンのIDを登録する。
また、ステップS4で、受信なしのビーコンがない(No)と判定するとステップS5へ進み、急に受信強度が低下したビーコンがあるか否か判定する。そして、急に受信強度が低下したビーコンがある(Yes)と判定したときは、ステップS6へ移行して故障リストに当該ビーコンのID(識別コード)を登録する。
ステップS5で、急に受信強度が低下したビーコンがない(No)と判定するとステップS7へ進み、受信回数が少ないビーコンがあるか否か判定する。そして、受信回数が少ないビーコンがある(Yes)と判定したときは、ステップS8へ移行して電池交換リストに当該ビーコンのIDを登録する。
ステップS7で、受信回数が少ないビーコンがない(No)と判定するとステップS9へ進み、平均受信強度が設置時よりも所定以上低下しているビーコンがあるか否か判定する。そして、平均受信強度が低下しているビーコンがある(Yes)と判定したときは、ステップS10へ移行して点検候補リストに当該ビーコンのIDを登録する。
ステップS9で、平均受信強度が低下しているビーコンがない(No)と判定するとステップS11へ進み、所定期間における特定箇所のビーコンの故障回数(交換回数)が所定回数を超えたか否か(故障頻度の多いビーコンがあるか否か)を判定する。そして、故障頻度の多いビーコンがあった場合、ステップS12へ移行して、設置環境異常候補リストに登録する。
環境異常とそれによる影響の例としては、例えば強電設備施設内やビーコン設置箇所近傍に設置された設備機器からの電磁波ノイズの影響を受けたり、あるいはビーコン設置箇所周囲に設置された主に金属製の他の設備機器などでビーコン信号が反射されて電波が増幅してしまったりして、受信電波強度が狂いシステムが頻繁にそのビーコンを故障と判定する場合が考えられる。本実施形態では、これを設置環境異常と判定してリストに登録する。これにより、施工者や管理者は、ビーコン設置箇所を、電磁波ノイズの影響を受けない場所へ移動して設置したり、設定するビーコンの数を増やすなどの対応をとることができる。
ステップS11で、故障頻度の多いビーコンがない(No)と判定するとステップS13へ進み、ステップS6,S8,S10,S12で作成したリストに従って、ビーコンのシンボルマーク等の表示形態(例えば表示色)を決定した後、データベース50から当該監視エリアの地図情報およびビーコンの設置位置情報を読み出して、ビーコンを示すシンボルマークやピクトグラムもしくはアイコン等を付記した図4に示すような施設画像データ(マップ)を作成して表示装置へ出力する(ステップS14)。
本実施例における保守点検支援システムにおいては、管理サーバ40が上記のような処理を実行することにより、故障したビーコンを速やかに正常なビーコンに交換したり電池交換や点検作業の計画を立てたりすることができる。また、火災感知器等を備えた防災システムにおいては、火災感知器等の定期的に点検が行われるので、上記点検候補リストの情報を利用して、火災感知器等の定期点検の際にビーコンの点検を実行することも可能である。
(第2実施例)
図5は、本発明に係るビーコンの保守点検支援システムの第2実施例におけるサーバの機能を示すものである。なお、本実施例における保守点検支援システムの構成は図1に示すものと同じで良い。
本実施例においては、サーバは、建物内部の所定エリア内の複数の箇所にビーコン用の発信機10を設置した後の所定期間における携帯端末20から受信しデータベース50に記憶した情報(ビーコンのIDおよび受信電波強度)に基づいて、携帯端末20の位置を計算するとともに、時系列データから携帯端末20の移動軌跡を求めて、図5(A)に示すようにマップ上に描画する。
具体的には、携帯端末20がマップ上の符号P1で示すような場所に位置している時は、その周囲のビーコンB1,B2,B4,B5から各ビーコンのIDを受信するとともに、ほぼ同一の受信電波強度を検出し送信して来るので、管理サーバ40は、ビーコンB1,B2,B4,B5からほぼ等距離の場所に端末が位置していると判断することができる。また、ビーコンB1,B2,B4,B5からの信号のうちB1からの信号の電波強度が最も高ければP1からB1に近づいた場所に位置し、B5からの信号の電波強度が最も高ければP1からB5に近づいた場所に位置していると判断することができる。
また、マップ上に携帯端末20の位置および軌跡を描画する際に、小さなドットとしてではなく、ぼんやりした広めの円で描画を行う。これにより、図5(A)または(B)のような軌跡分布パターンが得られる。なお、図5(A)はビーコン設置直後の所定期間におけるパターンであり、管理サーバ40はこのパターンが得られたならこれをデータベース50に記憶する。図5(B)はビーコンB3からの電波強度のみが他に比べて弱い場合の軌跡分布パターンである。図5(A)と(B)のパターンを比較することで、ビーコンB3の周辺の電波強度が弱く、ビーコンB3が故障もしくは電池切れを起こしていると予測することができる。
なお、図5(B)のパターンの代わりに、図5(A)のパターンと図5(B)のパターンとの差分を取った図5(C)に示すようなパターンをマップ上に描画するようにしてもよいし、差分パターンに最も近いビーコン(図ではB3)を、異常ビーコンとして、シンボルマークやアイテムの形態を変えて表示するようにしても良い。
また、図5(A),(B)ではパターンを同一の濃度で描画しているが、軌跡の重ね合わせ描画処理を行うことで、携帯端末20が通過した頻度が高い場所ほど濃度が濃くなるような濃淡パターン(グラデーションのあるパターン)として描画するようにしても良い。
