JP2018179836A - 水素検出具およびそれを用いた水素測定装置 - Google Patents

水素検出具およびそれを用いた水素測定装置 Download PDF

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正治 棚橋
Seiji Tanahashi
正治 棚橋
宏恵 近藤
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宏恵 近藤
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祥子 登
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正和 棚橋
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Abstract

【課題】気体中や液体中の水素分子の検出が容易な器具およびそれを用いた水素測定装置を提供する。
【解決手段】開示される水素検出具は、水素分子を検出するための器具である。この水素検出具は、水素分子が透過可能な容器110と、容器110内に配置された溶液120と、溶液120と接触するように配置された金属(パンチングメタル130)とを含む。溶液120は、溶液120中に金属130が存在している状態で水素分子と接触したときに変色する溶液である。
【選択図】図1A

Description

本発明は、水素検出具およびそれを用いた水素測定装置に関する。
液体中の溶存水素濃度を求める方法は従来から提案されている。特開2017−20823号公報(特許文献1)は、被測定液中に溶存水素として含まれる水素ガスと空気中の酸素ガスとを反応させて電気エネルギーを発生させ、その電気エネルギーの量を測定することによって溶存水素濃度を求める装置を開示している。
特許第4511361号公報(特許文献2)は、貴金属コロイド触媒と酸化還元色素とを用いた、被検定水の溶存水素濃度の定量分析法を開示している。具体的には、特許文献2に記載の方法では、所定量の被検定水中に貴金属コロイド触媒を加えるとともに酸化還元色素の溶液を滴下していったときの、貴金属コロイド触媒を介した前記酸化還元色素の還元反応による同色素の呈色変化終点までの滴下量から、被検定水中の溶存水素量を求め、前記所定量と前記滴下量に基づいて、被検定水の溶存水素濃度を定量分析する(特許文献2の請求項1)。すなわち、特許文献2の方法では、被検定水の溶存水素濃度を滴定によって定量する。
特開2017−20823号公報 特許第4511361号明細書
特許文献1および2の方法はいずれも、液体中の溶存水素濃度しか測定できない。また、特許文献2の滴定方法では、測定者が滴定を行う必要があり、測定の作業が繁雑である。さらに、特許文献2の測定方法では、試薬(酸化還元色素の溶液)を繰り返し使用する
ことができない。さらに、特許文献2の方法では、液体に存在する水素分子以外の物質(たとえば溶存酸素や遊離塩素)の影響を受けやすいという問題があった。
このような状況において、本発明の目的の1つは、気体中や液体中の水素分子の検出が容易な器具およびそれを用いた水素測定装置を提供することである。
本発明の一実施形態による水素検出具は、水素分子を検出するための水素検出具であって、水素分子が透過可能な容器と、前記容器内に配置された溶液と、前記溶液と接触するように配置された金属とを含み、前記溶液は、前記溶液中に前記金属が存在している状態で水素分子と接触したときに変色する溶液である。
本発明の一実施形態による水素測定装置は、本発明の水素検出具を用いる水素測定装置であって、前記溶液の色の変化を測定する測定器を含む。
本発明によれば、気体中や液体中の水素分子の検出を容易に行うことができる。さらに、本発明によれば、気体中や液体中の水素分子について、簡易な定量を行うことが可能である。
図1Aは、本発明の水素検出具の一例を模式的に示す断面図である。 図1Bは、図1Aの線IB−IBにおける断面を模式的に示す図である。 図2Aは、本発明の水素検出具の他の一例を模式的に示す断面図である。 図2Bは、図2Aの線IIB−IIBにおける断面を模式的に示す図である。 図3は、本発明の水素測定装置の一例の構成を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態について以下に説明する。なお、以下の説明では、本発明の実施形態について例を挙げて説明するが、本発明は以下で説明する例に限定されない。以下の説明において特定の数値や特定の材料を例示する場合があるが、本発明はそれらの例示に限定されない。
