JP2018178355A - 不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】不織布中に異物が残留することと製造工程中に配備された様々な設備に微粉が付着することの少なくとも一方を抑制することができる不織布を提供する。
【解決手段】
合成繊維(12)及びコットン繊維(10)を含む不織布(13)であって、不織布全体の重量に対するコットン繊維の重量の比は、50%未満である。0.3mm未満の繊維長を有するコットン繊維の数は、0.3mm以上の繊維長を有する繊維の数の1%以下である。
【選択図】図3

Description

本発明は、コットン繊維を含む不織布に関する。
特許文献1は、コットン繊維と、互いに異なる2種以上の合繊繊維と、を含む繊維シートの製造方法を開示している。特許文献1に記載された繊維シートの製造方法では、まず、合繊繊維を含む不織布の片面にコットン繊維のウェブを重ね合わせる。次に、コットン繊維のウェブ側から高圧水流を噴射し、不織布の繊維ネットワーク内にコットン繊維を入り込ませ且つ繊維ネットワークと交絡させる。
特開2007−270419号 特開2006−150010号
多量の異物がコットン繊維の原綿に混入していると、当該原綿を用いて不織布を製造する際に異物を除去しきれず、不織布内に異物が多量に残留してしまうことがある。
また、コットン繊維は不織布を構成する合成繊維と熱融着しにくく、コットン繊維が合成繊維から脱落したり、抜けたりすることがある。特に、コットン繊維中の細かい繊維は、合成繊維から脱落し易い。不織布の製造工程中に合成繊維から細かいコットン繊維(微粉)が脱落すると、製造工程中に配備された様々な設備に微粉が付着してしまうという課題もある。
よって、不織布中に異物が残留することと製造工程中に配備された様々な設備に微粉が付着することの少なくとも一方を抑制することができる不織布を提供することが望まれる。
一実施形態における不織布は、合成繊維及びコットン繊維を含む不織布であって、前記不織布全体の重量に対する前記コットン繊維の重量の比は、50%未満であり、0.3mm未満の繊維長を有する前記コットン繊維の数は、0.3mm以上の繊維長を有する繊維の数の1%以下である。
不織布中に異物が残留することと製造工程中に配備された様々な設備に微粉が付着することの少なくとも一方を抑制することができる。
図1は、一実施形態に係る不織布の製造方法の一プロセスを示す模式図である。 図2は、図1に続くプロセスを示す模式図である。 図3は、一実施形態に係る不織布の断面を示す模式図である。 図4は、別の実施形態に係る不織布の断面を示す模式図である。 図5は、一実施形態に係る吸収性物品の平面図である。 図6は、図5とは反対側から見た吸収性物品の平面図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
コットン繊維を含む不織布の製造方法であって、
コットン繊維の原綿を準備するステップと、
前記原綿をウェブ状に形成するステップと、
前記コットン繊維のウェブをメッシュ上に置き、前記コットン繊維のウェブに水流を噴射しシートにするステップと、
前記コットン繊維のシートを開繊し、綿状のコットン繊維を形成するステップと、
合成繊維と前記綿状のコットン繊維との混合繊維から不織布を形成するステップと、を
有する、不織布の製造方法。
コットン繊維は、繊維長の小さい繊維を多量に含む。上記製造方法では、コットン繊維のウェブをメッシュ上に置き、コットン繊維のウェブに水流を噴射しシートにすることによって、繊維長の小さいコットン繊維を除去する。これにより、本ステップ以降のステップ(特に混合繊維から不織布を形成するステップ)において、繊維長の小さいコットン繊維の脱落を抑制することができる。また、水流の噴射により、微細な異物もメッシュを通して脱落する。したがって、製造工程中に配備された様々な設備に微粉が付着することを抑制することができる。
以上のように、異物の除去及び微細な繊維の除去ため、コットン繊維を敢えて一度シート状に形成する。その後、合成繊維とコットン繊維の両方を含む不織布を製造するため、コットン繊維のシートを開繊し、綿状のコットン繊維を形成している。
好ましい一態様によれば、前記混合繊維全体の重量に対する前記コットン繊維の重量の比は、50%未満である。コットン繊維は、熱融着しにくいため、不織布から脱落し易い。本態様では、コットン繊維の量を比較的少なくしているため、コットン繊維の脱落を抑制することができる。
