<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図65を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口(入球口)63,64,65a等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図6参照)へと案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更する場合に、遊技者により押下操作されるボタンである。また、枠ボタン22は、第3図柄の変動表示(以下、第3図柄の変動表示を「変動演出」という。)において実行される予告表示での演出内容を遊技者に選択させるための操作ボタンとしても使用される。
変動演出とは、第3図柄表示装置81にて表示される演出であり、後述の通り、遊技盤13の前面領域に発射された球が特定の入賞口(後述の第1入球口64。図2参照。)へ入球(始動入賞)したことを契機として実行され、図柄(後述の第3図柄)が所定時間変動された後、停止表示された図柄の組み合わせによって、当該始動入賞に対して行われる抽選の結果(大当たりか否か)を遊技者に提示する演出である。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」の3つのステージが設けられている。上述の変動演出や、変動演出中に実行される「リーチ表示」などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。
なお、「リーチ表示」とは、第3図柄表示装置81において実行される変動演出において、大当たりが発生することを示す「大当たり表示」の一歩手前の表示のことをいう。具体的には、後述する左図柄列Z1及び右図柄列Z3(図4参照)の第3図柄が同一図柄で停止し、中図柄列Z2(図4参照)が未だ停止せず変動を継続している状態のことをいう。
第1実施形態のパチンコ機10では、「リーチ表示」として、大別して、「ノーマルリーチ」の演出を構成する一単位の要素(以下、演出を構成する一単位の要素を「変動要素」という)と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行されて、該「ノーマルリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スーパーリーチ」の変動要素と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行されて、「スーパーリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スペシャルリーチ」の変動要素とが用意されている。各「リーチ表示」及び変動要素の詳細については、後述する。
ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や、第3図柄が遊技者に視認不能に高速に変動される「高速変動」の変動要素中に、遊技者によって枠ボタン22が押下操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
なお、第3図柄表示装置81にて行われる変動演出において「ノーマルリーチ」の変動要素が開始された場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展されるときは、「ノーマルリーチ」の変動要素中に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の選択画面が第3図柄表示装置81に表示されるように構成してもよい。
具体的には、選択画面では、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素として選択可能な複数の候補が表示され、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に押下操作された場合に、選択された候補が変更されるように構成する。そして、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素へ発展するときに選択されていた演出候補に基づいて、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が決定され、その決定に従って「スーパーリーチ」の変動要素は「スペシャルリーチ」の変動要素が第3図柄表示装置81にて実行される。
なお、第1実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて、演出ステージが選択変更されたり、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が選択されたりしてもよい。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定の「リーチ表示」時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、発光ダイオード(ライト・エミッティング・ダイオード(Light Emitting Diode)。以下、「LED」と略す。)等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。
パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時や「リーチ表示」時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前の「リーチ表示」中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene。以下、「ABS」と略す。)樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット。図示せず。)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112a(図6参照)の駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図6参照)で行われる各制御に応じた第1図柄の変動表示(以下、第1図柄の変動表示を「動的表示」という)がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって動的表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機10では、第1入球口64への入球に対して大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、「15R確変大当たり」、「2R確変大当たり」、「15R通常大当たり」が用意されている。
LED37aには、第1入球口64への入球に伴って実行される変動終了後の停止図柄として、大当たり抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行する確変大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、「時間短縮状態」へ移行して所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は「時間短縮状態」となる大当たりのことである。
また、「確率変動状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした高確率状態、いわゆる確変中の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。第1実施形態における高確率状態(確変中、確変状態)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態を含む。
一方で、「通常遊技状態」とは、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」でない低確率状態の時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、「確率変動状態」の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「時間短縮状態(所謂、時短状態)」とは、大当たり確率が「通常遊技状態」と同様に低確率状態であると共に、第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。
なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。具体的には、「時間短縮状態」において、第1入球口64に付随する電動役物が開放する時間を「時間短縮状態」以外の場合よりも長くしたり、1回の当たりで電動役物が開放する回数を「時間短縮状態」以外の場合よりも多くしたりしてもよい。また、「時間短縮状態」において、第2図柄の当たり確率のアップと、電動役物の開放時間の長時間化と、電動役物の開放回数の多回数化との少なくとも2つを同時に行うようにしてもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における動的表示と同期させながら、第3図柄の変動演出を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示(以下、第2図柄の変動表示を「可変表示」という)するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図6参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列Z1〜Z3(図4参照)が表示される。
各図柄列Z1〜Z3(図4参照)は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列Z1〜Z3毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変的に表示されるようになっている。第1実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4及び図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。また、図5(a)〜図5(d)は、主表示領域Dmにおいて、後述する「リーチ表示」が現出した場合における第3図柄表示装置81の表示内容の変遷を模式的に示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(「1」,「3」,「5」,「7」,「9」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(「0」,「2」,「4」,「6」,「8」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動演出が行われ、その変動演出が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に「確率変動状態(確変状態)」に移行すると共に最大15ラウンドの大当たりが付与される場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。同じく大当たり終了後に「確率変動状態」に移行すると共に最大2ラウンドの大当たりが付与される場合は、特定の図柄番号の組み合わせ(例えば、「341」)の主図柄(所謂「突確図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。一方、大当たり終了後に「時間短縮状態(時短状態)」に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動演出する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタなどを表示する副表示領域Dsとなっている。また、第3図柄表示装置81の表示画面における下底辺側中央部分には、保留球数などを表示するコクピット表示領域Dbが設けられている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その表示領域Dm1に左図柄列Z1が表示され、表示領域Dm2に中図柄列Z2が表示され、表示領域Dm3に右図柄列Z3が表示される。
各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順(または降順)に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動演出が行われる。なお、各図柄列Z1〜Z3において、数字の配列をそれぞれ異ならせるように構成してもよい。例えば、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列する一方、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列してもよい。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の変動演出に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(同一の主図柄の組合せ。以下、「大当たり表示」という。)で揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。小領域Ds1〜Ds3は、それぞれ、キャラクタや予告演出画像を表示する領域である。小領域Ds1〜Ds3のそれぞれに表示される画像によって、主表示領域Dmにて行われる変動演出の結果として大当たりとなる期待感を遊技者に与えている。コクピット表示領域Dbは、第1入球口64に入球された球のうち変動演出が未実行である球(保留球)の数である保留球数を示す保留図柄と、実行中の変動演出に関する実行図柄とを表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左小領域Ds1では、予告図柄が現出する等の動画が表示され、主表示領域Dmにおいて行われている変動演出が通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。
また、副表示領域Dsにおいて、中央小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(第1実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、主表示領域Dmで行われている変動演出に基づいて所定動作とは別の特別な動作をしたり、通常は黒色の少年の髪の毛の色や、通常は白色のハチマキの色が変化したり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。
さらに、副表示領域Dsにおいて、右小領域Ds3では、主表示領域Dmで行われている変動演出において大当たりが発生するか否かを段階的に示唆するレベルメータ(図示せず)が現出して表示される。このレベルメータは、変動演出において、予告図柄等が現出することに基づいて実行中の変動演出における「リーチ表示」の発生期待度や大当たり期待度が増す毎に増加(加算)していき、該レベルメータの表示限度(MAX表示)まで到達した場合に大当たりが確定することを示唆するように構成されている。従って、副表示領域Dsは、主表示領域Dmにおける「リーチ表示」の発生を示唆する機能を担っている。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動演出(動的表示)が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbが表示されている場合は、該コクピット表示領域Dbに設けられた第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4おいても示される。第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4には、保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、各保留図柄表示領域Db1〜Db4に表示された保留図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。
即ち、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、第1保留図柄表示領域Db1に1つの保留図柄が表示されている場合は、保留球数が1回であることを示し、第1・第2保留図柄表示領域Db1,Db2にそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、保留球数が2回であることを示し、第1〜第3保留図柄表示領域Db1〜Db3にそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、保留球数が3回であることを示し、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、保留球数が4回であることを示す。また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4に保留図柄が表示されていない場合は、保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
また、コクピット表示領域Dbには、主表示領域Dmで変動演出が実行されていることを示す実行図柄が表示される実行図柄表示領域Db0が設けられている。この実行図柄表示領域Db0は、第1保留図柄表示領域Db1の左側に設けられ、各保留図柄表示領域Db1〜Db4より大きく構成されている。また、この実行図柄表示領域Db0は、第1保留図柄表示領域Db1に表示されていた保留図柄が移動(シフト)して実行図柄として表示される。
コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄は、変動演出が終了すると消去され、その実行図柄の消去に伴って、表示されている保留図柄が下位側(左側)の実行図柄及び保留図柄として移動して表示される。具体的には、変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、第1保留図柄表示領域Db1に保留図柄が表示されていたとき、該第1保留図柄表示領域Db1に表示されていた保留図柄が実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、第2保留図柄表示領域Db2に保留図柄が表示されていた場合、該第2保留図柄表示領域Db2に表示されていた保留図柄が第1保留図柄表示領域Db1における保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、第3保留図柄表示領域Db3に保留図柄が表示されていた場合、該第3保留図柄表示領域Db3に表示されていた保留図柄が第2保留図柄表示領域Db2における保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、第4保留図柄表示領域Db4に保留図柄が表示されていた場合、該第4保留図柄表示領域Db4に表示されていた保留図柄が第3保留図柄表示領域Db3における保留図柄として移動(シフト)して表示される。
第1実施形態のパチンコ機10では、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されている間、実行図柄表示領域Db0に実行図柄を表示し続ける(「スーパーリーチ」の変動要素中又は「スペシャルリーチ」の変動要素中を除く)。一方、該変動演出が終了した場合、又は、「スーパーリーチ」の変動要素若しくは「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中の場合には、実行図柄が消去されるように構成されている。即ち、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されている場合は、主表示領域Dmで変動演出が実行されている(継続している)ことを示し、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていない場合は、主表示領域Dmで変動演出が実行されていない(継続されていない)か、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が実行されていることを示す。
また、コクピット表示領域Dbでは、該コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄を用いて、「保留変化予告」を実行可能に構成されている。この「保留変化予告」とは、主表示領域Dmで実行される変動演出の大当たり期待度を、該変動演出の実行前から実行中にかけて保留図柄及び実行図柄の表示色を複数段階に変化させることで示唆する予告である。
第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」として、保留図柄及び実行図柄の表示色を、通常の表示態様である「白色」から、青色の表示態様の「青色」、赤色の表示態様の「赤色」、又は、虹色の表示態様の「虹色」に変化可能に構成されている。本パチンコ機10では、変動演出において「大当たり表示」が発生する場合や、「リーチ表示」が発生する場合に、保留図柄及び実行図柄の表示色の選択割合が異なるように構成されているため、この保留図柄及び実行図柄の表示色が、通常の表示態様(「白色」)から別の表示態様(例えば、「青色」)に変化することで、その保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」が発生する可能性を各表示色ごとに遊技者に示唆することができる。
具体的には、「保留変化予告」において、保留図柄及び実行図柄が、通常の表示態様(「白色」)より「青色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。また、保留図柄及び実行図柄が、「青色」より「赤色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。さらに、保留図柄及び実行図柄が、「赤色」より「虹色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。「保留変化予告」の設定割合等については後述する。
また、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「赤色」である場合には、その「赤色」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「スーパーリーチ」を主とする演出の態様(主とする演出の態様を「演出態様」という)、「スペシャルリーチ」演出態様又は「特殊変動」演出態様(以下、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様又は「特殊変動」演出態様のことを総称して「スーパーリーチ以上」演出態様という場合がある)の実行が確定するように設定されている。さらに、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「虹色」である場合には、その「虹色」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「大当たり表示」の現出が確定するように設定されている。従って、第1実施形態では、保留図柄及び実行図柄の表示態様が、通常(「白色」)→「青色」→「赤色」→「虹色」の順に段階的に「リーチ表示」や「大当たり表示」の現出期待度が高いように設定されている。
なお、「保留変化予告」の「虹色」の表示態様は、保留図柄では現出せず、実行図柄でのみ現出可能に設定されている。これは、保留図柄で大当たりの発生が確定する「虹色」の表示態様を現出させた後に、何らかの異常(例えば、電源断)によりその保留図柄が実行されなかった場合、遊技者は、得られるべき大当たりが得られないことによる不満が発生してしまう。よって、保留図柄において、大当たりの発生が確定する「虹色」の表示態様を予め現出しないように構成しておくことで、上記不満が発生することを未然に防止することができる。
また、この「保留変化予告」により、保留図柄の表示態様が変化した状態において、変動演出の実行(消化)に伴って保留図柄がシフトする場合に、その変化した保留図柄の表示態様が、シフト先の保留図柄又は実行図柄に対しても引き継がれて(受け継いで)反映されるように構成されている。即ち、保留図柄の表示態様が変化した場合、その変化した保留図柄が変動演出の実行に伴って他の保留図柄表示領域Db1〜Db3又は実行図柄表示領域Db0へシフトしたときも、シフト前の表示態様がシフト後の保留図柄又は実行図柄の表示態様としてそのまま維持されるように構成されている。
従って、例えば、第4保留図柄表示領域Db4において保留図柄の表示色が「赤色」に変化した場合、該保留図柄が第3保留図柄表示領域Db3→第2保留図柄表示領域Db2→第1保留図柄表示領域Db1→実行図柄表示領域Db0とそれぞれシフトしていくときに、「赤色」の保留図柄又は実行図柄が継続して表示され続けるように構成される。この「保留変化予告」の詳細については、後述する。
なお、第1実施形態においては、第1入球口64への入球に基づく変動演出の保留球数は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、コクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させなくてもよい。なお、第3図柄表示装置81に保留球数に関する情報(保留図柄等)を表示させない場合は、保留図柄による「保留変化予告」を実行することができないため、他のキャラクタ図柄等を追加的に現出させることによって「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行させるように構成してもよい。
さらに、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。なお、保留ランプによって保留球数を表示するように構成した場合、保留ランプの表示色を複数種類設けることによって、第1実施形態の「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行することは当然に可能である。
ここで、図5を参照して、変動演出において、「ノーマルリーチ」の変動要素および「スーパーリーチ」の変動要素が現出した場合における第3図柄表示装置81の表示内容の変遷について説明する。図5(a)は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「リーチ表示(「ノーマルリーチ」の変動要素)」が現出された直後の状態を示した図である。図5(b)は、図5(a)の状態から「ノーマルリーチ」の変動要素が開始され、副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示した図である。図5(c)は、図5(b)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が開始され、コクピット表示領域Dbが消去されて、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示した図である。図5(d)は、図5(c)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が終了し、副表示領域Dsとコクピット表示領域Dbとが再表示されて、主表示領域Dmにおいて第3図柄の「ハズレ表示」が現出した状態を示した図である。
なお、以降の説明において、説明の便宜上、第3図柄を表現する場合に、図において数字図柄のみで主図柄を表現し、木箱よりなる後方図柄やキャラクタを模した付属図柄については省略して表現し、その説明についても省略する。また、図5において、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展する「リーチ表示」として「スーパーリーチ」の変動要素を例示して説明するが、「スーパーリーチ」の変動要素と「スペシャルリーチ」の変動要素とは、背景表示やキャラクタ図柄、変動時間等の演出内容は異なるものの、副表示領域Dsやコクピット表示領域Db等の画面構成(消去又は再表示等)は同様の構成であるので、「スーパーリーチ」の変動要素を「スペシャルリーチ」の変動要素に置き換えることは可能である。
まず、図5(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」されている状態を示している。従って、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出された直後の状態である。
また、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2において、「リーチ表示」が発生したことを示唆するキャラクタ図柄が表示されていると共に、左小領域Ds1において、該キャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現したリーチ発生時文字表示Se1が表示されている。具体的には、中央小領域Ds2では、キャラクタ図柄が応援を行っているかのような態様で表示される。また、左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「いくぜぇ!」との「白色」の文字がリーチ発生時文字表示Se1として表示される。このリーチ発生時文字表示Se1の表示と連動して、後述する音声出力装置226(図6参照)から「いくぜぇ!」とのキャラクタ図柄に対応した音声が出力されるように構成されている。なお、右小領域Ds3には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
第1実施形態のリーチ発生時文字表示Se1には、「弱パターン」と「強パターン」の2種類の表示態様が現出可能に構成されている。具体的には、リーチ発生時文字表示Se1の「弱パターン」が選択された場合には、「いくぜぇ!」という文字パターンが表示される。また、リーチ発生時文字表示Se1の「強パターン」が選択された場合には、「いけるぜぇ!」という「弱パターン」より楽観的な表現の文字パターンが表示される。なお、これらリーチ発生時文字表示Se1の「弱パターン」及び「強パターン」の詳細については、後述する。
また、第1実施形態のリーチ発生時文字表示Se1は、表示される文字色(表示色)が変化可能に構成されている。具体的には、リーチ発生時文字表示Se1の通常の表示色として「白色」で文字が表示される。また、該通常の表示色より大当たり期待度が高い第1チャンスアップパターンの表示色として「赤色」で文字が表示される。さらに、該第1チャンスアップパターンより大当たり期待度が高い第2チャンスアップパターンの表示色として「金色」で文字が表示される(以下、第1チャンスアップパターンの「赤色」と第2チャンスアップパターンの「金色」とを総称して「チャンスアップパターン」という場合がある)。なお、これらリーチ発生時文字表示Se1の表示色の変化の詳細については、後述する。
コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。従って、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
図5(b)では、図5(a)の状態から、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dm全体が拡大したかのような態様で表示される。具体的には、左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「7」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。
一方、副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の変動要素の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。これは、副表示領域Dsは、上述したように、主として主表示領域Dmにおける変動演出で「リーチ表示」が発生するか否かを示唆する機能を担っており、主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が発生した場合には、副表示領域Dsの存在意義が薄れるからである。
また、遊技者は、主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が発生した場合に、該「リーチ表示」の結果が「大当たり表示」となるか「ハズレ表示」となるか否かに着目するものであり、「リーチ表示」の発生を示唆する副表示領域Dsの表示内容への注目は薄れてしまう。
従って、主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が発生した場合には、遊技者が着目する「リーチ表示」の内容を遊技者に認識し易くするべく、主表示領域Dmの表示内容を拡大して表示すると共に、その拡大に伴って副表示領域Dsを消去するように構成されている。
この図5(b)の状態において、コクピット表示領域Dbでは、図5(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。従って、図5(a)と同様、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素中は、コクピット表示領域Dbの表示が消去されずに継続表示されるように構成されている。これは、「ノーマルリーチ」の変動要素のみの変動演出(「ノーマルリーチ」演出態様)では大当たり抽選に外れる場合が多く「ハズレ表示」が現出する可能性が高い。そして、「ノーマルリーチ」の変動要素が終わって「ハズレ表示」となった場合には、次の変動演出が直ちに開始されるため、次の変動演出が保留されているか否かを遊技者に示唆する必要がある。従って、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbの表示を維持(継続表示)し、遊技者に対して変動演出の保留球数がいくつ存在するかを示唆するように構成されている。
また、コクピット表示領域Dbは、副表示領域Dsより小さい表示であるので、「ノーマルリーチ」の変動要素時に表示し続けたとしても、該「ノーマルリーチ」の変動要素の演出を阻害することない。よって、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中においてコクピット表示領域Dbを継続表示しても実害がない。
さらに、コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄は、上述した「保留変化予告」を実行可能であり、実行中の変動演出の内容を示唆する実行図柄においても、該「保留変化予告」によって変化した保留図柄の表示態様を引き継いで(受け継いで)表示するように構成されている。即ち、実行図柄の表示態様によって実行中の変動演出の大当たり期待度を遊技者に示唆可能に構成されている。よって、遊技者に実行図柄の表示態様を「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中に確認させることで、実行中の「ノーマルリーチ」の変動要素が「スーパーリーチ」の変動要素へと発展して大当たりするか否かを、遊技者に予測可能に構成し、該予測に基づく興趣を付与している。
具体的には、例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中に、実行図柄が通常の表示態様である「白色」や、該「白色」より一段階大当たり期待度が高い「青色」で表示されていた場合、遊技者は、該「ノーマルリーチ」の変動要素が「スーパーリーチ」の変動要素に発展して大当たりとなる可能性が低いことを予測する。一方、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中に、実行図柄が「赤色」や「虹色」で表示されていた場合、遊技者は、該「ノーマルリーチ」の変動要素が「スーパーリーチ」の変動要素に発展して大当たりとなることや、該「ノーマルリーチ」の変動要素のままであっても「大当たり表示」が現出することを予測する。従って、「保留変化予告」を備えたパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中において上記興趣を遊技者に与えるため、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中においてコクピット表示領域Dbを継続表示するように構成されている。「保留変化予告」の詳細については後述する。
図5(c)では、図5(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」の変動要素では、「ノーマルリーチ」の変動要素で表示されていた「7」図柄に基づく「リーチ表示」の発生を示す図柄(以下、この「リーチ表示」が発生したことを示す図柄を「リーチ形成図柄」という)が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。
また、図5(c)では、第3図柄表示装置81の表示画面のほぼ全体を使って複数のキャラクタ図柄が勝敗を競う「バトル演出」(「スペシャルリーチ」の変動要素では「競争演出」)が表示されている。この「バトル演出」では、遊技者側のキャラクタ図柄(例えば、左側キャラクタ図柄)と敵側のキャラクタ図柄(例えば、右側キャラクタ図柄)が闘う演出(第1実施形態では、キックボクシング)が実行される。「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が勝利すれば大当たりとなり、「スーパーリーチ」の変動要素の表示結果として「大当たり表示」が現出するように設定されている。一方、「バトル演出」において、敵側のキャラクタ図柄が勝利した場合はハズレとなり、「スーパーリーチ」の変動要素の表示結果として「ハズレ表示」が現出するように設定されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の後半部分で、第3図柄の変動演出が「大当たり表示」となるか「ハズレ表示」となるかの「際演出」が実行されるように構成されている。即ち、「際演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄の動作及び敵側のキャラクタ図柄の動作と連動して、リーチ形成図柄と同一の第3図柄が停止するか否かの演出が実行される。よって、「スーパーリーチ」の変動要素において、「際演出」が実行された場合は、「大当たり表示」又は「ハズレ表示」のいずれかの表示結果が必ず現出し、該表示結果で変動演出が確定する(後述する「再変動」の変動要素が実行される場合を除く)。従って、遊技者は、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」において、「大当たり表示」が現出するか否かについて最も注目しており、該「際演出」がパチンコ機10の遊技に関して最も重要な演出に位置付けられている。
従って、本実施形態での「際演出」は、「スーパーリーチ」の変動要素では、該「スーパーリーチ」の変動要素の終了間際(例えば、開始から9秒)の段階で行われ、「スペシャルリーチ」の変動要素では、該「スペシャルリーチ」の変動要素の終了間際(例えば、開始から19秒)の段階で行われるように構成されている。また、各「際演出」が行われるより少し前(例えば、「際演出」の1秒前)に、後述するリーチ中文字表示Se2が現出するように構成されており、該リーチ中文字表示Se2の表示態様によって「際演出」における結果を示唆するように構成されている。なお、リーチ中文字表示Se2の表示態様については後述する。
また、図5(c)で示すように、第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbが消去され、その代わりに、第3図柄表示装置81の表示領域左上、かつ、リーチ形成図柄の下側に変動演出の保留球数を示す数字図柄(第1実施形態では、「4」)のリーチ形成図柄が新たに現出表示されるように構成されている。
実行中の変動演出において、「ノーマルリーチ」の変動要素より大当たりへの期待度が高い「スーパーリーチ」の変動要素が発生した場合、遊技者は、保留(待機)中の変動演出がいくつあるかよりも、実行中の変動演出が「大当たり表示」となるか「ハズレ表示」となるかに着目している。このため、実行前の変動演出の保留球数を示す保留図柄に着目していない。むしろ、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中においてコクピット表示領域Dbによって保留図柄を表示してしまうと、遊技者が「スーパーリーチ」の変動要素の演出に集中することができず、遊技者は保留図柄の表示に対して煩わしさを感じてしまう場合がある。
また、コクピット表示領域Dbの第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4に表示される保留図柄は、実行中の変動演出には直接的な関係を有さないものである。さらに、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4に表示される保留図柄は、実行中の変動演出の表示制御とは異なる設定(抽選)処理(音声ランプ制御装置113では、変動演出に関しては後述する変動演出処理(図44参照)。保留図柄に関しては後述する保留表示設定処理(図43参照)。)によって表示制御されるものである。一方、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、様々なキャラクタ図柄を現出させたり、各キャラクタ図柄等に多くのエフェクト表示を行うことよって、表示制御の処理負担が増加している状況である。このような状況において、実行中の変動演出とは直接的に関係がない複数の保留図柄の表示制御を行うと、各保留図柄分、第3図柄表示装置81全体の表示制御に関する処理負担が増加してしまい、所謂コマ落ち等の表示異常が発生してしまうおそれがある。
さらに、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄は、「保留変化予告」によって変化した保留図柄の表示態様を引き継ぐ(受け継ぐ)ため、実行中の変動演出と直接的な関係を有するものであるが、該「保留変化予告」は、「大当たり表示」の現出期待度を示唆すると共に、「リーチ表示」の現出期待度を示唆するものである。このため、「スーパーリーチ」の変動要素が現出した場合には、「保留変化予告」としての「リーチ表示」の現出期待度の示唆を全うしている状態である。また、「スーパーリーチ」の変動要素が現出した場合には、「スーパーリーチ」の変動要素という大当たり期待度が高い「リーチ表示」の実行によって、「大当たり表示」の現出期待度の示唆を一定程度(例えば、半分)満たしている状態である。さらに、上述したように、「スーパーリーチ」の変動要素が現出した場合、遊技者は、「スーパーリーチ」の変動要素の演出内容に着目しており、実行図柄における「保留変化予告」の表示態様に対する関心は薄れている。
そこで、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中において、遊技者の注目度が低い保留図柄及び実行図柄を消去し、表示画面において主として「スーパーリーチ」の変動要素の演出を実行することで、遊技者を「スーパーリーチ」の変動要素の演出に注目(集中)させることができる。また、遊技者の注目度が低い保留図柄及び実行図柄を消去することで、その表示制御にかかる負担を軽減することができ、コマ落ち等の表示異常が発生することを防止することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素における「バトル演出」中(「スペシャルリーチ」の変動要素では「競争演出」中)に、遊技者側のキャラクタ図柄(又は、敵側のキャラクタ図柄。以下同様。)がセリフを喋り、そのセリフを文字で現したリーチ中文字表示Se2が表示されるように構成されている。例えば、図5(c)で示す例では、コクピット表示領域Dbを消去した表示領域において、遊技者側のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「くらえ!」という「白色」の文字がリーチ中文字表示Se2として表示される。このリーチ中文字表示Se2の表示と連動して、後述する音声出力装置226(図6参照)から「くらえ!」とのキャラクタ図柄に対応した音声が出力されるように構成されている。
第1実施形態では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中において、該「スーパーリーチ」の変動要素の実行に伴って消去されたコクピット表示領域Dbの表示領域にてリーチ中文字表示Se2を表示するように構成されている。従来、テレビやパチンコ機の表示装置において文字表示(所謂、テロップ)を表示する場合、表示されている主たる動画像の表示内容を阻害しないように、表示画面の下側に該文字表示を表示するのが一般的である。しかし、コクピット表示領域Dbを表示したままリーチ中文字表示Se2を該コクピット表示領域Dbに重複するように表示すると、コクピット表示領域Dbに表示されている実行図柄や保留図柄とリーチ中文字表示が重複してしまい、リーチ中文字表示Se2の内容が認識し難くなってしまうおそれがある。
特に、実行図柄又は保留図柄において上述した「保留変化予告」が「赤色」で表示されている状況で、該実行図柄又は保留図柄に重複するようにリーチ中文字表示Se2を該実行図柄又は保留図柄と同系統の表示色(例えば、後述する「赤色」のチャンスアップパターン)で表示した場合、実行図柄又は保留図柄の「赤色」とリーチ中文字表示Se2の表示色(例えば、「赤色」)とが同系色であるため、リーチ中文字表示Se2の文字内容が実行図柄又は保留図柄に埋没して紛れてしまい、リーチ中文字表示Se2の表示内容を視認できないおそれがある。
また、コクピット表示領域Dbの上側にリーチ中文字表示Se2を表示した場合、コクピット表示領域Dbの表示分、表示領域の中心寄りにリーチ中文字表示Se2を表示しなければならず、実行中の「スーパーリーチ」の変動要素の演出とリーチ中文字表示Se2が重複してしまい、「スーパーリーチ」の変動要素の演出、及び、リーチ中文字表示Se2の表示内容が共に認識し難くなるおそれがある。
そこで、リーチ中文字表示Se2が表示される「スーパーリーチ」の変動要素の実行中にコクピット表示領域Dbを消去し、そのコクピット表示領域Dbが消去された表示領域にリーチ中文字表示Se2を表示するように構成することで、消去したコクピット表示領域Dbの表示領域を有効利用しつつ、リーチ中文字表示Se2の表示内容を他の表示物と重複しないように表示することができる。よって、リーチ中文字表示Se2の表示可能な領域を確保して表示内容を遊技者に見易くすると共に、変動演出の演出内容を的確に認識させることができる。
また、第1実施形態のリーチ中文字表示Se2には、リーチ発生時文字表示Se1と同様、「弱パターン」と「強パターン」の2種類の表示態様が現出可能に構成されている。具体的には、リーチ中文字表示Se2の「弱パターン」が選択された場合には、「くらえ!」という文字パターンが表示される。また、リーチ中文字表示Se2の「強パターン」が選択された場合には、「とどめだ!」という「弱パターン」より語気が強い表現の文字パターンが表示される。なお、これらリーチ中文字表示Se2の「弱パターン」及び「強パターン」の詳細については、後述する。
さらに、第1実施形態のリーチ中文字表示Se2は、リーチ発生時文字表示Se1と同様、表示される文字色が変化可能に構成されている。具体的には、リーチ中文字表示Se2の通常の表示色として「白色」で文字が表示される。また、該通常の表示色より大当たり期待度が高い第1チャンスアップパターンの表示色として「赤色」で文字が表示される。さらに、該第1チャンスアップパターンより大当たり期待度が高い第2チャンスアップパターンの表示色として「金色」で文字が表示される。なお、これらリーチ中文字表示Se2の表示色の詳細については、後述する。
この図5(c)の状態において、第3図柄表示装置81の表示領域左上に、この「スーパーリーチ」の変動要素の発生要因となった「7」図柄のリーチ形成図柄を縮小して表示している。「スーパーリーチ」の変動要素の演出は、実行中の変動演出が「大当たり表示」となるか「ハズレ表示」となるかを示すものであるが、第3図柄の表示態様とは直接的な関係を有さないキャラクタ図柄によって行われるため、仮に第3図柄が全く表示されていない状態で「スーパーリーチ」の変動要素中の該キャラクタ図柄のみに着目してしまうと、その演出が「リーチ表示」なのか否かが認識できない場合(例えば、「デモ画面」と勘違いする場合)がある。また、「スーパーリーチ」の変動要素の演出は、所定時間(例えば、10秒)行われるため、「スーパーリーチ」の変動要素中にいずれの第3図柄によって「リーチ表示」が発生したか遊技者が忘れてしまう場合がある。ただし、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中にリーチ形成図柄を大きく表示してしまうと、「スーパーリーチ」の演出が見難くなってしまい、「スーパーリーチ」の変動要素の演出自体を阻害してしまうおそれがある。
そこで、「スーパーリーチ」の変動要素中において、第3図柄表示装置81の表示領域左上に、「スーパーリーチ」の変動要素の発生要因となった第3図柄のリーチ形成図柄を小さく表示するように構成する。このように構成することで、「スーパーリーチ」の変動要素の演出を阻害することなく「リーチ表示」が発生していることを遊技者に示唆すると共に、「リーチ表示」を発生した第3図柄の種類を遊技者に明確に示唆させることができる。
また、この図5(c)の状態において、第3図柄表示装置81の表示領域左上であってリーチ形成図柄の下側には、変動演出の保留球数を示す数字図柄(第1実施形態では、「4」)が表示されている。上述したように、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbの表示が消去されるため、遊技者はコクピット表示領域Dbの表示内容によって保留されている変動演出の回数を全く認識できないおそれがある。
そこで、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中において、コクピット表示領域Dbを消去する代わりに、第3図柄表示装置81の表示領域左上であってリーチ形成図柄の下側に、変動演出の保留球数を示す数字図柄を表示するように構成する。このように構成することで、「スーパーリーチ」の変動要素の演出中に、該「スーパーリーチ」の変動要素の演出を阻害することなく、遊技者に保留されている変動演出の回数を示すことができる。
図5(d)では、図5(c)の状態から、「スーパーリーチ」の変動要素の演出にハズれて(敵キャラクタ図柄が勝利して)、主表示領域Dmにおいて「ハズレ表示」が現出すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面において副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbが再表示された状態を示している。この状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄と、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄とが再び視認可能となっている。
ここで、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄は、「スーパーリーチ」の変動要素における「大当たり表示」か「ハズレ表示」かを示す「際演出」が実行された後に、「ハズレ表示」が現出したことによって、失望した表情を示す態様で表示されている。また、左小領域Ds1には、該キャラクタ図柄から発せられたセリフ(定型句。特定の場面やシーンなどで良く使われる決まり文句や表現。第1実施形態では、「際演出」の終了後に、該「際演出」の結果に対応してキャラクタ図柄から発せられたかのような決まり文句の文字表示が該当。)の文字が定型句文字表示Se3として表示される。図5(d)で示す例では、「すまねぇ・・・」という「白色」の文字が定型句文字表示Se3として表示される。この「ハズレ表示」用の定型句文字表示Se3の表示と連動して、後述する音声出力装置226(図6参照)から「すまねぇ・・・」とのキャラクタ図柄に対応した音声が出力されるように構成されている。
ここで、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」が実行された後に、「大当たり表示」が現出した場合は、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄が喜んだ標章を示す態様で表示され、また、左小領域Ds1には、例えば、該キャラクタ図柄から発せられたセリフである「やったぜ!」という「白色」の文字が定型句文字表示Se3として表示される。この「大当たり表示」用の定型句文字表示Se3の表示と連動して、後述する音声出力装置226(図6参照)から「やったぜ!」とのキャラクタ図柄に対応した音声が出力されるように構成されている。
なお、第1実施形態において、「際演出」後に表示される定型句文字表示Se3として1の文字表示(ハズレ時の「すまねぇ・・・」又は大当たり時の「やったぜ!」)を現出するように構成していたが、これに代えて、「際演出」後に複数の文字表示を現出させるように構成してもよい。具体的には、例えば、「際演出」が終了した後に、複数のキャラクタ図柄が会話するようにそれぞれセリフを発するような場面を構成し、「際演出」でハズレ表示が現出している場合は、1のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「ごめん・・・」という文字が定型句文字表示Se3として表示させると共に、他のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「次は頑張ろうね・・・」という文字が定型句文字表示Se3として表示させるように構成してもよい。
また、第1実施形態の変動演出では、「ハズレ表示」を一旦仮停止した後、該「ハズレ表示」を再び変動させて「大当たり表示」に変更する「再変動」の演出(変動要素)が用意されているが、仮停止される「ハズレ表示」の現出時においても疑似的な定型句文字表示(以下、疑似的な定型句文字表示を「疑似定型句文字表示」という)Se4が表示されるように構成されている。この場合、仮停止される「ハズレ表示」に対応する「すまねぇ・・・」という「白色」の文字が疑似定型句文字表示Se4として表示され、「再変動」の演出が実行されて「大当たり表示」が現出した場合に、改めて該「大当たり表示」に対応する「やったぜ!」との定型句文字表示Se3が表示される。
つまり、この定型句文字表示Se3又は疑似定型句文字表示Se4は、主表示領域Dmに表示される第3図柄の変動演出の表示結果に対応したセリフが表示されるように構成されている。上述したように、主表示領域Dmに表示されている第3図柄の変動演出の停止図柄が「大当たり表示」であった場合には、喜んでいる表情を示す態様のキャラクタ図柄から「やったぜ!」という「白色」の文字が定型句文字表示Se3として表示される。一方、主表示領域Dmに表示されている第3図柄の変動演出の停止図柄又は仮停止図柄が「ハズレ表示」であった場合には、上述したように、失望した表情を示す態様のキャラクタ図柄から「すまねぇ・・・」という「白色」の文字が定型句文字表示Se3又は疑似定型句文字表示Se4として表示される。
また、第1実施形態の定型句文字表示Se3には、上述したように、「大当たり表示」に対応する「やったぜ!」という定型句文字表示Se3の1種類と、「ハズレ表示」に対応する「すまねぇ・・・」という定型句文字表示Se3の1種類との、計2種類の定型句文字表示Se3が現出可能に構成されている。即ち、定型句文字表示Se3は、リーチ発生時文字表示Se1やリーチ中文字表示Se2のように「弱パターン」又は「強パターン」等の文字パターンは設けられておらず、変動演出においてその時点で表示されている表示結果(当否結果)にそれぞれ対応する種類の文字パターンが現出するように構成されている。
一方、第1実施形態の定型句文字表示Se3又は疑似定型句文字表示Se4は、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2と同様、表示される文字色が変化可能に構成されている。具体的には、定型句文字表示Se3又は疑似定型句文字表示Se4の通常の表示色として、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2と同様、「白色」、「赤色」又は「金色」で文字が表示可能に構成されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、いずれかの文字表示Se1,Se2においてチャンスアップパターン(「赤色」又は「金色」)が現出した場合、以降の各文字表示Se2〜Se4においても該チャンスアップパターンを引き継いだ表示を実行可能に構成されている。具体的には、例えば、リーチ発生時文字表示Se1において「赤色」の第1チャンスアップパターンが実行された場合、リーチ中文字表示Se2及び定型句文字表示Se3(疑似定型句文字表示Se4)において該「赤色」の第1チャンスアップパターンを実行可能に構成されている。また、例えば、リーチ発生時文字表示Se1において「白色」の通常のパターンが実行されたが、リーチ中文字表示Se2において「赤色」の第1チャンスアップパターンが実行された場合、定型句文字表示Se3(疑似定型句文字表示Se4)において該「赤色」の第1チャンスアップパターンを実行可能に構成されている。
これは、第1実施形態のように、変動演出の複数の箇所で文字表示が現出する構成の場合に、それぞれの現出箇所毎にチャンスアップパターンを抽選する構成であると、その現出箇所分の抽選処理が必要となり、該抽選処理によって処理負担が増大してしまうからである。また、変動演出において、先に実行される文字表示をチャンスアップパターンで表示した後、後に実行される文字表示をチャンスアップパターンでない通常のパターンで表示させてしまうと、先の文字表示から後の文字表示において大当たり期待度が成り下がった表現(以下、「成り下がり表現」という)になってしまい、折角、先の文字表示におけるチャンスアップパターンの現出によって気分が高揚していた遊技者が、後の文字表示の該成り下がり表現を目の当たりにすることで、遊技に対して興醒めしてしまうおそれがあるからである。
よって、変動演出の文字表示において、チャンスアップパターンの抽選を一括で行い、一度でもチャンスアップパターンが現出された場合は、以降の文字表示においてもチャンスアップパターンを踏襲して現出させるように構成することで、それぞれの現出箇所毎に抽選処理を行う必要がなくなり、処理負担を軽減させることができる。また、チャンスアップパターンに設定された場合に、該チャンスアップパターンを以降の文字表示でも踏襲することで、文字表示における成り下がり表現が発生してしまう現象を未然に排除して、遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。特に、変動演出においてチャンスアップパターンを実行可能な文字表示の現出箇所が多くなればなるほど(例えば、5箇所以上等)、上記一括抽選が好適に作用し、制御負担を顕著に軽減させることが可能となる。
一方、各文字表示Se1〜Se4のチャンスアップパターンについて一括設定する場合、例えば、変動演出において「際演出」が実行されて「ハズレ表示」が現出している状態で、定型句文字表示Se3がチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)で表示されてしまうことがある。このような場合、遊技者は、該定型句文字表示Se3がチャンスアップパターンで表示されたことによって、該変動演出がこのまま「ハズレ表示」で確定せず、今から「再変動」の演出が実行されて「ハズレ表示」が「大当たり表示」に変化するのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、変動演出が「ハズレ表示」のまま確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、パチンコ機10に対して不信感を募らせると共に、該パチンコ機10を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出が「ハズレ表示」で確定する場合には、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2においてチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)が実行されていたとしても、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」後に表示される定型句文字表示Se3では、チャンスアップパターンを現出しないように構成する。即ち、「ハズレ表示」の変動演出において、定型句文字表示Se3の表示色を通常のパターンである「白色」で表示するように構成する。また、変動演出が「大当たり表示」で確定する場合には、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2においてチャンスアップパターンが実行されていたときは、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」後に表示される定型句文字表示Se3では、定型句文字表示Se3の表示色をチャンスアップパターンのまま表示する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。なお、定型句文字表示Se3の表示制御については後述する。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素が終了して変動演出が停止表示(確定表示)される場合、第3図柄表示装置81の表示状態が初期状態、即ち、主表示領域Dm、副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbのそれぞれが表示された状態となるように構成されている。このように構成することで、変動演出が停止表示(確定表示)したことを遊技者に認識し易くすると共に、保留(待機)中の変動演出があった場合に、スムースに次の変動演出を実行させることが可能となる。従って、「スーパーリーチ」の変動要素が終了した場合に、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄が再表示されることは、変動演出の実行行程の流れにおいて自然な表現であるため、遊技者は違和感を感じない。
以上、図5(a)から図5(d)で示すように、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出における各タイミングにおいて主表示領域Dm、副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbの表示状態を拡大、縮小、消去または再表示することで、各タイミングにおいて重要度が高い表示内容を遊技者に認識させ易くできるように構成されている。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる可変表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における可変表示が所定図柄(第1実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
球の第2入球口67の保留球数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。そして、第2図柄保留ランプ84の点灯された数により、保留数を表示する。
なお、第2図柄の可変表示は、第1実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図6参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示されると共に、第3図柄表示装置81にて変動演出が実行される。第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64には、その第1入球口64へ球が入球する開口部を覆う2枚の羽根を有する電動役物が設けられている。電動役物は、2枚の羽根を開閉することによって、第1入球口64を開放状態(拡大状態)または閉鎖状態(縮小状態)とする。通常時において、第1入球口64は、電動役物の羽根が閉じた(羽根が上方に起立した)閉鎖状態となっており、球が第1入球口64へ入球できない、または、入球しづらい状態となっている。
一方、第2図柄表示装置83における可変表示が「○」の図柄で停止すると、第1入球口64の電動役物が所定時間だけ作動される。電動役物が作動されている間、電動役物の羽根が上方に起立した状態から。略V字形(逆ハの字形)に可動した状態となり、第1入球口64が開放状態となる。第1入球口64が開放状態になると、球が第1入球口64へ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。つまり、第2図柄表示装置83における可変表示の結果として「○」の図柄で停止して当たりとなり、第1入球口64が開放状態となった場合に、第1入球口64へ球が入球して大当たり抽選が多く行える状態とすることができる。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110(図6参照)での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
可変表示装置ユニット80の左方および右方には、それぞれ、第2入球口67が設けられている。第2入球口67には、球が通過するための貫通孔(図示せず)が上下方向に設けられている。遊技領域に発射された球が、第2入球口67を通過すると、貫通孔に設けられた第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110で、第2図柄(普通図柄ともいう)の当たり抽選が行われる。
第2入球口67を通過した球に対して行われた第2図柄(普通図柄)の抽選の結果、当たりと判定された場合には、第2図柄表示装置83における可変表示を経て「○」の図柄が停止表示された後に、第1入球口64の電動役物が作動する。これにより、第1入球口64へ球が入球することを困難としている電動役物の羽根が略垂直に起立した状態から略V字形(逆ハの字形)に可動して、所定時間だけ球が第1入球口64へ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口(入球口)63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのマイクロ・プロセッシング・ユニット(Micro−Processing Unit。以下、「MPU」と略す)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したリード・オンリー・メモリー(Read Only Memory。以下、「ROM」と略す)202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるランダム・アクセス・メモリー(Random Access Memory。以下、「RAM」と略す。)203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、第2図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファが設けられている。
また、ROM202は、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、保留数テーブル202c、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202eを少なくとも格納している。RAM203に格納された各種カウンタと、ROM202に格納された各種テーブルとによって、主制御装置110は、上記の主要な制御を実行する。
ここで、図7を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37の動的表示の設定、および第3図柄表示装置81の変動演出の設定、第2図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。また、各種カウンタの説明の中で、図8から図13を参照して、主制御装置110のROM202に格納された各種テーブルについても説明する。
大当たり抽選や、第1図柄表示装置37の動的表示の設定、および、第3図柄表示装置81の変動演出の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の停止種別の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。
また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図33参照)の実行間隔である4ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図39参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、「0〜899」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜899」の値を取り得るカウンタの場合は「899」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その初期値から第1当たり乱数カウンタC1の更新が行われる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が「0〜899」の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、「0〜899」の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図33参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図39参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第1実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、大当たりと判定される。
ここで、図8(a)を参照して、大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図8(a)は、大当たり乱数テーブル202aの一例を模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、パチンコ機10の遊技状態が「通常遊技状態」および「時間短縮状態」である低確率状態(「確率変動状態」ではない期間)の場合に使用される低確率状態用と、パチンコ機10の遊技状態が、低確率状態より大当たりとなる確率の高い高確率状態である「確率変動状態(確変中)」の場合に使用される高確率状態用との2種類に分けられる。そして、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる大当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、「0〜899」の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1では、低確率状態の場合に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は3個で、その値「7,307,582」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
一方で、高確率状態の場合に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は30個で、その値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数テーブル202aに格納されている低確率状態用の大当たり乱数値と、高確率状態用の大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれ大当たり乱数値を設定している。ここで、パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値が存在すれば、その値が外部から予測されやすくなるので、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなる恐れがある。これに対して、第1実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図7に戻って、説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第1実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうち第1当たり乱数カウンタC1が格納される保留エリアと同じ保留エリアに格納される。
ここで、保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、ハズレとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、ハズレ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
第1実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、「0〜99」の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。ここで、図8(b)を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。図8(b)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。図8(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に大当たり確率が高確率状態となる「確率変動状態」へ移行する「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に大当たり確率が低確率状態となると共に、100変動回数の間は「時間短縮状態」へ移行する「15R通常大当たり」、及び、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行する「2R確変大当たり」がある。なお、以降の説明において、「15R確変大当たり」と「15R通常大当たり」との15ラウンドの大当たりについて「15R大当たり共通」と説明する場合がある。
大当たり種別テーブル202bでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の取り得る値が対応付けられている。図8(b)の例では、「15R確変大当たり」に対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜39」が対応付けられ、「15R通常大当たり」に対して第1当たり種別カウンタC2の値「40〜79」が対応付けられ、「2R確変大当たり」に対して第1当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「60」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90」であれば、大当たり種別として「2R確変大当たり」が決定される。
このように、第1実施形態では、大当たりとなる場合に40%の確率で「15R確変大当たり」が選択され、40%の確率で「15R通常大当たり」が選択され、20%の確率で「2R確変大当たり」が選択される。なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる第1当たり種別カウンタC2の値が規定される。
なお、大当たり種別が選択される確率は、パチンコ機10の遊技状態に応じて変更されてもよい。この場合、各遊技状態に対応する大当たり種別テーブル202bを用意し、それぞれの大当たり種別テーブル202bにおいて、各大当たり種別に対して対応付ける第1当たり種別カウンタC2の値の数を変更すればよい。
図7に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0〜99」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。
第1実施形態では、保留されている変動演出の保留数と停止パターン選択カウンタC3の値とによって、第3図柄表示装置81で表示される大当たり時およびハズレ時の変動演出の大まかな演出態様が選択される。具体的には、「リーチ表示」が発生しない「非リーチ(短縮)」演出態様又は「非リーチ(通常)」演出態様と、「リーチ表示」として「ノーマルリーチ」の変動要素のみが実行される「ノーマルリーチ」演出態様と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「スーパーリーチ」演出態様と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「スペシャルリーチ」演出態様と、「2R確変大当たり」が選択された場合に発生する「特殊変動」演出態様との6つの演出態様が選択される。
ここで、各演出態様について詳細に説明する。演出態様の中で、「非リーチ(短縮)」演出態様と「非リーチ(通常)」演出態様とは、主表示領域Dmの各表示領域Dm1〜Dm3(図4(a)参照)にて「高速変動」の変動要素が行われた後に、該左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3に同一の第3図柄が停止せずに「リーチ表示」を発生しない演出態様である。
ここで、「高速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図4参照)で行われる変動演出において、各図柄列Z1〜Z3(図4(a)参照)に表示される第3図柄が、表示画面縦方向下方に高速にスクロールされている変動要素をいう。この「高速変動」では、遊技者によって第3図柄の表示内容を明確に認識できないように第3図柄を変動させ、前回停止表示された変動演出の停止結果を不規則に混ぜる(シャッフルする)演出として実行される。
第1実施形態のパチンコ機10では、「高速変動」の変動要素が行われた後、特定の演出態様(「非リーチ(短縮)」演出態様)を除いて「低速変動」の変動要素が行われるように構成されている。「低速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図4(a)参照)で行われる変動演出において、上記「高速変動」の変動要素後、遊技者に視認可能な速度で第3図柄を低速にスクロールしている変動要素をいう。この「低速変動」の変動要素では、遊技者に第3図柄の表示内容を認識させながら、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2(図4(a)参照)の順に第3図柄を停止表示する。左図柄列Z1及び右図柄列Z3において同一の第3図柄が停止した場合は「リーチ表示」が発生したとして「ノーマルリーチ」の変動要素へと発展する一方、左図柄列Z1及び右図柄列Z3において異なる第3図柄が停止した場合は、中図柄列Z2を停止表示して、その変動演出を終了するように構成されている(後述する「疑似連」に発展する場合は除く)。
従って、「非リーチ(通常)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われて、各図柄列Z1〜Z3(図4(a)参照)がそれぞれ順番に停止し、1の変動演出が終了する。一方、「非リーチ(短縮)」演出態様では、「高速変動」が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われず、該「高速変動」の変動要素の終了後、各図柄列Z1〜Z3が同時に停止し、1の変動演出が終了する。
演出態様の中で、「ノーマルリーチ」演出態様とは、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3(図4(a)参照)の変動演出において、左図柄列Z1及び右図柄列Z3に同一の第3図柄が停止した直後に「ノーマルリーチ」の変動要素が実行され、他の「リーチ表示」、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展しない「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、上述したように、主表示領域Dmの左図柄列Z1(左表示領域Dm1)及び右図柄列Z3(右表示領域Dm3)に停止表示している第3図柄が通常時より拡大して表示される。また、中図柄列Z2(中表示領域Dm2)の第3図柄が低速で表示画面縦方向下方へスクロールして、遊技者により該中表示領域Dm2の第3図柄が視認可能な状態で表示される。さらに、この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dmの拡大表示に伴って、副表示領域Dsが消去される(図5(b)参照)。
演出態様の中で、「スーパーリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スーパーリーチ」演出態様において、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図4(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dmの背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、複数のキャラクタ図柄を現出させて「バトル演出(第1実施形態では、キックボクシング)」を行う(図5(c)参照)。
第1実施形態では、その「バトル演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
演出態様の中で、「スペシャルリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スペシャルリーチ」演出態様において、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中は、上記「スーパーリーチ」の変動要素と同様、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図4(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dm(図4(a)参照)の背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、「スーパーリーチ」の変動要素とは異なる複数のキャラクタを現出させて「競争演出(第1実施形態では、自動車レース)」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「競争演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「競争演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
演出態様の中で、「特殊変動」演出態様とは、「2R確変大当たり」に当選した場合にもれなく実行される演出態様である。この「特殊変動」演出態様では、副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbが消去され、主表示領域Dm全体が通常の背景表示から変化して、「2R確変大当たり」が発生することを示唆する「ムービー」演出が表示される。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(第1実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうち第1当たり乱数カウンタC1が格納される保留エリアと同じ保留エリアに格納される。
第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在保留中の変動演出の数(保留球数)とに応じて、停止パターン選択カウンタC3の値を参照する停止パターンテーブル202dが異なるように構成されている。即ち、停止パターンテーブル202dは、複数種類設けられ、待機中の変動演出の数(保留球数)等によって選択されるように構成されている。第1実施形態では、変動演出の詳細な変動パターンを決定する場合に、まず、ROM202に備えられた保留数テーブル202cに基づいて、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在の変動演出の数(保留球数)とに対応したいずれかの停止パターンテーブル202dが選択される。そして、選択された停止パターンテーブル202dと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様を選択する。その後、選択された演出態様と後述する変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動演出の詳細な変動パターン(変動時間)が決定される。
この複数種類設けられた停止パターンテーブル202dは、各停止パターンテーブル202d毎に演出態様が選択される停止パターン選択カウンタC3の乱数値の範囲が異なるように設定されている。この停止パターンテーブル202dが複数用意されているのは、変動演出の当否、遊技状態及び保留球数に応じて変動演出の演出態様の選択比率を変更するためである。即ち、(1)取得した第3図柄の変動演出において大当たりが発生するか、(2)現在のパチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるか、および、(3)保留されている変動演出の保留球数がいくつあるか、に応じて、演出態様の選択比率を変更するためである。
これは、第1の理由として、各演出態様ごとに大当たりとなる期待度を変化させるためである。即ち、大当たり抽選に当選した場合と大当たり抽選にハズレた場合とで、「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、および、「スペシャルリーチ」演出態様の選択する割合を異ならせるように構成することで、各演出態様ごとに大当たりとなる期待度を変化させる。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選した場合に「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様を選択し易く構成し、大当たり抽選に当選しなかった場合には、「非リーチ」演出態様や「ノーマルリーチ」演出態様を選択し易く構成する。このように構成することで、「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様は、大当たりし易い演出とすることができ、「ノーマルリーチ」演出態様や「非リーチ」演出態様は、大当たりし難い演出若しくは大当たりしない演出とすることができ、各演出態様毎の大当たり期待度を差別化することができる。従って、変動演出に大当たりし易い演出が現出した場合に、その大当たりし易い演出が行われている間、大当たりが発生する可能性が高いことを遊技者に示唆し、遊技の興趣を高めている。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、取得した抽選結果が大当たりである場合には、大当たりし易い演出を選択し易く、かつ、大当たりし難い演出を選択し難い停止パターンテーブル202d(例えば、Cテーブル202d3(図11(a)参照))に基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成する。一方、取得した抽選結果がハズレである場合には、大当たりし易い演出を選択し難く、かつ、大当たりし難い演出を選択し易い停止パターンテーブル202d(例えば、Aテーブル202d1又はBテーブル202d2(図10(a)又は図10(b)参照))するように構成する。これにより、変動演出において第3図柄の抽選結果を遊技者に報知する場合に、大当たりし易い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し易く、大当たりし難い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し難くし、演出態様ごとに大当たり期待値に差を設けることで、その変動演出の実行中に遊技の興趣を高めることができる。
また、第2の理由として、変動演出の待機回数が上限に達している状態における第1入球口64への入球に基づく無駄球(所謂、オーバーフロー入賞による無抽選)を極力削減するためである。具体的に説明すると、変動演出の待機回数は最大4回と上限が設けられていると共に、変動出は少なくとも一定時間が実行されることから、「確率変動状態」や「時間短縮状態」における第1入球口64へ球が入球し易い遊技状態では、第3図柄の最大保留球数に到達し易い。これらの遊技状態において、長い変動時間の変動演出を選択すると、第3図柄の最大保留球数に到達した状態での第1入球口64への入球が頻発し、折角、第1入球口64へ入球したにもかかわらず、第3図柄の抽選契機を取得できない。また、「通常遊技状態」においても、第3図柄の最大保留球数に到達している状態で、長い変動時間の変動演出を選択すると、その変動演出の実行中は第3図柄の保留球数が消化されないため、その間に第1入球口64への入球が発生しても、第3図柄の抽選契機を取得できない。このような状態になると、遊技者は、第1入球口64へ球を入球させても遊技価値が得られないと判断し、変動演出が消化されて再び保留球数を取得できる状態になるまで球の発射を停止して遊技を中断してしまう。遊技が中断されると、パチンコ機10の稼働率が低下してしまい、遊技場の経営に影響を与えてしまう。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄の最大保留球数へ到達し易い遊技状態や、最大保留球数に近い(又は一致する)保留球数では、比較的短い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202d(例えば、Bテーブル202d2(図10(b)参照))に基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄の最大保留球数に到達している状態での第1入球口64への入球を未然に防止することができる。
さらに、第3の理由として、実行時間を長く設定して、変動演出の終了を遅らせることで、変動演出が実行されている状態を長く維持するためである。具体的に説明すると、変動演出の保留球数が少ない(無い)場合に、実行中の変動演出の変動時間内に新たに第1入球口64に球を入球させないと、次の変動演出を開始することができず、第3図柄表示装置81でデモ画面等を表示しなければいけない。遊技者は、球を発射して遊技を行っているにもかかわらず第3図柄表示装置81において変動演出が行われない場合、遊技者が求めている大当たりの抽選に係る興趣を得ることができず、遊技に興醒めしてしまう。また、遊技者は、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていないことで、第1入球口64へ球が入球し難いパチンコ機10であると認識し、遊技価値を得難い台と判断して、そのパチンコ機10での遊技を止めてしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の保留球数が少ない場合に、比較的長い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202d(例えば、Aテーブル202d1(図10(a)参照))に基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
ここで、図9から図11を参照して、保留数テーブル202c及び停止パターンテーブル202dの詳細について説明する。図9は、保留数テーブル202cを模式的に示した図である。上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64に球が入球したことに基づいて変動演出を行う場合に、保留数テーブル202cを参照して、該変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、同じくその時点における変動演出の保留数とに基づいて、いずれかの停止パターンテーブル202d1〜202d4を選択するように構成されている。そして、選択された停止パターンテーブル202d1〜202d4のいずれかと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様が決定される。
具体的には、図9の保留数テーブル202cで示すように、「通常遊技状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「1個」若しくは「2個or3個」の場合、又は、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「1個」の場合には、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1(図10(a)参照)が選択される。また、「通常遊技状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「4個」の場合、又は、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「2個or3個」若しくは「4個」の場合には、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2(図10(b)参照)が選択される。さらに、「15R大当たり(「15R確変大当たり」又は「15R通常大当たり」)」の抽出時には、いずれの遊技状態又は保留球数であっても、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3(図11(a)参照)が選択される。また、「2R確変大当たり」の抽出時にも、いずれの遊技状態又は保留球数であっても、停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4(図11(b)参照)が選択される。
即ち、いずれかの大当たりに当選した場合は、その時点での保留球数や遊技状態に関係なく、大当たりの種別のみに基づいて停止パターンテーブル202d(Cテーブル202d3又はDテーブル202d4)が選択され、大当たりに当選しなかった場合(即ち、ハズレ時)にのみ、その時点での保留球数や遊技状態に基づいて停止パターンテーブル202d(Aテーブル202d1又はBテーブル202d2)が選択される。
なお、大当たりに当選した場合においても、保留球数に応じて停止パターンテーブル202dが異なるように構成してもよい。例えば、大当たりに当選した場合に保留球数が多いとき、比較的短い変動パターンが選ばれ易い停止パターンテーブル202d(例えば、「高速変動」の変動要素が3秒間の「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様等)を選択し得るように構成してもよい。この場合、「リーチ表示」が実行される各演出態様において、「高速変動」の変動要素の部分の時間のみが7秒間から3秒間のみに変更された演出態様を選択するように構成する。このように構成することで、例えば、最大保留球数が4回ある状態で変動演出を開始する場合に、「高速変動」の変動要素が3秒間で行われたとしても、該3秒間の「高速変動」の変動要素が終了した時点(3秒間の「高速変動」と認識した時点)では、その変動演出において「リーチ表示」が発生することがあり、3秒間の「高速変動」の変動要素が行われた場合であっても、「非リーチ(短縮)」以外の「リーチ表示」が実行される演出態様が実行されるように構成できる。よって、3秒間の「高速変動」の変動要素の実行時点では該変動演出が大当たりとなるかハズレとなるか分からなくすることができる。
また、「確率変動状態」や「時間短縮状態」において、大当たりに当選していない場合に、保留球数が少ないときは、比較的長い変動パターンが選ばれ易い停止パターンテーブル202d(例えば、Aテーブル202d1)を選択するように構成してもよい。このように構成することで、「確率変動状態」や「時間短縮状態」においても、第3図柄表示装置81で変動演出が実行されている状態を維持し易くでき、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
次に、図10及び図11を参照して、各停止パターンテーブル202dについて説明する。図10は、ハズレ時に選択され得る停止パターンテーブル202dの示した図であり、図10(a)は、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1の一例を模式的に示した図であり、図10(b)は、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2の一例を模式的に示した図である。図11は、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dを模式的に示した図であり、図11(a)は、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3の一例を模式的に示した図であり、図11(b)は、停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4の一例を模式的に示した図である。
図10(a)で示すように、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1では、「非リーチ(通常)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」〜「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」〜「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98」,「99」に設定されている。なお、Aテーブル202d1では、「非リーチ(短縮)」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「非リーチ(短縮)」演出態様は選択されないように設定されている。
次に、図10(b)で示すように、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2では、「非リーチ(短縮)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」〜「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」〜「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98,99」に設定されている。なお、Cテーブル202d3では、「非リーチ(通常)」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「非リーチ(通常)」演出態様は選択されないように設定されている。
即ち、Aテーブル202d1では、「非リーチ(通常)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。また、Bテーブル202d2では、「非リーチ(短縮)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。なお、Aテーブル202d1とBテーブル202d2との「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様及び「スペシャルリーチ」演出態様の選択割合は同じに設定されている。
よって、Aテーブル202d1では、「非リーチ(通常)」演出態様が選択され、Bテーブル202d2では、「非リーチ(通常)」演出態様の代わりに「非リーチ(短縮)」演出態様が選択されるように構成されている。従って、Aテーブル202d1は、Bテーブル202d2と比べて選択される変動演出の変動時間が比較的長くなり易いといえる。換言すれば、Bテーブル202d2は、Aテーブル202d1と比べて選択される変動演出の変動時間が短くなり易いといえる。
このように、ハズレの抽選結果が抽出された場合に、保留中の変動演出の保留球数に基づいて、変動演出の演出態様を選択するように構成する。例えば、変動演出の保留球数が多い場合には、変動演出時間が短い「非リーチ(短縮)」演出態様を選択し易くする。これにより、変動演出の保留球数が多い場合に、実行される変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高めることができる。
また、例えば、変動演出の保留球数が少ない場合には、第1入球口64への球の入球時間を確保するために、「非リーチ(短縮)」演出態様より変動演出時間が長い「非リーチ(通常)」演出態様を選択し易くする。これにより、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択される場合より変動演出時間の長い「非リーチ(通常)」を行うことができるので、第1入球口64への球の入球時間を確保し易くなり、第3図柄表示装置81における変動演出の実行時間中に新たな始動入賞が発生する可能性を高くすることで、変動演出が実行されている状況を維持することができる。
次に、図11(a)で示すように、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3では、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「4」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「5」〜「39」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「40」〜「99」に設定されている。なお、Cテーブル202d3では、「特殊変動」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「特殊変動」演出態様は選択されないように設定されている。また、Cテーブル202d3は、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dであるので、「非リーチ」演出態様は選択されない。
次に、図11(b)で示すように、停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4では、「特殊変動」演出態様のみに停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られ(「0」〜「99」)、他の「リーチ表示」には停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られていない。従って、「2R確変大当たり」に当選した場合に選択される停止種別は必ず「特殊変動」演出態様となるように設定されている。なお、Dテーブル202d4は、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dであるので、「非リーチ」演出態様は選択されない。
即ち、Cテーブル202d3では、「ノーマルリーチ」演出態様が5%、「スーパーリーチ」演出態様が35%、「スペシャルリーチ」演出態様が60%、の選択割合となるように設定されている。また、Dテーブル202d4では、「特殊変動」演出態様が100%の選択割合となるように設定されている。
よって、大当たり当選時の変動演出において、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順で選択割合が高く、ハズレ時の変動演出において、「ノーマルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「スペシャルリーチ」演出態様の順で選択割合が高くなるように設定されている。従って、各「リーチ表示」の現出時における大当たり期待度は、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順に大当たりの表示結果が現出する可能性が高くなるように構成される。これにより、変動演出の演出態様によって遊技者に大当たりへの期待度を示すことができ、遊技者が実行された変動演出の演出態様に応じて大当たりへの高揚感を味わうことができる。
なお、第1実施形態では、ハズレの変動演出における演出態様に選択において、変動演出の保留球数に基づいて選択される停止パターンテーブル202dが異なるように構成されているが、第1入球口64への球の入球時に基づく変動演出の決定と、該入球に基づく変動演出の開始時に基づく変動演出の決定とで、実質的に同一の演出態様が選択されるように構成されている。具体的には、ハズレの変動演出である場合は、変動演出の保留球数に基づいて、Aテーブル202d1又はBテーブル202d2のいずれかが選択されるように構成されているが、Aテーブル202d1とBテーブル202d2とでは、「非リーチ(短縮)」演出態様又は「非リーチ(通常)」演出態様に割り振られた停止パターン選択カウンタC3の値が同一であり、また、他の演出態様に割り振られた停止パターン選択カウンタC3の値もそれぞれ同一に設定されている。
即ち、変動演出の保留球数に基づいて、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択されるか、「非リーチ(通常)」演出態様が選択されるかが異なるのみであるので、実質的同一の演出態様が選択される。よって、始動入賞時に選択される演出態様と、変動開始時に選択される演出態様とは、遊技状態が遷移(例えば、「通常遊技状態」から「確率変動状態」)した場合であっても、実質的に同一の演出態様が選択される。その結果、始動入賞時に選択された演出態様に基づいて「保留変化予告」等の先読み予告を行った場合であっても、該先読み予告の対象となった変動演出において、該先読み予告の内容に対して齟齬が発生しない演出を実行することができる。
以上より、変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、その時点における変動演出の保留球数とに基づいて、実行する変動演出の演出態様を決定することにより、遊技が行われている状況に基づいて変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高める演出態様を選択することができる。
図7に戻って説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば「0〜199」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「199」)に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図33参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図39参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS1は、変動演出の詳細な変動パターンの決定に用いられる。即ち、主制御装置110のMPU201は、停止パターンテーブル202d及び停止パターン選択カウンタC3によって選択された演出態様において、変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202eとによって、詳細な変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、変動演出の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定し、また予告演出実行の有無や予告演出の実行態様を決定する。
このように、主制御装置110のMPU201は、変動演出の大まかな変動パターンを選択して変動時間のみを決定する。このように構成することで、主制御装置110のMPU201において、変動演出を実行するために必要な詳細な予告抽選等の制御を行う必要がなくなるので、変動演出に関するMPU201の処理を軽減することができる。また、主制御装置110において変動演出の全変動パターンのコマンドを用意する必要がなくなり、主制御装置110のROM容量を削減することができる。
また、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114において、主制御装置110で決定された変動時間(大まかな変動パターン)に基づいて、変動演出における詳細な変動パターンを決定することで、変動演出を選択する自由度を高めるができる。さらに、遊技状態が刻々と変化するパチンコ機10において、該変化に対応して随時、変動演出の演出内容の選択又は変更することが可能となり、遊技状態に応じて適切な演出を実行することができる。
ここで、図12及び図13を参照して、変動パターンテーブル202eの詳細について説明する。本パチンコ機10は、変動パターンテーブル202eとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202e1と、ハズレ時に用いられるハズレ用変動パターンテーブル202e2とが用意されている。図12は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202e1の一例を模式的に示した図である。
大当たり用変動パターンテーブル202e1は、選択された演出態様に基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、演出態様として、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E5:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E6:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E7:スペシャルリーチ」用と、「特殊変動」演出態様が決定された場合に参照される「E8:特殊変動」用と、に区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の取り得る値が対応付けされている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別と、その始動入賞時点での遊技状態と、同じく始動入賞時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、その演出態様に基づいて大当たり用変動パターンテーブル202e1の中で参照するグループ(群)を決定する。その大当たり用変動パターンテーブル202e1のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンが、その保留エリアに保留された変動演出における暫定的な変動パターンとして決定される。
大当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E5:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が15秒の「ノーマルリーチのみ」と、全体の変動時間が25秒の「疑似ガセ+ノーマルリーチ」と、全体の変動時間が35秒の「疑似連1+ノーマルリーチ」と、全体の変動時間が25秒の「ノーマルリーチ+再変動」と、全体の変動時間が35秒の「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動」と、全体の変動時間が45秒の「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動」との6つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の取り得る値が対応付けられている。
ここで、変動パターンを構成する各変動要素について説明する。変動要素とは、1の変動演出の一部分を構成するものであり、各変動要素を組み合わせて1の変動演出が構成される。第1実施形態のパチンコ機10では、変動要素として、「高速変動」の変動要素、「低速変動」の変動要素、「疑似ガセ」の変動要素、「疑似連1」の変動要素、「疑似連2」の変動要素、「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素、「スペシャルリーチ」の変動要素、「再変動」の変動要素及び「ムービー」の変動要素が設けられている。
「高速変動」の変動要素とは、遊技者によって第3図柄の内容を明確に認識できないように高速にスクロール変動する変動要素である。この「高速変動」の変動要素は、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に3秒間行われ(図14参照)、「非リーチ(短縮)」以外の変動要素(例えば、「非リーチ(通常)」)の演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に7秒間行われる(図14参照)。なお、この「高速変動」の変動要素が終了した場合、後述する「低速変動」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
「低速変動」の変動要素とは、7秒間の「高速変動」の変動要素の実行後に開始され、第3図柄を視認可能にスクロール変動して「リーチ表示」を発生するか否かを見せる変動要素である。この「低速変動」の変動要素は、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合は実行されず、「非リーチ(短縮)」演出態様以外の演出態様(例えば、「非リーチ(通常)」演出態様)が選択された場合は、「高速変動」の変動要素の後に3秒間行われる。即ち、「非リーチ(短縮)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3が「低速変動」の変動要素を経由せずに急速に停止(所謂、ビタ止まり)するように構成されている。なお、この「低速変動」の変動要素が終了した場合は、後述する「疑似ガセ」の変動要素が開始(実行)されるか、後述する「ノーマルリーチ」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、「非リーチ(通常)」演出態様は、7秒間の「高速変動」の変動要素と3秒間の「低速変動」の変動要素とを含む変動パターンで変動演出が構成される。また、「非リーチ(短縮)」演出態様は、3秒間の「高速変動」の変動要素のみの変動パターンで変動演出が構成される。
「疑似ガセ」の変動要素とは、後述する「疑似連1」の変動要素又は「疑似連2」の変動要素(以下、「疑似連1」の変動要素と「疑似連2」の変動要素とを総称して「「疑似連」の変動要素」という場合がある)を発生するか否かの演出を行うが、該「疑似連」の変動要素を発生しない変動要素である。
「疑似連」の変動要素とは、1回の変動演出の中で変動演出の開始が複数回(疑似停止が1回以上)発生する変動要素である。具体的には、第3図柄表示装置81の各図柄列Z1〜Z3にて「高速変動」の変動要素が開始されて「低速変動」の変動要素に切り替わり、その後に全図柄列Z1〜Z3における変動演出が終了されて所定の停止結果(例えば、疑似連チャンス目「677」)が表示されるという単位の演出が、1回の変動演出の間に複数回行われる変動要素である。この「疑似連」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に、上記所定の停止結果が少なくとも1回以上停止することで、その停止結果から再び「高速変動」の変動要素が始まって、あたかももう1回変動演出が開始されたかのような演出が実行される。
「疑似ガセ」の変動要素では、「低速変動」の変動要素の実行後に所定の停止結果が現出するか否かの演出(例えば、上記所定の停止結果を形成する図柄が有効ラインL1(図4(a)参照)上を往復変動して停止するか否かの演出。以下、「疑似変動」という。)が行われ、その「疑似変動」にて上記所定の停止結果が現出せず、「疑似連」の変動要素まで発展しない変動要素である。従って、この「疑似ガセ」の変動要素は、該「疑似ガセ」の変動要素の終了後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展するか、或いは、「ハズレ表示」が現出(例えば、「687」)してそのまま変動演出が終了する。
「疑似連1」の変動要素は、「低速変動」の変動要素の後の「疑似変動」の実行後に所定の停止結果が現出し、再び2回目の「高速変動」の変動要素が実行され、その後の2回目の「疑似変動」では再び所定の停止結果が現出せずに「ノーマルリーチ」の変動要素に発展する変動要素である。即ち、「疑似連1」の変動要素は、疑似連チャンス目が表示される疑似的な変動停止(以下、「疑似停止」という)が1回行われ、その後、その疑似停止において所定の停止結果が現出して、再度、「高速変動」の変動要素を開始する変動要素である。従って、「疑似連1」の変動要素の終了後は、少なくとも「ノーマルリーチ」の変動要素に必ず発展する。
「疑似連2」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後の「疑似変動」の実行後に所定の停止結果が現出し、再び2回目の「高速変動」の変動要素が実行され、その後の2回目の「疑似変動」で再び所定の停止結果が現出し、3回目の「高速変動」の変動要素が実行され、その後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展する変動要素である。即ち、「疑似連2」は、疑似停止が合計2回行われ、各疑似停止において所定の停止結果が現出して、再度、「高速変動」の変動要素を開始する変動要素である。第1実施形態のパチンコ機10では、「疑似連2」の変動要素が「疑似連」の変動要素の中で最大疑似変動回数に設定されている。従って、「疑似連1」の変動要素の終了後は、必ず「ノーマルリーチ」の変動要素に発展する。
よって、「疑似ガセ」の変動要素は、最初の「低速変動」の変動要素の後に疑似連チャンス目が停止しない演出であり、合計で10秒間行われる。「疑似連1」の変動要素は、最初の「低速変動」の変動要素の後に疑似連チャンス目が停止し、その後、「疑似変動」が行われ、該「疑似変動」では疑似連チャンス目ではなくリーチ形成図柄が現出する演出であり、合計で20秒間行われる。「疑似連2」の変動要素は、最初の「低速変動」の変動要素の後に1回目の疑似連チャンス目が停止し、その後、1回目の「疑似変動」が行われ、該1回目の「疑似変動」で再び疑似連チャンス目が停止し、その後、再び「疑似変動」が行われてリーチ形成図柄が現出する演出であり、合計で30秒間行われる(図14参照)。
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、「疑似ガセ」の変動要素の実行後は、所定の停止結果を現出せずそのまま「ハズレ表示」を現出するパターンと、所定の停止結果を現出しないがリーチ形成図柄が停止して、「ノーマルリーチ」の変動要素が発生するパターンとが用意されている。また、「疑似連1」の変動要素の実行後は、「疑似ガセ」の変動要素と同様、所定の停止結果を現出せずそのまま「ハズレ表示」を現出するパターンと、所定の停止結果を現出しないがリーチ形成図柄が停止して、「ノーマルリーチ」の変動要素が発生するパターンとが用意されている。さらに、「疑似連2」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出することはなく、リーチ形成図柄が停止して、「ノーマルリーチ」が発生するパターンが用意されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「疑似連2」の変動要素は、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様が選択されている場合にのみ選択されるように構成されている。よって、「疑似連2」の変動要素が行われた場合は、その後に「ノーマルリーチ」の変動要素を経由して「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が発生することが確定する。
なお、疑似停止回数(疑似連チャンス目停止回数)が3回以上の「疑似連」の変動要素を設けてもよい。また、「疑似変動」を実行せずに「低速変動」の変動要素において所定の停止結果を現出させて「疑似連」の変動要素に関する演出に発展させるように構成してもよい。
「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」の変動要素、「疑似ガセ」の変動要素、「疑似連1」の変動要素又は「疑似連2」の変動要素(以下、「「低速変動」の変動要素、「疑似ガセ」の変動要素、「疑似連1」の変動要素又は「疑似連2」の変動要素」を総称して、「低速変動等」の変動要素という場合がある)において左図柄列Z1及び右図柄列Z3にリーチ形成図柄が停止表示した場合に、中図柄列Z2の変動結果によって大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」等の変動要素後に10秒間行われる(図14参照)。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、「スーパーリーチ」の変動要素に発展するパターンと、「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dmにおいて「バトル演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に10秒間行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dmにおいて「競争演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に20秒間行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」するパターンと、が用意されている。
なお、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成されているが、この構成に代えて、「低速変動」後にリーチ形成図柄が停止した場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素を経由せず、いきなり「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成してもよい。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後に「スペシャルリーチ」の変動要素が行われるように構成してもよい。
「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」において一旦「ハズレ表示」が現出した後に発展して実行され、「大当たり表示」を現出する変動要素である。この「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」後に10秒間行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「再変動」の変動要素の実行後は、「大当たり表示」が現出するパターンのみが用意されている。即ち、「再変動」が実行された場合は、その後に必ず「大当たり表示」が現出するように構成されている。
「ムービー」の変動要素は、「2R確変大当たり」に当選している場合に「低速変動」の実行後に行われ、「2R確変大当たり」に対応する「大当たり表示」を現出させる変動要素である。この「ムービー」の変動要素は、「低速変動」後に40秒間行われ、主表示領域Dm全体において特定のキャラクタ図柄(例えば、プレミアキャラ)が所定のメッセージを語るような演出を実行する(図示せず)。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ムービー」の変動要素の実行後は、「2R確変大当たり」に対応する「大当たり表示」が現出するパターンのみが用意されている。即ち、「ムービー」が実行された場合は、その後に必ず「2R確変大当たり」の「大当たり表示」が現出するように構成されている。
図12に戻って説明を続ける。図12で示す例では、「E5:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「ノーマルリーチのみ(01H)」に対して「0〜9」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」に対して「10〜19」、「疑似連1+ノーマルリーチ(03H)」に対して「20〜59」、「ノーマルリーチ+再変動(04H)」に対して「60〜79」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動(05H)」に対して「80〜99」、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(06H)」に対して「100〜199」となっている。
即ち、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様では、「ノーマルリーチのみ(01H)」の変動パターンが5%、「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」の変動パターンが5%、「疑似連1+ノーマルリーチ(03H)」の変動パターンが20%、「ノーマルリーチ+再変動(04H)」の変動パターンが10%、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動(05H)」の変動パターンが10%、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(06H)」の変動パターンが50%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「ノーマルリーチ」演出態様では、「再変動」の変動要素を含む変動パターンが選択され易く(全体の70%)なっており、特に、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(06H)」の変動パターンが選択され易く(全体の50%)なっている。ただし、「再変動」の変動要素を含まない「ノーマルリーチのみ(01H)」や「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
大当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E6:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が25秒の「スーパーリーチのみ(01H)」と、全体の変動時間が35秒の「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」と、全体の変動時間が45秒の「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」と、全体の変動時間が55秒の「疑似連2+スーパーリーチ(04H)」と、全体の変動時間が35秒の「スーパーリーチ+再変動(05H)」と、全体の変動時間が45秒の「疑似ガセ+スーパーリーチ+再変動(06H)」と、全体の変動時間が55秒の「疑似連1+スーパーリーチ+再変動(07H)」と、全体の変動時間が65秒の「疑似連2+スーパーリーチ+再変動(08H)」との8つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の取り得る値が対応付けられている。
図12で示す例では、「E6:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「スーパーリーチのみ(01H)」に対して「0〜9」、「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」に対して「10〜19」、「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」に対して「20〜59」、「疑似連2+スーパーリーチ(04H)」に対して「60〜99」、「スーパーリーチ+再変動(05H)」に対して「100〜119」、「疑似ガセ+スーパーリーチ+再変動(06H)」に対して「120〜139」、「疑似連1+スーパーリーチ+再変動(07H)」に対して「140〜169」、「疑似連2+スーパーリーチ+再変動(08H)」に対して「170〜199」となっている。
即ち、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様では、「スーパーリーチのみ(01H)」の変動パターンが5%、「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」の変動パターンが5%、「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」の変動パターンが20%、「疑似連2+スーパーリーチ(04H)」の変動パターンが20%、「スーパーリーチ+再変動(05H)」の変動パターンが10%、「疑似ガセ+スーパーリーチ+再変動(06H)」の変動パターンが10%、「疑似連1+スーパーリーチ+再変動(07H)」の変動パターンが15%、「疑似連2+スーパーリーチ+再変動(08H)」の変動パターンが15%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、「再変動」の変動要素を含む変動パターンと「再変動」の変動要素を含まない変動パターンとが均等(互いに50%)に選択されるようになっている。また、「疑似連2」の変動要素を含む変動パターンが選択され易く(35%)なっている。ただし、「再変動」の変動要素や「疑似連2」の変動要素を含まない「スーパーリーチのみ(01H)」や「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
大当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E7:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が35秒の「スペシャルリーチのみ(01H)」と、全体の変動時間が45秒の「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」と、全体の変動時間が55秒の「疑似連1+スペシャルリーチ(03H)」と、全体の変動時間が65秒の「疑似連2+スペシャルリーチ(04H)」と、全体の変動時間が45秒の「スペシャルリーチ+再変動(05H)」と、全体の変動時間が55秒の「疑似ガセ+スペシャルリーチ+再変動(06H)」と、全体の変動時間が65秒の「疑似連1+スペシャルリーチ+再変動(07H)」と、全体の変動時間が75秒の「疑似連2+スペシャルリーチ+再変動(08H)」との8つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の取り得る値が対応付けられている。
図12で示す例では、「E7:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「スペシャルリーチのみ(01H)」に対して「0〜9」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」に対して「10〜19」、「疑似連1+スペシャルリーチ(03H)」に対して「20〜39」、「疑似連2+スペシャルリーチ(04H)」に対して「40〜99」、「スペシャルリーチ+再変動(05H)」に対して「100〜109」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ+再変動(06H)」に対して「110〜119」、「疑似連1+スペシャルリーチ+再変動(07H)」に対して「120〜139」、「疑似連2+スペシャルリーチ+再変動(08H)」に対して「140〜199」となっている。
即ち、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様では、「スペシャルリーチのみ(01H)」の変動パターンが5%、「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」の変動パターンが5%、「疑似連1+スペシャルリーチ(03H)」の変動パターンが10%、「疑似連2+スペシャルリーチ(04H)」の変動パターンが30%、「スペシャルリーチ+再変動(05H)」の変動パターンが5%、「疑似ガセ+スペシャルリーチ+再変動(06H)」の変動パターンが5%、「疑似連1+スペシャルリーチ+再変動(07H)」の変動パターンが10%、「疑似連2+スペシャルリーチ+再変動(08H)」の変動パターンが30%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「スペシャルリーチ」演出態様では、「再変動」の変動要素を含む変動パターンと「再変動」の変動要素を含まない変動パターンとが均等(互いに50%)に選択されるようになっている。また、「疑似連2」の変動要素を含む変動パターンが選択され易く(60%)なっている。ただし、「再変動」の変動要素や「疑似連2」の変動要素を含まない「スペシャルリーチのみ(01H)」や「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
大当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E8:特殊変動」には、全体の変動時間が50秒の「ムービー(01H)」の1つのみの変動パターンが用意されている。図12で示す例では、「E8:特殊変動」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「ムービー(01H)」に対して「0〜199」となっており、「ムービー(01H)」のみが選択可能に設定されている。つまり、大当たりの停止種別が「2R確変大当たり」となる場合は、変動パターンとして必ず「ムービー(01H)」が選択される。
主制御装置110にて「ムービー(01H)」が選択されると、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114にて「ムービー(01H)」に対応する詳細な変動パターンが決定される。本パチンコ機10では、「ムービー(01H)」に対応する詳細な変動パターンとして、例えば、第3図柄表示装置81の小領域Ds1,Ds3に「ニワトリ」又は「女の子」等のキャラクタを表示しつつ、最終的に第3図柄が特定の図柄(例えば、「341」)で停止する変動パターンや、特定のランプの点灯や点滅等に伴って、最終的に第3図柄が特定の図柄で停止する変動パターン等が含まれる。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、大当たりや「リーチ表示」の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かが、他の変動種別カウンタにより決定されても良いし、リーチが成立した場合に、最後に停止する第3図柄を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後ハズレ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されてもよい。
また、大当たり用変動パターンテーブル202e1において、「2R確変大当たり」専用のグループを設けたが、本パチンコ機10では、「2R確変大当たり」となった場合に、「ムービー(01H)」の変動パターンのみが選択されるので、「2R確変大当たり」専用のグループを設けず、大当たり用変動パターンテーブル202e1では「15R確変大当たり」又は「15R通常大当たり」となった場合の変動種別カウンタCS1と変動パターンとの対応付けのみが規定されてもよい。この場合、大当たり種別として「2R確変大当たり」となった場合は、大当たり用変動パターンテーブル202e1を参照せず、変動パターンとして「ムービー(01H)」を決定するようにしてもよい。
また、本パチンコ機10では、「2R確変大当たり」となった場合に「ムービー(01H)」のみが選択されるが、「2R確変大当たり」となった場合に複数の変動パターンの中から1つ変動パターンが選択されるようにしてもよい。この場合は、「15R大当たり共通」のグループのように、「2R確変大当たり」専用のグループにおいても、「2R確変大当たり」となった場合に選択される変動パターンに対して変動種別カウンタCS1を対応付け、ある保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンが、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定されてもよい。
次に、図13を参照して、ハズレ用変動パターンテーブル202e2について説明する。図13は、ROM202に記憶されるハズレ用変動パターンテーブル202e2の一例を模式的に示した図である。図13に示すように、ハズレ用変動パターンテーブル202e2は、選択された演出態様に基づいてグループ分けされている。
具体的には、演出態様として、「非リーチ(短縮)」演出態様が決定された場合に参照される「E0:非リーチ(短縮)」用と、「非リーチ(通常)」演出態様が決定された場合に参照される「E1:非リーチ(通常)」用と、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E2:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E3:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E4:スペシャルリーチ」用とに区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の取り得る値が対応付けされている。
ある保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない、即ち、ハズレとなる値であった場合に、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、その演出態様に基づいてハズレ用変動パターンテーブル202e2の中で参照するグループ(群)を決定する。そのハズレ用変動パターンテーブル202e2のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンが、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
ハズレ用変動パターンテーブル202e2において、「E0:非リーチ(短縮)」には、全体の変動時間が3秒の「非リーチ(短縮)のみ」の1つのみの変動パターンが用意されている。図13で示す例では、「E0:非リーチ(短縮)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「非リーチ(短縮)のみ(01H)」に対して「0〜199」となっており、「非リーチ(短縮)のみ(01H)」だけを選択可能に設定されている。即ち、ハズレ用変動パターンテーブル202e2において「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜199」)に対して「非リーチ(短縮)のみ(01H)」が対応付けられている。
ハズレ用変動パターンテーブル202e2において、「E1:非リーチ(通常)」には、全体の変動時間が10秒の「非リーチ(通常)のみ(01H)」と、全体の変動時間が20秒の「疑似ガセ+非リーチ(通常)(02H)」との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の取り得る値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E1:非リーチ(通常)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「非リーチ(通常)のみ(01H)」に対して「0〜179」、「疑似ガセ+非リーチ(通常)(02H)」に対して「180〜199」となっている。
即ち、ハズレ時の「非リーチ(通常)」演出態様では、「非リーチ(通常)のみ(01H)」の変動パターンが90%、「疑似ガセ+非リーチ(通常)(02H)」の変動パターンが10%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「非リーチ(通常)」演出態様では、「非リーチ(通常)のみ(01H)」の変動パターンが選択され易く(90%)なっている。
ハズレ用変動パターンテーブル202e2において、「E2:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が15秒の「ノーマルリーチのみ(01H)」と、全体の変動時間が25秒の「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」と、全体の変動時間が35秒の「疑似連1+ノーマルリーチ(03H)」との3つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の取り得る値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E2:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「ノーマルリーチのみ(01H)」に対して「0〜99」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」に対して「100〜179」、「疑似連1+ノーマルリーチ(03H)」に対して「180〜199」となっている。
即ち、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様では、「ノーマルリーチのみ(01H)」の変動パターンが50%、「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」の変動パターンが40%、「疑似連1+ノーマルリーチ(03H)」の変動パターンが10%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「ノーマルリーチ」演出態様では、「ノーマルリーチのみ(01H)」の変動パターンが選択され易く(50%)なっている。
ハズレ用変動パターンテーブル202e2において、「E3:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が25秒の「スーパーリーチのみ(01H)」と、全体の変動時間が35秒の「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」と、全体の変動時間が45秒の「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」と、全体の変動時間が55秒の「疑似連2+スーパーリーチ(04H)」との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の取り得る値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E3:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「スーパーリーチのみ(01H)」に対して「0〜59」、「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」に対して「60〜119」、「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」に対して「120〜179」、「疑似連2+スーパーリーチ(04H)」に対して「180〜199」となっている。
即ち、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様では、「スーパーリーチのみ(01H)」の変動パターンが30%、「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」の変動パターンが30%、「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」の変動パターンが30%、「疑似連2+スーパーリーチ(04H)」の変動パターンが10%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、「スーパーリーチのみ(01H)」と「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」と「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」との変動パターンが均等(30%)に選択され易くなっている。
ハズレ用変動パターンテーブル202e2において、「E4:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が35秒の「スペシャルリーチのみ(01H)」と、全体の変動時間が45秒の「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」と、全体の変動時間が55秒の「疑似連1+スペシャルリーチ(03H)」と、全体の変動時間が65秒の「疑似連2+スペシャルリーチ(04H)」との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の取り得る値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E4:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「スペシャルリーチのみ(01H)」に対して「0〜79」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」に対して「80〜159」、「疑似連1+スペシャルリーチ(03H)」に対して「160〜179」、「疑似連2+スペシャルリーチ(04H)」に対して「180〜199」となっている。
即ち、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様では、「スペシャルリーチのみ(01H)」の変動パターンが40%、「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」の変動パターンが40%、「疑似連1+スペシャルリーチ(03H)」の変動パターンが10%、「疑似連2+スペシャルリーチ(04H)」の変動パターンが10%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「スペシャルリーチ」演出態様では、「スペシャルリーチのみ(01H)」の変動パターンと「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」の変動パターンとが均等(互いに40%)に選択され易くなっている。
このように、大当たりに当選している場合には、比較的長い変動パターンが選択され易いように構成することで、大当たりが発生する変動演出の演出内容を充実させることで遊技の興趣を向上することができる。また、大当たりに当選していない場合、即ち、ハズレの場合には、比較的短い変動パターンが選択され易いように構成することで、ハズレ時の変動演出の演出内容を短くして、変動演出を効率よく消化することができる。
なお、ハズレ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。
図7に戻り、第2当たり乱数カウンタC4は、例えば「0〜250」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「250」)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
第2当たり乱数カウンタC4の値は、第1実施形態ではタイマ割込処理(図33参照)毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149個あり、その範囲は「5〜153」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に当たりと判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64の電動役物が作動し、第1入球口64が所定時間だけ開放される。
なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=「0〜250」)、タイマ割込処理(図33参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図39参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図6に戻り、説明を続ける。RAM203は、図7に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、インプット/アウトプット(Input/Output。以下、「I/O」と略す。)等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図39参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図38参照)において実行される。なお、MPU201のノンマスカブル割込(Non−Maskable Interrupt。以下、「NMI」と略す。)端子には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図37参照)が即座に実行される。
RAM203は、さらに、保留球数カウンタ203a、保留球格納エリア203b、保留球実行エリア203cを少なくとも有している。
保留球数カウンタ203aは、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図33参照)の中で検出される第1入球口64への入球(以下、第1入球口64への遊技球の入球を「始動入賞」という場合がある)に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる動的表示(第3図柄表示装置81で行われる変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この保留球数カウンタ203aは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図38のS613)によって、初期値として「0」が設定される。そして、始動入賞が検出されて動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図34のS203参照)。一方、保留球数カウンタ203aは、動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図35のS305参照)。
この保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図34のS205参照)。保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて保留球数カウンタ203aが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された動的表示(変動演出)の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく動的表示(変動演出)の保留回数を管理することができる。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される動的表示(変動演出)の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の動的表示(変動演出)の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、その内部で管理する保留球数が変化する度に、表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに保留図柄を表示する。
また、第1実施形態では、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して保留球数コマンドを送信する場合、その保留球数コマンドにおいて、1加算された保留球数カウンタ203aの値だけでなく、その保留球数カウンタ203aの加算の契機となった上記始動入賞に伴い、カウンタ用バッファ(図7参照)より取得される第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値も含める。
つまり、始動入賞があった場合に、主制御装置110にてカウンタ用バッファより取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に伝えられる。
音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドにより伝えられた第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、その各値に基づく変動演出が実行される前に先読みし、当該変動演出がどうなるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断する。そして、その先読みによる判断結果に基づき、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の演出内容及び実行時期(タイミング)を決定できるようになっている。
なお、変動演出の保留球数を示す保留球数コマンドと、第1当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとを別々に送信するように構成してもよい。保留球数コマンドとは別の第1当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとしては、第1入球口64への球の入球タイミングで保留球数コマンドを生成すると共に、該入球に基づく変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに類するコマンド(事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンド)を生成し、音声ランプ制御装置113へ送信するように構成してもよい。この場合に、事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンドの生成のプログラムに関し、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドのプログラムを流用することで、プログラムの作成を容易にすることができる。
保留球格納エリア203bは、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図7参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図33参照)の中で、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、保留球格納エリア203bに格納する。保留球格納エリア203bは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)を有している(図7参照)。
保留球実行エリア203cは、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理を実行するために、上述した保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203cへシフトする。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
ここで、再び図7を参照して、保留球格納エリア203bおよび保留球実行エリア203cの詳細について説明する。保留球格納エリア203bおよび保留球実行エリア203cは、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定には、大当たり抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する第1当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。保留球格納エリア203bは、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶する。
保留球格納エリア203bは、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納する第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1と、第1当たり種別カウンタC2の値を格納する第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203b4とが設けられている。
なお、第1実施形態では、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3と、変動種別カウンタ格納エリア203b4とを1つの保留球格納エリア203bの中に設けているが、保留球格納エリアを複数設け、4つの各エリア203b1,203b2,203b3,203b4をいずれかの保留球格納エリアに設けるようにしてもよい。
上述した通り、保留球格納エリア203bには、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い始動入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
一方、保留球実行エリア203cは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203cには、保留球格納エリア203bと同様に、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納する第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1と、第1当たり種別カウンタC2の値を格納する第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203c4とが設けられている。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)を、この保留球実行エリア203cの各エリア203c1〜203c4にそれぞれシフトする。そして、保留球実行エリア203cにシフトされたデータを、変動開始処理(図36参照)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、動的表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、保留第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1の乱数値を、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1へシフトする。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2の乱数値を、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2へシフトし、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3へシフトし、変動種別カウンタ格納エリア203b4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203c4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203cへのデータのシフトが終了すると、保留第1エリアが空き状態となるため、保留球格納エリア203bの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、本実施の形態では、保留球格納エリア203bにおいて、データが記憶(保留)されている保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、保留球格納エリア203b内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の保留球数カウンタ203aの値が「4」であり、保留球格納エリア203bの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203cへシフトされ、保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、保留第2エリアのデータを、保留第1エリアへシフトし、保留第3エリアのデータを、保留第2エリアへシフトし、保留第4エリアのデータを、保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば、MPU201は、保留第2エリアのデータのみを、保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、本実施の形態では、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図6に戻り、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図37参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチ217が接続されている。なお、該賞球検出スイッチ217は、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出や連続予告演出といった第3図柄表示装置81にて行われる演出の表示態様の設定などを制御するものである。
演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート425が接続されている。入出力ポート425には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、及び、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出のステージを変更したり、「スーパーリーチ」演出態様等の背面画像を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
「スーパーリーチ」の演出態様を変更する等、ステージの変更以外の目的で枠ボタン22が操作された場合は、表示制御装置114へ枠ボタン操作コマンドを送信する。表示制御装置114では、枠ボタン操作コマンドを受信することで、枠ボタン22の操作に応じた画像を第3図柄表示装置81に表示する。
ここで、図14を参照して、音声ランプ制御装置113の詳細な電気的構成について説明する。図14は、主に音声ランプ制御装置113の電気的構成を示すブロック図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、MPU221にて実行される各種制御プログラムの他、固定値データとして、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222c、変動パターンテーブル222d、保留変化テーブル222e、シナリオテーブル222f、文字パターンテーブル222g、文字色変化テーブル222h、色変化タイミングテーブル222iが少なくとも格納されている。これらのテーブル222a〜222iのうち、テーブル222a〜222dは、いずれも主制御装置110のROM202に設けられた大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202eと同じものである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得され、保留球数コマンドによって送信された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3および変動種別カウンタCS1の各値と、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222cおよび変動パターンテーブル222dとに基づいて、先読み処理を実行する。
「先読み」とは、変動演出の実行開始タイミングでカウンタC1〜C3,CS1の各値に基づき大当たり抽選や変動パターン抽選を行うのに先立って、予め該カウンタC1〜C3,CS1の各値を読み出すことである。本パチンコ機10では、「先読み」処理によって、カウンタC1〜C3,CS1の各値を先読みし、予め大当たり抽選や変動パターンの判定結果を予測するように構成されており、先読み処理により予測された大当たり抽選の結果や変動パターンの判定結果に基づき、複数の変動演出に跨って実行される連続予告演出の設定等の各種制御を実行する。
そして、この先読み処理によって、保留変化テーブル222e及びシナリオテーブル222fを参照して、その先読み処理の対象となった保留中の変動演出が、結果としてどのような演出となるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の演出内容及び実行時期(タイミング)を決定したりする制御を実行する。なお、保留変化テーブル222e及びシナリオテーブル222fの詳細については後述する。
RAM223には、変動開始フラグ223a、サブ保留球数カウンタ223b、保留変化カウンタ223c、シナリオカウンタ223d、文字パターンカウンタ223e、文字色抽選カウンタ223f、色変化タイミングカウンタ223g、保留情報格納エリア223h、実行情報格納エリア223iが少なくとも設けられている。
変動開始フラグ223aは、オン状態で変動演出を開始すべきことを示すフラグである。この変動開始フラグ223aは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされる(図42のS1207参照)。そして、第3図柄表示装置81における変動演出の設定がなされるときにオフされる(図44のS1402参照)。MPU221は、この変動開始フラグ223aがオンされたことを契機として、待機中の変動演出が存在する場合に、該待機中の変動演出を実行させるための変動演出処理(図31参照)を行う。
サブ保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同様に、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)で行われる変動演出(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数を格納・更新し、サブ保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への入球によって変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)をサブ保留球数カウンタ223bに格納する(図43のS1301参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動演出の態様を設定すると、サブ保留球数カウンタ223bの値を1減算する(図44のS1411参照)。このように、保留球数カウンタ203aの更新にあわせて主制御装置110から送信されるコマンドに従って、音声ランプ制御装置113ではサブ保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期させながら、サブ保留球数カウンタ223bの値を更新することができる。
サブ保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数をサブ保留球数カウンタ223bに格納したり、変動パターンコマンドの受信に応じてサブ保留球数カウンタ223bの値を更新したりするタイミングで、格納後もしくは更新後のサブ保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する(図43のS1313又は図44のS1412参照)。
また、サブ保留球数カウンタ223bの値は、後述する「保留変化予告」を行う場合において、該「保留変化予告」を実行するタイミングを決定するために参照される。具体的には、後述する保留表示設定処理(図30参照)において、「保留変化予告」を実行すると判定された場合、後述するシナリオカウンタ223d及びシナリオテーブル222fによって「保留変化予告」の実行タイミングを決定する際にサブ保留球数カウンタ223bの値を参照して、その時点における変動演出の保留球数が判定されるように構成されている。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113におけるサブ保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに表示するように、画像の描画を制御する。
上述したように、サブ保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに表示される保留図柄の数も、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動演出が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
