JP2018194454A - 地下電磁探査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】地下電磁探査装置と地表面との距離(対地高度)が変動する場合でも、精度の高い地下比抵抗分布を推定可能とする。【解決手段】本発明の地下電磁探査装置は、送信ループ2と、この送信ループ2から発生させた変動磁場に対応する誘導電流によって発生した二次磁場を受信する受信ループ3と、地表までの対地高度を計測する距離センサ4と、位置情報を計測する計測するGPS信号受信器5を備えている。受信ループ3の計測値に基づいて計測した地盤の比抵抗値と、距離センサ4の検出値に基づく地表までの対地高度と、GPS信号受信器5により計測した位置情報とを記録し、これらを統合することにより、測定エリアにおける比抵抗分布の断面図や3次元モデルを作成する。【選択図】 図1
Description
本発明は、電磁誘導現象を利用した地下電磁探査装置に関する。
現在、地質や土壌あるいは地下水といった地盤の状況調査や埋設物の探査には、図1に示すような、手持歩行による地下電磁探査(携帯歩行計測)が広く採用されている。
携帯歩行計測は、地下電磁探査装置を作業員が携帯し歩行移動しながら連続して計測を行うもので、図2に示すような、送信ループと受信ループが一体となったボード型のものが一般的である。
携帯歩行計測は、地下電磁探査装置を作業員が携帯し歩行移動しながら連続して計測を行うもので、図2に示すような、送信ループと受信ループが一体となったボード型のものが一般的である。
地下電磁探査装置1は、送信ループ2から複数の周波数成分からなる変動磁場(一次磁場)Hpを発生させ、それに対応した誘導電流(渦電流)を地盤内部に二次的に発生させる。その誘導電流は新たな磁場HS(二次磁場)を発生し、これを受信ループ3で受信する。
誘導電流は、地盤の電気抵抗に関する指標である比抵抗に依存するので、受信磁場信号に基づいて地盤の比抵抗ρを評価することが可能である。さらに表皮効果により、地盤内の誘導電流の分布は、高周波数成分は地表付近の浅部に限定され、低周波数成分は深部まで拡散することになる。この効果を利用し、高周波数成分に基づいて浅部、低周波数成分に基づいて深部の地盤内部の比抵抗分布を推定することが可能となる。
誘導電流は、地盤の電気抵抗に関する指標である比抵抗に依存するので、受信磁場信号に基づいて地盤の比抵抗ρを評価することが可能である。さらに表皮効果により、地盤内の誘導電流の分布は、高周波数成分は地表付近の浅部に限定され、低周波数成分は深部まで拡散することになる。この効果を利用し、高周波数成分に基づいて浅部、低周波数成分に基づいて深部の地盤内部の比抵抗分布を推定することが可能となる。
このような地下電磁探査装置では、取得した計測データから、逆解析(あるいはインバージョン)と呼ばれる数値解析により、深度方向に変化する地下の比抵抗分布を推定する。
具体的には図3に示すように地盤を多層に分割し、それぞれの層内では比抵抗は一定とし、各層の比抵抗の値を未知数として、計測データを最も良く説明できる比抵抗値の分布を最適化により推定する。
その際、通常、探査装置と地面との距離(以下、「対地高度」という。)hは既知で一定であるという前提のもとで解析が行われるが、対地高度hが0.8m、1.2m、1mのように変化する場合、推定される比抵抗分布と実際の比抵抗分布との間に乖離が発生してしまう。
具体的には図3に示すように地盤を多層に分割し、それぞれの層内では比抵抗は一定とし、各層の比抵抗の値を未知数として、計測データを最も良く説明できる比抵抗値の分布を最適化により推定する。
その際、通常、探査装置と地面との距離(以下、「対地高度」という。)hは既知で一定であるという前提のもとで解析が行われるが、対地高度hが0.8m、1.2m、1mのように変化する場合、推定される比抵抗分布と実際の比抵抗分布との間に乖離が発生してしまう。
