JP2018179533A - 倒れ測定装置、それを用いる鉄骨建て方精度測定方法、倒れ測定装置のキャリブレーション方法、及び、倒れ測定処理プログラム - Google Patents

倒れ測定装置、それを用いる鉄骨建て方精度測定方法、倒れ測定装置のキャリブレーション方法、及び、倒れ測定処理プログラム Download PDF

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Yutaka Usuda
裕 臼田
成浩 蔡
Shigehiro Sai
成浩 蔡
悠貴 妹尾
Yuki Senoo
悠貴 妹尾
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Abstract

【課題】計測に要する空間に制限を伴うことなく、鉄骨柱の傾きを簡単に且つ高精度に計測可能にする装置を提供する。【解決手段】静止した状態における3軸加速度センサ12の出力信号を測定系の3次元座標の原点情報として記憶部35に記憶する原点処理機能を有する制御部30と、測定系の3次元座標のZ軸と重力加速度方向を一致させた状態での静止した状態における3軸角速度センサ11の出力信号ωを3軸角速度センサ11のゼロ点とする原点設定処理機能と、3軸加速度センサ12の単位時間あたりの出力信号の変位に基づいて静止状態を検出して、原点情報を用いて、3軸角速度センサ11の出力信号を補償するためのデータを算出する補償処理機能を有する測定部10とからなり、原点設定され、補償処理の施された3軸角速度センサ11の出力信号から、測定部10又は制御部30が備える測定処理機能により、傾き情報を得る。【選択図】図2

Description

本発明は、測定対象物の倒れを測定する倒れ測定装置、それを用いる鉄骨建て方精度測定方法、倒れ測定装置のキャリブレーション方法、及び、倒れ測定処理プログラムに関する。
従来、建築構造物を施工する際には、柱や壁等を構成する構築材が倒れや歪みなく組み立てられていることを検査する必要がある。高層建築物等の鉄骨造りの建築工事においては、鉄骨柱の倒れに関して日本建築学会、鉄骨精度検査基準で標準許容誤差が決められている。
そこで、例えば、建ち込まれた鉄骨柱の建ちを検査する場合、鉄骨柱頭部に下げ振りや鉛直儀を設置し、鉄骨柱頭部と脚部との寸法を計ったり、柱に対して直角方向に据えられた2台のトランシットによって測定して、鉄骨柱が鉛直に立っているか否かを確認する。鉄骨柱に倒れが確認された場合には、鉄骨柱の倒れを除去する建入れ直しを行う。この場合、各鉄骨柱の建ちが正常となるように鉄骨柱に接続した調整材を微調整し、建て入れが正しくなったところで、ボルトを本締めする。
しかしながら、下げ振りや鉛直儀では、測定を行うことができる高さに限度があり、高層建造物での倒れ測定は困難であり、さらに、風等に影響されるため測定精度が悪く、人手及び作業に時間を要するという問題がある。
また、2台のトランシットを用いる方式では、トランシットで移動中の相手を測量する必用があり、経験を要するとともに測量者の誤差が問題となり、鉄骨柱建て方工事の仮締め、本締め等の進捗段階ごとにトランシット測量を行うため、作業が繁雑であるという問題がある。
さらに、高層建築物になると、地上の既知座標である基準点を節(3階程度の高さ)ごとに上方に盛り変えていく必要があるため、累積誤差が生じ測定精度の信頼性が低下するという問題を有している。
超高層構造物を施工する際には、鉛直方向の施工精度を計測するため、レーザーや光波測距儀が用いられている。
レーザーを用いた計測方法では、地上の基準点にレーザー発光器を設置し、このレーザー発光器から鉛直上方に向けてレーザーを照射し、このレーザーの指示箇所と構造物最上層に設置された基準点との差を計測して鉛直方向の施工精度を求めるので、レーザーが地上の基準点から構造物最上層の基準点まで通り抜けることができる何の障害もない鉛直方向の空間が必要であり、構造物が超高層になればなるほど、このような鉛直空間の確保は困難になるという問題点がある。
また、光波測距儀を用いた計測方法では、施工中の構造物最上層の基準点に設置した光波ミラーや、地上あるいは付近の建築物の屋上に設置した光波ミラーを視準して構造物側の基準点の移動量を計測して鉛直方向の施工精度を求めるので、地上に光波測距儀を設置した場合、構造物が超高層になるにしたがって、最上階の基準点を視準する際の仰角が大きくなり、視準が不可能になる(仰角40〜45°が限界)という欠点がある。この欠点は、光波測距儀の位置を構造物からできるだけ遠ざければ、回避することができるが、構造物の高さによっては数100mから1kmも離さなければならず、このような遠距離からの計測は数cmの誤差を生じることが多く、更にまた、計測結果は天候にも左右されるという問題点がある。
また、以前から鉄骨部材の建て入れ調整を自動化して管理する技術(例えば、特許文献1参照。)や、鉄骨部材の建て方時にトータルステーションを用いて測定した測定ポイントの3次元座標を計算し、3次元CADデータとの照合を行う技術も知られている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2に記載の発明は、鉄骨工事を対象としてトータルステーションと受光機を利用して、ある限られた数の測量点に対して鉛直角、水平角及び距離から当該測量点の3次元座標を計算し、CADデータとの照合を行うものである。
特開平10−82183号公報 特開平8−218633号公報
しかしながら、従来より知られている下げ振りや鉛直儀による鉄骨柱の傾き測定では、測定を行うことができる高さに限度があり、高層建造物での倒れ測定は困難であり、さらに、風等に影響されるため測定精度が悪く、人手及び作業に時間を要するという問題がある。
また、2台のトランシットを用いる方式では、トランシットで移動中の相手を測量する必用があり、経験を要するとともに測量者の誤差が問題となり、鉄骨柱建て方工事の仮締め、本締め等の進捗段階ごとにトランシット測量を行うため、作業が繁雑であるという問題がある。
さらに、レーザーや光波測距儀による鉛直方向の施工精度計測では、計測に要する空間に制限を伴うという問題点がある。
高層ビルの建築に際しては、建築途中の構造物の最上階(施工階)において、施工中の鉄骨柱が設計図通りに鉛直に施工されているかを厳密に管理する必要があるので、レーザ測定器など等の大型で高価な測定器が使用される。
しかしながら、この方法では、鉄骨柱の全てに測定器を取り付けて同時に傾き測定を行うことは難しく、建物全体の変位をリアルタイムに計測することができない。
そこで、本発明の目的は、上述したような従来の技術の問題点に鑑み、計測に要する空間に制限を伴うことなく、測定対象物の倒れを簡単に且つ高精度に計測可能できるようにした倒れ測定装置、それを用いる鉄骨建て方精度測定方法、倒れ測定装置のキャリブレーション方法、及び、上記傾き測定装置に搭載されるコンピュータにより測定処理を実行させるための倒れ測定処理プログラムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下において図面を参照して説明される実施に形態から一層明らかにされる。
本発明では、無線通信機能によりデータを授受することによって、測定部と制御部とを連携して動作させ、静止した状態における3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として記憶し、測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸と重力加速度方向を一致させた状態での静止した状態における3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)をゼロ点とする原点設定を行い、原点設定され、少なくとも温度ドリフトが補償された上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を積分することにより、測定対象物の傾き情報を得る。