保留変化カウンタ223cは、コクピット表示領域Dbの保留図柄及び実行図柄において「保留変化予告」を実行するか否かを抽選するカウンタである。第1実施形態では、上述したように、「保留変化予告」として、保留図柄及び実行図柄の表示色を、通常の表示態様である白色から、青色の表示態様の「青」、赤色の表示態様の「赤」、又は、虹色の表示態様の「虹」に変化可能に構成されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した保留球数コマンドによって第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3および変動種別カウンタCS1の各値と、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222cおよび変動パターンテーブル222dとに基づいて先読み処理を実行可能である。その先読み処理において、保留球数コマンドが示す変動演出の演出態様を把握し、その演出態様に基づいて保留変化カウンタ223cおよび保留変化テーブル222eによって「保留変化予告」を行うか否かが抽選される。
この保留変化カウンタ223cは、音声ランプ制御装置113のメイン処理のカウンタ更新処理(図41のS1111参照)において、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。保留変化カウンタ223cの値は、メイン処理が1回ループする毎に1回(図41のS1111参照)更新される。第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、その保留球数コマンドが示す変動演出の演出態様を把握し、その演出態様に基づいて保留変化カウンタ223cの値と保留変化テーブル222eとを参照し、「保留変化予告」の実行可否および表示態様が決定される(図43のS1303参照)。
ここで、図15を参照して、保留変化テーブル222eについて説明する。図15は、保留変化テーブル222eの一例を模式的に示した図である。図15で示すように、保留変化テーブル222eは、選択された演出態様に基づいてグループ(群)分けされている。
具体的には、保留変化テーブル222eは、ハズレ時における「非リーチ(短縮)」演出態様用と、ハズレ時における「非リーチ(通常)」演出態様用と、ハズレ時における「ノーマルリーチ」演出態様用と、ハズレ時における「スーパーリーチ」演出態様用と、ハズレ時における「スペシャルリーチ」演出態様用と、大当たり時における「ノーマルリーチ」演出態様用と、大当たり時における「スーパーリーチ」演出態様用と、大当たり時における「スペシャルリーチ」演出態様用と、大当たり時における「特殊変動」演出態様用とに区分けされている。そして、区分けされたグループに対してそれぞれ保留変化カウンタ223cの取り得る値が対応付けられている。
保留変化テーブル222eにおいて、ハズレ時の「E0:非リーチ(短縮)」には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白色」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青色」との2つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの取り得る値が対応付けられている。第1実施形態では、保留図柄又は実行図柄の色が変化しない「無し」が選択された場合、「保留変化予告」は実行されない。
なお、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、赤色に変化する「赤色」と、虹色に変化する「虹色」との表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223cの値が対応付けられていない。これは、第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」において、保留図柄又は実行図柄の色が「赤色」であった場合は、その保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「スーパーリーチ以上」の変動要素が実行されることを確定させるためである。また、「保留変化予告」において、保留図柄又は実行図柄の色が「虹色」であった場合は、その保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「大当たり表示」が現出することを確定させるためである。よって、「スーパーリーチ以上」の変動要素及び「大当たり表示」が現出しない「非リーチ(短縮)」演出態様では、「保留変化予告」の「赤色」又は「虹色」が選択されないように設定されている。
図15の示す例では、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜98」、「青色」に対して「99」となっている。なお、「赤色」及び「虹色」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が99%、「青色」の表示態様が1%、「赤色」及び「虹色」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様が選択され易く(99%)なっており、「保留変化予告」自体が発生し難い設定となっている。
保留変化テーブル222eにおいて、ハズレ時の「非リーチ(通常)」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白色」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青色」との2つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの取り得る値が対応付けられている。なお、ハズレ時の「非リーチ(通常)」演出態様では、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様と同様、「スーパーリーチ以上」の変動要素及び「大当たり表示」が現出しない。このため、保留図柄又は実行図柄の色が、赤色に変化する「赤色」と、虹色に変化する「虹色」との表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223cの値が対応付けられていない。
図15の示す例では、ハズレ時の「非リーチ(通常)」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜98」、「青色」に対して「99」となっている。なお、「赤色」及び「虹色」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「非リーチ(通常)」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が99%、「青色」の表示態様が1%、「赤色」及び「虹色」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「非リーチ(通常)」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様が選択され易く(99%)なっており、「保留変化予告」自体が発生し難い設定となっている。
保留変化テーブル222eにおいて、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白色」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青色」との2つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの取り得る値が対応付けられている。なお、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様では、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様及びハズレ時の「非リーチ(通常)」演出態様と同様、「スーパーリーチ以上」の変動要素及び「大当たり表示」が現出しない。このため、保留図柄又は実行図柄の色が、赤色に変化する「赤色」と、虹色に変化する「虹色」との表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223cの値が対応付けられていない。
図15の示す例では、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜79」、「青色」に対して「80〜99」となっている。なお、「赤色」及び「虹色」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が80%、「青色」の表示態様が20%、「赤色」及び「虹色」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様が選択され易い(80%)が、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様及びハズレ時の「非リーチ(通常)」演出態様よりも「青色」の表示態様が選択され易い設定(1%→20%)となっている。
保留変化テーブル222eにおいて、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白色」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青色」と、赤色に変化する「赤色」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの取り得る値が対応付けられている。
なお、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様では、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様等と同様、「大当たり表示」が現出しないため、保留図柄又は実行図柄の色が虹色に変化する「虹色」との表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223cの値が対応付けられていない。一方、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様は、「スーパーリーチ」の変動要素を実行するため、「スーパーリーチ以上」の変動要素の実行を示唆する「赤色」の表示態様が選択されるように、保留変化カウンタ223cの取り得る値が対応付けられている。
図15の示す例では、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜19」、「青色」に対して「20〜89」、「赤色」に対して「90〜99」となっている。なお、「虹色」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が20%、「青色」の表示態様が70%、「赤色」の表示態様が10%、「虹色」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「青色」の表示態様が「無し」の表示態様より選択され易い設定(70%)となっている。また、「青色」の表示態様より大当たり期待度が高い「赤色」の表示態様も選択可能に設定(10%)されている。
保留変化テーブル222eにおいて、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、変化しない「無し(白色)」と、青色に変化する「青色」と、赤色に変化する「赤色」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの取り得る値が対応付けられている。
なお、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様では、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様と同様、「大当たり表示」が現出しないため、保留図柄又は実行図柄の色が虹色に変化する「虹色」との表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223cの値が対応付けられていない。一方、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様は、「スペシャルリーチ」の変動要素を実行するため、「スーパーリーチ以上」の変動要素の実行を示唆する「赤色」の表示態様が選択されるように、保留変化カウンタ223cの取り得る値が対応付けられている。
図15の示す例では、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜9」、「青色」に対して「10〜49」、「赤色」に対して「50〜99」となっている。なお、「虹色」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が10%、「青色」の表示態様が40%、「赤色」の表示態様が50%、「虹色」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「赤色」の表示態様が「青色」又は「無し」の表示態様より選択され易い設定(50%)となっている。
保留変化テーブル222eにおいて、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白色」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青色」と、虹色に変化する「虹色」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの取り得る値が対応付けられている。なお、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様では、「スーパーリーチ以上」の変動要素が実行されないため、保留図柄又は実行図柄の色が赤色に変化する「赤色」の表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223cの値が対応付けられていない。
図15の示す例では、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜9」、「青色」に対して「10〜89」、「虹色」に対して「90〜99」となっている。なお、「赤色」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が10%、「青色」の表示態様が80%、「赤色」の表示態様が0%、「虹色」の表示態様が10%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「青色」の表示態様が選択され易く(80%)、また、「虹色」の表示態様も選択される設定となっている(10%)ため、「保留変化予告」が発生し易いように設定されている。
保留変化テーブル222eにおいて、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白色」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青色」と、赤色に変化する「赤色」と、虹色に変化する「虹色」との4つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの取り得る値が対応付けられている。
図15の示す例では、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜9」、「青色」に対して「10〜39」、「赤色」に対して「40〜89」、「虹色」に対して「90〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が10%、「青色」の表示態様が30%、「赤色」の表示態様が50%、「虹色」の表示態様が10%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「赤色」の表示態様が選択され易く(40%)、また、「青色」の表示態様も選択され易く(30%)、さらに、「虹色」の表示態様も選択される設定となっている(10%)ため、「保留変化予告」が発生し易いように設定されている。
保留変化テーブル222eにおいて、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白色」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青色」と、赤色に変化する「赤色」と、虹色に変化する「虹色」との4つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの取り得る値が対応付けられている。
図15の示す例では、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜9」、「青色」に対して「10〜19」、「赤色」に対して「20〜89」、「虹色」に対して「90〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が10%、「青色」の表示態様が10%、「赤色」の表示態様が70%、「虹色」の表示態様が10%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「赤色」の表示態様が選択され易く(70%)、また、「青色」の表示態様も選択され(10%)、さらに、「虹色」の表示態様も選択される設定となっている(10%)ため、「保留変化予告」が発生し易いように設定されている。
保留変化テーブル222eにおいて、大当たり時の「特殊変動」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白色」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青色」と、赤色に変化する「赤色」と、虹色に変化する「虹色」との4つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの取り得る値が対応付けられている。
図15の示す例では、大当たり時の「特殊変動」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜69」、「青色」に対して「70〜79」、「赤色」に対して「80〜89」、「虹色」に対して「90〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「特殊変動」演出態様が選択された場合(「2R確変大当たり」に当選した場合)は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が70%、「青色」の表示態様が10%、「赤色」の表示態様が10%、「虹色」の表示態様が10%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「特殊変動」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様が選択され易く(70%)、また、「青色」、「赤色」又は「虹色」の表示態様もそれぞれ均等(10%)に選択される設定となっているため、「保留変化予告」が発生し難いが、発生する場合にはほぼ均等に選択されるように設定されている。
よって、ハズレ時の「保留変化予告」の現出確率は、例えば、「通常遊技状態」中における保留球数が1個目の場合、即ち、Aテーブル202d1によって演出態様が選択された場合では、「保留変化予告」が、変化しない「無し」が91.05%、「青色」が7.65%、「赤色」が1.3%、の割合で選択される。また、大当たり時の「保留変化予告」の現出確率は、例えば、「15R確変大当たり」に当選した場合、即ち、Cテーブル202d3によって演出態様が選択された場合では、「保留変化予告」が、変化しない「無し」が10%、「青色」が20.5%、「赤色」が59.5%、「虹色」が10%、の割合で選択される。従って、第3図柄の大当たり抽選に当選した場合には、「保留変化予告」のうち、「赤色」や「虹色」が選択され易く、「無し」や「青色」が選択され難い一方、大当たり抽選にハズレた場合には、「無し」や「青色」が選択され易く、「赤色」が選択され難い(ハズレ時に「虹色」は選択されない)。
このように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からの保留球数コマンドの受信時に、該保留球数コマンドが示す変動演出の当否および演出態様を把握し、その当否および演出態様に基づいて「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定するように構成する。このように構成することで、変動演出の実行前に該変動演出の結果を保留図柄によって遊技者に示唆し、その変動演出が実行されるまでの間、遊技者に保留されている変動演出が大当たりとなるか否かを予測させることで、遊技の興趣を高めることができる。
なお、保留変化テーブル222eおよび保留変化カウンタ223cの値に基づいて決定(選択)された「保留変化予告」の保留変化情報は、サブ保留球数カウンタ223bの値が示す後述する保留情報格納エリア223hの保留変化情報格納エリア223h5(図24参照)に記憶される。第1実施形態のパチンコ機10では、保留情報格納エリア223hに格納された保留変化情報と、後述するシナリオデータとに基づいて、「保留変化予告」が保留図柄又は実行図柄において実行される。
図14に戻って説明を続ける。シナリオカウンタ223dは、決定された「保留変化予告」の実行タイミングを決めるためのカウンタである。上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した保留球数コマンドに基づいて、「保留変化予告」の実行可否と表示態様とが決定される。第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」の実行が決定された場合に、その「保留変化予告」の実行タイミングを、シナリオカウンタ223dおよびシナリオテーブル222fによって決定する。
このシナリオカウンタ223dは、音声ランプ制御装置113のメイン処理のカウンタ更新処理(図41のS1111参照)において、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。シナリオカウンタ223dの値は、メイン処理が1回ループする毎に1回(図41のS1111参照)更新(例えば、1加算)される。第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、その保留球数コマンドが示す変動演出の演出態様を把握すると共に、その演出態様に基づいて「保留変化予告」の実行可否および表示態様が決定される。そして、「保留変化予告」の実行が決定された場合に、シナリオカウンタ223dの値とシナリオテーブル222fとを参照し、「保留変化予告」の実行タイミングが決定される(図43のS1305参照)。
ここで、図16および図17を参照して、シナリオテーブル222fについて説明する。上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113は、「保留変化予告」の実行が決定された場合に、シナリオカウンタ223dの値とシナリオテーブル222fとを参照して、該「保留変化予告」の実行タイミングを決定する。この場合に、同じ「保留変化予告(例えば、「青色」)」であっても、ハズレ時における「保留変化予告」の実行タイミングと、大当たり時における「保留変化予告」の実行タイミングとを異ならせることで、「保留変化予告」の実行タイミングの違いによって大当たり期待度が異なるように構成されている。図16は、大当たり用シナリオテーブル222f1の一例を模式的に示した図である。
図16の大当たり用シナリオテーブル222f1では、縦行が「保留変化予告」を決定した時点における変動演出の各保留球数(保留球数「1」個〜「4」個の4パターン)において、各保留球数のそれぞれに「保留変化予告」の表示態様ごと(「青色」、「赤色」、「虹色」の3パターン)に区分けされた合計12種類の状況パターンにそれぞれ区分けされている。また、横列が「保留変化予告」を実行(開始)するタイミングとして、各保留球数(保留球数「1」個〜「4」個)への表示時又はシフト時における4パターンと、保留球数「0」個(当該変動演出実行中)における「開始時(シフト時)」、「リーチ前」、「リーチ後」又は「保留消去後」の4パターンとの、計8種類のタイミングパターンにそれぞれ区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれシナリオカウンタ223dの取り得る値が対応付けられている。
第1実施形態における「保留変化予告」は、上記状況パターンごとにシナリオカウンタ223dとシナリオテーブル222fとによって決定されたタイミングパターンにおいて、決定された「保留変化予告」の表示態様が実行(現出)するように設定されている。
具体的には、例えば、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「0」個であって「開始時」が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出が開始されるタイミングで該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「0」個であって「リーチ前」が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出における変動演出中であって「リーチ表示」が現出する前(例えば、「高速変動」の変動要素の実行中や、「低速変動」の変動要素の実行中における左図柄列Z1の停止時等)のタイミングで該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「0」個であって「リーチ後」が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出における変動演出中であって「リーチ表示」の実行中(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中)のタイミングで該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「0」個であって「保留消去後」が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出における変動演出中であって「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後におけるコクピット表示領域Dbが再表示されたタイミング(「再変動」の変動要素の実行前のタイミング)に該「保留変化予告」が実行される。
また、例えば、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「1」個が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出を示す保留図柄が第1保留図柄表示領域Db1へ表示されたタイミング、又は、シフトされたタイミングで、該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「2」個が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出を示す保留図柄が第2保留図柄表示領域Db2へ表示されたタイミング、又は、シフトされたタイミングで該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「3」個が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出を示す保留図柄が第3保留図柄表示領域Db3へ表示されたタイミング、又は、シフトされたタイミングで該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「4」個が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出を示す保留図柄が第4保留図柄表示領域Db4へ表示されたタイミングで該「保留変化予告」が実行される。
第1実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64への球の入球に基づいて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドが送信された場合に、該音声ランプ制御装置113において「保留変化予告」の抽選が行われ、「保留変化予告」を実行するか否かが決定される。「保留変化予告」の実行が決定された場合に、まず、その決定時点における保留球数と、決定された「保留変化予告」の表示態様とを把握する。そして、保留球数コマンドが示す変動演出が大当たりである場合には、シナリオカウンタ223dの値と大当たり用シナリオテーブル222f1とを参照して、大当たり時における「保留変化予告」の実行タイミング(現出タイミング)が決定される。
図16で示すように、大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数と、該「保留変化予告」の各表示態様との状況パターンが用意され、各状況パターンに対してシナリオカウンタ223dの取り得る値が対応付けられている。
まず、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「1」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「2」個〜「4」個については、保留球数「1」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「1」個目の発生時に保留球数「2」個〜「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、この大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」決定時における保留球数「1」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「2」個〜「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図16参照)。
まず、図16の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜4」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「5〜9」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「10〜14」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「15〜49」、保留球数「1」個に対して「50〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が5%、保留球数「0」個の「リーチ前」が5%、保留球数「0」個の「リーチ後」が5%、保留球数「0」個の「保留消去後」が35%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングに最も選択され易く(50%)、次に、「スーパーリーチ」の変動要素等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングが選択され易い(35%)ように設定されている。
なお、第1実施形態において、「保留変化予告」の実行タイミングを決定する場合に、該当する変動演出の演出態様を判断していない。従って、例えば、「保留消去後」の実行タイミングが選定された場合であっても、変動演出が「ノーマルリーチ」演出態様であるときは、「保留消去後」の実行タイミングで「保留変化予告」を行えない状況が起こり得る。しかしながら、このような場合において、第1実施形態のパチンコ機10では、決定した実行タイミングで「保留変化予告」を行うことができない演出態様であった場合は、実行することができる他の実行タイミング(例えば、「リーチ後」)に変更するように構成されている(図45参照)。よって、「保留変化予告」の実行抽選に当選した場合には、該「保留変化予告」をいずれかのタイミングで確実に実行することができる。従って、「保留変化予告」の実行タイミングを決定する場合に、変動演出の演出態様を把握せずに該実行タイミング決定したとしても、「保留変化予告」を確実に実行することができ、遊技の興趣を高めることができる。変更制御の詳細については後述する。
次いで、図16の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「30〜89」、保留球数「1」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が60%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、「スーパーリーチ」の変動要素等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングが最も選択され易い(60%)ように設定されている。
次いで、図16の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「虹色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜4」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「5〜9」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「10〜49」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「50〜99」となっている。なお、「保留変化予告」の「虹色」の表示態様は、保留図柄では現出せず、実行図柄でのみ現出可能であるため、この大当たり用シナリオテーブル222f1では、保留球数「1」個の実行タイミングに対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「虹色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が5%、保留球数「0」個の「リーチ前」が5%、保留球数「0」個の「リーチ後」が40%、保留球数「0」個の「保留消去後」が50%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が0%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「虹色」であるとき、「スーパーリーチ」の変動要素等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングが最も選択され易く(50%)、次に、「リーチ表示」の実行中のタイミングが選択され易い(40%)ように設定されている。なお、大当たり時の「保留変化予告」の「虹色」の表示態様は、該「保留変化予告」の決定時点の保留球数に関係なく上記選択割合に設定されている。よって、「保留変化予告」の決定時点の保留球数「2」個〜「4」個における大当たり時の「保留変化予告」の「虹色」の表示態様の説明は省略する。
次に、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「2」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「3」個又は「4」個については、保留球数「2」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「2」個目の発生時に保留球数「3」個又は「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、この大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」決定時における保留球数「2」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「3」個又は「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図16参照)。
図16の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜4」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「5〜9」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「10〜14」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「15〜39」、保留球数「1」個に対して「40〜49」、保留球数「2」個に対して「50〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が5%、保留球数「0」個の「リーチ前」が5%、保留球数「0」個の「リーチ後」が5%、保留球数「0」個の「保留消去後」が25%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易く(50%)、次に、「スーパーリーチ」の変動要素等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングが選択され易い(25%)ように設定されている。
次いで、図16の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「30〜79」、保留球数「1」個に対して「80〜89」、保留球数「2」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が50%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、「スーパーリーチ」の変動要素等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングが最も選択され易い(50%)ように設定されている。
次に、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「3」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「4」個については、保留球数「3」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「3」個目の発生時に保留球数「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、この大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」決定時における保留球数「3」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図16参照)。
図16の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜4」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「5〜9」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「10〜14」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「15〜29」、保留球数「1」個に対して「30〜39」、保留球数「2」個に対して「40〜49」、保留球数「3」個に対して「50〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が5%、保留球数「0」個の「リーチ前」が5%、保留球数「0」個の「リーチ後」が5%、保留球数「0」個の「保留消去後」が15%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易く(50%)、次に、「スーパーリーチ」の変動要素等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングが選択され易い(15%)ように設定されている。
次いで、図16の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「30〜69」、保留球数「1」個に対して「70〜79」、保留球数「2」個に対して「80〜89」、保留球数「3」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が40%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、「スーパーリーチ」の変動要素等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングが最も選択され易い(40%)ように設定されている。
次に、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「4」個である場合について説明する。
図16の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜4」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「5〜9」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「10〜14」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「15〜19」、保留球数「1」個に対して「20〜29」、保留球数「2」個に対して「30〜39」、保留球数「3」個に対して「40〜49」、保留球数「4」個に対して「50〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が5%、保留球数「0」個の「リーチ前」が5%、保留球数「0」個の「リーチ後」が5%、保留球数「0」個の「保留消去後」が5%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(50%)ように設定されている。
次いで、図16の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「30〜59」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜79」、保留球数「3」個に対して「80〜89」、保留球数「4」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が30%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、「スーパーリーチ」の変動要素等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングが最も選択され易い(30%)ように設定されている。
このように、大当たりを発生する変動演出を示す保留図柄及び実行図柄において「保留変化予告」を行う場合、「スーパーリーチ」の変動要素等によってコクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄が消去され、該「スーパーリーチ」の変動要素の演出が終了してコクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0の実行図柄が再表示されるタイミングで「保留変化予告」を現出(実行)可能に構成する。
これにより、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく予告対象物の表示態様を変化させることができる。予告対象物を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、「保留変化予告」の実行タイミングを、当該変動演出の後半(「リーチ後」や「保留消去後」)に多く割り振ることで、当該変動演出の後半になっても大当たり期待度が高まる「保留変化予告」の発生(現出)を期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。よって、変動演出の後半まで大当たりを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができので、長期に渡って遊技者に興趣を与えることができる。
次に、図17を参照して、ハズレ用シナリオテーブル222f2について説明する。図17は、ハズレ用シナリオテーブル222f2の一例を模式的に示した図である。図17のハズレ用シナリオテーブル222f2では、大当たり用シナリオテーブル222f1と同様、縦行が「保留変化予告」を決定した時点における変動演出の各保留球数(保留球数「1」個〜「4」個の4パターン)において、各保留球数のそれぞれに「保留変化予告」の表示態様ごと(「青色」、「赤色」、「虹色」の3パターン)に区分けされた合計12種類の状況パターンにそれぞれ区分けされている。また、横列が「保留変化予告」を実行(開始)するタイミングとして、各保留球数(保留球数「1」個〜「4」個)への表示時又はシフト時における4パターンと、保留球数「0」個(当該変動演出実行中)における「開始時(シフト時)」、「リーチ前」、「リーチ後」又は「保留消去後」の4パターンとの、計8種類のタイミングパターンにそれぞれ区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれシナリオカウンタ223dの取り得る値が対応付けられている。
図17で示すように、ハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数と、該「保留変化予告」の各表示態様との状況パターンが用意され、各状況パターンに対してシナリオカウンタ223dの取り得る値が対応付けられている。なお、「保留変化予告」の表示態様の「虹色」は、該「虹色」の表示態様が現出することで大当たりの発生を示唆するものであり、ハズレ時には選択されない。よって、ハズレ用シナリオテーブル222f2の「虹色」の状況パターンには、「保留変化予告」を決定した時点における変動演出の保留個数のいずれにもシナリオカウンタ223dの値が割り振られていないため、その説明は省略する。
まず、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「1」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「2」個〜「4」個については、保留球数「1」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「1」個目の発生時に保留球数「2」個〜「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、このハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」決定時における保留球数「1」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「2」個〜「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図17参照)。
図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「30〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が70%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(70%)ように設定されている。
なお、ハズレ用シナリオテーブル222f2において、保留球数「0」個の「保留消去後」の実行タイミングにシナリオカウンタ223dが割り振られていない。これは、「保留消去後」の実行タイミングにて「保留変化予告」を行うためには、「リーチ表示」の演出が実行された後に「再変動」の変動要素等、何らかの演出を行う必要がある。第1実施形態では、「リーチ表示」が行われた後は、大当たりする場合を除き「再変動」の変動要素等の演出が行われず、「ハズレ表示」が確定するように構成されている。よって、ハズレの変動演出では、「リーチ表示」の演出の後に大当たりが確定する「再変動」の変動要素が行われることがないため、「リーチ表示」後における実行図柄(保留図柄)の再表示のタイミングにおいて「保留変化予告」を実行させてしまうと、演出の齟齬が生じてしまう。よって、このような事象が起こらないように、「保留消去後」の実行タイミングにシナリオカウンタ223dを割り振らないように設定されている。
次いで、図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「60〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が40%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(40%)ように設定されている。
次に、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「2」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「3」個又は「4」個については、保留球数「2」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「2」個目の発生時に保留球数「3」個又は「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、このハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」決定時における保留球数「2」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「3」個又は「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図17参照)。
図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「30〜39」、保留球数「2」個に対して「40〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が60%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(60%)ように設定されている。
次いで、図17の例で示す「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が30%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(30%)ように設定されている。
次に、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「3」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「4」個については、保留球数「3」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「3」個目の発生時に保留球数「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、このハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」決定時における保留球数「3」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図17参照)。
図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「30〜39」、保留球数「2」個に対して「40〜49」、保留球数「3」個に対して「50〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(50%)ように設定されている。
次いで、図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜79」、保留球数「3」個に対して「80〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄表示時)が20%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングや、当該変動演出の「開始時」、「リーチ前」若しくは「リーチ後」が選択され易い(各20%)ように設定されている。
次に、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「4」個である場合について説明する。
図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「30〜39」、保留球数「2」個に対して「40〜49」、保留球数「3」個に対して「50〜59」、保留球数「4」個に対して「60〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が40%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青色」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(40%)ように設定されている。
次いで、図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤色」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜79」、保留球数「3」個に対して「80〜89」、保留球数「4」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤色」であるとき、当該変動演出の「開始時」、「リーチ前」又は「リーチ後」が選択され易い(各20%)ように設定されている。
このように、変動演出のハズレ時と大当たり時とで、同じ「保留変化予告(例えば、「青色」)」であってもその実行タイミング(現出タイミング)を異ならせることで、「保留変化予告」の表示態様と、その表示態様が現出するタイミングとで大当たり期待度を異ならせることができる。よって、「保留変化予告」の表示態様と現出タイミングとによって該「保留変化予告」による大当たり期待度の示唆内容を多様化することができ、遊技の興趣を高めることができる。
図14に戻って説明を続ける。文字パターンカウンタ223eは、「リーチ表示」に現出するリーチ発生時文字表示Se1およびリーチ中文字表示Se2の文字パターンの種類を抽選するためのカウンタである。上述したように、第1実施形態では、リーチ発生時文字表示Se1およびリーチ中文字表示Se2の文字パターンとして「弱パターン」又は「強パターン」をそれぞれ現出可能に構成されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信したことに基づいて、後述する変動演出処理(図44参照)を行い、文字パターンカウンタ223e及び文字パターンテーブル222gを用いることで、「リーチ表示」時に現出される各文字表示Se1,Se2の文字パターンの内容が抽選される。
この文字パターンカウンタ223eは、音声ランプ制御装置113のメイン処理のカウンタ更新処理(図41のS1111参照)において、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。文字パターンカウンタ223eの値は、メイン処理が1回ループする毎に1回(図41のS1111参照)更新(例えば、1加算)される。第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110から変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信した場合に、その変動パターンコマンド及び停止種別コマンドが示す変動演出の演出態様に応じて、文字パターンカウンタ223eの値と、文字パターンテーブル222gとを参照し、リーチ発生時文字表示Se1およびリーチ中文字表示Se2の文字パターンの内容が決定される(図46参照)。
ここで、図18及び図19を参照して、文字パターンテーブル222gについて説明する。本パチンコ機10は、文字パターンテーブル222gとして、大当たり時に参照される大当たり用文字パターンテーブル222g1と、ハズレ時に参照されるハズレ用文字パターンテーブル222g2とが設けられている。図18は、大当たり用文字パターンテーブル222g1の一例を模式的に示した図である。
第1実施形態では、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて第3図柄の変動演出においていずれかの「リーチ表示」を実行する場合に、大当たりか否かに応じて大当たり用文字パターンテーブル222g1又はハズレ用文字パターンテーブル222g2のいずれかを参照し、その時点での文字パターンカウンタ223eの値と、「リーチ表示」の種類(演出態様の種類)と、に基づいて「リーチ表示」において現出されるリーチ発生時文字表示Se1およびリーチ中文字表示Se2の文字パターン(「弱パターン」又は「強パターン」)の内容を決定する。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2の初期設定として、文字パターンとして、それぞれ「弱パターン」の文字表示Se1,Se2が表示され、表示色として、それぞれ「白色」の文字表示Se1,Se2が表示されるように構成されている。従って、この文字パターンテーブル222gと文字パターンカウンタ223eとによるリーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2の抽選は、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2の初期設定から変化させるか否かの抽選を行うものである。
図18で示すように、大当たり用文字パターンテーブル222g1では、縦行が、大当たり時において選択された演出態様(「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様及び「特殊変動」演出態様)ごとにグループ分けされている。
具体的には、演出態様として、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E5:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E6:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E7:スペシャルリーチ」用と、「特殊変動」演出態様が決定された場合に参照される「E8:特殊変動」用と、に区分けされている。そして、その区分けされた演出態様のグループに対してそれぞれ文字パターンカウンタ223eの取り得る値が対応付けられている。
また、図18で示すように、大当たり用文字パターンテーブル222g1の横列は、変動表示において文字表示が現出するタイミング、即ち、リーチ発生時文字表示Se1が現出するタイミングの「リーチ発生時」、リーチ中文字表示Se2が現出するタイミングの「リーチ中」、疑似定型句文字表示Se4が現出するタイミングの「仮停止時」、及び、定型句文字表示Se3が現出するタイミングの「停止時」、の4パターンごとに現出する文字表示の文字パターンが対応付けられている。
ここで、図20及び図21を参照して、変動演出における各文字表示Se1〜Se4の現出タイミングについて説明する。図20は、「再変動」の変動要素を含まない変動パターンの変動演出の一例を示すタイムチャートであって、図20(a)は、「ノーマルリーチのみ(「E201H」又は「E501H」)」における各文字表示Se1〜Se3の現出タイミングを示すタイムチャートであり、図20(b)は、「スーパーリーチのみ(「E301H」又は「E601H」)」における各文字表示Se1〜Se3の現出タイミングを示すタイムチャートであり、図20(c)は、「スペシャルリーチのみ(「E401H」又は「E701H」)」における各文字表示Se1〜Se3の現出タイミングを示すタイムチャートである。
一方、図21は、「再変動」の変動要素を含む変動パターンの変動演出の一例を示すタイムチャートであって、図21(a)は、「ノーマルリーチ+再変動(「E504H」)」における各文字表示Se1〜Se4の現出タイミングを示すタイムチャートであり、図21(b)は、「スーパーリーチ+再変動(「E605H」)」における各文字表示Se1〜Se4の現出タイミングを示すタイムチャートであり、図21(c)は、「スペシャルリーチ+再変動(「E705H」)」における各文字表示Se1〜Se4の現出タイミングを示すタイムチャートである。なお、各タイムチャートにおいて、タイムチャートの上側部分に、変動演出における変動要素や図柄の停止等の事象を秒数と共に記載し、タイムチャートの下側部分に、変動演出で現出する各文字表示Se1〜Se4の名称を、各現出タイミングに応じて記載している。
図20及び図21の例で示す「リーチ発生時」は、変動演出において、「低速変動」の変動要素が終了した後であって「ノーマルリーチ」の変動要素が発生したタイミングでリーチ発生時文字表示Se1が現出することを示している。即ち、この「リーチ発生時」が示すタイミングで、「ノーマルリーチ」の変動要素が発生した時点での副表示領域Dsの中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄からリーチ発生時文字表示Se1が発せられるように表示される。
第1実施形態では、この「リーチ発生時」に表示されるリーチ発生時文字表示Se1は、「弱パターン」として「いくぜぇ!」と、「強パターン」として「いけるぜぇ!」との2種類が用意されている。なお、本パチンコ機10は、いずれかの「リーチ表示(「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素)」が発生する場合、必ず「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されるため、「リーチ表示」が実行される変動演出では、必ず「リーチ発生時」においてリーチ発生時文字表示Se1が表示されるように構成されている。
次いで、図20及び図21の例で示す「リーチ中」は、変動演出において、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中であって「大当たり表示」又は「ハズレ表示」を示唆する内容を示す「際演出」の直前のタイミングでリーチ中文字表示Se2が現出することを示している。即ち、この「リーチ中」が示すタイミングで、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素における「際演出」前に、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に向けてリーチ中文字表示Se2が発せられるように表示される。
第1実施形態では、この「リーチ中」に表示されるリーチ中文字表示Se2は、「弱パターン」として「くらえ!」と、「強パターン」として「とどめだ!」との2種類が用意されている。なお、本パチンコ機10は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に変動演出の表示結果が現出する変動パターン(即ち、「E5:ノーマルリーチ」の演出態様が選択された場合の変動パターン)では、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素は実行されないため、上記「リーチ中」におけるリーチ中文字表示Se2が表示されない(選択されない)ように構成されている。
次いで、図21の例で示す「図柄仮停止」は、変動演出において、いずれかの「リーチ表示」の変動要素が実行された後に、主表示領域Dmにおいて仮の「ハズレ表示」が暫定的に表示されている状態であって、かつ、「再変動」の変動要素が実行される前のタイミングで疑似定型句文字表示Se4が現出することを示している。即ち、この「図柄仮停止」が示すタイミングで、「リーチ表示」の変動要素が終了した時点で副表示領域Dsの中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄から疑似定型句文字表示Se4が発せられるように表示される。
第1実施形態では、この「図柄仮停止」に表示される疑似定型句文字表示Se4は、主表示領域Dmに暫定的に表示される第3図柄の表示結果に対応して表示されるように構成されている。具体的には、「ハズレ表示」に対応した「すまねぇ・・・」の1種類の文字表示が用意されており、「大当たり表示」に対応した文字表示は用意されていない。これは、第1実施形態のパチンコ機では、変動演出における暫定的に表示される仮の「ハズレ表示」でのみ疑似定型句文字表示Se4が現出し、該疑似定型句文字表示Se4が現出した後に必ず「再変動」の変動要素が行われる構成であって、「大当たり表示」による疑似定型句文字表示Se4が存在しないからである。
次いで、図20及び図21の例で示す「図柄停止」は、変動演出において、いずれかの「リーチ表示」の変動要素又は「再変動」の変動要素が実行された後に、主表示領域Dmにおいて確定表示される「大当たり表示」又は「ハズレ表示」が表示されるタイミングで定型句文字表示Se3が現出することを示している。即ち、この「図柄停止」が示すタイミングで、「リーチ表示」の変動要素又は「再変動」の変動要素が終了した時点で副表示領域Dsの中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄から定型句文字表示Se3が発せられるように表示される。
第1実施形態では、この「図柄停止」に表示される定型句文字表示Se3は、主表示領域Dmに確定表示される第3図柄の表示結果に対応して表示されるように構成されている。具体的には、「大当たり表示」に対応した「やったぜ!」と、「ハズレ表示」に対応した「すまねぇ・・・」との2種類の文字表示が用意されている。従って、「仮停止時」における暫定的な仮の「ハズレ表示」に対応した疑似定型句文字表示Se4と、「停止時」における「ハズレ表示」に対応した定型句文字表示Se3とは、同一の内容で表示されるように構成されている。
なお、「図柄停止」及び「図柄仮停止」に表示される定型句文字表示Se3及び疑似定型句文字表示Se4には、文字パターンとしての「弱パターン」及び「強パターン」が設けられていない。これは、「図柄停止」のタイミングは、変動演出において「際演出」が実行された後であり、変動演出の「大当たり表示」又は「ハズレ表示」が確定するからである。よって、「図柄停止」に表示される定型句文字表示Se3は、該変動演出の表示結果を直接的に表現する内容のみでよく、「強パターン」等の大当たり期待度が高い文字パターンを設ける必要性が乏しいからである。また、「図柄仮停止」のタイミングは、「図柄仮停止」自体、「図柄停止」を疑似的に表示するものであるため、「図柄仮停止」の内容と「図柄停止」との使い方を一致させる必要がある。よって、疑似定型句文字表示Se4の文字パターンと定型句文字表示Se3の文字パターンとの種類が一致するように構成されている。
図18に戻って説明を続ける。ここで、大当たり用文字パターンテーブル222g1における各演出態様毎の文字パターンカウンタ223eの割り振りについて具体的に説明する。図18の例で示すように、「E5:ノーマルリーチ」の演出態様が選択された場合には、それぞれのタイミングにおける文字パターンと文字パターンカウンタ223eとの対応付けが、「リーチ発生時」の「弱パターン」の文字パターンに対して「0〜9」、「リーチ発生時」の「強パターン」の文字パターンに対して「10〜99」となっている。
即ち、「E5:ノーマルリーチ」の変動演出では、「リーチ発生時」の「弱パターン」の文字パターンが10%、「リーチ発生時」の「強パターン」の文字パターンが90%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出において「E5:ノーマルリーチ」の演出態様が選択された場合は、「リーチ発生時」の「強パターン」の文字パターンが最も発生し易い(90%)ように設定されている。
なお、「E5:ノーマルリーチ」の演出態様が選択された場合は、「リーチ中」のタイミングに文字パターンカウンタ223eの値が割り振られていない。これは、上述したように、「リーチ中」のタイミングにおいて文字表示を現出させる場合には、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素における遊技者側のキャラクタ図柄がセリフを発する表示状態が必要となるが、「ノーマルリーチ」の変動要素のみの演出態様では、遊技者側のキャラクタ図柄が表示されないため、「リーチ中」の実行タイミングにおいて遊技者側のキャラクタ図柄から発せられる文字表示を表示することができないためである。
次いで、図18の例で示すように、「E6:スーパーリーチ」の演出態様が選択された場合には、それぞれのタイミングにおける文字パターンと文字パターンカウンタ223eとの対応付けが、「リーチ発生時」が「弱パターン」、かつ、「リーチ中」が「弱パターン」の文字パターンに対して「0〜9」、「リーチ発生時」が「弱パターン」、かつ、「リーチ中」が「強パターン」の文字パターンに対して「10〜29」、「リーチ発生時」が「強パターン」、かつ、「リーチ中」が「弱パターン」の文字パターンに対して「30〜49」、「リーチ発生時」が「強パターン」、かつ、「リーチ中」が「強パターン」の文字パターンに対して「50〜99」となっている。
即ち、「E6:スーパーリーチ」の変動演出では、「リーチ発生時」及び「リーチ中」が共に「弱パターン」の文字パターンが10%、「リーチ発生時」が「弱パターン」であって「リーチ中」が「強パターン」の文字パターンが20%、「リーチ発生時」が「強パターン」であって「リーチ中」が「弱パターン」の文字パターンが20%、「リーチ発生時」及び「リーチ中」が共に「強パターン」の文字パターンが50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出において「E6:スーパーリーチ」の演出態様が選択された場合は、「リーチ発生時」及び「リーチ中」が共に「強パターン」の文字パターンが最も発生し易い(50%)ように設定されている。
次いで、図18の例で示すように、「E7:スペシャルリーチ」の演出態様が選択された場合は、それぞれのタイミングにおける文字パターンと文字パターンカウンタ223eとの対応付けが、「リーチ発生時」が「弱パターン」、かつ、「リーチ中」が「弱パターン」の文字パターンに対して「0〜9」、「リーチ発生時」が「弱パターン」、かつ、「リーチ中」が「強パターン」の文字パターンに対して「10〜39」、「リーチ発生時」が「強パターン」、かつ、「リーチ中」が「弱パターン」の文字パターンに対して「40〜69」、「リーチ発生時」が「強パターン」、かつ、「リーチ中」が「強パターン」の文字パターンに対して「70〜99」となっている。
即ち、「E7:スーパーリーチ」の変動演出では、「リーチ発生時」及び「リーチ中」が共に「弱パターン」の文字パターンが10%、「リーチ発生時」が「弱パターン」であって「リーチ中」が「強パターン」の文字パターンが30%、「リーチ発生時」が「強パターン」であって「リーチ中」が「弱パターン」の文字パターンが30%、「リーチ発生時」及び「リーチ中」が共に「強パターン」の文字パターンが30%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出において「E7:スペシャルリーチ」の演出態様が選択された場合は、「リーチ発生時」及び「リーチ中」が「弱パターン」以外の文字パターン、即ち、「リーチ発生時」が「弱パターン」であって「リーチ中」が「強パターン」の文字パターン、「リーチ発生時」が「強パターン」であって「リーチ中」が「弱パターン」の文字パターン、又は、「リーチ発生時」及び「リーチ中」が共に「強パターン」の文字パターンが均等に選択され易い(共に30%)ように設定されている。
なお、図18の例で示すように、「E8:特殊変動」の演出態様が選択された場合には、変動演出において「ムービー」の変動要素が実行され、定型句文字表示Se3以外のいずれの文字表示も現出しない。よって、各文字表示Se1,Se2における「弱パターン」又は「強パターン」を決定する必要がないので、文字パターンカウンタ223eの値が対応付けられていない。従って、「E8:特殊変動」の演出態様に対応する文字パターンカウンタ223eに関して「−」と表記する。
なお、本実施形態において、「E8:特殊変動」では文字表示は現出することはないので、大当たり用文字パターンテーブル222g1において「E8:特殊変動」の区分け(グループ)を設けなくてもよい。また、上述したように、「図柄仮停止」のタイミングで現出する疑似定型句文字表示Se4と、「図柄停止」のタイミングで現出する定型句文字表示Se3とは、文字パターンが単一であるため、この大当たり用文字パターンテーブル222g1に設けないように構成してもよい。
次に、図19を参照して、ハズレ用文字パターンテーブル222g2について説明する。図19は、ハズレ用文字パターンテーブル222g2の一例を模式的に示した図である。図19で示すように、ハズレ用文字パターンテーブル222g2では、大当たり用文字パターンテーブル222g1と同様、縦行が、ハズレ時において選択された演出態様即ち、「非リーチ(短縮)」演出態様、「非リーチ(通常)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様及び「スペシャルリーチ」演出態様ごとにグループ分けされている。
具体的には、演出態様として、「非リーチ(短縮)」演出態様が決定された場合に参照される「E0:非リーチ(短縮)」用と、「非リーチ(通常)」演出態様が決定された場合に参照される「E1:非リーチ(通常)」用と、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E2:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E3:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E4:スペシャルリーチ」用と、に区分けされている。そして、その区分けされた演出態様のグループに対してそれぞれ文字パターンカウンタ223eの取り得る値が対応付けられている。
また、図19で示すように、ハズレ用文字パターンテーブル222g2の横列は、変動表示において文字表示が現出するタイミング(「リーチ発生時」、「リーチ中」又は「図柄停止」の3パターン)ごとに現出する文字表示の文字パターンが対応付けられている。なお、ハズレ時は、「再変動」の変動要素が選択されないため、ハズレ用文字パターンテーブル222g2では、大当たり用文字パターンテーブル222g1とは異なり、「図柄仮停止」の現出タイミングは設けられていない。
ここで、ハズレ用文字パターンテーブル222g2における各演出態様毎の文字パターンカウンタ223eの割り振りについて具体的に説明する。図19の例で示すように、「E0:非リーチ(短縮)」及び「E1:非リーチ(通常)」の演出態様が選択された場合には、変動演出において「リーチ表示」が発生しないため、いずれの文字表示Se1〜Se4も現出しない。よって、各文字表示Se1,Se2における「弱パターン」又は「強パターン」を決定する必要がないので、文字パターンカウンタ223eの値が対応付けられていない。従って、「E0:非リーチ(短縮)」及び「E1:非リーチ(通常)」の演出態様に対応する文字パターンカウンタ223eに関しては「−」と表記する。
なお、本実施形態において、「E0:非リーチ(短縮)」及び「E1:非リーチ(通常)」では文字表示は現出することはないので、ハズレ用文字パターンテーブル222g2において「E0:非リーチ(短縮)」及び「E1:非リーチ(通常)」の区分け(グループ)を設けないように構成してもよい。
次いで、図19の例で示すように、「E2:ノーマルリーチ」の演出態様が選択された場合には、それぞれのタイミングにおける文字パターンと文字パターンカウンタ223eとの対応付けが、「リーチ発生時」の「弱パターン」の文字パターンに対して「0〜89」、「リーチ発生時」の「強パターン」に対して「90〜99」となっている。
即ち、「E2:ノーマルリーチ」の変動演出では、「リーチ発生時」の「弱パターン」の文字パターンが90%、「リーチ発生時」の「強パターン」の文字パターンが10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出において「E2:ノーマルリーチ」の演出態様が選択された場合は、「リーチ発生時」の「弱パターン」の文字パターンが最も発生し易い(90%)ように設定されている。
なお、「E2:ノーマルリーチ」の演出態様が選択された場合は、「リーチ中」のタイミングに文字パターンカウンタ223eの値が割り振られていない。これは、「E5:ノーマルリーチ」と同様、「リーチ中」の実行タイミングにおいて遊技者側のキャラクタ図柄から発せられる文字表示を表示することができないためである。
次いで、図19の例で示すように、「E3:スーパーリーチ」の演出態様が選択された場合には、それぞれのタイミングにおける文字パターンと文字パターンカウンタ223eとの対応付けが、「リーチ発生時」が「弱パターン」、かつ、「リーチ中」が「弱パターン」の文字パターンに対して「0〜69」、「リーチ発生時」が「弱パターン」、かつ、「リーチ中」が「強パターン」の文字パターンに対して「70〜84」、「リーチ発生時」が「強パターン」、かつ、「リーチ中」が「弱パターン」の文字パターンに対して「85〜94」、「リーチ発生時」が「強パターン」、かつ、「リーチ中」が「強パターン」の文字パターンに対して「95〜99」となっている。
即ち、「E3:スーパーリーチ」の変動演出では、「リーチ発生時」及び「リーチ中」が共に「弱パターン」の文字パターンが70%、「リーチ発生時」が「弱パターン」であって「リーチ中」が「強パターン」の文字パターンが15%、「リーチ発生時」が「強パターン」であって「リーチ中」が「弱パターン」の文字パターンが10%、「リーチ発生時」及び「リーチ中」が共に「強パターン」の文字パターンが5%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出において「E3:スーパーリーチ」の演出態様が選択された場合は、「リーチ発生時」及び「リーチ中」が「弱パターン」の文字パターンが最も発生し易い(70%)ように設定されている。
次いで、図19の例で示すように、「E4:スペシャルリーチ」の演出態様が選択された場合は、それぞれのタイミングにおける文字パターンと文字パターンカウンタ223eとの対応付けが、「リーチ発生時」が「弱パターン」、かつ、「リーチ中」が「弱パターン」の文字パターンに対して「0〜89」、「リーチ発生時」が「弱パターン」、かつ、「リーチ中」が「強パターン」の文字パターンに対して「90〜94」、「リーチ発生時」が「強パターン」、かつ、「リーチ中」が「弱パターン」の文字パターンに対して「95〜97」、「リーチ発生時」が「強パターン」、かつ、「リーチ中」が「強パターン」の文字パターンに対して「98,99」となっている。
即ち、「E4:スーパーリーチ」の変動演出では、「リーチ発生時」及び「リーチ中」が共に「弱パターン」の文字パターンが90%、「リーチ発生時」が「弱パターン」であって「リーチ中」が「強パターン」の文字パターンが5%、「リーチ発生時」が「強パターン」であって「リーチ中」が「弱パターン」の文字パターンが3%、「リーチ発生時」及び「リーチ中」が共に「強パターン」の文字パターンが2%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出において「E4:スペシャルリーチ」の演出態様が選択された場合は、「リーチ発生時」及び「リーチ中」が「弱パターン」の文字パターンが最も発生し易い(90%)ように設定されている。
本パチンコ機10では、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様は、ハズレ時に選択され難く、大当たり時に選択され易い演出態様として設定されている。従って、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合に、「リーチ発生時」又は「リーチ中」において「強パターン」の文字表示が現出してしまうと、変動演出の結果としてハズレが現出する状況であるにも関わらず、大当たり期待度が高い「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様が実行されると共に、大当たり期待度が高い「リーチ発生時」又は「リーチ中」に「強パターン」の文字表示を目の当たりにすることで、遊技者の大当たりに対する期待度が過度に高まってしまう。そして、遊技者の大当たりに対する期待度が高まった状態で、変動演出において「ハズレ表示」が現出してしまうと、遊技者は、大当たり期待値が高い演出(「スーパーリーチ」演出態様等+各文字表示Se1,Se2の「強パターン」)が複合したことによって「大当たり表示」が現出する可能性が高いことを散々煽られたことによって、該「ハズレ表示」の現出によって興醒めしてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合には、「リーチ発生時」又は「リーチ中」において「強パターン」の文字表示を選択し難く構成することで、遊技者が興醒めしてしまうケースを少なくすることができる。
また、本パチンコ機10では、大当たり時に「リーチ発生時」又は「リーチ中」における「強パターン」の文字パターンが選択され易いように構成されている。このように構成することで、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の実行と相俟って「リーチ発生時」又は「リーチ中」における「強パターン」が実行される場合には、該変動演出の表示結果として「大当たり表示」が現出する可能性を高めることができる。その結果、「リーチ発生時」又は「リーチ中」における「強パターン」が現出した後の「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素における「際演出」で、いずれの表示結果が現出するか否かの興趣を飛躍的に高めることができる。
なお、上述したように、「図柄停止」のタイミングで現出する定型句文字表示Se3は、文字パターンが単一であるため、大当たり用文字パターンテーブル222g1と同様、このハズレ用文字パターンテーブル222g2に設けないように構成してもよい。
図14に戻って説明を続ける。文字色抽選カウンタ223fは、第3図柄の変動演出において「リーチ表示」が実行される場合に現出する各文字表示Se1〜Se4の表示色を抽選するためのカウンタである。第1実施形態では、各文字表示Se1〜Se4の表示色として、通常の表示色として「白色」と、該通常の表示色よりも大当たり期待度が高い第1チャンスアップパターンの表示色として「赤色」と、該第1チャンスアップパターンより大当たり期待度が高い第2チャンスアップパターンの表示色として「金色」と、の合計3パターンの表示色を表示可能に構成されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信したことに基づいて、後述する変動演出処理(図44参照)を行い、該変動演出処理において、文字色抽選カウンタ223f及び文字色変化テーブル222hを用いることで、「リーチ表示」時に現出させる各文字表示Se1〜Se4の表示色が抽選される。
この文字色抽選カウンタ223fは、音声ランプ制御装置113のメイン処理のカウンタ更新処理(図41のS1111参照)において、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。文字色抽選カウンタ223fの値は、メイン処理が1回ループする毎に1回(図41のS1111参照)更新(例えば、1加算)される。第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110から変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信した場合に、この文字色変化テーブル222hを参照し、その変動パターンコマンド及び停止種別コマンドが示す変動演出の演出態様と、文字色抽選カウンタ223fの値とに応じて、各文字表示Se1〜Se4の表示色の内容が決定される(図46参照)。
第1実施形態のパチンコ機10では、この文字色抽選カウンタ223f及び文字色変化テーブル222hに基づく表示色の抽選に当選した場合であって大当たりに当選している場合は、該当選した表示色の変化タイミング(変化タイミングの詳細については後述する)による違いはあるが、各文字表示Se1〜Se4の表示色が一括で設定されるように構成されている。即ち、いずれかの文字表示Se1,Se2の表示色が変更された場合、その変更された表示色で以降の文字表示Se2〜Se4の文字色が表示される。
これは、第1実施形態のように、変動演出の複数の箇所で文字表示Se1〜Se4が現出する構成の場合に、それぞれの文字表示Se1〜Se4毎に「赤色」や「金色」のチャンスアップパターンを抽選する構成であると、その文字表示の数分の抽選処理が必要になって処理負担が増大してしまうからである。また、変動演出において先に実行される文字表示において、表示色が変更されたチャンスアップパターンの文字表示を現出させた後、後に実行される文字表示において、チャンスアップパターンでない通常のパターンの文字表示を現出させてしまうと、大当たり期待度が成り下がった表現(以下、「成り下がり表現」という)になってしまい、折角、チャンスアップパターンの現出によって気分が高揚していた遊技者が、該成り下がり表現を目の当たりにすることで興醒めしてしまうおそれがあるからである。
よって、変動演出の文字表示において表示色の抽選を一括で行い、一度でもチャンスアップパターンが現出された場合は、以降の文字表示においてもチャンスアップパターンを踏襲して現出させるように構成することで、それぞれの文字表示毎に抽選処理を行う必要がなくなり、処理負担を軽減させることができる。また、チャンスアップパターンに設定された場合に、該チャンスアップパターンを以降の文字表示でも踏襲することで、文字表示における成り下がり表現が発生してしまう現象を未然に排除して、遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。特に、変動演出においてチャンスアップパターンを実行可能な文字表示の現出箇所が多くなればなるほど(例えば、5箇所以上等)、上記一括抽選が好適に作用し、制御負担を顕著に軽減させることが可能となる。
ここで、図22を参照して、文字色変化テーブル222hについて説明する。図22は、文字色変化テーブル222hの一例を模式的に示した図である。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて第3図柄の変動演出においていずれかの「リーチ表示」を実行する場合に、この文字色変化テーブル222hを参照し、その時点での文字色抽選カウンタ223fの値と、「リーチ表示」の種類(演出態様の種類)とに基づいて、「リーチ表示」において現出される文字表示Se1〜Se4の表示色(変化色)を決定する。図22で示すように、文字色変化テーブル222hは、選択された演出態様に基づいてグループ分けされている。
具体的には、ハズレ時における「非リーチ(短縮)」演出態様が決定された場合に参照される「E0:非リーチ(短縮)」用と、ハズレ時における「非リーチ(通常)」演出態様が決定された場合に参照される「E1:非リーチ(通常)」用と、ハズレ時における「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E2:ノーマルリーチ」用と、ハズレ時における「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E3:スーパーリーチ」用と、ハズレ時における「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E4:スペシャルリーチ」用と、大当たり時における「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E5:ノーマルリーチ」用と、大当たり時における「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E6:スーパーリーチ」用と、大当たり時における「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E7:スペシャルリーチ」用と、大当たり時における「特殊変動」演出態様が決定された場合に参照される「E8:特殊変動」用と、に区分けされている。そして、区分けされたグループに対してそれぞれ文字色抽選カウンタ223fの取り得る値が対応付けられている。
なお、第1実施形態では、「E0:非リーチ(短縮)」、「E1:非リーチ(通常)」及び「E8:特殊変動」には、文字表示Se1,Se2が現出しない構成であるため、文字色変化テーブル222hにおいて、「E0:非リーチ(短縮)」、「E1:非リーチ(通常)」及び「E8:特殊変動」には文字色抽選カウンタ223fの値が割り振られていない。この「E0:非リーチ(短縮)」、「E1:非リーチ(通常)」及び「E8:特殊変動」の区分け(グループ)を、この文字色変化テーブル222hに設けないように構成してもよい。
文字色変化テーブル222hにおいて、ハズレ時の「E2:ノーマルリーチ」には、文字表示Se1〜Se4の表示色(変化色)が、通常の表示色(「白色」)から変化しない「無し」の1つの表示態様が選択されるように構成されている。即ち、「E2:ノーマルリーチ」には、文字表示Se1〜Se4の表示色が、赤色に変化する「赤色」と、金色に変化する「金色」との表示態様が選択されないように、文字色抽選カウンタ223fの値が対応付けられていない。従って、第1実施形態では、「E2:ノーマルリーチ」の演出態様が選択された場合は、文字表示Se1〜Se4の色が変化しない「無し(「白色」)」のみが選択されるため、文字表示Se1〜Se4の表示色は変化しない。
即ち、第1実施形態では、文字表示Se1〜Se4の表示色の「赤色」は、大当たり時若しくはハズレ時の「スーパーリーチ以上」演出態様、又は、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様でのみ選定され、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様では「赤色」の文字表示Se1〜Se4が選択されない。その結果、「赤色」の文字表示Se1〜Se4が現出した場合、大当たり時若しくはハズレ時の「スーパーリーチ以上」演出態様、又は、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様が選択されたことが確定するように構成されている。なお、この「E2:ノーマルリーチ」の区分け(グループ)を、この文字色変化テーブル222hに設けないように構成してもよい。
文字色変化テーブル222hにおいて、ハズレ時の「E3:スーパーリーチ」には、文字表示Se1〜Se4の表示色が、通常の表示色(「白色」)から変化しない「無し」と、赤色に変化する「赤色」と、金色に変化する「金色」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して文字色抽選カウンタ223fの取り得る値が対応付けられている。
図22で示す例では、「E3:スーパーリーチ」における文字色抽選カウンタ223fの値と文字表示の表示色(変化色)との対応付けが、「無し」に対して「0〜89」、「赤色」に対して「90〜98」、「金色」に対して「99」となっている。
即ち、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合は、文字表示Se1〜Se4が「無し(「白色」)」の表示色が90%、「赤色」の表示色が9%、「金色」の表示色が1%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様時に選択される文字表示Se1〜Se4の表示色は、表示色が変化しない「無し」が選択され易い設定(90%)となっている。
文字色変化テーブル222hにおいて、ハズレ時の「E4:スペシャルリーチ」には、文字表示Se1〜Se4の表示色が、通常の表示色(「白色」)から変化しない「無し」と、赤色に変化する「赤色」と、金色に変化する「金色」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して文字色抽選カウンタ223fの取り得る値が対応付けられている。
図22で示す例では、「E4:スペシャルリーチ」における文字色抽選カウンタ223fの値と文字表示の表示色(変化色)との対応付けが、「無し」に対して「0〜79」、「赤色」に対して「80〜98」、「金色」に対して「99」となっている。
即ち、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合は、文字表示Se1〜Se4が「無し(「白色」)」の表示色が80%、「赤色」の表示色が19%、「金色」の表示色が1%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様時に選択される文字表示Se1〜Se4の表示色は、表示色が変化しない「無し」が選択され易い設定(80%)となっている。
文字色変化テーブル222hにおいて、大当たり時の「E5:ノーマルリーチ」には、文字表示Se1〜Se4の表示色が、通常の表示色(「白色」)から変化しない「無し」と、赤色に変化する「赤色」と、金色に変化する「金色」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して文字色抽選カウンタ223fの取り得る値が対応付けられている。
図22で示す例では、「E5:ノーマルリーチ」における文字色抽選カウンタ223fの値と文字表示の表示色(変化色)との対応付けが、「無し」に対して「0〜29」、「赤色」に対して「30〜89」、「金色」に対して「90〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合は、文字表示Se1〜Se4が「無し(「白色」)」の表示色が30%、「赤色」の表示色が60%、「金色」の表示色が10%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様時に選択される文字表示Se1〜Se4の表示色は、「赤色」の表示色が選択され易い(60%)設定となっているため、文字表示Se1〜Se4の表示色が変化し易いように設定されている。
文字色変化テーブル222hにおいて、大当たり時の「E6:スーパーリーチ」には、文字表示Se1〜Se4の表示色が、通常の表示色(「白色」)から変化しない「無し」と、赤色に変化する「赤色」と、金色に変化する「金色」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して文字色抽選カウンタ223fの取り得る値が対応付けられている。
図22で示す例では、「E6:スーパーリーチ」における文字色抽選カウンタ223fの値と文字表示の表示色(変化色)との対応付けが、「無し」に対して「0〜19」、「赤色」に対して「20〜79」、「金色」に対して「80〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合は、文字表示Se1〜Se4が「無し(「白色」)」の表示色が30%、「赤色」の表示色が60%、「金色」の表示色が10%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様時に選択される文字表示Se1〜Se4の表示色は、「赤色」の表示色が選択され易い(60%)設定となっているため、文字表示Se1〜Se4の表示色が変化し易いように設定されている。
文字色変化テーブル222hにおいて、大当たり時の「E7:スペシャルリーチ」には、文字表示Se1〜Se4の表示色が、通常の表示色(「白色」)から変化しない「無し」と、赤色に変化する「赤色」と、金色に変化する「金色」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して文字色抽選カウンタ223fの取り得る値が対応付けられている。
図22で示す例では、「E7:スペシャルリーチ」における文字色抽選カウンタ223fの値と文字表示の表示色(変化色)との対応付けが、「無し」に対して「0〜9」、「赤色」に対して「10〜69」、「金色」に対して「70〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合は、文字表示Se1〜Se4が「無し(「白色」)」の表示色が10%、「赤色」の表示色が60%、「金色」の表示色が30%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様時に選択される文字表示Se1〜Se4の表示色は、「赤色」の表示色が選択され易い(60%)設定となっているため、文字表示Se1〜Se4の表示色が変化し易いように設定されている。
よって、ハズレ時の文字表示Se1〜Se4の表示色は、例えば、「通常遊技状態」中における保留球数が1個目の場合、即ち、Aテーブル202d1によって演出態様が選択された場合では、文字表示Se1〜Se4の表示色が、「白色」のまま変化しない「無し」が99.3%、「赤色」が0.65%、「金色」が0.05%の割合で選択される。また、大当たり時の文字表示Se1〜Se4の表示色は、例えば、「15R確変大当たり」に当選した場合、即ち、Cテーブル202d3によって演出態様が選択された場合は、文字表示Se1〜Se4の表示色が、「白色」のまま変化しない「無し」が14.5%、「赤色」が60%、「金色」が25.5%の割合で選択される。従って、第3図柄の大当たり抽選に当選した場合には、「リーチ表示」中に現出する文字表示Se1〜Se4のうち、「赤色」や「金色」が選択され易く、「無し」が選択され難い一方、大当たり抽選にハズレた場合には、「無し」が選択され易く、「赤色」や「金色」が選択され難い。
本パチンコ機10では、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様は、ハズレ時に選択され難く、大当たり時に選択され易い演出態様として設定されている。従って、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合に、「リーチ発生時」又は「リーチ中」に表示される文字表示Se1,Se2の表示色を、大当たり期待度が高い「赤色」や「金色」で表示してしまうと、該ハズレの変動演出であるにも関わらず大当たり期待度が過度に高まってしまう。その大当たり期待度が高まった状態で、変動演出において「ハズレ表示」が現出してしまうと、大当たり期待値が高い演出(「スーパーリーチ」演出態様等+各文字表示Se1,Se2の「赤色」等)が複合したことによって「大当たり表示」が現出する可能性が高いことを散々煽られた遊技者は、該「ハズレ表示」の現出によって興醒めしてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合には、「リーチ発生時」又は「リーチ中」に表示される文字表示Se1,Se2の表示色において「赤色」や「金色」を選択し難く構成することで、遊技者が興醒めしてしまうケースを少なくすることができる。
また、本パチンコ機10では、「リーチ発生時」及び「リーチ中」に表示される文字表示Se1,Se2の表示色に関し、ハズレ時より大当たり時の方が「赤色」や「金色」を選択し易いように構成されている。このように構成することで、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の実行と相俟って「リーチ発生時」又は「リーチ中」における文字表示Se1,Se2が「赤色」又は「金色」で実行される場合には、該変動演出の表示結果として「大当たり表示」が現出する可能性を高めることができる。その結果、「リーチ発生時」又は「リーチ中」における文字表示Se1,Se2の表示色が変化した後の「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素における「際演出」で、いずれの表示結果が現出するか否かの興趣を飛躍的に高めることができる。
さらに、「リーチ発生時」又は「リーチ中」における「強パターン」の文字パターンが表示色の変化と複合する場合は、該変動演出の表示結果として「大当たり表示」が現出する可能性を更に高めることができる。その結果、「リーチ発生時」又は「リーチ中」において、文字パターンとして「強パターン」、表示色として「赤色」又は「金色」が現出した後の「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素における「際演出」で、いずれの表示結果が現出するか否かの興趣を更に高めることができる。
図14に戻って説明を続ける。色変化タイミングカウンタ223gは、第3図柄の変動演出において「リーチ表示」が実行される場合に現出するリーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2(以下、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2を総称して、「各文字表示Se1,Se2」という場合がある)の表示色を変更する(変化させる)タイミングを抽選するためのカウンタである。
即ち、上記文字色抽選カウンタ223f及び文字色変化テーブル222hによって、各文字表示Se1,Se2の表示色を変更する抽選に当選した場合(例えば、大当たり時の「スペシャルリーチ」において文字色抽選カウンタの値が「10」〜「99」の範囲内である場合)に、当選した(選択された)表示色に応じて、リーチ発生時文字表示Se1の現出タイミングで該表示色に変化させるか、或いは、リーチ中文字表示Se2を現出するタイミングで該表示色に変化させるかが抽選により決定されるように構成されている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信したことに基づいて、後述する変動演出処理(図44参照)を行い、該変動演出処理において、色変化タイミングカウンタ223g及び色変化タイミングテーブル222iを用いることで、各文字表示Se1,Se2の表示色を変化させるタイミングが抽選される。
この色変化タイミングカウンタ223gは、音声ランプ制御装置113のメイン処理のカウンタ更新処理(図41のS1111参照)において、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。色変化タイミングカウンタ223gの値は、メイン処理が1回ループする毎に1回(図41のS1111参照)更新(例えば、1加算)される。第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110から変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信した場合に、その変動パターンコマンド及び停止種別コマンドが示す変動演出の演出態様に応じて色変化タイミングカウンタ223gの値と、色変化タイミングテーブル222iとを参照し、各文字表示Se1,Se2のおける表示色の変化タイミングが決定される(図46参照)。
なお、上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、色変化タイミングカウンタ223g及び色変化タイミングテーブル222iによる抽選に基づいて各文字表示Se1,Se2の表示色を変更した場合、その変更された文字表示Se1,Se2以降に現出する文字表示Se2〜Se4の表示色において、変更された文字表示Se1,Se2の表示色を引き継ぐ(踏襲する)ように構成されている。
このように構成することで、文字抽選毎に抽選処理を行う必要がなくなり、処理負担を軽減させることができると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色が「赤色」又は「金色」のチャンスアップパターンに設定された場合に、該チャンスアップパターンを以降の文字表示でも踏襲して表示することができ、文字表示における成り下がり表現の発生を防止することができる。また、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングを一括して抽選によって決定することで、各文字表示Se1,Se2ごとにそれぞれ表示色の変化を抽選するよりも簡易な制御で表示色の変化パターンを多様化し、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、図23を参照して、色変化タイミングテーブル222iについて説明する。図23は、色変化タイミングテーブル222iの一例を模式的に示した図である。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて第3図柄の変動演出においていずれかの「リーチ表示」を実行する場合に、この色変化タイミングテーブル222iを参照し、その変動パターンコマンド及び停止種別コマンドが示す変動演出の演出態様(「リーチ表示」の種類)と、その時点での色変化タイミングカウンタ223gの値とに基づいて、「リーチ表示」において現出される各文字表示Se1,Se2の表示色を変更する変化タイミングを決定する。図23で示すように、色変化タイミングテーブル222iは、選択された演出態様と、決定された各文字表示Se1,Se2の表示色(変化色)とに基づいてグループ分けされている。
具体的には、ハズレ時において、「非リーチ(短縮)」演出態様が決定された場合に参照される「E0:非リーチ(短縮)」における「赤色」用及び「金色」用と、「非リーチ(通常)」演出態様が決定された場合に参照される「E1:非リーチ(通常)」における「赤色」用及び「金色」用と、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E2:ノーマルリーチ」における「赤色」用及び「金色」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E3:スーパーリーチ」における「赤色」用及び「金色」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E4:スペシャルリーチ」における「赤色」用及び「金色」用と、に区分けされている。そして、区分けされたグループに対してそれぞれ色変化タイミングカウンタ223gの取り得る値が対応付けられている。
また、大当たり時において、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E5:ノーマルリーチ」における「赤色」用及び「金色」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E6:スーパーリーチ」における「赤色」用及び「金色」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E7:スペシャルリーチ」における「赤色」用及び「金色」用と、「特殊変動」演出態様が決定された場合に参照される「E8:特殊変動」における「赤色」用及び「金色」用と、に区分けされている。そして、区分けされたグループに対してそれぞれ色変化タイミングカウンタ223gの取り得る値が対応付けられている。
第1実施形態では、「E0:非リーチ(短縮)」、「E1:非リーチ(通常)」及び「E8:特殊変動」には、各文字表示Se1,Se2が現出しない構成であるため、色変化タイミングテーブル222iにおいて、「E0:非リーチ(短縮)」、「E1:非リーチ(通常)」及び「E8:特殊変動」には色変化タイミングカウンタ223gの値が割り振られていない。また、ハズレ時の「E2:ノーマルリーチ」では、各文字表示Se1,Se2の表色の変化抽選に当選することはなく(図22参照)、各文字表示Se1,Se2の表示色は変更されないため、色変化タイミングテーブル222iにおいて「E2:ノーマルリーチ」には色変化タイミングカウンタ223gの値が割り振られていない。
なお、第1実施形態において、「E0:非リーチ(短縮)」、「E1:非リーチ(通常)」、「E2:ノーマルリーチ」及び「E8:特殊変動」では、文字表示が現出しない、或いは、文字表示の表示色が変化しないので、色変化タイミングテーブル222iにおいて「E0:非リーチ(短縮)」、「E1:非リーチ(通常)」、「E2:ノーマルリーチ」及び「E8:特殊変動」の区分け(グループ)を設けないように構成してもよい。
色変化タイミングテーブル222iにおいて、ハズレ時の「E3:スーパーリーチ」において「赤色」の表示色に当選した場合には、変化タイミングとして「リーチ発生時」と、「リーチ中」との2つの変化タイミングが選択可能に用意され、各変化タイミングに対して色変化タイミングカウンタ223gの取り得る値が対応付けられている。
図23で示す例では、「E3:スーパーリーチ」において「赤色」の表示色における色変化タイミングカウンタ223gの値と変化タイミングとの対応付けが、「リーチ発生時」に対して「0〜9」、「リーチ中」に対して「10〜99」となっている。
即ち、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様が選択され、かつ、文字表示の表示色として「赤色」が選択された場合は、文字表示の表示色の変化タイミングとして、「リーチ発生時」の変化タイミングが10%、「リーチ中」の変化タイミングが90%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様であって、文字表示の表示色に「赤色」が選択された場合は、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中に表示されるリーチ中文字表示Se2が表示されるタイミングで該リーチ中文字表示Se2の表示色が「赤色」に変更され易い設定(90%)となっている。
次いで、色変化タイミングテーブル222iにおいて、ハズレ時の「E3:スーパーリーチ」において「金色」の表示色に当選した場合には、変化タイミングとして「リーチ発生時」と、「リーチ中」との2つの変化タイミングが選択可能に用意され、各変化タイミングに対して色変化タイミングカウンタ223gの取り得る値が対応付けられている。
図23で示す例では、「E3:スーパーリーチ」において「金色」の表示色における色変化タイミングカウンタ223gの値と変化タイミングとの対応付けが、「リーチ発生時」に対して「0,1」、「リーチ中」に対して「2〜99」となっている。
即ち、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様が選択され、かつ、文字表示の表示色として「金色」が選択された場合は、文字表示の表示色の変化タイミングとして、「リーチ発生時」の変化タイミングが2%、「リーチ中」の変化タイミングが98%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様であって、文字表示の表示色に「金色」が選択された場合は、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中に表示されるリーチ中文字表示Se2が表示されるタイミングで該リーチ中文字表示Se2の表示色が「金色」に変更され易い設定(98%)となっている。
次いで、色変化タイミングテーブル222iにおいて、ハズレ時の「E4:スペシャルリーチ」において「赤色」の表示色に当選した場合には、変化タイミングとして「リーチ発生時」と、「リーチ中」との2つの変化タイミングが選択可能に用意され、各変化タイミングにおいて色変化タイミングカウンタ223gの取り得る値が対応付けられている。
図23で示す例では、「E4:スペシャルリーチ」において「赤色」の表示色における色変化タイミングカウンタ223gの値と変化タイミングとの対応付けが、「リーチ発生時」に対して「0〜4」、「リーチ中」に対して「5〜99」となっている。
即ち、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択され、かつ、文字表示の表示色として「赤色」が選択された場合は、文字表示の表示色の変化タイミングとして「リーチ発生時」の変化タイミングが5%、「リーチ中」の変化タイミングが95%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様であって、文字表示の表示色に「赤色」が選択された場合は、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中に表示されるリーチ中文字表示Se2が表示されるタイミングで該リーチ中文字表示Se2の表示色が「赤色」に変更され易い設定(95%)となっている。
次いで、色変化タイミングテーブル222iにおいて、ハズレ時の「E4:スペシャルリーチ」において「金色」の表示色に当選した場合には、変化タイミングとして「リーチ発生時」と、「リーチ中」との2つの変化タイミングが選択可能に用意され、各変化タイミングにおいて色変化タイミングカウンタ223gの取り得る値が対応付けられている。
図23で示す例では、「E4:スペシャルリーチ」において「金色」の表示色における色変化タイミングカウンタ223gの値と変化タイミングとの対応付けが、「リーチ発生時」に対して「0」、「リーチ中」に対して「1〜99」となっている。
即ち、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択され、かつ、文字表示の表示色として「金色」が選択された場合は、文字表示の表示色の変化タイミングとして「リーチ発生時」の変化タイミングが1%、「リーチ中」の変化タイミングが99%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様であって、文字表示の表示色に「金色」が選択された場合は、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中に表示されるリーチ中文字表示Se2が表示されるタイミングで該リーチ中文字表示Se2の表示色が「金色」に変更され易い設定(99%)となっている。
このように、ハズレ時の「リーチ表示」では、「リーチ発生時」より「リーチ中」に文字表示の表示色が変化し易いように構成されている。これは、「リーチ発生時」のタイミングで文字表示の表示色を変更してしまうと、結果的にハズレとなる変動演出において、「リーチ発生時」に文字表示の表示色を変化させることで変動演出の前半部分から大当たりへの期待を過度に煽ってしまい、遊技者は過度に煽られたことによって遊技に興醒めしてしまうおそれがあるからである。従って、ハズレの変動演出において、「リーチ発生時」より「リーチ中」に文字表示の表示色を変化し易いように構成することで、ハズレの変動演出において遊技者を過度に煽ることなく、遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。なお、大当たり時において「リーチ中」にも文字表示の表示色の変化が発生し得るように構成することで、「リーチ発生時」に文字表示の表示色が変化しなかった場合であっても、該変動演出において大当たりを期待することができるように構成されている。
次いで、色変化タイミングテーブル222iにおいて、大当たり時の「E5:ノーマルリーチ」において「赤色」又は「金色」の表示色に当選した場合には、変化タイミングとして「リーチ発生時」の1つの変化タイミングが選択されるように構成されている。即ち、「E5:ノーマルリーチ」には、「スーパーリーチ」の変動要素及び「スペシャルリーチ」の変動要素が実行され得ないため、該「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中に表示され得る「リーチ中」の文字表示も表示され得ない。よって、「E5:ノーマルリーチ」の演出態様が選択された場合には、「リーチ中」の変化タイミングには色変化タイミングカウンタ223gの値が対応付けられていない。従って、第1実施形態では、「E5:ノーマルリーチ」の演出態様が選択された場合は、「リーチ発生時」の変化タイミングのみが選択されるため、「リーチ発生時」のタイミングで表示されるリーチ発生時文字表示Se1が表示されるタイミングで該リーチ発生時文字表示Se1の表示色が「赤色」又は「金色」に変化して表示される。
なお、第1実施形態において、「E5:ノーマルリーチ」では、文字表示の変化タイミングが単一であるので、色変化タイミングテーブル222iにおいて「E5:ノーマルリーチ」の区分け(グループ)を設けないように構成してもよい。
色変化タイミングテーブル222iにおいて、大当たり時の「E6:スーパーリーチ」において「赤色」の表示色に当選した場合には、変化タイミングとして「リーチ発生時」と、「リーチ中」との2つの変化タイミングが選択可能に用意され、各変化タイミングに対して色変化タイミングカウンタ223gの取り得る値が対応付けられている。
図23で示す例では、「E6:スーパーリーチ」において「赤色」の表示色における色変化タイミングカウンタ223gの値と変化タイミングとの対応付けが、「リーチ発生時」に対して「0〜79」、「リーチ中」に対して「80〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様が選択され、かつ、文字表示の表示色として「赤色」が選択された場合は、文字表示の表示色の変化タイミングとして、「リーチ発生時」の変化タイミングが80%、「リーチ中」の変化タイミングが20%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様であって、文字表示の表示色に「赤色」が選択された場合は、「ノーマルリーチ」の変動要素の開始時に表示されるリーチ発生時文字表示Se1が表示されるタイミングで該リーチ発生時文字表示Se1の表示色が「赤色」に変更され易い設定(80%)となっている。
次いで、色変化タイミングテーブル222iにおいて、大当たり時の「E6:スーパーリーチ」において「金色」の表示色に当選した場合には、変化タイミングとして「リーチ発生時」と、「リーチ中」との2つの変化タイミングが選択可能に用意され、各変化タイミングに対して色変化タイミングカウンタ223gの取り得る値が対応付けられている。
図23で示す例では、「E6:スーパーリーチ」において「金色」の表示色における色変化タイミングカウンタ223gの値と変化タイミングとの対応付けが、「リーチ発生時」に対して「0〜69」、「リーチ中」に対して「70〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様が選択され、かつ、文字表示の表示色として「金色」が選択された場合は、文字表示の表示色の変化タイミングとして、「リーチ発生時」の変化タイミングが70%、「リーチ中」の変化タイミングが30%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様であって、文字表示の表示色に「金色」が選択された場合は、「ノーマルリーチ」の変動要素の開始時に表示されるリーチ発生時文字表示Se1が表示されるタイミングで該リーチ発生時文字表示Se1の表示色が「金色」に変更され易い設定(70%)となっている。
次いで、色変化タイミングテーブル222iにおいて、大当たり時の「E7:スペシャルリーチ」において「赤色」の表示色に当選した場合には、変化タイミングとして「リーチ発生時」と、「リーチ中」との2つの変化タイミングが選択可能に用意され、各変化タイミングに対して色変化タイミングカウンタ223gの取り得る値が対応付けられている。
図23で示す例では、「E7:スペシャルリーチ」において「赤色」の表示色における色変化タイミングカウンタ223gの値と変化タイミングとの対応付けが、「リーチ発生時」に対して「0〜69」、「リーチ中」に対して「70〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択され、かつ、文字表示の表示色として「赤色」が選択された場合は、文字表示の表示色の変化タイミングとして、「リーチ発生時」の変化タイミングが70%、「(スーパー/)スペシャルリーチ中」の変化タイミングが30%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様であって、文字表示の表示色に「赤色」が選択された場合は、「ノーマルリーチ」の変動要素の開始時に表示されるリーチ発生時文字表示Se1が表示されるタイミングで該リーチ発生時文字表示Se1の表示色が「赤色」に変更され易い設定(70%)となっている。
次いで、色変化タイミングテーブル222iにおいて、大当たり時の「E7:スペシャルリーチ」において「金色」の表示色に当選した場合には、変化タイミングとして「リーチ発生時」と、「リーチ中」との2つの変化タイミングが選択可能に用意され、各変化タイミングに対して色変化タイミングカウンタ223gの取り得る値が対応付けられている。
図23で示す例では、「E7:スペシャルリーチ」において「金色」の表示色における色変化タイミングカウンタ223gの値と変化タイミングとの対応付けが、「リーチ発生時」に対して「0〜59」、「リーチ中」に対して「60〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択され、かつ、文字表示の表示色として「金色」が選択された場合は、文字表示の表示色の変化タイミングとして、「リーチ発生時」の変化タイミングが60%、「リーチ中」の変化タイミングが40%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様であって、文字表示の表示色に「金色」が選択された場合は、「ノーマルリーチ」の変動要素の開始時に表示されるリーチ発生時文字表示Se1が表示されるタイミングで該リーチ発生時文字表示Se1の表示色が「金色」に変更され易い設定(60%)となっている。
上述したように、演出態様として「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様が選択され、かつ、「赤色」の表示色が選択された場合は、ハズレ時は「リーチ中」にリーチ中文字表示Se2が「赤色」に変化し易い(90%又は95%)一方、大当たり時は「リーチ発生時」にリーチ発生時文字表示Se1が「赤色」に変化し易い(80%又は70%)ように設定されている。従って、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様において、「リーチ発生時」のリーチ発生時文字表示Se1が「赤色」で表示された場合は、該変動演出で「大当たり表示」が現出する可能性を高くすることができる。その結果、「リーチ発生時」にリーチ発生時文字表示Se1が「赤色」で表示された後、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展した場合は、該変動演出において「大当たり表示」が現出することを遊技者に期待させて、該「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素における「際演出」に対してより注目させることで、遊技の興趣を高めることができる。
また、演出態様として「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様が選択され、かつ、「金色」の表示色が選択された場合は、ハズレ時は「リーチ中」にリーチ中文字表示Se2が「金色」に変化し易い(98%又は99%)一方、大当たり時には「ノーマルリーチ」の変動要素の開始時に表示されるリーチ発生時文字表示Se1が「金色」に変化し易い(70%又は60%)ように設定されている。
これは、文字表示の「金色」の表示色は、「大当たり表示」に当選している場合に選択され易く、「ハズレ表示」時には選択され難いように設定されている。よって、ハズレ時では変動演出の後半部分、即ち、リーチ中文字表示Se2の現出タイミングまで「金色」の文字表示を現出しないように構成し、リーチ発生時文字表示Se1では「金色」の表示色を現出し難いように構成しておくことで、ハズレの変動演出の前半部分から「金色」の文字表示を表示して大当たりへの期待を過度に煽ることを削減し、該変動演出がハズレてしまった場合であっても遊技者が過度に煽られたことによって遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。
また、大当たり時では変動演出の前半部分、即ち、リーチ発生時文字表示Se1の現出タイミングで「金色」の文字表示を現出するように構成することで、変動演出の前半部分から大当たり期待度が高い「金色」の文字表示を現出させて遊技の興趣を高めると共に、該変動演出がしっかり大当たりとなることで、遊技者を興醒めさせることなく、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、第1実施形態のパチンコ機10では、変動表示の「リーチ表示」において文字表示を表示する場合に、該変動出の当否(演出態様)と各カウンタ223e〜223gとに基づいて、該文字表示の文字パターン(「弱パターン」又は「強パターン」)、表示色(「白色」、「赤色」又は「金色」)および変化タイミング(「リーチ発生時」又は「リーチ中」)を決定するように構成されている。このように構成することで、「リーチ表示」に表示される各文字表示Se1,Se2の表示態様を当否抽選の結果を反映させて多様なパターンで表示し、該各文字表示Se1の表示態様によって大当たり期待度を異ならせることができる。その結果、遊技者に、各文字表示Se1,Se2の表示態様によって該変動演出が「大当たり表示」となるか否かを推測させて、遊技の興趣を向上することができる。
図14に戻って説明を続ける。保留情報格納エリア223hは、先読み処理を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得され、保留球数コマンドによって送信された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値と、「保留変化予告」の表示態様を示す保留変化情報と、「保留変化予告」の実行タイミングを示すシナリオデータと、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを示す保留消去情報と、変動演出において「再変動」が行われるか否かを示す再変動情報とを格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113は、保留情報格納エリア223hに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a〜222dとを用いて、先読み処理(保留表示設定処理(図43参照))を実行する。また、音声ランプ制御装置113は、その先読み処理によって得られた保留変化情報、シナリオデータ、保留消去情報および再変動情報を保留情報格納エリア223hの保留変化情報格納エリア223h5、シナリオデータ格納エリア223h6、保留消去情報格納エリア223h7および再変動情報格納エリア223h8にそれぞれ記憶し、各エリア223h5〜223h8に記憶された値に基づいて「保留変化予告」を実行する。
実行情報格納エリア223iは、第3図柄表示装置81で変動演出を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得され、保留球数コマンドによって送信された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値と、「保留変化予告」の表示態様を示す保留変化情報と、「保留変化予告」の実行タイミングを示すシナリオデータと、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを示す保留消去情報と、変動演出において「再変動」の変動要素が行われるか否かを示す再変動情報とを格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113のMPU221は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、変動演出の設定等を実行するために、上述した保留情報格納エリア223hの第1保留情報格納エリアに記憶されている変動演出を行うための情報(カウンタC1〜C3,CS1等の各値)を、この実行情報格納エリア223iへシフトする。
ここで、図24を参照して、保留情報格納エリア223h及び実行情報格納エリア223iの詳細について説明する。図24は、保留情報格納エリア223h及び実行情報格納エリア223iの構成を模式的に示す模式図である。保留情報格納エリア223hは、保留情報格納第1〜第4エリアの4つのエリアを有している。各保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値が格納される第1当たり乱数カウンタ格納エリア223h1と、第1当たり種別カウンタC2の値が格納される第1当たり種別カウンタ格納エリア223h2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223h3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223h4と、「保留変化予告」の表示態様を示す保留変化情報が格納される保留変化情報格納エリア223h5と、「保留変化予告」の実行タイミングを示すシナリオデータが格納されるシナリオデータ格納エリア223h6と、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを示す保留消去情報を格納する保留消去情報格納エリア223h7と、変動演出において「再変動」の変動要素が行われるか否かを示す再変動情報が格納される再変動情報格納エリア223h8とが少なくとも設けられている。
実行情報格納エリア223iは、現在実行中の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1の値と、「保留変化予告」の表示態様を示す保留変化情報と、「保留変化予告」の実行タイミングを示すシナリオデータと、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを示す保留消去情報と、変動演出において「再変動」が行われるか否かを示す再変動情報と、を格納するためのエリアである。
また、保留情報格納第1〜第4エリアは、それぞれ、保留された最大4つ分の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1の値と、「保留変化予告」の表示態様を示す保留変化情報と、「保留変化予告」の実行タイミングを示すシナリオデータと、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを示す保留消去情報と、変動演出において「再変動」の変動要素が行われるか否かを示す再変動情報と、を格納するためのエリアである。
具体的には、実行情報格納エリア223iが、現在実行中の変動演出に対応するエリアであり、保留情報格納第1エリアが、保留された変動演出のうち時間的に1番目に保留された変動演出に対応するエリアであり、保留情報格納第2エリアが、保留された変動演出のうち時間的に2番目に古く保留された変動演出に対応するエリアであり、保留情報格納第3エリアが、保留された変動演出のうち時間的に3番目に古く保留された変動演出に対応するエリアであり、保留情報格納第4エリアが、保留された変動演出のうち時間的に4番目に古く保留された変動演出に対応するエリアである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より保留球数コマンドを受信すると、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、保留球数コマンドより抽出する。そして、音声ランプ制御装置113は、抽出した各カウンタC1〜C3,CS1の値をそれぞれ、保留情報格納第1〜第4エリアのうち該保留球数コマンドに含まれる保留球数に対応するエリアの乱数カウンタ格納エリア223h1、第1当たり種別カウンタ格納エリア223h2、停止パターン選択カウンタ格納エリア223h3、変動種別カウンタ格納エリア223h4に格納する。
具体的には、保留球数コマンドに含まれる保留球数がX(1≦X≦4)であれば、その時点で保留されている変動演出の数はXであり、その保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1〜C3,CS1の値は、保留された変動演出のうち時間的にX番目に保留された変動演出に対応したものとなるので、保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリア223h1〜223h4に対応するカウンタC1〜C3,CS1の値を格納する。このとき、主制御装置110では、保留球数コマンドに含めた各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球格納エリア203bの保留第Xエリアに格納する。つまり、主制御装置110の保留第Xエリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が、保留情報格納第Xエリアに格納されることになる。
また、音声ランプ制御装置113は、保留情報格納Xエリアの各カウンタ格納エリア223h1〜223h4に格納された各値に基づいて、先読み処理(保留表示設定処理(図43参照))を行い、この先読み処理の結果に基づいて生成された保留変化情報、シナリオデータ、保留消去情報および再変動情報を、同じ保留情報格納Xエリアの各格納エリア223h5〜223h8にそれぞれ格納する。即ち、各保留情報格納Xエリアにおいて、各変動演出において「保留変化予告」が実行されるか否か、「保留変化予告」が実行される場合の実行タイミング、各変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去される演出が含まれるか否か、各変動演出において「再変動」が行われるか否か、がぞれぞれ記憶される。
一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より変動演出の開始を意味する変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信すると、保留情報格納エリア223hおよび実行情報格納エリア223iにおいてシフト処理を実行する。つまり、保留された変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する保留情報格納第1エリアの各格納エリア223h1〜223h8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、現在実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223iの各格納エリア223i1〜223i8に移動させる。
また、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223h1〜223h8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第1エリアの各格納エリア223h1〜223h8に移動させ、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223h1〜223h8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223h1〜223h8に移動させ、保留情報格納第4エリアの各格納エリア223h1〜223h8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223h1〜223h8に移動させる。
これにより、実行情報格納エリア223iには、主制御装置110の保留球実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。また、保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。つまり、音声ランプ制御装置113には、主制御装置110にて実行中および保留中の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1が、実行情報格納エリア223iおよび保留情報格納エリア223hに格納される。
音声ランプ制御装置113では、先読み処理(保留表示設定処理(図43参照))を行う場合に、サブ保留球数カウンタ223bから保留されている変動演出の数(保留球数)を把握する。そして、その保留球数に基づき、保留情報格納第1〜第4エリアのうち、変動演出が保留されているエリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、その変動演出において大当たりとなるか否かや、変動時間等が判定される。例えば、サブ保留球数カウンタ223bの値が「1」であれば、変動演出の保留球数が1回であるので、保留情報格納第1エリアについて、格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。また、サブ保留球数カウンタ223bの値が「4」であれば、変動演出の保留球数が4回であるので、保留情報格納第4エリアについて、格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。
パチンコ機10は、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成されており、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110のRAM203等にアクセスすることはできない。これに対し、音声ランプ制御装置113は、保留情報格納エリア223hを設けて、主制御装置110にて保留された変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1を音声ランプ制御装置113にも格納するので、この保留情報格納エリア223hに格納された各カウンタC1〜C3,CS1を参照することで、先読み処理を音声ランプ制御装置113にて実行できるようになっている。即ち、保留された変動演出が実行された場合にその変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の実行態様および実行タイミングに関する制御を音声ランプ制御装置113にて実行することができる。
なお、保留情報格納エリア223hおよび実行情報格納エリア223iにおける上述のシフト処理は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの保留球数(変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドの受信に基づく更新が行われる前のサブ保留球数カウンタ223bの値)に基づいて、保留情報格納第1〜第4エリアのうち保留されている変動演出に対応するエリアについてのみデータの移動(シフト)を行う。
例えば、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ保留球数カウンタ223bの値が「4」であり、保留情報格納エリア223hの全エリア(保留情報格納第1〜第4エリア)にデータが記憶されているとする。この場合、保留情報格納第1エリアのデータを実行情報格納エリア223iへシフトし、保留情報格納第2エリアのデータを保留情報格納第1エリアへシフトし、保留情報格納第3エリアのデータを保留情報格納第2エリアへシフトし、保留情報格納第4エリアのデータを保留情報格納第3エリアへシフトする。
一方、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ保留球数カウンタ223bの値が「2」であれば、保留情報格納第1エリアのデータを実行情報格納エリア223iへシフトし、保留情報格納第2エリアのデータを保留情報格納第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、本実施の形態では、変動演出が保留されていない保留情報格納第3,第4エリアについては、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、保留情報格納第1〜第4エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリア(実行情報格納エリア223i又は保留情報格納第1〜第3エリア)にそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留情報格納第1〜第4エリアの各々のエリアについて、データが記憶(保留)されているか否かの判定を不用とするので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図14に戻って説明を続ける。RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。
コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図42参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図25を参照して後述する。
図6に戻って、説明を続ける。電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111のNMI端子へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図37参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図25を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図25は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、プログラムROM232と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続されており、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113によって決定された第3図柄表示装置81の表示態様を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113から受信する。入力ポート238の出力側には、バスライン240を介して、MPU231、プログラムROM232、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237が接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、プログラムROM232、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、音声ランプ制御装置113から入力されたコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。
キャラクタROM234は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)といった各スプライトの画像データを記憶したメモリであり、多くの画像データを格納するために、小さな面積で大きな記憶容量が得られ、かつ、安価なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。第1実施形態では、2ギガバイトのNAND型フラッシュメモリ234aが用いられる。これにより、第3図柄表示装置81に表示される数多くの画像を格納できるので、第3図柄表示装置81に表示される画像を多種多様化することができ、遊技の興趣を高めるように構成されている。
なお、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データを書き込むことができない不良ブロックデータが発生する。そこで、キャラクタROM234には、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるようにデータアドレスの変換を実行する公知の調停回路234b(例えば、特開2006−223598号を参照)を設けている。この調停回路234bにより、キャラクタROM234内部で、NAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図32参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(第1実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称する)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図49(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる表示処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されており、画像コントローラ237による画像の描画で必要となる画像データが、描画前に予めMPU231によりキャラクタROM234から読み出され、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236に転送される。このとき、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するか(さらに、どのアドレスに格納するか)は、MPU231が、プログラムROM232に格納されたプログラム又はテーブルに基づき、画像の内容に応じて決定する。
また、画像コントローラ237が画像を描画する場合、キャラクタROM234の画像データは使わず、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236に格納された画像データを使用して、画像の描画処理を実行する。これにより、キャラクタROM234が読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されていても、画像コントローラ237は、予めキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて画像の描画を行うので、キャラクタROM234の読み出し速度の遅さに影響されることなく、画像の描画を即座に実行することができる。よって、所望の画像を所望の時間に第3図柄表示装置81へ表示させることができる。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するように構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐するように制御される。
これにより、電源投入時の初期設定処理(メイン処理(図48参照))の終了後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度が遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113又は表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の(展開されていない)画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するように構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237が画像を描画する場合に必要となる画像データが常駐用ビデオRAM235と通常用ビデオRAM236とのいずれに格納されているか(さらに、どのアドレスに格納されているか)は、MPU231がプログラムROM232に格納されたプログラム又はテーブルに基づき画像の内容に応じて判断し、画像コントローラ237に対して画像の描画を指示するときに、必要となる画像データの格納先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236のいずれに格納されているか、どのアドレスに格納されているか)を併せて指示する。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に基づいて、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236の所定のアドレスから必要な画像データを読み出す。これにより画像コントローラ237は、画像の描画に集中することができる。
なお、画像コントローラ237が、MPU231から画像の描画の指示を受けたときに、描画に必要な画像の種別から、描画に必要となる画像のデータの格納先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236のいずれに格納されているか、どのアドレスに格納されているか)を判断するように構成してもよい。この場合、MPU231によってキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236に画像データが格納されるときに、画像コントローラ237が、その格納される画像データによって表示される画像の種別(又は対応する画像データが格納されているキャラクタROM234のアドレス)と、その画像データの格納先とを、MPU231からの制御信号に基づいて判断し、画像コントローラ237に設けられたRAM(図示せず)に、画像の種別(又は対応する画像データが格納されているキャラクタROM234のアドレス)とその画像データの格納先とを対応付けて格納しておいてもよい。そして、そのRAMに記憶された情報に基づいて、画像コントローラ237が画像に必要となる画像データの格納先を判断してもよい。画像コントローラ237により、画像データの格納先を判断することによって、MPU231の処理負担の軽減を図ることができる。
画像コントローラ237は、バッファRAM237aが設けられている。このバッファRAM237aは、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へのデータ転送用バッファメモリとして機能し、キャラクタROM234に設けられたNAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の記憶容量(例えば、132キロバイト)を持つスタティックRAM(Static RAM。以下、「SRAM」という。)によって構成され、MPU231から直接アクセス可能に構成されている。
MPU231は、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像を転送する場合に、キャラクタROM234から1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236の未使用時を見計らって、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236に転送する。
仮に、バッファRAM237aを設けず、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ直接画像データを転送した場合、キャラクタROM234はNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているためにその読み出し速度が遅いので、所望サイズの画像データを転送する間、入出力ポートが1ポート(以下、「1ポート型」と称する場合がある)のダイナミックRAM(Dynamic RAM。以下、「DRAM」という。)で構成された常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236は、その1ポートをキャラクタROM234からの画像データ転送で占有されてしまい、長時間その他のデータアクセスを行えない状態となってしまう。これにより、その間、画像コントローラ237により、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236から画像データを読み出して画像の描画を行ったり、第3図柄表示装置81へ描画画像データを転送することができなくなり、第3図柄表示装置81の画像表示が滞ってしまうおそれがある。また、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236にマルチポート型(入出力ポートが複数設けられたタイプ)のDRAMを使用した場合であっても、画像コントローラ237において常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236を使用した制御に制限がかかり、その制御が複雑になるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10は、高速動作可能なSRAMによって構成されたバッファRAM237aを画像コントローラ237に設けているので、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。
また、MPU231が転送指示が描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である時間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、上述したように、1ポート型のDRAMによって構成され、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることなく保持され続けるように用いられる。これにより、常駐用ビデオRAM235には、キャラクタROM234より転送された画像データが常駐される。この常駐用ビデオRAM235には、第3図柄表示装置81に表示される画像のうち、電源投入時に表示される画像に対応するデータや、頻繁に表示される画像に対応するデータ、及び、主制御装置110又は音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)によって表示が決定された画像のうち即座に表示されるべき画像に対応するデータが、キャラクタROM234より転送され、常駐される。
常駐用ビデオRAM235には、電源投入時主画像エリア235a、電源投入時変動画像エリア235b、背面画像エリア235c、第3図柄エリア235d、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235f、保留図柄エリア235g、コクピット画像エリア235h、副表示画像エリア235i、文字図柄エリア235jが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、表示制御装置114が電源投入時の初期化処理を行っている間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像282に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像282が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像283に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、先ず初めにキャラクタROM234から、電源投入時主画像282に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送すると共に、電源投入時変動画像283に対応する画像データを電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図48のS2002及びS2003参照)。
ここで、図26を参照して、電源投入時主画像282及び電源投入時変動画像283について説明する。図26は、パチンコ機10の電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、先ずキャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送すると、電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時変動画像エリア235bへ転送する。そして、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて。図26(a)に示す電源投入時主画像282を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、音声ランプ制御装置113から変動開始の指示コマンドである表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信すると、表示制御装置114は、図26(b)に示すように、電源投入時主画像282の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時停止画像283aと、図26(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時停止画像283bとを、変動演出の期間中、交互に繰り返して表示する。そして、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「大当たり表示」である場合は、図26(b)に示す電源投入時停止画像283aを変動演出の停止後に一定期間表示し、「ハズレ表示」である場合は、図26(c)に示す電源投入時停止画像283bを変動演出の停止後に一定時間表示する。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に対して全て転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いた電源投入時主画像282の描画を指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者や遊技場の関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像282を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像282を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者や遊技場の関係者は、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき残りの画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化処理が終了するまで待機することができる。
また、パチンコ機10の製造時における動作チェックにおいても、電源投入時主画像282がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることを即座に確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
さらに、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者を遊技を開始し、第1入球口64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像283に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像283が描画され、図26(b)及び図26(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示がされる。よって、電源投入時変動画像283を用いて簡単な変動演出を行うことができる。従って、遊技者は、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動画像283に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64への入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
さらに、電源投入時主画像282及び電源投入時変動画像283に対応する画像データが、常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235a及び電源投入時変動画像エリア235bに格納されるので、瞬間的に停電が発生した場合に、常駐用ビデオRAM235に常駐されたデータが残っていれば、復電時に電源投入時主画像エリア235a及び電源投入時変動画像エリア235bに常駐された画像データを用いて、電源投入時主画像282や電源投入時変動画像283を即座に第3図柄表示装置81へ表示させることができる。
図25に戻って説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図27及び図28を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図27及び図28は、3種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図27(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図27(b)は、「空ステージ」に対応する背面Bに対して、図28は、「島ステージ」に対応する背面Cに対してそれぞれ示したものである。
各背面A〜Cのうち、背面及びに対応する背面画像は、図27に示すように、いずれも第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称する。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示させると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
遊技者によって枠ボタン22が操作されてステージが変更されると、MPU231は、まず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されるように画像コントローラ237を制御し、さらに、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmには、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、図28で示すように、背面Cにおける背面画像は、時間の経過とともに、図28の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される。具体的には、背面Cは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
遊技者による枠ボタン22の操作によりステージが「島ステージ」に変更されると、背面Cの初期背面画像として、図31(a)に示す背面画像が表示される。この図28(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図28(b)に示す背面画像が表示される。図28(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図28(c)に示す背面画像が表示される。図28(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図28(a)に示す背面画像に戻って、再び図28(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図27(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである街中ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される街中ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、空ステージに対応する背面Bは、図27(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。また、島ステージに対応する背面Cは、図28(a)を含み、図28(b)を除く図28(a)〜図28(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、ステージを変更するために遊技者による行われる枠ボタン22の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン22が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながる恐れがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲または図28(a)〜図28(b)の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像または図28(a)〜図28(b)の間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン22の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bや背面Cの初期位置を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示させ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bおよび背面Cについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示させることができる。
同様に、背面Cは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図28(a)〜図28(b)の画像を表示させている間に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送が完了できるように、図28(a)〜図28(b)の範囲が設定されている。これにより、図28(a)〜図28(b)の画像を表示させる間に図28(b)〜図28(c)および図28(c)〜図28(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図28(a)〜図28(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図28(b)〜図28(c)および図28(c)〜図28(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示させることができる。
なお、背面B及び背面Cにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、後述する通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図25参照)に設けられた背面画像専用のサブエリア(図示せず)に格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
さらに、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmには、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図25に戻って説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐される。これにより、表示制御装置114は、主制御装置110より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。その結果、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。そして、表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
保留図柄エリア235gは、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに表示される実行図柄及び保留図柄の初期設定(デフォルト設定)の表示態様に関するデータを常駐するためのエリアである。即ち、保留図柄エリア235gには、実行図柄及び保留図柄の初期設定(デフォルト設定)の表示態様である「白色」の「○」図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0又は保留図柄表示領域Db1〜Db4において実行図柄及び保留図柄を表示する場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く実行図柄又は保留図柄を表示するすることができる。よって、第1入球口64への複数の入球が発生して、第1図柄表示装置37のLED37aにおいて保留図柄が表示されているにも関わらず、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbにおいて保留図柄(実行図柄)が表示されないような状態が発生することを抑制することができる。
コクピット画像エリア235hは、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに表示されるコクピット画像に対応する画像データを常駐するための領域である。即ち、コクピット画像エリア235hには、コクピット表示領域Dbにおいて表示される実行図柄及び保留図柄以外のコクピット画像に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234からコクピット表示領域Dbに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早くコクピット表示領域Dbを表示することができる。よって、変動演出においてコクピット表示領域Dbを表示し続ける場合や、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素を実行した後にコクピット表示領域Dbを再表示する場合であっても、該コクピット画像エリア235hに記憶されるコクピット画像を読み出すことで、第3図柄表示装置81にコクピット表示領域Dbを即座に表示することができる。
