(前提技術)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が大当りした際の特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカー108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカー108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電動役物ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示部45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開され、第2始動口12への入球可能性が高まる。なお、変形例として作動口の個数を1個とし、遊技領域81の左側方位置に設ける構成としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側下方に、図柄等表示ユニット120が配置される。図柄等表示ユニット120には、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42、第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普通図柄表示部45、普図保留表示部75、遊技状態表示部76、異常報知部77等の各表示部が設けられる。具体的には、第1の遊技に対応する第1特別図柄表示部41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示部42とが左側下位置に左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機とする第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機とする第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42へ表示され、または、所定の表示(例えば「−」)と非表示(例えば全消灯)とが所定時間繰り返された後に判定結果に対応した図柄が表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。なお、第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
また、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく、例えば液晶ディスプレイ等の他の表示装置に表示させる構成としてもよい。
第1特別図柄表示部41の上方には第1の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第1特図保留表示部71が設けられ、第2特別図柄表示部42の上方には第2の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第2特図保留表示部72が設けられる。第1特図保留表示部71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留されている数(以下、当否抽選値の保留されている数を単に「保留数」ともいう)を表示する。第1特図保留表示部71における保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留表示部72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における保留数を表示する。第2特図保留表示部72における保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
図柄等表示ユニット120における右側には、普通図柄表示部45が設けられる。普通図柄表示部45は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらの点灯組合せによって普通図柄の表示状態が表現される。まず、第1のランプと第2のランプを同時に点滅表示させることにより普通図柄の変動が表現され、最終的には第1のランプと第2のランプの点灯状態の組合せで普通図柄の停止図柄が表現される。例えば、第1のランプの点灯と第2のランプの消灯で外れの停止図柄が表現され、第1のランプの消灯と第2のランプの点灯で第1の当り態様が表現され、第1のランプと第2のランプの両方の点灯で第2の当り態様が表現される。
また、普通図柄表示部45の右側には普通図柄変動の保留ランプとして普図保留表示部75が設けられる。普図保留表示部75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
なお、図柄等表示ユニット120には遊技状態表示部76、異常報知部77が設けられている。遊技状態表示部76は、後述する特定遊技状態等の遊技状態に対応した表示をする表示部であり、例えば1つのランプと1つの7セグメントLEDで構成される。例えば、確率変動中の場合にランプを点灯表示、入球容易状態中の場合に点滅表示、通常状態の場合に消灯表示することにより各遊技状態を報知し、特別遊技の実行中は7セグメントLEDによりその特別遊技で実行する単位遊技数(ラウンド数)を表示する。異常報知部77は、遊技機の一部の異常を報知する表示部であり、例えば複数のランプで構成され、異常の種類に応じた点灯パターンにより異常を報知する。なお、これらの表示部を図柄等表示ユニット120に集約配置せず、各表示部を個別に構成してもよいし、または、適宜まとめた複数の表示装置に分けて構成してもよい。また、特定遊技状態等の遊技状態の報知は、例えば電源断から復帰した後の一定時間といった所定期間に限りなされるよう構成してもよい。
遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍(上球皿、右側装飾ランプなど)に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、前枠102に設けられる。演出ボタン109は、通常、前枠102内に格納されているが、演出ボタン109の裏側には棒状の部材が取り付けられており、棒状の部材と演出ボタン109とを盤面に略垂直な方向に突出させることができるように設けられる。棒状の部材と演出ボタン109は、外部に突出した状態においてレバー112として機能し、遊技者は演出ボタン109を握持してレバー112を下方へ引くことができるようになっている。これによっても、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力することができる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成の遊技機においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車、センター飾り64等に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。
また、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、普通図柄表示部45において普通図柄が変動表示され、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止表示される。普通図柄が第1の当り態様または第2の当り態様で停止表示された場合、停止表示された図柄の当り態様と停止表示された際の遊技状態に基づいて普通電動役物90を拡開する。すなわち、図柄停止時の遊技状態が通常遊技状態で、普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として0.1秒間の短開放が実行される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合、通常時および特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第2の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として6秒間の長開放が実行される。ここで、普通図柄の当選確率と長開放の実行確率は、遊技状態によって異なるように設定される。具体的には、通常状態における開放抽選では、1/100の確率で普通図柄が当りとなり、その場合の短開放の実行確率(第1の当り態様の当り図柄が選択される確率)は1/3、長開放の実行確率(第2の当り態様の当り図柄を選択する確率)は2/3に設定される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)における開放抽選では、99/100の確率で普通図柄が当りとなり、第1の当り態様と第2の当り態様の選択確率は通常遊技状態と変わらないものの、いずれの態様で当選しても長開放が実行されるように設定される。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能(1/100から99/100に確率変動)と開放時間の延長機能(第1の当り態様で停止表示した場合の開放時間を0.1秒から6.0秒に延長)により、第2始動口12への入球容易性を高めている。なお、普通電動役物90の作動期間を延長させる機能(長開放)を「開放延長」と呼ぶこともある。
なお、上述のように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高い仕様とすることで、普通図柄の当選時には通常状態でも一定の割合で長開放が実行されるようにする。変形例として、通常状態では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよいし、必ず短開放となる仕様としてもよい。また、入球容易状態のときには、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。なお、通常状態における開放抽選の当り確率をゼロ(0/100)に設定し、入球容易状態において開放抽選がなされた場合に限り普通電動役物90が拡開されうる仕様としてもよい。さらに、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
一方、第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。以下、変動演出パターンにしたがって表示される装飾図柄61の変動表示を例示するとともに、変動演出パターンについて簡単に説明する。なお、変動パターンおよび変動演出パターンの決定方法等の詳細は別途説明する。
装飾図柄61の変動表示の一例としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。なお、装飾図柄190の変動停止時の動作として、1列ずつではなく複数列同時に停止させるよう制御して変動表示中に装飾図柄以外の演出表示を注目させてもよいし、より短い変動時間で図柄変動を表示できるようにしてもよい。また、装飾図柄190の変動開始時の動作として当該変動におけるその後の展開(演出パターンの種類等)に応じて一部の列の変動開始を遅延させるように制御して、期待感を演出するようにしてもよい。
次に、変動演出パターンについて簡単に説明する。変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
なお、当否抽選の保留数が所定数(例えば3個)になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。なお、単位遊技は16回繰り返されるものの、一部の単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間(例えば0.2秒)開放させることで実質的に少数回の単位遊技が繰り返されたものと同様の通常特別遊技(「実質nR大当り」と称する場合もある)を実現することもできる。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間が短く、または、ほとんどなく(0.1秒など)、1回の単位遊技で大入賞口20を0.2秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。なお、単位遊技の回数は通常特別遊技と同じものの、全ての単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間開放させることで短縮特別遊技を実現することもできる。
また、上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと区別がつかない、または区別し難い動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様(例えば「777」)であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。なお、所定条件が成立した場合に確変であるか非確変であるかを演出表示装置60に明示してもよい。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出装置154等を含む。払出装置154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出装置154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源基板158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。
<機能ブロック>
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。以下、各構成を用いて実現される機能を説明するが、本明細書中では、物理構成と機能構成を整合させるため、例えばメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157等、物理構成として既に説明している部分については便宜上その用語をそのまま使用する場合がある。
ぱちんこ遊技機100は、遊技機外部から供給される交流電源(AC24V等)に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板158と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、賞球払出しを制御する枠制御装置としての払出制御基板155と、遊技領域への遊技球の発射を制御する発射制御基板157と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。
メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口群(第1一般入賞口33a,第2一般入賞口b)、図柄等表示ユニット120、外部情報出力端子160と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。払出制御基板155は、メイン基板200、発射制御基板157、払出装置154と電気的に接続されている。払出制御基板155は、メイン基板200から送信される賞球払出やメイン基板200の制御状態を示す信号等に基づいて発射の許可信号を発射制御基板157に送信して発射制御基板157を間接的に制御するとともに、払出装置154による賞球の払出を制御する。払出装置154は、払出モータ166と球計数センサ167を含む。発射制御基板157は、払出制御基板155、発射装置156、球送装置164と電気的に接続されており、払出制御基板155から送信される発射の許可信号等に基づいて球送装置164および発射装置156を制御して遊技球を発射させる。サブ基板300は、演出表示装置60、可動役物66(駆動モータ67、位置検出センサ68)、スピーカー108、演出用入力操作装置115(演出ボタン109、十字キー110)、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。
メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて全体動作を実現するための各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、サブ基板300は、メイン基板200で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。また、メイン基板200と払出制御基板155の間、払出制御基板155と発射制御基板157の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、メイン基板200とサブ基板300の間と同様、メイン基板200から払出制御基板155への一方向でのデータ送受信とする構成や、払出制御基板155から発射制御基板157への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
なお、以下に説明するメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157、サブ基板300に含まれる各機能ブロックはあくまで例示にすぎず、変形例として、一部の機能ブロックが他の基板に搭載されてもよい。例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックがサブ基板300に搭載される形で構成してもよいし、発射制御基板157に含まれる機能ブロックが払出制御基板155に搭載される形で構成してもよい。また、例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックの一部がメイン基板200に搭載される形で構成してもよいし、残りの部分が払出制御基板155に搭載される等、機能ブロックの一部を複数の基板に分割して設け、全体として1つの機能ブロックが構成されるようにしてもよい。
<メイン基板200>
図4は、メイン基板200の機能構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、乱数生成手段202、第1抽選手段211、第2抽選手段212、事前判定手段235、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276、メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284、コマンド通信手段205を備える。
<入球判定手段201>
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。
<乱数生成手段202>
乱数生成手段202は、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213での各種決定に用いるための乱数を生成する。具体的には、乱数生成手段202は、第1当否判定手段221、第2当否判定手段222による当否抽選で使用する乱数(「当否抽選値」ともいう)として「0」から「65535」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1図柄決定手段226、第2図柄決定手段227による図柄決定(図柄抽選)で使用する乱数(「図柄決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1変動パターン決定手段231、第2変動パターン決定手段232による変動パターンの決定で使用する乱数(「変動パターン決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普図抽選手段213による当否抽選で使用する乱数として「0」から「99」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普通図柄の決定の際に使用する乱数として「0」〜「2」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数のほか、16ビットカウンタを利用した乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数を組み合わせて生成する乱数でもよい。また、第1抽選手段211および第2抽選手段212で取得する乱数は、同じ生成手段により生成された乱数を取得してもよいし、別の生成手段により生成された乱数を取得してもよい。
<普図抽選手段213>
普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに、普通図柄の当否抽選に用いる乱数と普通図柄の停止図柄決定に用いる乱数とを乱数生成手段202から取得して抽選を実行する。普図抽選手段213は、普通図柄の当否判定のために参照する普通図柄当否判定テーブル(不図示)と、普通図柄表示部45に表示させる普通図柄の停止図柄決定のために参照する普通図柄判定テーブルとを保持する。普通図柄当否判定テーブルには当否抽選用の抽選値と当りとの対応関係が、普通図柄判定テーブルには停止図柄決定用の抽選値と普通図柄との対応関係がそれぞれ定められており、前述した当り確率と図柄の選択確率に基づいて普通図柄の当否および停止図柄が決定される。普図抽選手段213は、普通図柄の当否抽選用の抽選値が当りに該当する場合、普通図柄判定テーブルを参照して普通図柄の停止図柄を決定し、普通図柄の当否抽選用の抽選値が外れに該当する場合はつねに1の外れ図柄の態様を決定する。普通図柄の当否判定の結果が当りに該当し、普通図柄が所定の図柄(第1の当り態様または第2の当り態様)で停止すると、後述する開閉制御手段275が停止図柄の態様と遊技状態に応じて第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、後述する保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
<第1抽選手段211および第2抽選手段212>
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1抽選手段211による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第1特別図柄表示部41において第1特別図柄51の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2抽選手段212による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第2特別図柄表示部42において第2特別図柄52の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。
