JP2018183283A - 賦活脳波計測装置、及び、賦活脳波計測装置に接続される刺激提示装置 - Google Patents

賦活脳波計測装置、及び、賦活脳波計測装置に接続される刺激提示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】脳機能障害の鑑別に必要なデータを多面的に取得できる賦活脳波計測装置を提供する。【解決手段】本発明の賦活脳波計測装置10は、被検者の頭部の両サイドに当て付けられる一対の当付部5と、これらの当付部同士の間に架け渡されて被検者の頭部上に装着されるヘッドバンド3と、ヘッドバンド3に設けられ、被検者に対して刺激を与えた際に得られる賦活脳波を検知する脳波検知部20と、ヘッドバンドに設けられ、脳波検知部20の動作を制御する制御部25と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、認知症及び神経疾患(精神疾患)を含む脳機能障害の鑑別に利用できる賦活脳波計測装置、及び、この賦活脳波計測装置に接続される刺激提示装置に関する。なお、ここでの刺激提示装置は、被検者に対して嗅覚に刺激を与える臭気発生装置、聴覚に刺激を与える音発生装置、視覚に刺激を与える画像提示装置、触覚に刺激を与える触覚刺激装置を意味しており、このような刺激提示装置は、賦活脳波計測装置と連動して、被検者の賦活脳波を測定するに際して用いられる。
近年、高齢化社会に伴い、認知症は重大な関心事となっている。通常、認知症は年齢とともに症状が進行するものであり、発症時期を明確に把握、特定することが困難な疾病であることが認識されている。また、実際に認知症を発症して症状が進行してしまうとその回復が難しい反面、普段の生活習慣などに注意することで発症を予防したり、発症初期(実際に発症していたり、発症が疑わしい状態が含まれる)に適切な対処をすることで、その進行を遅らせられることも知られている。
そのため、最近では、認知症の早期発見、早期対応のために、一般内科医に講習を課す「認知症対応かかりつけ医・認知症サポート医」等の制度が普及しつつある。また、これに関連して、本件の発明者は、被検者が特別な診断機関等に出向くことなく、家庭で睡眠検査装置を用いて睡眠データを取得することで認知症のリスクを早期に発見できる認知症リスク判定システムについても提案している(特許文献1参照)。
特開2016−22310号
ところで、認知症の原因疾病は80近くに及ぶが、日本の認知症は、アルツハイマー型認知症(以下「AD」と称する)、レビー小体型認知症(以下「DLB」と称する)、及び、血管性の3種で90%を占める。血管性は、原因が急激であるため判断を誤ることはないが、AD及びDLBは、典型的な事例では顕著な差が認められるものの、複合している場合も多く、そのため、睡眠データだけでは、又は、前述したような短時間の講習程度の経験・知識では、或いは、経験が十分な医師でも、正確に鑑別することが難しく、患者の見逃しや誤診(神経・精神疾患と認知症とを混同したり、認知症タイプの判断ミスを起こすなど)する可能性が生じる。
また、このような多岐にわたる神経・精神疾患において、特に、認知症との関係で紛らわしいのは、鬱と統合失調症があり、これら認知症タイプ、認知症か神経・精神疾患か等を正確に鑑別できないと、適切な治療が成されない、或いは、処方等を誤ってしまい、症状を改善できないばかりか悪化させてしまう可能性も生じる。
したがって、認知症及び神経疾患(精神疾患)を含む脳機能障害を効率的に高い精度で容易に鑑別できるようにするべく、脳機能障害の鑑別に必要なデータを多面的に取得できる装置が早急に望まれる。
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、脳機能障害の鑑別に必要なデータを多面的に取得できる賦活脳波計測装置、及び、この賦活脳波計測装置と接続して被検者に対して刺激を提示する刺激提示装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る賦活脳波計測装置は、被検者の頭部の両サイドに当て付けられる一対の当付部と、これらの当付部同士の間に架け渡されて被検者の頭部上に装着されるヘッドバンドと、前記ヘッドバンドに設けられ、被検者に対して刺激を与えた際に得られる賦活脳波を検知する脳波検知部と、前記ヘッドバンドに設けられ、前記脳波検知部の動作を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
上記した賦活脳波計測装置は、被検者の頭部に装着され、被検者に対して、刺激提示装置から外的な刺激が与えられた際に賦活する脳波を計測することが可能となっている。賦活計測装置は、被検者の頭部の両サイドに当て付けられる一対の当付部と、これらの当付部同士の間に架け渡されて被検者の頭部上に装着されるヘッドバンドを備えたシンプルな構造となっているため、被検者に対して抵抗感を与えることなく、容易に装着することができる。また、被検者に装着した状態では、ヘッドバンドに設けられた脳波検知部が賦活脳波を検知することが可能となる。この賦活脳波を解析することにより、被検者の脳機能障害の鑑別に必要なデータを取得することが可能となる。
