以下、図面を参照して、各実施形態に係る撮像装置及び撮像装置の制御プログラムを説明する。なお、実施形態は、以下の内容に限られるものではない。また、1つの実施形態や変形例に記載した内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る撮像装置10を備える撮像システム1の構成例を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る撮像システム1は、撮像装置10と、光源30と、光ファイバ31とを備える。
撮像装置10は、例えば、医療用の硬性内視鏡として用いられ、被検体100の体内を撮像する装置である。撮像装置10は、スコープ11と、カメラヘッド12と、カメラケーブル13と、CCU(Camera Control Unit)14とを備える。
スコープ11は、撮像が行われる際に、被検体100の体内に挿入される。スコープ11の先端には、対物レンズ11aが設けられている。スコープ11は、屈曲しない硬性を有する。
カメラヘッド12は、イメージセンサ12aと、ベイヤフィルタ12bと、イメージセンサ制御回路12cとを備える。イメージセンサ12aは、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。イメージセンサ12aの撮像面12a_1と、対物レンズ11aの結像面とが略一致するように、イメージセンサ12aが配置される。イメージセンサ12aは、複数の画素(撮像要素)を備える。複数の画素は、イメージセンサ12aの撮像面12a_1において行列状に配置される。イメージセンサ12aの各画素は、イメージセンサ制御回路12cによる駆動制御により、光を受光することにより映像信号(電気信号)を発生し、発生した映像信号を出力する。例えば、イメージセンサ12aの各画素は、光源30により被検体100の体内組織に照射された光の戻り光(反射光)を受光することにより、映像信号を出力する。
イメージセンサ12aは、複数の画素の最初の行から最後の行に向かって、少なくとも1行毎に順次露光を開始し、露光が終了した行から順に映像信号を出力する処理を、1フレーム(画像)毎に繰り返すローリングシャッタ方式のイメージセンサである。ここで、露光とは、例えば、画素が電荷を蓄積することを意味する。例えば、イメージセンサ12aは、カメラケーブル13を介して、CCU14に映像信号を出力する。なお、イメージセンサ12aからは、アナログ信号又はデジタル信号の映像信号が出力される。
本実施形態では、イメージセンサ12aの撮像面12a_1側に、各画素に赤色(R)フィルタ、緑色(G)フィルタ及び青色(B)フィルタのいずれかが対向するように配置されたベイヤフィルタ12bが設けられている。このように、1つの画素に対して1つの色のフィルタが対応する。イメージセンサ12aは、画素毎に、当該画素に対応するフィルタの色の映像信号を出力する。なお、後述のDSP14bにより、画素毎に、当該画素の周辺の画素から出力される映像信号に基づいて、直接得られない残りの2色の各映像信号を推定する推定処理が実行される。この結果、撮像装置10は、画素毎に、映像信号としてRGB信号を得ることができる。
イメージセンサ制御回路12cは、後述するMPU14aから出力された制御信号、並びに、後述するTG14cから出力された水平同期信号及び垂直同期信号等の各種の同期信号に基づいてイメージセンサ12aを駆動制御する。
なお、カメラヘッド12は、イメージセンサ12a及びベイヤフィルタ12bに代えて、入射光を赤色の光、緑色の光及び青色の光に分光する分光プリズムと、3つ(複数)のイメージセンサとを備えてもよい。この場合には、分光された赤色の光を受光するイメージセンサがR信号を出力し、分光された緑色の光を受光するイメージセンサがG信号を出力し、分光された青色の光を受光するイメージセンサがB信号を出力する。すなわち、複数のイメージセンサそれぞれの複数の画素は、対応する種類の光を受光することにより映像信号を出力する。このため、この場合には、後述のDSP14bにより上述した推定処理は実行されない。なお、カメラヘッド12が複数のイメージセンサを備える場合には、半画素ずらしという手法を用いて、画像の高解像度化を図ってもよい。
カメラケーブル13は、カメラヘッド12とCCU14との間で映像信号、制御信号及び同期信号を送受信するための信号線を収容するケーブルである。
CCU14は、カメラヘッド12から出力された映像信号に基づいて画像データを生成し、CCU14に接続されたディスプレイ101に画像データを出力する。CCU14は、MPU(Micro-Processing Unit)14aと、DSP(Digital Signal Processor)14bと、TG(Timing Generator)14cと、Output I/F14d(以下、I/F14dと表記する)と、記憶回路14eとを備える。イメージセンサ12aがアナログ信号の映像信号を出力する場合、CCU14は、図示しないAD(Analog to Digital)コンバータ等を備える。かかるADコンバータは、例えば、イメージセンサ12aから出力されたアナログ信号の映像信号をデジタル信号の映像信号に変換する。すなわち、ADコンバータは、アナログ形式の映像信号をデジタル形式の映像信号に変換する。
MPU14aは、撮像装置10の各種の構成要素を制御する。例えば、MPU14aは、イメージセンサ制御回路12c、DSP14b及びTG14cに対して制御信号を出力して、カメラヘッド12、DSP14bやTG14cを制御する。MPU14aは、例えば、記憶回路14eに記憶された撮像装置10の制御プログラムを読み込み、読み込んだ制御プログラムを実行することで、撮像装置10の各種の構成要素を制御する制御処理を実行する。或いは、MPU14aは、内部に図示しない記憶回路を有しており、当該記憶回路に記憶された制御プログラムを実行する。
DSP14bは、MPU14aから出力された制御信号、並びに、TG14cから出力された水平同期信号及び垂直同期信号等の各種の同期信号に基づいて、デジタル信号である映像信号に対して各種の信号処理を施す。例えば、DSP14bは、イメージセンサ12aからデジタル信号の映像信号が出力される場合には、この映像信号に対して各種の信号処理を施す。又は、DSP14bは、イメージセンサ12aからアナログ信号の映像信号が出力される場合には、ADコンバータによりデジタル形式に変換された映像信号に対して各種の信号処理を施す。
イメージセンサ12aがアナログ信号の映像信号を出力する場合、例えば、DSP14bは、イメージセンサ12aの画素毎に、当該画素の周辺の画素から出力される映像信号に基づいて、イメージセンサ12aにおいて直接得られない残りの2色の各映像信号を推定する。そして、DSP14bは、映像信号に対して信号処理が施された結果得られたRGB信号を、ディスプレイ101に表示される画像を示す画像データとしてI/F14dに出力する。このように、DSP14bは、デジタル形式に変換された映像信号に基づいて、画像データを生成して出力する。DSP14bは、信号処理部の一例である。
TG14cは、図示しない発振回路により生成されたクロック信号を基に水平同期信号及び垂直同期信号や、撮像装置10全体の同期をとるためのその他の同期信号等の各種の同期信号を生成する。そして、TG14cは、生成した各種の同期信号をイメージセンサ制御回路12c、MPU14aやDSP14bに出力する。また、TG14cは、クロック信号、及び、MPU14aから出力された制御信号を基に、光源制御信号を生成する。光源制御信号は、光源30から出射される光を制御するとともに撮像装置10全体の同期をとるための制御信号である。そして、TG14cは、生成した光源制御信号を光源30に出力する。TG14cは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)により実現される。TG14c及び上述したMPU14aは、制御部の一例である。
I/F14dは、DSP14bから出力されたRGB信号(画像データ)をディスプレイ101に出力する。これにより、ディスプレイ101は、RGB信号に基づいた画像を表示する。I/F14dは、例えば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)ドライバIC(Integrated Circuit)やSDI(Serial Digital Interface)ドライバICなどにより実現される。