すなわち、本発明は、少なくとも3軸角速度センサと、3軸加速度センサと、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)と上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が供給される演算処理部と筐体内に備える測定部と、原点情報を記憶する記憶部を有する制御部とからなり、無線通信機能によりデータを授受することによって、上記測定部と上記制御部とが連携して動作する倒れ測定装置であって、上記制御部において、静止した状態における上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部に記憶する原点処理機能と、上記測定部において、測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸と重力加速度方向を一致させた状態での静止した状態における上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を該3軸角速度センサのゼロ点とする原点設定処理機能と、上記測定部において、上記3軸加速度センサの単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記記憶部に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)の少なくとも温度ドリフトを補償するためのデータを算出する補償処理機能と、上記原点設定処理機能により原点設定され、上記補償処理機能により補償処理の施された上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)について、上記測定部又は制御部において、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が上記記憶部に予め記憶されている上記原点情報S(X、Y、Z)と一致するまでの間、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を積分することにより、測定系のZ軸の倒れに応じた角度情報θを得る測定処理機能とを有し、上記測定部を測定対象物に取り付けて、上記測定処理機能により測定対象物の倒れを測定することを特徴とする。 本発明に係る倒れ測定装置は、上記測定部又は制御部において、上記温度ドリフト補償処理が施された上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)により示される各軸の角速度情報を定義し、上記3軸角速度センサの各軸不感帯設定用左右閾値変数を設定する不感帯設定処理機能と、上記3軸角速度センサの各軸±バランス調整用のθ演算オフセット変数を定義して、上記各軸不感帯設定用左右閾値変数によるオフセット処理を行う各軸±バランス調整処理機能とを有するものとすることができる。本発明に係る倒れ測定装置において、測定対象物は、鉄骨柱であるものとすることができる。
また、本発明は、少なくとも3軸角速度センサと、3軸加速度センサと、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)と上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が供給される演算処理部と筐体内に備える測定部と、 原点情報を記憶する記憶部を有する制御部とからなり、無線通信機能によりデータを授受することによって、上記測定部と上記制御部とが連携して連携して動作する倒れ測定装置を使用する鉄骨建て方精度測定方法であって、上記測定部を静止させた状態において、上記制御部が、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部に記憶し、上記測定部における測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸と重力加速度方向を一致させた静止状態での上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を該3軸角速度センサのゼロ点とする原点設定を行う校正処理工程と、上記校正処理済みの測定部を測定対象の鉄骨柱に所定の姿勢状態で取り付ける装着処理工程と、上記測定部が所定の姿勢状態で取り付けられた鉄骨柱の建て入れ後の倒れを上記測定部に備えられた上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)と上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)に基づいて測定する測定処理工程とを有し、上記校正処理工程では、上記3軸加速度センサの単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)を上記原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部に記憶し、 上記3軸加速度センサの単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出し、上記記憶部に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)の少なくとも温度ドリフトを補償するためのデータを算出し、補償処理を施した上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を用いて上記3軸角速度センサの原点設定を行い、上記測定処理工程では、上記測定部において、上記3軸加速度センサの単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記記憶部に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を補償するためのデータを算出し、上記原点設定され、補償処理が施された上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)について、上記測定部又は制御部において、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が上記記憶部に予め記憶されている上記原点情報S(X、Y、Z)と一致するまでの間、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を積分することにより、測定系のZ軸の倒れに応じた角度情報θを得ることを特徴とする。
本発明に係る鉄骨建て方精度測定方法は、測定対象の複数の鉄骨柱にそれぞれ上記校正処理済みの測定部を取り付けて、1台の管理装置により、各測定部から上記無線通信機能により測定データを取得し、上記測定対象の複数の鉄骨柱の倒れを示す複数の角度情報を集約管理するものとすることができる。
また、本発明は、請求項1に記載の倒れ測定装置のキャリブレーション方法であって、下げ振りの先端に測定部を設置し、測定部が静止した状態において倒れ測定装置の座標系におけるZ軸と重力加速度方向の軸合わせた状態を基準値とすることを特徴とする。
さらに、本発明は、少なくとも3軸角速度センサと、3軸加速度センサと、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)と上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が供給される演算処理部と筐体内に備える測定部と、原点情報を記憶する記憶部を有する制御部とからなり、無線通信機能によりデータを授受することによって、上記測定部と上記制御部とが連携して動作する倒れ測定装置に搭載されるコンピュータにより実行される倒れ測定処理プログラムであって、上記制御部において、静止した状態における上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部に記憶する原点処理を実行する原点処理機能と、上記測定部において、測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸と重力加速度方向を一致させた状態での静止した状態における上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を該3軸角速度センサのゼロ点とする原点設定処理を実行する原点設定処理機能と、上記測定部において、上記3軸加速度センサの単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記記憶部に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)の少なくとも温度ドリフトを補償するためのデータを算出する補償処理を実行する補償処理機能と、上記原点設定処理機能により原点設定され、上記補償処理機能により補償処理の施された上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)について、上記測定部又は制御部において、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が上記記憶部に予め記憶されている上記原点情報S(X、Y、Z)と一致するまでの間、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を積分することにより、測定系のZ軸の倒れに応じた角度情報θを得る測定処理を実行する測定処理機能とを有することを特徴とする。
本発明に係る倒れ測定装置では、少なくとも3軸角速度センサと、3軸加速度センサと、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)と上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が供給される演算処理部と筐体内に備える測定部と、原点情報を記憶する記憶部を有する制御部とからなり、無線通信機能によりデータを授受することによって、上記測定部と上記制御部とが連携して動作して、上記制御部が備える原点処理機能により、上記測定部が静止した状態における上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部に記憶し、上記測定部が備える原点設定処理機能により、測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸と重力加速度方向を一致させた状態での静止した状態における上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を該3軸角速度センサのゼロ点とする。