好ましい一態様によれば、前記メッシュの開口率は5〜40%以下である。メッシュの開口率を5〜40%以下とすることで、製造工程中に微粉として脱落し易い繊維長の短いコットン繊維を効果的に除去することができる。
好ましい一態様によれば、前記メッシュの開口径は0.2mm〜0.6mmの範囲である。メッシュの開口径を0.2mm〜0.6mmとすることで、製造工程中に微粉として脱落し易い繊維長の短いコットン繊維、例えば0.3mm以下の繊維長のコットン繊維を効果的に除去することができる。
好ましい一態様によれば、前記コットン繊維が、オーガニックコットン繊維である。オーガニックコットン繊維は、無農薬又は低農薬で栽培されるため、地球環境に優しく、また肌に優しいという安心感を使用者に与えることができる。
ただし、オーガニックコットン繊維の原綿は、枯れ葉剤のような薬剤を使用することなく、綿花を実らせる植物から手作業により摘み取られるため、当該植物の葉や茎等の欠片からなる異物がオーガニックコットン繊維の原綿内に多量に含まれてしまう。また、植物の葉や茎等の欠片からなる異物が多量に混入するため、その他の微小な異物を発見することも困難となる。これらの理由から、一般には、オーガニックコットン繊維の原綿から異物を除去しきれず、オーガニックコットン繊維を含む不織布に多量の異物が残存してしまうことがある。しかしながら、本発明によれば、コットン繊維のシートに水流を噴射するステップによって、微小な異物をメッシュの開口を通して除去することができるので、微小な異物をより効果的に除去することができる。さらに、後述する異物を除去するステップを実施すれば、不織布表面に露出した異物もより効果的に除去することができる。このように、かかる不織布の製造方法は、オーガニックコットン繊維を含む不織布に適用するとより効果的である。
好ましい一態様によれば、前記コットン繊維のウェブに水流を噴射しシートにするステップと、前記綿状のコットン繊維を形成するステップとの間に、前記コットン繊維のシートの表面に表れた異物を除去するステップをさらに有する。
本製造方法では、コットン繊維のウェブをメッシュ上に置き、コットン繊維のウェブに水流を噴射しシートにすることによって、コットン繊維のウェブの表面から噴射された水流は、異物のまわりの繊維を押しのける。これにより、異物がコットン繊維のシートの表面に露にすることができる。なお、水流の圧力は、異物をより露にできるよう適宜調整することが好ましい。このように、異物がコットン繊維のシートの表面に露にされているため、コットン繊維のシートから異物を効果的に除去することができる。さらに、合成繊維を混合する前のコットン繊維のシートの状態で異物の除去を行うため、合成繊維の混合による異物の分散を抑制することができ、異物をより除去し易くすることができる。
好ましい一態様によれば、前記コットン繊維は、前記合成繊維の平均繊維長よりも短い平均繊維長を有する。合成繊維12の平均繊維長を長くすることで、不織布全体の強度を向上させることができ、製造中及び使用中における繊維のケバ立ちを抑制することができる。一方、コットン繊維10の平均繊維長を短くすることで、合成繊維12同士の熱融着点を減少させ、不織布として適度な柔軟性を実現できる。
合成繊維及びコットン繊維を含む不織布であって、
前記不織布全体の重量に対する前記コットン繊維の重量の比は、50%未満であり、
0.3mm未満の繊維長を有する前記コットン繊維の数は、0.3mm以上の繊維長を
有する繊維の数の1%以下である、不織布。
0.3mm未満の繊維長を有するコットン繊維の数が少ないため、不織布の製造工程中に、コットン繊維の脱落を抑制することができる。
好ましい一態様によれば、前記コットン繊維は、前記不織布内で複数の繊維塊を形成している。コットン繊維が繊維塊を形成することにより、コットン繊維が不織布から脱落することを抑制することができる。
好ましい一態様によれば、前記複数の繊維塊は、前記不織布の厚み方向において、前記不織布の中央部に偏って設けられている。コットン繊維からなる繊維塊は、厚み方向において不織布の中央に位置するため、コットン繊維が不織布から脱落することを抑制することができる。
好ましい一態様によれば、前記合成繊維は、2.0dtex未満の繊維を含む。合成繊維が細い番手の繊維を含むことで、合成繊維がコットン繊維の繊維塊の脱落をより阻止することができる。