携帯歩行計測では、広範囲なエリアを探査対象とした場合、通常はエリアを縦横に横切る測線を数メートル間隔で多数設定し、各測線に沿って対地高度hを、例えば1mに保持し、歩行しながら連続的に計測を実施する。
その際、図4(a)に示すように、目印になる各地点で計測データにマーキングを行い、データ計測終了後のデータ処理時に、マーカーを目印に計測位置の決定を比例配分により行う。
あるいは、図4(b)に示すように、GPS受信器を探査装置に取り付け、エリア内を自由に移動しながら計測を実施し、データ処理の際に、GPSによる位置情報を測点位置として利用することも行われている。
その際、図4(a)に示すように、目印になる各地点で計測データにマーキングを行い、データ計測終了後のデータ処理時に、マーカーを目印に計測位置の決定を比例配分により行う。
あるいは、図4(b)に示すように、GPS受信器を探査装置に取り付け、エリア内を自由に移動しながら計測を実施し、データ処理の際に、GPSによる位置情報を測点位置として利用することも行われている。
特許文献1には、ヘリコプタなどから人工的に発生させた1次磁場に対する地下の2次磁場情報を収集し、地理情報と合わせて3次元地質構造モデルを構築することが記載されている。
特許文献2には、電波時計に利用されている既存のJJY標準電波を電磁探査の信号源として利用し、その電波をラジコンヘリに搭載した3方向の磁場センサにより受信し、計測データから電磁波の扁平楕円を決定し、そしてその扁平楕円から地盤の比抵抗値を推定することが記載されている。
特許文献2には、電波時計に利用されている既存のJJY標準電波を電磁探査の信号源として利用し、その電波をラジコンヘリに搭載した3方向の磁場センサにより受信し、計測データから電磁波の扁平楕円を決定し、そしてその扁平楕円から地盤の比抵抗値を推定することが記載されている。
従来の携帯歩行計測では、正確な計測を行うため、対地高度と歩幅を一定に保つ必要があり、多大の労力を要する。歩行速度を上げると地下電磁探査装置1の上下動も大きくなり、計測精度の悪化を招くことになるので、探査効率が非常に悪く、探査エリアが限定される懸念も発生する。
さらに、地面に小規模な起伏がある場合や岩石、ぬかるみ等の障害物がある場合には、姿勢や歩幅の変化に伴う探査装置の上下動がさらに助長され、対地高度が時々刻々と変化してしまう。このため、このような状況で計測されたデータを、対地高度一定と仮定して逆解析を行うと、地下比抵抗分布の推定精度が低下するという問題がある。
さらに、地面に小規模な起伏がある場合や岩石、ぬかるみ等の障害物がある場合には、姿勢や歩幅の変化に伴う探査装置の上下動がさらに助長され、対地高度が時々刻々と変化してしまう。このため、このような状況で計測されたデータを、対地高度一定と仮定して逆解析を行うと、地下比抵抗分布の推定精度が低下するという問題がある。
特許文献1に記載された空中地下構造の探査では、GPSナビゲーションシステムと電波高度計によりヘリコプタの位置と高度が計測され、探査装置の位置は、ヘリコプタからの吊り下げの相対的な位置関係から推定されている。しかし、この探査は、探査深度を100〜150mとしており、深度精度も±10m程度が限界である。
これに対し、携帯歩行計測による探査は、一般的には、最大10m程度の探査深度の範囲内で±1mの精度が求められているため、携帯歩行計測による探査には適用することができない。
これに対し、携帯歩行計測による探査は、一般的には、最大10m程度の探査深度の範囲内で±1mの精度が求められているため、携帯歩行計測による探査には適用することができない。
特許文献2に記載された電磁的地下探査は、送信源として地上に設置された既存のJJY電波発信局を利用するもので、送信ループと受信ループが一体となった探査装置とは前提を異にしている。位置情報がGPSセンサによりモニタされ、測定位置と推定された比抵抗値が対応付けることが示されているが、高度情報を比抵抗値推定に利用する点については、記載されていない。