<第1抽選値取得手段216および第2抽選値取得手段217>
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1抽選手段211による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の第1当否抽選値、第1図柄決定手段226による第1特別図柄51の停止態様決定用の第1図柄抽選値、第1変動パターン決定手段231による第1特別図柄51の変動パターン(変動時間)決定用の第1パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2抽選手段212による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第2当否判定手段222による当否判定用の第2当否抽選値、第2図柄決定手段227による第2特別図柄52の停止態様決定用の第2図柄抽選値、第2変動パターン決定手段232による第2特別図柄52の変動パターン(変動時間)決定用の第2パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。当否判定では、より具体的には、特別遊技へ移行することを示す「大当り」、小当り遊技へ移行することを示す「小当り」、特別遊技および小当り遊技には移行しないことを示す「外れ」、のいずれに該当するかが判定される。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、後述する事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルとして、それぞれの当否判定に対応するテーブルを保持する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の当否判定テーブル(「第1当否判定テーブル」ともいう)と、第2当否判定手段222による当否判定用の当否判定テーブル(「第2当否判定テーブル」ともいう)を保持し、実行する当否判定に応じて参照するテーブルを選択する。複数の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。すなわち、「当否」を「大当りか否か」の観点で捉える場合は、「小当り」は「大当りではない」という意味で広義の「外れ」に含めて考えてもよい。また、「当否」を「当りか否か」の観点で捉える場合には、「小当り」は「大当り」とともに広義の「当り」に含めて考えてもよい。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。また、「小当り」については、第1の遊技と第2の遊技の一方のみに設けることとしてもよいし、いずれの遊技にも設けないこととしてもよい。その場合、対応する当否判定テーブルに小当りに対応する値が設定されない。
<第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227>
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、乱数生成手段202から取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。具体的には、第1図柄決定手段226は第1当否判定手段221による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持し、第2図柄決定手段227は第2当否判定手段222による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段221は、大当り時に参照する大当り時第1図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第1図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第1図柄判定テーブルを保持する。第2当否判定手段222は、大当り時に参照する大当り時第2図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第2図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第2図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定の結果に応じて参照する図柄判定テーブルを選択する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、後述する事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図6は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図6(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図6(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図6(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図6(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りおよび大当り後の確率変動の有無に対応付けられている。具体的には、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う4R大当り(または「実質4R当り」)を示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられる。種類「3」は通常大当りとして確変を伴わない16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「3」が対応付けられる。種類「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類(すなわち、大当りの内容とその後の確率変動の有無)ごとの選択確率が定まる。
なお、特別図柄の種類をより多く設けることも可能であり、その場合には複数の特別図柄の種類に対応して1の大当り種類が定まるように構成することで、図柄種類を増やしつつ大当りの種類を少なく設定することができる。あるいは、増加した図柄種類に対応させてより多くの大当りの種類に細分化することも可能である。さらに、第1の抽選時と第2の抽選時とで異なる図柄種類を設けることも可能である。この場合には、第1の抽選時に選択される特別図柄の種類、第2の抽選時に選択される特別図柄の種類のそれぞれに対応するように1の大当り種類が定まるように構成される。ただし、第1の抽選と第2の抽選とで確率変動の割合が同一となるように設定することが望ましい。
図6(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。したがって、外れの場合には必ず同じ特別図柄が停止表示することが決定される。なお、外れの場合に停止表示する特別図柄を複数設けることも可能である。
図6(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、本実施例においては、メイン基板200における記憶領域を節約するために、事前図柄判定においても図6のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。なお、事前図柄判定テーブルとして、さらに細分化し複雑な判定を実施可能としたもの、または同様の特別遊技を実行する大当り図柄の判定範囲をまとめて簡易的にしたものを利用するようにしてもよい。また、本実施例のように外れの際に一律に図柄が定まる場合は、取得した図柄抽選値を参照することなく、また、外れ時用の図柄判定テーブルを用意することなく、特定の図柄を決定してもよい。
<第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232>
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示部41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232、メイン基板200の制御手段は、変動開始条件を満たした際に変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと、始動口への入球時に先読み処理の実行判定のための情報生成に使用する事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、図柄変動の表示過程が定められた各変動パターンには、実質的には、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。また、後述する装飾図柄の変動演出パターンの選択に資するため、同一の変動時間でありながら異なる種類の変動パターンとして定義する場合もある。
図7は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図7(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。なお、図7に示す実施例では、事前パターン判定にて当否判定結果別にテーブルを有するように例示しているが、当否抽選結果にかかわらず1の事前パターン判定テーブルを用いて、乱数値がおよそどの範囲に位置するかに関する情報のみを導き出すようにするとともに、サブ基板300の制御手段側で、事前当否判定結果とともに、いかなる変動が実行されるかを判断するように制御してもよい。
時短状態において参照する図7(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図7(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図7(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。なお、第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232で異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよいし、遊技状態に応じて異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよい。例えば、第2の抽選を第1の抽選より有利な設定とし、第2の抽選を第1の抽選に優先して処理するような遊技機では、時短に伴う入球容易状態にもかかわらず第2の抽選の保留が枯渇して第1の抽選が連続実行されてしまう状況は遊技者にとって好ましくない。そのため、入球容易状態における第1の抽選における外れ変動では、変動時間を短縮しない長時間(例えば10秒)の変動パターンが保留数に拘らず一律に選択されるような変動パターンテーブルを参照することとしてもよい。
<保留制御手段240>
図4に戻り、保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶する。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普図保留表示部75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
<メイン表示制御手段250>
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示部41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示部42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、後述するコマンド通信手段205により変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示部45に表示させる。
<特図調整手段276>
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
<事前判定手段235>
事前判定手段235は、第1抽選事前判定手段236と第2抽選事前判定手段237を含む。第1抽選事前判定手段236は、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231による各種判定の実行前に、第1抽選値取得手段216が取得した各種乱数を用いて第1特図制御手段251による第1特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。第2抽選事前判定手段237は、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232による各種判定の実行前に、第2抽選値取得手段217が取得した各種乱数を用いて第2特図制御手段252による第2特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。
第1抽選事前判定手段236は、第1抽選手段211に係る事前判定用の判定テーブルとして、第1事前当否抽選値判定テーブル、第1事前図柄抽選値判定テーブル、第1事前変動パターン乱数値判定テーブルを保持する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前当否抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1当否抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前図柄抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1図柄抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前変動パターン判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1変動パターン抽選値が属する乱数グループを判定する。そしてこれらの判定結果を事前判定結果として一時的に記憶して、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により事前判定結果に関する情報をサブ基板300に送信する。
図8は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)は、第1始動口11への入球時に図8(a)の第1事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第1事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1図柄抽選値が「0〜99」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「100〜149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「150〜189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「190〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第1事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1パターン抽選値が「0〜9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「10〜29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「30〜255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第1始動口11への入球を示す(第1当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)は、第2始動口12への入球時に図8(b)の、第2事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第2事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2図柄抽選値が「0〜144」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「145〜149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「150〜189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「190〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第2事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2パターン抽選値が「0〜9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「10〜29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「30〜255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第2始動口12への入球を示す(第2当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
なお、事前判定手段235による事前判定結果として一時記憶された各種情報は、保留記憶数と同様に、それぞれ4個を上限に所定の事前判定結果記憶領域に記憶する。なお、事前判定結果を保留制御手段240が記憶する保留記憶領域を用いて記憶してもよい。事前判定手段235による事前判定結果を後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により演出決定手段303に送信したことに基づいて当該情報を消去するようにしてもよい。このように、他の領域と共用したり、送信完了に基づいて情報を消去することにより、メイン基板200における記憶領域の効率利用が期待できる。また、事前判定用の判定テーブルとして、事前判定専用のテーブルを設けずに、本判定用の判定テーブルを用いてもよく、第1の遊技に関する事前当否判定と第2の遊技機に関する事前判定とで一部または全部が共通の事前判定テーブルを共用してもよい。このように、他の判定テーブルと共用することで、メイン基板200におけるデータ容量の削減が期待できる。なお、事前判定手段235の判定結果として送信する内容は、例えば、当否の判定結果のみを送信するなど、適宜選択することも可能である。また、事前判定手段235により判定することなく、第1抽選値取得手段216、第2抽選値取得手段217で取得した乱数の値を前述のコマンド通信手段205によりサブ基板300に送信し、サブ基板300により事前判定の内容を判断するように構成してもよい。
<特別遊技制御手段260>
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
<小当り遊技制御手段265>
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させ、小当り遊技全体としては約0.4秒間開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
<特定遊技制御手段270>
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
<開閉制御手段275>
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
<メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284>
メイン初期処理実行手段280は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるメイン基板200の制御開始処理を実行する。メイン電断処理実行手段282は、電源断などの電源異常発生時にメイン基板200における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。メインエラー検出手段284は、メイン基板200における異常検知処理を実行する。なお、メイン基板200の制御開始処理、異常時対応処理、および異常検知処理については後述する。
<コマンド送信手段>
コマンド通信手段205は、払出等の実行に必要な制御コマンドを払出制御基板155に送信する払出制御コマンド通信手段206と、演出制御等の実行に必要な制御コマンドをサブ基板300に送信するサブ制御コマンド送信手段207を含む。払出制御コマンド通信手段206は、入球判定手段201による各入賞口への入球の判定に基づいて各入賞口に対応した数の賞球の払出を指示する払出コマンドを送信し、メイン基板200で発生したエラーの状態等を示すコマンドを送信する。サブ制御コマンド送信手段207は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
サブ制御コマンド送信手段207は、第1特図制御手段251および第2特図制御手段252が第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。また、サブ制御コマンド送信手段207は、事前判定手段235による事前判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず事前判定結果に対応する入賞口(第1始動口11、第2始動口12)の種別情報、保留個数の情報、遊技状態等と併せて演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。これにより、サブ基板300の側にとっては受信した事前判定結果により、図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、サブ基板300が行う事前判定情報に基づく処理等については後述する。サブ制御コマンド送信手段207は、特別遊技制御手段260による特別遊技に関する情報、小当り遊技制御手段265による小当り遊技に関する情報、普通図柄抽選手段による抽選結果の情報をサブ基板300に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段207は、メイン初期処理実行手段280およびメインエラー検出手段284等による初期処理に関する情報やエラーに関する情報等、メイン基板200での各種制御、または、メイン基板200に送信される各種信号等に関する情報を適宜、サブ基板300に送信する。
