(前提技術)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカ108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカ108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電役ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
普通電役ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開されると、第2始動口12への入球容易性が高まる。普通電動役物90の1回の開放時間は、短開放時は0.1秒程度の短時間であるのに対し、長開放時は普通電動役物90の1回の開放時間が6秒程度と短開放時よりも長く設定されて遊技球が第2始動口12に入球しやすくなる。普通電動役物90の長開放は「開放延長」とも呼ばれる。なお、変形例として、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側左下位置に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置42とが左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機として行われる第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機として行われる第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42へ表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。さらに、第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
なお、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。普通図柄表示装置45は遊技領域81の外側右下方に設けられ、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物90が拡開される。
普通電動役物90の開放時間は、0.1秒間の短開放と6秒間の長開放の2通りがある。通常状態における開放抽選では、1/50の確率で普通図柄が当りとなって長開放が実行され、1/100の確率で普通図柄が当りとなって短開放が実行される。このように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高いが、変形例では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよい。入球容易状態における開放抽選では、普通図柄の当り確率を99/100に高め、さらに開放時間を長開放のみとする。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能と開放時間の延長機能により、第2始動口12への入球容易性を高める。変形例における入球容易状態では、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。
遊技領域81の外側左下位置において、第1特別図柄表示装置41の上方には第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ71が設けられ、第2特別図柄表示装置42の上方には第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ72が設けられる。第1特図保留ランプ71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ71における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特図保留ランプ72における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
遊技領域81の外側右下位置において、普通図柄表示装置45の右側には普図保留ランプ75が設けられる。普図保留ランプ75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、上球皿105近傍の外壁面に設けられる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。
第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。
装飾図柄61の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間もなく、1回の単位遊技で大入賞口20を0.2秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。
停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット154等を含む。払出ユニット154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出ユニット154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源ユニット158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機100は、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、一般入賞口33、第1作動口31、第2作動口32、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42、普通図柄表示装置45と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。サブ基板300は、演出表示装置60、演出ボタン109、スピーカ108、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板200で生成された情報は、メイン基板200がサブ基板300へ一方的に送信しない限りサブ基板300から参照することはできない。
なお、メイン基板200に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板200ではなくサブ基板300に搭載されてもよいし、サブ基板300に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板300ではなくメイン基板200に搭載されてもよい。
図4は、メイン基板200の構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276を備える。
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1当否抽選の判定結果は、第1特別図柄表示装置41において第1特別図柄51の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2当否抽選の判定結果は、第2特別図柄表示装置42において第2特別図柄52の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第1抽選手段211および第2抽選手段212は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
第1抽選手段211および第2抽選手段212は、第1始動口11または第2始動口12への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板300の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1当否抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2当否抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。第1当否抽選値、第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数でなくてもよく、16ビットカウンタを利用したハードウェア乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数の組合せ、例えばカウンタが1周するたびに初期値を変更するプラス乱数方式でもよい。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを複数保持する。複数の当否判定テーブルには、大当りおよび外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、通常確率状態においては通常の当り確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動状態においては通常確率より大当り確率が高くなる当否テーブルを参照する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図6は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段221は図6(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段221は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
第2当否判定手段222は図6(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否判定手段222は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」〜「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられ、「190〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示装置41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
図4に戻り、普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段213による抽選の判定結果は、普通図柄表示装置45において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段213は、普通図柄表示装置45に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段213は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段275が第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、更に、事前判定結果としての第1当否範囲、第1図柄範囲、第1パターン範囲の設定を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶し、更に、事前判定結果としての第2当否範囲、第2図柄範囲、第2パターン範囲の設定を記憶する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を記憶してもよい。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ71、第2特図保留ランプ72、普図保留ランプ75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示装置41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示装置42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出制御手段304へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置45に表示させる。
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させ、小当り遊技全体としては約0.4秒間開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電役ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
