JP2018194462A - リーン車両用ライントレース性指標化装置、リーン車両用ライントレース性指標化方法、リーン車両用ライントレース性指標化プログラム、リーン車両用指標表示出力装置、リーン車両用指標表示出力方法およびリーン車両用指標表示出力プログラム - Google Patents

リーン車両用ライントレース性指標化装置、リーン車両用ライントレース性指標化方法、リーン車両用ライントレース性指標化プログラム、リーン車両用指標表示出力装置、リーン車両用指標表示出力方法およびリーン車両用指標表示出力プログラム Download PDF

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将行 三木
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Abstract

【課題】リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つであるリーン車両のライントレース性を指標化するリーン車両用ライントレース性指標化装置を提供すること。【解決手段】リーン車両用ライントレース性指標化装置は、前輪滑り角α1を取得するリーン車両前輪滑り角取得部と、後輪滑り角α2を取得するリーン車両後輪滑り角取得部と、前輪滑り角α1および後輪滑り角α2の相対関係を補正するための車輪滑り角関係補正係数を取得する車輪滑り角補正係数取得部と、リーン車両のステアリングの操舵方向に関するリーン車両操舵方向sgn(δ)を取得するリーン車両操舵方向取得部と、前輪滑り角α1、後輪滑り角α2、車輪滑り角補正係数およびリーン車両操舵方向sgn(δ)に基づいて、リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つであるリーン車両ライントレース性指標LTIを導出するリーン車両ライントレース性指標導出部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、リーン車両用ライントレース性指標化装置、リーン車両用ライントレース性指標化方法、リーン車両用ライントレース性指標化プログラム、リーン車両用指標表示出力装置、リーン車両用指標表示出力方法およびリーン車両用指標表示出力プログラムに関する。
自動二輪車のように、右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態で走行するリーン車両が提案されている。
非特許文献1、2および3では、二輪車の運動特性とその評価指標に関する研究が行なわれている。
非特許文献4では、計測結果を用いて、非特許文献1で提案されている定常円旋回時の操縦性についての特性値が検討されている。非特許文献1では、下式1に従って、幾何学的舵角の値も用いられてスタビリティファクタが求められている。
Figure 2018194462






スタビリティファクタはライダーのリーン姿勢の影響を受け難く、正確に求めやすいため、良い指標になる可能性がある。しかしながら、スタビリティファクタの値の解釈には、例えば実際の二輪車の運動との関係で研究の余地があると考えられている。
今後も様々なタイプの車両について定常円旋回試験データを蓄積することにより、指標の値により操縦性を議論することができるようになり、開発に役立つ定量的基本操縦性評価手法が実現すると考えられている。
景山一郎「二輪車の運動特性とその評価指標に関する研究」自動車技術会学術講演会前刷集、No.150−07、13−18頁(2007) 景山一郎、栗谷川幸代「二輪車の運動特性とその評価指標に関する研究」自動車技術会学術講演会前刷集、No.58−08、1−5頁(2008) 富松正浩、景山一郎「二輪車のタイヤ特性と運動解析に関する研究」自動車技術会学術講演会前刷集、No.150−07、9−12頁(2007) 藤井茂、塩澤総一、品川晃徳、岸知昭、"二輪車の操縦特性調査"、[online]、2009年12月、ヤマハ発動機株式会社、[2017年5月17日検索]、インターネット<URL:https://global.yamaha-motor.com/jp/profile/technical/publish/pdf/browse/45gr03.pdf>
上述した非特許文献で示されているように、リーン車両の旋回特性に関して、定量的な指標化が望まれている。
本発明の目的は、リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つであるリーン車両のライントレース性を指標化するリーン車両用ライントレース性指標化装置、リーン車両用ライントレース性指標化方法、リーン車両用ライントレース性指標化プログラム、リーン車両用指標表示出力装置、リーン車両用指標表示出力方法およびリーン車両用指標表示出力プログラムを提供することである。
本発明の一つの観点によれば、リーン車両用ライントレース性指標化装置は、
リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる前輪の滑り角に関する物理量である前輪滑り角α1を取得するリーン車両前輪滑り角取得部と、
前記リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる後輪の滑り角に関する物理量である後輪滑り角α2を取得するリーン車両後輪滑り角取得部と、
前記リーン車両前輪滑り角取得部で取得された前記前輪滑り角α1および前記リーン車両後輪滑り角取得部で取得された前記後輪滑り角α2の相対関係を補正するための車輪滑り角関係補正係数を取得する車輪滑り角補正係数取得部と、
前記リーン車両のステアリングの操舵方向に関するリーン車両操舵方向sgn(δ)を取得するリーン車両操舵方向取得部と、
前記前輪滑り角α1、前記後輪滑り角α2、前記車輪滑り角関係補正係数および前記リーン車両操舵方向sgn(δ)に基づいて、前記リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つであるリーン車両ライントレース性指標LTIを導出するリーン車両ライントレース性指標導出部と、
を備える。
前記リーン車両用ライントレース性指標化装置では、前輪滑り角α1、後輪滑り角α2、車輪滑り角関係補正係数および前記リーン車両操舵方向sgn(δ)に基づいてリーン車両ライントレース性指標LTIが導出される。リーン車両ライントレース性指標LTIは、リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つである。従って、前記リーン車両用ライントレース性指標化装置によれば、リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標化を実現できる。
前輪滑り角α1および後輪滑り角α2は、コンピュータによって実行されるリーン車両の走行挙動のシミュレーションにより取得されてもよく、リーン車両のシミュレータから取得されてもよく、実際に走行するリーン車両に設けられたセンサ等から得られるデータに基づいて取得されてもよい。前記シミュレーションに関して、コンピュータは、例えば、車輪及び車体に関する係数が入力されることにより、リーン車両の走行挙動のシミュレーションを実行し、シミュレーションの結果から、前輪滑り角α1および後輪滑り角α2を取得することができる。