なお、GPSセンサは、測定位置(緯度・経度)に関しては高精度な計測が可能であるが、高度に関しては精度が非常に低く、また、単独では、地表からの対地高度を計測することはできない。
なお、GPSセンサは、測定位置(緯度・経度)に関しては高精度な計測が可能であるが、高度に関しては精度が非常に低く、また、単独では、地表からの対地高度を計測することはできない。
そこで、本発明の目的は、携帯歩行計測のように、対地高度が変動する場合でも、探査データと対地高度とを連続計測し、それらの情報を連携し,より精度の高い地下比抵抗分布を推定可能とすることを目的にしている。
上記の課題を解決するための、本発明の地下電磁探査装置は、送信ループと、この送信ループから発生させた変動磁場に対応する誘導電流によって発生した二次磁場を受信する受信ループと、地表までの対地高度を計測する距離センサと、衛星から位置情報を受信する位置情報受信装置を備え、前記受信ループの計測値と前記距離センサによる地表までの対地高度に基づいて推定した地盤の深度方向の比抵抗分布と、前記位置情報受信装置により取得された地表の平面的な位置情報を統合することにより、測定エリアにおける比抵抗分布の断面図や3次元モデルを作成する処理解析装置を備えている。
本発明によれば、距離センサにより連続的に探査装置の高度変化をモニタリング計測することで、手持ち歩行で計測を行う場合でも、探査装置の上下動を気にかけることなく、早足で計測することが可能となり、さらには、高度変化が避けられない無線操縦飛行体への搭載も可能となり、探査作業の効率が飛躍的に向上させることができる。
なお、記録された対地高度データは、探査装置による測定データの各測定地点において、測定データとGPS信号受信器による位置情報(緯度・経度に基づく座標あるいはUTM座標)と統合化することで、各測定地点の地図上の位置と、探査装置の対地高度を確定することができる。
そして各測定地点において、該当する探査装置測定データと距離データを用いて逆解析を適用し、各測定地点直下の地下の深度方向の比抵抗分布を推定し、水平位置が異なる各測点直下の比抵抗分布を繋ぎ合わせ統合化することで、3次元的な比抵抗分布を構成することも可能となる。
なお、記録された対地高度データは、探査装置による測定データの各測定地点において、測定データとGPS信号受信器による位置情報(緯度・経度に基づく座標あるいはUTM座標)と統合化することで、各測定地点の地図上の位置と、探査装置の対地高度を確定することができる。
そして各測定地点において、該当する探査装置測定データと距離データを用いて逆解析を適用し、各測定地点直下の地下の深度方向の比抵抗分布を推定し、水平位置が異なる各測点直下の比抵抗分布を繋ぎ合わせ統合化することで、3次元的な比抵抗分布を構成することも可能となる。
[実施例1]
本実施例は、本発明の地下電磁探査装置を携帯歩行計測に適用したもので、図5に示すように、地下電磁探査装置1は、送信ループ2、受信ループ3、距離センサ4、GPS信号受信器5から構成されている。
送信ループ2、受信ループ3は、従来の地下電磁探査装置と同様のものである。
距離センサ4は、超音波、赤外線、レーザなどを用いたもので、地下電磁探査装置1の中央部に取り付けられており、地下電磁探査装置1から地表までの距離を計測する。なお、距離センサ4として超音波距離計を用いた場合、計測誤差は±1%程度、レーザ距離計を用いた場合、計測誤差±0.1%の精度で計測が可能である。
GPS信号受信器5は、距離センサ4の近傍に取り付けられており、地下電磁探査装置1の緯度、経度などの位置情報を測定地点として計測するものである。
本実施例は、本発明の地下電磁探査装置を携帯歩行計測に適用したもので、図5に示すように、地下電磁探査装置1は、送信ループ2、受信ループ3、距離センサ4、GPS信号受信器5から構成されている。