被検者に対して刺激を与える刺激提示装置は、上記した賦活脳波計測装置に接続されて、被検者に対して、嗅覚、聴覚、視覚、触覚の少なくとも1つに、何等かの刺激を与えるように構成されたものであれば良い。また、このような刺激提示装置は、賦活脳波計測装置に組み込まれている制御部によって制御されても良いし、その装置が制御部を備え、賦活脳波計測装置の制御部と連動してその装置が制御されるような構成であっても良い。
本発明によれば、脳機能障害の鑑別に必要なデータを多面的に取得することが可能な賦活脳波計測装置が得られる。また、本発明によれば、被検者に対して、賦活脳波の測定が容易に行える刺激提示装置が得られる。
本発明に係る賦活脳波計測装置の一実施形態を示す斜視図。 (a)は、図1に示すヘッドバンドの断面図、(b)はヘッドバンドに組み込まれる制御部(制御ユニット)の概略斜視図。 (a)は、図1に示す耳当部に着脱自在に取り付けられるイヤパッドの斜視図、(b)は(a)のイヤパッドが装着された耳当部の側面図。 (a)は、ヘッドバンドに設けられる脳波検知部付近の断面図、(b)は、脳波検知部における電極部の要部拡大断面図。 (a)は電極部を構成する一次電極部の収容体の上蓋の平面図、(b)は収容体の底蓋の平面図、(c)は底蓋の斜視図、(d)は電極部を構成する二次電極部のフェルト電極の斜視図。 (a)は刺激提示装置の一例を示す臭気発生装置の斜視図、(b)は臭気発生装置の臭気吐出端部に装着されるカバーの斜視図。 (a)は臭気発生装置の断面図、(b)は臭気発生装置の角度、高さを調整する調整手段の部分を示す要部側面図。 (a)は臭気発生装置の臭気吐出端部の平面図、(b)は臭気吐出端部の断面図。 (a)は臭気発生装置の臭気吐出端部に設けられる吐出手段を構成する圧電マイクロブロワの斜視図、(b)は図(a)に示す圧電マイクロブロワの要部拡大断面図。 圧電マイクロブロワを伴う臭気源(試料ビン)の断面図。 (a)は図1に示す呼吸検知部を構成する呼吸センサの概略的な正面図、(b)は呼吸センサの概略的な側断面図。 臭気発生装置の臭気吐出タイミングを説明するための、呼吸センサにより計測される被検者の呼吸波形図。 図1に示す賦活脳波計測装置を被検者に装着した状態を示す概略斜視図。 被検者に臭覚刺激を与えたときの賦活脳波の一例の波形図(生データ図)。 被検者に異なる刺激臭を与えたときの賦活脳波の一例の波形図(時間周波数解析図)。 被検者に対して3点オドボール課題を提示して得られる一般的な脳波図であり、上段は作業記憶が正常な人の波形図、中段は作業記憶が弱っている人の波形図、下段は作業記憶が異常な人の波形図。 賦活脳波計測装置、及び、これに接続される刺激提示装置(臭気発生装置、音発生装置)の概略ブロック図。 賦活脳波計測装置の別の実施形態を示す斜視図。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態)に係る賦活脳波計測装置、及び、これに接続される刺激提示装置について説明する。
最初に、図1及び図17を参照して、本実施形態に係る賦活脳波計測装置10、及び、これに接続される刺激提示装置の概要について説明する。
本実施形態の賦活脳波計測装置(以下、計測装置と称する)10は、被検者の頭部の両サイドに当て付けられる一対の当付部5と、これらの当付部同士の間に架け渡されて被検者の頭部上に装着されるヘッドバンド3と、ヘッドバンド3に設けられ、被検者に対して刺激を与えた際に得られる賦活脳波を検知する脳波検知部20と、ヘッドバンド3に設けられ、脳波検知部の動作等を制御する制御部25と、を備えている。
また、本実施形態の計測装置10に対しては、刺激提示装置として、被検者の嗅覚に対して刺激を与える臭気発生装置40と、被検者の聴覚に対して刺激を与える音発生装置60(音発生装置は計測装置10と一体化される)が接続される。このような計測装置、及び、刺激提示装置は、例えば、アルツハイマー型認知症(AD)やレビー小体型認知症(DLB)に代表される神経変性性認知症、鬱、及び、統合失調症を発症しているか否か、そのタイプの鑑別に使用されてもよい。
一般的に、神経変性性認知症は、神経細胞の周りにアミロイドβ等の有害なタンパク質が溜まることにより、神経細胞を構成しているタンパク質が変性して発症することが知られている。また、このタイプを代表する認知症の種別(主にAD,DLBの種別)については、ADでは臭いの判別能力の低下、次に多く認められるDLBでは臭いを感ずる能力の低下があること、嗅覚に臭いの刺激を与えたとき、刺激を検知すると脳波反応が起きること、検知の有無、程度については刺激後おおよそ300msの脳波の頂点潜時・振幅によ
って、異なる臭いをかぎ分け能力については、脳波の時間周波数解析により把握できること等が知られている。更に、その嗅覚異常の原因が神経変性性認知症のような中枢神経に原因するか否かの判別には皮膚に対して両側同時刺激を与えたときの「消去現象」(両側同時刺激時に一方の刺激しか感じられない現象をいう)の確認により行うことが可能である。この確認は、計測装置10に対して触覚刺激装置140を接続し、被検者に対して、指などに点状の押圧刺激を付与した際に賦活される脳波刺激を計測することで得られるのであり、後述するオドボール刺激を皮膚に対して与える方法により、定量的、他覚的に検出することが可能になる。