図9は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段303は、第1抽選手段211から受け取る第1当否抽選の判定結果または第2抽選手段212から受け取る第2当否抽選の判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカ108に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。演出決定手段303は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。演出決定手段303は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、第1抽選手段211または第2抽選手段212による当否抽選の判定結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことと、それ以前の第1当否抽選および第2当否抽選に対応する装飾図柄61の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305および音声制御手段306を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカ108からの音声出力を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさ持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合わせによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いこと示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄を仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。
時計手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。時計手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、時計手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する時計同調演出を実行する。時計同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。時計同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。時計同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
時計同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)〜(3)のいずれの期間中も時計同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは時計同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは時計同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
時計同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時刻」と呼ぶ)に再生する演出である。時計同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ時計同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ時計同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
時計同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時刻を迎えることとなり、一斉に同時進行で時計同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
図10は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図11は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出表示制御装置313、音声制御装置314などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出表示制御装置313、音声制御装置314、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカ108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータを演出表示制御装置313へ送信し、音声パターンデータを音声制御装置314へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出表示制御装置313および音声制御装置314を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出表示制御装置313および音声制御装置314とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図12は、演出表示制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出表示制御装置313は、表示CPU320、表示RAM322、データROM324、表示制御回路326を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データやモーションデータなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から表示RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が表示CPU320によって実行される。その結果、表示CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
表示CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、表示CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出表示制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出表示制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御表示手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出表示制御装置313のハードウェア構成として、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出表示制御装置313に含まれる表示CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出表示制御装置313に含まれる表示RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出表示制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出表示制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出表示制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出表示制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が表示CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が表示RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出表示制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出表示制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図13は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図14は、図13におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源ユニット158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。
図15は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力を監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。タイマの値をメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値をデクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、作動口30、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の作動口30の通過を監視し、遊技球が作動口30を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示装置45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電役ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、当り、当り図柄、変動パターン、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、その結果、前回から変化があったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示及びエラーの表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電役ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電役ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部端子に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期更新値型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図16は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、表示CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図17は、図16におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図16のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出表示制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図18は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図17のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図19は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から表示CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、表示CPU320へ送信する(S626)。