記憶回路14eは、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。記憶回路14eは、各種のプログラムを記憶する。例えば、記憶回路14eは、MPU14aが内部に記憶回路を有していない場合、MPU14aにより実行される制御プログラムを記憶する。また、記憶回路14eには、DSP14bにより映像信号が格納される。
光源30は、光源制御信号に基づいて、白色光を出射する。光源30は、駆動回路30aと、白色LED(Light Emitting Diode)30bとを備える。駆動回路30aは、TG14cから出力される光源制御信号に基づいて、白色LED30bを駆動させて点灯させる駆動制御を行う。白色LED30bは、駆動回路30aによる駆動制御により、白色光を出射する。白色光は、例えば、可視光である。また、白色光は、光の一例である。また、白色光は、第1の光の一例でもある。光ファイバ31は、光源30からの白色光をスコープ11の先端部に導いて、スコープ11の先端部から出射させる。
以上、第1の実施形態に係る撮像システム1の撮像装置10の構成例について説明した。ここで、比較例に係る撮像装置について説明する。比較例に係る撮像装置は、ローリングシャッタ方式のイメージセンサを備える。
図2は、比較例に係る撮像装置の動作の一例を説明するための図である。図2には、比較例に係る撮像装置のイメージセンサが備える複数の画素の各行の露光タイミングと、イメージセンサから出力される映像信号の出力タイミングとの関係の一例が示されている。図2に示すように、比較例に係る撮像装置では、1フレーム目の露光タイミングとして、複数の画素の最初の行から最後の行に向かって1行毎に順次露光が開始される。比較例に係る撮像装置では、露光期間は、1/60[s]である。ここで、露光期間とは、例えば、画素が電荷の蓄積を開始してから終了するまでの期間を意味する。
そして、図2に示すように、比較例に係る撮像装置では、露光が終了した行から順に映像信号が出力される。すなわち、最初の行から最後の行に向かって行毎に、1フレーム目の映像信号が順々に出力される。ここで、比較例に係る撮像装置では、イメージセンサから1フレームの映像信号が出力される期間(読み出し期間)は、露光期間と同じ1/60[s]である。そして、図2に示すように、2フレーム目以降も同様の処理が行われる。
比較例に係る撮像装置では、イメージセンサは、複数の画素の全ての行において、光を受光する期間(受光期間)が露光期間と同じ期間である。そのため、最初の行から最後の行に向かって、各行の受光期間が順々に時間軸方向にずれている。このように、比較例に係る撮像装置では、行毎に受光期間が異なるため、画像に歪みが発生してしまう場合がある。この場合、画像を観察する医師等のユーザにとって、観察するのに画質が十分でないという問題がある。
そこで、第1の実施形態に係る撮像装置10は、上述した構成のもと、ユーザが観察するのに十分な画質を確保することができるように、以下の動作を行う。
本実施形態では、イメージセンサ12aの露光期間は、撮像装置10からディスプレイ101に1フレームの映像信号が出力される期間と同一である。そして、MPU14aは、露光期間よりも、読み出し期間が短くなるようにイメージセンサ12aを制御するための制御信号をイメージセンサ制御回路12cに出力する。
具体例を挙げて説明すると、撮像装置10からディスプレイ101に出力される映像信号(画像)のフレームレートを、A[fps(frame per second)]とする。この場合、読み出し期間を、1/(M・A)[s]とすることが可能なイメージセンサを、撮像装置10のイメージセンサ12aとして用いる。すなわち、1/(M・n・A)[s]毎に、各行の映像信号を出力することが可能なイメージセンサをイメージセンサ12aとして用いる。ただし、ただし、「M」は、1よりも大きい数であり、「n」は、イメージセンサ12aの画素の行数である。以下、M=2の場合を例に挙げて説明するが、Mは、2とは異なる数であって1よりも大きい数であってもよい。
そして、MPU14aは、露光期間1/A[s]よりも短い読み出し期間1/(2A)[s]で1フレームの映像信号をイメージセンサ12aに出力させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12cに出力する。
以下、A=60の場合を例に挙げて説明する。つまり、露光期間と、撮像装置10からディスプレイ101に1フレームの映像信号が出力される期間とが同一の1/60[s]であり、読み出し期間が1/120[s]である場合について、以下、説明する。
図3は、第1の実施形態に係る撮像装置10の動作の一例を説明するための図である。図3には、第1の実施形態に係る撮像装置10のイメージセンサ12aが備える複数の画素の各行の露光タイミングと、イメージセンサ12aから出力される映像信号の出力タイミングと、I/F14dから出力される映像信号の出力タイミングとの関係の一例が示されている。更に、図3には、TG14cから出力される光源制御信号の一例が示されている。
図3に示すように、撮像装置10では、1フレーム目の撮像において、複数の画素の最初の行から最後の行に向かって1行毎に順次露光が開始される。
TG14cは、1フレーム目の最後の行の露光が開始される時間T0から、1フレーム目の最初の行の露光が終了される時間T1までの期間1/120[s]の間のみ白色光を出射させるための光源制御信号23を駆動回路30aに出力する。図3に示すように、光源制御信号23の波形は、矩形波であり、光源制御信号23は、ハイ(high)レベル21及びロー(low)レベル22の2つのレベル(状態)を有する。光源制御信号23は、ハイレベル21の間、光源30の白色LED30bを点灯させて(白色LED30bから白色光を出射させて)、ローレベル22の間、白色LED30bを消灯させる制御信号である。駆動回路30aは、光源制御信号23に基づいて、時間T0から時間T1までの期間のみ、白色LED30bに白色光を出射させる。
ここで、時間T0から時間T1までの期間は、イメージセンサ12aの複数の画素の各行の露光期間に共通する期間(グローバル露光期間)である。本実施形態では、各フレームの撮像において、グローバル露光期間のみ、複数の画素が白色光を受光する。すなわち、各フレームの撮像において、複数の画素が白色光を受光する受光期間が、全ての行で略一致する。このように、TG14cは、受光期間とグローバル露光期間とを同期させる制御を、1フレーム毎に繰り返す。ここで、TG14cは、受光期間を制御することにより、受光期間とグローバル露光期間とを同期させる。より具体的には、TG14cは、光源30から出射される白色光の出射タイミングを制御することにより、受光期間を制御する。このように、TG14cは、受光期間がグローバル露光期間と略一致するように制御する。
このため、第1の実施形態に係る撮像装置10は、画像の歪みの発生を抑制することができる。したがって、第1の実施形態に係る撮像装置10によれば、画像を観察する医師等のユーザにとって、観察するのに十分な画質を確保することができる。
そして、MPU14aは、時間T1から、読み出し期間1/120[s]で1フレーム目の映像信号をイメージセンサ12aに出力させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12cに出力する。すなわち、MPU14aは、時間T1から、1/(120n)[s]毎に各行から映像信号を出力することをイメージセンサ12aに開始させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12cに出力する。イメージセンサ制御回路12cは、かかる制御信号に基づいて、イメージセンサ12aを駆動制御する。この結果、イメージセンサ12aは、1フレーム目の撮像において、時間T1から時間T2までの読み出し期間1/120[s]で、全ての行(n行)から映像信号を出力する。
そして、DSP14bは、1フレーム目の撮像において、イメージセンサ12aの各行から出力された映像信号が入力される度に、各行から出力された映像信号に対して各種の信号処理を施す。ここで、単純に、DSP14bが、各種の信号処理を各行から出力された映像信号に施す度に、各種の信号処理が施された映像信号をI/F14dに出力する場合について説明する。この場合には、I/F14dからディスプレイ101には、1/120[s]で、1フレームの映像信号が出力される。