一方、脳の司令塔である前頭前野の働きの良否は、作業記憶(ワーキングメモリとも称される)により検知できることが知られている。作業記憶とは、たとえば17*5を計算する場合、5*7=35を初めに求め、次に10*5=50を求め、最後に両者を合計する際、この初めに求めた35を記憶している力をいう。作業記憶は、視覚、聴覚等に3点オドボール法(刺激成分aを70%、刺激成分bを20%、刺激成分cを10%等の様に区分して提示する方法)により刺激を提示したときの賦活脳波abc各刺激時脳波の頂点潜時・振幅変化によって把握できることが知られている。
本実施形態による計測装置10は、それに組み込まれている音発生装置60(ヘッドホン型のスピーカ61が対応する)によって、聴覚刺激による前頭前野の健全性、及び、それに接続される画像提示装置(例えば、ディスプレイ等)130との連動により視覚刺激による前頭前野の健全性を確認することができる。一般にDLBでは視覚に対する作業記憶が、統合失調症では音に対する作業記憶が低下することが知られており、これらの刺激低ぞ装置を接続することにより、認知症及び神経疾患(精神疾患)を含む脳機能障害の鑑別に必要な情報(データ)を多面的、定量的、他覚的に取得できる。
なお、前述した頂点潜時とは、刺激出力開始時点からプラスの波形ピーク(例えばP300成分など)又はマイナスの波形ピーク(例えばN200成分など)が生じるまでの時間(ms)又はその生じた時点のことであり(図14参照)、また、(頂点)振幅は、刺激出力開始前から出力開始時点までの脳波を平均して基線とし、この基線から各波形ピークまでの大きさ(図14の縦軸)である。
前記計測装置10は、測定中、被検者に対して負担を強いることなく且つ測定に際して正確な脳波(波形信号)が得られるように図られている。後述するように、被検者に対して臭気を提示する図6から図10に示す臭気発生装置40は、被験者の呼吸に合わせて特定の臭気(或いは臭気パターン)を提示するように構成されるため、被験者は嗅ぐことを強制されない。また、臭いの吐出量、集臭い袋容積(S1)は、1吸気容積に合わせているので残臭を生じさせない。さらに、提示回数も6回(2*3回)で、馴致性を回避し計測時間の短縮に寄与している。すなわち、認知機能の衰えた被検者も問題なく検査できる。
また、聴覚についても、ヘッドホン型の音発生装置60により、ノイズの少ない刺激提示が可能であるため、検査時間の短縮、ひいては被験者の負荷の軽減に寄与する(これは、視覚刺激においても同様である)。
上記のように、計測装置10は、音発生装置60を内在しており、また連動する臭気発生装置40に接続される形態を成すため、携帯性及び装着固定性に優れ、例えば、各地方自治体が運営する医療・保健センター、地域病院、個人的な開業医などで簡単に使用して検査を容易に行なうことができる。
以下、計測装置10の具体的な構成について図1〜図5及び図13を参照して説明する。
本実施形態に係る計測装置10は、図1及び図13に示すように、被検者100の両耳に当て付けられる一対の当付部5と、これらの当付部5同士の間に架け渡されて被検者100の頭部100b上に装着されるヘッドバンド3とを備えた、いわゆるヘッドホン型で構成される。
なお、各当付部5は、連結部8を介して接続されており、この接続部8には、ヘッドバンド3の上方に外側バンド2が連結されて、被検者の頭部の大きさに合せて当付部5の長さを調整できるようになっている。また、各当付部5には、被検者100の耳を覆うようにして当て付くように、スポンジ状の使い捨て可能なイヤパッド4が着脱自在に取り付けられる。或いは、使い捨て可能なイヤパッド4は、スポンジではなく、例えばプラスチック等により枠状に形成される図3(a)に示されるようなイヤパッド9で構成されていても良いし、そのようなイヤパッド9を図3(b)に示すように、スポンジ状のイヤパッド4Aに対して装着してももよい。
上記したように、各当付部5には、被検者100に聴覚刺激を与える音を発生するように、刺激提示装置としての音発生装置60が設けられる。この音発生装置60は、各当付部5を構成するフレームに設けられており、計測装置10が図13に示すように、被検者100の頭部100bに装着された際、被検者100の両側の耳を覆うように配設される一対のスピーカ61を備えている。このスピーカ61からは、ヘッドバンド3内に組み込まれた制御部(制御ユニット)25を介して、異なる音階の音(提示音)がオドボール提示できるようになっている。なお、音源については、制御部に設けられている記憶部に予め格納されている音情報に基づいて提示しても良いし、外部装置(例えばパーソナルコンピュータなど)200から入力されて提示するようにしても良い。
前記ヘッドバンド3には、その略中央部に、被検者100に刺激(臭覚刺激や聴覚刺激など)を与えた際に得られる賦活脳波を検知する脳波検知部20が貫通支持された状態で設置されている。この脳波検知部20は、外部から被検者100に刺激を与えた際に、脳波の変化が効果的に測定できる部位、具体的には、N200,P300と称される脳波が検知できる部位に当て付けられる電極部21を備えている。すなわち、本装置の電極部21は、国際10−20法に従うところの頭頂部領域である被検者100の正中中心部(Cz)や正中頭頂部(Pz)に対して垂直方向から圧着されるようになっており、これにより、電極部の導電性能を最大化する構造(例えば、電極抵抗が5Ω以下に設定される)を備えている。また、電極部21が当接する頭頂部領域は、感覚器官を刺激した際に生ずる体性感覚野における脳波の変化を広く測定できることから、計測装置として、1極のみの簡略な装置構成とすることを可能にした。
