JP2018184041A - 可動ホーム柵 - Google Patents

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Abstract

【課題】電熱に依らずに、戸袋と扉体の間の着雪が凍結して生じる開閉不全の発生を抑制できる可動ホーム柵を提供する。【解決手段】床面2に固定される戸袋3と、戸袋3に進退自在に支持されて、閉扉時には戸袋3の端面に形成された開口3eを通って戸袋3の外部に引き出され、開扉時には開口3eを通って戸袋3の内部に引き込まれる扉体4を備え、戸袋3の端面の開口3eの周縁に、水接触角を90°以上にする疎水性表面を備える枠板14を備える。【選択図】図3

Description

この発明は、可動ホーム柵に関する。
可動ホーム柵は鉄道駅のプラットホーム等に設置される一種の自動ドア装置であり、プラットホームに列車が到着すると開扉されて、乗客の列車への乗降を可能にし、乗降客の乗降が終わると閉扉される。可動ホーム柵は、プラットホームに固定される戸袋と、戸袋に進退自在に支持される扉体を備えている。扉体は、閉扉時には戸袋の端面に形成された開口を通って戸袋の外部に引き出され、開扉時には開口を通って戸袋の内部に引き込まれる(特許文献1)。
寒冷地の屋外のプラットホームに設置された可動ホーム柵においては、降雪があると、戸袋と扉体の間に着雪が生じることがある。深夜の列車の運転終了後の時間帯は、閉扉状態が長時間継続する。そのため、この時間帯に降雪があると、大量の降雪が着雪する。着雪が戸袋と扉体の間で凍結すると、扉体の動作が妨げられて、動かなくなることがある。つまり、可動ホーム柵は開閉不全状態に陥ることがある。
もっとも、凍結する前に、凍結が予想される部分を加熱すれば、凍結による開閉不全を予防できる。特許文献2,3には、加熱手段を備える可動ホーム柵の発明が開示されている。特許文献2に記載の可動ホーム柵は、扉体を支持するレールと扉体の間での凍結を予防するヒータを備えている。特許文献3に記載の可動ホーム柵は、扉体の内部に加熱空気を流す流路を備えていて、扉体の端部の凍結を予防できる。
また、着雪を抑制できれば、着雪の凍結に起因する開閉不全の発生を抑制することができる。着雪を抑制する技術については、既に多くの研究がされている。非特許文献1には、材料表面特性を制御することによって、着雪氷を防止する技術についての研究報告がされている。
特開2016−210301号公報 特開2007−320438号公報 特開2016−183491号公報
吉田光則 他:着雪氷防止技術に関する研究(第3報)―滑雪と材料表面特性について―、北海道立工業試験場報告、No.299、pp.13−17、2000
前述したように、凍結する前に、凍結が予想される部分を加熱して、凍結による開閉不全を予防する発明は、特許文献2、3に開示されている。しかしながら、特許文献2,3に記載の発明は、戸袋と扉体の間の着雪が凍結して生じる開閉不全を抑制することを目的としていない。そのため、特許文献2,3には、戸袋と扉体の間の着雪が凍結して生じる開閉不全の抑制に適した具体的な手段が開示されていない。また、戸袋と扉体の間の隅部には雪が溜まりやすいので、大量の着雪が生じる。戸袋と扉体の間の着雪を電熱で融解するためには大きな電力を必要とする。
非特許文献1は、屋外に設置された構造物の材料表面特性を制御して、構造物への着氷雪を防止する技術についての知見が述べられている。しかしながら、非特許文献1においては、前記技術を可動ホーム柵に適用して、戸袋と扉体の間の着雪が凍結して生じる開閉不全の発生を抑制する具体的な手段は開示されていない。
本発明は、このような背景の下でなされたものであり、電熱に依らずに、戸袋と扉体の間の着雪が凍結して生じる開閉不全の発生を抑制できる可動ホーム柵を提供することを目的とする。
本発明に係る可動ホーム柵は、設置場所に固定される戸袋と、戸袋に進退自在に支持されて、閉扉時には戸袋の端面に形成された開口を通って戸袋の外部に引き出され、開扉時には開口を通って戸袋に引き込まれる扉体を備え、戸袋の端面の開口の周縁に、水接触角を90°以上にする疎水性表面を備えるものである。