(水素検出具)
本発明の水素検出具は、水素分子を検出するための器具である。この検出具は、水素分子が透過可能な容器と、当該容器内に配置された溶液と、当該溶液と接触するように配置された金属とを含む。当該溶液および当該金属をそれぞれ以下では、「溶液(S)」および「金属(M)」と称する場合がある。溶液(S)は、溶液(S)中に金属(M)が存在している状態で水素分子と接触したときに変色する溶液である。なお、この明細書において、変色には、退色(色が薄くなったり色が消えたりすること)も含まれる。
溶液(S)は、金属(M)が存在しなくても水素分子と接触することによって変色する溶液であってもよい。ただし、金属(M)が存在することによって、変色の速度を高くすることが可能になる。
溶液(S)の例には、水素分子の還元作用によって変色する溶液が含まれる。具体的には、溶液(S)は、水素分子によって還元されて色が変化する化合物の溶液であってもよい。より具体的には、溶液(S)の例には、メチレンブルー溶液、三価の鉄イオン水溶液(たとえばフェナントロリン鉄(III)やその誘導体の水溶液など)、ジフェニルアミンの溶液等が含まれる。メチレンブルー溶液は、水素分子の検知に好ましく用いることができる。メチレンブルーが還元されるとロイコメチレンブルーとなる。メチレンブルー水溶液は青色であるが、ロイコメチレンブルー水溶液は無色である。そのため、メチレンブルーは、吸光光度法の試薬として従来から用いられている。
メチレンブルー溶液は、メチレンブルーを液体に溶解させることによって得られる。本発明の効果が得られる限り、溶解させる液体に特に限定はない。液体の例には酸性水溶液が含まれ、塩酸(塩化水素の水溶液)であってもよい。液体の一例は、濃度が0.1〜3mol/Lの範囲にある塩酸である。メチレンブルー溶液におけるメチレンブルーの濃度は、目的に応じて選択すればよい。メチレンブルー溶液におけるメチレンブルーの濃度は、飽和濃度の0.1〜1倍の範囲にあってもよい。メチレンブルーの濃度が低すぎると、変色の検出が難しくなる場合がある。一方で、メチレンブルーの濃度が高すぎると、変色の応答性が低下する場合がある。メチレンブルーの濃度は、変色の検出がしやすい濃度で、且つ、応答性が高い濃度を選択すればよい。
金属(M)は、微小電極として作用する金属であり、溶液(S)中で溶解したり反応したりしない金属であることが好ましい。金属(M)の好ましい一例は、白金である。白金を用いることによって反応の活性化エネルギーを下げることができ、その結果、水素分子による溶液(S)の変色を促進できる。金属(M)として白金を用いる場合、容器内に存在する金属が白金のみであってもよいし、白金以外の金属が存在してもよい。たとえば、白金以外の金属を白金でコートしたものを、金属(M)として用いてもよい。
水素分子が存在する雰囲気中に本発明の水素検出具を配置すると、雰囲気中の水素分子は、容器を透過して溶液(S)に溶解する。その結果、溶液(S)が変色する。その変色によって雰囲気中の水素分子を検出できる。さらに、変色の度合いや変色の速度によって、容器内に流入した水素分子の量を求めたり、雰囲気中の水素分子の濃度を推測したりすることが可能である。水素分子が存在する雰囲気は、気体であってもよいし液体であってもよい。すなわち、本発明の水素検出具によれば、水などの液体中に溶存している水素分子(溶存水素)を検出することもできるし、気体中に存在する水素分子を検出することも可能である。
水素分子は、他の分子(たとえば酸素分子や塩素分子)と比較して小さい。そのため、一般的な樹脂で形成された容器でも、通常、水素分子の透過速度は他の分子の透過速度よりも高い。そのため、本発明の水素検出具では、他の分子の影響を低減することが可能である。被測定溶液中で滴定を行う従来の方法では被測定溶液中に存在する溶存酸素や次亜塩素酸などの影響を受けやすいという問題があった。しかし、本発明によれば、他の分子の影響を小さくできる。他の分子の影響をより小さくするために、容器のうち水素分子を透過させる部分を、水素分子の選択的透過性が高い材料で形成してもよい。
本発明の水素検出具では、溶液(S)がメチレンブルー溶液であってもよい。その場合、金属(M)が白金であってもよい。