なお、表示CPU320へのコマンドデータの送信は、表示CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が表示CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図20は、サブCPU310が表示CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が表示CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から表示CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。表示CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図21は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や表示CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが表示CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。表示CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、表示CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、表示CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に表示CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から表示CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した表示CPU320はリセットを実行する。表示CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図22は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図23は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図24は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図25は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。まず、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
前提技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が16回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
(実施例)
以下、本実施例の特徴的な構成を説明する。本実施例では、演出表示に関して主に下記3つの特徴を有する
1.装飾図柄変動画面の縮小表示
2.特定の演出における代替図柄の停止タイミング
3.遊技状態と保留個数に応じた先読み演出の実行制御
1.装飾図柄変動画面の縮小表示:
スーパーリーチ発展時や特殊な演出時、通常装飾図柄(以下単に「装飾図柄」とも呼ぶ。)の変動の視認性を阻害する態様で、他の演出要素(例えばキャラクタ等のアニメーション)をメイン演出として表示させることがある。この場合、図柄変動を担保するために代替図柄を変動表示させることがある。
ただし代替図柄は、図柄が変動中であることやリーチ状態であることを担保するためのものであり、通常装飾図柄よりも変動過程が簡略化される。例えば、仮停止に至るまでの間、単純な順変動のみで表示される。そのため、通常装飾図柄の変動表示における図柄変化や、通常装飾図柄の変動表示とともに画面表示される他の演出要素を遊技者に認識させることは困難であった。そこで本実施例では、通常装飾図柄の変動の視認性が低下する予告や演出を表示する場合に、それらの予告や演出を表示させるとともに、通常装飾図柄を変動表示させる画面(以下「図柄変動画面」と呼ぶ。)を縮小した画面(以下「縮小変動画面」と呼ぶ。)を表示させる。
図26は、図柄変動画面の表示例を示す。図柄変動画面510には3つの装飾図柄500が表示される。装飾図柄500は、前提技術の装飾図柄61に対応し、通常装飾図柄に対応する。3つの装飾図柄500は、左図柄である第1装飾図柄501、中図柄である第2装飾図柄502、右図柄である第3装飾図柄503により構成される。以下、第1装飾図柄501、第2装飾図柄502、第3装飾図柄503を総称して単に装飾図柄500とも呼ぶ。装飾図柄500は、装飾図柄の図柄種類を特定するための数字、文字、記号を表す特定部分505と、特定部分505に付帯して表示される絵柄やキャラクタを表す付帯部分506とを有する。特定部分505の表示として、例えば、「1」〜「8」の数字を表す画像が用いられ、付帯部分506の表示として、「1」〜「8」の数字のそれぞれに対応した種類のキャラクタを表す画像が用いられる。
装飾図柄500は、それぞれ所定の装飾図柄表示領域504において変動表示される。装飾図柄表示領域504は長方形状の領域として図示されているが、必ずしも四角形状を有する領域である必要はなく、装飾図柄500の外観上の形態に合わせて任意の形状の領域を設定してもよい。例えば、装飾図柄500の輪郭に沿った形状の領域を装飾図柄表示領域504として設定してもよい。また装飾図柄表示領域504は、固定された表示領域ではなく、変動演出パターンの種類や変動演出パターンに定められる演出表示過程に応じて動的に変化しうるように設定される。装飾図柄表示領域504は、主に演出表示装置60の中央付近、つまり、遊技者の注目を集めやすい位置に設定される。したがって、装飾図柄500は、演出表示装置60に表示される演出の主要部分となる演出画像ということができる。
本実施例のぱちんこ遊技機100では、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232により選択されうる特別図柄の変動パターンは、擬似連続変動(以下「擬似連」とも呼ぶ。)に対応する擬似連パターンを含む。擬似連続変動は、1回の図柄変動において複数の図柄が一時停止したように表示することにより擬似的に複数回の図柄変動が実行されたように見せる演出である。言い換えれば、特別図柄の1回の変動において、見かけ上は3つの装飾図柄500が複数回の変動および停止を繰り返しているように見せる演出である。
演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンとして擬似連パターンが選択された場合、装飾図柄500の変動演出パターンとして、擬似連続変動が規定された擬似連演出パターンを選択する。擬似連演出パターンが選択された場合、演出表示制御手段305は、その擬似連演出パターンで規定された態様で装飾図柄500の擬似連続変動を演出表示装置60に表示させる。
演出決定手段303により選択されうる装飾図柄500の変動演出パターンは、装飾図柄500の変動表示に加えて、装飾図柄500以外の少なくとも1つの演出要素(以下「演出オブジェクト」とも呼ぶ。)の表示を規定する。装飾図柄500と同様に、この演出オブジェクトも、メイン基板200における抽選結果(例えば当否判定結果)を示唆する態様(形状、模様、色彩、動作等)で表示されてよい。図26に示すように、演出オブジェクト512は、様々なキャラクタ画像513、アイテム画像514、メッセージ画像515を含む。また図26には不図示だが、演出オブジェクト512は、図柄変動画面510の背景画像や、図柄変動画面510における光の点滅等も含む。
前提技術として既述であるが、演出決定手段303は、当否抽選の本判定結果や事前判定結果等に応じて、装飾図柄500以外の演出要素、例えば特定のキャラクタや所定のモチーフの画像により当否判定の結果を示唆する予告演出の表示過程が定められた複数種類の予告演出パターンからいずれかを選択することがある。本実施例の予告演出パターンは、図柄変動画面510の視認性を阻害する態様で予告演出を表示させることを規定したパターンである特殊予告演出パターンを含む。
演出表示制御手段305は、演出決定手段303により予告演出の表示が決定され、特殊予告演出パターンが選択された場合、特殊予告演出パターンで規定された図柄変動中の所定タイミングにおいて、図柄変動画面の視認性を阻害する態様で予告演出画面を表示させる。本実施例の特殊予告演出パターンは、いわゆる全画面予告として、予告演出画面を演出表示装置60の表示領域の全面に亘り表示させることを規定する。なお、特殊予告演出パターンは、全画面予告には限られず、図柄変動画面の一部の上(例えば装飾図柄表示領域504の少なくとも一部を覆う範囲)に重ねて予告演出画面を表示することを定めたものであってもよい。
本実施例の演出表示制御手段305は、図柄変動画面の画像データと、予告演出画面の画像データを個別にレンダリングし、各画面の画像を階層化して演出表示装置60に表示させる。この画像データは、前提技術において既述したフレームデータとも言える。特殊予告演出パターンが選択された場合、演出表示制御手段305は、図柄変動画面の表示処理を継続しつつ、図柄変動画面よりも予告演出画面を、遊技者から見て前面の階層に表示させる。また、演出表示装置60の全面に亘って予告演出画面を表示させる。言い換えれば、図柄変動画面の上に重ねて予告演出画面を表示させる。これにより、図柄変動画面の視認性を阻害する態様で予告演出画面を表示させる。
なお、図柄変動画面の視認性を阻害する態様で予告演出画面を表示させる態様として、図柄変動画面に代えて予告演出画面を表示させてもよい。また、図柄変動画面の視認性を通常よりも低下させる一方、図柄変動画面よりも視認性が高い態様で予告演出画面を表示させてもよい。また、図柄変動画面(のレイヤ)よりも前面に予告演出画面(のレイヤ)を所定の透過度(例えば透過度0)で表示させてもよい。また、図柄変動画面を表示中の演出表示装置の全面に予告演出画面を表示させてもよい。
本実施例の特殊予告演出パターンでは、予告演出画面の透過度が0に設定される。したがって、外観上、予告演出画面が表示されると、予告演出画面に覆われた図柄変動画面の状態、例えば装飾図柄500の変動状態を確認することはできなくなる。このような場合に、これまでの遊技機では、予告演出画面とともに代替図柄を表示させることにより、図柄変動中であることを遊技者へ提示することがあった。図27は、予告演出画面と代替図柄の表示例を示す。同図の予告演出画面520では、予告演出を構成する演出要素である予告要素画像522が表示される。例えば予告要素画像522は、星の数や色彩等により当否判定結果を示唆する画像である。予告要素画像522は、ステップアップ予告により当否判定結果を示唆する画像であってもよい。
図27では、予告演出画面520とともに、3つの代替図柄524が表示されている。3つの代替図柄524は、左図柄である第1代替図柄525と、中図柄である第2代替図柄526と、右図柄である第3代替図柄527により構成される。代替図柄524は、装飾図柄500を簡略化して小さく表示させるための図柄であり、図柄種類を特定するための数字、文字、記号を表す特定部分505に対応した外観上の表示形態を有する。代替図柄524として、例えば、数字、文字、記号をそのまま表した画像や、数字、文字、記号に模様や装飾を施した画像が用いられる。
代替図柄524は、それぞれ所定の代替図柄表示領域528において変動表示される。代替図柄表示領域528は、固定された表示領域ではなく、変動演出パターンおよび/または予告演出パターンの種類や、これらのパターンが定める演出表示過程に応じて動的に変化しうるように設定されてもよい。代替図柄表示領域528は、装飾図柄表示領域504が設定される演出表示装置60の中央付近ではなく、装飾図柄表示領域504よりも外側の位置に設定され、例えば、演出表示装置60の右下や左下の位置に設定される。代替図柄表示領域528は、装飾図柄表示領域504よりも相対的に狭い領域となるように設定される。すなわち代替図柄表示領域528は、演出表示装置60の中央付近に表示される演出画像(例えば予告要素画像522)の表示を阻害しにくい位置・大きさに設定される。なお代替図柄表示領域528は、左上や右上の位置に設定されてもよいし、演出表示装置60の中央から上下左右の方向を含む任意の方向にずれた位置に設定されてもよい。