前輪滑り角α1および後輪滑り角α2の相対関係としては、特に限定されず、例えば、α1の値とα2の値との正負の関係、α1の値とα2の値との大きさの関係、これらの組合せにより定められる関係が挙げられる。また、車輪滑り角関係補正係数は、例えば、後述する前輪滑り角補正係数Aと後輪滑り角補正係数Bとに基づいて導出されてもよい。また、車輪滑り角関係補正係数として、後述する前輪滑り角補正係数Aと後輪滑り角補正係数Bとの組合せが用いられてもよい。
本発明の別の観点によれば、リーン車両用ライントレース性指標化装置は、
リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる前輪の滑り角に関する物理量である前輪滑り角α1を取得するリーン車両前輪滑り角取得部と、
前記リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる後輪の滑り角に関する物理量である後輪滑り角α2を取得するリーン車両後輪滑り角取得部と、
前記リーン車両前輪滑り角取得部で取得された前記前輪滑り角α1を補正するための前輪滑り角補正係数Aを取得する前輪滑り角補正係数取得部と、
前記リーン車両後輪滑り角取得部で取得された前記後輪滑り角α2を補正するための後輪滑り角補正係数Bを取得する後輪滑り角補正係数取得部と、
前記リーン車両のステアリングの操舵方向に関するリーン車両操舵方向sgn(δ)を取得するリーン車両操舵方向取得部と、
前記前輪滑り角α1、前記後輪滑り角α2、前記前輪滑り角補正係数A、前記後輪滑り角補正係数Bおよび前記リーン車両操舵方向sgn(δ)に基づいて、前記リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つであるリーン車両ライントレース性指標LTIを導出するリーン車両ライントレース性指標導出部と、
を備える。
前記リーン車両用ライントレース性指標化装置では、前輪滑り角α1、後輪滑り角α2、前輪滑り角補正係数A、後輪滑り角補正係数Bおよび前記リーン車両操舵方向sgn(δ)に基づいてリーン車両ライントレース性指標LTIが導出される。リーン車両ライントレース性指標LTIは、リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つである。従って、前記リーン車両用ライントレース性指標化装置によれば、リーン車両の旋回特性に関して、定量的な指標化を実現できる。
本発明の別の観点によれば、前記リーン車両ライントレース性指標LTIは、下記(I)式を満たすことが好ましい。
LTI=sgn(δ)×(A×α1+B×α2)・・・(I)
前記リーン車両ライントレース性指標LTIは、リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の好ましい一例である。なお、上記(I)式には、例えば、スケールファクタが含まれてもよい。即ち、リーン車両ライントレース性指標LTIには、スケールファクタが掛けられてもよい。
本発明の別の観点によれば、上述したリーン車両用ライントレース性指標化装置に対応するリーン車両用ライントレース性指標化方法、及びリーン車両用ライントレース性指標化プログラムが提供される。
本発明の別の観点によれば、リーン車両用指標表示出力装置は、
リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる前輪の滑り角に関する物理量である前輪滑り角α1、
前記リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる後輪の滑り角に関する物理量である後輪滑り角α2、
前記前輪滑り角α1を補正するための前輪滑り角補正係数A、
前記後輪滑り角α2を補正するための後輪滑り角補正係数B、および
前記リーン車両のステアリングの操舵方向に関するリーン車両操舵方向sgn(δ)に基づいて導出された前記リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つであるリーン車両ライントレース性指標LTIを取得するリーン車両ライントレース性指標取得部と、
前記リーン車両ライントレース性指標取得部で取得された前記リーン車両ライントレース性指標LTIを記憶する記憶部と、
前記記憶部で記憶された前記リーン車両ライントレース性指標LTIを含む前記リーン車両に関する指標を表示するためのデータを出力するリーン車両指標表示データ出力部と、
を備える。
前記リーン車両用指標表示出力装置によれば、前輪滑り角α1、後輪滑り角α2、前輪滑り角補正係数A、後輪滑り角補正係数Bおよび前記リーン車両操舵方向sgn(δ)に基づいて導出されたリーン車両ライントレース性指標LTIを表示することが可能となる。リーン車両ライントレース性指標LTIは、リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つである。従って、前記リーン車両用指標表示出力装置によれば、リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の提供が可能となる。
本発明の別の観点によれば、前記リーン車両用指標表示出力装置であって、
前記記憶部は、前記リーン車両ライントレース性指標取得部で取得された複数の前記リーン車両ライントレース性指標LTIを記憶し、
前記リーン車両指標表示データ出力部は、前記記憶部で記憶された複数の前記リーン車両ライントレース性指標LTIを同時に表示するためのデータを出力する。
前記リーン車両用指標表示出力装置によれば、複数のリーン車両ライントレース性指標LTIを同時に表示することが可能となるので、リーン車両の旋回特性に関する複数の定量的な指標を、互いに対比され易い態様で提供することが可能となる。複数のリーン車両ライントレース性指標LTIは、例えば、互いに異なる条件下で導出された指標である。前記条件としては、特に限定されず、例えば、タイミング、セッティングが挙げられる。即ち、前記リーン車両用指標表示出力装置は、異なるタイミングで導出された複数のリーン車両ライントレース性指標LTIを同時に表示するデータを出力してもよく、異なるセッティングで導出された複数のリーン車両ライントレース性指標LTIを同時に表示するデータを出力してもよい。
本発明の別の観点によれば、前記リーン車両用指標表示出力装置は、
前記リーン車両ライントレース性指標取得部で取得された前記リーン車両ライントレース性指標LTIと異なる前記リーン車両のライディングに関する物理量を示すライディング指標RIを取得するライディング指標取得部を更に備え、
前記リーン車両指標表示データ出力部は、前記リーン車両ライントレース性指標LTIおよび前記ライディング指標RIを同時に表示するためのデータを出力する。
前記リーン車両用指標表示出力装置によれば、リーン車両ライントレース性指標LTIを、別のライディング指標RIと同時に表示することが可能となるので、両指標LTI及びRIを、互いに対比され易い態様で提供することが可能となる。ライディング指標RIとしては、特に限定されず、例えば、スタビリティファクタ、鞍乗型車両の運転者による評価スコアが挙げられる。また、リーン車両指標表示データ出力部は、両指標LTI及びRIの相関関係に係る情報を表示するためのデータを出力するように構成されていてもよい。
本発明の別の観点によれば、上述したリーン車両用指標表示出力装置に対応するリーン車両用指標表示出力方法、及びリーン車両用指標表示出力プログラムが提供される。