図9は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、計時手段307、演出設定手段308、サブ初期処理実行手段360、サブ電断処理実行手段362、サブエラー検出手段364、コマンド受信手段370、サブ側事前判定手段371を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
コマンド受信手段370は、コマンド通信手段205から送信される各種コマンドを受信し、サブ側事前判定手段371は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を保持する。演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374を含む。通常演出決定手段373は、コマンド通信手段205から送信される第1当否抽選の判定結果または第2当否抽選の判定結果の情報に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。通常演出決定手段373は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定され、コマンド通信手段205から送信された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。通常演出決定手段373は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。通常演出決定手段373は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。なお、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を参照して通常演出決定手段373により変動演出パターンを決定する場合があってもよく、先読み演出決定手段374による先読み演出の内容と併せて変動演出パターンを決定する場合があってもよい。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205からの事前判定結果と、サブ基板300に保持する過去の事前判定結果や遊技状態情報等に基づいて本判定の結果をより精度よく特定し、その特定した結果に基づいて本判定前から先読み演出を実行するか否か、および、その実行内容を決定する。具体的には、先読み演出決定手段374は、現在の遊技状態が確率変動遊技中であるかを判定した上で、今回受信した事前判定結果より前の事前判定結果に基づいて通常遊技状態に移行するか否かを判定する。その判定結果を踏まえ、今回受信した事前判定結果に係る本判定の当否結果や選択される変動パターン等を特定し、当該特定結果に基づいて先読み演出の実行可否、先読み演出の実行内容を決定する。なお、演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374とが協同している部分が多いため、特に必要な部分を除き、両者を包括した演出決定手段303として説明する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン(リーチ後予告)と、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターン(リーチ前予告)とがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことを新たな装飾図柄の変動表示の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305、音声制御手段306、ランプ制御手段309を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカー108からの音声出力を制御する。ランプ制御手段309は、装飾ランプ111の点灯および消灯を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさを持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合せによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いことを示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄の仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。
計時手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。計時手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する同調演出を実行する。同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)〜(3)のいずれの期間中も同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時間」と呼ぶ)に再生する演出である。同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時間を迎えることとなり、一斉に同時進行で同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
サブ初期処理実行手段360は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるサブ基板300の制御開始処理を実行する。サブ電断処理実行手段362は、電源断などの電源異常発生時にサブ基板300における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。サブエラー検出手段364は、サブ基板300における異常検知処理を実行する。サブエラー検出手段364が電源断を検出すると、サブ電断処理実行手段362は、電源断処理としてRAMのデータをバックアップ用RAMにバックアップする。
図10は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図11は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出制御装置313などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出制御装置313、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカー108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータおよび音声パターンデータを演出制御装置313へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出制御装置313を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出制御装置313とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図12は、演出制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出制御装置313は、制御CPU320、制御RAM322、データROM324、表示制御回路326、音声制御回路314を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データおよびモーションデータや、音声出力に用いられる音声データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。音声データは、演出中に出力される楽曲、背景音、効果音、キャラクタのセリフといった音声のデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から制御RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が制御CPU320によって実行される。その結果、制御CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。同様にして、制御CPU320から音声制御回路314へ音声出力に関するコマンド、音声データが送信され、音声制御回路314により音声出力制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、制御CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出制御装置313のハードウェア構成として、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出制御装置313に含まれる制御CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出制御装置313に含まれる制御RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が制御CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が制御RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図13は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、メイン初期処理実行手段280により実行されるが、以降、メイン初期処理実行手段280として機能するメインCPU290が実行するものとして説明する。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図14は、図13におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源基板158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。なお、上記の電源断時の処理は、メインCPU290により実現されるメイン電断処理実行手段282が実行する。
図15は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力ポートのデータを監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。なお、この入力状態を示すデータは、レベルデータ(今回の割込時における入力ポートのデータ)と、立ち上がりデータまたは立ち下がりデータ(今回の割込時における入力ポートのデータと前回の割込時における入力ポートのデータを排他的論理和で比較して切り替わりが見られたスイッチを示すデータ)である。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。各種制御用のタイマの値をそれぞれテーブルにしたがってメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値を順次デクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の第1作動口31、第2作動口32の通過を監視し、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示部45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電動役物ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、事前判定情報(事前当否判定情報、事前図柄判定情報、事前パターン判定情報)、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。なお、上記の例では、メインCPU290において、事前判定処理のためのコマンドの送信を制御したが、別の例では、始動口への入球がある場合には一様に送信を行い、先読み可能期間であるか否かなどの各種の状況判断は、サブCPU310が行ってもよい。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。大当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様をエラー状態に応じて制御してもよい。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、連続オン時間(例えば、スイッチがオンであるとき割込み毎にインクリメントするカウンタの値)が異常値であったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様を入球通過時間異常に応じて制御してもよい。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示及びエラーの表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電動役物ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電動役物ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部情報出力端子160に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数(ハード乱数)、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期値更新型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999(図6の例では0〜255)の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999(図7の例では0〜255)の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図16は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、サブ初期処理実行手段360により実行されるが、以降、サブ初期処理実行手段360として機能するサブCPU310が実行するものとして説明する。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、制御CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図17は、図16におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図16のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。サブエラー検出手段364として機能するサブCPU310は、エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図18は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図17のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図19は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から制御CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、制御CPU320へ送信する(S626)。なお、制御CPU320へのコマンドデータの送信は、制御CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が制御CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図20は、サブCPU310が制御CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が制御CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から制御CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。制御CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図21は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や制御CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが制御CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。制御CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、制御CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、制御CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に制御CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から制御CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した制御CPU320はリセットを実行する。制御CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図22は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図23は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図24は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図25は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。小当り遊技において、1回だけ実行される単位遊技を開始し(S819)、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
前提技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が16回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
(実施例)
つづいて、本実施例の特徴的な構成について説明する。本実施例においては、通常遊技中に実行される演出において、当否判定の結果が大当りである期待度が高いことを示唆する期待度示唆演出のうち特定の期待度示唆演出が実行される場合、特定の期待度示唆演出の表示開始タイミングを示唆する時間示唆演出(以下、「タイマー演出」という)を実行可能である。本実施例では、タイマー演出において、特定の期待度示唆演出の表示が開始されるまでの残り時間が表示され、残り時間がゼロになったタイミングを契機として特定の期待度示唆演出が開始される。別の例では、残り時間が所定時間になったタイミングを契機として特定の期待度示唆演出が開始されてもよい。
期待度示唆演出は、前提技術において説明した予告演出、群予告演出、ステップアップ予告演出、スーパーリーチ演出やノーマルリーチ演出などのリーチ演出、リーチ演出の終了直前などに表示されるカットイン演出、リーチ煽り演出中などに実行される背景予告演出、1回の図柄変動において擬似的に複数回の図柄変動が実行されるように見せる擬似連続変動演出など、実行された場合に当否判定の結果が大当りとなって特別遊技が実行される可能性があることが示唆されるような各種の演出である。それぞれの期待度示唆演出により示唆される期待度は、期待度示唆演出の種類に応じて異なりうる。例えば、演出決定手段303が抽選により演出を決定する場合、期待度示唆演出が実行されたときに当否判定の結果が大当りとなる確率が期待度示唆演出の種類に応じて異なるように、当否判定の結果、又は、変動パターン決定手段により決定された変動パターンの種類ごとに、異なる抽選値の範囲がそれぞれの期待度示唆演出に対して割り当てられた抽選テーブルが設けられる。演出決定手段303は、当否判定の結果又は変動パターンに応じた抽選テーブルを参照し、演出を決定するための抽選値に基づいて、複数の期待度示唆演出を含む複数の演出の中から実行すべき演出を決定する。このように、いずれかの期待度示唆演出が実行された場合の方が、いずれの期待度示唆演出も実行されない場合より、期待度示唆演出が実行された図柄の変動表示に対応する当否判定の結果が大当りとなって特別遊技に移行する期待度が高い。タイマー演出においては、特別遊技移行期待度を示唆する期待度示唆演出の中でも相対的に期待度が高い特定の期待度示唆演出、又は、変動パターン決定手段により特定の変動パターンが選択されたときにしか実行されない、若しくは、特定の変動パターンが選択されたときの方が選択されなかったときよりも実行される確率が高い特定の期待度示唆演出が表示されるタイミングが示唆される。