また、上記測定部が備える補償処理機能により、上記3軸加速度センサの単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記記憶部に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)の少なくとも温度ドリフトを補償するためのデータを算出する。
そして、上記原点設定処理機能により原点設定され、上記補償処理機能により補償処理の施された上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)について、上記測定部又は制御部が備える測定処理機能により、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が上記記憶部に予め記憶されている上記原点情報S(X、Y、Z)と一致するまでの間、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を積分することにより、測定系のZ軸の倒れに応じた角度情報θを得ることができる。
したがって、本発明に係る倒れ測定装置では、測定部と制御部と無線通信機能によりデータを授受することによって連携して動作するので、計測に要する空間に制限を伴うことなく、上記測定部を測定対象物に取り付けて、上記測定部と制御部に備えられる測定処理機能により測定対象物の倒れを簡単に且つ高精度に計測することができる。
本発明に係る倒れ測定装置では、測定部の演算処理部又は制御部が備える不感帯設定処理機能とバランス調整処理機能により、3軸角速度センサの不感帯設定処理とバランス調整処理を行うことができる。
また、本発明に係る倒れ測定装置では、鉄骨柱を測定対象物とし、上記測定部を鉄骨柱に取り付けることにより、計測に要する空間に制限を伴うことなく、鉄骨柱の倒れを簡単に且つ高精度に計測することができる。
本発明に係る鉄骨建て方精度測定方法では、少なくとも3軸角速度センサと、3軸加速度センサと、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)と上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が供給される演算処理部と筐体内に備える測定部と、 原点情報を記憶する記憶部を有する制御部とからなり、無線通信機能によりデータを授受することによって、上記測定部と上記制御部とが連携して連携して動作する倒れ測定装置を使用して、校正処理工程で、上記測定部を静止させた状態において、上記制御部が、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部に記憶し、上記測定部における測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸と重力加速度方向を一致させた静止状態での上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を該3軸角速度センサのゼロ点とする原点設定を行い、測定処理工程で、上記校正処理済みの測定部を測定対象の鉄骨柱に所定の姿勢状態で取り付ける装着処理工程と、上記測定部が所定の姿勢状態で取り付けられた鉄骨柱の建て入れ後の倒れを上記測定部に備えられた上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)と上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)に基づいて測定する。
本発明に係る鉄骨建て方精度測定方法において、上記校正処理工程では、上記3軸加速度センサの単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)を上記原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部に記憶し、 上記3軸加速度センサの単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出し、上記記憶部に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)の少なくとも温度ドリフトを補償するためのデータを算出し、補償処理を施した上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を用いて上記3軸角速度センサの原点設定を行い、上記測定処理工程では、上記測定部において、上記3軸加速度センサの単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記記憶部に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を補償するためのデータを算出し、上記原点設定され、補償処理が施された上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z) について、上記測定部又は制御部において、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が上記記憶部に予め記憶されている上記原点情報S(X、Y、Z)と一致するまでの間、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を積分することにより、測定系のZ軸の倒れに応じた角度情報θを得ることができる。
したがって、本発明に係る鉄骨建て方精度測定方法では、無線通信機能によりデータを授受することによって測定部と制御部と連携して動作させるので、計測に要する空間に制限を伴うことなく、上記測定部を鉄骨柱に取り付けて、鉄骨柱の倒れを簡単に且つ高精度に計測することができる。
本発明に係る鉄骨建て方精度測定方法では、測定対象の複数の鉄骨柱にそれぞれ上記校正処理済みの測定部を取り付けて、1台の管理装置により、各測定部から上記無線通信機能により測定データを取得し、上記測定対象の複数の鉄骨柱の倒れを示す複数の角度情報を集約管理することができる。
本発明に係るキャリブレーション方法では、請求項1に記載の倒れ測定装置の測定部を下げ振りの先端に設置することにより、測定部が静止した状態において測定部の座標系におけるZ軸と重力加速度方向の軸合わせた状態を基準値とする測定部のキャリブレーションを行うことができる。
本発明に係る鉄骨建て方精度測定プログラムでは、少なくとも3軸角速度センサと、3軸加速度センサと、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)と上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が供給される演算処理部と筐体内に備える測定部と、原点情報を記憶する記憶部を有する制御部とからなり、無線通信機能によりデータを授受することによって、上記測定部と上記制御部とが連携して動作する倒れ測定装置に搭載されるコンピュータにより、上記制御部において、静止した状態における上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部に記憶する原点処理を実行する原点処理機能と、上記測定部において、測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸と重力加速度方向を一致させた状態での静止した状態における上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を該3軸角速度センサのゼロ点とする原点設定処理を実行する原点設定処理機能と、上記測定部において、上記3軸加速度センサの単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記記憶部に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)の少なくとも温度ドリフトを補償するためのデータを算出する補償処理を実行する補償処理機能と、上記原点設定処理機能により原点設定され、上記補償処理機能により補償処理の施された上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)について、上記測定部又は制御部において、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が上記記憶部に予め記憶されている上記原点情報S(X、Y、Z)と一致するまでの間、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を積分することにより、測定系のZ軸の倒れに応じた角度情報θを得る測定処理を実行する測定処理機能とを実現することができる。