リーン車両とは、リーン姿勢で旋回する車両をいう。リーン車両は、操舵されるように構成され、操舵されて旋回する時にカーブ内側にリーンする。リーン車両は、例えば、リーン姿勢で旋回するように構成された鞍乗型車両である。そのような鞍乗型車両としては、特に限定されず、例えば、自動二輪車、自動三輪車等が挙げられる。自動二輪車としては、特に限定されず、例えば、スクータ型、モペット型、オフロード型、オンロード型の自動二輪車が挙げられる。リーン車両は、前輪と後輪とを有する。前輪及び後輪の数は、特に限定されない。リーン車両は、例えば、1つ又は2つの前輪と、1つ又は2つの後輪とを備える。リーン車両は、例えば、1つ又は2つの前輪と、1つの後輪とを備える。リーン車両は、例えば、1つの前輪と、1つ又は2つの後輪とを備える。リーン車両は、例えば、1つの前輪と、1つの後輪とを備える。後輪が駆動輪であってもよく、前輪が駆動輪であってもよく、前輪及び後輪が駆動輪であってもよい。駆動源は、特に限定されず、例えば、電動機であってもよく、内燃機関であってもよい。操舵輪は、例えば、前輪である。
δは、操舵角を示す。操舵角については、車幅方向(左右方向)の一方が正の方向として定められ、他方が負の方向として定められる。sgn(δ)は、操舵角δの符号を示し、操舵方向を意味する。
前輪滑り角補正係数Aおよび後輪滑り角補正係数Bは、例えば、互いに同じ正負の符号を有する。前輪滑り角補正係数Aおよび後輪滑り角補正係数Bは、例えば、共に正である。前輪滑り角補正係数Aおよび後輪滑り角補正係数Bは、互いに同じ値であってもよく、互いに異なる値であってもよい。後輪滑り角補正係数Bは、前輪滑り角補正係数Aより大きくてもよく、前輪滑り角補正係数Aより小さくてもよい。前輪滑り角補正係数Aおよび後輪滑り角補正係数Bは、操舵輪に係る係数が小さくなるように設定されてもよく、操舵輪に係る係数が大きくなるように設定されてもよい。前輪滑り角補正係数Aおよび後輪滑り角補正係数Bは、駆動輪に係る係数が大きくなるように設定されてもよく、駆動輪に係る係数が小さくなるように設定されてもよい。
本発明の一実施形態に係るリーン車両用ライントレース性指標化装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図1に示すリーン車両用ライントレース性指標化装置の機能ブロック構成を示すブロック図である。 シミュレーション部がシミュレーションを行うモデルの一例としての車両1を示す図である。 シミュレーション部がシミュレーションする車両のデータの一例を説明する図である。 図2に示すリーン車両用ライントレース性指標化装置の動作を説明するフローチャートである。 実験に使用したライディングシミュレータを示す外観図である。 ライディングシミュレータで想定されるコースを示す図である。 ライダーによる評価結果の結果を示す表である。 参考例1及び実施例1におけるシミュレーション条件としてのタイヤの特性を示す表である。 図9に示す各条件における滑り角特性とスタビリティファクタKδを示す表である。 負のスタビリティファクタとライダー評価の結果を、ライダー評価順に並び替えて示すグラフである。 ライダー評価に基づいて取得された前輪滑り角補正係数及び後輪滑り角補正係数を示す。 本評価指標を適用した結果を示すグラフである。 参考例1のスタビリティファクタと、本実施例のリーン車両ライントレース性指標LTIにおける相関係数、順位相関係数を示す表である。 実施例2で想定される評価コースを示す図である。 実施例2で用いられる前輪及び後輪の特性の条件を示す表である。 R30オーバル及び50km/hの条件における実施例2の滑り角特性とスタビリティファクタを示す図である。 R100オーバル及び82km/hの条件における実施例2の滑り角特性とスタビリティファクタを示す図である。 実施例2のうちR30オーバル及び50km/hの条件におけるライダー評価結果、ライントレース性指標、及び負のスタビリティファクタを示すグラフである。 実施例2のうちR100オーバル及び82km/hの条件におけるライダー評価結果、ライントレース性指標、及び負のスタビリティファクタを示すグラフである。 実施例2におけるライダー評価結果に対する、ライントレース性指標及び負のスタビリティファクタとの相関係数を示す表である。
以下、本発明の実施形態に基づいて図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るリーン車両用ライントレース性指標化装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示すリーン車両用ライントレース性指標化装置100は、例えば、コンピュータ装置で構成されている。リーン車両用ライントレース性指標化装置100は、プロセッサ11、記憶装置12、表示装置13、及び入力装置14を備えている。
プロセッサ11はプログラムを実行することにより、リーン車両用ライントレース性指標化装置100の各部を制御する。記憶装置12は、プロセッサ11で実行されるプログラム及び実行される処理に関するデータを記憶する。表示装置13は、表示のための情報を出力する。本実施形態の表示装置13は、情報を表示も行う。表示装置13は、例えばディスプレイである。入力装置14は、操作に応じて情報をリーン車両用ライントレース性指標化装置100に入力する。
図2は、図1に示すリーン車両用ライントレース性指標化装置100の機能ブロック構成を示すブロック図である。
リーン車両用ライントレース性指標化装置100は、仕様受付部21、シミュレーション部22、リーン車両前輪滑り角取得部23、リーン角後輪滑り角取得部24、リーン車両操舵方向取得部25、車輪滑り角補正係数取得部26、リーン車両ライントレース性指標導出部29、記憶部31、ライディング指標取得部33、及びリーン車両指標表示データ出力部34を備えている。車輪滑り角補正係数取得部26は、前輪滑り角補正係数取得部27、及び後輪滑り角補正係数取得部28を備えている。リーン車両用ライントレース性指標化装置100は、リーン車両用指標表示出力装置の一例である。
仕様受付部21及びライディング指標取得部33は、図1に示す入力装置14で構成されている。また、リーン車両指標表示データ出力部34は、図1に示す表示装置13で構成されている。記憶部31は、図1で示す記憶装置12で構成されている。シミュレーション部22、リーン車両前輪滑り角取得部23、リーン角後輪滑り角取得部24、リーン車両操舵方向取得部25、車輪滑り角補正係数取得部26、リーン車両ライントレース性指標導出部29、前輪滑り角補正係数取得部27、及び後輪滑り角補正係数取得部28のそれぞれは、図1に示すプロセッサ11が記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することによって構成される。
仕様受付部21は、リーン車両の走行中の挙動のシミュレーションに用いるための仕様を受け付ける。仕様は、例えば、リーン車両の車輪の特性、及び車体の構造である。
シミュレーション部22は、仕様受付部21で受け付けた仕様及びリーン車両の数学モデルに基づいて、リーン車両の走行中の挙動をシミュレーションする。シミュレーションの結果として、リーン車両の姿勢及び挙動に関するデータが得られる。
図3は、シミュレーション部22がシミュレーションを行うモデルの一例としてのリーン車両1を示す図である。シミュレーション部22は、例えばリーン車両1の走行中の挙動をシミュレーションする。リーン車両1は、自動二輪車である。リーン車両1は、リーン姿勢で旋回可能に構成されている。リーン車両1は、ステアリング3、及び車輪4,5を備えている。シミュレーション対象のリーン車両の種類は、仕様受付部21で受け付けた仕様に応じて異なる。ここでは、シミュレーション対象のリーン車両の例として、図3に示すリーン車両1を参照して説明する。