好ましい一態様によれば、前記コットン繊維が、オーガニックコットン繊維である。オーガニックコットン繊維を用いる利点は前述したとおりである。
好ましい一態様によれば、前記コットン繊維は、前記合成繊維の平均繊維長よりも短い平均繊維長を有する。合成繊維12の平均繊維長を長くすることで、不織布全体の強度を向上させることができ、製造中及び使用中における繊維のケバ立ちを抑制することができる。一方、コットン繊維10の平均繊維長を短くすることで、合成繊維12同士の熱融着点を減少させ、不織布として適度な柔軟性を実現できる。
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
図1は、一実施形態に係る不織布の製造方法の一プロセスを示す模式図である。図2は、図1に続くプロセスを示す模式図である。実施形態に係る製造方法は、コットン繊維を含む不織布の製造方法に関する。
まず、コットン繊維の原綿を準備する。コットン繊維は、オーガニックコットン繊維であってもよい。ここで、「オーガニックコットン」は、農業段階において、国際的な基準(CODEXに準じた各国の基準)に基づき有機性が認証され、それが証明されるコットンを意味する。
次に、コットン繊維10の原綿をウェブ状に形成する(ステップS1)。例えば、コットン繊維10の原綿は、カーディング装置20によってウェブ状に形成することができる。ウェブ状のコットン繊維10は、搬送ベルト上を搬送される。
次に、後述するステップS3の前に、コットン繊維10のウェブを湿らせることが好ましい(ステップS2)。ステップS2は任意に実施されればよい。コットン繊維10の加湿は、例えば水滴を噴射する加湿装置30によって行うことができる。コットン繊維10のウェブを湿らせてからステップS3にて高圧の水流を噴射することによって、より繊維密度の均一なシートにすることができる。
次に、コットン繊維10のウェブをメッシュ50上に置き、コットン繊維10のウェブに水流を噴射しシートにする(ステップS3)。コットン繊維10のウェブに噴射する水流は、噴射装置40によって、小ノズル径のノズルから高水圧で噴射される。
これにより、繊維長の小さいコットン繊維10がメッシュ50の開口を通って除去される。また、水流の噴射により、微細な異物もメッシュ50の開口を通って除去される。したがって、本ステップS3以降のステップ(特に混合繊維から不織布を形成するステップ)において、繊維長の小さいコットン繊維10の脱落を抑制することができる。その結果、製造工程中に配備された様々な設備に微粉が付着することを抑制することができる。
さらに、本ステップS3において、コットン繊維10のウェブに水流を噴射することによって、コットン繊維10が硬い異物から離れるように異動するため、コットン繊維10の表面に異物が表れ易くなる。したがって、コットン繊維10のシートの表面に異物を目立たせることができる。これにより、異物をより確実に除去することができるようになる。
メッシュの開口率は好ましくは5〜40%、より好ましくは5〜20%の範囲である。これにより、製造工程中に微粉として脱落し易い繊維長の短いコットン繊維を効果的に除去することができる。また、メッシュの開口径は、好ましくは0.2mm〜0.6mm、より好ましくは0.25mm〜0.45mmである。
図1では、コットン繊維10のシートの片面からコットン繊維10のウェブに水流を噴射している。コットン繊維10のシートのウェブに噴射された水流は、異物のまわりの繊維を押しのけることで、異物をシート上に露にすることができる。これにより、より効果的にシートの表面に異物を露にさせることができる。なお、コットン繊維10のシートへ噴射する水流の圧力は、異物をシートの表面に露出させ易くするよう適宜調整することが好ましい。
次に、コットン繊維10のシートを乾燥させる(ステップS4)。コットン繊維10のシートの乾燥は、乾燥機60を用いて実施される。
次に、コットン繊維10のシートの表面に表れた異物を除去する(ステップS5)。具体的な一例として、まずコットン繊維10のウェブに水流を噴射した後であって後述するコットン繊維のシートの開繊前に、コットン繊維10のシートの表面に露出した異物を除去する。異物の位置は、カメラ70によって自動的に特定してもよい。ステップS3において、異物がコットン繊維10のシートの表面に表れているので、より確実に異物を除去することができる。