本発明によれば、戸袋の端面の開口の周縁に、水接触角を90°以上にする疎水性表面を備えているので、開口の周縁で凍結した着雪の付着力は小さい。そのため扉体と戸袋の間で着雪が凍結しても、扉体が動作する際に、凍結した着雪は、戸袋から容易に剥がれる。そのため、戸袋と扉体の間で凍結した着雪によっては、扉体の動作は妨げられない。このように、本発明によれば、戸袋と扉体の間の着雪が凍結して生じる可動ホーム柵の開閉不全の発生が抑制される。
本発明の実施の形態に係る可動ホーム柵をホームから見る図であり、(A)は閉扉状態を示す外形図、(B)は開扉状態を示す外形図 図1に示した可動ホーム柵のホーム側のパネルを取り外した状態を示す図であり、(A)は閉扉状態を示す構成図、(B)は開扉状態を示す構成図 図1に示した可動ホーム柵を戸先側から見る外形図 図2に示した可動ホーム柵を、図2においてAA’線で示す平面で切断して示す断面図 変形例2に係る可動ホーム柵の扉体をホームから見る外形図
以下、本発明の実施の形態に係る可動ホーム柵について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面においては、同一または同等の部分に同一の符号を付している。
図1(A)と図1(B)は、この発明の実施の形態に係る可動ホーム柵1を、設置場所である鉄道駅のプラットホームの床面2に設置した状態をホームから見た外形図である。図1(A)と図1(B)に示すように、床面2には、3台の可動ホーム柵1が直列に配列されている。可動ホーム柵1は、戸袋3と扉体4を備えている。戸袋3は扉体4を進退自在に支持する筐体である。閉扉時、つまり図1(A)に示す状態においては、扉体4は戸袋3の外に引き出される。開扉時、つまり図1(B)に示す状態において、扉体4は戸袋3の中に収容される。
図1(A)は、プラットホームに列車5が到着していない状態を示している。前述したように、この時、各可動ホーム柵1の扉体4は戸袋3の外に引き出され、隣接する可動ホーム柵1の扉体4の戸先は、出入口6の中央において、互いに当接する。その結果、出入口6は2枚の扉体4によって閉鎖される。
プラットホームに列車5が到着すると、図1(B)に示すように、各可動ホーム柵1の扉体4は戸袋3の中に引き込まれる。その結果、出入口6が開放されて、乗降客の乗降が可能になる。乗降客の乗降が完了すると、各扉体4は、再び、戸袋3から引き出されて、出入口6は再び閉鎖される。つまり、図1(A)に示す状態に戻る。なお、可動ホーム柵1は、図示しない制御装置で制御されて自動的に運転される。
図2(A)と図2(B)は可動ホーム柵1の戸袋3のホーム側のパネルを取り外して、戸袋3の内部の構成を示す図であり、図2(A)は閉扉時の状態を、図2(B)は開扉時の状態を、それぞれ示している。また、図2(A)と図2(B)においては、閉扉時に戸袋3の左側に引き出される扉体4と、この扉体4に関係する構成要素のみを図示している。つまり、図2(A)と図2(B)においては、閉扉時に戸袋3の右側に引き出される扉体4と、その扉体4に関係する構成要素の図示を省略している。閉扉時に戸袋3の右側に引き出される扉体4と、該扉体4に関係する構成要素は、左側に引き出される扉体4と、該扉体4に関係する構成要素と左右対称に配置されている。
図2(A)と図2(B)に示すように、戸袋3は、下部フレーム3a、上部フレーム3b及び支柱3c、3dを備える。下部フレーム3aは図示しないアンカーボルトで床面2に固定された鋼製の構造部材である。支柱3c、3dは、下部フレーム3aに溶接により固定されて立設された鋼製の柱状部材である。また、上部フレーム3bは鋼製の構造部材であり、両端が支柱3c、3dの上端に溶接により固定されている。なお、支柱3cには、開口3eが設けられていて、扉体4は開口3eを通って、戸袋3に対して進退する。
上部フレーム3bの下面には上部案内レール3fが配置され、上部フレーム3bに固定されている。下部フレーム3aの上面には下部案内レール3gが配置され、下部フレーム3aに固定されている。上部案内レール3fと下部案内レール3gは、扉体4が進退する方向に延びて、扉体4を戸袋3に進退自在に支持する案内レールである。
扉体4の戸尻側の端部の上部には、上部ブラケット7が溶接により固定されている。上部ブラケット7には上部戸車7aが軸支されている。上部戸車7aは上部案内レール3fに当接して転動する。扉体4の戸尻側の端部の下部には、下部ブラケット8が溶接により固定されている。下部ブラケット8には下部戸車8aが軸支されている。下部戸車8aは下部案内レール3gに当接して転動する。