前記制御部25は、信号処理回路、脳波解析アルゴリズムや各種制御プログラムを搭載したCPUを組み込んでおり、例えば、縦寸法が27.9mm、横寸法が15.2mm、及び、厚さが2.5mm程度の大きさを備えた基板状に構成されたものを活用することができ、短い電気配線19を介して電極部21(正確には、後述する銀皿電極28)に電気的に接続される。この制御部25は、後述するバネ27を固定する固定板(図示せず)から被検者100の頭部100b側へ離間されてバネ27の自由端に結合される可動安定板図示せず上に設けられてもよい。
前記脳波検知部20は、電極部21と、電極部21を被検者100の頭部100bに押し付ける方向に付勢する手段としてのバネ27とを備えており、電極部は、常時加湿型で、ディスポーズタイプとして構成されている。ここで、本実施形態の脳波検知部の詳細について説明する。
前記電極部21は、バネ27によって被検者100の頭部100bに押し付けられる方向に付勢されて銀皿電極28を保持する一次電極部21Aと、銀皿電極28と電気的に接触されて被検者100の頭部100bに直接に接触されるとともに生理食塩水が含浸されて成るフェルト電極23を保持する二次電極部21Bとを有する(図4の(b)参照)。
この場合、二次電極部21Bは、一次電極部21Aに対して着脱自在に取り付けられる。具体的には、例えば、二次電極部21Bは、フェルト電極23を保持するコネクタ(図示せず)を有し、このコネクタを介して一次電極部21Aの対応するコネクタに着脱自在に取り付けられる。すなわち、二次電極部21Bは、衛生上の観点から被検者100毎に交換できるようになっている。なお、銀皿電極28は、導電部28a及び電気配線19を介して制御部25に電気的に接続される。また、一次電極部21Aは、バネ27の端部を保持するバネガイド27Aを有する。
また、一次電極部21Aは、生理食塩水を収容する収容体29と、二次電極部21Bが一次電極部21Aに取り付けられる際に収容体29を開放して収容体29内の生理食塩水をフェルト電極23に常時浸み込ませる手段とを更に有する。
具体的には、収容体29は、筒状本体29aの上下に上蓋22と底蓋24とを取着することにより画定される内部空間内に生理食塩水を収容して成り、底蓋24は、図5の(b)及び(c)に示されるように、収容体29内に摺動可能に嵌合されるとともに二次電極部21Bが一次電極部21Aに取り付けられていない状態で銀皿電極28に当て付く嵌合当接部24cと、嵌合当接部24cから下方に突出して銀皿電極28の中心貫通孔28bを貫通する下方突出部24bとを有する。
前記底蓋24は、二次電極部21Bが一次電極部21Aに取り付けられる際に、その下方突出部24bにフェルト電極23の上方突出部23aが当て付いて収容体29内へと押し上げられることにより、嵌合当接部24cに形成される複数の流通孔24aを通じて収容体29内の生理食塩水を嵌合当接部24cと銀皿電極28との間の隙間(押し上げられることにより形成される隙間S)に導出させて(導出される生理食塩水が図4の(b)に矢印で示される)、この隙間Sに入り込む上方突出部23aを通じてフェルト電極23に生理食塩水を浸み込ませるようになっている。
すなわち、フェルト電極23及び底蓋24の突出部23a,24b及び流通孔24cは、銀皿電極28と共に、生理食塩水をフェルト電極23に常時浸み込ませる前述した手段を構成する。或いは、これに代えて、(常時ではなく)電極部21が被検者100の頭部100bに押し当てられた場合にのみ生理食塩水がフェルト電極23に浸み込むようになっていてもよく、また、生理食塩水がフェルト電極23に浸み込む形態は、前述した形態に限定されず、例えば毛細管現象等を利用して生理食塩水をフェルト電極23に浸み込ませるようにしてもよい。
なお、電極部21については、脳波信号が検出できるように導電性を有するものであれば、その素材については特に限定されることはない。例えば、二次電極部21Bは、生理食塩水を含浸したフェルト電極23により形成される必要はないが、生理食塩水を含浸したフェルトで構成することにより、被検者100に対する当て付けがソフトになり、被検者100に痛みやストレスを与えることなく、脳波を測定することが可能となる。
上記した電極部21は、外部から刺激(臭覚刺激、聴覚刺激、触覚刺激、又は、視覚刺激・・・本実施形態の場合には、後述する臭覚刺激及び聴覚刺激)を与えた際、被検者100の頭部100bの正中中心部(Cz)のみに接触させた状態であっても、認知症の判別をすることが可能な賦活脳波を正確に取得することが可能であり、被検者100に対する電極の装着が容易に行える構成となっている。すなわち、脳波測定に用いられる一般的な21極タイプの電極を用いる必要がないため、測定に際して被検者100に対する負担が軽減されるとともに、衛生面からも好ましい。なお、被検者100に対しては、正中中心部(Cz)の微弱信号を取得するにあたり、電極部21との間で電位差を生じさせるように、基準電極(図示せず)が耳朶等に装着される。