すると、あるフレームの撮像において最後の行からの映像信号がディスプレイ101に出力されてから、その次のフレームの撮像において最初の行からの映像信号がディスプレイ101に出力されるまでの1/120[s]の間、ディスプレイ101に対して映像信号が出力されない期間が存在することとなる。映像信号が出力されない期間は、ディスプレイ101に表示される画像が更新されない期間でもある。このため、画像が更新される1/120[s]の期間と、画像が更新されない1/120[s]の期間とが交互に並ぶ。このような場合、画像の更新頻度が一定でないため、ディスプレイ101は、入力に対応できないことがある。
そこで、本実施形態では、画像の更新頻度が一定となるように、I/F14dからディスプレイ101に出力される1フレームの映像信号のフレームレートを、60[fps]に設定している。すなわち、あるフレームの撮像において最後の行からの映像信号がディスプレイ101に出力されてから、その次のフレームの撮像において最初の行からの映像信号がディスプレイ101に出力されるまでの期間を短縮している。このため、DSP14bは、各種の信号処理が施された各行からの映像信号(RGB信号)を一時的に記憶回路14eに格納する。そして、DSP14bは、時間T1から、1/(60n)[s]毎に各行から出力されたRGB信号を記憶回路14eから順々に読み出す。
そして、DSP14bは、各行から出力された映像信号を読み出す度に(1/(60n)[s]毎に)、各行から出力された映像信号をI/F14dに出力する。すなわち、DSP14bは、時間T1から時間T3までの期間1/60[s]で、1フレーム目の撮像において全ての行から出力された映像信号をI/F14dに出力する。これにより、I/F14dは、時間T1から時間T3までの期間1/60[s]で、1フレーム目の撮像において全ての行から出力された映像信号をディスプレイ101に出力する。そして、2フレーム目以降も同様の処理が行われる。この結果、あるフレームの撮像において最後の行からの映像信号がディスプレイ101に出力されてから、その次のフレームの撮像において最初の行からの映像信号がディスプレイ101に出力されるまでの期間が短縮される。このため、ディスプレイ101は、入力に対応することができる。また、ディスプレイ101に表示される画像が、滑らかに更新される。
なお、DSP14bが、各種の信号処理が施された各行からの映像信号を記憶回路14eに格納し、記憶回路14eから1/(60n)[s]毎に各行からの映像信号を順々に読み出して出力する場合について説明したが、他の処理を行ってもよい。例えば、DSP14bは、各種の信号処理を施す前に、映像信号を記憶回路14eに格納し、記憶回路14eから1/(60n)[s]毎に各行からの映像信号を順々に読み出し、各行からの映像信号を読み出す度に、読み出された各行からの映像信号に対して各種の信号処理を施してI/F14dに出力してもよい。
次に、第1の実施形態に係る制御処理の一例について説明する。例えば、制御処理は、第1の実施形態に係るMPU14aにより実行される。図4は、第1の実施形態に係る制御処理の流れを示すフローチャートである。かかる制御処理は、図示しないマウスやキーボード等のユーザからの指示を受け付ける入力装置により、被検体100の体内の撮像を開始する指示がCCU14に入力された場合に、MPU14aにより実行される。
図4に示すように、MPU14aは、変数Nに「1」を設定する(ステップS101)。そして、MPU14aは、Nフレーム目の撮像を開始させるために、ローリングシャッタ方式によるNフレーム目の露光を開始させるための制御信号を、イメージセンサ制御回路12cに出力する(ステップS102)。
そして、MPU14aは、現在の時間が、Nフレーム目の撮像においてイメージセンサ12aの複数の画素の最後の行の露光が開始される時間であるか否かを判定する(ステップS103)。現在の時間が、最後の行の露光が開始される時間ではないと判定した場合(ステップS103;No)、MPU14aは、再び、ステップS103の判定を行う。
一方、現在の時間が、最後の行の露光が開始される時間であると判定した場合(ステップS103;Yes)、MPU14aは、以下の処理を行う。例えば、MPU14aは、Nフレーム目の撮像において、第1の光源制御信号をTG14cに出力させるための制御信号をTG14cに出力する(ステップS104)。ここでいう第1の光源制御信号とは、例えば、Nフレーム目の撮像において、最後の行の露光が開始される時間から、最後の行の露光が開始される時間から1/120[s]経過した時間までの期間をハイレベルとし、それ以外の期間をローレベルとする光源制御信号である。具体例を挙げて説明すると、例えば、MPU14aは、ハイレベルの期間の幅を計算して、計算の結果得られた1/120[s]の期間をTG14cに出力する。これにより、TG14cから第1の光源制御信号が駆動回路30aに出力されて、結果として、白色LED30bからグローバル露光期間のみ白色光が出射される。この場合、グローバル露光期間とイメージセンサ12aの受光期間とが略一致する。なお、最後の行の露光が開始される時間から1/120[s]経過した時間は、Nフレーム目の撮像においてイメージセンサ12aの複数の画素の最初の行の露光が終了する時間である。
そして、MPU14aは、現在の時間が、最初の行の露光が終了する時間であるか否かを判定する(ステップS105)。現在の時間が、最初の行の露光が終了する時間でない場合(ステップS105;No)には、MPU14aは、再び、ステップS105の判定を行う。
一方、現在の時間が、最初の行の露光が終了する時間である場合(ステップS105;Yes)には、MPU14aは、最初の行の露光が終了する時間から、1/(120n)[s]毎に、各行から映像信号を出力することをイメージセンサ12aに開始させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12cに出力する(ステップS106)。
そして、MPU14aは、以下の各種の指示が含まれた制御信号をDSP14bに出力する(ステップS107)。例えば、DSP14bに出力される制御信号には、Nフレーム目の撮像においてイメージセンサ12aの各行から出力された映像信号が入力される度に、各行から出力された映像信号に対して各種の信号処理を施す指示が含まれる。また、DSP14bに出力される制御信号には、各種の信号処理が施された各行からの映像信号(RGB信号)を一時的に記憶回路14eに格納する指示が含まれる。また、DSP14bに出力される制御信号には、最初の行の露光が終了する時間から、1/(60n)[s]毎に、各行からの映像信号を記憶回路14eから順々に読み出す指示が含まれる。また、DSP14bに出力される制御信号には、各行からの映像信号を読み出す度に、各行からの映像信号をI/F14dに出力する指示が含まれる。DSP14bは、かかる制御信号に基づいて、制御信号に含まれる指示が示す処理を実行する。
そして、MPU14aは、制御処理を終了する指示を、入力装置を介して受け付けたか否かを判定する(ステップS108)。制御処理を終了する指示を受け付けていない場合(ステップS108;No)には、MPU14aは、変数Nの値を1つインクリメントして(ステップS109)、ステップS102に戻る。一方、制御処理を終了する指示を受け付けた場合(ステップS108;Yes)には、MPU14aは、制御処理を終了する。
以上、第1の実施形態に係る撮像装置10について説明した。第1の実施形態に係る撮像装置10によれば、上述したように、ユーザが観察するのに十分な画質を確保することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る撮像装置について説明する。第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。第2の実施形態に係る撮像装置は、画像の明るさが、目標の明るさとなるように、白色LED30bが発する白色光を制御する点以外は、第1の実施形態に係る撮像装置10の動作と同様の動作を行う。また、第2の実施形態に係る撮像装置及び撮像システムの構成は、第1の実施形態と同様である。
例えば、ローリングシャッタ方式のイメージセンサ12aでは、あるフレームの撮像中に、複数の画素の全ての行で、それまで蓄積していた電荷を全て排出し(リセットし)、電荷を排出後、露光を再び行って電荷を再蓄積するシャッタ機能がある。このようなシャッタ機能が動作すると、グローバル露光期間が変更されるため、複数の画素の全ての行で受光期間が同一にならない場合がある。この場合には、画像に明るさのムラが発生することがある。
そこで、第2の実施形態に係る撮像装置は、シャッタ機能が動作しないように、画像の明るさが、ある閾値以下の目標の明るさとなるように、白色LED30bが発する白色光を制御する。