特定の期待度示唆演出が実行される場合、その期待度示唆演出の開始に先立って、タイマー演出を実行可能である。リーチ演出や擬似連続変動演出などにおいて、演出全体が特定の期待度示唆演出とされてもよいし、演出の一部が特定の期待度示唆演出とされてもよい。例えば、ノーマルリーチ演出では、一般に、まず、リーチ態様ではない演出と同様に3つの装飾図柄が変動表示され、その後、2つの装飾図柄がリーチ態様で停止表示されて残りの1つの装飾図柄が変動表示されるリーチ煽り演出が実行される。また、スーパーリーチ演出では、2つの装飾図柄がリーチ態様で停止表示された後、又は、リーチ煽り演出の後に、さらに、バトル演出などのストーリー性のある演出が展開され、最終的に3つの装飾図柄が停止表示される。このような場合、2つの装飾図柄がリーチ態様で停止表示されることにより、期待度の高いリーチ演出であることが遊技者に報知されるので、2つの装飾図柄がリーチ態様で停止表示された以降の演出を特定の期待度示唆演出としてもよい。また、ストーリー性のある特別な演出が開始されることにより、スーパーリーチ演出であることが遊技者に報知されるので、特別な演出が開始された以降の演出を特定の期待度示唆演出としてもよい。すなわち、タイマー演出において、2つの装飾図柄がリーチ態様で停止表示される時点までの残り時間や、ストーリー性のある演出に展開される時点までの残り時間が示唆されてもよい。同様に、擬似連続変動演出において、擬似的な2回目の図柄の変動表示が開始されるまでの残り時間が示唆されてもよいし、擬似的な3回目以降の図柄の変動表示が開始されるまでの残り時間が示唆されてもよい。いずれかの回の擬似的な装飾図柄の変動表示において、装飾図柄の変動表示が仮停止されるタイミングが示唆されてもよい。また、例えば初回の擬似的な装飾図柄の変動表示において、中図柄列などに、擬似連続変動演出が実行されることを示唆する専用の装飾図柄が仮停止されるように構成されてもよく、その場合に、専用の装飾図柄が出現するタイミングが示唆されてもよい。また、保留制御手段に保留されている抽選値に対応する当否判定の結果が大当りである期待度を表示態様にて示唆する保留球画像が演出表示装置60に表示される場合に、保留球画像の表示態様を変化されるタイミングが示唆されてもよい。予告演出についても、予告演出全体が特定の期待度示唆演出とされてもよいし、予告演出の一部が特定の期待度示唆演出とされてもよい。例えば、ステップアップ予告演出の全体が特定の期待度示唆演出とされ、ステップアップ予告演出が開始されるまでの残り時間が示唆されてもよいし、所定の段階にステップアップした以降の演出が特定の期待度示唆演出とされ、所定の段階にステップアップするまでの残り時間が示唆されてもよい。以降、タイマー演出により発生タイミングが示唆される特定の期待度示唆演出も、単に「期待度示唆演出」と呼ぶことがある。
図26は、タイマー演出中に演出表示装置60に表示される演出画像の例を示す。本図の例では、変動パターン決定手段によりスーパーリーチの変動パターンが選択され、演出決定手段303によりスーパーリーチの変動パターンに対応する演出としてスーパーリーチ演出が決定されており、さらに、図柄の変動表示の開始から30秒後に予告演出が実行されることが決定されているものとする。ここで、スーパーリーチの変動パターンによる図柄の変動表示中に実行される演出全体をスーパーリーチ演出と呼んでいる。したがって、スーパーリーチ演出の開始から30秒後に予告演出が実行されることになる。また、スーパーリーチ演出において、演出開始から80秒後にバトル演出が開始されるものとする。
図26(a)は、図柄の変動表示の開始直後に演出表示装置60に表示される演出画像の例を示す。演出表示装置60には、装飾図柄510が変動表示されており、さらに、表示予定の期待度示唆演出が開始されるまでの残り時間を示唆する残り時間示唆情報500、502が表示されている。残り時間示唆情報500、502は、複数の矩形から構成されており、左側の大きい矩形は、それぞれ10秒間に対応しており、その右側の中程度の矩形は、それぞれ5秒間に対応しており、さらに右側の小さい矩形は、それぞれ2.5秒間に対応している。したがって、残り時間示唆情報500では、全ての矩形が表示されているので、60秒後に期待度示唆演出が開始されることが示唆され、残り時間示唆情報502では、30秒後に期待度示唆演出が開始されることが示唆される。
残り時間示唆情報により示唆される残り時間は、タイマー演出中に単に実時間の経過とともにカウントダウンされるだけでなく、実時間とは異なる増減又は一時停止されることが可能である。すなわち、タイマー演出において残り時間示唆情報により示唆される期待度示唆演出が開始されるまでの残り時間は、実際の残り時間をもとに決定された演出上の見かけの残り時間であり、実際の残り時間と一致するとは限らない。実際の残り時間とは異なる見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が演出表示装置60に表示される場合は、期待度示唆演出が開始されるときに見かけの残り時間がゼロになるように、タイマー演出の実行中に見かけの残り時間が調整され、見かけの残り時間がゼロになったときに、期待度示唆演出が開始される。別の例では、見かけの残り時間が所定時間となったときに、期待度示唆演出が開始されてもよい。また、タイマー演出において、見かけの残り時間が到達すべき目標時間が遊技者に報知され、見かけの残り時間が目標時間に到達したときに期待度示唆演出が開始されてもよい。同様に、残り時間示唆情報としてタイムスライダーやメーターなどが表示される場合に、その目盛りなどが到達すべき目標の位置や数などが遊技者に報知され、目盛りなどが目標の位置や数などに到達したときに期待度示唆演出が開始されてもよい。なお、見かけの残り時間がゼロ又は所定時間になるタイミングと、期待度示唆演出が開始されるタイミングは、完全に同期していなくてもよく、例えば、見かけの残り時間がゼロ又は所定時間になったときに、「発生!」などの表示がなされ、期待度示唆演出が開始されることが報知された後に、期待度示唆演出が開始されてもよい。
演出制御手段304は、カウンタなどの計時手段により実時間を計時し、計時手段により計時される単位時間ごとに見かけの残り時間から単位時間を減算することにより、実時間の経過にともなって見かけの残り時間をカウントダウンするとともに、見かけの残り時間に応じて残り時間示唆情報の表示を変更する。例えば、見かけの残り時間が50秒になったときに、残り時間示唆情報の一番左の矩形が消去される。また、演出制御手段304は、演出決定手段303により決定された演出パターンに応じて、カウントダウンとは別に、見かけの残り時間を増減又は一時停止させて調整するとともに、調整後の見かけの残り時間にしたがって残り時間示唆情報の表示を変更する。演出制御手段304は、見かけの残り時間を巻き戻し、すなわちカウントアップしてもよいし、カウントダウン又はカウントアップの速度を実時間の経過よりも早くしたり遅くしたりしてもよいし、単位時間よりも長い所定時間を見かけの残り時間に加算又は減算してもよい。本図の例では、複数の矩形を用いて見かけの残り時間を表示するので、見かけの残り時間の増減を視覚的に分かりやすく提示することができる。別の例では、残り時間示唆情報に代えて、又は、残り時間示唆情報とともに、見かけの残り時間の数値を表示してもよい。また、残り時間示唆情報として、デジタル時計やアナログ時計などが表示されてもよいし、タイムスライダーやメーターなどが表示されてもよいし、矩形以外の任意の図形、オブジェクト、キャラクタなどが表示されてもよい。実時間を計時した上で、タイマー演出における残り時間示唆情報の表示態様をリアルタイムに適宜決定するに限らず、タイマー演出において表示される残り時間示唆情報などの静止画像又は動画像などの演出画像の内容を予め複数種類の演出パターンとして用意しておき、演出パターンを選択することにより、図柄の変動表示に対応した種類の演出が表示されるように構成してもよい。
残り時間示唆情報は、複数の表示態様にて表示可能であり、期待度示唆演出により示唆される期待度に応じて、演出決定手段303により残り時間示唆情報の表示態様が決定される。例えば、残り時間示唆情報として表示される矩形の色、大きさ、形状、位置、表示効果などの表示態様が期待度に応じて異なる。本図では、内部に斜線を付された矩形は、示唆される期待度が非常に高い期待度示唆演出に対応し、内部に点が付された矩形は、示唆される期待度がやや高い期待度示唆演出に対応する。スーパーリーチ演出の後半のバトル演出の開始までの残り時間を示唆する残り時間示唆情報500は、非常に高い期待度に対応する表示態様で表示されており、予告演出の開始までの残り時間を示唆する残り時間示唆情報502は、やや高い期待度に対応する表示態様で表示されている。残り時間示唆情報の表示態様は、タイマー演出中に変更されてもよい。また、当否判定の結果が大当りであることを示唆又は確定的に示す残り時間示唆情報の表示態様が設けられてもよい。例えば、当否判定の結果が大当りである場合には、残り時間示唆情報が虹色で表示されたり、金色の表示効果が付されて表示されたりするなど、当否判定の結果が大当りであることを確定的に示す表示態様で残り時間示唆情報が表示されてもよい。また、残り時間示唆情報が赤色で表示された場合、当否判定の結果が大当りである期待度が高いことが示唆されてもよい。後述するように、本実施例では、見かけの残り時間が長いほど、示唆される期待度が高い期待度示唆演出が実行される可能性が高く、当否判定の結果が大当りである期待度が高いが、当否判定の結果が大当りであることを示唆又は確定的に示す表示態様で残り時間示唆情報が表示された場合には、残り時間示唆情報により示唆される見かけの残り時間にかかわらず、言い換えれば、残り時間示唆情報により示唆される見かけの残り時間が短い場合であっても、示唆される期待度が高い期待度示唆演出が実行される可能性が高く、当否判定の結果が大当りである期待度が高くなるように構成されてもよい。例えば、見かけの残り時間が60秒で残り時間示唆情報が青色で表示される場合よりも、見かけの残り時間が30秒であるが残り時間示唆情報が赤色で表示される場合の方が、当否判定の結果が大当りとなる期待度が高くなるように構成されてもよい。また、見かけの残り時間が10秒であるが残り時間示唆情報が虹色で表示される場合の方が、見かけの残り時間が30秒で残り時間示唆情報が赤色で表示される場合よりも、更に当否判定の結果が大当りとなる期待度が高くなるように構成されてもよい。
図26(b)は、予告演出が開始されるときに演出表示装置60に表示される演出画像の例を示す。スーパーリーチ演出の開始から30秒が経過すると、残り時間示唆情報502により示唆される見かけの残り時間がゼロになり、残り時間示唆情報502が消去されるとともに、予告演出520が表示される。残り時間示唆情報500は、見かけの残り時間が30秒であることを示唆しているはずであるが、見かけの残り時間が演出制御手段304により調整されており、この時点では、見かけの残り時間が40〜50秒であることを示唆する表示になっている。
図26(c)は、バトル演出が開始されるときに演出表示装置60に表示される演出画像の例を示す。スーパーリーチ演出の開始から80秒が経過すると、残り時間示唆情報500により示唆される見かけの残り時間がゼロになり、残り時間示唆情報500が消去されるとともに、バトル演出530が表示される。見かけの残り時間がゼロになったとき、期待度示唆演出が実行される前に、特定のオブジェクトを演出表示装置60に表示してもよい。また、遊技者による操作を促すオブジェクトを演出表示装置60を表示し、遊技者により演出ボタン109又は十字キー110などが操作された場合に、特定の演出を実行可能としてもよい。遊技者による操作を促すオブジェクトが表示される場合と、遊技者による操作を促すオブジェクトが表示されずに期待度示唆演出が開始される場合の双方が設けられてもよい。
本実施例では、見かけの残り時間が長いほど、示唆される期待度が高い期待度示唆演出が実行される可能性が高い。例えば、本図の例では、示唆される期待度が非常に高いバトル演出に対応する残り時間示唆情報500により示唆される見かけの残り時間の方が、示唆される期待度がバトル演出よりは低い予告演出に対応する残り時間示唆情報502により示唆される見かけの残り時間よりも長い。一般に、期待度の高い演出は演出時間が相対的に長く、また、演出時間の前半よりも後半に期待感を煽る演出が実行されることが多いので、演出表示装置60に表示された残り時間示唆情報により示唆される見かけの残り時間が長いほど、示唆される期待度が高い期待度示唆演出が実行される可能性が高い。したがって、残り時間示唆情報が演出表示装置60に表示された時点で、実行されるであろう演出の期待度を遊技者にある程度推測させることができるので、遊技者の期待感を高めることができる。また、単に見かけの残り時間を実時間の経過に伴ってカウントダウンしていくだけでなく、見かけの残り時間を増減させたり、見かけの残り時間のカウントダウンを停止させたりすることにより、タイマー演出の途中にも、実行されるであろう演出の期待度を増減させることができる。これにより、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。示唆される見かけの残り時間が長いほど、大当りとなる可能性が高いようにされてもよい。
本図の例では、演出表示装置60に表示された2つの残り時間示唆情報500、502は、それぞれ、スーパーリーチ演出のバトル演出、予告演出という異なる期待度示唆演出が開始されるまでの残り時間をそれぞれ示唆している。すなわち、演出において複数の期待度示唆演出のうちの2以上が実行される場合、実行される2以上の期待度示唆演出が開始されるまでの実際の残り時間をもとにそれぞれ決定された見かけの残り時間を示唆する2以上の残り時間示唆情報が演出表示装置60に表示可能である。
別の例では、複数の残り時間示唆情報が演出表示装置60に表示された場合に、表示されている複数の残り時間示唆情報のそれぞれにより示唆される見かけの残り時間の合計が期待度示唆演出が開始されるまでの見かけの残り時間を示唆してもよい。すなわち、残り時間示唆情報500により示唆される60秒の残り時間と、残り時間示唆情報502により示唆される30秒の残り時間の合計である90秒が、1つの期待度示唆演出が開始されるまでの残り時間であることが示唆されてもよい。
複数の残り時間示唆情報が表示された場合に、それぞれが別個の期待度示唆演出が開始されるまでの見かけの残り時間を示唆する場合と、複数の残り時間示唆情報により示唆される見かけの残り時間の合計が1つの期待度示唆演出が開始されるまでの見かけの残り時間を示唆する場合との双方が設けられてもよい。この場合、いずれの場合であるのかが遊技者に分かるような態様で残り時間示唆情報を表示してもよいし、複数の残り時間示唆情報が表示された時点ではいずれの場合であるのかが遊技者に分からないような態様で残り時間示唆情報を表示してもよい。いずれの場合であるのかが遊技者に分からないような態様で残り時間示唆情報を表示する場合、複数の期待度示唆演出が実行される可能性と、合計されたより長い残り時間の後に1つの期待度示唆演出が実行される可能性の双方を示唆することができるので、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。期待度示唆演出が実行されるまでに、いずれの場合であるのかを遊技者に報知する演出が実行されてもよい。
図27は、演出パターンの例を示す。変動パターン決定手段により選択可能な複数の変動パターンのそれぞれに対応する複数の演出パターンが設けられる。また、特定の期待度示唆演出を実行する演出パターンについては、期待度示唆演出が開始されるまでの残り時間を示唆するタイマー演出のタイマーパターンが対応づけられる。演出決定手段303は、変動パターン決定手段により決定された変動パターンに応じて、抽選により演出パターンを決定する。また、決定した演出パターンが特定の期待度示唆演出を実行する演出パターンである場合は、抽選によりタイマー演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合は、更に抽選によりタイマーパターンを決定する。
例えば、ノーマルリーチの変動パターンが選択された場合、ノーマルリーチ演出(1)、ノーマルリーチ演出(2)などの演出パターンが選択可能である。また、ノーマルリーチ演出(1)の演出パターンが選択された場合、ノーマルリーチ演出の開始から20秒後に期待度示唆演出であるリーチ煽り演出が開始されるので、タイマー演出を実行可能であり、タイマー演出を実行する場合、実際の残り時間と同じ20秒の見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報を表示した後、実時間の経過にともなって見かけの残り時間をカウントダウンするタイマーパターン(1a)と、実際の残り時間とは異なる10秒の見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報を表示した後、途中で見かけの残り時間を10秒増加させ、最終的に演出開始から20秒後に見かけの残り時間をゼロとするタイマーパターン(1b)のいずれかを選択する。
タイマーパターン(1a)とタイマーパターン(1b)は、いずれもノーマルリーチ演出(1)のリーチ煽り演出が開始されるまでの残り時間を示唆するタイマー演出のタイマーパターンであり、実際の残り時間は同一であるが、実際の残り時間よりも短い見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が表示された後に見かけの残り時間が延長されて期待度示唆演出が実行されるタイマーパターン(1b)が実行された場合の方が、実際の残り時間と同じ長さの見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が表示された後に見かけの残り時間が調整されずに期待度示唆演出が実行されるタイマーパターン(1a)が実行された場合よりも、当否判定の結果が大当りとなる確率が高くなるように、タイマーパターンを決定するために用いられる抽選値の範囲が設定されている。すなわち、タイマーパターン(1b)の方が、タイマーパターン(1a)よりも、示唆される特別遊技実行可能性が高い演出である。見かけの残り時間が調整されないタイマーパターン(1a)の方が、見かけの残り時間が調整されるタイマーパターン(1b)よりも、出現頻度が高くなるように、タイマーパターンを決定するために用いられる抽選値の範囲が設定されている。このことは、他のタイマーパターンについても同様である。
ノーマルリーチ演出(2)においても、ノーマルリーチ演出の開始から35秒後に期待度示唆演出であるリーチ煽り演出が開始されるので、タイマー演出を実行可能である。タイマーパターン(2a)では、実際の残り時間と同じ見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が最初から表示される。タイマーパターン(2b)及び(2c)では、実際の残り時間よりも10秒少ない25秒の見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が最初に表示され、途中で見かけの残り時間が10秒増加される。タイマーパターン(2b)と(2c)とでは、見かけの残り時間が10秒増加されるタイミングが異なる。見かけの残り時間が増加されるタイミングに応じて、示唆される期待度が異なってもよい。例えば、見かけの残り時間が増加されるタイミングが遅いほど、示唆される期待度が高くてもよい。また、増加される時間の長短に応じて、示唆される期待度が異なってもよい。例えば、見かけの残り時間に加算される時間が長いほど、示唆される期待度が高くてもよい。タイマーパターン(2d)では、実際の残り時間よりも10秒少ない25秒の見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が最初に表示され、途中で見かけの残り時間のカウントダウンが10秒間停止される。この場合も、見かけの残り時間が停止されるタイミングや停止される時間の長短に応じて、示唆される期待度が異なってもよい。タイマーパターン(2e)では、演出開始から5秒後にタイマー演出が開始される。タイマー演出が開始されるタイミングに応じて、示唆される期待度が異なってもよい。タイマーパターン(2f)では、2つの残り時間示唆情報が表示され、双方が示唆する見かけの残り時間が同時にゼロになったときに、ノーマルリーチ演出(2)のリーチ煽り演出が開始される。
スーパーリーチの変動パターンが選択された場合、スーパーリーチ演出(1)などの演出パターンが選択可能である。スーパーリーチ演出(1)の演出パターンが選択された場合、タイマー演出の演出パターンとして、タイマーパターン(1A)〜(1E)などが選択可能である。タイマーパターン(1A)は、スーパーリーチ演出(1)におけるリーチ煽り演出の開始までの残り時間を示唆するタイマー演出のタイマーパターンであり、ノーマルリーチ演出におけるタイマー演出のタイマーパターン(1b)と同一である。タイマーパターン(1B)は、スーパーリーチ演出(1)におけるバトル演出の開始までの残り時間を示唆するタイマー演出の演出パターンであり、ノーマルリーチ演出におけるタイマー演出のタイマーパターン(2b)と同一である。
タイマーパターン(1B)とタイマーパターン(2a)〜(2e)は、期待度示唆演出が開始されるまでの実際の残り時間は同一であるが、開始される期待度示唆演出の種類が異なっている。実際の残り時間が同一であっても、実際の残り時間よりも短い見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が表示された後に見かけの残り時間が延長されて期待度示唆演出が実行される場合の方が、実際の残り時間と同じ長さの見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が表示された後に見かけの残り時間が調整されずに期待度示唆演出が実行される場合よりも、示唆される期待度が高い期待度示唆演出が実行される可能性が高くなるように、タイマー演出のタイマーパターンを決定するために用いられる抽選値の範囲が設定されている。例えば、タイマーパターン(2a)が実行された場合は、その後に、ノーマルリーチ演出(2)のリーチ煽り演出が実行され、スーパーリーチ演出(1)のバトル演出は実行されないが、タイマーパターン(2b)又は(1B)が実行された場合は、ノーマルリーチ演出(2)のリーチ煽り演出だけでなく、スーパーリーチ演出(1)のバトル演出が実行される可能性もある。すなわち、タイマーパターン(2b)が実行される場合の方が、タイマーパターン(2a)が実行される場合よりも、示唆される期待度が高い期待度示唆演出が実行される可能性が高い。