扉体4を、戸袋3に対して進退させる駆動機構について説明する。図2(A)と図2(B)に示すように、戸袋3には、駆動プーリ9と従動プーリ10が、扉体4の進退方向に間隔を空けて軸支されている。駆動プーリ9と従動プーリ10の間には無端ベルト11が巻き回されている。無端ベルト11は、ベルトクランプ12を介して扉体4に連結されている。
図2(A)に示す状態において、駆動プーリ9を矢印CWで示す方向に、つまり時計回りに回転させると、無端ベルト11は駆動プーリ9と従動プーリ10の間を時計回りに循環移動する。そのため、ベルトクランプ12は矢印BWDで示す方向に移動する。そして、扉体4はベルトクランプ12に曳かれて戸袋3の内部に引き込まれる。
図2(B)に示す状態において、駆動プーリ9を矢印CCWで示す方向に、つまり反時計回りに回転させると、無端ベルト11は駆動プーリ9と従動プーリ10の間を反時計回りに循環移動する。そのため、ベルトクランプ12は矢印FWDで示す方向に移動する。そして、扉体4はベルトクランプ12に押されて戸袋3の外部に引き出される。可動ホーム柵1は、このようなベルト・プーリ機構を備えている。
最後に、可動ホーム柵1において、戸袋3と扉体4の間で着雪が凍結して生じる開閉不全の発生を抑制する手段を説明する。図2(A)と図2(B)に示すように、扉体4の側面には着雪抑制板13が取り付けられている。図2(A)に示すように、着雪抑制板13は、扉体4が閉扉位置にある時に、閉扉時において戸袋3の端面と交差する部位に取り付けられている。つまり、着雪抑制板13は、扉体4が閉扉位置にある時に、一部が戸袋3の外に露出し、他の一部が戸袋3の内部にある。戸袋3の端面とは、図3に現れる戸袋3の外面であって、図2(A)と図2(B)において、戸袋3の左側にある端面である。なお、着雪抑制板13は、扉体4の側面に固定されていて、扉体4と共に進退する。図2(B)に示すように、着雪抑制板13は、扉体4が開扉位置にある時には、着雪抑制板13も戸袋3の内部に引き込まれる。
着雪抑制板13の高さは扉体4の高さと等しくされていて、扉体4の下端から上端までが着雪抑制板13によってカバーされる。また、図3に示すように、着雪抑制板13は扉体4の両側面に、つまり扉体4の軌道側の側面とホーム側の側面の両方に取り付けられている。
また、図2(A),(B)と図3に示すように、戸袋3の端面には枠板14が取り付けられている。枠板14は矩形の平板であって、開口3eは枠板14を貫いている。つまり、枠板14は開口3eの周囲に配置されて、開口3eを額縁状に取り囲む平板である。
また、図2(A)、図3及び図4に示すように、戸袋3と扉体4の間に付着した着雪が凍結して生じる雪氷20は、着雪抑制板13と枠板14の間で凍結する。つまり、雪氷20の塊の一端は着雪抑制板13に凍着され、他端は枠板14に凍着される。
着雪抑制板13と枠板14の表面は、ポリテトラフルオロエチレン(四フッ素化樹脂、PTFE)を含有する皮膜で被覆されている。PTFEを含有する皮膜の表面の水接触角は約114°になる。そのため、着雪抑制板13と枠板14の表面を、PTFEを含有する皮膜で被覆すれば、水接触角を約90°以上にする疎水性表面が得られる。
なお、着雪抑制板13と枠板14の表面に、PTFEを含有する皮膜を形成する際には、まず、着雪抑制板13と枠板14の表面を洗浄し、ブラストによる下地処理を行う。その後、PTFEの密着を改善するために着雪抑制板13と枠板14に下塗り塗料を塗布し、乾燥し、焼き付け炉に入れて、下塗り塗料を焼き付ける。下塗り塗料の焼き付けが終わったら、下塗り塗料の上にPTFEを含有する塗料を塗布し、乾燥し、焼き付け炉に入れて、PTFE含有塗料を着雪抑制板13と枠板14に焼き付ける。そして、必要な膜厚が得られるまで、PTFE含有塗料の塗布と焼き付けを繰り返す。以上の手順を経て、着雪抑制板13と枠板14の表面に、PTFEを含有する皮膜が形成される。