代替図柄524の表示により、装飾図柄500が非表示の間も、図柄変動中であること(言い換えれば図柄変動期間)を遊技者に提示できる。しかし、代替図柄524は、図柄変動の担保を目的として簡易な態様で変動表示されるものであり、擬似連時の図柄変化や、演出オブジェクト512の表示有無は代替図柄524の変動に反映されない。そのため、図柄変動画面510の視認性を低下させる態様で予告演出画面520を表示させた場合、図柄変動画面510における装飾図柄500の図柄変化や、演出オブジェクト512を遊技者が確認することができなかった。装飾図柄500の図柄変化は、通常の変動過程とは異なる変動過程であり、順方向への単純な変動とは異なる変動を含む。例えば、すべりや戻り等の動作を含む。
その結果、予告演出画面520の表示時に、図柄変動画面510における演出、例えば擬似連等の図柄変化や、演出オブジェクト512の表示が重要な役割を担う演出によって、開発者の意図通りに遊技者の期待感を高めることは困難であった。また、予告演出画面520の表示が終了して遊技者が図柄変動画面510を再び視認可能になった際に、図柄変動画面510における図柄変化や演出オブジェクト512の表示が中途半端になってしまい、遊技者に違和感を抱かせることがあった。
そこで、本実施例の演出表示制御手段305は、特殊予告演出パターンにしたがって図柄変動画面510の視認性を阻害する態様で予告演出画面520を表示させる場合に、図柄変動画面510をそのまま縮小した縮小変動画面を予告演出画面520とともに表示させる。具体的には、複数種類の予告演出パターンのそれぞれには、代替図柄を表示させること、縮小変動画面を表示させること、代替図柄と縮小変動画面のどちらも表示させないこと、のいずれかが規定されてもよい。全画面予告となる本実施例の特殊予告演出パターンには縮小変動画面の表示が規定され、演出表示制御手段305は、特殊予告演出パターンにしたがって図柄変動中に予告演出画面520の表示を開始するタイミングで縮小変動画面の表示を開始する。
図28は、予告演出画面と縮小変動画面の表示例を示す。演出表示制御手段305は、図柄変動中に予告演出画面520の表示開始に同期して、予告演出画面520の上に重ねて縮小変動画面530を表示させる。演出表示制御手段305は、演出表示装置60の表示領域の一部を占める画面枠であるミニウィンドウ532内に縮小変動画面530を表示させる。ミニウィンドウ532の位置は、演出表示装置60の中央付近に表示される主要な演出画像(例えば予告要素画像522)の表示を阻害しにくい位置に設定される。例えば図28では演出表示装置60の右下の位置に設定されている。
縮小変動画面530は、予告演出画面520により視認性が阻害された(実施例では外観上非表示となった)図柄変動画面510のコンテンツを、そのまま縮小して示す画面である。縮小変動画面530は、装飾図柄500と演出オブジェクト512を含む図柄変動画面510の画面構成を維持しつつ縮小した画像とも言える。また縮小変動画面530は、図柄変動画面510における装飾図柄500と演出オブジェクト512のサイズだけを縮小し、それらの配置位置や、変動態様、動作等は同一態様で表示する画像とも言える。このように、縮小変動画面530の表示内容は、図柄変動画面510と同一であるため、縮小変動画面530の表示により、装飾図柄500の停止タイミングやすべり、戻り等の変化、また演出オブジェクト512の表示態様を遊技者に確認させることができる。
本実施例の演出表示制御手段305(例えば図12の描画回路336)は、予告演出画面520を表示させている間も、その背後では図柄変動画面510の表示処理を継続する。具体的には、演出表示制御手段305は、予告演出画面520の表示中も、図柄変動画面510のフレームデータをVRAM(例えば図12のフレームバッファ338)へ格納してもよい。演出表示制御手段305(例えば図12の表示回路340)は、VRAMに格納された図柄変動画面510のフレームデータをコピーし、そのコピーデータに対して表示サイズ縮小のための所定の変換処理を実行して、変換後のフレームデータを縮小変動画面のフレームデータとして取得してもよい。演出表示制御手段305は、変換後のフレームデータを演出表示装置60のミニウィンドウ532に表示させてもよい。これにより、図柄変動画面510をそのまま縮小した縮小変動画面530が表示される。なお、画面サイズ縮小のためのデータ変換処理は、VDP(Video Display Processor)の機能として実装されてもよい。
演出表示制御手段305は、予告演出画面520により図柄変動画面510の視認性が阻害された状態を終了させる場合に縮小変動画面530の表示を終了させる。具体的には、演出表示制御手段305は、特殊予告演出パターンにより規定された演出期間が終了して予告演出画面520の表示を終了するタイミングで縮小変動画面530の表示も終了する。予告演出画面520が非表示になれば図柄変動画面510の視認性が向上し、本実施例では演出表示装置60の前面に図柄変動画面510が再表示されるため、縮小変動画面530の表示が不要になるからである。
このように、演出表示制御手段305は、予告演出画面520の表示開始タイミングと、縮小変動画面530の表示開始タイミングを同期させ、かつ、予告演出画面520の表示終了タイミングと、縮小変動画面530の表示終了タイミングを同期させる。言い換えれば、図柄変動画面510が視認困難になるタイミングと同期して縮小変動画面530の表示を開始し、図柄変動画面510が視認容易になるタイミングと同期して縮小変動画面530の表示を終了する。
演出決定手段303は、変動演出パターンとして擬似連演出パターンを選択することがあり、これとは独立した抽選により予告演出パターンとして特殊予告演出パターンを選択することがある。すなわち演出決定手段303は、1つの入球に伴う図柄変動の開始時に、その入球に伴う当否判定結果に応じて、擬似連演出パターンと特殊予告演出パターンの両方を選択することがある。
この場合、演出表示制御手段305は、図柄変動中に全画面予告として予告演出画面520を表示させ、その予告演出画面520の表示と同期して縮小変動画面530を表示させる。さらに、擬似連の実行タイミングが予告演出画面520の表示期間に含まれれば、装飾図柄500の擬似連続変動演出を縮小変動画面530に表示させる。さらにまた、縮小変動画面530において擬似連続変動演出を表示中に、予告演出画面520の表示が終了して縮小変動画面530を終了させる場合、擬似連続変動演出の続きを図柄変動画面510に表示させる。既述したように実際には、予告演出画面520の背後の図柄変動画面510にも擬似連続変動演出を表示させているため、予告演出画面520の表示が終了して縮小変動画面530を終了させれば、擬似連続変動演出の続きを図柄変動画面510により遊技者へ提示できる。このように、図柄変動途中で予告演出画面520を表示する場合も、図柄変動画面510における演出を遊技者へ提示し続けることができる。
本実施例のぱちんこ遊技機100によると、図柄変動画面510の視認性を阻害する態様で予告演出画面520を表示する間も、縮小変動画面530を表示させることにより、図柄変動画面510における演出内容の視認性を維持することができる。すなわち、図柄変動演出とは独立した予告演出を主の演出として表示する場合も、擬似連等の図柄変化や、演出オブジェクト512の表示が重要な役割を担う図柄変動画面510の演出を縮小変動画面530を介して遊技者に確認させることができ、開発者の意図通りに遊技者の期待感を高めやすくなる。
また、図柄変動画面510の演出内容と縮小変動画面530の表示内容は同一であるため、予告演出画面520の表示が終了して図柄変動画面510が再び視認可能になった際に遊技者に違和感を抱かせてしまうことを回避できる。すなわち、予告演出画面520を全画面で表示する場合も、図柄変動画面510における演出を遊技者へ提示し続けることができる。また、縮小変動画面530で途中まで表示させた擬似連演出の続きや、演出オブジェクト512の動作の続きを図柄変動画面510で遊技者に提示できる。
さらにまた、図柄変動画面510(言い換えれば変動演出パターン)における図柄変化タイミングや演出オブジェクト512の表示タイミング等を考慮することなく、図柄変動画面510の視認性を低下させるような予告演出を実行できる。これにより、予告演出の開始タイミングや終了タイミング等に対する制約を低減して、予告演出の自由度を高め、また予告演出のバリエーションを増加させることができる。言い換えれば、予告演出パターン設計の自由度を高めることができる。
上記実施例では、特殊予告演出パターンによる予告演出画面520の表示中に、その背後で図柄変動画面510の表示を継続することとした。変形例として、演出表示制御手段305は、特殊予告演出パターンによる予告演出画面520の表示中に図柄変動画面510の表示処理を停止してもよく、予告演出画面520の表示終了時に図柄変動画面510の表示処理を再開してもよい。なお、図柄変動画面510の表示処理を停止する間も、縮小変動画面530の表示のために、図柄変動画面510のフレームデータの生成処理とVRAMへの格納処理については継続する。
2.特定の演出における代替図柄の停止タイミング:
既述したように、スーパーリーチ発展時や特殊演出時等において、装飾図柄500に代えて代替図柄524を用いて図柄変動を遊技者へ提示することがある。ここでは、装飾図柄500の変動表示に代えてバトル演出をメイン演出として中心的に表示し、装飾図柄500を非表示にして代替図柄524を表示させる「特定演出」の制御について説明する。特定演出は、大当りと外れの両方の可能性があり、最終的に大当りまたは外れを報知する。また特定演出には、複数の大当り報知タイミングが設けられる。そのため、先のタイミングで大当りが報知されなくても、後のタイミングで大当りが報知される可能性が残り、遊技者の期待感を長期間持続させることを1つの目的とする。
ここで代替図柄524は、図柄変動中であることや、リーチ状態にあることを遊技者に提示することを目的とした単純な変動を行うものであり、装飾図柄500のすべりや戻り等の変動は代替図柄524の変動には反映されない。そのため、特定演出における代替図柄524の停止タイミング次第では、メイン演出において大当りか外れかの結果を遊技者へ提示する前に、その結果を遊技者が認識可能になることがあった。すなわち特定演出の途中でその結果が先バレすることがあり、特定演出の面白みが損なわれ、また、特定演出により遊技者の期待感を十分に煽ることができないことがあった。
そこで本実施例のぱちんこ遊技機100では、複数の当り報知タイミングが設けられた特定演出について、外れ時の代替図柄524の停止タイミングを最先の当り報知タイミングより後に設定する。これにより、特定演出の途中でその結果が先バレしてしまうことを抑制し、特定演出の面白みが損なわれることを抑制する。以下詳細に説明する。なお既述したように、代替図柄524は厳密には最終的に仮停止状態になる。以下の説明で、代替図柄524を停止させるという記載は、厳密には仮停止させることを意味する。
なお、代替図柄と同様に、通常装飾図柄よりも小さいサイズの演出的な図柄としていわゆる第4図柄がある。第4図柄は、装飾図柄の一形態と捉えることもできるが、代替図柄とは種々の点で異なる。第1の相違点として、第4図柄は、通常装飾図柄の外観を簡略化した度合いが代替図柄よりも大きく、典型的には通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有さない。例えば第4図柄は、複数色に変化し得る円形状画像であってもよく、すなわち光の明滅のみを示すものでもよい。
第2の相違点として、第4図柄は単一であり、典型的には図柄変動中か否かを示すものである。なお、停止時の表示態様によって大当りか否かや大当りの種類を示すこともある。例えば第4図柄は、その色変化によって図柄変動中であることを示し、色変化を停止することによって図柄停止中であることを示すものである。リーチ状態にあるか、リーチ図柄の種類は何か等を第4図柄で表現することは困難である。第3の相違点として、代替図柄は毎回の図柄変動で表示されるわけではなく、一部の演出で限定的に表示される。例えば、スーパーリーチ発展がある演出のうち、さらにスーパーリーチ発展後にのみ表示され、また変動終了時には通常装飾図柄の表示へ戻されることもある。これに対し、第4図柄は、毎回の図柄変動で表示される。
演出決定手段303により選択される候補となる複数種類の変動演出パターンは、代替図柄524の変動表示を含む特定の演出過程を経て当否判定結果を報知する報知タイミングに至ることが定められた複数種類の特定演出パターンを含む。複数種類の特定演出パターンはいずれも同じカテゴリの演出の表示を定める。同じカテゴリの演出は、キャラクタや背景、アイテム等の演出要素が共通する演出であってもよい。また、いずれもバトルを表示したり、類似するストーリを表示する等、外観上類似する内容の演出であってもよい。また、遊技者に類似する観念を想起させる内容の演出であってもよい。