タイマーパターン(1C)では、スーパーリーチ演出(1)のリーチ煽り演出が開始されるまでの残り時間を示唆する残り時間示唆情報と、スーパーリーチ演出(1)のバトル演出が開始されるまでの残り時間を示唆する残り時間示唆情報の2つの残り時間示唆情報が表示される。タイマーパターン(1D)及び(1E)では、2つの残り時間示唆情報が表示され、双方が示唆する見かけの残り時間が同時にゼロになったときに、スーパーリーチ演出(1)のバトル演出が開始される。タイマーパターン(1D)は、ノーマルリーチ(2)におけるタイマー演出の演出パターン(2f)と同一であり、最初から同一の見かけの残り時間を示唆する2つの残り時間示唆情報が表示されるが、タイマーパターン(1E)では、異なる見かけの残り時間を示唆する2つの残り時間示唆情報が表示された後に、一方の見かけの残り時間が調整されて、最終的には同時に見かけの残り時間がゼロになる。異なる見かけの残り時間を示唆する2つの残り時間示唆情報が表示された後に、一方の見かけの残り時間が調整されて、同一の見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が表示されるタイマーパターン(1E)が実行される場合の方が、初めから同一の見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が表示されるタイマーパターン(1D)が実行される場合よりも、当否判定の結果が大当りとなる確率が高くなるように、タイマー演出の演出パターンを決定するために用いられる抽選値の範囲が設定されている。すなわち、タイマーパターン(1E)の方が、タイマーパターン(1D)よりも、示唆される期待度が高い演出である。また、タイマーパターン(1E)が実行された場合は、その後に、スーパーリーチ演出(1)のバトル演出が実行され、ノーマルリーチ演出(2)のリーチ煽り演出は実行されないが、タイマーパターン(1D)又は(2f)が実行された場合は、スーパーリーチ演出(1)のバトル演出だけでなく、ノーマルリーチ演出(2)のリーチ煽り演出が実行される可能性もある。すなわち、タイマーパターン(1E)が実行される場合の方が、タイマーパターン(1D)及び(2f)が実行される場合よりも、示唆される期待度が高い期待度示唆演出が実行される可能性が高い。前述したように、表示された残り時間示唆情報により示唆される見かけの残り時間が長い方が、より期待度の高い期待度示唆演出が実行される可能性が高いが、最初に表示された残り時間示唆情報により示唆される見かけの残り時間が短い場合であっても、タイマー演出中に見かけの残り時間が増加されれば、より期待度の高い期待度示唆演出が実行される可能性が高まるので、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。
同一の見かけの残り時間を示唆する複数の残り時間示唆情報が表示される場合の方が、1つの残り時間示唆情報が表示される場合よりも、見かけの残り時間がゼロになったときにより高い期待度を示唆する期待度示唆演出が実行される可能性が高くなるように、タイマー演出のタイマーパターンを決定するために用いられる抽選値の範囲が設定されてもよい。例えば、予告演出などの期待度示唆演出の演出画像が、示唆される期待度の異なる複数の表示態様で表示可能である場合に、1つの残り時間示唆情報が表示される場合よりも、同一の見かけの残り時間を示唆する複数の残り時間示唆情報が表示される場合の方が、その期待度示唆演出が相対的に期待度の高い表示態様にて表示される、又は、表示される確率が高くなるよう構成されていてもよい。また、1つの残り時間示唆情報が表示される場合は、見かけの残り時間がゼロになったときに、示唆される期待度が1段階上位の表示態様に変化され、2つの残り時間示唆情報が表示される場合は、見かけの残り時間が同時にゼロになったときに、示唆される期待度が2段階上位の表示態様に変化されてもよい。例えば、ステップアップ予告演出において一度に2段階以上ステップアップさせてもよいし、ステップアップ予告演出の演出画像、擬似連続変動演出における専用の装飾図柄、保留球画像など、複数の色にて表示可能な演出画像の色が2段階以上変化されてもよい。3以上の残り時間示唆情報が表示される場合も同様である。1つの残り時間示唆情報にて見かけの残り時間が示唆される場合よりも、複数の残り時間示唆情報にて見かけの時間が示唆される場合の方が、特別遊技実行可能性が高くなるように構成されてもよい。同一の見かけの残り時間を示唆する複数の残り時間示唆情報が表示される場合に、複数の期待度示唆演出が同時に実行されてもよい。
図27に示した例では、期待度示唆演出ごとにタイマー演出のタイマーパターンが設けられているが、別の例では、タイマー演出における実際の残り時間ごとにタイマーパターンが設けられ、期待度示唆演出の種類によらず共用されてもよい。また、図27に示した例では、それぞれのタイマーパターンにおいて見かけの残り時間の増減や一時停止などの調整が1回だけ行われているが、1回のタイマー演出において2回以上見かけの残り時間が調整されてもよい。例えば、見かけの残り時間が途中で2回増加されてもよいし、増加された後に一時停止されてもよく、見かけの残り時間の調整方法の組み合わせは任意でよい。
演出決定手段303が予告抽選により予告演出を実行すると決定した場合、演出決定手段303は、予告演出が開始されるまでの残り時間を示唆するタイマー演出を実行するか否かを抽選により決定し、実行すると決定した場合は、更に抽選によりタイマー演出のタイマーパターンを決定する。演出決定手段303は、実行する予告演出の種類とタイミングを決定し、決定されたタイミングに基づいて、タイマー演出のタイマーパターンが決定される。予告演出におけるタイマー演出のタイマーパターンは、予告演出が開始されるまでの実際の残り時間ごとに設けられ、予告演出の種類によらず共用されてもよい。
以上の例では、期待度示唆演出により示唆される当否判定の結果を示す図柄の変動表示中、すなわち、期待度示唆演出が実行されるのと同じ回の図柄の変動表示中にタイマー演出が実行されたが、それよりも前の回の図柄の変動表示中にタイマー演出が開始されてもよい。この場合、タイマー演出が開始されたときと同じ回の図柄の変動表示中ではなく、それ以降の回の図柄の変動表示中に期待度示唆演出が実行されることが示唆されることになるので、複数回の図柄の変動表示にわたってタイマー演出が実行される。
演出決定手段303は、次回以降の図柄の変動表示中に特定の期待度示唆演出が実行されるか否かにかかわらず、ランダムな抽選などにより決定されたタイミングでタイマー演出を実行してもよいし、特定の期待度示唆演出を実行可能な変動パターンが選択されるパターン抽選値が当否抽選値や図柄抽選値などとともに特定保留球として保留制御手段に保留されたことを示す事前判定結果をメイン基板200から取得した場合に、その特定保留球に対応する図柄の変動表示が開始される前に、その特定保留球に対応する図柄の変動表示中に特定の期待度示唆演出が実行されることを示唆するタイマー演出を実行してもよい。前者の場合、次回以降の図柄の変動表示中にタイマー演出が実行される可能性があることを示唆する表示のみを行い、次回以降の図柄の変動表示において特定の期待度示唆演出が実行されることになれば、残り時間示唆情報を表示してタイマー演出を実行し、所定回の図柄の変動表示が終了しても特定の期待度示唆演出が実行されなければ、残り時間示唆情報を表示することなくタイマー演出を終了してもよい。後者の場合、特定の期待度示唆演出が実行される図柄の変動表示が開始されるまでは、次回以降の図柄の変動表示中にタイマー演出が実行される可能性があることを示唆する表示のみを行って残り時間示唆情報を表示せず、特定の期待度示唆演出が実行される図柄の変動表示が開始されるときに残り時間示唆情報を表示してもよい。または、特定の期待度示唆演出が実行される特定保留球よりも前に図柄の変動表示が実行される先行保留球の変動パターンの種類から先行保留球に対応する図柄の変動表示時間の合計を算出し、それに特定の期待度示唆演出が実行される図柄の変動表示における特定の期待度示唆演出が開始されるまでの見かけの残り時間を加算して、タイマー演出の開始時における見かけの残り時間を算出し、算出された見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報を表示して、見かけの残り時間をカウントダウンしてもよい。なお、保留制御手段には、図柄抽選値及びパターン抽選値が記憶されてもよいし、図柄範囲及びパターン範囲が記憶されてもよい。また、先読み情報としてサブ基板に通知される事前判定結果は、図柄範囲及びパターン範囲を含んでもよいし、図柄抽選値及びパターン抽選値を含んでもよい。
保留制御手段に保留されている保留球の事前判定結果により、次回以降の図柄の変動表示における変動パターンの種類及び変動時間を演出決定手段303が取得したとしても、前提技術において説明したように、保留球に対応する図柄の変動表示が実際に開始されるときに保留制御手段に保留されている保留球の数によっては、短縮変動又は超短縮変動が実施されて変動時間が短くなる可能性がある。時短状態、確変状態、入球容易状態などの特定遊技中には、通常状態とは異なる変動パターンテーブルが参照され、変動パターンの種類が限定されるので、短縮変動又は超短縮変動の実施により変動時間が変わることは少ないが、通常状態の通常遊技中には、短縮変動又は超短縮変動が頻繁に実施されうる。例えば、時短状態において参照される変動パターンテーブルにおいて、図柄の変動表示が開始される直前の保留球数が2〜4個である場合には、超短縮変動よりも更に変動時間が短縮される超々短縮変動が実施され、保留球数が1個である場合にも、変動時間が比較的短い変動パターンが選択される確率が非常に高くなるように、パターン抽選値の範囲が設定されている場合に、特定保留球が保留されたことを示す事前判定結果を取得して、先行保留球に対応する図柄の変動表示においてタイマー演出を実行する場合、先行保留球に対応する図柄の変動表示が開始されるときには、少なくとも当該先行保留球と特定保留球の2個の保留球が保留されていることになるから、先行保留球に対応する図柄の変動表示においては超々短縮変動が実施されることになり、変動時間が事前にほぼ確定しており、その後の保留球数の変化によってもほぼ変化しない。したがって、このような時短状態においては、先行保留球に対応する図柄の変動表示においても、見かけの残り時間をカウントダウンするタイマー演出が実行されてもよく、通常状態においては、実行されなくてもよい。なお、本実施例では、前述したように、実際の残り時間ではなく見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報を表示し、タイマー演出中に見かけの残り時間を調整することが可能であるので、短縮変動又は超短縮変動が実施されて変動時間が変わってしまっても、演出制御手段304は、変更された変動時間に応じて見かけの残り時間を調整することができる。したがって、通常状態の通常遊技中にも、複数回の図柄の変動表示にわたって、期待度示唆演出が開始されるまでの残り時間を示唆するタイマー演出を実行可能である。なお、前提技術において説明したように、時短状態においては主に第2の遊技が実行されるので、上記の時短状態で参照される変動パターンテーブルは第2特別図柄の変動パターンテーブルを指し、通常状態においては主に第1の遊技が実行されるので、上記の通常状態で参照される変動パターンテーブルは第1特別図柄の変動パターンテーブルを指す。また、時短状態においては、主に実行される第2の遊技において第2特別図柄に係る事前判定情報はサブ基板に通知されるが、第1特別図柄に係る事前判定情報はサブ基板に通知されなくてもよいし、双方がサブ基板に通知されるものの第1特別図柄に係る事前判定情報はサブ基板では使用されなくてもよいし、双方がサブ基板に通知されるものの第1特別図柄に係る事前判定情報はサブ基板により無視されてもよい。同様に、通常状態においては、主に実行される第1の遊技において第1特別図柄に係る事前判定情報はサブ基板に通知されるが、第2特別図柄に係る事前判定情報はサブ基板に通知されなくてもよいし、双方がサブ基板に通知されるものの第2特別図柄に係る事前判定情報はサブ基板では使用されなくてもよいし、双方がサブ基板に通知されるものの第2特別図柄に係る事前判定情報はサブ基板により無視されてもよい。
本実施例では、期待度示唆演出により示唆される当否判定の結果を示す図柄の変動表示が開始されるよりも前に、タイマー演出における見かけの残り時間を事前に獲得してストックしておくことを可能とする時間獲得演出を実行可能である。時間獲得演出において、タイマー演出が後に実行された場合に、そのタイマー演出において見かけの残り時間とされることになる時間が付与され、付与された時間はタイマー演出が実際に実行されるまで保留され、すなわちストックされる。実際にタイマー演出が実行される場合は、時間獲得演出において付与されてストックされていた時間を見かけの残り時間としてタイマー演出が開始される。この時間獲得演出も、次回以降の図柄の変動表示において特定の期待度示唆演出が実行される可能性があることを示唆するものであり、第1の場合として、次回以降の図柄の変動表示中に特定の期待度示唆演出が実行されるか否かにかかわらず、すなわち特定保留球が保留されたか否かにかかわらず、ランダムな抽選などにより決定されたタイミングで時間獲得演出を実行してもよいし、第2の場合として、特定保留球が保留制御手段に保留されたことを示す事前判定結果をメイン基板200から取得した場合に、その特定保留球に対応する図柄の変動表示中に実行されるタイマー演出における見かけの残り時間をストックする時間獲得演出を実行してもよい。第1の場合、次回以降の図柄の変動表示において特定の期待度示唆演出が実行されることになれば、時間獲得演出においてストックされた見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報を表示してタイマー演出を実行し、所定回の図柄の変動表示が終了しても特定の期待度示唆演出が実行されない場合は、タイマー演出を実行することなく時間獲得演出を終了してもよい。タイマー演出が実行されずに時間獲得演出が終了される場合、この時間獲得演出はいわゆるガセ演出であり、ストックされていた時間はタイマー演出で用いられることなく破棄されることになる。第2の場合、特定保留球よりも前に消化される先行保留球に対応する図柄の変動表示中に時間獲得演出が実行される。
時間獲得演出中に、ストックされた見かけの残り時間そのものを表示してもよいし、ストックされた見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報を表示してもよいし、ストックされた見かけの残り時間そのものと残り時間示唆情報の双方を表示してもよい。先行保留球に対応する図柄の変動表示において実行される演出の表示態様により、見かけの残り時間がストックされたことを示唆してもよいし、ストックされた見かけの残り時間を示唆してもよい。例えば、演出に用いられる各種の画像、背景画像、装飾図柄などの色、大きさ、数、表示位置などにより、獲得された見かけの残り時間、又は、ストックされている見かけの残り時間の合計の大小が示唆されてもよい。また、装飾図柄のチャンス目により獲得される見かけの残り時間が示唆されてもよいし、装飾図柄の停止表示時に、獲得される見かけの残り時間を示唆するアイテムなどが表示されてもよい。
時間獲得演出中にはストックされた見かけの残り時間そのものを表示せず、特定保留球の図柄の変動表示が開始されるときに、時間獲得演出においてストックされた見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報を表示してもよい。この場合、見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報を表示する前に、ストックされた見かけの残り時間を遊技者に報知する時間報知演出が実行されてもよい。残り時間示唆情報が表示されてタイマー演出が開始されれば、その回の図柄の変動表示中に特定の期待度示唆演出が実行されることが報知され、残り時間示唆情報が表示されずに時間獲得演出が終了されれば、その回の図柄の変動表示中に特定の期待度示唆演出は実行されないことが報知される。時間獲得演出が実行された後に、時間獲得演出中にストックされた見かけの残り時間を用いたタイマー演出を実行するための条件であるミッションが表示されてもよい。この場合、ミッションに成功する演出が表示された場合にはタイマー演出が実行され、ミッションに失敗する演出が表示された場合にはタイマー演出は実行されない。演出決定手段303は、特定保留球が保留制御手段に保留されたときだけでなく、特定保留球が保留制御手段に保留されていない場合にも、ランダムな抽選により時間獲得演出を実行し、ミッションに失敗する演出を実行して、タイマー演出を実行しなくてもよい。この場合の時間獲得演出も、いわゆるガセ演出であり、ストックされていた時間はタイマー演出で用いられることなく破棄されることになる。
図28は、時間獲得演出中に演出表示装置60に表示される演出画像の例を示す。演出決定手段303は、特定保留球が保留制御手段に保留されたことを示す事前判定結果をメイン基板200から取得したときに、1個以上の未消化の先行保留球が保留制御手段に保留されている場合、実行されている図柄の変動表示の次の回の図柄の変動表示が開始されるときに、時間獲得演出が実行される特殊な演出モード(以下、「ストックゾーン」という)に演出モードを移行させる。ストックゾーンにおいては、図28(a)に示すように、タイマー演出における見かけの残り時間をストックするための複数の演算方法がルーレット542として演出表示装置60に表示される。また、ストックされた見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報540が演出表示装置60に表示される。図28(a)では、見かけの残り時間はまだゼロであるので、残り時間示唆情報540の全ての矩形は破線で表示されている。
本実施例では、2種類のストックゾーンが設けられており、それぞれのストックゾーンにおいて時間獲得演出を実行可能である。それぞれのストックゾーンにおける時間獲得演出において加算される見かけの残り時間の上限値は異なっており、例えば、ストックゾーンAでは30秒が上限値とされ、ストックゾーンBでは60秒が上限値とされる。図28(a)では、ストックゾーンBに移行されているため、時間獲得演出において加算可能な見かけの残り時間の上限値は60秒であり、残り時間示唆情報540において、60秒に対応する矩形が破線で表示されている。演出決定手段303は、時間獲得演出を実行する前に、抽選などによりいずれのストックゾーンに移行するかを決定する。演出決定手段303は、タイマー演出において最初に設定される見かけの残り時間に応じて、移行するストックゾーンを決定してもよい。例えば、特定保留球の図柄の変動表示において特定の期待度示唆演出が実行されるタイミングに応じて、タイマー演出において最初に設定される見かけの残り時間を決定し、設定される見かけの残り時間が長いほど、上限値が高いストックゾーンが選択されやすいようにしてもよい。時間獲得演出中に、異なるストックゾーンに移行可能としてもよい。例えば、ストックゾーンAにおいて時間獲得演出が実行されているときに、ストックされた見かけの残り時間が上限値の30秒を超えた場合、上限値がより高いストックゾーンBに移行されてもよい。
演出決定手段303は、時間獲得演出において見かけの残り時間に対して実行される演算方法を決定し、演出制御手段304は、図28(b)に示すように、先行保留球の図柄の変動表示中に、演出決定手段303により決定された演算方法をルーレット542の停止位置により示すとともに、決定された演算方法544を表示して遊技者に報知する。演出決定手段303は、ランダムな抽選により演算方法を決定してもよいし、タイマー演出におけるタイマーパターンと同様な時間獲得パターンを複数設け、抽選により時間獲得パターンを決定してもよい。いずれの場合であっても、演出決定手段303は、ストックゾーンにおいて設定されている上限値を超えないように、見かけの残り時間の演算方法を決定する。
異なる方法で見かけの残り時間を獲得させる複数のストックゾーンが設けられてもよい。例えば、上述したストックゾーンの他に、先行保留球の変動パターンに基づいて、見かけの残り時間を獲得するための条件であるミッションを表示し、ミッションに成功すれば見かけの残り時間を獲得でき、ミッションに失敗すれば見かけの残り時間を獲得できないようにする時間獲得演出を実行するストックゾーンが設けられてもよい。
時間獲得演出を開始すべきタイミングに、2個以上の先行保留球が保留制御手段に保留されていることを条件として、時間獲得演出が実行されてもよい。この場合、それぞれの先行保留球に対応する当否判定の結果を示す複数回の図柄の変動表示のそれぞれにおいて、見かけの残り時間が獲得される演出を含む時間獲得演出が実行されてもよい。例えば、それぞれの図柄の変動表示ごとに、見かけの残り時間に対して実行される演算方法が示され、見かけの残り時間が演算されてもよい。また、それぞれの先行保留球に対応する当否判定の結果を示す複数回の図柄の変動表示中にわたって実行される関連性のある演出において見かけの残り時間が獲得される時間獲得演出が実行されてもよい。例えば、見かけの残り時間を獲得するためのミッションが提示され、複数回の図柄の変動表示にわたって、ミッションが達成されるか否かを示す演出が実行されてもよい。この場合、最終的にミッションが達成された状態が表示されると、見かけの残り時間が遊技者に付与され、ミッションが達成された状態が表示されないと、見かけの残り時間が付与されずに時間獲得演出が終了される。特定保留球に対応する当否判定の結果を示す図柄の変動表示が開始されても、時間獲得演出が継続されてもよい。この場合、当該図柄の変動表示中に時間獲得演出が終了されてタイマー演出が開始される。
通常の演出モードからストックモードへ移行させるステージチェンジ演出を実行するときに、1以上のキャラクタを表示し、表示されたキャラクタを用いた時間獲得演出が実行されてもよい。この場合、表示されたキャラクタの種類に応じて、異なる見かけの残り時間の獲得期待度が示唆されてもよい。また、表示されたキャラクタの種類に応じて、異なる内容の時間獲得演出が実行されてもよい。
演出制御手段304は、所定のタイミングでタイマー演出を開始するときに、図28(c)に示すように、時間獲得演出においてストックされた見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報546を表示し、実時間の経過にともなって見かけの残り時間をカウントダウンする。
ストックゾーンにおいては、時間が獲得される演出は実行せず、期待度示唆演出が実行される図柄の変動表示が開始されるときに、見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が突然表示されてもよい。