また、コクピット表示領域Dbは、主表示領域Dmの背面画像がスクロール表示された場合であっても、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素が実行されない限り、常時、第3図柄表示装置81の表示領域の一定の位置(表示領域下部)に固定的に表示されるように構成されている。よって、コクピット表示領域Dbは、特定の第3図柄や特定の背面画像より表示頻度が高い表示物である。従って、常駐用ビデオRAM235にコクピット表示領域Db用のコクピット画像エリア235hを設け、該コクピット画像エリア235hに格納されたコクピット画像に基づいて表示制御を行うように構成することで、NAND型フラッシュメモリ234aから直接読み込む場合と比べて、表示頻度が高いコクピット表示領域Dbの表示をスムースに行うことが可能となる。
副表示画像エリア235iは、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示される各小領域Ds1〜Ds3に対応する画像データを常駐するための領域である。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から副表示領域Dsに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く副表示領域Dsを表示することができる。よって、変動演出において副表示領域Dsを表示し続ける場合や、「リーチ表示」を実行した後に副表示領域Dsを再表示する場合であっても、該副表示画像エリア235iに記憶される副表示領域Dsに対応する画像データを読み出すことで、第3図柄表示装置81に副表示領域Dsを即座に表示することができる。
また、副表示領域Dsは、コクピット表示領域Dbと同様、主表示領域Dmの背面画像がスクロール表示した場合であっても、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素が実行されない限り、常時、第3図柄表示装置81の表示領域の一定の位置(表示領域上部)に固定的に表示されるように構成されている。よって、副表示領域Dsは、コクピット表示領域Dbと同様、特定の第3図柄や特定の背面画像より表示頻度が高い表示物である。従って、常駐用ビデオRAM235に副表示領域Ds用の副表示画像エリア235iを設け、該副表示画像エリア235iに格納された副表示領域Dsに対応する画像データに基づいて表示制御を行うように構成することで、NAND型フラッシュメモリ234aから直接読み込む場合と比べて、表示頻度が高い副表示領域Dsの表示をスムースに行うことが可能となる。
文字図柄エリア235jは、変動演出において「リーチ表示」が発生した場合に表示されるリーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3及び疑似定型句文字表示Se4の初期設定(デフォルト設定)に対応する画像データを格納する領域である。即ち、各文字表示Se1〜Se4の通常の表示色である「白色」と、「弱パターン」の文字パターンとに関するデータがこの文字図柄エリア235jに格納される。上述したように、本パチンコ機10では、いずれかの「リーチ表示」が実行される場合に、該「リーチ表示」に対応した各文字表示Se1〜Se4を第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、各文字表示Se1,Se2の表示態様は、変動演出の開始時に各種カウンタ223e等によっていずれの表示態様にするか否かが決定され、該決定に基づいて変動演出において速やかに各文字表示Se1,Se2を表示することが求められる。
そこで、本パチンコ機10では、文字図柄エリア235jに、各文字表示Se1〜Se4の初期設定(デフォルト設定)に対応する画像データが予め常駐されている。よって、表示制御装置114は、受信した表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235の文字図柄エリア235jに予め常駐されている各文字表示Se1〜Se4に対応する画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各文字表示Se1〜Se4を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から、逐次、各文字表示Se1〜Se4に対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、該文字図柄エリア235jに記憶される各文字表示Se1〜Se4に対応する画像データを読み出すことで、第3図柄表示装置81に各文字表示Se1〜Se4を即座に表示することができる。
また、各文字表示Se1〜Se4の初期設定(デフォルト設定)は、最も現出頻度が高い表示態様である。よって、現出頻度の高い各文字表示Se1〜Se4を文字図柄エリア235jに格納することで、各文字表示Se1〜Se4に関する表示制御の処理負担を軽減させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられ、1ポート型のDRAMによって構成される。通常用ビデオRAM236には、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを用いて第3図柄表示装置81に表示させる画像を描画する場合に、予めキャラクタROM234から読み出されたその画像データを一時的に格納するためのものである。この通常用ビデオRAM236には、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
プログラムROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、データテーブル格納エリア232aを少なくとも有している。
データテーブル格納エリア232aは、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブル232a1と、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からのコマンドに基づく一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出に対し、時間経過に伴い表示すべき表示内容を記載した追加データテーブル232a2と、表示データテーブル232a1により表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブル232a3とが格納された領域である。
表示データテーブル232a1は、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、デモ演出、確定表示演出、再始動演出に対応する表示データテーブル232a1が用意されている。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
また、確定表示演出は、変動演出後に音声ランプ制御装置113を介して、主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することによって停止図柄を確定表示する場合に第3図柄表示装置81に表示される演出である。例えば、停止図柄がハズレ図柄である場合は、「ハズレ表示」を強調する演出が行われ、停止図柄が「15R確変大当たり」、「15R通常大当たり」、「2R確変大当たり」のいずれかである場合は、それぞれの「大当たり表示」が強調される演出が行われる。遊技者は、この確定表示演出を視認することで、停止図柄の内容によって付与される遊技価値を容易に判断することができる。
また、再始動演出は、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても主制御装置110(音声ランプ制御装置113)から送信される確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合に、第3図柄を振動させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出である。遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア232aには、デモ演出、確定表示演出および再始動演出に対応する表示データテーブル232a1をそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブル232a1である変動用表示データテーブル232a1は、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
さらに、変動用表示データテーブル232a1には、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より指示される変動演出パターンとその変動演出の停止表示時に表示すべき停止図柄とが一致しない場合、例えば、変動演出パターンが当たり用の変動演出パターンであった場合にハズレの停止図柄が主制御装置110(音声ランプ制御装置113)より指示された場合に用いられる、通常の変動演出とは明確に異なる変動演出であるデフォルト変動用の表示データテーブル232a1も用意されている。このデフォルト変動は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信された確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、第3図柄を高速に変動表示させ、確定コマンドの受信に合わせて、停止図柄としてハズレを示す特殊停止図柄(例えば、左列から順に「9」「8」「7」と表示される図柄)を確定させるものである。
音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より指示される変動演出パターンとその変動演出の停止表示時に表示すべき停止図柄とが一致しない場合、表示制御装置114では、主制御装置110において行われた抽選の結果を正しく反映させて変動演出や確定表示演出を行うことができないおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、このような場合はデフォルト変動演出が行われ、変動演出後に特殊なハズレを示す特殊停止図柄が第3図柄表示装置81に確定表示されるので、主制御装置110における抽選の結果がハズレであっても第3図柄表示装置81に誤って大当たりの確定表示演出が行われてしまうことを防止することができる。
また、第3図柄表示装置81に特殊停止図柄が確定表示されても、主制御装置110における抽選結果が大当たりであれば、実際のパチンコ機10における遊技状態は大当たり状態へ移行するので、遊技者は安心して遊技を継続することができる。
さらに、確定表示を特殊停止図柄とすることで、確定表示がハズレであっても、パチンコ機10が大当たり状態となっている可能性があることを遊技者に対して示唆することができるので、確定表示がハズレであるにも関わらず、パチンコ機10が大当たり状態となることで、遊技者に不安感を与えないようにすることができる。
ここで、図29を参照して、表示データテーブル232a1の詳細について説明する。図29は、表示データテーブル232a1のうち、変動用表示データテーブル232a1の一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブル232a1は、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を事細かに規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動用表示データテーブル232a1では、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、1つのコクピット画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・)、リーチ発生時文字表示Se1などの文字図柄(文字図柄1,文字図柄2,・・・)といった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクト、キャラクタ、文字図柄に関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
第1実施形態のパチンコ機10では、「リーチ表示」において現出する各文字表示Se1〜Se4は、初期設定(デフォルト設定)の表示態様として、すべての文字表示Se1〜Se4の表示色が「白色」であると共に、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2の文字パターンがそれぞれ「弱パターン」が表示されるように構成されている。よって、仮に、各文字表示Se1〜Se4のチャンスアップパターンに関する抽選処理が適切に行われなかった場合であっても、各文字表示Se1〜Se4を初期設定の表示態様で表示することができる。従って、各文字表示Se1〜Se4の抽選処理に関してエラー等が発生した場合であっても、各文字表示Se1〜Se4を表示することができる。また、各文字表示Se1〜Se4の初期設定の表示態様を、最も有利示唆度が低い「白色」の表示色、かつ、「弱パターン」の文字パターンで表示することで、ハズレの変動演出であっても大当たり期待度が過度に高まらないように構成することができる。このため、エラー等の発生により各文字表示Se1〜Se4の抽選処理が適切に行われなかった場合であっても、遊技者の期待を煽るような表示を現出しないように構成し、遊技者に不信感等を抱かせず快適な遊技を提供することができる。
なお、各文字表示Se1〜Se4の初期設定の表示態様として、各文字表示Se1〜Se4を表示しないように構成してもよい。エラー等によって各文字表示Se1〜Se4の抽選処理が適切に行われない場合に、各文字表示Se1〜Se4を表示しないことで、遊技者の大当たりへの期待を過度に煽らず、遊技者に不信感等を抱かせず快適な遊技を提供することができる。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動用表示データテーブル232a1では、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブル232a1において、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブル232a1に基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示データテーブル232a1に基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
さらに、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブル232a1に基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示データテーブル232a1に基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
コクピット画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面下側中央に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動用表示データテーブル232a1では、背面画像と同様、コクピット画像の種別を特定するための情報であるコクピット種別のみが規定されている。このコクピット種別は、変動演出においてコクピット表示領域Dbを表示し続けるか、或いは、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中においてコクピット表示領域Dbを消去するかを特定する情報が記載されている。
MPU231は、このコクピット種別によって、コクピット表示領域Dbを表示させることが特定される場合は、コクピット表示領域Dbに対応するコクピット画像を描画対象として特定する。一方、コクピット種別によって、コクピット表示領域Dbを表示しない(消去する)ことが特定される場合は、コクピット表示領域Dbに対応するコクピット画像を描画対象としないことを特定する。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
変動用表示データテーブル232a1の先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、変動用表示データテーブル232a1の最終アドレス(図29の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その変動用表示データテーブル232a1で規定すべき演出に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブル232a1を選定して、データテーブル格納エリア232aから読み出して、後述するワークRAM233の表示データテーブルバッファ233bに格納すると共に、後述するポインタ233eを「0」に初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233eを1加算し、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1において、ポインタ233eが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図32参照)を作成し、画像コントローラ237にその描画リストを送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233eの更新に従って、表示データテーブル232a1で規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブル232a1で規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、音声ランプ制御装置113からコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。
これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出に対応して表示データテーブル232a1を用意し、表示すべき演出に応じた表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定して、その設定された表示データテーブル232a1に従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。
これに対し、パチンコ機10といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出に対応する表示データテーブル232a1を持たせることはできない。このように、各演出に対応して表示データテーブル232a1を用意し、表示すべき演出に応じた表示データテーブルバッファ233bを設定して、その設定された表示データテーブル232a1に従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図30を参照して、追加データテーブル232a2の詳細について説明する。図30は、追加データテーブル232a2の一例を模式的に示した模式図である。追加データテーブル232a2は、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からのコマンドに基づく一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出に対し、時間経過に伴い表示すべき表示内容を記載したものである。ここで、「一の演出に追加」するとは、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からのコマンドに基づく一の演出の表示内容を変更することを意味し、例えば、一の演出において通常は表示されない画像を表示させて、その一の演出に別の演出を重ねて表示させたり、その一の演出における一部または全部の色調を変化させたり、一の演出において表示される画像を変更したりする概念を含むものである。
即ち、追加データテーブル232a2は、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からのコマンドに基づき選定された表示データテーブル232a1によって表示される一の演出に対して、通常は表示されない画像を追加して表示させるために必要な描画内容や、その一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容、また、一の演出において初期設定(デフォルト設定)として表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が既定されるものである。
なお、本実施形態では、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からの変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)に基づき選定された変動用表示データテーブル232a1によって表示される変動演出の「リーチ表示」に対して、追加して表示される変化パターンを表示するための表示内容が、追加データテーブル232a2によって規定される場合について説明する。
即ち、追加データテーブル232a2は、例えば、変動演出の「リーチ表示」における各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色、変化タイミング及び表示色再変更内容等の変化パターンに対応して用意されており、具体的には、各文字表示Se1〜Se4の変化パターンそれぞれに対応した複数の追加データテーブル232a2がデータテーブル格納エリア232aに格納されている。
この追加データテーブル232a2では、表示データテーブル232a1において規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に追加表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)が事細かに規定されている。描画内容には、1フレーム分の画像に追加表示すべき表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
例えば、図30で示す追加データテーブル232a2の例では、表示データテーブル232a1において規定されるアドレス「01F4H」に対応付けて、1つのキャラクタ(キャラクタ1)及び1つの文字図柄(文字図柄1)に対して、それぞれのスプライト種別(キャラクタ種別,文字種別)、表示位置、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報が規定されている。一方、表示データテーブル232a1において規定されるアドレスによって示される時間に、追加表示すべき表示物が存在しない場合は、追加データテーブル232a2では、そのアドレスに対応する追加すべき表示物が存在しないことを意味するNullデータが規定される(図30のアドレス「0001H」が該当)。
なお、追加データテーブル232a2の先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブル232a1と同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、追加データテーブル232a2の最終アドレス(図30の例では、「02EFH」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレス「02EFH」との間の各アドレスに対して、その追加データテーブル232a2で規定すべき演出に対応させた描画内容が記載されている。
また、図30で示す追加データテーブル232a2は、「ノーマルリーチのみ」の変動パターンである変動演出の変化パターンに対応したものを例示しており、「ノーマルリーチのみ」の変動演出(例えば、変動パターンとして「E201H」。図20(a)参照。)の変動時間に対応した時間、即ち、15秒の変動時間に対応して設定されている。具体的には、「ノーマルリーチ」の変動要素の開始時である変動開始後から10秒に対応するアドレスとして、「01F4H」が設定され、該「ノーマルリーチ」の変動要素の開始時に中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄の表示態様(例えば、髪の毛の色の変化等)と、該キャラクタ図柄から発せられるリーチ発生時文字表示Se1との変化パターン(例えば、「赤色」の表示色等)とが設定されるように構成されている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信すると、その表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドにより示される変動演出の変化パターンに応じた追加データテーブル232a2をデータテーブル格納エリア232aから読み出して、後述するワークRAM233の追加データテーブルバッファ233cに格納する。そして、ポインタ233eの更新毎に、表示データテーブルバッファ233bに格納された1の表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された1又は複数の追加データテーブル232a2とから、ポインタ233eが示すアドレスに規定された描画内容を特定し、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図32参照)を作成する。なお、追加データテーブルバッファ233cに追加データテーブル232a2が格納されていない場合は、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1のみから描画リストが作成されるように構成されている。
例えば、図30の例では、ポインタ233eが「0001H」である場合、追加データテーブル232a2のアドレス「0001H」には、Nullデータが規定されているので、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブル232a1のアドレス「0001H」に規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。一方、ポインタ233eが「01F4H」となった場合に、MPU231は、表示データテーブル232a1のアドレス「01F4H」に規定された各種スプライトに、追加データテーブル232a2のアドレス「01F4H」に規定されたキャラクタ1,文字図柄1の各スプライトを追加して描画リストを作成し、画像コントローラ237にその画像の描画を指示する。
そして、画像コントローラ237にその描画リストを送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233eの更新に従って、表示データテーブル232a1で規定された順に描画内容が特定されると共に、追加データテーブル232a2で規定された描画内容が追加されるので、その表示データテーブル232a1と追加データテーブル232a2とで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、音声ランプ制御装置113からのコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像(例えば、変動演出画像)に追加して他の演出画像(例えば、リーチ発生時文字表示Se1の「強パターン」画像)を表示させる場合に、その追加して表示させる他の演出画像に対応する追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定することで、容易にその演出画像をベースの演出画像に追加して表示させることができる。
これにより、例えば、元の演出画像が32種類あり、追加して表示させる他の演出画像が5種類ある場合において、仮に、元の演出画像毎に他の演出画像を重ねた画像を規定した表示データテーブルを別途用意すれば、32×5=160種類の表示データテーブルを用意しなければならないところ、本パチンコ機10のように、他の演出画像に対応するデータテーブルを追加データテーブル232a2として別に規定することで、32+5=37種類の表示データテーブル232a1および追加データテーブル232a2を用意すればよく、データテーブル格納エリア232aの容量増大を抑制することができる。よって、データテーブル格納エリア232aに用意された容量の中で多種態様な演出に対応したデータテーブル232a1,232a2を格納することもでき、演出画像の更なる多種多様化を容易に図ることができる。
また、本パチンコ機10のように、追加して表示させる他の演出画像を追加データテーブル232a2として規定することによって、元の演出画像に対応する表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定した後に、追加して表示させる他の演出画像の表示を決定した場合であっても、表示データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブル232a1を変更することなく、他の演出画像に対応する追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定するだけで、その追加して表示させる他の演出画像が元の演出画像に追加して容易に表示させることができる。
さらに、追加データテーブル232a2は、表示データテーブル232a1と同様のデータ構造を有して構成されているので、表示データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに設定された追加データテーブル232a2とから、時間毎にポインタ233eを更新しながらそのポインタ233eに示されるアドレスに規定された描画内容をそれぞれ容易に特定することができると共に、これらから1つのフレームに対応する1つの描画リストを容易に生成することができる。よって、主制御装置110からのコマンドに基づいて行われる演出に追加して、音声ランプ制御装置113などによってその他の演出の表示を決定した場合でもあっても、その追加して表示すべき演出の表示内容を追加データテーブル232a2で規定することによって、少ないデータテーブル232a1,232a2から多種多様な演出表示を容易に行うことができる。
特に、「リーチ表示」時に表示される各文字表示Se1〜Se4は、「弱パターン」又は「強パターン」の文字パターン、「白色」、「赤色」又は「金色」の表示色、「リーチ発生時」又は「リーチ中」の変化タイミング等がそれぞれ抽選により決定され、該各文字表示Se1〜Se4の表示態様の表示パターンは多様である。そこで、各文字表示Se1〜Se4の表示態様を追加データテーブル232a2で規定することによって、少ないデータテーブル232a1,232a2から多種多様な文字表示の演出を容易に行うことができる。
次いで、図31を参照して、転送データテーブル232a3の詳細について説明する。図31は、転送データテーブル232a3の一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブル232a3は、各演出毎に用意された表示データテーブル232a1に対応して用意されるものである。即ち、転送データテーブル232a3には、表示データテーブル232a1で規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブル232a1に規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3は用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア232aの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブル232a3は、表示データテーブル232a1において規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称する)の転送データ情報が記載されている(図31のアドレス「0001H」及び「01F4H」が該当)。ここで、表示データテーブル232a1に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブル232a3では、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブル232a1において規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、転送データテーブル232a3では、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図31のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブル232a3の先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブル232a1と同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブル232a3の最終アドレス(図31の例では、「02EFH」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレス「02EFH」との間の各アドレスに対して、その転送データテーブル232a3で規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113からコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブル232a1を選定すると、その表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3が存在する場合は、その転送データテーブル232a3をデータテーブル格納エリア232aから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233dに格納する。
そして、ポインタ233eの更新毎に、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された追加データテーブル232a2とから、ポインタ233eが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図32参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233dに格納された転送データテーブル232a3から、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図31の例では、ポインタ233eが「0001H」や「01F4H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブル232a3の当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブル232a1および追加データテーブル232a2に基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233eが「0002H」である場合、転送データテーブル232a3のアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に設けられた画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブル232a1に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブル232a3では、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。このため、この転送データテーブル232a3に規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブル232a1に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブル232a1に基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送しておくことができるので、表示データテーブル232a1で指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブル232a3の記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、音声ランプ制御装置113からコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定するのに合わせて、その表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3が転送データテーブルバッファ233dに設定されるので、その表示データテーブル232a1で用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送することができる。
さらに、転送データテーブル232a3では、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへの画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、きめ細かく画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブル232a3は、表示データテーブル232a1と同様のデータ構造を有し、表示データテーブル232a1において規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されている。よって、表示データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブル232a1に基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
図25に戻って説明を続ける。ワークRAM233は、ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。このワークRAM233には、簡易画像表示フラグ233a、表示データテーブルバッファ233b、追加データテーブルバッファ233c、転送データテーブルバッファ233d、ポインタ233e、描画リストエリア233f、計時カウンタ233g、格納画像判別フラグ233h、描画対象バッファフラグ233i、文字パターンメモリ233j、赤文字フラグ233k、金文字フラグ233m、発生時文字色変化フラグ233n、リーチ中文字色変化フラグ233o、際後制限フラグ233pを少なくとも有している。
簡易画像表示フラグ233aは、第3図柄表示装置81に、図26(a)〜図26(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像282および電源投入時変動画像283)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233aは、電源投入後にMPU231により実行されるメイン処理(図48参照)の初期化処理の中で、電源投入時主画像282を第3図柄表示装置81に表示させるために、画像コントローラ237へ電源投入時主画像282の描画を指示するのに合わせて、オンに設定される(図48のS2004参照)。そして、転送設定処理(図61(a)参照)の常駐画像転送設定処理(図61(b)参照)によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図61(b)のS2415参照)。
この簡易画像表示フラグ233aは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図49(b)のS2021参照)、簡易画像表示フラグ233aがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図49(b)のS2028参照)および簡易表示設定処理(図49(b)のS2029参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233aがオフである場合は、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図50〜図56参照)および表示設定処理(図57〜図60参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233aは、V割込処理(図49(b)参照)の中でMPU231により実行される転送設定処理(図61(a)参照)の中で参照される。この転送設定処理において、簡易画像表示フラグ233aがオンであると判定された場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図61(b)参照)を実行する一方、簡易画像表示フラグ233aがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図62参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233bは、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出に対応する1の表示データテーブル232a1を格納するためのバッファである。MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出を判断し、その演出に対応する表示データテーブル232a1をデータテーブル格納エリア232aから選定して、その選定された表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに格納する。
そして、MPU231は、後述するポインタ233eを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1において、そのポインタ233eで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図32参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1に対応する演出が表示される。
追加データテーブルバッファ233cは、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1によって、第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出(各文字表示Se1〜Se4の表示色等の変化パターン)に対応する1又は複数の追加データテーブル232a2を格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに表示データテーブル232a1を格納するのに合わせて、一旦、追加データテーブルバッファ233cに追加して表示すべき表示物がないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
その後、MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に基づいて、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1によって、第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出の有無を判断する。そして、追加して表示させる演出が発生する毎に、その演出に対応する追加データテーブル232a2をデータテーブル格納エリア232aから選定して、その選定された追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに格納する。
そして、MPU231は、後述するポインタ233eを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1において、そのポインタ233eで示されるアドレスに規定された描画内容と、追加データテーブルバッファ233cに格納された追加データテーブル232a2において、そのポインタ233eで示されるアドレスに規定された描画内容とに基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図32参照)を生成する。
これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブル232a1に対応する演出に、追加データテーブル232a2に対応する演出が追加して表示される。また、追加データテーブルバッファ233cに追加データテーブル232a2が格納されなかった場合、追加データテーブルバッファ233cにはNullデータが格納されている。よって、第3図柄表示装置81には、表示データテーブル232a1に対応する演出がそのまま表示される。
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10において、追加データテーブルバッファ233cには、複数(例えば、32)の追加データテーブル232a2を格納可能に構成されている。このため、追加したい演出が加わるごとにその演出に対応する追加データテーブル232a2を決定し、該追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに追加して格納するだけで、表示データテーブル232a1に対応する演出に、複数の追加データテーブル232a2に対応する複数の演出を追加して表示することができる。
転送データテーブルバッファ233dは、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3を格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに表示データテーブル232a1を格納するのに合わせて、その表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3をデータテーブル格納エリア232aから選定して、その選定された転送データテーブル232a3を転送データテーブルバッファ233dに格納する。
なお、表示データテーブルバッファ233bに格納される表示データテーブル232a1において用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3が用意されていない。よって、MPU231は、転送データテーブルバッファ233dに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、後述するポインタ233eを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233dに格納された転送データテーブル232a3において、そのポインタ233eで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図32参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブル232a1に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブル232a3では、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブル232a3に規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブル232a1に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
また、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送しておくことができる。よって、表示データテーブル232a1で指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブル232a3の記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送することができる。
ポインタ233eは、表示データテーブルバッファ233b、追加データテーブルバッファ233c及び転送データテーブルバッファ233dの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル232a1、追加データテーブル232a2及び転送データテーブル232a3から、対応する描画内容若しくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに表示データテーブル232a1が格納されるのに合わせて、ポインタ233eを一旦「0」に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理(図49(b)参照)の表示設定処理(図57参照)の中で、ポインタ更新処理(図60参照)が実行され、ポインタ233eの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233eの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された追加データテーブル232a2とから、ポインタ233eが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図32参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233dに格納された転送データテーブル232a3から、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データに関する転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1に対応する演出が第3図柄表示装置81に表示されると共に、追加データテーブルバッファ233cに追加データテーブル232a2が格納されている場合は、格納されている追加データテーブル232a2に対応する演出が、表示データテーブル232a1に対応する演出に追加して第3図柄表示装置81へ表示させることができる。よって、表示データテーブルバッファ233bに格納する表示データテーブル232a1や、追加データテーブルバッファ233cに格納する追加データテーブル232a2を変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233dに格納された転送データテーブル232a3が格納されている場合は、その転送データテーブル232a3に基づいて、対応する表示データテーブル232a1によって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送しておくことができる。よって、表示データテーブル232a1で指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブル232a3の記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送することができる。
描画リストエリア233fは、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1、追加データテーブルバッファ233cに格納された追加データテーブル232a2、及び、転送データテーブルバッファ233dに格納された転送データテーブル232a3に基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図32を参照して、描画リストの詳細について説明する。図32は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表である。図32に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・),コクピット画像,実行図柄,保留図柄(保留図柄1,保留図柄2,・・・),文字図柄(文字図柄1,・・・),エラー図柄といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているROM種別を示す情報(又はRAM種別を示す情報)と、そのアドレスとが記述されている。画像コントローラ237は、そのROM種別(又はRAM種別)およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれている。
画像コントローラ237は、キャラクタROM234(又は各種ビデオRAM235,236)より読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、後述する描画対象バッファフラグ233iで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1および追加データテーブルバッファ233cに格納された追加データテーブル232a2において、ポインタ233eによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、実行図柄又は保留図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納ROM種別(又はRAM種別)とアドレスとは、表示データテーブル232a1および追加データテーブル232a2に規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されるキャラクタROM234(又は常駐用ビデオRAM235若しくは通常用ビデオRAM236)が固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納ROM種別(又はRAM種別)とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブル232a1および追加データテーブル232a2に規定されるそれらの情報をそのままコピーする。なお、本実施形態において、背面画像およびコクピット画像には、その他の情報が設定されていない。
さらに、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・)、コクピット画像、実行図柄、保留図柄(保留図柄1,保留図柄2,・・・)、文字図柄(文字図柄1,文字図柄2・・・)、エラー図柄の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファ236b,236cにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233dに格納された転送データテーブル232a3において、ポインタ233eによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。
そして、画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
図25に戻って説明を続ける。計時カウンタ233gは、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1により第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに一の表示データテーブル232a1を格納するのに合わせて、その表示データテーブル232a1に基づいて表示される演出の演出時間(変動演出時間)を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図49(b)参照)の表示設定処理(図57参照)が実行される度に、計時カウンタ233gが1ずつ減算される(図57のS2309参照)。その結果、計時カウンタ233gの値が「0」以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1により表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像判別フラグ233hは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像判別フラグ233hは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図48のS2001参照)によって生成される。ここで生成される格納画像判別フラグ233hは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像判別フラグ233hの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図62参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像判別フラグ233hを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図62のS2438参照)。
そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図62のS2439参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233iは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称する)を指定するためのフラグである。MPU231は、描画対象バッファフラグ233iが「0」である場合は、描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、「1」である場合は、第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図63のS2502参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233iは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233iの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図49(b)参照)の描画処理が実行される度に行われる(図63のS2502参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
文字パターンメモリ233jは、「リーチ表示」時に第3図柄表示装置81に表示されるリーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2において、「弱パターン」又は「強パターン」のいずれの文字パターンを表示するかを記憶するためのメモリである。MPU231は、この文字パターンメモリ233jの記憶内容に基づいて、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2における文字パターンを「弱パターン」にするか「強パターン」にするかを判断し、その判断内容に基づいてリーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2に表示する「弱パターン」又は「強パターン」を設定する。
この文字パターンメモリ233jは、まず、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図48のS2001参照)によって初期化(即ち、0クリア)される。そして、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113からリーチ発生時文字表示Se1又は(及び)リーチ中文字表示Se2の文字パターンに関するコマンドを受信した場合に、それらのコマンドに応じた内容が設定される(図55のS2192参照)。
具体的には、例えば、表示用弱パターンコマンドを受信した場合には、リーチ発生時文字表示Se1として「弱パターン」を示すデータが文字パターンメモリ233jに設定される。また、表示用強パターンコマンドを受信した場合には、リーチ発生時文字表示Se1として「強パターン」を示すデータが文字パターンメモリ233jに設定される。また、表示用弱弱コマンドを受信した場合には、リーチ発生時文字表示Se1として「弱パターン」を示すデータ、及び、リーチ中文字表示Se2として「弱パターン」を示すデータが文字パターンメモリ233jに設定される。また、表示用弱強コマンドを受信した場合には、リーチ発生時文字表示Se1として「弱パターン」を示すデータ、及び、リーチ中文字表示Se2として「強パターン」を示すデータが文字パターンメモリ233jに設定される。また、表示用強弱コマンドを受信した場合には、リーチ発生時文字表示Se1として「強パターン」を示すデータ、及び、リーチ中文字表示Se2として「弱パターン」を示すデータが文字パターンメモリ233jに設定される。また、表示用強強コマンドを受信した場合には、リーチ発生時文字表示Se1として「強パターン」を示すデータ、及び、リーチ中文字表示Se2として「強パターン」を示すデータが文字パターンメモリ233jに設定される。
このように、MPU231は、音声ランプ制御装置113から、表示用弱パターンコマンド、表示用強パターンコマンド、表示用弱弱パターンコマンド、表示用弱強パターンコマンド、表示用強弱パターンコマンド又は表示用強強パターンコマンド(以下、表示用弱パターンコマンド、表示用強パターンコマンド、表示用弱弱パターンコマンド、表示用弱強パターンコマンド、表示用強弱パターンコマンド及び表示用強強パターンコマンドを総称して「パターン系コマンド」という場合がある)を受信した場合に、受信したパターン系コマンドに基づいて文字パターンメモリ233jを設定する。一方、MPU231は、変動演出が終了する場合、即ち、音声ランプ制御装置113から表示用確定コマンドを受信した場合に、表示設定処理(図57参照)において、後述する赤文字フラグ233k等と共に該文字パターンメモリ233jを0クリア(オフ)する(図57のS2312参照)。
MPU231は、文字パターンメモリ233jにパターン系コマンドの内容が設定された場合に、該文字パターンメモリ233jの記憶内容に対応した文字パターン用追加データテーブル232a2を決定し、該文字パターン用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)する(図55の2203参照)。そして、MPU231は、上述したように、表示データテーブルバッファ233bに設定(格納)された表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)された文字パターン用追加データテーブル232a2とに基づいて描画リストを作成する。
これにより、上記文字パターン用追加データテーブル232a2が追加データテーブルバッファ233cに設定されることで、変動演出におけるリーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2の文字パターンが、表示データテーブル232a1によって規定された当初の内容から変更(例えば、リーチ発生時文字表示Se1が「弱パターン」から「強パターン」、リーチ中文字表示Se2が「弱パターン」から「強パターン」)されて表示される。よって、追加データテーブルバッファ233cに文字パターン用追加データテーブル232a2を格納するだけで、第3図柄表示装置81に表示させるリーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2の文字パターンを容易に変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
第1実施形態において、文字パターンメモリ233jにおいて、各文字表示Se1〜Se4の初期設定(デフォルト設定)の文字パターン、即ち、リーチ発生時文字表示Se1に関して「弱パターン」、又は、リーチ中文字表示Se2に関して「弱パターン」の文字パターンが設定された場合であっても、該文字パターンに基づいて文字パターン用追加データテーブル232a2を選定して追加データテーブルバッファ233cに格納するように構成されている。このように構成することで、各文字表示Se1〜Se4の表示態様が初期設定か否かを確認する処理が不要となり、処理の共通化を図り、プログラムの設計時における工数を削減することができる。
なお、上記構成に代えて、文字パターンメモリ233jに設定されている内容が初期設定(デフォルト設定)である場合には、追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに格納しようないように構成してもよい。このように構成した場合には、初期設定か否かを判別する処理が必要になる一方、余分な追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに格納しなくて済むので、表示制御に関する処理負担を軽減することができる。
赤文字フラグ233kは、「リーチ表示」時に第3図柄表示装置81に表示される各文字表示Se1〜Se4の表示色を「赤色」に設定するためのフラグである。MPU231は、この赤文字フラグ233kの設定内容に基づいて、各文字表示Se1〜Se4の表示色を「赤色」に一括設定する。
この赤文字フラグ233kは、まず、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図48のS2001参照)によって初期化(即ち、オフ)される。そして、MPU231は、音声ランプ制御装置113から表示用赤文字コマンドを受信した場合に、この赤文字フラグ233kをオンに設定する(図55のS2195参照)。一方、MPU231は、変動演出が終了する場合、即ち、音声ランプ制御装置113から表示用確定コマンドを受信した場合に、表示設定処理(図57参照)において、文字パターンメモリ233j等と共に該赤文字フラグ233kをオフ(0クリア)する(図57のS2312参照)。
MPU231は、赤文字フラグ233kがオンに設定された場合に、該赤文字フラグ233kのオンに対応した文字色用追加データテーブル232a2を決定し、該文字色用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)する(図55のS2203参照)。そして、MPU231は、上述したように、表示データテーブルバッファ233bに設定(格納)された表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)された文字色用追加データテーブル232a2とに基づいて描画リストを作成する。
なお、この文字パターン用追加データテーブル232a2と、文字色用追加データテーブル232a2とが共に追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)されている場合は、該文字パターン用追加データテーブル232a2と、文字色用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストが作成される。
これにより、上記赤文字フラグ233kに基づく文字色用追加データテーブル232a2が設定されることで、変動演出における各文字表示Se1〜Se4の表示色が、文字パターンの如何に関わらず、表示データテーブル232a1によって規定された当初の内容(「白色」)から「赤色」に変更されて表示される。よって、赤文字フラグ233kの設定内容に基づいて文字色用追加データテーブル232a2を作成し、追加データテーブルバッファ233cに該文字色用追加データテーブル232a2を格納するだけで、第3図柄表示装置81に表示される各文字表示Se1〜Se4の表示色を容易に変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
金文字フラグ233mは、「リーチ表示」時に第3図柄表示装置81に表示される各文字表示Se1〜Se4の表示色を「金色」に設定するためのフラグである。MPU231は、この金文字フラグ233mの設定内容に基づいて、各文字表示Se1〜Se4の表示色を「金色」に一括設定する。
この金文字フラグ233mは、まず、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図48のS2001参照)によって初期化(即ち、オフ)される。そして、MPU231は、音声ランプ制御装置113から表示用金文字コマンドを受信した場合に、この金文字フラグ233mをオンに設定する(図55のS2196参照)。一方、MPU231は、変動演出が終了する場合、即ち、音声ランプ制御装置113から表示用確定コマンドを受信した場合に、表示設定処理(図57参照)において、文字パターンメモリ233j等と共に該金文字フラグ233mをオフ(0クリア)する(図57のS2312参照)。
MPU231は、金文字フラグ233mがオンに設定された場合に、該金文字フラグ233mのオンに対応した文字色用追加データテーブル232a2を決定し、該文字色用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)する(図55のS2203参照)。そして、MPU231は、上述したように、表示データテーブルバッファ233bに設定(格納)された表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)された文字色用追加データテーブル232a2とに基づいて描画リストを作成する。
これにより、上記金文字フラグ233mに基づく文字色用追加データテーブル232a2が設定されることで、変動演出における各文字表示Se1〜Se4の表示色が、文字パターンの如何に関わらず、表示データテーブル232a1によって規定された当初の内容(「白色」)から「金色」に変更されて表示される。よって、金文字フラグ233mの設定内容に基づいて文字色用追加データテーブル232a2を作成し、追加データテーブルバッファ233cに該文字色用追加データテーブル232a2を格納するだけで、第3図柄表示装置81に表示される各文字表示Se1〜Se4の表示色を容易に変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
発生時文字色変化フラグ233nは、上述した各文字表示Se1〜Se4に関する文字表示の表示色の変化抽選に当選した場合に、「リーチ発生時」、即ち、「ノーマルリーチ」の変動要素の開始時に第3図柄表示装置81に表示されるリーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミングで、該リーチ発生時文字表示Se1の表示色を変更するように設定するためのフラグである。MPU231は、この発生時文字色変化フラグ233nの設定内容に基づいて、リーチ発生時文字表示Se1の表示色を、文字表示の表示色の変化抽選の抽選結果に応じた表示色に設定する。
この発生時文字色変化フラグ233nは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図48のS2001参照)によって初期化(即ち、オフ)される。そして、MPU231は、音声ランプ制御装置113から表示用発生時変化コマンドを受信した場合に、この発生時文字色変化フラグ233nをオンに設定する(図55のS2200参照)。一方、MPU231は、変動演出が終了する場合、即ち、音声ランプ制御装置113から表示用確定コマンドを受信した場合に、表示設定処理(図57参照)において、文字パターンメモリ233j等と共に該発生時文字色変化フラグ233nをオフ(0クリア)する(図57のS2312参照)。
MPU231は、発生時文字色変化フラグ233nがオンに設定された場合に、該発生時文字色変化フラグ233nのオンに対応した文字タイミング用追加データテーブル232a2を決定し、該文字タイミング用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)する(図55のS2203参照)。この発生時文字色変化フラグ233nのオンに対応した文字タイミング用追加データテーブル232a2が設定(格納)されることにより、リーチ発生時文字表示Se1の表示タイミングで該リーチ発生時文字表示Se1の表示色が変化される。MPU231は、上述したように、表示データテーブルバッファ233bに設定(格納)された表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)された文字タイミング用追加データテーブル232a2とに基づいて描画リストを作成する。
なお、この発生時文字色変化フラグ233nのオンに対応した文字タイミング用追加データテーブル232a2と、文字パターン用追加データテーブル232a2及び文字色用追加データテーブル232a2とが共に追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)されている場合は、該文字タイミング用追加データテーブル232a2、文字パターン用追加データテーブル232a2及び文字色用追加データテーブル232a2に基づいて、描画リストが作成される。
これにより、上記発生時文字色変化フラグ233nに基づく文字タイミング用追加データテーブル232a2が設定されることで、リーチ発生時文字表示Se1が表示されるタイミングで該リーチ発生時文字表示Se1の表示色が、表示データテーブル232a1によって規定された当初の内容(「白色」)から、変化抽選の抽選結果(「赤色」又は「金色」)を示す文字タイミング用追加データテーブル232a2で設定された表示色に変更されて表示される。よって、発生時文字色変化フラグ233nの設定内容に基づいて文字タイミング用追加データテーブル232a2を作成し、追加データテーブルバッファ233cに該文字タイミング用追加データテーブル232a2を格納するだけで、第3図柄表示装置81にリーチ発生時文字表示Se1が表示されるタイミングで該リーチ発生時文字表示Se1の表示色を容易に変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種態様な表示をさせることができる。
リーチ中文字色変化フラグ233oは、上述した各文字表示Se1〜Se4に関する文字表示の表示色の変化抽選に当選した場合に、「リーチ中」、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中に第3図柄表示装置81に表示されるリーチ中文字表示Se2を表示するタイミングで、該リーチ中文字表示Se2の表示色を変更するように設定するためのフラグである。MPU231は、このリーチ中文字色変化フラグ233oの設定内容に基づいて、リーチ中文字表示Se2の表示色を、文字表示の表示色の変化抽選の抽選結果に応じた表示色に設定する。
このリーチ中文字色変化フラグ233oは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図48のS2001参照)によって初期化(即ち、オフ)される。そして、MPU231は、音声ランプ制御装置113から表示用リーチ中変化コマンドを受信した場合に、このリーチ中文字色変化フラグ233oをオンに設定する(図55のS2201参照)。一方、MPU231は、変動演出が終了する場合、即ち、音声ランプ制御装置113から表示用確定コマンドを受信した場合に、表示設定処理(図57参照)において、文字パターンメモリ233j等と共に該リーチ中文字色変化フラグ233oをオフ(0クリア)する(図57のS2312参照)。
MPU231は、リーチ中文字色変化フラグ233oがオンに設定された場合に、該リーチ中文字色変化フラグ233oのオンに対応した文字タイミング用追加データテーブル232a2を決定し、該文字タイミング用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)する(図55のS2203参照)。このリーチ中文字色変化フラグ233oのオンに対応した文字タイミング用追加データテーブル232a2が設定(格納)されることにより、リーチ中文字表示Se2の表示タイミングで該リーチ中文字表示Se2の表示色が変化される。MPU231は、上述したように、表示データテーブルバッファ233bに設定(格納)された表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)された文字タイミング用追加データテーブル232a2とに基づいて描画リストを作成する。
なお、このリーチ中文字色変化フラグ233oのオンに対応した文字タイミング用追加データテーブル232a2と、文字パターン用追加データテーブル232a2及び文字色用追加データテーブル232a2とが共に追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)されている場合は、該文字タイミング用追加データテーブル232a2、文字パターン用追加データテーブル232a2及び文字色用追加データテーブル232a2に基づいて、描画リストが作成される。
これにより、上記リーチ中文字色変化フラグ233oに基づく文字タイミング用追加データテーブル232a2が設定されることで、リーチ中文字表示Se2が表示されるタイミングで該リーチ中文字表示Se2の表示色が、表示データテーブル232a1によって規定された当初の内容(「白色」)から、変化抽選の抽選結果(「赤色」又は「金色」)を示す文字タイミング用追加データテーブル232a2で設定された表示色に変更されて表示される。よって、発生時文字色変化フラグ233nの設定内容に基づいて文字タイミング用追加データテーブル232a2を作成し、追加データテーブルバッファ233cに該文字タイミング用追加データテーブル232a2を格納するだけで、第3図柄表示装置81にリーチ発生時文字表示Se1が表示されるタイミングで該リーチ発生時文字表示Se1の表示色を容易に変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種態様な表示をさせることができる。
際後制限フラグ233pは、ハズレ時の「リーチ表示」が行われた後に、第3図柄表示装置81に表示される定型句文字表示Se3の表示色を、通常の表示色である「白色」に強制的に設定するためのフラグである。MPU231は、この際後制限フラグ233pの設定内容に基づいて、文字表示の表示色の変化抽選に当選してリーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2の表示色がチャンスアップパターンに変更されていた場合であっても、変動演出がハズレの表示結果となるとき、定型句文字表示Se3の表示色を通常の表示色である「白色」で表示する。
第1実施形態のパチンコ機10では、いずれかの文字表示Se1,Se2においてチャンスアップパターン(「赤色」又は「金色」)が現出した場合、原則、以降の文字表示Se2,Se3(及び疑似定型句文字表示Se4)において該チャンスアップパターンを引き継いだ表示を実行可能に構成されている。
これは、第1実施形態のように、変動演出の複数の箇所で文字表示が現出する構成の場合に、それぞれの現出箇所毎にチャンスアップパターンを抽選する構成であると、その現出箇所分の抽選処理が必要になって制御が複雑化し、処理負担が増大してしまうからである。また、変動演出において先に実行される現出箇所でチャンスアップパターンの文字表示を現出させた後、後に実行される箇所でチャンスアップパターンでない通常のパターンの文字表示を現出させてしまうと、大当たり期待度が成り下がった表現(以下、「成り下がり表現」という)になってしまい、折角、チャンスアップパターンの現出によって気分が高揚していた遊技者が、該成り下がり表現を目の当たりにすることで興醒めしてしまうおそれがあるからである。
よって、変動演出の文字表示においてチャンスアップパターンの抽選を一括で行い、一度でもチャンスアップパターンが現出された場合は、以降の文字表示においてもチャンスアップパターンを踏襲して現出させるように構成することで、それぞれの現出箇所毎に抽選処理を行う必要がなくなり、処理負担を軽減させることができる。また、チャンスアップパターンに設定された場合に、該チャンスアップパターンを以降の文字表示でも踏襲することで、文字表示における成り下がり表現が発生してしまう現象を未然に排除して、遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。さらに、変動演出の文字表示においてチャンスアップパターンの設定を一括で行うことで、各文字表示Se1〜Se4のそれぞれで抽選処理を行って、その抽選結果毎(文字表示毎)に追加データテーブル232a2を設定する場合に比べ、設定する追加データテーブル232a2数を少なくすることができるため、MPU231の処理負担を軽減することができる。
一方、各文字表示Se1〜Se4のチャンスアップパターンについて一括設定する場合、例えば、ハズレの変動演出において「リーチ表示」の演出が終了して「ハズレ表示」が現出した後に、定型句文字表示Se3がチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)で表示されてしまうことがある。
このような場合、遊技者は、該定型句文字表示Se3がチャンスアップパターンで表示されたことによって、該変動演出がこのまま「ハズレ表示」で確定せず、今から「再変動」の演出が実行されて「ハズレ表示」が「大当たり表示」に変化するのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、変動演出が「ハズレ表示」のまま確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、パチンコ機10に対して不信感を募らせると共に、該パチンコ機10を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、各文字表示Se1,Se2がチャンスアップパターンに当選していた場合でも、変動演出が「ハズレ表示」で確定するときには、際後制限フラグ233pをオンに設定し、「リーチ表示」の終了後に表示される定型句文字表示Se3において、チャンスアップパターンを現出しないように構成する。即ち、「ハズレ表示」の変動演出において、定型句文字表示Se3の表示色を、際後制限フラグ233pの設定内容に応じて、通常のパターンである「白色」に修正して表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
この際後制限フラグ233pは、まず、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図48のS2001参照)によって初期化(即ち、オフ)される。そして、MPU231は、音声ランプ制御装置113から定型句文字表示Se3を「白色」で表示させるための表示用定型句通常コマンドを受信した場合に、この際後制限フラグ233pをオンに設定する(図55のS2198参照)。一方、MPU231は、変動演出が終了する場合、即ち、音声ランプ制御装置113から表示用確定コマンドを受信した場合に、表示設定処理(図57参照)において、文字パターンメモリ233j等と共に該際後制限フラグ233pをオフ(0クリア)する(図57のS2312参照)。
MPU231は、際後制限フラグ233pがオンに設定された場合に、該際後制限フラグ233pのオンに対応した文字修正用追加データテーブル232a2を決定し、該文字修正用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)する(図55のS2203参照)。この際後制限フラグ233pのオンに対応した文字修正用追加データテーブル232a2が設定(格納)されることにより、文字色用追加データテーブル232a2によって各文字表示Se1〜Se4の表示色が「赤色」又は「金色」に変化するように設定されていた場合であっても、定型句文字表示Se3の表示色が「白色」で表示される。MPU231は、上述したように、表示データテーブルバッファ233bに設定(格納)された表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)された文字修正用追加データテーブル232a2とに基づいて描画リストを作成する。
なお、この文字修正用追加データテーブル232a2と、文字パターン用追加データテーブル232a2、文字色用追加データテーブル232a2及び文字タイミング用追加データテーブル232a2とが共に追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)されている場合は、該文字タイミング用追加データテーブル232a2、文字パターン用追加データテーブル232a2及び文字色用追加データテーブル232a2に基づいて、描画リストが作成されるが、文字修正用追加データテーブル232a2は、文字色用追加データテーブル232a2より優先度が高い(最も後に格納される)追加データテーブル232a2として構成されているため、文字色用追加データテーブル232a2が設定されて、各文字表示Se1〜Se4の表示色が変更(「白色」以外の表示色)に設定されていた場合であっても、文字修正用追加データテーブル232a2が設定(格納)されることで、定型句文字表示Se3の表示色が「白色」で表示されるように構成されている。
これにより、上記際後制限フラグ233pに基づく文字修正用追加データテーブル232a2が設定されることで、「リーチ表示」の「際演出」が実行された後に表示される定型句文字表示Se3の表示色が、上述した文字表示の表示色の変化抽選に当選したことに基づいて文字色用追加データテーブル232a2によって設定されたチャンスアップパターンであっても、上記文字修正用追加データテーブル232a2によって通常の表示色である「白色」で表示される。よって、際後制限フラグ233pの設定内容に基づいて文字修正用追加データテーブル232a2を作成し、追加データテーブルバッファ233cに該文字修正用追加データテーブル232a2を格納するだけで、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2がチャンスアップパターンに変更されて表示されていた場合でも、定型句文字表示Se3の表示色を通常の表示色である「白色」に再変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
次に、図33から図39のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図38参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図39参照)と、定期的に(第1実施形態では4ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理(図33参照)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図37参照)とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図33は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば4ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理やメイン処理では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、後述する始動入賞処理(図34参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、変動処理(図35参照)や変動処理の一処理である変動開始処理(図36)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。その他、後述のS111の処理において球の発射を行う場合に設定された球発射信号を、発射制御装置112に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S103)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S105)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて可変表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物を所定時間開放する。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S106)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチ208の状態を読み込むと共に、当該スイッチ208の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S107)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「899」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「250」)に達した際、「0」にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
さらに、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S108)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第1実施形態ではそれぞれ、「899」,「99」,「99」,「198」,「250」)に達した際、それぞれ「0」にクリアする。また、第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37による動的表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S109)、次いで、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S110)。なお、変動処理の詳細は図35を参照して後述し、始動入賞処理の詳細は図34を参照して後述する。
始動入賞処理(S110)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S111)、さらに、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S112)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図34のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である始動入賞処理(S110)を説明する。図34は、この始動入賞処理(S110)を示すフローチャートである。始動入賞処理は、第1入球口64への入球(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球格納エリア203bに格納する(保留する)処理を実行する。また、保留する各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球数と合わせて音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を実行する。
MPU201は、この始動入賞処理(S110)では、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S201)。ここでは、スイッチ読み込み処理(図33のS106)において読み込んだ、第1入球口64への入球(入賞)を検出する第1入球口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。
球が第1入球口64に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S201:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数N)が上限値(第1実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S202)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S201:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S202:No)、タイマ割込処理(図33参照)へ戻る。
一方、第1入球口64への入賞があり(S201:Yes)、且つ、保留球数N<4であれば(S202:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1加算する(S203)。そして、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファ(図7参照)から読み出し、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうち、保留球数カウンタ203aで示される値に対応するエリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3及び変動種別カウンタ格納エリア203b4に各々保留(格納)する(S204)。
具体的には、S203の処理による加算後の保留球数カウンタ203aの値が「1」であれば、保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の保留球数カウンタ203aの値が「3」であれば保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の保留球数カウンタ203aの値が「4」であれば保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
次に、S203の処理による加算後の保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)と、S204の処理により保留球格納エリア203bに格納(保留)した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を含む保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する(S205)。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の外部出力処理によって、保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。S205の処理を終えると、タイマ割込処理(図33参照)に戻る。
なお、S205の処理において保留球数コマンドに含める各カウンタC1〜C3,CS1の値は、S204の処理によりカウンタ用バッファから読み出した値そのものを用いてもよいし、S204の処理において保留球格納エリア203bに格納(保留)された値を読み出したものを用いてもよい。
次に、図35を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である変動処理(S109)について説明する。図35は、この変動処理(S109)を示すフローチャートである。この変動処理(S109)は、第1図柄表示装置37における動的表示や第3図柄表示装置81にて行う変動演出を制御するものである。
この変動処理(S109)では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が動的表示中でなければ(S302:No)、次いで、第1図柄表示装置37における動的表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S303)。その結果、動的表示の停止後、所定時間経過していなければ(S303:No)、タイマ割込処理(図33参照)へ戻る。これにより、動的表示(変動演出)における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S303の処理の結果、動的表示の停止後、所定時間経過していれば(S303:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている動的表示(変動演出)の保留球数N)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S304)。その結果、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が「0」でなければ(S304:Yes)、変動演出の実行開始タイミングであると判断し、まず、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1減算する(S305)。これは、変動開始処理(S307)によって、保留されていた変動演出のうち1の変動演出の実行が開始されるため、保留球数が1つ減少するためである。
次いで、保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフト処理する(S306)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203cへ向けて順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→保留球実行エリア203c、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S306のデータシフト処理の後は、データシフト処理により保留球実行エリア203cに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81に対する変動開始処理を実行し(S307)、タイマ割込処理(図33参照)に戻る。なお、変動開始処理については、図36を参照して後述する。
S304の処理において、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が「0」であると判別されると(S304:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S308)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)の値が「0」より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S308:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S309)、タイマ割込処理(図33参照)に戻る。一方、デモ中であると判別された場合は(S309:Yes)、そのままタイマ割込処理に戻る。S309の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図33のS101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信すると、表示用デモコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用デモコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動演出が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。
なお、S308の処理においてデモ中ではない(S308:No)と判断された場合に、さらに、変動停止後、前記所定時間よりも長い第2の所定時間が経過したか否かを判断する処理を実行し、変動停止後、第2の所定時間が経過したことをもってS309の処理を実行してデモコマンドを設定するようにしてもよい。これにより、変動停止後、保留球が1つも存在しない場合に、すぐにデモ演出を開始することなく、比較的長い時間、その停止した変動演出の停止図柄を遊技者に見せることができる。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S310)。第1図柄表示装置37の動的表示中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S310:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S311)、タイマ割込処理(図33参照)に戻る。
第1実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、動的表示が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが「100」に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、「0」にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S310:Yes)、第1図柄表示装置37に対して、停止図柄に対応した表示態様を設定する(S312)。停止図柄は、図36を参照して後述する変動開始処理(S307)によって予め設定される。変動開始処理では、S306の処理によって保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定され、大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値により、大当たり後に「15R確変大当たり」となる図柄か、「2R確変大当たり」となる図柄か、「15R通常大当たり」となる図柄かが決定される。
第1実施形態では、大当たり後に「15R確変大当たり」になる場合には青色のLEDを点灯させ、「2R確変大当たり」になる場合には赤色のLEDを点灯させ、「15R通常大当たり」になる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、ハズレである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDは、次の動的表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S312の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における変動演出の停止図柄を、第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調して確定表示させるために、確定コマンドを設定して(S313)、タイマ割込処理(図33参照)に戻る。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用確定コマンドを送信する。表示制御装置114は、表示用確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における変動演出を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。
次に、図36を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理の一処理である変動開始処理(S307)について説明する。図36は、変動開始処理(S307)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S307)は、保留球実行エリア203cに格納された各種カウンタの値に基づき、大当たり又はハズレの抽選(大当たり抽選)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる動的表示および変動演出の動的パターン(変動パターン及び停止種別)等を決定する。
変動開始処理(S307)では、まず、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と大当たり乱数テーブル202a(図8(a)参照)とに基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S401)。
大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。上述した通り、大当たり乱数テーブル202aにおいて、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が通常の低確率状態(「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」)にある場合には、「7,307,582」が大当たり乱数値として規定される。また、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が高確率状態(「確率変動状態」)にある場合には「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値として規定される。
S401の処理では、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。S401の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値と、大当たり種別テーブル202b(図8(b)参照)とに基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S402)。
この処理では、大当たり種別テーブル202bによって、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「15R確変大当たり」か、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に「時間短縮状態」へ移行する「15R通常大当たり」か、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「2R確変大当たり」か、が判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、第1図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。
また、第3図柄表示装置81において、大当たり種別に対応した各種大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(「15R確変大当たり」、「2R確変大当たり」、「15R通常大当たり」)をそのまま停止種別として設定することにより、第3図柄表示装置81における大当たり時の表示態様を設定する。
次に、大当たり時の変動パターンを決定し(S403)、S406の処理へ移行する。具体的には、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、大当たり時の表示態様(停止種別)と、その時点での停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて演出態様を選択し、その選択された演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動演出の変動時間が決定される。この大当たり時の変動パターンの決定では、まず、その大当たりの停止種別に応じて、使用する停止パターンテーブル202d(図11(a)又は(b)参照)を選択する。
そして、S402の処理において大当たり種別として「15R確変大当たり」又は「15R通常大当たり」が設定された場合は、選択した停止パターンテーブル202d(Cテーブル202d3)において、保留球実行エリア203cに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。即ち、この場合、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様のうちいずれかの演出態様が選択される(図11(a)参照)。
演出態様として「ノーマルリーチ」演出態様が設定された場合は、大当たり用変動パターンテーブル202e1(図12参照)の「E5:ノーマルリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「ノーマルリーチのみ」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ」、「疑似連1+ノーマルリーチ」、「ノーマルリーチ+再変動」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動」又は「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動」のいずれかの変動パターンが選択される(図12参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図12参照)。
演出態様として「スーパーリーチ」演出態様が設定された場合は、大当たり用変動パターンテーブル202e1(図12参照)の「E6:スーパーリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「スーパーリーチのみ」、「疑似ガセ+スーパーリーチ」、「疑似連1+スーパーリーチ」、「疑似連2+スーパーリーチ」、「スーパーリーチ+再変動」、「疑似ガセ+スーパーリーチ+再変動」、「疑似連1+スーパーリーチ+再変動」又は「疑似連2+スーパーリーチ+再変動」のいずれかの変動パターンが選択される(図12参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図12参照)。
演出態様として「スペシャルリーチ」演出態様が設定された場合は、大当たり用変動パターンテーブル202e1(図12参照)の「E7:スペシャルリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「スペシャルリーチのみ」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ」、「疑似連1+スペシャルリーチ」、「疑似連2+スペシャルリーチ」、「スペシャルリーチ+再変動」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ+再変動」、「疑似連1+スペシャルリーチ+再変動」又は「疑似連2+スペシャルリーチ+再変動」のいずれかの変動パターンが選択される(図12参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図12参照)。
また、S402の処理において大当たり種別として「2R確変大当たり」が設定された場合は、選択した停止パターンテーブル202d(Dテーブル202d4)において、保留球実行エリア203cに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。即ち、「2R確変大当たり」に当選した場合、「特殊変動」がもれなく選択される。そして、選択された演出態様と大当たり用変動パターンテーブル202e1とを参照し、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。第1実施形態では、この場合、「ムービー」のみが選択される(図12参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図12参照)。
一方、S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、ハズレ時の表示態様を設定する(S404)。S404の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様をハズレ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球実行エリア203cに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と保留球数カウンタ203aの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ(短縮)」演出態様、「非リーチ(通常)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様のいずれかを設定する。第1実施形態では、上述したように、パチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」であるか、「時間短縮状態」であるか、「通常遊技状態」であるかに応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202d(Aテーブル202d1又はBテーブル202d2)が設定されている。
次に、ハズレ時の変動パターンを決定し(S405)、S406の処理へ移行する。具体的には、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、ハズレ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。このとき、パチンコ機10の遊技状態が「通常遊技状態」にある場合は、保留球数カウンタ203aにて示されるその時の保留球数に対応した停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1又はBテーブル202d2(図10(a)又は図10(b)参照)のいずれかが選択される。また、パチンコ機10の遊技状態が「時間短縮状態」または「確率変動状態」にある場合は、保留球数カウンタ203aにて示されるその時の保留球数に対応した停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1又はBテーブル202d2(図10(a)又は図10(b)参照)のいずれかが選択される。
S404の処理において「非リーチ(短縮)」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e2の「E0:非リーチ(短縮)」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「非リーチ(短縮)のみ」が選択され、他の変動パターンは選択されない(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
また、S404の処理において「非リーチ(通常)」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e2の「E1:非リーチ(通常)」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「非リーチ(通常)のみ」、「疑似ガセ+非リーチ(通常)」又は「疑似連1+非リーチ(通常)」が選択される(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
また、S402の処理において「ノーマルリーチ」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e2の「E2:ノーマルリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「ノーマルリーチのみ」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ」又は「疑似連1+ノーマルリーチ」が選択される(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
また、S402の処理において「スーパーリーチ」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e2の「E3:スーパーリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「スーパーリーチのみ」、「疑似ガセ+スーパーリーチ」、「疑似連1+スーパーリーチ」又は「疑似連2+スーパーリーチ」が選択される(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
また、S402の処理において「スペシャルリーチ」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e2の「E4:スペシャルリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「スペシャルリーチのみ」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ」、「疑似連1+スペシャルリーチ」又は「疑似連2+スペシャルリーチ」が選択される(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
このように、大当たり時における演出態様および変動パターンの設定処理と、ハズレ時における演出態様および変動パターンの設定処理とを、同じ乱数値C3,CS1を用いて同じ判定プログラムによって判定して決定することで、プログラムを共通化することができ、開発時における開発工数を削減することができる。
S406の処理では、S403及びS405の処理によって決定された変動パターンの応じた変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンに応じた変動時間を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S406)。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選し、さらに、「スーパーリーチのみ」の30秒の変動パターンが選択されていた場合は、変動パターンコマンドとして、「E601H」が設定される。また、大当たり抽選にハズレて、さらに、「スーパーリーチのみ」の30秒の変動パターンが選択されていた場合は、変動パターンコマンドとして、「E301H」が設定される。このように、変動演出が同じ変動時間であっても、変動パターンコマンドに変動演出の当否と大まかな変動パターンの内容も併せて設定することで、音声ランプ制御装置113は、当否を含む演出態様の内容と変動時間とを把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の変動パターンを決定することができる。
また、S402又はS404の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S407)、変動処理(図35参照)へ戻る。具体的には、例えば、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「15R確変大当たり」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「7」図柄等)は特定せずに、「15R確変大当たり」であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「15R通常大当たり」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「4」図柄等)は特定せずに、「15R通常大当たり」であることを示す停止種別コマンドを設定する。
一方、大当たりに当選せず、さらに、「スーパーリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「787」等)は特定せずに、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様(所謂、前後ハズレ)であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選せず、さらに、「ノーマルリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「737」等)は特定せずに、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様(所謂、前後以外ハズレ)であることを示す停止種別コマンドを設定する。さらに、大当たりに当選せず、さらに、「非リーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「258」等)は特定せずに、ハズレ時の「非リーチ」演出態様(所謂、完全ハズレ)であることを示す停止種別コマンドを設定する。
このように、停止種別コマンドに変動演出の当否に基づいた大まかな停止種別を設定することで、音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)は、当否に基づいた停止種別を把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の停止結果を決定することができる。
これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図33参照)のS101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドや停止種別コマンドを受信すると、それに基づき表示用変動パターンコマンドや表示種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
図37は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S501)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図38を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図38は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(第1実施形態では1秒)を実行する(S602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S603)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S604)、オンされていれば(S604:Yes)、処理をS611へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S605)、記憶されていなければ(S605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS611へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S605:Yes)、RAM判定値を算出し(S606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS611へ移行する。
なお、図39のS706でも説明するが、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S611の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S611)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S612,S613)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S612,S613)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S612,S613)を実行する。RAM203の初期化処理(S612,S613)では、RAM203の使用領域を「0」クリアし(S612)、その後、RAM203に初期値を設定する(S613)。RAM203の初期化処理の実行後は、S610の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S608)。そして、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S609)、S610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S610の処理では、割込みを許可する(S610)。そして、後述するメイン処理(図39参照)に移行する。
次に、図39を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図39は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別してカウンタの更新処理と電源断時処理とが実行される。
メイン処理では、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S701)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S701:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S702,S703)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S702)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「899」、「250」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S108(図33参照)の処理と同一の方法によって実行し(S703)、S701の処理へ移行する。
ここで、このメイン処理が実行されている間、図33を参照して説明したタイマ割込処理が所定時間間隔(第1実施形態では4ミリ秒)で起動され実行される。タイマ割込処理では、遊技の状態に応じて異なる処理が実行される。例えば、大当たり中には、特定入賞口65aの開閉を制御する実行が行われ、第2入球口67への球の通過があれば、第2図柄表示装置83による第2図柄の表示制御が行われる。また、第1図柄表示装置37での動的表示を開始する場合に実行される大当たり抽選では、高確率状態か低確率状態かによって、取得した第1当たり乱数カウンタC1と比較する大当たり乱数値の数が異なってくる。よって、1回のタイマ割込処理の実行にかかる時間は、遊技の状態に応じて変化することになる。従って、一のタイマ割込処理が終了してから次のタイマ割込処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく、その時々の遊技の状態に応じて変化する。
メイン処理の一処理である上記のS702,S703の処理は、このタイマ割込処理の残余時間の中で実行されることになる。つまり、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し実行されることになるので、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。特に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2とをランダムに更新することによって、これらを更新の初期値として使用する第1当たり乱数カウンタC1及び第2当たり乱数カウンタC2の更新に、ランダム性を持たせることができる。
また、S701の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S701:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図37のNMI割込処理が実行されたということなので、S704以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S704)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S705)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S706)、RAM203のアクセスを禁止して(S707)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S701の処理は、タイマ割込処理(図33参照)の残余時間内に行われるS702とS703の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。これにより、主制御装置110のメイン処理において、タイマ割込処理による各種設定が終了し、また、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新が終わったタイミングで、電源断の発生情報を確認している。よって、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理(図38参照)の終了後、処理をS701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS701の処理から開始することができる。
従って、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S701の処理から開始することができる。その結果、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
第1実施形態では、定期的に実行する処理をタイマ割込処理(図33参照)で実行し、メイン処理において、タイマ割込処理の残余時間に各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新を実行する場合について説明したが、タイマ割込処理にて実行していた処理の一部または全部を、メイン処理の中で所定時間(例えば、4ミリ秒)毎に実行するように構成してもよい。例えば、第1実施形態においてタイマ割込処理にて実行していた賞球計数信号,払出異常信号読み込み処理(S102)、大開放口開閉処理(S103)、第2図柄制御処理(S105)及びスイッチ読み込み処理(S106)の一部または全部を、タイマ割込処理ではなく、メイン処理の中で4ミリ秒毎に実行するように構成してもよい。
この場合、メイン処理の中で所定時間(4ミリ秒)経過したか否かを判断するステップを設け、所定時間経過したと判断された場合のみ、所定時間毎に実行する処理を実行し、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間の経過の有無にかかわらず実行するようにしてもよい。これにより、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間毎に実行する処理の残余時間に実行されることになるが、所定時間毎に実行する処理は、遊技の状態に応じてその実行にかかる時間が変化するため、このように構成した場合であっても、各カウンタCINI1,CINI2,CS1をランダムに更新することができる。
次に、図40から図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図40参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図41参照)とがある。
まず、図40を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図40は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1115の電源断処理(図41参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。図41を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図41のS1112参照)、S1115の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1115の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S808へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1115の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が「0」クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008)。電源断フラグはS1115の電源断処理の実行時にオンされる(図41のS1114参照)。つまり、電源断フラグは、S1115の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAM223の作業エリアをクリアし(S1009)、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1009をスキップして、処理をS1010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。
なお、S1009のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図41を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図41は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、前回S1101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S1101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1108の処理を行わずにS1109の処理へ移行する。S1101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S1102〜S1108が短い周期(1ミリ秒以内)で処理する必要がないものであるのに対して、S1109の変動演出処理やS1110のコマンド判定処理は、短い周期で実行する方が好ましい処理であるからである。S1110の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1109の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1101の処理において、前回S1101の処理が実行されてから1ミリ秒以上経過していると判断される場合は(S1101:Yes)、S1102の処理へ移行する。なお、S1101の処理が、図40に示す立ち上げ処理の後初めて実行された場合は、そのままS1102の処理へ移行する。
S1102の処理では、S1103〜S1111の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1106の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1103)、その後電源投入報知処理を実行する(S1104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1105の処理へ移行する。
次いで、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1105)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、「高速変動」の変動要素の期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、枠ボタン操作コマンドに代えて、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動演出開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、「リーチ表示」中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1105の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1105)が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1106)、その後音編集・出力処理を実行する(S1107)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1107の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1108)、S1109の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1106のランプ編集処理が実行され、また、S1107の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間で実行される。
S1109の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに基づいて変動演出を開始するための処理である変動演出処理を実行する。この変動演出処理の詳細については、図44を参照して後述する。そして、変動演出処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行い(S1110)、S1111の処理へ移行する。このコマンド判定処理の詳細については、図42を参照して後述する。
S1111では、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた保留変化カウンタ223c、シナリオカウンタ223d、文字パターンカウンタ223e、文字色抽選カウンタ223f及び色変化タイミングカウンタ223gを更新するカウンタ更新処理を実行する(S1111)。具体的には、保留変化カウンタ223c、シナリオカウンタ223d、文字パターンカウンタ223e、文字色抽選カウンタ223f及び色変化タイミングカウンタ223gをそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第1実施形態ではすべて「99」)に達した際、それぞれ「0」クリアする。
なお、上述したように、保留変化カウンタ223cは、「保留変化予告」の実行および表示態様の選定に使用され、シナリオカウンタ223dは、「保留変化予告」の実行タイミングの選定に使用され、文字パターンカウンタ223eは、リーチ発生時文字表示Se1とリーチ中文字表示Se2とにおける「弱パターン」又は「強パターン」の文字パターンの選定に使用され、文字色抽選カウンタ223fは、各文字表示Se1〜Se4の表示色の選定に使用され、色変化タイミングカウンタ223gは、選定された表示色への変化タイミングを、リーチ発生時文字表示Se1の表示タイミングとリーチ中文字表示Se2の表示タイミングとから選定する場合に使用される。
S1111の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1112)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1112の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1112:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1114)、電源断処理を実行する(S1115)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1116)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1112の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1112:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1113)、RAM223が破壊されていなければ(S1113:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1113:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼び、パチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図42を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1110)について説明する。図42は、このコマンド判定処理(S1110)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1110)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図41参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S1110)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1201)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S1201:Yes)、該変動パターンコマンドから変動パターンを抽出する(S1202)。ここで抽出された変動パターンは、RAM223に記憶され、その変動パターンに基づいて、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターンを通知する表示用変動パターンコマンドを設定し(S1203)、メイン処理(図41参照)へ戻る。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1102)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113で決定された変動パターンの変動演出を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S1201:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1204)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S1203:Yes)、該停止種別コマンドから停止種別を抽出する(S1205)。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定し(S1206)、変動開始フラグ223aをオンに設定して(S1207)、メイン処理(図41参照)に戻る。
ここで設定された表示用停止種別コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1102)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、S1206の処理により設定された表示用変動パターンコマンドによって実行される変動演出を確定表示させる場合に、この表示用停止種別コマンドにて示される停止種別に対応する停止図柄を設定する。
なお、停止種別コマンドは、変動演出を開始する場合に主制御装置110が変動パターンコマンドを送信後、その変動パターンコマンドによって変動パターンが示された変動演出の停止種別を示すものとして、主制御装置110より必ず送信されるコマンドである。S1206の処理によって変動開始フラグ223aをオンに設定することにより、後に実行される変動演出処理において、先に保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された変動演出の変動パターンと、受信した変動パターンコマンドより抽出した変動演出の変動パターンとが一致するか否かの判定を行う。また、先に保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された変動演出の停止種別と、受信した停止種別コマンドより抽出した変動演出の停止種別とが一致するか否かの判定を行う。それらの判定の結果、1の変動演出において、保留球数コマンドに基づく変動パターンと変動パターンコマンドに基づく変動パターンとが一致していない場合、又は、保留球数コマンドに基づく停止種別と停止種別コマンドに基づく停止種別とが一致していない場合は、何らかの異常(例えば、ノイズによるコマンド受信異常)が発生していると判断し、異常を示す表示用エラーコマンドを生成し、表示制御装置114へ送信するための処理を実行する(図44参照)。
S1204の処理の結果、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S1204:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1208)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S1208:Yes)、保留表示設定処理を行い(S1209)、メイン処理(図41参照)へ戻る。この保留表示設定処理(S1209)では、受信した保留球数コマンドに含まれる各種情報(例えば、第1当たり乱数カウンタC1の値等)に基づいて、「保留変化予告」に関する制御を行う。この保留表示設定処理の詳細については、図43を参照して後述する。
S1208の処理の結果、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S1208:No)、次いで、主制御装置110より確定コマンドを受信したか否かを判別する(S1210)。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。この確定コマンドを受信したと判別された場合は(S1210:Yes)、表示制御装置114に対して確定コマンドの受信を通知するための表示用確定コマンドを設定して(S1211)、処理をS1212へ移行する。
ここで設定された表示用確定コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1002参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、表示用確定コマンドを受信することにより、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を停止させ、先に表示用停止種別コマンドにて示された停止種別に対応する停止図柄を表示することで、確定表示させる。
S1212の処理では、サブ保留球数カウンタ223bの値が「0」より大きいか否かを判別し(S1212)、保留されて未実行の変動演出が存在するか否かを確認する。判別の結果、サブ保留球数カウンタ223bの値が「0」より大きくない場合、即ち、待機中の変動演出が存在しない場合は(S1212:No)、表示制御装置114に対して待機中の変動演出が存在しないことを通知するための表示用保留無コマンドを設定して(S1213)、メイン処理(図41参照)へ戻る。一方、サブ保留球数カウンタ223bの値が「0」より大きければ(S1212:Yes)、待機中の変動演出が存在するので、S1213の処理をスキップして、メイン処理へ戻る。
ここで設定された表示用保留無コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1002参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、表示用保留無コマンドを受信することにより、待機中の変動演出が存在しないことを認識し、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに表示されている実行図柄の表示を消去させる。
なお、S1210の処理において、確定コマンドを受信していないと判別された場合は(S1210:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1212)、メイン処理(図41参照)に移行する。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。主制御装置110より受信したデモコマンドは、このS1212の処理によって、表示用デモコマンドとして設定され、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納された後、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1002参照)により表示制御装置114に対して送信される。
ここで、図43を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留表示設定処理(S1209)について説明する。図43は、保留表示設定処理(S1209)を示したフローチャートである。この保留表示設定処理(S1209)では、まず、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留された変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113のサブ保留球数カウンタ223bに格納する(S1301)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1301の処理によって、音声ランプ制御装置113のサブ保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113のサブ保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113のサブ保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
次いで、受信した保留球数コマンドに含まれる第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3,変動種別カウンタCS1の各値を抽出し、保留情報格納エリア223hの保留情報格納第1〜第4エリア(図24参照)のうち、S1301の処理により該保留球数コマンドより抽出された保留球数に対応するエリアに格納する(S1302)。即ち、該保留球数がX(1≦X≦4)である場合に、抽出された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3,変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ、保留情報格納第Xエリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア223h1,第1当たり種別カウンタ格納エリア223h2,停止パターン選択カウンタ格納エリア223h3,変動種別カウンタ格納エリア223h4に格納される。
保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1〜C3,CS1の値は、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110においてカウンタ用バッファより取得されたものであり、該保留球数コマンドに含まれる保留球数がXである場合、主制御装置110の保留球格納エリア203bの保留第Xエリアに格納された値である。つまり、音声ランプ制御装置113の保留情報格納エリア223hには、主制御装置110の保留球格納エリア203bと同じ情報(各カウンタC1〜C3,CS1の値)が格納されることになる。
音声ランプ制御装置113は、この保留情報格納エリア223hに格納された各カウンタC1〜C3,CS1を参照することで、先読み処理を実行できるようになっている。即ち、保留された変動演出が実行された場合にその変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定したり、該「保留変化予告」の実行(開始)タイミングを決めたりする制御を音声ランプ制御装置113にて実行することができる。
次いで、S1303の処理において、今回受信した保留球数コマンドが示す各種情報に基づいて「保留変化予告」の実行抽選に当選したか否かを判別する(S1303)。「保留変化予告」の実行抽選は、上述したように、保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリア223h1〜223h4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、その保留球数コマンドが示す変動演出の当否および演出態様を抽出する。そして、その抽出された当否および演出態様に基づいて、その時点での保留変化カウンタ223cの値と保留変化テーブル222e(図15参照)とを参照して、「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定する。
S1303の処理の結果、「保留変化予告」の実行抽選に当選していれば(S1303:Yes)、「保留変化予告」の実行抽選結果である表示態様(例えば、「青色」等)を示す保留変化情報を、保留情報格納第Xエリアの保留変化情報格納エリア223h5に格納する(S1304)。これにより、「保留変化予告」を実行するか否かを保留情報格納第Xエリアごとに記憶させることができる。
次いで、S1304の処理では、「保留変化予告」の実行タイミング、即ち、「保留変化予告」が実行図柄又は保留図柄に反映される表示タイミングを決定するために、その時点でのシナリオカウンタ223dの値とシナリオテーブル222fとを参照して、「保留変化予告」の実行タイミングを決定し、その決定された実行タイミングを示すシナリオデータを、保留情報格納第Xエリアのシナリオデータ格納エリア223h6に格納する(S1305)。これにより、「保留変化予告」の実行タイミングを保留情報格納第Xエリアごとに記憶させることができる。
次いで、S1306の処理において、今回受信した保留球数コマンドが示す変動演出に「スーパーリーチ以上」の変動要素が含まれるか否かを判別する(S1306)。上述したように、「スーパーリーチ」の変動要素、「スペシャルリーチ」の変動要素又は「特殊変動」の変動要素では、その変動要素の実行中に第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄が消去される。従って、「スーパーリーチ以上」の変動要素を含む変動演出であれば、「保留変化予告」の実行タイミングとして「保留消去後」が含まれていても実行可能である。従って、保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリア223h1〜223h4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、その変動演出に「スーパーリーチ以上」の変動要素を含むか否かを判別する。
S1306の処理の結果、「スーパーリーチ以上」の変動要素を含む変動演出であれば(S1306:Yes)、その変動演出でコクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄が消去されることを示す保留消去情報を、保留情報格納第Xエリアの保留消去情報格納エリア223h7に格納し(S1307)、処理をS1310へ移行する。
一方、S1306の処理の結果、「スーパーリーチ以上」の変動要素を含まない変動演出であれば(S1306:No)、その変動演出ではコクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄が消去されないので、保留情報第Xエリアの保留消去情報格納エリア223h7に何も情報が格納されていない(空欄である)ことを示すデータ(以下、「Nullデータ」という)を格納して(S1308)、処理をS1310へ移行する。S1308の処理において、保留消去情報格納エリア223h7にNullデータを書き込むことにより、例えば、書き込み前に保留情報格納第Xエリアに記憶されていた「保留変化予告」に関する保留消去情報の重複使用を防止することができる。
なお、S1303の処理において、「保留変化予告」の実行抽選に当選していなければ(S1303:No)、「保留変化予告」は実行されないので、「保留変化予告」に関する情報を消去すべく、保留情報格納第Xエリアの保留変化情報格納エリア223h5、シナリオデータ格納エリア223h6および保留消去情報格納エリア223h7にNullデータをそれぞれ格納し(S1309)、処理をS1310へ移行する。S1309の処理において、各格納エリア223h5〜223h7にNullデータを書き込むことにより、例えば、書き込み前に保留情報格納第Xエリアに記憶されていた「保留変化予告」に関する情報の重複使用を防止することができ、演出の齟齬(例えば、「ハズレ表示」の変動演出であるにもかかわらず「保留変化予告」が「虹色」)が発生してしまうことを未然に防止することができる。
S1310の処理において、今回受信した保留球数コマンドが示す変動演出に「再変動」の変動要素が含まれるか否かを判別する(S1310)。「保留変化予告」の実行タイミングとして「保留消去後」が選択されていた場合に、「スーパーリーチ」の変動要素等によってコクピット表示領域Dbが消去される変動演出であったとしても、その「スーパーリーチ」の変動要素等の後に何らかの演出がなければ、「保留消去後」に「保留変化予告」を行う意味がない。
具体的には、例えば、「スーパーリーチ」の変動要素が実行されて「大当たり表示」が確定した後に実行図柄の「保留変化予告」を実行しても、遊技者には何ら興趣を付与することができず、むしろ意味の無い演出によって興醒めさせてしまう。また、例えば、「スーパーリーチ」の変動要素が実行されて「ハズレ表示」が確定した後に実行図柄の「保留変化予告」を実行しても、そのまま「ハズレ表示」が確定し、次の変動演出が開始された場合は、演出の齟齬により、遊技者に遊技に対する不信感を与えてしまう。従って、「スーパーリーチ」の変動要素等の後に実行される変動要素である「再変動」の変動要素が存在するか否かを判別し、「保留消去後」に「保留変化予告」を実行することが可能か否かを確認する。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出に「再変動」の変動要素が含まれるか否か(又は変動演出が大当たりとなるか否か)によって、「リーチ表示」の実行後に表示される定型句文字表示Se3(疑似定型句文字表示Se4)の表示色において、チャンスアップパターンの表示色を維持するか、チャンスアップパターンから再変更して通常の表示色にするか否かが決定される。
上述したように、従来のパチンコ機では、ハズレ時の変動演出において、第3図柄表示装置81で「リーチ表示」が終了して「ハズレ表示」が現出している状態で、定型句文字表示Se3がチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)で表示されてしまうことがある。このような場合、遊技者は、該定型句文字表示Se3がチャンスアップパターンで表示されたことによって、該変動演出がこのまま「ハズレ表示」で確定せず、今から「再変動」の演出が実行されて「ハズレ表示」が「大当たり表示」に変化するのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、変動演出が「ハズレ表示」のまま確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、パチンコ機10に対して不信感を募らせると共に、該パチンコ機10を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出において「再変動」の変動要素が実行されて「ハズレ表示」で確定せずに「大当たり表示」となるか否かを判別し、「再変動」の変動要素が含まれる場合には、その変動演出は大当たりとなるため、疑似定型句文字表示Se4(定型句文字表示Se3)にチャンスアップパターンを表示しても、遊技者の気分を害することがない。よって、チャンスアップパターンが選定されていた際に、疑似定型句文字表示Se4(定型句文字表示Se3)においてチャンスアップパターンを表示するように構成する。
一方、変動演出において「再変動」の変動要素を含まない場合には、チャンスアップパターンが選定されていた際に、変動演出において「再変動」の変動要素は含まないが、「大当たり表示」となるか否かを判別し、「大当たり表示」となる場合も、定型句文字表示Se3にチャンスアップパターンを表示しても、遊技者の気分を害することがない。よって、チャンスアップパターンが選定されていた際に、定型句文字表示Se3においてチャンスアップパターンを表示するように構成する。
しかし、変動演出に「再変動」の変動要素も含まず、また、「大当たり表示」ともならない場合は、定型句文字表示Se3においてチャンスアップパターンを表示してしまうと、遊技者が該チャンスアップパターンを認識して、「大当たり表示」が発生するのではないか、との過度な期待を抱いてしまう。また、定型句文字表示Se3がチャンスアップパターンで表示されたにも関わらず、発展的な演出が実行されず、また、大当たりも付与されない場合に、上記現象を複数回体験した遊技者は、ハズレ表示が現出している状態で定型句文字表示Se3のチャンスアップパターンが出たとしても、大当たりや発展的演出が実行されないことを悟っている。そして、そのような精神状態で上記現象を目の当たりにすると、パチンコ機10に嘲笑されているかの錯覚を覚え、パチンコ機10や遊技場に対して不信感を感じてしまうおそれがある。
そこで、変動演出において、「再変動」の変動要素を含まず、また、「大当たり表示」ともならない場合は、定型句文字表示Se3においてチャンスアップパターンではない通常の表示色(「白色」)で表示する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
よって、S1310の処理の結果、「再変動」の変動要素を含む変動演出であれば(S1310:Yes)、その変動演出で「再変動」の変動要素が行われることを示す再変動情報を、保留情報格納第Xエリアの再変動情報格納エリア223h8に格納し(S1311)、処理をS1313へ移行する。一方、「再変動」の変動要素を含まない変動演出であれば(S1310:No)、「再変動」の変動要素は実行されないので、「再変動」の変動要素に関する情報を消去すべく、保留情報格納第Xエリアの再変動情報格納エリア223h8にNullデータを格納し(S1312)、処理をS1313へ移行する。S1312の処理において、再変動情報格納エリア223h8にNullデータを書き込むことにより、例えば、書き込み前に保留情報格納第Xエリアに記憶されていた「再変動」の変動要素に関する情報の重複使用を防止することができ、演出の齟齬(例えば、「再変動」の変動要素を含まないハズレの変動演出であるにもかかわらず再変動情報が格納されていることによる不具合)が発生してしまうことを未然に防止することができる。なお、S1307及びS1311の処理により、「保留消去後」の実行タイミングにおいて「保留変化予告」を実行することが可能であることも認識できる。
S1313の処理では、S1301の処理によって更新されたサブ保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定し(S1313)、処理をS1314へ移行する。S1314の処理では、今回受信した保留球数コマンドが示す変動演出において、「保留変化予告」の実行タイミングが保留図柄の表示時(取得した保留の変化タイミング)か否かを判別する(S1314)。この判別は、保留情報格納第Xエリアのシナリオデータ格納エリア223h6に記憶されるシナリオデータが、サブ保留球数カウンタ223bの値と同一である場合に、「保留変化予告」の実行タイミングが保留図柄の表示時であると判定する。
S1314の判別の結果、「保留変化予告」の実行タイミングが保留図柄の表示時であれば(S1314:Yes)、決定された「保留変化予告」の表示態様を保留図柄が表示されたタイミングで行うことを表示制御装置114へ通知するための表示用点灯時保留変化コマンドを設定し(S1315)、メイン処理(図41参照)へ戻る。一方、「保留変化予告」の実行タイミングが保留図柄の表示時でなければ(S1314:No)、S1315の処理をスキップして、メイン処理へ戻る。
S1313及びS1315で設定された表示用保留球数コマンドおよび表示用点灯時保留変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1002参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示用保留球数コマンドを受信した表示制御装置114では、保留球数に応じた保留図柄を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。また、表示用点灯時保留変化コマンドを受信した表示制御装置114では、保留図柄を表示する際に、決定された「保留変化予告」の表示態様で該保留図柄を表示させるように表示制御を行う。
次に、図44を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出処理(S1109)について説明する。図44は、この変動演出処理(S1109)を示したフローチャートである。
この変動演出処理(S1109)は、メイン処理(図41参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を正常に表示させるか否かを確認すべく、まず、保留情報格納エリア223hの保留情報格納第1エリアに記憶される各種情報を実行情報格納エリア223iへシフトすると共に、保留情報格納第2〜4エリアに記憶される情報を保留情報格納第1〜第3エリアへシフトする処理を行う。また、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドが実行情報格納エリア223iに記憶される内容(情報)と一致していない場合に表示用エラーコマンドを生成し、このコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する処理を行う。さらに、実行図柄および保留図柄において「保留変化予告」の実行タイミングである場合に、該「保留変化予告」の各実行タイミングに関する各種コマンドを生成し、これらのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する処理を行う。また、変動演出の演出態様と、文字パターンカウンタ223e、文字色抽選カウンタ223f及び色変化タイミングカウンタ223gの値とに基づいて、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2及び定型句文字表示Se3(疑似定型句文字表示Se4)の表示態様を設定する処理を行う。
第1実施形態のパチンコ機10において、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信した場合に、該コマンドに基づいた変動演出に関する表示処理を直ちには開始せず、上述した表示用エラーコマンド等が送信されるか否か所定時間(例えば、1ミリ秒)待機するように構成されている。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信して、直ちに該コマンドに基づく変動演出に関する表示処理を実行してしまうと、例えば、音声ランプ制御装置113からその後に表示用エラーコマンドが送信された場合、上記変動演出に関する表示処理を中止し、表示用エラーコマンドに基づくエラーに対応した表示(例えば、デフォルト変動)に差し替えなければいけなくなる。
そこで、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信した場合であっても、直ちに該コマンドに基づく変動演出に関する表示処理を実行せず、音声ランプ制御装置113から表示用エラーコマンドが送信される可能性がある所定時間、該コマンドに基づく変動演出に関する表示処理の実行を待機する。このように構成することで、表示制御装置114は、変動演出に関する表示処理において、無駄な処理を実行することによる処理負担が生じることを未然に防止できる。
なお、表示制御装置114が音声ランプ制御装置113から表示用エラーコマンドが送信される可能性がある所定時間として、第1実施形態では1ミリ秒を例示したが、この待機時間は表示制御装置114における表示処理が遅れない範囲であれば如何様でもよい。具体的には、例えば、表示制御装置114では、20ミリ秒ごとに1フレーム分の表示処理及び描画処理を行うように構成されように構成されている、また、音声ランプ制御装置113では、上述したコマンド判定処理(図42参照)を実行した後に、変動演出処理(図44参照)は数ミリ秒以内に実行されるように構成されている。従って、音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンド及び停止種別コマンドの受信に基づいて表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを送信した後に、変動演出処理において表示用エラーコマンドを生成及び送信するまで、少なくとも数ミリ秒の時間があれば確実に表示用エラーコマンドの生成及び送信が実行可能である。従って、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信した後、少なくとも上記数ミリ秒待機すれば、表示用エラーコマンドがある場合は受信することができる構成となっている。従って、1フレーム分の表示処理及び描画処理にかかる時間(20ミリ秒)より短い時間待機することで、変動演出に関する表示処理を滞りなく実行することが可能となるのため、第3図柄表示装置81への変動演出の表示処理が明らかに遅滞するような事象を未然に防止することができる。
変動演出処理(S1109)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223aがオンか否かを判別する(S1401)。そして、変動開始フラグ223aがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1401:No)、主制御装置110より少なくとも停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動演出処理を終了して、メイン処理(図41参照)に戻る。
一方、変動開始フラグ223aがオンであると判別された場合(S1401:Yes)、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドをともに受信しているので、変動演出を開始すべく、変動開始フラグ223aをオフし(S1402)、次いで、保留情報格納エリア223hに設けられた保留情報格納第1エリアに含まれるデータを実行情報格納エリア223iへシフトし(S1403)、さらに、保留情報格納エリア223hに設けられた保留情報格納第2〜第4エリアに含まれるデータを保留情報格納第1〜第3エリアへシフトして(S1404)、処理をS1405へ移行する。