したがって、本発明によれば、計測に要する空間に制限を伴うことなく、測定対象物の倒れを簡単に且つ高精度に計測可能できるようにした倒れ測定装置、それを用いる鉄骨建て方精度測定方法、倒れ測定装置のキャリブレーション方法、及び、上記傾き測定装置に搭載されるコンピュータにより測定処理を実行させるための倒れ測定処理プログラムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る倒れ測定装置を用いた鉄骨建て方精度管理システムの構成を示す概要図である。 上記倒れ測定装置の構成例を示す図である。 上記倒れ測定装置を用いて実施される本発明に係る鉄骨建て方精度測定方法による鉄骨柱の倒れ測定の手順を示すフローチャートである。 上記鉄骨建て方精度測定方法の校正処理工程おける処理手順を示すフローチャートである。 上記校正処理工程において、原点設定を行うための原点用治具の一例を示す斜視図である。 上記校正処理工程において、原点設定を行うための原点用治具の他の例を示す斜視図である。 下げ振りを原点用治具として使用する場合の説明に供する模式図である。 下げ振りにより測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸を重力加速度方向と一致とさせた状態の測定部を模式的に示す斜視図である。 上記倒れ測定装置の測定部に備えられる3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)の温度依存性の一例を示す特性図である。 上記鉄骨建て方精度測定方法の装着処理工程において上記倒れ測定装置の測定部を測定対象の鉄骨柱に取り付けた状態を示す図である。 上記方精度測定方法の測定処理工程において測定対象の鉄骨柱の倒れを測定する処理の手順を示すフローチャートである。 上記鉄骨柱の倒れの様子を示す模式図である。 上記倒れ測定装置の使用状態を示す図である。 上記倒れ測定装置の測定部に設けた表示部の表示内容を示す図である。
以下、本発明に係る倒れ測定装置、それを用いる鉄骨建て方精度測定方法、倒れ測定装置のキャリブレーション方法、及び、上記傾き測定装置に搭載されるコンピュータにより測定処理を実行させるための倒れ測定処理プログラムを提供する倒れ方精度測定装置、鉄骨建て方精度測定方法、キャリブレーション方法、固定方法、表示方法、建方精度集約方法、及び、プログラムの実施の形態を図面を参照にして詳細に説明をする。
本発明は、例えば図1の概要図に示すような構成の鉄骨建て方精度管理システム100に適用される。
この鉄骨建て方精度管理システム100は、複数台の倒れ測定器10AA,10AB,10AC・・・,10BA,10BB,・・・と1台のコンピュータを用いた鉄骨建て方精度管理装置1からなる。
鉄骨建て方精度管理装置1は、対象となる鉄骨建方工事中の鉄骨柱110AA,110AB,110AC・・・,110BA,110BB,・・・の所定位置に取り付けられた各倒れ測定器10AA,10AB,10AC・・・,10BA,10BB,・・・によって取得される各測定データを無線通信を利用して1台で集約管理する。
鉄骨建て方精度管理装置1は、各倒れ測定器10AA,10AB,10AC・・・,10BA,10BB,・・・とデータの授受を行うための無線通信機能を有する演算処理処装置、例えばパーソナルコンピュータ(PC)からなる。
この鉄骨建て方精度管理システム100における倒れ測定器10AA,10AB,10AC・・・,10BA,10BB,・・・には、例えば図2に示すような構成の本発明に係る倒れ測定装置40における測定部10が用いられている。
この倒れ測定装置40は、無線通信機能によりデータを授受することによって連携して動作する測定部10と制御部30からなる。
上記測定部10は、3軸角速度センサ11と、3軸加速度センサ12と、上記3軸加速度センサ12の出力信号S(X、Y、Z)と上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)が供給される演算処理部13と、無線通信部14が、バッテリ電源部15とともに防水筐体20内に設けられており、上記防水筐体20に設けられた電源スイッチ16の操作により上記バッテリ電源部14をオン・オフできるようになっている。
また、上記制御部30は、上記測定部10の演算処理部13とデータの授受を行うための無線通信機能を有する演算処理処装置、例えばパーソナルコンピュータ(PC)からなり、後述するように、インストールされた傾き測定プログラムにしたがって、上記測定部10とデータの授受を行うことにより連携して、上記測定部10による傾き測定の動作を制御するようになっている。上記制御部30は、上記測定部10により傾き測定を行う測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報を記憶する記憶部35を備えている。
この倒れ測定装置40において、上記測定部10に備えられた3軸角速度センサ11は、この測定部10が3次元座標(X、Y、Z)空間で回転されたとき、3軸(X、Y、Z)を回転軸とする回転方向の角速度を検知し、角速度に応じた電圧の信号ω(X、Y、Z)を出力する。
また、3軸加速度センサ12は、この測定部10が3次元座標(X、Y、Z)空間で移動されたとき、3軸(X、Y、Z)方向の加速度を検知し、加速度に応じた電圧の信号S(X、Y、Z)を出力する。
そして、この倒れ測定装置40は、傾き測定を行う測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報を記憶する原点処理機能と、測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸と重力加速度方向を一致させた状態で3軸角速度センサ11のゼロ点を設定する原点設定処理機能、温度等による環境変化に伴う上記3軸角速度センサ11の出力変動を補償するためのデータを算出する補償処理機能、原点設定され、補償処理の施された上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)から、傾き情報を得る測定処理機能などの各種機能を有している。
この倒れ測定装置40における上記原点処理機能は、上記制御部30に備えられる。
すなわち、上記測定部10と制御部30が連携して動作することにより、上記制御部30において、静止した状態における上記3軸加速度センサ12の出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部35に記憶する上記原点処理機能を有する。
また、この倒れ測定装置40における上記原点設定処理機能と補償処理機能は、上記測定部10に備えられる。
上記測定部10の演算処理部13は、上記原点設定処理機能により、測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸と重力加速度方向を一致させた状態での静止した状態における上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)を該3軸角速度センサ11のゼロ点とする原点設定処理を行い、また、上記補償処理機能により、上記3軸加速度センサ12の単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記記憶部35に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)の少なくとも温度ドリフトを補償するためのデータを算出する補償処理を行う。
そして、この倒れ測定装置40における上記測定処理機能は、上記測定部10又は上記制御部30に備えられる。
すなわち、この倒れ測定装置40は、上記測定部10と制御部30が連携して動作することにより、上記制御部30において、静止した状態における上記3軸加速度センサ12の出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部35に記憶する原点処理機能と、上記測定部10において、測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸と重力加速度方向を一致させた状態での静止した状態における上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)を該3軸角速度センサ11のゼロ点とする原点設定処理機能と、上記測定部10において、上記3軸加速度センサ12の単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記記憶部35に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)の少なくとも温度ドリフトを補償するためのデータを算出する補償処理機能と、上記原点設定処理機能により原点設定され、上記補償処理機能により補償処理の施された上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)について、上記測定部10又は制御部30において、上記3軸加速度センサ12の出力信号S(X、Y、Z)が上記記憶部35に予め記憶されている上記原点情報S(X、Y、Z)と一致するまでの間、上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)を積分することにより、測定系のZ軸の倒れに応じた角度情報θを得る測定処理機能とを有している。