特定保留球が保留されたときに実行されている図柄の変動表示の次の先行保留球に対応する図柄の変動表示において、所定の初期時間を表示してカウントダウンを開始し、ストックゾーンにおいて獲得された時間がカウントダウンされている時間に加算され、カウントダウンされている時間がゼロになる前に特定保留球に対応する図柄の変動表示が開始された場合に、タイマー演出が実行されてもよい。特定保留球に対応する図柄の変動表示が開始されたときに残っている時間が、タイマー演出における見かけの残り時間の初期値とされてもよい。この場合、先行保留球に対応する図柄の変動表示の開始時からタイマー演出が開始されているのと同様である。
図27では、タイマー演出において見かけの残り時間が増加又は一時停止される例を示したが、タイマー演出において見かけの残り時間が実時間の経過によるカウントダウンとは異なる方式で減じられてもよい。また、時間獲得演出においてストックされている見かけの残り時間が減じられてもよい。見かけの残り時間が減じられる演出は、当否判定の結果が大当りである場合のみに実行されてもよい。遊技者にとって不利となる、見かけの残り時間が減じられる演出が実行されたときに、実は当否判定の結果が大当りとなるので、意外性のある演出を実行することができ、演出を多様化することができる。
前述した例では、タイマー演出における見かけの残り時間の調整方法をタイマーパターンにより規定したが、別の例では、演出決定手段303は、タイマー演出中に抽選などにより見かけの残り時間の調整方法を決定してもよい。この場合、見かけの残り時間と実際の残り時間の差に基づいて、見かけの残り時間と実際の残り時間が等しくなるように、見かけの残り時間を調整するタイミング及び値を抽選などにより決定してもよい。また、前述した例では、演出パターンとタイマーパターンを別に設けたが、タイマーパターンが演出パターンに組み込まれていてもよい。すなわち、変動パターンに応じて決定される演出パターンとして、タイマー演出の内容が予め組み込まれた演出パターンが設けられてもよい。この場合、演出パターンの選択により、図柄の変動表示において実行される期待度示唆演出などの演出の内容と、見かけの残り時間の調整方法などのタイマー演出の内容とが規定された一連のストーリーが一括して決定される。
以下、本実施例の態様を列挙する。
[態様1−1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が当りとなった場合に、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示における変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンにしたがって、前記図柄を前記図柄表示装置に変動表示させる図柄表示制御手段と、
演出の画像が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示する演出を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出の画像を前記演出表示装置に表示させる演出制御手段と、を備え、
前記当否判定の結果が当りとなる期待度を示唆する演出として、特別遊技実行可能性が異なる複数の期待度示唆演出を実行可能であり、
前記複数の期待度示唆演出のうち特定の期待度示唆演出が実行される場合、特定の期待度示唆演出の表示開始タイミングを示唆する時間示唆演出を実行可能であり、
前記時間示唆演出において、表示予定の特定の期待度示唆演出に対応した見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が前記演出表示装置に表示され、表示された前記残り時間示唆情報が時間の経過にともなって変更され、
見かけの残り時間が所定時間となったタイミングを契機として、前記表示予定の特定の期待度示唆演出が開始され、
実際の残り時間とは異なる見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が前記演出表示装置に表示される場合、前記表示予定の特定の期待度示唆演出が開始されるときに見かけの残り時間が前記所定時間になるように前記見かけの残り時間を調整する演出を含む前記時間示唆演出の内容が前記時間示唆演出の実行前に決定される弾球遊技機。
前記演出表示装置に表示された残り時間示唆情報により示唆される見かけの残り時間が長いほど、特別遊技実行可能性が高い期待度示唆演出が実行される可能性が高くてよい。
前記残り時間示唆情報は複数の表示態様にて表示可能であり、特定の期待度示唆演出により示唆される期待度に応じて残り時間示唆情報の表示態様が決定されてよい。
実際の残り時間が同一であっても、実際の残り時間よりも短い見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が表示された後に見かけの残り時間が延長されて期待度示唆演出が実行される場合の方が、実際の残り時間と同じ長さの見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が表示された後に見かけの残り時間が調整されずに期待度示唆演出が実行される場合よりも、特別遊技実行可能性が高くてよい。
複数の残り時間示唆情報を前記演出表示装置に表示可能であり、表示されている複数の残り時間示唆情報のそれぞれにより示唆される見かけの残り時間の合計が特定の期待度示唆演出が開始されるまでの見かけの残り時間を示唆する、又は、表示されている複数の残り時間示唆情報のそれぞれにより示唆される見かけの残り時間が、複数の特定の期待度示唆演出のそれぞれが開始されるまでの見かけの残り時間を示唆してよい。
見かけの残り時間が所定時間となったタイミングを契機として特定の期待度示唆演出が開始される予定の図柄の変動表示が開始されるよりも前から前記残り時間示唆情報を表示可能であり、その場合、保留されている図柄の変動表示のうち少なくともいずれかの図柄の変動表示において特定の期待度示唆演出が実行されてよい。
見かけの残り時間がゼロになったとき、前記特定の期待度示唆演出が実行される前に、遊技者による操作を促す演出を実行可能であってよい。
[態様1−2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が当りとなった場合に、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示における変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンにしたがって、前記図柄を前記図柄表示装置に変動表示させる図柄表示制御手段と、
演出の画像が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示する演出を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出の画像を前記演出表示装置に表示させる演出制御手段と、を備え、
前記当否判定の結果が当りとなる期待度を示唆する演出として、特別遊技実行可能性が異なる複数の期待度示唆演出を実行可能であり、
前記複数の期待度示唆演出のうち特定の期待度示唆演出が実行される場合、特定の期待度示唆演出の表示開始タイミングを示唆する時間示唆演出を実行可能であり、
前記時間示唆演出において、表示予定の特定の期待度示唆演出に対応した見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が前記演出表示装置に表示され、表示された前記残り時間示唆情報が時間の経過にともなって変更され、
見かけの残り時間が所定時間となったタイミングを契機として、前記表示予定の特定の期待度示唆演出が開始され、
実際の残り時間とは異なる見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が前記演出表示装置に表示される場合、見かけの残り時間が、表示予定の特定の期待度示唆演出の表示開始タイミングに対応した前記所定時間になるように前記見かけの残り時間を調整する演出を含む前記時間示唆演出を実行可能であり、
前記複数の期待度示唆演出のうち特定の期待度示唆演出について、その表示態様に応じて特別遊技実行可能性が異なるよう構成されており、或る特定の期待度示唆演出の表示開始タイミングを残り時間示唆情報にて示唆する場合、一つの残り時間示唆情報が表示される場合よりも、同一の見かけの残り時間を示唆する複数の残り時間示唆情報が表示される場合の方が、或る特定の期待度示唆演出が相対的に特別遊技実行可能性の高い表示態様にて表示される、又は、表示される確率が高くなるよう構成されている弾球遊技機。
或る見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が表示される場合、一つの残り時間示唆情報にて当該或る見かけの残り時間が示唆される場合よりも、複数の残り時間示唆情報にて当該或る見かけの時間が示唆される場合の方が、特別遊技実行可能性が高くてもよい。
複数の残り時間示唆情報を前記演出表示装置に表示可能であり、表示されている複数の残り時間示唆情報のそれぞれにより示唆される見かけの残り時間の合計が特定の期待度示唆演出が開始されるまでの見かけの残り時間を示唆する、又は、表示されている複数の残り時間示唆情報のそれぞれにより示唆される見かけの残り時間が、複数の特定の期待度示唆演出のそれぞれが開始されるまでの見かけの残り時間を示唆してよい。
見かけの残り時間が所定時間となったタイミングを契機として特定の期待度示唆演出が開始される予定の図柄の変動表示が開始されるよりも前から前記残り時間示唆情報を表示可能であり、その場合、保留されている図柄の変動表示のうち少なくともいずれかの図柄の変動表示において特定の期待度示唆演出が実行されることが示唆されてよい。
見かけの残り時間が所定時間となったタイミングを契機として特定の期待度示唆演出が開始される予定の図柄の変動表示が開始されるよりも前に、前記時間示唆演出における見かけの残り時間を遊技者が獲得することを可能とする時間獲得演出を実行可能であり、前記時間獲得演出において獲得された見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が前記時間示唆演出において表示されてよい。
前記時間獲得演出が実行された場合に、前記残り時間示唆情報が表示された場合は、その回の図柄の変動表示中に特定の期待度示唆演出が実行されることが示唆され、前記残り時間示唆情報が表示されなかった場合は、特定の期待度示唆演出が実行されてよい。
見かけの残り時間がゼロになったとき、前記特定の期待度示唆演出が実行される前に、遊技者による操作を促す演出を実行可能であってよい。
[態様1−3]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記抽選値取得手段により取得された抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が当りとなった場合に、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示における変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンにしたがって、前記図柄を前記図柄表示装置に変動表示させる図柄表示制御手段と、
前記抽選値取得手段により前記抽選値が取得された場合、前記図柄の変動表示開始条件を充足するまで当該抽選値及び変動パターンを決定するために用いられるパターン抽選値を保留する保留制御手段と、
演出の画像が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示する演出を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出の画像を前記演出表示装置に表示させる演出制御手段と、を備え、
前記当否判定の結果が当りとなる期待度を示唆する演出として、特別遊技実行可能性が異なる複数の期待度示唆演出を実行可能であり、
前記複数の期待度示唆演出のうち特定の期待度示唆演出が実行される場合、特定の期待度示唆演出の表示開始タイミングを示唆する時間示唆演出を実行可能であり、
前記時間示唆演出において、表示予定の特定の期待度示唆演出に対応した見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が前記演出表示装置に表示され、表示された前記残り時間示唆情報が時間の経過にともなって変更され、
見かけの残り時間が所定時間となったタイミングを契機として、前記表示予定の特定の期待度示唆演出が開始され、
実際の残り時間とは異なる見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報が前記演出表示装置に表示される場合、前記表示予定の特定の期待度示唆演出が開始されるときに見かけの残り時間が前記所定時間になるように前記見かけの残り時間を調整する演出を含む前記時間示唆演出の内容が前記時間示唆演出の実行前に決定され、
前記演出表示装置に表示された残り時間示唆情報により示唆される見かけの残り時間が長いほど、特別遊技実行可能性が高い期待度示唆演出が実行される可能性が高く、
前記残り時間示唆情報は複数の表示態様にて表示可能であり、特別遊技実行可能性に応じた表示態様にて前記残り時間示唆情報が表示され、
前記期待度示唆演出を実行可能な変動パターンが選択されるパターン抽選値が第1保留情報として前記保留制御手段に保留されており、前記第1保留情報に対応する当否判定よりも前に実行される当否判定に対応する第2保留情報が前記保留制御手段に保留されている場合、前記第1保留情報に対応する当否判定の結果を示す図柄の変動表示中に実行される可能性のある前記時間示唆演出における見かけの残り時間を獲得することを可能とする時間獲得演出を、少なくとも前記第2保留情報に対応する当否判定の結果を示す図柄の変動表示中に実行可能であり、前記時間獲得演出が実行された後に前記時間示唆演出が実行される場合は、前記時間獲得演出において獲得された見かけの残り時間を示唆する残り時間示唆情報を前記時間示唆演出において表示可能である弾球遊技機。
複数の種類の時間獲得演出を実行可能であり、前記時間獲得演出の種類に応じて、前記時間獲得演出において獲得可能な見かけの時間の上限値が異なってよい。
前記時間獲得演出を開始するときに複数の第2保留情報が前記保留制御手段に保留されている場合、それぞれの第2保留情報に対応する当否判定の結果を示す複数回の図柄の変動表示のそれぞれにおいて、見かけの残り時間が獲得される複数回の演出を含む時間獲得演出を実行してよい。
前記時間獲得演出を開始するときに複数の第2保留情報が前記保留制御手段に保留されている場合、それぞれの第2保留情報に対応する当否判定の結果を示す複数回の図柄の変動表示中にわたって実行される関連性のある演出において見かけの残り時間が獲得される時間獲得演出を実行してよい。
前記時間獲得演出において、見かけの残り時間が獲得されたことを示唆する演出を前記演出表示装置に表示可能であってよい。
複数の残り時間示唆情報を前記演出表示装置に表示可能であり、表示されている複数の残り時間示唆情報のそれぞれにより示唆される見かけの残り時間の合計が特定の期待度示唆演出が開始されるまでの見かけの残り時間を示唆する、又は、表示されている複数の残り時間示唆情報のそれぞれにより示唆される見かけの残り時間が、複数の特定の期待度示唆演出のそれぞれが開始されるまでの見かけの残り時間を示唆してよい。
見かけの残り時間が所定時間となったタイミングを契機として特定の期待度示唆演出が開始される予定の図柄の変動表示が開始されるよりも前から前記残り時間示唆情報を表示可能であり、その場合、保留されている図柄の変動表示のうち少なくともいずれかの図柄の変動表示において特定の期待度示唆演出が実行されることが示唆されてよい。
見かけの残り時間がゼロになったとき、前記特定の期待度示唆演出が実行される前に、遊技者による操作を促す演出を実行可能であってよい。
以下、本実施例の特徴的な構成についてさらに説明する。
本実施例に示す「特定の期待度示唆演出」は、時間示唆演出の発生後に実行されるか、時間示唆演出が特定態様になることを契機として実行されるか、もしくは、時間示唆演出によって実行予定であることが示唆される対象となる期待度示唆演出であることが望ましい。なお、この「特定の期待度示唆演出」は、時間示唆演出が発生しなくても実行されることがある。加えて、期待度示唆演出の中でも「特定の期待度示唆演出」以外のものは、時間示唆演出が特定態様になることを契機として実行される演出ではない、または、時間示唆演出によって実行予定であることが示唆される対象となる期待度示唆演出ではないことが望ましい。本明細書において単に「期待度示唆演出」と記載されているものは、「特定の期待度示唆演出」と「特定の期待度示唆演出以外の期待度示唆演出」の両方を含む。
時間示唆演出に対応する特定の期待度示唆演出は、種々の予告演出が対象となりうる。具体的には、擬似連続変動演出において装飾図柄が停止表示されたかのように見せる仮停止表示や、仮停止表示において仮停止後の演出内容を示唆する擬似連専用図柄を仮停止表示させる場合などが特定の期待度示唆演出に該当しうる。また、装飾図柄のリーチ態様を伴うリーチ変動演出において、リーチ態様となる前タイミングで実行されるリーチ前予告や、リーチ態様となった後に実行されるリーチ後予告が特定の期待度示唆演出に該当しうる。リーチ前予告やリーチ後予告の具体例は、期待度を示唆する文言やキャラクタ画像の表示を比較的短時間(数秒程度)にわたって表示するカットイン演出や、期待度がより高い状態に突入ないし発展することを示唆する特定ゾーン突入演出などである。これらの予告演出では、期待度の高さに応じた種類のキャラクタが表示されたり、期待度の高さに応じた表示色で文字やウィンドウ枠などが表示されたりしてもよい。また、背景表示の変更や滞在中のゾーンを示す帯状の表示等の付加、高期待度であることを示唆するオブジェクト画像を画面上に付帯表示等により特定ゾーン(高期待度であることが示唆される状態)への突入演出が示されてもよいし、可動役物66を作動させる役物作動演出が実行されてもよい。その他、可動役物66に電飾ランプが施される場合には、期待度の高さに応じた表示色で可動役物を点灯させながら作動させてもよい。
時間示唆演出に対応する特定の期待度示唆演出は、上述したように、いわゆるスーパーリーチ演出中に実行されてもよい。スーパーリーチ演出を伴う変動演出では、リーチ前演出、リーチ後演出、リーチ後の発展演出(いわゆるスーパーリーチ演出)が含まれ、リーチ後に実行される複数段階の発展演出によりスーパーリーチ演出が構成されることもある。なお、スーパーリーチ演出への発展前のリーチ前演出やリーチ後演出において上述したような特定の期待度示唆演出が実行されてよいし、リーチ後の発展演出においても特定の期待度示唆演出が実行されてよい。リーチ後演出は、スーパーリーチ演出ではない、いわゆるノーマルリーチ演出にて実行される演出内容と少なくとも部分的に共通する共通演出を含んでもよく、共通演出の実行後に次の段階への発展(つまり、スーパーリーチ演出への発展)を示唆する予告演出を実行することで期待度を高める演出としてもよい。発展演出が複数段階にわたる場合には、複数段階の少なくとも一つにおいて特定の期待度示唆演出が実行されてもよいし、複数段階の二以上や各段階において特定の期待度示唆演出が実行されてもよい。複数種類の発展演出を用意し、発展演出の段階数を異ならせたり、複数種類の発展演出の表示順序を入れ替えることにより、多種多様なスーパーリーチ演出が実現されてもよい。例えば、複数種類の発展演出を連続的に順番に実行していくことにより、リーチ後の発展演出がステップアップしていくリーチアップ演出が実行されてもよい。また、各段階の発展演出の実行中や、各段階の発展演出の合間のタイミングにおいて、上述のカットイン演出、装飾図柄の仮停止表示、擬似連専用図柄の仮停止表示などが実行されてもよい。また、スーパーリーチ演出を伴う変動演出では、カットイン演出や擬似連専用図柄の表示態様として金色やキリン柄といった高期待度の表示色が用いられてもよい。
時間示唆演出に対応する特定の期待度示唆演出は、図柄の変動停止直前のタイミングで実行されてもよい。変動停止直前の特定の期待度示唆演出は、当該変動の当否結果を確定的に報知する演出であってよく、例えば、演出ボタン109やレバー112による入力操作を遊技者に促す表示後に遊技者の入力操作を契機として開始可能な特定操作演出であってよい。この特定操作演出は、例えば、可動役物66が作動する役物作動演出などであり、虹色などの点灯色にて役物作動演出が実行される場合には当否結果が大当りまたは確変を伴う大当りとなることが確定的に報知される。一方で、虹色以外の点灯色、例えば、白色、青色、緑色、赤色などで役物作動演出が実行される場合には当否結果が大当りとなる期待度が高いことが示唆される。期待度の高さが作動する役物の点灯色により、白色、青色、緑色、赤色の順に高くなることが示唆されてもよいし、虹色以外のこれらの点灯色の場合に当否結果が大当りとなることが確定しないことが示唆されてもよい。遊技者の入力操作を促す表示(例えば、操作ボタンを模擬したボタン画像の表示や「押せ!」の文言表示など)やその後に実行されうる特定操作演出は、図柄がリーチ態様である状況下で実行されてもよいし、図柄が外れ態様または当り態様にて仮停止されている状況下で実行されてもよい。図柄が外れ態様にて仮停止されている状況下で特定操作演出が実行される場合、外れであると思わせた後に大当りとなる復活演出または救済演出であってもよい。復活演出または救済演出が実行される場合には、仮停止状態の図柄がその後に再変動する擬似連続変動を伴ってもよい。つまり、図柄が外れ態様にて仮停止されている状況下で特定操作演出が実行される場合、仮停止状態の図柄がその後に再変動する擬似連続変動が実行されてもよい。また、当り態様にて仮停止されている状況下で特定操作演出が実行される場合、より有利な種類の大当りに昇格する昇格演出であってもよい。昇格演出は、例えば、確変なしの大当りを示唆する図柄種類または図柄組合せから確変付き大当りを示唆する図柄種類または図柄組合せへの昇格であってもよいし、大当り後に移行される特別遊技の実質ラウンド数がより多い大当りを示唆する図柄種類または図柄組合せへの昇格であってもよい。特定操作演出は、可動役物の作動を伴わない演出であってもよい。特定操作演出は、遊技者の入力操作に応じて開始されてもよいし、遊技者の入力操作によらずに開始されてもよい。特定操作演出は、遊技者の入力操作がなされない場合に実行がスキップされてもよいし、遊技者の入力操作がなされない場合であっても実行されてもよい。