前記ヘッドバンド3には、制御部25等の構成部品に対して電力を供給するとともに、計測装置10の制御部25と、計測装置10に接続される装置(臭気発生装置40等の刺激提示装置、コンピュータ等の外部装置200)との間で各種信号の送受信を行なう電源ユニット90Aを有している。
具体的には、前記電極部21によって検知された微弱信号(脳波信号)は、電源ユニット90Aから、Bluetooth(登録商標)、WiFi等の通信ポートを介して外部装置(脳波測定用のPC等)200に送信されてもよい。その場合には、計測装置10で健診を受ける被検者100は、複数年に亘って定期的に脳波データを蓄積することが可能であり、認知症の発症の有無や、その進行度について、より正確な診断結果を得ることが可能となる。すなわち、被検者100から得られる脳波信号については、有線、無線を問わず、計測装置10と接続される外部装置200で管理してもよいし、そのような管理機能を計測装置10が備えた構成であってもよい。
本実施形態の計測装置10は、これに連動して臭気を発生させて被検者100の鼻100a(図13参照)の鼻腔に向けて臭気を吐出させるとともに、臭気制御部125によって制御される臭気発生装置40と接続される。なお、ここでの接続とは、有線、無線を問わず、両者が機能的に連動する関係を意味する。
以下、図6から図10を参照して、臭気発生装置40について説明する。
臭気発生装置40は、臭気源(臭気ビン)43と、該臭気源43から臭気を吐出させるための吐出手段とを備える臭気発生部本体45と、前記吐出手段により吐出される臭気を集束させる臭い送風ガイド(集臭体)41と、集臭体41により集束された臭気を被検者100の鼻腔へ向けて供給するための供給手段とを有する。
ここで、臭気発生部本体45は、筒状を成すとともに、例えば通気孔51,99(図7の(a)参照)を介して外気が流通できる空間を内部に形成しており、この内部空間には、前記吐出手段を構成する少なくとも1つの(本実施形態では3つの)圧電マイクロブロワ65が臭気発生部本体45の臭気吐出端部45aに固定されて配設される。
前記臭気吐出端部45aには、略円錐形状を成す例えばビニールにより形成される使い捨て可能な前記集臭体41の幅広の底部が、環状の止めリング93を外側から嵌め付けることにより着脱自在に取り付けられる。この場合、止めリング93は、例えば金属製のものであり、臭気発生部本体45の内面の対応する取り付け位置に固着された磁石97によって磁気的に強固に固定される。なお、使い捨て可能な集臭体41が臭気吐出端部45aから取り外された不使用状態では、臭気の漏れを防止するために、図6の(b)に示される保護カバー70が臭気吐出端部45aに着脱自在に取り付けられてもよい。
また、臭気吐出端部45aは、臭いが付着し難い材料から形成されており、その周辺部位に設けられる複数(本実施形態では2つ)の通気孔、臭気発生部本体45の内部を外部に連通させる貫通孔51と、その内側に圧電マイクロブロワ65の数に対応する数で設けられる臭気吐出孔52とを有する。また、各臭気吐出孔52には、対応する圧電マイクロブロワ65により保持される臭気源としての試料ビン43の吹き出しノズル43aが、集臭体41により画定される集臭空間(S1)(例えば容積500ml)内へ向けて臭気を吐出するように位置されている。
各圧電マイクロブロワ65に保持される試料ビン43は、認知症等の判別に用いられる臭気(例えばメントール、カレー、みかん、バラ等の臭気)を内部に封入しており(例えば、本実施形態では、3つの試料ビン43のうちの1つは無臭)、その上部に設けられた吹き出しノズル43aを介して臭いを排出するようになっている。本実施形態の臭気発生部40は3つの試料ビン43を有するため、3種類の臭気を被検者100に対してが提示可能である。
なお、集臭体41により集束された臭気を被検者100の鼻腔へ向けて供給するための前記供給手段は、集臭体41の円錐頂部に固定された支持部材44と、この支持部材44により支持される複数のカニューラ42とから構成される。各カニューラ42は、使用時には、その先端吐出部が被検者100の鼻孔付近に位置されて、集臭体41内の集束された臭気を吐出させる。
臭気ビン43から臭気を吐出させるための吐出手段を構成する前述した圧電マイクロブロワ65は、図8及び図9に示されるように、試料ビン43と一体を成しており、矩形状の平板43b,43b’をスペーサ43cを介在して重ね合わせ、下面側の平板(ダイヤフラム)43b’に圧電素子49を取着することで、平板43b,43b’間の空間S2をポンプ室として機能させるダイヤフラム型のポンプPを上下二段に重ね合わせて構成される。そして、圧電素子49に印加電圧を加えることで、下側の平板43b’が振動してポンプPが作動し、それにより、試料ビン43に収容されている臭気は、矢印で示されるように移動して、試料ビン43の吹き出しノズル43aを介して上方に向けて集臭空間(S1)内へと吐出される。このように複数のポンプPを組み合わせることにより、臭気の吐出力を高めることができる。
なお、本実施形態の臭気ビン43は、臭気を発する試料を多孔質素材72(図10参照)に含浸させた状態で内部にほぼ密に収容することにより成る。このように多孔質素材72を用いると、保温力が高められ、気化が促進させるとともに、臭気の漏出を防げるが、これに限定されない。
