JP2018179511A - 検出用具およびその製造方法、ならびに被検査物質の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】泥水等の懸濁液中の汚染物質の有無やその濃度等を、基材に呈色試薬を担持等させた検出材等を用いて、懸濁液のろ過等を省略することもでき、簡便な測定に適した検出用具を提供する。【解決手段】検出材1を内包させた包装構造を有する検出用具10であり、前記包装構造の第一の面が多孔質材(不織布31)の層を有し、前記包装構造の第二の面が透明層(透明フィルム21)を有し、第一の面と第二の面との周囲に接着部4を有する包装構造である検出用具10。【選択図】図1

Description

本発明は、検出用具および検出用具の製造方法に関する。また、その検出用具を用いた被検査物質の評価方法に関する。この検出用具は、土壌・水質・産廃の環境分析や、学校の理化学教材等としても用いることができる。
従来から簡易な手法で水質やガスなどを分析するための分析具が提案されている。例えば、特許文献1は、簡易分析具に係る発明を開示するものである。この特許文献1は、水溶液を簡易に測定する器具に関するものであり、透視可能な密封容器内に呈色反応試薬を封入し、前記密閉容器の内外に貫通するように引き抜き可能な栓部材を備えたことを特徴とする簡易分析具を開示するものである。この簡易分析具は、その栓部材を引き抜くことにより、密閉容器内の空気の排出と、検査対象液の吸入とを行うための通孔を容易に得ることができる。
また、特許文献2は、発色試薬を固体に担持させた材料を用いた気体の測定器具に関するものであり、特定のガスに反応して変色する試薬からなる検知剤を有し、該検知剤を周囲の空気に接触させて、該空気中に含まれる前記特定のガスの濃度を検出する検知部材が開示されている。
また、特許文献3、4は、金属イオンや、環境汚染物質を検出する検出材を開示するものである。これらの文献に開示された検出材は、基材に発色剤等を担持させたものであり、これらを用いることで簡易な手法で速やかに金属イオンや環境汚染物質の有無を評価することができる。
特許第4125603号公報 特開2003−270236号公報 特開2015−083971号公報 特開2015−152514号公報
特許文献1〜4に開示されているような検出材等は、その評価方法として、特定の物質と反応したときの呈色の有無を評価するものが多い。この評価を行うとき、評価対象の物質が泥水のような懸濁液等の場合、その懸濁液の色や濁りの影響を受けて、呈色の有無が判断しにくい場合があった。このような懸濁液の影響を解消するためには、あらかじめ懸濁液を濾過しておくことが考えられるが、濾過用の器具等の準備が必要な場合があるため、さらに簡便な手法が求められることもあった。
係る状況下、本発明は懸濁物質(泥水等)中の汚染物質の有無やその濃度等を、特許文献3や特許文献4に開示されている検出材等を用いて、簡便な測定に適した検出用具を提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 検出材を内包させた包装構造を有する検出用具であり、
前記包装構造の第一の面として多孔質材の層を有し、
前記包装構造の第二の面として透明樹脂製の透明層を有し、
第一の面と第二の面との周囲に接着部を有する包装構造である検出用具。
<2> 前記検出材が、粉体状、粒状、顆粒状、ゲル状、およびシート状からなる群から選択される少なくとも1以上の形状の検出材である前記<1>記載の検出用具。
<3> 前記検出材の色見本部を有する前記<1>または<2>に記載の検出用具。
<4> 前記接着部が、溶着部である前記<1>〜<3>のいずれかに記載の検出用具。
<5> 第一の面とする多孔質材の層を有する基材と、第二の面とする透明層を有する基材との間に検出材を配置する工程と、
前記包装構造の第一の面とする多孔質材の層を有する基材と、前記包装構造の第二の面とする透明樹脂製の透明層を有する基材との周囲を熱溶着して溶着部を設けることで包装構造とする工程と、を有する検出用具の製造方法。
<6> 前記<1>〜<4>のいずれかに記載の検出用具を用いる被検査物質の評価方法であって、
前記検出用具の第一の面を、湿潤状態の前記被検査物質に接触させ、