図4は、シミュレーション部22がシミュレーションする車両の状態を説明する図である。図4には、シミュレーション部22がシミュレーションする車両の車輪4,5、及び車両の前後方向に延びる軸x、及び左右方向に延びる軸yが示されている。また、図4には、車両の姿勢及び挙動を表すデータが示されている。図4に示す各符号は、後述する説明で参照される。
図2に示すリーン車両前輪滑り角取得部23は、リーン車両1の前輪滑り角α1(図4参照)を取得する。前輪滑り角α1は、リーン車両1の前輪4の滑り角に関する物理量である。前輪4は、リーン車両の右旋回時に右方向に傾斜し、左旋回時に左方向に傾斜した状態となる。
リーン角後輪滑り角取得部24は、リーン車両1の後輪滑り角α2(図4参照)を取得する。後輪滑り角α2は、リーン車両1の後輪5の滑り角に関する物理量である。後輪5は、リーン車両の右旋回時に右方向に傾斜し、左旋回時に左方向に傾斜した状態となる。
リーン車両操舵方向取得部25は、リーン車両1のステアリング3の操舵方向であるリーン車両操舵方向を取得する。操舵方向は、図4ではδとして示されている。リーン車両操舵方向取得部25は、リーン車両操舵方向としてsgn(δ)の値を取得する。
リーン車両ライントレース性指標導出部29は、リーン車両1の旋回特性に関する定量的な指標の一つであるリーン車両ライントレース性指標LTIを導出する。
車輪滑り角補正係数取得部26は、リーン車両ライントレース性指標導出部29におけるリーン車両ライントレース性指標LTIの取得に必要な、車輪滑り角関係補正係数を取得する。
より詳細には、前輪滑り角補正係数取得部27は、リーン車両ライントレース性指標導出部29における導出の処理に必要な、前輪滑り角補正係数を取得する。後輪滑り角補正係数取得部28は、リーン車両ライントレース性指標導出部29における導出の処理に必要な、後輪滑り角補正係数を取得する。
上述したリーン車両ライントレース性指標導出部29は、より詳細には、前輪滑り角α1、後輪滑り角α2、車輪滑り角関係補正係数およびリーン車両操舵方向sgn(δ)に基づいて、リーン車両ライントレース性指標LTIを導出する。
リーン車両ライントレース性指標LTIは、次の式に基づいて導出される。
LTI=sgn(δ)×(A×α1+B×α2)・・・(I)
ここで、A:前輪滑り角補正係数、B:後輪滑り角補正係数
なお、リーン車両ライントレース性指標LTIは、スケールファクタを考慮し、次のより一般化された式で導出されることも可能である。
LTI=C×sgn(δ)×(A×α1+B×α2)・・・(I)’
ここで、C:任意のスケールファクタ
前輪滑り角補正係数A及び後輪滑り角補正係数Bは、車輪滑り角関係補正係数を構成している。車輪滑り角関係補正係数は、リーン車両前輪滑り角取得部23で取得された前輪滑り角α1及びリーン車両後輪滑り角取得部24で取得された後輪滑り角α2の相対関係を補正するための係数である。車輪滑り角関係補正係数が示す相対関係は、符号関係及び大きさの関係の少なくとも一方を含むことができる。本実施形態における車輪滑り角関係補正係数相対関係は、符号関係及び大きさの関係の双方を含んでいる。
上述した車輪滑り角補正係数取得部26は、前輪滑り角補正係数A及び後輪滑り角補正係数Bを取得する。
ライディング指標取得部33は、ライディング指標RIを取得する。ライディング指標RIは、リーン車両1のライディングに関する物理量である。ライディング指標RIは、リーン車両ライントレース性指標LTIとは異なる。ライディング指標RIは、例えば、リーン車両1に乗車した評価ライダーによる評価を表す。
リーン車両指標表示データ出力部34は、リーン車両ライントレース性指標導出部29で導出されたリーン車両ライントレース性指標LTIを記憶する。リーン車両指標表示データ出力部34は、記憶部31で記憶されたリーン車両ライントレース性指標LTIを含むリーン車両1に関する指標を表示するデータを出力する。
リーン車両指標表示データ出力部34は、例えば、複数種類の条件に対応したシミュレーションの結果によって取得された複数のリーン車両ライントレース性指標LTIを記憶する。リーン車両指標表示データ出力部34は、複数のリーン車両ライントレース性指標LTIを表示するデータを出力する。
ここで、上述したリーン車両ライントレース性指標導出部29により導出されるリーン車両ライントレース性指標LTIについて説明する前に、スタビリティファクタについて説明する。
スタビリティファクタは、旋回特性値の一つである。スタビリティファクタは次のように求められる。
幾何学的操舵角δ0は、次の式に基づいて導出される。
δ0 = l/R ・・・(1)
l:ホイールベース R:回転半径
スタビリティファクタKδは、次の式に基づいて導出される。
Kδ=(δ/δ0 − 1)/v2 ・・・(2)
δ:実操舵角 v:車速
リーン車両1における実操舵角δは、前輪4の水平面に投影された像の向きが、リーン車両1の前後方向Xとなす角である(図4参照)。
スタビリティファクタKδについての式(2)を見ると、他の走行条件を固定した場合、車両の旋回特性は、実操舵角δを用いて示される。
本実施形態ではリーン車両ライントレース性指標LTIに関連して前後の車輪4,5の滑り角α1,α2に注目する。このため、式(1)を滑り角で表現できるように変形する。
前輪4の滑り角α1、後輪5の滑り角α2について以下のように定義する。
α1 = β + lf ω/V − δ ・・・(3)
β:車体滑り角、lf:重心−前輪距離
α2 = β − lr ω/V ・・・(4)
ω:ヨーレート、lr:重心−後輪距離
上記の2つの式(3)(4)を実操舵角δについて整理すると次の式となる
δ = α2 − α1 + l/R ・・・(5)
α1:前輪滑り角、α2:後輪滑り角
上記の式(5)を式(2)に代入すると、スタビリティファクタを幾何学的操舵角δ0に対する前後の滑り角α1,α2の差の割合で表現することができる。
Kδ =(α2 - α1) / δ0 /v2 ・・・(6)
通常、ライダーは、上記旋回特性の違いをアンダーステア、オーバーステア、ニュートラルとして感じている。しかし、ライダーによる評価のポイントは、スタビリティファクタKδとは異なっている。
そこで、前後の滑り角α1,α2に対し、車輪滑り角関係補正係数が導入される。車輪滑り角関係補正係数は、リーン車両前輪滑り角取得部23で取得された前輪滑り角α1、及びリーン車両後輪滑り角取得部24で取得された後輪滑り角α2の相対関係を補正するための係数である。本実施形態の車輪滑り角関係補正係数は、前輪滑り角補正係数A及び後輪滑り角補正係数Bの組合せである。
車輪滑り角関係補正係数は、例えば、実際に車輪滑り角関係補正係数を用いて導出したライントレース性評価指標LTIと、ライダーによる評価を数値化した指標との間で重回帰分析を行うことによって取得することができる。より詳細には、車輪滑り角関係補正係数は、前後の車輪の滑り角を説明変数とし、ライダーによる評価の指標を目的変数として重回帰分析を行うことによって取得される。
ここで、ライダーによる評価を得る方法について、例を挙げて説明する。
自動二輪車に代表されるリーン車両1では、滑り角が非常に微小であり、実際の走行中における測定及び再現が容易でない。そこで、ライディングシミュレータを用いて評価を行う。ライディングシミュレータを用いることによって、滑り角の測定、再現性が可能で、且つライダーによる乗車評価が行いやすくなる。