ここでは、測定処理機能は、上記測定部10に備えられているものとする。
すなわち、上記測定部10の演算処理部13は、測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸と重力加速度方向を一致させた状態での静止した状態における上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)を該3軸角速度センサ11のゼロ点とする原点設定処理機能と、上記3軸加速度センサ12の単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記記憶部35に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)の少なくとも温度ドリフトを補償するためのデータを算出する補償処理機能と、上記原点設定処理機能により原点設定され、上記補償処理機能により補償処理の施された上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)から、傾き情報を得る測定処理機能とを有している。
また、上記測定部10は、Bluetooth(登録商標),ZigBee(登録商標),UWB(Ultra Wide Band)等の無線通信規格に準拠した無線通信方式による通信機能を有する無線通信部14により、外部の制御部30や鉄骨建て方精度管理装置1等とデータの授受を行うことができるようになっている。
さらに、上記測定部10は、上記演算処理部13による処理結果などを表示するための表示部17を備える。この測定部10における表示部17は、発光ダイオードや液晶表示素子などにより上記演算処理部13による処理結果などを防水筐体20の外表面に表示することができるようになっている。
この倒れ測定装置40は、上記測定部10を測定対象の鉄骨柱110に取り付けて、無線通信機能によりデータの授受を行い上記制御部30と上記測定部10とが連携して動作することにより、上記測定部10の測定処理機能により鉄骨柱110の倒れを測定することができる。
この倒れ測定装置40は、インストールされた傾き測定処理プログラムに従って上記測定部10と制御部30が連携して動作することにより、図3のフローチャートに示す校正処理工程S1、装着処理工程S2、測定処理工程S3における所定の処理を実行して、上記測定部10の測定処理機能により鉄骨柱110の倒れを測定する。
すなわち、この倒れ測定装置40を用いて鉄骨柱110の倒れを測定する本発明に係る鉄骨建て方精度測定方法では、図3のフローチャートに示すように、校正処理工程S1、装着処理工程S2、測定処理工程S3の順で各工程の処理が行われる。
本発明に係る鉄骨建て方精度測定方法における校正処理工程S1では、図4のフローチャートに示す手順に従って、測定部10を静止させた状態において、上記制御部30は、上記3軸加速度センサ12の出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部35に記憶し、上記測定系の測定部10の演算処理部13は、上記制御部30の記憶部35に記憶された原点情報S(X、Y、Z)により示される測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点位置において、上記測定系のZ軸を重力加速度方向と一致させて上記3軸角速度センサ11を静止させた姿勢状態を上記3軸角速度センサ11のゼロ点とする上記3軸角速度センサ11の原点設定を行う。
この倒れ測定装置40にインストールされた倒れ測定処理プログラムにより上記原点処理と上記原点設定処理が実行される。
具体的には、校正処理工程S1では、先ず、測定部10の電源スイッチ16をオンにして、例えば図5に示すように、原点用治具50に測定部10を装着することにより、上記測定部10による測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸を重力加速度方向と一致とさせた規定の姿勢状態で静止させ(ステップS11)、上記測定部10と制御部30連携して動作する原点処理機能により、3軸角速度センサ11と3軸加速度センサ12を初期化し(ステップS12)、制御部30が測定部10の演算処理部13から軸加速度センサ12の出力信号S(X、Y、Z)すなわち加速度情報を取得して、静止させた状態における上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部35に記憶する(ステップS13)。
ここで、測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸を重力加速度方向と一致とさせた規定の姿勢状態で上記測定部10を静止させるための原点用治具としては、上記原点用治具50の他の例として、例えば、図6に示すように、下げ振り55を用いることができる。
ここで、下げ振り55を用いる場合、まず、例えば図7の(A)に示すように測定部10の重心Gを特定し、次に、図7の(B)に示すように、測定対象の鉄骨柱の面に装着する平面と平行に重心Gから線を伸ばして上記測定部10の上面10aとの交点Qを求める。そして、図7の(C)に示すように、求めた交点aを吊点として上記測定部10を下げ振り55の下端先端に吊れば、図7の(D)及び図8に示すように、吊点と重心Gを通る直線が鉛直下向きとなり、かつ上記測定部10の装着面10bが鉛直となる。
すなわち、校正処理工程S1におけるステップS11では、建築現場において、下げ振り55の下端に測定部10を装着して、上記測定部10による測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸を重力加速度方向と一致とさせた規定の姿勢状態で静止させるようにして校正処理を行うようにしても良い。
そして、校正処理工程S1では、次に、上記制御部30連携して動作する上記測定部10の演算処理部14による補償処理機能により、上記3軸加速度センサ12の単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出し、上記ステップS13で上記制御部30の記憶部35に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)の温度ドリフトを補償するためのデータを算出する(ステップS14)。
ここで、3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)は、周囲の温度変化によって変化する、いわゆる温度ドリフトを伴うのであるが、静止状態にあるときの角速度センサの出力を比較することによって温度ドリフトの値を抽出することができ、この値をもとに、3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)を補償することができる。
すなわち、3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)は、静止状態で温度が変化した場合、例えば図9のグラフβのように変化する。そして、角速度センサ11を一定量移動させたときの出力信号ω(X、Y、Z)は、グラフβを電圧軸正方向に平行移動させたグラフαのようになる。
例えば第1の温度T1のときの3軸角速度センサ11の出力値Φ(ω(XT1、YT1、ZT1))を記憶部に記憶して、第2の温度T2のとき、静止状態での角速度センサ11の出力値β1(ω(XT2、YT2、ZT2))であるので、上記記憶部に記憶された値Φ(ω(XT1、YT1、ZT1))を読み出し、β1(ω(XT2、YT2、ZT2))とΦ(ω(XT1、YT1、ZT1))との差をとると温度ドリフトによるオフセット量が抽出される。このときのオフセット量をΔとすると、Δ=Φ−β1となる。
さらに、第2の温度T2のときに一定量移動させたときの角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)はα1である。α1にΔを足すと補償出力が算出される。このときの補償出力をωとすると、
ω=α1+Δ
=α1+(Φ−β1)
=α1−β1+Φ
となり、補償出力ωは温度に関係なく一定となる。ωから上記記憶部に記憶しておいたΦの値を減算すれば、(α1−β1)が求まる。
つまり実際には、測定部10が静止状態のグラフβさえ記憶しておけば、実際に測定部10を使用するときには、測定部10を一定量移動させたときのある温度での3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)(グラフαのある温度における出力電圧)と、グラフβのその温度における出力電圧との差をとることにより、測定部10の移動のみによる変位が検出できる。よってグラフβは測定部10の製品出荷時点でデフォルトで測定部10内の記憶部に記憶されていてもよい。
この測定部10は、製品出荷時点で上記グラフβが上記演算処理部13の記憶部に記憶されており、上記ステップS14において、上記演算処理部14の補償処理機能により、上記3軸加速度センサ12の単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出し、上記制御部30の記憶部35に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、温度ドリフトを補償した上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)を得ることができる。