本実施例の複数種類の特定演出パターンはいずれも、通常のリーチ演出よりも大当りの期待度が高いことを示すスーパーリーチ演出を含み、スーパーリーチ演出として、複数のキャラクタによるバトルの過程と勝敗を示すバトル演出の表示を定める。すなわち複数種類の特定演出パターンはいずれも、バトル演出が示す勝敗と、代替図柄524の停止態様とによって、大当りか外れかを遊技者へ示唆し、また報知する。
また、複数種類の特定演出パターンは、当否判定結果が大当りであることを報知する複数の当り特定演出パターンと、当否判定結果が外れであることを報知する外れ特定演出パターンを含む。複数の当り特定演出パターンのそれぞれには、複数通りの大当り報知タイミングのうちいずれのタイミングで報知するかが定められる。本実施例では、複数の当り特定演出パターンとして、第1のタイミングで大当りを報知する通常当り特定演出パターンと、第1のタイミングより後の第2のタイミングで大当りを報知する遅れ当り特定演出パターンが定められている。
外れ特定演出パターンは、複数の当り特定演出パターンが定める複数通りの大当り報知タイミングのうち最先のタイミングより後のタイミングで、代替図柄524を外れ態様で停止させること、言い換えれば外れを報知することを定める。具体的には、外れ特定演出パターンでは、遅れ当り特定演出パターンが大当りを報知する第2タイミング以降に代替図柄524を停止させることを定める。
演出決定手段303は、当否判定結果が大当りを示し、かつ、特別図柄の変動パターンが通常当り特定演出パターンに対応付けられたものである場合、変動演出パターンとして通常当り特定演出パターンを選択する。また演出決定手段303は、当否判定結果が大当りを示し、かつ、特別図柄の変動パターンが遅れ当り特定演出パターンに対応付けられたものである場合、変動演出パターンとして遅れ当り特定演出パターンを選択する。当否判定結果が示す大当りの種別は、確変への移行を伴う大当り、確変への移行を伴わない大当りのいずれか一方であってもよく、両方であってもよい。
また演出決定手段303は、当否判定結果が外れを示し、かつ、特別図柄の変動パターンが外れ特定演出パターンに対応付けられたものである場合、変動演出パターンとして外れ特定演出パターンを選択する。なお、通常当り特定演出パターン、遅れ当り特定演出パターン、外れ特定演出パターンそれぞれの演出時間は、対応する特別図柄の変動パターンが定める図柄変動時間と一致するように定められる。演出決定手段303は、特別図柄の或る変動パターンが選択された場合に、その変動パターンが定める変動時間と一致する特定演出パターンおよび他の種類の変動演出パターンの中から、抽選によりいずれかを選択してもよい。
図29は、複数種類の特定演出パターンによる演出過程を示すタイミングチャートである。図29(a)は、当り特定演出パターンの1つである通常当り特定演出パターンによる演出過程の一部を示している。具体的には、大当りの期待度が通常のリーチ演出より高いスーパーリーチ演出へ発展後の演出過程を示している。図29(b)は、当り特定演出パターンの1つである遅れ当り特定演出パターンによる演出過程の一部を示し、図29(c)は、外れ特定演出パターンによる演出過程の一部を示している。スーパーリーチ発展前の演出内容、言い換えれば、図柄変動開始から通常リーチまでの演出内容は、通常当り特定演出パターン、遅れ当り特定演出パターン、外れ特定演出パターンで共通である。
図30は、通常当り特定演出パターンによる図柄変動画面の表示例を示し、図31は、遅れ当り特定演出パターンによる図柄変動画面の表示例を示し、図32は、外れ特定演出パターンによる図柄変動画面の表示例を示す。これらの図柄変動画面では、バトル演出画像540がメイン演出として画面中央に表示される一方、装飾図柄500は非表示となる。そして画面右下に代替図柄524が表示される。
まず、通常当り特定演出パターンによる演出を説明する。図29(a)に示すように、通常当り特定演出パターンでは、通常のリーチからスーパーリーチへ移行したことを示す所定の発展演出を表示後に、スーパーリーチ演出としてのバトル演出を表示させる。このとき演出表示制御手段305は、図30(a)に示すように、図柄変動画面の中央部分に装飾図柄500に代えてバトル演出画像540を表示させる。それとともに画面右下に代替図柄524をリーチ状態(ここでは「3」のリーチ)で表示させる。
また図29(a)に示すように、通常当り特定演出パターンでは、バトル演出の最後に大当りを報知する内容を表示させる。例えば図30(b)に示すように、リーチ図柄(ここでは「3」)に対応するキャラクタがバトルに勝利するバトル演出画像540を表示させることで、バトル演出画像540により大当りを示唆する。また、バトル演出による大当りの示唆とともに、代替図柄524の変動を大当り態様で停止させる。これにより大当りの発生を遊技者へ報知する。
次に、遅れ当り特定演出パターンによる演出を説明する。図29(b)に示すように、遅れ当り特定演出パターンも、スーパーリーチ演出としてのバトル演出を表示させるまでの過程は通常当り特定演出パターンと同じである(図30(a))。ただし、遅れ当り特定演出パターンでは、バトル演出で一旦外れを示唆する内容を表示させた後、所定の復活演出を挟んでバトルを再開させ、最終的には大当りを報知する内容を表示させる。本実施例の遅れ当り特定演出パターンは、バトル演出により一旦外れを示唆するタイミング(すなわち図柄変動の開始からの経過時間)を、通常当り特定演出パターンにおいて大当りを報知するタイミングと同じに定める。また遅れ当り特定演出パターンは、大当りを報知するタイミングを、通常当り特定演出パターンにおいて大当りを報知するタイミングより後に定める。この遅延時間は2〜3秒程度でもよい。
例えば図31(a)に示すように、遅れ当り特定演出パターンでは、リーチ図柄に対応するキャラクタがバトルに負けるバトル演出画像540を表示させることで一旦外れを示唆する。遅れ当り特定演出パターンは、一旦外れを示唆する時点では代替図柄524の変動表示を継続する。その後、図31(b)に示すように、バトルを再開させてリーチ図柄に対応するキャラクタがバトルに逆転勝利するバトル演出画像540を表示させることで大当りを示唆する。また、バトル演出による大当りの示唆とともに、代替図柄524の変動を大当り態様で停止させる。これにより大当りの発生を遊技者へ報知する。
次に、外れ特定演出パターンによる演出を説明する。図29(c)に示すように、外れ特定演出パターンも、スーパーリーチ演出としてのバトル演出を表示させるまでの過程は通常当り特定演出パターンと同じである(図30(a))。ただし、外れ特定演出パターンでは、バトル演出で外れを示唆する内容を表示させてから所定時間経過後に、外れを報知する内容を表示させる。本実施例の外れ特定演出パターンは、バトル演出により外れを示唆するタイミング(すなわち図柄変動の開始からの経過時間)を、通常当り特定演出パターンにおいて大当りを示唆するタイミングと同じに定める。
また外れ特定演出パターンは、代替図柄524の変動を停止するタイミングを、遅れ当り特定演出パターンによる大当り報知タイミング以降であり、本実施例では遅れ当り特定演出パターンによる大当り報知タイミングより後に定める。言い換えれば、外れ特殊演出パターンは、複数の当り特定演出パターンが定める複数通りの大当り報知タイミングのうち最遅のタイミング以降を代替図柄524の停止タイミングとして定め、すなわち外れ報知のタイミングとして定める。
例えば図32(a)に示すように、外れ特定演出パターンでは、リーチ図柄に対応するキャラクタがバトルに負けるバトル演出画像540を表示させることで外れを示唆する。外れ当り特定演出パターンは、バトル演出画像540により外れを示唆する時点では代替図柄524の変動表示を継続する。ここまでは遅れ当り特定演出パターンと同様である。ただし外れ特殊演出パターンでは、図32(b)に示すように、復活演出を表示させることなく、言い換えればバトル演出画像540の外れを示唆する態様を維持したまま、遅れ当り特定演出パターンにおける大当り報知タイミング以降に代替図柄524を外れ態様で停止させる。これにより遊技者へ外れを報知する。
なお実際には、代替図柄524を大当り態様で仮停止させた後、演出の最終時点において、特別図柄の停止と同期させて、代替図柄524に代えて確定停止状態の装飾図柄500を大当り態様で表示させてもよい。同様に、代替図柄524を外れ態様で仮停止させた後、演出の最終時点において、特別図柄の停止と同期させて、代替図柄524に代えて確定停止状態の装飾図柄500を外れ態様で表示させてもよい。
このように本実施例では、代替図柄524の変動の始期(すなわちスーパーリーチ発展タイミング)は通常当り特定演出パターン、遅れ当り特定演出パターン、外れ特殊演出パターンで同じである。その一方、代替図柄524の変動の終期(すなわち当否の報知タイミング)は互いに異なり、早い順に通常当り特定演出パターン、遅れ当り特定演出パターン、外れ特殊演出パターンとなる。
大当り・外れ両方の可能性がある特定演出であり、複数通りの大当り報知タイミングがある特定演出を備える遊技機において、外れ時に、最先の大当り報知タイミングと同じタイミングで代替図柄を停止させると、メイン演出(例えばバトル演出画像540)が未完了にも関わらず大当りの可能性がないことが先バレしてしまい、遊技者の期待感を十分に煽ることができないことがあった。言い換えれば、複数通りの大当り報知タイミングを設けた意義を損なってしまうことがあった。本実施例のぱちんこ遊技機100によると、複数通りの大当り報知タイミングのうち最先のタイミングより後を外れ報知タイミングとする。これにより、少なくとも特定演出における最先の大当り報知タイミング以降も大当りと外れ両方の可能性が残り、遊技者の期待感を早期に損なってしまうことを回避できる。
また本実施例のぱちんこ遊技機100によると、複数通りの大当り報知タイミングのうち最遅のタイミング以降を外れ報知タイミングとする。すなわち、特定演出を見る遊技者が大当りの可能性がないことを認識するタイミング以降を外れ報知タイミングとする。これにより、遅れ大当りが発生する可能性がある間、代替図柄の停止により外れが先バレすることを防止でき、バトル演出による外れ示唆後も大当りの発生を遊技者に期待させ、遊技者の期待感を長時間持続させやすくなる。すなわち代替図柄524によるシンプルな変動表示であっても、外れ時の代替図柄524の停止タイミングをメイン演出の結果表示より遅らせることで、複数通りの大当り報知タイミングを設けた意義が損なわれてしまうことを防止する。さらに、遅れ当り特定演出パターンにおいて、「代替図柄524を一旦外れ組み合わせで仮停止させ、復活演出のタイミングで代替図柄524を当り組み合わせに変化させる」といった煩わしい手法をとることなく、先バレのない図柄変動を実現できる。
上記の「1.装飾図柄変動画面の縮小表示」で説明した縮小変動画面530を用いた演出と、上記の「2.特定の演出における代替図柄の停止タイミング」で説明した代替図柄524を用いた演出は、別個の図柄変動で表示させてよいことはもちろんであるが、1回の図柄変動期間内に両者を表示させてもよい。以下その例を説明する。
既述の通り、スーパーリーチ発展前の演出内容、例えば、図柄変動開始から通常リーチ中の演出内容は、通常当り特定演出パターン、遅れ当り特定演出パターン、外れ特定演出パターンで共通である。ここでは、スーパーリーチ発展前の演出として装飾図柄500の擬似連演出が定められる。演出決定手段303は、メイン基板200による当否判定等の結果に応じて、いずれかの特定演出パターンを選択するとともに、予告抽選にて予告演出の実行を決定し、特殊予告演出パターンを選択する。この特殊予告演出パターンは、図柄変動開始後のある時点からスーパーリーチ発展前の時点まで予告演出画面520による全画面予告を定める。
演出表示制御手段305は、図柄変動開始後のある時点から予告演出画面520を演出表示装置60の全面に表示させ、それと同期して縮小変動画面530を表示させる。演出表示制御手段305は、装飾図柄500の擬似連演出を縮小変動画面530に表示させる。演出表示制御手段305は、特殊予告演出パターンで定められた予告終了タイミングにて予告演出画面520の表示を終了させ、それと同期して縮小変動画面530の表示も終了させる。この結果、再度、演出表示装置60で図柄変動画面510が表示される。演出表示制御手段305は、図柄変動画面510にスーパーリーチ発展演出を表示させ、以降、スーパーリーチ演出としてのバトル演出と、代替図柄524の変動および停止(仮停止)を図柄変動画面510に表示させる。
3.遊技状態と保留個数に応じた先読み演出の実行制御:
