JP2018178753A - 内燃機関の異常診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の停止中において、バイパス弁の閉弁側での固着を検出する。
【解決手段】内燃機関の停止中に、スロットル弁が閉弁され、電動過給機の駆動が行われる。この状態において、電動過給機をバイパスする通路に設置バイパス弁が、基準開度に開弁するように制御され、スロットル弁より上流かつ電動過給機より下流側の部分の吸気管内の圧力が検出される。検出された圧力が基準圧力より大きい場合に、バイパス弁が、基準開度よりも閉じ側の開度で固着していることが検出される。
【選択図】図2

Description

本発明は内燃機関の異常診断装置に関する。より具体的には電動過給機と電動過給機をバイパスするバイパス通路とを備える内燃機関に適用され、バイパス通路に配置されたバイパス弁の故障を判定する内燃機関の異常診断装置に関する。
特許文献1には、ターボ過給機と電動過給機の電動コンプレッサとが吸気通路に直列に配置されるとともに、電動過給機をバイパスするバイパス通路とバイパス弁とが配置された構成を有するシステムが開示されている。特許文献1では、吸気管内の実際の圧力Piと吸気流量に応じて設定される圧力の目標値Pitrgとの差が所定値を超える異常が、非アシスト領域においてのみ検出された場合に、バイパス弁が閉固着していると判定される。この判定は、バイパス弁が開かなくなる故障(即ち、閉固着)が生じた場合、電動過給機を作動させない非アシスト領域では電動コンプレッサが吸気抵抗となり、吸気管内の圧力が大幅に減少する異常が現れることに基づくものである。
特開2005−220890号公報 特開2007−056843号公報
特許文献1の制御におけるバイパス弁の閉固着の検出は、内燃機関が稼働していない場合には実行することができない。したがって、例えば、ハイブリッド車両などのように、走行中に頻繁に内燃機関が停止とされる車両においては、バイパス弁の閉固着の判定が必要なタイミングで実行できない事態を生じ得る。
本発明は、上記課題を解決することを目的とし、内燃機関の停止中において、バイパス弁の閉弁側での固着を検出できるように改良された内燃機関の異常診断装置を提供するものである。
上記目的を達成するため、本発明は、内燃機関の異常診断装置であって、スロットル弁と電動過給機とバイパス通路とバイパス弁とを有する内燃機関に適用される。スロットル弁は吸気通路に配置され、電動過給機は、吸気通路のスロットル弁より上流側に配置されている。バイパス通路は、電動過給機をバイパスする通路であって、吸気通路の、電動過給機より上流側の部分と、電動過給機とスロットル弁との間の部分と、を接続する。バイパス弁は、バイパス通路に配置されている。
本発明の内燃機関の異常診断装置は、以下のように構成されている。即ち、内燃機関の停止中に、スロットル弁を閉弁し、電動過給機を作動させた状態とする。この状態において、バイパス弁を基準開度に開弁して、スロットル弁より上流かつ電動過給機より下流側の部分の吸気管内の圧力を検出する。検出された圧力が基準圧力より大きい場合に、バイパス弁が、基準開度よりも閉じ側の開度で固着していることを検出する。
本発明の異常診断装置によれば、内燃機関の停止中に、バイパス弁の閉じ側での固着を検出することができる。
本発明の実施の形態1のシステムの全体構成を模式的に示す図である。 実施の形態1の制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 内燃機関停止中、かつ、スロットル弁閉弁、かつ、電動過給機駆動の状態におけるバイパス弁の開度とスロットル弁上流側の圧力との関係を説明するための図である。 実施の形態2の制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態のシステムの全体構成を模式的に示す図である。図1のシステムは、内燃機関本体2を備えている。内燃機関本体2には吸気通路4が接続されている。吸気通路4には、電動コンプレッサと電動コンプレッサを作動させるためのモータとを有する電動過給機10が設置されている。図示を省略するが、電動過給機10のモータにはバッテリが接続されている。また、同様に図示を省略するが、電動過給機10には、電動コンプレッサの回転数を計測するための回転数センサが内蔵されている。
吸気通路4に並行して、電動過給機をバイパスするバイパス通路12が設置されている。バイパス通路12の上流側端部は、吸気通路4の電動過給機10より吸気流れの上流側となる部分に連通し、下流側端部は、電動過給機10より吸気の流れの下流側となる部分に連通している。バイパス通路12には、バイパス弁であるABV(Air Bypass Valve)14が設置されている。ABV14は電磁弁であり、制御信号により閉弁又は任意の開度に開弁してバイパス通路12に流通する空気量を調節するための弁である。