ライダーによる評価の取得では、コーナーを有するコースの走行をライディングシミュレータで実施した場合における、ライダーによるライントレース性の評価を行う。ライダーによる評価は、評点法で行う。具体的には、ライダーは、コーナー走行中の定常旋回時のライントレース性について、狙ったラインに対して膨らんでしまうとアンダーステア、切れ込んでしまうとオーバーステアと評価する。それぞれの評価を評点として表す。
例として、車輪4,5のタイヤに関して、特性が異なる複数種類の条件のシミュレーションに対するライダーの評価を説明する。
図6は、実験に使用したライディングシミュレータを示す外観図である。
例えば、評価対象のリーン車両1の条件として、例えば、排気量1300ccの大型スポーツツアラの条件が設定される。
図7は、ライディングシミュレータで想定されるコースを示す図である。評価コースの条件として、図7に示すR30のコーナーを持つオーバルコースが利用される。また、走行方法についての条件は、速度50km/hでの走行である。評価ライダーは、ライディングシミュレータでコースのセンターに表示されたR30のラインをトレースするように走行して評価を行う。
ライダーは、コーナー走行中の定常旋回時のライントレース性について、狙ったラインに対して膨らんでしまう場合アンダーステアと評価し、狙ったラインに対して切れ込んでしまうとオーバーステアと評価する。ライダーは、ニュートラルを0、アンダーステアを+1、オーバーステアを−1と評価する。評価ライダーとして、操縦安定性を評価可能なエキスパートライダー3名で評価を実施する。
図8は、ライダーによる評価結果を示す表である。
なお、図8には、シミュレーションによるスタビリティファクタKδも示されている。図8に示すスタビリティファクタKδは、後に説明する参考例で参照するためのものである。
車輪滑り角関係補正係数は、例えば図8に示す各条件におけるライダーの評価結果を用いて、重回帰分析を行うことによって得られる。
たとえは、車輪滑り角関係補正係数は、シミュレーションで得られる前後の車輪の滑り角を説明変数とし、ライディングシミュレータに乗車したライダーによる評価結果を目的変数として重回帰分析を行うことによって取得される。
図5は、図2に示すリーン車両用ライントレース性指標化装置100の動作を説明するフローチャートである。
図5のフローチャートは、リーン車両用ライントレース性指標化装置100が実施するリーン車両用ライントレース性指標化処理を示している。図5のフローチャートは、リーン車両用ライントレース性指標化方法を示している。また、図5のフローチャートは、リーン車両用ライントレース性指標化装置100を構成するコンピュータ装置が実行するリーン車両用ライントレース性指標化プログラムの一例を表している。リーン車両用ライントレース性指標化プログラムは、リーン車両用指標表示出力プログラムの一例である。図5に示す各処理は、リーン車両用指標表示出力プログラムに含まれるステップに相当する。
リーン車両用ライントレース性指標化処理において、まず、仕様受付部21が、仕様を受け付ける(S21)。仕様受付部21は、例えば、複数の仕様のそれぞれについてシミュレーションが実行されるよう、複数の異なる条件を受け付けることができる。
次に、シミュレーション部22が、仕様受付部21で受け付けた仕様に基づいて、リーン車両の走行中の挙動をシミュレーションする(S22)。シミュレーションの結果として、リーン車両の姿勢及び挙動に関するデータが得られる。
次に、リーン車両前輪滑り角取得部23は、シミュレーションの結果から、リーン車両1の前輪滑り角α1を取得する(S23)。
また、リーン角後輪滑り角取得部24は、シミュレーションの結果から、リーン車両1の後輪滑り角α2を取得する(S24)。
次に、リーン車両操舵方向取得部25は、シミュレーションの結果から、リーン車両1のステアリング3の操舵方向に関するリーン車両操舵方向を取得する(S25)。リーン車両操舵方向取得部25は、リーン車両操舵方向として、sgn(δ)の値を取得する。
次に、車輪滑り角補正係数取得部26が、リーン車両ライントレース性指標導出部29における導出の処理に必要な、車輪滑り角関係補正係数を取得する。
詳細には、前輪滑り角補正係数取得部27が、前輪滑り角補正係数を取得する(S27)。また、後輪滑り角補正係数取得部28が、後輪滑り角補正係数を取得する(S28)。前輪滑り角補正係数及び後輪滑り角補正係数は、例えば、上記S22のステップに先立っており、係数取得のために実施されたシミュレーションの結果を解析することによって取得され、記憶装置12に記憶されている。ステップS27、S28では、先に実施されたシミュレーションから取得され、記憶装置12に記憶された係数を読み出すことによって前輪滑り角補正係数及び後輪滑り角補正係数を取得する。
次に、リーン車両ライントレース性指標導出部29は、リーン車両ライントレース性指標LTIを導出する(S29)。ステップS29、即ち、リーン車両ライントレース性指標導出ステップにおいて、リーン車両ライントレース性指標導出部29は、リーン車両1の前輪滑り角α1、後輪滑り角α2、前輪滑り角補正係数、後輪滑り角補正係数、及び、リーン車両操舵方向から、リーン車両ライントレース性指標LTIを導出する。
次に、リーン車両ライントレース性指標導出部29は、リーン車両ライントレース性指標取得部で取得されたリーン車両ライントレース性指標LTIを記憶部31に記憶する(S31)。
次に、リーン車両用ライントレース性指標化装置100は、上記ステップS21で、複数の仕様に対する複数の条件が受け付けられていた場合、受け付けられた全仕様について、リーン車両ライントレース性指標LTIが導出されたか否か判別する(S32)。全仕様について、リーン車両ライントレース性指標LTIが導出されていない場合(S32でNo)、残りの仕様の条件について、上記ステップS22〜S29の処理が再度実施される。この結果、記憶部31には、複数の条件に対応する複数のリーン車両ライントレース性指標LTIが記憶される。
次に、ライディング指標取得部33が、ライディング指標RIを取得する(S33)。ステップS33、即ちライディング指標取得ステップで、ライディング指標取得部33は、ライディング指標RIとして、例えば、ライディングシミュレータ又は実測による評価が行われた場合の評価結果の入力を受け付ける。ライディング指標取得部33は、ライディング指標RIを記憶部31に記憶する。
ライディング指標RIは、上記ステップS29で導出されたリーン車両ライントレース性指標導出部29の確からしさを表示するための参照データとして用いられる。確からしさの表示が必要ない場合、及びライディングシミュレータ等による評価が行われていない場合には、このステップS33の処理は省略される。
次に、リーン車両指標表示データ出力部34は、記憶部31で記憶されたリーン車両1に関する指標を表示するデータを出力する(S34)。具体的には、リーン車両指標表示データ出力部34は、リーン車両ライントレース性指標LTIを表すデータを記憶部31から読み出し、出力する。これによって、表示装置(図1参照)にリーン車両ライントレース性指標LTIが表示される。記憶部31に複数のリーン車両ライントレース性指標LTIが記憶されている場合、リーン車両指標表示データ出力部34は、複数のリーン車両ライントレース性指標LTIを同時に表示するためのデータを出力する。これによって、例えば、図13のグラフに示すような複数の条件において導出された複数のリーン車両ライントレース性指標LTIが同時に表示される。リーン車両ライントレース性指標LTIとライディング指標RIも同時に表示されることも可能である。