金属(M)は、酸化還元反応における電子のやり取りを媒介する。そのため、溶液(S)と接触するように金属(M)を配置することによって、酸化還元反応に関与する反応物質同士が衝突しなくても、金属(M)を介した酸化還元反応が可能になる。金属(M)の表面積を大きくすることによって、反応物質と金属(M)との衝突確率を高めることが好ましい。そのため、金属(M)は、網状に配置されていてもよいし、パンチングメタルであってもよい。網状の金属(M)の例には、金属線を組み合わせて網状にしたものや、エキスパンドメタルが含まれる。上述したように、それらの表面は白金でコートされていてもよい。通常、金属(M)は、溶液(S)内に配置される。
金属(M)は、金属微粒子であってもよく、少なくとも表面に白金が存在する金属微粒子であってもよい。当該金属微粒子は、溶液(S)とコロイド溶液を構成するように溶液(S)中に分散されていてもよい。金属微粒子の一例は、全体が白金からなる白金微粒子である。コロイドを用いることによって、金属(M)の効果を高めることができる。コロイドの粒径に特に限定はなく、微粒子として溶液中に安定に分散されるものであればよい。たとえば、一般的にナノ粒子と呼ばれる粒子をコロイドとして溶液中に分散させてもよい。発明の効果が得られる限り、金属微粒子を安定的に分散させるための分散剤(たとえば界面活性剤)を添加してもよい。
金属(M)として金属微粒子(たとえば白金微粒子)を用いる場合、その濃度は、発明の効果が得られる限り特に限定はない。その濃度は、5〜500μg/Lの範囲にあってもよい。
容器は、袋状であってもよいし、ボックス状であってもよい。いずれにしても、容器の内部の空間に溶液(S)が配置される。
容器のうち溶液(S)と接する部分の少なくとも一部(たとえば全部)は、水素分子が透過可能である(すなわち水素透過性を有する)。以下では、当該少なくとも一部を「水素透過部」と称する場合がある。水素透過部は、水素分子を透過させる樹脂(合成樹脂)によって構成されていてもよいし、水素分子を透過させるその他の材料で形成されていてもよい。水素透過部は、水素分子の透過性が高い材料で形成することが好ましい。
一般的な樹脂は水素分子を透過させるため、水素透過部の材料として用いることができる。そのような樹脂の例には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、シリコーン樹脂、および、酢酸セルロースが含まれる。他の分子(たとえば酸素分子)に対する水素分子の選択的透過性が高い材料(たとえば酸素バリア性樹脂)で水素透過部を形成することによって、他の分子の影響を低減できる。そのような材料の例には、低密度ポリエチレン、および、酢酸セルロースが含まれる。水素透過部の好ましい一例は、酸素ガスや炭酸ガスなどの他のガスの透過性が小さく水素ガスの透過性が大きい材料からなる薄い樹脂フィルムである。
水素分子の透過性を高めるために、水素透過部を薄くすることが好ましい。水素透過部を樹脂で形成する場合、水素透過部の厚さは、0.005〜0.06mmの範囲(たとえば0.01〜0.03mmの範囲)にあってもよい。
溶液(S)の色を目視したり、溶液(S)の光学特性を測定したりするために、容器のうち溶液(S)と接する部分の少なくとも一部は透明である。好ましい一例では、当該少なくとも一部は、水素分子を透過させる透明な樹脂によって構成される。たとえば、当該樹脂からなる袋を容器として用いてもよい。あるいは、溶液(S)が配置されている部分のうちの一部分(たとえば、目視したり光学特性を測定したりする部分)が当該樹脂によって構成されている容器を用いてもよい。
(水素測定装置)
本発明の水素測定装置は、雰囲気中(気体または液体中)に存在する水素分子を測定する装置である。この装置は、本発明の水素検出具を用いる。この装置は、水素検出具と、当該水素検出具中の溶液(S)の色の変化を測定する測定器とを含む。測定器には、透過率測定装置や反射率測定装置など、一般的な分光測定に用いられている測定器を適用することが可能である。測定器の一例は、溶液(S)の変色に対応する波長の光を発する光源と、当該光の強度を測定するための受光素子とを含む。
本発明の装置によれば、色の変化から、雰囲気中に存在する水素分子を検出できる。さらに、色の変化から、雰囲気中に存在する水素分子の濃度を求めることが可能である。