また、本実施形態の臭気発生装置40は、発生された臭いを除去する臭い除去部を有することが好ましい。そのような臭い除去部は、臭気発生装置40で臭いを放出して測定が終了する毎に駆動される排気ファン81(臭気発生部本体45の通気孔99付近に配置される・・・図7の(a)参照)、又は、残臭を除去するフィルタ(図示せず)等によって構成することが可能である。
また、本実施形態の臭気発生装置40は、その高さ及び傾きを調整するための調整手段を有する。具体的に、この調整手段は、図6及び図7に示されるように、基台47と、この基台47の両側から垂直上方に延びる支柱48とを有し、支柱48に形成される上下方向に延びるスリット48aに臭気発生部本体45の両側から延びる軸部58が回転可能(傾動可能)且つ上下動可能に通され、位置決め部材53を用いてこの軸部58を支柱48に対して所定の上下位置及び角度位置に固定することにより、臭気発生装置40の高さ及び傾きを調整できるようになっている。なお、基台47には、圧電マイクロブロワ65の圧電素子49に対して配線59を通じて電圧を印加できる電源90Bが埋め込まれており、電源90Bからは給電用の電気ライン91が延びている。
また、本実施形態の計測装置10は、被検者100の呼吸の状態を検知するための呼吸検知部を備えている。呼吸検知部は、図1及び図13で示すように、計測装置10の当付部5からアーム7を介して延在して、被検者100の顔面(特に口部)と対向して位置されるよう呼吸センサ46で構成される。この場合、呼吸センサ46は、一方の当付部5からアーム7を介して口部領域に位置付けされるように構成されているが、両方の耳当て部から一対のアームを介して位置付されるように構成されていてもよい。
具体的に、この呼吸センサ46は、赤外線フラップ方式の呼吸センサとして構成されており、図11に示されるように、発光部81と、受光部82と、支軸84を中心に回動可能に設けられて被検者100からの呼気110によって作動(摺動)するフラップ83と、フラップ83に設けられるとともにフラップ83の作動に伴って発光部81と受光部82との間の光路88に侵入して発光部81から受光部82へ向かう光を遮断する遮光体85とを有する。
このような呼吸センサ46によれば、フラップ83が呼気110によって上方へ回動して光路88が遮断された後、呼気110が供給されなくなりフラップ83が下方へ戻って光路88が回復された時点を吸気初めと判断できる。
本実施形態の計測装置10では、上記した呼吸センサ46で得られた検知信号を臭気発生装置40に組み込まれた臭気制御部125に送信し、呼吸センサ46が被検者100の吸気状態を検知したときに臭気が吐出するように臭気発生装置40が制御されるようになっている。具体的には、臭気制御部125は、呼吸センサ46が被検者100の吸気状態を検知したとき(検知信号を受けたとき)に、試料ビン43から臭気が発生するように、臭気発生部40の圧電素子49に電圧を印加する。このような制御は、前述したフラップ83の作動状態を呼吸センサ46により検知することによって得られる図12に示されるような呼吸波形において呼気から吸気への移行時点(吸気初め)をトリガとして臭気吐出を行なう(臭気発生部40を作動させる)ことにより実現できる。
なお、呼吸センサ46は、このような赤外線フラップ方式に限定されず、熱電対によって被検者100の温度変化を検知するもの、レーザ光によって呼吸時の胸部の膨らみを検知するもの等で構成することもできる。
上記したように構成される計測装置10を用いて、認知症及び神経疾患(精神疾患)を含む脳機能障害の鑑別に必要な情報(賦活脳波データ)を多面的に取得する場合には、図13に示されるように、計測装置10を被検者100の頭部に装着する。具体的には、被検者100の両耳に一対の当付部5を当て付けた状態で、被検者100の頭部100b上にわたってヘッドバンド3を架け渡すと共に、外側バンド2を利用して長さ調整を行なう(被検者に対して最適な位置で装着を行なう)。これにより、ヘッドバンド3に設けられた電極部21のフェルト電極23が頭部100bの所定位置に当て付くことで、バネ27の付勢力に抗して電極部21が持ち上がり(図2及び図4の(a)の破線参照)、頭部100bに対する電極部21の接触圧が高められると同時に、フェルト電極23は収容体29からの生理食塩水によって常に湿った状態に維持される。
この状態で、続いて、被検者100に臭覚刺激を与える場合には、臭気発生装置40の高さ及び傾きを調整しつつ、臭気発生装置40のカニューラ42を被検者100の鼻孔付近に位置させて(図13参照)、臭気発生装置40を作動させる。具体的には、試料ビン43の圧電素子49に印加電圧を加えることで、所定のいずれか1つの試料ビン43内の臭気が、臭気吐出端部45aから集臭体41を通じてカニューラ42により被検者100の鼻腔に吐出され、これにより被検者100の脳波が賦活され、そのときの脳波データが脳波検知部20により取得される。
脳波データを測定する際には、例えば、被検者に対して、10回提示される空気吐出(無臭aと有臭bの任意の吐出で、有臭bの数を数えるような課題(2点オドボール課題)を与えておき、特定の臭気に反応する際の賦活脳波を測定し、この脳波データの取得を所定時間で行なう。この場合、所定時間は、通常、人の自然呼吸が2.5秒から3秒程度であり、吸気状態は概ね1秒〜1.5秒程度であることを考慮すると、脳波データの取得については、前述の2点オドボール提示、提示回数10回では、40秒から45秒で1回の提示を完了することができる。