特別図柄の変動が未実行の保留球に対する事前判定結果に応じた演出(いわゆる「先読み演出」)が実行されることがある。ここで保留球とは、第1始動口11や第2始動口12への入球に伴って保留制御手段240に記憶された抽選値や乱数を意味する。先読み演出の内容を決定する処理を以下「先読み抽選処理」とも呼ぶ。多くの遊技機で先読み演出が採用され、遊技者の期待感を煽るための様々なバリエーションが模索されている現在、先読み演出の単調化を避けつつも、遊技機の仕様に応じて効率的な先読み抽選処理を実現する技術の重要性が高まっていると本発明者は考えた。
先読み演出の1つである保留変化予告について説明する。図33は、演出表示装置の画面における保留ランプ画像の表示例を示す。本実施例では、第1始動口11または第2始動口12へ入賞して保留されるたびに演出表示装置60の画面下部に表示する保留ランプ画像を一つずつ点灯する。また、点灯している保留ランプ画像に対応する図柄変動表示が開始されるときにその保留ランプ画像を画面下部中央に移動させて拡大表示することで、その保留ランプ画像に対応する図柄変動が現在表示されていることを示す。本図(a)から(e)まで時系列的に変化していることを示す。
本図(a)において、始動口への入賞が保留されるごとに第1保留ランプ画像551、第2保留ランプ画像552、第3保留ランプ画像553、第4保留ランプ画像554の順に点灯していく。新たに図柄変動が開始されるタイミングで第1保留ランプ画像551が変動中保留ランプ画像555へ移動するとともに拡大表示される。また、この移動と同調して第2保留ランプ画像552、第3保留ランプ画像553、第4保留ランプ画像554がそれぞれ第1保留ランプ画像551、第2保留ランプ画像552、第3保留ランプ画像553の位置に移動する。第1保留ランプ画像551、第2保留ランプ画像552、第3保留ランプ画像553、第4保留ランプ画像554の点灯色は、原則として所定の一色である。本図では簡略化のため4個までの保留を表現する保留ランプ画像を示すが、第1始動口11への入賞保留4個の保留ランプ画像と、第2始動口12への入賞保留4個の保留ランプ画像と、中央の変動中保留ランプ画像の合計で最大9個を表示する。そして、第1始動口11への入賞に対応する4個の保留ランプ画像が白で点灯し、第2始動口12への入賞に対応する4個の保留ランプ画像が緑で点灯するなど、互いに区別できるように別個の特定色で点灯する。特に断らない限り、本図は第1始動口11への入賞に対応する保留ランプ画像として説明する。
本実施例の保留変化予告は、事前判定結果に対応する図柄変動が開始されるまでの複数回の図柄変動に亘り所定の演出要素(ここでは保留ランプ画像)が図柄変動単位で段階的に変化し得る過程を表示するものである。具体的には、いずれかの保留球に対応する事前判定結果として、所定の期待度の高い事前判定結果(事前当否判定結果や事前パターン判定結果等)を演出決定手段303が受信した場合、保留変化予告として、その保留球に対応する保留ランプ画像を通常とは異なる色で点灯する。例えば、通常は白で点灯するところを黄色で点灯することで、期待度の高い結果が保留されていることを示唆する。
本図の例では異なる色で点灯する構成を説明するが、変形例としては色彩も含めた何らかの態様が通常と異なっていればよく、例えば色彩、模様、形状、位置、動作のいずれか1つまたは複数が通常と異なる態様となるように点灯させてもよい。異なる色での点灯タイミングは、第1始動口11または第2始動口12への入賞直後、すなわち所定の期待度の高い事前判定情報を演出決定手段303が受信した直後のタイミングの他、様々なタイミングでもよい。例えば、所定の期待度の高い事前判定結果の受信後における図柄変動の開始タイミングでもよいし、受信後における後続の始動口入賞タイミングでもよいし、受信後における図柄変動演出や予告演出と連動した所定タイミングでもよい。
本図の例では、保留ランプ画像の点灯色を、期待度の低い色から、事前判定結果で示される大当りの期待度の高さに応じた色まで、図柄変動回数が進むごとに徐々に変化させる。例えば、本図(a)では期待度の低いことを示唆する青色で点灯させ、(b)、(c)、(d)と進むについて徐々に期待度が高いことを示唆する黄色、赤色、銀色と変化させていき、最終的に(e)では最も期待度が高いことを示唆する金色へと変化させる。このように5段階の変化のうち、事前判定結果に応じて変化する段階数を決定する。
また、事前判定結果に応じて最初に点灯させるときの保留ランプ画像の位置に応じて色変化の段階数を決定してもよい。例えば、第4保留ランプ画像554の位置ではなく第3保留ランプ画像553、第2保留ランプ画像552、第1保留ランプ画像551のいずれかの位置で最初に点灯させる場合、変動中保留ランプ画像555へ移動するまでの段階数に合わせた段階数にて保留ランプ画像の色を変化させる構成としてもよい。また最後に特定の色となるように入賞時の保留ランプ画像の位置からの段階数を逆算して最初にどの色で点灯するかを決定してもよい。
図34は、本実施例のぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。前提技術における構造とは異なり、第2作動口32および第2始動口12は、盤面の右側、すなわち強めに遊技球が発射される右打ち時に入球容易となる位置に設けられる。ここで、第2始動口12(および普通電動役物90)は、第2作動口32を通過した遊技球が入球容易となる形の位置関係で設けられる。本実施例では、第2作動口32が上、第2始動口12(および普通電動役物90)が下の位置関係で近接して設けられる。なお、主に入球容易時に遊技球が入球する第2始動口12への入賞に伴う遊技球の払出し個数は、主に通常状態時に遊技球が入球する第1始動口11への入賞に伴う遊技球の払出し個数よりも少ない。本実施例では前者は1個賞球、後者は3個賞球とする。
第2始動口12が入球容易状態である場合、第2作動口32への入球に伴う普通図柄の開放抽選が高確率で当りになって普通電動役物90が拡開されるが、第2作動口32と第2始動口12との位置関係により、第2作動口32を通過した遊技球はほぼ第2始動口12へ入球する。また、入球容易状態中は、単位時間あたりの平均変動回数が通常状態中よりも多くなり、さらに所定の変動時間未満の図柄変動パターンが集中的に選択される。したがって、入球容易状態では第2当否抽選値の保留個数(以下「第2入賞保留個数」とも呼ぶ。)が比較的多い状態が維持されやすく、典型的には第2入賞保留個数が3以上の状態が維持される。なお、第2始動口12への入球に伴う賞球数は1個であるため、入球容易状態時に大量の遊技球が第2始動口12へ入球することは許容される。
その一方、通常状態では、第2始動口12への入球が困難であるため、遊技者は左打ちを行い第1始動口11への入球を狙うが、入球容易状態時の第2始動口12ほど第1始動口11への入球は容易ではない。したがって、通常状態では第1当否抽選値の保留個数(以下「第1入賞保留個数」とも呼ぶ。)が上限の4個に到達することは希である。
演出決定手段303は、メイン基板200から送信された事前判定結果を受信すると、その事前判定結果に応じて、当否判定結果を示唆する特殊演出を実行するか否かを所定の抽選処理の結果に応じて決定する。本実施例における特殊演出は、現在もしくは数回後の図柄変動における大当りの発生やその期待度を示唆する保留変化予告である。演出決定手段303は、事前当否判定結果が外れを示す場合は第1の確率(例えば5%)で保留変化予告の実行を決定する一方、事前当否判定結果が大当りを示す場合は第1の確率より高い第2の確率(例えば10%)で保留変化予告の実行を決定してもよい。
演出決定手段303は、保留変化予告の実行を決定すると、保留変化予告の態様を決定する基準となる予め定められた保留変化予告テーブルを参照して、保留変化予告の態様を決定する。演出表示制御手段305は、演出決定手段303により保留変化予告の態様が決定された場合に、決定された態様が定める色にて、予告対象の(事前判定結果に対応する)保留球を示す保留ランプ画像を表示させる。
保留変化予告テーブルは、演出決定手段303に対してメイン基板200から通知されうる遊技状態(具体的には通常状態と入球容易状態)と保留個数(具体的には第1入賞保留個数または第2入賞保留個数0〜4個)の組合わせごとに設けられる。例えば、通常状態かつ第1入賞保留個数1個用のテーブル、入球容易状態かつ第2入賞保留個数4個用のテーブル等を含む。なお保留変化予告テーブルの個数に制約はない。例えば1つのテーブル内に、通常状態かつ第1入賞保留個数1個時の参照領域、入球容易状態かつ第2入賞保留個数4個時の参照領域を設けてもよい。演出決定手段303は、事前判定結果受信時の遊技状態と保留個数の組合わせに整合する領域を参照して、保留変化予告の態様を決定してもよい。
本実施例では、通常状態時における保留変化予告の対象は第1当否抽選値の保留とし、入球容易状態時における保留変化予告の対象は第2当否抽選値の保留とする。変形例として、いずれの遊技状態においても第1当否抽選値の保留と第2当否抽選値の保留の両方を保留変化予告の対象としてもよい。以下単に保留個数という場合、入球容易状態では第2入賞保留個数を意味し、通常状態では第1入賞保留個数を意味する。
また保留変化予告テーブルは、保留変化予告の態様の候補として、複数回の図柄変動のそれぞれにおける演出要素(ここでは保留ランプ画像)の表示態様の組合わせを各々定めた複数の候補を含む。図35は、保留変化予告テーブルを模式的に示す。本図は、通常状態かつ第1入賞保留個数1個用のテーブルを示している。本図の「保1」欄は、第1始動口11への入賞が保留された場合に、第1始動口11への入球に対応する第1保留ランプ画像551に点灯させる色を示す。
不図示だが、保留個数2個用のテーブルは第2保留ランプ画像552に点灯させる色を定めた「保2」欄をさらに含み、保留個数3個用のテーブルは第3保留ランプ画像553に点灯させる色を定めた「保3」欄をさらに含み、保留個数4個用のテーブルは第4保留ランプ画像554に点灯させる色を定めた「保4」欄をさらに含む。通常状態に対応する保留変化予告テーブルの場合、その「保1」欄、「保2」欄・・・は、第1始動口11への入球に対応する第1保留ランプ画像551、第2保留ランプ画像552・・・の点灯色を示すものとなる。その一方、入球容易状態に対応する保留変化予告テーブルの場合、その「保1」欄、「保2」欄・・・は、第2始動口12への入球に対応する第1保留ランプ画像551、第2保留ランプ画像552・・・の点灯色を示すものとなる。
図35の「変動中」欄は、1回の図柄変動が終了して、第1保留ランプ画像551に対応する保留球が図柄変動の対象となった場合に変動中保留ランプ画像555に点灯させる色を示す。このように、保留変化予告テーブルの1つのレコードは、1つの保留球に対する保留変化予告の態様(過程)を示しており、言い換えれば、第4保留ランプ画像554、第3保留ランプ画像553、第2保留ランプ画像552、第1保留ランプ画像551、変動中保留ランプ画像555の順の点灯色の組合わせ(推移)を示している。以下、保留変化予告テーブルで選択候補となる各レコードを「保留変化パターン」とも呼ぶ。
図35の「大当り時選択確率」欄は、事前当否判定結果が大当りを示す値である場合に当該保留変化パターンを選択する確率を示す。また「外れ時選択確率」欄は、事前当否判定結果が外れを示す値である場合に当該保留変化パターンを選択する確率を示す。なお、実際の保留変化予告テーブルでは、選択確率に合致する抽選値範囲が設定されてよいことはもちろんである。
本実施例の保留変化予告テーブルでは、事前当否判定結果が大当りの場合、事前当否判定結果が外れの場合よりも、保留変化予告の最終態様である変動中保留ランプ画像555の点灯色として赤、銀、金が選択される確率が高く設定される。本実施例では事前当否判定結果が大当りか外れかにもとづいて保留変化パターンの選択確率を変えるが、変形例として、事前図柄判定や事前パターン判定の結果に応じて選択確率を変えてもよく、複数種類の事前判定結果の組合わせ毎に選択確率を変えてもよい。
本実施例の保留変化予告では、青<黄<赤<銀<金の順で大当りの期待度が高くなることを示す。また、図柄変動回数が進むたびに、それまでの点灯色を維持し、または、より期待度の高い色へ変化させる。図35で示すように、保留個数が1個の場合の保留変化パターン数は15通りになる。ここで、事前判定結果に対応する保留球の保留順位が後になるほど、言い換えれば、事前判定結果に対応する図柄変動に至るまでの、他の保留球による図柄変動回数が多くなるほど、保留ランプ画像が変化しうる段階数が増加し、保留変化予告テーブルで定義すべき保留変化パターン数も増加する。例えば、保留個数が2個、3個、4個の場合の保留変化パターン数はそれぞれ35通り、105通り、371通りとなり、それぞれのパターンに対して選択確率(抽選値範囲)を割当てる必要がある。