また、吸気通路4の、バイパス通路12の下流側端部との接続部よりも吸気の流れの下流には、スロットル弁16が設置されている。
また、吸気通路のスロットル弁16と電動過給機10との間の部分には、吸気通路4内の圧力を計測するための圧力センサ18が設置されている。ただし、本実施の形態において、圧力センサ18は、電動過給機10及びABV14より下流、かつ、スロットル弁16より上流の吸気通路4内の圧力(以下、「スロットル前圧力」と称する)を計測できるものであればよい。従って、圧力センサ18は、吸気通路4のスロットル弁16と電動過給機10との間の部分、及び、バイパス通路12のABV14よりも下流側の部分、であれば、どこに設置されていてもよい。なお、以下の実施の形態において圧力センサ18により計測されたスロットル前圧力を「検出値」とも称することとする。
上述した電動過給機10の回転数センサ及び圧力センサ18を含む各種のセンサ及び各アクチュエータは、異常診断装置としての機能を有する制御装置20に電気的に接続されている。制御装置20はECU(Electronic Control Unit)である。制御装置20は、内燃機関のシステム全体の制御を行うものであり、CPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。ROMには、後述するABV14の固着を検出する制御を含む各種制御ルーチンが記憶されている。制御装置20は、各センサからの信号に基づいて各アクチュエータを操作することによって内燃機関を制御する。
制御装置20は、電動過給機10のモータにより電動コンプレッサの駆動を制御する。制御装置20は、内燃機関の運転領域が電動過給機10を作動させる作動域にあるときに、ABV14を閉弁状態として、所定のコンプレッサ回転数で電動過給機10を駆動して吸入空気を過給する。一方、運転領域が電動過給機10を非作動とする非作動域にあるとき、ABV14を開弁状態として、電動過給機10を非作動状態とする。
また、制御装置20は、閉固着、即ち、ABV14の全閉又は全閉近傍の閉弁側で固着していることを検出する。閉固着の検出は、内燃機関の停止中に、スロットル弁16を閉弁し、電動過給機10を駆動させた固着判定状態において実行する。
ここで固着判定状態においても、ABV14が正常であり開弁されていれば、スロットル前圧力の上昇は少ない。電動過給機10を駆動させても、電動過給機10の下流側の空気は過給されず、バイパス通路12を介して吸気通路4の上流側に流出するためである。
一方、固着判定状態において、ABV14が閉弁している場合には、スロットル前圧力は大きく上昇する。電動過給機10及びABV14の下流側、かつ、スロットル弁16の上流側の吸気通路4は閉塞された状態となっており、電動過給機10の駆動により、電動過給機10の下流側の空気が過給されるためである。
制御装置20は、これを利用して、固着判定状態において、ABV14に開弁指令を出し、検出されたスロットル前圧力の検出値が、基準圧力より大きい場合にABV14が閉固着していることを検出する。なおここで、基準圧力は、例えば、固着判定状態におけるABV14の開度とスロットル前圧力の値との関係に基づいて、適宜設定することができる。
図2は、制御装置20が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図2のルーチンは所定の制御間隔で繰り返し実行される。図2のルーチンでは、まず、ステップS2において、内燃機関の停止中であるか否かが判別される。ステップS2において内燃機関の停止中ではないと判別された場合、今回の処理は一旦終了する。
一方、ステップS2において、内燃機関の停止中であると判別された場合、次に、ステップS4において、現在のバッテリ残量が所定値より大きいか否かが判別される。ここで所定値は、後述する電動過給機10を駆動させる制御の実行に必要なバッテリ量及びその他に必要な量に応じて、事前に設定された値である。ステップS4において、バッテリ残量が所定値以下であると判別された場合には、今回の処理は一旦終了する。
一方、ステップS4において、バッテリ残量が所定値より大きいと判別された場合には、次に、ステップS6においてスロットル弁16が閉弁とされる。次に、ステップS8において、ABV14に開弁指令が出され、基準開度に開弁するように制御される。ここで基準開度は予め設定された全開近傍の開度である。