ここで、画像の明るさの算出方法の一例について説明する。第2の実施形態では、MPU14aは、フレーム毎に、以下の処理を実行する。例えば、MPU14aは、各種の信号処理が施された結果得られた画像データをDSP14bから取得する。そして、MPU14aは、画像データが示す画像を構成する各画素のRの輝度、Gの輝度及びBの輝度の中から最も高い輝度を画素毎に選択する。なお、例えば、画像を構成する各画素は、イメージセンサ12aの各画素に対応する。そして、MPU14aは、画素毎に選択した輝度の合計を算出する。そして、MPU14aは、算出した輝度の合計を、画像を構成する画素の数(画素数)で除して、1つの画素あたりの輝度の平均値を算出する。そして、MPU14aは、算出した輝度の平均値を画像の明るさとして扱う。
そして、MPU14aは、画像の明るさと、目標の明るさとを比較する。なお、目標の明るさは、例えば、ユーザにより指定される輝度の値である。また、目標の明るさは、所定の明るさの一例である。MPU14aは、目標の明るさよりも画像の明るさの方が大きければ、被検体100に照射される白色光の光量を小さくするために、画像の明るさと目標の明るさとの差分に応じてハイレベルの期間の長さを短くした光源制御信号をTG14cに出力させる。例えば、MPU14aは、画像の明るさと目標の明るさとの差分が大きくなるほど短くなるハイレベルの期間の長さを計算し、計算したハイレベルの期間の長さをTG14cに出力する。この場合、MPU14aは、受光期間がグローバル露光期間より短くなるように、ハイレベルの期間の長さを計算する。これにより、TG14cは、ハイレベルの期間が短くされた光源制御信号を駆動回路30aに出力する。
また、画像の明るさよりも目標の明るさのほうが大きければ、MPU14aは、画像の明るさと目標の明るさとの差分に応じて、グローバル露光期間以下の範囲で、ハイレベルの期間の長さを長くした光源制御信号をTG14cに出力させる。
すなわち、MPU14a及びTG14cは、画像の明るさが目標の明るさとなるように、ハイレベルの期間の長さを変更し、ハイレベルの期間の長さが変更された光源制御信号を出力することにより、複数の画素により受光される白色光を制御する。具体的には、MPU14a及びTG14cは、画像の明るさが目標の明るさとなるように、受光期間を制御する。MPU14a及びTG14cは、受光期間を制御することにより、被検体100に照射される白色光の光量を制御する。
図5は、第2の実施形態に係る撮像装置の動作の一例を説明するための図である。図5の例に示すように、第2の実施形態では、TG14cは、グローバル露光期間よりも、ハイレベル21aの期間を短くした光源制御信号23aを駆動回路30aに出力する。例えば、図5に示す第2の実施形態に係る光源制御信号23aのハイレベル21aの期間は、図3に示す第1の実施形態に係る光源制御信号23のハイレベル21の期間よりも短い。なお、光源制御信号23aの振幅の大きさは、光源制御信号23の振幅の大きさと同一である。
第2の実施形態に係る撮像装置は、画像の明るさが目標の明るさとなるように、ハイレベルの期間を変更することにより、シャッタ機能の動作の発生を抑制することができる。したがって、第2の実施形態に係る撮像装置によれば、更に、画像の歪みの発生を抑制することができる。ひいては、更に、ユーザが観察するのに十分な画質を確保することができる。
なお、MPU14aが、光源制御信号23aのハイレベル21aの期間を変更するのではなく、例えば、TG14cが、イメージセンサ12aの前に配置された物理的なシャッタの開閉を制御して、イメージセンサ12aの受光期間を、グローバル露光期間を超えない範囲で制御してもよい。例えば、TG14cは、シャッタを制御させる制御信号をイメージセンサ制御回路12cに出力する。すると、イメージセンサ制御回路12cは、かかる制御信号に基づいて、画像の明るさが目標の明るさとなるように、シャッタの開閉を制御して、受光期間を制御する。
(第2の実施形態の第1の変形例)
なお、第2の実施形態では、画像の明るさが目標の明るさとなるように、ハイレベルの期間を変更する場合について説明したが、画像の明るさが目標の明るさとなるように、振幅の大きさを変更してもよい。例えば、駆動回路30aは、振幅の大きさが大きくなるほど、より大きな光束の白色光を白色LED30bから出射させる。そこで、振幅の大きさを変更する第2の実施形態の第1の変形例について説明する。
MPU14aは、目標の明るさよりも画像の明るさの方が大きければ、被検体100に照射される白色光の光量を小さくするために、画像の明るさと目標の明るさとの差分に応じて振幅の大きさを小さくした光源制御信号をTG14cに出力させる。例えば、MPU14aは、画像の明るさと目標の明るさとの差分が大きくなるほど小さくなる振幅の大きさを計算し、計算した振幅の大きさをTG14cに出力する。例えば、MPU14aは、画像の明るさと目標の明るさとの差分が大きくなるほど短くなるハイレベルの期間の長さを計算し、計算したハイレベルの期間の長さをTG14cに出力する。これにより、TG14cは、振幅の大きさが小さくされた光源制御信号を駆動回路30aに出力する。
図6は、第2の実施形態の第1の変形例に係る撮像装置の動作の一例を説明するための図である。図6の例に示すように、第2の実施形態の第1の変形例では、MPU14aは、振幅の大きさを小さくした光源制御信号23bを駆動回路30aに出力する。例えば、図6に示す光源制御信号23bの振幅の大きさは、図3に示す第1の実施形態に係る光源制御信号23の振幅の大きさよりも小さい。ここで、図6において、振幅とは、例えば、ハイレベル21bからローレベル22までの差の半分の長さである。なお、光源制御信号23bのハイレベル21bの期間は、光源制御信号23のハイレベル21の期間と同一である。
第2の実施形態の第1の変形例では、MPU14a及びTG14cは、画像の明るさが所定の明るさとなるように、振幅の大きさを変更し、振幅の大きさが変更された光源制御信号を出力することにより、複数の画素により受光される白色光を制御する。例えば、MPU14a及びTG14cは、画像の明るさが所定の明るさとなるように、複数の画素に受光される白色光の光束を制御する。MPU14a及びTG14cは、複数の画素に受光される白色光の光束を制御することにより、被検体100に照射される白色光の光量を制御する。
第2の実施形態の第1の変形例に係る撮像装置は、画像の明るさが目標の明るさとなるように振幅の大きさを変更することにより、シャッタ機能の動作の発生を抑制することができる。したがって、第2の実施形態の第1の変形例に係る撮像装置においても、更に、ユーザが観察するのに十分な画質を確保することができる。
(第2の実施形態の第2の変形例)
次に、第2の実施形態の第2の変形例について説明する。第2の実施形態の第2の変形例では、MPU14a及びTG14cは、画像の明るさが目標の明るさとなるように、ハイレベルの期間、及び、振幅の大きさを変更し、ハイレベルの期間、及び、振幅の大きさが変更された光源制御信号を出力する。なお、MPU14a及びTG14cは、画像の明るさが目標の明るさとなるように、ハイレベルの期間、及び、振幅の大きさの少なくとも一方を変更し、ハイレベルの期間、及び、振幅の大きさの少なくとも一方が変更された光源制御信号を出力してもよい。すなわち、MPU14a及びTG14cは、画像の明るさが目標の明るさとなるように、複数の画素により受光される光の光量、及び、受光期間の少なくとも一方を制御してもよい。
ここで、第2の実施形態、第2の実施形態の第1の変形例、及び、第2の実施形態の第2の変形例では、撮像装置が、自動的に画像の明るさを制御する場合について説明した。しかしながら、撮像装置のMPU14aは、ユーザからの画像の明るさの指定を入力装置を介して受け付けた場合には、指定された明るさとなるように、光源30を制御してもよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る撮像装置について説明する。第3の実施形態の説明において、上述した各実施形態、及び、上述した各変形例と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図7は、第3の実施形態に係る撮像装置10aを備える撮像システム1aの構成例を示す図である。図7に示すように、第3の実施形態に係る撮像装置10aのカメラヘッド12が、励起光カットフィルタ12dを備えている点が、第1の実施形態に係る撮像装置10と異なる。また、第3の実施形態に係る光源30が、駆動回路30c及びIR(InfraRed)レーザ(赤外レーザ)30dを備えている点が、第1の実施形態に係る光源30と異なる。