測定器は、溶液(S)の透過光量、および、溶液(S)の反射光量から選ばれる少なくとも1つの光量を測定するものであってもよい。当該光量の変化から、水素検出具が配置された雰囲気中の水素分子の濃度を求めることが可能である。ここで、透過光量を透過率に置き換え、反射光量を反射率に置き換えてもよい。
(水素測定方法)
本発明の水素検出具を用いた水素測定方法の一例について説明する。この方法は、雰囲気中(気体または液体中)に存在する水素分子濃度を測定する方法である。この方法は、本発明の水素検出具を用いる方法であり、本発明の装置を用いて実施できる。この方法は、以下の工程(i)、(ii)、および(iii)を含む。
工程(i)では、水素分子濃度が測定されるサンプル中に、本発明の水素検出具を配置する。サンプルは、気体であってもよいし液体であってもよい。サンプル中に存在する水素分子は、水素検出具の容器を透過して溶液(S)と反応し、溶液(S)を変色させる。
工程(ii)では、工程(i)による溶液(S)の変色に関する光学特性を測定する。たとえば、溶液(S)の透過光量および/または反射光量を測定する。光学特性の測定は、溶液(S)の変色に対応する波長で行われる。たとえば、一例の青色のメチレンブルー水溶液は、250〜300nmおよび570〜670nmの範囲で吸収が大きくなる。そのため、この範囲の波長(たとえば660nmまたはその近傍)で光学特性を測定してもよい。工程(ii)の光学特性は、必要に応じて工程(i)の前後で行ってもよい。
工程(iii)では、光学特性の測定結果からサンプルの水素濃度を求める。溶液(S)中の溶存水素濃度が飽和していない場合、容器を透過する水素分子の量は、容器の水素分子透過度が高いほど多くなり、サンプル中の水素分子濃度が高いほど(サンプル内の水素分子濃度と容器内の水素分子濃度との差が大きいほど)多くなり、サンプル中に水素検出具を配置する時間が長いほど多くなる。そのため、所定の時間だけ水素検出具をサンプル中に配置して変色の度合いを測定することによって、サンプル中の水素分子濃度を求めることが可能である。あるいは、所定の変色が生じるまでの時間を測定し、その時間から、サンプル中の水素分子濃度を求めることも可能である。その場合、水素分子濃度が測定されるサンプル中に水素検出具を配置したままの状態で、工程(ii)の光学特性の測定が行ってもよい。
工程(iii)は、予め作成された検量線を用いて行ってもよい。工程(iii)は、記憶手段(メモリ)などと、演算処理装置とを含むコントローラによって行ってもよい。その場合の一例では、記憶手段には検量線のデータが格納される。そして、工程(ii)で測定された値と検量線とが比較され、水素濃度が求められる。
なお、工程(i)の後に、溶液(S)の変色を目視で判別し、それに基づいてサンプル中の水素濃度を推測することも可能である。その場合、検量線に相当するカラーチャートと溶液(S)とを目視で比較すればよい。カラーチャートの一例は、水素検出具を所定の時間だけ所定の雰囲気(サンプルと同じ雰囲気で水素分子濃度が異なる複数の雰囲気)においたときの溶液(S)の色を示したものである。検量線の他の一例は、溶液(S)が所定の色に変化するまでの時間と、所定の雰囲気(サンプルと同じ雰囲気)における水素分子濃度との関係を示したものである。
本発明の実施形態の例について、図面を参照しながら以下に説明する。なお、以下の説明では、同様の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。本発明の効果が得られる限り、以下の実施形態の構成は、上述した他の構成に置き換えることが可能である。以下の実施形態の装置の構成のうち、本発明の効果を奏するために必要でない構成は省略してもよい。1つの実施形態について説明した事項は、他の実施形態の構成に反しない限り他の実施形態にも適用できる。そのため、1つの実施形態で説明した事項は、他の実施形態の説明において説明を省略する場合がある。
(実施形態1)
実施形態1では、本発明の水素検出具の例について説明する。実施形態1の水素検出具100の断面図を、図1Aおよび図1Bに模式的に示す。図1Bは、図1Aの線IB−IBにおける断面図である。図1Aは、図1Bの線IA−IAにおける断面図である。
水素検出具100は、容器110と、容器110内に配置された溶液120(溶液(S))と、溶液120内に配置された金属製のパンチングメタル130(金属(M))とを含む。容器110は、たとえば透明な材料(たとえば樹脂)からなる。パンチングメタル120は、たとえば白金コートされたチタンからなる。なお、溶液のハッチングは省略する。