そして、無臭、有臭に関わらず提示後1秒(1000ms)の賦活脳波データを対比することにより、被検者の脳波が正常か否かを判定することができる。このときの吸気時の賦活脳波波形の一例が図15に示される。図15は、臭気別(上の曲線は標的刺激で予測される正常者の成分曲線で、下の曲線は標準刺激に対する成分曲線)の周波数ごとの出現量をグラフ化したものである。被検者の計測結果に応じて、このような周波数ごとの出現量を取得することができるため、得られた成分曲線を、このような正常者の成分曲線と対比することで、被検者の脳波の状態が正常なものか否かが鑑別することが可能となる。
なお、嗅覚を刺激することで賦活される脳波の頂点潜時は、加齢にもよるが、200ms〜500ms程度で現れることから、前述した時間の範囲の脳波データが取得できれば、頂点潜時の前後のデータを十分に比較することが可能である。
臭いが提示されてから所定時間が経過すると脳波データの取得が停止され、圧電素子49の駆動も停止され、また、ファン81の作動等により残臭も排除される。その後、引き続き、別の試料ビン43の圧電素子49に印加電圧を加えることで、別の臭気の吐出作業が前述したように行なわれる。そして、このような吸気時における賦活脳波の取得は、所定回数(例えば10回の提示をワンセットとし3回程度で1検査とする)実行され、所定回数の脳波データが取得された段階で終了する。この場合、所定回数の脳波データを取得することで、脳波の加算平均を得ることが可能となり、より正確なデータを取得することができる。
すなわち、被検者100の測定中に、外部環境によって脳波の波形が影響を受けることが考えられるが、複数回のデータを加算して平均データを取得することで、測定中の外部環境による脳波の変位を排除して正確な脳波データを取得することが可能となる。
前述したように、嗅覚を刺激して得られる賦活脳波は、臭いを提示してから所定時間後に波形がピークを呈する(頂点潜時)。この頂点潜時は、加齢によってある程度遅くなるが、年齢が若いにもかかわらず頂点潜時が遅い(例えば、図14のN200成分の遅れt1及びP300成分の遅れt2参照)、或いは、頂点潜時において、十分な(頂点)振幅が得られていないのであれば、それは認知機能の衰えが予測される。したがって、嗅覚刺激を与える際に、頂点潜時の遅れ及び振幅の大きさを、上記した制御部25(臭気発生装置の臭気制御部125や外部装置200であっても良い)により数値的に解析することにより、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、鬱病、統合失調症等を鑑別することが可能となる。また、臭いの種別に対応した波形と、その臭いに対する正常な波形とを対比することによって、症状の種別や進行具合についても鑑別することが可能である(アルツハイマー型認知症に関しては、2臭で周波数分析をすることで鑑別することが可能である)。
また、本実施形態の計測装置10では、多面的なデータ取得に寄与するべく、音発生装置(音発生部)60を利用して賦活脳波データを測定することもできる。例えば、被検者100に対し、当付部5に設けられた一対のスピーカ61から、前記制御部25を介して音階が異なる2つ以上の音をランダムに提示し(聴覚刺激を与え)、特定の音階の音(ターゲット音)の数を数えるような課題(3点オドボール課題)を与えた際の賦活脳波を測定することで、作業記憶が正常に機能しているか否かを判別することが可能となる。
具体的な手法として、上記オドボール課題において、被検者に対し、3つの異なる音階の音をランダム(30回程度)に与え、特定の音階の音について数を数えさせるという課題(3点オドボール課題であり、標準音を70%、ターゲット音を20%、妨害音10%の割合で提示する)を与えると、被検者100はターゲット音に対して意識を集中するようになり、ターゲット音が発音してから所定の時間が経過したときに、脳波には頂点潜時が現れる。
図16のグラフは、被検者に対して3点オドボール課題を提示して得られた脳波の波形の一般例を示しており、正常者(作業記憶容量が大きい人)であれば、標準音、ターゲット音、妨害音に対して上段のような波形が得られるのに対し、作業記憶量が弱い人は、中段で示すように、妨害音についても反応する傾向が現れ、作業記憶量が無い人は、下段で示すように、標準音、ターゲット音、妨害音のいずれも反応が小さくなる傾向が現れる。すなわち、聴覚提示して賦活脳波の波形を取得することにより、被検者の作業記憶が正常に機能しているか否かを鑑別することが可能となる。
また、通常であれば、ターゲット音が発音されてから200ms付近に陰性の振れが現れ、300ms付近に陽性の振れが現れる。これらは、前述したようにN200,P300とも称されており、取得された波形データの加算平均を取得することで、被検者200は、ターゲット音に対してN200,P300が誘発されているか否かが明確に把握でき、これらが正確に誘発されていなければ(すなわち、頂点潜時が遅れる又は早くなる)、作業記憶に異常を来していることが鑑別できる。