前記検出用具内の検出材に、前記第一の面を介して浸透した前記被検査物質の成分を接触させ、前記検出材の反応の有無を前記第二の面から観察することで、
被検査物質中における検出材の測定対象の有無を評価する評価方法。
本発明の検出用具を用いれば、懸濁液の測定時のろ過工程を省略することができ、分析作業時間の短縮、使用器具の減少が望め、簡便な手法で評価を行うことができる。
本発明の第一の実施形態に係る検出用具の略断面を示す図である。 本発明の第一の実施形態に係る検出用具の平面図である。 本発明の第二の実施形態に係る検出用具の製造方法を説明するための図である。 本発明の第三の実施形態に係る検出用具の略断面図を示す図である。 本発明の実施例に係る検出用具を示す図である。 本発明の実施例に係る検出用具を示す図である。 本発明の実施例に係る検出用具を示す図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。
[第一の実施形態]
図1および図2は、本発明の実施形態に係る検出用具を示す概要図である。図1は、検出用具10の断面から観察したときの概要を示すものである。また、図2は検出用具10を平面視したときの概要を示すものである。
検出用具10は、透明フィルム21と、不織布31とを重ね、その端部を熱溶着した接着部4を周囲の四方に設けた包装構造を有している。この検出用具10の包装構造の内部に検出材1が内包されている。また、この検出用具10の包装構造において透明フィルム21が透明層の第二の面となり、不織布31が第一の面となる。すなわち、検出材1を内包させた包装構造を有する検出用具10であり、前記包装構造の第一の面が不織布31の層を有し、前記包装構造の第二の面が透明層となる透明フィルム21を有し、第一の面と第二の面との周囲に接着部4を有する包装構造である検出用具10である。また、検出用具10は、図2に示すように色見本部5も有している。
[検出材]
検出用具10には検出材1が内包されている。この検出材は、検査対象となる懸濁水等の被検査物質に含まれている所定の成分と反応することで、呈色する検出材が用いられる。この検出材1は、検出用具10の包装構造内に内包されうるものを適宜用いることができる。具体的には、粉体状、粒状、顆粒状、ゲル状、およびシート状からなる群から選択される少なくとも1以上の形状のものが好ましく用いられる。すなわち検出材1には複数の形状のものを組み合わせて用いてもよい。
検出材1の代表的なものとしては、基材に、発色剤を担持させたものがあげられる。このような基材としては、吸水性ポリマー、ホワイトカーボン、シリカ粒子、多孔質ガラス粒子およびハイシリカゼオライトからなる群から選択される少なくとも1以上の基材が好ましく用いられる。このような基材を用いた検出材とすると、検出用具10の包装構造内に検出材が検査の前後で漏出したりするおそれが低く、また、呈色の有無も確認しやすい。
また、この検出材1に担持される発色剤は、検査しようとする成分や、基材との適性を考慮して適した発色剤が選択される。このような検出材1としては、例えば、特許文献3や4に開示されている検出材が好ましく用いられる。
[透明層]
この検出用具10の包装構造の第二の面として、検出用具10は透明フィルム21を有している。この透明フィルムは、透明層として機能し、この透明フィルムを介して検出用具10に内包されている検出材1を視認することができる。
この透明フィルム21は本発明に係る検出用具の透明層であるが、本発明において透明層は、フィルムやシート、板、箱状、半球状などの種々の包装構造の一部を占める面の形状で配置される。この第2の面は、平面のみでなく曲面等の形状であってよい。
この透明層は、透明樹脂製である。具体的な透明樹脂としては、ポリオレフィン系(ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリブチレン系)、ポリエステル系、ポリエチレンテレフタレート系、アクリル系、ポリカーボネート系、ポリアクリロニトリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリスチレン系、エチレンビニルアルコール系、ポリビニルアルコール系、ナイロン系、バリアナイロン系、セルロース系、フッ化炭素樹脂系からなる群から選択される少なくとも1以上の樹脂を用いるものなどがあげられる。また、前記した樹脂は、前記したような樹脂の共重合体や、透明層用に成形するときに複数の樹脂を共押出成形するなどして複合成形したものであってもよい。また、適宜、シリカ蒸着などの透明蒸着処理などを施して使用してもよい。透明樹脂製とすると、多孔質材との接着性に優れた成形を行いやすい。