[参考例1]
ここで、参考例として、例えば車輪滑り角関係補正係数の取得又はリーン車両ライントレース性指標の導出を行わない場合の指標の導出について説明する。
参考例では、ライダーモデルによるシミュレーションの結果から、上式(2)によるスタビリティファクタKδが導出される。
スタビリティファクタKδの導出にあたり、シミュレーション条件として、車両1のタイヤの特性について複数の条件が設定される。
図9は、参考例1及び実施例1におけるシミュレーション条件としてのタイヤの特性を示す表である。
詳細には、前後輪それぞれのタイヤのキャンバスラスト係数を変化させることで、滑り角の向き、前後輪の滑り角量の大小の組み合わせにより複数種類の滑り角特性が準備される。詳細には、前輪について4つの仕様、後輪について2つの仕様との組合せによる8種類の滑り角特性が準備される。シミュレーションの条件として、図9に示す条件が用られる。
図10は、図9に示す各条件における滑り角特性とスタビリティファクタKδを示す表である。
スタビリティファクタについては、ライダーモデルにより車速50km/hでR30の定常円旋回走行させた際の実操舵角を利用して式(1)、(2)に従って求めた。なお、図10には、前輪滑り角及び後輪滑り角も示されている。前輪滑り角及び後輪滑り角は実施例1で用いられる。
また、シミュレーションで設定されたタイヤの各条件について、ライディングシミュレータを用いて検証したライダーの官能評価を利用して、スタビリティファクタとライダー官能評価結果の相関分析を行った。
先に説明した、図8には、図10に示したスタビリティファクタとライダー官能評価結果の相関分析結果が示されている。
スタビリティファクタ値と、ライダーによる官能評価結果の間には、通常、次のような傾向があると考えられている。
スタビリティファクタ値 >0 :アンダーステア
スタビリティファクタ値 =0 :ニュートラルステア
スタビリティファクタ値 <0 :オーバーステア
図8に示すように、スタビリティファクタとライダー評価結果の相関関係として、0.84と高い負の相関関係が得られた。従って、一部の条件では、旋回性能を示す評価指標として利用できる可能性がある。しかし、スタビリティファクタでは、アンダーステアとオーバーステアが逆となっている。また、複数の仕様においてスタビリティファクタの順位と、官能評価結果の順位の一致度に関する順位性が低い。
図11は、スタビリティファクタの符号を反転した負のスタビリティファクタとライダー評価の結果を、ライダー評価順に並び替えて示すグラフである。
図11のグラフでは、特に仕様(7)、(8)について、スタビリティファクタと官能評価結果の結果が乖離している。仕様(7)、(8)のライダー評価では、例えば仕様(2)よりもアンダーステアとしているが、負のスタビリティファクタではオーバーステアとなっており、大きなギャップがある。
[実施例1]
次に、図2及び図4を参照して説明した本実施形態の処理に基づきライントレース性指標を導出した。
ここで、ライントレース性指標の導出に用いる前輪滑り角補正係数及び後輪滑り角補正係数は、上記の参考例1の条件における前後の車輪の滑り角を説明変数、ライダー評価を目的変数として重回帰分析することにより取得した。
図12は、ライダー評価に基づいて取得された前輪滑り角補正係数及び後輪滑り角補正係数を示す。本実施例では、前輪滑り角補正係数及び後輪滑り角補正係数として、1.01及び1.25がそれぞれ採用される。
ここで、仮に、前輪滑り角補正係数及び後輪滑り角補正係数を取得せず、これらの係数を1に固定した場合は、上式(6)が適用された場合に相当する。この場合、前後の車輪の滑り角に対する係数は前輪が負、後輪が正であり、前後のバランスが同等である。
これに対し、図12に示すように、取得された前輪滑り角補正係数は正の値であり、後輪滑り角補正係数は正の値である。また、前輪滑り角補正係数と後輪滑り角補正係数のバランスは全般的に見ると後輪重視の結果となっている。なお、ライダー3名それぞれについての係数は、異なっている。
各ライダーに、取得した結果をフィードバックしたところ、「評価において重要視している方の車輪の係数が高くなっており体感に近い」とのコメントが得られた。
本実施例では、全てのライダーの評価結果を総合した、前輪滑り角補正係数及び後輪滑り角補正係数を採用した。即ち、前輪滑り角補正係数として1.01、及び後輪滑り角補正係数1.25を採用した。この結果、リーン車両ライントレース性指標LTIとして、下の式(7)に基づいて評価指標を導出した。
LTI= sgn(δ)(1.01α1+1.25α2 ) ・・・(7)
図13は、実施例1における評価指標を適用した結果を示すグラフである。
また、図14は、参考例1のスタビリティファクタと、本実施例のリーン車両ライントレース性指標LTIにおける相関係数、順位相関係数を示す表である。
図13のグラフに示すように、本実施例のリーン車両ライントレース性指標LTIによれば、スタビリティファクタの場合の懸念であった仕様毎の順番性が解決されている。定量的には、図14に示すように、ライダー評価に対する相関係数、順位相関係数の双方において、参考例1のスタビリティファクタKδと比べ図13に示す本実施例のリーン車両ライントレース性指標LTIの方が、高くなっている事がわかる。
また、リーン車両ライントレース性指標LTIを求める式にsgn(δ)が導入されているため、ステアリングの左右に拘わらず、高い精度でリーン車両ライントレース性指標LTIが得られる。
[実施例2]
上記式(7)で示すリーン車両ライントレース性指標LTIの更なる検証として、実施例1とは異なる滑り角特性及び走行条件での検証実験を行った。
図15は、実施例2で想定される評価コースを示す図である。
評価コースは、実施例1と同様のオーバルコースである。評価速度に応じてR30とR100の2種類のコースが用意された。走行速度は一定であり、R30オーバルでは50km/h、R100オーバルでは82km/hである。
図16は、実施例2で用いられる前輪及び後輪の特性の条件を示す表である。
滑り角特性を得る条件として、図16に示す様に、前輪について3つの仕様と、後輪について3つの仕様との組み合わせによる9つの仕様を準備した。
図17は、R30オーバル及び50km/hの条件における実施例2の滑り角特性とスタビリティファクタを示す図である。図18は、R100オーバル及び82km/hの条件における実施例2の滑り角特性とスタビリティファクタを示す図である。
なお、実施例2は、評価ライダーとして、エキスパートライダー1名により実施された。
図19は、実施例2のうちR30オーバル及び50km/hの条件におけるライダー評価結果、ライントレース性指標、及び負のスタビリティファクタを示すグラフである。
図20は、実施例2のうちR100オーバル及び82km/hの条件におけるライダー評価結果、ライントレース性指標、及び負のスタビリティファクタを示すグラフである。
図21は、実施例2におけるライダー評価結果に対する、ライントレース性指標及び負のスタビリティファクタとの相関係数を示す表である。
図21の表に示すように、異なる滑り角特性及び異なる速度について、ライントレース性評価指標とライダー評価結果の相関関係は0.88,0.87であった。つまり、ライントレース性評価指標とライダー評価結果に、高い相関関係を有する事がわかる。