送信ループ2、受信ループ3は、従来の地下電磁探査装置と同様のものである。
距離センサ4は、超音波、赤外線、レーザなどを用いたもので、地下電磁探査装置1の中央部に取り付けられており、地下電磁探査装置1から地表までの距離を計測する。なお、距離センサ4として超音波距離計を用いた場合、計測誤差は±1%程度、レーザ距離計を用いた場合、計測誤差±0.1%の精度で計測が可能である。
GPS信号受信器5は、距離センサ4の近傍に取り付けられており、地下電磁探査装置1の緯度、経度などの位置情報を測定地点として計測するものである。
地下電磁探査を行う際は、従来と同様、地下電磁探査装置1を手持ちし、図示しない探査開始ボタンを押下し、方向移動を行う。受信ループ3、距離センサ4、GPS信号受信器5からの検出値は、所定のタイミング毎にサンプリングされ、順次、サンプリングタイミングに関連付けられて、探査データとして記録装置に格納される。記録装置は、地下電磁探査装置1に搭載されたものでもよいし、地下電磁探査装置1に無線通信機能を搭載し、受信器を装備した記録装置を地上に設置してもよい。
図6は、実際の調査エリアにおける位置情報(緯度経度座標あるいはUTM座標)に対応させた探査データを示している。なお、点線は歩行軌跡を示し、探査データは、受信ループ3で受信した二次磁場の離相成分のうち、周波数15825HzのHs/Hpにおける虚数部の値に基づいて領域分けをしている。
記録した探査データに基づいて解析を行う処理解析装置は、測定地点の位置情報と対地高度情報に基づいて探査データを統合し、地下電磁探査装置によって取得された各測定地点における探査データに対して、対地高度情報を既知パラメータとして用いて、前述の逆解析により測定地点直下の深度方向の比抵抗分布を求める。
すなわち、図7(a)に示すように、測点1〜3における第1層〜第N層の比抵抗測定値と、距離センサ4により計測した測点1〜3における対地高度に基づいて、図7(b)に示すように、地表からの深度(m)に対応した比抵抗(Ω−m)を求める。
そして各測点の比抵抗分布を歩行距離に結合することで、図7(b)に示すような比抵抗分布の断面図を構成する。
以上の処理をすべての測点で繰り返すとともに、各測点においてGPS信号受信器5で受信した位置情報と関連付けることで、測定エリアにおける比抵抗分布の断面図や3次元モデルを構成することが可能となる。
記録した探査データに基づいて解析を行う処理解析装置は、測定地点の位置情報と対地高度情報に基づいて探査データを統合し、地下電磁探査装置によって取得された各測定地点における探査データに対して、対地高度情報を既知パラメータとして用いて、前述の逆解析により測定地点直下の深度方向の比抵抗分布を求める。
すなわち、図7(a)に示すように、測点1〜3における第1層〜第N層の比抵抗測定値と、距離センサ4により計測した測点1〜3における対地高度に基づいて、図7(b)に示すように、地表からの深度(m)に対応した比抵抗(Ω−m)を求める。
そして各測点の比抵抗分布を歩行距離に結合することで、図7(b)に示すような比抵抗分布の断面図を構成する。
以上の処理をすべての測点で繰り返すとともに、各測点においてGPS信号受信器5で受信した位置情報と関連付けることで、測定エリアにおける比抵抗分布の断面図や3次元モデルを構成することが可能となる。
このように、水平位置が異なる各測点直下の比抵抗分布を繋ぎ合わせ統合化することで、3次元的な比抵抗分布を構成することが可能となる。さらに、構成された3次元的な比抵抗分布に基づいて特定の深度の面的な比抵抗平面図を作成し、各測定地点の位置情報に基づいて、GISにより航空写真上に特定の深度の比抵抗平面図を重ね合わせることも可能である。この重ね合わせにより、比抵抗平面図上で異常を示す範囲が,具体的にどのエリアなのか容易に特定することができる。