パンチングメタル130の代わりに、金属メッシュ(たとえば白金コートされたチタン製のメッシュ)や、金属コロイド(たとえば白金コロイド)を用いてもよい。
他の水素検出具101の断面図を、図2Aおよび図2Bに示す。図2Bは、図2Aの線IIB−IIBにおける断面図である。図2Aは、図2Bの線IIA−IIAにおける断面図である。
図2に示す水素検出具101は、容器111と、容器111内に配置されたコロイド溶液121を含む。コロイド溶液121は、溶液(S)に金属微粒子(図示せず)が分散されたものである。金属微粒子は、たとえば白金微粒子である。
容器111は、枠体111aと、2つの窓材111bとを含む。枠体111aは貫通孔111hを有し、窓材111bは、貫通孔111hの2つの開口部をカバーしている。コロイド溶液121は、枠体111aと窓材111bとによって囲まれた空間内に配置されている。2つの窓材111bの間隔は一定である。窓材111bは水素分子が透過する透明な材料(たとえば樹脂)で形成される。水素検出具101の外部の水素分子は、窓材111bを透過し、溶液120と反応する。
2つの窓材111bは平行に配置されており、それらの間隔は一定である。そのため、コロイド溶液121の変色を目視で判断する場合に、判断が容易になる。同様に、透過光量によってコロイド溶液121の変色を測定する場合にも、コロイド溶液121の変色から水素濃度を求めることが容易になる。
(実施形態2)
実施形態2では、本発明の水素測定装置の例について説明する。実施形態2の水素測定装置の構成を、図3に模式的に示す。図3の水素測定装置300は、測定器310およびコントローラ320を含む。測定器310は、光源311および受光素子312を含む。装置300には、実施形態1で説明した水素検出具101がセットされ、コロイド溶液121の吸収が測定される。光源311は、水素分子と反応することによってコロイド溶液121の吸収が変化する波長の光を少なくとも発する。受光素子312は、当該波長の光強度を測定するために用いられる。すなわち、実施形態2の測定器310は、コロイド溶液121の透過光量を測定する。
装置300を用いた測定では、まず、水素検出具101を、測定されるサンプル(測定対象である気体または液体)の中に所定の時間だけ配置する。その後、水素検出具101を装置300にセットし、コロイド溶液121の透過光量を測定する。
コントローラ320には、標準試料(サンプルと同じ雰囲気)の水素分子濃度と透過光量との関係に関するデータ(検量線)が予め格納されている。コントローラ320は、そのデータと受光素子312の出力とから、サンプルの水素分子濃度を求める。なお、水素検出具101をサンプル中に配置する前にも装置300でコロイド溶液121の透過光量を測定し、サンプルに配置する前後の透過光量を用いて水素分子濃度を求めてもよい。あるいは、水素検出具101をサンプル中に配置した状態で装置300にセットし、その状態で溶液の光学特性を測定してもよい。
本発明について、実施例によってさらに詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1では、2種類の水素検出具について実験を行った。容器としては、厚さが0.04mmのポリエチレン製の袋を用いた。溶液(S)としては、メチレンブルー溶液を用いた。メチレンブルー溶液は、1モル/Lの塩酸50mL中に、約0.4mgのメチレンブルー2水和物を加えて溶解させることによって調製した。一部のメチレンブルーは溶解しなかったため、ほぼ飽和溶液に近いメチレンブルー溶液が調製されたと考えられる。調製されたメチレンブルー溶液は、青色であった。
第1の水素検出具(1)では、金属(M)として、白金コートされたチタン製のパンチングメタルを用いた。第2の水素検出具(2)では、金属(M)として、白金コートされたチタン製のメッシュを用いた。
容器である袋の中に上記メチレンブルー溶液と上記金属(M)とを配置して袋を密閉することによって、2種類の検出具(1)および(2)を作製した。そして、それら検出具を、水素ガスが流れる水素ガス雰囲気下においた。水素ガス雰囲気下においたところ、メチレンブルー溶液の色が徐々に薄くなりはじめ、数時間で明確な退色が確認された。これは、水素ガス雰囲気下でメチレンブルーが還元されてロイコメチレンブルーに変化したことを示唆している。次に、退色した検出具を大気中に放置したところ、メチレンブルー溶液の色が数時間で元の青色に戻った。これは、ロイコメチレンブルーがメチレンブルーに戻ったことを示唆している。色が戻る理由は現在のところ明確ではないが、溶存水素が大気中に放出されて溶存水素濃度が低下するとともに、長時間の間に酸素分子が溶液に溶解したことによるものであると考えられる。