つまり、この場合は、保留された変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する保留情報第1エリアの各格納エリア223h1〜223h8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223iの各格納エリア223i1〜223i8に移動させる。また、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223h1〜223h8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第1エリアの各格納エリア223h1〜223h8に移動させ、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223h1〜223h8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223h1〜223h8に移動させ、保留情報格納第4エリアの各格納エリア223h1〜223h8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223h1〜223h8に移動させる。
これにより、実行情報格納エリア223iには、主制御装置110の保留球実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになり、保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。
次いで、S1405の処理において、実行情報格納エリア223iに記憶される各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、今から実行する変動演出の変動パターンを取得する(S1405)。そして、実行情報格納エリア223iに記憶される変動パターンと、コマンド判定処理(図42参照)のS1202の処理においてRAM223に記憶されている変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターンとが一致しているか否かの判別を行う(S1406)。今回受信した変動パターンコマンドが示す変動演出に関する情報と、それ以前に実行情報格納エリア223i(保留情報格納エリア223h)に記憶された変動演出に関する情報とが異なっていた場合は、何らかの異常(ノイズ等)の影響によって正常な変動演出(変動パターン)を実行することができない。このため、この判別処理によって、異常の有無を判別し、正常な変動演出が実行可能か否かを確認する。
S1406の判別の結果、実行情報格納エリア223iに記憶されている変動パターンとRAM223に記憶されている変動パターンとが一致しないと判定された場合は(S1406:No)、実行する変動演出に関し何らかの異常が発生しているので、該異常を表示制御装置114へ通知するための表示用エラーコマンドを生成して設定し(S1407)、処理をS1408へ移行する。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用エラーコマンドを受信することによって、変動演出に関して何らかの異常が発生したことを認識し、第3図柄表示装置81をエラーに対応した表示(例えば、デフォルト変動)に切り替え、そのエラー表示の表示制御を開始する。
一方、S1406の処理において、実行情報格納エリア223iに記憶されている変動パターンとRAM223に記憶されている変動パターンとが一致すると判定された場合は(S1406:Yes)、実行する変動演出に関して異常は発生していないので、S1407の処理をスキップして、処理をS1408へ移行する。
次いで、S1408の処理において、実行情報格納エリア223iに記憶される各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、今から実行する変動演出の停止種別を取得する(S1408)。そして、実行情報格納エリア223iに記憶される停止種別と、コマンド判定処理(図42参照)のS1205の処理においてRAM223に記憶されている停止種別コマンドより抽出された変動演出における停止種別とが一致しているか否かの判別を行う(S1409)。今回受信した停止種別コマンドが示す変動演出に関する情報と、それ以前に実行情報格納エリア223i(保留情報格納エリア223h)に記憶された変動演出に関する情報とが異なっていた場合は、何らかの異常(ノイズ等)の影響によって正常な変動演出(停止種別)を実行することができない。このため、この判別処理によって、異常の有無を判別し、正常な変動演出が実行可能か否かを確認する。
S1409の判別の結果、実行情報格納エリア223iに記憶されている停止種別とRAM223に記憶されている停止種別とが一致しないと判定された場合は(S1409:No)、実行する変動演出に関し何らかの異常が発生しているので、該異常を表示制御装置114へ通知するための表示用エラーコマンドを生成して設定して(S1410)、処理をS1411へ移行する。
なお、第1実施形態では、実行情報格納エリア223iに記憶されている値に基づく変動パターンと変動パターンコマンドが示す変動パターンとが一致しない場合に表示用エラーコマンドを生成及び送信すると共に、実行情報格納エリア223iに記憶されている値に基づく停止種別と停止種別コマンドが示す停止種別とが一致しない場合に表示用エラーコマンドを生成及び送信し、最大で2の表示用エラーコマンドが送信されるように構成されている。これに代えて、実行情報格納エリア223iに記憶されている値に基づく変動パターンと変動パターンコマンドが示す変動パターンとが一致しない場合、又は、実行情報格納エリア223iに記憶されている値に基づく停止種別と停止種別コマンドが示す停止種別とが一致しない場合の、いずれか一方でも一致しない場合に、1の表示用エラーコマンドを送信するように構成してもよい。このように構成することで、コマンドの送信数を削減することができるので、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の処理負担を軽減することができる。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用エラーコマンドを受信することによって、変動演出に関して何らかの異常が発生したことを認識し、第3図柄表示装置81をエラー表示(例えば、デフォルト変動)に切り替え、そのエラー表示の表示制御を開始する。
一方、S1409の処理において、実行情報格納エリア223iに記憶されている停止種別とRAM223に記憶されている停止種別とが一致すると判定された場合は(S1409:Yes)、実行する変動演出に関して異常は発生していないので、S1410の処理をスキップして、処理をS1411へ移行する。
次いで、S1411の処理では、変動演出の開始に伴い、保留球が消費される(即ち、保留球に対応する変動演出の設定が行われた)のに合わせて、サブ保留球数カウンタ223bの値を1減らし(S1411)、更新後のサブ保留球数カウンタ223bの値で示される保留球数を表示制御装置114に対して通知するための表示用保留球数コマンドを設定し(S1412)、処理をS1413へ移行する。
次いで、S1413の処理では、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄において「保留変化予告」を現出する実行タイミングか否かを判別する(S1413)。この判別は、実行情報格納エリア223iに設けられたシナリオデータ格納エリア223i6に記憶されるシナリオデータを確認し、該シナリオデータが保留球数「0」個であって「開始時」、「リーチ前」、「リーチ後」又は「保留消去後」(以下、「開始時」〜「保留消去後」と略す)を示すデータか否かを判別する。
S1413の判別の結果、実行情報格納エリア223iのシナリオデータ格納エリア223i6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「開始時」〜「保留消去後」のいずれかを示すデータである場合は(S1413:Yes)、実行図柄において「保留変化予告」を実行するために、実行図柄変化処理を行い(S1414)、処理をS1415へ移行する。
一方、S1413の処理において、実行情報格納エリア223iのシナリオデータ格納エリア223i6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「開始時」〜「保留消去後」のいずれかを示すデータでなければ(S1413:No)、S1414の処理をスキップして、処理をS1415へ移行する。S1414の実行図柄変化処理については図45において後述する。
次いで、S1415の処理では、第1〜第3保留図柄表示領域Db1〜Db3に表示される保留図柄において「保留変化予告」を現出する実行タイミングか否かを判別する(S1415)。この判別は、保留情報格納エリア223hの保留情報格納第1〜第3エリアに設けられたシナリオデータ格納エリア223h6に記憶されるそれぞれのシナリオデータについて判別する。つまり、各シナリオデータ格納エリア223h6の各シナリオデータが、シフト後の保留図柄表示領域Db1〜Db3において「保留変化予告」の実行タイミングか否か(例えば、保留情報格納第1エリアにシフトして記憶されたシナリオデータ格納エリア223h6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「1」個を示すデータか否か)を判別する。
S1415の処理の結果、実行タイミングに該当するシナリオデータを記憶する保留情報格納第1〜3エリアが存在すれば(S1415:Yes)、該当する保留図柄に保留変化情報格納エリア223h5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて該当する保留図柄の情報を含めた表示用シフト時保留変化コマンドを設定し(S1416)、処理をS1417へ移行する。
具体的には、保留情報格納第1エリアのシナリオデータ格納エリア223h6に記憶されるシナリオデータが保留個数「1」個を示すデータであれば、保留情報格納第1エリアの保留変化情報格納エリア223h5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させることを通知する表示用シフト時保留変化コマンドを生成して設定する。また、保留情報格納第2エリアのシナリオデータ格納エリア223h6に記憶されるシナリオデータが保留個数「2」個を示すデータであれば、保留情報格納第2エリアの保留変化情報格納エリア223h5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させることを通知する表示用シフト時保留変化コマンドを生成して設定する。さらに、保留情報格納第3エリアのシナリオデータ格納エリア223h6に記憶されるシナリオデータが保留個数「3」個を示すデータであれば、保留情報格納第3エリアの保留変化情報格納エリア223h5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させることを通知する表示用シフト時保留変化コマンドを生成して設定する。
ここで設定された表示用シフト時保留変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用シフト時保留変化コマンドを受信した表示制御装置114では、保留図柄をシフト表示する際に、決定された「保留変化予告」の表示態様で該当する保留図柄を表示させるように表示制御を行う。
一方、S1415の処理において、保留情報格納エリア223hの保留情報格納第1〜第3エリアの各シナリオデータ格納エリア223h6に、実行タイミングに該当するシナリオデータが記憶されていなければ(S1415:No)、S1416の処理をスキップして、処理をS1417へ移行する。
このように、変動演出の実行開始に伴う実行図柄および保留図柄のシフト表示時に、実行情報格納エリア223iおよび保留情報格納エリア223hにそれぞれ記憶されるシナリオデータを確認して、「保留変化予告」の実行タイミングに該当するシナリオデータが存在する場合は、保留図柄および実行図柄のシフト表示時に「保留変化予告」を現出させることが可能となる。これにより、「保留変化予告」が現出するタイミングを多様化し、遊技の興趣を高めることができる。
S1417の処理では、変動演出の演出態様と、文字パターンカウンタ223e、文字色抽選カウンタ223f及び色変化タイミングカウンタ223gの値とに基づいて、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2及び定型句文字表示Se3(疑似定型句文字表示Se4)の表示態様を設定する文字態様設定処理を行い(S1417)、この変動演出処理を終了して、メイン処理(図41参照)へ戻る。S1417の文字態様設定処理については、図46において後述する。
次に、図45を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される実行図柄変化処理(S1414)について説明する。図45は、この実行図柄変化処理(S1414)を示したフローチャートである。
この実行図柄変化処理(S1414)は、メイン処理(図41参照)において実行される変動演出処理(図44参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81の実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄において「保留変化予告」を実行するために行われる。
この実行図柄変化処理(S1414)では、まず、実行図柄の変化タイミング、即ち、実行図柄において「保留変化予告」を現出させる実行タイミングを判別する(S1501)。この判別は、実行情報格納エリア223iのシナリオデータ格納エリア223i6に記憶されるシナリオデータを確認することで判別する。
S1501の判別の結果、実行情報格納エリア223iのシナリオデータ格納エリア223i6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「開始時」を示すデータであれば(S1501:「開始時」)、実行図柄を実行図柄表示領域Db0に表示するタイミングにおいて、保留変化情報格納エリア223i5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて表示用開始時変化コマンドを設定し(S1502)、この実行図柄変化処理を終了して、変動演出処理(図44参照)へ戻る。
ここで設定された表示用開始時変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用開始時変化コマンドを受信した表示制御装置114は、実行図柄表示領域Db0に実行図柄をシフト表示する際に、決定された「保留変化予告」の表示態様で実行図柄を表示させるように表示制御を行う。
S1501の判別の結果、実行情報格納エリア223iのシナリオデータ格納エリア223i6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「リーチ前」を示すデータであれば(S1501:「リーチ前」)、変動演出の「リーチ表示」が現出する前のタイミング(例えば、「高速変動」の変動要素の実行中や、「低速変動」の変動要素の実行中における左図柄列Z1の停止時等)において、実行情報格納エリア223iの保留変化情報格納エリア223i5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて表示用リーチ前変化コマンドを設定し(S1503)、変動演出処理(図44参照)へ戻る。
ここで設定された表示用リーチ前変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用リーチ前変化コマンドを受信した表示制御装置114は、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄に対し、該変動演出の「リーチ表示」が現出する前のタイミング(例えば、「高速変動」の変動要素の実行中や、「低速変動」の変動要素の実行中における左図柄列Z1の停止時等)で、決定された「保留変化予告」の表示態様に実行図柄を変化(例えば、「白色」から「青色」)させるように表示制御を行う。
S1501の判別の結果、実行情報格納エリア223iのシナリオデータ格納エリア223i6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「リーチ後」を示すデータであれば(S1501:「リーチ後」)、変動演出の「リーチ表示」が現出した後のタイミング(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中等)において「保留変化予告」を実行可能か否かを確認するべく、変動演出において「リーチ表示」が現出するか否かを判別する(S1504)。この判別は、コマンド判定処理(図42参照)のS1202の処理においてRAM223に記憶されている変動パターンコマンドより抽出された変動パターンを判別することで行う。
S1504の判別の結果、変動演出において「リーチ表示」が現出すると判別された場合は(S1504:Yes)、当初設定された変動演出の「リーチ表示」が現出した後のタイミング(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中等)において「保留変化予告」を実行することができる。よって、実行情報格納エリア223iの保留変化情報格納エリア223i5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて表示用リーチ後変化コマンドを設定し(S1505)、変動演出処理(図44参照)へ戻る。
ここで設定された表示用リーチ後変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用リーチ後変化コマンドを受信した表示制御装置114は、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄に対し、該変動演出の「リーチ表示」が現出した後(現出中)のタイミング(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中等)で、決定された「保留変化予告」の表示態様に実行図柄を変化(例えば、「白色」から「青色」)させるように表示制御を行う。
一方、S1504の処理において、変動演出において「リーチ表示」が現出しないと判別された場合は(S1504:No)、変動演出において「リーチ表示」が存在しないことによって、「保留変化予告」を「リーチ後」に実行することができない。従って、「リーチ後」に設定されている「保留変化予告」を、実行可能なタイミングである「リーチ前」に変更するため、処理をS1503へ移行して、表示制御装置114へ向けて表示用リーチ前変化コマンドを設定し(S1503)、変動演出処理(図44参照)へ戻る。
このように構成することで、当初設定された「リーチ後」の「保留変化予告」を実行できない変動演出であっても、実行可能な「リーチ前」の実行タイミングに変更して「保留変化予告」を実行することができる。よって、「保留変化予告」の実行抽選に当選したにもかかわらず実行されないケースを減らすことができ、「保留変化予告」の実行率を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、「保留変化予告」の抽選処理と、変動演出の抽選処理とを別系統の処理で行った場合であっても、互いの演出内容に対して齟齬が生じないように調整することができるので、各抽選処理を別系統のプログラムで行うことで各プログラムの設計を容易にすることができつつ、整合のとれた演出を実行することが可能となる。
S1501の判別の結果、実行情報格納エリア223iのシナリオデータ格納エリア223i6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「保留消去後」を示すデータであれば(S1501:「保留消去後」)、この判別は、保留表示設定処理(図43参照)のS1311の処理に基づいて、実行情報格納エリア223iの再変動情報格納エリア223i8に記憶されている再変動情報の判別を行う。
S1506の判別の結果、実行情報格納エリア223iの再変動情報格納エリア223i8に再変動情報が記憶されている場合は(S1506:Yes)、「リーチ表示」の後に「再変動」が実行される変動演出であるので、次に、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去した後のタイミング(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後や、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後)において「保留変化予告」を実行可能か否かを確認するべく、変動演出において「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の実行によってコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを判別する(S1507)。この判別は、保留表示設定処理(図43参照)のS1307の処理において、実行情報格納エリア223iの保留消去情報格納エリア223i7に記憶されている保留消去情報の判別を行う。
S1507の判別の結果、実行情報格納エリア223iの保留消去情報格納エリア223i7に保留消去情報が記憶されている場合は(S1507:Yes)、「保留消去後」に「保留変化予告」を実行可能であるので、実行情報格納エリア223iの保留変化情報格納エリア223i5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて表示用消去後変化コマンドを設定し(S1508)、変動演出処理(図44参照)へ戻る。
ここで設定された表示用消去後変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用消去後変化コマンドを受信した表示制御装置114は、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄に対して、該変動演出の「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が終了した後であって、「再変動」の実行前のタイミングで、決定された「保留変化予告」の表示態様に実行図柄を変化(例えば、「白色」から「青色」)させるように表示制御を行う。
このように構成することで、大当たりを発生する変動演出を示す保留図柄及び実行図柄において「保留変化予告」を行う場合、「スーパーリーチ以上」の変動要素によってコクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄が消去され、該「スーパーリーチ以上」の変動要素の演出が終了してコクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0の実行図柄が再表示されるタイミングで「保留変化予告」を現出(実行)可能に構成する。これにより、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物。第1実施形態では、実行図柄)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく予告対象物の表示態様を変化させることができる。予告対象物を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、コクピット表示領域Dbの表示や、該コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄や保留図柄は、「スーパーリーチ以上」の変動要素の実行中以外、常時表示され続け、遊技者に現在の変動演出の実行示唆と、待機中の変動演出の有無を報知するものである。また、コクピット表示領域が「スーパーリーチ以上」の変動要素の実行に伴って消去された場合であっても、該「スーパーリーチ以上」の変動要素が終了次第、直ちに再表示されるように構成されており、遊技者は、その再表示に対して違和感を感じない。即ち、遊技者は、第3図柄表示装置81の表示内容として、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄は、本来表示されるべきものと認識し、それが例外的な事象(「スーパーリーチ以上」の変動要素の実行)に伴って消去されたとしても、その例外的な事象が終了した場合に、直ちに本来あるべき姿に戻るものと認識している。そして、第1実施形態では、その本来あるべき姿に戻るタイミングにおいて、さりげなく実行図柄の表示態様を消去前から変更することで、敢えてその変化に気付き難く構成し、変化に気付いた時の意外性によって驚きを増大させている。このように構成することで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
さらに、「保留変化予告」の実行タイミングを、当該変動演出の後半(「リーチ後」や「保留消去後」)に割り振ることで、当該変動演出の後半になっても大当たり期待度が高まる「保留変化予告」の発生(現出)を期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。よって、変動演出の後半まで大当たりを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができので、長期に渡って遊技者に興趣を与えることができる。
一方、S1506の処理において、実行情報格納エリア223iの再変動情報格納エリア223i8に再変動情報が記憶されていないと判別された場合は(S1506:No)、変動演出において「再変動」の変動要素を含まないため、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する意味がない。具体的には、例えば、「スーパーリーチ」の変動要素が実行されて「大当たり表示」が確定した後に実行図柄の「保留変化予告」を実行しても、該「スーパーリーチ」の変動要素後に演出が何の発生しないため、遊技者には何ら興趣を付与することができず、むしろ意味の無い演出によって興醒めさせてしまう。また、例えば、「スーパーリーチ」の変動要素が実行されて「ハズレ表示」が確定した後に実行図柄の「保留変化予告」を実行しても、そのまま「ハズレ表示」が確定し、次の変動演出が開始された場合は、演出の齟齬により、遊技者に遊技に対する不信感を与えてしまう。
また、S1507の処理において、実行情報格納エリア223iの保留消去情報格納エリア223i7に保留消去情報が記憶されていないと判別された場合は(S1507:No)、変動演出においてコクピット表示領域Dbを消去する演出が行われないため、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行することができない。
よって、S1506において、実行情報格納エリア223iの再変動情報格納エリア223i8に再変動情報が記憶されていないと判別された場合(S1506:No)、又は、S1507の処理において、実行情報格納エリア223iの保留消去情報格納エリア223i7に保留消去情報が記憶されていないと判別された場合は(S1507:No)、「保留消去後」に「保留変化予告」を実行できないため、「保留消去後」に設定されている「保留変化予告」を実行することが可能なタイミングを確認するべく、処理をS1504へ移行する。
このように構成することで、当初設定された「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できない変動演出であっても、実行可能な実行タイミング(「リーチ後」又は「リーチ前」)に変更して「保留変化予告」を実行することができる。よって、「保留変化予告」の実行抽選に当選したにもかかわらず実行されないケースを減らすことができ、「保留変化予告」の実行率を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、「保留変化予告」の抽選処理と、変動演出の抽選処理とを別系統の処理で行った場合であっても、互いの演出内容に対して齟齬が生じないように調整することができるので、各抽選処理を別系統のプログラムで行うことで各プログラムの設計を容易にすることができつつ、整合のとれた演出を実行することが可能となる。
次に、図46を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される文字態様設定処理(S1417)について説明する。図46は、この文字態様設定処理(S1417)を示したフローチャートである。
この文字態様設定処理(S1417)は、メイン処理(図41参照)において実行される変動演出処理(図44参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81で実行される変動演出において、「リーチ表示」が行われる場合に現出するリーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2及び定型句文字表示Se3(疑似定型句文字表示Se4)の表示態様を決定するために行われる。
この文字態様設定処理(S1417)において、S1601〜S1610の処理は、各文字表示Se1,Se2の文字パターンに関する制御であり、まず、S1601の処理では、今回実行する変動演出において、「ノーマルリーチ」演出態様が選択されているか否かを判別する(S1601)。この判別は、コマンド判定処理(図42参照)のS1202の処理においてRAM223に記憶されている変動演出の演出態様が「ノーマルリーチ」演出態様か否か、即ち、「E2:ノーマルリーチ」又は「E5:ノーマルリーチ」かを判別する。
S1601の処理において、「ノーマルリーチ」演出態様の演出態様が選択されていた場合は(S1601:Yes)、次いで、今回実行する変動演出において、「リーチ表示(「ノーマルリーチ」の変動要素)」時に表示させるリーチ発生時文字表示Se1の文字パターンを判別する(S1602)。この判別は、文字パターンテーブル222gと、文字パターンカウンタ223eの値とに基づいて行われ(図18及び図19参照)、この判別に基づいて、リーチ発生時文字表示Se1を「弱パターン」で表示するか、「強パターン」で表示するかが決定される。
S1602の判別の結果、リーチ発生時文字表示Se1を「弱パターン」で行うと判別された場合は(S1602:「弱パターン」)、リーチ発生時文字表示Se1を「弱パターン」で行うことを表示制御装置114へ通知するための表示用弱パターンコマンドを生成して設定し(S1603)、処理をS1611へ移行する。一方、リーチ発生時文字表示Se1を「強パターン」で行うと判別された場合は(S1602:「強パターン」)、リーチ発生時文字表示Se1を「強パターン」で行うことを表示制御装置114へ通知するための表示用強パターンコマンドを生成して設定し(S1604)、処理をS1611へ移行する。
ここで設定された表示用弱パターンコマンド又は表示用強パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114は、この表示用弱パターンコマンド又は表示用強パターンコマンドを受信することによって、「ノーマルリーチ」演出態様におけるリーチ発生時文字表示Se1の文字パターンを「弱パターン」で表示するか「強パターン」で表示するかを認識し、第3図柄表示装置81において「ノーマルリーチ」の変動要素の開始時に表示されるリーチ発生時文字表示Se1の文字パターンの表示制御を実行する。
S1601の処理において、今回実行する変動演出にて、「ノーマルリーチ」演出態様が選択されていない場合は(S1601:No)、処理をS1605へ移行する。S1605の処理では、今回実行する変動演出において、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様が選択されているか否かを判別する(S1605)。この判別は、「ノーマルリーチ」演出態様の判別と同様、コマンド判定処理(図42参照)のS1202の処理においてRAM223に記憶されている変動演出の演出態様が「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様か否か、即ち、「E3:スーパーリーチ」若しくは「E6:スーパーリーチ」、又は、「E4:スペシャルリーチ」若しくは「E7:スペシャルリーチ」かを判別する。
S1605の処理において、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様が選択されていた場合は(S1605:Yes)、次いで、今回実行する変動演出において、「リーチ表示(「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素)」時に表示させるリーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2の文字パターンを判別する(S1605)。この判別は、文字パターンテーブル222gと、文字パターンカウンタ223eの値とに基づいて行われ(図18及び図19参照)、この判別に基づいて、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2を、それぞれ、「弱パターン」で表示するか、「強パターン」で表示するかが決定される。
S1605の判別の結果、リーチ発生時文字表示Se1を「弱パターン」で行い、リーチ中文字表示Se2も「弱パターン」で行うと判別された場合は(S1605:「弱パターン→弱パターン」)、リーチ発生時文字表示Se1を「弱パターン」で行い、リーチ中文字表示Se2も「弱パターン」で行うことを表示制御装置114へ通知するための表示用弱弱パターンコマンドを生成して設定し(S1607)、処理をS1611へ移行する。
S1605の処理において、リーチ発生時文字表示Se1を「弱パターン」で行い、リーチ中文字表示Se2は「強パターン」で行うと判別された場合は(S1605:「弱パターン→強パターン」)、リーチ発生時文字表示Se1を「弱パターン」で行い、リーチ中文字表示Se2は「強パターン」で行うことを表示制御装置114へ通知するための表示用弱強パターンコマンドを生成して設定し(S1608)、処理をS1611へ移行する。
S1605の処理において、リーチ発生時文字表示Se1を「強パターン」で行い、リーチ中文字表示Se2は「弱パターン」で行うと判別された場合は(S1605:「強パターン→弱パターン」)、リーチ発生時文字表示Se1を「強パターン」で行い、リーチ中文字表示Se2は「弱パターン」で行うことを表示制御装置114へ通知するための表示用強弱パターンコマンドを生成して設定し(S1609)、処理をS1611へ移行する。
S1605の処理において、リーチ発生時文字表示Se1を「強パターン」で行い、リーチ中文字表示Se2も「強パターン」で行うと判別された場合は(S1605:「強パターン→強パターン」)、リーチ発生時文字表示Se1を「強パターン」で行い、リーチ中文字表示Se2も「強パターン」で行うことを表示制御装置114へ通知するための表示用強強パターンコマンドを生成して設定し(S16010)、処理をS1611へ移行する。
ここで設定された表示用弱弱パターンコマンド、表示用弱強パターンコマンド、表示用強弱パターンコマンド又は表示用強強パターンコマンド(以下、表示用弱パターンコマンド、表示用強パターンコマンド、表示用弱弱パターンコマンド、表示用弱強パターンコマンド、表示用強弱パターンコマンド及び表示用強強パターンコマンドを総称して、「パターン系コマンド」という場合がある)は、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。
表示制御装置114は、このパターン系コマンドを受信することによって、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様におけるリーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2の文字パターンを「弱パターン」で表示するか「強パターン」で表示するかを認識し、第3図柄表示装置81において表示されるリーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2の文字パターンの表示制御を実行する。
このように、変動演出を開始する際に、変動演出の演出態様を判別し、演出態様に基づいて文字パターンテーブル222g及び文字パターンカウンタ223eの値を参照して、変動演出における各文字表示Se1,Se2の文字パターンを決定し、その決定内容に基づいて表示制御装置114に対して文字パターンに関するパターン系コマンドを送信する。このように構成することで、「リーチ表示」を含む変動演出で表示される各文字表示Se1,Se2の文字パターンを多様化して遊技の興趣を高めると共に、変動演出の開始時に表示制御装置114に変動演出で現出すべき文字表示の内容を通知することができ、変動演出における表示制御を確実に行うことが可能となる。
なお、S1605の処理において、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様が選択されていないと判別された場合は(S1605:No)、今回実行する変動演出において「リーチ表示」が実行されず、いずれの文字表示Se1〜Se4も表示されないので、以降の処理をスキップして、この文字態様設定処理(S1417)を終了し、変動演出処理(図44参照)へ戻る。
S1611〜S1614の処理は、各文字表示Se1〜Se4の表示色に関する制御であり、まず、S1611の処理では、文字色変化抽選に当選したか否か、即ち、各文字表示Se1〜Se4の表示色の変化抽選に当選したか否かが判別される(S1611)。この判別は、文字色変化テーブル222hと、文字色抽選カウンタ223fの値とに基づいて行われ(図22参照)、この判別に基づいて、各文字表示Se1〜Se4の表示色を、通常の表示色である「白色」か、チャンスアップパターンである「赤色」若しくは「金色」で表示するかが決定される。
S1611の処理において、文字色変化抽選に当選していた場合、即ち、各文字表示Se1〜Se4の表示色を通常の表示色である「白色」ではなく、「赤色」又は「金色」で表示する場合には(S1611:Yes)、次に、いずれの表示色が選択されたか否かを判別する(S1612)。判別の結果、各文字表示Se1〜Se4の表示色として「赤色」が選択されていた場合は(S1612:「赤色」)、各文字表示Se1〜Se4の表示色を「赤色」で表示することを表示制御装置114へ通知するための表示用赤文字コマンドを生成して設定し(S1613)、処理をS1615へ移行する。一方、各文字表示Se1〜Se4の表示色として「金色」が選択されていた場合は(S1612:「金色」)、各文字表示Se1〜Se4の表示色を「金色」で表示することを表示制御装置114へ通知するための表示用金文字コマンドを生成して設定し(S1614)、処理をS1615へ移行する。
ここで設定された表示用赤文字コマンド又は表示用金文字コマンド(以下、表示用赤文字コマンド及び表示用金文字コマンドを総称して、「色系コマンド」という場合がある)は、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114は、この表示用赤文字コマンド又は表示用金文字コマンドを受信することによって、「リーチ表示」を含む変動演出において表示される各文字表示Se1〜Se4の表示色を「赤色」又は「金色」で表示することを認識し、第3図柄表示装置81において各文字表示Se1〜Se4の表示色に関する表示制御を実行する。
このように、変動演出を開始する際に、変動演出の演出態様を判別し、演出態様に基づいて文字色変化テーブル222h及び文字色抽選カウンタ223fの値を参照して、変動演出における各文字表示Se1〜Se4の表示色を決定し、その決定内容に基づいて表示制御装置114に対して表示色に関する色系コマンドを送信する。このように構成することで、「リーチ表示」を含む変動演出で表示される各文字表示Se1〜Se4の表示色を多様化して遊技の興趣を高めると共に、変動演出の開始時に表示制御装置114に変動演出で表示すべき文字表示の内容を通知することができ、変動演出における表示制御を確実に行うことが可能となる。
なお、S1611の処理において、各文字表示Se1〜Se4の表示色の変化抽選に当選していない場合は(S1611:No)、今回実行する変動演出において各文字表示Se1〜Se4の表示色を変更しないので、以降の処理をスキップして、この文字態様設定処理(S1417)を終了し、変動演出処理(図44参照)へ戻る。
S1615〜S1618の処理は、各文字表示Se1,Se2の表示色を変化させるタイミングに関する制御であり、まず、S1615の処理では、今回実行する変動演出において、「ノーマルリーチ」演出態様が選択されているか否かを判別する(S1615)。この判別は、S1601と同様、コマンド判定処理(図42参照)のS1202の処理においてRAM223に記憶されている変動演出の演出態様が「ノーマルリーチ」演出態様か否か、即ち、「E2:ノーマルリーチ」又は「E5:ノーマルリーチ」かを判別する。
S1615の処理において、「ノーマルリーチ」演出態様が選択されていた場合は(S1615:Yes)、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素時に表示されるリーチ中文字表示Se2は現出せず、リーチ発生時文字表示Se1のみが表示されることから、S1616の処理をスキップして、処理をS1617へ移行する。S1617の処理では、リーチ発生時文字表示Se1が表示されるタイミングで表示色を変更することを表示制御装置114へ通知するための表示用発生時変化コマンドを生成して設定し(S1617)、処理をS1619へ移行する。
一方、S1615の処理において、「ノーマルリーチ」演出態様が選択されていない場合は(S1615:No)、選択されている演出態様は「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様であり、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2が共に表示される演出態様であるので、次に、文字色変化抽選の抽選結果の反映タイミング、即ち、各文字表示Se1,Se2の表示色を変化させるタイミングを判別する(S1616)。この判別は、色変化タイミングテーブル222iと、色変化タイミングカウンタ223gの値とに基づいて行われ(図23参照)、この判別に基づいて、「リーチ発生時」、即ち、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミングで表示色を変更するか否かが決定される。
S1616の判別の結果、文字色変化抽選の抽選結果の反映タイミングが「リーチ発生時」である場合、即ち、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミングである場合は(S1616:Yes)、処理をS1617へ移行し、リーチ発生時文字表示Se1が表示されるタイミングで表示色を変更することを表示制御装置114へ通知するための表示用発生時変化コマンドを生成して設定し(S1617)、処理をS1619へ移行する。一方、文字色変化抽選の抽選結果の反映タイミングが「リーチ発生時」でない場合、即ち、「リーチ中」(リーチ中文字表示Se2を表示するタイミング)である場合は(S1616:No)、処理をS1618へ移行し、リーチ中文字表示Se2が表示されるタイミングで表示色を変更することを表示制御装置114へ通知するための表示用リーチ中変化コマンドを生成して設定し(S1618)、処理をS1619へ移行する。
ここで設定された表示用発生時変化コマンド又は表示用リーチ中変化コマンド(以下、表示用発生時変化コマンド及び表示用リーチ中変化コマンドを総称して、「タイミング系コマンド」という場合がある)は、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。
表示制御装置114は、このタイミング系コマンドを受信することによって、「リーチ発生時」に表示されるリーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミングでリーチ発生時文字表示Se1の表示色を変更するか、「リーチ中」に表示されるリーチ中文字表示Se2を表示するタイミングでリーチ中文字表示Se2の表示色を変更するかを認識する。そして、表示制御装置114は、その認識のもと、第3図柄表示装置81において表示される各文字表示Se1〜Se4の表示制御を実行する。
このように、変動演出を開始する際に、変動演出の演出態様を判別し、演出態様に基づいて色変化タイミングテーブル222i及び色変化タイミングカウンタ223gの値を参照して、変動演出における各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングを決定し、その決定内容に基づいて表示制御装置114に対して各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングに関するタイミング系コマンドを送信する。このように構成することで、「リーチ表示」を含む変動演出で表示される各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングを多様化して遊技の興趣を高めると共に、変動演出の開始時に表示制御装置114に変動演出で現出すべき文字表示の内容を通知することができ、変動演出における表示制御を確実に行うことが可能となる。
S1619の処理では、各文字表示Se1〜Se4の表示色が「赤色」又は「金色」のチャンスアップパターンに変更される場合において、該変動演出の結果が「ハズレ表示」であるときは、一括設定されている各文字表示Se1〜Se3のうち、定型句文字表示Se3の表示色のみ、チャンスアップパターンから通常の「白色」の表示色に変更する文字色変化制限処理を実行する(S1619)。なお、この文字色変化制限処理(S1619)の処理の後は、この文字態様設定処理(S1417)を終了し、変動演出処理(図44参照)へ戻る。
ここで、図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される文字色変化制限処理(S1619)について説明する。図47は、この文字色変化制限処理(S1619)を示したフローチャートである。
この文字変化制限処理(S1619)は、各文字表示Se1〜Se4の表示色に関して「赤色」又は「金色」のチャンスアップパターンに当選して変更される場合であっても、該変動演出に「再変動」の変動要素が含まれないとき、かつ、該変動演出の結果が「ハズレ表示」であるとき、「リーチ表示」の「際演出」後に表示される定型句文字表示Se3の表示色を、通常の表示色である「白色」に再変更するために行われる。
この文字変化制限処理(S1619)では、まず、今回実行する変動演出において、「再変動」の変動要素が含まれるか否かを判別する(S1701)。この判別は、保留表示設定処理(図44参照)のS1310〜S1312の処理によって再変動情報格納エリア223i8に記憶されている再変動情報を判別することによって行う。なお、「再変動」の変動要素が含まれるか否かに関し、受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドから直接的に判定するように構成してもよい。受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドから直接判定することで、ノイズ等の影響によって先読み処理で判定した内容と実際に行われる変動演出の内容とに齟齬が生じた場合であっても、実際の変動演出の内容に基づいて判定することで、演出内容の齟齬が生じないようにすることができる。
このように、保留球数コマンドを受信した段階で再変動情報格納エリア223i8(223h8)に記憶されている再変動情報を用いて判別を行うことで、即座に変動演出において「再変動」の変動要素が実行されるか否かを判別することができる。また、保留球数コマンド受信時に「再変動」の変動要素の有無を再変動情報格納エリア223h8(223i8)に格納し、以後は、該再変動情報格納エリア223i8(223h8)に格納された再変動情報に基づいて、各文字表示Se1〜Se4の表示態様を決定することができると共に、「保留消去後」のタイミングでの「保留変化予告」の実行可否を決定することができ、複数の演出の実行判定において再変動情報を有効的に活用することができる。
S1701の処理において、「再変動」の変動要素を含む変動パターンであると判別された場合は(S1701:Yes)、その変動演出において「再変動」の変動要素が行われて、その後、「大当たり表示」が現出する。このため、定型句文字表示Se3及び疑似定型句文字表示Se4の表示色をチャンスアップパターンのまま表示しても、演出内容の齟齬は生じず、遊技者に不信感を感じさせることはない。よって、この文字色変化制限処理(S1619)を終了して、文字態様設定処理(図46参照)へ戻る。
一方、S1701の処理において、「再変動」の変動要素を含む変動パターンではないと判別された場合は(S1701:No)、その変動演出において少なくとも「再変動」の変動要素は実行されないため、次いで、今回実行する変動演出が「ハズレ表示」が現出するか否かを判別する(S1702)。この判別は、コマンド判定処理(図42参照)のS1202の処理においてRAM223に記憶されている変動演出が「ハズレ表示」となる演出態様であるか否か、即ち、「E0:非リーチ(短縮)」、「E1:非リーチ(通常)」、「E2:ノーマルリーチ」、「E3:スーパーリーチ」又は「E4:スペシャルリーチ」か否かを判別する。なお、演出態様ではなく、変動演出の停止図柄で判別するように構成してもよい。
なお、第1実施形態において、「再変動」の変動要素を含む変動演出は必ず大当たりとなるように構成されているが、「再変動」の変動要素が実行される変動演出でもハズレとなるように構成してもよい。このように構成することで、S1701の処理において「再変動」の変動要素が含まれるか否かの判定を行い、「再変動」の変動要素が含まれる場合には、定型句文字表示Se3の表示後に「際演出」が実行されるので、表示用定型句通常コマンドの設定処理をスキップし、該定型句文字表示Se3の表示色をチャンスアップパターンのまま表示することができる。
S1702の処理において、「大当たり表示」が現出する変動演出であると判別された場合は(S1702:Yes)、その変動演出において「大当たり表示」が現出するため、定型句文字表示Se3の表示色をチャンスアップパターンのまま表示しても、演出内容の齟齬は生じず、遊技者に不信感を感じさせることはない。よって、この文字色変化制限処理(S1619)を終了して、文字態様設定処理(図46参照)へ戻る。
一方、S1702の処理において、「大当たり」が現出する変動演出ではないと判別された場合は(S1702:No)、その変動演出は「大当たり表示」ではなく「ハズレ表示」が表示される。この変動演出において、定型句文字表示Se3をチャンスアップパターンのまま表示してしまった場合、演出内容の齟齬から、遊技者に不信感を抱かせてしまうおそれがある。そこで、S1703の処理において、定型句文字表示Se3の表示色を、当初設定されていたチャンスアップパターンから修正(変更)し、通常の表示色である「白色」に再変更することを表示制御装置114へ通知するための表示用定型句通常コマンドを生成して設定し(S1703)、この文字色変化制限処理(S1619)を終了して、文字態様設定処理(図46参照)へ戻る。
ここで設定された表示用定型句通常コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114は、この表示用定型句通常コマンドを受信することによって、定型句文字表示Se3の表示色を、チャンスアップパターンから通常の表示色である「白色」に再変更することを認識し、第3図柄表示装置81において表示される定型句文字表示Se3の表示制御を実行する。
なお、第1実施形態のパチンコ機10において、疑似定型句文字表示Se4は、「再変動」の変動要素が実行される場合にのみ現出するように構成されている。また、「再変動」の変動要素が実行される場合は、結果として必ず「大当たり表示」が現出するように構成されている。よって、疑似定型句文字表示Se4の表示色に関しては、一括設定された内容がそのまま反映されるように構成されている。
このように、変動演出を開始する際に、変動演出の演出態様(変動要素)を判別し、その判別に基づいて、定型句文字表示Se3の表示色を、チャンスアップパターンのまま表示するか、通常の表示色を通常パターンに修正(変更)して表示するか否かを決定する。そして、通常パターンに修正(変更)する場合には、表示制御装置114に対して表示用定型句通常コマンドを送信する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができると共に、変動演出の開始時に表示制御装置114に変動演出で現出すべき文字表示の内容を通知することができ、変動演出における表示制御を確実に行うことが可能となる。
上述したように、本パチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のMPU221において、変動演出で「リーチ表示」が選択された場合に表示される各文字表示Se1〜Se4の表示態様を詳細に決定し、その決定内容に基づいて表示制御装置114へコマンドを送信することで、各文字表示Se1〜Se4の表示制御を実行させるように構成されている。また、各文字表示Se1〜Se4の表示態様に関し、各文字表示Se1,Se2の文字パターンと、各文字表示Se1〜Se4の表示色と、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングとを、別々の抽選により決定し、それぞれの決定に基づいて随時コマンドを生成して設定するように構成している。
ここで、仮に、各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色および変化タイミングをすべて決定した後で、1のコマンドにて各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色及び変化タイミングに関するコマンドを生成した場合は、文字パターン、表示色及び変化タイミングのすべてのバリエーションに応じたコマンド数を予め用意しなければならず、コマンド数が膨大になるおそれがある。よって、各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色及び変化タイミングのそれぞれ別個にコマンドを生成し、そのコマンドに基づいて表示制御装置114側で各文字表示Se1〜Se4の表示制御を調整することで、各文字表示Se1〜Se4に関するコマンド数を削減し、ROM222の記憶容量の増大を抑制することができる。
特に、本パチンコ機10では、各文字表示Se1〜Se4のチャンスアップパターンが選択されていた場合であっても、該変動演出の結果が「ハズレ表示」であったときは、定型句文字表示Se3を通常の表示色に修正(変更)して表示するように構成されている。この場合も、各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色、変化タイミング及び表示色の修正(変更)内容をすべて決定した後で、1のコマンドにて各文字表示Se1〜Se4に関するコマンドを生成した場合は、表示色を修正(変更)する内容も含めてすべての表示態様のバリエーションに応じたコマンド数を予め用意しなければならず、コマンド数が飛躍的に増大化するおそれがある。
よって、各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色、変化タイミングおよび表示色の修正(変更)内容のそれぞれで別個にコマンドを生成し、そのコマンドに基づいて表示制御装置114側で各文字表示Se1〜Se4の表示制御を調整することで、各文字表示Se1〜Se4に関するコマンド数を削減し、ROM222の記憶容量の増大を抑制することができる。
次に、図48から図63を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理(図48参照)と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理(図49(a)参照)と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理(図49(b)参照)とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図48を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図48は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理は、電源投入時によりMPU231によって起動されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2001)。具体的には、MPU231を初期設定し、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。また、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
さらに、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始でるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像282に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2002)。この転送指示には、電源投入時主画像282に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像282に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231は、この転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。この電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
S2002の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像282に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像283に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2003)。
この転送指示には、電源投入時変動画像283に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時変動画像283に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像283に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233aをオンする(S2004)。これにより、簡易画像表示フラグ233aがオンの間は、後述する転送設定処理(図61(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理(図61(b)参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233aは、この常駐画像転送設定処理(図61(b)参照)による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図49(b)参照)において、図26に示す画像投入時画像(電源投入時主画像282や電源投入時変動画像283)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図49(b)のS2028参照)および簡易表示設定処理(図49(b)のS2029参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。
そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像282および電源投入時変動画像283をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像282を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像282を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像282を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。
一方、遊技者等は、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像282がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができる。よって、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、電源投入時主画像282を確認することができ、動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像282とあわせて電源投入時変動画像283もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように構成されている。よって、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信した場合は、図26(b)及び図26(c)に示す電源投入時変動画像283をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。従って、遊技者は、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、電源投入時変動画像283による簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像282が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像282が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像283を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像282が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2004の処理の後、割込許可を設定し(S2005)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2005の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理(図49(a)参照)およびV割込処理(図49(b)参照)を実行する。
次いで、図49(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図49(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2011)、このコマンド割込処理を終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理(図49(b)参照)のコマンド判定処理(図50参照)または簡易コマンド判定処理(図49(b)のS2028参照)によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図49(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図49(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図32参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。従って、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがない。その結果、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図49(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233aがオンであるか否かを判別し(S2021)、簡易画像表示フラグ233aがオンであると判別されると(S2021:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了するまでの間、図26に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了したか否か等を判定する簡易コマンド判定処理(S2028)を実行し、次いで、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示する簡易表示設定処理(S2029)を実行して、S2404の処理へ移行する。
一方、S2021の処理において、簡易画像表示フラグ233aがオンではない、即ち、オフであれば(S2021:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図26に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2022)を実行し、次いで、表示設定処理(S2023)を実行し、処理をS2024へ移行する。
コマンド判定処理(S2022)では、コマンド割込処理(図49(a)参照)によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行する。また、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル232a1又は変動パターン種別に応じた変動用表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定する。さらに、設定された表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3を転送データテーブルバッファ233dに設定する。また、保留図柄による先読み予告等の先読み予告に関するコマンド(以下、「先読み系コマンド」という場合がある)が格納されていた場合は、先読み予告に対応する追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定する。さらに、「リーチ表示」時に表示される各文字表示Se1〜Se4に関するコマンド(以下、「文字系コマンド」という場合がある)が格納されていた場合は、各文字表示Se1〜Se4の表示態様に対応する追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。
特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンド、文字系コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出や「リーチ表示」の各文字表示Se1〜Se4の表示態様を素早く把握し、その表示態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図50から図56を参照して後述する。
表示設定処理(S2023)では、コマンド判定処理(S2022)などによって表示データテーブルバッファ233bおよび追加データテーブルバッファ233cに設定された表示データテーブル232a1および追加データテーブル232a2の内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出を決定し、その決定した演出に対応する表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図57から図60を参照して後述する。
表示設定処理(S2023)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2024)。このタスク処理では、表示設定処理(S2023)もしくは簡易表示設定処理(S2029)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2025)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233aがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233aがオフである間は、転送データテーブルバッファ233dに設定される転送データテーブル232a3の転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。さらに、音声ランプ制御装置113から文字系コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、各文字表示Se1〜Se4の初期設定(デフォルト設定)以外の表示態様で使用する文字図柄の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、この転送設定処理の詳細については、図61及び図62を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2026)。この描画処理では、タスク処理(S2024)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2025)により設定された転送指示とから、図32に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、この描画処理の詳細については、図63を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2027)。そして、このV割込処理を終了する。S2027の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理(S2022)において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(「15R確変大当たり」、「2R確変大当たり」、「15R通常大当たり」、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様、「非リーチ」演出態様)に対応する停止種別テーブル(図示せず)と停止図柄カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
次いで、図50から図54を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2022)の詳細について説明する。まず、図50は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
図50で示すように、このコマンド判定処理では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2101)、未処理の新規コマンドがなければ(S2101:No)、このコマンド判定処理を終了して、V割込処理(図49(b)参照)に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2101:Yes)、新規コマンドを処理したことを示し、表示設定処理(S2023)にて判別される新規コマンドフラグをオンに設定し(S2102)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2103)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用保留球数コマンドがあるか否かを判定し(S2104)、表示用保留球数コマンドがあれば(S2104:Yes)、保留球数コマンド処理を実行して(S2105)、S2101の処理に戻る。
ここで、図51(a)を参照して、保留球数コマンド処理(S2105)の詳細について説明する。図51(a)は、保留球数コマンド処理を示すフローチャートである。この保留球数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用保留球数コマンドに対応する処理を実行するものである。
保留球数コマンド処理(S2105)では、まず、表示用保留球数コマンドを処理したことを示し、表示設定処理(S2023)にて判別される新規保留球数コマンドフラグをオンし(S2121)、次いで、表示用保留球数コマンドに含まれる保留球数情報を取得する(S2122)。なお、S2122の処理において、2以上の表示用保留球数コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていれば、最後に格納された表示用保留球数コマンドから保留球数情報を取得する。これにより、最新の保留球数情報を取得することができる。
そして、保留球数毎に設けられた個数判別フラグのうち、S2122の処理で取得した保留球数に対応する個数判別フラグをオンすると共に、その他の保留球数に対応する個数判別フラグをオフにして(S2123)、この保留球数コマンド処理(S2105)を終了して、コマンド判定処理(図50参照)に戻る。
これにより、表示設定処理(S2023)では、新規保留球数コマンドフラグがオンである場合に、個数判別フラグを参照することで、オンが設定された個数判別フラグに対応する保留球数分の保留球数図柄が第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに表示されるように、保留画像データを展開する。
図50に戻り、S2104の処理において、表示用保留球数コマンドがないと判別されると(S2104:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用デモコマンドがあるか否かを判別し(S2106)、表示用デモコマンドがあれば(S2106:Yes)、デモコマンド処理を実行して(S2107)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図51(b)を参照して、デモコマンド処理(S2107)の詳細について説明する。図51(b)は、デモコマンド処理を示すフローチャートである。このデモコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用デモコマンドに対応する処理を実行するものである。
デモコマンド処理(S2107)では、まず、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブル232a1をデータテーブル格納エリア232aから選定して、表示データテーブルバッファ233bに設定する(S2131)。次いで、追加データテーブルバッファ233cにNullデータを書き込むことでその内容をクリアし、また、転送データテーブルバッファ233dにもNullデータを書き込んでその内容をクリアする(S2132)。これは、デモ用表示データテーブル232a1では、描画に必要な画像データを新たにキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送する必要がないように画像の描画が規定されているため、対応する転送データテーブル232a3がデータテーブル格納エリア232aに用意されていないからである。
次いで、デモ表示に対応する時間データを計時カウンタ233gに設定し(S2133)、ポインタ233eを「0」に初期化する(S2134)。そして、オン状態で第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されることを示すデモ表示フラグ(図示せず)をオンに設定する共に、オン状態で第3図柄表示装置81に確定表示演出が表示されることを示す確定コマンドフラグ(図示せず)をオフに設定し、さらに、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオフに設定して(S2135)、デモコマンド処理(S2107)を終了し、コマンド判定処理(図50参照)に戻る。
このデモコマンド処理(S2107)が実行されることにより、表示設定処理(S2023)では、S2134の処理によって初期化されたポインタ233eを更新しながら、S2131の処理によって表示データテーブルバッファ233bに設定されたデモ用表示データテーブル232a1から、ポインタ233eに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。
また、表示設定処理(S2023)では、S2133の処理によってデモ表示に対応する時間データの設定された計時カウンタ233gを用いて、デモ用表示データテーブル232a1で規定されたデモ演出の時間を計時する。また、S2135の処理によって設定されたデモ表示フラグおよび確定表示フラグの状態に基づいて、表示設定処理において計時カウンタ233gの計時によってデモ用表示データテーブル232a1におけるデモ演出が終了したと判断された場合に、次に表示すべき演出として、再度デモ演出が表示されるように制御する。
図50に戻って説明を続ける。S2106の処理において、表示用デモコマンドがないと判別されると(S2106:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド又は表示用確定コマンド(以下、表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド及び表示用確定コマンドを総称して、「変動演出系コマンド」という場合がある)があるか否かを判別し(S2108)、変動演出系コマンドがあれば(S2108:Yes)、変動演出系コマンド処理を実行して(S2109)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図52を参照して、変動演出系コマンド処理(S2109)の詳細について説明する。図52は、変動演出系コマンド処理を示すフローチャートである。この変動演出系コマンド処理は、上述したように、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド又は表示用確定コマンドの変動演出系コマンドに対応する処理を実行するものである。
変動演出系コマンド処理(S2109)では、まず、未処理のコマンドの中に、表示用確定コマンドがあるか否かを判別し(S2141)、表示用確定コマンドがあれば(S2141:Yes)、確定コマンド処理を実行して(S2142)、この変動演出系コマンド処理を終了し、コマンド判定処理(図50参照)へ戻る。
ここで、図53(a)を参照して、確定コマンド処理(S2142)の詳細について説明する。図53(a)は、確定コマンド処理を示すフローチャートである。この確定コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用確定コマンドに対応する処理を実行するものである。
確定コマンド処理(S2142)では、オン状態で表示用確定コマンドを受信したことを表示設定処理(S2023)に通知する確定コマンドフラグをオンに設定して(S2151)、この確定コマンド処理(S2142)を終了し、変動演出系コマンド処理(図52参照)に戻る。
これにより、表示設定処理(S2023)では、確定コマンドフラグの状態を監視し、そのフラグがオンとなった場合に、第3図柄表示装置81に確定表示演出の表示が開始されるように、表示の設定処理を実行する。また、変動演出の表示の設定を処理した場合に、その変動演出に設定された演出時間を経過しても確定コマンドフラグがオンとならない場合は、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示させるように、表示の設定処理を実行する。
図52に戻って説明を続ける。S2141の処理において、表示用確定コマンドがないと判別された場合は(S2141:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2143)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2143:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して、(S2144)、この変動演出系コマンド処理を終了し、コマンド判定処理(図50参照)へ戻る。
ここで、図53(b)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2144)の詳細について説明する。図53(b)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理(S2144)では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動用表示データテーブル232a1を決定し、その決定した変動用表示データテーブル232a1をデータテーブル格納エリア232aから読み出して、表示データテーブルバッファ233bに設定する(S2161)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはない。よって、コマンド判定処理(図50参照)を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2161の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動用表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定してしまうと、実際には、設定した変動用表示データテーブル232a1よりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合は、設定された変動用表示データテーブル232a1に従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110(音声ランプ制御装置113)から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することとなり、変動中の第3図柄が急に停止表示されてしまい、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、第1実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定することで、実際には、設定した変動用表示データテーブル232a1よりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233bに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、再始動演出が表示されるように、表示設定処理(S2023)によって、第3図柄表示装置81の表示が制御される。よって、遊技者は、再始動演出を変動演出の一貫として視認し、第3図柄の停止表示が確定するまで違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2161で設定された変動用表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3を決定してデータテーブル格納エリア232aから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233dに設定する(S2162)。そして、追加データテーブルバッファ233cにNullデータを書き込むことでその内容をクリアする(S2163)。
その後、各変動パターンに対応する変動用表示データテーブル232a1毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2161の処理によって設定された変動用表示データテーブル232a1に対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動用表示データテーブル232a1に対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2164)。表示制御装置114における表示制御では、S2164の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233bに設定された変動用表示データテーブル232a1が、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。そして、表示制御装置114では、設定された変動用表示データテーブル232a1の変動パターンと、後に受信する表示用停止種別コマンドによって設定される停止図柄とに矛盾がないか否かを判断し、矛盾がある場合は、デフォルト変動に対応する表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定するようになっている。
次いで、S2161の処理によって表示データテーブルバッファ233bに設定された変動用表示データテーブル232a1に対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233gに設定し(S2165)、ポインタ233eを「0」に初期化する(S2166)。そして、確定コマンドフラグ、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2167)、さらに、表示設定処理(S2023)で用いられる再始動タイマカウンタを「0」に初期化して(S2168)、この変動パターンコマンド処理(S2144)を終了し、変動演出系コマンド処理(図52参照)に戻る。
この変動パターンコマンド処理(S2144)が実行されることにより、表示設定処理(S2023)では、S2166の処理によって初期化されたポインタ233eを更新しながら、S2161の処理によって表示データテーブルバッファ233bに設定された変動用表示データテーブル232a1から、ポインタ233eに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、ポインタ233eに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動用表示データテーブル232a1において必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理(S2023)では、S2165の処理によって変動用表示データテーブル232a1を基に時間データが設定された計時カウンタ233gを用いて、変動用表示データテーブル232a1で規定された変動演出の時間を計時する。そして、変動用表示データテーブル232a1における変動演出が終了したと判断された場合、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信すれば確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示し、変動演出終了後所定時間内に確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信できなければ、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示するように、その表示の設定を制御する。
ここで、表示用確定コマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用確定コマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。
これに対し、本変動演出系コマンド処理(S2109)では、表示用確定コマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用確定コマンドに対応する処理である確定コマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S2167の処理のように、表示用確定コマンドによって設定された確定コマンドフラグを上書きによってオフに設定することができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用確定コマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、表示用デモコマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用デモコマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。
これに対し、コマンド判定処理(図50参照)では、表示用デモコマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用デモコマンドに対応する処理であるデモコマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S2161の処理のように、表示用デモコマンドによって表示データテーブルバッファ233bに設定されたデモ用表示データテーブル232a1を上書きによって変動用表示データテーブル232a1に書き換えることができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用デモコマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
図52に戻って説明を続ける。S2143の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2143:No)、変動演出に関する未処理のコマンドは表示用停止種別コマンドであるので、停止種別コマンド処理を実行して(S2145)、この変動演出系コマンド処理(S2109)を終了し、コマンド判定処理(図50参照)へ戻る。
ここで、図53(c)を参照して、停止種別コマンド処理(S2146)の詳細について説明する。図53(c)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用停止種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(「15R確変大当たり」、「2R確変大当たり」、「15R通常大当たり」、ハズレ時の「ノーマルリーチ(前後以外ハズレリーチ)」演出態様、ハズレ時の「スーパー/スペシャルリーチ(前後ハズレリーチ)」演出態様、「非リーチ」演出態様のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2171)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図49(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2172)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2172の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S2173)、この停止種別コマンド処理(S2146)を終了して、変動演出系コマンド処理(図52参照)へ戻る。
ここで、上述したように、変動用表示データテーブル232a1では、その変動用表示データテーブル232a1に基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2172の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2024)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2173によって設定された停止図柄判別フラグからS2172の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して後述する表示設定処理(S2023)により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、表示制御装置114が20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはない。よって、コマンド判定処理(図50参照)を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2171の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が「非リーチ」であると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、「ハズレ表示」である「非リーチ」に対応する停止図柄(例えば、「456」)がS2172の処理によって設定される。
仮に、大当たりに対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、ハズレであった場合であっても、第3図柄表示装置81には大当たりの停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10の遊技状態が大当たりとなったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、「ハズレ表示」の「非リーチ」演出態様に対応する停止図柄が設定されることで、実際には、大当たりであれば、第3図柄表示装置81に「ハズレ表示」に対応する停止図柄が表示されても、パチンコ機10の遊技状態が大当たり状態に移行するので、遊技者を喜ばせることができる。
図50に戻って説明を続ける。S2108の処理において、変動演出系コマンドがないと判別されると(S2108:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、「保留変化予告」等の先読み予告に関するコマンド、即ち、表示用点灯時保留変化コマンド、表示用シフト時保留変化コマンド、表示用開始時変化コマンド、表示用リーチ前変化コマンド、表示用リーチ後変化コマンド、表示用消去後変化コマンド又はその他先読みコマンド(以下、表示用点灯時保留変化コマンド、表示用シフト時保留変化コマンド、表示用開始時変化コマンド、表示用リーチ前変化コマンド、表示用リーチ後変化コマンド、表示用消去後変化コマンド及びその他先読みコマンドを総称して、「先読み系コマンド」と表現する場合がある)があるか否かを判別し(S2110)、先読み系コマンドがあれば(S2110:Yes)、先読み系コマンド処理を実行して(S2111)、S2101の処理に戻る。
ここで、図54を参照して、先読み系コマンド処理(S2111)の詳細について説明する。図54は、この先読み系コマンド処理を示すフローチャートである。この先読み系コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した先読み系コマンドに対応する処理を実行するものである。
この先読み系コマンド処理(S2111)では、まず、未処理のコマンドの中に、表示用点灯時保留変化コマンドがあるか否かを判別し(S2181)、表示用点灯時保留変化コマンドがあれば(S2181:Yes)、保留変化コマンドをオンに設定する(S2188)。保留変化コマンドは、オン状態で表示用点灯時保留変化コマンドを含む先読み系コマンドを処理したことを後述する通常画像転送設定処理(図62参照)に通知するように構成されている。次いで、表示用点灯時保留変化コマンドによって示される保留変化予告画像種別(保留図柄又は実行図柄の表示態様)に対応した保留変化用追加データテーブル232a2を決定して、その決定した保留変化用追加データテーブル232a2をデータテーブル格納エリア232aから読み出し、該保留変化用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定する(S2189)。
これにより、表示設定処理(S2023)では、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1に対応する演出に対し、S2189の処理によって追加データテーブルバッファ233cに格納された保留変化用追加データテーブル232a2に対応する「保留変化予告」が追加して表示されるように、第3図柄表示装置81における次の1フレーム分の画像の表示内容を特定する。
その後、保留変化予告画像種別毎に設けられた保留変化予告判別フラグのうち、表示用点灯時保留変化コマンドに含まれる保留変化予告画像種別に対応する保留変化予告判別フラグをオンにして(S2190)、この先読み系コマンド処理(S2111)を終了し、コマンド判定処理(図50参照)へ戻る。
S2181の処理において、表示用点灯時保留変化コマンドがないと判別されると(S2181:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用シフト時保留変化コマンドがあるか否かを判別し(S2182)、表示用シフト時保留変化コマンドがあれば(S2182:Yes)、S2188〜S2190の処理を行い、表示用点灯時保留変化コマンドを受信した場合と同様、表示用シフト時保留変化コマンドによって示される保留変化予告画像種別に対応した保留変化用追加データテーブル232a2を決定して、該保留変化用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定する。また、表示用シフト時保留変化コマンドに含まれる保留変化予告種別画像に対応する保留変化予告判別フラグをオンして、この先読み系コマンド処理(S2111)を終了し、コマンド判定処理(図50参照)へ戻る。
S2182の処理において、表示用シフト時保留変化コマンドがないと判別されると(S2182:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用開始時変化コマンドがあるか否かを判別し(S2183)、表示用開始時変化コマンドがあれば(S2183:Yes)、処理をS2188〜S2190の処理を行い、表示用点灯時保留変化コマンド等を受信した場合と同様、表示用開始時変化コマンドによって示される保留変化予告画像種別に対応した保留変化用追加データテーブル232a2を決定して、該保留変化用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定する。また、表示用開始時変化コマンドに含まれる保留変化予告種別画像に対応する保留変化予告判別フラグをオンして、この先読み系コマンド処理(S2111)を終了し、コマンド判定処理(図50参照)へ戻る。
S2183の処理において、表示用開始時変化コマンドがないと判別されると(S2183:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用リーチ前変化コマンドがあるか否かを判別し(S2184)、表示用リーチ前変化コマンドがあれば(S2184:Yes)、処理をS2188〜S2190の処理を行い、表示用点灯時保留変化コマンド等を受信した場合と同様、表示用リーチ前変化コマンドによって示される保留変化予告画像種別に対応した保留変化用追加データテーブル232a2を決定して、該保留変化用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定する。また、表示用リーチ前変化コマンドに含まれる保留変化予告種別画像に対応する保留変化予告判別フラグをオンして、この先読み系コマンド処理(S2111)を終了し、コマンド判定処理(図50参照)へ戻る。
S2184の処理において、表示用リーチ前変化コマンドがないと判別されると(S2184:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用リーチ後変化コマンドがあるか否かを判別し(S2185)、表示用リーチ後変化コマンドがあれば(S2185:Yes)、処理をS2188〜S2190の処理を行い、表示用点灯時保留変化コマンド等を受信した場合と同様、表示用リーチ後変化コマンドによって示される保留変化予告画像種別に対応した保留変化用追加データテーブル232a2を決定して、該保留変化用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定する。また、表示用リーチ後変化コマンドに含まれる保留変化予告種別画像に対応する保留変化予告判別フラグをオンして、この先読み系コマンド処理(S2111)を終了し、コマンド判定処理(図50参照)へ戻る。
S2185の処理において、表示用リーチ後変化コマンドがないと判別されると(S2185:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用消去後変化コマンドがあるか否かを判別し(S2186)、表示用消去後変化コマンドがあれば(S2186:Yes)、処理をS2188〜S2190の処理を行い、表示用点灯時保留変化コマンド等を受信した場合と同様、表示用消去後変化コマンドによって示される保留変化予告画像種別に対応した保留変化用追加データテーブル232a2を決定して、該保留変化用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定する。また、表示用消去後変化コマンドに含まれる保留変化予告種別画像に対応する保留変化予告判別フラグをオンして、この先読み系コマンド処理(S2111)を終了し、コマンド判定処理(図50参照)へ戻る。
なお、S2186の処理において、表示用消去後変化コマンドがないと判別されると(S2186:No)、次いで、その他先読みコマンド処理を実行し(S2187)、この先読み系コマンド処理(S2111)を終了して、コマンド判定処理(図50参照)へ戻る。
第1実施形態の表示制御装置114のMPU231は、後述する通常画像転送設定処理(図62参照)において、S2188の処理により設定される保留変化コマンドフラグがオンされていることを検出すると、先読み系コマンド処理(S2111)によって追加データテーブルバッファ233cに所定の保留変化用追加データテーブル232a2が設定されたと判断し、S2190の処理によって設定される保留変化予告判別フラグから、追加データテーブルバッファ233cに設定された保留変化用追加データテーブル232a2に対応する保留変化予告画像種別を特定する。そして、その特定された保留変化予告画像種別を表示させるのに必要な画像データ(保留図柄又は実行図柄の初期設定(デフォルト設定)以外の表示態様に関する画像データ)の画像格納エリア236aへの転送指示を画像コントローラ237に対して行う。
図50に戻って説明を続ける。S2110の処理において、先読み系コマンドがないと判別されると(S2110:No)、次いで、表示用弱パターンコマンド、表示用強パターンコマンド、表示用弱弱パターンコマンド、表示用弱強パターンコマンド、表示用強弱パターンコマンド若しくは表示用強強パターンコマンドのパターン系コマンド、表示用赤文字コマンド若しくは表示用金文字コマンドの色系コマンド、表示用発生時変化コマンド若しくは表示用リーチ中変化コマンドのタイミング系コマンド、又は、表示用定型句通常コマンド、の第3図柄表示装置81で表示される各文字表示Se1〜Se4に関するコマンド(以下、パターン系コマンド、色系コマンド、タイミング系コマンド及び表示用定型句通常コマンドを総称して「文字系コマンド」と表現する場合がある)があるか否かを判別し(S2112)、文字系コマンドがあれば(S2112:Yes)、文字系コマンド処理を実行して(S2113)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図55を参照して、文字系コマンド処理(S2113)の詳細について説明する。図55は、文字系コマンド処理を示すフローチャートである。この文字系コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した文字系コマンドに対応する処理を実行するものである。
文字系コマンド処理(S2113)では、まず、未処理のコマンドの中に、パターン系コマンドがあるか否かを判別し(S2191)、パターン系コマンドがあれば(S2191:Yes)、受信したパターン系コマンドに基づいて文字パターンメモリ233jを設定する(S2192)。そして、処理をS2202へ移行し、文字変化コマンドフラグをオンに設定する(S2202)。文字変化コマンドフラグは、オン状態でパターン系コマンドを含む文字系コマンドを処理したことを、後述する通常画像転送設定処理(図62参照)に通知するように構成されている。
次いで、文字パターンメモリ233jによって示される文字変化画像種別に対応した文字パターン用追加データテーブル232a2を決定して、その決定した文字パターン用追加データテーブル232a2をデータテーブル格納エリア232aから読み出し、該文字パターン用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定する(S2203)。
これにより、表示設定処理(S2023)では、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1に対応する演出に対し、S2203の処理によって追加データテーブルバッファ233cに格納された、文字パターンメモリ233jに基づく文字パターン用追加データテーブル232a2に対応する各文字表示Se1〜Se4の表示態様が追加して表示されるように、第3図柄表示装置81における次の1フレーム分の画像の表示内容を特定する。
その後、文字変化画像種別毎に設けられた文字変化判別フラグのうち、文字パターンメモリ233jによって示される文字変化画像種別に対応する文字変化判別フラグをオンに設定して(S2204)、この文字系コマンド処理(S2113)を終了し、コマンド判定処理(図50参照)へ戻る。
なお、ここで設定された文字変化判別フラグは、今回実行される変動演出が終了するタイミング、即ち、表示設定処理(S2023)において、表示用確定コマンドを受信したことを示す確定コマンドフラグがオンである場合に、該文字変化判別フラグがオフに設定されるように構成されている(図57のS2314参照)。
S2191の処理において、パターン系コマンドがないと判別されると(S2191:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、色系コマンドがあるか否かを判別し(S2193)、色系コマンドがあれば(S2193:Yes)、次いで、その色系コマンドが表示用赤文字コマンドか否かを判別する(S2194)。判別の結果、表示用赤文字コマンドであれば(S2194:Yes)、赤文字フラグ233kをオンに設定し(S2195)、処理をS2202へ移行する一方、表示用赤文字コマンドがなければ(S2194:No)、受信した色系コマンドは表示用金文字コマンドであるので、金文字フラグ233mをオンに設定し(S2196)、処理をS2202へ移行する。
S2195又はS2196を経た後のS2202の処理では、パターン系コマンドを受信した場合と同様、オン状態で色系コマンドを含む文字系コマンドを処理したことを、後述する通常画像転送設定処理(図62参照)に通知する文字変化コマンドフラグをオンに設定する(S2202)。
次いで、赤文字フラグ233k又は金文字フラグ233mによって示される文字変化画像種別と実行する変動演出(表示データテーブル232a1)とに対応した文字色用追加データテーブル232a2を決定して、その決定した文字色用追加データテーブル232a2をデータテーブル格納エリア232aから読み出し、該文字色用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定する(S2203)。
これにより、表示設定処理(S2023)では、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1に対応する演出に対し、S2203の処理によって追加データテーブルバッファ233cに格納された、赤文字フラグ233k又は金文字フラグ233mに基づく文字色用追加データテーブル232a2に対応する各文字表示Se1〜Se4の表示態様が追加して表示されるように、第3図柄表示装置81における次の1フレーム分の画像の表示内容を特定する。
その後、文字変化画像種別毎に設けられた文字変化判別フラグのうち、赤文字フラグ233k又は金文字フラグ233mによって示される文字変化画像種別に対応する文字変化判別フラグをオンに設定して(S2204)、この文字系コマンド処理(S2113)を終了し、コマンド判定処理(図50参照)へ戻る。
従って、文字変化判別フラグでは、例えば、該変動演出に関して、パターン系コマンドと色系コマンドとをそれぞれ受信していた場合、パターン系コマンドに基づく文字変化判別フラグのオンと、色系コマンドに基づく文字変化判別フラグのオンとがそれぞれ設定される。
具体的には、1の変動演出において、パターン系コマンドとして表示用強強コマンドを受信していると共に、色系コマンドとして表示用赤文字コマンドを受信していた場合を例示する。この場合、文字変化判別フラグは、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2が共に「強パターン」で表示されると共に、各文字表示Se1〜Se4の表示色が「赤色」で表示されることを示す値が設定される。従って、追加データテーブル232a2として、文字パターン用追加データテーブル232a2と、文字色用追加データテーブル232a2とが追加データテーブルバッファ233cに格納される。
S2193の処理において、色系コマンドがないと判別されると(S2193:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用定型句通常コマンドがあるか否かを判別し(S2197)、表示用定型句通常コマンドがあれば(S2197:Yes)、際後制限フラグ233pをオンに設定し(S2198)、処理をS2202へ移行する。
S2198の処理を経た後のS2202の処理では、パターン系コマンド等を受信した場合と同様、オン状態で表示用定型句通常コマンドを含む文字系コマンドを処理したことを、後述する通常画像転送設定処理(図62参照)に通知する文字変化コマンドフラグをオンに設定する(S2202)。
次いで、際後制限フラグ233pによって示される文字変化画像種別と実行する変動演出とに対応した文字修正用追加データテーブル232a2を決定して、その決定した文字修正用追加データテーブル232a2をデータテーブル格納エリア232aから読み出し、該文字修正用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定する(S2203)。
これにより、表示設定処理(S2023)では、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1に対応する演出に対し、S2203の処理によって追加データテーブルバッファ233cに格納された、際後制限フラグ233pに基づく文字修正用追加データテーブル232a2に対応する定型句文字表示Se3の表示態様が追加して表示されるように、第3図柄表示装置81における次の1フレーム分の画像の表示態様を特定する。
その後、文字変化画像種別毎に設けられた文字変化判別フラグのうち、際後制限フラグ233pによって示される文字変化画像種別に対応する文字変化判別フラグをオンに設定して(S2204)、この文字系コマンド処理(S2113)を終了し、コマンド判定処理(図50参照)に戻る。
従って、文字変化判別フラグでは、例えば、該変動演出に関して、パターン系コマンドと色系コマンドと表示用定型句通常コマンドとをそれぞれ受信していた場合、パターン系コマンドに基づく文字変化判別フラグのオンと、色系コマンドに基づく文字変化判別フラグのオンと、表示用定型句通常コマンドに基づく文字変化判別フラグのオンとがそれぞれ設定される。
具体的には、1の変動演出において、パターン系コマンドとして表示用強強コマンドを受信し、また、色系コマンドとして表示用赤文字コマンドを受信し、さらに、表示用定型句通常コマンドを受信していた場合を例示する。この場合、文字変化判別フラグは、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2が共に「強パターン」で表示されると共に、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2が共に「赤色」で表示され、かつ、定型句文字表示Se3が「白色」で表示されることを示す値が設定される。従って、追加データテーブル232a2として、文字パターン用追加データテーブル232a2と、文字色用追加データテーブル232a2と、文字修正用追加データテーブル232a2とが追加データテーブルバッファ233cに格納される。
S2197の処理において、表示用定型句通常コマンドがないと判別されると(S2197:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用発生時変化コマンドがあるか否かを判別し(S2199)、表示用発生時変化コマンドがあれば(S2199:Yes)、発生時文字色変化フラグ233nをオンに設定し(S2200)、処理をS2202へ移行する一方、表示用発生時変化コマンドがなければ(S2199:No)、受信した文字系コマンドは表示用リーチ中変化コマンドであるので、リーチ中文字色変化フラグ233oをオンに設定し(S2201)、処理をS2202へ移行する。
S2200又はS2201を経た後のS2202の処理では、パターン系コマンドを受信した場合と同様、オン状態でタイミング系コマンドを含む文字系コマンドを処理したことを、後述する通常画像転送設定処理(図62参照)に通知する文字変化コマンドフラグをオンに設定する(S2202)。
次いで、発生時文字色変化フラグ233n又はリーチ中文字色変化フラグ233oによって示される文字変化画像種別に対応した文字タイミング用追加データテーブル232a2を決定して、その決定した文字タイミング用追加データテーブル232a2をデータテーブル格納エリア232aから読み出し、該文字タイミング用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定する(S2203)。
これにより、表示設定処理(S2023)では、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1に対応する演出に対し、S2203の処理によって追加データテーブルバッファ233cに格納された、発生時文字色変化フラグ233n又はリーチ中文字色変化フラグ233oに基づく文字タイミング用追加データテーブル232a2に対応する現出タイミングで表示色が変化して表示されるように、第3図柄表示装置81における次の1フレーム分の画像の表示内容を特定する。この文字タイミング用追加データテーブル232a2としては、リーチ発生時文字表示Se1の表示タイミングで表示色を変化させる場合は、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2の表示色が変更色となるように文字タイミング用追加データテーブル232a2が設定され、リーチ中文字表示Se2の表示タイミングで表示色を変化させる場合は、リーチ発生時文字表示Se1が通常の表示色となると共に、リーチ中文字表示Se2の表示色が変更色となるように文字タイミング用追加データテーブル232a2が設定される。
その後、文字変化画像種別毎に設けられた文字変化判別フラグのうち、発生時文字色変化フラグ233n又はリーチ中文字色変化フラグ233oによって示される文字変化画像種別に対応する文字変化判別フラグをオンに設定して(S2204)、この文字系コマンド処理(S2113)を終了し、コマンド判定処理(図50参照)へ戻る。
従って、文字変化判別フラグでは、例えば、該変動演出に関して、パターン系コマンドと色系コマンドと表示用定型句通常コマンドとタイミング系コマンドをそれぞれ受信していた場合、パターン系コマンドに基づく文字変化判別フラグのオンと、色系コマンドに基づく文字変化判別フラグのオンと、表示用定型句通常コマンドに基づく文字変化判別フラグのオンと、タイミング系コマンドに基づく文字変化判別フラグのオンとがそれぞれ設定される。
具体的には、1の変動演出において、パターン系コマンドとして表示用強強コマンドを受信し、また、色系コマンドとして表示用赤文字コマンドを受信し、さらに、表示用定型句通常コマンドを受信し、さらに、タイミング系コマンドとして表示用リーチ中変化コマンドを受信していた場合を例示する。この場合、文字変化判別フラグは、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2が共に「強パターン」で表示されると共に、リーチ発生時文字表示Se1が「白色」で表示され、リーチ中文字表示Se2が「赤色」で表示され、かつ、定型句文字表示Se3が「白色」で表示されることを示す値が設定される。従って、追加データテーブル232a2として、文字パターン用追加データテーブル232a2と、文字色用追加データテーブル232a2と、文字修正用追加データテーブル232a2と、文字タイミング用追加データテーブル232a2(以下、文字パターン用追加データテーブル232a2、文字色用追加データテーブル232a2、文字修正用追加データテーブル232a2及び文字タイミング用追加データテーブル232a2を総称して、「文字変化用追加データテーブル232a2」と称する場合がある)とが追加データテーブルバッファ233cに格納される。
第1実施形態の表示制御装置114のMPU231は、後述する通常画像転送設定処理(図62参照)において、S2202の処理により設定される文字変化コマンドフラグがオンされていることを検出すると、文字系コマンド処理(S2113)によって追加データテーブルバッファ233cに所定の文字変化用追加データテーブル232a2が設定されたと判断し、S2204の処理によって設定される文字変化判別フラグから、追加データテーブルバッファ233cに設定された文字変化用追加データテーブル232a2に対応する文字変化画像種別を特定する。そして、その特定された文字変化画像種別を表示させるのに必要な画像データの転送指示を画像コントローラ237に対して行う。
図50に戻って説明を続ける。S2112の処理において、文字系コマンドがないと判別されると(S2112:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2114)、背面画像変更コマンドがあれば(S2114:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2115)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図56(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2115)の詳細について説明する。図56(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理(S2115)では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を後述する通常画像転送設定処理(図62参照)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S2211)。そして、背面種別(背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S22212)、この背面画像変更コマンド処理(S2115)を終了し、コマンド判定処理(図50参照)に戻る。
通常画像転送設定処理(図62参照)では、S2211の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S2212の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面種別を特定する。そして、その特定された背面画別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理(S2024)では、表示データテーブル232a1に規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S2212によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面種別を特定し、さらに、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理(図50参照)を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2212の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
図50に戻って説明を続ける。S2114の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2114:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2116)、エラーコマンドがあれば(S2116:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2117)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図56(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2117)の詳細について説明する。図56(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理(S2117)では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S2221)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S2222)、エラーコマンド処理(S2117)を終了し、コマンド判定処理(図50参照)に戻る。
表示設定処理(S2023)では、S2221の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S2222の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2222に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
図50に戻って説明を続ける。S2116の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2116:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2119)、S2101の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2101の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2101:Yes)、再びS2102〜S2119の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2101〜S2119の処理が繰り返し実行され、S2101の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理(S2022)を終了する。
なお、V割込処理(図49(b)参照)において簡易画像表示フラグ233aがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2028)も、コマンド判定処理(S2022)と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図26に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示表確定コマンド、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、確定コマンド処理(図53(a)参照)、変動パターンコマンド処理(図53(b)参照)および停止種別コマンド処理(図53(c)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図53(b)参照)では、S2161の処理で、電源投入時変動画像283の表示に対応した表示データテーブル232a1が表示データテーブルバッファ233bに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像282および電源投入時変動画像283の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S2162の処理では、転送データテーブルバッファ233dにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次に、図57から図60を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理(図49(b)参照)の一処理である上述の表示設定処理(S2023)の詳細について説明する。図57及び図58は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理(S2023)では、図57で示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S2301)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S2301:No)、先に実行されるコマンド判定処理(図50参照)において新規コマンドが処理されていないと判断して、S2302〜S2306の処理をスキップし、処理をS2307へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S2301:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S2302)、S2303〜S2306の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S2303の処理では、新規保留球数コマンドフラグはオンであるか否かを判別し(S2303)、新規保留球数コマンドフラグがオンであれば(S2303:Yes)、先のコマンド判定処理(図50参照)において表示用保留球数コマンドが処理されたと判断し、保留画像設定処理を実行する(S2304)。
ここで、図59(a)を参照して、保留画像設定処理(S2304)の詳細について説明する。図59(a)は、保留画像設定処理を示すフローチャートである。この保留画像設定処理は、表示用保留球数コマンドが処理されたことに合わせて、音声ランプ制御装置113より通知された保留球数分の保留図柄及び実行図柄を第3図柄表示装置81に初期設定(デフォルト設定。即ち、「白色」の「○」図柄。)で表示させる画像データを展開するための処理である。
保留画像設定処理(S2304)では、まず、個数判別フラグを参照し、オンが設定された個数判別フラグに対応した保留球数分の保留図柄及び実行図柄を第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図4(a)参照)に表示させる保留画像データを展開する(S2341)。タスク処理(図49(b)のS2024参照)では、この展開された保留画像データを元に、その保留画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、新規保留球数コマンドフラグをオフに設定し(S2342)、この保留画像設定処理(S2304)を終了して、表示設定処理(図57参照)に戻る。
図57に戻って説明を続ける。保留画像設定処理(S2304)の後、又は、S2303の処理において、新規保留球数コマンドフラグがオンでなければ(S2303:No)、次いで、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S2305)。判別の結果、エラー発生フラグがオンであれば(S2305:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S2306)。
ここで、図59(b)を参照して、警告画像設定処理(S2306)の詳細について説明する。図59(b)は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理である。
警告画像設定処理(S2306)では、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S2351)。タスク処理(図49(b)のS2024参照)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、エラー発生フラグをオフに設定して(S2352)、この警告画像設定処理(S2306)を終了して、表示設定処理(図57参照)に戻る。
図57に戻って説明を続ける。警告画像設定処理(S2306)の後、又はS2305の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別された場合は(S2305:No)、次いで、ポインタ更新処理を実行する(S2307)。
ここで、図60を参照して、ポインタ更新処理(S2307)の詳細について説明する。図60は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233b、追加データテーブルバッファ233cおよび転送データテーブルバッファ233dの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル232a1、追加データテーブル232a2および転送データテーブル232a3から、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233eの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理(S2307)では、まず、ポインタ233eを1加算する(S2361)。即ち、ポインタ233eは、原則、V割込処理(図49(b)参照)が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブル232a1〜232a3は、アドレス「0000H」には、「Start」情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブル232a1が表示データテーブルバッファ233bに格納されるのに合わせてポインタ233eの値が「0」に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が「1」に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブル232a1〜232a3から実体的なデータを読み出すことができる。
S2361の処理によって、ポインタ233eの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブル232a1において、その更新後のポインタ233eで示されるアドレスのデータが「End」情報であるか否かを判別する(S2362)。その結果、「End」情報であれば(S2362:Yes)、表示データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブル232a1において、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233eが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233bに格納されている表示データテーブル232a1がデモ用表示データテーブル232a1又は再始動表示データテーブル232a1であるか否かを判別して(S2363)、デモ用表示データテーブル232a1又は再始動表示データテーブル232a1であれば(S2363:Yes)、ポインタ233eを「1」に設定し(S2364)、さらに、表示データテーブルバッファ233bに設定されているデモ用表示データテーブル232a1又は再始動表示データテーブル232a1の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233gに設定して(S2365)、S2367の処理へ移行する。これにより、表示設定処理(図57参照)では、デモ用表示データテーブル232a1又は再始動表示データテーブル232a1の先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出または再始動演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S2363の処理において、表示データテーブルバッファ233bに格納されている表示データテーブル232a1がデモ用表示データテーブル232a1でも、再始動表示データテーブル232a1でもないと判別された場合は(S2363:No)、ポインタ233eの値を1だけ減算して(S2366)、S2367の処理へ移行する。これにより、表示設定処理(図57参照)では、表示データテーブルバッファ233bにデモ用表示データテーブル232a1および再始動表示データテーブル232a1以外の表示データテーブル232a1、例えば、変動用表示データテーブル232a1や確定表示データテーブル232a1が設定されている場合は、「End」情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブル232a1で規定される最後の画像で停止させた状態で表示させることができる。
なお、S2362の処理において、表示データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブル232a1において、S2361の処理による更新後のポインタ233eで示されるアドレスのデータが「End」情報ではないと判別される場合は(S2362:No)、S2363〜S2366の処理をスキップして、S2367の処理へ移行する。
S2367の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S2367)、確定コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S2367:No)、そのままポインタ更新処理(S2307)を終了して、表示設定処理(図57参照)に戻る。一方、確定コマンドフラグがオンであれば(S2367:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、表示データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブル232a1において「End」情報が格納されているエンド位置アドレスから1だけ減算した値に、ポインタ233eの値を設定する(S2368)。そして、計時カウンタ233gの値を「1」に設定して(S2369)、このポインタ更新処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、確定コマンドを受信した場合は、表示設定処理では、設定された表示データテーブル232a1の最後に規定された描画内容を展開すると共に、確定表示演出の開始を制御することができる。
図57に戻って説明を続ける。ポインタ更新処理(S2307)の後は、表示データテーブルバッファ233b及び追加データテーブルバッファ233cに設定されている表示データテーブル232a1および追加データテーブル232a2から、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233eで示されるアドレスの描画内容を展開する(S2308)。タスク処理(図49(b)のS2024参照)では、先に展開された保留画像や警告画像などと共に、S2308の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
第1実施形態では、表示データテーブルバッファ233bに表示データテーブル232a1が格納され、追加データテーブルバッファ233cに追加データテーブル232a2が格納されている状態で、ポインタ233eが示すアドレスにおいて、同一のスプライトの描画が設定されていた場合、追加データテーブル232a2で示される描画内容を優先して描画リストを生成するように構成されている。これにより、表示データテーブル232a1で規定されているスプライトの描画内容を、追加データテーブル232a2で規定し直すことで、表示データテーブル232a1の描画内容から追加データテーブル232a2の描画内容に変更して表示することができる。
また、第1実施形態では、追加データテーブルバッファ233cに複数の追加データテーブル232a2を格納可能に構成されているが、複数の追加データテーブル232a2が追加データテーブルバッファ233cに格納されている状態で、ポインタ233eが示すアドレスにおいて、同一のスプライトの描画が設定されていた場合、最も新しく格納された追加データテーブル232a2で示される描画内容を優先して描画リストを生成するように構成されている。即ち、追加データテーブル232a2の格納順を記憶しておき、最も新しい追加データテーブル232a2の描画内容を優先して表示することができるので、表示内容を変更した後にさらに変更する場合、的確に表示することが可能となる。
具体的には、例えば、追加データテーブルバッファ233cに、各文字表示Se1〜Se4を「赤色」に表示する文字色用追加データテーブル232a2が格納されている状態で、定型句文字表示Se3の表示色を「白色」に修正する文字修正用追加データテーブル232a2が格納された場合、文字修正用追加データテーブル232a2を文字色用追加データテーブル232a2より優先して表示することができる。
なお、追加データテーブル232a2において、Nullデータが記載されている場合は、追加すべきスプライトが存在しないものとして以後の処理を実行する。また、追加データテーブルバッファ233cがNullデータでクリアされているときは、常にNullデータが追加データテーブルバッファ233cから展開されることになる。
次いで、計時カウンタ233gの値を1だけ減算し(S2309)、減算後の計時カウンタ233gの値が「0」以下であるか否かを判別する(S2310)。そして、計時カウンタ233gの値が「0」以下でない場合、即ち、「1」以上である場合は(S2310:No)、そのまま表示設定処理(S2023)を終了して、V割込処理(図49(b)参照)に戻る。
一方、S2310の処理において、計時カウンタ233gの値が「0」以下である場合は(S2310:Yes)、表示データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブル232a1に対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233bに変動用表示データテーブル232a1が設定されている場合は、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)が送信されるはずであるので、続くS2311の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを確認する(S2311)。
S2311の判別の結果、確定コマンドフラグがオンであれば(S2311:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、まず、確定表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233cおよび転送データテーブルバッファ233dにそれぞれNullデータを書き込むことで、それらの内容をクリアする(S2312)。
次いで、実行中の変動演出が終了するため、該変動演出用に設定された各文字表示Se1〜Se4の設定内容をクリア、即ち、文字パターンメモリ233j、赤文字フラグ233k、金文字フラグ233m、発生時文字色変化フラグ233n、リーチ中文字色変化フラグ233o及び際後制限フラグ233pをオフ(0クリア)すると共に(S2313)、文字変化判別フラグをオフする(S2314)。このように構成することで、1の変動演出が終了する毎に各文字表示Se1〜Se4の設定内容を初期化することができるので、例えば、前回の変動演出において設定された各文字表示Se1〜Se4の設定内容が、次回の変動演出において現出するといった不具合が発生することを未然に防止することができる。
次いで、確定表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233gに設定し(S2315)、さらに、ポインタ233eの値を「0」に初期化する(S2316)。そして、確定コマンドフラグをオフに設定し(S2317)、次いで、「0」状態(オフ状態)で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオン(即ち、「1」)に設定後(S2318)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S2319)、この表示設定処理(S2023)を終了し、V割込処理(図49(b)参照)に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233bに変動用表示データテーブル232a1が設定されている状況において、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。
また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブル232a1を確定表示データテーブル232a1に変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することが出来る。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S2319の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動用表示データテーブル232a1では、その表示データテーブル232a1に基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。
よって、タスク処理(図49(b)のS2024参照)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S2319によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S2311の処理において、確定コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S2311:No)、処理を図58に示すS2320の処理へ移行し、確定表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2320)。そして、確定表示フラグがオンであれば(S2320:Yes)、S2310の処理において計時カウンタ233gの値が「0」以下と判定(S2310:Yes)されたのは、確定表示演出が終了したことを意味する。そこで、確定表示フラグをオフに設定した後(S2321)、デモ用表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定し(S2322)、次いで、デモ表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233gに設定する(S2323)。そして、ポインタ233eを「0」に初期化し(S2324)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S2325)、処理を図57に移行し、この表示設定処理(S2023)を終了して、V割込処理(図49(b)参照)に戻る。
これにより、確定表示演出が終了するまでに、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドや、デモ演出の開始を示す表示用デモ演出コマンドを受信しなかった場合には、自動的に第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
なお、S2320の処理において、確定表示フラグがオンと判定される場合、即ち、S2320のYesの分岐条件を満たすのは、確定表示演出が行われている場合であり、この場合、S2312の処理によって、追加データテーブルバッファ233c及び転送データテーブルバッファ233dはいずれもその内容がクリアされている。よって、S2322の処理では、それらのデータテーブルバッファ233c,233dのクリア処理を省略している。これにより、MPU231における処理負荷の軽減を図ることができる。
一方、S2320の処理において、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S2320:No)、次いで、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2326)。そして、デモ表示フラグがオンであれば(S2326:Yes)、S2310の処理において計時カウンタ233gの値が「0」以下と判定(S2310:Yes)されたのは、デモ演出が終了したことを意味する。そこで、処理を図57へ移行し、この表示設定処理(S2023)を終了して、V割込処理(図49(b)参照)に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の表示設定処理の中で実行されるポインタ更新処理(S2307)によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
一方、S2326の処理において、デモ表示フラグがオンではなく、オフである場合は(S2326:No)、S2310の処理において計時カウンタ233gの値が「0」以下と判定(S2310:Yes)されたのは、変動演出が終了したことを意味する。そこで、変動演出が終了してから所定時間経過しても確定コマンドが受信されない場合は、再始動演出を開始するために、変動演出に対応する変動用表示データテーブル232a1が表示データテーブルバッファ233bに設定されるのに合わせて「0」に初期化された再始動タイマカウンタを1加算し(S2327)、加算後の再始動タイマカウンタの値が所定値(例えば、「100」)になったか否かを判別する(S2328)。
そして、再始動タイマカウンタが所定値ではない場合(S2328:No)、処理を図57へ移行し、表示設定処理(図57参照)を終了して、V割込処理(図49(b)参照)に戻る。一方、再始動タイマカウンタが所定値である場合は(S2328:Yes)、再始動表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233cおよび転送データテーブルバッファ233dにそれぞれNullデータを書き込むことで、それらの内容をクリアする(S2329)。そして、再始動演出の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233gに設定し(S2330)、さらに、ポインタ233eの値を「0」に初期化して(S2331)、処理を図57へ移行し、表示設定処理(図57参照)を終了して、V割込処理(図49(b)参照)に戻る。
これにより、表示制御装置114では、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信される確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合には、再始動演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。そして、上述したように、再始動演出は、第3図柄を振動させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出であるので、遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
なお、再始動表示データテーブル232a1によって規定された最後の描画内容が展開された後は、上述のポインタ更新処理(S2307)によって、再び再始動表示データテーブル232a1の先頭から描画内容が展開される。従って、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信したり、新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、再始動演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、V割込処理(図49(b)参照)において簡易画像表示フラグ233aがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(図49(b)のS2029)も、表示設定処理(S2023)と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像283による変動演出の演出時間が終了後、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像283の一方の画像(図26(b)および図26(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブル232a1を、表示データテーブルバッファ233bに設定する処理が行われる。
さらに、電源投入時変動画像283による変動演出の演出時間が終了後、本来、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信すべき確定コマンド(表示用確定コマンド)の受信が認められない場合は、そのまま電源投入時変動画像283の変動演出を再始動させることを規定した表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定する処理が行われる。
次いで、図61及び図62を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理(図49(b)参照)の一処理である上述の転送設定処理(S2025)の詳細について説明する。まず、図61(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理(S2025)では、まず、簡易画像表示フラグ233aがオンか否かを判別する(S2401)。そして、簡易画像表示フラグ233aがオンであれば、(S2401:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S2402)、この転送設定処理を終了し、V割込処理(図49(b)参照)へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図61(b)を参照して後述する。
一方、S3241の処理において、簡易画像表示フラグ233aがオンではない、即ち、オフであれば、(S2401:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S2403)、この転送設定処理(S2025)を終了して、V割込処理(図49(b)参照)へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図62を参照して後述する。
ここで、図61(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2025)の一処理である常駐画像転送設定処理(S2402)について説明する。図61(b)は、この常駐画像転送設定処理(S2402)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理(S2402)では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S2411)、転送指示を送信していれば(S2411:Yes)、さらに、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S2412)。このS2412の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S2412の処理において、転送処理が終了していないと判別される場合は(S2412:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了して、転送設定処理(図61(a)参照)へ戻る。
一方、S2412の処理において、転送処理が終了したと判別される場合(S2412:Yes)、処理をS2413へ移行する。また、S2411の処理において、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S2411:No)、処理をS2413へ移行する。
S2413の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S2413)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S2413:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S2414)、常駐画像転送設定処理(S2402)を終了して、転送設定処理(図61(a)参照)へ戻る。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リスト(図32参照)に、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。
なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス及び最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、並びに、転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレス、が含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定された常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
一方、S2413の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S2413:Yes)、簡易画像表示フラグ233aをオフに設定して(S2415)、常駐画像転送設定処理(S2402)を終了して、送設定処理(図61(a)参照)へ戻る。これにより、V割込処理(図49(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図49(b)のS2028参照)および簡易表示設定処理(図49(b)のS2029参照)ではなく、コマンド判定処理(図50から図56参照)および表示設定処理(図57から図60参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図62参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図61(a)のS2401:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理(S2402)を実行することにより、既にメイン処理(図48参照)の中で転送されている電源投入時主画像282および電源投入時変動画像283を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後は、MPU231は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がない。その結果、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージ、コクピット画像、副表示画像といった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき保留図柄や文字図柄の画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次に、図62を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2025)の一処理である通常画像転送設定処理(S2403)について説明する。図62は、この通常画像転送設定処理(S2403)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理(S2403)では、まず、転送データテーブルバッファ233dに設定されている転送データテーブル232a3から、先に実行された表示設定処理(図57参照)のポインタ更新処理(S2307)によって更新されたポインタ233eで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S2421)。
そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S2422)、転送データ情報であれば(S2422:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S2423)、さらに、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S2424)、S2425の処理へ移行する。
一方、S2422の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S2422:No)、S2423及びS2424の処理をスキップして、S2425の処理へ移行する。
S2425の処理では、画像コントローラ237に対して、前回の転送処理が終了後に、画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S2425)、転送指示を設定していれば(S2425:Yes)、さらに、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S2426)。
このS2426の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S2426の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S2426:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理(S2403)を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S2426:Yes)、S2427の処理へ移行する。また、S2425の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S2425:No)、S2427の処理へ移行する。
S2427の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S2427)、転送開始フラグがオンであれば(S2427:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S2428)、S2423の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示される画像データを転送対象画像とした上で、S2438の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S2427:No)、次いで、保留変化コマンドフラグはオンか否かを判別する(S2429)。
そして、保留変化コマンドフラグがオンであれば(S2429:Yes)、保留変化予告に関する先読み系コマンドが処理され、保留変化予告用の保留変化用追加データテーブル232a2が追加データテーブルバッファ233cに設定されたことを意味するので、保留変化コマンドフラグをオフに設定した後(S2430)、保留変化予告画像種別毎に設けられた保留変化予告判別フラグのうち、オン状態にある保留変化予告判別フラグに対応する保留変化予告画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを特定し(S2431)、この特定した各種情報によって示される画像データを転送対象画像とした上で、S2438の処理へ移行する。なお、S2431において、オン状態にある保留変化予告判別フラグに対応する保留変化予告画像の画像データが転送対象画像された場合、該オン状態の保留変化予告判別フラグはすべてオフに設定されるように構成されている。
S2429の処理において、保留変化コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S2429:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S2432)。そして、背面画像変更フラグがオンであれば(S2432:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S2433)、背面種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを特定し(S2434)、この特定した各種情報によって示される画像データを転送対象画像とした上で、S2438の処理へ移行する。
なお、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S2434の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、背面画像変更フラグがオフとみなし(S2432:No)、処理をS2435へ移行する。
S2432の処理において、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S2432:No)、次いで、文字変化コマンドフラグはオンか否かを判別する(S2435)。そして、文字変化コマンドフラグがオフであれば(S2435:No)、この通常画像転送設定処理(S2403)を終了して、転送設定処理(図61(a)参照)へ戻る。
一方、S2432の処理において、文字変化コマンドフラグがオンであれば(S2432:Yes)、文字図柄(リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3又は疑似定型句文字表示Se4)の変更を意味するので、文字変化コマンドフラグをオフに設定した後(S2436)、文字変化画像種別毎に設けられた文字変化判別フラグのうち、オン状態にある文字変化判別フラグに対応する文字図柄の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを特定し(S2437)、この特定した各種情報によって示される画像データを転送対象画像とした上で、S2438の処理へ移行する。
S2438の処理では、転送対象画像が通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに既に格納されているか否かを判別する(S2438)。このS2438の処理における判別では、格納画像判別フラグ233hを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像とされたスプライトに対応する格納状態を格納画像判別フラグ233hより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されていないと判断する。
そして、S2438の処理の結果、転送対象画像が通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されていれば(S2438:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理(S2404)を終了し、処理を転送設定処理(図61(a)参照)へ戻る。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S2438の処理の結果、転送対象画像が通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されていなければ(S2438:Yes)、その転送対象画像の転送指示を設定する(S2439)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像の転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送することができる。
なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAMの指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S2439の処理の後、格納画像判別フラグ233hを更新し(S2440)、この通常用転送設定処理(S2403)を終了し、処理を転送設定処理(図61(a)参照)へ戻る。格納画像判別フラグ233hの更新は、上述したように、転送対象画像となったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理(S2403)を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理(図50参照)の中で先読み系コマンドや文字系コマンドに対する処理が実行され、その先読み系コマンドや文字系コマンドで示された保留変化予告画像や文字変化画像に対応する追加データテーブル232a2が追加データテーブルバッファ233cに設定された場合は、その追加データテーブル232a2で用いられる保留変化予告画像や文字変化画像の画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送させることができる。
また、先に実行されたコマンド判定処理(図50参照)の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送させることができる。
また、本実施形態では、音声ランプ制御装置113からコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定するのに合わせて、その表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3が転送データテーブルバッファ233dに設定されるように構成されている。よって、その表示データテーブル232a1で用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送することができる。
ここで、表示データテーブル232a1に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブル232a3では、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブル232a3に規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブル232a1に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送しておくことができるので、表示データテーブル232a1で指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブル232a3の記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送することができる。
また、転送データテーブル232a3では、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへの画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、きめ細かく画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図63を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理(図49(b)参照)の一処理である上述の描画処理(S2026)の詳細について説明する。図63は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理(S2026)では、タスク処理(図49(b)のS2024参照)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(図49(b)のS2025)により設定された転送指示から、図32に示す描画リストを生成する(S2501)。
即ち、S2501の処理では、タスク処理で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。
また、転送設定処理(図49(b)のS2025)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233iによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S2502)。ここでは、描画対象バッファフラグ233iが「0」である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233iが「1」である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a)の先頭アドレスを抽出する。そして、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納する。その後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、他方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理(S2026)は、S2502の処理の後、描画対象バッファフラグ233iを更新する(S2503)。そして、この描画処理を終了して、V割込処理(図49(b)参照)に戻る。描画対象バッファフラグ233iの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図49(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。
これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。
以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
次に、図64及び図65を参照して、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3、及び、疑似定型句文字表示Se4の実行例(表示例)について説明する。