そして、校正処理工程S1では、最後に、上記測定系の測定部10の演算処理部13により、上記3軸角速度センサ11の原点設定を行う(ステップS15)。
すなわち、上記測定系の測定部10の演算処理部13は、上記制御部30の記憶部35に予め記憶された原点情報S(X、Y、Z)により示される測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点位置において、上記測定系のZ軸を重力加速度方向と一致させて上記3軸角速度センサ11を静止させた姿勢状態を上記3軸角速度センサ11のゼロ点とする上記3軸角速度センサ11の原点設定を行う。
本発明に係る鉄骨建て方精度測定方法における校正処理工程S1では、測定部10を静止させた状態において、上記制御部30は、上記3軸加速度センサ12の出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部35に記憶し、上記測定系の測定部10の演算処理部13は、上記制御部30の記憶部35に記憶された原点情報S(X、Y、Z)により示される測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点位置において、上記測定系のZ軸を重力加速度方向と一致させて上記3軸角速度センサ11を静止させた姿勢状態を上記3軸角速度センサ11のゼロ点とする上記3軸角速度センサ11の原点設定を行う。
このようにして校正処理工程S1において校正処理が施された測定部10は、次の装着処理工程S2において測定対処の鉄骨柱110の一側面に取り付けられ、次の測定処理得工程S3において上記測定対処の鉄骨柱110の傾き測定を行う。
次の装着処理工程S2では、上記校正処理工程S1において校正処理が施された測定部10を、測定対象の鉄骨柱110の下側基端位置から所定の距離Hだけ上方に位置にさせて所定の姿勢状態で上記鉄骨柱110の一側面に取り付ける。
上記所定の姿勢状態とは、測定対象の鉄骨柱110が正しく直立した状態、すなわち、鉄骨柱110の長手方向と重力方向が一致した状態において、上記測定部10のZ軸方向が上記鉄骨柱110の長手方向となる姿勢状態である。
上記校正処理工程S1において校正処理が施された測定系のZ軸を重力加速度方向と一致させた状態で3軸角速度センサ11が原点設定された測定部10は、例えば、次のようにして測定対象の鉄骨柱110に取り付けられる。
すなわち、図10に示すように、測定対象の鉄骨柱110の所定位置に予め溶接されたレール120に上記校正処理済みの測定部10を嵌め込み、上記レール120に空いたネジ穴121に螺合されたネジ122を螺進させて上記測定部10を締め付けることにより、上記測定部10を上記測定対象の鉄骨柱110に所定の姿勢状態で取り付ける。
このようにして上記装着処理工程S2において、測定対象の鉄骨柱110の下側基端位置から所定の距離Hだけ上方に位置にさせて所定の姿勢状態で上記鉄骨柱110の一側面に取り付けられた測定部10は、測定対象の鉄骨柱110が正しく直立した状態、すなわち、鉄骨柱110の長手方向と重力方向が一致した状態ではなく倒れていた場合、上記測定対象の鉄骨柱110の倒れに応じて測定系のZ軸が倒れることになる。
次の測定処理工程S3では、図11のフローチャートに示す手順に従って上記測定対象の鉄骨柱110の倒れを測定する処理を行う。
測定処理工程S3では、先ず、上記演算処理部14に備えられた補償処理機能により、上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)の温度ドリフトを補償する処理を行う(ステップS31)。
このステップS31における温度ドリフト補償処理では、上述の原点処理におけるステップS14と同様に、上記3軸加速度センサ12の単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出し、上記制御部の記憶部35に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)の温度ドリフトを補償するためのデータを算出する。
測定処理工程S3では、次に、上記演算処理部14により、不感帯設定処理(ステップS32)、バランス調整処理(ステップS33)を行い、バランス調整処理済みの3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)を積分する(ステップS34)。
上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)が供給される演算処理部13における測定処理では、上記ステップS31における温度ドリフト補償処理が施された上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)により示される各軸の角速度情報(GX:X軸角速度データ、YX:Y軸角速度データ、GZ:Z軸角速度データ)を
float Verosity_X = GX
Verosity_Y = GY
Verosity_Z = GZ
として定義して、ステップS32の不感帯設定処理では、3軸角速度センサ11の各軸不感帯設定用TX、TY、TZ左右閾値変数を
int TX_RIGHT=40,TX_LEFT=-40
TY_RIGHT=40,TY_LEFT=-40
TZ_RIGHT=40,TZ_LEFT=-40
として設定し、3軸角速度センサの各軸±バランス調整用のθ演算オフセット変数を
float TX_OFSET=1.0
TY_OFSET=1.0
TZ_OFSET=1.0
と定義して、ステップS33において、TX、TY、TZ左右閾値変数によるオフセット処理すなわち3軸角速度センサの各軸±バランス調整処理を、次のように行い、
if(Verosity_X>TX_RIGHT) TX_OFSET=1.2
if(Verosity_X<TX_LEFT) TX_OFSET=0.8
if(Verosity_Y>TX_RIGHT) TY_OFSET=1.15
if(Verosity_Y<TX_LEFT) TY_OFSET=0.85
if(Verosity_Z>TX_RIGHT) TZ_OFSET=0.75
if(Verosity_Z<TX_LEFT) TZ_OFSET=1.25
その後のステップS34において、θ演算(TX:X軸角速度積分値、TY:Y軸角速度積分値、TZ:Z軸角速度積分値)を、次のように行い、
TX=TX+(Verosity_X/100)*TX_OFSET
TY=TY+(Verosity_Y/100)*TY_OFSET
TZ=TZ+(Verosity_Z/100)*TZ_OFSET
微少振動や衝撃による誤差を除去した傾き情報θ(TX,TY,TZ)を算出する。
測定処理工程S3では、上記演算処理部14と連携して動作する制御部30は、上記3軸加速度センサ12の出力信号S(X、Y、Z)を逐次取得し(ステップS35)、取得した上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が上記記憶部に記憶した原点情報S(X、Y、Z)と一致するか否かを判定する(ステップS36)。
そして、上記演算処理部14は、上記制御部30による上記ステップS36における判定結果が「NO」すなわち上記ステップS35において取得した上記3軸加速度センサ12の出力信号S(X、Y、Z)が上記記憶部35に記憶した原点情報S(X、Y、Z)と一致しない場合には、上記ステップS31の温度ドリフト補償処理に戻って、上記ステップS31から上記ステップS36の処理を繰り返し行うことにより、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が上記記憶部35に記憶されている上記原点情報S(X、Y、Z)と一致するまでの間、上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)を積分して、上記測定対象の鉄骨柱110の倒れを示す角度情報θ(TX,TY,TZ)を算出する。
そして、上記演算処理部14は、上記ステップS36における判定結果が「YES」すなわちステップS35において取得した上記3軸加速度センサ12の出力信号S(X、Y、Z)が上記制御部30の記憶部35に予め記憶した原点情報S(X、Y、Z)と一致したら、上記3軸角速度センサ11のゼロ点設定処理(ステップS37)と、上記補償処理機能によるドリフト補償処理を初期化するために上記3軸角速度センサ11のキャリブレーション処理(ステップS38)を行い、上記制御部30は、ソフトウェアにおける終了命令による角度算出終了か否かを判定する(ステップS39)。
このステップS39における判定結果が「NO」すなわち角度算出終了でない場合には、上記演算処理部14は、上記ステップS31の温度ドリフト補償処理に戻って、上記ステップS31から上記ステップS39による角度情報θの算出処理を継続する。また、上記制御部30は、このステップS39における判定結果が「YES」であれば、上記演算処理部14による角度算出処理を終了する。