異物が取り除かれたコットン繊維10のシートWは、一端、ロールRに巻き取られてもよい。
次に、コットン繊維のシートを開繊し、綿状のコットン繊維を形成する。上記工程S1〜S5により、繊維長の小さいコットン繊維は大幅に除去されていることに留意すべきである。特に、ステップS3において水流の圧力やメッシュの階効率を調整することにより、0.3mm未満の繊維長を有するコットン繊維10の数を、0.3mm以上の繊維長を有するコットン繊維10の数の1%以下にすることが好ましい。これにより、不織布の製造工程中に、コットン繊維の脱落を抑制することができる。また、コットン繊維中の特に微小な繊維、すなわち不織布の繊維間の空隙から脱落しやすい繊維を少なくすることができ、製造工程中における微粉の発生を抑制することができる。さらに、コットン繊維を用いたシートを着用物品に用いた場合において、脱落した微小な繊維によるシート間接合強度の低下を抑制でき、これにより製品の成型性と使用中の強度を確保することができる。
次に、合成繊維12と綿状のコットン繊維10との混合繊維から不織布を形成する。合成繊維12は、熱可塑性樹脂からなる繊維であってよい。熱可塑性樹脂からなる繊維としては、例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられる。熱可塑性樹脂からなる繊維は、油剤によってコーティングされていてもよい。熱可塑性樹脂からなる繊維は、目的に応じて、親水化油剤によって親水化されていてもよいし、撥水化油剤によって撥水性を持たせてもよい。
混合繊維から不織布を形成する方法の一例について、図2を参照して説明する。まず、第1段のカーディング装置102により合成繊維12を供給する。また、第2段のカーディング装置104で、上記工程S1〜S5を経たコットン繊維10を供給する。コットン繊維10は剛性が低く柔らかい材質であるために、カーディング装置104のピンによって塊状の繊維塊11にすることができる。さらに、第3段のカーディング装置106により合成繊維12を供給する。これにより、コットン繊維からなる繊維塊11が厚み方向の中央に偏って配置された混合繊維が形成される。これにより、混合繊維から繊維塊11が脱落することを抑制することができる。
上記の混合繊維を、例えば、スルーエアー方式の加熱室110に送り、合成繊維12を熱融着することで、不織布13が製造される。なお、コットン繊維10は熱融着されず、繊維同士の絡み合いによって不織布13内に留まる。
混合繊維全体、すなわち不織布全体の重量に対するコットン繊維10の重量の比は、2%〜50%、好ましくは3〜35%、より好ましくは3〜10%である。コットン繊維10の量を比較的少なくすることによって、コットン繊維が不織布から脱落することを抑制することができる。
合成繊維12の繊度は、特に制限されないが、不織布の強度、柔軟性、肌触り、液透過性などの点から、1.1〜8.8dtex、好ましくは1.5〜4.6dtexの範囲にあることが好ましい。
また、2.0dtex以上の繊度を有する繊維に、2.0dtex未満の繊度を有する繊維を好ましくは10〜40%、より好ましくは20〜30%含んだ合成繊維を用いてもよい。この場合、平均繊維長を長く保ちつつ、繊維長の短い合成繊維を含めることができる。合成繊維12が細い番手の繊維を含むことで、コットン繊維の繊維塊が不織布から脱落することをより抑制することができる。
図3は、上記方法により製造された不織布13の断面図である。コットン繊維10は、不織布内で複数の繊維塊11を形成している。コットン繊維10は、合成繊維12よりも短い平均繊維長を有していてよい。これにより、コットン繊維10は、不織布内で繊維塊11を形成し易くなる。
図3に示すように、複数の繊維塊11は、厚み方向Tにおいて不織布13の中央側に偏って設けられていることが好ましい。ここで、厚み方向Tにおいて不織布13を表面側の両層T2,T3と中央の層T1とに三等分し、複数の繊維塊11のうちの60%以上、好ましくは70%以上の繊維塊が中央の層T1に存在する場合に、複数の繊維塊11が厚み方向Tにおいて不織布の中央に偏って設けられているものとする。
コットン繊維の繊維塊11が不織布13の中央に偏って設けられていることにより、コットン繊維の繊維塊11が不織布13から脱落することを防止することができる。