まず、図64を参照して、ハズレの変動演出において、定型句文字表示Se3の表示色が修正(変更・制限)される状況について説明する。図64は、第3図柄表示装置81で実行されるハズレの変動演出において、各文字表示Se1〜Se3のチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)に当選しつつ、上述した際後制限フラグ233pによって、定型句文字表示Se3の表示色が「白色」に修正(変更)される状況を示した図である。
具体的には、図64(a)は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「リーチ表示(「ノーマルリーチ」の変動要素)」が現出された直後であって、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現したリーチ発生時文字表示Se1が左小領域Ds1に表示されている状態を示した図である。図64(b)は、図64(a)の状態から「ノーマルリーチ」の変動要素が開始され、副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示した図である。図64(c)は、図64(b)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が開始され、コクピット表示領域Dbが消去されて、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行され、さらに、遊技者側のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現したリーチ中文字表示Se2が表示されている状態を示した図である。図64(d)は、図64(c)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が終了し、副表示領域Dsとコクピット表示領域Dbとが再表示されて、主表示領域Dmにおいて第3図柄の「ハズレ表示」が現出し、さらに、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現した定型句文字表示Se3が左小領域Ds1に表示されている状態を示した図である。なお、図64(a)〜図64(d)において、第3図柄の表示態様は省略して表現している。
まず、図64(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」されている状態を示している。従って、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出された直後の状態である。また、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。
また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたリーチ発生時文字表示Se1が「弱パターン」の文字パターン、かつ、第1チャンスアップパターンである「赤色」で表示されている。具体的には、左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「いくぜぇ!」とのリーチ発生時文字表示Se1が、通常の表示色である「白色」から第1チャンスアップパターンである「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図64(a)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択されたことを意味している。なお、この図64(a)において、リーチ発生時文字表示Se1は、「いくぜぇ!」の「弱パターン」が表示されているため、該リーチ発生時文字表示Se1の文字パターンの抽選では、通常の文字パターンである「弱パターン」が選択されたことを意味している。
よって、表示制御装置114のMPU231では、音声ランプ制御装置113から少なくとも表示用赤文字コマンドと、表示用発生時変化コマンドとを受信しており、表示用赤文字コマンドに基づいて赤文字フラグ233kがオンに設定され、表示用発生時変化コマンドに基づいて発生時文字色変化フラグ233nがオンに設定されている。
従って、追加データテーブルバッファ233cには、少なくとも、文字パターンメモリ233jの内容(リーチ発生時文字表示Se1の「弱パターン」)に基づく文字パターン用追加データテーブル232a2(実際には、図64(c)で示すリーチ中文字表示Se2の「弱パターン」も示す)と、赤文字フラグ233kのオンに基づく文字色用追加データテーブル232a2と、発生時文字色変化フラグ233nのオンに基づく文字タイミング用追加データテーブル232a2とが、それぞれ格納(設定)されている状態である。その結果、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図64(a)の表示状態となるように表示制御を実行する。なお、図64(d)で後述するが、図64(a)〜図64(d)の変動演出では、際後制限フラグ233pがオンされていることから、実際には、追加データテーブル232a2として、文字修正用追加データテーブル232a2が格納されている。
図64(b)では、図64(a)の状態から、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「7」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。また、副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の変動要素の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。なお、コクピット表示領域Dbでは、図64(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。
この図64(b)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図64(a)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図64(a)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2(実際には、文字修正用追加データテーブル232a2も含む4の文字変化用追加データテーブル232a2))が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図64(b)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図64(c)では、図64(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」の変動要素では、「ノーマルリーチ」の変動要素で表示されていた「7」図柄のリーチ形成図柄が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbが消去され、その代わりに、第3図柄表示装置81の表示領域左上であってリーチ形成図柄の下側に変動演出の保留球数を示す数字図柄(第1実施形態では、「4」)が新たに現出表示されている。なお、変動演出の保留球数を示す数字図柄は、変動演出の実行中、常時表示するように構成してもよい。
また、この「スーパーリーチ」の変動要素では、複数のキャラクタ図柄が勝敗を競う「バトル演出」が表示され、さらに、遊技者側のキャラクタ図柄がセリフを喋り、そのセリフを文字で現したリーチ中文字表示Se2が「弱パターン」の文字パターン、かつ、チャンスアップパターンで表示されている。具体的には、コクピット表示領域Dbを消去した表示領域において、遊技者側のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「くらえ!」とのリーチ中文字表示Se2が、通常の表示色である「白色」から第1チャンスアップパターンである「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図64(c)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択された結果、リーチ中文字表示Se2も「赤色」で表示されている。つまり、この変動演出にて既に表示されたリーチ発生時文字表示Se1において、上記文字表示の表示色の変化抽選結果を反映した表示色が現出しているため、このリーチ中文字表示Se2の表示色は、リーチ発生時文字表示Se1の表示色を踏襲した表示となっている。なお、この図64(c)において、リーチ中文字表示Se2は、「くらえ!」の「弱パターン」が表示されているため、該リーチ中文字表示Se2の文字パターンの抽選では、通常の文字パターンである「弱パターン」が選択されたことを意味している。
この図64(c)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図64(a)及び図64(b)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図64(a)及び図64(b)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2(実際には、文字修正用追加データテーブル232a2も含む3の文字変化用追加データテーブル232a2))が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図64(c)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図64(d)では、図64(c)の状態から、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵キャラクタ図柄に負けて、主表示領域Dmにおいて「ハズレ表示」が現出すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面において副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbが再表示された状態を示している。この状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄と、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄とが再び視認可能となっている。
また、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄は、「ハズレ表示」が現出したことによって、失望した態様で表示され、左小領域Ds1には、該キャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現した定型句文字表示Se3が通常の表示色で表示されている。具体的には、左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「すまねぇ・・・」との定型句文字表示Se3が、通常の表示色である「白色」で表示される。
即ち、この図64(d)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択され、さらに、該変動演出が「ハズレ表示」であることで、定型句文字表示Se3の表示色が「白色」に修正(変更)されたことを意味している。
遊技者は、図64(d)の表示内容を認識した場合、「スーパーリーチ」の「バトル演出」において遊技者側のキャラクタ図柄が負けたことにより、該「スーパーリーチ」では「大当たり表示」が現出せず「ハズレ表示」が現出することを予測する。また、定型句文字表示Se3の表示色が「白色」で表示されていることから、上記「ハズレ表示」の予測に関し、違和感を感じることなく、該変動演出の終了を認識する。
ここで、この変動演出では、上述したように、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択されている。よって、各文字表示Se1〜Se3の表示色は、上述したように一括設定されているため、定型句文字表示Se3も該一括設定に伴って「赤色」で表示すべきところ、該変動演出では「ハズレ表示」が現出することから、定型句文字表示Se3がチャンスアップパターンではなく通常の表示色である「白色」で表示されるように構成されている。
よって、表示制御装置114のMPU231では、音声ランプ制御装置113から少なくとも表示用赤文字コマンドと表示用発生時変化コマンドと表示用定型句通常コマンドとを受信しており、表示用赤文字コマンドに基づいて赤文字フラグ233kがオンに設定され、表示用発生時変化コマンドに基づいて発生時文字色変化フラグ233nがオンに設定され、表示用定型句通常コマンドに基づいて際後制限フラグ233pがオンに設定されている。従って、追加データテーブルバッファ233cには、少なくとも、文字パターンメモリ233jの内容に基づく文字パターン用追加データテーブル232a2と、赤文字フラグ233kのオンに基づく文字色用追加データテーブル232a2と、発生時文字色変化フラグ233nのオンに基づく文字タイミング用追加データテーブル232a2と、際後制限フラグ233pのオンに基づく文字修正用追加データテーブル232a2とが、それぞれ格納(設定)されている状態である。
その結果、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図64(d)の表示状態となるように表示制御を実行する。
なお、表示用赤文字コマンド、表示用発生時変化コマンド及び表示用定型句通常コマンドは、それぞれ変動演出の開始時に表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドの送信と共に遅滞なく音声ランプ制御装置113から送信されている。よって、表示制御装置114のMPU231は、変動演出に開始される場合に、既に各文字表示Se1〜Se4に関する表示内容を把握している。従って、この際後制限フラグ233pのオンに基づく文字修正用追加データテーブル232a2は、この変動演出の開始時の段階(少なくとも図64(a)の状態)で、他の文字変化用追加データテーブル232a2と共に追加データテーブルバッファ233cに格納されるように構成されている。
つまり、図64(a)〜図64(d)で示す変動出に関し、該変動演出の開始時において、ハズレの「スーパーリーチ」演出態様に関する1の表示データテーブル232a1が表示データテーブルバッファ233bに格納されていると共に、赤文字フラグ233kのオンに基づく文字色用追加データテーブル232a2と、発生時文字色変化フラグ233nのオンに基づく文字タイミング用追加データテーブル232a2と、際後制限フラグ233pのオンに基づく文字修正用追加データテーブル232a2とがそれぞれ追加データテーブルバッファ233cに格納されている。よって、表示制御装置114のMPU231は、変動演出の開始時に、今から表示すべき変動演出と、該変動演出に追加すべき演出内容とを把握することができるので、変動演出における表示制御を確実に行うことが可能となる。
このように、変動演出が「ハズレ表示」で確定する場合には、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2においてチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)が実行されていたとしても、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」後に表示される定型句文字表示Se3では、チャンスアップパターンを現出しないように構成する。即ち、「ハズレ表示」の変動演出において、定型句文字表示Se3の表示色を通常のパターンである「白色」で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
また、音声ランプ制御装置113において、各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色及び変化タイミングのそれぞれ別個にコマンドを生成して表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114側で該コマンドに基づいて各文字表示Se1〜Se4の表示制御を調整することで、各文字表示Se1〜Se4のすべてのバリエーションのコマンドを予め用意する場合に比べてコマンド数を削減することができ、ROM222の記憶容量の増大を抑制することができる。
特に、本パチンコ機10では、各文字表示Se1〜Se4のチャンスアップパターンが選択されていた場合であっても、該変動演出の結果が「ハズレ表示」であったときは、定型句文字表示Se3を通常の表示色に修正(再変更)して表示するように構成されている。この場合も、各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色、変化タイミング及び表示色の修正内容をすべて決定した後で、1のコマンドにて各文字表示Se1〜Se4に関するコマンドを生成した場合は、修正する内容も含めてすべての表示態様のバリエーションに応じたコマンド数を予め用意しなければならず、コマンド数が飛躍的に増大化するおそれがある。よって、各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色、変化タイミングおよび表示色の再変更内容のそれぞれで別個にコマンドを生成し、そのコマンドに基づいて表示制御装置114側で各文字表示Se1〜Se4の表示制御を調整することで、各文字表示Se1〜Se4に関するコマンド数を削減し、ROM222の記憶容量の増大を抑制することができる。
また、1の追加データテーブル232a2を追加するか否かを決定するだけで、演出内容に齟齬が生じない変動演出を実行することができるので、遊技者に違和感を感じさせることがない快適な遊技を提供することができる。
なお、第1実施形態では、文字パターンメモリ233j、赤文字フラグ233k、金文字フラグ233m、発生時文字色変化フラグ233n、リーチ中文字色変化フラグ233o及び際後制限フラグ233pの設定内容に基づいて各文字変化用追加データテーブル232a2を選定(選択)するように構成し、上記フラグ等233j〜233pは、文字変化用追加データテーブル232a2の選定時にのみ参照されるように構成されている。これに代えて、フラグ等を用いることなくコマンド受信時に直接的に文字変化用追加データテーブル232a2を選定(選択)するように構成してもよい。フラグ等233j〜233pを用いることなく文字変化用追加データテーブル232a2を選定(選択)することで、フラグ等233j〜233kに関する容量をRAM233に設ける必要がなくなる。
次に、図65を参照して、「再変動」の変動要素を含む大当たりの変動演出において、疑似定型句文字表示Se4(定型句文字表示Se3)の表示色がチャンスアップパターンのまま表示される状況について説明する。図65は、第3図柄表示装置81で実行される大当たりの変動演出において、各文字表示Se1〜Se4のチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)に当選し、「再変動」の変動要素が実行される前に表示される疑似定型句文字表示Se4の表示色が「赤色」のまま表示される状況を示した図である。
具体的には、図65(a)は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「リーチ表示(「ノーマルリーチ」の変動要素)」が現出された直後であって、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現したリーチ発生時文字表示Se1が左小領域Ds1に表示されている状態を示した図である。図65(b)は、図65(a)の状態から「ノーマルリーチ」の変動要素が開始され、副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示した図である。図65(c)は、図65(b)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が開始され、コクピット表示領域Dbが消去されて、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行され、さらに、遊技者側のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現したリーチ中文字表示Se2が表示されている状態を示した図である。図65(d)は、図65(c)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素において「際演出」が実行されて、該「際演出」において「ハズレ表示」が現出することを示唆する内容が表示されている状態を示した図である。図65(e)は、図65(d)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が終了し、副表示領域Dsとコクピット表示領域Dbとが再表示されて、主表示領域Dmにおいて第3図柄の「ハズレ表示」が現出し、さらに、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現した定型句文字表示Se3が左小領域Ds1に表示されている状態を示した図である。図65(f)は、図65(e)の状態から「再変動」の変動要素が実行されて「大当たり表示」が現出する間際の状態を示した図である。なお、図65(a)〜図65(f)において、第3図柄の表示態様は省略して表現している。
まず、図65(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」されている状態を示している。従って、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出された直後の状態である。また、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。
また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたリーチ発生時文字表示Se1が「強パターン」の文字パターン、かつ、チャンスアップパターンである「赤色」で表示されている。具体的には、左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「いけるぜぇ!」とのリーチ発生時文字表示Se1が、通常の表示色である「白色」から第1チャンスアップパターンである「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図65(a)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1の文字パターンの抽選では「強パターン」が選択されると共に、各文字表示Se1〜Se4の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択され、さらに、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングに関する抽選において、「リーチ発生時」が選択されたことを意味している。
よって、表示制御装置114のMPU231では、音声ランプ制御装置113から少なくともリーチ発生時文字表示Se1の「強パターン」に関するコマンド(後述する図65(c)においてリーチ中文字表示Se2も「強パターン」であることから、表示用強強パターンコマンド)と、表示用赤文字コマンドと、表示用発生時変化コマンドとを受信しており、文字パターンメモリ233jに少なくともリーチ発生時文字表示Se1が「強パターン」であることが設定され、表示用赤文字コマンドに基づいて赤文字フラグ233kがオンに設定され、表示用発生時変化コマンドに基づいて発生時文字色変化フラグ233nがオンに設定されている。
従って、追加データテーブルバッファ233cには、少なくとも、文字パターンメモリ233jの設定内容に基づく文字パターン用追加データテーブル232a2と、赤文字フラグ233kのオンに基づく文字色用追加データテーブル232a2と、発生時文字色変化フラグ233nのオンに基づく文字タイミング用追加データテーブル232a2とが、それぞれ格納(設定)されている状態である。その結果、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図65(a)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図65(b)では、図65(a)の状態から、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「7」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。また、副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の変動要素の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。なお、コクピット表示領域Dbでは、図65(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。
この図65(b)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図65(a)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図65(a)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2)が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図65(b)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図65(c)では、図65(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」の変動要素では、「ノーマルリーチ」の変動要素で表示されていた「7」図柄のリーチ形成図柄が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbが消去され、その代わりに、第3図柄表示装置81の表示領域左上であってリーチ形成図柄の下側に変動演出の保留球数を示す数字図柄(第1実施形態では、「4」)のリーチ形成図柄が新たに現出表示されている。
また、この「スーパーリーチ」の変動要素では、複数のキャラクタ図柄が勝敗を競う「バトル演出」が表示され、さらに、遊技者側のキャラクタ図柄がセリフを喋り、そのセリフを文字で現したリーチ中文字表示Se2がチャンスアップパターンで表示されている。具体的には、コクピット表示領域Dbを消去した表示領域において、遊技者側のキャラクタ図柄から発せられた「強パターン」のセリフである「とどめだ!」とのリーチ中文字表示Se2が、通常の表示色である「白色」から第1チャンスアップパターンである「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図65(c)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるリーチ中文字表示Se2の文字パターンの抽選では「強パターン」が選択されると共に、各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択され、さらに、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択された結果、リーチ中文字表示Se2も「赤色」で表示されている。つまり、この変動演出にて既に表示されたリーチ発生時文字表示Se1の表示色において、上記文字表示の表示色の変化抽選結果を反映した表示色が現出しているため、このリーチ中文字表示Se2の表示色は、リーチ発生時文字表示Se1の表示色を踏襲した表示となっている。
この図65(c)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図65(a)及び図65(b)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図65(a)及び図65(b)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2)が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図65(c)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図65(d)では、図65(c)の状態から、「スーパーリーチ」において「際演出」が実行されて、該「際演出」において遊技者側のキャラクタ図柄(左側キャラクタ図柄)が敵側のキャラクタ図柄(右側キャラクタ図柄)に負けて、「ハズレ表示」が現出することを示唆する内容が表示されている状態を示した図である。
図65(d)の表示状態は、第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示されていた「7」図柄のリーチ形成図柄において、その中央部分にリーチ形成図柄とは異なる「8」図柄が停止表示されている。即ち、第3図柄表示装置81の表示領域左上において、「787」との「ハズレ表示」を示唆する表示が行われている。また、コクピット表示領域Dbが継続して消去され、第3図柄表示装置81の表示領域左上であってリーチ形成図柄の下側に変動演出の保留球数を示す数字図柄が継続して表示されている。
この図65(d)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図65(a)〜図65(c)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図65(a)〜図65(c)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2)が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図65(d)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図65(e)では、図65(d)の状態から、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵キャラクタ図柄に負けて、主表示領域Dmにおいて仮の「ハズレ表示」が現出すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面において副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbが再表示された状態を示している。この状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄と、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄とが再び視認可能となっている。
また、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄は、仮の「ハズレ表示」が現出したことによって、失望した態様で表示され、左小領域Ds1には、該キャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現した疑似定型句文字表示Se4がチャンスアップパターンで表示されている。具体的には、左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「すまねぇ・・・」との疑似定型句文字表示Se4が、通常の表示色である「白色」から「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図65(e)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se4の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択された結果、疑似定型句文字表示Se4も「赤色」で表示されている。つまり、この変動演出にて既に表示されたリーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2の表示色において、上記文字表示の表示色の変化抽選結果を反映した表示色が現出しているため、この疑似定型句文字表示Se4の表示色は、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2の表示色を踏襲した表示となっている。
ここで、この変動演出では、上述したように、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択されている。よって、各文字表示Se1〜Se3の表示色は、上述したように一括設定されているため、疑似定型句文字表示Se4(定型句文字表示Se3)も該複数変更に伴って「赤色」で表示すべきであり、また、該変動演出ではこの仮の「ハズレ表示」から「再変動」の変動要素が行われ、「大当たり表示」が現出することから、疑似定型句文字表示Se4(定型句文字表示Se3)をチャンスアップパターンのまま表示しても遊技者に不信感等を与えることがなく、該チャンスアップパターンの表示色を修正する必要がない。
従って、この図65(e)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図65(a)〜図65(d)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図65(a)〜図65(d)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2)が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図65(e)の表示状態となるように表示制御を実行する。
また、遊技者は、図65(e)の表示内容を認識した場合、図65(d)で示すように「スーパーリーチ」の変動要素の「バトル演出」において遊技者側のキャラクタ図柄が負けたことにより、該「スーパーリーチ」の変動要素では「大当たり表示」が現出せず「ハズレ表示」が現出することを予測する。しかし、疑似定型句文字表示Se4(遊技者は定型句文字表示Se3と認識している)の表示色が「赤色」で表示されたことから、遊技者は、上記「ハズレ表示」の予測に対して違和感を感じ、該変動演出が「ハズレ表示」のまま確定するのではなく、何かしらの追加的な演出が実行されるのでは、と予測し直す。
図65(f)では、図65(e)の状態から、主表示領域Dmにおいて「再変動」の変動要素が実行されている状態を示している。この「再変動」の変動要素では、主表示領域Dmが拡大して表示されると共に副表示領域Dsが消去され、各表示領域Dm1〜Dm3において「787」と停止表示されていた「ハズレ表示」が再び変動を開始し、最終的に「大当たり表示」である「777」で停止表示される。遊技者は、「再変動」の変動要素が発生したことに対して驚くと共に、図65(e)の段階で推測した通り、変動演出が「ハズレ表示」で確定せずに発展して、「大当たり表示」が現出したことに対して幸福感と満足感とを得ることができる。
このように、変動演出が「大当たり表示」で確定する場合には、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2においてチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)が実行されていたとき、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」後に表示される疑似定型句文字表示Se4及び定型句文字表示Se3においても、チャンスアップパターンを踏襲して表示するように構成する。即ち、「大当たり表示」の変動演出において、疑似定型句文字表示Se4及び定型句文字表示Se3の表示色を「赤色」で表示するように構成する。このように構成することで、大当たりの変動演出において追加的にコマンドを用意する必要がなく、また、そもそも演出内容の齟齬が発生しないため、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
以上、説明したように、第1実施形態のパチンコ機10によれば、変動演出が「ハズレ表示」で確定する場合には、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2においてチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)が実行されていたとしても、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」後に表示される定型句文字表示Se3では、チャンスアップパターンを現出しないように構成する。即ち、「ハズレ表示」の変動演出において、定型句文字表示Se3の表示色を通常のパターンである「白色」で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
従来、変動演出の複数の箇所で文字表示が現出する構成の場合に、それぞれの現出箇所毎にチャンスアップパターンを抽選する構成であると、その現出箇所分の抽選処理が必要になって制御が複雑化し、処理負担が増大してしまうおそれがある。また、変動演出において先に実行される現出箇所でチャンスアップパターンの文字表示を現出させた後、後に実行される箇所でチャンスアップパターンでない通常のパターンの文字表示を現出させてしまうと、大当たり期待度が成り下がった表現(以下、「成り下がり表現」という)になってしまい、折角、チャンスアップパターンの現出によって気分が高揚していた遊技者が、該成り下がり表現を目の当たりにすることで興醒めしてしまうおそれがある。
そこで、変動演出の文字表示においてチャンスアップパターンの抽選を一括で行い、一度でもチャンスアップパターンが現出された場合は、以降の文字表示においてもチャンスアップパターンを踏襲して現出させるように構成することで、それぞれの現出箇所毎に抽選処理を行う必要がなくなり、処理負担を軽減させることができる。また、チャンスアップパターンに設定された場合に、該チャンスアップパターンを以降の文字表示でも踏襲することで、文字表示における成り下がり表現が発生してしまう現象を未然に排除して、遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。特に、変動演出においてチャンスアップパターンを実行可能な文字表示の現出箇所が多くなればなるほど(例えば、5箇所以上等)、上記一括抽選が好適に作用し、制御負担を顕著に軽減させることが可能となる。
しかしながら、各文字表示Se1〜Se4のチャンスアップパターンについて複数変更する場合、例えば、変動演出において「際演出」が実行されて「ハズレ表示」が現出している状態で、定型句文字表示Se3がチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)で表示されてしまうことがある。このような場合、遊技者は、該定型句文字表示Se3がチャンスアップパターンで表示されたことによって、該変動演出がこのまま「ハズレ表示」で確定せず、今から「再変動」の演出が実行されて「ハズレ表示」が「大当たり表示」に変化するのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、変動演出が「ハズレ表示」のまま確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、パチンコ機10に対して不信感を募らせると共に、該パチンコ機10を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出が「ハズレ表示」で確定する場合には、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2においてチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)が実行されていたとしても、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」後に表示される定型句文字表示Se3では、チャンスアップパターンを現出しないように構成する。即ち、「ハズレ表示」の変動演出において、定型句文字表示Se3の表示色を通常のパターンである「白色」で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出において「再変動」の変動要素が実行されて「ハズレ表示」で確定せずに「大当たり表示」となるか否かを判別し、「再変動」の変動要素が含まれる場合には、その変動演出は大当たりとなるため、疑似定型句文字表示Se4(定型句文字表示Se3)にチャンスアップパターンを表示しても、遊技者の気分を害することがない。よって、チャンスアップパターンが選定されていた際に、疑似定型句文字表示Se4(定型句文字表示Se3)においてチャンスアップパターンを表示する。
一方、変動演出において「再変動」の変動要素を含まない場合には、チャンスアップパターンが選定されていた際に、変動演出において「再変動」の変動要素は含まないが、「大当たり表示」となるか否かを判別し、「大当たり表示」となる場合も、定型句文字表示Se3にチャンスアップパターンを表示しても、遊技者の気分を害することがない。よって、チャンスアップパターンが選定されていた際に、定型句文字表示Se3においてチャンスアップパターンを表示する。
しかし、変動演出に「再変動」の変動要素も含まず、「大当たり表示」ともならない場合は、定型句文字表示Se3においてチャンスアップパターンを表示してしまうと、遊技者は、該チャンスアップパターンを認識したことにより、「大当たり表示」が発生するのではないか、との過度な期待を抱いてしまう。そこで、変動演出において、「再変動」の変動要素を含まず、また、「大当たり表示」ともならない場合は、定型句文字表示Se3においてチャンスアップパターンではない通常の表示色(「白色」)で表示する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10において、表示制御装置114のMPU231は、際後制限フラグ233pがオンに設定された場合に、該際後制限フラグ233pのオンに対応した文字修正用追加データテーブル232a2を決定し、該文字修正用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)する(図55のS2203参照)。そして、MPU231は、上述したように、表示データテーブルバッファ233bに設定(格納)された表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)された文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて描画リストを作成する。
これにより、上記文字修正用追加データテーブル232a2が設定されることで、「リーチ表示」の「際演出」が実行された後に表示される定型句文字表示Se3の表示色が、上述した文字表示の表示色の変化抽選に当選したことに基づいて文字色用追加データテーブル232a2によって設定されたチャンスアップパターンであっても、文字修正用追加データテーブル232a2によって通常の表示色である「白色」で表示される。よって、際後制限フラグ233pの設定内容に基づいて文字修正用追加データテーブル232a2を作成し、追加データテーブルバッファ233cに該文字修正用追加データテーブル232a2を格納するだけで、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2がチャンスアップパターンに変更されて表示されていた場合でも、定型句文字表示Se3の表示色を通常の表示色である「白色」に修正(再変更)することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10において、変動演出を開始する際に、変動演出の演出態様(変動要素)を判別し、その判別に基づいて、定型句文字表示Se3(疑似定型句文字表示Se4)の表示色を、チャンスアップパターンのまま表示するか、通常の表示色に修正(再変更)して表示するか否かを決定し、その決定内容に基づいて表示制御装置114に対して表示用定型句通常コマンドを送信する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができると共に、変動演出の開始時に表示制御装置114に変動演出で現出すべき文字表示の内容を通知することができ、変動演出における表示制御を確実に行うことが可能となる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10において、音声ランプ制御装置113のMPU221において、変動演出で「リーチ表示」が選択された場合に表示される各文字表示Se1〜Se4の表示態様を詳細に決定し、その決定内容に基づいて表示制御装置114へコマンドを送信することで、各文字表示Se1〜Se4の表示制御を実行させるように構成されている。また、各文字表示Se1〜Se4の表示態様に関し、各文字表示Se1,Se2の文字パターンと、各文字表示Se1〜Se4の表示色と、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングとを、別々の抽選により決定し、それぞれの決定に基づいて随時コマンドを生成して設定するように構成している。
仮に、各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色および変化タイミングをすべて決定した後で、1のコマンドにて各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色及び変化タイミングに関するコマンドを生成した場合は、文字パターン、表示色及び変化タイミングのすべてのバリエーションに応じたコマンド数を予め用意しなければならず、コマンド数が膨大になるおそれがある。よって、各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色及び変化タイミングのそれぞれ別個にコマンドを生成し、そのコマンドに基づいて表示制御装置114側で各文字表示Se1〜Se4の表示制御を調整することで、各文字表示Se1〜Se4に関するコマンド数を削減し、ROM222の記憶容量の増大を抑制することができる。
特に、本パチンコ機10では、各文字表示Se1〜Se4のチャンスアップパターンが選択されていた場合であっても、該変動演出の結果が「ハズレ表示」であったときは、定型句文字表示Se3を通常の表示色に修正(再変更)して表示するように構成されている。この場合も、各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色、変化タイミング及び表示色の修正内容をすべて決定した後で、1のコマンドにて各文字表示Se1〜Se4に関するコマンドを生成した場合は、修正する内容も含めてすべての表示態様のバリエーションに応じたコマンド数を予め用意しなければならず、コマンド数が飛躍的に増大化するおそれがある。よって、各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色、変化タイミングおよび表示色の修正内容のそれぞれで別個にコマンドを生成し、そのコマンドに基づいて表示制御装置114側で各文字表示Se1〜Se4の表示制御を調整することで、各文字表示Se1〜Se4に関するコマンド数を削減し、ROM222の記憶容量の増大を抑制することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10において、リーチ中文字表示Se2が表示される「スーパーリーチ」の変動要素の実行中にコクピット表示領域Dbを消去し、そのコクピット表示領域Dbが消去された表示領域にリーチ中文字表示Se2を表示するように構成することで、消去したコクピット表示領域Dbの表示領域を有効利用しつつ、リーチ中文字表示Se2の表示内容を他の表示物と重複しないように表示することができる。よって、リーチ中文字表示Se2の表示内容を遊技者に見易くすると共に、変動演出の演出内容を的確に認識させることができる。
さらに、保留球数コマンドを受信した段階で再変動情報格納エリア223i8(223h8)に記憶されている再変動情報を用いて判別を行うことで、即座に変動演出において「再変動」の変動要素が実行されるか否かを判別することができる。また、保留球数コマンド受信時に「再変動」の変動要素の有無を再変動情報格納エリア223h8(223i8)に格納し、以後は、該再変動情報格納エリア223h8(223i8)に格納された再変動情報に基づいて、各文字表示Se1〜Se4の表示態様を決定することができると共に、「保留消去後」のタイミングでの「保留変化予告」の実行可否を決定することができ、複数の演出の実行判定において再変動情報を有効的に活用することができる。
<第2実施形態>
次いで、図66から図72を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、変動演出において、「再変動」の変動要素を含む場合、又は、「再変動」の変動要素は含まないが「大当たり表示」となる場合に、各文字表示Se1〜Se4の表示色のチャンスアップパターンが選択されていたときは、定型句文字表示Se3及び疑似定型句文字表示Se4においてチャンスアップパターンをそのまま表示するように構成している。また、変動演出において、「再変動」の変動要素を含まない場合、又は、「大当たり表示」とならない場合、即ち、変動演出が「ハズレ表示」となる場合には、各文字表示Se1〜Se3の表示色のチャンスアップパターンが選択されていても、定型句文字表示Se3の表示色を通常の表示色で表示するように構成している。
ここで、遊技者は、遊技を行う上で、多量の球を獲得可能な大当たり状態を目指して遊技を行っているが、大当たり状態の中でも、大当たり状態の後に「確率変動状態」が追加的に付与される大当たりが付与されることを第一に期待しながら遊技を行っている。具体的には、本パチンコ機10には、大当たりの種別として、大当たり状態後に「確率変動状態」が付与される「15R確変大当たり」や「2R確変大当たり」と、大当たり状態後に「確率変動状態」は付与されないが「時間短縮状態」が付与される「15R通常大当たり」と、が設けられているが、遊技者は、「15R通常大当たり」が付与されることより、「15R確変大当たり」や「2R確変大当たり」が付与されることを期待しながら遊技を行っている。
これは、大当たり状態の後に「確率変動状態」が付与された場合は、次の大当たり状態が発生するまで、大当たりの当選確率が「通常遊技状態」より高くなると共に、次の大当たり状態が発生するまで第1入球口64へ球が入球し易い状態(「時間短縮状態」の開放延長と同等)が継続する。そして、次の大当たりも「確率変動状態」であれば、再び上記遊技状態に遷移することから、大当たり状態が連鎖する可能性が高く、該連鎖する大当たりによって得られる遊技価値が大きいからである。一方、大当たり状態の後に「時間短縮状態」が付与された場合は、所定回数の「時間短縮状態」が付与されることで第1入球口64への球の入球が容易にはなるが、大当たりの発生確率自体は変更されていない。よって、該所定回数行われる「時間短縮状態」中に大当たりに当選しない場合は、遊技状態が「通常遊技状態」に戻ってしまうため、継続して大当たり状態が付与される可能性が低く、得られる遊技価値が少ないからである。つまり、遊技者は、一時的な多くのラウンド数が付与される大当たりより、「確率変動状態」が付与される大当たりを期待しながら遊技を行っている。よって、遊技者は、得られる大当たり状態の種別に関し、「15R確変大当たり」>「2R確変大当たり」>「15R通常大当たり」の順で期待しながら遊技を行っている。
このような構成において、例えば、変動演出が「15R通常大当たり」となる場合に、定型句文字表示Se3においてチャンスアップパターンを表示すると、遊技者は、該定型句文字表示Se3のチャンスアップパターンを認識したときに、該チャンスアップパターンの現出に基づいて、現出中の「15R通常大当たり」が「15R確変大当たり」等に昇格する「昇格」演出が発生し、この変動演出が「15R通常大当たり」の大当たり図柄で確定せずに、「15R確変大当たり」や「2R確変大当たり」に発展し、得られる遊技価値が高まるのでは、と期待する。しかし、その期待に反し、「昇格」演出が実行されず、変動演出が「15R通常大当たり」で確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、パチンコ機10に対して不信感を募らせると共に、該パチンコ機10を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、「時間短縮状態」の終了後に即座に遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、第2実施形態のパチンコ機10では、変動演出において「大当たり表示」が発生する場合であっても、該「大当たり表示」が「15R通常大当たり」であって、「昇格」演出も行われないときは、定型句文字表示Se3では、チャンスアップパターンを表示しないように構成する。即ち、変動演出において、「昇格」演出の実行有無を判別し、その判別の結果、「昇格」演出が行われないと判別された場合は、定型句文字表示Se3の表示色を通常のパターンである「白色」で表示するように構成する。このように構成することで、「昇格」演出が実行されない「15R通常大当たり」が付与される変動演出において、定型句文字表示Se3を通常のパターンである「白色」で表示し、遊技者に過度な期待を抱かせず、大当たりが付与されたことによる気分を害さない快適な遊技を提供することができる。
以下、第2実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図66及び図67を参照して、第2実施形態における確変大当たり用の大当たり用変動パターンテーブル202e1の詳細について説明する。図66及び図67は、ROM202に記憶される確変大当たり用の大当たり用変動パターンテーブル202e1の一例を模式的に示した図である。この確変大当たり用の大当たり用変動パターンテーブル202e1は、「15R確変大当たり」に当選した場合にもれなく選択される変動パターンテーブル202eである。なお、「15R通常大当たり」に当選した場合に選択される通常大当たり用の大当たり用変動パターンテーブル202e1は別途設けられているが、ここでの説明は省略する。
第2実施形態の大当たり用変動パターンテーブル202e1は、第1実施形態と同様、選択された演出態様に基づいてグループ(群)に区分けされ、演出態様として、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E5:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E6:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E7:スペシャルリーチ」用と、「特殊変動」演出態様が決定された場合に参照される「E8:特殊変動」用と、に区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の取り得る値が対応付けされている。
第2実施形態の確変大当たり用の大当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E5:ノーマルリーチ」には、第1実施形態と同様、「ノーマルリーチのみ」と、「疑似ガセ+ノーマルリーチ」と、「疑似連1+ノーマルリーチ」と、「ノーマルリーチ+再変動」と、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動」と、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動」との6つの変動パターンのほかに、上記各変動パターンにそれぞれ「昇格」演出を加えた6つの変動パターンが追加され、計12の変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の取り得る値が対応付けられている。
ここで、「昇格」演出とは、上述したように、変動演出において「15R確変大当たり」が確定表示される場合に、変動演出の「際演出」の後に「15R通常大当たり」に対応する大当たり図柄を仮表示し、その後、その「15R通常大当たり」に対応する大当たり図柄を変更して「15R確変大当たり」に対応する図柄に変更するまでの期間に行われる変更演出である。本パチンコ機10では、「昇格」演出が行われた場合、必ず「15R通常大当たり」の大当たり図柄が「15R確変大当たり」の大当たり図柄に変更されるように構成されている。また、「昇格」演出は、「15R確変大当たり」に当選した場合でのみ実行され得る演出であり、「15R確変大当たり」に当選していない場合、即ち、「ハズレ表示」、「15R通常大当たり」又は「2R確変大当たり」が現出する変動演出で実行されることはないように設定されている。なお、本パチンコ機10において、「昇格」演出の変動要素は、5秒間行われるように構成され、該5秒間の演出の中で、「15R通常大当たり」に対応する図柄が、「15R確変大当たり」に対応する図柄に変更される。
従って、第2実施形態において、「E5:ノーマルリーチ」に追加された変動パターンとしては、全体の変動時間が20秒の「ノーマルリーチ+昇格」と、全体の変動時間が30秒の「疑似ガセ+ノーマルリーチ+昇格」と、全体の変動時間が40秒の「疑似連1+ノーマルリーチ+昇格」と、全体の変動時間が30秒の「ノーマルリーチ+再変動+昇格」と、全体の変動時間が40秒の「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動+昇格」と、全体の変動時間が50秒の「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動+昇格」と、が設けられている。
図66で示す例では、「E5:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「ノーマルリーチのみ(01H)」に対して「0〜4」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」に対して「5〜9」、「疑似連1+ノーマルリーチ(03H)」に対して「10〜29」、「ノーマルリーチ+再変動(04H)」に対して「30〜39」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動(05H)」に対して「40〜49」、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(06H)」に対して「50〜99」、「ノーマルリーチ+昇格(07H)」に対して「100〜104」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+昇格(08H)」に対して「105〜109」、「疑似連1+ノーマルリーチ+昇格(09H)」に対して「110〜129」、「ノーマルリーチ+再変動+昇格(0AH)」に対して「130〜139」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動+昇格(0BH)」に対して「140〜149」、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動+昇格(0CH)」に対して「150〜199」となっている。
即ち、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様では、「ノーマルリーチのみ(01H)」の変動パターンが2.5%、「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」の変動パターンが2.5%、「疑似連1+ノーマルリーチ(03H)」の変動パターンが10%、「ノーマルリーチ+再変動(04H)」の変動パターンが5%、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動(05H)」の変動パターンが5%、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(06H)」の変動パターンが25%、「ノーマルリーチ+昇格(07H)」の変動パターンが2.5%、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+昇格(08H)」の変動パターンが2.5%、「疑似連1+ノーマルリーチ+昇格(09H)」の変動パターンが10%、「ノーマルリーチ+再変動+昇格(0AH)」の変動パターンが5%、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動+昇格(0BH)」の変動パターンが5%、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動+昇格(0CH)」の変動パターンが25%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「ノーマルリーチ」演出態様では、「再変動」の変動要素を含む変動パターンが選択され易く(全体の70%)なっており、特に、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(06H)」、又は、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動+昇格(0CH)」の変動パターンが選択され易く(2つで全体の50%)なっている。ただし、「再変動」の変動要素を含まない「ノーマルリーチのみ(01H)」や「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
また、第2実施形態では、「15R確変大当たり」に当選した場合における「ノーマルリーチ」演出態様では、「昇格」演出を含む変動パターンが50%の確率で選択されるように構成されている。このように構成することで、変動演出において、一旦、「大当たり表示」である「15R通常大当たり」を仮停止し、大当たり遊技が発生することで第1の興趣を付与し、さらに、「昇格」演出を行って「15R通常大当たり」が「15R確変大当たり」となることで第2の興趣を付与することができ、意外性のある遊技を行って、遊技の興趣を高めることができる。
第2実施形態の確変大当たり用の大当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E6:スーパーリーチ」には、第1実施形態と同様、「スーパーリーチのみ」と、「疑似ガセ+スーパーリーチ」と、「疑似連1+スーパーリーチ」と、「疑似連2+スーパーリーチ」と、「スーパーリーチ+再変動」と、「疑似ガセ+スーパーリーチ+再変動」と、「疑似連1+スーパーリーチ+再変動」と、「疑似連2+スーパーリーチ+再変動」の8つの変動パターンのほかに、上記各変動パターンにそれぞれ「昇格」演出を加えた8つの変動パターンが追加され、計16の変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の取り得る値が対応付けられている。
従って、第2実施形態において、「E6:スーパーリーチ」に追加された変動パターンとしては、全体の変動時間が30秒の「スーパーリーチ+昇格」と、全体の変動時間が40秒の「疑似ガセ+スーパーリーチ+昇格」と、全体の変動時間が50秒の「疑似連1+スーパーリーチ+昇格」と、全体の変動時間が60秒の「疑似連2+スーパーリーチ+昇格」と、全体の変動時間が40秒の「スーパーリーチ+再変動+昇格」と、全体の変動時間が50秒の「疑似ガセ+スーパーリーチ+再変動+昇格」と、全体の変動時間が60秒の「疑似連1+スーパーリーチ+再変動+昇格」と、全体の変動時間が70秒の「疑似連2+スーパーリーチ+再変動+昇格」と、が設けられている。
図66で示す例では、「E6:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「スーパーリーチのみ(01H)」に対して「0〜4」、「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」に対して「5〜9」、「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」に対して「10〜29」、「疑似連2+スーパーリーチ(04H)」に対して「30〜49」、「スーパーリーチ+再変動(05H)」に対して「50〜59」、「疑似ガセ+スーパーリーチ+再変動(06H)」に対して「60〜69」、「疑似連1+スーパーリーチ+再変動(07H)」に対して「70〜84」、「疑似連2+スーパーリーチ+再変動(08H)」に対して「85〜99」、「スーパーリーチ+昇格(09H)」に対して「100〜104」、「疑似ガセ+スーパーリーチ+昇格(0AH)」に対して「105〜109」、「疑似連1+スーパーリーチ+昇格(0BH)」に対して「110〜129」、「疑似連2+スーパーリーチ+昇格(0CH)」に対して「130〜149」、「スーパーリーチ+再変動+昇格(0DH)」に対して「150〜159」、「疑似ガセ+スーパーリーチ+再変動+昇格(0EH)」に対して「160〜169」、「疑似連1+スーパーリーチ+再変動+昇格(0FH)」に対して「170〜184」、「疑似連2+スーパーリーチ+再変動+昇格(10H)」に対して「185〜199」となっている。
即ち、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様では、「スーパーリーチのみ(01H)」の変動パターンが2.5%、「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」の変動パターンが2.5%、「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」の変動パターンが10%、「疑似連2+スーパーリーチ(04H)」の変動パターンが10%、「スーパーリーチ+再変動(05H)」の変動パターンが5%、「疑似ガセ+スーパーリーチ+再変動(06H)」の変動パターンが5%、「疑似連1+スーパーリーチ+再変動(07H)」の変動パターンが7.5%、「疑似連2+スーパーリーチ+再変動(08H)」の変動パターンが7.5%、「スーパーリーチ+昇格(09H)」の変動パターンが2.5%、「疑似ガセ+スーパーリーチ+昇格(0AH)」の変動パターンが2.5%、「疑似連1+スーパーリーチ+昇格(0BH)」の変動パターンが10%、「疑似連2+スーパーリーチ+昇格(0CH)」の変動パターンが10%、「スーパーリーチ+再変動+昇格(0DH)」の変動パターンが5%、「疑似ガセ+スーパーリーチ+再変動+昇格(0EH)」の変動パターンが5%、「疑似連1+スーパーリーチ+再変動+昇格(0FH)」の変動パターンが7.5%、「疑似連2+スーパーリーチ+再変動+昇格(10H)」の変動パターンが7.5%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、「再変動」の変動要素を含む変動パターンと「再変動」の変動要素を含まない変動パターンとが均等(互いに50%)に選択されるようになっている。また、「疑似連2」の変動要素を含む変動パターンが選択され易く(35%)なっている。ただし、「再変動」の変動要素や「疑似連2」の変動要素を含まない「スーパーリーチのみ(01H)」や「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
また、第2実施形態では、「15R確変大当たり」に当選した場合における「スーパーリーチ」演出態様では、「昇格」演出を含む変動パターンが50%の確率で選択されるように構成されている。このように構成することで、変動演出において、一旦、「大当たり表示」である「15R通常大当たり」を仮停止し、大当たり遊技が発生することで第1の興趣を付与し、さらに、「昇格」演出を行って「15R通常大当たり」が「15R確変大当たり」となることで第2の興趣を付与することができ、意外性のある遊技を行って、遊技の興趣を高めることができる。
第2実施形態の確変大当たり用の大当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E7:スペシャルリーチ」には、第1実施形態と同様、「スペシャルリーチのみ」と、「疑似ガセ+スペシャルリーチ」と、「疑似連1+スペシャルリーチ」と、「疑似連2+スペシャルリーチ」と、「スペシャルリーチ+再変動」と、「疑似ガセ+スペシャルリーチ+再変動」と、「疑似連1+スペシャルリーチ+再変動」と、「疑似連2+スペシャルリーチ+再変動」の8つの変動パターンのほかに、上記各変動パターンにそれぞれ「昇格」演出を加えた8つの変動パターンが追加され、計16の変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の取り得る値が対応付けられている。
従って、第2実施形態において、「E7:スペシャルリーチ」に追加された変動パターンとしては、全体の変動時間が40秒の「スペシャルリーチ+昇格」と、全体の変動時間が50秒の「疑似ガセ+スペシャルリーチ+昇格」と、全体の変動時間が60秒の「疑似連1+スペシャルリーチ+昇格」と、全体の変動時間が70秒の「疑似連2+スペシャルリーチ+昇格」と、全体の変動時間が50秒の「スペシャルリーチ+再変動+昇格」と、全体の変動時間が60秒の「疑似ガセ+スペシャルリーチ+再変動+昇格」と、全体の変動時間が70秒の「疑似連1+スペシャルリーチ+再変動+昇格」と、全体の変動時間が80秒の「疑似連2+スペシャルリーチ+再変動+昇格」と、が設けられている。
図67で示す例では、「E7:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「スペシャルリーチのみ(01H)」に対して「0〜4」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」に対して「5〜9」、「疑似連1+スペシャルリーチ(03H)」に対して「10〜19」、「疑似連2+スペシャルリーチ(04H)」に対して「20〜49」、「スペシャルリーチ+再変動(05H)」に対して「50〜54」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ+再変動(06H)」に対して「55〜59」、「疑似連1+スペシャルリーチ+再変動(07H)」に対して「60〜69」、「疑似連2+スペシャルリーチ+再変動(08H)」に対して「70〜99」、「スペシャルリーチ+昇格(09H)」に対して「100〜104」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ+昇格(0AH)」に対して「105〜109」、「疑似連1+スペシャルリーチ+昇格(0BH)」に対して「110〜119」、「疑似連2+スペシャルリーチ+昇格(0CH)」に対して「120〜149」、「スペシャルリーチ+再変動+昇格(0DH)」に対して「150〜154」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ+再変動+昇格(0EH)」に対して「155〜159」、「疑似連1+スペシャルリーチ+再変動+昇格(0FH)」に対して「160〜169」、「疑似連2+スペシャルリーチ+再変動+昇格(10H)」に対して「170〜199」となっている。
即ち、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様では、「スペシャルリーチのみ(01H)」の変動パターンが2.5%、「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」の変動パターンが2.5%、「疑似連1+スペシャルリーチ(03H)」の変動パターンが5%、「疑似連2+スペシャルリーチ(04H)」の変動パターンが15%、「スペシャルリーチ+再変動(05H)」の変動パターンが2.5%、「疑似ガセ+スペシャルリーチ+再変動(06H)」の変動パターンが2.5%、「疑似連1+スペシャルリーチ+再変動(07H)」の変動パターンが5%、「疑似連2+スペシャルリーチ+再変動(08H)」の変動パターンが15%、「スペシャルリーチ+昇格(09H)」の変動パターンが2.5%、「疑似ガセ+スペシャルリーチ+昇格(0AH)」の変動パターンが2.5%、「疑似連1+スペシャルリーチ+昇格(0BH)」の変動パターンが5%、「疑似連2+スペシャルリーチ+昇格(0CH)」の変動パターンが15%、「スペシャルリーチ+再変動+昇格(0DH)」の変動パターンが2.5%、「疑似ガセ+スペシャルリーチ+再変動+昇格(0EH)」の変動パターンが2.5%、「疑似連1+スペシャルリーチ+再変動+昇格(0FH)」の変動パターンが5%、「疑似連2+スペシャルリーチ+再変動+昇格(10H)」の変動パターンが15%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「スペシャルリーチ」演出態様では、「再変動」の変動要素を含む変動パターンと「再変動」の変動要素を含まない変動パターンとが均等(互いに50%)に選択されるようになっている。また、「疑似連2」の変動要素を含む変動パターンが選択され易く(60%)なっている。ただし、「再変動」の変動要素や「疑似連2」の変動要素を含まない「スペシャルリーチのみ(01H)」や「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
また、第2実施形態では、「15R確変大当たり」に当選した場合における「スペシャルリーチ」演出態様では、「昇格」演出を含む変動パターンが50%の確率で選択されるように構成されている。このように構成することで、変動演出において、一旦、「大当たり表示」である「15R通常大当たり」を仮停止し、大当たり遊技が発生することで第1の興趣を付与し、さらに、「昇格」演出を行って「15R通常大当たり」が「15R確変大当たり」となることで第2の興趣を付与することができ、意外性のある遊技を行って、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第2実施形態の確変大当たり用の大当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E8:特殊変動」は、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、図68を参照して、第2実施形態における「昇格」演出を含む変動演出における各文字表示Se1〜Se3の現出タイミングについて説明する。図68は、第2実施形態における「昇格」演出を含む変動パターンの変動演出の一例を示すタイムチャートであって、図68(a)は、比較例として、第2実施形態における「スーパーリーチのみ」における各文字表示Se1〜Se3の現出タイミングを示すタイムチャートであり、図68(b)は、第2実施形態における「スーパーリーチ+昇格」における各文字表示Se1〜Se3の現出タイミングを示すタイムチャートである。なお、各タイムチャートにおいて、タイムチャートの上側部分に、変動演出における変動要素や図柄の停止等の事象を秒数と共に記載し、タイムチャートの下側部分に、変動演出で現出する各文字表示Se1〜Se3の名称を、各現出タイミングに応じて記載している。
図68で示すように、文字表示の現出タイミングである「リーチ発生時」とは、第1実施形態と同様、変動演出において、「低速変動」の変動要素が終了した後であって「ノーマルリーチ」の変動要素が発生したタイミングのことであり、この「リーチ発生時」の文字表示として、リーチ発生時文字表示Se1が対応している。また、文字表示の現出タイミングである「リーチ中」とは、第1実施形態と同様、変動演出において「スーパーリーチ」の変動要素(又は「スペシャルリーチ」の変動要素)の実行中であって「大当たり表示」又は「ハズレ表示」を示唆する内容を示す「際演出」の直前のタイミングのことであり、この「リーチ中」の文字表示として、リーチ中文字表示Se2が対応している。
また、文字表示の現出タイミングである「図柄停止」とは、変動演出においていずれかの「リーチ表示」(又は「再変動」の変動要素)が実行された後に、主表示領域Dmにおいて確定表示される「大当たり表示」又は「ハズレ表示」が表示されるタイミングのことである。また、「図柄仮停止」とは、「昇格」演出を含む「大当たり表示」の場合には、暫定的な「大当たり表示」(即ち、「15R通常大当たり」の表示結果)を現出した後であって、「昇格」演出が実行される前のタイミングのことである。即ち、「図柄停止」の文字表示とは、「リーチ表示」若しくは「再変動」の変動要素が終了した時点、又は、「昇格」演出が実行される場合にあっては、該「昇格」演出の実行前の時点であり、該各時点において副表示領域Dsの中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄から定型句文字表示Se3が発せられたように表示される。
第2実施形態では、この「昇格」演出後を除く「図柄停止」時又は「図柄仮停止」時に表示される定型句文字表示Se3は、主表示領域Dmに確定表示される第3図柄の表示結果に対応して表示されるように構成されている。具体的には、「大当たり表示」に対応した「やったぜ!」と、「ハズレ表示」に対応した「すまねぇ・・・」との2種類の文字表示が用意されている(図68(a)参照)。また、この定型句文字表示Se3は、「昇格」演出が行われる前に表示される暫定的な「大当たり表示」が現出している場合も、この暫定的な「大当たり表示」に対応した「やったぜ!」が表示されるように構成されている(図68(b)参照)。
このような構成において、例えば、図68(a)の「スーパーリーチのみ」の変動パターンが選択されていた場合であって、変動演出が「15R通常大当たり」となるとき、定型句文字表示Se3においてチャンスアップパターンを表示すると、遊技者は、該定型句文字表示Se3のチャンスアップパターンを認識したときに、該チャンスアップパターンの現出に基づいて、図68(b)で示すように、現出中の「15R通常大当たり」が「15R確変大当たり」等に昇格する「昇格」演出が発生して、この変動演出が「15R通常大当たり」の大当たり図柄で確定せずに、「15R確変大当たり」や「2R確変大当たり」に発展し、得られる遊技価値が高まるのでは、と期待する。しかし、その期待に反し、「昇格」演出が実行されず、変動演出が「15R通常大当たり」で確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、パチンコ機10に対して不信感を募らせると共に、該パチンコ機10を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、この「15R通常お大当たり」によって付与された「時間短縮状態」の終了後に即座に遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、第2実施形態のパチンコ機10では、変動演出において「大当たり表示」が発生する場合であっても、該「大当たり表示」が「15R通常大当たり」であって、図68(a)で示す「昇格」演出も行われないときは、定型句文字表示Se3では、チャンスアップパターンを表示しないように構成する。即ち、変動演出において、「昇格」演出の実行有無を判別し、その判別の結果、「昇格」演出が行われないと判別された場合は、定型句文字表示Se3の表示色を通常のパターンである「白色」で表示するように構成する。このように構成することで、「昇格」演出が実行されない「15R通常大当たり」が付与される変動演出において、定型句文字表示Se3を通常のパターンである「白色」で表示し、遊技者に過度な期待を抱かせず、大当たりが付与されたことによる気分を害さない快適な遊技を提供することができる。
次に、図69を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた保留情報格納エリア223hおよび実行情報格納エリア223iについて説明する。図69は、第2実施形態における保留情報格納エリア223hおよび実行情報格納エリア223iの構成を模式的に示した図である。第2実施形態における保留情報格納エリア223hおよび実行情報格納エリア223iの構成において、第1実施形態と相違する点は、保留情報格納エリア223hおよび実行情報格納エリア223iに、それぞれ、「昇格」演出が実行されることを示す昇格演出情報を記憶する昇格情報格納エリア223h9,223i9が設けられている点である。その他の構成については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
昇格情報格納エリア223h9,223i9は、上述したように、変動演出において「昇格」演出が実行されるか否かを示す昇格演出情報を記憶するためのエリアである。この昇格情報格納エリア223h9には、保留情報格納Xエリアの各カウンタ格納エリア223h1〜223h4に格納された各値に基づいて、先読み処理(保留表示設定処理(図70参照))を行い、この先読み処理の結果に基づいて生成された昇格演出情報が格納される。そして、実行情報格納エリア223iには、保留情報格納エリア223hおよび実行情報格納エリア223iにおいてシフト処理が実行された場合に、保留情報格納第1エリアの各格納エリア223h1〜223h9に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)が、実行情報格納エリア223iの各格納エリア223i1〜223i9に移動されて格納される。
第2実施形態のパチンコ機10では、変動演出の開始時に、実行情報格納エリア223iの昇格情報格納エリア223i9に格納された昇格演出情報を判別し、該昇格情報格納エリア223i9に記憶された昇格演出情報に基づいて、定型句文字表示Se3の表示色に関する制御を行うように構成されている。
次に、図70を参照して、第2実施形態における保留表示設定処理(S1209)について説明する。図70は、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留表示設定処理を示したフローチャートである。
第2実施形態では、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から送信された保留球数コマンドを受信した場合に、この保留表示設定処理を行う。この保留表示設定処理では、第1実施形態と同様、受信した保留球数コマンドが示す保留情報格納第Xエリアの各格納エリア223h1〜223h4に、同じく保留球数コマンドが示す各カウンタC1〜C3,CS1の値をそれぞれ格納する(図70のS1301及びS1302参照)。また、第1実施形態と同様、音声ランプ制御装置113は、各格納エリア223h1〜223h4に格納された各カウンタC1〜C3,CSの値を判別し、その判別結果に応じて、保留変化情報、シナリオデータ、保留消去情報及び再変動情報各格納エリア223h5〜223h8にそれぞれ格納する(図70のS1303〜S1312参照)。一方、第1実施形態との相違点として、音声ランプ制御装置113は、各格納エリア223h1〜223h4に格納された各カウンタC1〜C3,CSの値を判別し、その判別結果に応じて、昇格演出情報を昇格情報格納エリア233h9に格納する(図70のS1351〜S1353参照)。
具体的には、保留表示設定処理(S1209)のS1351の処理において、今回受信した保留球数コマンドが示す変動演出に「昇格」演出が含まれるか否かを判別する(S1351)。第2実施形態では、変動演出に「昇格」演出が含まれない場合は、該変動演出における定型句文字表示Se3の表示色を強制的に「白色」で表示するために、この保留球数コマンドを受信した際に、該保留球数コマンドが示す変動演出に「昇格」演出が含まれるか否かを判定し、その判定結果を保留情報格納エリア223hの昇格情報格納エリア223h9に格納するように構成されている。
S1351の処理の結果、「昇格」演出を含む変動演出であれば(S1351:Yes)、その変動演出で「昇格」演出が行われることを示す昇格演出情報を、保留情報格納第Xエリアの昇格情報格納エリア223h9に格納し(S1352)、処理をS1313へ移行する。ここで昇格情報格納エリア223h9に格納された昇格演出情報は、実行情報格納エリア223iの昇格情報格納エリア223i9に移行した場合に判定され、その判定結果に基づいて定型句文字表示Se3の表示色が決定される。
一方、S1351の処理の結果、「昇格」演出を含まない変動演出であれば(S1351:No)、該変動演出において「昇格」演出は実行されないので、「昇格」演出に関する情報を消去すべく、保留情報格納第Xエリアの昇格情報格納エリア223h9にNullデータを格納し(S1353)、処理をS1313へ移行する。S1353の処理において、昇格情報格納エリア223h9にNullデータを書き込むことにより、例えば、書き込み前に保留情報格納第Xエリアに記憶されていた「昇格」演出に関する情報の重複使用を防止することができ、演出の齟齬(例えば、「昇格」演出を含まないハズレの変動演出であるにもかかわらず昇格演出情報が格納されていることによる不具合)が発生してしまうことを未然に防止することができる。
次に、図71を参照して、第2実施形態における文字色変化制限処理(S1619)について説明する。図71は、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される文字色変化制限処理を示したフローチャートである。
第2実施形態の文字色変化制限処理(S1619)は、変動演出の結果が「大当たり表示」であって、かつ、各文字表示Se1〜Se3の表示色に関して「赤色」又は「金色」のチャンスアップパターンに当選して変更される場合であっても、該変動演出に「昇格」演出を含まないときは、定型句文字表示Se3の表示色を、通常の表示色である「白色」に修正(再変更)する。なお、変動演出の結果が「大当たり表示」でない場合も、定型句文字表示Se3の表示色を、通常の表示色である「白色」に修正(再変更)する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、「再変動」の変動要素の有無を判定して定型句文字表示Se3の表示色を修正(再変更)していないが、第1実施形態と同様、「再変動」の変動要素の有無を判定して、定型句文字表示Se3の表示色を修正(再変更)するように構成してもよい。
この第2実施形態の文字変化制限処理(S1619)では、まず、今回実行する変動演出で「大当たり表示」が現出するか否かを判別する(S1751)。この判別は、コマンド判定処理(図42参照)のS1202の処理においてRAM223に記憶されている変動演出が「大当たり表示」となる演出態様であるか否か、即ち、「E5:ノーマルリーチ」、「E6:スーパーリーチ」、「E7:スペシャルリーチ」又は「E8:特殊変動」か否かを判別する。
S1751の処理において、「大当たり表示」が現出する変動演出であると判別された場合は(S1751:Yes)、次いで、今回実行する変動演出において、「昇格」演出が含まれるか否かを判別する(S1752)。この判別は、保留表示設定処理(図70参照)のS1352又はS1353の処理において保留情報格納エリア223hの昇格情報格納エリア223h9に記憶され、その後のシフト処理(図44のS1403参照)によって実行情報格納エリア223iの昇格情報格納エリア223i9に記憶されている昇格演出情報に「昇格」演出が実行されることが記憶されているか否か、即ち、昇格情報格納エリア223i9に、「E507H」〜「E50CH」の「ノーマルリーチ」の変動要素と「昇格」演出との変動要素を含む変動パターン、「E609H」〜「E610H」の「スーパーリーチ」の変動要素と「昇格」演出との変動要素を含む変動パターン、又は、「E709H」〜「E710H」の「スペシャルリーチ」の変動要素と「昇格」演出との変動要素を含む変動パターン、に関する情報が記憶されているか否かを判別する。
S1752の処理において、昇格情報格納エリア223i9に「昇格」演出を含む変動パターンが記憶されていると判別された場合は(S1752:Yes)、その変動演出において、「大当たり表示」が現出すると共に、「昇格」演出が実行されて「15R通常大当たり」に対応する大当たり図柄から「15R確変大当たり」に対応する大当たり図柄に変更される。よって、該変動演出で「15R通常大当たり」に対応する大当たり図柄が仮表示されている段階で現出する定型句文字表示Se3の表示色をチャンスアップパターンのまま表示したとしても、「昇格」演出が行われて「15R確変大当たり」に対応する大当たり図柄になるため、演出内容の齟齬は生じず、遊技者に不信感を抱かせることがない。よって、定型句文字表示Se3の表示色を変更することなく、この文字色変化制限処理(s1619)を終了して、文字態様設定処理(図46参照)へ戻る。
一方、S1751の処理において、「大当たり表示」が現出する変動演出でないと判別された場合は(S1751:No)、その変動演出は「大当たり表示」ではなく「ハズレ表示」が表示される。この変動演出において、定型句文字表示Se3をチャンスアップパターンのまま表示してしまった場合、演出内容の齟齬から、遊技者に不信感を抱かせてしまうおそれがある。そこで、S1703の処理において、定型句文字表示Se3の表示色を、チャンスアップパターンが設定されているか否かに関わらず、通常の表示色である「白色」で表示されるように表示制御装置114へ通知するための表示用定型句通常コマンドを生成して設定し(S1703)、この文字色変化制限処理(S1619)を終了して、文字態様設定処理(図46参照)へ戻る。
また、S1752の処理において、昇格情報格納エリア223i9に「昇格」演出を含む変動パターンが記憶されていないと判別された場合も(S1752:No)、その変動演出で「大当たり表示」は現出するものの、「昇格」演出は行われないため、「リーチ表示」が終了した際に表示されている「大当たり表示」の結果がそのまま確定する。この変動演出において、「15R通常大当たり」に対応する大当たり図柄が表示されていた場合、定型句文字表示Se3をチャンスアップパターンのまま表示してしまうと、該チャンスアップパターンを表示したにも関わらず「昇格」演出等の発展演出が実行されないことから、演出内容の齟齬が生じ、遊技者に不信感を抱かせてしまうおそれがある。そこで、S1703の処理において、定型句文字表示Se3の表示色を、チャンスアップパターンが設定されているか否かに関わらず、通常の表示色である「白色」で表示されるように表示制御装置114へ通知するための表示用定型句通常コマンドを生成して設定し(S1703)、この文字色変化制限処理(S1619)を終了して、文字態様設定処理(図46参照)へ戻る。
ここで設定された表示用定型句通常コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図41のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114は、この表示用定型句通常コマンドを受信することによって、定型句文字表示Se3の表示色を、チャンスアップパターンが設定されているか否かに関わらず、通常の表示色である「白色」で表示することを認識し、第3図柄表示装置81において表示される定型句文字表示Se3の表示制御を実行する。
このように、変動演出を開始する際に、該変動演出に「大当たり表示」が現出する場合であっても、「昇格」演出が実行されるか否かを判別し、その判別に基づいて、定型句文字表示Se3の表示色を、チャンスアップパターンのまま表示するか、通常の表示色に再変更して表示するか否かを決定する。そして、通常パターンに再変更する場合には、表示制御装置114に対して表示用定型句通常コマンドを送信する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができると共に、変動演出の開始時に表示制御装置114に変動演出で現出すべき文字表示の内容を通知することができ、変動演出における表示制御を確実に行うことが可能となる。
なお、第2実施形態では、疑似定型句文字表示Se4の表示色の修正等は行わないように構成されている。疑似定型句文字表示Se4は、「再変動」の変動要素が実行される場合に表示される文字表示であり、該「再変動」の変動要素を含む変動演出は必ず「大当たり表示」となる。よって、疑似定型句文字表示Se4の表示後は、必ず「再変動」の変動要素が実行されて「大当たり表示」が現出することから、疑似定型句文字表示Se4は、「再変動」の変動要素に対応した文字表示であるといえる。従って、疑似定型句文字表示Se4の表示後に「再変動」の変動要素が必ず実行されることから、疑似定型句文字表示Se4の表示色を修正する必要がない。
ここで、図72を参照して、第2実施形態において、「昇格」演出を含む変動演出における定型句文字表示Se3の表示色について説明する。図72は、第2実施形態の第3図柄表示装置81で実行される大当たりの変動演出において、各文字表示Se1〜Se3のチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)に当選し、「昇格」演出が実行される前に表示される定型句文字表示Se3の表示色が「赤色」のまま表示される状況を示した図である。
具体的には、図72(a)は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「15R通常大当たり」に対応する第3図柄での「リーチ表示(「ノーマルリーチ」の変動要素)」が現出された直後であって、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現したリーチ発生時文字表示Se1が左小領域Ds1に表示されている状態を示した図である。図72(b)は、図72(a)の状態から、該「15R通常大当たり」に対応する第3図柄での「ノーマルリーチ」の変動要素が開始され、副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示した図である。図72(c)は、図72(b)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が開始され、コクピット表示領域Dbが消去されて、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行され、さらに、遊技者側のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現したリーチ中文字表示Se2が表示されている状態を示した図である。図72(d)は、図72(c)の状態から「スーパーリーチ」において「際演出」が実行されて、該「際演出」において「大当たり表示」が現出することを示唆する内容が表示されている状態を示した図である。図72(e)は、図72(d)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が終了し、副表示領域Dsとコクピット表示領域Dbとが再表示されて、主表示領域Dmにおいて「15R通常大当たり」に対応する第3図柄の「大当たり表示」が現出し、さらに、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現した定型句文字表示Se3が左小領域Ds1に表示されている状態を示した図である。図72(f)は、図72(e)の状態から「昇格」演出が実行されて「15R確変大当たり」に対応する第3図柄の「大当たり表示」が現出する間際の状態を示した図である。なお、図72(a)〜図72(f)において、第3図柄の表示態様は省略して表現している。
まず、図72(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「6」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「6」図柄の第3図柄が停止表示され、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」されている状態を示している。従って、所謂、「15R通常大当たり」に対応する第3図柄である「6」図柄による「リーチ表示」が現出された直後の状態である。また、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。
また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたリーチ発生時文字表示Se1が「強パターン」の文字パターン、かつ、チャンスアップパターンである「赤色」で表示されている。具体的には、左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「いけるぜぇ!」とのリーチ発生時文字表示Se1が、通常の表示色である「白色」から「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図72(a)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1の文字パターンの抽選では「強パターン」が選択されると共に、各文字表示Se1〜Se4の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択され、さらに、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択されたことを意味している。
よって、表示制御装置114のMPU231では、音声ランプ制御装置113から少なくともリーチ発生時文字表示Se1の「強パターン」に関するコマンド(後述する図72(c)においてリーチ中文字表示Se2も「強パターン」であることから、表示用強強パターンコマンド)と、表示用赤文字コマンドと、表示用発生時変化コマンドとを受信しており、文字パターンメモリ233jに少なくともリーチ発生時文字表示Se1が「強パターン」であることが設定され、表示用赤文字コマンドに基づいて赤文字フラグ233kがオンに設定され、表示用発生時変化コマンドに基づいて発生時文字色変化フラグ233nがオンに設定されている。
従って、追加データテーブルバッファ233cには、少なくとも、文字パターンメモリ233jの設定内容に基づく文字パターン用追加データテーブル232a2と、赤文字フラグ233kのオンに基づく文字色用追加データテーブル232a2と、発生時文字色変化フラグ233nのオンに基づく文字タイミング用追加データテーブル232a2とが、それぞれ格納(設定)されている状態である。その結果、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図72(a)の表示状態となるように表示制御を実行する。
なお、図72(e)で後述するように、図72で示す変動演出では、「昇格」演出が実行されるため、定型句文字表示Se3の表示色を修正する必要が無い。従って、図72で示す変動演出では、定型句文字表示Se3の表示内容を修正するための文字修正用追加データテーブル232a2が追加データテーブルバッファ233cには格納されていない。
図72(b)では、図72(a)の状態から、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「6」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。また、副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の変動要素の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。なお、コクピット表示領域Dbでは、図72(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。
この図72(b)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図72(a)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図72(a)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2)が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図72(b)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図72(c)では、図72(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」の変動要素では、「ノーマルリーチ」の変動要素で表示されていた「6」図柄のリーチ形成図柄が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbが消去され、その代わりに、第3図柄表示装置81の表示領域左上であってリーチ形成図柄の下側に変動演出の保留球数を示す数字図柄(第1実施形態では、「4」)のリーチ形成図柄が新たに現出表示されている。
また、この「スーパーリーチ」の変動要素では、複数のキャラクタ図柄が勝敗を競う「バトル演出」が表示され、さらに、遊技者側のキャラクタ図柄がセリフを喋り、そのセリフを文字で現したリーチ中文字表示Se2がチャンスアップパターンで表示されている。具体的には、コクピット表示領域Dbを消去した表示領域において、遊技者側のキャラクタ図柄から発せられた「強パターン」のセリフである「とどめだ!」とのリーチ中文字表示Se2が、通常の表示色である「白色」から「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図72(c)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるリーチ中文字表示Se2の文字パターンの抽選では「強パターン」が選択されると共に、各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択され、さらに、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択された結果、リーチ中文字表示Se2も「赤色」で表示されている。つまり、この変動演出にて既に表示されたリーチ発生時文字表示Se1の表示色において、上記文字表示の表示色の変化抽選結果を反映した表示色が現出しているため、このリーチ中文字表示Se2の表示色は、リーチ発生時文字表示Se1の表示色を踏襲した表示となっている。
この図72(c)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図72(a)及び図72(b)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図72(a)及び図72(b)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2)が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図72(c)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図72(d)では、図72(c)の状態から、「スーパーリーチ」の変動要素において「際演出」が実行されて、該「際演出」において遊技者側のキャラクタ図柄(左側キャラクタ図柄)が敵側のキャラクタ図柄(右側キャラクタ図柄)に勝利し、「大当たり表示」が現出することを示唆する内容が表示されている状態を示した図である。
図72(d)の表示状態は、第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示されていた「6」図柄のリーチ形成図柄において、その中央部分にリーチ形成図柄と同一の「6」図柄が停止表示されている。即ち、第3図柄表示装置81の表示領域左上において、「666」との「大当たり表示」を示唆する表示が行われている。また、コクピット表示領域Dbが継続して消去され、第3図柄表示装置81の表示領域左上であってリーチ形成図柄の下側に変動演出の保留球数を示す数字図柄が継続して表示されている。
この図72(d)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図72(a)〜図72(c)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図72(a)〜図72(c)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2)が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図72(d)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図72(e)では、図72(d)の状態から、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵キャラクタ図柄に勝利し、主表示領域Dmにおいて仮の「大当たり表示」が現出すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面において副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbが再表示された状態を示している。この状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄と、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄とが再び視認可能となっている。
また、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄は、仮の「大当たり表示」が現出したことによって、喜んだ表情で表示され、左小領域Ds1には、該キャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現した定型句文字表示Se3がチャンスアップパターンで表示されている。具体的には、左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「やったぜ!」との定型句文字表示Se3が、通常の表示色である「白色」から「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図72(e)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択された結果、定型句文字表示Se3も「赤色」で表示されている。つまり、この変動演出にて既に表示されたリーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2の表示色において、上記文字表示の表示色の変化抽選結果を反映した表示色が現出しているため、この定型句文字表示Se3の表示色は、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2の表示色を踏襲した表示となっている。
ここで、この変動演出では、上述したように、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択されている。よって、各文字表示Se1〜Se3の表示色は、上述したように一括設定されているため、定型句文字表示Se3も該一括設定に伴って「赤色」で表示すべきであり、また、該変動演出ではこの仮の「15R通常大当たり」から「昇格」演出が行われて「15R確変大当たり」が現出することから、定型句文字表示Se3がチャンスアップパターンのまま「赤色」で表示されるように構成されている。
これにより、この図72(e)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図72(a)〜図72(d)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図72(a)〜図72(d)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2)が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図72(e)の表示状態となるように表示制御を実行する。
また、遊技者は、図72(e)の表示内容を認識した場合、図72(d)で示すように「スーパーリーチ」の「バトル演出」において遊技者側のキャラクタ図柄が勝利し、該「スーパーリーチ」の「際演出」後に現出した「15R通常大当たり」が発生することを予測する。しかし、定型句文字表示Se3の表示色が「赤色」で表示されたことから、遊技者は、上記「15R通常大当たり」が発生する予測に対して違和感を感じ、該変動演出が「15R通常大当たり」のまま確定するのではなく、何かしらの追加的な演出が実行されるのでは、と予測し直す。
図72(f)では、図72(e)の状態から、主表示領域Dmにおいて「昇格」演出が実行されている状態を示している。この「昇格」演出では、主表示領域Dmが拡大して表示されると共に副表示領域Dsが消去され、各表示領域Dm1〜Dm3において「666」と停止表示されていた「15R通常大当たり」に対応する第3図柄での「大当たり表示」が再び変動を開始し、最終的に「15R確変大当たり」に対応する第3図柄での「大当たり表示」である「777」で停止表示される。遊技者は、「昇格」演出が発生したことに対して驚くと共に、図72(e)の段階で推測した通り、変動演出が「15R通常大当たり」で確定せずに発展して、「15R確変大当たり」が現出したことに対して幸福感と満足感とを得ることができる。
このように、変動演出が「昇格」演出を実行して「15R確変大当たり」に対応する第3図柄での「大当たり表示」で確定する場合には、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2においてチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)が実行されていたとき、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」後に表示される定型句文字表示Se3においても、チャンスアップパターンを踏襲して表示するように構成する。即ち、「昇格」演出を含む変動演出において、仮の「15R通常大当たり」に対応する第3図柄が表示されている状態で現出する定型句文字表示Se3の表示色を「赤色」で表示するように構成する。このように構成することで、「昇格」演出を含む大当たりの変動演出において追加的にコマンドを用意する必要がなく、また、そもそも演出内容の齟齬が発生しないため、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
次に、図73を参照して、第2実施形態において、「昇格」演出を含まない変動演出における定型句文字表示Se3の表示色について説明する。図73は、第2実施形態の第3図柄表示装置81で実行される大当たりの変動演出において、各文字表示Se1〜Se3のチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)に当選するが、「15R通常大当たり」に当選しており、「昇格」演出を含まないため、定型句文字表示Se3の表示色が「白色」に修正されて表示される状況を示した図である。
具体的には、図73(a)は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「15R通常大当たり」に対応する第3図柄での「リーチ表示(「ノーマルリーチ」の変動要素)」が現出された直後であって、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現したリーチ発生時文字表示Se1が左小領域Ds1に表示されている状態を示した図である。図73(b)は、図73(a)の状態から、該「15R通常大当たり」に対応する第3図柄での「ノーマルリーチ」の変動要素が開始され、副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示した図である。図73(c)は、図72(b)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が開始され、コクピット表示領域Dbが消去されて、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行され、さらに、該「スーパーリーチ」の「際演出」において「大当たり表示」が現出することを示唆する内容が表示されている状態を示した図である。図73(d)は、図73(c)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が終了し、副表示領域Dsとコクピット表示領域Dbとが再表示されて、主表示領域Dmにおいて「15R通常大当たり」に対応する第3図柄の「大当たり表示」が現出し、さらに、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現した定型句文字表示Se3が左小領域Ds1に表示されている状態を示した図である。なお、図73(a)〜図73(d)において、第3図柄の表示態様は省略して表現している。
まず、図73(a)では、図72(a)と同様、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「6」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「6」図柄の第3図柄が停止表示され、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」されている状態を示している。従って、所謂、「15R通常大当たり」に対応する第3図柄である「6」図柄による「リーチ表示」が現出された直後の状態である。また、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。
また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたリーチ発生時文字表示Se1が「強パターン」の文字パターン、かつ、チャンスアップパターンである「赤色」で表示されている。具体的には、左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「いけるぜぇ!」とのリーチ発生時文字表示Se1が、通常の表示色である「白色」から「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図73(a)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1の文字パターンの抽選では「強パターン」が選択されると共に、各文字表示Se1〜Se4の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択され、さらに、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択されたことを意味している。
よって、表示制御装置114のMPU231では、音声ランプ制御装置113から少なくともリーチ発生時文字表示Se1の「強パターン」に関するコマンド(図示しないが、リーチ中文字表示Se2も「強パターン」であることから、表示用強強パターンコマンド)と、表示用赤文字コマンドと、表示用発生時変化コマンドとを受信しており、文字パターンメモリ233jに少なくともリーチ発生時文字表示Se1が「強パターン」であることが設定され、表示用赤文字コマンドに基づいて赤文字フラグ233kがオンに設定され、表示用発生時変化コマンドに基づいて発生時文字色変化フラグ233nがオンに設定されている。
従って、追加データテーブルバッファ233cには、少なくとも、文字パターンメモリ233jの設定内容に基づく文字パターン用追加データテーブル232a2と、赤文字フラグ233kのオンに基づく文字色用追加データテーブル232a2と、発生時文字色変化フラグ233nのオンに基づく文字タイミング用追加データテーブル232a2とが、それぞれ格納(設定)されている状態である。その結果、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図73(a)の表示状態となるように表示制御を実行する。なお、図73(d)で後述するが、図73(a)〜図73(d)の変動演出では、際後制限フラグ233pがオンされていることから、実際には、追加データテーブル232a2として、文字修正用追加データテーブル232a2が格納されている。
図73(b)では、図73(a)の状態から、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「6」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。また、副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の変動要素の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。なお、コクピット表示領域Dbでは、図73(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。
この図73(b)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図73(a)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図73(a)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2(実際には、文字修正用追加データテーブル232a2も含む4の文字変化用追加データテーブル232a2))が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図73(b)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図73(c)では、図73(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」の変動要素では、「ノーマルリーチ」の変動要素で表示されていた「6」図柄のリーチ形成図柄が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbが消去され、その代わりに、第3図柄表示装置81の表示領域左上であってリーチ形成図柄の下側に変動演出の保留球数を示す数字図柄(第1実施形態では、「4」)のリーチ形成図柄が新たに現出表示されている。
また、この図73(c)では、「スーパーリーチ」の変動要素において「際演出」が実行されて、該「際演出」において遊技者側のキャラクタ図柄(左側キャラクタ図柄)が敵側のキャラクタ図柄(右側キャラクタ図柄)に勝利し、「大当たり表示」が現出することを示唆する内容が表示されている状態を示した図である。
この図73(c)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図73(a)〜図73(b)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図73(a)〜図73(b)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2(実際には、文字修正用追加データテーブル232a2も含む4の文字変化用追加データテーブル232a2))が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図73(c)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図73(d)では、図73(c)の状態から、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵キャラクタ図柄に勝利し、主表示領域Dmにおいて「大当たり表示」が現出すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面において副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbが再表示された状態を示している。この状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄と、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄とが再び視認可能となっている。
また、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄は、「大当たり表示」が現出したことによって、喜んだ表情で表示され、左小領域Ds1には、該キャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現した定型句文字表示Se3が通常のパターンで表示されている。具体的には、左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「やったぜ!」との定型句文字表示Se3が、通常の表示色である「白色」で表示される。
即ち、この図73(d)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択され、さらに、該変動演出が「大当たり表示」であるが、「15R通常大当たり」であって「昇格」演出が実行されないことから、定型句文字表示Se3の表示色が「白色」に修正(変更)されたことを意味している。
遊技者は、図73(d)の表示内容を認識した場合、「スーパーリーチ」の「バトル演出」において遊技者側のキャラクタ図柄が勝利したことにより、該「スーパーリーチ」では「大当たり表示」が現出することを予測する。また、定型句文字表示Se3の表示色が「白色」で表示されていることから、上記「大当たり表示」のまま変動演出が終了することを認識する。
ここで、この変動演出では、上述したように、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択されている。よって、各文字表示Se1〜Se3の表示色は、上述したように一括設定されているため、定型句文字表示Se3も該一括設定に伴って「赤色」で表示すべきところ、該変動演出では「大当たり表示」は現出するが、「昇格」演出が実行されずに「15R通常大当たり」が現出することから、定型句文字表示Se3がチャンスアップパターンではなく通常の表示色である「白色」で表示されるように構成されている。
よって、表示制御装置114のMPU231では、音声ランプ制御装置113から少なくとも表示用強強コマンドと表示用赤文字コマンドと表示用発生時変化コマンドと表示用定型句通常コマンドとを受信しており、文字パターンメモリ233jにリーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2が「強パターン」であることが設定され、表示用赤文字コマンドに基づいて赤文字フラグ233kがオンに設定され、表示用発生時変化コマンドに基づいて発生時文字色変化フラグ233nがオンに設定され、表示用定型句通常コマンドに基づいて際後制限フラグ233pがオンに設定されている。従って、追加データテーブルバッファ233cには、少なくとも、文字パターンメモリ233jの設定内容に基づく文字パターン用追加データテーブル232a2と、赤文字フラグ233kのオンに基づく文字色用追加データテーブル232a2と、発生時文字色変化フラグ233nのオンに基づく文字タイミング用追加データテーブル232a2と、際後制限フラグ233pのオンに基づく文字修正用追加データテーブル232a2とが、それぞれ格納(設定)されている状態である。
その結果、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図73(d)の表示状態となるように表示制御を実行する。
このように、変動演出が「大当たり表示」であって「昇格」演出を実行しない「15R通常大当たり」で確定する場合には、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2においてチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)が実行されていたとしても、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」後に表示される定型句文字表示Se3では、チャンスアップパターンを現出しないように構成する。即ち、「大当たり表示」の変動演出であっても「昇格」演出を実行しない「15R通常大当たり」において、定型句文字表示Se3の表示色を通常のパターンである「白色」で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
以上、説明したように、第2実施形態のパチンコ機10によれば、変動演出において「大当たり表示」が発生する場合であっても、該「大当たり表示」が「15R通常大当たり」であって、「昇格」演出も行われないときは、定型句文字表示Se3では、チャンスアップパターンを表示しないように構成する。即ち、変動演出において、「昇格」演出の実行有無を判別し、その判別の結果、「昇格」演出が行われないと判別された場合は、定型句文字表示Se3の表示色を通常のパターンである「白色」で表示するように構成する。
従来、変動演出が「15R通常大当たり」となる場合に、定型句文字表示Se3においてチャンスアップパターンを表示すると、遊技者は、該定型句文字表示Se3のチャンスアップパターンを認識したときに、該チャンスアップパターンの現出に基づいて、現出中の「15R通常大当たり」が「15R確変大当たり」等に昇格する「昇格」演出が発生し、この変動演出が「15R通常大当たり」の大当たり図柄で確定せずに、「15R確変大当たり」や「2R確変大当たり」に発展し、得られる遊技価値が高まるのでは、と期待する。しかし、その期待に反し、「昇格」演出が実行されず、変動演出が「15R通常大当たり」で確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、パチンコ機10に対して不信感を募らせると共に、該パチンコ機10を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、「時間短縮状態」の終了後に即座に遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、変動演出において「大当たり表示」が発生する場合であっても、該「大当たり表示」が「15R通常大当たり」であって、「昇格」演出も行われないときは、定型句文字表示Se3では、チャンスアップパターンを表示しないように構成する。このように構成することで、「昇格」演出が実行されない「15R通常大当たり」が付与される変動演出において、定型句文字表示Se3を通常のパターンである「白色」で表示し、遊技者に過度な期待を抱かせず、大当たりが付与されたことによる気分を害さない快適な遊技を提供することができる。
また、第2実施形態のパチンコ機10において、変動演出が「昇格」演出を実行して「15R確変大当たり」に対応する第3図柄での「大当たり表示」で確定する場合には、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2においてチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)が実行されていたとき、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」後に表示される定型句文字表示Se3においても、チャンスアップパターンを踏襲して表示するように構成する。即ち、「昇格」演出を含む変動演出において、仮の「15R通常大当たり」に対応する第3図柄が表示されている状態で現出する定型句文字表示Se3の表示色を「赤色」で表示するように構成する。このように構成することで、「昇格」演出を含む大当たりの変動演出において追加的にコマンドを用意する必要がなく、また、そもそも演出内容の齟齬が発生しないため、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第3実施形態>
次いで、図74から図76を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。
第1実施形態におけるパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素等の実行中にコクピット表示領域Dbを消去して、「スーパーリーチ」の変動要素における「バトル演出」の表示内容を主表示領域Dmに大きく表示し、迫力ある演出を行うように構成されている。また、「スーパーリーチ」の変動要素等の「際演出」において、コクピット表示領域Dbを消去した表示領域にて、リーチ中文字表示Se2を表示するように構成されている。このリーチ中文字表示Se2は、抽選によって、通常パターンの表示色である「白色」から「赤色」又は「金色」のチャンスアップパターンに変更可能に構成されている。さらに、第1実施形態では、「ハズレ表示」が現出する変動演出において、リーチ中文字表示Se2がチャンスアップパターンで表示されていたとしても、定型句文字表示Se3をチャンスアップパターンではなく通常パターンの表示色である「白色」に再変更して表示するように構成されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、コクピット表示領域Dbに表示する保留図柄及び実行図柄において、該保留図柄及び実行図柄の表示色を、通常の表示態様である「白色」から、「青色」、「赤色」又は「虹色」のチャンスアップパターンに変化可能な「保留変化予告」を実行するように構成されている。この「保留変化予告」によって、保留図柄及び実行図柄の表示色が、通常の表示態様(「白色」)から別の表示態様(例えば、「青色」)のチャンスアップパターンに変化することで、その保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」が発生する割合が異なることを遊技者に示唆するように構成されている。
ここで、コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄は、該保留図柄及び実行図柄において「保留変化予告」が実行された場合、待機中又は実行中の変動演出の大当たり期待度を示唆し、特に、実行図柄に関しては、「保留変化予告」の結果を変動演出の実行中において継続的(コクピット表示領域Dbの消去時を除く)に表示することで、実行中の変動演出における大当たり期待度を明確に示す指標表示となっている。
即ち、保留図柄及び実行図柄は、遊技者がその内容を確認(反芻)したい場合に即座に確認することができる表示物であり、変動演出の大まかな大当たり期待度を示す指標表示として好適である。よって、遊技者は、例えば、「保留変化予告」が行われたチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)の実行図柄を基準に、実行中の変動演出の大まかな大当たり期待度を予測しつつ、変動演出で追加的に現出する各文字表示Se1〜Se4等の他の予告表示の大当たり期待度を上記実行図柄の大当たり期待度に追加的に換算して、変動演出全体の大当たり期待度を予測して、遊技を行っている。
よって、実行図柄(保留図柄)等の指標表示は、仮に、何らかの演出が重複(実行)されることで消去(視認不能と)された場合であっても、該演出が終了次第、直ちに指標表示を再表示し、再表示された該指標表示の表示態様は消去前(視認不能前)と同様にすべきである。仮に、再表示された指標表示を消去前(視認不能前)から変更してしまった場合、遊技者は、随時確認する指標表示が変更されたことで、該指標表示の変化に遊技者が気付き、その変化に基づいて何らかの演出が実行されるのでは、と期待してしまうからである。
従って、実行図柄(保留図柄)等の指標表示は、追加的に演出等(例えば、「再変動」の変動要素)が実行されない場合であっても、指標表示を再表示する場合は、消去前(視認不能前)と同様の表示態様で表示する必要がある。具体的には、実行図柄(保留図柄)が消去前(視認不能前)に通常のパターンで表示されていた場合には、再表示後も通常のパターンのまま表示する。また、実行図柄(保留図柄)が消去前(視認不能前)にチャンスアップパターンで表示されていた場合には、再表示後もチャンスアップパターンのまま表示する。
一方、「リーチ表示」を含む変動演出で表示される各文字表示Se1〜Se4は、変動演出における所定の表示(現出)タイミングで表示される予告表示であり、その所定の表示タイミングで表示した後の一定時間後に消去される断片的表示である。即ち、各文字表示Se1〜Se4等の断片的表示は、遊技者がその内容を確認(反芻)したくても、上記表示タイミングから一定時間後には確認することができず、該一定時間後は遊技者の記憶のみで判断するため、指標表示としては不適格である。
しかし、各文字表示Se1〜Se4等の断片的表示は、変動演出で現出した場合に、その直後のタイミングに行われる演出に関し、何らかの作用を及ぼす可能性があることを示唆する上では好適であり、発展示唆機能を有する。特に、各文字表示Se1〜Se4等の断片的表示を、チャンスアップパターンで表示した場合には、より発展示唆機能が強調(強くアピール)される。よって、遊技者は、例えば、各文字表示Se1〜Se4等の断片的表示が現出した場合に、継続的に表示されている指標表示における大当たり期待度に対して、その断片的表示の表示内容における大当たり期待度を換算(合算)して変動演出の大当たり期待度を判断すると共に、断片的表示による発展示唆機能によって、何らかの演出が追加的に行われるのでは、と期待しながら遊技を行う。
これにより、各文字表示Se1〜Se4等の断片的表示は、該断片的表示を表示した後に追加的な演出等(例えば、「再変動」の変動要素)が実行されない場合や、遊技者に遊技価値が付与(例えば、大当たり遊技の実行)がされない場合は、表示すべきでなく、何らかの理由で表示しなければいけない状況(例えば、定型句文字表示Se3等の変動演出の表示結果の補足報知)であったとしても、少なくともチャンスアップパターンの表示をするべきではない。それは、仮に、上記状況で断片的表示をチャンスアップパターンで表示してしまった場合、遊技者は、そのチャンスアップパターンの断片的表示を認識したとき、該断片的予告の発展示唆機能に基づき、その断片的予告の現出に基づいて何らかの演出が実行されるのでは、と期待してしまうからである。
従って、各文字表示Se1〜Se4、特に、定型句文字表示Se3等の断片的表示は、追加的に演出等(例えば、「再変動」の変動要素)が実行されない場合や、遊技者に遊技価値が付与(例えば、大当たり遊技の実行)がされない場合は、表示すべきではなく、表示するとしてもチャンスアップパターンで表示しないように構成する。具体的には、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2がチャンスアップパターンで表示されていても、「再変動」の変動要素がない場合は、「際演出」後に表示され、変動演出の表示結果の補足報知を担う定型句文字表示Se3は、チャンスアップパターンではなく、通常パターンで表示する。
また、第1実施形態では、各文字表示Se1〜Se4の表示態様に関し、それぞれ個別に抽選した各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色、変化タイミング又は表示色の再変更内容(定型句文字表示Se3のみ通常パターン)の各要素(以下、1の予告を構成する各演出の強弱パターンや表示色や現出タイミング等の要素を「演出要素」という)ごとに、それぞれ別個の文字変化用追加データテーブル232a2を設定し、その文字変化用追加データテーブル232a2をそれぞれ追加データテーブルバッファ233cに格納して表示制御を行うように構成されている。このような構成では、各文字表示Se1〜Se4の表示態様に関する追加データテーブル232a2だけでも演出要素ごとにそれぞれ複数必要となり、第1実施形態では最大4種類の追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに格納する必要がある。
ここで、変動演出では、各文字表示Se1〜Se4のほかに、保留図柄及び実行図柄に関する表示や、複数のキャラクタ図柄を現出させるキャラクタ現出予告、複数パターンの区画画像(カットイン画像)を表示するカットイン予告等、変動演出に追加的に表示される多数の予告表示が存在し、各予告表示においても多様な演出要素(例えば、数や表示色、強弱パターン、現出タイミング等)が予め設けられている。よって、これら各予告表示においても、演出要素ごとに複数種類の追加データテーブル232a2が設定され、それら追加データテーブル232a2が追加データテーブルバッファ233cにそれぞれ格納されることで、変動演出の表示制御が実行される。
しかし、追加すべき演出(予告)が多くなり、さらに、各演出(予告)の演出要素が多くなればなるほど、設定する追加データテーブル232a2の数も比例して多くなり、追加データテーブルバッファ233cの記憶容量を逼迫するおそれがあり、コストをかけて追加データテーブルバッファ233cの容量を予め増大しておく必要が生じる。また、追加データテーブルバッファ233cに多数の追加データテーブル232a2を格納した場合、描画処理(図63参照)における描画リスト作成時(S2501参照)において、参照する追加データテーブル232a2数が多くなることで、表示制御装置114のMPU231の処理負担が増大してしまうおそれがある。
そこで、第3実施形態のパチンコ機10では、1の演出(予告)ごとに、該演出(予告)のすべての演出要素に対応する1の追加データテーブル232a2を選択するように構成し、その選択された追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに格納することで、変動演出の表示制御を実行するように構成する。具体的には、例えば、各文字表示Se1〜Se4の表示態様に関する追加データテーブル232a2として、各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色、変化タイミング及び表示色の修正内容をまとめた1の追加データテーブル232a2を設定する。また、例えば、保留図柄及び実行図柄の表示態様に関する追加データテーブル232a2として、保留図柄及び実行図柄の数や「保留変化予告」の内容および変化タイミングをまとめた1の追加データテーブル232a2を選択する。
そして、それら選択した追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに格納し、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1と、上記追加データテーブルバッファ233cに格納された追加データテーブル232a2とを参照して、描画リストを作成するように構成する。このように構成することで、追加データテーブルバッファ233cに格納される追加データテーブル232a2の数が演出(予告)の種類数のみとなり、演出(予告)の演出要素ごとに追加データテーブル232a2を設定する場合より追加データテーブル232a2数を少なくすることができ、演出(予告)数の増加に伴って追加データテーブルバッファ233cの容量を増大せずに済み、コストを抑制することができる。
また、描画処理(図63参照)における描画リスト作成時(S2501参照)において、参照する追加データテーブル232a2の数が、演出(予告)数のみでよいため、描画リスト作成時における表示制御装置114のMPU231の処理負担を軽減することができる。
さらに、追加データテーブル232a2を設定する上で、保留図柄及び実行図柄(コクピット表示領域Db)等の指標表示と、各文字表示Se1〜Se4等の断片的表示とで、追加データテーブル232a2を明確に分けて構成する。このように構成することで、保留図柄及び実行図柄(コクピット表示領域Db)と各文字表示Se1〜Se4との表示対象物において、該表示対象物を消去(視認不能に)して再表示する場合に、チャンスアップパターンのまま再表示していい指標表示である表示対象物と、チャンスアップパターンで再表示してはいけない断片的表示である表示対象物とを、明確に分けて表示制御を行うことができる。特に、パチンコ機10の設計開発時において、各演出(予告)の表示態様を設定する場合に、再表示時にチャンスアップパターンで表示していい表示対象物に関する追加データテーブル232a2か、再表示時にチャンスアップパターンで表示してはいけない表示対象物かを把握しながら追加データテーブル232a2の構成を設計できるので、演出内容の齟齬等のバグが発生することを抑制することができる。
なお、第3実施形態では、第1実施形態と同様、表示データテーブル232a1における初期設定(デフォルト設定)して、各文字表示Se1〜Se4の通常の表示色である「白色」、文字パターンとしての「弱パターン」が設定されている。また、保留図柄及び実行図柄の初期設定(デフォルト設定)としては、「白色」の表示色が設定され、保留画像設定処理(図59(b)参照)において、該初期設定の保留図柄及び実行図柄が設定される。
以下、第3実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態又は第2実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態又は第2実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
ここで、図74及び図75を参照して、第3実施形態における追加データテーブル232a2の詳細について説明する。図74は、第3実施形態の文字用追加データテーブル232a2の一例を模式的に示した模式図であり、図75は、第3実施形態の保留用追加データテーブル232a2の一例を模式的に示した模式図である。第3実施形態の追加データテーブル232a2は、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からのコマンドに基づく一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出に対し、時間経過に伴い表示すべき表示内容を記載したものである。
上述したように、第3実施形態では、1単位の演出(予告)に対して、1の追加データテーブル232a2が設定されるように構成されている。具体的には、例えば、「リーチ表示」に現出する各文字表示Se1〜Se4による文字(セリフ)予告に関して、1の文字用追加データテーブル232a2(図74参照)が設定される。また、例えば、実行中の変動演出が存在することや待機中の変動演出が存在すること、或いは、「保留変化予告」によって該当する変動演出における大当たり期待度を示唆する実行図柄及び保留図柄に関して、1の保留用追加データテーブル232a2(図75参照)が設定される。
図74で示す文字用追加データテーブル232a2は、変動演出の「リーチ表示」における、各文字表示Se1〜Se4のすべてに関する表示態様に対応して用意されており、具体的には、各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、表示色、変化タイミング及び表示色の再変更内容のすべての演出要素のすべてのパターンに対応した文字用追加データテーブル232a2がそれぞれデータテーブル格納エリア232aに格納されている。
この文字用追加データテーブル232a2では、第1実施形態と同様、表示データテーブル232a1において規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に追加すべき1フレーム分の各文字表示Se1〜Se4の画像の内容(描画内容)が事細かに規定されている。描画内容には、1フレーム分の各文字表示Se1〜Se4の画像として表示すべき表示物であるスプライト(文字図柄1、文字図柄2等)毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
図74で示す第3実施形態の文字用追加データテーブル232a2は、「スーパーリーチのみ」の変動パターンに対応したものを例示しており、「スーパーリーチのみ」の変動演出(例えば、変動パターンとして「E301H」。図20(b)参照。)の変動時間に対応した時間、即ち25秒の変動時間に対応して設定されている。
例えば、図74の例では、表示データテーブル232a1において規定されるアドレス「01F4H」(変動開始から10秒)に対応付けて、1つの文字図柄(文字図柄1)に対して、文字種別(スプライト種別)、表示位置、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報が規定されている。この文字図柄1は、変動演出の変動開始から10秒経過した時点、即ち、「ノーマルリーチ」の変動要素の開始時点で表示されるリーチ発生時文字表示Se1に対応するものである。
一方、表示データテーブル232a1において規定されるアドレスによって示される時間に、追加表示すべき文字表示Se1〜Se4が存在しない場合は、文字用追加データテーブル232a2では、そのアドレスに対応する追加すべき文字表示Se1〜Se4が存在しないことを意味するNullデータが規定される(図74のアドレス「0001H」又は「02EEH」が該当)。なお、アドレス「02EEH」は、変動開始から15秒に対応するアドレスであり、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素の開始タイミングに対応している。この「スーパーリーチ」のタイミングでは、各文字表示Se1〜Se4のいずれも表示されていないため、Nullデータが規定される。
また、表示データテーブル232a1において規定されるアドレス「044CH」(変動開始から22秒)に対応付けて、1つの文字図柄(文字図柄2)に対して、文字種別(スプライト種別)、表示位置、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報が規定されている。この文字図柄2は、変動演出の変動開始から22秒経過した時点、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」の実行時に表示されるリーチ中文字表示Se2に対応するものである。
また、表示データテーブル232a1において規定されるアドレス「04B0H」(変動開始から24秒)に対応付けて、1つの文字図柄(文字図柄3)に対して、文字種別(スプライト種別)、表示位置、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報が規定されている。この文字図柄3は、変動演出の変動開始から24秒経過した時点、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素が終了して、副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbが再表示されたタイミングで表示される定型句文字表示Se3に対応するものである。
なお、文字用追加データテーブル232a2の先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブル232a1と同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、文字用追加データテーブル232a2の最終アドレス(図74の例では、「04E2H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレス「04E2H」との間の各アドレスに対して、その文字用追加データテーブル232a2で規定すべき演出に対応させた描画内容が記載されている。
第3実施形態のMPU231は、変動演出の開始時に、音声ランプ制御装置113から受信する各文字表示Se1〜Se4に関する文字系コマンド(パターン系コマンド、色系コマンド、タイミング系コマンドおよび表示用定型句通常コマンド)をすべて受信し、各文字表示Se1〜Se4のすべての表示態様が確定してから、該文字系コマンドが示す各文字表示Se1〜Se4の表示態様に対応する文字用追加データテーブル232a2をデータテーブル格納エリア232aから読み出して、追加データテーブルバッファ233cに格納する。具体的には、文字系コマンドを受信した場合に、所定時間(例えば、20ミリ秒)待機処理を行い、その待機処理中に文字系コマンドを追加して受信した場合に、先に受信した文字系コマンドと待機処理中に受信した文字系コマンドとに基づいて、文字用追加データテーブル232a2を選択する。このように構成することで、1の文字用追加データテーブル232a2で各文字表示Se1〜Se4のすべての表示態様を規定することができる。
なお、1の文字用追加データテーブル232a2を選択する構成に代えて、各文字表示Se1〜Se4の各表示態様ごとに暫定的に追加データテーブル232a2を選択し、すべての追加データテーブル232a2が選択されてから、それらすべての追加データテーブル232a2を合成して、追加データテーブルバッファ233cに格納する1の文字用追加データテーブル232a2を生成するように構成してもよい。また、1の文字用追加データテーブル232a2を選択した後に、部分的に表示態様を修正するように追加データテーブル232a2を選択するように構成してもよい。
次いで、図75で示す保留用追加データテーブル232a2は、コクピット表示領域Db、実行図柄および保留図柄の表示態様に対応して用意されており、具体的には、コクピット表示領域Dbの表示有無、実行図柄及び保留図柄の数、並びに、実行図柄及び保留図柄の表示色の、すべての演出要素のすべてのパターンに対応した複数(パターン毎)の保留用追加データテーブル232a2がそれぞれデータテーブル格納エリア232aに格納されている。
この保留用追加データテーブル232a2では、文字用追加データテーブル232a2と同様(第1実施形態と同様)、表示データテーブル232a1において規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に追加すべき1フレーム分のコクピット表示領域Db、実行図柄及び保留図柄の画像の内容(描画内容)が事細かに規定されている。描画内容には、1フレーム分のコクピット表示領域Db、実行図柄及び保留図柄の画像として表示すべき表示物であるスプライト(コクピット画像、実行図柄、保留図柄1等)毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
図75で示す第3実施形態の保留用追加データテーブル232a2は、文字用追加データテーブル232a2と同様、「スーパーリーチのみ」の変動パターンに対応したものを例示しており、「スーパーリーチのみ」の変動演出(例えば、変動パターンとして「E301H」。図20(b)参照。)の変動時間に対応した時間、即ち25秒の変動時間に対応して設定されている。
例えば、図75の例では、表示データテーブル232a1において規定されるアドレス「0001H」(変動開始直後)に対応付けて、1個の実行図柄及び4個の保留図柄(図75の例では、保留図柄1のみを表記)に対して、各スプライトに対応する描画情報が、アドレス毎に規定されている。
1個の実行図柄及び4個の保留図柄は、コクピット表示領域Dbに表示されるコクピット画像の前面側に表示され、1個の実行図柄及び4個の保留図柄に対して、それぞれスプライト種別(実行図柄種別等)、表示位置、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報が規定されている。
一方、表示データテーブル232a1において規定されるアドレスによって示される時間に、実行図柄及び保留図柄を表示しない場合は、保留用追加データテーブル232a2では、半透明値を最高値に設定して、実行図柄及び保留図柄が透明となって視認不能となるように設定してもよいし、実行図柄及び保留図柄を非表示(消去)する場合には、追加データテーブル232a2に所定の消去データ(例えば、「Erasse」データ等)を設定可能に構成して、所定のアドレスにおいて該所定の消去データが設定されている場合に、該アドレスが示すタイミングにおいて実行図柄及び保留図柄を非表示(消去)するように構成してもよい。
なお、保留用追加データテーブル232a2の先頭アドレスである「0000H」には、文字用追加データテーブル232a2(表示データテーブル232a1)と同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、保留用追加データテーブル232a2の最終アドレス(図75の例では、「04E2H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレス「04E2H」との間の各アドレスに対して、その保留用追加データテーブル232a2で規定すべき演出に対応させた描画内容が記載されている。
第3実施形態のMPU231は、第1入球口64への球の入球時、又は、変動演出の開始時に、音声ランプ制御装置113から受信する実行図柄又は保留図柄の表示態様を変更させるコマンド(表示用点灯時保留変化コマンド、表示用シフト時保留変化コマンド、表示用開始時変化コマンド、表示用リーチ前変化コマンド、表示用リーチ後変化コマンド及び表示用消去後変化コマンド。以下、これらのコマンドを総称して「保留変化系コマンド」という場合がある。)を受信した場合に、該保留変化系コマンドが示す実行図柄及び保留図柄の表示態様に対応する保留用追加データテーブル232a2をデータテーブル格納エリア232aから読み出して、追加データテーブルバッファ233cに格納する。このように構成することで、1の保留用追加データテーブル232a2で実行図柄及び保留図柄のすべての表示態様を規定することができると共に、保留変化系コマンドを受信した場合に、保留図柄又は実行図柄の表示を変化させることができ、遊技状態を的確に遊技者に示唆することができる。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信すると、その表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドにより示される変動演出に応じた表示データテーブル232a1をデータテーブル格納エリア232aから読み出して、表示データテーブルバッファ233bに格納する。また、その際に、音声ランプ制御装置113から文字系コマンドを受信すると、その文字系コマンドにより示される各文字表示Se1〜Se4の表示態様に応じた1の文字用追加データテーブル232a2をデータテーブル格納エリア232aから読み出して、追加データテーブルバッファ233cに格納する。さらに、音声ランプ制御装置113から保留変化系コマンドを受信すると、その保留変化系コマンドにより示されるコクピット表示領域Db、実行図柄及び保留図柄の表示態様に応じた1の保留用追加データテーブル232a2をデータテーブル格納エリア232aから読み出して、追加データテーブルバッファ233cに格納する。
そして、ポインタ233eの更新毎に、表示データテーブルバッファ233bに格納された1の表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された文字用追加データテーブル232a2や保留用追加データテーブル232a2とから、ポインタ233eが示すアドレスに規定された描画内容を特定し、次に描画すべき画像内容を特定して描画リスト(図32参照)を作成する。
例えば、図74及び図75の例では、ポインタ233eが「0001H」となった場合、MPU231は、表示データテーブル232a1のアドレス「0001H」に規定された各種スプライトに、保留用追加データテーブル232a2のアドレス「0001H」に規定されたコクピット画像、実行図柄、保留図柄1等の各スプライトを追加して描画リストを作成し、画像コントローラ237にその画像の描画を指示する。
なお、文字用追加データテーブル232a2のアドレス「0001H」には、Nullデータが規定されている。よって、MPU231は、各文字表示Se1〜Se4に関しては追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブル232a1のアドレス「0001H」に規定された各種スプライトに、保留用追加データテーブル232a2のアドレス「0001H」に規定された各種スプライトを追加して描画リストを作成する。
また、ポインタ233eが「01F4H」となった場合、MPU231は、表示データテーブル232a1のアドレス「01F4H」に規定された各種スプライトに、保留用追加データテーブル232a2のアドレス「01F4H」に規定された実行図柄、保留図柄1等の各スプライトを追加すると共に、文字用追加データテーブル232a2のアドレス「01F4H」に規定された文字図柄1(リーチ発生時文字表示Se1)の各スプライトを追加して描画リストを作成し、画像コントローラ237にその画像の描画を指示する。これにより、第3図柄表示装置81において、保留用追加データテーブル232a2が示す実行図柄及び保留図柄とが表示されると共に、文字用追加データテーブル232a2が示すリーチ発生時文字表示Se1が表示される。
また、ポインタ233eが「02EEH」となった場合、MPU231は、表示データテーブル232a1のアドレス「02EEH」に規定された各種スプライトに基づいて描画リストを作成し、画像コントローラ237にその画像の描画を指示する。一方、保留用追加データテーブル232a2のアドレス「02EEH」、及び、文字用追加データテーブル232a2のアドレス「02EEH」には、共にEraseデータが規定されている。よって、MPU231は、実行図柄、保留図柄1、及び、文字図柄等に関しては追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブル232a1のアドレス「02EEH」に規定された各種スプライトに基づいて描画リストを作成する。これにより、第3図柄表示装置81において、コクピット画像、実行図柄及び保留図柄が消去される(表示されない)と共に、各文字表示Se1〜Se4のいずれも消去される(表示されない)。
また、ポインタ233eが「044CH」となった場合、MPU231は、表示データテーブル232a1のアドレス「044CH」に規定された各種スプライトに、文字用追加データテーブル232a2のアドレス「044CH」に規定された文字図柄2(リーチ中文字表示Se2)のスプライトを追加して描画リストを作成し、画像コントローラ237にその画像の描画を指示する。一方、保留用追加データテーブル232a2のアドレス「044CH」には、Eraseデータが規定されている。よって、MPU231は、実行図柄、保留図柄1等に関しては追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブル232a1のアドレス「044CH」に規定された各種スプライトに、文字用追加データテーブル232a2のアドレス「044CH」に規定された各種スプライトを追加して描画リストを作成する。これにより、第3図柄表示装置81において、文字用追加データテーブル232a2が示すリーチ中文字表示Se2が表示される一方、コクピット画像、実行図柄及び保留図柄が消去される(表示されない)。
また、ポインタ233eが「04B0H」となった場合、MPU231は、表示データテーブル232a1のアドレス「04B0H」に規定された各種スプライトに、保留用追加データテーブル232a2のアドレス「04B0H」に規定されたコクピット画像、実行図柄、保留図柄1等の各スプライトを追加すると共に、文字用追加データテーブル232a2のアドレス「04B0H」に規定された文字図柄3(定型句文字表示Se3)の各スプライトを追加して描画リストを作成し、画像コントローラ237にその画像の描画を指示する。これにより、第3図柄表示装置81において、保留用追加データテーブル232a2が示すコクピット表示領域Dbと実行図柄及び保留図柄とが再び表示されると共に、文字用追加データテーブル232a2が示す定型句文字表示Se3が表示される。
このように、1の演出(予告)ごとに、該演出(予告)のすべての演出要素に対応する1の追加データテーブル232a2を設定し、その追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに格納することで、変動演出の表示制御を実行するように構成する。このように構成することで、追加データテーブルバッファ233cに格納される追加データテーブル232a2の数が演出(予告)の種類数のみとなり、演出(予告)の演出要素ごとに追加データテーブル232a2を設定する場合より追加データテーブル232a2数を少なくすることができ、演出(予告)数の増加に伴って追加データテーブルバッファ233cの容量を増大せずに済み、コストを抑制することができる。
また、描画処理(図63参照)における描画リスト作成時(S2501参照)において、参照する追加データテーブル232a2の数が、演出(予告)数のみでよいため、描画リスト作成時における表示制御装置114のMPU231の処理負担を軽減することができる。
さらに、追加データテーブル232a2を設定する上で、保留図柄及び実行図柄(コクピット表示領域Db)等の指標表示と、各文字表示Se1〜Se4等の断片的表示とで、追加データテーブル232a2を明確に分けて構成する。このように構成することで、保留図柄及び実行図柄(コクピット表示領域Db)と各文字表示Se1〜Se4との表示対象物において、該表示対象物を消去(視認不能に)して再表示する場合に、チャンスアップパターンのまま再表示していい指標表示である表示対象物と、チャンスアップパターンで再表示してはいけない断片的表示である表示対象物との関し、明確に分けて表示制御を行うことができる。特に、パチンコ機10の設計開発時において、各演出(予告)の表示態様を設定する場合に、再表示時にチャンスアップパターンで表示していい表示対象物に関する追加データテーブル232a2か、再表示時にチャンスアップパターンで表示してはいけない表示対象物に関する追加データテーブル232a2かを把握しながら追加データテーブル232a2の構成を設計できるので、演出内容の齟齬等のバグが発生することを抑制することができる。
なお、第3実施形態では、保留用追加データテーブル232a2の内容が文字用追加データテーブル232a2の内容より優先して表示されるように構成されている。これは、保留用追加データテーブル232a2は、保留図柄や実行図柄といった遊技状態を示すものである一方、文字用追加データテーブル232a2は、変動演出の一演出態様を示すものである。よって、遊技状態を示す保留図柄又は実行図柄を各文字表示Se1〜Se4よりも優先して表示し、遊技者に遊技状態を的確に示唆することができるように構成されている。
次に、図76を参照して、第3実施形態における断片的表示である各文字表示Se1〜Se3の表示態様と、指標表示であるコクピット表示領域Dbに表示される実行図柄及び保留図柄の表示態様とについて説明する。図76は、第3実施形態の第3図柄表示装置81で実行されるハズレの変動演出において、各文字表示Se1,Se2のチャンスアップパターンに当選しつつ、定型句文字表示Se3では通常の表示パターンで表示する一方、実行図柄において「保留変化予告」が実行されている状況を示した図である。
具体的には、図76(a)は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「リーチ表示(「ノーマルリーチ」の変動要素)」が現出された直後であって、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現したリーチ発生時文字表示Se1が左小領域Ds1に表示され、また、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示されている実行図柄において「赤色」の「保留変化予告」が表示されている状態を示した図である。図76(b)は、図76(a)の状態から「ノーマルリーチ」の変動要素が開始され、副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行され、また、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示されている実行図柄において「赤色」の「保留変化予告」が継続的に表示されている状態を示した図である。図76(c)は、図76(b)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が開始され、コクピット表示領域Dbが消去されて、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行され、さらに、遊技者側のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現したリーチ中文字表示Se2が表示されている状態を示した図である。図76(d)は、図76(c)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が終了し、副表示領域Dsとコクピット表示領域Dbとが再表示されて、主表示領域Dmにおいて第3図柄の「ハズレ表示」が現出し、さらに、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現した定型句文字表示Se3が左小領域Ds1に表示され、また、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示されている実行図柄において「赤色」の「保留変化予告」が継続的に表示されている状態を示した図である。なお、図76(a)〜図76(d)において、第3図柄の表示態様は省略して表現している。
まず、図76(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」されている状態を示している。従って、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出された直後の状態である。また、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。
また、コクピット表示領域Dbにおいて、実行図柄表示領域Db0に表示されている実行図柄は「赤色」で表示され、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4に表示されている各保留図柄は「白色」で表示されている。従って、実行図柄において「赤色」の「保留変化予告」が実行されている状態である。
また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたリーチ発生時文字表示Se1が「弱パターン」の文字パターン、かつ、第1チャンスアップパターンである「赤色」で表示されている。具体的には、左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「いくぜぇ!」とのリーチ発生時文字表示Se1が、通常の表示色である「白色」から第1チャンスアップパターンである「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図76(a)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221において、実行図柄に対応する変動演出における「保留変化予告」の実行抽選に当選して「赤色」が選択され、実行図柄に対応する変動演出のリーチ発生時より前のタイミング、即ち、保留図柄表示時、又は、実行図柄表示(シフト)時若しくはリーチ前のタイミングで「保留変化予告」の実行タイミングが到来したことを意味している。
また、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択されたことを意味している。なお、この図76(a)において、リーチ発生時文字表示Se1は、「いくぜぇ!」の「弱パターン」が表示されているため、該リーチ発生時文字表示Se1の文字パターンの抽選では、通常の文字パターンである「弱パターン」が選択されたことを意味している。
よって、表示制御装置114のMPU231では、音声ランプ制御装置113から、保留球数に関する表示用保留球数コマンドと、「保留変化予告」に関する先読み系コマンドとを受信しており、表示用保留球数コマンドに対応する個数判別フラグがオンに設定され、「保留変化予告」に関する先読み系コマンドに対応する保留変化予告判別フラグがオンに設定されている。
また、表示制御装置114のMPU231では、音声ランプ制御装置113から、各文字表示Se1〜Se4に関するコマンドとして、少なくとも表示用赤文字コマンドと、表示用発生時変化コマンドとを受信しており、表示用赤文字コマンドに基づいて赤文字フラグ233kがオンに設定され、表示用発生時変化コマンドに基づいて発生時文字色変化フラグ233nがオンに設定されている。
従って、追加データテーブルバッファ233cには、少なくとも、個数判別フラグのオンと保留変化予告判別フラグのオンとに基づく保留用追加データテーブル232a2と、赤文字フラグ233kのオンと発生時文字色変化フラグ233nのオンとに基づく文字用追加データテーブル232a2とが、それぞれ格納(設定)されている状態である。その結果、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された保留用追加データテーブル232a2及び文字用追加データテーブル232a2に基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図76(a)の表示状態となるように表示制御を実行する。なお、図76(d)で後述するが、図76(a)〜図76(d)の変動演出では、際後制限フラグ233pがオンされていることから、実際には、文字用追加データテーブル232a2として、際後制限フラグ233pのオンを反映させた文字用追加データテーブル232a2が格納されている。
図76(b)では、図76(a)の状態から、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「7」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。また、副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の変動要素の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。さらに、コクピット表示領域Dbでは、図76(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示され、実行図柄においては「赤色」の「保留変化予告」が継続的に表示されている。