なお、負のスタビリティファクタとライダー評価結果も0.84,0.9と高い相関関係を有していた。しかし、順位相関係数においては、ライントレース性評価指標とライダー評価結果の相関係数が0.72,0.82と高い。ライントレース性評価指標についての相関係数は、負のスタビリティファクタよりもそれぞれ+0.24、+0.04ポイント高い。従って、ライントレース性評価指標によれば、仕様毎の順番性をより精密に表している事がわかる。
このように、ライントレース性評価指標は、有用であることが分かった。
100 リーン車両用ライントレース性指標化装置
21 仕様受付部
22 シミュレーション部
23 リーン車両前輪滑り角取得部
24 リーン車両後輪滑り角取得部
25 リーン車両操舵方向取得部
26 車輪滑り角補正係数取得部
27 前輪滑り角補正係数取得部
28 後輪滑り角補正係数取得部
29 リーン車両ライントレース性指標導出部
31 記憶部
33 ライディング指標取得部
34 リーン車両指標表示データ出力部

Claims (19)

  1. リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる前輪の滑り角に関する物理量である前輪滑り角α1を取得するリーン車両前輪滑り角取得部と、
    前記リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる後輪の滑り角に関する物理量である後輪滑り角α2を取得するリーン車両後輪滑り角取得部と、
    前記リーン車両前輪滑り角取得部で取得された前記前輪滑り角α1および前記リーン車両後輪滑り角取得部で取得された前記後輪滑り角α2の相対関係を補正するための車輪滑り角関係補正係数を取得する車輪滑り角補正係数取得部と、
    前記リーン車両のステアリングの操舵方向に関するリーン車両操舵方向sgn(δ)を取得するリーン車両操舵方向取得部と、
    前記前輪滑り角α1、前記後輪滑り角α2、前記車輪滑り角関係補正係数および前記リーン車両操舵方向sgn(δ)に基づいて、前記リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つであるリーン車両ライントレース性指標LTIを導出するリーン車両ライントレース性指標導出部と、
    を備えるリーン車両用ライントレース性指標化装置。
  2. リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる前輪の滑り角に関する物理量である前輪滑り角α1を取得するリーン車両前輪滑り角取得部と、
    前記リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる後輪の滑り角に関する物理量である後輪滑り角α2を取得するリーン車両後輪滑り角取得部と、
    前記リーン車両前輪滑り角取得部で取得された前記前輪滑り角α1を補正するための前輪滑り角補正係数Aを取得する前輪滑り角補正係数取得部と、
    前記リーン車両後輪滑り角取得部で取得された前記後輪滑り角α2を補正するための後輪滑り角補正係数Bを取得する後輪滑り角補正係数取得部と、
    前記リーン車両のステアリングの操舵方向に関するリーン車両操舵方向sgn(δ)を取得するリーン車両操舵方向取得部と、
    前記前輪滑り角α1、前記後輪滑り角α2、前記前輪滑り角補正係数A、前記後輪滑り角補正係数Bおよび前記リーン車両操舵方向sgn(δ)に基づいて、前記リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つであるリーン車両ライントレース性指標LTIを導出するリーン車両ライントレース性指標導出部と、
    を備えるリーン車両用ライントレース性指標化装置。
  3. 前記リーン車両ライントレース性指標LTIは、下記(I)式を満たす、請求項2に記載のリーン車両用ライントレース性指標化装置。
    LTI=sgn(δ)×(A×α1+B×α2)・・・(I)
  4. リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる前輪の滑り角に関する物理量である前輪滑り角α1を取得するリーン車両前輪滑り角取得ステップと、
    前記リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる後輪の滑り角に関する物理量である後輪滑り角α2を取得するリーン車両後輪滑り角取得ステップと、
    前記リーン車両前輪滑り角取得ステップで取得された前記前輪滑り角α1を補正するための前輪滑り角補正係数Aを取得する前輪滑り角補正係数取得ステップと、
    前記リーン車両後輪滑り角取得ステップで取得された前記後輪滑り角α2を補正するための後輪滑り角補正係数Bを取得する後輪滑り角補正係数取得ステップと、
    前記リーン車両のステアリングの操舵方向に関するリーン車両操舵方向sgn(δ)を取得するリーン車両操舵方向取得ステップと、
    前記前輪滑り角α1、前記後輪滑り角α2、前記前輪滑り角補正係数A、前記後輪滑り角補正係数Bおよび前記リーン車両操舵方向sgn(δ)に基づいて、前記リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つであるリーン車両ライントレース性指標LTIを導出するリーン車両ライントレース性指標導出ステップと、
    を備えるリーン車両用ライントレース性指標化方法。
  5. 前記リーン車両ライントレース性指標LTIは、下記(I)式を満たす、請求項4に記載のリーン車両用ライントレース性指標化方法。
    LTI=sgn(δ)×(A×α1+B×α2)・・・(I)
  6. コンピュータに、
    リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる前輪の滑り角に関する物理量である前輪滑り角α1を取得するリーン車両前輪滑り角取得ステップと、
    前記リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる後輪の滑り角に関する物理量である後輪滑り角α2を取得するリーン車両後輪滑り角取得ステップと、
    前記リーン車両前輪滑り角取得ステップで取得された前記前輪滑り角α1を補正するための前輪滑り角補正係数Aを取得する前輪滑り角補正係数取得ステップと、
    前記リーン車両後輪滑り角取得ステップで取得された前記後輪滑り角α2を補正するための後輪滑り角補正係数Bを取得する後輪滑り角補正係数取得ステップと、
    前記リーン車両のステアリングの操舵方向に関するリーン車両操舵方向sgn(δ)を取得するリーン車両操舵方向取得ステップと、
    前記前輪滑り角α1、前記後輪滑り角α2、前記前輪滑り角補正係数A、前記後輪滑り角補正係数Bおよび前記リーン車両操舵方向sgn(δ)に基づいて、前記リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つであるリーン車両ライントレース性指標LTIを導出するリーン車両ライントレース性指標導出ステップと、
    を実行させるリーン車両用ライントレース性指標化プログラム。
  7. 前記リーン車両ライントレース性指標LTIは、下記(I)式を満たす、請求項6に記載のリーン車両用ライントレース性指標化プログラム。
    LTI=sgn(δ)×(A×α1+B×α2)・・・(I)
  8. リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる前輪の滑り角に関する物理量である前輪滑り角α1、