駆動回路30cは、TG14cから出力される光源制御信号に基づいて、IRレーザ30dを駆動させる駆動制御を行う。IRレーザ30dは、駆動回路30cによる駆動制御により、近赤外光である励起光を出射する。励起光は、光の一例である。また、励起光は、第2の光の一例でもある。光ファイバ31は、光源30からの白色光及び励起光をスコープ11の先端部に導く。
励起光カットフィルタ12dは、対物レンズ11aから入射される光のうち、励起光をカットし、励起光以外の光を通過させるフィルタである。したがって、イメージセンサ12aの撮像面12a_1には、対物レンズ11aにより、励起光以外の光が結像される。
ここで、第3の実施形態に係る撮像装置10aは、例えば、被検体100に対して、ICG(インドシアニングリーン)蛍光造影法による外科手術を行う際に用いられる。第3の実施形態では、被検体100に、ICGが投与される。ICGは、IRレーザ30dから出射される励起光により励起され、800〜850nm程度の近赤外蛍光(以下、蛍光と称する)を発する。この蛍光は、励起光カットフィルタ12dを通過して、対物レンズ11aにより撮像面12a_1に結像される。
第3の実施形態では、グローバル露光期間のみに複数の画素が受光する光の種類が、1フレーム毎に切り替わる。具体的には、撮像装置10aは、複数の画素に受光させる光を、1フレーム毎に、交互に、白色光又は蛍光に切り替える。第3の実施形態では、各フレームの撮像において、複数の画素が白色光又は蛍光を受光する受光期間が、全ての行で略一致する。このように、MPU14a及びTG14cは、受光期間とグローバル露光期間とを同期させる制御を、1フレーム毎に繰り返す。
第3の実施形態では、MPU14a及びTG14cは、複数の画素が受光する光の種類をフレーム毎に変化させる。MPU14a及びTG14cは、複数の画素が白色光を受光する受光期間(第1の受光期間)とグローバル露光期間を同期させる制御を、少なくとも2フレーム毎に実行する。MPU14a及びTG14cは、複数の画素が白色光と種類が異なる励起光を受光する受光期間(第2の受光期間)とグローバル露光期間を同期させる制御を、少なくとも2フレーム毎に実行する。
このため、第3の実施形態に係る撮像装置10aは、第1の実施形態と同様に、観察するのに十分な画質を確保することができる。
図8は、第3の実施形態に係る撮像装置10aの動作の一例を説明するための図である。図8には、第3の実施形態に係る撮像装置10aのイメージセンサ12aが備える複数の画素の各行の露光タイミングと、イメージセンサ12aから出力される映像信号の出力タイミングと、I/F14dから出力される映像信号の出力タイミングとの関係の一例が示されている。更に、図8には、TG14cから出力される光源制御信号の一例が示されている。図8には、撮像装置10aの3〜5フレームを撮像する際の動作が示されている。
図8に示すように、撮像装置10aでは、3フレーム目の撮像において、複数の画素の最初の行から最後の行に向かって1行毎に順次露光が開始される。
MPU14aは、3フレーム目の最後の行の露光が開始される時間T4から、3フレーム目の最初の行の露光が終了される時間T5までの期間1/120[s]の間のみ白色光を出射させるための光源制御信号23を駆動回路30aに出力する。ここで、時間T4から時間T5までの期間は、グローバル露光期間である。
図8において、グローバル露光期間に画素が白色光を受光する(2k−1)フレーム目の映像信号は、「RGBk」で示されている。また、グローバル露光期間に画素が蛍光を受光する2kフレーム目の映像信号は、「IRk」で示されている。ただし、kは、1以上の整数である。例えば、1フレーム目の映像信号は、「RGB1」で示され、2フレーム目の映像信号は、「IR1」で示され、3フレーム目の映像信号は、「RGB2」で示され、4フレーム目の映像信号は、「IR2」で示され、5フレーム目の映像信号は、「RGB3」で示されている。
そして、MPU14aは、時間T5から、読み出し期間1/120[s]で3フレーム目の映像信号をイメージセンサ12aに出力させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12cに出力する。すなわち、MPU14aは、時間T5から、1/(120n)[s]毎に各行から映像信号を出力することをイメージセンサ12aに開始させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12cに出力する。
イメージセンサ制御回路12cは、かかる制御信号に基づいて、イメージセンサ12aを駆動制御する。この結果、イメージセンサ12aは、3フレーム目の撮像において、時間T5から時間T6までの読み出し期間1/120[s]で、全ての行(n行)から映像信号を出力する。
そして、DSP14bは、3フレーム目の撮像において、イメージセンサ12aの各行から出力された映像信号が入力される度に、各行から出力された映像信号に対して各種の信号処理を施す。そして、DSP14bは、各種の信号処理が施された各行からの映像信号(RGB信号)を一時的に記憶回路14eに格納する。例えば、DSP14bは、3フレーム目の撮像において各行から出力された映像信号を、少なくとも、時間T5から時間T9までの1/30[s]の期間、記憶回路14eに記憶させる。そして、DSP14bは、時間T5から、1/(60n)[s]毎に、3フレーム目の撮像において各行から出力された映像信号を記憶回路14eから順々に読み出す。また、DSP14bは、時間T5から、1/(60n)[s]毎に、既に記憶回路14eに記憶されている2フレーム目の撮像において各行から出力された映像信号を記憶回路14eから順々に読み出す。このとき、DSP14bは、最初の行から順に、3フレーム目の撮像及びと2フレーム目の撮像において、同一の行(以下、「行s」と称する場合がある)から出力された映像信号を読み出す。
そして、DSP14bは、3フレーム目の撮像及び2フレーム目の撮像において、行sから出力された2つの映像信号を読み出す度に(1/(60n)[s]毎に)、読み出した2つの映像信号を合成して合成画像を生成する。
例えば、DSP14bは、読み出した2フレーム目の撮像において行sから出力された映像信号が示す画像のうち輝度が閾値以上の部分を抽出する。そして、DSP14bは、抽出した部分と同一の位置及び範囲を有するマーカであって、所定の色(例えば、高彩度の緑色)が付与されたマーカを生成する。そして、DSP14bは、読み出した3フレーム目の撮像において行sから出力された映像信号に、生成したマーカを重畳して、合成画像を生成する。そして、DSP14bは、生成した合成画像をI/F14dに出力する。例えば、被検体101の体内を画像化したカラー画像の色合いは、全体的に赤みがかった色合いである。そのため、例えば、マーカに赤い色を付与しても、マーカが目立たない。そのため、赤色に対して補色である緑色をマーカに付与して、マーカを目立つようにする。
また、DSP14bは、抽出した部分の輝度に応じた色をマーカ等の情報に付与してもよい。例えば、抽出した部分の輝度が大きくなるにつれて、マーカ等の情報に付与される色が、青色、緑色、黄色、赤色の順に変化する。なお、抽出した部分の輝度が大きくなるにつれて、マーカ等の情報に付与される色が、青色から緑色に徐々に変化してもよい。
このような処理を、DSP14bは、3フレーム目及び2フレーム目の撮像において全ての行から出力された映像信号に対して行う。すなわち、DSP14bは、時間T5から時間T7までの期間1/60[s]で、3フレーム目及び2フレーム目の撮像において全ての行から出力された映像信号の合成画像をI/F14dに出力する。これにより、図8における「RGB2+IR1」によって示されるように、I/F14dは、時間T5から時間T7までの期間1/60[s]で、3フレーム目及び2フレーム目の撮像において全ての行から出力された映像信号の合成画像をディスプレイ101に出力する。
図9は、ディスプレイ101に表示される合成画像の一例を示す図である。図9に示すように、白色光により得られたカラー画像32aに、被検体100の体内において、ICGから強い強度の蛍光が発せられた箇所に対応する緑色のマーカ32bが重畳された合成画像32が、ディスプレイ101に表示される。このように、カラー画像32aに高彩度なマーカ32bが重畳されているため、医者等のユーザは、例えば、手術中に、ICGから強い強度の蛍光が発せられるような、注目すべき箇所を容易に観察することができる。また、ユーザは、人間が実際に認識できるような内容のカラー画像32aを観察しつつ、マーカ32bの情報を得ることができる。