この図76(b)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図76(a)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図76(a)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(保留用追加データテーブル232a2と文字用追加データテーブル232a2)が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された保留用追加データテーブル232a2および文字用追加データテーブル232a2に基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図76(b)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図76(c)では、図76(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」の変動要素では、「ノーマルリーチ」の変動要素で表示されていた「7」図柄のリーチ形成図柄が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbが消去され、その代わりに、第3図柄表示装置81の表示領域左上であってリーチ形成図柄の下側に変動演出の保留球数を示す数字図柄(第1実施形態では、「4」)が新たに現出表示されている。
また、この「スーパーリーチ」の変動要素では、複数のキャラクタ図柄が勝敗を競う「バトル演出」が表示され、さらに、遊技者側のキャラクタ図柄がセリフを喋り、そのセリフを文字で現したリーチ中文字表示Se2が「弱パターン」の文字パターン、かつ、チャンスアップパターンで表示されている。具体的には、コクピット表示領域Dbを消去した表示領域において、遊技者側のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「くらえ!」とのリーチ中文字表示Se2が、通常の表示色である「白色」から第1チャンスアップパターンである「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図76(c)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択された結果、リーチ中文字表示Se2も「赤色」で表示されている。つまり、この変動演出にて既に表示されたリーチ発生時文字表示Se1において、上記文字表示の表示色の変化抽選結果を反映した表示色が現出しているため、このリーチ中文字表示Se2の表示色は、リーチ発生時文字表示Se1の表示色を踏襲した表示となっている。なお、この図76(c)において、リーチ中文字表示Se2は、「くらえ!」の「弱パターン」が表示されているため、該リーチ中文字表示Se2の文字パターンの抽選では、通常の文字パターンである「弱パターン」が選択されたことを意味している。
この図76(c)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図76(a)及び図76(b)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図76(a)及び図76(b)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(保留用追加データテーブル232a2および文字用追加データテーブル232a2)が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された保留用追加データテーブル232a2および文字用追加データテーブル232a2に基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図76(c)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図76(d)では、図76(c)の状態から、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵キャラクタ図柄に負けて、主表示領域Dmにおいて「ハズレ表示」が現出すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面において副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbが再表示された状態を示している。この状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄と、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄とが再び視認可能となっている。
再表示されたコクピット表示領域Dbにおいて、実行図柄表示領域Db0に表示されている実行図柄は、消去される前と同様の「赤色」で表示され、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4に表示されている各保留図柄も消去される前と同様の「白色」で表示されている。従って、実行図柄において「赤色」の「保留変化予告」が継続的に実行されている状態である。
また、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄は、「ハズレ表示」が現出したことによって、失望した態様で表示され、左小領域Ds1には、該キャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現した定型句文字表示Se3が通常の表示色で表示されている。具体的には、左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「すまねぇ・・・」との定型句文字表示Se3が、通常の表示色である「白色」で表示される。
即ち、この図76(d)の表示状態は、コクピット表示領域Dbが「スーパーリーチ」の変動要素の実行によって消去される前の表示状態が、変化せずにそのまま再表示されたことを意味している。
また、この図76(d)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択され、さらに、該変動演出が「ハズレ表示」であることで、定型句文字表示Se3の表示色が「白色」に修正(変更)されたことを意味している。
遊技者は、図76(d)の表示内容を認識した場合、「スーパーリーチ」の変動要素の「バトル演出」において遊技者側のキャラクタ図柄が負けたことにより、該「スーパーリーチ」では「大当たり表示」が現出せず「ハズレ表示」が現出することを予測する。また、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄が、「スーパーリーチ」の変動要素の実行によって消去される前と同じ表示状態であるため、違和感を感じることなく、該変動演出の終了を認識する。さらに、定型句文字表示Se3の表示色が「白色」で表示されていることから、上記「ハズレ表示」の予測に関し、違和感を感じることなく、該変動演出の終了を認識する。
仮に、実行図柄の再表示時の表示態様を、該実行図柄を消去する前の表示態様から変化させた場合、遊技者はその変化したことに気付き、該変化がさらなる「保留変化予告」と認識し、該変化に基づく「保留変化予告」によって何かしらの演出が実行されるのでは、と期待する。しかし、その期待を裏切る形で「ハズレ表示」が確定するため、実行図柄を消去前の表示態様から変更してしまうことで、演出内容に齟齬が生じ、遊技者は、演出内容の齟齬により、パチンコ機10に対して不信感を募らせると共に、該パチンコ機10を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、変動演出が「ハズレ表示」で確定する場合には、実行図柄(保留図柄)が「スーパーリーチ」の変動要素等によって消去され、再び表示される場合に、消去前の表示態様がチャンスアップパターンで表示されていたとしても、消去前に表示されていた表示態様のまま表示するように構成する(図76(b)及び図76(d)参照)。即ち、「ハズレ表示」の変動演出において、実行図柄(保留図柄)の表示態様を、消去前と再表示時とで同じ表示態様となるように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
また、変動演出が「ハズレ表示」で確定する場合には、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2においてチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)が実行されていたとしても、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」後に表示される定型句文字表示Se3では、チャンスアップパターンを現出しないように構成する。即ち、「ハズレ表示」の変動演出において、定型句文字表示Se3の表示色を通常のパターンである「白色」で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
以上、説明したように、第3実施形態のパチンコ機10では、実行図柄(保留図柄)等の指標表示は、追加的に演出等(例えば、「再変動」の変動要素)が実行されない場合であっても、指標表示を再表示する場合は、消去前(視認不能前)と同様の表示態様で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
また、各文字表示Se1〜Se4、特に、定型句文字表示Se3等の断片的表示は、追加的に演出等(例えば、「再変動」の変動要素)が実行されない場合や、遊技者に遊技価値が付与(例えば、大当たり遊技の実行)がされない場合に、チャンスアップパターンで表示しないように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
さらに、追加データテーブル232a2を設定する上で、保留図柄及び実行図柄(コクピット表示領域Db)等の指標表示と、各文字表示Se1〜Se4等の断片的表示とで、追加データテーブル232a2を明確に分けて構成する。このように構成することで、保留図柄及び実行図柄(コクピット表示領域Db)と各文字表示Se1〜Se4との表示対象物において、該表示対象物を消去(視認不能に)して再表示する場合に、チャンスアップパターンのまま再表示していい指標表示である表示対象物と、チャンスアップパターンで再表示してはいけない断片的表示である表示対象物との関し、明確に分けて表示制御を行うことができる。特に、パチンコ機10の設計開発時において、各演出(予告)の表示態様を設定する場合に、再表示時にチャンスアップパターンで表示していい表示対象物に関する追加データテーブル232a2か、再表示時にチャンスアップパターンで表示してはいけない表示対象物かを把握しながら追加データテーブル232a2の構成を設計できるので、演出内容の齟齬等のバグが発生することを抑制することができる。
また、1の演出(予告)ごとに、該演出(予告)のすべての演出要素に対応する1の追加データテーブル232a2を設定し、その追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに格納することで、変動演出の表示制御を実行するように構成する。このように構成することで、追加データテーブルバッファ233cに格納される追加データテーブル232a2の数が演出(予告)の種類数のみとなり、演出(予告)の演出要素ごとに追加データテーブル232a2を設定する場合より追加データテーブル232a2の追加データテーブルバッファ233cへの格納数を少なくすることができ、演出(予告)数の増加に伴って追加データテーブルバッファ233cの容量を増大せずに済み、コストを抑制することができる。
さらに、描画処理(図63参照)における描画リスト作成時(S2501参照)において、参照する追加データテーブル232a2の数が、演出(予告)数のみでよいため、描画リスト作成時における表示制御装置114のMPU231の処理負担を軽減することができる。
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第2実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第4実施形態>
次いで、図77から図81を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態乃至第3実施形態におけるパチンコ機10では、第3図柄表示装置81における表示に関し、1の表示データテーブル232a1に対して、追加データテーブル232a2(および転送データテーブル232a3)を用いて描画リストを作成し、1の表示データテーブル232a1が示す基本的な演出に対して追加データテーブル232a2が示す演出を追加して第3図柄表示装置81の表示制御を行っていた。
これに対し、第4実施形態のパチンコ機10では、第3図柄表示装置81で表示される画像(スプライト)や場面(シーン)毎にグループ化したデータテーブル232a4〜232an(nは5以上の自然数。以下、同様。)を設け、該データテーブル232a4〜232anにおいてそれぞれ多数の表示パターンを設けるように構成する。そして、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113からの変動演出等の演出指示(コマンド)に基づいて、各データテーブル232a4〜232anからそれぞれ表示パターンを選択し、選択された表示パターンに基づいて所定の優先順位で描画するように描画リストを作成する。このように構成することで、データテーブル232a4〜232anの個数と、各データテーブル232a4〜232anに設けられた表示パターンの数とを乗じた数のバリエーションに富んだ演出を容易に実行することができる。
以下、第4実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第3実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図77を参照して、第4実施形態のデータテーブル232a4〜232anについて説明する。図77は、第4実施形態におけるデータテーブル232a4〜232anの構成の一例を模式的に示した図である。
図77に示すように、第4実施形態では、データテーブル232a4〜232anは、第3図柄表示装置81に表示される画像(スプライト)や場面(シーン)毎にグループ化されて構成されている。具体的には、第3図柄表示装置81に表示される背面A等の背景画像のコンピュータ・グラフィックス(Computer Graphics。以下、「CG」という。)の動画(以下、CGの動画を「アニメーション」という)を表示するための背景画像データテーブル232a4と、コクピット表示領域Dbのアニメーションを表示するためのコクピット画像データテーブル232a5と、第3図柄のアニメーションを表示するための図柄データテーブル232a6と、キャラクタ図柄のアニメーションを表示するためのキャラクタデータテーブル232a7と、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3及び疑似定型句文字表示Se4のアニメーションを表示するための文字図柄データテーブル232a8と、保留図柄(実行図柄を含む。以下同様。)のアニメーションを表示するための保留図柄データテーブル232a9と、エラー図柄のアニメーションを表示するためのエラー図柄データテーブル232a10と、・・・等の多数のグループ化されたデータテーブル232a4〜232anが存在している。
上記データテーブル232a4〜232anは、プログラムROM232のデータテーブル格納エリア232aに格納されており、また、各データテーブル232a4〜232anごとに、それぞれ多数の表示パターンが対応付けられている。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、該コマンドに応じて各データテーブル232a4〜232anからそれぞれ1の表示パターンを選択し、ワークRAM233の各バッファ(図示せず)に格納する。そして、同じくワークRAM233に設けられた後述する切替カウンタ(図示せず)のカウンタ値に基づいて、各バッファに格納された表示パターンに基づいて描画リストが作成される。
また、各データテーブル232a4〜232anには、所定の優先順位(例えば、優先順位1〜優先順位12)が予め定められており、後述する描画リスト(図81参照)の作成時に、該優先順位に基づいて各データテーブル232a4〜232anに対応した各バッファ(図示せず)を参照して描画リストが作成されるように構成されている。即ち、所定の描画位置において一の画像が他の画像と重なる場合に、データテーブル232a4〜232anの優先順位が高い(優先順位の数字が低い)データテーブル232a4〜232anが示す表示内容を前方(手前側)に位置するように構成されている。
具体的には、図77の例で示すように、背景画像データテーブル232a4には最も低い優先順位である「優先順位12」が対応付けられ、コクピット画像データテーブル232a5には背景画像データテーブル232a4より優先順位が高い「優先順位11」が対応付けられ、・・・、図柄データテーブル232a6には「優先順位6」のデータテーブル(図示せず)より優先順位が高い「優先順位5」が対応付けられ、キャラクタデータテーブル232a7には図柄データテーブル232a6より優先順位が高い「優先順位4」が対応付けられ、文字図柄データテーブル232a8にはキャラクタデータテーブル232a7より優先順位が高い「優先順位3」が対応付けられ、保留図柄データテーブル232a9には文字図柄データテーブル232a8より優先順位が高い「優先順位2」が対応付けられ、エラー図柄データテーブル232a10には最も優先順位が高い「優先順位1」が対応付けられている。
次に、図78から図80を参照して、表示制御装置114が「ノーマルリーチのみ」の変動パターンの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、各データテーブル232a4〜232anごとに選択される表示パターンの一例を説明する。図78(a)は、第4実施形態の「ノーマルリーチのみ」の変動パターンにおける背景画像の背景パターン1の一例を模式的に示した図であり、図78(b)は、第4実施形態の「ノーマルリーチのみ」の変動パターンにおけるコクピット画像のコクピットパターン1の一例を模式的に示した図である。
図78から図80の例では、背景画像データテーブル232a4から背景パターン1が選択され、コクピット画像データテーブル232a5からコクピットパターン1が選択され、図柄データテーブル232a6から図柄パターン1が選択され、文字図柄データテーブル232a8から文字パターン1が選択された場合について説明する。上述したように、音声ランプ制御装置113から「ノーマルリーチのみ」の変動パターンを示す表示用変動パターンコマンドが送信され、表示制御装置114は、該表示用変動パターンコマンドの受信に基づいて、各データテーブル232a4〜232a7の中から「ノーマルリーチのみ」の変動演出に対応した表示パターンを選択するように構成され、今回は背景パターン1、コクピットパターン1、図柄パターン1および文字パターン1を選択した例について説明する。なお、他のデータテーブル232a4(キャラクタデータテーブル232a7や保留図柄データテーブル232a9等)の説明は省略する。
各表示パターンでは、表示する順番を示す「表示順序」と、該「表示順序」に対応する「切替カウンタ値」と、「表示順序」に対応する「シーン」とが規定されている。また、「シーン」には、「シーン」を構成するそれぞれの「対象データ」の表示時間を示す「時間」と、画像データの種別や転送元アドレス(図示せず)等を示す「対象データ」と、「対象データ」の表示位置座標や転送先アドレス(図示せず)等を示す「パラメータ」と、「対象データ」の描画方法に関し、はっきりと表示する「表示」や半透明で表示する「半透明」、拡大して表示する「拡大表示」、表示しない「非表示」等を示す「表示態様」と、その「シーン」における「概要」とのそれぞれの表示情報が規定されている。各表示パターンでは、「表示順序」に従って、後述する切替カウンタの値が、各「シーン」ごとに割り当てられた「切替カウンタ値」に到達するごとに「シーン」が次の「表示順序」の「シーン」切り替わって表示されるように構成されている。
ここで、第4実施形態における切替カウンタについて説明する。第4実施形態の切替カウンタは、第1実施形態におけるポインタ233eと同様の機能を有し、ワークRAM233の各バッファ(図示せず)に格納された表示パターンから、対応する描画内容若しくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべき「シーン」を指定するためのものである。
表示制御装置114のMPU231は、バッファ(図示せず)にデータテーブル232a4〜232anが格納されるのに合わせて、切替カウンタを一旦「0」に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理(図49(b)参照)の表示設定処理(図57参照)の中で、カウンタ更新処理(図示せず)を実行し、切替カウンタの値が1ずつ加算されるように構成する。そして、MPU231は、「シーン」が切り替わるごと、即ち、「シーン」ごとに対応付けられている「切替カウンタ値」に到達するごとに、切替カウンタの値を「0」に初期化すると共に、「シーン」を次の「表示順序」に対応する「シーン」に切り替えるように構成されている。
MPU231は、各バッファ(図示せず)に格納された各データテーブル232a4〜232anの表示パターンから、切替カウンタが示す「シーン」に規定された描画内容(「対象データ」、「パラメータ」、「表示態様」)を特定して、後述する描画リスト(図81参照)を作成すると共に、「シーン」の「対象データ」に対応付けられた「パラメータ」から、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データに関する転送データ情報(常駐用ビデオRAM235に格納されていない画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させる情報)を取得して、その転送データ情報を、作成した描画リストに追加する。具体的には、作成済みの描画リストに対して転送データ情報を追加した新たな描画リストを作成する。
これにより、各バッファ(図示せず)に格納されたデータテーブル232a4〜232anの表示パターンに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、各バッファに各データテーブル232a4〜232anの表示パターンを格納し、コマンド等に基づいて表示パターンを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、「パラメータ」に転送データ情報がある場合は、その転送データ情報に基づいて、対応する所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
図78(a)の背景パターン1では、「表示順序」として「1」のみで構成され、「1」の「表示順序」に対して、「切替カウンタ値」=「750」と「シーン」=「シーン001」とが対応付けられている。従って、1の「シーン001」によって、切替カウンタの値が「750」に到達するまでの間、即ち、750×20ミリ秒(フレーム)=15秒の間、背景画像が表示制御されることを意味している。
具体的には、「シーン001」において、最初に「対象データ」である「CG」が、「時間」として「10」の間(即ち、10×20ミリ秒(フレーム)=0.2秒の間)、「パラメータ」として規定される表示座標(x1,y1)の位置に、「表示態様」が「表示」と規定されて表示制御される。そして、以後、「シーン001」で規定される順の内容で、「時間」ごとに「対象データ」と「パラメータ」と「表示態様」とに基づいて主表示領域Dm全体に背景画像が合計15秒間表示される。
図78(b)のコクピットパターン1では、背景パターン1と同様、「表示順序」として「1」のみで構成され、「1」の「表示順序」に対して、「切替カウンタ値」=「750」と「シーン」=「シーン101」とが対応付けられている。従って、1の「シーン101」によって、切替カウンタの値が「750」に到達するまでの間、即ち、750×20ミリ秒(フレーム)=15秒の間、コクピット画像が表示制御されることを意味している。
具体的には、「シーン101」において、最初に「対象データ」である「コクピット図柄」が、「時間」として「750」の間(即ち、750×20ミリ秒(フレーム)=15秒の間)、「パラメータ」として規定される表示座標(x50,y1)の位置に、「表示態様」が「表示」と規定されて表示制御され、表示画面下側のコクピット表示領域Dbにコクピット画像が合計15秒間表示される。
図79の図柄パターン1では、「表示順序」として「1」〜「4」で構成されており、「1」の「表示順序」に対して、「切替カウンタ値」=「350」と「シーン」=「シーン201」とが対応付けられ、「2」の「表示順序」に対して、「切替カウンタ値」=「150」と「シーン」=「シーン202」とが対応付けられ、「3」の「表示順序」に対して、「切替カウンタ値」=「200」と「シーン」=「シーン203」とが対応付けられ、「4」の「表示順序」に対して、「切替カウンタ値」=「50」と「シーン」=「シーン204」とが対応付けられ、その後、終了するように構成されている。
従って、「表示順序」の「1」に対応する「シーン201」では、切替カウンタの値が「350」に到達するまでの間、即ち、350×20ミリ秒(フレーム)=7秒間の間、第3図柄が表示制御されることを意味しており、この「シーン201」において、第3図柄表示装置81には、第3図柄の「高速変動」の変動要素が表示されるように構成されている。また、「表示順序」の「2」に対応する「シーン202」では、切替カウンタの値が「150」に到達するまでの間、即ち、150×20ミリ秒(フレーム)=3秒間の間、第3図柄が表示制御されることを意味しており、この「シーン202」において、第3図柄表示装置81には、第3図柄の「低速変動」の変動要素が表示されるように構成されている。また、「表示順序」の「3」に対応する「シーン203」では、切替カウンタの値が「200」に到達するまでの間、即ち、200×20ミリ秒(フレーム)=4秒間の間、第3図柄が表示制御されることを意味しており、この「シーン203」において、第3図柄表示装置81には、「ノーマルリーチ」の変動要素における第3図柄の変動(スクロール)が表示されるように構成されている。また、「表示順序」の「4」に対応する「シーン204」ではて、切替カウンタの値が「50」に到達するまでの間、即ち、50×20ミリ秒(フレーム)=1秒間の間、第3図柄が表示制御されることを意味しており、この「シーン204」において、第3図柄表示装置81には、「ノーマルリーチ」の変動要素における第3図柄の確定停止表示が表示されるように構成されている。
具体的には、「表示順序」が「1」の「シーン201」において、最初に前回の変動演出結果として表示されていた各第3図柄に関し、「対象データ」である「左図柄」、「右図柄」および「中図柄」が、「時間」として「20」の間(即ち、20×20ミリ秒(フレーム)=0.4秒の間)、「パラメータ」として規定される表示座標(それぞれ(x10,y50)、(x90,y50)、(x50,y50))の位置に、「表示態様」として「表示」されるものとして表示制御される。即ち、主表示領域Dmにおける各図柄Z1〜Z3の停止位置に各図柄画像(前回の停止結果)が0.4秒間、停止表示される。
その後、同じく「シーン201」において、「対象データ」である「左図柄」、「右図柄」および「中図柄」が、「時間」として「10」の間(即ち、10×20ミリ秒(フレーム)=0.2秒の間)、「パラメータ」として規定される表示座標(それぞれ(x10,y51)、(x90,y51)、(x50,y51))の位置に、「表示態様」が「半透明」と規定されて表示制御される。即ち、主表示領域Dmにおける各図柄列Z1〜Z3で各図柄が「高速変動」状態となり、半透明に描画された各第3図柄が、当初の停止位置から別の座標まで遊技者に視認困難な状態で表示される。従って、各第3図柄の背面側に配置される表示物は、各第3図柄が半透明であることから、各第3図柄を通して透けて視認可能となっている。この状態において、第3図柄を視認困難に構成して、前回の停止図柄から今回の停止図柄への差し替えを行っている。
以後、切替カウンタの値が、「切替カウンタ値」で規定されている「350」に到達するまで、「シーン201」で規定される順の内容で、主表示領域Dmにおける各図柄列Z1〜Z3の各図柄画像が表示制御され、この「シーン201」では、合計7秒間、「高速変動」が実行される。そして、切替カウンタの値が「350」に到達した段階で、「シーン」を「シーン201」から「シーン202」に切り替えると共に、切替カウンタの値を「0」に初期化する。
次いで、「表示順序」が「2」の「シーン202」において、「対象データ」である「左図柄」が、「時間」として「10」の間(即ち、10×20ミリ秒(フレーム)=0.2秒の間)、「パラメータ」として規定される表示座標(x10,y99)の位置に、「表示態様」が「表示」と規定されて表示制御される。また、「シーン202」において、「対象データ」である「右図柄」および「中図柄」が、「時間」として「10」の間(即ち、10×20ミリ秒(フレーム)=0.2秒の間)、「パラメータ」として規定される表示座標(それぞれ(x90,y99)、(x50,y99))の位置に、「表示態様」が「半透明」と規定されて表示制御される。即ち、主表示領域Dmにおける第3図柄の変動態様が「低速変動」状態となり、左図柄列Z1の第3図柄が、主表示領域Dmの上部からはっきり視認可能に表示されると共に、中図柄列及び右図柄列Z2,Z3では半透明に描画された各第3図柄が、主表示領域Dmの上部から遊技者に視認困難な状態で表示される。
以後、切替カウンタの値が、「切替カウンタ値」で規定されている「150」に到達するまで、「シーン202」で規定される順の内容で、主表示領域Dmにおける各図柄列Z1〜Z3の各図柄画像が表示制御され、この「シーン202」では、合計3秒間、「低速変動」が実行される。そして、切替カウンタの値が「150」に到達した段階で、「シーン」を「シーン202」から「シーン203」に切り替えると共に、切替カウンタの値を「0」に初期化する。
次いで、「表示順序」が「3」の「シーン203」において、「対象データ」である「左図柄」及び「右図柄」が、「時間」として「10」の間(即ち、10×20ミリ秒(フレーム)=0.2秒の間)、「パラメータ」として規定される表示座標(それぞれ(x10,y99)、(x90,y99))の位置に、「表示態様」として「拡大表示」されるものとして表示制御される。また、「シーン203」において、「対象データ」である「中図柄」が、「時間」として「10」の間(即ち、10×20ミリ秒(フレーム)=0.2秒の間)、「パラメータ」として規定される表示座標(x50,y99)の位置に、「表示態様」が「表示」と規定されて表示制御される。即ち、主表示領域Dmにおける第3図柄の変動態様が「ノーマルリーチ」状態となり、左図柄列Z1および右図柄列Z3の第3図柄が、所定の停止位置において拡大して表示されると共に、中図柄列Z2では「低速変動」状態の第3図柄が、主表示領域Dmの上部から遊技者に視認可能な状態で表示される。
以後、切替カウンタの値が、「切替カウンタ値」で規定されている「200」に到達するまで、「シーン203」で規定される順の内容で、主表示領域Dmにおける各図柄列Z1〜Z3の各図柄画像が表示制御され、この「シーン203」では、合計4秒間、「ノーマルリーチ」の変動要素における中図柄の停止前までの演出が実行される。そして、切替カウンタの値が「200」に到達した段階で、「シーン」を「シーン203」から「シーン204」に切り替えると共に、切替カウンタの値を「0」に初期化する。
次いで、「表示順序」が「4」の「シーン204」において、「対象データ」である「左図柄」、「右図柄」および「中図柄」が、「時間」として「10」の間(即ち、10×20ミリ秒(フレーム)=0.2秒の間)、「パラメータ」として規定される表示座標(それぞれ(x10,y50)、(x90,y50)、(x50,y50))の位置に、「表示態様」が「表示」として規定されて表示制御される。即ち、主表示領域Dmにおける第3図柄の変動態様が「仮停止」状態となり、各図柄列Z1〜Z3の第3図柄が、所定の停止位置において停止表示される。
以後、切替カウンタの値が、「切替カウンタ値」で規定されている「50」に到達するまで、「シーン204」で規定される順の内容で、主表示領域Dmにおける各図柄列Z1〜Z3の各図柄画像が表示制御され、この「シーン204」では、合計1秒間、「ノーマルリーチ」の変動要素における各図柄の停止表示の演出が実行される。そして、切替カウンタの値が「50」に到達した段階で、「シーン204」を終了して、この図柄パターン1に関する全体の演出が終了するように構成されている。
図80の文字パターン1では、「表示順序」として「1」〜「4」で構成されており、「1」の「表示順序」に対して、「切替カウンタ値」=「500」と「シーン」=「シーン000」とが対応付けられ、「2」の「表示順序」に対して、「切替カウンタ値」=「50」と「シーン」=「シーン301」とが対応付けられ、「3」の「表示順序」に対して、「切替カウンタ値」=「150」と「シーン」=「シーン000」とが対応付けられ、「4」の「表示順序」に対して、「切替カウンタ値」=「50」と「シーン」=「シーン302」とが対応付けられ、その後、終了するように構成されている。なお、「シーン000」は、その「対象データ」の「表示態様」が「非表示」、即ち、視認不能な状態であることを示している。
従って、「表示順序」の「1」に対応する「シーン000」では、切替カウンタの値が「500」に到達するまでの間、即ち、500×20フレーム=10秒間の間、いずれの文字表示も表示されないことを意味しており、この「シーン000」において、第3図柄表示装置81には、各文字表示Se1〜Se4が表示されないように構成されている。また、「表示順序」の「2」に対応する「シーン301」では、切替カウンタの値が「50」に到達するまでの間、即ち、50×20フレーム=1秒間の間、文字図柄1が表示制御されることを意味しており、この「シーン301」において、第3図柄表示装置81には、リーチ発生時文字表示Se1が表示されるように構成されている。また、「表示順序」の「3」に対応する「シーン000」では、切替カウンタの値が「150」に到達するまでの間、即ち、150×20フレーム=3秒間の間、いずれの文字表示も表示されないことを意味しており、この「シーン000」において、第3図柄表示装置81には、各文字表示Se1〜Se4が表示されないように構成されている。また、「表示順序」の「4」に対応する「シーン302」では、切替カウンタの値が「50」に到達するまでの間、即ち、50×20フレーム=1秒間の間、文字図柄3が表示制御されることを意味しており、この「シーン302」において、第3図柄表示装置81には、定型句文字表示Se3が表示されるように構成されている。
具体的には、まず、「表示順序」が「1」の「シーン000」において、「対象データ」が存在せず(「−」と表記)、「表示態様」が「非表示」と規定されているため、「時間」として「500」の間(即ち、500×20フレーム=10秒の間)、いずれの文字表示Se1〜Se4も第3図柄表示装置81に表示されないものとして表示制御される。そして、切替カウンタの値が、「切替カウンタ値」で規定されている「500」に到達するまで、「シーン000」で規定される状態(即ち、「非表示」)が維持される。そして、切替カウンタの値が「500」に到達した段階で、「シーン」を「シーン000」から「シーン301」に切り替えると共に、切替カウンタの値を「0」に初期化する。
次いで、「表示順序」が「2」の「シーン301」において、「対象データ」である「文字図柄1」が、「時間」として「10」の間(即ち、10×20フレーム=0.2秒の間)、「パラメータ」として規定される表示座標(x10,y90)の位置に、「表示態様」が「表示」と規定されて表示制御される。即ち、副表示領域Dsの左小領域Ds1の位置に文字図柄1に対応するリーチ発生時文字表示Se1が0.2秒間、表示される。
以後、切替カウンタの値が、「切替カウンタ値」で規定されている「50」に到達するまで、「シーン301」で規定される順の内容で、左小領域Ds1におけるリーチ発生時文字表示Se1が表示制御され、この「シーン301」では、合計1秒間、リーチ発生時文字表示Se1が表示される。そして、切替カウンタの値が「50」に到達した段階で、「シーン」を「シーン301」から「シーン000」に切り替えると共に、切替カウンタの値を「0」に初期化する。
次いで、「表示順序」が「3」の「シーン000」において、「対象データ」が存在せず(「−」と表記)、「表示態様」が「非表示」と規定されているため、「時間」として「150」の間(即ち、150×20フレーム=3秒の間)、いずれの文字表示Se1〜Se4も第3図柄表示装置81に表示されないものとして表示制御される。そして、切替カウンタの値が、「切替カウンタ値」で規定されている「150」に到達するまで、「シーン000」で規定される状態(即ち、「非表示」)が維持される。そして、切替カウンタの値が「150」に到達した段階で、「シーン」を「シーン000」から「シーン302」に切り替えると共に、切替カウンタの値を「0」に初期化する。
次いで、「表示順序」が「4」の「シーン302」において、「対象データ」である「文字図柄3」が、「時間」として「10」の間(即ち、10×20フレーム=0.2秒の間)、「パラメータ」として規定される表示座標(x10,y90)の位置に、「表示態様」が「表示」と規定されて表示制御される。即ち、副表示領域Dsの左小領域Ds1の位置に文字図柄3に対応する定型句文字表示Se3が0.2秒間、表示される。
以後、切替カウンタの値が、「切替カウンタ値」で規定されている「50」に到達するまで、「シーン302」で規定される順の内容で、左小領域Ds1における定型句文字表示Se3が表示制御され、この「シーン302」では、合計1秒間、定型句文字表示Se3が表示される。そして、切替カウンタの値が「50」に到達した段階で、「シーン302」を終了して、この文字パターン1に関する全体の演出が終了するように構成されている。
次に、図81を参照して、第4実施形態における描画リストについて説明する。図81は、第4実施形態の「ノーマルリーチのみ」の変動パターンにおける「ノーマルリーチ」の変動要素の発生時の描画リストの一例を模式的に示した図である。
MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンドを受信すると、コマンドに応じて上述した各データテーブル232a4からそれぞれ1の表示パターンを選択し、その選択された表示パターンにおいて切替カウンタの値等を参照しながら、各表示パターンごとに設定された所定の優先順位に従って、図81で示す描画リストを作成するように構成されている。
図81で示す例では、スプライトの優先順位が低い順に、背景画像として背景パターン1の「シーン001」が抽出され、コクピット画像としてコクピットパターン1の「シーン101」が抽出され、・・・、図柄(第3図柄)として図柄パターン1の「シーン203」が抽出され、・・・、文字図柄として文字図柄1の「シーン301」が抽出されて、各スプライトの詳細な「対象データ」や「パラメータ」等の描画情報(詳細情報)が記述される。なお、図示しないが、第4実施形態の描画リストも、第1実施形態乃至第3実施形態の描画リストと同様、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファ236b,236cにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、優先順位が低いスプライトが最も背面側に配置させ、優先順位が高いスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
以上、説明したように、第4実施形態のパチンコ機10によれば、第3図柄表示装置81で表示される画像(スプライト)や場面(シーン)毎にグループ化したデータテーブル232a4を設け、該データテーブル232a4においてそれぞれ多数の表示パターンを設けるように構成する。そして、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113からの変動演出等の演出指示(コマンド)に基づいて、各データテーブル232a4からそれぞれ表示パターンを選択し、選択された表示パターンに基づいて所定の優先順位で描画するように描画リストを作成する。このように構成することで、データテーブル232a4の個数と、各データテーブル232a4に設けられた表示パターンの数とを乗じた数のバリエーションに富んだ演出を容易に実行することができる。
その他、第4実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第5実施形態>
次いで、図82及び図83を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、変動演出において、該変動演出の大当たり期待度に応じて各文字表示Se1〜Se4の表示態様を変化させ、大当たりの場合は、「際演出」後に現出する定型句文字表示Se3の変化態様を維持して表示する一方、ハズレの場合には、「際演出」後に現出する定型句文字表示Se3を変化態様から通常の表示態様(即ち、「白色」)に修正して表示するように構成されている。
このように構成されたパチンコ機10において、遊技状態において異常状態が発生した場合には、該異常状態を遊技者に示唆するため、音声出力装置226から異常音(警告音)を出力すると共に、第3図柄表示装置81において異常(エラー)が発生していることを遊技者に示唆するエラー文字表示Se5を表示し、異常状態であることを遊技者に認識させると共に、その異常原因を遊技者に示唆するように構成されている。
ここで、変動演出で現出する各文字表示Se1〜Se4は、変動演出の抽選結果に基づいて表示態様が決定される一方、エラー文字表示Se5は、変動演出の抽選とは無関係に、パチンコ機10に発生した異常に基づいて決定されており、それぞれ独立した制御で表示態様が決定されている。
しかしながら、変動演出においてエラー文字表示Se5を表示する場合に、該変動演出において現出する各文字表示Se1〜Se4とエラー文字表示Se5の表示態様とをそれぞれ関連性がない表示態様で表示してしまうと、遊技者は、該変動演出における大当たり期待度や異常状態を勘違いしてしまうおそれがある。
具体的には、変動演出における各文字表示Se1〜Se4の表示色をチャンスアップパターンで表示していないにも関わらずエラー文字表示Se5をチャンスアップパターンと同系統の表示色で表示してしまった場合、遊技者は、該エラー文字表示Se5の表示色を目の当たりにしてチャンスアップパターンと勘違いをしてしまい、該変動演出で大当たりが発生することを期待してしまう。一方、変動演出における各文字表示Se1〜Se4の表示色がチャンスアップパターンで表示されているにも関わらずエラー文字表示Se5をチャンスアップパターンではない通常の表示色の同系統の表示色で表示してしまった場合、遊技者は、該エラー文字表示Se5の表示色を目の当たりにすることで、変動演出における大当たり期待度が下がってしまったと勘違いをし、遊技に対して興醒めしてしまう。
そこで、第5実施形態のパチンコ機10では、変動演出において大当たり期待度を示す各文字表示Se1〜Se4の他に、該変動演出中に遊技状態における異常を報知するためのエラー文字表示Se5が現出した場合に、該エラー文字表示Se5の表示態様を各文字表示Se1〜Se4の表示態様と同調するように構成する。具体的には、変動演出が大当たりとなる場合であって、各文字表示Se1〜Se4がチャンスアップパターンで表示されている場合には、該エラー文字表示Se5をチャンスアップパターンと同系統の表示色で表示する。また、変動演出がハズレとなる場合であって、リーチ発生時文字表示Se1およびリーチ中文字表示Se2がチャンスアップパターンで表示され、定型句文字表示Se3が通常パターンの表示色で表示される場合、リーチ発生時文字表示Se1およびリーチ中文字表示Se2が表示されている間はエラー文字表示Se5をチャンスアップパターンと同系統の表示色で表示しつつ、定型句文字表示Se3が表示されている間はエラー文字表示Se5を通常パターンの表示色と同系統の表示色で表示するように構成する。
このように構成することで、遊技者は、各文字表示Se1〜Se4とエラー文字表示Se5とが同時に第3図柄表示装置81に表示された場合であっても、変動演出における大当たり期待度を勘違いすることもなく、また、異常状態の内容についても明確に認識することができる。よって、パチンコ機10の異常状態を的確に遊技者に認識させつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
また、エラー文字表示Se5は、遊技者にパチンコ機10の異常状態を報知するため、第3図柄表示装置81における表示物の中でも最前面に表示するように構成されている。そして、そのエラー文字表示Se5の表示態様を、各文字表示Se1〜Se4の表示態様(通常パターンかチャンスアップパターンか)と同調するように表示する。このように構成することで、各文字表示Se1〜Se4が他の表示物、特に、エラー文字表示Se5によって遊技者が視認し難い(視認困難な)場合であっても、各文字表示Se1〜Se4の表示色と同調したエラー文字表示Se5を、第3図柄表示装置81の表示面の最前面に遊技者に視認可能に表示することで、変動演出における大当たり期待度を遊技者に確実に認識させることができる。
以下、第5実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図82及び図83を参照して、第5実施形態におけるリーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3、及び、疑似定型句文字表示Se4と、エラー文字表示Se5との実行例(表示例)について説明する。
まず、図82を参照して、ハズレの変動演出において、定型句文字表示Se3の表示色が修正(変更・制限)されると共に、各文字表示Se1〜Se3の表示色と同調してエラー文字表示Se5が表示される状況について説明する。図82は、第3図柄表示装置81で実行されるハズレの変動演出において、各文字表示Se1〜Se3のチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)に当選しつつ、際後制限フラグ233pによって、定型句文字表示Se3の表示色が「白色」に修正(変更)される状況を示した図である。また、エラー文字表示Se5が各文字表示Se1〜Se3の表示色と同調した表示色で表示される状況を示した図である。
具体的には、図82(a)は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「リーチ表示(「ノーマルリーチ」の変動要素)」が現出された直後であって、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現したリーチ発生時文字表示Se1が左小領域Ds1に表示されている状態を示した図であり、図82(b)は、図82(a)の状態から「ノーマルリーチ」の変動要素が開始され、副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されていると共に、エラー状態を示すエラー文字表示Se5が表示されている状態を示した図であり、図82(c)は、図82(b)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が開始され、コクピット表示領域Dbが消去されて、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行され、さらに、遊技者側のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現したリーチ中文字表示Se2が表示されていると共に、エラー状態を示すエラー文字表示Se5が表示されている状態を示した図であり、図82(d)は、図82(c)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が終了し、副表示領域Dsとコクピット表示領域Dbとが再表示されて、主表示領域Dmにおいて第3図柄の「ハズレ表示」が現出し、さらに、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現した定型句文字表示Se3が左小領域Ds1に表示されていると共に、エラー状態を示すエラー文字表示Se5が表示されている状態を示した図である。なお、図82(a)〜図82(d)において、第3図柄の表示態様は省略して表現している。
まず、図82(a)では、第1実施形態における図64(a)と同様、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」されている状態を示している。従って、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出された直後の状態である。また、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。
また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたリーチ発生時文字表示Se1が「弱パターン」の文字パターン、かつ、第1チャンスアップパターンである「赤色」で表示されている。具体的には、左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「いくぜぇ!」とのリーチ発生時文字表示Se1が、通常の表示色である「白色」から第1チャンスアップパターンである「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図82(a)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択されたことを意味している。なお、この図82(a)において、リーチ発生時文字表示Se1は、「いくぜぇ!」の「弱パターン」が表示されているため、該リーチ発生時文字表示Se1の文字パターンの抽選では、通常の文字パターンである「弱パターン」が選択されたことを意味している。
よって、表示制御装置114のMPU231では、音声ランプ制御装置113から少なくとも表示用赤文字コマンドと、表示用発生時変化コマンドとを受信しており、表示用赤文字コマンドに基づいて赤文字フラグ233kがオンに設定され、表示用発生時変化コマンドに基づいて発生時文字色変化フラグ233nがオンに設定されている。
従って、追加データテーブルバッファ233cには、少なくとも、文字パターンメモリ233jの内容(リーチ発生時文字表示Se1の「弱パターン」)に基づく文字パターン用追加データテーブル232a2(実際には、図82(c)で示すリーチ中文字表示Se2の「弱パターン」も示す)と、赤文字フラグ233kのオンに基づく文字色用追加データテーブル232a2と、発生時文字色変化フラグ233nのオンに基づく文字タイミング用追加データテーブル232a2とが、それぞれ格納(設定)されている状態である。その結果、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図82(a)の表示状態となるように表示制御を実行する。なお、図82(d)で後述するが、図82(a)〜図82(d)の変動演出では、際後制限フラグ233pがオンされていることから、実際には、追加データテーブル232a2として、文字修正用追加データテーブル232a2が格納されている。
図82(b)では、図82(a)の状態から、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されていると共に、下皿50(図1参照)が満タン状態となっているか否かを検知する下皿満タンスイッチ(図示せず)によって該下皿50の満タン状態が検知された場合に、第3図柄表示装置81の最前面において下皿満タン状態を示唆するエラー文字表示Se5が表示された状態を示している。
この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「7」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。また、副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の変動要素の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。なお、コクピット表示領域Dbでは、図82(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。
また、主表示領域Dmの中央部分には、上述したように、下皿50(図1参照)が満タン状態であって、これ以上の球の払出動作が出来ない異常状態であることを遊技者に示唆するエラー文字表示Se5が表示されている。具体的には、主表示領域Dmの中央部分では、下皿50からの球抜き動作を遊技者に促すように「球を抜いてください」とのエラー文字表示Se5が、各文字表示Se1〜Se3の通常の表示色である「白色」と同系統の表示色(例えば、「白色」)で表示されている。つまり、図82(b)では、各文字表示Se1〜Se3が表示されていないため、エラー文字表示Se5は、通常の表示色(例えば、「白色」)で表示されている。
なお、図82(b)のエラー文字表示Se5を、各文字表示Se1〜Se3のチャンスアップパターンの表示色と同系統の表示色(例えば、「赤色」)で表示するように構成してもよい。また、エラー文字表示Se5の表示位置を、主表示領域Dmの中央部分以外の部分に表示してもよく、遊技者にパチンコ機10の異常状態を明確に示唆できるのであれば、如何様な表示領域にエラー文字表示Se5を表示してもよい。具体的には、主表示領域Dmの下部領域や、コクピット表示領域Dmと重複する表示領域、或いは、副表示領域Dsと重複する表示領域にエラー文字表示Se5を表示してもよい。さらに、エラー文字表示Se5として、下皿満タンを示唆するように構成したが、エラー文字表示Se5として他のエラー表示を表示するように構成してもよい。具体的には、遊技状態の異常を示唆する球詰まり異常、扉開放異常、払出数過多異常等や、不正行為の検知を示唆する磁石検知異常、電波検知異常等をエラー文字表示Se5でメッセージ表示してもよい。
この図82(b)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図82(a)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から下皿満タン状態を示すエラーコマンドを受信している。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図82(a)における格納状態(3の文字変化用追加データテーブル232a2(実際には、文字修正用追加データテーブル232a2も含む4の文字変化用追加データテーブル232a2))に加えて、エラー用追加データテーブル232a2が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2及びエラー用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図82(b)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図82(c)では、図82(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」の変動要素では、「ノーマルリーチ」の変動要素で表示されていた「7」図柄のリーチ形成図柄が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbが消去され、その代わりに、第3図柄表示装置81の表示領域左上であってリーチ形成図柄の下側に変動演出の保留球数を示す数字図柄(第1実施形態では、「4」)が新たに現出表示されている。さらに、主表示領域Dmの中央部分には、図82(b)と同様、第3図柄表示装置81の表示面の最前面にエラー文字表示Se5が表示されている。なお、変動演出の保留球数を示す数字図柄は、変動演出の実行中、常時表示するように構成してもよい。
また、この「スーパーリーチ」の変動要素では、複数のキャラクタ図柄が勝敗を競う「バトル演出」が表示され、さらに、遊技者側のキャラクタ図柄がセリフを喋り、そのセリフを文字で現したリーチ中文字表示Se2が「弱パターン」の文字パターン、かつ、チャンスアップパターンで表示されている。具体的には、コクピット表示領域Dbを消去した表示領域において、遊技者側のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「くらえ!」とのリーチ中文字表示Se2が、通常の表示色である「白色」から第1チャンスアップパターンである「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図82(c)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択された結果、リーチ中文字表示Se2も「赤色」で表示されている。つまり、この変動演出にて既に表示されたリーチ発生時文字表示Se1において、上記文字表示の表示色の変化抽選結果を反映した表示色が現出しているため、このリーチ中文字表示Se2の表示色は、リーチ発生時文字表示Se1の表示色を踏襲した表示となっている。なお、この図82(c)において、リーチ中文字表示Se2は、「くらえ!」の「弱パターン」が表示されているため、該リーチ中文字表示Se2の文字パターンの抽選では、通常の文字パターンである「弱パターン」が選択されたことを意味している。
また、主表示領域Dmの中央部分には、図82(b)と同様、下皿50(図1参照)が満タン状態であって、これ以上の球の払出動作が出来ない異常状態であることを遊技者に示唆するエラー文字表示Se5が表示されているが、その表示色がリーチ中文字表示Se2の表示色と同調した表示色(例えば、「赤色」)で表示されている。具体的には、主表示領域Dmの中央部分では、下皿50からの球抜き動作を遊技者に促すように「球を抜いてください」とのエラー文字表示Se5が、リーチ中文字表示Se2のチャンスアップパターンの表示色である「赤色」と同系統の表示色(例えば、「赤色」)で表示されている。
この図82(c)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図82(b)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。即ち、下皿満タン状態の異常状態を解除することを示すエラー解除コマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図82(b)における格納状態と同等の各文字表示Se1〜Se3用の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2(実際には、文字修正用追加データテーブル232a2も含む3の文字変化用追加データテーブル232a2))と、1のエラー用追加データテーブル232a2とが格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2およびエラー用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図82(c)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図82(d)では、図82(c)の状態から、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵キャラクタ図柄に負けて、主表示領域Dmにおいて「ハズレ表示」が現出すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面において副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbが再表示された状態を示している。この状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄と、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄とが再び視認可能となっている。
また、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄は、「ハズレ表示」が現出したことによって、失望した態様で表示され、左小領域Ds1には、該キャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現した定型句文字表示Se3が通常の表示色で表示されている。具体的には、左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「すまねぇ・・・」との定型句文字表示Se3が、通常の表示色である「白色」で表示される。
さらに、主表示領域Dmの中央部分には、図82(c)と同様、下皿50(図1参照)が満タン状態であって、これ以上の球の払出動作が出来ない異常状態であることを遊技者に示唆するエラー文字表示Se5が第3図柄表示装置81の表示面の最前面に表示されているが、その表示色が定型句文字表示Se3の表示色と同調した表示色(例えば、「白色」)で表示されている。具体的には、主表示領域Dmの中央部分では、下皿50からの球抜き動作を遊技者に促すように「球を抜いてください」とのエラー文字表示Se5が、定型句文字表示Se3の通常の表示色である「白色」と同系統の表示色(例えば、「白色」)で表示されている。
即ち、この図82(d)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択され、さらに、該変動演出が「ハズレ表示」であることで、定型句文字表示Se3の表示色が「白色」に修正(変更)されたことを意味している。
遊技者は、図82(d)の表示内容を認識した場合、「スーパーリーチ」の「バトル演出」において遊技者側のキャラクタ図柄が負けたことにより、該「スーパーリーチ」では「大当たり表示」が現出せず「ハズレ表示」が現出することを予測する。また、定型句文字表示Se3の表示色が「白色」で表示されていることから、上記「ハズレ表示」の予測に関し、違和感を感じることなく、該変動演出の終了を認識する。さらに、エラー文字表示Se5の表示色が「白色」で表示されていることから、上記「ハズレ表示」の予測に関し、違和感を感じることなく、該変動演出の終了を認識する。
ここで、この変動演出では、上述したように、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択されている。よって、各文字表示Se1〜Se3の表示色は、上述したように一括設定されているため、定型句文字表示Se3も該一括設定に伴って「赤色」で表示すべきところ、該変動演出では「ハズレ表示」が現出することから、定型句文字表示Se3がチャンスアップパターンではなく通常の表示色である「白色」で表示されるように構成されている。
よって、表示制御装置114のMPU231では、音声ランプ制御装置113から少なくとも表示用赤文字コマンドと表示用発生時変化コマンドと表示用定型句通常コマンドとエラーコマンドとを受信しており、表示用赤文字コマンドに基づいて赤文字フラグ233kがオンに設定され、表示用発生時変化コマンドに基づいて発生時文字色変化フラグ233nがオンに設定され、表示用定型句通常コマンドに基づいて際後制限フラグ233pがオンに設定され、エラーコマンドに基づいて下皿エラーフラグ(図示せず)がオンに設定されている。従って、追加データテーブルバッファ233cには、少なくとも、文字パターンメモリ233jの内容に基づく文字パターン用追加データテーブル232a2と、赤文字フラグ233kのオンに基づく文字色用追加データテーブル232a2と、発生時文字色変化フラグ233nのオンに基づく文字タイミング用追加データテーブル232a2と、際後制限フラグ233pのオンに基づく文字修正用追加データテーブル232a2と、下皿エラーフラグのオンに基づくエラー用追加データテーブル232a2とが、それぞれ格納(設定)されている状態である。
その結果、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2およびエラー用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図82(d)の表示状態となるように表示制御を実行する。
このように、変動演出がハズレとなる場合であって、リーチ発生時文字表示Se1およびリーチ中文字表示Se2がチャンスアップパターンで表示され、定型句文字表示Se3が通常パターンの表示色で表示される場合、リーチ発生時文字表示Se1およびリーチ中文字表示Se2が表示されている間はエラー文字表示Se5をチャンスアップパターンと同系統の表示色で表示しつつ、定型句文字表示Se3が表示されている間はエラー文字表示Se5を通常パターンの表示色と同系統の表示色で表示するように構成する。このように構成することで、遊技者は、各文字表示Se1〜Se4とエラー文字表示Se5とが同時に第3図柄表示装置81に表示された場合であっても、変動演出における大当たり期待度を勘違いすることもなく、また、異常状態の内容についても明確に認識することができる。よって、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
次に、図83を参照して、「再変動」の変動要素を含む大当たりの変動演出において、疑似定型句文字表示Se4(定型句文字表示Se3)の表示色がチャンスアップパターンのまま表示される状況について説明する。図65は、第3図柄表示装置81で実行される大当たりの変動演出において、各文字表示Se1〜Se4のチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)に当選し、「再変動」の変動要素が実行される前に表示される疑似定型句文字表示Se4の表示色が「赤色」のまま表示される状況を示した図である。また、エラー文字表示Se5が各文字表示Se1〜Se3の表示色と同調した表示色で表示される状況を示した図である。
具体的には、図83(a)は、第5実施形態における第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「リーチ表示(「ノーマルリーチ」の変動要素)」が現出された直後であって、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現したリーチ発生時文字表示Se1が左小領域Ds1に表示されている状態を示した図であり、図83(b)は、図83(a)の状態から「ノーマルリーチ」の変動要素が開始され、副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されていると共に、エラー状態を示すエラー文字表示Se5が表示されている状態を示した図であり、図83(c)は、図83(b)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が開始され、コクピット表示領域Dbが消去されて、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行され、さらに、遊技者側のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現したリーチ中文字表示Se2が表示されていると共に、エラー状態を示すエラー文字表示Se5が表示されている状態を示した図であり、図83(d)は、図83(c)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素において「際演出」が実行されて、該「際演出」において「ハズレ表示」が現出することを示唆する内容が表示されていると共に、エラー状態を示すエラー文字表示Se5が表示されている状態を示した図であり、図83(e)は、図83(d)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が終了し、副表示領域Dsとコクピット表示領域Dbとが再表示されて、主表示領域Dmにおいて第3図柄の「ハズレ表示」が現出し、さらに、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現した定型句文字表示Se3が左小領域Ds1に表示されていると共に、エラー状態を示すエラー文字表示Se5が表示されている状態を示した図であり、図83(f)は、図83(e)の状態から「再変動」の変動要素が実行されて「大当たり表示」が現出する間際であると共に、エラー状態を示すエラー文字表示Se5が表示されている状態を示した図である。なお、図65(a)〜図65(f)において、第3図柄の表示態様は省略して表現している。
まず、図83(a)では、第1実施形態の図65(a)と同様、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」されている状態を示している。従って、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出された直後の状態である。また、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。
また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたリーチ発生時文字表示Se1が「強パターン」の文字パターン、かつ、チャンスアップパターンである「赤色」で表示されている。具体的には、左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「いけるぜぇ!」とのリーチ発生時文字表示Se1が、通常の表示色である「白色」から第1チャンスアップパターンである「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図83(a)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1の文字パターンの抽選では「強パターン」が選択されると共に、各文字表示Se1〜Se4の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択され、さらに、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングに関する抽選において、「リーチ発生時」が選択されたことを意味している。
よって、表示制御装置114のMPU231では、音声ランプ制御装置113から少なくともリーチ発生時文字表示Se1の「強パターン」に関するコマンド(後述する図83(c)においてリーチ中文字表示Se2も「強パターン」であることから、表示用強強パターンコマンド)と、表示用赤文字コマンドと、表示用発生時変化コマンドとを受信しており、文字パターンメモリ233jに少なくともリーチ発生時文字表示Se1が「強パターン」であることが設定され、表示用赤文字コマンドに基づいて赤文字フラグ233kがオンに設定され、表示用発生時変化コマンドに基づいて発生時文字色変化フラグ233nがオンに設定されている。
従って、追加データテーブルバッファ233cには、少なくとも、文字パターンメモリ233jの設定内容に基づく文字パターン用追加データテーブル232a2と、赤文字フラグ233kのオンに基づく文字色用追加データテーブル232a2と、発生時文字色変化フラグ233nのオンに基づく文字タイミング用追加データテーブル232a2とが、それぞれ格納(設定)されている状態である。その結果、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図83(a)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図83(b)では、図83(a)の状態から、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されていると共に、下皿50(図1参照)が満タン状態となっているか否かを検知する下皿満タンスイッチ(図示せず)によって該下皿50の満タン状態が検知された場合に、下皿満タン状態を示唆するエラー文字表示Se5が、第3図柄表示装置81の表示面の最前面に表示された状態を示している。
この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「7」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。また、副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の変動要素の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。なお、コクピット表示領域Dbでは、図83(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。
また、主表示領域Dmの中央部分には、上述したように、下皿50(図1参照)が満タン状態であって、これ以上の球の払出動作が出来ない異常状態であることを遊技者に示唆するエラー文字表示Se5が表示されている。具体的には、主表示領域Dmの中央部分では、下皿50からの球抜き動作を遊技者に促すように「球を抜いてください」とのエラー文字表示Se5が、各文字表示Se1〜Se4の通常の表示色である「白色」と同系統の表示色(例えば、「白色」)で表示されている。つまり、図83(b)では、各文字表示Se1〜Se4が表示されていないため、エラー文字表示Se5は、通常の表示色(例えば、「白色」)で表示されている。
なお、図83(b)のエラー文字表示Se5を、各文字表示Se1〜Se4のチャンスアップパターンの表示色と同系統の表示色(例えば、「赤色」)で表示するように構成してもよい。
この図83(b)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図83(a)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から下皿満タン状態を示すエラーコマンドを受信している。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図83(a)における格納状態(3の文字変化用追加データテーブル232a2)に加えて、エラー用追加データテーブル232a2が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2及びエラー用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図83(b)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図83(c)では、図83(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」の変動要素では、「ノーマルリーチ」の変動要素で表示されていた「7」図柄のリーチ形成図柄が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbが消去され、その代わりに、第3図柄表示装置81の表示領域左上であってリーチ形成図柄の下側に変動演出の保留球数を示す数字図柄(第5実施形態では、「4」)のリーチ形成図柄が新たに現出表示されている。さらに、主表示領域Dmの中央部分には、図83(b)と同様、第3図柄表示装置81の表示面の最前面にエラー文字表示Se5が表示されている。
また、この「スーパーリーチ」の変動要素では、複数のキャラクタ図柄が勝敗を競う「バトル演出」が表示され、さらに、遊技者側のキャラクタ図柄がセリフを喋り、そのセリフを文字で現したリーチ中文字表示Se2がチャンスアップパターンで表示されている。具体的には、コクピット表示領域Dbを消去した表示領域において、遊技者側のキャラクタ図柄から発せられた「強パターン」のセリフである「とどめだ!」とのリーチ中文字表示Se2が、通常の表示色である「白色」から第1チャンスアップパターンである「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図83(c)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるリーチ中文字表示Se2の文字パターンの抽選では「強パターン」が選択されると共に、各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択され、さらに、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択された結果、リーチ中文字表示Se2も「赤色」で表示されている。つまり、この変動演出にて既に表示されたリーチ発生時文字表示Se1の表示色において、上記文字表示の表示色の変化抽選結果を反映した表示色が現出しているため、このリーチ中文字表示Se2の表示色は、リーチ発生時文字表示Se1の表示色を踏襲した表示となっている。
また、主表示領域Dmの中央部分には、図83(b)と同様、下皿50(図1参照)が満タン状態であって、これ以上の球の払出動作が出来ない異常状態であることを遊技者に示唆するエラー文字表示Se5が表示されているが、その表示色がリーチ中文字表示Se2の表示色と同調した表示色(例えば、「赤色」)で表示されている。具体的には、主表示領域Dmの中央部分では、下皿50からの球抜き動作を遊技者に促すように「球を抜いてください」とのエラー文字表示Se5が、リーチ中文字表示Se2のチャンスアップパターンの表示色である「赤色」と同系統の表示色(例えば、「赤色」)で表示されている。
この図83(c)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図83(b)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。即ち、下皿満タン状態の異常状態を解除することを示すエラー解除コマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図83(b)における格納状態と同等の各文字表示Se1〜Se4用の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2)と、1のエラー用追加データテーブル232a2とが格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2及びエラー用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図83(c)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図83(d)では、図83(c)の状態から、「スーパーリーチ」において「際演出」が実行されて、該「際演出」において遊技者側のキャラクタ図柄(左側キャラクタ図柄)が敵側のキャラクタ図柄(右側キャラクタ図柄)に負けて、「ハズレ表示」が現出することを示唆する内容が表示されている状態を示した図である。さらに、主表示領域Dmの中央部分には、図83(c)と同様、第3図柄表示装置81の表示面の最前面にエラー文字表示Se5が表示されている。
図83(d)の表示状態は、第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示されていた「7」図柄のリーチ形成図柄において、その中央部分にリーチ形成図柄とは異なる「8」図柄が停止表示されている。即ち、第3図柄表示装置81の表示領域左上において、「787」との「ハズレ表示」を示唆する表示が行われている。また、コクピット表示領域Dbが継続して消去され、第3図柄表示装置81の表示領域左上であってリーチ形成図柄の下側に変動演出の保留球数を示す数字図柄が継続して表示されている。
また、主表示領域Dmの中央部分には、図83(c)と同様、下皿50(図1参照)が満タン状態であって、これ以上の球の払出動作が出来ない異常状態であることを遊技者に示唆するエラー文字表示Se5が表示されているが、その表示色が図83(c)で現出したリーチ中文字表示Se2の表示色と同調した表示色(例えば、「赤色」)で表示されている。具体的には、主表示領域Dmの中央部分では、下皿50からの球抜き動作を遊技者に促すように「球を抜いてください」とのエラー文字表示Se5が、リーチ中文字表示Se2(図83(c)参照)のチャンスアップパターンの表示色である「赤色」と同系統の表示色(例えば、「赤色」)で表示されている。この時点でエラー文字表示Se5の表示色を通常の表示色(例えば、「白色」)で表示してしまうと、「際演出」の最中であるにも関わらず該変動演出が外れたかのような印象を与えてしまう。よって、「際演出」の最中に表示されるエラー文字表示Se5の表示態様は、「際演出」中に現出したリーチ中文字表示Se2の表示態様と同調した表示を維持するように構成されている。
この図83(d)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図83(c)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。即ち、下皿満タン状態の異常状態を解除することを示すエラー解除コマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図83(c)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2および1のエラー用追加データテーブル232a2)が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2及びエラー用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図83(d)の表示状態となるように表示制御を実行する。
図83(e)では、図83(d)の状態から、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵キャラクタ図柄に負けて、主表示領域Dmにおいて仮の「ハズレ表示」が現出すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面において副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbが再表示された状態を示している。この状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄と、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄とが再び視認可能となっている。
また、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄は、仮の「ハズレ表示」が現出したことによって、失望した態様で表示され、左小領域Ds1には、該キャラクタ図柄から発せられたセリフを文字で現した疑似定型句文字表示Se4がチャンスアップパターンで表示されている。具体的には、左小領域Ds1では、中央小領域Ds2のキャラクタ図柄から発せられたセリフである「すまねぇ・・・」との疑似定型句文字表示Se4が、通常の表示色である「白色」から「赤色」に変化して表示される。
即ち、この図83(e)の表示状態は、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se4の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択された結果、疑似定型句文字表示Se4も「赤色」で表示されている。つまり、この変動演出にて既に表示されたリーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2の表示色において、上記文字表示の表示色の変化抽選結果を反映した表示色が現出しているため、この疑似定型句文字表示Se4の表示色は、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2の表示色を踏襲した表示となっている。
ここで、この変動演出では、上述したように、音声ランプ制御装置113のMPU221における各文字表示Se1〜Se3の表示色の変化抽選に当選して「赤色」が選択されていると共に、各文字表示Se1,Se2の表示色の変化タイミングの抽選に関し、「リーチ発生時」が選択されている。よって、各文字表示Se1〜Se3の表示色は、上述したように一括設定されているため、疑似定型句文字表示Se4(定型句文字表示Se3)も該複数変更に伴って「赤色」で表示すべきであり、また、該変動演出ではこの仮の「ハズレ表示」から「再変動」の変動要素が行われ、「大当たり表示」が現出することから、疑似定型句文字表示Se4(定型句文字表示Se3)をチャンスアップパターンのまま表示しても遊技者に不信感等を与えることがなく、該チャンスアップパターンの表示色を修正する必要がない。
また、主表示領域Dmの中央部分には、図83(d)と同様、下皿50(図1参照)が満タン状態であって、これ以上の球の払出動作が出来ない異常状態であることを遊技者に示唆するエラー文字表示Se5が第3図柄表示装置81の表示面の最前面に表示されているが、その表示色が定型句文字表示Se3の表示色と同調した表示色(例えば、「赤色」)で表示されている。具体的には、主表示領域Dmの中央部分では、下皿50からの球抜き動作を遊技者に促すように「球を抜いてください」とのエラー文字表示Se5が、定型句文字表示Se3のチャンスアップパターンの表示色である「赤色」と同系統の表示色(例えば、「赤色」)で表示されている。
従って、この図83(e)の表示状態において、表示制御装置114のMPU231は、図83(d)の表示状態に対して音声ランプ制御装置113から追加的にコマンドを受信していない。よって、追加データテーブルバッファ233cには、図83(d)における格納状態と同等の追加データテーブル232a2(3の文字変化用追加データテーブル232a2および1のエラー用表示データテーブル232a2)が格納(設定)されている状態である。従って、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された変動用表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された各文字変化用追加データテーブル232a2及びエラー用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストを作成する。そして、画像コントローラ237は、その描画リストに基づいて、第3図柄表示装置81に対して図83(e)の表示状態となるように表示制御を実行する。
また、遊技者は、図83(e)の表示内容を認識した場合、図83(d)で示すように「スーパーリーチ」の変動要素の「バトル演出」において遊技者側のキャラクタ図柄が負けたことにより、該「スーパーリーチ」の変動要素では「大当たり表示」が現出せず「ハズレ表示」が現出することを予測する。しかし、疑似定型句文字表示Se4(遊技者は定型句文字表示Se3と認識している)の表示色が「赤色」で表示され、また、エラー文字表示Se5の表示色が「赤色」で表示されたことから、遊技者は、上記「ハズレ表示」の予測に対して違和感を感じ、該変動演出が「ハズレ表示」のまま確定するのではなく、何かしらの追加的な演出が実行されるのでは、と予測し直す。
図83(f)では、図83(e)の状態から、主表示領域Dmにおいて「再変動」の変動要素が実行されている状態を示している。この「再変動」の変動要素では、主表示領域Dmが拡大して表示されると共に副表示領域Dsが消去され、各表示領域Dm1〜Dm3において「787」と停止表示されていた「ハズレ表示」が再び変動を開始し、最終的に「大当たり表示」である「777」で停止表示される。また、主表示領域Dmの中央部分には、図83(e)と同様、第3図柄表示装置81の表示面の最前面にエラー文字表示Se5が表示されている。遊技者は、「再変動」の変動要素が発生したことに対して驚くと共に、図83(e)の段階で推測した通り、変動演出が「ハズレ表示」で確定せずに発展して、「大当たり表示」が現出したことに対して幸福感と満足感とを得ることができる。
このように、変動演出が「大当たり表示」で確定する場合には、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2においてチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)が実行されていたとき、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」後に表示される疑似定型句文字表示Se4及び定型句文字表示Se3においても、チャンスアップパターンを踏襲して表示するように構成する。また、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」の最中に現出するエラー文字表示Se5においても、各文字表示Se1〜Se4の表示色と同調した表示色で表示する。即ち、「大当たり表示」の変動演出において、疑似定型句文字表示Se4及び定型句文字表示Se3並びにエラー文字表示Se5の表示色を「赤色」で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないため、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
以上、説明したように、第5実施形態のパチンコ機10によれば、変動演出において大当たり期待度を示す各文字表示Se1〜Se4の他に、該変動演出中に遊技状態における異常を報知するためのエラー文字表示Se5が現出した場合に、該エラー文字表示Se5の表示態様を各文字表示Se1〜Se4の表示態様と同調するように構成する。このように構成することで、遊技者は、各文字表示Se1〜Se4とエラー文字表示Se5とが同時に第3図柄表示装置81に表示された場合であっても、変動演出における大当たり期待度を勘違いすることもなく、また、異常状態の内容についても明確に認識することができる。よって、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
また、エラー文字表示Se5は、遊技者にパチンコ機10の異常状態を報知するため、第3図柄表示装置81における表示物の中でも最前面に表示するように構成されている。そして、そのエラー文字表示Se5の表示態様を、各文字表示Se1〜Se4の表示態様(通常パターンかチャンスアップパターンか)と同調するように表示する。このように構成することで、各文字表示Se1〜Se4が他の表示物、特に、エラー文字表示Se5によって遊技者が視認し難い(視認困難な)場合であっても、各文字表示Se1〜Se4の表示色と同調した第3図柄表示装置81の最前面にエラー文字表示Se5を視認可能に表示することで、変動演出における大当たり期待度を遊技者に確実に認識させることができる。
その他、第5実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第4実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしてもよい。また、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
<変形例1>
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113は、変動演出の開始時に、実行中の変動演出(以下、「当該変動演出」という)における各文字表示Se1〜Se4の表示態様を抽選により決定し、該抽選結果に基づいて各文字表示Se1〜Se4を表示して、当該変動演出が「ハズレ表示」の場合には定型句文字表示Se3の表示色を修正するように構成されている。これに対し、当該変動演出における定型句文字表示Se3の修正処理において、保留中の変動演出(以下、「保留変動演出」という)に「大当たり表示」が存在するか否かを判定し、保留変動演出に「大当たり表示」が存在する場合は、定型句文字表示Se3の表示色の修正を行わず、定型句文字表示Se3をチャンスアップパターンのまま表示するように構成してもよい。このように構成することで、当該変動表示の「リーチ表示」において「ハズレ表示」の表示結果が現出している状態で定型句文字表示Se3がチャンスアップパターンのまま表示された場合には、遊技者に、当該変動演出において「大当たり表示」が現出するか、保留変動演出において「大当たり表示」が現出するかを期待させて、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例2>
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113は、変動演出の開始時に、各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、文字色及び文字色の変化タイミングを決定している。これに代えて、先読み処理(保留表示設定処理(図43参照))において、文字パターンテーブル222g、文字色変化テーブル222h及び色変化タイミングテーブル222iを参照して、第3図柄の変動演出における「リーチ表示」で現出される各文字表示Se1〜Se4の文字パターン、文字色及び文字色の変化タイミングを決定するように構成してもよい。
<変形例3>
上記各実施形態では、第3図柄表示装置81において1の文字表示Se1〜Se4を単独で表示するように構成されている。これに代えて、第3図柄表示装置81において同時に複数の文字表示が同時期に表示されるように構成してもよい。なお、「同時期に表示」とは、複数の文字表示を同時に現出させる場合や、1の文字表示を表示している状態で他の文字表示を現出させる場合等が例示される。
<変形例4>
上記4実施形態では、各スプライトごとにデータテーブル232a4を設け、該データテーブル232a4から表示パターンを選択して表示制御を行うように構成されていた。これに対し、各スプライトの表示色のみを特定する表示色データテーブルを設け、各スプライトの表示色を変更する場合は、表示色データテーブルの内容を変更することで各スプライトの表示色を変更するように構成してもよい。
<変形例5>
上記各実施形態では、「リーチ表示」の実行に基づいて各文字表示Se1〜Se4を所定のタイミングで断片的に表示(例えば、表示期間1秒)していた。これに代えて、文字表示を表示する専用の文字表示用領域(テロップ領域)を設け、該文字表示用領域において文字表示をスクロール表示するように構成してもよい。文字表示用領域において文字表示をスクロール表示する場合は、例えば、画面右側から画面左側へ文字表示をスクロール表示し、画面左側まで文字表示が移動した場合、再び、画面右側から文字表示を表示させるように構成してもよい。従って、文字表示用領域において文字表示をチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)で表示していた場合において、「ハズレ表示」の変動演出における「際演出」の終了後には、該文字表示を通常の表示態様(例えば、「白色」)で表示するように構成してもよい。チャンスアップパターンで表示されていた文字表示を「際演出」後に通常の表示態様に戻す方法としては、文字表示用領域における文字表示の表示態様を、画面左側まで移動する場合にチャンスアップパターンで表示し、画面左側から文字表示が消えて、画面右側から再び表示される際に、通常の表示態様で表示するように構成してもよい。
<変形例6>
上記各実施形態では、各文字表示Se1〜Se4の表示色抽選においてチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)が選択された場合に、各文字表示Se1〜Se4の表示色を一旦チャンスアップパターンに設定し、その後、その各文字表示Se1〜Se4が行われる変動演出が「ハズレ表示」のときに、定型句文字表示Se3の表示色をチャンスアップパターンではない通常のパターンに修正(再変更)して表示するように構成されていた。これに代えて、「ハズレ表示」や「昇格」演出を有しない変動演出では、各文字表示Se1〜Se4の文字色用追加データテーブル232a2として、各文字表示Se1,Se2がチャンスアップパターンの表示色(例えば、「赤色」)であって、かつ、定型句文字表示Se3が通常の表示色(例えば、「白色」)の色変化用追加データテーブル232a2を選択するように構成してもよい。このように構成することで、「際演出」の実行後に、追加的な変動要素が実行されない変動演出において、発展示唆機能を有するチャンスアップパターンを表示せずに済み、演出内容の齟齬を発生させずに、遊技者に不信感を募らせることを未然に防止することができる。
<変形例7>
上記各実施形態では、各文字表示Se1〜Se4の表示色抽選においてチャンスアップパターン(例えば、「赤色」)が選択された場合に、各文字表示Se1〜Se4の表示色を一旦チャンスアップパターンに設定し、その後、その各文字表示Se1〜Se4が行われる変動演出が「ハズレ表示」のときに、定型句文字表示Se3の表示色をチャンスアップパターンではない通常のパターンに修正して表示するように構成されていた。これに代えて、「ハズレ表示」や「昇格」演出を有しない変動演出では、定型句文字表示Se3を第3図柄表示装置81に表示しないように構成してもよい。「ハズレ表示」や「昇格」演出において定型句文字表示Se3を第3図柄表示装置81に表示させないことで、演出内容の齟齬を発生させずに、遊技者に不信感を募らせることを未然に防止することができる。
このような場合に、定型句文字表示Se3が表示されなくても、音声出力装置226からは表示されない定型句文字表示Se3に対応した音声(例えば、「すまねぇ・・・」等)を出力するように構成してもよい。「ハズレ表示」等の場合、定型句文字表示Se3が第3図柄表示装置81に表示されないことから、通常とは違う表示パターン(所謂、法則崩れ)とも捉えられる可能性はあるが、定型句文字表示Se3が表示されない(視認できない)ことで、法則崩れとの認識になり難くすることができる。
また、定型句文字表示Se3を表示させない方法としては、色変化用追加データテーブル232a2において、定型句文字表示Se3の表示態様が透明となるような値を設定して、遊技者から視認不能にしたり、定型句文字表示Se3の表示色が該定型句文字表示Se3の後側に配置されるスプライトの表示色と同一の色に設定して、定型句文字表示Se3が後側のスプライトと同化して、遊技者から視認不能となるようにしたり、或いは、他のスプライトを定型句文字表示Se3のスプライトの手前側に配置されるように設定して、遊技者から視認不能にしてもよい。
<変形例8>
上記各実施形態では、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する場合に、当初設定された実行タイミング(「保留消去後」)で「保留変化予告」を実行できる変動演出か否かを判別し、実行できる変動演出である場合には、当初の設定通りの実行タイミング(「保留消去後」)で「保留変化予告」を行う一方、実行できない変動演出である場合には、当初設定されていた「保留変化予告」の実行タイミングを変更して、「保留変化予告」を実行可能なタイミングを判別した上で、該「保留変化予告」を実行するように構成されている。これに代えて、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する場合に、当初設定された実行タイミングで「保留変化予告」を実行できる変動演出か否かを判別し、実行できない変動演出である場合には、該変動演出において「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できる内容に変更して、当初された「保留消去後」の「保留変化予告」を実行するように構成してもよい。
このように構成することで、変動演出において「保留消去後」の「保留変化予告」が選択された場合に、その変動演出において「保留消去後」の実行タイミングで「保留変化予告」を実行することができない演出態様(変動要素)と判定されたとき、まず、コクピット表示領域Dbを消去する変動要素に変更可能な変動要素(例えば、「疑似演出」に関する変動要素)の有無を判別する。そして、変更可能な変動要素(例えば、「疑似演出」の変動要素)を含むと判定された場合に、該変更可能な変動要素(例えば、「疑似演出」の全部又は一部)を、コクピット表示領域Dbを消去する変動要素(例えば、「スーパーリーチ」)の変動要素に変換する。よって、コクピット表示領域Dbを消去する変動要素を追加することで、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行することが可能となる。このように構成することで、「保留消去後」の「保留変化予告」が選択された場合に、該「保留消去後」の実行タイミングで「保留変化予告」を実行し易くすることができる。よって、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
<変形例9>
上記各実施形態では、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する場合に、第3図柄表示装置81に表示されている実行図柄及び保留図柄を何らかの演出(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素等)によって消去して、その後、再び表示する場合に「保留変化予告」を実行するように構成されていた。これに代えて、第3図柄表示装置81の一部を覆うことが可能な可動役物を使用して、コクピット表示領域Dbを視認できない(視認困難に)状態に駆動可能に構成してもよい。該可動役物によりコクピット表示領域Dbを覆っている状態で、実行図柄において「保留変化予告」を実行する。その後、可動役物がコクピット表示領域Dbを覆う状態から元の状態に戻った場合に、遊技者は、実行図柄を再び視認することができる状態になると共に、実行図柄において「保留変化予告」が実行されていることを認識することが可能となる。
<変形例10>
上記各実施形態では、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する場合に、第3図柄表示装置81に表示されている実行図柄及び保留図柄を何らかの演出(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素等)によって消去して、その後、再び表示する場合に「保留変化予告」を実行するように構成されていた。これに代えて、変動演出中にコクピット表示領域Dbに重複するように大キャラカットイン画像を表示可能に構成すると共に、大キャラカットイン画像の表示時間を、変動演出のいずれの変動要素の実行時間よりも短い時間に構成する。また、コクピット表示領域Dbは、変動演出の実行中、いずれの変動要素でも常時表示可能に構成する。さらに、変動演出において、該大キャラカットイン画像が表示されている間、遊技者からコクピット表示領域Dbが視認できないように構成する。その後、大キャラカットイン画像が消えて、コクピット表示領域Dbが再び視認可能になったとき、実行図柄の表示態様が変化する「大カットイン表示後」の「保留変化予告」を実行するように構成する。このように構成することで、各変動要素の実行時間より短い表示時間の大キャラカットイン画像によって、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄を隠蔽し、その隠蔽が解除された段階で実行図柄に対して「保留消去後」の「保留変化予告」を行うことで、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者に認識し難くして、さりげなく実行図柄の表示態様を変化させることができる。実行図柄がさりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
さらに、大キャラカットイン画像の表示時間を各変動要素の実行時間より短く設定することで、いずれの変動要素でも大キャラカットイン画像を表示することが可能となる。変形例7の可動役物の駆動によりコクピット表示領域Dbを覆う場合と比べて、大キャラカットイン画像を表示可能か否か変動演出の変動要素を判定する処理が不要となる。よって、音声ランプ制御装置113は、「保留消去後」の「保留変化予告」を行うために、大キャラカットイン画像の表示することを決定する制御のみを行えばいいので、音声ランプ制御装置113の制御負担を軽減させつつ、遊技者に意外性のある演出を提供し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
<変形例11>
上記各実施形態では、実行中の変動演出を示す実行図柄において、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行していた。これに代えて、保留図柄において「保留消去後」の「g保留変化予告」を実行するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者は、実行図柄ほど保留図柄の変化には着目しておらず、その変化に気付き辛い。よって、保留図柄に対して「保留消去後」の「保留変化予告」を行った場合に、遊技者は、実行図柄が変化したときに比べて保留図柄の変化を認識するのを遅らせることができ、その間、遊技者に違和感を与えることができる。その結果、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
<変形例12>
上記各実施形態では、実行中の変動演出において、「スーパーリーチ」の変動要素が現出することでコクピット表示領域Dbが消去され、該「スーパーリーチ」の変動要素が終了してコクピット表示領域Dbが再び表示されたタイミングで実行図柄に対して「保留消去後」の「保留変化予告」を行っていた。また、「リーチ表示」として、「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素及び「スペシャルリーチ」の変動要素(以下、「各リーチ表示」と略す場合がある)の異なる3種類の「リーチ表示」が設けられ、「各リーチ表示」のリーチパターン(実行態様)はそれぞれ1種類で構成されていた。これに代えて、「各リーチ表示」のリーチパターンをそれぞれ複数(例えば、「弱パターン」と「強パターン」との2種類)設け、「各リーチ表示」が選択された場合に、該「各リーチ表示」のリーチパターンを決定するように構成してもよい。また、この構成において、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する場合に、「各リーチ表示」が「強パターン」のリーチパターンが選択されていたとき、該「強パターン」を「弱パターン」のリーチパターンに変更する。そして、該「弱パターン」の「各リーチ表示」が実行された後、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行するように構成する。
このように構成することで、例えば、大当たりの変動演出において「保留消去後」の「保留変化予告」を行う場合に、変動演出の「各リーチ表示」において「強パターン」のリーチパターンが選択されていた場合、該「強パターン」のリーチパターンを「弱パターン」のリーチパターンに変更するように構成する。このように構成することで、「弱パターン」のリーチパターンが現出した場合でも、該「弱パターン」の「リーチ表示」の変動要素の終了後に、「保留消去後」の「保留変化予告」が現出すれば大当たりとなるため、「弱パターン」現出時においても興醒めすることなく遊技を堪能することが可能となる。
<変形例13>
上記第1実施形態では、「スーパーリーチ」が現出した場合に、コクピット表示領域Db全体を消去して、該コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄及び保留図柄をともに視認不能となるように消去していた。これに対し、コクピット表示領域Dbの保留図柄のみを消去し、実行中の変動演出の内容を示す実行図柄を表示し続けるように構成してもよい。このように構成することで、実行図柄において「保留変化予告」が実行されていた場合に、該「保留変化予告」の表示態様に基づく実行中の変動演出に関する大当たり期待度を遊技者に示唆し続けることができ、実行中の変動演出における遊技の興趣を高めることができる。なお、変動演出中に実行図柄を消去せずに表示し続ける場合には、「保留消去後」の「保留変化予告」は、保留図柄に対して実行するように構成すると好適である。
<変形例14>
上記第1実施形態又は第5実施形態では、通常時では視認可能であって、「スーパーリーチ」が発生した場合に視認不能となるコクピット表示領域Dbに表示される実行図柄又は保留図柄において、該「スーパーリーチ」の変動要素が終了して、再び実行図柄及び保留図柄が視認可能となるタイミングで「保留消去後」の「保留変化予告」を実行するように構成されていた。これに対し、実行図柄又は保留図柄とは異なる表示物において、「消去後」の「変化予告」を行うように構成してもよい。
具体的には、例えば、副表示領域Dsの中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄に対して「消去後」の「変化予告」を行うように構成してもよい。中央小領域Ds2に表示されるキャラクタ図柄で「消去後」の「変化予告」を行う場合は、「スーパーリーチ」の変動要素の終了後、中央小領域Ds2が再表示されるタイミングでキャラクタ図柄の表示態様を、通常の表示態様(例えば、「ハズレ表示」現出時における失望したような態様)とは異なる特別な表示態様(例えば、喜んでいる態様)で表示するように構成してもよい。
また、例えば、副表示領域Dsの右小領域Ds3にレベルメータ表示物を表示し、該レベルメータ表示物を通常時に常時表示するように構成する。このレベルメータ表示物は、変動演出における大当たり期待度を具体的に表示するように構成するものであり、具体的には、変動演出において大当たり期待度を高める演出が現出する毎(例えば、キャラクタ図柄の現出やカットイン図柄の現出等)にレベルメータ表示物を段階的に上昇させて、その段階における大当たり期待度を遊技者に分かりやすいように可視化して表示するものである。そして、「スーパーリーチ」等によって副表示領域Dsを消去するタイミングで、該レベルメータ表示物も消去し、該「スーパーリーチ」等の変動要素が終了して、副表示領域Dsを再表示するタイミングで、このレベルメータ表示物も再表示する。再表示されたレベルメータ表示物が、消去前の表示態様から変化(例えば、消去前よりレベルメータの段階が上昇している等)していた場合に、「再変動」を行って「大当たり表示」を導出するように構成する。
さらに、例えば、主表示領域Dmの背景表示において、「スーパーリーチ」等によって該背景表示を消去し、該「スーパーリーチ」等の変動要素が終了して、主表示領域Dmの背景表示を再表示するタイミングで、この背景表示も再表示する。再表示された背景表示が、消去前の表示態様から変化(例えば、「街中ステージ」から「空ステージ」)していた場合に、「再変動」を行って「大当たり表示」を導出するように構成する。
このように、実行図柄又は保留図柄ではない表示対象物を再表示するタイミングで消去する前から変化させて表示することで、常に視認可能にされている対象物を直接的に変更して報知する場合や、新たに対象物を現出させて報知する場合に比べ、対象物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく対象物の表示態様を変化させることができる。対象物を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、上記対象物の変化を複数の対象物で行うように構成してもよい。このように構成することで、遊技者は、「スーパーリーチ」等の変動要素が終了して、表示画面が通常の表示態様に戻る場合に、消去前から変更されている表示物がどこにあるかを探す遊技が生まれ、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例15>
上記各実施形態では、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する場合に、実行図柄又は保留図柄の表示態様を、通常の表示態様から上昇(チャンスアップ)した表示態様で表示するように構成されていた。これに対し、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する場合に、実行図柄又は保留図柄の表示態様を、消去前の表示態様から下降(チャンスダウン)した表示態様で表示するように構成してもよい。このように構成することで、例えば、消去前の保留図柄が「青色」の表示態様であった場合に、再表示したタイミングで保留図柄を通常の表示態様である「白色」で表示することで、「保留消去後」の「保留変化予告」が行われた保留図柄の表示を、他の保留図柄と同等の表示として、いずれの保留図柄が変化していたか遊技者に分かり辛くさせることができる。消去前に変化していた保留図柄を分からなくすることで、どの変動演出において「保留変化予告」が発生していたかを不明確にする。そして、その不明確な印象から遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
<変形例16>
上記各実施形態では、実行図柄又は保留図柄を見えなくした後に「保留変化予告」を行う場合に、コクピット表示領域Dbが再び見えるようになったタイミングで実行図柄又は保留図柄において「保留変化予告」を実行していた。これに対し、コクピット表示領域Dbが再び見えるようになってから所定時間経過した段階で「保留変化予告」を実行するように構成してもよい。この場合、実行図柄又は保留図柄が徐々に変化するような表示態様(例えば、モーフィング等)によって変化している様を遊技者に認識し難くしながら変化させる構成でもよい。
<変形例17>
上記第6実施形態では、「スーパーリーチ」の「弱パターン」が現出した場合に、「保留消去後」の「保留変化予告」が現出する場合があるように構成されていた。即ち、「スーパーリーチ」の「弱パターン」によって、「保留消去後」の「保留変化予告」が実行される可能性を示唆するように構成されている。これに対し、変動演出の実行中に、背景表示や予告図柄、或いは、「ハズレ表示」の停止図柄等によって「保留消去後」の「保留変化予告」が実行される可能性を示唆するように構成してもよい。このように構成することで、変動演出の実行中に、「保留消去後」の「保留変化予告」の実行を示唆する演出が現出するか否かに着目しながら遊技者に遊技を行わせ、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例18>
上記各実施形態では、第3図柄表示装置81に表示される表示物(実行図柄又は保留図柄)によって、該表示物が視覚的に認知できる状態から認知できない状態に切り替わり、再び、視覚的に認知できるタイミングにおいて表示態様を変化させることで、該変化に基づいて違和感を生じさせるように構成されていた。これに対し、視覚以外の知覚、例えば、聴覚や皮膚感覚(触覚、温度覚、痛覚、風覚等)に基づく認知を変化させることで、遊技者に違和感を生じさせるように構成してもよい。
具体的には、例えば、聴覚による違和感を生じさせる場合として、音声出力装置226によって出力される音を通常の状態から変化させて遊技者に違和感を感じさせるように構成する。音声による違和感とは、例えば、音の高低や、音像の変化パターン、音の大小、リズムの変化等、遊技者の聴覚を刺激する方法を通常の出力状態から変化させることで、遊技者に違和感を感じさせるように構成する。視覚の認知は、目で見て確認し続けることが可能であるため、違和感を感じた場合に早期に認識し易いが、聴覚での認識は、音はその瞬間における出力のみの認知であり、継続して確認することができないので、視覚の認識力より低い。従って、音を通常の出力状態から変更させて遊技者に違和感を感じさせる方が、遊技者が違和感を明確に認識するまで時間を長引かせることができる。
また、例えば、皮膚感覚(触覚(触り心地を感じる知覚)、温度覚(温度を感じる知覚)、痛覚(痛みや刺激を感じる知覚)、圧覚(圧力を感じる知覚)、風覚(風を感じる知覚)等の体表面に世紀する知覚)による違和感を生じさせる場合として、操作ハンドル51や枠ボタン22、球抜きレバー52、球貸しボタン42、或いは、返却ボタン43、その他、扇風機やヒーター等、遊技者に刺激を与える部品に対して通常と制御状態を異ならせて遊技者に違和感を感じさせるように構成する。例えば、操作ハンドル51では、操作ハンドル51を初期位置に付勢する図示しないバネによる付勢力を通常より強くすることで遊技者に違和感を感じさせるように構成してもよい。また、例えば、枠ボタン22では、枠ボタン22を押し込み操作できないように枠ボタン22をロックするロック機構を設け、枠ボタン22をロックして押し込み操作できないことで遊技者に違和感を感じさせるように構成してもよい。この場合、第3図柄表示装置81等で「枠ボタンを押してください」等のアナウンスを出力しながら行うと好適である。さらに、例えば、風を遊技者に向けて出力可能な扇風機では、通常時は風を放出(出力)して遊技者の風覚を刺激するように構成されているが、違和感を感じさせるために、風を吸入することで遊技者の風覚を刺激するように構成してもよい。
<変形例19>
上記第1実施形態では、「保留変化予告」の実行タイミングとして「保留消去後」が選択された場合に、変動演出において「再変動」の変動要素が含まれていないとき、「保留変化予告」の実行タイミングを「保留消去後」ではない他のタイミング(例えば、「リーチ後」)に変更するように構成していた。これに対し、「保留変化予告」の実行タイミングとして「保留消去後」が選択された場合に、変動演出において「保留消去後」の実行タイミングで「保留変化予告」を実行できないとき、「保留変化予告」ではない他の予告演出を実行するように構成してもよい。具体的には、例えば、「ノーマルリーチ+再変動」のように、「再変動」は行うが、コクピット表示領域Dbを消去しない変動パターンであった場合に、「保留消去後」の「保留変化予告」が選択されていたとき、「保留消去後」の「保留変化予告」に代えて、副表示領域Dsが再表示されるタイミングで該副表示領域Dsにおいて「副表示領域消去後」の「再表示予告」を行う。「再変動」を含む変動演出では、必ず「ノーマルリーチ」の変動要素が実行され、該「ノーマルリーチ」の変動要素の実行時には、副表示領域Dsの中央小領域Ds2が消去されるので、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できない変動パターンであって、必ず何らかの予告演出を実行することができ、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例20>
上記各実施形態では、複数の「保留変化予告」の表示態様を設け、「保留変化予告」の実行タイミングに関し、いずれか1の実行タイミングを選択し、該1の実行タイミングにおいて決定されたいずれかの表示態様で「保留変化予告」を実行するように構成されていた。これに対し、「保留変化予告」において複数段階上の表示態様(例えば、「赤色」や「虹色」)が選択された場合に、複数の実行タイミングにおいて段階的に「保留変化予告」を実行するように構成してもよい。このように構成することで、段階的に「保留変化予告」を実行して、大当たり期待度がステップアップさせる予告演出を実行することができ、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例21>
上記各実施形態では、各文字表示Se1,Se2の表示色として、通常の「白色」から、チャンスアップパターンとして「赤色」か、該「赤色」より大当たり期待度が高い「金色」かの表示色を決定し、各文字表示Se1,Se2の表示タイミングで該決定されたチャンスアップパターンの表示色を表示するように構成されていた。これに対し、各文字表示Se1,Se2の表示色として複数段階上の表示色(即ち、「金色」)が選択された場合に、複数の実行タイミングにおいて段階的に各文字表示Se1,Se2の表示色を変更するように構成してもよい。具体的には、例えば、各文字表示Se1〜Se4の表示色として「金色」が決定された場合に、リーチ発生時文字表示Se1の表示タイミングで該リーチ発生時文字表示Se1を「赤色」で表示し、リーチ中文字表示Se2の表示タイミングで該リーチ中文字表示Se2の表示色を「金色」で表示する。このように構成することで、段階的に各文字表示Se1,Se2の表示色の変更を実行して、大当たり期待度がステップアップさせる予告演出を実行することができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、各文字表示Se1,Se2の表示色を段階的に変更する場合には、1の追加データテーブル232a2によってリーチ発生時文字表示Se1の表示色(例えば、「赤色」)とリーチ中文字表示Se2の表示色(例えば、「金色」)とを規定するように構成してもよいし、各文字表示Se1,Se2毎にそれぞれ追加データテーブル232a2を設定して、各追加データテーブル232a2毎に各文字表示Se1,Se2の表示色を規定するように構成してもよい。
<変形例22>
また、上記第1実施形態では、表示データテーブル232a1の初期設定として、各文字表示Se1〜Se4の通常パターン(表示色「白色」および文字パターン「弱パターン」のチャンスアップパターンではないパターン)が表示され、各文字表示Se1〜Se4の各種抽選によって該通常パターンが選択された場合には、該選択結果に応じた追加データテーブル232a2を選択して、該表示データテーブル232a1及び追加データテーブル232a2により表示制御を行うように構成されている。よって、表示データテーブル232a1と追加データテーブル232a2とで示す表示内容が重複しているが、追加データテーブル232a2を選択する制御を必ず実行するように構成することで、追加データテーブル232a2を選択するか否かの判別処理が不要になり、制御負担を軽減することができる。
一方、表示データテーブル232a1に各文字表示Se1〜Se4に関する表示を行わないように規定してもよい。即ち、表示データテーブル232a1を設定するのみでは、各文字表示Se1〜Se4が表示されることがなく、追加データテーブル232a2を設定して初めて各文字表示Se1〜Se4が表示されるように構成してもよい。このように構成することで、表示データテーブル232a1と追加データテーブル232a2との表示内容の重複指定が解消される。
<変形例23>
また、互いに所定の関連性を有して表示される複数の標示手段として各文字表示Se1〜Se4を用いて説明したが、例えば、標示手段同士が、同一の属性を有する場合や、同一の種類に該当する場合、同一のタイミングに現出する場合、或いは、時間差で現出する場合であっても一方が現出した場合に他方も現出する等、1の標示手段に対して他の標示手段が、時期的、形状的、観念的に有機的に絡む(緊密な連関をもつ)関連性を有する標示手段であれば如何様な態様でもよい。
具体的には、例えば、同一の表示領域に表示される予告表示(例えば、左小領域Ds1に表示されるリーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3、又は、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄又は保留図柄等)や、同一のタイミングで異なる態様で表示される予告表示(例えば、リーチ表示に現出する強弱キャラ予告、又は、変動演出の開始時に現出するミニキャラ予告等)や、1の予告が現出した後に他の予告が現出する予告表示(例えば、ステップアップ予告や、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3および疑似定型句文字表示Se4の文字表示等)や、1の変動演出において同一の演出が複数回実行される予告(例えば、「疑似連」の変動要素等)等が例示される。
<変形例24>
また、「15R確変大当たり」に当選した場合に、変動演出において「15R通常大当たり」に対応する仮の表示結果を現出しつつ、該大当たりの最中に「15R確変大当たり」であったことを示唆するラウンド中昇格演出が実行される場合に、定型句文字表示Se3の表示色をチャンスアップパターンのまま表示するように構成してもよい。
<変形例25>
また、上記各実施形態では、表示データテーブル232a1で規定される表示内容に対して追加データテーブル232a2を設定することで、表示データテーブル232a1により規定される第3図柄表示装置81の表示内容から、追加データテーブル232a2により規定される変更内容を反映して、第3図柄表示装置81の表示制御が行われるように構成されていた。これに代えて、表示データテーブル232a1において、第3図柄表示装置81の変更内容も含めて表示内容を規定するように構成してもよい。即ち、表示データテーブル232a1に表示内容の変更用の情報も含めるように、該表示データテーブル232a1を構成してもよい。
<変形例26>
また、上記各実施形態では、表示データテーブル232a1で規定される表示内容に対して追加データテーブル232a2を設定し、表示データテーブル232a1又は追加データテーブル232a2によって規定された表示内容に関する画像データが常駐用ビデオRAM235に格納されていない場合は、転送データテーブル232a3を設定して、常駐用ビデオRAM235の格納されていない画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように構成されていた。これに代えて、表示データテーブル232a1又は追加データテーブル232a2において、画像データの転送に関するデータも含めて規定するように構成してもよい。即ち、表示データテーブル232a1又は追加データテーブル232a2に画像データの転送情報も含めるように、該表示データテーブル232a1又は追加データテーブル232a2を構成してもよい。
<変形例27>
また、追加データテーブル232a2を設定した場合に、該追加データテーブル232a2に対応した転送データテーブル232a3を設定するように構成してもよい。
<変形例28>
また、追加データテーブル232a2を使用せずに、フラグ等を用いて表示データテーブル232a1の表示内容を変更するように構成してもよい。具体的には、特定のフラグが設定されていた場合には、該フラグに対応する表示物の表示内容をフラグの設定内容に応じて表示データテーブル232a1が示す表示内容から変更するように構成してもよい。
<変形例29>
また、MPU231により、第3図柄表示装置81で表示される数フレーム先の描画内容を把握して、その把握した描画内容に基づいて転送情報も含む描画情報を作成し、該描画情報を画像コントローラ237に読み込ませて、該画像コントローラ237において描画情報を事前に把握(事前解析)すると共に、事前に把握した描画情報に規定されている転送情報に基づいて画像データを通常用ビデオRAM236に設けられた事前解析データ領域に転送させておくように構成してもよい。
具体的には、例えば、今回描画予定の実行描画リストと、次回描画予定の次回描画リストと、次々回描画予定の次々回描画リストとに基づいて説明する。まず、実行描画リストを解析し、該実行描画リストの中で規定されている転送情報に基づいて、キャラクタROM234の画像データを通常用ビデオRAM236の事前解析データ領域の所定アドレス(第1アドレス)に転送し、同時に、転送する画像データの参照先を転送後の所定アドレス(第1アドレス)に書き換えた次回描画リストを作成する。そして、書き換えられた次回描画リストの転送情報のみを事前に解析し、該次回描画リストの中で規定されている転送情報に基づいて、キャラクタROM234の画像データを通常用ビデオRAM236の事前解析データ領域の所定アドレス(第2アドレス)に転送し、同時に、転送する画像データの参照先を転送後の所定アドレス(第2アドレス)に書き換えた次々回描画リストを作成する。このように構成することで、事前解析済みの画像データを使った描画を実行することができる。
画像コントローラ237による描画の実行中は、画像データの読み込みが行われるため、キャラクタROM234に対して直接画像データを参照した場合には、画像処理の性能が大きく低下してしまうおそれがある。そこで、描画リストの事前解析を行い、画像データを予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の事前解析データ領域に転送しておくことで、迅速および的確な描画を実行することができる。
なお、通常用ビデオRAM236の事前解析データ領域の容量には上限が設けられているため、描画リストの事前解析を行う場合には、通常用ビデオRAM236の事前解析データ領域に記憶可能な容量に基づいて、該容量の範囲内で事前解析および画像データの転送を行うように構成してもよい。また、描画リストの事前解析を行う範囲(例えば、1フレーム先まで、又は、2フレーム先まで)を通常用ビデオRAM236の事前解析データ領域の容量内に収まるように事前に設定し、その範囲内で描画リストの事前解析を行うことで、通常用ビデオRAM236の事前解析データ領域の容量を超えるような事態を未然に防止することができる。
また、通常用ビデオRAM236の事前解析データ領域に関し、複数の画像データ(例えば、最大512個)を記憶することができように構成してもよい。そして、描画リストの事前解析を行う場合に、通常用ビデオRAM236の事前解析データ領域に転送すべき画像データと同じ画像データが履歴の中に存在する場合は、キャラクタROM234の代わりに通常用ビデオRAM236の事前解析データ領域から画像データを取得し、画像格納エリア236aに記憶させるように構成してもよい。なお、同一の画像データの判定は、例えば、キャラクタROM234上での開始アドレスが同じである場合に、同じ画像データを判定するように構成する。
<変形例30>
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113から表示用定型句通常コマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114において表示用定型句通常コマンドの受信に基づいて際後制限フラグ233pをオンに設定し、該際後制限フラグ233pを確認することで、ハズレの変動演出の「際演出」後に表示される定型句文字表示Se3の表示色を、通常の表示色である「白色」で表示するように文字修正用追加データテーブル232a2を設定するように構成されていた。これに代えて、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドを受信した場合に、該コマンドに基づいて実行され得る変動演出の表示結果(当否)を判別し、その判別結果に基づいて際後制限フラグ233pを設定するように構成してもよい。
具体的には、例えば、表示制御装置114のMPU231は、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドを受信した場合に、該コマンドに基づいて実行され得る変動演出の表示結果がハズレ表示であるか否かを判別する。そして、実行され得る変動演出がハズレである場合に、際後制限フラグ233pをオンに設定し、該際後制限フラグ233pのオンに基づいて、変動演出の「際演出」後に表示される演出(例えば、定型句文字表示Se3)をすべてチャンスアップパターンではない通常パターン(例えば、「白色」)で表示するように構成する。
このように構成することで、ハズレの変動演出の「際演出」後に表示される演出において、他の抽選に基づいてどのような設定がなされていた場合であっても、チャンスアップパターンを表示しないように構成することができるので、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。また、音声ランプ制御装置113側での文字表示の表示態様の抽選結果等の判別処理や、表示用定型句通常コマンドの送受信、表示制御装置114側での表示用定型句通常コマンドに基づく追加データテーブル232a2の設定等の制御が不要となるため、音声ランプ制御装置113のMPU221及び表示制御装置114のMPU231の処理負担を軽減することができる。また、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドは、変動演出の開始時に受信するものであるため、表示制御装置114は、変動演出の開始時に該変動演出の当否を判別可能であり、その判別結果に基づいて変動演出内で表示される文字表示の表示内容を設定することができる。よって、変動演出を実行する上で従来の構成を有効活用した上で、演出内容の齟齬が発生することを防止することができる。
<変形例31>
上記各実施形態では、際後制限フラグ233pがオンに設定されている場合に、文字修正用追加データテーブル232a2を選択(決定)し、該文字修正用追加データテーブル232a2の追加データテーブルバッファ233cに格納(設定)することで、ハズレの変動演出における定型句文字表示Se3の表示色を通常の表示色(即ち、「白色」)で表示するように構成していた。これに対し、際後制限フラグ233pがオンに設定されている場合に、定型句文字表示Se3に関する追加データテーブル232a2(文字パターン用追加データテーブル232a2、文字色用追加データテーブル232a2、文字タイミング用追加データテーブル232a2の一部又は全部)の使用を禁止するように構成してもよい。
具体的には、例えば、際後制限フラグ233pがオンされている場合に、追加データテーブルバッファ233cに文字色用追加データテーブル232a2が格納(設定)されていた場合は、該文字色用追加データテーブル232a2を削除(廃棄又は無効化)して、文字表示の表示色が初期設定(デフォルト設定)となるように構成する。また、例えば、際後制限フラグ233pがオンに設定されている場合に、追加データテーブルバッファ233cに文字色用追加データテーブル232a2が格納(設定)されていた場合、該文字色用追加データテーブル232a2における定型句文字表示Se3に関する部分を通常パターンに修正し(定型句文字表示Se3の部分が通常パターンの文字色用追加データテーブル232a2を選び直し)、該修正した(選び直した)文字色用追加データテーブル232a2を改めて追加データテーブルバッファ233cに格納(設定)するように構成する。
このように構成することで、文字修正用追加データテーブル232a2を設けることなく「際演出」後に表示される定型句文字表示Se3を、チャンスアップパターンではない通常パターンの表示色で表示することができる。よって、追加データテーブルバッファ233cに格納(設定)する追加データテーブル232a2数を少なくすることができることで、MPU231の描画リスト作成時の処理負担を軽減することができる。また、「際演出」後に表示される定型句文字表示Se3において、チャンスアップパターン(例えば、「赤色」)を表示しないように構成することができるので、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる。
<変形例32>
上記第5実施形態では、各文字表示Se1〜Se4の表示色がチャンスアップパターンで表示される場合に、エラー文字表示Se5が表示されるとき、該エラー文字表示Se5の表示色を、各文字表示Se1〜Se4の表示色と同調する表示色で表示するように構成されていた。これに代えて、各文字表示Se1〜Se4が現出する前の段階であってもエラー文字表示Se5が表示される場合、各文字表示Se1〜Se4の表示色と同調する表示色で該エラー文字表示Se5を表示するように構成してもよい。このように構成することで、例えば、リーチ表示が発生する前の段階で、敢えて下皿満タン状態を生じさせてエラー文字表示Se5を表示させ、該エラー文字表示Se5の表示色が如何様に表示されるかを確認する遊技性が生まれ、通常では異常状態の報知機能しかないエラー文字表示Se5に変動演出における大当たり期待度を示唆する予告機能を付加し、多様な遊技性を実現して、遊技の興趣を高めることができる。
また、先読み処理を表示制御装置114にて実行してもよい。例えば、先読み処理を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を格納する、図24に示すものと同様の保留情報格納エリア及び実行情報格納エリアを表示制御装置114に設け、表示用保留球数コマンドを受信した場合に、保留情報格納エリア及び実行情報格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、表示制御装置114が先読み処理を実行し、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があると判断される場合は「保留変化予告」を実行するようにしてもよい。この場合、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドをそのまま表示用保留球数コマンドとして表示制御装置114へ送信してもよい。これにより、始動入賞に伴って主制御装置110にて取得された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、表示制御装置114の保留情報格納エリアに設けられた保留情報第1〜第4エリアのうち、表示用保留球数コマンドの保留球数に対応するエリアに格納させることができる。そして、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンドを受信するたびに、保留情報格納エリアに対し、図44のS1403及びS1404の処理と同様のシフト処理を実行してもよい。これにより、表示制御装置114の実行情報格納エリアには、主制御装置110の保留球実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値を格納させることができ、保留情報第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値を格納させることができる。
上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置114に音声ランプ制御装置113を接続して、表示制御装置114から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
なお、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを1つの制御装置として構成する場合、その1つの制御装置が有するRAMに、図24に示すものと同様の保留情報格納エリア及び実行情報格納エリアを設け、主制御装置110より保留球数コマンドを受信した場合は、保留情報格納エリアに設けられた先読み情報第1〜第4エリアのうち、保留球数コマンドの先読み保留回数に対応するエリアに、その保留球数コマンドに含まれる各カウンタ値C1〜C3,CS1を格納してもよい。また1つの制御装置は、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信する毎に、保留情報第1〜第4エリア及び実行情報格納エリアの間で図44のS1403及びS1404の処理と同様のシフト処理を実行してもよい。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113にて実行されるコマンド判定処理(S911)において、停止種別コマンドを受信すれば必ず変動開始フラグ223aをオンに設定する場合について説明したが、変動パターンコマンドの受信があった上で停止種別コマンドを受信した場合に、変動開始フラグ223aをオンに設定してもよい。これにより、変動パターンコマンドの受信がなく、停止種別コマンドを受信したような場合に、おかしな変動演出が実行されることを抑制できる。
また、変動パターンコマンドを受信したタイミングで、変動開始フラグ223aをオンに設定してもよい。この場合、音声ランプ制御装置113にて実行される変動演出処理(S910)では、変動開始フラグ223aがオンされたことに基づいて、変動パターンコマンドにより抽出した変動パターンを表示制御装置114へ通知する表示用変動パターンコマンドを生成し、表示制御装置114へ送信するようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113にて停止種別コマンドの受信を待つことなく、表示制御装置114に対して、この表示用変動パターンコマンドに基づき、変動演出を第3図柄表示装置81に実行させることができる。なお、この場合、音声ランプ制御装置113では、停止種別コマンドを受信したタイミングで、該停止種別コマンドより抽出された停止種別を表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成し、表示制御装置114へ送信するようにしてもよい。そして、表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81に実行させた変動演出の停止図柄を決定してもよい。
上記実施形態では、第1入球口64への入球(始動入賞)を契機として保留され実行される第3図柄の変動演出中に大当たりとなる変動演出があるか否かを、実行図柄及び保留図柄において「保留変化予告」を行う場合について説明した。これに対し、第2入球口67を球が通過したこと(始動入賞)を契機として保留され実行される第2図柄(普通図柄)の可変表示の中に当たり(「○」の図柄で停止)となるものがあるか否かを、第2図柄保留ランプ84や第3図柄表示装置81等を用いて、第3図柄の変動演出中に大当たりとなる変動演出があるか否かとあわせて、又は、その代わりに、遊技者に報知してもよい。これにより、保留中の第2図柄(普通図柄)の可変表示の中に、又は、実行中および保留中の第2図柄(普通図柄)の可変表示の中に、当たりとなる可変表示があるか否かを遊技者が把握できる。よって、第2図柄の可変表示の実行前に第2図柄が当たりとなるか否かを推測できる。遊技機の中には、普通図柄の当たりの有無にて遊技性を高めているものがあり、そのような遊技機において特に有効である。
上記実施形態では、デモ演出が「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動演出で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記実施形態では、変動演出が行われる第3図柄表示装置81にて連続予告演出の1形態である「保留変化予告」を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、パチンコ機10に第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置を設け、第3図柄表示装置81で実行される変動演出と合わせて、第4図柄表示装置に第4図柄を表示させることによって、「保留変化予告」又は「保留変化予告」とは異なって複数の変動演出に跨って実行される連続予告演出(以下、「保留変化予告」を含めて「連続予告演出」という)を実行してもよい。この場合、第4図柄表示装置の制御を表示制御装置114で行ってもよいし、音声ランプ制御装置113で行ってもよい。また、各種演出に応じて作動する各可動役物とは異なる役物をパチンコ機10に設け、その役物を変動演出と合わせて所定の態様で作動させることによって、連続予告演出を実行してもよい。また、音声ランプ制御装置113の制御により、パチンコ機10の音声出力装置226から連続予告演出用の音声を出力させることによって、連続予告演出を実行してもよいし、パチンコ機10の電飾部29〜33を変動演出と合わせて点灯または点滅させることによって、連続予告演出を実行してもよい。
これにより、第3図柄表示装置81(および第1図柄表示装置37)において変動演出(動的表示)が行われる度に、連続して第4図柄表示装置に図柄が表示されたり、役物が所定の態様で作動したり、音声出力装置226から音声が出力されたり、若しくは、電飾部29〜33が点灯または点滅することによって、遊技者に対して大当たりの期待感を持たせることができる。また、遊技者は、通常、変動演出が行われる第3図柄表示装置81を注視して遊技を継続して行うが、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、若しくは電飾部29〜33の点灯・点滅によって連続予告演出が行われるので、遊技者に対して、通常とは異なる演出が行われたことを容易に認識させることができる。また、連続予告演出を、第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、または電飾部29〜33の点灯・点滅といった簡単な制御で容易に連続予告演出を行わせることができる。
また、連続予告演出を音声出力装置226からの音声出力や、電飾部29〜33の点灯または点滅によって行えば、その連続予告演出の制御は音声ランプ制御装置113によって行われるので、始動入賞時における当否判定や変動開始時の抽選処理を主制御装置110に行わせ、連続予告演出を音声ランプ制御装置113に行わせ、変動演出を表示制御装置114に行わせることで、パチンコ機10により連続予告演出を行う場合、それぞれの制御装置に各処理を分担させることができる。よって、1つの制御装置に負荷が集中するのを防ぐことができるので、各制御装置のMPUに求められる性能を低く抑えることができる。
なお、第3図柄表示装置81における連続予告演出用の図柄の表示、第4図柄表示装置における連続予告演出用の図柄の表示、役物の所定の態様での作動、音声出力装置226からの音声出力、及び、電飾部29〜33の点灯または点滅のうち、少なくとも2以上を組み合わせ、それぞれを連動させて制御することにより、連続予告演出を実行してもよい。これにより、より多彩な連続予告演出を実行させることができる。また、連続予告演出の実行方法(第3図柄表示装置81による表示、第4図柄表示装置による表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、電飾部29〜33の点灯または点滅、又は、それらの組み合わせ)を変えることで、連続予告演出終了後の遊技状態(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、外れ)に応じて選定される連続予告演出態様を複数用意してもよい。
上記実施形態において、主制御装置110は、第1入球口64への入賞(始動入賞)があった場合に、「1」加算された保留球数を音声ランプ制御装置113へ通知する保留球数コマンドに対して、該始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得された各カウンタC1〜C3,CS1をそのまま含めて、音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、保留球数コマンドに含めるカウンタの種類は、カウンタC1〜C3,CS1の一部であってもよいし、その他のカウンタの値を含めてもよい。また、主制御装置110より音声ランプ制御装置113に対して始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を通知する場合に、これらの各カウンタの値を示す情報を保留球数コマンドに含めて通知するのではなく、保留球数コマンドとは別のコマンドに各カウンタの値を示す情報を含めて、これらの値を音声ランプ制御装置113に対して通知してもよい。別のコマンドとしては、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する専用のコマンドであってもよいし、変動パターンコマンドや停止図柄コマンド等、別の情報を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンドに、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値が加えられたものであってもよい。別のコマンドとして、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する場合、該コマンドに、その通知する各カウンタの値が、いずれの保留回数に対応する変動演出に係るものであるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113は、該コマンドに含まれる保留回数に関する情報に基づいて、その保留回数に対応する保留情報第1〜第4エリアのいずれかのエリアに、該コマンドに含まれる各カウンタの値を格納することができる。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113において、保留球数コマンドを受信した場合に、該保留球数コマンドにて示される各カウンタC1〜C3,CS1の値そのものを保留情報格納エリア223hに格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、保留球数コマンド(又は、各カウンタの値が示されるコマンド)を受信した場合に、該コマンドにて示される各カウンタの値に基づいて、大当たりか否か、大当たりの場合の大当たり種別、外れの場合の外れ種別等の一部または全部を判定し、これらの判定結果を、該コマンドにて示される各カウンタの値に代えて、または、該カウンタの値の一部または全部とあわせて、保留情報格納エリア223hに格納してもよい。これにより、先読み処理を実行する場合に、実行中や保留中の変動演出が大当たりか否か等の判定結果が、既に保留情報格納エリア223hに格納されているので、先読み処理ではこの判定結果を読み出すだけでよく、素早く処理の実行を完了させることができる。なお、変動演出の変動時間が、その変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて決定される場合、保留球数コマンド(又は、各カウンタの値が示されるコマンド)を受信したときには、変動演出が開始されるときの保留球数が確定できないため、変動時間の判定を正確に行うことができない。よって、この場合、少なくとも変動時間の判定に用いられる変動種別カウンタCS1の値は、保留情報格納エリア223hに格納しておくことが好ましい。これにより、先読み処理を実行するときに、遊技領域への球の打出しが停止されていれば、変動演出が開始されるときの保留球数を確定できるので、保留情報格納エリア223hに格納された大当たりか否か、大当たりの場合の大当たり種別、外れの場合の外れ種別の判定結果とあわせて、変動種別カウンタCS1の値に基づき、変動時間を算出することができる。
上記実施形態において、入球した場合に大当たりの抽選が開始される第1入球口64が遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各第1入球口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの第1入球口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタを1減らせば、第1入球口毎に保留球数をカウントすることができる。
また、複数の第1入球口が遊技盤13に配設される場合、それぞれの第1入球口への入賞(始動入賞)に伴って取得されたカウンタ値を音声ランプ制御装置113へ通知してもよい。この場合、主制御装置110が始動入賞に伴い取得されたカウンタ値を音声ランプ制御装置113に対して通知するためのコマンドには、いずれの第1入球口への始動入賞に伴って取得されたものであるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口への始動入賞に伴う変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。さらに、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留情報格納エリアを用意してもよい。これにより、変動パターンコマンドを受信する毎に、その変動パターンコマンドで示される変動演出の実行契機となった始動入賞を検出した第1入球口に対応する保留情報格納エリアに対してシフト処理を行うことができる。よって、第1入球口毎に保留中の変動演出に対応する各カウンタの値を、音声ランプ制御装置113においても保持させることができる。従って、始動入賞した第1入球口により、大当たりとなる確率や大当たり種別の振り分け確率、外れ種別の振り分け確率等が異なるような場合に、先読み処理において、それぞれの変動演出について、大当たりとなるか否か、大当たりとなる場合の大当たり種別、外れとなる場合の外れ種別などを、どの第1入球口への始動入賞かに基づいて正しく判定することができる。また、1の第1入球口への始動入賞に基づく変動演出が、他の第1入球口への始動入賞に基づく変動演出に優先して行われるような場合に、1の第1入球口への始動入賞に基づく変動演出に対応するカウンタの値から順番に先読み処理を行うことができる。
また、複数の第1入球口が設けられている場合、音声ランプ制御装置113は、第1入球口への始動入賞に基づいて取得された各カウンタの値をコマンドにより主制御装置110から受信した場合に連続予告演出の開始を決定すると、始動入賞があった第1入球口に関わらず、その時点で保留されている全ての変動演出(保留球)にわたって、連続予告演出を実行させてもよい。また、複数の第1入球口が設けられており、一の第1入球口への入賞に対する変動演出を、他の第1入球口への入賞に対する変動演出よりも優先的に実行するパチンコ機においては、その優先的に変動演出が実行される第1入球口への入賞に対して取得されたカウンタ値の先読み結果のみから、連続予告演出の開始を決定するようにしてもよい。これにより、優先度の低い第1入球口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されない。仮に、優先度の低い第1入球口への入賞に対応する変動演出に対して連続予告演出が開始され、優先度の高い第1入球口に絶え間なく変動演出が保留される場合に、連続予告演出がなかなか終了しないという事態が生じるおそれがある。これに対し、本変形例では、優先度の低い第1入球口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されないので、そのような事態が生じることを抑えることができる。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、サブ保留球数カウンタ223bの値を1減らす(図44のS1411参照)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、主制御装置110のMPU201によって実行される変動処理(図35参照)において、変動開始処理(S307)により変動パターンコマンドが設定されるのに合わせて減算された主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(N)を(図35のS305参照)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するように、保留球数コマンドを設定し、その保留球数コマンドが変動パターンコマンドの送信と合わせて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113では、より正確に主制御装置110に保留された保留球の数を把握することができる。また、変動パターンコマンドに、減算後の保留球数カウンタ203aの値(N)を含めてもよい。この場合、音声ランプ制御装置113では、変動パターンコマンドを受信した場合に該変動パターンコマンドに含まれる保留球数(N)を抽出して、サブ保留球数カウンタ223bに設定すればよい。
上記実施形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動演出の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、第3図柄の変動表示である変動演出は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、図柄の変動表示としては、図柄の変動演出に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<A群:複数の文字表示を赤色に変更し、大当たりするか否かに応じて際演出後の文字表示を白色に修正>
所定の始動条件の成立を契機として始動情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された前記始動情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において、所定の識別情報である特別識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記取得手段により取得される前記始動情報を記憶する記憶手段(例えば、実行情報格納エリア223i)と、
該記憶手段に記憶されている前記始動情報に基づいて、前記動的表示において前記特別識別情報を現出するか、又は、該特別識別情報と異なる一般識別情報(例えば、「ハズレ表示」)を現出するかを判断する現出情報判断手段(例えば、変動演出処理(S1109))と、
遊技者にとって有利な状況が発生するか否かを判断する有利状況判断手段(例えば、文字態様設定処理(S1417))と、
互いに所定の関連性を有して報知される複数の標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3および疑似定型句文字表示Se4)と、
前記現出情報判断手段による判断結果に基づいて、前記標示手段の報知態様を、所定の第1態様(例えば、「白色」)から、該第1態様と異なる第2態様(例えば、「赤色」)に変更する態様変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該態様変更手段によって前記標示手段を前記第2態様に変更する場合に、複数の前記標示手段の報知態様を前記第2態様に変更する複数変更手段(例えば、文字色変化テーブル222h)と、を備え、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記特別識別情報を現出するか、前記一般識別情報を現出するかの判定演出(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」)を実行する判定演出実行手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)、を備え、
前記態様変更手段は、
前記複数変更手段により前記標示手段の表示態様が前記第2態様に変更される場合に、前記有利状況判断手段によって、遊技者にとって有利な状況が発生しないと判断されたとき、前記判定演出実行手段による前記判定演出の実行後に報知される前記標示手段を、前記第1態様で報知する第1態様報知手段(例えば、表示用定型句通常コマンド)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A0。
遊技機A0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により始動情報が取得され、その取得手段により取得された始動情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報である特別識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。また、取得手段により取得される始動情報が記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶される始動情報に基づいて、動的表示において特別識別情報を現出するか、特別識別情報と異なる一般識別情報を現出するかが、現出情報判断手段により判断される。また、遊技者にとって有利な状況が発生するか否かが、有利状況判断手段によって判断される。そして、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段が報知される。また、現出情報判断手段による判断結果に基づいて、態様変更手段により、標示手段の報知態様が、所定の第1態様から、該第1態様とは異なる第2態様に変更される。そして、態様変更手段によって標示手段を第2態様に変更する場合に、複数変更手段により、複数の標示手段の報知態様が第2態様に変更される。ここで、動的表示実行手段に設けられた判定演出実行手段により、動的表示において、特別識別情報を現出するか、一般識別情報を現出するかの判定演出が実行される。そして、複数変更手段によって標示手段の報知態様が第2態様に変更される場合に、有利状況判断手段によって、遊技者にとって有利な状況が発生しないと判断されたとき、態様変更手段に設けられた第1態様報知手段により、判定演出実行手段による判定演出の実行後に報知される標示手段が、第1態様で報知される。即ち、遊技者にとって有利な状況が発生しない場合に、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段の報知態様が第2態様に変更される場合でも、動的表示の判定演出の実行後に報知される標示手段の報知態様を第2態様ではない第1態様で報知する。
従来のように、動的表示の複数の箇所(タイミング又は表示領域。以下同様。)で互いの所定の関連性を有する標示手段を報知する場合に、それぞれの報知箇所毎に、標示手段を第1態様で報知するか、第1態様とは異なる第2態様で報知するかを設定(抽選)する構成であると、その報知箇所分の設定処理(抽選処理)が必要になって制御が複雑化し、処理負担が増大してしまうおそれがある。また、動的表示において先に現出される標示手段を第2態様で報知した後、後に報知される標示手段を第1態様で報知させてしまうと、所定の関連性を有する標示手段であるがゆえ、特別識別情報が現出することへの期待度が成り下がった表現(以下、「成り下がり表現」という)になってしまう。よって、折角、先の標示手段において第2態様が報知されたことによって気分が高揚していた遊技者が、後の標示手段における上記成り下がり表現を目の当たりにすることで興醒めしてしまうおそれがある。
そこで、動的表示において互いに所定の関連性を有する標示手段の報知態様の設定(抽選)を一括(複数同時)で行い、1の標示手段で報知された第2態様を他の標示手段においても踏襲して報知させるように構成することで、それぞれの報知箇所毎に設定処理を行う必要がなくなり、処理負担を軽減させることができる。また、互いに所定の関連性を有する標示手段が一度でも第2態様で報知された場合は、以降に報知する標示手段においても第2態様を踏襲して報知させるように構成することで、標示手段における成り下がり表現が発生してしまう現象を未然に排除して、遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。
しかしながら、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段を第2態様に変更する場合、例えば、遊技者にとって有利な状況が発生しない状態であっても、標示手段が第2態様で報知されてしまうことがある。標示手段の第2態様は、現出情報判断手段の判断結果に基づいて所定の第1態様から変更される態様であるため、その変更に基づいて現状の演出状況が変更され得ることを示唆する発展示唆機能を有する。一方、判定演出後に報知される標示手段は、判定演出の結果である現状の演出状況の内容を報知する状況報知機能を有する。従って、判定演出の実行後の標示手段を第2態様で報知してしまうと、遊技者は、標示手段が第2態様で報知されたことによって、標示手段の状況報知機能より発展示唆機能が勝り、遊技者にとって有利な状況が発生しない状態で確定せず、何かしらの発展演出が実行されて、遊技者にとって有利な状況へ変化するのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、遊技者にとって有利な状況が発生しないまま確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、遊技機A0によれば、遊技者にとって有利な状況が発生しない場合には、標示手段が第2態様に変更される場合であっても、判定演出後に報知される標示手段において第2態様を報知しないように構成する。即ち、遊技者にとって有利な状況が発生しない状態において、判定演出後の標示手段を第1態様で報知するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
なお、「互いに所定の関連性を有して報知される複数の標示手段」とは、例えば、標示手段同士が、同一の属性を有する場合や、同一の種類に該当する場合、同一のタイミングに現出する場合、或いは、時間差で現出する場合であっても一方が現出した場合に他方も現出する等、1の標示手段に対して他の標示手段が、時期的、形状的、観念的に有機的に絡む(緊密な連関をもつ)関連性をいう。具体的には、例えば、同一の表示領域に表示される予告表示(リーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一のタイミングで異なる態様で表示される予告表示(強弱キャラ予告等)や、1の予告が現出した後に他の予告が現出する予告表示(ステップアップ予告やリーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一の演出が複数回実行される予告(「疑似連」の変動要素等)や、同一又は類似の音(例えば、「類似の音」とは、音の種類が段階的にステップアップするような音)が断続的に出力される演出等が例示される。
また、「判定演出」とは、例えば、動的表示を構成する複数の変動要素のうち、特別識別情報が現出するか一般識別情報が現出するかの演出部分を示す場合、動的表示を構成する1の変動要素全体を示す場合、或いは、動的表示全体を示す場合等をいう。
さらに、「遊技者にとって有利な状況」とは、例えば、実行中の動的表示において特別識別情報が現出して所定の遊技価値が付与され得る場合、待機中の動的表示において特別識別情報が現出して所定の遊技価値が付与され得る場合、実行中若しくは待機中の動的表示において特別識別情報の現出が期待し得る特別演出(例えば、「スーパーリーチ」演出態様)が実行され得る場合、通常より特別識別情報が現出し易い第1特殊状態(例えば、「確率変動状態」)が発生し得る場合、或いは、通常より短い動的時間の動的表示が選択され易い第2特殊状態(例えば、「時間短縮状態」)が発生し得る場合等をいう。
遊技機A0において、
前記有利状況判断手段は、
前記動的表示において、前記特別識別情報が現出するか、又は、前記一般識別情報が現出するかを判断する特別識別情報判断手段、を備え、
前記第1態様報知手段は、
前記特別識別情報判断手段によって、前記動的表示において前記一般識別情報を現出すると判断された場合に、前記判定演出実行手段による前記判定演出の実行後に報知される前記標示手段を、前記第1態様で報知する
ことを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状況判断手段に設けられた特別識別情報判断手段によって、動的表示において、特別識別情報が現出するか、又は、一般識別情報が現出するかが判断される。そして、特別識別情報判断手段によって、動的表示において一般識別情報を現出すると判断された場合に、判定演出実行手段による判定演出の実行後に報知される標示手段が、第1態様報知手段により、第1態様で報知される。即ち、動的表示において所定の遊技価値を付与しない一般識別情報が現出する場合に、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段の報知態様が第2態様に変更される場合でも、動的表示の判定演出の実行後に報知される標示手段の報知態様を第2態様ではない第1態様で報知する。
従来、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段を第2態様に変更する場合、例えば、所定の遊技価値が付与されない一般識別情報の表示結果が現出する動的表示において、該動的表示の判定演出が行われて一般識別情報が現出している状態で、標示手段が第2態様で報知されてしまうことがある。標示手段の第2態様は、判断手段の判断結果に基づいて所定の第1態様から変更される態様であるため、その変更に基づいて現状の演出状況が変更され得ることを示唆する発展示唆機能を有する。一方、判定演出後に報知される標示手段は、判定演出の結果である現状の演出状況の内容を報知する状況報知機能を有する。従って、判定演出の実行後の標示手段を第2態様で報知してしまうと、遊技者は、標示手段が第2態様で報知されたことによって、標示手段の状況報知機能より発展示唆機能が勝り、該動的表示がこのまま一般識別情報で確定せず、何かしらの発展演出が実行されて、一般識別情報から特別識別情報へ変化するのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示が所定の遊技価値が付与されない一般識別情報のまま確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、遊技機A1によれば、動的表示において一般識別情報が現出する場合には、標示手段が第2態様に変更される場合であっても、判定演出後に報知される標示手段において第2態様を報知しないように構成する。即ち、一般識別情報の動的表示において、判定演出後の標示手段を第1態様で報知するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機A1において、
前記標示手段は、
前記判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2)と、
前記判定演出の実行後に現出する第2標示手段(例えば、定型句文字表示Se3)と、を備え、
前記態様変更手段は、
前記特別識別情報判断手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出すると判断された場合に、前記複数変更手段に基づいて前記第1標示手段及び前記第2標示手段を前記第2態様で表示する第2態様継続手段と、
前記特別識別情報判断手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出しないと判断された場合に、前記複数変更手段に基づいて前記第1標示手段を前記第2態様で表示し、前記第1態様報知手段によって前記第2標示手段を前記第1態様で表示する第2態様変更手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、標示手段には、判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段と、判定演出の実行後に現出する第2標示手段とが備えられている。また、特別識別情報判断手段によって、動的表示において特別識別情報を現出すると判断された場合に、態様変更手段に設けられた第2態様継続手段により、複数変更手段に基づいて第1標示手段および第2標示手段が第2態様で表示される。一方、特別識別情報判断手段によって、動的表示において特別識別情報を現出しないと判断された場合に、態様変更手段に設けられた第2態様変更手段により、複数変更手段に基づいて第1標示手段が第2態様で表示され、第1態様報知手段によって第2標示手段が第1態様で表示される。