    前記リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる後輪の滑り角に関する物理量である後輪滑り角α2、
    前記前輪滑り角α1を補正するための前輪滑り角補正係数A、
    前記後輪滑り角α2を補正するための後輪滑り角補正係数B、および
    前記リーン車両のステアリングの操舵方向に関するリーン車両操舵方向sgn(δ)に基づいて導出された前記リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つであるリーン車両ライントレース性指標LTIを取得するリーン車両ライントレース性指標取得部と、
    前記リーン車両ライントレース性指標取得部で取得された前記リーン車両ライントレース性指標LTIを記憶する記憶部と、
    前記記憶部で記憶された前記リーン車両ライントレース性指標LTIを含む前記リーン車両に関する指標を表示するためのデータを出力するリーン車両指標表示データ出力部と、
    を備えるリーン車両用指標表示出力装置。
  9. 前記リーン車両ライントレース性指標LTIは、下記(I)式を満たす、請求項8に記載のリーン車両用指標表示出力装置。
    LTI=sgn(δ)×(A×α1+B×α2)・・・(I)
  10. 前記記憶部は、前記リーン車両ライントレース性指標取得部で取得された複数の前記リーン車両ライントレース性指標LTIを記憶し、
    前記リーン車両指標表示データ出力部は、前記記憶部で記憶された複数の前記リーン車両ライントレース性指標LTIを同時に表示するためのデータを出力する、請求項8または9に記載のリーン車両用指標表示出力装置。
  11. 前記リーン車両ライントレース性指標取得部で取得された前記リーン車両ライントレース性指標LTIと異なる前記リーン車両のライディングに関する物理量を示すライディング指標RIを取得するライディング指標取得部を更に備え、
    前記リーン車両指標表示データ出力部は、前記リーン車両ライントレース性指標LTIおよび前記ライディング指標RIを同時に表示するためのデータを出力する、請求項8〜10のいずれか1に記載のリーン車両用指標表示出力装置。
  12. リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる前輪の滑り角に関する物理量である前輪滑り角α1、
    前記リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる後輪の滑り角に関する物理量である後輪滑り角α2、
    前記前輪滑り角α1を補正するための前輪滑り角補正係数A、
    前記後輪滑り角α2を補正するための後輪滑り角補正係数B、および
    前記リーン車両のステアリングの操舵方向に関するリーン車両操舵方向sgn(δ)に基づいて導出された前記リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つであるリーン車両ライントレース性指標LTIを取得するリーン車両ライントレース性指標取得ステップと、
    前記リーン車両ライントレース性指標取得ステップで取得された前記リーン車両ライントレース性指標LTIを記憶する記憶ステップと、
    前記記憶ステップで記憶された前記リーン車両ライントレース性指標LTIを含む前記リーン車両に関する指標を表示するためのデータを出力するリーン車両指標表示データ出力ステップと、
    を含むリーン車両用指標表示出力方法。
  13. 前記リーン車両ライントレース性指標LTIは、下記(I)式を満たす、請求項12に記載のリーン車両用指標表示出力方法。
    LTI=sgn(δ)×(A×α1+B×α2)・・・(I)
  14. 前記記憶ステップは、前記リーン車両ライントレース性指標取得ステップで取得された複数の前記リーン車両ライントレース性指標LTIを記憶するステップであり、
    前記リーン車両指標表示データ出力ステップは、前記記憶ステップで記憶された複数の前記リーン車両ライントレース性指標LTIを同時に表示するためのデータを出力するステップである、請求項12または13に記載のリーン車両用指標表示出力方法。
  15. 前記リーン車両ライントレース性指標取得ステップで取得された前記リーン車両ライントレース性指標LTIと異なる前記リーン車両のライディングに関する物理量を示すライディング指標RIを取得するライディング指標取得ステップを更に含み、
    前記リーン車両指標表示データ出力ステップは、前記リーン車両ライントレース性指標LTIおよび前記ライディング指標RIを同時に表示するためのデータを出力するステップである、請求項12〜14のいずれか1に記載のリーン車両用指標表示出力方法。
  16. コンピュータに、
    リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる前輪の滑り角に関する物理量である前輪滑り角α1、
    前記リーン車両の右旋回時に車輪が右方向に傾斜し、左旋回時に車輪が左方向に傾斜した状態となる後輪の滑り角に関する物理量である後輪滑り角α2、
    前記前輪滑り角α1を補正するための前輪滑り角補正係数A、
    前記後輪滑り角α2を補正するための後輪滑り角補正係数B、および
    前記リーン車両のステアリングの操舵方向に関するリーン車両操舵方向sgn(δ)に基づいて導出された前記リーン車両の旋回特性に関する定量的な指標の一つであるリーン車両ライントレース性指標LTIを取得するリーン車両ライントレース性指標取得ステップと、
    前記リーン車両ライントレース性指標取得ステップで取得された前記リーン車両ライントレース性指標LTIを記憶する記憶ステップと、
    前記記憶ステップで記憶された前記リーン車両ライントレース性指標LTIを含む前記リーン車両に関する指標を表示するデータを出力するリーン車両指標表示データ出力ステップと、
    を実行させるリーン車両用指標表示出力プログラム。
  17. 前記リーン車両ライントレース性指標LTIは、下記(I)式を満たす、請求項16に記載のリーン車両用指標表示出力プログラム。
    LTI=sgn(δ)×(A×α1+B×α2)・・・(I)
  18. 前記記憶ステップは、前記リーン車両ライントレース性指標取得ステップで取得された複数の前記リーン車両ライントレース性指標LTIを記憶するステップであり、
    前記リーン車両指標表示データ出力ステップは、前記記憶ステップで記憶された複数の前記リーン車両ライントレース性指標LTIを同時に表示するためのデータを出力するステップである、請求項16または17に記載のリーン車両用指標表示出力プログラム。
  19. 前記コンピュータに、
    前記リーン車両ライントレース性指標取得ステップで取得された前記リーン車両ライントレース性指標LTIと異なる前記リーン車両のライディングに関する物理量を示すライディング指標RIを取得するライディング指標取得ステップを更に実行させ、
    前記リーン車両指標表示データ出力ステップは、前記リーン車両ライントレース性指標LTIおよび前記ライディング指標RIを同時に表示するためのデータを出力するステップである、請求項16〜18のいずれか1に記載のリーン車両用指標表示出力プログラム。
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