厚み方向における繊維塊11の偏りを確認するためには、X線CTを用いることができる。具体的には、測定対象の繊維塊11の部分を含む不織布について、不織布の一方の面から、他方の面が撮影されるようにX線CT(例えば、株式会社ビームセンス社製FLEX-M863)により撮影する。撮影によって得られた画像を用いて、同一不織布内の10点の繊維塊11について確認することで、繊維塊11の偏りを判断できる。なお、撮影後のサンプル中の繊維塊11は、後述するカヤステインQによる染色方法を利用することによって、コットン繊維の繊維塊11であるかどうかを確認することができる。
不織布は、一般的には10〜60g/cm2の範囲の坪量を有することが好ましい。不織布の厚みは好ましくは0.5〜5.0mm、より好ましくは0.8〜3.5mmである。不織布の厚さは、測定圧3g/cm2、直径10mmの測定端子を有する厚み計(株式会社 尾崎製作所社製 Peacockダイヤルシックネスゲージ)を用いて測定することができる。具体的には、対象の不織布の異なる10点の厚みを測定し、その平均値から「厚さ」を得る。
上記厚みを有する不織布において、合成繊維に対するコットン繊維の重量比率を25%より小さくすることが好ましい。この条件で、厚み方向における不織布の中央に繊維塊11を偏って設けることで、製造工程中及び製品使用中におけるコットン繊維の脱落をより抑制することが可能となる。
合成繊維に対するコットン繊維の重量比率は、以下の方法により算出することができる。まず、不織布から単位面積(例えば、5cm×5cm)の試験片を取り出す。この試験片からコットン繊維を取り出し、取り出したコットン繊維の重量を測定する。これにより、合成繊維に対するコットン繊維の重量比率を算出することができる。
また、試験片からコットン繊維を取り出す際に、合成繊維とコットン繊維との違いを判別する必要がある。不織布中の繊維が、コットン繊維からなるか合成繊維からなるかということは以下の方法により確認することができる。まず、試験片と同量のカヤステインQ(日本化薬株式会社製)を秤量し、カヤステインQの100倍の重量のイオン交換水(60〜70度)で溶解する。この溶液を加熱し、溶液が沸騰する直前に、中性洗剤で洗浄した試験片を溶液内に投入する。その後、溶液を5分間煮沸した後、試験片を速やかに水洗・乾燥した。この時点で、繊維塊は、繊維の種別に応じた色に染色される。その後、カヤステインQの各種繊維への色相を元に繊維塊の鑑別を行うことができる。
図3では、単層の不織布の断面が示されている。この代わりに、不織布は、複数層から構成されていてもよい(図4参照)。図4は、2層構造の不織布の断面を示している。このような不織布の場合、合成繊維12とコットン繊維10との混合繊維を形成する際に、第3段のカーディング装置106は不要である。これにより、コットン繊維10の繊維塊11は混合繊維の一面に偏って配置される。このような不織布を2枚互いに貼り合わせることで、図4に示すような2層の不織布を形成することができる。このような不織布を貼り合わせる際に、コットン繊維10の繊維塊11が2層構造の不織布の中央(厚み方向Tの中央)に偏って配置されるようにすることが好ましい。これにより、コットン繊維10の脱落を防止することができる。
図3及び図4に示すように、繊維塊11の周りに、繊維塊11及び合成繊維12の密度よりも小さい密度を有する領域15が形成されていることが好ましい。コットン繊維10の繊維塊11のまわりに密度の小さい部分を作ることで、不織布の曲げや摩擦による外部からの力や、製造工程中におけるシート搬送時における繊維塊11にかかる負荷を低減することができ、繊維塊11の脱落およびコットン繊維周りのシートのケバ立ちを防止できる。
また、コットン繊維10からなる繊維塊11が水分を吸収したとき、繊維塊11は膨張する。このとき、繊維塊11のまわりには密度の小さい領域が存在するため、繊維塊11は、まわりから強く圧迫されることなく、膨張することができる。したがって、繊維塊11は、より効果的に水分を吸収することができる。これにより、コットン繊維10による保湿効果を十分に発揮することができる。
不織布に含まれるコットン繊維10は、合成繊維12の平均繊維長よりも短い平均繊維長を有し、及び/又は合成繊維12の繊度よりも細い繊度を有することが好ましい。合成繊維12の平均繊維長を長くし、及び/又は合成繊維12の繊度を太くすることで、不織布全体の強度を向上させることができ、製造中及び使用中における繊維のケバ立ちを抑制することができる。一方、コットン繊維10の平均繊維長を短くし、及び/又はコットン繊維10の繊度を細くすることで、合成繊維12同士の熱融着点を減少させ、不織布として適度な柔軟性を実現できる。