例えば、透明フィルム21には、ポリエチレンフィルムや、ポリプロピレンフィルムのようなポリオレフィン系の熱可塑性樹脂などを主たる成分として成形されたフィルムなどを用いることができる。このフィルムを形成する樹脂は、検出用具10の使用環境や検出しようとする成分に応じて、選択することができる。特に前述したポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムは、耐水性や多くの物質への耐性を有して、検出の前後で検出用具10の形態を安定させることから好ましく用いられる。
なお、この透明層は、検出材1を視認してその呈色の有無等を十分に確認することができれば無色ではないものを用いてもよく、呈色との関係で着色を確認しやすい色の層としてもよい。
[色見本]
さらには、図2に示すように検出用具10は色見本部5を有している。この色見本部5は、検出材1が被検対象物質と接触することで反応し着色したときの色の見本と同様の色としておくことができる。この色見本部5を設けるために、例えば、透明層として印字性のある素材を用いることができる。このような印字性のある素材を用いて、透明層のフィルムや容器の面に、検出材が呈色したときの色見本となる色彩を印刷することで、従来の製品のパックテストのように別紙の色見本を携帯する必要がなく、透明層に印字された色と、検出用具内の検出材の色を比較することで試験結果を確認することができる。これにより、懸濁液の中でも、懸濁液から検出用具を取り出して、別の色見本と比較するという手間を省くことできる。
[多孔質材の層]
この検出用具10の包装構造の第一の面として、検出用具10は多孔質材の層である不織布31を有している。この不織布31は、検査対象となる懸濁液等の液が浸透する。さらには、この不織布31は、懸濁液の懸濁物質の通過を抑制することで、懸濁液の液のみが検出用具10の包装構造内に浸透する。これにより、包装構造内に浸透した液は、内包されている検出材1と接触する一方で、被検査物質に含まれうる懸濁物質による着色等を抑制することができる。
この不織布31は、本発明の第一の面であるが、この部分には、多孔質材を用いることができる。ここで用いることができる多孔質材とは、懸濁液の懸濁物質の通過を抑制し液が浸透するような実質的な多孔質構造を有するフィルムやシートなどの材料であり、例えば、不織布や織布、多孔性のメンブレン等を用いることができる。
多孔質材の素材には、ポリオレフィン系(ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリブチレン系)、ポリエステル系、ポリアミド系、ナイロン系、ポリエチレンテレフタレート系、セルロース系、セルロース混合エステル系、セルロースアセテート系、フッ化炭素樹脂系、ポリエーテルサルホン系、レーヨン系からなる群から選択される少なくとも1以上の素材を用いたものなどが好ましく用いられる。これらの素材は、適宜、親水性処理のコーティング処理が施されていてもよい。このような素材を用いれば、透明層にも前述した透明樹脂を用いることで接着性に優れた成形を行いやすい。
また、その通液性により、懸濁物質の分離や、液と内包されている検出材10との接触速度等が影響するため、検出用具10の使用環境等に応じて、適宜その多孔質材(不織布等)の孔径や補足粒子径、目付、厚み、素材を選択した構成とすることができる。
例えば、この不織布31としては、その素材として、ポリエチレンやポリプロピレンといった熱可塑性樹脂等の繊維を用いた不織布を用いることが好ましい。
この多孔質材の具体的な孔の状態は、内包される検出材や検出用具全体としての用途によって適宜選択される。この孔の状態の指標としては、より具体的な多孔質材の種類によって保留粒子径や孔径などが指標とされる。この多孔質材の保留粒子径は、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることが特に好ましい。例えば、不織布は、この保留粒子径により、本発明の検出用具への適用の判断を行うことが多い。また、多孔質材の孔径は平均孔径が、10μm以下であることが好ましく、6μm以下であることがより好ましく、4μm以下であることが特に好ましい。このような多孔質材を用いれば、多くの懸濁液に対して検出に適した通液速度と、包装構造内への懸濁物の侵入防止を達成し検出材の呈色の確認を適正に行うことができる。