このように、地下電磁探査装置の対地高度を連続計測し、その情報を取得データの逆解析に利用することで、地下電磁探査装置1の対地高度が変動しても、地下の比抵抗分布が正確に推定することが可能となる。
図8は、30Ω−mの地盤の上で、対地高度を0.6mから3.0mに変化させた場合の探査データを数値計算で求め、そのデータに対して、(a)対地高度が常に1mであると見なして逆解析した場合、(b)正確な対地高度を用いて逆解析を実施した場合の深度10mまでの推定比抵抗分布を比較したものである。
(a)の場合は、真の対地高度が1mより大きい場合には、浅い深度で高い比抵抗が偽像として現れているが、(b)の場合は、常に30Ω−mの比抵抗分布となっており、正確な比抵抗値が推定可能である。
図8は、30Ω−mの地盤の上で、対地高度を0.6mから3.0mに変化させた場合の探査データを数値計算で求め、そのデータに対して、(a)対地高度が常に1mであると見なして逆解析した場合、(b)正確な対地高度を用いて逆解析を実施した場合の深度10mまでの推定比抵抗分布を比較したものである。
(a)の場合は、真の対地高度が1mより大きい場合には、浅い深度で高い比抵抗が偽像として現れているが、(b)の場合は、常に30Ω−mの比抵抗分布となっており、正確な比抵抗値が推定可能である。
地下電磁探査装置による計測探査データは二次磁場HPと一次磁場HSの比で、地盤が水平多層モデルの場合は次の数式1のように表現される。
ここで、Hは探査装置の対地高度、Lは送信ループと受信ループの距離、J0()は0次第1種ベッセル関数、rTEは水平多層モデルに対する反射係数で、深度方向の比抵抗分布によって決定される。各測点で計測された探査データに対して、様々な比抵抗分布を用いて上式に基づく計算値を当てはめ、探査データと計算値が最も良く一致する場合の比抵抗分布を採用する。この手続きが逆解析といわれている。
なお、送信ループと受信ループがボードに固定されている場合、Lは一定値である。携帯歩行計測の場合、通常Hは一定値と見なして前述の逆解析が適用されるが、本実施例では、距離センサを用いてHの変化を連続して計測しているため、各測点でより正確なHを用いて逆解析が適用できる。
なお、送信ループと受信ループがボードに固定されている場合、Lは一定値である。携帯歩行計測の場合、通常Hは一定値と見なして前述の逆解析が適用されるが、本実施例では、距離センサを用いてHの変化を連続して計測しているため、各測点でより正確なHを用いて逆解析が適用できる。
上記の実施例では、地下電磁探査装置1による測定地点の位置情報(緯度、経度)を計測するものとして、GPS信号受信器を用いたが、複数箇所に設置した指標から距離を計測するものや、ジャイロセンサなど、種々のものを利用することができる。
[実施例2]
本実施例では、図9に示すように、本発明の地下電磁探査装置を、無線操縦式マルチコプタのような無線操縦飛行体に搭載したものである。
本実施例では、地下電磁探査装置1を無線操縦飛行体から吊り下げ、実施例1と同様に、地下電磁探査装置1に取りけた距離センサ4により対地高度、GPS信号受信器5により位置情報を連続的に計測する。調査対象エリア内の地下電磁探査を行う場合は、無線操縦飛行体を自由に航行移動させ、地下電磁探査装置1によるデータ取得を実施する。
なお、無線操縦飛行体は、通常、本体に対地高度を計測するために距離センサが取り付けられているので、予め、無線操縦飛行体に対する地下電磁探査装置1の吊り下げ位置を設定しておき、これを差し引くことで対地高度を計測してもよい。ただし、地下電磁探査装置1に専用の距離センサ4を設けることにより、無線操縦飛行体の姿勢や強風によって吊り下げ位置が変動した場合でもより高精度の計測が可能である。
本実施例では、図9に示すように、本発明の地下電磁探査装置を、無線操縦式マルチコプタのような無線操縦飛行体に搭載したものである。