なお、DSP14bは、マーカではなく、蛍光により得られる蛍光画像から輪郭成分を抽出し、抽出した輪郭成分をカラー画像32aに重畳して合成画像32を生成してもよい。この場合、DSP14bは、抽出した部分の輝度に応じた色を輪郭成分等の情報に付与してもよい。例えば、抽出した部分の輝度が大きくなるにつれて、輪郭成分等の情報に付与される色が、青色、緑色、黄色、赤色の順に変化する。なお、抽出した部分の輝度が大きくなるにつれて、輪郭成分等の情報に付与される色が、青色から緑色に徐々に変化してもよい。
このように、第3の実施形態において、DSP14bは、カラー画像32aに、蛍光画像から得られるマーカ又は輪郭成分等の情報を重畳して合成画像32を生成する。また、DSP14bは、蛍光画像のうち輝度が閾値以上の部分に対応するマーカ又は輪郭成分等の情報を生成し、カラー画像32aにマーカ又は輪郭成分等の情報を重畳して合成画像32を生成する。
図8の説明に戻り、4フレーム目の撮像においても、複数の画素の最初の行から最後の行に向かって1行毎に順次露光が開始される。
そして、MPU14aは、4フレーム目の最後の行の露光が開始される時間T6から、4フレーム目の最初の行の露光が終了される時間T7までの期間1/120[s]の間のみ励起光を出射させるための光源制御信号24を駆動回路30cに出力する。図8に示すように、光源制御信号24は、ハイレベル25の間、IRレーザ30dから近赤外光を出射させ、ローレベル26の間、IRレーザ30dからの近赤外光の出射を停止させる制御信号である。駆動回路30cは、光源制御信号24に基づいて、時間T6から時間T7までの期間のみ、IRレーザ30dから近赤外光を出射させる。
ここで、時間T6から時間T7までの期間は、グローバル露光期間である。そして、MPU14aは、時間T7から、読み出し期間1/120[s]で4フレーム目の映像信号をイメージセンサ12aに出力させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12cに出力する。すなわち、MPU14aは、時間T7から、1/(120n)[s]毎に、各行から映像信号を出力することをイメージセンサ12aに開始させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12cに出力する。
イメージセンサ制御回路12cは、かかる制御信号に基づいて、イメージセンサ12aを駆動制御する。この結果、イメージセンサ12aは、4フレーム目の撮像において、時間T7から時間T8までの読み出し期間1/120[s]で、全ての行(n行)から映像信号を出力する。
そして、DSP14bは、4フレーム目の撮像において、イメージセンサ12aの各行から出力された映像信号が入力される度に、各行から出力された映像信号に対して各種の信号処理を施す。そして、DSP14bは、各種の信号処理が施された各行からの映像信号(RGB信号)を一時的に記憶回路14eに格納する。例えば、DSP14bは、4フレーム目の撮像において各行から出力された映像信号を、少なくとも、時間T7から、時間T7から1/30[s]経過後の時間までの期間、記憶回路14eに記憶させる。そして、DSP14bは、時間T7から、1/(60n)[s]毎に、4フレーム目の撮像において各行から出力された映像信号を記憶回路14eから順々に読み出す。また、DSP14bは、時間T7から、1/(60n)[s]毎に、3フレーム目の撮像において各行から出力された映像信号を記憶回路14eから順々に読み出す。このとき、DSP14bは、最初の行から順に、3フレーム目の撮像及び4フレーム目の撮像において、同一の行(以下、「行r」と称する場合がある)から出力された映像信号を読み出す。
そして、DSP14bは、3フレーム目の撮像及び4フレーム目の撮像において、行rから出力された2つの映像信号を読み出す度に(1/(60n)[s]毎に)、読み出した2つの映像信号を合成して合成画像を生成する。
例えば、DSP14bは、読み出した4フレーム目の撮像において行rから出力された映像信号が示す画像のうち輝度が閾値以上の領域を抽出する。そして、DSP14bは、上述したマーカを生成する。そして、DSP14bは、読み出した3フレーム目の撮像において行rから出力された映像信号に、生成したマーカを重畳して、合成画像を生成する。そして、DSP14bは、生成した合成画像をI/F14dに出力する。
このような処理を、DSP14bは、3フレーム目及び4フレーム目の撮像において全ての行から出力された映像信号に対して行う。すなわち、DSP14bは、時間T7から時間T9までの期間1/60[s]で、3フレーム目及び4フレーム目の撮像において全ての行から出力された映像信号の合成画像をI/F14dに出力する。これにより、図8における「RGB2+IR2」によって示されるように、I/F14dは、時間T7から時間T9までの期間1/60[s]で、3フレーム目及び4フレーム目の撮像において全ての行から出力された映像信号の合成画像をディスプレイ101に出力する。
5フレーム目以降についても、3フレーム目及び4フレーム目の撮像において説明した撮像動作と同様の撮像動作が繰り返し行われる。このため、ディスプレイ101には、1/60[s]毎に、交互に、カラー画像32a又はマーカ32bが更新される合成画像32が表示される。
第3の実施形態では、複数の画素は、白色光を受光することにより第1の映像信号(第1の電気信号)を出力し、励起光に基づく蛍光を受光することにより第2の映像信号(第2の電気信号)を出力する。そして、DSP14bは、第1の映像信号に基づくカラー画像32aと、第2の映像信号に基づく蛍光画像とを合成して合成画像32を生成する。なお、カラー画像32aは、第1の画像の一例である。また、第2の映像信号に基づく蛍光画像は、第2の画像の一例である。また、合成画像32は、第3の画像の一例である。
次に、第3の実施形態に係るMPU14aにより実行される制御処理について説明する。図10は、第3の実施形態に係る制御処理の流れを示すフローチャートである。
図10に示すように、MPU14aは、第1の実施形態に係る制御処理のステップS101〜S103と同様のステップS201〜S203の各処理を行う。そして、MPU14aは、変数Nの値が、奇数であるか否かを判定する(ステップ204)。
変数Nの値が奇数であると判定した場合(ステップS204;Yes)には、MPU14aは、次の処理を行う。例えば、MPU14aは、光源制御信号をTG14に出力させるための制御信号をTG14cに出力する(ステップS205)。ここでいう光源制御信号は、Nフレーム目の撮像において、最後の行の露光が開始される時間から、最後の行の露光が開始される時間から1/120[s]経過した時間までの期間をハイレベルとし、それ以外の期間をローレベルとする光源制御信号である。
そして、MPU14aは、第1の実施形態に係る制御処理のステップS105,S106と同様のステップS206,S207の各処理を実行する。
そして、MPU14aは、以下の各種の指示が含まれた制御信号をDSP14bに出力する(ステップS208)。例えば、DSP14bに出力される制御信号には、Nフレーム目の撮像においてイメージセンサ12aの各行から出力された映像信号が入力される度に、各行から出力された映像信号に対して各種の信号処理を施す指示が含まれる。また、DSP14bに出力される制御信号には、各種の信号処理が施された各行からの映像信号(RGB信号)を一時的に記憶回路14eに格納する指示が含まれる。また、DSP14bに出力される制御信号には、Nフレーム目の撮像において、最初の行の露光が終了する時間から、1/(60n)[s]毎に、各行から出力された映像信号を記憶回路14eから順々に読み出す指示が含まれる。
また、ステップS208でDSP14bに出力される制御信号には、Nフレーム目の撮像において、最初の行の露光が終了する時間から、1/(60n)[s]毎に、(N−1)フレーム目の撮像において各行から出力された映像信号を記憶回路14eから順々に読み出す指示が含まれる。また、DSP14bに出力される制御信号には、(N−1)フレーム目の撮像及びNフレーム目の撮像において同一の行から出力された2つの映像信号を読み出す度に、読み出した2つの映像信号を合成して合成画像を生成する指示が含まれる。また、DSP14bに出力される制御信号には、生成した合成画像をI/F14dに出力する指示が含まれる。DSP14bは、かかる制御信号に基づいて、制御信号に含まれる指示が示す処理を実行する。