[接着部(溶着部)]
この検出用具10は、平面視したとき方形であり、その四方の周囲が、第一の面である不織布31と、第二の面である2との周囲を熱溶着(ヒートシール)して、溶着している状態の接着部4を有している。この接着部4により、検出材10の包装構造の接着部を設ける構成は、検出材10全体の成形性や、使用前後の内包している検出材1の漏出が生じにくいといった点から優れている。よって、接着部をヒートシールによる溶着部とすることができるように第一の面とする不織布31や、第二の面とする透明層の透明フィルム21は、親和性が高い熱可塑性樹脂製(例えば、双方ポリオレフィン系の樹脂)とすることが好ましい。
この接着部4は、検出用具10の用途によっては、糊や接着剤でのシールや、縫合した接着部をもうけてもよい。しかし、糊や接着剤を用いる場合、検出材の化学反応に影響を及ぼす場合もある。一方で、ヒートシールに溶着部であればこのような他の成分による化学反応の影響も生じにくいという点で優れている。
[検出用具]
この検出用具10は、これを土壌や液等の検査対象に接触させて、検出用具10に内包されている検出材1が反応する対象物質の有無やその濃度等を検出することができる。このとき、検出用具10の内部には、一部前述したように主として不織布31の層を通液して侵入する。この通液した液に、検出材1が接触して、検出材に担持されている発色試薬と吸水された溶液が反応する場合、呈色が生じる。この呈色する色から、汚染物質等の検出対象物質の有無が判断でき、発色剤と検出対象物質との組み合わせにより異なる場合もある。また、検出材の呈色した色は透明フィルム21の面から目視で確認することができる。なお、第一の実施形態では、1つの空間に検出材1を内包させた形態を示したが、本発明の検出用具は、複数の包装構造が連設しそれぞれ異なる検出材を内包させていてもよいし、同一の包装構造内に複数種の検出材を内包させてもよい。
ここで、本発明の検出用具を用いた評価方法についてより具体的に説明する。例えば、検出用具10を用いる被検査物質の評価にあたって、検出用具10の第一の面である不織布31を、この湿潤状態の検査対象に接触させる。被検査対象となる土壌等が乾燥している場合は適宜水を散布するなどして湿潤状態とすることが好ましい。そして、検出用具10内の検出材1に、不織布31の面を介して浸透した検査対象の成分を接触させ、検出材10との反応の有無を第二の面である透明フィルム21側から観察することで、検査対象中における検出材10の測定対象の有無を評価することができる。
本発明の検出用具は、使用方法が簡便であるため、専門知識がなくとも使用できる。具体的な方法として、汚染が予測される調査対象土壌の測定ポイント表層部あるいは地中部から採取した土に水を加え混ぜ合わせところに所定時間だけ検出用具10を静置しておくことで、中に充てんした検出材の色の変化で重金属の有無などを目視で判断する。
泥水等の懸濁液を測定するためには懸濁物質をろ過する工程が必要であるが、本発明のような包装構造を有する検出用具10とすることで、従来技術と異なりろ過工程を省略した調査を行うことができる。このため、測定において煩雑な作業を必要としない。さらに、検出終了後には、この検出用具10の包装構造のまま回収することができるため回収も簡便に行うことができる。
[第二の実施形態:検出用具10の製造方法]
図3(a)、図3(b)を用いて、本発明に係る検出用具の製造方法を説明する。この検出用具の製造方法によって、検出用具10を製造することもできる。
まず、同程度の大きさの略四角形に裁断されている透明フィルム21と、不織布31とを重ね合わせて、図3(a)に示すように、検出材を封入するための開口部を除き、他の3辺をヒートシールすることで溶着部41とする。この溶着部41を設けることで得られる袋状の包装構造の内部に、検出材1を入れる。
そして、検出材1を入れ終わった後、透明フィルム21と不織布31とが溶着されていない残りの辺を図3(b)に示すように、ヒートシールを行うための加熱装置6により溶着させ溶着部42を設ける。これにより、溶着部41、溶着部42とで周囲を密閉し封入されて、包装構造内に内包されている検出材も漏れ出さない溶着部(接着部)となる。