ここで、図12の模式図に示すように、下側基端が固定されて立設された高さH=10000mmの鉄骨柱110が傾いて、時刻t=0において下側基端の上方に位置していた鉄骨頂部が、例えば、毎秒0.015°の一定の角速度ωで変位した場合、10秒後の時刻t=10における鉄骨柱110の角変位σθは、
σθ=0.015°×10秒
=0.15°
=0.002618rad
となる。したがって、誤差を含まない場合の鉄骨頂部の変位Δrは、
Δr=0.002618×H
=0.002618×10000
=26.180mm
となる。
上記測定部10は、上記校正処理により測定系のZ軸を重力加速度と一致させた状態で限定設定を行い、上記3軸加速度センサ12の単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記記憶部35に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)の温度ドリフト補償を行うので、温度ドリフトの影響を受けることなく、上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)を高精度の傾き情報として逐次出力することができる。
すなわち、この倒れ測定装置40は、図13に示すように、上記校正処理済みの測定部10を鉄骨柱110の鉄骨頂部近傍の所定位置に取り付けることにより、鉄骨柱110の傾きを高精度に測定することができ、上記無線通信部14による通信機能を介して上記測定部10と連携して動作する上記制御部30で鉄骨柱110の傾きの定結果を収集することができる。
また、上記測定部10の表示部17には、上記演算処理部13による処理出力に基づいて、この鉄骨建て方精度測定装置による測定結果として、例えば図14に示すように、測定系のZ軸の倒れ変位量を筐体表面に表示することができる。
すなわち、上記表示部17には、例えば図14の(A)に示すように、上記校正処理工程S1において上記測定部10による測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸を重力加速度方向させて静止させた状態における上記3軸加速度センサ12の出力信号S(X、Y、Z)にて示される原点位置をP0として、上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)を積分することにより得られる上記測定系のZ軸の倒れ変位量を、図14の(B)に示すように、上記原点位置P0を中心として、2次元平面(X,Y)上におけるX軸方向の変位量ΔrXとY軸方向の変位量ΔrYとして、簡易表示する。
12の(B)は、上記校正処理済みの測定部10が鉄骨頂部近傍に装着した鉄骨柱110の傾き応じて傾く上記測定系のZ軸が 上記2次元平面(X,Y)上の位置P1を通過する場合を示している。
このように、この測定部10は、表示部17により測定系のZ軸の倒れ変位量を筐体表面に表示するので、ユーザは簡単に鉄骨柱110の倒れ量を知ることができる。従って、この測定部10は、表示部17を備えることにより、スタンドアロンの倒れ測定器として機能する。
また、上記測定部10と連携して動作する上記制御部30は、上記無線通信機能により、上記測定部10の演算処理部13から上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)の情報を取得することができるので、上記演算処理部13による上記ステップS31からステップS36までの角度算出処理を行うようにすることができる。
すなわち、この倒れ測定装置40は、上述の如く、上記測定部10と制御部30が連携して動作することにより、上記制御部30において、静止した状態における上記3軸加速度センサ12の出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部35に記憶する原点処理機能と、上記測定部10において、測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸と重力加速度方向を一致させた状態での静止した状態における上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)を該3軸角速度センサ11のゼロ点とする原点設定処理機能と、上記測定部10において、上記3軸加速度センサ12の単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記記憶部35に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)を補償するためのデータを算出する補償処理機能と、上記測定部10において、上記原点設定処理機能により原点設定され、上記補償処理機能により補償処理の施された上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)から、上記測定部10又は制御部30において傾き情報を得る測定処理機能とを有するものとすることができる。
また、この倒れ測定装置40において、上記校正処理済みの測定部10は、上述の如く、上記制御部30の記憶部13に記憶された原点情報S(X、Y、Z)により示される測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点位置において、上記測定系のZ軸を重力加速度方向と一致させて上記3軸角速度センサ11を静止させた姿勢状態を上記3軸角速度センサ11のゼロ点とする原点設定された上記3軸角速度センサ11の出力信号ω(X、Y、Z)を上記測定系の測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸に傾きに応じた傾き情報として上記演算処理部13から無線通信部14を介して上記制御部30に送ることができ、また、上記制御部30は、上記測定部10に備えられた無線通信部14による通信機能に対応する通信機を有する可搬型の小型コンピュータを上記制御部30として用いることができる。
そして、上記制御部30には、校正処理における上記ステップS13において取得される原点情報S(X、Y、Z)等を測定部10と対応付けて保存することができ、予め上記校正処理工程S1における校正処理が行なわれた複数の測定部10の各原点情報を図1に示した鉄骨建て方精度管理システム100における倒れ測定器10AA,10AB,10AC・・・,10BA,10BB,・・・として測定対象の鉄骨柱110AA,110AB,・・・110BA,110BB,110BC,・・・に取り付けることにより、上記校正処理工程S1における校正処理により上記倒れ測定器10AA,10AB,10AC・・・,10BA,10BB,・・・の各原点情報S(X、Y、Z)等を保存した制御部30を上記鉄骨建て方精度管理システム100における上記鉄骨建て方精度管理装置1として用いて、鉄骨建て方精度管理を行うことができる。
すなわち、上記倒れ測定装置40を用いてを行う鉄骨建て方精度管理システム100では、測定対象の鉄骨柱110AA,110AB,110AC・・・,110BA,110BB,・・・の全数分の測定部10・・・を準備して倒れ測定器10AA,10AB,10AC・・・,10BA,10BB,・・・10として上記校正処理を行い、校正処理済みの倒れ測定器10AA,10AB,10AC・・・,10BA,10BB,・・・10を測定対象の鉄骨柱110AA,110AB,110AC・・・,110BA,110BB,・・・の所定位置に取り付けることにより、測定対象の鉄骨柱110AA,110AB,110AC・・・,110BA,110BB,・・・の傾きを同時に測定して、建物全体の変位をリアルタイムに計測することができ、上記校正処理により取得された上記倒れ測定器10AA,10AB,10AC・・・,10BA,10BB,・・・10の原点情報S(X、Y、Z)等を保存した制御部30を鉄骨建て方精度管理装置1として用いて、各倒れ測定器10AA,10AB,10AC・・・,10BA,10BB,・・・によって取得される各測定データを無線通信を利用して1台で集約管理することができる。
1 鉄骨建て方精度管理装置、10 測定部、10AA,10AB,・・・傾き測定器、11 3軸角速度センサ、12 3軸加速度センサ、13 演算処理部、14 無線通信部、15 電源部、16 電源スイッチ、17 表示部、30 制御部、40 倒れ測定装置、50 原点用治具、55 下げ振り、100 鉄骨建て方精度管理システム、110,110AA,110AB,・・・鉄骨柱、120 レール、121 ネジ穴121、122 ネジ

Claims (7)

  1. 少なくとも3軸角速度センサと、3軸加速度センサと、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)と上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が供給される演算処理部とを筐体内に備える測定部と、原点情報を記憶する記憶部を有する制御部とからなり、無線通信機能によりデータを授受することによって、上記測定部と上記制御部とが連携して動作する倒れ測定装置であって、
    上記制御部において、静止した状態における上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部に記憶する原点処理機能と、