さらに、上記説明では、ビーコン設置直後に取得した初期分布パターンを基準とした差分パターンに最も近いビーコンを異常ビーコンとしているが、初期分布パターン以外の時点での分布パターンを記憶装置に記憶しておいて、記憶したいずれかの分布パターンとの差分パターンに最も近いビーコン(発信機)を異常ビーコンとしてマップ表示を実施することも可能である。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、ビーコンからの信号を携帯端末によって受信し受信した情報を無線通信でサーバへ送信すると説明したが、監視対象エリアがオフィスのような空間である場合には、オフィス内の机に設置されているパソコンにビーコンからの信号を受信可能な機器を接続して、該機器が受信した情報をパソコンがLAN(ローカルエリアネットワーク)を介してサーバへ送信するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、受信なしのビーコンを検知した時および受信強度が急に低下したビーコンを検知した時に「故障」と判定し同一の故障リストにIDを登録しているが、それぞれ別のリストを用意し検知したビーコンのIDを登録しても良いし、点検候補リストにIDを登録するようにしても良い。
さらに、上記実施形態では、ビーコンは情報を送信する機能のみ有していると説明したが、ビーコンが携帯端末からの無線信号を受信する機能さらには受信した情報をサーバへ送信する機能を有していても良い。
10 発信機
20 携帯端末
30 通信ネットワーク
40 管理サーバ
50 データベース
51 表示装置

Claims (9)

  1. 所定のエリアに設置され自己の識別情報を発信可能な複数の発信機から発信される信号を受信可能な受信回路および無線通信を行う無線通信回路を備えた携帯端末と、
    前記無線通信回路により送信された情報を受信可能な通信手段および前記所定のエリアに設置されている発信機の識別情報および設置位置情報を記憶した記憶手段を備えたデータ処理装置と、を含む発信機の保守点検支援システムであって、
    前記携帯端末は、前記受信回路により前記発信機から発信された識別情報を受信し、該識別情報と受信電波強度情報とを送信する機能を有し、
    前記データ処理装置は、
    前記携帯端末から送信されてくる前記識別情報および受信電波強度情報を前記通信手段によって受け取って前記記憶手段に記憶する機能と、
    前記記憶手段に記憶された前記複数の発信機の所定期間の受信電波強度情報に基づいて前記複数の発信機のそれぞれの能力状態を判定する機能と、
    判定した前記発信機の能力状態を報知する機能と、
    を有していることを特徴とする発信機の保守点検支援システム。
  2. 前記データ処理装置は、
    所定期間の受信履歴がない場合または所定期間における受信電波強度の低下量が所定値以上である場合に、当該発信機は故障していると判定することを特徴とする請求項1に記載の発信機の保守点検支援システム。
  3. 前記記憶手段には前記複数の発信機の設置直後に取得した受信電波強度情報が記憶されており、
    前記データ処理装置は、
    所定期間の受信電波強度が設置直後の受信電波強度よりも所定値以上低下した場合に、当該発信機は電池が消耗していると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の発信機の保守点検支援システム。
  4. 前記データ処理装置は、
    所定期間の受信回数が所定回数以下である場合に、当該発信機は点検が必要であると判断することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発信機の保守点検支援システム。
  5. 前記データ処理装置は、
    所定期間における特定箇所のビーコンの故障回数または交換回数が所定回数を超えた場合に、当該特定箇所は設置環境が異常であると判断することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発信機の保守点検支援システム。
  6. 前記データ処理装置は、
    前記複数の発信機の設置位置にそれぞれシンボルマークを表わした前記エリアのマップを作成し、前記発信機の能力状態が正常でない場合に前記マップに前記シンボルマークの形態を変えて表示させる機能を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発信機の保守点検支援システム。
  7. 前記データ処理装置は、
    所定期間に前記携帯端末から取得した前記複数の発信機の識別情報および受信電波強度情報に基づいて前記携帯端末の移動軌跡を算出する機能と、
    算出された移動軌跡の分布パターンを前記マップ上に描画する機能と、を有していることを特徴とする請求項6に記載の発信機の保守点検支援システム。
  8. 前記記憶手段には前記複数の発信機の設置直後に取得した前記携帯端末の移動軌跡の初期分布パターン情報が記憶されており、
    前記データ処理装置は、
    前記初期分布パターンと所定期間における前記携帯端末の移動軌跡の分布パターンとの差分をとり、当該差分を前記マップ上に表示させる機能を有していることを特徴とする請求項7に記載の発信機の保守点検支援システム。
  9. 前記記憶手段には前記携帯端末の移動軌跡の分布パターン情報が順次記憶されており、
    前記データ処理装置は、
    記憶されているいずれかの前記分布パターンと所定期間における前記携帯端末の移動軌跡の分布パターンとの差分をとり、当該差分を前記マップ上に表示させる機能を有していることを特徴とする請求項7に記載の発信機の保守点検支援システム。
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