特定の期待度示唆演出の実行を示唆する時間示唆演出は、上述のように、特定の期待度示唆演出が実行される図柄変動の開始時または変動途中から開始してもよいし、特定の期待度示唆演出が実行される図柄変動より前の図柄変動の開始時または変動途中から開始してもよい。対応する特定の期待度示唆演出が実行される図柄変動より前の図柄変動において時間示唆演出が実行される場合、特定の期待度示唆演出が実行される図柄変動に対応する抽選値の先読み結果に基づいて時間示唆演出が開始されてもよい。この場合、先読みされた抽選値の取得契機となる始動口への入球直後(例えば、図柄変動中の入球であれば、その図柄変動中)に時間示唆演出が開始されてもよいし、入球後であって時間示唆演出が開始可能となる特定タイミング(例えば、図柄変動中の入球であれば、その図柄変動の終了以降の図柄変動の開始時または変動途中)から時間示唆演出が開始されてもよい。この特定タイミングは、図柄変動の開始時であってもよいし、カットイン演出などの特定の予告演出の実行時または実行を契機とするタイミングであってもよい。
時間示唆演出は、特別遊技の実行中に開始されてもよい。時間示唆演出は、例えば、特別遊技の開始デモ実行中、特別遊技のラウンド実行中、特別遊技の終了デモ実行中などに開始される。一方、特別遊技中に開始される時間示唆演出に対応する特定の期待度示唆演出は、同じ特別遊技中に実行されてもよいし、特別遊技の終了後に移行される通常遊技中に実行されてもよい。
特別遊技中に実行される特定の期待度示唆演出は、例えば、特別遊技のラウンド実行中、特別遊技の終了デモ実行中などに実行される。特別遊技のラウンド中に実行される特定の期待度示唆演出は、実質ラウンド数の増加を示唆するラウンドアップ演出であってもよい。例えば、特別遊技の種類として実質ラウンド数が4R,8R,12R,16Rなどが用意される場合、4R終了後に5R以降が継続するか否かの期待度や、8R終了後に9R以降が継続するか否かの期待度などが特定の期待度示唆演出により示唆されてもよい。例えば、「+4R獲得期待度UP」といったラウンド継続が確定的ではないもののラウンド継続の期待度が高いことを示唆する演出や、「+4R確定!」といったラウンド継続を確定的に報知する演出などが特定の期待度示唆演出として実行されてもよい。特別遊技の終了デモ時に実行される特定の期待度示唆演出は、特別遊技後の移行される遊技状態を示唆してもよく、特別遊技後の確変状態への移行有無や、特別遊技後に付与される時短状態の継続条件などを示唆してもよい。例えば、「確変期待度UP」といった確変状態への移行が確定的ではないものの確変状態への移行期待度が高いことを示唆する演出や、「確変確定!」といった確変状態への移行を確定的に報知する演出などが特定の期待度示唆演出として実行されてもよい。なお、時間示唆演出の表示態様が高期待度である場合の方が高期待度の特定の期待度示唆演出(例えば確定報知を伴う特定の期待度示唆演出)の発生確率が高くてもよい。詳細は後述するが、例えば、青色よりも赤色の時間示唆演出の方が高期待度であることを示唆され、示唆される時間値が長いほうが高期待度であることが示唆される。
特別遊技の実行中に時間示唆演出が実行され、その時間示唆演出に対応する特定の期待度示唆演出が特別遊技終了後の図柄変動中に実行される場合、上述した図柄変動中の特定の期待度示唆演出とタイミングや演出内容が同様の特定の期待度示唆演出が実行されてもよい。この場合、特別遊技の実行中に開始される時間示唆演出は、特別遊技の終了後に移行される通常遊技中の図柄変動に対応する抽選値の先読み結果に基づいてもよい。例えば、特別遊技の終了後の初回の図柄変動において大当りとなる場合、その初回変動の先読み結果に基づいて特別遊技中に時間示唆演出が開始されてよい。このときの時間示唆演出は、特別遊技の開始デモ中、ラウンド中、終了デモ中のいずれに開始されてもよい。その他、特別遊技中に保留されている抽選値として当否結果が大当りとなる抽選値が存在している場合、その特別遊技の実行中に時間示唆演出を実行することで、特別遊技実行中の保留内で大当りが発生する「保留内連荘」となることが示唆されてもよい。この場合、保留内連荘を示唆する時間示唆演出に対応する特定の期待度示唆演出は、保留内連荘の対象となる保留(大当り保留)が消化される図柄変動中に実行される特別な演出であってもよく、保留内連荘を示唆する時間示唆演出が発生しなければ実行されることのない希少性の高い演出であってもよい。保留内連荘となる場合の特定の期待度示唆演出は、特別遊技中に時間示唆演出が実行されない場合であっても実行されてもよく、特別遊技中に時間示唆演出が実行されない場合に比べて、特別遊技中に時間示唆演出が実行される場合の方が、その後の保留内連荘の対象となる保留消化時に保留内連荘を示唆する特定の期待度示唆演出(特別な演出)が実行される確率が高くてもよい。
本実施例における時間示唆演出は、その開始から所定時間経過後に何らかの特定の期待度示唆演出が実行されることが示唆できる限りにおいて、その表示態様は特に問わない。上述のように、デジタル時計やアナログ時計などの表示や、タイムスライダーやメーターなどの表示により特定の期待度示唆演出が実行されるまでの残り時間(残り時間示唆情報)が表示されてもよい。残り時間値を数値的に表示する代わりに、残り時間が少なくなっていく状況下であることが示されるような時間示唆演出が実行されてもよい。例えば、爆弾や大砲につながる導火線の長さが徐々に短くなる演出表示により残り時間が示唆されてもよいし、ある決まった順序ないし時間経過に沿って表示される演出内容の進行度合いにより残り時間が示唆されてもよい。例えば、画面に大砲などの照準マークが表示され、狙いを定めるように上下左右に照準マークの表示位置が変化した後、画面中央などの特定位置に照準マークが定められるまでの過程により残り時間が示唆されてもよい。つまり、時間示唆演出では、演出表示が特定態様(残り時間ゼロ、導火線の長さがゼロ、照準が中央に定まるなど)になることを契機として、特定態様後に特定の期待度示唆演出(予告演出など)が発生することが事前に示唆される。したがって、本実施例に係る時間示唆演出は、対応する特定の期待度示唆演出が発生するまでの時間値が明示的に示唆されない演出であってもよく、その後に特定の期待度示唆演出が発生することが示唆されるのみの演出であってもよい。つまり、本実施例に係る時間示唆演出は、対象となる特定の期待度示唆演出(例えば、予告演出)の発生を示唆する「特定の期待度示唆演出の発生示唆演出(予告演出発生示唆演出)」ということもできる。
時間示唆演出は、上述したように、表示色、表示の大きさ、表示される時間値の長さなどにより期待度(例えば、大当り期待度、確変期待度、ラウンド継続期待度、保留内連荘期待度)の高さが示唆される。表示色については、例えば、青色、緑色、赤色、金色、虹色の順に期待度が高くなることが示唆される。また、時間示唆演出の表示領域や残り時間を示す数字、文言、オブジェクト画像などの大きさが大きいほど期待度が高いことが示唆される。また、時間示唆演出に用いる数字、文言、オブジェクト画像などを点滅表示させたり、振動するように小刻みに表示位置を変化させたりする付加的な動きを施すことにより期待度が高いことが示唆され、例えば、点滅を速くしたり、振動を激しくしたりすることでより高い期待度が示唆される。また、時間示唆演出の開始時に表示される残り時間の時間値や、時間示唆演出の開始から終了までの経過時間が長いほど期待度が高いことが示唆される。その他、時間示唆演出の発生タイミングの差異により期待度の高さが示唆されてもよく、例えば、図柄変動期間のいずれのタイミングで時間示唆演出が発生するかによって異なる期待度の高さが示唆されてもよい。例えば、図柄変動期間のうち第1期間(例えば前半期間)に時間示唆演出が開始する場合よりも、図柄変動期間の第1期間後の第2期間(例えば後半期間)に時間示唆演出が開始する場合の方が相対的に高い期待度が示唆されてもよい。この場合、時間示唆演出の表示態様(表示色、表示の大きさ、表示の時間値)が同じであっても、図柄変動期間の後半に時間示唆演出が発生する場合により高い期待度が示唆されてもよい。この場合の図柄変動期間の第1期間は、例えば、リーチ前演出が実行される期間であり、リーチ後演出が実行される期間を含んでもよい。また図柄変動期間の第2期間は、例えば、発展演出が実行される期間である。複数段階の発展演出が実行される場合、図柄変動期間の第2期間は、いずれか一つの段階の発展演出が実行される期間であってもよいし、二段階以上の発展演出が実行される期間にわたってもよい。
時間示唆演出は、上述の表示態様を組み合わせることにより、多種多様な期待度が示唆される。例えば、表示色の違い、表示サイズの違い、表示される時間値の違い、点滅や振動などの付加的な動作の違いなどの要素が組み合わされる。この場合、いずれかの要素により示唆される期待度の差が他の要素により示唆される期待度の差よりも大きくなるように時間示唆演出の表示態様が決められてもよい。例えば、時間値の長さにより示唆される期待度の差に比べて、表示色の違いにより示唆される期待度の差が大きくなるように表示態様が決められてもよい。時間値については残り時間10秒に比べて残り時間90秒の方が期待度が高く、表示色については青色に比べて金色の方が期待度が高い。これらを組み合わせた場合に、例えば、青色の90秒に比べて金色の10秒の方が期待度が高くなるように表示態様が決められる。つまり、長時間かつ低期待度の表示色に比べて、短時間かつ高期待度の表示色の方が期待度の高い時間示唆演出とされる。
時間示唆演出では、時間示唆演出の開始時から時間示唆演出の表示態様の変化が開始しなくてもよく、時間示唆演出の表示態様を一定に維持したまま一定時間待機した後、所定タイミングから時間示唆演出の表示態様の変化が開始されてもよい。タイマー表示による時間示唆演出の場合には、時間示唆演出の開始時からカウントダウンを始めなくてもよく、カウントダウンを一定時間待機した後、所定タイミングからカウントダウンが開始されるように実行されてもよい。例えば、先読みに基づいて時間示唆演出が開始される場合、時間示唆演出の開始契機となった先読みされた抽選値に対応する図柄変動より先の図柄変動中に時間示唆演出が開始されるものの、先読みされた抽選値に対応する図柄変動までカウントダウンを待機して「準備中」などの表示をするようにしてもよい。その後、先読みされた抽選値に対応する図柄変動の開始を契機としてカウントダウンが開始されてもよい。その他、待機状態の時間示唆演出の開始後に期待度示唆演出が実行されることを契機としてカウントダウンが開始されてもよい。例えば、時間示唆演出が特定態様となることを契機として実行可能な「特定の期待度示唆演出」の実行を契機として、待機状態が解除されて時間示唆演出の表示態様の変化が開始されてもよいし、「特定の期待度示唆演出」とは異なる種類の期待度示唆演出(または特定の期待度示唆演出)の実行を契機として、時間示唆演出の待機状態が解除されてもよい。カウントダウンの待機状態では、カウントダウンされる予定の残り時間値が表示されなくてもよいし、残り時間値が表示された状態で待機されてもよい。例えば、残り時間値を示す画像の上に準備中の文言を示す画像を重畳して表示することにより、待機状態であることを示しつつ、予定される残り時間値により期待度の高さが示唆されるようにしてもよい。このような待機状態では、残り時間値が減算されることはなく、残り時間が少なくなっていくことを示唆するような表示態様の変化もなされない。その他、導火線の長さの変化や、照準位置の変化などを伴う時間示唆演出の場合には、待機状態において着火されていない爆弾を表示して導火線の長さが変わらないようにしたり、待機状態において照準を表示させるものの照準位置を固定したままとしたりしてもよい。その後、爆弾の導火線に火を付けたり、照準位置を変化させたりする表示態様の変化により、時間示唆演出の待機状態の解除が示されてもよい。
時間示唆演出の開始前や待機状態において、残り時間値を蓄積していくストック演出が実行されてもよい。時間示唆演出では、残り時間値が多いほど高期待度であることが示唆されるため、ストック演出により残り時間値が増えれば増えるほど、その後に実行される時間示唆演出の期待度が高いことが示唆される。例えば、発展演出の各段階やカットイン演出などにおいて「+10秒」や「2倍」などの時間値の増加を示す演出表示がなされ、表示された時間値が蓄積されてもよい。ストック演出は、擬似連続変動演出における図柄の仮停止タイミングに実行されてもよく、擬似連専用図柄により時間値の増加量が表示されてもよい。その他、遊技者による操作入力を契機としてストック演出が実行されてもよい。その後、蓄積された時間値からカウントダウンされる時間示唆演出が実行される。ストック演出は、先読み演出であってよく、先読みにより時間示唆演出の実行が決定される場合に実行されてもよい。
時間示唆演出では、カウントダウンの途中で残り時間を増加させる時間延長演出が実行されてもよい。例えば、時間示唆演出の実行中にストック演出と同様の時間値の増加を示す表示がなされ、その表示内容に応じて残り時間が増加するようにしてもよい。また、爆弾や大砲の導火線の長さによって残り時間値を示唆するような演出の場合には、導火線の延長作業をするキャラクタを表示させ、作業後に導火線の残りを長くする演出表示がなされてもよい。
時間示唆演出では、カウントダウンの途中で時間経過を一時停止させる一時停止演出が実行されてもよい。例えば、カットイン演出やゾーン突入演出などの特定種類の期待度示唆演出の実行を契機にカウントダウンを一時停止させ、その後に同じ種類または別の種類の期待度示唆演出の実行や発展演出の開始を契機にカウントダウンを再開させることにより、実質的に残り時間が延長されるようにしてもよい。なお、期待度示唆演出の実行を契機とせずにカウントダウンを一時停止して待機状態としたり、待機状態を解除してカウントダウンを再開したりしてもよい。また、新たな入球を契機として高期待度の抽選値が保留された場合、その抽選値の先読み結果に基づいてその新たな入球を契機にカウントダウンを一時停止させ、その後、先読み結果に対応する図柄の変動開始時または変動表示中にカウントダウンを再開して時間示唆演出および対応する特定の期待度示唆演出を実行するようにしてもよい。その他、カウントダウンの終了直前、つまり、残り時間がなくなるギリギリ前にカウントダウンを停止することにより、高期待度の期待度示唆演出(または特定の期待度示唆演出)が実行されることを示唆してもよい。この場合、一時停止したときの残り時間が少ないほど高期待度の期待度示唆演出(または特定の期待度示唆演出)が実行されるようにしてもよい。例えば、0.1秒や0.01秒などの残り時間が表示された状態でカウントダウンが停止されるようにしてもよい。
時間示唆演出は、当該変動に係る大当り期待度を示唆する当該変動オブジェクトの表示態様を変化させる当該変動オブジェクト変化演出や、保留に係る大当り期待度を示唆する保留オブジェクトの表示態様を変化させる保留変化演出の実行を示唆する演出として用いられてもよい。なお本明細書において、当該変動オブジェクトの変化演出と、保留オブジェクトの変化演出の双方を合わせて「保留変化演出」ということがある。当該変動オブジェクトや保留オブジェクトは、画面の中央下部などに表示される球状のオブジェクト画像である。保留オブジェクトは、特図保留手段に保留される抽選値の保留数を演出的に示すためのオブジェクト画像であり、保留数と同数の球状のオブジェクト画像(保留球画像)が表示され、保留球画像の表示数により保留数が示される。当該変動オブジェクトは、保留オブジェクトと同様または類似の表示態様を有するオブジェクト画像であるが、一見して保留オブジェクトとの違いが分かるように、保留オブジェクトより大きく表示されたり、保留オブジェクトの表示領域とは異なる位置に表示されたりする。当該変動オブジェクトや保留オブジェクトはさらに、その表示態様により当該変動または保留に係る大当り期待度を示唆する。例えば、当該変動オブジェクトや保留オブジェクトの表示画像の表示色、表示文言、オーラ画像やキャラクタ画像などの付加的な装飾表示により当該変動または保留に係る大当り期待度が示唆される。保留変化演出では、相対的に低期待度の表示態様から高期待度の表示態様にオブジェクトの表示が変化し、表示態様の変化および変化後の表示態様により当該変動または保留に係る大当り期待度が高いことが示唆される。このような保留変化演出が実行される場合に、その実行前に時間示唆演出を実行し、時間示唆演出の終了後に保留変化演出が実行されることを示唆してもよい。この場合の時間示唆演出は、上述の時間示唆演出とは異なる表示領域にて実行されてもよく、例えば、当該変動オブジェクトや保留オブジェクトと同じ表示領域または隣接する表示領域に表示されてもよい。保留変化演出に対応する時間示唆演出は、上述の特定の期待度示唆演出に対応する時間示唆演出と同様の表示態様を有してもよいし、異なる表示態様を有してもよい。変形例として、保留変化演出(保留オブジェクト変化演出または当該変動オブジェクト変化演出)とは異なる特定の期待度示唆演出(例えば、擬似連続変動演出やカットイン演出など)を対象とする時間示唆演出の実行中であって時間示唆演出が特定態様になるまでの間に保留変化演出が実行されてもよい。この場合、保留変化演出に対応しない時間示唆演出の実行中であって時間示唆演出が特定態様になるまでに当該変動オブジェクトや保留オブジェクトの表示態様が複数回変化してもよい。
なお、上述の保留変化演出は、時間示唆演出を伴わずに実行されてもよい。時間示唆演出を伴う保留変化演出は、時間示唆演出を伴わない保留変化演出に比べて高期待度の演出となる可能性が高くなるように実行されてもよい。例えば、保留変化後のオブジェクトにより示唆される期待度が所定以上となる場合にのみ保留変化演出に対応する時間示唆演出が実行されるようにしてもよい。さらに、時間示唆演出を伴う保留変化演出の実行後、例えば、保留オブジェクトの表示変化を契機として、上述の特定の期待度示唆演出に対応する時間示唆演出が実行されてもよい。保留変化演出および特定の期待度示唆演出のそれぞれに対応する時間示唆演出を実行することにより、期待度のより高い演出とすることができる。
本実施例に係る時間示唆演出は、他の種類の演出と同時並行的に実行することができる。例えば、時間示唆演出の実行中であって時間示唆演出が特定態様になるまでの間、つまり、時間示唆演出にて示される残り時間がゼロになるまでの間に上述の特定の期待度示唆演出と同様の演出が実行されてもよく、擬似連続変動演出における仮停止、カットイン演出、ゾーン突入演出、群予告演出、背景切替演出、役物作動演出、発展演出、リーチアップ演出、ボタン操作による特定操作演出などが実行されてもよい。つまり、時間示唆演出の実行中に実行される他の種類の演出は、時間示唆演出に対応して実行される特定の期待度示唆演出と同じ内容であってもよい。具体的には、時間示唆演出の実行中にボタン操作により開始可能な特定操作演出が実行されてもよいし、当該変動が大当りとなることを確定的に報知する確定報知演出が実行されてもよい。確定報知演出は、例えば、虹色の点灯色で役物が動作する役物作動演出であってよく、特定の期待度示唆演出(つまり、時間示唆演出により実行が示唆される対象となる期待度示唆演出)の一例であってよい。
時間示唆演出の実行中であって時間示唆演出が特定態様になるまでの間に実行される他の種類の演出は、時間示唆演出に対応して実行される特定の期待度示唆演出と異なる内容であってもよい。例えば、時間示唆演出の実行中にのみ実行可能な特殊演出として、時間示唆演出中のボタン操作により実行予定の特定の期待度示唆演出の内容を事前に示す「先見せ演出」が実行されてもよい。例えば、カウントダウンされるデジタル時計により時間示唆演出が実行されている間に演出ボタン109を複数回押下することで、デジタル時計の近傍の限定的な表示領域に実行予定の特定の期待度示唆演出の一部を表示させるようにしてもよい。このとき、演出予定の映像の少なくとも一部を表示してもよいし、演出内容の説明文等を表示してもよい。例えば、実行中の時間示唆演出に対応する特定の期待度示唆演出がカットイン演出であれば、時間示唆演出が特定態様となる前に遊技者による特定操作がなされることで、限定的な表示領域に対応するカットイン演出が小さく表示されたり、「カットイン発生?」などのカットイン発生を示唆する文言等が表示されたりする。この先見せ演出は、ボタン操作を遊技者に促す表示がなされない状況下でボタン操作がなされた場合に実行されてもよく、いわゆる「裏ボタン演出」または「裏コマンド演出」であってもよい。
本実施例に係る時間示唆演出および時間示唆演出に対応する特定の期待度示唆演出は、期待度が高い状況下で実行される可能性が高くなるように実行される。例えば、大当りとなる場合や確変付き大当りとなる場合にそうではない場合と比べて時間示唆演出および対応する特定の期待度示唆演出の実行確率が高まるように演出傾向が定められる。また、大当りとなる可能性が高い特定の変動演出パターンが選択される場合、例えば、スーパーリーチ演出が実行される場合にそうではない場合と比べて時間示唆演出および対応する特定の期待度示唆演出の実行確率が高まるように演出傾向が定められる。一方で、大当りとなる場合やスーパーリーチ演出となる場合に時間示唆演出および特定の期待度示唆演出が必ず実行される必要はなく、時間示唆演出および特定の期待度示唆演出を伴わない図柄変動において大当りとなったり、スーパーリーチ演出に発展したりしてもよい。また、特定のスーパーリーチ演出が実行される図柄変動において、時間示唆演出後に特定の期待度示唆演出(例えば、第1種類の特定の期待度示唆演出)が実行される場合と、時間示唆演出を伴わずに特定の期待度示唆演出(例えば、第1種類の特定の期待度示唆演出)が実行される場合と、時間示唆演出後に別種類の特定の期待度示唆演出(例えば、第2種類の特定の期待度示唆演出)が実行される場合と、時間示唆演出と特定の期待度示唆演出の双方が実行されない場合の少なくとも二以上が実現されるようにしてもよい。このような複数種類の演出態様を特定のスーパーリーチ演出にて実行可能にすることで、演出バリエーションを増やしてより多彩な演出を遊技者に提供できる。
本実施例に係る時間示唆演出では、時間示唆演出の実行時間が長いほど高期待度の期待度示唆演出(または特定の期待度示唆演出)が実行されるように演出傾向が定められる。これは、相対的に時間の長い時間示唆演出を実行するためには相対的に長い変動時間が必要であり、変動時間が長いほど期待度の高い演出が実行される可能性が高まるためである。また、同じ変動時間であっても時間示唆演出の時間が長いほど対応する特定の期待度示唆演出が変動停止タイミングに近いタイミングで実行されることになり、大当りとなるかを変動停止直前のタイミングで煽る高期待度の演出が実行される可能性が高まるためである。その結果、時間示唆演出の実行時間は、30秒、45秒、60秒、90秒、120秒といった長時間にわたって実行されることがあり、上述の特定の期待度示唆演出の実行時間に比べて長い時間にわたって実行されることができる。その結果、高期待度の特定の期待度示唆演出の事前には、その特定の期待度示唆演出の実行時間よりも長い時間示唆演出が実行されるか、実行される可能性が高くなりうる。しかしながら、必ずしも特定の期待度示唆演出の実行時間よりも時間示唆演出の実行時間が長くなくてもよく、特定の期待度示唆演出の実行時間よりも短い時間示唆演出が実行されてもよい。例えば、3秒、5秒、10秒といった短時間の時間示唆演出が実行された後に3秒、5秒または10秒よりも長い時間の特定の期待度示唆演出が実行されてもよい。