「平均繊維長」は、JIS L 1015:2010の附属書Aの「A7.1 繊維長の測定」の「A7.1.1 A法(標準法)目盛りが付いたガラス板上で個々の繊維の長さを測定する方法」に従って測定される平均繊維長とする。なお、上記方法は、1981年に発行されたISO 6989に相当する試験方法にあたる。
図5は、一実施形態に係る吸収性物品1の平面図である。図6は、図5とは反対側から見た吸収性物品1の平面図である。吸収性物品1は、長手方向L及び幅方向Wを有する。長手方向Lは、着用者の前側(腹側)から後側(背側)に延びる方向、又は着用者の後側から前側に延びる方向である。幅方向Wは、長手方向Lと直交する方向である。以下、使用時に着用者の肌に面する側を、「肌面側」と呼ぶことがある。また、使用時に着用者の肌とは反対に向けられる側を、「非肌面側」と呼ぶことがある。
吸収性物品1は、表面シート3と、裏面シート4と、吸収体7と、を有する。吸収体7は、表面シート3と裏面シート4の間に設けられている。表面シート3は、液透過性のシートから構成されていてよい。
裏面シート4と吸収体7との間には、液不透過性の防漏シート5が設けられていてよい。防漏シート5は、少なくとも吸収体7を覆っている。裏面シート4は、防漏シート5を覆っており、防漏シート5よりも外側まで延びている。裏面シート4のうち、防漏シート5と重複していない領域は、幅方向Wにおける両外側で、長手方向Lの前側端部から後側端部まで延びている。なお、図6において、裏面シート4のうち、防漏シート5と重複していない領域が、斜線によって示されている。
表面シート3及び裏面シート4は不織布から構成される。この不織布は、前述した方法によって製造されたものであってよい。すなわち、この不織布は、合成繊維とコットン繊維を含む。
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、
例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
例えば、上記実施形態では、スルーエアー方式の加熱室を用いて不織布を製造する方法を示した。これに代えて、混合繊維から不織布を製造するために他の公知の任意の方法を採用することができる。

Claims (6)

  1. 合成繊維及びコットン繊維を含む不織布であって、
    前記不織布全体の重量に対する前記コットン繊維の重量の比は、50%未満であり、
    0.3mm未満の繊維長を有する前記コットン繊維の数は、0.3mm以上の繊維長を有する繊維の数の1%以下である、不織布。
  2. 前記コットン繊維は、前記不織布内で複数の繊維塊を形成している、請求項1に記載の不織布。
  3. 前記複数の繊維塊は、前記不織布の厚み方向において、前記不織布の中央部に偏って設けられている、請求項1又は2に記載の不織布。
  4. 前記合成繊維は、2.0dtex未満の繊維を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の不織布。
  5. 前記コットン繊維が、オーガニックコットン繊維である、請求項1から4のいずれか1項に記載の不織布。
  6. 前記コットン繊維は、前記合成繊維の平均繊維長よりも短い平均繊維長を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の不織布。
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CN110396764A (zh) * 2019-07-22 2019-11-01 福建恒安集团有限公司 一种含不完全脱脂纯棉无纺布的卫生用品的制备方法

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CN110396764A (zh) * 2019-07-22 2019-11-01 福建恒安集团有限公司 一种含不完全脱脂纯棉无纺布的卫生用品的制备方法

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