[第三の実施形態]
図4は、本発明の実施形態に係る他の検出用具を示す概要図である。図4は、検出用具11の断面から観察したときの概要を示すものである。
検出用具11は、透明容器22と、多孔質膜32とを重ね、その端部を熱溶着した接着部4を周囲の四方に設けた包装構造を有している。この検出用具11の包装構造の内部に検出材1が内包されている。また、この検出用具11の包装構造において透明容器22が透明層の第二の面となり、多孔質膜32が第一の面となる。すなわち、検出材1を内包させた包装構造を有する検出用具11であり、前記包装構造の第一の面が多孔質膜32の層を有し、前記包装構造の第二の面が透明層となる透明容器22を有し、第一の面と第二の面との周囲に接着部4を有する包装構造である検出用具11である。この検出用具11に用いられる透明容器や多孔質膜等については、第一の実施形態や第二の実施形態により説明したものを適宜用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[多孔質材の層]
[不織布]
・不織布(1) 旭化成繊維株式会社製「プレシゼ AS066」(開孔径3.9μm、厚み66μm)
[メンブレンフィルター]
・メンブレンフィルター(1) アドバンテック東洋株式会社製、「A045A090C」セルロース混合エステルタイプ、孔径0.45μm
[透明層]
[透明フィルム]
・ポリプロピレンフィルム(二軸延伸ポリプロピレンフィルムと無延伸ポリプロピレンフィルムとの積層フィルム、厚み約60μm)
[透明容器]
・ポリプロピレン製の半球状の凸部を有する容器(平面視したときの方形サイズ20mm×20mm、中央付近の凸部のφ10mm・深さ5mm)
[検出材]
・フッ素用検出材(1)
アルフッソン(同仁化学製)を純水に溶解させ、0.11g/10mLの溶液を調整する。この全量をアクアコーク(住友精化社製)2gに吸水させることで、ゲル状の「フッ素用検出材(1)」を得た。
・ホウ素用検出材(1)
“アゾメチンH(8−ヒドロキシ−1−(サリチリデンアミノ)−3,6−ナフタレンジスルホン酸・2ナトリウム塩)”(和光純薬製)1g、L−アスコルビン酸(昭和製薬株式会社製)3g、吸水性ポリマー(アクアキープ(住友精化社製)20g、リン酸二水素ナトリウム・2水和物0.4g(和光純薬)およびリン酸水素二ナトリウム・12水和物(和光純薬)0.9gを混合し、「ホウ素用検出材(1)」を得た。
[検出用具の製造工程]
・袋状検出用具:不織布および透明フィルムを、それぞれ30mm×40mmの方形に切り抜き、熱シールにより三方を貼り合せることで溶着部とし、その後、空いている辺から検出材を加えて、未溶着の残りの1辺を溶着して、検出用具を製造した。
・半球状検出用具(1):透明容器の大きさに合わせて、20mm×20mmの方形に切り抜いたメンブレンフィルターを用いて、透明容器の凸部に検出材を入れ、その後、前記したメンブレンフィルターを透明容器の扁平部に合わせて、周囲を熱溶着して検出用具を製造した。
・半球状検出用具(2):前記半球状検出用具(1)の製造に準じて、周囲の熱溶着にかえ、「セメダインスーパーX」(セメダイン株式会社)により接着した。
前記した検出材および、多孔質材、透明層、検出用具の製造工程を、表1に示す組み合わせで、検出用具(A)〜(C)を作成した。なお、検出用具(C)は、左部と右部とで異なる検出材を封入した構成を有する検出用具として作成した。
[試験]
・ホウ素含有の土による試験
これを50mL容量のプラスチック容器に、ホウ素含有(ホウ素含有量8000mg/kg)の土10gと蒸留水10gを入れ、容器に蓋をして30秒手で振とうさせた土の懸濁液とする。一方、対照試験として、ホウ素を含有させていない状態の土に置き換えて土の懸濁液も作成した。これらの土の懸濁液の上に、検出用具を置く。このとき、多孔質材(不織布等)の面から土粒子を分離した水溶液が包装用具の内部に浸透し中の検出材と反応し、反応対象物質の有無による呈色の有無を確認することができる。
・フッ素含有の土による試験
前記したホウ素含有の土による試験の、ホウ素含有の土に代えて、フッ素含有(フッ素含有量8000mg/kg)の土を用いた以外は、前記した試験に準じた工程で、フッ素含有の土による試験を行った。