時間示唆演出を伴う特定の期待度示唆演出の実行後には、一以上の発展演出を含むスーパーリーチ演出が実行されてもよい。この場合、時間示唆演出の実行時間は、その後の発展演出(例えば、発展演出の各段階またはスーパーリーチ演出全体)の実行時間より長くてもよいし、短くてもよいし、同等であってもよい。一方で、時間示唆演出に対応する特定の期待度示唆演出の実行時間は、その後の発展演出(例えば、発展演出の各段階またはスーパーリーチ演出全体)の実行時間より短くてもよく、数秒程度の実行時間であってもよい。時間示唆演出の実行中には、擬似連続変動演出、リーチ前演出、リーチ後演出などが実行されてもよく、時間示唆演出の実行中に他の特定の期待度示唆演出が1回または複数回実行されてもよい。また、複数の時間示唆演出が同時並行的に実行されてもよく、複数の時間示唆演出にて示される残り時間のそれぞれが異なり、それぞれの時間示唆演出が異なるタイミングで発生する特定の期待度示唆演出の実行を示唆してもよい。複数の時間示唆演出は、同じタイミングから開始してもよいし、異なるタイミングから開始してもよい。なお、複数の時間示唆演出が同じ種類の特定の期待度示唆演出の実行を示唆してもよく、複数の時間示唆演出のそれぞれの開始タイミングが異なっていてもよい。
上述したように、時間示唆演出が実行される場合にはそうでない場合と比べて変動時間が相対的に長い変動パターンが選択されやすくなるように演出選択傾向が定められる。しかしながら、時間示唆演出が実行される場合に必ずしも変動時間の長い変動パターンが選択されなくてもよい。例えば、時間示唆演出が実行されない場合に選択される可能性のある特定の変動パターンの変動時間は、時間示唆演出が実行される場合に選択される可能性のある別の変動パターンの変動時間より長くてもよい。つまり、時間示唆演出が実行されなかったとしても、時間示唆演出を伴う図柄変動の変動時間よりも時間示唆演出を伴わない図柄変動の変動時間が長いことがありうる。例えば、時間示唆演出を伴わない場合であっても上述のスーパーリーチ演出などが実行されることがありうる。これにより、時間示唆演出がなされない場合であってもスーパーリーチ演出などの高期待度演出の実行を可能にし、演出バリエーションを増やしてより多彩な演出を遊技者に提供できる。
本実施例に係る時間示唆演出は、上述したように保留される抽選値の先読み結果に基づいて実行可能であり、時間示唆演出が示唆する対象となる特定の期待度示唆演出が実行される図柄変動より前の図柄変動中に時間示唆演出を開始させることが可能である。一方で、時間示唆演出以外の予告演出(例えば、保留変化演出や、停止時の図柄が奇数または偶数の組合せや同色図柄の組合せとなるチャンス目演出など)を先読み演出として実行した後、先読みされた抽選値に対応する図柄変動の開始時または変動中から時間示唆演出を開始することも可能である。例えば、期待度の高さが異なるような複数の先読み演出のいずれか一つ以上を実行した後、当該先読み演出を伴う図柄変動の次以降の図柄変動において時間示唆演出および対応する特定の期待度示唆演出を実行することもできる。先読み演出として保留変化演出が実行される場合であれば、相対的に低い期待度を示唆する青色への保留変化演出と、相対的に高い期待度を示唆する赤色への保留変化演出とを用いることができる。また、先読み演出としてチャンス目演出が実行される場合であれば、低期待度を示唆する偶数図柄の組合せと高期待度を示唆する奇数図柄の組合せや、低期待度を示唆する青色図柄の組合せと高期待度を示唆する赤色図柄の組合せなどを用いることができる。この場合、第1先読み演出が実行された後に時間示唆演出が実行される確率と、第1先読み演出より高期待度の第2先読み演出が実行された後に時間示唆演出が実行される確率とを異ならせてもよい。第1先読み演出の具体例は、青色への保留変化演出や、偶数図柄組合せのチャンス目、青色図柄組合せのチャンス目などであり、第2先読み演出の具体例は、赤色への保留変化演出や、奇数図柄組合せのチャンス目、赤色図柄組合せのチャンス目などである。例えば、第1先読み演出の実行後に時間示唆演出が実行される確率よりも第2先読み演出の実行後に時間示唆演出が実行される確率を高くしてもよい。先読み演出が示す期待度が高いほど、高期待度の特定の期待度示唆演出の実行が示唆される時間示唆演出の実行確率を高めることにより、複数回の図柄変動にわたって実行される演出の期待度の高さを整合させつつ、より多彩な演出を提供することができる。
時間示唆演出では、演出表示が特定態様となることを契機として特定の期待度示唆演出が発生することが示唆され、その後に特定の期待度示唆演出が実行される。しかしながら、時間示唆演出を伴って実行される特定の期待度示唆演出は、時間示唆演出を伴わずに実行されることもあり、一方で、時間示唆演出が実行されたとしても特定の期待度示唆演出が実行されないこともある。例えば、時間示唆演出が特定態様となった後に別の特定の期待度示唆演出が実行されることもあり、特定の期待度示唆演出が実行されないこともある。具体例を挙げれば、時間示唆演出が特定態様となった後に遊技者にボタン操作を促す表示がなされ、そのときに遊技者がボタン操作をしなければ、ボタン操作により開始可能な特定操作演出が実行されない結果となることもありうる。その他、時間示唆演出が特定態様となった後、擬似連続変動演出と同様の図柄の仮停止がなされず、図柄が変動停止して当否結果が示されることもありうる。このように、時間示唆演出と期待度示唆演出の関係性を多様化することで、より多彩な演出を提供することができる。
時間示唆演出による示唆の対象となりうる特定の期待度示唆演出は複数種類用意されるため、1回の図柄変動期間内に同一種類または別の種類の特定の期待度示唆演出が複数回実行されることもある。例えば、擬似連続変動演出に係る図柄の仮停止、カットイン演出、役物作動演出といった特定の期待度示唆演出が複数回実行されてもよいし、擬似連続変動演出後にカットイン演出やゾーン突入演出、役物作動演出が実行されてもよい。つまり、第1種類の特定の期待度示唆演出後に第2種類の特定の期待度示唆演出が実行されてもよい。このように複数回実行される特定の期待度示唆演出と時間示唆演出との関係性を多様化し、より多彩な演出が提供できるようにしてもよい。例えば、1回の図柄変動期間内に複数回の特定の期待度示唆演出が実行される場合に、1回目の特定の期待度示唆演出の実行を示唆する時間示唆演出が実行されてもよいし、2回目や3回目の特定の期待度示唆演出の実行を示唆する時間示唆演出が実行されてもよい。例えば、3回目の特定の期待度示唆演出の実行を示唆する時間示唆演出が実行される場合、その時間示唆演出の実行中に1回目や2回目の特定の期待度示唆演出が実行されてもよい。つまり、時間示唆演出の表示が特定態様となる前に1回目や2回目の特定の期待度示唆演出が実行され、その後に特定態様となることを契機として3回目の特定の期待度示唆演出が実行されてもよい。この場合、1回目や2回目の特定の期待度示唆演出は、3回目と同じ種類の特定の期待度示唆演出であってもよいし、異なる特定の期待度示唆演出であってもよい。例えば、1回目〜3回目の全てが擬似連続変動演出における図柄の仮停止表示であってもよいし、1回目と2回目が擬似連の仮停止表示である一方、3回目がカットイン演出であってもよいし、1回目が擬似連の仮停止表示であり、2回目がカットイン演出であり、3回目がゾーン突入演出であってもよい。
上述のように特定の期待度示唆演出が1回の図柄変動期間内に複数回実行される場合、時間示唆演出が特定態様となる前に特定の期待度示唆演出が実行されることがあり、また、特定態様となることを契機として実行される特定の期待度示唆演出の実行後にさらに特定の期待度示唆演出が実行されることもある。この場合、実行される時間示唆演出の実行時間に応じて、時間示唆演出が特定態様となる前後に実行される特定の期待度示唆演出の内容が異なりうるように演出傾向が定められてもよい。例えば、時間示唆演出の実行時間が相対的に短い場合、時間示唆演出が特定態様となる前に実行された特定の期待度示唆演出と同一内容または同一種類の特定の期待度示唆演出が同一の図柄変動期間内に再度実行されることがあってもよい。一方、時間示唆演出の実行時間が相対的に長い場合、時間示唆演出が特定態様となる前に実行された特定の期待度示唆演出と同一内容または同一種類の特定の期待度示唆演出がその後、つまり、時間示唆演出が特定態様となった後に実行されなくてもよい。
本実施例に係る時間示唆演出は、演出表示装置60の表示領域の一部に表示され、例えば、表示画面の左側、左下側、左上側、右側、右上側、右下側、下側中央、上側中央といった表示領域の外周付近の一部を用いて表示される。この時間示唆演出用の表示領域には、時間示唆演出以外の演出内容も表示されうる。時間示唆演出は特定態様となるまでの時間にわたって継続表示されるため、他の演出内容と表示上の競合が発生しうる。本実施例では、時間示唆演出に係る表示を他の演出表示よりも上位の表示レイヤに表示し、他の演出内容に比べて表示上の優先度が高くなるように表示する。ここで「表示レイヤ」とは、演出表示装置60に表示させる表示用画像を複数の画像データを重ねて生成する場合に、各画像データを重ねる順番を特定する階層のことをいう。相対的に上位の表示レイヤに配置される画像データは、相対的に下位の表示レイヤに配置される画像データの上に重ねて配置される。そのため上位レイヤの画像は、下位レイヤの画像よりも画面上において手前側に見える。上位レイヤの画像に透過処理が施されていなければ、上位レイヤの画像に重なる下位レイヤの画像の一部は隠れて見えなくなり、上位レイヤの画像に透過処理が施されていれば、上位レイヤの画像に重なる下位レイヤの画像の一部は透過処理の透明度に応じて透けて見えることになる。表示用画像の生成時において、表示上の優先度が高く設定される画像データは相対的に上位の表示レイヤに配置され、表示上の優先度が低く設定される画像データが相対的に下位の表示レイヤに配置される。これにより、表示優先度の高い画像ないし表示が表示優先度の低い画像ないし表示の下に隠れて見えなくなることが回避される。なお、図柄変動中であることを示す第4図柄や簡易図柄の変動表示、保留数を表示するための保留表示といった重要度のより高い表示については、時間示唆演出よりも上位レイヤに表示される。ここで「第4図柄」とは、装飾図柄の外観を簡略化した度合いが代替図柄よりも大きく、装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有しない演出用図柄である。第4図柄は、複数色に変化することにより変動を示す円形状や多角形状等の単純な形状の画像により構成され、例えば、色の変化による明滅のみを示す画像であってもよい。第4図柄は、表示色の変化により図柄変動中であることを示し、表示色の変化の停止により図柄停止中であることを示し、停止時の表示色により当該変動の当否結果を示唆する。一方、「簡易図柄」は、装飾図柄の外観を簡略化した度合いが代替図柄よりも大きいものの、数字や文字などの図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有する演出用図柄である。簡易図柄は、一つまたは複数の図柄により構成され、その変動表示により図柄停止中であることを示し、その停止表示により図柄停止中であることを示す。第4図柄や簡易図柄は、装飾図柄の変動中において一定態様にて変化するよう構成され、例えば、装飾図柄の変動開始時であっても、装飾図柄がリーチ態様となる場合であっても、所定の図柄組合せで仮停止表示される場合であっても、一定態様で変動表示されるように構成される。また、保留数を表示するための保留表示は、保留変化演出を伴わない点で上述の保留オブジェクトとは異なる表示である。この保留表示は、例えば、0〜4の数字や、単純な円形状や多角形状の画像の表示数により保留数を表示するものである。
時間示唆演出に対応する特定の期待度示唆演出には、時間示唆演出の表示領域に重複して表示される種類の演出と、時間示唆演出の表示領域に重複して表示されない種類の演出とがある。例えば、ゾーン突入演出、群予告演出、特殊背景演出などは画面のほぼ全体を用いた演出表示がなされるため、表示の一部が時間示唆演出と重なることになり、時間示唆演出の表示の裏に隠れて一部が見えない状態で表示されうる。一方、擬似連専用図柄の仮停止表示、カットイン演出、リーチアップ演出などは、演出表示の主要部分が時間示唆演出と重複しないように表示することが可能であるが、演出表示の一部が時間示唆演出と重複することもありうる。役物作動演出については、遊技者から見て表示画面より手前側の位置で役物が作動可能であるため、時間示唆演出上に重畳して実行することが可能である。
時間示唆演出の表示と重畳して一部が隠れてしまう期待度示唆演出(または特定の期待度示唆演出)と、時間示唆演出の表示と重畳せずに表示される期待度示唆演出(または特定の期待度示唆演出)とは、実行されるタイミングまたは実行される可能性が高いタイミングが異なるように演出選択傾向が定められてもよい。例えば、時間示唆演出の表示と重畳しうる期待度示唆演出(または特定の期待度示唆演出)については図柄変動期間の第1期間(例えば、前半)のみに実行されるか、図柄変動期間の第1期間(例えば、前半)に実行される確率が高くなるようにし、図柄変動期間の第2期間(例えば、後半)には時間示唆演出の表示と重畳する期待度示唆演出(または特定の期待度示唆演出)が全く実行されないか、実行される確率が低くなるようにしてもよい。例えば、変動時間の長い変動パターンが選択され、スーパーリーチ演出が実行されるような場合には、リーチ前、リーチ後、リーチ後の発展演出が実行される。このような場合には、リーチ前においてのみ時間示唆演出の表示領域と重畳する期待度示唆演出(または特定の期待度示唆演出)が実行され、リーチ後の発展演出では時間示唆演出の表示領域と重畳する期待度示唆演出(または特定の期待度示唆演出)が全く実行されないか、実行される確率が低くなるようにしてもよい。スーパーリーチ演出を伴う変動演出では、図柄変動期間の後半になるにつれて期待度の高い演出が実行される可能性が高くなる傾向にあるため、高期待度の期待度示唆演出(または特定の期待度示唆演出)が実行されうる図柄変動期間の後半において、時間示唆演出と重畳して期待度示唆演出(または特定の期待度示唆演出)が実行されないようにするか、実行されにくくすることにより、高期待度の期待度示唆演出(または特定の期待度示唆演出)をより効果的に提示することができる。変形例では、スーパーリーチ演出を伴う変動演出等の図柄変動期間の第1期間(例えば、前半)において時間示唆演出と重畳する期待度示唆演出(または特定の期待度示唆演出)の実行確率が相対的に低く、図柄変動期間の第2期間(例えば、後半)において時間示唆演出と重畳する期待度示唆演出(または特定の期待度示唆演出)の実行確率が相対的に高くてもよい。また、時間示唆演出に対応して実行可能な特定の期待度示唆演出の種類数について、スーパーリーチ演出を伴う変動演出等の図柄変動期間の第1期間(例えば、前半)に実行可能な特定の期待度示唆演出の種類数が相対的に多く、図柄変動期間の第2期間(例えば、後半)に実行可能な特定の期待度示唆演出の種類数が相対的に少なくてもよい。
変形例では、演出モードに応じて時間示唆演出の実行確率が異なるように複数の演出モードが定められてもよいし、演出モードに応じて図柄変動期間の前半および後半のいずれに時間示唆演出や特定の期待度示唆演出が実行されやすくなるか等の表示傾向が異なるように複数の演出モードが定められてもよい。例えば、予告演出の表示傾向が異なるように定められる第1演出モードと第2演出モードが用意され、いずれの演出モードに滞在するかによって時間示唆演出の実行確率が異なるように各演出モードの演出傾向が定められてもよい。また、第1演出モードより第2演出モードにおいて特定種類の特定の期待度示唆演出の実行確率が高められてもよい。例えば、第1演出モードでは、擬似連続変動の仮停止表示などの特定の期待度示唆演出の実行確率が相対的に高く、第2演出モードでは、カットイン演出やゾーン突入演出などの別種類の特定の期待度示唆演出の実行確率が相対的に高くてもよい。
また、特定種類の特定の期待度示唆演出について、時間示唆演出が実行される図柄変動中に特定種類の特定の期待度示唆演出が実行される確率が、時間示唆演出を伴わない図柄変動中に特定種類の特定の期待度示唆演出が実行される確率よりも高くなるように演出傾向が定められてもよい。例えば、時間示唆演出が実行される図柄変動中に擬似連続変動演出が実行される確率は、時間示唆演出が実行されない図柄変動中に擬似連続変動演出が実行される確率よりも高くてよい。また、1回の図柄変動中に実行される特定の期待度示唆演出の実行回数が多いほど、当該変動において演出時間が相対的に長い発展演出(スーパーリーチ演出)が実行されやすくなるように演出傾向が定められてもよい。例えば、擬似連続変動演出の仮停止表示の回数(つまり、擬似連回数)が多いほど、その後の発展演出(スーパーリーチ演出)の時間値が長くなる傾向となってもよい。
以下、本実施例の別の態様を列挙する。
[態様2−1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定が所定の結果となる場合、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示され、演出が表示される演出表示装置と、
遊技者の入力操作を受け付ける操作入力手段と、
演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
前記当否判定が所定の結果となる期待度を示唆する予告演出を複数種類有し、前記複数種類の予告演出のうち特定の予告演出が実行される場合、特定の予告演出が実行されることを事前に示唆する予告演出発生示唆演出の実行が可能であり、
前記複数種類の予告演出として、遊技者の入力操作を契機として開始可能な特定操作演出を複数種類有し、前記特定操作演出は、前記予告演出発生示唆演出の実行中であっても実行可能であり、
前記当否判定が所定の結果となる場合、当該結果を示すための図柄の変動表示中に当該結果となることを図柄変動停止前に事前報知する確定報知演出の実行が可能であり、前記確定報知演出は、前記予告演出発生示唆演出の実行中であっても実行可能であり、
前記図柄がリーチ態様で表示された後に実行される発展演出を複数種類有し、前記発展演出の開始タイミングより前のタイミングにおいて前記予告演出発生示唆演出の実行が可能であり、
前記発展演出の開始タイミングよりも前のタイミングにおいて前記予告演出発生示唆演出が実行される場合の演出パターンとして、当該発展演出の開始タイミングよりも後のタイミングにおいて前記予告演出発生示唆演出に対応する予告演出が実行される第1演出パターンと、当該発展演出の開始タイミングよりも前のタイミングにおいて前記予告演出発生示唆演出に対応する予告演出が実行される第2演出パターンとを有する弾球遊技機。
前記発展演出の開始前に前記予告演出発生示唆演出および当該予告演出発生示唆演出に対応する予告演出が実行される場合、当該発展演出の実行時間が当該予告演出発生により示唆される予告演出が表示されるまでの時間よりも長い場合と、当該発展演出の実行時間が当該予告演出発生により示唆される予告演出が表示されるまで時間よりも短い場合とがあってもよい。一方で、当該予告演出発生示唆演出により示唆される予告演出が表示されるまでの時間が当該予告演出発生示唆演出に対応する予告演出の実行時間より長くてもよい。
前記図柄の変動表示中に前記予告演出発生示唆演出が実行されない場合における当該図柄の変動開始から停止表示までの変動時間であっても、前記図柄の変動表示中に前記予告演出発生示唆演出が実行される場合の当該図柄の変動開始から停止表示までの変動時間よりも長い場合があり、
前記予告演出発生示唆演出が実行される場合、当該予告演出発生示唆演出により示唆される予告演出が表示されるまでの時間が当該予告演出発生示唆演出に対応する予告演出の実行時間よりも長くなる確率は、当該予告演出発生示唆演出により示唆される予告演出が表示されるまでの時間が当該予告演出発生示唆演出に対応する予告演出の実行時間以下となる確率より高くてもよい。
[態様2−2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定が所定の結果となる場合、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示され、演出が表示される演出表示装置と、
前記始動口への入球を契機として新たに取得される抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動開始まで所定数を上限に保留する保留制御手段と、
遊技者の入力操作を受け付ける操作入力手段と、
演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
前記当否判定が所定の結果となる期待度を示唆する予告演出を複数種類有し、前記複数種類の予告演出のうち特定の予告演出が実行される場合、特定の予告演出が実行されることを事前に示唆する予告演出発生示唆演出の実行が可能であり、
前記特定の予告演出を複数種類有し、前記複数種類の特定の予告演出のうち少なくとも一つは、その特定の予告演出の実行前に前記予告演出発生示唆演出が実行されることなく実行されることがあるとともに、前記予告演出発生示唆演出が実行されたとしてもその予告演出発生示唆演出の実行後に実行されないことがあり、
保留される前記抽選値の事前判定の結果に基づいて、当該事前判定の対象となる抽選値に係る図柄変動よりも前の図柄変動中に当該事前判定の対象となる抽選値に係る特別遊技実行期待度を示唆する先読み演出の実行が可能であり、
前記先読み演出として、第1先読み演出と、前記第1先読み演出よりも高期待度の第2先読み演出とを少なくとも有し、前記第1先読み演出が実行される場合に当該第1先読み演出の実行開始タイミングよりも後のタイミングにて前記予告演出発生示唆演出が実行される確率よりも、前記第2先読み演出が実行される場合に当該第2先読み演出の実行開始タイミングよりも後のタイミングにて前記予告演出発生示唆演出が実行される確率の方が高い弾球遊技機。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。