以上のように、本発明の水素検出具によれば、雰囲気下に存在する水素分子を容易に検出できた。この水素検出具は、繰り返し使用が可能である。また、変色の速度から、雰囲気中の水素分子濃度を推測することも可能である。
(実施例2)
実施例2では、金属(M)として白金微粒子を用いた。容器およびメチレンブルー溶液には、実施例1で説明したそれらを用いた。
まず、白金微粒子5μgを17gのメチレンブルー溶液に分散させてコロイド溶液とした。このコロイド溶液約0.2mLを、厚さが0.04mmでサイズが70mm×50mmのポリエチレンの袋に入れた。そして、袋内の気体を除去した状態で35mm×20mmのサイズに袋を熱シールした。このようにして、実施例2の水素検出具(3)を作製した。さらに、比較例として、白金微粒子を加えないことを除いて同様の方法で水素検出具(C1)を作製した。
上記2つの水素検出具を、水素ガスが流れる水素ガス雰囲気中に約50分間配置した。その結果、水素検出具(3)の溶液はほぼ無色となった。一方、水素検出具(C1)中の溶液の色はほとんど変化しなかった。水素検出具(3)を大気中に放置すると、溶液は再び青色となった。以上のように、本発明の水素検出具によれば、雰囲気下に存在する水素分子を容易に検出できた。
厚さ0.01mmのポリエチレン製の袋を用いて上記本発明の水素検出具を作製し、同様の実験を行った。その場合、応答性が約4倍になった。
また、溶存水素濃度がほぼ飽和濃度に達している水中に上記水素検出具(本発明例である水素検出具)を浸漬したところ、水素ガス雰囲気中に配置した場合と同様に、溶液はほぼ無色となった。
また、溶存水素濃度がほぼ飽和濃度に達している水に、濃度が5ppm程度になるように次亜塩素酸を加えた水素水(1)を調製した。さらに、溶存水素濃度が水素水(1)と同じで次亜塩素酸を含まない水素水(2)を調製した。水素水(1)および(2)のそれぞれに上記水素検出具(本発明例である水素検出具)を浸漬したところ、それぞれの水素検出具中の溶液は同様に退色した。この結果は、水素分子の透過速度に対して透過速度が低い物質は、短時間では水素検出具の挙動に大きな影響を与えないことを示唆している。
本発明は、水素検出具およびそれを用いた水素測定装置に利用できる。
100、101 水素検出具
110、111 容器
120 溶液
121 コロイド溶液
130 パンチングメタル(金属)
300 水素測定装置
310 測定器
311 光源
312 受光素子


Claims (7)

  1. 水素分子を検出するための水素検出具であって、
    水素分子が透過可能な容器と、
    前記容器内に配置された溶液と、
    前記溶液と接触するように配置された金属とを含み、
    前記溶液は、前記溶液中に前記金属が存在している状態で水素分子と接触したときに変色する溶液である、水素検出具。
  2. 前記溶液がメチレンブルー溶液であり、
    前記金属が白金である、請求項1に記載の水素検出具。
  3. 前記金属が網状に配置されている、請求項1または2に記載の水素検出具。
  4. 前記金属は、少なくとも表面に白金が存在する金属微粒子であり、
    前記金属微粒子は、前記溶液とコロイド溶液を構成するように前記溶液中に分散されている、請求項1または2に記載の水素検出具。
  5. 前記容器のうち前記溶液と接する部分の少なくとも一部が、水素分子を透過させる透明な樹脂によって構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水素検出具。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の水素検出具を用いる水素測定装置であって、
    前記溶液の色の変化を測定する測定器を含む、水素測定装置。
  7. 前記測定器は、前記溶液の透過光量、および、前記溶液の反射光量から選ばれる少なくとも1つの光量を測定する、請求項6に記載の水素測定装置。
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