なお、水接触角とは空気中に置かれた固体の表面の撥水性を評価する指標であり、空気中に置かれた固体の表面に水滴を置いた時に、固体と空気と水が互いに接触する境界線において、水滴の表面が固体の表面と成す角度である。水接触角が180°であれば、水滴は球形になる。水接触角が0°であれば、水滴は潰れて、固体の表面に拡がる。水接触角が180°になる表面は撥水性が最大になる表面であり、水接触角が0°になる表面は親水性が最大になる表面である。一般に固体の表面の水接触角が90°以上であれば、当該表面は撥水性を有すると評価され、水接触角が90°未満であれば、当該表面は親水性を有すると評価される。
着雪が物体の表面で凍結している場合、撥水性の高い表面では、凍結した着雪と物体の接触面積が小さいので、凍結した着雪の物体に対する付着力が小さい。そのため、撥水性の高い表面で着雪が凍結しても、凍結した着雪は表面から容易に剥がれる。
前述したように、着雪抑制板13と枠板14は、水接触角を90°以上にする疎水性表面を備えているので、着雪抑制板13と枠板14の表面において着雪が凍結して生じた雪氷20の付着力は小さい。そのため、扉体4を動作させれば、雪氷20は着雪抑制板13と枠板14から容易に剥がれる。そのため、戸袋3と扉体4の間で着雪が凍結しても、扉体4の動作は妨げられない。このように、可動ホーム柵1においては、戸袋3と扉体4の間での着雪の凍結に起因する開閉不全の発生が抑制される。
なお、非特許文献1によれば、PTFEの表面における雪氷の付着力には、温度依存性がほとんど存在しない。つまり、広い温度範囲で、ほぼ一定の低い付着力が生じる。そのため、PTFEを用いて着雪抑制板13と枠板14の表面に疎水性表面を形成すれば、広い温度範囲で、可動ホーム柵1において、戸袋3と扉体4の間での着雪の凍結に起因する開閉不全の発生を抑制できる。
また、着雪抑制板13と枠板14の表面を、PTFE以外のフッ素系樹脂を含有する皮膜で被覆しても、水接触角を90°以上にする疎水性表面が得られる。着雪抑制板13と枠板14の表面を、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)を含有する皮膜で被覆すれば、約105°〜110°の水接触角を有する疎水性表面が得られる。着雪抑制板13と枠板14の表面を、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)を含有する皮膜で被覆すれば、約105°〜115°の水接触角を有する疎水性表面が得られる。
また、着雪抑制板13と枠板14の表面に皮膜を形成して、疎水性表面を構成する樹脂は、フッ素系樹脂には限定されない。着雪抑制板13と枠板14の表面をシリコン樹脂、ポリエチレン、あるいはポリスチレンを含有する皮膜で被覆しても良い。着雪抑制板13と枠板14の表面を、シリコン樹脂を含有する皮膜で被覆すれば、約90°〜110°の水接触角を有する疎水性表面が得られる。着雪抑制板13と枠板14の表面を、ポリエチレンを含有する皮膜で被覆すれば、約88°〜109°の水接触角を有する疎水性表面が得られる。着雪抑制板13と枠板14の表面を、ポリスチレンを含有する皮膜で被覆すれば、約88°〜109°の水接触角を有する疎水性表面が得られる。
上記において、着雪抑制板13と枠板14の表面に各種の疎水性樹脂を塗布して、樹脂皮膜を形成して、疎水性表面を形成する方法を例示した。しかしながら、上記の疎水性樹脂を利用して、疎水性表面を形成する具体的な手段は、塗布に依る物には限定されない。上記の疎水性樹脂で構成されるフィルムを着雪抑制板13と枠板14の表面に貼り付けても良い。あるいは、着雪抑制板13と枠板14の全体を上記の疎水性樹脂のみで構成しても良い。つまり、上記の疎水性樹脂のみで構成される板材を着雪抑制板13あるいは枠板14としても良い。
着雪抑制板13と枠板14の表面に疎水性表面を形成する手段は、高撥水性を有する物質を利用するものには限定されない。着雪抑制板13と枠板14の表面に微細な凹凸を形成して、ロータス効果によって撥水性が強化されるようにしても良い。微細な凹凸を形成する手段は特に限定されない。特開平6−263897号公報の第0018段落に記載されている各種の手段を選択することができる。つまり、微細な凹凸を形成する手段は、鉄粉のブラスト、ワイヤーホイールブラシ、ベルトサンダーによるものであっても良いし、プラズマを用いるものであっても良い。
(変形例1)