これにより、動的表示において特別識別情報が現出する場合は、第1標示手段および第2標示手段ともに第2態様に変更され、動的表示において特別識別情報が現出しない場合には、第1標示手段が第2態様で表示される一方、第2標示手段が第1態様で表示されるように構成する。即ち、標示手段が第2態様に変更されていた場合に、特別識別情報の表示結果が現出する動的表示において、判定演出後の第2標示手段を第2態様で表示すると共に、一般識別情報の表示結果が現出する動的表示において、判定演出後の第2標示手段を第1態様で表示するように構成する。このように構成することで、一般識別情報が現出した後に、第2態様の第2標示手段を現出することがなく、演出が発展することを示唆しないため、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機A2において、
前記第1標示手段は、
1の前記動的表示において、少なくとも複数現出し、
前記複数変更手段は、
少なくとも前記第1標示手段の表示態様を一括で設定する第1標示一括手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の動的表示において、第1標示手段が少なくとも複数現出されるように構成され、複数変更手段に設けられた第1標示一括手段により、少なくとも第1標示手段の表示態様が一括で設定されるように構成されている。これにより、1の動的表示において複数現出する第1標示手段を一括して設定することができるため、各第1標示手段ごとに設定処理を行う制御に比べ、制御負担を軽減させることができる、という効果がある。特に、動的表示において第2態様を実行可能な第1標示手段の現出箇所が多くなればなるほど(例えば、5箇所以上等)、上記一括設定が好適に作用し、制御負担を顕著に軽減させることが可能となる。
遊技機A0からA3のいずれかにおいて、
前記態様変更手段は、
該標示手段の表示態様を、所定の通常表示態様(例えば、「白色」)から、該通常表示態様と異なる特殊表示態様(例えば、「赤色」)に変更する表示態様変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該表示態様変更手段によって前記標示手段の表示態様が前記通常表示態様から前記特殊表示態様に変更されるタイミング(例えば、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミング、又は、リーチ中文字表示Se2を表示するタイミング)を選択するタイミング選択手段(色変化タイミングカウンタ223g)と、を備え、
前記複数変更手段は、
前記タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される前記標示手段の表示態様を前記特殊表示態様に一括して変更する一括変更手段、を備え、
前記第1態様報知手段は、
前記一括変更手段によって前記標示手段の表示態様が前記特殊表示態様に変更されたタイミング以降であって、前記判定演出の実行後に現出する前記標示手段の表示態様を前記通常表示態様で表示する通常態様表示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A0からA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた表示態様変更手段により、標示手段の表示態様が、所定の通常表示態様から、該通常表示態様と異なる特殊表示態様へ変更される。また、同じく態様変更手段に設けられたタイミング選択手段により、表示態様変更手段によって標示手段の表示態様が通常表示態様から特殊表示態様へ変更されるタイミングが選択される。そして、複数変更手段に設けられた一括変更手段により、タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される標示手段の表示態様が特殊表示態様に変更される。ここで、一括変更手段によって標示手段の表示態様が特殊表示態様に変更されたタイミング以降であって、判定演出の実行後に現出する標示手段の表示態様が、第1態様報知手段に設けられた通常態様表示手段により、通常表示態様で表示される。これにより、互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の関し、表示タイミング等の複数の表示要素に基づいて該標示手段の表示態様を設定して、標示手段の表示態様のバリエーションを増やしつつ、判定演出後の標示手段において、一般識別情報が現出する場合は、一括設定の内容から変更(修正)して通常表示態様(第1態様)で表示することができる。よって、演出を多様化して遊技の興趣を高めつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機A4において、
前記表示態様変更手段は、
前記標示手段の表示色を、所定の通常表示色(例えば、「白色」)から、該通常表示色と異なる特殊表示色(例えば、「赤色」)に変更する色変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)、を備え、
前記タイミング選択手段は、
前記色変更手段によって前記標示手段の表示色が前記通常表示色から前記特殊表示色に変更されるタイミング(例えば、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミング、又は、リーチ中文字表示Se2を表示するタイミング)を選択する色変化タイミング選択手段(色変化タイミングカウンタ223g)、を備え、
前記一括変更手段は、
前記色変化タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される前記標示手段の表示色を前記特殊表示色に一括して変更する色一括変更手段、を備え、
前記第1態様報知手段は、
前記色一括変更手段によって前記標示手段の表示色が前記特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、前記判定演出の実行後に現出する前記標示手段の表示色を前記通常表示色で表示する通常色表示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示態様変更手段に設けられた色変更手段により、標示手段の表示色が、所定の通常表示色から、該通常表示色と異なる特殊表示色へ変更される。また、タイミング選択手段に設けられた色変化タイミング選択手段により、色変更手段によって標示手段の表示色が通常表示色から特殊表示色へ変更されるタイミングが選択される。そして、一括変更手段に設けられた色一括変更手段により、色変化タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される標示手段の表示色が特殊表示色に変更される。ここで、色一括変更手段によって標示手段の表示色が特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、判定演出の実行後に現出する標示手段の表示色が、第1態様報知手段に設けられた通常色表示手段により、通常表示色で表示される。これにより、互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の関し、表示色や表示タイミング等の複数の表示要素に基づいて該標示手段の表示態様を設定して、標示手段の表示態様のバリエーションを増やしつつ、判定演出後の標示手段において、一般識別情報が現出する場合は、一括設定の内容から変更(修正)して通常表示色(第1態様)で表示することができる。よって、演出を多様化して遊技の興趣を高めつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機A4又はA5において、
前記表示態様変更手段は、
前記標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択する変更要素選択手段(例えば、文字態様設定処理(S1417))と、
該変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて、前記画像表示手段において前記標示手段を表示するための表示指示を出力する第1指示出力手段(例えば、コマンド出力処理(S1102))と、を備え、
該第1指示出力手段は、
前記第1態様報知手段によって、前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段の表示態様を前記第1態様で表示する場合に、少なくとも前記標示手段の表示色の変更要素を前記通常表示色で表示する表示指示を出力する第2指示出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A4又はA5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示態様変更手段に設けられた変更要素選択手段により、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素がそれぞれ別々に選択される。また、同じく態様変更手段に設けられた第1指示出力手段により、変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて、画像表示手段において標示手段を表示するための表示指示が出力される。そして、第1態様報知手段によって、判定演出の実行後に現出させる標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、少なくとも標示手段の表示色の変更要素を通常表示色で表示する表示指示が、第1指示出力手段に設けられた第2指示出力手段により出力される。即ち、態様変更手段によって、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択(決定)し、その選択内容に基づいて標示手段の表示指示をそれぞれ出力するように構成し、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、標示手段の変更要素のうち、少なくとも表示色を通常表示色で表示する表示指示を出力するように構成されている。
仮に、複数の標示手段における複数の変更要素、即ち、表示色、変更タイミング及び表示パターンをすべて選択した後で、1の表示指示にて複数の標示手段における複数の変更要素に関する表示指示を生成した場合は、表示色、変更タイミング及び表示パターンのすべてのバリエーションに応じた表示指示を予め用意しなければならず、表示指示の数が膨大になるおそれがある。よって、各標示手段の各変更要素の表示指示をそれぞれ別々に選択することで、標示手段に関する表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる、という効果がある。
特に、遊技機A1の発明を採用した遊技機では、各標示手段の第2態様が選択されていた場合であっても、該動的表示の結果が一般識別情報となるときは、判定演出の実行後に現出する標示手段(第2標示手段)を第1態様(通常表示色)で表示(変更)するように構成されている。この場合に、各標示手段の表示色、変更タイミング及び表示パターンと、さらに、演出判定後の標示手段の表示(変更)内容とをすべて決定した後で、1の表示指示にて各標示手段に関する表示指示を出力する場合は、演出判定後の標示手段の表示(変更)する内容も含めてすべての標示手段の表示態様のバリエーションに応じた表示指示を予め用意しなければならず、表示指示の数が飛躍的に増大化するおそれがある。よって、各標示手段の表示色、変更タイミング、表示パターン又は演出判定後の表示(変更)内容のそれぞれで別々に表示指示を出力し、その表示指示に基づいて画像表示手段で各標示手段の表示制御を調整することで、各標示手段に関する表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる。
また、標示手段の変更要素のうち、表示色の変化は、他の変更要素(変更タイミング又は表示パターン)の変化よりも、その変化を認識し易い。具体的には、例えば、表示パターンであれば、その表示パターンの種類を予め覚えておかなければ、その表示パターンが示す意味を理解することができないが、表示色の変化は、その表示色が通常の表示色(白色)から変化しているか否かによって判断できるからである。よって、遊技者は、標示手段の表示色が特殊表示色に変更されていることを認識した場合、該標示手段の表示色が変更されていることによって、該動的表示において何かしらの発展演出が実行されるのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示で発展演出が実行されない場合に、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、動的表示において一般識別情報が現出する場合には、複数の標示手段が第2態様に変更される場合であっても、判定演出後に表示される標示手段において、少なくとも表示色を通常表示色で表示するように構成する。即ち、一般識別情報が現出する動的表示において、判定演出後の標示手段を、少なくとも通常表示色で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機A6において、
前記第1指示出力手段は、
前記動的表示の開始時に、該動的表示における前記標示手段の表示態様に関するすべての表示指示を出力する開始時出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1指示出力手段に設けられた開始時出力手段により、動的表示の開始時に、該動的表示における標示手段の表示態様に関するすべての表示指示が出力される。これにより、動的表示の開始時に、該動的表示で現出すべき標示手段の内容を画像表示手段に指示することができ、動的表示における各標示手段の表示をスムースに行うことができる、という効果がある。
遊技機A1からA7において、
前記態様変更手段は、
前記特別識別情報判断手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出すると判断された場合に、前記態様変更手段に基づいて、前記判定演出実行手段による前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段を前記第2態様で表示する態様維持手段(例えば、文字色変化制限処理のS1702:Yes)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判断手段によって、動的表示において特別識別情報を現出すると判断された場合に、態様変更手段に設けられた態様維持手段により、態様変更手段による変更に基づいて、判定演出実行手段による判定演出の実行後に現出される標示手段が第2態様で表示される。これにより、特別識別情報が現出する場合に、当初、変更された標示手段の表示を第2態様に維持して、特別識別情報が現出して所定の遊技価値が付与され得ることについて遊技者を祝福し、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<B群:文字表示を赤色に変更し、確変大当たりが付与されるか否かに応じて際演出後の文字表示を白色に修正>
所定の始動条件の成立を契機として始動情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された前記始動情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において、所定の識別情報である特別識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記特別識別情報は、所定の第1特別識別情報(例えば、「15R通常大当たり」)と、該第1特別識別情報より高い遊技価値が付与され得る第2特別識別情報(例えば、「15R確変大当たり」)と、を有し、
前記取得手段により取得される前記始動情報を記憶する記憶手段(例えば、実行情報格納エリア223i)と、
該記憶手段に記憶されている前記始動情報に基づいて、前記動的表示において前記特別識別情報を現出するか、又は、該特別識別情報と異なる一般識別情報(例えば、「ハズレ表示」)を現出するか否かを判断する当否判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
該当否判別手段により前記特別識別情報が現出すると判断された場合に、対応する前記記憶手段に記憶されている前記始動情報が、前記第1特別識別情報に関する始動情報か、又は、前記第2特別識別情報に関する始動情報かを判断する種別判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
互いに所定の関連性を有して報知される複数の標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3および疑似定型句文字表示Se4)と、
前記当否判断手段による判断結果に基づいて、前記標示手段の報知態様を、所定の第1態様(例えば、「白色」)から、該第1態様と異なる第2態様(例えば、「赤色」)に変更する態様変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該態様変更手段によって前記標示手段を前記第2態様に変更する場合に、複数の前記標示手段の報知態様を前記第2態様に変更する複数変更手段(例えば、文字色変化テーブル222h)と、を備え、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記第1特別識別情報若しくは前記第2特別識別情報、又は、前記一般識別情報を現出するか否かの判定演出(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」)を実行する判定演出実行手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)、を備え、
前記態様変更手段は、
前記複数変更手段により前記標示手段の報知態様が前記第2態様に変更される場合に、前記種別判断手段によって、対応する前記記憶手段に前記第1特別識別情報に関する始動情報が記憶されていると判断されたとき、前記判定演出実行手段による前記判定演出の実行後に報知される前記標示手段を、前記第1態様で報知する第1態様報知手段(例えば、表示用定型句通常コマンド)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B0。
遊技機B0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により始動情報が取得され、その取得手段により取得された始動情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報である特別識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、特別識別情報として、所定の第1特別識別情報と、その第1特別識別情報より高い遊技価値が付与され得る第2特別識別情報とを有している。また、取得手段により取得される始動情報が記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶される始動情報に基づいて、動的表示において特別識別情報を現出するか、特別識別情報と異なる一般識別情報を現出するかが当否判断手段により判断される。そして、当否判別手段により特別識別情報が現出すると判断された場合に、種別判断手段により、対応する記憶手段に記憶されている始動情報が、第1特別識別情報に関する始動情報か、又は、第2特別識別情報に関する始動情報かが判断される。また、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段が報知される。そして、当否判断手段による判断結果に基づいて、態様変更手段により、標示手段の報知態様が、所定の第1態様から、該第1態様とは異なる第2態様に変更される。また、態様変更手段によって標示手段を第2態様に変更する場合に、複数変更手段により、複数の標示手段の報知態様が第2態様に変更される。ここで、動的表示実行手段に設けられた判定演出実行手段により、動的表示において、第1特別識別情報若しくは第2特別識別情報、又は、一般識別情報を現出するか否かの判定演出が実行される。そして、複数変更手段によって標示手段の報知態様が第2態様に変更されている場合に、種別判断手段によって、対応する記憶手段に第1特別識別情報に関する始動情報が記憶されていると判断されたとき、態様変更手段に設けられた第1態様報知手段により、判定演出実行手段による判定演出の実行後に報知される標示手段が、第1態様で報知される。即ち、動的表示において第2特別識別情報より低い遊技価値が付与され得る第1特別識別情報が現出する場合に、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段の報知態様が第2態様に変更されていた場合でも、動的表示の判定演出の実行後に報知される標示手段の報知態様を第2態様ではない第1態様で報知する。
従来のように、動的表示の複数の箇所(タイミング又は表示領域。以下同様。)で互いの所定の関連性を有する標示手段を報知する場合に、それぞれの報知箇所毎に、標示手段を第1態様で報知するか第1態様とは異なる第2態様で報知するかを設定(抽選)する構成であると、その報知箇所分の設定処理(抽選処理)が必要になって制御が複雑化し、処理負担が増大してしまうおそれがある。また、動的表示において先に報知される標示手段を第2態様で現出した後、後に報知される標示手段を第1態様で報知させてしまうと、所定の関連性を有する標示手段であるがゆえ、特別識別情報が現出することへの期待度が成り下がった表現(以下、「成り下がり表現」という)になってしまう。よって、折角、先の標示手段において第2態様が報知されたことによって気分が高揚していた遊技者が、後の標示手段における上記成り下がり表現を目の当たりにすることで興醒めしてしまうおそれがある。
そこで、動的表示において互いに所定の関連性を有する標示手段の報知態様の設定(抽選)を一括で行い、1の標示手段で報知された第2態様を他の標示手段においても踏襲して報知させるように構成することで、それぞれの報知箇所毎に設定処理を行う必要がなくなり、処理負担を軽減させることができる。また、互いに所定の関連性を有する標示手段が一度でも第2態様で報知された場合は、以降に現出する標示手段においても第2態様を踏襲して報知させるように構成することで、標示手段における成り下がり表現が発生してしまう現象を未然に排除して、遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。
しかしながら、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段を第2態様に変更する場合、例えば、第2特別識別情報より低い遊技価値が付与され得る第1特別識別情報の表示結果が現出する動的表示において、該動的表示の判定演出が行われて第1特別識別情報が現出している状態で、標示手段が第2態様で報知されてしまうことがある。標示手段の第2態様は、判断手段の判断結果に基づいて所定の第1態様から変更される態様であるため、その変更に基づいて現状の演出状況が変更され得ることを示唆する発展示唆機能を有する。一方、判定演出後に報知される標示手段は、判定演出の結果である現状の演出状況の内容を報知する状況報知機能を有する。従って、判定演出の実行後の標示手段を第2態様で報知してしまうと、遊技者は、標示手段が第2態様で報知されたことによって、標示手段の状況報知機能より発展示唆機能が勝り、該動的表示がこのまま第1特別識別情報で確定せず、何かしらの発展演出が実行されて、表示中の第1特別識別情報から、より高い遊技価値が付与され得る第2特別識別情報へ変化するのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示が第1特別識別情報のまま確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、遊技機B0によれば、記憶手段に第1特別識別情報に関する情報が記憶されている場合には、標示手段が第2態様に変更されるとき、判定演出後に報知される標示手段において第2態様を報知しないように構成する。即ち、第1特別識別情報の遊技価値が付与されるときには、判定演出後の標示手段を第1態様で報知するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
なお、「互いに所定の関連性を有して報知される複数の標示手段」とは、例えば、標示手段同士が、同一の属性を有する場合や、同一の種類に該当する場合、同一のタイミングに現出する場合、或いは、時間差で現出する場合であっても一方が現出した場合に他方も現出する等、1の標示手段に対して他の標示手段が、時期的、形状的、観念的に有機的に絡む(緊密な連関をもつ)関連性をいう。具体的には、例えば、同一の表示領域に表示される予告表示(リーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一のタイミングで異なる態様で表示される予告表示(強弱キャラ予告等)や、1の予告が現出した後に他の予告が現出する予告表示(ステップアップ予告やリーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一の演出が複数回実行される予告(「疑似連」の変動要素等)や、同一又は類似の音(例えば、「類似の音」とは、音の種類が段階的にステップアップするような音)が断続的に出力される演出等が例示される。
また、「判定演出」とは、例えば、動的表示を構成する複数の変動要素のうち、特別識別情報が現出するか一般識別情報が現出するかの演出部分を示す場合、動的表示を構成する1の変動要素全体を示す場合、或いは、動的表示全体を示す場合等をいう。
遊技機B0において、
前記標示手段は、
前記判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2)と、
前記判定演出の実行後に現出する第2標示手段(例えば、定型句文字表示Se3)とを備え、
前記態様変更手段は、
前記種別判断手段によって、前記動的表示において前記第2特別識別情報に関する始動情報が記憶されていると判断されたとき、前記複数変更手段に基づいて前記第1標示手段および前記第2標示報知手段を前記第2態様で表示する第2態様継続手段と、
前記当否判別手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出しないと判断されたとき、又は、前記種別判断手段によって、前記動的表示において前記第1特別識別情報に関する始動情報が記憶されていると判断されたとき、前記複数変更手段に基づいて前記第1標示手段を前記第2態様で表示し、前記第1態様報知手段によって前記第2標示手段を前記第1態様で表示する第2態様変更手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、標示手段には、判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段と、判定演出の実行後に現出する第2標示手段とが備えられている。また、種別判断手段によって、動的表示において第2特別識別情報に関する始動情報が記憶されていると判断されたとき、態様変更手段に設けられた第2態様継続手段により、複数変更手段に基づいて第1標示手段および第2標示手段が第2態様で表示される。一方、当否判別手段によって、動的表示において特別識別情報を現出しないと判断されたとき、又は、種別判断手段によって、動的表示において第1特別識別情報に関する始動情報が記憶されていると判断されたとき、複数変更手段に基づいて態様変更手段に設けられた第2態様変更手段により、第1標示手段が第2態様で表示され、第1態様報知手段によって第2標示手段が第1態様で表示される。
これにより、動的表示において第2特別識別情報が現出する場合は、第1標示手段および第2標示手段ともに第2態様に変更され、動的表示において一般識別情報又は第1特別識別情報が現出する場合には、第1標示手段が第2態様で表示される一方、第2標示手段が第1態様で表示されるように設定される。即ち、第2特別識別情報より低い遊技価値が付与され得る第1特別識別情報の表示結果や一般識別情報が現出する動的表示において、判定演出後の第2標示手段を第1態様で表示するように構成する。このように構成することで、第1特別識別情報や一般識別情報が現出した後に、第2態様の第2標示手段を現出することがなく、演出が発展することを示唆しないため、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機B1において、
前記第1標示手段は、
1の前記動的表示において、少なくとも複数現出し、
前記複数変更手段は、
少なくとも前記第1標示手段の表示態様を一括で設定する第1標示一括手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の動的表示において、第1標示手段が少なくとも複数現出されるように構成され、複数変更手段に設けられた第1標示一括手段により、少なくとも第1標示手段の表示態様が一括で設定されるように構成されている。これにより、1の動的表示において複数現出する第1標示手段を一括して設定することができるため、各第1標示手段ごとに設定処理を行う制御に比べ、制御負担を軽減させることができる、という効果がある。特に、動的表示において第2態様を実行可能な第1標示手段の現出箇所が多くなればなるほど(例えば、5箇所以上等)、上記複数変更が好適に作用し、制御負担を顕著に軽減させることが可能となる。
遊技機B0からB2のいずれかにおいて、
前記態様変更手段は、
前記標示手段の表示態様を、所定の通常表示態様(例えば、「白色」)から、該通常表示態様と異なる特殊表示態様(例えば、「赤色」)に変更する表示態様変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該表示態様変更手段によって前記標示手段の表示態様が前記通常表示態様から前記特殊表示態様に変更されるタイミング(例えば、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミング、又は、リーチ中文字表示Se2を表示するタイミング)を選択するタイミング選択手段(色変化タイミングカウンタ223g)と、を備え、
前記複数変更手段は、
前記タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される前記標示手段の表示態様を前記特殊表示態様に一括して変更する一括変更手段、を備え、
前記第1態様報知手段は、
前記一括変更手段によって前記標示手段の表示態様が前記特殊表示態様に変更されたタイミング以降であって、前記判定演出の実行後に現出する前記標示手段の表示態様を前記通常表示態様で表示する通常態様表示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B0からB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた表示態様変更手段により、標示手段の表示態様が、所定の通常表示態様から、該通常表示態様と異なる特殊表示態様へ変更される。また、同じく態様変更手段に設けられたタイミング選択手段により、表示態様変更手段によって標示手段の表示態様が通常表示態様から特殊表示態様へ変更されるタイミングが選択される。そして、複数変更手段に設けられた一括変更手段により、タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される標示手段の表示態様が特殊表示態様に変更される。ここで、一括変更手段によって標示手段の表示態様が特殊表示態様に変更されたタイミング以降であって、判定演出の実行後に現出する標示手段の表示態様が、第1態様報知手段に設けられた通常態様表示手段により、通常表示態様で表示される。これにより、互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の関し、表示タイミング等の複数の表示要素に基づいて該標示手段の表示態様を設定して、標示手段の表示態様のバリエーションを増やしつつ、判定演出後の標示手段において、一般識別情報が現出する場合は、複数変更の内容から変更(修正)して通常表示態様(第1態様)で表示することができる。よって、演出を多様化して遊技の興趣を高めつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機B3のいずれかにおいて、
前記表示態様変更手段は、
該標示手段の表示色を、所定の通常表示色(例えば、「白色」)から、該通常表示色と異なる特殊表示色(例えば、「赤色」)に変更する色変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)、を備え、
前記タイミング選択手段は、
前記色変更手段によって前記標示手段の表示色が前記通常表示色から前記特殊表示色に変更されるタイミング(例えば、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミング、又は、リーチ中文字表示Se2を表示するタイミング)を選択する色変化タイミング選択手段(色変化タイミングカウンタ223g)と、を備え、
前記一括変更手段は、
前記色変化タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される前記標示手段の表示色を前記特殊表示色に一括して変更する色一括変更手段、を備え、
前記第1態様報知手段は、
前記色一括変更手段によって前記標示手段の表示色が前記特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、前記判定演出の実行後に現出する前記標示手段の表示色を前記通常表示色で表示する通常色表示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示態様変更手段に設けられた色変更手段により、標示手段の表示色が、所定の通常表示色から、該通常表示色と異なる特殊表示色へ変更される。また、タイミング選択手段に設けられた色変化タイミング選択手段により、色変更手段によって標示手段の表示色が通常表示色から特殊表示色へ変更されるタイミングが選択される。そして、一括変更手段に設けられた色一括変更手段により、色変化タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される標示手段の表示色が特殊表示色に変更される。ここで、色一括変更手段によって標示手段の表示色が特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、判定演出の実行後に現出する標示手段の表示色が、第1態様報知手段に設けられた通常色表示手段により、通常表示色で表示される。これにより、互いに所定の関連性を有する標示手段の表示要素の関し、表示色や表示タイミング等の複数の表示要素に基づいて該標示手段の表示態様を設定して、標示手段の表示態様のバリエーションを増やしつつ、判定演出後の標示手段において、一般識別情報が現出する場合は、一括変更の内容から変更(修正)して通常表示色(第1態様)で表示することができる。よって、演出を多様化して遊技の興趣を高めつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機B3又はB4において、
前記表示態様変更手段は、
前記標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択する変更要素選択手段(例えば、文字態様設定処理(S1417))と、
該変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて、前記画像表示手段において前記標示手段を表示するための表示指示をそれぞれ出力する第1指示出力手段(例えば、コマンド出力処理(S1102))と、を備え、
該第1指示出力手段は、
前記第1態様報知手段によって、前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段の表示態様を前記第1態様で表示する場合に、少なくとも前記標示手段の表示色の変更要素を前記通常表示色で表示する表示指示を出力する第2指示出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B3又はB4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示態様変更手段に設けられた変更要素選択手段により、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素がそれぞれ別々に選択される。また、同じく態様変更手段に設けられた第1指示出力手段により、変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて、画像表示手段において標示手段を表示するための表示指示が出力される。そして、第1態様報知手段によって、判定演出の実行後に現出させる標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、第1指示出力手段に設けられた第2指示出力手段により、少なくとも標示手段の表示色の変更要素を通常表示色で表示する表示指示が出力される。即ち、態様変更手段によって、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択(決定)し、その選択内容に基づいて標示手段の表示指示をそれぞれ出力するように構成し、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、標示手段の変更要素のうち、少なくとも表示色を通常表示色で表示する表示指示を出力するように構成されている。
仮に、複数の標示手段における複数の変更要素、即ち、表示色、変更タイミング及び表示パターンをすべて選択した後で、1の表示指示にて複数の標示手段における複数の変更要素に関する表示指示を生成した場合は、表示色、変更タイミング及び表示パターンのすべてのバリエーションに応じた表示指示を予め用意しなければならず、表示指示の数が膨大になるおそれがある。よって、各標示手段の各変更要素の表示指示をそれぞれ別々に選択することで、標示手段に関する表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる、という効果がある。
特に、遊技機B0の発明を採用した遊技機では、各標示手段の第2態様が選択されていた場合であっても、該動的表示の結果が第1特別識別情報となるときは、判定演出の実行後に現出する標示手段(第2標示手段)を第1態様(通常表示色)で表示(変更)して表示するように構成されている。この場合に、各標示手段の表示色、変更タイミング及び表示パターンと、さらに、演出判定後の標示手段の表示(変更)内容とをすべて決定した後で、1の表示指示にて各標示手段に関する表示指示を出力する場合は、演出判定後の標示手段の表示(変更)する内容も含めてすべての標示手段の表示態様のバリエーションに応じた表示指示を予め用意しなければならず、表示指示の数が飛躍的に増大化するおそれがある。よって、各標示手段の表示色、変更タイミング、表示パターン又は演出判定後の標示(変更)内容のそれぞれで別々に表示指示を出力し、その表示指示に基づいて画像表示手段で各標示手段の表示制御を調整することで、各標示手段に関する表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる。
また、標示手段の変更要素のうち、表示色の変化は、他の変更要素(変更タイミング又は表示パターン)の変化よりも、その変化を認識し易い。具体的には、例えば、表示パターンであれば、その表示パターンの種類を予め覚えておかなければ、その表示パターンが示す意味を理解することができないが、表示色の変化は、その表示色が通常の表示色(白色)から変化しているか否かによって判断できるからである。よって、標示手段の表示色が特殊表示色に変更されていた場合は、該標示手段の表示色が変更されていることによって、該動的表示において何かしらの発展演出が実行されるのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示で発展演出が実行されない場合に、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、動的表示において第1特別識別情報が現出する場合には、複数の標示手段が第2態様に変更される場合であっても、判定演出後に表示される標示手段において、少なくとも表示色を通常表示色で表示するように構成する。即ち、第1特別識別情報が現出する動的表示において、判定演出後の標示手段を、少なくとも通常表示色で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機B5において、
前記第1指示出力手段は、
前記動的表示の開始時に、該動的表示における前記標示手段の表示態様に関するすべての表示指示を出力する開始時出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、指示出力手段に設けられた開始時出力手段により、動的表示の開始時に、該動的表示における標示手段の表示態様に関するすべての表示指示が出力される。これにより、動的表示の開始時に、該動的表示で現出すべき標示手段の内容を画像表示手段に指示することができ、動的表示における各標示手段の表示をスムースに行うことができる、という効果がある。
遊技機B0からB6のいずれかにおいて、
前記態様変更手段は、
前記種別判断手段によって、前記動的表示において前記第2特別識別情報に関する始動情報が記憶されていると判断された場合に、前記態様変更手段に基づいて、前記判定演出実行手段による前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段を前記第2態様で表示する態様維持手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B0からB6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、種別判断手段によって、動的表示において第2特別識別情報に関する始動情報が記憶されていると判断された場合に、態様変更手段に設けられた態様維持手段により、判定演出実行手段による判定演出の実行後に現出される標示手段が第2態様で表示される。これにより、第2特別識別情報に基づく遊技価値が付与される場合に、当初、変更された標示手段の表示を第2態様に維持して、第2特別識別情報に基づく遊技価値が付与され得ることについて遊技者を祝福し、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機B0からB6において、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において前記特別識別情報を現出した場合に、前記所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態を発生する特別遊技発生手段と(例えば、いずれかの「大当たり状態」)、
前記種別判断手段によって、前記記憶手段に前記第2特別識別情報に関する始動情報が記憶されていると判断された場合に、前記動的表示において、前記第1特別識別情報に対応する暫定表示結果を現出する暫定表示手段(例えば、「15R通常大当たり」に対応する表示結果)と、
該暫定表示手段によって、前記動的表示において前記第1特別識別情報に対応する前記暫定表示結果を現出した後に、前記特別遊技発生手段による前記特別遊技状態において、前記第2特別識別情報に対応する昇格表示結果を現出する昇格表示手段と、を備え、
前記態様維持手段は、
前記種別判断手段によって、前記記憶手段に前記第2特別識別情報に関する始動情報が記憶されていると判断されると共に、前記昇格表示手段により前記特別遊技状態において前記昇格表示結果が現出する場合に、前記態様変更手段に基づいて、前記判定演出実行手段による前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段を前記第2態様で表示する昇格時態様維持手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B0からB6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示において特別識別情報を現出した場合に、動的表示実行手段に設けられた特別遊技発生手段により、所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態が発生される。また、種別判断手段によって、記憶手段に第2特別識別情報に関する始動情報が記憶されていると判断された場合に、暫定表示手段により、動的表示において、第1特別識別情報に対応する暫定表示結果が現出される。そして、暫定表示手段によって、動的表示において第1特別識別情報に対応する暫定表示結果を現出した後に、昇格表示手段により、特別遊技発生手段による特別遊技状態において、第2特別識別情報に対応する昇格表示結果が現出される。ここで、種別判断手段によって、記憶手段に第2特別識別情報に関する始動情報が記憶されていると判断されると共に、昇格表示手段により特別遊技状態において昇格表示結果が現出される場合に、態様維持手段に設けられた昇格時態様維持手段により、態様変更手段に基づいて、判定演出実行手段による判定演出の実行後に現出される標示手段が第2態様で表示される。これにより、第2特別識別情報に対応する昇格表示結果が現出する場合に、喩え動的表示において第1特別識別情報に対応する暫定表示結果が現出する場合であっても、その後に現出する標示手段が第2態様で表示されることで、第2特別識別情報に対応する遊技価値が付与されることから、判定演出後の標示手段が第2態様で表示されるか否かの遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、当初、複数変更された標示手段の表示を第2態様に維持して、結果的に第2特別識別情報に対応する遊技価値が付与され得ることについて遊技者を祝福し、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<C群:文字表示を赤色に変更し、先読みして保留内に大当たりがある場合は、際演出後の文字表示の赤色を維持>
所定の始動条件の成立を契機として始動情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された前記始動情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報である特別識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
所定の数を上限として、前記取得手段により取得される前記始動情報を記憶する記憶手段(例えば、保留球格納エリア203b又は保留球実行エリア203c)と、
該記憶手段に記憶された前記始動情報のうち、前記画像表示手段で実行を開始する前記動的表示に対応する前記始動情報に、前記特別識別情報に関する情報が記憶されているか否かを判断する実行判断手段(例えば、変動演出処理(S1109))と、
前記記憶手段に記憶された前記始動情報のうち、前記画像表示手段における実行が待機されている前記動的表示に対応する前記始動情報に、前記特別識別情報に関する情報が記憶されているか否かを判断する待機判断手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
互いに所定の関連性を有して報知される複数の標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3および疑似定型句文字表示Se4)と、
前記実行判断手段による判断結果に基づいて、前記標示手段の報知態様を、所定の第1態様(例えば、「白色」)から、該第1態様と異なる第2態様(例えば、「赤色」)に変更する態様変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該態様変更手段によって前記標示手段を前記第2態様に変更する場合に、複数の前記標示手段の報知態様を前記第2態様に変更する複数変更手段(例えば、文字色変化テーブル222h)と、を備え、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記特別識別情報を現出するか、該特別識別情報と異なって前記所定の遊技価値が付与されない一般識別情報(例えば、「ハズレ表示」)を現出するかの判定演出(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」)を実行する判定演出実行手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)、を備え、
前記態様変更手段は、
前記複数変更手段により前記標示手段の報知態様が前記第2態様に変更される場合に、前記実行判断手段によって、前記画像表示手段で実行を開始する前記動的表示において前記特別識別情報を現出しないすると判断されたとき、かつ、前記待機判断手段によって、前記画像表示手段における実行が待機されている前記動的表示に対応する前記始動情報に、前記特別識別情報に関する情報が記憶されていないと判断されたとき、前記判定演出実行手段による前記判定演出の実行後に報知される前記標示手段を、前記第1態様で報知する第1態様報知手段(例えば、表示用定型句通常コマンド)と、
前記複数変更手段により前記標示手段の表示態様が前記第2態様に変更される場合に、前記実行判断手段によって、前記画像表示手段で実行を開始する前記動的表示において前記特別識別情報を現出すると判断されたとき、又は、前記待機判断手段によって、前記画像表示手段における実行が待機されている前記動的表示に対応する前記始動情報に、前記特別識別情報に関する情報が記憶されていると判断されたとき、前記判定演出実行手段による前記判定演出の実行後に報知される前記標示手段を、前記第2態様で報知する態様維持手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C0。
遊技機C0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により始動情報が取得され、その取得手段により取得された始動情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報である特別識別情報が現出された場合に、遊技者の所定の遊技価値が付与される。また、所定の数を上限として、取得手段による取得される始動情報が記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶された始動情報のうち、画像表示手段で実行を開始する動的表示に対応する始動情報に、特別識別情報に関する情報が記憶されているか否かが実行判断手段により判断される。また、記憶手段に記憶された始動情報のうち、画像表示手段における実行が待機されている動的表示に対応する始動情報に、特別識別情報に関する情報が記憶されているか否かが待機判断手段により判断される。そして、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段が報知される。また、実行判断手段による判断結果に基づいて、態様変更手段により、標示手段の報知態様が、所定の第1態様から、該第1態様とは異なる第2態様に変更される。ここで、態様変更手段によって標示手段を第2態様に変更する場合に、複数変更手段により、複数の標示手段の報知態様が第2態様に複数変更される。そして、動的表示実行手段に設けられた判定演出実行手段により、動的表示において、特別識別情報を現出するか、該特別識別情報と異なって所定の遊技価値が付与されない一般識別情報を現出するかの判定演出が実行される。ここで、複数変更手段によって標示手段の報知態様が第2態様に変更される場合に、実行判断手段によって、画像表示手段で実行を開始する動的表示において、特別識別情報を現出しないと判断されたとき、かつ、待機判断手段によって、画像表示手段において実行が待機されている動的表示に対応する始動情報に、特別識別情報に関する情報が記憶されていないと判断されたとき、態様変更手段に設けられた第1態様報知手段により、判定演出実行手段による判定演出の実行後に報知される標示手段が、第1態様で報知される。また、複数変更手段によって標示手段の報知態様が第2態様に変更されている場合に、実行判断手段によって、画像表示手段で実行を開始する動的表示において特別識別情報を現出すると判断されたとき、又は、待機判断手段によって、画像表示手段における実行が待機されている動的表示に対応する始動情報に、特別識別情報に関する情報が記憶されていると判断されたとき、態様維持手段により、態様維持手段により、判定演出実行手段による判定演出の実行後に報知される標示手段が、第2態様で報知される。即ち、画像表示手段で実行を開始する動的表示において所定の遊技価値を付与しない一般識別情報が現出する場合であって、画像表示手段における実行が待機されている動的表示においても特別識別情報が現出しない場合に、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段の報知態様が第2態様に変更される場合であっても、動的表示の判定演出の実行後に報知される標示手段の報知態様を第2態様ではない第1態様で表示する。一方、画像表示手段で実行を開始する動的表示において特別識別情報が現出する場合、又は、画像表示手段における実行が待機されている動的表示において所定の遊技価値を付与する特別識別情報が現出する場合に、複数の標示手段の報知態様が第2態様に変更されるとき、実行中の動的表示の判定演出の実行後に報知される標示手段の報知態様を第2態様で報知する。
従来のように、動的表示の複数の箇所(タイミング又は表示領域。以下同様。)で互いの所定の関連性を有する標示手段を報知する場合に、それぞれの報知箇所毎に、標示手段を第1態様で報知するか第1態様とは異なる第2態様で報知するかを設定(抽選)する構成であると、その報知箇所分の設定処理(抽選処理)が必要になって制御が複雑化し、処理負担が増大してしまうおそれがある。また、動的表示において先に報知される標示手段を第2態様で報知した後、後に報知される標示手段を第1態様で報知させてしまうと、所定の関連性を有する標示手段であるがゆえ、特別識別情報が現出することへの期待度が成り下がった表現(以下、「成り下がり表現」という)になってしまう。よって、折角、先の標示手段において第2態様が報知されたことによって気分が高揚していた遊技者が、後の標示手段における上記成り下がり表現を目の当たりにすることで興醒めしてしまうおそれがある。
そこで、動的表示において互いに所定の関連性を有する複数の標示手段の報知態様の設定(抽選)を一括で行い、1の標示手段で報知された第2態様を他の標示手段においても踏襲して報知させるように構成することで、それぞれの報知箇所毎に設定処理を行う必要がなくなり、処理負担を軽減させることができる。また、互いに所定の関連性を有する標示手段が一度でも第2態様で報知された場合は、以降に報知する標示手段においても第2態様を踏襲して報知させるように構成することで、標示手段における成り下がり表現が発生してしまう現象を未然に排除して、遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。
しかしながら、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段を第2態様に変更する場合、例えば、所定の遊技価値が付与されない一般識別情報の表示結果が現出する動的表示において、該動的表示の判定演出が行われて一般識別情報が現出している状態で、標示手段が第2態様で報知されてしまうことがある。標示手段の第2態様は、判断手段の判断結果に基づいて所定の第1態様から変更される態様であるため、その変更に基づいて現状の演出状況が変更され得ることを示唆する発展示唆機能を有する。一方、判定演出後に報知される標示手段は、判定演出の結果である現状の演出状況の内容を報知する状況報知機能を有する。従って、判定演出の実行後の標示手段を第2態様で報知してしまうと、遊技者は、標示手段が第2態様で報知されたことによって、標示手段の状況報知機能より発展示唆機能が勝り、該動的表示がこのまま一般識別情報で確定せず、何かしらの発展演出が実行されて一般識別情報から特別識別情報へ変化するのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示が所定の遊技価値が付与されない一般識別情報のまま確定し、さらに、待機中の動的表示においても所定の遊技価値が付与されない場合は、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、遊技機C0によれば、画像表示手段において実行を開始する動的表示において特別識別情報が現出しない場合であって、画像表示手段における実行が待機されている動的表示においても特別識別情報が現出しない場合には、標示手段が第2態様に変更される場合であっても、判定演出後に報知される標示手段において第2態様を報知しないように構成する。一方、画像表示手段で実行を開始する動的表示において特別識別情報が現出する場合や、画像表示手段における実行が待機されている動的表示において特別識別情報が現出する場合には、実行中の動的表示における標示手段が第2態様に変更されるとき、判定演出後に報知される標示手段を第2態様のまま報知するように構成する。即ち、一般識別情報の動的表示において、判定演出後の標示手段を第1態様で報知するように構成しつつ、待機中の動的表示に特別識別情報が現出する場合には、一般識別情報の動的表示であっても、判定演出後の標示手段の報知態様を第2態様で報知するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにして、遊技者に過度な期待を抱かせず、また、実行中の動的表示が一般識別情報を現出する場合であっても、判定演出後の標示手段が第2態様で報知表示されるとき、待機中の動的表示において特別識別情報が記憶されていることを示唆することができる。よって、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供しつつ、判定演出後の標示手段に待機中の動的表示の先読み機能を設けることで、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
なお、「互いに所定の関連性を有して報知される複数の標示手段」とは、例えば、標示手段同士が、同一の属性を有する場合や、同一の種類に該当する場合、同一のタイミングに現出する場合、或いは、時間差で現出する場合であっても一方が現出した場合に他方も現出する等、1の標示手段に対して他の標示手段が、時期的、形状的、観念的に有機的に絡む(緊密な連関をもつ)関連性をいう。具体的には、例えば、同一の表示領域に表示される予告表示(リーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一のタイミングで異なる態様で表示される予告表示(強弱キャラ予告等)や、1の予告が現出した後に他の予告が現出する予告表示(ステップアップ予告やリーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一の演出が複数回実行される予告(「疑似連」の変動要素等)や、同一又は類似の音(例えば、「類似の音」とは、音の種類が段階的にステップアップするような音)が断続的に出力される演出等が例示される。
また、「判定演出」とは、例えば、動的表示を構成する複数の変動要素のうち、特別識別情報が現出するか一般識別情報が現出するかの演出部分を示す場合、動的表示を構成する1の変動要素全体を示す場合、或いは、動的表示全体を示す場合等をいう。
遊技機C0において、
前記標示手段は、
前記判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2)と、
前記判定演出の実行後に現出する第2標示手段(例えば、定型句文字表示Se3)とを備え、
前記態様変更手段は、
前記実行判断手段によって、前記画像表示手段で実行を開始する前記動的表示において前記特別識別情報を現出すると判断されたとき、又は、前記待機判断手段によって、前記画像表示手段における実行が待機されている前記動的表示に対応する前記始動情報に、前記特別識別情報に関する情報が記憶されていると判断されたとき、前記複数変更手段に基づいて前記第1標示手段及び前記第2標示報知手段を前記第2態様で表示する第2態様継続手段と、
前記実行判断手段によって、前記画像表示手段で実行を開始する前記動的表示において前記特別識別情報を現出しないと判断されたとき、及び、前記待機判断手段によって、前記画像表示手段における実行が待機されている前記動的表示に対応する前記始動情報に、前記特別識別情報に関する情報が記憶されていないと判断されたとき、前記複数変更手段に基づいて前記第1標示手段を前記第2態様で表示し、前記第1態様報知手段によって前記第2標示手段を前記第1態様で表示する第2態様変更手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機C0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、標示手段には、判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段と、判定演出の実行後に現出する第2標示手段とが備えられている。また、実行判断手段によって、画像表示手段で実行を開始する動的表示において特別識別情報を現出すると判断されたとき、又は、待機判断手段によって、画像表示手段における実行が待機されている動的表示に対応する始動情報に、特別識別情報に関する情報が記憶されていると判断されたとき、態様変更手段に設けられた第2態様継続手段により、複数変更手段に基づいて第1標示手段および第2標示手段が第2態様で表示される。一方、実行判断手段によって、画像表示手段で実行を開始する動的表示において特別識別情報を現出しないと判断されたとき、及び、待機判断手段によって、画像表示手段における実行が待機されている動的表示に対応する始動情報に、特別識別情報に関する情報が記憶されていないと判断されたとき、態様変更手段に設けられた第2態様変更手段により、複数変更手段に基づいて第1標示手段が第2態様で表示され、第1態様報知手段によって第2標示手段が第1態様で表示される。
これにより、実行を開始する動的表示において特別識別情報が現出する場合や、待機中の動的表示において特別識別情報が現出する場合に、第1標示手段および第2標示手段ともに第2態様に変更される。一方、実行を開始する動的表示において特別識別情報が現出しない場合であって、待機中の動的表示においても特別識別情報が現出しない場合には、第1標示手段が第2態様で表示され、第1態様報知手段によって第2標示手段が第1態様で表示される。即ち、現在、記憶されている動的表示のいずれにおいても特別識別情報の表示結果が現出しない場合に、実行中の動的表示の判定演出後の第2標示手段を第1態様で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにして、遊技者に過度な期待を抱かせず、また、実行中の動的表示が一般識別情報が現出する場合であっても、判定演出後の標示手段が第2態様で表示されるとき、待機中の動的表示において特別識別情報が記憶されていることを示唆することができる。よって、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供しつつ、判定演出後の標示手段に待機中の動的表示の先読み機能を設けることで、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機C1において、
前記第1標示手段は、
1の前記動的表示において、少なくとも複数現出し、
前記複数変更手段は、
少なくとも前記第1標示手段の表示態様を一括で設定する第1標示一括手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の動的表示において、第1標示手段が少なくとも複数現出されるように構成され、複数変更手段に設けられた第1標示一括手段により、少なくとも第1標示手段の表示態様が一括で設定されるように構成されている。これにより、1の動的表示において複数現出する第1標示手段を一括して設定することができるため、各第1標示手段ごとに設定処理を行う制御に比べ、制御負担を軽減させることができる、という効果がある。特に、動的表示において第2態様を実行可能な第1標示手段の現出箇所が多くなればなるほど(例えば、5箇所以上等)、上記一括設定が好適に作用し、制御負担を顕著に軽減させることが可能となる。
遊技機C0からC2のいずれかにおいて、
前記態様変更手段は、
該標示手段の表示態様を、所定の通常表示態様(例えば、「白色」)から、該通常表示色と異なる特殊表示態様(例えば、「赤色」)に変更する表示態様変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該表示態様変更手段によって前記標示手段の表示態様が前記通常表示態様から前記特殊表示態様に変更されるタイミング(例えば、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミング、又は、リーチ中文字表示Se2を表示するタイミング)を選択するタイミング選択手段(色変化タイミングカウンタ223g)と、を備え、
前記複数変更手段は、
前記タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される前記標示手段の表示態様を前記特殊表示態様に一括して変更する一括変更手段、を備え、
前記第1態様報知手段は、
前記一括変更手段によって前記標示手段の表示態様が前記特殊表示態様に変更されたタイミング以降であって、前記判定演出の実行後に現出する前記標示手段の表示態様を前記通常表示態様で表示する通常態様表示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C0からC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた表示態様変更手段により、標示手段の表示態様が、所定の通常表示態様から、該通常表示態様と異なる特殊表示態様へ変更される。また、同じく態様変更手段に設けられたタイミング選択手段により、表示態様変更手段によって標示手段の表示態様が通常表示態様から特殊表示態様へ変更されるタイミングが選択される。そして、複数変更手段に設けられた一括変更手段により、タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される標示手段の表示態様が特殊表示態様に変更される。ここで、一括変更手段によって標示手段の表示態様が特殊表示態様に変更されたタイミング以降であって、判定演出の実行後に現出する標示手段の表示態様が、第1態様報知手段に設けられた通常態様表示手段により、通常表示態様で表示される。これにより、互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の関し、表示タイミング等の複数の表示要素に基づいて該標示手段の表示態様を設定して、標示手段の表示態様のバリエーションを増やしつつ、判定演出後の標示手段において、一般識別情報が現出する場合は、複数変更の内容から変更(修正)して通常表示態様(第1態様)で表示することができる。よって、演出を多様化して遊技の興趣を高めつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機C3において、
前記表示態様変更手段は、
前記標示手段の表示色を、所定の通常表示色(例えば、「白色」)から、該通常表示色と異なる特殊表示色(例えば、「赤色」)に変更する色変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)、を備え、
前記タイミング選択手段は、
前記色変更手段によって前記標示手段の表示色が前記通常表示色から前記特殊表示色に変更されるタイミング(例えば、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミング、又は、リーチ中文字表示Se2を表示するタイミング)を選択する色変化タイミング選択手段(色変化タイミングカウンタ223g)、を備え、
前記一括変更手段は、
前記色変化タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される前記標示手段の表示色を前記特殊表示色に一括して変更する色一括変更手段、を備え、
前記第1態様報知手段は、
前記色一括変更手段によって前記標示手段の表示色が前記特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、前記判定演出の実行後に現出する前記標示手段の表示色を前記通常表示色で表示する通常色表示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示態様変更手段に設けられた色変更手段により、標示手段の表示色が、所定の通常表示色から、該通常表示色と異なる特殊表示色へ変更される。また、タイミング選択手段に設けられた色変化タイミング選択手段により、色変更手段によって標示手段の表示色が通常表示色から特殊表示色へ変更されるタイミングが選択される。そして、複数変更手段に設けられた色一括変更手段により、色変化タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される標示手段の表示色が特殊表示色に変更される。ここで、色一括変更手段によって標示手段の表示色が特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、判定演出の実行後に現出する標示手段の表示色が、第1態様報知手段に設けられた通常色表示手段により、通常表示色で表示される。これにより、互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の関し、表示色や表示タイミング等の複数の変更要素に基づいて該標示手段の表示態様を設定して、標示手段の表示態様のバリエーションを増やしつつ、判定演出後の標示手段において、一般識別情報が現出する場合は、一括設定の内容から変更(修正)して通常表示色(第1態様)で表示することができる。よって、演出を多様化して遊技の興趣を高めつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機C3又はC4において、
前記表示態様変更手段は、
前記標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択する変更要素選択手段(例えば、文字態様設定処理(S1417))と、
該変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて、前記画像表示手段において前記標示手段を表示するための表示指示をそれぞれ出力する第1指示出力手段(例えば、コマンド出力処理(S1102))と、を備え、
該第1指示出力手段は、
前記第1態様報知手段によって、前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段の表示態様を前記第1態様で表示する場合に、少なくとも前記標示手段の表示色の変更要素を前記通常表示色で表示する表示指示を出力する第2指示出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C3又はC4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示態様変更手段に設けられた変更要素選択手段により、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素がそれぞれ別々に選択される。また、同じく表示態様変更手段に設けられた第1指示出力手段により、変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて、画像表示手段において標示手段を表示するための表示指示が出力される。そして、第1態様報知手段によって、判定演出の実行後に現出させる標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、第1指示出力手段に設けられた第2指示出力手段により、少なくとも標示手段の表示色の変更要素を通常表示色で表示する表示指示が出力される。即ち、態様変更手段によって、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択(決定)し、その選択内容に基づいて標示手段の表示指示をそれぞれ出力するように構成し、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、標示手段の変更要素のうち、少なくとも表示色を通常表示色で表示する表示指示を出力するように構成されている。
仮に、複数の標示手段における複数の変更要素、即ち、表示色、変更タイミング及び表示パターンをすべて選択した後で、1の表示指示にて複数の標示手段における複数の変更要素に関する表示指示を生成した場合は、表示色、変更タイミング及び表示パターンのすべてのバリエーションに応じた表示指示を予め用意しなければならず、表示指示の数が膨大になるおそれがある。よって、各標示手段の各変更要素の表示指示をそれぞれ別々に選択することで、標示手段に関する表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる、という効果がある。
特に、遊技機C0の発明を採用した遊技機では、各標示手段の第2態様が選択されていた場合であっても、実行を開始する動的表示の結果が特別識別情報とならないとき、及び、待機中の動的表示の結果が特別識別情報とならないときは、判定演出の実行後に現出する標示手段(第2標示手段)を第1態様(通常表示色)で表示(変更)して表示するように構成されている。この場合に、各標示手段の表示色、変更タイミング及び表示パターンと、さらに、演出判定後の標示手段の表示(変更)内容とをすべて決定した後で、1の表示指示にて各標示手段に関する表示指示を出力する場合は、演出判定後の標示手段の表示(変更)する内容も含めてすべての標示手段の表示態様のバリエーションに応じた表示指示を予め用意しなければならず、表示指示の数が飛躍的に増大化するおそれがある。よって、各標示手段の表示色、変更タイミング、表示パターン又は演出判定後の表示(変更)内容のそれぞれで別々に表示指示を出力し、その表示指示に基づいて画像表示手段で各標示手段の表示制御を調整することで、各標示手段に関する表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる。
また、標示手段の変更要素のうち、表示色の変化は、他の変更要素(変更タイミング又は表示パターン)の変化よりも、その変化を認識し易い。具体的には、例えば、表示パターンであれば、その表示パターンの種類を予め覚えておかなければ、その表示パターンが示す意味を理解することができないが、表示色の変化は、その表示色が通常の表示色(白色)から変化しているか否かによって判断できるからである。よって、遊技者は、標示手段の表示色が特殊表示色に変更されていることを認識した場合、該標示手段の表示色が変更されていることによって、該動的表示において何かしらの発展演出が実行されるのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示で発展演出が実行されない場合に、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、実行を開始する動的表示において特別識別情報が現出しない場合、及び、待機中の動的表示においても特別識別情報が現出しない場合には、複数の標示手段が第2態様に変更される場合であっても、判定演出後に表示される標示手段において、少なくとも表示色を通常表示色で表示するように構成する。即ち、現在、待機中も含め記憶手段に記憶されているすべての動的表示において特別識別情報が発生しない場合、実行中の動的表示における判定演出後の標示手段を、少なくとも通常表示色で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機C5において、
前記第1指示出力手段は、
前記動的表示の開始時に、該動的表示における前記標示手段の表示態様に関するすべての表示指示を出力する開始時出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1指示出力手段に設けられた開始時出力手段により、動的表示の開始時に、該動的表示における標示手段の表示態様に関するすべての表示指示が出力される。これにより、動的表示の開始時に、該動的表示で現出すべき標示手段の内容を画像表示手段に指示することができ、動的表示における各標示手段の表示をスムースに行うことができる、という効果がある。
<D群:文字表示の後に発展演出の変動要素があるか否かを判別して表示色決定>
所定の始動条件の成立を契機として始動情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された前記始動情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報である特別識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者の所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記取得手段により取得される前記始動情報を記憶する記憶手段(例えば、実行情報格納エリア223i)と、
該記憶手段に記憶されている前記始動情報に基づいて、前記動的表示において前記特別識別情報を現出するか、又は、該特別識別情報と異なる一般識別情報(例えば、「ハズレ表示」)を現出するかを判断する判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
互いに所定の関連性を有して報知される複数の標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3および疑似定型句文字表示Se4)と、
前記判断手段による判断結果に基づいて、前記標示手段の報知態様を、所定の第1態様(例えば、「白色」)から、該第1態様と異なる第2態様(例えば、「赤色」)に変更する態様変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該態様変更手段によって前記標示手段を前記第2態様に変更する場合に、複数の前記標示手段の報知態様を前記第2態様に変更する複数変更手段(例えば、文字色変化テーブル222h)と、を備え、
前記動的表示は、複数の動的要素(例えば、「高速変動」の変動要素と、「低速変動」の変動要素と、「ノーマルリーチ」の変動要素と、「スーパーリーチ」の変動要素と、「再変動」の変動要素)を組み合わせて構成されており、
前記態様変更手段は、
前記複数変更手段により前記標示手段の報知態様が前記第2態様に変更される場合に、(前記標示手段の表示前に、)前記動的表示における1の前記標示手段の報知後において、少なくとも1の前記動的要素が実行されるか否かを判別する動的要素実行判別手段と、
該動的要素実行判別手段によって、(前記標示手段の表示前に、)1の前記標示手段の報知後において、少なくとも1の前記動的要素が実行されないと判別された場合に、該1の標示手段を前記第1態様で報知する第1態様報知手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機D0。
遊技機D0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により始動情報が取得され、その取得手段により取得された始動情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報である特別識別情報が現出された場合に、遊技者の所定の遊技価値が付与される。また、取得手段により取得される始動情報が記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶される始動情報に基づいて、動的表示において特別識別情報を現出するか、特別識別情報と異なる一般識別情報を現出するかが判断手段により判断される。また、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段が報知される。そして、判断手段による判断結果に基づいて、態様変更手段により、標示手段の報知態様が、所定の第1態様から、該第1態様とは異なる第2態様に変更される。また、態様変更手段によって標示手段を第2態様に変更する場合に、複数変更手段により、複数の標示手段の報知態様が第2態様に変更される。そして、動的表示は複数の動的要素を組み合わせて構成されている。ここで、態様変更手段に設けられた動的要素実行判別手段により、複数変更手段によって標示手段の報知態様が第2態様に変更される場合に、(標示手段の表示前に、)動的表示における1の標示手段の報知後において、少なくとも1の動的要素が実行されるか否かが判別される。その動的要素実行判別手段によって、(標示手段の表示前に、)1の標示手段の報知後において、少なくとも1の動的要素が実行されないと判別された場合に、要素変更手段に設けられた第1態様報知手段により、その標示手段が第1態様で報知される。即ち、動的表示において1の標示手段を報知した後に少なくとも1の動的要素が実行されない場合に、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段の報知態様が第2態様に変更される場合であっても、その1の標示手段の報知態様を第2態様ではない第1態様で報知表示する。
従来のように、動的表示の複数の箇所(タイミング又は表示領域。以下同様。)で互いの所定の関連性を有する標示手段を報知する場合に、それぞれの報知箇所毎に、標示手段を第1態様で報知するか第1態様とは異なる第2態様で報知するかを設定(抽選)する構成であると、その報知箇所分の設定処理(抽選処理)が必要になって制御が複雑化し、処理負担が増大してしまうおそれがある。また、動的表示において先に報知される標示手段を第2態様で報知した後、後に報知される標示手段を第1態様で報知させてしまうと、所定の関連性を有する標示手段であるがゆえ、特別識別情報が現出することへの期待度が成り下がった表現(以下、「成り下がり表現」という)になってしまう。よって、折角、先の標示手段において第2態様が報知されたことによって気分が高揚していた遊技者が、後の標示手段における上記成り下がり表現を目の当たりにすることで興醒めしてしまうおそれがある。
そこで、動的表示において互いに所定の関連性を有する標示手段の報知態様の設定(抽選)を一括で行い、1の標示手段で報知された第2態様を他の標示手段においても踏襲して報知させるように構成することで、それぞれの報知箇所毎に設定処理を行う必要がなくなり、処理負担を軽減させることができる。また、互いに所定の関連性を有する標示手段が一度でも第2態様で報知された場合は、以降に報知する標示手段においても第2態様を踏襲して報知させるように構成することで、標示手段における成り下がり表現が発生してしまう現象を未然に排除して、遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。
しかしながら、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段を第2態様に変更する場合、例えば、動的表示における判定演出が実行された後であって、動的表示が終了する間際に標示手段を報知して、該標示手段によって動的表示の結果である現状の演出状況の内容を報知(示唆、出力、表示)する場合に、該標示手段が第2態様で報知されてしまうことがある。標示手段の第2態様は、判断手段の判断結果に基づいて所定の第1態様から変更される態様であるため、その変更に基づいて現状の演出状況が変更され得ることを示唆する発展示唆機能を有する。一方、上述したように、動的表示の終了間際に報知される標示手段は、動的表示の結果である現状の演出状況の内容を報知する状況報知機能を有する。従って、動的表示の終了間際に表示される標示手段を第2態様で報知してしまうと、遊技者は、標示手段が第2態様で報知されたことによって、標示手段の状況報知機能より発展示唆機能が勝り、現状の表示状態が確定せず、何かしらの発展演出が実行されるのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示が現状の表示状態のまま確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、遊技機D0によれば、複数の標示手段が第2態様に変更される場合であっても、動的表示において1の標示手段を報知した後において少なくとも1の動的要素が実行されないとき、その1の標示手段の報知態様を第1態様で報知するように構成する。即ち、動的表示において実行される動的要素がない状態で表示される標示手段の報知態様を第1態様で報知するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
なお、「互いに所定の関連性を有して報知される複数の標示手段」とは、例えば、標示手段同士が、同一の属性を有する場合や、同一の種類に該当する場合、同一のタイミングに現出する場合、或いは、時間差で現出する場合であっても一方が現出した場合に他方も現出する等、1の標示手段に対して他の標示手段が、時期的、形状的、観念的に有機的に絡む(緊密な連関をもつ)関連性をいう。具体的には、例えば、同一の表示領域に表示される予告表示(リーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一のタイミングで異なる態様で表示される予告表示(強弱キャラ予告等)や、1の予告が現出した後に他の予告が現出する予告表示(ステップアップ予告やリーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一の演出が複数回実行される予告(「疑似連」の変動要素等)や、同一又は類似の音(例えば、「類似の音」とは、音の種類が段階的にステップアップするような音)が断続的に出力される演出等が例示される。
遊技機D0において、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記特別識別情報を現出するか、前記一般識別情報を現出するかの判定演出(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」)を実行する判定演出実行手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)、を備え、
前記標示手段は、
前記判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2)と、
前記判定演出の実行後に現出する第2標示手段(例えば、定型句文字表示Se3)とを備え、
前記動的要素実行判別手段は、
前記第2標示手段の表示後に、少なくとも1の前記動的要素が実行されるか否かを判別する第2標示後判別手段、を備え、
前記態様変更手段は、
前記第2標示後判別手段によって、(前記第2標示手段の表示前に、)前記第2標示手段の表示後において、前記動的要素が実行されると判別された場合に、前記第1標示手段及び前記第2標示手段を前記第2態様で表示する第2態様継続手段と、
前記第2標示後判別手段によって、(前記第2標示手段の表示前に、)前記第2標示手段の表示後において、前記動的要素が実行されないと判別された場合に、前記第1標示手段を前記第2態様で表示し、前記第1態様標示手段によって前記第2標示手段を前記第1態様で表示する第2態様変更手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機D0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた判定演出実行手段により、動的表示において、特別識別情報を現出するか、一般識別情報を現出するかの判定演出が実行される。また、標示手段には、判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段と、判定演出の実行後に現出する第2標示手段とが備えられている。そして、動的要素実行判別手段に設けられた第2標示後判別手段により、(第2標示手段の表示前に、)第2標示手段の表示後において、少なくとも1の動的要素が実行されるか否かが判別される。ここで、第2標示後判別手段によって、(第2標示手段の表示前に、)第2標示手段の表示後において、動的要素が実行されると判別された場合に、態様変更手段に設けられた第2態様継続手段により、第1標示手段及び第2標示手段が第2態様で表示される。また、第2標示後判別手段によって、第2標示手段の表示後に、動的要素が実行されないと判別された場合に、態様変更手段に設けられた第2態様変更手段により、第1標示手段が第2態様で表示され、第1態様報知手段によって第2標示手段が第1態様で表示される。これにより、第2標示手段の表示後に動的要素が実行される場合は、第1標示手段および第2標示手段ともに第2態様に変更され、第2標示手段の表示後に動的要素が実行されない場合には、第1標示手段が第2態様で表示される一方、第2標示手段が第1態様で表示されるように構成する。即ち、第2標示手段の表示後に動的要素が実行されるか否かに応じて、判定演出後の第2標示手段を第1態様又は第2態様で表示するように構成する。このように構成することで、判定演出後に動的要素が実行されない場合に、第2態様の第2標示手段を現出することがなく、演出が発展することを示唆しないため、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
なお、「判定演出」とは、例えば、動的表示を構成する複数の変動要素のうち、特別識別情報が現出するか一般識別情報が現出するかの演出部分を示す場合、動的表示を構成する1の変動要素全体を示す場合、或いは、動的表示全体を示す場合等をいう。
遊技機D1において、
前記第1標示手段は、
1の前記動的表示において、少なくとも複数現出し、
前記複数変更手段は、
少なくとも前記第1標示手段の表示態様を一括で設定する第1標示一括手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の動的表示において、第1標示手段が少なくとも複数現出されるように構成され、複数変更手段に設けられた第1標示一括手段により、少なくとも第1標示手段の表示態様が一括で設定されるように構成されている。これにより、1の動的表示において複数現出する第1標示手段を一括して設定することができるため、各第1標示手段ごとに設定処理を行う制御に比べ、制御負担を軽減させることができる、という効果がある。特に、動的表示において第2態様を実行可能な第1標示手段の現出箇所が多くなればなるほど(例えば、5箇所以上等)、上記一括設定が好適に作用し、制御負担を顕著に軽減させることが可能となる。
遊技機D0からD2のいずれかにおいて、
前記態様変更手段は、
該標示手段の表示態様を、所定の通常表示態様(例えば、「白色」)から、該通常表示態様と異なる特殊表示態様(例えば、「赤色」)に変更する表示態様変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該表示態様変更手段によって前記標示手段の表示態様が前記通常表示態様から前記特殊表示態様に変更されるタイミング(例えば、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミング、又は、リーチ中文字表示Se2を表示するタイミング)を選択するタイミング選択手段(色変化タイミングカウンタ223g)と、を備え、
前記複数変更手段は、
前記タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される前記標示手段の表示態様を前記特殊表示態様に一括して変更する一括変更手段、を備え、
前記第1態様報知手段は、
前記一括変更手段によって前記標示手段の表示態様が前記特殊表示態様に変更されたタイミング以降であって、前記動的要素が実行されない状況で現出する前記標示手段の表示態様を前記通常表示態様で表示する通常態様表示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D0からD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた表示態様変更手段により、標示手段の表示態様が、所定の通常表示態様から、該通常表示態様と異なる特殊表示態様へ変更される。また、同じく態様変更手段に設けられたタイミング選択手段により、表示態様変更手段によって標示手段の表示態様が通常表示態様から特殊表示態様へ変更されるタイミングが選択される。そして、複数変更手段に設けられた一括変更手段により、タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される標示手段の表示態様が特殊表示態様に変更される。ここで、一括変更手段によって標示手段の表示態様が特殊表示態様に変更されたタイミング以降であって、動的要素が実行されない状況で現出する標示手段の表示態様が、第1態様報知手段に設けられた通常態様表示手段により、通常表示態様で表示される。これにより、互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の関し、表示タイミング等の複数の変更要素に基づいて該標示手段の表示態様を設定して、標示手段の表示態様のバリエーションを増やしつつ、動的要素が実行されない状況で現出される標示手段の表示態様を一括設定の内容から変更(修正)して通常表示態様(第1態様)で表示することができる。よって、演出を多様化して遊技の興趣を高めつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機D3において、
前記表示態様変更手段は、
前記標示手段の表示色を、所定の通常表示色(例えば、「白色」)から、該通常表示色と異なる特殊表示色(例えば、「赤色」)に変更する色変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)、備え、
前記タイミング選択手段は、
前記色変更手段によって前記標示手段の表示色が前記通常表示色から前記特殊表示色に変更されるタイミング(例えば、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミング、又は、リーチ中文字表示Se2を表示するタイミング)を選択する色変化タイミング選択手段(色変化タイミングカウンタ223g)、を備え、
前記一括変更手段は、
前記色変化タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される前記標示手段の表示色を前記特殊表示色に一括して変更する色一括変更手段、を備え、
前記第1態様報知手段は、
前記色一括変更手段によって前記標示手段の表示色が前記特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、前記動的要素が実行されない状況で現出する前記標示手段の表示色を前記通常表示色で表示する通常色表示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示態様変更手段に設けられた色変更手段により、標示手段の表示色が、所定の通常表示色から、該通常表示色と異なる特殊表示色へ変更される。また、タイミング選択手段に設けられた色変化タイミング選択手段により、色変更手段によって標示手段の表示色が通常表示色から特殊表示色へ変更されるタイミングが選択される。そして、複数変更手段に設けられた色一括変更手段により、色変化タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される標示手段の表示色が特殊表示色に変更される。ここで、一括変更手段によって標示手段の表示色が特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、動的要素が実行されない状況で現出する標示手段の表示色が、第1態様報知手段に設けられた通常色表示手段により、通常表示色で表示される。これにより、互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の関し、表示色や表示タイミング等の複数の表示要素に基づいて該標示手段の表示態様を設定して、標示手段の表示態様のバリエーションを増やしつつ、動的要素が実行されない状況で現出される標示手段の表示態様を一括設定の内容から変更(修正)して通常表示色(第1態様)で表示することができる。よって、演出を多様化して遊技の興趣を高めつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機D3又はD4において、
前記表示態様変更手段は、
前記標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択する変更要素選択手段(例えば、文字態様設定処理(S1417))と、
該変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて、前記画像表示手段において前記標示手段を表示するための表示指示をそれぞれ出力する第1指示出力手段(例えば、コマンド出力処理(S1102))と、を備え、
該第1指示出力手段は、
前記第1態様報知手段によって、前記動的要素が実行されない状況で現出される前記標示手段の表示態様を前記第1態様で表示する場合に、少なくとも前記標示手段の表示色の変更要素を前記通常表示色で表示する表示指示を出力する第2指示出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D3又はD4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた変更要素選択手段により、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素がそれぞれ別々に選択される。また、同じく態様変更手段に設けられた第1指示出力手段により、変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて、画像表示手段において標示手段を表示するための表示指示が出力される。そして、第1態様報知手段によって、動的要素が実行されない状況で現出させる標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、少なくとも標示手段の表示色の変更要素を通常表示色で表示する表示指示が、第1指示出力手段に設けられた第2指示出力手段により出力される。即ち、態様変更手段によって、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択(決定)し、その選択内容に基づいて標示手段の表示指示をそれぞれ出力するように構成し、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、標示手段の変更要素のうち、少なくとも表示色を通常表示色で表示する表示指示を出力するように構成されている。
仮に、複数の標示手段における複数の変更要素、即ち、表示色、変更タイミング及び表示パターンをすべて選択した後で、1の表示指示にて複数の標示手段における複数の変更要素に関する表示指示を生成した場合は、表示色、変更タイミング及び表示パターンのすべてのバリエーションに応じた表示指示を予め用意しなければならず、表示指示の数が膨大になるおそれがある。よって、各標示手段の各変更要素の表示指示をそれぞれ別々に選択することで、標示手段に関する表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる、という効果がある。
特に、遊技機D0の発明を採用した遊技機では、各標示手段の第2態様が選択されていた場合であっても、動的要素が実行されない状況で現出する標示手段(第2標示手段)を第1態様(通常表示色)で表示(変更)するように構成されている。この場合に、各標示手段の表示色、変更タイミング及び表示パターンと、さらに、動的要素が実行されない状況で現出する標示手段の表示(変更)内容とをすべて決定した後で、1の表示指示にて各標示手段に関する表示指示を出力する場合は、動的要素が実行されない状況で現出する標示手段の表示(変更)する内容も含めてすべての標示手段の表示態様のバリエーションに応じた表示指示を予め用意しなければならず、表示指示の数が飛躍的に増大化するおそれがある。よって、各標示手段の表示色、変更タイミング、表示パターン又は動的要素が実行されない状況で現出する標示手段の表示(変更)内容のそれぞれで別々に表示指示を出力し、その表示指示に基づいて画像表示手段で各標示手段の表示制御を調整することで、各標示手段に関する表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる。
また、標示手段の変更要素のうち、表示色の変化は、他の変更要素(変更タイミング又は表示パターン)の変化よりも、その変化を認識し易い。具体的には、例えば、表示パターンであれば、その表示パターンの種類を予め覚えておかなければ、その表示パターンが示す意味を理解することができないが、表示色の変化は、その表示色が通常の表示色(白色)から変化しているか否かによって判断できるからである。よって、遊技者は、標示手段の表示色が特殊表示色に変更されていることを認識した場合、該標示手段の表示色が変更されていることによって、該動的表示において何かしらの発展演出が実行されるのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示で発展演出が実行されない場合に、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、動的表示において標示手段の表示後に動的要素が実行されない場合には、複数の標示手段が第2態様に変更される場合であっても、動的要素が実行されない状況で表示される標示手段において、少なくとも表示色を通常表示色で表示するように構成する。即ち、動的表示の終了間際の標示手段を、少なくとも通常表示色で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機D5において、
前記第1指示出力手段は、
前記動的表示の開始時に、該動的表示における前記標示手段の表示態様に関するすべての表示指示を出力する開始時出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1指示出力手段に設けられた開始時出力手段により、動的表示の開始時に、該動的表示における標示手段の表示態様に関するすべての表示指示が出力される。これにより、動的表示の開始時に、該動的表示で現出すべき標示手段の内容を画像表示手段に指示することができ、動的表示における各標示手段の表示をスムースに行うことができる、という効果がある。
遊技機D1からD6において、
前記態様変更手段は、
前記動的要素実行判別手段によって、(前記標示手段の表示前に、)1の前記標示手段の表示後において、少なくとも1の前記動的要素が実行されると判別された場合に、該1の標示手段を前記第2態様で表示する態様維持手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D1からD6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的要素実行判別手段によって、1の標示手段の表示後に、少なくとも1の動的要素が実行されると判別された場合に、態様変更手段に設けられた態様維持手段により、態様変更手段に基づいてその1の標示手段が第2態様で表示される。これにより、1の標示手段の表示後に動的要素が実行される場合に、当初、変更された標示手段の表示を第2態様に維持して、現状の演出状態から発展することを示唆し、実際に動的要素が実行されるため、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機D7において、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記特別識別情報以外の暫定識別情報を表示する暫定表示手段と、
該暫定表示手段によって前記暫定識別情報が表示された後、前記暫定識別情報を前記特別識別情報へ変更する再動的表示を実行する再動的表示実行手段と、を備え、
前記態様維持手段は、
前記動的要素実行判別手段によって、(前記標示手段の表示前に、)1の前記標示手段の表示後において、前記再動的表示実行手段による前記再動的表示が実行されると判別された場合に、該1の標示手段を前記第2態様で表示する
ことを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた暫定表示手段により、動的表示において特別識別情報以外の暫定識別情報が表示される。そして、同じく動的表示実行手段に設けられた再動的表示実行手段により、暫定表示手段によって暫定識別情報が表示された後、その暫定識別情報を特別識別情報へ変更する再動的表示が実行される。ここで、動的要素実行判別手段によって、(標示手段の表示前に、)1の標示手段の表示後において、再動的表示実行手段による再動的表示が実行されると判別された場合に、態様維持手段により、1の標示手段が第2態様で表示される。これにより、特別識別情報ではない暫定識別情報が表示されている状態で標示手段を第2態様で表示し、その標示手段が第2態様で表示されていることで現状の演出状態から発展することを示唆する。そして、その状態から再動的表示を実行して、表示されている暫定識別情報を特別識別情報に変更することで、標示手段の第2態様に基づいて遊技価値に直結する演出を実行し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機D7又はD8において、
前記特別識別情報は、所定の第1特別識別情報(例えば、「15R通常大当たり」)と、該第1特別識別情報より高い遊技価値が付与され得る第2特別識別情報(例えば、「15R確変大当たり」)と、を有し、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記第1特別識別情報を暫定的に表示する第1特別暫定表示手段と、
該第1特別暫定表示手段によって前記第1特別識別情報が暫定的に表示された後、前記第1特別識別情報を前記第2特別識別情報へ変更する昇格表示を実行する昇格実行手段と、を備え、
前記態様維持手段は、
前記動的要素実行判別手段によって、(前記標示手段の表示前に、)1の前記標示手段の表示後において、前記昇格実行手段による前記昇格表示が実行されると判別された場合に、該1の標示手段を前記第2態様で表示する
ことを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D7又はD8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別識別情報として、所定の第1特別識別情報と、その第1特別識別情報より高い遊技価値が付与され得る第2特別識別情報とを有している。そして、動的表示実行手段に設けられた第1特別暫定表示手段により、動的表示において第1特別識別情報が暫定的に表示され、その第1特別暫定表示手段によって第1特別識別情報が暫定的に表示された後、昇格実行手段により、第1特別識別情報が第2特別識別情報へ変更する昇格表示が実行される。ここで、動的要素実行判別手段によって、(標示手段の表示前に、)1の標示手段の表示後において、昇格実行手段による昇格表示が実行されると判別された場合に、態様維持手段により、1の標示手段が第2態様で表示される。これにより、第1特別識別情報が表示されている状態で標示手段を第2態様で表示し、その標示手段が第2態様で表示されていることで現状の演出状態から発展することを示唆する。そして、その状態から昇格表示を実行して、表示されている第1特別識別情報を第2特別識別情報に変更することで、標示手段の第2態様に基づいて遊技価値に直結する演出を実行し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<E群:文字表示の変更要素ごとに追加データテーブル>
所定の画像を表示する画像表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、遊技の主な制御を行う主制御手段(例えば、主制御装置110又は(及び)音声ランプ制御装置113)と、該主制御手段からの表示指示に基づいて前記画像表示手段を制御する副制御手段(例えば、表示制御装置114)と、を備えた遊技機において、
前記副制御手段は、
前記画像表示手段に表示させる1画面分の画像を描画する画像描画手段(例えば、画像コントローラ237)と、
前記主制御手段からの第1表示指示(例えば、表示用変動パターンコマンド)に基づいて表示する第1表示種別(例えば、変動演出)を決定する第1表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2108)と、
前記第1表示種別毎に設けられ、該第1表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第1規定情報(例えば、変動用表示データテーブル232a1)を記憶する第1規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第1表示決定手段により決定された前記第1表示種別に対応する前記第1規定情報を、前記第1規定情報記憶手段より選定する第1選定手段(例えば、表示データテーブルバッファ233b)と、
前記画像表示手段において表示される標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3、又は、疑似定型句文字表示Se4)と、
該標示手段の表示態様を決定する複数の変更要素(例えば、文字パターン、表示色、変更タイミング又は表示色の修正内容)と、
前記主制御手段からの第2表示指示(例えば、表示用赤文字コマンド)に基づいて、前記第1選定手段により選定された前記第1規定情報が示す画像から変更(追加)して表示する前記標示手段の前記変更要素を決定する第2表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2112)と、
前記標示手段の前記変更要素毎に設けられ、該変更要素において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第2規定情報(例えば、文字色用追加データテーブル232a2)を記憶する第2規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第2表示決定手段により決定された前記変更要素に対応する前記第2規定情報を、前記第2規定情報記憶手段より選定する第2選定手段(例えば、追加データテーブルバッファ233c)と、を備え、
前記副制御手段は、
時間経過毎に更新される更新手段(例えば、ポインタ233e)と、
該更新手段が更新される毎に、前記第1選定手段により選定された前記第1規定情報と、前記第2選定手段により選定された前記第2規定情報とに基づいて、更新された前記更新手段に対応する1画面分の描画情報を特定する描画情報特定手段(例えば、表示設定処理(S2023)のS2308)と、
該描画情報特定手段により特定された前記1画面分の描画情報に基づいて、前記画像描画手段に対して1画面分の画像の描画を指示する描画指示情報(例えば、描画リスト)を生成する描画指示情報生成手段(例えば、描画処理(S2026)のS2501)と、を備え、
前記画像描画手段は、前記描画指示情報生成手段により生成された前記描画指示情報に基づいて、1画面分の画像を描画する
ことを特徴とする遊技機E0。
遊技機E0によれば、画像表示手段により、所定の画像が表示され、主制御手段により、遊技の主な制御が行われ、その主制御手段からの表示指示に基づいて、副制御手段により画像表示手段が制御される。また、副制御手段に設けられた画像描画手段により、画像表示手段に表示させる1画面分の画像が描画される。そして、第1表示決定手段により、主制御手段からの第1表示指示に基づいて表示する第1表示種別が決定される。また、第1表示種別毎に設けられ、その第1表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第1規定情報が、第1規定情報記憶手段により記憶される。ここで、第1選定手段により、第1表示決定手段により決定された第1表示種別に対応する第1規定情報が第1規定情報記憶手段から選定される。また、標示手段が画像表示手段において表示され、その標示手段の表示態様が複数の変更要素により決定される。また、主制御手段からの第2表示指示に基づいて、第1選定手段により選定された第1規定情報が示す画像から変更(追加)して表示する標示手段の変更要素が、第2表示決定手段により決定される。そして、標示手段の変更要素毎に設けられ、その変更要素において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第2規定情報が、第2規定情報記憶手段により記憶される。ここで、第2選定手段により、第2表示決定手段により決定された変更要素に対応する第2規定情報が第2規定情報記憶手段から選定される。そして、副制御手段に設けられた更新手段が時間経過毎に更新され、その更新手段が更新される毎に、第1選定手段により選定された第1規定情報と、第2選定手段により選定された第2規定情報とに基づいて、更新された更新手段に対応する1画面分のそれぞれの描画情報が、描画情報特定手段により特定される。また、描画情報特定手段により特定された1画面分の各描画情報に基づいて、描画指示情報生成手段により、画像描画手段に対して1画面分の画像の描画が指示される描画指示情報が生成される。そして、描画指示情報生成手段によって生成された描画指示情報に基づいて、画像描画手段により、1画面分の画像が描画される。これにより、主制御手段からの第1表示指示に対する第1表示種別の画像に、第2表示指示に対する標示手段を変更(追加)して表示させる場合に、その標示手段の変更要素に対する第2規定情報を第2規定情報記憶手段から選定するだけで、容易にその標示手段の表示態様を変更(追加)して表示させることができる。よって、画像表示手段に表示される表示態様の多種多様化を容易に図ることができる、という効果がある。
遊技機E0において、
所定の始動条件の成立を契機として始動情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された前記始動情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて前記画像表示手段に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114のMPU231)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において、所定の識別情報である特別識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機であって、
前記取得手段により取得される前記始動情報を記憶する記憶手段(例えば、実行情報格納エリア223i)と、
該記憶手段に記憶されている前記始動情報に基づいて、前記動的表示において前記特別識別情報を現出するか、又は、該特別識別情報と異なる一般識別情報(例えば、「ハズレ表示」)を現出するかを判断する判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
前記動的表示において、互いに所定の関連性を有するように複数の前記標示手段を表示する標示表示手段と、
前記判断手段による判断結果に基づいて、前記標示手段の表示態様を、所定の第1態様(例えば、「白色」)から、該第1態様と異なる第2態様(例えば、「赤色」)に変更する態様変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該態様変更手段によって前記標示手段を前記第2態様に変更する場合に、複数の前記標示手段の表示態様を前記第2態様に変更する複数変更手段(例えば、文字色変化テーブル222h)と、を備え、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記特別識別情報を現出するか、前記一般識別情報を現出するかの判定演出(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」)を実行する判定演出実行手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)、を備え、
前記態様変更手段は、
前記複数変更手段により前記標示手段の表示態様が前記第2態様に変更されている場合に、前記判断手段によって、前記動的表示において前記一般識別情報を現出すると判断されたとき、前記判定演出実行手段による前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段を、前記第1態様で表示する第1態様報知手段(例えば、表示用定型句通常コマンド)、を備え、
前記第1選定手段は、
前記第1表示指示に基づいて、前記第1規定情報記憶手段の中から、前記動的表示全体の描画情報を規定した動的規定情報(例えば、変動用表示データテーブル232a1)を選定する動的規定情報選定手段(例えば、表示データテーブルバッファ233b)、を備え、
前記第2選定手段は、
前記第2表示指示に基づいて、前記複数変更手段によって前記標示手段の表示態様が前記第2態様に変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報(例えば、文字色用追加データテーブル232a2)を前記第2規定情報記憶手段の中から選定する一括規定情報選定手段(例えば、追加データテーブルバッファ233c)と、
前記第2表示指示に基づいて、前記第1態様報知手段によって前記判定演出後に表示される前記標示手段の表示態様が前記第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報(例えば、文字修正用追加データテーブル232a2)を前記第2規定情報記憶手段の中から選定する第1態様規定情報選定手段(例えば、追加データテーブルバッファ233c)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により始動情報が取得され、その取得手段により取得された始動情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報である特別識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。また、取得手段により取得される始動情報が記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶される始動情報に基づいて、動的表示において特別識別情報を現出するか、特別識別情報と異なる一般識別情報を現出するかが判断手段により判断される。また、標示表示手段により、動的表示において、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段が表示される。そして、判断手段による判断結果に基づいて、態様変更手段により、標示手段の表示態様が、所定の第1態様から、該第1態様とは異なる第2態様に変更される。また、態様変更手段によって標示手段を第2態様に変更する場合に、複数変更手段により、複数の標示手段の表示態様が第2態様に変更される。ここで、動的表示実行手段に設けられた判定演出実行手段により、動的表示において、特別識別情報を現出するか、一般識別情報を現出するかの判定演出が実行される。そして、複数変更手段によって標示手段の表示態様が第2態様に変更されている場合に、判断手段によって、動的表示において一般識別情報を現出すると判断されたとき、態様変更手段に設けられた第1態様報知手段により、判定演出実行手段による判定演出の実行後に現出される標示手段が、第1態様で表示される。ここで、第1選定手段に設けられた動的規定情報選定手段により、第1表示指示に基づいて、第1規定情報記憶手段の中から、動的表示全体の描画情報を規定した動的規定情報が選定される。また、第2選定手段に設けられた一括規定情報選定手段により、第2表示指示に基づいて、複数変更手段によって標示手段の表示態様が第2態様に変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報が、第2規定情報記憶手段の中から選定される。また、同じく第2選定手段に設けられた第1態様規定情報選定手段により、第2表示指示に基づいて、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報が、第2規定情報記憶手段の中から選定される。即ち、動的表示において所定の遊技価値を付与しない一般識別情報が現出する場合に、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段の表示態様が第2態様に変更されていた場合でも、動的表示の判定演出の実行後に表示される標示手段の表示態様を第2態様ではない第1態様で表示する。また、複数の標示手段を一括設定して変更(追加)し、さらに、判定演出後の標示手段を第1態様に変更して表示させる場合に、標示手段が一括設定される場合の描画情報を規定した一括規定情報を選定すると共に、判定演出後の標示手段が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報を選定する。
従来のように、動的表示の複数の箇所(タイミング又は表示領域。以下同様。)で互いの所定の関連性を有する標示手段を現出する場合に、それぞれの現出箇所毎に、標示手段を第1態様で表示するか第1態様とは異なる第2態様で表示するかを設定(抽選)する構成であると、その現出箇所分の設定処理(抽選処理)が必要になって制御が複雑化し、処理負担が増大してしまうおそれがある。また、動的表示において先に現出される標示手段を第2態様で現出した後、後に現出される標示手段を第1態様で現出させてしまうと、所定の関連性を有する標示手段であるがゆえ、特別識別情報が現出することへの期待度が成り下がった表現(以下、「成り下がり表現」という)になってしまう。よって、折角、先の標示手段において第2態様が現出したことによって気分が高揚していた遊技者が、後の標示手段における上記成り下がり表現を目の当たりにすることで興醒めしてしまうおそれがある。
そこで、動的表示において互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の設定(抽選)を一括で行い、1の標示手段で表示された第2態様を他の標示手段においても踏襲して現出させるように構成することで、それぞれの現出箇所毎に設定処理を行う必要がなくなり、処理負担を軽減させることができる。また、互いに所定の関連性を有する標示手段が一度でも第2態様で現出された場合は、以降に現出する標示手段においても第2態様を踏襲して現出させるように構成することで、標示手段における成り下がり表現が発生してしまう現象を未然に排除して、遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。
しかしながら、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段を第2態様に一括設定する場合、例えば、所定の遊技価値が付与されない一般識別情報の表示結果が現出する動的表示において、該動的表示の判定演出が行われて一般識別情報が現出している状態で、標示手段が第2態様で表示されてしまうことがある。標示手段の第2態様は、判断手段の判断結果に基づいて所定の第1態様から変更される態様であるため、その変更に基づいて現状の演出状況が変更され得ることを示唆する発展示唆機能を有する。一方、判定演出後に表示される標示手段は、判定演出の結果である現状の演出状況の内容を報知する状況報知機能を有する。従って、判定演出の実行後の標示手段を第2態様で表示してしまうと、遊技者は、標示手段が第2態様で表示されたことによって、標示手段の状況報知機能より発展示唆機能が勝り、該動的表示がこのまま一般識別情報で確定せず、何かしらの発展演出が実行されて一般識別情報から特別識別情報へ変化するのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示が所定の遊技価値が付与されない一般識別情報のまま確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、遊技機E1によれば、動的表示において一般識別情報が現出する場合には、標示手段が第2態様に一括設定されていたとしても、判定演出後に表示される標示手段において第2態様を現出しないように構成する。即ち、一般識別情報の動的表示において、判定演出後の標示手段を第1態様で表示するように構成する。また、第2表示指示に基づいて、複数変更手段によって標示手段の表示態様が第2態様に変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報が第2規定情報記憶手段の中から選定され、同じく第2選定手段に設けられた第1態様規定情報選定手段により、第2表示指示に基づいて、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報が第2規定情報記憶手段の中から選定される。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。また、複数の標示手段を変更(追加)し、さらに、判定演出後の標示手段を第1態様に変更して表示させる場合に、標示手段が変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報を選定すると共に、判定演出後の標示手段が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報を選定するだけで、複数の標示手段の多様な表示態様を容易に変更(追加)して表示させることができる。よって、画像表示手段に表示される表示態様の多種多様化を容易に図ることができる、という効果がある。
なお、「互いに所定の関連性を有して表示される複数の標示手段」とは、例えば、標示手段同士が、同一の属性を有する場合や、同一の種類に該当する場合、同一のタイミングに現出する場合、或いは、時間差で現出する場合であっても一方が現出した場合に他方も現出する等、1の標示手段に対して他の標示手段が、時期的、形状的、観念的に有機的に絡む(緊密な連関をもつ)関連性をいう。具体的には、例えば、同一の表示領域に表示される予告表示(リーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一のタイミングで異なる態様で表示される予告表示(強弱キャラ予告等)や、1の予告が現出した後に他の予告が現出する予告表示(ステップアップ予告やリーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一の演出が複数回実行される予告(「疑似連」の変動要素等)等が例示される。
遊技機E0又はE1において、
前記第2選定手段は、
複数の前記第2規定情報を選定して記憶可能に構成された選定情報記憶手段、を備えており、
前記描画情報特定手段は、
前記選定情報記憶手段に記憶された複数の前記第2規定情報のうち、先に記憶された第2規定情報の描画情報より、後に記憶された第2規定情報の描画情報を優先して1画面分の描画情報を特定する優先特定手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E0又はE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2選定手段に設けられた選定情報記憶手段により、複数の第2規定情報を選定して記憶可能に構成されている。また、描画情報特定手段に設けられた優先特定手段により、選定情報記憶手段に記憶された複数の第2規定情報のうち、先に記憶された第2規定情報の描画情報より、後に記憶された第2規定情報の描画情報を優先して1画面分の描画情報が特定される。これにより、後に記憶された第2規定情報の内容を、先に記憶された第2規定情報の内容より優先して表示することができるため、変更したい標示手段に対する第2規定情報を追加的に記憶させることで、標示手段の表示態様を変更することができる。よって、優先すべき第2規定情報の判別処理等が不要となり、表示制御の処理負担を軽減することができる、という効果がある。
遊技機E2において、
前記第2選定手段は、
前記一括規定情報選定手段による前記一括規定情報を先に前記選定情報記憶手段に記憶し、前記第1態様規定情報選定手段による前記第1態様規定情報を後に前記選定情報記憶手段に記憶する
ことを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2選定手段により、一括規定情報選定手段による一括規定情報が先に選定情報記憶手段に記憶され、第1態様規定情報選定手段による第1態様規定情報が後に選定情報記憶手段に記憶される。これにより、複数の標示手段を第2態様に変更されていた場合でも第1態様規定情報を一括規定情報より後に記憶することで、判定演出の実行後に現出される標示手段を第1態様で表示させることができる。よって、優先すべき第2規定情報の判別処理等が不要となり、表示制御の処理負担を軽減することができつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、
前記標示手段は、
前記判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2)と、
前記判定演出の実行後に現出する第2標示手段(例えば、定型句文字表示Se3)とを備え、
前記態様変更手段は、
前記判断手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出すると判断された場合に、前記第1標示手段及び前記第2標示報知手段を前記第2態様で表示する第2態様継続手段と、
前記判断手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出しないと判断された場合に、前記第1標示手段を前記第2態様で表示し、前記第1態様報知手段によって前記第2標示手段を前記第1態様で表示する第2態様変更手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、標示手段には、判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段と、判定演出の実行後に現出する第2標示手段とが備えられている。また、判断手段によって、動的表示において特別識別情報を現出すると判断された場合に、態様変更手段に設けられた第2態様継続手段により、第1標示手段および第2標示手段が第2態様で表示される。一方、判断手段によって、動的表示において特別識別情報を現出しないと判断された場合に、態様変更手段に設けられた第2態様変更手段により、第1標示手段が第2態様で表示され、第1態様報知手段によって第2標示手段が第1態様で表示される。これにより、動的表示において特別識別情報が現出する場合は、第1標示手段および第2標示手段ともに第2態様に変更され、動的表示において特別識別情報が現出しない場合には、第1標示手段が第2態様で表示される一方、第2標示手段が第1態様で表示されるように構成する。即ち、標示手段が第2態様に変更されていた場合に、特別識別情報の表示結果が現出する動的表示において、判定演出後の第2標示手段を第2態様で表示すると共に、一般識別情報の表示結果が現出する動的表示において、判定演出後の第2標示手段を第1態様で表示するように構成する。このように構成することで、一般識別情報が現出した後に、第2態様の第2標示手段を現出することがなく、演出が発展することを示唆しないため、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機E4において、
前記第1標示知手段は、
1の前記動的表示において、少なくとも複数現出し、
前記複数変更手段は、
少なくとも前記第1標示手段の表示態様を一括で設定する第1標示一括手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の動的表示において、第1標示手段が少なくとも複数現出されるように構成され、複数変更手段に設けられた第1標示一括手段により、少なくとも第1標示手段の表示態様が一括で設定されるように構成されている。これにより、1の動的表示において複数現出する第1標示手段を一括して設定することができるため、各第1標示手段ごとに設定処理を行う制御に比べ、制御負担を軽減させることができる、という効果がある。特に、動的表示において第2態様を実行可能な第1標示手段の現出箇所が多くなればなるほど(例えば、5箇所以上等)、上記一括設定が好適に作用し、制御負担を顕著に軽減させることが可能となる。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、
前記態様変更手段は、
該標示手段の表示色を、所定の通常表示色(例えば、「白色」)から、該通常表示色と異なる特殊表示色(例えば、「赤色」)に変更する色変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該色変更手段によって前記標示手段の表示色が前記通常表示色から前記特殊表示色に変更されるタイミング(例えば、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミング、又は、リーチ中文字表示Se2を表示するタイミング)を選択するタイミング選択手段(色変化タイミングカウンタ223g)と、を備え、
前記複数変更手段は、
前記タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される前記標示手段の表示色を前記特殊表示色に一括して変更する一括変更手段、を備え、
前記第1態様報知手段は、
前記一括変更手段によって前記標示手段の表示色が前記特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、前記判定演出の実行後に現出する前記標示手段の表示色を前記通常表示色で表示する通常色表示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた色変更手段により、標示手段の表示色が、所定の通常表示色から、該通常表示色と異なる特殊表示色へ変更される。また、同じく態様変更手段に設けられたタイミング選択手段により、色変更手段によって標示手段の表示色が通常表示色から特殊表示色へ変更されるタイミングが選択される。そして、複数変更手段に設けられた一括変更手段により、タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される標示手段の表示色が特殊表示色に変更される。ここで、一括変更手段によって標示手段の表示色が特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、判定演出の実行後に現出する標示手段の表示色が、第1態様報知手段に設けられた通常色表示手段により、通常表示色で表示される。これにより、互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の関し、表示色や表示タイミング等の複数の変更要素に基づいて該標示手段の表示態様を設定して、標示手段の表示態様のバリエーションを増やしつつ、判定演出後の標示手段において、一般識別情報が現出する場合は、一括設定の内容から変更(修正)して通常表示色(第1態様)で表示することができる。よって、演出を多様化して遊技の興趣を高めつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機E6において、
前記態様変更手段は、
前記標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択する変更要素選択手段(例えば、文字態様設定処理(S1417))と、
該変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて前記第2表示指示をそれぞれ出力する指示出力手段(例えば、コマンド出力処理(S1102))と、を備え、
該指示出力手段は、
前記第1態様報知手段によって、前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段の表示態様を前記第1態様で表示する場合に、少なくとも前記標示手段の表示色の変更要素を前記通常表示色で表示する前記第2表示指示を出力する修正指示出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた変更要素選択手段により、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素がそれぞれ別々に選択される。また、同じく態様変更手段に設けられた指示出力手段により、変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて第2表示指示がそれぞれ出力される。そして、第1態様報知手段によって、判定演出の実行後に現出させる標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、少なくとも標示手段の表示色の変更要素を通常表示色で表示する第2表示指示が、指示出力手段に設けられた修正指示出力手段により出力される。即ち、態様変更手段によって、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択(決定)し、その選択内容に基づいて標示手段の第2表示指示をそれぞれ出力するように構成し、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、標示手段の変更要素のうち、少なくとも表示色を通常表示色で表示する第2表示指示を出力するように構成されている。
仮に、複数の標示手段における複数の変更要素、即ち、表示色、変更タイミング及び表示パターンをすべて選択した後で、1の第2表示指示にて複数の標示手段における複数の変更要素に関する表示指示を生成した場合は、表示色、変更タイミング及び表示パターンのすべてのバリエーションに応じた第2表示指示を予め用意しなければならず、第2表示指示の数が膨大になるおそれがある。よって、各標示手段の各変更要素の表示指示をそれぞれ別々に選択することで、標示手段に関する第2表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる、という効果がある。
特に、遊技機E1の発明を採用した遊技機では、各標示手段の第2態様が選択されていた場合であっても、該動的表示の結果が一般識別情報となるときは、判定演出の実行後に現出する標示手段(第2標示手段)を第1態様(通常表示色)で表示(変更)するように構成されている。この場合に、各標示手段の表示色、変更タイミング及び表示パターンと、さらに、演出判定後の標示手段の表示(変更)内容とをすべて決定した後で、1の第2表示指示にて各標示手段に関する表示指示を出力する場合は、演出判定後の標示手段の表示(変更)する内容も含めてすべての標示手段の表示態様のバリエーションに応じた第2表示指示を予め用意しなければならず、第2表示指示の数が飛躍的に増大化するおそれがある。よって、各標示手段の表示色、変更タイミング、表示パターン又は演出判定後の表示(変更)内容のそれぞれで別々に第2表示指示を出力し、その第2表示指示に基づいて画像表示手段で各標示手段の表示制御を調整することで、各標示手段に関する第2表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる。
また、標示手段の変更要素のうち、表示色の変化は、他の変更要素(変更タイミング又は表示パターン)の変化よりも、その変化を認識し易い。具体的には、例えば、表示パターンであれば、その表示パターンの種類を予め覚えておかなければ、その表示パターンが示す意味を理解することができないが、表示色の変化は、その表示色が通常の表示色(白色)から変化しているか否かによって判断できるからである。よって、遊技者は、標示手段の表示色が特殊表示色に変更されていることを認識した場合、該標示手段の表示色が変更されていることによって、該動的表示において何かしらの発展演出が実行されるのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示で発展演出が実行されない場合に、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、動的表示において一般識別情報が現出する場合には、標示手段が第2態様に変更される場合であっても、判定演出後に表示される標示手段において、少なくとも表示色を通常表示色で表示するように構成する。即ち、一般識別情報が現出する動的表示において、判定演出後の標示手段を、少なくとも通常表示色で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機E7において、
前記指示出力手段は、
前記動的表示の開始時に、該動的表示における前記標示手段の表示態様に関するすべての第2表示指示を出力する開始時出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、指示出力手段に設けられた開始時出力手段により、動的表示の開始時に、該動的表示における標示手段の表示態様に関するすべての第2表示指示が出力される。これにより、動的表示の開始時に、該動的表示で現出すべき標示手段の内容を画像表示手段に指示することができ、動的表示における各標示手段の表示をスムースに行うことができる、という効果がある。
遊技機E1からE8において、
前記態様変更手段は、
前記判断手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出すると判断された場合に、前記判定演出実行手段による前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段を前記第2態様で表示する態様維持手段(例えば、文字色変化制限処理のS1702:Yes)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E1からE8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判断手段によって、動的表示において特別識別情報を現出すると判断された場合に、態様変更手段に設けられた態様維持手段により、判定演出実行手段による判定演出の実行後に現出される標示手段が第2態様で表示される。これにより、特別識別情報が現出する場合に、当初、一括設定された標示手段の表示を第2態様に維持して、特別識別情報が現出して所定の遊技価値が付与され得ることについて遊技者を祝福し、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<F群:演出単位ごとにデータテーブル>
所定の画像を表示する画像表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、遊技の主な制御を行う主制御手段(例えば、主制御装置110又は(及び)音声ランプ制御装置113)と、該主制御手段からの表示指示に基づいて前記画像表示手段を制御する副制御手段(例えば、表示制御装置114)と、を備えた遊技機において、
前記副制御手段は、
前記画像表示手段に表示させる1画面分の画像を描画する画像描画手段(例えば、画像コントローラ237)と、
前記主制御手段からの第1表示指示(例えば、表示用変動パターンコマンド)に基づいて表示する第1表示種別(例えば、変動演出)を決定する第1表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2108)と、
前記第1表示種別毎に設けられ、該第1表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第1規定情報(例えば、変動用表示データテーブル232a1)を記憶する第1規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第1表示決定手段により決定された前記第1表示種別に対応する前記第1規定情報を、前記第1規定情報記憶手段より選定する第1選定手段(例えば、表示データテーブルバッファ233b)と、
前記画像表示手段において、互いに所定の関連性を有して表示される複数の標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3および疑似定型句文字表示Se4)と、
前記主制御手段からの第2表示指示(例えば、表示用赤文字コマンド)に基づいて、前記画像表示手段に表示する前記標示手段を決定する第2表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2112)と、
複数の前記標示手段に対して設けられ、複数の前記標示手段において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第2規定情報(例えば、文字用追加データテーブル232a2)を記憶する第2規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第2表示決定手段により決定された前記標示手段に対応する前記第2規定情報を、前記第2規定情報記憶手段より選定する第2選定手段(例えば、文字系コマンド処理(S2113))と、
前記画像表示手段において、遊技状態を示唆する複数の示唆手段(例えば、実行図柄および保留図柄)と、
前記主制御手段からの第3表示指示(例えば、表示用点灯時保留変化コマンド)に基づいて、前記画像表示手段に表示する前記示唆手段を決定する第3表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2110)と、
複数の前記示唆手段に対して設けられ、複数の前記示唆手段において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第3規定情報(例えば、保留用追加データテーブル232a2)を記憶する第3規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第3表示決定手段により決定された前記示唆手段に対する前記第3規定情報を、前記第3規定情報記憶手段より選定する第3選定手段(例えば、先読み系コマンド処理(S2111))と、を備え、
前記副制御手段は、
時間経過毎に更新される更新手段(例えば、ポインタ233e)と、
該更新手段が更新される毎に、前記第1選定手段により選定された前記第1規定情報と、前記第2選定手段により選定された前記第2規定情報と、前記第3選定手段により選定された前記第3規定情報とに基づいて、更新された前記更新手段に対応する1画面分の描画情報を特定する描画情報特定手段(例えば、表示設定処理(S2023)のS2308)と、
該描画情報特定手段により特定された前記1画面分の描画情報に基づいて、前記画像描画手段に対して1画面分の画像の描画を指示する描画指示情報を生成する描画指示情報生成手段(例えば、描画処理(S2026)のS2501)と、を備え、
前記画像描画手段は、前記描画指示情報生成手段により生成された前記描画指示情報に基づいて、1画面分の画像を描画する
ことを特徴とする遊技機F0。
遊技機F0によれば、画像表示手段により、所定の画像が表示され、主制御手段により、遊技の主な制御が行われ、その主制御手段からの表示指示に基づいて、副制御手段により画像表示手段が制御される。また、副制御手段に設けられた画像描画手段により、画像表示手段に表示させる1画面分の画像が描画される。そして、第1表示決定手段により、主制御手段からの第1表示指示に基づいて表示する第1表示種別が決定される。また、第1規定情報記憶手段により、第1表示種別毎に設けられ、その第1表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第1規定情報が記憶される。ここで、第1選定手段により、第1表示決定手段により決定された第1表示種別に対応する第1規定情報が第1規定情報記憶手段から選定される。そして、画像表示手段において、互いの所定の関連性を有する複数の標示手段が表示される。また、第2表示決定手段により、主制御手段からの第2表示指示に基づいて、画像表示手段に表示される標示手段が決定される。そして、複数の標示手段に対して設けられ、その複数の標示手段において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第2規定情報が第2規定情報記憶手段により記憶される。ここで、第2選定手段により、第2表示決定手段により決定された標示手段に対する第2規定情報が第2規定情報記憶手段より選定される。また、画像表示手段において、遊技状態を示唆する複数の示唆手段が標示される。また、第3表示決定手段により、主制御手段からの第3表示指示に基づいて、画像表示手段に表示される示唆手段が決定される。そして、複数の示唆手段に対して設けられ、その複数の示唆手段において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第3規定情報が第3規定情報記憶手段により記憶される。ここで、第3選定手段により、第3表示決定手段により決定された示唆手段に対する第3規定情報が第3規定情報記憶手段より選定される。そして、副制御手段に設けられた更新手段が時間経過毎に更新され、その更新手段が更新される毎に、第1選定手段により選定された第1規定情報と、第2選定手段により選定された第2規定情報と、第3選定手段により選定された第3規定情報とに基づいて、更新された更新手段に対する1画面分のそれぞれの描画情報が、描画情報特定手段により特定される。また、描画情報特定手段により特定された1画面分の各描画情報に基づいて、描画指示情報生成手段により、画像描画手段に対して1画面分の画像の描画が指示される描画指示情報が生成される。そして、描画指示情報生成手段によって生成された描画指示情報に基づいて、画像描画手段により、1画面分の画像が描画される。
遊技機E0では、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段の表示態様に関し、それぞれ個別に抽選した各標示手段の変更要素ごとに、それぞれ別個の第2規定情報を選定し、その選定された第2規定情報に基づいて各標示手段の表示制御を行うように構成されている。このような構成では、各標示手段の変更要素ごとに第2規定情報がそれぞれ必要がある。
ここで、動的表示では、各標示手段のほかに、遊技状態を示す複数の示唆手段に関する表示や、複数のキャラクタ図柄等の演出図柄等の複数の演出(予告)が存在し、各演出においても多様な変更要素(例えば、数や表示色、強弱パターン、現出タイミング等)が予め設けられている。よって、これら各演出においても、変更要素ごとに複数種類の第3規定情報等が選定され、それら選定された第3規定情報に基づいて、動的表示全体の表示制御が実行される。
しかし、追加すべき演出(予告)が多くなり、さらに、各演出(予告)の変更要素が多くなればなるほど、選定する第2規定情報の数も比例して多くなり、遊技機の記憶容量を逼迫するおそれがあり、コストをかけて記憶容量を予め増大しておく必要が生じる。また、多数の第2規定情報を選定した場合、描画処理における描画指示情報を生成する場合に、参照する第1規定情報、第2規定情報の数が多くなることで、表示制御に関する処理負担が増大してしまうおそれがある。
そこで、主制御手段からの第1表示指示、第2表示指示又は第3表示指示に対する各画像を表示させる場合に、それぞれの演出単位に対する第1規定情報、第2規定情報又は第3規定情報を、第1規定情報記憶手段、第2規定情報記憶手段又は第3規定情報記憶手段からそれぞれ選定するだけで、容易に画像表示手段の表示態様を変更(追加)して表示させることができる。また、複数の標示手段に対して第2規定情報を選定するように構成すると共に、複数の示唆手段に対して第3規定情報を選定するように構成することで、複数の画像で構成される演出に関してまとめて表示制御を行うことができるので、関連する演出単位で表示制御の管理が可能となる。よって、画像表示手段に表示される表示態様の多種多様化を容易に図ることができる、という効果がある。また、選定される第2規定情報および第3規定情報の数が演出(予告)の種類数となり、演出(予告)の変更要素ごとに第2規定情報を選定する場合より第2規定情報および第3規定情報の合計数を少なくすることができ、演出(予告)の変更要素数の増加に伴って第2規定情報の容量を増大せずに済み、遊技機のコストを抑制することができる、という効果がある。また、描画処理における描画指示情報の生成時において、参照する第1規定情報、第2規定情報および第3規定情報の数を少なくすることができ、描画指示情報の生成時における処理負担を軽減することができる、という効果がある。
なお、「互いに所定の関連性を有して表示される複数の標示手段」とは、例えば、標示手段同士が、同一の属性を有する場合や、同一の種類に該当する場合、同一のタイミングに現出する場合、或いは、時間差で現出する場合であっても一方が現出した場合に他方も現出する等、1の標示手段に対して他の標示手段が、時期的、形状的、観念的に有機的に絡む(緊密な連関をもつ)関連性をいう。具体的には、例えば、同一の表示領域に表示される予告表示(リーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一のタイミングで異なる態様で表示される予告表示(強弱キャラ予告等)や、1の予告が現出した後に他の予告が現出する予告表示(ステップアップ予告やリーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一の演出が複数回実行される予告(「疑似連」の変動要素等)等が例示される。
遊技機F0において、
前記主制御手段は、
複数の前記標示手段の表示態様に対する複数の前記第2表示指示を、所定期間中にまとめて出力する包括出力手段、を備え、
前記副制御手段は、
前記主制御手段からの前記標示手段に対する1の前記第2表示指示を受信した場合に、前記所定期間の間、待機する待機手段と、
該待機手段による待機後に、受信した1又は複数の前記第2表示指示に基づいて前記画像表示手段に表示する前記標示手段を決定する待機後決定手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機F0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段に設けられた包括出力手段により、複数の標示手段の表示態様に対する複数の第2表示指示が、所定期間中にまとめて出力される。また、副制御手段に設けられた待機手段により、主制御手段からの標示手段に対する1の第2表示指示を受信した場合に、所定期間の間、待機される。そして、同じく副制御手段に設けられた待機後決定手段により、待機手段による待機後に、受信した1又は複数の第2表示指示に基づいて画像表示手段に表示する標示手段が決定される。即ち、副制御手段は、所定期間中にまとめて出力される第2表示指示をすべて受信した後に、標示手段に関する表示制御を実行するように構成されている。これにより、複数の標示手段を描画する場合において、一旦、すべての標示手段の表示態様を決定した上で1の第2規定情報によって標示手段を描画することができ、複数の標示手段を1の第2規定情報によって表示することが可能となる。よって、複数の標示手段に関する演出をまとめて表示制御を行うことができるので、画像表示手段に表示される標示手段の表示態様の多種多様化を容易に図ることができる、という効果がある。
遊技機F0又はF1において、
前記主制御手段は、
所定条件(例えば、始動入賞)が成立した場合に、複数の前記示唆手段の表示態様に関する前記第3表示指示を随時出力する随時出力手段、を備え、
前記副制御手段は、
前記主制御手段からの前記示唆手段に対する前記第3表示指示を受信した場合に、該第3表示指示に基づいて前記画像表示手段に表示する前記示唆手段を決定する随時決定手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F0又はF1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段に設けられた随時出力手段により、所定条件が成立した場合に、複数の示唆手段の表示態様に関する第3表示指示が随時出力される。また、副制御手段に設けられた随時決定手段により、主制御手段からの示唆手段に対する第3表示指示を受信した場合に、その第3表示指示に基づいて画像表示手段に表示する示唆手段が決定される。即ち、副制御手段は、所定条件が成立した場合に、随時出力される第3表示指示を受信する毎に、示唆手段に関する表示制御を実行するように構成されている。これにより、所定条件が成立して第3表示指示が出力された場合に、随時、該第3表示指示に基づく示唆手段の表示態様を変更することができる。よって、遊技状態を示す示唆手段の内容を直ちに表示することができるので、遊技状態を遊技者に的確に示唆することができる、という効果がある。
遊技機F0からF2のいずれかにおいて、
前記描画情報特定手段は、
前記第2規定情報の描画情報より、前記第3規定情報の描画情報を優先して1画面分の描画情報を特定する優先特定手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F0からF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、描画情報特定手段に設けられた優先特定手段により、第2規定情報の描画情報より、第3規定情報の描画情報を優先して1画面分の描画情報として特定される。即ち、遊技状態を示す示唆手段の表示を標示手段よりも優先して表示することができ、遊技状態を遊技者に的確に示唆することができる、という効果がある。
遊技機F0からF3のいずれかにおいて、
前記第1選定手段は、
前記第1表示指示に基づいて、前記第1規定情報記憶手段の中から、前記動的表示全体の描画情報を規定した動的規定情報(例えば、変動用表示データテーブル232a1)を選定する動的規定情報選定手段(例えば、表示データテーブルバッファ233b)、を備え、
前記第2選定手段は、
前記第2表示指示に基づいて、前記複数変更手段によって前記標示手段の表示態様が前記第2態様に変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報(例えば、文字色用追加データテーブル232a2)を前記第2規定情報記憶手段の中から選定する一括規定情報選定手段(例えば、追加データテーブルバッファ233c)と、
前記第2表示指示に基づいて、前記第1態様報知手段によって前記判定演出後に表示される前記標示手段の表示態様が前記第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報(例えば、文字修正用追加データテーブル232a2)を前記第2規定情報記憶手段の中から選定する第1態様規定情報選定手段(例えば、追加データテーブルバッファ233c)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F0からF3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1選定手段に設けられた動的規定情報選定手段により、第1表示指示に基づいて、第1規定情報記憶手段の中から、動的表示全体の描画情報を規定した動的規定情報が選定される。また、第2選定手段に設けられた一括規定情報選定手段により、第2表示指示に基づいて、複数変更手段によって標示手段の表示態様が第2態様に変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報が、第2規定情報記憶手段の中から選定される。また、同じく第2選定手段に設けられた第1態様規定情報選定手段により、第2表示指示に基づいて、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報が、第2規定情報記憶手段の中から選定される。即ち、動的表示において所定の遊技価値を付与しない一般識別情報が現出する場合に、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段の表示態様が第2態様に変更されていた場合でも、動的表示の判定演出の実行後に表示される標示手段の表示態様を第2態様ではない第1態様で表示する。また、複数の標示手段を一括設定して変更(追加)し、さらに、判定演出後の標示手段を第1態様に変更して表示させる場合に、標示手段が一括設定される場合の描画情報を規定した一括規定情報を選定すると共に、判定演出後の標示手段が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報を選定する。
従来のように、動的表示の複数の箇所(タイミング又は表示領域。以下同様。)で互いの所定の関連性を有する標示手段を現出する場合に、それぞれの現出箇所毎に、標示手段を第1態様で表示するか第1態様とは異なる第2態様で表示するかを設定(抽選)する構成であると、その現出箇所分の設定処理(抽選処理)が必要になって制御が複雑化し、処理負担が増大してしまうおそれがある。また、動的表示において先に現出される標示手段を第2態様で現出した後、後に現出される標示手段を第1態様で現出させてしまうと、所定の関連性を有する標示手段であるがゆえ、特別識別情報が現出することへの期待度が成り下がった表現(以下、「成り下がり表現」という)になってしまう。よって、折角、先の標示手段において第2態様が現出したことによって気分が高揚していた遊技者が、後の標示手段における上記成り下がり表現を目の当たりにすることで興醒めしてしまうおそれがある。
そこで、動的表示において互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の設定(抽選)を一括で行い、1の標示手段で表示された第2態様を他の標示手段においても踏襲して現出させるように構成することで、それぞれの現出箇所毎に設定処理を行う必要がなくなり、処理負担を軽減させることができる。また、互いに所定の関連性を有する標示手段が一度でも第2態様で現出された場合は、以降に現出する標示手段においても第2態様を踏襲して現出させるように構成することで、標示手段における成り下がり表現が発生してしまう現象を未然に排除して、遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。
しかしながら、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段を第2態様に一括設定する場合、例えば、所定の遊技価値が付与されない一般識別情報の表示結果が現出する動的表示において、該動的表示の判定演出が行われて一般識別情報が現出している状態で、標示手段が第2態様で表示されてしまうことがある。標示手段の第2態様は、判断手段の判断結果に基づいて所定の第1態様から変更される態様であるため、その変更に基づいて現状の演出状況が変更され得ることを示唆する発展示唆機能を有する。一方、判定演出後に表示される標示手段は、判定演出の結果である現状の演出状況の内容を報知する状況報知機能を有する。従って、判定演出の実行後の標示手段を第2態様で表示してしまうと、遊技者は、標示手段が第2態様で表示されたことによって、標示手段の状況報知機能より発展示唆機能が勝り、該動的表示がこのまま一般識別情報で確定せず、何かしらの発展演出が実行されて一般識別情報から特別識別情報へ変化するのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示が所定の遊技価値が付与されない一般識別情報のまま確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、遊技機F4によれば、動的表示において一般識別情報が現出する場合には、標示手段が第2態様に一括設定されていたとしても、判定演出後に表示される標示手段において第2態様を現出しないように構成する。即ち、一般識別情報の動的表示において、判定演出後の標示手段を第1態様で表示するように構成する。また、第2表示指示に基づいて、複数変更手段によって標示手段の表示態様が第2態様に変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報が第2規定情報記憶手段の中から選定され、同じく第2選定手段に設けられた第1態様規定情報選定手段により、第2表示指示に基づいて、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報が第2規定情報記憶手段の中から選定される。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。また、複数の標示手段を変更(追加)し、さらに、判定演出後の標示手段を第1態様に変更して表示させる場合に、標示手段が変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報を選定すると共に、判定演出後の標示手段が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報を選定するだけで、複数の標示手段の多様な表示態様を容易に変更(追加)して表示させることができる。よって、画像表示手段に表示される表示態様の多種多様化を容易に図ることができる、という効果がある。
遊技機F4において、
前記標示手段は、
前記判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2)と、
前記判定演出の実行後に現出する第2標示手段(例えば、定型句文字表示Se3)とを備え、
前記態様変更手段は、
前記判断手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出すると判断された場合に、前記第1標示手段及び前記第2標示報知手段を前記第2態様で表示する第2態様継続手段と、
前記判断手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出しないと判断された場合に、前記第1標示手段を前記第2態様で表示し、前記第1態様報知手段によって前記第2標示手段を前記第1態様で表示する第2態様変更手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、標示手段には、判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段と、判定演出の実行後に現出する第2標示手段とが備えられている。また、判断手段によって、動的表示において特別識別情報を現出すると判断された場合に、態様変更手段に設けられた第2態様継続手段により、第1標示手段および第2標示手段が第2態様で表示される。一方、判断手段によって、動的表示において特別識別情報を現出しないと判断された場合に、態様変更手段に設けられた第2態様変更手段により、第1標示手段が第2態様で表示され、第1態様報知手段によって第2標示手段が第1態様で表示される。これにより、動的表示において特別識別情報が現出する場合は、第1標示手段および第2標示手段ともに第2態様に変更され、動的表示において特別識別情報が現出しない場合には、第1標示手段が第2態様で表示される一方、第2標示手段が第1態様で表示されるように構成する。即ち、標示手段が第2態様に変更されていた場合に、特別識別情報の表示結果が現出する動的表示において、判定演出後の第2標示手段を第2態様で表示すると共に、一般識別情報の表示結果が現出する動的表示において、判定演出後の第2標示手段を第1態様で表示するように構成する。このように構成することで、一般識別情報が現出した後に、第2態様の第2標示手段を現出することがなく、演出が発展することを示唆しないため、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機F5において、
前記第1標示知手段は、
1の前記動的表示において、少なくとも複数現出し、
前記複数変更手段は、
少なくとも前記第1標示手段の表示態様を一括で設定する第1標示一括手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の動的表示において、第1標示手段が少なくとも複数現出されるように構成され、複数変更手段に設けられた第1標示一括手段により、少なくとも第1標示手段の表示態様が一括で設定されるように構成されている。これにより、1の動的表示において複数現出する第1標示手段を一括して設定することができるため、各第1標示手段ごとに設定処理を行う制御に比べ、制御負担を軽減させることができる、という効果がある。特に、動的表示において第2態様を実行可能な第1標示手段の現出箇所が多くなればなるほど(例えば、5箇所以上等)、上記一括設定が好適に作用し、制御負担を顕著に軽減させることが可能となる。
遊技機F5又はF6のいずれかにおいて、
前記態様変更手段は、
該標示手段の表示色を、所定の通常表示色(例えば、「白色」)から、該通常表示色と異なる特殊表示色(例えば、「赤色」)に変更する色変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該色変更手段によって前記標示手段の表示色が前記通常表示色から前記特殊表示色に変更されるタイミング(例えば、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミング、又は、リーチ中文字表示Se2を表示するタイミング)を選択するタイミング選択手段(色変化タイミングカウンタ223g)と、を備え、
前記複数変更手段は、
前記タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される前記標示手段の表示色を前記特殊表示色に一括して変更する一括変更手段、を備え、
前記第1態様報知手段は、
前記一括変更手段によって前記標示手段の表示色が前記特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、前記判定演出の実行後に現出する前記標示手段の表示色を前記通常表示色で表示する通常色表示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F5又はF6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた色変更手段により、標示手段の表示色が、所定の通常表示色から、該通常表示色と異なる特殊表示色へ変更される。また、同じく態様変更手段に設けられたタイミング選択手段により、色変更手段によって標示手段の表示色が通常表示色から特殊表示色へ変更されるタイミングが選択される。そして、複数変更手段に設けられた一括変更手段により、タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される標示手段の表示色が特殊表示色に変更される。ここで、一括変更手段によって標示手段の表示色が特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、判定演出の実行後に現出する標示手段の表示色が、第1態様報知手段に設けられた通常色表示手段により、通常表示色で表示される。これにより、互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の関し、表示色や表示タイミング等の複数の変更要素に基づいて該標示手段の表示態様を設定して、標示手段の表示態様のバリエーションを増やしつつ、判定演出後の標示手段において、一般識別情報が現出する場合は、一括設定の内容から変更(修正)して通常表示色(第1態様)で表示することができる。よって、演出を多様化して遊技の興趣を高めつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機F7において、