次に、ステップS10において、電動過給機10が、所定の目標回転数となるように駆動される。次に、ステップS12において、電動過給機10の回転数が、目標回転数となっているか否かが判別される。ステップS12において、電動過給機10の回転数が、目標回転数となっていないと判別された場合、今回の処理は一旦終了する。
一方、ステップS12において、電動過給機10の回転数が目標回転数であると判別された場合には、次に、ステップS100において、スロットル前圧力の検出値が、基準圧力を超えているか否かが判別される。ここで、検出値としては、ステップS2、S6及びS10の処理により実現された固着判定状態下において、圧力センサ18により計測された値が用いられる。
ステップS100において、スロットル前圧力の検出値が基準圧力を超えていると判別される場合、電動過給機10の下流かつABV14の下流の空気が、電動過給機10の作動により過給されている状態にあると考えられる。即ち、ABV14が閉固着しているものと考えられる。従って、この場合には、ステップS102においてABV14が閉固着していると判定され、閉固着を示すフラグFlgが1(あるいはON)に設定される。その後今回の処理は終了する。
一方、ステップS100において、スロットル前圧力の検出値が基準圧力以下であると判別された場合、電動過給機10の下流の空気は過給されていないものと考えられる。即ち、ABV14はステップS8における開弁指令に従って、正常に開弁したと判断できる。従って、この場合には、今回の処理はそのまま終了する。
なお、ステップS102において、ABV14の閉固着を示すフラグFlgが1に設定されると、別のルーチンに従って、ABV14の閉固着時に必要な処理が実行される。
以上説明したように、本実施の形態の制御によれば、内燃機関の停止時にABV14の閉固着の有無を判定することができる。従って、ハイブリッド車両やアイドルストップ制御が実行される車両など、内燃機関が頻繁に停止される車両においても、確実にABV14の閉固着を検出することができる。
なお、実施の形態1では、ABV14が全閉又は全閉近傍で固着している閉固着を検出する場合について説明した。しかしながら、例えば、ステップS8におけるABV14の開度を、任意の基準開度として、ステップS100における基準圧力を、基準開度に応じたスロットル前圧力の推定値に応じて設定することで、ABV14が基準開度より小さな開度側で固着していることを検出するようにしてもよい。
実施の形態2.
実施の形態2のシステムは、図1のシステムと同一の構成を有している。ただし、実施の形態2のシステムにおいて制御装置は、実施の形態1の制御とは異なる制御を実行する。
図3は、固着判定状態における、ABV14の開度とスロットル前圧力との関係を説明するための図である。図3に示されるように、電動過給機10の回転数が一定である場合、ABV14の開度とスロットル前圧力とは一定の相関関係を有し、ABV14の開度が大きくなるほどスロットル前圧力は小さくなる。
図3に、例として、固着開度aでABV14が固着している場合を示している。この例では、固着判定状態においてABV14に全開指令を出した場合でも、検出されるスロットル前圧力は、固着開度aに応じた検出値bとなる。
ここで実施の形態1の固着判定では、検出値が基準圧力より大きい場合にのみ閉固着と判定される。従って、図3に示されるように、基準圧力が、固着開度aより小さい開度に応じたスロットル前圧力の値に設定されている場合、実施の形態1の制御では固着なしと判定される。
ところで図3に示されるように、固着開度aで固着している場合、検出値bと、ABV14の全開時のスロットル前圧力との乖離は小さくなるが、ABV14の全閉時のスロットル前圧力との乖離は大きくなる。
従って本実施の形態2では、固着判定状態下で、ABV14を全開とする指令を出して、このとき検出されるスロットル前圧力の検出値と、ABV14が正常に全開とされた場合のスロットル前圧力の推定値(以下、「全開基準圧力」とも称する)とを比較する。その乖離が大きい場合には、ABV14が全開とならず、いずれかの開度で固着していることを検出する。
また、固着判定状態下で、ABV14に全閉とする指令を出して、このとき検出されるスロットル前圧力の検出値と、ABV14が正常に全閉とされた場合のスロットル前圧力の推定値(以下、「全閉基準圧力」とも称する)とを比較する。両者の乖離が大きい場合には、ABVが全閉となっていないため、いずれかの開度で固着していることを検出する。