演出決定手段303は、入球容易状態においては、第2入賞保留個数が第1閾値以上である場合に、事前判定結果に応じて、第2始動口12への入賞に対応する保留ランプ画像による保留変化予告の態様を決定する。言い換えれば、入球容易状態において第2入賞保留個数が第1閾値未満である場合、保留変化予告の態様を決定する処理をスキップする。本実施例において、保留変化予告の態様を決定するために参照する事前判定結果は事前当否判定結果とするが、事前図柄判定結果や事前パターン判定結果でもよく、これら複数種類の判定結果の組合わせでもよい。
保留変化予告の実行条件となる第1閾値は3個とする。保留個数が3個の場合、演出決定手段303は、入球容易状態かつ保留個数3個に対応する保留変化予告テーブルを参照して、事前判定結果に応じた確率にて特定の保留変化パターンを選択する。また保留個数が4個の場合、演出決定手段303は、入球容易状態かつ保留個数4個に対応する保留変化予告テーブルを参照して、事前判定結果に応じた確率にて特定の保留変化パターンを選択する。変形例として、第1閾値は、第2入賞保留個数の上限値(4個)であってもよく、また、第2入賞保留個数の下限値(1個)より大きい数に定められてもよい。
また演出決定手段303は、入球容易状態において参照すべき保留変化予告テーブルとして、第2入賞保留個数3個用のテーブルと第2入賞保留個数4個用のテーブルを保持する一方、第2入賞保留個数1個用のテーブルと第2入賞保留個数2個用のテーブルは保持しない。すなわち本実施例のぱちんこ遊技機100では、入球容易状態において参照すべき保留変化予告テーブルとして、第2入賞保留個数1個用のテーブルと第2入賞保留個数2個用のテーブルは未定義であってよく、言い換えれば実装されなくてよい。
入球容易状態では第2入賞保留個数が比較的多い状態が維持されやすく、特に第2作動口32と第2始動口12とが図34で示す位置関係で配置された本実施例のぱちんこ遊技機100では、入球容易状態の期間中、第2入賞保留個数はほぼ3個以上となる。これを踏まえ、本実施例のぱちんこ遊技機100は、入球容易状態において第2入賞保留個数が3個未満の場合に保留変化予告を実行しないように構成した。この構成によると、保留変化予告等の先読み演出の実行機会が減る等のデメリットを実質的に生じさせずに、プログラム量の削減による開発期間の短縮を実現でき、また、遊技機のテストやデバッグに要するコストを低減できる。例えば、入球容易状態用の保留変化予告テーブルのうち保留個数1個または2個に対応するテーブル(もしくは保留変化パターンの定義データ)は不要になる。また、保留個数1個または2個に対応する保留変化パターンに対する抽選値範囲の割当て等の開発作業の工数や、テストの工数を低減できる。
また演出決定手段303は、通常状態においては、第1入賞保留個数が第2閾値以上である場合に、保留変化予告の態様を決定するための基準として、第2閾値未満の第1入賞保留個数に対応する保留変化予告テーブルを使用する。本実施例では第2閾値を4個とし、演出決定手段303は、第1入賞保留個数が上限の4個である場合に、第1入賞保留個数3個に対応する保留変化予告テーブルを参照して、保留変化予告の態様を決定する。変形例として、第2閾値は3個であってもよく、演出決定手段303は、第1入賞保留個数が4個または3個である場合に、第1入賞保留個数2個に対応する保留変化予告テーブルを参照して、保留変化予告の態様を決定してもよい。
また演出決定手段303は、通常状態において参照すべき保留変化予告テーブルとして、第1入賞保留個数1個用のテーブル、第1入賞保留個数2個用のテーブル、第1入賞保留個数3個用のテーブルを保持する一方、第1入賞保留個数4個用のテーブルを保持しない。すなわち本実施例のぱちんこ遊技機100では、通常状態において参照すべき保留変化予告テーブルとして、第1入賞保留個数4個用のテーブルは未定義であってよく、言い換えれば実装されなくてよい。
演出表示制御手段305は、通常状態において第1入賞保留個数が第2閾値以上の場合にパターンが決定された保留変化予告を、事前判定結果受信時点すなわち現在の図柄変動中ではなく、次回以降の図柄変動において表示させる。本実施例の演出表示制御手段305は、通常状態において第1入賞保留個数が4個の場合にパターンが決定された保留変化予告の表示を、次回の図柄変動開始時であり、当該保留変化予告が対象とする保留の順位が3番目になったときに開始する。具体的には、第1入賞保留個数4個時に第1入賞保留個数3個用の保留変化予告テーブルから選択された保留変化パターンについて、そのパターンが定める態様での保留変化予告を第3保留ランプ画像553の位置から開始する。
このように本実施例では、通常状態における第1入賞保留個数4個時に保留変化パターンを決定しつつ、決定されたパターンでの保留変化予告の表示を次回以降の図柄変動まで遅延させる。変形例として、演出決定手段303は、通常状態において第1入賞保留個数4個時に事前判定結果を受信するとその事前判定結果を記憶しておき、次回の図柄変動時(例えば図柄変動開始時)に、予め記憶していた事前判定結果と保留個数3個に対応する保留変化予告テーブルにしたがって、保留変化パターンを決定してもよい。そして、それとともに保留変化予告の表示を開始してもよい。
通常状態において遊技者は第1始動口11への入球を狙うが、通常状態での第1入賞保留個数は4個未満になることが多い。これを踏まえ、本実施例のぱちんこ遊技機100は、通常状態において例外的に第1入賞保留個数が4個になった場合、第1入賞保留個数が3個のときと同じ基準で保留変化パターンを決定する。このように、現実的に発生可能性が低い状況の保留変化予告を簡略化することで、保留変化予告演出の単調化等のデメリットを実質的に生じさせずに、プログラム量の削減による開発期間の短縮を実現できる。また、遊技機のテストやデバッグに要するコストを低減できる。例えば、通常状態用の保留変化予告テーブルのうち保留個数4個に対応するテーブル(もしくは保留変化パターンの定義データ)は不要になる。また、保留個数4個に対応する各保留変化パターンに対する抽選値範囲の割当て等の開発作業の工数や、テストの工数を低減できる。なお、本実施例では、先読み演出、先読み予告のうち保留変化予告を例示したが、本実施例に記載の技術は保留変化予告以外の先読み演出、先読み予告全般に適用可能であり、同様の効果を奏する。すなわち、本実施例の態様によると、様々な種類の先読み演出、先読み予告について、その単調化を抑制しつつ、効率的な先読み抽選処理を実現できる。
図36は保留変化予告に関する動作を示すフローチャートである。演出決定手段303は、メイン基板200から事前判定結果を受信すると(S840のY)、現在の遊技状態が入球容易状態であるか否かを判別する。現在の遊技状態が入球容易状態であって(S842のY)、第2抽選保留個数が3個以上であれば(S844のY)、演出決定手段303は、保留変化予告の実行有無を抽選にて決定する(S846)。保留変化予告の実行を決定すると(S848のY)、演出決定手段303は、第2入賞保留個数に合致する保留変化予告テーブルを参照して、事前判定結果に応じた確率にて保留変化パターンを決定する(S850)。
演出表示制御手段305は、演出決定手段303により決定された保留変化パターンにしたがって保留変化予告の表示を開始する(S852)。例えば、第2抽選保留個数が4個の場合、保留個数4個用の保留変化予告テーブルから選択された保留変化パターンの「保4」欄で定められた色にて第4保留ランプ画像554を点灯させる。以降、保留変化パターンの「保3」欄、「保2」欄、「保1」欄、「変動中」欄のそれぞれで定められた色にて保留変化予告を進行させる。保留変化予告を実行しないことを決定した場合(S848のN)、第2抽選保留個数が3個未満の場合(S844のN)、事前判定結果を未受信の場合(S840のN)、以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。事前判定結果受信時の遊技状態が入球容易状態でなく通常状態であれば(S842のN)、通常状態時処理を実行する(S854)。
図37は、図36におけるS854の通常時処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段303は、保留変化予告の実行有無を抽選にて決定する(S860)。保留変化予告の実行を決定した場合(S848のY)、演出決定手段303は、第1抽選保留個数が4個未満であれば(S864のN)、その保留個数に合致する保留変化予告テーブルを参照して、事前判定結果に応じた確率にて保留変化パターンを決定する(S866)。演出表示制御手段305は、演出決定手段303により決定された保留変化パターンにしたがって保留変化予告の表示を開始する(S874)。
第1抽選保留個数が4個の場合(S864のY)、演出決定手段303は、保留個数3個用の保留変化予告テーブルを参照して、事前判定結果に応じた確率にて保留変化パターンを決定する(S868)。演出表示制御手段305は、事前判定結果に対応する保留球の画像であり、すなわち第4保留ランプ画像554を通常態様で表示させる(S870)。現在実行中の図柄変動が終了するまでは、第4保留ランプ画像554を通常態様で表示させ続ける(S872のN)。事前判定結果に対応する保留ランプ画像の移動タイミングに至ると、すなわち次回の図柄変動開始時に(S872のY)、演出表示制御手段305は、S868で決定された保留変化パターンによる保留変化予告の表示を開始する(S874)。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
変形例のぱちんこ遊技機100は、回数切りの確変を実行する、言わばST機であってもよい。特定遊技制御手段270は、次の大当りが発生するまで確変を継続させるのではなく、確変を所定の上限期間継続させた場合、例えば所定回数の図柄変動(外れ)が終了した場合に、確変を終了させて通常の確率状態に戻す。確変の最大継続期間は、図柄変動回数4回であってもよく、150回であってもよく、適宜設計されてよい。また特定遊技制御手段270は、確変継続中に入球容易状態を継続させてもよく、確変終了時に入球容易状態も終了させて通常状態に戻してもよい。また、確変終了後の所定期間(特定の図柄変動回数)を上限として入球容易状態を継続させてもよい。
ST機としてのぱちんこ遊技機100は、特別遊技終了後の4回の図柄変動用の変動パターンとして、保留内連荘演出用の特殊変動パターンを保持してもよい。そして特別遊技終了後の4回の図柄変動(典型的には優先消化対象となる第2当否抽選の保留球による図柄変動)においては特殊変動パターンを選択してもよい。特殊変動パターンは、保留内連荘が発生する場合に先の特別遊技(終了した特別遊技)と後の特別遊技(新たに実行される特別遊技)とを連続的に見せるために、1〜2秒程度の超短縮変動を規定したものであってもよい。この場合、演出決定手段303は、特別遊技の終了から4回の図柄変動が外れで終了するまでの期間中、始動入賞口への入球に伴う事前判定結果に基づく先読み抽選処理(例えば保留変化予告に関する抽選処理)を抑制してもよい。特殊変動パターンが選択される期間は、保留内連荘が発生するか否かにより遊技者の期待感を煽る期間であり、また、超短縮変動であるため、保留変化予告を実行する意義が薄いためである。この態様によると、先読み抽選処理の一層の効率化を実現できる。
また、ST機としてのぱちんこ遊技機100は、確変状態での最終図柄変動(最大継続期間満了の図柄変動)時に、連荘終了演出を表示させてもよい。例えば、演出決定手段303は、確変状態における図柄変動回数をカウントし、確変状態での最終図柄変動が外れである場合に、連荘の終了を示唆または報知するための演出要素を含む連荘終了演出の実行を決定してもよい。この場合、演出決定手段303は、確変状態での最終図柄変動に対応する入球を事前判定結果により検出してから、その最終図柄変動が外れで終了するまでの期間中、または確変終了直前の4変動分の期間中(すなわち確変の残り期間が保留個数の上限以下になった場合)、始動入賞口への入球に伴う事前判定結果に基づく先読み抽選処理(例えば保留変化予告に関する抽選処理)を抑制してもよい。確変中と確変終了後では演出内容が大きく変化するが、確変中の演出と確変終了後の演出を跨いで保留変化予告等の先読み予告を継続させると、遊技者の混乱を招きやすいからである。また、確変中と確変終了後では主として変動する特別図柄が異なり(例えば前者は第2特別図柄52、後者は第1特別図柄51)、先読み対象となる特別図柄も異なる。したがって、確変中と確変終了後を跨いで先読み予告を継続させると、遊技状態に不整合な先読み予告の表示となってしまい、また、遊技者の混乱を招きやすいからである。この態様によると、遊技状態と先読み予告との不整合の発生や、遊技者の混乱を招くことを抑制しつつ、先読み抽選処理の一層の効率化を実現できる。