非特許文献1によれば、環境温度が−3℃を超える場合は、親水性表面の方が疎水性表面よりも難着雪効果が高いとされている。環境温度が−3℃を超える場合は、親水性表面と着雪の間の界面に水膜が形成されるので、親水性表面で凍結した着雪は、容易に滑るからである。したがって、環境温度が−3℃を超える場合は、着雪抑制板13と枠板14の表面に水接触角を40°以下にする親水性表面を形成すれば、可動ホーム柵1において、戸袋3と扉体4の間での着雪の凍結に起因する開閉不全の発生を抑制できる。しかしながら、環境温度が−3℃以下の場合は、親水性表面において凍結した着雪は容易には剥がれない。つまり、着雪抑制板13と枠板14の両方に親水性表面を備えると、環境温度が−3℃以下の場合は、可動ホーム柵の開閉不全の発生を抑制できない。
そこで、枠板14の表面を、PTFEを含有する皮膜で被覆して、水接触角を90°以上にする疎水性表面を形成するとともに、着雪抑制板13の表面に、シリカを含有する溶液を塗布し、乾燥させて、水接触角を40°以下にする親水性表面を形成すれば、環境温度の高低に関わらず、戸袋3と扉体4の間での着雪の凍結に起因する開閉不全の発生を抑制できる。つまり、環境温度が−3℃以下の場合は、着雪抑制板13と枠板14の間にある雪氷20は、枠板14の表面から容易に剥がれるので、扉体4の動作を妨げない。環境温度が−3℃を超えている場合は、着雪抑制板13と枠板14の間にある雪氷20は、着雪抑制板13の表面で滑るので、扉体4の動作を妨げない。
なお、着雪抑制板13の表面に水接触角を40°以下にする親水性表面を形成する手段は、上記のシリカを含有する溶液を塗布するものには、限定されない。各種の公知の手段を任意に選択することができる。特開2000−1340号公報に記載されているように、金属酸化物被膜をゾルゲル法によって形成し、その上にシリカや非晶質の金属酸化物等を含むゾル液を塗布して、その後、焼成しても良い。特許第4131534号公報に記載されているように、母材を親水性コーティング液に浸漬し、次いで、母材を加熱炉に装入し、加熱して、親水性被膜を形成するようにしても良い。特許第5094081号公報に記載されているように、親水性ポリマーを含む水溶液を母材に塗布し、加熱、乾燥することによって、親水性被膜を形成するようにしても良い。
(変形例2)
ガラス板の表面の水接触角は約35°〜45°の範囲にある。つまり、ガラス板は親水性表面を備えている。扉体4の一部がガラス板で構成されていて、そのガラス板の表面の水接触角が40°以下である場合、ガラス板には着雪抑制板13を取り付ける必要がない。そこで図5に示すように、扉体4が外枠4aと、外枠4aによって四周が支持されるガラス板4bとで構成される場合に、外枠4aのみに着雪抑制板13が取り付けられるようにしても良い。
以上、説明したように、上記実施の形態によれば、着雪抑制板13と枠板14の表面に水接触角を90°以上にする疎水性表面が形成されているので、着雪抑制板13と枠板14において凍結した着雪は、容易に剥離する。そのため、着雪抑制板13と枠板14の間で凍結した着雪は扉体4の動作を妨げない。このように、上記実施の形態に係る可動ホーム柵1においては、着雪抑制板13と枠板14の間で凍結した着雪に起因する開閉不全の発生を抑制できる。
変形例1によれば、着雪抑制板13の表面に水接触角を40°以下にする親水性表面が形成されているので、環境温度が−3℃を超えている場合に、着雪抑制板13の表面で凍結した着雪は、着雪抑制板13の表面において容易に滑雪する。そのため、着雪抑制板13の表面で凍結した着雪は扉体4の動作を妨げない。枠板14の表面には水接触角を90°以上にする疎水性表面が形成されているので、環境温度が−3℃以下である場合には、枠板14の表面において凍結した着雪は、枠板14の表面から容易に剥離する。そのため、枠板14の表面において凍結した着雪は、扉体4の動作を妨げない。このように、変形例1に係る可動ホーム柵1においては、環境温度の高低に関わらず、着雪抑制板13と枠板14の間で凍結した着雪に起因する開閉不全の発生を抑制できる。
変形例2によれば、外枠4aのみに着雪抑制板13を取り付けられるので、水接触角を40°以下にする親水性表面を形成する範囲を小さくすることができる。その結果、可動ホーム柵1の製造コストが削減される。
なお、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態と各変形例によっては限定されない。本発明は特許請求の範囲に記載された技術的思想の限りにおいて、自由に応用、変形あるいは改良して、実施することができる。