更に、ABV14が固着していると判定された場合には、図3に示すようなABV14の開度とスロットル前圧力との関係に従って、スロットル前圧力の検出値に応じて、固着開度の推定値を算出する。更に、固着開度の推定値に応じて、電動過給機10の上限回転数を設定し、電動過給機10がそれ以下の回転数で作動するように制限する。なお、ABV14とスロットル前圧力との具体的な関係は、予め実験やシミュレーションにより求め、マップ等として制御装置に記憶しておくものとする。
図4は、実施の形態2において制御装置20が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図4の制御のルーチンは、図2のルーチンに替えて実行されるものであり、ステップS100〜S102の処理に替えて、ステップS202〜S214の処理を有する点を除き、図2のルーチンと同一である。
具体的に、図4のルーチンでは、ステップS12において電動過給機10の回転数が目標回転数であると判別されると、次に、ステップS202において、スロットル前圧力の検出値と全開基準圧力との差が、基準値より大きいか否か、即ち、検出値と全開基準圧力の乖離が大きいか否かが判別される。なお、この判定で用いられる検出値は、ステップS2〜S12の処理実行後に検出された圧力センサ18の出力に基づくスロットル前圧力である。
ステップS202において、検出値と全開基準圧力との差が基準値以下であると判別された場合、次に、ステップS204においてABV14が全閉とされる。次に、ステップS206において、スロットル前圧力の検出値と全閉基準圧力との差が、基準値より大きいか否か、即ち、検出値と全閉基準圧力の乖離が大きいか否かが判別される。なお、この判定で用いられる検出値は、ステップS204の処理実行後に検出された圧力センサ18の出力に基づくスロットル前圧力である。
ステップS206において、検出値と全閉基準圧力との差が基準値より大きいと判別された場合には、ABV14は固着していないものと判定される。従って、今回の処理はこのまま終了する。
ステップS202において、検出値と全開基準圧力との差が基準値より大きいと判別された場合、又は、ステップS206において、検出値と全閉基準圧力との差が基準値より大きいと判別された場合、ABV14は固着を起こしているものと判定される。従ってこの場合には、ステップS208に進み、固着を示すフラグがONとされる。
次に、ステップS210において、固着開度の推定値が算出される。固着開度の推定値は、ABV14の開度とスロットル前圧力との関係を定めたマップに従って、スロットル前圧力の検出値に応じて算出される。
次に、ステップS212において、電動過給機10の上限回転数が算出される。上限回転数は、図4のステップS212に記載されているような、ABV14の固着開度と上限回転数とのマップに従って、ステップS210において算出された固着開度の推定値に応じて算出される。
次に、ステップS214において、上限回転数が、電動過給機10の回転数の制限値として設定され、今回の処理は終了する。
以上説明したように、本実施の形態2によれば、ABV14が全閉又は全閉近傍で固着している場合に限らず、中間開度で固着している場合にも、高い精度で固着を検出することができる。更に、固着開度を算出することができ、それに応じて、電動過給機10の回転数に制限をかけることができる。
なお、以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、この実施の形態において説明する構造等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
2 内燃機関本体
4 吸気通路
10 電動過給機
12 バイパス通路
14 ABV(バイパス弁)
16 スロットル弁
18 圧力センサ
20 制御装置

Claims (1)

  1. 吸気通路に配置されたスロットル弁と、
    前記吸気通路の前記スロットル弁より上流側に配置された電動過給機と、
    前記吸気通路の、前記電動過給機より上流側の部分と、前記電動過給機と前記スロットル弁との間の部分と、を接続し、前記電動過給機をバイパスするバイパス通路と、
    前記バイパス通路に配置されたバイパス弁と、
    を備える内燃機関に適用され、
    前記内燃機関の停止中に、前記スロットル弁を閉弁し、前記電動過給機を作動させた状態とし、
    前記状態において、前記バイパス弁を基準開度に開弁して、前記スロットル弁より上流かつ前記電動過給機より下流側の部分の吸気管内の圧力を検出し、
    前記検出された圧力が基準圧力より大きい場合に、前記バイパス弁が、前記基準開度よりも閉じ側の開度で固着していることを検出する、
    ように構成されていることを特徴とする内燃機関の異常診断装置。
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