[試験例1][フッ素含有の土による試験]
フッ素含有の土による試験例1の結果を、図5に示す。図5(a)は試験前の検出用具(A)を2つ並べた状態である。図5(b)は土壌に水を加えた懸濁液に検出用具を載置した状態を示す図である。なお、左の容器内がフッ素含有の土であり、右の容器内はフッ素を含有しない土である。図5(c)は、図5(b)の後、検出用具(A)のみを取り出した状態である。この図5に示す試験例1では、フッ素を含有する土壌に接触させた検出用具(A)内の検出材は、赤紫から青紫に呈色した(左側)。一方、フッ素を含まない土の懸濁液では、検出材は赤紫のままであり呈色はなかった(右側)。
[試験例2][ホウ素含有の土による試験]
ホウ素含有の土による試験例2の結果を、図6に示す。図6(a)は試験前の検出用具(B)である。図6(b)は土壌に水を加えた懸濁液に検出用具を載置した状態を示す図である。なお、ホウ素含有の土のみでの試験結果を示す。この図6で示す試験例2は、ホウ素を含有する土壌に接触させた検出用具(B)内の検出材は、土壌にフッ素が含有されていないため呈色がなく、赤紫のままだった。
[試験例3][ホウ素含有の土による試験]
ホウ素含有の土による試験例3の結果を、図7に示す。図7(a)は試験前の検出用具(C)である。図7(b)は土壌に水を加えた懸濁液に検出用具を載置した状態を示す図である。この図7で示す試験例3では、検出用具(C)の左部にはフッ素検出材、右部にはホウ素検出材が内包されている。これを、ホウ素含有の土に接触させて試験させているため、左部のフッ素検出材は土壌にフッ素が含有されていないため呈色がなかったが、右部のホウ素検出材は、土壌にホウ素が含有されているため橙から黄に呈色した。なお、この検出材(C)の右部内の検出材は、粉状のため、土壌の懸濁液と直接接触させるとその視認がより困難となる。このように、本発明に係る検出材は、複数を並べた配置としてもよく、それにより同時に複数の成分の検出を行うこともできる。
ホウ素含有の土およびフッ素含有の土による試験を行ったそれぞれの検出用具も、試験結果の確認を、他の特別な基材等を用いずに簡便に行うことができ、その試験結果の視認性も優れていた。また、試験後の検出用具の回収も容易であった。
本発明の検出用具によれば、泥水のような懸濁水についても、簡便な手法でその懸濁水に含まれる環境汚染物質等の有無を速やかに測定することができ産業上有用である。
1 検出材
10 検出用具
21 透明フィルム
22 透明容器
31 不織布
32 多孔質膜
4 接着部
41、42 溶着部
5 色見本部
6 加熱装置

Claims (6)

  1. 検出材を内包させた包装構造を有する検出用具であり、
    前記包装構造の第一の面として多孔質材の層を有し、
    前記包装構造の第二の面として透明樹脂製の透明層を有し、
    第一の面と第二の面との周囲に接着部を有する包装構造である検出用具。
  2. 前記検出材が、粉体状、粒状、顆粒状、ゲル状、およびシート状からなる群から選択される少なくとも1以上の形状の検出材である請求項1記載の検出用具。
  3. 前記検出材の色見本部を有する請求項1または2に記載の検出用具。
  4. 前記接着部が、溶着部である請求項1〜3のいずれかに記載の検出用具。
  5. 第一の面とする多孔質材の層を有する基材と、第二の面とする透明樹脂製の透明層を有する基材との間に検出材を配置する工程と、
    前記包装構造の第一の面とする多孔質材の層を有する基材と、前記包装構造の第二の面とする透明層を有する基材との周囲を熱溶着して溶着部を設けることで包装構造とする工程とを有する検出用具の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の検出用具を用いる被検査物質の評価方法であって、
    前記検出用具の第一の面を、湿潤状態の前記被検査物質に接触させ、
    前記検出用具内の検出材に、前記第一の面を介して浸透した前記被検査物質の成分を接触させ、前記検出材の反応の有無を前記第二の面から観察することで、
    被検査物質中における検出材の測定対象の有無を評価する評価方法。
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