前記態様変更手段は、
前記標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択する変更要素選択手段(例えば、文字態様設定処理(S1417))と、
該変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて前記第2表示指示をそれぞれ出力する指示出力手段(例えば、コマンド出力処理(S1102))と、を備え、
該指示出力手段は、
前記第1態様報知手段によって、前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段の表示態様を前記第1態様で表示する場合に、少なくとも前記標示手段の表示色の変更要素を前記通常表示色で表示する前記第2表示指示を出力する修正指示出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた変更要素選択手段により、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素がそれぞれ別々に選択される。また、同じく態様変更手段に設けられた指示出力手段により、変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて第2表示指示がそれぞれ出力される。そして、第1態様報知手段によって、判定演出の実行後に現出させる標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、少なくとも標示手段の表示色の変更要素を通常表示色で表示する第2表示指示が、指示出力手段に設けられた修正指示出力手段により出力される。即ち、態様変更手段によって、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択(決定)し、その選択内容に基づいて標示手段の第2表示指示をそれぞれ出力するように構成し、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、標示手段の変更要素のうち、少なくとも表示色を通常表示色で表示する第2表示指示を出力するように構成されている。
仮に、複数の標示手段における複数の変更要素、即ち、表示色、変更タイミング及び表示パターンをすべて選択した後で、1の第2表示指示にて複数の標示手段における複数の変更要素に関する表示指示を生成した場合は、表示色、変更タイミング及び表示パターンのすべてのバリエーションに応じた第2表示指示を予め用意しなければならず、第2表示指示の数が膨大になるおそれがある。よって、各標示手段の各変更要素の表示指示をそれぞれ別々に選択することで、標示手段に関する第2表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる、という効果がある。
特に、遊技機F4の発明を採用した遊技機では、各標示手段の第2態様が選択されていた場合であっても、該動的表示の結果が一般識別情報となるときは、判定演出の実行後に現出する標示手段(第2標示手段)を第1態様(通常表示色)で表示(変更)するように構成されている。この場合に、各標示手段の表示色、変更タイミング及び表示パターンと、さらに、演出判定後の標示手段の表示(変更)内容とをすべて決定した後で、1の第2表示指示にて各標示手段に関する表示指示を出力する場合は、演出判定後の標示手段の表示(変更)する内容も含めてすべての標示手段の表示態様のバリエーションに応じた第2表示指示を予め用意しなければならず、第2表示指示の数が飛躍的に増大化するおそれがある。よって、各標示手段の表示色、変更タイミング、表示パターン又は演出判定後の表示(変更)内容のそれぞれで別々に第2表示指示を出力し、その第2表示指示に基づいて画像表示手段で各標示手段の表示制御を調整することで、各標示手段に関する第2表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる。
また、標示手段の変更要素のうち、表示色の変化は、他の変更要素(変更タイミング又は表示パターン)の変化よりも、その変化を認識し易い。具体的には、例えば、表示パターンであれば、その表示パターンの種類を予め覚えておかなければ、その表示パターンが示す意味を理解することができないが、表示色の変化は、その表示色が通常の表示色(白色)から変化しているか否かによって判断できるからである。よって、遊技者は、標示手段の表示色が特殊表示色に変更されていることを認識した場合、該標示手段の表示色が変更されていることによって、該動的表示において何かしらの発展演出が実行されるのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示で発展演出が実行されない場合に、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、動的表示において一般識別情報が現出する場合には、標示手段が第2態様に変更される場合であっても、判定演出後に表示される標示手段において、少なくとも表示色を通常表示色で表示するように構成する。即ち、一般識別情報が現出する動的表示において、判定演出後の標示手段を、少なくとも通常表示色で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機F8において、
前記指示出力手段は、
前記動的表示の開始時に、該動的表示における前記標示手段の表示態様に関するすべての第2表示指示を出力する開始時出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、指示出力手段に設けられた開始時出力手段により、動的表示の開始時に、該動的表示における標示手段の表示態様に関するすべての第2表示指示が出力される。これにより、動的表示の開始時に、該動的表示で現出すべき標示手段の内容を画像表示手段に指示することができ、動的表示における各標示手段の表示をスムースに行うことができる、という効果がある。
遊技機F4からF9において、
前記態様変更手段は、
前記判断手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出すると判断された場合に、前記判定演出実行手段による前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段を前記第2態様で表示する態様維持手段(例えば、文字色変化制限処理のS1702:Yes)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F4からF9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判断手段によって、動的表示において特別識別情報を現出すると判断された場合に、態様変更手段に設けられた態様維持手段により、判定演出実行手段による判定演出の実行後に現出される標示手段が第2態様で表示される。これにより、特別識別情報が現出する場合に、当初、一括設定された標示手段の表示を第2態様に維持して、特別識別情報が現出して所定の遊技価値が付与され得ることについて遊技者を祝福し、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<G群:複数の文字表示に対して1の文字用追加データテーブル>
所定の画像を表示する画像表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、遊技の主な制御を行う主制御手段(例えば、主制御装置110又は(及び)音声ランプ制御装置113)と、該主制御手段からの表示指示に基づいて前記画像表示手段を制御する副制御手段(例えば、表示制御装置114)と、を備えた遊技機において、
前記副制御手段は、
前記画像表示手段に表示させる1画面分の画像を描画する画像描画手段(例えば、画像コントローラ237)と、
前記主制御手段からの第1表示指示(例えば、表示用変動パターンコマンド)に基づいて表示する第1表示種別(例えば、変動演出)を決定する第1表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2108)と、
前記第1表示種別毎に設けられ、該第1表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第1規定情報(例えば、変動用表示データテーブル232a1)を記憶する第1規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第1表示決定手段により決定された前記第1表示種別に対応する前記第1規定情報を、前記第1規定情報記憶手段より選定する第1選定手段(例えば、表示データテーブルバッファ233b)と、
前記画像表示手段において、互いに所定の関連性を有して表示される複数の標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3および疑似定型句文字表示Se4)と、
前記主制御手段からの第2表示指示(例えば、表示用赤文字コマンド)に基づいて、前記第1選定手段により選定された前記第1規定情報が示す画像から変更(追加)して表示する前記標示手段を決定する第2表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2112)と、
複数の前記標示手段に対して設けられ、複数の前記標示手段において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第2規定情報(例えば、文字用追加データテーブル232a2)を記憶する第2規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第2表示決定手段により決定された複数の前記標示手段に対応する1の前記第2規定情報を、前記第2規定情報記憶手段より選定する第2選定手段(例えば、文字系コマンド処理(S2113))と、を備え、
前記副制御手段は、
時間経過毎に更新される更新手段(例えば、ポインタ233e)と、
該更新手段が更新される毎に、前記第1選定手段により選定された前記第1規定情報と、前記第2選定手段により選定された前記第2規定情報とに基づいて、更新された前記更新手段に対応する1画面分の描画情報を特定する描画情報特定手段(例えば、表示設定処理(S2023)のS2308)と、
該描画情報特定手段により特定された前記1画面分の描画情報に基づいて、前記画像描画手段に対して1画面分の画像の描画を指示する描画指示情報を生成する描画指示情報生成手段(例えば、描画処理(S2026)のS2501)と、を備え、
前記画像描画手段は、前記描画指示情報生成手段により生成された前記描画指示情報に基づいて、1画面分の画像を描画する
ことを特徴とする遊技機G0。
遊技機G0によれば、画像表示手段により、所定の画像が表示され、主制御手段により、遊技の主な制御が行われ、その主制御手段からの表示指示に基づいて、副制御手段により画像表示手段が制御される。また、副制御手段に設けられた画像描画手段により、画像表示手段に表示させる1画面分の画像が描画される。そして、第1表示決定手段により、主制御手段からの第1表示指示に基づいて表示する第1表示種別が決定される。また、第1規定情報記憶手段により、第1表示種別毎に設けられ、その第1表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を1画面毎に規定した第1規定情報が記憶される。ここで、第1選定手段により、第1表示決定手段により決定された第1表示種別に対応する第1規定情報が第1規定情報記憶手段から選定される。そして、画像表示手段において、互いの所定の関連性を有する複数の標示手段が表示される。また、第2表示決定手段により、主制御手段からの第2表示指示に基づいて、第1選定手段により選定された第1規定情報が示す画像から変更(追加)して標示する標示手段が決定される。そして、複数の標示手段に対して設けられ、その複数の標示手段において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第2規定情報が第2規定情報記憶手段により記憶される。ここで、第2選定手段により、第2表示決定手段により決定された複数の標示手段に対する1の第2規定情報が第2規定情報記憶手段より選定される。そして、副制御手段に設けられた更新手段が時間経過毎に更新され、その更新手段が更新される毎に、第1選定手段により選定された第1規定情報と、第2選定手段により選定された第2規定情報とに基づいて、更新された更新手段に対する1画面分のそれぞれの描画情報が、描画情報特定手段により特定される。また、描画情報特定手段により特定された1画面分の各描画情報に基づいて、描画指示情報生成手段により、画像描画手段に対して1画面分の画像の描画が指示される描画指示情報が生成される。そして、描画指示情報生成手段によって生成された描画指示情報に基づいて、画像描画手段により、1画面分の画像が描画される。これにより、主制御手段からの第1表示指示に対する第1表示種別の画像に、第2表示指示に対する標示手段を変更(追加)して表示させる場合に、その標示手段に対する第2規定情報を第2規定情報記憶手段から選定するだけで、容易に複数の標示手段の表示態様を変更(追加)して表示させることができる。よって、画像表示手段に表示される表示態様の多種多様化を容易に図ることができる、という効果がある。
遊技機G0において、
所定の始動条件の成立を契機として始動情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された前記始動情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて前記画像表示手段に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114のMPU231)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において、所定の識別情報である特別識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機であって、
前記取得手段により取得される前記始動情報を記憶する記憶手段(例えば、実行情報格納エリア223i)と、
該記憶手段に記憶されている前記始動情報に基づいて、前記動的表示において前記特別識別情報を現出するか、又は、該特別識別情報と異なる一般識別情報(例えば、「ハズレ表示」)を現出するかを判断する判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
前記動的表示において、互いに所定の関連性を有するように複数の前記標示手段を表示する標示表示手段と、
前記判断手段による判断結果に基づいて、前記標示手段の表示態様を、所定の第1態様(例えば、「白色」)から、該第1態様と異なる第2態様(例えば、「赤色」)に変更する態様変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該態様変更手段によって前記標示手段を前記第2態様に変更する場合に、複数の前記標示手段の表示態様を前記第2態様に変更する複数変更手段(例えば、文字色変化テーブル222h)と、を備え、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記特別識別情報を現出するか、前記一般識別情報を現出するかの判定演出(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」)を実行する判定演出実行手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)、を備え、
前記態様変更手段は、
前記複数変更手段により前記標示手段の表示態様が前記第2態様に変更されている場合に、前記判断手段によって、前記動的表示において前記一般識別情報を現出すると判断されたとき、前記判定演出実行手段による前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段を、前記第1態様で表示する第1態様報知手段(例えば、表示用定型句通常コマンド)、を備え、
前記第1選定手段は、
前記第1表示指示に基づいて、前記第1規定情報記憶手段の中から、前記動的表示全体の描画情報を規定した動的規定情報(例えば、変動用表示データテーブル232a1)を選定する動的規定情報選定手段(例えば、表示データテーブルバッファ233b)、を備え、
前記第2選定手段は、
前記第2表示指示に基づいて、前記複数変更手段によって前記標示手段の表示態様が前記第2態様に変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報(例えば、文字色用追加データテーブル232a2)を前記第2規定情報記憶手段の中から選定する一括規定情報選定手段(例えば、追加データテーブルバッファ233c)と、
前記第2表示指示に基づいて、前記第1態様報知手段によって前記判定演出後に表示される前記標示手段の表示態様が前記第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報(例えば、文字修正用追加データテーブル232a2)を前記第2規定情報記憶手段の中から選定する第1態様規定情報選定手段(例えば、追加データテーブルバッファ233c)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機G0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により始動情報が取得され、その取得手段により取得された始動情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報である特別識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。また、取得手段により取得される始動情報が記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶される始動情報に基づいて、動的表示において特別識別情報を現出するか、特別識別情報と異なる一般識別情報を現出するかが判断手段により判断される。また、標示表示手段により、動的表示において、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段が表示される。そして、判断手段による判断結果に基づいて、態様変更手段により、標示手段の表示態様が、所定の第1態様から、該第1態様とは異なる第2態様に変更される。また、態様変更手段によって標示手段を第2態様に変更する場合に、複数変更手段により、複数の標示手段の表示態様が第2態様に変更される。ここで、動的表示実行手段に設けられた判定演出実行手段により、動的表示において、特別識別情報を現出するか、一般識別情報を現出するかの判定演出が実行される。そして、複数変更手段によって標示手段の表示態様が第2態様に変更されている場合に、判断手段によって、動的表示において一般識別情報を現出すると判断されたとき、態様変更手段に設けられた第1態様報知手段により、判定演出実行手段による判定演出の実行後に現出される標示手段が、第1態様で表示される。ここで、第1選定手段に設けられた動的規定情報選定手段により、第1表示指示に基づいて、第1規定情報記憶手段の中から、動的表示全体の描画情報を規定した動的規定情報が選定される。また、第2選定手段に設けられた一括規定情報記憶手段により、第2表示指示に基づいて、複数変更手段によって標示手段の表示態様が第2態様に変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報が、第2規定情報記憶手段の中から選定される。また、同じく第2選定手段に設けられた第1態様規定情報選定手段により、第2表示指示に基づいて、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報が、第2規定情報記憶手段の中から選定される。即ち、動的表示において所定の遊技価値を付与しない一般識別情報が現出する場合に、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段の表示態様が第2態様に変更されていた場合でも、動的表示の判定演出の実行後に表示される標示手段の表示態様を第2態様ではない第1態様で表示する。また、複数の標示手段を一括設定して変更(追加)し、さらに、判定演出後の標示手段を第1態様に変更して表示させる場合に、標示手段が一括設定される場合の描画情報を規定した一括規定情報を選定すると共に、判定演出後の標示手段が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報を選定する。
従来のように、動的表示の複数の箇所(タイミング又は表示領域。以下同様。)で互いの所定の関連性を有する標示手段を現出する場合に、それぞれの現出箇所毎に、標示手段を第1態様で表示するか第1態様とは異なる第2態様で表示するかを設定(抽選)する構成であると、その現出箇所分の設定処理(抽選処理)が必要になって制御が複雑化し、処理負担が増大してしまうおそれがある。また、動的表示において先に現出される標示手段を第2態様で現出した後、後に現出される標示手段を第1態様で現出させてしまうと、所定の関連性を有する標示手段であるがゆえ、特別識別情報が現出することへの期待度が成り下がった表現(以下、「成り下がり表現」という)になってしまう。よって、折角、先の標示手段において第2態様が現出したことによって気分が高揚していた遊技者が、後の標示手段における上記成り下がり表現を目の当たりにすることで興醒めしてしまうおそれがある。
そこで、動的表示において互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の設定(抽選)を一括で行い、1の標示手段で表示された第2態様を他の標示手段においても踏襲して現出させるように構成することで、それぞれの現出箇所毎に設定処理を行う必要がなくなり、処理負担を軽減させることができる。また、互いに所定の関連性を有する標示手段が一度でも第2態様で現出された場合は、以降に現出する標示手段においても第2態様を踏襲して現出させるように構成することで、標示手段における成り下がり表現が発生してしまう現象を未然に排除して、遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。
しかしながら、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段を第2態様に一括設定する場合、例えば、所定の遊技価値が付与されない一般識別情報の表示結果が現出する動的表示において、該動的表示の判定演出が行われて一般識別情報が現出している状態で、標示手段が第2態様で表示されてしまうことがある。標示手段の第2態様は、判断手段の判断結果に基づいて所定の第1態様から変更される態様であるため、その変更に基づいて現状の演出状況が変更され得ることを示唆する発展示唆機能を有する。一方、判定演出後に表示される標示手段は、判定演出の結果である現状の演出状況の内容を報知する状況報知機能を有する。従って、判定演出の実行後の標示手段を第2態様で表示してしまうと、遊技者は、標示手段が第2態様で表示されたことによって、標示手段の状況報知機能より発展示唆機能が勝り、該動的表示がこのまま一般識別情報で確定せず、何かしらの発展演出が実行されて一般識別情報から特別識別情報へ変化するのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示が所定の遊技価値が付与されない一般識別情報のまま確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、遊技機G1によれば、動的表示において一般識別情報が現出する場合には、標示手段が第2態様に一括設定されていたとしても、判定演出後に表示される標示手段において第2態様を現出しないように構成する。即ち、一般識別情報の動的表示において、判定演出後の標示手段を第1態様で表示するように構成する。また、第2表示指示に基づいて、複数変更手段によって標示手段の表示態様が第2態様に変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報が第2規定情報記憶手段の中から選定され、同じく第2選定手段に設けられた第1態様規定情報選定手段により、第2表示指示に基づいて、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報が第2規定情報記憶手段の中から選定される。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。また、複数の標示手段を変更(追加)し、さらに、判定演出後の標示手段を第1態様に変更して表示させる場合に、標示手段が変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報を選定すると共に、判定演出後の標示手段が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報を選定するだけで、複数の標示手段の多様な表示態様を容易に変更(追加)して表示させることができる。よって、画像表示手段に表示される表示態様の多種多様化を容易に図ることができる、という効果がある。
なお、「互いに所定の関連性を有して表示される複数の標示手段」とは、例えば、標示手段同士が、同一の属性を有する場合や、同一の種類に該当する場合、同一のタイミングに現出する場合、或いは、時間差で現出する場合であっても一方が現出した場合に他方も現出する等、1の標示手段に対して他の標示手段が、時期的、形状的、観念的に有機的に絡む(緊密な連関をもつ)関連性をいう。具体的には、例えば、同一の表示領域に表示される予告表示(リーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一のタイミングで異なる態様で表示される予告表示(強弱キャラ予告等)や、1の予告が現出した後に他の予告が現出する予告表示(ステップアップ予告やリーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一の演出が複数回実行される予告(「疑似連」の変動要素等)等が例示される。
遊技機G1において、
前記標示手段は、
前記判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2)と、
前記判定演出の実行後に現出する第2標示手段(例えば、定型句文字表示Se3)とを備え、
前記態様変更手段は、
前記判断手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出すると判断された場合に、前記第1標示手段及び前記第2標示報知手段を前記第2態様で表示する第2態様継続手段と、
前記判断手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出しないと判断された場合に、前記第1標示手段を前記第2態様で表示し、前記第1態様報知手段によって前記第2標示手段を前記第1態様で表示する第2態様変更手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機EG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、標示手段には、判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段と、判定演出の実行後に現出する第2標示手段とが備えられている。また、判断手段によって、動的表示において特別識別情報を現出すると判断された場合に、態様変更手段に設けられた第2態様継続手段により、第1標示手段および第2標示手段が第2態様で表示される。一方、判断手段によって、動的表示において特別識別情報を現出しないと判断された場合に、態様変更手段に設けられた第2態様変更手段により、第1標示手段が第2態様で表示され、第1態様報知手段によって第2標示手段が第1態様で表示される。これにより、動的表示において特別識別情報が現出する場合は、第1標示手段および第2標示手段ともに第2態様に変更され、動的表示において特別識別情報が現出しない場合には、第1標示手段が第2態様で表示される一方、第2標示手段が第1態様で表示されるように構成する。即ち、標示手段が第2態様に変更されていた場合に、特別識別情報の表示結果が現出する動的表示において、判定演出後の第2標示手段を第2態様で表示すると共に、一般識別情報の表示結果が現出する動的表示において、判定演出後の第2標示手段を第1態様で表示するように構成する。このように構成することで、一般識別情報が現出した後に、第2態様の第2標示手段を現出することがなく、演出が発展することを示唆しないため、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機G2において、
前記第1標示知手段は、
1の前記動的表示において、少なくとも複数現出し、
前記複数変更手段は、
少なくとも前記第1標示手段の表示態様を一括で設定する第1標示一括手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の動的表示において、第1標示手段が少なくとも複数現出されるように構成され、複数変更手段に設けられた第1標示一括手段により、少なくとも第1標示手段の表示態様が一括で設定されるように構成されている。これにより、1の動的表示において複数現出する第1標示手段を一括して設定することができるため、各第1標示手段ごとに設定処理を行う制御に比べ、制御負担を軽減させることができる、という効果がある。特に、動的表示において第2態様を実行可能な第1標示手段の現出箇所が多くなればなるほど(例えば、5箇所以上等)、上記一括設定が好適に作用し、制御負担を顕著に軽減させることが可能となる。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、
前記態様変更手段は、
該標示手段の表示色を、所定の通常表示色(例えば、「白色」)から、該通常表示色と異なる特殊表示色(例えば、「赤色」)に変更する色変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該色変更手段によって前記標示手段の表示色が前記通常表示色から前記特殊表示色に変更されるタイミング(例えば、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミング、又は、リーチ中文字表示Se2を表示するタイミング)を選択するタイミング選択手段(色変化タイミングカウンタ223g)と、を備え、
前記複数変更手段は、
前記タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される前記標示手段の表示色を前記特殊表示色に一括して変更する一括変更手段、を備え、
前記第1態様報知手段は、
前記一括変更手段によって前記標示手段の表示色が前記特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、前記判定演出の実行後に現出する前記標示手段の表示色を前記通常表示色で表示する通常色表示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた色変更手段により、標示手段の表示色が、所定の通常表示色から、該通常表示色と異なる特殊表示色へ変更される。また、同じく態様変更手段に設けられたタイミング選択手段により、色変更手段によって標示手段の表示色が通常表示色から特殊表示色へ変更されるタイミングが選択される。そして、複数変更手段に設けられた一括変更手段により、タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される標示手段の表示色が特殊表示色に変更される。ここで、一括変更手段によって標示手段の表示色が特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、判定演出の実行後に現出する標示手段の表示色が、第1態様報知手段に設けられた通常色表示手段により、通常表示色で表示される。これにより、互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の関し、表示色や表示タイミング等の複数の変更要素に基づいて該標示手段の表示態様を設定して、標示手段の表示態様のバリエーションを増やしつつ、判定演出後の標示手段において、一般識別情報が現出する場合は、一括設定の内容から変更(修正)して通常表示色(第1態様)で表示することができる。よって、演出を多様化して遊技の興趣を高めつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機G4において、
前記態様変更手段は、
前記標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択する変更要素選択手段(例えば、文字態様設定処理(S1417))と、
該変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて前記第2表示指示をそれぞれ出力する指示出力手段(例えば、コマンド出力処理(S1102))と、を備え、
該指示出力手段は、
前記第1態様報知手段によって、前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段の表示態様を前記第1態様で表示する場合に、少なくとも前記標示手段の表示色の変更要素を前記通常表示色で表示する前記第2表示指示を出力する修正指示出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた変更要素選択手段により、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素がそれぞれ別々に選択される。また、同じく態様変更手段に設けられた指示出力手段により、変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて第2表示指示がそれぞれ出力される。そして、第1態様報知手段によって、判定演出の実行後に現出させる標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、少なくとも標示手段の表示色の変更要素を通常表示色で表示する第2表示指示が、指示出力手段に設けられた修正指示出力手段により出力される。即ち、態様変更手段によって、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択(決定)し、その選択内容に基づいて標示手段の第2表示指示をそれぞれ出力するように構成し、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、標示手段の変更要素のうち、少なくとも表示色を通常表示色で表示する第2表示指示を出力するように構成されている。
仮に、複数の標示手段における複数の変更要素、即ち、表示色、変更タイミング及び表示パターンをすべて選択した後で、1の第2表示指示にて複数の標示手段における複数の変更要素に関する表示指示を生成した場合は、表示色、変更タイミング及び表示パターンのすべてのバリエーションに応じた第2表示指示を予め用意しなければならず、第2表示指示の数が膨大になるおそれがある。よって、各標示手段の各変更要素の表示指示をそれぞれ別々に選択することで、標示手段に関する第2表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる、という効果がある。
特に、遊技機G1の発明を採用した遊技機では、各標示手段の第2態様が選択されていた場合であっても、該動的表示の結果が一般識別情報となるときは、判定演出の実行後に現出する標示手段(第2標示手段)を第1態様(通常表示色)で表示(変更)するように構成されている。この場合に、各標示手段の表示色、変更タイミング及び表示パターンと、さらに、演出判定後の標示手段の表示(変更)内容とをすべて決定した後で、1の第2表示指示にて各標示手段に関する表示指示を出力する場合は、演出判定後の標示手段の表示(変更)する内容も含めてすべての標示手段の表示態様のバリエーションに応じた第2表示指示を予め用意しなければならず、第2表示指示の数が飛躍的に増大化するおそれがある。よって、各標示手段の表示色、変更タイミング、表示パターン又は演出判定後の表示(変更)内容のそれぞれで別々に第2表示指示を出力し、その第2表示指示に基づいて画像表示手段で各標示手段の表示制御を調整することで、各標示手段に関する第2表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる。
また、標示手段の変更要素のうち、表示色の変化は、他の変更要素(変更タイミング又は表示パターン)の変化よりも、その変化を認識し易い。具体的には、例えば、表示パターンであれば、その表示パターンの種類を予め覚えておかなければ、その表示パターンが示す意味を理解することができないが、表示色の変化は、その表示色が通常の表示色(白色)から変化しているか否かによって判断できるからである。よって、遊技者は、標示手段の表示色が特殊表示色に変更されていることを認識した場合、該標示手段の表示色が変更されていることによって、該動的表示において何かしらの発展演出が実行されるのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示で発展演出が実行されない場合に、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、動的表示において一般識別情報が現出する場合には、標示手段が第2態様に変更される場合であっても、判定演出後に表示される標示手段において、少なくとも表示色を通常表示色で表示するように構成する。即ち、一般識別情報が現出する動的表示において、判定演出後の標示手段を、少なくとも通常表示色で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機G5において、
前記指示出力手段は、
前記動的表示の開始時に、該動的表示における前記標示手段の表示態様に関するすべての第2表示指示を出力する開始時出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、指示出力手段に設けられた開始時出力手段により、動的表示の開始時に、該動的表示における標示手段の表示態様に関するすべての第2表示指示が出力される。これにより、動的表示の開始時に、該動的表示で現出すべき標示手段の内容を画像表示手段に指示することができ、動的表示における各標示手段の表示をスムースに行うことができる、という効果がある。
遊技機G1からG6において、
前記態様変更手段は、
前記判断手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出すると判断された場合に、前記判定演出実行手段による前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段を前記第2態様で表示する態様維持手段(例えば、文字色変化制限処理のS1702:Yes)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G1からG6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判断手段によって、動的表示において特別識別情報を現出すると判断された場合に、態様変更手段に設けられた態様維持手段により、判定演出実行手段による判定演出の実行後に現出される標示手段が第2態様で表示される。これにより、特別識別情報が現出する場合に、当初、一括設定された標示手段の表示を第2態様に維持して、特別識別情報が現出して所定の遊技価値が付与され得ることについて遊技者を祝福し、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<H群:文字表示の赤と保留表示の赤>
所定の始動条件の成立を契機として始動情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された前記始動情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において、所定の識別情報である特別識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記取得手段により取得される前記始動情報を記憶する記憶手段(例えば、実行情報格納エリア223i)と、
該記憶手段に記憶されている前記始動情報に基づいて、前記動的表示において前記特別識別情報を現出するか、又は、該特別識別情報と異なる一般識別情報(例えば、「ハズレ表示」)を現出するかを判断する判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
前記画像表示手段において、互いに所定の関連性を有して表示される複数の標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3および疑似定型句文字表示Se4)と、
前記判断手段による判断結果に基づいて、前記標示手段の表示態様を、所定の第1態様(例えば、「白色」)から、該第1態様と異なる第2態様(例えば、「赤色」)に変更する標示態様変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該標示態様変更手段によって前記標示手段を前記第2態様に変更する場合に、複数の前記標示手段の表示態様を前記第2態様に変更する複数変更手段(例えば、文字色変化テーブル222h)と、
前記標示手段を表示した後、所定期間後に該標示手段を消去する標示消去手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記始動情報に基づく図柄(例えば、実行図柄)を表示する記憶図柄表示手段(例えば、実行図柄表示領域Db0)と、
前記判断手段の判断結果に基づいて、前記記憶図柄表示手段により表示される前記図柄の表示態様を、所定の第1図柄態様(例えば、「白色」)から、該第1図柄態様と異なる第2図柄態様(例えば、「赤色」)に変化させる図柄態様変化手段(例えば、「保留変化予告」)と、を備え、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記特別識別情報を現出するか、前記一般識別情報を現出するかの判定演出(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」)を実行する判定演出実行手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)と、
前記動的表示の開始時に、前記図柄を表示状態にする表示状態手段と、
前記判定演出実行手段による前記判定演出が実行される場合に、前記表示状態手段によって表示状態とされている前記図柄を、非表示状態に切り替える非表示状態手段と、
前記判定演出実行手段による前記判定演出が終了する場合に、前記非表示状態手段によって非表示状態とされている前記図柄を、再び表示状態に切り替える再表示状態手段と、を備え、
前記標示態様変更手段は、
前記複数変更手段により前記標示手段の表示態様が前記第2態様に変更されている場合に、前記判断手段によって、前記動的表示において前記一般識別情報を現出すると判断されたとき、前記判定演出実行手段による前記判定演出の実行後に現出する前記標示手段を、前記第1態様で表示する第1態様報知手段(例えば、表示用定型句通常コマンド)、を備え、
前記図柄態様変化手段は、
該図柄態様変化手段により前記図柄の表示態様が前記第2図柄態様で表示されている状況において、前記判断手段によって、前記動的表示において前記一般識別情報を現出すると判断された場合に、前記非表示状態手段によって前記第2図柄態様の前記図柄が非表示状態とされた後、前記再表示状態手段によって前記図柄を再び表示状態とするとき、該図柄を前記第2図柄態様で表示する第2図柄態様継続手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機H0。
遊技機H0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により始動情報が取得され、その取得手段により取得された始動情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報である特別識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。また、取得手段により取得される始動情報が記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶される始動情報に基づいて、動的表示において特別識別情報を現出するか、特別識別情報と異なる一般識別情報を現出するかが判断手段により判断される。また、画像表示手段において、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段が表示される。そして、判断手段による判断結果に基づいて、標示態様変更手段により、標示手段の表示態様が、所定の第1態様から、該第1態様とは異なる第2態様に変更される。また、標示態様変更手段によって標示手段を第2態様に変更する場合に、複数変更手段により、複数の標示手段の表示態様が第2態様に変更される。また、標示消去手段により、標示手段を表示した後、所定期間後にその標示手段が消去される。ここで、記憶図柄表示手段により、記憶手段に記憶されている始動情報に基づく図柄が表示され、図柄態様変化手段により、判断手段の判断結果に基づいて、記憶図柄表示手段により表示される図柄の表示態様が、所定の第1図柄態様から、該第1図柄態様と異なる第2図柄態様に変化される。また、動的表示実行手段に設けられた判定演出実行手段により、動的表示において、特別識別情報を現出するか、一般識別情報を現出するかの判定演出が実行される。そして、表示状態手段により、動的表示の開始時に、図柄が表示状態とされ、判定演出実行手段による判定演出が実行される場合に、表示状態手段によって表示状態とされている図柄が、非表示状態手段により、非表示状態に切り替えられる。また、判定演出実行手段による判定演出が終了する場合に、非表示状態手段によって非表示状態とされている図柄が、再表示状態手段により、再び表示状態に切り替えられる。ここで、複数変更手段によって標示手段の表示態様が第2態様に変更されている場合に、判断手段によって、動的表示において一般識別情報を現出すると判断されたとき、標示態様変更手段に設けられた第1態様報知手段により、判定演出実行手段による判定演出の実行後に現出される標示手段が、第1態様で表示される。また、図柄態様変化手段により図柄の表示態様が第2図柄態様で表示されている状況において、判断手段によって、動的表示において一般識別情報を現出すると判断された場合に、非表示状態手段によって第2図柄態様の図柄が非表示状態とされた後、再表示状態手段によって図柄を再び表示状態とするとき、第2態様継続手段により、図柄が第2図柄態様で表示される。
従来、記憶手段に記憶されている始動情報に基づく図柄を表示しつつ、その図柄の表示態様を、特別識別情報が現出するか否かに応じて、所定の第1図柄態様から第2図柄態様に変化可能に構成し、該変化によって特別識別情報が現出するか否かを遊技者に示唆するように構成されている。
ここで、上記図柄は、動的表示の実行中において継続的に表示することで、該図柄の表示態様によって、実行中の動的表示における特別識別情報の現出期待度を明確に示すものである。
即ち、上記図柄を動的表示の実行中の継続的に表示することで、遊技者がその内容を確認したい場合に即座に確認することができ、動的表示における特別識別情報の現出期待度を示すものとして好適である。よって、遊技者は、例えば、図柄の変化が行われた場合に、該変化を基準に、実行中の動的表示の大まかな特別識別情報の現出期待度を予測しつつ、動的表示で追加的に現出する各標示手段等の他の演出による特別識別情報の現出期待度を、上記図柄による特別識別情報の現出期待度に追加的に換算して、動的表示全体における特別識別情報の現出期待度を予測して、遊技を行っている。
しかしながら、上記図柄は、仮に、何らかの演出が重複(実行)されることで消去(視認不能と)された場合であっても、該演出が終了次第、直ちに再表示し、再表示された図柄の表示態様は消去前(視認不能前)と同様にすべきである。仮に、再表示された図柄を消去前(視認不能前)から変更してしまった場合、遊技者は、随時確認する図柄が消去前から変更されたことで、該図柄の変化に基づいて追加的に何らかの演出が実行されるのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、追加的な演出が実行されれず動的表示が終了してしまうと、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
従って、上記図柄は、追加的に演出等が実行されない場合であっても、消去した後に再表示する場合は、消去前と同様の表示態様で表示する必要がある。具体的には、図柄が消去前に第1図柄態様で表示されていた場合には、再表示後も第1図柄態様のまま表示する。また、図柄が消去前に第2図柄態様で表示されていた場合には、再表示後も第2図柄態様のまま表示する。
一方、動的表示で現出される標示手段は、動的表示における所定のタイミングで表示される予告表示であり、その所定のタイミングで表示した後の所定期間後に消去されるものである。即ち、標示手段は、遊技者がその内容を確認(反芻)したくても、上記タイミングから所定期間後には確認することができず、該所定期間後は遊技者の記憶のみで判断するものである。
しかしながら、標示手段は、動的表示で追加的に現出した場合に、その直後のタイミングに行われる演出に関し、何らかの作用を及ぼす可能性があることを示唆する上では好適であって、発展示唆機能を有するものである。特に、標示手段を、所定の第1態様と異なる第2態様で表示した場合には、より発展示唆機能が強調される。よって、遊技者は、例えば、標示手段が現出した場合に、継続的に表示されている図柄に対してその標示手段の表示内容を換算して動的表示における特別識別情報の現出期待度を判断すると共に、該標示手段による発展示唆機能によって、何らかの演出が追加的に行われるのでは、と予測する。しかし、標示手段を第2態様で表示した後、追加的な演出が実行されず動的表示が終了してしまうと、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、継続的に表示される上記図柄に関し、判定演出の実行後に再表示する場合に、追加的に演出が実行されない場合であっても、図柄を再表示する場合は、消去前と同様の表示態様で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。また、断片的に表示される標示手段は、追加的に演出が実行されない場合や、遊技者に遊技価値が付与がされない場合に、第2態様で表示しないように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
なお、「互いに所定の関連性を有して表示される複数の標示手段」とは、例えば、標示手段同士が、同一の属性を有する場合や、同一の種類に該当する場合、同一のタイミングに現出する場合、或いは、時間差で現出する場合であっても一方が現出した場合に他方も現出する等、1の標示手段に対して他の標示手段が、時期的、形状的、観念的に有機的に絡む(緊密な連関をもつ)関連性をいう。具体的には、例えば、同一の表示領域に表示される予告表示(リーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一のタイミングで異なる態様で表示される予告表示(強弱キャラ予告等)や、1の予告が現出した後に他の予告が現出する予告表示(ステップアップ予告やリーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一の演出が複数回実行される予告(「疑似連」の変動要素等)等が例示される。
遊技機H0において、
遊技の主な制御を行う主制御手段(例えば、主制御装置110又は(及び)音声ランプ制御装置113)と、該主制御手段からの表示指示に基づいて前記画像表示手段を制御する副制御手段(例えば、表示制御装置114)と、を備えた遊技機であって、
前記副制御手段は、
前記画像表示手段に表示させる1画面分の画像を描画する画像描画手段(例えば、画像コントローラ237)と、
前記主制御手段からの第1表示指示(例えば、表示用変動パターンコマンド)に基づいて表示する第1表示種別(例えば、変動演出)を決定する第1表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2108)と、
前記第1表示種別毎に設けられ、該第1表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第1規定情報(例えば、変動用表示データテーブル232a1)を記憶する第1規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第1表示決定手段により決定された前記第1表示種別に対応する前記第1規定情報を、前記第1規定情報記憶手段より選定する第1選定手段(例えば、表示データテーブルバッファ233b)と、
前記主制御手段からの第2表示指示(例えば、表示用赤文字コマンド)に基づいて、前記画像表示手段に表示する前記標示手段を決定する第2表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2112)と、
複数の前記標示手段に対して設けられ、複数の前記標示手段において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第2規定情報(例えば、文字用追加データテーブル232a2)を記憶する第2規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第2表示決定手段により決定された前記標示手段に対応する前記第2規定情報を、前記第2規定情報記憶手段より選定する第2選定手段(例えば、文字系コマンド処理(S2113))と、
前記主制御手段からの第3表示指示(例えば、表示用点灯時保留変化コマンド)に基づいて、前記画像表示手段に表示する前記図柄を決定する第3表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2110)と、
複数の前記図柄に対して設けられ、複数の前記図柄において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第3規定情報(例えば、保留用追加データテーブル232a2)を記憶する第3規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第3表示決定手段により決定された前記図柄に対する前記第3規定情報を、前記第3規定情報記憶手段より選定する第3選定手段(例えば、先読み系コマンド処理(S2111))と、を備え、
前記副制御手段は、
時間経過毎に更新される更新手段(例えば、ポインタ233e)と、
該更新手段が更新される毎に、前記第1選定手段により選定された前記第1規定情報と、前記第2選定手段により選定された前記第2規定情報と、前記第3選定手段により選定された前記第3規定情報とに基づいて、更新された前記更新手段に対応する1画面分の描画情報を特定する描画情報特定手段(例えば、表示設定処理(S2023)のS2308)と、
該描画情報特定手段により特定された前記1画面分の描画情報に基づいて、前記画像描画手段に対して1画面分の画像の描画を指示する描画指示情報を生成する描画指示情報生成手段(例えば、描画処理(S2026)のS2501)と、を備え、
前記画像描画手段は、前記描画指示情報生成手段により生成された前記描画指示情報に基づいて、1画面分の画像を描画する
ことを特徴とする遊技機H1。
遊技機H1によれば、遊技機H0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段により、遊技の主な制御が行われ、その主制御手段からの表示指示に基づいて、副制御手段により画像表示手段が制御される。また、副制御手段に設けられた画像描画手段により、画像表示手段に表示させる1画面分の画像が描画される。そして、第1表示決定手段により、主制御手段からの第1表示指示に基づいて表示する第1表示種別が決定される。また、第1規定情報記憶手段により、第1表示種別毎に設けられ、その第1表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第1規定情報が記憶される。ここで、第1選定手段により、第1表示決定手段により決定された第1表示種別に対応する第1規定情報が第1規定情報記憶手段から選定される。また、第2表示決定手段により、主制御手段からの第2表示指示に基づいて、画像表示手段に表示される標示手段が決定される。そして、複数の標示手段に対して設けられ、その複数の標示手段において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第2規定情報が第2規定情報記憶手段により記憶される。ここで、第2選定手段により、第2表示決定手段により決定された標示手段に対する第2規定情報が第2規定情報記憶手段より選定される。また、第3表示決定手段により、主制御手段からの第3表示指示に基づいて、画像表示手段に表示される図柄が決定される。そして、複数の図柄に対して設けられ、その複数の図柄において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第3規定情報が第3規定情報記憶手段により記憶される。ここで、第3選定手段により、第3表示決定手段により決定された図柄に対する第3規定情報が第3規定情報記憶手段より選定される。そして、副制御手段に設けられた更新手段が時間経過毎に更新され、その更新手段が更新される毎に、第1選定手段により選定された第1規定情報と、第2選定手段により選定された第2規定情報と、第3選定手段により選定された第3規定情報とに基づいて、更新された更新手段に対する1画面分のそれぞれの描画情報が、描画情報特定手段により特定される。また、描画情報特定手段により特定された1画面分の各描画情報に基づいて、描画指示情報生成手段により、画像描画手段に対して1画面分の画像の描画が指示される描画指示情報が生成される。そして、描画指示情報生成手段によって生成された描画指示情報に基づいて、画像描画手段により、1画面分の画像が描画される。
これにより、主制御手段からの第1表示指示、第2表示指示又は第3表示指示に対する各画像を表示させる場合に、それぞれの演出単位に対する第1規定情報、第2規定情報又は第3規定情報を、第1規定情報記憶手段、第2規定情報記憶手段又は第3規定情報記憶手段からそれぞれ選定するだけで、容易に画像表示手段の表示態様を変更(追加)して表示させることができる。また、複数の標示手段に対して第2規定情報を選定するように構成すると共に、複数の示唆手段に対して第3規定情報を選定するように構成することで、複数の画像で構成される演出に関してまとめて表示制御を行うことができるので、関連する演出単位で表示制御の管理が可能となる。よって、画像表示手段に表示される表示態様の多種多様化を容易に図ることができる、という効果がある。また、選定される第2規定情報および第3規定情報の数が演出(予告)の種類数のみとなり、演出(予告)の変更要素ごとに第2規定情報および第3規定情報を選定する場合より第2規定情報および第3規定情報の数を少なくすることができ、演出(予告)の変更要素数の増加に伴って第2規定情報および第3規定情報の容量を増大せずに済み、遊技機のコストを抑制することができる、という効果がある。また、描画処理における描画指示情報の生成時において、参照する第1規定情報、第2規定情報および第3規定情報の数が、演出(予告)数のみでよいため、描画指示情報の生成時における処理負担を軽減することができる、という効果がある。さらに、第2規定情報および第3規定情報を選定する上で、標示手段に関する第2規定情報と、図柄に関する第3規定情報とを明確に分けて構成することで、第2図柄態様のまま再表示していい図柄と、第2態様で再表示してはいけない標示手段との関し、明確に分けて表示制御を行うことができる。特に、遊技機の設計開発時において、各演出の表示態様を設定する場合に、再表示時に第2態様で表示してはいけない標示手段か、再表示時に第2図柄態様で表示していい図柄に関する第3規定情報かを把握しながら各規定情報の構成を設計し易くなり、演出内容の齟齬等のバグが発生することを抑制することができる、という効果がある。
遊技機H1において、
前記第1選定手段は、
前記第1表示指示に基づいて、前記第1規定情報記憶手段の中から、前記動的表示全体の描画情報を規定した動的規定情報(例えば、変動用表示データテーブル232a1)を選定する動的規定情報選定手段(例えば、表示データテーブルバッファ233b)、を備え、
前記第2選定手段は、
前記第2表示指示に基づいて、前記複数変更手段によって前記標示手段の表示態様が前記第2態様に変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報(例えば、文字色用追加データテーブル232a2)を前記第2規定情報記憶手段の中から選定する一括規定情報選定手段(例えば、追加データテーブルバッファ233c)と、
前記第2表示指示に基づいて、前記第1態様報知手段によって前記判定演出後に表示される前記標示手段の表示態様が前記第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報(例えば、文字修正用追加データテーブル232a2)を前記第2規定情報記憶手段の中から選定する第1態様規定情報選定手段(例えば、追加データテーブルバッファ233c)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1選定手段に設けられた動的規定情報選定手段により、第1表示指示に基づいて、第1規定情報記憶手段の中から、動的表示全体の描画情報を規定した動的規定情報が選定される。また、第2選定手段に設けられた一括規定情報記憶手段により、第2表示指示に基づいて、複数変更手段によって標示手段の表示態様が第2態様に変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報が、第2規定情報記憶手段の中から選定される。また、同じく第2選定手段に設けられた第1態様規定情報選定手段により、第2表示指示に基づいて、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報が、第2規定情報記憶手段の中から選定される。即ち、動的表示において所定の遊技価値を付与しない一般識別情報が現出する場合に、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段の表示態様が第2態様に変更されていた場合でも、動的表示の判定演出の実行後に表示される標示手段の表示態様を第2態様ではない第1態様で表示する。また、複数の標示手段を一括設定して変更(追加)し、さらに、判定演出後の標示手段を第1態様に変更して表示させる場合に、標示手段が一括設定される場合の描画情報を規定した一括規定情報を選定すると共に、判定演出後の標示手段が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報を選定する。
従来のように、動的表示の複数の箇所(タイミング又は表示領域。以下同様。)で互いの所定の関連性を有する標示手段を現出する場合に、それぞれの現出箇所毎に、標示手段を第1態様で表示するか第1態様とは異なる第2態様で表示するかを設定(抽選)する構成であると、その現出箇所分の設定処理(抽選処理)が必要になって制御が複雑化し、処理負担が増大してしまうおそれがある。また、動的表示において先に現出される標示手段を第2態様で現出した後、後に現出される標示手段を第1態様で現出させてしまうと、所定の関連性を有する標示手段であるがゆえ、特別識別情報が現出することへの期待度が成り下がった表現(以下、「成り下がり表現」という)になってしまう。よって、折角、先の標示手段において第2態様が現出したことによって気分が高揚していた遊技者が、後の標示手段における上記成り下がり表現を目の当たりにすることで興醒めしてしまうおそれがある。
そこで、動的表示において互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の設定(抽選)を一括で行い、1の標示手段で表示された第2態様を他の標示手段においても踏襲して現出させるように構成することで、それぞれの現出箇所毎に設定処理を行う必要がなくなり、処理負担を軽減させることができる。また、互いに所定の関連性を有する標示手段が一度でも第2態様で現出された場合は、以降に現出する標示手段においても第2態様を踏襲して現出させるように構成することで、標示手段における成り下がり表現が発生してしまう現象を未然に排除して、遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。
しかしながら、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段を第2態様に一括設定する場合、例えば、所定の遊技価値が付与されない一般識別情報の表示結果が現出する動的表示において、該動的表示の判定演出が行われて一般識別情報が現出している状態で、標示手段が第2態様で表示されてしまうことがある。標示手段の第2態様は、判断手段の判断結果に基づいて所定の第1態様から変更される態様であるため、その変更に基づいて現状の演出状況が変更され得ることを示唆する発展示唆機能を有する。一方、判定演出後に表示される標示手段は、判定演出の結果である現状の演出状況の内容を報知する状況報知機能を有する。従って、判定演出の実行後の標示手段を第2態様で表示してしまうと、遊技者は、標示手段が第2態様で表示されたことによって、標示手段の状況報知機能より発展示唆機能が勝り、該動的表示がこのまま一般識別情報で確定せず、何かしらの発展演出が実行されて一般識別情報から特別識別情報へ変化するのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示が所定の遊技価値が付与されない一般識別情報のまま確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、遊技機H2によれば、動的表示において一般識別情報が現出する場合には、標示手段が第2態様に一括設定されていたとしても、判定演出後に表示される標示手段において第2態様を現出しないように構成する。即ち、一般識別情報の動的表示において、判定演出後の標示手段を第1態様で表示するように構成する。また、第2表示指示に基づいて、複数変更手段によって標示手段の表示態様が第2態様に変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報が第2規定情報記憶手段の中から選定され、同じく第2選定手段に設けられた第1態様規定情報選定手段により、第2表示指示に基づいて、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報が第2規定情報記憶手段の中から選定される。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。また、複数の標示手段を変更(追加)し、さらに、判定演出後の標示手段を第1態様に変更して表示させる場合に、標示手段が変更される場合の描画情報を規定した一括規定情報を選定すると共に、判定演出後の標示手段が第1態様で表示される場合の描画情報を規定した第1態様規定情報を選定するだけで、複数の標示手段の多様な表示態様を容易に変更(追加)して表示させることができる。よって、画像表示手段に表示される表示態様の多種多様化を容易に図ることができる、という効果がある。
遊技機H2において、
前記標示手段は、
前記判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2)と、
前記判定演出の実行後に現出する第2標示手段(例えば、定型句文字表示Se3)とを備え、
前記態様変更手段は、
前記判断手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出すると判断された場合に、前記第1標示手段及び前記第2標示報知手段を前記第2態様で表示する第2態様継続手段と、
前記判断手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出しないと判断された場合に、前記第1標示手段を前記第2態様で表示し、前記第1態様報知手段によって前記第2標示手段を前記第1態様で表示する第2態様変更手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、標示手段には、判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段と、判定演出の実行後に現出する第2標示手段とが備えられている。また、判断手段によって、動的表示において特別識別情報を現出すると判断された場合に、態様変更手段に設けられた第2態様継続手段により、第1標示手段および第2標示手段が第2態様で表示される。一方、判断手段によって、動的表示において特別識別情報を現出しないと判断された場合に、態様変更手段に設けられた第2態様変更手段により、第1標示手段が第2態様で表示され、第1態様報知手段によって第2標示手段が第1態様で表示される。これにより、動的表示において特別識別情報が現出する場合は、第1標示手段および第2標示手段ともに第2態様に変更され、動的表示において特別識別情報が現出しない場合には、第1標示手段が第2態様で表示される一方、第2標示手段が第1態様で表示されるように構成する。即ち、標示手段が第2態様に変更されていた場合に、特別識別情報の表示結果が現出する動的表示において、判定演出後の第2標示手段を第2態様で表示すると共に、一般識別情報の表示結果が現出する動的表示において、判定演出後の第2標示手段を第1態様で表示するように構成する。このように構成することで、一般識別情報が現出した後に、第2態様の第2標示手段を現出することがなく、演出が発展することを示唆しないため、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機H3において、
前記第1標示知手段は、
1の前記動的表示において、少なくとも複数現出し、
前記複数変更手段は、
少なくとも前記第1標示手段の表示態様を一括で設定する第1標示一括手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の動的表示において、第1標示手段が少なくとも複数現出されるように構成され、複数変更手段に設けられた第1標示一括手段により、少なくとも第1標示手段の表示態様が一括で設定されるように構成されている。これにより、1の動的表示において複数現出する第1標示手段を一括して設定することができるため、各第1標示手段ごとに設定処理を行う制御に比べ、制御負担を軽減させることができる、という効果がある。特に、動的表示において第2態様を実行可能な第1標示手段の現出箇所が多くなればなるほど(例えば、5箇所以上等)、上記一括設定が好適に作用し、制御負担を顕著に軽減させることが可能となる。
遊技機H2からH4のいずれかにおいて、
前記態様変更手段は、
該標示手段の表示色を、所定の通常表示色(例えば、「白色」)から、該通常表示色と異なる特殊表示色(例えば、「赤色」)に変更する色変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該色変更手段によって前記標示手段の表示色が前記通常表示色から前記特殊表示色に変更されるタイミング(例えば、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミング、又は、リーチ中文字表示Se2を表示するタイミング)を選択するタイミング選択手段(色変化タイミングカウンタ223g)と、を備え、
前記複数変更手段は、
前記タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される前記標示手段の表示色を前記特殊表示色に一括して変更する一括変更手段、を備え、
前記第1態様報知手段は、
前記一括変更手段によって前記標示手段の表示色が前記特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、前記判定演出の実行後に現出する前記標示手段の表示色を前記通常表示色で表示する通常色表示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H2からH4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた色変更手段により、標示手段の表示色が、所定の通常表示色から、該通常表示色と異なる特殊表示色へ変更される。また、同じく態様変更手段に設けられたタイミング選択手段により、色変更手段によって標示手段の表示色が通常表示色から特殊表示色へ変更されるタイミングが選択される。そして、複数変更手段に設けられた一括変更手段により、タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される標示手段の表示色が特殊表示色に変更される。ここで、一括変更手段によって標示手段の表示色が特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、判定演出の実行後に現出する標示手段の表示色が、第1態様報知手段に設けられた通常色表示手段により、通常表示色で表示される。これにより、互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の関し、表示色や表示タイミング等の複数の変更要素に基づいて該標示手段の表示態様を設定して、標示手段の表示態様のバリエーションを増やしつつ、判定演出後の標示手段において、一般識別情報が現出する場合は、一括設定の内容から変更(修正)して通常表示色(第1態様)で表示することができる。よって、演出を多様化して遊技の興趣を高めつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機H5において、
前記態様変更手段は、
前記標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択する変更要素選択手段(例えば、文字態様設定処理(S1417))と、
該変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて前記第2表示指示をそれぞれ出力する指示出力手段(例えば、コマンド出力処理(S1102))と、を備え、
該指示出力手段は、
前記第1態様報知手段によって、前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段の表示態様を前記第1態様で表示する場合に、少なくとも前記標示手段の表示色の変更要素を前記通常表示色で表示する前記第2表示指示を出力する修正指示出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた変更要素選択手段により、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素がそれぞれ別々に選択される。また、同じく態様変更手段に設けられた指示出力手段により、変更要素選択手段によって選択された各変更要素に基づいて第2表示指示がそれぞれ出力される。そして、第1態様報知手段によって、判定演出の実行後に現出させる標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、少なくとも標示手段の表示色の変更要素を通常表示色で表示する第2表示指示が、指示出力手段に設けられた修正指示出力手段により出力される。即ち、態様変更手段によって、標示手段の表示態様に関し、表示色、変更タイミング又は表示パターンの変更要素をそれぞれ別々に選択(決定)し、その選択内容に基づいて標示手段の第2表示指示をそれぞれ出力するように構成し、第1態様報知手段によって標示手段の表示態様を第1態様で表示する場合に、標示手段の変更要素のうち、少なくとも表示色を通常表示色で表示する第2表示指示を出力するように構成されている。
仮に、複数の標示手段における複数の変更要素、即ち、表示色、変更タイミング及び表示パターンをすべて選択した後で、1の第2表示指示にて複数の標示手段における複数の変更要素に関する表示指示を生成した場合は、表示色、変更タイミング及び表示パターンのすべてのバリエーションに応じた第2表示指示を予め用意しなければならず、第2表示指示の数が膨大になるおそれがある。よって、各標示手段の各変更要素の表示指示をそれぞれ別々に選択することで、標示手段に関する第2表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる、という効果がある。
特に、遊技機H2の発明を採用した遊技機では、各標示手段の第2態様が選択されていた場合であっても、該動的表示の結果が一般識別情報となるときは、判定演出の実行後に現出する標示手段(第2標示手段)を第1態様(通常表示色)で表示(変更)するように構成されている。この場合に、各標示手段の表示色、変更タイミング及び表示パターンと、さらに、演出判定後の標示手段の表示(変更)内容とをすべて決定した後で、1の第2表示指示にて各標示手段に関する表示指示を出力する場合は、演出判定後の標示手段の表示(変更)する内容も含めてすべての標示手段の表示態様のバリエーションに応じた第2表示指示を予め用意しなければならず、第2表示指示の数が飛躍的に増大化するおそれがある。よって、各標示手段の表示色、変更タイミング、表示パターン又は演出判定後の表示(変更)内容のそれぞれで別々に第2表示指示を出力し、その第2表示指示に基づいて画像表示手段で各標示手段の表示制御を調整することで、各標示手段に関する第2表示指示の数を削減し、遊技機の記憶容量の増大を抑制することができる。
また、標示手段の変更要素のうち、表示色の変化は、他の変更要素(変更タイミング又は表示パターン)の変化よりも、その変化を認識し易い。具体的には、例えば、表示パターンであれば、その表示パターンの種類を予め覚えておかなければ、その表示パターンが示す意味を理解することができないが、表示色の変化は、その表示色が通常の表示色(白色)から変化しているか否かによって判断できるからである。よって、遊技者は、標示手段の表示色が特殊表示色に変更されていることを認識した場合、該標示手段の表示色が変更されていることによって、該動的表示において何かしらの発展演出が実行されるのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、動的表示で発展演出が実行されない場合に、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、動的表示において一般識別情報が現出する場合には、標示手段が第2態様に変更される場合であっても、判定演出後に表示される標示手段において、少なくとも表示色を通常表示色で表示するように構成する。即ち、一般識別情報が現出する動的表示において、判定演出後の標示手段を、少なくとも通常表示色で表示するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機H6において、
前記指示出力手段は、
前記動的表示の開始時に、該動的表示における前記標示手段の表示態様に関するすべての第2表示指示を出力する開始時出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、指示出力手段に設けられた開始時出力手段により、動的表示の開始時に、該動的表示における標示手段の表示態様に関するすべての第2表示指示が出力される。これにより、動的表示の開始時に、該動的表示で現出すべき標示手段の内容を画像表示手段に指示することができ、動的表示における各標示手段の表示をスムースに行うことができる、という効果がある。
遊技機H2からH7において、
前記態様変更手段は、
前記判断手段によって、前記動的表示において前記特別識別情報を現出すると判断された場合に、前記判定演出実行手段による前記判定演出の実行後に現出される前記標示手段を前記第2態様で表示する態様維持手段(例えば、文字色変化制限処理のS1702:Yes)、を備えている
ことを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H2からH7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判断手段によって、動的表示において特別識別情報を現出すると判断された場合に、態様変更手段に設けられた態様維持手段により、判定演出実行手段による判定演出の実行後に現出される標示手段が第2態様で表示される。これにより、特別識別情報が現出する場合に、当初、一括設定された標示手段の表示を第2態様に維持して、特別識別情報が現出して所定の遊技価値が付与され得ることについて遊技者を祝福し、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<I群:所定期間において複数回の期待度演出、有利状況が発生する場合は複数回の期待度演出実行、有利状況が発生しない場合は複数回未満の期待度演出を実行>
所定の始動条件の成立を契機として始動情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された前記始動情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において、所定の識別情報である特別識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記取得手段により取得される前記識別情報を記憶する記憶手段(例えば、実行情報格納エリア223i)と、
該記憶手段に記憶されている前記始動情報に基づいて、遊技者にとって有利な有利状況となるか否かを判断する判断手段(例えば、変動演出処理(S1109))と、
該判断手段による判断結果に基づいて、所定期間(例えば、1の変動演出内)において、前記有利状況となる可能性があることを示唆する示唆演出(例えば、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3および疑似定型句文字表示Se4)を所定の規定回数実行する示唆演出実行手段(例えば、「スーパーリーチ」演出態様)と、
該示唆演出実行手段により実行される前記示唆演出の1態様であって、所定の通常示唆態様(例えば、「白色」の文字表示)と、
前記示唆演出実行手段により実行される前記示唆演出の態様であって、前記通常示唆態様より前記有利状況となる期待度が高いことを示唆する期待度上昇態様(例えば、「赤色」の文字表示)と、
該期待度上昇態様を現出する場合に、前記示唆演出の少なくとも複数回の実行時に亘って前記期待度上昇態様を継続して実行する上昇態様継続実行手段(例えば、文字色変化テーブル222h)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記判断手段によって前記有利状況となると判断された場合に、前記上昇態様継続実行手段による前記期待度上昇態様を、前記規定回数実行する規定回数実行手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2及び定型句文字表示Se3がすべて「赤色」)と、
前記判断手段によって前記有利状況とならないと判断された場合に、前記上昇態様継続実行手段による前記期待度上昇態様を、前記規定回数未満の所定回数実行する規定未満実行手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1及びリーチ中文字表示Se2が「赤色」)と、
該規定未満実行手段によって、前記上昇態様継続実行手段による前記期待度上昇態様が前記規定回数未満の前記所定回数実行される場合に、前記所定回数より後の特定タイミング以降に実行される前記示唆演出において、前記期待度上昇態様の実行を規制する期待度実行規制手段(例えば、定型句文字表示Se3が「白色」)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機I0。
遊技機I0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により始動情報が取得され、その取得手段により取得された始動情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報である特別識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。また、取得手段により取得される始動情報が記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶される始動情報に基づいて、遊技者にとって有利な有利状況となるか否かが、判断手段により判断される。ここで、判断手段による判断結果に基づいて、示唆演出実行手段により、所定期間において、有利状況となる可能性があることを示唆する示唆演出が、所定の規定回数実行される。また、所定の通常示唆態様が、示唆演出の1態様として示唆演出実行手段により実行される。さらに、通常示唆態様より有利状況となる期待度が高いことを示唆する期待度上昇態様が、示唆演出の1態様として示唆演出実行手段により実行される。その期待度上昇態様を実行する場合に、上昇態様継続実行手段により、示唆演出の少なくとも複数回の実行時に亘って期待度上昇態様が継続して実行される。ここで、判断手段によって有利状況となると判断された場合に、示唆演出実行手段に設けられた規定回数実行手段により、上昇態様継続実行手段による期待度上昇態様が規定回数実行される。また、判断手段によって有利状況とならないと判断された場合に、示唆演出実行手段に設けられた規定未満実行手段により、上昇態様継続実行手段による期待度上昇態様が規定回数未満の所定回数実行される。その規定未満実行手段によって、上昇態様継続実行手段による期待度上昇態様が規定回数未満の所定回数実行される場合に、期待度実行規制手段により、所定回数より後の特定タイミング以降に実行される示唆演出において期待度上昇態様の実行が規制される。
従来、遊技者にとって有利な状況となるか否かを判断する判断手段による判断結果に基づいて、所定期間において複数回の示唆演出を実行して、有利状況となるか否かを示唆する場合に、それぞれの示唆演出毎に、示唆演出を通常示唆態様で実行するか、通常示唆態様より有利状況となる期待度が高いことを示唆する期待度上昇態様を実行するかを設定(抽選)する構成であると、その示唆演出の実行回数分の設定処理(抽選処理)が必要になって制御が複雑化し、処理負担が増大してしまうおそれがある。また、所定期間において複数回実行される示唆演出において、先に現出される示唆演出を期待度上昇態様で実行した後、それ以降に実行される示唆演出を通常示唆態様で実行してしまうと、有利状況となることへの期待度が成り下がった表現(以下、「成り下がり表現」という)になってしまう。よって、折角、先の示唆演出において期待度上昇態様が実行されたことによって気分が高揚していた遊技者が、後の示唆演出における上記成り下がり表現を目の当たりにすることで興醒めしてしまうおそれがある。
そこで、所定期間において複数回実行される示唆演出において、期待度上昇態様が実行される場合に、複数回の示唆演出において期待度上昇態様を継続させるように構成することで、それぞれの示唆演出毎に設定処理を行う必要がなくなり、処理負担を軽減させることができる。また、先の示唆演出が期待度上昇態様で実行された場合は、以降に実行される示唆演出においても期待度上昇態様を継続して実行させるように構成することで、示唆演出における成り下がり表現が発生してしまう現象を未然に排除して、遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。
しかしながら、複数回の示唆演出を期待度上昇態様で実行する場合、例えば、遊技者にとって有利な状況が発生しない状態であっても、示唆演出が期待度上昇態様で実行されてしまうことがある。示唆演出の期待上昇態様は、判断手段の判断結果に基づいて通常演出態様から変更されて実行されるため、現状の演出状況が変更され得ることを示唆する発展示唆機能を有する。一方、所定期間の後半部分に実行される示唆演出は、現状の演出状況の内容を報知する状況報知機能を有する。従って、所定期間の後半部分に実行される示唆演出を期待度上昇態様で実行してしまうと、遊技者は、示唆演出が期待度上昇態様で実行されたことによって、示唆演出の状況報知機能より発展示唆機能が勝り、遊技者にとって有利な状況が発生しない状態では確定せず、何かしらの発展演出が実行されて、遊技者にとって有利な状況へ変化するのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、遊技者にとって有利な状況が発生しないまま所定期間が終了して有利状況が発生しない状態で確定してしまうため、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、遊技機I0によれば、遊技者にとって有利な状況が発生しない場合には、示唆演出が期待度上昇態様に変更される場合であっても、所定回数より後の特定タイミング以降に実行される示唆演出において期待度上昇態様の実行を規制するように構成する。従って、例えば、遊技者にとって有利な状況が発生しない状態において、所定回数より後の特定タイミング以降で実行される示唆演出を通常示唆態様で実行するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
なお、「遊技者にとって有利な有利状況」とは、例えば、実行中の動的表示において特別識別情報が現出して所定の遊技価値が付与され得る場合、待機中の動的表示において特別識別情報が現出して所定の遊技価値が付与され得る場合、実行中若しくは待機中の動的表示において特別識別情報の現出が期待し得る特別演出(例えば、「スーパーリーチ」演出態様)が実行され得る場合、通常より特別識別情報が現出し易い第1特殊状態(例えば、「確率変動状態」)が発生し得る場合、或いは、通常より短い動的時間の動的表示が選択され易い第2特殊状態(例えば、「時間短縮状態」)が発生し得る場合等をいう。
また、「期待度上昇態様の実行を規制する」とは、例えば、期待度上昇態様とは異なる通常示唆態様を実行する場合や、期待度上昇態様および通常示唆態様を含む示唆演出自体を実行しない場合、或いは、示唆演出を遊技者から視認し難い状態にする場合等をいう。
遊技機I0において、
前記判断手段は、
前記有利状況として、前記動的表示において前記特別識別情報を現出するか、又は、該特別識別情報と異なる一般識別情報(例えば、「ハズレ表示」)を現出するかを判断することを特徴とする遊技機I1。
遊技機I1によれば、遊技機I0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状況として、動的表示において特別識別情報を現出するか、又は、その特別識別情報と異なる一般識別情報を現出するかが、判断手段により判断される。これにより、例えば、動的表示において一般識別情報が現出する場合には、示唆演出において期待度上昇態様に変更される場合であっても、特定タイミング後に実行される示唆演出において期待度上昇態様の実行を規制するように構成する。即ち、例えば、一般識別情報が現出する動的表示において、特定タイミング後の示唆演出を通常示唆態様で実行するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機I0において、
前記特別識別情報は、
所定の第1特別識別情報(例えば、「15R通常大当たり」)と、該第1特別識別情報より高い遊技価値が付与され得る第2特別識別情報(例えば、「15R確変大当たり」)と、を有し、
前記判断手段は、
前記有利状況として、前記動的表示において前記第1特別識別情報が現出するか、又は、前記第2特別識別情報が現出するかを判断することを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別識別情報として、所定の第1特別識別情報と、その第1特別識別情報より高い遊技価値が付与され得る第2特別識別情報とを有している。そして、有利状況として、動的表示において第1特別識別情報が現出するか、又は、第2特別識別情報が現出するかが、判断手段により判断される。これにより、例えば、動的表示において第1特別識別情報が現出する場合には、示唆演出において期待度上昇態様に変更される場合であっても、特定タイミング後に実行される示唆演出において期待度上昇態様の実行を規制するように構成する。即ち、例えば、第1特別識別情報が現出する動的表示において、特定タイミング後の示唆演出を通常示唆態様で実行するように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機I0において、
前記判断手段は、
前記記憶手段に記憶された前記識別情報のうち、前記画像表示手段で実行を開始する前記動的表示に対応する前記始動情報に、前記特別識別情報に関する情報が記憶されているか否かを判断する実行判断手段(例えば、変動演出処理(S1109))と、
前記記憶手段に記憶された前記始動情報のうち、前記画像表示手段における実行が待機されている前記動的表示に対応する前記始動情報に、前記特別識別情報に関する情報が記憶されているか否かを判断する待機判断手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記実行判断手段によって、前記画像表示手段で実行を開始する前記動的表示において前記特別識別情報の関する情報が記憶されていないと判断され、かつ、前記待機判断手段によって、前記画像表示手段における実行が待機されている前記動的表示に対応する前記始動情報に、前記特別識別情報に関する情報が記憶されていないと判断された場合に、前記規定未満実行手段によって前記規定回数未満の所定回数において前記期待度上昇態様を実行すると共に、前記期待度実行規制手段によって前記所定回数より後の前記特定タイミング以降に実行される前記示唆演出において、前記期待度上昇態様の実行を規制することを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶された始動情報のうち、画像表示手段で実行を開始する動的表示に対応する始動情報に、特別識別情報に関する情報が記憶されているか否かが、判断手段に設けられた実行判断手段により判断される。また、記憶手段に記憶された始動情報のうち、画像表示手段における実行が待機されている動的表示に対応する始動情報に、特別識別情報に関する情報が記憶されているか否かが、判断手段に設けられた待機判断手段により判断される。そして、実行判断手段によって、画像表示手段で実行を開始する動的表示において特別識別情報を現出しないと判断され、かつ、待機判断手段によって、画像表示手段において実行が待機されている動的表示に関する始動情報に、特別識別情報に関する情報が記憶されていないと判断された場合に、示唆演出実行手段により、規定未満実行手段によって規定回数未満の所定回数において期待度上昇態様が実行されると共に、期待度実行規制手段によって所定回数より後の特定タイミング以降に実行される示唆演出において、期待度常用態様の実行が規制される。これにより、画像表示手段において実行を開始する動的表示において特別識別情報が現出しない場合であって、画像表示手段における実行が待機されている動的表示においても特別識別情報が現出しない場合には、示唆演出において期待度上昇態様が実行される場合であっても、特定タイミング以降に実行される示唆演出において期待度上昇態様を実行しないように構成する。このように構成することで、演出内容の齟齬が発生しないようにして、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機I0からI3のいずれかにおいて、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記特別識別情報を現出するか、又は、前記一般識別情報を現出するかの判定演出(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」)を実行する判定演出実行手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)、を備え、
前記特定タイミングは、前記判定演出において前記特別識別情報又は前記一般識別情報を現出するタイミングであることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I0からI3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた判定演出実行手段により、動的表示において、特別識別情報を現出するか、又は、一般識別情報を現出するかの判定演出が実行される。そして、判定演出において特別識別情報又は一般識別情報が現出されるタイミングが特定タイミングとされる。これにより、動的表示において特別識別情報が現出しない場合には、判定演出において特別識別情報又は一般識別情報が現出する前の示唆演出において、規定未満実行手段により期待度上昇態様が継続して実行され、判定演出において特別識別情報又は一般識別情報が現出した以降の示唆演出において、期待度実行規制手段により期待度上昇態様の実行が規制される。従って、例えば、一般識別情報の表示結果が現出する動的表示において、判定演出後の示唆演出を通常示唆態様で実行するように構成する。このように構成することで、一般識別情報が現出した後に、期待度上昇態様の示唆演出を実行することがなく、演出が発展することを示唆しないため、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機I0からI4のいずれかにおいて、
遊技の主な制御を行う主制御手段(例えば、主制御装置110又は(及び)音声ランプ制御装置113)と、
該主制御手段からの表示指示に基づいて前記画像表示手段を制御する副制御手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
前記副制御手段は、
前記画像表示手段に表示させる1画面分の画像を描画する画像描画手段(例えば、画像コントローラ237)と、
前記主制御手段からの第1表示指示(例えば、表示用変動パターンコマンド)に基づいて表示する第1表示種別(例えば、変動演出)を決定する第1表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2108)と、
前記第1表示種別毎に設けられ、該第1表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第1規定情報(例えば、変動用表示データテーブル232a1)を記憶する第1規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第1表示決定手段により決定された前記第1表示種別に対応する前記第1規定情報を、前記第1規定情報記憶手段より選定する第1選定手段(例えば、表示データテーブルバッファ233b)と、
前記画像表示手段において表示される前記示唆演出の表示態様を決定する複数の変更要素(例えば、文字パターン、表示色、変更タイミング又は表示色の修正内容)と、
前記主制御手段からの第2表示指示(例えば、表示用赤文字コマンド)に基づいて、前記第1選定手段により選定された前記第1規定情報が示す画像から変更(追加)して表示する前記示唆演出の前記変更要素を決定する第2表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2112)と、
前記示唆演出の変更要素毎に設けられ、該変更要素において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第2規定情報(例えば、文字色用追加データテーブル232a2)を記憶する第2規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第2表示決定手段により決定された前記変更要素に対応する前記第2規定情報を、前記第2規定情報記憶手段より選定する第2選定手段(例えば、追加データテーブルバッファ233c)と、を備え、
前記副制御手段は、
時間経過毎に更新される更新手段(例えば、ポインタ233e)と、
該更新手段が更新される毎に、前記第1選定手段により選定された前記第1規定情報と、前記第2選定手段により選定された前記第2規定情報とに基づいて、更新された前記更新手段に対応する1画面分の描画情報を特定する描画情報特定手段(例えば、表示設定処理(S2023)のS2308)と、
該描画情報特定手段により特定された前記1画面分の描画情報に基づいて、前記画像描画手段に対して1画面分の画像の描画を指示する描画指示情報(例えば、描画リスト)を生成する描画指示情報生成手段(例えば、描画処理(S2026)のS2501)と、を備え、
前記画像描画手段は、前記描画指示情報生成手段により生成された前記描画指示情報に基づいて、1画面分の画像を描画する
ことを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I0からI4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段により、遊技の主な制御が行われ、その主制御手段からの表示指示に基づいて、副制御手段により画像表示手段が制御される。また、副制御手段に設けられた画像描画手段により、画像表示手段に表示させる1画面分の画像が描画される。そして、第1表示決定手段により、主制御手段からの第1表示指示に基づいて表示する第1表示種別が決定される。また、第1表示種別毎に設けられ、その第1表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第1規定情報が、第1規定情報記憶手段により記憶される。ここで、第1選定手段により、第1表示決定手段により決定された第1表示種別に対応する第1規定情報が第1規定情報記憶手段から選定される。また、示唆演出が画像表示手段において表示され、その示唆演出の表示態様が複数の変更要素により決定される。また、主制御手段からの第2表示指示に基づいて、第1選定手段により選定された第1規定情報が示す画像から変更(追加)して表示する示唆演出の変更要素が、第2表示決定手段により決定される。そして、示唆演出の変更要素毎に設けられ、その変更要素において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第2規定情報が、第2規定情報記憶手段により記憶される。ここで、第2選定手段により、第2表示決定手段により決定された変更要素に対応する第2規定情報が第2規定情報記憶手段から選定される。そして、副制御手段に設けられた更新手段が時間経過毎に更新され、その更新手段が更新される毎に、第1選定手段により選定された第1規定情報と、第2選定手段により選定された第2規定情報とに基づいて、更新された更新手段に対応する1画面分のそれぞれの描画情報が、描画情報特定手段により特定される。また、描画情報特定手段により特定された1画面分の各描画情報に基づいて、描画指示情報生成手段により、画像描画手段に対して1画面分の画像の描画が指示される描画指示情報が生成される。そして、描画指示情報生成手段によって生成された描画指示情報に基づいて、画像描画手段により、1画面分の画像が描画される。これにより、主制御手段からの第1表示指示に対する第1表示種別の画像に、第2表示指示に対する示唆演出を変更(追加)して表示させる場合に、その示唆演出の変更要素に対する第2規定情報を第2規定情報記憶手段から選定するだけで、容易にその示唆演出の表示態様を変更(追加)して表示させることができる。よって、画像表示手段に表示される表示態様の多種多様化を容易に図ることができる、という効果がある。
遊技機I5において、
前記第1選定手段は、
前記第1表示指示に基づいて、前記第1規定情報記憶手段の中から、前記動的表示全体の描画情報を規定した動的規定情報(例えば、変動用表示データテーブル232a1)を選定する動的規定情報選定手段(例えば、表示データテーブルバッファ233b)、を備え、
第2選定手段は、
前記第2表示指示に基づいて、前記示唆演出の表示態様が前記期待度上昇態様に変更される場合の描画情報を規定した上昇態様規定情報(例えば、文字色用追加データテーブル232a2)を前記第2規定情報記憶手段の中から選定する上昇態様規定情報選定手段(例えば、追加データテーブルバッファ233c)と、
前記第2表示指示に基づいて、前記期待度実行規制手段によって前記特定タイミング以降の前記示唆演出における前記期待度上昇態様が規制されている場合の描画情報を規定した期待度規制規定情報(例えば、文字修正用追加データテーブル232a2)を前記第2規定情報記憶手段の中から選定する期待度規制規定情報選定手段(例えば、追加データテーブルバッファ233c)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1選定手段に設けられた動的規定情報選定手段により、第1表示指示に基づいて、第1規定情報記憶手段の中から、動的表示全体の描画情報を規定した動的規定情報が選定される。また、第2選定手段に設けられた上昇態様規定情報選定手段により、第2表示指示に基づいて、示唆演出の表示態様が期待度上昇態様に変更される場合の描画情報を規定した上昇態様規定情報が、第2規定情報記憶手段の中から選定される。また、同じく第2選定手段に設けられた期待度規制規定情報選定手段により、第2表示指示に基づいて、期待度実行規制手段によって特定タイミング以降の示唆演出における期待度上昇態様が規制されている場合の描画情報を規定した期待度規制規定情報が、第2規定情報記憶手段の中から選定される。このように構成することで、複数回実行される示唆演出を変更(追加)し、さらに、特定タイミング以降の示唆演出における期待度上昇態様を規制する場合に、特定タイミング前に実行される示唆演出の表示態様が期待度上昇態様に変更される場合の描画情報を規定した上昇態様規定情報を選定すると共に、特定タイミング以降に実行される示唆演出の表示態様における期待度上昇態様が規制されている場合の描画情報を規定した期待度規制規定情報を選定するだけで、複数回の示唆演出の多様な表示態様を容易に変更(追加)して表示させることができる。よって、画像表示手段に表示される表示態様の多種多様化を容易に図ることができる、という効果がある。
遊技機I5又はI6において、
前記第2選定手段は、
複数の前記第2規定情報を選定して記憶可能に構成された選定情報記憶手段、を備えており、
前記描画情報特定手段は、
前記選定情報記憶手段に記憶された複数の前記第2規定情報のうち、先に記憶された第2規定情報の描画情報より、後に記憶された第2規定情報の描画情報を優先して1画面分の描画情報を特定する優先特定手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I5又はI6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2選定手段に設けられた選定情報記憶手段により、複数の第2規定情報を選定して記憶可能に構成されている。また、描画情報特定手段に設けられた優先特定手段により、選定情報記憶手段に記憶された複数の第2規定情報のうち、先に記憶された第2規定情報の描画情報より、後に記憶された第2規定情報の描画情報を優先して1画面分の描画情報が特定される。これにより、後に記憶された第2規定情報の内容を、先に記憶された第2規定情報の内容より優先して表示することができるため、変更したい示唆演出に対する第2規定情報を追加的に記憶させることで、示唆演出の表示態様を変更することができる。よって、優先すべき第2規定情報の判別処理等が不要となり、表示制御の処理負担を軽減することができる、という効果がある。
遊技機I7において、
前記第2選定手段は、
前記上昇態様規定情報選定手段による前記上昇態様規定情報を先に前記選定情報記憶手段に記憶し、前記期待度規制規定情報選定手段による前記期待度規制規定情報を後に前記選定情報記憶手段に記憶する
ことを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2選定手段により、上昇態様規定情報選定手段による上昇態様規定情報が先に選定情報記憶手段に記憶され、期待度規制規定情報選定手段による期待度規制規定情報が後に選定情報記憶手段に記憶される。これにより、複数の示唆演出を期待度上昇態様に変更されていた場合でも期待度規制規定情報を上昇態様規定情報より後に記憶することで、特定タイミング以降に実行される示唆演出における期待度上昇態様の実行を規制することができる。よって、優先すべき第2規定情報の判別処理等が不要となり、表示制御の処理負担を軽減することができつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機I0からI4のいずれかにおいて、
遊技の主な制御を行う主制御手段(例えば、主制御装置110又は(及び)音声ランプ制御装置113)と、
該主制御手段からの表示指示に基づいて前記画像表示手段を制御する副制御手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
前記副制御手段は、
前記画像表示手段に表示させる1画面分の画像を描画する画像描画手段(例えば、画像コントローラ237)と、
前記主制御手段からの第1表示指示(例えば、表示用変動パターンコマンド)に基づいて表示する第1表示種別(例えば、変動演出)を決定する第1表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2108)と、
前記第1表示種別毎に設けられ、該第1表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第1規定情報(例えば、変動用表示データテーブル232a1)を記憶する第1規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第1表示決定手段により決定された前記第1表示種別に対応する前記第1規定情報を、前記第1規定情報記憶手段より選定する第1選定手段(例えば、表示データテーブルバッファ233b)と、
前記主制御手段からの第2表示指示(例えば、表示用赤文字コマンド)に基づいて、前記画像表示手段に表示する前記標示手段を決定する第2表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2112)と、
複数の前記示唆演出に対して設けられ、複数の前記示唆演出において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第2規定情報(例えば、文字用追加データテーブル232a2)を記憶する第2規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第2表示決定手段により決定された前記示唆演出に対応する前記第2規定情報を、前記第2規定情報記憶手段より選定する第2選定手段(例えば、文字系コマンド処理(S2113))と、
前記画像表示手段において、前記示唆演出とは異なる遊技状態を示唆する複数の第2示唆演出(例えば、実行図柄および保留図柄)と、
前記主制御手段からの第3表示指示(例えば、表示用点灯時保留変化コマンド)に基づいて、前記画像表示手段に表示する前記第2示唆演出を決定する第3表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2110)と、
複数の前記第2示唆演出に対して設けられ、複数の前記第2示唆演出において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第3規定情報(例えば、保留用追加データテーブル232a2)を記憶する第3規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第3表示決定手段により決定された前記第2示唆演出に対する前記第3規定情報を、前記第3規定情報記憶手段より選定する第3選定手段(例えば、先読み系コマンド処理(S2111))と、を備え、
前記副制御手段は、
時間経過毎に更新される更新手段(例えば、ポインタ233e)と、
該更新手段が更新される毎に、前記第1選定手段により選定された前記第1規定情報と、前記第2選定手段により選定された前記第2規定情報と、前記第3選定手段により選定された前記第3規定情報とに基づいて、更新された前記更新手段に対応する1画面分の描画情報を特定する描画情報特定手段(例えば、表示設定処理(S2023)のS2308)と、
該描画情報特定手段により特定された前記1画面分の描画情報に基づいて、前記画像描画手段に対して1画面分の画像の描画を指示する描画指示情報を生成する描画指示情報生成手段(例えば、描画処理(S2026)のS2501)と、を備え、
前記画像描画手段は、前記描画指示情報生成手段により生成された前記描画指示情報に基づいて、1画面分の画像を描画する
ことを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I0からI4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段により、遊技の主な制御が行われ、その主制御手段からの表示指示に基づいて、副制御手段により画像表示手段が制御される。また、副制御手段に設けられた画像描画手段により、画像表示手段に表示させる1画面分の画像が描画される。そして、第1表示決定手段により、主制御手段からの第1表示指示に基づいて表示する第1表示種別が決定される。また、第1規定情報記憶手段により、第1表示種別毎に設けられ、その第1表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第1規定情報が記憶される。ここで、第1選定手段により、第1表示決定手段により決定された第1表示種別に対応する第1規定情報が第1規定情報記憶手段から選定される。また、第2表示決定手段により、主制御手段からの第2表示指示に基づいて、画像表示手段に表示される示唆演出が決定される。そして、複数の示唆演出に対して設けられ、その複数の示唆演出において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第2規定情報が第2規定情報記憶手段により記憶される。ここで、第2選定手段により、第2表示決定手段により決定された示唆演出に対する第2規定情報が第2規定情報記憶手段より選定される。また、画像表示手段において、示唆演出とは異なる遊技状態を示唆する複数の第2示唆演出が実行される。また、第3表示決定手段により、主制御手段からの第3表示指示に基づいて、画像表示手段に表示される第2示唆演出が決定される。そして、複数の第2示唆演出に対して設けられ、その複数の第2示唆演出において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第3規定情報が第3規定情報記憶手段により記憶される。ここで、第3選定手段により、第3表示決定手段により決定された第2示唆演出に対する第3規定情報が第3規定情報記憶手段より選定される。そして、副制御手段に設けられた更新手段が時間経過毎に更新され、その更新手段が更新される毎に、第1選定手段により選定された第1規定情報と、第2選定手段により選定された第2規定情報と、第3選定手段により選定された第3規定情報とに基づいて、更新された更新手段に対する1画面分のそれぞれの描画情報が、描画情報特定手段により特定される。また、描画情報特定手段により特定された1画面分の各描画情報に基づいて、描画指示情報生成手段により、画像描画手段に対して1画面分の画像の描画が指示される描画指示情報が生成される。そして、描画指示情報生成手段によって生成された描画指示情報に基づいて、画像描画手段により、1画面分の画像が描画される。これにより、主制御手段からの第1表示指示、第2表示指示又は第3表示指示に対する各画像を表示させる場合に、それぞれの演出単位に対する第1規定情報、第2規定情報又は第3規定情報を、第1規定情報記憶手段、第2規定情報記憶手段又は第3規定情報記憶手段からそれぞれ選定するだけで、容易に画像表示手段の表示態様を変更(追加)して表示させることができる。また、複数の示唆演出に対して第2規定情報を選定するように構成すると共に、複数の第2示唆演出に対して第3規定情報を選定するように構成することで、複数の画像で構成される演出に関してまとめて表示制御を行うことができるので、関連する演出単位で表示制御の管理が可能となる。よって、画像表示手段に表示される表示態様の多種多様化を容易に図ることができる、という効果がある。また、選定される第2規定情報および第3規定情報の数が演出(予告)の種類数となり、演出(予告)の変更要素ごとに第2規定情報を選定する場合より第2規定情報および第3規定情報の合計数を少なくすることができ、演出(予告)の変更要素数の増加に伴って第2規定情報の容量を増大せずに済み、遊技機のコストを抑制することができる、という効果がある。また、描画処理における描画指示情報の生成時において、参照する第1規定情報、第2規定情報および第3規定情報の数を少なくすることができ、描画指示情報の生成時における処理負担を軽減することができる、という効果がある。
遊技機I9において、
前記主制御手段は、
複数の前記示唆演出の表示態様に対する複数の前記第2表示指示を、所定期間中にまとめて出力する包括出力手段、を備え、
前記副制御手段は、
前記主制御手段からの前記示唆演出に対する1の前記第2表示指示を受信した場合に、前記所定期間の間、待機する待機手段と、
該待機手段による待機後に、受信した1又は複数の前記第2表示指示に基づいて前記画像表示手段に表示する前記示唆演出を決定する待機後決定手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機I10。
遊技機I10によれば、遊技機I9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段に設けられた包括出力手段により、複数の示唆演出の表示態様に対する複数の第2表示指示が、所定期間中にまとめて出力される。また、副制御手段に設けられた待機手段により、主制御手段からの標示手段に対する1の第2表示指示を受信した場合に、所定期間の間、待機される。そして、同じく副制御手段に設けられた待機後決定手段により、待機手段による待機後に、受信した1又は複数の第2表示指示に基づいて画像表示手段に表示する示唆演出が決定される。即ち、副制御手段は、所定期間中にまとめて出力される第2表示指示をすべて受信した後に、示唆演出に関する表示制御を実行するように構成されている。これにより、複数の示唆演出を描画する場合において、一旦、すべての示唆演出の表示態様を決定した上で1の第2規定情報によって示唆演出を描画することができ、複数の示唆演出を1の第2規定情報によって表示することが可能となる。よって、複数の示唆演出に関する演出をまとめて表示制御を行うことができるので、画像表示手段に表示される示唆演出の表示態様の多種多様化を容易に図ることができる、という効果がある。
遊技機I9又はI10において、
前記主制御手段は、
所定条件(例えば、始動入賞)が成立した場合に、複数の前記第2示唆演出の表示態様に関する前記第3表示指示を随時出力する随時出力手段、を備え、
前記副制御手段は、
前記主制御手段からの前記第2示唆演出に対する前記第3表示指示を受信した場合に、該第3表示指示に基づいて前記画像表示手段に表示する前記第2示唆演出を決定する随時決定手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機I11。
遊技機I11によれば、遊技機I9又はI10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段に設けられた随時出力手段により、所定条件が成立した場合に、複数の第2示唆演出の表示態様に関する第3表示指示が随時出力される。また、副制御手段に設けられた随時決定手段により、主制御手段からの第2示唆演出に対する第3表示指示を受信した場合に、その第3表示指示に基づいて画像表示手段に表示する第2示唆演出が決定される。即ち、副制御手段は、所定条件が成立した場合に、随時出力される第3表示指示を受信する毎に、第2示唆演出に関する表示制御を実行するように構成されている。これにより、所定条件が成立して第3表示指示が出力された場合に、随時、該第3表示指示に基づく第2示唆演出の表示態様を変更することができる。よって、遊技状態を示す第2示唆演出の内容を直ちに表示することができるので、遊技状態を遊技者に的確に示唆することができる、という効果がある。
遊技機I9からI11のいずれかにおいて、
前記描画情報特定手段は、
前記第2規定情報の描画情報より、前記第3規定情報の描画情報を優先して1画面分の描画情報を特定する優先特定手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機I12。
遊技機I12によれば、遊技機I9からI11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、描画情報特定手段に設けられた優先特定手段により、第2規定情報の描画情報より、第3規定情報の描画情報を優先して1画面分の描画情報として特定される。即ち、遊技状態を示す第2示唆演出の表示を示唆演出よりも優先して表示することができ、遊技状態を遊技者に的確に示唆することができる、という効果がある。
遊技機I9からI12のいずれかにおいて、
前記第1選定手段は、
前記第1表示指示に基づいて、前記第1規定情報記憶手段の中から、前記動的表示全体の描画情報を規定した動的規定情報(例えば、変動用表示データテーブル232a1)を選定する動的規定情報選定手段(例えば、表示データテーブルバッファ233b)、を備え、
前記第2選定手段は、
前記第2表示指示に基づいて、複数の前記示唆演出の表示態様が前記期待度上昇態様に変更される場合の描画情報を規定した上昇態様規定情報(例えば、文字色用追加データテーブル232a2)を前記第2規定情報記憶手段の中から選定する上昇態様規定情報選定手段(例えば、追加データテーブルバッファ233c)と、
前記第2表示指示に基づいて、前記特定タイミング後に実行される前記示唆演出における前記期待度上昇態様の実行を規制する場合の描画情報を規定した期待度規制規定情報(例えば、文字修正用追加データテーブル232a2)を前記第2規定情報記憶手段の中から選定する期待度規制規定情報選定手段(例えば、追加データテーブルバッファ233c)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機I13。
遊技機I13によれば、遊技機I9からI12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1選定手段に設けられた動的規定情報選定手段により、第1表示指示に基づいて、第1規定情報記憶手段の中から、動的表示全体の描画情報を規定した動的規定情報が選定される。また、第2選定手段に設けられた上昇態様規定情報選定手段により、第2表示指示に基づいて、複数の示唆演出の表示態様が期待度上昇態様に変更される場合の描画情報を規定した上昇態様規定情報が、第2規定情報記憶手段の中から選定される。また、同じく第2選定手段に設けられた期待度規制規定情報選定手段により、第2表示指示に基づいて、特定タイミング後に実行される示唆演出における期待度上昇態様の実行が規制される場合の描画情報を規定した期待度規制規定情報が、第2規定情報記憶手段の中から選定される。このように構成することで、複数の示唆演出を変更(追加)し、さらに、特定タイミング後の示唆演出における期待度上昇態様の実行を規制する場合に、示唆演出が変更される場合の描画情報を規定した上昇態様規定情報を選定すると共に、特定タイミング後の示唆演出における期待度上昇態様の実行が規制される場合の描画情報を規定した期待度規制規定情報を選定するだけで、複数の示唆演出の多様な表示態様を容易に変更(追加)して表示させることができる。よって、画像表示手段に表示される表示態様の多種多様化を容易に図ることができる、という効果がある。
<J群:ハズレ変動では、特定タイミング以降の文字表示を初期状態に戻す>
所定の始動条件の成立を契機として始動情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された前記始動情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において、所定の識別情報である特別識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記取得手段により取得される前記識別情報を記憶する記憶手段(例えば、実行情報格納エリア223i)と、
該記憶手段に記憶されている前記始動情報に基づいて、前記動的表示において前記特別識別情報を現出するか、又は、該特別識別情報と異なる一般識別情報(例えば、「ハズレ表示」)を現出するかを判断する判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
互いに所定の関連性を有して報知される複数の標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3および疑似定型句文字表示Se4)と、
前記判断手段による判断結果に基づいて、前記標示手段の報知態様を、初期状態の第1態様(例えば、「白色」)から、該第1態様と異なる第2態様(例えば、「赤色」)に変更する態様変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該態様変更手段によって前記標示手段を前記第2態様で報知する場合に、複数の前記標示手段の報知態様を前記第2態様に変更する複数変更手段(例えば、文字色変化テーブル222h)と、を備え、
前記判断手段は、
前記動的表示において前記一般識別情報が現出するか否かを判断する一般識別情報判断手段(例えば、文字色変化制限処理(S1619))、を備え、
前記態様変更手段は、
前記一般識別情報判断手段によって前記動的表示において前記一般識別情報が現出すると判断された場合に、前記動的表示における特定タイミング以降に報知する前記標示手段の報知態様を、前記第1態様に初期化する態様初期化手段(例えば、表示用定型句通常コマンド)、を備えている
ことを特徴とする遊技機J0。
遊技機J0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により始動情報が取得され、その取得手段により取得された始動情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報である特別識別情報が現出された場合に、遊技者の所定の遊技価値が付与される。また、取得手段により取得される始動情報が記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶される始動情報に基づいて、動的表示において特別識別情報を現出するか、特別識別情報と異なる一般識別情報を現出するかが判断手段により判断される。また、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段が報知される。そして、判断手段による判断結果に基づいて、態様変更手段により、標示手段の報知態様が、初期状態の第1態様から、該第1態様とは異なる第2態様に変更される。また、態様変更手段によって標示手段を第2態様に変更する場合に、複数変更手段により、複数の標示手段の報知態様が第2態様に変更される。ここで、判断手段に設けられた一般識別情報判断手段により、動的表示において一般識別情報が現出するか否かが判断される。そして、一般識別情報判断手段によって動的表示において一般識別情報が現出すると判断された場合に、態様変更手段に設けられた態様初期化手段により、動的表示における特定タイミング以降に報知する標示手段の報知態様が、第1態様に初期化される。即ち、動的表示において一般識別情報が現出する場合に、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段の報知態様のうち、特定タイミング以降に報知する標示手段の報知態様を初期状態の第1態様で報知する。
従来、動的表示の複数の箇所(タイミング又は表示領域。以下同様。)で互いの所定の関連性を有する標示手段を報知する場合に、それぞれの報知箇所毎に、標示手段を初期状態の第1態様で報知するか、第1態様とは異なる第2態様で報知するかを設定(抽選)する構成であると、その報知箇所分の設定処理(抽選処理)が必要になって制御が複雑化し、処理負担が増大してしまうおそれがある。また、動的表示において先に報知される標示手段を第2態様で報知した後、後に報知される標示手段を第1態様で報知させてしまうと、所定の関連性を有する標示手段であるがゆえ、特別識別情報が現出することへの期待度が成り下がった表現(以下、「成り下がり表現」という)になってしまう。よって、折角、先の標示手段において第2態様が報知されたことによって気分が高揚していた遊技者が、後の標示手段における上記成り下がり表現を目の当たりにすることで興醒めしてしまうおそれがある。
そこで、動的表示において互いに所定の関連性を有する標示手段の報知態様の設定(抽選)を一括(複数同時)で行い、1の標示手段で報知された第2態様を他の標示手段においても踏襲して報知させるように構成することで、それぞれの報知箇所毎に設定処理を行う必要がなくなり、処理負担を軽減させることができる。また、互いに所定の関連性を有する標示手段が一度でも第2態様で報知された場合は、以降に報知する標示手段においても第2態様を踏襲して報知させるように構成することで、標示手段における成り下がり表現が発生してしまう現象を未然に排除して、遊技者が遊技に興醒めしてしまうことを防止することができる。
しかしながら、標示手段の第2態様は、判断手段の判断結果に基づいて初期状態の第1態様から変更される態様であるため、その変更に基づいて現状の演出状況が変更され得ることを示唆する発展示唆機能を有する。一方、動的表示の特定タイミング以降(例えば、動的表示の最後)に報知される標示手段は、動的表示における現状の演出状況の内容を報知する状況報知機能を有する。従って、一般識別情報が現出する場合の動的表示における特定タイミング以降の標示手段を第2態様で報知してしまうと、遊技者は、標示手段が第2態様で報知されたことによって、標示手段の状況報知機能より発展示唆機能が勝り、何かしらの発展演出が発生するのでは、と予測する。しかし、その予測に反し、発展演出が発生せずに一般識別情報が確定してしまうと、遊技者は、演出内容の齟齬により、遊技機に対して不信感を募らせると共に、該遊技機を設置している遊技場に対しても不信感を募らせてしまい、遊技を中断してしまうおそれがある。
そこで、遊技機J0によれば、動的表示において一般識別情報が現出する場合に、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段の報知態様のうち、特定タイミング以降に報知する標示手段の報知態様を初期状態の第1態様で報知する。初期状態の第1態様である標示手段は、発展示唆機能を有さないため、遊技者は、初期状態で報知される標示手段を目の当たりにした場合であっても、過度な期待を抱かない。よって、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
なお、「互いに所定の関連性を有して報知される複数の標示手段」とは、例えば、標示手段同士が、同一の属性を有する場合や、同一の種類に該当する場合、同一のタイミングに現出する場合、或いは、時間差で現出する場合であっても一方が現出した場合に他方も現出する等、1の標示手段に対して他の標示手段が、時期的、形状的、観念的に有機的に絡む(緊密な連関をもつ)関連性をいう。具体的には、例えば、同一の表示領域に表示される予告表示(リーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一のタイミングで異なる態様で表示される予告表示(強弱キャラ予告等)や、1の予告が現出した後に他の予告が現出する予告表示(ステップアップ予告やリーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一の演出が複数回実行される予告(「疑似連」の変動要素等)や、同一又は類似の音(例えば、「類似の音」とは、音の種類が段階的にステップアップするような音)が断続的に出力される演出等が例示される。
遊技機J0において、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記特別識別情報を現出するか、又は、前記一般識別情報を現出するかの判定演出(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の「際演出」)を実行する判定演出実行手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)、を備え、
前記特定タイミングは、前記判定演出において前記特別識別情報又は前記一般識別情報を現出するタイミングであることを特徴とする遊技機J1。
遊技機J1によれば、遊技機J0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた判定演出実行手段により、動的表示において、特別識別情報を現出するか、又は、一般識別情報を現出するかの判定演出が実行される。そして、判定演出において特別識別情報又は一般識別情報が現出されるタイミングが特定タイミングとされる。これにより、動的表示において特別識別情報が現出しない場合には、判定演出において特別識別情報又は一般識別情報が現出した以降の標示手段の報知態様を初期化して報知する。従って、一般識別情報の表示結果が現出する動的表示において、判定演出後に報知される標示手段を初期状態の第1態様で報知するように構成する。このように構成することで、一般識別情報が現出した後に、発展示唆機能を有する第2態様の標示手段を報知することがなく、演出が発展することを示唆しないため、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機J0又はJ1において、
前記態様変更手段は、
前記標示手段が前記第2態様で報知されるか否かを判断する第2態様判断手段(例えば、文字態様設定処理(S1417)のS1611)、を備え、
前記態様初期化手段は、
前記第2態様判断手段によって前記標示手段が前記第2態様で報知されると判断された場合に、前記特定タイミング以降に報知する前記標示手段の報知態様を、前記第1態様に初期化する第2態様時初期化手段(例えば、文字色変化制限処理(S1619)のS1702)、を備えている
ことを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J0又はJ1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた第2態様判断手段により、標示手段が第2態様で報知されるか否かが判断される。そして、その第2態様判断手段によって標示手段が第2態様で報知されると判断された場合に、態様初期化手段に設けられた第2態様時初期化手段により、特定タイミング以降に報知する標示手段の報知態様が、第1態様に初期化される。即ち、標示手段が第2態様で報知されることに基づいて特定タイミング以降の標示手段の報知態様を初期化するか否かが決定される。これにより、標示手段が第2態様で報知される場合にのみ標示手段の初期化処理を実行することで、標示手段が第1態様である場合には初期化処理が不要となり、表示制御の処理負担を軽減することができつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機J0又はJ1において、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示における前記特定タイミング以降に前記標示手段が報知されるか否かを判断する以降報知判断手段、を備え、
前記態様初期化手段は、
前記以降報知判断手段によって前記特定タイミング以降に前記標示手段が報知されると判断された場合に、前記特定タイミング以降に報知する前記標示手段の報知態様を、前記第1態様に初期化する以降報知初期化手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J0又はJ1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた以降報知判断手段により、動的表示における特定タイミング以降に標示手段が報知されるか否かが判断される。そして、その以降報知判断手段によって特定タイミング以降に標示手段が報知されると判断された場合に、態様初期化手段に設けられた以降報知初期化手段により、特定タイミング以降に報知する標示手段の報知態様が、第1態様に初期化される。即ち、動的表示における特定タイミング以降に報知される標示手段がある場合はもれなく初期状態の第1態様で報知するように構成する。これにより、特定タイミング以降に報知される標示手段を初期状態で報知することができるので、標示手段が第2態様で報知されるか否かの判別処理等が不要となり、表示制御の処理負担を軽減することができつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機J0からJ3のいずれかにおいて、
前記一般識別情報判断手段は、
前記一般識別情報が現出することを記憶する判断結果記憶手段(例えば、際後制限フラグ233p)、を備え、
前記態様初期化手段は、
前記判断結果記憶手段に前記一般識別情報を現出することが記憶されていた場合に、前記特定タイミング以降の前記標示手段の報知態様を初期化する
ことを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J0からJ3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、一般識別情報判断手段に設けられた判断結果記憶手段により、一般識別情報が現出することが記憶される。そして、判断結果記憶手段に一般識別情報を現出することが記憶されていた場合に、態様初期化手段により、特定タイミング以降の標示手段の報知態様が初期化される。これにより、特定タイミング以降に報知される標示手段を初期状態で報知することができるので、標示手段が第2態様で報知されるか否かの判別処理等が不要となり、表示制御の処理負担を軽減することができつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機J1からJ4のいずれかにおいて、
前記標示手段は、
前記判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1又はリーチ中文字表示Se2)と、
前記判定演出の実行後に現出する第2標示手段(例えば、定型句文字表示Se3)と、を備え、
前記態様変更手段は、
前記一般識別情報判断手段によって、前記動的表示において前記一般識別情報を現出しないと判断された場合に、前記複数変更手段に基づいて前記第1標示手段及び前記第2標示手段を前記第2態様で表示する第2態様継続手段と、
前記一般識別情報判断手段によって、前記動的表示において前記一般識別情報を現出すると判断された場合に、前記複数変更手段に基づいて前記第1標示手段を前記第2態様で表示し、前記態様初期化手段によって前記第2標示手段を前記第1態様で表示する第2態様変更手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J1からJ4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、標示手段には、判定演出の実行前又は実行中に現出する第1標示手段と、判定演出の実行後に現出する第2標示手段とが備えられている。また、一般識別情報判断手段によって、動的表示において一般識別情報を現出しないと判断された場合に、態様変更手段に設けられた第2態様継続手段により、複数変更手段に基づいて第1標示手段および第2標示手段が第2態様で表示される。一方、一般識別情報判断手段によって、動的表示において一般識別情報を現出すると判断された場合に、態様変更手段に設けられた第2態様変更手段により、複数変更手段に基づいて第1標示手段が第2態様で表示され、態様初期化手段によって第2標示手段が第1態様で表示される。
これにより、動的表示において一般識別情報が現出しない場合、即ち、動的表示において特別識別情報が現出する場合は、第1標示手段および第2標示手段ともに第2態様に変更され、動的表示において一般識別情報が現出する場合、即ち、動的表示において特別識別情報が現出しない場合には、第1標示手段が第2態様で表示される一方、第2標示手段が第1態様で表示されるように構成する。即ち、標示手段が第2態様に変更されていた場合に、特別識別情報の表示結果が現出する動的表示において、判定演出後の第2標示手段を第2態様で表示すると共に、一般識別情報の表示結果が現出する動的表示において、判定演出後の第2標示手段を第1態様で表示するように構成する。このように構成することで、一般識別情報が現出した後に、第2態様の第2標示手段を現出することがなく、演出が発展することを示唆しないため、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機J5において、
前記第1標示手段は、
1の前記動的表示において、少なくとも複数現出し、
前記複数変更手段は、
少なくとも前記第1標示手段の表示態様を一括で設定する第1標示一括手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機J6。
遊技機J6によれば、遊技機J5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の動的表示において、第1標示手段が少なくとも複数現出されるように構成され、複数変更手段に設けられた第1標示一括手段により、少なくとも第1標示手段の表示態様が一括で設定されるように構成されている。これにより、1の動的表示において複数現出する第1標示手段を一括して設定することができるため、各第1標示手段ごとに設定処理を行う制御に比べ、制御負担を軽減させることができる、という効果がある。特に、動的表示において第2態様を実行可能な第1標示手段の現出箇所が多くなればなるほど(例えば、5箇所以上等)、上記一括設定が好適に作用し、制御負担を顕著に軽減させることが可能となる。
遊技機J1からJ6のいずれかにおいて、
前記態様変更手段は、
前記標示手段の表示色を、所定の通常表示色(例えば、「白色」)から、該通常表示色と異なる特殊表示色(例えば、「赤色」)に変更する色変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該色変更手段によって前記標示手段の表示色が前記通常表示色から前記特殊表示色に変更されるタイミング(例えば、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミング、又は、リーチ中文字表示Se2を表示するタイミング)を選択する色変化タイミング選択手段(色変化タイミングカウンタ223g)と、を備え、
前記複数変更手段は、
前記色変化タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される前記標示手段の表示色を前記特殊表示色に一括して変更する色一括変更手段、を備え、
前記態様初期化手段は、
前記色一括変更手段によって前記標示手段の表示色が前記特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、前記判定演出の実行後に現出する前記標示手段の表示色を前記通常表示色で表示する通常色表示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機J7。
遊技機J7によれば、遊技機J1からJ6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた色変更手段により、標示手段の表示色が、所定の通常表示色から、該通常表示色と異なる特殊表示色へ変更される。また、態様変更手段に設けられた色変化タイミング選択手段により、色変更手段によって標示手段の表示色が通常表示色から特殊表示色へ変更されるタイミングが選択される。そして、複数変更手段に設けられた色一括変更手段により、色変化タイミング選択手段によって選択されたタイミング以降に表示される標示手段の表示色が特殊表示色に変更される。ここで、色一括変更手段によって標示手段の表示色が特殊表示色に変更されたタイミング以降であって、判定演出の実行後に現出する標示手段の表示色が、態様初期化手段に設けられた通常色表示手段により、通常表示色で表示される。これにより、互いに所定の関連性を有する標示手段の表示態様の関し、表示色や表示タイミング等の複数の表示要素に基づいて該標示手段の表示態様を設定して、標示手段の表示態様のバリエーションを増やしつつ、判定演出後の標示手段において、一般識別情報が現出する場合は、一括設定の内容から変更(修正)して通常表示色(第1態様)で表示することができる。よって、演出を多様化して遊技の興趣を高めつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機J0からJ7のいずれかにおいて、
遊技の主な制御を行う主制御手段(例えば、主制御装置110又は(及び)音声ランプ制御装置113)と、
該主制御手段からの表示指示に基づいて前記画像表示手段を制御する副制御手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
前記副制御手段は、
前記画像表示手段に表示させる1画面分の画像を描画する画像描画手段(例えば、画像コントローラ237)と、
前記主制御手段からの第1表示指示(例えば、表示用変動パターンコマンド)に基づいて表示する第1表示種別(例えば、変動演出)を決定する第1表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2108)と、
前記第1表示種別毎に設けられ、該第1表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第1規定情報(例えば、変動用表示データテーブル232a1)を記憶する第1規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第1表示決定手段により決定された前記第1表示種別に対応する前記第1規定情報を、前記第1規定情報記憶手段より選定する第1選定手段(例えば、表示データテーブルバッファ233b)と、
前記画像表示手段において表示される前記標示手段の報知態様を決定する複数の変更要素(例えば、文字パターン、表示色、変更タイミング又は表示色の修正内容)と、
前記主制御手段からの第2表示指示(例えば、表示用赤文字コマンド)に基づいて、前記第1選定手段により選定された前記第1規定情報が示す画像から変更(追加)して表示する前記標示手段の前記変更要素を決定する第2表示決定手段(例えば、コマンド判定処理(S2022)のS2112)と、
前記標示手段の変更要素毎に設けられ、該変更要素において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第2規定情報(例えば、文字色用追加データテーブル232a2)を記憶する第2規定情報記憶手段(例えば、データテーブル格納エリア232a)と、
前記第2表示決定手段により決定された前記変更要素に対応する前記第2規定情報を、前記第2規定情報記憶手段より選定する第2選定手段(例えば、追加データテーブルバッファ233c)と、を備え、
前記副制御手段は、
時間経過毎に更新される更新手段(例えば、ポインタ233e)と、
該更新手段が更新される毎に、前記第1選定手段により選定された前記第1規定情報と、前記第2選定手段により選定された前記第2規定情報とに基づいて、更新された前記更新手段に対応する1画面分の描画情報を特定する描画情報特定手段(例えば、表示設定処理(S2023)のS2308)と、
前記態様初期化手段によって前記標示手段の表示態様を初期化する場合に、前記第2選定手段により選定された前記第2規定情報を破棄(無効化)して、前記第1選定手段により選定された前記第1規定情報に基づいて、更新された前記更新手段に対応する1画面分の描画情報を特定する第2描画情報特定手段と、
前記描画情報特定手段又は前記第2描画情報特定手段により特定された前記1画面分の描画情報に基づいて、前記画像描画手段に対して1画面分の画像の描画を指示する描画指示情報(例えば、描画リスト)を生成する描画指示情報生成手段(例えば、描画処理(S2026)のS2501)と、を備え、
前記画像描画手段は、前記描画指示情報生成手段により生成された前記描画指示情報に基づいて、1画面分の画像を描画し、
ことを特徴とする遊技機J8。
遊技機J8によれば、遊技機J0からJ7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段により、遊技の主な制御が行われ、その主制御手段からの表示指示に基づいて、副制御手段により画像表示手段が制御される。また、副制御手段に設けられた画像描画手段により、画像表示手段に表示させる1画面分の画像が描画される。そして、第1表示決定手段により、主制御手段からの第1表示指示に基づいて表示する第1表示種別が決定される。また、第1表示種別毎に設けられ、その第1表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第1規定情報が、第1規定情報記憶手段により記憶される。ここで、第1選定手段により、第1表示決定手段により決定された第1表示種別に対応する第1規定情報が第1規定情報記憶手段から選定される。また、標示手段が画像表示手段において表示され、その標示手段の表示態様が複数の変更要素により決定される。また、主制御手段からの第2表示指示に基づいて、第1選定手段により選定された第1規定情報が示す画像から変更(追加)して表示する標示手段の変更要素が、第2表示決定手段により決定される。そして、標示手段の変更要素毎に設けられ、その変更要素において変更(追加)して表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を、1画面毎に規定した第2規定情報が、第2規定情報記憶手段により記憶される。ここで、第2選定手段により、第2表示決定手段により決定された変更要素に対応する第2規定情報が第2規定情報記憶手段から選定される。そして、副制御手段に設けられた更新手段が時間経過毎に更新され、その更新手段が更新される毎に、第1選定手段により選定された第1規定情報と、第2選定手段により選定された第2規定情報とに基づいて、更新された更新手段に対応する1画面分のそれぞれの描画情報が、描画情報特定手段により特定される。また、態様初期化手段によって標示手段の表示態様を初期化する場合に、第2選定手段により選定された第2規定情報を破棄(無効化)して、第1選定手段により選定された第1規定情報に基づいて、更新された更新手段に対応する1画面分の描画情報が、第2描画情報特定手段により特定される。そして、描画情報特定手段又は第2描画情報特定手段により特定された1画面分の各描画情報に基づいて、描画指示情報生成手段により、画像描画手段に対して1画面分の画像の描画が指示される描画指示情報が生成される。そして、描画指示情報生成手段によって生成された描画指示情報に基づいて、画像描画手段により、1画面分の画像が描画される。これにより、主制御手段からの第1表示指示に対する第1表示種別の画像に、第2表示指示に対する示唆演出を変更(追加)して表示させる場合に、その示唆演出の変更要素に対する第2規定情報を第2規定情報記憶手段から選定するだけで、容易にその示唆演出の表示態様を変更(追加)して表示させることができる。また、標示手段の表示態様を初期化する場合に、第2規定情報を破棄(無効化)することで標示手段の変更を表示内容に反映させないようにし、標示手段の表示態様を容易に初期化することができる。よって、画像表示手段に表示される表示態様の多種多様化を容易に図ることができる、という効果がある。
<K群:演出用の文字表示とエラー用の文字表示>
所定の始動条件の成立を契機として始動情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された前記始動情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において、所定の識別情報である特別識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記取得手段により取得される前記始動情報を記憶する記憶手段(例えば、実行情報格納エリア223i)と、
該記憶手段に記憶されている前記始動情報に基づいて、前記動的表示において前記特別識別情報を現出するか、又は、該特別識別情報と異なる一般識別情報(例えば、「ハズレ表示」)を現出するかを判断する判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
前記画像表示手段において、互いに所定の関連性を有して表示される複数の標示手段(例えば、リーチ発生時文字表示Se1、リーチ中文字表示Se2、定型句文字表示Se3および疑似定型句文字表示Se4)と、
前記判断手段による判断結果に基づいて、前記標示手段の表示態様を、所定の第1態様(例えば、「白色」)から、該第1態様と異なる第2態様(例えば、「赤色」)に変更する標示態様変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
遊技機の状態を判断する状態判断手段(例えば、下皿満タンスイッチ)と、
該状態判断手段による判断結果に基づいて、遊技機の状態を報知する状態報知手段(例えば、エラー文字表示Se5)と、
該状態報知手段によって遊技機の状態を報知する場合に、前記標示態様変更手段による前記標示手段の変更状況に同調するように前記状態報知手段の報知態様を変更する状態報知同調手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機K0。
遊技機K0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により始動情報が取得され、その取得手段により取得された始動情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて画像表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報である特別識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。また、取得手段により取得される始動情報が記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶される始動情報に基づいて、動的表示において特別識別情報を現出するか、特別識別情報と異なる一般識別情報を現出するかが判断手段により判断される。また、画像表示手段において、互いに所定の関連性を有する複数の標示手段が表示される。そして、判断手段による判断結果に基づいて、標示態様変更手段により、標示手段の表示態様が、所定の第1態様から、該第1態様とは異なる第2態様に変更される。ここで、状態判断手段により、遊技機の状態が判断される。また、その状態判断手段による判断結果に基づいて、状態報知手段により、遊技機の状態が報知される。そして、その状態報知手段によって遊技機の状態を報知する場合に、状態報知同調手段により、標示態様変更手段による標示手段の変更状況に同調するように状態報知手段の報知態様が変更される。
従来、遊技機の状態を判断し、その判断結果を状態報知手段によって報知することで、遊技機の状態を遊技者等に認識させるするように構成されている。具体的には、例えば、遊技状態において異常状態が発生した場合には、該異常状態を遊技者に示唆するため、異常音(警告音)を出力すると共に、表示手段において異常(エラー)が発生していることを遊技者に示唆する文字表示を表示し、異常状態であることを遊技者に認識させると共に、その異常原因を遊技者に示唆するように構成されている。
ここで、動的表示において報知される標示手段の報知態様は、動的表示において特別識別情報を現出するか、特別識別情報と異なる一般識別情報を現出するかに基づいて決定される一方、遊技機の状態を報知する状態報知手段は、上記動的表示における特別識別情報の抽選とは無関係にその現出が決定されており、それぞれ独立した制御で報知態様が決定されている。
しかしながら、動的表示の実行中に状態報知手段によって遊技機の状態を報知する場合に、該動的表示において報知される標示手段と、状態報知手段による報知態様とをそれぞれ関連性がない報知態様で実行してしまうと、遊技者は、該動的表示における特別識別情報の期待度や、遊技機の状態を勘違いしてしまうおそれがある。
具体的には、例えば、動的表示における標示手段を第2態様で報知していないにも関わらず状態報知手段を標示手段の第2態様と関連する態様で報知してしまった場合、遊技者は、該状態報知手段の報知態様を目の当たりにして第2態様が報知されたと勘違いをしてしまい、該動的表示で特別識別情報が現出することを期待してしまう。逆に、動的表示における標示手段の報知態様が第2態様で報知されているにも関わらず状態報知手段の報知態様を、標示手段の第2態様ではない第1態様と関連する態様で報知してしまった場合、遊技者は、該状態報知手段の報知態様を目の当たりにすることで、動的表示における特別識別情報の期待度が下がってしまったと勘違いをし、遊技に対して興醒めしてしまう。
そこで、遊技機K0によれば、動的表示の実行中に遊技機の状態を報知するための状態報知手段による報知を行う場合に、該状態報知手段の報知態様を標示手段の報知態様と同調するように構成する。このように構成することで、遊技者は、標示手段と状態報知手段とが同時に報知された場合であっても、動的表示における特別識別情報の現出期待度を勘違いすることもなく、また、遊技機の状態についても明確に認識することができる。よって、遊技機の状態を的確に報知しつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
なお、「互いに所定の関連性を有して報知される複数の標示手段」とは、例えば、標示手段同士が、同一の属性を有する場合や、同一の種類に該当する場合、同一のタイミングに現出する場合、或いは、時間差で現出する場合であっても一方が現出した場合に他方も現出する等、1の標示手段に対して他の標示手段が、時期的、形状的、観念的に有機的に絡む(緊密な連関をもつ)関連性をいう。具体的には、例えば、同一の表示領域に表示される予告表示(リーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一のタイミングで異なる態様で表示される予告表示(強弱キャラ予告等)や、1の予告が現出した後に他の予告が現出する予告表示(ステップアップ予告やリーチ発生時文字表示Se1および定型句文字表示Se3等)や、同一の演出が複数回実行される予告(「疑似連」の変動要素等)や、同一又は類似の音(例えば、「類似の音」とは、音の種類が段階的にステップアップするような音)が断続的に出力される演出等が例示される。
また、「遊技機の状態」とは、例えば、遊技機に発生している異常状態や、遊技機で実行中の遊技者にとって有利な有利遊技状態、或いは、遊技機で遊技を継続している遊技継続状態等が例示される。
遊技機K0において、
前記状態判断手段は、
遊技機が所定の正常状態ではない異常状態であるか否かを判断する異常状態判断手段、を備え、
該異常状態判断手段によって異常状態と判断された場合に、該異常状態の異常種別を前記状態報知手段によって報知する異常種別報知手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機K1。
遊技機K1によれば、遊技機K0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態判断手段に設けられた異常状態判断手段により、遊技機が所定の正常状態ではない異常状態であるか否かが判断される。そして、異常状態判断手段によって異常状態と判断された場合に、異常種別報知手段により、異常状態の異常種別が状態報知手段により報知される。これにより、異常状態の種別を遊技者等に報知することができ、遊技機における異常個所を明確に認識させ、早期に異常の解消を図ることができる、という効果がある。
遊技機K0又はK1において、
前記態様変更手段は、
前記標示手段の表示色を、所定の通常表示色(例えば、「白色」)から、該通常表示色と異なる特殊表示色(例えば、「赤色」)に変更する色変更手段(例えば、文字色抽選カウンタ223f)と、
該色変更手段によって前記標示手段の表示色が前記通常表示色から前記特殊表示色に変更されるタイミング(例えば、リーチ発生時文字表示Se1を表示するタイミング、又は、リーチ中文字表示Se2を表示するタイミング)を選択する色変化タイミング選択手段(色変化タイミングカウンタ223g)と、を備え、
前記状態報知同調手段は、
前記色変化タイミング選択手段によって前記標示手段の表示色が前記特殊表示色に変更されるタイミング以降に現出する前記状態報知手段の表示色を、前記特殊表示色と同一又は同系統の表示色で表示する同系統表示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K0又はK1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、態様変更手段に設けられた色変更手段により、標示手段の表示色が、所定の通常表示色から、該通常表示色と異なる特殊表示色へ変更される。また、色変化タイミング選択手段により、色変更手段によって標示手段の表示色が通常表示色から特殊表示色へ変更されるタイミングが選択される。そして、状態報知同調手段に設けられた同系統表示手段により、色変化タイミング選択手段によって標示手段の表示色が特殊表示色に変更されるタイミング以降に現出する状態報知手段に表示色が、特殊表示色と同一又は同系統の表示色で表示される。これにより、動的表示の実行中に遊技機の状態を報知する場合に、標示手段の表示色が変更された後に現出する該状態報知手段の表示色を標示手段の表示色と同一又は同系統で表示することができる。よって、遊技者は、標示手段と状態報知手段とが同時に報知された場合であっても、動的表示における特別識別情報の現出期待度を勘違いすることもなく、また、遊技機の状態についても明確に認識することができる。よって、遊技機の状態を的確に報知しつつ、演出内容の齟齬が発生しないようにし、遊技者に過度な期待を抱かせず、遊技者が不信感を感じることがない快適な遊技を提供することができる、という効果がある。
遊技機K2において、
前記状態報知同調手段は、
前記色変化タイミング選択手段によって選択されたタイミング以前に、前記状態判断手段によって遊技機の状態が判断されて、前記状態報知手段によって遊技機の状態を報知する場合に、前記色変更手段によって変更される前記特殊表示色と同一又は同系統の表示色で前記状態報知手段の表示色を表示する事前表示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、色変化タイミング選択手段によって選択されたタイミング以前に、前記状態判断手段よって遊技機の状態が判断されて、状態報知手段によって遊技機の状態を報知する場合に、状態報知同調手段に設けられた事前表示手段により、色変更手段によって変更される特殊表示色と同一又は同系統の表示色で状態報知手段の表示色が表示される。これにより、例えば、標示手段が表示される前の段階で、敢えて状態判断手段によって判断されるような状況を生じさせて状態報知手段を表示させ、該状態報知手段の表示色が如何様に表示されるかを確認する遊技性が生まれ、通常では遊技機の状態の報知機能しかない状態報知手段に動的表示における特別識別情報の現出期待度を示唆する予告機能を付加し、多様な遊技性を実現して、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
なお、上記遊技機A0〜A8のいずれかの構成に対して、上記遊技機B0〜B8,C0〜C6,D0〜D9,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G7,H0〜H8,I0〜I13,J0〜J8,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機B0〜B8のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A8,C0〜C6,D0〜D9,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G7,H0〜H8,I0〜I13,J0〜J8,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機C0〜C6のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A8,B0〜B8,D0〜D9,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G7,H0〜H8,I0〜I13,J0〜J8,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機D0〜D9のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A8,B0〜B8,C0〜C6,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G7,H0〜H8,I0〜I13,J0〜J8,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機E0〜E9のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A8,B0〜B8,C0〜C6,D0〜D9,F0〜F10,G0〜G7,H0〜H8,I0〜I13,J0〜J8,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機F0〜F10のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A8,B0〜B8,C0〜C6,D0〜D9,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G7,H0〜H8,I0〜I13,J0〜J8,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機G0〜G7のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A8,B0〜B8,C0〜C6,D0〜D9,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G7,H0〜H8,I0〜I13,J0〜J8,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機H0〜H8の構成に対して、上記遊技機A0〜A8,B0〜B8,C0〜C6,D0〜D9,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G7,I0〜I13,J0〜J8,K0〜K3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機I0〜I13のいずれかの構成に対し、上記遊技機A0〜A8,B0〜B8,C0〜C6,D0〜D9,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G7,H0〜H8,J0〜J8,K0〜K3のいずれか1にして限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機J0〜J8の構成に対して、上記遊技機A0〜A8,B0〜B8,C0〜C6,D0〜D9,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G7,H0〜H8,I0〜I13,K0〜K3のいずれか1にして限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機K0〜K3の構成に対して、上記遊技機A0〜A8,B0〜B8,C0〜C6,D0〜D9,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G7,H0〜H8,I0〜I13,J0〜J8のいずれか1にして限定した構成を適用してもよい。これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
遊技機A0〜A8,B0〜B8,C0〜C6,D0〜D9,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G7,H0〜H8,I0〜I13,J0〜J8,K0〜K3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機I1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A0〜A8,B0〜B8,C0〜C6,D0〜D9,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G7,H0〜H8,I0〜I13,J0〜J8,K0〜K3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機I2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A0〜A8,B0〜B8,C0〜C6,D0〜D9,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G7,H0〜H8,I0〜I13,J0〜J8,K0〜K3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機I3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお、上記実施形態に記載の「第1入球口64」への「入球」が特許請求の範囲の「所定の始動条件」に対応し、上記実施形態に記載の「カウンタC1〜C3,CS1の値」が特許請求の範囲の「取得手段」により取得される「情報」に対応し、上記実施形態に記載の「第3図柄」が特許請求の範囲に記載の「識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「変動演出」が特許請求の範囲に記載の「識別情報の動的表示」に対応し、上記実施形態に記載の「大当たり図柄」が特許請求の範囲に記載の「所定の識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「大当たり」が特許請求の範囲に記載の「所定の遊技価値」に対応する。