上記実施の形態と各変形例においては、可動ホーム柵1に着雪抑制板13と枠板14を備える例を示した。別工程において着雪抑制板13と枠板14に疎水性表面あるいは親水性表面を形成して、その後に着雪抑制板13と枠板14を、扉体4と戸袋3にそれぞれ取り付ければ、加工を容易にすることができる。しかしながら、着雪抑制板13と枠板14は必須の構成要素ではない。着雪抑制板13を省いて、戸袋3の側面に直接、疎水性表面あるいは親水性表面を形成しても良い。枠板14を省いて、戸袋3の端面の開口3eの周縁に直接、疎水性表面を形成しても良い。
上記実施の形態と各変形例においては、扉体4の両側面、つまり軌道側とホーム側の両方に着雪抑制板13を備える例を示したが、可動ホーム柵1はこのようなものには限定されない。疎水性表面あるいは親水性表面は、扉体4の軌道側あるいはホーム側のいずれか一方の側面に形成されても良い。
戸袋3と扉体4において、疎水性表面あるいは親水性表面が形成される範囲の大きさは、上記実施の形態と各変形例によっては限定されない。疎水性表面あるいは親水性表面が形成される範囲の大きさは任意に選択できる。戸袋3の端面の全体、あるいは側面と上面を含む戸袋3の外表面の全体に疎水性表面が形成されるようにしても良い。扉体4の外表面の全体に疎水性表面あるいは親水性表面が形成されるようにしても良い。
疎水性表面あるいは親水性表面を形成する手段は、上記実施の形態と各変形例で例示されたものには限定されない。公知の各種の手段を任意に選択することができる。あるいは、将来において実現される各種の手段を任意に選択することができる。疎水性表面あるいは親水性表面を形成する手段はナノ構造体を利用するものであっても良い。
図2において図示した可動ホーム柵1のメカニズムの具体的な構成は任意である。可動ホーム柵1は、駆動プーリ9と従動プーリ10と無端ベルト11を備えるものには限定されない。つまり、可動ホーム柵1において扉体4を進退させる機構は、ベルト・プーリ機構には限定されない。可動ホーム柵1は、送りねじ、プッシュプルチェーン、油気圧機器、ラック・ピニオン機構を利用するものであっても良い。扉体4はリニアモータで駆動されても良い。
本発明は、可動ホーム柵に好適に利用することができる。
1 可動ホーム柵、2 床面、3 戸袋、3a 下部フレーム、3b 上部フレーム、3c,3d 支柱、3e 開口、3f 上部案内レール、3g 下部案内レール、4 扉体、4a 外枠、4b ガラス板、5 列車、6 出入口、7 上部ブラケット、7a 上部戸車、8 下部ブラケット、8a 下部戸車、9 駆動プーリ、10 従動プーリ、11 無端ベルト、12 ベルトクランプ、13 着雪抑制板、14 枠板、20 雪氷


Claims (8)

  1. 設置場所に固定される戸袋と、
    前記戸袋に進退自在に支持されて、閉扉時には前記戸袋の端面に形成された開口を通って前記戸袋の外部に引き出され、開扉時には前記開口を通って前記戸袋に引き込まれる扉体を備え、
    前記戸袋の前記端面の前記開口の周縁に、水接触角を90°以上にする疎水性表面を備える、
    可動ホーム柵。
  2. 前記扉体の、閉扉時において前記戸袋の前記端面と交差する部位に、水接触角を90°以上にする疎水性表面を備える、
    請求項1に記載の可動ホーム柵。
  3. 前記疎水性表面はフッ素系樹脂で構成されている、
    請求項1又は2に記載の可動ホーム柵。
  4. 前記フッ素系樹脂はポリテトラフルオロエチレンである、
    請求項3に記載の可動ホーム柵。
  5. 前記疎水性表面はシリコン樹脂で構成されている、
    請求項1又は2に記載の可動ホーム柵。
  6. 前記疎水性表面はポリエチレンで構成されている、
    請求項1又は2に記載の可動ホーム柵。
  7. 前記疎水性表面はポリスチレンで構成されている、
    請求項1又は2に記載の可動ホーム柵。
  8. 前記扉体の、閉扉時において前記戸袋の前記端面と交差する部位に、水接触角を40°以下にする親水性表面を備える、
    請求項1に記載の可動ホーム柵。


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