本明細書または特許請求の範囲にいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数でなくてもよく、16ビットカウンタを利用したハードウエア乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウエア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数の組合せ、例えばカウンタが1周するたびに初期値を変更するプラス乱数方式でもよい。
本明細書または特許請求の範囲において「テーブル」や「基準(選択基準)」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「基準(選択基準)」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
擬似連続変動演出において、擬似的な図柄変動の回数を計数し、計数した回数を遊技者に報知してもよい。例えば、何回目の擬似的な図柄変動であるかを示す情報を演出表示装置60に表示してもよいし、装飾ランプ111の点灯態様などにより報知してもよい。擬似連続変動演出における擬似的な図柄変動と、主演出における図柄変動とを区別することなく計数してもよい。予告演出画面520表示時に図柄変動画面510を縮小した縮小変動画面530を表示させることにより、縮小変動画面530と図柄変動画面510の間で連続的に擬似的な図柄変動回数を表示することになり、予告演出画面520の表示終了時に遊技者に違和感を抱かせることを防止できる。
演出表示装置は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。
また上記の実施例では、入球に基づく利益として遊技球(賞球)を払い出す形態のパチンコ機を例示したが、賞球払出に代わり、電子的な利益管理システムを利用して遊技球の発射・賞球付与管理を行ういわゆる封入式タイプのぱちんこ機にも応用できる。このような封入式タイプのぱちんこ機は、典型的には、所定個数の遊技球が遊技機内で循環しその循環する遊技球にて遊技を行い、賞球を払い出す代わりに遊技球の発射可能回数を増やすことで遊技者に利益を与える。例えば、遊技領域を転動した遊技球を受容し、遊技機外へ排出させずに再び遊技領域へ送出することで遊技機内で循環させる球循環手段と、遊技球の発射球数、受容球数、および払出賞球数に基づいて持ち玉を管理する球数管理手段と、管理された持ち玉の数を表示する持玉表示手段を備えてもよい。
尚、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、複数の実施形態にわたる構成要素を適宜組合わせることも可能である。
上記実施の形態および変形例に記載の遊技機は以下のように表現できる。
第1の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられた始動入賞口と、始動入賞口への入球を契機として当否判定を実行する当否判定手段と、当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される演出表示装置と、当否判定の結果が当りとなり、その当りを示す態様にて図柄が停止表示された場合に、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、当否判定の結果に応じて、図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する演出決定手段と、演出決定手段により選択された変動パターンにしたがって図柄を変動表示する画面であって、図柄以外の少なくとも1つの演出要素を表示する図柄変動画面を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備える。演出決定手段は、当否判定の結果に応じて、図柄以外の演出要素により当否判定の結果を示唆する予告演出の表示過程が定められた複数種類の予告演出パターンからいずれかを選択し、演出表示制御手段は、演出決定手段により選択された特定の予告演出パターンにしたがって図柄変動画面の視認性を阻害する態様で演出表示装置に予告演出画面を表示させる場合に、図柄および演出要素を含む図柄変動画面の画面構成を維持しつつ縮小した縮小画面を表示させる。
演出表示制御手段は、予告演出画面により図柄変動画面の視認性が阻害された状態を終了させる場合に、縮小画面の表示を終了してもよい。
複数種類の変動パターンには、1回の図柄変動において複数の図柄が一時停止したように表示することにより擬似的に複数回の図柄変動が実行されたように見せる擬似連続変動を表示する場合に用いられる擬似連続変動パターンが含まれ、演出表示制御手段は、ある当否判定の結果に応じて擬似連続変動パターンと特定の予告パターンの両方が選択された場合、縮小画面において擬似連続変動を表示させてもよい。
第2の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられた始動入賞口と、始動入賞口への入球を契機として当否判定を実行する当否判定手段と、当否判定の結果が当りとなった場合に、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、演出的な内容が表示される演出表示装置と、当否判定の結果を演出的に示す装飾図柄の変動過程が定められた複数種類の演出パターンを記憶するパターン記憶部と、当否判定の結果に応じて、複数種類の演出パターンからいずれかを選択する演出決定手段と、選択された演出パターンにしたがって装飾図柄の変動を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と を備える。演出表示装置に表示される変動表示は、装飾図柄の変動表示と、代替図柄の変動表示とを含む。代替図柄は、装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、装飾図柄の代わりに変動過程を簡易的に示すためのものであり、複数種類の演出パターンは、代替図柄の変動表示を含む特定の演出過程を経て当否判定の結果を報知する報知タイミングに至ることが定められた複数種類の特定演出パターンを含む。複数種類の特定演出パターンは、当りの結果を報知する複数の当り特定演出パターンと、外れの結果を報知する外れ特定演出パターンとを含む。複数の当り特定演出パターンのそれぞれには、複数通りの当り報知タイミングのうちいずれのタイミングで報知するかが定められてもよく、外れ特定演出パターンには、複数通りの当り報知タイミングのうち最先のタイミングより後のタイミングで代替図柄を外れの態様で停止させることが定められてもよい。
複数の当り特定演出パターンは、第1のタイミングで当りの結果を報知するパターンと、特定の演出過程の中で外れの結果を示唆しつつ第1のタイミングより後の第2のタイミングで当りの結果を報知するパターンとを含んでもよい。外れ特定演出パターンには、特定の演出過程の中で外れの結果を示唆しつつ第2のタイミング以降に代替図柄を外れの態様で停止させることが定められてもよい。
第3の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう開放可能な拡開機構を有する始動入賞口と、当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、所定数の個数を上限に抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、当否判定の結果が当りとなった場合に特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、特別遊技の終了後に始動入賞口への入球容易性が通常状態より高くなるよう拡開機構が開放される入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、演出的な内容が表示される演出表示装置と、演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、演出決定手段により決定された演出的な内容を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備える。当否判定手段は、始動入賞口への入球があったときその入球に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらずその入球に対応する抽選値に関する情報を事前判定結果として演出決定手段へ通知し、演出決定手段は、事前判定結果に応じて当否判定の結果を示唆する特殊演出の態様を演出的な内容として決定し、入球容易状態においては保留制御手段により保留された抽選値の個数が所定数以上である場合に、事前判定結果に応じて特殊演出の態様を決定する。
演出決定手段は、事前判定結果の種類に応じて特殊演出の態様を決定するための基準であって、保留制御手段により保留された抽選値の個数である保留個数に対応する基準にしたがって、当否判定手段から通知された事前判定結果に応じた特殊演出の態様を決定し、演出決定手段は、入球容易状態においては保留個数が所定数以上である場合に、その保留個数に対応する基準にしたがって特殊演出の態様を決定してもよい。
遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が始動入賞口に設けられた拡開機構の開放有無を決定する開放抽選の契機となる作動口と、開放抽選の結果を示すための普通図柄が変動表示される普通図柄表示装置と、をさらに備えてもよい。始動入賞口および拡開機構は、作動口を通過した遊技球が入球容易となる形の位置関係で設けられ、特定遊技制御手段は、入球容易状態において、開放抽選の当り確率を通常状態における当り確率より高くし、普通図柄の変動時間を通常状態における変動時間より短縮し、拡開機構の開放時間を通常状態における開放時間より長くしてもよい。
第4の態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう開放可能な拡開機構を有する始動入賞口と、当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、所定数の個数を上限に抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、当否判定の結果が当りとなった場合に特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、特別遊技の終了後に始動入賞口への入球容易性が通常状態より高くなるよう拡開機構が開放される入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、演出的な内容が表示される演出表示装置と、演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、演出決定手段により決定された演出的な内容を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、を備える。当否判定手段は、始動入賞口への入球があったときその入球に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらずその入球に対応する抽選値に関する情報を事前判定結果として演出決定手段へ通知し、演出決定手段は、事前判定結果の種類に応じて当否判定の結果を示唆する特殊演出の態様を決定するための基準であって、保留制御手段により保留された抽選値の個数である保留個数に対応する基準にしたがって、当否判定手段から通知された事前判定結果に応じた特殊演出の態様を演出的な内容として決定し、通常状態において保留個数が所定数以上の場合、演出決定手段は、特殊演出の態様を決定するための基準として、所定数未満の保留個数に対応する基準を使用する。
演出表示制御手段は、通常状態において保留個数が所定数以上の場合に決定された特殊演出を次回以降の図柄変動時に表示させてもよい。
特殊演出は、事前判定結果に対応する図柄変動までの複数回の図柄変動に亘り所定の演出要素が図柄変動単位で段階的に変化し得る過程を表示するものであり、基準は、特殊演出の態様の候補として、複数回の図柄変動のそれぞれにおける演出要素の態様の組合わせを各々定めた複数の候補を含んでもよい。