本実施例では、地下電磁探査装置1を無線操縦飛行体から吊り下げ、実施例1と同様に、地下電磁探査装置1に取りけた距離センサ4により対地高度、GPS信号受信器5により位置情報を連続的に計測する。調査対象エリア内の地下電磁探査を行う場合は、無線操縦飛行体を自由に航行移動させ、地下電磁探査装置1によるデータ取得を実施する。
なお、無線操縦飛行体は、通常、本体に対地高度を計測するために距離センサが取り付けられているので、予め、無線操縦飛行体に対する地下電磁探査装置1の吊り下げ位置を設定しておき、これを差し引くことで対地高度を計測してもよい。ただし、地下電磁探査装置1に専用の距離センサ4を設けることにより、無線操縦飛行体の姿勢や強風によって吊り下げ位置が変動した場合でもより高精度の計測が可能である。
さらに、地下電磁探査装置1の本体四隅にワイヤを取り付け、これらを地下電磁探査装置1の重心上で結束し、この結束点と無線操縦飛行体からのワイヤを連結する、あるいは、地下電磁探査装置1本体を、無線操縦飛行体のピッチ軸、ローリング軸に対し回転自在に支持することで、地下電磁探査装置1の本体に作用する重力により、常時水平姿勢を維持するようにすれば、無線操縦飛行体の姿勢がピッチ軸周り、ローリング軸周りに変動しても、正確な対地高度を得ることができる。
このように、無線操縦飛行体を用いることで、広範囲な調査エリアに対して、高効率な探査を行うことができ、例えば、地震や地滑り等の人の侵入が困難な災害地において、地盤災害を予測するための地盤調査や、災害によって埋没した車両の探査等に対して、短時間で正確な位置や深度を解析することが可能となる。
このように、無線操縦飛行体を用いることで、広範囲な調査エリアに対して、高効率な探査を行うことができ、例えば、地震や地滑り等の人の侵入が困難な災害地において、地盤災害を予測するための地盤調査や、災害によって埋没した車両の探査等に対して、短時間で正確な位置や深度を解析することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、距離センサにより連続的に探査装置の高度変化をモニタリング計測することで、手持ち歩行でも、無線操縦飛行体に搭載した場合でも、精度の高い地下電磁探査を効率よく行うことができるので、様々な用途の地下電磁探査装置として広く採用されることが期待できる。
1:地下電磁探査装置
2:送信ループ
3:受信ループ
4:距離センサ
5:GPS信号受信器(位置情報センサ)
2:送信ループ
3:受信ループ
4:距離センサ
5:GPS信号受信器(位置情報センサ)
Claims (3)
- 送信ループと、
この送信ループから発生させた変動磁場に対応する誘導電流によって発生した二次磁場を受信する受信ループと、
地表までの対地高度を計測する距離センサと、
位置情報を受信する位置情報受信装置を備え、
前記受信ループの計測値に基づいて計測した地盤の比抵抗値と、前記距離センサの検出値に基づく地表までの対地高度と、前記位置情報受信装置により取得した位置情報とを記録し、これらを統合することにより、測定エリアにおける比抵抗分布の断面図や3次元モデルを作成する処理解析装置をさらに備えていることを特徴とする地下電磁探査装置。 - 前記処理解析装置は、前記対地高度に基づいて、前記受信ループの計測値から地下の比抵抗分布を推定する演算処理機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載された地下電磁探査装置。
- 前記地下電磁探査装置の本体を、無線操縦飛行体のピッチ軸、ローリング軸に対し回転自在に支持し、前記地下電磁探査装置の本体に作用する重力により常時鉛直方向を指向させるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された地下電磁探査装置。
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