そして、MPU14aは、第1の実施形態に係る制御処理のステップS108,S109と同様のステップS209,S210の各処理を実行する。
一方、変数Nの値が奇数でない(変数Nの値が偶数である)と判定した場合(ステップS204;No)には、MPU14aは、次の処理を行う。例えば、MPU14aは、光源制御信号をTG14cに出力させるための制御信号をTG14cに出力する(ステップS211)。ここでいう光源制御信号は、Nフレーム目の撮像において、最後の行の露光が開始される時間から、最後の行の露光が開始される時間から1/120[s]経過した時間までの期間をハイレベルとし、それ以外の期間をローレベルとする光源制御信号である。そして、MPU14aは、ステップS206へ進む。
ここで、先の図2を参照して説明した比較例に係る撮像装置による撮像において、フレーム毎に、波長帯域(波長域)が互いに異なる2つの種類の光が交互にイメージセンサにより受光されると、イメージセンサの画素の行毎に、2つの種類の光による受光期間の比が異なる場合がある。この場合には、画像の画質が低下する。
一方、第3の実施形態では、1つのフレームの撮像において、グローバル露光期間に、イメージセンサ12aの複数の画素により受光される光(白色光又は蛍光)は、そのフレームの1つ前のフレームの撮像においてイメージセンサ12aの最後の行の露光が終了した後に、光源30から出射された光の戻り光(反射光)、又は、光源30から出射された光による励起により発生した蛍光である。このため、第3の実施形態では、1つのフレームの撮像において、イメージセンサ12aが波長の異なる複数の光を受光することを抑制することができる。したがって、第3の実施形態によれば、画像の画質の低下を抑制することができる。
また、第3の実施形態では、撮像装置10aは、RGB信号に基づくカラー画像に、蛍光に基づくマーカを重畳して合成画像を生成し、生成した合成画像を出力する。したがって、第3の実施形態に係る撮像装置10aによれば、通常の3種類の色の画像(RGBのカラー画像)よりも多い種類の色の画像を出力することができる。
以上、第3の実施形態に係る撮像装置10aについて説明した。第3の実施形態に係る撮像装置10aによれば、上述したように、ユーザが観察するのに十分な画質を確保することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る撮像装置について説明する。第4の実施形態に係る説明において、上述した各実施形態及び上述した各変形例と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。第4の実施形態に係る撮像装置の構成は、図7に示す第3の実施形態に係る撮像装置10aの構成と同様である。第4の実施形態に係る撮像装置は、第1の実施形態又は第2の実施形態に係る制御処理を実行するモード(第1のモード)と、第3の実施形態に係る制御処理を実行するモード(第2のモード)とを、ユーザの指示に応じて切り替える。
例えば、第4の実施形態に係る撮像装置のMPU14aは、入力装置を介して入力された指示に基づいて、第1のモード又は第2のモードを切り替える。これにより、白色光から得られるカラー画像と、カラー画像にマーカが重畳された合成画像とを切り替えることができる。例えば、ユーザは、ディスプレイ101に表示されたカラー画像を確認しているときに、マーカの位置を確認したい場合には、入力装置を介して画像を切り替える指示を入力するだけで、マーカを確認することができる。
第4の実施形態では、モードが切り替わった場合であっても、撮像装置からディスプレイ101に出力されるフレームレートは変わらない。したがって、第4の実施形態に係る撮像装置によれば、モードの切り替え時にユーザに与える違和感を抑制することができる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る撮像装置について説明する。第5の実施形態の説明において、上述した各実施形態及び上述した各変形例と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
図11は、第5の実施形態に係る撮像装置10bを備える撮像システム1bの構成例を示す図である。図11に示すように、第5の実施形態に係る撮像装置10bのカメラヘッド12が、励起光カットフィルタ12d、第1の波長選択フィルタ12e、第2の波長選択フィルタ12f、遮光フィルタ12g及び切替機構12hを備えている点が、第1の実施形態に係る撮像装置10と異なる。また、第5の実施形態に係る撮像装置10bが、光源30及びスコープ11を備えていない点が、第1の実施形態に係る撮像装置10と異なる。
第5の実施形態に係る撮像装置10bは、外部光により、撮像を行うことができる。ここで、例えば、光源30により被検体100の体内組織に照射された光の戻り光しかイメージセンサ12aで受光されない場合には、受光期間を制御することができるので、第1の実施形態に係る撮像装置10のように、遮光フィルタ12gを備えなくてもよい。
しかしながら、撮像時に、外部光が撮像面12a_1に入射される場合には、グローバル露光期間以外の期間に、外部光が入射されて、イメージセンサ12aにより外部光が受光される場合がある。グローバル露光期間以外の期間にイメージセンサ12aにより受光されると、画像に歪みが発生する場合がある。
そこで、第5の実施形態に係る撮像装置10bは、グローバル露光期間以外の期間では、遮光フィルタ12gを遮光を行うことが可能な位置(遮光可能位置)に配置して、外部光が入射されないように制御する遮光制御を行う。また、撮像装置10bは、グローバル露光期間では、遮光フィルタ12gを遮光可能位置から外して、外部光が入射されるように制御する採光制御を行う。
例えば、MPU14aは、遮光制御信号をTG14cに出力させるための制御信号をTG14cに出力する。ここで、遮光制御信号は、グローバル露光期間以外の期間において、遮光フィルタ12gを切替機構12hにより遮光可能位置に配置させるための制御信号である。
TG14cは、かかる制御信号に基づいて、遮光制御信号を、カメラケーブル13を介して、切替機構12hに出力する。切替機構12hは、遮光制御信号に基づいて、グローバル露光期間以外の期間では、遮光フィルタ12gを遮光可能位置に配置させる。例えば、切替機構12hは、遮光可能位置として、励起光カットフィルタ12dの対物レンズ11a側の面を覆うことが可能な位置に、遮光フィルタ12gを配置する。したがって、MPU14a及びTG14cは、間接的に、複数の画素へ進む光を遮る遮光フィルタ12gを制御することにより、受光期間を制御する。
また、MPU14aは、採光制御信号をTG14cに出力させるための制御信号をTG14cに出力する。ここで、採光制御信号は、グローバル露光期間において、遮光フィルタ12gを切替機構12hにより遮光可能位置から外すための制御信号である。TG14cは、かかる制御信号に基づいて、採光制御信号を、カメラケーブル13を介して、切替機構12hに出力する。切替機構12hは、採光制御信号に基づいて、グローバル露光期間では、遮光フィルタ12gを遮光可能位置から外す。このようにして、切替機構12hは、グローバル露光期間では、外部光が入射されるように制御する。すなわち、切替機構12hは、グローバル露光期間では、遮光フィルタ12gによる遮光を解除するように制御する。
また、第1の波長選択フィルタ12e及び第2の波長選択フィルタ12fは、互いに異なる波長帯域の光を選択して通過させる。第5の実施形態では、撮像装置10bは、1フレーム毎に、第1の波長選択フィルタ12e及び第2の波長選択フィルタ12fの2つの波長選択フィルタを交互に切り替えて、互いに異なる波長帯域の光がグローバル露光期間において交互に受光されるように制御する。したがって、第5の実施形態に係る撮像装置10bによれば、光源30を備えなくても、波長帯域が異なる複数の光を用いて撮像対象を撮像することができる。
例えば、MPU14aは、切替制御信号をTG14cに出力させるための制御信号をTG14cに出力する。ここで、切替制御信号は、第1の波長選択フィルタ12e及び第2の波長選択フィルタ12fを1フレーム毎に交互に切り替えさせるための制御信号である。TG14cは、MPU14aから出力された制御信号に基づいて、切替制御信号を、カメラケーブル13を介して切替機構12hに出力する。切替機構12hは、切替制御信号に基づいて、1フレーム毎に、第1の波長選択フィルタ12e及び第2の波長選択フィルタ12fを交互に切り替える。
なお、切替機構12hは、カラー画像を得る場合、グローバル露光期間において、第1の波長選択フィルタ12e及び第2の波長選択フィルタ12fを設定しなくてもよい。