    上記測定部において、測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸と重力加速度方向を一致させた状態での静止した状態における上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を該3軸角速度センサのゼロ点とする原点設定処理機能と、
    上記測定部において、上記3軸加速度センサの単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記記憶部に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)の少なくとも温度ドリフトを補償するためのデータを算出する補償処理機能と、
    上記原点設定処理機能により原点設定され、上記補償処理機能により補償処理の施された上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)について、上記測定部又は制御部において、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が上記記憶部に予め記憶されている上記原点情報S(X、Y、Z)と一致するまでの間、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を積分することにより、測定系のZ軸の倒れに応じた角度情報θを得る測定処理機能と
    を有し、
    上記測定部を測定対象物に取り付けて、上記測定処理機能により測定対象物の倒れを測定する倒れ測定装置。
  2. 上記測定部又は制御部において、上記温度ドリフト補償処理が施された上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)により示される各軸の角速度情報を定義し、上記3軸角速度センサの各軸不感帯設定用左右閾値変数を設定する不感帯設定処理機能と、上記3軸角速度センサの各軸±バランス調整用のθ演算オフセット変数を定義して、上記各軸不感帯設定用左右閾値変数によるオフセット処理を行う各軸±バランス調整処理機能とを有することを特徴とする請求項1記載の倒れ測定装置。
  3. 測定対象物は、鉄骨柱であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の倒れ測定装置。
  4. 少なくとも3軸角速度センサと、3軸加速度センサと、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)と上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が供給される演算処理部とを筐体内に備える測定部と、 原点情報を記憶する記憶部を有する制御部とからなり、無線通信機能によりデータを授受することによって、上記測定部と上記制御部とが連携して連携して動作する倒れ測定装置を使用する鉄骨建て方精度測定方法であって、
    上記測定部を静止させた状態において、上記制御部が、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部に記憶し、上記測定部における測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸と重力加速度方向を一致させた静止状態での上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を該3軸角速度センサのゼロ点とする原点設定を行う校正処理工程と、
    上記校正処理済みの測定部を測定対象の鉄骨柱に所定の姿勢状態で取り付ける装着処理工程と、
    上記測定部が所定の姿勢状態で取り付けられた鉄骨柱の建て入れ後の倒れを上記測定部に備えられた上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)と上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)に基づいて測定する測定処理工程とを有し、
    上記校正処理工程では、上記3軸加速度センサの単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)を上記原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部に記憶し、 上記3軸加速度センサの単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出し、上記記憶部に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)の少なくとも温度ドリフトを補償するためのデータを算出し、補償処理を施した上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を用いて上記3軸角速度センサの原点設定を行い、
    上記測定処理工程では、上記測定部において、上記3軸加速度センサの単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記記憶部に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を補償するためのデータを算出し、上記原点設定され、補償処理が施された上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z) について、上記測定部又は制御部において、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が上記記憶部に予め記憶されている上記原点情報S(X、Y、Z)と一致するまでの間、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を積分することにより、測定系のZ軸の倒れに応じた角度情報θを得ることを特徴とする鉄骨建て方精度測定方法。
  5. 測定対象の複数の鉄骨柱にそれぞれ上記校正処理済みの測定部を取り付けて、1台の管理装置により、各測定部から上記無線通信機能により測定データを取得し、上記測定対象の複数の鉄骨柱の倒れを示す複数の角度情報を集約管理することを特徴とする請求項4記載の鉄骨建て方精度測定方法。
  6. 請求項1に記載の倒れ測定装置のキャリブレーション方法であって、下げ振りの先端に測定部を設置し、測定部が静止した状態において倒れ測定装置の座標系におけるZ軸と重力加速度方向の軸を合わせた状態を基準値とすることを特徴とする倒れ測定装置のキャリブレーション方法。
  7. 少なくとも3軸角速度センサと、3軸加速度センサと、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)と上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が供給される演算処理部とを筐体内に備える測定部と、原点情報を記憶する記憶部を有する制御部とからなり、無線通信機能によりデータを授受することによって、上記測定部と上記制御部とが連携して動作する倒れ測定装置に搭載されるコンピュータにより実行される倒れ測定処理プログラムであって、
    上記制御部において、静止した状態における上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)を測定系の3次元座標(X、Y、Z)の原点情報S(X、Y、Z)として上記記憶部に記憶する原点処理を実行する原点処理機能と、
    上記測定部において、測定系の3次元座標(X、Y、Z)のZ軸と重力加速度方向を一致させた状態での静止した状態における上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を該3軸角速度センサのゼロ点とする原点設定処理を実行する原点設定処理機能と、
    上記測定部において、上記3軸加速度センサの単位時間あたりの出力信号S(X、Y、Z)の変位に基づいて静止状態を検出して、上記記憶部に予め記憶された上記原点情報S(X、Y、Z)を用いて、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)の少なくとも温度ドリフトを補償するためのデータを算出する補償処理を実行する補償処理機能と、
    上記原点設定処理機能により原点設定され、上記補償処理機能により補償処理の施された上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)について、上記測定部又は制御部において、上記3軸加速度センサの出力信号S(X、Y、Z)が上記記憶部に予め記憶されている上記原点情報S(X、Y、Z)と一致するまでの間、上記3軸角速度センサの出力信号ω(X、Y、Z)を積分することにより、測定系のZ軸の倒れに応じた角度情報θを得る測定処理を実行する測定処理機能と
    を有することを特徴とする倒れ測定処理プログラム。
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