以上説明したように、本実施形態の計測装置10によれば、被検者100に刺激を与えた際に得られる賦活脳波を検知する脳波検知部20と、被検者100に聴覚刺激を与えるための音発生装置60とを備えており、被検者100に、吸気時に臭覚刺激を与えるための臭気発生装置40が接続されているため、脳機能障害の鑑別に必要なデータの多面的な取得が可能になり、認知症及び神経疾患(精神疾患)を含む脳機能障害の効率的で高精度な鑑別に寄与し得る。
図18は、賦活脳波計測装置の別の実施形態を示す図である。
上記した実施形態の賦活脳波計測装置は、ヘッドホン型に構成されており、その内部に音発生装置60を組み込んだ構成となっていたが、被検者の頭部に対して、一対の当付部5Aを直接当て付けて装着するように構成しても良い。このように賦活脳波計測装置については、より簡易な構成にしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。例えば、上記した実施形態では、更に、視覚刺激や触覚刺激を被検者に与える刺激提示装置が接続されていても良く、そのような刺激提示装置の構成については、その構成を適宜変形することが可能である。また、脳波検知部の具体的な構成についても適宜変形することが可能である。
3 ヘッドバンド
5 当付部
10 賦活脳波計測装置
20 脳波検知部
21 電極部
21A 一次電極部
21B 二次電極部
25 制御部
23 フェルト電極
28 銀皿電極
27 バネ(付勢手段)
29 収容体
40 臭気発生装置(刺激提示装置)
46 呼吸検知部(呼吸センサ)
60 音発生装置(刺激提示装置)

Claims (11)

  1. 被検者の頭部の両サイドに当て付けられる一対の当付部と、
    これらの当付部同士の間に架け渡されて被検者の頭部上に装着されるヘッドバンドと、
    前記ヘッドバンドに設けられ、被検者に対して刺激を与えた際に得られる賦活脳波を検知する脳波検知部と、
    前記ヘッドバンドに設けられ、前記脳波検知部の動作を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする賦活脳波計測装置。
  2. 前記脳波検知部は、被検者の頭部の所定部位に垂直方向から当て付く電極部と、前記電極部を被検者の頭部に押し付ける方向に付勢する付勢手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の賦活脳波計測装置。
  3. 前記電極部は、前記付勢手段によって付勢されて銀皿電極を保持する一次電極部と、前記銀皿電極と電気的に接触されて被検者の頭部に直接に接触されるとともに生理食塩水が含浸されて成るフェルト電極を保持する二次電極部とを有し、
    前記二次電極部が前記一次電極部に対して着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の賦活脳波計測装置。
  4. 前記一次電極部は、生理食塩水を収容する収容体と、前記二次電極部が前記一次電極部に取り付けられる際に前記収容体を開放して前記収容体内の生理食塩水を前記フェルト電極に常時浸み込ませる手段とを更に有することを特徴とする請求項3に記載の賦活脳波計測装置。
  5. 前記一対の当付部は、被検者の耳を覆う耳当部を備えており、
    前記耳当部に、被検者に対して聴覚刺激を与える音を発生する音発生部を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の賦活脳波計測装置。
  6. 前記被検者の呼吸を検知する呼吸検知部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の賦活脳波計測装置。
  7. 前記呼吸検知部は、発光部と、受光部と、被検者からの呼気によって作動するフラップと、前記フラップに設けられるとともにフラップの作動に伴って前記発光部と前記受光部との間の光路に侵入して前記発光部から前記受光部へ向かう光を遮断する遮光体とを有することを特徴とする請求項6に記載の賦活脳波計測装置。
  8. 請求項6又は7に記載の賦活脳波計測装置に対して接続され、被検者に対して嗅覚刺激を提示する臭気発生装置において、
    臭気源と該臭気源から臭気を吐出させるための吐出手段とを備える本体と、
    前記吐出手段により吐出される臭気を集束させる集臭体と、
    前記集臭体により集束された臭気を被検者の鼻腔へ向けて供給するための供給手段と、を有することを特徴とする臭気発生装置。
  9. 前記集臭体が前記本体に対して着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項8に記載の臭気発生装置。
  10. 前記本体は、その高さ及び傾きを調整するための調整手段を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の臭気発生装置。
  11. 前記呼吸検知部が被検者の吸気状態を検知したときに臭気が吐出するように制御されることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の臭気発生装置。
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