次に、第1の波長選択フィルタ12e及び第2の波長選択フィルタ12fにより選択される光の波長帯域の一例について説明する。図12〜14は、第1の波長選択フィルタ12e及び第2の波長選択フィルタ12fにより選択される光の波長帯域の一例を説明するための図である。
図12の上側及び下側のそれぞれのグラフは、第5の実施形態に係るイメージセンサ12aや対物レンズ11a等の光学系及び撮像系の分光感度特性の一例を示すグラフである。グラフの横軸は、波長[nm]を示し、グラフの縦軸は、分光相対感度[%]を示す。
曲線41は、青色の光に対する分光感度特性を示し、曲線42は、緑色の光に対する分光感度特性を示し、曲線43は、赤色の光に対する分光感度特性を示す。
図12の上側には、第1の波長選択フィルタ12eにより、波長帯域が570[nm]〜600[nm]程度で狭帯域の黄色の光が選択される例が示されている。なお、この黄色の光は、波長帯域が570[nm]〜580[nm]程度で狭帯域の緑色の光(波長帯域YGに対応)と、波長帯域が580[nm]〜600[nm]程度で狭帯域の赤色の光(波長帯域YRに対応)とを含んでいる。この緑色の光は、赤色よりの緑色の光である。また、この赤色の光は、緑色よりの赤色の光である。
また、図12の下側には、第1の波長選択フィルタ12e及び第2の波長選択フィルタ12fが設定されずに、イメージセンサ12aにより受光された白色光の波長帯域(400[nm]〜700[nm]程度)が示されている。白色光は、波長帯域が400[nm]〜490[nm]程度で広帯域の青色の光(分光感度帯域B1に対応)と、波長帯域が490[nm]〜580[nm]程度で広帯域の緑色の光(分光感度帯域G1に対応)と、波長帯域が580[nm]〜700[nm]程度で広帯域の赤色の光(分光感度帯域R1に対応)とを含んでいる。
図12の例では、撮像装置10bは、白色光に基づくカラー画像に、黄色の光に基づく画像から得られるマーカや輪郭成分等の情報が重畳された合成画像をディスプレイ101に出力する。したがって、ユーザは、例えば、注目すべき箇所を容易に観察することができる。また、ユーザは、人間が実際に認識できるような内容のカラー画像を観察しつつ、マーカの情報を得ることができる。
なお、例えば、図7に示す第3の実施形態に係る撮像装置10aにおいて、IRレーザ30dに代えて、波長帯域が570[nm]〜600[nm]程度の黄色の光を出射する光源を設けてもよい。このように構成することによっても、白色光に基づくカラー画像に、黄色の光に基づく画像から得られるマーカや輪郭成分等の情報が重畳された合成画像を撮像装置10aからディスプレイ101に出力することができる。
図13の上側には、第1の波長選択フィルタ12eにより、波長帯域B2が410[nm]〜430[nm]程度で狭帯域の青色(紫色)の光と、波長帯域G2が530[nm]〜550[nm]程度で狭帯域の緑色の光が選択される例が示されている。
また、図13の下側には、第1の波長選択フィルタ12e及び第2の波長選択フィルタ12fが設定されずに、イメージセンサ12aにより受光された白色光の波長帯域(400[nm]〜700[nm]程度)が示されている。
図13の例では、撮像装置10bは、白色光に基づくカラー画像に、狭帯域の青色の光及び狭帯域の緑色の光に基づく画像から得られるマーカや輪郭成分等の情報が重畳された合成画像をディスプレイ101に出力する。ここで、狭帯域の青色の光及び狭帯域の緑色の光を撮像対象に照射して撮像を行うと、ヘモグロビンのコントラストが高くなり、血流を詳細に観察することができる画像を得ることができる。したがって、ユーザは、例えば、血流を容易に観察することができる。
なお、例えば、図7に示す第3の実施形態に係る撮像装置10aにおいて、白色LED30b及びIRレーザ30dに代えて、波長帯域が410[nm]〜430[nm]程度の青色の光を出射する光源、及び、波長帯域が530[nm]〜550[nm]程度の緑色の光を出射する光源を設けてもよい。このように構成することによっても、血流を詳細に観察することができる画像を得ることができる。
図14の上側には、第1の波長選択フィルタ12eにより、波長帯域が400[nm]〜440[nm]程度で狭帯域の青色の光(波長帯域B3に対応)と、波長帯域が530[nm]〜630[nm]程度で狭帯域の黄色の光が選択される例が示されている。なお、この黄色の光は、波長帯域が530[nm]〜580[nm]程度の緑色の光(波長帯域G3に対応)と、波長帯域が580[nm]〜630[nm]程度の赤色の光(波長帯域R3に対応)とを含んでいる。この緑色の光は、赤色よりの緑色の光である。また、この赤色の光は、緑色よりの赤色の光である。
図14の下側には、第2の波長選択フィルタ12fにより、波長帯域が440[nm]〜530[nm]程度の青緑色の光と、波長帯域が630[nm]〜690[nm]程度で狭帯域の赤色の光(波長帯域R4に対応)とが選択される例が示されている。なお、この青緑色の光は、波長帯域が440[nm]〜480[nm]程度で狭帯域の青色の光(波長帯域B4に対応)と、波長帯域が480[nm]〜530[nm]程度の緑色の光(波長帯域G4に対応)とを含んでいる。この青色の光は、緑色よりの光である。また、この緑色の光は、青色よりの光である。
図14の例では、撮像装置10bにおける分光感度帯域(R1,G1,B1)のそれぞれが2分割されて、6つの波長帯域(R3,R4,G3,G4,B3,B4)となる。例えば、赤色の光の波長帯域R3と赤色の光の波長帯域R4とを合わせた波長帯域は、撮像装置10bにおける分光感度帯域R1と一致する。同様に、緑色の光の波長帯域G3と緑色の光の波長帯域G4とを合わせた波長帯域は、撮像装置10bにおける分光感度帯域G1と一致する。また、青色の光の波長帯域B3と青色の光の波長帯域B4とを合わせた波長帯域は、撮像装置10bにおける分光感度帯域B1と一致する。撮像装置10bは、例えば、波長帯域R3の赤色の光、波長帯域G3の緑色の光、及び、波長帯域B3の青色の光に基づくカラー画像を生成する。
また、撮像装置10bは、波長帯域R4の赤色の光、波長帯域G4の緑色の光、及び、波長帯域B4の青色の光のうち少なくとも1つの光に基づく画像を生成する。そして、撮像装置10bは、生成した画像から得られるマーカや輪郭成分等の情報を、カラー画像に重畳して合成画像を生成して出力する。なお、撮像装置10bは、生成した画像と、カラー画像とを別々にディスプレイ101に出力してもよい。
したがって、第5の実施形態に係る撮像装置10bによれば、通常の3種類の色の画像(RGBのカラー画像)よりも多い種類の色の画像を出力することができる。
なお、例えば、図7に示す第3の実施形態に係る撮像装置10aにおいて、IRレーザ30dに代えて、波長帯域が400[nm]〜440[nm]程度の青色の光を出射する光源、波長帯域が530[nm]〜580[nm]程度の緑色の光を出射する光源、波長帯域が580[nm]〜630[nm]程度の赤色の光を出射する光源、波長帯域が440[nm]〜480[nm]程度で狭帯域の青色の光を出射する光源、波長帯域が480[nm]〜530[nm]程度の緑色の光を出射する光源、及び、波長帯域が630[nm]〜690[nm]程度で狭帯域の赤色の光を出射する光源を設けてもよい。このように構成することによっても、通常の3種類の色の画像よりも多い種類の色の画像を出力することができる。
また、撮像装置10bによれば、通常の3種類の色の画像よりも多い種類の色の画像を出力するので、ディスプレイ101に表示される画像の色合いが、実際の撮像対象の色合いに類似する。したがって、撮像装置10bによれば、色再現性が高い画像を生成することができる。
また、撮像装置10bは、比較的安価な第1の波長選択フィルタ12e及び第2の波長選択フィルタ12fを用いて通常の3種類の色の画像よりも多い種類の色の画像を得る。したがって、撮像装置10bによれば、4色以上の光に分光するような比較的高価な分光プリズムを用いずに、比較的安価に、4色以上の画像を得ることができる。
以上、第5の実施形態に係る撮像装置10bについて説明した。第5の実施形態に係る撮像装置10bによれば、上述したように、ユーザが観察するのに十分な画質を確保することができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態又は変形例に係る撮像装置によれば、ユーザが観察するのに十分な画質を確保することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。